約 1,632,366 件
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/16573.html
KGL/S79-072 カード名:花火の音は聞こえない カテゴリ:クライマックス 色:赤 トリガー:1・待 【自】 このカードが手札からクライマックス置場に置かれた時、待の効果を行う。 (待:このカードがトリガーした時、あなたは自分の控え室の自分のレベル+1以下のレベルのキャラを1枚選び、舞台の好きな枠にレストして置いてよい) CC:それだけでこんな夏休みもいろんなこと全部ひっくるめて好きになれると思う RRR:かぐや「心臓の音がうるさくてもう―」 レアリティ:CC RRR 「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」収録 ・対応キャラ カード名 レベル/コスト スペック 色 花火大会 千花 0/0 1500/1/0 緑 花火大会 御行 3/2 10000/2/1 赤
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/2172.html
I LOVE YOUが聞こえない I LOVE YOUが聞こえない アーティスト ASAHINA Bros.+JULI 発売日 2015年1月28日 レーベル NBCユニバーサル デイリー最高順位 4位(2015年1月30日) 週間最高順位 7位(2015年2月3日) 月間最高順位 22位(2015年1月) 年間最高順位 357位(2015年) 初動売上 2946 累計売上 3961 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 I LOVE YOUが聞こえない BROTHERS CONFLICT ED ランキング 週 月日 順位 変動 週/月間枚数 累計枚数 1 2/3 7 新 2946 2946 2015年1月 22 新 2946 2946 2 2/10 ↓ 631 3577 3 2/17 384 3961 BROTHERS CONFLICT ED 前作 OVA 次作 14 to 1 I LOVE YOUが聞こえない 関連CD MY SWEET HEAVEN♂♀
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/869.html
私が『言霊』という単語を知ったのは具合が悪く散々寝込んだ後。 寝すぎで寝れなくなって、暇つぶしに読んでいた本によってだったと思う。 言霊の正確な意味を、その時まだ幼かった私は完全には理解していない。 ただ、言葉には凄い力があるのだ、と感覚的に理解しただけだった。 そんな昔の事を思い出した。 久しぶりにちょっと実家に帰ってきて、懐かしい匂いのする自分の部屋でその本を見つけたから。 古ぼけたハードカバーの本はあの頃より成長した今の自分にも少し重く、ページを捲って見ても少なからず子供が好き好んで見るような文体ではなかった。 子供の頃これを読んだのは、少しでも難しい本を読んで早く寝ようと思ったからだった気がする。 『言霊』 その単語の説明をして黒く踊っている文字を目で追った。 自分はその単語の正確な意味を分かっていないのが分かっていたから、知りたくて読んでいた。 妙に小難しく書かれていた説明文を何度も読み直し頭の中で自分流に租借する。 完全に租借する前に、私はお姉ちゃんに呼ばれたために急いで本を閉じた。 そうだった、忘れ物がないかを確かめに来ただけだった 自分がこの部屋にきた理由を思い出し、本を持っていこうか迷ったけど全部読みきることは無いのだろうと元の場所に戻した。 車の中で待っているはずの姉の元へと駆け出す。遅くなってごめんね、それとお母さん行ってきますと叫びながら私は玄関を開けて外へ出た。 助手席に座ると「さぁ行くぞわが妹よ!」とつい最近聞いたことがあるようなセリフが横から発せられ、 危険なデジャヴュを感じた私は慌ててシートベルトへ手を伸ばした。 だけどシートベルトを締めるより早く、車に乗ると暴走すると有名らしいお姉ちゃんはアクセルをふかして急発進した。 「た、ただいま~」 「ヤッホー! またゆたかをよろしくね! ゆたかもあんまり無理しちゃダメだよ」 帰宅早々、私は小さく、お姉ちゃんは手を横にブンブンと振りながら玄関で叫んだ。 慣れなのか、居候させてもらっていた当初はお邪魔しますと言っていたが今では普通にただいまと言うようになった。 「おかえりゆーちゃん、そしてゆい姉さんもこんちゃー」 黒いタンクトップというラフな格好をしたこなたお姉ちゃんが一本だけ飛び跳ねている髪の毛を揺らしながら玄関まで迎えにきた。 家にいるからか、学校で見る時よりもゆったりしている感じがする。 あとおじさんに挨拶……と思ったけど出てこない。買い物かもしれない。 「ゆい姉さんはお茶でも飲んでく?」 「もっちろーん!……って、いつもなら言うけど今日は遠慮。きよたかさんと会う約束があるのっさー」 ハイテンションジェスチャーを繰り返しながら「じゃあねー」と笑顔で『☆』や『♪』を周りに振りまいて(私にはそう見えた)車に乗り込み帰っていった。 エンジン音を轟かせて車が見えなくなる。相変わらずのゆいお姉ちゃんだけど、あのテンションが少し羨ましい。 「ゆい姉さんは相変わらずだなぁ……ところでゆーちゃん何か飲む? それとも横になる?」 「え?」 「ただいまって言った声に元気なかったからね。気分悪いんじゃないかなって」 「ん、ちょっと酔っちゃって……でも、そんなに酷くないよ」 こなたお姉ちゃんは、私の体調が悪いとすぐに気づく。それも、ゆいお姉ちゃんより早く。 ちゃんと見てくれてるのは嬉しいんだけど、迷惑かけてばっかりだと落ち込んでしまう。 「そかそか。それならいいけど……んじゃ飲み物でも持ってくるからリビングでのんびりしててー」 ペタペタと私よりも少しだけ大きいお姉ちゃんが台所へ向かう。 その背中が、非常に遠く思える。きっと気持ちの問題だと分かっている。 だけどその気持ちは私には見えない。声も聞こえない。 言葉にすれば、何かが変わってしまうから。 それだけの力が『言葉』にはあるから。 絶対に言うつもりはない。 翌日、お姉ちゃんは柊先輩達と遊ぶ約束をしているらしく朝の早いうちに起きていた。 いつものようにラフな格好で遊びに行こうとしているお姉ちゃんの体が妙に左右に揺れている気がして。 「お、お姉ちゃん。なんだかフラフラしてない?」 「いやぁ、ちょっと寝不足みたいで。って、そんなにフラついてる?」 「目に見えてじゃないけど……いつもより歩幅が狭いような気がして」 お姉ちゃんがビックリしてる。何で分かるの?って言われているようで。 どう答えていいか分からない。見ているから、としか言えない。 お姉ちゃんがすぐに私の具合が悪いときに気づくのと同じようなものだと思う。 「ゆーちゃんって洞察力凄いんだねー。探偵なれるよ。バーローとか言ってみて」 「バ、バーロー……?」 「うーん……やっぱ蝶ネクタイとメガネつけたほうがいいのかなぁ」 お姉ちゃんや田村さんと話しているとそういう知識が増えたから、お姉ちゃんが何のアニメの事を言っているのか分かった。 前にお姉ちゃんとちょっとしたアニメの話をしていたらおじさんが複雑そうな表情をしていた。 嬉しいような、困っているような、そんな表情。 ゆきのやつ、怒るだろうなぁって私のお母さんの名前を言っていた。 「それじゃー行ってくるね。夕飯までには帰ってくるつもりだよ」 「分かった。でも、気をつけてね」 お姉ちゃんが玄関を開けると、隙間から蒸し暑い空気が入り込んできた。 うへぇとお姉ちゃんが変な声をあげて、一回こっちへ手を振って外へと出て行く。 一瞬呼び止めそうになった。だけどそれが何でかは認めなくて、言葉を飲み込む。 今日は何をしよう。外に出る気分ではなかった。具合が悪いわけではないけど、気分が重い。胸が痛い。 幸いか、今日は遊ぶ約束をしていなかったからリビングへと行ってテレビをつけた。 そろそろニュース番組が終わる頃で、画面にはここら一帯の天気予報が流れている。 ぼんやりと眺めていて、この地域の上に表示された晴れのち雨マークに気づいた。 お姉ちゃん……傘持って行ってないよね…… 窓を開けて空を見上げる。眩しいぐらいに晴れていて雨が降るとは思えなかった。 ただ……蒸し暑くて気持ち悪い。すぐに窓を閉めて畳に横になった。 怠惰な一日になりそうで、これがもしこなたお姉ちゃんだったらかがみ先輩に叱られてるんだろうなと考えた。 簡単にその光景が想像できてしまって目を閉じる。 意識が暗闇に落ちる感覚が怖くて……でも、すごく落ち着いた。 昼ご飯はカップラーメンだった。おじさんは追い込み作業? らしく食べる時間も早くすぐに部屋に戻って行った。 テレビも面白いのが無くて、出されていた課題を少しでも終わらせようと机に向かう。 分からない問題が多くて、でもおじさんにも聞けないしお姉ちゃんは居ないしで飛ばしていたら空白が多くなってしまった。 お姉ちゃんに聞いても分からないままで空白のときは多いけど……聞くって事をしないだけで落ち着かない。 どこかに似たような例題が無いかなと教科書を見ていると屋根を叩く雨音が聞こえていた。 かと思えば太陽が雲に隠れたみたいで一気に部屋の中が暗くなり始める。 時計を確かめると3時で、そろそろ雨が激しくなるんじゃないかと思ってお姉ちゃんが心配になった。 傘を届けたほうが良かったのかな。 しとしと、ぽつぽつ、ざーざーと。 だんだん雨が強くなってきて、心配になって私は玄関へ向かった。 お姉ちゃんが今何処に居るのかも分かっていないのに、傘を持って玄関を開けた。 「うぁああ! び、びっくりしたぁ。どしたのゆーちゃん、そんなに慌てて……」 「お、お姉ちゃん!?」 開けたら丁度お姉ちゃんが目の前にいて、びしょぬれだった。 走ってきたのか肩を上下させて、肌に張り付いたTシャツを手で引っ張っている。 急いでタオルを持ってくるべきだったのに、前にお姉ちゃんに見せてもらった 田村さんが描いたという本みたいな事を考えてしまった。 一回首を横に振って、お姉ちゃんを家の中に入れる。 「待ってて、タオル取ってくるね!」 「ありがとー」 小さいタオルを一枚、あとそれだけじゃ足りそうになかったから、バスタオルを一枚掴んだ。 玄関に戻ると、お姉ちゃんが長い髪をぎゅうっと握って水を落としていた。 手を、足を、水滴が垂れていく。 普段跳ねている髪の毛もしっとりと落ち着いていた。 じっと見てしまい、それでも普通にタオルを渡す。 「……はい。お姉ちゃんタオル」 バスタオルを渡して、お姉ちゃんが体を拭いている間に私は小さいタオルでお姉ちゃんの頭をがしがしと拭いた。 すぐに水分を吸い込んで冷たくなるタオル。かなり濡れているらしい。 私の方が一段高い場所に居るから、そうされているお姉ちゃんが私を見上げてお礼を言った。 「いやー、大変だったよ。体や髪は重いし、暑いんだか寒いんだか分からないし」 「柊先輩から傘借りなかったの?」 「ん。今日は家じゃなくて外にいたし……雨が降る前に別れたから」 「……どうして? 晩御飯にはまだ時間があるのに」 髪を拭いていた手を止める。 お姉ちゃんの髪が雨で肌に張り付いていて、そっと手を伸ばして肌から剥がした。 触れた表面は少し冷えていたけど、その奥が妙に熱い気がする。 「やっぱ寝不足だと調子でなくて……少し頭痛がしたんだよね」 「だ、だったら早く着替えないと!」 あの時。 お姉ちゃんが出かけるときに、やっぱり呼び止めればよかった。 何となく、体調が良くない事は気づいていたのに。 手を掴んでお姉ちゃんの部屋へと引っ張る。 「ま、待って。まだ完全に拭いてないから床濡れちゃうし」 「私が後で拭くから! それより早く着替えないとダメだよ!」 お姉ちゃんが慌てて靴を脱いで上がった。 リビングだとクーラーがきいているからお姉ちゃんの部屋へ。 座らせて、着替えるように言うと台所へ戻って牛乳をレンジに入れた。 おじさんが何事かと思って見にきたから、お姉ちゃんが雨に打たれて寒そうだからと伝え、私に任せてくださいというと頼むよと部屋に戻った。 レンジが鳴り、牛乳を取り出しお姉ちゃんの部屋へ。着替え中だといけないからちゃんとノック。 入っていいよ~、と間延びした声が中から聞こえて、私はコップ片手に戸を開けた。 着替え終わって体は拭き終わっていたけど髪はまだ濡れていて、タオルで挟んで叩いている。 「はい、熱いかもしれないけど」 「ありがと」 「今はまだ体が冷えてるから体温が分からないけど、もうちょっとしたら体温計持ってくるから。 熱があったら薬飲んで、ゆっくり寝てないとダメだよ」 「お、おー……ゆーちゃんがてきぱきしてる……」 やっぱり寒かったのか、お姉ちゃんはホットミルクが入ったコップを両手で持って鼻をすすった。 濡れたタオルとお姉ちゃんの服を抱えて洗濯機へ持っていこうとするとお姉ちゃんがストップをかけてきた。 「ゆーちゃん、心配しすぎだって。ちょっと具合悪くなったぐらいでそこまでしなくていいよ。看病フラグは嬉しいけど」 「いいの。お姉ちゃんだって私の具合が悪くなったらこれぐらい心配してるもん」 そ、そーかなー? とお姉ちゃんが首をかしげた。 私にはそう思えているからそれでいいの。 自己完結させてタオルと服を抱え、洗濯機へ持っていく。 水分を吸った布は重かったし、私の服も少し濡れたけど何とかなった。 再びお姉ちゃんの部屋に戻ると、タオルを頭の上に乗せたまま携帯を弄っていた。 「お姉ちゃん、寝てないとダメだよ」 心配して言ったのか、それともメールの相手への決してプラスではない感情の所為か。 分からないけど、言い方に刺を含んでいたのはすぐに分かった。 「いや、かがみからメールで。『雨酷いけど大丈夫だったか』ってメール。それに大丈夫って返信してただけ」 大丈夫じゃ、ない。 朝から具合が悪かった。雨に濡れて余計に悪化した。 もし、かがみ先輩が傘を貸してくれていたら悪化しなかったんじゃないか。 今日、遊ぶ約束をしてなかったら悪化しなかったんじゃないか。 自分でもわかっている。酷い解釈だって。 かがみ先輩に悪意はない。あるのは私の方。 でも、感情に蓋が出来ない。出来るのは、その感情を見ないこと。聞かない事だけ。 「そっか。でも……」 「わ、分かってるって。体調管理してなかった自分が悪いし。だから心配しないで」 お姉ちゃんがコップとタオルを床に置いてもぞもぞとベッドに潜り込む。 すでに眠そうに見えるのは寝不足だったからなのか、具合が悪いからなのか。 「今日は私が晩御飯作るから寝てて。お姉ちゃんは食べれる?」 「ちょっ、ゆーちゃん本当に心配しすっ……ぅう、寒い」 「ほら。風邪は引き始めが肝心なんだよ」 「風邪……なのかな。バカは風邪引かないって言うじゃん? あれって風邪を引いてることに気付いてなくて……つまりバカがつくほど鈍感なだけなんじゃないかな? でも夏風邪はバカが引くっていうし……つまりやっぱり私はバカ? かがみによく言われるん――」 いつもより小さい声で、雨の音で消えそうな声で語るお姉ちゃんの唇に人差し指をつけた。 そんな恥ずかしい事、するつもりはなかったんだけど。 「お姉ちゃん、喋らないで」 ただ、ゆっくり休んでって意味だったはずだけどお姉ちゃんは驚きで口を閉じていた。 急に恥ずかしくなってタオルとコップを拾って部屋を出ようとする。 「ねぇ、ゆーちゃん」 しっかりした声で。 心配そうに、私の名前を呼んできた。 「何?」 「なんか悩み事あるならきくよ?」 どうして、そう思うんだろう。 そう口に出そうとして、出なくて。 首を少し傾げた。 「ゆーちゃん……私よりも苦しそうに見える」 「――何もないよ、ありがと。お姉ちゃん」 お姉ちゃんは鋭い。 体調が悪い時、悩み事がある時、すぐに気付く。 でも自分に向けられている好意にはひどく鈍感だと思う。 いっそ、この思考にすらするのも恥ずかしい秘密をさらけ出してしまえば……一瞬だけそんな事を考えた。 その一瞬の間でも、思わず赤面してしてしまうようなシーンを思い描いてしまった。 全部お姉ちゃんや田村さんによって与えられた知識のせいだ。 お姉ちゃんの顔を見ることが出来なくて、部屋を出た。 タオルを再び洗濯機に入れて、コップを洗おうと台所に向かう途中おじさんに会った。 「こなたのやつ、大丈夫か?」 「はい、今は寝てます。今日の晩御飯は私が作りますね」 「ご、ごめんね」 おじさんがすごく申し訳なさそうに頬をかきながら謝ってきた。 忙しいのは仕事をしているからだし、私は自分でお姉ちゃんの看病をしたいからしてるわけで、謝られる要素はどこにもない。 おじさんの仕事は作家だったっけ。 ふと昨日の本を思い出した。本というより、意味があんまり理解できていない言葉を思い出した。 おじさんなら、言葉を扱う職業だから知ってるんじゃないかな。 「おじさん、『言霊』ってどういう意味ですか?」 「んお? こ、言霊……? 言葉には力があるってやつだろ?」 「はい。どんな力があるのかなって」 「うわぁい、難しいな……んーとな」 やっぱり感覚的に理解しているのか、説明するのが難しいのかおじさんが目を閉じて考え込む。 「例えば……良い言葉を発すると良い事が起こって、悪い言葉を発すると悪い事が起こる、とか。 あと、自分の意志をはっきりと声に出して言うことを「言挙げ」って言うんだよ。 で、それが自分の慢心……あ、思い上がりって事な。そうだった場合は悪い結果になる信じられたんだよ」 よく覚えてたなオレー、なんて腕を組んでうんうん頷いている。 「でも、なんでいきなり?」 「実家にあった本に書いてあったけど、意味が完全には理解できなくて気になってたんです」 「ほー……そういうのを調べるっていうのはいい事だぞ」 職業柄言葉に興味を持ってくれることは嬉しいのか、おじさんは笑顔だった。 でも急にはぁとため息をつく。追い込み作業中だったのを思い出したのかもしれない。 トホーと言いつつ自分の部屋へと戻っていくおじさん。背骨が曲がってる。 私はさっきのおじさんの説明を思い出していた。 私は、お姉ちゃんに嫌われては無いと思う。 心配してくれたり可愛がってくれたり、むしろ妹として好かれていると思う。 これは……思い上がりになるのかな。 良い方良い方に考えて、自分の気持ちを言ったら……悪い結果になる。 もちろんそれがこの世の心理じゃないだろうし、例外もある。分かってる。 でも、今の私の気持ちをお姉ちゃんに言ったほうが良いか、良くないか。 そんなの……良くないに決まってる。良い結果なんか望めない。望めるはずが無い。 従姉妹で、妹としか思われてなくて、同性で。 みなみちゃんなら、こういう時どうするんだろうか。 言うのかな、言わないのかな。こんなの相談なんか出来ないけど。 まだ晩御飯の準備には早かったから、体温計を持ってお姉ちゃんの部屋を訪ねた。 もう寝てしまっているらしくて、ノックをしても返事が無かったから起こさないようにゆっくりと戸を開ける。 「お姉ちゃん……?」 もう一度読んでも返事は無い。 そろそろと近づいて顔を覗き込んでも、反応は無い。 私より子供っぽいんじゃないかと思う寝顔だった。 体温計を持ってきたけど、起こして熱を測るのも悪い気がする。 だからと言って寝ているお姉ちゃんを起こさないように熱を測るのも悪い。 しょうがないからベッドの端に体温計を置いた。 お粥を作って、食べてもらうときに測ろう。 じっと寝顔を観賞していたら、急に変な音がした。 音がする方を見ると机の上でお姉ちゃんの携帯が震えていた。 電話かなと思って音を切ろうと携帯を取った瞬間に震えが止まってしまった。 メールだったのかなと、悪いと思いつつ携帯を開く。 『メール着信 かがみ』 慌てて、閉じた。 苦しい。痛い。重い。そんな決して良いとは言えない感情が塊でやってきた。 携帯を元の場所において、もう一度お姉ちゃんの寝顔を覗いた。 私は、この胸の中にある感情の正体を知っている。 でもこの気持ちを言葉に出す事も、思考にすらしないつもりだった。 言葉には力があるとどこかで信じていたから。 言う事によって現実世界に何らかの影響を確実に与えると知っていたから。 そしてそれは……悪い結果だろう、とも。 「……こなた」 お姉、ちゃん。 途切れ途切れで名を呼ばれたお姉ちゃんは、呼ばれたことにすら気づかずあどけない寝顔のまま寝息を立てていた。 それでいいと、私は思っている。 聞かれなくて、聞こえなくていいと思っている。 この気持ちは、一生言うつもりも、心の中で伝えるつもりもないから。 こなたお姉ちゃん、 るよ それは誰にも――――自分にすら聞こえないコエ 続く坂道へ続く コメントフォーム 名前 コメント 誤字を修正しました -- 名無しさん (2007-11-09 03 43 48)
https://w.atwiki.jp/83452/pages/15466.html
――夜 梓『もうすぐ東の空に流れ星が見えますよ』 唯『ほえ?流れ星?』 梓『こっちは1時間前に流れ星にお願いしました』 唯『何を?』 梓『内緒ですっ』 唯『あっ!』 梓『どうしました?』 唯『今流れ星見えたよ!ちゃんとお願いできたよー、えへへ』 梓『どんな願い事ですか?』 唯『ふっふふふ……内緒だよっ』 梓『もうっ!』 唯『あずにゃんが内緒にしてるからお返しだもん』 梓『気になるじゃないですか』 唯『へへーん』 ――それからしばらくたったある日 私と唯先輩は毎日、場所も関係なくいつも話しているような仲になっていた。 周りに聞こえないし声に出す必要もないし長電話してもお金かからない、本物の携帯より便利だよね、これ。 そんな毎日を過ごすようになって分かったことがある。 それは、その日どんな嫌な出来事があってもあの人と会話をしてると、まるでそれが些細な事のように思えてくるということだ。 梓『学園祭ですか』 唯『うん!私達軽音部にとっては初めてのライブなんだー』 梓『すごいじゃないですか!』 唯『えへへー。でもなんだか緊張するなぁ』 梓『大丈夫ですよ。唯先輩達なら必ず成功しますから。きっと上手くいきますって』 唯『ありがとあずにゃん。それでね、話があるんだけど』 梓『なんです?』 唯『今度の学園祭が終わったらしばらく時間に余裕が出来そうだからさ、もしライブが成功したらね……』 唯『あずにゃんに会いにいこうって思ってるんだ』 梓『え――』 唯『私、あずにゃんに会いたいんだ。駄目かな?』 夕方・中野家 純『会いにいきたいって言われたんだ!よかったじゃん梓』 梓「まあ……ね」 あの日の電話以来、こうして純とは唯先輩とのやりとりというか近況を報告していた。 どんな相談にも乗ってくれて、その都度色々なアドバイスを貰っていた。 つまりここまで上手くいけてるのは純のお陰でもあるわけで…… 純『それで、いつ会うことにしたのよ』 梓「それが……断っちゃったんだ」 純『ええっ!勿体ないって!どうして断っちゃったのさ』 梓「……」 純『もしかしてさ、もし会ってみて嫌われちゃったらどうしよう、とか思ってるんじゃない?』 梓「うっ……」 純『やっぱりそうだったか……怖いから悪い方にばかり考える……その方が楽だもんね。怯える事も傷つくこともないし』 梓「だってさ……」 純『梓、1つだけ聞いていい?』 梓「うん」 純『あんた、その唯って人に本当は会ってみたいの?会いたくないの?』 梓「そっ、それは!……それは」 純『それは?』 梓「……会いたいな」 純『なら答えは簡単だよ。会えばいいんだって』 梓「会いたいけど……今はまだ会う時期じゃないって思うんだよ」 純『そっか……なら無理することもないでしょ。でもさ、これだけは覚えておいて』 純『会いたい気持ちに時期なんて関係ないよ。会いたいと思った時が会う時なんだからさ』 梓「そういうものなのかな。あんまりよくわからないや……」 純『そういうもんなんだって。それにしても梓さ』 梓「何?」 純『その人について、かなりのご執心のようだね』 梓「なっ!」 純『大好きなんだよね?その人のことがさ』 梓「じゅ、純!いきなり何言ってるの!!やめてよ、そんなんじゃないから!」 純『ほんとあんたってわかりやすいよね』 梓「もうっ!純のくせにっ」 純『あははっ!でもよかった。梓ずーっと元気なかったからさ、私も気になってたんだ』 梓「純……」 純『やっぱりあんたさ、その人にあってから少しづつ変わってきてるよね。あんた自身は気が付いてないかもしれないけどさ』 梓「そんなもんなのかな」 純『そうなんだって。傍から見ればよく分かるからそういうの。とにかく、また何か進展したら教えてね』 梓「うん、そうするね。今日はありがとね純」 純『どういたしまして。それじゃまたね梓』 ――それから数日後の日曜日の朝 梓母「それじゃ行ってくるから留守番頼むわね。夕方には帰ってこれると思うから」 梓「うん」 梓母「戸締りしっかりね」 梓「わかってる、いってらっしゃい」 梓母「いってきます」 バタン 梓「はぁ……今日は1日留守番か。暇だなー」 玄関から居間に戻った私の視界にまたあの赤いギターが入る。 前はすぐに目を逸らそうとしたけど、今は何故かギターが気になってしょうがない。 私は何かに吸い寄せられるかのようにゆっくりと近づいてネックを持たずに六弦を撫でる。 梓「何年ぶりかな……このギターに触るの……」 静かな室内に弦を弾く音が聞こえる。 梓「……私何やってんだろ、もうギターは弾かないって決めてたんじゃなかったの?」 梓「……変な私」 私は1人呟いて、ギターを手放して背中を向けた。 もしかして意識しちゃってるのかな……唯先輩がギターをやってるってことに。 ――翌週・学校 教師「よし中野、次!教科書20ページから読んでみろ」 梓「はい」 梓「蒙昧にして臆病なる貴族共よ、鼠の尻尾の先程でも勇気があるなら要塞を出て堂々と決戦せよ。その勇気がないなら内実のない自尊心など捨てて降伏するがよい」 梓「生命を救ってやるばかりか無能なお前たちが食うに困らぬ程度の財産を持つのも許してやる」 教師「中野!もっと腹から声を出せ、腹から!毛虫の声じゃないんだぞ!」 プッ クスクス まただ……この先生、私に嫌がらせでもしてるんだろうか。 いつも朗読で私を指名して笑い者の晒し上げにしたりなんかして何が楽しいのよ…… ――帰り道 唯『どったの?なんか元気ないねぇ』 梓『今日、また笑われちゃったんです。クラスのみんなの前で毛虫みたいな声だなんて先生にいわれて……』 唯『そんなぁ……そんな事ないって!』 梓『今日だけじゃないんですよこんなの。私、何か話そうとするとすぐ緊張しちゃって、声が掠れて裏返って……それで結局笑われるんです』 梓『きっと、誰とも話したくない、関わりたくないと思ってずっと声出さないでいる内に退化しちゃったんじゃないかなって思うんです』 唯『そんなことないって。あずにゃんはちゃんと喋れるよ!ちゃんと声が出るんだよ!今だって私と普通に――』 梓『これは頭の中で口を使って喋らなくていいから……本当に声に出してなんかないじゃないですか』 唯『それは違うよあずにゃん。聞いて?私ね、実は――』 梓『唯先輩には分からないんですよ!!』 唯『!?』 梓『私なんて……私なんていなくなっちゃえばいいのよ!!』 唯『あずにゃん……』 梓『私がいなくなったって、何も変わらないんです。誰も気付いたりなんかしないんです!』 梓『だから……だから……』 唯『ねえあずにゃん』 唯『週末、私と一緒に遊びに行かない?』 梓『え?遊びに……ですか?』 唯『うんっ!』 ――土曜日・鎌倉 この日は唯先輩に誘われて鎌倉に足を運んだ。 横浜からはそう遠くない場所だけど、私にとっては初めての土地で何もかもが新鮮に映った。 唯『さ、いこっかあずにゃん。私の言う通りに進んでね』 梓『はい』 唯先輩と一緒にとは言ったけど、実際に一緒にいるわけじゃなくって電話越しにってことなんだけどね。 きっとこの人は落ち込んでる私に気分転換をさせてあげようと誘ったんだろう。 正直私自身も気が滅入ってたし、先輩を心配させたくなかったので受けることにした。 唯『じゃあ早速、最初の指示です!駅を出たら真っ直ぐ進んで橋を渡ってね』 梓『橋ですね。分かりました』 梓『――それにしても、なんだか不思議な感じですね、これ』 唯『だよねー。これってあれかな?遠距離デートみたいだよね、えへへ』 梓『デ、デートって……!何でそんな恥ずかしい台詞が出てくるんですかっ!』 唯『えーいいじゃーん』 梓『よくありません!』 ―――――― ―――― ―― 梓『唯先輩は鎌倉に来た事あるんですか?』 唯『ちっさい頃に少しの間だけ住んでたんだ』 梓『そうだったんですか。だから道が分かってるんですね』 唯『あずにゃん、1つ訊きたいことがあるんだけどいいかな?』 梓『訊きたいこと?何です?』 唯『あずにゃんが他人と話すのを苦手になっちゃった訳』 梓『……でも』 唯『大丈夫!心配しないでどーんと話してみなさいな!』 梓『そうですね……』 梓『小学6年の時だったかな……ギターのコンクールがあったんです』 唯『ギター!?あずにゃんギターやってたの!?』 梓『小学4年の時から、昔の話ですけどね』 唯『そんなー。何で言ってくれなかったのさぁ……知ってたのならあずにゃんに楽譜の読み方教えてもらおうと思ったのにー』 梓『今はもうやってませんから言う必要もないんじゃないかなって思ったので……というか唯先輩楽譜も読めないで今迄どうやってギターやってきてたんですか!』 唯『えーっと……何となくかなぁ』 梓『ありえない……無茶苦茶だこの人』 梓『ま、まぁ……話戻しますね。この日、私は初めてお人形さんのような可愛い服を着て、おめかしして、すごく嬉しい気持ちで舞台に立ったんです』 梓『その服可愛いね、ギター上手いねってクラスのみんなも褒めてくれました。私もう嬉しくて嬉しくて幸せな気分でした』 梓『……でも』 唯『でも?』 梓『……嘘だったんです、その言葉が』 唯『嘘?』 梓『梓ちゃん、あんまり上手くないですね。あの服変だったよね。何か髪が日本人形みたいで怖いよねって……本番の後、廊下で同級生の子達がこっそりそう茶化しながら笑ってたんです』 梓『それからかな……人とどう話せばいいのか分からなくなったのは……』 梓『勿論ギターは辞めました。髪も日本人形と笑われるのが嫌でツインテールにしました』 梓『唯一理解してくれている幼馴染が1人だけいました。でもその子は私が中学2年の時に唯先輩が住んでいる場所と同じ桜ヶ丘に引っ越してしまって……1人ぼっちになっちゃって……それからは前以上に人と関わりあいになるのを避けるようになりました』 梓『そんな私から出る空気に周りも気付いてたのか、まるで腫れ物に触るかのような扱いをされてきて、そういう人達の視線まで気にするようになったというか』 梓『今でもそうです。昼休みはみんなそれぞれ集まってお弁当食べるけど私はいつも1人、体育の授業も私はいつも1人外れて見学……溶け込めないんですよ』 唯『なるほどねぇ……』 梓『ただの臆病かもしれません。でも私鈍感だから……冗談とかお世辞なんかも全く分からなくて、何でも真に受けちゃう性質なんです。』 梓『だから怖いです……私みたいな欠陥だらけな人間はそれなりに自己防衛しなきゃって……』 唯『わかるよ。すごく分かる。人に笑われるのってすごく辛いよね。でもさあずにゃん』 梓『はい?』 唯『あずにゃんは1つだけ間違ってるよ』 梓『え?』 唯『あずにゃんに欠陥なんかないんだよ。いつも真剣に他の人の言葉と向き合ってるっていう意味なんだよそれは』 唯『人の言葉に対して1つづつ意味のある答えをしようとしてるだけなんだと思うな。だから多すぎる嘘に傷ついてくんだ。でも大丈夫!証拠もあるよ』 梓『証拠?どんなのですか?』 唯『あずにゃんは今さ、私とちゃんと話せてるじゃん。それで十分なんだよ』 梓『唯先輩……』 唯『私はすっごく好きだよ?あずにゃんの声、あずにゃんの言葉』 唯『えへへ。何だか偉そうなこといっちゃったね。ごめんごめん』 梓『いえ、そんな事ないです。私、唯先輩に話してみて良かったと思ってますから』 唯『そっかー。力になれてよかったよ』 唯『あっ!そうだそうだいけない!そこからさ、真鍋マリンサービスってお店の看板見えない?』 梓『うーん……あっ!ありましたよ』 唯『それじゃあね、そこに行って荷物を受け取ってきて欲しいんだ。私からあずにゃんへの荷物だよ?ちなみにここからはあずにゃんに1人で行ってもらいますっ!』 梓『ええっ!?1人……ですか?』 唯『ほいじゃ、健闘を祈るっ!なんちゃって♪』 梓『ちょっ!唯先輩っ!』 つーつーつーつー 梓「切れちゃった……はぁ、1人で行けだなんて無茶言ってくれるよあの人は……」 梓「まあ、とにかく行ってみよう」 4
https://w.atwiki.jp/83452/pages/15469.html
――翌日・桜高音楽室 唯【みんなおまたせー】 律「おっ、なんだ唯、今日はやけに上機嫌じゃないか?」 紬「何かいいことでもあったの?」 唯【へっへー。今日はみんなにビッグニュースを持ってきました!】 澪「なんだ。妙に勿体ぶってるな」 唯【何と!何とですねー。あずにゃんがお父さんの都合でこの街に引っ越してくることになったのです!】 紬「本当に!?良かったじゃない唯ちゃん」 澪「これでやっとその子と直接顔合わせが出来るかもしれないな」 唯【それでね、あずにゃん来年の春からこの学校に通って軽音部に入部したいって言ってくれたんだー】 律「おおっ!それは大手柄だぞ唯!ついに我が軽音部にも5人目の新入部員がっ!」 澪「まあ落ち着けよ律、まだ受験があるだろ。それにまだ12月だ」 唯【あずにゃんなら大丈夫だよ。もう受験勉強しててすっごく真面目な子なんだから】 澪「いや……この時期受験勉強してるのは受験生なら当然なんだけど……」 律「でもさ、もし本当に来てくれるなら歓迎パーティしてあげないとな!」 唯【いいねぇ、やろうよやろうよ!】 唯(あずにゃんと演奏したりティータイム……今からワクワクするよぉー) 桜高に入るために私は受験勉強への取り組みにますます熱をいれた。 そうしてる内に年は変わり、願書の提出も済んで、受験の日取りも決まった。 そして2月に入ったある日のこと―― 唯『いよいよ今週受験だね。金曜日だっけ?』 梓『はい。なんだか緊張してきました』 唯『何時からだっけ?受験』 梓『ええと……10時からですね。駅から遠いですか?』 唯『そんなに遠くはないけど、慣れないと迷うかもしれないね。あっ、そうだ!』 梓『どうかしましたか?』 唯『1つ提案があるんだけどね』 梓『提案?』 唯『もしよかったら私と途中で会えないかなーって』 梓『ええっ!』 唯『あずにゃん桜ヶ丘に来るの初めてで道も分からないでしょ?迷ったりなんかしたら大変だし、私が案内しようかなーって。学校も試験で休みだし』 梓『で、でもそれって……』 唯『うん、だから今度こそあずにゃんに会えないかなって……会ってもらえるかな?』 梓『……』 唯『おーい、あずにゃーん。聞いてるー?』 梓『あっ!は、はい!』 唯『どうかな?会ってもらえないかな?会いたいんだあずにゃんに』 とうとうこの時が来た、私はそう直感した。 「会いたいと思った時が会う時」という純の言葉を思い出す、そう、まさにこれが「その時」なんだ。 もう断る理由なんてない、会えばいいんだ、唯先輩に。 梓『……はい、会います。私、唯先輩に会います!』 ――受験当日 この日の朝、出発前に純に電話をかけることにした。 純も同じ高校を受験するし、現地で待ち合わせすることになってるから最終確認だけはちゃんとしておこうって思ったから。 純『そっか、もうそっちを出るんだ。やっぱ遠いと大変だねぇ』 梓「まあしょうがないよ。それより待ち合わせ場所分かってる?」 純『任せなさいって!校門前でしょ?私が忘れるなんてありえないっしょ』 梓「いまいち信用できないんだもん」 純『何をー!私は約束は守る女なんだからね、これでも!』 梓「ふふっ、分かった分かった」 純『それで、何時の電車に乗るの?』 梓「6時50分の新幹線かな……ああ、そうだ純」 純『どうかしたの?』 梓「私ね、唯先輩と今日会うことにしたんだ」 純『マジで!本当に!?』 梓「うん……私ね、あの人に会いたくて会いたくてさ、今その気持ちで一杯なんだよ」 梓「純が相談に乗ってくれたお陰で会う勇気が出来たからさ、ありがとね純」 純『くっそー!いいな梓は……羨ましいっ!』 梓「えへへ♪」 純『それで、いつ会うの?』 梓「駅の近くまで迎えに来てくれるんだって」 純『なるほどね……まっ、今のあんたならもう心配ないっしょ。お幸せにねー』 梓「お幸せにって……私達別に結婚するわけじゃ……っ」 梓母「梓ー、そろそろ時間よ。早くしないと電車乗り遅れるわよー」 梓「あっ!もうこんな時間、ごめん純、私そろそろ行くね」 純『うん、じゃあまた後で』 ――新幹線車内 梓『もしもし?』 唯『おっ!あずにゃーん、おはよぉー』 梓『おはようございます先輩。今新幹線に乗ってそちらに向かってます』 唯『どれ位でこっちに着くの?』 梓『予定では8時丁度に着く予定になってますね』 唯『試験10時からでしょ?随分早くない?』 梓『少し余裕を持って出ておこうかなって』 唯『えーっ、私ならもう少し寝てるのになぁ』 梓『時間ギリギリはよくありませんよ。まして大事な試験の日ですし、唯先輩にも会うんですから』 唯『そんなものなのかなぁ……ま、いいや。それじゃ私は約束通り8時10分に駅の北口のパルコの前で待ってるね』 唯『で、そっちの時間だと……あー何か緊張してきたよぉ』 梓『私もなんですけどね』 車内放送「現在三島~新富士間にて大雪の為徐行運転を行っております。お急ぎの方にはご迷惑をおかけしますが――」 梓『あー、すいません、もしかしたら時間に間に合わないかも』 唯『ほえ?どして?』 梓『大雪で電車が遅れそうなんです。本当にすいません……あんなこと言ったそばから』 唯『いいよー、それじゃ待ち合わせ場所かえよっか。南口出てすぐのとこにコンビニの7-11があるからさ、そこなら近いしそこにしようか』 梓『わかりました』 唯『でー、あずにゃんはさ……』 梓『どうかしたんですか?』 唯『ああいや、あずにゃんは今日どんな服装でくるのかなーって』 梓『ぶっ、別に普通の学生服ですって』 唯『教えてくれないの?』 梓『わざわざ言う程のことじゃないですから』 唯『そっかなぁー』 梓『あの、今の内に唯先輩と1つだけ約束して貰いたいことがあるんです』 唯『どんな約束なの?』 梓『会ってみて全然思ったのと違っても、私を嫌いになったりしないって』 唯『あずにゃんも変なこと言うよね。嫌いになるわけなんてないよ?それに、それはこっちの台詞』 梓『え?』 唯『実は黙ってたけどね……今まで何度も言おうとしたけど、でも今日あずにゃんに会ったらちゃんと説明しなくちゃいけないなって思ってさ……』 と、ここで私を呼ぶ声が通路の方からした。 見ると私と同じ髪型で背丈も同じくらいな学校の制服を着た女の子がいた。 違うところを見ると、私の制服は紺で、その人の制服は白ということぐらいか。 女の子「すいません、隣いいですか?」 梓「いいですよ、はい、どうぞ」 女の子は会釈をすると荷物を上の荷物置き場に置いて、私の隣に座った。 それを確認すると、私はまた唯先輩との通話を再開する。 唯『何かあったの?』 梓『すいません。隣の席に他の人が来てたので……』 ここで腕時計を見てみると、どうみても約束に間に合わない時間になっていた。 梓『うーん、やっぱり間に合いそうにないですね』 唯『雪じゃしょうがないよ。むしろ私としては駅から出てくるあずにゃんを見つけるのがすっごく楽しみなんだよぉ』 ――結局、駅に着いたのは8時20分、やっぱり遅れてしまっていた。 電車が停車するのを確認して、私は隣に座っていた女の子の後に続くようにホームへと出た。 梓『今着きました。8時20分、10分遅刻ですね』 唯『8時20分ね、おっけー。今こっちだと7時20分だよ。それじゃそろそろ私も家を出てそっちに向かうね。ああ、それとあずにゃん』 梓『はい?』 唯『この電話、もう必要ないよね?』 梓『え?』 唯『私達もう会えるんだよ?だからずれた時間も距離も1つになるんだからさ。1時間先の私によろしくね?あずにゃん』 梓『はい、分かりました』 通話を終えた私は改札を出て駅から外に出る。 この街では雪こそ降っていなかったけど、それでも身体に突き刺さるような寒さで思わず身体が震える。 これなら大雪で電車は遅れるのも頷けるかも。 そういえば純と憂さんのこと、先輩に訊くの忘れてたっけ……ま、いいか、どうせ遅かれ早かれ分かるんだし。 私は駅舎から外に出てしばらく歩き、赤信号につきあたる。 すぐ目の前の横断歩道のすぐ向こうには待ち合わせ場所のコンビニがある。 ここで私は信号待ちの間に受験票を忘れてないか確かめる為、後ろ手に持ってたバッグを前に出し確認する。 梓(よし、受験票もちゃんとあるし、準備OKだね!あとは先輩と合流するだけ、か) はやる気持ちを抑えながら信号が青に切り替わるのを待って、白いゼブラゾーンに足を踏み出す。 もう少しで横断歩道を渡りきる所で遅刻しているのを焦っていた私は無意識に腕にはめていた腕時計でもう一度時間を確認する。 今の時間は8時30分……20分遅刻になっちゃったな…… 時計の針を見たのと同時に私の耳に悲鳴のような轟音が聞こえてきた。 音のあった方向を振り返ると、そこには目の前に迫った車のバンパーがあった。 音の正体は悲鳴なんかじゃなくって車のブレーキのスキール音だったんだ。 かなりの猛スピードで迫っているその車をかわす時間はもう残ってなんかいない……初めて襲い掛かる身の危険のせいか、私にはそれがまるでスローモーションのように映った。 不意に、誰かに横から突き飛ばされ歩道へと倒され、粉々になったフロントガラスの破片が降り注ぐ。 背後で車が大破した音が聞こえる。 何が起こったのか理解できない……私は混乱して事態が飲み込めない状態だ。 一般人「君、大丈夫か?」 突き飛ばされた衝撃の痛みを我慢して起き上がる私に、通行人の人が声をかけてきた。 梓「あ、あの……一体何が……」 一般人「君を突き飛ばしてあの子が代わりに……」 通行人が指さした方向を見ると、学校のブレザーを着た女の人が仰向けで倒れていて、血だまりが路面に広がっているのが見えた。 青いタイをして、セミロングの茶髪で前髪をヘアピンで留めたその人は、私を見つめている。 私はおぼつかない足取りでその人の元へと向かう。 その顔を見ていて、ある人の名前が頭の隅によぎった。 梓「唯……先輩……?」 恐る恐るその名前を口にすると、その人は私を見ながらにっこりと微笑んだ。 梓「うそ……まさか本当に唯先輩!?」 まさかとは思ってたけど、嫌な予感が的中しちゃった私。 しゃがみこんで唯先輩の左手を握る。 梓「先輩!先輩っ!どうしてこんなことをっ!!」 涙声で呼びかける私の問いに、声を出すのも辛いからなのかは分からないけど無言だった。 ただ、唯先輩はその代わりに右手の人差し指を震えながら私に向け、何かジェスチャーのような仕草をしている。 その一連の動作を終えた唯先輩は、まるで安心したかのような表情を浮かべゆっくりと目を閉じた。 梓「唯先輩……嘘ですよね?先輩!ねぇ!そんな……そんな……」 梓「いやああああっ!!!」 7 原作エンド※シリアス注意・苦手な方は別エンドへ 9 別エンド
https://w.atwiki.jp/ncrd/pages/17.html
鬱がきこえる放送局 初回放送 放送リスト 番組名 鬱がきこえる放送局 パーソナリティー 澳田はづき タグ 一人,女性,~10代,アンニュイ,朗読 鬱、トラウマ、不幸話を募集しています。なんやかんやで人の心に寄り添うような番組です。
https://w.atwiki.jp/ltltgtgt/pages/107.html
【爆音で名前が聞こえません】 何処にでもいる名無し。 しかし中身は千差万別、話題の悪魔超人も名無しである。
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/8723.html
828通常の名無しさんの3倍2019/05/03(金) 16 51 18.98ID HOxn3LLG0 846 死神『確かにねぇ…そうなるのは確かにあるから、最近は団長のオルガの部屋に居る時は多いわね』 ララァ『そうね。あの部屋なら安心ね』 ルチル『とり憑ける身体はあるけど、最近は幽体離脱してあの部屋に居る時の方が最近多いわ』 846通常の名無しさんの3倍2019/05/06(月) 09 01 09.28ID vW5asSkk0 828 オルガ「何も見えてねえ…俺には何も見えてねえし聞こえねえぞ…」 ライド「どうしたんだろ、団長」 ビスケット「ライドは見えないんだな」 ライド「何が?」 明弘「美人が三人」 ライド「本当ですか!?」 847通常の名無しさんの3倍2019/05/06(月) 09 30 09.13ID vW5asSkk0 明弘「マジ。意地張ってないで素直に認めりゃいいのにな」 三日月「(コクコク)」 オルガ「(そんなにアッサリ認められるミカ達はほんとスゲーが…俺はユーレイも死神も嫌いだし!)」 『もし一度でも認めようものなら…ね…』 『キボウノハナが…ね…』 『シリアスな笑い者に…ね』 『『『クスクスクスクス…!』』』 オルガ「(認めるとヤベェことになりそうな気がするんだよ…!)」 link_anchor plugin error 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。このページにつけられたタグ オルガ・イツカ 幽霊組 鉄華団
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/51697.html
【検索用 きかいのみゃくとうかきこえる 登録タグ IA VOCALOID v flower き アートトラック ニコニコ外公開曲 初音ミク 夏山よつぎ 曲 曲か 鏡音リン 鏡音レン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:夏山よつぎ 作曲:夏山よつぎ 編曲:夏山よつぎ 唄:初音ミク・IA・flower・鏡音リン・鏡音レン 曲紹介 曲名:『機械の脈動がきこえる』(きかいのみゃくどうがきこえる) 1st album「機械の脈動がきこえる」収録曲。 YouTubeにアートトラックとして投稿されている。 歌詞 夢にまで描いた青春の舞台は 音も立てないで崩れていった 残された想いは不完全で 今も言葉にまだできずにいる せめてこの世界を狂わせた者が どこかの誰かで居たらと思う 全ての願いは未完成で 行く宛てもなく涙を流している 人と人が奏でる優しさとか 人と人が触れ合う温もりとか 知らないまま僕ら、未来に行くんだ 悪いのは誰? もうわからないよ 「きっとそんな時代さえも何十年後ならば 笑って話せる思い出になる」 って先生や大人たちは口にするけど 私が欲しいのはそんな声じゃない! 私は独りでぽつりと呟いた 「四畳半のステージでも奏でていたいの」と 画面の向こうに私はそっと手を伸ばす 心に響くは機械の歌だった ずっとこの先、例え何十年経っても 思い出なんかにしてやるものか! たった独りぼっちでも音楽はあるんだと 感情のままに言葉を綴る 0と1は想いを紡ぐ そこに機械の脈動がきこえる コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/18103.html
きみのこえがきこえるよ【登録タグ JASRAC管理曲 き 初音ミク 曲 銀河方面P】 作詞:銀河方面P 作曲:銀河方面P 編曲:銀河方面P 唄:初音ミク 曲紹介 銀河方面P の10作目。 知ってる人は知ってると思いますが、去年仕事でかなりつらいことがありまして、もうやめちゃおうって思った時にミクちゃんに出逢って もう一度音楽がんばろうという気になった時の気持ちを素直に歌詞にしました!(作者コメ転載) イラストは ゆきめぐ氏 が手掛ける。 ミク生誕4周年に合わせてリリースされた、数ある楽曲のひとつ。・・・ちょっと遅れたけど(汗 ベストアルバム『Prhythm☆Star』ではリミックスされ、更に生演奏のストリングスに差し替えられている。 歌詞 きみの声がきこえるよ その歌に耳をすませて きみの瞳見つめると ほら胸がキュンとときめくのさ 出会いは突然だね きみを見つけた日から 僕の世界で奏ではじめるメロディ 心が踊る このパレードに 街行く人も足並み揃えるよ きみの声がきこえるよ その歌に耳をすませて きみの瞳見つめると ほら胸がキュンとたかなるのさ 悲しいことがあって 逃げ出したい時でも きみの歌声 いつでも僕に 勇気を与えてくれた 夢のチケット 手にしていつか きみに逢いにゆくよ きみの声がきこえるよ その歌に耳をすませて きみの瞳見つめると ほら胸がキュンとときめくのさ きみの声がきこえるよ その歌に耳をすませて きみの瞳見つめると ほら胸がキュンとたかなる きみの声がきこえるよ その歌に耳をすませて きみの瞳見つめると ほら胸がキュンとときめく きみの声がきこえるよ いつまでも歌を届けてよ!! きみの瞳にあふれる 愛で今 地球を抱きしめて!! コメント すっごくいい曲 みんなに聞いてほしい -- 名無しさん (2012-01-05 04 26 12) 銀河方面Pで一番好きな曲 もっともっと評価されるべき -- カササギ (2012-01-11 20 40 13) 俺だけの殿堂曲!ミクを愛した人にしか作れない曲だ! -- 名無しさん (2012-02-26 02 01 40) まじ、ヤバイ。 この曲にほれたーー 世界中の人にきいてほしいです。 love miku・・・・ -- ミクファン (2012-11-06 21 39 36) Classのfriendに聞かせたい。oh! -- アメリカじゃねーよ (2012-12-22 21 36 06) この曲はミク好き全員必聴曲だろw -- ミク廃 (2013-03-15 18 10 26) ミクへの愛がこんなに溢れてる曲なのになぜ評価されない! -- ミク廃 (2013-03-15 18 11 28) きゅん☆ -- 名無しさん (2013-06-13 07 40 59) かわいい曲だなぁ愛に溢れてる感じのする -- 名無しさん (2013-07-25 22 34 48) 素敵です!明るい歌なのに何故か涙腺がゆるみます -- 名無しさん (2013-12-02 22 10 01) 僕もミクに救われた人間なので、この曲を聴くと改めてミクにありがとうって言いたくなります。 -- ミクが嫁な人 (2014-11-09 19 59 05) 名前 コメント