約 1,042,354 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/408.html
なのは「さあ、このポタラをつけて!それしかあいつに勝てる方法はないの!!」 フェイト「く・・・右耳だったわね!こんなギリギリで・・・!!」 なのは「そうそう、この合体は二度と解けないから!!」 フェイト「な・・・こんなギリギリで言うなんて・・・これでいいでしょ!!」 なのは「ありがとう、フェイトちゃん・・・」 カッ!!! ナノト「なのはとフェイトが合体してナノトってとこかしら・・・そして、こいつがスーパーナノト!!」 敵「それが・・・・どうした!!」 ボコスカッバキィッ!! ナノト「ふふふ・・・あたしに出させてよ、本気を・・・」 単発総合目次へ DB系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/37001.html
無双海聖ミルガデス・弁慶 VR 光/水/自然文明 (5) NEOクリーチャー アース・ドラゴン/ポセイディア・ドラゴン/アポロニア・ドラゴン/サムライ 5500 ■NEO進化 自分の光、水、または自然のクリーチャー1体の上に置いてもよい。 ■ジャストダイバー ■侍流ジェネレート ■このクリーチャーが出た時、自分のマナゾーンにあるクロスギアを4枚までアンタップする。 ■このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりにこのクリーチャーにクロスされているクロスギアを1枚、タップしてマナゾーンに置いてもよい。 作者:ベルモット 【企画】急募!クロスギア強化案の参加カードで、光/水/自然文明のNEOクリーチャー。 侍流ジェネレートとcipでのマナ回復を合わせれば、踏み倒したクロスギアをすぐにクロスし、NEO進化とジャストダイバーですぐに攻めることができる。 更に《維新の超人》と似た除去耐性も持っており、粘り強く戦える。 《蒼き団長 ドギラゴン剣》等のファイナル革命持ちクリーチャーすべてに革命チェンジできる。 関連 【企画】急募!クロスギア強化案 《竜装 ミルディアン・レガリア》 + ... カードリスト:ベルモット 評価・完成度 選択肢 投票 ★★★★★ (0) ★★★★☆ (0) ★★★☆☆ (0) ★★☆☆☆ (0) ★☆☆☆☆ (0) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/33412.html
魔黒海郷 ミック・B・クロス P 火/水/闇 (8) 16000 進化クリーチャー ゴースト/ムートピア 墓地呪文進化GV:火・水または闇の呪文3枚を墓地から選び、その上に置く。 ■このクリーチャーはブロックされない。■T・ブレイカー ■メテオバーン このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にある呪文を好きな数、コストを支払わずに唱えてもよい。唱えた後、自分の山札の1番下に置く。 墓地の呪文から進化し、アタックトリガーでその下の呪文を唱えることができる。進化元的に火・闇・水の呪文しか使えないが、コスト指定無しで3発発射できる。それだけ唱えれば勝負は決められるだろうが、呪文メタや墓地リセットには注意。踏み倒し呪文を唱える際は唱える呪文と踏み倒したいクリーチャーと配分が難しい。3色なのもあってデッキ構築には相当頭を捻る必要がある玄人向けカード。後から気づいたけどMRCGSの弱体化とはなんだったのか ムートピアに進化冠詞が無い為多種族冠詞の「海郷」で代用している。 関連カード 《不夜城艦 クランヴィア》 《「魔力」の極 ダークマター》 《甲型龍程式 キリコ3》 カードリスト greninja フレーバーテキスト 「あの場所」で待っている・・・魔黒海郷 ミック・B・クロス 名前 コメント 余談 あのカードと同じくとあるキャラクターをデュエマ風にアレンジしたカードである。能力は何も関係ないが、火文明を持っているがゴースト/ムートピアという種族で、火の種族を持っていないあたりに元キャラクターの要素がある。
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/15160.html
式神ヤカーン C 自然文明 (6) クリーチャー:ワンダー・トリック 3000 ■S・トリガー ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、バトルゾーンにあるカードを1枚選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。そのカード以下のコストを持つ、カードタイプが異なるカードを1枚、持ち主のマナゾーンからバトルゾーンに出す。 作者:切札初那 この能力によってクリーチャーをマナゾーンに置いた後、進化クリーチャーを出すことはできない。その逆も然り。 通常の呪文や城など、バトルゾーンに出せないカードも当然出すことはできない。 「バトルゾーンに出す」と書いてあるため、クリーチャーの「召喚」、クロスギアの「ジェネレート」、バトルゾーンに出せる呪文の「唱える」といった効果を使うことはできない。 フレーバーテキスト 超獣を魔導具に変えて見せましょう。3,2,1・・・ハイッ! ――式神ヤカーン 収録 NDM-07 「冒険編 ステージ2 ドラフの森」 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/33676.html
超銀河刃(ギャラクシーカリバー) LEGEND(レジェンド) 超銀河刃 LEGEND P 火文明 (5) クロスギア:サムライ ■クロスギア ■このクロスギアをコストを支払ってジェネレートした時、コスト7以下の、進化ではないドラゴンまたはサムライを1体、自分の手札から出してもよい。 ■このクロスギアをコストを支払わずにジェネレートした時、このカードを自分のクリーチャー1体にコストを支払わずにクロスしてもよい。 ■これをクロスしたクリーチャーのパワーは2倍になり、アンタップされているクリーチャーを攻撃でき、「スピードアタッカー」と「パワード・ブレイカー」を得る。 作者:SCA6 サムライクロニクルデッキの発売を祈っての1枚。 「なにがなんでもクロスギアは環境に進出してほしくない」という公式の鋼の意思を感じる(THE ENDのスペックを見ながら) 基本的に置物は活躍しにくいというデュエマの原則に基づいてクロスギアのスペックを拡張・再解釈した1枚。 自陣が芳しくない時はクロス先踏み倒しからの盤面拡張。侍流ジェネレートで踏み倒した時はさっさとクロスして攻撃に参加したいわけだから無料クロス、と戦況に応じた効果の使い分けが可能。 5コストという重量級クロスギアでありながら極めてフレキシブルな活躍が期待できる。 文明の縛りはないので、7コスト以下のドラゴンすべてを射程に収めたドラゴンズ・サインとして扱うのもアリ。 総じてクロスギアにあるまじきカードパワーを誇り、呪文メタが効かない踏み倒しカードとして使われるのが専らになるだろう。 関連カード 《超銀河剣 THE FINAL》 《超銀河弾 HELL》 《超銀河槍 THE END》 《ドラゴンズ・サイン》 収録 DMBD-×× 「クロニクル・戦国武闘・デッキ サムライ剣劇譚」 評価 選択肢 投票 面白い、かっこいい (0) ひねりが足りない (0) 調整が必要 (0) 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3707.html
マクロスなのは 第23話『ガジェットⅡ型改』←この前の話 『マクロスなのは』第24話 『教導』 前半 『アルトくん!!』 『アルト隊長!!』 遠方にて支援狙撃を続ける2人の呼びかけがあるまでもなく、敵から意識を離していなかったアルトはガウォークで急降下して現域を離脱。直後ガジェット部隊5機よりロックオン、ミサイルが放たれた。 ロール降下したため天井を下界に向けるアルトは真下に顔を向けると、むこう側に見える自らの下半身と共にヘルメット内蔵のHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)に映りこむ5個の赤いマーカーを確認。マーカーの横に表示される距離の数字が命中を表すゼロに近づかんとその数を減らしていく。 ロックオン警報の騒音の中アルトはVF-25の折っていた足を戻して推力を全開にし、ミサイルからの退避を図る。 『隊長、今落とします!』 さくらの声に遅れること数秒、バックミラーが一瞬青白い光を捉え、後方を遷移していたミサイル群をその花火の下に誘爆させた。 「サンキュー」 アラートが消えたことで追尾してきたミサイルの撃墜を確認したアルトは、インメルマンターンで高度を稼ぎつつ戦闘空域に復帰した。 そこで先ほど近くにいたはずのフェイトやヴィータが自らのフォローに入らなかった理由を知った。 当初5機だったガジェットの迎撃戦力だが、いつの間にやら目標の重点を輸送船『キリヤ』から変えたらしい。新たに10機のガジェットが戦闘能力を一時的に減衰させた天城へと攻撃を集中させており、遠方の狙撃部隊ともども彼のフォローにかかりきりだったようだ。 地上に降りられれば推進剤を使わないのでVF-1Bの復旧が早くにできるのだが、このように海上ではそれも叶わず足手まといとなるしかない。 しかし天城のしぶとさは折り紙つきなものがあるし、守るフェイト達の技量も申し分ない。過程はともかく天城が囮となることで防衛目標のキリヤから大半のガジェットを引き離せただけでもよかったと思いなおした。 (大使達の到着まであと2、3分ぐらいか・・・・・・) レーダーに映る2機の機影は自家用機だろうか?小型の機が時速600キロほどでこちらへと遷移しており、防空任務もあと少しのようだ。 アルトは切り替えに伴って前方に向き直ると、目前に迫るガジェットは5機。一番最初に迎撃行動を取った5機のようだった。 翼下に懸架された短距離MHMM(マイクロ・ハイ・マニューバ・ミサイル)のシーカーがアルトの視線によって目標をロックし、10発のMHMMをランチャーポッドから放出、空になったポッドを投棄する。 一方ガジェットも回避行動に入る前にMHMMを放ち、都合15発もの飢えた狂犬が迫る。 それに対抗してVF-25に搭載されしアクティブ・ステルス・システムがミサイルを含む敵のレーダーすべてにハッキング。そうして情報を書き換えることで追尾システムに混乱を起こさせて命中させないようにするのだ。しかし当然それのみでは狡猾な狂犬を騙しきることはできない。 散らされず生き残った10発近いミサイル群にヘッドオンしたVF-25は命中寸前に機体上面のスラスターを全開。機体全面を下降させるようにしてそれらを素通りさせると、反転したそれらから逃げるように上昇をかけてミサイルたちを束ねる。そこで推力偏向ノズルを数瞬左に振ったかと思うと、頭(機体前部)を支点に重い尻(機体後部)を機体上面から見て反時計回りに振り上げて180度横テールスライドした。 前方を向いたまま固定されたガンポッドの眼前には並んだ忠実な犬達。ガンポッドはそれらに餌をやるように青白く光る魔力弾をばらまき、食いついたいけない犬を魔力爆発の中に葬った。 最後まで獲物を追い続けた飼い主に忠信な犬は自らの腹の中に眠る近接信管を作動。その役目をVF-25へのダメージとして果たした。 爆発とGとで揺さぶられる機内で転換装甲とPPBSの制御をしつつ敵編隊と肉薄していく。 その中こちらのミサイルが命中して1機の機動が乱れる。 「捉えた!」 急加速に続いてガンポッドの弾丸を浴びせようとしたが、他4機が立ちふさがるようにミサイルを10発ほど斉射して友軍を援護した。 アルトは反射でスラストレバーをフルリバースすると、機体は足を前に振り出して急制動する。そこで直接追ってこないように牽制としてガンポッドを掃射しつつ、反転退避をかけた。 「しかしなんで連中がいきなり連携を・・・・・・AIをゴーストのにでも変えやがったのか?」 反転から加速へと続いた急激なGにあえぎながら呟く。図らずしも真理を突いたアルトだったが、次の瞬間鳴り響いたロックオンアラートによって吹き飛んだ。 アラートと同時に多目的ディスプレイには「64以上のレーダーロックを受けているため、アクティブステルスシステムの性能低下」を警告する表示が付く。元の世界では数の多いバジュラやゼントラーディの大編隊との少数機での遭遇、キロメートル級戦闘艦の一斉ミサイル発射などでしか点くような場面のない表示だ。そうでもなければたった1機に対して64以上もの個体からそれほどの時間差もなしに一斉に照準が行われるものではない。 レーダーには後方と左右から多数のミサイルが迫っていることを示しており、追っていた5機だけでなく左右の他編隊(キリヤを攻撃し続けていた編隊とフェイト達と戦っている編隊)のガジェットもミサイルを一斉に撃ってこちらを本気で落としに来たようだった。 先の表示が付いた場合、チャフにフレアに装備の全投棄による囮など遮二無二(しゃにむに)なって逃げるもしくは友軍の連携をもって全力で迎撃するのがセオリーであり、唯一に近い生存方法である。 しかし現状、そのどちらの選択肢も取れないアルトは第3の選択肢に賭ける他なかった。 「メサイア、FASTパック装備!いくぞ!」 『Yes sir.』 機体の胴体部が青白い光に包まれ、それも収まらぬうちに側面スラスターを全開にして鋭くターン。遠心力で振り払われるように弾き飛ばした魔力が、青白く煌めきながら空中に拡散していく。 VF-25は出現させた4つの大型ブースターから膨大な粒子の尾を引きながら後方だった敵(つまり当初の5機)へと最加速させ、左右から迫っていたミサイルを後ろに付けつつ直進する。機体の各所にあるチャフ・フレアディスペンサーからはありったけのチャフとフレアがばら撒かれ、推進排気の粒子の魔力光を乱反射して妖しく瞬く。 そしてついに前方からのミサイルに接敵。アルトの操縦に従ってVF-25の推力偏向ノズルが、各種空力制御板が、FASTパックの推進ノズルがこれ以上ないほど正確に制御されて、まるで機体を木の葉のように舞わせる。その舞いごとにヘッドオンした前方のミサイルがVF-25をギリギリで素通りしていく。 しかしアルトの神業的操縦技術があろうと、ミサイルとしてはそんな簡単には避けさせてくれない。 ガジェットのミサイルはベルカ式カートリッジシステムの大容量カートリッジ弾を少し大きくした程度で、バルキリーのMHMMより遥かに小さい。しかし技術が先行しているのか、はたまたロストロギアの恩恵かMHMMに匹敵する速度と威力を持っていた。 最接近に合わせてミサイルは近接信管を発動させて、VF-25をその魔力爆発の奔流で呑みこもうとする。 しかしここはアルトの度胸が勝った。 FASTパック装備による迷いのない正面接触はミサイルが想定していた相対速度を上回らせ、VF-25が爆圧に挟まれるような致命的な位置からほんの少し後方にズレたのだ。 アルトは魔力爆発のあおりをフィードバックして暴れる先進型デジタルFBL(フライ・バイ・ライト<コンピュータを介した飛行制御システムの一種>)の操縦桿を抑え込み、直進飛行を継続しようとする。 鳴り響く2重奏のアラート。 ロックオンアラートに交じって新たに鳴り始めたアラートに多目的ディスプレイを睨むと「SPS-25S/MF25(FASTパック)に深刻なダメージ」とあり、機体を上から見た簡易図の右舷側FASTパックが真っ赤に染まっていた。 一度出してしまったら2度目は当分できない虎の子の装備だったが、迷う間もなくそれをパージした。 バックミラーに一瞬映った右舷側FASTパックは機関部より煙を吐いていたが、後方より追ってきたミサイルと接触して爆発。それからは誘爆に次ぐ誘爆により、無数のミサイルと引き換えにその原形を失って行った。 時間にして10秒に満たぬ切り札の活躍に惜しい思いが駆け巡るが、かの切り札が残してくれた意志はしっかりとこのVF-25に残っている。 それは形としては莫大な推進力によって得た運動エネルギーに過ぎないが、いついかなる時でもそれは空戦では大切なものだった。 「射程まであと少し・・・・・・!」 宇宙空間なら弾頭の到達時間が多少伸びるだけで大して気にもしないが、重力と空気抵抗のあるここではガンポッドの実体弾の有効射程は3000メートル。敵が転換装甲であるなら実質1000メートルがいいところか。 接近を阻止する様に放たれる弾幕に機体を焼かれながらも、ついにターゲットレティクルが敵へと収束して赤くなる。 ロック、レンジイン! 「喰らえ!」 ガンポッドから毎分300発という速度で58mm高初速徹甲弾が放たれ、至近であればバルキリーの転換装甲をも5、6発で貫徹する運動エネルギー弾は直撃した2機を紙屑のように引き裂いてその構成部品を大気中にまき散らした。 直後アルトはスラストレバーを引き起こして45度に傾けると、フットペダルを蹴りこんだ。 この操作によって機体はガウォークに可変して空中を滑る。眼前には撃墜は免れたが、被弾して動きの鈍ったガジェット。このまますれ違ってしまえばみすみす転換装甲の復旧時間をやるようなものだ。VF-25は前進する慣性力をそのままにガウォークの立体機動によって敵を追い詰め、その手に掴んだ。 バルキリーにとって掌の大きさ程度のガジェットの感触をEXギアのフィードバックによって認知したアルトは、バトロイドへと可変し残った2機のうち近かった方へと投擲した。投げられて制御不能に陥ったガジェットがきりもみしながらその1機に向かっていく。 アルトはそれが直撃して2機とも撃墜する1石2鳥を確信するが、それは1発のミサイルによって防がれた。 その視線は魔力爆発によってあっという間に空中分解したガジェットを見送るが、内心驚愕していた。 「あいつら、味方を助けるために味方を撃ちやがった・・・・・・」 あのミサイルは間違いなくガジェットのもの。しかも通常はIFF(敵味方識別装置)でも積んでいるのか間違って追尾しないし、当たってもミサイル自体の破損以外で誤爆しているところは見たことが無い。 となると意図的としか考えられないが、こんな非情だが友軍の意図的な破壊すら勘定に入れた戦い方ができるのは人間か、あるいは第25未確認世界の最新型AI、それもゴーストクラスのAIだけだった。 ―――――『眼と眼があった瞬間』とはこのことだろうか? アルトはヘルメットのHMDに映り込んでいた観測機器を外装したそのガジェットに視線を向けると、なぜかそう感じた。 対人戦では幾度か感じたことがあるが、機械に対してそんな事を思うとは。しかし彼の鋭敏な感性は明白にその無機質な飛翔体から意思を、一般人に分かるようカテゴライズすればエースパイロットが発する殺気に近い何かを感じていた。 そのガジェットは撃ち尽くしたらしいミサイルポッドを棄てて降下してくる。 反射的にバトロイドのガンポッドで迎撃するが、スラスターを機体対G性能の限界まで使って回避運動するそれには全く当たらない。そうかと思えば衝突警報が真横の死角からの攻撃を感知。どうやら先ほど救われた1機らしい。アルトはこれをファイターに可変することでかわしたが、ミサイルもとうに底をつき、機体にもダメージが蓄積されているこの状況で2対1ともなれば必然的に不利にならざるを得なかった。 (*) 「派手にやってるじゃない」 ようやく視認できるようになり、機体の高性能カメラで管理局の部隊と同業者か知らないがガジェットとか言う機械を使う勢力が戦う様を眺める。 キリヤによれば管理局の護衛を受けているという。どうも政府に潜り込ませたこちら側の工作員が気を効かせて自分達を他世界から来た密使ということに仕立て上げ、管理局を味方に付けたようだった。 『どうします姉(あね)さん?こいつは武装なんてしてませんし、とっととずらかりましょうぜ!』 裏ルートで手に入れたVF-1C(民間用デチューン仕様)に乗る手下が呼びかけてくる。 「まぁ、あんたはとっととキリヤの格納庫に入りな」 『わかりました。・・・・・・あれ?でも、姉さんは―――――まさか!?』 「あん?決まってるじゃないかい。あたしら次元海賊「暁」を襲ったやつらにお灸を据えてやるのさ」 舌舐めずりと同時に彼女は左手に握っていたスラストレバーを押し出し、EXギアとかいうバリアジャケットから機体に嘗てクラスSと言われて持て囃された自分の魔力を供給。MM(マイクロ・マジカル)リアクター(小型魔力炉)から増幅して出力した青白い粒子をノズルから噴射した。 『ちょっ、姉さん!』 「うっさいね、ちょっとは楽しませなさいよ!」 機体は民間機であるためMMリアクターを積んでいないVF-1Cに合わせていた出力からミリタリーパワーとなって、戦闘空域へと先行していった。 (*) 彼女の乗るVF-11の試作機YF-11Aはキリヤ上空を占拠していたガジェット7機に対して、搭載されていたミサイルポッドのMHMMをすべて斉射。32発にも及ぶ弾幕は1機につき4発以上という大盤振る舞いであったため、いかがミサイル妨害装備を搭載したガジェットと言えど分が悪すぎる。 7機のうちキリヤ攻撃のアプローチに入っていて逃げ遅れた3機がその身を海洋汚染の材料とし、残りの機体も一時退避を決め込んでキリヤ上空から離脱していった。 (無人機のくせに損失が怖いと見える・・・・・・) よほど高価なものなのだろう。と彼女は思う。 次元海賊と言えど武装その他は供給元に頼っているため、それらを研究開発、さらには量産すら自前でやってのけるスカリエッティ勢にとってはあれらが捨て駒でしかないことはわからなかった。 あの退避もゴリ押しせずに態勢を立て直してからの攻撃を選んで試験機体を出来るだけ多く残したかっただけで、他意はなかった。 しかし彼らはすぐにキリヤへと戻って来ることは叶わなかった。後方に置いてきたVFー1Cに寄り添う様に管理局の魔導士1人とバルキリー1機が輸送船『キリヤ』までやって来て、砲撃で敵を散らし始めたのだ。どうやら先ほどまで中距離で火力支援をしていた部隊のようだった。 そこへ開いていた回線から通信が入り、ホロディスプレイが立ち上がった。 『この空域での作戦行動を任されている時空管理局機動六課の八神はやて二等陸佐です。大使の護衛機とお見受けしますが、確認のため機載のIFF(敵味方識別信号)の起動、もしくは貴官の所属を述べてください』 開いた画面の中で、佐官にしては若い小娘が淀みなく告げる。 調べた限り現在武装したバルキリーは例外なく管理局の所属であるはずなのでこの質問は道理だったのだが、もちろん応えられるわけなかった。 しかし答えあぐねていたところで、あちらに1本の連絡が入った事で追及が止まった。 『―――――え、なんやて?内閣府から?至急で?すみません、ちょっと失礼します・・・・・・』 音声がミュートになったのか相手の声が聞こえなくなる。この場で管理局とガジェット達の両方を相手取って戦うのは勘弁と思っていた彼女としては、願ってもないだろうチャンスを無駄には出来ないとVFー1Cに秘匿回線を開いて 「今のうちにキリヤに乗り込むんだよ」 と指示した。 キリヤの上部ハッチが開閉し、VFー1をその腹の中に収めて行く。甲板上部に開いた搬入口は1つしかないので、自分はまだ乗れそうになかった。 一方画面の向こう側では声は聞こえぬが相当白熱しているようだ。確かはやてと言ったか、その小娘が怒りもあらわに通信相手に怒鳴っている。 唇を読もうとしたが、「武器輸出を容認する~」まで読んだところで気づかれて映像回線も保留にされてしまった。 時間が過ぎて行く――――― 変わらない「少々お待ちください」との文字と、MTT(ミッドチルダ電信電話株式会社)のロゴを映し出した画面を見つめていても仕方ないと周囲に視線を投げる。 今キリヤ上空には3人の魔導士と1機のVFー1Bが旋回しつつ敵を近づけぬよう防衛線を張り、狙撃仕様らしいVFー11はVFー25の援護を近距離にて行っていた。 狙撃仕様で近距離戦闘とはこれいかに?と思ったが、VFー25とガジェットは互いの高機動ゆえに至近距離で戦闘を行っていて、遠距離狙撃など出来なかったようだった。 (あんな重そうなライフル持ってるのに、いい動きするじゃない) その動きは自分が知っているような狙撃屋(スナイパー)の動きではなかった。 ある時はファイターで間合いを詰めたかと思うと、敵の攻撃をガウォークの立体機動力とバトロイドの耐弾性で無力化する。そして追い詰めた敵を一撃必殺の青白く輝く砲弾で貫き大海原に沈めていく。 重い獲物であるライフルはうまく機体の推力で打ち消すことで、その質量を感じさせなかった。 これこそなのはがさくらに教え、アルトの指導の下バルキリー用に昇華させた近・中距離機動砲撃戦術の一端であった。 そんな戦闘を眺めていると、キリヤから通信が入る。VF-1の収容が完了したので、このVF-11も収容してとっとと逃げようという要旨だった。 「わかった。ここに残る道理もないし、とっととずらかろうかい!」 答えるとともにキリヤの甲板にガウォークの機体を下ろすと、格納可能なファイター形態に可変して翼をしまい込む。その間にも搬入口からノーズギア(機首の車輪)を引っ張る形式の牽引車がやってきて、慣れない機体のそれとのドッキング作業に躍起になっていた。。 上空の管理局部隊は武装したバルキリーを他国の民間船に乗せようとしていることで戸惑っているようだったが、ガジェットのキリヤに対する攻撃も未だ止ま無いこともあってか別段行動までは起こそうとはしなかった。 「何してんだい早くするんだよ!」 キャノピーをあけて手下どもに怒声で発破をかけるが、その解答は想定外のものだった。 「規格が合いません!!」 「はぁ!?わざわざ管理局の規格に合わせたもの持ってきておきながらそんなことないでしょうが!!さっきのVF-1だって―――――」 「あれには合ってたんですが、これとは違ったんです!!」 彼は言うなり艦の修理に使う溶接具を持ちだしてきた同僚たちと、ノーズギアを簡易溶接で繋ぎ始めた。 彼女達は知らなかったが、持っていきたYF-11Aはその型番が示すようにVF-11の試作機としては最初期型。そのためこれは技術開発研究所製だ。 その頃オーバーテクノロジーの全容を測りかねていた管理局の技術者たちはアルトの講釈で「何でもないように見える構造にも、オーバーテクノロジーではなんらかの意味がある場合がある」と言われ、その立証試験機としてもこのYF-11Aをノーズギアなども含めてすべて第25未確認世界の設計図通りに作ったのだ。 これのおかげでオーバーテクノロジーに対する理解の向上と、エンジンの大出力化などVFの改良に大きく貢献していたという。 そんな理由のおかげで第25未確認世界の規格だったそれを彼らは簡易溶接で無理やり牽引車に繋げると、搬入口に引っ張り始めた。 ・・・・・・しかし少し間に合わなかったようだった。 開いていたホロディスプレイに光が戻り、先ほどの小娘、八神はやてを映し出す。 反射的に身構えた自分にはやてが告げる。 『ご安心ください。これは秘匿回線です。我々以外は聞いていません。・・・・・・あなたはハルピン・ギャビロフ特務一佐ですね?失礼しました。機動六課一同は貴官の任務の成功をお祈りしております。以上、交信終了』 「え・・・・・・?」 突然本名を言われたかと思えば、謝られてさらに敬礼までされて送りだされてしまった。てっきり偽装がばれて袋叩きに会うものだと思っていたのでまったくの寝耳に水の対応に逆に戸惑う。 確かに自分には時空管理局での従軍経験がある。調べればそのギャビロフなる人物は第三一管理世界出身で最終階級は三等海佐だったとわかるだろう。しかしもう10年も前の話だし、当時艦長をしていた本局のML級強襲巡航次元航行艦『カトリーヌ』ごと謀反を起こして次元海賊「カトリーヌ」を立ち上げてしまっていた。 (確かあの事件は、事故での喪失扱いで決着したって聞いたわね・・・・・・) はやてがこちらの本名を知っているところから察するに、その接点を利用してか内閣府に潜っている工作員が上手いこと話をでっち上げたのだろう。 (さすが先代、こんな工作員を送り込むなんて優秀ね・・・・・・私はあの人を越えなきゃいけないのか・・・・・・) 次元宇宙に主義も主張も違うが、数多ある次元海賊の中で自分の所だけが唯一管理局のミッドチルダ中枢に工作員を擁している。 それは自分が立ち上げた次元海賊「カトリーヌ」を吸収した次元海賊「暁」の首領であった彼がその類稀なる才覚を持って潜り込ませた人員だった。 そして今回の作戦のキモとなった輸送船『キリヤ』もその先代が盗み出してきたものだった。 (ほんと、敵わないわね・・・・・・) 搬入ハッチ閉鎖。そして手下たちが機体を床にロープで固定すると、輸送船『キリヤ』は深く静かに次元航行へと移って行った。 (*) 次元海賊の輸送船『キリヤ』を取り逃がしたが、ここまでの本来の目的は改良型の試験。作戦は成功だ。 しかしそれは〝彼〟にとって、望んだ経過とは違っていた。 (「管理局め・・・・・・出てきたら落とさない程度に返り打ちにしてやろうと思っていたが、侮れないな・・・・・・特にVF-25のパイロットは・・・・・・」) あれだけのミサイルを叩き込んでおきながら撃墜することかなわず、結局喪失した友軍の半数以上が奴の手に掛かけられて落ちていたのだ。 (「本来なら管理局に目標を変更するところだが『ここからは僚機のガジェットは本来のAIに任せて、管理局との戦闘による撃墜の試験データを収集せよ』とは酷な命令をしてくれる・・・・・・!」) せっかく生き延びさせた24機の内の9機。そのうちほとんどを見捨てなければならないのだ。 (「仲間意識か・・・・・・」) それぞれのAIの修正は自分で行った。それは自分以外の24機すべてを遠隔管理するのは不可能なため、命令に従うようにしたり、自分のデータをもとにチャフ・フレアを使った攻撃の回避方法の知識をインプットするだけの作業だ。 しかしそれは人間でいうと新兵に訓練を叩き込む教官のような作業だった。 全機が試作機だったことからスラスターの位置が試行錯誤のためバラバラに配置されていたりと、画一化されていなかった。このことからある程度それぞれの機に思い入れができてしまっていたのだ。 もっとも「ユダ・システム」である自分も創造主、スカリエッティから自我を持つよう改良されなければこんなことは考えなかったはずだった。 まだ生まれて間もない彼は250ミリ秒間、自分が第25未確認世界で活躍する兄弟達のように完全な戦闘マシーンとして生まれ出ることができなかったことを悔やむ。そして自分のような存在は作るのには手間がかかりすぎて現実的でなく、こうすることによって正規のAIが改良されて生存率が上がるのは喜ばしいことと思いなおした。 キリヤを守っていた敵部隊が徐々に活発な活動を再開し、支援砲撃も始まった。 ガンガン被弾する友軍機。 彼には口はないが舌打ちすると、友軍1機を伴ってホログラムで光学迷彩を展開。撤退しながらの試験データ収集を開始した。 (*) 『ライトニング1、2機目を撃墜。さくらちゃん、援護ありがとう』 『いえ。次、左下方です』 『了解!』 キリヤの戦域脱出によってガジェット側にとって消化試合になったのか、特に目的意識もないように見えるⅡ型改の撃墜は極めて順調に推移していた。 そんな中で1人、早乙女アルトはあることを不審に思っていた。 (おかしいな・・・・・・2機足りないぞ?) その内1機はあの気を感じた観測機器を外装した機体だった。 (もう落としたのか・・・・・・?) しかし以外な形でその2機は見つかった。 『こちら『ホークアイ』。そこから10キロの地点に転送魔法陣、8キロ地点には迷彩を解除したらしいガジェットを2機確認。空域から逃げるつもりらしい』 成層圏から撮った2機の高解像度写真が表示される。そこには彼が最も警戒する観測機器が外装された機体が混じっていた。 「ッ!?アイツ、逃がさん!!」 言うが早いかスラストレバーを全開。煌めく尾を引く流星となったVF-25は2機に瞬時に追いつくと、普通のガジェットの方へと攻撃を加える。 ガンポッドの曳光弾が赤い線となって目標に伸びていく。 しかしこちらはあの機体の制御下なのか、他の置いてきた8機と違ってその動きは鋭かった。 ガンポッドの火線を左右にブレイクしてかわしたかと思うと、オーバーシュートしたこちらに2方向から同時にミサイルを発射。ミサイルに挟まれる形になったVF-25はその場にチャフ、フレアを撒きつつ右ロールして上昇をかける。とどのつまり右下降旋回するVF-25はその軌道を継続しながらバトロイドに可変、足の噴射を操って身を翻す。 目前には各種欺瞞装置に騙されなかったミサイル群。人の形となったVF-25の2本の腕に保持されたガンポッドがそれらをしっかりと捉えていた。 「ディバイン、バスター!!」 熱血マンガよろしく技名を叫んで射出された青白い魔力砲撃は、防備ゼロの小型軽量ミサイルを薙ぎ払い、その向こう側にいたガジェット1機をも巻き込んだ。 魔力砲撃とは言えクラスSに増幅されていたそれはガジェットの転換装甲をも貫き、機体を焼き尽くした。 「あとはお前だけだ!」 バトロイドからファイターに可変する過程で機首を敵へと向け、突入した。 この勝負受けるかと思いきや、敵は急降下。海面へと落ちていく。 「ちっ!」 操縦桿を倒して無理やりスピリットSを実行する。刃物のような鋭角の軌道を描いて反転したVF-25は海面へとまっしぐらのガジェットの後ろにつき、実体弾の雨を見舞う。が、次の瞬間にはその視界から消えていた。 スラスターによってコブラ機動に突入。一気に速度を落とし、こちらを前に放り出した結果だった。 しかしこちらも指をくわえているわけがない。海面すれすれでガウォークへと可変したVF-25は水上をターンしながら右腕1本で保持したガンポッドを薙ぐように撃ち放つ。 高度20メートル程度の低空を遷移するガジェットはそれをロール機動で回避して見せると、1キロ先まで迫った転送魔法陣への再加速を図った。アルトもそれに続いてファイターに可変しつつスラストレバーを跳ね上げる。 加速する両機は白い音速の壁を突き破ると、一転上昇をかけてシザースと呼ばれるDNAのような螺旋機動をしながら互いの後ろを取ろうする。 そこで再びアルトはガジェットを見失う。スラスターを使った姑息な予測軌道ずらしだったので見失った時間は1秒に満たなかったはずだが、後方を取った敵がこちらを照準するには十分な時間だった。 ミサイル警報。数は6発。 VF-25は推力偏向ノズルを上に蹴り上げて胴体を下げ、機首を上向きに。そのまま進行方向と逆に機首を持っていくと、同時進行で生成していた機体周囲の魔力球10個が活性化する。 「当たれ!」 視線ロックで敵ミサイルをロックオンしたハイマニューバ誘導弾が、デバイス「メサイア」の誘導に従ってそれらとの正面衝突を果たした。 ミサイルを持たぬこちらがまさか正面から迎撃するとは思っていなかったのだろう。ガジェットが勢い込んでミサイルの後追いにやってきて、ミサイルに当たらなかったハイマニューバ誘導弾を2発ほど受け止めながらVF-25の脇を通り抜けて行った。 即座に反転。そこにはガジェットの無防備な背中があった。 照準。ファイア――――― ガンポッドからそれが撃たれる前にガジェットが魔力爆発に包まれた。 (*) 彼は満身創痍になった体と、損傷によってブラックアウトした機能を復旧、もしくは再起動していく。 攻撃の直前でミサイルの自爆による目くらましをした甲斐あって、ハイマニューバ誘導弾と自爆のミサイル分の被害ですんでいた。被害は破片がユダシステムにも関連する部分まで抉るなど決して軽くないが、それでもVF-25の58mm弾を受けるよりはましだっただろう。 壊れかけた後部カメラには、こちらを見つけなおしたVF-25が向かってきているのが見えた。 損傷の衝撃で混乱する彼はそれを焼き付けるように記憶しながら開いていた転送魔法陣に突入、空域からなんとか脱した。 (*) 10分近く空域を警戒飛行した迎撃部隊だが、増援の様子はなかったため来たときと同様の手順で撤退を開始した。 (*) 帰還途上 「これより滑走路へのアプローチに入る。ランディング予定は5分後」 『了解アルト一尉。―――――時間も時間なので、静かにお願いしますよ』 「わかってるよ」 ささやき声で補足するロングアーチスタッフ、ルキノ・リリエ通信士にうんざりしながらも応える。もともと自分は六課所属。周辺住民が騒音に対してどれほどうるさいのか身に染みていた。 いままで魔導士という無音の存在が当たり前であったため、昨今の特に軍用であるバルキリーの騒音は彼らにとって未知との遭遇に近い心理的ショックを与えていたのだ。 しかしこれほどの質量を持つものを音速以上で飛ばそうというのだから、やむを得ぬ対価であることもまた事実であった。 ともかくアルトはスラストレバーを必要推力ギリギリに設定すると、先ほどから聞きたかった事柄を問い詰めることにした。 「所でロングアーチ、あの輸送船はどこに向かったんだ?というよりなぜ武装したVF-11が民間船に?」 アルトの問いに対して、ルキノでなくはやてが応える。 『あの船の動向については管理局法第32条E項において機密とします。いくらアルトくんでも教えられん』 「第32条のE項?」 聞きなれない条項に視線が泳ぎ、バックミラーに映る優秀な同僚に収束する。 「えっと・・・・・・第32条が「機密」についての条文で、E項は確か「機密に当たる作戦行動」・・・・・・だったかな?」 『さすがフェイトちゃん。アルトくん、ともかくこれは管理局の作戦行動やから、心配せんでも大丈夫やで』 「おまえがそこまで言うならいいんだが・・・・・・」 そこへはやて達と一緒に指揮所で缶詰めになっていると思っていたロングアーチスタッフであるシャーリーが扉から現れる。しかし――――― 『どうしたのシャーリー?』 誰が見てもその挙動不審に気づけたようだ。VFー11Gに乗るなのはが問う。 「えっと・・・・・・皆さんが戻って来てから伝えます・・・・・・」 そう言い残してそそくさと指揮所を後にした。 「なんだ?」 『う~ん・・・・・・はやてちゃんは何のことかわかる?』 「さぁ、どうなんかなぁ~」 どうやら知ってはいても教えてくれる気はないようだ。個人的なことだろうか? その場でアルト達には何だろうと顔を見合わせることしか出来なかった。 シレンヤ氏 後半へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3708.html
マクロスなのは 第24話『教導』 前半←この前の話 『マクロスなのは』第24話 後半 (*) 10分後 「え~!? ダメだよシャーリー、人の過去勝手にばらしちゃあ!」 六課に帰還してすぐ伝えられた事実に思わずその言葉が口をついて出た。 なんでもティアナ達に教導の意味を教えるために自分の撃墜の話をしてしまったのだと言う。 「ダメだぜ、口の軽い女はよぅ」 バルキリーから降りて何事かと見に来ていたアルトが愚痴る。普段の彼のセリフとは思えなかったが、なぜだが違和感はなかった。 「あの・・・・・・その・・・・・・見てられなくて・・・」 シャーリーは頭を下げるが事態はそんな簡単ではない。自分の撃墜に関わる情報は管理局内では未だに『TOP SECERT(最高機密)』であり、違反すれば問答無用で軍法会議になりかねない。 それも機密に関わることなので完全非公開で行われ、どうなるか全くわからない。 だがなのはは、この中に告発するような者はいない事を知っていた。 なぜならこれが機密である事を知っているのはフェイトとヴィータ、そして自分だけだったからだ。 アルトやさくらも─────いや、教導の卒業者には〝教訓〟として話していたし、完全無欠に無関係な天城君は 「(ドラマの)続きはどうなった!」 と叫んで既に宿舎に飛び込んでいた。 (もう・・・・・・) ため息をつくと、頭を下げて両手を合わす困りものの友人に再び目をやった。 (仕方ない。言うのが少し早くなっちゃっただけかな) 思いなおした彼女はシャーリーからティアナの居場所を聞き出すと、義務付けられている報告を済ましてそこに向かった。 (*) 機動六課敷地内 桟橋 ティアナはこの場所が好きだった。 夜風に吹かれながら明るい月と対称的な暗い海とを眺め、この真夏に涼しげな波音を聞けるこの場所が。 普段は訓練が終了して2,3分ほどゆっくりしていく場所だったが、ここへ来てもう20分。まるで不思議な魔法がかかったようにその場を動けずにいた。 早く強くなりたいと思っていた。だけど、間違ってるって叱られて、隣を走る相棒にも迷惑かけて悲しい思いをさせた。 これらの出来事は彼女を深く落ち込ませた。 (それに、私は結局・・・・・・) (*) 「ティア・・・・・・」 彼女から『独りにして』と言われていたスバルだが、遠く離れた茂みに隠れてエリオ、キャロと共に彼女を見守っていた。 そこに数人の闖入者が現れた。 「アルト先輩?」 スバルの疑問形の呼び掛けに、彼は無声音とジェスチャーで 「よ!」 と挨拶する。その後ろでもさくら、そしてシャーリーが 「こんばんは」 と会釈した。 どうしたのか聞こうとしたスバルだが、ティアナの声が聞こえてきたため中断された。 『なのは・・・・・・さん?』 振り向いたティアナの視線の先を追うと、軽く手を後に組んだなのはの後ろ姿があった。 (*) なのははそのまま自らの隣に座り込み、涼しむように、明るい月が暗い海に沈んでいく幻想的な風景を眺める。 そんな沈黙が10分ほど・・・いや20秒ぐらいの事だったかもしれない。ともかく、その沈黙に堪えられなくなって口を開く。 「・・・あの、シャーリーさんやシグナム副隊長にいろいろ聞きました。」 「〝なのはさん〟の失敗の記録?」 「え・・・・・・」 てっきり「なんの話?」と聞かれると思っていたティアナは少し狼狽する。 「あ、いえ、そうじゃなくて─────」 ティアナは自らの思考力が上手く回っていない事を改めて実感した。なのは達が帰投してからそれなりに時間が経過しているのだから、シャーリーでもシグナムでも聞く機会があったはずだ。 そんな簡単なことすら失念していたことにティアナはすこし可笑しくなった。 「無茶すると危ないんだよって話だよね」 なのはの確認に、ティアナの頭ではさっきの話がフラッシュバックする。 普通の、魔法すら知らなかった9歳の女の子が、魔法をその手にしてすぐに死闘を繰り返した。 少女はその後も自分の信念と守りたいもののために「早く強くなろう」として命懸けの無茶をし続け、遂には撃墜され、瀕死の重傷を負ったという話。 その少女が目の前にいるなのはであると聞かされたティアナの解答は、1つしかなかった。 「すみませんでした・・・・・・」 なのははそんなティアナに頷き1つを返した。 (*) 「じゃあわかってくれたところで聞くけど、ティアナは自分の射撃魔法をどうして信じないの?」 「それは・・・・・・兄を最後の最後で守りきれなかった魔法だから・・・・・・」 ティアナと彼女の兄ディーダ・ランスターの射撃魔法は少し特殊で、通常の半分以下の大きさの魔力球(魔力弾)を使用する。これは誰も使えないから特殊というわけではなく、練る魔力量が少ないため6~8歳の子供が普通の魔力球の練習のために使う。 つまり、リンカーコアがあるものなら誰でもできるという事だ。 しかしほとんどの場合で真っ直ぐにしか飛ばず、誘導性能や機動力など汎用性に優れた通常の魔力球には到底及ばないため使われないのだ。 しかしディーダはこれを究めることによってそれを練習用から実戦レベルにまで引き上げた。 練る魔力量が少ないということはそれだけ早く生成でき、小さいということは空気による減殺が少なくなり、より遠距離に届く。 また、真っ直ぐにしか飛ばないというのは最高クラスの信頼性の象徴であり、なのはの砲撃ですら反動で多少のブレが出る。つまり戦場の原則である『敵より早く、敵より遠くから、敵より正確に狙い撃つことができる』そんな技だった。 事実彼の技術は陸士部隊の目に止まり、装備改編前に負担の大きい魔力砲撃に代わる主力攻撃方法となっていた。 閑話休題 「そっか・・・・・・でも模擬戦でさ、自分で受けてみて気づかなかった?」 なのはの問いかけの意味が分からず首を捻る。 「ティアナの射撃魔法って、ちゃんと使えばあんなに早く撃てて、当たると危な いんだよ」 「あ・・・・・・」 「私は今まで一度もティアナとは撃ち合ったことはないでしょ?だって正面から早打ち勝負したら絶対ティアナの方が早くて正確に当たるから。だから、そんな一番いいところをないがしろにしてほしくなかったんだ。・・・・・・まぁ、でもティアナの考えたこと、間違ってはいないんだよね」 なのはは言うと、隣に置かれていたティアナのデバイス『クロスミラージュ』を手に取る。 「システムリミッター、テストモードリリース。高町なのは一等空尉。承認コード、NCC-1701A」 『OK,release time 60 seconds.(承認。解除時間60秒。)』 解除を見届けたなのははデバイスを起動状態にし、ティアナに渡す。 「命令してみて。〝モード2〟って」 ティアナはそれを受け取ると、おそるおそる指示を出す。 「モード・・・・・・2」 直後銃全体がオレンジ色に瞬いたと思うと 『Set up.dagger mode.』 という復唱と共に変形していく。 フロント・サイト(照星)の付いたマガジンを兼ねるグリップと、ピストルグリップ辺りで折れ・・・いや、折れていた物を引き起こしたというほうが正しい。 ともかく、引き起こされて真っ直ぐになった銃身は、ピストルグリップの下から魔力刃で覆うようにして銃口までつながる。 そして最後に銃口から、自らが作戦時無理やり作った魔力刃より大きなそれが、まるで短剣のように伸びた。 「これ・・・・・・」 自らの相棒の変貌に目を白黒させるティアナになのはは説明する。 「ティアナは執務官志望だもんね。ここを出て、執務官を目指すようになったらどうしても個人戦が多くなるだろうし、将来を考えて用意はしてたんだ」 ティアナは規定の60秒が経ったのか元に戻ったクロスミラージュを握りながら涙する。そんな彼女になのはは続けた。 「クロス(近距離)はもう少ししたら教えようと思ってた。でも出撃は今すぐにでもあるかも知れないでしょう?だからもう使いこなせてる武器と魔法をもっと確実なものにしてあげたかった。だから1つの技術を身につける事が目的のさくらちゃんとは違ってゆっくりやってたんだけど・・・・・・ゆっくりって地味だから、あんまり成果が出てないように感じて、苦しかったんだよね。・・・ごめんね。」 「ごめん・・・・・・なさい・・・・・・こんなに私のために準備してくれてたのに・・・・・・私、なのはさんの期待に応えられなかったみたいで・・・・・・」 「・・・・・・え?どうしてその結論!?」 「だって2発目の砲撃、なのはさん、結構本気で私を落としにかかったじゃないですか!」 「ああ、それは・・・・・・」 なのはにとって触れたくなかった、できれば触れずに行きたかったこの事柄。しかし残念なことにティアナはその事実に気付いていたのだ。 もし彼女が事前に彼と接触せずにこの場面に遭遇してしまっていたら、バレまいと思って彼にしたときとまったく同じ嘘をついて煙に巻こうとしただろう。 (なんてバカだったんだろ・・・・・・私・・・・・・) この分では自分の教える優秀な生徒達の前では、彼にしたような嘘を見破るなど児戯にも等しきものだったようだ。 だからなのははそれを教えてくれ、さらには受け止めてくれた彼に改めて感謝した。 「ごめん!実は・・・・・・あれは私のせいなの!」 なのははすべてを話した。 彼女自身から湧きあがった黒い考え、そしてそれに至った理由を。 ティアナはこの告知を少し驚いた様子だったが静かに聞き入り、最後にはどこか嬉しそうな表情へと変わっていた。 こうなると納得出来ないのはなのはの方だ。自分は最悪の場合ティアナ自身の魔導士生命に終止符すら打ちかねない行為を教官の身の上で行ったのだ。批難される事こそあっても、その様な表情を浮かべられる場面では無いはずだっだ。 「落ち着いてるんだね」 「はい。だって、私の前にそれを怒ってくれた人がいるみたいでしたから」 「それってーーーーー!?」 「私、宿舎の屋上から見たんです。なのはさんとアルト先輩が言い争ってるのを。・・・・・・先輩すごいですよね、あんなに離れてたのにちょくちょく何を言ってるのか聞こえるって」 「・・・・・・」 「その時は断片的過ぎて先輩がどうしてあんなに怒ってたのかよくわからなかったんですけど、やっとわかりました。たぶんですけど、アルト先輩に嘘をついたんですよね?」 ティアナにどこまで聞かれていたかわからない以上、嘘を重ねても仕方ない。なのはは正直に頷く。 「でも、今話してくれた話は本当の方だった。だからちょっとびっくりしましたけど、なのはさんがちゃんと私と向き合ってくれてるってわかったらうれしくって」 その顔にウソはない。その事実になのはは安堵したが、彼女のセリフはまだ終わっていなかった。 「・・・・・・でも、やっぱりちょっと強引だと思います。不発だったからよかったですが、もし撃ってたら私、ここにいられませんでした」 こちらの心情は察してくれたが、さすがにティアナもあの砲撃を無条件に看過することはできなかったようだ。 そこでなのははひそかに温めていたできれば切りたくなかった打開策のカードを使うことにした。 「ごめんね・・・・・・・それで考えたんだけど、ティアナ言ってたよね?さくらちゃんみたいな教導をしてほしいって。もしティアナが望むなら明日からでもできるけど、どうする?でも私は・・・・・・あー、もちろんティアナ達全員をどこに出しても恥ずかしくないエース級のAランク魔導士にしてみせるよ!だけど私ね、あなた達には―――――!」 「いいですよ、このままの教導で」 ティアナは言うと、座り込んでいたポートから立ちあがって清々しそうな表情で大きく伸びをする。 「本当言うと私、なのはさんに煙たがられてる、手を抜かれてるって思ってたんです。でも、全然そんなことなくて・・・・・・。だからもう、そのことはいいんです。それに今の様子だと、この教導には普通とは違う秘密があるみたいですし」 「にははは・・・・・・」 危うく言いそうになったが、立場上はにかみ笑いで応える。しかし内心切り札のカードの無力化に焦っていた。 「(これ以上私がティアナにしてあげられることなんて・・・・・・)」 「そこで私から一つだけお願い、聞いてもらっていいですか?」 「なに・・・・・・かな?」 脳裏を最悪の可能性が過る。 小さきは自らの職権の乱用、果ては犯罪まで。ティアナがそんなこと願うわけないと思ってはいても、彼女の魔導士生命を奪うかもしれなかった対価としてはそれも止むをえぬとも思えてしまっていた。 だからティアナの次の言葉を聞いた時、なのはは心底安心したという。 「もう一度、模擬戦を受けさせてください!」 なのはは自らの生徒の純真さと安心感に万感の思いをもって頷き、それに応えた。地平線の先に見えていた月は軌道の影響で沈まず、新たに登ったもう1つの月とともにクラナガン湾を照らしていた。 (*) スバルには2人の会話は聞こえなかったが、どうやら和解できたようなのでそっと胸を撫で下ろした。 そんな彼女の肩が〝とん〟と叩かれる。振り返るとさくらが〝昨日と同じジェスチャー〟をしていた。 その意味を即座に理解したスバルは頷くと、ここにいたギャラリーと共にその場から撤退した。 (*) なのは達が戻ってきたのは10分後だ。2人はロビーに入るなり驚く。 「よぅ、遅かったじゃねぇか」 婉曲語法で2人を迎えたヴィータの手には数枚のトランプが握られている。 また彼女だけでなく、シグナムやシャーリー、アルト、さくらにフォワードの3人と総勢8人が1つの机を囲んで同じようにトランプを握っていた。 「・・・みんなどうしたの?」 しかしなのはの問いはアルトの宣言でかき消された。 「いざ、革命!」 放られる1枚のジョーカーに3枚のファイブ。しかし上には上・・・・・・いや、下には下がいた。勝ち誇った顔をするアルトの前に4枚のスリーが放られたのだ。 驚愕するアルトに放った主が厳かに告げる。 「勝ちを急ぎすぎたな大富豪よ」 シグナムは微笑を浮かべると8切りして4を投げると1抜けした。 盛者必衰。アルトは一気に都を追われることになった。 悔しげに項垂れるアルトと大富豪に興じる人々。なのはとティアナは石像を続けていると、背後の入り口の扉が開いた。 「お、やっとるやっとる~」 現れたのは何か箱を持ったはやてとフェイトだった。箱には〝ビンゴ抽選機〟とある。 「いったい何事なの?」 なのはのその問いに、はやては笑顔で答える。 「さくらちゃん発案のビンゴ大会や。・・・・・・おーい!みんなこっから1枚とってな」 はやての呼び掛けに大富豪に興じていた人々がわらわら集まって来て、ビンゴカードの束から1枚ずつ引き抜いていく。 「さぁ、ティアナさんもなのはさんもどうぞ」 空気から取り残されていた2人もさくらに招き入れられ、和やかな、そして楽しげな人々の輪の中に入っていった。 (*) そのビンゴ大会はひどく白熱した。賞品として先着3名にゲームに参加した者なら一度だけ言うことを聞かせられる〝王様カード〟なるはやて特製の手作りテレカが手に入るためであろう。 途中ロビーに来た天城が司会進行を申し出たり、ヴィータがビンゴ抽選機(取っ手を回して番号のついたボールを出す機械)を盛大回して誤ってぶちまけるハプニングがあったりと波乱を巻き起こした。 しかし誰の顔からも笑顔は片時も消えず、階級などない学校のレクレーションのように和気あいあいと進行した。 そしていろいろあって何度か振り出しに戻り、3枚目になってしまったビンゴカード。おかげでまだ勝利条件であるトリプルビンゴに到達した者はいなかった。 「─────54番!さぁ、誰かいませんかぁ!」 天城がハイテンションで転がり出た球の番号を読み上げる。それに1人の少女がニヤリと微笑んだ。 「ふ、みんな済まねぇな。トリプルビンゴだぜぇ!」 ヴィータが雄叫びと共にカードを持った右手を突き上げた。 そして天城から王様カードを受け取ると、〝ビシッ〟とアルトを指差した。 アルトは自らの一列も埋まっていないカードを見て覚悟を決める。 そしてヴィータは王様カードをどこぞの長者番組の紋所のように彼にかざすと、高らかに宣言した。 「早乙女アルト!私と明日勝負しろ!」 極めてヴィータらしい命令にアルトはため息をつく。今や彼の方が上官なので拒否権がないことはなかったが、余程と言える断る理由が思いつかなかったようだ。 「仰せのままに・・・・・・」 体の演技こそ王妃に従えるナイトのようであったが、不服そうに答えたという。 (*) その後また振り出しに戻るなど激闘が20分ほど続いてようやく残りの2枚の行き先が決定した。 それはどういう因果かティアナとアルトであったが、2人ともすぐには権利を行使せず、夜も遅かったのでそのまま解散する事になった。 (*) 次の日 スターズ分隊の再模擬戦は、引き分けに終わったライトニング分隊の後に行われた。 2人の機動は訓練通りだが、クロスシフトAからBや、BからAの変更の流れは滑らかで、なのはをずいぶん手こずらせたという。 そして───── (*) スバルの連続攻撃とティアナの間断ない誘導弾の攻撃を受け、白いワルキューレは遂に地上に引きずり下ろされた。 しかし地に足を着いた彼女の砲撃力はそれでも強力であり、高度の優位に立ったスバルでも近づけなかった。 だがそんな彼女の前に虚空からティアナが現れた。 この間合い、シールド展開は間に合わない。まさに一騎打ちの早撃ちの距離だ。 どうやら早撃ちなら勝てるという助言に忠実に従ったらしい。 だが───── (甘い!) なのはは魔法の起動の邪魔になるレイジングハートを右手に持ちかえると、利き手である左手の人差し指をティアナに向ける。 「クロスファイヤー、シュート!」 放たれる小型魔力弾。確かにティアナの射撃魔法は優秀だが、その魔法を模倣できないわけではない。 なのはとの勝負においては単純な魔法の起動時間の勝負ではないのだ。 (惜しかったけど残念だったね) なのはは勝利を確信した。しかしここは地上。つまりティアナのフィールドだった。 魔力弾はティアナを貫通して、そのまま彼女ごと消えた。 「フェイク(幻影)!?」 続いてレイジングハートが右から飛翔してきた魔力弾によって弾かれ、地面に転がった。 「え!?」 そちらを見ると、砲撃用魔法陣を展開したティアナがいた。 そう、何もかも罠だったのだ。 わざと目の前に出現して助言に従った一騎打ちが狙いであるようにアピールして見せたのも、なのはが砲撃を行わずいつもの癖でレイジングハートを持ちかえる(デバイスにプログラムされていない魔法を本体経由で使おうとすると、無駄に処理しようとして発動が少し遅れるため)のも、全てティアナの狙い通りだったのだ。 あたかも助言に従った演技をすることによって、本来レイジングハートによって飛行魔法などの面において優越するがゆえに、選択肢が多いはずのなのはの選択肢を完全に奪い取る老獪な罠。 なのはは急いでレイジングハートに駆け寄るが間に合わない! 結果として右手のビルの2階から放たれたオレンジ色した魔力砲撃が、無防備の彼女を直撃した。 (*) 「やったぁ!」 ティアナがビルから出てくると、彼女を迎えたスバルにハイタッチした。 なのはは晴れていく煙の中から姿を現すと、そんな2人に笑いかけた。 「うん。文句のつけようがないくらいいい戦いぶりだったよ。それに一撃どころか撃墜されちゃうとはね」 教官の面目丸つぶれだよ~と彼女は嬉しそうに苦笑すると、遠くで観戦するライトニングの2人に集合の合図を放った。 (*) 「みんなお疲れ様。今日は午前までで訓練は終わりだけど、定期模擬戦のレポートを書いて今日の18時までに提出してね」 「「はい!」」 4人は今回引き分けか勝ちだったので気分は良さそうだ。いつもの訓練終了時と違って覇気があった。 「あと、解散前に私から渡すものがあります」 『何だろう?』という顔をする4人の前に、昨日渡すはずだった4冊の冊子を取り出した。 「今日は訓練開始から6カ月の節目の月だからね。これまでやってきた訓練の要点とかアドバイスとかをまとめてあります。暇な時でいいから目を通してね」 「「はーい!」」 4人はそれを受け取ると、互いに目配せしながら指示もないのに整列した。 「え?・・・・・・みんなどうしたの?」 ティアナが代表するように応える。 「実は私達、昨日話し合って、なのはさんに伝えたいと思ってた事があるんです」 なのはからすると全く意表をついたものであり、何を言われるか少し心配したが、先を促す。 すると4人は声を揃えて合唱した。 「「半年間ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」」 それはまるで小学生のようなお礼の言葉だったが、心がこもっているためノー・プロブレム。 なのはは最上級の笑顔で 「こちらこそ」 と応えた。 この時、なのはは照れ笑いする自らの教え子達を見て誓ったという。 『この子たちは絶対私の手でどんな状況でもあきらめずに打破できるような一流のストライカーにして見せる。他の生徒のように短期ではできなかったけど、この子たちなら絶対大丈夫。だから何があっても、誰が来ても、この子達は落とさせない。私の目が届く間はもちろん、いつか一人で、それぞれの空を飛ぶようになっても』と。 (*) さて、昼頃から始まったアルトvsヴィータの模擬戦だが、一進一退の攻防をみせた。 そのため我慢出来なくなったさくらとフェイトが、続いて天城とシグナムが参戦する大演習となった。 勝敗についてはまた機会があれば記述したいと思う。 その2週間後、サジタリウス小隊の出張任務は解かれ、別れを惜しみつつフロンティア航空基地に帰投した。 ―――――――――― 次回予告 アルト達が第一管理世界に来てからここまでで半年が経っていた こんなにも長い間、第25未確認世界は指をくわえて一体なにをやっていたのか!? 次回マクロスなのは第25話「先遣隊」 想い人を奪われた少女の思いが炸裂する―――――! ―――――――――― シレンヤ氏
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/1378.html
登録日:2009/06/07(日) 19 06 16 更新日:2024/06/10 Mon 14 51 59 所要時間:約 11 分で読めます ▽タグ一覧 08年春アニメ 2008年 25周年 F MBS ROBOT魂 TBS アタシの歌を聴けー!! アニメ アニメ版三作目 キラッ☆ スパロボ スパロボ参戦作 パチスロ パチンコ化 フロンティア マクロス マクロスF 三角関係 劇中劇 新人声優のデビュー作が主役 星雲賞 歌を聴くアニメ 落合博満監督公認 マクロスF(フロンティア)はアニメ作品・マクロスシリーズの作品の1つ。 2008年4月から全25話にわたってTVアニメとして放送され、映画化もされた。 TVシリーズとしては1994年のマクロス7以来、実に14年ぶり。 シリーズ25周年記念作品ということもあり、放送前から大々的な歌姫オーディションが行われるなど、プロモーションにもかなり力が入っていた。 その甲斐あって放送当初から大きな反響を呼び、当時の深夜アニメのDVD・BD売上記録を更新するなど、歴代シリーズでもかなりのヒット作となった。 その後も根強い人気を維持し、2019年にNHKで行われた『全マクロス大投票』では作品部門で見事1位を獲得。現在ではシリーズを代表するタイトルの1つとして名高い。 また従来男性ファンが多かったマクロスシリーズに、多くの女性ファンを呼び込んだ作品でもある。 また本作は『原点回帰』『集大成』が大きなテーマ。 シリーズ三大要素である歌、三角関係、可変戦闘機による戦闘を中心に据えつつ、歴代シリーズ、とくに初代のセルフオマージュが多数含まれており、シリーズの入門にも最適である。 後に『虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜』と『恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』の前後編からなる劇場版が公開。 初代の『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』と同様、続編ではなくTV版の再構成から始まるが、次第に異なる展開へと突入する。 こちらもTV版と同様、もしくはそれ以上に評価が高く、初見の人はこちらから見てもいいだろう。 そしてシリーズ始動から13年が経過した2021年、『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』との同時上映で、『サヨナラノツバサ』の後日談(*1)を描く短編映画『劇場短編マクロスF~時の迷宮~』が公開された。 また同年、2010年以来11年ぶりとなるマクロスF単独ライブが開催された。 【ストーリー】 新天地を目指し宇宙を旅するフロンティア船団。 ある日、フロンティアは宇宙規模の超人気アイドル『銀河の妖精』ことシェリル・ノームがやってくるという事で沸き立っていた。 『美星学園』のパイロットコースに所属する少年、早乙女アルトは、友人と共にシェリルのコンサートでパフォーマンスを行う事になっていた。 会場までの道中、アルトは道に迷った少女、ランカと出会い、彼女を案内することに。 そして始まったシェリルのコンサート。 だが、その最中、船団に突如正体不明の宇宙生物が襲いかかってきた。 圧倒的な戦闘力を持つその宇宙生物は船団内部まで侵入し…… この日から、フロンティアは未曾有の危機に晒される事になったのである―― 【登場人物】 ◆早乙女アルト CV.中村悠一 16歳(初登場時点) 美星学園高等部航宙科パイロット養成コース所属の少年。女性と間違われるほどの美形で一部からは『(アルト)姫』と呼ばれる。 が、本人は快く思っていない。 由緒正しい歌舞伎の家の跡取りで、パイロットコースに転科する前は芸能コースにいた。 「いつから本物の空を飛びたい」という夢を叶えるためにパイロットを目指したため、実家からは勘当同然の状態である。 現在でも『銀河歌舞伎の天才おやま(女形)』として、芸能界ではかなりの有名人。 彼が歌姫シェリル・ノーム、そのシェリルに憧れる少女ランカ・リーという2人の少女と出会ったところから、銀河の命運を揺るがすストーリーが始まる。 役者としてもパイロットとしても類稀な腕前。 ◆シェリル・ノーム CV.遠藤綾 歌.May n 17歳(公称) 三角関係を形成するヒロインの1人。 「この宇宙に住んでいて、彼女の歌を聴かない日はない」とまで言われるトップスター。 グラマラスなボディを大胆に見せつけ、クールかつ挑発的なパフォーマンスで人々を魅了する。従来のシリーズにはいなかったタイプのアイドル像が描かれている。 通称『銀河の妖精』。 仕事には高いプライドを持ち、いかなる状況でも常に全力で挑むプロの中のプロ。 高飛車でやや傲慢だが、次第にツンデレ化するギャップ萌えの権化。 彼女のコンサートでアルトがスタントを担当したことをキッカケに、2人の仲が接近して行く。 ◆ランカ・リー CV.中島愛 15歳(初登場時点) 三角関係を形成するヒロインの1人。 元は歌うことが好きな引っ込み思案な少女だったが、シェリルやアルトとの出会いを通して『みんなに歌を届けたい』という夢を固め、歌手を目指すように。 シェリルとはあらゆる面が対照的に描かれている。 シェリルが最初から大スターとして登場するのに対し、ランカは「シェリルに憧れる平凡な少女」からスター街道を駆け上がるサクセスストーリーが描かれる。 『クールでセクシーなディーヴァ』であるシェリルに対し、ランカは少女性が前面に押し出され、ある種の『未完成さ』も併せ持つ正統派アイドルの系譜。 通称『超時空シンデレラ』 ゼントラーディとのクォーターで、緑の髪が子犬の耳のように自在に動く。 PTSDに起因する解離性健忘により、幼少期の記憶はほとんど持っていない模様。 (U^ω^)アルトくぅーん ◆ミハエル・ブラン CV.神谷浩史 アルトと同じパイロットコースの学生で、民間軍事組織『S.M.S』に所属している本物のパイロット。親しい友人からの愛称はミシェル。 スカル小隊『スカル2』のコールサインを持ち、役割はスナイパー。 メガネをかけているが、普通のメガネとは逆に良すぎる視力を抑えるための物である。 女好きのナンパ野郎で、魅力的な女性には声をかけずにいられない性分。 同じくS.M.Sのクラン・クランからは好意を寄せられているが、あまりにもはぐらかすので視聴者をやきもきさせる。 ◆ルカ・アンジェローニ CV.福山潤 有名企業の御曹司であり、ミシェルと同じくパイロットコースとS.M.S所属。 コールサイン『スカル3』役割は情報管制。情報系のインテリながら、パイロットとしても凄腕の部類。 飛び級のため年齢はアルト達より下で、アルトとミシェルを「先輩」と呼ぶ。 一見キューピットの様に愛らしいが、説明が好きな性格のため言い寄る女性はいない。 ナナセに惚れている模様。 ◆松浦ナナセ CV.桑島法子 ランカの大親友の少女。 美星学園芸術科に所属しており、高い画力を持つ。 ルカの好意に全く気付かない上、ランカに対して百合の気があり、どこか神聖視しているようにも見える。 巨乳・メガネ・桑島さんと三種の神器が揃っている。 残念ながら劇場版ではモブ程度にしか登場しない。 ◆クラン・クラン CV.豊口めぐみ S.M.S所属のゼントラーディの女性。階級は大尉。 元はグラマラスで小隊を率いる勇ましい女性だが、曰く「遺伝子が不器用」なため、マイクローン化すると幼女になってしまう。幼女になると性格まで幼くなる。 幼なじみのミシェルに密かに恋心を寄せているが、はっきり言えないでいる。主人公属性が強すぎるために出番が遅らされた逸話を持つ ◆オズマ・リー CV.小西克幸 S.M.S所属の少佐でスカル小隊隊長『スカル1』。かなりの凄腕パイロットであり、重武装のアーマードを軽々扱う。 ランカの血が繋がっていない兄で、超シスコン。彼にとってアルトは直属の部下であると同時に妹の想い人でもあるため、何かと複雑な思いを抱えることに。 マクロス7『ファイヤーボンバー』の大ファン。愛車はランチア・デルタHFインテグラーレエボルツィオーネ。 ちなみにマクロスプラスのイサムと同じく『YF-24 エボリューション』のテストパイロット経験者。 また、小説版ではマクロスVF-X2の主人公にして特殊部隊『VF-Xレイヴンズ』の隊長“エンジェルエース”ことエイジス・フォッカーの後輩ということになっている。 ◆キャサリン・グラス CV.小林沙苗 新統合軍の参謀本部所属。 現大統領のハワード・グラスを父に持つ由緒正しいお嬢様。大学主席のインテリジェンスと、準ミス・フロンティアにも選ばれたこともある美貌を併せ持つ完璧超人。 かつてオズマと交際していたがすれ違いが続き、破局。TV版ではレオン・三島と婚約関係にある。 オズマとはお互いに未練を抱えている様子。 ◆レオン・三島 CV.杉田智和 フロンティア大統領府首席補佐官。 なにかの冗談のような独特のマッシュルームヘアーをしている。 重度のナルシストかつ野心家であり、外部の人間と通じて何らかの陰謀を進めている模様 ◆グレイス・オコナー CV.井上喜久子 シェリルのマネージャーを勤める女性。 強気なシェリルが唯一逆らえない人物でもある。 フロンティアでは違法だが、インプラントにより身体を機械化している。 時折冷徹な表情を見せるが果たして……? 【用語】 《S.M.S》 フロンティアの民間軍事組織。 練度は正規軍より遥かに高く、最新鋭機であるVF-25とマクロスクォーターを使用するフロンティア船団最強部隊。 《VF-25 メサイア》 S.M.Sで使用されているフロンティア製の最新型バルキリー。 パイロットにかかるGを一時的に亜空間に逃がし少しずつ還元して消化する事でパイロットの対G限界を大幅に高めるシステム「ISC(Inertia Store Converter/慣性蓄積コンバーター)」を搭載しているため、従来機に比べて圧倒的な高機動が実現可能になっている。 複数のタイプが存在する他、スーパーパック、アーマードパックなどの追加パーツもある。 またVFシリーズで初めてアーマードパーツを装備したまま全形態に変形可能な機体。 乗機一覧 VF-25S スカル1 VF-25G スカル2 RVF-25 スカル3 VF-25F スカル4 《マクロスクォーター》 S.M.Sの最強戦力。 本来のマクロス級の4分の一ほどのサイズながら、それゆえの高機動や全面に展開出来るピンポイントバリアなどを備え、高い戦闘力を誇る。 バルキリーと同様に3つの形態に変形可能。 《バジュラ》 本作で初めてその存在が明かされた、正体不明の宇宙生物。 高い戦闘力を有するのみでなく、脳と呼ばれる部位を持たないにもかかわらず、まるで知性体のように統制の取れた集団行動をする。 その生体やフロンティアを狙う目的は謎に包まれている。 《美星学園》 フロンティアきってのスペシャリスト養成校。校舎はSDF-1マクロスを模している。 航空科、芸能科、芸術科など様々なコースがあり、転入には実技試験が課せられるなどかなりの難関校。 屋上には一条輝カラーのVF-1バルキリーが今も飛べる状態で飾られている。 【楽曲】 OP1『トライアングラー』 坂本真綾 OP2『ライオン』 May'n、中島愛 ED1『ダイアモンド クレバス』 シェリル・ノーム starring May'n ED2『ノーザンクロス』 シェリル・ノーム starring May'n 基本的なOPとEDは上記の通りだが、特殊パターンが豊富なため、数にするとOPは3個。EDは11個に及ぶ。 歌が特別な意味をもつマクロスだけあって、楽曲への力の入れ様は凄まじい。 『本編で使用されたランカ・シェリルによるボーカル曲』だけに限定しても、実に40曲以上。現実世界でランカ・シェリルによる楽曲として発表された本編未使用曲が20曲以上ある。 インストBGMなども含めるとあまりに膨大なので、曲単位の解説は割愛。 CDも多数発売されている。 現在は全曲がサブスクで視聴可能だが、「マクロス世界で発売されたCD」という体裁になっているものも多く、ブックレットにも遊び心がたっぷり込められているので、作品を気に入った方はぜひCDを手にとってほしいところ。 アルバムを中心に一部紹介。 マクロスF O.S.T.1 娘フロ。 マクロスF O.S.T.2 娘トラ☆ インストも含めたTV版のサウンドトラック。アニメのサントラとしてはエヴァンゲリオン以来10年ぶりとなるオリコンTOP3入りを果たした。 マクロスF(フロンティア)VOCAL COLLECTION 娘たま♀ (2008年12月3日発売) ランカ・シェリルによるものを中心に、ボーカル曲を集めたコンピレーションアルバム。上記のOSTにはない曲も多数収録されている。とりあえずCDを一枚だけ手にとってみたいと言う人は、まずこれをオススメする。 ユニバーサル・バニー シェリル・ノーム starring May'n名義のミニアルバムで、全曲がシェリルによるソロボーカル曲。 劇場版前編・イツワリノウタヒメ上映に際して発売され、映画使用曲が3曲、未使用曲が5曲入っており、全曲がアルバム初収録。 CMランカ 同じくイツワリノウタヒメのサウンドトラック……? 前編ではランカはまだデビュー直後の下積み中。新曲を披露する機会がなかったため、同作EDの『そうだよ。』と、ランカの下積みシーンで使用された1分程度のCMソングが6曲収録されている。形式上はシングルCDな模様。 マクロス世界の架空企業とのタイアップソングから、ファミリーマートとのリアルタイアップまでバラエティに富んでいる。 「劇場版 マクロスF ~サヨナラノツバサ~」netabare album the end of "triangle" 劇場版後編・サヨナラノツバサのサウンドトラック。全て新曲、もしくは既存曲の新アレンジとなっている。 タイトルの『ネタバレアルバム』とは菅野よう子によるネーミングで、その名の通り先に聴くと三角関係の結末を含め、シナリオがそれとなく察せられてしまうため。 表題曲サヨナラノツバサを筆頭にあまりにも名曲揃いなので、劇場版をご覧になった方はぜひ。 cosmic cuune ランカ・シェリルほかによるクリスマスソングを集めたアルバム。サヨナラノツバサ発売の直前に発売されたが、本編では1曲も使用されていないという異色のアルバム。 特筆すべきは7曲目『Merry Christmas without You』。ボーカルとしてランカ、シェリルのみならずアルト(中村悠一)、ミシェル(神谷浩史)、クラン(豊口めぐみ)、ボビー(三宅健太)、モニカ(田中理恵)、ラム(福原香織)らが参加している非常ににぎやかな曲。 新たに作られた項目は、あまりにも不完全だった……。 それゆえに、見る者の創造心を騒がせていき……。 追記・修正お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 本当に今更ながら見始めたよ 面白いな 映画はどうかな? -- 名無しさん (2014-04-17 01 59 42) スパロボ参戦してもいつも使わずに放置してしまいがち。 -- 名無しさん (2014-04-30 14 08 35) スパロボのマクロスFは何故毎回インフィニティをはぶるんですか… -- 名無しさん (2014-04-30 15 56 42) 基本Gガンナーと超電磁兄弟の運び屋だな -- 名無しさん (2014-04-30 16 00 20) 初参戦のLか。終盤追加とは言え、MDE弾の威力が並みのガンダムの10段改造最強攻撃より強いと言うチートぶりだったなw -- 名無しさん (2014-04-30 16 05 41) 旧作ファンからはそれほどウケが良くないそうだが、マクロスって結構作風がバラエティーに富んでるからどれを言ってるのか分からない。 -- 名無しさん (2014-10-20 01 25 03) ↑逆にマクロスに関しては旧作がそんなデキいいか?とも思うけどな。基本的にどの作品もツッコミどころはそれなりにあるし。Fは初代同様劇場版で救われたな。 -- 名無しさん (2014-10-20 08 31 42) 最近はスパロボに出すぎでどうも食傷気味。好きな作品ではあるんだけど、L以降出ずっぱりでさすがに飽きる。 -- 名無しさん (2015-06-29 23 01 55) ↑ 今度出るときはさすがにΔだろうね。 -- 名無しさん (2017-07-12 23 25 57) とはいえシリーズ人気投票やると容赦なく上位に来るからなあw -- 名無しさん (2019-08-26 18 02 38) マクロス総選挙で主人公とヒロインが3人トップ10入りした唯一のシリーズ作品なんだよな。 -- 名無しさん (2019-08-26 23 38 07) PMCが正規軍に迫る(部分的には上回る)力を持っている、っていう構図はACにも通じるね。河森正治さんの世界観なんだろうか。 -- 名無しさん (2021-03-07 11 38 13) マクロスギャラクシーが一体なにに出会ったのか、結局明かされてないままだっけ -- 名無しさん (2021-08-11 15 15 11) 12年前に作られてからほとんど手が加えられてないプロトカルチャー遺跡みたいな項目だったので諸々編集した。リアル世代ファンがいい年になったのもあるんだろうけど、この作品の評価も随分変わったよねぇ。 -- 名無しさん (2021-11-17 20 45 46) 替え歌がやたら流行った作品。主題歌や挿入歌をまともに歌えなくなってしまった人も多いのでは。 -- 名無しさん (2021-11-21 10 32 38) ↑個人的には歌詞の切り取りネタも印象深い。「一瞬に砕け散るあなたが好きよ」とか -- 名無しさん (2021-11-21 10 42 28) 個人的に『マクロスシリーズ』の世界観設定の第一次星間大戦の終末ぶりを聞く度に「京劇は断絶しちまったんだぞ?!ゼントランの攻撃で継承者がみんなお亡くなりになった上演目を記した記録媒体も全部灰になってもう誰も覚えている者すらいない!これじゃ復興のしようもない!」なんて感じで第一次星間大戦で数多の伝統芸能が断絶してしまったんじゃないかと気になってしまう。よく歌舞伎残ったな……。競馬辺りも全地球生命の99%が死に至るほどの大惨禍とクローンによる復興じゃサラブレッドという品種の存続のしようがなく断絶しちゃったんじゃ…… -- 名無しさん (2024-04-25 21 45 17) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/5536.html
プロジェクトギア・ピュアセイテン R 光文明 (4) クロスギア・クリーチャー:シャイン・モンスター/オリジン 3000 ■クロスギア ■ブロッカー ■これをクロスしたクリーチャーのパワーは +3000され、「ブロッカー」を得る。 ■相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーまたはこれをクロスしたクリーチャーを選ぶことはできない。 作者:赤烏 フレーバーテキスト DMW-21 「アルケミア編IV パンデミック・スター」いけるものならならべいけぬものならねむれいのちのなきへとひびけいずれもなきへのしらべ 収録 DMW-21 「アルケミア編IV パンデミック・スター」7/55 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3306.html
マクロスなのは 第2話「襲撃」その1←この前の話 『マクロスなのは』第2話その2 (*) 30分後 アルトはガウォーク形態のVF-25を、超低空で飛行させながら郊外へと向かわせていた。 管理局の広報担当者曰く、 「例えあなた達の物でも、質量兵器を管理局本部ビルの前に置くのは体面もあり困ります。だから受け入れ先が見つかるまで、郊外の施設中隊のヘリ格納庫に移動してください」 との事であった。 また、今後VF-25は機体自体がシール(封印)されるか、武装が全て撤去されてしまうそうである。 「しかし、魔法の世界とはなぁ・・・・・・」 簡易的な検査によると、俺とランカにもクラスオーバーA相当のリンカーコアが存在することが確認されていて、この世界でも十分やっていけることがわかっていた。 (EXギアなしで空を飛べるのか・・・・・・) この青い空を風を切って飛ぶ自分の姿を想像して内心ほくそえんでいると、レーダーに映る多数の小さな機影を発見した。 そちらの方向をみると、人間ほどの大きさの全翼機、魚でいうエイのような形をした航空機がいた。数は60機ほど。それらは綺麗な編隊を組んで飛んでいた。 (管理局のゴースト(無人機)か?) そんなことを考えるうちにそれらは急降下し、レーザー様のものを撃ち始めた。 (なに・・・・・・?) 驚愕しつつもモニターで彼らの行方を追う。着弾地点はどうやら学校だ。どう見てもそこは軍事基地には見えないし、下で逃げ惑う子供は小学生程度にしか見えなかった。 そこでは警備の者が散発的な対空射撃を行っているが、当たらないのかそれらはびくともしない。 そのゴーストは後に『ガジェットⅡ型』と呼ばれる機体で、速い上にAMFとシールドを展開しているので全く歯が立たないのだ。 防衛側は徐々にそのレーザーに倒れていく。建物に当たってもなんともないところを見ると非殺傷設定のようだが、それは子供に当たれば後遺症を残すに十分だろう。なぜなら彼らはバリアジャケットと呼ばれる装甲服を着ていないからだ。その程度のことははやてやなのは達からこの世界のこととして説明されていた。 いますぐ反転して救援しに行きたい衝動にかられるが、はやて達から厳重に質量兵器(VF-25)の使用禁止命令を受けていたため、あと1歩を踏み出せずにいた。 その時、視点がそのある一点に止まった。運動場の端の小屋からみんなのいる校舎に逃げ込もうとしたのだろう。子供が1人、運動場の真ん中を走りながら横切っていた。 (バ、バカ野郎!小屋にいれば安全なのに!) もちろん思いは届かない。 また、更に悪い事に彼は転んでしまった。それに興味を持ったのか、数機のゴースト(ガジェット)達が子供へと向かい、撃ち始める。 そこに1人の警備員が校舎から駆けつけた。彼は全方位バリア(魔力障壁)を張って子供を庇う。 しかし、ゴースト達は執拗だった。何発も何発もレーザーを撃ち込む。それは無人機が行うのに殺意すら感じられる。 その猛攻は遂にバリアを破り、レーザーが子供に覆い被さった彼の身を焦がす。 その光景はかつてフロンティアを襲った第2形態のバジュラの大群が、そこを蹂躙する光景をまざまざと蘇らせた。それと同時に、恋人を守って宇宙に吸い出されていった親友であり戦友であった者の姿が、その警備員と重なった。 瞬間、彼の中で何かが切れた。 45度傾いていた左手のスラストレバー(エンジン出力調整レバー)をさらに倒して真横に。 するとガウォーク形態だったVF-25は即座にファイター形態に可変した。続いて空力特性を悪くする翼下のフォールドスピーカーをパージ、スラストレバーを押し出しA/B(アフターバーナー)を点火。後ろから蹴られたかのように一気に増速する。しかしその手はコックピット前面の多目的ディスプレイを操作し続け、全ての兵装のプロテクトを解除していく。 多目的ディスプレイに映る兵装モニターが緑色の〝SAFETY(セーフティ)〟の文字から赤い〝ARM(アクティブ)〟という文字に変化する。 そして現場への到着と同時にさっきの2人とゴーストの間をわざと飛び、フレア(赤外線誘導型ミサイル回避用の高熱源体)を数発撒き散らした。 すると、予想通り危険度の優先順位を再設定したゴースト達は、こちらを追ってきた。その数は総数の半分程度にすぎないが、2人が逃げ込むには十分な隙を与えたはずだ。バックミラーで2人の退避を横目で確認すると、一路、海を目指す。 (こんなとこに墜とせるかよ) 下は住宅地。ゴーストが墜ちたらその被害は計り知れない。また、VF-25の装備するFASTパックの追加武装であるマイクロミサイル型HMM(ハイ・マニューバ・ミサイル)は、対バジュラ用のMDE(マイクロ・ディメンション・イーター)弾頭を搭載している。 バジュラの反乱に備えて改良と生産の続くこの弾頭は1発、1発が超小型のブラックホール爆弾のようなものだ。そんなものが万が一外れて民家に当たったら・・・・・・と思うと背筋が寒くなる。 幸い海までは10キロなく、すぐに眼下は青く染まった。 「ここなら・・・・・・!」 呟くと、押し出していたスラストレバーをフルリバースして簡易ガウォーク形態(噴射ノズルのついた足を展開するだけで、腕を省略した形態)に可変して足を前に振り出し、強烈な逆噴射を行う。それによって、従来の戦闘機のエアブレーキとは比較にならない加速度で減速、さらにバックした。 対してVF-25を全力で追っていたゴースト達は当然そんな機構などなく、勢い余って通り過ぎていった。 その航跡を目で追いながらミサイルのスイッチに指をかけると、ゴースト達を流し見る。するとそれに連れてコンピューターが敵にマルチロックオンを掛けていった。そして数にして10強の敵をロックオンレティクルに収めたのを確認した。 「アタァークッ!!」 掛け声と同時に、VF-25のエア・インテーク(吸気口)上に装備されたミサイルランチャーの装甲カバーが〝ガパッ〟と開く。 それと同時に内部のHMMが飛翔していった。 音速を遥かに超える戦闘機やバジュラに対抗する為に作られたこのミサイルは、内蔵するAI(人工知能)によって回避行動をしつつ1機につき3発ずつ、着実に命中した。 炸裂と同時に30もの紫色の異空間が出現し、空間をえぐりとっていく・・・・・・ あっという間に10数機の友軍を失ったゴーストだが、学校からやってきた分隊との合流を果たすと再び向かってきた。 これにはさすがに焦った。 VF-25は単体としてミサイルを搭載していないが、ブースター以外パージしていなかったFASTパックの追加武装によって肩部に38発のマイクロミサイルを搭載している。こちらの圧倒的な力を見せて撤退に追い込もうと思って、その数の4分の3強にも上るミサイルを一斉に使う大盤振る舞いをしたのだが、相手は損害をまったく恐れていなかったようだ。 また、MDE弾頭はお世辞にも安全とは言い難い。大気圏内で空間を抉り取れば、そこにあった大気は当然消滅する。すると気流がめちゃくちゃになり飛行を妨害する。 炸裂と同時に放射される大量のフォールド波の奔流も人体に悪影響を及ぼさないという保障はない。 それらを勘案して残ったミサイルの斉射を見送ると、兵装をチェックする。 「ガンポッドとビーム機銃、あと格闘でしのぐしかないか・・・・・・」 VF-25は再加速して敵に対峙した。 (*) 5分後 残る敵の4分の1を撃破したが、ガンポッドの残弾はすずめの涙となっていた。 撃破した敵に比べて弾の消費が多いのは、ここが大気圏であるせいだった。普段無重力で、ほぼ真空である宇宙での戦闘に慣れているためその修正に多くの弾を割(さ)いてしまったのだ。 また、敵もこちらが完全無欠の質量兵器だとわかったのだろう。エネルギーを防御力に転換するアドバンスド・エネルギー転換装甲(ASWAG)にかかる負荷が先ほどから大きくなっていて、構造維持のキャパシティ確保を脅かしている。これは相手の攻撃が殺傷(物理破壊)設定になったという事だろう。 そして転換装甲にエネルギーを回したため、両エア・インテークの隣(バトロイド時は腰)に装備された2基の『マウラーROVー25改 25mm荷電粒子ビーム機銃』、2門の頭部対空レーザー砲『マウラーROVー127C 12.7mmビーム機銃』も打ち止めだ。 脚部の装甲兼用のコンフォーマルタンクに入った推進剤もこの戦闘機動を続けるには残り少ない。通常飛行なら無尽蔵に存在する空気を圧縮膨張させて推進剤にすれば十分だが、通常の推進剤を使えば推進力は空気に比べて約6割アップする。またVF-25の各所に装備された高機動スラスターを作動させるにも推進剤は必要だ。自らを数倍する敵にあたるには推進剤に頼る他に選択肢はない。 しかし、ガンポッドに残る弾同様、推進剤はほとんどなくなってしまっていた。 「おっと!」 敵の激突覚悟の特攻攻撃に、ファイター形態のまま可変ノズル基部に装備されたスラストリバーサを吹かして急減速。そのままバトロイドに可変して肩すかしを食らったゴーストに射角を調整すると、『ハワード GU-17V ガンポッド』を一斉射。装填されていた対バジュラ用58mmMDE弾で大穴を空けて撃墜した。 しかしその機動でほとんど空中に止まってしまったことにより、ゴースト達は集中砲火を浴びせようと反転してくる。だがそれを甘んじて受け入れるほど馬鹿ではない。 即座にガウォークへと可変していたVF-25はその場から滑るように急速に離れ、こちらの動きについて来れなかったらしい1機のゴーストをバトロイドに可変してマニュピレーターで鷲掴みにする。 そして真後ろからこちらを追尾してきた3機のゴーストに向き直ると、フリスビーのように投げてやった。 金属同士がぶつかり合う鈍い激突音。 3機は密集していたため即席フリスビーは見事ゴースト達の追尾を阻止していた。続いて止まったそれらをガンポッドで照準、スリーショットバースト(3点射。3発だけ連続で撃つ事)を行う。しかし58mmMDE弾の狭い炸裂範囲に4機全機を見事に巻き込んでこれを海の藻屑とした。 だがその戦果に満足することなくすぐにファイターへ可変し、位置を変えた。次の瞬間にはその場所を敵の集中砲火が覆った 周囲を警戒しつつガンポッドに残る残弾を確認。 (もう持たないな・・・・・・) さきほどのフリスビー戦法も拳やコンバットナイフを用いた肉弾戦も加速や制動の多いせいで推進剤を大量に消費する。かといってガンポッドは残り1秒ぐらい全力で斉射すれば無くなるほど弾が欠乏していた。 (残った推進剤を全部注ぎ込んで一気に戦線離脱するしかないか・・・・・・) と思い始めた時、陸の方から飛んでくるものがあった。目を凝らすと、人が音符のような杖を持ち、編隊を組んで空を飛んでいる。ようやく管理局の空戦魔導士のご登場らしい。 「ほんとに新・統合軍みたいに遅いやつらだ」 フロンティアのそれを思い出して呟く。そしてそれゆえに内心気が気でなかった。空戦魔導士部隊を擁する地上部隊は新・統合軍とは似た苦境であるという。そして統合軍はバジュラに手も足も出なかった。だからどうしても彼らが統合軍と重なって見えて、 「あいつらにゴーストが落とせるのか?」 と心配になった。 その結果はすぐ出た。 ゴーストに対して魔力ビーム(砲撃)による攻撃が行われるが、AMFによって出力を下げられ決定打にならない。そこで魔導士達は2人1組になって1機に同時に着弾させる事によって初めて撃墜することに成功した。なるほど、その技量はなかなかのものだ。しかし、いかんせん数が足りなかった。 速度もゴーストの方が速く、5~6機撃墜したあとその機動力で連携を崩され、逃げ惑うばかりになった。 「・・・・・・やっぱりか」 仕方なく虎の子のミサイル8発を、彼らの後退を援護するように全弾発射。必要なくなったミサイルランチャーをパージする。 この援護によって魔導士のほとんどが敵の追尾を逃れたが、1人だけ孤立してしまった魔導士の少女がいた。 彼女は他の魔導士のように飛ばず、足元に道を展開しつつその上を走るように移動する方法をとっていた。 また、敵を撃破するときも魔力弾や魔力ビームでなく、直接殴って撃破するという珍しい戦い方をしていた。それゆえ1人でも撃破率は高かったが、移動方法は効率が悪く、MDE弾頭の起こした気流の激変に煽られて逃げ遅れたらしい。 周囲は彼女を助けようと援護するが、彼女は周囲の敵の数に翻弄されて動けなかった。 (*) 彼女の名はスバル・ナカジマといい、今回の出撃は有志だった。なぜなら通常スクランブルするはずだった空戦魔導士達はさっきまで労働争議をやっていて、疲労のため使い物にならなかったからだ。 彼女は『ミッドチルダ防衛アカデミー』と呼ばれる管理局員を養成する学校の3年生である。 防衛アカデミーの推薦を獲得した彼女は、最後の実習地として『本局第1試験中隊』と仮称で呼ばれているはやての部隊を彼女の親友と共に志願していた。と言っても教官からは難しいかもしれない。期待しないでくれ。と言われていたが・・・・・・ まだ実績もない、難しいと言われる部隊であることに級友たちが敬遠する中、彼女がそこを強く志望した理由は簡単だった。それはガイドブックの教官の欄に、彼女の尊敬する「高町なのは」の名があったからだ。 (最後にもう1度、なのはさんに会いたかったなぁ・・・・・・) 時折ベルカ式魔力障壁を越えてくるレーザーに身体を焼かれる痛み。それは徐々に彼女の気力を奪っていき、観念しかけていた。 しかしその時、ノイズ混じりの念話が入った。 『(させるか!)』 どこだと思い発信源を辿ると、こちらを援護してくれていた質量兵器からだった。それは機関砲を乱射しながらこちらに突撃してくる。そして自分のすぐ隣を擦過していった。 よく見れば、質量兵器はその間にいた航空型魔導兵器を全て蹴散らしていて、そこにはぽっかりと切り開かれた道があった。 (チャンス!) 即座に自身の移動魔法『ウィングロード』を開けてもらったその包囲の穴に高速展開し、その上をインラインスケート型の簡易ストレージデバイスで駆け抜けていく。 しかし、そこに1機の航空型魔導兵器が体勢を立て直し、立ち塞がる。 (ここで止められてたまるか!!) カートリッジを2発ロード。その間もレーザーが身を焼いたが、かまわず最高速で走りながら篭手型のデバイスを着けた右腕を振りかぶる。 「一撃、必倒!ディバイィン、バスタァァーーーーー!!」 右腕から発射されたゼロ距離の魔力砲撃は、粗いながらも強靭な破壊力を見せ、シールドを貫通。それを粉砕した。 その後抜け出るまでの包囲の穴の保持は友軍と、いつの間にかロボットに変形した質量兵器がやってくれたらしい。 それ以上詳しい事は分からなかった。なぜなら抜け出すと同時にさっきとは違う念話が入ったからだ。 『(総員直ちに射軸上から退避してください)』 それは聞き覚えのある声だった。同時に出現したホロディスプレイの射軸線を頼りに発信源を辿ると、地上の海岸線だった。果たしてそこには巨大な魔力球が集束されつつある。それはオーバーSランクレベルの魔力砲撃を示唆していた。瞬間、誰もが射軸上から逃げ出す。 自身も友軍に肩を貸されて退避しつつ、あの魔力球に不思議な懐かしさを覚えていた。桜色の魔力光。あの声。そしてSランクの魔導士。それらは1本につながった。 「(あれは、)なのはさんだ!」 その名を叫ぶのと、なのはが発砲するのは同時だった。 空を切り裂く一条の桜色の光は、あやまたずガジェット達に突き刺ささった。そしてそれらの展開するシールドを易々と貫き、その3分の1を一瞬で叩き落とした。 スバルはそれを神を見るかのように見つめ、次の瞬間にはやってきた傷の痛みと安心感で意識を喪失した。 (*) 少し離れたところで、ガウォークに可変してそれを眺めていたアルトは驚愕した。 ガンポッドに残る全弾を注ぎ込んで管理局の魔導士を助け、機体の通信システムのプロテクトをスルーして出現したホロディスプレイの退避要請に従って退避してみればこのビーム砲撃だ。 VF-25のセンサーによると、VF-27『ルシファー』の重量子ビーム砲と比べても、見劣りしない数値を叩き出していた。 (いったいどんな兵器だ?) そう思い、モニターで発砲地点の倍率をあげる。するとそこには、自身の特徴的な杖から大量の煙を出し、構えを解いた高町なのは一等空尉の姿があった。しかし彼女の顔は先ほどまでランカと談笑していた少女の顔ではなく、歴戦の戦士の顔がそこにあった。 (*) その後残るゴーストの掃討は彼女の参加で拍子抜けするほどあっけなく終わった。 (*) 気づくと私は寝かされていた。全身が痛みに悶えるが、なんとか目を開けてみる。はたして視界には青い空。どうやらまだ外らしい。しかし素手で触った寝床の感触は布だった。 そして見回してみると、ここは海岸で自分は救急車に乗るために担架に乗せられていたようだ。というような状況把握がどうでもよくなるような光景があった。 「なのはさん・・・?」 おもわず救助隊員に簡単に負傷場所と理由を説明していたらしい彼女の名を呼んでしまった。 「ん? 大丈夫だった?」 なのははこちらの意識が戻ったことに気づいて、こちらへやってきた。それだけで全身の痛みを忘れてしまうほどパニックに陥ってしまった。 私がなのはを尊敬し、憧れる理由。それは6年前の事故がきっかけだった。 その日デパートに家族と出かけていたが、運悪くはぐれ、これまた運悪く火災にまかれてしまったのだ。 この時まだ幼かった私を救助に来たのが、当時出世街道を順調に登っていたエース。高町なのは二等空尉だった。 記憶に残る彼女の姿は凛々しく、カッコよくて、それ以来なのはに憧れ続けた。 私はクラスAのリンカーコアを持っており、成績も主席、次席クラスと、極めて優秀だったため、再三再四 「次元宇宙で働かないか?」 と本局の誘いが来た。しかしそれを全て断り、わざわざミッドチルダを守る道を選んでいた。それは陸士部隊の部隊長である父や、同じく陸士部隊に籍を置く姉の影響もあったが、同じぐらいに大きくなのはの存在があった。 それほど自分の人生を大きく左右した憧れの人が目の前にいる。 パニックに陥るには十分な理由だった。 『は、はい!いえ、あの、高町教導官・・・・・・一等空尉!』 痛みを忘れたといってもやはり無理に動けば痛いもので、上体を起すことが精一杯。しかもその痛みとパニックでなのはに関する知識がこんがらがり、状況に合わない「教導官」という役職が出てしまった。 しかし彼女はそんな小さなことを関しないかのように答える。 「なのはさんでいいよ。みんなそう呼ぶから。・・・・・・6年ぶりかな?大きくなったね。スバル」 「!! えっと・・・あの、あの・・・」 「うん。また会えて嬉しいよ」 その笑顔を伴ったセリフと、頭に置いてくれた手は反則的なまでのスピードで私の心に深く染み渡った。おかげで涙腺が瞬時に決壊。止まらなくなってしまった。 そんな私をなのはは、救急車に担架と共に搬入し、担架の横にある席に座りながらながら根気よく落ち着くのを待ってくれていた。 (*) 海岸にはなのはの要請した救急車が待機している。そこには先ほどの傷の酷かった魔導士の少女が担架に乗せられて救急車に搬入された。 しかしなかなか搬送されない。様子を見に行こうにもガウォーク形態で着陸するVF-25の周りには先ほどの空戦魔導士部隊が質量兵器使用でこちらを警戒するように配備されているため動けない。それでも理由を知りたくなったアルトは、高感度指向性マイクを照準した。 すると少女の声に混じり、なのはの声が聞こえてきた。 ―――――――――― 『私のこと、覚えててくれたんだ』 『あの・・・覚えてるって言うか・・・・・・あたし、ずっと、なのはさんに憧れてて・・・・・・』 『嬉しいなぁ。バスター見て、ちょっとびっくりしたんだよ』 『んあっ!』 〝ガタッ〟という、その救急車を大きく揺らすほどの彼女の驚きは、 「なんだ元気そうじゃないか」 と、彼女を心配していたらしい周囲の魔導士達に笑顔をよんだ。 『す、すみません。勝手に・・・・・・』 『うふふ。いいよ、そんなの』 『え、でも、その・・・・・・』 『まぁ、確かに独学で使うには少し危ないかな。これから〝私が見ていてあげられる〟から、一緒に頑張っていこうね』 『はい!・・・・・・え!?』 『ふふ。隊員さん、この子の搬送、よろしくお願いします』 『了解しました』 ―――――――――― なのはを降ろした救急車は一路、病院へと走っていった。 (*) その後、VF-25に関する事情がなのはの口からその場の空戦魔導士部隊の隊長に説明された。 そしてなのはが責任を持ってVF-25を格納庫までエスコート・・・・・・と言えば聞こえがいい。しかしそれは見かけだけだが、機体をバインドする強制連行になった。 これは 「『質量兵器は禁止』という主張を堅持するための体面的なものだろう」 と、たかをくくっていたアルトはその後質量兵器、とくにD(ディメンション・次元)兵器の使用について(「次元震が起こったらどうするんや!」とかで)はやてから恐ろしいお叱りを受ける事になるが、それはまた別の話である。 (*) 現場から少し離れたビルの屋上には、事件のすべてを見ていた1人の人影があった。 「またあの子達?まったく恐ろしい程の悪運ね」 彼女は普段のキャリアウーマン風の緑色のスーツに身を包み、呟く。 いつもならここで遠いい所から見ている〝彼ら〟が茶々を入れる所だが、今彼女は時空どころか次元おも通り越してしまっている。そのため、いかがフォールドクォーツを使用した精神リンクと言えど繋がらなかった。 「まぁ、その方が面白いわ。健闘を祈るわね。フロンティアと、ミッドチルダの皆さん」 転送魔法が行使される。そして彼女、グレイス・オコナーのいた痕跡を何一つ残す事なく、いずこかへ消え去った。 次回予告 踏み出した歩み。 彼らを待つものとは――――― 次回マクロスなのは、第3話『設立、機動六課』 ミッドの空に、彼らは何を描くのだろうか? シレンヤ氏 第3話へ