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チュンチュンチュン... 俺「ん・・・」 どこからともなく小鳥の囀りが聞こえてくる 俺「ふぁぁぁぁ...寝てしまったのか・・・」 机に突っ伏したまま寝ていたらしい。机の上にはレーザー溶接機とアイソリニアチップが転がっている 体にはコートが掛かっているようだが... バルクホルン「おはよう」 部屋に朝の日が差し込む中、トゥルーデは本を読みながらベットに腰掛けていた。先に起きていたのか・・・ 俺「おはようトゥルーデ・・・昨日は遅くなってゴメンね」 バルクホルン「良いんだ。そっちも大事な用があったんだろ?」 俺「大事な用、ね・・・」 バルクホルン「やはり今回のネウロイへの総攻撃に関係してるのか?」 俺「トゥルーデは総攻撃の事知ってるんだね」 バルクホルン「今日起きて管制室に向かった時、話を聞いたんだ」 俺「なるほど。確かに昨日の件は総攻撃に関係する事だけど後で話すよ。皆の前で言う方が良いからね」 バルクホルン「そうか・・・因みにコレはなんなんだ?」 トゥルーデは魚雷を指さしている バルクホルン「その・・・棺か?」 俺「あながち間違って無いけどこれは兵器だよ」 バルクホルン「これで戦っているのか・・・どう使うんだ?」 俺「敵に向かって撃ち出すのさ。この手の話はまた機会を設けてするよ」 バルクホルン「ふむ。そろそろ朝食の時間だが行くか?」 俺「行きますがちょっと待って下さい...」 机の上にあったチップを魚雷内部の回路に戻し、カバーを閉じておく 俺「これで良しと・・・ピピッ 友、起きているか?」 友≪...はい。起きてますよ≫ 俺「まさか寝て無いのか?」 友≪ええ、作業していました≫ 俺「・・・調整が完了した。要らない部品も外してある。全て転送してくれ」 友≪スキャン開始...転送します≫ 魚雷と外されていた部品が転送されていく... 俺「これから朝食を食べに行くが友も来るのか?」 友≪いえ、まだ終わって無いのでこちらで食べておきます≫ 俺「無茶するなよ・・・眠たくなったら寝ておくんだぞ?」 友≪分かってますよ・・・通信終了≫ 俺「まったく・・・行きましょう」 そのままトゥルーデに手を差し伸べる バルクホルン「今日はカールスラントの料理らしいな」 彼女は俺の手を取り、そのまま立ち上がる 俺「あっさりした物が出れば良いですね・・・」 俺達はそのまま部屋を後にして食堂へと向かうのであった... ~シャトル、船室~ 友「・・・」カチャカチャ 作業を始めて数時間、装置はほぼ完成したも同然だった 前回作ったのは空間に異常を起こして元の世界に戻る為だった。だが今回はシールド強化のみだ。まだ簡単ではある 友「チップを入れ替えて...」カチャカチャ シールドに魔法粒子を散布してシールドの強度を上げる...いや、元の強度に戻すのが正しいだろう 友「強化シールド起動時に転送機もワープも使用不可能。システム上回避出来ないか...」 エーリカ「おはよー!」 友「! エーリカですか・・・」 船室の扉からエーリカが覗いている 友「おはようございます。昨日はどうしました?」 エーリカ「夕食を食べてその後は自分の部屋で寝てたよー」 友「そうですか・・・今は忙しいので食事は一人でしてください」 エーリカ「えぇ~一緒に食べようよ~」 友「ですが・・・」 エーリカ「ジーッ」 友「・・・そうですね。少し食事を取りましょう」 友「美味しいですか?」 エーリカ「うん!」 私達は船室に折りたたみ式テーブルを置き、その上に料理を置いて食べていた 友「レプリケーターの食事をここまで美味しいと言うのは貴方くらいでしょうね」 エーリカ「そうかな?普通に美味しいと思うんだけど」 友「普通に美味しいのであって有名料理店の味まで再現出来ませんよ」 エーリカ「あれでしょ?食材の分子構造を特殊なアルゴリズムで圧縮保存してるから本物とは違ってしまうって事でしょ?」 友「正解です」 どうやら勉強していたようだ。前にレプリケーターを弄っていた時に学んだらしい 友「聞きたいんですがこの食事に何か不満はありますか?」 エーリカ「不満って?」 友「例えば・・・もっと味を濃くしたいとかそういった事です」 エーリカ「うーん・・・」 彼女は料理をじっと見ている... エーリカ「味の変化が欲しいなぁって思う時があるかな~」 友「変化?料理の味を出すごとに微妙に変えるという... エーリカ「そう思って色々やってみたんだ!」 友「・・・はい?」 エーリカはディスプレイにレプリケーターの内部データを映し出す エーリカ「料理の味を変える為に塩を加えたり砂糖の量を変えたりしてみたんだ。ランダムで変わるようにしてあるよ」 エーリカ「今はお菓子にしか適応させてないけど・・・他の料理にも適応させて良いかな?」 友「・・・良いでしょう」 エーリカ「やったー! 適応適応っと...」ピピピッ ココアが塩辛くならなきゃ良いけど・・・後で彼女の調整を取り消しておこう 味は思い込みで左右される。きっと彼女も気付かないだろうし 友「ごちそうさまでした。では私は・・・フラッ」 一瞬目の前が真っ暗になる エーリカ「友!?」 友「大丈夫です...ちょっと眠気が...」 お腹も一杯になった分眠気が一層強まっているようだ エーリカ「寝た方が良いと思うよ?」 友「ですが・・・今から俺に報告したい事が...」 エーリカ「アレの事?」 彼女はテーブルに置いてあったPADDを指さしている 友「それです。必要なデータを入力しておいたので渡しにいかないと...」 エーリカ「ヒョイ 私が渡しに行くよ!」 友「エーリカ...」 エーリカ「友は寝ておいてね!」タッタッタッ... 彼女はPADDを持つとそのままシャトルから飛び出していった 友「・・・ここは彼女に任せますか・・・」 食器類をレプリケーターに再処理させ、そのまま自分のベットまで戻る 数える間もなく私は眠りについた... 友「Zzz...」 ~食堂~ 俺「・・・朝から中佐と少佐が本部に?」 シャーリー「そうだ。Ju-52で行ったよ」 俺「なるほど・・・」モグモグ テーブルには様々なパンや紅茶、ベーコン、ソーセージ、ゆで卵、ヨーグルト...朝に合う食事だ 俺「本部から命令を受ける為でしょうか・・・宮藤軍曹?」 彼女はパンの入った籠を持ったままボーッと突っ立っている 宮藤「・・・! な、なんでしょう?」 俺「顔色悪いですよ?」 バルクホルン「何かあったのか?!」 宮藤「いえ何も・・・アレは私が悪かったんですから」 俺「? 何があったんでしょうか?」 俺「なるほど、あのKATANAにそんな力があったんですか・・・彼女が烈風斬に固執する理由が分かりましたよ」 バルクホルン「どういう事だ?」 俺「烈風丸は使用者の魔力を吸い取り、それを攻撃に変える」 俺「魔力をうまく捻出出来なくなった彼女にはうってつけなのかも・・・いや、逆に命を縮めていますね」 ペリーヌ「それは一体どういう...」 俺「昨日の戦闘の後、気になってシャトルのセンサーで少佐の体内にある魔法力を調べましたが...」 俺「後二、三回飛べれば良い方でしょうか。ほぼ枯渇状態です」 ペリーヌ「そんな・・・少佐が・・・」 エイラ「待ってくれ、少佐はその事を分かって戦っているのか?」 俺「そりゃ気付いているでしょう。自分の体の事でしょうし」 俺「ですが・・・烈風斬を使いこなせるなら・・・」 シャーリー「何かあるのか?」 俺「いえ、流石に憶測では言いたくない。少佐達が帰ってくるまで待ちましょう」 ~ブリーフィングルーム~ 中佐と少佐が戻って来た後、俺と501のメンバー(友は寝てしまったらしい)はオペレーションマルスの概要を聞いていた 壁にはネウロイの巣と連合艦隊の位置が投影され、中佐が説明を行っている ミーナ「持てる全ての戦力でネウロイの巣ごと殲滅し一気に肩を付ける。以上が最終決戦の内容よ!」 バルクホルン「もし失敗したら?」 ミーナ「失敗した場合...」 壁の地図が縮小していき、最終的にロマーニャ全体を映し出す ミーナ「ロマーニャ全土はネウロイに明け渡し、501航空団も解散する事になります!」 バルクホルン「バンッ 明け渡す!? 501が解散!? そんな馬鹿な話があるか! ミーナは...」 俺「俺から話したい事があります!」 ミーナ「...何でしょう?」 俺「所謂プランBです」 俺は席を立ち、そのまま前に向かう 俺「もし大和のネウロイ化が失敗、もしくは大和がネウロイを撃破出来なかった場合...」 俺「シャトルに搭載された光子魚雷を使い、ネウロイの巣を攻撃、破壊します」 坂本「その光子魚雷はネウロイを倒せるのか?」 俺「総放出エネルギーはTNT火薬15kt分です。耐える事は出来ないでしょう」 シャーリー「15ktって...15000t分もあるのか!?町は大丈夫か?」 俺「15000tは巣を破壊出来、尚且つベネツィアを傷つけない威力として計算されてます。友の計算ですし安心してもらって大丈夫かと」 ミーナ「貴方の行動は上層部も知っているのかしら?」 俺「ガランド少将以外は知らないと思います。無論我々も連合艦隊に姿を現さずに攻撃を行いますので誰も気付かないまま終わるでしょう」 ミーナ「大和の護衛任務の方は?」 俺「俺と友も皆と一緒に行きます ただ先に友がシャトルをロマーニャとベネツィアの国境付近の海岸に着陸させておく予定です。何か質問は?」 皆は納得したのか質問が出て来ないだけなのか黙っているが... ルッキーニ「...じゃあ絶対に大丈夫だよね!?」 俺「ええ、安心してもらって下さい」 ペリーヌ「確実に命中させられるのですか?」 俺「たった数百キロで外す事はしませんよ」 俺「その前に貴方達は大和がネウロイを撃破する事を期待してないんですか?」 シャーリー「そりゃなぁ~ウォーロックがあのザマだったからなぁ・・・」 エーリカ「少なくとも俺と友は大和より信用出来るよ!」 バルクホルン「私も同意見だ」 俺「ありがとうございます。ですが俺は大和が撃破する事に掛けていますし、大和が成功するまでは大和の護衛任務に就きますよ」 坂本「・・・そうか、お前達がやってくれるのか・・・」 俺「坂本少佐」 坂本「ん?」 俺「無茶しないでくださいね?」 坂本「・・・分かってるさ」 彼女は恐らく烈風斬でネウロイを倒そうと考えているのだろう 大和が失敗し、光子魚雷を撃ち込む時に少佐が烈風斬を掛けに行く...なんて事になったらこちらとして非常に困るのだ 光子魚雷が爆発すると周りに強力なエネルギーが放出される。近くにいればほぼ即死 ロマーニャを守った後に一人のウィッチの焼死体を見る事になるのは御免だ... ミーナ「では今作戦は全員で大和の護衛任務に就き、失敗時には俺さんと友さんがコアを破壊するという事になります」 ミーナ「作戦開始時までは各自休んでおくように!解散!」
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前ページいぬかみっな使い魔 いぬかみっな使い魔 第22話(実質21話) その日の朝。 段取りをあらかじめ整えていた啓太は、軍議の席で満を持して アンリエッタ姫たちにかねてよりの計画の核心を提案した。 「姫様、明日は決戦です。故に姫様には、一肌脱いでいただきたい。国家百年の 繁栄のため、本日ご入浴なさり、入念に体を磨き上げていただきたいのです。」 軍議の主だった顔ぶれは、戦列艦の艦長達、艦隊指令とその副官達、ルイズ、 啓太等だ。いずれもわかったようなわからないような顔できょとんとしている。 「失礼、最初から説明いたしましょう。連合艦隊がアルビオンに上陸した際には レコンキスタ艦隊の戦列艦は本隊45隻、分散警戒に40隻程度ありました。 このうち、我々は10隻を大破もしくは撃沈。8隻が中破拿捕して後送修理中、 17隻をほぼ無傷で捕らえ補修の後連合艦隊に組み込んでおります。」 現在(偽装)連合艦隊の陣容と司令官はこのようになっている。 ロマリア黒色枢機卿艦隊(=トリスティン第1艦隊)司令マザリーニ枢機卿。 旗艦:戦艦メルカトール号改 戦列艦9 等 トリスティン艦隊(=トリスティン第2艦隊)司令アンリエッタ・ド・トリスティン王女 旗艦:元レコンキスタ戦艦ニューヤーク→タイコンデロガ 戦列艦9 等 アルビオン親征艦隊(=元レコンキスタ艦隊)副司令サー・ヘンリー・ボーウッド 旗艦:元レコンキスタ重巡洋艦ワシントン→ヴァンガード 戦列艦9 等 ゲルマニア武装商船団(=ツェルプストー商船団+)司令キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー 旗艦:大型武装商船 我が愛しのヒルディア号 戦列艦4 等 ガリア輸送船団(ガリア商船の寄せ集め)司令ガリア義勇傭兵団長シャルロット・シュヴァリエ・ド・エレーヌ・オルレアン(タバサ) 旗艦:大型客船シャンパーニュ 戦列艦2 等 戦列艦合計33隻。 いずれの艦隊もピケット艦、輸送船、客船等の補助艦艇多数、 他にスループ船やガレー船、大型武装商船などが補助戦力、という陣容である。 元レコンキスタ艦隊の半分はアルビオン親征艦隊の名の下に配備されている。 残るレコンキスタ戦列艦は他艦隊の戦力増強のため分散配備されていた。 アルビオン親征艦隊とトリスティン(第2)艦隊は大抵行動を一つにしていた。 アンリエッタの元では、彼らの士気と忠誠が大いに上がるからだ。 これに、当事者たるアルビオン本国艦隊の生き残り40隻を加えると、 戦列艦の数は73隻にまで膨れ上がる。 対してレコンキスタの戦列艦は80隻から50隻に激減。 しかし艦のサイズと砲門数、竜騎士数で言えばなお連合艦隊と充分に渡り合える。 特に全長200メイル、砲門数100に及ぶ巨艦レキシントンの存在が この数の差を補う中心であり、連合艦隊にとっての脅威だ。 「さて、計画は、いよいよ最終段階一歩手前まで来ました。ほぼ予定通りです。 艦隊は補給と将兵の休養のために1日こちらで待機。そして明日はいよいよ スコッチ城のレコンキスタに総攻撃をかける、という予定となっております。」 一同、うなずいた。 現状通りの戦略を、いくつかの予想の一つとして以前聞かされていたからだ。 が、啓太の目算としてはかなり予定が狂った、と考えている。 本来ならスコッチ城までの間に追撃で大きな戦果を上げて戦力差を大きくし、 包囲兵糧攻めの構えを見せることで寝返りを誘い、スコッチ城を内から開門させて 一気に殲滅するつもりだったのだ。敵を城に追い込んで一網打尽。 これなら、後顧の憂いはきれいさっぱり無くなる。 計画では明日で完全勝利だったはずなのだ。 しかし、意外と統制が行き届いているのか、あるいは充分な金を渡しているのか (おそらく後者だろうと予想しているが)レコンキスタに雇われている 傭兵達の離散が予想よりはるかに少ない。レコンキスタ貴族の離反も少ない。 その上内通貴族からの情報がさっぱり入ってこなくなった。 (「上のほうのかなりが心を操られているのか? だとすればかなり厄介だ。」) と啓太は考えている。しかも、後ろに控えるサウスゴータには 運び出しきれなかった兵糧が充分あり、街を奪い返されてしまった。 現在兵糧の輸送が行われている。妨害部隊を出してはいるが、どうなるか。 そしてスコッチ城は防御のしやすい都市だ。 市民兵を集められでもしたらさらに厄介な事になる。 それでも、やるしかないのだ。策は、まだまだ尽きていない。 「すでに我が方の地上部隊はアルビオン軍と共に陸上を移動しつつあり、 今日の夕方にはスコッチ城近辺に展開予定です。 また、アルビオン本国艦隊、地上軍に輸送船を差し向けて補給を行っており、 明日の決戦に必要な物資は充分、感謝するとの返書を受けております。」 啓太は、黒板にチョークで図解し、明日の戦略をいくつかの想定ごとに書き、 いずれの場合でも主だった者達が間違わずに動けるよう入念な説明を行った。 質疑応答の時間も随時とり、間違いや見落としがあれば随時変更を加えていく。 しばしの時間の後、少なくとも前日としては最高の意思疎通が図られた。 「さて、問題はこの後です。」 一同は、又も怪訝な顔になった。ド・ゼッサールが質問する。 「この後といっても、勝利の後は宴をはって祝うのではないのかね?」 「さすがですな、ド・ゼッサール殿、満点の答えでございます。」 啓太は、にこりと笑った。 「ですが、それは軍人としての採点であれば、でございます。」 啓太は、顔を参謀の表情から教師の表情へと変えた。 「そも戦争とは政治的問題解決手段の一つに過ぎませぬ。話し合いでどうしても 合意妥協できぬ相手、解決出来ぬ相手に力ずくで要求を飲ませる手段です。 そして政治とは国家の経済活動を円滑に発展させるために存在するのです。 貿易によって足りないものを買い取り、余ったものを売ってやれば物価が安定する。 生産性が良くなり下層の国民が豊かになれば経済が活性化する。 生産、輸送、売買が活発になれば税は増え、貴族は豊かになる。 もちろん、領地が増えればそこからの収入が増えるのでより豊かになる。 これらを推し進めて貴族の収入を増やすことこそが政治の目的です。」 啓太は、普段公の場ではけして言われぬ統治の核心をずばりといった。 名誉在る戦いと慈悲と賢明さによる統治。美化され、糊塗された本質をさらした。 身もふたも無い言い方であるが、統治を学ぶ者は知るべき真実である。 「すなわち戦争とは商売のための交渉手段が一つ、ともいえるのです。 であれば戦争をするからには儲けねばならず、赤字を出すなどもってのほか。 政治的背景を考え、必要な戦果と費用対効果を推し量って、戦争の後どうなるか、 と常に考えねばなりませぬ。」 軍人達が、納得の顔になったり、興味なさそうになったりと千差万別の顔をしていた。 対して政治家の分類に入る思考を持つものたちは大いにうなずいている。 「我々は、風石と硫黄を初めとする秘薬や兵糧などの軍需物資、金貨を大量に 手に入れました。ですが足りません。姫様が救援に来た以上領土を奪うはならぬ、 それでは道義に外れると難色を示しておられますしね。 よって私はここに、史上最大の戦利品を手に入れるための作戦を提案したい。」 啓太は、アンリエッタの顔をひたと見つめた。 「姫様には、体を磨き上げ、着飾って戦勝の宴にご出席いただき、 プリンス・オブ・ウェールズ殿下よりプロポーズの言葉を引き出していただきたい。 そして、戦勝の宴をそのまま結婚式の宴とするのです!」 「「「「な!!!」」」 一同、絶句した。 啓太の計画の意味を、皆の脳味噌が理解するまでの間に、説明を続ける。 「勝ち取る戦利品はすなわち未来の王! トリスティンが失って久しい国家の要、 女王の隣に立つべき国王を、姫様の美貌を武器として手に入れていただく。 そして、両国ともただ一人しか正当な継承者がいない以上、いつかアルビオンと トリスティンは一つとなり、水と風の連合王国が誕生する事になる!」 すでに立つ事すら間々ならぬといわれるジェームズ一世が崩御した暁には。 啓太はアルビオン系艦長達の顔を見渡した。 「我らはレコンキスタの占領する領土を数多く解放しました。普通ならそれは 占領した者、開放した者の領土であり、トリスティンの物となる。 姫様は渋い顔をなさいますがそれが通常。これだけの軍を動かし犠牲を払い、 領土の一つも得られないとなれば逆に姫様の責が問われましょう。 王子の持参金として、一部領土を、という申し入れをした場合、 ジェームズ一世陛下はどのようにご判断をなされると思われますかな?」 彼らアルビオン貴族は、“アルビオン王女”アンリエッタの元で戦いながら、 常に領土を失う不安を抱えていた。しかし。ウェールズ王子の持参金ということは、 彼の直轄領として機能することを意味する。これは両国の仲が険悪となり、 離婚ということになればアルビオンに領土が復帰することを意味する。 王子が二人以上生まれれば、片方にアルビオン王として立ってもらい、父王から 領土を継承した、という形でアルビオン領に復帰させることも出来る。 できずとも2代に渡ってアルビオンの血を受けた“アルビオンの王子” の所領となるだけ。血脈でトリスティンを乗っ取ることすらありえるという 願っても得られ無い素晴らしい提案だ。しかし、これにまともに答えるのは僭越だ。 促されたサー・ヘンリー・ボーウッドは、慎重に答えた。 「わたくしは軍人、そのようなことを判断する立場にありませぬ。 ですが、お二人のご結婚に関しては、真におめでたいと感じる次第であります。」 これで彼らは、充分な根回しに動いてくれると思われた。 啓太はトリスティン貴族達の顔を見渡した。 誰もが、実にうれしそうな顔をしている。王太子の持参金となれば 広大な領土が得られる。王太子の直轄領とはいえ、戦争で貴族の減った アルビオンなら人材が枯渇しているだろう。領主としてトリスティン貴族を 滑り込ませるのは容易だ。貧乏貴族あるいは次男三男以降で軍人として安月給で 働くしか生きる道の無かった彼らが爵位持ちとなる道筋が示された事になる。 そして、最前列に座るアンリエッタは。 「ケータ殿、素晴らしい妙案ですね。わたくし、がんばってみるつもりですわ。」 事前に聞かされていて心積もりしていたとはいえ、衆目の前で公にされると また格別だ。アンリエッタは真っ赤な顔でこの上なく満足そうに微笑んだ。 啓太は、マザリーニを中心とするロマリア神官達を見た。 偽ロマリア艦隊の体裁を整えるために乗り込ませた彼らは、浮き立っている。 「挙式の際には、是非とも皆様にご尽力いただかねばなりませぬが、 ご了承願えますかな? 無論、取りまとめはマザリーニ枢機卿にお願いしたい。」 事前に相談を受けていたマザリーニが、冷静な目でうなずいた。 「無論です。戦場ゆえ満足な式は挙げられませぬが、なに、方法はあります。 荘厳かつ質実剛健な式を取り仕切って見せましょうぞ。」 「お任せあれ!」「見事な式にして見せましょう!」「大任じゃな!」 名目上とはいえ艦長として幾多の手柄を立てた上に華やかな式典を取り仕切る。 彼らロマリア系神官達の目には、栄光の未来と寄進の山が見えていた。 啓太は、ゲルマニア武装商船団の船長達を見た。 彼らは、巨大な儲け話が目の前にあることに気づき、舌なめずりをしていた。 「結婚式は戦場でやる以上戦勝の宴とさして変わらないものになりますな。」 「はい。ですので、落ち着いたら披露宴を別に行う事を提案するつもりです。」 「(儲け話を目の前に積んでくださるか!)物資の調達はお任せくだされ。」 「万難排して必要な物を調達しましょう。(両王家に取り入るチャンスだ!)」 「おお、お引き受けくださいますか。実に頼もしい、ありがとうございます。」 強大な軍事国家となるトリスティン=アルビオン王国がゲルマニアを圧倒し、 さらに領土を大きく広げようとするかもしれない。 しかし彼らは気にしていなかった。ゲルマニア皇帝にとっては災難だろうが、 彼ら商人にとっては好機だ。今回の手柄を武器に連合国の商人として軍需物資を 供給して勢力を拡大すれば良いだけだ。ゲルマニアはもともと成り上がりの 寄り合い所帯、一体感の希薄な国なのだ。キュルケは、うっそりと笑っていた。 啓太は、ガリア義勇傭兵艦隊より打ち合わせのためにこちらに来て、 ただ一人会議に参加しているタバサを見た。 タバサは、啓太がここまでしてくれた事に感動していた。 (「両国が合併すれば、なんとかガリアに対抗できないこともなくなる。 ゲルマニアやロマリアが牽制をしてくれるのが前提とはいえ、正面からガリアと 戦うことも可能。ほんの数日でここまで状況が好転するなんて!」) タバサは、無言で立ち上がると、啓太に向けてお辞儀をした。 一同を見渡した啓太は、問うた。 「偉大なる指揮官、勝利の女神の化身、アンリエッタ姫殿下を女王と仰ぎ、 アルビオン本国艦隊総司令官として活躍するウェールズ殿下を国王と仰ぎ、 いずれはアルビオン=トリスティン連合王国国民となる事に賛同するものはいるか!」 「「「「「「諾! 諾! 諾! 諾! 諾! 諾!」」」」」」」 すさまじい拍手と口笛、軍靴踏み鳴らす足音とともにシュプレヒコールが 部屋を満たした。全員総立ちである。 「明日、勝利をアンリエッタ姫殿下の名の下祝おうぞ! トリスティン、万歳!」 「「「「トリスティン、万歳! トリスティン、万歳! トリスティン、万歳!」」」」 「アルビオン、万歳!」 「「「「アルビオン、万歳! アルビオン、万歳! アルビオン、万歳!」」」」 この後、啓太はアンリエッタ姫の部屋で男を追い出すと、説明を行った。 「明日から3夜はウェールズ殿下を離しませぬ様、心してくださいませ。」 新婚となるのだから当然睦まじく過ごすのに? と疑問を呈するアンリエッタに、啓太は東方の秘占儀だといって、オギノ式で 計算したアンリエッタの受胎確率の高い3日間をもっともらしく伝えたのである。 ちなみに、姫の生理周期はルイズに調べさせた。 姫の女官として、姫が体調を崩される周期を知っておかなければならない、 とうまいこといって、姫様付きの女官達から聞き出させたのだ。 目的はもちろん、コマした姫様と効率よく子供をこさえて愛人(できれば国王) の座を不動のものとするためである。 これが、別の男相手ではあるが非常に役立ったわけである。 こうして啓太は、姫様に 「是非ともお風呂に入らなければならない!」 と思い込ませたのである。早速バスタブの手配をと騒ぎ出すルイズに、 啓太は待ったをかけた。 「それはちと無理がある。」 「え、なんでよ? 姫様がご入浴なさるだけなら充分でしょ?」 「何を言ってるんだ、ここにお姫様が4人も揃ってんだぞ? それで済むもんか。」 (中略) 「じゃあどうするのよ? 危ないから港の宿でお風呂に入るのは無理なんでしょ?」 「うん。その通りだ。つい先日まで敵地だった故に地の利が悪すぎる。 老舗故に宿の内部構造が敵によく知られていて、モグラ戦法なり抜け穴なり 隠し部屋なりで侵入や工作をしやすい場所で姫様を無防備な裸にする なんてとんでもない。警護をする武闘派女官もいないしな。」 「ブトウハ女官って何、ケータ?」 「私も始めて聞くわね。何なのダーリン?」 「要するに護衛役もできるように戦闘メイジとしての訓練を積んだ女官だ。 男じゃあ女性を護衛できない場所や場面がどうしてもあるだろう。 …そうか。女官は戦闘訓練なんて積まないのか。つまり姫様のご入浴時の護衛は 元からいないと。道理で止めるはずだ。そうなると、やっぱりあれしかないか。」 「あれ?」 ルイズの問いに、啓太が説明した。 「浴場を荒野のど真ん中に一から建てる。それも数時間で。これなら 地の利の差は無いも同然。新しいから内部構造は探られようが無い。荒野だから 地上や空中から近づけば一発でわかるし、モグラ戦法で穴を掘ろうにも 時間がかかりすぎて無理だ。やっつけ仕事で装飾なんかはほとんど無い、 質実剛健な作りになるけど、たった一度のご入浴のために浴場を建てるなんて 贅沢もまず無いだろうからその辺りでグダグダ言う権威主義者も黙るだろう。」 そういうと、ルイズからアンリエッタに向き直った啓太は請合った。 「建設に従事した者達が周囲の警戒もしますので、安全性は保障できます。」 女性陣は、ぽかんとして啓太に聞いた。本当に出来るのかと。 すでに段取りを万端整えていると胸を張る啓太に、女性陣は反対できようも無く。 啓太の要求した極ささやかな褒美、すなわち建設に従事した者達に二番風呂を許す、 との許可はすぐに下りたのであった。 「何とかできたね、これも兄さんのおかげだよ。」 「いつでも頼れ。俺はお前の兄なんだからな。」 ギーシュ・ド・グラモンとルルーシュ・ド・グラモンは、完成した浴場を 見上げて肩を組んでいた。お互い土ぼこりで薄汚れ、へろへろに疲れている。 しかし、その顔はやり遂げた爽快感に満ち溢れ…もとい、これから得られるだろう すばらしい“ご褒美”を想像して欲望にぎらついていた。 本来なら一生一度すら得られぬであろう千載一遇の好機、期待するのもわかるが、 ドットで二股がばれて恋人に振られ、いまだよりを戻しきれていない ギーシュはともかくとして、トライアングルで王軍の高級士官たるルルーシュが なぜ欲望をぎらつかせてこんなところにいるのは大いにナゾである。 聞いてはいけない。特に本人に直接聞くのはタブーである。そっとしておいて あげなければならないので説明は省略だ。けして妹のナナリーは関係ない。 小型のスループ船が荒野のど真ん中に建てられた浴場へ向かって移動してくると、 いくつもの美しい花が飛び降りた。白銀のマントをまとった白百合、アンリエッタ。 襟だけ赤い青と白のドレスをまとった青い水仙花、シャルロット。 黒と緑を基調としたドレスをまとった桃幻花、ルイズ。 真紅のマントとスカートをなびかせた大輪の赤い薔薇、キュルケ。 おまけに元気一杯黄色のキュロットスカートとツインテールの犬神ともはね。 一泊の間をおいて男たちの間から「「「おお~~」」」とどよめきが走る。 次いで姫様達が地に降り立つと、浴場の前まで人垣がざざっと割れ、 素早く整列が行われる。玄関前に待っていた啓太から号令がかかった。 「一同、姫様方に、捧げ~杖!」 ざっと全員が杖を構え、直立不動の姿勢になる。 アンリエッタ、シャルロット、ルイズ、キュルケ、ともはねという順番で お姫様方が静々と歩む。この順番は何の打ち合わせもなく、極自然にそうなった。 居並ぶ男たちはシャルロットが通り過ぎると杖を下ろし、キュルケが通り過ぎると 顔を正面入り口のほうに向ける。これもまた極自然にそうなった。 啓太が出迎え、施設内を一通り案内する。 「左右のテントは作業のために設置したものです。後で将軍や士官方を お入れする際にはこちらで順番をまっていただくつもりです。 入り口は念のため青銅製の分厚いものにしました。トライアングルの固定化も 施してあります。外壁もかけてありますがラインどまりです。 こちらが玄関ホール、左右の入り口が脱衣場へのドアです。 女性用と男性用に分けましたが、浴室そのものは時間の関係で一つのみです。 まあ、姫様方が1回使うためだけに脱衣所を別に作ったということです。 (中略)こちらが女子脱衣室です。トイレは一つのみですがご容赦ください。 ロッカーはそれぞれ専用のものをご用意しました。紋章を施してございます。 お着替えもご用意させていただきました。ダストシュートはこちらです。(中略) 伝声管はこちらも含めて給湯室に通じておりますので、御用の際はなんなりと お声をおかけください。返事はこちらの管から(後略)」 4人とも、装飾までは施されていなかったものの小さな邸並の浴場に大満足した。 ちなみにともはねは一人だけ護衛兼お背中流し係ということになっている。 しかし、事実上世話を焼かれるのはアンリエッタのみだ。他の3人は トリスティン魔法学院で身の回りの事を自分でできるよう学んでいるし、 アンリエッタには女官のルイズが、シャルロットにはキュルケがついているという 体裁にすることも出来るのであるから本来不要なのである。 啓太は、念のため杖を浴室内まで持ち込むように頼むと、 「では、ごゆっくりどうぞ。」 と言い残して退室した。 4人の美姫達はきゃあきゃあ言いながら浴依に着替え始めた。 やはり女性、お風呂はうれしいものだ。ずっと我慢していたのならなおさらである。 「ふ~~ん、そこそこの浴依ね。戦争中に手に入れたにしては、だけど。」 とキュルケ。 「姫様にはちょっと。紋章の一つも刺繍してないなんて。」 「いいではありませんの、ルイズ。これで充分ですわ。それよりも明日のために。」 とルイズをたしなめるうっとりしたアンリエッタ。 「替えの下着は、さすがに上等。」 と用意してあった紋章付きの下着を確認すると着替え始めるタバサ。 キュルケの肉感的極まりない豊満で扇情的な肢体が、アンリエッタの豊かで 清楚な肢体が、ルイズの…あ~~~、えっと引き締まった肢体が、タバサの 幼い肢体がドレスの下から露になり、ついで裾がなまじなミニスカートより短く、 脇が空きまくって体を洗うために手を入れやすいように設計された浴依に包まれる。 丁度程よいサイズの浴依がロッカーの中に入っていた。 ともはねは時折手伝ってと言われたときのみだれかれと無く手伝っている。 マロちんはここでお留守番だ。暑いのが苦手だからである。 皆はタオルを取ると浴室へ移動した。ともはねは各人が脱衣かごに入れた下着を かごごと重ねてダストシュートに放り込み、タオルや石鹸セットを持って 浴室に入った。こちらは着替えない。湯女役だからだ。 その頃。 「おい、蓋は閉まったな?」 地下で、ひそひそ話す声がした。 「下蓋も閉めろ。隣室に移動するんだ。」 「うん。」 そして。無駄に防音を施した地下の隣室に移動した脱衣かごを持ったクラブ員は。 静かだか熱烈な歓迎を受けた。 「よ、よくやった!」「こ、これが姫様方の脱ぎたてほかほか下着!」 「ううう、す、すばらしい!」「ケータ君、あなたすごすぎるよ!」 「ふ、俺に惚れるなよ。」 「こここ、これ、触ってもいいのか!?」 「おう、くじの順番どおりにな。喧嘩するなよ。」 「に、匂いを嗅いでも!?」 「おう、くじの順番どおりにな。喧嘩するなよ。」 「ああああ、あまつさえ顔に被っても!?」 「おう、くじの順番どおりにな。喧嘩するなよ。」 「ここここ、これが女性の!」「ううう、見てるだけで立ってきた!」 「俺も!」「お、俺もうしんぼうたまらん!」 「別にかまわないがたこ部屋か男子トイレでやれ。男子トイレは脱衣場から入らず 必ず玄関ホールから入れ。脱衣場に足を踏み入れたら覗きと誤解されかねん。」 ちなみにたこ部屋は本来イカ部屋とでも呼称するのが正しいのだが(検閲削除) 「りょ、了解!」「行ってきます!」「仕切りの無いたこ部屋よりトイレに!」 ダッシュする者が多数出た。ちなみに先頭は金でアンリエッタの下着1番の権利を 買い取ったルルーシュ・ド・グラモンだったりするのであるが、トライアングルで 王軍の高級将校である彼がなぜそこまでするのかは深く聞いてはいけない。 けして妹のナナリーは関係ない。 さてその頃、アンリエッタ達はお風呂で寛いでいた。 「姫様、薔薇の香料をもっと入れますか?」 「充分よ、ともはね。」 リラックスした顔で返事をするアンリエッタ姫は、髪をたゆたうようにお湯の中に 広げてぷかっとお湯に浮いていた。顔はお湯の外に出ているわけだが、 当然というかなんと言うか、その豊満な二つの丘とその頂も薄い浴依の(検閲削除) 覗いている男がもしいたら鼻血をジェット噴射して失血死間違いないだろう。 しかし苦い経験の在る啓太が厳禁事項だと懇々と諭したため、不心得者はいない。 「は~~いい湯ね、タバサ。」 「(無言でコクリ)」 こちらは普通にお湯に浸かっているキュルケとタバサである。 お湯の揺らぎと浴依でその肢体はほとんど見えない。 しかし胸の上部や滑らかな肩等はお湯から出ており、薄い浴依越しに見て取れる。 水着で泳ぐことすらネタのかたまりのコンシューマゲームか一発ネタのイラスト でしかありえ無いハルケギニアにおいて、これだけでも結構そそる光景である。 「姫様、お湯加減はいかがですか?」 「ありがとう、ルイズ。丁度いいわ。」 「じゃあちょっとお湯を止めたほうがいいですね。」 ともはねがすいっと宙を飛んで伝声管に取り付き、蓋を開ける。 「丁度いい湯だそうですので熱いお湯を止めてください。」 「了解しました。」 伝声管からややくぐもった返事が来ると、ややあってお湯が止まった。 この浴室の間取りだが、北側に大きな浴槽が部屋の幅一杯にある。 浴槽が終わる所からは体を洗うために給湯口が東西の壁に沿ってずらりと並ぶ。 蛇口とコックは無いので、熱いお湯を流す溝と冷たい水を流す溝があり、 そこから樋でお湯や水を桶に入れる仕組みだ。樋の口は木の板を上下させて 開け閉めする方式で、当然ながら完全に閉めることは出来ない。 しかしハルケギニアであれば充分なギミックだ。何しろその場で水とお湯を 両方汲めるのだ。普通は浴槽からお湯を汲み、熱いときは水を張った大きな桶から 水を取る程度でしかない。まあ、使用人を雇える貴族かブルジョアしか お湯を貼った浴槽でお風呂に入る等という事は出来ないので、 その程度で充分という意味でもあるのだが。 南側の壁の左右には脱衣室への扉がある。曇りガラスが填められており、 覗きをするものなどがいれば即座にわかるようになっている。 東西の壁に設けられた明り取りの窓も分厚い曇りガラスでサイズは小さく 人が侵入する事が出来ないと同時に外部からの狙撃に対処している。 「タバサ、いらっしゃいよ、体洗ったげるわ。」 「(無言でコクリ)」 キュルケが浴槽から立ち上がって誘うと、その豊満すぎるほどの双丘とY(検閲削除) タバサの若いというより幼い(検閲削除)紋章付きの風呂用椅子に腰掛けた 二人はお互いに体を洗い、背中を流し合った。当然ながらそれは お湯を吸って肌に張り付いた浴依の隙間から石鹸をつけて ぬるぬるしたタオルと手を入れて(検閲削除)ということでり(検閲削除) それに誘われたかのようにアンリエッタとルイズが(検閲削除) 二人はキャーキャーいいながら戯れるようにして(検閲削除) ちなみに、浴室の声は伝声管の給湯室側の蓋を開ければ丸聞こえになる。 あるいみ非常に生々しいその会話は、特に本人達のご容姿を良く知る男達、 すなわちくじに負けて地下ではなく給湯室で待機していた連中にとって、 鼻血をジェット噴射して失血死間違いないだろうほどにすばらしいもので、 給湯室を飛び出し、トイレやたこ部屋に駆け込む者が続出したりしたのであった。 「いい湯でしたわ、ケータ殿。」 「恐縮にございます、アンリエッタ姫。」 「それでは私たちは戻ります。」 「は。では、我々はこの後少し掃除をした後二番風呂を使わせてもらいたく 存じますが、かまいませんでございましょうか。」 「ええ、もちろんですわ。」 「ありがとうございます、アンリエッタ姫。」 こうして、アンリエッタ達は大満足してスループ船に乗って帰っていった。 アンリエッタ達を見送った啓太達は。 「よし、計画は第5段階に突入する。者ども、かかれ!」 「「「「サー・イエス・サー!」」」」 男たちが即座にてきぱきと動き始めた。 ちなみに。 人を募集したり設計図を用意したり場所の選定をしたりした準備が第1段階。 姫様達をたきつけて誘導、浴場建設と2番風呂の許可を得るのが第2段階。 目的達成のためにとても都合のいい浴場を建設するのが第3段階。 第4がご入浴中の役得を堪能することである。 テントの中から、いくつもの大きな樽が運び出された。 テントで順番待ちしている士官などへ供出するワインを準備している、 との名目で積んでおいた樽の中に隠しておいたのだ。 てきぱきと運び込まれたいくつもの大樽に、浴漕のお湯が一杯にくまれた。 「よし、売却用のお湯は充分汲んだ。後は好きにしていいぞ。」 「「「サー・イエス・サー!」」」 女日照りの続いていた薬草クラブ員男子達は浴槽に殺到した。 「ああ、なんていい匂いなんだ!」「こ、これが姫様達の匂い!」 「スーハースーハー」「スーハースーハー」「スーハースーハー」 「スーハースーハー」「スーハースーハー」「スーハースーハー」 「スーハースーハー」「スーハースーハー」「スーハースーハー」 お湯に入れた薔薇の香料の匂いをいつまで吸ってんだと突っ込んではいけない。 「そそそそ、それではちょっと一杯最上の白湯を!」「俺も!」 「お、俺も!」「ぷは~~~、う、うまい!」「神の飲み物ネクタルだ!」 「今まで飲んだどんな美酒よりうまい白湯だ!」「うむ、格別だ!」 「なまじな蒸留酒より酔いそうだぜ!」「すでにベロンベロンだよ!」 一応、人は強い感動などでも酔ったような状態になる事があることを記載する。 「そ、それよりも姫様が生尻で座った椅子!」「ほおずりほおずり。」 「俺もほおずりほおずり!」「ほおずりほおずり。」「ほおずりほおずり。」 「お、俺はやっぱりキュルケ嬢の!」「あの胸はすごいよなあ。」 「ほおずりほおずり。」「ほおずりほおずり。」「ほおずりほおずり。」 「ほおずりほおずり。」「ほおずりほおずり。」「ほおずりほおずり。」 「俺はあの氷の美貌たるシャルロット姫の椅子を!」「俺はルイズだ!」 「タバサはさすがに幼すぎだよ。」「ルイズくらいが丁度いいよな。」 「君たちはわかっていないな。」「紳士たるもの胸に惑わされずにだな。」 「うむ、あの青い髪はなんとも言えず…」「ちっぱいは偉大だ!」 ともはねに触発されてロリコンになってしまった多数のクラブ員が 長蛇の列を作っていた。そしてこのロリコンたちは皆啓太の弟子である。 「胸の大きさはやはり男の本能で!」「胸のいいキュルケの椅子だよな」 「いやいややはりだな」「それより俺は」 皆思い思いのお目当てに夢中である。変な談義も始まっていたりするのであるが、 別室にダッシュする者が多数なのは先ほどまでと同じである。 こうして。啓太は、薬草クラブ男子の尊敬と人望をさらに集め。 それまで面識のなかった実力者達とのコネを作るきっかけをも得たのである。 この後には、姫様達を旗艦まで送ってきたともはねのシャンプータイムである。 幼い体とはいえ女性の生裸体を間近で堂々と見れる。その手の事にうとく、 恥じらいというものをまだ知らないともはねは、まったくの無防備であられもない 姿を無邪気且つ惜しげもなくさらして一部の男子達に強力なインパクトを与えた。 ともはねは今回のシャンプーで、多数の男性達の陰性だった幼女趣味やケモノフェチ 属性を陽性にしてしまうという罪深い事を意識せずに達成したのであった。 赤道斎のマントの呪いは深く、啓太の周りにいるものたちをどんどん変態として 嗜好改造(思考改造にあらズ)してしまうようなイベントが頻発していた。 地球と同じく、啓太を慕う変態紳士が群れ集い、あるいは発症しつつあった。 そして当然のことながら、啓太からしばしばマントを借りていたアンリエッタの 周りにも、変態紳士が増えていたのであった。 その大多数が戦争が終わると共に学院に帰るため、啓太ほど多数が 周りに増えるのでない点は、啓太と違ってたまにしか着ない分、増しな点である。 さてその夜のことであるが。 今回手に入れた姫様汁入りのお湯や使用済み下着、使用済みタオル、 使用済み浴依等を、啓太達は高額で艦隊将兵達に密売。褒美をもらって 懐のあったかい男たちは高額でこれを購入。膨大な儲けを得る事になる。 後に啓太は雑貨屋チェーンをハルケギニア中に展開し、 収入源と情報源とすることによって一大勢力を築くのであるが。 「ほう、“あの”ケータ殿系列の店を出したい?」 「ええ、ご領主様。もちろんご許可をいただければ例の方面の商品も お取り扱いいたします。」 「ほう! 性なる伝道師、エロアイテムのエンパイヤ、変態道のオーソリティー と呼ばれたケータ殿の店が! つまりはその手のグッズが手に入りやすくなると!」 と、出店をスムーズにするのに大いに役立ったり。 逆に蛇蝎のごとく嫌われて出店が不可能な地域が出来たりしたのであるが。 それはまた、先の話である。 おまけ: 「お姫様が4人? 二人じゃないのですか、啓太様?」 ともはねが、ちょこんと首をかしげて疑問を呈した。 「お。わからないか、ともはね。いい機会だ、ちょっと教えておくか。」 歴史が得意な啓太は、社会システムについて簡単に教授することにした。 「ともはね、昔日本の江戸時代や戦国時代で、大名の娘はお姫様といったか?」 「はい啓太様、お殿様の娘ならお姫様です。」 「うん、正解だ。けど、日本国の王様の娘じゃないのにお姫様だよな?」 「それは、お父さんが一国一城の主ですから…いっこく!?」 「そうだ。日本という国の中にまた国がある。語弊を恐れず言えば、 大名領が一つの国だ。なぜなら独立した統治権と立法権、軍事権、徴税権、 裁判権等を保有しているからだ。これは立派に国として通用する社会システムだ。 藩札といって、お札の発行もしていたりする。戦国時代なら本当に独立してた。」 ともはねがふんふんうなずく。 ムジナのマロちんもうなずいているが理解しているかははなはだ怪しい。 「徳川幕府を開いた徳川家も、元は一大名だった。うまく同盟を組んだり 手下を増やしたり、なにより関白豊臣家をうまく翻弄して全国の大名を従わせた。 そして、征夷大将軍に任命され全ての大名達のまとめ役になった。 将軍職を朝廷に返上した後はまた普通の大名に戻った。 全国統一していた頃の徳川家が、西洋で言う国王に相当する。 対して、大名が伯爵に相当する。大名領が西洋での伯爵領に相当するんだ。 王様ってのは、伯爵(=大名)連合のまとめ役の大伯爵(=大大名)でしかないともいえる。 伯爵ってのはある意味格の低い王様で貴族の基本となる爵位なんだ。 現に、公国、候国の例がるのは当然として、トリポリ伯国、エデッサ伯国 ねんて例もある。伯爵領程度で一国を構えられるほど軍事力の在る 場合はほとんど無いから、大抵は伯爵連合を組んで国王を立てるんだけどな。 侯爵ってのは強力な伯爵、公爵は王家の傍流の伯爵、子爵は伯爵の長男。 男爵は村の一つも治めていればいいような伯爵の庇護下に在る下級貴族。 準男爵は男爵に準ずる者でしか無いからさらに下。 騎士は土地を持たないか持っていても地名を個人として占有できない者。 さらに爵位持ち貴族の親族であるだけの平貴族、というのが主な分類だ。 さてそこでだ。 トリスティンで絶大な権力を持ち、王家の傍流である公爵家の娘であるルイズ。 成り上がり帝国の中でヴァリエールに対抗できる程の家の姫、キュルケ。 この二人もまた、立派なお姫様なんだよ。 シャルロット姫とアンリエッタ姫を合わせれば4人なんだ。」 「なるほど。わかりました、啓太様。 前ページいぬかみっな使い魔
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778: 635 :2019/03/19(火) 00 15 20 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 銀河連合日本×神崎島 ネタ 帰還―――武勲無くとも――― 「ここも随分変わったね。鳳翔さん…。」 「そうですね…。」 航空母艦葛城と鳳翔、二人は大勢の家族連れや若者で賑わうテーマパークの中に居た。 周囲の人々を驚かせないように変装してである。 元々日本人らしい髪の色と容姿をしている二人である。 艦娘の艤装と服を普通の洋服に着替えれば美人な二人組みにしか見えない。 二人が居るのは大阪市此花区ユニバーサルスタジオジャパン。 旧くは日立造船桜島工場、艦としての葛城と鳳翔が解体され最期を迎えた地である。 葛城は空母として、軍艦としては一度も外洋に出ることなく、防空砲台となり逃げ回るしかなかった。 そして、皮肉にも戦後復員船として外洋を駆け回った艦である。 正規空母として働け無かったことに若干のコンプレックスを持っていた。 現在では艦娘として常世に落ち、神崎島主力の正規空母の一隻として働いているが。 鳳翔も同じであった。 真珠湾攻撃、ミッドウェー作戦に従事したが、ミッドウェーでは鳳翔の建造、運用経験から生まれ娘とも呼べる赤城達を失い力尽きた飛龍を発見してその最期を看取っている。 大戦の後半になれば出撃も出来ず乗組員の養成と防空砲台となるしかなかった。 また、すぐ側で見守ってきた大和も直掩機も付けられず半ば自殺的な水上特攻を強いられ波間に消えていった。 自分が見守ってきた艦(むすめ)達が自分より先に失われていく現実、鳳翔の心は如何程であったか。 日本海軍航空母艦最後に完成した末娘葛城が終戦まで生き残ったことだけが救いであった。 その葛城も空母として生きることはなく鳳翔と共にその生涯を閉じる事となったが。 二隻の艦が生涯を閉じた地はそんな歴史など知ることはなく人々の笑顔で溢れていた。 鳳翔は葛城がこの場所に来ることに反対であった。 葛城のコンプレックスを刺激し、嫌な記憶を思い出させると思ったからだ。 しかし葛城はこの地に来ることを強硬に主張した。 「あの場所が今どうなっているのか知りたいの。」 真剣な表情で言う葛城に鳳翔は頷くしかなかった。 779: 635 :2019/03/19(火) 00 15 52 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 「うん、この場所に来て良かった…。」 「えっ?」 葛城は笑顔でそう言った。 「だって皆笑顔でいるのよ?私達が頑張って復員をしたのが無駄だったんじゃないってことでしょ?」 鳳翔は呆気にとられた。 「あの時代、復員する人は皆笑顔が無かったわ。手足を失った人や帰国目前に亡くなった人もたくさんいて皆下を向いていた。」 葛城はUSJの象徴たる地球儀を見上げた。 「でもね鳳翔さん…復員した人を笑顔で迎えた家族がいたわ。片腕無くしても帰って来た人を泣きながら喜んだ人がいたわ。 だから頑張れたの雲龍姉も天城姉も瑞鶴先輩もいなくなっちゃたけど皆の分まで頑張ろうって。」 葛城は鳳翔の方を向いた。 「そりゃ空母として活躍はしたかったですよ?でもそれが私の大日本帝国海軍連合艦隊最後の正規空母葛城としての努めでしたから。 だから…、私は復員船として働いたことに誇りを持っています。」 「葛城さん…。」 鳳翔は自分の思い違いを恥じた。 空母として働けず復員船としてしか外洋を走れなかった彼女がここに来ることがどれだけ酷いことかと思っていた。 しかし、葛城は最後の正規空母として、復員という日本という国家が立ち直る為に成さなければならぬ事を誇りを持って行ったのだ。 それはミッドウェーで散った赤城達やエンガノ岬で散った瑞鶴達に劣らぬ軍艦としての生き様であった。 「鳳翔さんに葛城さんここにいましたか!」 突如としてここまで案内してくれた海上自衛官が駆け寄ってきた。 USJに似つかわしくない軍服姿の登場に周囲は戸惑っていた。 そして自衛官の放った鳳翔と葛城という言葉に周囲がざわつきだした。 「会わせたい人達を連れて来ましたので遅くなってすみません。」 「会わせたい人?」 葛城は自衛官の言葉に疑問を感じた。 元乗組員にはもう会い、他に誰かいるのかと。 自衛官が振り向くとその先に何人もの老人達がいた。 「あんたが空母葛城かい?」 「ええ、そうだけど…。」 老人の一人が葛城をあの葛城かと問う。 自分の乗組員ではないのは間違いないために戸惑った。 すると老人は葛城の手を取り泣き始めた。 「ふえ!?」 「葛城さん、この人の親父さんは葛城さんが日本に復員させた人なんです。」 「あっ!」 自衛官の説明に納得した。 「ありがとう、あんたのお陰で親父が婆さんの死に目に間に合ったんだ。」 泣きながら老人は語った。 他の老人達も語る、自身が葛城で復員した者、家族が乗った者、様々な者がいたが皆葛城が従事した復員の関係者であった。 「葛城さん、あんたが日本に来ると聞いて一言だけ言いたかったんだ。」 『ありがとう』 全員がただそれだけだ。 葛城の目頭が熱くなった。 そして今の自分の姿を恥じた。 彼らの前では日本人を運び復員に従事した航空母艦葛城でなければならないと感じたからだ。 780: 635 :2019/03/19(火) 00 16 52 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 葛城の姿が変わる。 この地を訪れた神崎島の住民から大日本帝国海軍最後の正規空母へと、 身に纏う洋装は剥がれ、艦娘としての艤装がその身を覆う。 周囲の人々は息を呑む。 流れるような烏の濡れ羽の長い髪、 かつてその身を覆っていた迷彩を模した意匠の服と飛行甲板、 腕に持つ梓弓と十万四千度御祈祷大幣と印された矢筒。 航空母艦葛城、彼女は再びこの地に降りたのだ。 黒曜石のようなその瞳が空いた。 彼女は目尻に涙を浮かべながらも花開く様に笑った。 「航空母艦葛城、只今帰還しました!」 781: 635 :2019/03/19(火) 00 17 44 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 以上になります。 転載はご自由にどうぞ。 785: 194 :2019/03/19(火) 07 25 32 HOST ai126188004086.59.access-internet.ne.jp 乙です。復員もまた立派な任務ですからね。 あ、あと誤字報告を。 778 誤・艦娘の偽装と ↓ 正・艦娘の艤装と
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登録日:2022/12/13 (火) 19 50 47 更新日:2023/06/16 Fri 21 46 59NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 ミニイベント 南方棲戦姫 戦艦レ級 支援艦隊 艦これ 艦これアーケード 艦これイベント 特別な瑞雲をやろう、ほら。 艦これアーケードの期間限定作戦として開催されたイベントマップの一種。 開催期間は2022年11月17日(木)7 00~2022年12月8日(木)7 00 - 目次 【概要】 【この海域にて追加されたシステム】◆支援艦隊 【報酬、艦娘邂逅関連】 【海域一覧】E-1 E-2 【概要】 2022/11/15にC2機関のツイートとアーケード公式にて急に発表されたイベント海域。 北方輸送作戦と同様に本家ブラウザ版を元ネタとしていない、アーケードオリジナルの期間限定作戦となっている。 海域の構成は過去最短となるE-1~E-2、かつ双方とも通常艦隊出撃によるシングルゲージ構成で 戦力ゲージを破壊するか、主力艦隊にS勝利をすることで各海域の追撃戦に挑むことが可能。 周回攻略要素や難易度選択の類はなく、通常海域のような感覚で攻略を進める形式となっている。 【この海域にて追加されたシステム】 ◆支援艦隊 第二艦隊に対して駆逐艦2隻を含む、補給を済ませた特定艦種の組み合わせによる艦娘を編成し、道中敵艦隊か敵主力艦隊に対して支援攻撃が可能となるシステム。 本イベント開催段階では通常海域では使えず、本イベントの海域でのみ使用可能。 第二艦隊に任意の艦娘を編成し、道中艦隊に発動させる場合は「前衛支援」、主力艦隊に発動させる場合は「艦隊決戦支援」、使わない場合は「待機」を選択し 編成した艦種に応じて 敵艦隊へ砲撃を行う「支援射撃」(単縦陣) 航空攻撃を行う(*1)「航空支援」(輪形陣) 威力は低いが雑魚処理や、装甲ゲージへの打点にも貢献可能な「支援長距離雷撃」(単縦陣) の三種類を、「目標切替」の左隣にある「支援攻撃」のアイコンをタップして道中艦隊か主力艦隊のいずれかに対して発動。 敵艦隊にダメージを与えるが、ブラウザ版と同様に本隊の砲撃と比べて命中率が低下している傾向にあり、高命中率の水上電探といった装備が欠かせない。 しかしアーケードの場合はダメージとは別に、至近弾と同様に敵艦隊の砲撃or航空サークルの浸食を妨害することも可能であり 副砲が間に合わない場合の咄嗟の弾避けとしても一定の効果を発揮する。 1回の戦闘で1度、射程の影響を受けず任意のタイミングで発動できるため夜戦でもダメージは与えられるが 僚艦の処理や砲撃回避のメリットを生かす観点からも、基本的には昼戦で使用していくシステムとなっている。 支援部隊の各種攻撃は、通常艦隊のそれと同じ処理が行われる。 例えば航空支援の場合は制空権を取っている状態ならFBAを発動させることができる。 また、艦攻しか装備しないで海上の浮遊要塞がターゲットになると下をすり抜けてミスになるし、砲撃や魚雷は浮遊要塞に庇われて旗艦に届かないケースもある。 アーケードでは第三~第四艦隊が実装されていないため、一度に「前衛支援」「艦隊決戦支援」の両方を選択することは不可能。 【報酬、艦娘邂逅関連】 今回は新艦娘の先行実装は行われないが、代わりにE-1で神風、E-1追撃戦で神風、瑞穂、神威が E-2では春風、E-2追撃戦では春風、春日丸、Hornetと邂逅する可能性がある。 同艦娘は確定で邂逅出来るわけではなく、通常海域と同様のランダムによる邂逅となる。 【海域一覧】 E-1 詳細 ・「突入!ソロモン海(消費GP450/追撃戦消費GP200) ☆8 支援艦隊出撃可 ソロモン海に敵戦力の終結を確認。 支援艦隊を投入し強襲作戦準備を実施せよ! 同海域の敵主力艦隊を追撃し、 南東方面作戦準備に掛かれ! 出撃制限:正規空母、装甲空母、軽空母からいずれか1隻以上 道中艦隊は軽巡ホ級eliteや駆逐ロ級による艦隊、重巡リ級flagship旗艦の艦隊、空母ヲ級eliteと戦艦タ級elite2隻が含まれる艦隊 そして空母ヲ級eliteが2隻含まれる艦隊が出現する。 海域南西側に主力が出現するパターンでは、スタート地点南側の突き当りを西に進めばホ級とリ級の艦隊がいるため 進軍ルートが狭い関係上双方を相手にすることが必須で、東に進んだ場合はヲ級2隻の編成のみの戦闘となる。 航空サークルを回避する関係上疲労が貯まりやすいため、道中戦闘を少なくしたい場合はヲ級…と言いたいところだが 運が悪いとホ級の偵察機に見つかり、艦娘側に付いてきた末にヲ級と連合艦隊になるため、こっちはこっちで警戒が必要。 残り二パターンは双方とも海域南東に主力艦隊が出現し、スタート地点の東側にホ級がいる場合は南から進軍すれば道中一戦で主力に到達可能で 南側にホ級がいる場合は一旦東側に反れてから南下し、道中がヲ級2隻の艦隊の一戦で主力へ到達できる。 主力艦隊旗艦は水母棲姫。編成は空母ヲ級flagshipが目立っており 空母棲姫(耐久値580、装甲ゲージなし)、空母ヲ級flagship×2、重巡リ級elite、駆逐ロ級elite×2 空母ヲ級flagship×2、戦艦タ級elite、軽巡ホ級flagship、駆逐ロ級elite×2 耐久 580 火力 135 雷装 145 対空 80 装甲 166 備考 射程:超長、開幕雷撃あり 難易度甲のイベント海域に比べるとこれでも控えめの編成となっているが 今回の作戦では難易度の設定が無いため、この編成での戦闘が必須となっている。 開幕雷撃はT字有利を取れるように会敵すれば開幕後左右どちらかに向かって走れるため、魚雷サークルの隙間を見つけて飛び込めば回避可能だが 回避したらしたでヲ級艦隊の航空サークルなどが飛んでくる関係上、船速が落としづらい。 航空サークルもヲ級と違って追尾型のそれが採用されているため、闇雲に速度を一杯にするだけでは回避が困難となっている。 ただ支援艦隊を使用すれば弾避けにもなるため、回避に自信がない場合は航空サークルが収束するタイミングで使用するのも一手、といったところか。 戦力ゲージは水母勢姫を1回撃沈で1/4減らせるため、最短4周で突破可能。 戦力ゲージ破壊or破壊後はS勝利すると追撃戦だが、編成は同じとなっている。 報酬は初回のランキング報酬から2~3年ぶりの実装となる瑞雲12型(六三四空)、特注家具職人。 いつ海の山城&最上と関連しているかは不明。 E-2 詳細 ・強襲!南東方面作戦(消費GP500/追撃戦消費GP200) ☆12 泊地あり 支援艦隊出撃可 支援艦隊を出撃させ主力艦隊と共に 敵大型超弩級戦艦を撃滅せよ! 敵大型超弩級戦艦を追撃し作戦を 完遂せよ! 出撃制限:正規空母、装甲空母、軽空母からいずれか2隻以上。駆逐艦1隻以上。 道中編成ではflagshipを含む軽巡ヘ級3隻の艦隊、同艦が4隻の艦隊、空母ヲ級改flagship2隻の艦隊に加えてヲ級改旗艦の艦隊も出現する。 主力艦隊が海域北東側に出現する組み合わせの場合は、へ級艦隊&フラヲ2隻艦隊との戦闘のみでの道中戦闘で主力に到達可能だが 海域南部、または海域東部に出現する場合は、侵攻ルートの関係上ヲ級改との戦闘が避けられなくなる。 例によって戦闘が長引きやすいが海域中央に泊地があるため、回復可能な艦娘がいれば疲労回復には困らない。 主力艦隊旗艦は南方棲鬼。ゲージが残り2/5になると南方棲戦姫に切り替わる。 編成は 南方棲鬼(耐久値470、装甲ゲージ)、浮遊要塞(耐久146)×5 戦艦レ級elite(耐久値450、装甲ゲージ)、戦艦レ級(耐久値270、装甲ゲージ)、軽巡ヘ級flagship×2、駆逐イ級後期型elite×2 耐久 470 火力 110 雷装 120 対空 60 装甲 122 備考 射程:超長 難易度設定なしで昼戦5-5に近い編成となり、航空サークルは避けやすいが随伴艦隊の砲撃の高火力が目立っている。 難易度丙と違って浮遊要塞(以下、たこ焼きと呼称)の数も5隻であるため攻撃の通りづらさを感じるが、艦娘の練度によってはたこ焼きの処理にはそう時間はかからない。 戦力ゲージは南方棲鬼の撃破1回につき1/5の減少となり、3回撃破すると編成が切り替わり 南方棲戦鬼(耐久値560、装甲ゲージ)、浮遊要塞(耐久146)×5 戦艦レ級elite(耐久値450、装甲ゲージ)、戦艦レ級(耐久値270、装甲ゲージ)、軽巡ヘ級flagship×2、駆逐イ級後期型elite×2 耐久 560 火力 160 雷装 140 対空 70 装甲 155 備考 射程:超長 最短で4回目の出撃から南方棲戦鬼を相手にすることとなり、主力艦隊のみ性能が強化される。 攻略方法は、最悪レ級を落とせなくても南方棲戦鬼を落とせれば突破は可能なので 制空を取って命中率の向上、魚雷を確実に旗艦に当てて砲撃を通りやすくするなどの戦術を怠らなければ突破率も高い海域となっている。 例によって普通に魚雷を当てるだけではたこ焼きガードが入るが、旗艦の背後を取るように魚雷を当てれば確実に旗艦を狙えるため積極的に狙っていきたい。 問題は突破後に追撃戦を挑む場合はS勝利が必須となる点で、片方を全滅させてもう片方の過半数を撃沈といった戦闘結果が求められる点は初心者には難しい…かもしれない。 なおこの海域ではE-1と違って追撃戦では通常戦と異なる編成が待ち受け、実質2回目の編成強化が入る。 南方棲戦姫(耐久値650、装甲ゲージ)、浮遊要塞(耐久155)×5 戦艦レ級elite(耐久値450、装甲ゲージ)、戦艦レ級(耐久値270、装甲ゲージ)、軽巡ヘ級flagship×2、駆逐イ級後期型elite×2 耐久 650 火力 130 雷装 150 対空 80 装甲 144 備考 射程:超長 鬼が姫となり耐久は650に強化されたが、何故か火力や装甲が下がっている。何があった 攻略方法は変わらないが、相変わらずレ級の火力が目立っているため警戒が必要なのは相変わらずである。 報酬は41cm連装砲改二、SK+SGレーダー、特注家具職人。 41㎝改二は2021年7~8月のランキング報酬以来の実装で、SK+SGレーダーは初実装となる。 追記・修正は袖の中から取り出した瑞雲でお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
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271: ナイ神父Mk-2 :2020/11/12(木) 22 45 02 HOST p331223-ipngn2201akita.akita.ocn.ne.jp 憂鬱スパロボ 未来編小ネタ 鉄血のオルフェンズ編 その7 革命の燃えた後には ドルトコロニーに於けるクーデリアの演説及びそれにより発生したドルトコロニー宙域での戦争はドルト3の大破による企業経営陣の全滅とアリアンロッド第五艦隊の壊滅及びウィンター准将の二階級特進を持って決着が付く事となった。 これによりドルトの残存コロニーは火星連合の施政下に入る事となり、実質的にドルトコロニーはアフリカユニオンより独立した。 コレに対してアフリカユニオンは激しく反発。ギャラルホルンに対してすぐさま奪還の戦力を送る様に要請するも、他の経済圏より立て続けのダインスレイヴ違法使用による問い合わせやアリアンロッドに対する抗議の集中などによってそれどころではなくなっていた。 更に不運は重なる物で、度重なる責任追及や部隊内不和によって拡大していた部隊内の小競り合いは、ウィンター艦隊の崩壊などによって激化の一途を辿り、遂には同派閥の人員によるアリアンロッド総司令ラスタルの暗殺が行われる事となる。 これに対して混乱状態のアリアンロッドは犯人を捕らえることが出来ずに最新機種を奪取し地球圏内へと潜伏している。 尚、暗殺犯脱出を支援した傭兵に関してはその場にて撃墜死亡が確認されているが、此方に関してはギャランホルンのデータに存在していない事から存在しない人間となっており、後の精密調査に置いてはラスタル指揮下に置いて工作を行っていた人間であった事がエリオン家に残っていた資料や復旧された人物データから判明している。 だが、関係者や暗殺犯が徐々に判明していくことでこの混乱は更に深まる事となる。 何せ暗殺犯はラスタル派の人間だったからだ。コレによって元から反ラスタルの気炎を上げていた勢力はこの事を理由に、旧ラスタル派が仕組んだものとして反発を強め、旧ラスタル派は反ラスタル派こそ今回の事件を起こしたとして対立を更に悪化させた。遂には艦隊同士でのにらみ合いを行うに至っていた。此処に来て事態を重く見たギャラルホルンはセブンスターズが仲裁に出る事によってそれを鎮静化している。 この事によって旧ラスタル派閥は元々ラスタルと友好関係に有ったイズナリオの指揮下に成る事となり、残存している反ラスタル派に関してもその指揮権を別のセブンスターズへと移す事となる。 これで一定の安定を確保したギャラルホルンではあったが、現状はこれは暫定的な対処に過ぎず、アリアンロッドの管轄範囲を考えれば、いずれは根本的な対処は必須という事は想像に難くない事であった。また、今回に置いては明確に火星連合が対地球を主眼に置いた行動をとってきた事で軍事面においてはその警戒を強めていたが、これに関しては未だ経済圏の対立問題等によって対処を決めかねており、クーデリア一行は無事地球のオセアニア連邦へと降下し蒔苗との接触に成功している。 その反面、反蒔苗派の議員を中心とした現議会の主流派はこの行動に強い危機感を持ちギャラルホルンに首都の警護を要請する。 272: ナイ神父Mk-2 :2020/11/12(木) 22 45 38 HOST p331223-ipngn2201akita.akita.ocn.ne.jp これを受諾したギャラルホルンは、イズナリオ系の派閥が有する地球軌道統制統合艦隊を中心にイズナリオへと下ったアリアンロッド艦隊の半数を地上へと降ろして、エドモントでの治安維持を名目に戦力を結集しただけでは無く、地球圏付近に存在する傭兵や一部の反火星系勢力として逮捕収監されていた人員の一部を、傭兵名目で雇用して戦力化している。 ギャランホルンの戦力に関しては先の大敗等を考慮して、各地の圏外圏の一時的な治安悪化に目を瞑つ前提で各地の植民惑星や連合施政下に置かれたドルトの駐留していた部隊などを含めて再編成を行った。 実際にエドモントン郊外を囲むように配置された総戦力はMSだけで優に2000機を超え、MWをも含めれば厄祭戦以来で有ろう空前絶後の戦力がエドモントンに集結している。 ギャラルホルンがそうした戦力を集めている一方で連合の動きにも変化が訪れ始めて居た。 それは今回のクーデリアの演説が強い効果を発揮した事から、それを最大限に利用して連合や火星の力を示すというものである。 その必要性から連合でも本格的な内惑星艦隊導入とエドモントンに集結したギャラルホルンを排除してのクーデリアのエドモントン入場を演出するべく戦力の投入を開始したのである。それと同時に連合はこうした強襲任務作戦に特化した特殊機甲強襲連隊「ストライクワイバーンズ」の投入を決定。 秘密裏にヴァンツァー系機体用の母艦を一隻オセアニア連邦のセントエルモスに合流させるだけでなく、宇宙にも視覚的インパクトを重視した降下ポッドとその支援艦隊を導入している。 こうしてギャラルホルン及び連合が決戦に向けて動いている一方で経済圏各地でもその行動に変化が訪れ始めていた。 特に対ドルトへの戦力派遣などを断られたアフリカユニオンやSAUは、活発に旧ラスタル派から離反した反ラスタル派のアリアンロッド艦隊と積極的に通信を続けているだけでなく、彼等を通して一部の月警備名目で置かれたMWや完成したばかりの新規生産機の一部をSAUに譲渡する等の行動が見られ、徐々に両者は勢力として近づいていく。 それと同時に反ラスタル派だったアリアンロッド艦隊は月の本拠地防衛やドルトコロニーへの警戒を名目としてし周辺へと展開、ドルト等に展開している連合艦隊等への牽制を行っている。 273: ナイ神父Mk-2 :2020/11/12(木) 22 46 17 HOST p331223-ipngn2201akita.akita.ocn.ne.jp 火中の栗を拾うのは 火星やギャラルホルン、経済圏と言った各地の主要政体が立て続けに戦乱の兆しを濃くしていく中それに強い影響を受ける圏外圏も又その影響を濃く受け始め其々旗色を示していった。その中でも特に影響が大きかったのは金星周辺などを含めた圏外圏が反ラスタル派へと付いた事である。これはアーブラウや旧ラスタル派による強硬な戦力徴収による治安の更なる悪化に対して不満を噴出させた事が原因となりコレによって反ラスタル派の将兵たちによって太陽の近くに置かれたエイハブリアクターの製造工場が反ラスタル派の影響下に置かれ旧ラスタル派を要するイズナリオ側に戦力が届きにくく成る原因と成って居る。その為、イズナリオ派では対MSを重視した機体の確保に遅れが出ており戦力の質に不安を抱え本部に残されて居た試作機のレアストアや実験機の再稼働計画を立てて戦力不足に対応している。 こうした金・水星方面の動きに対して圏外圏でも比較的大きな勢力を誇るテイワズを有する木星圏は火星連合の支持を表明これに寄って火星以遠の圏外圏所属政体のその殆どは強制的に火星連合の影響下に置かれた。しかし、この頃テイワズでは大規模な粛清劇も発生しており後継者不足に悩まされる事に成る。この頃よりマクマードの出身であった後方の事務畑の勢力の勢いが大きく下火になりマクマード当人も引退した事でトップが完全に空席と成ったのである。此処で本来で有れば起こる筈の後継者争いに関しては各勢力が消極的に成った事で遅々として進まなってしまっている。 この理由としてはNo2であったジャスレイドノミコルスの粛清が関係していると思われる。商業や内政畑と言った幹部陣が多く粛清されたのに加え、力関係上影響を強く受ける事と成った火星連合及びアルゼブラを始めとした諸勢力に対して反感を持って居たり連合からの資料横流しに加わっていた人員が多数存在した事によって粛清が下部人員にまで及んだことが原因とされている。更に、ギャラルホルン以上に近い地域に明確な大国と呼べる勢力が誕生した事でそちらからの交渉の必要性がこれまで増し、粛清劇による次の生贄と成る事を恐れた幹部陣の多くが今トップへと上がる事に対して忌諱感が生まれる形成ってしまったのである。 こういった事から暫し、トップ不在のまま停滞せざるを得ない状況と成って居たテイワズで有るがテイワズが今後火星との付き合いを続けていくに辺り勢力を纏めるトップはどうしても必要と成る事から新しいトップを決める事が決定された。その中で幹部陣から出た候補が名瀬タービンである。彼は当初よりアルゼブラと取引が有っただけでなく、マクマード側からの信任や元々火星連合との商業ルート開通の功績での若頭承認が確定していた事から名瀬の名が挙がったのだった。組織幹部に昇進予定だった人間の代表就任という事態はもちろん名瀬本人を含めて反対の声が幹部陣以外から上がった物のコレに関しては引退したマクマードが直接説得に赴いた事と暫くのサポートを約束した事で最終的に名瀬本人も承諾する事となる。こうして名瀬新代表の元で出発したテイワズ及び木星圏諸勢力の多くは火星連合の支持を表明。後の乱世に対して諸勢力の多くはどれが爆発するか分からない火中の栗へとそれぞれ手を伸ばす事となる。 274: ナイ神父Mk-2 :2020/11/12(木) 22 47 12 HOST p331223-ipngn2201akita.akita.ocn.ne.jp 短いですが以上ですWIKIへの転載は自由です。 取り敢えずドルト戦後~エドモントンでの決戦迄の大まかな流れをば…
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生存説 339 名前:全「実は生きていた」選手入場 :2008/03/11(火) 12 00 27 ID SOgYH8nn0 信長殺しは生きていた!! 更なる研鑚を積み妖怪僧侶が甦った!!! 天海!! 明智光秀だァ――――!!! モンゴル帝国はすでに俺が完成している!! 成吉思汗(チンギス・ハーン)源義経だァ――――!!! 落城しだい薩摩へ逃げまくってやる!! 豊臣家代表 豊臣秀頼だァッ!!! 世界最強の殴り合いならフランスの歴史がものを言う!! 死んだのは影武者 泥棒に入って射殺? ナポレオン・ボナパルト!!! 真の国王を知らしめたい!! ベルギーへ逃亡 ルイ17世だァ!!! ロックンロールは全米チャート制覇だが人気なら全世代オレのものだ!! 目撃証言多数 エルヴィス・プレスリーだ!!! ユダヤ対策は完璧だ!! ナチス高官 マルティン・ボルマン!!!! 全ロシア革命のベスト・アライブは私の中にある!! ロマノフ王朝の末娘が来たッ アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ!!! タイマンなら絶対に敗けん!! 新撰組のケンカ見せたる 十番隊組長 原田左之助忠一だ!!! バーリ・トゥード(尾張の大うつけ)ならこいつが怖い!! 本能寺のピュア・ファイター 織田信長だ!!! アメリカンロックから生存説が上陸だ!! 「ドアーズ」 ジム・モリソン!!! 旅順港閉塞作戦で帰還しなかったからマルス(軍神)になったのだ!! 上等兵曹の生存説を見せてやる!! 杉野孫七!!! 秀頼脱出のついでに薩摩落ちとはよく言ったもの!! 天才軍師の生存伝説が今 現代でバクハツする!! 紀州逃亡説もあり 真田幸村(信繁)先生だ―――!!! 世界宗教級伝道師こそが地上最強の代名詞だ!! まさかこの男が青森にきてくれるとはッッ イエス・キリスト!!! 祖国を解放したいからここまできたッ 政府がキャリア(生存説)一切否定!!!! インドのピット(独立)ファイター スバス・チャンドラ・ボースだ!!! オレはヒップホップ最強ではない後の影響力で最強なのだ!! 御存知アフロ・アメリカン トゥパック・アマル・シャクール!!! アニメの本場は今やディズニーにある!! オレを目覚めさせる技術はまだなのか!! ウォルト・ディズニーだ!!! 業績デカァァァァァいッ説明不要!! アジアの歌姫!!! 全日本有線放送大賞3連覇!!! テレサ・テンだ!!! すり替え入水は壇ノ浦で使えてナンボのモン!!! 超実戦生存説!! 本家日本から安徳天皇の登場だ!!! オルレアンはフランスのもの 邪魔するイギリスは思いきり殴り火刑時は身代わるだけ!! フランス・ヒロイン統一王者 ジャンヌ・ダルク 自分を試しに日本と協力したッ!! 全男装麗人スパイ・チャンプ 川島芳子!!! 生存説に更なる磨きをかけ ”ロシア皇太子と共に帰国”西郷隆盛が帰ってきたァ!!! 今の自分に退路はないッッ!! 琵琶湖の浮島に潜伏 島左近!!! 中国四千年の生存説が今ベールを脱ぐ!! 山口県から 楊貴妃だ!!! 軍事マニアの前でならオレはいつでも全盛期だ!! 燃える連合艦隊司令長官 山本五十六 暗殺説まで登場だ!!! 参謀の仕事はどーしたッ 生存説の炎 未だ消えずッ!! 独断も梅毒も思いのまま!! 辻政信だ!!! 特に理由はないッ 総統が生きているのは当たりまえ!! ユダヤ人にはないしょだ!!! 第三帝国開山! アドルフ・ヒトラーがきてくれた―――!!! 暗黒イラクで磨いた実戦影武者!! イスラム国家のデンジャラス・ライオン サダム・フセインだ!!! 生存説だったらこの人を外せない!! 超A級バクチ打ち 風船おじさんだ!!! 超一流探検家の超一流の伝説だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ 神武天皇と同一説あり!! 徐福!!! 入れ替わり説はこの船(オリンピック号)が完成させた!! 保険金詐欺の切り札!! タイタニック号だ!!! 古代の王者が帰ってきたッ どこで生き延びていたンだッ 生存進化説ッッ 俺達は君を待っていたッッッ恐竜人類の登場だ――――――――ッ 加えて「やっぱり死んでいた」発生に備え超豪華な「死亡説があった人」を4名御用意致しました! 芸能人! 志村けん!! 元ビートルズ! ポール・マッカートニー!! 漫画家! 冨樫義博! ……ッッ どーやらもう一名は生存確認が遅れている様ですが、到着次第ッ皆様にご紹介致しますッッ 関連レス 343 名前:水先案名無い人 :2008/03/11(火) 15 54 54 ID mwM+5lnK0 風船おじさんwwwwwwwww 344 名前:水先案名無い人 :2008/03/11(火) 17 05 16 ID 15rFiU840 これだけいれば、十人くらいは生き残ってそうだな。 345 名前:水先案名無い人 :2008/03/11(火) 19 41 32 ID 3VwT4tm40 342 最後の1人はネッシーだよな!! 350 名前:水先案名無い人 :2008/03/11(火) 22 59 41 ID YnFMqK+f0 345 舩坂弘だろ。 コメント 名前
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18: リラックス :2020/11/29(日) 10 11 05 HOST 119-228-232-201f1.kyt1.eonet.ne.jp 乙です。私もネタを 小ネタ集:仮称パシフィカ級の計画発表後の各国の反応について EU、ADM級を欧州標準戦艦に制定にむけて協議 【○ahooニュースのタイトル】 目を覚ませ そいつはあんま 強くない 【同○ahooニュースに書かれたコメント】 ASEAN、仮称パシフィカ級購入むけて日米と協議 【○ahooニュースのタイトル】 日米と話し合う前に誰の財布から金を出すか相談しろ 【同○ahooニュースに書かれたコメント】 中国、改定遠級戦艦「鎮遠」、初訓練へ 【○ahooニュースのタイトル】 同艦を完成に貢献した全ての関係者に敬意を 【同○ahooニュースに書かれたコメント】 ある日の○ahooニュースのタイトルと、そのコメント 「いやぁ、まさかASEANがここまでパシフィカ級建造に意欲的とは」 「それだけ中国の膨張が脅威に写っていたということでしょう」 (日本の塩対応っぷりが予想外だったのもあると思うけどなぁ……) 「でもさー、ぶっちゃけ、仮称パシフィカ級ってそんなに強くないよな?」 「まあ、最低限、航空機や潜水艦から自分の身を守れる程度の能力にADMと撃ち合いをしたら勝てる程度の性能しか持たせてないからな、どう見ても……」 「何故かもの凄い持ち上げられてるのが謎だよな」 「問題ない、むしろ好都合。どうせ東南アジア方面に戦艦を貼り付ける理由なんて「民心の安定の為」くらいなんだから」 「A・L級にそれだけをやらせるのは勿体ないって話だから作られた計画だろ?だからこれで良いんだよ」 「バファリ○とはよく言ったもんだ」 「…本質的な価値はギャースカ騒ぐ連中への精神安定剤?」 ある日のニュースを見た国防軍兵士達の雑談 「あいつらの世界観ってどうなってるんだ?」 「戦艦が戦略兵器としての価値を取り戻したというのは分かりますが、効果があり過ぎるのも考え物ですね」 「戦艦の購入に意欲的になるのは良いが通常戦力の整備をもっとちゃんとして欲しい、と思うのは贅沢なのか……」 「まあ、ウチもアーレイ・バーグ級の後継どうすんの、とかLCSやズムウォルトという処分先に困るもの抱えてますから多少は仕方ないのではないかと」 「ズムウォルトがADMのほぼ下位互換扱いされてるのに反論が難しいのが辛い」 「今更お手手繋いで仲良しこよしなんて出来ないから機能不全起こしてるんだろうに、ホント良くやるよ」 仮称パシフィカ級戦艦にASEANとEUがえらい騒ぎを起こしてるのを見たホワイトハウスの反応 19: リラックス :2020/11/29(日) 10 12 01 HOST 119-228-232-201f1.kyt1.eonet.ne.jp 中共中央政治局は東南アジアに戦艦を建造するという宣言を日帝による帝国主義の恐るべき陰謀の一環であるとして断固認めない旨を強く主張することを決定した。 また、台湾・琉球方面に美国の戦艦が展開を検討している件に関して、極東の軍事バランスを悪戯に刺激する愚行であるとして、こちらも強く批判すると揺るぎない意志と鮮明な姿勢をはっきり示している。 中国のネット記事 オーストリア、ASEANが日米から戦艦の購入の協議を開始したことを受け、自国における戦艦保有の必要性を政府に訴える声が高まっている模様。 国防関係者はASEANが戦艦を持つことにより周囲に与える影響、特に大国意識というものを拗らせつつあるインドネシアが戦艦を持った場合の最悪のケースがどうなるかアメリカに訴える必要がある、と強い懸念を示す発言。 とあるネットニュースの記事より 「日帝による環太平洋連合艦隊は日本の軍国主義復活を示す象徴的な構想」、EUではこのような意見を元に平和の担い手としての義務を果たすべく欧州各国が手を取り合い悪虐非道なる日本に対抗しようという声が高まっているーーー(参照元url ちなみに韓国の悲劇を二度と繰り返してはいけない、とか、その為にもアジアにおける最後の平和の防壁である中国との関係を密にとも主張している模様。 それから余談だが、A・D・M級を欧州標準戦艦にという動きについてだが、A・D・M級を「あんな戦艦擬き」と発言した海軍トップが更迭されたという噂があったが、結果的に事実になったようだ(url)。 とあるブロガーの記事 「なあ、パシフィカ級ってADM級よりは強いって程度で、まだ本当に造るかどうかも分からないって代物なのに、豪州はともかく何故に欧州までこんな騒ぎになってるんだ?」 「わかりやすく言うと、中国を潰したら東南アジアを子分にして最後は欧州に今までの鬱憤を晴らしに行くって思われてるみたいよ? 今まで韓国すら殴り返さない日本なんぞ怖くないってやっていたのが、あっさりとそのライン越えちゃったから」 「しかも方針転換して東南アジアに塩対応してるのが上下関係を教え込もうとしているムーブにしか見えないんだって」 「で、鞭の味を教え込んだ後に「お前らも戦艦保有国になりたいか?」って飴を見せつけてると思われてると?」 「大東亜共栄圏はもう結構なんだがなぁ」 とある飲み屋で行われたオフ会での雑談 「なあ、睦月達の目が死んでるがどうしたんだ?」 「それがですね提督、先日機材を借りてパシフィック○リムの映画の上映会をやったじゃないですか?」 「ああ、中々に好評だったな」 「それの流れを汲む映画とPVを見て、どうもこれを視聴したようで……」 ※バトル○オブ○アトランティス 神崎島では低予算パチモン映画の被害に遭ったようです 20: リラックス :2020/11/29(日) 10 15 04 HOST 119-228-232-201f1.kyt1.eonet.ne.jp 以上、バトル○オブ○アトランティスはな、辞めとけ
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戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ 3章 (53)ウルザの砲台 これで何度目かとなる交錯。 空中を素早く逃げ回るワルドの進路を武具の射出で妨害し、一気にウルザがその距離を詰める。 『ハッ!』 距離が縮まると同時、裂帛の気合いとともに、二人は互いに弾幕のような無数の光条を放った。 ワルドのそれは、迎撃のため。 ウルザのそれは、ワルドの迎撃を打ち落とすため。 ウルザの呪文はワルドの呪文を残らず撃ち落としていく。それは相手の放った矢を射るが如き、針の穴を通す達人技。 迎撃が意味をなさないことを悟ったワルドも即座に後退に徹しようとするが、追随するウルザがそれを許さない。 ウルザは無造作にワルドの懐に飛び込むと、左手でに握った大剣を払う。重さと早さが乗った一撃が、ワルドを襲った。 しかしてワルドもただ者ではない。 ワルドは回避しきれないと判断すると、素早くサーベル型の杖を腰から引き抜き、ウルザの剣をいとも簡単にいなしてしまった。 そう、接近戦こそは彼本来のフィールド。 ロングレンジの戦いならともかく、ショートレンジでの戦いなら、転化前の技能が存分に生かし切れる。 追い詰められたワルドは、防戦どころか逆に剣杖にブレイドの呪文を纏わせて、ウルザに接近戦を挑んできた。 こうなってしまっては、いかに長い時を生きてきたとはいえ、所詮はアーティフィクサー。本職の戦士を相手にするのは難しい。 それが自身と同じ、定命の軛から解き放たれたものとあっては尚更に。 あっという間に攻守は逆転。 今度はワルドが攻める展開となった。 突き、払い、突き、フェイント、簡易詠唱呪文による牽制を織り込みつつ距離を詰め、間髪入れずに引き込む真空を纏わせての跳ね上げる斬撃。 立て続けに鋭い攻撃を繰り出されたウルザが、堪らず距離を離そうとするが、その動きにもぴったりとワルド追いすがる。 突き突き突き突き、刹那に四度。恐るべきプレインズウォーカーの魔力を乗せた刺突がウルザを襲う。 流石にこれは防ぎきれないと判断したウルザが、非常手段に訴える。 次の瞬間、二人がいた空間を極太の熱線が焼き払っていた。 「埒が開かんな」 そう呟いたウルザは、最初そうであったように、再びワルドとの距離を離していた。 ウルザもワルドも、共に熱線によるダメージはない。 単に仕切り直しとなっただけである。 こうして距離を詰めようとしたウルザを、ワルドが撃退して距離を離すというやりとりも、すでに何度か目となっていた。 そもそもプレインズウォーカー同士の戦いというものは、片方が消極的な戦法を取ると長期戦になりやすい。 加えて、本来ウルザは自分で戦うことを得意としないプレインズウォーカーである。 〝愚か者どもの破滅〟テヴェシュ・ザットや、〝世界最古のプレインズウォーカー〟ニコル・ボーラスといった面々のような戦闘力は持ち合わせていない。 もしも戦うならば、莫大な魔力やアーティファクトを利用して、距離を離しての戦いが本来の戦法なのだ。 一応、杖を使った格闘術もある程度身につけているが、それにしたところでファイレクシアの闘技場でジェラードに打ち負かされる程度の腕前である。 本物の勇士を相手にするには心許ない。 それでも、ウルザがワルドに接近戦を挑むのは訳がある。 それはワルドが展開し、周囲の空間に編み込まれた儀式魔法の術式陣に理由があった。 今や二人の戦闘空域の至る所に浮かぶ、一見すると無造作に漂う光の紐にしか見えないそれは、ワルドが作り出している次の攻撃のための布石だった。 捕縛か、封印か、攻撃か、防御か、巧みに偽装された術式は、一見しただけではその正体を掴みきれない。 その呪文がどのような呪文であるか、ワルドの狙いがなんなのかを突き止めるのが、ウルザにとってのワルド攻略の第一歩だった。 その為にも、ウルザにはワルドとの距離を詰めて戦う必要があった。 距離を詰めれば、儀式魔法の展開を直接その目にすることができる。そうなれば、判別は痕跡から魔法の正体を探るよりもずっと容易い。 また、距離を詰めることで、儀式魔法の正体を知られまいとするワルドが一時的に呪文の詠唱を中断するという副次的な要素もある。 だが、ウルザにとっての誤算は、ワルドの有する卓越した戦闘技術。 覚醒してからほんの数ヶ月のプレインズウォーカーとは思えないほどに、ワルドの動きは的確だった。 センスが良いというべきか、それとも昔取った杵柄とでもいうべきか。 ワルドの動きは、プレインズウォーカーの動きとしても、実に合理的であった。 相手の術を捌きながら行う攻撃のタイミングにしても、複数の呪文を操りながら相手の呼吸を乱すフェイントにしても、熟達のプレインズウォーカーに匹敵する動きなのである。 結局、ウルザはワルドの得意とする接近戦を挑まなければならず、その度に接近戦になれば有利なワルドが、結果的にウルザとの距離を離してしまう、そんな戦いが続いていた。 一方で、ワルドはウルザが焦れてきているのを感じ取っていた。 これまで六度、それがウルザが接近戦を挑んできた回数である。 その判断は間違っていない。確かに、時間をかければかけるほどに、不利になるのはウルザなのだ。 再びウルザが飛翔速度を上げてくる。 これで七度目となる接近戦を挑もうというのだ。 だが、すでにワルドは準備の殆ど終えてしまっている。 (……そろそろ頃合いか) 予定よりも準備に長く時間をかけてしまったが、ファイレクシアの英知から授かった、ウルザを倒すための秘策は下拵えが済んでいた。 あとは最後のピースを嵌めて、絵を完成させてやる段階だ。 (それでは最後の一押し、決めさせてもらおう!) ウルザの動きに合わせたように、ワルドもまた、その距離を詰めてきた。 短い時間で互いに接敵を果たすと、ウルザは杖とデルフリンガーで、ワルドはブレイドを纏わせた杖で、必殺の一撃を放った。 杖同士がぶつかり合い、弾き合う。杖を弾いた後も、デルフリンガーが追の撃となってワルドを狙うが、これは危なげもなくかわされてしまった。 そして続けざまに一合、二合、三合、ウルザとワルドは切り結ぶ。 ウルザは迎え撃つのではなく、自ら踏み込むようにして接近戦を挑んできたワルドに違和感を覚えていた。 これまではウルザが挑み、ワルドが消極的に対応するという形だったのが、ここに来て自分から前に出てきたことに引っかかりを覚えたのだ。 その意味するところは何か? ――決まっている、相手の準備が整ったのだ。 すぐさまウルザはその場を離脱するために動いた。 だが遅い。 ワルドの動きははウルザのそれより尚早く、捕らえた獲物を逃しはしない。 退きながら/追い詰めながらの一進一退。 迷い無く打ち込むワルドに、ウルザが押され始める。 そして数度目の打ち合いの末、杖と大剣を振り上げたウルザに、決定的な隙が生じた。 杖も大剣も防御にまわせ無い。胴体はがら空き、これを隙と言わず、何を隙というのか。 「終わりだ!」 ワルドが必殺の刺突を繰り出そうとした、その時だった。 ウルザの口元が、微かに動いた。 その瞬間、ワルドの背筋を這い上がる悪寒。 遅れて、その鋭敏な感覚が、自分たちに迫る膨大な熱量の発生を感じ取った。 「貴…ッ!」 見ればウルザの唇がわずかに歪んでいた。 そこで初めて、ワルドはウルザの意図を読み取った。 ウルザは、自分もろともワルドを火線で焼き払うつもりなのだ。 なんて馬鹿げた計画。しかし、『ファイレクシアの目』から受け取ったウルザに関する知識から考えれば、あり得ないとは言い切れない。 無論、気づいたワルドはその場を離れようとする。 だが、ワルドは必殺の刺突を繰り出すために、踏み込みすぎていた。 「…様ッ!」 ウルザの右手が、ワルドの右腕を掴んでいた。 ウルザが右手で握っていたはずの杖は、いつの間にやら虚空に溶けて消えている。 つまりは、最初の隙から、全ては罠だったのだ。 「経験が足りないな、子爵」 ウルザはそう呟くと、掴んだ腕をぐいと引き寄せ、ワルドの体を盾にするように、その体を密着させた。 そして、次の瞬間、怒濤の火線が正面からワルドに迫り、その視界を赤一色に染め上げた。 十分なだけの防御を備える余裕は、無い。 「あ、あああああああああああああああああああ!!」 ワルドの絶叫がこだました。 プレインズウォーカーとは。 世界の外に広がる久遠の闇、そこに繋がることで供給される無限の魔力。 老いることなく、永久の時間を約束された不死。 たとえ破壊されようとも、虚無の闇に溶け込んでいる本体を殺されない限り死ぬことはない、血を流さぬ肉体。 それらを併せ持った、超越的な生命体である。 プレインズウォーカーとウィーザードの存在は、よく象と蟻に例えられる。 象にその気がなくとも、彼が寝転べば無数の蟻が潰され、また、彼が池で水浴びをすれば、無数の蟻が溺れ死んでしまう。 無自覚のままに力をふるう、恐るべき存在。 だが、一見、無敵に見えるプレインズウォーカーも、滅ぼす方法なら無数に存在する。 それは長いドミニアの歴史の中で、どれだけのプレインズウォーカーが滅ぼされてきたかを紐解けば容易に証明できる。 如何に不老不死を約束されたプレインズウォーカーとはいえ、世界への意志表層体である肉体を破壊されればダメージとなるし、肉体を破壊されれば再構築するまでの暫くの時間は世界に関われなくなってしまう。 だが、彼らにとって真の驚異は、プレインズウォーカーの例外。 『プレインズウォーカーならば、プレインズウォーカーを葬ることが可能』ということである。 大した力も持たないプレインズウォーカーなら兎も角、強大な力を持つプレインズウォーカーともなれば、世界への端末である意志表層体への攻撃で、プレインズウォーカーとしての核に直接ダメージを与えることもできるのである。 そしてまた、その延長として、死に至らしめることもまた可能なのであった。 炭化して、パチパチと爆ぜるワルドの亡骸を特に感慨もなく空に投げ捨てる。 先ほどまで展開されていた儀式呪文の陣は消えている。 ウルザは無傷だった。 いや、正確には所々に火傷は負っていたが、負傷と呼べるような負傷は負っていない。 それもこれも、盾にしたワルドと、アーティファクト『ウルザの鎧』のおかげであった。 しかし、ワルドを葬ったウルザの顔色は優れなかった。 「……手応えがなさ過ぎる……?」 そう呟いたウルザは、右手で白い髭を撫でた。 確かに先ほどまでの戦いは激しいものだった。 だが、相手はファイレクシアの支援を受けているのだ、ウルザの予想ではもっと激しいものとなるはずだった。 「……ふむ」 ウルザが気まぐれに下を見下ろしてみると、そちらでは連合軍と、アルビオン軍とが熾烈な戦いを繰り広げいるところだった。 どうやら形勢は連合軍にとって不利な流れらしい。 これに関しては戦闘の最中に、強大なクリーチャーが召喚されたのをウルザも感じ取っていた為、別段驚くこともなかった。 その光景を見ながら、ウルザは独りごちる。 「……子爵がここまで呆気ないとなれば、計画を少々変更した上で、予備のプランを動かさねばならぬか」 今のところ、ウルザの行動計画は少々の修正を加えねばならぬ程度で、まだ大きな支障はきたしてはいない。 このまま順調に進めば、ウルザの目論見通りにことは進むことになるだろう。 そのことを思い、ウルザは小さく唇の端を上げた。 だが、それこそが油断だった。 突如として体の中心から、ズンッ、と重たい衝撃が広がった。 ゆっくりとウルザが自分の肉体を見下ろすと、自分の体の鳩尾から、見覚えのある軍杖の先が生えていた。 ――背後から、貫かれている。 そう理解したのと、声を聞いたのは同時だった。 「遍在さ。ミスタ」 背後からウルザを刺し貫いた、ワルドが言った。 風の遍在。それは実体のある分身を生み出す、風のスクウェアスペルだ。 倒したはずのワルド、そして今ウルザを貫いているワルド、風の遍在。 それらから導き出されるのは、先ほどまでウルザが戦っていたのは分身に過ぎなかったという結論である。 「今回の化かし合いは、私の勝ちのようだ」 言いながら、ワルドは深く、根本まで杖を抉り込む。 血は出ない。プレインズウォーカーは、血を流さない。 人間ならば致命傷であろう一撃を受けても、ウルザは顔を歪めるに留まった。 「愚かな。確かに無傷とは言えないが、この程度はプレインズウォーカーにとって、致命傷にはなり得ない。知らぬ訳でもあるまい」 「勿論知っている。だからこその下準備なのだよ」 ワルドがそう言った途端、先ほどまで消えていた、儀式呪文の術式である輝く紐が、再びその姿を現した。 そして、その先端がウルザを貫いたワルドの杖の先端に繋がっていた。 「ウィアド!」 ワルドがそう、儀式呪文を締めくくるキーワードを叫ぶと、周囲に縦横無尽に走っていた光の帯が、黒く変色した。 そしてそのまま、ウルザを取り囲む輪と変化して、圧縮するようにして杖の先に灯された、呪文の終端へと収束していった。 そして全ての術式が巻き取られると、ワルドの術は完成した。 最初に爆発したのは〝黒い光〟とした表現できないものだった。 それが収まったときにはもう、術の効果は発揮されていた。 目と鼻の先に灯された極小の黒点、そこから発せられる超級の重力が、ウルザを捕らえて放さなかい 現れたのは、全てを吸い込む黒い穴だった。 それは空気、魔力、音、光の別なく、どんなものでもリバイアサンのようにどん欲に飲み込んでいく。 その危険性を察したウルザは、その底の抜けた穴を消滅させようと呪文を唱えた。 だが、その呪文すらも吸い込まれてしまう。 二度三度と繰り返してみたが、結果は変わらない。 そうこうしている間にも、穴はウルザの体をも引き込み始める。 「――、―――!」 その声すらも吸い込まれてしまう。 「ハハハ、無駄なあがきだ! その『黒い穴』の前にはどのような抵抗も無意味だ! おとなしく吸い込まれ、放逐されるが良い!」 そして、その言葉を契機にしたように、指先ほどのサイズだった黒い穴は、一気に二メイルほどの大きさまで巨大化し、すっぽりとウルザを飲み込んでしまったのだった。 時間は少々遡る。 ウィンドボナ周辺、およびその上空での戦いは、泥沼化の様相を呈しつつあった。 地上から空へ、弾雨が下から上へと登っている。 先ほどまで勢いを弱めていた対空砲火が、先ほどよりも一層強くなり、空に展開した連合艦隊を攻撃しているのだ。 「〝アントワープ〟大破!」 「救助を急がせろ!」 「地上軍は何をしている!?」 「伝令だっ、伝令を飛ばせ! 地上軍に対空砲への攻撃を優先するように伝えろ!」 「くそっ、下の連中は何をやっている!?」 ブリッジから場所を移して作戦室。そこでは怒声が飛び交う中、アンリエッタが慌てる参謀達に囲まれて、きりりと口元を引き締めていた。 「対空砲火が強くなりましたね」 「は……」 その言葉に、司令官席に座ったアンリエッタの横に立つマザリーニが口を開いた。 「先ほど空にドラゴンが多数出現するのと同時に、地上でも多数の魔物が出現したのが報告されております。それに関連するのではないかと思われますが……」 マザリーニがそう言っている間も、参謀達は喧々囂々と地上軍に敵の対空攻撃を止めさせる算段を立てている。 現在トリステイン艦隊は、アルビオン艦隊を相手にしつつ無数の大型ドラゴンを相手にしている。更にそこを地上からの対空攻撃を受けている形だ。 けれど、苦しいのは空の艦隊だけではない。地上に展開した軍も、同様の状況にあるはずだった。 そんな中で、地上軍に対空砲火を止めるのを最優先させるというのは、地上軍にさらなる血を流せと命じるようなものである。 しかしそれでも、 「やってもらわねば、我々の命運は尽きてしまいますね……」 今の連合艦隊に、アルビオン艦隊、ドラゴンの群れ、対空砲、これらすべてを相手に三面作戦をとって、戦線を維持できるほどの体力はないのだ。 このままでは遠からず、連合艦隊は再編不能なほどの打撃を受けてしまうに違いない。 そうなってしまえば、地上への援護もままならない。つまり、艦隊の命運はそのまま地上軍の命運をも左右するのである。 選択肢はない、無理でもやってもらう他無いのだ。 「しかし……それでも、あのドラゴン達をもう一度呼ばれたら」 「押し切られてしまうでしょうな」 そう、アルビオン側の追加戦力として現れたドラゴン達は、それだけ戦局を塗り替えるに十分な戦力であった。 アンリエッタ達には、アルビオン側がこの後どれだけ追加戦力を投入できるかが分かっていない。 相手の総兵力が全く見えてこない状況での戦闘は、恐るべき重圧となってアンリエッタを押しつぶそうとする。 しかしそれでも (私は……強くなると決めたのだから。あのとき、決して二度と泣いて立ち止まったりしないと、誓ったのだから!) あの日の想い、あの日の言葉を嘘としないために、愛したウェールズと釣り合う王となるために、こんなところで負けるわけには、いかないのだった。 「地上に伝令を飛ばしなさい! 対空砲への攻撃を続行。その破壊を最優先にするようにっ! もたもたしているとアルビオン艦隊からの対地攻撃が雨あられと降ってきますよ、とも付け加えるように伝令に伝えてください!」 その言葉に、一瞬まごつく参謀もいたが、その場にいた多くの将兵および参謀は、アンリエッタの言葉に即座に従った。 彼女の言葉を地上へ伝えるために、慌ただしく人が動く。 ばたばたと足音が響く中、席に座ったアンリエッタだけが静かだった。 アンリエッタは美しい爪が傷つくのも気にせず、何かを考えながら右手の親指の爪を噛んだ。 「戦力が足りません……」 「………」 横に立つマザリーニが、何も聞かなかったという風に沈黙を保った。 「……奇跡などという都合がよいものが本当あるなら、今こそ出現願いたいところですね……」 マザリーニは、その言葉も聞かなかったことにした。 「報告いたします!」 慌てた様子の士官が一人、作戦室へ飛び込んできたのはそのときだった。 「どういたしました?」 喧噪の中、入り口に現れた彼に、間髪入れずにアンリエッタが問いかけた。 「はっ……」 女王自らに直接声をかけられるとは思っていなかった年若い下士官が、戸惑いながらその場に傅いた。 「形式など気遣い無用。そのまま続けて下さい。何がありましたか?」 先ほどまでの苛立った様子などおくびにも出さずに、アンリエッタが落ち着いた声色で再び聞いた。 通常、作戦室にはある程度以上の地位のある士官でなければ、立ち入りが許されていない。彼のような下士官が報告に来たということは、現場では上級士官がその場から離れられない何かが起こったということである。 そのような事態の前に、形式などに拘ってはいられなかった。 「は、それが……空に、穴が……」 「……穴?」 「はい。穴、でございます」 そしてちょうどその時、大きな音を立てながら、船体が傾いた。 この、大きくて長いものはなんですか? エレオノールからウルザへ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
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imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ダウンロード.PNG) CV Illustrator 史実情報 台詞一覧 時報 同型艦 コメント タグクラウド 関連ページ autolink CV 山田悠希 Illustrator コニシ 史実情報 「矢矧」は阿賀野型の3女。佐世保海軍工廠で1941年11月11日に起工された。艦名は筑摩型防護巡洋艦「矢矧」(*1)に続き帝国海軍では二代目。 太平洋戦争前に起工された最後の軍艦だった。 南太平洋海戦前日の1942年10月25日に進水、1943年暮れの12月29日に竣工した。 老朽化と陳腐化の甚だしかった球磨型、長良型、川内型に代わり、 充実した設備を持った新鋭軽巡として、次世代の水雷戦隊旗艦を担うエースになる、はずだった。 しかし竣工時にはすでに水雷戦闘そのものが無くなり、航空戦へと時代が移ってしまっていた。 生まれながらにして時代錯誤となってしまった彼女たちは、不向きな対空戦闘へと投入されることとなる。 (このあたりの詳細については阿賀野の項目を参照) 竣工後間もなくの1944年3月1日、第一機動艦隊の中核である第三艦隊に編入。 先に沈んだ長女の「阿賀野」に代わって、第十戦隊旗艦として空母機動部隊直衛の任に当たることとなった。 6月のマリアナ沖海戦には駆逐艦15隻を率いて参加。 同海戦では爆沈した「大鳳」「翔鶴」の乗員を救助し、また「瑞鶴」を護って対空戦闘に当たった。 マリアナ沖から帰還後は対空戦闘に備えレーダーと機銃の増備が行われている。 10月には姉の「能代」とともに栗田艦隊に所属し、レイテ沖海戦に参加することとなる。 駆逐隊を西村艦隊や小沢艦隊に引きぬかれた結果、 マリアナからわずか4ヶ月にして指揮下の駆逐艦は6隻にまで減っていた。 24日のシブヤン海海戦では、直撃弾1発のほか至近弾2発を浴びて艦首に破孔が空き、最高速力22ノットに低下。 その後必死の応急修理によってどうにか28ノットまで回復、部隊からの落伍は免れた。 25日、「矢矧」にとっては進水満2歳の記念日にサマール沖海戦が発生。 米護衛空母部隊へまず重巡部隊が突撃を開始、「矢矧」率いる第十戦隊は止めを刺す役を担って後続。 前日の損傷で速力制限のある「矢矧」は無理をして32ノットを発揮、修理箇所からの浸水に構わず突進した。 しかし米艦隊は「ジョンストン」はじめ駆逐艦部隊が必死の応戦を繰り広げ第十戦隊の行動を妨害。 「矢矧」らは命中弾を浴びつつも魚雷を発射。米空母2隻撃沈を報じたが、実際には命中していなかった。 指揮下の「雪風」は確かに米空母に魚雷命中の大水柱が上がったと証言しているが、 おそらく必中を期するあまり信管を敏感に設定しすぎたため、命中前に波の衝撃で爆発してしまったものと思われる。(同様の事例は過去の海戦でも散見される) 「矢矧」の確実な戦果は駆逐艦「ジョンストン」(*2)撃沈である。 なお第十戦隊はこの時の戦果を エンタープライズ型空母1隻撃沈、同型空母1隻大破撃沈殆ど確実、砲撃により駆逐艦3隻撃沈 と報告した。 その後、反転した栗田艦隊は18回にも渡る空襲を受け、「矢矧」は至近弾によりさらに損傷。 また姉の「能代」は魚雷2発を浴びて撃沈されてしまった。 「矢矧」はこのレイテでの一連の戦いで戦死47名、行方不明3名、重軽傷者97名もの損害を出した。 佐世保での修理の際に確認された損傷は1000箇所以上にも及んだという。 1945年4月6日、「大和」らに合流し、天一号作戦に参加。 「矢矧」の原艦長はこの特攻出撃に批判的で、「矢矧」は敵の後方補給路で暴れてこれを寸断すべきと主張していた。 出撃前、特攻出撃で前途有望な若者の生命を無駄に散らさぬよう、士官候補生23名を退艦させている。 また記録には残されていないが、出撃直前に救命具代わりの大量の杉材を艦後部に搭載したとされている。 4月7日午前8時15分、空襲が始まる前、「矢矧」は水上偵察機1機を基地へと返した。貴重な搭乗員と機体をむざむざ水上特攻で失わせる必要はないと判断しての事だった。 12時32分、敵の大空襲が開始。 その冒頭の12時46分に「矢矧」の左舷中央に魚雷が命中、さらに1時にも艦尾に魚雷が命中し、ついに機関が停止。 航行不能となった「矢矧」は「大和」に次ぐ大型艦であったため、まるで標的のように敵機の集中攻撃を浴びることとなった。 第二水雷戦隊司令部は諦めずに「磯風」に移乗しての沖縄突入を図るが、 「矢矧」へ横付けした瞬間に「磯風」も至近弾により艦底を引き裂かれ、航行不能となってしまった。 もはや救援が不可能となった彼女は、孤立無援の形で絶望的な対空戦闘を続けた。 imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (yahagi_02.jpg) 午後1時45分、敵機約50機がふたたび彼女に襲いかかった。 「矢矧」は魚雷と搭載機を投棄しており、さらに爆発寸前となった一番砲弾薬庫にすかさず注水が行われ、致命的な誘爆は発生しなかった。 また中央隔壁を廃した持久力のある設計や応急修理の的確さ、注水による傾斜復元が効果的に行われたことも功を奏し、 次から次へと魚雷や爆弾が命中しつつもなかなか沈まず、最終的に「矢矧」へは 7本もの魚雷と10発以上もの爆弾が命中 。 最後の頃は乗員自身が「もう早く沈んでくれ」と思うほどに持ちこたえた。 軽巡史上最高の防御力を発揮した彼女は、「大和」にわずかに先立つ2時5分、 右舷に30度傾くと、後部から急激に沈下、真っ二つとなって沈んでいった。 生存者は「初霜」「雪風」「冬月」が救助。 「矢矧」の乗員は熾烈な対空戦闘の銃火のため、皆顔が火傷で腫れていたという。 446名が戦死し、艦長と第二水雷戦隊司令官を含む507名が生還した。 次世代としての期待を担って起工されながら、生まれながらに時代錯誤のレッテルを貼られた挙句、それぞれ非業の最期を遂げていった阿賀野型。 その姉妹の中にあって「矢矧」はただ一人戦果らしい戦果をあげ、連合艦隊潰滅の日まで付き従い、殉じていったのである。 後に建築家として有名になる池田武邦が乗り組んでいた。艤装員から始まり、航海士、測的長として、「矢矧」の最初から最後までを共に生き、そしてその最後を看取った。 19歳で少尉候補生として「矢矧」に着任、航海士としてマリアナ沖海戦、レイテ沖海戦に参加した。 海軍の人的損耗は激しく、2年後には21歳という若さで第四分隊長兼測的長を拝命し、天一号作戦に参加した。 天一号作戦で「矢矧」は轟沈、氏自身も火傷を負ったが、「冬月」に救助されて佐世保まで帰り着いた。これらの体験は2010年に『軍艦「矢矧」海戦記』として出版されている。 余談だが、池田氏は週刊誌のインタビューにおいて艦これの矢矧と対面しており、「かわいいじゃないか。うん、いい子だよ」とのコメントを残している。 昭和四十四年、長崎県佐世保市に慰霊碑が建立された。 碑 御霊ら今此処に眠る 御身ら軍艦矢矧の兵としてマリアナ海戦フィリピン沖海戦に散じ はたまた国家の存亡をかけし沖縄特攻作戦に戦艦大和らとともに徳之島西方に没す この日 昭和二十年四月七日なりき 今、世は太平 此度漸く機熟して戦没者の霊を慰め且つは再び戦争の悲劇を繰り返さざることを希い 母なる港を臨む東山の聖地に慰霊の碑を作りたり 御霊よ永久に安らかに眠れかし ゆきしふね かえらぬおかに はなふぶき 台詞一覧 状況 台詞 関連する史実や元ネタ、解説など 自己紹介 軽巡矢矧、着任したわ。提督、最後まで頑張って行きましょう 連合艦隊の実質的な最後までを共にした艦である 秘書クリック会話① さて、今日はどんな戦略を立てるの? 秘書クリック会話② んふふ、いい気配りね。嫌いじゃないわ 秘書クリック会話③ うふっ、面白いわね。そうことなら私からしかけてもいいのかしら。ね? ほう 戦績表示時 提督への報告書ね。どうなの? 編成選択時 第二水雷戦隊、預かります。矢矧、抜錨する 装備時① そうね、有難いわ 装備時② うん。この改装なら、行けるかもしれない… 装備時③ 流石ね (マップ選択・資材発見・修復剤使用・装備開発と装備時③は共通) 補給時 補給よろしく。また出るわ。 ドック入り この程度、傷のうちにも入らないけど ドック入り(重傷) 万全な態勢で出撃したいから、感謝はするわ 建造時 新しい艦が進水するわ 艦隊帰投時 艦隊、全艦泊地に帰投したわ 出撃時 第二水雷戦隊、預かります。矢矧、抜錨する! 矢矧は姉妹艦能代の後任として水雷戦隊のエース部隊・花の二水戦の旗艦を務めた。矢矧の戦没後に二水戦が解隊された為、最後の二水戦旗艦である。 戦闘開始時 砲雷撃戦、始めます! 航空戦開始時 - 攻撃時 今度は良く引き付けるんだ…、よし、てぇー! サマール沖海戦での十戦隊の雷撃は、発射をはやる余り遠距離過ぎたとの指摘がある 夜戦開始時 ふふっ、夜戦なの?悪くないわね! MVP時 この矢矧が艦隊で一番なの?ふふっ、そうね。意外と嬉しいかもね 就役時には既に水雷戦隊の活躍の場はなく、華々しい戦果とは縁遠かった 被弾小破① 数発の被弾で私が沈むわけないじゃない! 坊ノ岬では軽巡洋艦とは思えない粘りを見せている 被弾小破② ここからが私の本領発揮よ! 被弾カットイン 私を沈めたいなら、魚雷5、6本くらい撃ち込まないと…駄目よ! 彼女が坊ノ岬で撃沈されるまでに受けた傷は推定魚雷7本、爆弾12発に及ぶ 撃沈時(反転) もういい、私から、離れて…。また、大和と雪風が見えるな…悪くない… 沈みゆく矢矧からは、大傾斜し沈没に瀕する大和の姿が望まれたという乗組員は雪風・初霜・冬月に救助され、半数以上が生還した 時報 時間 台詞 関連する史実や元ネタ、解説など 00 00 マルマルマルマル。深夜零時。無理はダメよ。 01 00 マルヒトマルマル。提督、眠くないの? 02 00 マルフタマルマル。今日は、静かな夜ね。 03 00 マルサンマルマル。そろそろ今日は、半舷上陸しないの?ねぇ 04 00 マルヨンマルマル。ねぇ、無理は禁物よ?明日のデイリー任務は私に任せて。 05 00 マルゴーマルマル。艦これ的には新しい一日の始まりね メタな台詞艦これで任務が更新されるのが0500時 06 00 マルロクマルマル。ええっと、工廠で装備を三回作って、そして、出撃して、ええっと… 任務『新装備「開発」指令』と『敵艦隊を撃破せよ!』 07 00 マルナナマルマル。ええっと、それから、新しい艦を三隻建造して…ああ、もう! 任務『艦娘「建造」艦隊強化! 』 08 00 マルハチマルマル。疲れたわ。デイリー任務も、結構大変なのね。提督、あ、うん。 09 00 マルキュウマルマル。軍縮条約?艦を二体解体って…私には無理!…やるけど… 任務『軍縮条約対応! 』 10 00 ヒトマルマルマル。ああ、疲れたわ。提督、貴方結構大変なのね。少し見直したわ。 11 00 ヒトヒトマルマル。私には海上での戦闘の方が向いているみたい。出撃させて! 12 00 ヒトフタマルマル。慣れないことすると本当お腹空くわね。ね、お昼は何食べる? 13 00 ヒトサンマルマル。私の故郷でコレ今流行ってるんですって。大きな丸い肉はさみパン…かなぁ。 佐世保名物「佐世保バーガー」 14 00 ヒトヨンマルマル。もぐもぐもぐ…行けるわね!ハンバーガーって言うんですって。 武蔵ともども、鎮守府内でハンバーガーがブームのようだ 15 00 ヒトゴマルマル。さぁ、また出撃しましょ!どんどん行くわ。 16 00 ヒトロクマルマル。ああ、これ?いいでしょ、萩の花と、矢デザインの盃なの。 彼女が生まれた時に配られた記念品である 17 00 ヒトナナマルマル。そろそろ日が落ちるわね。私、夜戦も存分にやってみたいわ。 水雷戦隊旗艦として設計されながら、水雷戦隊の本務である夜戦は一度も経験していない 18 00 ヒトハチマルマル。そういえば、今日の演習はどうだったの? 19 00 ヒトキュウマルマル。提督、今日の晩ご飯はなんでしょうね?ちょっと楽しみ! 20 00 フタマルマルマル。さぁ、夜戦の時間ね。どうする?するの? 21 00 フタヒトマルマル。提督、まだまだいけるわ。矢矧、がんばります! 22 00 フタフタマルマル。提督、矢矧水雷戦隊、全力で行くから!フラ戦なんか粉砕よ! 23 00 フタサンマルマル。うーん、戦艦はやっぱり強いわ…。敵空母は…はい、嫌いです。 マリアナ、レイテ、坊ノ岬と、本来不向きな敵艦載機との対空戦闘に散々振り回された生涯だった 放置時 そうね…この次の人生がもしあるというのなら…今度は軍艦じゃないっていうのも…いいかもね… やはぎの名は海上保安庁の巡視船に受け継がれた(※既に退役済み) 同型艦 阿賀野 ― 能代 ― 矢矧 ― 酒匂 コメント 最新の30コメントを表示しています。 史実欄に池田武邦の話と慰霊碑の情報を追加しました。 -- アクバー提督 (2013-12-02 00 45 25) やっぱり阿賀野型は美しい艦だよなぁ -- 名無しさん (2013-12-02 17 18 57) 実艦の艦影は日本海軍としては後期の船なので洗練されてて良いね、興味を持った人は「IJN yahagi」などで調べて欲しい -- 774 (2013-12-04 03 38 52) 20時と21時の時報もなかなか意味深なんだよなぁ -- 名無しさん (2013-12-09 20 49 23) ほうwwww -- 名無しさん (2013-12-11 01 04 07) 改が桜ホロなのって碑の詩に因んでるのかもね -- 名無しさん (2013-12-12 19 07 47) 是非とも阿賀野型3艦は改二が来てほしい。彼女達は頑張った!そしてオレ達も… -- 名無しさん (2013-12-15 14 13 15) 軽巡というと球磨みたいに煙突いっぱいのイメージがあるけど、このシルエットはまるで戦艦をそのままコンパクトにまとめたって感じでかっこいいなあ -- 名無しさん (2013-12-20 22 14 18) この子欲しいなぁ~~ -- 名無しさん (2013-12-30 00 12 29) 大型建造で出たぜ。俺的には好きなタイプだな。嬉しい。 -- 名無しさん (2014-01-03 08 07 04) 祖父は一時本物の矢矧にダメコンとして乗船していたらしい 生きていれば貴重な話が聞けたのかなぁ -- 名無しさん (2014-01-03 20 30 56) 放置時の台詞は、阿賀野の「史実」にある、戦後に阿賀野ベースの艦を作ろうとした話によるものか -- 名無しさん (2014-01-04 11 00 55) 巡視船「やはぎ」があったからじゃないの? -- 名無しさん (2014-01-09 01 46 59) 補給時の台詞がないな。「補給よろしく。また出るわ。」 -- 名無しさん (2014-01-10 00 44 58) 大好きな艦だから、何時か手元に来て欲しい。 -- 名無しさん (2014-01-16 04 00 21) 大型艦建造で来た。大型のアタリは能代に続き2隻目。他は金剛型とかビミョーなのだったけど。それにしても美人…思ったより足太いけど(ぉぃ -- 名無しさん (2014-01-16 15 05 16) 出撃時とか、たまに発音がやはぎ↑じゃなくてやは↑ぎになるのは何故だろう -- 名無しさん (2014-01-20 06 17 59) 矢矧の桜ホロが慰霊碑の詩を元にしてるって考えたら、散々贔屓だって言われてたレア度もだんだん許せてきた。 運営は何も言わないあたりそういうのは考えてないんだろうけど、矢矧自体は可愛くて凛々しいから大好きなんだよなあ。 -- (名無しさん) 2014-01-22 03 23 51 史実を知って涙ぐんだのは俺だけじゃない・・・はず -- (名無しさん) 2014-02-05 20 01 40 放置していないのに放置台詞が流れてきました。単なる不具合か仕様か、調査お願いします。 -- (名無しさん) 2014-02-07 07 27 44 かっこいいなこいつ -- (名無しさん) 2014-02-21 08 28 53 足太くはないと思うが…それにしても、ふつくしい -- (名無しさん) 2014-03-16 07 49 21 ほうww -- (名無しさん) 2014-05-03 22 27 44 各種の数値はそのままで開発資材を20にして旗艦を榛名にして試したら出てくれました。やっと来てくれてありがとう♪ -- (名無しさん) 2014-06-17 00 09 28 ALL4000の資材1で一発ツモ。 -- (名無しさん) 2014-09-08 02 06 58 艦これ初めて1か月弱、初の大型建造にてお迎えし、どんな子か調べてみたらぼろ泣きした。今ではすっかりうちの秘書で嫁です -- (名無しさん) 2014-10-13 12 14 27 秘書クリック会話③、「そうことなら」となってますが「そういうことなら」の脱字です。(細かくて申し訳ない…) -- (名無しさん) 2015-11-16 19 27 57 名前 コメント すべてのコメントを見る タグクラウド 艦娘 駆逐艦 軽巡洋艦 重巡洋艦 戦艦 装備娘 軽空母 睦月型 建造 潜水艦 朝潮型 球磨型 長良型 正規空母 特型駆逐艦 開発 千歳型 妙高型 暁型 川内型 吹雪型 高雄型 最上型 金剛型 伊勢型 白露型 小口径主砲 大和型 阿賀野型 陽炎型 航空戦艦 翔鶴型 祥鳳型 期間限定海域 装備 天龍型 利根型 飛鷹型 青葉型 大口径主砲 水上機母艦 扶桑型 応急修理要員 長門型 古鷹型 艦上戦闘機 間違った報告を入力したので消去 巡潜3型 任務 遠征 イオナ 綾波型 霧 三式潜航輸送艇 巡潜乙型 家具 ぷらずま 海大Ⅵ型a 巡潜乙型改2 島風型 魚雷 天城型 夕張型 中口径主砲 誤ったコメ投稿をしたため削除 関連ページ 雪風 改造Lv早見表 雑学(艦名) 俗語辞典 艦娘データ/初期装備 矢矧/コメント 酒匂 龍鳳 艦船/一覧 阿賀野 大和 天津風 初霜 雑学 データ_艦船2 天津風改 メンテナンス情報/2013年12月24日 ▼wikiレンタル代価広告
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718 :ひゅうが:2014/12/15(月) 01 27 21 惑星日本ネタ―――「水星(火星)年代記のようなもの」 その6【激震】 ――西暦1855年12月23日 本土標準時において午前9時30分。 日本列島東海道は遠州灘の南方約80キロにおいて大東洋プレートと東日本プレートの境界が実に300キロあまりにわたって破断。 膨大なエネルギーを解放し、その力を直上の海水と陸塊にと伝達した。 それは、巨大地震と津波という形で四方へ発散されていき、直近の日本列島へと高速で進行をはじめた。 最初にその兆候をとらえたのは、海底に敷設されていた地震・津波計だった。 海底ケーブルをつたって情報を帝都東京へと伝え、気象庁の電子頭脳はこれらが警報閾値を超えたことを認めて非常警報を各所へと響かせる。 相互表示機のブラウン管上に、推定地震規模が記されたとき、技官たちは思い切り目を見開いた。 「震規模(マグニチュード)8.8-9.0」 その数値は、150年前以来絶えて表示されたことのないものだった。 昼夜24刻(一日24刻へと改められてから100年余りが経過していた)体制で不寝番をしていた技官は迷うことなく手元のガラス板を破りスイッチを押した。 大日本帝国は、この時をもって「帝国国防体制基準3」に入った。 日本列島を分割する四つの州を通じて各所に瞬時に情報が伝えられたのは、御一新以来進められていた情報共有体制の成果に他ならない。 始業直後であったために交通機関での混乱は最小限でとどまったものの、各地の測候所から入る情報は緊急津波警報の発令に十分なものである。 関東地方では5分以上にも及ぶ地震の主要動は各所で建物を倒壊させ、さらには火災を発生させていた。 さらには情報が防災放送によって流れるにつれ、各所で人々は高台を目指し始めた。 のちに「第一次東京大震災」と、幾分誤解を招く呼称で呼ばれる大震災の、これがはじまりだった。 帝都東京などの大都市においては、とりわけ住宅街に被害が大きく、さらには東海道沿岸はところによって10メートル以上の大津波に現れた。 さらに、1日が経過した翌24日午後4時には紀伊半島南方を震源としてさらに同規模の大地震が発生。 南海地方一帯に加えて、前日の地震を受けた東海道沿岸も大津波が再び到来した。 続いて26日には九州・四国間においてマグニチュード7.5に達する地震が発生。 この地震は震源が深かったため、1000キロ以上も離れた日本海の向こうの瑞穂島や北海道で大きな有感があり人々を大きな不安に陥れた。 719 :ひゅうが:2014/12/15(月) 01 28 03 そして、人々は見た。 「本土が燃えている…」 緊急出港した帝国海軍艦隊や各地の駐屯地から発進した竹蜻機(ヘリコプター)や航空機に搭載されたテレビジョンカメラは、史上初の宇宙中継(衛星中継)で大陸の人々に大きな衝撃を叩きつける。 とりわけ、逃げる人々が炎に包まれた家屋とともに迫る大津波に呑まれていく姿、そして帝都東京を巨大な炎の竜巻が荒れ狂う姿はこの世の地獄を思わせた。 「助けなければ。」 各地の州軍はもとより、外地の24州は、本土の要請を待たずに全力での支援を表明。 政府と対決路線をとっていたものたちも含む財閥などの企業体も目の色を変えて海上航行中の船舶に指令を飛ばす。 「本土を救え!」 実に皮肉なことだったが、当時の年号をとって安政群発大地震と呼称されるこの3つの大地震は薄れがちだった日本人という一体感を水星の人類に与えることとなったのだった。 特に、外地訪問中であった第一皇女順子内親王と皇后が軍装を帯びた上で連合艦隊旗艦「常陸」に座乗し大陸から本土へと向かう際には港につめかけた多くの人々が万歳を叫んだという。 日本本土周辺に集結した船舶は最終的に600隻あまり。 うち、帝国海軍ならびに各州海軍は戦艦16 航空母艦14(大小含む)を含む大艦隊を本土近海に展開させて被災者救助を行うとともにと艦内を緊急時の住居として提供。 各地の州軍と陸軍の緊急展開部隊が東西800キロ近い被災地へと入るとともに、消火と救助、そして食糧輸送を担当しこれを実施した。 帝国政府は、特に時の宰相であった島津斉彬と小栗忠順内務大臣はよくやったといっていい。炎上する丸の内から退くことをよしとせずに消火を指揮したことは帝都防衛部隊や警視庁の士気を高め、さらには順延防止のために市街地への艦砲射撃を命ずる決断を下すなどの果断さはさすがは島津の末裔と帝都民がいうのも納得できるからである。 この後、帝国政府は結果的に醸成された一体感を糧として本土の復興とさらなる防災能力の強化に邁進することになる。 だが、災厄から人心地ついた日本人たちの前には、ある衝撃が待っていた。 それは、1858年に打ち上げられた無人探査機「蒼星3号」が9か月の航行の末に送ってきた天空に輝く青き星の情報だった。 「蒼星に知的生命体の存在確実。また、地形は古地図における日本列島周辺に酷似。」 送られてきた写真には、地球でいう北米大陸や朝鮮半島、そしてヨーロッパが映っていたのだ。