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■市町村合併と自治体の財政/川瀬憲子(自治体研究社 2001)
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イングランドの地方自治体における事務配分は図表3-5のとおりである。一層制の地方自治体においては消防・警察など広域の事務組合で行う事務以外の全ての事務を行っている。一方、二層制の地方自治体においては、ディストリクトは住宅、ごみ収集、レジャー・レクリエーションなどの限られた事務を行い、カウンティは、教育、社会福祉、道路等の事務を行っている。このため、地方自治体間で所管業務が重複していることはほとんどない。 スコットランドとウェールズの地方自治体は一層制のため、下記項目のほとんどの業務を担当している。 北アイルランドについては、地方自治体の権限が限られているので、レジャー、ごみ処理、ごみ収集、環境のみ担当し、それ以外は北アイルランド自治政府が担当している。 なお、表中の事務組合とは、単独の地方自治体では実施困難な業務を、複数の地方自治体で連携して処理するために設立される共同組織である。 【図表3-5 イングランドにおける各地方自治体の権能】 大都市/ロンドン (注2) 地方/ユニタリー 事務組合 大都市圏ディストリクト ロンドン区 ディストリクト ユニタリー(ウェールズを含む) カウンティ 教育 ● ● ● ● 住宅 ● ● ● ● 計画申請 ● ● ● ● 戦略的計画 ● ● ● ● 交通計画 ● ● ● 公共交通 ● ● ● 道路 ● ● ● ● 消防 ● ●(注1) ● 社会福祉 ● ● ● ● 図書館 ● ● ● ● レジャー・レクリエーション ● ● ● ● ごみ収集 ● ● ● ● ごみ処理 ● ● ● 環境・保健 ● ● ● ● 徴税 ● ● ● ● 選挙人登録 ● ● ● ● (注1) 合同の消防当局である「ジョイント・ファイヤー・オーソリティ」を、カウンティがその範囲内にあるユニタリーとともに運営している。なお、ウェールズには3つの合同の消防当局がある。 (注2) グレーター・ロンドン・オーソリティー(GLA)の役割: 交通 地下鉄、バス、タクシー、DLR及び主要な道路の管理運営 (道路はロンドン区が現在も95%を管理している。) 経済開発 投資の誘致 環境 ロンドン区と協働し公害や廃棄物対策にあたる。 計画 ロンドン全体の開発戦略の策定 (地元の計画はロンドン区が所管). 消防 ロンドン消防・緊急時計画局 文化 ロンドンの観光、文化、スポーツの先導 保健 ロンドン市民の健康の増進 出典:地方自治体協議会(LGA)「Local Government Structure」
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1.組織の概要 1)会員のエリア制限:無(全国) 2)公務員以外の会員の有無 ・有(首長・議員・自治体への出向者などの自治体関係者 ※現会員の紹介が必要) 3)人数:約730名 4)事務局の有無/人数:不明 ※規約には「この会に事務局を置き、ホームページ及びMLの管理・運営その他この会の運営上必要なこと を行う。」とあり、MLの管理・運営は3名で行っている(茂田・橋本・馬袋)。 5)代表者名/選出方法:山路栄一(三重県職員)/不明 2.設立の経緯(準備期間~設立時~現在の変遷等) 3.目的とその設定プロセス 1)目的 ・自治体を取り巻く環境が大きく変わる中で、自治体職員として個々人が主体的に、地域の発展を担うための 自治体のあり方とそれを支える自治体職員像を考え、志を同じくする職員が協働して「脱お役所仕事」を実 現していくこと。 2)設定プロセス ・不明 4.活動内容 1)主活動/開催頻度/活動内容の決定方法 ・MLによる意見交換/常時/ ・web(HP)による情報提供、提言活動/常時/ ・自治体首長等を招いての講演会及びオフ会の開催/年2回程度/不明 ・シンポジウムの開催/年1回/不明 ・月刊「ガバナンス」での連載(メンバーによるリレー連載)/月1回/不明 2)サブ活動/開催頻度/活動内容の決定方法
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第1回自治体職員有志の会シンポジウム 日時 平成16年8月21日(土)13 00~17 20 場所 高浜市いきいき広場「いきいきホール」 司会 柿本(神戸市職員) 1 基調報告/山路 栄一(三重県職員) 私のパーソナル・マニフェスト(脱「お役所仕事」提案) ~自治体職員有志の会の設立の経緯をたどりながら~ 2 基調講演/後 房雄(名古屋大学教授) 自治体の再生は可能か -マニフェスト、行政評価、NPO 3 事例発表 (1) 自治体におけるコンピテンシー制度の導入/高知県 夕部 雅丈 (2) 自治体コールセンターの取り組み/札幌市 北川 憲司 (3) 『自治体DNA運動の取り組み』(一成果としての1/2委員会)/福岡市 秋吉 誠 4 パネルディスカッション「テーマ:自治体改革の戦略と新たな自治体職員像」 シンポジウムの開催案内 <自治体職員有志の会「シンポジウムin高浜」(開催案内)> ~自治体職員有志の企画・運営による手づくりシンポジウム~ 1開催主旨 地方自治体を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。住民にとって価値ある自治体であるため、職員も「やるべき仕事」「なりたい自治体職員」を自らデザインすることが必要な時代となりました。 この自治体共通の課題を考えていくために全国の自治体職員有志で「自治体職員有志の会」を設立しました。 MLによるメンバー間の意見交換に加えて、森高浜市長、白井尼崎市長、後藤臼杵市長、穂坂志木市長、逢坂ニセコ町長をお迎えした講演会、オフ会等により、より広い視野に立った議論を重ね、メンバーの日々の業務やそれぞれの自治体での行財政改革へ活用しているところです。 以上の主旨・経緯を踏まえて、このシンポジウムでは自らの自己決定・自己責任に基づき、自治体改革に向けた戦略と新たな自治体職員像を考えるために、先進自治体首長と自治体職員有志の会メンバーが活動報告、意見交換を行うものです。 今後の自治体経営や新しい職員像を考える機会にしましょう。 2開催日時・場所 ・日時:平成16年8月21日(土)13時00分~17時20分(懇親会:17時40分~19時00分) ・場所:高浜市いきいき広場「いきいきホール」(TEL 0566-52-9871)名鉄三河線三河高浜駅西口すぐ ※なお会場にお越しの際は、電車等公共交通機関のご利用をお願いします。 3プログラム ・13時00分 基調報告 山路 栄一 三重県職員 テーマ「自治体職員有志の会のこれまでの活動と今後の展開について」 ・13時20分 基調講演 後 房雄 名古屋大学法学部教授 テーマ「自治体の再生は可能か-戦略経営、行政評価、NPO」 ・14時20分 自治体職員有志の会メンバーによる取組み報告 ●自治体におけるコンピテンシー制度の導入(夕部 雅丈:高知県職員) ●自治体コールセンターの取り組み(北川 憲司:札幌市職員) ●自治体DNA運動の取り組み(秋吉 誠:福岡市職員) ・15時00分 休憩 ・15時20分 パネルディスカッション「テーマ:自治体改革の戦略と新たな自治体職員像」 ○コーディネーター:石原 俊彦 関西学院大学産業研究所教授 ○パネリスト(順不同)穂坂邦夫(埼玉県志木市長)、森貞述(愛知県高浜市長)、白井文(兵庫県尼崎市長)、後藤國利(大分県臼杵市長)、戸崎将宏(千葉県職員)、藤井理香(長崎県国見町職員) ・17時20分 閉 会 ・17時40分 懇親会開始(同じ会場:19時00分終了予定) 4参加費(資料代、会場使用料など実費) シンポジウム:2,000円 懇親会:3,000円(当日、受付でお支払い下さい。)
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1 当会(自治体職員有志の会)の趣旨 自治体職員を取り巻く環境が大きく変わる中で、危機感ばかり持つのではなく、自治体職員個々人が主体的に、あるべき自治体の姿、あるべき自治体職員像を共に考えるため、当会を設立する。厳しい道のりの向こうには、やりがいのある「仕事」とそれを支える「組織」があると信じて議論を進め提言を行う。またその働き方を実現する、自治体の人事・組織・給与・研修・勤務体系のあり方についても積極的に提言していく。活動や普段の仕事を通じて、「モノ言わぬ公務員」から「良いことを言い実行する自治体職員」に脱皮することを目指す。 2 当会(自治体職員有志の会)の運営の原則 当会は、できるだけ多くの高い志を持った自治体職員に純粋な気持ちで参加してもらうために、 ①全国各地の自治体職員が所属や立場の違いを超えて個人の立場で自由に議論する「場」とする。 ②何らの政治性を帯びるものではなく特定の自治体・首長・政党を支持又は批判する場としない。 という運営の大前提に基づいて、 ①住民満足度のさらなる向上を目指すための「自治体」「自治体職員」の将来像 ②心から誇りを持って住民満足度の向上に貢献しようとする高い志を持つ職員を支える職場環境のあり方 などを検討する場とする。 3 当会の構成員 自治体職員及び自治体関係者(関係団体職員等)(平成18年12月10日現在) 505名(47都道府県の230自治体に所属(内訳:41都道府県・145市区・44町村) 4 当会の活動内容 (1) メーリングリストによる意見交換 ウェブ上でメーリングリストグループを形成し、メンバー間で意見交換・情報交換を行い、相互研鑚を行っている。(MLのアドレス:http //groups.yahoo.co.jp/group/JYK2012 1月当たりの投稿数は約200~300件) (2) ホームページによる情報提供、提言活動 当会のホームページを立ち上げ、当会の意見交換の内容や地方自治や公務員のキャリアデザインに関する提言等を行っている。(HPのアドレス:http //sites.google.com/site/cdkikaku/ 1月当たりのアクセス件数は、約12,000件) (3) 自治体首長を招いての講演会及びオフ会の開催 ウェブ上の意見交換に加えて、自治体改革に積極的に取り組まれている自治体首長をメインゲストにお迎えし、改革に向けた取り組みや課題等をお聞きするとともに、議論の場にお入りいただき、活発な意見交換を行うための講演会及びオフ会を開催している。 ※これまでのオフ会の実施状況 ●第1回 平成15年6月27日 森 貞述愛知県高浜市長 :名古屋国際センター(名古屋市) テーマ:「住民自治の確立とこれから求められる自治体職員像」 ●第2回 平成15年8月29日 白井 文兵庫県尼崎市長 :西宮市大学交流センター(西宮市) テーマ:「これからの行政のあり方と求められる自治体職員像」 ●第3回 平成15年11月28・29日 後藤國利大分県臼杵市長 :ふれあい情報センター(臼杵市) テーマ:「臼杵に夢中の市役所づくり~なぜ短期間に市が変わったか~」 ●第4回 平成16年2月6日 穂坂 邦夫埼玉県志木市長 :フォーシーズンズ志木(志木市) テーマ:「志木市における住民自治確立のための取り組みと今後求められる自治体職員像」 ●第5回 平成16年6月18・19日 逢坂 誠二ニセコ町長 :ニセコグランドホテル(ニセコ町) テーマ:「自治基本条例の『心』を具現化する職員像と人材育成について」 ●第6回 平成16年11月5日 浅野 史朗宮城県知事 :勾当台会館(仙台市) テーマ:「真の地方自治の確立~地方財政自立改革を中心に~」 ●第7回 平成17年5月20日 橋本 大二郎高知県知事 :龍馬の生まれたまち記念館(高知市) テーマ:「モノ言わぬ公務員」から「良いことを言い実行する公務員」への脱皮を目指す ●第8回 平成17年10月28日 清原 慶子三鷹市長 :三鷹市産業プラザ(三鷹市) テーマ:「創造的な自治体経営」を目指して~三鷹市の自治体経営改革の実践から~ ●第9回 平成18年2月24日 古川 康佐賀県知事 :iスクエアビル(佐賀市) テーマ:「佐賀ナウ」 ●第10回 平成18年10月27日 第10回オフ会記念フォーラム テーマ:「自治体はこのままで大丈夫?~本音で語ろう地方自治」 講演 遠藤 誠作(福島県三春町行財政改革室長) テーマ:「三春町の挑戦~企業経営手法の導入」 パネルディスカッション 問題提起:大島 博文(神戸市職員) 司会進行:坂口 正治(ふくしま自治研修センター教授) コメンテーター:遠藤 哲哉 青森公立大学経営経済学部教授 パネリスト:齋藤 弘 山形県知事 熊坂 義裕 宮古市長 安部三十郎 米沢市長 柳村 純一 滝沢村長 (4)シンポジウムの開催 ●第1回シンポジウム 日時:平成16年8月21日(土)13時00分~17時20分(その後交流会) 場所:高浜市いきいき広場「いきいきホール」 参加者:約150名 基調報告 山路 栄一 三重県職員 テーマ:「自治体職員有志の会のこれまでの活動と今後の展開について」 基調講演 後 房雄 名古屋大学法学部教授 テーマ:「自治体の再生は可能か−戦略経営、行政評価、NPO」 自治体職員有志の会メンバーによる取組み報告 ○自治体におけるコンピテンシー制度の導入(夕部 雅丈:高知県職員) ○自治体コールセンターの取り組み(北川 憲司:札幌市職員) ○自治体DNA運動の取り組み(秋吉 誠:福岡市職員) パネルディスカッション テーマ:「自治体改革の戦略と新たな自治体職員像」 ○コーディネーター:石原 俊彦 関西学院大学産業研究所教授 ○パネリスト(順不同):穂坂邦夫(埼玉県志木市長)、森 貞述(愛知県高浜市長)、 白井 文(兵庫県尼崎市長)、後藤國利(大分県臼杵市長)、 戸崎将宏(千葉県職員)、藤井理香(長崎県国見町職員) ●第2回シンポジウム 日時:平成17年8月27日(土)13時00分~17時30分(その後交流会) 場所:西宮市フレンテホール 参加者:約300名 開会挨拶・有志の会活動報告 大島 博文(神戸市職員) 各自治体等取り組み報告、自主研究グループ活動紹介 ○尼崎市「YAAるぞ運動」(吉田 淳史:尼崎市職員) ○岸和田市「人材育成型評価制度」(小堀 喜康:岸和田市職員) ○スーパー公務員養成塾の取り組み紹介(鈴木 英敬:経済産業省) ○各自主研究グループの活動紹介(チョウチョの会(滋賀県)、 Now For Future!!(福岡市)、沖縄自治体職員ネットワーク 基調講演 稲継 裕昭大阪市立大学教授 テーマ:「公務員制度改革と人材開発」 パネルディスカッション (順不同) テーマ:「住民サービスを高める自治体トップと職員の協働・人づくり」 ○コーディネーター:大阪市立大学 稲継 裕昭教授 ○パネリスト:橋本 大二郎(高知県知事)、白井 文(尼崎市長)、 逢坂 誠二(ニセコ町長)、山路 栄一(三重県職員)、小堀 喜康(岸和田市職員) ●第3回シンポジウム 日時:平成18年8月19日(土)13時00分~17時30分(その後交流会) 場所:NTT夢天神ホール(福岡市) 参加者:約200名 開会挨拶~開催主旨、有志の会の活動(山路 栄一 三重県職員) 首長、職員の取組み報告(各20分) ○齋藤弘山形県知事(有志の会会員)「100年後にも誇りに思える元気な山形県」づくり ○横浜に改革の火種を!(横浜火種の会のメンバー) ○なぜ自主的に活動をするのか!(ナウ・フォー・フューチャー) 基調講演 九州大学大学院法学研究院 木佐茂男教授 テーマ:「あなたは変革の担い手となりえるのか?~今、自治体の危機を考える」 パネルディスカッション テーマ:「地域から日本を変えよう!自治体職員が住民と共に」 ○コーディネーター(関西学院大学大学院経済学研究科 小西砂千夫教授) ○パネリスト(順不同):古川康佐賀県知事、後藤國利臼杵市長、 河内山哲朗柳井市長、乙丸 法道(久留米市職員)、山崎 栄子(大野城市職員)
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(1) 地方自治体の種別構成 英国の地方自治体の種別構成は以下の通りである(Directgov資料、LGA「Types and Names of Local Authorities in England and Wales」参照)。日本では、全国一律の構成(二層制:都道府県及び市町村)が採用されているが、英国の場合は地域によって異なる。イングランドにおいては二層制と一層制が混在しており、ウェールズ・スコットランド・北アイルランドにおいては一層制に統一されている。 二層制は、カウンティ(County Council)とディストリクト(District Council)で構成される。カウンティは日本の県に相当する広域自治体であり、ディストリクトは日本の市町村に該当する基礎自治体である。 イングランドにおける一層制の自治体としては、大都市圏に存在する「大都市圏ディストリクト(Metropolitan District Council)」、非大都市圏の「ユニタリー(Unitary Council)」が挙げられる。これらは県及び市町村の機能を併せ持った自治体である。ロンドンは、グレーター・ロンドン・オーソリティー(Greater London Authority GLA)と32の「ロンドン区(London Borough Council)」及び「シティ(City of London Cooperation)」から構成されている。また、ウェールズ、スコットランドの一層制自治体はユニタリー、北アイルランドではディストリクトと呼ばれている。 【図表3-1 イングランドの地方自治体構成】 (※)3-2参照。 【図表3-2 スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの地方自治体構成】 スコットランド及びウェールズにおいては、イングランドのパリッシュに相当するコミュニティ・カウンシルが、住民に最も近い自治体機能を担っている。 (2) グレーター・ロンドン・オーソリティー(GLA) 首都ロンドンの広域自治体であるグレーター・ロンドン・オーソリティー(Greater London Authority:GLA)は、2000年に創設された。ロンドン全域をカバーする広域の地方自治体である。首長は直接選挙で選ばれる。 (a) 設立までの経緯 グレーター・ロンドン・カウンシル(Greater London Council:GLC)がサッチャー政権により1986年に廃止された後、GLA創設までの間は、32のロンドン区とシティの計33団体の一層制の地方自治体で構成されていた。1997年の総選挙の結果、政権に返り咲いたブレア労働党政権は、その選挙公約で、ロンドンの広域行政を担当する広域自治体を復活させるとした。 1998年 5月 7日 GLA創設に係る住民投票の実施(賛成72%で承認) 1999年11月11日 「1999年GLA法(Greater London Authority Act 1999)」成立 2000年 5月 4日 市長及び議会議員選挙(投票率:市長選34%、議会議員選挙31%)、市長にケン・リビングストン氏が当選 2000年 7月 3日 GLA発足 2008年 5月 1日 市長にボリス・ジョンソン氏が当選(投票率45%) (b) 構成及び役割 GLAは、直接選挙で選ばれるロンドン市長(Mayor of London)と、同じく直接選挙で選ばれる25人の議員からなるロンドン議会(London Assembly)、双方を補佐する事務部局、さらには市長を補佐する市長室(Mayor’s Office)で構成される、職員数650名ほどの組織である。 その所管業務は、ロンドン全域にわたる(1)公共交通、(2)地域計画、(3)経済開発及び都市開発、(4)環境保全、(5)警察、(6)消防及び緊急計画、(7)文化、メディア及びスポーツ、(8)保健衛生などの分野でのロンドン全域に係る企画・調整を行うことである。 また、GLA本体以外に、4つの実務機関(Functional Body)があり、GLAと4つの実務機関を合わせてGLAグループともいわれる。4つの実務機関とは、首都警察局(Metropolitan Police Authority)、ロンドン消防・緊急時計画局(London Fire and Emergency Planning Authority)、ロンドン交通局(Transport for London)及びロンドン開発公社(London Development Agency)である。なお、住民への行政サービスはロンドンの基礎自治体である32のロンドン区とシティが行う。 【図表3-3 GLAの構成】 (c) 市長の権限 市長はGLAの意思決定及び執行の両方の機関を兼ねており、主な権限は、(1)重点的・総合的な計画の策定、(2)予算案の策定及び提案、(3)策定した計画を実施するための調整、(4)実務機関の管轄、(5)実務機関の幹部の任命及び(6)ロンドンの代表としての行動等である。なお、2007年10月に改正GLA法が成立し、新たに健康格差解消、住宅政策や都市計画、職業訓練、文化政策などに関して市長に権限が付与された。 (d) ロンドン議会の権限 ロンドン議会の主な権限は、(1)市長の政策立案の補佐及び実施状況の検証、(2)予算案の修正及び承認(修正には議員の2/3の賛成が必要)、(3)ロンドンの主要課題の調査・検討、(4)GLAの職員の任用等である。 (e) ロンドン議会の選挙 選挙は市長選挙と同時に4年ごとに実施される(5-1参照)。現在、同議会は、小選挙区比例代表制(Additional Member System)が採用されており、小選挙区(各選挙区は2~3のバラから構成される。)によって選出された議員14名と、追加代表(Additional Assembly Member)11名とで構成されている。 (f) 予算 予算案は市長により提出され、議会は予算案を審議し採決を行う。この予算にはGLA本体だけではなく4つの実務機関の予算も含まれている。 2009年度の予算(total expenditure)は総額122億4,230万ポンドである。その内訳はロンドン交通局が75億9,400万ポンド(62.0%)、首都警察局が36億310万ポンド(29.4%)、ロンドン消防・緊急時計画局が4億6,340万ポンド(3.8%)、ロンドン開発公社が4億3,130万ポンド(3.5%)、GLA本体が1億4,180万ポンド(1.2%)、ロンドン議会が870万ポンド(0.1%)である。 【図表3-4 GLA組織図】(GLA organisation structure参照) (参考) GLAの4つの実務機関と市長の関係は次のとおりである。 首都警察局(Metropolitan Police Authority)(MPA) メンバーの一部を市長が任命する。議長はメンバーの互選であり、現在は市長が務めている。なお、MPAは警察の実働部隊ではなく、戦略策定等を行う、最大23名からなる会議体である。 ロンドン消防・緊急時計画局(London Fire and Emergency Planning Authority)(LFEPA) 議長とメンバーを市長が任命する。 議長は現在、Councillor Brian Coleman, AM FRSAが務めている。なお、LFEPAは消防の実働部隊ではなく、戦略策定等を行う、17名からなる会議体である。 ロンドン交通局(Transport for London)(TfL) 理事会の議長とメンバーを市長が任命する。議長は現在は市長が務めている。TfLは戦略策定だけではなく、公共交通サービスも実際に提供している。 ロンドン開発公社(London Development Agency)(LDA) 理事会の議長とメンバーを市長が任命する。議長は現在、Harvey McGrath氏が務めている。LDAは戦略策定だけではなく、経済開発に関するサービスも実際に提供している。 (3) パリッシュ パリッシュは教会の布教のために設けられた教区に起源を持つ、地域共同体的な性格を持つ法律上の準自治体(Sub-principal)である。現在、イングランドとウェールズを合わせて約1万のパリッシュがあるが、都市部には少なく(ロンドンでは設立が禁止されていた。)、主に地方の田園部を中心に存在する。なお、近年その数は増加傾向(特に都市部で増加している)にあり、ロンドンでの設置も検討されている。 パリッシュの機能は、大きく次の3つに分けることができる。 限定的な行政サービスの提供(遊歩道整備、街路照明維持管理、墓地・火葬場管理、コミュニティホールの提供等。但し、一部のサービスについてはカウンティの同意が必要。) カウンティやディストリクトから特定の事項について協議(カウンティによる遊歩道の調査や初等学校の校長の任命等)や通知(当該パリッシュに関係のある開発申請や条例の制定等)を受ける権利 ディストリクトや国の機関などに対して地域の代表となること 2007年地方自治法により、新たなパリッシュの設置権が、中央政府から地方自治体へ移譲された。また、パリッシュの設置が認められていなかったロンドンでも、コミュニティ及び区(borough)にパリッシュの設置権が与えられた。 (4) ユニタリー化の動き 政府は、イングランドにおけるユニタリーの数を増加させることとしており(3-2参照)、コミュニティ・地方自治省は2006年10月の地方自治白書において、イングランドにおいて、一層制の地方自治体であるユニタリーへの自発的再編を望む地方自治体は、その旨を申請するよう呼びかけた。 26の地方自治体がユニタリー化を申請し、政府の審査の結果、2009年4月1日、9つの新たなユニタリーが誕生した。 ユニタリー化を認める権限は政府にあるが、新たなユニタリーを創設するにあたり、次の条件に照らして審査を行った。なお、引き続き審査手続等が進行中のものもあり(デヴォン(Devon)県とノーフォーク(Norfolk)県が申請中である。)、今後さらに新たなユニタリーが誕生する可能性もある。 ユニタリー化が費用面で相応であるか ユニタリー化がリーダーシップの強化に繋がるか ユニタリー化が地域の公共サービス改善に繋がるか ユニタリー化がコミュニティの権限を強化するか ユニタリー化計画が地域の幅広い支持を得ているか 2009年4月1日に新たに誕生した9つのユニタリーは以下の通りである。この結果、該当する区域に存在していたカウンティ(県)が7つ、ディストリクト(市町村)が37、消滅した。なお、地方自治体構造(リーダーと内閣制など)(第2章参照)は、ベッドフォード市についてはユニタリー化前の市の制度が引き継がれ、その他のユニタリーについては県の採用していたものが引き継がれた。 チェシャー(Cheshire)県を2つのユニタリー「チェシャー・ウェスト・アンド・チェスター(Cheshire West and Chester)市」と「チェシャー・イースト市」に ベッドフォードシャー(Bedfordshire)県を2つのユニタリー「ベッドフォード市」と「セントラル・ベッドフォードシャー市」に コーンウォール(Cornwall)県を1つのユニタリー「コーンウォール市」に ノーサンバーランド(Northumberland)県を1つのユニタリー「ノーサンバーランド市」に ダーラム(Durham)県を1つのユニタリー「ダーラム市」に シュロップシャー(Shropshire)県を1つのユニタリー「シュロップシャー市」に ウィルトシャー(Wiltshire)県を1つのユニタリー「ウィルトシャー市」に
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■現代自治体再編論/室井力:編 (日本評論社 2002) 現代自治体再編論―市町村合併を超えて (自治問題研究叢書) 序章:市町村合併論への対抗軸 第1部 地方分権改革の現段階と自治体再編 第1章 小泉構造改革と自治体の新自由主義的再編 - 二宮厚美 第2章 地方分権改革の現段階 - 紙野健二 第2部 市町村合併推進の論理と問題点 第3章 自治体の広域再編の論理と問題点 - 渡名喜庸安 第4章 市町村合併の「推進」と地方自治 - 渡名喜庸安 第5章 市町村合併の「推進」と自治体財政 - 後藤智 第3部 市町村合併を超えて 第6章 日本国憲法における地方自治保障と自治体像 ―― 自治体の「非自治体化」を考える法学的視点 - 白藤博行 第7章 地方自治と地域経済の発展 - 岡田知弘 第8章 広域行政と地域間連携 - 村上博 第9章 自治体の「自立」と地方税財源 - 行方久生 第4部 市町村合併の歴史的考察 第10章 市町村合併の歴史的考察 - 山田公平 <参考文献> 第1章 小泉構造改革と自治体の新自由主義的再編 - 二宮 厚美 三橋良士明「『個性ある地方の競争』とは」 月刊経済 2001年11月号 (新日本出版社 2001) 川瀬憲子『市町村合併と自治体の財政』 (自治体研究社 2001) 鈴木永二「規制緩和・地方分権推進を」 日本経済新聞 1993/8/12付 経団連行政改革推進委員会「国と地方の関係等の見直しに関する意見メモ」 1989/5 豊田章一郎 『「魅力ある日本」の創造』(東洋経済新報社 1996) 日刊工業新聞特別取材班『平岩レポート』(日刊工業新聞社 1994) 二宮厚美「行政改革と憲法問題」法律時報 1994年5月号(日本評論社 1994) 二宮厚美「現代日本の広域的分権化論の構造」自治体問題研究所編『解説と資料「地方分権」』(自治体研究社 1993) 小沢一郎『日本改造計画』(講談社 1993) 細川護煕『日本新党・責任ある変革』(東洋経済新報社 1993) 細川護煕=岩國哲人『鄙の論理』(光文社 1991) 岩國哲人『世界の潮流・日本のうねり』(世界文化社 1991) 大前研一『平成維新』(講談社 1991) 二宮厚美『日本経済の危機と新福祉国家への道』(新日本出版社 2002) 後藤道夫『反 「構造改革」』(青木書店 2002) 二宮厚美「現代日本の新自由主義と新国家主義」 ポリティーク第4号 (旬報社 2002) 渡辺治『日本の大国化とネオ・ナショナリズムの形成』(桜井書店 2001) 経団連「新しい全国総合開発計画に関する提言」(1996/7) 経済同友会「地方主権による新しい国づくり」(1998/7) 日経連「ブルーバードプラン・プロジェクト」(1997/1) 経団連「地方行財政改革への新たな取組み」(2000/12) 江口克彦『地域主権論』(PHP研究所 1996) 野村総合研究所『日本の優先課題97』(野村総合研究所 1996) 島脩「住民に『実像』がみえる分権を」恒松制治監修『新地方自治の論点106』(時事通信社 2002) 西尾勝『未完の分権改革』(岩波書店 1999) 西尾勝『これからの行政活動と財政』(公人の友社 2002) 経済同友会「地方の活性化・自立のための7ヶ条」(1999/7) 田中直毅『構造改革とは何か』(東洋経済新報社 2001) 保母武彦『市町村合併と地域のゆくえ』(岩波書店 2002) 第2章 地方分権改革の現段階 - 紙野健二 西尾勝『未完の分権改革』(岩波書店 1999) 「分権改革の現段階」ジュリスト1127号 特集座談会 (有斐閣 1998) 「変革期の地方行政」ジュリスト1203号 特集座談会 (有斐閣 2001) 成田頼明『地方分権への道程』(良書普及会 1997) 紙野健二「『改革』の課題と分権推進委員会勧告の法構造」ジュリスト1127号 (有斐閣 1998) 渡辺左平編『民主的行政改革の理論』(大月書店 1997) 室井力『行政改革の法理』(学陽書房 1982) 室井力『現代行政と行政の民主的統制』(日本評論社 1989) 増島俊之『行政改革の視点』(ぎょうせい 1996) 総合研究開発機構他『都市化時代の行政哲学』(第一法規 1980) 渡名喜庸安「新行革審『国と地方の役割分担の見直し論』」行財政研究15号 (行財政総合研究所) 白藤博之「新行革審『国と地方の関係等に関する答申』の検討」行財政研究15号 (行財政総合研究所) 進藤兵「地方分権改革と自治体運動」渡辺治=後藤道夫『日本社会の対抗と構想』(大月書店 1997) 原野翹『現代行政法と地方自治』(法律文化社 1999) 水口憲人=自治体問題研究所編『広域行政と地方分権』(自治体研究社 1993) 紙野健二「民営化」法律時報70巻第3号(日本評論社 1998) 西尾勝編著『地方分権と地方自治』(ぎょうせい 1998) 人見剛「最近の市町村合併論に関する一考察」ジュリスト1203号(有斐閣 2001) 三橋良士明=自治体問題研究所編『ちょっと待て市町村合併』(自治体研究社 2001) 加茂利男『地方自治・未来への選択』(自治体研究社 2002) 閣議決定「構造改革と経済財政の中期展望について」 第3章 自治体の広域再編の論理と問題点 - 渡名喜庸安 室井力=原野翹編『現代地方自治法入門(第3版)』(法律文化社 1995) 室井力『公共性論と自治体立法の展開』(地方自治総合研究所 1992) 原野翹「地方公共団体の区域の意義」原野翹『現代行政法と地方自治』(法律文化社 2002) 新川達郎「地方制度改革に関する諸提案と実現の可能性」 水口憲人=自治体問題研究所編『広域行政と地方分権』(自治体研究社 1993) 渡名喜庸安「新行革審答申における国・地方関係論」福島大学行政社会論集第3巻1号(1990) 二宮厚美「21世紀の自治体戦略と地方行革の新局面」暮らしと政治1992年8月号 白藤博行「『機能分担論』的地方分権論の検討」住民と自治1993年10月号(1993) 白藤博行「国の行政組織再編と『地方分権』」自治体問題研究所編『国家改造と自治体リストラ』(自治体研究社 1997) 西尾勝『未完の分権改革』(岩波書店 1999) 晴山一穂「今日の行政改革の特徴と論理」福家俊朗=浜川清=晴山一穂編『独立行政法人』(日本評論社 1999) 「市町村合併支援プラン」(2001年8月) 高島茂樹(元総務省自治行政局市町村課行政体制整備室長)「市町村合併は新たな内政体制確立への第一歩」ガバナンス2002年5月号(ぎょうせい 2002) 「『市町村の合併の推進についての要綱』を踏まえた今後の取組(指針)」(平成13年 総務省) 中央省庁等改革推進本部「中央省庁等改革に係る立法方針」(1998) 晴山一穂「公共事業と地方自治」日本地方自治学会編『公共事業と地方自治』(敬文堂 2000) 白藤博行「日本国家改造と自治体改革」自治体問題研究所編『自治体の「市場化」』(自治体研究社 1998) 渡辺洋三『日本をどう変えていくのか』(岩波書店 1997) 鎌倉節夫「住民自治の視点から合併を考える」住民と自治1997年12月号(1997) 第4章 市町村合併の「推進」と地方自治- 渡名喜庸安 原野翹「地方公共団体の区域の意義」原野翹『現代行政法と地方自治』(法律文化社 2002) 杉村章三郎『改正・地方自治法』(青林書院新社 1956) 杉村章三郎『逐条解説自治要覧』(光文書院 1960) 磯部力「基礎的自治体の規模適正化の課題―市町村合併と広域連合」総合研究開発機構『地方政府のガバナンスに関する研究』(1999) 書籍名_け
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新都特別市及び周辺自治体の一覧 新都特別市 中央区 柏井区 桜樹区 商栄区 北区 真事区 志根区 常葉区 京橋区 西寺区 奈川区 八城区 榊野区 本所区 南区 坂野区 瀬戸川区 弓田区 東豊区 豊崎区 高川区(2020/10より) 向川中核市 向川市 藤木市 遠山市 咲良市 苺井町 山夢町 棚江町 有原中核市 水無本市 滝本市 有原市 検代田町 多山町 着川中核市 着川市 立国市 三鷲市 赤梅市 八坂市 月川市 星山市 昭津市 六王寺中核市 六王寺市 麻見原市 星野市 紅葉町 鷹野町 戸月中核市 戸月市 戸込市 星田市 葱谷市 山内湖町 井野町 山橋町 広川町 板又町 本堂町 上一九色村 実川村 春本中核市 春本市 季野市 上都和市 春穂小径市 下都和町 城桐町 北春本町 小高町 ほづみ野町 春若村 小野村 筑山村 若葉野中核市 若葉野市 高川市(2020年10月より新都特別市に編入) 大杉市 上府市 稲積市 宮野市 葉山市 塔野中核市 塔野市 夢吊橋市 東塔野市 判ノ谷市 真砂市 浅川市 車谷町 笠布町 大下郡 大下市 井田市 下新田市 南大下町 蒲町 堤河原町 大木村 南山地方・山井田地方・散野島 こちら 花宮地方 花宮県 十張県 海山県 市区町村は各県のページに記載 以下後日追記予定 蒔平地方 蒔平市 叭洞市 桑噺市 岸松市岸松区 岸松市栄区 岸松市灘区 ひなた市 田杷市 鴨山市 戸羽市 沼草市 磯丘市 飯井咲市 深山市 神沢市 鴨山市 舞和市舞和区 舞和市刺每区 秋ノ原市 台桷市 於川市 石浜市 串原市聖氿区 串原市荏原区
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1230 救急車 出動件数、30年ぶり減少 東京消防庁 [毎日] 1229 菅総務相 北海道夕張市の再建計画見直しを [毎日] 1213 夕張市 議員定数、現行18人から9人へ [毎日] 1114 市職員半減、小中1校に統廃合 夕張市が再建案 [朝日] 1104 夕張市、再建へ「全国最低」迫られる 職員給与、補助… [朝日] 1026 市職員削減 今年度3割、数年で6割 北海道夕張が再建策 [毎日] 0916 財政難自治体に対する「再生型破たん法制」大枠固まる [読売] 0914 道内2市町の財政危機、知事が基金利用特例を要請 [朝日] 0629 北海道夕張市の負債総額は632億円 道が中間報告 [朝日] 0617 北海道夕張市、財政再建団体へ 負債540億円 [朝日] 0610 財政再建へ、大阪市が交通局の完全民営化を検討 [読売] 0521 18道県議会、議員定数を削減 大合併や財政難が影響 [朝日] 0415 都道府県職員、10年度までに6万人削減の見通し [朝日] 0318 36道府県、新年度減額予算 「三位一体」地方に影響 [朝日] 0315 46都道府県知事、給与削減中 最高は岩手の50% [朝日] 0310 地方財政白書:「借金」総額200兆円突破 過去最悪 [毎日] 0223 退職手当債22道府県で980億円、団塊の退職控え [読売] 自治体病院、自力で黒字はわずか8% 政投銀調査 [朝日] 大阪市、5年で46事業見直し…児童館廃止など [読売] 職員削減:10年間で6000人 北海道が計画案 [毎日] 地方公営企業、民営化今年度倍増…自治体の財政難背景 [読売] 1230 救急車 出動件数、30年ぶり減少 東京消防庁 [毎日] 東京都内の救急車の出動件数 毎年増加を続けてきた東京都内の救急車の出動件数が、30年ぶりに前年を下回る見通しだ。東京消防庁は全国一の出動件数に頭を痛めてきたが、救急車の適正利用を訴えた効果や民間救急の普及が減少につながったと分析している。 同庁によると、今年1月から12月20日までの救急車出動件数は66万2540件で前年同期に比べて1万2420件減。このままのペースで推移すれば、昨年1年間の69万9971件を下回ることになる。 都内の救急車の出動件数は、76年に前年より6794件減って以後、77年から05年まで29年にわたり増加し続けてきた。05年は5年前の約1.2倍、1日平均約1900件で、45秒に1回出動した計算になる。同庁が配備している約220台の救急車はフル稼働。最寄りの消防署から出動できないケースも多い。出動から現場到着までの所要時間は6分30秒と、5年前より1分延びた。 一方で搬送された人の約6割が入院の必要なしと診断され、帰宅しているのが実情。「自分で症状が判断できない」「どの病院に行けばいいか分からない」といった理由での通報が増えたことも原因だという。 このため同庁は、04年から救急車の適正な利用を訴えるビデオやポスターを作製し、公共施設などでPRしてきた。交通事故件数が減少傾向にあることも要因だ。加えて、緊急性の低い患者に民間の救急車を紹介するため、04年に全国に先駆けて都内に開設された「民間救急コールセンター」制度が定着しつつあるのも大きいという。 同庁は「重篤患者の搬送では、わずかな遅れが重大な結果を招くケースもある。急を要する傷病者の搬送が遅れないよう今後も適正利用を訴えたい」としている。【佐々木洋】 毎日新聞 2006年12月30日 3時00分 URL http //www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061230k0000m040112000c.html 1229 菅総務相 北海道夕張市の再建計画見直しを [毎日] 財政破たんした北海道夕張市を視察に訪れた菅義偉総務相は29日、夕張市役所で会見し、11月に策定した同市の財政再建計画の骨格について、子供や高齢者の負担軽減を柱に見直しが必要との考えを明らかにした。菅総務相は「一定水準の住民サービスは政府が市民の皆さんにお約束したい。長年住み慣れた夕張でこれからも生活をしていただきたい」と語った。 同市は再建計画の骨格に▽市バスを一律200円で利用できる敬老パスの廃止▽保育料の値上げ▽小中学校の統廃合--などを盛り込んだ。市民の負担は最高で1世帯年16万円増。 菅総務相は28日に安倍晋三首相から子供や高齢者の負担軽減について指示を受けたことを明らかにし、再建策を一部修正する意向を表明。「私どもも(夕張の)頑張りに対して支援していきたい」と語り、今後北海道と具体策を詰める考えを示した。 菅総務相の発言に夕張市の後藤健二市長は「大変ありがたいことだ」と語った。【横田愛】 毎日新聞 2006年12月29日 20時43分 URL http //www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20061230k0000m010077000c.html 1213 夕張市 議員定数、現行18人から9人へ [毎日] 夕張市議会の議会改革検討小委員会は13日、市議会の議員定数を現行の18人から半分の9人とし、議員報酬も月額18万円とする答申案をまとめ、岡崎光雄議長に提出した。今月20日開会の定例市議会に提出され、可決の見通し。定数削減は来年4月の市議選から、報酬は07年度当初から実施され、議員定数は全国の市で最低レベルとなる。 同市議会は、市の財政再建団体移行表明後、議員定数を18人から07年度以降11人とすることを決定。併せて議員報酬の削減を決め、9月から実施している。さらに各議員から「市作成の再建計画に協力すべきだ」という意見が出され、同小委員会で検討を重ねてきた。 今年9月以降の議員報酬は、議長が29万円(条例上38万2000円)、副議長26万円(同33万2000円)、議員が24万円(同31万1000円)。来年4月以降は議長23万円、副議長20万円、議員18万円。【吉田競】 毎日新聞 2006年12月13日 13時36分 URL http //www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061213k0000e040078000c.html 1114 市職員半減、小中1校に統廃合 夕張市が再建案 [朝日] 2006年11月14日17時34分 来春に財政再建団体に移行する北海道夕張市の再建計画の骨格が14日、明らかになった。現在約270人いる市職員を09年3月末までに半減し、給与も07年4月から3割削減する。歳入を増やすために市の施設使用料を50%アップし、ゴミ収集も有料化する。さらに七つある小学校と四つある中学校を、10年3月までに各1校ずつにする。市民税や下水道使用料も引き上げるという。 夕張市や北海道は総務省と調整を続けており、同省も大筋で了承するとみられるが、今後、変更の可能性もある。 再建期間は「20年程度」と想定し、自治体の財政再建例としては最長。返済に必要な赤字額は、一般会計や観光事業会計など計4会計を合わせて07年3月末時点で総額約360億円になると見込んでいる。 現在、夕張市の職員は人口や産業構造などが同規模の自治体の平均に比べて倍近くいる。それを09年3月末までに平均以下に、さらにその1年後には同規模自治体の中でも最少とするとした。2年半弱の間に半減させる計算だ。事実上の「解雇」にあたる分限免職による削減も取りざたされている。 住民の負担増は、市民税の均等割りが3000円から3500円に、下水道使用料が10立方メートルあたり1470円から2440円に、それぞれ引き上げられる。 URL http //www.asahi.com/politics/update/1114/013.html 1104 夕張市、再建へ「全国最低」迫られる 職員給与、補助… [朝日] 2006年11月04日22時43分 「全国最低の暮らし」の設計――。財政再建団体への転落が決まっている北海道夕張市が、大詰めを迎えた財政再建計画の骨格作りでそんな作業を強いられている。職員の給与や市議の報酬、市民への補助金などを対象に総務省が予想以上の厳しい計画作りを迫っているからだ。初霜が降り、本格的な冬支度に入る夕張で、これから20年余にも及ぶ厳しい再建の試練が始まっている。 「総務省が言うのは、とにかく全国の最低レベルで行けということ。病院を診療所にするとか、給料を最低にとか、学校を最小にするとか」 夕張市の再建計画作りを指導する道庁幹部は言う。今月上旬中にも返済額や期間など骨格をまとめたい考えだが、細かい数字にも総務省のチェックが入る。来年度から始まる市の財政再建計画では、返済が必要な赤字額は300億円近くにのぼる見通し。市の自由に使える財源規模約45億円の6.7倍で、20年余りの長期にわたる前例のない再建となる見込みだ。 最大の課題は人件費の削減。総務省は給与カット幅の上限が28%と最大級の島根県海士(あま)町の例をあげ、これを上回る給与カットを求めた。 約270人の職員は、人口などが同規模の自治体のほぼ倍にあたるため、総務省の指示は「最低で半減」。それも「2年間で」という提案だ。「一気に減らしたら行政が動かなくなる」と市の担当者は言う。勧奨退職だけでなく解雇にあたる分限免職も求める場面も。「職員を減らせなければ、その分給与カットを拡大せよ、となる」と担当者。先月末には、4月に入ったばかりの若い職員が退職、役所内にショックが走った。 市議の議員報酬の「目標」は全国最低の岐阜県本巣市議会の月額22万円だ。9月に31万1000円から24万円(議長などを除く)に引き下げたばかりだが、岡崎光雄議長は「全国最低が求められている」。 市民への補助金も例外ではない。「すべての自治体が実施しているもの以外は廃止」というのが総務省の指示だ。 敬老行事費補助の333万円や障害児保育補助の22万円など、今年度で1億500万円の削減を9月に決めた。来年度からは高齢者のバス料金の補助などもやめる。 「このままだと市民が出て行くばかり。総務省の言う通りにすれば、夕張は再生できない」。市の担当者がうめいた。 URL http //www.asahi.com/politics/update/1104/005.html 1026 市職員削減 今年度3割、数年で6割 北海道夕張が再建策 [毎日] 財政再建団体移行を決めた北海道夕張市は25日、再建策の柱として現在259人いる市職員(病院、消防を除く)を今年度中に約3割減らし、さらに来年度以降数年で最終的に計6割まで削減する案を固めた。自治体の職員削減率として全国最大規模になる。現在一律で15%カットしている職員給料は30%減を軸に調整している。これらの措置で単年度8億円程度をねん出できる。 同市は再建計画で約300億円の返済を迫られており、事業や内部経費の見直しを進めている。今後大幅な増収は見込めず、返済の原資として一般財源経費の5割を超える人件費(今年度約19億円)削減が最大の焦点となっている。 同市の職員数は人口や産業構造が似通った自治体(類似団体)の2倍。このため、類似団体の水準を念頭に人員削減案を検討し、今年度は定年退職者(15人)に加え、職員の勧奨退職で計74人を削減する。数年後に現在よりも計147人減とする方針。 職員給料は島根県海土町などの3割減を踏まえて検討する。再建計画の骨格を総務省に近く示すが、同省は更なる切り込みを求めるとみられ、計画の前倒しや削減率の上積みも想定される。 毎日新聞 2006年10月26日 2時45分 (最終更新時間 10月26日 2時49分) URL http //www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20061026k0000m010163000c.html 0916 財政難自治体に対する「再生型破たん法制」大枠固まる [読売] 総務省の「新しい地方財政再生制度研究会」(座長・宮脇淳北大教授)は15日の会合で、財政難に陥った地方自治体に対する「再生型破たん法制」の大枠を固めた。 〈1〉財政状況が悪化して財政指標が一定値に達した場合、早期是正を促す〈2〉指標がさらに悪化し一定基準以上になれば、国の関与の下で再生手続きに入る――という2段階で構成し、第2の再生段階では、財政上の再建促進措置を講じることなどを柱とする。再建促進策としては、国が強力な関与を行うという前提で、赤字地方債の発行を認めることなどを検討対象とする考えだ。25日にまとめる中間整理に盛り込む。 ただ、破たん法制では、再生段階で債務免除などの債務調整を行うかどうかが最大の焦点となるが、これについては、秋にまとめる予定の報告書まで結論を先送りする方針だ。 (2006年9月16日3時9分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060916i401.htm 0914 道内2市町の財政危機、知事が基金利用特例を要請 [朝日] 2006年09月14日21時52分 北海道の歌志内市と上砂川町が、夕張市に続いて財政再建団体に転落する瀬戸際に立たされている。旧産炭地向けの基金から知事の許可なしに違法な融資を受けたことが表面化し、国から返済を迫られているが、返すあてがつかないためだ。「第2の夕張」を避けようと高橋はるみ北海道知事は14日、二階経済産業相らを訪ね、例外措置として基金取り崩しを認めるよう要請した。 不正融資を受けた自治体と借入額・返済可能額 歌志内市と上砂川町は炭鉱閉山後、慢性的な財政難に苦しんでいた。資金調達手段としての地方債の発行(起債)も、知事が許可する限度に近づいていた。そこで01年以降、夕張市など周辺4市とともに「空知産炭地域総合発展基金」から地方財政法に反して借り入れを繰り返し、借入残高は約75億円に膨らんだ。 夕張市が財政再建団体への移行を決めた直後、この借り入れが明らかになり、総務省は「違法状態を解消しなければ、新たな起債を認めない」との方針を決めた。 夕張市と歌志内市、上砂川町を除く3市は、独自の「貯金」を取り崩すなど一括返済の見通しをつけた。しかし、約15億円の残高がある歌志内市と約14億円の上砂川町はそれぞれ、5億、3億円しか資金調達のめどが立っていない。再建団体転落を避けるため、道は、問題の基金の取り崩しを認めるよう、所管する経済産業省に要請した。しかし、規定では借金返済目的での取り崩しは認められない。経産省は今のところ、例外は認めない方針を示している。 このため高橋知事が14日、二階氏や自民党の武部勤幹事長に会い、旧産炭地の財政的な窮状に理解を求めた。これを受け、何らかの形で基金を生かせないか、道と経産、財務、総務各省で今後、最終調整する。 ◇ 〈キーワード:空知産炭地域総合発展基金〉 北海道中央部の空知地方に位置する旧産炭地6自治体(歌志内市、芦別市、三笠市、赤平市、夕張市、上砂川町)の振興を目的とした基金。国や北海道などが出資し、92年に基盤整備のために50億5000万円で設立され、00年には新産業の育成を目的に45億円が追加された。6自治体は、この基金から地方債の発行引き受けなどの資金調達を優先的に受けられる。今年5月には、使途を新産業の育成に限って45億円まで取り崩せるようになった。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0914/008.html 0629 北海道夕張市の負債総額は632億円 道が中間報告 [朝日] 2006年06月29日11時06分 財政再建団体への移行を決めた北海道夕張市の負債総額が今年3月末で、632億4000万円になっていることがわかった。市の財政状況を調査している北海道が、29日午前の道議会の総合企画委員会に示した「中間報告」で明らかにした。 負債の内訳は、金融機関からの一時借入金のうち実質的な資金不足額が288億1000万円。地方債などの長期借入金が261億7000万円。債務負担行為が82億6000万円。会計別では一般会計が270億8000万円、観光事業会計が142億6000万円。両会計で全負債の3分の2を占めていた。 「赤字隠し」の手法としては、例えば、04年度の特別会計の資金不足を一般会計の一時借入金で穴埋めする。そして、4月1日から5月31日の「出納整理期間」に、05年度の特別会計から返済。そこで足りなくなった資金を、05年度の一般会計から貸し付ける――という繰り返しをしてきたと報告。「実質的な赤字が見えなくなり、不適切な財務処理と言わざるを得ない」と断定した。 道は今後、財政再建計画の策定に向けて助言や指導を強める方針だ。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0629/006.html 0617 北海道夕張市、財政再建団体へ 負債540億円 [朝日] 2006年06月17日06時24分 北海道夕張市は16日、自治体の倒産にあたる「財政再建団体」に移行する方針を固めた。20日開会の市議会で、後藤健二市長が表明する。市の単年度収支は黒字だが、負債が約540億円にのぼり、自主再建は不可能と判断した。今後、財政再建計画を策定し、総務省から財政再建団体の指定を受ける。年内に指定されれば福岡県旧赤池町(指定期間92~01年)以来14年ぶりとなる。 財政再建団体は、市町村で実質収支の赤字額が標準財政規模の20%以上になった場合が対象。夕張市の場合は約9億円がデッドラインだ。財政再建計画を策定し、国の管理下で財政を立て直すことになる。 夕張市の財政の実態は大幅に悪化していた。今年3月末の負債残高は、一時借入金が約292億円、地方債が約130億円など総額は約542億円。05年度の当初予算額約114億円の約5倍で、自主再建は不可能になった。 中でも負債の半分以上を占める一時借入金は、当座の資金不足を補うために金融機関から受ける融資で、金利も含めて年度内に返済することになっている。しかし、同市は返済のために別の金融機関から借り入れるという「自転車操業」を繰り返していた。このため借金まみれの実態は反映されず、04年度決算は約50万円の黒字となった。 こうした事態を重くみた北海道は15日、市に対して財政再建団体への移行を求めた。今後、総務省と協議し、赤字額を確定させ、指定される運びとなる。 夕張市は全国有数の産炭地だったが、90年には最後の炭鉱が閉山。人口は、ピーク時の60年に約11万7000人だったが、現在は約1万3000人にまで落ち込んだ。国際映画祭や夕張メロンで売り出した観光も、客足は思うように伸びなかった。 総務省は、首長らの責任を明確にし、国の管理下に資産の売却などを進めることなどを定める自治体の破綻(はたん)法制の整備を検討している。自治体の財政強化がねらいだが、今回のケースのような多額の「隠れ赤字」を想定しておらず、議論の行方にも影響を与えそうだ。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0617/004.html 0610 財政再建へ、大阪市が交通局の完全民営化を検討 [読売] 大阪市は9日、市営地下鉄、バスを運営する市交通局を完全民営化する方向で検討を始めたと発表した。 同局は、1617億円の累積赤字を抱えており、市から切り離すことで、市財政をスリム化するのが狙いだ。 外部委員を含めた市政改革推進会議で、近く具体策作りに着手する。株式上場を視野に入れるほか、沿線不動産の活用や、駅舎に店舗を展開する「駅ナカ」ビジネスなどにも乗り出し、鉄道事業以外の収益源も確保する。 同局の地下鉄、ニュートラムの鉄道路線は計125・9キロで、関西主要私鉄5社の中で3位の阪急(146・5キロ)に匹敵し、バス事業を含めた1日あたりの利用客は計256万人に上る。阪急・阪神の経営統合などで、今後、関西の私鉄再編が進むことも予想されるため、市は大胆な経営改革が必要と判断した。 (2006年6月9日23時20分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/national/news/20060609i315.htm 0521 18道県議会、議員定数を削減 大合併や財政難が影響 [朝日] 2006年05月21日01時25分 全国の都道府県議会に議員定数を減らす動きが広がっている。委員会段階での決定なども含めれば、過去1年間に3分の1を超す18議会が削減を決めた。平成の大合併を受けて区割りや定数配分を見直す際に、あわせて定数削減に踏み切る例が大半で、来年春の統一地方選に向けて、年明けから一気に加速した。背景には、地方財政の悪化と、合併に伴う市町村議の激減で、都道府県議も減らすべきだとの声が強まっていることがある。 都道府県議会の定数は、地方自治法で人口に応じて上限が定められ、その範囲内で都道府県が条例で決めることになっている。 削減数が最も多いのは、群馬、熊本両県の6減。次いで、北海道、栃木、山梨、静岡、山口の4減、青森、岩手、秋田、奈良、愛媛の3減と続く。 熊本では3月下旬に、55から49に約1割を削減する条例改正案が、最大会派の自民のほか、第2、第3勢力の県民クラブ、公明などの圧倒的多数の賛成で可決された。 合併で市町村数は94から48に半減。県債残高は約1兆1000億円(04年度決算)に上る。自民の西岡勝成幹事長は「合併で市町村議は大きく減った。財政もこれからもっと厳しくなる。1割は減らしたいと考えた」と話す。 群馬も56から50に約1割を減らした。小寺弘之知事が45まで減らす対案を提案したが、議会側が「行政へのチェック機能が弱まる」などと反発、最終的に議員提案の50に落ち着いた。 一方、現状維持を選んだのは、神奈川、長野、大阪、岡山、鹿児島など14議会。このうち、和歌山では、自民、共産など3会派が、選挙区ごとの定数見直し案を共同提案し、可決したが、法定上限の定数46は据え置いた。自民県議団の尾崎要二会長は「中山間地が多く、過疎地の民意をくむには、定数維持もやむを得ない」と話す。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0521/001.html 0415 都道府県職員、10年度までに6万人削減の見通し [朝日] 2006年04月15日22時57分 都道府県の職員が、2010年4月までに少なくとも計約6万人減る見通しとなった。総務省が、行財政改革の方針を盛り込んだ都道府県の「集中改革プラン」を集計した。同省が目標としていた削減率4.6%を達成する見込みだが、公立大学などを法人にし、自治体から切り離して「非公務員化」する職員約8000人も削減分に含まれている。 都道府県の職員削減計画 法人化される大学や病院の運営費の不足分は、自治体が当面、交付金で負担する。そのため、公務員でなくなった法人職員を削減分に含めることに異論もあるが、法人は独立採算制をとることなどから総務省は算入を認めている。 地方財政の悪化などを背景に、総務省は昨年3月、地方行革指針を策定。都道府県や市区町村に、4.6%以上の職員の削減などを盛り込んだ、10年3月末までの集中改革プランの策定を求めていた。 期限の今年3月末までに策定した42道府県の05年4月時点の職員数は計約129万人。10年4月時点の職員目標数は計約123万人。削減率でみると、目標と同じ4.6%となる。 削減率が最大なのは和歌山県の10.6%。政令などで定員が決められている警察官や教職員らを除く「一般行政部門」に限ると、北海道の19.4%が最高。プラン実施期間中の07年度から団塊世代の大量退職が始まるため、退職者の補充採用を抑える手法が目立つ。 ただし、朝日新聞の調べでは、42道府県のうち19道県は、10年度までに公立の病院や大学を独立行政法人にする計画で、その職員を削減分に含めた。人数を明らかにしていない北海道と岐阜を除く17県の「非公務員化」の数は約8000人となる。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0415/013.html 0318 36道府県、新年度減額予算 「三位一体」地方に影響 [朝日] 2006年03月18日20時51分 都道府県の06年度一般会計当初予算案の審議が進んでいる。三位一体改革などの影響で、36道府県がマイナス予算を組んだ。また、「団塊の世代」(1947~49年生まれ)の大量退職が始まる07年を前に、北海道や大阪など22道府県が「退職手当債」を発行、その総額は978億円に上る見通しだ。 朝日新聞のまとめでは、全都道府県の新年度一般会計当初予算案(一部成立)の総額は約48兆円。税収が回復してきた都市部を中心とした11都府県は前年度と同じか上回った。 前年度比でマイナス予算となった36道府県のうち、減少率が最大だったのは、北海道と福島県の5.8%。借金返済に充てる「公債費」が歳出全体に占める割合は、北海道や秋田県の21.8%を始め、23道県で15%を超えた。 こうした状況に加え、「団塊の世代」の大量退職が間近に迫り、退職金などによる財政圧迫は必至だ。都道府県の06年度の知事部局の退職者数(見込み)は計約1万3000人で、前年度を約1700人上回る。退職手当は、2163人が退職する東京都の391億円をトップに、総額約3300億円となる。今後3年間で、少なくとも約4万3000人が退職するとみられている。 さらに、国と地方の税財源を見直す「三位一体改革」も影響している。 国の補助負担金が廃止・削減され、代わりに所得譲与税という形で移譲された。だが、東京や神奈川、千葉などを除く40道府県で税源移譲額が補助負担金の廃止・削減額を下回った。不足分は地方交付税が充てられることになっているが、交付税は軒並み減少しており、実質的には収入不足。基金の取り崩しや新たな借り入れなどでしのいでいるのが現状だ。 ◇ 〈キーワード・退職手当債〉 退職手当の支払いに充てる借金。起債は国の許可が必要で、行政改革に取り組んでいることが前提。使い道も従来は勧奨退職に限られていた。だが、団塊の世代の大量退職で、財源の確保に苦しむ自治体が急増。総務省が06年度からの10年間に限り、定年退職も対象に加えて条件を緩和した。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0318/006.html 0315 46都道府県知事、給与削減中 最高は岩手の50% [朝日] 2006年03月15日08時31分 全国知事会長の麻生渡・福岡県知事は14日の記者会見で、都道府県知事の給与の削減状況を発表した。福岡県が調査した昨年7月1日時点で、佐賀県を除く46都道府県で月給かボーナスを4~50%減らしていた。 財政難などから、条例で定めた知事の月給を減らしていたのは43都道府県。削減率では、昨年4月から4カ月間50%減らした岩手県(月給130万円)が最高。03年1月から30%削減を続けている長野県(同135万円)が続いた。 ボーナスに当たる期末手当を減らしていたのは18都道府県で、奈良県の50%が最高。同県を含め15都道府県で月給とボーナスの両方を削減。佐賀県も4月から128万円の月給を119万円に下げる予定だという。 結果について麻生会長は「地方の行革の方が進んでいる」と語り、「仕送り先でうな重だ、と言う方もいる」と地方交付税削減の必要性を強調した与謝野経済財政相の発言を牽制(けんせい)した。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0315/006.html 0310 地方財政白書:「借金」総額200兆円突破 過去最悪 [毎日] 竹中平蔵総務相は10日午前の閣議に、04年度の地方自治体決算をまとめた「06年版地方財政の状況」(地方財政白書)を報告した。地方債残高などの「借金」総額は、推計201兆4096億円(前年度比1.6%増)で初めて200兆円を突破して過去最悪を更新。普通会計の歳入総額は93兆4422億円(同1.5%減)、歳出総額は91兆2479億円(同1.4%減)で、ともに5年連続の減少だった。 一方、地方税など使途が特定されない財源のうち、人件費、公債費など支出が義務づけられている経費の割合を示す「経常収支比率」は過去最高の91.5%(同2.5ポイント増)で、自由な財政運営ができる余地が一層狭くなったことを示した。【西田進一郎】 毎日新聞 2006年3月10日 10時18分 URL http //www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060310k0000e010016000c.html 0223 退職手当債22道府県で980億円、団塊の退職控え [読売] 47都道府県の2006年度一般会計当初予算案が22日、出そろった。 「団塊の世代」(1947~49年生まれ)が大量退職期を迎える「2007年問題」を目前に控え、退職手当の支払いに充てる地方債「退職手当債」を予算案に盛り込む動きが広がり、06年度の発行予定は22道府県、総額978億円。05年度の7府県、総額340億円の2・9倍に拡大した。 一方、全都道府県の予算案総額は48兆2599億円。知事選を控え骨格予算を組んだ石川と京都を除いて比較すると、前年度当初比0・4%減で、5年連続のマイナス。北海道と福島の同5・8%減を筆頭に、34道県が緊縮型予算を編成した。 歳出面では、人件費抑制の動きが広がり総額は同2・7%減、単独公共事業も同16・5%減。こうした中、子供が犠牲になる事件の続発を受け、44都道府県が「子どもの安全対策」を新規事業として盛り込んだ。総額は26億円。 (2006年2月23日3時10分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060223i201.htm 自治体病院、自力で黒字はわずか8% 政投銀調査 [朝日] 2006年01月15日18時31分 全国の自治体病院のうち、補助金などに頼らず実質的な営業黒字を確保しているのは、全体の8%程度しかないことが、日本政策投資銀行の分析でわかった。補助金を含めて経常黒字を確保している病院は4割近くまで増えるが、累積赤字は増加傾向だ。自治体病院は「へき地医療など民間ではできない分野を担っている」(総務省)だけに、経営の効率化が求められそうだ。 政策投資銀が03年度に1000あった自治体病院について、地方公営企業決算をもとに分析したところ、実質的に営業黒字なのは82病院しかなかった。大半が診療報酬など本業の収入では、必要経費をまかなえない状況だ。 03年度の地方公営企業決算によると、自治体や国からの補助金で経常黒字の病院は389と4割近くまで増えるが、6割はなお赤字。病院事業全体の経常赤字額は合計で1400億円近くに達する。補助金に当たる病院事業会計への他会計からの繰入金は、全体で5451億円だった。 政投銀は、自治体ごとの一般財源の規模を表す「標準財政規模」に対する繰入金の比率も分析した。平均では3.4%になり、高い自治体では15%に達するところもあった。公共事業や福祉など全体の行政活動に必要な財源のうち、病院事業支援のためだけに15%を割いていることになり、財政負担が大きいことを示している。 診療報酬の引き下げや地方財政改革による補助金の削減が進めば、「自治体病院の経営はさらに厳しさを増す」(政策投資銀政策企画部)と見ている。 URL http //www.asahi.com/politics/update/0115/003.html 大阪市、5年で46事業見直し…児童館廃止など [読売] 大阪市は12日、市政改革策やその実施時期を明示した「市長マニフェスト」案に基づき、新年度から5年間に取り組む「集中改革プラン」を発表した。 市立幼稚園や小中学校、高校の統廃合、10館ある児童館の廃止など46事業を見直し、港湾事業の民営化、市民病院や中央卸売市場の独立行政法人化か民間委託など、11事業について経営形態の再検討を進める。 この結果、7000人以上を目標としてきた職員削減をさらに上積みできる見通し。各区役所がそれぞれ独自に休日開庁などの新たな市民サービスを競う区長マニフェストも公表した。 (2006年1月13日0時6分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/national/news/20060112i216.htm 職員削減:10年間で6000人 北海道が計画案 [毎日] 危機的な北海道財政を立て直すための新たな職員数削減数計画案が12日、明らかになった。業務の民間開放と組織改編で今年度から5年間で22%、さらに14年度までの10年間で30%、6000人を減らす。削減率、削減人数とも都道府県で最大とみられる。高橋はるみ知事が13日に記者会見し、職員組合にも提示する。一方、北海道開発局は同日、06年度の定員を現在より124人減らすと発表した。 道は、国の管理下におかれ独自の政策決定ができなくなる財政再建団体への転落を回避するため、06年度以降1800億円の財源不足解消を迫られている。人件費分は800億円で、このうち685億円を一般職の基本給10%減などで達成し、不足分を職員数削減で埋め合わせるとしている。 現在、道は03年度からの10年間で職員を15%(約3000人)削減する計画に取り組み、この2年間で約3%(621人)削減した。しかし、予想を上回る厳しい財政事情で、新たな計画に着手。出先機関の統廃合を進めるとともに、年間数百人出る退職者を補充せず新規採用を抑制。さらに、07年4月の札幌医大の独立行政法人化(職員数約1400人)や指定管理者制度導入などに取り組み、10年間で30%削減を目指すとした。今後5年間での業務の民間開放分は3500人程度に相当すると見込んでいる。 高橋知事は昨年末の記者会見で、本庁の課を13%減らすなどで06年度の職員削減数を今年度の347人を上回る人員減を図ると発表した。 開発局の定員削減は本多満局長が会見で発表した。これにより定員は6159人になり、事務所も9カ所減らして119カ所にする。定員はピークだった65年度(1万1767人)の52%、事務所数は69年度(255カ所)の47%になる。本多局長は「官から民にどこまで移せるのかこれからも検討していく」と語った。【田中泰義、丸山博】 毎日新聞 2006年1月13日 3時24分 URL http //www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060113k0000m010197000c.html 地方公営企業、民営化今年度倍増…自治体の財政難背景 [読売] ガスや交通など、地方自治体が経営する地方公営企業を民営化したり、民間に譲渡する動きが急増していることが、総務省の調査でわかった。 それによると、今年度の民営化・民間譲渡は59件(予定を含む)で、2004年度の30件から倍増した。このほか将来の民営化・民間譲渡が検討されている企業が146ある。 01~03年度は合計で30件に過ぎず、04年度から大幅に増加している。調査結果は昨年11月1日時点のもので、同日現在、地方公営企業は全国で7720あった。 今年度すでに民営化などが実施済みだったのは30件で、事業別内訳は介護サービス17、交通、ガス、病院が各4、観光施設1だった。 総務省は、地方自治体の財政事情や、地方公営企業を取り巻く厳しい経営環境を踏まえ、民営化などを含めてサービス供給のあり方を再検討するよう各自治体に要請しており、これが最近の急増につながったと見られている。 (2006年1月7日23時40分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060107i214.htm
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1 基調報告/山路 栄一(三重県職員) 私のパーソナル・マニフェスト(脱「お役所仕事」提案) ~自治体職員有志の会の設立の経緯をたどりながら~ 1 はじめに 本日は、自治体職員有志の会主催のシンポジウムに地元東海地区はもとより北海道や沖縄といった遠方からも、また、自治体関係者のみならず、広く自治体経営に関心をお持ちの一般のみなさんにもお集まりいただき、ありがとうございます。また、ご多用のところ基調講演をお引き受けいただきました後教授、パネルディスカッションにご出席を頂きました関西学院大学の石原教授、穂坂、森、白井、後藤の各首長の皆様、そして開催にご尽力を賜った地元高浜市の森市長をはじめ、職員の方、関係者のみなさまに改めてこの場をお借りして御礼申し上げます。 本日のプログラムのメインである名古屋大学の後先生の基調講演、3つの自治体、高知県、札幌市、福岡市の先進事例の報告、さらには石原先生と4市長、2人の職員によるパネルディスカッションに入る前に自治体職員有志の会の紹介を兼ねて、これまでの会の取り組みと今後の会の活動について私の想いも含めてお伝えしたいと思います。 本日、高浜市で開催する自治体職員有志の会主催のシンポジウムの参加者が当初予定していた150人を大きく超えて200人近くになりました。 もちろん動員などは一切なく、自治体職員、地方議会議員の方など自治体関係者や自治体の課題に関心をもっていただいている方が開催主旨に共鳴して自主的に申し込んでいただいた結果です。 かつて地方発の発信といえば補助金の恩恵に預かった豪華な箱物などのハードが中心でしたが、今ではニセコ町の自治基本条例や三重県の政策評価システム、岩手県、高知県、三鷹市などの行政経営品質向上活動、さらには高浜市や志木市などが取り組んでみえる市民、NPOとの協働、パートナー制度などソフトの政策で自治体が中央省庁をリードしています。 このシンポジウムではさらに進んで組織としての自治体だけではなく、個人としての職員も自治体の枠を超えて連携すればここまでできるという志や気概といったものを広く示す機会にしたいと念願しています。 これまで自治体職員のことがマスコミなどで取り上げられるのは、残念ながら汚職や官僚主義的な仕事のスタイルに関することなどマイナス面のことが多かったのですが、今こそ、自治体職員のワークスタイルをルールドライブ型からミッションドラブ型に転換することで「お役所仕事」からの脱却を宣言したいと夢に描いています。 ここ高浜でのシンポジウムは必ずや「脱・お役所仕事」の第一歩の場になるはずです。 「自治体職員有志の会」のそもそものはじまりは、昨年の1月に改革派の6県知事(高知県 橋本、宮城県 浅野、鳥取県 片山、岩手県 増田、和歌山県 木村、三重県 北川(当時)を集めて四日市市で開催された「シンポジウム三重」でした。その際、神戸都市問題研究所の大島さんと再会して、同研究所で開催される金井壽宏神戸大学大学院経営学研究科教授のキャリア・デザインの講演に誘われました。 金井先生の講演には、神戸市職員の方と私のほかにも他の自治体の方もみえていたのですが、せっかくの機会だから、神戸市職員の経営品質等のプロジェクト・チームを母体にキャリア・デザインや自治体改革について議論するメーリング・リストを発足させようということになりました。 その後、主に口コミで会員が増え、顔を知らない人も多くなったので1回オフ会を開こうということになったのですが、せっかく開くのなら先進的自治体経営をされている首長さんが求める職員像も聴きたいということになました。職員でも組織が大きくなると、自分の自治体でもなかなか首長の話を聞く機会が少ないので、常設型の住民投票条例や自治体業務のアウトソーシングで有名な高浜市の森市長に講師をお願いしたのがオフ会・講演会の始まりです。 さて、先の参議院選挙では定着した感もあって、以前ほど脚光浴びませんでしたが、最近の選挙ではこれまでウィッシュリスト(おねだりリスト)としての役割しか果たしていなかった公約に代わってマニフェスト(政権公約)が注目を集めています。 その本家の英国の例を持ち出すまでもなく、本来マニフェストは政党が作成するべきものですが、その有効性が北川前三重県知事らによって説かれて以来、増田岩手県知事、松沢神奈川県知事、西川福井県知事などの地方自治体の首長によっても統一地方選の際にマニフェスト(ローカル・マニフェスト)が作成されています。 組織の長期の目標であるビジョンへの貢献と自分自身のキャリア・デザインのためにも組織に属する個人もパーソナル・ビジョンを作成するべきであるという持論を持つ私は、この際個人もマニフェスト(パーソナル・マニフェスト)を作成してはどうかと思い、今回のお話のタイトルに使わせていただいた次第です。 2 自治体職員有志の会設立にかける想いときっかけ (1) 設立にかける想い 自治体の首長の任期の一期は4年間です。多選批判は一律には当てはまらないにしても永久にその座にあることはできませんから、改革を成し遂げるなどして優れた、評価の高い自治体経営者でもいつかは交替するときがきます。 それに対して職員は通常、中途採用を除き、40年あまりその自治体で働くのが普通です。 都道府県、市町村を問わず、多くの自治体で改革派の首長が登場し、話題を呼び、成果を挙げ、注目を集めていますが、問題は首長が交替したときその方向がどうなるかです。 自治体の首長は企業経営者と違い、単に組織(都道府県や市町村)のトップという立場だけではなく、いわばその地域の経営者という役割があります。公の地域の経営者を決めるのですから選挙という民主的な手法で選出されます。よって、現首長による後継指名というのもおかしいし、なじまない手法であると思います。 三重県の北川前知事が二期八年で引退を表明したとき、外部から興味本位で「三重県の改革の方向はどうなるのか、後退するのではないか」とよく聞かれました。かつて県内を走る国道23号になぞらえて「ルート23の県」といわれ、ほとんどの指標で47都道府県の真ん中くらいが定位置であった三重県を一躍、全国に知られる改革先進県にした北川前知事の引退後のことが注目されたのです。 私は、それに対して自治体の首長は職員が自分たちの組織のトップを選ぶのではないし、また自分の一票以外は影響力を行使できないのだから、そんなことをあれこれ考えてしょうがない。職員は職員として自らのベストを尽くすだけだと思いました。そして思うだけではだめなので、行動に移すため、首長だけではなく職員のレベルでも自治体の枠を超えて連携しようと「自治体職員有志の会」を、志を同じくする仲間と昨年6月に立ち上げました。 今の野呂知事も基本的にはその路線の継承を表明しています。要は、キャッチフレーズなり、やり方が変わっても基本となる理念、ビジョンがぶれないかどうかが重要だと思います。山への登頂ルートは一つではないということです。 「生活者起点の県政」(北川前知事当時)が「県民が主役の県政」(野呂知事)になっても目指すところは変わらないはずです。目標は、県民満足志向の県政ですが、そこへの到達ルートは様々あり、その時の首長がどういった手法を選択するかではないかと思っています。 そしてその実務を担い成果を挙げるのは、首長が替わっても継続して働く我々職員の役目なのではないでしょうか。 (2) きっかけ 中日新聞や朝日新聞、共同通信の配信を受けた地方紙に報道されるのに「神戸キャリアデザイングループ」では違和感がありましたのであまり深く考えず、名前を現在の「自治体職員有志の会」に変えました。 新聞で報道されたこと効果もあり、問合わせや入会希望が全国の自治体職員から相次ぎ、8月21日現在240人の会員がいます。 これまで全国各地で自治体の枠を超えて勉強会、研究会をしていた職員や主旨に共感した地方議会の議員の方が参加してくれたりしたためです。オフ会もこれまで5回開催し、会のホームページhttp //plaza.rakuten.co.jp/careerdesign/ のアクセスも増えています。(新聞で予想外に大きく取り上げられ、私の名前も出たことにより、予想もしない波紋(庁内で政治家になるのか、とか北川前知事の個人秘書にでもなるのかとうわさされました)を呼んだのは私の不徳の致すところであり、脇の甘さが出ましたが、庁内では知事、副知事、総合企画局長、総務局長といった方を回り、あくまでも個人の取り組みであって政治性を持つものではないことを説明して保身をはかりました。 公務員の世界では、このようなことを行うと、まだまだマイナス評価になるのだなと感じました。 3 自治体職員有志の会設立のこれまでの活動 (1) メーリング・リストによる意見交換 ウェブ上でメーリングリストグループを形成し、メンバー間で意見交換・情報交換を行い、相互研鑚を行っています。話題としては政策評価、ISO、キャリアデザインなどです。 (2) ホームページによる情報提供、提言活動 当会のホームページを立ち上げ、当会の意見交換の内容や地方自治や公務員のキャリア・デザインに関する提言等を行っています。 (3) 自治体首長を招いての講演会及びオフ会の開催 ウェブ上の意見交換に加えて、自治体改革に積極的に取り組まれている自治体首長をメインゲストにお迎えし、改革に向けた取り組みや課題等をお聞きするとともに、議論の場にお入りいただき、活発な意見交換を行うための講演会及びオフ会を概ね二ヶ月に1回、開催しています。 4 自治体職員有志の会のこれまでの成果と今後の展開 では、成果は何かと聞かれると一番困りますが、職員の立場でのボトムアップには限界がありますが、自治体職員同士が担当業務でない、自治体の課題、改革、経営について議論し、それを広める場を持てたことが一番の成果だとも考えています。 全国の志ある自治体職員を勇気づけ、枠を超えて連帯の輪を広げたということで、一定の成果をあげたとは思うのですが、発足してから1年が過ぎ、今日記念のシンポジウムを開催している中で、改めてこの会の目的、目標を考え、今後の新たな展開(民間企業経営者やNPO活動家との意見交換、志や情報発信を目的とした会としての書籍の出版)に想いをはせているところです。 また今後は、ただ首長のお話を聞くだけでは成果につながらないので会として考えた政策などを実施できるフィールドをもってみえる首長に提案していくことや将来的には会のNPO法人化も考えています。 ただ、この会はあくまでフラットな集まりなので私の想いがそのまま会の活動につながるわけではありません。 5 「自治体プロ職員」にかける想いと呼びかけ みなさんが一般的に「プロ」という言葉を聞いて、真っ先に思い浮かべる職業としては、スポーツ選手、芸術家などでしょうか。 しかし、組織に属する企業の社員や国の職員、自治体の職員もそれぞれ企業の発展、国の成長、地域の活性化という仕事に携わる以上は一流のプロでなければならないというのが、私の信念です。 つまり、担当している仕事に関してはオンリー・ワンの能力を持ち、置き換えのできない人材、余人をもって代えがたい存在つまり、他の誰によっても取って換わることができない人材にならなければ自分がその仕事を担当している価値がないと言えます。 私は、「力及ばず敗れることは辞さないが、力尽くさず挫けることは拒否したい」と思い、自治体職員としてプロをめざす中で「考えて正しいと思ったことは勇気をもって発言し、実行すること」を自らのポリシーにしています。 その信念に基づき、志をもって、惰性にながされないように、現場や細部にこだわりを持ち、仕事をしている中で生意気ですが、自らリスクをとって「カナリア職員」となり、「高位平準化」を目指して「結合改善」し、自治体職員の世界で「北京の蝶々」を飛ばしたいと思います。 言うだけではNATO(No Action Talking Only)になってしまいますので、私が仕事以外で個人的にやっていることをご紹介します。まず、新聞、書籍やインターネットなどのオープン情報で共感する首長や経営者と連絡をとって意見交換するようにしています。また、2年前の5月からメールマガジンを庁内外に発行しています。今では私のコミュニケーションツールになっており、やめるにやめられない状況です。そして昨年の4月に個人のホームページも立ち上げ、毎日更新しています。 最後に 「お役所仕事」という言葉を死語にすることが私の夢であり、期限も財源も明示されていなくて志だけなのでその意味では要件を満たしていませんが、これが本日主張したい私のマニフェスト「脱お役所仕事宣言」です。4つあるのでお聞きください。 (私たち、志ある自治体職員は)住民、企業や地域にとって必要で価値あることを迅速に実行することで「お役所仕事」という言葉を死語にするように努めます。 (私たち、志ある自治体職員は)規則に縛られた「ルールドライブ型」の仕事から、行政の本来の使命を達成する「ミッションドライブ型」の仕事のスタイルに転換します。 (私たち、志ある自治体職員は)住民や企業がここで住みたい、活動したいと思うような地域づくりに貢献するために、自らのキャリアをデザインし、その達成に務めます。 (私たち、志ある自治体職員は)住民やNPO、企業等と協働して地域の内発的発展と地域格の向上をはかり、その高位平準化に務めることで日本の明るい未来を切り開いていきます。 森市長にもこれをお見せしたとき言われたのですが、どれも極めて当たり前ことですが、それができていなかったということだと思います。ここにこれまでのそういったスタイルから脱却することを宣言しましょう! よく自治体や公務員がマスコミで話題になることは汚職など懲戒のことやその旧態依然とした仕事ぶりでした。それでは、我々は何のために自治体職員になったのかわかりませんし、地域の明るい未来も描けません。 白井市長がおっしゃるように退職したときに市役所などを誇りを持てる職場にしたいと思います。 ぜひ、地域経営に携わり、地域の内発的発展を使命とするプロとして顔の見えるこだわりをもった仕事をしていきましょう。 夏休みの土曜日という貴重な時間に、呼びかけに応じて全国から集まっていただいた200名近くのみなさまに心から感謝申し上げます。 この後の発表、パネルディスカッション、懇親会での交流をお楽しみ下さい。 「2 基調講演」に続く