約 147,401 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3464.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 10・ 京太郎「さあ、一回戦だ!」 先鋒、八坂。次鋒、友人。終了。 一太「さて、僕の番ですね」 京太郎「頑張ってください!」 オーラス。 一太「あの日のことを思い出すな……」 次々に麻雀部をやめていく部員たち。 部員が減るたびに、久の寂しい顔を見なければならなかった。 それが、つらかった。 そして、やってはいけないことをした。 自分も部活をやめたのだ。 近くで久の顔を見ているのが辛くなったから。 怖かったから。 あのとき、やめるべきではなかった。 一太「ツモ!」 一二三①②③112233西西 京太郎「出たー! 一太先輩必殺、3以下の数牌を集める『ロリロリハンターズ』??」 一回戦突破。 京太郎「さあ、決勝だ!」 八坂「気をつけろ……ここの大将はマジでヤバい」 大将戦。 京太郎「はあ……はあ……はあ……、くそっ」 近江「麻雀ってよぉ、クソみてえな競技だよなぁ」 京太郎「……運ゲーだからか?」 近江「違う違う、そういうことじゃねえよ」 近江「言い方が悪かったな……人間を悪に染める競技、ってことだ」 近江「普段は温厚な奴が、麻雀やってると怒りっぽくなったり」 近江「他人のためにいろいろやれる人間が、麻雀をやるとマナー悪く他者を貶し始めたり」 近江「虫も殺せない奴が、他人を低く見て侮ったり。負けてりゃ不機嫌。勝ったら聞きたくもねえ自分の麻雀理論を語り始めたり」 近江「初心者がいると勝てねえとか言うやつもいるな……自分よりも圧倒的に強いやつがいても勝てねえくせにな」 近江「そういう奴が欲しいのは自分よりも少し弱いやつなんだ。勝ちてえから、そんなクズみてえになる」 近江「俺は麻雀が嫌いだぜ? だから麻雀やってる奴を潰して、競技人口を減らし、この世から麻雀を消してやろうと思ってる」 すでに、京太郎と近江以外の2人は精神を壊されている。 近江「だから、負けてくれや。俺は全国へ行ってたくさんの選手を潰す必要がある」 京太郎「……いい夢だな。応援してえよ」 京太郎「色んな俺が、みんな口を揃えて同じことを言うんだ」 京太郎「『たとえ負けても、俺は麻雀が好きだ』『才能はねーかもしれねーけど、麻雀を打つのが好きなんだ』 京太郎「『嫌いって言ったけど、やっぱり俺……麻雀のことを忘れられない。俺、こんなにも麻雀が好きだったんだ』 京太郎「『麻雀が好きなんだ』『麻雀が好きだ』『麻雀が好き』『麻雀が好き』『麻雀が好き』」 京太郎「いろんな世界の俺――みんな『麻雀が好き』としか言わない」 京太郎「気持ち悪かった」 京太郎「麻雀が嫌いだとは言えない空気」 京太郎「たとえ嫌いになっても、最後には好きになるという収束感」 京太郎「麻雀が好きじゃないといけない、みたいな強制感」 京太郎「たとえどんな理不尽なことが起こっても麻雀を好きと言わないといけないという押しつけ感」 京太郎「『麻雀が好き』というセリフで誰かを惚れされないといけないという展開の束縛感」 京太郎「麻雀を嫌っちゃいけないのか?」 京太郎「永遠に一生、嫌いなままで麻雀を続けたらいけないのか?」 京太郎「麻雀が嫌いな俺には生きる価値がないのか?」 京太郎「ずっと、そうやって生きてきた」 京太郎「だからお前の行為を否定しない」 京太郎「だからといって、理解もしない」 京太郎「お前を更生される言葉なんて俺には思いつかない」 京太郎「お前を更生されるような劇的な過去、俺にはない」 京太郎「ただ俺は、全国に行きたいからお前を倒す」 ……… …… … 京太郎「ツモ! 字一色!」 近江「この俺がああああああ??」 京太郎「ついに来た……! 全国の舞台、東京!」 千歳「へえ……君が長野代表かい?」 京太郎「誰だ??」 本藤「て、てめえは……インハイチャンピオン千歳真!」 京太郎「インハイ……チャンピオン」 千歳「ねえ、一局打とうよ」 京太郎「出場校どうしは打てない決まりじゃ……」 千歳「いいんだよあんなルール。あんなのはただのオカルト持ちが勝ちやすくなるようにするためにできたルールだ。従う必要はない」 京太郎「だけど」 本藤「いや、やっておけ、須賀。一度体験しておいた方がいい」 本藤「インハイ史上、『最弱』のチャンピオンと呼ばれたやつの打ち方を」 京太郎「最……弱?」 京太郎vs千歳 京太郎「勝ってしまった……!」 千歳「ふー強いね須賀君。……悔しいな。でも」 千歳「麻雀って楽しいな!」 京太郎「……負けたのに楽しいのかよ」 千歳「そりゃ、勝ったり負けたりするのが麻雀じゃないか」 千歳「勝ってるときだけ『楽しい!』って言って、負けてるときだけ『麻雀はクソゲー』とか言うやつもいるけど」 千歳「そういうやつは麻雀を楽しんでるんじゃない」 京太郎「……じゃあ、何を楽しんでるんだ」 千歳「そういうやつらが楽しんでるのはね、勝つことだよ。勝つことを楽しんでるんだ」 京太郎「いったいこの世に、お前が言う意味で麻雀を楽しんでる奴は何人いるんだろうな」 千歳「さあね。ま、君との再戦、楽しみにしてるよ」 そう言うと千歳は去っていった。 本藤「千歳真……。やつの全対局の連対率は三割を切る」 京太郎「それなのにどうやってインハイチャンピオンに……?」 本藤「やつには、ここぞというときに必ず勝つ魔力がある」 本藤「……逆に負けてもいい場面は必ずと言っていいほど負ける。手を抜いているわけではなく、そういう風になってるんだ」 京太郎「だから……『最弱のインハイチャンピオン』」 全国一回戦。先鋒。 八坂「よろしく」 霊山「よろしく」 八坂「(アイドル雀士、霊山祥哉……。あいつの力は……)」 オーラス。 モブ 140000 八坂 130000 モブ 130000 霊山 0 八坂「(宮永顔負けの得点調整力……!)」 咲のプラマイゼロは29600~30500点という幅がある。もちろんこれを狙ってやるのは十分化け物じみているが……。 八坂「(こいつは、本当の意味で0点……。幅はない、少しでも間違えたらトビ終了だ)」 霊山「さーて、0点完成。反撃といきますか」 彼がアイドル雀士と呼ばれる理由は顔の良さだけではない。 0点からの逆転という華やかさ。 これが観客を惹きつけるのだ。 霊山「親は俺だ。まずは天和」 八坂「くっ」 それが霊山の力。一度0点になると最強の力を発揮する。 霊山「リーチ」 霊山「ツモ。12000オール」 八坂「(……強い! この状態になった霊山は上崎にも匹敵する!)」 あの日、麻雀をやめることを決めた日を思い出す。 憧れであり、自分の目標だった小鍛治さんが始めて負けた日のこと。 決勝は9番勝負だった。 そのとき卓にいたのは、永世七冠「小鍛治健夜」。 世界ランキング一位「ライアン・グリーン」。役満率一割越え、役満のクイーン「雪蘭」。 そうそうたるメンバーの中に異彩を放つ存在がいた。 当時、六歳の少年「上崎永楽」だった。 その9番勝負は、たった5戦目で終わってしまったけど、対局時間は過去最長だった。 親である上崎がテンパイし続け、それ以外の三人がノーテン罰符を払い続けることを25回×5局し続けたのだ。 上崎「牌の神様を殺したから」 インタビューでそう答えた上崎を見て、八坂は麻雀をやめた。 八坂「……だけど、決めた」 八坂「上崎を、倒すことを」 八坂「だから、こんなところで立ち止まれねえ!」 ……… …… … 八坂「ロン! 12000!」 霊山「ぐはあああああ」 決勝、オーラス。 千歳「こ、このボクがこんな大切な場面で負けるなんて」 京太郎「悪いな……俺にはこいつがいる」 首から下げたチェーンの先に、一萬がつけられていた。 京太郎「もう一度、会うと決めたんだ」 ――おめでと、きょーにぃ。 京太郎「!」 「紅」べに色の花。あでやかな花。転じて、花のような女性。 「姜」美しい娘。美女。 「生」生きていること。 「紅生姜」とは、生きている美しい少女のこと。 つまり、「紅生姜のない」は、美しい少女が死んだことを表す。 つまり、みなもの死。 「牛」で思い出すのは、牽牛――つまり、彦星だ。 「丼」の「真ん中の点」は清い水の溜まった様子。 牽牛が俺で、清い水が天の川。紅生姜がみなも。 この物語は、七夕伝説と同じだ。 天の川の向こうにいるみなもには、会えない。 京太郎「でも、やっぱりいたんだ」 直接触れ合えなくても、俺のことを見ている。 天の川の向こうで、確かに。 京太郎とみなもの物語は、一言で言うと。 京太郎「紅生姜のない牛丼屋――か」 カン! 他SS批判が唐突すぎる -- 名無しさん (2019-08-09 23 37 31) これが自分の編集してまで言いたかったこと←Enter押して途中送信して焦った人 -- 名無しさん (2019-08-09 23 38 56) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4317.html
京太郎「シロさん」 白望「んー、何?」 京太郎「俺達、正式にお付き合いを始めてから早1カ月ですが」 白望「おぉー、もうそんなに経つんだ」パチパチ 京太郎「あ、いえそういう記念的なやつじゃなくて」 京太郎「それに記念的な意味だったら俺の記憶だと一昨日が丁度1カ月ですから」 白望「違うの?じゃあ何なの?」 京太郎「ええ、この際ぶっちゃけましょう!俺は…」 京太郎「健全に女の子とイチャつきたい!!!」バァン 京太郎「何か無駄に肩とか寄り添ったり、遊園地のお化け屋敷で女の子にキャッとか言われつつ腕を掴まれてあわよくば腕に胸の感触を感じたり、休日のデート先で恥ずかしがりつつもあーんとかさせあったり、ふと眠った時にキスで起こされたり、膝枕で耳かきとかしてもらいたいんです!!」 白望「長い…後何かダルそう…」 京太郎「いやダルいってあーた…」 京太郎「いや、まぁもういいんですよ?」 京太郎「正直シロさんの時点でそういう甘々なやつはあんまり期待してなかったですし」 京太郎「や、期待はしていたんですけど、何かこうそう言うのはあんまり見込めないなぁとね」 京太郎「半ば諦めの境地と言いますか」シクシク 白望「むぅ…あ、でも最後のヤツなら」 京太郎「最後って膝枕で耳かきですか…」 白望「うん、あれなら外に出る必要もないし…」 京太郎「イヤッホーィ!」 京太郎「で、何で俺が耳かきをするほうなんでしょうか?」 白望「あれ?違うの?」 白望「そういや最近耳かきしてないから丁度いいなぁって思ってたんだ」 京太郎「はぁ~」 白望「え、何…?」 京太郎「いえ、もういいですよ」 京太郎「それじゃあ耳かきしていきますので、あまり動かないでくださいね」 白望「うん」 京太郎「あ、痛かったりしたら言ってください」 白望「わかった」 京太郎「と、こんなところかなっ、シロさん反対側もするんで――」 白望「すぅ……すぅ……」 京太郎「ありゃりゃ、寝ちゃったか…」 京太郎「期待してたのとは違うけど」 京太郎「まぁいいか」ナデナデ 白望「ん…」ムニャムニャ カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1142.html
京太郎「おもちぶらり旅?」玄「はい!」 京太郎「おもちぶらり旅?」玄「うん!」 京太郎「おもちぶらり旅?」玄「そのとーり!」 おもちぶらり旅・番外編1
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6177.html
8月24日 今日は宥さんの誕生日 なので部室でパーティーをやった 宥さんの好きそうな物ということで真夏に鍋を用意した 真夏の我慢大会みたいな状況になったが宥さんがすごく喜んでくれたので良しとしよう その後はみんなでプレゼントを渡した 穏乃はニット帽、憧は耳当て、灼さんは手袋、玄さんは手編みのセーター、赤土先生は着る毛布を渡していた 宥さんは喜んでその場で全て見に付けていた。すごく……モコモコだった…… 俺は新しい眼鏡ケースをプレゼントした 宥さんのプレゼント=あったかいものらしいので、みんな驚いていた 宥さんも少しびっくりしていたが、その場で笑顔で受け取ってくれた 夜に宥さんからメールがあり、早速眼鏡ケースを使っていると眼鏡をしまった写メを送ってくれた 同時に玄さんから宥さんが着る毛布から離れないとメールがあったのは、まぁ予想の範囲内だった そして着る毛布の中で眼鏡掛けている宥さんの写メありがとうございました 晴絵「やったなぁ、我慢大会……じゃなくて宥の誕生会」 憧「真夏に鍋って時点で我慢大会みたいなもんでしょ」 穏乃「でも美味しかったからいいじゃん」 灼「『せめて美味しい鍋を』って京太郎頑張ってたし」 玄「でも良かったねお姉ちゃん。あったかいもの以外のプレゼントがもらえて」 宥「うん……人からもらうものはあったかいものばっかりだから……嬉しかったなぁ」 玄「でも部屋でずっと着る毛布にくるまってるのはそろそろ減らさない?」 晴絵「宥へのプレゼントはアレしかないと思ったけど、ベストチョイスすぎたか」 8月●☆日 今日……というか昨日の話だ ちょっとした賭けに負けて穏乃に1日付き合うことになった 穏乃は迷わず『一緒に山に行こう!』というので一緒に山を駆けずり回った 俺も体を動かすのは嫌いじゃないし、穏乃も楽しそうだったのでそのまま夢中だった が、気付いたらかなり遠くまで来ていた 辛うじて電波が届いた携帯で確認すると和歌山の南の方の熊野とかいうところまで来ていたようだった 慌てて戻ったが流石に無理がある 山を下り、家に連絡を入れ、適当なところで1泊することになった 穏乃も流石に落ち込んでいたが、俺も同罪だし、何より楽しかったというと少し明るくなった 翌朝、ショートカットということで山を突っ切って行こうとすると、途中で穏乃が足をくじいてしまった 仕方ないので俺が穏乃を背負い、穏乃の案内で山を突っ切ることになった 初めは穏乃は背中で暴れていたが、『女の子なんだから無理するな』と言うと諦めたのか大人しくなった 結局朝帰りになってしまい、穏乃の家の人にはやたら笑顔で迎えられた 疲れたし、今日は早めに寝よう 晴絵「朝帰りとはやるねぇー」 憧「どっちかってーと山帰りって言う方が合うと思うわよ」 穏乃「うぅ……だって京太郎と一緒だと思ってついはしゃいじゃって……それに帰りも……」 玄「おや?顔が真っ赤で……シズちゃんまさか」 灼「女の子扱いとおんぶで堕ちた……と」 穏乃「そ、そんなじゃなくて!……その、京太郎の背中、おっきいなぁって……」 宥「自覚しちゃったんだね」 8月◇◎日 夏休み最終日……だと思っていたんだ だが気付いたら1週間ほど前に戻っている 俺は疑問を感じながらもその1週間を全力で遊んだ そして最終日……だと思ったらまた戻っている また遊び、また戻る。遊び戻る遊び戻るの繰り返し……終わらない夏休み…… そう、俺達の夏休みは終わらないんだ!! そして明日から始まる何度目かの1週間で、この鞄のそこに眠っていた問題集も終わらせるんだ…… 憧「あぁ……何事かと思ったらそういうこと……」 灼「一部の宿題の存在自体を忘れていたって……」 晴絵「『宿題の存在を忘れてました』とかふざけたこと言ってたのはこういうことか」 玄「京太郎くん……」 穏乃「気持ちはすっごく分かるけど……」 宥「分かっちゃだめだよ?これは」 9月×日 今日から2学期 なんとか宿題を片付けて登校すると、色々な人に話しかけられた やはりみんながインハイで頑張った影響は大きかったんだろう 穏乃に憧、玄さんや灼さんも色んな人に囲まれていた そして宥さんは揉みくちゃにされていた。混ざりたかった それからは体育館での始業式やら表彰やら、テンプレと言っていいような行事だった 何故か俺はすれ違う男子から『爆発しろ!』『もげろ!』と言われて叩かれたり蹴られたりした 解せぬ。そう言われるほどいい目に合ってないはずだ そして放課後、部室で今後のことを話した と言っても大きな変化は宥さんくらいだ 宥さんは引退という形にはなるが、受験勉強の息抜き程度で顔を出してくれるらしい 何より宥さん自身も来たがっていたし 赤土先生はプロになるために本格的に動いているらしく、来年にはどこかのチームに所属できるらしい とりあえず今年いっぱいは教師として勤めるとか あまり変わりそうには無い。でも、確実に変わっていくんだろうな そう思ったら少ししんみりしてしまったので、みんなで楽しく打って、ラーメンを食べに行った まぁ、変わっていってもこうやって楽しくやれそうだし、なんとかなるだろう 宥「……ちょっと寂しいな」 玄「お姉ちゃん……」 憧「そっか、宥姉は京太郎と会ったのも今年からみたいなもんだから……」 宥「うん……でも、京太郎くんの言う通り、これからも楽しくやれそうだから、大丈夫」 穏乃「ですね、それは変わりません」 灼「ん、変えるつもりもない」 晴絵「その気持ちがあるなら大丈夫よ、みんな」 穏乃「はい!赤土先生もプロで頑張ってください!」 晴絵「まかしとけ!あ、小鍛治プロと対戦する時以外ね」 憧「ハルエ……それはないわー」 9月○日 今日はずっと眠かった 昨日日記書いてから、ついつい和とのネト麻に熱中してしまった のどっちやべぇ、ありゃ運営の用意したCPUとか言われるわ ネト麻もだが、チャットでも結構長時間話してしまった 麻雀のこと、長野のこと、阿知賀のこと、話題は尽きない 和は色々あったらしいが、これからも長野の清澄にいるから、今度また会おうと約束した しかし話してても麻雀してても楽しいから時間を忘れてしまう おかげで赤土先生には授業中に叱られるわ、部活でもみんなに叱られた 今日は早く寝よう 晴絵「あぁ、いきなり堂々と寝てた日があったわね」 憧「全く、部活中も居眠りしようとするんだから」 穏乃「和と遊んでるから、っていうからなんか複雑」 玄「ネット越しのおもち……流石に……いやでも……」 灼「玄、ちょっと無理があるから」 宥「和ちゃんが独占してるみたいだしね」 晴絵(結局は和への嫉妬なのよねー) 9月△日 今日はちょっとしたドッキリを仕掛けられた ちょっと用事で部活に行くと、かなり険悪な雰囲気だった 赤土先生に聞くと、冗談で今日のトップに景品を出すと言ったかららしい その景品が俺とか言うと、こんなことになってたとか なんというか、えらいことだった 憧は舌打ちするわ穏乃はいつぞや山で熊に遭遇した時みたいな表情だわ 玄さんは目からハイライト消えてるわ灼さんは完全に見下すような視線だわ 何が起きてるんだと困惑してると、まさかの全員+-0という結果で終わった 最初は席順でとか言い出していたが、もう1局打って決める、と決まりかけた時、宥さんが来た 宥さんならこの状況をなんとかしてくれる!そう思っていたが 「じゃ、私がもらうね?」と普段のぽわぽわした雰囲気がどこかへ言ったようにさらっと言い切って俺の腕に抱き着いてきた 普段ならおもちの感触を全力で楽しむところだがその一言で憧が切れたからそんな余裕が無かった 「はぁ!?何言ってんの!?」という憧の言葉を皮切りに仲良いみんなでの修羅場 一体なんなんだ、どうなってるんだと困惑していたが、このままではヤバいと思い、思い切って大声で『やめろ!!』と叫んだ 一瞬、静かになったと思うと、『ドッキリ大成功!!』のプラカードを持った赤土先生がそこに居た 曰く、修羅場でこそ本性が出るとか、そういう番組を見てやってみたらしい 言いだしっぺは憧と憧の姉だとか 修羅場とか笑えんからマジで勘弁 なんか男らしかったとか褒められたけど、こんな状況じゃ嬉しくない とりあえず昼飯奢りで手を打った しかし俺を取り合っての修羅場とか、ありえない状況だったのになんで気付けなかった俺 晴絵「ありえなことじゃないからでしょうね」 憧「本人が無自覚だからよ」 灼「でも、この時に京太郎の好きな人が分かるかも、って期待もしてたけど」 玄「結局は京太郎くんがかっこよかっただけだったね」 宥「あの状況でああ言えるのはすごいよね」 穏乃「少し悪い気もしましたけど、京太郎はああいう奴ですし」 9月□日 休日、適当にふらついていたら憧に会った ちょうど姉と買い物に来ていたらしい 少し話していると憧の姉、望さんも来た 望さんが来ると、憧がすぐに戻るからと離れた 望さんとあんまりゆっくり話したことなかったとか思っていると、望さんが悪戯を思いついたような表情で笑いながら 「ちょっと、憧にドッキリやらない?」そう言ってきた ちょうどこの前のドッキリの話を聞いたらしく、仕返しをしようと言うことらしい 内容はただ憧を置いてどこかへ行くというシンプルなもの、ある程度したらネタバラシをするということで、俺はその話に乗った 俺と望さんは携帯の電源を切って、そのまま適当に移動した 移動しながらも、適当な店に入ったり、少し休憩したりとそのまま楽しんだ それなりに時間が経ち、もうそろそろ憧に連絡を、と言うと、望さんは最後に行きたい場所があると言った それで最後なら、と望さんに付いていったが、気のせいかだんだん人通りが減っていくような気がした と言っても全く人が居なかった訳じゃない なんというか、やけにカップルが多いような気がした どこへ向かってるのかと思っていると、後ろから憧の声が聞こえた 望さんが「あーあ、惜しかったな」と言いながらも憧の方に歩いていき、ドッキリは終了した 結局どこへ行こうとしたのか望さんは教えてくれなかった 後で憧に聞いても、ドッキリに腹を立てたのか顔を赤くして知らないと言うだけだった ドッキリは良かったが、どこへ行くつもりだったんだろう? 晴絵「望が残念そうにしてたのはこれかぁ」 玄「2人でデートできなかったからかな?」 灼「その気になればできると思うけど……」 宥「どこへ行こうとしてたんだろうね?」 穏乃「ねー憧ー。どこだったのー?」 憧「……さぁ、あたしも分かんないわ」 憧(ラブホに行こうとしてたとか、言えるわけないでしょ!!なんてとこへ連れ込もうとしてんのよ!!) 晴絵(ガチで狙おうとしたって言ってたしなぁ……) 9月●日 今日、晩成の岡崎初瀬さんと小走さんが部室に来た なんでも小走さんが玄さんにリベンジのため練習を重ねて、そのために来たとか 曰く、「私は、再び王者になるべく変わったのさ」ドヤ顔でそういう小走さん、いや変わったのだからネオ小走さんとでも呼ぼう そんな小走さんを前に、穏乃が悪意無く言った「え?あんまり変わってないように見えますよ?」 そりゃお前数ヶ月で見た目まで変わる訳ない、と言う前に玄さんが言った 「確かに……胸が2センチ成長してますね?」その言葉に驚く小走さん、てか数センチ単位まで見切れるの? 俺だってまだできないぞ?しかし玄さんは更に続ける 「それに以前はおもちがもっと自然な形だったのにその増量……寄せてあげるブラと見た!!」 「だが、しかし、まるで全然!この私を満足させるおもちには程遠いんですのだ!」 胸を張りドヤ顔で言い切る玄さん、そのまま色々暴露されたショックか落ち込む小走さん。ちょっと不憫だった 結局そのまま落ち込む小走さんを抱えて岡崎初瀬さんは帰って行った おい、麻雀しろよ 玄「ふっ」ドヤァ 憧「なんでドヤ顔してんのよ」 穏乃「そんな変わってなかったと思っただけなのに」 晴絵「悪意無しでも人は傷つくから、気を付けなさいね」 宥「でも、本当に練習してたみたいなのにね」 灼「うん……にしても高3でも成長するのか……まだ希望はある……」 9月◇日 部室に行くと、机の上に古い麻雀雑誌が置いてあった 赤土先生以外来ていたが、誰のものかよく分からなかったので中身を見てみた グラビア等も載っていたが、色々書き込みがあったり、古くなってて見れなくなったページもあった 途中、赤土先生そっくりのグラビアがあってみんな驚いていた 名前等のところが塗り潰されていて、本当に赤土先生か分からなかったが、赤土先生本人がすぐに来て、本人だと分かった グラビアを見せた瞬間、赤土先生は黒歴史を正面から見てしまったような、そんなリアクションだった どうも、昔撮ったもので、恥ずかしくて名前も塗りつぶしていたらしい どうやら憧のお姉さん、望さんから送られてきていたらしい 「望あいつめええええええええ!!!」と叫んで赤土先生はどこかに行ってしまったので、俺達はじっくりと雑誌を読ませてもらった 10年前の雑誌だが、今も活躍している人の若い頃など、それなりに面白い情報も多かった 結局そのまま赤土先生が戻ってこなかったので、机の上に赤土先生のグラビアのページを開いたまま帰った 晴絵「ああああああああ……できれば抹消したい……」 灼「ハルちゃん、かっこよかったよ?」 穏乃「そうですよ!良かったと思いますよ?」 憧「出来はともかく、そんな後悔するなら撮らなきゃよかったじゃない」 晴絵「若さ故の過ちってやつよ……」 玄「本気で凹んでるねー」 宥「そういえば、あの雑誌って処分したっけ?」 晴絵「…………え?」 9月▽日 今日、今度の連休に合宿に行くことになった なんでもインハイ以来、練習試合や合宿の申し込みが多かったらしい それで、赤土先生でいくつか候補を絞って、俺達で決めることになった 穏乃は清澄と合宿したいと言っていたが、向こうも似たような状況で日が合わないとか 適当に候補の高校を見ていると、永水の名前が目に入った そういえば、霞さん達は引退してるのか、と考えていると、玄さんが勢いよく手を挙げて 「永水!永水との合宿を希望するのです!!あのおもち強豪校との合宿は必ずや今後のためになると思うので是永水をお願いします!!」 ほぼ息継ぎ無しで言い切った玄さん。うん、みんなが玄さんの下心に気付いていた まぁ、実際強豪だし、面識がない訳でもないので、永水に決定した 今回は俺は留守番ではなく、ちゃんと参加できるらしい 帰って永水との合宿が決まったと春に電話すると、みんなに伝えておく、と言っていた みんな?永水のみんなだろうか? どちらにしろ、楽しみだ 玄「くっ……連絡先をゲットできなかったのをこれほど後悔したのは初めてでした」 憧「テンション上げすぎ」 穏乃「鹿児島は2回目だったけど、永水の人達もすごかったですねー」 灼「うん……ホント……私の方が年上なのに……」 宥「気、気にしない方がいいよ?」 晴絵「アレはまぁ、色々と規格外よ」 9月■日 今日から永水との2泊3日の合宿だ 奈良から鹿児島まで移動し、更に移動して永水高校へ 女子校に入っていいものか多少躊躇ったりしたが、共学の話も出ているらしいので問題なかった 永水の顧問と、新部長らしい2年生の人に案内され、部室へ 部室には、レベル高めの女子達がいた。阿知賀もレベル高いと思ってたが、永水もレベルたけー そう思っていると、いきなり誰かがぶつかってきた 慌てて踏ん張って転倒は避けたが、思いっきり誰かを抱き止めるような状態になった 誰だと思って腕の中を見ると、春だった 「京太郎、久しぶり」そう言う春。だけどいきなり抱き着いてくるのは何故だ、と思っていると 「私が教えました。海外の挨拶はこうだと」そう聞こえたと思ったら後ろからまた抱き着かれた 前後に柔らかい感触がすばら!!……まぁ、あまりみんなの前で長時間抱き着かれたままではいられないので、とりあえず2人に離れてもらった 抱き着いていたのは、春だけじゃなかった 「ふふっ、久しぶりですね、京太郎」そう言うのはプロであり有名人であり、様々な逸話を持つ、俺の親戚、戒能良子さんだった 「いい機会なので来ちゃった、をやってみました。ロマンでしょう」春も良子さんも無表情、ながらほんのりドヤ顔だった ロマンだけどやめて、みんなビックリしてるから。でもありがとうございました 結構な時間を取ってしまったが、それから互いの自己紹介をして、特別コーチとして良子さんが来ている、ということを聞き、練習が始まった 何故か阿知賀のみんなからの当たりがきつかった気がしたが……何かしたかな? 玄「ううう羨ましいのです……永水の1年生だけでなく戒能プロのおもちまで堪能して……!!」 灼「そういう問題じゃない……それに、羨ましいのは京太郎?それとも、あの2人?」 玄「な!?」 穏乃「滝見さん、親戚だからってずっとくっついてそうな感じだったよね」 憧「戒能プロもよ。親戚だって、絶対わざとよね」 宥「良い人達だったけど、みんな京太郎くんのこと気にしてたよね」 晴絵「ま、あの中でただ1人の男子だったしね。仕方ないわよ」 良子「春?その荷物はなんですか?」 春「黒糖と着替えと黒糖と京太郎との昔のアルバムと黒糖」 良子「バイクに乗せませんし乗りませんよ?後、アルバムは見せてくださいね?」 春「断固拒否、一緒に阿知賀まで行くなら話は別」 良子「HAHAHA、ナンノコトヤラ。ちょっと年末にツーリングで奈良方面に行くかもしれないだけですよ?」 春「…………」 良子「…………」 春「譲らない……」 良子「ノーウェイノーウェイ……」 小蒔「2人とも、何をしているんでしょう?」 霞「さあねぇ……」 初美「諦めて年末大掃除した方がいいですよー」 巴「2人ともー、京太郎くんから送ってもらったお菓子でお茶にしませんかー?」 9月◎日 合宿2日目、今日は1日みっちり練習した 周りのレベルは高く、普段と違う相手ということでかなりいい練習になった 練習終了後、永水の現部長に近くにいい温泉があると聞き、阿知賀のみんなと永水の一部の人達、 と言っても春や小蒔さん達とだが、一緒に行くことになった そこは知る人ぞ知る、という感じの温泉で、俺達の他に客はいないようだった 貸し切りかと思い、体を手早く洗って温泉に浸かっていると、誰か入って来た 何気なく振り返ると、憧が居た 一瞬、お互いに完全停止した というか状況が理解できなかった。男湯だろ!?間違えてないよな!?とか、色々なことが頭をよぎった が、すぐに憧に続いて春や穏乃達まで入ってきた 完全に訳が分からなかった。が、そこで憧が我に返ったのか、「なんで京太郎がいるの!?」と言ってきた 穏乃達は俺がいるということに驚いていたが、春が平然とした様子で「ここ、混浴」と言っていた 先に言えよそういう大事なこと!!そう言いたかったが、俺は憧が声を出した時点で後ろを向いていたので何も言えなかった 後で聞いたが、普段はほとんど女性しか来ない温泉らしい 無論すぐに上がろうとしたが、「ヘイヘイヘイステイステイ。オーケーオーケー、ノープロブレム」と良子さんに後ろから両肩を押さえられた 今思えば、当たってたな……柔らかいものが、布の感触も無く 「ほら、百数えるまでと言いますよね?」と言う良子さん。それ小学生とかそういうのだから 「ね、みなさんもすぐ出るのはちょっと駄目だと思いますよね?」そう良子さんが聞く 当然憧や灼さん辺りがすぐに駄目だと言うと思ったが、こんな時に限って誰も何も言わなかった 味方もツッコミもいない!?そう思っていると、春が隣に座って、腕を絡めてきた 「昔は一緒に入った……」そう言うけどそれほんと何年前だよ!?そう言いかけたが、春と逆側に憧が座ってきて、驚きで何も言えなかった 「……文句あんの?」と言われたけど、むしろ文句言われる側じゃねぇの俺 そんな状況に色々な意味で耐えきれず、両腕を振り払って立ち上がり、すぐに出ようと出入口の方を向いた が、そこにはとんでもない光景が広がっていた 何故か俺の後ろだった場所で待機していたであろう阿知賀のみんな それと、面白そうにそれを見守る永水のみんな……全員タオル1枚とか……今思い出しても最高でした が、本格的にやばかったのですぐに走って出て、そのまま宿泊施設の自室まで1人で逃げた 今冷静になって考えても、なんだったあの状況は 俺死ぬんじゃね?ってくらい良い状況だったし しかしおかげで今も顔合わせられねぇ 特に憧は……最初しっかり目合ってたし、タオル1枚あったとはいえ…… 今夜、寝れるかな…… 晴絵「アンタらあたしが色々打ち合わせとかやってる間に……」 穏乃「だ、大丈夫ですよ!?ほら、こう、アウトなことはやってないです!」 灼「やってたら京太郎が合うとだから」 憧「あぁぁ……思い出した……私、あの時半裸の京太郎に見惚れてたんだ……」 宥「うん……ちょっとドキッとしちゃったよね」 玄「流石に私でもそう思ったよ……私も憧ちゃんみたいに近くに行きたかったな……おもちも狙ってて、結局どっちも駄目だったし……」 灼「……二兎を追うものは一兎も得ず」 9月☆日 合宿最終日 最後は練習試合をした 俺や良子さん、赤土先生まで参加し、かなり盛り上がった 最後に宿泊施設で荷物をまとめ、みんなで集まって後は赤土先生が戻ってくるのを待ち、挨拶して帰るだけという状況だった が、玄さんが「まだ帰れないですのだ」と言った 一体なんなのか聞くと「まだ!あのおもちに触れてない!!このまま帰るなんてできないのですのだ!!」そう言う玄さん、冷たい周りの視線 誰のおもちかは分かるし、気持ちは分からなくもないけど、流石に他校の人達だ。無理だ みんなでそう言って玄さんを止めたが、逆効果だった「嫌だ……私は……おもちに触れたいぃぃぃ!!」そう言っていきなり宥さんの胸を揉みだした その宥さんの反応とか、柔らかな胸が揉まれるとことか個人的にはじっくり眺めたかったけど、流石にそうはいかないので脳内にしっかり保存して、止めに入った が、玄さんは素早く離れ、「おもち……狩りですのだぁぁぁ!!」そう言って憧の胸を揉みだした 普段強気な憧がいきなり胸を揉まれてちょっと恥ずかしがってたり、弱弱しく抵抗してたりかなりグッときたが、またそうはいかない、以下略 しかし暴走したような玄さんは止まらなかった そのまま外に出ようとしたが、穏乃がそこをブロックした。そのまま玄さんの両手は穏乃の胸に伸びたが 「おもち狩り……おもち……おもち?」玄さんの気持ちは分かる。が、それは駄目だ 後ろから勢いよく灼さんに叩かれ、穏乃と憧に両手両足を掴まれ、玄さんは止まった 「玄……そんなにおもちが好きなら……あんたのおもち揉んであげるわよ!!」その憧の声で、灼さんが勢いよく玄さんの胸を揉みだした 玄さんも抵抗していたが、その抵抗も虚しく、玄さんはされるがままの状態に。宥さんも助け船を出す気はないようだった ある意味珍しい状況だと思ってゆっくりと見ていると、赤土先生が部屋に戻ってきた 「準備終わってる?お、面白いことしてんじゃん。よし、京太郎も行ってみよー!なんてね」そう言って俺の背中を叩く赤土先生 それは、完全な不意打ちだった 背中を叩かれて驚いた俺はバランスを崩し、玄さんの方へと倒れた それに気づいたのか穏乃と憧、灼さんはすぐにどいたが玄さんは間に合わなかった 俺は玄さん慌てて手を出したが、それはどういうことか、がっつり玄さんのおもちを掴むような形になってしまった おもち狩り返し……そんな言葉が頭に浮かんだが、まさにその通りだった 慌ててどいたが、玄さんは真っ赤になり、すっかり大人しくなってしまった そのまま永水の人達とあいさつをして阿知賀へ帰ったが、玄さんはその日おもちおもち言うことは無かった まぁ、ある意味自業自得か?俺も憧と灼さんから叩かれたけど でも、柔らかかったな…… 玄「うああああああ……こ、これはそのあのえっと……」 憧「自業自得よ……ってか何私が揉まれてるとこまで書いてんのよ!」 宥「わ、私のも……うぅ……」 灼「同情の余地無し」 穏乃「です。無い訳じゃ、ない!」 晴絵「若いねー、ってか合宿最後に何やってんだか」 9月★日 部室に行くと、玄さんが1人で居た どこかぼーっとしているようなので、どうしたのか聞くと、おもちについて考えていたらしい 曰く、永水の人達のおもちは素晴らしいし、触れることすら叶わなかったのをマジで後悔しているらしい それに比べて、自分のおもちが全然だめだと考えていたらしい それは違う!! それだけは声を大にして言った 玄さんの胸は全然だめじゃないどころか素晴らしいものだ 確かに大きさでは永水の人達に劣るかもしれないが、それに負けない形の良さ、柔らかそうな感じがある 決して卑下するようなものじゃない それからしばらく、玄さんのおもちに対する熱い想いを玄さんにぶつけた あなたの胸は素晴らしい それを伝えたい一心だった 気付くと玄さんは真っ赤になっていて、「えと、あ、ありがとう」そう言って走って行ってしまった それと入れ違いに、憧と宥さんが入ってきた 「アンタ、玄を口説いてたの?」入って来るや否や、いきなり憧にそう言われた 玄さんのおもちがいかに素晴らしいかを語っていただけだと言うと、呆れたように溜息をつかれた 玄さん、自分のおもちにの素晴らしさを分かってくれただろうか また、おもちについて話したいものだ 宥「なんか、『あなたは素晴らしい』とか聞こえたから待ってた日だよね」 憧「そーね。情熱的に口説いてる以外に聞こえなかったわ」 玄「そそそんな……や、でも嬉しかったし……」 穏乃「京太郎、わざとやってるのかな?」 灼「アレはまた別の天然だとおも……」 晴絵「タチ悪いわねー。アレで高校生だし、将来どうなるやら」 10月×日 今日は文化祭、うちのクラスはメイド喫茶だった が、何故か俺を含む何人かの男子は執事の恰好をさせられた 裏方で良かったんが、女子の妙な結束には逆らえなかった 試しにハギヨシさんの真似をして憧に執事っぽく振る舞ってみたら、すごく周りに驚かれた 憧は恥ずかしいのか真っ赤だった。ま、いきなりお嬢様呼びはないか 思ったより様になってたのか、そのまま接客することになった 俺なんかハギヨシさんの足元にも及ばないのになー 開始してしばらく、別のクラスの知り合いが冗談半分で俺を指名してきた が、何故かそこから俺への指名が途切れなかった 途中、灼さんや玄さんに宥さん、晩成の小走さんや初瀬さんまで来たのは驚いた 休憩時間、宣伝のために執事服のままで、という訳で執事服のままふらついたが、 何と勘違いされたのか、色々な人に一緒に写真を撮ってくれ、と頼まれた 執事服、結構良くできてたからかな、写真を撮った人は後でクラスの方にも来てくれた 色々な人に呼び止められたりが多くて、結局はあんまり回れなかった まぁ、それなりに楽しめたし、みんな喜んでくれたからいいか ただ、終わり間際にどこから聞いたのか、良子さんと瑞原プロが来たのはマジで驚いた 驚きつつも、ちゃんと接客したが、2人ともオフで回りにばれないようにしているのか、普段とちょっと違う感じだった 違和感はあったが、周りに騒がれるよりはいいか そんな感じで、1日執事服のまま、俺の文化祭は終わった そういえば終わってから着替えの時、男友達に面白いからと着崩した執事服の写真を撮ったりしたな 適当に眼鏡借りたり、どっかの黒い執事っぽくしてみたりした写真も撮ったが、ちゃんと持ってくるかな? 晴絵「文化祭かー、京太郎の執事はすごかったよなー」 穏乃「いきなり憧をお嬢様って呼んだのはびっくりでしたけど、そこからもうまさに執事!って感じで」 憧「あーアレはやばかったわ。ちょっとああいうとこに通う人の気持ちが分かりかけたわ」 玄「最後は京太郎君だけ指名時間短かったよね」 灼「すっごく並んでたし、当然だと思う……」 宥「淹れてくれた紅茶、あったかかったなぁ……」 晴絵「でもさー、戒能プロや瑞原プロが来たのも驚きだけど、文化祭後に出回った写真もびっくりじゃない?」 玄「アレはこうやって撮ってたんですねー。誰がどうやって撮ったんだ、ってちょっとクラスで話題になってましたよ」 憧「てか晴絵も写真持ってんの?」 晴絵「いやいや流石に。生徒が授業中見てたからさ」 穏乃「すごいのありましたよね。なんか、着替え中のとか」 憧「え、眼鏡のとかは知ってるけどそれ知らないわよ?」 宥「私が見たのは口で手袋外してるとこだけど」 灼「私の壁ドンっぽいの」 玄「何種類あるんだろうねー」 穏乃憧玄灼宥(どれも欲しいけど!!) 10月○日 今日はみんな用があったらしく、部室に来たのは俺と宥さんだけだった なので、ネト麻で俺が宥さんに教わる形になった 受験勉強もあるのに、わざわざ来てくれるのは本当にありがたい ちょうど2人なので、勉強の邪魔にならないかと聞くと「ちゃんと勉強はしてるし、いい息抜きだよ」と宥さんは言ってくれた 帰り道、思ったより遅くなってしまったので、宥さんを送っていった が、途中、宥さんが足を滑らせ、捻ってしまった そのまま歩かせる訳にもいかないので、おぶって行くことに 背中におもちが!!厚着の下からでも主張を隠せないおもちが!! しかし状況が状況だったのでクールに。クールに背中の感触に集中した 宥さんは恥ずかしいからか、黙ってしまった そのままなんとなくお互い黙ったままでいると、宥さんがポツリと話し出した 本当は、もっとみんなと居たかった、 昔から一緒に麻雀をやりたかったが、1人年上だから参加できなくて、 阿知賀で麻雀部に参加したのは本当にうれしかった、らしい でも、引退して、今みたいに一緒に居られるのが減っていくのが、本当はすごく嫌、そう宥さんは言った 気持ちは、分からなくはない。別れは寂しいし、宥さんの場合自分1人だけ離れるような形だ でも、大丈夫。そう言って俺は片方の手で宥さんの手を握った 宥さんは卒業して、今まで以上に一緒にいる時間は減るかもしれないけど、一緒に居られなくなる訳じゃない むしろ、俺達の方が寂しくて宥さんの方に行くかもしれない 何より、俺達みんな宥さんのことが好きだから、一緒に居たい。そう思っているから、大丈夫 なんか自分で言っててイマイチな感じだったけど、宥さんにそう言った 宥さんは、小さく笑ってくれて、「ありがとう、京太郎くん……あったかいよ」そう言ってくれた そのまま宥さんを送り、俺も帰った 宥さん、結構寂しがり屋なんだな 今度から、ちょいちょいメールでもしよう 玄「お姉ちゃんが携帯弄るの増えたと思ったらこういうことだったんだ」 灼「言ってることは良いことだけど、なんか弱いというか……」 憧「ま、宥姉を安心させようと必死って感じで、京太郎らしいわ」 宥「うん……京太郎くんといると安心する……ずっと居たいって、思ったのもこの時からかな」 穏乃「それって宥さん……」 宥「ふふ、好きって言ってくれたのは、ドキッとしたけど、みんな、っていうのが少し残念……なんてね」クスッ 晴絵「宥が本気になったってことね。こりゃ一番の強敵じゃない?」 10月4日 今日は和の誕生日、とメールでこの前聞いていたので、みんなでこの日に着くように合わせてプレゼントを送った 俺は和が持っていたエトペンってぬいぐるみをモチーフにした手編みのマフラーにした ちょうど家に帰り着いた時、和もその時にプレゼントが届いたのか、わざわざ電話でお礼を言ってくれた 嬉しそうで何よりだ 電話越しだったが、誕生日を祝えてよかった そーいえば、みんなは何を送ったんだろう? 憧や穏乃はいいもの、としか言わなかったけど まぁ、あの2人に限って変なものは送ってないだろう 穏乃「その通り!良いものを送っただけだよね!」 憧「そうね。和も大喜びだったわよ」 玄「何を送ったの?」 穏乃「文化祭の時の京太郎の執事服の写真!!」 憧「焼き増しした甲斐があったわ」 宥「い、いいのかなぁ?」 灼「まぁ、本人が喜んだならいいと思うけど」 晴絵「あの写真、とんでもないとこまで広まってたりしないわよね?」 10月△日 今日は灼さんのところでボウリング大会があった 常連さんから飛び入り参加まで、最近お客さんが増えているのもあって、参加者は結構いた 俺達阿知賀麻雀部も参加することになっていた 残念ながら灼さんは大会運営で参加できなかった 大会は特にトラブルもなく、スムーズに終わった せめて片付けくらい手伝おう、ということでみんなで手分けして手伝った 俺は主に灼さんの指示での力仕事がメインに。まぁ当然だろうけど 片付けながら、ふと思ったことを灼さんに言ってみた 灼さん、今日も大会をしっかり仕切ったり人をまとめたり、何気にすごい 灼さんは驚いて、すぐにそんな大したことじゃない、と言っていたが、充分大したことだ インハイの時だって、部長としてしっかりみんなをまとめていたし、灼さんは灼さんが思っている以上にすごい人だ そう言うと、「……それを京太郎が言うの?」と何故か少し怒ったように言われた 訳が分からない。そう思っているのが伝わったのか、灼さんは俺の服の首元を掴み、俺の顔を自分に寄せて言った 自己評価が低いのは俺の方で、みんな俺に助けてもらっている。自分だってそう思っているし、もっとその辺りを自覚しろ そんな感じのことを言われた 後、無自覚で色々やらかすのはやめろだの、不意打ちみたいなスキンシップがどうのと色々言われた 後半は見に覚えがないので聞き流したが、今のこの体勢はどうなんだろうか そう言うと慌てて灼さんは離れた 「とにかく!私も、みんなも京太郎が好きだってこと!!」そう言った後、灼さんはハッとしたような顔をして、どこかへ走っていってしまった まぁ、言い方はアレだが、嫌われてないのはありがたいな これからも仲良くしていきたいし しかし、後半言われたことがマジで分からん なんかやったっけ? 灼「あー……これ京太郎につい言っちゃった時の……」 晴絵「ま、分からなくもないわ。妙なとこで自己評価低いし」 憧「それで大したことない、だもんねー」 玄「にしても顔を寄せる、なんて無理矢理キスするみたいな体制?」 灼「……あぁぁぁぁぁ……やけに顔近くてドキドキしたと思ったらそういう……」 宥「無自覚だったんだ……」 穏乃「京太郎も無自覚だし?平等ってことじゃないですか?」 灼「言い終わってから自覚した……あんな言い方で自覚するとか……」 憧「あー、落ち込んじゃって。まぁ言ってることは正しいと思うわよ?」 10月□日 今日、遂に阿知賀生徒用非公式掲示板『おもち同盟』のメンバーが100人を突破した 長かったぜ……ここまでくるのは…… 玄さんとこっそり企画し、玄さんと共におもちのすばらしさを語り続けた…… 男子はおそらく全員参加してくれただろうが、阿知賀は元女子校、つまり残りのメンバーは全て女子 こんなたくさんの女子達もおもちの素晴らしさを知ってくれるなんて…… おもち好きに男女関係ないな!! そう、必要なのはおもちへの愛だ!! 今夜はこれから徹夜でおもちへの愛を語り明かすぜ!! 玄「私も思い出すよ……あの苦労の日々……あの時の達成感……まさに、おもちへの愛だね!!」 憧「何やってんのよアンタら」 晴絵「てか100人って何気にすごいわね」 穏乃「えっと、阿知賀にあと90人近く玄さんみたいな人がいるってことですか?」 灼「や、流石にそれは無いとおも……」 宥「ど、どうだろうねー……そういえば揉みくちゃにされたとき、胸触られた気が……」 憧「宥姉、もっと警戒して。割とマジで」 10月●日 今日は休日、部活も休みだが玄さんと灼さんは修学旅行へ、他のみんなも用事とのこと なので、奈良に引っ越したけど行ってなかった場所、奈良公園に行ってみた うん、マジで鹿が公園内を闊歩してるのな 時期が時期なせいもあり、見知らぬ制服を着た学生たちが多かった 鹿せんべいでも買おうかと考えていると、目の前に涙目で鹿に囲まれている女の子と、それを爆笑しながら見ている女の子がいた ちょっと放置しておくのもアレだったので、近くで鹿せんべいを買って、鹿の注意を引きつけて鹿から女の子を助けた 「あ、ありがとうございます……怖かったです……」という囲まれていた小さめの子と 「あっはっはっはっは!!いやマジ面白かったわ。動画撮りたいからもっかいやってくんね?」まだ笑ってるもう1人の子 2人の制服に見覚えがあった。インハイに出ていた有珠山高校だった。由暉子のおもちは忘れない 「へ?ユキの知り合い?マジ?」「そんなご縁が……素敵です」まさかと思って由暉子のことを話すと、 2人とも由暉子の知り合い……というか同じ麻雀部らしい。世間って狭いなオイ もう少し話がしたかったが、残念ながら時間が無いとのことで、明日また会うことになった そのために2人と連絡先を交換してから分かれた しかし初対面と思ったら共通の知り合いがいるとはびっくりだ 憧「また女の子と知り合ったわよ……」 玄「有珠山……確かに1人だけずば抜けたおもちの持ち主はいましたが、それ以外は……」 灼「ブレないね」 有「玄ちゃんだし……でも奈良公園か。行ってないなぁ」 穏乃「また行きたくなりますね。鹿と競争したり」 晴絵「いや、やっちゃダメよ?」 10月◇日 今日は昨日の約束通り、有珠山の2人に会いに行った 2人は自由行動だったらしいが、1日くらい適当でいいという揺杏さん。それに引っ張られたらしき成香さんが少し可哀想な気もした まぁ、とりあえず適当な店でゆっくり話すことになったが、由暉子の服について予想以上に盛り上がった あの服は揺杏さんが作っているらしく、服について褒めると大いに喜んでくれた そりゃあんなおもちが強調されたすばらな服、褒めるしかない 男目線の意見も欲しい、ということで最近の由暉子の写真を見せてもらいながら、いかにして魅力を引き出すか熱く語り合った あの胸は活かすべき、この1点にお互い同意できたことが何より嬉しかった 揺杏さんは俺の意見がすごく新しい服のアイディアになりそうだと喜んでくれていた 成香さんともちょいちょい話し、楽しそうにしていたようだった そうやってすぐに時間は過ぎてしまった 由暉子の写真を必ず送るという約束の下、俺達は別れた 改めて思う。いい出会いだった、おもちってすばらしい 玄「おもちって…ムガモゴ」 憧「はいそこまで」 灼「何度も言わなくていいから」 晴絵「見事な連携プレーね」 憧「全然嬉しくないわ」 穏乃「でも写真かぁ……どんな写真だろ」 宥「北海道だし、あったかい恰好とか?」 爽「いいよいいよー、かわいいよー」パシャパシャ 揺杏「もっとギリギリまで攻めようか!こう、きわどいポーズとって!!」 由暉子「きわどいの……こうですか?」 成香「わ、わぁ……」 誓子「それアウトだよね?ねぇ、爽その写真どうする気?あ、コラ逃げるな!!」 10月▽日 今日は男子個人戦だった 今回も他のみんなは個人戦に出なかった 今回は全力で俺のサポートに回る、と言ってくれ、試合前もわざわざ全員で応援に来てくれた 嬉しかったし、負けたくなかった…… 午前中は勝ち抜き、午後の初戦の卓に座ったところは覚えているが 「狂気の沙汰ほど面白い……」 「さて……打(ぶ)つか」 「……御無礼」 この3人の一言を聞いて、気が付けば俺は横になっていたいて、心配そうな顔をしたみんなが見ていた どうやら俺は負けたようだったが記憶が全くない みんなが言うには、かなりギリギリの接戦だったらしいが、最後の最後にギリギリで負け、その直後に倒れたらしい 相手がとんでもない実力の持ち主だったんだろうけど、負けたか…… 悔しいな……今回はみんなが居てくれたのに、前よりも勝てなかったなんて…… 次は、次こそは勝ってやる!! 穏乃「試合、残念だったね」 憧「対戦相手の3人、その後もめちゃくちゃ勝ってたじゃない」 灼「むしろ1番苦戦してたのが京太郎の時っぽい…… 宥「京太郎くんも頑張ってたのにね」 玄「勝って欲しかったね……こんな時こそおもちで抱きしめてあげれば元気が」 晴絵「玄はそこまでね。ま、アレは相手が悪かったって私でも思うわ。でも、あいつはそれで諦めるような奴じゃないでしょ?」 穏乃「はい。京太郎、次はみんなで全国に行こうね!!」 10月■日 今日はちょっと大変な目にあった 体育の授業後、憧と体育倉庫に道具を片付けていると閉じ込められた 結構奥に居たせいでか、気付かれなかったようだった 内側から開ける手段も無く、そのうち運動部や異変に気付いた誰かが開けに来るだろう、と憧と話し、慌てずそのまま待つことに しかし季節は秋。動いて汗をかいた後、冷える それは憧も同じだったようで、寒そうにしていた。なので着ていたジャージの上を脱ぎ、憧に掛けてやった 女の子が体冷やすもんじゃないしな 憧は俺が脱ぐ時何か慌てていたが、上着を掛けた時、なんか安心したようなそうじゃないような、複雑そうな表情だった それからしばらく経ったが、誰も来なかった 少し俺も冷えてきたと思っていた時、「ねぇ、寒いんでしょ?……こっち、来なさいよ」と憧が言った 体を寄せ合えば少しはマシになる、ということでの提案らしかった 憧相手とはいえ、流石にどうかと思ったが、結局は押し切られて憧の隣に寄りそうように座ることに 憧、いい匂いしたな…… しかしそれからもただ時間が過ぎるだけだった このままどうするか、そう考えていた時、憧がいきなり俺に抱き着いてきた 当然驚いたが、憧はそのまま「……もし、誰も来なかったらどうしよっか」と上目づかいで言ってきた ちょっとやばかった。腕に当たる胸とか、いい匂いとか、潤んだ目とか、とにかく色々やばかった 自然と俺の手が憧の肩に触れようとした、その瞬間だった 「憧ー!!京太郎ー!!いるー!?」外から穏乃の声が聞こえてきた 俺と憧は慌てて離れ、穏乃に返事をして、無事外に出られた 戻ってくるのが遅い俺達をみんなで探していたらしい それにしても憧、どういうつもりだったんだ? あのまま穏乃が来なかったら……あぁもう寝よう 穏乃「あの時こんなことしてたの!?」 憧「ち、違うわよ!?寒かっただけよ!?」 晴絵「あっためあうとか、まさにそのまま……」 灼「ハルちゃん、教師の発言じゃないとおも……」 宥「で、でも2人とも大丈夫だったの?寒いとこにずっと居たなんて…」 玄「大丈夫だよ。2人ともしっかりしてるし」 憧「そ、そーよ」 憧(ちょっと脱ぎだした時とか超びっくりしたし、あのまま誰も来ないで初めてが……とか考えたりはしたけど……) 10月27日 今日は咲の誕生日だった なので今年はプレゼントにブックカバーを誕生日当日に着くよう送り、夜に電話した 咲は少し驚きながらも出た 俺が電話する前まで、照さんと電話で話していたらしい このポンコツ姉妹はちゃんと仲直りして、仲良くやってるみたいで何よりだ 楽しそうに照さんとのことを話す咲。良かったな咲 それからは俺のことになった こっちでも元気でやっていること、最近あったこと、大会で負けたこと、色々なことを話した 不意に咲が「……やっぱり、まだ慣れないな。京ちゃんがいないの」と呟いた まぁ、長い付き合いだしな 俺もやっぱ少し寂しいし、今度長野に帰るかな そう言うと咲は嬉しそうに、あそこに行こうここに行こうと言っていた お前迷子にならずにたどりつけるのかよ ま、その時は長野にいるだろうし、探してやるかな 玄「むむむ、遠く離れてもちゃんとお祝いを送るとは」 晴絵「青春だねぇ。遠距離恋愛みたいだねー」 憧「え、遠距離とかそんなんじゃないでしょ!?」 穏乃「そうですよ!ただの幼馴染って言ってましたよ!?」 灼「……よくよく考えたら穏乃と憧と玄もそういうものじゃないの?」 宥「一緒にいた時間の長さじゃないかな?」 咲「うーん……ここ、いや……」 まこ「珍しいな。雑誌なんぞ持ち込んで……ん?デートスポット特集?」 咲「はい。今度、京ちゃんが長野に来た時のために……いやでも麻雀は……」 まこ「青春しとるな。ま、無粋なことは言わん。他の奴らが来るまでは見とっていいぞ」 咲「は、はい」 まこ「しっかし咲に和に他の奴らもか……どんな奴なんじゃろうな、その須賀京太郎ってのは」 11月×日 今日は穏乃と玄さんと宥さんに今の時期美味しい山菜とキノコを聞き、山へ 比較的低く、人もいそうな山で穏乃と山菜&キノコ狩りに 慣れているのか穏乃はすごい速さで集めていった 俺も負けてられないと思い頑張ったが、中々上手く集まらない ふと気付くと、穏乃と離れ、見知らぬ場所に来ていた やべぇはぐれた。そう思いながらも冷静になり、穏乃を探した しばらく歩いていると、不意に目の前の草むらがガサガサと不自然に揺れだした まさか熊?と思い後ろにゆっくり下がりながら様子を見ていた そして、草むらから出てきたのは……おばあさんだった 「おや?珍しいとこで人に会うねぇ」山菜片手にのんびりというおばあさん。こっちは必至だったのに おばあさんに事情を話し、人が居そうなところまで送ってもらった そこで穏乃とも会えたし、何かの縁だとおばあさんに山菜まで分けてもらえた ありがとうおばあさん 別れ際に名前を聞いたが、熊倉トシというらしい 熊に出会ったといえば出会ったのか? 憧「アンタらは何危ないことしてんのよ」 穏乃「いいおばあさんだったよ!」 灼「そういう問題じゃないとおも……」 晴絵「熊倉さん、何やってんだか……」 宥「知り合いですか?」 晴絵「ま、ちょっとね。色々と動く人だしなぁ」 玄「?」 11月○日 今日、外を掃き掃除していて落ち葉がかなり多かったので、たき火をやることに いざ火をつけようという時、赤土先生の焼き芋やりたくない?の一言で焼き芋に しかし落ち葉で焼き芋は結構時間がかかる なので、まずは普通にサツマイモを入れた後、それぞれで短時間で火が通って、おいしそうな食材を調達して一緒に焼いた 主にこの前のきのこだったが、ジャガイモやソーセージ、そして何故かチーズまであって、 チーズは別で溶かしてジャガイモやキノコと食べた 外でみんなで食うとなんであんなに美味いんだろうな 最後は先生たちも集まってきて、かなり大事になったが楽しかった もちろん食べる前に写メを撮り、愛宕(貧)にしっかりと夜に送っておいた たき火で焼いて、取り出すところから芋を割るところまでしっかりと順番に たき火で焼き芋、やっぱ風情があっていいね 晴絵「アレは良かったわー。校長もノリノリだったしね」 憧「なんで先生たちまでノリ良かったのよ。一応お嬢様高校だったのに」 玄「まぁたき火で焼き芋って楽しいし?」 穏乃「テンション上がるじゃん!」 宥「あったかかったな……」 灼「今度またやる?」 洋榎「……たき火したい」 絹恵「いや無理やろ」 洋榎「いややー!ウチはたき火で焼き芋とかバーベキューがしたいんやー!!」 洋榎「それもこれも!たき火始めるとこから火消して芋取り出して中身割るとこまで丁寧に写メ送る京太郎が悪い!!」 絹恵「無駄にしっかりした写メやしなぁ……ちゅーか写メ見返してそういうやめへん?」 洋榎「わざわざ送ってくれたんやで?ちゃんと取っといてたまに見返さんと悪いやん」 絹恵「そういうとこあるから写メ送られるんやない?」 11月△日 今日は穏乃の家で栗きんとん作りを手伝った 最近お客さんが多いから人手が欲しかったらしい しかし栗きんとんは作ったことが無かったので、作り方を教わりながら作った とりあえず作って、ひとつ試食してもらった が、食べた直後「……婿に来ない?ホラ、これも磨けば光ると思うし」との言葉を穏乃母からいただいた 穏乃が隣にいる前で。穏乃は慌てて栗を落とそうとしてた いきなりすぎるし、隣に娘いるのに磨けば光るとかいいのか とりあえず今日は手伝いということで冗談として流したが、目がマジだったよやべぇ 最初は少し手間取ったが、徐々に慣れていき、最後の方では迷惑かけることなく作れていた 終わった後、穏乃母からお礼として好きな方をどうぞ、とお金が入ったであろう封筒と穏乃を差し出された 娘の扱い雑だな。丁寧に封筒の方を頂いた 玄「あぁ、京太郎くんが作ってたからこの頃栗きんとんの味が違ったんだ」 宥「だね。少し違うけど、そっちも美味しかったよね」 憧「へー、違いとか出るんだ。で、何気に穏乃んとこは親までプッシュしてるのね」 晴絵「まぁ好条件だし、親としても安心なんでしょうねー」 灼「それでもいきなり婿入りって……」 穏乃「もう、余計なこと言わなくていいのに……」 11月□日 今日はとんでもないニュースがあった ネットニュースだが、なんとすこやん熱愛報道が流れていた しかも相手まで映った写真付きだったが……相手というのが、ハギヨシさんだった…… なにかの間違いだな 部室に行ってもその話で持ち切りで、相手のハギヨシさんが俺の知り合いだと言うと赤土先生が確認してくれた 結果、たまたまそういう写真を撮られただけで誤解らしい ただ、赤土先生曰く、すごく、この上なく、心底残念そうにそう小鍛治プロは言ったらしい 帰ってから俺もハギヨシさんに連絡を取ると、既に対策済みらしい まぁ、龍門渕が本気で動けば大体なんとかなるし、あのハギヨシさんだ。問題ないだろう 憧「アレは驚いたわよねー」 宥「うん、いろんなところがその話で持ち切りだったね」 晴絵「お前ら、あの後小鍛治プロを慰めよう、ってどんだけ大変だったか……」 灼「ハルちゃんお疲れ様」 穏乃「でも、あれから誤解だったってニュースで言ったっきり、すぐに無かったことになっちゃったよね」 玄「だねー。あんなに早く話が消えるなんて、不思議だよねー」 11月●日 今日は穏乃と憧が先生に呼ばれたので俺だけ先に部室に行った 部室に行くと玄さんしかいなかった 玄さんの方も色々あって先に来たらしい しばらくは俺と玄さんだけみたいだったので、改めて阿知賀のおもち事情について話した 今あるおもちのことは当然で、憧の小学生の頃と今の成長率、宥さんのおもちの完成度と今後、 穏乃と灼さんの将来のおもち、時速何キロでおもちの感触を掴めるか、話題は尽きなかった 話している最中、ふと気になり玄さんのおもちを改めて見た 普段おもちおもちと言っているが、本人も相当のおもち さらに顔だって可愛いし、性格も悪くない、旅館の娘で家事等も完璧にこなせる、 おもちに対して真剣、他人のおもちを見ても怒らないどころかむしろ聞いてくる アレ?ある意味理想のタイプ? でも理想のタイプが目の前なのにいつもの対応?理想が目の前にいたらもっと違う反応じゃね? 理想もっと違う?俺の誤解?いやいや、そういうもんなのか? そんなことを色々考えていると、どうやら無言で玄さんを見つめていたみたいだった そのせいで玄さんも急に黙ってしまった俺に対して驚いているようだった。心なしか顔も赤かった どうしたのかと聞いてくる玄さん、それにほとんど無意識に「いや、理想のタイプが目の前にいるのになって」そう返してしまっていた 途端に玄さんは真っ赤になって、どこかへ走って行ってしまった 驚かせすぎたか、その日玄さんは戻ってこなかった 後でメールで色々誤解かもしれないと言っておこう 宥「玄ちゃんが真っ赤で走って帰って来た日はこんなだったんだ」 憧「色々途中にツッコミたい部分はあるけど…」 穏乃「成長率……将来……」ペタペタ 灼「……まだ成長する」ペタペタ 憧「で?理想のタイプ?」 玄「いやいやいや、あとでなんか誤解と勘違いとかメールきたし……うん、別にがっかりとかもしてないですのだ……」 晴絵「それ、めちゃくちゃ気にしてるって言ってるようなもんだから」 11月◇日 昼休み、なんとなく穏乃と憧と駄弁っていた時だった ふと穏乃に、制服以外の私服でもスカートを穿かないのかと聞いてみた 穏乃は即、動きにくいと却下した 憧は呆れ顔でずっとこれだとぼやいていた もったいない、スカート似合わない訳じゃないのに 穏乃はそれを聞いて照れたのか少し顔を赤くし、立ってわざわざ俺の前まで来て、「……そんなに、私に似合う?」と聞いてきた その時だった 誰かが窓を開けたんだろう、教室内に突風が吹いた ほとんどの生徒は座っていたり、そんなに風に当たらない位置に居たからか、特に影響はなかった が、ちょうど風がダイレクトに当る位置に居て、立っていた穏乃はその突風の影響をもろに受けた つまり、俺の目の前で盛大に穏乃のスカートが捲れ上がった 清潔感のある白で、ワンポイントに可愛らしいリボンがあり、はっきりくっきりと俺の目に焼き付いた 風はすぐに止み、スカートも元通りになった そして俺は、右手の親指を立てながら「超似合うぜ」そう、爽やかな笑顔で穏乃に言った 次の瞬間、腰が入って捻りの効いたビンタを貰ったが、後悔はない 晴絵「いやー、見事な手形と思ったら穏乃だったか」 宥「放課後に会った時もはっきり残ってましたよね」 灼「まぁ、不可抗力だろうけど、気持ちは分からなくもない」 玄「でも、実際のところ穏乃ちゃんにスカート似合うと思うけどなぁ」 憧「ねー、もったいないわよねー。ということで、今度買いに行かない?」 穏乃「絶対やだ!!」 11月▽日 部室に行くと、机に突っ伏して灼さんが眠っていた 部長としての仕事の途中で寝落ちしたみたいだった 少し寒そうだったので、俺の上着を掛けて、仕事の続きを俺がやった 結構面倒なものもあり、これを普段からやってると思うと少し申し訳なく思う なので、そのまま寝かせておいて、灼さん好みのお茶とお菓子を用意しておいた その後、目を覚ました灼さんは驚いていたが、そのままできる範囲でハギヨシさんから教わった奉仕をした みんな用事があったのか、誰も来なくて灼さん1人に奉仕した日になった 普段色々知らないところでやってもらってたんだろうし、たまにはこうしてもいいだろう 次は執事服でも用意するか? 灼「目を覚ましたら京太郎の服が掛けてあって、好きなお茶とお菓子が用意してて驚いた……」 晴絵「で、奉仕って何されたの?」 憧「そ、そそそんなご奉仕なんて……」 穏乃「どしたの憧。顔真っ赤にして」 灼「……別に、ふつーにお茶とお菓子のおかわりとか……後マッサージとか、執事っぽいこと……」 灼「……結構、良かった」 玄「な、なんか満足気だね灼ちゃん」 宥「いいな~」 11月■日 ふと、疑問ができて松実館に行った 目的は宥さん、具体的には宥さんの好みだが もはや顔パス状態で通され、宥さんの部屋に行くと予想通りこたつむりな宥さんがいた 布団から顔だけ出した宥さん、正直可愛い が、そのままではやりにくいので無理を言って上半身を炬燵から出してもらい、まともに話せる状態に で、俺は疑問を解消するため、途中で買ってきたブツを宥さんの前に出した それは……アイス そう、疑問とは実にシンプル、宥さんは炬燵にアイスはアリなのか、ということだ 夏場に冷たい飲み物は一応口にしていたが、アイスは見ていない ということで冬の贅沢、炬燵でアイスを宥さんがやってくれるかどうか きっと、実証に時間がかかるだろう、そう思っていた 俺がアイスを渡すと、宥さんは普通に食べていた 「あったかくないけど……あったかいよ?」アイス片手に笑顔で言う宥さん……疑問はあっさり解消できた この後2人でめちゃくちゃのんびり炬燵でアイス食った 今後、炬燵でアイスする時は宥さんとこ行くかな 憧「しょーもなっ」 灼「……どうでもい」 宥「ひ、酷くないかな?」 晴絵「まぁ普段のイメージもあるんだろうけど、男ってくだらないこと気にするもんよ」 穏乃「なんかアイス食べたくなってきた」 玄「アレ?でもお姉ちゃんがアイス食べるのなんて年に1回あるかないかで……」 宥「ん……京太郎くんがいたから……」 11月◎日 憧に土下座した 理由は試験前、偏差値70の力を借りるためだ 憧は中々首を縦にふらず、口説き落とすのもかなり手ごわかった 褒め倒しても土下座しても多少顔を赤くしたりするだけで効果がなかった なんでも……できる範囲でなんでもするから、とまで言ってやっと教えてくれることになった しかしその代償として、1日憧にくれてやることに 一体どんな高いものを奢らされるのか今から恐ろしくもあるが、背に腹は代えられぬ とりあえずありがとうアコチャー これで赤点は避けられる 愛してるぜ!! 憧「ふきゅっ!?」 晴絵「おぉー、大胆ねぇ」 玄「あ、あああ愛って!?」 灼「こんなの気にするほどじゃないとおも……」 宥「でも、ちょっと嫉妬しちゃうよね」 穏乃「土下座から愛してるって、すごいことやってるなぁ……だから憧、今回私に教えてくれなかったのか」 12月×日 今日は驚いた この前、いつものように愛宕(貧)に美味しそうなものの画像を送ると 『もう許さへん。ちょいそっち行ったるからな!!』とメールが来た お待ちしています、と柿の葉寿司の画像を送ってその日は終わったが 「京太郎!!来てやったでー!!」マジで来やがった(貧)。わざわざ奈良駅バックの写メ付きのメールで しかし絹恵さんも来ていたらしいので仕方なく迎えに行った 今までの飯テロの仕返しの殴り込み、という建前で遊びに来ただけだと絹恵さんが教えてくれた まぁせっかくだから、と公園に移動し、奈良の有名なせんべいを(貧)にだけご馳走した (貧)は勢いよく食べたが、味がイマイチだと言っていた そりゃそうだろう。鹿せんべいだし、そう言うと漫画みたいに噴出した 流石大阪人、いいリアクションだった その後も怒られたりしつつもいじり倒して、ちゃんと美味しいもののところ連れて行ったり、 お土産で穏乃のとこの和菓子を教えたりした しかし鹿せんべいをマジで食べたのは面白かった 別れた後で、面白かった、と鹿肉料理の写メ付きで送っておいた その後またメールが何通か来ていたようだがあえて無視した 憧「他校の人に鹿せんべい食わせるなっての」 穏乃「だねー。アレ、あんまり味ないんだよねー」 灼「なんで知って……あ、言わなくてい」 晴絵「落ちに鹿肉料理ってのがまたなぁ……」 宥「京太郎くん、愛宕さんのこと嫌いなのかな?」 玄「んー、そういうのじゃないと思うよ?」 洋榎「おのれ京太郎ー!!」 絹恵「今度はなんなん?」 洋榎「やっと鹿肉フルコースが終わったと思ったらジンギスカンの写メ送ってきよったんや!!」 絹恵「あ、おいしそーやなー」 洋榎「せやなー……やなくて!!いい加減こういうのやめろっちゅうんや!!また殴り込みいかなアカンか!?」 絹恵(お姉ちゃんフツーに京太郎くんの奈良案内楽しんどっただけやしなー。ほっとこ) 12月○日 学校からの帰り道、今日は玄さん宥さんの2人と帰っていた ちょうど本屋に行こうということになり、3人で行くことに しかし道中、寒い。流石に12月、もう少し厚着してくればよかったと後悔した 寒いな、と呟いた時、いきなり右腕に宥さんが抱き着いてきいた 「ん……あったかい?」そう上目づかいで聞いてくる宥さん、なにこの可愛い生き物 すると左腕には玄さんが抱き着いてきた 「こうすればもっとあったかいのですだ!」ニコッっと笑って言ってくる玄さん。可愛い 両手に美人姉妹、さらに腕におもちが!おもちが!! まさに両手に華状態で本屋に行き、その後も少し寄り道して帰ることに 思い返すとなんて幸せな状態だったんだろう 俺死ぬの?一生分の幸運使い切って死ぬんじゃねーの? まぁ死にたくないが、そう思えるほど素晴らしい状態だった 穏乃「ずるい!!」 灼「抜け駆け……」 晴絵「また大胆な……しかも2人一緒にって……」 玄「ふふふ、大胆に攻めることも必要なのですだ!」 宥「あったかかったなぁ……」 憧「わ、私もあれくらいやるべき?……いやでも……」 12月△日 今日、というか昨日のことになる 穏乃と山に行った。まぁ最近よく行くので慣れたもんだと思っていた が、山の天気は変わりやすいというからか、土砂降りの雨が降って来た 冬の雨は流石にシャレにならん、ということで近くの山小屋で止むまで待つことになった しかし雨が止む気配も無かったので、そこで一夜を明かすことになった 山小屋もよく出てくるボロ小屋じゃなく、少し古いがちゃんとしたものだったのでなんとかなった まずはお互いに雨に濡れた服を脱いで乾かすことにした ここで風邪でも引いたら本当に動けなくなる 流石の穏乃も恥ずかしそうにしていた。俺だって同級生の前で脱ぐのは少し抵抗ある 濡れた服を脱ぎ、山小屋にあった大き目のタオルをお互いに巻いて、小屋にあった囲炉裏に火をつけた しかし寒かった。火をつけたとはいえ、ほとんど脱いだ状態、冷えるだろう どうするかと思っていると、穏乃が隣に来た 「さ、寒いし……風邪引いたら大変じゃん!!」そういって寄り添うように隣に座る穏乃 相手が穏乃とはいえ、普段以上の薄着でくっついているんだ。そりゃドキドキする お互いなんとなく無言になった。ちょっと気まずくもなる 「……私が無理に誘ったからかな」ポツリといつになくしおらしく穏乃が呟いた 少し、気にしてるのかと思った だから俺は、穏乃の頭を思いっきり撫でて、そんなことはない、と言った それで穏乃は楽になったのか、そのまま体を俺の方に預けるように寄りかかった、眠ってしまった まぁ、俺は寝れなかった。いや、穏乃相手だけど、アレで寝るのは無理 翌朝、綺麗に晴れたので俺達は無事下山した 憧「また山で!?もうあんたはいい加減少しは控えなさいよ!!」 穏乃「山いいじゃん!!まぁ……この時は京太郎がいて良かったけど……」 晴絵「お、穏乃。乙女って感じの顔してるぞ」 灼「顔、赤いよ」 穏乃「あ、あぅ……」 玄「私もこんな感じなのかなぁ」 宥「みんなじゃないかな」 12月□日 今日はこの前のテストのお礼ということで、憧に付き合って買い物に行った しかし、どうしてこう女子の買い物ってのは長いんだ? アレコレ見て、どっちが似合う?とかどっちも似合うって言うと怒るのは理不尽だと思う 憧なら元がいいんだから両方似合うんだよ ただ、途中憧が寒そうにしてたから俺のマフラーを貸してやった 貸した後は妙に静かで、俺のマフラーを見てたけどそんな気に入ったのか? 結局そのまま返してもらえず別れたし、クリスマスにでも編んできてやるかな 晴絵「何気に私物テイクアウトとはやるわね」 憧「そ、そんなじゃないわよ!寒かっただけ!!」 穏乃「でも、この静かになったっていうのは?」 玄「京太郎くんのマフラーだから?」 宥「あったかかったから?」 憧「あー……京太郎の温もりとか、臭いが……」 灼「アウトだね、気持ちは分からなくもないけど」 12月●日 今日、宥さんのマフラーがいつもより長かった そんなグルグル巻くほど寒いのかと聞くと、違うと言われ、長めのマフラーを俺に巻いてきた よくある、2人でひとつのマフラーを、って状況だ 驚いていると、手慣れているのかあっという間にマフラーが巻かれた そして、いつもより近い宥さんが「ふふふっ……あったかいね」そう笑顔で言った なにあの天使。可愛すぎる 要は2人用マフラーだったらしい いつものが洗濯中で、本来は玄さんとやるとか まぁ色々と当たったり、役得だったぜ 玄「おねえちゃーん?」 宥「な、なにかな玄ちゃん?」 灼「なかなか強引な……」 憧「宥姉もやるわねー」 穏乃「今度私もやろっかな」 玄「じゃあ私がお姉ちゃんのマフラー借りるね!」 灼「次は私で」 憧「あ、私もやるわよ!」 宥「だ、駄目!こればっかりは貸さないよ!」 晴絵「青春してるわねー」 12月◇日 今日は珍しく雪が降った なのでか朝から穏乃が元気に「山に行こう!!」と誘ってきた だけどもうちょい着ようか 山は珍しく雪が少しだけ積もっていた 高校生にもなるが、やっぱり雪見るとテンション上がる そのまま2人で山を駆けずり回った 昼過ぎくらい、雪も溶けてきて、そろそろ戻るかという時、穏乃が足を滑らせた そのまま転びそうになったが、ギリギリで抱き留めた 思いっきり抱きしめるような形になってしまったが、まぁ仕方ないだろう それに驚いたのか、穏乃は真っ赤になって大人しくなってしまった まぁ怪我は無いみたいだったからいいか そのまま2人で転んだりしないように山を下りた たまには雪降った山も面白いかもしれないな 晴絵「穏乃は結構抱き締められてるわよね?」 穏乃「えぇっ!?そ、そんなことは……」 宥「抱き締めやすい、とか?」 玄「身長的に、かな?」 灼「それは関係ないとおも…」 憧「京太郎から見りゃ、私達全員低いわよ」 12月24日 今日はクリスマスなので、阿知賀のみんなと子供麻雀クラブの子供達も一緒にクリスマスパーティーをした 意外と俺のことを覚えてくれている子も多かった 子供たちには作ってきたお菓子をプレゼントとして渡すとえらく喜ばれた それからは子供達も交えての麻雀大会だった ちなみに俺は初戦で子供達から狙われまくって終わった。子供って容赦ない だが優勝は大人げなく赤土先生だった なので、優勝賞品として今話題の料理、ゲソのピーナッツバター和えを振る舞った 食べた瞬間の赤土先生の顔は忘れられない 大会が終わってからは、普通にプレゼント交換をしたり、ケーキを食べたりと楽しく過ごした でも俺に回ってきたプレゼント、透明な牌ってなんだ? おもちゃのプラスチックっぽいけど、誰だこんなの回したの? ま、楽しかったしいいか 晴絵「アレは不味かった……ゲソの風味が良くない方向に変貌を遂げて……」 憧「小学生相手でも大人げなかったのが悪いわよ」 灼「優勝賞品は最初からああいうのって決まってたし……」 穏乃「ちょっとだけ、食べてみたかったな……」 玄「だ、駄目だよ?にしてもプレゼント交換は楽しかったよね」 宥「うん。回って来たの、カイロだったけどあったかかったよ」 灼「そーいえば、京太郎の手編みのマフラーは誰が持ってったんだっけ?」 憧「……誰でしょうねー。ちょっと私も欲しかったなー」 穏乃「?そういえば憧は何もらったの?結局見せてくれなかったけど」 憧「え?べ、別に大したものじゃないわよ!?」 宥(分かりやすいなぁ……) 12月▽日 今日は少し早いが家の大掃除をした 最近は親父もお袋も俺にまかせっぱなしになってる気がするが……ま、いいか 今更だが、4月に引っ越してもう12月とは月日の流れが速く感じる 長いんだか短いんだか分からんが、色々あったな…… 少し早いけど、来年も楽しくやっていきたいもんだ 明日の部室の大掃除、気合い入れていくか! 穏乃「これは、昨日の日付……ってことは」 玄「全部読んじゃったね」 宥「京太郎くんの色んな一面が分かったね」 灼「大体は予想できるけど……」 憧「そーね……そーいえば、その京太郎本人ももうすぐ帰ってくるんじゃない?」 晴絵「あぁ、でも連絡が……あっ」 灼「ハルちゃん?」 晴絵「連絡来てたわ……しかも携帯マナーモードで気づいてなかっただけで」 穏乃「ちょっ!?」 玄「そ、それじゃあ京太郎くんは!?」 晴絵「待って、メールが……もうすぐ着くって」 宥「も、もう!?」 憧「早く日記戻さなきゃ」 穏乃「あっ、足音聞こえてきた!!」 晴絵「やばっ、京太郎の鞄鞄……私が戻すからみんなで足止めして!!」 灼「あ、足止めって何を…」 ガチャ 京太郎「ただいま戻りまし…」 玄「ま、まだダメー!!」ダッ 宥「え、玄ちゃん押して…」ツルッ 穏乃「わ、わー!?」ツルッ 憧「ちょ、待ちなさ…」ツルッ 灼「へ!?」ツルッ バターン!! 京太郎「むぐぐ……むぐ!?」 京太郎(なんだこれ体中に柔らかい感触が……って息できねぇ!?) 玄「い、いたた……あっ……そ、そんなとこに手入れないで……」 宥「あうう……ひっ!?だ、誰?胸触ってるの?」 穏乃「ひゃっ!?そ、それは私のお尻……」 憧「ふきゅっ!?……ど、どどどこ触ってるの!?」 灼「わ、私のなんか触っても……」 晴絵(日記をこっそり直して証拠隠滅が終わったら、教え子がToLoveるな状況になっていた) 晴絵(ここは教師として言わなきゃいけないこともあるだろうけど) 晴絵「……ねぇ、ちょっと写メっていい?」 憧「ハルエー!!そんなことより助け……ふきゃっ!?」 玄「も、もう!そんな動かさないで…んっ」 穏乃「さ、さっきからずっと触ってて……」 灼「んっ……そんな……動かな…」 宥「そ、そんな強くは……んんっ……」 京太郎(息が!!息が!!……あっ、でもこんな死に方なら……ほん……も……う…) 晴絵「あ、ちょっ京太郎?京太郎ーー!!しっかりしなさい!!こんな美味しい状況で死んだらもったいないわよー!!」 憧「もうちょっとまともな言い方あるでしょうが!!」 12月Я日 今日は部室の大掃除だった あらかた終わらせてから途中買い出しに行ったが…… 戻ってきたら、なんか滑って転んだからか、みんなが俺の上に倒れてきた そしたら……全身に柔らかな感触が!! 息できなくて、あの世半歩手前までは行ったが、あの死に方なら本望だ!! まぁ、なんとか蘇生した後はやたら謝られて、みんなで飯食った 来年もまた、楽しく過ごしたい そして来年は!来年こそは!! おもちがある彼女を作ってやるぜ!! カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3459.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 5・ 牌の世界 京太郎「今日、本藤先輩との再戦だ」 牌「……へえ」 京太郎「俺、強くなったかな」 牌「さあ、なってないんじゃないの」 牌「もうこれ以上強くなりようがないもん」 牌「考えうるパラメーターはもう限界まで伸びてるんだよ?」 京太郎「あとは配牌と、ツモ運」 牌「なに? 上げて欲しいの、ツモ運」 京太郎「その言い方だと……やっぱりダメか」 牌「やだね、やだやだ。めんどくさい」 京太郎「そこをなんとかさー、俺が頑張ってるとこ見ただろ?」 牌「……うん、見てたよ、全部」 京太郎「ちょっとは感化されたんじゃないか」 牌「ないない、全くもって。男には感化しないよー」 京太郎「そっか……なら、しょうがないな」 牌「……どうするつもり」 京太郎「このまま打つしかないだろ」 牌「認められんの?」 京太郎「しばらく麻雀にブランクがあったうえで、このまえ本藤先輩と打ったんだ」 京太郎「この一週間でだいぶ勘は取り戻した。それを成長ということにしてもらおうと思ってる」 牌「………………」 京太郎「じゃ、また明日」 牌「………………見とく」 部室に意識が戻る。 八坂「よう」 京太郎「やっさん! どうしてここに」 八坂「本藤先輩と打つんだろ? それの観戦に来た」 まこ「入るか?」 八坂「ありがとうございます、遠慮なく」 京太郎「麻雀部に入ってくれるのか」 八坂「京ちゃんが本藤先輩に認められればな」 京太郎「そりゃまた難しい条件」 八坂「それぐらいできないと、あいつは倒せない」 京太郎「あいつって……?」 八坂「来たみたいだぜ」 扉がゆっくりと開く。 巨体が京太郎の前に立ちふさがった。 本藤「見せてもらうぞ、お前の変化を」 対面に座る。 八坂「京ちゃん、本藤先輩の強さの秘密はもうわかったのか」 京太郎「前に気づいたよ。防ぎようねーけど」 本藤先輩の使う技術は「神逆」という手法だ。 理論はさほど難しくない。 筋力で雀卓を変形させるだけだ。 上手く変形させれば数枚ほどの牌なら任意の場所に持ってこれる。 プロならば笹塚プロ、掛橋プロあたりが使い手として有名だ。 大沼プロも若いときは使っていたらしいけど。 京太郎(操れるのは多くても4枚ほど……この前打ったときは赤ドラを2枚と両隣の牌を集めてた……) 京太郎(和了り形を見たら毎回入ってたしそれは一目瞭然。高火力なのもうなずけるってものだ) 配牌を見る。 8シャンテンの形。 119 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/09/24(火) 18 36 28.82 ID uOEv440Bo 本藤「会話はできたか」 京太郎「…………?」 本藤「わからないか、牌とのだよ」 京太郎「なっ……」 本藤「その様子だと出来たみたいだな」 京太郎「まさか本藤先輩……あなたも」 本藤「んなわけないだろ、俺にはできないよそんなこと」 京太郎「じゃあなんで」 本藤「お前はそれができるやつだと思ったからだ」 京太郎「………………」 本藤「出来るやつなんてほとんどいねーよ。というか、それが出来るやつはあと一人しか知らない」 八坂「本藤先輩、それってもしかして、上崎って人ですか」 本藤「なんだ、知ってるのか?」 八坂「俺が麻雀から離れた原因ですから」 六巡目。 京太郎「……ツモ。七対子ドラ1。1600」 河がまだ一列のときに和了れたのは何年ぶりだろうか。 本藤「ムダヅモなしか? 牌に愛されてるな」 京太郎「いや……さっき協力しないって言われたんですけど」 協力してくれる気になったのか、牌。 しかし東ニ局。 本藤「ツモ。3900オール」 京太郎「うわ、マジか……協力するのはさっきの一回だけってことかよ」 捨て牌に並ぶ裏目った牌たち。 八坂「つーかツモ運悪くなってね?」 京太郎「さっき運よくした分、代価を払えって感じなのか? もっと純粋に協力してくれてもいいのに……」 その後も捨てた牌を次にツモるということが続き、オーラス。 跳満直撃で本藤先輩をまくれるところまできた。 本藤「次、チャンスをやる。それで俺に勝ってみろ」 本藤先輩は「神逆」を、京太郎の配牌に発動させる。 京太郎の配牌が4シャンテンになった。 京太郎「本藤先輩、これって……」 本藤「神が決めたことに逆らうから、『神逆』と言うんだ。一度くらいならこれぐらいは出来る」 本藤「さあ、打ってみろ。その配牌ならばお前の力を発揮できるだろ」 京太郎「……はいっ!」 その日、京太郎は八年ぶりの三倍満を達成し、本藤先輩に勝利を収めたのだった。 次の日。牌の世界。 京太郎「勝ったぜ」 牌「ふーん、興味はないけど、おめでとう」 京太郎「東一局目、ありがとな」 牌「なんのことやらさっぱり」 知らんぷりをする牌。せっかくお礼を言っているのに。 まあ、いいけど。 京太郎「今日は、聞きたいことがあってさ」 牌「……なに?」 京太郎「俺とお前、昔、会ったことがないか?」 牌「……さあ、よくわかんないけど、いつの話?」 京太郎「9年前」 記憶のほとんどない9年前。 蓋をした9年前。 そこから漏れだした記憶の断面に、確かに牌はいた。 牌「どうだろう」 上を見上げて退屈そうに、牌は言った。 牌「私、付喪神なんだけど」 京太郎「付喪神……」 長く使った道具に宿る神、だったか。 牌「私が神になったのは8,9年前くらいなのだ。だけど、神になってから誰か人間に会ったことはないよ」 京太郎「って、ことは」 牌「勘違いじゃない?」 京太郎「勘違い……?」 本当にそうなのか? だってこんなにも記憶の中の少女と牌はそっくりなのに。 なのに別人? 他人の空似? 京太郎「わかった、変なこと聞いて悪かったな」 疑問は残るがこれ以上追求しても埒があかない。 それに、このことはこれ以上追求しないほうがいいような気もするし。 牌「ま、待って!」 京太郎「ん?」 牌「あ、あの」 京太郎「なんか思い出したか!?」 牌「そうじゃなくて、あの……あ……がとう」 京太郎「えと……」 牌「ぁ……ありがとう、これ」 そう言って牌が指をさしたのは、PCとコミスタ(パッケージ版)。 京太郎「あ、ああ……素直にお礼を言うとは……大人になったな」 牌「大人も何も神だ!」 京太郎「はいはい、わかってるよ」 頭を撫でる。 牌「く……気持ち悪い……屈辱……! でも、今はお礼のため、我慢……」 京太郎「別に俺、髪フェチじゃないから」 牌「じゃあ無駄に触るな!」 京太郎「はいはい……」 せっかくセットした髪型が崩れるので、気安く他人の髪を触るのはやめましょう。 5・終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4316.html
京太郎「宥さーん」 宥「あ、京太郎くん」 京太郎「もーまたコタツに入ってるんですかー」 宥「だって…」 京太郎「」ピコーン 京太郎「ニッシッシ」ソロリソロリ 宥「??」 京太郎「てい」ピト 宥「ひゃんっ///」 宥「も、もぅ~」モゾモゾ 京太郎「たははゴメンゴメン」 京太郎「あったかいお茶でも淹れてくるよ」タッタッタ 京太郎「ほいっと…」 京太郎「折角なんでお隣失礼しますね」 宥「う、うん///」 京太郎「ずずぅ~」 京太郎「ふぅ…」 宥「あったかいね…」 京太郎「ん?お茶がですか?」 宥「それもだけど…」寄り添う 宥「ね?」ニコ カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3461.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ 7・ 空。 それは無限に広がる自由のキャンパス。 この空間を支配することは人類の夢。 また、ポエムってしまった。 ……とにかく、上空1000メートル。 京太郎と和は空中散歩を楽しんでいた。 和「自家用ヘリって……須賀君、どれだけお金持ちなんですか……」 京太郎「金持ってるのも稼いだのも親だって。俺はすねをかじってるだけー」 褒められたことじゃないのかもしれないが、「親のお金には頼らない!」と言ったことがない。 親の支援なしに生きていくことなんてまだ出来ないし。誰だって親に守られて生きていくんだし。 精神だけ独立しても、それはただの反抗期だ。 本当に親に反抗したいなら経済的にも自立しなければだめだ。 反抗したいと思ったことはないけど。 将来、どうやって生きていくかも決めていないのに。 京太郎(そういえば染谷先輩は、もう将来のことを考えてるんだっけ) 京太郎(すごいよな……染谷先輩) 京太郎(俺も、考えてかなきゃ……ならないよな) 父親の神社を継ぐにしても。祖母の会社を継ぐにしても。 百合愛を活かせる仕事ができればいいのかもしれないけど、お金が得られるようになった趣味は楽しくないとも言うし。 麻雀のプロは……一度潰えた夢だし。 飛行機にはもう何度も乗ったことがあるが、ヘリコプターに乗ったのは初めてだ。 しかもそのヘリコプターは部活の友人のもの。 そしてその友人、須賀君は遠くを見る目で、考え事をしているようだった。 和「あの、大丈夫ですか?」 京太郎「………………」 呼びかけても返事がない。私の声が耳に届いていないようだった。 和「須賀君!」 京太郎「ぅおっと、すまん、考えごとしてた」 和「穏乃のことですか」 京太郎「いや、将来のこと」 和「唐突ですね」 京太郎「そうか? 俺の頭の中じゃ、論理的なプロセスがあったんだけどな……なぁ、和」 和「何ですか?」 京太郎「和は、将来の夢、あるか」 真剣な顔だった。 彼は、ときどきこういう顔をする。 出会ってからまだ少ししか経っていないけれど、もう数回ほどこんな顔を見た。 その真剣な顔を見ると、わたしはギクリとする。 怖いのだ。 何かを抱えてそうな瞳。モヤモヤとしたものがお腹の底で渦巻いているような嫌悪感。 和「……小学校の先生とか、お嫁さんとか、色々なってはみたいものはあります」 京太郎「いいな、それ」 和「だけど、だからといって、なれるわけじゃないですけどね」 京太郎「と、いうと?」 和「いえ、別に……そう思っただけです」 京太郎「親、か?」 和「……その何でも見透かしてるような態度、好きじゃないです」 京太郎「堪えるなぁ。いろんな人にときどき同じこと言われるけど」 和「……すみません」 京太郎「俺は親からの支配とか、そういうの感じたことないから、和の気持ち……わからないよ」 京太郎「だから俺がいくら良いことを言ったところで、それは上辺だけの台詞だ。誰かの借り物の台詞だ」 京太郎「何か悩みがあったとしても、それを解決できるのは俺じゃない。……きっとそのうち、それを解決してくれる誰かに出会えるよ」 和「……はい」 京太郎「でもさ、話したら少し楽になることもあるし、聞かせてくれないか。解決はできないだろうけど、聞くことは出来る」 和「そういう須賀君にもあるんじゃないですか?」 京太郎「なにが」 和「悩み事、です」 京太郎「……う~ん、特に……思い当たることはないな。いくつか疑問とかはあるけど、悩み事ってほどのものじゃないし」 京太郎「基本俺、お気楽に生きてるからなー」 和「本当に、そうですか?」 須賀君の目を見ていると湧いてくるこの感情。 須賀君の過去に、何かあったのではないかという疑惑。 それはまだ消えていない。 和の目は真剣だった。 言い逃れできなさそうな空気。 しかし、京太郎にとっての悩み事は、他人に話せることではない。 京太郎(『どうして百合アンソロジー「つぼみ」が休刊になったのか悩んでる』なんて、とてもじゃないけど言えねえ……) この真実を知ったときは悲しくて悲しくて、どうしてこの世界はこんなにも残酷なんだろうと嘆いたものだ。 京太郎「……やっぱり、悩んでることなんて、思いつかないな」 和「そうですか……そうなんですね」 納得いかないようではあったものの、それ以上の追求はなかった。 和「私も将来のことをいろいろ考えたりしますけど」 京太郎「おう」 和「でも今は目の前に大きな課題があるんです。まずはそれをどうにかしないといけないと思ってます」 京太郎「課題? それって……」 和は言うべきか言わざるべきか少し悩んでいるようだったけど、観念したかのように息をついた。 和「今年のインハイ、優勝できなかったら麻雀をやめさせられるんです」 京太郎「……そっか」 和「………………」 京太郎「残りの部員、見つけなきゃな」 和「……見つかるんでしょうか」 京太郎「そりゃ、きっとどこかに」 和「でも、三年生も二年生も一人ずつしかいなかったんですよ? もう私たちの学年は二人いるのに、あと一人見つけるなんて……」 京太郎「大丈夫だって、必ず見つかる」 そのとき京太郎の脳裏に横切ったのは咲の姿だった。 あいつなら、麻雀をやってくれるかもしれない。 誘ってみよう、そしたらきっと何かが起こるはずだから。 時山「あと五分で到着です」 京太郎「ありがとう、時山さん。例のもの、用意は出来てますか?」 時山「こちらです」 和「須賀君、そのかばん、なんですか?」 京太郎「見たいか? ほら」 カバンの中に入っていたのは、女性用の服、一式。 和「わぁ、かわいい……ブランドは……D.A.SUTUARTですか。私、ここの服、好きなんです」 和「NAGANO STYLEとコラボしたシリーズは大流行でしたよね」 京太郎「NAGANO STYLEの服もあるぜ」 和「これ、今春の新商品ですね! NAGANO STYLE、好きなんですか?」 京太郎「おう、メンズ商品も充実してるからな。少ない布面積に盛り込むふんだんな装飾は海外でも高評価されてるらしいぜ」 京太郎「デザイナーの長野雫さんが、海外の賞を取りまくってたみたいだし」 和「でも、どうしてこんな服を?」 京太郎「和、言ってただろ? 穏乃は今、阿知賀女子に進学してるかもしれないって」 和「実際のところはわからないですけど……」 京太郎「穏乃の家に電話して確かめたんだ。どうやら本当に阿知女みたいだぜ」 時山「そのようにお聞きしました」 和「そうなんですか」 京太郎「で、穏乃は今どこにいるか聞いたんだ。どうやら穏乃は、麻雀部の活動で学校にいるそうだ」 和「麻雀、ですか!?」 京太郎「驚くようなことなのか?」 和「いえ……。穏乃、小学校卒業と同時に麻雀をやめていたので……」 京太郎「……そうだったのか」 和「そうですか……よかった」 京太郎「また穏乃と打ちたかったのか」 和「え……いや…ふふ、そうですね。打ちたかったんだと思います」 京太郎「……よかったな、和」 和「……はい」 きっと和にとって、奈良で過ごした数年は大切なモノだったのだろう。 彼女はそういうことをはっきりというタイプではないのでわかりにくいけれど。 和「で、結局その洋服はなんのために……?」 京太郎「と、言い忘れてた。女装のためだよ」 和「えっと……よくわかりません」 京太郎「阿知賀女子学院は女子校だぜ? 女子校は百合の聖地!」 京太郎「男っぽいものは取り除かねばならない!男の俺も本来なら立ち入るべきではないが……今回は事情が事情だ」 京太郎「極力百合の園を汚さないように女の子になる配慮ぐらいはするべきかと思ってな!」 和「何を言ってるのやらさっぱり……」 京太郎「阿知賀は共学化しやすい学校だが……この世界線は共学化しなかったんだ」 京太郎「いや、共学化なんてしたら百合の花が枯れるから勘弁願いたいんだが……」 和「えっと……結論は」 京太郎「女装したいから、女装する」 和「なるほど、須賀君の声って、女装しそうなタイプの声ですもんね」 ……そこまで思い切ったことは言ってない。 京太郎「和は少しぶっちゃけすぎるところがあるよなー」 和「そんなつもりはないんですけど……せっかくだし、もう少しぶっちゃけてみましょうか」 京太郎「和に『ぶっちゃけ』という言葉は似合わないというぶっちゃけをしたいところだけど、どうぞ」 和「どうして須賀君、急に奈良に来ようと思ったんですか?」 京太郎「えっと……それは」 優希への思いが何なのか確かめるため。 ……そんなこと言えない。 京太郎「穏乃に久々に会いたかったから」 和「それ、本当ですか」 京太郎「和……お前まさか本当の理由を知って……!」 和「本当は最近の阿知賀スレブームに便乗しようとしてるんじゃないですか」 京太郎「ぶっちゃけた!」 ちげーよ! 和「もしくはシリアス展開ばかりが続くのが辛くてギャグ展開で済みそうな場所に緊急避難してるという可能性も」 京太郎「到着だぜ……! 阿知賀……!」 素早く服を着替え、京太郎はヘリから飛び出した。 新子憧は、刺激的なことが好きだった。 しずは、刺激的な少女だ。 私がしずのそばにいたいと思ったのは、そんな刺激的なところに惹かれているのだろう。 しずのそばにいたら、刺激的で、楽しい日々が続くのだ。 部活の休憩時間、憧は屋上へ風に当たりに来ていた。 屋上は四方が高いフェンスに囲まれていて多少開放感は損なわれているものの、校舎の周りの森林を一望できて気持ちがいい。 頭をつかう麻雀を得意とする憧にとって、頭の休憩のために屋上は最高の休憩場所だった。 ……ところで。 刺激的なことが好きとは言ったが。 ヘリコプターが私をめがけて飛んでくる。 エンジンの音なのかプロペラの音なのかはわからないが爆音が耳をつんざく。 そのヘリから一人の少女が飛び出してくる。 息を呑むほど美しい少女だった。 パラシュートが開く。 美しい少女は優雅に体を動かし、巧みに軌道を修正しながら。 ゆったりと、憧のいる屋上へ着地した。 空から降ってきた美しい少女。 屋上を吹き抜ける風で長い髪がうねる。 その少女は輝いているかのようだった。 少女は空を見上げ、自慢気な声で言った。 京子「なるほどSUNDAYじゃねーの」 SATURDAYだ。 ほどなく、ヘリも着陸し、中から出てきたのは、憧もよく知る少女だった。 和「須賀君なんでわざわざパラシュートなんて使ったんですか」 京子「特に意味は無いよ。そして今は京子と呼んで!」 和「跡部人気に便乗するためですか」 京子「和、ぶっちゃけキャラになる気か」 憧「の…………」 和・京太郎「ん?」 憧「和ぁ!?」 和「お久しぶりです、憧」 ……ここまで刺激的なことは求めていない。 京太郎が初めて女装をしたのは中学1年生。 百合を汚さないために始めた女装。 でも今は百合とは別の独立した趣味になっている。 どうしてこの趣味は理解者が少ないのだろうか? こんなに可愛い服を着られるのに。 そもそも男の服にはキュートさが足りない。もっと男の服にもフリフリなやつがほしいです。 最近スカートがメンズファッションとして取り入れられたときは「俺の生まれる時代は間違ってなんかいなかった!」 と思ったものだが、実際のところ、まだ一般化してないし、そもそもスカートと言ったってミニは許されていない。 丈が長くてゆるふわ系フリフリスカートも大好きではあるのだが、短いやつも履きたいのだ。てなわけで今、俺はミニスカート姿だ。 いや、「俺」という無粋な一人称はやめよう。 私、須賀京子は阿知賀女子学院に降り立っていた。 女子校である。 女子校である! 百合の聖地である! 少子化の影響で共学化なんてしてないのである! 阿知賀に来た途端、そこらかしこから百合の香りが漂ってきた! 憧「………………」 阿知賀に来て一番最初に目についた少女もまた、ほのかな百合の香りに包まれていた。 京子「はじめまして!」 憧「あ……はい、はじめまして」 握手をする。 憧「えっと、和、この子は……?」 和「須賀京太郎、男です」 憧「え」 京子「はい?」 憧「え」 和「須賀君、こちらが先ほど写真でお見せした新子憧さんです」 京子「へえ……『女の子は一年もあれば見違えるぐらい変わるものだ』と本藤先輩が言ってたけど、本当なんだね! 私、感心!」 和「案外あっさりなリアクションですね」 京子「女の子はいつでもかわいくなれるんだよ? 私、知ってる」 和「カプ総合スレや阿知賀スレで『憧の急成長に驚く』シチュエーションの話がたくさんあるから」 和「競合を避けるためにあっさりなリアクションしたのかと。ぶっちゃけそう思いました」 京子「ぶっちゃけキャラはやめよう、和」 しかしこんなに姿が変わってしまうと、本来の目的である「優希への思いが何であるか確かめる」が達成できなくなる。 わざわざ奈良まで来て得られるものがなにもないのでは、悲しくなってしまう。 そこで、新たな目的を思いついた。 百合の種探しである。 百合の種探しとは。 もうすぐ百合ップルになりそうな女の子を探して事前に仲良くなり、女の子たちがゆりゆりしているさまを観察させてもらうことだ。 憧「えっと、あの」 京子「あなた、恋、してる?」 憧「はい?」 京子「好きな女の子、いる?」 憧「え、ちょっ、まっ」 京子「いるんだね! 私、応援してるから!」 憧「え? う、うん」 京子「LINEのID交換しよう! それで逐一、好きな女の子とやったイベントを報告してね!」 憧(え? あれ? どうなってんのこれ!?) 京子「ID!」 憧「あ、はい……」 百合の可能性をひとつゲット。幸先のいいスタートだ。 京子「じゃ、他の百合の香りを追ってくるから、このへんで……」 憧「ちょっと待って!」 京子「どうしたの?」 憧「和。この人とどんな関係!?」 いきなり旧友が謎の女装男とともにヘリで現れたら、そりゃ二人がどんな関係なのか気になるだろう。 和「須賀さんとの関係ですか」 京子「和ちゃんとの関係、かぁ……」 部活仲間? 友だち? 何だろう……、私と和の関係って。 ……そういえば。 ヘリの中で話し合った。 将来のこと。将来、なにになりたいか。 私たちは、将来のことを話しあった関係なのだ。 和・京子「将来のことを話しあった関係」 京子「だよ」 和「です」 憧「え」 憧「えええええええええええええええええ!?」 阿知賀麻雀部室にて。 京子は京太郎に戻っていた。 京太郎「ひどい……ひどい……この世界は俺の敵だ……」 玄「ど、どうしたの京太郎くん」 京太郎「玄さん……ここって女子校ですよね」 玄「うん」 京太郎「百合の園ですよね」 宥「ユリの花が咲くのは5月からだけど……」 京太郎「なのに男性教師がいるんですよ!?」 玄「え!? 普通だと思うけど」 京太郎「俺の知ってる女子校は男なんて一人もいないんです!」 玄「どういうこと!?」 京太郎「くそっ……これだから現実は……! もっと百合漫画を見習えよ……!」 京太郎「こんな思いをするぐらいだったらカプ総合スレでいろんな女の子とインスタントにイチャイチャしてるほうがマシだ!」 穏乃「ねーねーきょーたろー。さっきの女の子の姿、もう一回見せてよー」 京太郎「よし、じゃ、着替えてくるぜ!」 灼「ハルちゃんはもうすぐ来るとおも……」 和「そうですか……それじゃ赤土さんが来るまでここで待っていていいですか?」 穏乃「赤土先生は今、職員会議中だから、30分もしないうちに来ると思うよ」 京子「手うがは大切だよ 手うがしようね!」 和「としのーきょーこー?」 京子「 !? 」 和「なんでもありません」 穏乃「わーすっごい! かわいい!」 憧「なじみすぎ!!」 なじんでいた。 憧「っていうかしず! こいつと知り合いなの!?」 穏乃「きょーたろはうちのお得意さんだったんだよ」 憧「玄と宥姉は!?」 玄・宥「初対面」 憧「なじみすぎ!」 京子「すみません……憧さん……。私、邪魔でしたよね……」 京子「みんなと話すのが楽しくて、つい騒いじゃいました……。本当にごめんなさい……」 憧「え……いや……別に怒ってるわけじゃ」 京子「心配して損した!」 憧「譲歩して損したんだけど!?」 元の姿に着替える。 あまりに長い時間京子でいると、自らのパーソナリティを喪失しかねないからだ。 玄「和ちゃんと京太郎くんは将来のことを話しあった関係なんだよね?」 和「はい、そうですね」 玄「いいなあ~……憧れるなあ……」 京太郎「そんなに憧れることですか?」 玄「そりゃ当然! 女の子なら当然なのです!」 京太郎「じゃあ玄さんも俺達と将来のことを考えませんか?」 玄「えぇっ!? だ、だめだよ、そんな! 和ちゃんが怒るよ」 和「構いませんよ」 玄「寛容!? 長野ってそんなに爛れた場所なの!?」 京太郎「何故長野の悪口を……。温泉とかいっぱいあっていいところですよ?」 玄「うちにもいい温泉があるのです」 京太郎「へえ、いいですね! 温泉旅館か何かですか?」 玄「うん。あ、良かったら温泉、どうですか?」 京太郎「あ、それじゃあ、入ります。和も入るよな?」 和「いいですね、温泉。お願いします」 玄「ま、まさか一緒に?」 京太郎「なんでそうなるんですか」 玄「あはは、さすがにまだ早いよね! よかった!」 和「早い遅いの問題なのでしょうか……」 玄「とすると、お二人はどこまで……?」 京太郎「どこまで、とは?」 玄「二人で今までにやったことは?」 二人でやったこと? う~ん、特に思いつかない。 和「そうですね……さっき須賀君の部屋でベッドに押し倒されました」 玄「すごく進んでる!?」 京太郎「あーあれかー。そういえばそんなこともあったな」 玄「そんなどうでもよさそうに……」 京太郎「まあ(バランスを崩して押し倒すなんて)よくあることですし」 玄「長野怖いのです」 京太郎「なぜさっきから長野へバッシングが……? いいところなんですよ長野。交通マナーが少しばかり悪いですけど」 玄「それって良い所だと言えるの……?」 京太郎「奈良も鹿さんの交通マナー悪いんですよね? それと一緒です」 玄「結構違う気が」 玄「でも羨ましいな……。和ちゃんのおもちを自由に扱えるなんて」 京太郎「え、扱えませんよ?」 玄「そこはまだ許してないんだ」 和「『まだ』ってなんですか『まだ』って。一生許しませんよ」 玄「そこはプラトニックなんだ……長野って訳がわからないのです。おもちを触れないとか……長野には行きたくないのです」 京太郎「長野に何か恨みでも……?」 玄「おもち帝国岐阜の隣に位置しながら、長野のおもちは平均以下の大きさしかないんだよ!?」 京太郎「ならば恨むのも致し方無いですね」 玄「そうなのです……ってあれ? 京太郎くん、おもちという言葉をなぜ……?」 京太郎「そういえば玄さん、なぜ俺が作った隠語を……?」 玄「…………」 京太郎「…………」 この世に、奇跡は存在した。 300km以上離れた奈良と長野で、同じ言語文化がまったく別の人間によって誕生していたのだ。 京太郎「奇跡ってあるもんですね……」 玄「うん……私、感動しちゃったよ」 そこで京太郎はあることを思い出した。 京太郎「おもちスレって知ってますか」 玄「うん。私、あのスレの住人だもん」 京太郎「こんな形でオフ会をすることになるとは思ってませんでした」 玄「うん、仲間に会えて、私……嬉しい」 京太郎「俺もです。でもせっかくだったら他の住人さん……」 京太郎「もち吉さんとか、†妖魔†さんとか、黒の騎士さんとか、チャチャさんにも会いたかったですね」 玄「京太郎くん……。ここで重大発表があるんだ」 京太郎「……なんですか?」 玄「その人達、全部、私の自演なんだ……」 京太郎「…………え」 玄「そう、それはあの日のこと――」 おもちのことを語りたかった。 おもちのことで夜を明かしたかった。 でもそんな話を出来る人はいなかった。 日に日に募るおもちへの思い。 それは発散されることはなく。 ――私は、私と語ることにしたのだ。 掲示板を作り。 自分のパソコンと、おねーちゃんのパソコンと、自分のケータイと、おねーちゃんのケータイと 旅館のパソコンを使い分け5つの人格を作り出し。 たった一人でおもち談義をしていた。 楽しい時間だったけれど、虚しさは募り続けた。 だからその日現れたその人は、私にとってかけがえのない人だ。 あなたが初めておもちスレを見たとき、私は人生であれほど嬉しかったことはなかった。 時には心苦しいながらもあなたのおもち観を叩いたりもした。 それでも私は、あなたに感謝している。 玄「ごめんね……自演なんかして……」 京太郎「玄さん……」 痛いほど、彼女の気持ちが理解できた。 京太郎にも似たような経験があったのだ。 百合が好きになって。 誰かと語り合いたいほど好きになって。 でもそれを語れる人はいなかった。 今でもあの頃のことを思い出すと心が寒くなる。 大切な何かが欠けていたあの日々。 それはちょうど紅生姜のない牛丼のようで。 決して戻りたくない過去だ。 京太郎「いいんですよ玄さん……! いいんです……! そんなことはもう……!」 玄「でも、ずっと騙してたんだよ? 大切な京太郎くんを……ずっとずっと騙してたんだよ?」 京太郎「気にしてないです……! 玄さんの気持ち、とても良くわかりますから……!」 玄「京太郎くん……!」 和「そうですよ、玄さん。須賀君は玄さんの気持ちを良く理解してますよ」 玄「和ちゃん……!」 和「須賀君もよくSSスレで自演しまくって自分のスレを人気があるように見せかけてますし」 京太郎「これでぶっちゃけるのは最後にしよう、なっ?」 しばらくすると、阿知賀麻雀部の顧問であるという赤土さんがやってきて、和と話していた。 赤土さんが来た瞬間、灼さんの百合指数が十倍に底上げされ、歓喜したのは言うまでもない。 京太郎はそっと部室を出ると、廊下にある自動販売機でビックルを買い、ベンチに座って瞑想した。 阿知賀女子麻雀部は百合の土壌であるとともに、片思いしかない、悲恋の世界だ。 灼さんの思いは一方通行だし、憧の思いも一方通行だ。 百合の物語は悲しい最後を迎えることも多い。 だからこそ現実ではハッピーエンドを迎えてもいいと思うのだ。 憧と灼さんに、何とかしてハッピーエンドを与えられないだろうか。そう思った。 京太郎「……ん?」 憧「あ……」 そこに、憧がやって来た。 京太郎「何か飲みに?」 憧「……やっぱ戻る」 京太郎「俺のことなんか気にすんなよ」 憧「……別に」 京太郎は立ち上がり、自動販売機の目で財布を出した。 京太郎「何飲む?」 憧「ちょっ……自分で払うから」 京太郎「そうか、つぶつぶドリアンジュースか」 憧「カルピスソーダ!」 京太郎「はい、購入っと」 憧「あ……しま……」 京太郎「隙を見せたな」 憧「くっ……。それ、いらないから」 京太郎「俺、炭酸苦手なんだけど」 憧「……子どもみたい」 京太郎「よく言われる」 憧「……あーもう、貰うわよ! ありがとねっ!」 京太郎「助かるよ」 近づこうと一歩踏み出した瞬間、憧は一歩、後ずさった。 京太郎「…………」スタ 憧「…………」スタ 京太郎一歩前進。 憧一歩後退。 京太郎「…………」スタスタ 憧「…………」スタスタ 京太郎ニ歩前進。 憧ニ歩後退。 これはもしかして、俺、避けられてね? 何故だろう。 嫌われるようなことをしたか? したけども。 京太郎「俺のことは嫌いでも、LINEで百合話をする約束はやめないでください!」 憧「……別にあんたのことが嫌いなわけじゃないわよ」 京太郎「好きというわけでもないのか」 憧「好きになる要素ないでしょ」 京太郎「たしかにな」 否定はできない。 京太郎「じゃあなんで近づこうとすると離れるんだ」 憧「あ……えと……それは」 京太郎「それは?」 憧「……苦手だから」 京太郎「なにが」 憧「お、男の子が……」 京太郎「はは、なるほどな」 憧「……ダメだよね、やっぱり、異性が怖いなんて」 京太郎「……そんなことねーよ」 憧「そんなわけない! 治すべきなんでしょ!?」 京太郎「いいじゃねーか、異性が苦手なくらい。無理して慣れようとする必要はないよ」 憧「でも……」 京太郎「治したいならゆっくり治していけばいい。慌てなくたっていいだろ」 というか。 治してほしくない! 男嫌いとか最高じゃんか! それってもう百合に生きろっていう神様からのメッセージだぜ、きっと。 憧がここまで育てた百合の芽を枯れないように守るのは、「男が苦手」というステータスなのだ。 変な男に捕まったらせっかくの百合の芽が花を咲かせる前に枯れてしまう。 そんなのは許せない。 京太郎「憧、俺は気にしないから」 憧「そっか……ゆっくりでいいんだ」 京太郎「ああ」 憧「……ありがとね、京太郎」 京太郎「?」 憧「うらやましいな……和」 京太郎「へ……? 憧、お前、なに言って……」 穏乃「大変だよ、きょーたろー!!」 そんな憧との会話中、穏乃が慌てた様子で駆け込んできた。 京太郎「どうした!?」 穏乃「和が、和が、熱を出して倒れて……!」 京太郎「え……あっ!」 そうだ。確かに今日の和の様子は変だった。 普段はあんなにぶっちゃける性格じゃないのに、今日はやたらとぶっちゃけていた。 あれは体調が悪くて調子がおかしかったんだ! 松美館。 看病しやすいよう、板場に一番近い部屋を貸してもらった。 板場に氷があるからだ。 晴絵「疲れが溜まってたみたいね。この時期は生活の変化も多いし、体調を崩しやすいからね」 和「……そうですね」 穏乃「おかゆ持ってきたよ! 食べられる?」 和「ありがとう穏乃。いただきます」 京太郎「ごめんな、和……。俺が無理に連れ回したせいで」 和「いえ……私も気づかなかったですから……」 ……そうじゃないんだよ、和。 奈良に来たのは俺の勝手な用事で。 それに巻き込んだのがいけなかったんだ。 京太郎は立ち上がり和のそばを離れ、部屋の入口にいる時山さんのそばへゆっくりと後ずさった。 時山「原村様のご両親への連絡、完了しました」 京太郎「ありがとう、時山さん」 場所が奈良だったのは不幸中の幸いか。 もともと和が住んでいた場所なので、親同士の繋がりもあったため、奈良にいることで大きなトラブルにはならなかった。 時山「この部屋と隣の部屋を使わせていただくよう、手続きも致しました」 京太郎「……いつもすみません」 時山「いえ、お役に立てるのならば」 京太郎「……天江家でのことを思い出してるんですか」 時山「…………違いますよ。それに今の衣様は龍門渕家にいらっしゃるのでしょう?」 時山「龍門渕家にはあの荻原さんがついています。何の心配もいりません」 京太郎「……わかりました」 夜。 京太郎「それじゃ和、何かあったら遠慮なく呼んでくれ。おやすみ」 和「はい、おやすみなさい」 和のいる部屋を出た京太郎は自分の部屋に戻ろうとしたが、思い直してロビーに行った。 ロビーの端にある自動販売機の前に立つ。 京太郎「……昼に一本ジュース飲んじゃったからな。一日二本は飲み過ぎ……」 水を買う。 出てきたペットボトルを目に近づけて、水の向こう側を見通す。 水を通すとゆらゆらと世界が揺れる。 それは牌の世界に似ていた。 京太郎「今日は牌に会えなかったな……」 なぜだろうか。最近、牌のことを考える時間が増えた。 今ごろ牌は何をしてるだろうとか、どんなことを考えてるのだろうとか、過去にどんなことがあったのだろうとか。 考えるだけ無駄なのに、気づけばそんなことばかり考えていた。 ゆらゆら揺れる空間に、揺れる人影が映った。 京太郎「……こんな時間に外出して親に怒られないのか」 穏乃「……和のことが心配で」 憧「ちゃんと許可は取ったわよ」 灼「部長としての責任もある……」 京太郎「大丈夫だ、今は安定してる。ゆっくり休めば元気になるはずだ」 穏乃「そっか……よかった」 安堵したように三人はソファーに腰を下ろした。 京太郎「早く戻ったほうがいいぜ。許可を取ったとはいえ親も心配だろ」 穏乃「許可っていうのは松美館にお泊りする許可だよ」 京太郎「あ、そういうこと……よく親の許可取れたな」 憧「あんたの親はどうなのよ。いきなり外泊なんてして」 京太郎「ふ……俺の親か……?」 視線をそらし、天井を見上げる。電灯が眩しかった。 穏乃「まさか……親」 京太郎「ああ……」 視線を戻す。 京太郎「超怒ると思うぜ!」 穏乃「予想と違った!」 京太郎「はぁ……明日がこえーよ……。何時間説教されるのやら……下手したら説教だけで2ページは消費する可能性も……」 穏乃「のび太のパパか」 憧「和のこと……心配?」 京太郎「そりゃそうだろ」 憧「そうよね、将来のことを話しあった関係だもんね」 京太郎「? 確かに、そうだけど」 穏乃「どうやって二人は知り合ったの?」 京太郎「部活が一緒だった」 穏乃「ほほー……定番だね。で、告白はどっちから」 憧「ちょっと、しず!」 穏乃「ヘヘ……いいじゃんか」 京太郎「告白って何のことだ?」 憧「してないの!?」 京太郎「ただの友だちに告白なんてするわけないだろ」 穏乃「え? ……将来のことを話しあった関係なんじゃ」 京太郎「おう。将来、何になりたいかについて語り合った関係だぜ」 憧・穏乃「………………」 灼「知ってた」 京太郎「え? え? なにこの空気」 灼「アラタ」 その後、旅館の雀卓で三人にボロボロにされた京太郎だった。 麻雀終了後。 京太郎は穏乃を外へ呼び出した。 明かりの近くには虫が沢山いたため、少し暗がりになっていた池のそばへ。 松美館の池は宴会所の窓から一望できる場所にあった。 月明かりが池の表面で反射してきれいだ。 穏乃「どうしたの、きょーたろー」 京太郎「なんだかんだでゆっくり話せなかったからさ。思い出でも語ろうかと」 穏乃「思い出かー。実はそんなにないよね」 京太郎「まーな。期間的には短かったし」 小学校が同じだったわけでも、一緒の麻雀教室に通っていたわけでもない。そんな都合の良い過去はないのだ。 京太郎「あのさ、穏乃は覚えてるか」 穏乃「なにを」 京太郎「俺がここに引っ越してきたときのこと」 穏乃「うーん……半分くらい」 京太郎「俺、何か言ってなかったか」 穏乃「……………………………………」 穏乃は目を閉じて、顔を傾けた。 忘れかけたことを思い出そうとしているのだろう。 穏乃「そういえば、ときどき言ってた気がする」 京太郎「なんて?」 穏乃「『あのとき、俺は足が動かなかった』って」 穏乃「『そんな情けない俺の隣を、あいつは駆け出した』」 穏乃「『あのとき俺がその役目を負っていたら、サキも、テル姉も、あいつも――あんなことには』」 京太郎「……その先は!? まだ他に何か言ってなかったか!?」 穏乃「ん……えっと……何か言ってたっけ」 穏乃の肩を掴む。 京太郎「何でもいいんだ! どんな些細な事でもいいから、頼む!」 穏乃「い……痛いよ、きょーたろー」 京太郎「あ……わるい」 肩から手を離す。 手が痺れていた。どうやら知らないうちに強く握っていたようだ。 穏乃「なにか、あったの」 京太郎「…………」 穏乃「すごく、必死だった」 見抜かれている。 和は俺のことを「何でも見透かしてるよう」と表現したが、穏乃ほどではないと思う。 京太郎「今日、和とアルバムを見たんだ。俺が奈良にいたときの――つまり穏乃との写真。そのアルバムを見て気づいたことがある」 京太郎「そのアルバムに、空白期間があるんだ。二年間分の写真がすっぽり抜けていたんだよ」 それは、記憶に蓋をした時間。 京太郎「俺がそのころの写真を捨てたのか、親が隠したのか分かんねーけど……思い出さなきゃならない」 穏乃「……わかった。あのときのこと、もっと思い出してみる」 穏乃は黙って空を見上げた。 穏乃「ひとつだけ、思い出した」 京太郎「…………」 穏乃「『好きだったのに』」 京太郎「え?」 穏乃「『好きだったのに』って言ってた」 次の日。 阿知賀女子学院屋上。 ヘリに乗り込んだ京太郎たちは阿知賀女子麻雀部の六人に見送られていた。 プロペラの音が轟いている。 穏乃「和! そこからなら、みんなを見れる!?」 和「見えますよ!」 大きな声で和は返事をした。 穏乃「これが、私たちのチーム!」 穏乃が両腕を大きく広げる。 和「はい!」 穏乃「全国で和と遊ぶために、作ったんだよ!」 和「……!」 穏乃「全国、絶対来いよ、和!」 和「そんな約束は……いえ」 和は京太郎の顔を横目で見て、覚悟を決めたように言った。 和「必ず、行きます!」 奈良が離れていく。 京太郎と和にとっての思い出の場所が。 京太郎「そんな約束はできない、っていうのかと思った」 和「そう言うつもりでした」 京太郎「じゃ、なんで」 和「ふふ、どうしてでしょうね」 京太郎「答えは?」 和「答えは教えませんよ」 こうして、二人の奈良の旅は終わった。 旅に意味を求めてはいけないとは言うけれど。 大切なものを手に入れた気がした。 7・終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3455.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379321075/ それは、彼の人生において、二度目の恋だった。 海の底のように真っ暗で、音一つない孤独な世界。現実ではない、不思議な世界。 そこは牌の世界だった。 京太郎(かわいい……) 牌さんを一目見て、彼はそう思った。 京太郎「あの、あなたは……」 声が震えそうになるのをなんとか抑えて、ブロンドの少女に話しかけた。 少女はゆっくりと顔を上げ、彼の顔を見て、鬼のような形相で言った。 牌「ああん!? 男がわたしにしゃべりかけんじゃねーよ。百合は神聖なもので 男は汚いの。わかる? わかったらさっさと消えろ」 おおう。 京太郎(……ええと……この人もしかして) 想像は当たる。 牌「この世界に男はいらない」 ――牌さんは百合厨だった。 1・ 中学三年生一月下旬 友人「なんだ、お前も清澄受けるのか」 今日は高校へ願書を提出しに行く日である。同じ高校に出願する生徒はみんな集まって直接高校へ提出する。 集合場所の教室で京太郎は友人に声をかけられた。 京太郎「ああ、清澄に行きたい理由があるからな!」 友人「しかしお前の成績で受かるか?」 京太郎「この前やった信学会の模試でB判定だった」 友人「お、成績上がったのか」 京太郎「英数理社は9割取れたしな!」 友人「マジかよ! なんでB判定なんだ」 京太郎「国語がな……9点しかなかった」 友人「漢字問題しか合ってないパターンか」 京太郎「……正解」 友人「つーか、あれ? お前ってわりと本、読んでなかったか?」 京太郎「ああ、あれは百合小説だからな。国語とは別物なんだよ。ちなみに最近のブームは主従百合だ」 京太郎なんせ主従百合は背徳感が二倍!まさにお徳なジャンル!ついでに主従どちらかのおもちが大きかったら完全に俺得!」 友人「マイノリティな趣味を大声で言うな」 京太郎「はぁ……。国語の問題が百合小説だったら得点取れるんだけどなー」 友人「ねーよ」 京太郎「僕っ娘百合小説とか問題に出たらたぶん俺、問題解くのそっちのけでその作品のssを書くと思うぜ」 友人「得点取れてねーじゃねーか」 京太郎「確かに……くそっ! 俺は一体どうすればいいんだ!」 友人「ほらよ、システム中学国語 論理入門編だ」 京太郎「……サンキュー」 友人「で、お前が清澄に行きたい理由って何なんだ?」 京太郎「え!? そ、そりゃあアレだ。清澄の図書館に百合姫の雑誌が置いてあるからだ!」 友人「……咲ちゃん目当てか?」 京太郎の言葉を無視して、友人はそう言った。 京太郎「うおっ、やめ……咲に聞かれたらどうする!」 友人「まだ来てねーよ」 京太郎は周りを見渡す。よかった、まだ咲は来てないようだ。 京太郎「あー……もう、からかうなよ」 友人「からかってねー。つーかさっさと告白しろよ」 京太郎「おおおうえっ いやいやいや、受験前だし! 変な影響して試験に響いたら困るし!」 友人「焦れったいなぁお前は」 京太郎「ほっとけ」 友人「それにしても百合男子のくせに普通に恋するんだな」 京太郎「ああ……正直、困惑してるよ」 女の子どうしの絡みにキュンキュンしたことは幾度となくあったが、一人の女の子を見て胸が苦しくなったのは始めての経験だった。 そもそも恋なんてしないと思っていた。女の子は女の子と付き合うべきであり、そこに男は不要だと常々思ってきた。 そして自分は男。自分は世界に不要な存在で、存在価値などない。そんなことを去年までは本気で考えていた。 しかし今では違う。いまは自分がこの世界に生まれてきたことに感謝している。 生きてるからこそ百合の妄想で楽しむことが出来る。 生きてるからこそ咲という少女に出会えた。 京太郎(百合男子失格なのかな……俺って) そう、失格かもしれない、でも構わない。 彼は普通に恋もする百合男子として生きていくことを誓ったのだ。 ――そんなふうに自己問答をしていたそのとき、教室の扉がガラッと開かれた。 入ってきた人物を見た瞬間、世界の色が鮮やかになったように感じた。 京太郎「(世界はどこまでも灰色なのに、好きな人はびっくりするほど色づいている。どうしてなんだろう)」 友人「(ポエムはやめろ)」 京太郎「(世界の美しさを時世時節で楽しむことができるならいつでも)」 友人「(だからやめろって)」 咲「すみません……道に迷っちゃって」 京太郎(三年間通った校舎で迷子! くそっ……かわいい!)キュンキュン 友人「(顔赤い顔赤い)」 生徒A「よーし、これでみんなそろったね! じゃ、清澄高校へ出発します!」 清澄高校を受験する13人がバスに乗り込んだ。 京太郎と友人の座った席の後ろに咲が座っている。 友人「…………」 京太郎「…………」 友人「(いやチャンスだろ、話しかけろよ)」 京太郎「(そ、そうしたいのはやまやまなんだが、どんな話をすればいいんだ)」 友人「(そりゃまあ、好きなものの話とか)」 京太郎「(え? 『私の世界を構成する塵のような何か。』の話をすればいいのか?)」 京太郎「(あの作品、男一人登場するけど必要か不必要かの話をすればいいのか!?)」 京太郎「(ちなみに俺は最初圧倒的不必要派だったけど最近はありかなとも思えるようになってきたぜ!)」 友人「(百合トーク以外で)」 京太郎「(え……思いつかねー。他に好きなもんねーし)」 友人「(お前は百合の純粋培養か)」 京太郎「(……いや、他にもあったな。最近は麻雀とかも好きだ)」 友人「(おっ、いいじゃねーか。麻雀って花形競技だし)」 京太郎「(だけどなあ……咲が麻雀やってるところって見たことないんだよな)」 友人「(へえ?)」 京太郎「(しょうがない……やはりここは『野ばらの森の乙女たち』の話を……!)」 友人「(だからやめろって! 百合好きは増えてきたとはいってもまだ少数なんだぞ! 軽蔑される危険性もあるんだ!)」 京太郎「(……悪かった。大丈夫、この趣味は他人に知られたらいけないってことは重々承知してるよ)」 友人「(……そのわりには俺に百合好きばらしちゃってるじゃねーか)」 京太郎「(それは、お前がこんなことで他人を迫害したりするやつじゃないってわかってるからだ)」 友人「(……はあ……まったく、こりゃずいぶんと信頼されてるな)」 京太郎「(事実だからな)」 友人「(ったく……よし、俺が話すきっかけを作ってやるよ)」 京太郎「(え、マジで!? どうするんだ!?)」 友人「(勉強会作戦だ)」 京太郎「(……おおっ)」 友人「(咲ちゃんは国語が得意科目、お前は苦手科目だ。これはお前が咲ちゃんに勉強を教えてもらう理由として十分だろ)」 京太郎「(なるほど……二人きり秘密の勉強会か……! 俺自作の百合名場面名鑑にも似たようなシーンが載ってるぜ!)」 友人「(それはしまってろ)」 京太郎「(はい)」 友人「…………というわけなんだ。こいつに国語の基礎を叩き込んでやってくれないか?」 咲「そういうことなら……うん、私で良ければ、いいよ」 京太郎「いいのか、咲?」 咲「うん、代わりに数学、教えてね」 京太郎「おう、国語以外なら任せろ!」 咲「国語以外は全部得意なの?」 京太郎「おう! 一番得意なのはゆr……」 友人「<●> <●>」 咲「ゆ?」 京太郎「ゆ……ゆ……ゆ、有機化学だ」 咲「中学分野の有機化学ってそんな範囲広くない気がするんだけど……」 そんなことを言われても他に「ゆ」で始まる科目を思いつかなかったんだからしょうがない。 京太郎「咲はどうして清澄を受けるんだ?」 会話が途切れないようにするためにそう聞いた。 慣れ親しんだ関係ならば沈黙していても居心地を悪くは感じないというが、まだ京太郎と咲の関係はその域に達していなかった。 咲「う~ん……近いからかな」 京太郎「ふむ、流川タイプか」 咲「歩いていける距離じゃないと道に迷っちゃうからね」 京太郎「へえ、北海道に行こうとして沖縄に行くタイプか」 咲「図書館の蔵書も多いし」 京太郎「確かに、百合姫どころか5号までしか発行してない百合姉妹まで置いてあるし」 咲「学力的にもちょうどよかったし」 京太郎「まあ、やっぱりそれが一番だよな」 咲「須賀くんは?」 京太郎「………………」 苗字+君付けかー。まだ壁を感じるな……。 そうだ、目標を立てよう。中学を卒業するまでにあだ名で読んでもらう! 小さすぎる目標な気もするが気にしない! 京太郎「俺が清澄を選んだのは……」 ――咲がいるから。 女慣れしているイケメンとか、鈍感系ハーレム主人公とか、他の世界線の俺とか、 少女向け恋愛漫画に出てくるキャラならそんな台詞も吐けるかもしれないが、自分には言える気がしない。 どうせ言おうとしても噛んで 「さ、さきがいるから」 「ささき? 佐々木って誰? 長野県警察本部長の佐々木真郎さんのこと? へえ、あの人清澄出身だったんだ」 「え、ちがっ、そうじゃなくて」 「違うの? あ、分かった! 佐々木彩夏ちゃんだね! 須賀くん、ももクロ好きなんだ!」 「私も『行くぜっ! 麻雀少女』よく聴くよー。でも残念ながら清澄にあーりんはいないよ!」 みたいなことになるに決まっている。 京太郎「……そうだな……学食のメニューに惹かれて、だな」 咲「確かにメニュー多いよね」 京太郎「レディースランチが特に美味そうだった」 咲「それは須賀くん、食べられないんじゃ……」 当たり障りのない会話を続けている内にバスは八久保小学校前に到着。 バス停から五分ほどの場所にあった清澄高校に入る。 高校の先生にどこからか見られている気がして、普段は閉めていない第一ボタンと首のフックまできちんと閉め、 ダサいからという理由で一度も付けたことがない名札バッジをきちんと付けた。 友人はそんな京太郎を見て似合わねえと笑っていたが、その友人も同じような格好をしており、思わず笑ってしまった。 友人「さっきの会話、まだまだだな」 京太郎「うそだろ。けっこう話、弾んでたぜ?」 友人「レディースランチのくだり。あそこは『だったら俺の代わりに注文してよ』ぐらい言えよ。そしたら一緒に飯食う約束も出来るじゃん」 京太郎「ぐっ、確かに」 友人「しかも図書館のくだりじゃ百合姫の話に百合姉妹の話までしやがって」 京太郎「いやいやそんな話してねーよ」 友人「してた」 京太郎「してた?」 友人「してた」 ……やってもーた。おそらくテンパりすぎて無意識に口に出ちゃったのだろう。 京太郎「何だろう……こう、俺が百合好きなのを隠すうまい方法ってねーかな」 友人「別のものを好きなふうに装うとか、どうだ?」 京太郎「なるほど……Aさんのことが好きなのにBさんを好きなふりをして、Aさんへの恋心を隠すんだな」 友人「そうそう」 京太郎「俺自作の百合名場面名鑑にも似たようなシーンが載ってるぜ! でもそういうことしてたら事態がややこしいことに!」 友人「それ持ち歩くな」 京太郎「そうだな……じゃあここは男らしくおっぱい好きでも装うか」 友人「装うも何もおっぱい好きだろ、京ちゃん」 京太郎「はい、胸の大きさに差がある百合ップルが好きです! 須賀です!」 友人「それにおっぱい好きって……印象よくねーよ」 京太郎「隠語を使うなんてどうだ?」 友人「プリンとかか?」 京太郎「白くて……柔らかくて……丸くて……すべすべ…………おもち……そうだ、『おもち』なんてどうよ!」 友人「妊娠中におもちを食べるとおっぱいが張りすぎて、赤ちゃんが飲みづらくなるらしいし、母乳の質が悪くなるらしいぞ」 友人「おもちとおっぱいの相性は良くないのに隠語に使うのはありなのか?」 京太郎「アリだな」 友人「ならいいけど」 京太郎「今日から俺はおもち好きだ!」 友人「正解は?」 京太郎「越後製菓!」 校門の前に辿り着く。 京太郎「じゃ、俺は寄るところがあるから」 友人「どこ行くんだ?」 京太郎「麻雀部を見学してくる」 校内マップで部室棟がどこにあるかを確認する。どうやら二階の連絡通路を通って行くのが一番近いらしい。 部室棟に入ると汗っぽいにおい、絵の具のにおい、埃っぽいにおいが充満しており、ほとばしる青春の香りだぜ、と感じた。 扉に貼られたプレートを一枚一枚確認していく。 京太郎「あれ?」 見落としたのだろうか。麻雀部の文字を確認することが出来なかった。 京太郎「もう一回見なおすか」 今度は見落とさないように心の中で部の名前を暗唱しながらチェックする。 麻婆部で一瞬ビクッとなったがやはり麻雀部はない。 京太郎「おっかしいなー、案内には麻雀部あるって書いてたはずなんだけど」 見つからない以上、諦めるか誰かに聞くかの二択だ。 だが知らない人に声をかけるのは得意ではない。 店で買物するとき目当ての物がどこにあるか分からなくてもなかなか店員に聞けないタイプだった。 京太郎「いやいや、落ち着け俺。ちょっと聞くだけだ。怖がる必要はないだろ」 ちょっと聞くだけとはいえ高校生に話しかける度量はない。そのため教師らしき人を探す。 部室棟に教師は来ないようだったので校舎の方へ戻った。 どこかに話しかけやすそうな先生はいないかとキョロキョロしていたそのとき、印刷室からスーツの女性が出てきた。 小中学生なみの小柄な女性で本当に教師なのか疑ったが、話しかけやすそうではあったのでその人に決めた。 京太郎「あの、すみません」 女性「はい、先生です」 先生だった。 京太郎「麻雀部ってどこにあるかわかりますか」 女性「麻雀部?」 聞きなれない単語を聞き返すときのような声で、彼女は言った。 女性「うちに……麻雀部はないんじゃないかと先生は思いますけど」 京太郎「そうなんですか? ホームページの部活一覧には載ってたんですけど」 女性「ちょっと待って下さいね」 そう言うと女性は印刷室の扉を開けた。 女性「ねぇイッチー! うちに麻雀部ってあったっけ?」 一太「どうしたんですかササヒナ先生、突然」 そう言いながら部屋の奥から出てきたのはフレームのうすい眼鏡を掛けた男子高校生だった。 一太「んっ? 君、麻雀部を探してるのかい」 京太郎「はい、部室棟になくって……」 一太「ああ、なるほど。麻雀部はね、旧校舎の最上階……正確には屋根裏なんだけど……そこにあるんだ」 京太郎「よかった……麻雀部、ちゃんとあったんですね」 一太「まあいろいろわけありでね……。竹井久、っていう人が部長だから、麻雀部のことはそこで聞いてみるといいよ」 ササヒナ「さすが副会長! 詳しいね!」 一太「元部員ですから」 この副会長と教師、かなり仲が良いらしい。会話のテンポが小気味良かった。 京太郎「ありがとうございました。いってきます」 一太「おっと、最後にちょっといいかい」 旧校舎に向かおうとした京太郎を、彼は呼び止めた。 一太「こんなことを強制はできないんだけど……君が清澄に合格したら、麻雀部への入部を前向きに検討して欲しい」 京太郎「そんなに俺、麻雀強くないですけど」 一太「君は、やめないタイプじゃないか?」 京太郎「えっと……『何を』かによりますけど、根気だけなら、まあ」 一太「うちの麻雀部には君みたいなタイプが必要なんだと思う」 どういうことだろう。 一太「ま、頭の隅でもいいから、今の言ったことを覚えておいてくれないか」 京太郎はさっきまでのことを思い出しながら旧校舎へ向かっていた。 京太郎「ロリ教師か……。百合の妄想に使いたいけど、男の副会長と仲良くしていたのが百合の妄想の邪魔だな」 京太郎「いや、何のために神は人間に妄想力を与えたと思ってるんだ! 副会長を女の子に変換するんだ」 京太郎「ほらあっという間に百合ップル完成! 教師と生徒の百合妄想って最初、抵抗あったのになぁ……」 京太郎「主従百合にハマってからはイケる口になっちゃったなあ……。学生やってると身近だもんな、先生×生徒は」 京太郎「でも商業作品の長編で先生×生徒の話、まだ見たことないんだよなぁ……」 京太郎「たくさんあると思うんだけど俺の検索網には引っかからない……誰か百合の師匠がいればいいんだけど、ちくしょう」 そうこうしているうちに旧校舎に到着。古そうな感じではあったが、建物の造りがどことなくおしゃれだ。 木目を上手く活かした壁や柱は、しゃれたペンションのようだった。 京太郎「おっ、ここか」 ついに麻雀部のプレートを見つける。 京太郎「すみませーん!」 扉をノック。硬い木だったので手が少ししびれたがカンカンといういい音が響いた。 ところが返事がない。 しばらくしてさっきよりも強めに扉を叩いたがやはり返事はなかった。 京太郎「失礼します」 おそるおそる扉を開こうとする。が、やけに重い。強く力を込めるとギギギギキィーッという甲高い摩擦音がした。 京太郎「立て付け悪っ……」 旧校舎というからにはやはりあまり整備されていないのだろう。 京太郎「勝手に油さしちゃってもいいんだろうか……安いしイイよな?」 カバンを探る。 京太郎「しまったKURE 5-56、持ってきてねー……あ、でもシリコンスプレーがあるじゃん」 京太郎「そうそう、椅子がギーギー鳴るから今日スプレーしたんだったっけ。よしよしこれでいいや」 蝶番のところに吹きかけ、扉を開け閉めする。徐々に開閉に要する力が減り、滑りが良くなっていくようだった。 京太郎「ひどく満足である」 「あなた、なにしてるの?」 京太郎「うおっ!?」 後ろから急に声をかけられ、京太郎は動転し声を上げた。 「あら、扉が軽くなってる。もしかしてあなたが?」 京太郎「あの、すみません……整備の血が騒いじゃって」 「いやいや、ありがとう。新入生が来るまでに何とかしなきゃとは思ってたんだけど、手間が省けたわ」 京太郎「もしかして竹井さんですか?」 久「あら? どこか出会ったことあるかしら」 京太郎「副会長……だったかな……に聞いたんです」 久「そう、あいつ……ね。そっか」 遠くを見るような目で彼女は言った。 久「今は麻雀できないんだけど、どうする須賀君? 部室見てく?」 京太郎「お願いします……ってあれ、どうして俺の名前を」 久「名札」 そう言って久は京太郎の胸ポケットを指差した。 京太郎「ああ、なるほど」 普段は名札なんか付けないので忘れていた。名札を外し、ようやく部室に入る。 周りを見渡す。ステンドグラスにシーリングファン、高い天井と年季は入っていたが豪華な部屋だった。 京太郎「この部屋、学校に見えませんね」 久「元校長室だから」 京太郎(校長から部屋を強奪したのかこの人……) 久「……新校舎が出来るときに校長室は移動したのよ」 京太郎「よかった、強奪してないんですね」 久「一応言っておくけど、私はそういうことするタイプじゃないからね」 そうは見えないと思いながらも、京太郎は卓の前に座る。かなり旧式タイプの卓で使い込まれている様子であった。 久「ごめんなさいね、実はその卓、故障しちゃってて、修理しないといけないんだけど……」 久「実は今、新しい卓を買う為に部費を貯めてるのよ」 京太郎「だいぶ古いですもんね、これ」 久「創部当時から使い続けてるらしいわ」 京太郎「いつ買えるんですか」 久「あー……えーっと、もうすぐ、かしらね」 京太郎「……もしかしてこの卓、だいぶ使用してないんじゃないか」 久「んー……まあね、かれこれ三ヶ月ぐらい?」 京太郎「よかったらこの卓、修理しましょうか」 久「できるの!?」 京太郎「中学じゃ『長野の整備王』として名を馳せてます」 久「なんだか雑用が得意そうな名前ね」 京太郎「それは風評被害です」 毎日持ち歩いている整備グッズを取り出し、卓を解体していく。 京太郎「ベルトは――あと三ヶ月ぐらいは持ちそうですね。うん、部品の老朽が故障の原因ではなさそうです」 京太郎「シリコンスプレーとかを使えば何とかなりそうです」 シリコンスプレー万能説。ホームセンターに行けば500円以内で買えるので、ぜひ買うべきである。 手慣れた手つきで調整を続ける京太郎。 京太郎「これでいいかな……牌を借りてもいいですか」 久「ちょっと待っててね……はい、これよ」 ケースに収められた140ほどの牌。 ――それは、どこにでもある普通の牌。表面についた細かい傷は、この牌が長年使われてきたものであることを物語っていた。 ――ただそれだけの牌。見た目には奇妙なところはひとつもない。 ――だが京太郎は、その牌に触れるのが恐ろしかった。 京太郎「……お借りします」 それでも彼は触れた。 京太郎「ぃいっぅがっっ!?」 頭から血液が抜き取られたような脱力感が襲い、そして景色が白く染まり――。 目を開けると真っ暗な世界に立っていた。 京太郎(ここは……いったい) 前後も左右も上下だってわからない空間を、ただひたすらに歩く。 京太郎(進んでるんだよな、これ? 同じ場所でもがいてるだけってことはないよな?) 何か目印がほしい。目印がなければ行動の指針も立たない。 必死で目を凝らして、なにか特別なものがないか探す。 そこに、ちいさな光が見えた気がした。 金色に輝く小さな光。 それは少女だった。 京太郎(かわいい……) 彼女を一目見て、彼はそう思った。 少女のイメージを一言で表すと――咲に雰囲気が似ている少女だ。 京太郎「あの、あなたは……」 声が震えそうになるのを根性で抑えて、金髪の少女に話しかけた。 少女はゆっくりと顔を上げ、彼の顔を見て、鬼のような形相で言った。 少女「ああん!? 男がわたしにしゃべりかけんじゃねーよ。百合は神聖なもので 男は汚いの。わかる? わかったらさっさと消えろ」 おおう。 京太郎(……ええと……この人もしかして) 想像は当たる。 少女「この世界に男はいらない」 ――完全に百合厨だった。 京太郎「お前が……!」 少女「ん?」 京太郎「貴様らのせいでマナーのいい百合好きまで白い目で見られるんだぞ!!」 少女「なんだお前は」 京太郎「ただの百合好きだ!」 少女「男が百合好きィ? 何言ってんだお前? 男は不要なものだろ、つまりお前も不要物だろ。お前の存在が百合の邪魔だろ」 京太郎「一理あるぜ、お前の意見! 俺もそう思ってずっと苦しんできたからな! しかし今の俺はそんなものは乗り越えた!」 少女「乗り越えたんじゃないだろ、男不要の真理を悟って諦めたんだろ? 真理を覆しようがなくって考えるのをやめたんだろ」 京太郎「言いたいことを言いやがって……! 貴様とは決着を付けなくてはならないようだな……!」 少女「いいだろう……私が世界の真実というものを教えてやろう」 京太郎「俺の名は須賀京太郎……あるときは男子中学生、またあるときは『長野の整備王』……」 京太郎「しかしその正体は『百合男子連合雑用担当《エピ百合アンの須賀》だ!」 少女「わたしの名前は《麻雀 牌》。表の顔は牌世界の支配者! しかしその正体は――全麻雀少女百合化計画の主導者!」 京太郎「全麻雀少女百合化計画だと!?」 牌「くくくく、恐ろしいか?」 京太郎「いや、その計画いいっすね」 牌「えへへー/// でしょ?」 京太郎「その計画が達成されれば竹井久先輩も百合になるのか……イェスイェスイェス!」 京太郎「きっとあの人、中学のときはちょい不良で純粋な女の子を何人か落としてるタイプだぜ」 牌「わかるー絶対本人は無自覚で口説きまくってそう!」 京太郎「素晴らしい世界だな、百合世界! その世界で少女たちはプラトニックな愛を育んで……」 牌「おいコラちょっと待てプラトニック派かよお前はエロティックのない百合なんて紅生姜のない牛丼屋みたいなものだろ」 京太郎「べっ……紅生姜のない牛丼屋だと!? ほほう……言ってくれるじゃねーか。やっぱり俺達は戦う運命にあったようだな」 牌「来いよ京太郎! 貴様の百合の花びらを全部むしりとってやる!」 久「大丈夫!? 須賀君!?」 そこで目が覚めた。 京太郎「……俺、この麻雀部に入ります」 久「え? そりゃ嬉しいけど……なにがその決意を引き出したの?」 京太郎「戦い相手がいるんです!」 百合愛好者というのは数が少ない。迫害される立場にあるのだ。 だからこそ少数の百合好きたちは手を取り合って協力していかないといけないと百合ーダーは言っていた。 それを京太郎は納得していたはずだった。 京太郎(だけど目の前に現れた牌ちゃん! 俺は彼女とは相容れない……だからこそ強く想う。) 京太郎(これは本能だ。アイツにだけは絶対……負けたくない……!) 京太郎「俺は牌を超越するっ!!」 ――こうして、牌と京太郎という二人の戦いが始まったのだった。 1・終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4313.html
京太郎「それでは宮永さん、次のスケジュールですが…」 咲「もぅ…京ちゃん、二人っきりのときはそんな言葉遣い気にしなくていいのに」 京太郎「けじめだよ、け・じ・め」 京太郎「ゴホン」 京太郎「本日13時よりCMの撮影、合間に雑誌の取材」 京太郎「それから18時からはリーグ戦となっています」 咲「取材かぁ」 咲「慣れないなぁ…」 咲「CMとかもっと可愛い人にやって貰ったらいいのに…」 京太郎「こういう試合以外での仕事があるってことはそれだけ人気があるってことですよ」 咲「うん…」 京太郎「それに」 ちゅっ 咲「っ/////////」 京太郎「咲は十分かわいいよ」ボソ 京太郎「では、現場に向かいましょうか」ニコ 咲「うん///」 カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5676.html
11 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 15 33 09.64 ID 7NKXhv7/O [8/14] 8 イッチだってそんなん考慮しちょらんもん…… 連続ゾロ目ボーナス! 洋榎104 洋榎「あっ……」ビクッ 京太郎「ん?」 この人から身構えるなんて…… どうしたんだ。 洋榎「ひ、久しぶりやな京太郎」アハハ 京太郎「は、はぁ……」 洋榎「すいませんでしたぁ!!」 土下座。 俺、この人に何かされたっけ?それとも俺の事をからかっているだけなのか? 京太郎「ちょ……!人が見てますから!やめてください!」 洋榎「どうか最低なうちの事を許してください!!!!」 13 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/05(土) 15 42 36.92 ID 7NKXhv7/O [10/14] 訂正 洋榎の部屋。 京太郎「どうして俺はここに……」 洋榎「ひっく……うっ……」ポロポロ 京太郎「ちょっと!どうして泣いてるんですか!!」 洋榎「そや、死ねばいいんや!京太郎!殺してくれ!」ポロポロ 京太郎「やめてください!何があったんですか!?」 洋榎「……」 洋榎「それはーー」 京太郎「……」 それから聞いたのは予想以上の話だった。 洋榎さんが俺を気絶させて犯した事、追い詰めて自分の者にした事。 日々の痴態を動画に収めて依存させた事。 俺の周りとの関係を全て断ち切らせた事。 最終的に俺は自殺をした事。 15 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 15 54 17.79 ID 7NKXhv7/O [11/14] 洋榎「ど、どうしても京太郎を自分の物にしたかったんやな……」 京太郎「洋榎さん……」 思い出してしまった……俺の中でフツフツと込み上げる怒り。 洋榎「今回だって自分の物にしようとした……」 京太郎「……」 でも……俺は紛いなりにも途中からはこの人が好きだったんだ…… ただ……あんな望んでもいない事をされたから自殺しただけで…… 洋榎「もう……うちと関わらないでいいで」ニコッ 洋榎「なんなら同じ事をしてもええよ」ニコッ 安価下8 1. 俺は洋榎さんが好きです 2.帰る 28 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 34 58.64 ID 7NKXhv7/O [13/14] ゾロ目ボーナス!! 三連続!!! 京太郎「俺は洋榎さんが好きです」 洋榎「え……?」 京太郎「だから過去の事なんか関係無いですよ」ニコッ 洋榎「きょ、京太郎……///」 京太郎「洋榎さん……」 洋榎「呼び捨てでええよ……///」モジモジ _ --―――-ミ _,,.. \ ヽ \ _彡 ´ ; =-―‐-ミ ) / ノ // / \_ / / / 厶=--―…/ `く | / / / / ヽ | ! /イ / // // |  ̄',. 八| l/l / ̄ ̄ /イ /. /| ′ /二二ィレ| .|芹弌く | ィ/Χ| | | ', | / /人_\|辷ン |ノ芹ミ У / |, ′ |' / /¨入 '''' 廴ソ / /. 八 i. / |/ /`、 ’ ''' /彡/ ィ∨ノ ′ / |\__゚_,,... イ ィ、 || | | | ヽ | | / /ノィ / ノ / ノ // ∨l |/丁へ. / // ⌒' { / `| /|\ \/ | , | レ∧ 〉 // |__ } | / | V {/ /⌒ヽニ、-、 \_ 八 ( | l / /ハ \\. Т¨ \ 八 ′ / \ \ヽ. ! {\ ̄ヽ | / } ′ |  ̄「_゙ト、 / / | } | | ` ¨卞¨ _彡 / ′ _ .′ヽ ゙, ′ i  ̄「\_ノ___/ / , ‐-<⌒ ' | i ,′ Ⅴ .′ { / | | ,′ } | ' / / ! ! ′ | ,/ / ′ { ' / | .′ / ′ ∧ | / ' i ' i / ′ | / / | | | ,′ ′ ! / , ′ | | | ヽ ! 〃 ' ノ ! | ≧=ヘ / / | | ≧‐=彡 ///⌒ヽ_{ / !  ̄ / '、 ∠ ヘ 、\ 、 \i\「 京太郎「洋榎……」 洋榎「な、なぁ……」ギュッ 洋榎「抱いて……///」 京太郎「洋榎……!」 29 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 39 03.80 ID 7NKXhv7/O [14/14] GRANDENDING 30 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 42 50.77 ID VVa3sn7fO 全国大会決勝 洋榎「ふふふっ……ここまで来たでー」ニヨニヨ 京太郎「洋榎……」グッ 洋榎「行くで!」ゴッ 憧「……!」 久「!!!」 堯深「っっ……!」 安価下6多数決 0~95 姫松Vやねん! 96 清澄優勝 97 阿知賀優勝 98 白糸台優勝 38 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 56 39.04 ID HD80wm1dO [1/6] ,/ \ __ / ヽ、 , . '  ̄  ̄ ` 丶、 | i / `ヽ、 \ 〉 | / ' `ヽ \-._\| // lヽ、 ヽ、 、 ',ヽ 丶_ ゙>.、 /,'/ / ! .l .X∧ヽ i ハi ゙', l ;`iヽ、丶 / / / | i !| ', レ' ヽリ ∨! 〉 .}`〉!丿 | ヽ. ゙、 i / / ! l .l iハ '\ xヤ叭カ 〉 k┤ ´ ヽ /!. 〉. 〉 / { /l i .-什ー \ .〉 弋 _ソ /イ Y´丶 ! / / / / /.! i ! i i xヤ叭 `゙ ´ l i. ,!リ./ ./ _ / / ヽ !ヽ i', ` 弋ソ l レ,'.;/ ´ /´冫\/ /. \'マヘヽ. ` - | ト'. 〈 _ ヘ、\゙/ / ( { ! 〉. く l /|!{iヽ!. /´ 〉 .! / /.i ! _./ヽ 、l ! ヽ、 ` - ′ / }!ヽ , -─ ‐ 、 〈 ,弋!丶.v` / .! _ -彡 ` ゙ -! _ ≧‐ _ .イ /|! /./ \ i. ヽ 〉 ≦彡 ´ , -! { / }- ´ .' / ′ \ ヽ )イ/ / l .! .//.マヽ / .l ! l \ ヽ ′く / / i ! _ -/イ / 冫__./ .l i .! ! \ ', ヽ /; / , -ヽ ´ ' _.十_' ´ i l!/ ! ∧ V .;' / / , '` /´.入. \ |、´. |. / 冫 ∨i i / / / ./ l.∧ ! ヽ、 _. -. { / i 弋 { / ./ ヽ_イ /.|! ヽ _./ × γ. l { ヤ 丶 匕 、 / |i. / li l 丶 ./ l ! l. ゙.冫` 〉 .i |! / .|i / ! /\ ヘ ヽ ヽ ゙丶_i ゙ | 丶 / .∨_ _冫、 ヽ 入二| ! ゙ / \ 洋榎「うちにかかれば余裕やったな」 恒子「優勝は姫松高校ー!!!」 京太郎「うおおおおおおおお!!!!」 健夜「姫松の中堅……技術と読みなら既にトッププロクラスだね」 恭子「逃げ切れた……」 穏乃「ちぇーっ」 咲「やられた……」 淡「駄目だった……」 39 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 16 57 30.32 ID HD80wm1dO [2/6] ーーepilogue 初めて見た時から好きでした 41 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 17 51 07.91 ID HD80wm1dO [4/6] 月日が経ち 京太郎「ん?」 子供「……」チョコン 京太郎「お前誰だ?」 子供「……」 京太郎「何も言わないか……そうか」 京太郎「いや、何でもないよ」 京太郎「……」 京太郎「いい天気だな」 子供「……」 憩「なんや、こんな所におったん?」 京太郎「憩……さん」 春「……」ポリポリ 京太郎「あ、春さん」 春「少しの間……お邪魔します」 京太郎「大したおもてなしもできないですが……どうぞどうぞ」 42 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/05(土) 17 54 23.94 ID HD80wm1dO [5/6] 春「……」ポリポリ 京太郎「相変わらず食べますねぇ」 春「ん……」ポリポリ セーラ「おーっす」 京太郎「あ、久しぶりです」 セーラ「元気しとるかー!?」グリグリ 憩「こらっ」 セーラ「あ、すまんすまん」 洋榎「たくっ……うちの旦那に何しとんねんな」 セーラ「ははは、すまんすまん」 48 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 00 29 17.74 ID hHJZ9nPrO 京太郎「……」 子供「……」 京太郎「お前は可愛い顔をしているな」 京太郎「本当……そっくりだ」 子供「……」 洋榎「当たり前やろ、アホか」 子供「アホ」 京太郎「なっ……!」 洋榎「なっ……!」 憩「はいはい、失礼」ズイッ 憩「みんな~お茶やで~」 恭子「ありがとうな~」 絹恵「ええな~お姉ちゃん」 洋榎「そやな~」 漫「仲ええな~」 由子「憧れちゃうのよ~」 49 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 01 58 58.15 ID DglQ+DhAO [1/18] 洋榎「ーー!」 セーラ「ーー!」 ギャァギャア 憩「美味しい?」 京太郎「はい、美味しいです」ズズッ 子供「……」ズズッ 春「……」ズズッ 京太郎「ふぅ……」 京太郎「むにゃむにゃ……」 春「……」ズズッ 京太郎「皆若いなぁ」 憩「そうやな」 春「……」ズズッ 京太郎「憩さんも」 憩「……」 春「……」ポリポリ 京太郎「なぁ……春さん……どれくらい呼んでくれたんだ?」 春「7人……」ポリポリ 50 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 02 20 33.64 ID DglQ+DhAO [2/18] 京太郎「えっと……お前はお母さんの所に戻りなさい」 子供「やだ……お母さん嫌い」 京太郎「こらっ……お母さんはお前の事を心配しているんだぞ?大事に思って叱ってくれるんだ」 子供「……うん」 京太郎「早く戻りなさい」 子供「分かった……またね」 タッタッタ 憩「あなたの娘さん拝見しましたよあなたにそっくりで洋榎ちゃんに立派な子供も産んで……幸せそうやね~」 京太郎「そうか……そうだったな」 京太郎「娘の名前……忘れてしまった」 京太郎「孫娘の名前も……」 春「教える……?」 京太郎「いや……大丈夫だ」 京太郎「どうせすぐに思い出す」 春「そう……だね」 憩「なぁ……どうして孫娘さんを遠ざけるん?」 京太郎「……」 春「洋榎にそっくりで怖いから……」ポリポリ 京太郎「うっ……」 憩「なんやそれ……」 京太郎「わかったよ……おーいおーい」 娘「なんやー?」ガラッ 娘「あ、春さんこんにちはー」 春「こんにちは」 京太郎「えっと……お前目赤いな」 娘「アホ……」グスッ 京太郎「孫呼んでくれ」 娘「はいはーい」ガラッ 52 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 02 51 12.92 ID DglQ+DhAO [3/18] 子供「はーい」ガララッ 京太郎「えっと……だな」 京太郎「悪い事はするな」 子供「うん」 京太郎「好きな人には迷惑をかけるな」 子供「……うん?」 京太郎「お母さんとお父さんの言う事は聞いて」 子供「うん」 京太郎「大好きだよ」 子供「ありがとう」 京太郎「ん……もういいぞ」 子供「またね」ガララッ ピシャッ 京太郎「“またね”……か」 春「いい響き……」 京太郎「子供は純粋だ……」 春「……」 京太郎「皆は返したのか?」 春「……うん」 憩「うちだけやなー」イェイッ 京太郎「どうして憩さんとだけは話せるのかな……?」 春「看取る人としては最適……」ポリポリ 京太郎「そうか……」 憩「軽い意思疎通しか出来んけどなー」 京太郎「……」 互いに年老いた……残っているのは皺くちゃの京太郎と春。 先程までは互いの瞳に若かりし頃の姿が映っていた。 もう……京太郎の時間切れは迫っていた。 53 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 08 46.80 ID DglQ+DhAO [4/18] 春「私は鹿児島に帰る……」 京太郎「そうか……」 春「新しい跡継ぎの整理をしないと」 京太郎「おう、またな」 京太郎「えっと……名前は……」 京太郎「いや……」 京太郎「いきなり来たと思ったら洋榎達を呼んでくれて……」 京太郎「ありがとう」 春「親友の頼みだから気にしないで」 春「……またね」ガララッ ピシャッ 京太郎「親友……?」 憩「さ、身体拭くよー」 京太郎「お、ありがとう」 54 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 22 32.68 ID DglQ+DhAO [5/18] 憩「じゃ、またなー」 京太郎「あれ……?」 京太郎「えっと……憩さんが俺を看取るんじゃ……」 憩「んーん」 憩「一人おるんやで、うちより適した人」 憩「またなー」 ドロンッ 京太郎「え……」 京太郎「一人で……逝くのか?」 京太郎「はぁ……」 京太郎「まぁ悔いは無いからいいか」 「アホ」 京太郎「!」 55 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 23 00.93 ID DglQ+DhAO [6/18] 洋榎「ーーうちがおるやろ?」 56 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 25 58.13 ID DglQ+DhAO [7/18] 京太郎「……」 目を疑う。 あの時、先に逝った。 自分を置いて行った最愛の人。 洋榎が目の前に居るのだから。 京太郎「憩さんと話す事出来るんだから……そりゃあそうだよな」 京太郎「春さん……過剰演出だよ」 洋榎「最初からおったわ……ったく」 洋榎「でも、恩に着るで……親友」ニッ --- 春「……」 春「お安い御用……」ポリポリ 57 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 32 31.27 ID DglQ+DhAO [8/18] 洋榎「先に逝ってしまって……すまんなぁ」 京太郎「まぁ……洋榎も歳だったからしょうがない」 洋榎「そうやな」 洋榎「最初はうちで」 洋榎「その次は京太郎」 京太郎「順当に来たな」 洋榎「ん」 京太郎「……」 洋榎「泣かないんか?」 京太郎「いや……泣くほど嬉しいけど涙も出ないんだ」 洋榎「お疲れさん……」 京太郎「これほど素晴らしい人生は無いよ……」 洋榎「そうやな」 京太郎「ーー」 / / ;ィ; ハ . / | i .\ ,' / ./// / i ./\ i .ハ .} \ { /{( { i i =ヤ斧示\! 厶斗イ ハ ____ i / / .八 ! 辷 り イ テ心i }i } / `丶 i /{ .Y⌒ \| { cり ノリ / さ さ お i | ( .\i (ソi | ` |< < ん ん .つ | . \ . \`,i ! r ´ i ト、 ヽ i. こ さ か ! ,' ,'ヘ\ .!. ー ′ 人 〉 } | ろ ん れ ! / / } | | ≧。 < i./ / .| り i / / ヽ| ! `≧‐''"´ | | / .| | ./ / / |/ `ヽ. |_ i | \ / , ' . / _ r''"´ \ ノハ | ! ` ー --- ‐. / >''"´ `ヽ ∧ハ \ i / / / \ /`Y YVi \ 京太郎「ありがとう……」 洋榎「おやすみ……京太郎」 京太郎「……」 58 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 03 39 17.94 ID DglQ+DhAO [9/18] 京太郎「お……」 洋榎「お、来たな」 京太郎「ん」 京太郎「孫はうまくやれるかな?」 洋榎「うちの孫やで?」 手を取り合ってきた。 洋榎「当然やろ?」 京太郎「そうだな」 途中、手はほどかれたけど。 京太郎「大好きだよ……」 洋榎「うちもやけど……」 また手を取り合って。 洋榎「甘いなぁ」チッチッチ 洋榎「なんたってうちは」 あの時の気持ちをもう一度。 京太郎「?」 だって時間はいくらでもあるのだから。 洋榎「初めて見た時から好きでした」 . , ' \ \ //. / / .|, ヽ ヽ . //' / /| .| |‘,|`、 ',⊥_. /// . . /|_||l |_l_lノ|', . .|__ `丶、 (/| l {八「TT、 ! |/__|ハ | | ̄¨'' \ //| | l∧'笊丐 \ 、「苅「》 人′ ノ 〉 ( _.|八\ハ 乂 リ ー┘l イ 、 \ ___彡 ´  ̄ ̄/ /| |', ' | | 〉 / \、| 込、 ,、 . イ | | _/', | | ` .,_. イ|イハ| | ',. | |___/r} ノ V / ', ∧| / /ーn彡 /へ、 ', | | {_/\八 ノ >、 ', | | /⌒i|「\\/ / ヽ `、 , / / ((__ノ八、_)) / '¬ |. / , `7/ |「 ̄ l | ∨. ヽi / { l | l \ | l V 〉. 八 ∨`、 _,, ィ | 〉 `冖¨ | / `、 `、. | / 〉 〉. / { / /. / 人 / / \ `/ / これからもーー カンッ 109 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 22 58.79 ID D5Nz3WExO [1/11] 純 20 智紀 85 一 93 透華 9 衣 68 睦月 25 佳織 91 智美 7 桃子 好感度MAX 依存度MAX ゆみ 85 今回は大会を終えた頃の休息期間を描いた鶴賀のお話です(三回目) 夏休みです。 通学路 京太郎「入学してから結構経ったなぁ」 京太郎「皆、本当凄かったなぁ」 まぁ、俺も負けないように頑張りますよっと。 京太郎「あ、あれは」 0~9 純 10~19 智紀 20~29 一 当たり 30~39 透華 40~49 衣 当たり 50~59睦月 60~69佳織 70~79智美 80~89 桃子 外れ 90~99 ゆみ 当たり 120 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 54 32.93 ID D5Nz3WExO [3/11] 衣 118 衣「むっ」 京太郎「あっ……」 京太郎「?」 小さな可愛らしい子供だ。 京太郎「お嬢さん、迷子かな?」 |./_イ>――‐- 、 ,. - 」k∠_ `ヽ. イ-‐¬''''¬‐ =ト、 \ / ´ \ \ / l | | ト、 \ \ \ \ / | ! | ∥ ! >,-‐+‐い \ \. / / ,' ! | _」ェt |\代≧、 ト、 .!l .\ \ f ,イ | ∨ |イ ト、|\! ヾゝケ弍廴 !l | \ ヽ______ |/ | | . .Vト、!弍'气 \ `l さ, !l ! ` ――――――― |' |仆. い从《 { さ 弋辷シ !l ヽ 从 ヾ|入 ミ, 弋ソ "¨ !l \ 入 \! ,,,, ´ "" /!l \ / ` / ヽ = ,イ || ト、 . / ! f > 、 __.. '´ | || ヽ ! \ | .|、 .! \ _,,!_, -‐" ̄」| \ ! .\ ヽ . . 辷」\ `zM<_ ,ィニニ‐ヽ \\ `''ニ二三三三 `" ¬';;;;;;;;;;;;;Y´;;;;;;;;;;;;;l彳´ ヾト、 \\ !;;;;;;;;;;;r‐!;;;;;;;;;;;;;;;;レ´ \\ \`―――――‐. /;;;;;;;;;ヽレ';;;;;;;;;;;;;,イ }  ̄`"¬ニ二二辷―― f;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;l ! ! `ミニニ |;;;;;;;;;;人;;;;;;;;;;;;;;;;! | ト、 \ 7¨¨´|;/`'―‐く / { \ 、 . /;;;;;;;;;;l.|;;;;;;;;;;;;;;;;〈 | \ \ 廴;;;;;;;;|.|;;;;;;;;;;;;;;;;; \ ノ \ \ 衣「今、お嬢さんと呼んだが?」 京太郎「? まぁそうだけど」 衣「称賛に値するぞ。因みに迷子ではない、馬鹿にするな軟派」 京太郎「あ、ごめん。名前は?」 衣「天江衣。龍門渕高校の二年生だ」 京太郎「……え?」 衣「そして……久方ぶりだ」 衣「悠久の時を経て、望みが叶うとは」 衣 好感度判定あんか 124 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 15 59 29.35 ID D5Nz3WExO [5/11] 衣 128 衣「まだ……あの時を思い出せないか?」 京太郎「……?」 衣「さぁ何処に行く?」 京太郎「え?遊ぶの!?」 衣「無論!」 衣「さぁ!」ウキウキ 京太郎「……」 やけに楽しそうだな。 / / / / ヽ ヽ / / / / /,イ | ! l ヽ ! ./,イ / / // l | .ハ | | | /// i i / ,' | | |',| Ⅵ i!| | | .〃 i i! ||― A.」 | | | i! ,斗―- ,リ| | | || | | !| ||! | | |\ハ | レく | / /! / i! |! W.!l !|ヘ l N {!ヘ N | /ル' リ .,イ! i! | ヘ从 i!i! ヘ! \ ! !/' / //'! i! ∧ 从z≠气x `\,z≠ミx 厶イ | | / ヾ=トゝ `/ | | / { ' / ! ! / 人 ヽ ノ ,/ | | / / > . . イ/,/ | | / / ̄ ̄\/ |\> --‐<彡 {」 || ! .八/ / Y´ ̄} >v<´ | || 「 ̄\\ 京太郎「んーそうだな」 京太郎「ーー」 1.レストラン 2.定食屋 3.自然が豊かな所( 1は全く長野分からないので分かる人が居たら教えてね☆) 安価下4 137 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 17 45 16.17 ID D5Nz3WExO [10/11] 133 135 ありがとうございます . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .(⌒ (⌒ヽ . . . , ' ⌒) . . . . . . . . . . . . (⌒ヽ ⌒ヽ. . . . . . . . . . . .. .. . . . . . . . . . . . . . . . . ( . . .)ヽ . . . . . . . . . . .( ( . .⌒⌒ ⌒ ⌒) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ( ⌒). . . . ); . . .⌒ . . ) . . . . . . . . . . ( (⌒ . . (⌒ ) . ⌒) . . . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .`ー' ー'⌒`ー' ヽ_ ノ. . . . . . . . . . . . . .`ー' `ー' . .`ー '. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ;;;;;ヾ);;;) ;;;;;ヾ);;;);;;;) ;(; 〃;;;|!;;;);;;;;;) _,,.-‐''" "'- 、 , -'"`'ー-、_ ;;;;;ヾ);;;)ヾ);;;;;) _,,.-‐''" ; ; ; ; "'- 、_,..-'''" ; ; ; ゙''ー-、,_ ;(; 〃;ヾ);;;) ;(; 〃;ヾ);;;)/;;;;;;;); (; ;;;;;;;);ヾ);;;) ;;;;;ヾ);|!;;) ;;;;;ヾ);;;);:、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" :、; ;" ;";`; ;" (;;;;;ヾ);;;));;;) ;(; 〃;ヾ;);;/;;;ヾ);;;);:、; ii" ;";ii`; ;":、; ;"ii ;";`; ;":、; ;" ;";`; ;"ii ;" ;";`; ;":、; ;" ;";`; ;":i、; i;"";`; ;" (; 〃;);;|!;;;ヾ);;;) ;;;;;;;;;;;;)|! ;;;;;ヾ);;;);,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;,;;;ヾ);;;);;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;;;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;;) - - ; ; ; ; ; ; ; ; ;- ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;-; ; ; ; ; ; ; - ; (;;ヾ);;;);ヽ)|!;);;/;;ヾ) ;;;;;ヾ);;;) - _ ; ; ; ; ; ; ; ; ; _ ; ; _ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; _ ;;’ (;;;;;);;;;;ヾ);;;);;;;;ヾ);;; |ii| - _ - -_ |ii ,.(.;; 。; (.,⌒.;; ⌒.⌒) - - - ,(.;⌒(.; :、; (. ,.;⌒ (.;; :⌒ ,(..;; 。; ;; :(.、,.;; 。; ;; :、);,. ; `" "'" ̄'"" .. "'" ̄""'''""""'''"" "'" ̄'"" ..`"'';;,. ; `"`"'';; (. ,.;; 。;,.;; 。; (.;; :、;(.; ;; 京太郎「おお……着いたな」 衣「うん!」 京太郎「なぁ……どうして衣は早死したんだろう」 衣「……!」パアァ 衣「分からない、でも……衣は嬉しい。また会えて嬉しいぞ」 0~50 ハギヨシ 51~99 ステルスさん 140 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 17 55 16.88 ID D5Nz3WExO [11/11] / ヽ / | | , i ! ! ハ ! ! | / / /l/| /|!ヽ | | | / _ L / / イん心 | | | | | /ヽ / / ゞ゚|!' j! ! ! '; | イん心!/ '' |! | | | } 八| ! トゞ゚'' 、 |! /| | | | | ト!込 ''' 、_, ' |!イ | | | | | | ! ` ト--- イ|! | | | | | | | ! _/弋_ _斗´{ | / ! | 川 | !-―「 } | /!イl/__ V | ! / ハ / . .、 / | \ ―.、 ,' | !〈 { ヽハ- イ、' .! ./ l ! ヽ `ヽ 〉 ;. . ! .| _/ ! 〉 } / / /. . ', } \ { ;′ ∨ // \ /. . . . ', / O〉 '; ! } ;' ` -- ∨. . . . . .∨ ;イ 〉 | j ! ヽ. . ./ ´ / ! _,ノ‐-ミ '; ∨! / ′ `,イ ト-- -―…  ̄ / 桃子「……何やってるんすか?」 京太郎「げっ!!モモ!!」 桃子「私と言う物がありながら……許せないっす」 桃子「この……龍門渕の大将さん」ユラッ 京太郎「げっ!消えやがった!」 衣「???」 京太郎「逃げるぞ!」 ダキッ 衣「久しい感触だ!」ワーイ 0~40 ハギヨシ 41~99 ガシッ 142 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 18 05 15.48 ID DhingoohO ハギヨシ「……」ニコッ 桃子「あっ……」 ハギヨシ「お帰りください……」 桃子「あ……はい」 ハギヨシ「さて……京太郎君」 京太郎「すげえ……」 衣「ハギヨシなら当然っ!」 ハギヨシ「準備は出来ています。衣様を連れてお逃げください」 京太郎「え……え?」 0~50 衣を連れて長野市へ 51~99 龍門渕の追手 144 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 19 56 58.43 ID sX0iXa0GO [1/25] 京太郎「うーん」 衣「……」 衣「恐らく衣を嫌う人間だろう」 京太郎「……」 衣「産まれてはいけないって……」 京太郎「……」 京太郎「産まれちゃいけない人間なんて居ない」 衣「……」 京太郎「だろ?」 衣「うん」 0~60 県外へ 61~99 龍門渕の追手 147 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 20 16 30.95 ID sX0iXa0GO [2/25] 追手「居たぞ!!」 京太郎「っ!」 京太郎「衣……掴まってろよ!」 衣「うむ!」ガシッ 京太郎「くそっ……!」ダダダ 0~50 逃げって県外へ 51~99 追手増える 149 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 20 21 15.06 ID sX0iXa0GO [3/25] 京太郎「……!」 衣「京太郎……?」 京太郎「どうするか」 衣「衣を置いて……」 京太郎「嫌だ!」 衣「京太郎……」 京太郎「行くぞ……」 0~40 逃げ切って他県へ 41~99 ガシッ 163 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 01 38.74 ID sX0iXa0GO [6/25] 煌「おや、こんな所でどうしましたか?」 京太郎「ちょっと泊まるところを探してて……」 煌「なら、私の家へどうぞ」 衣「いいのか!?」 煌「ええ、勿論です」ニコッ 京太郎「ありがとうございます!」 0~60 長野へ 61~99 追手 165 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 04 47.91 ID sX0iXa0GO [7/25] 京太郎「煌さんには助けられたな」 衣「うむ」 京太郎「よし、長野に戻るぞ」 衣「私もお祖父様と話をしたかった所だ」 京太郎「よし、行くか」 0~70 龍門渕へ 71~99 追手 167 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 13 49.99 ID sX0iXa0GO [8/25] 「ほお……わざわざ厄子を連れて来たか」 「この家に居るだけならいいが……」 「何度も男に外へ連れ出されたらたまらん」 「つがいは必要ない」 「さぁ、渡せ」 京太郎「へっ……やだね」 ハギヨシ「……」 京太郎「衣は俺と生きる。ならその呪いやら全部を俺にかけてもいいぜ?」 「馬鹿か……一人で押さえ切れるものでは」 ハギヨシ「いえ、彼に賭けましょう」 「萩原……!」 京太郎「ハギヨシさん……!」 衣「どうしてだ京太郎……どうして私の為にそこまで」 京太郎「龍門渕の汚れ……全部俺が背負うって決めたからな」 京太郎「お前の為に」 168 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 15 11.94 ID sX0iXa0GO [9/25] 0~70 ハッピーエンド 71~99 駄目 安価下9 多数決 181 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 25 02.42 ID sX0iXa0GO [11/25] 一編 エピローグ 真の愛 ハギヨシ「ゴフッ……役目は果たせました」 ハギヨシ「衣様も……一も……良かった」 ハギヨシの手から落ちる写真。 一と若き日のハギヨシが写っていた。 一「え……お父さん?」 一「お父さん……だったの?」ポロポロ ハギヨシ「一……」 ハギヨシ「今まで言い出せなくてすまない」 ハギヨシ「京太郎君に迷惑をかけないで……」 京太郎「ハギヨシさん……」 ハギヨシ「京太郎君……娘をお願いします」 ハギヨシ「今度のあなたは……誰よりも長く……娘と過ごすことになるのだから……」 183 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/06(日) 21 27 03.79 ID sX0iXa0GO [12/25] 数年後 一「お父さん……死んじゃった」 京太郎「……」ギュッ 京太郎「これからはずっと一緒だ」 一「うん……よろしくね」 一「あなた」 京太郎「おう」 これからは、俺が護る。 ずっとずっとーー カンッ 184 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 28 23.45 ID sX0iXa0GO [13/25] HAPPYENDING 185 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 29 51.73 ID sX0iXa0GO [14/25] ーーepilogue その身が朽ち果てようとも 187 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 45 58.85 ID sX0iXa0GO [15/25] 京太郎「……」 衣「なんとも無いな」 衣「やはり天は衣に味方していたみたいだ」 京太郎「そうだな」 衣「天晴れ!」 ハギヨシ「……」ニコッ 京太郎「あ、ハギヨシさん」 ハギヨシ「私はお暇を頂ました」 ハギヨシ「それでは」 衣「行ってしまうのか?」 ハギヨシ「ええ、絶対に止めないでください」 衣「並々ならぬ覚悟を感じる……分かった」 京太郎「ハギヨシさん……ありがとう」 ハギヨシ「……」ニコッ 188 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 21 50 06.11 ID sX0iXa0GO [16/25] 季節は冬。 ハギヨシ「京太郎君……もう手は貸せそうにありません」 雪が降り積もる長野。 ハギヨシ「娘と仕える家と衣様……」 ハギヨシ「私が呪いを受けた事で守る事が出来て良かった……」 当てもなく歩く。 その足取りは不確かで、今にも崩れ落ちそうであった。 ハギヨシ「ああーー」 走馬灯のように映る衣と一と京太郎の笑顔。 娘を見守って行きたかったがーー ハギヨシ「悔いは無い」 ドサッ 安らかな笑顔で男は役目を終えた。 カンッ 195 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 08 58.02 ID sX0iXa0GO [20/25] 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 次に行く高校は? 0~30 白糸台 31~60 臨海 61~99 清澄 安価下8 多数決 206 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 16 03.32 ID sX0iXa0GO [21/25] 臨海と清澄で決勝安価 0~50 臨海 51~99 清澄 安価下5 多数決 213 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 22 26.55 ID sX0iXa0GO [22/25] 咲さんといかに遭遇しないようにするか、ですね 判定 安価下3 智葉 安価下5 ハオ 安価下7 明華 安価下9 ダヴァン 安価下11 ネリー 226 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 38 32.47 ID sX0iXa0GO [23/25] それでは最後のルート始まります 智葉 61 ハオ 89 明華 47 ダヴァン 72 ネリー 38 --- 特別プロローグ ーー逃げろ。 逃げて、逃げて、逃げてきた。 だが…… それも通用しない。 どうしたらいい? どうしたら最愛の人をーー どうしたらあいつからーー 救えるのだろう。 京太郎「うわっ!」ガバッ チュンチュン 驚く程に朝。 京太郎「やべっ!臨海の入学式だ!」 ドタドタ 母「もうっ……」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 228 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 43 34.38 ID sX0iXa0GO [24/25] ハオ「おはようございます」 京太郎「あ、ハオさん」 ハオ「行こう、学校」 京太郎「はい!」 ハオ 高感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 230 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/06(日) 22 48 36.16 ID sX0iXa0GO [25/25] ハオ 109 ハオ「体験入部してくれたけど……」 ハオ「入部してくれるの?」 京太郎「はい!勿論です!」 ハオ「なら良かった」クスッ 京太郎「へへっ」デレデレ --- 放課後 京太郎「よし……」 京太郎「たのもー!」 ガララッ 智葉「お、来てくれたな。期待している」 京太郎「はい!」 智葉「まずはレギュラーの紹介からだな」 京太郎「よろしくお願いします!」 智葉 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 235 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 09 00 55.66 ID EtKiL+vnO 智葉71 明華「あら、本当に入部を」 京太郎「はい!頑張ります!」 明華「入部してくれるのは嬉しいけど……」 明華「この部活……」 京太郎「いえ!大丈夫です!競争を勝ち抜いてみせます!」 明華「男子一人も居ませんよ?」 明華「京太郎君を除いて」 京太郎「えっ……?」 明華 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 237 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 12 45 23.19 ID 4xdCKSKWO [1/2] 明華 77 ダヴァン「ハハハ!」 ダヴァン「ダイジョウブですよ!」 ダヴァン「きっとさらに部員はやって来マス!」 京太郎「……」 京太郎「智葉さん……」 智葉「……」ビクッ 京太郎「まだ……様子見で」 智葉「ま、まぁ……それでも大丈夫だ」 ダヴァン「頑張れば大丈夫でスヨ!」 京太郎「何を頑張れって言うんだ」 ダヴァン 好感度上昇 0~30 小 31~60 中 61~99 大 239 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 12 56 55.64 ID 4xdCKSKWO [2/2] ダヴァン 92 ネリー「あーあの時の」 京太郎「ようっ!」 ネリー「むー本当に入るんだー」 京太郎「それに関しては考慮させていただきます」 ネリー「あ、知ってるんだ」 京太郎「どうしてあの時教えてくれなかった……」 ネリー「私も知ったのは今日だよ……」 京太郎「」 ネリー 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 242 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/07(月) 17 53 35.48 ID GqxPqtFdO ネリー 88 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.バイト 7.TwitterとFacebookに登録 8.自由安価 安価下4 247 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 00 22 16.33 ID TR42E7l1O [1/7] 京太郎「街をうろうろするかな」 --- 京太郎「おお、流石大都会」 アスファルト照らす歩道の上、何処に行こうか悩む。 京太郎「ん?」 ふと後ろを見るとーー 0~50 照 51~99 照以外の東京在住であろう好きなキャラを 256 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 00 53 08.20 ID TR42E7l1O [3/7] 尭深「……」ペラッ 京太郎「……」 本を読みながら歩いている端正な顔立ちをした白糸台の制服を着た女性。 足取りがおぼつかなく、正直かなり危なっかしい。 チリンチリンッ 京太郎「危ないっ!」 グイッ キキキィー 京太郎「危なかった……」 尭深「ありがとう……」 腕を引っ張って自分の元へ引き寄せ、難なく助ける事が出来た。 無事で何よりだ。 尭深 好感度判定 安価下 260 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 01 13 45.89 ID TR42E7l1O [5/7] 尭深 87 ネリー 88 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 294 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 03 27.76 ID m3tOFKXXO [7/18] 照「ん……どうしたの?」 京太郎「出るの早いですね」 照「なんとなく予想できた」 京太郎「それは良かった……」 どんな話題を振る? 自由安価 安価下3 298 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 19 47.55 ID m3tOFKXXO [8/18] 京太郎「今から会えませんか?」 照「……」 果たしてそれは許されるのか。 またーーあの時と同じ事を繰り返してしまうのか。 3回目は懲り懲り。 きっと今回も私は一人で生きて行くのだろう。 それで、皆幸せ…… 全て思い出した。 過去の自分はとても滑稽と言う事だけが理解できた。 照「それなのに……どうしてやり直すのかな……私」ボソッ 京太郎「照さん?」 照「ごめんね……家遠いし夜も遅いから」 京太郎「あ、分かりました。おやすみなさい」 照「うん、おやすみ」 プツッ 照「……馬鹿だ」プルプル 299 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 20 20.31 ID m3tOFKXXO [9/18] 夜 京太郎の部屋 京太郎「よーっし電話するか」 安価下5 前週キャラあり 自由安価 305 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 25 05.67 ID m3tOFKXXO [10/18] prrrr 照「……」 prrrrr 照「京太郎……」 prrr 照「ごめんね……」 照「私はそこまで強くない」 照「うん……」 一日が終わりました 307 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 26 03.00 ID m3tOFKXXO [11/18] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 311 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 21 33 16.48 ID m3tOFKXXO [12/18] どんだけてるてる愛されてるんじゃあ…… 京太郎「照さんに会いに行くぞ……!」 京太郎「よし決めた!」 京太郎「咲の事とか聞きたいんだよ!」 京太郎「……あいつ泣いてた」ボソッ 0~50 白糸台到着 あわあわと会う 51~99 白糸台到着 あわあわとてるてる以外の白糸台生徒と会う 316 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 22 23 55.24 ID m3tOFKXXO [13/18] 京太郎「!」ピキーンッ 頭が……熱い! 頭が熱い…… --- 京太郎「照……出来ることなら……お前とこれからもずっと……」 ポタッ 照「うん……分かった。叶える」 京太郎「ありがとうーー」ガクッ ポタッ --- 京太郎「ああーー綺麗だ」 京太郎「ーー綺麗だよ」 照「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 --- 京太郎「はぁ……はぁ……!」 京太郎「あ……」 / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄--- 1.てる編第二章エピローグ 2.本編続行 安価下7 324 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 11 51.27 ID m3tOFKXXO [14/18] 健夜「……邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔された邪魔」ブツブツ 咲「えっと……健夜さん?」 健夜「何……?」ジロッ 咲「協力……しましょうか?」 健夜「……?」 咲「……」ニコッ 326 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 20 13.30 ID m3tOFKXXO [15/18] 京太郎「照っ!」 照「京太郎……」 全国大会の会場、二人は再び再開を果たした。 京太郎「元気か!?」 照「うん……」 京太郎「久しぶりにデートしないか?」 照「それがいい、私もそのつもりだった」 京太郎「よしっ!行くぜ!」 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . `丶 / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . / . . . . . . . . . ,イ } . . . . . . . . . . . . . . . . ′ i . . ./| . . ./{ハ ./ | . /\ . ./ハ . . | . . . . .i i . . . . | . / l . ./ ∨ レ' ∨ }Ⅵ . . . . .| | . |. . . .Ⅳ V | . . . . .| | . |. . . .| ___,. 、____ | . . . . .| | . |. . . .| ´ ` | . . . . .| | . |. . . .| ,斗ぅ芋ミ 斗ぅ芋ミ | . . . . .| | . |. . . .| {. 乂辷ソ 乂辷ソ .} | . . . . .| | . |. . . .|ハ ハ| . . . . .| | . |. . . .lヽ{ ' }ノ| . . . . .| | . |. . . .| .人 __ 人 | . . .| | | . |. . . .l | . | ...  ̄ ̄ イ l . | . . .| | |八 . . .ト、| . | . .r‐}` ー--‐ {‐ァ | .| | . . .| | \l _ |-‐'{厂 ア}ー- . _ | . 八| _ ,. < | | ノ/=ー-、 〈 | | 〉 ∧ ヽ / ∧ 健夜「……」 327 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 23 31.35 ID m3tOFKXXO [16/18] 京太郎「楽しいか?」 照「うん。とっても楽しいよ」 京太郎「それは良かった!」 久しぶりの再会。 出会い。 奇跡的な運命。 もう邪魔する人間は居ない……そう思っていたのに…… サクッ 京太郎「えーー?」 照「あ……」ゴフッ 京太郎「ちょっ……」 330 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 28 57.08 ID m3tOFKXXO [17/18] ドサッ 照「あ……あ……」 健夜「いい所に刺しちゃった」 醜く口角が上がる。 健夜「これで京太郎君は私の物だね」ニヤリッ 照「あっ……あっ」ピクピク 照「京太郎……京太郎……」ポロポロ 咲「久しぶりだね」スッ 照「咲……あぁそうか」 照「思い出したーー」 ガクッ 京太郎「咲……小鍛冶健夜……!」ギリギリ 京太郎「うわぁぁぁぁ!!!」ダッ その後どうなったのかは覚えたいない。 ただ確実に俺は人として死んだ。 それだけしか分からない。 332 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/08(火) 23 31 13.21 ID m3tOFKXXO [18/18] 本編再会 京太郎「あ……」フラッ ドサッ 淡「んー?」 淡「どうしてこんな所に人が?」 淡「テルー!テルー!」 淡「人が倒れてるよー!」 照「……!」 照「京……太郎」 淡「え?ねぇねぇ?知り合い?」 333 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 11 27.71 ID Lb8sBZhrO [1/13] 京太郎「ん……ここは」 病院? 京太郎「はぁ……倒れちまったか」 照「良かった……怪我は無い?」ウルウル 京太郎「照……」 照「っ!」 照「思い……出した?」 京太郎「おう、バッチリ」 照「ーー」 0~50 「そう……帰るね」 51~99 「本当……?」 336 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 24 48.02 ID Lb8sBZhrO [2/13] 照「本当……」 京太郎「ああ」 照「もし本当なら私と関わらない方が良い」 京太郎「どうしてさ」 照「本当に分かってる?」 京太郎「健夜さんと咲に襲われるかもなぁ」 照「っ!」 京太郎「でもな……俺はお前が好きなんだ」 照「……」 照「帰る……またね」ガチャッ 京太郎「照……」 337 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 25 38.15 ID Lb8sBZhrO [3/13] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 342 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 33 34.84 ID Lb8sBZhrO [4/13] 京太郎「メールしようかな」 自由安価 前週キャラあり 安価下4 347 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 36 58.57 ID Lb8sBZhrO [5/13] 京太郎「……」 --- 次こそはうまくやりたい。 考えさせて。 どうしてさ。 とても難しいから --- 京太郎「難しいか……」 京太郎「助けたい……」 京太郎「今度こそ……」 348 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 00 37 38.26 ID Lb8sBZhrO [6/13] 夜 京太郎の部屋 京太郎「ん?電話……」 安価下5 前週キャラなし 自由安価 355 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/07/09(水) 01 29 04.21 ID Lb8sBZhrO [7/13] 京太郎「もしもし」 照「もしもし」 京太郎「照、どうした?」 照「もう……別れよう?」 京太郎「そっか……そうだよな」 照「きっとまた、苦しい思いをする」 苦しい思いをするのは自分だけで十分…… きっとそう、これからも。 京太郎にはもう辛い思いをさせたくはないのだ。 全国大会になったら私は殺されるかもしれない……だけど。 一人で死ぬ事に意味がある。 京太郎「なにかあったら電話しろよ……」 照「うん。またね」 プツッ 京太郎「照……」 一日が終わりました 356 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 01 31 18.60 ID Lb8sBZhrO [8/13] これからは登場人物選択に照を選ぶ事が全国大会の日まで出来ません(すぐ全国大会になります) それまで周りのキャラの好感度をあげるなり人脈を広めるなりしましょう。 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 363 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 01 48 44.64 ID Lb8sBZhrO [9/13] 361 Yes 京太郎「よし、学校行くか!」 京太郎「照なんか忘れて……!」 京太郎「照なんか……」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 366 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 02 06.95 ID Lb8sBZhrO [10/13] 明華「こんにちは」ニコッ 明華「昨日はおやすみしていましたけど……大丈夫ですか?」 京太郎「あ、勿論大丈夫ですよ!」 京太郎「大丈夫……」 明華「明らかに落ち込んでいらっしゃいますね……」 京太郎「うぅ……」 明華「……」サワッ 彼女の手が俺の頬に触れる。 明華「今度……一緒に唄いませんか?」 京太郎「唄ったら気分が晴れるから……とか?」 明華「Oui!」 好感度上昇安価 0~30 小 31~60 中 61~99 大 368 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 14 41.00 ID Lb8sBZhrO [11/13] 明華 107 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 372 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 46 25.72 ID Lb8sBZhrO [12/13] 京太郎「ちょっと……時間潰すか」 智葉「ん?」 智葉「どうした」 京太郎「すこし暇潰しを」 智葉「そうか……」 智葉は思案する。 二度三度京太郎を見てから思い立った事を口にする。 智葉「なぁ……麻雀部は嫌か?」 京太郎「いえ……これからもよろしくお願いします」 智葉「という事は……!」 京太郎「はい、正式に入部します」 智葉「それは嬉しい限りだ」 レギュラー全員の希望が叶った。 京太郎「……メガネ外してると可愛いですね」 智葉「……っ!」カァァァ 威力の強い不意打ち、だったそうな。 0~30 小 31~60 中 61~99 大 375 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 02 50 44.25 ID Lb8sBZhrO [13/13] ゾロ目ボーナス!! 智葉 121 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 382 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 09 38 33.03 ID j/BmDiVYO 自分の行動が知られるようになりました。 京太郎「よーし、TwitterとFacebookに登録だ!」 --- 京太郎「よし……登録出来たっと」 ピロロン 京太郎「ん?」 京太郎「……メッセージだ、誰だろう?」 安価下3 自由安価 健夜と咲と照以外 ここでの接触は強制前週キャラはありません 386 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 10 46 56.56 ID 1JHCYstNO [1/2] ビッグスター あなた、うちの学校の前で倒れてたよね きょーたろー え?なんで知ってるんですか? ビッグスター だって私が第一発見者でテルーに報告したんだから きょーたろー ありがとうございます ビッグスター じゃあ今度お菓子でもおごってよ きょーたろー お安い御用です! ビッグスター じゃあ今度私の学校来てねー ビッグスター 顔は私が覚えてるからだいじょーぶ! 京太郎「照さんの事……知ってるし悪い人ではないだろう……多分」 387 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 10 47 42.08 ID 1JHCYstNO [2/2] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 394 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 12 05 46.22 ID Lx3yXQmKO [1/3] ヤンデレにならなきゃあ良いんですよ!ヤンデレにならなきゃあ! 京太郎「雀荘行くか」 0~20 すこやん 21~40 うたたん 41~60 のよりん 61~80 はやりん 81~99 かいのん 396 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 12 29 38.32 ID Lx3yXQmKO [2/3] 良子「さぁ……打ちますか」 京太郎「あなた……プロの」 一度会った事あったな。 良子「ふむ……酷い物が憑いてますね」 京太郎「へぇ……」 良子「これは怖い怖い」 良子「祓ってあげましょうか?」ニコッ 京太郎「……」 良子「……」 良子 好感度判定 安価下 405 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/09(水) 23 46 37.21 ID T3vhuWAfO 良子 好感度max 依存度max 顔が酷く歪んでいた……気がする。 良子「そうだ。私の家に行きましょう」 良子「私の家なら“道具”も揃っている。きっと祓えますよ」ニコニコ 京太郎「“戒能”プロの家かぁ……」 きっと高級マンションの最上階とかなんだろうなぁ…… 良子「……」ピクッ 良子「善は急げですよ?」 良子「今こうしている間にも……」 真剣な眼差しで見つめる。手をしっかりと握って…… 0~90 「分かりました。お願いします」 91~99 (あれ……俺の知っている戒能プロと口調が違う?) 410 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 38 16.18 ID cayVmblrO [1/18] ??? 依存度2/10 エピローグ キュルキュル 京太郎「ここが戒能さんの家かぁ……」 高層マンションの最上階。 窓ガラスは綺麗な夜景、笑顔の京太郎と……良子を映していた。 良子「いつもこの景色は独り占めしてきましたが……」 キュルキュル 良子「さ、早く祓いますよ」 京太郎「お願いします」 良子「目……瞑ってください。」 京太郎「はい」 シュルシュル キュッ 良子「はい」 京太郎「目隠し……ですか?」 良子「はい、簡易的な物ですが」 良子「……」ブツブツ 京太郎「……」 良子はお経のような……独特な言葉を小さな声で読んでいく。 そしてーー 411 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 38 44.15 ID cayVmblrO [2/18] キュルキュル 照「京太郎……」 キュルキュル 412 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 42 21.59 ID cayVmblrO [3/18] 京太郎「照っ!!」 照「大好きだよ……」 京太郎「照っ!」ダキッ ギュウウウウ 照「あ……激しい」 キュルキュル 照「来て……私……初めてだよ」 キュルキュル ドロォッ 京太郎「っ!」 京太郎「照っ!」 視界が歪む、照が崩れる、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もーー 照「イエス……グッドですね」 414 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 45 52.05 ID cayVmblrO [4/18] 京太郎「うわぁぁぁっ!」 良子「大丈夫……ですか?」 キュルキュル 良子「ひどいドリームにうなされていましたが」 京太郎「俺……戒能プロにお祓いしてもらって」 良子「お祓いは成功……ですよ?」 京太郎「ああ、それなら良かった」 良子「……」ニコッ 京太郎「照」 良子「そうですよ、京太郎」 カンッ 417 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 47 49.54 ID cayVmblrO [5/18] 淡とのFacebookTwitter安価は記録されています。 朝から再開 キュルキュル 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 421 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 00 52 16.58 ID cayVmblrO [6/18] 京太郎「よし、学校行くか」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 423 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 09 05.48 ID cayVmblrO [7/18] ハオ「おはようございます」 京太郎「おはようございます」 ハオ「麻雀、上手になりましたね」 京太郎「そうですか?」 ハオ「ええ、とっても」 京太郎「へへっ……ハオさんに言ってもらえると嬉しいなぁ」 ハオ「私はまだ全然ですよ」 ハオ「そうだ」 鞄を後ろ手に持って踵を返し京太郎に視線を向ける。 ハオ「下手な者同士、今度二人で勉強しましょう♪」 京太郎「はい!勿論です!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 425 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 10 48.36 ID cayVmblrO [8/18] ハオ 139 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 429 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 18 05.62 ID cayVmblrO [9/18] 京太郎「失礼しまーっす」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 431 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 22 50.23 ID cayVmblrO [10/18] ダヴァン「oh!ブラザー!」hahaha 京太郎「ダヴァンさん!」 ダヴァン「教えますネー!」 京太郎「はい!お願いします!」 ダヴァン「……」ニコッ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 434 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 25 50.55 ID cayVmblrO [11/18] ダヴァン 102 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 439 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 32 46.65 ID cayVmblrO [12/18] 京太郎「メールしようかな」 自由安価 前週キャラあり 安価下4 447 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 45 30.97 ID cayVmblrO [14/18] あれー?私のアドレス知ってた? まあな いつ教えたっけ? 内緒だ ふーん 今度白糸台に行っていいか? すぐに全国大会だよ? わすれてたぜ また……テルーに会えるよ、うん 448 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 01 46 22.53 ID cayVmblrO [15/18] 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 453 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 01 30.21 ID cayVmblrO [16/18] 京太郎「街をウロウロするか」 0~50 あらふぉー 51~99 お好きなプロ 456 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 07 28.94 ID cayVmblrO [17/18] 健夜「ああ……」 京太郎「っっ!」ビクッ 健夜「お久しぶりだね、京太郎君」ニコォ 京太郎「お久しぶりですね健夜さん」ギリッ 健夜「うん、大丈夫、怖くないよ」 京太郎「そんな野良猫を呼ぶような事しなくても大丈夫ですよ」 健夜「はぁ……私の物になって欲しいのに」 京太郎「最初はこんな人じゃなかったのに……」 健夜「君の所為だよ、全部」 京太郎「……今日は見逃しもらえますか?」 健夜「……うん」 457 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 02 08 30.52 ID cayVmblrO [18/18] 夜 京太郎の部屋 prrr 京太郎「ん?電話か」 安価下2 自由安価 前週キャラ無し 461 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 17 33 49.32 ID 8Fle5fhXO [1/2] 117 明華「あ、もしもし」 京太郎「はい」 明華「一緒に唄うにしてもどこにしますか?」 京太郎「あー」 そうだったな、そんな約束していたな。 京太郎「カラオケとか?」 明華「?」 京太郎「分からないですか?」 明華「カラオケ……」 明華「楽しみにしてますねっ!」 プツッ 京太郎「うーむ……嫌な予感が……」 一日が終わりました 462 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/10(木) 17 34 23.93 ID 8Fle5fhXO [2/2] 朝 行動フェイズ 1.登校 2.引きこもる 3.サボる 4.自由安価 安価下3 466 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 19 16.97 ID mSAh+wpHO [1/3] 京太郎「よし、学校行くか」 0~20 智葉 21~40 ハオ 41~60 明華 61~80 ダヴァン 81~99 ネリー 468 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 37 39.82 ID Ht2BuppNO [1/4] ネリー「おはよ」 京太郎「おう、おはよう」 ネリー「最近元気ないよ?」 京太郎「そう見えちゃう?」 ネリー「うん、ネリー的にもそう見えちゃう」 ネリー「皆心配してるよ」 京太郎「そうか……ありがとな」 ネリー「べ、別に……たまたまなんだからね」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 470 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 00 41 12.08 ID Ht2BuppNO [2/4] ネリー 98 キンコーンカーンコーン 京太郎「よし、放課後はどうしようかな」 1.麻雀部に顔を出す 2.デートをする 3.奉仕活動に勤しむ 4.まだしばらく教室で時間を潰す 安価下3 474 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 01 25 39.54 ID Ht2BuppNO [3/4] 京太郎「……ゴミ拾いするか」 健全な行いをしてこそ健全な人間になれるってもんだ。 --- 京太郎「お、ここにも」ヒョイッ 智葉「感心だな」 京太郎「あ、智葉さん」 智葉「どうだ?ゴミ拾いの方は」 京太郎「中々集まりましたよ、ほら」 智葉「……」 ゴミ袋と俺を一瞥する。 智葉「よくやったじゃないか」 智葉「よし……これから麻雀を教えてやろうじゃあないか」 京太郎「お手柔らかにお願いします」アハハ 0~30 小 31~60 中 61~99 大 476 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 01 28 48.87 ID Ht2BuppNO [4/4] 智葉「……」ジュルリ --- 智葉 151 行動フェイズ 夕方 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下2 480 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 15 59 23.68 ID mSAh+wpHO [2/3] 京太郎「街をうろうろするか」 0~50 良子 51~99 お好きなプロ 482 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/11(金) 16 09 08.65 ID mSAh+wpHO [3/3] 咏「おっ君は……須賀京太郎……君だったかな?」 京太郎「三尋木咏プロがどうして俺の名前を?」 --- ファミレス 咏「とある人から君の事をよくきいてたんだよ、しらねーけど」 京太郎「あ、そうだったんですか」 咏「で、見かけたらすぐ連絡を寄越せって」 京太郎「……!」ジリッ 咏「まぁ面倒だしそんな事しないよ、わっかんねーけど」 京太郎「……」ホッ うたたん 好感度判定 安価下 487 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 00 16 14.59 ID MtPd7yv3O [1/11] うたたん 72 行動フェイズ 夜 京太郎の部屋 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.自由安価 安価下4 497 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/07/12(土) 00 48 58.79 ID MtPd7yv3O [4/11] 京太郎「こんな人……居たっけ?」 --- あのー へえ え?誰ですか? ううん、気にしないで ? 大丈夫 よく意味が分からないんですけど…… よろしくね --- 穏乃好感度上昇安価 安価下 0~30 31~60 61~99