約 364,156 件
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/342.html
記憶の無い俺2 俺「ストライクウィッチーズだと?」 767-806 770 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01 48 32.61 ID Yh2iYTMF0 俺「 」ボロボロ 宮藤「あ、あの、大丈夫ですか」 俺「 」シクシク 宮藤「あはは……」 宮藤「そ、それにしても俺さん料理上手ですね、このお味噌汁なんてすっごくおいしい!」 俺「ありがとう、昨日は不安だったけど台所に立つと体が勝手に動くんだ、記憶は無いけど料理やってたのは間違いないのかな」 宮藤「記憶、早く戻るといいですね」 俺「それまでは悪いけどお世話になるよ」 宮藤「えへへ、こちらこそ」ニコニコ ルッキーニ「ピャー!ゴハンダー!ニシュイシー!」バタバタ 774 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01 51 49.78 ID Yh2iYTMF0 シャーリー「おかわりー!」 俺「はいはい、どうぞー」 シャーリー「うっめ、これめっちゃうっめ」ガツガツ バルクホルン「行儀が悪いぞリベリアン、子供じゃないんだから落ち着いて食え」モグモグ バルクホルン「」チラッ 俺「おかわりまだありますからねー」 バルクホルン「……」フイッ ルッキーニ「俺―!あたしもおかわりー!むしー!」 777 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01 55 40.31 ID Yh2iYTMF0 俺「はいはい、どうぞどうぞ」 リーネ「あの、俺少佐ごめんなさい、本来なら私達の仕事なのに……」 俺「いいんですよビショップ曹長、坂本少佐に薦められて俺が希望したんですから気にしないで下さい」 リーネ「は、はいっ」/// 坂本「しかしすまないな、自分で言い出しておきながら佐官に飯炊きをやらせるというのは存外に気が引ける」 俺「いえ、俺自身何ができるか分からない状態ですから、やれることなら何でもやらせてください」 俺「食う所と寝る所を借りてるんですから、その分はしっかり働きますよ」 坂本「そうか、じゃあ遠慮なく頼むとしようかな」フフ 俺「それに形式上は少佐待遇のようですが、実務に関わることはない身です、あまり皆様も俺に気を遣わないで下さい」」 エーリカ(こりゃ、トゥルーデとは別の意味で頭の堅そうなのが入って来たなぁ) 779 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01 59 29.87 ID Yh2iYTMF0 ――――ベランダ 俺「とは言ったものの……」 俺「洗濯まで任されるとは思ってなかったぞ……」 俺「どうしようこのズボンの山」 ズボ~ンヌ 俺(単純に考えて試されてるって事だよな……多分) 俺「ええい、つっ立ってても始まらんこれは仕事なんだ仕事」 俺「やるぞ!」 780 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 02 05.48 ID Yh2iYTMF0 俺(しまズボン……)ワッシャワッシャ 俺(ピンクのフリル……)ワッシャワッシャ 俺(黒の長ズボン……)ワッシャワッシャ 俺(水兵用ズボン……)ワシャワシャ 俺(うお、紫のレース……スケスケじゃねえか、皆若いのに誰のだよけしからん)ワッシャワッシャ バルクホルン「……」 バルクホルン「ふん」スッ 785 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 11 44.63 ID Yh2iYTMF0 俺(冷静に考えると、女性ばかりの部隊に男が1人って状況) 俺(ハーレムだわーい、なんて感情にはとてもじゃないが浸れない) 俺(俺の迂闊な行動ひとつで今後の立場どころか身柄だってどうなるか分かったもんじゃない) 俺(今朝だってそうだ……気を抜きすぎだ) 俺(俺に今出来るのは己の身を守るために彼女達に迷惑を被らない事、これしかない) 俺(俺はあくまで部外者なんだ) 俺(気を張り詰めろ、俺は彼女達の仲間でもなければ友人でもないんだ……俺は1人なんだ) 786 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 15 57.53 ID Yh2iYTMF0 ――――ある日の昼食後 ジャー、キュッキュ 俺「さて皆の後片付けも終わったし、俺も昼にしようかな」 宮藤「あ、いたいた」 リーネ「俺少佐、今大丈夫ですか?」 俺「はい、どうかしましたか?」 宮藤「俺さんいつも一人でご飯食べてるから、お茶でもご一緒させてもらおうかなって」 リーネ「もしかしてお邪魔でしたか?」 787 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 20 42.33 ID Yh2iYTMF0 俺「いえ、とんでもない。それじゃあお茶も用意しますからちょっと待って下さいね」カチャカチャ リーネ「あっ、いいんです私達は自分でやりますから俺少佐もご自分の分をご用意してください」 宮藤「俺さんみんな自分でやっちゃうんだもん、頑張りすぎですよ」 俺「貴女方の手を煩わす訳には参りませんから」 宮藤「ええー、そんなことないですよー」 俺「……そうですか、じゃあ今回はお願いしますね」 788 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 26 11.69 ID Yh2iYTMF0 ―――― 俺「いただきます」 宮藤・リーネ「いただきます」 俺「」モグモグ 宮藤・リーネ「」ジー 俺「……あの、俺の顔になにか」 リーネ「俺さんがご飯食べてるとこ、初めて見たからなんか新鮮です」/// 宮藤「なんでいつも1人で食べてるんですか?」 リーネ(芳佳ちゃん!直球すぎるよ!) 789 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 37 05.98 ID Yh2iYTMF0 俺「うーん、俺なりの線引きって所ですかね」 宮藤「線引き?」 俺「まだここに来て1月も経ってないくらい日も浅いですし、皆の信頼を得られてないのに同じ釜の飯を食えるほど俺は図々しくないですよ」 俺「食事は楽しくないといけませんからね、俺が一緒の卓を囲むことで不安や不満を覚える方がいてはいけません」 俺「宮藤軍曹、よろしいですか?」 宮藤「はぁ……」 俺「食事という物はですね誰かに邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃあだめなんです」 宮藤「なんか難しいなぁ」 790 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日)02 37 50.31 ID R3pPc7GG0 ゴローちゃんw 791 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 39 19.10 ID Yh2iYTMF0 リーネ「考えすぎですよ、ご飯は人数が多い方が楽しいですし」 宮藤「リーネちゃんは家族多いもんねー」 俺「家族……か……」 宮藤「501の皆も私達家族みたいなものだしね」 リーネ「うん」 俺(俺は……) 宮藤「だから俺さんも今度から一緒に食べましょうよ」 リーネ「そんな事気にしてる人いませんよ」 俺「あはは、検討させてもらいます」 宮藤「もう、検討じゃだめです!」 792 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 43 04.16 ID Yh2iYTMF0 リーネ「よかった……俺少佐ってあまりお喋りしないからもっと怖い人かと思ってました」 俺「いやぁどうでしょう、案外記憶が戻ったら鬼のような男かもわかりませんよ」 宮藤「そんなことないですよ、俺さんのお味噌汁すっごく美味しいですもん!」 宮藤「あんなに美味しいお味噌汁作れる人が悪い人なわけありません!」 俺「そうなんですか?」 宮藤「そうなんです!」キリッ リーネ「あ、あと私達の方が階級ずっと下なんですから、そんなに畏まらないで頂けると……なんか余計に緊張しちゃいます」/// 793 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 47 04.57 ID Yh2iYTMF0 俺(そういえば俺少佐なんだっけ……全然実感ないかどうでもいいと思ってた) 俺(まあ彼女ら自身がそうして欲しいというならその方がいいだろう) 俺「わかった、よろしくお願いします、宮藤さん、リーネさん」 宮藤・リーネ「はいっ」 バルクホルン「ふん、随分気安くなったものだな」 宮藤「バルクホルンさん?」 794 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 49 59.63 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン「宮藤、リーネ、気を許しすぎだ」 バルクホルン「少佐もあまり調子に乗らない事だな」スタスタ 俺「……」 宮藤「……」 リーネ「……」 宮藤「き、きっとバルクホルンさんちょっと調子悪いんですよ!」 リーネ「そ、そうですよきっと、たまたま、たまたまですよ!」 俺「はは……」 795 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 54 23.68 ID Yh2iYTMF0 ――――ベランダ パタパタパタ 俺「よし、今日も洗濯完了」 俺「風にたなびく無数のズボンと仁王立ちの男」 俺「我ながらなんてシュールな光景だろうか」 サーニャ「あの……」 俺「しかし、いい眺めだな」 サーニャ「あの……」 俺「いやいい眺めってのはズボンのことじゃなくて景色のことだからな、うん」 796 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 58 25.92 ID Yh2iYTMF0 サーニャ「あの……」 俺「平和だな」 サーニャ「あの……」 俺「こんな平和に見えるのにロマーニャもネウロイの脅威に晒されてるなんてな」 サーニャ「……」グス 俺「飯炊きや雑用以外にも俺に何か出来ることが……」 サーニャ「……」トボトボ 俺(それに、彼女らの信頼を得る為にまだなにかできることがあるはずだ……) 俺(1人でいいと言っても衣食を預かる身だ、信頼関係はある程度必要だろう) 俺(しかしバルクホルン大尉……ああまであからさまに敵意をむき出しにされるのは参るなぁ……)ハァ 797 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 01 57.96 ID Yh2iYTMF0 エイラ「コラ――――――――――――――――――――――――ッ!!!」 俺「うわあ!!!」 エイラ「オイ!さっきからサーニャが呼んでるのに何シカトこいてんだヨ!」 俺「え?」 サーニャ「……」/// 俺「ああ悪い、ごめ……いや、申し訳ありません、ちょっと考え事をしておりまして…ええとリトヴャク中尉とユーティライネン中尉ですね」 エイラ「全ク、サーニャのお誘いを無視するナンテとんでもない奴ダ」 サーニャ「あの、お洗濯終わったみたいだからお茶でも……」 798 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 04 45.53 ID Yh2iYTMF0 俺「左様でしたか、ありがとうございます、折角ですからお呼ばれさせていただきます」 エイラ「相変わらず堅い奴ダナー……なんだってサーニャはこいつを……」ブツブツ サーニャ「なにしてるのエイラ、行くよ?」 エイラ「あああ、おいてかないでよサーニャぁぁぁ」 799 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 09 40.47 ID Yh2iYTMF0 ――――ラウンジ ペリーヌ「わたくしの育てたカモミールティーですわ、ありがたく味わいなさい」 サーニャ「ありがとうペリーヌさん」 エイラ「ツンツンメガネはアレだけどこのハーブティーは美味いんだゾ」 ペリーヌ「アレってどうことですの!あとその呼び方もおやめなさい!」 エイラ「イーっだ」イーッ 俺「へえー、うん、これは結構なお手前で」 ペリーヌ「あ、あら、無骨そうな割に料理だけじゃなくて紅茶も分かるのかしら」 800 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 14 10.57 ID Yh2iYTMF0 俺「ええ、この林檎を思わせる甘い芳醇な……緩やかに眠りを誘うような優しいフレーバー……」 俺「そして高温の熱湯で煎れた後で若干の時間を置いた事により醸し出された舌に感じるほのかな甘み……」 俺「パーフェクトなカモミールです、フロイライン・クロステルマン」 ペリーヌ「あ、あら、そうかしら。ま、まあわたくしの育てた子ですから美味しくて当然ですわね」//// エイラ「なんだー、柄にもなく照れてやがるゾ」ニヤニヤ 801 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 24 01.82 ID Yh2iYTMF0 俺「だが欲を言えばだな……これは恐らく88℃近くで長めに抽出してあるのかな? まあ確かにカモミールのうまみを引き出すゴールデンルールではあるが、ここはやはりひとつ捻りを加えてもいいだろう。 シナモンやレモンを用意するの基本としてありきだが、まず茶葉をCTCしてからの方が香りの甘さを引き出すには適当ですね。 個人的にはジャンピングの際に98℃近くの熱湯で約3分間抽出した後に70℃近くまで蒸らしたものの方が好みではあるが……」 サーニャ「俺さん……なんかすごい」 エイラ(何カ始まったゾ) 俺「そもそもハーブティーというものは……ダージリンに始まり」 クドクド ペリーヌ「」フンフン サーニャ「」ボー 802 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 28 10.52 ID Yh2iYTMF0 ――――2時間後 俺「というわけだ、歴史的観点から見たとしても紅茶というものの嗜好性が珈琲と比較したとしても」 エイラ「ちょっと待っタ――――――――――――――――――!!」 俺「?」 エイラ「話・が・長・イ!!」ビシッ 俺「はっ(しまった!つい素が出てしまった) も、申し訳ありません!とんだ失礼を!記憶のカケラがつらつらと出てくると思ったらつい……」 ペリーヌ「記憶が無いとはいえ、さすが元料理人と言ったところかしら、中々勉強になりましたわ」 サーニャ「ううん、いいの、俺さんのお話面白かった」ニコッ エイラ「うぇー、サーニャまで」 803 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 32 05.42 ID Yh2iYTMF0 俺(迂闊だった、あんなに慣れ慣れしく薀蓄たれて迷惑に思われては元も子もない) 俺「ご、ごちそうさまでした、また機会がありましたら是非お邪魔させていただきます」カチャカチャ ペリーヌ「あまり文句を付けないで頂けるのなら歓迎いたしますわ」ツン サーニャ「うん、もっと色んなお話聞きたい、私もいい?ペリーヌさん」 エイラ「サ、サーニャが行くなら私もいないとおかしいダロ!」 ペリーヌ「貴女はお呼びでございませんことよ」 エイラ「こ、こいつうゥゥゥ」 805 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 41 09.72 ID Yh2iYTMF0 俺「そういえば、リトヴャク中尉はなんで俺を誘ってくれたんですか」 サーニャ「……」 俺「?」 サーニャ「……から」 俺「はい?」 サーニャ「ごはん、いつもおいしいから……」/// 俺「ああ、なるほど、ご満足いただけてるようで光栄です」 エイラ「オイお前、サーニャは一人でいる事が多いお前を気遣ってツンツンメガネに紅茶を頼んだんだゾ」 エイラ「もうチョットありがたがったらどうなんダ」プンプン サーニャ「エイラ……それは内緒だって言ったのに」/// 806 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 42 36.69 ID Yh2iYTMF0 俺(そうだったのか……) サーニャ「何も覚えてないのって不安かもしれないけど、ここではみんな家族だから」 サーニャ「1人は寂しいから……」 俺「ありがとう、ございます……」 サーニャ(あと、俺さんがお料理してる姿がお父様がピアノ弾いてる姿に似てたのもあるんだけど……) サーニャ(これは私だけの秘密) エイラ(ああ、サーニャなんていい娘なんダロウ……それをコノ間抜けは分かってんノカ)ブツブツ ペリーヌ「ちょ、ちょっとわたくしにも一言あってもいいんじゃありませんの!」 俺(俺は……一体何をしているんだろう……) 記憶の無い俺3へ続く
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/344.html
記憶の無い俺4 俺「ストライクウィッチーズ?」 67-109 67 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21 25 50.16 ID Yh2iYTMF0 ――――夜中 俺「まさかあれからポテト祭りになるとは」 俺「俺の作ったものを気に入ってもらえるのは嬉しいけど、どんだけ食うんだ皆」 俺「甘いものは別腹とは言うがな、あの小柄な娘たちのどこに入っていくというんだ」 俺「おかげでサツマイモの在庫が……」 コンコン 俺(こんな時間に誰だ?) 俺「はーい、いますよー」 ガチャ バルクホルン「少佐、ちょっといいか」 68 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21 30 35.85 ID Yh2iYTMF0 俺「た、大尉……こんな時間になんの御用向きでしょう……」 バルクホルン「夜分遅くにすまない、その、入ってもいいか?」 俺「あ、ああ、はい、どうぞどうぞ」 バタン 俺「何も無くて恐縮ですけど、あ、座布団をどうぞ」 バルクホルン「あ、ああ、すまない」スッ 俺「……」 バルクホルン「……」 俺「えと、な、なんでしょう?」 バルクホルン「……ぅ」 70 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21 35 43.74 ID Yh2iYTMF0 俺「はい?」 バルクホルン「……あ、ありが、とう」/// 俺「???」 バルクホルン「今日クリスの見舞いに、あ、クリスというのは私の妹なんだが」 俺「ええ、ミーナ隊長から聞いてます」 バルクホルン「そ、そのクリスの見舞いに行くときにだな、ハルトマンから……その、土産を預かった」 バルクホルン「あ、あのスイートポテトはお前が作ってくれたんだよな」 俺「え?あ、はい、そうですけど、多分」 71 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21 40 21.44 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン「その、クリスに渡したら……すごく喜んでな」モジモジ 俺(そうか、ハルトマン中尉……そういうことだったのか) バルクホルン「なんだ、その、あ、あんなに喜んで幸せそうな顔をしたクリスは入院してから初めて見たわけで」モジモジ 俺「いえ、喜んでもらえてなによりです」 俺「俺に出来ることはこのくらいしかありませんから……ですから、できる限りのことは全力でやります」 俺「『食』とは『人』に『良』くすると書いて『食です』、俺は自分の作った者を食べた人が、少しでも幸せを感じてくれる」 俺「そういう事に、今ここにいる意味を…… バルクホルン「すまなかった!!!」ガバッ 俺「おわぁ!」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/03(日) 21 43 43.77 ID z1BBrjZGO 71 俺は天道総司だったんだな… 74 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21 46 19.99 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン「私は、少佐のことをずっと誤解していたようだ」 俺「ちょ、頭上げてくださいって!」 バルクホルン「誤解というか、そのなんというか、素直に認めることができなかった」 ――――― バルクホルン「私は、祖国の戦いで妹を守れなかった…… 傷ついた妹を見る度に、一度起こった事にやり直しは効かないと私は己の無力さを嘆いた」 バルクホルン「だから少佐が現れた時に、なにか間違いが起きてはいけない、油断してはならん、気を許してはいけないと 自分を強く持って流されまいと、皆が少佐を受け入れてゆく中で私だけ意地を張って……」 バルクホルン「そう思うように、そう思い込むようにしていた……」 75 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21 50 30.86 ID Yh2iYTMF0 俺「い、いやいや俺自身も自分の事が分からないわけですし、完全に身元の知れない……あ、扶桑からの指令やら何やらは あったようですが、まあどっちにせよ元々部外者な訳ですから、そう思われるのは仕方ない訳で」 俺「まして大尉は真面目で責任感の強い方ですから、それを気に病むことなんて全くもって」 バルクホルン「い、いや、そんな事は無い、私はただ自分の意思ということを盾にして意固地になっていただけだ」 俺「いやいや、違いますよ、俺さえいなければ大尉がそんな事で悩む必要もなかった訳で」 バルクホルン「い、いや違う、これは私自身人を見る目が未熟な事で引き起こしただな」 俺「違います違います、俺が」 バルクホルン「いいや私が」 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/03(日) 21 52 58.68 ID apfjDfEO0 エーリカ「じゃあ私が!」 俺&ゲルト「どうぞどうぞ」 77 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 21 55 20.97 ID Yh2iYTMF0 俺「俺が」 バルクホルン「私が」 俺「おr」 バルクホルン「わt」 俺「……」 バルクホルン「……」 プッ 俺「ふふ、はははは」 バルクホルン「はは、あははははは」 俺「はは、おかしな話ですね」 バルクホルン「あははは、ああ、私たちはこんなつまらないことで意地を張り合っていたのか」 79 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 00 15.32 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン「まあ、そんな事を考えていたんだが、今日少佐のスイートポテトを食べて幸せそうにしているクリスを見たら 自分の器の小ささに嫌気がさしてな」 バルクホルン「クリスにこんな笑顔を、幸せをくれる少佐を私は何故……ああまでして拒絶していたのだろうと」 俺「いえ、もう気にしないで下さい、俺は今こうやって認めてもらえただけで十分です」 バルクホルン「こんな私を、許してくれるか」 俺「許すも何も、俺はお礼を言いたいくらいです」 バルクホルン「すまなかった」 俺「ありがとうございます」 80 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 06 16.50 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン「では、今日はこれまでの非礼を詫びると共に501のウィッチとして改めて挨拶をしたい」 スッ バルクホルン「ゲルトルート・バルクホルンだ、階級は大尉、至らぬ所もあろうが以後もよろしく頼む」 グッ 俺「俺です、階級は少佐のようですが覚えていません」 バルクホルン「」クスッ 俺「基本的に料理しかできませんが以後も隊の食を司るものとして精進致します」 バルクホルン「ふふっ、変わった自己紹介だな」 俺「やっと笑ってくれましたね」 81 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 12 21.12 ID Yh2iYTMF0 俺「思ったとおりだ、凛々しい大尉も素敵ですがやっぱり笑ってる方がもっと素敵です」 ブッ バルクホルン「すす、素敵とか、そそ、そういうことを面と向かって恥ずかしげもなくよくも言えたもんだな」/// 俺「あれ、もしかして照れてますか?」ニヤニヤ バルクホルン「~~うるさいっ、こっちを見るな!」 俺「えー、何でですかー、こっち向いてくださいよ」ニヤニヤ 82 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 15 25.40 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン「~~~~ッ、やっぱりお前は信用ならん!」 俺「ええー」 バルクホルン「わ、私はもう寝る!帰るからな!」 俺「あはは、はい、おやすみなさい」 バルクホルン「休む!」 ガチャッ バルクホルン「……ありがとう」 パタン 俺「……」 俺「明日からまたがんばろう」 85 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 20 52.42 ID Yh2iYTMF0 ――――朝 トントントントン シュー 宮藤「……」 リーネ「……」 カチャカチャ カランカラン ペリーヌ「……」 シャーリー「……」 トントントントン ザクザクッ エイラ「……」 サーニャ「……」 カッカッ サクサクサク 87 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 22 52.12 ID Yh2iYTMF0 ルッキーニ「あり、みんなどしたの?」 俺「ん?ああ、皆さんおはようございます、朝ごはんもうすぐできますからちょっと待ってて下さいね」 バルクホルン「少佐、このネギはもう入れていいのか」 俺「いいですよ、お湯が跳ねますから気をつけてくださいね」 バルクホルン「ああ、大丈夫だ」ポチャンポチャン バルクホルン「どうしたお前ら、こっち見てないで早く座ってろ」 宮藤(絶対おかしいよ、リーネちゃん!) 91 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 26 23.53 ID Yh2iYTMF0 リーネ(で、でもでもなんかすごく仲良しさんだよ、いい事だよ?) ペリーヌ(ふ、不自然ですわ、何かがあったとしか……) シャーリー(仲違いしていた男女が一晩で……ということは、これは……フム) リーネ(//////) 宮藤(え?なんですか?どういうことですか?教えてくださいよ) ペリーヌ(お子様豆狸はお静かになさい!)/// 宮藤(ひどーい!) 92 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 29 31.03 ID Yh2iYTMF0 エイラ(私の占いによるとダナ……太陽の正位置、コレハ……) サーニャ(確か……問題解決と明るい未来) エイラ(アトハ恋愛、恩恵、達成、成就、満足、信頼、結婚……) リーネ(け、けけけけけ結婚!結婚だって芳佳ちゃん!)////// 宮藤(え?誰が?) シャーリー(堅物同士とは思っていたが、はぁー、まさかなー) ルッキーニ「うじゅ……?」 テクテク エーリカ「ふぁぁぁぁぁぁあ、おふぁよー」 バルクホルン「ハルトマン!なんて格好だ!」 94 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 33 37.48 ID Yh2iYTMF0 エーリカ「別に外に行くわけじゃないんだからいいじゃんー」パタパタ バルクホルン「ズボンは穿け!扇ぐな!外に出ないといったところで俺がいるだろう!!」 エーリカ「いーよぉ、別にー」 リーネ(なな、名前で呼んでますよ!きゃー!)/// シャーリー(これは間違いないな) ペリーヌ(まま、間違いないって……ふ、ふしだらですわ!) 宮藤(ねえねえ何の話?よくわかんないよ?) サーニャ( )////// エイラ(サーニャ!しっかりシロ!サーニャ!) 95 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 38 12.46 ID Yh2iYTMF0 エーリカ「それよりさ、二人で並んでご飯作ってると夫婦みたいだね」 バルクホルン「んなっ」/// リーネ(きゃー言っちゃったー言っちゃったー!)/// 宮藤(あ、言われてみればそうですね) シャーリー(流石ハルトマン!あたしたちが聞けない事を平然と聞いてのけるッ) ペリーヌ(そこにシビれますわ、憧れますわ!) サーニャ( ) エイラ(サーニャ!サーニャ!) 96 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 40 48.79 ID Yh2iYTMF0 俺「え?何ですって、よく聞こえな」 バルクホルン「聞こえなくていい!!」 バルクホルン「宮藤たちが待ってる、急ぐぞ!!」/// 俺「りょ、了解……?」 エーリカ(……ま、こんなもんかね、トゥルーデにしちゃ上出来かな)ニシシ 97 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 45 15.57 ID Yh2iYTMF0 ――――数日後 ミーナ「……ということで本日のブリーフィングは終了します」 ワイワイ ガヤガヤ ミーナ「あ、そうだ扶桑から俺さんに荷物が届いてるの、何でも彼が以前いた施設での私物らしいわ」 ミーナ「誰か伝えておいれくれない?」 宮藤「あ、じゃあわた」 バルクホルン「わかった、私が後で伝えておこう」 宮藤「あ、でも」 バルクホルン「気にするな宮藤、少佐の部屋の前を通る用事があるついでだ」 宮藤「はぁ」 エーリカ(そんな用事ないくせに)ニヤニヤ 98 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 46 36.85 ID Yh2iYTMF0 ――――ベランダ パタパタパタ 俺「ふぅ、今日も洗濯日和だ」 俺「しかしいつになってもズボンを干す作業には若干抵抗があるな」 ビュウゥゥゥゥ 俺「っと、しまった!1枚飛ばされた!」 タタタタタ ザッ 俺「破ァッ!」 パシッ ズザー 俺「危ない危ない、この水色は大尉のズボンか」ビローン 俺「改めて見るとすごいローレグだな、これで空飛んでるんだから恐れ入る」 バルクホルン「俺、ここにいたのか?」 俺「あ、大……尉」ビクーン 99 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 48 19.43 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン「部屋にいないから探したぞ」スタスタ 俺「あ、これは、その……」 バルクホルン「?、どうした、私のズボンに何かついてるのか?」 俺「へ?いや、風で飛ばされたからこう、パッと」 バルクホルン「そうかありがとう、この基地の周りは海だからな、飛んでいってしまったら回収できなくて困る」 バルクホルン「そうそう、俺に扶桑から荷物が届いてるぞ。部屋の前に置いておくから確認しておいてくれ」 俺「あ、ああ、了解」 100 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 51 45.64 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン「では私は訓練があるから行く」 俺「はい、いってらっしゃい」 バルクホルン「……そうだ、今日の夕飯は何にするんだ?」 俺「ええと、ノイエ・カールスラントから芋の補給が届いたので芋づくしにでもしようかと」 バルクホルン「わかった、仕込みの手伝いには間に合うようにするから待っていてくれ」 俺(怒られるかと思った……) 俺「荷物か、何か記憶の手がかりになるものがあればいいけど」 101 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 54 11.29 ID Yh2iYTMF0 ――――俺自室 俺「……」 俺「え?こんだけ?ダンボール一個分しかないの?」 俺「それともアレか、機密なんたらでほとんど私物を処分されたとかそういうやつか」 バリバリ 俺「これは……服、扶桑の軍服が数着と、階級章」 俺「もう一個なんかある、なんだこれ……階級章じゃない、十字架に桜の花?」 俺「なんだろう、勲章かな?まあ興味ないや」ポイス 俺「これだけか……記憶に関することはこれじゃなにもわからないな」 俺「とりあえず着替えよう、今まで整備服しか貰ってなかったしな」 102 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 55 40.18 ID Yh2iYTMF0 ――――廊下 俺「なんか、落ち着かないな……」 坂本「おお、俺、どうしたその格好は」 俺「扶桑から届いた荷物に入ってたんです、入ってたというかこれしかなかったというか……」 坂本「はっはっはっは、似合ってるじゃないか、いや元々お前が着ていたものなんだ似合って当然か」 坂本「うむ、やはり扶桑男子たるもの軍服の1着や2着似合わなければ一人前にはなれんな」 俺(初めて聞いた) 坂本「そろそろ夕食の仕込みもあるだろう、そのまま皆にも見せてやるといい」 ハッハッハッハッハ 俺「……この格好でやんの!?」 105 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 57 32.67 ID Yh2iYTMF0 ――――食堂 俺「とりあえず上からエプロンは付けたけど……動きづらいな」クイックイッ 俺「毎日着てればそのうち慣れるか」 タッタッタッタッタ バルクホルン「っはぁ、はぁ、はぁ、俺、手伝いに……来た……ぞ」 俺「大尉、ありがとうございます、すいませんなんか最近いつも手伝って貰って」 バルクホルン「あ、いや、いいんだ、私なりの贖罪でもあ……というか、その格好」 俺「ええ、例の扶桑から届いた荷物がコレだったんです、似合いますか?」クルッ バルクホルン(軍服男子にエプロン……そういうのもあるのか!) 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 58 42.37 ID c56Hkt5BP やっぱお姉ちゃんはお姉ちゃんだな 108 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 22 59 26.56 ID Yh2iYTMF0 俺「やっぱり変ですかね?」 バルクホルン「そそ、そ、そんな事ないぞ!その、実に軍人然としていて良い、ああ、見違えたようだ」 俺「はは、ありがとうございます」 バルクホルン(な、なんだこの感情は、俺が妙に輝いて見える)ドキドキ 俺「大尉?」 バルクホルン(おお、落ち着け、ちょっと普段と違う格好を見て新鮮なだけだ、そうに違いない)ドキドキ 俺「……大尉?」 109 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 23 01 12.58 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン(だいたい私にはクリスが……いやいや妹を引き合いにだすのはおかしいだろう) 俺「……大尉ー?」ヌッ バルクホルン「おわあ!なな、顔が近い!」ババッ 俺「す、すいません、大丈夫ですか?なんか熱っぽいような」 バルクホルン「もも、問題ない!さあ、手伝うぞ!」ギュッ 俺(……?) バルクホルン(チラッチラッ)ドキドキ 記憶の無い俺5へ続く
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/49574.html
【検索用 きおくのかいふつ 登録タグ 2021年 CeVIO き 可不 曲 曲か 薬草うにょ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:薬草うにょ 作曲:薬草うにょ 編曲:薬草うにょ 唄:可不 曲紹介 曲名:『記憶の怪物』(きおくのかいぶつ) あぁいつまでも 薬草うにょの処女作。 イラスト・動画も薬草うにょ自身が手掛ける。 歌詞 (PIAPROより転載) 仕組まれた視線は曖昧で 押し殺す声は滲むようで 解毒剤は君と裏腹で 耳元で囁きと霞んでいく 騙しあった記憶と予定外の収束を 乾ききった仕草で戻れないと伝う 交じり合った明かりに溜息を叫ぼう 冷めきった欲望に触れた禁忌を暴く 色彩は熱を帯びて 冷めないようだねって狂いあってすれ違う 怪物は君だもう私には赦す時間はないの 漂って失ってしどろもどろになっていくだけ さよならだどうか幸せで 高鳴るサイレン君には聞こえずに 網膜の微熱と口づけの空白を 降りしきった夜景の微睡と重ねた 今だけは黙って嘲笑い狂おう 冷めきった欲望に熱い後悔を 猜疑心だけをただ隠して 嘘吐きと呼ばれていたんだ 依然醜悪な理想郷だけ心に埋もれさせていたんだ 今日限りの命さえ束ねてここに幸せとある道徳を 買い戻してせめぎ合ってただ笑う 怪物は君だまだ知らないだけの人が良かった 付き添って悲しんで嘘と孤独に落ちていくだけ さよならだどうか泣かないで 囁く哀憐君には響かずに もう十分さ羽ばたくから妄想さえも愛も禁忌も もうさよならだ最愛の真実を胸に刻み付けていくだけ 色彩は熱を帯びて 冷めないようだねって狂いあってすれ違う 怪物は君だもう私には赦す時間はないの 漂って失ってしどろもどろになっていくだけ さよならだどうか幸せで 高鳴るサイレン君には聞こえずに あぁいつまでも コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/67.html
記憶の無い俺5 俺「ストライクウィッチーズ?」 842-909 842 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 10 06 15.48 ID VBGmTBWIP ――――ある日の朝 俺「さて、今日もいい朝だ」 俺「まだ5時か、随分早く目が覚めたな」 俺「朝の仕込みまでは大分余裕があるか……」 俺「そういや普段風呂掃除してるけどまだ入ったこと無かったな」 俺「ミーナ隊長はウィッチが使っていない時なら入ってもいいって言ってたけど」 俺「……この早朝なら誰もいないだろうし、ちょっと頭スッキリさせてこようかな」 843 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/06(水) 10 06 43.05 ID S0JoQSCK0 フラグ! 844 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 10 18 05.77 ID VBGmTBWIP ――――――風呂 カポーン 俺「うわー、すげー」 俺「おいおいこんな広い風呂の見たことないよ、記憶ないけど」 俺「……見とれてないでちょっと浸からせてもらおうかな」 俺「ふぅー」ザブーン 俺「朝風呂は気持ちいいなぁ」 俺「朝焼けも綺麗に見えるし、ここが最前線なんて信じられないな」 俺「~♪~♪~♪」(In the Navy) ガラガラッ 俺「!?」 845 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 10 22 45.06 ID VBGmTBWIP 坂本「おーい、俺ー、入ってるのかー」 俺「坂本少佐ですか?岩陰の方にいますのでちょっと待ってもらえればすぐに出ますよ」 坂本「ああ、そのままで構わんよ、できればこっちを見ないで貰えるとありがたいが」チャポン 俺(え?マジで?) 坂本「はぁ、やはり訓練の後は風呂に限るな……俺も朝から訓練か?」 俺「え?あ、ああ、まあそんな感じですね」(こ、この岩の向こうには……坂本少佐が……)フンスフンス 坂本「うむ、熱心で結構だ」 坂本「軍人たるもの、1に訓練2に訓練、3、4、5、6、7、8も訓練だからな」ハッハッハッ 俺「は、はぁ」(考えるな考えるな、邪なことは考えるな俺) 846 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 10 26 54.74 ID VBGmTBWIP 坂本「記憶が無いとはいえさすが男子だな、宮藤とリーネにも見習ってもらわんとな」 俺「はあ、恐縮です」(素数を数えるんだ…1、2、3、5、7、11…あれ、1って素数だっけ) 坂本「記憶といえばどうだ、何か思い出したことはあるか?」 俺「いえ、残念ながらさっぱりと」(1って1だから素数……いや違う?) 坂本「そうか……上層部もあれから何も言ってこないからな、何を企んでいるのやら」 俺「そうですか、でも最近思うんです……記憶がなくても今の生活もいいなって」(13、17、19……) 坂本「ん?」 848 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 10 34 40.10 ID VBGmTBWIP 俺「記憶がないのは仕方ないとして、これからどうするかって考えたときに、こうやって最前線で戦っている皆の為に 少しでも力になれているならそれも悪くないなと」(21、22、23、24……あれ、素数ってなんだっけ)フラフラ 坂本「一理あるな、過去にとらわれすぎて歩みを止めてもなにもならん」フッ 俺「俺には何もありません、だけど誰かのこれからを守る手伝いはできるんだって思ったら気が楽になりました」(そ、素数 ……) 坂本「前線で戦うのは我々ウィッチの仕事だ、が、その健康を守るのはお前の役割だ」 俺(ああ、やばい、頭がボーっとしてきた)クラクラ 坂本「戦は兵糧から、とも言うからな……ある意味俺の仕事は最も重要な位置にあるのかもしれないぞ、はっはっは」 コンコン 849 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 10 41 28.66 ID VBGmTBWIP バルクホルン「失礼、坂本少佐」 坂本「どうした?」 バルクホルン「脱衣所に、おお、俺の服があるのだが、な、中の状況を把握させていただきたい」 坂本「心配するな、俺なら岩の向こうだ」 ガラガラッ バルクホルン「しょ、少佐、いくらなんでも男子と同じ風呂に入るなど……ぶ、部隊の風紀というものをだな」/// 坂本「すまない、早く汗を流したかったのでな、互いに見えない場所にいれば問題なかろう?」 バルクホルン「そ、そういう問題では」/// 851 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 10 47 35.00 ID VBGmTBWIP 坂本「別に一緒に入った訳ではなく俺が入っていた所に後から私が邪魔したんだが」 バルクホルン「え、ええい、俺!聞いているのか!お前もお前だ!何とか言ったらどうだ!」/// 坂本「だそうだぞ、俺?聞いているのか?」 俺(……) バルクホルン「都合がわるいとだんまりか!俺!みみ、見損なったぞ!」/// 俺(……) 坂本「おい、返事くらいしてやれ、どうした」ソーッ 俺「」プカー 852 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 10 51 21.16 ID VBGmTBWIP ――――医務室 坂本「気がついたか?」 俺「ん……あれ?」 坂本「ふぅ、まったくあの程度の風呂でのぼせるとは軟弱だぞ」 俺「ああ、俺風呂でのぼせて……」 坂本「まあいい、今日の朝食は宮藤とリーネが担当してる、あとでフォローしておけよ」 俺「あ、はい、ご迷惑をおかけします……」 坂本「では私は先に行くからな、気分が悪いならもう少し横になっておけ」 スタスタスタ 俺「……」 バルクホルン「……」 854 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 10 57 43.92 ID VBGmTBWIP 俺「うわぁ!大尉!」 バルクホルン「……まったく人騒がせな」 俺「い、いつからそこに……」 バルクホルン「最初からだ」 俺「あ、そうですか」 バルクホルン「そもそもだ、少佐が来た時点で何故お前が風呂から上がらなかった」 俺「そ、それに関しては状況が」 バルクホルン「問答無用!貴様ももう少し風紀というものをだな」ガミガミ 俺('A`) 855 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 00 37.36 ID VBGmTBWIP ―――― バルクホルン「いいか、わかったな!」 俺「りょ、了解しました」 バルクホルン「あ、あとだな……その……」 俺「?」 バルクホルン「い、いや、これは余談だから、そのまあ聞き流して貰ってもかまわないのだが」 俺「はぁ」 バルクホルン「タ……ル」 俺「樽?」 バルクホルン「タ、タオルはもっと大きいものを使え」/// スタスタスタ 俺「……え?どういうこと?」 857 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 02 30.67 ID zYXEC5zcO 見えた!ってか。 859 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 06 22.35 ID VBGmTBWIP ―――――― 俺「二人とも今朝は申し訳なかった……まさか風呂でのぼせて倒れるなんてみっともない」 宮藤「いいえ、気にしないでください」 リーネ「はい、久しぶりに私達もお料理ができて楽しかったですよ」 俺「お詫びといっちゃなんですが今夜はお二人の好きなものを何でもご用意しようかと」 ウゥゥゥ――――ン 俺「!?」 宮藤「敵襲!」 リーネ「ごめんなさい俺少佐!行ってきます!」 俺「気をつけて!!」 861 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 10 59.11 ID VBGmTBWIP ―――――― ミーナ「美緒、見える?」 坂本「ああ、距離約10,000速度は遅いが……でかいな、全幅約100m、全長1200mといったところか」キィィィィィン 坂本「長筒型本体の周囲に鏡面状の板ような子機が多数浮遊している、速度は遅いがまっすぐこちらに向かってきているな このまま直進すれば基地に到達するコースだ」 ミーナ「あら?あれは……」 ブロロロロロロロロ 坂本「ロマーニャの航空部隊か、随分と手が早いな」 ミーナ「彼らも焦ってるのよ」 坂本「我々も行くぞ、接近する!」 862 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 17 43.41 ID VBGmTBWIP ―――― 航空部隊隊長「エリアH2K1、ヘディング190、高度700、速度5.2ノット、目標なお南下中」 航空部隊隊長「プリーストよりウィザード各機、会敵予想時刻ネクスト04」 航空部隊「ウィザード了解」 ネウロイ(キュィィィィィィィィ) 坂本「気づかれたぞ、子機が動いた」キィィィィン 航空部隊「ウィザードよりプリースト、リクエストオーダー」 航空部隊隊長「ウィザード、クリアファイア」 航空部隊「ウィザード了解、クリアファイア」 863 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 22 34.66 ID VBGmTBWIP 航空部隊隊長「コールサイン『ソーラレイ』コンタクト」 航空部隊隊長「ターゲットデッドアヘッド、ウィザード、キルソーラレイ」 航空部隊『ウィザード了解、キルソーラレイ』 ガガガガガガガガガガガガガガガガ パリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリンパリン シャーリー「お、お、なんだやるじゃないか!子機をどんどん落としてるぞ」 坂本「だめだ、あの程度の火力で本体まで落とせるわけがない」 ネウロイ(キュィィィィィィィィン) 坂本(なんだ?本体内部に高熱源反応?) ネウロイ(キュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン) 坂本「ッ!!まずい、来るぞ!エイラ!!」 エイラ「コッチダ!全員高度500マデ降リルンダ!!」 864 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 25 23.97 ID VBGmTBWIP バオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン サーニャ「きゃあっ!」 宮藤「うわうわうわぁぁぁ」 ルッキーニ「ピャァァー!」 オォォォォ……ン ミーナ「航空部隊が……一撃で消滅……」 シャーリー「うっそだろう、なんだありゃあ」 ペリーヌ「冗談きついですわよ!」 坂本「あの本体自身が砲身なのか……しかも」キィィィィィン 坂本「……コアはあの最深部だ」 866 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 29 21.61 ID VBGmTBWIP バルクホルン「まずいぞ!早くなんとかしないと、あんなもの基地に撃たれでもしたら!」 バルクホルン(俺……ッ!) 坂本「目標は周囲の子機を介して何らかのエネルギーを蒐集しているようだ」 坂本「正面を避けて接近し、まず子機を全機落とす、行くぞ!」 『了解!』 867 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 34 55.48 ID VBGmTBWIP ―――― 宮藤「うわぁ、おっきーい」 坂本「本体内部の熱源が上昇している、時間はあまりないぞ、急げ!」 シャーリー「要はこの板っ切れを片っ端から落としてやればいいんだな」 ミーナ「総員散開!子機を全て破壊せよ!」 ルッキーニ「イーヤッホーイ!!」ギュイーン バララララララ パリンパリンパリンパリン ガガガガガガガガパリンパリンパリンパリンパリンパリン エーリカ「しっかし数が多いなー、いくつあるんだよ」 ミーナ「ざっと300というところかしら、子機自体も動きは少ないし耐久力も低いからなんとかなりそうね」 バルクホルン「さっさと落としきるぞ、まだ本体が残ってる」ギューーン エーリカ「めんどくさぁーい」ギューーン ガガガガガガガガ パリンパリンパリンパリンパリンパリン 868 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 39 29.87 ID VBGmTBWIP ―――― ミーナ「子機の全機撃墜を確認」 坂本「内部熱源の上昇も止まったな」 坂本「さて、問題はここからだ……コアは本体中央部にあるが」ヴゥゥゥン 坂本「はああああああああああ…………烈ッ風―――――――――ッ斬!!!!」 ズバァァァァァァァァン ギィィン 坂本「はぁ、はぁ、この通り周囲の装甲が異常に強固なため外部から破壊は困難だ」 ペリーヌ「少佐の烈風斬ですら通用しないなんて……」 869 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 11 45 34.02 ID VBGmTBWIP 宮藤「リーネちゃんの対装甲ライフルも駄目なの?」 リーネ「何度か試したけど全部はじかれちゃうの」 坂本「つまり、正面から内部に侵入して破壊しなければならないのだが……要は大砲の発射口から入り込んで奥の弾丸を 破壊するような作戦だ、子機を破壊したとはいえ残りのエネルギーで主砲をいつ撃つとも分からない」 坂本「複数人でシールドを重複させて展開すれば、撃たれたとしてもあるいは……」 ミーナ「正面からしか攻撃できなければ他に方法はなさそうね」 宮藤「私行きます!」 ミーナ「そうね、宮藤さんのシールドは必……なに?」 ネウロイ(ヴヴヴヴヴヴヴヴ) 874 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 07 15.97 ID VBGmTBWIP ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン サーニャ「あっ、子機が」 エイラ「マタ出てきたゾ!」 ネウロイ(キュイイイイイイイイィィィィン)ゴゴォン 坂本「射角を下げた!まずい、基地を狙っているぞ!」 バルクホルン「ーッ!」ギューーーーン ガシッ バルクホルン「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」ゴゴゴゴ エイラ「ムリダ、あんなもの持ち上がる訳ナイ!」 バルクホルン(あそこには、俺がいるんだ……やらせてなるものか!!) 875 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 20 44.38 ID VBGmTBWIP ネウロイ(キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン) 坂本「全員手伝え!!」 バルクホルン「ッがあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ゴゴォン 坂本「なにっ」 ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン シャーリー「お、おいおいマジで持ち上げて砲撃を空へ逸らしたぞ」 ペリーヌ「じょ、常識外れですわ」 バルクホルン「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」 ミーナ「トゥルーデ!大丈夫!?」 坂本「恐らく次の砲撃までも時間がない!急ぐぞ!」 876 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 25 42.68 ID VBGmTBWIP ――――基地、食堂 ゴゴォォン ガタガタガタガタガタ 俺「?」トントントン 俺「地震……違うか」 ワーワー バタバタ 俺「なんだろう、やけに外が騒がしいな?」フキフキ 俺「ちょっと様子を見に行ってみるか」 878 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 30 56.29 ID VBGmTBWIP ――――ハンガー ワイワイ ガヤガヤ 俺「どうかしましたか?」 整備員1「お、俺少佐!危ないですから安全な場所へ避難されてくだせえ!」 俺「へ?」 整備員1「基地にネウロイが接近しています、先ほども上空へ砲撃が……」 ビュゴォォォォォォオォォォォォォォン 整備員1「うわっ!」 俺「な、なんだ!ビーム!?」 整備員1「まただ、大丈夫なのかよ俺たちゃ……」 俺(……なんて巨大なビームだ、あんなものを相手に彼女らは戦っているのか!?) 879 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 35 28.75 ID VBGmTBWIP 整備員2「おおーい!ネウロイが見えたぞー!」 俺「……な、なんだあの大きさは」 整備員2「また撃って来るぞー!」 カッ ビゴォォォォォォオォォォォォォォン 俺「クッ……」 俺(皆……) 880 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 42 06.29 ID VBGmTBWIP ―――― バルクホルン「ぐっ……くくく……」キィィィン ミーナ「トゥルーデ!もう限界よ!」 バルクホルン「私なら大丈夫だ!宮藤たちに……急いでくれと、伝えて、くれ!」キィィィン ガガガガガガガガ パリンパリンパリンパリンパリンパリン ガガガガガガガ パリンパリンパリンパリンパリン エーリカ「子機の出現頻度も上がってるよ!これじゃ追いつかない!」 ペリーヌ「トネール!」 バリバリバリバリバリバリ パリンパリンパリンパリンパリンパリン ペリーヌ「きりがありませんわ!宮藤さんたちは何をしてらっしゃるの!!」 881 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 46 06.68 ID VBGmTBWIP ビゴォォォォォォオォォォォォォォオオォォォォン 宮藤「うわああああああああああああああああっ」 リーネ「よしかちゃぁぁぁぁぁぁぁん」 エイラ「ウワー」 サーニャ「きゃぁぁぁぁぁ」 ルッキーニ「うじゃぁぁぁぁぁん」 シャーリー「くっ」 坂本「くそっ、やはり我々のシールドではこの主砲は防ぎきれないか……どうやっても砲身から押し出されてしまう」 坂本「砲撃感覚も短くなってきている、このままではこっちがもたない」 坂本(どうする……ッ)ギリッ 882 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 50 09.75 ID VBGmTBWIP ――――ハンガー 整備員2「ウィッチも相当手を焼いてるようだな……本当に大丈夫なのか……」 ヴィーッ!ヴィーッ!ヴィーッ! 俺「この警報は……ッ」 整備員1「退避警報……基地を放棄するってのか!?」 整備員2「そんな馬鹿な、ウィッチ達でもあのネウロイは止められないのか」 整備班長「総員退避だァ――――!!ノロノロしてんじゃねェ-―――――ぞ!!!!!」 ワーワー バタバタバタバタ ニゲロォー 俺(退避だと……俺は……) 俺「」チラッ タッタッタッタッタッ 俺(彼女達の為に出来ること……いや、それだけじゃない) 俺(俺自身が……) ザッ 俺(Fiat G.50……借りるぞ) 883 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 55 42.68 ID VBGmTBWIP ―――― ガロロロロロロロロロン 整備員1「ん?フィアットが動いてるぞ、誰だ?」 整備員2「あれは、俺少佐!?何やってるんだ!!」 ブロンブロンブロンブロンブロン 俺(……行くぞ!) 整備班長「待て」 俺(!?) 整備班長「お若い少佐さんよォ、お前ェさん一体ェ何をするつもりだい」 俺「どいてください」 884 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 13 56 54.95 ID hHiv2Ije0 整備班長がパトレイバーの榊のおやっさんに自動吹替えされるのは仕様ですか? 885 名前:記憶の無い俺 884何故バレた[] 投稿日:2010/10/06(水) 14 00 34.71 ID VBGmTBWIP 整備班長「何をするつもりだい、と聞いてるんだ」 俺「彼女達の援護に行きます」 整備班長「……寝言言ってんじゃァねェ、そんなポンコツで飛んでったところで足手まといになるだけだ」 俺「敵の陽動くらいはできます」 整備班長「陽動どころじゃねェ、ネウロイにしてみりゃダックハントだ、やめておけ」 俺「だからといってこのまま黙っている訳には行きません!」 整備班長「その気持ちは汲み取るがなァ、わざわざ死にに行くような若ェ芽を見逃すほど俺ァ達観しちゃいねェんだよ」 俺「……」 整備班長「……」 ガロロロロ…ロロロロロ…… 俺「何だ!?」 886 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 14 03 18.55 ID hHiv2Ije0 ってことはシゲさんも・・・・? 887 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 14 11 57.63 ID VBGmTBWIP 整備班長「悪ィが動力を外させてもらったぜ」 整備員1「少佐ァ、簡便してください」ガシッ 整備員2「班長の命令なんで」ガシッ 俺「なっ、くそっ、離せ!!」 整備班長「全員退避だ」スッ 俺「やめろ、離せッ!俺はこのままじゃ駄目なんだ!今までずっと、守られてばかりで」 俺「何もない俺を受け入れてくれた彼女達に、こんな時に、何もできないまま逃げろだなんて」 俺「何も自分でしないままのうのうと……こんなんじゃどの面下げて!」 整備班長「チッ、聞き分けのねェ野郎だ……」ガシッ 整備員1「ちょっ、おやっさん!」 888 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 14 25 13.38 ID VBGmTBWIP 整備班長「思い上がるんじゃねェぞ、戦うのはウィッチの仕事だ、俺達の仕事じゃねェ」 俺「……」 整備班長「クソ真面目も結構だがよ、手前ェの役目勘違いしてんじゃねェ、黙って逃げろ」 俺「承服できません」 整備班長「ッ!」 バキッ! 俺「……」キッ 整備員1(ちょ、おやっさん!いくら形だけとはいえ相手は少佐ですよ!) 整備班長「言いてェ事があるなら言っておけ」 俺「……俺にはなにもありません、俺の過去……歴史は空白なんです」 俺「俺にとってはこの場所が全て、ここで始まって全てが今に繋がっているんです、そしてきっとこれからも」 889 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 14 37 41.16 ID VBGmTBWIP 整備班長「何の話だ」 俺「彼女達に守って貰うだけじゃない、彼女達の為に戦うだけじゃない」 俺「俺自身が俺の為に守りたいものの為に行かなければいけないんです」 整備班長「……それで死ぬ気か」 俺「そんなつもりはありません、ただ」 整備班長「何だ」 俺「……俺の命の使い方は」キィィィ 俺「俺が決めるッ!!」イィィィィィン!!!! 890 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 14 40 41.31 ID cmFMSjdA0 覚醒するのか・・・ 891 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 14 47 13.73 ID qFbfgqcuP 中々面白い 892 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/06(水) 14 53 05.30 ID S0JoQSCK0 覚醒はやっぱり王道で熱いですよ 893 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 15 12 35.76 ID S9WUQTHc0 MC.200じゃなくG.50なんか 894 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 15 34 00.46 ID VBGmTBWIP ブワッ 整備班長「なん……だと……」 整備員1「こ、こりゃァ、魔方陣……」 整備班長「お前ェ……」スッ 俺(この力……) 俺( )キッ バッ タタタタタタタタタタタタ 整備員2「あっ、しまった!」 俺(零式艦上戦闘脚二二型甲……宮藤さん、借ります) キィィィィィン ブォォォォォォォォン 俺(ストライカーに触った記憶もない、ウィッチだった記憶もない、戦闘に出た記憶もない) 俺(何も記憶はない、だけど、飛び方は……分かるッ!!) 俺「出るぞッ!」 895 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/06(水) 15 35 41.00 ID Q1ITfqwcO 俺さんもパンツ丸出しなんですか? 896 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 15 38 23.45 ID VBGmTBWIP ―――― バルクホルン「ぐっ……くく……」ギギギ ミーナ「トゥルーデ、もういいわ」 バルクホルン「な、何ッ」 ミーナ「基地に総員退避命令を出したわ」 バルクホルン「なっ……正気か!ミーナ!」 ミーナ「別に基地を放棄するわけじゃないわ、まずは人命が第一でしょう」 バルクホルン「ああ、だがこいつに内陸を砲撃させるわけにもいかん……私なら大丈夫だ」キィィィィン バルクホルン(俺は上手く逃げてくれているだろうか……) ミーナ「ごめんなさいトゥルーデ、今美緒達が打開策を練っているから……」 バルクホルン「気にするな、まぁ早くしてくれると助かるのは事実だ、がなッ」ギリギリギリギリ 897 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 15 44 07.42 ID VBGmTBWIP ―――― 坂本「クッ、これも駄目か!」 宮藤「はあっ、はあっ、はあっ」 エイラ「どうすんダヨー、こいつもう手が付けられナイゾ」 サーニャ「もうみんな魔力も限界に近い……」 シャーリー「ペリーヌとハルトマンが子機をつぶしてくれているお陰でなんとかもっちゃいるが」 リーネ「はぁ、はぁ、それでも、すごい火力、はぁ」 坂本(あれだけ策を弄しても一向にコアへ辿り着けない……このままではジリ貧だ、くそっ) ルッキーニ「うゅー、こいつもうヤダー!」 899 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 15 49 14.31 ID VBGmTBWIP ―――― ペリーヌ「はぁ、も、もう何機落としたかわかりませんわ……」 エーリカ「あはは、コレ全部数えてたら私ら新記録どころの話じゃないね」 ペリーヌ「中尉はまだ随分余裕がおありですのね……」 エーリカ「そうでもないよ、もうつかれたー」グデー エーリカ(!?) ヒュンヒュンヒュンヒュン ペリーヌ「また出てきましたわね」 エーリカ(いや、これは……今までと違う) ヒュンヒュンヒュン ピタッ ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン ペリーヌ「来ましたわね、全員まとめて……」パリパリ エーリカ「だめだ、避けろ!ペリーヌ!」 901 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 16 02 43.26 ID VBGmTBWIP ペリーヌ「へ?」パリッ ドゥンドゥンドゥンドゥン エーリカ「ちっ」 キィィィィィン パキン!パキン!パキン! パラパラ ペリーヌ「じ、自爆……あ、ありがとうございます中尉」 エーリカ「シールドが間に合ってよかったよ」 エーリカ(やり方を変えてきた?何のために) エーリカ(……まさか!) 902 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 16 09 56.98 ID VBGmTBWIP ―――― ミーナ「何だか様子がおかしいわ」 バルクホルン「なんでもいい、そろそろ私もきついぞ……」キィィィィン 「――!!――!!」 ミーナ「?」 エーリカ「――!!――――ろ!!」 エーリカ「避けろー!ミーナ!トゥルーデ!!!」 ドゥン!ドゥン! ミーナ「きゃあっ!」 バルクホルン「……ッッ!!」 ミーナ「っく……今の攻撃は……トゥルーデ?」 904 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 16 17 44.34 ID VBGmTBWIP バルクホルン「 」ヒュゥゥゥゥ ミーナ・エーリカ「トゥルーデ!!!」 ペリーヌ「ああっ、もうとっくに魔力も体力も限界を超えていたんですわ!!」 ミーナ「間に合って!」ギューーーーーン エーリカ「くっ、遠い!!」ギューーーーーン ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン ミーナ「子機がっ、邪魔を!!」 エーリカ「トゥルーデ-――――!!!」 キラッ ヴゥゥゥゥゥゥン ミーナ「えっ」 エーリカ「ウィッチ?」 905 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 16 19 05.95 ID VBGmTBWIP 俺「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 俺「大尉―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ッッ!!!」 ガシッ 俺「はぁっ、はぁっ、はぁっ、間に合った……」 バルクホルン「」グッタリ 坂本「なっ……俺か!?」 宮藤「えええええええええええええ」 リーネ「嘘っ……!」 ミーナ「俺少佐……ウィッチ……?」 906 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 16 21 58.14 ID VBGmTBWIP 俺「大尉!大尉!」 バルクホルン「」クタッ 俺「……」 ネウロイ(キュイイイイイ) 俺「お前が」ギリッ ネウロイ(キュイイイイイイ) ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン エイラ「マタ子機が出てきたゾ、俺の方に向かってる!」 俺「お前が……やったんだな」キッ キィィィィィン 908 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 16 23 12.21 ID VBGmTBWIP エーリカ「俺っ!」 俺「お前がやったのかと、聞いているんだ―――――――――――――――――――――ッッ!!!」 ガォン!!! ボボボボボボボンッ サーニャ「すごい……片腕で子機を薙ぎ払った」 俺「よくも……よくも大尉を……!!」ギィィィィィィィン 坂本(右腕に魔力が集中している……なんて圧縮力だ、これは……) 坂本「総員離れろ!巻き込まれるぞ!!」 俺「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」キィィィィィン 909 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/06(水) 16 25 31.32 ID VBGmTBWIP 俺「砕け散れええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」カッ!! ガォン!!ドゴン!!パキン!! ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!! キラキラキラ 宮藤「すごい……」 シャーリー「な、何が起こったんだ……」 坂本「わからん……だが」 ミーナ「ネウロイの消滅を確認……」 俺「大、尉……」フラッ ヒューン エーリカ「俺―ッ!」ギューーーン 記憶の無い俺6 へ続く
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/85.html
記憶の無い俺6 俺「ストライクウィッチーズ?」 396-463 396 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 19 38 23.51 ID 193U5ekEP ―――――!! ―――!――――――――――! (誰かが呼んでる) ――――――!! (なんだろう、とても懐かしい) ―――――……―――――? (ああ、大丈夫だ、問題ない) ――――!――――! (きっと上手くやるよ) 俺(……) 俺「……ん」 俺「……ここは、医務室か」 397 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 19 40 40.91 ID 193U5ekEP 俺(なんだろう、何か夢を見ていた気がするけど思い出せない……) 俺「そ、そうだ!大尉!」 ガバッ!! 俺「大尉ッ!」 ガチャッ!! バルクホルン「俺ッ!!」 俺・バルクホルン『あ』 俺「……」 バルクホルン「……」 398 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 19 46 19.82 ID 193U5ekEP 俺「あ、あー……お、お元気でs」 ギュー バルクホルン「馬鹿……この大馬鹿者」グスッ 俺「大尉……」スッ バルクホルン「なんて無茶するんだ……この馬鹿」 俺「お互い様じゃないですか」ナデナデ バルクホルン「……うるさい」 エーリカ「はいはい、お熱いところ悪いんだけどさー」パンパン バルクホルン「し、しまった」/// バッ 俺「そんなあからさまに距離をとらなくても……」 399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 19 51 07.28 ID k1OZNvlZP エルシャダイネタが見えた気がするが、おそらく考え過ぎだろう 400 名前:記憶の無い俺 399見返して気づいた……本当だ[] 投稿日:2010/10/07(木) 19 52 17.19 ID 193U5ekEP エーリカ「とりあえずみんなに顔みせてやんなよ、2人とも丸2日間も寝っぱなしだったんだから」 俺「2日間も……」 エーリカ「トゥルーデなんてさっき目を覚ましたばっかだってのにロクに話も聞かずに『俺―っ!』って走り出して」 バルクホルン「や、やめろぉぉぉ!!」/// 俺「た、大尉」/// エーリカ「ていうか廊下で思いっきり抱き合っといて今更なにを照れてるんだか」 バルクホルン「ああああああああ」/// エーリカ「はいはい!いいから行くよ!」ズルズル 401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 19 53 12.74 ID g7g2rKuh0 エルシャダイ糞ワロタwwwwww 402 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 19 56 51.14 ID 193U5ekEP ―――― シャーリー「いやしかし驚いたよなぁ、まさか俺がウィッチだったなんてなぁ」 宮藤「それにあの魔法!すごかったです!一発であのネウロイをばーんって!」 ルッキーニ「ばーん!!」 リーネ「私たちがいくら手を尽くしてもどうにもならなかったのに」 サーニャ「うん、俺さんが来てくれなかったら……」 エイラ「マアそこは素直に感謝ダナ」ウンウン 俺「ああ、あはは」テレテレ シャーリー「それにバルクホルンを助けた時のあの俺の勢いときたら」 ルッキーニ「大尉―って!!」ピャー 403 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 01 44.14 ID 193U5ekEP 俺「よ、よしてください恥ずかしい」/// バルクホルン「お、おまえらいい加減にしないか!俺が困ってるだろう」/// シャーリー「そんな顔で言われてもなぁ」ニヤニヤ ペリーヌ「俺少佐、そういえばあの魔法は一体どういう原理なんですの?衝撃波?のように見えましたが」 俺「いや、その俺も夢中で……あれもなにをどうやったのかさっぱり……」 ペリーヌ「はぁ、相変わらず記憶は変わらず仕舞いって訳なんですのね」 リーネ「それで、俺さんはこれからどうされるんですか?」 宮藤「もしかして一緒に戦ってくれるんですか!」 俺(そうだ、やっと俺が望んだ皆の為になれる力、俺が守りたいこの場所を守れる力) 俺(自分でもどうやったのか分からないけど、俺にだってできるんだ) 406 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 07 41.36 ID 193U5ekEP 俺「ええ、俺もこれからは皆と一緒に」 ガチャ ミーナ「残念だけど、そうはならないわ」 バルクホルン「ミーナ!?」 宮藤「ミーナさん、坂本さん、帰ってたんですね!」 俺「どこかへ行かれてたんですか?」 リーネ「ミーナ中佐と坂本少佐は俺さんの件で司令部まで呼ばれてたんです」 俺「俺の……?」 シャーリー「そうはならないって、どういうことだ?」 407 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 16 04.72 ID 193U5ekEP 坂本「司令部及び扶桑皇族提督の決定だ、俺は上層部から直接出撃命令があるまで出撃禁止、基地待機という事だ」 サーニャ「そんな、どうして」 エイラ「あのネウロイを倒したのはコイツだゾ」 ミーナ「退避命令が出ていたにも関わらずの無断出撃、ストライカーの無断使用、戦闘機の無断使用未遂」 リーネ「あ……」 ミーナ「及び戦闘機の破損、整備員との暴力沙汰、食堂での職務放棄」 ミーナ「これ以上まだ必要かしら」 俺「……いえ、申し開きもございません」 バルクホルン「な、何を言ってるんだミーナ!俺が来なかったら今頃全員どうなっていたか!」 ミーナ「バルクホルン大尉、規律よりも結果論を取るとは貴女らしくありませんね」 バルクホルン「くっ」 坂本「むしろそれだけやっておいて待機命令で済んだんだ、よしとしようじゃないか」 ミーナ「……ごめんなさい、私個人としてはこんなこと言いたくないんだけどこれも命令なの」 408 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 22 03.10 ID 193U5ekEP 俺「いえ、仰るとおりです」 ミーナ「でも誤解しないで、貴方のおかげでネウロイを倒せて、トゥルーデを助けてくれた事には皆感謝してるわ」 バルクホルン「ミーナ……」 シャーリー「そうだぞー」 ルッキーニ「そうだそうだー」 バルクホルン「ああ、この命は俺に拾ってもらったようなものだ、私に出来ることなら何でも言ってくれ」 俺「大尉……」 バルクホルン「俺……」 エイラ「もう二人とも人目とか関係ないんダナ」 サーニャ「」クスクス 坂本(それにしても、司令部の連中……) ミーナ(ええ、気になるわね) ―――― ――― ―― 409 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 27 54.02 ID 193U5ekEP ――――司令部 ミーナ「……以上です」 ロマーニャ将軍「俺少佐がな……」 ミーナ「はい、我々もまさか彼がウィッチだとは……そういった報告も当初より受けていませんでしたし……」 カールスラント将軍「ふむ、いや、よい、話を聞く限りは貴君らは上手く育ててくれているようだな」 ミーナ「?」 坂本(育てる?) 扶桑皇族提督「俺中尉……いや、少佐の交友関係等も聞かせて貰ったが、間違いはないな」 ミーナ「はい(中尉?)」 410 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 33 30.40 ID 193U5ekEP (なれば今回の件とあわせてみても期待……) (これほど早く出来上がるとは予想……) (あのサイズのネウロイ……) (計測上の破壊力……) (それでは早々に……) (調整は進めておいた方がよいだろう……) (兵器局にも……) (ではあのストライカーは……) (あの女に任せ……) 411 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 38 37.76 ID 193U5ekEP 坂本(何をコソコソと話している?) 扶桑皇族提督「では、結果的にネウロイを撃破した事を考慮して、俺少佐の件に関して罰則は不問としよう」 ロマーニャ将軍「建前もあるだろうからな、我々の命令があるまでは基地待機とでもしておけばよかろう」 扶桑皇族提督「くれぐれも勝手に出撃させるような真似はするなよ」 ミーナ「現場での指揮権は私にあります、万が一の場合を」 扶桑皇族提督「ヴィルケ中佐、最初に送った電信をもうお忘れか」 ミーナ「……」 扶桑皇族提督「俺少佐に関しては501部隊預かりとするが総指揮権は私にある、勘違いしないで頂きたい」 412 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 44 33.36 ID 193U5ekEP 扶桑皇族提督「罰則は不問とするが出撃は一切禁止だ」 ミーナ「……了解しました」 扶桑皇族提督「以上だ、質問は受け付けない」ガタッ ―――― ――― ―― 坂本「余計な混乱を招かぬよう、皆には伝えない方がいいだろう」 ミーナ「そうね……」 413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/07(木) 20 54 57.37 ID wbfKR3fY0 もしかして記憶喪失は皇族なのか? 414 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 56 37.69 ID 193U5ekEP ――――次の日、自室 俺(出撃禁止……) 俺(また皆が戦いに出て行く様を見送るだけの日々になるのか) コンコン 俺(折角力を手に入れても……使えなければなんの意味も無い) コンコン 俺(いや……よそう、そんな卑屈になっていてもしかたない、俺には俺で出来ることがあるんだ) ガチャ サーニャ「あの……俺さん?いますか?」 415 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 20 58 32.75 ID 193U5ekEP 俺(もう今までとは違う、ここが俺の居場所なんだ) サーニャ「あの……」 俺(こんな俺を家族として認めてくれた彼女達の為にも、こんなところでグズグズしてる場合じゃない) サーニャ「あの……」 俺(今出来ることを精一杯やるだけだ、班長も言っていた通り、自分の役目を勘違いしてる場合じゃないしな) サーニャ「」グス トボトボトボ 俺(よし、気分転換にちょっと外に) エイラ「コラ――――――――――――――――――――――――ッ!!!」 416 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 21 01 41.16 ID 193U5ekEP 俺「うわあ!!!」 エイラ「オイ!さっきからサーニャが呼んでるのに何シカトこいてんだヨ!」 俺「え?」 サーニャ「……」/// 俺「ああ悪い、ごめんなさい、ちょっと考え事をしてて気づきませんでした」 エイラ「全ク、前ニモこんなことあったゾ」 417 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 21 04 51.83 ID 193U5ekEP 俺(……前にも?) サーニャ「あの、俺さんあれからちょっと元気ないから、またお茶でも……」 俺「ありがとうサーニャさん、丁度気分転換しようと思っていたんです」 エイラ「全ク、前といい今回といい何でサーニャはわざわざ」ブツブツ サーニャ「なにしてるのエイラ、行くよ?」 エイラ「あああ、おいてかないでよサーニャぁぁぁ」 418 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 21 10 31.32 ID 193U5ekEP ―――― ペリーヌ「今回もわたくしの育てたカモミールティーをご用意致しましたわ、さ、どうぞ」 サーニャ「ありがとうペリーヌさん」 エイラ「ツンツンメガネはアレだけどこやっぱりこのハーブティーは美味いナ」 ペリーヌ「アレってどうことですの!ですから!その呼び方もおやめなさいって何度言ったら!」 エイラ「イーっだ」イーッ 俺(今回も……?) ペリーヌ「あら、俺少佐?お口に合いませんか?」 俺「え、いえ、素晴らしいカモミールです、実に俺好みの淹れ方で驚きました」 420 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 21 12 03.57 ID 193U5ekEP ペリーヌ「以前ご指摘いただいた所を気にかけて淹れましたのよ、当然ですわ」フフン ペリーヌ「全く貴方ときたら、前回はわたくしのカモミールを褒めて下さったとおもったら2時間も講釈を」 俺(……) サーニャ「俺さん?」 俺「つかぬ事を伺いますが、以前……というのは?」 ペリーヌ「以前は以前ですわ、俺少佐が基地に来たばかりの時にサーニャさんにお願いされてお茶をご用意した時の事ですわよ」 俺(……どういうことだ、俺にそんな記憶は無い) 421 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 21 14 48.01 ID 193U5ekEP エイラ「ドウシタ?俺、顔色悪いゾ?」 俺(ここに来てからが俺の全てなんだ、彼女達と過ごした日々を一つたりとも忘れた事なんてない) 俺(初日にハルトマン中尉の部屋で目が覚めて……大尉に追われて……雑務を引き受けて……) エイラ「オーイ」 俺(……馬鹿な、彼女達3人とお茶を飲んだ記憶なんてどこにもない)ドクン 俺(覚えていないとか、忘れたとかそういうことじゃない……無い、記憶が無い)ドクンドクン サーニャ「俺さん?大丈夫?」 422 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 21 18 33.06 ID 193U5ekEP 俺(彼女達が俺を騙している様子も見えない、そもそもそんな意味がない)ドクンドクン 俺(間違っているのは俺……俺の記憶……)ドクンドクン 俺「っ、はぁ!」ガタン ペリーヌ「ちょっ、俺少佐!大丈夫ですの!」 俺「はぁっ、はぁっ」 サーニャ「すごい汗……大丈夫?」フキフキ 俺「あ、ああ……ありがとうございます、なんでもないんです、何でも」 ペリーヌ「そんな様を見せられて何でもないで片付けられるわけありませんでしょう!」 エイラ「医務室行くカ?」 423 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 21 21 14.21 ID 193U5ekEP 俺「いえ、大丈夫です、さあ、折角淹れていただいた紅茶が冷めてしまいます」ゴクゴク 俺「うまいっ!」テーレッテレー ペリーヌ・サーニャ・エイラ「……」 俺「あ、あはは、じ、実はちょっと昨日寝不足で、立ちくらみがしただけなんです」 俺「寝不足なんて恥ずかしいから言いにくくて……」 エイラ「何ダヨモー、人騒がせな奴ダナー」 ペリーヌ「まったく、何事かと思いましたわ」 サーニャ「……」 俺「あは、あはは、面目ない」 サーニャ(……嘘、何か隠してる) 俺「ああ、お茶が美味しいなあ……ははは」 424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/07(木) 21 26 31.31 ID wbfKR3fY0 雲行きが怪しくなってきたな 425 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 21 26 38.75 ID 193U5ekEP ――――数日後 俺(相変わらず俺に出撃命令は出ていない) 俺(あの紅茶の一件から皆の会話の中で自分の記憶と齟齬が発生していないか確認する癖が付いた) 俺(が、あれ以来特に記憶に関して違和感を覚えることも無い) 俺(気にしすぎだったのだろうか……) バタバタバタ ルッキーニ「俺ーむしー」バッ ギュー 俺「おわぁ!いきなり背中に抱きつかないで下さい!」 ルッキーニ「うじゅー、ねね、俺、おやつおやつ!おやつ作って!」 俺「いいですよ、じゃあ先にお茶を用意してますから皆さん食堂に呼んでおいてください」 ルッキーニ「らじゃー!!」 バタバタバタ 俺「ま、考えても仕方ないか」 427 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 21 31 45.40 ID 193U5ekEP ――――食堂 俺「じゃあまずは、お茶を……」コポコポ 俺「『前にも』ペリーヌさんに貰ったカモミールです、お菓子は今からご用意しますのでちょっと待ってて下さいね」 サーニャ「……」 俺「さて、じゃあ何が食べたいですか?」 宮藤「俺さんの作るお菓子みんな美味しいからなんでもいいですよ」 リーネ「私も、何でも楽しみです」 俺「うーん、何でもって言われると逆に困るんだよなぁ」 バルクホルン「スイートポテトはどうだ、前にクリスに分けて貰ったがあれは美味しかった」 バルクホルン「で、できれば俺がちゃんと作ってくれた出来立てを食べてみたい……」ゴニョゴニョ エーリカ(なんでそこでちゃんと伝えられないかな) 428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/07(木) 21 37 30.61 ID fikTS9jB0 僕は頭からケツまでシリアスでも全然構わないんでね 431 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 00 28.88 ID 193U5ekEP 俺「あー、さつまいもをちょっと切らしちゃってるんで今日は無理ですねー」 バルクホルン「そ、そうか……」シュン ルッキーニ「そだ、アレがいいアレ!」 俺「あれ?」 ルッキーニ「アレ、なんだっけホラ、うじゅじゅーってしててもきもきーってしてるやつ」 シャーリー「おー、アレか、前にあたしらが作ってもらったアレか」 俺「何か作りましたっけ?」 シャーリー「なんて名前だっけ?卵とか使ってた黄色い粘土みたいなやつ、ホラ」 ルッキーニ「えと、確かシャンプー?にゃんちゅう?」 俺「もしかして三不粘(サンプーチャン)の事ですか?」 434 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 05 28.15 ID 193U5ekEP シャーリー・ルッキーニ「それだ!」 俺「よくご存知ですね、いいですよ、材料は十分ありますからちょっと待ってて下さいね」 俺(……) 俺(……何だって?) 俺「ちょっと待ってください、シャーリー、ルッキーニ。さっき何て言いました?」 シャーリー「へ?黄色い粘土みたいな奴ってこと?」 俺「違います、その前」 シャーリー「前にも作ってもらったって事か?」 俺(まただ……俺の知らない事だ) 435 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 10 38.03 ID 193U5ekEP シャーリー「いーやぁー、あの時は参ったなぁ、ルッキーニが泣き止まないもんだからさぁ」 ルッキーニ「うじゅー、だってあたしのケーキがー」 俺(今回もそうだ、三不粘なんてあんなマニアックな料理ルッキーニが知ってる訳が無い) 俺(紅茶の件も間違いではなかった……やはりここに来てからの俺の記憶に異常が生じている) 俺(これが何を意味するのかは分からないが……) ルッキーニ「おーい、俺?」 俺(俺は……過去を無くすだけでなく、新しく得た記憶さえ残す権利すら無いとでもいうのか) 俺「クソッ!」ガン! ルッキーニ「ヒッ!」ビクッ 438 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 15 19.54 ID 193U5ekEP シャーリー「お、おいどうした、あたし何か気に食わないこと言ったか?」アセアセ 俺「ハッ、い、いや、違います!違うんです!本当に何でもないんです!すいません!」 バルクホルン「ちょっと前から気になってはいたが、やっぱり顔色が悪いぞ、あまり無理をしない方が」スッ 俺「無理なんてしていない!」バシッ バルクホルン「あっ」 俺「あっ」 バルクホルン「そ、そうか、それはすまなかった……わ、私としたことが、勘違いだったか」 タッタッタッタ 俺「あっ……」 439 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 18 37.06 ID 193U5ekEP サーニャ「」スッ テクテク エイラ「サーニャ?どこいくんだ」 ペリーヌ「ちょ、ちょっとなんなんですの!?」 宮藤「俺さん、どうしちゃったんですか?大丈夫ですか?」 リーネ「私たち何かしちゃいましたか?」 俺「い、いえ本当に、皆が何かっていう事じゃなくて、その、えっと」 エーリカ「とりあえず、トゥルーデを追ってあげなよ」 俺「……すいません」ダッ エーリカ「いってらっしゃーい」フリフリ 441 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 23 14.58 ID 193U5ekEP エーリカ「さて、俺も行っちゃったことだしさ、宮藤なんか作ってよ」 宮藤「え、ええっ、でも、あの、バルクホルンさんと俺さん……」 エーリカ「心配要らないよ、あの二人なら」 リーネ「で、でも……」 シャーリー「ハルトマンが言うなら、まあ大丈夫、なのかなぁ……でも」 ルッキーニ「うじゅじゅ、俺怖かった……」シクシク シャーリー「あんな俺の顔見たのは初めてだったからな……それだけが心配だよ」 エーリカ(俺が何を抱えてるのかまでは今回ばかりは分からないけどね……) 443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 30 04.92 ID 193U5ekEP ――――廊下 サーニャ「バルクホルンさん」 バルクホルン「サーニャか」 サーニャ「ちょっとお話があります」 バルクホルン「俺の事か」 サーニャ「はい、バルクホルンさんもお気づきとは思いますけど……」 バルクホルン「あの出撃以来……どこか影を感じてはいたんだがどうにも話しづらくてな、あはは」 サーニャ「私もこの前、俺さんとお茶したときに……それと今日の俺さんを見てもしかしてと」 バルクホルン「……」 サーニャ「バルクホルンさんならきっと上手くお話してくれると思うから……」 バルクホルン「何か知ってるのか」 サーニャ「……恐らくは」 444 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 31 44.04 ID 193U5ekEP ―――― 俺「っはぁ、大尉……いったいどこへ」 バルクホルン「俺」 俺「大尉……」 バルクホルン「少し、話をしないか……」 ――――俺、自室 俺「先ほどは、すいませんでした……折角気にかけていただいたのに取り乱して」 バルクホルン「あ、ああ、そんなことはいいんだ、気にするな」 俺「ちょっと、寝不足で体調が悪くて……ははは」 バルクホルン「……」 俺「体調管理も仕事のうちだってのに、まったくしょうがないですね俺ときたら、あはは」 バルクホルン「……」 俺「皆も驚かせてしまいましたし、後で謝っておかないと」 447 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 39 21.70 ID 193U5ekEP バルクホルン「記憶……」 俺「」ピクッ バルクホルン「記憶……無いんじゃないか、もしかして」 俺「……どうしてそれを」 バルクホルン「あの出撃以来、俺の態度に違和感を覚えてはいたんだが……」 バルクホルン「サーニャからも俺の話を聞いてな」 俺「そうですか……」 バルクホルン「なあ、私でよければいつでも相談にのるぞ?不安があれば受け止める事だってできる」 バルクホルン「だから、もうそんなに抱え込むのは止めてくれないか……」 俺「……」 バルクホルン「そんな俺を見ているのは、私も……辛い」 448 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 22 42 10.16 ID 193U5ekEP 俺「大尉……」 バルクホルン「私はそんなに頼りないか?お前の力になることもさせて貰えないのか?」 バルクホルン「妹に笑顔をくれた、私を助けてくれた……お前の力になりたいんだ」 俺「……」 バルクホルン「……」 俺「……」 バルクホルン「俺、こっちを向いてくれ」 俺「」スッ ギュッ バルクホルン「……私たちは家族じゃないか、甘えたっていいんだぞ」 俺「……っ」 バルクホルン「ん?」 450 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 01 19.97 ID 193U5ekEP 俺「……怖いんです」 俺「ここで獲た記憶が、皆との思い出が、それが俺の、今までの全てなのに」 俺「気がついたら俺の中から抜け落ちて……無くしたことさえ気づけずに」 俺「いつか全て忘れてしまうんじゃないかって……」 バルクホルン「大丈夫だ……」ナデナデ バルクホルン「私はここにいる、忘れさせない、いつだって一緒だ」ナデナデ 俺「……」 451 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 03 45.99 ID 193U5ekEP バルクホルン「忘れたならまた覚えればいい、無くしたならまた作ればいい」ナデナデ バルクホルン「共にいればいつだって記憶なんて重ねられる」ナデナデ 俺「……」 バルクホルン「だから、心配するな、私は常に、ずっと俺の隣にいる」ナデナデ 俺「ぐっ、く……」 バルクホルン「泣いていいぞ、私の胸にだってそれくらいの余裕はある」ナデナデ 俺「ぐ……う……うぅ……」 バルクホルン「よしよし」ナデナデ 452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 05 26.39 ID CyWzE2wfO ナデナデされてー 453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 06 17.81 ID 6UMQuIOsO 主に股間を 454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/07(木) 23 07 45.37 ID NDK1GnNH0 ナデナデしてー 455 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 08 29.02 ID 193U5ekEP ―――― バルクホルン「……落ち着いたか?」 俺「ええ、ありがとうございます」 バルクホルン「あはは、目が真っ赤だぞ」 俺「ははは、これじゃ恥ずかしくてしばらく皆に顔を見せられませんね」 バルクホルン「ようやく笑ったな、最近の俺の笑顔はまるで石造みたいだったからな」 俺「こんなにご迷惑をかけて……なんと言ったらいいのやら」 バルクホルン「コラ、違うぞ、迷惑だなんて私は一言も言った覚えは無いぞ」コツン バルクホルン「むしろお前の力になれて嬉しいくらいだ、俺には私も、その、色々と酷い事を言ったりもしたからな」/// 俺「ははは、その事はもういいじゃないですか」 456 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 14 00.32 ID 193U5ekEP バルクホルン「まあ元はといえば半裸でハルトマンの部屋にいた俺が悪い」 俺「そ、それは仕方ないじゃないですか……っていうか俺もなんでああだったのか意味が分からないんですし」 バルクホルン「あはは、違いない」 俺「……」 バルクホルン「……」 俺「……大尉、貴女に会えて本当によかった」 バルクホルン「……私もだ」 俺「……」 バルクホルン「……」スッ …… 457 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 17 47.61 ID 193U5ekEP コンコン 俺・バルクホルン「!!!???」 ガチャ 宮藤「俺さーん、お夕飯できましたよーって」 俺「」スチャ バルクホルン「」スチャ 宮藤「あれ、バルクホルンさん?」 宮藤「なんで二人とも部屋の両端で正座してるんですか?」 俺「いいいいいや、ここがすわり心地がよくてて、涼しいし、頭を冷やすのに丁度よくて」 バルクホルン「そそそそそそうだぞ、部屋の隅はすごく落ち着くんだ、みやみ、宮藤も試すといい」 宮藤「???」 458 名前:士翼号[sage] 投稿日:2010/10/07(木) 23 22 05.93 ID wbfKR3fY0 エア・ブレイクに定評のある芳佳w 459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 23 17.22 ID aZpF2MY+0 さすが芳佳可愛いな 460 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 25 55.98 ID 193U5ekEP ――――数日後 エイラ「たた、大変ダ――――――!!」 ドタバタ ペリーヌ「なんですの騒がしい」 エイラ「新聞!新聞ミロ!!」 宮藤「どうかしたんですか?」 リーネ「新聞?」 バサバサ [ロマーニャ攻略の要、扶桑戦艦 大和 航行中ネウロイの急襲を受け沈没] 宮藤「……嘘、大和が」 461 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 30 08.75 ID 193U5ekEP シャーリー「確かこいつってネウロイの巣を直接叩く為の特殊兵装を積んだ決戦兵器だとかって」 ルッキーニ「うじゅ……ロマーニャどうなっちゃうの?」 ミーナ「それについて、皆さんにお話があります」 ――――ブリーフィングルーム ミーナ「司令部より正式に司令が下されました」 ミーナ「大和の沈没により、予定されていたネウロイの巣急襲作戦は中止」 ミーナ「代替案として扶桑から新たな作戦が発令されました」 ミーナ「……」 坂本「……ミーナ」 ミーナ「よって、ウィッチによるネウロイの巣強襲、破壊作戦が立案されています」 462 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 32 04.30 ID 193U5ekEP シャーリー「なんだ、いつもどおりじゃないか」 ルッキーニ「あたし頑張るよ!あいつらにロマーニャは渡さないもん」 宮藤「そうです!私たち11人なら!」 リーネ「皆で力をあわせればネウロイの巣だって!」 ペリーヌ「フン、そもそもどんな装備か知りませんが戦艦に任せることが間違ってるんですわ」 エイラ「私ハサーニャがいればドンナ事だって切り抜けラレル!」 サーニャ「うん」 バルクホルン「フン、腕が鳴るな」 エーリカ「えー、でも巣だよー、どうやって破壊するのさー」 坂本「……」 ミーナ「……」 463 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/07(木) 23 33 36.89 ID 193U5ekEP バルクホルン「どうした?ミーナ」 ミーナ「今回の作戦には私たちは参加しません」 宮藤「えええええええええええええええええええっ」 ペリーヌ「じゃあどこの部隊が行くっていうんですの!?」 シャーリー「そうだよ、何のための501部隊なんだよー」 ミーナ「今回の作戦に参加するのは……」 ミーナ「俺少佐1人よ」 記憶の無い俺7 へ続く
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/59.html
記憶の無い俺2 俺「ストライクウィッチーズだと?」 767-806 770 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01 48 32.61 ID Yh2iYTMF0 俺「 」ボロボロ 宮藤「あ、あの、大丈夫ですか」 俺「 」シクシク 宮藤「あはは……」 宮藤「そ、それにしても俺さん料理上手ですね、このお味噌汁なんてすっごくおいしい!」 俺「ありがとう、昨日は不安だったけど台所に立つと体が勝手に動くんだ、記憶は無いけど料理やってたのは間違いないのかな」 宮藤「記憶、早く戻るといいですね」 俺「それまでは悪いけどお世話になるよ」 宮藤「えへへ、こちらこそ」ニコニコ ルッキーニ「ピャー!ゴハンダー!ニシュイシー!」バタバタ 774 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01 51 49.78 ID Yh2iYTMF0 シャーリー「おかわりー!」 俺「はいはい、どうぞー」 シャーリー「うっめ、これめっちゃうっめ」ガツガツ バルクホルン「行儀が悪いぞリベリアン、子供じゃないんだから落ち着いて食え」モグモグ バルクホルン「」チラッ 俺「おかわりまだありますからねー」 バルクホルン「……」フイッ ルッキーニ「俺―!あたしもおかわりー!むしー!」 777 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01 55 40.31 ID Yh2iYTMF0 俺「はいはい、どうぞどうぞ」 リーネ「あの、俺少佐ごめんなさい、本来なら私達の仕事なのに……」 俺「いいんですよビショップ曹長、坂本少佐に薦められて俺が希望したんですから気にしないで下さい」 リーネ「は、はいっ」/// 坂本「しかしすまないな、自分で言い出しておきながら佐官に飯炊きをやらせるというのは存外に気が引ける」 俺「いえ、俺自身何ができるか分からない状態ですから、やれることなら何でもやらせてください」 俺「食う所と寝る所を借りてるんですから、その分はしっかり働きますよ」 坂本「そうか、じゃあ遠慮なく頼むとしようかな」フフ 俺「それに形式上は少佐待遇のようですが、実務に関わることはない身です、あまり皆様も俺に気を遣わないで下さい」」 エーリカ(こりゃ、トゥルーデとは別の意味で頭の堅そうなのが入って来たなぁ) 779 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 01 59 29.87 ID Yh2iYTMF0 ――――ベランダ 俺「とは言ったものの……」 俺「洗濯まで任されるとは思ってなかったぞ……」 俺「どうしようこのズボンの山」 ズボ~ンヌ 俺(単純に考えて試されてるって事だよな……多分) 俺「ええい、つっ立ってても始まらんこれは仕事なんだ仕事」 俺「やるぞ!」 780 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 02 05.48 ID Yh2iYTMF0 俺(しまズボン……)ワッシャワッシャ 俺(ピンクのフリル……)ワッシャワッシャ 俺(黒の長ズボン……)ワッシャワッシャ 俺(水兵用ズボン……)ワシャワシャ 俺(うお、紫のレース……スケスケじゃねえか、皆若いのに誰のだよけしからん)ワッシャワッシャ バルクホルン「……」 バルクホルン「ふん」スッ 785 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 11 44.63 ID Yh2iYTMF0 俺(冷静に考えると、女性ばかりの部隊に男が1人って状況) 俺(ハーレムだわーい、なんて感情にはとてもじゃないが浸れない) 俺(俺の迂闊な行動ひとつで今後の立場どころか身柄だってどうなるか分かったもんじゃない) 俺(今朝だってそうだ……気を抜きすぎだ) 俺(俺に今出来るのは己の身を守るために彼女達に迷惑を被らない事、これしかない) 俺(俺はあくまで部外者なんだ) 俺(気を張り詰めろ、俺は彼女達の仲間でもなければ友人でもないんだ……俺は1人なんだ) 786 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 15 57.53 ID Yh2iYTMF0 ――――ある日の昼食後 ジャー、キュッキュ 俺「さて皆の後片付けも終わったし、俺も昼にしようかな」 宮藤「あ、いたいた」 リーネ「俺少佐、今大丈夫ですか?」 俺「はい、どうかしましたか?」 宮藤「俺さんいつも一人でご飯食べてるから、お茶でもご一緒させてもらおうかなって」 リーネ「もしかしてお邪魔でしたか?」 787 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 20 42.33 ID Yh2iYTMF0 俺「いえ、とんでもない。それじゃあお茶も用意しますからちょっと待って下さいね」カチャカチャ リーネ「あっ、いいんです私達は自分でやりますから俺少佐もご自分の分をご用意してください」 宮藤「俺さんみんな自分でやっちゃうんだもん、頑張りすぎですよ」 俺「貴女方の手を煩わす訳には参りませんから」 宮藤「ええー、そんなことないですよー」 俺「……そうですか、じゃあ今回はお願いしますね」 788 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 26 11.69 ID Yh2iYTMF0 ―――― 俺「いただきます」 宮藤・リーネ「いただきます」 俺「」モグモグ 宮藤・リーネ「」ジー 俺「……あの、俺の顔になにか」 リーネ「俺さんがご飯食べてるとこ、初めて見たからなんか新鮮です」/// 宮藤「なんでいつも1人で食べてるんですか?」 リーネ(芳佳ちゃん!直球すぎるよ!) 789 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 37 05.98 ID Yh2iYTMF0 俺「うーん、俺なりの線引きって所ですかね」 宮藤「線引き?」 俺「まだここに来て1月も経ってないくらい日も浅いですし、皆の信頼を得られてないのに同じ釜の飯を食えるほど俺は図々しくないですよ」 俺「食事は楽しくないといけませんからね、俺が一緒の卓を囲むことで不安や不満を覚える方がいてはいけません」 俺「宮藤軍曹、よろしいですか?」 宮藤「はぁ……」 俺「食事という物はですね誰かに邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃあだめなんです」 宮藤「なんか難しいなぁ」 790 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日)02 37 50.31 ID R3pPc7GG0 ゴローちゃんw 791 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 39 19.10 ID Yh2iYTMF0 リーネ「考えすぎですよ、ご飯は人数が多い方が楽しいですし」 宮藤「リーネちゃんは家族多いもんねー」 俺「家族……か……」 宮藤「501の皆も私達家族みたいなものだしね」 リーネ「うん」 俺(俺は……) 宮藤「だから俺さんも今度から一緒に食べましょうよ」 リーネ「そんな事気にしてる人いませんよ」 俺「あはは、検討させてもらいます」 宮藤「もう、検討じゃだめです!」 792 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 43 04.16 ID Yh2iYTMF0 リーネ「よかった……俺少佐ってあまりお喋りしないからもっと怖い人かと思ってました」 俺「いやぁどうでしょう、案外記憶が戻ったら鬼のような男かもわかりませんよ」 宮藤「そんなことないですよ、俺さんのお味噌汁すっごく美味しいですもん!」 宮藤「あんなに美味しいお味噌汁作れる人が悪い人なわけありません!」 俺「そうなんですか?」 宮藤「そうなんです!」キリッ リーネ「あ、あと私達の方が階級ずっと下なんですから、そんなに畏まらないで頂けると……なんか余計に緊張しちゃいます」/// 793 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 47 04.57 ID Yh2iYTMF0 俺(そういえば俺少佐なんだっけ……全然実感ないかどうでもいいと思ってた) 俺(まあ彼女ら自身がそうして欲しいというならその方がいいだろう) 俺「わかった、よろしくお願いします、宮藤さん、リーネさん」 宮藤・リーネ「はいっ」 バルクホルン「ふん、随分気安くなったものだな」 宮藤「バルクホルンさん?」 794 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 49 59.63 ID Yh2iYTMF0 バルクホルン「宮藤、リーネ、気を許しすぎだ」 バルクホルン「少佐もあまり調子に乗らない事だな」スタスタ 俺「……」 宮藤「……」 リーネ「……」 宮藤「き、きっとバルクホルンさんちょっと調子悪いんですよ!」 リーネ「そ、そうですよきっと、たまたま、たまたまですよ!」 俺「はは……」 795 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 54 23.68 ID Yh2iYTMF0 ――――ベランダ パタパタパタ 俺「よし、今日も洗濯完了」 俺「風にたなびく無数のズボンと仁王立ちの男」 俺「我ながらなんてシュールな光景だろうか」 サーニャ「あの……」 俺「しかし、いい眺めだな」 サーニャ「あの……」 俺「いやいい眺めってのはズボンのことじゃなくて景色のことだからな、うん」 796 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 02 58 25.92 ID Yh2iYTMF0 サーニャ「あの……」 俺「平和だな」 サーニャ「あの……」 俺「こんな平和に見えるのにロマーニャもネウロイの脅威に晒されてるなんてな」 サーニャ「……」グス 俺「飯炊きや雑用以外にも俺に何か出来ることが……」 サーニャ「……」トボトボ 俺(それに、彼女らの信頼を得る為にまだなにかできることがあるはずだ……) 俺(1人でいいと言っても衣食を預かる身だ、信頼関係はある程度必要だろう) 俺(しかしバルクホルン大尉……ああまであからさまに敵意をむき出しにされるのは参るなぁ……)ハァ 797 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 01 57.96 ID Yh2iYTMF0 エイラ「コラ――――――――――――――――――――――――ッ!!!」 俺「うわあ!!!」 エイラ「オイ!さっきからサーニャが呼んでるのに何シカトこいてんだヨ!」 俺「え?」 サーニャ「……」/// 俺「ああ悪い、ごめ……いや、申し訳ありません、ちょっと考え事をしておりまして…ええとリトヴャク中尉とユーティライネン中尉ですね」 エイラ「全ク、サーニャのお誘いを無視するナンテとんでもない奴ダ」 サーニャ「あの、お洗濯終わったみたいだからお茶でも……」 798 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 04 45.53 ID Yh2iYTMF0 俺「左様でしたか、ありがとうございます、折角ですからお呼ばれさせていただきます」 エイラ「相変わらず堅い奴ダナー……なんだってサーニャはこいつを……」ブツブツ サーニャ「なにしてるのエイラ、行くよ?」 エイラ「あああ、おいてかないでよサーニャぁぁぁ」 799 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 09 40.47 ID Yh2iYTMF0 ――――ラウンジ ペリーヌ「わたくしの育てたカモミールティーですわ、ありがたく味わいなさい」 サーニャ「ありがとうペリーヌさん」 エイラ「ツンツンメガネはアレだけどこのハーブティーは美味いんだゾ」 ペリーヌ「アレってどうことですの!あとその呼び方もおやめなさい!」 エイラ「イーっだ」イーッ 俺「へえー、うん、これは結構なお手前で」 ペリーヌ「あ、あら、無骨そうな割に料理だけじゃなくて紅茶も分かるのかしら」 800 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 14 10.57 ID Yh2iYTMF0 俺「ええ、この林檎を思わせる甘い芳醇な……緩やかに眠りを誘うような優しいフレーバー……」 俺「そして高温の熱湯で煎れた後で若干の時間を置いた事により醸し出された舌に感じるほのかな甘み……」 俺「パーフェクトなカモミールです、フロイライン・クロステルマン」 ペリーヌ「あ、あら、そうかしら。ま、まあわたくしの育てた子ですから美味しくて当然ですわね」//// エイラ「なんだー、柄にもなく照れてやがるゾ」ニヤニヤ 801 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 24 01.82 ID Yh2iYTMF0 俺「だが欲を言えばだな……これは恐らく88℃近くで長めに抽出してあるのかな? まあ確かにカモミールのうまみを引き出すゴールデンルールではあるが、ここはやはりひとつ捻りを加えてもいいだろう。 シナモンやレモンを用意するの基本としてありきだが、まず茶葉をCTCしてからの方が香りの甘さを引き出すには適当ですね。 個人的にはジャンピングの際に98℃近くの熱湯で約3分間抽出した後に70℃近くまで蒸らしたものの方が好みではあるが……」 サーニャ「俺さん……なんかすごい」 エイラ(何カ始まったゾ) 俺「そもそもハーブティーというものは……ダージリンに始まり」 クドクド ペリーヌ「」フンフン サーニャ「」ボー 802 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 28 10.52 ID Yh2iYTMF0 ――――2時間後 俺「というわけだ、歴史的観点から見たとしても紅茶というものの嗜好性が珈琲と比較したとしても」 エイラ「ちょっと待っタ――――――――――――――――――!!」 俺「?」 エイラ「話・が・長・イ!!」ビシッ 俺「はっ(しまった!つい素が出てしまった) も、申し訳ありません!とんだ失礼を!記憶のカケラがつらつらと出てくると思ったらつい……」 ペリーヌ「記憶が無いとはいえ、さすが元料理人と言ったところかしら、中々勉強になりましたわ」 サーニャ「ううん、いいの、俺さんのお話面白かった」ニコッ エイラ「うぇー、サーニャまで」 803 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 32 05.42 ID Yh2iYTMF0 俺(迂闊だった、あんなに慣れ慣れしく薀蓄たれて迷惑に思われては元も子もない) 俺「ご、ごちそうさまでした、また機会がありましたら是非お邪魔させていただきます」カチャカチャ ペリーヌ「あまり文句を付けないで頂けるのなら歓迎いたしますわ」ツン サーニャ「うん、もっと色んなお話聞きたい、私もいい?ペリーヌさん」 エイラ「サ、サーニャが行くなら私もいないとおかしいダロ!」 ペリーヌ「貴女はお呼びでございませんことよ」 エイラ「こ、こいつうゥゥゥ」 805 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 41 09.72 ID Yh2iYTMF0 俺「そういえば、リトヴャク中尉はなんで俺を誘ってくれたんですか」 サーニャ「……」 俺「?」 サーニャ「……から」 俺「はい?」 サーニャ「ごはん、いつもおいしいから……」/// 俺「ああ、なるほど、ご満足いただけてるようで光栄です」 エイラ「オイお前、サーニャは一人でいる事が多いお前を気遣ってツンツンメガネに紅茶を頼んだんだゾ」 エイラ「もうチョットありがたがったらどうなんダ」プンプン サーニャ「エイラ……それは内緒だって言ったのに」/// 806 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 03 42 36.69 ID Yh2iYTMF0 俺(そうだったのか……) サーニャ「何も覚えてないのって不安かもしれないけど、ここではみんな家族だから」 サーニャ「1人は寂しいから……」 俺「ありがとう、ございます……」 サーニャ(あと、俺さんがお料理してる姿がお父様がピアノ弾いてる姿に似てたのもあるんだけど……) サーニャ(これは私だけの秘密) エイラ(ああ、サーニャなんていい娘なんダロウ……それをコノ間抜けは分かってんノカ)ブツブツ ペリーヌ「ちょ、ちょっとわたくしにも一言あってもいいんじゃありませんの!」 俺(俺は……一体何をしているんだろう……) 記憶の無い俺3 へ続く
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/65.html
記憶の無い俺3 俺「ストライクウィッチーズだと?」 894-959 894 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 11 14 47.71 ID cjtBbc4TP ―――――ある日の午後 ルッキーニ「うじゅあああああああああん、うじゅああああああああああああん」 シャーリー「ホラ、ルッキーニ泣いたってしょうがないだろう」 ルッキーニ「だっでええええええええええ、うじゅああああああああああああああああああん」 俺「何だか食堂の方が騒がしいな」 俺「どうかしましたか?」 シャーリー「ああ俺か、いやさこの間買出しに行ったときにケーキを買ってきたんだけどさ」 ホワンホワンホワン(回想) 895 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 11 17 54.20 ID cjtBbc4TP シャーリー『おーい、ルッキーニ、ケーキどうすんだー』 ルッキーニ『今はまだ俺のごはんいっぱい食べて満腹なのだー』 ルッキーニ『だからケーキはここに隠してお風呂入ってからゆっくり食べるんだー、むししー』 ホワンホワンホワン(回想終了) 俺「で、それを忘れてこの有様という訳ですか」 カビカビ シャーリー「もはやアグレッシブなカビに侵蝕されて緑色のネウロイみたいになってるけどな」 896 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 11 21 24.11 ID cjtBbc4TP ルッキーニ「うじゅああああああああああああん、あたしのケーキいいいいいいいいいいいい」 俺「そうですね……じゃあ(ゴソゴソ)ほら少尉、飴ちゃんですよー」 ルッキーニ「うじゅああああああああああああああああああああああああん」 俺「だめか……それじゃあ(ゴソゴソ)ホラ、チョコクッキーですよー」 ルッキーニ「うじゅああああああああああああああああああああああああん」 俺「こんな菓子じゃだめか……うーん、かといってケーキなんて今作るような材料……」 俺「!」 897 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 11 25 53.63 ID cjtBbc4TP 俺「そうだ、ちょっと待っててくださいね」 ルッキーニ「うじゅああああああああああああああああああああああああん」 シャーリー「頼むぞー!俺ー!」 俺(砂糖と……卵と……ラード、緑豆は無いからじゃがいもの澱粉で変わりになるか) ―――――20分後 俺「よし、できましたよ!」 トン ルッキーニ「うじゅ……なにこれ」グスグス 899 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 11 33 11.59 ID cjtBbc4TP シャーリー「なんか、黄色い粘土みたいだぞ……見てくれはあんまりだな……」 俺「まあとりあえず召し上がって下さい」 ルッキーニ「うじゅ……」モグモグ ルッキーニ「……」 ルッキーニ「 」パァァ ルッキーニ「おいし―――――――――――――――――――――――!!!」 900 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 11 43 13.42 ID cjtBbc4TP シャーリー「なんだこれ、すっごいモチモチしてるのにスプーンにも皿にもくっつかないぞ」モグモグ ルッキーニ「歯にもくっつかないね」モキュモキュ 俺「三不粘(サンプーチャン)っていう卵のお菓子です、お気に召しましたか?少尉」 ルッキーニ「俺すごーい!!!」キラキラ シャーリー「卵と砂糖と油だけでこんなのできるんだなー、はー、いやしかしすげーなー」 901 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 11 46 03.80 ID cjtBbc4TP ルッキーニ「俺大好きー!!!」ガバッ スリスリ 俺「ははは、くすぐったいですよ」 シャーリー「うまうま」モグモグ ルッキーニ「もっと食べよっと」モグモグ シャーリー「いやしかしあの状態のルッキーニを泣き止ますとは大した奴だなぁ」 シャーリー「」ニヤッ シャーリー「俺、ちょっとちょっと」コイコイ 俺「?」 ダキッ 俺「ぶふっ、い、イェーガー大尉!なな、なにをぉ!?」 シャーリー「ルッキーニの機嫌を直してくれたご褒美だ」ヨシヨシ 902 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 11 47 38.90 ID cjtBbc4TP 俺「い、いやしかしこの絵面はちょっと……」 ポヨンポヨン 俺(嗚呼しかしこの弾力の魅力は抗いがたし) シャーリー「んー、いつも思うんだけどさ」ヨシヨシ 俺「はぁ」 シャーリー「俺はちょっと他人行儀すぎる、ここにきて2月は経つのにあたしはちょっと寂しいぞ?」ヨシヨシ 俺「そう、見えますかね」 シャーリー「まず言葉遣いが堅い、堅いよ、無理してないか?」ヨシヨシ 俺「いえ、滅相も無い」 俺(無理などしていない……筈だ) 904 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 11 58 49.12 ID cjtBbc4TP シャーリー「それともなんか遠慮してんのか?」ナデナデ 俺「……女性ばかりの部隊に男一人ですからね、遠慮もしますよ」 シャーリー「ふぅん、そんなもんかね」ナデナデ 俺「そんなもんです」 シャーリー「ああでも最近はよく一緒に飯を食ってくれるようになったよな」 シャーリー「いやあ、いつもあたしらばっか好き放題食べてたからなんか悪くてさー」 俺「あはは、この間宮藤さんに注意されましたからね」 シャーリー「へぇ、やるねぇ宮藤も」 905 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 12 28.05 ID cjtBbc4TP シャーリー「でもまだ堅いなぁー」 シャーリー「せめて呼び方くらいもうちょっとフランクにできないもんかね」 シャーリー「曲がりも也にも上官で年上の俺を呼び捨てしてるあたしが言ってもアレな話なんだけど……」 シャーリー「イェーガー大尉ってのは、その、なんだ、仰々しくてくすぐったいから困る」ポリポリ 俺「しかし、イェーガー大尉」 シャーリー「シャーリー」 俺「シ、シャーロット大尉」 シャーリー「シャーリー!」 俺「シ、シャーリー……」 シャーリー「おー、なんだー」ニコニコ 906 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 14 16.36 ID cjtBbc4TP 俺「なんか照れますね」 シャーリー「そこまでは知りません」キリッ 俺「は、はぁ、そうですか」 シャーリー「みんな俺の事そんな悪く思ってないんだからさ、逆にいつまでもよそよそしいと嫌われちゃうぞ」ナデナデ 俺「……」 俺(暖かい……)スゥ 俺(皆記憶もない俺にこんなに良くしてくれて……それに甘えるだけでいいのだろうか) 907 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 16 00.18 ID cjtBbc4TP ルッキーニ「うじゅあ!それあたしのー!俺ずるいー!」 ガバッ ギュー 俺「むぐぉ……なぜ俺の背中に……く、苦し」 俺(サンドイッチ状態だ!苦しいが……正直気持ちいい) 俺(って俺はいつまでシャーリーに抱かれてるつもりだ) 俺「は、はよせな……」 シャーリー「あっはっは、役得だな俺」 ルッキーニ「むしー」 908 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 20 09.04 ID cjtBbc4TP ――――― バルクホルン「」イライラ ミーナ「どうしたのトゥルーデ、ご機嫌斜めじゃない」 バルクホルン「……あいつは、いつまで置いておくつもりだ」 ミーナ「俺さんの事?まあ、上層部の件では気に掛かる事も色々あるけど、彼自身は特に問題無いんじゃないかしら」 ミーナ「彼に関しては次の命令があるまで現状維持ね、お料理も美味しいし」ツヤツヤ バルクホルン「皆油断しすぎじゃないのか、ここは戦場だぞ、危機管理というものをだな」 909 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/03(日) 12 20 27.30 ID DQ7gWueG0 シャーリーさんはほんま女神やで 910 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 28 34.95 ID cjtBbc4TP ミーナ「そうかしら、彼が何かしようと思えばいくらでも機会はあった筈よ?」 バルクホルン「これからだって何もないとも言いきれないだろう」 ミーナ「心配しすぎじゃない?どうしたの、らしくないわよ」 バルクホルン「私はいつも通りだ」 ミーナ「トゥルーデ……きっと疲れてるのよ、休みも全然取ってないじゃない」 バルクホルン「そんな事はない!」 911 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 32 05.12 ID cjtBbc4TP ミーナ「ほら、クリスさんのお見舞いだって最近行けてないみたいだし」 バルクホルン「わかった、もういい……私はストライカーの調子を見てくる」 ミーナ「もう、どうしちゃったのかしら」 バルクホルン(宮藤やリーネだけならまだしも、ミーナまで……) バルクホルン(やはり私がしっかりと己を持って皆を守るしかない) ミーナ(ごめんなさいトゥルーデ、彼の美肌料理を手放すわけにはいかないの……) 913 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 34 29.01 ID cjtBbc4TP ――――廊下 スタスタ バルクホルン(何かが起こってからでは遅いんだ) バルクホルン(カールスラントだって私たちがもっと早ければ……) ギャーギャー バルクホルン(何だ?食堂が騒がしいな) 俺「は、はよせな……」 シャーリー「あっはっは、役得だな俺」 ルッキーニ「むしー」 バルクホルン「……」 バルクホルン「何をしているんだ貴様」 914 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 41 15.30 ID cjtBbc4TP 俺(あ、やばい) 俺「いや、これは」 バルクホルン「そうか、やはりそういうことか」 シャーリー「何か勘違いしてないか、あのなバルクホルン」 バルクホルン「リベリアンは黙っていろ」 バルクホルン「いい、よくわかった」スタスタ ルッキーニ「んに、どしたの?」 俺「……」 シャーリー「ま、まああんま気にするなよ、あいつも強情だけどあれで話せばわかる奴だからさ」アセアセ 915 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 48 31.56 ID cjtBbc4TP ――――夕食 ワイワイ ガヤガヤ ルッキーニ「おかわりー」 俺「」ボー 坂本「ん?なあ俺、今日の味噌汁はどうした?」 俺「」ボー 坂本「味噌のバランスが随分と悪いようだが……新しい試みか?」 俺「」ボー 坂本「おい、俺、聞いているのか?」 916 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 51 15.09 ID cjtBbc4TP ルッキーニ「おかわりー!」 俺「え?ああ、はいご飯おかわりですね、ちょっと待ってください」ガチャガチャ 坂本「違う違う、話を聞いていなかったのか、味噌汁だ」 俺「あ、味噌汁のおかわりですね……ちょっとまtt熱ッ!」バシャッ 坂本「お、おい、大丈夫か!」 俺「あ、ああ申し訳ありません、食材を無駄にしてしまいました……」 坂本「そういう事を言っているんじゃない、火傷しなかったか」 俺「大丈夫です、俺が火傷したところで我慢すればいい話です」 917 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 53 29.45 ID cjtBbc4TP 坂本「馬鹿を言うな、どうした、体調でも悪いのか」 俺「いえまさかとんでもない、俺ごときが坂本少佐に気を使って頂くなど恐れ多い……」 坂本「さっきから何を訳の分からない事言っているんだ、本当にどうした?」 ルッキーニ「おかわり……」 俺「」チラッ バルクホルン「……」 ガタッ ミーナ「トゥルーデ、どこに行くの?」 バルクホルン「食欲が無い、私は先に休む」 ミーナ「何も口にしていないじゃない、勿体無いわよ折角作ってもらったのに」 918 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 56 16.04 ID cjtBbc4TP バルクホルン「別に、私が作ってくれと頼んだ訳じゃない」スタスタ ミーナ「ちょっと!トゥルーデ!」 エーリカ(……) 坂本「なんだ?今日は妙な空気だな」 俺「申し訳ありません」 坂本「何故俺が謝る」 俺「……」 シャーリー(うわぁ……こりゃ予想以上だ……やばいなー、あたしの責任もあるよなー) 919 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 12 58 55.45 ID cjtBbc4TP 宮藤「どうしたんだろう、バルクホルンさん」 ペリーヌ「知りませんわよ、ただ大尉といえど食事が不味くなるような振る舞いは歓迎できませんわね」 エイラ「ふわぁぁぁ、ハラヘッター……ん、なんだドウシタ?」 サーニャ「何だか、今日は静か……」 ルッキーニ「おがわりー!!!!」 920 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 13 05 20.14 ID cjtBbc4TP ―――――夜、ベランダ 俺「はぁー」 俺「……なにやってんだろか俺は」 クイッ 俺「海風と酒が身に染みるなぁ……」フゥ エーリカ「なーに黄昏てんだよっ、と!」トスン 俺「っとと、ハルトマン中尉」 エーリカ「こんな夜更けに海眺めながら酒飲んじゃって、ハードボイルドでも気取っちゃってるのかー」ニシシ 俺「意地悪言わないでくださいよ、もう」 921 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 13 10 07.95 ID cjtBbc4TP エーリカ「わかるよー、ここは考え事するのにいい場所だからね」 俺「中尉もよくここへ?」 エーリカ「私の場合はただ飲んだくれてるだけだけどね」 俺「……左様ですか」 エーリカ「んで、どうしちゃったの、っさ」フゥー 俺「ひゃあああああ、耳に息を吹きかけないでください!」 エーリカ「あははー」 俺「とりあえず背中から降りてもらえませんかね……」 エーリカ「ちぇー、俺の背中具合良くて好きなんだけどな」ヨジヨジ 俺「なんですかそれは」 923 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 13 15 56.91 ID cjtBbc4TP エーリカ「で、いっただきー!」サッ 俺「ああっ、俺のワイン!」 エーリカ「」ゴッゴッゴッゴッ 俺「 」 エーリカ「ぷっはー!んまいっ!」 俺「ああ……とっておきのレ・フォール・ド・ラトゥールが……」 エーリカ「お、ホントだ、いいの飲んでるじゃん」 俺「飲む前にラベルくらい見たらどうですか……」 エーリカ「飲んじゃったものは仕方ないさ、覆水盆に返らずってね」 俺「覆水っていうかどっちかっていうと腹水じゃないですか、状況的に」 924 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 13 28 13.75 ID cjtBbc4TP エーリカ「面白くなーい」 俺「手厳しい」 エーリカ「ま、なんていうかねトゥルーデも振り上げた拳の落としどころがなくて困ってるんだよ」 俺「……お見通しですか」 エーリカ「まあねー」クルッ 俺「……だからこそ、俺は完璧に振舞わなければいけないのに……配慮が足りなさすぎるんです」 俺「皆に仲間として認めてもらえるまではわずかなミスも許されないというのに」 エーリカ(こっちも重症だなー、こりゃぁ) 俺「なんのメリットも無くここに置いてくれて、こんなに良くしてくれている皆にどの面下げて……」 エ-リカ「はぁー、ったくこれだから完璧主義同士は……」カリカリ 926 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 13 34 08.79 ID cjtBbc4TP 俺「え?」 エーリカ「だーめだめ、そんなんだからだめなんだよ」メッ エーリカ「だいたい最初から間違ってるんだよ、俺は」 俺「最初から?」 エーリカ「認めるとか認めないとかさ、下らないって事」 俺「……」 エーリカ「今思ってること当ててあげようか?」 俺「……はぁ」 929 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 13 54 46.73 ID cjtBbc4TP エーリカ「ああ~どうせ俺なんて部外者で男だしぃ~、いきなり一つ屋根の下に放り込まれて皆嫌がってるんだろうなぁ~ どうしよ~ちょっとでもミスしたら嫌われちゃうよ~、嫌だよ~」シクシク 俺「……」 エーリカ「そうだ、じゃあ何もミスしなければ嫌われないぞ!あと必要以上に仲良くならなければ傷つかないぞ!」グッ! 俺「……」 エーリカ「なのにみんな仲良くしてくれるし、どうしよ~、なんか逆に悪い気がしてきちゃったな~ でもバルクホルン大尉には嫌われてるから~皆の好意に甘える訳にもいかないしな~困ったな~」ウーンウーン 俺「……」 エーリカ「どう?なんか違った?」クルッ 俺「顔から火が出そうです」 エーリカ「にしし」 931 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 00 53.26 ID cjtBbc4TP 俺「そこまで見透かされていたとは……配慮がたりませんでした」 エーリカ「だあああ、もうそれがだめなんだってばー!」ガシガシ 俺「申し訳ありません」 エーリカ「あーもー、そうじゃなくて!」 俺「いえ、わかっているんです……お恥ずかしい限りで、結局は俺自身がいじけてるだけなんです」 エーリカ「まあさ、俺の思う所も分からないでもないけどさ」 エーリカ「もちょっと素直になんなよ、誰も俺を部外者なんて思ってないよ?」 俺「……」 932 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 05 34.36 ID cjtBbc4TP エーリカ「この基地の屋根の下にいるだけで俺も立派な家族だよ」 俺「……ですが、大尉は」 エーリカ「隙ありっ!」ドサッ 俺「ぐふっ、この空気で何故背中に」 エーリカ「女子は男子の背中に乗りたいもんなのさ」 俺「ちょっと何言ってるのかよくわかりませんね」 933 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 08 23.02 ID cjtBbc4TP エーリカ「あのさ、ガラスって硬いよね」 俺「?……はぁ」 エーリカ「でも一箇所ひびが入ったら『パリーン』ってなるじゃん」 俺「そうですね」 エーリカ「そういうことだよ」 俺「ちょっとさっきよりも何言ってるのかわかりませんね」 エーリカ「あー!なんかいっぱい喋ったら眠くなってきちゃったなー!」 俺「もう……相談に乗ってもらったお礼にしばらく背中はお貸ししますよ」 エーリカ「へへ、やりー♪」 934 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 13 12.74 ID cjtBbc4TP ――――翌朝 エーリカ「……おはよ」 俺「おはようございます、その、昨日はありがとうございました」 エーリカ「ん、いーよぉーべつにぁぁぁぁあふぁぁぁぁぁぁぁ」 俺「はは、それにしても今日は早いですね」 エーリカ「ん、おなかすいたから……」 俺「はいはい、みんな揃ってますから座って待っててくださいね」 エーリカ(トゥルーデがいない……)キョロキョロ 935 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 15 50.71 ID cjtBbc4TP ルッキーニ「ごっはんー!ごっはんー!おっれのごっはんー!」 シャーリー「ほっかほかごっはんにカルパッチョー!」 ルッキーニ「タコのー♪」 俺「はいおまちどおさま、ほかほかごはんにタコのカルパッチョです」 シャーリー「嘘ッ!」 俺「嘘です」 ルッキーニ「えー、ないのー」 俺「どう考えてもおかしいでしょう、その組み合わせは」 936 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/03(日) 14 20 09.94 ID GsjZJVL/P シャーリーはタコダメだったなw 937 名前:ナイトウィッチな俺[sage] 投稿日:2010/10/03(日) 14 31 44.79 ID ofi7jQas0 シャーリーがタコ触手に云々・・・・・・ 938 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 37 55.04 ID cjtBbc4TP ルッキーニ「うじゅー、タコ美味しいのに」 俺「はいはい今度買ってきてあげますから」 ルッキーニ「やたー!」 シャーリー(俺の奴、なんか明るくなったか?) 俺(~♪) 俺「さて、じゃあ今日も1日しっかりご飯食べてがんばりましょう!」 ルッキーニ「おー!」 「いただきます!」 『いただきまーす!』 宮藤「えへへ」/// 俺「どうかしました、宮藤さん?」 939 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 41 17.65 ID cjtBbc4TP リーネ「今日は俺さんが元気で芳佳ちゃんも私もなんだか嬉しいです」/// サーニャ「うん、なんだか素敵」/// エイラ「サ、サーニャ、私は、私も元気だぞ」 サーニャ「何言ってるの?エイラ」 エイラ「 」 ペリーヌ「ま、まあいつもの仏頂面を拝まされるよりは万倍マシって程度ですわね」 俺「え、俺いつもそんな顔してました?」 リーネ「ペ、ペリーヌさんそれは言い過ぎですよ」 940 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/03(日) 14 44 11.72 ID DQ7gWueG0 937 期待してるぞ 941 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 48 13.65 ID cjtBbc4TP ペリーヌ「ふん、ま、まあ今の貴方なら見ていても食事の邪魔にならないこともありませんわ」 宮藤「いつも見てたんだ」 ペリーヌ「お、お黙りなさい!」 ミーナ「あらあら、うふふ」 俺(バルクホルン大尉は、やはりまだ……いない) 坂本「ミーナ、そういえばバルクホルンはどうした今日は休暇を取っているとは聞いたが」 ミーナ「トゥルーデなら午後からブリタニアよ、クリスさんのお見舞いに行くみたいね」 坂本「朝食は全ての基本だ、ちゃんと食べろと伝えておけ」 ミーナ「え、ええ、声はかけたんだけど」 俺(……) 946 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 55 37.13 ID cjtBbc4TP ――――朝食後 カチャカチャ ジャー 俺「よし、片付け終了」 俺(結局バルクホルン大尉は食堂に来なかった) 俺「どうしたもんかなぁ……」 エーリカ「ね、俺、俺」トテトテ 俺「はい?」 エーリカ「おなかすいた」 俺「今さっき食べたばっかでしょう……」 947 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 14 57 34.17 ID cjtBbc4TP エーリカ「違うんだよ、なんかさ、甘いのが食べたいの」 俺「デザート的なものって事ですか?」 エーリカ「デザートっていうか、お菓子?」 俺「お菓子ねぇ……」 エーリカ「ケーキとか、なんかそういうの食べたいなー」 俺「無茶言わんで下さいよ、ケーキなんて買ってこないと材料が……」 エーリカ「えー、やだー、お菓子ー、お菓子お菓子お菓子お菓子ー!」バタバタバタ 俺「まてよ、このあいだの補給で扶桑からさつまいもが届いてたっけか」 俺「スイートポテトでいいですか?」 エーリカ「うん!早く早く!」グイグイ 俺「わわ、わかりましたからちょっと待ってください」 エーリカ「いっそげー!」 948 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 15 00 06.08 ID cjtBbc4TP ――――1時間後 俺「はい、できましたよ」 エーリカ「やったー!」 俺「折角ですから皆呼んできましょう」 エーリカ「私はつまみぐいされないように見張ってるよ」 タッタッタッタッタ エーリカ「……」 950 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 15 02 47.75 ID cjtBbc4TP ルッキーニ「なになに、何で急につくってくれたのー!」 俺「ハルトマン中尉が食べたいって言うんで、折角だから全員分と思って」 ミーナ「ブランチには丁度いいんじゃないかしら」 俺「中尉、皆呼んできましたよ」 エーリカ「おふ、ほかへり」モグモグ 俺「食っとる――――――――――――――――――――――――!!」ガビーン 宮藤「ハルトマン中尉!ずるいです!」 サーニャ「ハルトマンさん……」 俺「1、2、3、4……ろ、6個もこの短時間で……」 シャーリー「ええい、負けるか!早いもの勝ちだ!」 リーネ「わ、私も~!」 ギャーギャー ソレハワタシノダー ヨコセー ワタシナサイ ヒィッ ワーワー プニプニ ギャーギャー 俺「どうしてこうなった」 951 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/10/03(日) 15 02 51.32 ID JMPJxmxA0 芋オワタw 952 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 15 06 15.06 ID cjtBbc4TP ――――病院 コンコン クリス「はい、どうぞ」 ガチャ バルクホルン「クリス、元気にしているか」 クリス「お姉ちゃん!」 バルクホルン「変わりはないようだな」 クリス「事前に来るって言ってくれれば、ちゃんと準備したのに……」 バルクホルン「ああ、急ですまなかった、なに、ちょっと顔を見たくなってな」 クリス「むー、折角久しぶりに会うんだから髪も服もちゃんとしたかったよ」 バルクホルン「クリスはそのままで十分可愛いだろう、身内なんだ気にするな」 クリス「もう、お姉ちゃんてば」/// バルクホルン「ははは」 953 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 15 08 37.98 ID cjtBbc4TP ―――― クリス「ねえ、お姉ちゃん」 バルクホルン「どうした?」ショリショリ クリス「お姉ちゃん、何か悩んでる?」 バルクホルン「―ッ!何を言ってるんだクリス、私がクリスに心配されることなど何も無いぞ」ショリショリ クリス「そうかなぁ、なんかね、今日最初に会ったときからなんかいつもと違うなーって」 バルクホルン「そんなことはない、私はいつもどおりだ……ホラ、リンゴ剥けたぞ」コト クリス「怪しいなぁ、今も目逸らした」サクサク 954 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 15 10 16.64 ID cjtBbc4TP バルクホルン「501にはミーナもフラウもいるんだ、今の私に悩む事などあるはずもないだろう」 クリス「ということはお仕事でなにかあったんだね?」 バルクホルン「~~!」 クリス「あはは、わかりやすいなぁ」 バルクホルン「大した事ではない、私自身の問題だ!」キリッ クリス「お姉ちゃんの問題は私の問題だよ、話したくないなら無理には聞かないけど…… お姉ちゃんはさ、いつも頑張りすぎちゃうんだから無理に抱え込んじゃだめだよ」 バルクホルン「……クリス」 955 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 15 11 50.09 ID cjtBbc4TP バルクホルン「そ、そうだ、ハルトマンから土産を預かってるんだ」アセアセ ゴソゴソ クリス「わぁ、なんだろう!」 バルクホルン「クリスに渡すまで中身は見るなと……何を持ってきたんだあいつは」 バルクホルン「ほら、これだ」ポン クリス「開けていい?」ワクワク バルクホルン「ああ」 ガサゴソ クリス「わぁ、スイートポテトだ!」 バルクホルン「何ッ!!」 956 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 15 13 29.57 ID cjtBbc4TP クリス「いっただきまーす」ハムッ バルクホルン「だ、駄目だ!クリス!死ぬぞ!」 クリス「」モグモグ バルクホルン(なんということだ……) クリス「」パァァ バルクホルン(あれ?) クリス「美味し~い」ホワワ バルクホルン(バカな……ハルトマンが持ってきたんだぞ) 958 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 15 14 57.63 ID cjtBbc4TP クリス「お姉ちゃんこれすっごい美味しい!どうしたのこれ!こんなに美味しいの食べた事無い!」 バルクホルン(……まさか) クリス「ハルトマンさんが作った……訳ないよね、もしかしてお姉ちゃん!?」 バルクホルン(そうか、ハルトマンの奴……) クリス「あぁ……美味しい……幸せ……」モグモグ バルクホルン「美味いか?」 クリス「うん!すっごく!」キラキラ バルクホルン「……そうか」フッ 959 名前:記憶の無い俺[] 投稿日:2010/10/03(日) 15 17 24.12 ID cjtBbc4TP クリス「あ、笑った」 バルクホルン「えっ」 クリス「お姉ちゃん、今日始めて笑った」 クリス「さっきまでは笑ってる顔してるだけだったのに、ふふふ」 バルクホルン「はは……クリスに隠し事はできないな」 クリス「ねえ、お姉ちゃんも食べようよ、はい」 バルクホルン「……」 バルクホルン「」モグモグ バルクホルン「……美味しい、な」 記憶の無い俺4 へ続く
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/114.html
記憶の無い俺8 俺「ストライクウィッチーズだ!」 396-436 396 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 18 51 42.07 ID BoGzyRFVP エーリカ「ウルスラ……どうして」 ウルスラ「私は彼のストライカーの開発スタッフの1人です」 バルクホルン「なんだって!」 ミーナ「ウルスラさん、貴女……」 ペリーヌ「どうして扶桑の研究にカールスラントが?」 ウルスラ「提督は秘密裏に各国の技術者とパイプを持っています、私は……」 シャーリー「そんなことよりあのストライカーなんなんだよ!説明しろよ!」 ウルスラ「……その為にはまず彼の事から話す必要があります」 397 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 18 57 25.10 ID BoGzyRFVP 宮藤「俺さんの事も、知ってるんですか?」 ウルスラ「人並み程度には」 サーニャ「聞かせてください」 坂本「元の経歴としては軍施設の料理長だったとは聞いているが」 ウルスラ「はい、彼はウィッチとして覚醒する以前、宮内庁所属の調理師でした」 ミーナ「料理長ではなくて?」 ウルスラ「後に提督にウィッチとしての才を見抜かれ、私設部隊の料理長待遇と言う名目でほぼ強制的に異動させられました そちらに伝わっているのはその事でしょう」 エイラ「名目?」 ウルスラ「人体実験の材料として使いたいから、なんて素直に言ったら誰も付いてきませんからね」 398 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 04 38.16 ID BoGzyRFVP 宮藤「じ、人体実験……」 ウルスラ「彼はただ料理長待遇という言葉を信じて、自分の料理をより多くの人に食べてもらいたかっただけなのに不憫な話です」 リーネ「そんな事があったなんて……」 ウルスラ「実際はそれだけ重要視された立場になるので特例として中尉待遇とされていたようですね」 坂本「ちょっと待て人体実験だと?そんな話は聞いた事が無い 、そもそもそんなもの公的に認められる訳がなかろう」 ウルスラ「そのはずです、仮にも皇族の私設部隊ですから公的には存在しないことになっていますね」 坂本「……部隊名は」 ウルスラ「扶桑皇国皇族近衛第731超特殊魔導兵装運用試験部隊」 ウルスラ「通称、ヴィクティムウィッチーズ」 400 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 12 39.46 ID BoGzyRFVP ペリーヌ「不吉な……センスを疑いますわ」 エーリカ「それじゃあさっきトゥルーデを運んできた連中も形としては皇族近衛兵ってことになるのか?」 ウルスラ「皇族直属とは言っても提督は異端扱いですから、他の方々にしてみても『存在しないもの』とした方が都合がよかったのでしょう」 エイラ「どういうコトだ?」 ウルスラ「提督は元々研究者です、各国を渡り得た己の研究成果を誇示する為だけの目的で設立したのがこの部隊です」 ミーナ「俺さんの記憶が無いのも、それに関係しているのかしら?」 ウルスラ「はい、実験中の事故が原因で記憶が失われています」 エーリカ「じゃあはじめに私の部屋にいたのは……?」 ウルスラ「それに関しては憶測の域を出ませんが、それも事故が原因として考えられています」 402 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 20 17.48 ID BoGzyRFVP 坂本「詳しく聞かせてくれ」 ウルスラ「……魔力と機材の暴走による爆発事故がありました、その際に彼は行方不明となっています」 ウルスラ「事故が起きた段階では私もまだ研究内容を聞かされていませんでしたから、残念ながら防ぎようもありませんでした」 ミーナ「事故の段階では?」 ウルスラ「私も、そして今の貴女方も、研究過程に必要なものとして提督に利用されていたという事です」 リーネ「私たちが……利用って?」 403 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 31 36.61 ID BoGzyRFVP ウルスラ「彼がここにいたことは全くの偶然でした、行方不明になった後も提督は血眼になって彼を探しましたが……」 ウルスラ「結局見つからずじまいで、最終的には任務中の事故による死亡扱い、殉職したとして2階級特進が適用されています」 坂本「そういう理由か……」 ウルスラ「本来ならばそこで研究は中止になる予定でした……中佐からの報告さえ無ければ」 ミーナ「……」 エーリカ「それで、その研究内容ってのはなんなのさ」 405 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 36 23.72 ID BoGzyRFVP ウルスラ「ウィッチの魔力と想い」 ウルスラ「誰かを守りたいとき、敵を倒したいとき、必死で生き残りたいとき」 ウルスラ「その意志の強さ次第でウィッチは限界以上の魔力を発揮することがあります」 宮藤「守りたい……意思」 ウルスラ「提督はその魔力の振幅を人為的に操作する事を研究していました」 サーニャ「どうしてそんなことを?」 ウルスラ「ウィッチ単体の威力を極限まで鍛え上げる事」 リーネ「単体での威力?」 ウルスラ「731部隊の基礎理念は『ネウロイの巣を対象としたウィッチによる1人1殺』 この為にウィッチの命を顧みず単独での威力を限界まで高める事を目的とした部隊です」 407 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 42 12.35 ID BoGzyRFVP ペリーヌ「ば、馬鹿げていますわ、そんな妄言とても現実を見てる研究者とは思えませんわ!」 坂本「なんだって……それじゃあ俺は」 ウルスラ「部隊の被験者第1号、コールサイン『桜花』それが彼です」 『……』 シャーリー「な、なあ、じゃあ何でそこでわざわざ俺が選ばれたんだ?ウィッチじゃなかったんだろう?」 ウルスラ「どうやって彼の潜在能力を見出したのかまではわかりませんが」 リーネ「固有魔法……」 ウルスラ「はい、固有魔法というか特異体質といった方がいいのか判断に悩みますが」 408 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 49 45.06 ID BoGzyRFVP ルッキーニ「あの、ばーんって奴?」 ペリーヌ「ただの強力な衝撃波ではないんですの?」 ウルスラ「それが私たちに研究内容が隠されていた理由です」 ウルスラ「彼が基地で発見されたとき、上からの指令は曖昧だった筈です」 ミーナ「ええ、事故のリハビリを兼ねての預かりとだけ……どうして?」 ウルスラ「具体的な指令は必要なかったからです」 坂本「どういうことだ」 ウルスラ「彼の固有魔法は『幻影波動』」 ウルスラ「記憶と想いを威力に置き換えて放つ、衝撃波動です」 409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 19 54 21.60 ID WjG6lAv3P つまり、使えば記憶が… 410 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 55 28.81 ID BoGzyRFVP 『……』 ウルスラ「威力は皆様もご覧になった通り、ウィッチ単体が所有するものとしては恐らく世界最大級のものでしょう」 ルッキーニ「??」 ミーネ「そういうことだったのね……」 ウルスラ「はい、つまり彼が今まで貴女方と過ごした時間は今日の為の餌だったということです」 ウルスラ「」チラッ バルクホルン「……」 ウルスラ「そしてその記憶に対する想いが強ければ強いほどその威力は高いものとなる結果が得られています」 シャーリー「……じゃあ、なんなんだよ、俺は、あたし達のことも忘れるってのか」 ルッキーニ「ええっ!嫌だ!嫌だよ!!」 411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 19 56 14.33 ID B65khISp0 俺に死ぬことは許されぬ 412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 00 11.94 ID pHKhSkr40 とりあえず気になったから見てきた ヴィクティム(victim) [名]1 (戦争・災害・事故・境遇などの)犠牲(者), 被害[被災]者, 遭難者(*1);(魅力・欲望などの)とりこ(*2) ttp //dictionary.goo.ne.jp/leaf/ej3/92109/m0u/ 413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 20 01 24.29 ID OMug28jR0 扶桑なら英語で名づけるより挺身魔女隊とか名付けそうかも ワールドワイドな提督みたいだから別にいいのかw 414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 02 06.36 ID q+68v3sfP ちなみに対義語がアグレッサーだ 415 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 04 05.70 ID BoGzyRFVP 宮藤「そんな……そんなことって」 リーネ「ひどいよ……そんな……」 エイラ「デモ、前にネウロイを倒した後もソンナニ記憶にオカシイところがあるような感じはしなかったゾ!」 サーニャ「そう、一部記憶が無い事はあったけど全部忘れてしまう訳じゃない……!」 ペリーヌ「そ、そうですわ!普通にしていればそんな違和感なんて!」 ウルスラ「通常の状態であれば彼の魔法は記憶の一部を代償とするだけで済みます」 宮藤「じゃあ私達の事全部忘れちゃう訳じゃないんですね!」ホッ 坂本「通常の状態、と言ったな」 バルクホルン「……あのストライカーか」 416 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 10 17.16 ID BoGzyRFVP ウルスラ「はい、あれは形式番号R-9WF、通称『スウィートメモリーズ』」 坂本「なんて皮肉な名前だ……馬鹿にしているにも程がある」 ウルスラ「提督の開発したブラックボックスを搭載した彼専用のストライカーです」 ルッキーニ「あれやだ、怖い……俺、あれ穿いていくんでしょ?なんなのあれ?」 ウルスラ「リミッターのかかっている状態なら彼の能力増幅を補うだけのストライカーです」 シャーリー「外したら……?」 ウルスラ「強制的に『全て』を威力に変換する為『だけ』の特殊魔導兵装としての本来の機能が発揮されます」 ミーナ「威力に変換する為『だけ』?」 ウルスラ「そうです、そこにウィッチの意思や人権、安全は含まれません」 エーリカ「どういうことだよ」 417 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 21 41.58 ID BoGzyRFVP ウルスラ「R-9WFに搭載されたブラックボックスは捉えた記憶を皮切りに、記憶からリンクさせた想いへ 想いから意思へ、意思から気力へ、気力から生命力へと引き出せる限りのものを全て魔力に変換し」 ウルスラ「絶大な威力を発揮する代わりに最終的には使用者を死に至らしめる、片道切符のストライカーです」 『……』 バルクホルン「……俺は、その事を知っているのか」 ウルスラ「彼自身の記憶は無くとも体が記憶している可能性は高いですね」 ウルスラ「報告を聞く限りでは料理やストライカーの使い方、体が覚えている事は比較的無くし難い傾向にあるようです」 419 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 26 27.99 ID BoGzyRFVP エーリカ「ウルスラ……お前、なんで平然としてそんな事言えるんだ……」 バルクホルン「……た」ギリッ ウルスラ「はい」 バルクホルン「何故……そこまで分かっていながら止めなかった!!」ボロボロ ウルスラ「……」 バルクホルン「どうしてそんな平気な顔をしていられるんだ!!!」ボロボロ 宮藤「バルクホルンさん……」 ウルスラ「……私だって」 バルクホルン「……」 ウルスラ「……私……だって」ボロボロ エーリカ「ウルスラ……?」 420 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 31 30.81 ID BoGzyRFVP ――――ハンガー ザワザワ ザワザワ 俺「……」 扶桑皇族提督「久しぶりだな、俺中尉……いや、今は少佐だったなハハッ」 俺「彼女達は?」 扶桑皇族提督「安心したまえ、我々の邪魔さえしなければなにもしない」 俺「そうですか」 扶桑皇族提督「ほとんど過去の記憶が無いようだが、私のことは覚えているかね?」 俺「いえ」 扶桑皇族提督「んっふ、結構、魔法の使い方は覚えているかね」 俺「はい」 扶桑皇族提督「重畳重畳、素晴らしい」パチパチ 421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 33 55.43 ID B96UB4UOO さてどうなる支援。 424 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 37 33.51 ID BoGzyRFVP 俺「……」 扶桑皇族提督「報告は聞いているよ、超大型ネウロイを一撃で仕留めたとね、おめでとう、君の初戦果だ」 俺「……」 扶桑皇族提督「まああんな宮藤博士のチンケなストライカーではその程度が限界だろうが、これは違う」 扶桑皇族提督「少佐の為に特別チューンした私の最高傑作だ」 俺「……」 扶桑皇族提督「少佐の能力にはリミッターがかかっている、それを外す手助けをして絶大な威力を発揮する技術の粋を集めた最高のストライカーだ」 扶桑皇族提督「ふふふ、素晴らしいだろう、ウィッチが単独でネウロイの巣を撃破できる時代になったのだ」 扶桑皇族提督「大和?はは、あんな不細工な鉄の塊に頼らなくとも人の力は無限だ」 425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 41 48.23 ID 4FFB3Vl3O R-TYPEのなかでもやばい部類の試験管キタコレ 426 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 43 03.36 ID BoGzyRFVP 俺「……」 扶桑皇族提督「この成果さえ認められれば……私は、扶桑は変わる!」 俺「一つ質問なんですが」 扶桑皇族提督「何かね?」 俺「リミッターを外すとどうなりますか?」 扶桑皇族提督「少佐の潜在能力を限界まで引き出してくれる、何、君にはそれだけの力がある」 扶桑皇族提督「飛んで帰るだけの魔力くらいは残しておくよう設定されているから安心したまえ」 俺(……) 俺「そうですか」 427 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 50 39.48 ID BoGzyRFVP 扶桑皇族提督「では、作戦の説明に移りたいのだがよろしいか?」 俺「お願いします」 扶桑皇族提督「作戦の内容は至ってシンプルだ、少佐はあのストライカーを穿いて巣に接近 リミッターを解除しての最終幻影波動砲で攻撃、巣を破壊する、以上だ」 俺「それ以外には」 扶桑皇族提督「接近するまでにもネウロイに襲われるだろう、その際には遠慮せず自慢の右腕で薙ぎ払うといい」 扶桑皇族提督「奴らの巣にお見舞いする最後の一撃だけとっておけば我々の勝利だ」 俺「わかりました」 扶桑皇族提督「では、始めよう」 428 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 55 32.00 ID BoGzyRFVP ―――― 整備班長「よォ、少佐さん」 俺「班長……」 整備班長「はは、奴らときたらこんな年寄りまで縛り上げて手ェもださせやしねェ」 俺「……」 整備班長「行くんだな」 俺「ええ」 整備班長「お前ェさん分かっちゃいるとおもうが、ありゃァ普通じゃねェぞ」 俺「承知の上です」 整備班長「それでも飛ぶつもりか」 俺「覚悟は完了しています」 429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 57 47.49 ID 9GJTQ3YO0 428 裏覚悟使いか・・・・・・ 430 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 21 00 41.50 ID BoGzyRFVP 整備班長「……お前ェさんの目、そういう目ェをした奴らを俺ァ何度も見た覚えがある」 俺「……」 整備班長「こういうとき年寄りは嫌になるぜ、わかってても見送らなきゃならねェんだからな」 俺「痛み入ります」 整備班長「あの気の強ェ嬢ちゃんはどうした」 俺「……」 整備班長「……そうかィ」 俺「逝ってきます」ビッ 整備班長「達者でな」 431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 21 05 03.79 ID NGPeEAx80 無茶しやがって 433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 21 12 42.60 ID wawfBN1nO 靖国で会おう(キリッ 434 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 21 13 59.05 ID BoGzyRFVP ――――― キィィィィン 俺(大丈夫だ、飛べる、恐怖は無い) 俺(残せるものは、想いだけは残してきた……大尉には申し訳ない事をしたかもしれない) 俺(やっぱり俺は最低だ) ゴソゴソ ピラッ 俺(大尉……もう一度だけ、最後に飛んできます) 俺(勝手な言い分ですが、俺に力を貸して下さい) ゴソゴソ 俺(ん?) 俺(なんだ、ポケットにもう一枚写真が……この服は届いてから初めて着るはずなのに) 436 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 21 18 58.98 ID BoGzyRFVP 俺(……ハルトマン中尉の写真、どうして?) 俺(メガネかけるんだ、知らなかったな) ゴソゴソ 俺(これもお守りにさせてもらおう、本人の許可なしに申し訳ないけど) ヒィィィィィィィィィィン 扶桑皇族提督「準備はできたかね?」 俺「はい」 扶桑皇族提督「では、頼んだ」 俺(……) 俺「目標エリアL736空域、目標ネスト05」 キィィィィィィィン 俺「オペレーション『コギト・エルゴ・スム』」 俺「731st、桜花……出る!」 記憶の無い俺9 へ続く
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/348.html
記憶の無い俺8 俺「ストライクウィッチーズだ!」 396-436 396 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 18 51 42.07 ID BoGzyRFVP エーリカ「ウルスラ……どうして」 ウルスラ「私は彼のストライカーの開発スタッフの1人です」 バルクホルン「なんだって!」 ミーナ「ウルスラさん、貴女……」 ペリーヌ「どうして扶桑の研究にカールスラントが?」 ウルスラ「提督は秘密裏に各国の技術者とパイプを持っています、私は……」 シャーリー「そんなことよりあのストライカーなんなんだよ!説明しろよ!」 ウルスラ「……その為にはまず彼の事から話す必要があります」 397 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 18 57 25.10 ID BoGzyRFVP 宮藤「俺さんの事も、知ってるんですか?」 ウルスラ「人並み程度には」 サーニャ「聞かせてください」 坂本「元の経歴としては軍施設の料理長だったとは聞いているが」 ウルスラ「はい、彼はウィッチとして覚醒する以前、宮内庁所属の調理師でした」 ミーナ「料理長ではなくて?」 ウルスラ「後に提督にウィッチとしての才を見抜かれ、私設部隊の料理長待遇と言う名目でほぼ強制的に異動させられました そちらに伝わっているのはその事でしょう」 エイラ「名目?」 ウルスラ「人体実験の材料として使いたいから、なんて素直に言ったら誰も付いてきませんからね」 398 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 04 38.16 ID BoGzyRFVP 宮藤「じ、人体実験……」 ウルスラ「彼はただ料理長待遇という言葉を信じて、自分の料理をより多くの人に食べてもらいたかっただけなのに不憫な話です」 リーネ「そんな事があったなんて……」 ウルスラ「実際はそれだけ重要視された立場になるので特例として中尉待遇とされていたようですね」 坂本「ちょっと待て人体実験だと?そんな話は聞いた事が無い 、そもそもそんなもの公的に認められる訳がなかろう」 ウルスラ「そのはずです、仮にも皇族の私設部隊ですから公的には存在しないことになっていますね」 坂本「……部隊名は」 ウルスラ「扶桑皇国皇族近衛第731超特殊魔導兵装運用試験部隊」 ウルスラ「通称、ヴィクティムウィッチーズ」 400 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 12 39.46 ID BoGzyRFVP ペリーヌ「不吉な……センスを疑いますわ」 エーリカ「それじゃあさっきトゥルーデを運んできた連中も形としては皇族近衛兵ってことになるのか?」 ウルスラ「皇族直属とは言っても提督は異端扱いですから、他の方々にしてみても『存在しないもの』とした方が都合がよかったのでしょう」 エイラ「どういうコトだ?」 ウルスラ「提督は元々研究者です、各国を渡り得た己の研究成果を誇示する為だけの目的で設立したのがこの部隊です」 ミーナ「俺さんの記憶が無いのも、それに関係しているのかしら?」 ウルスラ「はい、実験中の事故が原因で記憶が失われています」 エーリカ「じゃあはじめに私の部屋にいたのは……?」 ウルスラ「それに関しては憶測の域を出ませんが、それも事故が原因として考えられています」 402 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 20 17.48 ID BoGzyRFVP 坂本「詳しく聞かせてくれ」 ウルスラ「……魔力と機材の暴走による爆発事故がありました、その際に彼は行方不明となっています」 ウルスラ「事故が起きた段階では私もまだ研究内容を聞かされていませんでしたから、残念ながら防ぎようもありませんでした」 ミーナ「事故の段階では?」 ウルスラ「私も、そして今の貴女方も、研究過程に必要なものとして提督に利用されていたという事です」 リーネ「私たちが……利用って?」 403 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 31 36.61 ID BoGzyRFVP ウルスラ「彼がここにいたことは全くの偶然でした、行方不明になった後も提督は血眼になって彼を探しましたが……」 ウルスラ「結局見つからずじまいで、最終的には任務中の事故による死亡扱い、殉職したとして2階級特進が適用されています」 坂本「そういう理由か……」 ウルスラ「本来ならばそこで研究は中止になる予定でした……中佐からの報告さえ無ければ」 ミーナ「……」 エーリカ「それで、その研究内容ってのはなんなのさ」 405 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 36 23.72 ID BoGzyRFVP ウルスラ「ウィッチの魔力と想い」 ウルスラ「誰かを守りたいとき、敵を倒したいとき、必死で生き残りたいとき」 ウルスラ「その意志の強さ次第でウィッチは限界以上の魔力を発揮することがあります」 宮藤「守りたい……意思」 ウルスラ「提督はその魔力の振幅を人為的に操作する事を研究していました」 サーニャ「どうしてそんなことを?」 ウルスラ「ウィッチ単体の威力を極限まで鍛え上げる事」 リーネ「単体での威力?」 ウルスラ「731部隊の基礎理念は『ネウロイの巣を対象としたウィッチによる1人1殺』 この為にウィッチの命を顧みず単独での威力を限界まで高める事を目的とした部隊です」 407 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 42 12.35 ID BoGzyRFVP ペリーヌ「ば、馬鹿げていますわ、そんな妄言とても現実を見てる研究者とは思えませんわ!」 坂本「なんだって……それじゃあ俺は」 ウルスラ「部隊の被験者第1号、コールサイン『桜花』それが彼です」 『……』 シャーリー「な、なあ、じゃあ何でそこでわざわざ俺が選ばれたんだ?ウィッチじゃなかったんだろう?」 ウルスラ「どうやって彼の潜在能力を見出したのかまではわかりませんが」 リーネ「固有魔法……」 ウルスラ「はい、固有魔法というか特異体質といった方がいいのか判断に悩みますが」 408 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 49 45.06 ID BoGzyRFVP ルッキーニ「あの、ばーんって奴?」 ペリーヌ「ただの強力な衝撃波ではないんですの?」 ウルスラ「それが私たちに研究内容が隠されていた理由です」 ウルスラ「彼が基地で発見されたとき、上からの指令は曖昧だった筈です」 ミーナ「ええ、事故のリハビリを兼ねての預かりとだけ……どうして?」 ウルスラ「具体的な指令は必要なかったからです」 坂本「どういうことだ」 ウルスラ「彼の固有魔法は『幻影波動』」 ウルスラ「記憶と想いを威力に置き換えて放つ、衝撃波動です」 409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 19 54 21.60 ID WjG6lAv3P つまり、使えば記憶が… 410 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19 55 28.81 ID BoGzyRFVP 『……』 ウルスラ「威力は皆様もご覧になった通り、ウィッチ単体が所有するものとしては恐らく世界最大級のものでしょう」 ルッキーニ「??」 ミーネ「そういうことだったのね……」 ウルスラ「はい、つまり彼が今まで貴女方と過ごした時間は今日の為の餌だったということです」 ウルスラ「」チラッ バルクホルン「……」 ウルスラ「そしてその記憶に対する想いが強ければ強いほどその威力は高いものとなる結果が得られています」 シャーリー「……じゃあ、なんなんだよ、俺は、あたし達のことも忘れるってのか」 ルッキーニ「ええっ!嫌だ!嫌だよ!!」 411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 19 56 14.33 ID B65khISp0 俺に死ぬことは許されぬ 412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 00 11.94 ID pHKhSkr40 とりあえず気になったから見てきた ヴィクティム(victim) [名]1 (戦争・災害・事故・境遇などの)犠牲(者), 被害[被災]者, 遭難者(*1);(魅力・欲望などの)とりこ(*2) ttp //dictionary.goo.ne.jp/leaf/ej3/92109/m0u/ 413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 20 01 24.29 ID OMug28jR0 扶桑なら英語で名づけるより挺身魔女隊とか名付けそうかも ワールドワイドな提督みたいだから別にいいのかw 414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 02 06.36 ID q+68v3sfP ちなみに対義語がアグレッサーだ 415 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 04 05.70 ID BoGzyRFVP 宮藤「そんな……そんなことって」 リーネ「ひどいよ……そんな……」 エイラ「デモ、前にネウロイを倒した後もソンナニ記憶にオカシイところがあるような感じはしなかったゾ!」 サーニャ「そう、一部記憶が無い事はあったけど全部忘れてしまう訳じゃない……!」 ペリーヌ「そ、そうですわ!普通にしていればそんな違和感なんて!」 ウルスラ「通常の状態であれば彼の魔法は記憶の一部を代償とするだけで済みます」 宮藤「じゃあ私達の事全部忘れちゃう訳じゃないんですね!」ホッ 坂本「通常の状態、と言ったな」 バルクホルン「……あのストライカーか」 416 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 10 17.16 ID BoGzyRFVP ウルスラ「はい、あれは形式番号R-9WF、通称『スウィートメモリーズ』」 坂本「なんて皮肉な名前だ……馬鹿にしているにも程がある」 ウルスラ「提督の開発したブラックボックスを搭載した彼専用のストライカーです」 ルッキーニ「あれやだ、怖い……俺、あれ穿いていくんでしょ?なんなのあれ?」 ウルスラ「リミッターのかかっている状態なら彼の能力増幅を補うだけのストライカーです」 シャーリー「外したら……?」 ウルスラ「強制的に『全て』を威力に変換する為『だけ』の特殊魔導兵装としての本来の機能が発揮されます」 ミーナ「威力に変換する為『だけ』?」 ウルスラ「そうです、そこにウィッチの意思や人権、安全は含まれません」 エーリカ「どういうことだよ」 417 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 21 41.58 ID BoGzyRFVP ウルスラ「R-9WFに搭載されたブラックボックスは捉えた記憶を皮切りに、記憶からリンクさせた想いへ 想いから意思へ、意思から気力へ、気力から生命力へと引き出せる限りのものを全て魔力に変換し」 ウルスラ「絶大な威力を発揮する代わりに最終的には使用者を死に至らしめる、片道切符のストライカーです」 『……』 バルクホルン「……俺は、その事を知っているのか」 ウルスラ「彼自身の記憶は無くとも体が記憶している可能性は高いですね」 ウルスラ「報告を聞く限りでは料理やストライカーの使い方、体が覚えている事は比較的無くし難い傾向にあるようです」 419 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 26 27.99 ID BoGzyRFVP エーリカ「ウルスラ……お前、なんで平然としてそんな事言えるんだ……」 バルクホルン「……た」ギリッ ウルスラ「はい」 バルクホルン「何故……そこまで分かっていながら止めなかった!!」ボロボロ ウルスラ「……」 バルクホルン「どうしてそんな平気な顔をしていられるんだ!!!」ボロボロ 宮藤「バルクホルンさん……」 ウルスラ「……私だって」 バルクホルン「……」 ウルスラ「……私……だって」ボロボロ エーリカ「ウルスラ……?」 420 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 31 30.81 ID BoGzyRFVP ――――ハンガー ザワザワ ザワザワ 俺「……」 扶桑皇族提督「久しぶりだな、俺中尉……いや、今は少佐だったなハハッ」 俺「彼女達は?」 扶桑皇族提督「安心したまえ、我々の邪魔さえしなければなにもしない」 俺「そうですか」 扶桑皇族提督「ほとんど過去の記憶が無いようだが、私のことは覚えているかね?」 俺「いえ」 扶桑皇族提督「んっふ、結構、魔法の使い方は覚えているかね」 俺「はい」 扶桑皇族提督「重畳重畳、素晴らしい」パチパチ 421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 33 55.43 ID B96UB4UOO さてどうなる支援。 424 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 37 33.51 ID BoGzyRFVP 俺「……」 扶桑皇族提督「報告は聞いているよ、超大型ネウロイを一撃で仕留めたとね、おめでとう、君の初戦果だ」 俺「……」 扶桑皇族提督「まああんな宮藤博士のチンケなストライカーではその程度が限界だろうが、これは違う」 扶桑皇族提督「少佐の為に特別チューンした私の最高傑作だ」 俺「……」 扶桑皇族提督「少佐の能力にはリミッターがかかっている、それを外す手助けをして絶大な威力を発揮する技術の粋を集めた最高のストライカーだ」 扶桑皇族提督「ふふふ、素晴らしいだろう、ウィッチが単独でネウロイの巣を撃破できる時代になったのだ」 扶桑皇族提督「大和?はは、あんな不細工な鉄の塊に頼らなくとも人の力は無限だ」 425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 41 48.23 ID 4FFB3Vl3O R-TYPEのなかでもやばい部類の試験管キタコレ 426 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 43 03.36 ID BoGzyRFVP 俺「……」 扶桑皇族提督「この成果さえ認められれば……私は、扶桑は変わる!」 俺「一つ質問なんですが」 扶桑皇族提督「何かね?」 俺「リミッターを外すとどうなりますか?」 扶桑皇族提督「少佐の潜在能力を限界まで引き出してくれる、何、君にはそれだけの力がある」 扶桑皇族提督「飛んで帰るだけの魔力くらいは残しておくよう設定されているから安心したまえ」 俺(……) 俺「そうですか」 427 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 50 39.48 ID BoGzyRFVP 扶桑皇族提督「では、作戦の説明に移りたいのだがよろしいか?」 俺「お願いします」 扶桑皇族提督「作戦の内容は至ってシンプルだ、少佐はあのストライカーを穿いて巣に接近 リミッターを解除しての最終幻影波動砲で攻撃、巣を破壊する、以上だ」 俺「それ以外には」 扶桑皇族提督「接近するまでにもネウロイに襲われるだろう、その際には遠慮せず自慢の右腕で薙ぎ払うといい」 扶桑皇族提督「奴らの巣にお見舞いする最後の一撃だけとっておけば我々の勝利だ」 俺「わかりました」 扶桑皇族提督「では、始めよう」 428 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20 55 32.00 ID BoGzyRFVP ―――― 整備班長「よォ、少佐さん」 俺「班長……」 整備班長「はは、奴らときたらこんな年寄りまで縛り上げて手ェもださせやしねェ」 俺「……」 整備班長「行くんだな」 俺「ええ」 整備班長「お前ェさん分かっちゃいるとおもうが、ありゃァ普通じゃねェぞ」 俺「承知の上です」 整備班長「それでも飛ぶつもりか」 俺「覚悟は完了しています」 429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20 57 47.49 ID 9GJTQ3YO0 428 裏覚悟使いか・・・・・・ 430 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 21 00 41.50 ID BoGzyRFVP 整備班長「……お前ェさんの目、そういう目ェをした奴らを俺ァ何度も見た覚えがある」 俺「……」 整備班長「こういうとき年寄りは嫌になるぜ、わかってても見送らなきゃならねェんだからな」 俺「痛み入ります」 整備班長「あの気の強ェ嬢ちゃんはどうした」 俺「……」 整備班長「……そうかィ」 俺「逝ってきます」ビッ 整備班長「達者でな」 431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 21 05 03.79 ID NGPeEAx80 無茶しやがって 433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 21 12 42.60 ID wawfBN1nO 靖国で会おう(キリッ 434 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 21 13 59.05 ID BoGzyRFVP ――――― キィィィィン 俺(大丈夫だ、飛べる、恐怖は無い) 俺(残せるものは、想いだけは残してきた……大尉には申し訳ない事をしたかもしれない) 俺(やっぱり俺は最低だ) ゴソゴソ ピラッ 俺(大尉……もう一度だけ、最後に飛んできます) 俺(勝手な言い分ですが、俺に力を貸して下さい) ゴソゴソ 俺(ん?) 俺(なんだ、ポケットにもう一枚写真が……この服は届いてから初めて着るはずなのに) 436 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 21 18 58.98 ID BoGzyRFVP 俺(……ハルトマン中尉の写真、どうして?) 俺(メガネかけるんだ、知らなかったな) ゴソゴソ 俺(これもお守りにさせてもらおう、本人の許可なしに申し訳ないけど) ヒィィィィィィィィィィン 扶桑皇族提督「準備はできたかね?」 俺「はい」 扶桑皇族提督「では、頼んだ」 俺(……) 俺「目標エリアL736空域、目標ネスト05」 キィィィィィィィン 俺「オペレーション『コギト・エルゴ・スム』」 俺「731st、桜花……出る!」 記憶の無い俺9へ続く
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/14785.html
SAO/S51-030 カード名:記憶の欠片 ユナ カテゴリ:キャラ 色:緑 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:500 ソウル:1 特徴:《ネット》・《音楽》 【自】 あなたがこのカードの『助太刀』を使った時、あなたは自分のクロックの「守りたかった笑顔 ユナ」を1枚選び、ストック置場に置いてよい。 【起】●助太刀1000 レベル1 [手札のこのカードを控え室に置く] (あなたは自分のフロントアタックされているキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+1000) レアリティ:U 劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-収録 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 守りたかった笑顔 ユナ 0/0 3000/1/0 緑 対応カード