約 108,556 件
https://w.atwiki.jp/berryzhelloden/pages/81.html
清水×清水(シミズのジジョウ)61 ~~放課後~~ ○ベリ女校門前 下校する女子生徒たち 生徒A「ねぇねぇ!あの人かっこよくない?的なー?」 生徒B「知らないの?ベリ高の夏焼さんよ!ヤバス…鬼ヤバス!」 夏焼が誰かと待ち合わせをしているように立っている 夏焼(えーと…No.273の梨沙子ちゃんだな) 顔写真と情報が載っている手帳を見ている夏焼 梨沙子「夏焼さん!」 夏焼「やぁ梨沙子ちゃん。いままで待たせてごめんね」 梨沙子「夏焼さんと会えるの…すごく楽しみにしてました!」 夏焼「うれしいね…じゃあ行こうか」 腕を組み歩いていく二人 清水×清水(シミズのジジョウ)62 ○喫茶Berry Fields 珍しく徳永と熊井の二人しかいない店内 熊井「清水は?」 徳永「用事があるとかで…バイトも休むらしいよ」 熊井「須藤は?」 徳永「なんか服がどうとかで…よくわかんねぇ」 熊井「夏焼は?」 徳永「デートだろ?手帳見て吟味してたから…」 熊井「菅谷は?」 徳永「皮膚科。」 熊井「嗣永は塾だよな…」 徳永「あのさ…俺マネージャーじゃないんだけど」 軽い沈黙が流れる 徳永「っていうかしばらく熊井と二人っきりかよ…」 熊井「……こっちのセリフだっつの」 清水×清水(シミズのジジョウ)63 ○ダンス部部室 暗い面もちで輪になっている5人… 部員B「…どうするよ?」 部員C「どうするよ?って何を?」 部員B「練習に決まってんだろ…」 しばし沈黙が続く 部員E「…なんか俺たち、キャプテンに頼ってばっかみたいでしたね…」 部員F「そうですね…」 部員D「んなこと言ってもキャプテンはいないんだ。とにかく着替えて準備運動しようぜ」 部員Dがロッカーを開けると中に封筒が入っている 封筒には『Dくんへ』と書かれている 部員D「これは…キャプテンの字だ!」 部員たち「えっ!?」 ほかの部員たちもロッカーを見ると封筒が入っていた 清水×清水(シミズのジジョウ)64 ○清水宅 清水「ただいまぁ。あれ?」 玄関に靴がないことに気づく清水 清水「佐紀ぃ?いないのかぁ?…あいつまた鍵かけ忘れて外出たのか…」 リビングに行くと親からの書き置きがある 清水「今日はカレーか…久しぶりに佐紀と食べたかったのになぁ…どこ行ったんだろ?」 佐紀のケータイに電話をする清水 《おかけになった電話は電波の届かない場所に…》 清水(電源が切れてる…もしかして!) 急いで家を出ようとする清水、玄関にチラシを見つける 清水(ピアノ発表会…?佐紀が出るのか?……そういうことか…) チラシを握りしめ家を飛び出す清水 清水×清水(シミズのジジョウ)65 ○部室 封筒に入ってた手紙を読み号泣している部員たち 部員B「キャ…キャプテンがこんなに俺たちのこと見てくれてたなんて…」 手紙には部員たちの一人一人別々に励ましの言葉と 上手なところや直すべきところが細やかにかかれていた 部員F「やっぱり俺たちにはキャプテンが必要なんですよ…」 須藤「失礼するぞ」 紙袋を持った須藤が入ってくる 部員C「…須藤さん」 須藤「お前たちの衣装だ…しっかり7人分」 部員E「7人分…」 須藤「どっかのバカから時間がないから2人分減らしていいと言われたがな…」 部員F「キャプテン…」 須藤「どういう気持ちでお前たちが清水を突き放したかは知らんが、 少なくとも清水はお前たちを心の底から信頼していたんだぞ」 部員C「俺達を?」 清水×清水(シミズのジジョウ)66 須藤「自分か骨折してる間も待ち続けてくれた信頼できる仲間だとな。 いつか恩返ししたいとも言っていた」 部員D「おれ…キャプテンになんてこと言ったんだ…」 泣き崩れる部員D 部員B「よし!キャプテンに戻ってきてもらおう!!! 許してもらえるかはわからないけど…」 須藤「あいつはキュー学に『正々堂々』なんていうような バカよりタチの悪いお人好しだ。大丈夫だろ」 部員E「じゃあ今からベリフィーに行って謝りに…」 須藤「今日は用事があるから休んでるらしいぞ」 部員C「そうか…じゃあどうする?」 部員F「じゃあ…この手紙に書いてあることを重点的に練習しませんか?」 部員B「うんそうしよう!『正々堂々』キュー学に勝つためにもな!!!」 着替え始める部員たち 須藤「フン!バカなところはキャプテンにそっくりだな・・・」 軽くほほえみながら部室を後にする須藤 清水×清水(シミズのジジョウ)67 ○皮膚科前 病院から出てくる菅谷 ケータイの電源を入れると即電話が鳴る 菅谷「おゎっ!…鈴木さん!?」 ケータイにはハートマークに挟まれて 『鈴木さん』 と表示されてる 菅谷「…もしもし?」 鈴木《菅谷くん?いまベリ高近くの公園にいるんだ…》 菅谷「えっ…どうして?」 鈴木《菅谷くんに…会いたくて…》 菅谷「…分かった。すぐ行くよ」 ○公園 ブランコに乗っている鈴木 鈴木「ウッ…グス」 泣きながらブランコに揺れている 清水×清水(シミズのジジョウ)68 ○帰り道 用事を済ませ喫茶Berry Fieldsに向かっている須藤 須藤「雨が降りそうな天気だな…んっ?夏焼?」 ファミレスの窓際で夏焼とベリ女の梨沙子が食事をしている 須藤(なに企んでんだあいつは…) ○ファミレス 机に大量の皿が並びもりもり食べている梨沙子 それを見ながらコーヒーを飲む夏焼 夏焼「見た目によらずよく食べるんだね…」 梨沙子「夏焼さんの前だから押さえてるんですけど…食べ過ぎですか?」 夏焼「いやいや…ところで、君のクラスに『清水佐紀』って子いるよね?」 梨沙子「佐紀ちゃんがなんですか?」 夏焼「彼女のお兄さんと同級生でね。似てるなんてよくきくからどんな子かなーって」 梨沙子「夏焼さん…佐紀ちゃんのこと狙ってるんですか?」 夏焼「ヤキモチかい?君がいるから大丈夫たよ♪」 梨沙子「うれしい♪でも佐紀ちゃんはダメですよ。最近彼氏が出来ましたから」 夏焼「彼氏?あー確かうちの高校の…」 梨沙子「えっ?ちがいますよ」 夏焼「違う?(嗣永じゃない…」 梨沙子「彼氏って言っても縁出駅で他校の男子と歩いてるのを見ただけです。 夏焼さんと同じ制服じゃなかったですよ」 夏焼「…その一緒に歩いてた男子って…もしかしてこの人?」 1枚の写真を見せる夏焼 梨沙子「あーこの人です!この人!」 夏焼「なるほどね…」 清水×清水(シミズのジジョウ)69 ○縁出駅地下街 塾が終わり喫茶Berry Fieldsに向かおうとする嗣永 嗣永「早く行かなくちゃ…あれ?」 9番出口の階段に座っている佐紀を見つける嗣永 嗣永「佐紀…ちゃん?」 佐紀「!嗣永さん!?」 嗣永「やっぱり佐紀ちゃんだー♪どうしたの?」 佐紀「いや、あの…人と待ち合わせをしてて」 嗣永「そうなんだ…あっ!そうだ!これあげる」 佐紀の横に座り菅谷が撮った写真を佐紀に差し出す 佐紀「あっ…Berryz宮殿の時の」 嗣永「うん、菅谷くんが撮ってくれた写真だよ」 悲しい目で写真を眺める佐紀 佐紀「嗣永さん…実は私…」 嗣永「知ってるよ」 佐紀「えっ?」 嗣永「ぼくのこと、そんなに好きじゃないよね?」 佐紀「どうして…」 嗣永「Berryz宮殿の時、あんなにお兄ちゃんお兄ちゃん言ってたんだもん… 背格好が似てるから清水くんの代わりにぼくを選んだのかなーって…」 佐紀「ごめんなさい…」 嗣永「いいんだよ!とっても楽しかったし!」 清水×清水(シミズのジジョウ)70 ○ファミレス前 お別れの挨拶をしている梨沙子と夏焼 梨沙子「全部おごってもらえるなんて…ありがとうございます♪」 夏焼「いいんだよ。今度はもっと…君のことが知りたいな…(パチッ」 夏焼のウインクに心を奪われる梨沙子 梨沙子「はぁい…」 夏焼「じゃあ、気をつけて帰るんだよ」 梨沙子「さよなら…」 フラフラしながら帰って行く梨沙子 夏焼「ふぅ…さて…」 須藤「のんきにデートとはな」 店から出てくる須藤 夏焼「やれやれ。ストーカーでも始めたのかい?須藤くん」 須藤「偶然通りがかっただけだ。お前がこのタイミングで ベリ女の奴とデートなんて裏がありそうだからな」 夏焼「まぁね…予想通り、佐紀ちゃんとキュー学の中島はつながってるみたいだね」 梨沙子に見せた中島の写真を須藤に見せる 須藤「なるほどな…Aが見た清水ってのは学ランを着た佐紀ちゃんということか」 夏焼「ダンス大会まであと4日。奴らは一気につぶしにかかる。 それを返り討ちにするフフ…フフフフ♪」 須藤「悪いクセが出てきたな…」 清水×清水(シミズのジジョウ)71 ○縁出駅9番出口 階段に座って会話をしている嗣永と佐紀 嗣永「佐紀ちゃんはお兄ちゃんが大好きなんだね」 佐紀、照れくさそうに頷く 嗣永「清水くんはすごいもんなぁ…ダンスもうまくてかっこいいし」 佐紀「……」 表情を曇らせうつむく佐紀 嗣永「あれ?どうしたの佐紀ちゃん」 佐紀「あの…私…」 バキッ! 鈍い音がした後佐紀に寄りかかる嗣永 佐紀「嗣永さん?……!!!」 そのまま佐紀の体を沿うように膝に頭を落とす嗣永。額からは血が流れている 佐紀「嗣永さん!?……キャ(ムグムグ」 何者かが悲鳴を上げようとした佐紀の口を押さえている。萩原だった 横には岡井が立っている 萩原「お迎えに来たでしゅ」 岡井「おいおい…なにも警棒で殴り倒さなくても…」 萩原「ベリ高の制服見たら血が騒いだからしょうがないでしゅ。 ついでに人質としてつれてくでしゅ」 岡井「ヤバい奴が作戦に入ったな…ったく」 嗣永を背負って歩き出す岡井 清水×清水(シミズのジジョウ)72 ○喫茶Berry Fields 携帯ゲームで時間をつぶす徳永 ただ腕を組んでじっと考え事をしている熊井 徳永「遅いね。みんな」 熊井「…まぁな…ところでお前、大江とはどうなんだ?」 徳永「なんでよ?」 ゲーム画面を見たまま熊井の話に応える 熊井「あの時ケンカしてたじゃねーか」 徳永「まぁ…なんとか誤解は解けて仲良くやってるよ」 熊井「そっか。よかったじゃねーか」 徳永「まぁね♪」 しばらく沈黙が続く 徳永「しかし熊井がそんな心配してくれるとはね…雨でも降るんじゃ」 熊井「もう降ってるぞ」 徳永「うそっ!?」 徳永が窓の外を見ると雨がザーザー降っている 徳永「マジで雨降ってんじゃん!天気予報アテになんねー!」 熊井「嗣永傘持ってないよな…迎えに行くか?」 徳永「俺たちも持ってねーじゃん」 またゲーム画面に視線を戻す徳永 カランカラーン フードをかぶったずぶ濡れの男が店に入りカウンターに座る 熊井「なんだあいつ?」 徳永「さぁ…雨宿りでしょ…よっしゃ!」 男を見ずゲームに夢中になる徳永 清水×清水(シミズのジジョウ)73 ○縁出駅9番出口 遅れて現れる清水 清水(キュー学がこの周辺で人と待ち合わせするときは 縁出駅の9・10番出口付近と決まってる…ドコだ…佐紀はドコだ…) 清水のケータイがなる。佐紀と表示されている 清水「(ピッ)佐紀?お前今どこに…」 中島《キュフフ♪》 清水「中島くん!?」 中島《久しぶりだね清水くん…君のかわいい妹はボクが預かったよ》 清水「なんだって!?」 中島《返して欲しかったら…》 清水「鬼座高校の体育館だろ。もう移動してるよ」 中島《えっ!?よくわかったね!》 清水「知ってるよ。キュー学の拠点なんだから」 中島《なら話が早い。このことは熊井たちには内緒ナリよ》 清水「わかった…じゃあ後で」 清水(…何がしたいんだ?) 清水×清水(シミズのジジョウ)74 ○ベリ高校門 満足げに学校を出ようとするダンス部部員たち 部員F「なんか俺たちめちゃくちゃうまくなった気がしますね!」 部員E「キャプテンの手紙のおかげだよ!明日見せたら驚くだろーなー」 梅隊「おい!」 ダンス部の前に梅隊が現れる 部員D「なんだおめーら?キュー学か?」 梅隊「まぁな。訳あってお前たちを病院送りにすることになった」 部員C「ま…マジかよ!みんな!」 逃げようとするが、すでに後ろに回り込まれている 部員B「…どうしてそこまで俺たちを目の敵にする?」 梅隊「知るか。俺たちは上に言われたことをやるだけだ」 ダンス部たちを追いつめる梅隊… 清水×清水(シミズのジジョウ)75 ○鬼座高校体育館 気を失ってる嗣永のケガした頭にハンカチを巻く佐紀 佐紀「ごめんなさい…嗣永さん(グス」 少し離れた場所で揉めてる中島、岡井、萩原 中島「なんで嗣永まで連れてきたんだよ。熊井に怒られるだろ!」 岡井「萩原にきいてくれよ!」 萩原「ただなんとなくでしゅ。人質が1人でも多い方が 向こうも条件がのみやすいでしゅからね」 中島「はぁ…もう!こうなったら1人2人増えてもかまわない! そろそろ梅隊からほかのダンス部員の連絡が来るだろうし…」 中島のケータイがなる 中島「おーきたきた!もしもし?」 《あーもしもし?…倒しちゃったんだけど》 中島「ご苦労ご苦労!こっちに来るナリ!」 《えーっと…どこだっけ?》 中島「鬼座の体育館に決まってるだろ!早く来るナリよ!(プチッ)ふぅ…」 清水×清水(シミズのジジョウ)76 清水「おーい!きたぞぉー!」 中島「おっ!思いの外早く清水が来たみたいだな…2人を隠せ!」 萩原が佐紀を裏へ連れて行き、岡井が嗣永に布をかぶせる 中島「キュフフ♪完璧な作戦が始まるケロ」 体育館の中に入ってくる清水 清水「中島ぁっ!佐紀をドコへやった!」 中島「キュフフ…ここにいるよ♪」 萩原が刃物を佐紀に突きつけて現れる。 佐紀「お兄ちゃん!」 清水「…佐紀っ!」 中島(刃物突きつけるとか指示してないんだけど…) 岡井「妹だけじゃないよー!特別ゲストの登場~♪」 岡井が布をはがすと気を失った嗣永が現れる 清水「嗣永!?なんでここに?」 中島「偶然いたから連れてきたんだよ。熊井たちには話してないね?」 清水「……ああ…佐紀と嗣永を返してもらおうか!」 中島「キュフフ♪返すには条件がある!4日後のダンス大会を辞退したまえ!」 清水「………いや、そんなこと言われても僕もうダンス部じゃないし…」 中島「えっ!?」 清水×清水(シミズのジジョウ)77 清水「僕に似た人がいたずらをしてね…濡れ衣を着せられて追い出されたんだよ」 中島「うそっ!?」 清水「まぁその似た人ってのは…佐紀!お前だろ?」 佐紀「………」 清水「分かってるんだよ。キュー学がうちのダンス部を潰すために佐紀と接触した」 中島「……(ゴクリ」 清水「佐紀に学ランを着せて偽物の僕を作り上げてAくんを路地裏に 連れて行ったり、僕の部屋にある合い鍵やビデオを盗ませて部室に入り込み 衣装を切り刻んだり…最終的に僕に濡れ衣を着せてダンス部を辞めさせる。 さすがキュー学1の策士だね!」 中島「よ、よく見破ったな!!すべてその通り!」 岡井(濡れ衣きせるとこまでは想定してなかっただろ…) 清水×清水(シミズのジジョウ)78 清水「君たちと佐紀が裏で組んでることは分かってるんだ…演技とはいえ その刃物は危険だから止めてくれないか?」 萩原「裏で組んでるとか知らないでしゅ。早く条件をのまないと…」 刃物の先で佐紀の頬をつつく萩原 佐紀「ひぃっ!!何もしないんじゃなかったんですか!?」 中島「いくらなんでもやりすぎナリ!」 岡井(それ清水が言うセリフだろ…) 清水「萩原、君が殺戮ピエロと呼ばれ恐れられているのは知ってる… 表に出てない悪行があることもね…」 萩原「それがどうしたんでしゅか?」 清水「…条件は飲めない…でも佐紀の代わりに僕が 君の『曲技』に付き合ってやる。佐紀をはなしてくれないか?」 ヒュッ! 清水「うわっ!」 萩原が飛ばしたナイフをかわす清水 佐紀「お兄ちゃん!」 萩原「言われなくてもお前は既に俺の遊び相手でしゅ。 ほら、大好きなダンスを見せてくだしゃい!」 知らないうちに無数のナイフを指にはさみ持っている萩原。 呆気にとられる中島と岡井 中島「ここまで来ると何言っても止まんないよね?」 岡井「うん…」 清水×清水(シミズのジジョウ)79 清水「おっ!うわっと!」 萩原の投げるナイフを避け続ける清水 萩原「雑魚チビじゃ避けるのがが限界でしゅね。 もう一匹の雑魚チビもノビたままでしゅし…あれ?」 気を失っていたはずの嗣永がいなくなっている 萩原「どこに行ったんでしゅか?」 嗣永「ここだぁ!!!」 背後から萩原のナイフを持つ手に飛びつく嗣永 萩原「なにっ!?このっ!」 嗣永「佐紀ちゃんを離せぇ!!」 佐紀「嗣永さん!」 棒立ちで観戦状態の中島と岡井 中島「やべ…嗣永に気づかなかったナリ」 岡井「俺も…カリ太頭がナイフ避けてるの見るのに夢中だった…」 萩原「ん゛っ!!」 嗣永を清水の前に吹き飛ばす萩原 萩原「雑魚チビの分際で生意気でしゅ!」 嗣永に向けてナイフを投げようとする萩原 清水×清水(シミズのジジョウ)80 清水「させるかぁ!」 バシッ! 清水がパチンコで発射した石が萩原の手に当たりナイフを落とす 萩原「ぐぁっ!」 清水「佐紀っ!」 萩原が手を痛がっているスキに腕をほどき清水の元に駆け寄る佐紀 佐紀「お兄ちゃん…ゴメンナ」 ガバッ! 佐紀の言葉を遮るように抱きしめる清水 清水「佐紀…怖かったろ?…ごめんな、助けるの遅くなって…」 佐紀「……ウウッ」 清水の胸に顔をうずめて泣く佐紀 萩原「くそっ雑魚チビのくせに…」 清水「僕たちは喧嘩が弱くてもちっちゃくても危険を覚悟して 熊井くんたちとつるんでんだ!雑魚チビなめんじゃねぇ!」 嗣永「そーだ!そーだ!なめんじゃねー!」 清水×清水(シミズのジジョウ)81 萩原「帰る」 不満そうにその場を去る萩原 岡井「めちゃくちゃして帰ってったなあいつ…」 中島「粋がってられるのも今のうちだケロ!」 清水「どういう意味だ!」 中島「実は先ほど梅隊がベリ高に行きダンス部の連中を病院送りにしたところだ」 嗣永「そんな!?じゃあダンス部は…」 岡井「カリ太頭一人…っていうかお前辞めたからゼロか!!アハハハ!」 中島「まもなく梅隊がここに駆けつける!3人とも同じ病院に連れてってやるナリ!」 清水「………」 佐紀「お兄ちゃん…」 嗣永「あわわ…どうしよどうしよ!」 体育館の外から足音が聞こえてくる 中島「キュフフフフ♪やってきたやってきた♪」 清水×清水(シミズのジジョウ)82 ガラガラ! 鉄の扉が開くと、そこにはびしょ濡れになった ベリ高の熊井、須藤、夏焼、徳永、菅谷がいた 徳永「残念だけど…梅隊はここには来ないから」 嗣永「熊井くんっ!」 熊井「嗣永!?お前なんでここにいんだ。ヌケサクてめぇなにしやがった!!!!」 中島「くっ…くくく…熊井っ!!!?清水!お前熊井たちに言ってないんじゃないのか!?」 清水「言ってないけど…知ってたみたいだよ。君の究極の作戦をね」 夏焼「抜けてる策士にしてはまぁまぁだけど…運が悪かったね」 須藤「『正々堂々』大会で勝負すればいいものを…情けない」 熊井「さぁて…久しぶりにナカジマくんをどうやっていじめて」 熊井を制止する菅谷 熊井「なんだよ」 菅谷「中島…てめぇだけはぜってー許さねえ!!!!」 中島に飛びつく菅谷 中島「ひぃっ!!!何ナリか!!?」 清水×清水(シミズのジジョウ)83 バキッ! 中島の胸ぐらを掴み顔にパンチを入れた中島 吹き飛ぶニット帽 中島「痛いっ!なにするナリか!」 菅谷「うるせぇ!…鈴木さん泣かせやがって」 2発3発と殴る菅谷 清水「何があったんだ?」 ~~1時間程前~~ ○ベリ高近くの公園 雨の中大きな木で雨宿りして菅谷を待つ鈴木 菅谷「鈴木さん!」 鈴木「…菅谷くん」 木の中に入り込む菅谷 菅谷「…どうしたの?」 鈴木「実は…ベリ高のダンス部にキュー学が嫌がらせをしているのに 佐紀ちゃんが絡んでるみたいなの」 菅谷「佐紀ちゃんが!?どうして?」 鈴木「菅谷くんに話しそびれたんだけど…佐紀ちゃん、 お兄さんがダンスをやってるのをあまりよく 思ってないみたいだったの…4人で話してたときも」 ~回想(29より)~ 菅谷「ピアノかぁ…清水くんもダンスうまいから音楽兄妹だな」 佐紀「あー…ダンス…あっ、嗣永さんは何かあるんですか?得意なもの」 ~~~~~~~~~ 菅谷「そう言われると…避けてるみたいだったね」 清水×清水(シミズのジジョウ)84 鈴木「それを私が中島くんや岡井くんに話したら、 私が知らない間に佐紀ちゃんを利用してダンス部に嫌がらせを」 菅谷「なんて奴らだ!…どうしたの?」 泣いている鈴木 鈴木「…全部私が悪いの!!私が中島くんに話をしたからこんなことに… 私のせいで佐紀ちゃんが…ウウッ!わーん!」 菅谷に背を向け大声で泣きだす鈴木 それを見て拳に力が入る菅谷 菅谷(……キュー学…許さねぇ!) 鈴木「私って…最低な女だね…」 菅谷「…違うよ」 鈴木の肩をつかみ自分の方に向ける菅谷 菅谷「鈴木さんは…全然悪くない!!悪いのは聞いた話を悪用した中島じゃないか!!」 鈴木「でも…」 菅谷「中島はどこにいる?」 鈴木「えっ?」 清水×清水(シミズのジジョウ)85 菅谷「教えてくれないか?」 鈴木「今はどこにいるか分からないの…でも、梅隊が中島くんの指示で ベリ高に乗り込んでダンス部の子たちを攻撃するってのはきいたわ…」 菅谷「どこまで最低な奴だ…じゃあそいつらから聞けばいいんだな。行ってくる」 その場を去ろうとする菅谷 鈴木「ダメっ!」 鈴木が菅谷の手を握り止める 鈴木「菅谷くんがケンカしてるところ…見たくない…」 菅谷「……」 振り返り鈴木を抱きしめる菅谷 鈴木「菅谷くん…」 菅谷「ごめん鈴木さん…おれ、鈴木さんのことが………好きだ! だから、鈴木さんを泣かす奴はどうしても許せない!」 鈴木「………うれしい」 菅谷「えっ?」 鈴木「やっと…言ってくれた…好きだって」菅谷「鈴木さん…」 鈴木「私も菅谷くんのことが好き…だからケンカするところ見たくないの…」 しばらく雨音だけが響きわたる 菅谷「…………ごめん」 雨の中を走り去っていく菅谷 鈴木「菅谷くん!菅谷くん!お願い!行がないでぇ!」 叫ぶが雨の音にかき消されその場にへたり込む鈴木 何かを思い出しケータイで電話をする 清水×清水(シミズのジジョウ)86 ○ファミレス 雨宿りのために店内に戻った夏焼と須藤 手帳にチェックを入れている夏焼 須藤「しかし…何人の女が彼女候補なんだ?」 夏焼「うーん、数えたことないね…」 須藤「まったく…お前の気持ちは分からん」 夏焼「僕には女が苦手で童貞くんな誰かさんの気持ちが分からないよ」 須藤「…悪かったな」 夏焼「ごめんねw須藤くんwww」 須藤「と、とにかく俺はお前と違ってケータイに女の番号なんて入ってないしな」 着信音『電話が来たにゃん♪電話が来たにゃん♪』 須藤のケータイからアニメ声の着声が流れた 須藤「うぁっ!!やばっ!」 夏焼「なに?その着信音…君らしくない」 須藤「これはだな…キュー学の鈴木さんからだ」 夏焼「…思いっきり女じゃないか」 ニヤニヤ顔の夏焼に見られないようにこっそりと電話に出る須藤 須藤「もしもし?…どうしたんですか?なにっ!?」 大きな声を出し立ち上がる須藤 ほかの客から注目されている 夏焼「なんだい?店の中で騒々しい…」 須藤「ダンス部連中が危ないだと!?」 夏焼「なんだって!?」 清水×清水(シミズのジジョウ)87 ○喫茶Berry Fields 熊井「・・・」 カウンターに座った男が気になる熊井 たいせい「注文は?」 男「注文はいいです…」 たいせい「なにしに来たんや?」 男「実は、ここでシミズという子がバイトしてるって聞いたんだけど…」 たいせい「残念。今日は休みや」 徳永「んっ?」 徳永、ゲームをやっていた手が止まる 徳永(…どっかで聞いたことある声だな) 男「遅かったか…どうしよう…」 かぶっていたフードを脱ぐ男。その横顔を見て驚く徳永 徳永「…うそだろ?」 立ち上がり男に近寄る徳永 熊井「おい、どうした?」 男の隣に立ち止まる徳永 徳永「…矢っくん?矢っくんだよね?」 その男の正体はキュー学の矢島だった 清水×清水(シミズのジジョウ)88 矢島「ん?…お前…ちぃ坊?」 徳永「そうだよ!ちぃ坊だよぉ!久しぶり!」 矢島「うわぁ!こんなところで会うとかドラマみたいだね!」 熊井「おい」 徳永「まだ続けてんのか?ボクシング」 矢島「もちろん!今日もジョギングのついでにここに来たんだ!」 徳永「すげーなー!お前もうアスリートだな!」 矢島「いやいやwまだまだ未熟者だよ!」 熊井「おまえら」 徳永「ところで、お前清水探してんのか?」 矢島「…知り合いなのか?」 熊井「おい」 徳永「知り合いどころか…子分、的な?」 熊井「おい!」 矢島「子分とか…まだ不良やってるんだ?」 熊井「おい!!!」 徳永「まぁ昔ほどじゃないけ…あでっ!」 しびれを切らして徳永にげんこつをかます熊井 清水(シミズのジジョウ)89 熊井「てめぇわざと無視してんのか?誰なんだよこいつは」 矢島(この人……もしかして) 徳永「いってぇ…こいつ幼なじみの矢っく…矢島だよ。 キュー学のボクシング部ですげー強いんだ」 熊井「キュー学だと?」 矢島「はじめまして、矢島です。その背丈とからして熊井くんかな?噂は聞いてるよ」 手を差しだし握手を求める矢島 熊井、しばらく矢島をにらみつける… ヒュッ! 熊井、矢島の顔に拳を一発入れようとする ピタッ! 熊井「!?」 気がつくと熊井の目の前に矢島の拳が止まっていた。 そして矢島は熊井の拳をかわしていた 一瞬の出来事である 矢島「ごめん…不意打ちされるとカウンターを 入れる癖がついてるから…何とか寸止めはできたけど」 熊井「てめぇ…」 間に入る徳永 徳永「おいおい!ここでやんなよ。たいせいさんに失礼だろ…スイマセンホント」 振り返り苦笑いでたいせいにペコペコする徳永 清水×清水(シミズのジジョウ)90 熊井「清水になんの用だ?まさかヌケサクに言われて殺りにきたのか?」 矢島「違うよ。その逆さ…あれ?逆なのかな?どう思う?」 徳永に訊く矢島 徳永「いやいや、まだ何もきいてないし」 矢島「ああそうか…実はキュー学の奴らがベリ高に乗り込んで ダンス部員をボコボコにすると聞いたんだ」 徳永「マジかよ!」 矢島「シミズって子は君たちとつながってて 助けを求められると困るから別のところに呼び出すらしい… その前に接触して話をしたかったんだけど…」 徳永「とにかく、ダンス部連中があぶねーよ!学校戻ろうぜ!」 熊井「いや…」 徳永「ん?」 熊井「俺はキュー学の奴が言ってること信用できねぇな…罠じゃねぇのか?」 徳永「熊井っ!」 矢島「いいんだちぃ坊…そう思われても仕方ない。ただ僕は ベリ高とキュー学の抗争が部活にまで及んでいることが 気に入らないだけなんだ…信じてほしい」 熊井「じゃあさっきのアレ…なんなんだよ」 自分の拳を目の前で止める仕草をしてカウンターのことを言っている熊井 矢島「それはいつもの癖で…その…」 熊井「信じてもらいてぇなら…一発殴らせろ」 矢島「…そんな」 拳を構える熊井 清水×清水(シミズのジジョウ)91 熊井「どうするんだ?」 ガシッ! 熊井「んっ?」 構えた拳の手首をつかむ徳永 徳永「熊井!頼む!矢っくんのこと信じてやってくれ!」 矢島「ちぃ坊…」 徳永「こいつ純粋…っつーかバカ正直だから嘘とかつけないんだよ!」 熊井「……」 徳永「それでも信じないなら…俺も殴れよ!」 矢島「……」 徳永「……」 拳をおろす熊井 熊井「……ったくしょーがねぇな。お前が真面目面で 俺に頼みこむなんてな。この雨、雪になるんじゃねぇか?」 徳永「くまいぃ…」 へたり込む徳永 熊井「おい!行くならさっさと行くぞ!」 徳永「ぐぇっ!」 へたり込んだ徳永の首根っこをつかみ無理矢理立たせると 店を出ていく熊井と徳永 矢島「ちぃ坊…羨ましいな。信じられる仲間がいて…」 たいせい「用事すんだやろ?注文せぇへんなら帰ってくれるか?」 矢島「えっ!?じゃあ…お水を」 たいせい「帰れ」 清水×清水(シミズのジジョウ)92 ○ベリ高校門 手足を縛り付けられ梅隊に立されているダンス部員たち 梅隊「一匹一匹かわいがってやるよ」 梅隊「同じ病室になるように祈ってろ!」 部員B(誰か…助けてくれ!) ドサッ 急に後ろにいた梅隊のひとりが倒れる 部員C「なんだ!?」 その後ろには鉄パイプを持った菅谷が 菅谷「中島はどこだ!」 梅隊「なんだおめぇ?」 菅谷「どこだと聞いてるんだぁ!」 鉄パイプを勢いで振り回す菅谷 梅隊「押さえろ!」 後ろからあっさり羽交い締めされる 菅谷「はなせ!はなせぇ!!」 梅隊「生意気な奴め。ついでだ!ダンス部の連中どもに このあと自分たちがどうなるかってのを見せてやろう!」 菅谷の手に持っていた鉄パイプを奪い取り 梅隊「せっかく持ってきてくれたんだ。これを使ってやる!」 菅谷の頭めがけて鉄パイプが振り下ろされる。 菅谷「!!」 清水×清水(シミズのジジョウ)93 ガシッ! 振り下ろした鉄パイプを素手で掴んで止める手。須藤だった。 菅谷「須藤くん!」 鉄パイプを持ってる奴と蹴りで、 菅谷を羽交い締めにしてる奴の顔面にグーをいれ 同時に吹き飛ばす須藤 須藤「バカ野郎、鈴木さんが心配してたぞ…」 菅谷「…ごめん」 夏焼「はっ!はっ!はっ!」 ダンス部たちを立たせていた梅隊が泡を吹いて倒れていく 夏焼「危なかったね…もう大丈夫だよ」 ナイフでひもを切っていく夏焼 部員B「ありがとうございます!夏焼さん!」 夏焼「さぁ!早く逃げるんだ!」 部員C「はいっ!」 夏焼(…これで好感度アップと♪) 梅隊「うわぁーっ!」 夏焼「おおっと!」 夏焼の前に吹っ飛んできた梅隊 熊井が蹴りで吹き飛ばした奴だった 夏焼「熊井くんか」 熊井「なんだ。おまえらもいんのかよ。さっさとやっちまうぞ」 須藤「フン!言われんでも」 夏焼「そのつもりだよ」 清水×清水(シミズのジジョウ)94 校門の外の壁にもたれて携帯ゲームをしてる徳永 徳永(梅隊は打たれ強いから相手したくないんだよねぇ… ま、あの3人いるから楽勝でしょ) 梅隊の一人がスキを見て輪から抜け出す 梅隊「やべぇ!中島に報告しねぇと…」 ケータイを取り出し中島に電話をかける 徳永「ん?」 抜け出した梅隊を発見する徳永 徳永「おりゃっ!」 梅隊「あっ!」 徳永が軽く足を引っかけると梅隊が豪快につまづきケータイが宙に舞う 徳永「よっと」 ケータイをキャッチする徳永 つまづいた梅隊は顔面を勢いよく地面にぶつけて気絶してしまった 徳永「あれ?電話つながってんじゃん!」 中島《もしもし?》 徳永「(やべっ!)あーもしもし?(ケータイの持ち主)倒しちゃったんだけど」 中島《ご苦労ご苦労!こっちに来るナリ!》 徳永「えーっと…どこだっけ?」 中島《鬼座の体育館に決まってるだろ!早く来るナリよ!》 徳永「切られちゃった…鬼座とか言ってたな…」 ケータイをいじる徳永 徳永「…なるほどね」 清水×清水(シミズのジジョウ)95 徳永が電話してる間に3人によって叩きのめされた梅隊の面々 気絶してる梅隊の一人の胸ぐらを掴んでいる菅谷 菅谷「おいっ!中島どこにいんだよ!おい!」 須藤「しまったな…一人でも生かしておけばよかった…」 一人の梅隊から財布を抜き出している夏焼 熊井「なにやってんだお前」 夏焼「クリーニング代♪」 諭吉をヒラヒラさせて言う夏焼 熊井「…どこ行ったら1万かかるんだよ」 菅谷「…ちくしょう!中島はどこにいるんだ!」 徳永「鬼座の体育館っぽいよ」 4人に歩み寄ってくる徳永 須藤「おっ、徳永」 夏焼「いたんだ」 菅谷「知らなかった」 徳永「ヒドい奴らだなぁ…」 熊井「なんで鬼座なんだよ」 徳永「今逃げ出した奴が電話しててさ。その相手が中島だった」 梅隊のケータイのリダイアル画面を見せると一番上に『中島』と表示されている 徳永「こっち来い!っていわれてどこ?ってきいたら鬼座だって」 菅谷「鬼座・・・」 それを聞いた瞬間に走り出す菅谷 清水×清水(シミズのジジョウ)96 須藤「お、おい!」 菅谷の後を追う須藤 徳永「あらら…どうする?」 熊井「ヌケサクいじめたくなったから俺も行く!フフ…」 珍しくガキ大将のような笑顔で走っていく熊井 夏焼「珍しい熊井くんが見れそうだね…ついていこう」 徳永「あーあ。じゃあ俺も暇だから行くかな…」 ~~~~~~~~~~~ ○鬼座高校体育館 中島の上に乗っかり何度も殴りつける菅谷 菅谷「鈴木さん泣かせやがって!このヤロー!」 中島「(ガフッ)なんのことナリか!?(ゴフッ!)身に覚えないナリよっ!」 菅谷「自分の胸に聞いてみろバカヤロー!」 いきなりすぎて唖然としていたベリ高の面々 熊井「おい!俺にもヌケサク殴らせろよ!」 熊井を制止する須藤 須藤「いろいろあるんだ。やらせてやれ」 熊井「んな事言ったって殴りてぇんだよ俺は!」 中島を殴る菅谷を見て拳が震えている岡井 清水×清水(シミズのジジョウ)97 菅谷の肩を掴んだ岡井 岡井「おい」 バキッ! 間髪入れずにパンチをお見舞いする岡井 吹き飛ぶ菅谷 菅谷「いってぇ…なにしやがんだ岡井!」 中島「ひぃぃぃ!」 自由になったので逃げ出す中島 熊井「…もういいよな?な?」 須藤「…勝手にしろ」 熊井「まちやがれヌケサクー!」 中島を追って走り出す熊井。 清水「須藤くん!」 須藤たちに駆け寄る清水、嗣永、佐紀 須藤「おっ、清水!大丈夫だったか?」 清水「うん、ごめん…佐紀を頼む…」 そういい残し熊井の後を追う清水 夏焼(あっちの方が面白そうだな…) こっそり清水の後を追う夏焼 その間に岡井が菅谷の胸倉を掴んでいた 岡井「何が『鈴木さん泣かせやがって』だ…お前だって泣かしてんじゃねぇか!!」 菅谷「なんだと!?」 清水×清水(シミズのジジョウ)98 岡井「あいつと遊園地行っただろ?愛理はアレをデートだと思って行ってたんだぞ!」 菅谷「バカ言え…あれは絵の資料を…」 岡井「それは口実だ!写真撮るなら素人のお前よりウチの写真部の女子にでも頼むだろ!」 菅谷「…」 岡井「…お前に断られるのが怖かったからなんだぞ!」 菅谷「そんな…」 岡井「結局手も握らずに終わったらしいじゃねぇか!」 ~~遊園地の翌日~~ 岡井「手握らなかったのか?」 鈴木「うん…私…菅谷くんに嫌われてるのかな…(グス」 ~~~~~~~~~~ 岡井「愛理の気持ちも分かってやれない奴が偉そうな事言うな!!」 菅谷「うるせえ!」 岡井を突き飛ばす菅谷 清水×清水(シミズのジジョウ)99 菅谷「お前も中島と組んで佐紀ちゃん利用して…最低な人間だな! 佐紀ちゃんが巻き込まれてるのを鈴木さんがどんだけ 悲しんでるのか分かってんのか!?」 岡井「…なんでお前なんだよ」 菅谷「は?」 岡井「なんで愛理が…弱虫インキン野郎のお前なんかのこと…」 菅谷「お前…もしかして…」 岡井「インキンな上に鈍感か。今気づいたのかよ。 どんなにあいつに合うストラップをあげても愛理が見てるのは …お前の絵を撮った待受だ」 菅谷「岡井…」 岡井「お前よりずっと前から好きだったのに!」 菅谷「フられたのを俺にせいにすんな!」 菅谷と岡井、二人の殴り合いが始まる 徳永「おいおい止めた方がいいだろ…はいはいストーップ!」 須藤「やれやれ…ん?」 体育館の外の木に誰かがいるのに気づいた須藤 須藤「誰だ?そこにいるのは」 萩原「須藤でしゅか」 帰ったはずの萩原が木の上でナイフを回しながら退屈そうにしていた。
https://w.atwiki.jp/krc_wiki/pages/181.html
MAKERS BAZAAR OSAKA 2019 1日目 MAKERS BAZAAR OSAKA 開催場所:大阪南港 ATC(アジア太平洋トレードセンター) (地図) 開催日 :2019年07月20日(土)~07月21日(日) 出展料 :個人(個人事業主含む)/コミュニティ/大学・教育機関:4,320円 企業:21,600円 出展申込:2019年05月20日(金):ブース出展申し込み締め切り 2019年06月14日(金):出展料のお支払い締め切り 2019年06月28日(金):出展内容提出締め切り 内容 :自分達で製作した「もの」を発表・販売するイベント
https://w.atwiki.jp/bjj-newaza/pages/31.html
306 名前:名無しさん@一本勝ち[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 18 35 52 ID VpImMOMJ0 ディーンリスターがよくやる足のクラッチが逆サイドの三角締めが決まらないんですけど コツとかあるんですか? 317 名前:名無しさん@一本勝ち[sage] 投稿日:2007/06/24(日) 22 28 39 ID D2IA6noO0 逆クラッチは頭引き付けながら(ラバーガードみたいに) そけい部?の筋っぽいところ(俺なぜかここが凄い発達してて良く極まる) を相手の首に当てて自分の腰をひねる?持ち上げるように締める。 逃げようとしたらずらして即オモプラッタ 松葉がらみみたいな状態でも 頭引き付けて締めさえできてれば極まる。 やっぱダメだな、上手い説明できる人頼む
https://w.atwiki.jp/porobywwy/pages/20.html
今までやっていて最近やめたものに毛穴の引き締めがあります。 たとえば、夏場など洗顔した後に、肌を冷たい水で冷やして、毛穴を引き締めること。 かえって、刺激があるので、ダメなんだそうです。 それと、入浴後とかにしていた毛穴パック。 剥がす時が気持ちいいので、癖になっていたけど、これも刺激が肌にあるので、よくないんです。 ということで、私は、顔の毛穴にいいものを友達からおしえてもらったので、最近は それを使っています。 こちらでも紹介していましたよ。http //www.kaokeana.com/ 実際、毛穴が引き締まってきたのかあまり目立たなくなってきたんです。 うれしいです。
https://w.atwiki.jp/jinruisaikyou2/pages/77.html
【赤坂美月】 【作品名】ダブルキャスト 【ジャンル】コンシュマーゲーム 【名前】赤坂美月(赤坂志穂) 【属性】多重人格ヤンデレ 【大きさ】成人女性並 【攻撃力】ナイフで成人男性の腕を一撃で切断する 鍛えた男性との取っ組み合いで勝つ 【防御力】成人男性に羽交い絞めにされても、それを振りほどける 火事の爆発に巻き込まれても平気 【素早さ】成人男性を圧倒する 【長所】やたら高い身体能力 【短所】フェイントには結構弱かったりする 【備考】多重人格者で本当は赤坂志穂。美月は亡き姉の人格 1スレ目 105 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2010/09/08(水) 21 40 16 ID cNR5+LS5 赤坂美月 ○>金田一 一>相模 正人>日高 良司 :ナイフで切断勝ち ×>江戸川コナン:麻酔銃負け ×>稲葉達也:ティンダロス負け 江戸川コナン>赤坂美月>金田一 一 桜野タズサ ○日高 良司>夜神月>鈴木勝利>阿部 高和>南原清隆 :世界レベルのプレイヤーの身体能力と スケート靴の蹴りはやばいだろう。 ×>金田一 一>日高 良司:バットとか銃負け 相模 正人>桜野タズサ>日高 良司
https://w.atwiki.jp/keikenchi/pages/1021.html
タブンネ達のいる部屋の扉をバンッと開き、中に入る 「ミィッ!?」「ミッ…ミィー!」 突然部屋の扉が開いてチビンネ達は飛び上がるほどに驚いている そして俺の姿に気づくと鳴きながら部屋の隅に逃げていく 「ミ…ミィーッ!ミガーッ!」 そしてママンネはチビンネ達の前をかばって俺の前に立ちはだかり、威嚇している 「おいおい…そんなに怒るなよ…悪いのはお前らなんだぜ?」 「ミィーッ!ミギーッ!」 ママンネの威嚇を意にも介さず歩いて接近していくと、ママンネはより強く威嚇し始める こないで!私と子供達に何もしないで!ってところか そんなママンネの後ろでチビンネ達が震えている 「だからそんなに怒るなって…、ますます虐めたくなっちゃうだ…ろっ!」 「ミギュッ!?」 歩いてる内に目の前まで近寄り、なおも威嚇しているママンネにローキックを向けてかます 蹴りをまともに食らってサッカーボールのように吹き飛ぶママンネ 「ミッ!?ミ…ミギィ…」 壁に叩きつけられ、呻いているママンネ 邪魔者を排除し、震えているチビンネ達の方へ向かう そしてその中で一番小さい奴、ベビンネを探して捕まえる 「チィ!?チィ!チィィィィ!」 母親を蹴り飛ばした人間に掴まれて、悲鳴をあげながら手足をばたつかせるベビンネ 「ミィ!」「ミフーッ!」 それを見てチビンネ達はベビンネを助けようと俺の足をぺしぺしとはたいたり、噛みついたりしている 「ミィィィィ!ミィミィ!」 ママンネも大きな鳴き声をあげているが、先程の蹴りを受けた為動けないようだ 「チィ…チィィ…」 震えているベビンネに対し、俺はポケットからあるモノを取り出す 「チィ…チィ?」 あるモノとはようせいグループ用のミルクの入った哺乳瓶だ それをベビンネに近付け、ミルクの出る部分をくわえさせる 「チィ…?チィ♪チィチィ♪」 「ミィ?」「ミィ…」 ベビンネが喜んでいるのを見て、不思議そうに鳴くチビンネとママンネ 「お前達にも…ほら」 続けて俺はオレンの実を取り出し、チビンネ達に見せる 「ミッ!ミィ~♪」「ミィミィ♪」 予想通り、昨日から何も食べておらず腹を空かせているチビンネ達は媚びた声でオレンの実を強請ってきた チビンネ達にオレンの実を与え、哺乳瓶にしゃぶりついているベビンネを床に降ろすと キッチンにあるとある物を取りに俺は向かった 「ミッ?」 部屋に戻り、タブンネ達の前にドンと置いたのは果物などに使うミキサー、それも二つ用意した ありきたりだが定番だ、チビンネ達はミキサーを不思議そうに見ている 俺はミルクを飲み終わったベビンネを掴み、ミキサーに入れて蓋をする 「チィ♪チィチィ~♪」 「ミィ~♪」 ミキサーの中からベビンネが楽しそうな声をあげている チビンネ達も面白そうに思ったのか羨ましそうにベビンネに声を返していた 「よーし、これから君達のためにジュースを作るぞー!」 「ミィ!ミィミィ~♪」 ジュースと聞いて嬉しそうに鳴くチビンネ達 「ミィ!ミィミィ!」 いつの間にか立ち直ったママンネが催促するように鳴き始めた 俺は何を言ってるのかボール腰にエーフィに通訳を頼んでみる ”あんな酷いことをしたんだからこのぐらいするのは当然よ!早く作りなさい!” なるほど…ね…ならばそれに応えてあげなくちゃね 俺はまずリンゴやバナナなどの果物を用意し、ベビンネが入ってないほうのミキサーに入れる そしてスイッチON!あっと言う間に果物は砕かれおいしそうなジュースになりましたとさ 粉々に砕かれたジュースを見て、一瞬凍り付くママンネ、チビンネ、そしてベビンネ 「チ…チギャアアアアアアアアアア!!!?」 「ミィィィィィィ!?ミィ!ミィミィ!!」 先程の果物を粉々にした機械、そしてそれと同じモノに入れられているベビンネがこの世の終わりのような悲鳴が上がる そしてママンネも同じような声を上げ、ベビンネを救出しようミキサーに触れようとする 「おおっとぉ!邪魔しちゃダメだよママンネちゃん!」 「ミィ!ミギィーッ!ミッミッ!」 ママンネの手を遮ると、邪魔するなと言わんばかりに鳴くママンネ さらに俺に向かって突進しようとモーションを取っている、だが遅い! 「ルカリオ!」 素早くボールに手を伸ばし、中からルカリオを放つ! 「ミギャア!?」 ルカリオはボールから出るやいなや『しんそく』でママンネを攻撃し、壁まで吹き飛ばした 「ミギィィィ…!」と苦しそうに鳴きながらもママンネはミキサーに向けて手を伸ばしている 「ヂィーッ!?チィ!チィチィ!」 ママンネが倒されたことでパニックになるベビンネ なんとか脱出しようとミキサーの内側をカリカリとひっかくが無駄な抵抗だ 「ミィミィ!」「ミィー!」 チビンネ達もベビンネを助けようとミキサーの蓋に手をかけているが 背が届かなかったり、力が弱くて開けられなかったりと苦戦している 「ミィ!ミィミ♪」「ミィ!」 そしてミキサーを開けられないとわかると俺に向かって媚びるように鳴き始めた 早くジュースが飲みたいって言ってるんだろうな、多分ね 「大丈夫、そんなに焦らなくてもちゃあんとおいしいジュースを飲ませてあげるから、な?」 「ミィィィィィ!?」「ミィ!ミッミ!」 そう優しく言ってやるとチビンネ達はさらに大きく何かを訴え始めた HAHAHAそうかそうか、そんなに楽しみしてくれてるとはね 「ミィーーッ!ミギィーーーッ!ミギャギャギャァーーーッ!」 ママンネも気が狂いそうなほどに鳴いている、これ以上待たせたらかわいそうだな、よし!スイッチ… 「ヂィィィィィ!!ヂギャァァァァァ!!」 「ミィィィィィィィ!!!」 ON! 俺はスイッチに手を伸ばし、躊躇い無く押した 「チッ…!ヂガギャァァァァァァァァァァァ……!!!」 ミキサーが起動し、ベビンネの身体を下半身から細切れにしていく 身体を砕かれていくという通常ならありえない地獄の痛みに ベビンネのこの世のものとは思えぬ壮絶な断末魔が部屋響き渡る 「ミィヤァァァァァァ!!ミガァァァァァァ!!!」 ジュースにされていくベビンネを見て、こちらももの凄い悲鳴を上げるママンネ 喉も枯れよとばかりに叫ぶ姿はあの媚びた生物とはまるで別物だ 「ミィィィィ!!」「ミィ~…」「ガタガタガタ…」 チビンネ達はベビンネを見て叫ぶ者や涙を流す者、あまりの凄惨さに震える者など反応は様々だ そんなことをしているうちにミキサーが止まり、ベビンネジュースが出来上がった なんというか…見た目は赤ワインにピンクが混ざった液体だ、だが凄くドロドロしている 肉や皮や骨までシェイクしたのだから当然だが、お世辞にも美味そうには見えない (どうしようかコレ…) 俺自身ミキサーで砕かれて死ぬなんていう凄まじい死に方は初めて見たので少し震えている さすがに先程までのテンションも今では失っていた 「……ミィ」 そんな時、ママンネに異変が起きた 「ミ…ミィ…」 ベビンネジュースの処理に困り、悩んでいると 突然ママンネがヨロヨロとベビンネの入ったミキサーに向かって歩き出す 「ミィ…ミヒィ……ミヒィィィィィィィン…」 液体と化したベビンネのすぐ傍まで近付き、泣きながらミキサーに縋りつくママンネ まるで我が子であるかのようにミキサーをよしよしと撫でたり、抱きしめたりしている (もしかしてもう壊れたのか…?) まだチビンネ達が残っているというのに早すぎる、少し揺さぶってみるとしよう 「タブンネちゃん、どうして赤ちゃんはそんな姿になっちゃったと思う?」 「ミ…」 そうやって語りかけると、ママンネはピクッと震えて泣き止んだ 「それはね、君達が俺の家で空き巣を働いたからさ もし君達が俺の家に入らなけれ赤ちゃんは死ななかっただろうねぇ?」 「ミィ…ミィ…」 聞きたくない、という風に耳を抑えてイヤイヤと首を振るママンネ 「ルカリオ」 「ミッ…!?」 そう一言呼びかけるとルカリオがママンネを羽交い締めにし、耳を開かせた ママンネにはしっかりと事実を受け止めてもらわねばならない ましてや現実逃避することなど絶対に許さない 「赤ちゃんを殺したのは君とお父さんも同然なんだよタブンネちゃん」 「ミガァァァァッ!ミギャアァァァァッ!」 俺がそう告げると、ブンブンと首を激しく振り、鳴き喚いてジタバタと暴れるママンネ 俺がルカリオにママンネを放すように命じるとママンネは解放された途端に ミギーッ!と鳴きながらこちらに突進しようと試みる 「あらよっと!」 所詮は怒りに任せた直線的な攻撃、難なくママンネの突進を避けると ママンネは止まることができず、背後の壁に思いっ切り衝突した 「ミ…ミィーッ!」 衝突した時の痛みにポロポロと涙を流しながらもめげずに突っ込んでくるママンネ 俺は今度は大きく避けずに直線から軽く横に避けてママンネの足を引っかけて転ばせた 「どうやら旦那と赤ちゃんを失っただけでは足りないみたいだな…」 俺はママンネを仰向けにさせると、すかさず服の袖を捲りながら上に乗ってマウントポジションを取る 「ミ…ミギィィィィ!ミガッ!?」 なおも激しく鳴きながら威嚇するママンネ、まずは顔を殴りつけて黙らせる 「ミッ…ミヒィ!?ミギィ!ミガァ!ミゲェ!」 続けて連続で殴りつけるとリズミカルにママンネのエグい悲鳴が上がる ママンネの顔を殴り続け、一旦手を休めるとママンネの顔は無惨に腫れていた 「ミ…ミヒッ…ミギィ!?」 力無く呻いているママンネ、だが俺が耳の触角を掴むとビクンッと反応する タブンネの触角は神経の集まった敏感な部分だ、それを引きちぎればどうなるか 「ミギギギギギギ…ミギャアアアアアアア!!!」 「ミィッ!」「ミギィーッ!」 ギリギリと触角を引っ張ると、徐々にブツブツと触角が裂けていく チビンネ達がママンネを助けようと向かってくるが チビンネに向けて一睨みするとミィ…と萎縮して逃げていった 「ミィッ!ミヒャアッ!ミギィ!」 それに合わせてママンネの悲鳴も大きくなり、やめて!と言ってるかように鳴き始める ブチィ! 「ミッヒャアアアアアアア!?ミヘッ…!ミホッ…!」 遂に触角が完全に裂け、ママンネのまた一段と大きい悲鳴が聞こえる やがてママンネは叫びすぎと痛みで咳込み、痙攣し始めた ちぎれた触角からは血液と謎の液体が流れ出しており、気持ち悪いのでゴミ箱に投げ捨てる 「ミ…ミィィィ…」 大事な触角を捨てられて、取り戻そうとゴミ箱に向かうママンネ 必死でゴミ箱を漁る姿はまさに豚というにふさわしいな 俺はゴミ箱を漁るママンネの尻を蹴飛ばし、ゴミ箱の中に突っ込ませる するとゴミ箱の中から逆さまの体勢で足をジタバタさせるママンネ 「ぷっ…あははははは…!」 あまりにも滑稽なその姿に俺は思わず吹き出してしまう ルカリオもそれを見て笑っており、腹を抱えてうずくまっている 「ミィ~…ミッ!ミフーッ!」 ゴミ箱の中から身体を引き抜き笑っているこちらに気づいてママンネは再度怒りを露わにする これはまだお仕置きが足りないみたいだな… 「ミギィーッ!」 「おっと!」 「ミッ…!?」「ミィ!?」 再び突進しようとするママンネ、だがそれよりも早く俺は隅で震えているチビンネに手を伸ばし 両手に一匹ずつ掴んでママンネの前に見せつけるように突き出した 「ミィ~ッ!」「ミッ!ミッ!」 自分達が次の犠牲者に選ばれたと思ったのか、必死に抜け出そうと暴れるチビンネ二匹 この二匹、片方は四匹の中で一番身体が小さく、片方は一番大きい奴だ 解りやすくするために小さい方をA、大きい方をBと呼ぼう 「ミッ…ミィィ…」 子供達を盾に取られて突進を止めるママンネ、素直でよろしい だがまだ反抗する心は残っているようだ… 「ミィ!ミィ!」「ミィィィ!」 「う~ん…」 ジタバタと暴れているAとBを見ながら、俺はどういう方法で虐めてやろうか悩んでいた 「あてっ…!?」 するとBがいきなり俺の手に噛みついてきた、思わぬ痛みにBを落としてしまう 床に落ちるとミィ!と鳴きながら逃げようと走り出すB 「このっ…!」 「ピギャアッ!?」 俺は逃げようとするBにすかさず蹴りを入れる 蹴りは狙いを誤らずBにヒットし、その小さな身体がボールのように跳ねる 「ミ…ミェェェ…」 身体を強く打ち、悶絶しているBを再び手で掴んで捕らえる それと同時にAを握る手を緩めて放してやる 「ミッ!?ミィ…」 いきなり解放されて驚きつつも不安そうにBを見るA 二匹同時に料理してやろうと思ったがまずはB、お前からじっくりと虐めてやろう 「ミッ!?ミギャアアアアア!!」 手に触れた耳の触角から俺の意志を感じたのか、鳴き喚くB 今更後悔してももう遅いぞB、じっくりと苦しめてやるから覚悟しろ! 「ミィィィ!ミギャアアア!」 パパンネ、ベビンネの末路を思い出したのか、鳴き喚めきながら暴れるチビンネB だが今度は腰と首の辺りをガッチリと押さえられているため じたばたと振っている手足は虚しく空を切るばかりだ 「ミィ!」 Bの叫びを聞き、ママンネがBを助けにこちらへ駆け寄ろうとする だがそんなママンネに見せつけるようにキュッとBの首を軽く絞めてやる ミギュッと苦しそうな声を上げるBを見て、ママンネは悔しそうな目でこちらを見ながら止まる、良い子だ 「さて…」 邪魔物ももういない、他のチビンネ達も震えるばかりでBを助けようとはしない まずはジャブからいくか そう考え、まずはBを掴んだ手を頭の上まで振りかぶる 「ミィ…ッ!?ミッ…」 そして思いっ切り腕を振り降ろし、Bを床に投げつける! ビターンッ!と快音をあげて床に叩きつけらるB 大きくバウンドして床を転がるB、直後にBはミギャアアアア!と悲鳴をあげて床の上でもがき始めた 「ミィ!」 全身を強打した痛みに耐えられず泣き叫ぶBにママンネが駆け寄る どうやら今はBしか目に入ってないようで、すぐ近くに俺がいるというのに酷く無防備だ 「ミギッ…!ミギュッ!」 ママンネの無防備な背中に蹴りを入れ、倒れた背中を上から踏みつけて抑える そして未だ泣き叫びながらのたうちまわっているBを掴み、胸の高さまで持ち上げた 「ミッ…ミギッ…」 「ミギィィィィ…」 掴まれながらも苦しそうな声を出しているBに 自分達を傷つける相手に踏まれ、何もできない無力感に悔しそうに鳴くママンネ この憎たらしい侵入者達の無様な姿は俺になんともいえない快感を与える まだまだ…こんなものじゃ終わらない… 次に俺はポケットからカッターナイフを取り出し、刃を出してベビンネの前にチラつかせる 「ミィッ…ミヒッ…」 鋭く輝く刃を見て、短い悲鳴を出すチビンネB 見ると股の間からはチョロチョロと液体が垂れている、どうやら失禁して漏らしたようだ 俺は更なる恐怖を味わわせるように、ゆっくりと刃をチビンネの体に近づけていく 「ミィィィ!ミィ!ミギィィィ!」 迫ってくる凶刃の前に泣き叫び、再び逃げ出そうと暴れ出す 俺は暴れるBの胴体に刃をあてがい、そして躊躇いなくその刃で引くように切りつけた 「ミッ…ミヒィィィィィ!」 チビンネの先程までとはまた違った声質の悲鳴があがる 休む暇も与えず俺はチビンネの体を無造作に切りつけていく 「ミビャア"ア"ア"ア"ア"ア"!」 「ミギーッ!ミガーッ!」 鋭い痛みによるチビンネの悲鳴と踏みつけられ、抑えられたママンネの叫びによるデュエットである Bの身体に満遍なく傷を付けた所でカッターナイフをしまう ヒクヒクと痙攣するBの体には赤い筋が幾重にも刻まれている それほど深く切ったわけではないので出血は少ないが、そんなことはどうでもいい 次に俺はポケットからあらかじめ皮を剥いておいたレモンを取り出す 先程オレンの実などを持ってきた時に一緒に用意したやつだ 左手で痙攣してるBを抑え、右手でレモンを握りつぶす そして溢れ出した大量の果汁をBの身体に塗りたくってやる 「ミビィヤアアアアアア!ミギャッ…ミッ…ミゲェェェ…」 傷だらけの身体にレモン汁はとてつもなく染みるだろう、俺がBを床に放り投げて解放してやると あの小さな身体にどこにそんな力があるのかと思うほど凄まじい悲鳴をあげ、痛みに耐えられず嘔吐までしている 「ミィィィィ!ミッ!ミギーッ!」 ついでにママンネを抑えていた足もどけてやると ママンネはすぐさま一目散に床の上を転げ回っているBに向かって駆け出した 「ミィィィィ!ミィ!ミィィ!」 しかし痛みで激しく暴れ回り、ママンネはまるでBに手をつけられずにいる 「ミィ!ミィミィ!ミギーッ!」 するとママンネは今度はこちらを向き、Bを指差しながら激しく何かを訴え始めた 恐らくはチビちゃんなんとかしろ!とでも言ってるんだろう 俺は当然ママンネの訴えを無視し、そっぽを向く 「ミガーッ!ミギィィ!ミィミィ!」 するとママンネは次は俺のすぐ近くまで駆け寄り、グイグイとチビンネの方に俺を引っ張り出した その行動からは明らかに強制させようとしていることがわかる 「ミギャーッ!ミガァーッ!」 それでも動こうとしない俺についには普段の鳴き声からは想像もつかないような鳴き声で俺を威嚇し始める 「ミギィィィィィィ!!!」 ついにキレたママンネは俺に攻撃を加えようと突進の体勢に入り… 次の瞬間、ママンネの身体は無数の打撃音と共に吹き飛ばされた 続く 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/amaneo/pages/53.html
カナメとナツは三三歳。コカゲとウミネネはまだ四歳になったばかりだった。 四人が扉を抜けると、受付の女性と館長が待ち構えていた。 「ようこそ。とは言ってもいつも来てるから感慨はないでしょうけど」 休日、四人は雨多ノ島水族館に遊びにきていた。受付を過ぎたコカゲはてけてけと走り出すが、すぐに転んでしまう。 「あらあらあらあら、大変ね」 先導していたユーミ館長が駆け寄る。ナツとカナメは慣れてしまって追わない。リノリウムの床はそれほど痛くなかったらしく、コカゲは座りこんで笑っていた。 「館長、ウチのこどもがなんでこけるかわかりますか」 手を後ろに組んだナツが笑顔で聞いた。 「こどもは大人に比べて頭身が低いから、バランスがとりづらくて転ぶ。そうじゃなかったかしら」 ユーミは以前テレビで見た知識をたぐり寄せてこたえる。もうかなり白髪のはずだが、明るいブラウンに染めて若々しい。 「そう。ウチの子は特に頭が重いけん転ぶんです。なんで頭が重いかって、脳ミソが重くて頭が良いからなんですよ」 ねー、とナツとカナメは声を合わせた。それを見た息子は走ってユーミの後ろに隠れた。白衣の裾を掴んでいる。 「ホラ、親バカ過ぎてこどもがひいちゃってんじゃないの」 カナメが背中で眠っている娘を見せる。寄ってきたナツがそのぷくぷくした頬を指でそっとつつくと、うなりながら小さな手で払った。ナツは嬉しそうにニヤニヤしている。 「ナツなんかこの前、ウミネネの服があんまり可愛いからって、ほお擦りしすぎて鼻血出したんですよ」 「そりゃただのバカでしょ」 ユーミの中に湧いていたイラツキが笑いに変わった。ひとしきり笑った後、途中の「関係者以外立入禁止」と書かれたドアを開けて通常ルートを逸れる。 「カナちゃんとナッちゃんがこの前見つけた、変わったタイプの『それ』だけど。あれやっぱり生きてたみたいだから、地下プールに入れてあるわ。こっち」 それまでの内装とはうってかわって、暗い室内に赤茶けた鉄の階段が続く。ホルマリン漬けにされた得体の知れない生物や、鼻をつく酢のような臭いが漂っている。 カナメが手すりを伝いながら呟いた。 「『それ』がたくさん出た場所にもう一回行けって聞いた時は、この人どうかしてるんじゃないかと思いましたよ。しかも同じ設備で」 ユーミは研究予算をなかなか出さない政府に対する愚痴を吐き出して下りていく。が、彼女と手を繋いだコカゲが一段一段、まるで山くだりでもしている様子なので足を止めた。 突然眠っていたウミネネが泣き出した。ナツは近づき、尋ねる。 「大丈夫? きついん?」 「きつい。やだ。帰る」 カナメは肩越しに心配そうな視線を送る。 「カナメ、みんなでちょっと先に行っとって。ウチは休憩室でこの子を見とく」 ナツはウミネネを抱き、先に階段を素早く下りていった。三人は目で追った。 「何、大変なアレだったのかしら」 ユーミが言うが、カナメは手を振って苦笑した。 「ウミネネは生まれてから病気続きで。不安なんですよ。でもアレは仮病ですね。かまってちゃんなんです」 三人は大きな地下プールに着く。強化ガラス越しに眺めた「それ」は丁度ヒトラシキとの中間のようで、今まで謎だった生態の解明が飛躍的に進んだ。 ユーミとカナメは熱の入ったように話す。 「あのニュース見た? クロマグロが減少しているから、今度はサバからマグロを産ませようとか。魚類にはそんなことさえできそうって」 饒舌になったユーミに、やはり身振り手振りを大きくして答えるカナメ。 「ああ、精原細胞をニジマスから抽出して、孵化直後のヤマメに移植すると雄のヤマメはニジマスの精子、雌は卵を作ったとかいう技術の応用ですよね」 ガラスの向こうを眺めながら、二人はいたずらを企んでいる悪ガキのような表情をしていた。 「ええ、魚類には複雑な生物に比べて互換性というか共通度の高いものが多い。たぶん『それ』みたいな存在が中間として純度の高い――」 幼いコカゲに二人の会話は全くわからない。ただツルツルに溶けかけたヒトラシキが脈動し、ヒトとしての輪郭が消えていくのを見て怖がるだけだ。従って、泣いた。 「おお、ごめんごめんコカゲ。なんか今日は二人ともダメだったなあ。連れてこない方がよかったかな」 ユーミは衿を掴み、乱れた白衣を直す。手をポケットから出し、ガラスを撫でる。反射したユーミの顔は困った笑みだ。 「すっかり父親が板についちゃって。ここでナッちゃんの裸を見て目を逸らしてたボウズ頭の少年はどこに行ったのかしら」 意地悪な顔をした。カナメは改めて館長にシワが増えたと感じる。しかし、そのシワの奥に様々な歴史を隠しているのだろうとも思った。 「いやあ。ナツはいいやつなんスよね」 二人は示し合わせたように笑った。 「ちょっと、困ります」 その頃、受付ににこやかな団体客が現れた。彼らは当然のようにチケットを買わず入ってきた。全員リュックサックを背負い、奇妙に張り付いたスマイルを振り撒いた。 おもむろに拳銃を発砲して受付の女性を撃った。それをきっかけにわらわらと更に数十人が突入して走っていき、水槽の中を確認しては破壊していく。 「私、幹部の城戸が消えて助かるよ。うるさいからさ」 「アマーニも日本語話せるようになってからうるさいよね」 数人が話しながら、関係者以外立入禁止の扉を開く。瞬時に一人が小銃を取られて後頭部を叩かれた。 「俺が銃の使い方もわからん馬鹿で良かったな。死ぬ可能性が減るぞ」 長身の無精髭男、スタッフの黒川がゆらりと立っていた。柄の部分でもう一人倒す。その場に残っているのは二人。 「さてどいつから」 黒川はすぐに逃げて扉の鍵を閉めて転がるように下りる。手榴弾だった。黒川が映画でしか見たことのない武器。背後で爆発したときには、警報を鳴らして他の者を逃がしに走っていた。 カナメとユーミは、他のスタッフ数人と階段を下りてくる黒川を見た。 「何があったの!」 「わけがわかりません、銃を持った奴らが押し入ってきてるんです。裏口から逃げましょう」 小さな雨多ノ島水族館には、ユーミらを抜くとスタッフが十人もいない。裏口から逃げるのは容易かもしれないが、水槽や研究施設を守ることは難しい。 カナメはコカゲを黒川に頼んだ。 「お父さん」 また泣き出しそうになっている顔に、深呼吸して語りかける。 「コカゲ、『それ』見たろ。怖いだろ。大丈夫、すぐ帰れる。この兄ちゃんと隠れてろ。俺はお母さんとウミネネをすぐ連れてくる。コカゲはこの兄ちゃんについて行けよ」 黒川は頷くと、コカゲを抱いて走り出した。ユーミとカナメは顔を見合わせた。 「目的はやっぱり新種の『それ』かしら」 「じゃないですかね。あからさまにおかしいですから。それ以外に突入してくる理由はないでしょう」 カナメは水族館に泊まらなくなってから長らく使っていない休憩室の位置を思い出す。 「それじゃ、カナちゃんはナッちゃんを助けに。私は『それ』を人質にして交渉してみるから」 二人が走り出したが、そのとき地下施設の一帯が爆発した。二人は吹き飛ばされ、気を失った。 ナツは警報を聞き、休憩室でぐずるウミネネを残して様子を見る。銃声の聞こえてくるドアをそっと開くと、笑顔の集団がいた。 聞き耳を立てる。 「『マハカメリア宮』は地下プールにいるようです。強化ガラスですので、爆破は影響しないかと」 「よし。『それ』に関する資料は全てプラスチック爆弾の近くに置いておけよ」 しばらくすると足音が遠ざかっていった。ウミネネは横になって母親の手を離さない。ナツはその髪を撫で、背負って休憩室を出た。 書類が散らばった中に爆弾らしきものがあったが、どうしようもなかった。ナツは走って逃げるしか選択肢が思い浮かばない。横目で見るとタイマーがセットされていた。 「あと三十秒」 一階に逃げるか、地下プールへ行くべきか。どちらにしろ三十秒では何もできなかった。そこにツナギが現れた。水槽を割られて行き場を無くしたツナギは、水を求めてさまよっていたのだ。 ナツはツナギをひっつかむと休憩室に戻って扉を閉めた。 「お母さん、お母さん!」 泣くウミネネを床に寝かせる。急いで服を脱ぎ、ツナギを着て――。そのとき爆発が起こった。 暗闇に水が滴る音が響いていた。静寂が全てを覆い尽くし、何もかもが息絶えたように黙っていた。 カナメは瓦礫の中で目を覚ます。周囲を見回すが電灯もなくよくわからない。携帯を開くと、黒川や他のスタッフからの着信が数十件あった。そこに館長とナツの着信がないことにまだ頭が回らない。 微かな光に浮かび上がった景色で、そこが地下のプールサイドだと気がついた。 「強化ガラスが爆発を抑えたのか」 何が起こるかわからないから、そこはシェルターレベルの頑丈さにしてあると館長が言っていた。 「そうだ、館長は」 瓦礫をどけると激痛が走った。カナメの右腕の骨は折れていた。左手で押さえて歩き出す。館長を呼んでいると、水面から「何か」が這い出たのを感じた。 「館長、ですか」 先が全く見えない中を、水の滴る音が近づいてくる。カナメは携帯のライトでそちらを照らす。 「うおっ眩しっ」 ボロボロになった館長がいた。爆発でプールに吹き飛ばされ、全身がズブ濡れだった。力なく笑う。 「やっぱり『それ』は持っていかれてるみたいだわ」 二人は地上を目指して階段を進む。道が塞がれてしまっているのを肩で押す。突然抵抗がなくなり二人は転んだ。上から瓦礫が持ち上げられ、夕暮れの暖かい光がさした。 「二人とも、無事ですか」 そう言って黒川が目を閉じてさがった。裏口から地上へ出ると、数人のスタッフと一緒にコカゲがいた。カナメは折れていない腕で抱きしめた。 「おかしいんです。連絡したのに全然救助がこない。警察にも一応連絡したんですが、来たのは――こいつだけで」 眼鏡をかけた警察官の岩本がいた。夕陽が眩しいのか、帽子で目元を隠した。黒川とは顔見知りだったがお互いにそれほど話し掛けていなかった。 「警察は当てにしないでくださいね。上層部に連絡がいくのを止めたから、揉み消しは遅れると思います。その間に僕が自分の立場が危うくならない範囲で工作します」 いま死にそうになった直後の者に言うには、あまりにも急すぎた。カナメとユーミは口を開けて何か言おうとしたが、状況がよく理解できないせいで言葉が出てこなかった。 「それで、ナツは。ウミネネは」 誰もカナメの顔を見なかった。黒川の案内で別ルートから休憩室へ向かった。 途中、粉々になった水槽から流れでた魚たちの死骸が落ちていた。スタッフは葬儀に参列するように暗い顔で歩いていく。コカゲが父親に一つ一つ魚の名前を聞いていった。カナメが答えるたびに一人で盛り上がる。 「ちょっと、静かにな」 カナメはコカゲの頭を撫でた。ユーミは見ないように先を行く。 「こんなのは初めて見るから、触れていませんが。おそらくナツとウミネネだと思います」 休憩室にあったのは、ゆで卵のように白く固まったツナギだった。床に厚く膜を張るように盛り上がり、中にウミネネがいる。ユーミが無言で観察する。 「これは、ツナギのタンパク質が熱で変性したんだわ。タンパク質はおよそ六十℃を越えると高次構造が壊れるから」 カナメが駆け寄って痛みを無視して膜を破る。ウミネネを取り出して傍に寝かせた。ユーミが軽く揺するとすぐに意識を取り戻し、泣き出した。 「お母さんが。お母さんが助けてくれた」 カナメが残った膜に触れるたび、それはポロポロと手からこぼれ落ちていく。何度も何度も破片をかき集めるが、それらは融合することはない。元には戻らない。 「ナツは」 カナメの瞳はじっと自分の手を見つめた。またひたすらツナギの破片を集めてはこぼす。ユーミが静かに声をかける。 「カナちゃん。多分ナッちゃんはツナギと同化したまま変性したから」 「いや、そうじゃなくてナツは」 カナメは破片を集めるのをやめようとしない。手で丸く押し固めてみるが、どうにもならない。 「これ、冗談だよな? ドラゴンボールみたいにこれ全部集めたらナツが帰ってくるんだろ」 そう言って今度はウミネネの顔に張り付いた破片に手を伸ばす。ウミネネは泣き出した。カナメは激昂する。 「もしお前が仮病を」 瞬間、ユーミが腹を蹴った。カナメは転がって壁に頭をぶつけて黙った。誰もそれまで館長がそんなことをするとは思っていなかった。 「今、何を言おうとしたの! ホラ、言ってみなさい!」 黒川が、更に殴りかかろうとするユーミを羽交い締めにして、カナメに言った。 「しっかりしろよ馬鹿!」 ウミネネとコカゲは怯えた目で父親を見ていた。カナメは目を逸らして立ち上がる。全員が怯んで後ずさる。焦点の合わない瞳でブツブツと呟く。 「変性したタンパク質を元の高次構造に戻してペプチド鎖完全に解いて再び畳み込む条件調整条件調整」 速過ぎて聞き取りにくいその言葉に、ユーミが反応する。 「タンパク質の再生をする気? でも残ってる設備だけじゃ」 カナメはしまわれていたゴミ袋を取り出し、その中にツナギの破片をかき入れた。袋を持って最も深い地下施設まで向かった。ユーミもその後を追い走っていく。 カナメは予備電源を使い、いくつか残った設備のスイッチをぱちんぱちんと入れていく。 「まだ間に合う。まだ」 袋の中身を台上にぶちまけた。 「ツナギを再生するだけじゃない。再構成のためにナツのメモリをプールしておく場所から――」 ユーミと黒川が扉を開けて部屋に入ってきた。無言で手伝う。ユーミはかつてツナギが生まれた時のことを思い出していた。双子は扉の前で父親が出てくるのを待っていた。 その他のスタッフたちは、水族館の重要な書類回収や死体の確認に向かった。 数時間後、三人は手を下ろして佇んでいた。台上には白濁した半透明の「塊」があった。ツナギの破片ではない。しかしナツとは似ても似つかない姿だった。 「なんのための研究だよ。なんのための生物学だ! なんのための遺伝子学だ」 カナメは台上の機器ごと全てを払い捨て、外へ出ていった。階段でウミネネは眠っていた。コカゲはびくんと起きたが、父親に声をかけることができなかった。 「殺そう。殺さなきゃ。ああ、ああ、あああいつら骨も残らないように」 カナメが階段を上がっていくと、逃げ遅れ爆発に巻き込まれた者がいた。それはリュックサックを背負い、突入してきた奴らの一人だった。瓦礫の下で助けを求めている。カナメは虚ろな瞳でじっとそれを眺める。 「お父さん、いかんよ」 階段を上がってきたコカゲが言った。その傍には眠ったウミネネを取り込んだ「塊」が触手を使って這うようにヌルヌルと動いている。 触手は自動で動き、瓦礫から彼を引き出した。 カナメは双子を見つめる。「塊」はガムテープを剥がすような音で鳴いた。 「オカアサン、オカアサン」 カナメは二人を抱き上げた。「塊」は糸を引いてぬるりと腕に絡み付いた。 「ごめんな。母さんは再生できなかった。悪い」 ようやくカナメに右腕の痛みが戻ってきた。 それから地下施設を残して水族館は閉鎖した。館長のユーミが政府側に働きかけたが、全て答えは「何も起こっていない」だった。 ユーミによって「塊」にあまねおという名前がつけられた。由来は雨多ノ島にある神社の女神からだった。カナメは特に何も言わずに受け入れた。 襲ってきた集団が何だったのか。助け出した者と岩本から聞き出すと、「リリジョン101」と言った。助け出した者は入院したが、一晩経つと自殺してしまった。同じ部屋に入院している者の話では、眠っては悪夢に起きるということを繰り返していたらしかった。 しかしそれよりもカナメが怖かったのは、テレビのどの局もあの大惨事を放送していないことだった。 当初はウェブでも画像つきで紹介されていたが、ガセだと触れ回る者が登場し、本当だとしていた者のブログ更新は途絶えて閉鎖し、あからさまに加工された 画像が出回り、その加工されている箇所を指して「だからガセだ」という者が出現し、事実は限りなくフィクションに近づいた。事件は誰も見向きもしなくなった。 アマネオは時々、カナメたちの家に近い砂浜にやってくる。カナメは、双子がそれと遊ぶのを眺める。 「父さーん」 父親は複雑な表情で手を振りかえした。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1432.html
「阿求×ゆっくり系3 稗田阿求アドベンチャー」→「ゆっくりいじめ系103 短い話3つ」の流れが面白かったのでその辺から話を膨らましてみた。 来客を告げられた八意永琳が客間に行くと、そこには一人の少女が座っていた。 「おまたせしました。私が八意永琳です。」 座りながら永琳が言うと、少女は心持ち頭を下げながら挨拶した。 「初めまして。私は稗田阿求と申します。突然の訪問をお許しください。」 見た目幼いが随分と礼儀正しい。 永琳も稗田阿求の事は大体承知している。 「お名前は伺っていましたが、稗田様は随分とお若いのですね。 貴方の、先代の書物は随分役立たせて頂きました。何しろ今までは、あまり表には行かなかったものですから。」 「それは光栄です」 「そうそう、お茶も出さずに。」 家人を呼んで茶を求める。 「それで、今日はどの様なご用件で?」 言いながら永琳は、庭に妹紅が居るのに気付いた。彼女に案内されて来たらしい。 永遠亭まで客人を案内しても、普段の妹紅は門前で帰るのが普通なのだが、珍しいことに今日は庭園など眺めている。 「はい、実は私が代々手がけている『幻想郷縁起』の事なのです。」 目の前の阿求に意識を戻した。 「あれは主に里の人達の見聞を集めただけのものですから、得られる記録には限界があります。後は推測によるしかありません。」 最近私が興味を持った対象があるのですが、未だ満足する程には資料が集まっていないのです。」 「それでうちに来たと。」 「はい。八意様は薬師に止まらないお方と聞き及んでおります。今日はそのお力を拝借したいのです。」 「で、何について調べているのでしょう。」 「ゆっくりです。」 「…」 ゆっくりかー。永琳は微妙な表情になった。 確かにアレが現れたのは最近の事で、当然ながら「幻想郷縁起」には載ってはいない事柄だ。しかし、あんなもの載せる必要があるのだろうか? 永琳の疑問を察したのだろう、阿求はやや熱意をもって語った。 「安全面では人間にとってもなんの驚異にはなりません。しかしあのものは、里の作物を荒らします。 現在の、家族単位程度の規模なら大したものではありませんが、万一大発生した場合、それは蝗などとは比べものにならないもの驚異になるでしょう。」 「確かにそうですね。直接生命の危険が無くとも、生活を脅かされる可能性がある以上、警戒する必要はあります。」 「駆除の結果でしょうか、ここ一月のうちに里の近辺にゆっくりが殆ど見られなくなりました。 それ自体は良いことなのですが、調査という点では問題です。先ほど言ったように今少ないからといって油断出来る物ではないのです。 里のうちで被害を被り結果的に詳しい農家の方々を回ったところ、 その中の一人に、兎づてに八意様から助言を頂いたという方がいまして、随分と熱意をもって研究なされているようだとお聞きしました。 それで今日参ったのです。」 「成る程。大体承知しました。」 「どうかその研究の一端でもご教授願えないでしょうか。」 未だ子供だというのに大した使命感だ。永琳は阿求に協力する気になった。 「分かりました。そう言うことでしたら喜んで協力しますわ。」 「有り難うございます!」 そう言って破顔すると阿求の顔は年相応に見える。 茶が運ばれてくる。二人はしばしそれを味わった。 永琳は考える。 研究内容を教えるとは言ったが、これは見せられたものではない。 賢いとはいえ何しろ相手は子供だ。あまり刺激の強すぎるものは避けたほうが良いだろう。 研究室につれてゆくのもまずい。 大量のゆっくりによる凄惨な生体実験が今だ行われているのだ。 『餡符「壺中の大ゆっくり」』と名付けられたそれに何の意味があるのか、永琳自身良く分かっていない。 そこまで考えてはたと永琳は気付いた。そういや自分はゆっくりについて、まともな基礎データを持っていない。 あまりに適当な生命体だったので、正確な測定値など求めても仕方がないと思ったのだ。 永琳は提案した。 「じゃあこれから研究に協力してもらうゆっくり達を探しに行きましょう。」 「協力ですか。」 意外そうな顔をする阿求。 「ええ。ゆっくりとはいえ、言語を解する生物…のようなもの。実験動物のように扱うのは気が引けます。 ちょっと手荒な実験を行う事もありますが、まあ治療は私の専門ですし、ご馳走すれば機嫌良く帰ってもらえます。 うちの兎によると近くに大きな巣があるそうです。 そんなに時間は掛かりませんし、生態も含めて、ご自分の眼で確かめるのが一番良いのではないかしら。」 「それは願ったりです。」 阿求もうれしそうに頷く。 ゆっくりを捕まえてくる間に研究室の片付けをさせよう。その上で阿求に言ったような穏便な「実験」をすれば良い。 普段は鈴仙がゆっくりを捕まえて来るのだが、てゐが片付け役では、ほったらかして遊びに行く可能性がある。 もし『秘術「ゆっくり密葬法」』でも見てしまったら、この子は気絶してしまうのではないか。 清掃は鈴仙に任せて、場所を知っているてゐに案内させよう。 永琳が思案していると縁側から妹紅が阿求に声を掛けた。 「話は付いたようだね。私はちょっと用事があるからもう行くよ。夕刻に迎えに来るがそれでいいかい?」 「ええ、お願いします。藤原様、案内有り難うございました。」 「じゃあ永琳、よろしくな。」 今まで残っていたのは、どうやら阿求に妙なものを見せるのではないかと気になっていた為らしい。 余計な心配をする。去って行く妹紅を永琳は苦笑気味に見送った。 永琳・阿求・てゐの一行が竹林を進んでいた。 「巣まではどのくらいなのかしら。てゐ?」 半刻程度で往復出来るとの答えが返ってきた。 鈴仙に聞くところによると、そこは巣といっても相当大きな洞窟で、鈴仙が集めてきた様々なゆっくりが住み着いているそうだ。 近辺に小川があり、野菜・植物など豊富で、ゆっくり達にとって理想的な生活環境になっているという。 それは鈴仙によって作られた人工的な環境なのだが、阿求には伝えていない。 「もう少しですね。因幡様、もっと早く歩まれても私は平気ですから。」 阿求が言う。永琳が見たところ、体はさほど丈夫でなさそうだが、好奇心の為だろう、元気よく進んでいる。 「随分熱心なのですね。でも疲れてしまっては後で差し障りになりませんこと?」 「いえいえ。幻想郷の資料を編纂するのが御阿礼の子の務めですから。このくらい何ともありません。」 その時前方から人影が近付いてきた。人間にしろ妖怪にしろ、こんなところには滅多に来ないはず。 永琳は阿求を自分の後ろに下げた。用心にしくはない。 人影が近付いてくる。巫女装束を纏った少女。紅白ではない。どうやら最近山に住み着いたという巫女のようだ。 「八意永琳…様ですね。」 あまり好意の感じられない声で少女が言った。他の二人には一瞥もくれず、永琳だけを見ている。 「そうです。貴方は山の巫女さんかしら?こんなところでお会いするとは奇遇ね。」 「貴方を捜していたのです。行けども行けども竹林で、随分疲れました。」 今日は来客が多いな。思いつつ永琳が聞いた。 「どんなご用件かしら。」 「申し遅れました。私は東風谷早苗。貴方の所業を改めるために参ったのです。」 「所業?」 「はい。聞けば八意様はゆっくりで実験を行っているとか。あんなかわいい子達を人体実験の材料にするなんて許しません!」 人体じゃないだろう。それにかわいい…あれが?永琳は思ったことをそのまま口に出す程愚かではない。後ろの阿求に悟られては困る。うまく話をそらさなくては。 「実験と言ってもごく穏やかなテストですわ。それに…」 「いいえ!私はそこの兎さんに聞いて全部知っているのです。かわいそうなゆっくり達を助けなければなりません!」 てゐか…。永琳が振り向くとてゐが手を頭の後ろに組んでニヤニヤしている。完全に状況を楽しんでいる顔だ。 「この子は人をからかうのが好きなだけ。貴方のは誤解ですよ。なんならこれからご一緒します?」 「誤魔化すつもりね?ならば力尽くでも理解してもらいます!」 早苗の目には明らかな決意が宿っている。元々が短気なのか、それとも余程思い詰めているのか。 本気で実力行使に及ぶらしく、どこからかテーマ曲まで聞こえてきた。「信仰は儚きゆっくりの為に」…妙に間延びしていて、人を苛つかせる曲だ。 さてどうしよう?倒してしまっても良いが、阿求と一緒に実験に加われば疑惑も氷解するはず。しかし「誤解」されたまま連れて行ってゆっくりに何か吹き込まれても面倒だ。 躊躇する永琳の脇を物凄い早さで阿求がすり抜けた。どこから取り出したのか、何か長いものを両手でブン回す。 「むん!」 「ぬ゛っ」 何かの一撃を脇腹に喰らい、くの字の姿勢で横に二十尺程も吹っ飛ぶ早苗。 阿求の手に握られた物、それは巨大なげんのうだった。 それはげんのうというにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった。 「Baaaaaaaaaaaaaaa!」 苦悶してのたうち回る早苗を見下ろしつつ、げんのうを掲げた阿求が高らかに宣言した。 「邪魔する者は、たとえ神の御使いであろうと許しません!稗田のスペルは如何でしたか?探求心は信仰にも勝る力なのです!」 げんのうだろ。永琳は突っ込みたいのを我慢した。 「ぶはっ」 血の塊を吐いて早苗は意識を失った。永琳があわてて駆け寄る。 「どうやら命に別状は無いようね。さすがは現人神だけのことはある。…行きましょうか。時間をくってしまったわ。」 「はい!ゆっくりを調べるのが御阿礼の子の務め。ぐずぐずしているわけにはいきません。」 答える阿求の手にはげんのうが無い。どこにしまったんだろう。それに随分と苛烈な。 浮かんだ疑問を、しかし永琳は打ち消した。永遠亭までやってきた行動力をはじめ、探求心が少女を駆り立てているのだろう。 三人は再び歩み出した。白目を剥いて気絶する巫女が後に残された。 「あれね。」 てゐが示す先にちょっとした崖が見える。その下に洞窟があるそうだ。 「ああ、遂に会えるんですね!」 言うが早いか走って行く阿求。 「あらあら、あんなにはしゃいじゃって。大人びて見えても未だ子供ね。てゐ、付いていって。」 永琳は走って行く二人を微笑ましげに見つめた。 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!」 一匹のゆっくりまりさが人参を頬張っている。 今日は天気も良いので、一人で外で日向ぼっこをしながらの食事である。 洞窟には一〇〇匹前後の沢山のゆっくりが、入り口から直ぐの広い空間や寝床用に自分で掘った小穴で思い思いにゆっくり食事をとっていた。 洞窟の外はちょっとした広場になっていて、中央を小川が流れ、端のほうには人参や大根、美味しい花の生る草が沢山植わっている。 大量のゆっくりでも十分な生存環境が整っていた。 鈴仙苦心の成果である。 鈴仙は考えた。師匠が欲する研究材料を速やかに供給するのは自分の役目だが、飼っておくのは面倒。ゆっくりの相手をするのはストレスが溜まる。 しかし実験の都度探しに行くのも矢張り面倒。見つからない場合もある。 そこで鈴仙は、探し出した材料のうち性質の良さそうなものを、天敵がおらず、生活環境の整っている此処に放しておいた。 居住地があり、水があり、食料となる植物も十分植えたから同族同士で争うこともない。回りを竹で厳重に囲っておいたから逃げる可能性もまず無い。 後は必要なときに此処に来て、数匹ずつ連れてくれば良かった。 仲の良い物同士を慎重に選んだので、後に残ったゆっくりは差ほど気にせず暮らしていた。 食事が終わったのか、沢山のゆっくりが洞窟から出てきた。 今日は何をしようか、誰と遊ぼうか。まりさが考えているとゆっくりれいむとゆっくりちぇんが近付いてきた。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!」」 ゆっゆっとその場で飛び跳ねぐるぐる回る三匹、そのうち蝶を追いかけだした。心底楽しそうに蝶を追うが、食べるつもりなどではなく戯れているのだ。まさにゆっくり。 三匹が広場の端まで来ると、一人の人間が現れた。阿求である。 息せき切って駆けつけたため、しゃべれない阿求を見ても三匹は不審がらない。 何しろ此処に連れてきてくれた鈴仙以外の生き物を知らないうえ、ずっと危険に遭わず過ごしてきたのだ。 「おねーさんだれ?」「ゆっくり出来る人?」「分かる、分かるよー。」 呼吸を整整える阿求を見て、ゆっくりしようとしていると思ったのだろう、 「ゆっくりしていってね!」 三匹は声を上げた。 「ふうふう。はい、ゆっくりさせて頂きます。私は今日皆さんとゆっくりしに来たんです。」 「ほんと?」「一緒にゆっくりしてくれるの?」「分かる、分かるよ-。」 その光景を見て他のゆっくりもぞろぞろ集まってきた。 「ゆっくりしていってね!」 「何して遊ぶ?」 「だっこしてくれる?」 「はいはい。さあどうぞ。」 近付いてきた最も小さなゆっくりてんこーを阿求は抱き上げた。そのまま放り上げる。 「高ーい高ーい!」 ぽんぽんと舞いながらはしゃぐてんこー。他のゆっくりは自分も自分もとせがむ。 「つぎはれいむもやって!」 「違うわ。ありすの番よ!」 「分かるよ、ちぇんだよー。」 言い争ってはいるが我を張っている風ではなく、そのやり取りも楽しんでいる。此処のゆっくりは本当にのどかなゆっくりなのだ。 突然パン!という音と共に、ゆっくりてんこーの姿が消えた。 何処に行ったのかと周りを見回した何匹かの視界に入ったのは、ひしゃげた形で遙か向こうを飛翔するゆっくりてんこー。 皮が破れ餡を撒き散らしながら放物線を描き、最後は四散して消えた。周囲に散った九つの尻尾だけが原型を留めている。 残りのゆっくり達は阿求を凝視している。テニスのサーブを打ち終わった様な姿勢で静止している阿求の右手には、巨大なげんのうが握られていた。 それはげんのうというにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった。 てんこーの尻尾と阿求を交互に見つめるゆっくり達。げんのうから滴る餡を見て、何が起こったのかようやく理解出来た。 「どどどどどおしたのおおおおおおねえさあああああん」 口々に悲鳴を上げるゆっくり達。絶叫のコーラスを聴きながら阿求は悶えた。 「んんんんんーッ♪…やはり、イイ!最高です!久しぶりのゆっくり!さあ皆さん!ゆっくりしましょう!」 「「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」」」 洞窟目指して逃げて行くゆっくり達。 「一人として逃がしませんよ!」 まだだ、まだこれからだ。祭りは始まったばかり。げんのうを構え直す阿求は歓喜に身を震わせていた。 まりさは全力でゆっくり走っていた。 いったい何が起こったのか?あのおねえさんは?優しそうだったのにどうして?れいむとちぇんはちゃんとついてきているだろうか? 「れいむもちぇんも大丈夫!?」 「後ろにいるよ!」 「わかるよー。逃げるよー。」 ああ無事だ。まりさは少しだけ安心する事が出来た。とにかくおうちまで逃げなければ。 後方からは阿求の声と、逃げ遅れたゆっくりの断末魔の絶叫が聞こえる。 その場にへたり込みそうな恐怖を必死で抑え、まりさは二匹に声を掛けた。 「ゆっくり急いでね!おうちまで逃げればゆっくり出来るよ!」 まりさにとっては無限に思える程の時間の後、ようやく入り口にたどり着いた。 これで助かる!おうちのみんながいればもう安心だ!二匹に声を掛けようとしたまりさ、それより先に声が聞こえた。 「Fever!」 突然まりさの横を何かが飛んでいった。入り口脇の崖にぶつかる。破裂して斜面をずり落ちるモノの中心に、白目を剥いたちぇんの顔があった。 「な゛に゛こ゛れ゛え゛え゛え゛え゛え゛」 「酷いですねえ。お友達の顔を忘れたのですか?それにこの子も見捨てるつもり?」 満面の笑みを浮かべる阿求と、その手に捕らわれたれいむ。 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛た゛す゛け゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛」 「ゆ゛っ、おねーさん!れいむをゆっくりはなしてね!その手を開いてね!」 まりさは勇気を振り絞って叫ぶ。 「手を開けばよいのですか?」 「そうだよ!はやくしてね!」 「分かりました。お友達ですものね。」 にっこり笑う。 「はやくしてね!」 助けてくれる!一瞬安堵したれいむだったが、まさに一瞬だけのことだった。 「Show time!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛…ゆべし!」 絶叫するれいむの口や、目、両頬、頭が裂け、阿求の指が出てきた。阿求の手はれいむを握っていたのではなく、手刀の形で下から体を突き刺していたのだ。 ゆっゆっと最早痙攣するだけのれいむ。己の手と一体化したそれを見る阿求は心底楽しそうだ。 「ヒ ド イ ヨ マ リ サ レ イ ム ヲ コ ン ナ メ ニ ア ワ セ ル ナ ン テ」 下手くそな手つきで爆ぜた体を操りながら、下手くそな腹話術を行う阿求。そんなものでも錯乱したまりさには本当にれいむが言っているように見えた。 「ごごごごごめんなさあい゛い゛い゛い゛い゛ゆるじでえ゛え゛え゛え゛え゛!」 「本当に酷いゆっくりさんですね。お友達をこんな目に遭わすなんて!」 言いながら腕を振る。皮だけになったれいむがまりさの目の前に叩き付けられた。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛れ゛れ゛れ゛れ゛れ゛い゛い゛い゛い゛い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛」 「さあお仕置きです!」 泣き喚くまりさの目に映ったのは、餡にまみれたげんのうだった。 恐怖の中でも本能が口を開かせる。お決まりの台詞を吐こうとしたが、阿求に先を超された。歓喜の声が響き渡る。 「ゆっくりした結果がこれだよ!」 「直ぐだと思ったけど意外に掛かるのね。」 飛べば一瞬だが、たまには良いか。永琳は竹林を歩いていた。 「さてどんな実験にしようかな。」 走力・跳躍力といった運動能力を個体ごとに計測し、それぞれの種の大体の限界値を出す。 ゆっくりは巣穴を掘るから、どんな質の土をどの位の深さまでといったデータも人間にとって重要だろう。 なにしろ畑を柵で囲っても下を掘り潜られたら叶わない。直接聞ければ楽なのだが。 考えながら進む永琳の視界が開けてきた。薄暗い竹林を抜け日差しの中眩しそうに広場を見渡す。 「ぶー!ジェノサイド!」 広場には大量のゆっくりの骸があった。どれも餡を撒き散らし、殆ど皮だけの状態で死んでいる。洞窟まで続くそれはまるで道の様。 まずい、阿求が心配だ…いやこれは今しがた死んだもの…まさか…。 沸き起こる不安の中洞窟に急ぐ永琳。そこで見たのは、逃げ惑うゆっくりの集団、てゐ、そしてげんのうを振り回す阿求だった。 「逃げる奴はゆっくりだ!逃げない奴はよくゆっくりしたゆっくりだ!」 意味不明の叫びを上げながらゆっくりを叩き潰してゆく。 「ホント、幻想郷は地獄だぜ。」 新たな贄が何かに捧げられてゆく。 「やめて!おねえさんやめて!」「落ち着いてゆっくりして!」「もうやだ!ここから出る!」 泣きながら逃げ惑うゆっくり達の数は既に半減している。 「駄目です!ゆっくりを殺戮するのが御阿礼の子の務め!お楽しみはこれからです!」 永琳が叫んだ。 「こら、やめなさい!てゐ、貴方も何やってんの!木槌を仕舞いなさい!」 てゐも飛び跳ねながら木槌を振り回している。 「さあてゐさん!二時方向から包み込むんです!」 知り合ったばかりと思えない見事な連携で形成されてゆく片翼包囲に思わず見とれた永琳だが、しかし束の間の自失から回復して阿求を羽交い締めにした。 「やめなさい!やめれ!話を聞け!」 「殺す。まだ殺す。」 人間の子供とは思えない力で振り解こうとする。 「てゐ!あんたも手伝うのよ!阿求!これじゃ研究出来ないでしょうが!」 その言葉に動きが止まる。言語を解する程度には理性が残っていたらしい。 「ああ、またやってしまいました…。」 またなのかよ。これが本性か…。永琳は呆れ顔で羽交い締めを解いた。しおしおとする阿求に反省の色を見て、永琳は静かに諭す。 「ゆっくりに苛立つのは分かるけど、目的を取り違えては駄目よ。」 「色々研究しなきゃいけないのに。撲殺なんて、生ぬるいやり方じゃ駄目なのに。」 「…」 永琳は額に手をやった。 こいつそのつもりで…人形遣いの魔女とか他に適任者はいるだろうに、何だってうちに来たんだ…。 理由は明らかだったが永琳は考えるのを止めた。 松明を掲げたてゐがニヤニヤしながら寄ってくる。どうやら始めから気付いていたらしい。 永琳は気を取り直して状況を確認する。表からの光とてゐの松明だけが光源だが大体は分かる。 此処は入り口から直ぐ傍で広間のようになっている。中央にゆっくりの死骸が…二十二。 表に三十程死んでいたから半分残っていれば良いほうか。 その生き残りは隅のほうで震えている。何匹か枝道や小穴に隠れているかもしれない。 「とにかく殺すなんて酷いことは駄目よ。分かった?」 生き残りに聞こえるように大きな声で言う。阿求に目配せも忘れない。 「はい…すみません。もうこんな事はしません。」 どうやら伝わったようだ。 「みんな、聞いた?もう大丈夫よ。出てらっしゃい。」 ゆっくり達に安堵の色が浮かぶのがはっきりと分かる。 「おねーさんありがとう。」「ほんとに大丈夫?」「怖いおねーさんはゆっくり近付かないでね。」 まだ隅から動きはしない。警戒するのは当然だ。 「いい阿求?ちゃんと『ゆっくり』してるのよ?」 言い置くと、永琳は惨殺されたゆっくりの残骸の中に分け入り、運良く生きている一匹を見付け、虫の息のそれに注射器で餡を注入しさらに治癒の術を施した。 「…ゆ、ゆっ、すっきりー!なんという生命力、強いさすがてんこ強い。」 「なおったー!」「すごいー!」「おねえさん他のゆっくりもなおせる!?」 「他の子は…此処では難しいけど、うちでなら出来るわ。ちゃんとみんな治してあげます。 あなたたちもいらっしゃい。驚かせてしまったお詫びにご馳走するわ。お花や人参よりもっと美味しい物が沢山あるわよ。」 「ゆっ?」「ほんとおねーさん!」「人参より美味しいの?」 「ほんとよ。嘘は言わないわ。この子もちゃんと治ったでしょ?はいこれ食べて元気出しなさい。」 言いながら永琳は治ったばかりのゆっくりに上等の菓子を与えた。 「むーしゃむーしゃ!何という幸福感、甘いさすがお菓子甘い。」 「ゆっ!」「おねーさんわたしにもお菓子ちょうだい!」「わたしも!」「わたしも!」 元気になったてんこと食べ物を見てようやく安心したのか、わらわらと寄ってくるゆっくり達。小穴に隠れていた何匹かも併せて全部で五十二匹。 永琳は阿求が激発したら即座に弾幕を叩き込むつもりだったが、どうやら自制出来たようだ。 「お菓子はもう持ってないの。私のうちに行きましょう。たっぷり食べられるわよ。」 口から出任せを言う。流石に死滅したゆっくりを「元通りに」蘇生させる事など永琳にも出来ないし、するつもりもない。 このゆっくり達は夜にでも全部「処理」してしまおう。ゆっくりを一から集め直す羽目になる鈴仙が怒るに違いないが、永琳はもう面倒になってきた。 「じゃあ出発しましょう。てゐ、あなたたは潰れてしまった子を集めて後から来なさい。」 本気で命令したとしてもどうせやりはしないだろうが、その場さえ取り繕えばいいのだ。それを理解したてゐも素直に頷く。 「ごちそう、ごちそう!」「みんななおったらまたゆっくりしようね!」「ゆっくりはやく歩いてね!」 先頭に阿求を行かせ、少し離れて永琳が歩く。その後をゆっくりの行列が続いていった。 「むーしゃ♪むーしゃ♪おいしい!これおいしい!」「おかし、おいしーい♪」 「「「しあわせー!」」」」 永遠亭の地下深い広間にゆっくりの大合唱が響き渡った。元々は一家族規模のゆっくりを長期間観察する為の部屋である。 自然に近い環境を作るための広い空間であり、ただゆっくりするだけなら五十二匹という大集団にも十分なスペースがあった。 流石に水場や植物、十匹程度の寝床ではこれだけの数が長期間生活するには窮屈だが、玩具を持ち込んでおいたので一日遊ぶ程度なら問題無いだろう。 「此処でなら放って置いてもゆっくりしいてるでしょう。後は少しづつ連れ出せば騒がれないわ。」 「こんな施設があったんですね。流石は八意様です!」 隅の方で永琳と阿求が話し合っている。ゆっくりに悟られないよう小声で。 地上から鈴仙とてゐが大量の食料を抱えて入ってきた。 「お師匠様、どうでしょう?」 「これだけあれば十分ね。いいわ。入れておいて頂戴。」 二人が部屋の中央に行くと、それに気付いたゆっくりが集まってきた。 「うさぎのおねーさんそれなに?」「おいしいにおいがする!」 「お菓子だけじゃお腹膨れないでしょ。ちゃんとしたご飯よ。ご馳走はまだまだ沢山あるからたっぷり食べてね。」 鈴仙が猫撫で声で微笑む。心なしか顔が引きつっているようにも見えるが、食料を前にしたゆっくりは気付かない。 「ほんと!」「ありがとう!」「ゆっくり食べるね!」 「お腹一杯になったらその辺で遊んでてね。お夕飯はもっと美味しい物用意するから、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 二人が引き返してくると、四人は休息用にもなっている資料室へと入った。ソファに座った永琳は、取り敢えず阿求に聞いてみる。 「ゆっくりの食事量・間隔などは種族ごとに大体の資料はそろっているわ。それから生殖形態もね。後こちらの手元にあるのは…鈴仙、ちょっと出してみせて。」 鈴仙が棚から出した資料に阿求は目を通した。多くの種について、その行動原理・理念、家族間・集団間・交友関係、竹林内の大体の個体数など詳細が記されていた。まずそうなものは先に省いてある。 「凄い…精神面ならこれで十分過ぎるほどです。」 「それはありがとう。」 「薬剤の耐性や治癒能力についても相当ですね。」 「それは私は薬師だもの。まあ未だ十分だとは思ってないけど。 それに侵入を防ぐための習性や方法なんかは全然なのよ。何しろ私達は人間と違って、結界を張れば済むことだから。 貴方は何から調べるつもり?」 「まずは身体能力、特に耐久力からです。」 「確かに私はその方面の研究はあまりやってなかったわね。 分かったわ。てゐ、用意して。鈴仙はゆっくりを。…阿求はげんのうを仕舞いなさい。」 「ちゃんと相手してやってるんだろうな…。」 「えーりんですもの。心配要らないわ。」 ここは永遠亭の客間。妹紅が用を終えて戻ってきたら、起きたばかりの輝夜が暇そうにやって来たのだ。 「だいぶ日が傾いてきたなあ。そろそろ帰らないと里に着く頃には夜になっちゃうぞ。わたしが付いてるから問題無いけど、親御さんは心配するだろう。」 「まあお茶でも飲みなさいよ。お菓子もあるし。」 「お菓子ねえ。」 透明な容器にいくつか、親指大のゆっくりが入っている。 「おねーさんここからだして!」「まりさおもいよ!ゆっくりどいてね!」「つぶれちゃうよ!ゆっくりしてね!」「ゆ゛っ!ゆ゛っ!」 上のゆっくりが飛び跳ねるが、容器は深く滑り出る事は叶わない。そうして飛び跳ねる度に底のゆっくりが叫びにならない声を上げる。 妹紅はそのうちの一つを手のひらに載せた。 「おねーさん、たすけてくれてありがとう!」 「どーいたしまして。」 瞬間、炎が生まれ、小さなゆっくりは瞬時に絶命した。 容器に残されたゆっくりが何か叫んでいるが、妹紅は特に興味を持った風もない。焼き饅頭を口に運ぶ。 輝夜もゆっくりを口にした。そのまま口の中で転がす。 「おおおおおねーさん、めめめめめがまわるよよよよよ!はははははやくだしてねねねねねゆぐっ!」 柔らかくなったところで噛まずに嚥下する。輝夜の体から聞こえる絶叫が、だんだんと小さくなりやがて消えた。 「この辺はゆっくりが沢山いるのかな?まあ永琳が確保してるんだろうな。さっき聞いてきたんだが、里ではここ二月のうちに急激に数が減ったそうだよ。 なんでも良く野原に大量の潰れたゆっくりが放置されてるらしい。タチの悪い奴が面白半分に殺してるんだろう、ってけーねが言ってた。」 「けーねってあなたのよく言う白澤?」 「ワーハクタクな。駆除するにしても方法がある。子供の教育に悪いってさ。 子供と言えば今此処に来てる阿求もけーねの生徒だな。まあ里の子供はみんなけーねの生徒みたいなもんだけど。」 「あらそう。」 輝夜は再びゆっくりを摘む。噛みしめると絶叫と共に甘酸っぱい苺大福の味がした。 妹紅は二三匹口に放り込んだ後、熱いお茶を含んで一気に飲み込む。 「なんでも阿求というのは、けーねがみたなかで一番出来の良い生徒らしい。教えた事を一発で全部記憶出来るんだってさ。 もっとも稗田家にはけーね以上の知識が蓄えられてるから、それ程教えることも無い。 だけど知識を貯めただけじゃ役に立たないってんで、阿求には知識を知恵に育てる教育を施したんだって。 理解が足りなければ頭突きして、考察が疎かなら頭突きして、結論があやふやなら頭突きしたんだと。 とにかくいくら頭突きしても記憶が飛ぶ心配が無いから徹底的に頭突きしたらしいよ。 おかげで三月もしたらけーねが何か言った瞬間に結論が返ってくるほどに成長したそうだ。 その時は性急に結論出すのは間違いの元だって、念入りに頭突きしたらしいけど。 今日の事話したら、阿求が自分の務めを立派に果たしているのに喜んでたよ。 ここ一年ぐらい忙しそうでご無沙汰してるが、仕事が一段落した頃に会ってどれだけ成長したか確かめようって言って、頭ぐるぐる回してた。」 「その子単に頭突きが怖くて近寄らないだけじゃないの?」 「けーねは教育になると人が変わるんだよ。私も何か教えてもらうときは頭突きされまくるんだから。満月の夜なんか何度リザレクションしたか分からない。」 妹紅は残り少なくなったゆっくりを眺めながら呟いた。 「こいつら一体なんなんだろう。魂とかあるのかな?」 「さあ?閻魔様にでも聞いてみたら?」 「いいよ。こないだ見かけたけど、あの人私には興味無いみたいだし。『貴方は死なないから説教してもツマラナイ。』だって。失礼しちゃうわ。乙女に向かって。」 「乙女は関係ないと思うけど。」 「山田さんは今、冥界の幽霊にご執心だよ。成仏させて法廷で一千年分説教してやるって息巻いてた。あの人絶対道楽でやってるよ。」 「人生楽しそうでいいじゃない。」 「そういやあの時、灰か何か沢山抱えてたけどどうするつもりだったんだろう。」 「あらえーりん。やっと終わったのね。」 ようやくやってきた永琳は妙に疲れた顔をしていた。部屋を見回してゆっくりの入った容器に目を遣る。 「…ああ、ここにも!」 訝しげな顔で妹紅が尋ねる。 「なんだってそんな顔してるんだ。おっとこれを阿求に見られるのはあまり良くないな。」 そう言って妹紅は残りのゆっくりを急いで食べる。輝夜もそれに倣った。ゆっくり達は叫ぶ気力も最早無かったのだろう、想像より静かな最後を迎えた。 永琳はいやなものを見たかのように顔を背ける。 「…姫。貴方最近ストレスとかあって?」 「私は心身共に健康よ?」 「それは良かったわ。」 言いながら永琳は座った。随分と疲れ果てているようだ。近くに阿求の気配が無いのを確認して妹紅がからかう。 「お子様の実験で疲れたんだな。刺したり潰したりしないと物足りないんだろう。」 「そんな生易しいものじゃないわ。貴方、とんでもない子を連れてきてくれたわね。」 さっきまでの光景が永琳の脳裏によぎった。 一匹の固定されたゆっくりに、重りとなる平たいパネルが乗せられていた。 どの位の重量に耐えられるのか負荷を計測中の事、乗せられたパネルが増えてゆくごとに苦悶の形相を増すゆっくりを見て、遂に阿求が切れた。 「モウガマンデキナイ!」 永琳はすかさず弾幕を叩き込むが、それは虚空を虚しく通り過ぎ壁に当たって弾けた。阿求は既にゆっくりを押し潰している。 「ゆ゛ーっ、ゆべし!」 パネルの下から絶叫と共に餡が飛び出してくる。一緒に連れてこられた数匹のゆっくりが恐怖の叫びを上げる。 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」「もうかえる!おうちかえる!」 その光景を指刺しながら涙まで流してゲラゲラ笑う鈴仙。ひたすらニヤけ続けるてゐ。 「次は強伸度の測定です!ゆっくり伸びていってね!」 阿求は別のゆっくりを捕まえると、てゐと共に皮を引っ張る。計測する鈴仙。 「や゛め゛で゛え゛え゛え゛え゛え゛」 鈴仙とてゐにとって、精神的にじっくり追い詰める傾向の強い永琳の実験は、ストレスの溜まるものだったらしい。 阿求と共にゆっくりを殺戮してゆく二人の表情は、それまで永琳が見たこと無い程、開放感に満ち溢れていた。 途中からは数匹ずつ連れてくるなどという悠長をせず、全てのゆっくりに仲間が惨殺されてゆく様を見せつけた。 地下室に絶叫が響き渡る。 結果が出るならいいや。三人の好きなようにさせよう…。永琳は傍観者に徹した。 個体調査の実験が一通り終了すると、阿求は集団行動の実地調査を行うべく、生き残ったゆっくりを全て永遠亭から解きはなった。 ゆっくり達が大急ぎで逃走に移り、時間を置いて三人が追う。 バラバラに逃げたゆっくり達の行動を予測し、計画的に逃走経路を誘導する。 思い思いに逃げるゆっくりを、三人は見事な連携で集めてゆき、最終的に完璧な両翼包囲を完成させた。 ゆっくりの集団が外側から徐々に削られるように小さくなってゆく阿鼻叫喚の光景に、流石の永琳もお腹一杯になった。 「お師匠様、此方にいらしたのですね。鈴仙さんとてゐさんは片付けに暫く掛かるそうです。」 晴れやかな顔で阿求が入って来た。見知らぬ人物を認め挨拶する。輝夜が口を開いた。 「満足いく結果は出せたの?」 「お陰様で。資料も揃ったし、これで当分は楽しめます。やっぱり撲殺だけじゃ芸がないですよね。」 「そう。」 一つ咳払いして妹紅が立ち上がった。 「そんなら早く帰ろうか。親御さんが心配するよ。」 「はい。お師匠様。今日は有り難うございました。とても楽しかったです。鈴仙さんやてゐさんともお友達になれましたし。」 お師匠様じゃねえよと思いつつ永琳が言った。 「それは良かったわね。もう貴方に教えることは何も無いと言っても過言ではないわ。」 もう来ないでくれと言外にほのめかしているのだが阿求は気付かなかったようだ。 「いえいえ、未だ未だです。お師匠様、今後ともお願いいたします。では今日はこれで。」 阿求と妹紅の去りゆく姿を、また来るつもりかと頭を抱える永琳と、それを見て妙に楽しそうな輝夜が見送っていた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futanari/pages/104.html
空調のきいた駅ビルから一歩踏み出すとそこは熱と光の世界だった。 まだ昼前なのに太陽の光は容赦ない。 俺は待合せ場所の都心の遊園地へ歩き出した。 今日は親と姉に頼まれてヒマ人だった俺が幼なじみを迎えにきた。 ウチの両親は随分前から海外旅行ツアーに申し込んでおり、日程をずらせなかった。 姉は俺と歳が離れており、定職に就き1人暮らししている。 まだ夏期休暇ではないので来れないのだ。 俺は今高校一年、夏休みの真っ只中だが、7月に失恋したので毎日家で腐っていた。 何も自分から行動していなかったので当然の結果だったのだが。 遊園地へ歩きながらふと、先日町でばったり百合と会った時の会話を思い出してみる。 俺が好きだった美花の恋人、百合。 一つだけ尋ねたかった。 百合は美花と距離を置き乱交に近い事をしていた。 爽やかな外見から想像できない…。 なぜそんな事をしていたのか。 「そうだね…個人差もあるけど…」 腕を組み、ちょっと考える仕草をしつつ百合は答えてくれた。 「この体って、すっごく性欲が強いみたいでね。 男の子の気持ちはキミも理解できるでしょ。」 百合も美花も男のアレがついている美少女だ。 「もちろん女性としての性欲もあるし…生理の前とかね。 そう、喉が渇くように求めて欲してしまうの。 コントロールするのに悩んでる子も多いんだ。」 百合の真っ直ぐな瞳に見つめられる。 「かなり昔のニュースできいたことあるな。 色々悩み過ぎて自殺してしまった女子高生とか女どうし心中した事件とか。」 俺は話しながら目線を外す。 「そう…だから今は度が過ぎなければ大人達も目をつぶっていてくれる。 …私は美花に欲望をぶつけるのが怖くってね。 割り切った関係を他に作ってたんだよ。 でもね、やっぱり好きな人とできるのが一番幸せかな。」 涼やかな声に整った顔がフッと笑う。 「だから美花はもう誰にも渡さないよ、離したくない。」 百合の真剣な顔は強さと美しさが感じられ周りの人間を惹きつける。 百合はもしアレが付いてなくても、女子にモテモテなんじゃないのか?と俺は思った。 さて遊園地に着いたので俺の回想も終了。 俺は遊園地入り口で立ち止まる。 そういえば。 これから会う幼なじみもかなり整った顔の男なんだよな。 幼なじみは栗色のゆるい癖毛で目がパッチリした子供だった。 きっと美少年に成長しているだろう。 俺の姉も母親も、楓ちゃん楓ちゃんって言ってえらく可愛がってたな。 俺は今まで二回、引っ越しており最終的には親が今の戸建てを買い落ち着いている。 今待ち合わせてる幼なじみは楓といって学区外の友人だったがよく遊んでいた。 8才ぐらいの時俺と離ればなれになったのだが、 その後楓の両親は交通事故で亡くなり従姉妹に引き取られたときいた。 昨日姉からの電話によると楓は現在つらい状況にあり 一時的にウチで引き取る話になっているらしい。 まぁウチには姉が使ってた部屋もあるし構わないんだが、 姉が待合せに遊園地なんか指定してくるのが解せない。 母も「リビングの引き出しの封筒に入ったお金、使っていいわ」なんて。 男二人で遊園地、どうすりゃいいんだよ。 「一樹っ!!けっこう待たせちゃったかな?ごめんね。」 突然、女の子に話し掛けられた。 「へっ?オレ?」 声が裏返ってしまった。 セーラー服にスポーツバックを持った制服美少女が俺に笑顔を向けている。 「そう…だよ、お姉さんに一樹が迎えに来てくれるって聞いてたんだけど…?」 美少女が首を傾げると長い緩やかなウェーブの髪も揺れる。栗色の髪だ。 「…あっ!ちょっ!?おまっ、楓かぁぁ?いつ女になったんだよっ!」 「えっ!あたし、女だよっ! 小さい頃は変質者にさらわれそうになったから男の子の格好してたけど。」 なっなんだと、俺は今の今まで男だと思ってたよ。 だってなぁ、着替えの時も胸はぺったんこで、チンコはまじまじ見たこと無いが、付いてたはずだ。 「って事は、楓って…」顔を赤らめ楓は答える。 「うん、そうなの。そういう体。 でも一樹、今日まで気づかないなんて有り得ないよー!」 はぁ。姉も母もなんで言ってくれないんだ。 「ゴメンな!」 手を合わせ謝る。 「…とりあえず今帰っても今日はウチ誰もいねーし。 小遣い貰ったから遊園地、入るか?」 うん!と隣で嬉しそうに楓が頷いた。 遊園地に入り楓と並んで歩くと周りの人間が振り返るのが分かる。 夏休み中なのにセーラー服だから、というだけじゃない。 楓がモデルのように足が真っ直ぐで長く、顔の彫りも深い。目立つ容姿なのだ。 成長したなぁ。 って事は下半身も…。 「一樹、まずはジェットコースター乗ろうよ。」 「ん?ああ。」 突然話し掛けられまた声が裏返る。 「なっ、なあ、なんで今日セーラー服なんだ?荷物もそれだけか?」 「荷物、これだけ。洋服はこれしか持ってないの。」 これだけ? そういうと楓はサッサと乗車口に向かってしまった。 今日の遊園地は空いている方だったので二人して連続で乗りまくった。 はしゃいでる楓の顔には悩みの影なんて見えなくて。 俺は少し楓にドキドキしていた。俺は美人に弱いなぁ、つくづく思う。 5時近くになり流石に二人とも疲れた。 「観覧車に乗らない?」 楓の提案に俺は頷いた。 観覧車に向かい合って乗り込むと早速俺は質問した。 急に引き取る事になった詳しい経緯などは俺は知らない。 「なぁ。俺詳しく聞かされてないんだが、イトコの姉ちゃんちでなんかあったのか?」 俺の姉情報だと、両親が亡くなって以来、藤乃という従姉妹が楓を引き取り2人で暮らしているという。 楓の父母は健在だが、過疎地の田舎に住んでいるため都心に住む従姉妹と暮らす事にしたそうだ。 「…ふうちゃんね、今度結婚するんだって。」 ふうちゃんと呼ばれた藤乃は今20代後半。 「ああ、それで。さすがに新婚家庭に居づらいよな。」 観覧車が頂上に近づくと背景の都心のビル群が小さくなる。 空は夕方のオレンジの日差しがわずかに混じってきている。 楓は頬杖をついて、窓の外へ顔を向けている。 栗色の髪に縁取られた横顔がさっきまでと打って変わり、寂しげに見える。 「あのね、追い出されたんじゃなく、あたしの事、養子にするって、ふうちゃんが計画してるの。 あたし、ふうちゃんの恋人になりたかったのに。」 えっ。養子?恋人? 「あたしとふうちゃんは三年位前からそういう…体の関係があったの。 でもある日ふうちゃんがネットの結婚相談所で見つけた男の人と結婚するって。 じゃあ別れようって、あたしから言ったのに ずっと体の関係は続けたいから、養子になって三人で住もうって。」 急に事情を言われ俺は動揺した。 「相手の男が許さないんじゃないのか?」 質問がこれぐらいしか浮かばない。 「アレが付いてる女性が好きな男の人らしいの。ふうちゃんも付いてるし。 あと経済的にゆとりもある人らしいの。」 俺の姉は偶然電車で楓と再開し、顔色が悪いので事情を聞いたと言った。 確かにそんな状況じゃ引き取りたくなる。 「『結婚しないでほしいの、あたしじゃ駄目なの』って訊いたら、 楓は社会的地位もお金も無いから駄目って。 でも体の関係とかは続けたいから側にいてって。」 楓が俺の方を向くと涙がひとすじ流れていた。 「あたし、ただふうちゃんの事が大好きだったのに。 でも別れたいって言ってからもふうちゃんは無理やり…。」 俺は少し身を乗り出し楓の頭を撫でた。 「なぁ、俺のウチなら何年いても構わないからさ。 同い年の俺がいて嫌かもしんないけど。」 「ありがとう、一樹。」 楓が少し笑ってくれた。 観覧車を降り俺達は家に帰る事にした。 楓がセーラー服しか持っていないのは本当らしく、 スポーツバックにはパジャマや下着が最低限しかないらしい。 余分な金や物は持たされておらず必要な時に申告するらしい。 最近は性の要求を断るとぶたれたりするらしい。 これって完全に虐待じゃないか。 「今日はすごく楽しかったよ、子供の頃に戻ったみたい。 一樹のお姉さんに感謝しなきゃな。」 電車の中で笑う楓を見て俺は胸の鼓動が早くなる。 さらに観覧車での涙も思い出してしまう。 同じ屋根の下で暮らすのに、意識しちゃまずいのに。 家に着くと俺は夕飯の準備をした。 準備といってもパスタを茹で、レトルトのミートソースを温めただけだ。 二人で向かい合って座る。 「ごめんな、こんなのしか作れなくて。 あと姉さんの部屋はベッドとか部屋着は残ってるし、 母親の化粧品も洗面所にある置いてあるし。」 ドキドキするので事務的な用件を伝える。 「何から何までありがとう。 ホントは本格的に引っ越してきたかったけど ふうちゃんがまずは夏休み限定って言ってきたから。」 二人ともご飯を食べ終わり、皿を片付けようかと立ち上がった時、来客を知らせるチャイムが鳴った。 「あれ?姉さんなら来る前にメールか電話くれるんだけどな。 ちょっと待っててくれ。」 楓に告げ、玄関のドアを開けると、OL風のメガネをかけた女性がいた。 「突然アポイント無しでお邪魔してごめんなさいね。」 「っ!ふうちゃんっ!」 いつの間にか俺の後ろに来ていた楓が声をあげた。 この人が藤乃か。 小柄できっちりメイクをし、髪の毛の毛先は綺麗に巻かれ、 指先も淡いパープルを下地にネイルアートが施されている。 銀縁メガネのせいか少し神経質に見えるような…。 なんでも楓の洋服を何点か持ってきたので渡しに来たという。 確かにデパートの新しい紙袋をいくつか持っている。 楓の目を見ると最後にお別れと感謝の言葉を伝えたいという。 仕方なく居間に藤乃を上げた。 俺の家の居間はさっき食事したテーブルと椅子の先に、ソファとテレビなどがある。 二人をソファに座らせお茶を出す。 心配なので椅子席に座っていたかったが楓が、 大丈夫というので、俺は二階の自室に上がった。 楓は今も藤乃が好きなんだろうか。 でも俺へ話す時は過去形だったな。 などと色々考えていた。 そろそろ下りてもいいだろうか。 ドアを開け、階下を伺った時ガターンと物音がした。 俺は急いで居間へ行く。 ドアを開けると床で藤乃が楓に馬乗りになり頬を叩いた。 俺はとっさに藤乃の肩をつかみ横に転がした。 「なにやってんだよっ!」 藤乃は髪が乱れ、つけ爪が取れているが服はキチンと着ている。 しかし床に押し倒された楓はセーラー服とスカートを ハサミで切られたようで白い胸も足も露わになりかけている。 俺は床に落ちたハサミをすぐに拾う。 「あんたっ!楓の保護者だったんだろっ! 最後まで楓を苦しめてなにやってんだよ!!」 俺は頭に血が登り怒鳴る。 手も出そうになったが何とか抑えた。 「…だって… ほんの数日私と離れたら楓はすぐに、耐えられなくて私の所へ戻ってくるって思ったのよ。 来週新居を決めるから一度戻って来てねって言ったんだけど。」 藤乃が話し始めた。 「なのに、この子今日1日とても楽しかったって笑顔になるし、男の子と新婚ごっこみたくご飯まで食べて、 …もう戻らないって言うし、あげく本当に別れようなんていいだすのよ!」 藤乃はだんだん声を荒げ一気に喋った。 楓が上半身を起こし胸を押さえ藤乃に話し掛ける。 「ふうちゃん、あたしね、ふうちゃんと一緒にいられたら、毎日を共有できたら、それだけで良かったの。」 「何言っているの。楓。そんな気持ちだけじゃ生きていけないでしょう。 全ては私が決めるのよ。楓に意志は無いの。 一生私があなたを飼っていくの。 あなたは私を裏切らない存在のはずでしょう!」 藤乃は明らかに苛ついていた。 しかし対照的に楓は落ち着き冷静な声で言い放つ。 「もうあたしが好きだったふうちゃんはこの世界にいない。 これ以上あたしが好きだったふうちゃんを思い出から汚さないで。 あたしと別れて下さい。お願いします。」 楓が頭を下げた。 藤乃が手を振り上げるのが見えたので 俺はとっさに羽交い締めにした。 「最後ぐらい潔くしろよ。」 藤乃は泣き崩れた。 「大丈夫か?」 楓をよく見ると髪の毛が濡れている。 お茶をかけられたのか。 「シャワー浴びてこいよ、あっちにとりあえずタオル置いてあるから。」 楓は頷くと藤乃に目もくれず部屋を出て行った。 俺は藤乃から目を離さず携帯でタクシーを呼んだ。 タクシーが到着するまで藤乃は泣いていたが同情する気は起きなかった。 やがてタクシーが来たので俺は母からのお金の中から運転手へ三万円ほど渡し、 藤乃へ「もう来るな」と言って車のドアを閉めた。 居間へ戻るとバスタオル一枚で楓が立っていた。 「ふうちゃんは?」 「タクシー呼んで乗せた。 あっごめんな、今姉さんの着替え探してみる。」 俺は慌てて二階へ行こうとした。 「あっあたしも二階に上がってもいい?今はここにはいたくない…」 楓の視線の先には藤乃のつけ爪が落ちていた。 「一樹の部屋に入ってもいい?」 「ああ、いいよ。待っててくれ。」 俺は楓のスポーツバックを渡すと部屋着を探しに 同じ二階にある姉の部屋と和室の押し入れに向かった。 漁ってみると部屋着は大量に出てきた。 適当に選んで部屋の前に行き、ドアから渡そうとすると楓に呼ばれた。 「どうした?どこか怪我でもしてたか?」 部屋に入ると楓がまだバスタオル一枚の姿だった。 下着も付けてないようだ。 バスタオルの丈が微妙な位置で目のやり場に困る。 「一樹、さっきは助けてくれてありがとう。 もっときれいに別れたかったんだけど、やっぱり何度話しても、あんな感じで…」 目をそらしつつ答える。 「仕方ないさ、向こうも感情が高ぶってる。」 不意に俺の首に楓の手が回された。俺の胸に楓が顔をうずめてる。 「楓…」 俺が楓の背中に手を当てると楓が顔を上げた。 一瞬見つめ合い、俺は自分でも信じられないが楓にキスしてしまった。 しかし楓は抵抗せず、もっと抱きついてくる。 楓の柔らかい胸が当たっている。 唇を離すと楓は自分からバスタオルを解いた。 「こんな体だけど、一樹に抱いてほしい。」 楓は想像以上にバランスのとれた体だった。 なめらかな肌に美しい乳房、ウエストからお尻へ滑らかな曲線、 そして勃起していない状態の男性の性器。 まるでギリシャ神話の神をモチーフにした石膏を思わせる美しい体の線。 「こんな、なんて言うなよ、すごく綺麗だ。」 「ほんとうに?でも一樹、ずっとあたしが男の子だったって勘違いしてたよね。ヒドいよ。」 ちょっと微笑んだ楓の頬にゴメンと言ってキスする。 「一樹が引っ越してからね、一樹があたしの初恋の人だって気付いたんだ…」 「ごめんな。」 二人で無邪気に遊んだ日々から今日までお互い色んな事があった。 二人が離れていた日々を思うと俺が苦しくなり楓を抱き締めた。 俺は部屋の明かりを消すと服を脱ぎベッドに楓と沈み込む。 俺は楓に長いキスをした。舌を絡ませる。 楓の吐息がもれ、楓のアレが俺の腹にあたる。 楓の耳にキスしながら柔らかい胸を揉んだ。 下半身に手を伸ばし、アレにもそっと触れてみた。 「ひゃっ。やぁっ恥ずかしいよっ。」 いきなり触られびっくりしたらしい。楓の体がビクッとなる。 俺は指を楓の割れ目に移動させなぞり、耳元で囁く。 「楓の身を委ねてほしい。」 柔らかい耳たぶを軽く噛むと楓がとろんとした目つきになる。 俺は楓の膣に指をいれかき回して引き抜いた。 くちゅりと音がする程十分潤っている。 口では楓の胸を舐め、すべすべした肌の感触を味わう。 俺は体を起こすと左手で楓の膣に指を入れ、右手で楓のモノを握る。 指を入れた状態で右手をゆっくり上下する。 俺がフェラするのは今は抵抗があり出来ないが、 先走りの汁が出できているので動かしても大丈夫そうだった。 「ああっ、い、いつき、恥ずかしいっあっ」 楓は顔を手で覆っているが、モノは半勃ちから完全に勃起し、 膣内の指を動かしていないのにどんどん濡れてくる。 「かわいいよ、楓」 俺は右手の動きを速めた。 「あっ、はぁ…だめぇ、すぐにでちゃ…う。そのまえに、一樹のが欲しいよぉ…」 楓に懇願されいったん両手をはなす。瞳が潤んでいる。 膣から指を抜くと、とろりとした汁が溢れだし、右手を離してもソレはカチカチに勃っている。 楓の素直な反応に俺は嬉しかった。 体の形は関係ない。好きな人と快楽を享受したい。 百合の言葉が理解出来た気がする。 俺は覆い被さるように楓の首筋にキスしながらいいのか?ときいた。 うん、と楓が小さく頷く。 俺は上半身を起こすと楓の足をぐっと開き、ゆっくりと楓と一つになる。 「…っ!!あっ…いつきぃっ」 楓が少し苦しそうな顔をする。 「痛かったか?大丈夫か?」 動かずに楓の顔を見る。 「…ん、へいきっ…、 今まで…女の子としか、したこと…なくって…。」 ああ、そうか、男のモノの方が若干大きいのか。 くちゅ…くちゅ。 しばらくゆっくりと俺は腰を動かす。 「ああっ…んっ…いっ…いつき…、もぉだいじょぶ…」 俺もかなり腰を動かせるようになった。 部屋に腰を打ちつける乾いた音と楓がかき回される湿った音が響く。 楓をもっと気持ちよくしたい。 俺は再び楓のモノを握りさすった。 「ああっ、んっ、一樹っそこはだめっっ。」 ダメだと言われたが、あまりに張って苦しそうだから、俺は構わず手を動かした。 「っはぁ…、ああっ、あっ、気持ち良すぎて…だめだよぉ…」 栗色の髪の毛の間から楓の桜色の乳首が見える。 「…俺も気持ちいいよっ好きだよ、楓…」 いつも意気地のない俺がすぐに行為をするなんて自分でもわからない。 ただ今は気持ちが溢れてくる。 「…んっ、あっ!」 楓小さく悲鳴を上げたと同時に楓が射精する。 楓のお腹や俺の腕に熱い白濁の液がかかった。 「かえでっ、俺もっ…」 俺は楓の両足を自分の肩に乗せるとそのまま正常位で思い切り腰を振った。 イキそうになる瞬間引き抜いて、楓のお腹に思い切り出した。 なるべく汚さないように頑張ったつもりだが思ったより飛び散ってしまった。 楓はおへそ辺りにたっぷり精液がたまり、長い髪や頬にも付いてしまった。 楓は起き上がれない。 「わっ、ごめんな。」 俺は慌ててティッシュで拭き取る。 頬を拭き取った時、再び長いキスをした。 楓の細い手が俺の背中に回される。 「あたしはここにいてもいいの?」 楓が確かめるように俺の唇を指でなぞり尋ねてきた。 「ああ。」 今更ながら照れくさくなり「俺の側にいてくれ」というのは言えなかった。 言葉の代わりに俺は楓を強く抱き締めた。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/50137.html
登録日:2022/01/01 Sat 00 00 01 更新日:2024/07/07 Sun 12 31 31 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 やべーやつ ウルトライバル ウルトラマントリガー ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA ウルトラ怪獣 キレ芸 ド外道 ニューリーダー病 ネタキャラ ヒュドラム 下剋上 人間不信 俊敏策士ヒュドラム 円谷のやべーやつ 卑劣漢 卑怯 因果応報 小物 悪トラマン 愛せない馬鹿 慇懃無礼 敬語 永地悠斗 汚いキャリバーさん 濃すぎるキャラクター性 皮肉 短気 策士 自業自得 裏切り 野心家 闇の巨人 陰湿 頭脳派 高橋良輔 鬱展開の原因 黒い円谷 これは失礼。私の言葉が理解できますか? 「俊敏策士ヒュドラム」とは、特撮テレビドラマ『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』に登場する敵キャラクターである。 CV:高橋良輔 スーツアクター:永地悠斗 【データ】 【概要】 【人物像】 【戦闘能力】使用技・武器 使役した怪獣 【暴虐と暗躍を尽くした傲慢な策士の最期】 【余談】 【データ】 身長:57m(地球人サイズまで縮小可能) 体重:5万2千t(〃) 【概要】 本作のメイン敵役である闇の巨人の一人であり、第3話から登場。 青と白、黒を基調とした細身の姿で、左胸にはカラータイマーを思わせる青く光る結晶体が埋め込まれており、まるでウルトラマンナイスのよう(*1)。 『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』における俊敏戦士 ヒュドラに相当する……のだが、 他の2人が原典の面影をそれなりに残した姿をしているのとは打って変わって彼の場合は殆ど別人(そもそもパーソナルカラーからして異なる)。 加えて性格的な意味でもあちらと割と似通っている2人とは違い、冷酷(残忍)さはさておき三下臭いヒュドラと一見丁寧なこちらとでは性格・言動もかなり異なる。 妖麗戦士カルミラや剛力闘士ダーゴンとは違って本編開始時には既に封印が解けており、2人よりも100年も早く目覚めていたらしい(*2)。 【人物像】 一人称は「私」。口癖は「エクセレント」。 基本的に常に敬語で話すが、相手の感情を逆撫でしたり、甚振ることを好む陰湿且つ卑劣な性格で、 戦いにおいても自分が直接出向くことは少なく、怪獣を送り込んだりして暴れさせ、労せず成果を得ようとすることもしばしば。 「策士」と付いているように、激情に駆られやすいカルミラや戦闘を好むダーゴンと違い目的のために策を弄することも多く、 普段の言葉遣いが敬語であることも手伝って闇の巨人陣営の冷静沈着な頭脳派にも見えるが、舐めてかかった相手から手痛い反撃を受けてペースを狂わされると…… エクセレントじゃねぇなぁ!! 俺は、お楽しみを邪魔されるのが、宇宙一嫌いなんだよォォォ!! と冷静さを欠いて残忍かつ粗暴な本性をさらけ出し、口調も荒くなり一人称が「俺」になる。 このようにキレてしまった時のヒュドラムの凶暴ぶりはカルミラから「アンタがキレるとこの星(地球)が滅ぶ」と称されるほどで、 キレた際のパワーも、力自慢のダーゴンですら羽交い締めにするのが精一杯で、カルミラと2人掛かりでなければ抑えられないほど強い。 その為、普段の振る舞いに反して沸点や煽り耐性は低く、二つ名にある「策士」を名乗るにはやや詰めの甘い部分も散見される。 ただ、味方だったはずのトリガーダークが暴走した時やユザレの覚醒で追い込まれた時は冷静だった事から、 予定外のことが起こると頭に血がのぼるカルミラとは異なり、ヒュドラムがキレるのは「甘く見ていた相手から思わぬ痛手を受けた時」の模様。 先述の通り他の2人よりも早めに目覚めていた為に単独行動を働いていた期間もあり、 以前にはイグニスの故郷であるリシュリア星に襲来し、闇の巨人としての力でその文明を蹂躙したばかりか、 「食事」と称して生命エネルギーを根こそぎ吸い取り、大人はもちろん幼い子供も含めたイグニス以外の住民達を皆殺しにしている。 この出来事からイグニスからは故郷・同胞の仇として激しい憎悪を抱かれているが、ヒュドラムはその憎悪も含めて気にも留めていない上、 イグニスの素性に気付いてからは時に彼を挑発して怒りに狂うその姿を愉しんでいる節すら見受けられる。 カルミラやダーゴンと行動を共にしながらも、内心では「自分が彼らを従える闇の王になる」という密かな野心も抱いており、将来的にはエタニティコアの力を独占しようと目論んでいる。 トリガーダークに関してもティガに対するヒュドラと比べれば仲間意識や認めている面も見られるが、 「人間なんかに身体を奪われるとは無様なものですねぇ……あんな奴を可愛がっていたなんて、あなたの目も節穴のようだ」とカルミラを煽ることもあるなど、やはり内心の野心には変わりない様子。 また、本心では他人を一切信じておらず、「繋がり」を軽視している。 【戦闘能力】 二つ名にある「俊敏」の名に違わず、飛行能力や超スピードによる空中戦を得意とするが、公式サイトによると直接的な戦闘力はそこまで高くはない模様。 ……なのだが、劇中ではウルトラマントリガー スカイタイプと終始互角以上に渡り合って優勢を保ち、後述のトリガーダーク戦でも当初は正攻法で圧倒していたことや、 上述の「キレたら地球が滅ぶ」発言等からあくまでも「基礎戦闘能力がずば抜けている3人の中では」という意味かもしれない。 明らかに劣勢だった相手はタフネス重視のパワーファイターであるアブソリュートディアボロ程度である。 ぶっちゃけ劇中の描写では「これで戦闘力がそこまで高くないって嘘だろ」なレベルである。 使用技・武器 ダガーヒュドラム 右腕に装備している短剣。 ヒュドラスト ダガーヒュドラムから放つ青い斬撃。 基本は三日月状だが、フルパワーで放てば青と黒の光線となり、トリガーダークのダークゼペリオン光線を押し返す程の威力を出す。 使役した怪獣 闇の三巨人の中では使役、または差し向けた怪獣の数が最も多い。 また、その怪獣がどれもウルトラマントレギアの招集した怪獣と似通った外見と生態を持っている点を(ヒュドラムの人物像とも合わせて)一部で指摘されているが、彼との関係性は不明。多分今後も明かされることはないだろう ガゾート 闇怪獣の一体として、自身のエネルギーをクリッターに注いで誕生させた。 ユザレの力を持つシズマ ユナを覚醒させるべく、彼女の身に及ぶ危険として差し向けられた。 サタンデロス ギガデロスを独自に改造したロボット怪獣。 その強固なバリアと機体の防御力でGUTS-SELECTを大いに苦しめた。 メツオーガ/メツオロチ 一度は地球に送りこんだが、その悪食ぶりを見かねて休眠状態で放置していた。 その後、イグニスの変身したトリガーダークの暴走振りに興醒めし、その相手役として自身のエネルギーを与えて覚醒させた。 バリガイラー 明言はされていないが、どうやら古くからの知り合いらしい。 その大好物である「彗星饅頭1000年分」を報酬にすると嘘をついてユナを誘拐させたが、彼女の言葉でそれに気づいたバリガイラー自身に離反された。 【暴虐と暗躍を尽くした傲慢な策士の最期】 少しは警戒しないと……。気づいていたのでしょう? 私の裏切りに。 エタニティコアを独占しようと暗躍を続けていたヒュドラムは、第22話にてイグニスがユナを誘拐したことを察したかのように一気に目的達成に動き出す。 手始めにカルミラとダーゴンの不意を突く形で、2人を光の紐で拘束し、遂に本性を露わにした。 これにてお別れです。私が『闇の王』になった暁には……せいぜいこき使って差し上げますよ!!ハーハッハッハッハッ……ハーハッハッハッ!! そうして彼らを嘲笑してその場に置き去りにすると、3000万年前の遺跡にてエタニティコアに辿り着いたイグニスとユナを奇襲。 ユナを人質に取り、表面上は「コアに辿り着いた以上その女に用は無い」と平静を装うイグニスに対し、わざとユナに斬りかかることで動揺を誘うなどして弄ぶ。 人付き合いというのも考えものですねぇ! 100年の執念すらも鈍らせてしまう! そしてそのままユナを殺害しようとするが、そこへ駆け付けたヒジリ アキトの銃撃で妨害されると、イグニスが変身したトリガーダークと再び激突。 まだトリガーダークの力を手に入れて間もないイグニスに闇の巨人としての格の違いを見せつけるかの如く圧倒するが、 そこにメカムサシンを倒して間もないグリッタートリガーエタニティが駆けつけ、時間切れですぐにマナカ ケンゴの姿に戻るものの、鹵獲したメカムサシンの愛刀・ムサシンソードを消滅直前にトリガーダークへ投げ渡す。 さあ…とことんまでやろうぜ、ヒュドラム。 ハッハッハッハッハ…全く、イラつかせてくれますねぇ! ヒュドラムとトリガーダークはそれぞれダガーヒュドラムとムサシンソードで激しく斬り結ぶが、 ヒュドラムはトリガーダークの気迫に圧されるかの如くじりじりと押し込まれていき、遂には逆手の一撃で手痛い一太刀を喰らってしまう。 お友達の声援で強くなる!? ざけんじゃねえよ!! その一撃に激昂したヒュドラムは、トリガーダークが庇うことを見越して近くで見守っていたケンゴ達にヒュドラストを放つ。 予想通り彼らを庇い、隙を晒したトリガーダークを蹴り倒すと、そのまま踏みつけながら罵詈雑言を浴びせる。 見せつけてくれんじゃねえか……この間抜けがぁ! カスを守って傷ついてるんじゃ、割に合わねえなぁ! リシュリアの時のような気持ちになるのはもうごめんだ……俺は二度と、仲間を傷つけさせない! が、絶体絶命に追い込まれつつも“仲間”を守らんとするイグニスの決意に呼応するように、ケンゴ達の想いがケンゴの中から光となって現れた。 以前シズマ ミツクニの中の光をウルトラマンティガの姿で具現化させたように、ユナはユザレの力でその光に形を与え、イグニスへと送った。 その光はイグニスの手の中でエタニティキーに変化する。 “仲間”達の想いの結晶である金色のキーをすかさずブラックスパークレンスに装填、起動。 するとトリガーダークの体はまるでグリッタートリガーエタニティのような金色の光を纏い始めた。 今は2つに分かれていても、もとを正せば同じトリガー! 光と闇の力が合わされば…! お前を討つ、力となる!! んなわけあるかあああああ!! グリッタートリガーエタニティキーの力でブーストされたダークゼペリオン光線とフルパワーのヒュドラストがぶつかり合うが、 “仲間”との絆を背負ったトリガーダークと、自分一人しかないヒュドラムとでは力の差は歴然だった。 あっという間に押し切られ、金色と漆黒の本流に飲み込まれた。 じゃあな、ヒュドラム。お前のおかげで、俺はもう一つのゴクジョーに出会えた! 皮肉たっぷりの礼の言葉とともに、ヒュドラムは大爆発の中に消えた。 ハァ…ウアアアアアアア!! 絶対に許さねえぞ!ゴミカス共ぉぉぉぉぉ!! この期に及んでしぶとく生き延びていたヒュドラム。 満身創痍で恨み言を喚き散らす彼の体を、一発の光弾が貫いた。 やってくれたねぇヒュドラム…。抜け出るのに苦労したよ…! そこに現れたのは拘束から脱し、憤怒に燃えるカルミラだった。 間髪入れずヒュドラムの首根っこを掴むと「苦しそうだねぇ…今楽にしてあげるよ!」と言い放ち、ヒュドラムから闇のエネルギーを吸い上げ始めた。 こんな、こんな所で! うわあああああああ!! 間もなく全てのエネルギーを奪われ、無念の叫びを上げながらヒュドラムは消滅した。 自分以外の全てを軽んじ、醜い快楽主義と野心の赴くままに多くの罪なき命を踏みにじったのみならず、 最終的には今まで行動を共にしてきた仲間すらも切り捨てたヒュドラム。 そんな男の最期は、長い漂流の果てに新たな絆を得た相手に引導を渡され、心底で見下していたかつての仲間に全てを奪われて果てるという、この上なく皮肉で因果応報なものだった。 カルミラからの手向けの言葉すら、死体蹴りも同然の侮蔑であった。 不味いね。けど、あんたの闇は私が使ってあげるよ。 【余談】 闇の三巨人の中では最も救いがない自業自得の結末を迎えたヒュドラムだが、次回にてダーゴンが退場した後、SNSでは「ヒュドラムは仕方ないとしてダーゴンまで退場するのか」(要約)と真反対の評価を受けており、「ヒュドラム」を入力すると候補に「ヒュドラムはともかく」が出てくるまでに至った。『トリガー』の10年後の世界を描く『ウルトラマンデッカー』にてカルミラが復活した回でも、終盤で彼女がダーゴン・ヒュドラムと思しき赤と青の光を手に持ちながら、和解したケンゴに「(地球から出て)自分たちの居場所を探す」と告げた事で2人にも復活フラグが立ったのだが、こちらでもダーゴンの復活を期待する声とは対照的に、ヒュドラムは「青い方は捨てろ」「青い方はやめた方が…」と視聴者からは散々な言われようだった。実際、自分以外の同胞をヒュドラムに殺されたイグニスがトリガーダークとしてケンゴ/トリガーの味方ポジションになっている以上、カルミラによって復活させられた場合、彼女が和解したケンゴ/トリガーの助勢に現れる可能性が高く、そうなったらどこかしらでイグニスと衝突してひと悶着起きるのが目に見えている。 声優の高橋氏は、過去に俳優として『超星艦隊セイザーX』の主人公・安藤拓人/ライオセイザーを演じており、さら円谷作品では声優として『SSSS.GRIDMAN』のサムライ・キャリバーに出演していたが、ウルトラシリーズへの出演は今作が初である。また、『セイザーX』で共演していたケイン/ビートルセイザー役の三浦涼介氏は『仮面ライダーOOO』でアンクを、アド/イーグルセイザー役の進藤学氏は『海賊戦隊ゴーカイジャー』で特務士官バリゾーグを演じた経歴がある為、一部特撮ファンの間では、「セイザーXのメイン3人が3大特撮で怪人になった」と話題になった。 エクセレントじゃねぇなぁ!! 俺は、追記・修正を邪魔されるのが、宇宙一嫌いなんだよォォォ!!! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] セイザーXだとシャーク隊長役の松永博史氏もドライブでボイス・ロイミュードを演じてる -- 名無しさん (2022-01-01 01 26 02) 闇に堕ちた ライオセイザー -- 名無しさん (2022-01-01 04 16 20) ニューリーダー病患者のお手本となる人でした -- 名無しさん (2022-01-01 08 42 28) まだ最終回前だから評価変わるかもしれんがぶっちゃけトリガーのメインヴィランはヒュドラムと言っても過言ではないくらい悪役として仕事してたわ -- 名無しさん (2022-01-01 08 53 08) 食事と称してリシュリア星を滅ぼした奴が裏切った相手に食い殺されるてのは嘲笑的最期だな -- 名無しさん (2022-01-01 10 20 17) 令和版ヒュドラだけどヒュドラとは違い仲間を裏切りそして最後には仲間に殺されるのが違いだよな。 ヒュドラは「人間の叫びを浴びたい」と願う残忍なやつだがカミーラ、ダーラムを裏切ることは無くカミーラもヒュドラを殺したりしなかった(ダーラムと結界を無理に突破しようとしたときにカミーラが注意、窘めたりしたけど、後ダーラムと仲良しだったり) むしろティガが裏切り者でティガに対して激しい怒りを燃やしていたからヒュドラの方がちょっと下品だけど人格はヒュドラムよりはまともかな -- 名無しさん (2022-01-15 13 59 22) あのトレギアですら悲しい背景があったのにヒュドラムはオダブツと並んでニュージェネじゃ珍しい一貫した卑劣感で同情の余地がない悪役だったな。 -- 名無しさん (2022-01-23 22 56 17) ↑セレブロ忘れてる -- 名無しさん (2022-02-01 15 20 51) 他の2人が最後改心したのにコイツだけ最後までガチの悪役だったな -- 名無しさん (2022-02-01 15 21 35) エピソードZ見た後でイーヴィルトリガーも悲しみを背負った敵だったと分かった今じゃ何かしら悲哀のあるトリガー世界のヴィランたちの中でヒュドラムだけ特に同情するような要素ないワルモノとしてむしろ悪役での存在感上がったと思う -- 名無しさん (2022-03-18 15 14 56) 残忍で煽り性能高い、反面煽り耐性も低かったりちょくちょくやられて最後は派手に救いの無い(でも同情も出来ない)最期を迎える、と -- 名無しさん (2022-08-27 00 23 35) ↑いろいろな意味でどうしようもない感じが面白くて好きだった -- 名無しさん (2022-08-27 00 24 10) 最期は無様に命乞いするかと思いきやそんなことはなく、デカい態度は変えないままめちゃくちゃ悔しがりながら食われてったな。表面上は態度コロコロ変えてるイメージだけど根っこは常にブレずに真っ直ぐだったんだろうな(ただしすごく悪い方向で) -- 名無しさん (2022-08-27 02 18 17) デッカーでカルミラが復活したけど、コイツだけは復活してほしくない。 -- 名無しさん (2022-09-04 08 40 38) 三巨人の中ではヒュドラムが一番人間くさくて好き -- 名無しさん (2022-09-04 09 05 25) ↑2被害者の会の一人であるイグニスが許さんだろうしな。 -- 名無しさん (2022-09-13 06 59 10) こいつのせいであやうくムラホシ隊長が無実の罪を着せられるところだった……続編になってもさらに罪が増えるとは -- 名無しさん (2022-11-06 11 58 21) 名前 コメント