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藤田観光グループが運営するホテルです。 一言でいえば「まぁ大体東横イン」 駅の目の前なのでアクセスは最高です。 ベッドは硬め。腰痛持ちは注意が必要です。 価格帯は4000円前後。やはり東横インの代替財です。
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一階・団欒室 三日目、午前1時。 律「うっ……」 澪「あず……さ……」 唯「ううっ……うわあああん……」 紬「どう……して……」 憂「……」 ガチャッ。 美雪「あ、ど、どうだったはじめちゃん」 金田一「これは……殺人だ」 「!」 律「さ、殺人……?」 紬「梓ちゃんが誰かに……」 澪「殺され……た」 金田一「……ああ」 憂「……して」 唯「う、うい?」 憂「どうして……梓ちゃんが」 憂「さっきまでメールして、確かに生きていたのに」 憂「ねえ、どうしてなの……」 金田一「……」 金田一「憂ちゃん。辛いかもしれないけれど、そのメールの時の様子を教えてくれないかな」 憂「……」 唯「憂……」 憂「わかりました、お話します」 憂「メールが来たのは、私が眠ろうと思っていた頃です」 金田一「……そうか」 憂「はい、これがそのメールです」 金田一「……この、最後のメール。22時30分の後は?」 憂「えっと、私着替えてから地下に向かったんですよ。で、ちょっと準備に手間取っちゃって……15分くらいかな」 金田一「準備を終えて地下室に向かったら……」 憂「はい。梓ちゃんが倒れていて……私、みんなを呼びにいって……ううっ……」 金田一「他に、何か変わった事は?」 憂「そんな余裕なかったですよ……」 金田一「例えば、奥に誰かの雰囲気を感じたとか、純ちゃんの様子が変わっていたりとか……」 憂「……奥まで行く勇気は無かったですけど気配とかは感じなかったと思います」 憂「純ちゃんは……毛布がかかっていたくらいです。それ以外は何も……ううっ」 佐木「……先輩、今日はもう休んでもらった方が」ジー 金田一「そう……だな」 澪「……」ガタガタ 律「澪。私の部屋に来いよ……一人じゃ眠れないだろ?」 澪「……」コク コク 紬「じゃあ……休みましょうか」 唯「……みんな、戸締まりだけはちゃんとしようね」 「!」 その言葉に、全員が凍りついた。 金田一(そう……) 金田一(中野梓を殺した犯人は、この中にいるんだ……) 金田一(仮面を被って、この状況を見つめている) 明日からまた調査をするという事を考えると、眠気はすぐにやって来た。 部屋に戻ってから目が覚めて……三日目の朝が始まった。 団欒室。 三日目、午前10時。 金田一「全員揃ったみたいだな」 唯「あの、これから何をするのかな?」 金田一「みんなに聞きたいんだ。一日目と二日目に、どんな行動をしてきたのか」 金田一「それを元に、アリバイを探して行くんだ」 律「ち、ちょっと待った~。アリバイなんて言ったら……」 澪「……まるで、私たちが容疑者みたいじゃないか」 律「大体さ~、たかが高校二年生の分際でしゃしゃっちゃって……推理ごっこかぁ?」 佐木「ごっこも何も、この人は本場ですよ」ジー 紬「……え」 佐木「かの有名な金田一耕助の孫……IQ180の天才高校生探偵、金田一一」ジー 澪「高校生探偵……」 憂「IQ180……」 唯「それって、どれくらいすごいの?」 紬「テストで常に100点満点なくらいかしらね~」 佐木「まあ……学校の成績は赤点レベルですけどね」 金田一「おほん。で、話がまとまった所で、だ」 金田一「改めてみんなのアリバイを聞いていきたい」 金田一「まずは一日目から……お願いできるかな。なるべく時間は覚えている限り、正確に頼む」 澪「合宿初日だな」 紬「えっと、朝から移動して……この別荘についたのはお昼、13時くらいだったと思うわ」 美雪「この辺りは、まだ関係なさそうね」 紬「それから荷物を片付けたりして……お茶で一息いれていたら雨が降りだしたの」 美雪「私たちが合流して……演奏を聞いて、そこからお夕飯をご馳走になったわね」 金田一「問題は……夜だ」 澪「た、確か初日は……0時近くまで騒いでたかな」 律「騒ぎ疲れて、部屋にもどったらすぐ寝ちゃったけどな~」 金田一「そこに鈴木さんは?」 唯「集まったのは、私と澪ちゃんとりっちゃんの三人だよ。みんな誘ったけど……寝ちゃう人が殆どだったから」 律「まあ、初日だったしな~。四泊五日もあるんだから、体力温存てカンジ?」 金田一「つまり、3人は0時過ぎまで一緒にいた?」 澪「大体、そんな感じかな。少なくとも1時にはもう寝ていたよ」 金田一「じゃあ、他の人は?」 紬「私は部屋で寝ちゃってたから……」 憂「私も。特に梓ちゃんや純ちゃんと話してもいなかったし……」 金田一「じゃあ、純ちゃんを最後に見た時間は?」 憂「えっと……部屋に入っておやすみなさいする時かな。23時くらい」 律「その辺かな~」 金田一「それ以降は?」 「……」 金田一「つまり、犯行が行われたのは……少なくとも午後23時以降になるわけだ」 律「あ、あれだ。死亡推定じこくーとかわからないもんなのかな?」 澪「冷蔵室で亡くなったなら、わからないんじゃないか?」 律「あっ、そっか」 紬「でも、どうして冷蔵室に……」 憂「探検じゃないかな。純ちゃんて元気な子……だったから」ジー 唯「ええ~。でもあんな格好で冷蔵庫開けたくないよ~……」 律「でも、あの地下室にめちゃくちゃ美味いアイスが保管されてたら、どうする?」 唯「あ! 行きたい行きたい!」 紬「でも、地下の冷蔵庫内には冷凍されたお肉とかしか……お菓子類は何もないはずよ~」 唯「……がっくし」 美雪「あれ、紬ちゃんはここの地下に何があるか知ってるの?」 紬「あ、所有している別荘全てに似たようなお部屋があるの。中身も大体同じだって聞いたから……多分そうかなって」 美雪「そ、そう……(そんなに別荘持ってるんだ)」 金田一「……じゃあ、二日目だ。主に夜……最後に梓ちゃんを見た時間は? 誰か覚えていないか?」 澪「私は、就寝前……午後21時くらいかな」 律「私も」 紬「それくらいかしらね」 唯「私もだよ~」 憂「……直接梓ちゃんを見たのは、私も同じくらいです」 佐木「となると……」ジー 金田一「犯行時間は、夜の21時以降の可能性か」 憂「で、でも……こうやってちゃんとメールを!」 律「携帯だけパクって、憂にメールしたとか?」 金田一「いや、携帯は梓ちゃんのポケットの中に入っていた。その可能性は低いと思うぜ」 律「んん~……携帯を梓から盗んで、憂ちゃんにメール。地下室に呼び出した後、梓の携帯をポケットに……」 澪「律、もうわけわかんないぞ。素直に負けを認めろ」 律「ううっ……」 6
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ハ ヒ フ ヘ ホ ハ 通常 月間/年間 スペシャル 2012年版 朴賛浩[投手/G] 橋本将[捕手] 長谷川勇也[外野] 長谷川勇也 12[外野/S] 長谷部康平[投手] 畠山和洋[内野/S] 畠山和洋[内野/月間] 畠山和洋[内野/CH] 畠山和洋 12[内野/S] ハミルトン[投手] 早川大輔[外野] 早坂圭介[内野] 林昌範[投手] 林昌樹[投手] 原拓也[内野] 原辰徳[内野/P] 原辰徳 12[内野/P] 張本勲[外野/P] バリントン[投手/G] バリントン[投手/月間] バリントン[投手/CP] バリントン 12 バルディリス[内野/S] バルディリス 12[内野/S] バレンティン[外野/G] バレンティン[外野/月間] バレンティン[外野/NK] バレンティン 12[外野/G] ハーパー[内野] バーネット[投手/S] 板東英二[投手/P] ヒ 通常 月間/年間 スペシャル 2012年版 比嘉幹貴[投手] 東尾修[投手/P] 東尾修 12[投手/P] 東出輝裕[内野/S] 聖澤諒[外野/S] 聖澤諒[外野/CH] 聖澤諒 12[外野/S] 日高剛[捕手] 英智[外野/S] 英智 12[外野/S] ヒメネス[投手] 桧山進次郎[外野/S] 桧山進次郎 12[外野/S] 平井正史[投手/S] 平井正史 12[投手/S] 平尾博嗣[内野] 平石洋介[外野] 平田良介[外野/S] 平田良介 12[外野/S] 平野恵一[内野/S] 平野恵一[内野/B9] 平野恵一 12[内野/G] 平野将光[投手] 平野佳寿[投手/S] 平野佳寿 12[投手/G] 広澤克実[内野/P] 廣瀬純[外野] 廣瀬純 12[外野/S] B.W.[内野/P] フ 通常 月間/年間 スペシャル 2012年版 ファルケンボーグ[投手/G] ファルケンボーグ[投手/B9] ファルケンボーグ 12[投手/G] フィガロ[投手/S] フィガロ 12[投手/ 12開幕投手] フェルナンデス[内野/S] 深江真登[外野] 福井優也[投手/S] 福浦和也[内野/G] 福浦和也 12[内野/G] 福田秀平[外野] 福田秀平 12[外野] 福地寿樹[外野] 福原忍[投手/S] 福原忍 12[投手/S] 福本豊[外野/P] 福本豊[外野/メモリアル] 福本豊 12[外野/L] 福良淳一[内野/P] 福良淳一 12[内野/G] 藤井彰人[捕手/S] 藤井彰人[捕手/月間] 藤井淳志[外野] 藤井淳志 12[外野] 藤井秀悟[投手] 藤江均[投手] 藤岡好明[投手] 藤岡好明 12[投手] 藤川球児[投手/G] 藤川球児[投手/B9] 藤川球児 12[投手/P] 藤田一也[内野] 藤田太陽[投手/S] 藤巻誠人[投手/P] 藤巻誠人 12[投手/P] 藤村大介 12[内野] 藤本敦士[内野] 藤本敦士 12[内野] 藤原紘通[投手] ブラゼル[内野/G] ブラゼル[内野/CH] ブラゼル 12 ブランコ[内野/G] ブランコ[内野/月間] ブランコ[内野/CH] ブランコ 12[内野/G] ブランドン[投手] ブランドン 12[投手] 古川秀一[投手] 古城茂幸[内野] 古城茂幸 12[内野] 古谷拓哉[投手] ヘ 通常 月間/年間 スペシャル 2012年版 ペン[投手] ペン 12[投手] ホ 通常 月間/年間 スペシャル 2012年版 帆足和幸[投手/S] 星孝典[捕手] 星野仙一[投手/P] 星野仙一 12[投手/G] 星野智樹[投手] 星野伸之[投手/P] 星野伸之 12[投手/G] 細川亨[捕手] 細川亨[捕手/月間] 細川亨 12[捕手/S] 細山田武史[捕手] ホフパワー[内野/G] ホフパワー 12[内野/S] 堀内恒夫[投手/P] 堀内恒夫 12[投手/L] 塀内久雄[内野] 塀内久雄 12[内野] ホワイトセル[内野] 本多雄一[内野/S] 本多雄一[内野/B9] 本多雄一 12[内野/G] ホールトン[投手/S] 更新日:2012-07-08
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美雪「ケホ、じゃあね!はじめちゃん!」 金田一「うーっす!じゃあな美雪!」 美雪と金田一が、金田一の家の前で分かれた。 金田一が郵便受けを見る。 金田一「今日は手紙がけっこう来てんなー!どれどれ」 「ん?なんだ?この手紙・・俺宛だけど差出人の名前がねーじゃん!!」 金田一少年の事件簿 金田一少年の決死行 グランドフィナーレ 金田一の父「おかえり~~~」 金田一の父は、マスクを付けて咳き込んでいた。 金田一「!?どーしたの父ちゃん・・?会社リストラされたの?」 金田一の父「アホ!カゼひて休んだんだ!!見りゃわかるだろ!」 金田一「カゼぐれーで休んでたらホントにリストラされんぜー!頼むよ?家のローンとか残ってんだから。息子の俺におハチを回すなよ?」 金田一「え~~~~、不動山丸越デパートサマーセール大バーゲン、マンションの広告・・・・ウチにそんなモン送ってきてもなー・・おっ!これはフミ宛!しかも男じゃねーか!どれどれ・・」 「「フミちゃんへ、お手紙ありがとう。ボクは・・・・・」」 走ってきたフミが金田一から手紙を引ったくった。 フミ「読むな!!バカはじめ!人の手紙を大声で読むなんてプライバシー侵害よ!!訴えてやる!!」 麻衣「おじゃましてまーす!フミちゃんの同級生の島本麻衣でーす」 フミ「いーよ麻衣ちゃん!あんなヤツに挨拶しなくても!」 金田一「あ~~~~っ、どもども!」 「・・・・さて・・それにしてもこの手紙・・・・いったい誰からだろ?草太がワープロで 手紙書くわきゃねーし・・・第一学校で毎日会ってるし・・ひょっとして立石のヤツかな・・・・?」 金田一が手紙を開けた。 金田一「ハッ」 金田一の母「あらはじめ!帰ってたの?おやつの大福あるわよー!」 金田一「・・・後でいいよ!」 金田一の母「え!?い・・いいの?大福よ?」 金田一は二階の部屋に登っていった。 金田一の母「ちょ・・・・ちょっとはじめ!?」 金田一の母・フミ「「?」」 金田一の母「はじめー!夕食よー!」 金田一「あ――――・・今行く!」 金田一の母「・・・・変ねえ・・あれっきりずっと部屋にこもって・・いつもならつまみ食いの1回や2回っしにくるのに・・・・」 フミ「そっか!わかったおばさん!さっきの手紙のせいだよ!きっと美雪姉ちゃんから「好きな人ができたから、もう会いたくない」――――って手紙だったんだよ!相手はきっと草太でさ!ケケッ、ザマミロ!」 金田一は部屋で、あの手紙を見ていた。 金田一「・・・・・・・よし!」 金田一は持っていたお金をかき集めた。 金田一「う~~~ん、俺の全財産かき集めて、1万5524円―――こりゃちっと足りねーな!」 金田一の母「は?小遣い2ヶ月分前借りですって!?」 金田一「た・・・・頼んます!」 金田一の母「んなコト言ったって今月苦しいのの・・・・!」 母が父を横目で睨み、父は咳き込んだ。 金田一の母「ふ―――っ」 金田一の父「ね・・熱がっ、セ・・セキがっ!!うっー」 金田一・フミ「「・・・・」」 金田一の母「いったい何に使う気よ?」 金田一「それはその~~~~いろいろありまして~~~~ハハハハ・・・・」 金田一の母「しょーがないわね・・・・・」 「はい!6000円!」 金田一「ワオ!サンキュー母ちゃん!」 「・・・・ところでフミ!お前もけっこー貯めこんでたよなー?」 フミ「な・・・なによ!貸さないわよ!!あんた、だいたいなんでそんなお金いるんだよ!」 金田一「・・・・ちょっと・・な!」 フミ「・・・・」 フミ「わかったよ!ホラ、あたしのヘソクリ!」 フミが金田一にフクロウの貯金箱を渡した。 金田一「サンキュー!フミ!おっ・・けっこー重いじゃん!」 フミ「ちゃんと利子つけて返せよ!トイチだかんな!」 金田一「ト・・・・トイチ!?」 金田一「・・・・全部一円玉・・・・」 「小遣い前借りとフミの千円を足して2万2524円、目標の3万円まであと7476円か・・・さて・・・どーしよっか・・」 「――――――うーん・・・ここはやはり「愛は地球を救っちゃうかも」作戦で、みなさまの御協力をお願いするか・・・・!!うん!」 翌日。 金田一は剣持の元に来ていた。 剣持「おう!金田一!どうした?お前の方からこんなトコ来るなんて珍しいじゃねえか!」 金田一「オッサーン!実はさー、一口500円でカンパしてくんね?」 剣持「は?何のカンパだ?」 金田一「ワケは聞かずに気持ちよく御協力くだせー!」 剣持「まっ・・・・いいけどホラ!」 金田一「うう!ありがとごぜーますだ!!ところで明智サンは?」 剣持「明智警視なら全国の捜査一課の警部クラスを集めてエラソーな自慢話を・・・・・」 明智「エラソーな自慢話とはどういう意味ですか?剣持君!」 剣持の後ろに明智が立っていた。 剣持「い・・いや・・その・・素晴らしい講義を・・・・」 明智「あなたも受けた方がよろしいんじゃないですか?そこの素人探偵に協力を仰がないと事件ひとつも解決できないようでは、警視庁捜査一課の名折れでしょう?」 金田一「ハハハハ!相変わらずの明智節だワ、香港でのケガ、もうだいぶよくなったみてーだな!」 明智「・・・・・ええ・・・・なにやら気味が悪いですね、今日は何の用ですか?」 金田一「500円カンパに来たんだ!明智サンも一口どお!?」 明智「・・いいでしょう!何を企んでいるか知りませんが・・」 金田一「毎度~♡」 明智「そうそう!カンパなら、あそこにいる人たちにも頼めそうですよ」 金田一「?」 俵田「お~~~~っ!!金田一!?金田一じゃねーか!!」 茅「あら」 猪川「おっ!」 長島「チッ」 これまでの事件で金田一と知り合った4人の警部たちが集まっていた。 金田一「あ~~~~っ!俵田さーん!茅さん!!それに長島さんに猪川警部まで!!」 俵田「久しぶりだな~~~!キンダニ!!津野スキー場以来だな!」 俵田が金田一の背中をはたく。 金田一「イテッ!た・・俵田さんもあいかわらず!」 俵田「知ってっか~~~~?俺、あれから昇進して警部になったんだぞ!警部に!」 猪川「はっはっはっ、民間人でこれだけ全国に警察の知り合い作ってる怪しい人物はお前くらいだぞ!」 金田一「いや~~~~まだまだ足んないっスよ猪川警部!四国地方がいねーんだよな~」 長島「ケッ!俺は知り合いでもなんでもないぞ!!」 金田一「そんな~~~~!ツレないな~~~~長島さ~ん!」 茅「この子もホラ、金田一君に会えてこんなに喜んで・・・・!ふふ♡」 金田一「茅さんも、気になる箱ちゃんも元気そうで・・・・」 常談社。 いつき「カンパ?なーんだよ?ひょっとして、コレか?ん?」 金田一「そっ・・そんなんじゃないよー!いつきさーん!!――――ったく、思考が週刊誌なんだから」 いつき「ハハ!いいぜ!それぐらいなら、いくらでも出してやらあ!ホラ!お前にゃ世話になってるしな!」 金田一「あんがと!いつきさん!そういや、みずほちゃん元気してる?」 いつき「おう!最近すっかり体調よくてよ!学校もフツーに通ってんぜ!」 金田一「そうか・・!・・・・・よかったね!」 いつき「?」 金田一「じゃ・・まだ他回んなきゃいけねーから、またね!いつきさん!」 いつき「なーんだ?あいつ・・・・」 玲香のコンサート会場の控え室。 玲香「きゃ~~~っ♡うっそ~~~~!金田一君~~~~!!金田一君からあたしの楽屋に来てくれるなんてカンゲキー♡」 金田一「あ・・・・いや、実は俺、カンパ頼みに来たんだ!」 玲香「カンパね?わかった!これで足りる?」 玲香は札束を出した。 金田一「わ!そんなにいらないよ!500円でいいんだ!」 金田一「サンキュー!玲香ちゃん!新曲ヒットするといいね!」 玲香「・・・・?う・・うん・・・・」 金田一「じゃ・・俺行かなきゃ!」 玲香「あっ・・・待って!金田一君!」 「・・・・また・・会えるよね・・・・・?」 金田一「ああ!あったりまえじゃん!じゃね!玲香ちゃん!」 玲香「・・・・・」 金田一「・・・・さてここまでで、2万6524円!あとは学校の連中にでも・・・ん?」 金田一の横に、タクシーが止まった。 運転手「お客さん、どこまで?」 金田一「え?お・・・俺は別にタクシーなんか・・・・」 運転手「乗んなよ!運賃はいいからさ!」 金田一「はっ」 「じゃ・・・・お言葉に甘えて不動高校まで・・・・・」 金田一がタクシーに乗った。 金田一「どーゆう風の吹き回しだよ?快盗紳士!!」 運転手「あらバレてた?」 金田一「だってタクシーの上のランプがあんたのマークじゃん!」 運転手が帽子を取った、その素顔(?)は、以前名画を巡って金田一と戦いを繰り広げたもう一人の宿敵、快盗紳士だった。 快盗紳士「ホホホ!面白いでしょ?実は今度不動山美術館にある、和泉宣彦の絵をいただく予定なの♡リターンマッチよ!どう?受けて立つ?」 金田一「――――いや!俺は今度は降りるよ・・・オッサンに任す」 快盗紳士「え~~~~~~!?なんでよ~~~!つれないわね~~~!」 金田一「いや~~~~いろいろあってさ!俺も・・・、それよりついでだから、あんたも乗らない?一口500円!」 快盗紳士「はあ・・?なんであたしが?」 金田一「いいじゃん!こないだ俺の依頼料ガメたでしょ!?」 快盗紳士「――――ったく!しょうがないわね~~~~ハイ!」 金田一「サンキュー♡助かるぜ!」 不動高校。ミス研の部室に金田一が来た。 朝基「やあ!何しに来たのかな?」 金田一「うっっ!お・・・お前は・・・・・!」 朝基「授業もデズに部活だけ顔出すなんて不謹慎極まりない!!」 金田一「あっ・・・朝基!!!ミス研でもねーお前こそどーしてここにいるんだっ!?」 真壁「彼はボクの勧めで今日からミス研に入ったんだよ、金田一君!くぅくっくっく」 鷹島「・・・・・・・」 京谷「そーザンス!うっしっし」 金田一「真壁!それに京谷!お前まで!!で・・・お前ら、今度は何を企んでんの?」 朝基「もちろん知力でお前を倒すことさ!金田一!」 朝基たち「ひとりひとりではかなわなくても、3人合わせりゃ「文殊の知恵」!!」 「行くぞ!金田一っ!!」 「我々の攻撃を受けてみろおおおお!!」 朝基たち「「「精神攻撃~~~~!!」」」 朝基たちは、「みょんみょん」とした思念波を出してきた。 金田一「す・・すごい知力ですこと・・・・最終回だってのに・・・みょんみょん・・・って・・」 エミリ「センパーイ!」 金田一「エミリちゃん!!」 エミリ「七瀬先輩、今日カゼで休みなんですって!ちょうどいいから、帰りにエミリとゴハン食べません?」」 金田一「あ・・ワリーんだけど、今日は他に行く所があってさ!」 エミリ「え~~~~~~エミリ残念~~~~~!」 草太「え!お前今日ダメなの?サッカーのチケット手に入ったから誘おーかと思ったのに・・・・」 金田一「なぬっ!?そいつはちと惜しいな~~~~!」まっ・・・それはさておき、みなさーん!!恵まれない金田一君のために、一口500円で愛の カンパお願いしまーす♡うふん♡」 草太「え~~~~!一口500円!?高すぎる!何考えてんだ!」 金田一「頼むよ~~~~!助けると思ってさ!」 草太「ん~~~~しょーがねーなー!ホラ500円!!」 金田一「ううっ!!ありがとう草太!やっぱり親友だな!」 エミリ「じゃ!エミリも~~~!」 朝基「フッ・・・・敵に塩を送るのも武士の情けか・・・・!」 金田一「へっへ~!サンキューみんな!カンシャカンゲキ~!!」 金田一は自分の部屋に戻った。 金田一「おっしゃー!これで目標の3万円達成!!これで準備はOKだ!さーてー・・・・・・・・・あとは・・」 風邪を引いた美雪は、部屋で寝ていた。 美雪「・・・!!」 金田一が窓から入ってきた。 金田一「よっ!美雪!」 美雪「はじめちゃん!!」 金田一「珍しーな!お前が寝込むなんて!」 美雪「ちょ・・・・ちょっと!窓から入ってこなくても・・」 金田一「あ!寝てろって!お前熱あんだろ?下、閉まってたからさ」 美雪「でも・・」 金田一「俺はちょっと見舞いに来ただけだからさ!」 美雪「・・・・」 金田一「――――もう夏休みだな・・」 美雪「・・・・うん・・去年は海に行ったよね・・・・・」 金田一「・・・・ああ・・・・・あのさ・・俺・・・・・・いなくなったら、さびしい?」 美雪「なに言ってんの?別にさみしくなんかないわよ!」 金田一「・・・・・・そっか・・」 美雪「はじめちゃん・・いなくなっちゃうの・・・・・?」 金田一「バーカ!なに言ってんだよ!」 美雪「なによ~~~~~ヘンなこと言わないでよ!も~~~~~!」 金田一「どうした?顔赤いぞ、まだ熱が―――――、ハッ」 美雪の目から涙が零れていた。 金田一「なっ・・・なんだよ、俺・・・・泣くようなこと言ったか?」 美雪「――――言った!思いっきり言った!」 「いなくなるって・・・・・・」 金田一「ごめん・・」 金田一が美雪とキスをした―――――― 金田一「――――まだ・・熱があるみてーだな!」 美雪「・・・・・・・うん」 金田一が窓の方を向くと、窓の外で竜二がビデオを撮っていた。 金田一・竜二「「・・・・・・・」」 竜二「あっ!どうぞ!かまわず続けてください」 金田一「・・・・佐ぁ木いいい~てめえr~~~~~~!! 竜二「わっ」 金田一「このヤロ!そのテープよこせっ!!」 竜二「ダメですっ!これは名探偵、金田一一の赤裸々私生活編なんですから!!」 金田一「なにが赤裸々だっっ!!」 「!、おわ~~~ッ」 竜に「ぎゃっ!!」 金田一が竜二諸共、窓から落ちていった。 美雪「はじめちゃん!」 落ちた金田一の側に、自転車とリュックサックがあった。 美雪「!?はじめちゃん、その荷物と自転車は・・・・・!?」 金田一「あ・・・・・ああ!ちょっとそこまでな!」 美雪「で・・・・でも・・・そこまでって・・・・そんな大きな荷物持ってどこへ・・・」 金田一が自転車に乗った。 金田一「・・・・美雪!」 「またな!」 美雪が下に降りると、金田一は手を振りながら、自転車で去って行った。 美雪「はじめちゃん!はじめちゃん・・・・はじめちゃーん!!」 竜二「・・・・センパイ、どこに行くんですか?あんな荷物持って、長旅ですか?」 美雪「・・・・」 竜二「・・・―――――戻ってきますよね?センパイ・・・・」 美雪「・・・・・・・・・当たり前よ・・・・!必ず帰ってくるよ!」 金田一が分かれ道に差し掛かっていた。 金田一「・・・・さーて、どっちに行くかな・・・」 金田一が草をむしって、投げた。 金田一「よし!こっちだ!」 美雪(帰ってくるよ、もちろん―――――) (だって、ここにはまだ謎が―――――) (あいつの大好きなミステリーが、まだまだいっぱい残ってる) (だから――――大丈夫) (きっと・・・必ず帰ってくる――――) (いつかまた――――逢えるその日まで) (サヨナラ―――――金田一少年・・・・・) 金田一は自転車で走り続ける。 「金田一少年の事件簿」第Ⅰ期 完
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金田一「食事中、ムギちゃんに質問してしまったのもその表れさ」 梓『あ、あの。ムギ先輩』 梓『気になったんですけど……あの地下室って一体何なんですか?』 律「……そうか、だから梓のやつ」 金田一「おそらく、夜になるまで色んな場所を調べていたんだろう」 金田一「しかし、どこか別の部屋で犯行が行われた様子は無い。これは俺も調べたからよくわかる」 金田一「……そして、夜になってから憂ちゃんにメールをして……遺体のある地下室へ向かったんだ」 金田一「おそらく、犯人にとって遺体を調べられる事が怖かったんだろう」 金田一「犯行の現場が違うにしろ、何か証拠が見つかってしまってはマズイと思った犯人は……」 唯「あずにゃんを……」 金田一「……」 紬「……」 金田一「一応……これが二件目までの流れさ」 澪「……」 美雪「……」 金田一「ところで、あの地下室なんだが……あそこに扉があるのを知っていた人はいたのかな……」 佐木「扉……ですか?」 金田一「……まず、一日目の途中からここに着いた俺たち三人は知るはずがない。現に俺も気付かなかったし……」 金田一「では、合宿に参加していたみんなはどうだろうか。律ちゃん」 律「……私は、知らない」 金田一「澪ちゃんは?」 澪「私も、知らなかったぞ」 金田一「……唯ちゃんは?」 唯「知らないよ~」 金田一「そして先ほどの質問から、中野梓もその扉の奥は知らなかった事になる」 紬「……つまり、何が言いたいのかしら?」 金田一「遺体の隠し場所を、知っている人物がいたかどうか、さ」 金田一「階段から落とした後の遺体をどこに隠すか。犯人は考えたはずさ」 金田一「首の骨が折れている状態だ、余っている客室に放り込むのも不自然だ」 金田一「他にいい場所もない……犯人は戸惑った。しかし、すぐに最適な場所を思い出す」 律「それが階段のある……地下室?」 金田一「ああ、そうだ」 澪「で、でもさ。さっきの話だと……」 金田一「……地下室の存在を知っていた人物。それが第一の事件の犯人さ」 金田一「それは……あんただよ」 金田一「琴吹紬!」 紬「……」 金田一「あんたが鈴木純を殺害した……犯人だ」 澪「そ、そんな……」 律「ムギが……犯人」 唯「……」 ムギ「言い逃れは、しないわ」 !? 金田一「……」 ムギ「考えてみれば、当然よね。みんなが地下室の存在を知らないって言っちゃえば……それまでですもの」 律「ムギ……」 金田一「俺が、アンタを疑った理由はもう一つある」 金田一「それは救援の電話さ」 紬「……」 金田一「俺が、ある知り合いの警察官から連絡を受けた……ついさっきの事さ」 金田一「この辺りで崖崩れなんて、全く起こってなかったんだろう?」 律「な!」 唯「そう……なの?」 美雪「本当なの、はじめちゃん!?」 金田一「……ああ。今ここに助けの車が向かってるよ。着くのはまだしばらくかかるみたいだけどさ」 紬「……」 金田一「考えてみれば、アンタはこの別荘内の事で中心になってよく動いていた……」 金田一「俺たちも、まんまとその印象に騙されたってわけさ」 金田一「おそらく、別荘にかかってきた電話も自分の携帯からかけていたんだろう」 金田一「なんなら、通話記録を調べてみてもいいんだぜ?」 紬「……その必要はないわよ。だってその通りなんですもの」 澪「ムギっ、一体どうして……!」 紬「ごめんなさい。怖かったの……一時間もしないうちに、私がどこかへ連れていかれて……一人になってしまう」 紬「そう考えたら、自然と嘘を並べていたわ……本当に、ごめんなさい……」 律「そんな事から……逃げたってなあ!」 律「いい事なんかあるわけないだろ! そうやって、私たちを騙しながら……楽しく……ぐっ」 美雪「律ちゃん……」 律「ぐっ、ちくしょー……楽しくても、悲しいじゃねーかよっ……バカ……ムギっ。ぐすっ」 紬「律ちゃん……」 紬「ごめんなさい、本当に。心配させてしまって、ごめんなさい……」 律「……ぐしっ。ところではじめちゃんよ~、さっき『第一の事件の犯人』って言ったよな?」 金田一「ああ」 律「もしかして、はじめちゃんはこう言いたいのかな。第二と第三の事件は、別の犯人がいるって」 澪「な……!」 金田一「その通りさ。でも、そう考えるまで苦労したぜ。それぞれの事件の中で……」 金田一「犯人が一人だと考えると、どうしても成立しない犯行があるんだからな」 律「それは一体……どういう事なんだ?」 金田一「ここからは、また中野梓の事件の話さ」 金田一「彼女の行動を思い返して欲しいんだ。彼女は地下室に行く前に……まず何をしたのか」 澪「……メール、だっけか?」 金田一「そう。平沢憂に地下室へ一緒に行くためのメールをした。すぐに返事が来て……彼女は一人で地下室に向かった」 金田一「憂ちゃんの話だと、最後にメールをしてから15分。この時間の間に殺された事になる」 澪「15分、か……」 律「意外と時間あるように思えるな~」 金田一「これが、メール上のやり取りって事を忘れちゃいけないぜ?」 金田一「なありっちゃん。そもそも、犯人はどうやって中野梓が地下に向かう事を知ったんだろう」 律「え……そ、そりゃあ扉の前で聞き耳立ててだな~」 澪「ただ廊下を歩く音だけで、判断出来るのか?」 律「う……ま、毎回廊下に出て確認してみるとか?」 唯「何にもないのに、廊下ばっか出ていたら不審者だよ~?」 律「い、いいんだよ! そこは犯人なんだからっ!」 金田一「おまけに、殺しに使える時間が15分以下だ。よほどいいタイミングで地下に向かわないと、この犯行は成立しない」 金田一「……要するにあの時間。犯人が情報無しに、中野梓を地下室で殺害するのは不可能なんだ」 唯「……」 律「情報があれば殺人できるって? どんな情報だよ?」 金田一「簡単さ。犯人は中野梓本人からのメールを見て地下に向かったんだからな」 美雪「え……それってもしかして犯人は」 金田一「そう。中野梓を殺したのは、メールをしていた平沢憂自身さ」 澪「じ、じゃあ……梓は」 律「メールしなきゃあ殺されなかったかもしれない……のか?」 紬「……金田一さん。ちょっといいですか?」 金田一「……」 紬「そもそも、どうして憂ちゃんが梓ちゃんを殺さなきゃいけないのかしら?」 紬「純ちゃんを殺した犯人は、私。憂ちゃんは殺人に関係なんか無……」 金田一「いいや、それがあるんだよ。この上ないくらいに、重要な関係がな」 紬「……」 金田一「佐木、ビデオをまわしてくれ」 佐木「はい、わっかりました」 カチッ。 紬『でも、どうして冷蔵室に……』 律「これは……」 金田一「三日目の聞き込みの時の様子さ」 憂『探検じゃないかな。純ちゃんて元気な子……だったから』ジー 唯「あ、カメラ……憂」 澪「唯……」ナデナデ 金田一「ここだ。よく聞いてほしい」 唯『ええ~。でもあんな格好で冷蔵庫開けたくないよ~……』 金田一「そして、ついさっきのこの発言だ」 唯『違うよりっちゃん。純ちゃんは最初バスタオルを巻いた状態で見つかったんだよ~』 律『ああね~。って……あれ、唯。どうしてそれ知ってるんだっけか?』 唯『? 憂に聞いたんだよ~』 紬「……この発言が?」 金田一「よく思い出してほしい。最初の話をした、三日目の時点で。純ちゃんの格好を知っていたのは、誰かっていう話さ」 金田一「まず、現場を直接見た俺と佐木は知っている」 金田一「そして……第一の事件の犯人、琴吹紬もその一人のはずだ」 紬「そう、ね」 金田一「じゃあ逆に知らない人物はどうなんだろうか?」 金田一「まあ、これは現場を見ていない人間。さっき名前が出た以外の人物が当てはまる事になると思う」 金田一「……ただ二人を、除いては」 澪「ふ、二人って?」 金田一「三日目に、服装について話していた人物。つまり……平沢唯、憂。この二人のどちらかが……第一、第二の事件の共犯者さ!」 唯「!」 律「唯と……憂ちゃんが? その理由は?」 金田一「……現場を見ていない人間が、被害者の服装の事を知るはずがない」 金田一「そしてさっきの話だ……もしも、本当に憂ちゃんが唯ちゃんに情報を教えていたとしたら」 金田一「毛布を羽織っていた状態だけでなく、パジャマでいた時の事を知っていた……平沢憂が第一の事件に関わった共犯者になる」 金田一「逆に、それが嘘だとしてもだ。服装の状態を知っていた平沢唯が第一の事件の共犯者になるんだ」 金田一「アンタは自分で、逃げ道を潰しちまったんだよ」 唯「……」 唯「えっとね、私は嘘ついてないよ。憂が私に教えてくれたの」 唯「こういう風に話合わせてね、お姉ちゃん、って……」 金田一「……」 唯「嘘じゃないよ? 私は憂に言われたままに動いただけだよ~」 唯「ね、ムギちゃん」 紬「……ん、そうね」 唯「でしょ~」 金田一(……確かに、この話が嘘だという様子は無い) 金田一(最初に姉妹の共犯を疑った、俺の推理も……結果的には正しかったわけだ) 金田一(間違ってはいないはずなのに、なんだ……) 金田一(これじゃあまるで、犯人を見つけて欲しい……だぜ?) 紬「……第三の事件は、完全に私一人の犯行です」 金田一(この後、琴吹紬の独白) 紬「鍵はここの……団欒室の引き出しにしまってある、マスターキーを使いました」 金田一(……このマスターキーについては、けいおん部が合宿場に到着した時、一番最初に説明を受けたんだそうだ) 金田一(鍵の管理は大事だからな、とりっちゃんが威張りながら言っていた気がする) 金田一(開けようと思えば、誰でも開ける事のできる密室) 金田一(……平沢憂は、そんな空間で殺されたのだ) 金田一(いや、鍵が開いていた時点で、密室でも何でもないのか……) 紬「殺してしまった理由は、やはり事件の発覚が怖かったからです」 紬「ごめんなさい、唯ちゃん」 紬「ごめんなさい……憂ちゃん……」 金田一(……全ての罪を告白した彼女は、その場に崩れさって) 金田一(仲間に抱き寄せられたまま、赤ん坊のようにワンワンと涙を流していた) 美雪「……終わったのよね、はじめちゃん」 これで、全てが終わり。 ……しかし、俺だけはそう思っていなかったんだ。 金田一(……なんだ、この違和感は……) 紬「うっ……うっ……ぐすっ……」 金田一(事件はこれで終わった。犯人も明らかになった。それなのに……) 金田一(この、胸に引っ掛かるようなモヤモヤはなんだ……!) 金田一(事件は解決したはずだ) 金田一(……それとも) 澪「ムギ、ムギぃ……」 律「よしよし、わかったから。大丈夫だからな」 唯「ムギちゃん……」 金田一(まだ……事件は完全には終わっていないのか?) ……。 お仕事。 次書いたらきっと終わります。 とりあえず、事件は解決。 解決はしたけれども……な展開です。 15
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娯楽室。 美雪「うわあ、すごい。ドラムにギターに……本格的」 金田一「スゲー……このギター、一体いくらするんだ?」 唯「ふふん、ムギちゃんのお陰で五万円で買えたんだよ!」 金田一「たかっ!」 律「それでも安くしてもらえたんだよ。普通に買ったらその六倍くらいの値段は当たり前で……」 金田一「……はあ、俺だったらそんな金、全部ゲームに消えちまうよ」 唯「お、ゲーマーですか。なんのゲームするのかな?」 金田一「……聞いて驚け。バイオ2ならナイフのみで……」 唯「ええっ、すごいよ~」 金田一「ぬわっはっはっ」 律「……なんか、変な所で気が合ったな」 純(ああ、こうやっていつも練習から脱線してるんだ) 紬「じゃあ佐木さん、カメラを……って二つも持ちながら撮影は出来ませんかね?」 佐木「ああ、敬語じゃなくて大丈夫ですよ。カメラ二つは確かに辛いですけど……」 紬「んん~、じゃあ演奏しない……えっと、憂ちゃん」 憂「はい?」 紬「このカメラでみんなを撮影してくれない?」 憂「あ、いいですよ」 紬「ふふっ、お願いね。ここが録画で、ズームと……」 律「……おし、じゃあそろそろ始めるか!」 唯「お~!」 律「ワン、ツー、ワンツー……」 ……。 唯「……笑わないで、どうか聞いて」 佐木「……」ジー 憂「……」ジー 美雪「……すごいね」 金田一「あ、ああ」 美雪「こんな風に何かが出来るなんて、うらやましいな」 金田一「そうかぁ~?」 美雪「そうよ。はじめちゃんだって、勉強もスポーツも出来ないけど、推理力だけは誰にも負けないし……」 金田一「美雪さん。誉めるか落とすかどっちかにしてくれ……」 唯「想いよ~、と~どけ」 美雪「音楽、かあ……」 金田一「……」 娯楽室には楽しげなメロディーが響いていて……外で激しく降り続いている雨なんて、俺たちの耳には入らない。 演奏をしているメンバーも、それを聴いている他の人間も……この音をもう聴く事が出来なくなるなんて、思ってもいなかった。 二階・客室前廊下。 美雪「でも本当にいいの? いきなり三人も泊まっちゃうなんて……なんだか悪いわ」 紬「気にしないで、部屋なら余っているから」 金田一「よかった~、フカフカベッドで寝られるぜ!」 美雪「もう……少しは遠慮しなさい」 律「まま、気にしない気にしない。賑やかなのはいい事だ」 紬「ええ。それに……雨もまだ止んでないみたいですし。外を歩くのは危険よ」 佐木「僕もそう思います」ジー 美雪「じゃあ、お言葉に甘えて……」 憂「あ、お姉ちゃんこっち向いて~」ジー 唯「えへへ、ピ~ス」 純(いいなあ、各々楽しそうで) 梓「純? どうかした?」 純「な、なんでもないよ~」 純「……」 純(……あれ、なんか私だけ会話に入れてない?) 澪「……」 純(先輩みたいに、人見知りってわけじゎないんだけどな……) 二階・純の部屋 合宿二日目、午前0時。 純(……) 純(眠れないや) 純(シャワーでも浴びようかな) 純(……あ、でもどうせだったら一階の大浴場にしよっかな) 純(……うん、それがいい) 純(梓に連絡、は迷惑かな) 純(仕方ない、一人風呂といきますか) 純(バスタオルだけ持って、と) 純(よし) 一階・大浴場 午前0時15分 純(……はあ) 純(合宿に誘われて来てみたけど) 純(なんだろう、この疎外感) 純(うう……) 純「……ダメダメ、こんなんじゃ」 純「せっかくの合宿なんだもん。楽しまないと!」 純「そうだよ、まだあまり話してないけど……新しい友達だって出来たんだから」 純「えへへっ。うん、ポジティブに行かないと!」 純「……そろそろ、部屋に戻ろっかな」 階段前 午前0時28分 純「~♪」 トン。 トン、トン。 リズムに合わせて、木造の階段を上がる。 一階から上り、踊り場でクルリと体の向きを半回転。 この階段を上って、右に曲がって……手前から二番目の部屋が、私の戻る部屋。 純(早く寝ちゃおっと) 階段を、一歩、また一歩……軽い足取りで上がっていく。 段差がなくなり、右に……そう思った瞬間。 「……!!」 純(え……) 誰かが、視界に入ってくる。 純(あ……) そう思った一秒後には、その誰かが私の視界から遠ざかる。 上り終えたはずの階段を……私は。 その誰かを遠目に見ながら、背中に何もない空間を下りて……ううん、落ちていった。 ドッ。 頭の方から、鈍い音がした気がする。 音は、首の方からも聞こえたみたいだ。 純「……」 「……」 さっきまで私がいた階段の一番高い所には、じっとこっちを見ている一人の……。 ああ、私にはもう意識がありません。 もう何も、わかりません。 ……。 一階・団欒室 二日目、午前11時過ぎ。 金田一「ふわぁ~あ。おはよっす」 律「おっす、はじめちゃん~」 澪「り、律。その呼び方……」 律「こういうのは、フレンドリーな方がいいんだよ」 美雪「はじめちゃん、もうお昼前よ?」 金田一「ん~、てっきり誰か起こしに来ると思ったんだけど……ほら、合宿なら早起きが当たり前だろうからさ」 梓「……ウチは、その当たり前が通用しないんですよ」 唯「むにゅ……むにゅ……」 憂「お姉ちゃん、また寝ちゃってる」ジー 佐木「先輩もほっといたら寝ちゃうんじゃないんですか」ジー 金田一「うるへー。カメラマンは、バッテリーの心配だけしてろい」 澪「……あれ? そう言えば鈴木さんは」 律「んあ? そう言えば来てないな~。まだ寝てんのか~?」 紬「そろそろお昼ご飯だから、起こしに行った方がいいかしらね?」 憂「そうかもしれませんね」ジー 律「お~し。じゃあ唯隊員!」 唯「すぴ~……」 律「……いいや。澪、行こうぜ」 澪「う、うん、わかったよ」 律「てわけで、ちょっくらいってきま~す」 五分後。 ドタドタ。 律「た、大変だ」 金田一「ん?」 美雪「一体どうしたの?」 澪「鈴木さんが……部屋にいないんだ」 梓「え?」 紬「いないって……バスルームは?」 律「一応見てきたけど、やっぱり見当たらないんだよ。部屋には誰もいなかった……」 金田一「……」 美雪「……は、はじめちゃん」 全体が沈黙する中で、雨がまた一段の強く窓を叩いた。 金田一「……手分けして探そう。この天気だ、外には出ないだろうから……」 美雪「じゃあ一階と二階で別れましょう」 一階には金田一と佐木が。 二階は女性部屋が殆どと言う事で、残りのメンバー(唯はソファーで熟睡)で探索する事に。 一階には中央の団欒室、そこから大浴場、調理場、客間、そして楽器が置いてある娯楽室の五部屋がある。 金田一「……と、一応色々探してみたものの」 佐木「見当たりませんね」ジー 金田一「ん~、隠れてそうな場所も探したし、後はやっぱり二階に……」 佐木「……あれ、先輩。ちょっと」 金田一「ん、どうした佐木」 佐木「……この階段の下に扉があるんですけど」 金田一「お、本当だ」 佐木「物置部屋かなんかですかね?」 金田一「スペース的にはそうかもな。お~し」 ガチャッ。 金田一「!」 佐木「階段……ですね。地下に続いてるみたいだ」ジー 金田一「ううっ、さぶっ。なんだ、この冷たい空気……」 佐木「きっと地下だからですよ。ここに……いるんですかね?」 金田一「わからん。とにかく、探すしかない」 佐木「……」ジー 金田一「さびぃ~!」 佐木「冷たいというより、冷気ですね。なんだろう、冷蔵庫でも入ってるんですかね」 金田一「うう……こんな所に隠れる訳はないよな……」 佐木「あ、もう階段も終わるみたいですよ」 金田一「……空間が開けた。ここは一体」 佐木「先輩、早く進んでくださいよ~」 金田一「ま、待て佐木。こう暗くちゃ足場が……って、押すなバカ!」 ガッ。 金田一「と、と……わっ!」 佐木「先輩?! 大丈夫ですか?」ジー 金田一「い、いてて……何かにつまづいた……」 佐木「……あ、電気のスイッチありましたよ。ほら」ジー カチッ。 純「」 佐木「う……」ジー 金田一「う、うわぁああああ!」 佐木「こ、これは」ジー 金田一「……」 冷気の中で、寝巻きと、タオルを体に巻いて横たわる彼女は……本当に眠っているかのようにそこにいた。 寒さに震える事もなく、ただ静かに目を閉じていた。 3
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不動高校 金田一一らが通う高校。 よく一らの日常風景の舞台となる他、事件のメイン現場として殺人現場とも化す驚異の高校である。 「金田一少年といえば不動高校」と言われるほどの代名詞的スポットであり、序盤から数々の事件を巻き起こす。 原作では最初の事件舞台がこの高校の演劇部合宿であり、アニメ初回では何と高校自体がいきなり殺人事件現場となった。 その実生徒のみならず教師まで多数殺人事件関係者となっており、20周年を目前にした頃になると学内で車が爆発して生徒が焼死しても、駆けつけた生徒は驚く顔一つ見せないという耐性っぷりである。 校長はPTA会長のオバサンと不倫している上、生徒と教師の交際も何度も発覚している。 不動高校絡みで何か起きる度に今後の学校運営が主に読者に不安視されている。 作中で不定期に「学園祭」「創立祭」なるイベントが繰り返し何度も新たに行われている。 その度に何らかの事件が起きているのは言うまでもない。 不動高校関係者 生徒 青山ちひろ(作中時間既に故人) 赤穂晴俊 有森裕二(殺人犯&飛び降り自殺) 伊志田純(盗撮犯&死亡) 和泉さくら(殺人犯&自殺) 江藤大樹 岡崎浩史郎 岡持武則 尾ノ上貴裕(死亡) 海峰学(殺人犯) 神津さやか 神矢修一郎(アニメ版では殺人犯&飛び降り自殺) 京谷雅彦 桐生春美(死亡) 金田一一(殺人現場に多数遭遇) 小角由香里 佐木竜太(原作では死亡) 陣馬剛史 早乙女涼子 桜木るい子(死亡) 汐見初音(殺人未遂) 芝里丈治 渋沢圭介(事故で植物状態→回復) 白峰辰貴(殺されかける) 鈴森笑美(殺人未遂) 瀬名光一 千家貴司(殺人犯) 仙道豊 鷹島友代(ドラマ版では殺人犯) 鷹杉なぎさ 多間木匠(転校間もなく死亡&過去の暴行事件の主犯) 月島冬子(作中時間既に故人) 遠野英治(殺人犯) 時田若葉(死亡) 轟美和子 七瀬美雪 春田優子 日高織絵(死亡) 平嶋千絵 布施光彦 真壁誠 祭沢舞香(盗撮被害者) 美浦エミリ 宗像さつき 村上草太 森下麗美(殺人犯) 八尾徹平 山吹薫子 雪岡草平 六野冬花(作中時間既に死亡) 教師 緒方夏代(原作・死亡) 大塚 小田切進(生徒と交際&殺人犯&死亡、本物も殺害され白骨化) 尾根静香 津雲成人(殺人犯&生徒と交際) 中津川賢人(殺されかける&生徒と婚約) 的場勇一郎(殺人犯&死亡) 用務員 立花良造(殺人犯) また、姉妹校と思われる学校に不動芸術高校、不動小学校が存在。 両者共にどうなったのかはお察しの通りではあるが、さすがに小学校で殺人犯はマズいと判断されたのかアニメでは変更されている。
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準藩国 国民番号 PC名 級 根拠記事URL 13-00269-01 よんた 4 URL1,URL2 13-00271-01 かくた 1 URL1 13-00272-01 玖礼 蒼麒 5 URL1 13-00279-01 グラジオラス 4 URL1 13-00281-01 言 成 5 URL1 13-00775-01 小野青空 5 URL2 19-00364-01 大神 重信 5 URL1 23-00444-01 VZA 2 URL1 25-00484-01 ルクス 3 URL1 25-00487-01 グレイ 3 URL1 26-00496-01 竹上木乃 3 URL1 26-00498-01 二郎真君 4 URL1 26-00499-01 ひわみ 5 URL1 26-00501-01 TAKA 5 URL1 26-00502-01 化野‘IMAP’忌々 5 URL1 26-00504-01 大須 風太郎 5 URL1 26-00505-01 梅本 5 URL1 26-00513-01 霞月 5 URL1 29-00542-01 になし 5 URL1 29-00549-01 Areb 5 URL1 29-00555-01 芒 2 URL1 29-00556-01 月空 4 URL1 29-00559-01 九重 千景 4 URL1 29-00563-01 ハイネケン 5 URL1 30-00105-02 リンドルム 5 34-00675-01 東 恭一郎 5 URL1 天領預かり(引退・死亡含む) 99-00049-01 時野あやの 5 URL1 99-00050-01 さるにぁ 吏5 99-00050-02 さるき 吏5 99-00085-01 青にして紺碧 5 URL1 99-00112-01 うにょ 5 URL1 99-00193-01 比嘉劉輝 5 URL1 99-00233-01 影法師 吏1 99-00299-01 猫屋敷兄猫 吏5 99-00369-01 あ~やん 吏5 99-00397-01 ヒオ・スクル・ヒルダ 5 URL1 99-00581-01 海堂玲 5 URL1 99-00070-01 山原水鶏 吏5 99-00181-01 灯村 吏3 99-00204-01 クロ 吏5 99-00229-01 悪童屋 四季 3 URL1 99-00244-01 空 吏5 99-00259-01 JAM 吏3 99-00262-01 FARE-M 吏1 99-00421-01 ニーズホッグ 吏5 99-00345-02 竜宮城 (3) 99-00381-01 たまき 吏5 99-00384-01 ミーア 吏5 99-00431-01 宮瀬 拓 吏4 99-00517-01 GULE 吏5 99-00518-01 od 4 URL1 99-00522-01 戸裏 永流 4 URL1 99-00523-01 砺波 一哉 吏5 99-00529-01 水瀬悠 吏5 99-00533-01 フウガ 吏5 99-00534-01 摩目 吏5 99-00566-01 ゲドー 吏5 99-00581-01 海堂玲 吏5 99-00611-01 うかい 吏5 99-00616-01 蒼天 吏5 99-00625-01 SEIRYU 吏4 99-00668-01 九軒 吏4 99-00672-01 シコウ・アル・ナスライン 吏5 99-00673-01 幻痛 吏5 99-00694-01 さちひこ 吏5 99-00708-01 藤田一 吏5 99-00709-01 西田八朗 吏5 99-00727-01 ロッド 吏5
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ピリリリリ。 ピリリリリ。 佐木「携帯?」 金田一「お、俺か。剣持のおっさん……」 ピッ。 金田一『もしも~し』 剣持『よう金田一。頼まれたもん、調べといたぞ』 金田一『お、悪いなおっさん』 金田一『……それで、何かわかったかい?』 剣持『まず、被害者からだ。鈴木純……父母共に、いたって普通の家庭だな。近年で何かトラブルがあった様子も無い』 金田一『……』 剣持『次行くぞ。中野梓、親は音楽家……ミュージシャンとも言うのかな。そう言った意味では、ちょっと珍しい家庭かもしれん』 剣持『近々ミュージックツアーがあるとかで、忙しそうな様子だったよ』 剣持『……でだ、数年前にそのミュージシャンの所属事務所が脱税をしていた事がわかったんだ』 金田一『脱税?』 剣持『ああ、そこの事務所な社長なんだがな……まあ、こういう言い方もアレだが、よくある事件だからな』 剣持『そこの社長が手を出した株が暴落したらしくてな……よっぽど金に困っていたらしい』 金田一『……他には?』 剣持『中野梓に関してはそれだけだ』 剣持『……そうだ、株と言えばな。面白い事がわかったぞ』 剣持『そこにいる、琴吹紬って……あの有名なコトブキコーポレーションのお嬢さんじゃないか』 金田一『おっさんでも知ってるくらいなら……そんなに有名なのか』 剣持『おいおい、大人をバカにするもんじゃない。最近よく経済ニュースでやっていただろうが。高校生のお前には、あまり興味が無いだろうがな』 金田一『……はぁ、おっさんもちゃんと勉強してんのね。ま、株で大損してもっと貧乏にならないようにね』 剣持『俺は株なんぞやっとらん! ……株で繋がっているのは、そこにいる平沢姉妹の方だ』 金田一『なんだって……?』 剣持『正確には、平沢家の両親だな』 剣持『調べてみると随分株で儲けているみたいでな。海外への旅行機会も多い』 剣持『それでいて……しっかり貯金もしているみたいでな。遊ぶ金に困らず、未来も不安が無いってやつだ』 金田一『……でもよ~、いくら株のプロでも大失敗する事だってあんだろ? いくら不安が無いったって……』 剣持『そこだ。この平沢家にはな……家族全員に多額の生命保険がかかっていたんだ』 金田一『生命保険だって?』 剣持『高額保険をスタートしたのが、ちょうど二年前。まずは両親からだ』 剣持『そして、一年前には姉妹二人にも多額の生命保険がかけられている。調べてみてわかった事だ』 金田一『……』 剣持『まあ、保険がかけられているから何だとは思わんがな。高校生がそれを理解しているとも思わないし……』 金田一『その事なんだがな、おっさん』 剣持『ん……』 剣持『な、なにぃ? 妹の平沢憂が今日殺されただとぉ?』 金田一『ああ、包丁で身体中を滅多刺し。ひでえもんさ』 剣持『ま、待て待て。という事は、犯人は……保険金が入って得をする人物!』 金田一『……』 剣持『そうなんだな、金田一?』 金田一『……いや』 金田一『確かに保険金の話を聞いた時、一番にそれを考えたよ』 金田一『それに、俺は一度彼女……平沢唯に自首を促した事もあった』 剣持『なら、犯人は決まりじゃないか! きっと第三の殺人も、彼女がやったに違いない。保険金の話で決まりだ』 金田一『……』 金田一(なんなんだ、この違和感は) 金田一(剣持のおっさんの言う通り、つじつまは合っていると思う) 金田一(何より俺は、平沢唯が第一の事件の犯人だと思い……そこから推理を進めていた) 金田一(そして、憂殺しに保険金……) 金田一(つじつまは合うが、第二の事件。中野梓殺しについては何一つわかっていないんだ) 金田一『……』 剣持『と、こんな所だな。俺が調べた内容は。どうだ、役にたったか?』 金田一『ん……あ、ああ。ありがとな。やっぱおっさんは頼りになるよ』 剣持『ははっ、お礼なら、帰ってからハンバーガーの一つでもご馳走してくれよ』 金田一『ああ、無事帰れたらな~。雨は止んだけど、相変わらず救助の連絡は来ねーし……はぁ。いつになったら帰れるやらで……』 剣持『……ん、何言っとるんだお前は。あの崖崩れの報告は冗談だったんだろう?』 金田一『はぁ? んなわけねーだろ。こちとら豪雨の中を必死で歩いてだな……』 剣持『……確かに、お前が出掛けた日の夕方から雨は降っていたがな。だがどこの場所でも崖崩れが起きた報告は無かったぞ?』 金田一『なんだって……』 剣持『調べるついでにな。作業が終わっていたら迎えを出そうと思ったんだが……そんな事実はないって怒られちまったよ』 金田一(つまり、という事は……) 剣持『まあ、崖崩れなんてちょっと調べたらわかる事だしな。てっきりお前の冗談だと……』 金田一『……』 金田一『そうか、そういう事か……』 剣持『ど、どうした金田一。大丈夫か?』 金田一『……おっさん、悪いんだけどさ。今から迎えに来てもらえないかな』 剣持『そりゃあ構わんが、いいのか?』 金田一『ああ。頼んだよ』 ……プツッ。 美雪「はじめちゃん、電話終わったの?」 金田一「……佐木二階のみんなを集めて来てくれないか」 佐木「どうしたんです、いきなり?」 金田一「いいから、早く」 佐木「は、はい……わかりましたよ」タタタッ 金田一「……」 美雪「はじめ……ちゃん?」 金田一「……なあ美雪」 金田一「こいつは俺の考えていた以上に……悲しい事件なのかもしれない」 金田一「それでも俺は……犯人を」 金田一「犯人を暴くしか、ないんだ……」 美雪「はじめちゃん……」 13
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佐木「先輩、テープ持ってきましたよ!」 金田一「お~、ご苦労さん」 佐木「どれから見ます? 三日分、全部揃ってますよ」 金田一「……一日目から、頼むよ」 ガシャッ。 唯「あ、おかえりムギちゃ……って、うわあ団体さんだ~」 律「おっ、なんだか一気に賑やかになったな~」 紬「細かい話は後よ。今はお客様にタオルを貸してあげないと……」 憂「はい、タオルですよ」 紬「あ、ありがとう~憂ちゃん。さあ、どうぞ」 ……。 佐木「これは本当に最初ですね」 佐木「……当たり前ですけど、まだみんな生きてるんですよね」 金田一「……」 律『ようし、みんな移動だ移動~!』タタタッ 佐木「娯楽室に移動するところですね」 唯『頑張るぞ~』テクテク 梓『唯先輩、一番最初トチらないで下さいよ!』グイッ 唯『大丈夫だよ~。あずにゃ~ん』 憂『ふふっ、頑張ってねお姉ちゃん』スタスタ 純『……』トボトボ 金田一「……」 唯『き~みがい~ないと~♪』 佐木「移動の後、演奏会のスタートですね」 唯『な~にもできな~』 サッ。 憂『……』ジー 金田一「お、おい佐木。なんでいきなり憂ちゃんにカメラを向けてるんだよ」 佐木「いやあ、新しいカメラに目移りしちゃって。あ、でも大丈夫ですよ。彼女中心に撮ってたのはこの演奏の時だけですから」 金田一「ったく~、頼むぜ名カメラマン」 佐木「はいはい」 唯『想いよ~と~どけ~』 憂『……』ジー 佐木『先輩?! 大丈夫ですか?』ジー 金田一『い、いてて……何かにつまづいた……』 佐木「地下で鈴木さんを見つけた時……ですね」 佐木『……あ、電気のスイッチありましたよ。ほら』ジー カチッ。 純「」 金田一「……」 佐木「何度見ても、慣れませんね。あの寒さ、今でも身震いしますよ」 純「」 佐木「あんな格好で、可哀想に……」 金田一「……」 この後、二日目の午後のテープを見てから……。 佐木「じゃあ、三日目ですね」 金田一「中野梓が殺害されて……みんなに話を聞くところか」 憂『はい、これがそのメールです』 金田一『……この、最後のメール。22時30分の後は?』 憂『えっと、私着替えてから地下に向かったんですよ。で、ちょっと準備に手間取っちゃって……15分くらいかな』 金田一『準備を終えて地下室に向かったら……』 憂『はい。梓ちゃんが倒れていて……私、みんなを呼びにいって……ううっ……』 金田一『他に、何か変わった事は?』 憂『そんな余裕なかったですよ……』 金田一『例えば、奥に誰かの雰囲気を感じたとか、純ちゃんの様子が変わっていたりとか……』 憂『……奥まで行く勇気は無かったですけど気配とかは感じなかったと思います』 憂『純ちゃんは……毛布がかかっていたくらいです。それ以外は何も……ううっ』 佐木「……憂ちゃんも、可哀想ですよね。友達が死んでいるところを見ちゃうなんて」 金田一「……」 佐木「えっと、さっきのビデオが日付が変わってすぐの三日目」 佐木「これが三日目の昼になります」 紬『えっと、朝から移動して……この別荘についたのはお昼、13時くらいだったと思うわ』 佐木「アリバイ等を聞いている時ですね」 金田一『問題は……夜だ』 澪『た、確か初日は……0時近くまで騒いでたかな』 律『騒ぎ疲れて、部屋にもどったらすぐ寝ちゃったけどな~』 金田一『そこに鈴木さんは?』 唯『集まったのは、私と澪ちゃんとりっちゃんの三人だよ。みんな誘ったけど……寝ちゃう人が殆どだったから』 律『まあ、初日だったしな~。四泊五日もあるんだから、体力温存てカンジ?』 金田一「つまり、3人は0時過ぎまで一緒にいた?」 澪『大体、そんな感じかな。少なくとも1時にはもう寝ていたよ』 紬『でも、どうして冷蔵室に……』 憂『探検じゃないかな。純ちゃんて元気な子……だったから』ジー 唯『ええ~。でもあんな格好で冷蔵庫開けたくないよ~……』 律『でも、あの地下室にめちゃくちゃ美味いアイスが保管されてたら、どうする?』 唯『あ! 行きたい行きたい!』 紬『でも、地下の冷蔵庫内には冷凍されたお肉とかしか……お菓子類は何もないはずよ~』 唯『……がっくし』 金田一「……」 金田一『……じゃあ、二日目だ。主に夜……最後に梓ちゃんを見た時間は? 誰か覚えていないか?』 澪『私は、就寝前……午後21時くらいかな』 律『私も』 紬『それくらいかしらね』 唯『私もだよ~』 憂『……直接梓ちゃんを見たのは、私も同じくらいです』 佐木『となると……』ジー 金田一『犯行時間は、夜の21時以降の可能性か』 佐木「……と、これが三日目ですね。ここから金田一先輩と別れて、後は夕飯辺りの記録が……」 金田一「いや、もういいよ。サンキュ~な佐木」 佐木「えっ。まだテープはあるんですよ?」 金田一「いいんだよ。さっきまでので十分さ」 佐木「そ、それじゃあ先輩……もしかして犯人が!」 金田一「……目処だけは、な。それに、気になっていた事の確認も出来たしな」 佐木「せ、先輩それじゃあ……」 金田一「……」 9