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《ミズキ()/Mizuki》 故郷 聖王国 性別 男 職業 神父 特技 ダンス 年齢 不明 イメージソング Over the rain 〜Hikari no hashi〜 人物像 聖王国出身。 王国の王女が行方不明でパニックになっている為、探して来いとカオス界に送られた青年。風と雷の魔術が得意 金髪のショートカットでいかにも魔法使いらしい緑のコートを着ている。父の形見の杖を持つ 目的は、キュウカとディーヴを王国に連れ戻し元通り二人に王女を務めてもらい、聖王国の平和を再び取り戻すこと 勿論一人で取り返すにはとても無理がある為、多くの部下(兵士)を従えている。 また、リコルとは違い気品があるが彼とは仲が良いらしい。その一方でディーヴとの相性は最悪 愛を語るが感情のない人物。他に原因は不明だが彼は死ぬことが出来ない。 生い立ち 出身地はディーヴと同じ国だがあまり裕福ではない家で育てられた。 本当の両親は行方不明、義理父は神父だったが何者かに教会ごと放火され亡くなってしまう。 王国が大変になったのにもかかわらず勝手に国を抜け出したディーヴが許せずずっと彼女を捜していた。 彼女が混沌界にいることが分かったとき国の方では誰が連れ戻すかを考えていた。その時たった一人自主的に行動を取ったのが彼である。 一時期行方不明になったがキュウカが敵に追われている際に姿を現す。 そしてついに、リコルが奴隷生活から脱出した際に国王と話を付け結婚したばかりのディーヴの護衛ということになったそうだ。普段は神父として過ごしている。 彼は神の力を借り、水の国で神父をしていたためミナコとローベルトとは古い付き合い 常に聖書を持ち歩いている。愛すべき名言は主の御言葉 ※以下、ネタバレ注意※ + ... しかし、その正体は聖邪国を襲った“魔王”の一味であった。 だが彼は自分が“魔族”の血を受け継ぐというのにも関わらず、改心し神を信仰する。 彼の誠実さに神は彼を暖かく見守り神父になる夢は叶った 彼はベルリアの妹である“レヴィアタン”の魔女と呼ばれしゲルトルートの息子であり彼にとってベルリアは叔父に相当する キュウカはそのことを知っており、以前から仲が良かったのにも関わらず彼から“再生”の結晶を奪い取る際に“悪魔”の癖にと罵った。 ミズキはそれに対して憤りを覚えかつて封じていた“感情”というものを露わにするようになる 彼が常に無表情だったのは“魔王”の仲間であった時の記憶と決別するためだった様子。彼女は彼にそのことを思い出させてしまった ただ神父であった彼の義理の父親を心から尊敬し、自分が魔族だというのにも関わらず育ててくれたということに深く感謝していたそうだ そのせいもあり裏切りに怒り狂った彼の本当の母であるゲルトルートは彼の尊敬する父親を殺してしまった + ... また彼の名前の由来は、昔、磔刑用に使用されていた“ハナミズキ”にちなんで名づけられたもの 本当の名は“ジークヴァルト”だが、この“ミズキ”と言う名は育ての親に名づけられた 以下、ドッグウッド(ハナミズキ)の言い伝え 昔、その木は大変堅く強かったので、磔刑の十字架用材木として選ばれていた。 このような残酷な目的に使われハナミズキは酷く苦しんだのである。 神の子イエスは釘付けにされながらもこのことに気がつきハナミズキの悲しみと苦しみを優しく憐み、こう言った。 「私の受難に対するあなたの悲嘆と哀れみによりハナミズキの木は今後十字架に使われるほどには成長しないだろう」 それからというもの、木は曲がり、花は二つの長い花びらと短いものが十字架の形となり、 花びらの縁は釘の錆と血痕で茶色と赤に染まった。花の中心はいばらの冠を思わせる。見る人がいつまでも覚えていられるように。 これは彼が魔族だという事実を背負いながらも神を信仰し生き抜いた証拠として救われ、正しい道へ導かれたということを意味している。 Judgement Of Kings 救われなかった世界の彼。魔族として生きており人々に困難を与えている。 緑の国に所属しており、王も含め一同を見守っている。 魔族の象徴である三つ編みを後ろで一つに結っており、本編とは異なり漆黒の髪を持つ。 関連ページ キュウカ ディーヴ リコル 関連画像 + ... ※実写版 参考程度に※ キャラクター紹介へ戻る
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というわけで、避難所では散々ネタにされていたアムリウスの登場である。デウス・エクス・マキナになってしまったが、他に解決の方法が思いつかなかったので仕方が無いということで。 正教会系聖アルカディウス修道会が経営している「学院」では、当然の事として教師は修道士か修道女である。実際に出家していなくとも、教職員であるために修道会に籍を置き、修道士なり修道女なりとして戒律に沿った生活を送る事が求められている。そのため、教師にはそれぞれ私室と講義準備室が与えられていた。 その「学院」で物理学の講師をしているアムリウス司祭は、出家前はアドルファス一門宗家グスタファス辺境候家嫡男にして、帝國子爵、北方辺境伯爵の階位を有する古人の近衛騎士であった。将来を嘱望された優秀な騎士であったが、リランディア帝即位の際に退役し北方へと戻っている。その後、父ヤン・アドルファス・グスタファス北方辺境候の命令によって秘匿名称「黄色中隊」と呼称される重魔道機装甲「フラヴム・モノケロス」を装備した機装甲部隊を編成し、その指揮官として「内戦」後半を教会軍指揮官として戦い抜いている。その間アドルファス一門機神「アルブム・モノケロス・アドルファス」を駆っての活躍により「北方の白い悪魔」とまで呼ばれて恐れられた。 降伏まで常に第一線で戦い抜いて後に降伏した彼は、本来ならば叛乱軍の首魁の一人して全ての位階と名誉を剥奪の後に処刑されるはずであったが、リランディア帝の大赦の詔勅によってそれをまぬがれ、本人の希望もあって出家して残りの人生を修道僧として過ごすことになった。その際に、同じ様に出家し聖アルカディウス修道会主教に叙聖された帝國方伯エウリュネス・クラウディウス・ネロ元帥の誘いもあって、この「学院」で物理学の講師となって教鞭をとり今にいたっている。 「先生、本日はありがとうございました!」 「ああ、ご苦労さま」 数人の男子生徒が元気溌剌とした声で挨拶をし、姿勢を正してから腰を折って一礼してから講義準備室から退出してゆく。それを椅子から立って一礼して送り出したアムリウス司祭は、再度腰を下ろすと作業机のむかいに座っている男に向かって口を開いた。 「今日の実験は、先生のお持ちになられた論文のおかげで随分と有意義なものになりました。あらためてお礼を申し上げます」 「いえ、拙僧の書いたものがお役に立ちましたなら幸いです。勉学への熱意溢れる学生の姿は、教鞭をとる者にとっては何物にも代えがたい喜びでしょう」 「はい。学生達は皆、勉強に熱心で、規律正しく、礼節をわきまえています。この身が出家するのを許されたのみならず、こうして才能ある後進を育てる機会を御与え下さった聖下の御厚情には、いくら感謝してもし足りることはありません」 そろそろ日も傾く頃合、互いの面にさす影も濃くなる中で、二人の間に沈黙のとばりが落ちる。 しばらくの後に、先に声を発したのはアムリウス司祭の方であった。 「それで、先生は拙に何の御用でしょうか。この論文は面会のための口実なのでしょう?」 「はい。本日は聖下よりこちらを預かって参りました」 夕日が差す中でも陰の薄い印象のある修道士が抑揚に欠ける声でそう答え、細長い包みをアムリウス神父の前に置いた。 「ここで開いても?」 「はい」 アムリウス神父が包みを開くと、中からはいかめしい革造りの箱が出てきた。その箱は、要所々々を精霊銀で飾られた魔術的な封印を施されたものであり、非常に大きな魔力を持つ何かを封じるために特別に作られたものであった。 わずかにためらったのち、彼はその箱を開け、中身を見た瞬間に叩きつけるようにして箱を閉じた。 不機嫌極まりない表情になって、殺気の篭った視線で相手をにらみつけたアムリウス神父は、怒りをにじませた声で相手を問いただした。 「ヨハンヌス神父。今更何故これを? もう世俗とは縁を切ったはずだ」 「主語を明確にして頂きたいですが、それは置いておくとして、教皇聖下が今必要になったと御判断なされたということです」 「そして、またこいつに乗れ、と?」 「左様」 がたん、と椅子を蹴倒して立ち上がったアムリウス司祭は、今度こそ憤怒をたたえた表情で叫んだ。 「今更「アルブム・モノケロス」に乗れと!? 俺は戦った、嫌というほど、だ! それをまたこいつに乗って戦場に出ろ、と? まっぴら御免だね! 修道士だぞ、俺は!!」 「理解しております。ですが、それを「教会」が欲しているのです」 「この時代に「聖義軍」ごっこか!? 時代錯誤もいいところじゃないか。そんな真似をしたければ、街に出て鐘を鳴らして説教士に触れ回らせろ。だが俺を巻き込むな。やりたきゃ他の奴に当たってくれ」 「トイトブルグから「教会」信者が難民となってレヌス河を渡ってきております。その難民を保護するのが聖下の御意向です」 「そいつは西方辺境候の所管だろ。ついでに慈悲を垂れるのなら西方管区の教会がやるべきことだ。俺は聖アルカディウス修道会の修道士で、さらに言うならこの「学院」の講師だ。中央の物理学教師がのこのこ出て行って、何かできる事なんてあるものか!」 容貌だけならば、まだ十分に若いといってよいアムリウス神父であるが、その迫力は十年の間「内戦」の最激戦区を常に最前線で戦い続けてきた古参兵に相応しいものがあった。だが、ヨハンヌス修道士も、教皇カタリナ自ら使者に選んだ者らしく、その迫力を前にしてまったく揺らいだ様子が見えない。 にらみ合いを続ける二人の間に、扉を叩く音が水を差した。 「失礼いたします」 「女子生徒か? ここは男子学生講義棟だよ。すぐ戻りなさい」 「申し訳ありません。ですが許可は頂いております。アムリウス先生に用があって参りました」 扉越しではあったが毅然とした声に、アムリウス神父は頭を左右に振ってから軽く溜息をついた。 「判った。入りなさい」 ヨハンヌス修道士は、相変わらず陰の薄い様子のまま、ほとんどまばたきもせずに黙って椅子に座っていた。 講義準備室に入ってきたのは、アリアとエレアであった。二人は入り口で深く腰を折って挨拶すると、その場で姿勢を正し口を開いた。 「突然に推しかけて参り、まことに失礼いたしました。私は、アリア・ケイロニウス・ケルトリアと申します。こちらはエレア・アドルファス・ヴァテンダリア。至急の用があって先生にお願い申し上げに参りました」 「判った。話してごらん」 「ありがとうございます。セルウィトスとアドルファスの間の遺恨を巡って、セルウィトス・セルトリウス家の一姫とケイロニウス・アクィロニア方伯が決闘しております。止め得るのは先代アドルファス・グスタファス候御嫡子のアムリウス様のみ。ゆえにこうして推参いたしました」 「……………」 勘弁してくれ、と言わんばかりに右手で顔を覆って天を仰いだアムリウス神父は、口の中で何ごとか呟いてから、あらためてアリアに向き直った。 「決闘といっても子供同士のやり取りだね。それならば、出家した僕が押しかけるのは、むしろ道理に合わない。舎監を呼んで止めさせなさい」 「では言い直させていただきます。セルトリウス家の姫はアクィロニア方伯を殺すつもりでおり、彼女を止めようとすでに数人の負傷者が出ております。今はシリヤスクス・ロサシニア家の一姫が相手をしておりますが、いつまでもつことか。実力をもって止め得る者はあと何人かおりますが、この「学院」で魔法戦が行われる事になりましょう。その被害は予想もできません」 「……勘弁してくれ」 がっくりと肩を落としてうつむいたアムリウス神父は、一息つくと、即座に机の上の箱を開いて中から見事な象嵌の施された機神「アルブム・モノケロス・アドルファス」召喚の神具である軍刀を引っ掴み、足早に講義準備室を出た。 「案内しなさい」 「お手数をおかけいたします」 アリアは、がくがくと震えているエレアの手を引っぱってアムリウス神父を追い越し、彼の前を足早に歩き始めた。 そしてその三人の後ろを、ヨハンヌス修道士が、相変わらず陰の薄い様子で追って歩き始めた。 アリアがアムリウス神父の元を訪れてより、しばらく時間をさかのぼる。 その日は、先日自習室で乱闘騒ぎを起こしたクラウディアと無名が反省房から出ることが許された日で、二人の友人らが出迎えにおもむいていた。 反省房は舎監室からしか降りられない地下室に設置されていて、石造りの薄暗くすえた臭いのする牢屋の様な部屋であった。ここに入る事となった学生は、舎監に命ぜられるままに反省文を書かされ、それから聖典や「学院」規則の筆写を延々とやらされる羽目となる。冬は寒いし夏は蒸すし、暗くて狭くて不潔で臭いは酷くてメシも不味いという、この学院に入ってくるような学生ならば誰しも二度とは入りたくは無いと思わせるひどい代物であった。 二日ぶりに地上に戻ってきたクラウディアと無名は、髪はぼさぼさで制服も皺だらけで、げっそりとやつれて目の下に隈を作っていた。長躯行軍しての野営を何度も経験したことのあるクラウディアや、はるか海を渡った遠くの大陸から延々と旅をしてきた無名であっても、反省房で羽を伸ばすというわけにはいかなかったらしい。 修道女のお説教を神妙な顔をして聞いてから解放された二人は、まっさきに自室へと直行した。途中、出迎えの友人らと出会ったが、とにかくまずは風呂に入ってから、ということで解放してもらう。部屋に戻ると着替えや石鹸や垢すりを無造作に籠に放り込み、足早に風呂場へと急ぐ。二人が風呂に到着したのはほぼ同時で、そのままぱっぱと制服を脱いで裸になると、ざばざばとお湯をかぶって石鹸で全身泡まみれになった。 時間をかけて丹念に全身を綺麗にすると、二人は一緒に湯船につかり、ほっと一息ついた様子でぐんにゃりとなった。 「なあ、クラウディア」 「うん」 「どうしてもあいつを殺すんだ」 「私の前にまた現れたらね。だから、二度と目の前に顔ださなければ、それっきりだよ」 「……………」 「そんな顔をしても駄目だよ。あれだけの侮辱をされたら、さすがの私も許すわけにはいかない。彼女が自分の過ちを悔いて謝罪し、出家して俗世と縁を切るなら、なかったことにできるけれど。貴族なんて、そんな面子にこだわって命をかける馬鹿者の集団なんだ」 クラウディアは、湯船に肩までつかってふにゃふにゃの表情になりつつ、しかし口にすることは剣呑極まりない内容であった。 無名は、そんな彼女の隣で小さくなって湯船につかりつつ、じっと水面がさざめくのを見つめていた。 しばらくそうして温まってから、無名がもう一度口を開く。 「あのさ、やっぱり俺は、お前はやっちゃ駄目だと思う。なあ、もう家同士の遺恨の話じゃないんだろ。ならさ、俺もあいつと一緒に土下座する。あいつの友達も一緒にあやまらせる。だからさ、許してやってくれよ、な」 「その話は昨日も一昨日もしたよね。子が親を侮辱されて何もしなかったら、それは親子の縁を切るようなものなんだって。好きで殺すわけじゃない。殺さないと、もう父上の事を父上と呼べなくなるから、殺すんだ。他に方法があるなら、それでもいい。でも、他に方法が無いんだ」 「……それでも、お前は、やっちゃ駄目だ」 泣きそうな表情になってそう呟いた無名に、クラウディアは、優しい表情になって彼女の頭に手を乗せ、そっとその濡れた漆黒の髪を指ですいた。 「雪華は本当にやさしいね。ありがとう」 「……とにかく、あいつがお前の前に現れなければ、何もしないんだな?」 「うん。それは約束する」 湯にあたったのか、それ以外の理由があってか、顔を真っ赤にした無名が先に風呂場から出てゆくと、クラウディアは湯船につかったままぼんやりとした表情でつぶやいた。 「そりゃ他に落とし前をつける方法があるならそれでもいいけれどさ。無いんだから仕方ないじゃないか」 風呂から上がった無名は、真っ先に自習室へと向かった。エウセピアら、友人らが二人をそこで待っているから。 自習室の扉を開けた無名は、ほとんどの女生徒が集まっているとおぼしき室内を急ぎ見回し、真っ先にアルブロシアの元へ駆け寄った。 「アルブロシア」 「無名さん?」 「クラウディアと話をつけた。あいつの前に二度と顔を出さなければ、今回の件は棚上げにする。これ以上は駄目だった。親父の事を侮辱されて何もしなかったら、それはもう親子の縁を切るようなものだ。そう言われた。そういうものなのか?」 「ええ。……ありがとう、助けてくれて。この御恩は生涯忘れません。でも……」 「やめろ。頼む、あいつの言う通りにしてくれ。次は助けてやれない。俺はあいつと闘いたくない」 「本当にありがとう。とても嬉しい。きっと貴女とは良いお友達になれたと思う。でも、けじめはつけないといけないから」 アルブロシアに取りすがる無名の言葉に、自習室内は、水を打ったような静けさに支配された。皆、二人のやりとりから、事態は全く解決していないどころか、むしろ悪化している事を思い知らされたのだ。特にエレアをいじめていた娘達は、自分達のやっていたことがこんな大事になるとは思ってもいなかったのであろう、血の気も失せて蝋人形の様な顔つきとなってがたがた震えている。エレナに至っては、ダリアとルスカシアに両脇から支えられてようやく意識を保っている有様である。 皆がどうしたらいいか判らず、黙っている中、セレニアがアルブロシアに向かって一歩を踏み出した。 「私からもお願いするわ、アルブロシア。私も父と兄を教会軍との戦いで失った。でもアドルファス一門に遺恨はないわ。お願い、新しい遺恨をこの場で作ろうとしないで」 「お心遣いありがとうございます、セレニア先輩。でも、もう遅いんです。私はクラウディア先輩の御父上を侮辱しました。その償いをしなくてはなりません」 「なら! 転校でもなんでもすればいいじゃない! もうこれ以上血を流さないで!!」 「ごめんなさい。でも、それでは私が私を許せません」 唇を噛み締め、両手を握りしめ震えているセレニアに向かって、アルブロシアは深々と腰を折った。彼女の面にはどこまでも透き通るような微笑が浮かんでいて、その藍色の瞳には揺るぐことの無い覚悟の光が浮かんでいる。 もはや言葉は通用しないと思い知らされたセレニアは、視線をアルブロシアから外した。 周囲を見回し、もう誰も口を開こうとしないのを確認すると、アルブロシアは、再度深々と腰を折って自習室を出て行った。 それを見送ったダリアは、軽く鼻を鳴らすとわっしゃわしゃと右手で頭をかいた。 「まったく、あいつも頑固だから」 「だから親友なんだろー」 「違いない。じゃ、行くか」 ふっ、と口の端を歪めて哂ったダリアが、足早に自習室を出てゆこうとする。その後ろをついてゆくルスカシアに向かって、メルクリウシアが嬉しそうに微笑んでみせた。そんな彼女の表情を、エウセピアがいぶかしげな表情で見つめる。 「あらぁ、貴女には判らない?」 「はい」 「ふふ。自分のソロルがそれに相応しいって判って、嬉しくないわけがないじゃなぁい。ま、あの子らでは、彼女の相手をするにはまだまだだけれどもねぇ」 くすくすと、それはもう嬉しそうに笑っているメルクリウシアに、エウセピアは少し小首をかしげて考えてから、納得したような表情になってうなずいた。 互いに見つめあったメルクリウシアとエウセピアは、微笑み合うと続いて一緒に自習室を出てゆこうとする。と、一瞬メルクリウシアは歩を止めて振り返った。 「アリア、そこで気を失いかけている娘のことは任せたわよぉ」 「はい。どれくらい持たせられそうですか?」 「どれくらい、要る?」 「四半刻」 「相変わらず無茶を言うお姫様ねぇ。ま、なんとかするわ」 「お願いいたします」 優雅に腰を折ったアリアに、メルクリウシアは、こつんと左手に持った木刀で床を突いて答え、今度こそ自習室を出て行った。 何が起きているのか誰にも判らないという表情の中、アリアは呆然と魂の抜けたような顔をしているエレアの前に立ち、その顔を両手で挟んでじっとその瞳をのぞきこんだ。 「エレア様」 「……は、はいっ!?」 「事はもはや我々学生では収められません。かといって、問題は俗世のしがらみが原因故に舎監の方々にも納められませんでしょう。今この状況を収めるためには、貴女が必要です」 「わ、わたし、ですか?」 「はい。アドルファス一門の子女である貴女でなくては。お力を貸して頂けますか?」 力強いアリアの碧色の瞳に見つめられ、エレアは、ひゅう、と、二度三度呼吸をすると、弱々しくうなずいた。それに柔らかく微笑んで答えると、ケイロニウスの姫は、アドルファスの娘の手を引いて自習室を出て行った。 クラウディアは、風呂場へと続く廊下でアルブロシアの事を待っていた。明かり窓から入る日の光を反射して、彼女の眼鏡の下の表情をうかがう事はできない。その全身からはだらんと力が抜かれていて、傍目にはぼんやりと立っているようにも見える。 だがそれが次に放たれる攻撃のための態勢である事を理解しているアルブロシアは、自分の間合いからわずかに外れたところで足を止めた。 「無名から話を聞いた?」 「はい」 アルブロシアは、そのまま左手を軽くひらいて肩の高さまで上げ、右手を軽く握って腰のあたりに構えた。そんな彼女の姿を見て、クラウディアは嬉しそうに微笑んだ。 と、次の瞬間には、彼女はアルブロシアの前に立っていて、右手を左肩の前に持ち上げていた。その軽く握られた手の人差し指と中指はコの字に曲げられている。 アルブロシアが構えた左手で、クラウディアの右手を押さえようとした時には、その手は弧を描いて彼女の首筋に放たれていた。 「どっせいーっっ!!」 そのまま喉元を切り裂かれるか、首をへし折られるか、と、アルブロシアが覚悟した瞬間、誰かが彼女を突き飛ばし、そのまま廊下に背中から叩き付けられる。 「間に合ったーっ!」 「よしッ、よくやったルスカシア!」 誰かが自分の上に乗っかっていて、二度三度頭を振って視界をはっきりさせてから確認すると、そこには癖の強い茶髪を黒いリボンで二つにまとめて下げたルスカシアが、ぜいぜいと息をしている。 さらに視線を上げると、自分とクラウディアの間にダリアが仁王立ちになって立ちふさがっていた。 「……………」 「先輩は、こんなところで手を汚しちゃいけない人だ。綺麗な手のままでいなきゃいけない人だ」 次の瞬間、クラウディアの左手がダリアの鳩尾を握りしめており、そのまま胃を掴んでひねりあげる。 ごばっ、と、胃の中身を吐き出し、廊下に崩れ落ちたダリアには視線もくれず、クラウディアはアルブロシアに近づこうとした。だが、廊下の上で苦痛にのた打ち回っているダリアが、両手で彼女の右足を掴んで止めようとする。 それを右足で床を蹴るようにして外し、戻した足を軸に半回転して左足のつま先をダリアの肝臓の当たりにめりこませて気を失わさせると、再度クラウディアはアルブロシアに近づこうとした。 アルブロシアが廊下の壁を支えに背中を預けて立ち上がろうとしている間、ルスカシアが二人の間に両腕を広げて割って入っていた。 彼女の身体が小刻みに震えているのを見て、アルブロシアは思わず叫んだ。 「逃げて!」 だが、次の瞬間には、クラウディアはルスカシアの右手首を握ると、そのまま自分の手首をひねるようにして少女を宙に舞わせ、背中から床に叩きつけていた。 けはっ、と息を吐いたルスカシアは、そのまま廊下の上を痛みにのたうちまわっている。 なんとか立ち上がったアルブロシアは、なんとしても一矢報いようと、クラウディアの事を睨みつけつつ両手を上げて構えた。 クラウディアがゆらりと動き、アルブロシアが右の抜手を放った瞬間、二人の間を銀色の風が奔った。 「はい、時間切れぇ。ここから先は、私が相手よぉ、クラウディア」 何が起きたのか判らず、声の方に視線を向けたアルブロシアの目に、木刀を持った人影が入ってくる。その姿に見覚えがあって、彼女は必死になって頭を回転させた。そう、ルスカシアのソロルのメルクリウシア。何故彼女までこの場にいるのか、少女は訳が判らず頭が真っ白になってしまった。 そんなアルブロシアを無視し、放たれた風を跳んで避けたクラウディアに向けて、メルクリウシアが心の底から楽しそうに声をかけた。 「ま、その子のことは別としてぇ、人のソロルに手を出したんだから、覚悟はいいわねぇ?」 メルクリウシアは、だらりと下げている右手の木刀を持ち上げると、クラウディアに突きつけた。 「前は七合でのされたけれどぉ、今回は貴女は無手。私はこの「宝剣クーゲルシュライバー」。まさか卑怯だなんて言わないわよねぇ?」 「……………」 すっ、とクラウディアの両腕が上がり、握られた拳が両肩の前に構えられる。放たれる殺気は、心臓を突き刺すかのように鋭く強い。 それを見て犬歯をむいて嬉しそうに笑ったメルクリウシアが、銀色の魔力を刀身にまとわせて応えた。 「いい、アルブロシア。手出しは無用よぉ」 アリアに案内されたアムリウス神父が現場に到着したのは、メルクリウシアが放った横薙ぎの斬撃を腰を落として髪一筋で避けたクラウディアが、交差させた両手でその右腕を挟み、踏み込んだ右足で相手の右足首を払った瞬間であった。 そのまま綺麗に宙を飛んだメルクリウシアは、背中から壁に叩きつけられ、頭から廊下に落ちると、そのまま気を失って転がった。 「そこまで!」 右手の軍刀の鯉口を切りつつ、鋭い静止の声をかけたアムリウス神父に、クラウディアは床に転がっていた木刀を手に飛び退ると、そのまま刀身を右肩に担ぐようにして構える。放たれる殺気に内心舌を巻きつつ、神父は、今度は落ち着いた声で相手に向かって話しかけた。 「男子講義棟物理学講座担当のアムリウス司祭だ。君、刀を下ろしなさい。ここは修道会だ。決闘は禁止されている」 アムリウス神父のすぐ横に立っているエレナは、この場の惨状に声も出せずにがたがたと震えており、アリアは、厳しい面差しで親友の事をじっと見つめている。 クラウディアは、ゆっくりと呼吸を整えると、ずっと事の成り行きを見ていたアルブロシアから離れ、すいっとアムリウス神父の前に近づき、一礼した。 「一期生のクラウディア学生です」 それに対してアムリウス神父が軽くうなずいて返すと、クラウディアは、そっと木刀を神父の前に置いて少し距離をとった。 アムリウス神父は、その全く隙を見せない少女の所作に、なるほど、これがセルウィトス・セルトリウスの一姫かと納得し、同時になんともやりきれない気持ちになった。これだけ美事な立ち振る舞いと、今床の上でのた打ち回っている三人の少女との対比が、あまりにもそぐわなかったのだ。 まずは三人の少女をなんとかしなくてはならない。アムリウス神父は、皆から離れたところに立っているアルブロシアに向かって声をかけた。 「君、救護室に行って人を呼んできなさい。私は女生徒に触れるわけにはいかない」 「失礼します」 すっ、と、アムリウス神父達の後ろに人影が差し、声がかけられる。最初から気配を感じてはいたが、この少女の身のこなしも学生らしくないことに、神父は心の中で溜息をついた。女子生徒といいつつ、男子生徒も顔負けの身のこなしの学生ばかりである。これでは修道女達も身がもたないであろう、と、本心からそう思ったのであった。 「君は?」 「一期生のエウセピア学生です。聖セルギウス修道会で治療の術を修めました」 「そうか。ではこの子等の治療を頼む」 「はい」 すっと振り返りもしなかったアムリウス神父の横を通り過ぎ、エウセピアは、倒れている女生徒の横にしゃがんで無造作に淡々と施術をしてゆく。その魔力量と、術式の精緻さに、神父はあらためて舌を巻いた。本当にこの「学院」は人材の宝庫と言ってよい。 「クラウディア学生、私は今起きている事について、大雑把な説明しか受けていない。詳しい説明をしてもらいたい」 「はい、先生」 背筋を伸ばして一礼したクラウディアは、直立不動の姿勢のまま淡々とこの騒動について説明を始めた。 「つまり、エレナ学生へのいじめにアルブロシア学生が介入し、その結果起きた騒動を鎮めようとしたクラウディア学生を、アルブロシア学生が彼女の御父上を侮辱し、今回の決闘となった。こういう理解で間違いないね? クラウディア学生、アルブロシア学生」 「はい。先生」 「……はい、間違いありません、先生」 「……………」 学生の前であるからこらえたが、アムリウス神父は、天を仰いで盛大に罵声をあげたくなった。男子生徒よりも女子生徒の方が、いじめは陰にこもりがちとはいえ、その結果が命のやりとりである。無表情のまま自分を見つめているクラウディアが、自分が何者か理解した上でそういう態度をとっているであろう事は想像するだに難くない。セルウィトスとアドルファスの遺恨云々をするならば、その切っ先が最初に向かうのは自分だからだ。伊達に今上皇帝リランディアに銀貨十万枚の賞金をかけられるほど戦場で活躍したわけではない。 「さて、ここからは個人的な質問だが、クラウディア学生、君はアルブロシア学生の侮辱を命をもって償ぐなわさせなくてはならないと、今この瞬間にも考えているのかい?」 「はい、先生」 「慈悲と寛容はないのかい?」 「わたしはアルブロシア学生に、彼女の同期を通じて、二度とわたしの前に現れなければ許す、と伝えました。しかし彼女は、直接私と決着をつける事を望みました。ならば、貴族の権利であり義務でもある決闘をもって、決着をつけなくてはなりません」 「アルブロシア学生、君はクラウディア学生に謝罪し、慈悲と寛容を求めようとはしなかったのかい?」 「はい。私の行った侮辱は、この身の血をもってしか償えません。その覚悟はできています」 この頑固で意地っ張りな貴族の小娘どもが。アムリウス神父は、なんとか表情に出すのはこらえつつも、二人の少女の事を内心で盛大に罵った。なまじ名門の出身で、世慣れてすれていないだけに、融通が利かないことこの上ない。これが世知に長けた大人ならば、適当なところで落としどころを見つけられるのであるが、純粋無垢な子供だけにそうもいきそうにはない。 アムリウス神父は思った。これから自分のやろうとしている事は一種の詐術だな、と。だが他に手が見つからない。 「判った。では言わせて貰おう。君達は、ここが聖アルカディウス修道会所属の学校で、俗世の関わりと離れて勉強を行う場所である、という事を理解していない。エレナ学生の問題は、学生間で解決しようとするのではなく、先生方に相談して解決方法を探すべきだった。我々はいじめを許すつもりは毛頭無いし、その解決のためには全力を尽くすつもりでいる。君達は、学生の自治について大きな誤解をしている」 自分の前に立っている八名の学生のうち、クラウディア学生とエウセピア学生以外の全員が、叱責を受けて辛そうな表情を浮かべた。だが残り二人は、直立不動の姿勢をたもったまま、微動だにせずアムリウス神父の言葉を聞いている。その姿に、まるで軍で部下を叱責しているような気持ちになり、神父はその気持ちを振り払うかのように言葉を続けた。 「その上で、ことここに至っては、そうした建前論では収まりもつかないだろう。そうだね、クラウディア学生、アルブロシア学生」 「はい、先生」 「……申し訳ありません」 「ならば」 ここでひときわ大きな声をあげてアムリウスは胸を張った。 「この、アムリウス・アドルファス・グスタファスが、二人の間の遺恨を預かる!」 「……………」 「え!?」 「そして」 アムリウス神父は、修道服の隠しからハンケチを取り出すと、右腕の肩口をしばり、手にした軍刀の鞘でねじり締めて血行を止めた。 「私の右腕をその担保にしよう。受け取りたまえ、クラウディア学生」 左手で払った刀身を右腕の肘に当て、一気に引き斬る。 ごとん、と音を立てて転がった右腕と、ばしゃりと床の上ではねた血が、少女達を驚愕させた。 「「帝國」の幾多の兵士を殺してきた私だ。本来ならばこの首を渡してアドルファスとセルウィトスの間の遺恨に決着をつけたいが、アドルファスに遺恨を持つ者は無数にいる。君の一門にだけこの身を渡すわけにはゆかない。さあ、受け取りたまえ」 「……それは」 「どうした? 御父上を侮辱したケイロニウス・アクィロニウス家のアルブロシアを許せないのだろう? ならば、今回の騒動全て、アドルファス・グスタファス家のこの俺が預かると言っているんだ。そいつが、その担保だ。受け取れ」 さすがに一度にこれだけの血が抜けては、態度をそれらしく取り繕うのもつらくなってくる。意識を朦朧とさせないように気を引き締め、クラウディア学生の目を直視し、視線に力をこめて言葉を続ける。 「俺の父が教会軍の総司令官だったのは事実だ。君の御父上を修道士が殺したのも事実だ。だが両者の間に関係は無い、といっても納得はできないのだろう? その事が今回の騒動の原因のひとつだというなら、構いやしない。その右腕を持っていって一門の皆の前でさらすんだ。それでこの騒動に決着がつくというなら、俺は構いやしない。さあ、取れ。取るんだ!」 「……わたしは」 「続けろ」 「受け取れません!」 クラウディアは、初めて声に感情をこめて叫んだ。その目に困惑の色が浮かび、そして、目尻にわずかに涙も浮かんでいる。 「だって、他にどうしろって言うんですか!? 自分の父親を日和見の裏切り者呼ばわりされて、それを笑って受け流せと!? そんな真似、できるわけないじゃないですか!! わたしはセルウィトスなんだ!! 宗主であるセルウィトス・セルトリウスの家を継ぐ者なんだ!!」 「判っている。だから、君に俺の右腕を預けると言っているんだ。そいつに価値があると認めるならば、その価値に相応しい態度をとってくれ。君になら、それができるだろう?」 「……わたしに、それができると仰るのですか?」 「俺は、君の一番上の兄上を知っている。近衛騎士団で一緒だった」 アムリウス神父は、自分で自分の言っている事に嫌悪感を感じて叫び出したくなるのを必死になって我慢していた。こういう形で話をそらし、詭弁を弄して丸め込む。それはまさに、内戦を激化させ北方全土を戦火の底に沈める結果に終わった戦争のきっかけを作った坊主どもと同じやり口であった。その結果として故郷を失った彼にとっては、汚辱にも等しい行為であったのだ。 「あいつの妹ならば、できるはずだ。いい奴だった。俺はあいつを今でも信じている。だから、あいつの妹である君を信じる」 「先生……」 おずおずと進み出たクラウディアは、そっと血の海の中に転がるアムリウス神父の右腕を取ると、それを両手で捧げ持ち、彼に差し出した。 「お返しします。わたしみたいな子供に、これを預かる資格はありません」 「それで?」 「ですが、アルブロシアが謝罪するならば、それを受け入れ、友情を分かち合います。エレナの事も、わたしが責任を持ってなんとかします。ですから、お願いです、先生の右腕を返させて下さい」 「……そうか、判った。君を信じる」 右腕を締めていた鞘から左手を離し、クラウディアが差し出す右腕を受け取る。その時、ハンケチが緩んだのか、切り口からさらに血がこぼれた。 ぐらりと身体が傾きかけ、アムリウス神父は、歯を食いしばって膝が崩れ落ちそうになるのをこらえた。 「先生!?」 「大丈夫だ。これくらいの傷なら、内戦中に何度も負ったさ」 「エウセピア様、お願い!」 これまで場の雰囲気に呑まれていたのか、黙って成り行きを見ていたアリアが、初めて声をあげた。 その声に我を取り戻したのか、エウセピアがアムリウス神父に駆け寄り、切断された右腕をとって切り口に当てる。治癒の聖句を口早に唱え、膨大な魔力を注ぎ込み、骨を、筋肉を、血管を、皮膚を、接合してゆく。 「……大したものだな。もしかして、君も古人かい?」 「はい。ユリウス・フェブリアヌス家の者です」 「そうか。貴族に復帰できたのか。……おめでとう」 「ありがとうございます」 皆が息を呑む中エウセピアは、アムリウス神父の右腕を接合すると、さらに血を失った分の体力を自分の魔力で補填し、治療を終えた。 そのあまりにも見事な手際に、アムリウス神父は大きく息をついてから、右腕を動かしてみた。右腕は、切り落とされる前と変わらぬ動きを見せる。 「ありがとう。どうやら黒板に文字を書くのに難儀せずに済みそうだ」 努めて明るい声でそう冗談を口にしたアムリウス神父の様子に、少女達は一斉に緊張をとき、互いに抱き合って喜びを分かち合っている。 アムリウス神父は、廊下に転がっている軍刀を拾い上げると、刀身の血を払い、服の裾で血糊をぬぐってから鞘に収めた。 とりあえずこの場は納めたが、だがこの騒動の後始末が残っている。ここまで関わってしまった以上、知らぬ顔はできない。これから自分を待っている面倒を想像して、内心で大きく溜息をつくと、盛大に主と人の子と聖霊に向かってぼやいた。 主よ、何故に我の前にこの面倒な小娘どもを置きたもう。まったくもってクソッタレだ。少しは仕事しろ、修道女ども。
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【作品名】Fate/staynight 【ジャンル】エロゲー(文学) 【名前】言峰綺礼 【属性】愉悦神父 聖杯戦争の監督役にして参加者 【年齢】38歳 【長所】聖職者としてはまとも 【短所】外道麻婆神父 どのルートでも最後は死ぬ 【備考】享年 vol.6 Fate/stay night [Unlimited Blade Works] Blu-ray Disc Box Standard Edition(通常版) Fate/stay night(1) (角川コミックス・エース)
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物 語 http //charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1250433054/ 儚物語 http //charaneta.sakura.ne.jp/test/read.cgi/ikkoku/1270319459/ 小説、『化物語』シリーズ主人公。 神父曰く、同士、ららぎー。 ミハル曰く、上級生。 神父の事は「同士」、ミハルのことは「下級生」と呼ぶ。 ちなみになにがどう同士なのかは不明。相通じる物があるらしい。
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792 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/08/30(水) 04 14 23 天井近くから始まった掃き掃除も、この床掃除で終了となる。 掃除の間中ずっと考え、そして結論が出た。 「よし、トニオさんに弟子入り、とまでは行かなくても、簡単にイタリア料理について学べる事は学んでおこう」 料理のレパートリーが増えればきっとみんなも喜んでくれるだろう、最終的には。 そうと決まれば早速四人に話してこなければ。 「あー、みんな、悪いんだけど教会に行くのはもう少し後で良いかな?」 「? どうしたんですか? 掃除にもう少し時間がかかるとか?」 「いや、掃除はさっき終わったんだけどさ……」 少し躊躇いがちになるのは仕方がなかろう。 何しろ私用の極みと言うところだ、団体行動を乱すのはあまり誉められた事ではない。 「ここでイタリア料理の基礎だけでも勉強していこうと思って」 だからみんな反対するだろうけどここは少し我慢して貰って…… 「あ、それなら私も学ぼうかしら」 「ええ、良い考えですわ」 「良い考えですね、賛成です」 「私も構いませんよ」 あっさりと承認された。 「……いや、良いのか?」 話的にも。 「ええ、これだけ美味しい料理ならば学んで損はないでしょう、淑女の嗜みは多く、かつ洗練された方が良いに決まっていますわ」 いつの間にか扇子のような物を取りだして笑うルヴィア、手袋と共に驚く程決まっている。 「言っちゃなんだけど、中華料理は医食同源だからね、デザートに彩りが寂しいと思っていたところなのよ」 顔を少し赤くして答える遠坂。 学ぶ気満々だ、例の豊胸効果のあるデザートを。 「料理のレパートリーが増えますね、トニオさんが師匠の師匠になっちゃいますけど」 「ええ、サクラ、料理の種類が増えて困る事はありません、私は待っていますが」 学ぶ意欲満々の桜と見守るライダーも依存はまるで無さそうだ。 話を切り出した時、トニオさんはいい顔はしなかった。 「ワタシにしてもまだまだ学ぶ事は沢山アルと思っていマス、ヒビ修行という奴でス」 しかし最終的には了承してくれた、基本的な事だけで良ければという条件付きだったが。 そこで掃除の後片づけの後、全員を招いてのイタリア料理基礎講習会が始まった。 結局。 朝一番でS市に来たというのに午前中は何も進展せず、昼食を食べ、トラサルディーを後にしたのは日も落ちかけた夕方であった。 トニオさんに全員で一例する。 「またドーゾー」 そう言って笑顔で見送るトニオさんの笑顔が特徴的だった。 そして頭の中にある事も「得したなぁ」という想いが大半を占めていた。 教会はトラサルディーからそう離れていない霊園の一角に建てられていると言う事だった。 「以外と、近いのね」 「以外と、というか、あそこからここまで建物が殆どありませんでしたよ?」 「あれでよく経営が成り立つわね……あれほどの腕ならば一度で終わりと言う事は無いでしょうが」 そう言いながら、霊園を歩く。 霊園の構造は一般的な物で、冬木の教会近郊とそう変わらないものだった。 教会の庭では、如雨露で花に水を差す黒服の神父の姿が見えた。 「……何かね? 冠婚葬祭の類では無さそうだが」 振り返りもせず声をかける神父、どうもまともな手合いでは無さそうだ。 「私は遠坂凛、冬木の管理人で、時計塔からの依頼で『聖杯戦争』参加の為の報告に来ました」 油断はしない。 何しろ冬木の聖杯戦争では神父が裏で大きく糸をを引いていたからだ。 故にライダーも実体化せず後ろに控えていた。 「……後ろの面々も同じ参加者と見て良いかね?」 「ええ、勿論、無関係の人間を巻き込むようなマネをしないのは魔術師の基本でしょう?」 「なるほど……」 納得したのか、もう一人の神父を呼ぶと、花の水差しを任せ、教会の中へ手招きした。 「あの花は日に弱い品種でね、昼に水を撒くとそれだけで葉が焼け付いてしまうのでな。 だから日の落ちる寸前に優しく水を撒き、夜中に水を吸収させねばならない」 石畳の床を歩きながら、神父はそんな事を口にした。 「来たまえ、外で話をすれば日も落ちるだろう……それに、説明の前に見せたい物もある」 教会の中へ案内された。 そこで神父は ト:沢山の人を見せつけた ニ:とある箱を見せつけた オ:聖杯を見せつけた
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基本操作について キー操作 十字(矢印)キー:方向キー Xキー:メニューを開く・キャンセル Zキー:決定・話す・調べる メニュー画面-アイテム:アイテム欄を開く 呪 文:呪文画面を開き、呪文を確認及び使用する セーブ:セーブを行う ゲーム終了:ゲームを終了する セーブについて セーブは教会にいる神父で行う事が出来ます。 死亡者の復活 死亡者の復活は教会にいる神父で行う事ができます。 復活の為には一定額のゴールドが必要です。
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ああ、楽しい。とても楽しい。 闘争だよ、考えてもみたまえ、君。 配点(戦争・平和)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【1】 交渉をする際にまず必要なものは、言い分を聞かせる為の土壌だ。 相手がこちらと同じ土俵に建つ事で、初めて交渉というものは成立する。 逆に言ってしまえば、相手に聞く気が無いのなら、それは交渉以前の問題という事で。 (五分五分、だよなぁ) 五分五分とは、相手が交渉に応じる確率を指している。 アーカードとアンデルセンの事は、既にライダーから聞き及んでいる。 片や闘争の狗、片や狂信者。どちらも人の話を聞かない暴れ馬だ、と。 もし彼等がそっぽを向いて飛び去ってしまえば、この交渉は失敗に終わる。 まだ本題にさえ入っていないというのに、膝を付く羽目になってしまうのだ。 正純としては、そればっかりは何としても避けたい事態ではある、のだが。 (……にしても、いくらなんでも殺気立ちすぎじゃないか?) 正純がこの場に現れてもなお、アーカードとアンデルセンの殺気は衰えない。 視線はこちらに向けているものの、手に持つ武器は互いに突き付けたままだ。 文字通りの一触即発、ふとしたきっかけで戦闘が起きかねない。 どうするべきか。このまま話を続けた方がいいのだろうか。 そもそも、あの体勢でこちらの話を聞く事は可能なのか。 やはりここは、一旦武器を下ろしてもらうべきなのではなかろうか。 「ちょっと!人の話を聞くなら武器しまいなさいよ!」 この張り詰めた空気に合わない、幼い少女の声がした。 正純の隣に立つアーチャーが、アーカード達に呼びかけたのだ。 矮躯といえどやはりサーヴァント、子供とは思えない度胸である。 一方の正純は、背中の温度が低下していくのを感じていた。 あの言い方では、逆に二人の気を立てる結果になるのではないか。 どうか穏便に済んでほしいと、そう願わずにはいられない。 「それもそうだな、このままでは話を聞くのもままならん」 「……これ以上王を待たせるつもりか」 「なに、すぐに済む」 意外な事に、彼等は素直に武器を下ろした。 どうやらあの二人、思ったより話が分かるのかもしれない。 少佐の言伝とはやや異なる様子に、正純はほっと息をついた。 アーカードは口元に微笑を浮かべ、一方のアンデルセンは眉間に皺を寄せている。 見た所、アンデルセン側が何らかの約束を取り付けているようだ。 やはりタイミングを見誤っただろうか。だとしても、もう後には戻れない。 「さて、少佐の遣い。お前は真に戦うべき者がいる、そう言ったな。ならば答えてみせろ、私達を何と戦わせるつもりだ?」 「"聖杯"。貴殿らが求める願望器そのものだ」 正確に言えば、聖杯戦争の元凶たる聖杯と交渉するのだ。 聖杯を砕くのは、その交渉が決裂した場合の話である。 補足をしようとして正純は口を開こうとするのを、神父の声が遮った。 「――聖杯と戦え、だと?」 「必ずしも戦う訳ではない」と口に出そうとして、しかし言いよどむ。 神父から漏れ出る殺意が、喉まで出かけた言葉を引っ込ませたからだ。 正純を射抜く彼の視線は、切先の鋭い槍の如き鋭さが秘められていた。 「俺に神の聖遺物を砕けと、この異端狩りに聖杯を破壊しろと。 その上この"吸血鬼(ばけもの)"と協力しろと、貴様はそう言うのか」 神父はその場に佇むばかりで、一歩も動こうとしない。 だが正純には、この狂信者が一歩ずつ迫っている様な感覚を覚えた。 一字一句神父が言葉を紡ぐ毎に、着実に殺意が増しているのだ。 「理由を言え。俺の殺意がまだ限度でない内にな」 気付けば、正純の頬に冷や汗が伝っていた。 アンデルセンが狂信者である事は、既に少佐から聞いている。 しかしながら、ここまで壮絶な殺意を放出できる男だったとは。 ここでしくじれば最後、協力どころか自分の命まで危ないだろう。 「……神父、貴殿も気付いているのではないか?この聖杯が名ばかりのものに過ぎない事に」 「根拠はあるのか」 「Jud.でなければこうして貴殿らの前には出ていない」 そう、単純な理屈ではあるが、根拠なら持ってきてある。 相手を揺さぶる第一手としては、それなりの効果がある筈だ。 「そもそも、聖杯とは、イエス・キリストの聖遺物、最後の晩餐で彼が使用した杯だ。 それに他者の血を求める要素など何処にもなかった筈。何故聖杯は我々の死を望むのか?」 「アーサー王の聖杯伝説に由来するものではないのか?」 「仮にそうだとしても、その聖杯にも血を求めた歴史は無かった筈だ」 アーカードの質問に、直純が即答した。 彼女が言う通り、聖杯とはイエスの所有物以上の意味を持たない。 ましてや、そこに流血が関わった歴史など何処にも無いのである。 「ノアの箱舟にしてもそうだ。本来あれは男女のつがいを乗せる舟。 にも関わらず、この聖杯戦争では男同士の主従が存在している、これは本来の聖書の記述とは矛盾している」 優勝景品たる聖杯はおろか、舞台となる方舟さえ偽名を使用している。 その仮定が正しければ、聖杯戦争そのものが胡散臭いものに見えてくる。 本来の名を隠すなど、何か裏があるに決まっているのだから。 「とするとアレか、この聖杯が聖杯じゃないって、お前はそう言いたい訳か」 「そういう事になる。聖杯の名を騙る正体不明の願望器。それが今我々が求めようとしている物体の正体だ」 耳に入り込んできたジョンスの言葉に、正純はそう答えた。 そして彼女はその後に、改めて神父と向き合った。 「アンデルセン神父、貴方は異端狩りを主とする、バチカン法王庁特務局第13課所属と聞いている。 となれば、この聖杯の名を騙るこの願望器は、貴殿にとって許し難い存在なのではないか?」 神父はその言葉に対し、無言を貫いたままであった。 それを肯定ととるか否定ととるか、正純は推し量る術を持たない。 だがあの態度は、こちらの話を聞いていると見て間違いないだろう。 彼等の心を動かすには、もう一声必要だ。 「……断言しよう。貴殿らは聖杯に隷属している身であると。 願いを人質に取られ、聖杯の望むがままに戦わされているのだと」 聖杯戦争に従うというのは、聖杯に従うのと同義だ。 アーカードも神父も、聖杯などという正体不明の存在に仕える者では無かった筈だ。 にも関わらず、彼等は聖杯のお望み通り、闘争に明け暮れているではないか。 「貴公らの主は別にいる筈だ。仕えるべき神が、人間がいたのではなかったか。 にも関わらず、何故貴殿らは闘争に明け暮れる?第三者の操り人形にされている?」 アーカードには、インテグラというヘルシング家の血を引く主がいた。 アンデルセンには、キリストという二千年もの間信仰された主がいた。 この二人には、間違いなく従うべき者が、尊ぶべき者がいた筈である。 だからこそ正純達は、今の彼等を否定する。 聖杯に隷属し、造られた闘争に身をやつす彼等の頬を引っ叩く。 主を見違えた者達の眼を、従うべき者へ向けさせる為に。 正純の発言を聴き終えた後、口を開いたのは神父ではなく。 彼の殺気を全身に浴び続けていた、アーカードの方であった。 「言うじゃないかお嬢さん(フロイライン)。実に勇敢な口ぶりだ。 ならばどうする?我々を隷属させる聖杯にお前は何を突き付ける?」 「私は聖杯を"解釈"する。殺し合いを望む聖杯と交渉し、そのやり方を改めさせる。 保存するに足るという一対を選出するのが目的なら、現状より相応しい方法など幾らでもある筈だ」 アークセルの目的は、自身に保存するに相応しい"つがい"を用意する事だ。 求めるものが本当にそれだけならば、聖杯戦争に拘る必要性など皆無ではないか。 それこそ血の一滴も流れない、平穏な方法による選出も出来る筈だ。 「なるほど、たしかにお前の言い分も尤もだ。だが聖杯とて聖人君主ではあるまい。 お前の言う"真名を隠す紛い物"が、その"解釈"とやらを聞くほど利口な保証はないだろう」 そう、アーカードの意見も一理あるし、十分想定できる事態ではある。 聖杯に意思が存在している事は。過去の考察で確信済みだ。 その聖杯が、果たして一参加者の提案を受け入れるものだろうか? そしてアーカードは、正純からある一言を引き出そうとしている。 もし聖杯が交渉に応じなかったなら、お前はどうするつもりなのだ、と。 正純本人の口から、あの単語が出てくるのを待ち侘びているのである。 「聞こう。もしその解釈が失敗に終わったのだとしたら?」 そして予測通り、アーカードは何かに期待するかの様に問い。 「……その時こそ、貴殿らの望み通りの事をしよう」 対する正純は、待ってましたと言わんばかりに。 アーカードが渇望する、その一言を叩き付けた。 「戦争だ。一心不乱の大戦争を以てして、聖杯を打破しようじゃないか」 言い終えた直後、周囲に漂うのは静寂であった。 僅かな間にも関わらず、その瞬間が酷くおぞましいものに、正純は思えてならなかった。 もしかしたら次の瞬間、新たな戦いの火蓋が落とされるかもしれないのだ。 この静けさは、開戦直前の不穏さを内包していたのであった。 そしてその静けさを破ったのは、足音だった。 小さな笑みを携えたアーカードが、正純達に向けて歩き出したのである。 一歩ずつゆっくりと、標的である正純を威圧するかの如く。 アーチャーが臨戦態勢に移ろうとするのを、正純が手で制した。 アーカードが発砲する事はないという、確信めいたものがあったからだ。 歩み寄る吸血鬼が、正純の目の前に来たところで、足音が止んだ。 アーカードは、自身を見上げる正純の表情をじっと見つめていた。 こちらをじっと見つめる、彼女の凛々しい視線が、アーカードを射抜いている。 物怖じしないその瞳を見て、アーカードは何かを察したのか、 「く、くく」 唐突に漏れ出た小さな笑い声は、すぐに巨大なものへ成長していく。 「くは、はははは、くはははははははッ!」 アーカードは正純に向け、これ以上ない位に破顔してみせたのだ。 これには流石の彼女も、表情に困惑が出てきてしまう。 それでもなお、吸血鬼は笑うのを止めようとはしなかった。 「ははははははははははッ!聖杯と戦争するだと!? 成程大したお嬢さんだ、あの少佐が遣わしただけの事はあるッ!」 流石少佐の遣いって、それじゃまるで私が少佐みたいじゃないか。 正純は思わずそう反論したくなるが、ぐっと押さえてやり過ごす。 重要な交渉の最中に、平時の様に突っ込むのは自殺行為に他ならない。 「成程、聖杯と戦争か。中々どうして、面白いではないか」 「……んだよお前、また寄り道する気かよ」 「まあ待てマスター、まだそうと決まった訳では無いさ」 ジョンスの方を振り返り、彼と会話を交わすアーカード。 どうやら、彼の方からは好印象を持たれているらしい。 この調子で、こちらの意見も聞き入れてくれればいいものだが。 そう考える正純を尻目に、アーカードは神父に向けて、 「では今度は私からお前に聞こう、神父。 聖杯との闘争と私同士の闘争、お前はどちらを取る?」 これまた、答えに期待するかの様な言いぶりだった。 神父の方もそれを察したのだろう、迷惑そうな口調で、 「ほざくか吸血鬼。俺の答えなど、当の昔に予感していただろうに」 直後、刺す様な視線が、再び正純を襲う。 射抜かれた彼女もまた、物怖じする事なくアンデルセンを見つめた。 少女と神父、二人の視線が交差する。 「お前の話が正しければ、俺の敵は聖杯なのだろう。 聖杯を騙るなら、我が銃剣(バヨネット)で粉微塵にせねばなるまい」 「……それは、我々に協力するという事で間違いないか?」 これはもう、決まったようなものではないか。 想像以上に容易く、この二人を懐柔できてしまうのではないか。 そんな慢心にも似た期待が、正純の中に生まれ始めて、 「お前の話に乗る気は無い。少なくとも今は、な」 そして神父は、当然の様にその期待を打ち砕いた。 【2】 「なっ――――!?」 提案の否定を突き付けられ、正純は思わず動揺した。 それもその筈、神父は彼女の話に対し、納得を示していたのである。 その神父がどうして、聖杯の紛い物との闘争を突っぱねてしまうのか。 「お前の言葉に理解は示せる。なるほど聖杯は偽りかもしれん、俺が滅ぼすべき物かもしれん。 だが駄目だ、今だけは駄目なのだ。俺の問題ではない、俺のサーヴァントと、そこにいる吸血鬼の問題だ」 そう言って、神父はアーカードを睨み付けた。 常人なら竦み上がるであろうその視線を受け、吸血鬼はにやりと笑う。 殺意に慣れ切った、闘争に身を置き続けた者らしい反応だった。 「貴殿のサーヴァントとアーカードに、どんな関係が……」 「俺が契約しているのは、ヴラド三世だ」 「――――ッ!?」 アンデルセンの告白に、正純は絶句する他なかった。 サーヴァントの真名を明かしたのもそうだが、あのヴラド三世を従えているというのだ。 奇怪な話だとしか思えない――そのヴラド三世は、正純の目の前にいるというのに。 「俺は今"人間の"ヴラド三世と共にいる。 人として戦い、人として死に、人として座に至った英雄。 そこにいる化物と同じ名の王と、俺は契約した身にある」 とどのつまり、この冬木には"ヴラド三世"が二人いる、という事になる。 片や吸血鬼として存在するヴラド、片や人間として存在するヴラド。 化物と人間、対極に位置する二人が出会えば、起こるのは一つを置いて他にない。 きっと二人は、己が存在を賭け、互いの心臓を穿たんとするだろう。 「王は今、自分(アーカード)との闘争を求めている。 奴の存在だけは、決して受け入れてはならないものだからだ。 如何なる局面であろうと、奴だけは、あの化物だけは、王の手で殺されねばならぬ」 この様子では、アーカードとの協力など以ての外だろう。 よもや、神父のサーヴァントが障害として立ちはだかる事になろうとは。 思わぬ壁の出現を前に、正純は内心で歯噛みした。 「……今である必要はあるのか?」 「王はこの夜の決着を望んでいる。一刻も早く滅ぼさねばならんのだ。 喝采を以て迎え入れ、憤怒を以て滅ぼし尽くす。それが王の望みだ」 どうやら人間のヴラド三世は、大層せっかちな気質らしい。 よほど怪物のヴラド三世を気に入ってはいないのだろう。 歪になった自分自身、滅ぼしたいと思うのは当然なのかもしれないが。 「聖杯の為ではない。俺が呼んだ王の、たった一人の人間の為の闘争だ。 誰にも邪魔はさせん。誰にも渡さん。誰だろうと、誰であろうとだッ! ……横槍を入れるなら、例え裁定者であろうと塵殺してくれる」 その言葉には、有無を言わさぬ覇気が、これでもかと含まれていた。 どんな存在が割って入ろうと、それら全ての邪魔を消し去らんとばかりの勢い。 この男にとって、ヴラド三世同士の闘争とは、それだけの意味を持つのであろう。 「もう一度言おう。あの化物を打ち滅ぼすその瞬間まで、お前達の話を聞き入れる事は出来ん」 「だ、だが!貴殿らのその闘争さえ聖杯が仕立て上げた物ッ!それを――」 「くどいぞ、女」 その瞬間、正純は心臓に銃剣が突き刺さったかの様な感覚を覚えた。 急激な立ちくらみが襲い掛かり、思わず倒れ込んでしまいそうになる。 それでも立っていられたのは、正純が積んだ経験のお陰であろう。 幾度となくプレッシャーを浴びてきたからこそ、どうにか耐え切れたのだ。 (これが神父の……まるでサーヴァントじゃないか) それまで放っていた殺意でさえ凄まじいと感じていたのに、それ以上があったとは。 この瞬間正純は、神父が自分に向けては殺意を抑えていた事を悟った。 恐らく、今先程向けられたものこそが、彼が化物に向ける殺気なのだろう。 アーカードはこの覇気を、そよ風を受けるかの様に浴びていたというのだ。 「知った事ではない。お前が何を考えようが、少佐が何を成そうが知った事か。 今の俺は、王の元に化物を送り届ける機械であればいい。道具であればそれでいい」 神父の鋭利すぎる殺意が、正純の全身を貫いている。 常人であれば卒倒してしまいそうなそれを浴びながらも、正純の心は折れていなかった。 ここで引いてしまえば、わざわざ此処に来た意味が無くなってしまう。 死と隣り合わせなのを承知の上で、それでも説得せんと口を開こうとして、 「そこまでで結構だ、マスター」 正純を制止させたのは、少佐の一声であった。 何時の間にやら、彼はシャアの車から此処まで移動していたのである。 少佐は正純の一歩先に立ち、前方の戦闘狂達と相対する。 「久しぶりだな、諸君。ここからは我がマスターに代わって、私から話をさせてもらおう」 アーカード、アレクサンド・アンデルセン、そして少佐。 かつてロンドンにて、血を血で洗う戦争を巻き起こした三人の狂人。 この冬木の地で、彼等は再び集結する事となるのであった。 【3】 シャア達が交渉の場に出る事を、正純は良しとしなかった。 車で待っていてほしいと、彼女直々に申し出ていたのである。 アーカード達との交渉を通して、自分の交渉力を見せつける。 シャアが考えるに、それは正純の狙いの一つなのだろう。 狂犬二匹を押さえつける事で、己の能力を同盟相手に誇示する。 そんな目的が無ければ、シャアらの協力を拒む事はない筈だ。 (……無茶な話だろうな) だが現実は、正純の思う通りにはいかなかった。 アーカードは既に、闘争の約束を取り付けていたのである。 おまけにその相手は、彼にとって宿敵とも呼べる存在なのだ。 シャアにとってのアムロ・レイ、日本軍にとっての連合国がそうであったように。 彼等のその戦いに割って入るなど、無謀であると言う他ない。 正純には悪いが、この交渉は失敗するだろう。 少なくとも、円満に同盟が結べるとは到底思えない。 悪いがここは、先の申し出を無視してでも介入すべきだろう。 そう考えた後、赤い車から降りようとするシャアだったが、 「いや結構、私が行こう」 シャアの思考を読んだかの様に、ライダーがそう言った。 見ると、彼は既に車を離れようとしているではないか。 「何、客人に出向かせては面子が立たないのでね。 これでもサーヴァントだ、マスターの助けくらいはしなければ」 「それを言うなら私も同じだ。手を差し伸べずに、何が同盟相手か」 「いやはやなるほど、そういう捉え方もできるか」 そう言うライダーの顔には、やはり笑みが張り付いている。 その笑みは、シャアが従えるアーチャーの様な、温かみのあるものではない。 アーカード達と同じ、獰猛な肉食動物の様な歪んだ笑顔である。 「だが断らせてもらう。これは私自身の事情もあってね」 「……やはり気になるのか。あの二人が」 「ああ、そうだとも。言ってしまえば私はね、同窓会に行くのさ」 ◇ □ ◇ 「やあ、久しぶりだな"少佐"」 「ああ、二度と会いたくなかったよ"吸血鬼"」 少佐とアーカードは、互いに笑みを作っていた。 その表情に何が隠れていたのかは、当人達のみぞ知る話だ。 一つはっきりしているのは、再会の喜ばしさ故の笑みではない、という事か。 「良い戦争の機会を手土産にしたが……どうやら間が悪かったようだ。 いやはやまさか、そんな極上の闘争(ネタ)を既に仕入れていたとはね」 「ああ、またとない機会だ。まさか"私"と殺し合えるとはな」 あの神父まで従えてきたのだ、これほど良い日はそうそう無いさ。 そう言うとアーカードは、くつくつと笑ってみせた。 よほど自分との戦いが楽しいのだろう、嫌でもそう分かる笑みだった。 「お前の言う戦争も興味深いが、流石にこれには勝てんさ」 「ふむ。では我がマスターの要求も突っぱねる気でいたのか」 「そういう事になるな」 そう、アーカードは最初から、正純に従うつもりは無かった。 彼女がどんな要求をしようが、最終的には断る気でいたのだ。 今の彼には、目の前にある最高の闘争こそが最優先だった。 「なるほど、この有様では狂犬に話す様なものだな。 ならばせめて、私の要求の一つは聞いてもらえないか?」 そう言って、改めて少佐はアーカード達と向き合った。 かつて敵対した彼等に、この戦争狂は何を求める気でいるのか。 場の注目は、必然的に少佐一人へ向けられていく。 周囲の視線を一身に浴びる彼は、悠然とした様子を保ったまま、 「休戦だ。アーカード、そしてアンデルセン神父。私は諸君らとの再戦を否定する」 直後、アーカードが「ほお」と声を上げた。 一方の神父は、眉ひとつ動かさず少佐を見つめている。 「理由を答えろ、少佐。闘争を誰より望んだ貴様が、何故闘争を否定する」 「私自身が嫌だからさ。君達との戦争はもう喰い飽きたのでね。 それに、こんな戦争を侮辱した戦争の真っただ中となっては、食指も動かんさ」 誰より戦争を求め、そして戦争を愛した男が、戦争を否定した。 それどころか、この聖杯戦争を"戦争の侮辱"と嫌悪さえしている始末。 アンデルセンは、問わずにはいられなかった。"何故聖杯戦争を否定するのか"、と。 「私は君達と最高の戦争をしたと思っている。あの闘争は、過去のどんな戦争より心が躍ったものさ。 エバン・エマール要塞の戦いよりも、スターリングラード攻防戦よりも、きっと素晴らしい戦争だったろう」 生前、少佐はアンデルセンやアーカードと、文字通りの大戦争を行っている。 ロンドンを舞台にした一大決戦は、イギリスの首都を一夜で死の都に変貌させた。 その凄まじさたるや、ロンドンだけでも数百万人規模の犠牲が出た程である。 彼の固有結界にして宝具である『最後の大隊(ミレニアム)』は、その一夜を再現するものだ。 宝具とは、その英霊を象徴する伝説の具現化。その事実からも、少佐とこの戦争の関係性が窺えるだろう。 「諸君らとの戦争は良い物だった。私の命を燃やし切るに相応しい闘争だった。 あの燃え盛るロンドンは、最後の景色にしては上出来すぎるくらいだったさ」 その言葉通り、少佐はアーカード達との戦争を、最高の戦いだったと思っている。 サイボーグになってまで生き延び、そして死んだ甲斐があったと信じて疑ってない。 地獄の様な戦争だったが、彼にとっては、有終の美を飾るに相応しい闘争だったのだ。 「だからこそ、私は私の花道を汚す全てを否定する」 光悦とした表情から一転、少佐の表情に怒りが浮かぶ。 それは、自らの末路を汚したアークセルに向かうものであった。 「私は人生に満足した。私は終焉を理解した。私は結末に納得した。 だから許せない。私の人生に蛇足をつけた聖杯が、心底憎くて堪らない」 少佐は現在、ムーンセルによって再現された身である。 それはつまり、月の演算装置に彼の情報が記録されているという意味だ。 今の彼は、まさしくムーンセルの一部の様なものなのである。 「ムーンセルだったか、あれは最悪だ。 人の情報を盗み、同化させる演算装置。その在り様は吸血鬼そのものだ。 他者の命を喰らい、己の物とする連中と何が違う?ああ、何一つ違わんさ」 聖杯――あらゆる情報を吸い上げ、己の物とする演算装置。 無限に等しい人間のデータを、それはその身に融合させている。 まるで、血を啜り魂を吸収する、あの吸血鬼(アーカード)の様に。 「冗談じゃない。俺の情報は、命は、心は、魂は、俺だけのものだ。 毛筋一本、血液一滴、俺だけに扱う権利がある。どれもこれも俺のものだ!」 少佐は吸血鬼を否定する。吸血鬼という魂の侵略者を憎悪する。 そしてそれ故に、聖杯という吸血鬼まがいの装置をも、同様に憎むのだ。 全ては、自分が唯一で在り続ける為に。自分が自分で在り続ける為だけに。 「私は私を喰らった聖杯を憎悪する、私の最期を汚した聖杯を嫌悪する。 "これまでの"私を汚す一切を、私は受け入れるつもりは無いのだよ」 君達との再戦も、その内の一つなのさ。 その言葉で締めくくると、少佐は少し表情を緩ませた。 するとアーカードが、釣られる様に顔を綻ばせた。 「私はまたお前と殺し合っても構わんぞ」 「冗談でも止めてくれ、君と戦うなどもう真っ平御免だ」 【4】 結局の所、どういう展開になったんだ、これは。 少佐の演説を聴き終えて、ジョンスが思ったのはそれだった。 何しろ、交渉でもするのかと思えば、急に自分語りを始めたのだ。 アーカードといい、急にポエムを口ずさむ癖でもあるのだろうか。 「いいだろう」 「いいだろう」というのは、少佐の要求に対するものだろう。 ジョンスの意思などお構いなしに、この男は休戦を受け入れた。 尤も、当のジョンスの方も、別に戦おうが戦わまいが、どちらでも良かったのだが。 「そちらがその気なら仕方ない。私も銃を収めるとしよう」 「銃を収めるって、戦うつもりだったのかよ」 「場合によってはな。エスコートされたのなら、付き添わねばなるまい」 もう少しクサくない例えは出来ないのか、お前。 そう突っ込む代わりに、ジョンスは溜息を一つついた。 時折、この吸血鬼の考えが分からなくなる時がある。 「アーカードは問題なし。ではアンデルセン神父、君はどうだ?」 「言われずとも、今の俺に貴様と戦う理由は無い」 神父は淡々と、少佐の質問に答えた。 彼の言う通り、今此処で矛を交えるには理由が無い。 神父達が戦う場所は、此処から離れた廃教会である。 「そうか、では此処に停戦は成立した。今後我々は侵さず、侵されずの関係に至る。 そして諸君、君達は我々に背を向け、これから"お楽しみ"に洒落込むわけだ」 お楽しみ――つまりは、ヴラド三世同士の決戦。 この闘争を終えれば、どちらかが死に、どちらかが生き残る。 少佐もまた、それを承知の上で停戦協定を結んだのだろう。 どちらが生き残っても、協力体制を作れるように、という魂胆に違いない。 「ああ行くといい。存分に戦って、そして死んでくるといい。 自分との闘争、さぞや気持ちの良い自慰になるだろうさ」 アーカードは口を三日月に歪め、神父は一瞬顔を強張らせる。 少佐はというと、やっぱり楽し気な表情を浮かべたままだった。 その後、廃教会に向かおうと動き出したのは、神父が最初であった。 すぐさま目的地に行こうとして、しかし少佐の方へ振り返り、 「さらばだ少佐。今は、今この一瞬だけは――感謝するぞ」 その言葉を最後に、神父は一気に駆けだした。 彼は駿馬の如き勢いで、廃教会がある方向に移動していったのだ。 その速度といえば、サーヴァントにさえ匹敵する程である。 「ああ。さよならだ、神父」 舞台からアンデルセンが消え、残るは少佐とアーカード。 次に消えるのは、アーカード達と決まっていた。 「では行くか、"私"をあまり待たせるのも酷だ」 「元々お前が放った都合じゃねえか」 半ば呆れながらも、ジョンスもまた廃教会に向かおうとして。 小さな子供の手が、自分のズボンを掴んでいる事に気付いた。 視線を向けてみれば、やっぱりそれはれんげであった。 「八極拳……うちも連れてってなん」 一人の男にしか縋れない、弱い子供がそこにいた。 宮内れんげには、帰る場所も持つべき役割もありはしない。 あまりに自由なこの少女は、同時に哀しい程孤独であった。 「どうするマスター、この子も連れていくか?」 「どうするって言われてもな……」 アーカードの問いに、ジョンスは少しばかり考える。 そしてその後、孤独に怯える少女の顔を一目見て、 「ついてきたいなら、勝手に来いよ」 その途端、れんげの表情から怯えが消えた。 手をズボンから離し、既に歩きだしていたアーカードに向けて走り出す。 こういう切り替えの早さもまた、子供であるれんげならではであった。 ジョンスはちらと、正純達の方を見遣った。 彼女とアーチャーとはばつの悪そうな顔を浮かべる一方、少佐は妙に楽し気な顔をしている。 一体全体何がおかしいんだと聞こうとして、面倒なのでやめた。 (訳分かんねえな、こいつら) もしかして、アーカードの周りには変な奴しかいないのだろうか。 そんな事をふと思って、「まあそうだろうな」と勝手に納得した。 なるほど、それなら周りから「サムい」や「キモい」など言われる訳もない。 BACK NEXT 146-c 祭りのあとには 投下順 156-b 話【これからのはなし】 146-c 祭りのあとには 時系列順 156-b 話【これからのはなし】 BACK 登場キャラ:追跡表 NEXT 146-c 祭りのあとには 宮内れんげ 156-b 話【これからのはなし】 アレクサンド・アンデルセン&ランサー(ヴラド三世) ジョンス・リー&アサシン(アーカード) 電人HAL&アサシン(甲賀弦之介) シャア・アズナブル&アーチャー(雷) 本多・正純&ライダー(少佐)
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DQⅥ 狭間の世界における地名。 祠という名前ではあるものの、マップのシンボルも内部も井戸である。 その通り牢獄の町から南にあり、湖の穴と牢獄の町とのほぼちょうど真ん中に位置する。 中には牢獄の町から逃げてきたという老人と神父がいて、老人に話しかけるとHP・MPを全快してくれる。 神父はセーブも可能なので、牢獄の町へ乗り込む前に寄っておくといい。 なお、ここがラストダンジョン直前の最後のセーブポイントとなる。セーブと回復が一遍に出来るので利便性も高い。 ここでセーブすると冒険の書のデータ表示が「いどのそこ」になる。やっぱり井戸なのか。
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概要 Ⅵとリメイク版Ⅲに登場する特技。 マップ上で使用する特技の一つ。 おおごえを上げることで、旅の宿屋や神父、商人などを呼び出すことができる。 誰がやって来るかはランダムで、店のラインナップには一定の法則に基づいて決められる。 商人系の特技としては貴重なアイテムや大金を得られることがある【あなほり】に比べると影が薄いが、 上手く使えば宿屋での全回復、教会での死者完全蘇生などがダンジョンの奥でも使える便利な特技。 消費MPは多いが、宿屋さえ呼ぶことができればこの問題はチャラである。 町中やフィールドマップ他、ダンジョン内でも使える場所は存在する。 ただし、呪文無効化地域やラストダンジョン、隠しダンジョンの最奥部などでは無効化されることが多い。 DQⅢ(リメイク版) 【商人】がLv17で習得する。 消費MPは15。 「旅の宿屋」「旅の神父」「最後に立ち寄った店」の中からランダムに1つを呼び出すことができる。 町中やフィールドマップ他、基本的にはダンジョン内でも有効。 宿屋の料金は1人につき100Gで、神父の項目は【教会】のそれと同じ。 最後に立ち寄った店は一度冒険をやめてリセットをしても記憶されている。 特に役に立つのが【すごろく場】のよろず屋を呼び出すという使い方。 普通は特定のパネルに止まった時にしか購入できない【ひかりのドレス】や【ドラゴンローブ】なども、 一度立ち寄った後に大声を使えば後からでもお金のある時に人数分揃えることができる。 ただし、他の店に立ち寄ると商品のラインナップが上書きされてしまう点には注意が必要。 DQⅥ 【商人】★7で習得することができる。 登場したのはこちらが先。 基本的な仕様は上記のものと同じで、宿屋の料金は1人につき100G。 神父の項目も教会のそれとほぼ同じだが、セーブだけは行うことができない。 また、今作では【はざまの世界】では使用することができない他、 店売り商品のラインナップが決められる仕様が若干異なっている。 SFC版では、一度冒険をやめてから再開した場合は、店は必ず「旅の武器屋」が現れる。 品物は【はがねのつるぎ】【モーニングスター】【はじゃのつるぎ】【とがったホネ】【いしのキバ】の五種類。 【ダーマ神殿】の武器屋と同じなので、使用可能な時期的には物足りないであろうラインナップである。 DS版では、旅の「道具屋」「武器屋」「防具屋」「よろず屋」「宿屋」「神父」の六種類の中から選ばれるようになり、 それぞれの店で「最後に立ち寄った店」のラインナップとなり、またゲームを再開した時点で売られている商品も決まっている。 再開してからどの店にも立ち寄ってない状態での各店のラインアップは以下の通り。 道具屋 【やくそう】【どくけしそう】【せいすい】【キメラのつばさ】【まんげつそう】 武器屋 【こんぼう】【おおきづち】【どうのつるぎ】【ブーメラン】【いしのオノ】 防具屋 【かわのよろい】【うろこのよろい】【かわのたて】【うろこのたて】【きのぼうし】 よろず屋 【やくそう】【どくけしそう】【キメラのつばさ】【かわのぼうし】【きのぼうし】 この時の商品のラインナップはSFC版の時以上に魅力的とは言い難い品揃えで、 最も便利な「宿屋」を呼べる確率が下がってしまっているため、若干使い勝手は悪くなったと言える。
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J-795 DIOの骨 J-795 C イベント ストーンオーシャン ○○ 味方の『プッチ』1人を「P+2、S+2」する。この効果は自分リネージに『DIO』がある時のみ使用できる。 出典: 恐らく、第7弾のJ-688 石のペンダントと対になるようデザイン されたものと思われる。 しかし、あちらが「P+3、S+3」なのに対してこちらは「P+2、S+2」… 承太郎と徐倫の絆の方が、DIOとプッチの絆より強いという事なのだろうか。 第8弾現在の『プッチ』 J-680 プッチ神父 J-681 プッチ&DIO J-790 エンリコ・プッチ J-791 プッチ神父