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  神無月の巫女 エロ総合投下もの 姫千歌風呂 その2   「千歌音ちゃん…?」 ――感じてる? 呆けたままそんな事を聞いてしまって、当然といえば当然だけれど千歌音には否定されて しまった。 「そんなこと…っ」 「でも、千歌音ちゃん…」 この感触は、勘違いではないはず。 そっと、千歌音の胸の先に触れさせた指を動かして尖ったそれを優しく撫でると、千歌音が 身体をそらして声を上げた。 「ふぁ…っ!あ…姫子…っ」 「やっぱり…」 感じているんだ。 そう思うと、嬉しいような、恥ずかしいような複雑な気分だった。 腰に回した手に力を込めて許さないけれど、千歌音が姫子から離れようと身を捩った。 相当恥ずかしいのだろう、こちらを見ようともしない千歌音の肩は小さく震えている。 「千歌音ちゃん……っ」 どうしよう。可愛すぎる。 震える首筋に頬を寄せて、強く抱きしめなおした。どんなにぎゅっとしても、足りない。 身体の奥から湧き上がってくる熱と欲望にじりじりする。 もう我慢の限界だった。 「姫――んんっ!」 顎を捉えて上向かせると、柔らかい唇を貪った。ぎゅっと閉じられた目の端には僅かに 光るものがあって、それがまた激情に拍車を掛ける。 ――こんなの、反則だよ千歌音ちゃん。 「ごめんね…っ、千歌音ちゃん…」 唇を啄ばんで、口内を舌で愛撫するその合間に言葉を紡ぎ出す。 「ん、はぁ…、んん…っ、…姫子?」 「私、もう我慢できないよ…。その…」 身体に巻いていたタオルを解いて、千歌音の背に抱きついた。あまり大きくはない胸が、 千歌音の背との間に押し潰される。 伝わっているだろうか。胸の様子、心臓の鼓動が。 「あ…。姫子…も…?」 呆けた千歌音の声に、僅かに安堵の響きが混じる。 恥ずかしかったけれど、こくりと頷いて姫子は千歌音の唇を塞いだ。 「ん……ぁふ…、ん…っ」 「…っ。…千歌音ちゃん」 キスを交わしながら、両胸に這わせた手でその先端を愛撫していく。ふと思い立って ボディソープを直接手に取ると、豊かな胸に塗りつけた。 「ふぁ、あっ…!?」 「千歌音ちゃん…善くしてあげるね。…ううん、させて」 ぬるぬるのボディソープは潤滑油の役割を果たしていて、多少強く揉んでも大丈夫 のようだった。 滑って上手く掴めないから痛みはないようで、込められた力の分だけ強い刺激に変わる。 「んく…っ、あぁ……んっ。だ、駄目…、こんなところで…姫子…っ」 くにくにと先端を揉んでいた手を片方、滑らかな肌で石鹸を擦り落としながらお腹の方へ 下ろしていく。 「駄目なの?でも……ほら、千歌音ちゃん」 ぬるり、と左手に熱く濡れた感触。そっと秘裂にそって指を奥に滑らせると、千歌音の 腰が引いて姫子の腕を抱え込むように前のめりになった。身体を捻ってこちらを見上げてくる。 何かを懇願するような眼差し。何度も見覚えのあるそれは姫子の背筋をゾクゾクさせた。 「…ベッドに行きたいの?」 胸と秘所を愛撫しながら、うなじに口付けて囁いた。ぎゅっと姫子の腕にすがりつき ながらこくこくと頷く千歌音の唇からは、抑えきれない甘い吐息が漏れている。 そんな表情が、艶かしい姿態がますます嗜虐心を煽るのだと、どうして千歌音は 気付かないのだろう。頭の回転の速い千歌音なら分かりそうなものなのに、何度 夜を繰り返してもこれに関してだけは学習が無い。 ――それとも、誘っている? 「でも、これから身体洗って、服着て、寝室に戻って…それまで我慢できる?」 千歌音は迷った末に微かに頷いたけれど、少なくとも姫子は出来ないと思った。 こんなに可愛い千歌音を見せつけられていて、燻っている熱が上がりこそすれ 下がることは無い。 「私は無理かな…。だって、千歌音ちゃん…すごく可愛い」 責任は取ってもらわないと、と姫子は自分でも呆れるくらい勝手なことを考えながら、 千歌音の首筋に唇を這わせていった。千歌音はなんだか泣く様な声を出して身悶えた。 「ぃ、んん…っ」 秘所に這わせた手でゆっくり敏感なところを撫でながら、暴れる千歌音の腰を抱える。 「椅子、危ないから取っちゃおうか。ちょっと腰上げて?千歌音ちゃん」 椅子をどけると、タイルの上に腰を下ろした姫子の脚の間に座らせた。浴室の温度に 温められているタイルはそれでも上気した肌より冷たくて、千歌音の身体がびくりと跳ねる。 「ね…千歌音ちゃん、どうしたらいい?」 腿で千歌音の腰を挟んで、逃がさない。 本当は、千歌音に訊ねるまでもなく姫子は千歌音の弱いところなんて知り尽くしている から、的確に其処を愛撫することが出来る。 それでもこう意地悪するのは、もっと可愛い千歌音を見たいが為だ。 姫子の思惑通り千歌音は泣きそうな顔をして首を左右に振ると、更に身体を捻って 姫子の肩口に頭を押し付けてきた。 「恥ず…かしい…っ」 足腰に力が入らなくなってしまうくらいにゾクゾクする。 姫子は、背筋を快感が這い上がってくる感覚に身を震わせた。 「千歌音ちゃんは恥ずかしいと感じちゃうんだね。私、我慢してちゃんと洗ってたのにな…」 「や、や…ぁっ」 鏡を見れば、そこには秘所と胸を愛撫されて悶えている千歌音の姿が、正面から 映し出されている。 綺麗だった。 姫子は千歌音を抱き直して正面を向かせると、千歌音が動きにくいように肩に顎を乗せた。 「千歌音ちゃん、もうちょっとこっちに体重かけてくれる?」 もう抗う気力も無いのか、目を閉じた千歌音は大人しくそのまま姫子の手にされるが ままになっている。こうすると、より一層千歌音の裸体が露に照らし出された。 硬く尖りきっている先端を転がして刺激しながら、豊かな胸を揉んでしばし感触と反応を 楽しんだ。 「――ここで、して良いよね?」   迷った末に、千歌音はこくりと頷いた。 こんな場所で、明るい中で――という羞恥心はあるのだけれど、それ以上に身体の 疼きが耐え難いものになりつつあった。 それに、姫子も興奮して、感じてしまっているから。 千歌音だけがそうなのだったら、恥ずかしくてとてもこんなところでの行為は許容でき ないけれど。姫子もそうなのだ…という事実は、千歌音の心をひどく容易に柔らかくする。 風呂場で電気を消しては危ないから、明るいのだけはどうしようもない。目を閉じて 何も見えないようにしていても、瞼越しに感じる明るさに恥ずかしくなってくる。 「千歌音ちゃん…。千歌音ちゃんの身体、凄く綺麗」 千歌音は視界を遮って何も見えない。けれど、もちろん姫子は目を閉じてくれないから そういうわけではない。その上このような事を言うなんて意地悪だと思う。 「姫子…お願い、見ないで…っ」 「やだ。だって、私ね、千歌音ちゃんの裸こんなにちゃんと見るの初めてなんだもん」 ふにふにと、姫子の指先が千歌音の胸先を摘まんで揉んだ。嬲るように。 「ぃあ…っ、ずる……いぃ…っ」 「じゃあ、目を開けて?私、千歌音ちゃんみたいに綺麗じゃないから恥ずかしいけど、 見ていいよ」 戸惑っていると、姫子が耳元でくすくすと笑った。 先ほどから姫子の手は、後ろから千歌音の胸に回されていて、柔らかく愛撫を続けている。 気持ち良いけれど強くは無い刺激の連続に、少しずつ慣れて呼吸も落ち着いてきた。 代わりに、それ以上を求める切ない疼きがじわじわと身体の芯から湧き上がってきて いるのが分かる。 「もったいない事したなぁ…。こんなに可愛い千歌音ちゃんが見られるなら、 もっと早くこうしておけば良かった」 「…っ」 居た堪れなくなって身体を隠そうと背を丸めると、姫子に腕を取られて遮られた。 「あ、千歌音ちゃん右手挙げておかないと、包帯濡れちゃう。…そうだ、身体洗ってる 途中だったね」 と、何の名残も無しに姫子の手が胸から離れた。 「――えっ?」 ここで、すると言っていたのに。 驚きと焦燥に千歌音が目を開けると、姫子がにっこりと笑って千歌音の右側に座り こんで、支えるように背中に手を回してきた。千歌音の右腕は姫子の首に回させられる。 「あ――」 「洗ってあげるね、千歌音ちゃん」 焦らされて熱を持った身体を持て余していたけれど、千歌音は頷くしかなかった。 千歌音から続きの催促をするなんてはしたない事、出来るわけがない。 姫子の手がもう一度スポンジを取って、ボディソープを多目に泡立てる。 それを胸から腹、脚へと満遍なく滑らせていく。 すぐに全身が白い泡にまみれた。 「ん…っ、んん…」 必死に声を堪えていると、スポンジが身体から離れて。 洗い流してもらえるのだ、とホッとしたら、今度は直接に姫子の手が肌に触れてきた。 「ゃんっ…!姫…子!?――んっ、く、あっ、ああ……っ」 石鹸でぬるぬる滑る奇妙な感触は、これまでに経験したことの無いもので。 「暴れちゃ駄目だよ、千歌音ちゃん」 「ふぇ、…っあ、あぁ…、んっ!んん…っ」 引き寄せられるままに姫子の胸元に額を寄せて、その首に両腕でしがみついた。 それでもどうしても湧き上がる快感に堪えられなくて、各所を撫でられる度揉まれる度に 身体が跳ねてしまう。 「もうそろそろ流して良いかな…」 姫子がそう言ってシャワーの栓を捻って千歌音の身体を洗い流す頃には、 すっかり全身から力が抜けて、息が上がってしまっていた。 どれくらいの間堪えていたのだろう。敏感なところに触れてもその表面を 撫でるだけで、決して強くは刺激してこない姫子の手に。 達するには至らない、じれったい快感が全身を妙に過敏にしてしまっていて、 泣きだしてしまいそうな気分だった。 頭がぼうっとする。全身が熱くてぐったりする。 身体の芯が、はしたなく疼いている。 「姫…子…。お願い…だから、もう…っ!私、これ以上は……」 「我慢できない?」 嬉しそうに笑って姫子が言う。 なまじ邪気が無いだけに性質が悪い。 「お願い……」 「可愛いおねだりだね、千歌音ちゃん」 笑いながら顔を寄せてきて、唇を塞がれた。背中に回された手が一層千歌音を 引き寄せ抱え込んで、横抱きされる形になる。 千歌音は、抗議の意を込めて肩口に強く額を押し付けた。 「そんなにしがみつかれたら、出来ないよ千歌音ちゃん」 姫子がくすくすと笑って、少し身体を離した。 そんな事を言いながら、手はしっかり内腿を撫でさすっている。 「あ…、……っ!」 それがじわりじわりと上に移動してきているのを感じながら、千歌音は姫子の 肩口に唇を押し付けて、じれったい快感にただ耐えた。 「ん、ふっ……千歌音ちゃん、私のお願いもきいてくれる…?」 千歌音の熱い唇がいきなり肌に触れて、一瞬びくりとした。愛撫する手が 止まらなかったのは幸いで、千歌音には気付かれずに済んだようだけれど。 「ん……」 赤子のように肌に吸い付いたまま、千歌音が鼻にかかった声を漏らす。 熱いのは、千歌音の唇ではなくて、きつく吸われた肌なのかもしれない。 「目、開けて」 「っ…!…ん」 しばしの逡巡の後、千歌音は薄く目を開けてそのままこちらを上目遣いに 見上げてきた。 声を抑えるためだろう、唇はそのまま肩に押し付けているから、その仕草は なんだか幼くて可愛らしい。そのまま目を伏せる表情が艶かしくもあった。 「……っ」 ――自業自得だよ、千歌音ちゃん。 もっと焦らして。 もっと可愛い千歌音を見たい。 なかせて、みたい。 「うん…そのまま、前見て」 「――っ!」 千歌音の前方には、鏡がある。 浴場でも曇ったりなんかしない、高級な磨きこまれた鏡が。 「ね?千歌音ちゃんの身体、綺麗でしょ?」 ぴたりと動きを止めていた千歌音が、ハッとして視線を背けると、姫子の胸に 押し付けるように頭を振った。 「あ、駄目だったら、千歌音ちゃん。ちゃんと見て」 脚の付け根を撫でていた指で、千歌音の敏感な突起をぐいと押し込んだ。 「ん、ああっ…!」 いきなりの刺激に千歌音の身体が跳ねた。 「姫…子…っ!やめて…」 「あれ?止めて良いの?」 「それは…そ、その…だけど。でも、こんなの…恥ずかしくて、どうにかなってしまう」 「…良いよ。どうにかなっちゃっても、ちゃんとお部屋まで運んであげる。 ……今日は千歌音ちゃんのお世話するって決めたんだから」 「姫…」 「ね、だから千歌音ちゃん。ちゃんと鏡見て?じゃないともっと意地悪しちゃうよ」 指先で、蜜に濡れた突起を転がす。千歌音が敏感に身体を跳ねさせるのが 面白くて可愛い。 「や…っ」 「そっか、意地悪されたいんだ…。千歌音ちゃん、恥ずかしい事されると感じちゃうんだもんね」 「そんなこと…な…っ、あ、あぁ…っ!」 秘裂に沿って指の一本を滑らせると、溢れる蜜が絡み付いて淫靡な水音を立てた。 「ほら、さっき洗い流したのに、もうこんなにとろとろになってるよ。 これでも、そんな事言うの?」 「くふ、はぁ…、あっ、んぅ…」 「もう…千歌音ちゃん」 背中を支えていた手を下に滑らせて、お尻の下から熱い蜜を掬い上げる。 そのまま指を少し引いて、其処にあてがった。 「えっ!?」 途端、びくりと千歌音の身体が跳ねて背筋が伸びる。 「やだ、駄目っ……姫子!其処は違う…触ってはだめ…!汚いから……」 「汚くなんか無いよ。だって千歌音ちゃんだもん」 先ほど洗ったばかりなのだから汚いはずが無いけれど、汚いのだと言うのなら なおの事綺麗にしなければ。 ここは風呂場で、千歌音の身体を洗うためにきているのだから。 緩々と撫で回して蜜を馴染ませるように擦ると、その度に千歌音の腰が指から 逃げるように浮いた。 「ふぁ、んんっ!あ――」 「わ、千歌音ちゃん、えっちぃ…。こっちの方が感じちゃうんだ……」 「――っ!」 激しく首を振る。 姫子の指先には、其処がひくひくと脈動しているのが感じられる。緊張してきつく 締まる其処は、それでもぬめる蜜の助けを借りた指の侵入を容易く受け入れた。 「あ――」 楔を打たれたように千歌音の背が伸びて、身体が強張る。 「お願い…抜いて…っ」 「だめ」 中でくにくにと指先を動かして、きつい其処を段々と馴染ませていく。 「あ、つぅ…ッ!姫子…動かしちゃ、あ、だめ……」 「ね…鏡見て、千歌音ちゃん」 千歌音がようやく鏡を見る。居た堪れないように視線をさまよわせながら だったけれど、姫子がさらに指をくねらせると顔を前に向けた。 「や…ああっ…」 「目、閉じちゃ駄目だよ、千歌音ちゃん」 言いながら、くい、と千歌音の後ろに差し入れた指を動かす。 「くぅ、ん…っ!」 声と共に、千歌音がぎゅっと目を瞑った。 「あ、駄目だったら」 「ふぁ…っ、ああっ姫子…っ、だって今のは…、あっ!…ん、ぅ…ん、はあ…ぁ」 段々と千歌音の声に甘い響きが混じって、抵抗から力が抜けていく。 「こっち、ほんとに感じやすいんだ……」 「いやぁ…っ」 「今更いやって言っても、説得力ないよ、千歌音ちゃん」 「んん…ッ!違うの…だって、こんな」 「ぅん…」 ぴたり、と指を止める。すると千歌音の腰が僅かに求めるように揺れて、 でもそれは見なかった振りをしてあげた。 「……っ」 「ね?千歌音ちゃんの身体、綺麗でしょ?」 「そんな事…ない…っ」 目を背けたくても背けられなくて、千歌音が泣きそうになりながら精一杯の 抵抗を口に出す。 潤んだ瞳が、目の縁に溜まった今にもこぼれそうな涙が、姫子の劣情を激しく煽る。 下腹部がどくりと脈打つ感じがして、まだ一度も触れられていない秘所が じりじりと疼いた。 首に回された右手はそのままに、肩を開いて千歌音の身体を正面から鏡に 向けさせる。 「これから、教えてあげるね。千歌音ちゃんの綺麗なところ、可愛いところ、 気持ちよくなれるところ」 「姫、子…、恥ずかしいから…っ、お願い、普通に…」 「でも、せっかくお風呂場に居るんだもん。ね?」 千歌音の身体に一瞬力が篭る。 けれど、そんな可愛らしい抵抗は指先一本で封じることが出来るのだ。それをもう 千歌音も分かっているから、泣きそうになりながらも千歌音は鏡を見つめ続ける。 それを鏡で確認しながら、姫子は千歌音の身体に手を這わせていった。 鏡に映る千歌音の裸体の美しさに、ほうっとため息をついた。 「全然無駄なお肉がなくって、ウェストなんてこんなに細い…良いなぁ」 腹部を撫でる手を、そのまま上に滑らせた。 「それなのに、お胸はこんなに大きいし、形もいいし……」 「あっ…!」 「可愛い。ね、千歌音ちゃん……千歌音ちゃんのここね、ちょっと撫でるとすぐ かたくなっちゃうんだよ。――ほら」 「ふぅ、ぅんっ、く、あぁ…っん」 「赤くなって、可愛い。こってるね…揉みほぐしてあげよっか」 そうして説明しながら、姫子は次々に千歌音の身体を愛撫していった。 感じやすいところ、綺麗なところ、姫子が好きな身体の部位。 しばしば千歌音は羞恥と快感に目を瞑って、それが長くなると後ろに 差し入れた指先で牽制した。 「うん…それでね、こっちが――」 「あっ、や、いやぁっ……!」 内腿に手を滑らせて、少し力を込める。 と、それまで隠れていた秘所が鏡に映されて、千歌音は悲鳴を上げた。 「千歌音ちゃん、脚開いて?」 くにくにと左手の指先を曲げて合図する。 「ふぁ……ぁん、ふぅ……ん…っく、ぅう」 捩じるような動きを付け加えると、千歌音はもうほとんど泣いていると 言ってもいい声を上げながら、少しずつ脚を開いていった。 「――綺麗」 「や、ぁ…っ、ああっ!」 羞恥に堪え切れなくなって千歌音が頭を振ると、 「千歌音ちゃん…可愛い」 額に口づけて千歌音を抑えながら、姫子が言った。途中からは姫子の手を 借りて大きく開いた脚の間からは、これまで自分では見たことも無い部分が 明るい照明の下、まざまざと照らし出されている。 「……っ」 恥ずかしい。消えてしまいたい。 こんな風にはっきりとその部分を見たのは、初めてだったけれど。 其処は、とても―― 「綺麗だよ、千歌音ちゃん」 思考を、まったく正反対の言葉で姫子が遮る。熱に浮かされたような、ため息と 一緒に吐き出されるような、そんな掠れた声。 千歌音は首を振る。けれどもそんなのが今の姫子に通じるわけが無い。 普段は気弱なくせに、こういうときだけはいつも姫子は強気で強引なのだ。 「ホントだよ。…嬉しいなぁ。いつもは、お部屋が暗いから、こんなにちゃんと 見られないでしょ?」 本当は、暗がりの中でさえ姫子にこんなところを曝け出すのは恥ずかしい。 でも、姫子がどうしてもと求めるから。求めてくれるから。 逃げ出したい気持ちを必死に抑えて、いつもそれを許容する。 「見ないで…っ」 それでも、忍耐強さには自信があったけれども。あまりにこれは恥ずかしい 行為だった。 姫子は酷薄に笑って、鏡の中の千歌音から、千歌音に視線を移す。 「――い、や」  「姫子……っ!」 「赤くなって、ちょっとふっくらしてるでしょ?千歌音ちゃんが感じてる時ってね、 いつもこうなってるんだよ」 「い、いや…そんなの言わないで」 姫子は無情にも指で其処を左右に押し開いて、完全に露出させていく。 「――ここが、甘いおつゆが出てくるところ」 くちゅくちゅと掻き回されて、腰が踊る。それで一層刺激が増してしまうけれど、 姫子がまだ最後までしてくれる気は無いのだと分かるから、必死に腰を抑えて堪えた。 「こうして中に入れてね…ん、っと、このあたり」 「んぁ、は……、あぁ……あっ!」 姫子がなかで指先をぐいとお腹側に曲げて、千歌音の反応を見ながら探っていく。 「んくぅ…っ!うぁ…っ、あっ!――ああっ!」 「ここを強く押し上げたり、揉んだりするとね…。――千歌音ちゃん、目、開けて」 目を開けると、姫子があいた指で千歌音の一番敏感な処を露出させた。 「っ!あ……っ」 「動いちゃ駄目だよ、千歌音ちゃん。――ね?分かるでしょ?なかの…このあたりを 強くいじるとね、千歌音ちゃんの此処…」 「聞きたくない…っ、やめて姫子…!」 聞かなくとも、一目瞭然だった。 姫子の指に露にされたその敏感な肉芽は、いやらしく充血して膨らんでいる。 姫子はくすくすと笑った。嬉しそうに。 「すごく敏感になっちゃうんだよ。どっちか片方いじるより、何倍も反応してくれるの」 それを証明するかのように、姫子が内壁をぐいと揉みあげながら、開いた指で 肉芽を軽く転がしていく。 それだけで、もう千歌音は軽く達してしまいそうだった。其処から快楽の波がじわじわと 広がっていく。 「可愛い……。千歌音ちゃん」 なのに、姫子は愛撫する指を止め、なかからもするりと指を抜いて離れていってしまった。 「あっ…」 その感覚が狂おしいほどに切ない。多分このまま最後までしてはくれないのだろうと、 分かっていたはずなのに。 頬を涙が伝う。 「ちょっと意地悪だったかな…でも、可愛いよ千歌音ちゃん」 流れる涙を、姫子が唇で拭い取る。 恥ずかしくて、姫子にそんなところを見られるのが居た堪れなくて、なのに身体はもう 自分の思うとおりにならなくて。涙を堪えることが出来なかった。 続きが欲しいのに、姫子の指に身体を鎮めて貰いたいのに。 千歌音がどんな状態か、多分千歌音よりもずっと分かっているはずの姫子は、少しずつ しか望むものをくれず、千歌音を辱めていく。千歌音の悶え乱れる様を楽しんでいる。 なのに、鏡の中の姫子は、微笑んでいるから。 だから千歌音には姫子を責める事が出来ない。 千歌音に意地悪する時の姫子は、生き生きしていて、細められた瞳と嬲る声音には、 それでも確かに千歌音への気持ちを感じ取ることが出来るから。 そんな姫子が見られるのは、掛け値なしに嬉しいことだったから。 「――姫子…」 「なに?千歌音ちゃん」 「…して。姫子が欲しいの」 多分、これを言わせたかったのだろう。姫子は満面に笑みを浮かべて唇を近づけてきた。 「大好きだよ、千歌音ちゃん」 ――ふ、と気がついて目を開くと、千歌音は温かい湯に浸かっていた。 姫子に後ろから抱えられ右手はしっかり湯船の外に出されている。 「……ん…」 「あ、気がついた?千歌音ちゃん」 「姫子…」 姫子の声を聞いて、我に返った。まだぼうっとしている頭を必死に回転させながら、 姫子の腕の中から逃れて身体を離した。目覚めたばかりの頭は思うように働かなくて、 いまどういう状況に置かれているのか把握するのに難儀した。 姫子が残念そうに手を伸ばしてくるけれど、今はそれどころではない。 怪我をして、姫子と浴場に来て、姫子に身体を―― 身体を洗ってもらって。なんだか身体がおかしくて、姫子に意地悪されて。 ――あの後、どうしたのだったか。 いやらしくねだって、はしたなく腰を振って。 恥ずかしいことに大きな声を上げて―― 「……っ」 立て続けに何度も達せられてしまって、気を失ったのだ。 「可愛かったよ、千歌音ちゃん」 姫子の腕が、千歌音を軽く抱きしめてくる。悪びれもせずに。 「…姫子」 「ごめんね、ちょっと最後やりすぎちゃった。身体つらい?」 ごめん、と謝りながらも姫子の声は嬉しげで楽しげだった。 「……やりすぎたのは最後だけ?」 「…うーん…」 困ったような笑顔を浮かべて、姫子が視線を彷徨わせる。 「でも、その…よかったでしょ?」 「…っ、それを、私にきくの?」 「ごめんね。でも、私はすごく満足。あのね、すごく素敵だったよ、千歌音ちゃん」 まわした腕に一瞬力を込めて、姫子が本当に満足そうに幸せそうに笑った。 「……」 姫子はずるい。 あんなに意地悪をしておいて、泣かせておいて。 今回ばかりは終わったら沢山文句を言って、反省してもらうつもりだったのに。 結局、こんな笑顔を見せられたら千歌音が姫子を責められるはずが無いのだ。 姫子の笑顔一つ、求めてくれる心一つで、容易く千歌音の心は嫌と拒絶する事を 放棄する。 病的とさえ思うけれど、姫子が望むのならすべて受け入れてしまうくらいに、 姫子に魅せられている。 「ね、千歌音ちゃん。…またお風呂で千歌音ちゃんの身体洗って良いよね?」 「――」 こうして、どんどん千歌音は姫子に主導権を明け渡していってしまうのだった。
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:編集前 :コピー完了 未:調整完了 システム全般 - 目次 目次 巫女機関 編集 名取 種類イベント名発生地域発生条件備考 戦闘勝利後邪馬台巫女機関を制圧CG(090)、満足度+5、ランスに好感度ボーナス ???死の巫女邪馬台、テキサス名取参入 ???記憶喪失の巫女尾張、邪馬台、テキサス風華が配下にいる風華と名取の顔合わせ ???死の巫女邪馬台、テキサスルート確定後(謙信ルートは不可)、普通7/7好感度が信頼になる ???記憶喪失の巫女尾張、邪馬台、テキサス風華の普通7/7イベントで「巫女関連地~」を選択「???オロチの穴を開く」が出現 ???オロチの穴を開く邪馬台上記イベント後大蛇の穴の探索が可能に ???死の巫女邪馬台、テキサス「???オロチの穴を開く」出現後黄泉平坂で帝ソードが入手可能に 合戦大蛇の穴を探索邪馬台「???オロチの穴を開く」が発生玉籤風華が離脱する ???死の巫女邪馬台、テキサス大蛇の穴攻略好感度が愛情になり、キャラクリが付く ???死の巫女邪馬台、テキサス風華の普通7/7イベントで「ショック~」or「記憶を~」を選択、風華が配下 ???記憶喪失の巫女尾張、邪馬台、テキサス風華が信頼7/7、上記イベント後、風華が配下風華にキャラクリが付く ???最強陰陽師旧北条領早雲の好感度が信頼名取の好感度は関係なし 参入条件 巫女機関制圧後、捕虜になるので勧誘する。 キャラクリ オロチを倒す(風華のキャラクリとは排他になる)。 備考 フクマン効果によりエッチするとランスに好感度ボーナス。 編集 玉籤風華 種類イベント名発生地域発生条件備考 交渉 4人材発掘 玉籤風華尾張開始時から選択できる香の地域イベントを実行玉籤風華が参入する ???記憶喪失の巫女尾張風華参入エッチの約束 ???記憶喪失の巫女尾張上記イベント後、3カ国制圧CG(091)、満足度+5 ???記憶喪失の巫女尾張、邪馬台、テキサス巫女屋敷訪問後 戦闘前邪馬台で出撃、巫女機関制圧前? ???記憶喪失の巫女尾張、邪馬台、テキサス名取が配下にいる ???記憶喪失の巫女尾張、邪馬台、テキサス普通7/7、名取の好感度が信頼「巫女関連地に連れて行く」でオロチ退治のフラグ、その他の選択肢で風華キャラクリのフラグが立つ。選択肢にかかわらず好感度は信頼に ???死の巫女邪馬台、テキサス「ショック~」or「記憶を~」を選択 ???記憶喪失の巫女尾張、邪馬台、テキサス信頼7/7、上記イベント後、名取が配下好感度が愛情になり、キャラクリが付く ???記憶喪失の巫女尾張、邪馬台、テキサス「巫女関連地~」を選択、名取が配下「???オロチの穴を開く」が出現 合戦大蛇の穴を探索邪馬台「???オロチの穴を開く」が発生風華が離脱する ♂♀今夜のランス屋敷尾張3カ国制圧のCGイベント後満足度+1 参入条件 尾張の地域イベントで勧誘できる。一定期間後勧誘イベントが消える。 キャラクリ ???イベントを進め、記憶を戻す方法の選択で「ショックを与える」若しくは「記憶をねつ造する」を選択しその後の???イベントを進める。 備考 キャラクリをつけるとオロチ退治はできないので、名取のキャラクリとは排他になる。 コメント 表示される親コメントには限りがあるので、返信の際は返信したいコメント横のチェックを付けて返信するようご協力お願いします。 名前 (noname,reply,size=100,new,巫女機関(イベント)/コメント)
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サンジュスト サンジュスト, (馬(姫宮千歌音専用)), 1, 1 陸, 3, SS, 1000, 100 特殊能力なし 1300, 70, 300, 60 AD-, KM_SanGiusto.bmp 弓, 500, 1, 3, +0, 4, -, -, AAAA, +0, (姫宮千歌音) #千歌音の愛馬 。スペルは適当 #オロチロボに弓を射させて無力さを演出するのもいいかもしれません
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属性 樹属性 最大Lv 40 初期HP 3500 最大HP 4648 レアリティ ★4 タイプ 英雄 初期攻撃力 746 最大攻撃力 970 初期防御力 923 最大防御力 1222 初期スピード 930 最大スピード 1208 +HP上限 1390 最大HP上限 6038 +攻撃力上限 390 最大攻撃力上限 1360 +防御力上限 370 最大防御力上限 1592 +スピード上限 360 最大スピード上限 1568 リーダースキル 豊穣の祭り 樹属性の敵から受けるダメージを20%軽減 フォーススキル1 アレクトーの嫉妬 樹属性のn%全体攻撃。中確率で防御力を30%ダウン Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 125 132 - - - - - ディレイターン 4 効果持続ターン - フォーススキル2 必中の実 味方全体のクリティカル率をn%アップ Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 進化前 なし 37 - - - 通常進化 [豊穣を告げる姫]デメテル ディレイターン 4 効果持続ターン - 幻獣契約 なし 特殊能力 アーチャーキラー 契約素材 契約使用先 なし 入手法 千夜のグリモアガチャヒロイン・オブ・セントレアガチャ暁の剛騎兵ガチャ路地裏猫の鈴音ガチャ少女とドラゴンコレクションガチャ(2015/10/1~2015/10/15) 備考 コメント 名前
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カードリスト 能力 https //login.alteil.jp/lhCardDB/detail.php?id=3114 解説 第6回芸術の伝道者イラストレーション部門バウセス賞のカード。 山札のグリモアを墓地に送ることでLV3以上の働きをするユニット。 素出しでAT20、オープンで30ダメージ、計打点50となりオールカラーで戦える。 優勢神族なら打点は70。 援護可であり後半まで活躍できる。 似ているカードとして、戦闘面で長距離銃の騎士、能力面で魔弾の射手が挙げられる。 コンボor必殺コンボ 焼きつく空気 お膳立てだけでなく、魔弾の射手同様、ナズナ自身につけるのもアリ。 エリア発動分、魔弾の射手より相性は良いと言える。 カード背景 関連ファイル ファイル名 関連カード カード名 関連用語 用語 収録 芸術の伝道者パック ※現在はポイントカードでのみ入手可能
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属性 闇属性 最大Lv 70 初期HP 3723 最大HP 5665 レアリティ ★5 タイプ 神 初期攻撃力 1241 最大攻撃力 1841 初期防御力 1021 最大防御力 1545 初期スピード 921 最大スピード 1403 +HP上限 2550 最大HP上限 8215 +攻撃力上限 690 最大攻撃力上限 2531 +防御力上限 690 最大防御力上限 2235 +スピード上限 630 最大スピード上限 2033 リーダースキル 夜に生まれし少女 全てのユニットのクリティカル率を20%アップ フォーススキル1 ブラックフラッド 闇属性のn%単体攻撃。相手の防御力を無視してダメージを与える。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 210 - - - ディレイターン 3 フォーススキル2 闇回廊 闇属性のn%攻撃を10~14回連続攻撃。高確率で猛毒効果を付与。 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7 Lv8 Lv9 Lv10 進化前 なし 23 - - - 通常進化 [冥府の狩人]アヌビス ディレイターン 5 効果持続時間 幻獣契約 [死象神]アヌビス 特殊能力 [強]獣キラー 契約素材 [門番]スフィンクス(3)[巨大な死]デスストーカー(2)[黒蛇の姫]セト(1) 契約使用先 なし 入手法 砂漠の守り神ガチャ開催!玲瓏の召喚祭ガチャ開催! 備考 CV 明坂 聡美 コメント 名前 最大HP5665、攻撃1841、防御1545、速度1403 - 名無しさん 2016-12-22 00 13 39
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祓巫女・逆神紅霊 (SR) くぅ…なんて規模の悪霊…、これが神と称される禍の王…これは最早、閻魔様ですら等級を測りかねるのではないかしら… それでも私は紅麗…!! 逆神の巫女、逆神紅麗!!! 滅私、全てを賭してでも、必ず此処で止めを刺す!!!! 祓巫女・逆神紅霊+ (SR) くぅ…なんて圧力の悪霊…流石は神と称される禍の王、常人ならばこの場に居るだけで蒸発してしまう…国一つ滅ぼしかねない… それでも私は紅麗…!! 逆神の巫女、逆神紅麗!!! 滅私、全てを賭してでも、必ず此処で止めを刺す!!!! 祓巫女・逆神紅霊++ (SR) くぅ…どうしてこんなに世界を恨むの…この魂は一つじゃない…世界全体の…負の感情の集まり…だと言うの…それでも私は紅麗…!! 逆神の巫女、逆神紅麗!!!滅私、全てを賭してでも、必ず此処で止めを刺す!!!! 祓巫女・逆神紅霊+3 (SR) くぅ…逆神が封印してきた最大の敵…神と称される禍の王…手に負えない…斃す…否、被害が甚大すぎる…ご先祖様…私はどうすれば…いえ、迷ってはいけない! そう、私は紅麗…!! 逆神の巫女、逆神紅麗!!! 滅私、全てを賭してでも、必ず此処で止めを刺す!!!! 祓巫女・逆神紅霊+4 (SR) ぐぅ…お父様、お母様…この紅麗、必ず仇を取ります…なので…少しの間だけ其処でお待ちください…直ぐに、直ぐにお救い申し上げます!! 家族を犠牲にしてもなお!!! ご先祖様なんて関係ない!! 私は紅麗…!! 気高き逆神の一人娘、逆神紅麗!!! 私の全てを賭して…再び眠れ!!!! 禍津神乃王!!!!!
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神無月の巫女 エロ総合投下もの 千歌姫嫉妬 続き ◆33uUMeu/9c氏   「千歌音ちゃん……、ね、泣かないで」 熱い涙が落ちて、胸を伝って流れる。どんなに懸命に嗚咽を殺していても、千歌音が 泣いている事はすぐに分かる。 千歌音に泣かれると、胸が苦しい。 「姫、子……」 「私、全然嫌じゃなかったよ。最初は辛かったけど、千歌音ちゃん……愛してる、って 言ってくれたでしょ?だから……」 だから、それから後はむしろ嬉しかったのだ。 強く抱かれるほど、激しくされるほど――それだけ執着されているのだと、愛されている からなのだと感じられて身体が熱くなった。 「愛しているからって、そんなの免罪符には……っ」 千歌音が胸に手を置いて身体を離そうとする。けれど、ぐっと力を込めて離さない。 そんなに力は入らないけれど、千歌音も全力で身体を離そうとしているわけではないから。 「千歌音ちゃんは、難しく考えすぎだと思うな……」 免罪符とか、資格とか。そんなに難しいもの、いらないのに。 「傷ついたりなんて、しないよ。してないよ。私……本当に嫌な事は、千歌音ちゃんにだって ちゃんと言えるもん」 「姫子……」 「大切な事は、ちゃんと伝えよう、って。私も強くなったんだよ、千歌音ちゃん。ほめてくれないの?」 「……っ」 千歌音は顔を上げて、首を左右に振る。その度に髪が胸をさわさわと撫でて、くすぐったかった。 噛み締めた唇は小さく震えている。 抱きしめた肩からも千歌音の怯えは伝わってきて、なんだか可哀想だ。 早く楽にしてあげたいと思う。こんな千歌音は確かに庇護欲を掻き立てられて、とても愛しい けれど、やはり見ていて忍びない。 「怖がらないで……千歌音ちゃんが悪いんじゃないよ。ごめんね、私また千歌音ちゃんに 寂しい思いさせちゃたね」 「違う…ちがう……っ、私が、勝手に。勝手に嫉妬して、それだけで、こんな――最低な事を、 姫子にしてしまえるの、私は……っ」 ――嫌じゃない、って言ってるんだから、そんなに自分を責めなくても良いのに。 「もう。嫉妬してもらえるの、私はすごく嬉しいんだよ、千歌音ちゃん。私も……嫉妬してる事、 あるもん。だから千歌音ちゃんも私と一緒なんだなぁ、って」 「……え?」 「だって……乙羽さんは、子供の頃の千歌音ちゃんの事、知ってるんでしょ? ずっと千歌音ちゃんの一番近くにいた人だし、千歌音ちゃんのお世話とかお仕事の手伝いとか、 私には出来ないし……」 「でも、乙羽さんとは……っ!私が好きなのは、姫子だけで……ずっと、姫子だけを探してて……」 必死に身を乗り出して弁明する千歌音の額に、首を伸ばして口付ける。千歌音の気持ちは 分かっているつもりだから、別に釈明して欲しいわけではない。 「うん、ありがとう。私も、一緒だよ千歌音ちゃん。もし――そんな事無いと思うけど、もし、 マコちゃんが私の事……好きだって、恋人に、って言ってくれたとしたら」 千歌音と――運命の人と出逢えたと一番最初に報告して、一番喜んでくれた人。 真琴は大切な友達で、その気持ちは千歌音と比べてどちらが大切かなんて言える種類の ものではなくて。 千歌音が怯えたような目で姫子を見上げる。 そんな顔しなくても良いのに。微笑んで、千歌音の頬をつつく。 「私、ちゃんと伝えられるよ。私には好きな人がいるから、って。千歌音ちゃんじゃないと 駄目だから、って。千歌音ちゃんに嫉妬されるのは嬉しいけど、誤解されるのは悲しいの。 だから、ちゃんと言っておくね。もっと早くに言えば良かったね、ごめんね」 「姫子……っ」 首筋に顔を埋めて泣く千歌音の髪に頬を寄せて、頭を撫でる。千歌音はしゃくり上げながら、 姫子の背中に手を回した。少し痛いくらいにすがりつかれて、姫子は満足を感じた。 可愛い。思わず、頬が緩む。 「千歌音ちゃん、子供みたい。――ね、千歌音ちゃん……千歌音ちゃんが、どうしても 今夜の事許せないんだったら……」 「――な、に?」 千歌音が涙に濡れた顔を上げた。真剣な瞳は、切羽詰まった色をしている。 「私、なんでもするわ…なんでも」 指の背で涙を払って、頬を撫でる。 「私を、満足させて……ほしいな」 「……っ」 そんな辛そうな顔しないで欲しいのに。 「姫子……でも、私にはもう――んっ」 言いながら余計につらそうに眉を寄せて瞳を潤ませるから、姫子は唇で言葉を遮った。 重ねただけの柔らかい唇からは、涙に濡れてしょっぱい味がする。そして、少し苦い。 千歌音の味だ。自分に厳しいからこそこうして追い詰められてしまう、姫子との関係に 真面目すぎる千歌音の。 「ん……ね、千歌音ちゃん。私、今日たくさん気持ちよかったよ。変になりそうなくらい……」 言いながら、先ほどまでの自分の痴態を思い出す。 「……。…ちょっと、変になっちゃってたかも。あの、はしたなかった?幻滅…しなかった?」 「そんなの、するわけない…」 自分の唇を手で押さえて、千歌音が小さく首を振る。 どういう意味だろう。キスされたのが嫌だったのだろうか。 ――そんなこと、ない……よね? 「あの、だから、ね……私におかえしさせて?千歌音ちゃんがどうしても気にするなら、 それでおあいこにしようよ」 ようやく身体に力も戻ってきた事だし。全身ちょっとだるいけれど、それでもまだ 満足していないから眠る気にはなれない。ましてや、こんな不安そうな顔をした千歌音を そのままにしておくなんて、できそうもない。 ね?と首を傾げて笑うと、千歌音は泣きそうな顔のまま、こくりと頷いてくれた。 「千歌音ちゃん……力、抜いて。そんなに緊張しないで」 身体の下に千歌音を組み敷いて、姫子は千歌音の肩に、首筋に唇を落とした。 キスしながら、手でワンピースの寝間着をたくしあげていく。 「あ……、やっ!」 白い膝上が露わになったあたりで、千歌音の手が姫子の手を抑えてそれを制した。 「えっ?……脱がしちゃだめ、なの?でも、私…千歌音ちゃんの裸見たいよ……」 「あ、あの……」 千歌音の瞳が揺れる。 いつもなら、どちらがするにしてもされるにしても、千歌音は服を脱いで身体を重ねて くれるのに。今日は、何度懇願しても、千歌音は聞き入れてはくれなかった。 布越しでは、どんなに抱きしめられても今ひとつピンとこない。 やっぱり、素肌のあたたかさや柔らかさ、脈打つ肌の表情を感じていたい。 それも意地悪のひとつだと思っていたのだけれど、どうやら違うようだ。 「千歌音ちゃん……」 哀願するようにじっと見つめていると、千歌音はようやく手をどけてくれた。 姫子は身体を起こして、千歌音の腰元に座る。 顔を背ける千歌音に首を傾げながら、まくり上げていって―― 「あ……すごい」 姫子が思わず呟きを漏らすと、千歌音は息を飲んで恥ずかしそうに吐息を震わせた。 そんな顔、しないで欲しい。動悸が収まらなくなってしまう。 「千歌音ちゃん、こんなにしてたんだ……」 手を、膝裏に触れさせてその感触を確かめる。 千歌音の女の子の部分から滴り落ちる甘い蜜は、白い脚を伝って膝裏まで達していた。 濡れて張り付いた薄いショーツは肌を透かして、何とも言えないくらい扇情的だ。 「んっ、あぁっ!」 思わず指を其処に触れさせると、千歌音が身体を大きく震わせて甘い声を上げた。 「素敵……」 「……っ」 「何もしてないのに……こんなに、千歌音ちゃんも、興奮してたんだね。だから……脱いで くれなかったんだね」 ショーツの底布を撫でると、布が滑って濡れた音がする。千歌音の秘所が、それだけ ぬかるんでいるという証拠だ。 「だって…こんなの、知られたら…っ」 やりにくいだろうな、と思う。千歌音は表面上はずっと平気な顔をして姫子を抱いていたのに。 意地悪な言葉も、態度も、こんなにしていては全然説得力がない。 「私は、嬉しいけどなぁ……。でも、これに気づいてたら……その時点で、我慢できなく なっちゃったかも」 今日は、千歌音に全部任せると決めていたのだけれど。こんな様子を見せられては、 それを守れたかどうかは怪しい。早々に拘束を解いてしまって、千歌音を押し倒して しまったかも知れない。 「我慢なんて……しなくて、良かったのに」 「うん……今は、そう思うよ。でも……千歌音ちゃんが悲しくなったのは、私のせいでしょ? だから、良いかなって。千歌音ちゃんが私を、その、好きにして……それで、悲しくなくなるん だったら良いかなって思ってたんだけど」 「ひめ……こ」 「でも、違ったんだよね?千歌音ちゃんが悲しいのは、マコちゃんとの事誤解してただけ じゃなくて……私の、そんな態度も原因だったんだよね?」 「違う……姫子が悪いんじゃない……っ!私が、ちゃんと自分を抑えられないから…… そのくせ、姫子にその分を求めてしまったから……」 言葉を交わす間にも、姫子は千歌音の寝間着を脱がせて、肌を露わにしていく。 きめ細かくて、透き通るように白い肌。無駄なく引き締まった腰、服の上から見るより ずっと目立つ大きな胸。そして、その頂で鮮やかに色づいている硬い蕾。 そのどれもが、姫子をドキドキさせる。 「気づけなくて、ごめんね……千歌音ちゃん、ずっと泣いてたのに。――あ、ばんざいして」 千歌音が頬を真っ赤に染めて、躊躇いながら両腕を上げる。背中を浮かせて寝間着を 上から抜き取ると、その拍子に豊かな胸が瑞々しく揺れた。 「んっ。……泣いて、なんか」 「ううん。ずっと、泣いてたよ。だから、私……どうしたら千歌音ちゃんが辛くなくなるのか 分からなくなって、やっぱり今も分からないんだけど……」 千歌音の寝間着をベッドの下に落として、千歌音をまたぐように上になる。 「姫子……」 「私で悲しくなったんだから、きっと私で……その気持ち、無くせるよね?全部、伝えるから。 私が千歌音ちゃんを大好きな気持ち……」 「私……っ」 震えるまぶたに口付けて。一筋流れた涙を追って、頬に唇を這わせる。舌で舐め取ると、 涙の塩辛い味がする。でも、さっきよりずっと口当たりはやさしい。 「泣かないで、千歌音ちゃん」 「違う……悲しいんじゃなくて、でも……っ」 「そっか。じゃあ良いよ、泣いても。千歌音ちゃんが泣いたら、私が全部拭ってあげるから」 「は……お陽様のハンカチ、ね……」 千歌音は頬を引きつらせた不器用な笑顔で姫子を見上げる。 笑ってくれた。それだけで、身体の内側が弾むくらいに、すごく嬉しくなる。 「考えないで……感じて、千歌音ちゃん。愛してるから……千歌音ちゃんが心配するような ことなんて、きっとなんにもないから」 「ん……」 頬に、額に、唇にキスを落とす。出来るだけ優しく、大切な気持ちが伝わるように。 「優しく、するね……でも、あんまり我慢できないかも……」 ずっと、触れたくてしょうがなかった。 キスをして、舌を絡めて、千歌音の声を飲み込んで――手を、千歌音の胸におく。すっかり 硬く尖っている先端を手のひらで揉むと、千歌音が反射的にぐっと喉を反らして、唇が離れて しまう。まだ途中なのに、と姫子は首を伸ばして千歌音の唇を追いかけた。 「は、あぅ……んんっ」 深く唇を交わすと、熱い千歌音の舌がおずおずと姫子のそれに応えて、少し控えめな反応に うっとりしてしまう。なんだか硬くなっている千歌音が、とても可愛い。 いつもだけれど、自分がされる側になると途端に弱気になる。慎ましやかで、控えめで、 恥じらい深くて――こういうことに関しては、姫子よりずっと、千歌音の方が本当は臆病で。 今日は、いつもよりなんだか身体も態度も硬い。 それをほぐすのは、姫子の役目で。誰にも譲れない。 「んぅっ、んん……っ!」 手を滑らせて指先で敏感な胸の先端を揉むように擦ると、千歌音がくぐもった声を上げて 姫子の肩を掴んだ。 けれど、やめない。 硬さを増す胸の先とは反対に、千歌音の身体からは力が抜けて柔らかくなっていくのを 感じるから。恥ずかしがるけれど、本当は止めて欲しいなんて思っていないのを知っているから。 唇を離しては角度を変えてまた交わる。千歌音が求めるように舌をのばすのを捕らえては、 また放して焦らすように遠ざかる。 そんなキスを繰り返しながら、胸を揉みしだいて、敏感なところを刺激して、千歌音が何も 考えられないようにしていく。次第に、千歌音は姫子に夢中になる。 感じればいい。考える必要なんて何もない。 ただ、姫子を――千歌音を愛する姫子の気持ちだけを、千歌音は感じてくれたらいい。 「んっ……はぁ、あぅ…ん、姫子……」 唇を離すと、潤んだ瞳で千歌音が見上げてくる。それでまたキスしたくなる。病み付きに なってしまう。けれど、キスだけじゃなくてもっといろんな事をしたいから。 「ん……好きだよ、千歌音ちゃん。ごめんね、私馬鹿だから……千歌音ちゃんの不安を なくしてあげられる言葉とか、うまく言えないの」 「そんなこと……」 「でも、好きだよ。千歌音ちゃんが思ってるよりずっと、私……千歌音ちゃんのこと大好き」 「なんだか、恥ずかしいわ……」 「あっ、そういうこと言うの、ずるい」 胸の先を挟んだ指に軽く力を入れる。 「ゃんっ!」 「わ…可愛い声」 余計に我慢できなくなってしまう。身体の中がざわざわと千歌音を求めて騒ぐ。 出来れば、優しくゆっくり心をほぐしてから、してあげたいのだけれど。 「ん、もうっ、姫子」 「可愛いよ、千歌音ちゃん……」 身体をずらして、胸元に唇を寄せる。白い肌にキスを落とすと、千歌音の口から押し殺した 声が小さく漏れて姫子の身体を熱くさせた。 千歌音の豊かな胸は、横になっても十分に大きくて、とてもさわり心地が良い。 触れていた方も、まったく触れていない方も、その先端はほの赤く色づいてつんと上を 向いている。 くにくにと指先で揉んでも、手を放すとすぐに硬く尖る。ぐいと押し倒しても、引っ張って のばしても、また――。 それを見つめながらごくりと喉を鳴らすと、千歌音が口元を手で覆ってぎゅっと目を瞑った。 「~~っ!」 ――ごめんね、千歌音ちゃん。 「おかえし、していい……?」 今日は、ずいぶんと千歌音に胸で感じさせられてしまった。まさかこんなに、と自分でも 驚くくらいに、すごく良かったのだ。 同じくらい、千歌音も気持ちよくしてあげたい。千歌音ほど手も舌も器用ではないけれど、 そこは気合いと愛情でカバー……出来ると良いと思う。 「んっ、……うん」 「ありがと」 お許しをもらってすぐに口に含む。少し焦り過ぎてはしたないかな、と思ったけれど、 もう我慢が出来なかった。 かり、と甘く歯を立てると、千歌音の身体が大きく跳ねた。 目を上げると、千歌音は手の甲を口に押し当ててぎゅっと目をつぶっている。 「ふ……っ、う…!」 「……?」 ――あ、そう言えば。 千歌音に此処を噛まれたりもしたから、いきなり歯を立てて『おかえし』に怯えさせて しまったらしい。 千歌音は懸命に声を殺しているけれど、身体の震えは誤魔化せるものではない。 別に、そう言う意味でおかえししたいと言ったわけではない。 けれど、少し迷う。後からすると、噛まれた部分の疼痛はむしろ気持ちよかったくらいで。 今、何でもないときに自分で触れるとぴりっとした痛みが走るけれど、これも千歌音に 触れられたらまた違うのだろうと思う。そんな、甘い期待が微かに残る噛み傷だ。 「姫子の、好きにして……私が、そうして欲しいの」 迷っている姫子に、千歌音は健気なことを言うから。 やっぱり痛いことは止めて、先端を舌でくすぐった。 「あっ、や……ああっ?」 気持ちよかったけれど、痛かったのも本当だから。優しくしてあげたいと思っているのに、 ただでさえ緊張している千歌音にそんなことする必要はない。 甘く噛んではっきりさせた先端の蕾を強く吸いあげて、舌でこねて、舐め上げて。空いた 胸には手を当てて刺激する。 ここは、他に比べてとても敏感で、繊細だから。指先や舌のちょっとした刺激で、十分に 千歌音は良い声を聞かせてくれた。 敏感な部分あたりの肌は、とても舌触りが良くて、気持ち的に甘い。 円を描くようにぐるりと舌でなぞって、最後に真中の感じやすい部分をつつく。 舌先で表面を軽く撫でるように確かめていく。その一番先の部分はまたちょっと感触が 違っていて――舌での探索は飽きることがない。 本当は、何時間だってこうしてキスしていたいけれど、そうしたら他のことが出来なく なってしまう。 時間が止まってしまえばいいのに、といつも思う。そしたら、時間を惜しむことなく、 いくらでも千歌音を味わって、感じさせて、愛してあげられるのに。 「っは……、ん…千歌音ちゃん、素敵」 唇を離して、濡れた蕾を指先で摘む。滑ってうまくいかない。けれどそれにも千歌音は 甘い喘ぎで応えた。反ってむき出しになった白い喉が細かく震えているのが、どうしようもなく 扇情的で、眩しくて。 「あ……っ!」 かぷり、と喉に噛みつくと、千歌音の身体がびくっと震えた。いっそう反った喉を唇で 食んで、舌で味わっていく。 「あ…あぁ、あぅ、ん……っ」 胸の先を指で摘みながら、手全体は胸を包むように揉んでいく。そんなに器用に、 千歌音がしてくれるほど上手には手を動かせないけれど、揉む拍子に指先に少し力が 入る程度でも、敏感な千歌音は感じてくれる。 あごから伝う唾液を拭っていって、唇にたどり着くと、軽くキスをして身体を離した。 「はぁ……ごちそうさま、千歌音ちゃん」 「言わないで……っ。私…また、姫子を穢してしまった……」 「ん、っと……汚くなんて、本当になかったよ。考えすぎだってば、千歌音ちゃん」 「ただでさえ、消えてしまいたいくらいなのに……っ!」 両腕で顔を覆って、千歌音は身悶えする。両足の付け根を姫子に抑えられているから、 胸や腹を波打たせるだけに留まっているけれど……どうして今日はこんなにも姫子を煽るような 仕草をするのだろう。 千歌音の媚態に身体の奥が熱くなって、姫子は疼く腹を押さえた。 「私、千歌音ちゃんに汚されたなんて思ったこと、一度もないんだけどな……。 でも、良いんだよ千歌音ちゃん。私、千歌音ちゃんのなら……たとえ千歌音ちゃんが 汚いって思ってても、欲しいんだから」 「姫、子…」 「だから、全部ちょうだい」 ショーツに手をかけて脱がす。脚を開いて顔を近づけようとすると、千歌音は小さな悲鳴を 上げた。 「……もう。どっちなの?千歌音ちゃん」 ショーツの上から愛撫すれば、汚いから嫌だと言うし。脱がしてみれば、恥ずかしがる。 「電気…消し、て……?」 気弱な声にはいくらか諦めが混じっていた。明るいところで見られるのは恥ずかしいけれど、 でも自分が姫子にした事でもあるから、頼みづらいのだろう。 「ん……しょうがないなぁ……」 「……えっ?」 「え?電気、暗い方が良いんでしょ?」 身を乗り出してベッドの頭の壁にあるパネルを弄る。フッと明かりが消えて、一気に暗くなった。 サイドテーブルにある終夜灯のほのかな明かりと窓からの月明かりだけになる。 カーテンを閉めていないから、結構明るい。でも千歌音はホッと安堵の息をついた。 良かった。譲れないところはあるけれど、出来るだけ今日は千歌音に優しくしてあげたいから。 今まで気づかなかったけれど。そういえば今日は、満月だったはずだ。 「お月様……綺麗だね」 「え……?」 千歌音が首を巡らせて窓を見上げる。 くす、と笑って、姫子は千歌音の胸の中心に口付けた。 「ゃんっ!」 「本当に、綺麗……」 「もう……っ、月なんて、見えていないくせに……」 たしかに、このベッドからでは空の月は見える位置にないけれど。 「ホント、なんだけどなぁ……」 笑って、軽くキスをして、こつんと額を合わせて。じっと深い色の瞳を見つめていると、流石に 千歌音も気づいたようで。 「……もう」 照れくさそうに頬を染めて、視線を泳がせる。 ――姫子だけの月。 姫子に一喜一憂して、輝いて、心を曇らせて――そんな風に姫子に左右される千歌音が、 とても愛しい。守りたい、ずっと輝いていて欲しい、と思う。 「私、千歌音ちゃんのためだったら……ずっと、頑張れるから」 ずっと、照らし続けるから。 「……うん」 目を閉じて、深く唇を交わす。 手を握り合って、肌を重ねて、身体を合わせて、気持ちを伝え合う。 ――二人が一つになるのに、そう時間はかからなかった。 一つの枕に、二人で身体を休める。姫子は軽く抱きしめた千歌音の髪に頬を擦り寄せて、 幸せを胸いっぱいに吸い込んだ。 「ん……姫子……」 「あ。起きちゃった?」 千歌音は目を擦って瞬きを繰り返す。 「私……寝てしまったの?」 「うん、寝ちゃったって言うか、なんていうか……その、可愛かったよ」 「あっ……」 千歌音の頬が赤くなる。思い出したのだろう、先ほどまでの千歌音の艶態を。 「でも……私、結局姫子を満足させてあげられなかった……」 少し悲しげに、千歌音が呟いた。 「え?どうして?」 姫子は今、すごく満たされた気持ちで胸がいっぱいなのだけれど。 「どうしてって……姫子、満足させて、って言ったのに。結局私にしてくれるばっかりで、 私は何も……」 「その……私、千歌音ちゃんに沢山してもらったよ?」 「でも姫子は満足していない、って言ったわ。激しくしても、うんと優しくしても…… 満足、してくれなかったもの」 千歌音が唇を尖らせて、少し拗ねたような顔をする。恥ずかしかったのかすぐに俯いて しまったけれど。可愛かった。 「だって、あの時は……あの、気持ちよかったけど、でも、千歌音ちゃんがずっとつらそう だったから私もなんか気がかりで。……千歌音ちゃんの身体にもさわれなくて、寂しかったし。 今は、満足してるよ?」 自分だけ、身体だけ気持ち良いのではやっぱり駄目だと分かってしまった。 気持ちが通わない交わりは寂しい。千歌音が幸せそうでないと、どうしても姫子は満足できない。 「そ、そうなの……?」 上目遣いで姫子を見上げる千歌音は、耳まで真っ赤だ。 「う、うん」 「……これからどういう風にしたら良いのか、随分悩んだのに」 ――ああ、そう言う顔見せられると…… 「そ、そういえば」 また変な気分になってしまいそうで、姫子は慌てて話題を変えた。 「何?」 「えーと…。あっ、ネックレス!」 鎖を切ってしまった千歌音の二枚貝のネックレスは、何処に行っただろう。 身体を起こして枕元を探る。見つからない。どうしよう。大切なものなのに。 「ここにあるわ、姫子」 慌てる姫子の肩を、千歌音がつつく。 「あ……良かった。ちゃんとあったんだ」 「あるに決まっているわ。いきなり消えてしまったりしたら堪らないもの」 千歌音の手の中で、鎖が鳴る。金具以外の場所で輪がとぎれたネックレス。 「……ごめんね、切っちゃった」 でも、あの時はどうしても――千歌音を、抱きしめたかったのだ。 千歌音は首を振りながら笑って、嬉しげに切れた鎖に口付ける。 「でも、あの……大丈夫だよね?」 千歌音は姫子を愛していると言ってくれた。姫子だってそうだ。 だから、絆が切れてしまったからって揺らいだりはしない。……しないはず。 「ええ、なんてこと無いわ。鎖なら、もっと丈夫なものにすればいいもの」 言って、千歌音は微笑む。その言葉に、胸が震える。 「……千歌音ちゃんって、やっぱり素敵」 満面に笑みを浮かべて姫子が千歌音の手に両手を重ねて包み込むようにすると、 千歌音は戸惑って首を傾げた。 「うん、もっと強いのになると、良いよね。それでまた切れちゃったら……もっと、 頑丈なのにしてくれる?」 「え?ええ……でも、あまり太いものにすると……重くて肩が凝ってしまいそう」 自分の首をさすりながら困惑顔で言う千歌音に、姫子は我慢できなくなって吹き出した。 「姫子?」 「……っ、ごめん。そうだね、重いと疲れちゃうね」 姫子がどうして笑うのか分からないようだったけれど、千歌音は曖昧に頷いた。 「疲れちゃうから。だから、千歌音ちゃん……もっと、楽にして欲しいな」 「姫子……」 笑いをおさめて、千歌音を見上げる。ベッドの上でこんな風に座って向き合っているのは、 なんだか変な感じだった。 口を開きかけて、言うべきかどうか迷う。これは、姫子のワガママのようなものだから。 「あの、ね……千歌音ちゃん。私、やっぱり嘘はつきたくないの」 千歌音は、嘘を覚えた方が良いと言ったけれど。 「ん……でも、私は……きっと、私を抑えきれないわ。また姫子を傷つけてしまう。だから――」 申し訳なさそうに目を伏せる千歌音の手をぎゅっと握って、首を振る。 「傷ついてなんて、無いよ。私、千歌音ちゃんにだけは嘘つきたくない。千歌音ちゃんにも、 できたらついてほしくない……それは、お互いに知らない方が良い事、ってちょっとはあると 思うけど、嘘ついてまで、隠すのは……いやなの」 二人の間に意図して嘘を作ることは、何か、得体の知れない隙を作るような気がして。 背筋が寒くなる。 「姫子……」 「嘘をつかれても平和な方が良い、なんて私はまだ思えないの」 これは子供じみた考えで、姫子がまだ大人になれていないだけなのかも知れないけれど。 ずっと一緒にいたいなら妥協や嘘も必要だ、っていうのも正しいのだろうけれど。 千歌音が、じっと姫子を見つめている。 「それでまた千歌音ちゃんを傷つけちゃうかも、って思うけど、嫌なの。千歌音ちゃんの本当を、 沢山知っていたいから……嘘の千歌音ちゃんを本当だなんて勘違いしたままじゃ、嫌なの」 「私も、姫子を勘違いしたままでは、嫌だわ……」 千歌音の瞳が潤む。また、泣いてしまいそうだ。泣かせるつもりじゃなかったのに。 「だから、言うね。千歌音ちゃんに聞かれた事には、本当の事、言うから――だから、 傷ついたら、千歌音ちゃんは私にぶつけてね。――今日みたいに」 「ん……」 千歌音が俯いて、身体を傾ける。姫子の肩に額を預けて、小さく頷いた。細い腰に腕を 回して、きゅっと抱きしめると、千歌音の腕も姫子の身体に回される。 「私、受け止めるから。わがまま言う分、千歌音ちゃんを傷つけた分、ちゃんと受け止める から。つらい気持ちになったら、ちゃんと私に教えて、私に分けてね」 「うん……っ」 千歌音は何度も頷いて姫子の肩に涙を落とす。悲しくて泣いているのではないみたい だったから、姫子はただ千歌音を優しく抱き留めた。 「今日は、泣いてばかりね」 しばらくすると千歌音が顔を上げて、決まり悪そうに笑った。 「明日、顔……大丈夫かな」 笑って、千歌音を抱きしめたままゆっくりとベッドに引き倒す。姫子の言葉に、千歌音は 一瞬拗ねたような顔をした。可愛い。 きっと、明日目が腫れていても、千歌音は可愛いだろうと思う。 艶々の髪を撫でると、くすぐったそうに目を細める。 胸の上の重みが――愛しくて、しょうがない。 「……いいわ。そしたら部屋に引き籠もって、姫子としか会わないことにするもの」 「私もきっと筋肉痛だろうし、そうしようかなぁ」 腰とか、背中とか、脚とか……いろいろなところの筋が、妙に強ばっている感じがする。 今寝て、次に起きたらきっと地獄が待っている――そんな予感が確かにある。 「良いわね。じゃあお風呂は早いうちに行かないと……人に見られてしまうかも。眠いかも しれないけど、このままもう少し起きていましょうか?」 「うん。千歌音ちゃんが大丈夫だったら、良いよ」 どうせあと数時間だから。このまま千歌音と他愛ない話を続けるのも悪くない。千歌音と 一緒なら、朝までなんてすぐだ。 でも、身体は結構疲れているから、もしかしたら二人とも眠り込んでしまうかも。 「でも汗をかいてしまったから、入らないのは嫌だし……」 千歌音の言葉に、姫子は笑った。 「汗だけ?」 「なっ……どうして、そういうこと言うの……!」 千歌音は顔を真っ赤にして、姫子を睨む。髪を撫でていた手を捕まれて、姫子は小さな 痛みに眉を寄せた。 「あ……」 姫子の手首を見て、千歌音が申し訳なさそうに俯く。縛られていたときに髪紐で擦れたのか、 鎖を切ったときに傷ついたのか、小さな擦り傷とミミズ腫れが両手首にできているようだった。 「お風呂、しみちゃうかなぁ……」 「私が、手を濡らさないようにお世話するわ」 「大げさだよ、ちょっと擦りむいてるだけだもん」 それにたぶん、胸や肩や背中の噛み傷の方が染みると思う。言わないけれど。 「ね、千歌音ちゃん。私……今日、すごく良かったよ。でも、その…道具とか、なんていうか……」 「なに?」 「その……え、SMみたいなのは……少しだけ、苦手かも。だって、跡残っちゃうし…… 私、変になっちゃうし……。千歌音ちゃん、ちゃんと抱きしめてくれないし……」 こんな言葉、千歌音に面と向かって言う日が来るとは思わなかった。恥ずかしくて顔が熱い。 それでも頑張って伝えようとしているのに。それを聞いた千歌音は、少し意地悪く笑って 姫子を見た。 まずい。なんだか、余計なことを言った気配がする。 「姫子……その言葉、どういう意味か知っている?」 「えっ」 千歌音が身体を起こして、姫子の肩を押す。仰向けに転がした姫子の上に、そっと覆い 被さってくる。 「さ……サドと、マゾ……みたいに、聞いたことあるんだけど……」 すっかり、千歌音はもうその気だ。すごく嬉しそうな顔をしているから、なんとなく流されて しまいそうだけれど……でも、筋肉痛が。それに今夜はもう随分千歌音にはしてもらったから、 せめて逆が良い。 「それも、あるかしらね。でも、私が姫子に苦手を作ってしまったんだから、私が誤解を といて苦手を無くしてあげないといけないわよね?朝まで、起きていられないかも知れないし ……一石二鳥かしら」 さわさわと優しく、千歌音の手が姫子の頬や首筋、胸を撫でていく。今日一番のあたたかい 感触に、気持ちよくて胸が震えた。 「は、ぅんっ……えっ?千歌音ちゃん、何言って…っ」 「サービスと、満足――と言うのも、あるのですって。私はこちらの意味の方が好きかしら。 ――だから、朝まで……良いわよね?姫子? 私、うんとサービスするから。きっと、――姫子は満足するわ」 「な、あっ、ええっ?――んっ」 姫子の抗議の言葉を、千歌音は優しい唇で塞いで、甘いキスで抵抗を忘れさせていく。 そうして、二人のSMプレイは、朝まで続いたのだった。
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「さて、いきなりですが重大発表があります!なんと、この日のために作られた曲が存在するのです!」 そう、「アレ」とは「新曲」のこと。 まだ誰も歌ったことのない、世界にひとつだけのわたし達のオリジナル。 「これ観てる人は超ラッキーだよね!あたし達の伝説の、本当にはじめの一歩を一緒に踏み出せるんだよ!」 みのりが大雨に負けずに声を張り上げます。 これを観てくれている人たちは、どう思ってくれているのでしょうか。新人風情が一曲でも新曲を引っ提げて初ライブなんて生意気だと感じてる?それとも期待してる? 答えは、多分この雨の向こう側に待っているはずです。 「それでは、みゆきちゃんの剣武に合わせて、新曲いってみたいと思いまーす!」 「「「せーのっ!」」」 「「「GROOVY☆アオハルッ!」」」 大雨に負けないアップテンポな出だし、地面に響くビート。3人が声を合わせて始めるボーカル。 刀をスラリと抜き、にわか雨の悪竜との戦いを始めるみゆきを応援するように、雨雲を貫くように、曲想はさらに明るく激しくなっていきます。 「「「♪ボクらのハルはコレから始まるッ!♪」」」 そう、わたし達はこれから始まるんです。 みゆきの剣戟はどんどん鋭くなり、激しさを増す雨の中でも紫電の閃きがキラキラと輝きます。 「♪ヤなことツラいこと乗り越えて、青空の先進んでいくよ♪」 進んでいくんです。 みのりのダンスもキレを増していき、照明に乱反射する雨と汗の雫がダイヤモンドの結晶のように光を放ちながら飛び散っていきます。 「♪だから見ててね感じてね、ボクらの鼓動を生きてる証を♪」 ひなたのボーカルの伸び、艶も呼応するように魅力的になっていき、雨の勢いすら圧し倒すほどの音量で響きます。 そしてラストスパート。声を揃えてもう一度。 「「「さあ始めよう!ボクらのアオハルッ!」」」
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巫女の歌(仮歌詞) ★モノクローム/気多の巫女(サカナちゃん・戸松 遥) 作詞:こだまさおり 作曲:神前暁 編曲(version de l apprivoiser):高田龍一(MOANACA) 舞う雪は星の欠片 天体に手をのばして 行き交う願い 感じているね すべては今 モノクロームの中 そっとこぼれた白い息 伝えたかった言葉のかたち きっと温もりのぶんだけ 空はほんのり明るくなった その背中をおす出会い それは望んだイニシエーション じっと暗闇目をこらす 孤独はもう終わっていた 悲しみに濡れた翼 かさなりあう純白へ 渡しあった 未来へのやさしい勇気 誰も知らない世界の 夜明けを待っている鼓動 光を連れて旅立つ わたしにはじまる明日 舞う雪は星の欠片 天体に手をのばして 行き交う願い 信じているよ すべては今 モノクロームの中 強い意志が動いてる 満ち欠けに自分を映して もう迷わずに行けると 微笑む瞳に煌めく羅針 凍えた記憶を融かす 手に入れた愛と共に 振り向かずに 感じあおう空の彼方 それぞれが辿る軌道 たとえもう会えなくても 光が見せる銀河のどこかで つながっているね 散る星は砂のように また胸を甘く撫でる 静かに眠る 夢の残像 すべてはまだ モノクロームの中 誰も知らない世界の 夜明けを待っている鼓動 光を連れて旅立つ わたしにはじまる明日 舞う雪は星の欠片 天体に手をのばして 行き交う願い 信じているよ すべては今 モノクロームの中 ★イノセント・ブルー/日死の巫女・ヨウ・ミズノ(日高里菜) 作詞:こだまさおり 作・編曲:神前暁 透き通る季節が好き 風がまた熱を連れてくる 何千回も廻って何万回も輝く そうやって光が生まれる 日射しが溶けてる空の向こう どこまでも透明な青 スピードをあげた想いたち 自分の意思で今飛び立つの 感じている 無邪気な誓い 言葉は知らない 流れていく 水の行方に 心を馳せよう 透き通る季節が好き 風がまた熱を連れてくる 傷あとは消えていたわ 溢れだす情熱のシンフォニー 何千回も廻って何万回も輝く そうやって光が生まれる 握りしめた手に高鳴りと 賑やかな明日への道標 聞こえてくる 響きあう今 歌声に似てる 受けとめたら 懐かしいほど わたしを待ってた 晴れ渡る青の扉 希望へと繋がっているの 疑いは少しもない 目に映る真実が綺麗 何億回も瞬いて 存在感を増してく そうやって光を覚える 穢れのない願いで シャイン 動かされているもの もっとかけがえのない未来 信じるチカラ 包まれている世界 透き通る季節が好き 風がまた熱を連れてくる 傷あとは消えていたわ 溢れだす情熱のシンフォニー 何千回も廻って何万回も輝く そうやって光が生まれる ★木漏れ日のコンタクト(皆水の巫女/アゲマキ・ワコ) いちめん染める花は空へと昇る光 幾億の息吹たち 今、世界が生まれ変わる やわらかな陽にこぼれだす蕾 まどろみの中 喜びを受けて きっと誰もが微笑みながら いつかの自分かさねているね 目覚めたての勇気に触れた はじまりの朝に似てるから 心がほどけていく 季節に待ちあわせた 大地に浮かび上がる木漏れ日のコントラスト いちめん染める花は空へと昇る光 幾億の息吹たち 今、世界が生まれ変わる 信じたいもの輝きの欠片 まぶたを撫でる希望の瞬き 見つめることも躊躇うけれど 優しさはもう届いているよ 声を出せば こんなに近い すれ違うたび渡しあえる あたらしい色の世界 自由に描く奇跡 手のひらから未来へ それぞれのグラデイション わたしに咲く温もり 感じてその輪郭 明日を促すのは ずっと消えない、そんな勇気 心がほどけていく 季節に待ちあわせた 大地に浮かび上がる木漏れ日のコントラスト いちめん染める花は空へと昇る光 幾億の息吹たち 今、世界が生まれ変わる ★秋色のアリア(ひが日死の巫女/ニチ・ケイト) 朝焼けを待つ心細い世界が 取り戻す時間 何気ない顔でも 秋色の風 大人びた足取りね 過ぎていくこと教えているよ 行ったり来たり考えている たったひとつの真実を 探して 触れたら壊れる終わりを待ってる それは悲しみを誘うほど心に迫る記憶 壊れて始まる命が生まれる 誰も知らなくたって胸の中受けとっているの 伏せた瞳ちゃんとつながっているの いつだって 言葉を包む臆病なやりとりで 隠してしまった本当の気持ちは 空に溶かして旅立ちのはなむけに 耳を澄ませば優しい祈り 感じているの きっと気のせい そっとこぼれる微笑みで こたえる はじけた雫にほどけた雲間に 人はその姿を映して愛を覚えていくね 静かに育てて ひとり歩き出す 風に踊る枯れ葉は懐かしい温もりのあと ずっと忘れない遠い季節を うたってる 行ったり来たり考えながら たったひとつの真実を 探して 明日へ触れたら壊れる終わりを待ってる それは哀しみを誘うほど心に迫る記憶 壊れてはじまる命が生まれる 誰も知らなくたって胸のなか受け取っているの 伏せた瞳ちゃんと繋がっているの いつだって