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大滝歩美 監督 桃瀬美咲「もも100パーセント未満」 出演者 桃瀬美咲 メーカー ポニーキャニオン 発売日 2009/8/19 通販
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ACE系アイドレス 注意:能力判明のもののみ ACEみなし職業消費関係質疑 後藤亜細亜後藤亜細亜2 吹雪先生 吹雪先生の奥さん 磯貝みらの シャルルとその飼い主 フランク=ヤガミ トーゴ オタポン 松井いつか 海法紀光 暁ゆかり 炎熱編集 蝶子 室賀兼一 小太刀右京他 74式清子さん 清子さん2 トラオ・テンダーブルー アララ=クラン 是空とおる たけきのこ 善行忠孝 原素子&BALLS 新妻素子 時間犯罪者素子 森精華 茜大介 遠坂圭吾(青瞳) 田辺真紀 ブータ 鼠の騎士ジャスパー ハードボイルドペンギン エクウス ハンニバル 希望号4号機 青の厚志 芝村舞 吉田遥 源健司 斎藤奈津子 芝村英吏 ネコリスファミリー エリザベス=リアティ サーラ=サーシャサーラ・サーシャ2 ミズキ=ミズヤ ナイアル=ポー エノラ=タフト エステル=エイン艦氏族=アストラーダ ネリ=オマル スイトピー 砂漠の騎士サウド MAKI ブラック=レイディ クリサリス=ミルヒ 東原恵 TAGAMI 知恵者 カオリ=サザーランド わん太 石津萌 瀧川陽平 チビ グラムリバー カールTドランジ カール・ドラケン アプロー・鍋山と夫の人 ライラプス エステル=ヴァラ=夜明けの艦氏族=夜明けの船=ヤガミ ウイングオブテイタニア 岩田裕 ドクトルデス ヤガミ(イエロージャンパー) ヤガミ(サラリーマン) ヤガミ(2258) 八神少年 深浦まゆみ ロジャー エミリオ=スタンベルク 須田直樹 玖珂ミチコ 玖珂晋太郎 仮面のお兄さんシン 水着ふみこ ヘイハチロー・ノギ 金大正 城島月子 ミュンヒハウゼン 青森恭兵 滋賀小助 岩手文明 茨城雷蔵 千葉昇 千葉奈穂 香川優斗 芝村傑吏 オタポン ユウタ エイジャ兄弟 エイジャ兄弟2 トラナ王女 秋津隼人 トリスタン 徳河舞蔵 ヴァンシスカ=オーノール ネル&シーナ 玖珂ほむら 本郷義明 大阪万博 七海 八重咲桜子 ポイポイダースピリチアルダンス わん太 労働一号かれんちゃん モシン・イブラヒム 小村佳々子 徳河舞蔵 かばねっち 黒にして黒光のバッド 伏見藩国試作機 蒼穹号 芥藩国試作機 蒼天
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「はい、これ」 「ああ。恩に着る」 「別にいいわよ。アンタには色々借りがあるんだし」 ここは国鳥ヶ原学園の風紀委員支部前。そこには、雅艶と吊橋が居た。今朝方雅艶が依頼していた“似顔絵”の調査が終わったという連絡を受けて雅艶が支部に赴いたのだ。 「随分早かったな」 「まあ、今はウチも短縮授業だから、余り忙しくないし。アンタの似顔絵がすごいってのもあるけど」 「当たり前だ。俺の腕前を舐めるなよ?」 吊橋と会話をしながら、雅艶は封筒の中に入っている資料に目を通す。 「・・・・・・ほう」 「ねぇ。アンタさ、この人に何の用なの?調べたら私と同じ風紀委員じゃない?一体何をするつもり?」 吊橋は調査で判明した“似顔絵”の少女について、目の前の男が何をするつもりなのか警戒していた。 「・・・いずれわかる。いや、すぐにでもわかると言った方がいいか」 「!?どういう意味?」 「今ここで何を言っても仕方の無いことだ。調査の件、すまなかったな。じゃあな」 「あ!ちょ、ちょっと!!」 吊橋の疑問に雅艶はまともに答えず、その場から離れて行く。その後姿を見送る吊橋の背筋には、何か嫌な悪寒が走っていた。 「ねぇ。答えてよ・・・界刺」 ここは『恵みの大地』。そして、ここは界刺、水楯、形製が座るテーブル。その雰囲気は真剣そのもの。何時の間にか、店員や周囲の客も固唾を呑んで見守っていた。 「そんなこと・・・俺に聞くんじゃねぇよ」 「えっ・・・」 界刺の口から次々と言葉が放たれる。 「さっき、お前が言っていたじゃねぇか。『あたしは界刺の小間使いじゃ無い!そんな都合のいい女じゃ無い!』ってな。だったら、何で俺にそんなことを聞く? 俺の小間使いでも俺にとって都合のいい女でも無いんだろうが。だったら・・・自分で考えろよ。それが、筋ってモンだ」 界刺に指摘されてハッとする形製。界刺の言葉は正しい・・・容赦の欠片も無く。 「・・・そうだね。ゴメン。変なこと聞いちゃったね。・・・忘れて」 そうして形製は、界刺の額に付けていた己の額を外す。そして、前のめりになっていた体を元の位置に戻そうとする・・・その時。 ガシッ!! 「!?か、界刺・・・!?」 それは、界刺が両の手で形製の顔を掴んだ音。今まさに離れて行こうとした形製の顔を、もう一度自分の顔に近付ける。 今度は額を付けない。ただ、極近距離にお互いの顔がある。目線の高さも一緒。界刺に顔を掴まれているため、形製にはどうすることもできない。 「だが・・・一般論として答えてやるよ」 「えっ?」 界刺の瞳が鋭くなる。そして、形製の顔を己の顔に更に近付ける。近付けたのは・・・瞳。 「お前の能力・・・『分身人形』は、こうやって相手の目とお前の目が合って、初めて行使できる・・・だったよな?」 「う、うん」 形製の能力『分身人形』は強力な読心・洗脳能力を対象者に仕掛ける能力であり、発動条件として対象者と目を合わせる必要があった。 「昨日、俺は雅艶って男にボコられた。つまりだ・・・完敗を喰らったんだ」 「えっ!?」 「界刺さんが・・・!?」 界刺の完敗発言に驚く形製と水楯。だが、界刺は2人の反応を無視して言葉を続ける。 「そいつは盲目の人間。しかも、透視系能力者だった」 「!!」 「透視の範囲とか詳しいことはわからねぇけど、かなり広いのは間違い無い。俺は、自分の油断もあってボコボコにされた。しかも、そいつは体術も相当なモンだった。 わかるか、形製?俺が今相手取っている連中の中に、そいつも含まれている。そして、雅艶には俺の能力の大半が効かねぇ。 ましてや・・・お前の能力に至っては、何一つ雅艶には通用しねぇ」 「・・・!!」 「お前も参謀ならわかるだろ?・・・断言してやるよ。今回の件、お前は足手まといだ!」 その瞬間、形製の瞳は揺れた。そう界刺には見えた。その瞳に宿ったものは・・・形製本人にしかわからない。 そして、界刺は形製の顔を掴んでいた両の手を放す。形製は静かに・・・顔を俯かせたまま座り込んだ。 「足手まとい・・・。そうか・・・そうだね。本当に界刺は・・・容赦ないね」 「流麗・・・」 形製のか細い声に心配の声を向ける水楯。 「そもそも、俺やお前の能力は直接的な攻撃力には欠けるんだ。真刺や涙簾ちゃん、仮屋様とは違ってね。 だからこそ、俺やお前は戦うべき“場所”を見極めなきゃなんねぇ。自分の力を発揮する場所を」 「界刺さん・・・はその雅艶という人への対策は考えているんですか?」 「まぁ・・・根本的な解決にはならないけど、自分の能力を発揮できる“場所”は見極めているつもりだよ。でなきゃ、昨日の二の舞になっちまうし」 水楯の抗議の意が含まれた問いにキッパリ答える界刺。 当の界刺にも、自分が考えている対策が果たしてうまくいくかどうかはわからない。だが、試す価値はある。そう判断していた。 「・・・わかった。ゴメンね。変なことばっかり言っちゃって。界刺も忙しいんでしょ?だったら、早く済ませちゃおう」 形製の声は暗い。何時も彼女を覆っていた自信は、今やその欠片の1つも見当たらない。 「それじゃあ、とっとと終わらせるか。あ、そうだ。今回の“保険”なんだけど、発動するためにさ、ある言葉を採用したいんだけど、問題ないか?」 「えっ。・・・多分大丈夫だと思うけど。どういうの?」 界刺の意外な提案に少しばかり反応する形製。“保険”の発動に際して、界刺が特定の言葉を指定するのは珍しかった。そして、界刺はその言葉を口にする。 「Nobody but you」 「「!!!」」 形製と水楯はその英文の意味を即座に理解する。その意味は・・・・・・「お前しかいない」。 「か、界刺・・・!!」 「たまにはテストってのも役に立つんだな。この前の英語のテスト問題にこの英文を含んだ文章を訳せって設問があってね。 寝不足もあってか、ものの見事に間違えたんだよな」 界刺は素知らぬ風に言葉を続ける。だが、意図しない限り界刺の口からこんな言葉が出る筈が無い。 「お前さぁ、何思い詰めてるか知らねぇけど、さっきの足手まといってのは今回の件に関してはっていう意味でしか無いんだぜ?」 「・・・それは」 「今回の件ではお前は足手まとい。“最低限”の力しか発揮できない。だがよ、他の場面ではお前の力が必要になる時もあるかもしれねぇだろ? この前の・・・成瀬台に来た時のお前は、すっげぇやる気満々だったじゃねぇか?その後の作戦にしたって、ちゃんと結果を出していた。正直感心ばっかしてたぜ、俺ぁ。 さすがは、『シンボル』の参謀だって。さすがは俺のライバルだってな!!俺のライバルを務められるのは・・・お前しかいねぇよ、形製」 「!!」 界刺の言う通り、以前成瀬台で起きた騒動に形製は積極的に関わっていた。生き生きしていた。 それは、彼女本来の輝き。形製流麗の真価。そんな彼女を界刺は・・・しっかり見ていた。見てくれていた。 「確かに・・・お前の言うこともわかるよ。でも、お前って俺と違って“戦場”の見極めが甘いんだよなあ。 メチャクチャ頭いいクセによ。のめり込むっつーか、突っ込んで行くっつーか。この前の成瀬台の時にしたって・・・お前、ガンガン前へ突っ込んでいったろ? だからさ・・・・・・だから・・・・・・心配なんだよ、そんなお前がさ(ボソッ)」 「・・・・・・」 最後の方はボソボソ声になってしまったが、つまり!界刺得世という男は形製流麗という女のことが心配だった。それだけのことである。 「・・・フフッ。フフフッッ。フフッ、ハハッ、ハハハハハハッッッ!!!」 「クスッ。クスッ。クスクスクス」 「な・・・!?何笑ってんだー、バカ形製!?涙簾ちゃんまで!!」 界刺は赤面しながら大声でツッコミを入れる。何故か周囲からも笑い声が聞こえてくる始末である。 「な、何でまた俺が笑われるの!?これじゃあ、この前の二の舞じゃねぇかよおおぉぉ!!」 抗議の声も空しく、以前のように皆の笑い者になるという二の舞(正確には三の舞)を味わう羽目になった界刺。現実とは全くもって無情である。 「ハハハハハハッッッ!!!全く・・・君って奴は・・・。本当に・・・フフフッッ!!」 「おい、アホ形製!それ以上笑いやがったら、さすがの俺でも堪忍袋の緒が切れるぜ!?」 「あぁ、ゴメン、ゴメン。笑った。笑い過ぎた。フフッ、こんなに笑ったのってホント何時以来だろう」 「そんなこと、俺が知るか!」 笑い過ぎたのか、形製の目元には涙が浮かんでいた。だが、その涙の色は・・・決して哀しい色では無かった。 「君にそんなに心配されているとは思わなかった。そうか、あたしはバカ界刺に心配されていたのか・・・・・・屈辱だね」 「はぁ!?屈辱ってお前・・・」 「いや、本当に屈辱としか言いようが無い。こんなに自分のことを情けないと思ったことは無いな。不覚を取るにも程がある」 「お前なぁ・・・いい加減に・・・」 「でも・・・嬉しかった。嬉しかったよ。それは・・・本当。あたしの嘘偽りの無い正直な気持ち。ありがとう、界刺。あたしを心配してくれて」 界刺の眼前にあったもの。それは、形製の・・・光輝く笑顔であった。 「っっ!!・・・チッ、礼を言うなら初めから言えっつーの」 「それは、界刺にも言えることだよ。だから・・・お互い様ってことで」 「都合いいな、お前」 「都合よくなんか無いよ。あたしは、アホ界刺にとって都合のいい女なんかじゃ無いし」 界刺と形製はお互い憎まれ口を叩く。その光景は剣呑というよりは、どこか微笑ましかった。 「でも・・・そうだね。確かにボケナス界刺の言う通り、あたしには不用意に前に出るっていう悪癖がある。それを直さないと・・・界刺達とは一緒に戦えないね」 「・・・流麗。私にできることがあったら、遠慮せずに言ってね。仲間なんだから」 「ありがとう、水楯さん。そうですね、“戦闘面”についてあたしは『シンボル』の中で一番未熟ですし、頼りにさせてもらいますね」 「ええ。何時でも」 形製と水楯が今後について話し合う様を眺める界刺。そこに・・・ 「中々やるじゃないか、キラキラボーヤ(ボソッ)」 「うわっ!」 「あの形製が入れ込む男ってのがいたら、どんな奴かこの目で見極めたいと思っていたけど・・・確かにあんたにはそれだけの価値がありそうだ(ボソッ)」 「はぁ?どういう意味・・・」 「・・・全く。男ってのはどうしてこんなに鈍いモンかね。そんなんじゃあ、何時形製に見限られても知らないよ?(ボソッ)」 背後から小さな声で話し掛けてくる大地に怪訝な表情を浮かべる界刺。 そんな“何もわかっていない”男に大地は深い溜息を吐き、手に持っていた『4つ目』のパンを界刺に手渡す。 「とりあえず、このパンでも食って鈍さを吹っ飛ばしてみたら?」 「えっ?何このパン。おっ、これもいい香り。さっきのパンは・・・冷めちゃってるな。しゃーない。こいつから・・・バクッ!!」 界刺は大地から手渡されたパンに食らいつく。食らいついてしまった。数秒後、大地は今更のように言葉を告げる。 「あ、そうそう。言い忘れていたけど、ウチのオススメ“ロシアンパンルーレット”ってのは、 4つのアンパンの内、1つだけあんの代わりに激辛タバスコが満載だから気を付けてね~」 「グハハハハハハハハハッッッッッ!!!!!」 大地が告げた言葉の数秒後に界刺は口から火を吹いて・・・失神した。 ちなみに、『恵みの大地』で発生した今回の一部始終は、同店にいた“常盤台バカルテット”なる集団により、 常盤台の女子生徒全員に広がる修羅場劇場『バカルテットは見た』として語られることになる。 「あれ?安田さん。どうしたの、こんな時間に」 「いえ・・・何となくここに来ちゃいました」 ここは、穏健派救済委員の溜まり場。春咲は、風紀委員活動を早退した後に、痛む体をおしてここに来ていた。 「こんな昼間からじゃあ・・・そのガスマスクは目立つんじゃないの?」 「だ、大丈夫です。さっきまで外していましたから」 「あら。それは残念。もしかしたら、安田さんの素顔が見えたかもしれないわね」 「・・・クスッ。そうですね」 今ここにいるのは花多狩1人。他の面々は不在のようだ。軽口を言い合う春咲と花多狩。 「花多狩先輩こそ、何をやっているんですか?」 「私?私なら昨日の会合で集まった情報の整理よ。ノートパソコンを使って纏めているんだけど・・・正直私ってこういう機械類の操作は苦手なの」 「えっ?あんなに武器の扱いに長けている先輩が?」 「ええ。こういう事務系の操作には向いていないみたい。人間の向き不向きって本当に不思議よね」 花多狩はお手上げのポーズを取る。やはり、武器とパソコンでは扱い方も違ってくるのか? こういうのを人間七不思議の1つに数えられてもいいのではないかと、花多狩は半ば本気で考えていた。 「じゃ、じゃあ、私がやってみましょうか?私、こういうの得意です」 「あらっ。そうなの?それじゃあ・・・お言葉に甘えようかしら」 「え~と・・・」 「あ!それを・・・」 その後、春咲の手際の良さも手伝って、情報の整理はトントン拍子に進んだ。 本来であれば、こういうことをしていられる状態では無いことを春咲は重々承知していた。 でも、こうしていると体の痛みを忘れることができた。『ここ』に居れば、嫌なことを忘れることもできた。 『ここ』は・・・春咲桜にとって、最後の居場所になっていた。 その姿を遠くから観察している影があった。その影は、手持ちの携帯電話を取ると、誰かに連絡を取り始めたのである。 「遅いわね、雅艶の奴。こんな時間帯から私達を呼び出しておいて・・・これでしょうもないことだったらただじゃ置かないわよ」 「短気は損気だぜ、春咲。あの馬鹿鴉じゃ無いんだし、雅艶に限ってそんなことは無ぇよ」 ここは第6学区のあるコンテナターミナル。ここは過激派救済委員の溜まり場となっていた。 今ここにいるのは・・・春咲躯園、金属操作、羽香奈琉魅、峠上下、七刀列衣、刈野紅憐、麻鬼天牙の7名。 彼等彼女等は、雅艶からここに集合するように連絡を受けていた。 「あっ!雅艶兄ちゃんが来たよー!!」 「はぁ、やっと来た的な感じ?」 羽香奈の声を受けて峠が軽い溜息を吐く。7名の視線の先には・・・白杖を突きながら歩く男―雅艶聡迩―がいた。 ピロロロロロロ~ 「ん?何かしら・・・!!ちょっと席外すわよ」 「あ~、電話か。どうぞ~、内容はちゃんと聞いとくから」 雅艶が来る寸前に躯園の携帯が鳴ったため、躯園は席を外す。そして、数十秒後・・・ 「すまないな。こんな時間に呼び出してしまって」 「昨日の会合の呼び掛け人も雅艶さんでしたが・・・こう短期間に連続してというのは珍しいですね」 「これ程の人数を呼び出したんだ。何か重要な案件なのだろう?」 「確かに。あなたがこんな時間帯に私達を呼び出すなんて・・・それだけ大事な用件なの、雅艶君?」 七刀、麻鬼、刈野が順々に雅艶に質問していく。それらを聞き終えた後に、雅艶は口を開く。 「もちろん、大事な用件だ。俺達救済委員の中に『裏切り者』が居ることが判明した」 「「「「「「!!!!!!」」」」」」 その言葉に驚愕する一同。それらに構わず、雅艶は話を続ける。 「安心しろ。この中にはいない。『裏切り者』は・・・穏健派の新入り。安田改め・・・春咲桜!!彼女は・・・現役の風紀委員だ」 「ふ、風紀委員!?」 「春咲って・・・まさか!?」 「金属操作・・・お前が今思い浮かべている通りだ。つまり、春咲桜は春咲躯園の妹だ」 雅艶の言葉に様々な推測を思い浮かべる面々。風紀委員によるスパイ行為か?躯園はこのことを知っているのか等々、果てしない思考の渦に飲み込まれる。 「春咲・・・いや、躯園はこのことを知っている的な感じなのかしら?」 「それは、本人に聞いてみないことには。最悪、春咲桜と春咲躯園、両者が組んでいる可能性も否定できない」 「その躯園は何処に行った?確かさっきまでそこに・・・」 「た、確か雅艶が来るほんのちょっと前に携帯電話が鳴って・・・席を外している」 「雅艶兄ちゃん・・・まさか・・・」 一同はある予想を思い浮かべていた。雅艶が来る前に席を外すというタイミングの良さ。これは、すなわち・・・ 「ふむ。だが、それについては大丈夫だ。もうすぐ躯園はここに来る。あそこから」 「えっ?・・・あっ、春咲姉ちゃん!!」 雅艶が指差した方向から、躯園が歩いてくる。その顔に宿っていたのは・・・狂気。 「・・・春咲。どうした、そんな恐い顔をして。何かあったのか?」 「ええ・・・。それより、雅艶。あなたの用件というのは何かしら?」 雅艶の質問を軽く受け流した躯園は、雅艶に用件を伝達を促す。 「ああ。もしかすると、お前にとってはショッキングなことかもしれないが・・・。実は穏健派の連中の中に『裏切り者』が1人紛れ込んでいた。そいつは・・・」 「春咲桜・・・出来損ないの私の妹のことかしら?」 「!!お前・・・何時から知っていた?」 「さっき知ったばかりよ。言っていなかったけど、私にはもう1人妹がいるの。その子は、桜なんかよりずっと才能溢れる子でね。その子が調べてくれたみたいなの」 「ほう・・・。ならば、身内であるお前に尋ねよう。お前の妹・・・『裏切り者』の春咲桜を・・・お前はどうする?」 雅艶は問う。わかりきった問いを。春咲躯園という少女を知っている者ならば誰もが容易に想像できる答えを、しかし、黙って待つ。 数秒後・・・躯園は言葉を放つ。それは、春咲桜にとって死の宣告も同様の宣言。 「決まっているわ。身内の恥は身内が雪がないと。私自らの手で『裏切り者』に・・・桜に地獄のような制裁を与えてあげるわ!!!」 continue!!
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難民キャンプの様子とネコリスファミリー E116宰相府からACE部隊出撃 No.19342 6/9:絶滅部隊リーダー瀬戸口、広島に向かう No.19330 6/12:トラナ・ファンタジア・秋津 No.19443 6/12:霧賀小助は出撃準備中 No.19332 6/15:ののみ行方不明 No.19443 6/15:霧賀小助はシープホーンと戦闘中、ロボが助けに入る。 No.19379 6/16:芝村英吏は生死判定中、結果はEV113次第。 No.19380 6/16:カールはテスト機を検分中 No.19383 6/16: アプロー・鍋山と夫の人は生死判定中、I=Dに追い掛け回されている。 No.19387 6/16:八重咲桜子 No.19390 6/16:白馬はアプローを照準に入れた。 No.19396 6/16:日向玄ノ丈・月子 No.19401 6/16:PLACE No.19933 6/16:PLACE No.19424 6/17:大阪の処刑準備 No.19443 6/17:霧賀家は平穏 No.19426 6/17:ののみを捜索成功 No.19586 6/17:ののみ太った男と移動中、身柄は確保はまだ。 No.19434 6/17:亜細亜がFEGで死に掛ける。 No.19463 6/17:久珂家の人々病院にお見舞いに行く。 No.19509 6/17:亜細亜のために戦って秋津入院、トラナは見舞い。ファンタジアは行方不明。 No.19540 6/19:絶滅部隊の瀬戸口行方不明 No.19586 6/20:中村に助けられ瀬戸口無事帰還。一緒にののみも戻る。 No.19797 6/26:PLACE No.19805 6/27:久珂晋太郎 No.19801 6/27:石塚弘史 No.19800 6/27:神楽坂風住
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【登録タグ G ROY 曲 神威がくぽ 神楽美咲 藤代叶】 作詞:神楽美咲 作曲:ROY 編曲:ROY 唄:V3がくっぽいど 曲紹介 がくっぽいど誕生祭2016で発表された作品。 自身の歌唱をぼかりすを使って変換しV3がくっぽいどPOWERに歌わせてみました。 歌詞を神楽美咲氏、イラスト・動画を藤代叶氏が担当。 歌詞 (動画より書き起こし) 忘れられた人形のような眼差し 堕ちた天使は虚ろに空を仰ぐ 澱んだ夜の闇に 消えた答えを探しながら… 愛を忘れた罪の赦しを求めて 神に祈るこの声は届いているの? 大地を照らす光 すべての想いを抱きしめて あふれる温もりは いつか過去の痛みを癒す Gleam in the sky 永久の祈り捧げ 二人眠りに落ちてゆく 信じ続けた輝きは その想いを紡いでゆく 空に煌めく光 すべての祈りを抱きしめて あふれる喜びは いつか明日の希望に変わる Gleam in the sky 新しい世界を 創る夢を空に描き 解き放たれた輝きは その願いを繋いでゆく コメント これ好き!!!! -- 名無しさん (2016-09-05 19 50 52) 名前 コメント
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峠は走っていた。空に光源がある以上『暗室移動』はほとんど使えない。 しかも、腕を負傷しているせいで空間移動に必要な計算が乱れがちである(銃弾自体はたまたま見付けたコンテナの影に入った際に『暗室移動』を用いて取り除いている)。 走ること10分・・・。峠は遂に見付けた。己が腕を撃ち抜いた仲間を。 「菊・・・!!!」 「峠・・・」 『演算銃器』を構えながらも、苦しい顔を峠に向ける花多狩。花多狩にとっても、今回の狙撃は非常に苦しんだ末の決断であった。 『峠上下。この女の子の空間移動能力を何としても封じないと』 そう言葉を漏らした界刺が、花多狩に提案した作戦。それは、“仲間で親しい関係である花多狩の手によって、峠に傷を負わせる”というものであった。 空に浮かべた光源だけでは、『暗室移動』を封じるには不十分。故に、付き合いの深い花多狩が峠を狙撃することで峠の激昂を誘い、彼女を孤立化させる。 これが、界刺から花多狩に割り振られた非情極まる作戦。だが、界刺の提案を花多狩は承諾した。ある条件を付けて。 「菊ゥゥゥッッ!!!」 「(“峠は私の手で”。他の誰にも邪魔はさせない!!)」 互いの仲間と認め合う者達が激突する。互いの胸に哀しみの涙を流しながら。 花多狩菊VS峠上下 Ready? 羽香奈は1人逃走していた。彼女の前に降り掛かる現実から。己が命を脅かす全ての物事から。 各所で轟音が鳴り響き始めた中、それ故にコンテナの角から出て来た男に羽香奈は気付かなかった。 ドン!! 「キャッ!!」 「グアッ!!」 羽香奈は誰かとぶつかった衝撃で尻餅を付く。それは、相手も同様だったようで。 「の、農条さん?」 「羽香奈ちゃん!?」 羽香奈がぶつかったのは、農条。彼もまたこの戦場を駆け回っていたのである。 『ここは穏健派にも知られている。もし、今回の制裁に対する報復を彼等が考えているとしたら・・・』 「あ・・・あ・・・あああぁぁぁ!!!」 「羽香奈ちゃん!?お、落ち着いて・・・うっ!?」 農条の声を羽香奈は無視する。穏健派でありながら雅艶達過激派に付いた自分を、春咲桜への制裁を止めなかった自分を、目の前の穏健派に属する男は許さない。 刈野の言葉を思い出し、そう判断してしまった羽香奈は、自身の能力『絶対挑発』により農条をしゃがみ込ませる。 「あ・・・あたしは!!ぜ、絶対に・・・生き残るんだあああぁぁっっ!!!!」 「羽香奈ちゃん・・・!!!」 生き残る。それが、それだけが今の羽香奈が命懸けで目指す目的となっていた。 農条態造VS羽香奈琉魅 Ready? 金属操作は歩いていた。今の彼は多少の冷静さを取り戻していた。『敵』が自分を挑発して、他のメンバーから引き離させたことも理解している。 理解していて尚、彼は歩みを止めない。己が抱える苛立ちも同様に。何故なら、この歩みの先にある男が待っている筈だったからだ。 「遅いぞ、金属操作よ!!待ちくたびれたぞ!!!」 「鴉・・・。ゲコ太と仲場も・・・」 コンテナの上に立っている男―啄鴉―から声を掛けられた。啄は常のように漆黒のコートを羽織り、手に黒剣を携えている。 何時もと違っていると言えば、サングラスを掛けていることくらいか。 啄が立っているコンテナの下には、2人の男―ゲコ太マスクと仲場志道―が臨戦態勢で待ち構えていた。 2人が身に付けているスーツには、何やら電飾のようなものが散りばめられている。 「こりゃあ一体何のマネだ、馬鹿鴉、ゲコ太、仲場?お前等・・・ここに遊びにでも来たつもりかよ?そんなんで、俺に勝てるとでも思ってんのかよ!?」 「何を言う!!俺達はここに遊びに来たわけでは無い。お前達を叩き潰すために来たのだ!!」 「その通り!!春咲殿をあれ程痛め付けるとは・・・許し難し!!!」 「金属操作よぉ・・・。幾ら何でもあれはやり過ぎなんじゃねぇか?お前は何とも思わなかったのかよ?」 「・・・・・・」 金属操作の問いに答える啄達。啄達は金属操作という男をそこまで詳しく知っているわけではない。何せ、自分の本当の名前すら誰にも教えないくらいだ。 だが、それでも。啄達が知る金属操作という男は、過酷な制裁を与えられた春咲桜に対して見て見ぬフリができるような男では無い。そんな薄情者では無い。そう考えていた。 「見損なったぞ、金属操作!!お前は・・・お前は自分が下した決断を誇れるのか!?誰かに!!自分自身に!!・・・答えろ、金属操作!!!」 啄の問いが鋭さを増す。啄達の問いはある意味正論だ。だから・・・腹が立つ。無性に。 「・・・せぇよ」 唸り声。そうとしか形容できない低い低い声が金属操作から零れる。 「・・・うるせぇよ」 金属操作の視線が右へ向く。そこにあったコンテナを鋳造し、巨大な槍とする。金属を操作しているため、金属操作本人に重量の負荷は無い。 「うるせえつってんだよおおおぉぉっっ!!!!」 「ぬおっ!?」 「くっ!?」 「うわっ!?」 金属の槍が啄達へ放たれる。それを危うく交わす3人。啄が立っていたコンテナは、槍の直撃を受け物の見事に全壊の様相を呈していた。 「お前等に答える義務は無ぇよ。今・・・俺はムシャクシャしている。イラついている!!だから・・・そのウサ晴らしの相手になれ。 お前等のような“ごっこ連中”とは格が違うってことを教えてやる!!」 槍が変形する。形は、液状のドリル。高温を発しながら回転するソレは、狙いを啄達に定めていた。 「いいだろう!!お前の申し出、受けて立とう!!俺の新必殺技『閃劇』を味わう最初の人間がお前だ!!光栄に思うがいい!!ゲコ太!志道!気を抜くなよ!!」 「御意!!」 「ああ!!」 啄の声にゲコ太と仲場が応えた瞬間に、『閃劇』が出現する。それは、まるでゲコ太や仲場が身に纏っているものと同じ形容。 それは、界刺と以前からあーだこーだ言いながら開発した“秘策”。その完成形である。 「では、互いに死力を尽くして望むとしよう・・・いざ!!!」 「・・・だから、その“ごっこ”気取りをやめろっつってんだよおぉぉっっ!!!」 戦う理由が如何に小さくても、如何に変わっていても、如何に不条理でも、その者にとっては重要足り得ることがある。これは、それを証明するための“私闘”。 啄鴉 ゲコ太マスク 仲場志道VS金属操作 Ready? 「くっ!!刈野さん!!」 それは、突然上空から降ってきた滝。刈野と共にターミナルからの脱出を図っていた七刀に突如滝のような大量の水が降って来たのだ。 「ゴボゴボゴボ・・・・・・・・・ぶはっ!!」 水流に飲み込まれ、流されていく七刀。そして、彼が流れ着いた場所は、向かっていた出入り口とは間逆のターミナル中心。 「ハァ、ハァ。この水は・・・雅艶さんの予測通りなら・・・」 自分をここへ流した張本人。雅艶の言う所の『シンボル』の一員。ここへ“激流”を引っさげて登場した能力者に自分は狙われている。 そう判断する七刀は、水流に翻弄されながらも手放さなかった竹刀袋から愛用の日本刀を取り出す。 「(さて、この水を支配するのは一体どういう人物なのか・・・これはこれで少し楽し・・・)」 「あなたが・・・七刀列衣?」 「!!」 この状況にさえ余裕を見せる七刀の後方から少女の声が掛かる。その声に僅か驚き、しかし、尚も余裕を崩さずに、声が聞こえた方に体を向けようとする。 「これは、これは。自分の名前を知ってらっしゃる方でしたか。光栄の至りです。そのお声を聞く限り、この水を操るのは女性の方でしたか。意外でし・・・」 シュッ!!! 「!!!」 七刀の頬を掠めたのは、水。ウォーターカッターの如く圧縮・放出されたそれは、七刀の頬を切り裂いた。 「・・・あなたが、春咲さんの記憶を消した・・・そうですね?体に刻む形で」 「・・・ええ。それが?」 少女の後方には、大量の水が暴れまわっていた。まるで、少女の怒りを表しているかのように。その様に僅かにたじろぐ七刀。 今の一撃に対して、七刀は反射的に回避行動を取っていた。自身剣術を習っている七刀は、間合いや見切りに秀でている。 その七刀が不意打ちとは言え回避行動を取って掠り傷止まり。回避では無く。その事実を少し遅れて認識した七刀の背中に冷や汗が流れ落ちる。 「ゲスが・・・!!その命でもって・・・贖え!!!」 少女から宣告されるは、罪の裁き。下すは・・・“激涙の女王”水楯涙簾。 水楯涙簾VS七刀列衣 Ready? 「(七刀君は無事かしら・・・っとと!!)」 突如降って来た滝のような水流のせいで七刀とはぐれてしまった刈野は、ある者と戦闘中であった。 「はっ!!!」 先程から不規則に刈野を襲ってくるのは小型のコンテナや鉄パイプ、木材といった念動力系の能力で操作された物体であった。 刈野は断続的に襲ってくるそれ等を自身の能力『発火能力』で撃ち落す。小型コンテナ程になれば、本来であれば一撃で撃ち落すのは難しいのだが、 その小型コンテナ自体が、あちこちが凹んだり軋んだりしている等ボロボロの状態であったため、一撃で撃ち落すことができていた。 「いい加減姿を現したらどうなの!?こんな闇討ちみたいな真似、卑怯だとは思わないの!?」 刈野はあえて挑発を交えながら、姿を現さない『敵』に向かって声を放つ。この挑発に伸るか反るか。それによって、『敵』の性質も見えてくる。 「・・・・・・卑怯?」 「!!」 それは、右前方のコンテナの角から聞こえた少女の声。そして、その少女が姿を現す。 刈野はその姿を見て驚愕する。常盤台制服を来たサイドテールの少女の腕にある腕章―風紀委員を示す―を目に映したからだ。 「風紀委員・・・!?そうか、あなたが雅艶君が言っていた・・・『シンボル』の協力者」 「・・・・・・卑怯?」 刈野が放った声に少女―一厘鈴音―は反応しない。俯き加減の顔が上がる。その目には憤怒の色が燃え滾っていた。 「よく卑怯なんて言えたもんですね!春咲先輩をあんな目に・・・しかも大人数で暴力を振るっておきながら・・・!!!」 「先輩?でも、春咲桜は風輪学園の生徒だった筈。あなたと一体どういう関係が・・・?」 刈野は疑問に思う。目の前の風紀委員は制服を見る限り常盤台の生徒だ。一方、春咲桜は風輪学園の生徒である。両者を繋ぐ線は何か。 そして、刈野は気付く。その切欠はまたしても風紀委員の腕章。 「まさか・・・あなた。春咲桜と同じ支部・・・?」 「そのまさかです!!私は風紀委員第159支部に所属する風紀委員です!!そして・・・春咲先輩の後輩です!!!」 「・・・成程。確かに春咲桜の後輩ならば、先輩があんな無残な目にあえば怒りの一口や二口、吐きたくなるのも当然ね」 一厘の言葉に納得する刈野。故に、毅然とした態度で言葉を返す。 「でもね、彼女は風紀委員として失格よ。現役の風紀委員でありながら、私達救済委員に入り込んでいた『裏切り者』。常盤台生なら自浄作用という言葉を知っているわね? 私達は何も特別なことはしていないの。これは、救済委員という組織内の自浄作用。制裁という名の・・・ね」 「風紀委員として失格・・・?」 「そうよ。公の機関に所属して置きながら、アウトローである救済委員に所属する。しかも、その理由が『自分の力を証明したい』?あの娘、救済委員を何だと思っているのかしら? 救済委員はあんな愚かな娘の訓練場じゃ無いのよ?あなた達風紀委員が裁けない者達へ容赦ない鉄槌を下す。それが、私達」 刈野の言葉にうまく反論できない一厘。そもそも、元々の原因は春咲にある。その部分を突かれたら反論し難いのは当然である。 「それに、あの娘が私達救済委員の情報を風紀委員に漏らさないという保証があるのかしら?そんなリスクを考えれば、あの娘を排除するのは当然のこと。 あんな娘じゃあ、それこそ風紀委員の時でもてんで役に立たなかったんじゃ無いかしら?そこの所はどうなの、後輩さん?」 「えっ・・・!?」 「自分の力を証明したければ、風紀委員(ホーム)で思う存分発揮すればよかったのよ。そうすれば、あんな制裁を喰らう必要は無かった。 でも、あの体たらくだと・・・風紀委員でも居場所が無かったのかもしれないわね。可愛そうな娘。同情はしないけど」 「くっ・・・!!」 「そんな彼女の報復に、あなたは仲間として一緒に来たの?だとしたら、あなたも風紀委員失格ね。そもそも後輩失格なんじゃない?先輩の心労を何一つ理解できなかったんだし。 そして、今度は先輩の暴挙に手を貸す。ふふっ、先輩が先輩なら後輩も後輩か。大体・・・」 「・・・通りですよ」 「えっ?何かしら?」 饒舌に喋り続ける刈野に対し、今まで反論を封じられていた一厘が声を挙げる。その目に強い意志を秘めて。 「あなたの言う通りですよ!私は春咲先輩が苦しんでいる姿も、その理由も何一つ知らなかった! 先輩に抱いていた自分の感情も碌に把握できていなかった!!あまつさえ、先輩のために頑張っていた人へ嫉妬さえしてしまった。 あなたに言われなくても、今の私は風紀委員失格よ!!私は・・・救いようが無い大馬鹿者なのよ!!!」 「あら。自覚あるのね、あなた。だったら何故・・・」 「でも、こんな私をあの人は信じてくれた!頼ってくれた!ここに居ていいよって!春咲先輩を助けてもいいって!! 風紀委員にふさわしいかどうかは全部終わってから決めていいって!!あの人に・・・私は救われた!!!春咲先輩も!!!」 界刺がいなければ、今の自分や春咲はいない。それがわかっているから、そう信じているからこその叫び。 「自分が『正しい』のか『間違っている』のか、今の私じゃわからない。だから、この戦いで見極める。答えを出す!誰のためでも無い、自分のために!! でないと・・・私は私を救ってくれたあの人に応えられない!!!」 一厘の意志に呼応するかのように、彼女の周囲にある物体が幾十も浮かび上がる。刈野もこれ以上の会話は無駄だと判断し、切り上げの言葉を放つ。 「風紀委員としてでは無く、自分自身として・・・ね。嫌いじゃないけど、風紀委員が言っていい言葉じゃ無いわ。やっぱり、あなたは風紀委員失格ね。 いいわ。あなたはこの『風紀狩り』の手によって罰を与えてあげる。それにしても・・・あの『シンボル』の変人にそこまでの価値があるのかしら?」 挑発交じりの宣言に、一厘は凛とした態度で言い放つ。 「えぇ。私の知る限り、最高の男性(へんじん)ですよ!!変な渾名を付ける、人をおちょくる、情けも容赦も一切無い、そんな人だからこそ!!私はあの人を心の底から信じられる!! ふふっ、あなたってもしかして・・・男を見る目が無いんじゃないですか?よくそんなんで、風紀委員にふさわしいかふさわしくないかって見極められますね?」 刈野の目の色が変わる。それは、一厘の挑発が気に入らなかった証。激突の時まで・・・3・・・2・・・1・・・0。 一厘鈴音VS刈野紅憐 Ready? 「くっ!!こんな時に・・・」 「どうした、雅艶!?穏健派の連中か?それとも『シンボル』の奴等か?」 雅艶の呻き声に反応する麻鬼。彼等は『多角透視』により安全を確保しながらターミナルの出入り口へ急いでいた。 「・・・いや、そのどちらでも無い。新手が来た。しかも・・・『裏切り者』がな」 「『裏切り者』?・・・荒我拳と斬山千寿か・・・」 春咲桜も『裏切り者』ではあるが、新手では無い。それに、彼女程度ならあの雅艶が焦るわけも無い。 穏健派の連中と示し合わせていたのか、それとも単独行動か。今の雅艶と麻鬼には判別が付かない。 「・・・雅艶。そこには・・・荒我拳の近くには例の176支部に所属すると吠えた女も居るのか?」 「あぁ。居る。あの感じだと、おそらく単独行動だろう」 『多角透視』で捉えたのは荒我、斬山、そして・・・焔火。焔火は荒我の傍におり、斬山は荒我達とは離れた距離にその身を置いていた。 その3人が、自分達が目指す出入り口の近くに居る。おそらく、過激派に報復するために。 「・・・雅艶。すまないが、ここでお前とはお別れだ」 「麻鬼!?」 雅艶は麻鬼の別行動宣言に驚くが、麻鬼は淡々と言葉を述べる。 「俺は、その176支部の風紀委員に用がある。こればかりは、お前の命令はきけない。フッ、これも巡り合わせか・・・」 「麻鬼。お前・・・」 「心配そうな顔をするな、雅艶。ついでに『裏切り者』への制裁もやっといてやるよ。だから、雅艶。お前は必ずここから脱出しろ!」 麻鬼の指摘を受けて、雅艶は初めて自分が麻鬼の言う所の“心配そうな顔”をしていることに気付く。そんな間抜けを見せた仲間に麻鬼は、素知らぬ態度で餞別の言葉を贈る。 「お前さえ健在ならば、過激派は滅びない。この俺が言うんだ。お前は自信をもって今後も指揮を執れ!!俺も用事を済ませたら、すぐにお前の所へ向かおう!!だから、さっさと行け!!」 そこには、普段は顔色1つ変えない麻鬼の笑った顔があった。その笑顔に、雅艶は勇気を貰う。だから、返す言葉は決まっている。 「わかった!!後で必ず会おう、麻鬼!!」 雅艶と別れた麻鬼は、悠然と歩を進める。雅艶から『敵』の居場所は伝えられている。 そして、そこに『敵』は居た。 「(おい、本当にその春咲桜って女は、こいつ等に捕まったまんまじゃ無ぇんだよな!?)」 「(空間移動系能力者は同系統の能力者を転移することはできないらしいわ!だから、多分・・・)」 「(多分って何だ!?ハッキリしろよ!!)」 「(わ、私だってゆかりっちに聞いただけだしー!!)」 「何をコソコソ言っているかは知らんが、春咲桜ならば、ここに居るぞ?俺達へ報復するためにな」 「なっ!?」 「ほ、報復!?」 「・・・その反応だと、お前達が穏健派の連中や『シンボル』と示し合わせてここに居るわけでは無さそうだな」 「穏健派が過激派に報復・・・マジかよ」 「『シンボル』って・・・あの変人が居るって噂の!?」 麻鬼の言葉に各々違った反応をする荒我と焔火。荒我達は、状況整理後、まっすぐこのコンテナターミナルへ足を運んだ。 但し、下手に近付きすぎると雅艶の監視網に引っ掛かるので、どういう手段で攻め入るか考えあぐねていた。 ただ時間だけが経過するそのじれったい状況に変化が生まれたのは、この近辺では有り得ない“激流”と光源の点火であった。 鳴り響く轟音、銃声、叫び声。斬山は穏健派が過激派へ報復しに来たと予測していたが、荒我には信じ難かった。 制裁中の春咲桜を助けに来なかった連中が、今頃ノコノコと現れるわけが無い。それに、荒我が知る限り、あれ程の“激流”を生み出す能力者は穏健派には存在しなかった。 「まさか・・・あの“激流”は『シンボル』の・・・?」 「勘が鋭いな、女。お前の想像通りだ。『シンボル』のメンバーの1人があの“激流”を操っていたようだ。実力的にはレベル4でも最高クラスの能力者だろう。 全く、あの連中が穏健派に加勢しただけで俺達過激派がこうも押されるとはな」 「あ、あんな規模を自在に操る能力者が『シンボル』には居る・・・?しかも、過激派を上回る攻勢を仕掛けている?・・・信じられない」 「(『シンボル』って確か・・・ウチの上級生にそこに所属している奴がいたな。そいつ等がここに来てんのか?)」 焔火は驚きの声を隠せない。焔火も『シンボル』の名前くらいは知っていた。無駄にキラキラ光る変人が居るグループが、自分達風紀委員の真似事をしているというレベルの知識だが。 だが、そこには自分以上の実力者が居る。あの“激流”を見た焔火は確信を持つ。しかも、麻鬼の言を信じるならば、『シンボル』の1人が加勢しただけで戦況が劇的に変わる程だと言う。 「まぁ、そんなことはどうでもいい。今の俺の興味はお前なのだからな」 「わ、私!?あ、あなたなんかに興味を持たれるようなことなんて・・・」 「正確には、お前が176支部に所属していることについて・・・だがな」 「176支部?そ、そう言えば倉庫での戦闘でも176支部が何とかって・・・」 「おい、俺を無視してんじゃねぇぞ!!!」 荒我の怒声を無視して焔火に興味深げな視線を送る麻鬼。笑みさえ浮かべている麻鬼の視線を気味悪く感じたのか、焔火は荒我の背後に身を隠すように寄せた。 「(な、何よあいつ!変質者か何か!?)」 「(し、知るかよ、そんなこと!!)」 焔火の問いに荒我はヤケクソでもって返答する。荒我自身、麻鬼と会話したことなど片手で数える程度しか無いのだ。 「そう、怯えるな。お前・・・それでも神谷の後輩か?」 「!?な、何で神谷先輩のことを・・・?」 焔火は、麻鬼から176支部の先輩風紀委員である神谷稜の名前が出たことに驚く。何故、この男から先輩の名前が出るのか。焔火には理解できない。 「何でもなにも、俺は神谷とは同僚だった。“同じ風紀委員支部”の」 「ど、同僚?“同じ風紀委員支部”?ま、まさか・・・」 「緋花!?」 焔火は今度こそ言葉を失った。その反応を見て麻鬼は更に笑みを深める。 「そう、そのまさかだ。俺は風紀委員第176支部に所属した元風紀委員だ。つまり、お前の元先輩に当る。ククッ、まさかこんな所で神谷の後輩に出会えるとはな」 笑いを零す麻鬼の右手に“小型ナイフ”が、左手にはいくつもの小針が発生する。それを見て臨戦態勢に入る荒我。焔火は、まだ言葉を失くしたまま呆然としている。 「わ、私の元先輩・・・!?」 「緋花!!ボーっとしてんじゃ無ぇ!!来るぞ!!」 「さて、神谷の後輩の実力・・・とくと拝ませてもらおうか!!」 麻鬼が疾走する。因縁の対決が唐突に始まる。 荒我拳 焔火緋花VS麻鬼天牙 Ready? 「・・・そろそろ出て来たらどうだ、斬山?」 「・・・やっぱりバレてたか」 ここは、雅艶達が目指していたターミナル出入り口のすぐ手前。そこの一角から、フードを頭に被る男―斬山千寿―が姿を現した。 雅艶は、どこか覚悟を決めたような整然とした表情を浮かべている。その表情に斬山は目を丸くする。 「いい顔になって来たじゃねぇか、雅艶。最近は指揮官なんつー裏方仕事ばっかりで、こうやって表立って戦り合うことも無かったんじゃねぇか?」 「そうだな。言われてみりゃあ、こういうのは確かに久し振りだ。中々緊張するよ」 「おいおい。口調も砕けて来てんじゃねぇか。何時ものようなはっきりとした物言いはどうした?」 「あれは、指揮官の役割を負ってからの口調でな。その方が指示を出しやすいと思っただけだ」 斬山の指摘を受けて、雅艶はふと耽る。何時から自分はこうやって指揮官みたいな役割を負うようになったのだろう。 確か、最初は集団で行動する利益や重要性を説いていただけだった。それが、何時の間にか指揮官的役割を負うようになった。口調も役割に釣られて堅苦しくなった。 こういう前面に出る本格的な戦闘も随分久し振りだった。最近はスキルアウトを潰すのにも自分が表に出ず、風紀委員達に情報を送る等して叩き潰していた。 故に、こうやって実際に戦場の上に立つと・・・緊張した。それは、本当に懐かしい感覚だった。 「斬山。1つ確認したい」 「おう!いいぞ」 「お前達は穏健派や『シンボル』とどこまで関わり合いを持っている!?」 「『シンボル』?・・・成程な。あの“激流”染みた水量を誰が操っているのかと思えば、『シンボル』の連中か。重徳の一件と言い、今回と言い、連中も結構派手にやってんな」 「重徳?何だ、そりゃあ?」 「あぁ。お前は知らないんだな。まぁ、それも無理無ぇか。スキルアウトのほんの一部でしか知られてねぇことだしな」 「おい。さっきから何を・・・」 「悪ぃ、悪ぃ。質問の件だけどよ、俺等は単独行動だ。穏健派とも『シンボル』とも関係無ぇ。俺等は落とし前をつけに来ただけだ」 「落とし前?『裏切り者』のお前が?」 「だ・か・ら・裏切ってなんかいねぇっつってんだろ!人を勝手に『裏切り者』扱いするな!迷惑千万だ!!」 「そりゃあ、こっちの台詞だ!!倉庫でも、今もお前等は俺の、俺達の邪魔をしやがる。一体何が目的だ!?」 「だから、さっき言っただろ!落とし前をつけに来たってな。聞いてなかったのかよ つまりよぉ、俺はお前等をとっちめに来たんだよ。忘れたとは言わせねぇぞ?テメェ等・・・俺の友達(ダチ)に手ぇ出しただろうが・・・!!」 「友達?・・・まさか、荒我のことか?」 「まさかじゃ無ぇよ。それ以外の理由があるかってんだ!テメェ等は俺の友達に手ぇ出した。だから、その落とし前をつけに来た。簡単だろ?」 「お前・・・」 「まぁ、強いて他に挙げるなら・・・雅艶。お前に説教の1つ2つを聞かせてやろうと・・・」 「ふざけるな!!」 斬山の言葉を雅艶の大声が遮る。見れば、雅艶が握っている白杖が震えていた。 「そんな・・・そんなことで、俺達の秩序を乱されてたまるか!!俺達の邪魔をさせてたまるか!!・・・もう、探り合いは面倒だ。 斬山。お前は俺達を潰しに来たんだろ?だったら、さっさとしてみろ。言っとくが、俺はそう易々とやられはしないぞ?」 雅艶はここに来てある決断を下す。全部で5つある『多角透視』の内、躯園・林檎組と七刀・刈野組に付けていた『多角透視』を自身に戻す。 斬山の『軌道修正』による遠距離射撃に応対するために。残りの2つは今はまだ“動かせない”。 (ちなみに、この決断の後に七刀・刈野組を水楯が攻撃したために、雅艶からの注意喚起が七刀・刈野には無かったのである) 「・・・そうだな。ここは戦場。これ以上の言葉のやり取りは不要ってか。まぁ、それもいいだろう」 斬山が懐から拳銃を2丁取り出す。雅艶は、何時でも近くにあるコンテナへ飛び込めるように脚に力を込める。 「それじゃあ・・・始めようぜ、雅艶!!殺し合いってヤツをよおぉぉっ!!!」 引き鉄が引かれる。銃声が鳴り響く。衝突音が幾重にも重なるそれは、殺し合いの開始(スタート)。 斬山千寿VS雅艶聡迩 Ready? 「ハァ、ハァ・・・」 「林檎。大丈夫?どっか近くで休もうか?」 「ううん。大丈夫だよ、躯園姉ちゃん。大丈夫だから・・・急ご!」 「林檎・・・。えぇ!」 躯園に気丈に答える林檎。体格が小さい林檎にとって、戦場という状況下と長距離の移動による精神的・肉体的疲労は相当なものになっていた。 躯園も林檎程では無いにしろ、疲弊の色を濃くしていた。だが、妹が気丈に振舞っている以上、姉である自分が無様な格好は見せられない。 「あ、あれ!出入り口だよ、躯園姉ちゃん!!」 「そうね!!もうすぐだから頑張って、林檎!」 「うん!!」 春咲『姉妹』の視線の先に、ターミナルの出入り口が見えて来た。もうすぐ戦場(ここ)から脱出できる。そう、喜ぶ『姉妹』の前に・・・“2人”が姿を現した。 「よ!感動的な『姉妹』愛!!見せ付けてくれるねぇ!」 「!!」 「だ、誰?あの2人は・・・?躯園姉ちゃん・・・?」 出入り口の近くにあるコンテナの角から現れ、『姉妹』の前に立ち塞がった“2人”の顔は・・・ガスマスクで隠されていた。 「全く。その優しさの欠片でもいいから、お嬢さんにくれてやっていたら大分違っていたのかねぇ」 「・・・そんなことは有り得ませんよ。今、目の前にあるこの光景が・・・現実です」 「「!!」」 「そりゃ、そうだ」 ガスマスクを被る“2人”の声を聞き、驚愕する躯園と林檎。特にその1つは、春咲『姉妹』にとって聞き慣れた声であった。 「そんじゃあ、とっとと目の前にある現実に盛大なツッコミを入れてやるか、お嬢さん?」 「えぇ。そうしましょう」 驚愕する躯園と林檎を無視し、互いの話を進める“2人”そして、被っていたガスマスクを外し、その容貌が露になる。 「さ・・・桜・・・!!?」 「お前・・・!!!」 そう・・・春咲『姉妹』の前に立ち塞がった“2人”とは。躯園の妹で林檎の姉である春咲桜。そして、『シンボル』のリーダーである界刺得世。 春咲の目には悲愴な決意が、界刺の目には僅かな怒りの色が宿っていた。そして・・・ 「躯園お姉ちゃん・・・林檎ちゃん・・・!!!」 「春咲『三姉妹』の感動のご対面だああぁぁっっ!!!んふっ!!それじゃあ・・・潰すよ・・・!!?」 “2人”は春咲『姉妹』に向けて宣戦布告する。それは避け得ぬ、哀しくも譲れない戦い。 春咲桜 界刺得世VS春咲躯園 春咲林檎 Ready? “それ”は・・・来た。猛烈な速度でもって、瞬く間に戦場に突入する。 「!!来たか・・・!!」 雅艶の『多角透視』が捉えた姿。雅艶が確かな誤算と認めざるを得ない“存在”が・・・遂に姿を見せた。 「来るぞ、仮屋!!気を抜くな!!」 「うん、わかってる!!回転寿司食べ放題が懸かっているんだから!!」 “彼女”を待ち構えるために、光源が浮かび上がった頃から上空で待機していた不動と仮屋。 彼等は、本来であれば過激派とぶつけるための戦力として界刺が考えていた仲間である。 そんな彼等を、過激派にぶつける以外の目的で頼らなくてはならなくなった、それは界刺にとっての誤算。 「まぶしいですねー!まさか、あやしい親交を深めるためのお近づきに店長がくれたサングラスがこんなときに役に立つとは思いませんでしたー!!」 それは、誰にとっても誤算になり得る“存在”。この戦場における最大の“イレギュラー”。 「さぁ!!何をしてるかは知らねぇが・・・もし、あれが救済委員の奴等の仕業なら・・・このあたしが全部丸ごとブッ飛ばしてやるよ!!!!」 “花盛の宙姫”の襲来。空を統べる“それ”が―戦場を席巻する!! 不動真刺 仮屋冥滋VS閨秀美魁 抵部莢奈 Ready? continue!!
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かれはまうきせつ【登録タグ KeaP NexTone管理曲 ROY か 巡音ルカ 曲 神楽美咲】 作詞:神楽美咲 作曲:ROY 編曲:ROY 唄:巡音ルカ 曲紹介 秋の情景をイメージしたハードロックナンバー。 詞を神楽美咲氏、イラストを都氏、動画をKeaPが手掛けている。 歌詞 秋色の染まる 街並みを見つめて 過ぎ去りし日々に 想いを寄せる 二人の足音、聞こえたはずの道 今はただ一人、風と戯れて 空を見上げては貴方を思い出し 繰り返した過ちを数える 枯葉舞い散る季節に この身を委ねて 二度と還らぬ貴方へ 想いを募らせて 肩を霞めゆく この小さな落ち葉 また空に戻り 風を抱きしめて 空を見つめていた 貴方の横顔 最後の微笑とも知らず… 枯葉舞い散る季節に この身を委ねて 色褪せてゆく記憶を 秋風に重ねた 空は太陽が 雲に閉ざされゆく 私の記憶の貴方さえも… 枯葉舞い散る季節に この身を委ねて 二度と還らぬ貴方へ 想いを募らせて あぁ 冬が訪れて 季節は巡るけれど 貴方と過ごした時間は 忘れないから… コメント 90年代ロックを彷彿とさせる隠れた名曲。 -- 名無しさん (2011-10-31 14 40 54) 名前 コメント
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(なるたけ全レスを拾いつつ不明なとこは埋めてSSのあらすじをつくれるか挑戦、ゲーム終了まで) No. タイトル 登場人物 できごと 103 黒冬剣、立花美咲、轟とどめ、アマンダ、アリエス、詩崎弟、シグナル、セバス、小野寺さん、ジョーイ、フレイムファクト ◆前編 ジョーイの先導によってモール街跡地へと向かう一行、その道中に第三回放送が会場に響き渡る。 そこからもたらされた勇の死という情報に、生き残りがほぼ自分たちだけであることにどよめく一行 そして、それからの情報に各々がそれぞれの別の反応を見せた 同じように家族の名前を呼ばれた剣と美咲だったが 妹の死を素直に悼み悲しむ美咲に対し、自身が一度『死』を経験してることから達観した生死観を持っている剣は、義父の死に対してドライな反応しか返せなかった 平の死に彼の手で奪われた片目に疼きを覚えるアマンダ 勇の死に彼を裏切ったことに罪悪感を感じ始めるとどめ そして楽しかった時間を思い出して涙ぐむシグナル 詩崎弟に背負われていたアリエスは、もう治りましたからといって地面に降りる 小野寺さんはただ静かに陰のある笑みをセバスに見せた ◆後編 辿り着いたモール街の跡地には確かに地下への扉があった。 だがその穴は一度行けば登るのは困難なほどに広い。どうするか考える一行、 その背後に熱量を感じる。振り返るとそこにはフレイムファクトが立ち尽くしていた 「用があるのはそこのお前だ」フレイムファクトは黒冬剣を指差して言う 「先の山を凍らせた一撃。お前の力に似ている。お前もあれを使えるのか?」 金良という好敵手の死に完全に気分を萎えさせていたフレイムファクトからは、これまでの熱量は感じられない ただ強敵を求めるフレイムファクトは、山脈を凍りつかせた一真と同種の力――霊力を持つ剣に賭けたのだ 剣はこれに「義父の剣があれば似たことはできる」と返答 彼自身は霊力を少ししか使えないが、父の剣は常に莫大な霊力を外部から収集しストックする。 山を凍らせた一撃で今は残存霊力がないはずだが、二時間あれば絶対零度一回分の霊力は溜まる、と。 それを聞いたフレイムファクトは待ってろとその場を後にする 104 黒冬剣、立花美咲、轟とどめ、アマンダ、アリエス、詩崎弟、シグナル、セバス、小野寺さん、ジョーイ 各キャラが協力してこれまで死んでいった仲間たちの墓をつくる 美咲と剣がみんなから少し離れた場所へ 「本当なの?剣。お義父さんの剣があれば、あの炎の化け物に勝てるの?」 「……」美咲の問いかけに剣は真実を話す。実際のところわからない、と。 彼は人型の維持に高い霊力を割いているため霊力を扱ったことがほとんどない 一真の剣によりプラスされる霊力を一真のように冷気に変換できるかは不明なのだと そして、少なくとも一真の剣だけでは絶対零度の再現は不可能だと 「じゃあもしかしたら死ぬかもしれないじゃない!」「だが俺がやるしかない」 止めようとする美咲を止める剣。現メンバーではフレイムファクトと戦えることが分かっているのはセバスと剣、アリエスのみ。 セバスはサポート技しか見せておらず、アリエスは回復役。戦えるのは剣だけなのだ。 「でも……」うつむく美咲。そこに血相を変えたアマンダがやってくる 「大変だ!」「どうした?」「小野寺さんとシグナルがいなくなったんだ!」 決戦前の休憩話かと思ったら波乱の幕開けの話 105 小野寺さん、シグナル、愛川、ぱらどくす、D・ホワイト とたてててて。集団から離れて走るシグナルを追う小野寺さん 「ど、どうしたのシグナルちゃん」「……」シグナルの目は何かに操られたように濁っている 辿り着いたのはいつぞやセルゲイが潜伏していた倉庫。そこに入っていったシグナルを追い、 中に入った小野寺さんはそこに愛川、ぱらどくす、そしてホワイトの姿を目撃する 「え……?」その言葉を最後に、小野寺さんにホワイトが銃口を向け、 ぱららららという音でこの話はフェードアウト。小野寺さんは死亡確認の一文も書かれず、以後消息不明に 106 黒冬剣、立花美咲、轟とどめ、アマンダ、アリエス、詩崎弟、セバス、ジョーイ、フレイムファクト ◆前編 慌てて集団に戻り辺りを探す剣と美咲だが、シグナルと小野寺さんはいない 「これは一体……」アリエスの呟きにジョーイが、軍事基地で見つけた資料のことを話す 曰く、シグナルもまたD・ホワイトに作られた作品のうちの一体であると それを知らされた一行、このタイミングでのシグナルの消失、さらに小野寺さんが合わせて消えたことも考慮して、 シグナルを主催側の送り込んでいたジョーカーだったと認識せざるを得なくなる 元勇者パーティーのアマンダ、アリエス、詩崎弟、とどめは割り切れない様子ではあった ここでジョーイの提案により、軍用機地にあるホワイト製の武器を盗みに行くことに 強奪メンバーはジョーイ、アマンダ、とどめ、美咲、詩崎弟の五名。主に非戦闘員メンバーが仕事を行うことに 剣、セバス、アリエスはフレイムファクトとの戦いのあとすぐ主催の下へ乗り込むことに その役割分けが決まった直後、凍った山から一真の剣を取ってきたフレイムファクトが現れ、一真の剣を黒冬剣に投げ渡した ◆後編 義父の剣を前にして黒冬剣は思い返す。 昔この剣を手にしたときは、霊力のコントロールが上手くいかず自らの霊力を吸わせすぎてしまい、 義体が動かせなくなった上に暴走したこの剣で義父を傷つけてしまったことを もう義父はいない。暴走したときは自分がただ死ぬだけである。覚悟を決めて剣は剣を取る 吸われる霊力。だが、昔よりはコントロール可能だ。冷気に変換は難しいが……剣はフレイムファクトに向き直る 「なんだ、やっぱりできねぇじゃねぇか」フレイムファクトは落胆するように寂しげにつぶやき、「もういい、やるぞ」 感情により体温を変化させるフレイムファクト、最低温度とはいえ、その体温は200度。 常人には触れることすらかなわない温度であることには変わりはなかった。 「どうした? 死ぬのが、この俺が怖いのか?」責めあぐねる剣にフレイムファクトは挑発のような問いを投げる 「死には慣れてる、今更お前なんかを恐れるか……!」答えとともに放たれた剣の攻撃はフレイムファクトに直撃する、だが 「効かねぇんだよ、ガキが!!」瞬間的に激昂するフレイムファクト、攻撃した右腕が燃え落ちる 剣は瞬時に右腕をパージし、全身に炎が行き渡ることを防いだ 完全に剣の実力に落胆したフレイムファクトは、もうこの戦いを終わりにすべく動いた だが、剣は失った右腕の操作に使用してた霊力を一真の剣に込め反撃に打って出る 違いの攻撃が交錯する、フンとつまらなさげに鼻を鳴らすフレイムファクト 「筋は悪くねぇ、だがアイツに比べりゃまだまだだ。今はお預けにしておいてやる。死ぬまでにもっと鍛えとけ。次は俺を満足させろ」 そう言って剣に指を突き付け不満足そうな顔でフレイムファクトは消えていった 107 最終決戦 黒冬剣、立花美咲、轟とどめ、アマンダ、アリエス、詩崎弟、セバス、ジョーイ、愛川、ぱらどくす、D・ホワイト、ADAM-3 ◆その1 フレイムファクトの亡骸を後にし、 一行はジョーイ率いる強奪組と剣、セバス、アリエスの強襲組に分かれる。 いざ主催の下へ。地下回廊を降りる強襲組三人。途中でセバスが、 「こんなこともあろうかと用意しておいたのですが」とデイパックから日下の右腕を取り出し、 剣の右腕と換装する。 「あなたはやっぱり謎の人ですね……」アリエスが半ば呆れながらそう言い、扉を開ける 愛川、ぱらどくすの両ジョーカーが待っていた ◆その2 アマンダの目の痛みが肥大していく。「ううあっ」すると、ぼとり。包帯の下の目から一匹の小さな虫が落ち、 床をじたばたと這うではないか。ぞくりとするアマンダは慌ててその虫を拾う。すると虫はアマンダにぺこりとお辞儀をし、 アマンダの手のひらに溶けるようにして消えていく。「……平?」目の痛みが消える。 「どうかしたの、アマンダ」「いや、なんでも」「ついたぞ」ジョーイの声で強奪組一行は軍事施設へ 鍵を使って門を開けると、そこには見せしめで死んだはずのADAM-3! 「ホワイト氏ニヨリ、ワタシハ蘇リマシタ。侵入者ヲ排除シマス」 「ちょっとジョーイさん、こんなの聞いてないんだけど」「俺も聞いてないんだけど……」 ◆その3 愛川、ぱらどくすのダブルジョーカーを相手にする強襲組 剣もアリエスは善戦するが彼らの以外に息の合ったコンビネーションを前に気絶に追い込まれてしまう セバスは二人が気絶したことを確認すると、白手袋をはずして戦闘モードになる。 「さて、ようやくあんたの本気か?」愛川がセバスに言う「なんであんた、一人じゃないと本気ださねぇんだ?」 「あくまで、執事ですから」セバスチャンは答える「私は普段は影なのですよ」 そう言って再びお辞儀をしたセバスは、次の瞬間にはもうぱらどくすを壁まで吹き飛ばしている。 「……一筋縄じゃあ行かないねェ」愛川が含み笑いをする。 ◆その4 ADAM-3は銃弾も効かない鋼の身体とチェスもできる思考能力の高さをもって、 強奪組五人がかりでもまったくダメージを与えられない。 武器屋という職業上、ジョーイは無理な戦いはしない主義だ。ここからの撤退を考え始める。 しかしアマンダがそこで名乗りを上げる。「……アタシにやらせて」 言ってジョーイの持っていた空の銃を右手で掴むアマンダ。虫に喰われたかのように穴の開く銃。 「おまえさん……」「おそらくあのロボはこの力の対策もすぐ練ってくる。チャンスは一回」 アマンダは他四人に小声でこう言う「みんなの協力が必要だよ。みんなで倒すんだ。そして、帰るんだ」 ◆その5 セバスの驚異的な力によって圧倒される愛川とぱらどくす。 スレ民も「やっぱこれセバス一人でいけるだろ……」と半ばあきれ気味になるレベル しかし、吹き飛ばされた愛川・ぱらどくす両者が壁を破砕して隣の部屋へ飛ばされ、 それを追ってセバスが部屋に入ったところで空気が変わる その部屋に居たのは濁った眼をしたシグナル。愛川とぱらどくすはシグナルを核にして融合! 融合エネルギーによる白煙が晴れ、その場に立っていたのは成長したシグナル 「……」無表情のまま、セバスに向かってシグナルは手をかざす。身構えるセバス。 次の瞬間、セバスの胸部に丸い穴が開いて、セバスが崩れ落ちる。 ◆その6 ADAM-3に対し、残存する支給品のすべてを使って強奪組が勝負を挑む スタングレネードから、針金を使ってコンセントをショートさせることによる小爆発で注意を引きつけ、 詩崎弟がトマホークを振りおろし、ジョーイがバズーカでADAM-3を追い込む。 まるでチェスのキングを特定の位置に追い込むような連携、そしてその先にはアマンダ! 「チェックメイトだ!」平から受け継いだ呪いの右手が、ADAM-3の動力部を貫く! 崩れ落ちるADAM-3。セキリュティの警戒レベルがゼロになり、全ての部屋が開く。 「早く帰らなきゃ……ところでジョーイさん、ここから何を持っていくの?」美咲の問いに、 ジョーイは無言でとある部屋を指差しながらドヤ顔をする ◆その7 気絶から目覚めた剣とアリエスが隣の部屋に入ると、そこにはセバスの物言わぬ首があった。 無表情のまま大人シグナルが彼らに手をかざす。アリエスが防御壁を展開するも、その防御壁が消滅する。 剣とアリエス、それにスレ民もその力に絶望する。シグナルは動く。 もはや剣とアリエスだけでは太刀打ちできない。死なないので精いっぱいだ。 そしてあわや全滅かと思われたそのとき――地響きとともに天井に穴が開き、五機のホワイト製戦車が現れる! それは戦車とは名ばかりの、キャタピラ移動をする機動兵器ロボのようななにかだった! D・ホワイトは別室でそれらをモニタしながらコーヒーを呑んでいる ◆その8 五機のホワイト製戦車が助太刀に加わってシグナルを追いつめる。 しかし、セバスを瞬殺したシグナルのPSシグナル (見えないシグナルを敵に当て、増幅することで対象を破壊する)と、 アリエスの防御壁を封殺したCLシグナル (特定の行動にシグナルを命中させ、以後その行動をしばらく起こせなくする)の力によって、 対主催チームは徐々に戦力を失っていく。 詩崎弟の戦車が。アマンダの戦車が。美咲の戦車が行動不能になりコクピットからの離脱を余儀なくされる 武器屋のジョーイはここで撤退を考える。だが、彼は柄にもなく、死んでもいい気分になっていた。 いや、そうした美談にしたいだけなのかもしれないが。彼はもうどちらにしろ死ぬ状況だった。 「ここまでか。稼げなかったなー」ジョーイの戦車が爆散する。その背後にとどめ。 とどめがシグナルに初めてのダメージを与える。吹き飛ばされるシグナル、ダメージは大きいようだ、 追撃の一撃を叩きこもうとした瞬間……「たすけて、おねぇちゃんっ」ホワイトの手によってシグナルが正気に戻される! 「……!」とどめをためらうとどめ、意に反してPSシグナルを打つシグナルは、とどめの戦車を爆発させる。 ジョーイととどめはコクピットから出てこない。そう、コクピットはもう焼失している。 シグナルが立ち上がる。「……」彼女はまた、無表情に戻っている。 ◆その9 戦車も使えず、シグナルに対するとどめの一撃が通らなかった今、 残された五人に何かをする術はないかのように思えた。 傷だらけの剣にアリエスが言う。「私の最後の回復魔法を使います。全ての力を犠牲にして、あなたを全快させる」 「……あんたの命は」「大丈夫です。ただ、私はしばらく動けなくなる。援護をお願いします」 無慈悲なるシグナルは、五人に向かって歩んでくる。 アリエスが詠唱を開始。その間、アマンダと剣でシグナルを止める。 アマンダの虫食いの右手、そして剣の全霊力を込めた一撃で、どうにかPSシグナルを放つ左の腕を壊すことに成功 しかしそれが罠だった。左手があった場所からエネルギーブレードが発現。 シグナルの全スペックが、P波がS波になるように向上。 アマンダと剣を吹き飛ばし、アリエスに向かって音速に近いスピードでブレードを振る! 死を覚悟したアリエスだったが――詩崎弟がそれを庇い、死亡する。 ◆その10 悲愴な顔でアリエスは剣に回復魔法をかける。そして倒れる。アマンダがその体を抱えることで、 シグナルからどうにか逃れる。アマンダが、剣に声をかける!「――今だ、剣!」 「ああ」剣は全身に漲った力を感じた。 そして、日下の右腕が持つ冷却機能が解放され、霊力の冷気への変換が用意になったことも。 「美咲」剣は美咲に声をかける。「今から俺の全霊力を、この剣に込める。俺は腕が動かなくなるだろう。 だから……」「分かったわ」美咲は頷く。「一緒に、帰ろうね」 シグナルがエネルギーブレードを剣に向ける。だがその前に、美咲が剣の持つ剣を一緒に握り、 振っていた。 絶対零度の剣が再現される。一直線に走る氷の柱はシグナルを捕らえ……その体を氷柱の中に閉じ込めた。 シグナルは停止した。「ありがとう、おにいちゃん」そんなつぶやきがどこかから聞こえた気がした。 108 オシマイ 黒冬剣、立花美咲、アマンダ、アリエス、D・ホワイト、D・ブラック、金星人 ◆前編 全霊力を込めた一撃を使った黒冬剣は身体の中のギミックをパージし、美咲に背負われる。 その意外な軽さに驚く美咲だが、しっかりとその微かな重さを感じて、好きな人が生きていることを実感する。 同じく全力を使い果たしたアリエスはアマンダに背負われる。 アマンダのコントロール不能な虫食いの右手はセバスの白手袋で押さえている。 「最後まで妙に用意がいいことだよな」「まったくです」謎の執事にそっと感謝する一行 D・ホワイトがいるであろう部屋の扉を開ける。 するとそこにあったのは――D・ホワイトの首吊り死体だった。 「……おいおい、拍子抜けだな」 「ある意味、最高傑作を壊されたようなものですからね、彼にとっては。何か失望のようなものを感じても仕方ないことです」 「ところで当の主催がこうなっちまって……あたしたちはどうやって元の世界に返るんだ?」 「きっとホワイトがわたしたちを連れてきたときに使った装置があるはず……」 「ないぞ」 突然、背後からの声に驚く四人。後ろのモニタ―を振り返ると、モニターの中にD・ホワイトの姿が! ◆中編 いや、それは厳密にはD・ホワイトではない。 庵野雲のように、D・ホワイトが自らの知識などを電子世界にコピーして作った彼のバックアップ、D・ブラックなのだ。 ブラックの口からホワイトが転送装置をゲーム開始直後に壊したことが語られる。 「最初から生き残るつもりがなかったのかもな、私は」ブラックは妙に達観した調子でそう言い、 「きみたちの今後について、私から言うことはない。向こうの秘密通路から倉庫に出ることが可能だとだけ言っておこう。 さて、それでは私も消えるとしよう」秘密通路を教えると、データ存在としての自分もデリートする。 後に残された四人は、お互いを見合うと乾いた笑いを浮かべた。 「いっそ、ここで生きてくのもありかもしれないよな」 アマンダが冗談めかして言う。「首輪ももう意味ねぇし、食糧も自栽すりゃ二年くらいは――」 と。ドゴゴゴゴ……!地面を揺るがすかのような大きな地響きが上からした! ◆後編 秘密通路を使って倉庫から上に戻った四人は、扉を空けて外に出る。 (小野寺さんの遺体はなぜか存在せず、血痕もなかった。このロワの謎のひとつ) 遠くに見える巨大な墜落物……あれは何なのか? 「金星、よね、あれ」驚き顔で美咲が呟く「なんで金星が墜ちて――え? 落ちてきたの?」 墜落点はいつぞやフレイムファクトが蒸発させ、勇の最期の場所となった池跡地のクレーターだ。 そしてそこには金星が居た。彼は勇との最後の戦いで、金星を召還していたのだ。 しかし召還魔法は地下基地の電子機器を統括していたD・ブラックが出していたジャミングにより留められていた。 ついさっきまでは。……先のD・ブラックの死によりジャミングが停止。 金星が召還主の死から数時間後、遅れて召還された。金星のふもとにたどり着いた四人は、金星人と出会う。 金星人の通訳機により会話は成立。 四人は金星の地下施設へ招待され、召還時間が終了すると同時にこの世界から脱出した。 EP エピローグ 黒冬剣、立花美咲、アマンダ、アリエス 金星製の宇宙船で地球へと送られる四人。 黒冬、美咲、アマンダにとってそれは故郷の星だが、アリエスにとってはそうではない。 「まあ、なんとか生きていきますよ」アリエスは語る「忠晴や貴方たちがが住んでいた世界にも興味がありますし」 「あたしはどうするかねぇ、大変なもんを貰っちまったし」 アマンダが手袋つきの右手を振りながら言う「いっそ対魔師でも目指すか? 剣と美咲はどうすんだ」 「俺は義父の仕事を継がなければいけない」剣はそう言って、 「……アマンダが手伝ってくれるなら俺としても助かるが」 「じゃああたし達、これから一緒だな」アマンダが美咲の方を流し目で見つつ茶化すように、「昼も、夜も」 「こら、アマンダ、黒冬くんに変な事言わないで!」 美咲は金星に入る前に会場から拾ってきた参加者の遺品を整理しながら文句を言う。 「黒冬くんはけっこう真に受けちゃうんだから」「冗談だって、真に受けんなよなー」 「付きましたよ」と、会話に割り込むように運転手の金星人が窓の外を指差して言う。「……地球です」 ――黒い空間に浮かぶ、青い星が見える。 その大きさの前では四人の命など等しく小さなものでしかない。 しかし八十人の命を背負った彼らには、目の前の地球の大きさも小さなものに見えたという。 美咲が小さく、「……ただいま」と呟いて。 四人はバトルロワイアルを終え、これからの日常へと帰って行った。 【妄想オリロワ:ゲーム終了】 ■
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これは親切心でやっているわけではない。 問題を解決すれば、夢から抜け出せるかもしれない。 夢から抜け出す。そのためだけにやっているのだ。 東「わかった。ここに残ろう」 俺が笑う。 みんなも笑った―― トントン。 肩を叩かれる感覚。俺は目覚めた。 誰だ? 振り返ると日梧がいた。 日梧「よう」 どうやら結構な時間まで寝ていたらしい。 日梧「朝から微動だにしないから死んでいるのかと思った」 時計を見ると、なんとすでに下校時刻となっていた。 俺ってそんなにクラス内での需要ってないかな? 先生も、何で起こしてくれないかな? と言うよりなんで俺そんなに寝るかな? まあ、良いんですけどね!! 日梧「何で泣きそうなの?」 東「考えてみろ。一日中みんなと一緒にいて、帰るときに 『今日は楽しかったね~。日梧君も連れて来ればよかったのにね~』 と言われた時に自分がそいつの後ろにいた。そういう状態を」 じっ、と日梧が眼を瞑って考える。 日梧「…………確かにそれは落ち込むな」 東「たった今そんな感じだったんだ」 日梧「そうか」 興味のなさそうな声。 その瞬間、俺は日梧にとっても需要のない存在なのだと理解した。 いや、理解してしまった。 日梧「そういえば、話があるんだった」 そうでしょうね。そうでもないと俺みたいなどうでもいい存在なんて呼び止めないでしょうね。 東「なに?」 日梧「今日遊べる?映見(えみ)と神義(みよし)と山元(やまもと)と鷹田(たかだ)と大絵(おおえ)と毛利(もうり)が来るんだけど……」 東「誰の家?」 日梧「え?東の家だけど?」 東「却下」 何故当然のように言う? 俺の家で遊ぶのに俺に話しかけることなく話を進めるなって酷すぎる。 しかも、そのメンバーはこの間俺の家の襖に穴を開けたメンバーだ。 日梧「どうしてもダメか?」 東「ダメに決まっているだろうが」 日梧「しょうがない。じゃあ、映見の家でやることにするよ」 日梧が去って行く。 ……いやいやいや!!だったら最初からそうしろよ!! 映見の家に着く。結局、俺は日梧たちと一緒に遊ぶことにしたのだ。 映見「あ、東だ」 神義「何で来たの?」 山元「何で来たの?」 鷹田「何で来たの?」 大絵「何で来たの?」 毛利「何で来たの?」 日梧がこっちを見る。 日梧「何で来たの?」 ええええええええええ………… 東「いや、おかしいよね?」 日梧が何事も無かったかのように床に座る。俺も座った。 こうしてみんなと顔を合わすのも久しぶりかもしれない。 そう思うといかに自分がインドア派か、そして自分の需要がないかと思うと、嫌な感じが全身を駆け巡った。 みんなはよく会っているという感じだ。 ……何故俺を呼んでくれないっ!! 日梧「え~っと……どこまで決めたっけ?」 いきなり日梧が話しだす。一体なんだと言うのだ? 大絵「メンバーと……予算と……」 神義「それだけだろ?」 何言ってんだこいつら? 東「なあ、どういうことだよ?」 毛利「みんなで温泉にでも行こうと計画していたんだ」 ほうほうなるほど。 東「で、メンバーは?」 日梧「ここにいるみんなだよ」 いや待てよ。何で俺がメンバーに入ってんだよ。 確かに旅行に行くのは全然いい。 むしろ行きたい。 しかし、俺を勝手にメンバーに入れてそのまま話を進めるのは勘弁してほしい。 仲間に入れてほしかった。 東「金は誰が出すんだよ?」 映見「各自だけど」 だろうと思った!!腹の立つ話しだこの野郎!! 山元「じゃあ、後は場所を決めるくらいか?」 そうなるな。 鷹田「場所は俺に任せろ。いいところに連れて行ってやる」 みんなが納得する。これで決定か? 山元「じゃあ、一週間後でいいよな?」 気が早いな。 しかしみんなが納得している以上、それでいいのだろう。 ……親に電話するかな? 帰宅して、時計を見る。まだ美咲が来る時間にはなっていなかった。 となれば暇な俺。部屋を見回すも、そこにあるのは子供の頃に放置して化石化した児童書。 何で古本屋に売らなかったのかが分からない一品だ。 そして、化石化した児童書よりも今となっては売ってしまいたい本(鈍器)『白貌の紋章』 あとはパソコンとゲームくらいしかない。 まあ、パソコンはWindows 95なので問題外としよう。 動くかどうかすら怪しい。 Wilはこの間コントローラーが本体に当たって死んだから使えない。 psqはこの間毛利に叩き落されて死んだ。 となれば残っているのはPSニしかない。 ソフトは二本しかない。 レースゲームの『ヤクザのアニキがジャガーでお迎え嬉しいな』と格闘ゲームの『新軌道戦記ワッショイW(ウィング)』しかない。 どちらも完全クリアしてしまって何もやることがない。 俺は何か暇を潰せるものがないかと頭をフル回転させた。 小さい脳みそが頭の中をカラカラと回る。 「…………おお!!そうだった。親に金の催促をしなくては」 俺は外国に住む両親に救援物資を求めるために電話のボタンを押した。 母「はい?」 何で疑問系なんだよ。 東「俺だけど――」 母「詐欺ですねさようなら」 いきなり母が電話を切る。 ツーツーツーと切ない音が響いた。 いやいやいやいや!!待てよ。おかしいだろうが。 切るの早!! しかしそんなことで負ける俺じゃあない。 こんな所であきらめるわけにはいかないのだ。 もう一度電話のボタンを押す。 またもツーツーツーと切ない音が響く。 話中か? 違う。 確信はない。ただ、何故か俺にはわかるのだ。絶対に話中じゃない。 となれば考えることの出来る可能性はたった一つ。 東「電話線を抜きやがったなあんちくしょう」 溜息をつき、俺はベッドへダラダラと崩れ落ちた。 美咲「それってさぁ、寝ぼけてたんじゃないのぉ?」 あれから2,3時間。両親の話を美咲にしてやった。 それをきいた美咲は食べ物を入れすぎて頑張りすぎたハムスターのような口をもごもごとさせながら言ったのだった。 東「何馬鹿なこと言ってんだよ。夕方だぞ?寝ぼけるわけないだろ? あと、その口を何とかしろ」 美咲が料理を飲み込む。こちらにも聞こえるくらい大きなゴックンという音がした。 美咲「あんたの両親って日本で働いてるんだったけ?」 美咲の手は止まらず娼婦風スパゲティをすすっていた。 東「いや、海外だけど?」 答えた瞬間、娼婦風スパゲティをつかんでいたフォークをこちらへと突きつける。 美咲「時差。むこうは今夜中とか?」 じっと考え、時差を計算する。 東「……………………あ」 美咲「『あ』じゃないでしょうが」 溜息をつかれてしまった。 そうか。そうだよな。まともな応答が出来るわけないよなぁ。 だって向こうは夜中の3時だもんなぁ。 そう俺を諭す美咲はもうデザートのプリンに手を伸ばしていた。
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炸裂するエンジニア魂! 試作型の超妖怪弾頭のモニターを探していた河童のにとりの前に現れたのは、天狗の軍勢をぶん殴って逃げてきた白いコートの女、柚原美咲?だった。白玉楼に行きたいと言う彼女に目をつけたにとり(ニトリー)は、彼女に超妖怪弾頭を貸し与えた。抜け目のないエンジニアである。 欠陥だらけの試作機に乗った美咲は当然のようにトラブルを誘発。義手を壊された美咲にアリス宅へ呼び出され、戦々恐々の体で向かうと、待っていたのは異変の提案であった。 ニトリーは自らの技術力を遺憾なく発揮できる異変に胸をときめかせ、二つ返事で協力を申し出た。 その後の活躍は、サナツーの記事に一部が語られている。 ニトリー自身も巨大ロボットを持っており、その名もホオズキ試作弐型。超妖怪弾頭を撃つことができる二足歩行のロボットである。しかし、天子の駆るヒナナイマーとの力比べで完全敗北。しょせんは3面ボスであることを痛感したとかしなかったとか。ちなみに、この時の超妖怪弾頭とメイオウ攻撃の衝突が『断楼剣』の封印解除に繋がっていて、地下の旧都にまで影響を及ぼす結果となったのだが、この時のニトリーは知るよしもなかった…… バトロイへの参加予定は……未定。 他者との関係 柚原美咲?:同志。共犯者。 アリス・M:仲間。共犯者。 比那名居天子:力比べで河童に勝つなんて……やるね! でも同志には勝てないよ! 東風谷サナツー:素直で簡単に引きずり込めたけど……どこに行ったんだろうね。