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十六夜咲夜は瀟洒にして従順な悪魔の狗である。 故に主の指示は絶対。何においても優先されるべき事項であらねばならない。 だから、 「咲夜。貴方は少し時間操作に頼りすぎるキライがあるわ。それでは現状からの脱却は図れない。成長なんてあるはずもない。なので当分の間使用禁止ね。いいって言うまで時間止めちゃ駄目だから」 等という無体極まりない事を言われたとしても遵守せねばならないのだ。 それ絶対今思いつきましたよね。なんて思ってても口に出さず、ただ一言、了承の意を表す。 現状からの脱却、新たなステージへの扉。結構ではないか。 お望みとあらば如何なる私にでも成りえましょう。この身は常に、髪一本から血液に至るまで貴方だけの物なのだから。 「あ、当然だけど職務上の失態にはペナルティーを課すから。とりあえずワンミスにつきスカート膝丈マイナス1cmね」 「……ハイ」 うるさい。泣いてなんかない。 「場合が場合だし否も応も言ってられないわ。不本意ではあるけど私の手が回らない分はサポートをお願い」 「期待してたわけじゃないですけど、わざわざ呼び出されて上にそこまで言われたんじゃ流石に凹みます」 能力を制限しての職務遂行に不安を感じた私は、まず補佐をつける事を考えた。 美鈴は(仮にも)門番なので持ち場を離れさせるわけにはいかないし、小悪魔も立場上、パチュリー様の傍を離れるわけにはいかないだろう。妖精メイドでは、とてもではないが任が務まるとは思えない。 そこで白羽の矢が立ったのは、先日湖畔で行き倒れていた所をお嬢様の気まぐれで拾われた○○という男。 捨ててきなさいと主張する私やパチュリー様に対してお嬢様はしたり顔で「これも運命よ」等とのたまったものだが、そんなノリで近い将来紅魔館が浮浪者だらけにならないか、密かに胸を痛める日々である。 さりとて、○○も全くのゴクツブシというわけでもないようだった。 労働力の足しにでもしてくれと言う彼にとりあえず仕事を与えてみたのだが、これが存外に覚えも早くその仕事ぶりもなかなか配慮が行き届いたものだったので、これには正直驚かされた。 現に今も不満を口にしながらも呼び出しに素直に応じる辺り、職業意識も悪くない。 だというのに、ただ一つ、どうしてもこの男に素直な評価を下せない理由がある。 「しかし能力制限とはまた思い切った事を始めたもんですね」 あたかも自分が難題を仰せつかったかのように、難儀そうに言う○○。 「だからといって完成度の低い仕事をするつもりはないわ。無論手を抜くつもりもね」 「立派ですけどあまり無茶はしないで下さいよ」 そう言って今度は苦笑交じりにこちらを気遣ってくる。こういう所は素直に好感がもてる。 そこでふと、○○は何かに気付いたかのように真剣な顔で考え込み始めた。 時折こぼれる「そうか、普通の人と……」という呟きが、何やら不穏な気配を感じさせてやまない。 「あの、○○?」 放って置くべきかとも思ったが、異様な雰囲気にのまれてつい声をかけてしまう。 そしてそれはすぐに失敗だったと後悔する破目になった。 名前を呼ばれた○○は俯き加減だった顔をガバッと上げて、妙な決意を宿した眼をこちらに向けて一息にまくし立てた。 「つまり今の咲夜さんは普通の婦女子となんら変わらんわけですね!? 今なら勢いに任せて強引なイチャイチャ展開も可だと!」 「ちょっと落ち着きなさい。○○」 「大丈夫。心配はいりません。腐ってもこの○○、紳士です。普段と違う状況下で内心小動物のように震えているであろう貴方の心ごとエスコートして差し上げます」 「妄想なら自分の部屋でやってもらえるかしら」 「っていうか正直、辛抱たまりません。咲夜さん愛してr」 いい加減うんざりしてきたので、取り出したナイフで頬をペチペチ叩いてやると○○はおとなしくなった。 「さっき言ったわよね?『手を抜くつもりはない』って。部下の躾も然りよ。オワカリ?」 「・・・いえす、まむ」 「よくできました。それじゃ別命あるまで待機。以上」 「ラジャー」と力無く答えてトボトボと去っていく○○。 本当に、ああいう所さえなければ評価してあげてもいいのだけど。 「○○」 「なんすか」 「後で買い出しにいくから里まで付き合いなさい。荷物持ちよ」 俄かに○○の顔が喜色に染まっていく。 「デートですか!」 「だから荷物持ちだって……あぁ、もう如何とでも取ればいいわ」 なんにせよ、こんな事で子供みたいにはしゃぐ○○を見ていると、こう思わなくも無い。 当分はこのままでも良いかもしれない。と。 うpろだ1050 ─────────────────────────────────────────────────────────── ガシャーン けたたましい音と共に調度品がコナゴナになった。 「ああ、また……」 「咲夜さん、大丈夫ですか?」 「いえ、さすがにこれほどコナゴナになってると直すのは無理ね……」 「いや、俺が言っているのは咲夜さんの方ですが」 「私のことはいいから、ほらホウキとチリトリ持ってきて」 「はい」 言われた通りにホウキとチリトリを持ってきて粉砕された壷を二人で掃除しながら俺は咲夜さんを見ていた。 今日の彼女はどこかおかしい。さっきみたいな普段しないようなミスをしたりボーッとして話しかけても上の空だったりしている。 紅茶に間違えてトカゲの血を入れてお嬢様が噴出した時は笑いを堪えるのが大変だったが。 「本当に平気ですか?」 「……え、ごめんなさい。聞いてなかったわ。それでなに?」 「咲夜さん、やっぱり休んだほうがいいですよ」 「そうもいかないでしょ、私が休んだら誰が紅魔館の仕事を行うの?」 「それはそうですが……」 「ムダ口はそれ位にして、これを捨ててきてちょうだい」 渡されたゴミを持ってゴミ捨て場に向かおうとしたら、背後でパタリと何かが倒れる音がした。 慌てて振り返るとそこにはうつ伏せになっている咲夜さんがいた。 「あ、あれ? おかしいわね、なんで急に」 無理に体を起こそうとするが腕に力が入らないのか、また倒れこんでしまう。 「ほら、やっぱり無茶してたんじゃないですか」 「な、何言ってるのよ。これは転んだだけよ、すぐ立ち上がるからあなたは別の仕事をしてなさい」 そう言って三度起き上がろうとするが、その姿はまるで病人が無理をしている風にしか見えない。 「咲夜さん、失礼します」 「きゃっ!?」 彼女の背と膝の下に手を入れて抱きかかえるようにして立ち上がる。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。 「ちょ、○○! 下ろしなさい!」 「だめです。このまま部屋まで連れて行きます。で、場所は何処でしたっけ?」 じたばたと暴れていた咲夜さんだったが、逃げられないことを悟るとしゅんとして大人しくしてくれた。 「……そこを右に曲がって突き当たりの部屋が私の部屋よ」 「わかりました」 部屋のドアを開けて中に入り、ベットに咲夜さんを寝かせる。ここまでほんの少しの時間しか経ってないのに彼女は気を失っていた。 布団をかけて俺は永遠亭に足を運んだ。 「疲労ね。しかも疲れがとれてない状態でかなり無茶をしているわね。今日は一日休養を取らせなさい」 「わかった。ありがとう永琳」 永琳を見送ったあと部屋に入ると咲夜さんはベットから起き上がろうとしていたので慌ててベットに寝かす。 「と、とめないでちょうだい、まだ仕事が残ってるんだから……」 「駄目ですってば。今日一日はゆっくりしていなくちゃいけないって言われたばかりでしょう?」 「で、でも掃除が……」 「それは小悪魔とメイド妖精がやってくれてます」 「せ、洗濯もまだ……」 「美鈴が今干してます」 「う……それじゃあ料理にお嬢様のお世話は……」 「料理はパチュリー様が、お嬢様は自分でできることは自分でしてわからないことは明日聞くそうです。 あとお嬢様の言付けで、「咲夜にそんなに負担をかけていたなんて主失格ね。今日は一日休むこと。これは命令よ」とのことです」 「……わかったわ。で、あなたは何をするの?」 「咲夜さんの監視だそうです。放っておくと何かしら始めるだろうからそれを食い止めなさいって。実際起き上がろうとしてましたし」 「い、痛いとこ突いてくるわね……。わかった、今日は休養を取らせてもらうわ」 ようやく落ち着いて休みを取ってくれることになり、ほっと一安心だ。 が、何故か顔を赤くしてこちらをチラチラと見てくる。何だろう、何か言いたいことでもあるのだろうか? 「あ、あの○○……着替えたいのだけれど」 「あ、そ、そうですね、俺がここにいたら着替えられませんよね。じゃ外にいますので着替え終わりましたら声をかけてください」 ギクシャクとした動きで部屋の外に行き、声がかかるまで待つ。あー顔が熱い。 しばらくして、もういいわよと言われたので中に入ると部屋着に着替えた咲夜さんがベットに寝ていた。 「……こうして二人きりになるのは久しぶりね」 「そうですね、会ったとしても会話はほぼ仕事のことばかりでしたからね」 「ねぇ、何か話して」 「話っていってもこれといって面白いことはないですよ」 「それでもいいわ」 「ええそれじゃあこの間神社であったことなんですけど……」 ――少女、青年談笑中―― 「で、結局魔理沙が一番被害を被ったわけで」 「まあ、自業自得というやつね」 と、ドアをノックする音が聞こえたので開けるとそこには茶器を持った美鈴がいた。 「お見舞いにきちゃいました。大丈夫ですか? 咲夜さん」 「あんまり良くはないわね。ところでそれは何?」 「ふふふ、これは特製の漢方茶です。これさえ飲めばたちどころに疲れなんか吹き飛びますよ!」 「……美鈴、あんまり言いたくないけどそれ高麗人参とかガラナやにんにくなんて入れてないよね?」 「失礼ですね○○さん。普通のお茶ですよ。ささ、冷めないうちに飲みましょう」 テキパキとお茶の準備をする美鈴。普段は門番としての姿しか見ていないので手際のよさに驚いた。 それは咲夜さんも同じようだった。 そして彼女の淹れてくれたお茶を飲んでみる。ふむ、甘い香りが鼻を通り抜けお腹の中からぽかぽかと暖めてくれる。すごくおいしい。 けれどもこのお茶、めちゃくちゃ眠気を誘う。なんでもない俺が眠気を耐えるのが精一杯なほどだ。 咲夜さんの様子を覗うとうつらうつらとして心ここにあらずという状態だ。 「……○○さん、どうやら効いてきたみたいですね」 「美鈴いったい何したのさ」 「このお茶元々リラックス効果が高いんですが、寝つきを良くする茶葉を多めに入れてみたんですがどうやら成功したみたいですね」 「なるほど、その薬草の力で眠らせてしまおうってことだったのか」 お茶を飲み終えると美鈴は茶器を片付けると部屋を出て行ったがドアから顔を出してこっちを見ていたので 何かまだあるのかと思っていたらニヤニヤと笑いながら俺に話しかけてきた。 「○○さ~ん、いくら咲夜さんがぼ~っとしてるからってネチョいことしちゃダメですよ~」 「ばっ、誰がそんなことするかっ!!」 「きゃ~怒られた~」 まったくいつも一言多いんだからな美鈴は。 俺はベットの側に行き、咲夜さんに話しかけた。 「咲夜さん眠そうだから、俺はこれで失礼します。何かして欲しいことありますか?」 「えっと……それじゃあ」 布団で顔を半分隠して上目遣いでこう言った。 「……お休みのキスをちょうだい」 「ああ、お休みのキスですね。わかりました……ってええっ!?」 うう、急にそんなことを言われるとは思わなかった。 だっていつもは完全で瀟洒なあの咲夜さんが今は普通の女の子になっているんだぜ!? そしてさっきから軽く目をつぶっていつでもどうぞっていわんばかりの姿だし。 しかし、ここで期待に応えなければ男じゃない! 俺はおずおずと彼女に覆いかぶさり 「い、いきます」 「ん――」 彼女と唇をそっと合わせた。 「――これでいいですか?」 「うん、元気も貰ったし明日にはいつも通りになると思うわ」 「それはよかった」 「本当なら続きもしてあげたいんだけれどこんな状態じゃあね。だから元気になるまでお預け。 そうしたらキスもその先もいっぱいいっぱいしてあげるから」 「あ、あぅぅ……」 「あら、赤くなっちゃってかわいい。あふ……それじゃおやすみなさい」 すぅ、と咲夜さんの吐息が落ち着く。眠ってしまったようだ。 俺はドアと開けると咲夜さんを振り返って最後にこう告げた。 「お疲れ様です。メイド長」 静かにドアを閉めると部屋を後にした。 うpろだ1058 ─────────────────────────────────────────────────────────── 紅魔館――――――――幻想郷に来てから身を寄せている場所だがここに来てまだ2年ほどだ。 待遇的には「傭兵」。とはいえ館内が主で外出は稀だ。 「○○。お疲れ様。悪いけどちょっと手伝ってくれる?」 十六夜咲夜。ここに来るきっかけになった人物だ。通称「咲夜さん」。 「了解。援軍が来たからには安心かと」 こういう仕事は慣れている。ここに来るまでこの傭兵の肩書きのおかげで多種多様な仕事をしてきた。 ちなみに今日の収穫は街で買った懐中時計。 「ふぅ…依頼終了と。ところでこのビー玉もどきの正体とか知らない?」 ここに来てからなぜか持っていた赤・青・緑・白・黄の「ビー玉もどき」。正直自分でもよくわからない。 「頭の中までは完璧じゃないし…図書館にでも行けばいいんじゃない?」 「あ。そっか…パチェならわかるかな」 夜が明けてから着替えて行ってみる。結構図書館には行く方だ。 ―――傭兵移動中&受講中――― ヴワル魔法図書館。幻想郷の中で本の量が一番多そうなこの館の書斎。ちゃんとノックはする。 「開いてるからどうぞ…ゲホっ…」 極端に短い相槌。パチュリー・ノーレッジ。この図書館の主で喘息持ち。見ていてハラハラする。 「珍しいモノ持ってるじゃない。興味深いから見せてくれる?取ったりしないから」 ………新手のカツアゲかこれは。流し目で見られると妙な緊張感が走る。いや…むしろ威圧感か。 見せてみると大体分かったのかジト目で話し出した。正直ジト目は怖いが結構いい話は期待できる。 「この5つの玉には霊獣が宿ってる…それぞれ強大な力を持つ霊獣がね。とりあえず座って」 霊獣なんて見たことも信じたこともなかった。淡々と話されるこの玉の能力。とりあえず座る。 「この4色…四神は今の状態で使えるけど黄色は今はダメ。下手すれば――死ぬ場合もあるから」 そんな現代で言えば核兵器やら放射能やら地雷原みたいな代物が混じってるとは思っても見なかった。 「この黄色い玉は麒麟…この子達のリーダー格…言って見れば頂点に君臨する存在」 黄色い玉はまだ無理だとしても意外に使える能力が多いことがわかっただけでも収穫だ。 「死にたくないならこれは絶対使わないこと。どんな状況でも。泣く人…いるでしょ?」 咲夜さんのことはバレてたらしい。紅魔館のブレインには及ばないか。 「守ってあげてね…あの子…ホントはすごく脆いから」 ここまで洞察力があると敬服どころか畏怖に値する。そろそろ戻るか。 ―――傭兵移動中――― 「どう?答えは出た?…何その目。この私と弾幕張ろうって目?」 「ちょっと四神の力ってのを試したくてさ。時間あれば軽くでいいから」 「アンタねぇ…後悔しても知らないからね。少し待って。用意してくるから」 場所は近くの森上空。早くも咲夜さんは本気モード。軽くヤバい。むしろ軽くない。ヘビーだ。空気的に。 「じゃあ…早めにチェックメイトにしてあげる。幻在『クロックコープス』!!」 「結構しっくり来るな…。朱雀『紅煉獄炎翔』!!」 飛んでくるナイフが炎で相殺されるが次の手が早い。相手に取って不足なしだ。 「アンタが敵じゃなくてよかったわ…ホントに。傷符『インクライブレッドソウル』!」 「まぁそれはお互いに!白虎『白刃裂風牙』!!」 ピンポイントでナイフを風で吹き飛ばして回避する。正直驚いた。さすがは霊獣。 「嘘…――――ふーん。じゃあ本気出すから。奇術『ミスディレクション』!」 「前から――後ろ!?手加減ナシか…玄武『翠林城塞砲』!!」 地面から林のような緑色の柱が立って全方位のナイフを防いだ後で左右に展開。その後砲撃。 「ここまでとはね…でもこれで最後。幻世『ザ・ワールド』――――その頑張りは認めてあげる」 「遠慮ナシだ!青龍『蒼穹逆鱗葬』!!―――――――――――――え?」 青い激流が暴走するが時を止められる。直立不動の金縛り。その隙に1つだけナイフが飛来する。 「チェックメイト。ほら。戻って傷口診るからさっさと立って」 「やっぱ敵わないか。この通り戦術的敗北だよ」 読まれていた。敢えてスペルを展開しこちらの手の内を探り最後の最後に時間を止めて一撃を見舞う。 「でも久々に苦戦したのは事実。その努力の成果は凄いって言えるから。でも麒麟は禁止。いい?」 「痛ぅ―――――…練習あるのみ…か。頑張らないとな」 それでも努力は認めてくれた。 「ジョーカーは…切り札は最後まで残しておくもの。力に頼り過ぎると必ずツケがくるの」 「それが今の状態…か。また一つ学んだよ」 紅魔館で手当てを受ける。パチェが麒麟のことを言ってくれたらしい。 それから自分に用意された休憩時間で各スペルの発動までのタイムラグを埋める。 1週間後―――――よりによって紅魔館の幹部クラスが咲夜さん以外留守の日に災厄は来た。 「アンノウン接近!妖怪の部類かと思われます!数…計り知れないです!!」 物見が叫ぶ。計り知れないなら上等だ。咲夜さんに内緒で先陣切ってアンノウンに向かう。 弾幕を張って応戦するが数が数。減る気配は皆無に等しい。スペルは一応温存しておく。 どうやら頼もしい援軍が来たらしい。というか門番どこ行った。戻ってきたら生存率めっさ低いぞ。 「○○!アンタはもう…この戦闘が終わったら一応覚悟はしておくこと――怪我したら許さないから」 「一応心配はしてくれるんだ?…了解。お手柔らかに!」 減らない。むしろ増えてきている。これがアンノウンの正体じゃない。これは『攻撃手段』――弾幕。 「ちょっとコレどこから湧いてくるの!?一向に減らないじゃない…ゴキブリ以上に性質悪いわ」 「これが敵ならとっくに消滅してる――本体を探して集中的に叩けばこれも消えるはず…!」 攻撃方法・正体・形状・特徴・弱点・そして存在全てが未知数にして未確認…正真正銘の「アンノウン」。 「攻撃が向こうに…咲夜さんに集中して…チィっ!霊獣『四神結界』!!」 相手の考えはアバウトにだが読めた。能力が高い方から潰す。シュミレーションゲームの鉄則だ。 「あ…ありがと…これに免じてさっきのはチャラにしてあげる」 助かった。とはいかないみたいだ。弾幕が止む。ボスの登場ということらしい。 「何コレ…ホントに妖怪!?やってやろうじゃない…!!」 ヒドラ。海蛇座のモデルになった9本の頭を持つ大蛇。こんな蛇が幻想入りしていたこと自体驚きだ。 「通りで弾幕が多いわけだ…早いとこ潰して終わらせる!」 とはいえ巨大さでは向こうが数段上だ。周期的にスペルを使って順調に首を落とす。 でも異変が一つ。咲夜さんが身震いしている。下手したら被弾しかねない。 ここは四神結界で防御させながら戦う。 朱雀「紅煉獄炎翔」。 白虎「白刃裂風牙」。 玄武「翠林城塞砲」。 青龍「蒼穹逆鱗葬」。 なんとか親首以外を叩き落として浄化したが少し力加減をミスったらしい。激痛が走る。 「万策尽きたってところかな…違うか。まだ手はある…よな。使ってみるか…麒麟」 単なる独り言。麒麟を使う。生死を賭けた大博打。聞こえて――ないな。 「ダメ…怪我したら許さ…ないって言っ…たでしょ…?」 目の前に気を取られすぎて後方が見えなかった。この掠れた声で思い浮かぶ状況は1つしかない。 結界がブチ破られていた――相当被弾しているはずなのにこんなバカを心配してくれる。 「下がってな…さい。すぐ…終わる…から」 無理だ。その傷で時間なんか止めたらその後無事じゃ済まない。 「関係ないね!――バカだからさ。ゴメン。フルパワーでぶっ放すから下がってた方がいいって」 持っていたナデシコの柄の袋を投げる。咲夜さんナイスキャッチ。 明日が満月。明後日は「十六夜」。いつも足引っ張ってドジ踏んで… それでも認めてくれるせめてものお礼。そのための懐中時計。 『守ってあげてね』――パチェから言われた一言。もちろんそのつもりだ。 「死んでも…知らない…。骨も…拾わない…!」 どんな顔かは声でわかる。 泣いてる顔は見たくない。だから振り向かずに。躊躇わずに。冷徹なる雷をこの手で目の前の災厄に。 「麒麟――――――『雷帝閃煌覇』――――――これで終わらせる」 雷が縦・横・斜め・正面から飛び交う。 ヤバい。意識が飛びそうだ。ここまで強大な雷は操作不可能で逆流しないのが唯一の救いだ。 まだ息絶えないか。あと少し…せめてあと一撃。あと一撃あれば確実に仕留められる。 「それじゃ…最終兵器の登場だ。ジョーカーってのは最後の最後で切るんだよ」 パチェの「賢者の石」を元にアレンジを加えた最後の「リーサルウェポン」。 特攻用に編み出したリミッター解除の最大出力。5つの神の真骨頂を融合させ覚醒させるスペル。 「何を!?それ以上やったら大怪我レベルじゃ済まない!まして麒麟を使った後に!」 最後の最後…むしろ最期にカッコつけさせてくれて感謝はしている。ここに来れてよかった。 「今はちょっと自分の限界ってヤツに挑みたいだけだから。この程度じゃ死なないって」 「この―――――――――――――――――バカ」 ターゲットは目の前のバケモノ。コイツだけは刺し違えても倒す。 「消滅させてやる――聖獣『破邪獣神結界』――まだ――神獣『五芒星滅殺陣』――デッドエンドだ」 これが限界突破の最終兵器。高威力かつ高火力の多段式波状攻撃。おまけに霊獣の加護つきときた。 ここまでは作戦通り。麒麟を呼ばないとこのスペルは使えない。だからあえて逆らってみた。 後はヒドラの浄化を見届ける。一応これで99.9%策は成った。 どうしても0・1%が欠ける策。むしろ99・9%が100%の策。 「明後日…生きてるか死んでるか…どっちかの0.1%に賭けてみるかな…」 意識が途切れる前の生命のコイントス。表か裏かで生死が分かれる。 最後の0.1%――それは自分が死んでも生きても達成される。その段階で初めて真の100%になる。 この策は敵を「ハメる」策でなく「殲滅する」策。いかなる犠牲を払っても。それが自分であっても。 咲夜さんの「誕生日」。わからないから毎年「十六夜月」の日に決めていた。今年は――無理かな。 せめて自力で渡したかったな――懐中時計。絶対泣いてるよ――。 それから何分…何時間…何日経ったのかわからないが目は覚めた。ここは…紅魔館。 「25時間…44分…35秒。――――――ホントに…ほっとけないんだから」 「持ってたんだ…懐中時計。ほら…死んでないし」 冷徹ないつもの声じゃない。泣いてるけど優しい声。 「また足引っ張っちゃったかな…痛ぇ!傷!傷開く!…でもまぁ…いっか」 抱きつかれたところが傷口だったのは言うまでもない。絶対わざとじゃないがこれはダメージがデカい。 それから約1日半。十六夜が出る日。まだ夜には早すぎるが。 「○○!!速効でケリつけて。まだ依頼はあるから覚悟することね」 ちょ…仮にだけど誕生日…今日だってこと確実に忘れてるなこれは。 それでもすれ違い様に呟いてみる。 「咲夜さん――――――誕生日―――――ーおめでと」 うpろだ1062 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「少し風邪でも引いたかな…」 紅魔館の自室でオフ時間に呟く。 いやリリーホワイトが「春ですよ~」とここまで伝えにきてくれるわけだが何しろ季節の変わり目だ。 「そろそろ戦線復帰ね。この頃調子悪そうだから仕事は多いけど軽めにシフト組んだから」 「了解…っと。やる事はさっさと片付けますか」 上司の咲夜さんが軽めにシフトを組んでくれたみたいで助かった。とはいえ仕事は多いが。各段階のメモが渡される。 「えーと…最初は庭の水やりと買い溜めした食糧を運ぶわけか」 ポケットに入れたビー玉もどき。たまにこの中から霊獣が手のひらサイズに実体化して出てくる。ちょっと可愛い。 ちょっと早めに終わらせる。これで第1段階と第2段階が同時に終わったわけだ。 「次は…え?借りてる本があるから図書館に返してくればいい?」 第3段階が私用っぽいがまぁ気にしない。箱で買った栄養ドリンクも1本出して持っていく。こういう時期に心配な人物が図書館に約1名。 「返却ならその棚に入れてくれればいいからね…差し入れありがと」 「いつも本貸してもらってるから粗品でゴメンな」 「そういえば麒麟も使えるようになったみたいじゃない?」 「お陰さまでこの通り」 …元気だな。パチェ。とりあえずまた本を借りて図書館を出る。自室に本を置いて第3段階終了。 「次が難関だな…紅茶の葉の分別。『葉脈で種類ごとに分けること』…」 第4段階で難易度一気に急上昇。これが難しいらしい。 「一応これで前半戦終了か。結局ボスクラスは最後に来るわけな」 約30分経過。ようやく半分だ。「感想は」とか聞かれたら即「長い」の一言で済むくらい地道な作業だ。 「結構な種類だったよなぁ…後半戦のメモでも貰いに行きますか」 一応は区切りがついて帰還。部屋の中でドサッと鈍い音がしたが物でも落ちたか。 「咲夜さーん?後半戦のメモもらいに――――――!?」 「カッコ悪いとこ見せたみたい…でも大丈夫」 「いやでも今倒れて…」 「大丈夫だって言ってるで…しょ」 そうだ。よく考えたら目の前にいつ倒れてもおかしくない上司がいたのに気付けない自分の洞察力のなさを呪いたい。 「大丈夫そうに見えないって!指示さえ貰えれば代わりくらいできるし部下の意見も聞かないと」 「部下にはできないことだってあるでしょ…」 よろけながら言われても正直説得力がない。だったら失敗してもできるところまで突き進むまで。 「何もしないよりマシかと思う」 「ホントにもう…優しすぎ。なら後半戦はカット。各段階ごとに終わったらここに来て。指示は○○に一任。夕食には復帰するから」 これまでにない大役。代理とはいえ咲夜さんの仕事を任されたわけだ。一人でできる事は極力こなす。 「慣れない事するとさすがにキツいな…これは」 この紅魔館には咲夜さんの部下のメイド精鋭部隊が30人以上いる。だがここはある意味戦場だ。言い出した以上は退けない。 「あと少しで夕食って…時間的にヤバいか…!進んじゃいるが指揮はキツいな…」 「時間よ止まれ――――――――――」 この声と能力は…どうやら援軍が来たみたいだ。一瞬背筋が凍りそうになった。 「まだ動いちゃダメなんじゃ…」 「お陰さまで完全復活。その子にも手伝ってもらうけどいい?」 「了解!」 丁度いいところに思い通りの指示。 「そして時は動き出す――――1、2班はすぐに食事の用意!3、4班はその補佐!周期的に状況を報告!5、6班は遊撃!」 早くも本領発揮。ここまで来ると威圧感がある。 「援護は任せるからよろしく。ここの火力が低いから上げて!」 「久しぶりに出しますか!炎符『ヴァーミリオンブレイズ』!」 ミニ朱雀大活躍。スペルの有効活用法…とは言えないか。正直なところは無駄遣いかもしれない。いや確実に無駄遣いだ。 そして無事に夕食終了。咲夜さんの声に一瞬ホントにビビった。 その後は普段と同じ。個人で入浴を済ませてその日の任務は完了だ。 「あれ…ダルいのが取れてる…」 「お疲れ様。あれだけ動いて汗かいたでしょ」 「ビビったなぁ…咲夜さんか」 いつの間にいたんだ…というツッコミはナシ。 「今日はホントによく耐えてくれたわ」 「100点中75点くらい…かな?」 「今回だけ96点にしてあげる」 何とも100点に近いとはいえ微妙な…いや…ここは素直に受け取ろう。 「じゃあ増えた21点はコイツに分けとこ」 そういえばフランとお嬢様がそろそろ起きてくる頃だ。 「「夜更かし決定!?」」 声がシンクロした。どこぞの紫色の暴走メカもビックリのタイミングで。目の前にはお嬢様が。 「あら…休まないの?2人して珍しい」 「休む暇があるなら借りの清算が先なので」 「たまには徹夜もいいかと思ってるんすよ」 言い方は違ってもほぼ内容的には同じだ。ここで前方から猛スピードで突っ込んでくる人物が。鳩尾に鉄拳がめり込む。二重の極みかこれは。 「あー!!○○ー!咲夜ぁー!今日はフランと遊べそう?」 「痛ぇ…今はフルじゃないから弾幕は無理な?余裕がある時には一戦頼む。ゴメンな?」 「ちぇー」 いやでも正直なところ弾幕はカンベンしてくれと言いたくなる。まぁそれでもフランは無邪気な分許せるが。 「じゃあ…チェスやろ!チェス!」 「地下室にあったっけか?確かなかったような…」 「フラン。私の部屋のチェスを貸すから心配しないで。壊さないこと。いい?あと紅茶が飲みたいわ」 「お嬢様。用意ならここに」 とまぁお嬢様の部屋でお茶会決定。さすがにフランを封じる策も考えているらしい。 「フラン…もう一度言うけど壊さないこと。―――いい?もし万が一壊したらその時は…分かるわね?グングニル投げるから」 「ひっ―――!?」 「返事は…?」 「はい…」 お嬢様すげぇ。すーげーぇ!何だいそのボムは!?フランが涙目に。心の中で思った。「フランを止められるのはこの人しかいない」と。 「じゃフランと一回やって!いいでしょ?」 「久しぶりだな…チェス。頑張ってみるかな」 そんなこんなで30分後。 「ほい。チェックメイト」 「えー!?○○つーよーいー!!手加減してくれなきゃこの部屋ブッ壊すかんねー!!」 ここでまさかの衝撃発言。それは言っちゃダメだ。そして逃げちゃダメだ。その奥から冷たいお嬢様の声が。これはキレてるぞ…!? 「フラン…?今何て言ったかもう一回言ってみなさい」 「え――――?」 「ゆっくりと一字一句滞りなく私に聞こえるようにハッキリとね。グングニル投げられたくないでしょ」 「うん…。でもフランは…まだ…何も…」 「嘘吐きは――――弾幕の始まりよ。グングニルの破壊力はフランが一番よく知ってるはず…私の能力もね」 「ふぇぇぇ…」 「ただの冗談。真っ直ぐなのもいいけどもっと周りを見なさい。私の部屋を残骸にする気?」 いやそこは弾幕じゃなくて泥棒だろ。しかも冗談とは言っているが声がマジだ。 「マズいわ…この部屋より先に私達が残骸になる…○○…逃げる用意はいい?頭の中で3回数えたら一気に壁際に下がるから。できる?」 「勿論…感覚はまだあるみたいで」 ((1…2…3!!)) 一応咲夜さんと壁際に退避。一方フランは半ベソ状態だ。 「ごめん゛…なざい゛…」 「気にしないの。悔しいのは分かるけどその気持ちをぶつける相手が違うでしょ…?」 あー。泣かせたー。でも優しいところは初めて見た。気持ちよか先にグングニルをぶつける相手がまず違うだろと自虐的ながらも心の中でツッコんでおく。 「咲夜さん…いつもこんなん?」 「そ。喧嘩しない分まだマシよ…本気で喧嘩した日には阿鼻叫喚の地獄絵図なんだから。生きた心地しないもの」 咲夜さんの苦労が分かった気がする。ここまで言わせるんだから相当ヤバいと思われる。 「○○…フランの仇を取らせてもらおうかしらね?」 「…ハイ?これ何て死亡フラグ?」 「行ってきなさい。骨は拾ってあげるから」 「え!?ちょ…咲夜さん!?――――チェスで特攻…か」 チェスでこんな威圧感を感じたのは生まれてこの方初めてだ。 かれこれ20分後。 「チェックメイト。フラン…仇は討ったからね」 「お嬢様…ちょっとは手加減を…」 「絶 対 ヤ ダ」 大人気ないことこの上ない。仮にも相当年上だろ。…とは言えない。言った時点で人生がゲームオーバーだ。ここで意外な来客が。 「随分とまぁ…派手に騒いでるじゃない…寝れやしないわ。ねぇ?レミィ?ここで提案があるんだけど」 「提案って…パチェのは理不尽な条件が多いけど聞くだけ聞くわ」 「ベリーインレイクかプリンセスウンディネならどっちがいい?制限時間は2分。答えが出ない場合は両方ぶっ放すわ」 「パチェ…それ私に喧嘩売ってるの?水は吸血鬼の天敵だってのに」 ちょ…パチェ!?その一言でここが阿鼻叫喚の地獄絵図三つ巴バージョンになりかねないのに何てことを…!! 「嫌なら混ぜて。それが条件」 「最初からそう言えばいいのに…」 うーわー…パチェがドス黒い。お嬢様の表情が引きつってる。ある意味で紅魔館最強かもしれない。 「ふーん…チェスね…咲夜。一戦だけ相手お願いできる?」 「――――へ!?私…ですか!?」 ドサクサに紛れてマヌケな声が聞こえた気がするが気にしない気にしない。 「それと時間巻き戻したりしたら秘密を大暴露するからよろしくね」 「秘密って何ですか!?」 どこまで黒いんだよ今日のパチェは…。そして30分後。 「はい。チェックメイト」 「秘密の件は…」 「最初から秘密なんて知らないけど?でもその顔は…ねぇ?」 「何もないですっ!」 ここでも静かな戦闘が終わったらしい。何だこの紫孔明は。咲夜さんが押されてる。 「この本…結構面白いの。歴史が元ネタでね」 「はぁ…」 そしてさらに意外すぎる人物が。例えれば集合写真の端っこに欠席者で写っている感じだ。 「寒ぅ~…声くらいかけてくれても…」 中g…違う。危ない危ない。美鈴がここに来るのが意外だ。 「「「「「あ。忘れてた」」」」」 「うぅ…酷い…」 そこに魔の手が。フランの目が輝いてるということは… 「あぁー!美鈴!外行って遊ぼ!外!ねーぇー!外行かなきゃ地下室で弾幕やーりーたーいー!」 「はぁ…って…そんな「泣くからね」みたいな目はやめてください!」 やっぱりな。そして美鈴はフランに引きずられて戦場に。敬礼。 「ちょ…助け…お嬢様ー!咲夜さーん!パチュリー様ー!○○ー!まだ逝きたくないですよぉー!!」 「普段の失態を返上するチャンスと思うことね。勝てたらチャラにしてあげる」 「少しフランと遊んであげて。全力出してもいいから」 「門番なんだし…図書館の本の整理より退屈しないと思うけど」 うわ酷ぇ。ここで否定的な意見出したらグングニルと殺人ドールと賢者の石が炸裂するかもしれない。 ――外―― 「遊んでくれてもいーじゃんケチー!禁忌『レーヴァテイン』!!」 「悲しいけどこれ…弾幕なのよね…」 「行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「嫌……アッ――――!!!!」 ――中―― 「ちょ…咲夜さん…今すげぇ悲鳴聞こえたんだけど大丈夫かね…」 「美鈴はあれでも妖怪らしいからあの程度じゃ死なないでしょ。後で包帯とか持ってくけど」 サラッと惨いことを…でもこれだけ言わせるんだ。それだけ強いんだと思う。 「ただいまー!ふぁ~…ぁ…眠い…ちょっと寝てくるね」 「この紅美鈴…帰還…もとい生還…しまし…た…」 「そろそろ図書館開けなきゃいけないから私はこれで退散するわ」 「朝食まで私も少し仮眠取るわ」 お疲れ様。美鈴すげぇ。レーヴァテインに耐えてる。ボロボロだが。 そして個人でバラバラに散開してお茶会終了。 午前6時。もう明るい。 「では朝食の用意をしますので。○○。手伝って。美鈴は任務に戻ること」 「「り…了解!」」 ナイスフォロー。あのお嬢様の威圧感はもう物理的な領域だ。指先一つでダウンどころの騒ぎじゃないぞアレは。ニュータイプか? 「助かった…」 「私より先に死なれちゃ困るもの…別に…心配だからじゃないからね。アンタも十分悪運強いんだから」 悟った。ツンデレ属性潜伏中だな。 「今日は昨日の後半戦も含めるからよろしくね」 「え゛…!?」 「さっき『もう少しで上司の秘密を握れるぜ』みたいな顔したからその罰よ」 「そんな理不尽な…」 「アンタ文句あるわけ!?あるなら操りドールと殺人ドールの2択から末路を選ぶことね。上司に殉じられるなら本望でしょ?」 「皆無です!」 「ならよし」 今日はホントにくたばる可能性が大きいな。 まぁ…賑やかだし飽きないからそれもいいか。 うpろだ1126 ─────────────────────────────────────────────────────────── 暖かな風が桜の花弁を舞わせる頃になった。 春が、幻想郷にやってきていたのだ。 そんなある日、博麗神社では宴会が開かれていた。 目的は言うまでも無く、夜桜。 夜桜の宴。 人妖が集う、美しく華やかな宴―― そして賑やかな宴ならば、それに裏方がいるのもまた道理。 ○○は酒の肴の追加を作りながら、新しい皿や椀を準備していた。 「ふう、こんなものかな」 勝手知ったる――とまでは行かないが、宴会の度にその腕を振るっているので、博麗神社の台所はよくわかっている。 それに、今は紅魔館で執事染みたことをやっているが、そうなるまでの少しの間、ここで世話になっていたこともあった。 出来上がった料理を皿に適当に盛ったところで、戸口の方から彼に声が掛かる。 「お疲れさま、追加は出来た?」 「ええ、咲夜さんもお疲れさまです。はい、こちらが」 声の主は咲夜だった。片付けの分なのか、皿と空き瓶を幾つか抱えている。すぐに重そうなそれを受け取って、代わりに料理を渡した。 「宴も酣ですから、逆に軽めのものに」 「そうね、その方が良いかも。だいぶ出来上がってる面子も多いしね」 「咲夜さんは?」 「今回はあまり飲んでないから。貴方も?」 「料理がすぐに無くなってますからね。少し飲んではこちらに、と言ったところですか」 皿を水に漬けながら、○○は少し迷った後、こう提案した。 「もし宜しければ、それを置いてきた後で一献どうですか?」 「え?」 「いや、まあ、その、ゆっくり桜を楽しむ余裕もそろそろ出来そうですし、どうせなら、と」 少し慌てたように言葉を探す○○を見て、咲夜は軽く微笑する。 「いいわよ。ただ、お嬢様方の様子を見てからになるけれど」 「あ、はい、大丈夫です。では、何か肴を用意してますね」 「ええ」 去っていく咲夜を見送った後、○○は簡単なつまみを用意することにした。 小半刻の後、咲夜と○○は二人して宴の片隅に腰を下ろしていた。 「いや、絶景ですねえ」 「そうね、毎年のことだけど、やっぱり綺麗だと思うわ……外は、違うのかしら?」 「今、これほどの桜を、こんなに落ち着いて見れる場所がどれほどあるか――僕は、知らないです」 そう言って、彼は徳利を掲げ、咲夜の手にしている小さな猪口にそっと注いだ。 「メイドに御猪口というのも、妙な組み合わせですね」 「これしかなかったものね。はい、貴方にも」 「ありがとうございます」 ○○の手にある盃に、咲夜が酒を注ぐ。軽く挙げて、乾杯の代わりにした。 一口喉に流し込んで、○○は空を仰いで大きく息をついた。満天の星に十六夜月、それに映える夜桜。 「しかし良い気分です。良い月夜に夜桜、旨い酒に……それに何より、こうして咲夜さんと一緒に居られて、本当に言うこと無いですね」 「あら、もう酔ったのかしら?」 「まだ素面のつもりですけれど」 その返答にくすくすと微笑って、咲夜も猪口を傾けた。 「貴方はあまり強くないんだから、程ほどにね。あの酔っ払い達の様子を見るに、後片付けが回ってくるのは必至よ?」 「大丈夫ですって」 そう言いつつ手酌をしようとした○○の手を遮って、咲夜が盃に注ぎ足す。 「いいけれどね。酔っ払った貴方は面白いし」 「……それ言われると逆に酔えなくなりますが。何してるんですか僕」 「さあ、何でしょうね?」 楽しそうに、咲夜ははぐらかした。やれやれと思うが、どうやらこのささやかな二人飲みを気に入ってはくれているようで、ほっと胸を撫で下ろす。 「何かやらかし始めたら止めてくださいよ?」 「大丈夫、いざとなったらナイフで止めてあげるから」 「それ止まるのは息の根ですよね?」 じゃれあうような会話をしながら、○○もまた咲夜に酒を勧める。 「咲夜さん、どうぞ」 「ええ、ありがとう」 喧騒を少し離れた、どこか静かな夜桜見。 「心地良い、わね」 「ええ」 何気ない会話を交わしてると、不意に、咲夜が肩に寄り添ってきた。 「さ、咲夜さん?」 「少し、こうしていてもいいかしら」 「……ええ、いくらでも。他ならぬ貴女のお願いですし」 「ふふ、ありがとう」 喧騒が遠い。静かに何も言わず、二人で桜を見上げる。 天には月、地には桜、手には盃、傍らには愛し人。 君、何を以って愉しまざるや。 静かな時間も、杯を重ねるうちに少し変化が起こる。 「あれ……」 「飲みすぎね」 ぐら、と○○の身体が揺れる。瞳に酒精が混じっていた。 「やっぱり、弱いわね」 「申し訳ない……」 「いいわよ、ほら」 咲夜は微笑うと、膝の上に○○の頭を乗せた。 「これで落ち着くかしら?」 「ありがとう……」 うとうとし始めた○○の頭を撫でてやると、すぐに寝息を立て始めた。 この青年はある程度酔うと、前後不覚になるよりも先に寝入ってしまう。 年上の癖に、寝るとあどけない少年のようで、何となく微笑ましくて。 「貴方のこんな姿なんて、こういう時でもないと見れないものね」 眠る彼に向かって、優しい言葉をかける。 宴席の喧騒も、少しずつ小さくなってきた。酔いつぶれた者、まだ静かに呑んでいる者、様々なのだろう。 直に宴も終わる。そうすれば、また彼女達の仕事も出てくるだろう。 だからせめてそれまでは、穏やかに眠る愛しい人と夜桜を、独り占めにしてしまおう。 舞い散る夜桜を眺めながら、咲夜は心の中だけでそう呟いた。 うpろだ1086 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「咲夜さん」 紅魔館の長い廊下、その窓を磨くのも私の仕事だ 少しとおくから、呼ばれた 「あ、○○さん・・・どうしました?」 彼は日光に当たらないように廊下の曲がり角から顔だけ出して、私を呼んでいた 「いえ、救ちゃんから言伝を頼まれまして」 窓を磨いていた手を止め、彼の元まで歩いていった そして廊下の影までいくと、彼は申し訳なさそうに、頭を下げた 「スイマセン、面倒な身体で」 何を今更、もうなれたことだし、仕方のないことだ 「・・・それで、あの子は何て?」 「ええと・・・包帯やらなんやらのストックがなくなってきたので確認に来てできればそのまま買いに行ってください、だそうです」 「ああ、そろそろだと思ってもう注文しておいたわ」 そろそろかと思い注文だけはしていたのだが、実に丁度良いタイミングだった 「流石ですねメイド長」 「まぁ、ね・・・もう慣れたわ」 自分を最強だと疑わず、自らを超える力がないと、決め付けていた ここに来るまでは 生き死にを超越する、運命を操る、万物境界をいじる 驚きと絶望の連続、そして それにすら慣れて、この世界で、生きている自分がいる 「咲夜さん?」 「・・・なんでもないわ」 目の前の彼もだ どうやって吸血鬼に成ったかは知らないが、なんとも吸血鬼らしくない、頼りない、弱い でも、彼のような存在は、私にとって・・・何かとても新鮮だった 「さーくやさーん」 「・・・ねぇ○○さん、この後時間いいかしら?」 「?別に構いませんが・・・」 「一度貴方とはじっくり話して見たいと思ってたんだけどね」 なかなか時間が無くてね、と彼女は笑った 女性の部屋に入るのはすごく、緊張する しかし部屋に招かれるとは思ってなかった 「ほら、貴方も飲んだら?」 咲夜さん、真っ昼間から強そうな酒飲んでますね(棒読み 「だいたい貴方ねぇ、妹様以外の吸血鬼がここに居られるって事がどういうことかわかってる?」 とっくに酔ってるのか、いつもより饒舌な気がした 「歯牙にもかけないということ・・・ですか?」 「そう、その通りよ」 そして興味半分おふざけ半分で、俺を雇っている 彼女の興味の対象は、俺がいかにして、成ったか 「ほら、飲みなさい」 奨められるがままに酒を飲まされた 喉が焼ける、そう思ったとき、グラスを彼女と共有している事に気がついた 唇に変な感触、口紅?いやリップクリームか・・・へ? 「あら、顔が真っ赤よ?もう酔ったの?」 うぁ、メイド長の顔が、近くに 丸いテーブルに手を着いて、俺のほうに身を乗り出して 手の着きどころが悪かったのか、テーブルが古かったのか 俺のほうにつんのめる様に、倒れこんできた ひっくり返るテーブル、滑っていくボトル 転がるグラス、酒を飲んで鈍くなったのか、彼女の力が発動する気配が無い やけに速い頭の回転と、ゆっくり流れる周りの光景 ボトルを掴んで、グラスは、届かない 何より、こっちに飛び込んでくる咲夜さんを がこっ、どすん、パリーン 「・・・」 「・・・なんとか、なるもんだ」 放心したように、と言うかそのものか、ぽーっとしている咲夜さん 俺は椅子に座ったまま、咲夜さんを身体で受け止めて、左手でボトルを持ったこの状況 固まって動けない 「あ・・・○○・・・あ、ありがと」 「い、いえ・・・怪我は無いですか?」 頼りないと思っていた彼の身体は、大きくて 包み込まれるような感覚、ドキドキと早い鼓動 吊橋効果と言う奴か、危ない状況と、異性との接触が重なって、でもこれは 「・・・咲夜さん?もしかして立てませんか?」 「え?・・・ぁうっ!?」 自分が今彼に抱きついて、ぽーっとしている状況をやっと理解し、驚いて、飛びのいた 「さ、咲夜さん?大丈夫なんですか?」 ちがう、このドキドキは、火照った身体は、そんな感情じゃ無い 私が、そんなありえない、こんな拍子に、彼に対して、そんな気持ちを 「○、○・・・」 「さ、咲夜さん?」 心配そうに見つめる彼の目が、止めだった 「ご、ごめんなさいっっ!!」 脱兎の如く部屋を飛び出た 彼の驚いたような声と、引き止める台詞 それを聞こえなかった振りをして、逃げた 初めて感じた、感情に戸惑い、竦んでしまった 彼が追ってこないようにと、日当たりのいい中庭ににげこんだ 「なんなのよ、これは」 これじゃあまるで、物語の中の少女のようだ、と 自分には一切関係ない、そう思っていたのに 「○、○さん」 彼の顔を思い出しただけで、顔がかぁっと熱くなった 数分、数十分前まで、大して意識していなかった相手を たった一度の接触で、こんなことになるなんて いや、彼がここに来た時から、意識はしていた 唯一の男手、出来損ない そうか、意識はしていたんだ それの方向性と、見る位置が変わった 嗚呼、なんだか面倒なことになってしまった よりによって同じ職場、顔を合わせないわけにも行かないのだ どうにか明日までには、この惚けた頭が、冷める事を祈るしかないようだ うpろだ1123 ─────────────────────────────────────────────────────────── ペットのヤドカリを観察する時、俺は床にへばりついて横から観察する。そんな 観察をしている時、部屋に咲夜さんが入ってきた。 「ん?何してるの○○?」 「ああ。咲夜さん。ヤドカリの観察ですよ。」 むぅ。この角度からスカートの下はおろか顔さえ見えんな。とりあえず起きあが る。 「そう。面白い?」 「ええまあ。俺のペットなんで。」 「ふーん。じゃ、私も観察させて欲しいわね。」 「どうぞどうぞ」 断る理由は無いだろうし。ヤドカリを踏まないように俺は後ろに退いた。 「んじゃ、お邪魔するわね。」 さっきの俺みたいに床にへばりついて横から観察する咲夜さん。なぜだか微笑ま しい。咲夜さんも結構楽しいらしく。ヤドカリを弱くツンツンしながら笑顔を見せ ていた。 「ん?」 待てよ。落ち着け○○。咲夜さんは、今床にへばりついている。そして咲夜さん はミニスカだ。つまり、これは視線を下に落としたら見える物がある。そうか。こ れは俺が無意識のうちに立てた計画だったのだ!!!1!! 「フフフ。計画通り・・・」 「?」 ようし。ならばその色が何色か見せて頂こうじゃあありませんか。どれどれー。 お? 「白か・・・」 「?!」 しまった。つい口に出してしまった。ヤバィ。これはヤバィ。 「○○・・・」 「いや、これはですね。あの」 何というか。その赤面しつつすぐに起き上がろうとしてずっこけそうになる姿た まりません。はい。 ん?俺何考えてるんだ?咲夜さんは鬼の様な形相をしているじゃないか。さっさ と言い訳を考えて素数を数えなければ・・・1、2、3、5、7、⑨・・・あれ? だが咲夜さんはその鬼の様な形相を解いてため息を吐いた。 「・・・。まあいいわ。○○なら。どうせ見られるの覚悟でやった訳だし。」 「へ?」 ん?「○○なら」?。ん。これはまさかの咲夜さんフラグktkr? 俺は脳内を整理しながら警戒を解く。咲夜さんはにっこりと笑っていた。 そして、 ・・・その次の言葉を俺は理解する時間さえ与えられなかった。 「殺人ドール一発だけで許してあげる。」 にっこりとした笑みが不敵な笑みへと変貌を遂げる。そして俺の周りに発生する 無数の青や赤の柄のナイフ達。 外の世界のお母さん。お父さん。僕はもうオシマイみたいです。 アッー! うpろだ1157 ───────────────────────────────────────────────────────────
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十六夜 咲夜Ⅱ HP2 AP2 DP1 MP1 種族 戦士 このカードは「十六夜 咲夜」と同名カードとして扱う。 自分フィールド上のカード2枚を捨てることで発動。 他のカードの干渉なしに3回行動することができる。 出典 東方project 更新者 鴉乃 十六夜 咲夜の効果あり別バージョンキャラクター。 彼女の時間停止効果が現れるようになっている。 効果自体は幻世「ザ・ワールド」を使用した十六夜 咲夜 ただし、他のカードの干渉なしなのが強力。 よって彼女が幻世「ザ・ワールド」を使ってもあまり意味はない。
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十六夜 咲夜(使用者) 紅魔館の瀟洒なメイド長。WIN版では霊夢、魔理沙に次ぎ自機になったりと今なお人気の高いキャラクターでもある。「時を操る程度の能力」やナイフを使った弾幕などで中二心をつかんで放さない。かつ猫舌という完全無欠のおしゃれメイド。 種族としては人間/メイドを持つ。 パーソナルカラーとしては黒。サブカラーに青を持ち、総じてコントロールに向いたデザインになっている。 固有能力ザ・ワールドなど派手な能力もあるが、特筆すべきは全体的なスペックが高い点だろう。グレイズやパーソナルカラー黒の特色でもある確定除去、ハンデスから青ではバウンスなどといった使い勝手のよい除去能力を持つ。 幻符「殺人ドール」 黒 (6) スペルカード:十六夜 咲夜 人間/メイド 3000 ■このスペルカードをバトルゾーンに出したとき、バトルゾーンにあるアクティブ状態のスペルカードを一枚選び破壊してもよい。 召喚時に相手のスペルカードを選び破壊することのできるスペル。 幻符「インディスクリミネイト」 青 (8) スペルカード:十六夜 咲夜 人間/メイド 5000 ■このスペルカードがバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるスペルカードを2枚まで選び、持ち主の手札に戻す。 □自分のバトルゾーンにある符名に幻をもつメイドのスペルカードがあるとき、このスペルカードのコストを1少なくしてもよい また、符名を参照するデザイナーズコンボも組み込まれ使い勝手がよい。 十六夜 咲夜を主軸にしたデッキの場合は相手のスペルカードを除去、手札を破壊するなどといった能力を伸ばしたコントロールデッキがいいだろう。 運命「ミゼラブルフェイト」 黒 (4) スペルカード:レミリア・スカーレット 吸血鬼 2000 ■このスペルカードをバトルゾーンに出した時、相手は自身の手札から2枚カードを選び、すべてのプレイヤーに見せる。そのうちの1枚を選び、相手に捨てさせる。 などといったハンデス能力を持ったスペルカードとも相性がよい。 ただしブロッカー能力を持ったスペルが少ないため、色での相性がよい氷符「アイシクルフォール」や夜符「ナイトバード」など構築したいデッキの系統によってスペルを選択する必要がある。 また、ターンを相手に渡す際に霊玉をアクティブできる特殊な能力も持っているため、魔力を使った能力を持った吸血鬼、魔法使い、妖精のスペルカードと組み合わせることも可能。 十六夜咲夜のスペルカードはタイミングが重要になるため、相手のプレイングを読んだりといったプレイングが得意なプレイヤーはメインに選んでみるといいだろう。 また十六夜咲夜がメインになっているエントリーデッキEX02 忘却の銀世界もあるため、基本カードの入手が容易である。 関連カード 使用者が十六夜 咲夜のスペルカード 幻葬「夜霧の幻影殺人鬼」 幻符「殺人ドール」 時符「プライベートヴィジョン」 傷符「インスクライブレッドソウル」 幻符「インディスクリミネイト」 幻世「ザ・ワールド」 時符「ルナ・ダイアル」 光速「C.リコシェ」 十六夜 咲夜のスペル・ドライブ 傷魂「ソウルスカルプチュア」 十六夜 咲夜のスペル・ドライブ-Hard 「デフレーションワールド」 十六夜 咲夜に関連する能力 グレイズ 除去 ザ・ワールド イラストのテーマが十六夜 咲夜のイベントエフェクト 参考 人間 メイド
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S咲夜 タイプ: スキル1.完全で瀟洒なメイド:戦闘中のコダマの能力値が5%上昇します。 スキル2.時間を操る程度の能力:25%の確率で、先攻で行動できます。 重複弱点(3倍):闘 弱点(2倍):炎、虫、岩、鋼 抵抗(1/2倍):氷、霊、闇 重複抵抗(1/3倍): 無効:理 種族値・同タイプ比較 (氷/闇) HP 攻撃 防御 特攻 特防 速度 合計 S咲夜 85 120 70 60 90 120 545 T夢月 120 40 90 110 115 70 545 Sパルスィ 115 30 85 115 75 110 530 スペル スペル名 属性 分類 威力 命中 消費 詳細 S咲夜 インスクライブレッドソウル 闇 物理 60 100 0 30%の確率で、相手の防御を1段階下げます。 初期 クロックコープス 氷 物理 70 100 10 10%の確率で、相手を凍らせます。 15 殺人ドール 鋼 物理 90 100 25 10%の確率で、相手を怯ませます。 20 エターナルミーク 闇 物理 80 200 15 10%の確率で、相手を怯ませます。 30 プライベートスクウェア 氷 物理 90 100 25 10%の確率で、相手を凍らせます。 35 ミステリアスジャック 闇 物理 100 100 30 30%の確率で、相手のどちらかの装備を無効化します。 40 離剣の見 鋼 物理 100 - 10 使用から2ターン後の冒頭に攻撃します。ダメージはその場にいるコダマのステータスで決定します。このスペルは属性、装備、スキルの影響を一切受けません。 60 咲夜の世界 氷 変化 - 100 40 相手を凍らせます。 禁呪 考察 基本評価 AS120でその他が低い典型的な高速物理アタッカー。 S120族内でも5%上昇スキルと25%先制スキルで頭一つ抜けた速さをもつ。 仕様上、2倍弱点を突いても割と耐えられたりするが、逆に特殊技なら等倍でも即落ちということは少ないが、 相性有利な相手でも耐久があると一度動かれることも多いため、神子・ぬえゾウ・妹紅カードのいずれかはほぼ確定。 運用方法 基本的には先発での運用を。相性不利な相手でも、離剣の剣、咲夜の世界と一応の非直接攻撃技はある。 ただし炎タイプには一致闇技を考えてもほぼ確定で負けなので注意。鋼は即交代か、「咲夜の世界→(離剣の剣→)交代」。 有利・不利・五分が割とすっぱり分かれるため、選出の時点で勝てる相手が出てくるか見極めることが重要。 比較 S咲夜の利点 素でS120族と早く、凍結なら消費VPを考えてもこちらのほうが有用。 5%上昇スキルを持つ 不一致ながら鋼で氷に抜群を取れる 未来予知技あり 「比翼の鳥」によるパーティー構築の制限がない(比翼を無視することもできるが) T夢月の利点 先制技を持つ 比翼による(限定条件だが)高火力 物理でも耐久はそれなりにあり、特殊なら十分な耐久 命中不安ながら催眠技を持つ 固定ダメージ技あり(無効属性なし) 細かい点も上げたが、根本でアタッカーとして物理と特殊に分かれているため、そこまで 気にする必用はない。 BP振り AS64振りで十分。HBDは振ってもロクな耐久にはならない 装備候補 物理火力上昇:相手次第で単・複数属性上昇どちらでも。 神子:先発で出すならほぼ確定。対面で弱点の付き合いになりそうなら。 ぬえゾウ:先発に置きたくない場合。ただしこれで3発耐えられるようになることはほぼない。これがないと1発でやられる相手への後出しは無謀、とそこまで使い勝手はよくない。 妹紅:こちらも受けだし用。 速度上昇:同速対決が懸念される場合は選択肢に。S100族あたりは警戒対象。 消費VP減少系:主要スペルは全体的に燃費が悪い。交換頻度が高いとVPの回復が追いつかないため。 永琳カード:麻痺相手への保険用。居座って回復させるのはほぼ不可能
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} ---ラー -- 、 ヘ, /X´/ { \」ヽ / ヽ/ ハ ヽ´ヘ >ヘ/ / | i ヘ ハ/__ r´ / / / |_ i ヘ ハ ヽ_{ { ´/ / / ii | ヽ i \ } ト \_ /く_/ i i { ム从i \{\≧\i i ハ ┬ ´. i / 人 ヘ {∧ラハ 仆テ∧ } ィ i┘ハ ノ ノイ ヽリ 弋_ソ 弋_ソ レ从iリ ハ {/ノ\{\ ム ' ハ /レ i iム ノイ ヘ ハ 〈 Y 〉 イ /i リ 人i ´ノ/ノ、 ゚ / Y 〉 イ ∧{ / イ//〈 > __ イ 〈 Y 〉リi/ _ - ´ ´ 〈 Y 〉 /i ト从〈 Y 〉/{ / ソ〈 Y 〉 リ、 / 〈 Y 〉 {--t/ ノf--イ}>=<{__ \__/ }>=<{ 〉 ヽ| r - ´/ ム{ |ノ } ̄ ーt┼r ´  ̄ |_ノ 「{ 丶. i / 7 / | } { { | └t ハ i/ }丶/ Y /i-i丶 i ヘ/ { ゝ i r┘y i / i i \ / ハ 」 ´\ i ヘ / /└´ / i \ ハ/ 〉 i λ / / i 丶 } / 咲夜 9匹目のミッション【ウバメの森の祠及びその近辺の探索】にて初登場。 祠に祀られていた幻のポケモンセレビィに仕える巫女、ただし服装はメイド服。 セレビィが心の価値を認め、助けを求め己の支配する時空へ招いたやる夫に事情を説明した。 セレビィ・ホウオウ・ルギアが助けを求めていることを話し、やる夫に協力を求める。 承諾したやる夫に対して月時計を渡した。セレビィの事を「我が主」と呼んでいるらしい。 トトリとのやり取りを覗き見していて赤くなっていた、何気とウブらしい。 やる夫と別れた後には、ホウオウとルギアにそのことを話に向かったようである。
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★4 斬タイプ [麗しき美剣]サイラス 術技 瞬息一閃 敵単体に5HITのダメージ(50%×5) リーダースキル ソードワルツ ●と■マーカーの攻撃力を1.4倍にする スキル 流水の構え 3ターン水属性モンスターからのダメージを40%減 リンク数:40 特性1 ラッキーヒール まれにHPが3%回復する 討伐数:15 特性2 アタックフォース3 攻撃力が7.5%アップ 討伐数:150 特性3 リペア4 回復力+200 討伐数:500 特性4 ─ ─ 討伐数:─ 攻撃力(Lv1) HP(Lv1) 回復力(Lv1) LC 最大Lv 攻撃力(Lv最大) HP(Lv最大) 回復力(Lv最大) 630 783 608 10 60(80) 入手場所 キャラクターガシャ 解説 登場作品 オリジナル コメント 名前
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《紅き月の従者 十六夜咲夜》 効果モンスター 星4/水属性/戦士族/攻 1900/守 1500 このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手は自分フィールド上に存在する 「紅き月 レミリア・スカーレット」を攻撃対象に選択できない。 また「紅き月 レミリア・スカーレット」を対象とする魔法・罠カードの効果を無効とする。 1ターンに1度、相手フィールドに表側表示で存在するモンスター1体の表示形式を変更することができる。 この効果を発動するターン、このカードは攻撃宣言を行えない。 《紅き月 レミリア・スカーレット》の従者。 主を守る二つの永続効果でボムとして《ソウルテイカー》一個分くらいは消費させられる。 戦士族で攻撃力1900の効果モンスター、そしてデメリットが皆無に近い優秀なアタッカー。 《増援》、《戦士の生還》に対応し、専用カードによるトリッキーな効果を絡めれば縦横無尽の活躍が見込める。 水属性である事を利用して《伝説の都アトランティス》と併用する事でロックをすり抜ける2100アタッカーとして使うのもいいだろう。 《紅き月 レミリア・スカーレット》を戦闘から守る効果は地味ながら、しかし簡易で直接的な手段である戦闘除去を確実に一回は無効にできる。 このカードのステータスは普通の4レベルアタッカーだが《インディスクリミネイト》を使用すれば実質攻撃力2900にも跳ね上がる。 ただ、後続を凌ぎきるには少々不安が残るので壁として留めたい場合は《ミスト・ボディ》でも採用するべきか。 《紅き月 レミリア・スカーレット》を対象を取る魔法・罠から守る効果は強力だが、モンスター効果は素通りしてしまう。 また、自分の使う装備魔法等も無効化されてしまう。《吸血鬼幻想》とはシナジーしないので注意。 対象を取らない《ライトニング・ボルテックス》や《聖なるバリア-ミラーフォース-》等の全体除去も素通ししてしまう。 これが不安な場合は対策としてカウンター罠を用意するか、《フォービドゥンフルーツ》を用意しておきたい。 己の攻撃宣言を犠牲としてスペルスピード1の表示形式変更効果も持っている。 アタッカーとしての能力は失われるが、モンスターが並べられるなら帝だろうがダムドだろうが守備力1000を無防備に曝け出す事になる。 ただし、《水の精霊 アクエリア》のように表示形式変更権を使えなくする効果は無いので抑止力たりえない。基本的にはやはり従者として扱うべきだろうか。 勿論この効果も《紅き月 レミリア・スカーレット》とは抜群のシナジーを発揮する。 総じて、アタッカー・戦闘補助・上司の生贄として効果的な属性・主の守り・効果耐性付与と、 殆ど隙の無い優秀なモンスター。まさにパーフェクトメイドと言える。 2008/09/02にエラッタが成された。これにより、悪魔族全体の耐性から自分の主一本の耐性に。 デメリットのない下級戦士族で1900の攻撃力を持つのは《E・HERO アナザー・ネオス》とこのカードのみ 現在実装されている東方のカードでは最多のスペルカード数を誇る、流石は咲夜さんCGIと言うべきか? 攻撃名は「メイド秘技「殺人ドール」!」 攻守変更効果は《モンスター》は咲夜に時を止められ体勢を崩した! レミリアを守る効果「咲夜が、レミリアを対象とする効果を防いだ!」 と、メッセージが出る。 原作・アニメにおいて―~ 東方紅魔郷5面ボス・6面中ボスを務める。また、東方妖々夢にて自機へ昇格。 その後も東方萃夢想、東方永夜沙で主と共に自機になるなど、かなり待遇のいいキャラである。 『時間を操る程度の能力』を持つ。二つ名は『完全で瀟洒な従者』『危険な手品師』。 投げナイフを武器及び弾幕の手段とし、門番のサボりを咎めたり侵入者を迎撃したり・・・ 炊事洗濯掃除に戦闘、と四拍子揃っているメイドである。 関連カード 《紅き月 レミリア・スカーレット》 《紅魔館門番 紅美鈴》 《インディスクリミネイト》 《クロックコープス》 《プライベートヴィジョン》 《血の懐中時計》 《ミスディレクション》 《夜霧の幻影殺人鬼》 《パーフェクトスクウェア》 《ソウルスカルプチュア》 《パーフェクトメイド》
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■咲夜5 「・・・ぐっすり寝てるじゃ無いか」 ここは紅魔館、明日は(日付が変わったので正確には今日)クリスマス! 俺は愛しのメイド長にプレゼントを渡すためこうやって侵入しているのだ!! 「靴下は・・・無いなぁ、下げとけっての」 とりあえず枕元はなんなんで横のテーブルの上にマフラーやらなんやら詰まった袋を置いといた 「さて、もうちょっと寝顔を見てたいけど・・・退散しますか」 「んっ・・・え?・・・し、侵入者!!」 寝間着のはずなのにどこからか取り出したナイフをこちらに投擲する、何とか避けたものの頬を掠っていった 次々に投げられる銀のナイフ、雪に喩えるには鋭すぎるそれを何とか避ける 部屋から出てもまだ追ってくる、いっそ窓を突き破って逃げようか、でも空飛ぶそりも天かけるトナカイもいないのだ ぐっすりと寝ていたら物音がした 部屋を見渡したら真っ赤な服で髭もじゃの男が部屋を物色していた 「なっ!」 返り血で真っ赤に染まった服、長い髭と狂気を孕んだ眼 一瞬で解った、不法侵入者だと ベットの下に隠し置いてあるナイフを取り、投げた しかし男はそれを難なくかわすと脱兎の如く部屋を飛び出していった 「逃がすか!」 私は寝間着のままナイフのホルダーを持って男を追った サンタ服は凄く動きにくい、ブーツは愛用のものをはいてきたのだが・・・ ヒュッ 風を切る音と同時にナイフが飛んできた、角で引き離したと思ったんだがもう追いつかれたらしい 「ヘイ嬢ちゃん!この格好見てわかんないか!?俺はサンタだ!サンタクロースだ!アンダスタン?」 「ああなんだ、それは失礼しました・・・なんて言う訳ないでしょ!!」 「うをっ!?おま、死んだらどーする!!?」 相手をするより逃げた方が得策、そう思って背を向けて走り出した 「え?」 前方後方いや、輪のようにナイフが俺を囲んで― 「殺人ドール・・・殺った」 赤い服はズタズタに切り裂かれ、体に無数のナイフが 「・・・び、びっくりした」 「!!?ふ、不死身!?あれ・・・そういえばこの声・・・あれ???」 「ちゃーんす!!」 窓の外に木を見つけた、これを逃す手は無い 「さよならお嬢さん、良い子はゆっくりおやすみ」 ぱりーん・・・がさがさどすん 「・・・○○・・・よね、あの声」 あんな変な格好をしてたし、髭で顔がよく見えなかったけど・・・全然気付かなかった 「・・・・・・サンタのつもりだったのかしら」 随分赤黒い服だったし、ブーツは軍人みたいだったし、挙動不審でにやにやしてたし 「・・・もしかして・・・プレゼントとか・・・期待してもいいのかしら」 ○○が私の部屋にあの格好で侵入するなんて ①いやらしい目だったから、夜這いかしら ②サンタの格好してたし、プレゼントしかないでしょ 莫迦な考えをしながら部屋に戻った、投げたナイフを回収して 「・・・②か」 テーブルの上にはラッピングされた袋が置いてある、幸運にも傷一つ無い がさがさ、ごそごそ マフラー、たんぜん・・・ぬくいなぁ、丁度欲しかったのよー マフラーを巻いてみようと広げた時、床に何かが落ちた 音からして何か重いもの、金属か石? 「あ・・・」 拾い上げたのはお月様のペンダント ガラスか水晶かダイヤか、違いは解らないし、そんな事はどうでもいい ドッグタグみたいな飾りの裏に「Merry Christmas!」とだけ書いてあった 「・・・初めて、クリスマスプレゼント・・・」 寝ないといけない時間だけど、嬉しくて目が覚めた それに、こんなに涙が溢れているのに眠るのはむずかしい この気持ちをもう少し噛み締めていたと言う思いもあったから 「あー・・・寒い、咲夜に殺されるところだったぜ、やっぱり紅魔館へいく時はチェーンメイルが欠かせないな」 ずたずたに切り裂かれたコートを羽織って、ゆっくりと歩いていく 外じゃ「ホワイトクリスマス」何て盛り上がるんだけど・・・黒幕頑張りすぎ 「はぁ・・・喜んでくれるといいんだけど・・・ねぇ」 ぼすぼすと音を立てて雪道を踏みしめ、えっちらおっちらと家に帰るのだった メイド曰く メイド長がメイド服の上からたんぜん羽織ってマフラーしてた、何か凄く不自然だった 門番曰く 凄く暖かそうなのでちょっと貸して欲しいといったら殺されかけた、よほど大切なものなのか 匿名曰く 以前より怒らなくなった、柔らかくなった?と言う印象を受けるようになった 匿名希望 怖くないメイド長というプレゼントをありがとうサンタさん! 11スレ目 481 ─────────────────────────────────────────────────────────── 今日は12月25日。所謂クリスマス。 もっとも、ここ紅魔館においては関係のない話だけれど。 数年前までは物珍しさからか毎年パーティが行われていたのだが、やはり吸血鬼がクリスマスを祝うのは おかしいと思ったのか、そもそもクリスマスというイベント自体に飽きたのかは定かではないけれど近年は特に何事もなく過ごされている。 まあ、その方が私も楽ができるので特に問題はない。 「○○、そこの掃除が終わったら休憩に入っていていいわよ。」 年末に向けて大掃除に励む○○に一声かけておく。彼のことだから、きっとそれなりの時間働き詰めだろう。 全く、某門番も彼の十分の一でいいから真面目だと嬉しいのに……。 「いえ、今日は少し用事があるのでなるべく早く片付けてしまいたいのですが……。」 「それなら別に良いけど。あまり根を詰め過ぎないようにね。」 「はい、有難う御座います。」 そう言って廊下の奥へ消えていく彼を見送る。 そういえば今日がクリスマスということは、彼がここに来てからもう一年が経つのか。 確か、初めて会ったのも今日のような重苦しい曇り空の下だった。 里へ買い物に行った帰り妖怪に襲われている彼を見つけ、気まぐれに助けたのが全ての始まり。 外の人間だと聞いて、お嬢様への手土産にでもしようと思い連れて行ったのだが、館の人妖に妙に気に入られてしまい執事という形で雇う事になった。 本人曰く、一流のホテルで働いていた、というだけあって立ち振る舞いは洗練されているし、非常に役立ってくれている。 実際彼が来てから随分と仕事が楽になったと思う……そのせいで余計に妖精メイド達が働かなくなった気もするけれど。 一年前にはこの館に存在さえしていなかったというのに、今では彼のいない紅魔館なんて考えられないような気さえするのだから本当に不思議なものだと思う。 「クリスマス、か。」 自然と溜息が漏れる。パチュリー様によるとクリスマスというのは恋人と二人きりで過ごすものなのだとか。 彼と二人で過ごせたら……なんて、全くもって似合わない。 結局彼に惹かれ始めたのはいつだったのだろう。今年の春ここに残る事を選んでくれたときか、それとももっと前から……。 「あら、咲夜が溜息なんて珍しいわね。」 「お、お嬢様?!申し訳ありません少し考え事を……。」 聞きなれた声に思考に沈みかけていた意識が急速に引き上げられる。 見苦しいところを見せてしまった。お嬢様に声をかけられるまで気付けないとは、そうとう重症かもしれない。 「○○の事で頭が一杯なのはわかるけれど、もう少し周りに気を配ったほうが良いんじゃないかしら。」 「なッ、何を仰るんですか?!私は別に……。」 ニヤニヤと、それこそ悪魔のような笑みで問いかけてくるお嬢様。最近はこの話でからかわれっぱなしだ。 そして毎回無駄だとわかってはいるが必死の抵抗を試み、余計に楽しませるはめになるというパターンを繰り返している。 いい加減飽きてほしいのだけれど、この分だと当分はこのままかもしれない……本当に溜息が出る。 「それはともかく、私は●●のところに行ってくるから。今日はもう自由にしていていいわ。」 「畏まりました。行ってらっしゃいませ。」 クリスマスは恋人と、か……お嬢様が少し羨ましい。 「あ、そうそう。咲夜もこの機会に○○に告白の一つでもしてみたらどうかしら。」 「え……?」 「やっぱり想いは伝えないと、でしょう?」 「え、え?」 「せっかくこんな良いイベントがあるのだから、有効利用しないと駄目よ。」 「あ、あの、お嬢様?」 「それじゃ、頑張りなさいよ。」 言いたい事だけ言って、さっさと飛んでいってしまう。無責任すぎる、と言っても結局無駄なんだろう。 正直いきなり告白なんて言われても、どうすればいいか……でも、お嬢様の言う事も正しいだけに無視は出来ない。 クリスマスも残りはあと数時間になってしまっている。 彼と二人きりで、彼の作ったディナーを食べる。それ自体は別に珍しい事ではない。 お嬢様や美鈴と一緒に夕食をとることはないし、妹様やパチュリー様にいたってはそもそも自分の領域から出てくる事が稀だ。 だから彼と二人での夕食という事自体には慣れている、慣れてはいるのだけれど……お嬢様のせいで妙に意識してしまう。 「メイド長、どうかされましたか?」 「え、いや、何でもないわ。大丈夫。」 「それなら良いのですが……。」 声をかけられただけなのに、心臓が飛び出るかと思った。きっと美味しいだろう夕食の味もほとんどわからない。 私は彼のことが好きだ、それははっきりと自覚している。でも、こんな状態では告白はおろかまともに会話すら出来ない。 これで『完全で瀟洒な従者』とは自分で自分が情けなくなる。目の前ではすでに食べ終わった彼が片付けを始めたところだった。 全く、こちらの気も知らないで、というのは少し自分勝手過ぎるか。 「メイド長……少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか。」 「何、かしら。」 食事が終わり、紅茶を飲んでくつろいでいると唐突に彼から声をかけられた。 少し珍しい真剣そのものの彼の表情に一気に心拍数が上がる。もしかしたら、なんて思うのは自惚れ過ぎか。 「これを。」 彼の言葉とともに差し出される綺麗に飾られた小さな箱。 「開けてもいいかしら?」 「ええ、もちろん。」 期待と不安で心が破裂しそうになるのを抑え、丁寧に包装をはがしていく。 「ネックレス……?」 「今日はクリスマスでしょう?いつもお世話になっているお礼です。」 「ありがとう、大切にするわ。」 私の答えに満足したように微笑む、彼。 『いつもお世話になっているお礼』か、あまりに都合の良い期待をしていた自分が情けない。 それでも、少なくともある程度良い感情を持たれているのはわかった。それだけでも充分嬉しい。あとは少し勇気を振り絞るだけ……。 行くしかない、と決意を固めた瞬間彼がポケットから再び小箱を取り出す。 「……」 「あの、○○……?」 『開けて』と視線で促され、先程と同じように包装をはがしていく。 中身を見る。あまりにも有り得ない出来事に頬をつねりたい衝動に駆られるが、彼の前なので我慢する。 しかし、これは……つまりそういう意味だと受け取ってもいいのだろうか。いや、やっぱり有り得ない、そんな訳はない。でも、もしかしたら……。 「指輪……気に入ってもらえましたか?」 「え、ええ……これも『いつものお礼』……というわけではない…わよね?」 「これは……私の気持ちです。」 箱の中に入っていたのは、ダイヤのあしらわれたシンプルな指輪。 デザインこそシンプルだが、非常に精巧に出来ている。幻想卿でこれだけのものを買うとなればそれなりに高額になるだろう。 ここまでくれば流石に疑いようもない。 「咲夜さん、私はあなたのことを愛しています。」 指輪と同じようにシンプルなプロポーズ、それでも私の涙腺を決壊させるには充分な威力だった。 「……私も……あなたの事が…好き。」 半分鼻声になりながらそれだけ言うのが精一杯で、そのまま彼に優しく抱きしめられる。 「……良かった。」 心底ホッとしたような彼の声にさっきまで悩んでいた自分が馬鹿らしく思える。こんな事ならさっさと告白でも何でもしてしまえば良かったのに、と。 まあ、そんな事が出来れば苦労はしていないし、彼からのプロポーズの言葉が聞けたので良しとしよう。 しばらくして落ち着くと、私は彼へ何も贈るものを準備していない事に気付く。 こんなことならクリスマスプレゼントの一つでも用意しておけばよかった、と今更ながらに後悔するがどうにもならない。 彼はそんな事は気にしないのだろうけれど、これでは私の気がすまない。 「○○、ごめんなさい。私は何も準備していなくて……。」 「別にいいですよ、見返りが欲しかった訳じゃないですから。」 「でも……。」 彼は少し考えるような素振りを見せ、何か思いついたようで再びこちらに向き直る。 「それじゃあ、今日の残り数時間、ずっと傍にいて下さい。」 「そんな事で良いの?」 「ええ。クリスマスは恋人と二人きりで、なんて素敵じゃないですか。」 少し恥ずかしそうに笑う彼。その意見には賛成だけれど、結局私からは何もあげられていない。 だから、せめて。 これからもずっと。 命尽きるまであなたを愛すると誓おう。 聖なる夜に誓いの口付けを。 「あなたが望むなら……今宵私の時間はあなたのもの。」 11スレ目 503 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――俺は、最高の幸せの瞬間にいる 〇〇の時間は、私だけのもの 〇〇の存在する空間も、私だけのもの 〇〇は、私のことだけを考えたまま、凍り付いた時と空間で存在し続ける 最高の方法だ。 片時も離れることがなく、片時も心が通じ合った瞬間が終わらない ついでに、人間として老い、醜くなる私の姿を〇〇に見られることもない。 ――俺は、最高の幸せの瞬間にいる 「ねぇ、咲夜。最近〇〇を見ないけど、人里に帰したの?」 「里にはいないと聞いてますわ。元々外の住民ですから、里心でもついてそちらに帰られたのでしょう」 10スレ目 478 ─────────────────────────────────────────────────────────── この時間帯なら咲夜さんも空いているだろうか…。 ちょっと会ってこようかな・・・・・。 あ!さ、咲夜さん・・・!えぇっと、その・・・・。 ず、ずっと前から好きでした!ぼ、僕と付き合ってください!! 10スレ目 530 ─────────────────────────────────────────────────────────── 正月。 それは一年で最もおめでたい日。(幻想郷にもあるなんて驚いたけど) 1月1日を国民の休日とし、年が変わったことを祝う日だ。 今日は、ここ、僕を雇ってもらっている紅魔館で、新年会をする予定だ。 「執事長、これはどこに置けばいいですか?」 「あー、それは向こうかな」 ちなみに、僕が就いているのは執事長。 割と忙しい役職である。それだけ、お嬢様に気に入れられたってことなんだろうけど。 就いたからには、精一杯やってるつもりだ。 「執事長~!こっち手伝ってくださ~い!」 「ちょっと待ってくれ~!僕も忙しいんだ~!」 俺たちがさっきから何をやっているのかと言えば、無論、新年会の準備である。 それも、毎年やっているのとは違い、今年はレミリアお嬢様の意向でかなり大きいパーティーにするつもりらしい。 ゆえに、紅魔館はかなり忙しい状況になっている。 門番にも、図書館の司書にも手伝ってもらっているぐらいである。 ちなみに、メイド長は料理担当なので今は厨房にいる。 「○○さん、このテーブルはどこに配置するんですか?」 さすが、門番。 片手でテーブル運びとは。 「向こうから順に並べて」 「こっち終わりました~執事長」 「ご苦労さま。でも、まだこっちが終わってないからこっち手伝ってくれ~」 「この鬼執事~!」 「文句は終わってから言ってくれよ~」 いつもは静かな紅魔館も、このときばかりは騒がしい。 「おーい、来てやったぞ~」 こんなときに限って、来客である。 「ごめん魔理沙、今忙しいからまた後で来てくれよ」 「んー?何やってるんだ?」 イスなどをあちらこちらに並べる俺やメイド達を不思議そうに魔理沙は見ていた。 「いつものパーティーの準備。そろそろ魔理沙の家にも招待状が届いていると思うよ」 「そうか、じゃあまた後でくるぜ」 「・・・・・・・暇なら手伝ってくれよ」 「客に手伝わせる気か、○○は」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ふー、これで全部かな?」 テーブルに、用意された料理を並べ終える。 某大食い幽霊も呼ぶ予定なので、かなりの量がある。 「全部ですよ。というか、全部であってほしいです」 「もう・・・・疲れて動けませんよ~」 「ははは。じゃ、各自パーティーまでゆっくり体を休めてくれ」 疲れで倒れているメイド達に号令をかける。 「じゃ、パーティーまで自由解散!」 パーティーの始まりは午後7時からだ。 今の時刻は午後6時。そろそろ、来客が集まってくる時間である。 「よし、ここも問題なし・・・」 僕は最後のチェックをしている。 具体的には、イスの数、料理の数などに漏れが無いか、である。 執事長として、全体を見直すのは当然である。 「ふむ、特に問題なし、と」 どうやら問題なく準備が出来たようだ。 「お勤めご苦労様、○○」 後ろから声を掛けられる。 この声で、もう誰か分かる。 なにせ、仕事の関係上、最も話す人だし。 「こちらこそ、お勤めご苦労様です、メイド長」 案の定、流石のメイド長も少し疲れた顔をしていた。 「これだけの料理、大変だったでしょうに」 「そうね。でも、お嬢様の意向には従わなければならないわ」 しかし、この人の忠誠心も見事である。 「それに、まだ終わってないわ。本当に忙しいのは、パーティー本番よ」 「それもそうですね」 「ん、どうやら準備ができたようだな」 噂をすればなんとやら。お嬢様の登場である。 「はい、特に問題は見当たりません。あとは、開始を待つだけです」 「ご苦労、○○、咲夜。開始までゆっくり部屋で休んでおけ。パーティーの途中で寝たりするんじゃないぞ」 「「承知しました」」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ マイクを片手に壇上に上り、ホールを見渡す。 ・・・・・どうやらメンバーは揃ったようだ。 「・・・・・では、レミリアお嬢様よりご挨拶があります」 ざわついていたホールが静まり返る。 レミリア様が、壇上に上ってくる。 「・・・・コホン、皆さん、あけましておめでとう。 そして、紅魔館へようこそ。本日は、忙しい中、このように多くの人に・・・・」 「似合わないぞ~、レミリア~!」 下から魔理沙が野次を飛ばした。 ホール、爆笑の渦。 チラリとレミリア様を見る。 ・・・・案の定、顔を赤くしていた。 「・・・・・・お望みどおり、堅苦しい挨拶は抜きにしよう。では、○○、乾杯の音頭を頼む」 「皆さん、用意はいいですか?」 グラスを掲げる。 それを合図に、次々と全員の手にグラスが握られる。 全員、準備はOKのようだ。 「では、新年を祝って・・・・・」 「かんぱ~い!!」 「「「「「「「かんぱーい!」」」」」」 ~パーティー中の全員の様子~ 「ゆ・・・・幽々子様・・・・・」 「ん?どうひたの?」 「・・・・た、食べすぎじゃありませんか?」 妖夢が心配するのも当然である。 乾杯の音頭が取られた瞬間、幽々子は真っ先に料理に飛びつき、修羅のごとく食べていた。 「なにひってるの。こういうのは食べなひゃ損でしょ?」 話しながらも猛烈に食べていく幽々子。 そばには、何枚も重ねられた皿が積みあがっていた。 ・・・・ちなみに、紅魔館側はこの事態を想定したのか、幽々子の周りにはメイドがたくさんいる。 (・・・・・・・あとで謝っておこうかな・・・・) 「人のこと心配してないで、妖夢も食べなさい」 「は、はい」 「見事なものね。この規模のパーティーも、久しぶりだわ」 「そうですね。姫様がこのようなパーティー自体に出席するのも久しぶりですね」 「・・・・・・いつもは引きこもってますしね」 「・・・・・・・何か言った?ウドンゲ。声が小さくて聞こえなかったわ」 「何でもありません」 「本日は、このようなパーティーにご出席いただき光栄です。どうぞ、ごゆっくりお過ごし下さい」 「ありがとう。○○、あなたも、あまり無理しないようにね」 「はは、お気になさらず。これも仕事ですから」 「・・・・・・姫様も○○さんを見習って少しは働いて下さいよ」 「そういえば、前の月の晩のときの霊夢のところで宴会したよね~」 「なんだか、ここにきたのが随分昔のように感じますね、師匠」 「・・・・・・それだけ、ここが住みやすい、ってことね」 「ま、過去を思い出してもしょうがないわ。それより、さっさと食べましょ」 「・・・・・・姫様、あまり食べ過ぎないようにして下さいよ。ただでさえ、運動しないんだから・・・」 ・・・・・・・引きこもり相手には当然の心配である。 「なぁ、けーね。寺子屋のほうは大丈夫なのか?」 「心配ない。正月はどこの仕事も休みだ」 けーねは少しため息をつくと、 「・・・・・例外として、ここの執事やメイドは、まだ仕事のようだがな」 「大変だね、咲夜も○○も」 「・・・・手伝えるなら手伝いたいが、あの二人のことだ、拒否するだろう」 「ま、私達は客として来てるんだし、楽しんでいきましょ」 「・・・・・そうだな。じゃ、妹紅、あらためて乾杯だ」 「乾杯」 「・・・・・・なんだか良心が傷つきますね・・・・」 「・・・・・・どうしたの、急に」 パチュリーがワインを飲みながら聞いた。 美鈴がそう思うのも当然である。 自分達は食べているのに、○○や咲夜は、まだ料理や客の相手などに忙しいからだ。 「・・・・だって、咲夜さんや○○さんが」 「・・・・・仕方ないでしょ。私たちはただの手伝い。あの二人は企画者の従者。そこらへんは、任せましょう」 「・・・・・・」 「・・・・・・はぁ。あんたがそんなんじゃ、咲夜も○○も浮かばれないわ。あの二人分、楽しまないと」 「そうですよ!楽しみましょう!」←こぁ 「・・・・・・そうですね」 (あとで、差し入れぐらいは持っていってあげようかな・・・・・・) 「なにこれ、固まってるじゃないの!」 一匹のバカな妖精が、自分の冷気で固まった料理に怒っていた。 「チ、チルノちゃん、冷気を抑えないと料理が凍っちゃうよ」 大ちゃんも、バカのお守ご苦労さんである。 「まったく、これだからチルノちゃんは~」 白岩さんも、お勤めご苦労様。 どうでもいいけど、ただでさえ太(ryだから、あまり食べ過ぎないように。 「そうなの?」 「そうだよ」 「そうなんだよ」 「・・・・・・・なーんてね、実は気づいてたんだから!!」 「・・・・・・(ジトー)」 「な、なによ、その目・・・」 「「クスクス・・・」」 三人のやり取りに、周りのメイドたちが優しく笑っていた。 「・・・・・(そわそわ)」 「どうしたの、みすちー?」 「・・・・・・リグルちゃん、私大丈夫だよね?食べられないよね?」 「・・・・・みすちーは食べられるのかー?」 「ルーミアちゃん、食べちゃだめだよ」 「そーなのかー」 「・・・・・・・・(そわそわ)」 「・・・・・・みすちー、せっかく呼ばれたんだし、早く食べようよ」 「・・・・そ、そうだよね。私、客だもんね・・・」 「わはー」 「姉さん、ここでライブはやらないの?」 「リリカ、今日は演奏じゃなくて食べるために来た・・・」 「そうそう、今日は音楽は忘れて、さっさと食べようよ」 「こんにちは、三姉妹さん」 「あ、いつかのメイドさんだ・・・」 「何か用?」 「挨拶。それよりも、お嬢様があなた達の演奏を聴いてみたいって言ってるから、後で演奏お願いできるかしら?」 「「「お安い御用!」」」 「いや~、いっぱい人いますね~、ここ」 「そりゃあね。お嬢様に関わりを持ってる人はほとんど招待したから」 「これはいい記事が書けそうです!お招きいただきありがとうございます!」 「・・・・あまり悪い記事は書かないでくれよ」 「こーりん、早く食べようぜ!」 「魔理沙、こういうのは味わって食べるものだよ」 「早く味わって食べようぜ!」 「そういう問題じゃないんだが・・・」 「どういう問題だぜ?」 「そういう問題」 「二人とも、変な漫才はいいから、さっさと食べなさいよ」 「霊夢こそ、まだ食べてないじゃないか」 「あんた達がうるさいからよ・・・・」 「そうそう、うるさくって気が散るじゃない」 「何でアリスがここに座ってるんだぜ?」 「そんなの、私の勝手でしょ」 「うるさいなら、向こう行けばいいじゃないか」 「うるさいわね。私の勝手でしょ」 「それよりも、もっと酒もってこ~い!」 「萃香、少しは遠慮しなさいよ」 萃香の周りのメイド達も大変だ。 「だが断る」 「あ~!あんた、私の酒取ったわね!」 「何のことでしょう~?」 「やれやれ・・」 「はは、霖之助さん、苦労してますね」 「・・・・・○○か。いつもありがとう。まともな客は君だけだよ」 「ただ、お金払って買い物してるだけなんですけどね」 「それすら出来ないやつらが、ここにいるんでね」 「失礼な。いつかちゃんと払うわよ」 「そうだぜ?いつか必ず払うさ」 これには霖之助と○○も、苦笑せざるを得なかった。 「ホワイト、あたしたち、場違いじゃない?」 「どうして~?ブラック。もうすぐ春だから伝えにきたのよ~♪」 「そんな雰囲気じゃない気がするけど・・・・」 「あら、こんなところに料理があるわ~」 「食べていいの?」 「いいんじゃない?」 「しかし、あたいたちが来てもよかったんですかね?映姫様」 「今日は仕事の休みをもらいました。招待状も来ていたし、何も問題はありません」 「そうかなー」 「ようこそ、紅魔館へ」 「あ、あのときのメイドだ」 「・・・・・・あのときはお世話になりましたね、お互い」 「・・・・・今日は新年会。過去のことは忘れて、ゆっくり楽しんでいってくださいな」 「言われなくても、そのつもりですよ」 「・・・・・・本当かな。映姫様、根に持つ性格だし・・・・」 「何か言いましたか?小町」 「何でもないです!」 「盛り上がっているようね」 「盛り上がってる!盛り上がってる!」 「こら、フラン。今日は特別に出してあげたんだから、問題を起こしちゃダメよ?」 「わかってるって」 「これはこれは、お嬢様に妹様。こんなところに何のようですか?」 こんなところとは、厨房のことである。 某大食い幽霊やその他のおかげで、厨房は地獄絵図となっている。 「様子を見にきただけよ」 「そうそう!」 「そうですか。こっちなら多分大丈夫ですから、まだ向こうで楽しんでいても大丈夫ですよ?」 「そう?じゃ、咲夜、あまり無理はしないようにね。○○にも言っておいて」 「承知しました」 「これおいしいよ~藍しゃま」 「こら、食べながら話すんじゃない」 「は~い」 「今日は遠いところから来ていただき、ありがとうございます」 「いやいや、こちらこそ私たちを招いてくれてありがとう、○○」 「礼ならレミリアお嬢様にお願いしますね。お嬢様が企画したのですから」 「そうか。あとで礼を言っておく」 ○○は次の仕事のため立ち去ろうとした・・・・が 「あら、○○。あなたは食べていかないのかしら?」 「はは、生憎ですけど、仕事がまだ残ってまして」 「ゆ、紫様・・・・・」 「・・・・・ダメよ。今は仕事を忘れなさい」 そうして、紫は○○の背中に抱きついた。 「離して~仕事が残ってるんです~」 「ゆ、紫様?何してるんですか?」 「あら、藍、あなたもしたいの?」 「違いますよ!」 「○○ったら、つれないんだもん。 私と仕事、どっちが大事?」 「仕事」 「・・・・・・・・・罰として今日はもう離さないわ」 「えー!!!」 「何をやってるの、○○。早くこっちを手伝いなさい」 「・・・・すみません、ちょっと絡まれてしまいまして」 「・・・・・?まぁいいわ。こっち、頼むわね」 「わかりました」 ・・・・その後 食事が終わり、プリズムリバー三姉妹による演奏が終わり、色々盛り上がった。 王様ゲームやら、イス取りゲームやら・・・・ まるでみんな小学生だったな。 壇上に上がりマイクを持つ。 「・・・・・今日はわざわざ遠いところからお越しいただき、ありがとうございました。 新年会はこれにて終了となりますが、このままお茶会や、遊びを続行しても構いません。 帰る方は気をつけてお帰り下さい。外はもう真っ暗ですので・・・・ 部屋は空いているので、ここに泊まっていくつもりの方は事前にお知らせ下さい。 ・・・・・・それでは、本日はお疲れ様でした!」 「「「「「「お疲れさまでしたー!!」」」」」」」 終わったのはちょうど午前0時。 正直、クタクタである。 案の定、控え室でメイドたちが行き倒れのように熟睡していた。 「みんな、お疲れ様・・・・だな」 レミリアお嬢様はまだ向こうで客の相手をしているようだ。 さて、俺はどうしようか。このままメイド達と寝るか・・・? 「○○、今度こそ本当にお疲れ様」 また後ろから声を掛けられた。 「・・・・・メイド長、大変でしたね。本当に」 「そうね。でも、やり遂げた感はあるわ」 「・・・・・・そうだ」 「・・・・どうしたの?」 「メイド長、もとい咲夜さん、一杯、飲みませんか?」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・で、今部屋で二人きりで、飲んでいるわけである。 「ふう、ちょっと酔っちゃったわね」 「寝てもかまいませんよ?」 「変なことしない?」 「度胸があれば、ですけどね」 「・・・・・冗談よ」 ちょっと残念そうに見えたのは思い上がりだろう。 「・・・・・それに、まだ片づけが残っているわ」 「それもそうですね」 会話が途切れる。 でも、不思議と気まずいという感じはしなかった。 俗にいう、いい雰囲気、ってやつだろうか。 「・・・・さて、それじゃ、ちょうどいいし、ちょっと向こうの様子でも見てきますね」 「あ・・・・」 見た。 今僕は確かに見たぞ。 咲夜さんが、少し悲しそうな顔をしたのを。 「・・・・・・やっぱりや~めた」 「え・・・・・?」 「もうすこし、咲夜さんといることにします」 「・・・・・・そう」 そして、また静かな時が流れる。 心なしか、咲夜さん、さっきより顔が赤くなってるような気がする。 せっかくなので、咲夜さんの顔を見つめることにした。 「・・・・・・・・(ジー)」 「・・・・・・・」 咲夜さん、横向いて本読んでるけど視線がさっきから定まってない。 「・・・・・・それにしても、安心しましたよ」 「・・・・・・何を?」 「咲夜さん、ちゃんと女の子だったんだなって」 「・・・・!」 咲夜さん、顔真っ赤。いいもの見させてもらいました。 「最初は不安だったんですよ?なんだか、とっつきにくい印象だったし」 そう、最初はなにか距離を取られている様な感があった。 感情もあまり表に出さなかったし。 「でも・・・・最近の咲夜さん、女の子の顔してますよ。正直、惚れそうなぐらい」 嘘ではない。 最近の咲夜さんはどこか抜けている。いい意味で。 なんというか、天然?天才みたいな。 「・・・・・・誰のせいだと思う?」 「・・・・・ん?」 どういう意味だろう。 「こうなったのは、だれのせいだと思う?」 突然咲夜さんが立ち上がった。 そして、こっちに歩み寄ってきたかと思うと・・・・・ 消えた。 口びるに感触を残していって。 「・・・・・・へぇ、咲夜さんもなかなかやるようになってきましたねえ」 自分の顔が赤くなっているのは否定しない。ただ、本人はもっと赤くなっているだろうな。 ・・・さて、次はどんな顔で咲夜さんに会えばいいかなと考えながら、俺はホールの様子を見に行くことにした。 11スレ目 908 ─────────────────────────────────────────────────────────── 完璧 なんて 実際のところ存在しないのだろう。○○はそんな結論に達した。 こくりと一口喉を通した紅茶はなるほどとても美味しかった。 ゴールデンルール(少し楽しそうに手順を語っていたその顔をよく覚えている)で淹れられたそれは味も香りも極上であったとしても その実どうしたって好みの問題、というものが完璧なんて言葉を揺さぶるのだろう。結局のところ。 だからそんな紅茶を淹れた彼女にだって遠慮や引け目を感じることもないのだ。 『咲夜さんってさ、綺麗だし、仕事も完璧だし。凛々しくて本当に上等のイイ女だよね。』 そんな風に彼女に憧れ、惹かれながらも遠目に見るだけで満足していた。 神の気まぐれか何故か彼女に選ばれて、不釣合いだと恥じて素直になれなかった頃の自分を○○は笑いたい気分だった。 完璧に見えるけれど実際はかわいいところがたくさんある、 例えば、想定外のことに弱かったりするところとか。 ○○の対面で、仕込んであった罠(メッセージカード)に気づいたのだろう、目を丸くして固まった咲夜を見やる。 「…意地が悪いわね」 赤らめた顔をそらして言い放つ様は、とても完璧とは言い難かった。鼻をくすぐる紅茶の香りは完璧だとしても。 『でも仮に咲夜が文句無しな完璧さんだったら、とてもとてもここまで愛する事もなかったんじゃないだろうか。』 「愛してる、咲夜」 ○○が言って咲夜が俯く。嬉しそうに弧を描く口元と一向に収まることのない耳の赤さが相まって、○○は思わず少しだけ噴出した。 11レ目 966 ─────────────────────────────────────────────────────────── 咲夜さん、俺の時間を貴女だけのものにしてください 10スレ目 994 ─────────────────────────────────────────────────────────── 俺「あの人、今日も来るかな」 最近お店をよく利用してくれる客ができた、なんでもあの紅魔館のお手伝いさんらしい。 ちょっと珍しいけど可愛らしい格好、きらりと輝く銀の髪、気品漂う中にも覗かせる普通の女の子の姿。 きっと自分は心惹かれている。 俺「あ、いらっしゃいませ!今日はなにを?」 咲夜「ど、どうも。今日は、えっと…」 俺「今日は?」 咲夜「今日は…りんご…?」 俺「聞かれましても」 咲夜「あ、り、りんご。それと色々…?」 彼女は決まって「りんごと色々」を買っていく。 なにかこれといったものではなく、その場の思い付きで買っているような。 自分に会いに来てくれている、と言うのはおめでたい発想か。 レジが少し混み始めた頃、彼女はなにを探すわけでもなくうろうろ、ちょっと不審者… ちらりとこちらを伺う様はレジに並んでいる人数を気にしているようにも見える。 ふと気付いたら彼女がそわそわしながらレジに並んでいた。 次ぐらいかなと思っていた矢先、隣のレジから「こちらのレジへどうぞ」と声をかけられていた。 彼女はまるでお預けされた子犬のようにしょげながら移動していた。 その姿を見て心が動いた、自分の勘違いなのかなとも思うし、今以上の発展はないかもしれない、けれど… 俺「あの、そちらのお客様は俺がやりますよ。こちらお願いします」 …言ってしまった、勢いって恐ろしい。そして恥ずかしい。 咲夜「あ、その、ありがとうございます…」 なぜお礼を言われたのかはわからないが、彼女の紅潮した照れ笑いがとても素敵で 鏡もないのに自分も同じように紅潮して照れ笑いしてるのがわかった。 彼女が来るようになってから、彼女の笑顔が見れるなら、ずっとここで働くのも悪くないと思った。 11スレ目 183 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○「ねえ咲夜おねえちゃん。ボクもお姉ちゃんのお手伝いしなきゃいけないんだよね?」 咲「そうよ。紅魔館にいる以上は、働かざるもの食うべからず。わかった?」 ○「うん! でも……」 咲「どうしたの? 分からないことがあったら教えるわよ?」 ○「何でボクもメイドさんといっしょの服なの?」 咲「それは……それが紅魔館で働く人の正装だからよ」 ○「でも…。ボク男の子だよ? …それでもいいの?」 咲「ぶ……(鼻血)。わかったわ、タキシードの着方教えてあげるから、後で私の部屋にいらっしゃい」 ○「うん。――ねえ、お姉ちゃんはボクがこのかっこしてるとうれしい?」 咲「可愛いと思うわよ。メイド仲間もみんな“かわいい”って言ってるし。でも、今度からはタキシードにするんでしょ?」 ○「う~……。おねえちゃんおねえちゃん、ボクやっぱりもうちょっとこの服着る!」 咲「(よしっ、狙い通り!)そう? じゃあ、タキシードは仕舞って置きましょうか」 11スレ目 201 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「○○、お買い物頼んでもいいかしら。これ、メモね。これに全部書いてあるから」 「うん! えーと、うなぎ、カレーパン、ぱ……ぱっ…………ど…?」 「しーっ! 誰にもばれちゃダメよ。私と○○だけの秘密なんだから」 「うん、わかった! お金足りるかなぁ…」 「大丈夫。香霖堂のお兄さんは優しいから、『お願い』ってしたらきっと安くしてくれるわ」 「『お願い』ってこうやって……お胸の前で手を握って、お願いするんだよね」 「そうそう。○○は上手ね。教え込んだ甲斐があるわ」 「おねーちゃん顔赤いよ? だいじょうぶ?」 「大丈夫大丈夫。さ、いってらっしゃい」 「うん! いってきまーす!」 233 :名前が無い程度の能力:2007/12/12(水) 21 19 42 ID SHwpy3Dg0 意気揚々とゲームパッド買ってきたものの、咲夜さんの表情を見て失敗したと悟って 涙目になる○○に慌てつつも鼻血寸前になってる咲夜さん ここまで幻視した 11スレ目 232-233 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ねえ、何で今日お休みにしたの?」 「・・・」 「年末の稼ぎ時なんでしょ?月の最初に忙しくなるから頑張ろうって言ったでしょ?」 「・・・せっかくのクリスマスだ、こんなときに店を開ける気にはならん」 24,25ぐらい休みでいいじゃ無いか 「もー、しょうがないひとね」 せっかくのクリスマス、周りの連中が愛を語らい乳繰り合うと言うなら、俺もそうしたいしせざるをえない 「咲夜、倉庫に白い箱があるから持ってきてくれないか?」 「?わかったわ」 外に出た 雪はちらほら降っている、結構寒い この寒さだ、皆家に引きこもっているのだろう・・・ささやかなパーティ、二人きりで熱燗 ワインなんて気のきいたものはいらない、二人で過ごすからそれに意味があるのだろう 「・・・気を利かせたのかしら?」 神社では宴会をしているらしい、何かと理由をつけて酒を飲もうとする連中ばかりだから 「これね・・・そんなに重くないわね」 倉庫の一番手前においてあった白い箱 中は何が入ってるのか、コトコトと中で音がする 「○○ー持って来たわよ」 「お、ありがと・・・それは君のものだ」 「はい?」 「箱の中身はあげる、ぷれぜんとふぉーゆー」 どうやら中身はクリスマスプレゼント、らしい 恐る恐る中を覗いてみると 「・・・メイド服?」 ナイフ投擲よーい 「まて、落ち着け、よく見ろ、待て待てナイフをしまえ」 よく見てみる・・・スカートがロング? 「違う違う、箱の中のほう」 ・・・ワイン? 「紅魔館の年代物には適わないが・・・まぁ分相応ということで」 「・・・なんでメイド服?」 「いや・・・スカート丈が短かったから・・・眼のやり場に困るし、ひ、冷えないように!」 「ふふ、ありがと」 グラスに注がれる真っ赤な液体 昔は血みたいにみえたのに、今は 「き、君の瞳に・・・乾杯」 「・・・恥ずかしくない?」 「う、五月蝿い、ちょっと言ってみたかっただけだ」 赤くなってるのは彼だけじゃなくて 二人して赤面してしまってるのがなんだか可笑しくて 「そうだ、後で神社に行きましょ」 「宴会してるんだろ?何しに行くんだ」 「えっとね・・・幸せ自慢かな」 end 11スレ目 496 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「じゃまするぜー」 「いらっしゃー・・・げぇっ魔理沙っ!」 「よう咲夜、ちゃんと嫁さんしてるじゃ無いか」 よりによって私が店番をしているときに、どう考えても冷やかしの客が現れた 魔理沙はニヤニヤしながら私をじろじろと眺めて、またニヤニヤとした 「・・・なによ」 「いやぁ、お前さんは可愛いお嫁さん、何て柄じゃ無いと思ってたら・・・一番乗りとはなぁ」 随分失礼なことを言ってくれる、昔の私だって人並みに恋してみたかったし、そういう年頃だったのだ 将来の夢が可愛いお嫁さんでもいいじゃ無いか 「・・・冷やかしなら帰りなさい」 「お客様だぜ?酷い店だな」 軽口叩きながら商品を物色する魔理沙、お金持ってるのだろうか? 「これとー、これーこれーうーん、これもか」 まだまだ時間が掛かりそうなので、魔理沙を眺めながら、○○の帰宅を待つことしよう 「ただいまー」 「お、○○じゃ無いか」 「よお魔理沙、買い物か?金払っていけよ」 「あー・・・安心してくれ、ダイジョブ」 「なんだ今の間は」 そういえば咲夜は、そう思って店内を見回すが姿は見えない 彼女に出迎えてもらえなかった故ちょっと落ち込んだ俺 「咲夜ならお茶を入れるとか言ってたぜ」 ああ、と言う事は台所か、たぶん窓を開けてるだろうから気付いてないな 魔理沙の篭の中を覗くと日用品sが詰め込まれている 「・・・いっつも買い溜めていくのな」 「小まめの買うのは面倒だからな」 コイツは相変わらずだ、少しは咲夜の小まめな所を見習うべきではなかろうか? 「あ、○○さん、おかえりなさい」 ぱたぱたと駆け寄ってきてHagHagはぐ 「寒かったでしょ?今お茶入れたところだから」 それを見て魔理沙ぽかーん 今起こったことをありのままとか何とか呟いてたが気にしない 「今起こったことを(略)メイド長がナイス若奥さん乙女400%になっ(略)ヘロインとかハルシオンそんな(ry」 気にしない、聞こえないあーあーあー 「ええと・・・全部で8450円になります」 魔理沙にしては随分思い切り買うわね そう思いながら電卓を見つめた 「おーけー、7000円でいいか」 「駄目、何を勝手に値引いてるのよ、刺すわよ?」 腰からナイフを抜いてチラつかせる しかし魔理沙は鼻で笑うと 「随分腕が鈍ってるんじゃないか?平和ボケした技量じゃ私は落せないぜ?」 随分と痛い所をつかれたな、確かに紅魔館にいた頃とは比べ物にならないほど平和な生活を送っている 「ま、こんないい生活をしてるのにお堅い所は変わらないんだな、頭も、胸も」 胸も、むねもムネも(エコー 「ふ、ふふ、ふふふふふふ・・・そうね、昔の私ならその言葉にすぐ熱くなってしまっていたわね」 挑発に乗らない咲夜に動揺を隠せない魔理沙 以前とは何かか違う、スカートの丈ではない、技術ではない それは、何だ? 「以前の私はあなたより胸が小さかったかもしれない、それは認めるわ・・・でも今は、違うわよ」 咲夜は以前とは若干、失礼、たわわに実った二つの果実を誇張するように胸を張った 「なっ、ど、どうせパッドだろ?それぐらい」 「ふふふ、毎晩のようにあれだけ彼に揉みしだk「わーわーわーぁぁぁぁぁぁぁあああああ」 店の置くから大声でヘッドスライディングしながら現れた○○、冷や汗かいてます 「咲夜っ!?ななななんてことを口にしとるんだね!?俺がアグニシャインでロイヤルフレアでサイレントセレナされますよ!?」 こんなところで店ごと人生を終わらせつもりはない ぶーぶー文句を言ってる咲夜を黙らせなければッ! 「咲夜っ!!」 ズギュ~ン 「へ?んぅっ!?んちゅ、んんーぁんっ、ぷぁっ」 息を荒げ、頬を染め、咲夜はその場にがくりと、膝を付いた そしてそれを魔理沙は真っ赤になってぽかーん、と眺めていた 「魔理沙、8400円だ異論は認めない」 魔理沙は口を金魚みたいににパクパクさせて、お金を置いて帰っていった ロボットのようにカクカクと動いていたが無事に帰ることはできただろうか? 咲夜はいまだに膝をついて身悶えている 快楽秘孔(口内)の一つを突いた、一歩でも動いたら・・・ボン、だ と言う台詞を言いたくてしょうがなかったが我慢した しょうがないので店を閉めて晩飯の用意でもしよう ああ、今日も平和な一日だった・・・ end 12スレ目 487 うpろだ836 ─────────────────────────────────────────────────────────── #うpろだ836の続き 「困った・・・」 私は今凄く困っている まずは大体の一日の流れを説明しよう 起床→朝食作って○○さんを起こす→お店の準備をする→お店は○○さん、私は炊事洗濯その他色々 お昼ご飯を作る→夕食の買い物へ→夕方、○○さんと店番を交替 夕食を作る→【ギシ】規制【アン】→お風呂→寝る 何を困っているのか、そう、チョコを作る暇がない こっそりと作る暇がない、洋菓子の本を読む隙もありゃしない ○○さんと離れる隙がない、まぁ嬉しいことなんだけど、今は困る 「どうしようかしら・・・」 実に困った、たぶん誰かに相談したら羨ましい悩みだなチクショウとか言われてしまうに違いない 「そうか、里帰りすればいいんだわ」 一日二日ぐらい紅魔館で過ごせばいいか 図書館なら関連書籍もあるだろうし きっと他の誰かも作っているだろうから、丁度いいはずだ 紅魔館の様子も気になるし そうと決まれば荷造りだ ええと、着替えと・・・ 「あ・・・」 ここに来た時よりも、自分の荷物が増えていた事に気づいた ふえたもののほとんどは、○○さんに貰ったもの その事実に気付いたからこそ、私は頑張ってチョコを作ろうと思った 「こうなったら、今日から・・・よしっ」 「お、咲夜ー今夜のおかずなんだがな、さっきいい魚を・・・え?」 咲夜はなんか荷造りしてました 「あ、○○さん丁度良かった」 何が丁度いいんですか?ぶっちゃけ混乱しまくってます、家出ですか?愛想尽かしましたか? いや、ただの模様替えだ、うん、そうだ そういえば、なんていえばいいんだろう?紅魔館に行くにしてもなんか理由がないと怪しいかしら チョコを作りに帰ります、なんて言うのは⑨だ ええと、ええと・・・・ああ、パチュリー様が読んでた本に良い言い訳があった 「実家に帰らせてもらいます」 確かこの一言で何の説明も要らないらしい ○○さんもぴたりと固まって、動かなくなった 待っててくださいね!必ず至高で究極なチョコレートを完成させてきますからッ! 「・・・・な、なんじゃそるぁぁぁぁぁ」 咲夜が出て行って数分後、やっと思考がまともに動き出し、最初に発せた言葉がそれだった 「な、何故!?俺が何した!?ねぇ、咲夜!?さくやさーん!?」 俺の叫びは、虚しく里に響き渡る 何がいけなかったのか? 何も・・・何も、何もなかったから・・・そうか!紅魔館で何か起きたんだ、そうだそうだ きっと咲夜の助けが必要なんだ、そうに違いない 解決次第すぐに帰ってくるさ・・・そうだそうだ 「咲夜・・・はぁ」 その日は食事も喉を通らず、しょうがないから寝た 久しく一人で寝ると、なんだかとても寒くて、虚しかった 「・・・日向・・・暖かい・・・ふぁぁぁぁ・・・zzzzzz」 「あら、そんなことで門番が務まるのかしら?」 「ぁぃ、大丈夫ですよー・・・・・・・・・・・あるぇー?」 まったく弛んでいる、私がいないとここは機能しないのか? 「さ、咲夜さん!?」 美鈴の顔から血の気が引いていく、サボっていたわけではないとかなんとか言い訳を始めたので 「えい」 ナイフを一本ほど投げておいた さくっ 帽子を狙ったつもりだったのに、でこに刺さった 「・・・ぎゃぁぁぁぁああああ」 中国だし、大丈夫でしょ ギャグキャラと蓬莱人は死なない、これ常識 館内に入ると妖精メイドsが驚いていたがまぁ気にしない、いちいちリアクションとってたらきりがないわ お嬢様の部屋の前までやってきた とりあえず物音がするので居るのだろう 「お嬢様、失礼します」 入って真っ先に目が行ったのは、ベットに寝転がるお嬢様だった、そして目が合った 「ですからッ!ベットに寝転がってお菓子を食べないでくださいとッ!あれほど注意したにも拘らずッ!」 「さささささ咲夜!?な、何で貴女が!??」 「お嬢様ッ!」 「な、なにかしら?」 「4~5日お世話になりますッ!」 「・・・・・・はい?」 咲夜の話を要約すると チョコを作りにきたらしい ついでに紅魔館の様子見 「・・・よく○○が許したわね、いや、アレは咲夜には甘いんだったわね」 「いえ、○○さんには秘密で来ました、こっそり作って驚かせたいので」 「ええっ!?じゃあ何も言わずに勝手に出てきたの!?」 「大丈夫です、ちゃんと実家に帰らせてもらいます、って言っときました」 それは、凄く誤解を生む発言ではなかろうか? 今頃○○は咲夜が出て行った理由を自問自答してオーヴァーロードでフリーズに違いない 咲夜が帰ってきて嬉しいと思いもしたが、何か面倒な事になりそうな予感がする それと○○は大丈夫かが心配だ、別にあんな男どうでもいいがまぁ咲夜の旦那さまなので一応心配しておくだけ、深い意味はないわ はぁ、結婚して落ち着いたかと思ったが、相変わらず面倒なカップルだ そう思って、私は溜息を吐いた 「そういえば咲夜、メイド服のスカートがロングになってるわね」 「ええ、あの人の趣味です」 「・・・なるほど、これはこれで」 ・・・To be continued・・・ 12スレ目 534 うpろだ845 ─────────────────────────────────────────────────────────── ――言葉がない。 これはなんだろう。どっきりなのか? そのうちプラカード持った妹様か美鈴が出てくるんじゃないのか? だって俺の胸に顔をうずめて寝ている咲夜さんなんてどっきり以外考えられないんだけど…… 昨日ベットに入った時点では特に問題はなかったはずだ。 しかし目を覚ましてみて、異変に気がついた。 それは布団の端から出ているホワイドブリムとさわりごごちのよさそうな銀髪だった。 最初はこっちも寝ぼけていたためゆっくりと頭を撫でていたのだが意識がはっきりしてくるとありえない状況に驚愕した。 布団を持ち上げてみるとメイド服のままで服をつかんですやすやと眠る咲夜さんが見えた。 「ん~、やあぁっ……」 急に布団を持ち上げたため、冷たい空気が入って寒いのか俺に抱きついて胸に頬擦りしたあと再び幸せそうな微笑みをうかべてまた眠ってしまった。 うーん、普段凛々しい顔しかみたことがないため、こうほにゃっと幸せそうな顔している咲夜さんがギャップがあってかなりかわいい。 しかし、いつまでもこの状況でいるわけにもいかず、まず咲夜さんを起こしてどうして俺のベットにいるのか問いたださねば。 「咲夜さん、咲夜さん起きてください」 「うーん、もうちょっとこのままで……」 そう言って抱きしめる力を強くして胸に頬を摺り寄せてくる。 「そうもいってられませんから。ほら早く起きてください」 「あら……。おはよう○○……」 ようやく目を覚ましてくれたが、まだぼんやりしているみたいでぽえ~んとした顔で俺に挨拶をしてきた。 「おはようございます。ところで何で俺のベットで眠っていた訳を話してほしいんですけど」 「え……? ベット? あれ、まさかここって!?」 ようやく意識がはっきりしてきたのかわたわたと慌てだす咲夜さん。 と、一瞬で姿が消えてしまったので時を止めて移動したのだとわかり周囲を見渡すとドア付近の壁に張り付いている咲夜さんをみつけた。 「あの、よろしければ理由を教えていただけると嬉しいんですが……」 すると咲夜さんは顔を赤らめて 「あ、あのね? 深い意味はないのよ? 昨日あなたの部屋の前を通りかかったとき、たまたまドアに隙間が開いていたから のぞいて見たらもう寝ていたから、ちょっと寝顔を見ようと思って部屋に入っていって ああ、○○の寝顔ってかわいいって思ってしばらく見つめてたんだけど、そのうち添い寝するくらいならいいわねって思って 布団に入ったんだけど、うっかりそのまま寝入っちゃって……ってああもう、私何言ってるんだろう……。あうあう……」 軽くテンパりながらしどろもどろに説明をしてくれたのだがあまりにおかしくて笑ってしまった。 「……何がおかしいのかしら?○○」 精いっぱいの威厳をみせて咲夜さんが俺に聞いてきた。 「いえ、いつもの咲夜さんとあまりに違うのでつい笑ってしまいました。でもそんな咲夜さんも俺好きですよ」 そう答えたら顔をトマトよりも真っ赤にして目じりには涙が浮かんできた。 そして時を止めることも忘れて、ドアを開けて飛び出してしまった。 その後日談なのだが、俺の部屋から泣きながら飛び出していった所をメイドがみていたようで レミリア様に呼び出され、咲夜さんにいったい何をしたのかと聞かれたのでことの顛末を話したところ 大爆笑され、屋敷中にその話を広めてしまったのでしばらくの間そのことでからかわれまくったそうだ。 しかし、咲夜さんもそれで吹っ切れたようで今では寝る時間になると俺の部屋にきて堂々とベットの中に入ってくるようになった。 でも咲夜さん、そのかわいらしい子犬柄のパジャマと俺の胸に頬擦りするのはやめてもらえませんか? 一応俺も健全な男子。普段とかなりギャップのあるかわいい格好としぐさ。それを毎日やられては俺もいつ間違いを起こすかわからないですから……。 「もう……。口に出さなければわからない? 私はしぐさで解ってほしいのだけれど」 ふむ。ちょうど今夜は満月。お望みとあらばあなたを食べちゃう悪いオオカミになってさしあげましょう。 (省略されました。続きが読みたければ咲夜のお気に入りワンコパジャマを3つ探し出してきて下さい) 12スレ目 499 うpろだ838 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3,2,1・・・はっぴぃニュウイヤァァ!! ラジオから流れているらしい音、ちょっと気になって覗いたのがいけなかった 彼女は俺が見ているのに気付いていないのかカウントダウンの瞬間にジャンプした 「・・・俗に言う年が変わる瞬間に地球に~とか言う奴か?」 こちらに気付いた様子はなくラジオから流れる曲に鼻歌で合わせたりしている 「咲夜さん?こんな時間にご苦労様です」 「え?あ、○○さん、こんばんは」 手元には・・・何処からどう見てもおせちだな 「おせち料理ですか」 「ええ、霊夢が面倒だから頼むとか言うし、お嬢様も食べてみたいとおっしゃるものだから・・・」 こんな時間まで頑張って作ってるというわけか 「それで一人寂しく年を越す瞬間を満喫してたわけですね」 「・・・・・・み、見てたんですか?」 「いや、私が見たのは年が変わる瞬間にジャンプして地球にいなかったとか言う子供のようなむぐぉ」 いきなり口に卵焼きを押し込まれた 「だ、誰にも秘密ですからねっ!」 「むぐむぐ・・・了解・・・ちょっと甘めですね」 「ちょっと砂糖を入れすぎたかしら?」 「ですね、まぁ俺はこれぐらいのほうが好きですけど」 焦げ目も無く綺麗に巻かれた卵焼き 他の料理を見ても日本食が下手ではない事が解る 「咲夜さんって家庭的だよね、料理も掃除も、家事全般ばっちぐーですもんね」 「まぁ・・・仕事だから」 「凄くいい嫁さんになれますよ」 「あ、ありがと・・・まぁ相手がいなきゃ結婚はできないけどね」 「相手?そんな山ほどいるでしょう?」 「あら?お世辞言っても何もでないわよ?」 といいつつ豆みたいなものを一口くれた、鶯?とても甘い 若干機嫌もよさそうな気がする 「少なくとも一人はいますよ」 「あら、何処のどなた?」 「貴女の目の前の俺」 きょとんと、目を丸くしている咲夜さん お得意の時間を止めるのが自分に作用しているように、ぴたりと動きが止まった 「え、あ・・・し、新年早々たちの悪い冗談は」 まな板に向かう咲夜を後ろから抱きしめた 握っていた包丁や里芋が鈍い音を立てて落ちる 「・・・嫌なら行動より言葉でお願いしますね、年明けて速攻串刺しは嫌ですから」 「今日は・・・冷えますね」 「?」 「もっと・・・その・・・ぎゅってしてくれますか?」 もう少し体を密着させて、抱きしめる力を強めた 「あー・・・咲夜さん」 「なんですか?」 「今年も・・・よろしく」 「は、はい!こちらこそふふ不束ものですがど、どうぞ宜しくお願いします!」 人生最高の年越し そして人生最高の元旦(予定 来年もこうして彼女と過ごす事が出来れば、それが最高のお年玉だろう 11スレ目 721 ─────────────────────────────────────────────────────────── たったの一言だけ・・・ 咲夜さん・・・貴方を愛しています。 11スレ目 992 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「○○さーん、ちょっと荷物を・・・」 「ほいほい、何処に運びましょうか?」 頼まれた大型荷物を倉庫やら私室やらに運んでいく お役に立てるのはこれぐらいしかないのだ 「ありがとうございました・・・すいません色々押し付けちゃって」 「いえいえ、いいんですよ・・・これぐらいでしかお役に立てませんから」 「そんなこと・・・ないですよ」 残念ながら自分のことは自分が一番解っている 掃除も料理も満足に出来ない私では荷物運びか夜の見回り警護くらいしかできない 昼間出歩ければもう少し何か出来るのだろうが・・・ 「○○さんが毎朝起こしてくれて皆助かってますし、気持ちよく挨拶してくれるから、皆喜んでます・・・ 夜だって今まで交代でやってた見回りを全部お任せできて楽になりましたし、今まで運べなかった家具とか お嬢様の気まぐれの模様替えとか、とても助かってます、○○さんがいないと、みんな困ります・・・だから・・・」 早口でいろいろ一気に言われたのでちょっと混乱した でも彼女の一所懸命な気持ちが伝わってきて、瞼が熱くなった、でも頑張って我慢した 感極まって、気がついたら抱きしめていた 「あ・・・」 行動の後にしまった、早まったなんて思った 殺人ドール?俺終了のお知らせ? しかし、予想に反して咲夜さんは抱き返してきた、柔らかい体の感触に、鼓動が早まるのが解った 「・・・私も、○○さんが居ないと駄目だから・・・一緒に頑張ってくれますか?」 「は、はい・・・もちろん・・・一緒に、頑張ります」 彼女が一緒なら、頑張れる、頑張っちゃう、張り切って相当頑張れる だから、彼女と二人三脚で、いっそ抱えて走るぐらいの勢いで頑張ろう 「咲夜さん」 「・・・なに?」 「これから・・・咲夜さんのために頑張らせてください」 「わ、私も・・・○○さんのために頑張りますからっ」 誰かに望まれて、必要とされて、居場所がある、それはとても素晴しい事だ そして私が望む人が、それに応えてくれる それは最高に素敵で、幸せな事に違いない 12スレ目 320 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「お嬢様の花婿候補になりましたから修業を兼ねて私が色々教えて差し上げますね」 とか口実に咲夜さんと暮らす夢を見た。 色々って本当に色々なんだがとりあえず、 二人羽織だった。 やっぱりあれはパッドじゃないね。 「残念ながらお嬢様は貴方を選ばなかった様です。あんな事した責任取りますね」以下略 12スレ目 567 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「咲夜さん、ちょっとお時間よろしいですか?」 「ん?いいけど・・・」 ある晴れた日のことでした お嬢様の部屋の掃除を終え、洗濯物を洗い場に持っていこうというときでした 周りをキョロキョロと見回しながら現れた○○さん 彼は私を探していた様で、私のほうへ駆け寄ってきました 何の用事かは知らないけれど、彼の表情が真剣だったのでとりあえず仕事を中断し、彼についていくことにした つれてこられたのは中庭 ちょうど日も昇って暖かい 「それで・・・何の用事ですか?」 「・・・咲夜さん、私は・・・貴方の事が好きです、宜しければ・・・お付き合いしてください」 「・・・・・・・・・」 私は頭が真っ白になってしまった 人間は予想だにしない出来事が起こると、その状況を受け入れようとしない 「咲夜・・・さん?」 「え、あ、うぁ・・・・・っ!」 なにを思ったか、私は脱兎の如く、その場から逃げ出した 「ちょ!?咲夜さん!!?」 「ふぅん、それで・・・混乱して逃げてきたわけね」 今日も変わらず、本を読んでいた いつもと違う事と言えば・・・咲夜が取り乱して図書館に逃げ逃げ込んできた事ぐらいかしら 訳を聞いてみればなにやら訳の解らない状況になっているではないか 「頭が真っ白になっちゃって・・・気がついたら走り出してて・・・「パチュリー様ッ!」 図書館のドアが乱暴に開けられた、それと同時に低い、聞きなれた声が聞こえた 「ああっ!いらっしゃった!!」 反射的に逃げ出そうとした咲夜の襟を掴んで、○○の方へと向き直らせた 「くぁwsでrtgyふじこ」 「落ち着きなさい、ほらほら、○○もしっかり抑えて」 「ぱぱぱパチュリー様!離して下さいっ」 面倒なので咲夜の後頭部をつかんで○○と向き合わせ 「咲夜、落ち着いて・・・○○と目を合わせなさい」 「・・・・・・」 「咲夜さん・・・」 あらあら、体温が上がっている、耳も赤い こちらからは見えないがきっと顔はもっと真っ赤になっているだろう 「咲夜、貴方は○○の事はどうなの?」 「どどどどどうといわれましても」 「・・・○○の事、好きか嫌いか大好きかで答えなさい」 「パチュリー様、そ「○○は黙ってなさいっ!」 「わ、私は・・・その・・・・・・だ、大す、き・・・です」 よし、言った やっと言った まったく、その一言の為にどれだけの手間をかけさせるというのかしら 「さ、咲夜さん・・・お、俺も大すk「終わったなら出て行ってくれるかしら?静かに本を読みたいし・・・ここでいちゃつかれても困るわ」 幸せオーラに包まれている二人を外に追いやり、読書に戻ろうとした 「・・・疲れた」 他人の恋路なんて応援しても残るのは疲労と、ちょっとした安心感 「はぁ、誰か私の恋路を応援してくれないかしら」 言っては見たものの相手を見つけるところからはじめなきゃいけないなぁ 「たまには里にでも行ってみようかしら・・・なんてね」 そのときは下らない考えだと思ったパチュリーだが 咲夜と○○を見ているうちに恋人ウラヤマシスと思い、里まで出かける決意をするのだが、それはまた別のお話 終ワル 12スレ目 960 うpろだ899 ─────────────────────────────────────────────────────────── バレンタイン。 それはある種のきっかけと成り得るものだ。 例えば、愛を告げるためのきっかけ。あるいは、お世話になった人へ感謝の思いを伝えるためのきっかけ。 さらに、たくさんのお返しをもらうためのきっかけ、というものもある。 私、十六夜咲夜にとっても今日は一つのきっかけとなるはずだった。 そう……、好きな男性に想いを伝えるための……。 最初は、ここで働くようになった外の世界から来た人間、というぐらいの認識しかなかった。 しかし、いつからか彼のことを目で追うようになっていた。 それだけでなく、いつも彼のことを考えるようになった。 今日は一度も話せなかった。今日は彼と手が触れた。今日は彼の笑顔が見られた。考え出すときりがない。 そして、彼の事を考えれば考えるほど、鼓動が速くなり、顔が赤くなる。 ああ、そうだ。私は彼に恋をしているのだ。そのことに気がついたとき、私は目に見える世界の全てが素晴らしいものであるように感じた。 それからは仕事が忙しいこともあり、その仲はあまり進展しなかった。 そんな私にとって今日という日は絶好のチャンスだった。けれど……。 私は溜息を吐き、机の上に置かれた箱に目をやった。 それは赤いチェック模様の紙に包まれ、薄いピンクのリボンが巻かれてある。 これは今日の朝に、他ならぬ○○から受け取ったものだ。 曰く、日頃のお礼です、だそうだ。 バレンタインは女性から男性へ贈り物をする日ではないかと問えば、男でもお世話になった人に渡す人はいますよ、と。 私自身も、他のメイド達からチョコを受け取ったことがあり、そのことは理解できなくもない。 しかし、お世話になった人、彼の中での私の評価がその位置にあるという事実は、私の小さな決意を打ち砕くには十分だった。 いや、今一度考えてもみれば、私が一方的に好意を抱いていただけなのだ。 このことで彼を責めるのは酷と言える。 だが、私はどうやってこの沈んだ気持ちに整理をつければいいのだろうか? 私は椅子に深くもたれかけて、両手を上げ、大きく体を伸ばした。 懐から取り出した時計を見ると、昼休みも残り十五分といったところだった。 いや、まだきっとチャンスはある。 今日伝えることはできないが、いつかは伝えられるだろう……。 と、私は顔を左右に振り、その思考を否定する。 今まで、そんな風に考えていて、想いを伝えられなかったことを忘れたのか。 だから、今日という日に賭けたのではなかったのか。 しかし、それも……。 考えれば考える程、思考はどうどうめぐりを繰り返す。 まるで、夜霧に迷い、行き場所がわからなくなってしまったみたいだ。 いくら考えても埒があかない。 何度目かの思考でようやく気付いた私は、とりあえず気を紛らわせるために、彼からの贈り物を開けてみることにした。 リボンを外し、包装を丁寧に剥がす。中から現れたのは品の良い白い小箱。 私はさらに小箱のふたを開けた。 中に入っていたのは、六種類の小さなチョコレート。 どれも綺麗な形で、それでいてそのどれもが違う形をしていた。 もしかしたら、中に入っているものや、味が違うのかもしれない。 そこで私は初めて、ふたの裏側に二つ折にされた小さなカードが貼り付けてあるのに気がついた。 私はそれを手に取り、開いて読み始めた。 十六夜咲夜さんへ 今回、私は自分の想いを伝えるために、このような手段を取らせて頂きました。 その不甲斐無さを笑って頂いても構いません。 しかし、それでもあなたに伝えたいことがあるのです。 私はあなたのことが好きです。 初めて会ったときから、あなたのことが好きでした。 そして、その想いは日増しに強くなっていきました。 あなたの凛とした姿、時折見せる優しさ、全てが好きです。 あなたにとっては、いきなりのことで驚かれたと思います。 けれど、もし良ければ返事を下さい。 ○○より その文章はとてもぎこちないものだった。けれど、誰よりも丁寧に書かれたものであることは理解できた。 私はそれを読み終えたとき、自分の顔がこれまでにないくらい紅潮していくのを感じた。 何というか、ストレート過ぎるというか、思ってもみなかったというか、さっきまで悩んでいたのが馬鹿みたいというか。 しかし、私は今間違いなく、嬉しいと感じている。 それだけは断言できる。 私は彼が作ったチョコの一つを口に運んだ。 それは上品な甘さのミルクチョコレート。 どことなく彼らしい味だ。不思議とそんなことを感じた。 それを食べ終えた私は、自分の机の引き出しを開け、そこに入っていた一つの小箱を取り出した。 それは青い包装紙に包まれた、愛する彼への贈り物。 まだ昼休みが終わるまでには時間がある。 私はさっそく行動することに決めた。 私の返事と想いと贈り物と少々の憎まれ口を彼に叩きつけるために。 私をあれだけ悩ませたのだ。もっと男らしく告白しろ、の一言ぐらい言っても罰は当たるまい。 私は白い小箱にふたをして、椅子から立ち上がり、上機嫌で自分の部屋を後にした。 その右手に、青い小箱を持って。 12スレ目 938 うpろだ909 ─────────────────────────────────────────────────────────── 俺は咲夜さんを探して図書館まで足を運んでいた。 「なぁ、パチュリー咲夜さんどこにいるか知らないか?」 「咲夜だったら今ここにきているわ。なにか用なの?」 「ああ、ちょっと探し物をしていて見つからないから探すのを手伝ってもらおうと思ってな」 「そう。あ、ちょうど今戻ってきたわよ」 そう言われて視線を向けるとこちらに向かってきている咲夜さんが見えたので声をかけた。 「あ、お母さん」 どんがらがっしゃーん 凄まじい音を立てて咲夜さんがすっころんだ。と一瞬で俺の首筋にナイフをあてて笑っている咲夜さんがいた。 うわぁい、すごくいい笑顔なのにマジデコロスって殺気がビンビン伝わってきます。正直たまりません(恐ろしくて) 「うふふふふ、おもしろいこと言ってくれるわね○○? もう一度言ってくれるかしら?」 「いや、ちょっと間違えただけですって。良くあるでしょ? 上司や先生を間違えてそう呼んじゃうこと? ね?ね?」 「へぇ、つまり○○は私のことオバサンっていいたいことかしら?」 あぁ、何を言っても悪いほうにしかとってくれない…… 「パ、パチュリーたすけて……」 しかしパチュリーは顔を本で隠してプルプル震えていた。ダメだこりゃ。 「ぷっ、あははははっ。だ、だめ、ツボにはいった。さ、咲夜がお母さんって、あははははっ」 「ちょっ、パチュリー様までなにいってるんですかっ!?」 「でも、咲夜ってたしかにお母さんって感じはするわね。メイド長って肩書きがなければ○○が言ったこともあながち間違いじゃないわね」 「い、いやでもっ」 よし、パチュリーの相手に夢中になって俺の方に注意が薄れた! チャンスは今しかないっ! 「隙ありっ!」 俺は手を伸ばして咲夜さんの胸を鷲づかみにした。 「やあんっ!?」 急に胸をつかまれてひるんだ咲夜さんの脇をすり抜けて一気に逃げ去ろうとした。 「ちょっと! ○○待ちなさい!」 「嫌でーす! 今度捕まったら何されるかわかりませんからー! あと今日はP○D入れてなかったんですねー、おっぱいすごくやわらかかったでーす!」 「ほう……いい度胸ね……いいわ私も本気でいかせてもらおうかしら……」 咲夜さんがスペルカードを取り出そうとしているのを見て俺は更にスピードを上げて逃げ出した。 その後ス○ーク並みのスニーキングを行ったが結局見つかってしまい、今は縄で縛られた状態で椅子に座らされて頭にはリンゴが載せられている。 「はぁ、まったく手間をかけさせてくれたわね」 「すみません。反省してますのでこの縄解いてください」 「だめよ。まだ私の気が済んでないもの」 いきなりナイフを投げてくる咲夜さん。それがリンゴの横スレスレに投げてくるのが恐ろしい。 「それにあのあと大変なことになったんだから」 そう言って咲夜さんは語り始めた―― ○○を見失って私はしばらく屋敷中を探して歩いたが○○の姿形も見当たらなかった。逃げ足だけは本当に速いのだから。 途中でメイドからお嬢様が紅茶を持ってきて欲しいと伝言を頼まれたと聞き、一時捜索を中断してお嬢様に紅茶を持っていった。 「お嬢様。紅茶をお持ちいたしました」 いつものようにお嬢様から労いの言葉がかけられるはずだった。 「ん、ありがとう。お母さん」 ぎごんっ ありえない音を立てて私は頭からすっころんだ。 「おおお、お嬢様?」 「パチェから聞いたわよ? あなた○○にお母さんって言われたそうね?」 「あ、あれは言い間違いだって本人も認めていますっ」 「けれどいいえて妙ね。たしかにメイド長もお母さんも本質的には近いのかもね。今度から完全で瀟洒なお母さんって名乗ってみれば?」 「お嬢様? いい加減ふざけるのはやめてもらえませんか?」 「あら? ふざけてる気はないんだけど? その証拠にほら」 「あー、お母さんだー」 その声に振り向くとフラン様が私を指差してそう呼んでいた。 「あ、あのフラン様? なぜ私をお母さんと?」 「え? お姉様がそう呼べって言ってたからだけど」 「ふふ、そういうこと。これからはみんながあなたのことをお母さんって呼ぶようにしたから。ほんと○○が来てから退屈しないですむわぁ」 私は目の前が真っ暗になったような気がしてがっくりと膝をついた…… 「それから会う人会う人にお母さんって呼ばれてついにはあの白黒にまで言われたわ。でも中国がお母さんって言ってきたときはハリネズミにしてやったけど」 うわぁ、めーりんヒサン。しかも話しながらナイフを寸分違わず投げてくるのはやっぱりスゴイ。主に俺の顔面脇スレスレに。 「それでもね、みんなからそう言われてきてお母さんも悪くないかなって思ってきたのよ。ただしお父さんは○○じゃないとダメだけれど」 やわらかく微笑む咲夜さん。俺はおもわず見とれてしまった。 「でも、お母さんって呼ばれるには子供がいないとだめなのよね」 いきなり俺を持ち上げるとベットまで運んでいって縄を解き始めた。 「え? え? 咲夜さんちょっと?」 「一姫二太郎って言葉もあるし始めの子は女の子がいいわね。それじゃがんばりましょう、お父さん」 そのまま俺にキスをした咲夜さんはしゅるりと胸のリボンをほどいて俺に覆いかぶさってきた―― (省略されました。続きが見たい方は紅魔館でPAD長と叫んだ後一日咲夜さんから逃げ切ってください) 13スレ目 77 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「〇〇・・・また解雇されたわ・・・これで五軒目よ・・・」 帰ってくるなり咲夜は玄関でがっくりとうなだれる。 ・・・あそこをクビになるのはそんなに屈辱なのだろうか? 「・・・あぁ、まあ、次があるさ。 就職先が見つかるまで家に居ていいからさ」 「ええ・・・ごめんなさいね・・・家事位しか出来なくて・・・」 なんて言いながらも一瞬の内に台所へ移動し、 冷蔵庫の中身で夕餉の支度を始める。 「うん、こちらこそいつもありがとうね」 「ところで咲夜さん、」 「どうしたの?」 ふぅ、深くため息をついた咲夜さんに聞いてみる。 ・・・結構無理そうなのに、 「何であの職にこだわるの?」 「・・・だって、幻想郷に帰った時に腕が鈍ってたら、お嬢様に申し訳ないわ」 「・・・多分咲夜さんは向いてないよ、あれ」 「む・・・私は完璧で瀟洒に仕事をしてるつもりだけど?」 いや、多分それが問題だよ。 「うーん・・・じゃあさ」 ・・・言って、みるかな。 「こ、ここでメイドとして住み込みで働くのは駄目なの?」 そうすれば一緒にいれるし、 働いているって面子も・・・ 「勿論無理ね」 あらあ・・・orz 「好きな人から搾取するのは趣味に会わないわ」 そう言って、咲夜さんは微笑んだ。 「って、何も解決してない気がする・・・」 「あら、ロマンが足りないわね。 ・・・それに、メイドだったらこんな事も出来ないじゃない?」 ぎゅ 咲夜さんはメイド喫茶で働いてもなんか上手くいかない気がするぜ。 完璧過ぎてry 13スレ目 165 ───────────────────────────────────────────────────────────
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時計「ルナダイアル」による時止めの発生処理がおかしい 時計「ルナダイアル」・「咲夜の世界」による時止めを中断してもlimitの加算が再開されない Lv4バニシングエブリシングの打撃無敵の処理が不自然 時計「ルナダイアル」による時止めの発生処理がおかしい ルナダイアルによる時止め処理発生Fと同時に、ナマズの大地震の判定を発生させた場合、そのナマズが1P/2Pのものかでlimit加算の挙動が変わる。 当該Fでの時止めの処理順序が、補正計算に割り込んでいる。 またルナダイアルには無敵は存在しないが、時止め処理による無敵(通常の無敵とは別処理)が存在し、時止め発生Fに1Fの無敵がある。 時計「ルナダイアル」・「咲夜の世界」による時止めを中断してもlimitの加算が再開されない 時止め中はlimit加算がされない仕様がある。 時止めはスペルカードを使用することで解除できるが、その際、本来の時止め終了時間が経過するまでlimit加算が再開されない。 Lv4バニシングエブリシングの打撃無敵の処理が不自然 空観剣「六根清浄斬」は時符「咲夜特製ストップウォッチ」を使うことで初段から脱出できる。 六根清浄斬の2段目はロック技の性質を持ち、咲夜の状態に依らず、演出が続行する。 六根清浄斬の3段目は通常の打撃判定であり、判定外や無敵状態には当たらない。 脱出中の咲夜の行動に関わらず、2段目で強制的に喰らいモーションに移行させられるため、3段目の範囲内で3段目を回避する手段は少ない。魔方陣や三粒の天滴による継続的な無敵くらい。 Lv4バニシングエブリシングの打撃無敵を2段目に合わせ、3段目をそのまま喰らった場合、なぜか3段目が当たらない。被弾Fの打撃無敵が継続している? ちなみに移動中の完全無敵を合わせると3段目は当たる。
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大島咲夜(おおしま・さくや) 【性別】女(両性具有) 【年齢】14 【職業】中学生 【身体的特徴】長い黒髪。スレンダー体型。両性の性器をもつ。 【好きな事・もの】三葉透。着せ替え(本人・他人問わず)。男装。 【苦手な事・もの】自分の身体。 【特技】家事全般。早着替え。タック。立○シ ○ン。 【趣味】世話焼き。男装。可愛い服を着る事。 【特殊能力】実は怪力の持ち主。 【備考】三葉透の幼馴染。 とある事件によって身体の一部が変化してしまった。