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前ページ次ページゼロのペルソナ 死神 意味……別離・再生 「風吹く夜に」 「水の誓いを」 それが恋人たちの合言葉だった。 「きみが好きだ」 「わたくしだって、お慕いしております」 「きみと太陽のもと……、誰の目もはばからずに、この湖畔を歩いてみたいものだ」 「ならば、誓ってくださいまし」 「迷信だよ。ただの言い伝えさ」 「迷信でも、わたくしは信じます。信じて、それがかなうのなら、いつまでも信じますわ。いつまでも……」 それは全て、双月を映しこむ美しき湖でのことだった。 ルイズはラグドリアン湖から戻ってきてトリステイン魔法学院の自分の寝室にいた。 そして手持ち無沙汰となっていたルイズはトリステイン王家から送られて来た『始祖の祈祷書』を読むことに決めた。 もともと『始祖の祈祷書』はゲルマニア皇帝とトリステイン王女であるアンリエッタ姫との婚約の儀で 詔を読み上げられる任を頂いたルイズに、その文を作るために送られて来たのであった。 しかし、その『始祖の祈祷書』を読む前にルイズは忌まわしい事件に巻き込まれてしまいそれどころではなくなってしまった。 思い出すだけでどこであろうと奇声を発したくなるような羞恥の記憶。 ルイズが水の精霊のもとから帰ってきてすぐに『始祖の祈祷書』を読もうと決断したのはルイズの勤勉さの表れではなく、 なにかしらの仕事に集中して嫌なことを忘れようという意志の表れだった。 そして『始祖の祈祷書』はルイズの願いは十全にかなえてくれることとなる。 ベッドの上で行儀悪くうつぶせになりながら『始祖の祈祷書』を開いた。 祈祷書の中には白紙のページが続くばかりということは聞いていたが、 今のルイズはただ時間を潰すことの出来る言い訳があればなんでもよいという気分だった。 しかしページの中には古代ルーン文字が躍っていた。それを見た瞬間、ルイズはわけもわからぬほど、それに引き込まれてしまった。 序文。 これより我が知りし真理をこの書に記す。この世のすべての物質は、小さな粒より為る。 四の系統はその小さな粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり。その四つの系統は、『火』『水』『風』『土』と為す。 ルイズの知的好奇心が爆発的に膨れ上がる。読み始めた不純な動機はルイズの心の中から消え去っている。 神は我にさらなる力を与えられた。四の系統が影響を与えし小さな粒は、さらに小さな粒より為る。 神がわれに与えしその系統は、四のいづれにも属せず。我が系統はさらなる小さき粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり。 四にあらざれば零。零すなわちこれ『虚無』。我は神が与えし零を『虚無』と名づけん。 ルイズにはもうページをめくろうとする意志に抗うことはできない。たとえ目の前で戦争が起きようともルイズは構わず読み続けるだろう。 これを読みし者は、我の行いを受け継ぐもの、あるいはそれに抗するものなり。『虚無』を扱うものは心せよ。 『虚無』は強力なり。我はこの書の読み手を選ぶ。たとえ資格なきものが指輪を嵌めても、この書は開かれぬ。 選ばれしものが指輪を嵌めても、この書は開かれぬ。選ばれし読み手は『四の系統』の指輪を嵌めよ。されば、この書は開かれん。 ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ ルイズはさらに急かされるようにページをめくるが、後のページには白紙が続くばかりであった。 本を閉じ、ルイズは半ば呆然としながらも先ほど読んだ内容のことで考え込んだ。 読んでいるうちに、いつの間にか横になっていた身を起こしていた。 何も書かれていないという『始祖の祈祷書』には文字があった。 いや、この書物は読むものを選ぶという。もしかして自分だけにしか見ることができないのか。 ルイズは指に嵌めた水のルビーを見た。それはアルビオンへ行く前にアンリエッタから譲られたものだ。 トリステイン、アルビオン、ガリアそしてロマリアに始祖の時代から伝わるという指輪。これが『四の系統』の指輪なのであろうか。 今まで自分が魔法を使えなかったのは自分の系統が虚無だったからであろうか。だが、読めたといっても序文だけである。 ということはやっぱり自分はただの落ちこぼれで、自分が虚無であるなどというのはただの妄想なのであろうか。 その後、ルイズは真剣な表情で考えこんでいるかと思えば、うんうん唸ったりと頭の中で思考の堂々巡りを繰り返した。 完二はいつも以上に厨房などで学園で働く平民たちと食堂で時間を潰し、部屋に戻ってきた。。 時間が経つに連れ恥ずかしさも実感できるようになってきたので、最悪の場合、ルイズから八つ当たりでもされるのではないかと思っていたからだ。 だが却ってルイズのボーッとした様子に心配することになってしまった。 次の日もルイズは、始祖の祈祷書と虚無について考えこんでいるばかりであった。 今日一日ルイズがおかしいと思ったキュルケは夕食後、半ば強引にテラスに誘い、 半ば強引に付いて来たクマと食後のデザートを楽しみながらルイズに質問を投げかけていた。 ところがルイズときたら、「はあ」だの「そう」だのまるで気のない返事ばかりだった。 惚れ薬が効いている間のことをからかってみても似たような反応であった。これにはキュルケは驚愕した。 ルイズはわりといや、かなり粘着質な性質なのだ。そのルイズが惚れ薬で痴態を晒していたことをすぐに忘れるはずがない。 いつものルイズならこれだけで一年はからかうネタに困らないだろう。 「ねえ、ルイズ、あなた今日一日、その古びた本を読んでるだけじゃない?」 「そう」 それまでと同じように気のない返事をしたルイズは突然、はっと思いついたような顔をした。 「キュルケ!この本読んでみて!」 ルイズはその手に持っていた本をキュルケに渡した。 もう一人の自分の親友と同じように無感情になっていたルイズの突然の感情のほとばしりにキュルケはたじろいだ。 「え、なによ……ってこれ、なにも書かれてないじゃない」 このピンク髪の友人は一日何も書かれていない本を読んでいたのであろうか 。もしかしてモンモランシーの惚れ薬の悪影響を受けているのでは? とキュルケが頭の具合を心配する少女はさらに自分の指に嵌めていた指輪を抜き取りキュルケに突き出した。 「これつけて読んでみて」 「それに何の意味が……」 「いいから!」 気おされたかのようにキュルケはおとなしく言うとおりにして指輪を嵌めてもう一度白紙だった本を見てみる。当然、今も白紙だ。 「読めないわよ……」 「古代ルーン語が読めないから?何も書かれていないから?」 キュルケは片眉をつり上げた。 「古代ルーン語……?なんでそれが出てくるのよ?」 「つまりなにも書いてないように見えるのね?」 「見えるも何も書いてないじゃない」 「そう……そうなのね……」 ルイズはそう言うとなにか得たものがあるというな顔になり、本と指輪を返してくれとキュルケに言った。 本と指輪を返しながら、キュルケは一日何も書かれていない本を読んだ挙句、 指輪を付けてそれを読めと言いう奇態な言動をする友人のことを本気で心配した。 そしてあとでモンモランシーを問い詰めることも心に決めた。 ところでルイズのぶんのデザートまで無心に食べていたクマだが、着ぐるみは着ていない。 召還されて最初のころは着ぐるみを脱ぐのを嫌がったものだが、最近は脱ぐのに抵抗がなくなったようだ。 未知の場所なのでクマにとって最も完全に近い姿を保っていたかったのかもしれない。 つまり今はこの世界になじんだということだ。 そこへ完二がやって来た。 「おい、キュルケ、クマ。タバサと花村センパイが帰ってきたぜ」 「あら、本当?じゃあ、迎えに行きましょうか」 「あ、ちょっと、モグモグ、待って欲しいクマ」 クマはクリームを飛ばしながら立ち上がったキュルケに言った。 完二はその二人とは別にもう一人同じテーブルに座っている少女に躊躇いがちに言った。 「な、なあルイズ、お前も行っとくか?」 ルイズの返答はなかった。それだけみれば昨日の夜と同じだったが、なにか黙考しているようであった。 「ごっくんペロリ。それじゃ迎えに行くクマよー」 顔をクリームでペイントしたクマが言った。キュルケがしょうがないとばかりにナプキンで顔を拭いた。 考え込んでいるルイズも無理矢理連れて一行は塔を出た。 4人が行った時、タバサと陽介はちょうど馬車から降りようとしていた。 「タバサ、数日ぶりね!」 そう言いながらキュルケは馬車から降りたタバサをその豊満な胸に押し付けるように抱きしめた。タバサはなされるがままだった。 完二とクマも数日ぶりに会う仲間を出迎える。 「センパイ、お疲れっス。つかどこ行ってたんスか?前もこんなことあったよな」 「どーこ行ってたクマ?さーさー、吐きんしゃい」 「んー、いや悪いな秘密なんだわ」 「ムムム、何か怪しい香りが……。でも陽介が秘密って言うならしょーがないクマね」 「ま、センパイがそーいうなら」 陽介の言葉に納得できたわけではないが、一年以上の深い付き合いだけあって完二とクマは踏み込むのをやめた。 タバサを抱きしめていたキュルケは、視界を去ろうとする馬車を見た。 タバサたちが乗ってきたものだが、それには交錯する二つの杖の紋章、ガリア王家の証が記されていた。 この子がガリア王家の馬車で?この子とガリア王家にどういう関係が? だが、キュルケの思考は、小さな友人とは別の方向へと進んだ。 それは昨日ラグドリアン湖で感じた違和感、そして馬車と王家。それらがキュルケの頭の中で化学反応を起こした。 「なあ、クマちょっと話が……」 「ああああ!!」 キュルケの突然の大声に、話を遮られた陽介はもちろん周りの人間は全員驚いた。 その腕の中にいたタバサも彼女にしては珍しくビクリと小さく肩を震わせた。 「ちょっと、なんなの!?」 今まで帰ってきた二人との会話に参加せず、思考の海を漂っていたルイズも怒ったようにキュルケに言った。 タバサを解放してキュルケは真剣な表情を浮かべてルイズを視界の中央に納めた。 「昨日、わたしなにかひっかかりを感じてたのよ。水の精霊からアンドバリの指輪の話を聞いてから……いえ、正確に言うならそれ以前かしら……」 「ちょっと何を勝手に納得しようとしてるのよ!わたしにもわかるように説明しなさい」 さきほどのテラスでの会話で自分も同じようなことをしておきながらルイズは悪びれている様子はない。 キュルケはルイズの要求の身勝手さを気にはしなかった。もとより意趣返しのつもりもない。 「ならはっきり言うわ。昨日、ウェールズ皇太子の姿を見たわ」 その場に居た一同は言葉を失った。もっともタバサはいつもの寡黙なのかもしれないが。 「どこで?」 やはり一人驚愕とまではいたらなかったのかタバサはキュルケの簡潔な説明の詳細を簡潔に求めた。 「ここからラグドリアン湖へ向かう途中で馬車とすれ違ったの。 やけにいい男が乗ってると思ったんだけどその人がウェールズ皇太子だったのよ」 「な、なんでもっと早くに気付かないのよ!?」 「しょうがないじゃない。男の顔なんていちいち覚えていないわ。 というか死んだものと思ってたのよ、ニューカッスル城にいた人間は全員殺されたって聞いてたし」 「ま、まあよかったじゃん?皇太子さん死んでなくてさ」 陽介がキュルケに噛み付くルイズをなだめる。 クマと完二も陽介と同意見である。 「よかったクマー!王子さま生きてて。クマも頑張ったかいがあるってもんです!」 「ああ、まったくだぜ」 しかしキュルケの顔はウェールズの生存を喜んでいるようではなかったので、完二は尋ねる。 「なに渋い顔してんだ?ちったあ喜ばーねのか?」 「生きてるなら喜ぶわよ。もし生きてるならね……」 キュルケの言葉にルイズだけがはっとした顔になった。 「もしかして、あんたアンドバリの指輪で甦らせられたって言うつもりなの?」 その言葉でようやく完二とクマもキュルケの言わんとしていることを理解した。しかし陽介とタバサは話がつかめない。 「ちょ、待ってくれ。いったいなんの話をしてんだ?」 「ラグドリアン湖で水の精霊から死んだ人間を操るアンドバリの指輪が盗まれたのよ」 これでわかるでしょ。というようにキュルケは端的に情報を告げた。タバサは瞬時に理解し、陽介も少し遅れて理解する。 「つまり皇太子はアンドバリの指輪で操られている?」 タバサが要点をキュルケに問いかける。 「確信はないわ。ただ、もしあの皇太子が誰かに……いえ、操っているならレコン・キスタでしょうね。そうなら狙いは……」 「姫さま……!」 キュルケの出す結論をルイズは言った。キュルケはこくりと頷き、ルイズの推論と同意見であることを示した。 ウェールズ皇太子をわざわざ生き返らせてトリステインに送り込んできている。 彼はアンリエッタの恋人である以上、最もシンプルで効率的なのはアンリエッタを誘拐することだ。 公の場に死体であるはずのウェールズを出すことはできない。種がバレてしまう危険も大きい。 しかし密会し、トリステインの重要人物をかどわかすなら?その重要人物が王女ならば? 恋人であったウェールズにならばそれが出来る。 「行くわよ、手遅れになる前に!」 太陽が地平へと消えようとする時刻、ルイズを先頭に6人は馬を駆り王都トリスタニアに向かった。 アンリエッタは王宮にある寝室にいた。本来ならもう就寝してもいい時間だがここ最近は寝つきが悪くなってきている。 理由は彼女自身分かっている。彼女の恋人であるウェールズ皇太子が戦死したことだ。 恋人は死に、そして自分は政略結婚のためにゲルマニア皇帝に嫁がなければいけない。 アンリエッタは自分が、あの下賎な国に嫁がなければいけないことを考えると情けない気持ちになる。 自分はかつてウェールズが言ったように政略結婚をしなければならないのだ。 ただ、それでも彼の一言があれば救われる気がした。 14歳の夏の短い間、一度でいいから聞きたかった言葉。 「どうしてあなたはあのときおっしゃってくれなかったの?」 目が自然と水気を持ってくる。アンリエッタが目元を拭っていると、扉がノックされた。 「誰ですか、こんな夜中に?」 「ぼくだ」 その声を耳にした瞬間アンリエッタの顔から表情が消えた。 「いやだわ、こんなはっきりと幻聴が聞こえるなんて……」 「ぼくだよアンリエッタ。この扉を開けておくれ」 アンリエッタの鼓動は早鐘のようになる。そして扉へと駆け寄る。 「ウェールズさま?嘘。あなたは反乱軍の手にかかったはずじゃ……」 「それは間違いだ。こうしてぼくは、生きている」 「嘘よ。嘘。どうして」 「ぼくは落ち延びたんだ。死んだのは……、ぼくの影武者さ」 アンリエッタはまるで現実ではないかのように感じられた。 手足の感覚が感じられなくなり、空間に存在していることが強く感じられる。 扉の向こうからウェールズの言葉が聞こえた。 「風吹く夜に」 ラグドリアン湖で、何度も聞いた合言葉。 アンリエッタは合言葉を返す余裕などなく、ドアを急いで開け放つ。 湖畔で見た笑顔がそこにあった。 「おお、ウェールズさま……よくぞご無事で……」 その先は言葉にする事が出来ず、ウェールズの胸でむせび泣いた。 「泣き虫は相変わらずだね、アンリエッタ」 「だって、てっきりあなたは死んだものと……」 「敗戦のあと、巡洋艦に乗って落ち延びたんだ。ところでアンリエッタ、水のルビーはまだルイズが持っているのかい?」 突然の質問にアンリエッタはきょとんとした顔になる。もっともその顔は涙で崩れきっていたが。 「水のルビーですか?あれはルイズに譲渡したものですが……。なぜ指輪の話を?」 「いいや、なんでもない」 強引にウェールズは話を打ち切った。 アンリエッタは疑問を持てないでなかった。今のアンリエッタには瑣末なことであった。なにせウェールズが生きていたのだから。 「アンリエッタ、ぼくはアルビオンに帰るつもりだ。いや帰らなければいけない」 アンリエッタははっとした。 「ばかなことを!せっかく拾ったお命を、むざむざ捨てに行くようなものですわ!」 「それでも、ぼくは戻らなくてはいけない。だから今日、ぼくはきみを迎えに来たんだ」 「わたしを?」 「アルビオンを解放するためにはきみの力が必要なんだ。一緒に来てくれるね」 「わたしは……」 突然のことにアンリエッタは混乱する。 愛する人が自分を求めているのだ。何をためらう必要がある。 しかしそれは感情で、理性は王家として果たすべき義務を語りかけている。 「愛している。アンリエッタ。だからぼくといっしょに来てくれ」 ウェールズの言葉は理性を吹き飛ばした。 ウェールズとアンリエッタは唇を重ねる。 アンリエッタは幸福感に包まれながら、眠りの世界へと落ちていった。 前ページ次ページゼロのペルソナ
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前ページ次ページゼロ・HiME アルビオンを脱出したルイズ達は、静留の治療とアンリエッタに報告のためシルフィードでトリステイン王宮の中庭に乗りつけた。 だが、王宮はアルビオン王軍敗れるの報を受け、厳重警戒中だったため、不審者とみなされたルイズ達は魔法衛士隊に取り囲まれてしまった。 ルイズは自分の身分を明かし、王女との面会を求めたが信用されず、衛士隊との間で押し問答をしてると、宮殿からアンリエッタが現れた。衛士隊に囲まれたルイズに気づき、慌てて駆け寄ってくる。 「姫様!」 「ルイズ!」 皆が見守るする中、二人はひっしと抱き合った。 「ああ、無事に帰ってきたのね。アルビオンの王軍が敗れたと聞いて一時はどうなることかと……よかった、本当によかった……」 「姫様……」 アンリエッタの言葉にルイズは思わず涙ぐむ。 「件の手紙は、無事、この通りにございます」 ルイズは胸ポケットに入った手紙を見せる。アンリエッタは頷くとルイズの手を両手で握り締めた。 「ルイズ、あなたはわたくしの一番のお友達ですわ」 「もったいないお言葉です、姫様」 「あなたとあなたの友人に心よりの感謝を。それと聞くまでもないのでしょうけど……ウェールズさまはやはり父王に殉じられたのですね、ルイズ?」 寂しげな口調で問うアンリエッタにルイズは無言で頷く。 「……して、ワルド卿は? 姿が見ませんが、別行動を? それともまさか……いえ、あの子爵に限ってそんなはずは……」 動揺するアンリエッタの様子に、ルイズは一瞬、逡巡した後、ありのままの事実を伝えようと口を開く。 「実は……」 「ワルドはんは裏切り者だったんどす、姫様」 ふいに背後から聞こえた声にルイズが振り返ると、そこには静留の姿があった。 「裏切り者?」 アンリエッタの表情に影が差すが、静留の格好に気づくと衛士隊の隊長に声をかける。 「隊長どの、彼らはわたくしの客人ですわ。杖を収めて衛士を下がらせてください」 「さようですか」 アンリエッタの言葉に隊長はあっさり納得すると、隊員たちと共に持ち場へと去っていった。 「どうやら道中で何かあったようですね……とにかくわたくしの部屋でお話しましょう。他のかたがたは別室でお休みになってください。それからシズルさんには着替えと水のメイジの準備をさせますので」 キュルケ達と分かれた後、ルイズは着替えと怪我の治療を終えた静留と共にアンリエッタの居室に招かれた。 ルイズはアンリエッタにことの次第を説明した。 ラ・ロシェールで襲撃を受けたこと。 アルビオン行きのフネでも空賊に襲われたが、それは皇太子の変装で無事にニューカッスルにたどり着けたこと。 そして、決戦の朝にワルドとの結婚式を挙げようとしたこと。 その最中にワルドが豹変してウェールズを殺害し、手紙を奪い取ろうとしたが、静留の働きで手紙は奪われずにすんだこと……。 しかし、これで同盟を妨害する敵『レコン・キスタ』の企みが阻止され、任務は成功したというのにアンリエッタは悲しみの表情で一杯だった。 「あの子爵が裏切りものだったなんて……わたくしが、ウェールズさまのお命を奪ったようなものだわ。裏切り者を使者に選ぶなんて、わたくしはなんということを……」 アンリエッタは我が手に戻った自筆の手紙を抱きしめ、はらはらと涙を流した。 「姫さま……」 ルイズは、思わずアンリエッタの手を握った。 「あの方は、わたくしの手紙をきちんと最後まで読んでくれたのかしら? ねぇ、ルイズ?」 「はい、姫さま。間違いなくウェールズ皇太子は姫殿下の手紙をお読みになりました……やはり皇太子に亡命をお勧めになったのですね?」 ルイズの問いに掌中の手紙を悲しげに見つめたまま、アンリエッタは小さく頷いた。 「ええ、死んで欲しくなかった……だって、愛してたんですもの」 それからアンリエッタは呆けたようにぽつりと呟いた。 「わたくしより、名誉の方が大事だったのかしら?」 「……それは違いますえ」 それまで二人の様子を黙ってみていた静留が口を開く。 「あのお人は姫さんが大事やったからこそ、自分が亡命することで反乱軍が攻め入る口実を与えるより、敵と戦って少しでも長く姫さんとトリステインの平穏を守ることを選んだんどす」 「敵は攻めてくるときは攻めよせてくるでしょうし、攻めぬときには沈黙を保つだけのこと。それはウェールズ様が亡命しても変わらないのではありませんか?」 どこか投げやりなアンリエッタの問いに、静留は否定することなくうなずく。 「確かにトリステインの状況は変わらんと思います。ただ皇太子は亡命しても碌なことにはならんでしょうな」 「……どういうことです」 「そらこの同盟はトリステインとってはレキン・コスタに対抗するのが目的かもしらんけど、ゲルマニアの狙いはトリステインとアルビオンを将来併合するための布石を打つことや。 当然、その邪魔になるアルビオン王族の生き残りの皇太子の引渡しを要求、トリステインはその要求に応じるざるをえない――そうなれば最悪レキン・コスタとの取引きの贄にされて殺されるか、良くても生涯幽閉は免れんやろね。 それが分かっているからこそ皇太子は戦おうと考えたんや思います。姫さんかて、愛する人を奪われた上に、そんな辱め受けるとしたら同じことをするんと違いますか?」 「―――!」 静留の言葉にアンリエッタは一瞬はっとした表情を浮かべた後、両手で握り締めた手紙をじっと見つめた。 そんなアンリエッタを気遣うようにルイズが声をかける。 「姫さま、私が手紙で亡命を勧められたのではと聞いた時、ウェールズ殿下は『アンリエッタが、そんな愚かなことをするはずがない』とおっしゃって姫さまを庇っていました……殿下は姫さまを愛しておられた、それだけは確かです」 「ルイズ……」 アンリエッタは顔を上げると、そう断言したルイズに向かってぎこちなくにっこりと微笑んだ。 「わたくしの婚姻を妨げようとする暗躍は未然に防がれました。これで、わが国はゲルマニアと無事同盟を結ぶことができるでしょう」 アンリエッタは何かを悟ったような表情で無理矢理に明るい声を出した。心なしか先ほどまで淀んでいた瞳に精気が戻ったようにも見える。 「姫さま、これをお返しします」 ルイズはポケットから水のルビーと風のルビーを取り出し、アンリエッタに差し出す。 「まあ、水のルビーだけでなく風のルビーまで……ウェールズ皇太子から預かってきたのですか?」 「はい、殿下から受け賜ってきました」 ルイズはアンリエッタのせめてもの慰めにと思って嘘をついた。 アンリエッタは早速風のルビーを指に通した。そして、アンリエッタは風のルビーを愛おしそうになでると、ルイズの手に水のルビーを戻した。 「それはあなたが持っていなさいな。せめてものお礼です」 「こんな高価な品をいただくわけにはいきませんわ」 「忠誠には、報いるところがなければなりません。いいから、とっておきなさいな」 アンリエッタに促され、ルイズは渋々とそれを指にはめた。そんなルイズの仕草にアンエリエッタはくすりと微笑むと、静留の方へと向き直る。 「ありがとうございます、シズルさん。もう少しでわたくしはウェールズ様の想いを疑うところでした。私たちが愛を誓い合ったことに嘘はなかったというのに……だから、せめてあの方の意思を無駄にしないためにも、わたくしは強く生きていこうと思います」 そう言って、アンリエッタは風のルビーを見つめた。 「……まあ、何はともあれ全員無事に帰ってこれて本当によかったわ」 王宮から魔法学園に戻る途中、分かれて以降の顛末をルイズから聞いたキュルケがほっとした表情で軽口を叩く。 「そうね、一時はどうなるかと思ったけど……シズル、体のもう平気なの?」 ルイズはキュルケに相槌を打ちながらシズルに尋ねる。 「へえ、おかげですっかり良うなりました。城で治療してもろうたし、なによりその前にご主人さまからたんと元気の元を補給させてもらいましたさかいに」 その静留の言葉に一瞬、ルイズは怪訝な表情を浮かべるが、すぐに自分が脱出のときにしたことを思い出して頬を染めた。 「あああ、あれは単なる感謝というかご褒美というか……って、あなた、一体いつから目を覚ましてたのよ!」 「そうやねえ、ルイズ様がうちにキスするちょっと前には目覚めてましたな」 「ちょっ……だったら目覚めたのになんでわざわざ寝た振りしてたのよ!」 「せやかて、うちが起きてるの分かったらルイズ様はキスなんか絶対せえへんですやろ。それにせっかくのチャンスをふいにするなんてもったいないことできますかいな」 「~~~~~~~~~!」 静留がそう言って悪戯っぽく微笑むと、ルイズは何も言えずに赤らめた顔を更に紅潮させてうつむく。 (私としたことが、キスの時にシズルが目を覚ましていたのに気づかなかったなんて! しかもその前の恥ずかしい台詞も聞かれていたのは確実なわけで……うあぁぁぁ、このルイズ・フランソワーズ一生の不覚だわ) あまりの恥ずかしさに頭を抱えて悶絶するルイズに、キュルケがニヤニヤとしながら声をかけてくる。 「へえ、ルイズったら後ろでそんなことしてたんだ、ふ~ん」 「う、うるさいわね! 大体、あくまでご褒美であってやましいことなんてないんだからね! 男だけじゃ飽き足らず、色んな娘にちょっかい出してるあんたとは違うわ」 「あら、失礼ね。私は相手が誰であれ、いつだって本気よ……情熱の炎が消えないかぎりわね」 食ってかかるルイズの言葉にキュルケは悪びれもせずに答えると、艶然とした笑みを浮かべた。 「……そのうち刺されても知らないわよ、ツェルプストー」 「その点なら心配には及ばないわ、ヴァリエール。生憎と私はギーシュと違って、恨みをかうような覚えはないもの……そういえばギーシュが嫌に静かなんだけど、まさかタバサ、王宮に忘れてきてないでしょうね?」 「……そこにいる」 タバサが面倒くさそうにシルフィードの後方を指差す。そこには虚ろな表情でなにやらブツブツと呟いているギーシュの姿があった。 「はあ……やっぱりモンモランシー、絶対怒ってるよな……帰ったらおしおきは免れないか……ああ、考えただけでも恐ろしい」 「壊れた……」 「……悪いけど、自業自得としかいえないわね」 「うわ、キモイ……」 「まあ、うちらには分からんことがギーシュさんとモンランシーさんの間にはあ るいうことなんですやろ……タバサさん、どないしました?」 どこか恍惚とした表情で怪しく身もだえするギーシュの様子にドン引きする女性陣に苦笑しながら、静留は自分の服をくいくいと引っ張っているタバサの方へと顔を向ける。 「ご褒美……」 「……はい?」 自分の言葉に困惑する静留におかまいなく、タバサは静留の方へとぐっと身を寄せてきた。 「ご褒美って……まさかタバサさん、うちにキスして欲しいんどすか?」 静留の問いにタバサはコクンとうなづく。そのやり取りを聞いていたルイズがタバサに噛みつく。 「ちょっと、タバサ! 人の使い魔相手に何勝手なこと言ってるのよ!」 「私も手伝った……でも、それはルイズじゃなくてシズルのため……だからシズルからご褒美が欲しい」 「……どういう理屈よ、それ?」 タバサの説明に納得のいかない様子でムッとするルイズをなだめるように、キュルケが声をかける。 「別にいいんじゃない? タバサのシルフィードがいなかったらアルビオンの王城から脱出できずに皆死んでたかも知れないのは事実なわけだし……」 「まあ、それはそうだけど……そうね、キスじゃなくてタバサをぎゅっと抱きしめるぐらいなら許可してあげるわ」 「タバサさん、ご主人様もああ言うとることやし、それで堪忍しておくれやす」 ルイズの許可を受けた静留はそう言ってタバサに微笑む。それを聞いて納得したのかおずおずと手を伸ばしてきたタバサを静留は優しく抱きしめた。 「あ……」 「うふふ、タバサさんはほんにかわいいどすなあ」 抱きしめられてほんのりと頬を染めるタバサの様子に静留は目を細めながら、ちらりとルイズの方へと視線を向けた。 二人の様子をうらやましげな表情で見ていたルイズは、その視線に気づくと慌てて顔の表情を引き締め、静留に抱きしめられているタバサに向かって声をかける。 「いいこと、こんなことは今回だけよ! あくまで静留は私の使い魔なんだからね」 「はいはい、焼餅もほどほどしなさいね」 「う、うるさいわね! 私はシズルの主人として当然のことを言ってるだけのことであって――――」 キュルケのつっこみにルイズが真っ赤になって反論し、それをきっかけに言いあいが始まる――そんないつも通りのバカ騒ぎをしながらルイズ達は学院へと帰還したのだった。 前ページ次ページゼロ・HiME
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【検索用 あたりをひいたこいっとうしょう 登録タグ 2022年 VOCALOID あ うー玉 初音ミク 曲 曲あ 罪草】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:罪草 作曲:罪草 編曲:罪草 絵:うー玉 唄:初音ミク 曲紹介 いいないいな いいないいな 当たりを引いた子一等賞 曲名:『当たりを引いた子一等賞』(あたりをひいたこいっとうしょう) 歌詞 (概要欄より転載) あの子が泣きました この子も吐きました 神様見ていた飛んだ茶番劇 私は降りてもいいですか? 夕焼けが呼んでいる 還ろうと招いてる その傍でふざけた顔をして嗤っている いいないいな いいないいな 当たりを引いたら はい優勝 いいないいな いいないいな 当たりを引いただけで賞状 いいないいな いいないいな 当たりを引けなきゃ はい窮状 いいないいな いいないいな 当たりを引いた子一等賞 いいないいな いいないいな 美味しい思いをしてるんだろな いいないいな いいないいな みんながワラワラ媚びるんだろな いいないいな いいないいな 私は破滅を望んでいるけど そういう卑しい考えは止めて世界に愛情を! あーねw ありゃりゃありゃりゃ ありゃりゃありゃりゃ はずれを引いたか はい終了 ありゃりゃありゃりゃ ありゃりゃありゃりゃ はずれを引いたね残念賞 ありゃりゃありゃりゃ ありゃりゃありゃりゃ はずれを引いたよ 此畜生! ありゃりゃありゃりゃ ありゃりゃありゃりゃ はずれを引いた ご愁傷様です() いいないいな いいないいな 当たりを引くこと超重要 いいないいな いいないいな 当たりを引いた時の妄想 いいないいな いいないいな 当たりを願ってもう一度 いいないいな いいないいな 当たりを引けた子 コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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いつか、どこかにある。 走馬燈のひとつ。
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大逆事件(たいぎゃくじけん) 1882年に施行された旧刑法116条、および大日本帝国憲法制定後の1908年に施行された刑法73条(1947年に削除)が規定していた、天皇、皇后、皇太子等を狙って危害を加えたり、加えようとする罪、いわゆる大逆罪が適用され、訴追された事件の総称。日本以外では皇帝や王に叛逆し、また謀叛をくわだてた犯罪を、大逆罪と呼ぶことがある。 特に一般には1910,1911年(明治42,43年)に社会主義者幸徳秋水らが天皇暗殺計画を企てたとして検挙された事件を指す(幸徳事件ともいわれる)。 thumb|280px|right|大逆事件の犠牲者を顕彰する会による碑「志を継ぐ」([[和歌山県新宮市)]] 概要 政治制度として天皇制を重視した大日本帝国憲法下の日本政府は大逆罪を重罪とし、死刑・極刑をもって臨んだ。裁判は非公開で行なわれ、大審院(現・最高裁判所)が審理する一審制(「第一審ニシテ終審」)となっていた。これまでに知られている大逆事件には、 1910年 - 幸徳事件 1923年 - 虎ノ門事件(虎の門事件とも表記される) 1925年 - 朴烈事件(「朴烈、文子事件」とも呼ばれる) 1932年 - 桜田門事件(李奉昌事件とも呼ばれる) の四事件がある。単に「大逆事件」と呼ばれる場合は、その後の歴史にもっとも影響を与えた1910年の幸徳事件を指すのが一般的である。 虎ノ門事件と桜田門事件が現行犯で、幸徳事件と朴烈事件は、当時、計画段階で発覚したとされた。しかし、のちの研究によれば、実際は社会主義・アナキズムを恐れた政府が、運動を弾圧する口実として、でっちあげたもの(フレームアップ)である可能性がある。 参照条文 旧刑法第116条天皇三后皇太子ニ対シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ処ス 1947年改正前の刑法第73条天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ対シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ処ス 四件の大逆事件 幸徳事件 Template Main? 1910年(明治43年)5月25日、信州の社会主義者宮下太吉ら4名による明治天皇暗殺計画が発覚し逮捕された「信州明科爆裂弾事件」が起こる。以降、この事件を口実に全ての社会主義者、アナキスト(無政府主義者)に対して取り調べや家宅捜索が行なわれ、根絶やしにする弾圧を、政府が主導、フレームアップ(政治的でっちあげ)したとされる事件。 信州明科爆裂弾事件後、数百人の社会主義者・無政府主義者の逮捕・検挙が始まり、検察は26人を明治天皇暗殺計画容疑として起訴した荻野富士夫『思想検事』岩波新書(2000年)p.11。松室致検事総長、平沼騏一郎大審院次席検事、小山松吉神戸地裁検事局検事正らによって事件のフレームアップ化がはかられ、異例の速さで公判、刑執行がはかられた。平沼は論告求刑で「動機は信念なり」とした荻野富士夫前掲書p.12。 1911年1月18日に死刑24名、有期刑2名の判決(鶴丈一郎裁判長)。1月24日に幸徳秋水、森近運平、宮下太吉、新村忠雄、古河力作、奥宮健之、大石誠之助、成石平四郎、松尾卯一太、新見卯一郎、内山愚童ら11名が、1月25日に1名(菅野スガ)が処刑された。特赦無期刑で獄死したのは、高木顕明、峯尾節堂、岡本一郎、三浦安太郎、佐々木道元の5人。仮出獄できた者は坂本清馬、成石勘三郎、崎久保誓一、武田九平、飛松与次郎、岡林寅松、小松丑治。 赤旗事件で有罪となって獄中にいた大杉栄、荒畑寒村『寒村茶話』朝日選書(1979)所収「一月二十四日の謀殺」で事件を回想している。、堺利彦、山川均は事件の連座を免れたが、数多くの同志を失い、しばらくの期間、運動が沈滞することになった。この事件は文学者たちにも大きな影響を与え、石川啄木は事件後ピョートル・クロポトキンの著作、公判記録を研究した。徳富蘆花は「謀反論」講演で死刑廃止論の立場を鮮明にした。また、秋水が法廷で「いまの天子は、南朝の天子を暗殺して三種の神器をうばいとった北朝の天子ではないか」と発言したことが外部へもれ、南北朝正閏論が起こった岩城之徳「啄木と南北朝正閏論問題」『石川啄木と幸徳秋水事件』(近藤典彦編・吉川弘文館、平成八年)所収。滝川政次郎「誰も知らない幸徳事件の裏面」『人物往来』昭和三十一年十二月号。また池島信平編「歴史よもやま話し」、花田清輝『室町小説集』講談社pp.10-11.も参照。。 敗戦後、関係資料が発見され、暗殺計画にいくらかでも関与・同調したとされているのは、宮下太吉、管野スガ、森近運平、新村忠雄、古河力作の5名にすぎなかったことが判明した。1960年代より「大逆事件の真実をあきらかにする会」を中心に、再審請求などの運動が推進された。 虎ノ門事件 Template Main? 1923年12月27日、難波大助(なんば だいすけ)が虎ノ門で第48帝国議会の開院式に向かう摂政・皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)の車に向けてステッキ状の銃を発砲・狙撃し、現行犯で逮捕された暗殺未遂事件。皇太子に怪我は無かったが、隣に座っていた侍従長が顔に負傷。1924年11月13日に大審院で死刑判決。15日に死刑執行。この事件により、山本権兵衛内閣は総辞職、警視総監・湯浅倉平、警視庁警務部長・正力松太郎らが懲戒免官、難波の出身地である山口県の知事が2ヶ月間の減給となった。衆議院議員で庚申倶楽部だった大助の父難波作之進は即日議員辞職し、山口県熊毛郡周防村(現・山口県光市)の自宅で閉門蟄居後、食事を取らず餓死した。 朴烈事件 Template Main? 1923年9月1日に起きた関東大震災の2日後、戒厳令下に朝鮮人が民衆によって私刑を受けた震災後の混乱期に、「保護検束」の名目で検挙されたアナキスト・朴烈と愛人の金子文子が、翌1924年2月15日に爆発物取締罰則違反で起訴され、1925年5月2日に朴烈が、5月4日に文子が、それぞれ大逆罪にあたるとされた事件。 1926年3月25日に死刑判決。4月5日に恩赦で無期懲役に減刑されるが、文子は特赦状を刑務所長の面前で破り捨てた。同年7月22日に栃木女囚刑務所で、文子は看守の目を盗んで縊死。同年7月には内閣転覆を狙った北一輝により取調中に朴の膝に金子が座り抱擁している写真が政界にばらまかれ獄内での待遇が数ヶ月政治問題化した。朴烈は敗戦後の1945年10月27日に出獄。いまや徹底した反共思想の持ち主であった朴は在日本朝鮮人連盟(朝連、朝鮮総連の前身)への参加を避け、1946年10月に韓国民団の前身となる在日本朝鮮居留民団を結成し、初代団長を1949年2月まで勤めた。帰国後李承晩政権の国務委員を勤めるが、朝鮮戦争の際、北朝鮮へ連行。後に南北平和統一委員会副委員長として活動。 桜田門事件 Template Main? 朝鮮独立運動の活動家・李奉昌(イ・ボンチャン)が1932年1月8日、桜田門外において陸軍始観兵式を終えて帰途についていた昭和天皇の馬車に向かって手榴弾を投げつけ、近衛兵一人を負傷させた事件。李奉昌事件、あるいは桜田門不敬事件とも呼ばれ、また日本政府は李奉昌不敬事件と呼んだ。時の首相犬養毅は辞表を提出するも慰留された。9月30日、李は大審院により死刑判決を受け、1932年10月10日に市ヶ谷刑務所で処刑された。1946年に在日韓国・朝鮮人が遺骨を発掘、故国である朝鮮において国民葬が行われ、「義士」として白貞基、尹奉吉らと共にソウルの孝昌公園に埋葬されている。 大逆事件を素材にした作品 瀬戸内晴美著『遠い声』新潮文庫(管野スガの伝記小説) 瀬戸内晴美著『余白の春』中公文庫(金子文子の伝記小説) 福田善之『魔女伝説』三一書房, 1969 コミックス『「坊っちゃん」の時代 第四部 明治流星雨(谷口ジロー作。双葉文庫) 平出修『計画』 脚注 参考文献 Template 参照方法? ノートにも参考文献あり 伊藤整『日本文壇史』(幸徳事件に関して概観) 原敬吾著『難波大助の生と死』国文社、1973年 近藤富枝著『快然と絞首台に散った「大逆事件」のヒロイン 管野すが』 瀬戸内晴美責任編集『反逆の女のロマン』(『人物近代女性史 女の一生』6)、講談社、1981年2月所収 瀬戸内晴美著『薄幸な生い立ちを充実した「生」に変えたアナーキストの恋 金子文子』 瀬戸内晴美責任編集『反逆の女のロマン』(『人物近代女性史 女の一生』6)、講談社、1981年2月所収 江刺昭子著『覚めよ女たち 赤瀾会の人びと』大月書店、1980年 神崎清『大逆事件-幸徳秋水と明治天皇』1 - 4、あゆみ出版、1976年12月 - 1977年5月(『革命伝説』の改題) 鈴木裕子編著『女性 反逆と革命と抵抗と』(『思想の海へ[解放と変革]』21)、社会評論社、1990年 中村文雄『大逆事件の全体像』、三一書房、1997年6月 絲屋寿雄『増補改訂大逆事件』 三一書房、1970年 野口存彌著『沖野岩三郎』(踏青社・1990年刊) 関連項目 アナキズム フレームアップ 国家 外部リンク 大逆事件と大石誠之助 真宗大谷派「高木顕明師の名誉回復に向けて」 大逆事件 大逆罪・爆発物取締罰則弾圧による国家テロリズム 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年9月21日 (日) 06 01。
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【恋サロ】秘密基地エリア32【無双】 1~100 101~200 201~300 301~400 401~500 501~600 601~700 701~800 801~900 901~1001 秘密基地目次へ トップページへ
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ブランド名 那須高原ビール 企業名 那須高原ビール 株式会社 所在地 栃木県那須郡那須町大字高久甲3986 公式HP http //www.nasukohgenbeer.co.jp/ 公式ブログ - Twitter - Facebook - 特徴 主な商品 愛 ヴァイツェン スコティッシュエール スタウト 夢 イングリッシュエール 雪中熟成深山ピルスナー : 季節限定 いちごエール : 季節限定 もみじエール : 秋季限定 ベルジャンタイプホワイト : 季節限定 ナインテイルドフォックス : 長期熟成ビール。年代毎に管理されており、10年以上熟成させた商品もある。 直営ビアバー・レストラン 那須高原ビール ・公式 http //www.nasukohgenbeer.co.jp/restaurant.html ・食べログ http //tabelog.com/tochigi/A0905/A090501/9000102/ TOPIC 皇太子ご一家も愛飲 世界が認めた本格ビール ( ----年 酔っぱライタードットコム ) http //www.yoppawriter.com/tsukurite/pg113.html 魚拓 地ビール好き必見!那須IC1分の那須高原ビールが天国すぎる! ( 2014年 たびねす ) http //guide.travel.co.jp/article/4992/ 魚拓 那須高原ビール輸出、第1弾シンガポール ( 2013年 日本経済新聞 ) http //www.nikkei.com/article/DGXNZO55567440Y3A520C1L60000/ 魚拓 1瓶1万円超!日本一高価な「ヴィンテージビール」 ( 2014 SPA! ) http //nikkan-spa.jp/722934 魚拓 SNS %E9%82%A3%E9%A0%88%E9%AB%98%E5%8E%9F%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB に関するツイート!function(d,s,id){var js,fjs=d.getElementsByTagName(s)[0],p=/^http /.test(d.location)? http https ;if(!d.getElementById(id)){js=d.createElement(s);js.id=id;js.src=p+ //platform.twitter.com/widgets.js ;fjs.parentNode.insertBefore(js,fjs);}}(document, script , twitter-wjs );
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◆02. 【黒い皇太子】 今度は『グイン』の草原地方で起こるイベントを見てみよう。 『グイン・サーガ』外伝第7巻『十六歳の肖像』。1986年に刊行されたこの本に『アルカンド恋唄』というエピソードが収録されている。 広大なステップが広がる草原地方の端にある小さな町アルカンド。族長の娘ナウカシアが悪者にさらわれ、娼婦にされてしまう。しかし彼女ははるばる草原の彼方から馬に乗ってやってきた少年によって救われる。 少年は草原の国アルゴスの王子スカールで、すさまじく強く、黒づくめの服を着ている事から『黒太子』と呼ばれ恐れられていた。数年後には精鋭部隊を率いて戦争で連戦連勝し、侵略されたパロを奪還する英雄となるほどである。 スカールはナウカシアを気に入り、王都マハールへ一緒に来るよう誘う。しかしナウカシアはそれを断り、これまで通りアルカンドで暮らす道を選ぶ。 ← 前の記事へ TOP 次の記事へ→ .
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絶望村出身の子一覧 氏名欄は一番わかりやすいであろう名前を入れています。 No. 氏名 1 ギーゼラ・ギュンター 2 ハイリー・コーツ 3 アリョーシャ・ゼルドヴィッチ 4 No.11 5 ルディ・グローテヴォール 6 テディ 7 洙 正吉 8 アドラー・ルーデル 9 エリック・カルヴァート 10 リヨン・デュマガリエフ 11 ボリミール・コワリョフ 12 ハナ 13 ドミートリイ・チカチーロ 14 藤沢 萌 15 ジル・サンソン 16 ヴィニー・ダーン 17 リゼ・グローテヴォール 18 榊原 厳蔵 19 天野 河穂 20 アルミーナ・ロッキー 21 桜井 ファティマ 22 金持 秀一 23 ヘンリー・ウィルバーフォース 24 ライアン・ディケンズ 25 轟 響太 26 桃 27 李 宰源 28 レオナ・ボヌフォワ 29 ルディク・エイフマン 30 エル・サンソン 31 アニェゼ 32 アキラ・アシヤ 33 フーガ 34 アルノー・ルーデル 35 ヴィジャイ・ルドラ・レディ 36 魯子睿 37 パウロ・ルチアーノ 38 スキルニル 39 ヌヴァヴェル 40 稲山 徹 41 ピオッジャ 42 瀬川 いち 43 ドリアード 44 フレーゲル・ミュラー 45 フレデリク・ヴァレンタイン 46 カルロ・リカルド 47 榎本 小夏 48 マイラント・ヴァイトリング 49 胡桃塚 爽 50 ネメシス 51 ジャック 52 蓼前 昭守