約 2,014 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1917.html
この物語は、幻想郷の日常を淡々と描写したものです。過度な期待はしないでください。 原作キャラ崩壊、独自設定、パロディーなどなんでもあり。 以上に留意した上でどうぞ。 パティシエールな小悪魔3 「美味しい! 何ですかこの肉まん?! まるで舌の上でとろけるような感じです!」 一口その肉まんを齧った小悪魔は、そのあまりの柔らかさに驚いた。 明らかに普通のものよりも柔らかく、とろりとした肉汁が溢れそうになっている。 「これは、確かに今まで食べたことがないほど柔らかいわね」 隣で同じように肉まんを食べたパチュリーも、驚いている。 「どうです、中国四千年の味は?」 特製肉まんを賞味する二人に、テーブルの向かいからニコニコしながら声をかけたのは紅美鈴。 紅魔館の門番であり、赤い髪に緑色の中華風衣装を纏った、気を使う程度の力を持つ妖怪である。 ここは紅魔館の門の内側に作られた、門番のための詰所。 美鈴は紅魔館内にも自室を与えられていたのだが、勤務時間中以外も何かと便利なので、この詰所で過ごす事が 多かった。 今日は美鈴にとって、久々の休日であった。 門の外では、代わりの妖精メイドが門番を務めている。 とはいっても、上空を含めた紅魔館の周りには美鈴が気を張り巡らせて、侵入者があった場合にはすぐ判る ようにしていた。 大体、危険な侵入者は殆どが空からやってくる。紅白とか白黒とか。 そういう意味では、外に立っていなくても警備は出来る。 毎日外に立っているのは、紅魔館の示威行為であり、デモンストレーションでもあるのだ。 余談だが、幻想郷の人里では、美鈴の人気は高い。親しみやすい雰囲気の美貌で、紅魔館一のナイスバディー、 その上拳法の達人だが、普段はのんびりとした性格で、礼儀正しく人間にも好意的である。 人里の男どもが勝手にやっている人気投票では、優勝したこともあるくらいだ。そのため、紅魔館には美鈴を 一目拝もうと遠巻きに見に来る里の者や、腕試しと称して殴られに来る者など、様々な人間が現れる。 いつも適当にあしらっているそれらの対応が、危険な侵入者よりよほど多いので、今日はその相手をしなくて いいだけ気楽な様子だった。 閑話休題。 今日のお茶会は、美鈴の招待で、門番詰め所の中の部屋で行われていた。 メニューは、美鈴特製、新作ゆっくりれみりゃの肉まんと、仄かに甘い香りが漂うジャスミンティー。 なんでも、この前小悪魔に貰ったクリーム・ブリュレのお返しに、新作点心の味見をして欲しいとの事だった。 美鈴は非番の日には時々、パチュリーや小悪魔のお茶会に参加し、点心をご馳走する事があるのだ。 「この柔らかさ、まるで高級霜降り肉のような… いや、もっと溶けて無くなる様な儚さ…」 きらきらと目を輝かせて賞賛する小悪魔。 このれみりゃの肉まんは、幸せな味がする。 栄養状態も最高で、思う存分ゆっくりしていたのだろうな、と小悪魔は感じていた。 美鈴は、小悪魔の幸せそうな顔に気を良くして言った。 「そう、そこでこれ、ゆっくりれみりゃの豚トロ饅頭なんて名前でどうでしょう?」 「そうね、鮪のトロは、人肌で脂肪分が溶けるので食すと溶けるように柔らかいと聞くわ。 食べたことはないけど、こんな感じかしら?」 パチュリーはいつか本で読んだ、未だ見ぬ外界の食材へと思いを馳せているようだ。 「食べるたびに熱々の肉汁がぴゅっぴゅっって飛び出してきますよ。とってもジューシィで美味しいです!」 「我等が紅魔館のパティシエール、小悪魔にそこまで褒めてもらえるとは、嬉しいですねえ」 「いえいえ、私のお菓子作りなんかただの趣味ですから。そんなに凝った物は出来ませんし… それにしてもの肉まん、中から肉汁がトロトロと溢れてきて、普通のゆっくりれみりゃの肉まんともぜんぜん 違いますよ、どうやって作ったんですか?」 「それは禁則事項です」 「それって、私の口癖、真似しないで下さいよぅ」 美鈴と小悪魔は、仕える主こそ違え、同じ紅魔館に住む者として仲が良かった。 赤いロングヘアーが共通する二人は、傍目には姉が美鈴、妹が小悪魔という姉妹のような雰囲気だ。 それを眺めてパチュリーは目を細める。 「お正月には、この豚トロ饅頭で飲茶スタイルのパーティーやりましょうか?」 「飲茶スタイルって?」 美鈴の提案に、パチュリーが疑問系で聞き返す。 「飲茶スタイルは、給仕用のワゴンにコンロや鍋を載せて、テーブルのそばで注文に応じて料理をする。 っていう形式の事ですよね? 居ながらにして屋台料理の雰囲気が味わえるという」 小悪魔は知っている範囲で答えた。 それに美鈴が相槌を打つ。 「そうそう、それですよ。 豚トロ饅頭を蒸かす以外に、ゆっくりめーりんを使った刀削麺の実演なんかもやっちゃいますよ? あいつら、面の皮が厚いから丁度良さげだし」 「あ、あの包丁で削って作った麺を、そのまま鍋の中に放り込むのですか? 良いですね、美鈴さんと咲夜さんの競演なんて、見てみたいなあ」 「中身はピリ辛ピザまんだから、坦々麺風スープかな」 もうもうと湯気を上げる大釜の前でナイフを構え、目にも留まらぬスピードでゆっくりめーりんの皮を削る 美鈴と咲夜。 小悪魔はその横で、ピリ辛のスープを作っている… 二人の楽しげな会話を聞くパチュリーの頭の中には、そんなビジョンが鮮明に浮かんだ。 「まあ、館の食堂なら良いけど、図書館ではやらないでね。 これ以上部屋の湿度を上げられたらかなわないわ」 「あー、私も泣きます」 最近特に、かび臭い本の手入れが大変なのだ。 パチュリーの言葉に本来の司書の仕事を思い出した小悪魔は、一転して本当に泣きそうな顔をしている。 それを見た美鈴は、思わず苦笑してしまう。 「はいはい、じゃあ食堂で」 そんなわけで、新作、ゆっくりれみりゃの豚トロ肉まん試食会は好評のうちに終了した。 美鈴は最後まで作り方を教えてくれなかったが、 「この肉まんは、仕込みが肝心でちょっと時間がかかるんです。 作り方は中国四千年の秘儀なんで秘密ですよ。特に咲夜さんには見せられませんからね。ウフフ…」 などと、意味深な事を言っていたのだった。 大図書館に戻った後、小悪魔は蔵書を整理しながら、クリスマスに作るケーキのレシピを考えていた。 (クリスマスにはやっぱり、ブッシュ・ド・ノエルが良いかな? チョコレートクリームが沢山要るから、ゆっくりちぇんを発注しようかな… でも、悪魔がクリスマスを祝うのも変な気もしますが…ケーキくらい良いですよね) パチュリーは中央のテーブルで本を読んでいたが、考え事をしているのか、どこか集中できない様子だった。 小悪魔を見ると、唐突に口を開く。 「美鈴の豚トロ饅頭だけど」 「はい?」 パチュリーの目が、悪戯っぽくきらっと輝く。 「中国四千年の秘密と言われると、是が非でも暴きたくなるわね」 流石、ノーリッジの名前は伊達ではない。 その知識欲は、自身に知らないことがあるのを許せないかのようである。 確かに小悪魔も、気にならないと言ったら嘘になる。 料理人としての好奇心が、あの肉まんの秘密に迫りたいと囁くのだ。 「でも、どうやって探るんですか? 流石に私やパチュリー様が嗅ぎ回ると、目立ちすぎて美鈴さんにばれちゃいますよ?」 「そうね、そこで、これを使ってみようと思うんだけど…」 「むぎゅ…ぎゅ…ぎゅ…ぎゅ…」 「チルノフの冷蔵庫で冷やされていた所為か、妙に顔色が悪くてガタガタ震えてるわね?」 小悪魔はパチュリーの取り出した直径15cmほどの水晶球と、同じく15cmほどのゆっくりぱちゅりーを見ると、 パチュリーのやろうとしている事に合点がいくと同時に、ちょっと残念気味に言った。 「ゆっくりに偵察させる気ですか? まあそれはともかく、その子は使えないと思いますよ」 「どうして?」 「外見は変わってませんけど、中身いじっちゃいましたから。 その子の中身の生クリームを半分抜いて、代わりにコーヒーゼリーを入れてありますから、 多分まともに動けないと思います」 小悪魔はパチュリーの手からゆっくりぱちゅりーを受け取ると、ちょっとシェイクしたり揉んだりした後に、 頭頂部に太目のストローを突き刺した。 「むぎゅっ!」 その瞬間だけ大きく痙攣したゆっくりぱちゅりーだが、それ以外は真っ青な顔でぶるぶると震えるのみだ。 「どうぞ。新しいデザートを試作中だったんです。ちょっと試食してみて頂けますか?」 パチュリーはそれを受け取ると、恐る恐る飲んでみた。 太目のストローを咥えるパチュリーの口に、白と黒のマーブル模様の液体が吸い込まれると、透けるように白く 細い喉がコクコクと微かに上下する。 「んっ、ちょっと喉に絡みつくような感じがするけど、トロっとして美味しいわ、これ!」 そう言うパチュリーは、唇に付いた白い生クリームを舌でペロッと舐めとる。 その光景に小悪魔はにっこり微笑むと、パチュリーに見えないように小さくガッツポーズをした。 「それ、ドロリッチなんとかって名前で、外界で流行っている最新スィーツだそうです。 山の上の神社の巫女さんに教えてもらったんで、試しに作ってみたんですけど」 「ふぅん、外界では不思議なものが流行るのね… それはともかく、あの娘は巫女じゃなくて…」 「まあ良いじゃないですか、青巫女さんのほうがわかり易いですし」 そうこうしているうちに、ゆっくりぱちゅりーは萎んでしわしわの干物のようになってしまう。 「思わず飲み干してしまったわ…どうしましょう」 「とりあえず厨房にストックしてある加工前の子なら居ますが、あんまり期待できないと思いますよ? 加工所で食用に育てられた子は、殆ど体力無いですし…」 「まあ実験だし、いいわ、一匹持ってきてくれない?」 「むきゅぅ…」 そんなわけで小悪魔に持ってこられた、直径15cmほどのゆっくりぱちゅりー。 箱から出され目は覚ましているが、半眼で眠そうな表情をしている。 まあこれは、ゆっくりぱちゅりー種に共通する特徴だが。 パチュリーは水晶球とゆっくりぱちゅりーをテーブルに置くと、何やら呪文を唱え始めた。 水晶球とゆっくりぱちゅりーの上に手をかざすと、それぞれの下に光り輝く魔方陣が出現し、今までうとうと していたゆっくりぱちゅりーが、急に痙攣したように動きを止める。 「むきゅ!」 それと同時に、水晶球にはテーブルの反対側からゆっくりぱちゅりーを覗き込む小悪魔の姿が映し出された。 「えっと、これはこの子の見ている景色。って事ですか?」 水晶球を指差しながら尋ねる小悪魔に、パチュリーは頷く。 「それだけじゃなくて、こちらからその子を自由にコントロールする事が出来るわ。 ゆっくりは構造が単純だから、魔法がよく効くわね」 なるほど、術をかけた相手を、遠隔操作出来る魔法らしい。水晶球はモニター代わりのようだ。 パチュリーが水晶球の上に両手をかざすと、ゆっくりぱちゅりーはきょろきょろと辺りを見回し始めた。 それと同期して、水晶球の景色も左右に動く。 「リンクはOKのようね、行くわよ、ドロリッチ2号!」 「むきゅっ!」 ドロリッチ2号というのはこの子の名前らしい。パチュリーが号令をかけると、ドロリッチ2号は、 ぽよん、ぽよんと軽い音を立てながら跳ねて前進する。 「うっ」 数歩行ったところでドロリッチ2号は急停止し、パチュリーは口に手を当てる。 「どうしたんですか! パチュリー様!?」 「…酔うわね、これ」 水晶球を覗き込んで青ざめるパチュリーを見て、不安になる小悪魔だった。 「大丈夫かなあ、これで…」 結論から言うと、ゆっくりぱちゅりーをリモートコントロールし、美鈴の豚トロ饅頭製作現場をスパイする、 「ドロリッチ計画」は頓挫した。 4機もの精鋭を送り込んだのだが、全て稼動不能という散々な結果に終わったのだ。 2号は気分の悪くなったパチュリーがコントロールを失った間に、小悪魔が止めるより早くテーブルから落下、 3号は階段を昇る途中で同じくコントロールを失い転落、 4号は扉に挟まれ作戦行動不能、 5号は庭に出たところで、うろついていたゆっくりれみりゃに捕食されてしまった。 「全く…、想像以上に…脆弱な種ねえ…、こんなので良く…今まで絶滅しないで…居るわね…」 青ざめた顔で、ぜいぜいと肩で息をして憤るパチュリー。 小悪魔は、ぱちゅりーの操縦で酔ってふらふらしているパチュリーをなだめながら、これ以上食材を無駄に するのは避けたいと思っていた。 「まあ、この子達は天然ものじゃなくて、加工所の養殖ものですから…あぁ、勿体無い…」 「やっぱり、食用のゆっくりを転用するのは無理があるわね」 「そういう問題でも無いような気がしますが…」 「仕方が無いわね、こんな事もあろうかと、密かに用意していたアレを出すわ」 パチュリーは暫く考えた末、ついに虎の子の最終兵器投入を決めたようだ。 「…まだやるんですか?」 何だか目的と手段が入れ替わっているような気もする小悪魔だが、パチュリー様は結構頑固なので、 言い出したら聞かない所がある。 (それに、こんなに楽しそうな主を見るのも久しぶりだ、自分も結構悪戯は好きだし、もう少し付き合おう…) 小悪魔は傍観するだけだと甘く見ていたのだ。その時までは。 パチュリー様が魔法の実験に使う小部屋から、見慣れない一匹のゆっくりを抱えて戻ってきた。 直径15cmほどの饅頭形態に、側頭部に蝙蝠のような羽。遠目にはゆっくりれみりゃの様に見えたが、めーりんの 様な赤い髪。おまけに、細くて黒い尻尾も見える。 (これって、もしかして…) 「こぁ!」 それが鳴いた。 小悪魔はある確信を得たが、あえて尋ねてみた。 「あのぅ、それって…」 「そう、あなたのゆっくり、“ゆっくりこぁ”よ」 「こぁ!」 「やっぱり…でも初めて見ました」 「そうね、だって、私が魔法で作り出したんだもの。 ゆっくりちぇん以上の俊敏性と、れみりゃやふらんより速く飛べる羽と強靭な牙、めーりんより強い皮膚と 赤い髪、もちろん知能も強化してあるし、必殺技も仕込んであるわ。 これが、“私の考えるちょっと強いゆっくり”よ!」 「こぁ!こぁ!」 パチュリーの説明に合わせて、何だか自慢げに鳴いてみせるゆっくりこぁ。 「えー、“さいきょうのゆっくり”じゃないんですか…」 自分で突っ込んでから、そんなのは自分に似合わないな、と思う小悪魔だった。 「でも何で…?」 と言いかける小悪魔を制し、パチュリーが続ける。 「本当はあなたへのクリスマスプレゼントにしようと思ってたんだけど。 あなた、咲夜が“ゆっくりゃざうるす”の話をするの、いつも羨ましそうに聞いてたでしょ? まあ、いつもお世話になってるから、これ位良いかなって。 ちょっと早いけど丁度良いわ、これから実戦投入よ」 「こぁ!」 「パチュリー様…」 照れ隠しなのか、ツンデレ口調で早口のパチュリー様。 本当は、クリスマスの朝にこっそり枕元に置いておくつもりだったのだろう。 アレな理由で先に貰ってしまい、サプライズは無くなったが。いや、今十分驚いた。 逆に、こんなに顔を真っ赤にしてプレゼントを渡してくれるパチュリー様が見られたのだ。 小悪魔は嬉しさで感無量だった。 「悪魔がクリスマスプレゼントなんて、貰っても良いんでしょうか?」 「ここは幻想郷、何でも受け入れる場所でしょ、そんな細かいこと誰も気にしないわ。 でもそうね、渡すタイミング外しちゃったから…お歳暮だとでも思えばいいでしょ?」 気恥ずかしさが増したのか、真っ赤な顔でツンツンした態度のパチュリー。 「ありがとうございます!」 「こぁ!こぁ!」 嬉しさは伝播するのだろう。 小躍りしそうにはしゃぐ小悪魔につられたように、ゆっくりこぁも嬉しそうにしている。 「さあ、感動のご対面のところ悪いけど、あなたには早速その子を操縦してもらうわよ。 私たちには、その子しか残されてないの」 パチュリーの言葉に、我に帰る小悪魔。 「でも私、そんなのコントロールできませんよ?」 水晶球を指差して言う小悪魔に、パチュリーが返す。 「大丈夫よ、私の魔法で、あなたの意識をこの子の中に飛ばすの。 それで、シンクロ率も上がって思ったようにコントロールできるわ」 「それってもしかして、幽体離脱とかいう厄いものでは…?」 何やら危険な香りを感じた小悪魔は、恐る恐る聞いてみる。 「大丈夫よ、危なくなったらすぐに引き戻してあげるわ」 「はぁ…」 あんまり大丈夫じゃないような気もするし、何より折角パチュリー様から貰ったプレゼントを、危険な目には 遭わせたくないと思うが、パチュリー様はやる気だ。 むしろその為に渡されたのだから。 仕方なく覚悟を決める小悪魔だった。 「お願いします…」 「こぁ!」 何故だかやる気満々のゆっくりこぁと、椅子に座る小悪魔。 パチュリーはにっこり笑うと、それぞれの額に手をかざす。 その手前に光り輝く魔方陣が現れると同時に、小悪魔は意識を失い、そのままテーブルに伏してしまう。 次の瞬間、テーブルに伏している自分の姿が見えた。 不思議な光景だな、と小悪魔は思う。 寝ている自分の姿を外から眺めるなんて、めったに出来ることではないだろう。 「シンクロ率は80%以上ね、どう、調子は?」 後ろからパチュリー様の声が聞こえる。 (はい、大丈夫そうです) 「こぁ!」 自分の考えた言葉とは違う鳴き声が発せられた。 やはり、自分がコントロールしているとはいえ、この子はこぁとしか喋れないようだ。 だが、人語を喋れない事と、頭の良さは別である。 小悪魔には、生まれてから今までパチュリー様に育てられた、この子の記憶の断片が感じられた。 パチュリー様は私にばれない様に、苦労してこの子を育てたようだ。 そして、パチュリー様の私への感謝の気持ちと、この子の、育て親であるパチュリー様への感謝の気持ち、 両方が感じられるその記憶の断片は、とても暖かいものだった… (ありがとうございます、パチュリー様) 「こぁ!こぁ!」 「凄いわね、シンクロ率100%よ」 ゆっくりこぁはパチュリー様に向き直ると、感謝の意を込めた挨拶をした。 パチュリー様は、水晶球に表示される数字を見て驚いた様子だが、こちらを見るとにっこりと笑う。 こちらの思いは、言葉にならなくともなんとなく伝わっているのだろう。小悪魔はそう思った。 (今までありがとうございました、行ってきます) 「こぁ!」 パチュリー様に挨拶をして、ゆっくりこぁは飛び立った。 小悪魔は、普段と同じように側頭部の羽を動かすことが出来、あまり違和感を感じることは無かった。 普段から空は飛べるが、本当に羽を使って飛んでいるわけではない。魔力を使って浮き上がっているのだ。 ゆっくりこぁも、よく分からないがそんな不思議な力で飛べるのだろう。 図書館を飛び出したゆっくりこぁは、門番の詰め所を目指した。 ゆっくりれみりゃの肉まんは、詰め所の奥のキッチンで作られたようだ。 秘密があるとすれば、その先だろうと思ったのだ。 「こぁ!」 「うー? うー?!」 紅魔館の庭に出たこぁは、ゆっくりれみりゃを見つけた。 ゆっくりれみりゃもこちらを見つけたようだ。 仲間だと思ったのか、食べ物だと思ったのか、ニコニコしながら近寄ってくる。 だが、こんな所で遊んでいるわけにはいかない。 こぁは、飛行速度を上げた。 その飛行速度は、ゆっくりれみりゃよりずっと速く、その高度はずっと高かった。 「ぅーっ!」 ゆっくりこぁは、今まで籠の中で飼われていた。無論、パチュリーがこっそり育てていたからである。 はじめて見る外の世界は光に溢れ、広く、清々しい空気に包まれている。 外の世界を自由に飛びまわれるって、こんなにも素晴らしいものだったんだ。 こぁの意識を感じ取った小悪魔も、嬉しくなる。そういえばこんなに自由に飛ぶのは、久しぶりだ。 「こぁ!」 そのころ大図書館では、パチュリーが水晶球を見て目を瞠っていた。 「凄い、シンクロ率が150%を超えたわ。 俄かには信じられない値ね…」 無論、危険なことがあれば、意識は引き戻すつもりだ。 傍らでテーブルに伏している小悪魔を、ちらりと見る。 ゆっくりれみりゃを振り切ったこぁは、門番詰め所にたどり着いた。 中に美鈴が居る様子は無い。 幸いにも自室に戻ったのか、出掛けているのか。 この隙に、こぁは詰め所の中へと入り込む。 控え室の奥には洗面所や小さな炊事場があり、簡単な調理が出来るようになっている。 そこにはコンロの上に蒸し器が載っているのが見えた。そこで豚トロまんを蒸しあげたのだろう。 しかし、蒸し器の中は綺麗に片付けられ、周りにもそれらしいものは置いていない。 「こぁ!」 さらに奥の階段を目指す。 こぁの意識が、更に奥にある階段に何かがあると囁くのを感じていた。 上に通じる階段は仮眠室へ。下に通じる階段には、小悪魔は入ったことがない。 (この階段は、地下牢に通じていると聞いたことがあります。この紅魔館は、中世ヨーロッパの城を改装して、 そのまま幻想郷入りしたものだそうですから。 詰め所の地下には、当時の敵の侵入者や不審者を閉じ込めたり、拷問したりする部屋があると…) (ちょっと怖いですが、行ってみよう…) 薄暗い階段に、ちょっとびくびくしているこぁ。 だが、ここで引き返すわけにはいかない。 小悪魔はこぁの意識を宥めながら、先へと進む。 (この先に、美鈴さんの言っていた秘密が?) 地下の扉の奥からは、「う゛う゛う゛…」という、うめき声のようなノイズが漏れてくる。 よほど凄惨な現場が待っているのであろうか?果たして中国四千年の秘儀とは? 「ギギギ…」 体全体を使って扉を押し開けると、そこは奥の牢屋に通じる小部屋の様である。 壁際には、奇怪なオブジェが置かれていた。 壁に固定されているらしい棚のような木の板の上に、ゆっくりれみりゃの頭が置かれている。 その顔は上に向けられ、その口には上から固定された大きな漏斗が差し込まれている。 暗く見難かったので、最初は頭だけのゆっくりれみりゃ、胴なしに見えたが、そうではない。 木の板は前後に分割されており、半円形にくりぬかれた部分に挟まれるようにれみりゃの首が嵌っているのだ。 ピンク色の服を着た胴体は、木の板の下に見える。 そして驚くべきことに、その体はぶくぶくと肥大化し、通常のれみりゃ種より2倍は大きい。 ピンク色の服は、肥え太った胴体ではちきれそうに膨らんで、まるでボンレスハムのようだ。 その丸々と太った足でも、通常のれみりゃよりはるかにふとましい体を支えられないのか、床に座り込むような 形で手足を時折じたばたさせている。 「う゛ぷぅーっ、う゛ぷぅーっ」 弱々しい叫び声も、口に差し込まれた漏斗の所為か、太りすぎた所為なのか、濁音交じりで聞き取りにくい。 (何ですか、これ…でもどこかで見たような?) 小悪魔はこんなに太ったゆっくりれみりゃは見たことがない。 通常の状態では、胴体つきのゆっくりれみりゃはここまで大きくならないのだ。 ゆっくりれみりゃには骨格が無いので、あまり大きくなると自重で潰れて動けなくなる。 今目にしているゆっくりれみりゃは、まさにそんな状態だ。 だが、どこかで見たような気もする。不思議な感覚だった。 と、そのとき部屋のさらに奥にある牢らしき部屋から物音が聞こえた。 こぁは飛び上がって驚き、咄嗟に壁の近くの物置らしき所に飛び込む。 体が小さいから出来た芸当だ。 小悪魔は恐怖に怯えるこぁの意識を宥めつつ、奥の部屋へと意識を集中した。 そこから現れたのは、美鈴その人であった。 ニコニコしながら、ゆっくりれみりゃに話しかける。 「さ、食事の時間ですよ、おぜうさま!」 そして、奥の牢屋らしい部屋からリボン付きの子ゆっくりを5,6匹持ってくると、壁に固定されている ゆっくりれみりゃに近づき、子ゆっくりをごろごろと漏斗に流し込んだ。 「ゆっ、ゆっくりやめてね!」 「れみりゃいやぁー!」 「れいむおいしくないよー!」 「だべだいでぇー!」 叫ぶ子ゆっくりに構わず、美鈴は木の棒で上から子ゆっくりを突き、漏斗の真ん中のれみりゃの口に繋がって いる穴にぐいぐいと押し込んでゆく。 「むぎゅ、やべでっ!」 「いだいいだいだい!押さないでね!ゆっくり押さないでね!」 「ぶぺっ!ぶごっ!」 漏斗の中で潰されながら叫ぶ子ゆっくりたちと、 「ぶぅ゛ーっ!ぶぅ゛ーっ!」 漏斗を咥えさせられ叫び声も上げられず、涙を撒き散らしもだえるれみりゃの頭。 餡子がのどに詰まると呼吸が出来ないのか、その顔は青くなったり赤くなったり忙しい。 その机の下では、ぶくぶくに太った体がじたばたと無駄な足掻きを続けている。 中々にシュールな光景だ。 そのうち、子ゆっくり達は美鈴の手によって、無理やりゆっくりれみりゃの口の中に押し込まれてしまった。 小悪魔は、この光景が何かに似ていると考えていたが、暫くしてそれを思い出す。 (そうだ、フォアグラだ、これ) フォアグラというのは、人為的に太らせたガチョウやアヒルのレバーを使った料理を指す。 このれみりゃと同じように首を固定して、漏斗で無理やり餌を与え続けると、レバーに脂肪が蓄積されて、 いわゆる脂肪肝と同じような状態になるのだ。 それを使ったフォアグラ料理は、脂が乗って軟らかく、世界三大珍味の一つと呼ばれる。 そういえば先程のとろけるような肉まんの食感、それもフォアグラに良く似ている。 このゆっくりれみりゃの仕込みだろう作業も、以前、大図書館の資料で見たことがあるフォアグラの写真に そっくりだった。 先ほどの疑問が解消し、美鈴の作業の秘密が分かって、小悪魔はほっとしていた。 だが、ゆっくりこぁの意識はそうではなかったようだ。 はじめて見る恐ろしい光景、怖そうに見えるお姉さんに怯えてしまい、小悪魔が意識を緩めた弾みで、思わず 泣き声をあげてしまったのだ。 「…こぁ!」 小悪魔がしまったと思うより早く、美鈴がこちらに気付いて振り返る。 「おやぁ? いつの間に逃げ出した子が居るのかな?」 (まずい、逃げなきゃ!) 「こぁ!」 だが、恐怖で萎縮してしまったこぁの体は、震えたまま動かない。 目前まで迫った美鈴は、獲物を前にした豹のように、目を輝かせて微笑んでいた。 「みぃつけた!」 恐怖心で震えるゆっくりこぁの意識は、冷たく、暗い闇となり、小悪魔の意識も覆い隠してしまった… 「はっ、ここは!?」 がばっと起き上がった小悪魔。その肩から椅子の上へ、ぱさりと毛布が落ちる。 「図書館よ、私があなたの意識を引き戻したの。 驚いたわね、シンクロ率が急に200%を超えて、危険な波形が見えたのよ。 一体何があったの? 大丈夫?」 パチュリー様が話しかけてくるが、それどころではなかった。 「すみません、あの子が危ないんです! 話は後で!!」 小悪魔はダッシュで図書館を出る。 階段を駆け上り、中庭へと飛び出す。 そこから、詰め所まで飛んで行く。 勿論、普段は歩いて行くのだが、今はゆっくりこぁが心配で気が気ではなかった。 美鈴さんに秘密を探っていたことがばれても、何とかしなければならない。 このままでは、あの子はゆっくりれみりゃの餌にされてしまうかもしれないのだ。 クリスマスにはちょっと早かったけど、パチュリー様から頂いた大事な子だ。 短い間だったが、暖かい記憶も共有したし、一緒に空も飛んだ。 そんな子を失ってしまったら、パチュリー様に申し訳が無い。 飛行の風圧なのか、それとも別の何かか。小悪魔は目尻から暖かいものが零れるのを感じながら、詰め所へと 飛び込んだ。 「美鈴さん! その子は駄目なんです!!」 詰め所の部屋の中には、美鈴と、テーブルの上で肉まんをパクつくゆっくりこぁが居た。 そのゆっくりとした様子は、すでに打ち解けて仲の良い家族のようだ。 その無事な姿を確認すると、小悪魔はその場でへたり込んでしまう。 「はぁ、良かった…」 「どうしたんですか、そんなに慌てて?」 「こぁ!」 のんびりと声をかけてくる美鈴と、小悪魔を見るなりその胸に飛び込んでくるゆっくりこぁ。 「すみません、この子はパチュリー様から頂いたプレゼントなんです。 美鈴さんが食べちゃったんじゃないかと心配になって…」 小悪魔は、ゆっくりこぁの髪を撫でながら言った。 あえて地下室の事については触れないように。 「この子を見つけたときに、小悪魔の気の流れを感じたんですよ。 だから、多分パチュリー様の差し金であそこに忍び込んだんだと、ピンと来ました。 何より、見たことの無い珍しいゆっくりでしたからね」 やはり小悪魔の感じたとおり、美鈴にはすでに察しがついていたようだ。 「良かった、本当に良かった…」 「こぁ!」 「でも、地下室のアレ、咲夜さんには秘密ですよ。 中庭で増えすぎたゆっくりれみりゃの間引きは任されているとはいえ、アレはショックでしょうから」 笑いながら言う美鈴。 小悪魔も尤もだと頷いて見せた。 「とにかく、この子は多分世界で一匹だけの存在なんです。 私はこの子を育ててみようと思います」 「こぁ!」 「分かりました。 まあ、咲夜さんも“ゆっくりゃザウルス”飼ってるし、私もれみりゃ飼育してますから、何かあったら相談に 乗れると思いますよ?」 そう言う美鈴の言葉を聞いて、この二人は当てにならないだろうなあ、と思う小悪魔だった。 終 by 神父
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3581.html
※虐待されないゆっくりが居ます ※虐待と言うよりは虐殺かもしれません ※俺設定入ってます ※東方キャラがほんのちょっとだけ出てます <<ふつうとちょっとだけちがうゆっくりさくやのおはなし>> ゆっくりさくやというゆっくりがいる。 銀髪にまるでメイドのようなカチューシャの形をした飾りを持つゆっくりだ。 数はあまり多くないらしく中々見かける機会は少なかったのだが、とある事情により我が家で飼うことができるようになった。 これは、普通とほんの少しだけ違うゆっくりさくやと俺のある日の出来事である。 「だんなさま、あさですわ! ゆっくりおきてください!」 ある日の朝。いつものようにさくやに起こされた。さくやはいつも俺より先に起きる。一度さくやが寝るまで待ってみようとした事もあったが、 さくやも寝ずに根競べになって三日三晩寝ずにすごしてダブルノックダウンとなってからは諦めた。 このさくやは元々湖の向こうにある紅魔館という所で飼われていたゆっくりで、里に行商に行った際に会ったそこに住む赤い髪の悪魔さんから譲り受けた。 なんでも屋敷にいたほかのゆっくりと問題を起こして屋敷に置けなくなったが、捨てるには忍びないので誰かに譲りたかったらしい。 何で縁もゆかりもない俺かと疑問に思ったものだが、間違っても屋敷に来ないような人なら誰でも良かったらしい。 まあ、信用してもらえたのなら有難い事だ。出来るならば俺の露店の商品を買ったり胸触らせてくれたりしたらもっと良かったが。 しかしまあ、そこでの教育の成果なのだろう、このさくやは、人間の俺から見ても非常に優秀でそつがない。 こいつ本当にゆっくりなのか? そう思わせるほどに見知ったゆっくりの印象と違う。 まず控えめであり、人間(俺)を立て、ぎゃあぎゃあと騒ぐ事もない。家に侵入したゆっくりを仕留めておやつに出してくれるくらいだ。 逆にちゃんと戸締りをしてくれと注意もされた。それなら何故追い出されたのだろう、と思うが、妖怪の考えることは分からん。 恐らくこの性格からお嬢さまの機嫌でも損ねたのだろう。 「あいよ。しかしお前ほんとゆっくりしてないよなぁ」 「だいのゆっくりをえるためにはしょうのゆっくりはすてるのがしんのゆっくりですわ!」 ……さいですか。本当はゆっくりに姿を変えた向こうのメイドさんじゃねえのかお前。 寝床からのそのそと這い出て居間へと向かう。まずは飯を食わねば仕事も出来ない。 「さて、作業に入るか。さくや、外で遊んできていいぞ?」 俺は木を使った細工物を作る職人だ。作ったものを露店で売ったりもするが、オーダーメイド物のほうが売り上げはいい。 家庭でゆっくりを飼う事が多くなってからは。ゆっくり用のおもちゃやゆっくりが好む棲家用の家具も作っている。 そういった物を扱う店からの注文が一番多いが、まあ蛇足だろう。 さくやに手伝える事はあまりないのでそう言うと、さくやはこっちに向かって跳ねてきた。 そういえば、コイツに頼まれて作ったものがあったな…… 「だんなさま! おねがいしていたものはできました?」 「おう。出来てるけど他の家のゆっくりに向けて使うんじゃないぞ? 危ないからな」 そう言って出したのは木でできた小さなナイフ。ゆっくりが口に咥えて丁度いい、と言うくらいの大きさで、先端に重りが仕込んである。 ゆっくり種は大抵幻想郷の英雄や妖怪に似た顔を持ち、オリジナル(実際は違うらしいが便宜上そう呼ぶ)が持つ物を持ちたがる傾向にある。 例えばみょん種なら木の枝(刀のように使うらしい。飼いゆっくりでは木刀や小刀を持ちたがるとか。)、 ぱちゅりー種なら本(文字を書いた紙切れなら何でもいいらしい)等。 コイツの場合、オリジナルのメイドさんのように投げナイフを欲しがった。流石に刃物は危ないのでこうして木を削ったものを与えているが。 実際腕はたいしたもので、飛んでいる胴なしのきめぇ丸を仕留めた事もある。 「そんなばかなまねはしませんわ! ぷんぷん!」 心外だ、とばかりに膨れるさくや。こういうときばかりはこいつもゆっくりらしいなぁ、と思うので、ついついからかってしまうのだ。 「はは、悪い悪い。ほらよ」 与えてやると喜んで髪の下にしまい込む。前に見せてもらったが、まりさ種のように帽子がないためずり落ちないように工夫している。 その時はよく考えたものだなぁ、と感心したものだ。 「それではだんなさま、おひるにはもどりますわ! きょうのおやつはなにがいいですか?」 「あー、そうだな。ここ暫く餡子だったしそれ以外が食いたいな。まりさとれいむ以外だったら何でも良いや。 でもゆかりんだけは勘弁な」 「かしこまりましたわ!」 開けっ放しの戸から出て行くさくや。近所で飼っているゆっくり達と遊んだ帰りに野良を狩って来てその日のおやつにする、 というコースがいつもの流れで、多いときは4・5匹狩ってくることもある。その際にナイフを使うので、それなりに消耗が激しい。 まあ端切れの木材で作れるし甘味は得られるしで収支としては大いにプラスだ。 さくやも俺が喜んでくれるのが嬉しいらしく、嬉々として狩っている。楽しそうで何よりだが、 たまに怪我をして帰ってくるのであまり熱を上げすぎないようにとは言ってある。 狩って来たゆっくりは適度に恐怖を与えてある為美味いが、さくやが死んでは元も子もないのだ。 そして正午。ゆっくりが跳ねる音がするのでさくやが帰ってきたと思ったが、縁側に上がってきたのは違うゆっくりだった。 狐のような耳と9本の尻尾が生えたゆっくりと、猫のような耳と2本の尻尾が生えたゆっくり。 ゆっくりらんとゆっくりちぇんだ。何やら追われているようで、しきりに後ろを向いて酷く怯えた様子で震えている。 「どうしたんだお前ら。ここは俺の家だぞ?」 「わ、わかるよー! でもおわれてるんだよー! わかってねー!」 「何に追われてるんだ?」 と聞くと今度はらんが、 「と、とってもゆっくりできてないゆっくりだよ! ゆっくりたすけてね!」 「まー、良いけど。取り合えず中に入っておけ。そこだと見つかるんじゃないのか?」 手招きすると凄い勢いで跳ねてきて膝に乗った。まだ恐いのかガタガタと歯を鳴らしながら震えている。 そうしていると、少ししてまたゆっくりが跳ねてくる音がした。目を向けると、そこにはうちのさくやがいた。 らんたちの震えが一層酷くなる。なるほど、そういうことか。 「おい、あのさくやがお前達を追いかけてたゆっくりか?」 「そ、そうだよー! あのさくやがいきなりおいかけてきたんだよー! わかってねー!」 「にんげんさん、はやくあいつをやっつけてね! やっつけてくれたらおとなしくでていくよ!」 どうやら俺とさくやの関係は知らないらしい。俺はそんな2匹の頭を掴み、軽く持ち上げながらさくやに聞く。 「こいつらが今日のか?」 びくりと手の中の2匹が硬直する。どうやら俺とさくやの関係を理解したらしい。 「はい、だんなさま。たまにはいきのいいゆっくりでもとおもいまして」 2匹が激しく震えだす。俺は手をさくやの方に向ける。丁度、2匹の底面がさくやに向けられる形になる。 たまにはおやつの前にちょっとしたショーでも見ることにしよう。 「さくや、真ん中に当てろ」 「かしこまりましたわ!」 言うが早いか、さくやの姿が軽くぶれる。直後、2匹が「ゆぎぎっ!?」と悲鳴を上げる。 2匹の底面には俺がさっき渡してやったナイフが刺さっていた。丁度底面の中央、相変わらずいい腕をしている。 「よし、よくできた。後でごほうびをやろう」 さくやに笑いかけて、ナイフが刺さったままの2匹を天地逆にして床に置く。 ゆっくりは底面を動かして跳ねたり這ったりするため、底が損傷したり逆さにされると動けなくなる。 ナイフは刺さったままの為、迂闊にひっくり返ろうものなら深く刺さって悪ければ即死だろう。 俺は動けないようにした後囲炉裏に薪を放り込んで火をつけた。どちらかといえば、俺は焼き饅頭の方が好きなのだ。 それに底と口を焼いておけば、ナイフを抜いた後でも動けないし、食べる時に叫ばれなくて済む。 火を熾していると、背後でまた悲鳴が上がった。振り返ると、さくやが2匹の顎からナイフを貫通させて口を縫いとめていた。 そこまでしなくても良いのになぁ、と苦笑する俺の前で、薪がぱちぱちと燃え始めていた。 「さて、さくや。今日はご苦労さん。昼に言ってたごほうびだぞ」 夜。良い月がでているので、月見酒としゃれ込もうと縁側に出ていた。 俺とさくやの間にはさらに盛られた、いかにも美味そうな饅頭。この間寺子屋に顔を出した時にガキの時分世話になった慧音先生に会ったので、 髪飾りを差し上げたらお礼にと貰ったのだ。先生、できれば今度その胸にある2つの饅頭を揉ませてください。 ちなみにいうと、ゆっくりではない。ちゃんと材料の段階から吟味して丹精こめて作られた高級品だそうだ。 「おいしそうですわ!」 眼に見えて喜ぶさくや。やはりゆっくりなのか、甘いものには目がないようだ。 俺が饅頭を手に取ると、口をつけるのを確認してから時分も取って食べ始める。 本当、できたゆっくりだよお前は。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ……!」 目尻に涙を浮かべながら心底幸せそうな顔をする。いわゆる「へぶんじょうたい!」と言う奴だろうか。 そのいつもは見せない愛らしさに俺自身も「へぶんじょうたい!」となっていた所に水を差すかのように、 ぱたぱたと言う羽音が聞こえてきた。 「うー! うー! なんかいいにおいがするどぉ~?」 庭に下りてきたのはゆっくりれみりゃ。しかも胴付きだ。 捕食種として有名で、狩人の家では飼われることも多いれみりゃだが、胴付きはあまり好かれる事はない。 赤ん坊の頃からしっかりと教育された物ならともかく、野良の胴付きは図々しい個体が多いのだ。 胴なしは飛び回りこそすれ、多少我侭だが飼う際は他のゆっくりと余り大差はない。 だが、胴付きの固体は手足があり戦闘力が(ゆっくりにしては)非常に上がる反面、 慢心する事が多く常の生意気なゆっくり以上に自分を過信しすぎる。つまり非常に身の程知らずなのだ。 暫く辺りを見回していたれみりゃだが、どうやら俺や饅頭に気付いたようだ。 あのゆっくり独特のふてぶてしい笑みを浮かべ、こちらに向かって歩いてくる。 「おいしそうなあまあまがあるんだどぅ~。こーまかんのえれがんとなおぜうさまがたべてあげるからそれをよこすんだどぉ~?」 「だが断る」 そういってさっと家の中に皿を滑らせる。そして面食らったようなれみりゃに、畳み掛けるようにまくし立てた。 「俺の趣味は木で細工物を作る事ともうひとつ、自信満々に要求してくるゆっくりの要求を却下する事だ。 というか人の物が欲しいなら『寄越せ』はないだろ。『ください』だろ普通。まあくださいといってもやるつもりはないが」 言い放ってやると、れみりゃはぽかんとした後遅れて顔を真っ赤に染めて地団太を踏んだ。 そしてさくやがいるのに気付くと、俺を指差して大声で怒鳴り散らした。 「さくやー! そのあまあまをもってきてれみりゃによこすんだどぉー! そしてそいつをしょけいするんだどぉー! おぜうさまのめいれいだどぉー!」 れみりゃ種とさくや種の間には、オリジナルの様にさくやがれみりゃに奉仕するという奇妙な共生関係を築く場合がある。 初対面同士であってもそうらしいが、本能にそういうものだと刻まれているのだろうか。 しかしさくやは返事をしない。正直、素直に言う事を聞いてしまうのではないかと危惧したが、流石は元紅魔館のゆっくり。 その辺りの教育もしっかりしているようだ。 「…………」 さくやの顔は俯いていて良く見えない。心なしか震えているように見える。 本能が「れみりゃに奉仕せよ」と言っているのに抵抗しているのだろうか? だが、それは、間違いだと俺は気付かされた。さくやがなぜ紅魔館から追い出されたのかと言う理由を知ると共に。 「ざくやぁー! なぁにをじでるんだどぉ! ざっざとあまあまをもっでぐるんだどぉ!」 ゆでだこの様に真っ赤になって怒鳴り散らすれみりゃ。しかしさくやは動かない。 そして震えは良く見ずとも確認できる程に大きくなっていき、それが頂点に達した時、 まるで今日の昼と同じように、さくやの姿がぶれた。 「いぎゃぁぁぁぁぁっ!? でびりゃのぶりぢーなおべべがいだいんだどぉー!?」 れみりゃの悲鳴にそちらを向くと、れみりゃの両目にナイフが突き刺さっていた。そう、俺がさくやに作ってやったあのナイフだ。 れみりゃはそれを抜こうとするが、目測を誤りさらにナイフを押し込んでしまう。たまらず転倒し悶えるが、 さくやの動きがれみりゃが地面に倒れるよりも早かった。目にも留まらぬ速さでれみりゃに体当たりをすると、 胴体にストンピングをかました後、新しく取り出したナイフで四肢を縫いとめたのだ。 そして再度ナイフを取り出すと、今度は胴体に向けそれを突き刺し、引き抜き、それを何度も繰り返す。 「ふざっ! けるなっ! おまえのようなっ! くそまんじゅうがっ! おぜうさまでっ! あるものかっ! わたしのっ! おぜうさまは! れみりあさまっ! ただひとりっ! おまえのようなっ! できそこないがっ! かるがるしくっ! そのなまえをっ! かたるなぁっ! しねっ! しんでしまえっ! おまえのようなっ! ごみくずはっ! ゆっくりっ! しないでっ! さっさとっ! しねぇぇぇっ!」 突き刺し、抜き、また別の場所に突き刺し、抜く。 胴体に突き刺す場所がなくなれば今度は四肢、四肢に刺す場所がなくなれば今度は頭。 れみりゃ種は高い再生力を持つが、今回はそれが裏目に出た。他の場所を刺す間にその傷が治れば、 今度は治った場所から順に刺されていく。さくやの突然の狂乱は、それから暫くして れみりゃがゆっくりともいえないようなミンチに成り果てて動かなくなってから、ようやく終わった。 「はぁっ、はぁっ、おもい、しったか、くそ、まんじゅうめ……!」 「落ち着け、さくや。もう死んでる」 息を荒げ、なおもれみりゃに突き刺そうとするさくやを抱え上げ、抱きしめる。 抱き上げられる事で我に返ったのか、さくやはふるふると震えだした。袖が暖かい液体で濡れる感覚は、さくやが泣いているからだろうか。 「どうしたんだよいきなり。お前らしくもない」 「だ、だんな、さま……」 「取り合えず、洗ってやるよ。話はその後だ。今のお前、肉汁で凄いことなってるぞ?」 さくやの身体は、れみりゃの肉汁でぎとぎとになっていた。人間でいうなら、返り血で真っ赤に染まっているというところだろうか。 震えながらぽろぽろと泣くさくやを抱えながら、俺は風呂場へと向かった。 それから、暫く後。俺は居間でさくやの身の上話を聞いていた。 自分は生まれも育ちも紅魔館であること。自分は紅魔館の主、レミリア=スカーレットが戯れに手ずから育てたゆっくりであること。 主の事が大好きで、紅魔館を追い出された事も恨んではいないこと。そして、自分が紅魔館を追い出される事になった原因を。 「わたしは、おぜうさまがだいすきでした……こんなあるじにそだてられて、わたしはげんそうきょういちのしあわせものだともおもいました。 だから、ゆるせなかったんです、れみりゃが。あんな、おぜうさまをぶじょくするようなそんざいが……」 ゆっくりの多くは生意気で身の程を知らず、オリジナルにすら歯向かって殺される事もあるという。 ゆっくりアリスのレイパー種など、オリジナルからすれば皆殺しにしたくなるであろうものもいる。 さくやは、主の事を本当に慕っていた。忠義に篤い、ゆっくりらしからぬゆっくりなのだろう。 だから、れみりゃが許せなかった。オリジナルが飼っているれみりゃにすら牙を剥いて、殺してしまった。 それでやむなく紅魔館から出される事になったのだと言う。殺されなかったのは、せめてもの温情だったのだろう。 「そうか……まあ、気持ちは分かるよ。俺も生意気なゆっくりは腹立つし。 でもまあ、何事も程々が肝心だ。抑えるところを抑えるのも、瀟洒なメイドって奴だと思うぞ」 「はい……」 「俺は別にさ、それを知ったからってお前を追い出そうとかそういうのはないんだよ。 むしろ、嬉しいくらいだ。お前が腹の底までさらけ出してくれてさ。 だからさ……もっと抑えるところは抑えて、立派なメイドになれよ。 オリジナルが嫉妬するくらいに凄いメイドにさ」 「だんなさまぁ……っ!」 さくやが胸に飛び込んでくる。そういえば、こいつが自分からこうしてくるのは初めてだな…… 俺はそんな事を思いながら、声を上げて泣くさくやを抱きしめていた。 ―――――――――――――――――――――――― あとがき どうも、初めまして。95スレ 754です。 前々から書いてみようか、とは考えてたんですが、いまいちネタが浮かばずに居たところに 95スレ 750の人の一言にインスピレーションを得て書いてみました。 れみりゃ虐待SSというよりは、さくやメインのSSになってしまった感がありますが。 れみりゃを溺愛する咲夜さんというのが先達の方々のSSでよく見かけたので、 逆にさくやを育てるレミリア様がいてもいいのではないかと思いまして。 そして、そんな主に育てられたさくやは果たしてれみりゃを「おぜうさま」として認識できるのか?とも。 自分は「オリジナルをに愛されて育った後にゆっくりを見ても、主のまがい物にしか見えないのでは」という見解に至りました。 オリジナルに会った事がないさくやなら別なんでしょうけれど。 今回出てきたさくやは主に対する忠誠心が高すぎたさくや、と言う感じです。もはや狂信の域に達してるなぁこれ。 しかし、まだまだ虐待の仕方が甘いですね。虐待というより虐殺ですし。精進せねば。 今度はタカアキさんのやつのような、道具というか機械や虐待する為のものにゆっくりを放り込んで~みたいな物も書いてみたいです。 あと、一言だけ。今回はれみりゃを虐待しよう! ということでこういう感じになりましたが、 別にれみりゃが嫌いじゃないんです、俺。それだけですが。 最後に予想されるであろう質問に対するQ&A。 Q・なんで木工細工の職人なん? A・ナイフを作って与える都合上。深い意味は無いです。 Q・さくや速過ぎ。 A・紅魔館の英才教育マジパネエ。 Q・おっぱい揉みたがるなんて変態じゃねえか。 A・多感な時期に目の前にあんなものぶら下げられたらそりゃおっぱい星人に育とうというものです。 以上。 書いたもの ふつうとちょっとだけちがうゆっくりさくやのおはなし
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1353.html
今日は紅魔館のピクニックの日である。 最近、昼間に起きているようになったレミリアが思いつきで開催したものだが、主とその妹以外は基本的に昼型の紅魔館である。 メイドたちも前日から嬉しそうに準備をしていた。 「全員集まったようね。それじゃあ出発しましょう」 レミリアの合図で数十人のピクニックが始まった。 その中には、図書館から無理矢理連れてこられたパチュリーも含まれている。 「う~! さくや~、れみりゃもいく~♪」 「ふらんもいぐー♪」 ふと、後ろから咲夜を呼ぶ声がする。 振り向くと、屋敷に住み着いているゆっくりれみりゃとフラン。 二匹とも手に日傘をもってよたよたと走ってくる。 とたんにレミリアが顔をしかめる。 「アレは私の予備の日傘じゃない、しかも私の鞄まで背負ってるし。咲夜! 今すぐあの二匹を昼食に加えなさい」 高貴な自分の物が泥臭いゆっくりに手に握られている、それは決して我慢できるものでは無いようだ。 「まぁまぁ、お嬢様。ゆっくり達がしたことですし。二匹ともピクニックの為に頑張って用意したんですから」 いつの間にか、ゆっくりを自分のもとへ来させた咲夜がそう言ってなだめる。 「これはれみりゃのだよ!! れみりゃじゅんびちたの!!!」 「ふりゃんもじゅんびしたの!!! だからふりゃんにょなの!!」 そう言って二匹は、大きめのポーチを開けて中身を見せる。 そこの中には、無造作に詰め込まれたお菓子、蝋燭台、置物などなど。 どれもレミリアの部屋に置かれていたものばかりだった。 「この、中華まん……」 それ以上語らず、二匹の首を締め上げるレミリア。 「がー!! ひゅー、ひゅー」 必死に暴れて離そうとするが、力の差が歴然なのでそれもかなわない。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 口から肉汁の泡を吹き、みるみる顔が真っ青になっていく。 「お嬢様! おやめください」 あと少し、と言うところで時間を止めてレミリアの手から二匹を助ける。 当の二匹は咲夜にしがみ付いて泣いている。 「ざぐやーざくやー!! わるいひどがいじめるよー!!!」 「ざぐやー!! わるいひどをやっつげでー! ゆぐっりじねーー!!!」 「はいはい。もうだいじょうぶですよ」 そう言って、両手で抱きしめて慰める咲夜は、顔だけをレミリアの方に向ける。 「お嬢様! 変えの品は直ぐに準備いたしますので気を荒げないでください」 「だって咲夜、そいつが私の……」 「この二匹は、メイド達も可愛がっているんですよ。少し我侭ですけど、まだ小さいんですから、大目に見てやってください。」 ねぇ、と他のメイド達に視線を向ける。 皆一様にハイ、とか、そうです、と言ってはいるが本心でないのは丸分かりだ。 しかも、先日咲夜と一緒に買い物に出かけた二匹のゆっくりが居なくなった。 それらは最近になって庭に住み着いたのだが、それでも咲夜は懸命に街中を探し回った。 それからは、一番初めのゆっくりであり、屋敷内で生活していたこの二匹を今まで以上に大事にするようになった。 外は危ないので買い物にも連れて行かず、庭に出るときも休憩中のメイドを呼び出して監視させた。 それゆえ、最近はれみりゃ達が泣こうものなら目を真っ赤にして飛んでくる、凄い溺愛ぶりを発揮しているのだ。 当然、今日も自室に置いていこうと思ったのだが、どうやら事前にこの事をしってこっそりと準備していたようだ。 ちまちまとポーチにモノをつめる二匹を想像して、思わず顔がにやける咲夜。 それを見てため息をつくレミリア。 「……、まぁいいわ。私の邪魔にならないようにして頂戴」 この場はそれだけ言って引き下がる。 レミリアとしても、折角のピクニックに水を挿したくはないのだろう。 「う~♪、こんどいじめたら、しゃくやにいいづけてやる!!!」 「ゆっくりしね!!! ゆっくりしね!!!」 ゆっくりの性か。 既に泣き止み、ふてぶてしい笑顔でレミリアにそう言い放つ。 レミリア達が反応する前に、咲夜の手からはなれ列の中ではしゃいでいた。 「いいわ、先を急ぎましょう」 それを合図にまた歩を進める一向。 二匹のゆっくりは、自分達からすればかなり早く歩いている事が不満らしく、咲夜に文句を言って歩く速度を遅らせた。 今日のピクニックは色々と波乱に満ちている。 満足そうに笑いながら、ヒョコヒョコと傘にバランスを取られつつ進んでいく二匹を見て、咲夜以外の誰もがそう思った。 ペースは遅くなったが、それでもお昼前には目的地に着くことができた。 小悪魔が提案した小高い丘の上、近くには綺麗な川も流れている。 程なくて、全員が集まったのを確認しレミリアが挨拶をする。 「さて皆、今日はゆっくり羽を伸ばして、明日からまた頑張って頂戴」 レミリアが言い終わると、各々がシートを広げて昼食の時間が始まった。 一番見晴らしの良い場所に陣取ったシートには、レミリア・フランドール・パチュリー・小悪魔・紅・咲夜という、何時ものメンバーが陣取る。 「たまには全員でピクニックも良いものね」 「お姉様、それ私が食べようと思ってたのに……」 「早い者勝ちよ! パチェ、本ばかり読んでいないで景色を楽しんだら?」 「さっき見たわ。……小悪魔、それは私じゃなくて、きちんとあなたが食べなさい」 「ギクッ」 屋敷にいる時とあまり変わっていない様にも見えるが、本心では全員楽しんでいるのようだ。 「そうだ。咲夜、霊夢とそれから魔理沙も呼んできて頂戴。折角だから大人数で楽しみましょう」 「畏まりました」 既に昼食を食べ終えた咲夜は、そのまま博麗神社へと飛んでいった。 ここに戻ってくるまでには一時間は掛かるだろうか? 一方、れみりゃとフランの二匹は我が者顔で走り回っている。 「ゆくっりしね! ゆっくりしね!」 「いだい! さくやー! さくやー!」 フランに傘で殴られながら、必死で傘を盾にして防ぐれみりゃ。 既に何度か殴られたのか、顔は醜い泣き顔になっていた。 幾ら泣いても咲夜は来れないのだが、もはや口癖に様になっているれみりゃに言ってもしょうがない。 「う~、おなかへった~♪」 「ぐすっ。れ、れみりゃもへった~♪」 お腹が減ったら仲直り、一瞬で醜い笑顔に戻ったれみりゃと二人で、また日傘をさしてシートをうろつく。 「う~♪ がぁお~♪」 「れみりゃも! れみりゃも! がぁお~、た~べちゃうぞ~♪」 ずんずんとシートの上に土足で上がりながら縦断していく、メイド達が遊んでいたトランプの山を蹴飛ばし、殆ど残っていないランチボックスは、中身が気に入らないようでまた蹴飛ばす。 メイドたちは咲夜が怖くて黙って見ているだけ。 それがいっそう二匹をエスカレートさせる。 「う~♪ う! がぁお~! た~べちゃうぞ~」 さくやがいたシートを覚えていたれみりゃ、しかし既に咲夜はいなかった。 が、変わりにまだまだ沢山残っているランチボックスを見つけて大声で踊り出す。 「う~♪ うっう~♪」 「ふらんもするのぉ! う~う~♪」 なにが楽しいのか、日傘を持ったまま起用にたどたどしいヒゲダンスを踊る二匹。 一通り踊り終わると、今一度ランチボックスに向き直り一言。 「れみりゃごはんたべるぅー♪ どって~」 「ふりゃんもたべるー♪ はやくどって~」 にぱーっとステレオ笑顔で話す二匹。 自分達でとれる距離にある上に、そんなふてぶてしい顔で言われても取る人はこの席にはいないだろう。 勿論、直ぐ取ってくれる咲夜もこの付近にはいない。 「……。あぅ。はっ、はーい、れm……どうぞー」 周りの空気に耐えられなくなった小悪魔が、慎重に言葉を選んで二匹に差し出す。 その手のには大きなおにぎりが二つ。 和風なお弁当、と言うレミリアの提案で今日のお弁当は全て和風のもので締められた。 中でもおにぎりは、初めて一緒に外で食べる主に食べてもらいたくて、小悪魔が一生懸命作ったもの。 何故かは知らないが、おにぎりを作っただけなのに、彼女の手には沢山の絆創膏がしてあった。 「がぁおーーー!!!」 地面に落ちていくおにぎり、勢いよくれみりゃが叩き落としたからだ。 「あっ」 それを踏みつけるれみりゃ、見ていたフランも倣う。 「れみりゃは、さんどいっちたべたいの!! こんなのいらない!!」 「ふらんもさんどいっちたべちゃい♪ さんどいっち!!」 ズカズカとシートに上がりこんで、バスケットの中身をおにぎりごとを全て踏みつけ、勝利のヒゲダンスを踊る二匹。 「う~♪ さんどいっち♪ さくやのさんどいっちたべるぅ~♪」 「さくやのさんどいっち! ふらんもたべる~♪」 「お前達! いいかげんn「そうですか、サンドイッチが食べたいんですか?」」 レミリアがこの場で不夜城レッドを繰り出そうとした時に、小悪魔が微笑みながら二匹に聞き返す。 人間以上の生き物なら分かるが『目が笑ってない』という状態だ。 レミリアもいそいそと退散する、オーラは既に大悪魔そのものだったから。 「うっう~♪ さんどいっち! はやくたべるぅ~♪ はやくしないどさくやにいいつけちゃうぞ~♪」 「う~♪ はやくもってこないならゆっくりしね♪ さくやにおこられてゆっくりしね♪」 異常な気配にも気付かずに命令する二匹、この性格は似ている吸血鬼とゆっくりの性格が合わさってできたものだろうか。 「はいはい直ぐ用意しますよ♪」 今度は目も笑って、そう答える小悪魔。 バンザイして喜ぶ二匹。 「「う~♪ しゃんどいっじ~♪ うーーー!! ? うー! う゛わ゛ーーー!!!!」」 勢いよく風が吹いた瞬間、二匹とも自分の片腕が切れ取られていた。 一瞬何が起こったのか分からなかった二匹だが、直ぐに痛みが押寄せて状況を理解する。 「うーー? !! う゛わ゛ーー!! う゛わ゛ーーー!!!」 「ゆ゛っぐりしんじゃう゛! ゆ゛っぐりしんじゃう゛!」 「はいはい、直ぐ準備しますから泣かないでくださいね♪」 ブチッ、ブチッっと二匹の羽を引きちぎる、二匹は口から肉汁の涎を出しながら絶叫している。 「「うあーー!! ざぐあーーー!! ざぐあどごーーー!!!」」 「そんなに涎を垂らさなくても、後ちょっとですよ」 羽二枚で同じゆっくりの腕を包んでサンドイッチの出来上がり。 「はい♪ どうぞめしあがれ♪」 有無を言わさず、サンドイッチを元のゆっくりの口に無理矢理ねじ込んでいく。 「むぐむぐ!! ごれはれみりゃのおでで!! れみりゃのおででなの!! むぐ……」 「ちがうの! むぐむぐ……、これはさんどいっちじゃないの!!!」 「美味しいですか? そもそも最初のサンドイッチは、サンドイッチ伯爵が……」 二匹の口を押さえつけながら、サンドイッチの薀蓄を語り出す小悪魔。 「……なんですよ。ねっ、レミリア様、フランドール様」 「「はっはいっ!!!」」 パチュリーの後ろにしがみ付いていた二人。 急に話を振られたので思わず声が上ずった。 「よかったー、あってました。と言うわけです、美味しかったですか?」 押させていた手を離して尋ねる小悪魔。 なみだ目になりながら、なんとか完食した様だ。 「うーー! おいちくない! ざくやにいいつげでやるーーーー!!!」 「ゆっくりしね!!! ざくやにおごられでゆっくりじね!!!」 「えー、美味しくなかったんですか?」 額に指を置いて考えるポーズをする小悪魔、その間に二匹の欠損部も再生したようだ。 「う~♪ さくやにいいつけやる~♪」 「ゆっくりしね♪」 小悪魔の目線まで飛んで得意げにしゃべり出す、このまま咲夜を探して飛び回るつもりだろう。 「あっ、わかりました♪」 そう言って、今度は一気に羽を切り落とす。 「れみry……ぶんぎゃ!!!」 「ぼぎょあ!!!」 羽がなくなった二匹は、勢いよく地面に飛び込んで顔面とお腹を強打。 その後勿論泣き喚く。 「そういえば、れみりゃさまは甘いほうが宜しかったんですね。反対にフラン様はお肉の方が宜しかったんですね!」 すぐ準備します、と宣言し手早くサンドイッチを作っていく。 今度は両腕を使って大盛りにするつもりらしい。 程なくして出来上がったそれを口にねじ込む。 「どうですかぁ? おいしいですかぁ? おいしいですよねぇ? ご自分がすきなものですからねぇ? それも上質な肉と餡子ですもんねぇ?」 今度はがっちり押さえ込んでいるので口も開けない。 飲み込んだ頃を見計らって手を離してやる。 「う゛わ゛ーーー!!!! ざくや!!! ざぐやどごーーーー!!! ごわいひどがいるよーーー!!!」 「ゆっぐりじね!!! ざくやにいじめられでゆっくりじんでーーー!!!!」 傘を畳んで、ペチペチ叩いてくる二匹。 「ああこわいですねぇ♪ だったらー、言いつけられなければいいんですよね?」 「「う? うーーーー!!!」」 小高い丘、そこから勢いよく蹴り落とされる二匹。 蹴り落とした小悪魔は終始ニコニコ。 ニコニコしながら丘のの下まで飛んでゆく。 「はいはいー縛りますよ♪」 二人を手足を縛って近くの大きな洞窟へ、ポイッ。 後生大事に持っていた傘もポイ。 そして、ありの子を散らすように出てくる沢山のゆっくり霊夢と一匹のアリスほか二匹。 「おねーさん、ありすのおうちにれみりゃがはいってきたよ」 「それは、私からの贈り物ですよ。ちょっと早いけれど、人は夏と冬に二回贈り物をするんです、特に都会の人はいっぱい貰うんですよ」 「ゆっ!! ありすはとかいはだよ!!! しかたがないからこれももらってあげるよ!!!」 「アリィス、モットトカァイハァ」 「トカイハー」 「ふふ、ありがとうございます。きつく縛ってあるし、魔法もかかっているので絶対外れないですよ。知ってると思ういますけど、れみりゃもふらんも少し残しておくと再生しますから、これから越冬するあなた達にはもってこいでですよ」 「しってるよ! そんなこと、とかいではじょうしきだよ!!! おねえさんはいなかものだから、しらないんだね!!!」 「そうですか、よくしってるますね。では、私はこれで失礼します」 そういって近くにいた一匹のゆっくり霊夢の頭を撫でる。 「ゆゆ! おねえしゃんもゆっくりちていってね!!」 そう言って、仲間と一緒に戻ろうとした一匹を川に遠投。 ご馳走に夢中な他の家族は全く気付かなかった。 「むしゃむしゃ♪ おいしー」 「うっめぇ、これめっちゃうめー」 「だめだよ、そんなことばつかっちゃ、でなーのときにわらわれるよ!」 「はーい」 「う゛あ゛ーーーー!!! ざぐやー!!!!」 「ゆっくりしんじゃうよーーーーーーー!!!」 美味しそうに餌にかぶり付く声を聞きながらその場を後にする。 丘に戻り、シートまで飛んでいく。 どうやら、咲夜はまだ戻ってきていないようだ。 ほっと一安心知ってシートに目をやる。 「えっ」 本を読みながら、潰れたおにぎりを食べている主。 ふと、こちらに気付いて一瞬目が合うが、直ぐにまた本に目を落とす。 「パチュリー様! 汚いですよ、お屋敷にもどったら急いで何か作りますから」 「大丈夫よ、シートの上に落ちたのだし汚れた部分はちゃんととったから」 「でも、でも」 「それにね」 目に涙をいっぱい浮かべている小悪魔を諭すように話す。 「こんなにしょっぱいおにぎりじゃ、蟻も食べてくれないわ」 「ぱちゅりーざまー!」 「抱きつかないで、涙で本にしみが出来る」 「あう」 魔法で突き飛ばされた小悪魔、その目線の先には咲夜がいた。 「さっさくやさん、あの、その……」 「わかってるわ、れみりゃ様とフラン様が悪戯したんでしょ。ここは私が片付けるから大丈夫よ」 手馴れた手つきで片付け始める、霊夢と魔理沙は、と姉妹が聞いてきたが二人とも留守でした、とだけ言って作業を再開する。 モノの数分で掃除が終わり、いとしのゆっくりを探す咲夜。 「れみりゃさま、フラン様! 和食は合わないだろうと思いまして、さくやがサンドイッチとミルフィーユを作ってきましたよ、ミルクセーキもよく冷えていますよ」 しかし、反応はない。 何時もだったら、醜い顔をさらして駆け寄ってくるのだが。 「れみりゃさまー……、フランさまー……。へんねぇ、あなた達二人を見なかった?」 近くにいたメイドに聞く。 ここで踊っていました。 違うメイドに聞く。 ここで遊んでいました。 何人のメイドに聞いても、二匹の足取りを辿るような答えは摘めなかった。 まるで事前に口裏を合わせたような答えに、あっちへフラフラこっちへフラフラと走り回る咲夜。 「その二匹ならあっちに駆け出していったわ」 「パッドしか見てないけどね」 そう言ったのはレミリアとフラン。 「「まさか私達にもお守りをしておいてくださいなんて、言わないわよね?」」 丁寧に肯定し、一目散にその方角へ向かう。 あの綺麗な川ものある森の反対側。 ゆっくり達が沢山住んでいる森へと。 その後さすがに主を放ってはおけないので、皆で帰る前に戻ってきた咲夜だが、その日から雪が振る一ヶ月の間、暇を見つけたはあの森に探しに行っていたようだ。 この事を契機に、姉妹が小悪魔に妙に礼儀正しくなったり、小悪魔の部屋が豪華になったり。 小悪魔に投げられた直後、子供の数を正確に把握していたアリスは食後に一匹足りない事に気付いたが、都会派の親は反抗期の子供を持ってこそだと訳の分からない理屈で軽く流したり。 味を占めたアリス一家が雪が降り始めた頃、里に下りて半数が高値で売られたり。 暇な越冬中に、偶然傘の開き方が分かり得意げに傘で遊んだり、自分達のポーチの中身を得意げに説明して自分の宝物にするアリスを見て、自分達のモノだと傲慢に主張する二匹がまた食べられたりするが、それはまた別な話。
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/525.html
さて―昼休みである。 多くの生徒たちにとっては教室や食堂で持参の弁当や学食に舌鼓を打ったり、 友人達との他愛もない団欒に花を咲かせたりする憩いの時間なのだが、どうやら 我がSOS団が誇る傲岸不遜な暴走特急様にとってはそうでも無かったらしく、 昼休みが始まるやいなや何処かにスッ飛んでいっちまった。 何をそんなに急いでいたのか知らんがここ最近の昼休みは弁当を取られたり食う暇も無くSOS団に拉致られたりと、 ハルヒに振り回されっぱなしだった。なので久しぶりに一人静かにのんびりと昼食をとろうと思い、包みを外し ちょうど弁当箱のフタを開けたとしたその瞬間。 「おーいキョン、一緒に飯食おうぜー」 思わぬ人物から声が掛かった。 「ん?日下部か?柊や峰岸はどうしたんだ?」 「それがさー、聞いてくれよぅ。柊はチビッ子のところに行っちゃってあやのは用事があるとかでどっか行っちゃってさぁ。 付き合い悪いよなー。よっこらしょと。」 成る程。それで一人寂しげにランチタイムを過ごそうとしていた俺に白羽の矢が立ったって訳だ。 こっちとしては一人で食べる気満々だったんだが日下部がそんなことは知るはずもなく、 俺の返事も聞かずにさっさとハルヒの席に座ると、ルンルンという擬音が聞こえてきそうな程 上機嫌で弁当の包みを解き始めた。やれやれ、どうも俺の周りにはいわゆる自分勝手なおニャのこが多いらしいな。 まぁどうしても一人で食べなければならん理由があるわけでも無し。 俺は椅子ごと身体を180度回転させ、ハルヒの机に弁当を置いて丁度良い焼き加減の卵焼きに箸をのばすと、 日下部もさぞ幸せそうな表情でミートボールに箸をのばしていた。そういえばミートボールが大好物だと前に言っていた気がする。 はにかんだ口元から覗く八重歯が何とも言えず愛らしい。 「あ~ん、んぐっ、もぐもぐもぐ。ごくん。えへへ」 このミートボールを美味そうに食べる選手権でブッちぎり優勝できそうな程幸せそうに咀嚼する姿を見れば 肉玉に加工されてしまった動物さん達の魂も浮かばれるってモンだろう。 そんな下らないことを考えながら無邪気に笑う日下部を微笑ましく思いつつ、二つめの卵焼きをじっくりと味わう。 日下部は二個三個と瞬く間に大好物の肉団子を口の中に放り込んでいく。好きな物は最初に全部食べるタイプらしいな。 アッという間に最後のミートボールに箸をのばすと、素早く口元に箸を運んでいったその刹那 「あ~っ…!」 落としおったわ。正に青天の霹靂。ツルッと箸から滑り落ちた肉汁タップリのお宝は机の端を転がると、無情にも地べたに激突し、 瞬く間に肉団子から砂団子にクラスチェンジしてしまった。こんな場所では三秒ルールもへったくれも無い。ご愁傷様。 しかしネガティブな転職もあったもんだな。水で洗っても精々泥団子にトランスフォームするのが関の山だろう。 この世でもっともミートボールを愛する元気娘を前に戦士は突然の戦力外通知を叩きつけられてしまった訳だ。何という悲劇。桑田も真っ青さ。 そんなわけのわからんコトを一瞬で頭に浮かべていると、元肉団子現砂団子が日下部によって床から掬い上げられた。 おや、ちょっとイヤな予感がしますよ… まさか… 「みゅうぅ~~…大好物のみぃとぼぉるがあぁ…あぅ…また落としちゃったー」 (まさか食うつもりじゃないだろうな…) またってことは前にも落としたのか。コイツ結構マヌケかもしれん。まぁどうでもいいが。 前に谷口が床に落としたソースカツを何食わぬ顔でそのまま口に放り込んだ時のことを思い出す。 いや、これもどうでもいい。まさかこの俺の眼前におわす少女は使命半ばにして倒れた食品戦士に慈悲の手を差し伸べるつもりか? 流石にそれはマズいって。いやマジで。谷口の大馬鹿野郎が人間の理性に反したケダモノのような行動に走っても俺には全く関係ない。 だが谷口のようなケダモノと違い、俺たち人類には理性という素晴らしいものがあってだな。 しかも日下部はちょっとおバカさんでボーイッシュなところがあるといっても花も恥じらう乙女には違いない。一度地べたに落としたものを 口の中に入れるなんておニャのこがやっちゃいけない事ランキングの上位に食い込むだろう。 (早まるな日下部!お前にはプライドってモンがないのかっ!!) そんなバカまっしぐらな事を考える俺は急いで日下部に向き直って…不覚にもちょっと…いや、かなりドキッとしてしまった。 目尻に涙を浮かべた日下部が俺に縋るような視線をっ…!コレは効く!いや、効き過ぎる!!このままでは萌え尽きて萌えないゴミになってしまう! なんとゆうか介護欲をそそられるというか護ってやりたくなるというかイジメたくなるというか何とも形容しがたいのだが 唯一つだけ言えることがあるっ!それは……… 口 「いくら物欲しそうな目をしても俺のミートボールはやらんぞ」 「ぇぇぇぇぇぇぇぇえ!ケチー、良いジャねーかよー!1個か2個か3個か4個くらいー!」 「4個だったら俺のミートボール全部だろうが!食い盛り全開の男の子にとって肉がどれだけ重要か分からんとは言わせないぞ!」 「そんなこと言うなってヴぁ!なぁ、頼むよー!1個、1個で良いからー!キョンー、キョンー、キョンキョンキョンー!」 「連呼してもダメなもんはダメだ!あっこら!勝手に取ろうとするな!」 「たーのーむーよー!」 ぐぅ!何というミートボールに掛ける執念!いや情熱というべきか!だが負けん!今日の俺の弁当にある肉っ気はミートボールのみ。 もしも血に飢えた吸血鬼の如き今の日下部に気を許し、一つでもミートボールを与えれば瞬く間に全てヤツの腹に消えてしまうだろう。 そんなことになれば俺の満たされぬ欲求が暴走し、午後の授業での集中力に支障をきたすことは自明の理!火を見るより明らか! 日下部、お前がどんな手を使ってこようとも俺の決意は… 「キョンのミートボールが欲しいんだよー!」 簡単に砕け散った。げに恐ろしきは思春期男子のエロパワー。今の一言だけで日下部が俺のミートボール(無論自前だ)を 美味しそうに頬張る姿が頭に浮かんでしまったわけだ。やれやれ、何考えてんだろうね俺は。 セットでソーセージもどうだとか言ってる場合じゃないだろ頭の中の俺よ。これじゃ谷口のケダモノ野郎と変わらないじゃないか。 どうやら俺は妄想に捕らわれ本来の闘い方を忘れていたようだ。メビu…じゃなくて俺!冷静さを取り戻せ! と、またもや訳のわからんことを考えていると… 「たのむよぉ…」 俺が帰ってきた。普段とは正反対のしおらしい日下部を見たらすっかり毒気(エロ気ともいう)を抜かれてしまった。 うーむ…いざ冷静になると日下部で勝手にエロ妄想をしてしまった負い目から真に自分勝手な罪滅ぼしだが本当に俺のミートボールをあげたくなってきた。 エロい意味じゃないぞ。マジで。ただいたいけな少女を自分の脳内で勝手に辱めるような愚物よりも真にミートボールを愛する少女の血肉になったほうが 肉の玉に加工されてしまった動物達も浮かばれる…御託は良いとしてまぁ単純に俺が日下部にミートボールをあげたくなっただけだ 「わかった。わかったからそんな顔すんなって。可愛い顔が台無しだぞ(これはこれでそそるモノがあるが)ほれ、ミートボールやるから」 「ふぇっ?……う、うん。有難う」 「ん?何か微妙な反応だな。嬉しくないのか?」 「そっそんことねーって!うん!ありがたくいただくぞ!」 何か様子が変だったような気がしたが、そんなことは無かったぜ!さぁこいヤマ…何故だか知らんが今日の俺のテンションは異常だな…自重しろ俺。 気を取り直して野菜炒めを頬張りつつ、嬉しそうにミートボールを口の中に放り込む日下部を見る。しっかしホントに嬉しそうに食べるもんだ… あげがいがあったってもんだな。心なしかさっき食べてた時よりも嬉しそうに見えるな。今の日下部を見ればどんなヤツでも顔がふやけてしまうだろう。 ご多分に漏れず俺もその一人だ。やれやれ、多分今の俺の顔には気味の悪いニヤケ面が張り付いていることだろう。 なんだか恥ずかしくなってきたのでそれを誤魔化すかのように日下部に話しかける。 「美味いか?俺のミートボールは?」 勿論エロい意味じゃない。 「…不味いわけないだろ。キョンがくれたミートボールなんだから」 「何だって?よく聞こえなかったぞ?」 「なーんーでーもーなーいー!美味しい美味しい美味しい!モグモグモグ、ゴックン」 「おいコラ!折角やったんだからもっと味わって食えよ!」 口 ホントこいつは人の気を知りもしないでサラリと可愛いとか言ってくるんだかんな。 心臓に悪いぜ…ったく。大体好きなやつからもらった大好物が不味いわけないじゃん。 わかってないなー、この鈍感王はよー。 …………………今度はキョンのミートボールをソーセージとセットで………とか……… 「あーあーあーあーあー!何考えてんだ私はー!」 「うわっなにいきなり暴れてんだよお前は!」 〆 作品の感想はこちらにどうぞ
https://w.atwiki.jp/nippendo_games/pages/76.html
8v*ボス攻略(ストーリー編) プレイヤーの行く手を阻むボス達。どのボスもステージの雑魚敵より強く、一筋縄ではいかない。 基本的にどのボスが相手であってもぶつかるのは危険。 一気にHPが削られてしまうので機動力が低いキャラ、無敵移動が無いキャラは立ち位置を考えて行動する必要がある。 + 展開 ┬物理演算先輩 ├ホソロリスくん ├変態糞親父 ├くま○ン先輩 ├汚物くん ├破面KBTIT ├夏○剛 ├ヨ○シー ├デンデンDB ├ボスボロット先輩 ├お面屋 ├ほらほら ├ALISON ├レシートリザード ├スーパーMUR肉 ├ぷちどる先輩 ├サイクロップス先輩 ├ヘイホー先輩の心臓 ├踊る涅槃先輩 ├マザーブレイン(マザーブレインJYU) └GO 物理演算先輩 HP:???(トゲトゲを7回当てると撃破) 八王子のボス。ガバガバ物理演算で動く。 安全地帯からクッソおぞましい怪物を放って攻撃してくる。 あんなものが出てくるなんて一体こいつは何を煮込んでいるんですかね…(戦慄) 通常攻撃は勿論のこと必殺技も通用せず、トゲトゲの跳ね返し以外の攻撃が効かない。 と書くと強そうに聞こえるが、浮いた台の上から出てきた敵を手当たり次第に攻撃するだけで倒せる。 こんな弱いんかよ! + 攻略動画 回るドラ田脚召喚 クッソおぞましい怪物、空中でクルクル回転しながら接近してくる。 ぶつかってダメージを受ける前にパパパッと倒す。 トゲトゲ召喚 物理演算先輩が数回に一回召喚する。 攻撃すると物理演算先輩の元へ飛んでいってダメージを与える。 おすすめキャラ:誰でもOK トゲトゲをぶつけて来るだけなのでボタン連打だけでも簡単にクリアできるだろう。 ホソロリスくん HP:350 ど汚物の森のボス。その名の通り体がクッソ細い淫獣。 非常にすばしっこく、時々ジャンプ攻撃を仕掛ける。 また、ステージには石ころが落ちてくるが、その石を拾って投げつけて攻撃することも可能。 + 攻略動画 ジャンプ攻撃 大きくジャンプしてこちらに接近する。 おすすめキャラ:遠野 台の下で通常攻撃蹴りさえ行えば弾く→近づくの繰り返しで突進が来るまでの間は一方的に攻撃ができる、突進は特殊攻撃でよければ追加ダメージを与えられる、機動力も高いため石を拾うのも容易い 変態糞親父 HP:450 下水道処理施設のボス。ちょっ刃にも登場したボス。 攻略法はちょっ刃の時と変わらないので、難なく倒せるだろう。 ただし、ステージ上には倒せないニコファーレが設置されており、そこから敵が無限湧きするので要注意。 + 攻略動画 ぶっちっぱ(通常) 糞を拡散させながら真下に落とす。糞親父と横軸を合わせていれば気にする必要はない。 糞は地形を貫通するため、親父の真下にいると思わぬダメージを受けることも。移動で回避。 ぶっちっぱ(拡散) 自分の周りをカバーするように、6方向に糞を拡散する。糞はしばらく空中にとどまる。 おすすめキャラ:MUR 変態糞親父の機動力と無限増殖する敵は厄介だが、右側ニコファーレ真下にいれば上方向への攻撃を防ぐことができる上、そこにいる大根大先輩が回復アイテムを残すことがある。 無限に湧く敵も変態糞親父のぶっちっぱでほとんど倒され何もしなくても興奮ゲージが貯まり必殺技も出しやすい。 ポッチャマを最大数用意しておき、上手く糞親父を下に誘導したら通常攻撃と特殊攻撃必殺技で一気に畳み掛けよう。 MURには無敵移動がないため迫ってきた時の回避手段はないが大根大先輩の回復アイテムや必殺技のカットインを利用して立ち回ろう。 このステージ初挑戦時の操作キャラには近接攻撃を交互に出せるキャラがMURのみでさらにMURがもっとも攻撃力が高いので一番押し切りやすい。 くま○ン先輩 HP:400 九州の某都道府県より訴訟されかねない神社周辺のボス。 跳ねながら移動するなど動きが変則的で、おまけに大きい体のせいでよけにくい。 さらに、体力が減ると仲間を召喚するので要注意。 + 攻略動画 ひっかき 目にも止まらぬ速さでこちらに近づき、切り裂く。 突進 その名の通り、こちらに対して突進攻撃を行う。 ふ○っしー先輩召喚 訴訟されそうなザコ敵を召喚。 おすすめキャラ:虐待おじさん or MUR くま〇ン先輩はシンプルに早くてでかく、遠距離から着実にやっていこうとすると思わぬ突進を受けたり終盤の雑魚敵を処理に苦労してしまうためパワーの高いキャラクターで右側の食べ物エリアの段差で待機し特殊技で攻め、ピンチになったら回復アイテムを使うと良い。右側で待機していれば回復アイテムは三つあるため苦労せず倒すことができるだろう。 余談だが、召喚したキャラはこのボスを追尾しないので、召喚技を当てるには工夫が必要。 汚物くん HP:500 雪山のボス。 前作も雪山に登場したボス、前作は回復アイテム無し無限雑魚敵召喚の難関ボスであったが、今作はHP、興奮回復アイテムが両方用意されており、理不尽な三方向攻撃、無限雑魚召喚がなくなり倒しやすいキャラとなった。ちなみに、召喚したキャラはこのボスを追尾しないので、召喚技を当てるには工夫が必要。 + 攻略動画 突進 一時的に立ち止まり(白くなるのでわかりやすい)少ししてから操作キャラ向かって突進してくる。 予兆がわかり易い上、ある程度離れていれば当たらないので楽に躱せる 氷落とし 前作と同様ジャンプして氷を操作キャラの真上に落としてくる。 同じく予兆がわかり易く、攻撃後に大きな隙ができるので一気に攻められる。 岩落とし 終盤になると繰り出してくる技、左上の木の上に乗り岩を落とす。 木下にいれば安全だがたまに氷落としを上で行うので油断は禁物、しばらくすれば降りてくる。 おすすめキャラ:誰でもOK 無敵移動が無くてもジャンプで避けやすく、隙も大きいので誰でも戦いやすい。 ただし、隙が大きいからといって深追いは禁物。 破面KBTIT HP:400 キモティカのボス。 前作のプレイアブルキャラがまさかのボスとして参戦、自動追尾型の雑魚敵召喚、(KBTITのくせに)早い機動力、遠くまで届く炎等貧弱な下半身からは想像できないほど強力な技を繰り出す。通常、特殊技を交互に繰り出す戦法で行こうとすると高い機動力故弾いても衝突してくるので機動力が低いキャラは注意が必要。 蝋燭 孤を描きながら落ちる炎を数発繰り出す。 量が多く、飛距離も長いため躱すのは困難、無敵移動技で上手く対処したい。 どじょう召喚 複数体どじょう型の雑魚敵を召喚する。 どこまでもついて来る上数も多いので放っておくと思わぬダメージを食らいやすい。 HPは低いため、まとまった状態のうちに全て片付けておきたい。 おすすめキャラ:遠野 or マジメ君 基本的に移動技で距離を置き、遠距離技で攻撃。興奮ゲージが貯まったら必殺技を繰り出す戦術。 ジャンプ台のある空間の左右の段差でKBTITの行く道を塞ぎながら遠隔技を繰り出すとやりやすい。 炎は移動技で上手く回避したい。 召喚される雑魚が厄介だが、放置すると面倒なのでジャンプ台を利用し、KBTITの攻撃がとどかない一番上の台で全て処理しよう。 夏○剛 HP:1500 バリアの耐久力:開始直後は「5」でショートするたびに最大耐久力が「4」増加 怨!嶽山のボス。偉い人らしい。知らなーい(NDK) 最新鋭スーツを着用しているため、普段はいかなる攻撃も通じない。 倒し方が特殊で、ある程度ダメージを与え(攻撃が一発当たるごとに耐久力が「1」減る)バリアの耐久力が0になるとスーツがショートし、その状態の時のみダメージを与えることができる。 また、その状態の時にマグマに落とすと大きなダメージを与えることができる。 爆弾、炎、銃など技は多いが基本的に上空にしかいないため爆弾以外当たることはほとんどない。 さらに戦闘開始時点の台の下にいれば台の下に来ない限りは爆弾も防げるだけでなく、上に少し判定があれば耐久力を簡単に削れる。 なんだお前全然ユルケツじゃん!? 回復アイテムもHP、興奮ゲージ用揃ってるのでピンチでも安全。 マグマに落ちてる様があまりにも情けなく馬鹿らしいのでおれんじ氏が狙ってやってるのかもしれない、これもうわかんねぇなお前どう? ガトリングガン 前方に向けて銃を乱射する。下で待機していれば当たることはほとんどない。 火炎放射 弧を描くように前方に向けて火炎放射する。ガトリングガンと同様で当たることは殆どない。 それどころか、台の下では天井に炎が当たって消え、不発に終わる事も・・・。 爆弾投下 横一線に移動しながら爆弾を投下する。この技については下にいても当たる可能性がある。 おすすめキャラ:誰でもOK ショート時にマグマに落とせば大きなダメージを与えられるので楽。 ただし、ノックバック攻撃が無いキャラについては苦戦を強いられる。 ヨ○シー HP:500 遊園地のボス。 パレードの着ぐるみで、夜中に人を殺しに回っているとの事。 どう見ても中年男性のだらしない腹なんですが、それは・・・。 大きい体に高い機動力、そして凹凸が激しいステージのせいで下手すれば一気にダメージを食らう。 さらに、このボス戦では回復アイテムが用意されていないので減ったHPを回復することができない。 苦戦を強いられる難関ボスである。 卵を産む 産んだ卵を放置すると、中からMUR肉が出てくるのでできれば早めに破壊したほうがよい。 ファイアブレス 前方に炎を吐く。範囲が広く、ジャンプしながらの場合は、よけるのが難しい。 火の玉飛ばし 火の玉を拡散させるように飛ばす。こちらもジャンプしながらの場合はよけるのが難しい。 おすすめキャラ:UDK 特殊攻撃の魔法の箒で距離を置き、遠隔攻撃を行い、興奮度が溜まったらマスタースパークで一気に片付けよう。 UDKの魔法の箒は一定時間自由に空を飛べるため、凹凸が激しいこのステージでも距離を置くのは簡単だろう。 デンデンDB HP:500 繁華街 デパートのボス。 デンデンDBは勤務先の会社の倒産危機に追い風を吹かせるからやめろ。 高い機動力はもちろんのことだが、ジグザグに移動しながらジャンプする「ジグザグジャンプ」が脅威。 他にも、太鼓を鳴らしての音符攻撃もあるので要注意。移動攻撃の無いキャラは苦戦を強いられるだろう。 太鼓を鳴らす 太鼓を鳴らして音符で攻撃。音符は結構大量に発生する。 ジグザグジャンプ 大きくジグザグに移動しながらジャンプする。 おすすめキャラ:DB 特殊攻撃で距離を置き、通常攻撃と遠隔攻撃でHPを削っていく。そして、興奮度が溜まったら必殺技で一気にHPを削っていく。DBはタフタイプであるためHPが高い。また、必殺技の「自分を売る」は移動するだけでダメージを与えることができる必殺技であるため、少しは楽に戦えるだろう。 ボスボロット先輩 HP:500 893の街のボス。マ○ンガーZに登場するスーパーボロット(大嘘) 機動力が高く、突進やパンチ攻撃、キャノン攻撃のせいで離れていてもダメージを受けることも。 無敵移動技とノックバック威力がある攻撃をうまく駆使してHPを削っていこう。 パンチ攻撃 パンチを繰り出す。油断しているとパンチが当たってしまうことも。 突進 ジャンプしながら突進攻撃を行う。 キャノン砲 砲弾を3発x3回、計9発発射する。 遊星物体ひで召喚 中から遊星物体ひでが出現する岩を召喚する。 おすすめキャラ:ノックバック攻撃が使えるキャラ 攻撃が基本突撃だけのため、ノックバックを連発すれば勝ててしまうクソザコなのでこれだけで、いいよな(脅迫)? お面屋 HP:450 道志水源の森のボス。 「イキ杉沢村」で作られたお面を販売している商人だが・・・どう見てもあの有名割り手にしか見えない。 様々なお面を召喚するが、そのお面はウヨウヨ動き回り、プレイヤーを攻撃してくる。 呪いのお面じゃないか・・・(戦慄) 次々と召喚されていく呪いお面たちに気をつけつつ戦う必要がある。 瞬間移動 一瞬で屋根の上に移動する。 お面召喚 バケモノピンキー、ピ●チュウ、呪いの石仮面(ピンキー)、ム●ュラのお面を召喚する。 バケモノはゆっくり近づいてきて触れると爆発、ダメージは地味に多い。 ピ●チュウはキャラの頭上に来て、真下に雷を落とす。 石仮面は周囲に玉を三つ程放つ。近くにいなければ当たらない。(通りぬけはできない) ム●ュラの面は一定時間放置すると周囲に回避不能の拡散弾を放つ。ダメージは少ないが、早めに倒すことを推奨。 エメラルドシュート キャラの頭上に大きなエメラルドを落とす。落ちたエメラルドは割れて(意味深)小さくなって拡散する。 エメラルド(意味深)スプラッシュ キャラがいる方向にエメラルドを直線的に放出する。お面屋と平行の位置にいなければ当たらない。 おすすめキャラ:虐待おじさん 機動力は低いが、攻撃力の高さでカバー。邪魔なお面を簡単に片付ける事ができ、 タイミングを見計らいボスの背後で「V→C→Z」のコンボでボスにヒットバック+大ダメージを 与えることができる。しかしボスの攻撃もワンパターンではないので、 たまには距離を置いて射撃攻撃で攻めるのもいい。 実はボスの体力は結構少ないからどのキャラでもゴリ押しでいける(小声) ほらほら HP:550 イキ杉沢村のボス。 廃病院の探索中に野獣達の前に現れたバケモノ きっしょ。 HPが減るとフォルムチェンジする。フォルムチェンジすると移動スピードが速くなる HPがごっそり削られる噛み付き攻撃が厄介。接近戦をしている時にに発動されると避けるのは難しい。 ある程度距離を置きながら戦おう(提案) ショット 黒い陰陽玉のタマを発射する タマは主人公にねっとり付いて行く 直接攻撃や飛び道具でかき消そう(提案) 高速移動 おもむろに高速移動をして横一列の範囲を体当たりしてくる。 噛み付き 主人公に飛び掛かり、噛み付き攻撃をする。 HITするとHPがごっそり削られる(15~60) 噴火 HPが少ない時に使用。真上に大量のショットを出す。 おすすめキャラ:無敵突進が使えるキャラ 無敵突進があると攻撃が避けやすくなる&距離を置くことができるので少しは楽に戦えそう 逆に言うと移動スピードが遅く、無敵突進が無いキャラはあまりオススメできない 右の足場に突っ立って関西クレーマーのレコーダーでチマチマダメージを与える戦法もアリかも ALISON HP: ダンスホールのボス。 ヤクには飽きたらず自身の腕を刀にしてしまった。 なんだここは、滑るぞ! 斬撃 前方に斬撃を放つ ダッシュ斬り 前方に全身しながら斬撃を放つ 真空波 前方に飛び道具を放つ おすすめキャラ:ONDISK 距離を開けつつムーンサルトや連続蹴り、一定間隔で攻撃してくるのでそれをスライディングで迎え撃つ を繰り返したら勝てるゾ ONDISKのスライディングは移動距離が程よいので迎え撃つのに最適だゾ HPが半分以下になったら唐突に行動スピードを上げてくるので注意 それさえ対処できればノーダメージ撃破を狙えるゾ これって…勲章ですよ… レシートリザード HP:620 精神世界 14-1の最後に登場するボス。 野獣先輩の精神世界での遠野が変貌した姿。いいよ!かかって来いよ! 世界の業火 前方に縦三列の炎を吐く。 世界の突進 パターンが3つあり、真っ直ぐ突っ込んでくる場合と、突進しながら斜め上に移動する場合と、 急上昇してから突進する場合がある。全てスピードは遅いしダメージも少ないクソザコナメクジ技。 おすすめキャラ:野獣先輩 だって野獣先輩しか選べないじゃないか(憤怒) 敵の攻撃は全部クソザコナメクジ技だゾ。だがゴリ押しせずに、ヒット・アンド・アウェイで行くことを推奨する。 スーパーMUR肉 HP:700 精神世界 14-2の最後に登場するボス。 キモい(直球)謎の生物。実は作者は前作に登場した某投稿者。 ジャンプ 天井までジャンプする。スーパーMUR肉の上を飛び越そうとしないかぎり当たらないからヘーキヘーキ 多脚MUR肉召喚 頭上から三体の多脚MUR肉を召喚。早めに倒そう。 スーパーMUR肉汁放出 前方に肉汁的なのを放出。単発だけならまだしも、全弾喰らうと地味に痛い。 高速移動 操作キャラの方向に高速で移動する。何の前触れもなく放ってくるから当たっちゃっても ま、多少はね? おすすめキャラ:MUR ちょっと待って、MURしか選べないやん 基本的な立ち回りはポッチャマ・・・を沢山出して、ゲージが溜まったらエンペルト・・・を出す の繰り返しで勝てるゾ ぷちどる先輩 HP:450以下(要検証) 精神世界 14-Bの最後に登場するボス。 キモ可愛いから可愛いを抜いた感じ。 なキャラ要するに単なるキモキャラじゃないか(憤怒)。遠野の攻撃力が低いせいか、体力も低め。 ンアッー!×1 頭上に6つのせいs・・・をばら撒いて攻撃する。その後降ってくる。 ンアッー!×2 頭上に6つのせいs・・・を2回ばら撒いて攻撃する。(以下略 高速移動 他のキャラと同じだゾ。 地形を利用すれば回避できる。 おすすめキャラ:遠野 バイオリンで興奮ゲージを稼いでからI can't waitを当てるという立ち回りで勝てるゾ サイクロップス先輩 HP: 長柄ダムのボス。 その正体は野獣三本目「SCOOOP!!!1 - Virtual Sex イカせ隊見参!!!」に出演した野獣先輩。 だが本作では兵器として生み出されたロボット。 加筆 オナシャス! おすすめキャラ: 加筆オナシャス! ヘイホー先輩の心臓 HP: 体内のボス。 心臓の癖に攻撃してくるのか・・・免疫器官かな? 加筆 オナシャス! おすすめキャラ: 加筆オナシャス! 踊る涅槃先輩 HP: アジト 17-2の最後に登場するボス。 素早く動き回り、ひたすらこちらへ向かってくる。唐突にワープして段差から降りてくることもあるので、落ち着いて対処しよう。攻撃力は高くないから被弾しても気にしすぎないように。 加筆 オナシャス! おすすめキャラ:KMR このボスの動きに付いてこれる上に、一撃離脱が可能なのがいいところ。必殺技を当てるのは難しいが、それ以外なら簡単。相手が近づいてくることを利用して、無敵移動で惑わすのも楽しめる。背後をとることに専念すれば対処は更に楽になる。 召喚キャラがこのボスを追尾しないので、戦う時は要注意。 マザーブレイン(マザーブレインJYU) HP: アジト 17-Bで登場するボスであり、本作のラスボス。 加筆オナシャス! 加筆 オナシャス! おすすめキャラ:無敵移動が使えるキャラ 右のジャンプ台を踏み、右上の高台に陣取ろう。するとJYUがこちらを追いかけに右端に引っかかるほど前進してくる。 右端に引っかかればJYUがこちらを攻撃できる技が岩吐きだけになるので、それを壁に向かって無敵移動で躱せばほとんど被弾せずに戦える。 JYUの当たり判定はかなり広く、高台から近接攻撃をしてもダメージを与えられるので、JYUの攻撃タイミングを見計らいながら攻めていこう。攻撃に夢中になりすぎないように。 GO HP: 勝ち抜きボスバトルにて登場するボス。 まさしくgo is God。万全の状態で挑むこと。 [攻略][瞬間移動]不特定の位置に連続で移動する。強化されると移動の際に爆発が起こる。 [Godの怒り]羽を生やし、雷、炎、星(ワープスター)を出す。強化されると大きさや数が変化する。 雷は画面上側から、炎と星は自分の頭上から出す。 また体力が一定数減ると攻撃が強化される。 加筆 オナシャス! おすすめキャラ:無敵移動技が使えるキャラ とにもかくにもGOは範囲の広い技ばかりなので、移動で回避する事はまず不可能。無敵移動でかわしながら攻撃を当てていき、必殺技で隙をみて削る...を続ければ勝てるゾ。(下手したらラスボスより厄介とかそれ一番言われてるから)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1698.html
幻想郷。 失われた自然といまだ人が共存する地。 大地の恵み、川の恵み、風と雨に立ち向かい、その猛威を畏れ、恩恵に感謝する。 自然と対峙し、ときに糧を得るべく狩り、または育む。 人が自然の中に生きるために狩るもの…それは、ゆっくりと呼ばれる存在であった。 この村には風変わりな家がある。この家には一人の男が住んでいる。 村の規模はまだ小さく、発展の途上にあることが十分に伺える。頑丈な、これだけはまずしっかりと拵えた柵の内に村人は家を建て畑を耕し、しかし、この男と幾人かの村人は農民の生活に合わせず、 朝は遅くまでベッドの上、夜はいつ帰るともしれず、それでいて男を見る村人の眼はいつも尊敬の念にあふれていた。 そんな男の家は村の中心にあり、村長の家をしのぐ大きさを誇る。ただ、その形が異様だ。大きな台形のような外見で、二階には大きな窓が二つ、屋根は真っ黒に塗られ、天井は高く尖り、家の後ろには波打った藁のようなものが垂れていて、 近くで見るとつるつるとした壁肌が、村からゆっくり離れて、段々とその形が周辺の者なら誰でも見覚えある形にまとまって見えてくる。大きな、大きな、ゆっくりまりさの形に。 この男の家はゆっくりでできていた。 村の中で異彩を放つ、その家は庭のようにちょうど周囲を取り巻く柵を境に、ゆっくりを丸ごと家に改造したものなのだ。 かつて村を襲った脅威の一つ、10m級ドスまりさを剥製化して、職人を招き、住居として手を加えたもの。 あんぐりとあけっぱなした巨大な口には、すっぽりと豪奢な鉄のドアを嵌め込んで。 目の部分は二つの円窓を誂え。 皮は、樹脂とゆっくりの餡子を練りこんだ特製の油を塗りこみ、コンクリートのように硬化処理し。 風船のようにぷっくりと広げた内部は餡子を残らず抜き取って大黒柱と支柱を数本立て、床には絨毯を敷き詰め。 帽子と髪の毛も腐敗処理を施して屋根として利用してある。 この家はまさしく、「ゆっくりの家」だ。 そんな奇妙な家の内装もまた、あらゆるものがゆっくりで作られていた。 成体のゆっくり各種を背中から切り開き、餡子を抜いて代わりに綿を詰めて縫い合わせたゆっくり縫いぐるみ。 生きたままのゆっくりの頭部に穴をあけ、花の種を植えたゆっくり植木鉢。これはゆっゆっと掠れた声でぴょんぴょん跳ねながら、頭の花をゆらゆら揺らしている。 柱に打ち付けられたゆっくり時計。膨らんだ腹部に鳩時計と同じ仕掛けを施し、定時になると生まれたての赤ん坊ゆっくりがぽーんと転がり出てくる。 箪笥や、床に置いた道具箱などもゆっくりから拵えたものばかり。 なぜ、これほどにゆっくりにこだわるのか。男にしてみると、こだわるとかそういった問題ではなかった。ただ、生活に関わるあらゆるものが、ゆっくりであっただけで… この男の職業は、ゆっくりハンターだから。 人口は百足らず。時折訪れる行商人とのわずかな交易と狩りの成果に頼る小さな村は、つい最近の開拓によって作られた。 都市を出て郊外を離れ、ずっと森の中に分け入ったさらに先、自然の趣たっぷりな平野に新天地を求めた人々によって築かれた。 だが、そこは伝説でしか知られない不自然の脅威にさらされる地だったのだ。 大きな森や山に必ずいるという、生まれつきの素質をもつ個体が、強運と狡猾さで生き延びて、群れを支配するまでに巨大化した、ドスまりさ。 都では滅多に確認されない、ドス級の巨体に加え、鮮やかな桜色のリボンがトレードマークのれいむ種、リオれいむ。ドススパークに匹敵する火炎球を放つという。 姿かたちは元の種と変わらず、やや大きめの体に人間でも追跡できぬ異常な素早さと凶暴性を秘めた、ちぇんクック。さらに凶悪なちぇんガルルガなる種も噂に語られる。 遠目からでも、地響きと20mという巨体ゆえに目立つ、ティガれみりゃ。 それ自体が一つの山と数えられ、もはや災害そのものにまで増長し、都の防衛庁が対策を講じねばならぬという、ラオシャンみょん。 もはや伝承ですら語られることも稀な、 伝説に忘れ去られた古代の知識を身に着け、天を裂き山を揺るがし、自然現象を操る超常の種、ミラボレぱちゅ。 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 辺境の村はどこもゆっくりの脅威に晒された。ある村は蝗の様に襲いかかるゆっくりの大群に畑を食い尽くされ、ある村は見たこともない巨大なゆっくりに家を踏み潰され、村があった場所はもはやただの平原に変わったという。 ゆっくりを対処する手段が求められた。ゆっくりを研究し、ゆっくりにのみ通用する毒やゆっくりの本能を刺激して罠にかける方法が編み出された。だが、それだけでは足りなかった。 小さなゆっくりには人的手段が通用したが、災害に等しい巨大種には常人では対抗しきれない。 そうして立ち上がったのが、ゆっくり虐待派と呼ばれた青年たちだった。はじめ、彼ら彼女らは生き物を無残に遊び殺すと忌避された。しかし、ゆっくりを様々な方法で玩ぶうちに、虐待派はゆっくりのあらゆる特性を学んでいった。 彼ら彼女らはただゆっくりを殺害する手段だけではなく、生活に役立つ道具としてゆっくりを加工する手段も編み出していったのだ。 いつの間にか、森に棲むゆっくりを狩り、ゆっくりから武器や防具を加工して、仲間同士で連携して巨大種を倒す技を身につけた者を 「ゆっくりハンター」 と呼び、いまや開拓村、辺境の町ではなくてはならない存在となった。 ハンターには素質が必要だ。それはゆっくりを傷めつける虐待の精神がなにより重要とされる。 ゆっくりは極めて世代交代のサイクルが短い。また、個体自体の「進化」と他の生命体なら呼ばれるだろう環境への適応能力もまた著しく高いのが特徴である。 その最たる例が、『虐待などで過度のストレスを長期受け続けたゆっくりの餡子は非常に甘くなる』というものである。 これは殆どのゆっくりに当てはまる、環境への自己適応である。 ハンターはゆっくりを狩り殺すだけが能ではない。生業として成立するために、ゆっくりから様々な道具を作り出す知識を身につけている。ゆっくりにかける負荷の度合いや部位によって、硬度や弾力性に変化を持たせることで、 巨大種の皮や餡子、または眼球や舌などから衣服、調度品、薬品、そしてハンターがゆっくりを狩るための武具を作り出すのだ。 ゆっくりを狩る者にも色々いるが、(都では、身長を超えるような大きな玄能を嬉々として振り回す少女のハンターがいるともっぱらの噂だが)時には、胴体付きゆっくりを捕獲して調教ないし教育し、 ペットや使用人、あるいは狩りの手伝いをする助手として利用することもある。 この開拓村に、ゆっくりの家を造って暮らす男は、随一のハンターである。討伐、捕獲、採集、あらゆる依頼をこなし、かつてはラオシャンみょんの進行を阻止する要塞戦で勝利を収めたほどの猛者だ。 日が沈み、夜が訪れる頃。 男の家に客人が現れた。村長だ。曲がった腰を杖で支え、ドアをゆっくり叩いた時、男はちょうど食事の時間で、飼いゆっくり(ピンクと白の縞々帽子をかぶせたまりさ)を撫でながら、コックのれみりゃが作った小籠包を味わっていたところだった。 村長の用事はわかっていた。それは依頼だ。 「急ですまんがの。また森のほうでゆっくりがあらわれたそうじゃ。行商人が依頼を持ってきた。なんでも近く都のほうで新しい建設の計画があるそうじゃが、その付近で凶暴なゆっくりが群れをつくっとるそうじゃ。都から派遣されるハンターと共同で討伐してくれとの。」 男はそれだけ聞くと、口元の肉汁を拭い、膝の上のゆっくりを払い落して無言のまま、壁に掛けた武具を取り出し装着した。 彼が身につけるのは、かつてラオシャンみょんを討伐した際、剥ぎ取った表皮を乾燥させ、薬品に漬けこむことで銃弾の衝撃を吸収するほどの耐衝撃性をもたせたものを甲冑として鍛えた「暁丸」、 武器はラオシャンみょんの牙を削った太刀「楼観剣」である。 準備が整うと、村長が手配したゆっくり車(底部に車輪を取り付け、横長に変形した2m級のドスまりさ二体が牽引)に乗り、鞭を振るった。 ひぃっと小さく声を上げると、ドスまりさがゆっくりと移動を始めた。 地図に示された狩り場に辿り着くのは深夜。もっとも狩りに適した時間だ。それまで男は休息を取るべく目を閉じた。ハンターの習性ゆえに、男はすぐに眠りに落ちた。 目が覚めた時には、非情かつ冷酷なハンターがそこにはいるだろう… (続く) おはようとそしてこんにちは、それからこんばんは VXの人です。 どうしても書きたかった。後悔はしてはいけないと信じてる。シンジテル。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/wiki6_piro/pages/7311.html
2013年8月29日(木) 北多摩日帰りツーリング 旅行記一覧 > 2013年8月北多摩 2013年度旅行記■2013年5月奥多摩キャンプツーリング2013-05-252013-05-26■2013年7月霧降高原・足尾ツーリング2013-07-142013-07-15■2013年7月君津日帰りツーリング2013-07-28■2013年8月北多摩日帰りツーリング2013-08-29■2013年9月鹿児島■2013年9月飯能・秩父キャンプツーリング2013-09-222013-09-23■2013年9月奥多摩トレイルライド2013-09-29■2013年11月毛呂山トレイルライド2013-11-23■2013年12月奥多摩トレイルライド2013-12-01■2013年12月君津・市原2013-12-14■2013年12月湘南・熱海2013-12-15■2013年12月奥多摩トレイルライド22013-12-22■2014年1月奥多摩トレイルライド2014-01-19■2014年3月奥多摩トレイルライド2014-03-21■2014年3月毛呂山トレイルライド2014-03-23■旅行記一覧 ←2013-07-28 | → 走行距離:約62km 獲得標高:約70m 天気:晴れ 気温:走行時度29~32℃(11:00~16:20) 気象庁 府中 2013年8月29日 2013年8月北多摩の装備 すべての写真(フォト蔵) フォートラベル 今日は夕方5時からの美容院まで時間があるので、独りサイクリング。 いつもならスートラで行くけど、今替えチューブがなくて不安なので、別のバイクで。 GT レイジは乗れない。 この前復活させるかと、整備しようとしたら、STIレバーが壊れてた。前後ともリリースが空振りしてしまう。 今後は以下3案を検討中。 シングルロード化(ブレーキレバーとシングルスピードキットがあるので追加無しでできる。) お気楽ロード化(手持ちのブレーキレバーとバーコンとMTB9速スプロケで。要MTBリアディレイラー、9速チェーン。) フラットバー化(手持ちのラピッドファイヤで。ロードFDと互換性ないのでフロントはシングル化。要MTBリアディレイラー、26.0mmハンドルバー、キャリパーブレーキ対応レバー、9速チェーン) キャノンデール M400を昨日整備して乗れるようにした。 短いステムの妻仕様から元に戻して、スプロケをXTにグレードアップ。 2008年5月に妻に譲って以来だから、5年ぶりに乗る。 5年ぶりのグリップシフト。最初、いつものデュアルコントロールレバーの癖で、ブレーキレバーを動かそうとしてしまった。 明治通り。大久保付近の拡幅工事、ついに始まったかー。 明治通り沿いにある学習院旧正門。重要文化財。 昭和11年築の下宿、日本館。現役の数少ない賄い付き下宿。 中庭を四角く囲むコートハウス形式になっている。その一角のアールのついた玄関がいい感じ。 あたりの路地をふらふら進んで高田馬場駅方面へ。 高田馬場駅前の早稲田通り。 車道を区画して駐輪場ができてた。 近年、駐輪場の道路占用が認められるようになってきたけど、歩道に設けられてて、車両であり原則車道通行の自転車なんだから、歩道をいじめず車道に設置が筋なんじゃないかと前から思ってた。初めて見た。 第一の目的地、高田馬場駅前のバインミーサンドイッチ。 バインミーとは、ベトナムのサンドイッチのこと。 ベトナムハム&レバーペーストのバインミー。 ベトナムはフランスの植民地だったので、パンといえばフランスパン。 でも独自の改良が加わってて、米粉が加えられてる。これのおかげでサックリもっちりで、噛み切りやすくてサンドイッチに最適。 ハムがうまいし、レバーペーストも臭みが無くしかもしょっぱすぎずにとてもおいしかった。 そして、食べられなかったパクチーを挑戦してみたら食べられた。 かつてベトナムに行ったときは、数度挑戦したけど無理だったのに。 他のも食べたいなー 早稲田通りを西へ走る。中野通りとの交差点。中野通りの桜並木。 中杉通りとの交差点。中杉通りのケヤキ並木。うっそうとしてていい。 早稲田通りをそれて、日大通り。日大二高通り商店街。 日大二高。オードリーの出身校。 青梅街道を走っていて見かけた、道沿いの荻窪八幡神社に寄る。 参道の木々がいい雰囲気だったので。 回廊があって立派な社殿。 大通り沿いなのに、木々に囲まれて車の音も聞こえず、とても落ち着く空間だった。 太田道灌が植えたとされる道灌槇。 2本の幹の片方が折れてしまったけど、樹齢500年らしい。 杉並区指定天然記念物。 神社裏側の向かいの家。敷地内にたくさん巨木があって、こういう家すごい憧れる。 建築設計事務所をやってる家だった。 荻窪八幡神社の鎮守の森。 12時過ぎてかなり暑くなってきた。ここは木陰でいいけど。 家から持ってきた水は飲み干してしまったので、吉祥寺あたりで水分補給。 三鷹駅前から玉川上水沿いの道を走る。 快調に走っていたのだが、今日は多摩湖の方へ行こうと思ってたんだった。 間違えた、こっちじゃない。 小金井街道(東京都道15号)を北上。 このあたり、屋敷林に囲まれたかつての農家の構えがけっこう残ってる。これがかなりの大木でいい。 多摩湖自転車道へ。多摩湖から浄水場までの水道管の上を通ってる。 地元の人のママチャリや散歩の人ばかりの、地域密着型サイクリングロード。 多摩川や荒川とは全然雰囲気が違う。バリバリのロードなんて全然走ってなかった。 ちんたら走る分には快適な道。 小平市を越えて、東村山市に入るあたりから交通量が減ってかなり快適に。 武蔵野うどんを食べたいと思ってたけど、14時過ぎてしまってやってる店がない。 まだやってる武蔵野うどんの店を探して、野沢屋に到着。 お店に入ったら、おばちゃんが店を閉める準備をしてたけど、入れてくれた。 肉汁うどん並 がっしりしたうどん。うまい。 今日のメイン、東京都にある二つの国宝建造物のうちの一つがある正福寺。 静かな住宅街のなかに突然あらわれた。 山門。 元禄年間建立の四脚門。東村山市指定有形文化財。 国宝建造物があるお寺だというのに、人は建物の陰で座ってしゃべってた地元のおじさんが二人いるだけ。 日本一観光客の少ない国宝建造物じゃなかろうか。 地蔵堂。国宝。 室町時代の1407年建立。 鎌倉の円覚寺舎利殿とともに、禅宗様建築の代表例。 屋根の強い反りが、禅宗様の特徴の一つ。 反ってるなー 八坂神社。 正福寺に隣接していて、元は鎮守社だろうか。 正福寺を見終わったら、15時。17時の美容院まであんまり時間が無い。 東京都道5号(新青梅街道)をとばす。 この後、東京都道・埼玉県道4号、東京都道302号と、最短距離で帰宅。 追い風気味なのもあって、1時間20分くらいで到着した。 旅行記一覧 > 2013年8月北多摩 2013年度旅行記■2013年5月奥多摩キャンプツーリング2013-05-252013-05-26■2013年7月霧降高原・足尾ツーリング2013-07-142013-07-15■2013年7月君津日帰りツーリング2013-07-28■2013年8月北多摩日帰りツーリング2013-08-29■2013年9月鹿児島■2013年9月飯能・秩父キャンプツーリング2013-09-222013-09-23■2013年9月奥多摩トレイルライド2013-09-29■2013年11月毛呂山トレイルライド2013-11-23■2013年12月奥多摩トレイルライド2013-12-01■2013年12月君津・市原2013-12-14■2013年12月湘南・熱海2013-12-15■2013年12月奥多摩トレイルライド22013-12-22■2014年1月奥多摩トレイルライド2014-01-19■2014年3月奥多摩トレイルライド2014-03-21■2014年3月毛呂山トレイルライド2014-03-23■旅行記一覧 ←2013-07-28 | → 関連項目 2013-07-28 2013年8月北多摩 2013年8月北多摩の装備 2013年度/行った所写真 2013年度/食べ物写真 キャノンデール M400 バインミーサンドイッチ 多摩湖自転車道 学習院旧正門 旅行記一覧 日本館 東京サイクリング 東京巡り 正福寺 武蔵野うどん 玉川上水 自転車写真 荻窪八幡神社 野沢屋 この項目のタグ 2013年 2013年8月 2013年8月29日 小平市 新宿区 旅行記 日記 杉並区 東京都 東大和市 東村山市 武蔵野市 タグ「2013年8月」がついた項目 2013-08-29 / 2013年8月北多摩 / 2013年8月北多摩の装備 / アートブレッドファクトリー東京店 / 荻窪八幡神社 / 学習院旧正門 / 霧島市 / 正福寺 / 杉並区 / 泰明小学校 / 玉川上水 / 多摩湖自転車道 / 東京都道・埼玉県道4号 / 東京都道15号 / 東京都道128号 / 東京都道129号 / 日本館 / 野沢屋 / バインミーサンドイッチ / 東大和市 / ポール / ボワドヴァンセンヌ / 峰屋 / 武蔵野うどん / 武蔵野市 タグ「2013年」「日記」がついた項目 2013-03-10 / 2013-05-25 / 2013-05-26 / 2013-07-28 / 2013-08-29
https://w.atwiki.jp/wakures/pages/76.html
さ行 さ行サーモンの刺身 サーモンのマリネ サーロイン定食 最高級霜降り牛のステーキ 最高級フィレ赤ワインソース煮込み 最高級フィレステーキ 魚フライのスープ 鮭茶漬け 雑穀と豆の豆乳雑炊 サツマイモ餅 2 3 4 5 6 7 8 9 10 次のページへ サーモンの刺身 サーモンの刺身中国東部「秋亭」 新鮮であでやかなオレンジ色の身は格別に食欲を刺激します。 特級 ジャンル 前菜 価格(一押し) 66(?) コスト(一押し) 57(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 313(?) 包丁技 289 香(一押し) 318(?) 調味技 291 味(一押し) 304(?) 火加減 286 調理情報 習得条件 調理時間 2時間 習得Lv制限 Lv60 調理費用 400ドル 高級料理習得数 18 習得数 20~30個 食材 魚Lv3 18 野菜Lv3 6 × × × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) サーモンの刺身を編集 ▲TOP サーモンのマリネ サーモンのマリネ中国東部「紅邸」 サーモンを可愛らしく花の形に盛りつけました。 特級 ジャンル 前菜 価格(一押し) 53(?) コスト(一押し) 44(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 343(?) 包丁技 368 香(一押し) 332(?) 調味技 366 味(一押し) 325(?) 火加減 363 調理情報 習得条件 調理時間 10時間 習得Lv制限 Lv60 調理費用 1600ドル 中級料理習得数 18 習得数 16~24個 食材 魚Lv3 10 果物Lv3 7 卵Lv3 4 肉Lv3 4 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) サーモンのマリネを編集 ▲TOP サーロイン定食 サーロイン定食大阪「ついん」 豪華な牛肉のステーキを、ボリューム満点な定食でいただきましょう。 中級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 37(?) コスト(一押し) 32(?) 風味(一押し) 85(?) 品質 属性条件 色 211 包丁技 143 香 217 調味技 141 味 222 火加減 145 調理情報 習得条件 調理時間 2時間50分 習得Lv制限 Lv30 調理費用 360ドル 初級料理習得数 9 習得数 24~36個 食材 米穀Lv2 4 肉Lv2 4 野菜Lv2 4 スパイスLv2 4 × × × × 一押し食材 米穀Lv2 20 ふりかけLv2 1 スパイスLv2 10 × × クイズ 問題 ステーキの焼き方でよく焼いた状態とはどれでしょうか?一つ選びましょう。A.ミディアム B.ブルー C.レア D.ウェルダン 答え(反転) D. ウェ ル ダ ン サーロイン定食を編集 ▲TOP 最高級霜降り牛のステーキ 最高級霜降り牛のステーキ中国東部「赤坂亭」 最高級の霜降り牛のステーキはレアで召し上がれ。 特級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 66(?) コスト(一押し) 57(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 365(?) 包丁技 289 香(一押し) 379(?) 調味技 290 味(一押し) 356(?) 火加減 287 調理情報 習得条件 調理時間 2時間 習得Lv制限 Lv60 調理費用 400ドル 高級料理習得数 18 習得数 20~30個 食材 肉Lv3 18 スパイスLv3 6 × × × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 最高級霜降り牛のステーキを編集 ▲TOP 最高級フィレ赤ワインソース煮込み 最高級フィレ赤ワインソース煮込み台湾台北士林「マタドールファミリー」 あふれ出す肉汁が素晴らしい高級サーロインを赤ワインソースで煮込みました。 特級 ジャンル おかず 価格(一押し) 72(?) コスト(一押し) 63(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 365(?) 包丁技 273 香(一押し) 362(?) 調味技 275 味(一押し) 373(?) 火加減 270 調理情報 習得条件 調理時間 30分 習得Lv制限 Lv60 調理費用 120ドル 高級料理習得数 18 習得数 12~18個 食材 肉Lv3 9 野菜Lv3 6 キノコLv3 6 スパイスLv3 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 最高級フィレ赤ワインソース煮込みを編集 ▲TOP 最高級フィレステーキ 最高級フィレステーキ台湾台北士林「マタドールファミリー」 最高級フィレの肉厚重厚さが売りの高級ステーキです。 レア ジャンル おかず 価格(一押し) 81(?) コスト(一押し) 70(?) 風味(一押し) 175(?) 品質 属性条件 色(一押し) 447(?) 包丁技 350 香(一押し) 444(?) 調味技 345 味(一押し) 434(?) 火加減 347 調理情報 習得条件 調理時間 2時間 習得Lv制限 Lv75 調理費用 520ドル 特級料理習得数 24 習得数 20~30個 食材 肉Lv3 10 野菜Lv3 7 ミルクLv3 6 スパイスLv3 4 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 最高級フィレステーキを編集 ▲TOP 魚フライのスープ 魚フライのスープ中国東部「コバンコク」 タイ式のスープ。 特級 ジャンル スープ 価格(一押し) 53(?) コスト(一押し) 44(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 285(?) 包丁技 363 香(一押し) 295(?) 調味技 366 味(一押し) 305(?) 火加減 368 調理情報 習得条件 調理時間 10時間 習得Lv制限 Lv60 調理費用 1600ドル 高級料理習得数 18 習得数 16~24個 食材 魚Lv3 12 卵Lv3 8 スパイスLv3 5 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 魚フライのスープを編集 ▲TOP 鮭茶漬け 鮭茶漬け東京「自遊空間」 鮭が大胆にも一切れのった自遊空間自慢の鮭茶漬けです。 中級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 50(?) コスト(一押し) 43(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色 290 包丁技 225 香 285 調味技 223 味 300 火加減 227 調理情報 習得条件 調理時間 5分 習得Lv制限 Lv30 調理費用 480ドル 初級料理習得数 9 習得数 20~30個 食材 魚Lv2 5 米穀Lv2 3 スパイスLv2 3 × × × × × × 一押し食材 魚Lv2 20 ふりかけLv2 1 スパイスLv2 10 × × クイズ 問題 鮭茶漬けに添えた薬味はどれでしょうか。一つ選びましょう。A.わさび B.しょうが C.ねぎ D.からし 答え(反転) A. わ さ び 鮭茶漬けを編集 ▲TOP 雑穀と豆の豆乳雑炊 雑穀と豆の豆乳雑炊東京「大戸屋ごはん処」 大戸屋オリジナルの雑穀ご飯と、たっぷりのあさり、野菜を煮込み、豆乳を加えました。添えられたおろし生姜で、風味豊かに仕上げた健康志向のひと品です。※雑穀ご(途中切れ) 中級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 36(?) コスト(一押し) 31(?) 風味(一押し) 85(?) 品質 属性条件 色 226 包丁技 143 香 216 調味技 141 味 208 火加減 145 調理情報 習得条件 調理時間 1時間20分 習得Lv制限 Lv30 調理費用 440ドル 初級料理習得数 9 習得数 24~36個 食材 豆製品Lv2 6 ミルクLv2 6 スパイスLv2 5 × × × × × × クイズ 問題 使用するごはんの中で、正しいものを一つ選びましょう。A.白ご飯 B.麦ご飯 C.玄米ご飯 D.雑穀ご飯 答え(反転) D. 雑 穀 ご 飯 雑穀と豆の豆乳雑炊を編集 ▲TOP サツマイモ餅 サツマイモ餅北海道「駝鳥」ユーザ:三光鳥様 投稿作品 砂糖を使わないで作れる、素材の味を生かしたお手軽おやつです。カボチャでも同様に作れます~♪ 特級 ジャンル デザート 価格(一押し) 66(?) コスト(一押し) 57(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 232(?) 包丁技 283 香(一押し) 222(?) 調味技 280 味(一押し) 206(?) 火加減 278 調理情報 習得条件 調理時間 2時間 習得Lv制限 Lv60 調理費用 400ドル 高級料理習得数 12 習得数 20~30個 食材 野菜Lv3 7 米穀Lv3 6 ミルクLv3 5 スパイスLv3 4 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 サツマイモはどうやって調理するでしょう?A.皮を剥かずに茹でる B.皮を剥いて茹でる C.皮のまま焼く D.何もしない 答え(反転) B. 皮を剥いて茹でる サツマイモ餅を編集 ▲TOP 2 3 4 5 6 7 8 9 10 次のページへ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/858.html
※虐待されないゆっくりが居ます ※虐待と言うよりは虐殺かもしれません ※俺設定入ってます ※東方キャラがほんのちょっとだけ出てます <<ふつうとちょっとだけちがうゆっくりさくやのおはなし>> ゆっくりさくやというゆっくりがいる。 銀髪にまるでメイドのようなカチューシャの形をした飾りを持つゆっくりだ。 数はあまり多くないらしく中々見かける機会は少なかったのだが、とある事情により我が家で飼うことができるようになった。 これは、普通とほんの少しだけ違うゆっくりさくやと俺のある日の出来事である。 「だんなさま、あさですわ! ゆっくりおきてください!」 ある日の朝。いつものようにさくやに起こされた。さくやはいつも俺より先に起きる。一度さくやが寝るまで待ってみようとした事もあったが、 さくやも寝ずに根競べになって三日三晩寝ずにすごしてダブルノックダウンとなってからは諦めた。 このさくやは元々湖の向こうにある紅魔館という所で飼われていたゆっくりで、里に行商に行った際に会ったそこに住む赤い髪の悪魔さんから譲り受けた。 なんでも屋敷にいたほかのゆっくりと問題を起こして屋敷に置けなくなったが、捨てるには忍びないので誰かに譲りたかったらしい。 何で縁もゆかりもない俺かと疑問に思ったものだが、間違っても屋敷に来ないような人なら誰でも良かったらしい。 まあ、信用してもらえたのなら有難い事だ。出来るならば俺の露店の商品を買ったり胸触らせてくれたりしたらもっと良かったが。 しかしまあ、そこでの教育の成果なのだろう、このさくやは、人間の俺から見ても非常に優秀でそつがない。 こいつ本当にゆっくりなのか? そう思わせるほどに見知ったゆっくりの印象と違う。 まず控えめであり、人間(俺)を立て、ぎゃあぎゃあと騒ぐ事もない。家に侵入したゆっくりを仕留めておやつに出してくれるくらいだ。 逆にちゃんと戸締りをしてくれと注意もされた。それなら何故追い出されたのだろう、と思うが、妖怪の考えることは分からん。 恐らくこの性格からお嬢さまの機嫌でも損ねたのだろう。 「あいよ。しかしお前ほんとゆっくりしてないよなぁ」 「だいのゆっくりをえるためにはしょうのゆっくりはすてるのがしんのゆっくりですわ!」 ……さいですか。本当はゆっくりに姿を変えた向こうのメイドさんじゃねえのかお前。 寝床からのそのそと這い出て居間へと向かう。まずは飯を食わねば仕事も出来ない。 「さて、作業に入るか。さくや、外で遊んできていいぞ?」 俺は木を使った細工物を作る職人だ。作ったものを露店で売ったりもするが、オーダーメイド物のほうが売り上げはいい。 家庭でゆっくりを飼う事が多くなってからは。ゆっくり用のおもちゃやゆっくりが好む棲家用の家具も作っている。 そういった物を扱う店からの注文が一番多いが、まあ蛇足だろう。 さくやに手伝える事はあまりないのでそう言うと、さくやはこっちに向かって跳ねてきた。 そういえば、コイツに頼まれて作ったものがあったな…… 「だんなさま! おねがいしていたものはできました?」 「おう。出来てるけど他の家のゆっくりに向けて使うんじゃないぞ? 危ないからな」 そう言って出したのは木でできた小さなナイフ。ゆっくりが口に咥えて丁度いい、と言うくらいの大きさで、先端に重りが仕込んである。 ゆっくり種は大抵幻想郷の英雄や妖怪に似た顔を持ち、オリジナル(実際は違うらしいが便宜上そう呼ぶ)が持つ物を持ちたがる傾向にある。 例えばみょん種なら木の枝(刀のように使うらしい。飼いゆっくりでは木刀や小刀を持ちたがるとか。)、 ぱちゅりー種なら本(文字を書いた紙切れなら何でもいいらしい)等。 コイツの場合、オリジナルのメイドさんのように投げナイフを欲しがった。流石に刃物は危ないのでこうして木を削ったものを与えているが。 実際腕はたいしたもので、飛んでいる胴なしのきめぇ丸を仕留めた事もある。 「そんなばかなまねはしませんわ! ぷんぷん!」 心外だ、とばかりに膨れるさくや。こういうときばかりはこいつもゆっくりらしいなぁ、と思うので、ついついからかってしまうのだ。 「はは、悪い悪い。ほらよ」 与えてやると喜んで髪の下にしまい込む。前に見せてもらったが、まりさ種のように帽子がないためずり落ちないように工夫している。 その時はよく考えたものだなぁ、と感心したものだ。 「それではだんなさま、おひるにはもどりますわ! きょうのおやつはなにがいいですか?」 「あー、そうだな。ここ暫く餡子だったしそれ以外が食いたいな。まりさとれいむ以外だったら何でも良いや。 でもゆかりんだけは勘弁な」 「かしこまりましたわ!」 開けっ放しの戸から出て行くさくや。近所で飼っているゆっくり達と遊んだ帰りに野良を狩って来てその日のおやつにする、 というコースがいつもの流れで、多いときは4・5匹狩ってくることもある。その際にナイフを使うので、それなりに消耗が激しい。 まあ端切れの木材で作れるし甘味は得られるしで収支としては大いにプラスだ。 さくやも俺が喜んでくれるのが嬉しいらしく、嬉々として狩っている。楽しそうで何よりだが、 たまに怪我をして帰ってくるのであまり熱を上げすぎないようにとは言ってある。 狩って来たゆっくりは適度に恐怖を与えてある為美味いが、さくやが死んでは元も子もないのだ。 そして正午。ゆっくりが跳ねる音がするのでさくやが帰ってきたと思ったが、縁側に上がってきたのは違うゆっくりだった。 狐のような耳と9本の尻尾が生えたゆっくりと、猫のような耳と2本の尻尾が生えたゆっくり。 ゆっくりらんとゆっくりちぇんだ。何やら追われているようで、しきりに後ろを向いて酷く怯えた様子で震えている。 「どうしたんだお前ら。ここは俺の家だぞ?」 「わ、わかるよー! でもおわれてるんだよー! わかってねー!」 「何に追われてるんだ?」 と聞くと今度はらんが、 「と、とってもゆっくりできてないゆっくりだよ! ゆっくりたすけてね!」 「まー、良いけど。取り合えず中に入っておけ。そこだと見つかるんじゃないのか?」 手招きすると凄い勢いで跳ねてきて膝に乗った。まだ恐いのかガタガタと歯を鳴らしながら震えている。 そうしていると、少ししてまたゆっくりが跳ねてくる音がした。目を向けると、そこにはうちのさくやがいた。 らんたちの震えが一層酷くなる。なるほど、そういうことか。 「おい、あのさくやがお前達を追いかけてたゆっくりか?」 「そ、そうだよー! あのさくやがいきなりおいかけてきたんだよー! わかってねー!」 「にんげんさん、はやくあいつをやっつけてね! やっつけてくれたらおとなしくでていくよ!」 どうやら俺とさくやの関係は知らないらしい。俺はそんな2匹の頭を掴み、軽く持ち上げながらさくやに聞く。 「こいつらが今日のか?」 びくりと手の中の2匹が硬直する。どうやら俺とさくやの関係を理解したらしい。 「はい、だんなさま。たまにはいきのいいゆっくりでもとおもいまして」 2匹が激しく震えだす。俺は手をさくやの方に向ける。丁度、2匹の底面がさくやに向けられる形になる。 たまにはおやつの前にちょっとしたショーでも見ることにしよう。 「さくや、真ん中に当てろ」 「かしこまりましたわ!」 言うが早いか、さくやの姿が軽くぶれる。直後、2匹が「ゆぎぎっ!?」と悲鳴を上げる。 2匹の底面には俺がさっき渡してやったナイフが刺さっていた。丁度底面の中央、相変わらずいい腕をしている。 「よし、よくできた。後でごほうびをやろう」 さくやに笑いかけて、ナイフが刺さったままの2匹を天地逆にして床に置く。 ゆっくりは底面を動かして跳ねたり這ったりするため、底が損傷したり逆さにされると動けなくなる。 ナイフは刺さったままの為、迂闊にひっくり返ろうものなら深く刺さって悪ければ即死だろう。 俺は動けないようにした後囲炉裏に薪を放り込んで火をつけた。どちらかといえば、俺は焼き饅頭の方が好きなのだ。 それに底と口を焼いておけば、ナイフを抜いた後でも動けないし、食べる時に叫ばれなくて済む。 火を熾していると、背後でまた悲鳴が上がった。振り返ると、さくやが2匹の顎からナイフを貫通させて口を縫いとめていた。 そこまでしなくても良いのになぁ、と苦笑する俺の前で、薪がぱちぱちと燃え始めていた。 「さて、さくや。今日はご苦労さん。昼に言ってたごほうびだぞ」 夜。良い月がでているので、月見酒としゃれ込もうと縁側に出ていた。 俺とさくやの間にはさらに盛られた、いかにも美味そうな饅頭。この間寺子屋に顔を出した時にガキの時分世話になった慧音先生に会ったので、 髪飾りを差し上げたらお礼にと貰ったのだ。先生、できれば今度その胸にある2つの饅頭を揉ませてください。 ちなみにいうと、ゆっくりではない。ちゃんと材料の段階から吟味して丹精こめて作られた高級品だそうだ。 「おいしそうですわ!」 眼に見えて喜ぶさくや。やはりゆっくりなのか、甘いものには目がないようだ。 俺が饅頭を手に取ると、口をつけるのを確認してから時分も取って食べ始める。 本当、できたゆっくりだよお前は。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ……!」 目尻に涙を浮かべながら心底幸せそうな顔をする。いわゆる「へぶんじょうたい!」と言う奴だろうか。 そのいつもは見せない愛らしさに俺自身も「へぶんじょうたい!」となっていた所に水を差すかのように、 ぱたぱたと言う羽音が聞こえてきた。 「うー! うー! なんかいいにおいがするどぉ~?」 庭に下りてきたのはゆっくりれみりゃ。しかも胴付きだ。 捕食種として有名で、狩人の家では飼われることも多いれみりゃだが、胴付きはあまり好かれる事はない。 赤ん坊の頃からしっかりと教育された物ならともかく、野良の胴付きは図々しい個体が多いのだ。 胴なしは飛び回りこそすれ、多少我侭だが飼う際は他のゆっくりと余り大差はない。 だが、胴付きの固体は手足があり戦闘力が(ゆっくりにしては)非常に上がる反面、 慢心する事が多く常の生意気なゆっくり以上に自分を過信しすぎる。つまり非常に身の程知らずなのだ。 暫く辺りを見回していたれみりゃだが、どうやら俺や饅頭に気付いたようだ。 あのゆっくり独特のふてぶてしい笑みを浮かべ、こちらに向かって歩いてくる。 「おいしそうなあまあまがあるんだどぅ~。こーまかんのえれがんとなおぜうさまがたべてあげるからそれをよこすんだどぉ~?」 「だが断る」 そういってさっと家の中に皿を滑らせる。そして面食らったようなれみりゃに、畳み掛けるようにまくし立てた。 「俺の趣味は木で細工物を作る事ともうひとつ、自信満々に要求してくるゆっくりの要求を却下する事だ。 というか人の物が欲しいなら『寄越せ』はないだろ。『ください』だろ普通。まあくださいといってもやるつもりはないが」 言い放ってやると、れみりゃはぽかんとした後遅れて顔を真っ赤に染めて地団太を踏んだ。 そしてさくやがいるのに気付くと、俺を指差して大声で怒鳴り散らした。 「さくやー! そのあまあまをもってきてれみりゃによこすんだどぉー! そしてそいつをしょけいするんだどぉー! おぜうさまのめいれいだどぉー!」 れみりゃ種とさくや種の間には、オリジナルの様にさくやがれみりゃに奉仕するという奇妙な共生関係を築く場合がある。 初対面同士であってもそうらしいが、本能にそういうものだと刻まれているのだろうか。 しかしさくやは返事をしない。正直、素直に言う事を聞いてしまうのではないかと危惧したが、流石は元紅魔館のゆっくり。 その辺りの教育もしっかりしているようだ。 「…………」 さくやの顔は俯いていて良く見えない。心なしか震えているように見える。 本能が「れみりゃに奉仕せよ」と言っているのに抵抗しているのだろうか? だが、それは、間違いだと俺は気付かされた。さくやがなぜ紅魔館から追い出されたのかと言う理由を知ると共に。 「ざくやぁー! なぁにをじでるんだどぉ! ざっざとあまあまをもっでぐるんだどぉ!」 ゆでだこの様に真っ赤になって怒鳴り散らすれみりゃ。しかしさくやは動かない。 そして震えは良く見ずとも確認できる程に大きくなっていき、それが頂点に達した時、 まるで今日の昼と同じように、さくやの姿がぶれた。 「いぎゃぁぁぁぁぁっ!? でびりゃのぶりぢーなおべべがいだいんだどぉー!?」 れみりゃの悲鳴にそちらを向くと、れみりゃの両目にナイフが突き刺さっていた。そう、俺がさくやに作ってやったあのナイフだ。 れみりゃはそれを抜こうとするが、目測を誤りさらにナイフを押し込んでしまう。たまらず転倒し悶えるが、 さくやの動きがれみりゃが地面に倒れるよりも早かった。目にも留まらぬ速さでれみりゃに体当たりをすると、 胴体にストンピングをかました後、新しく取り出したナイフで四肢を縫いとめたのだ。 そして再度ナイフを取り出すと、今度は胴体に向けそれを突き刺し、引き抜き、それを何度も繰り返す。 「ふざっ! けるなっ! おまえのようなっ! くそまんじゅうがっ! おぜうさまでっ! あるものかっ! わたしのっ! おぜうさまは! れみりあさまっ! ただひとりっ! おまえのようなっ! できそこないがっ! かるがるしくっ! そのなまえをっ! かたるなぁっ! しねっ! しんでしまえっ! おまえのようなっ! ごみくずはっ! ゆっくりっ! しないでっ! さっさとっ! しねぇぇぇっ!」 突き刺し、抜き、また別の場所に突き刺し、抜く。 胴体に突き刺す場所がなくなれば今度は四肢、四肢に刺す場所がなくなれば今度は頭。 れみりゃ種は高い再生力を持つが、今回はそれが裏目に出た。他の場所を刺す間にその傷が治れば、 今度は治った場所から順に刺されていく。さくやの突然の狂乱は、それから暫くして れみりゃがゆっくりともいえないようなミンチに成り果てて動かなくなってから、ようやく終わった。 「はぁっ、はぁっ、おもい、しったか、くそ、まんじゅうめ……!」 「落ち着け、さくや。もう死んでる」 息を荒げ、なおもれみりゃに突き刺そうとするさくやを抱え上げ、抱きしめる。 抱き上げられる事で我に返ったのか、さくやはふるふると震えだした。袖が暖かい液体で濡れる感覚は、さくやが泣いているからだろうか。 「どうしたんだよいきなり。お前らしくもない」 「だ、だんな、さま……」 「取り合えず、洗ってやるよ。話はその後だ。今のお前、肉汁で凄いことなってるぞ?」 さくやの身体は、れみりゃの肉汁でぎとぎとになっていた。人間でいうなら、返り血で真っ赤に染まっているというところだろうか。 震えながらぽろぽろと泣くさくやを抱えながら、俺は風呂場へと向かった。 それから、暫く後。俺は居間でさくやの身の上話を聞いていた。 自分は生まれも育ちも紅魔館であること。自分は紅魔館の主、レミリア=スカーレットが戯れに手ずから育てたゆっくりであること。 主の事が大好きで、紅魔館を追い出された事も恨んではいないこと。そして、自分が紅魔館を追い出される事になった原因を。 「わたしは、おぜうさまがだいすきでした……こんなあるじにそだてられて、わたしはげんそうきょういちのしあわせものだともおもいました。 だから、ゆるせなかったんです、れみりゃが。あんな、おぜうさまをぶじょくするようなそんざいが……」 ゆっくりの多くは生意気で身の程を知らず、オリジナルにすら歯向かって殺される事もあるという。 ゆっくりアリスのレイパー種など、オリジナルからすれば皆殺しにしたくなるであろうものもいる。 さくやは、主の事を本当に慕っていた。忠義に篤い、ゆっくりらしからぬゆっくりなのだろう。 だから、れみりゃが許せなかった。オリジナルが飼っているれみりゃにすら牙を剥いて、殺してしまった。 それでやむなく紅魔館から出される事になったのだと言う。殺されなかったのは、せめてもの温情だったのだろう。 「そうか……まあ、気持ちは分かるよ。俺も生意気なゆっくりは腹立つし。 でもまあ、何事も程々が肝心だ。抑えるところを抑えるのも、瀟洒なメイドって奴だと思うぞ」 「はい……」 「俺は別にさ、それを知ったからってお前を追い出そうとかそういうのはないんだよ。 むしろ、嬉しいくらいだ。お前が腹の底までさらけ出してくれてさ。 だからさ……もっと抑えるところは抑えて、立派なメイドになれよ。 オリジナルが嫉妬するくらいに凄いメイドにさ」 「だんなさまぁ……っ!」 さくやが胸に飛び込んでくる。そういえば、こいつが自分からこうしてくるのは初めてだな…… 俺はそんな事を思いながら、声を上げて泣くさくやを抱きしめていた。 ―――――――――――――――――――――――― あとがき どうも、初めまして。95スレ 754です。 前々から書いてみようか、とは考えてたんですが、いまいちネタが浮かばずに居たところに 95スレ 750の人の一言にインスピレーションを得て書いてみました。 れみりゃ虐待SSというよりは、さくやメインのSSになってしまった感がありますが。 れみりゃを溺愛する咲夜さんというのが先達の方々のSSでよく見かけたので、 逆にさくやを育てるレミリア様がいてもいいのではないかと思いまして。 そして、そんな主に育てられたさくやは果たしてれみりゃを「おぜうさま」として認識できるのか?とも。 自分は「オリジナルをに愛されて育った後にゆっくりを見ても、主のまがい物にしか見えないのでは」という見解に至りました。 オリジナルに会った事がないさくやなら別なんでしょうけれど。 今回出てきたさくやは主に対する忠誠心が高すぎたさくや、と言う感じです。もはや狂信の域に達してるなぁこれ。 しかし、まだまだ虐待の仕方が甘いですね。虐待というより虐殺ですし。精進せねば。 今度はタカアキさんのやつのような、道具というか機械や虐待する為のものにゆっくりを放り込んで~みたいな物も書いてみたいです。 あと、一言だけ。今回はれみりゃを虐待しよう! ということでこういう感じになりましたが、 別にれみりゃが嫌いじゃないんです、俺。それだけですが。 最後に予想されるであろう質問に対するQ&A。 Q・なんで木工細工の職人なん? A・ナイフを作って与える都合上。深い意味は無いです。 Q・さくや速過ぎ。 A・紅魔館の英才教育マジパネエ。 Q・おっぱい揉みたがるなんて変態じゃねえか。 A・多感な時期に目の前にあんなものぶら下げられたらそりゃおっぱい星人に育とうというものです。 以上。 書いたもの ふつうとちょっとだけちがうゆっくりさくやのおはなし
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2832.html
この物語は、幻想郷の日常を淡々と描写したものです。過度な期待はしないでください。 原作キャラ崩壊、独自設定、パロディーなどなんでもあり。 以上に留意した上でどうぞ。 パティシエールな小悪魔3 「美味しい! 何ですかこの肉まん?! まるで舌の上でとろけるような感じです!」 一口その肉まんを齧った小悪魔は、そのあまりの柔らかさに驚いた。 明らかに普通のものよりも柔らかく、とろりとした肉汁が溢れそうになっている。 「これは、確かに今まで食べたことがないほど柔らかいわね」 隣で同じように肉まんを食べたパチュリーも、驚いている。 「どうです、中国四千年の味は?」 特製肉まんを賞味する二人に、テーブルの向かいからニコニコしながら声をかけたのは紅美鈴。 紅魔館の門番であり、赤い髪に緑色の中華風衣装を纏った、気を使う程度の力を持つ妖怪である。 ここは紅魔館の門の内側に作られた、門番のための詰所。 美鈴は紅魔館内にも自室を与えられていたのだが、勤務時間中以外も何かと便利なので、この詰所で過ごす事が 多かった。 今日は美鈴にとって、久々の休日であった。 門の外では、代わりの妖精メイドが門番を務めている。 とはいっても、上空を含めた紅魔館の周りには美鈴が気を張り巡らせて、侵入者があった場合にはすぐ判る ようにしていた。 大体、危険な侵入者は殆どが空からやってくる。紅白とか白黒とか。 そういう意味では、外に立っていなくても警備は出来る。 毎日外に立っているのは、紅魔館の示威行為であり、デモンストレーションでもあるのだ。 余談だが、幻想郷の人里では、美鈴の人気は高い。親しみやすい雰囲気の美貌で、紅魔館一のナイスバディー、 その上拳法の達人だが、普段はのんびりとした性格で、礼儀正しく人間にも好意的である。 人里の男どもが勝手にやっている人気投票では、優勝したこともあるくらいだ。そのため、紅魔館には美鈴を 一目拝もうと遠巻きに見に来る里の者や、腕試しと称して殴られに来る者など、様々な人間が現れる。 いつも適当にあしらっているそれらの対応が、危険な侵入者よりよほど多いので、今日はその相手をしなくて いいだけ気楽な様子だった。 閑話休題。 今日のお茶会は、美鈴の招待で、門番詰め所の中の部屋で行われていた。 メニューは、美鈴特製、新作ゆっくりれみりゃの肉まんと、仄かに甘い香りが漂うジャスミンティー。 なんでも、この前小悪魔に貰ったクリーム・ブリュレのお返しに、新作点心の味見をして欲しいとの事だった。 美鈴は非番の日には時々、パチュリーや小悪魔のお茶会に参加し、点心をご馳走する事があるのだ。 「この柔らかさ、まるで高級霜降り肉のような… いや、もっと溶けて無くなる様な儚さ…」 きらきらと目を輝かせて賞賛する小悪魔。 このれみりゃの肉まんは、幸せな味がする。 栄養状態も最高で、思う存分ゆっくりしていたのだろうな、と小悪魔は感じていた。 美鈴は、小悪魔の幸せそうな顔に気を良くして言った。 「そう、そこでこれ、ゆっくりれみりゃの豚トロ饅頭なんて名前でどうでしょう?」 「そうね、鮪のトロは、人肌で脂肪分が溶けるので食すと溶けるように柔らかいと聞くわ。 食べたことはないけど、こんな感じかしら?」 パチュリーはいつか本で読んだ、未だ見ぬ外界の食材へと思いを馳せているようだ。 「食べるたびに熱々の肉汁がぴゅっぴゅっって飛び出してきますよ。とってもジューシィで美味しいです!」 「我等が紅魔館のパティシエール、小悪魔にそこまで褒めてもらえるとは、嬉しいですねえ」 「いえいえ、私のお菓子作りなんかただの趣味ですから。そんなに凝った物は出来ませんし… それにしてもの肉まん、中から肉汁がトロトロと溢れてきて、普通のゆっくりれみりゃの肉まんともぜんぜん 違いますよ、どうやって作ったんですか?」 「それは禁則事項です」 「それって、私の口癖、真似しないで下さいよぅ」 美鈴と小悪魔は、仕える主こそ違え、同じ紅魔館に住む者として仲が良かった。 赤いロングヘアーが共通する二人は、傍目には姉が美鈴、妹が小悪魔という姉妹のような雰囲気だ。 それを眺めてパチュリーは目を細める。 「お正月には、この豚トロ饅頭で飲茶スタイルのパーティーやりましょうか?」 「飲茶スタイルって?」 美鈴の提案に、パチュリーが疑問系で聞き返す。 「飲茶スタイルは、給仕用のワゴンにコンロや鍋を載せて、テーブルのそばで注文に応じて料理をする。 っていう形式の事ですよね? 居ながらにして屋台料理の雰囲気が味わえるという」 小悪魔は知っている範囲で答えた。 それに美鈴が相槌を打つ。 「そうそう、それですよ。 豚トロ饅頭を蒸かす以外に、ゆっくりめーりんを使った刀削麺の実演なんかもやっちゃいますよ? あいつら、面の皮が厚いから丁度良さげだし」 「あ、あの包丁で削って作った麺を、そのまま鍋の中に放り込むのですか? 良いですね、美鈴さんと咲夜さんの競演なんて、見てみたいなあ」 「中身はピリ辛ピザまんだから、坦々麺風スープかな」 もうもうと湯気を上げる大釜の前でナイフを構え、目にも留まらぬスピードでゆっくりめーりんの皮を削る 美鈴と咲夜。 小悪魔はその横で、ピリ辛のスープを作っている… 二人の楽しげな会話を聞くパチュリーの頭の中には、そんなビジョンが鮮明に浮かんだ。 「まあ、館の食堂なら良いけど、図書館ではやらないでね。 これ以上部屋の湿度を上げられたらかなわないわ」 「あー、私も泣きます」 最近特に、かび臭い本の手入れが大変なのだ。 パチュリーの言葉に本来の司書の仕事を思い出した小悪魔は、一転して本当に泣きそうな顔をしている。 それを見た美鈴は、思わず苦笑してしまう。 「はいはい、じゃあ食堂で」 そんなわけで、新作、ゆっくりれみりゃの豚トロ肉まん試食会は好評のうちに終了した。 美鈴は最後まで作り方を教えてくれなかったが、 「この肉まんは、仕込みが肝心でちょっと時間がかかるんです。 作り方は中国四千年の秘儀なんで秘密ですよ。特に咲夜さんには見せられませんからね。ウフフ…」 などと、意味深な事を言っていたのだった。 大図書館に戻った後、小悪魔は蔵書を整理しながら、クリスマスに作るケーキのレシピを考えていた。 (クリスマスにはやっぱり、ブッシュ・ド・ノエルが良いかな? チョコレートクリームが沢山要るから、ゆっくりちぇんを発注しようかな… でも、悪魔がクリスマスを祝うのも変な気もしますが…ケーキくらい良いですよね) パチュリーは中央のテーブルで本を読んでいたが、考え事をしているのか、どこか集中できない様子だった。 小悪魔を見ると、唐突に口を開く。 「美鈴の豚トロ饅頭だけど」 「はい?」 パチュリーの目が、悪戯っぽくきらっと輝く。 「中国四千年の秘密と言われると、是が非でも暴きたくなるわね」 流石、ノーリッジの名前は伊達ではない。 その知識欲は、自身に知らないことがあるのを許せないかのようである。 確かに小悪魔も、気にならないと言ったら嘘になる。 料理人としての好奇心が、あの肉まんの秘密に迫りたいと囁くのだ。 「でも、どうやって探るんですか? 流石に私やパチュリー様が嗅ぎ回ると、目立ちすぎて美鈴さんにばれちゃいますよ?」 「そうね、そこで、これを使ってみようと思うんだけど…」 「むぎゅ…ぎゅ…ぎゅ…ぎゅ…」 「チルノフの冷蔵庫で冷やされていた所為か、妙に顔色が悪くてガタガタ震えてるわね?」 小悪魔はパチュリーの取り出した直径15cmほどの水晶球と、同じく15cmほどのゆっくりぱちゅりーを見ると、 パチュリーのやろうとしている事に合点がいくと同時に、ちょっと残念気味に言った。 「ゆっくりに偵察させる気ですか? まあそれはともかく、その子は使えないと思いますよ」 「どうして?」 「外見は変わってませんけど、中身いじっちゃいましたから。 その子の中身の生クリームを半分抜いて、代わりにコーヒーゼリーを入れてありますから、 多分まともに動けないと思います」 小悪魔はパチュリーの手からゆっくりぱちゅりーを受け取ると、ちょっとシェイクしたり揉んだりした後に、 頭頂部に太目のストローを突き刺した。 「むぎゅっ!」 その瞬間だけ大きく痙攣したゆっくりぱちゅりーだが、それ以外は真っ青な顔でぶるぶると震えるのみだ。 「どうぞ。新しいデザートを試作中だったんです。ちょっと試食してみて頂けますか?」 パチュリーはそれを受け取ると、恐る恐る飲んでみた。 太目のストローを咥えるパチュリーの口に、白と黒のマーブル模様の液体が吸い込まれると、透けるように白く 細い喉がコクコクと微かに上下する。 「んっ、ちょっと喉に絡みつくような感じがするけど、トロっとして美味しいわ、これ!」 そう言うパチュリーは、唇に付いた白い生クリームを舌でペロッと舐めとる。 その光景に小悪魔はにっこり微笑むと、パチュリーに見えないように小さくガッツポーズをした。 「それ、ドロリッチなんとかって名前で、外界で流行っている最新スィーツだそうです。 山の上の神社の巫女さんに教えてもらったんで、試しに作ってみたんですけど」 「ふぅん、外界では不思議なものが流行るのね… それはともかく、あの娘は巫女じゃなくて…」 「まあ良いじゃないですか、青巫女さんのほうがわかり易いですし」 そうこうしているうちに、ゆっくりぱちゅりーは萎んでしわしわの干物のようになってしまう。 「思わず飲み干してしまったわ…どうしましょう」 「とりあえず厨房にストックしてある加工前の子なら居ますが、あんまり期待できないと思いますよ? 加工所で食用に育てられた子は、殆ど体力無いですし…」 「まあ実験だし、いいわ、一匹持ってきてくれない?」 「むきゅぅ…」 そんなわけで小悪魔に持ってこられた、直径15cmほどのゆっくりぱちゅりー。 箱から出され目は覚ましているが、半眼で眠そうな表情をしている。 まあこれは、ゆっくりぱちゅりー種に共通する特徴だが。 パチュリーは水晶球とゆっくりぱちゅりーをテーブルに置くと、何やら呪文を唱え始めた。 水晶球とゆっくりぱちゅりーの上に手をかざすと、それぞれの下に光り輝く魔方陣が出現し、今までうとうと していたゆっくりぱちゅりーが、急に痙攣したように動きを止める。 「むきゅ!」 それと同時に、水晶球にはテーブルの反対側からゆっくりぱちゅりーを覗き込む小悪魔の姿が映し出された。 「えっと、これはこの子の見ている景色。って事ですか?」 水晶球を指差しながら尋ねる小悪魔に、パチュリーは頷く。 「それだけじゃなくて、こちらからその子を自由にコントロールする事が出来るわ。 ゆっくりは構造が単純だから、魔法がよく効くわね」 なるほど、術をかけた相手を、遠隔操作出来る魔法らしい。水晶球はモニター代わりのようだ。 パチュリーが水晶球の上に両手をかざすと、ゆっくりぱちゅりーはきょろきょろと辺りを見回し始めた。 それと同期して、水晶球の景色も左右に動く。 「リンクはOKのようね、行くわよ、ドロリッチ2号!」 「むきゅっ!」 ドロリッチ2号というのはこの子の名前らしい。パチュリーが号令をかけると、ドロリッチ2号は、 ぽよん、ぽよんと軽い音を立てながら跳ねて前進する。 「うっ」 数歩行ったところでドロリッチ2号は急停止し、パチュリーは口に手を当てる。 「どうしたんですか! パチュリー様!?」 「…酔うわね、これ」 水晶球を覗き込んで青ざめるパチュリーを見て、不安になる小悪魔だった。 「大丈夫かなあ、これで…」 結論から言うと、ゆっくりぱちゅりーをリモートコントロールし、美鈴の豚トロ饅頭製作現場をスパイする、 「ドロリッチ計画」は頓挫した。 4機もの精鋭を送り込んだのだが、全て稼動不能という散々な結果に終わったのだ。 2号は気分の悪くなったパチュリーがコントロールを失った間に、小悪魔が止めるより早くテーブルから落下、 3号は階段を昇る途中で同じくコントロールを失い転落、 4号は扉に挟まれ作戦行動不能、 5号は庭に出たところで、うろついていたゆっくりれみりゃに捕食されてしまった。 「全く…、想像以上に…脆弱な種ねえ…、こんなので良く…今まで絶滅しないで…居るわね…」 青ざめた顔で、ぜいぜいと肩で息をして憤るパチュリー。 小悪魔は、ぱちゅりーの操縦で酔ってふらふらしているパチュリーをなだめながら、これ以上食材を無駄に するのは避けたいと思っていた。 「まあ、この子達は天然ものじゃなくて、加工所の養殖ものですから…あぁ、勿体無い…」 「やっぱり、食用のゆっくりを転用するのは無理があるわね」 「そういう問題でも無いような気がしますが…」 「仕方が無いわね、こんな事もあろうかと、密かに用意していたアレを出すわ」 パチュリーは暫く考えた末、ついに虎の子の最終兵器投入を決めたようだ。 「…まだやるんですか?」 何だか目的と手段が入れ替わっているような気もする小悪魔だが、パチュリー様は結構頑固なので、 言い出したら聞かない所がある。 (それに、こんなに楽しそうな主を見るのも久しぶりだ、自分も結構悪戯は好きだし、もう少し付き合おう…) 小悪魔は傍観するだけだと甘く見ていたのだ。その時までは。 パチュリー様が魔法の実験に使う小部屋から、見慣れない一匹のゆっくりを抱えて戻ってきた。 直径15cmほどの饅頭形態に、側頭部に蝙蝠のような羽。遠目にはゆっくりれみりゃの様に見えたが、めーりんの 様な赤い髪。おまけに、細くて黒い尻尾も見える。 (これって、もしかして…) 「こぁ!」 それが鳴いた。 小悪魔はある確信を得たが、あえて尋ねてみた。 「あのぅ、それって…」 「そう、あなたのゆっくり、“ゆっくりこぁ”よ」 「こぁ!」 「やっぱり…でも初めて見ました」 「そうね、だって、私が魔法で作り出したんだもの。 ゆっくりちぇん以上の俊敏性と、れみりゃやふらんより速く飛べる羽と強靭な牙、めーりんより強い皮膚と 赤い髪、もちろん知能も強化してあるし、必殺技も仕込んであるわ。 これが、“私の考えるちょっと強いゆっくり”よ!」 「こぁ!こぁ!」 パチュリーの説明に合わせて、何だか自慢げに鳴いてみせるゆっくりこぁ。 「えー、“さいきょうのゆっくり”じゃないんですか…」 自分で突っ込んでから、そんなのは自分に似合わないな、と思う小悪魔だった。 「でも何で…?」 と言いかける小悪魔を制し、パチュリーが続ける。 「本当はあなたへのクリスマスプレゼントにしようと思ってたんだけど。 あなた、咲夜が“ゆっくりゃざうるす”の話をするの、いつも羨ましそうに聞いてたでしょ? まあ、いつもお世話になってるから、これ位良いかなって。 ちょっと早いけど丁度良いわ、これから実戦投入よ」 「こぁ!」 「パチュリー様…」 照れ隠しなのか、ツンデレ口調で早口のパチュリー様。 本当は、クリスマスの朝にこっそり枕元に置いておくつもりだったのだろう。 アレな理由で先に貰ってしまい、サプライズは無くなったが。いや、今十分驚いた。 逆に、こんなに顔を真っ赤にしてプレゼントを渡してくれるパチュリー様が見られたのだ。 小悪魔は嬉しさで感無量だった。 「悪魔がクリスマスプレゼントなんて、貰っても良いんでしょうか?」 「ここは幻想郷、何でも受け入れる場所でしょ、そんな細かいこと誰も気にしないわ。 でもそうね、渡すタイミング外しちゃったから…お歳暮だとでも思えばいいでしょ?」 気恥ずかしさが増したのか、真っ赤な顔でツンツンした態度のパチュリー。 「ありがとうございます!」 「こぁ!こぁ!」 嬉しさは伝播するのだろう。 小躍りしそうにはしゃぐ小悪魔につられたように、ゆっくりこぁも嬉しそうにしている。 「さあ、感動のご対面のところ悪いけど、あなたには早速その子を操縦してもらうわよ。 私たちには、その子しか残されてないの」 パチュリーの言葉に、我に帰る小悪魔。 「でも私、そんなのコントロールできませんよ?」 水晶球を指差して言う小悪魔に、パチュリーが返す。 「大丈夫よ、私の魔法で、あなたの意識をこの子の中に飛ばすの。 それで、シンクロ率も上がって思ったようにコントロールできるわ」 「それってもしかして、幽体離脱とかいう厄いものでは…?」 何やら危険な香りを感じた小悪魔は、恐る恐る聞いてみる。 「大丈夫よ、危なくなったらすぐに引き戻してあげるわ」 「はぁ…」 あんまり大丈夫じゃないような気もするし、何より折角パチュリー様から貰ったプレゼントを、危険な目には 遭わせたくないと思うが、パチュリー様はやる気だ。 むしろその為に渡されたのだから。 仕方なく覚悟を決める小悪魔だった。 「お願いします…」 「こぁ!」 何故だかやる気満々のゆっくりこぁと、椅子に座る小悪魔。 パチュリーはにっこり笑うと、それぞれの額に手をかざす。 その手前に光り輝く魔方陣が現れると同時に、小悪魔は意識を失い、そのままテーブルに伏してしまう。 次の瞬間、テーブルに伏している自分の姿が見えた。 不思議な光景だな、と小悪魔は思う。 寝ている自分の姿を外から眺めるなんて、めったに出来ることではないだろう。 「シンクロ率は80%以上ね、どう、調子は?」 後ろからパチュリー様の声が聞こえる。 (はい、大丈夫そうです) 「こぁ!」 自分の考えた言葉とは違う鳴き声が発せられた。 やはり、自分がコントロールしているとはいえ、この子はこぁとしか喋れないようだ。 だが、人語を喋れない事と、頭の良さは別である。 小悪魔には、生まれてから今までパチュリー様に育てられた、この子の記憶の断片が感じられた。 パチュリー様は私にばれない様に、苦労してこの子を育てたようだ。 そして、パチュリー様の私への感謝の気持ちと、この子の、育て親であるパチュリー様への感謝の気持ち、 両方が感じられるその記憶の断片は、とても暖かいものだった… (ありがとうございます、パチュリー様) 「こぁ!こぁ!」 「凄いわね、シンクロ率100%よ」 ゆっくりこぁはパチュリー様に向き直ると、感謝の意を込めた挨拶をした。 パチュリー様は、水晶球に表示される数字を見て驚いた様子だが、こちらを見るとにっこりと笑う。 こちらの思いは、言葉にならなくともなんとなく伝わっているのだろう。小悪魔はそう思った。 (今までありがとうございました、行ってきます) 「こぁ!」 パチュリー様に挨拶をして、ゆっくりこぁは飛び立った。 小悪魔は、普段と同じように側頭部の羽を動かすことが出来、あまり違和感を感じることは無かった。 普段から空は飛べるが、本当に羽を使って飛んでいるわけではない。魔力を使って浮き上がっているのだ。 ゆっくりこぁも、よく分からないがそんな不思議な力で飛べるのだろう。 図書館を飛び出したゆっくりこぁは、門番の詰め所を目指した。 ゆっくりれみりゃの肉まんは、詰め所の奥のキッチンで作られたようだ。 秘密があるとすれば、その先だろうと思ったのだ。 「こぁ!」 「うー? うー?!」 紅魔館の庭に出たこぁは、ゆっくりれみりゃを見つけた。 ゆっくりれみりゃもこちらを見つけたようだ。 仲間だと思ったのか、食べ物だと思ったのか、ニコニコしながら近寄ってくる。 だが、こんな所で遊んでいるわけにはいかない。 こぁは、飛行速度を上げた。 その飛行速度は、ゆっくりれみりゃよりずっと速く、その高度はずっと高かった。 「ぅーっ!」 ゆっくりこぁは、今まで籠の中で飼われていた。無論、パチュリーがこっそり育てていたからである。 はじめて見る外の世界は光に溢れ、広く、清々しい空気に包まれている。 外の世界を自由に飛びまわれるって、こんなにも素晴らしいものだったんだ。 こぁの意識を感じ取った小悪魔も、嬉しくなる。そういえばこんなに自由に飛ぶのは、久しぶりだ。 「こぁ!」 そのころ大図書館では、パチュリーが水晶球を見て目を瞠っていた。 「凄い、シンクロ率が150%を超えたわ。 俄かには信じられない値ね…」 無論、危険なことがあれば、意識は引き戻すつもりだ。 傍らでテーブルに伏している小悪魔を、ちらりと見る。 ゆっくりれみりゃを振り切ったこぁは、門番詰め所にたどり着いた。 中に美鈴が居る様子は無い。 幸いにも自室に戻ったのか、出掛けているのか。 この隙に、こぁは詰め所の中へと入り込む。 控え室の奥には洗面所や小さな炊事場があり、簡単な調理が出来るようになっている。 そこにはコンロの上に蒸し器が載っているのが見えた。そこで豚トロまんを蒸しあげたのだろう。 しかし、蒸し器の中は綺麗に片付けられ、周りにもそれらしいものは置いていない。 「こぁ!」 さらに奥の階段を目指す。 こぁの意識が、更に奥にある階段に何かがあると囁くのを感じていた。 上に通じる階段は仮眠室へ。下に通じる階段には、小悪魔は入ったことがない。 (この階段は、地下牢に通じていると聞いたことがあります。この紅魔館は、中世ヨーロッパの城を改装して、 そのまま幻想郷入りしたものだそうですから。 詰め所の地下には、当時の敵の侵入者や不審者を閉じ込めたり、拷問したりする部屋があると…) (ちょっと怖いですが、行ってみよう…) 薄暗い階段に、ちょっとびくびくしているこぁ。 だが、ここで引き返すわけにはいかない。 小悪魔はこぁの意識を宥めながら、先へと進む。 (この先に、美鈴さんの言っていた秘密が?) 地下の扉の奥からは、「う゛う゛う゛…」という、うめき声のようなノイズが漏れてくる。 よほど凄惨な現場が待っているのであろうか?果たして中国四千年の秘儀とは? 「ギギギ…」 体全体を使って扉を押し開けると、そこは奥の牢屋に通じる小部屋の様である。 壁際には、奇怪なオブジェが置かれていた。 壁に固定されているらしい棚のような木の板の上に、ゆっくりれみりゃの頭が置かれている。 その顔は上に向けられ、その口には上から固定された大きな漏斗が差し込まれている。 暗く見難かったので、最初は頭だけのゆっくりれみりゃ、胴なしに見えたが、そうではない。 木の板は前後に分割されており、半円形にくりぬかれた部分に挟まれるようにれみりゃの首が嵌っているのだ。 ピンク色の服を着た胴体は、木の板の下に見える。 そして驚くべきことに、その体はぶくぶくと肥大化し、通常のれみりゃ種より2倍は大きい。 ピンク色の服は、肥え太った胴体ではちきれそうに膨らんで、まるでボンレスハムのようだ。 その丸々と太った足でも、通常のれみりゃよりはるかにふとましい体を支えられないのか、床に座り込むような 形で手足を時折じたばたさせている。 「う゛ぷぅーっ、う゛ぷぅーっ」 弱々しい叫び声も、口に差し込まれた漏斗の所為か、太りすぎた所為なのか、濁音交じりで聞き取りにくい。 (何ですか、これ…でもどこかで見たような?) 小悪魔はこんなに太ったゆっくりれみりゃは見たことがない。 通常の状態では、胴体つきのゆっくりれみりゃはここまで大きくならないのだ。 ゆっくりれみりゃには骨格が無いので、あまり大きくなると自重で潰れて動けなくなる。 今目にしているゆっくりれみりゃは、まさにそんな状態だ。 だが、どこかで見たような気もする。不思議な感覚だった。 と、そのとき部屋のさらに奥にある牢らしき部屋から物音が聞こえた。 こぁは飛び上がって驚き、咄嗟に壁の近くの物置らしき所に飛び込む。 体が小さいから出来た芸当だ。 小悪魔は恐怖に怯えるこぁの意識を宥めつつ、奥の部屋へと意識を集中した。 そこから現れたのは、美鈴その人であった。 ニコニコしながら、ゆっくりれみりゃに話しかける。 「さ、食事の時間ですよ、おぜうさま!」 そして、奥の牢屋らしい部屋からリボン付きの子ゆっくりを5,6匹持ってくると、壁に固定されている ゆっくりれみりゃに近づき、子ゆっくりをごろごろと漏斗に流し込んだ。 「ゆっ、ゆっくりやめてね!」 「れみりゃいやぁー!」 「れいむおいしくないよー!」 「だべだいでぇー!」 叫ぶ子ゆっくりに構わず、美鈴は木の棒で上から子ゆっくりを突き、漏斗の真ん中のれみりゃの口に繋がって いる穴にぐいぐいと押し込んでゆく。 「むぎゅ、やべでっ!」 「いだいいだいだい!押さないでね!ゆっくり押さないでね!」 「ぶぺっ!ぶごっ!」 漏斗の中で潰されながら叫ぶ子ゆっくりたちと、 「ぶぅ゛ーっ!ぶぅ゛ーっ!」 漏斗を咥えさせられ叫び声も上げられず、涙を撒き散らしもだえるれみりゃの頭。 餡子がのどに詰まると呼吸が出来ないのか、その顔は青くなったり赤くなったり忙しい。 その机の下では、ぶくぶくに太った体がじたばたと無駄な足掻きを続けている。 中々にシュールな光景だ。 そのうち、子ゆっくり達は美鈴の手によって、無理やりゆっくりれみりゃの口の中に押し込まれてしまった。 小悪魔は、この光景が何かに似ていると考えていたが、暫くしてそれを思い出す。 (そうだ、フォアグラだ、これ) フォアグラというのは、人為的に太らせたガチョウやアヒルのレバーを使った料理を指す。 このれみりゃと同じように首を固定して、漏斗で無理やり餌を与え続けると、レバーに脂肪が蓄積されて、 いわゆる脂肪肝と同じような状態になるのだ。 それを使ったフォアグラ料理は、脂が乗って軟らかく、世界三大珍味の一つと呼ばれる。 そういえば先程のとろけるような肉まんの食感、それもフォアグラに良く似ている。 このゆっくりれみりゃの仕込みだろう作業も、以前、大図書館の資料で見たことがあるフォアグラの写真に そっくりだった。 先ほどの疑問が解消し、美鈴の作業の秘密が分かって、小悪魔はほっとしていた。 だが、ゆっくりこぁの意識はそうではなかったようだ。 はじめて見る恐ろしい光景、怖そうに見えるお姉さんに怯えてしまい、小悪魔が意識を緩めた弾みで、思わず 泣き声をあげてしまったのだ。 「…こぁ!」 小悪魔がしまったと思うより早く、美鈴がこちらに気付いて振り返る。 「おやぁ? いつの間に逃げ出した子が居るのかな?」 (まずい、逃げなきゃ!) 「こぁ!」 だが、恐怖で萎縮してしまったこぁの体は、震えたまま動かない。 目前まで迫った美鈴は、獲物を前にした豹のように、目を輝かせて微笑んでいた。 「みぃつけた!」 恐怖心で震えるゆっくりこぁの意識は、冷たく、暗い闇となり、小悪魔の意識も覆い隠してしまった… 「はっ、ここは!?」 がばっと起き上がった小悪魔。その肩から椅子の上へ、ぱさりと毛布が落ちる。 「図書館よ、私があなたの意識を引き戻したの。 驚いたわね、シンクロ率が急に200%を超えて、危険な波形が見えたのよ。 一体何があったの? 大丈夫?」 パチュリー様が話しかけてくるが、それどころではなかった。 「すみません、あの子が危ないんです! 話は後で!!」 小悪魔はダッシュで図書館を出る。 階段を駆け上り、中庭へと飛び出す。 そこから、詰め所まで飛んで行く。 勿論、普段は歩いて行くのだが、今はゆっくりこぁが心配で気が気ではなかった。 美鈴さんに秘密を探っていたことがばれても、何とかしなければならない。 このままでは、あの子はゆっくりれみりゃの餌にされてしまうかもしれないのだ。 クリスマスにはちょっと早かったけど、パチュリー様から頂いた大事な子だ。 短い間だったが、暖かい記憶も共有したし、一緒に空も飛んだ。 そんな子を失ってしまったら、パチュリー様に申し訳が無い。 飛行の風圧なのか、それとも別の何かか。小悪魔は目尻から暖かいものが零れるのを感じながら、詰め所へと 飛び込んだ。 「美鈴さん! その子は駄目なんです!!」 詰め所の部屋の中には、美鈴と、テーブルの上で肉まんをパクつくゆっくりこぁが居た。 そのゆっくりとした様子は、すでに打ち解けて仲の良い家族のようだ。 その無事な姿を確認すると、小悪魔はその場でへたり込んでしまう。 「はぁ、良かった…」 「どうしたんですか、そんなに慌てて?」 「こぁ!」 のんびりと声をかけてくる美鈴と、小悪魔を見るなりその胸に飛び込んでくるゆっくりこぁ。 「すみません、この子はパチュリー様から頂いたプレゼントなんです。 美鈴さんが食べちゃったんじゃないかと心配になって…」 小悪魔は、ゆっくりこぁの髪を撫でながら言った。 あえて地下室の事については触れないように。 「この子を見つけたときに、小悪魔の気の流れを感じたんですよ。 だから、多分パチュリー様の差し金であそこに忍び込んだんだと、ピンと来ました。 何より、見たことの無い珍しいゆっくりでしたからね」 やはり小悪魔の感じたとおり、美鈴にはすでに察しがついていたようだ。 「良かった、本当に良かった…」 「こぁ!」 「でも、地下室のアレ、咲夜さんには秘密ですよ。 中庭で増えすぎたゆっくりれみりゃの間引きは任されているとはいえ、アレはショックでしょうから」 笑いながら言う美鈴。 小悪魔も尤もだと頷いて見せた。 「とにかく、この子は多分世界で一匹だけの存在なんです。 私はこの子を育ててみようと思います」 「こぁ!」 「分かりました。 まあ、咲夜さんも“ゆっくりゃザウルス”飼ってるし、私もれみりゃ飼育してますから、何かあったら相談に 乗れると思いますよ?」 そう言う美鈴の言葉を聞いて、この二人は当てにならないだろうなあ、と思う小悪魔だった。 終 by 神父