約 1,371 件
https://w.atwiki.jp/ohurodekitayo/pages/97.html
**アccccc 発売日 タイトル 発売元 定価 現在価格 購入額 1999/10/7 ラーメン橋 トミー 5,800円 1997/5/2 ライアット・スターズ ヘクト 6,800円 1997/7/17 雷弩機兵ガイブレイブ アクセラ 5,800円 1998/10/29 雷弩騎兵ガイブレイブII アクセラ 5,800円 1999/3/25 ライジング ザン ザ・サムライガンマン ウエップシステム 5,800円 1996/9/13 ライズオブザロボット2 アクレイムジャパン 5,800円 1997/4/11 雷電DX 日本システム 5,800円 1995/1/27 雷電プロジェクト 日本システム 6,800円 1996/12/20 ライトニングレジェンド コナミ 5,800円 1999/10/21 ライトファンタジー外伝 ニャニャンがニャン トンキンハウス(東京書籍) 5,800円 1996/1/26 ライフスケイプ 生命40億年はるかな旅 三井物産 6,800円 1997/8/7 ライフスケープ2 ボディバイオニクス メディアクエスト 5,800円 1999/7/29 ラクガキショータイム エニックス 5,800円 1997/10/2 ラグナキュール ソニー・ミュージックエンタテインメント エピックレコード 5,800円 2000/7/6 ラグナキュール レジェンド アートディンク 4,800円 1998/8/6 ラストレポート ショウエイシステム 5,800円 1997/2/28 ラスベガスドリーム2 イマジニア 5,800円 1998/11/5 ラッキールーク サミー 5,800円 1998/7/9 ラブ・セラピー ビー・ファクトリー 5,800円 1997/2/28 ラブゲームス わいわいテニス 市川ソフト開発 5,800円 1999/12/22 ラブゲームス わいわいテニス2 サンソフト 4,800円 2000/9/28 ラブひな 愛は言葉の中に コナミ 4,980円 2000/11/30 ラブひな2 ~言葉は粉雪のように~ コナミ 4,980円 1999/6/24 ラブラブトロッコ ~二人の恋のメロディ~ TYO/ティー・ワイ・オー エンタテイメント 4,800円 1998/9/23 ラリー・デ・アフリカ プリズム・アーツ 5,800円 1997/7/31 ラングリッサー1 2 メサイヤ 5,800円・スペシャル版6,800円 1999/1/28 ラングリッサーIV V FINAL EDITION 日本コンピュータシステム 6,800円 1999/12/9 ランドメーカー タイトー 4,800円 1999/11/18 ランナバウト2 クライマックス 5,800円 1997/4/25 ランニング・ハイ システムサコム 5,800円 1996/12/6 らんま1/2バトルルネッサンス 小学館プロダクション 6,800円 **リ 発売日 タイトル 発売元 定価 現在価格 購入額 1997/1/10 リアルバウト餓狼伝説 SNK 5,800円 1998/6/25 リアルバウト餓狼伝説スペシャル ドミネイテッドマインド SNK 5,800円・初回限定版6,800円 1998/1/8 リアルロボッツファイナルアタック バンプレスト 6,800円 1999/8/12 リアルロボット戦線 バンプレスト 6,800円 1997/11/20 リーサルエンフォーサーズ コナミ デラックスパック5,800円 2000/12/14 リーチ麻雀 ポニーキャニオン 6,800円 1996/10/10 リーディングジョッキー ハイブリッド ハーベストワン 5,800円 1999/4/1 リーディングジョッキー'99 ハーベストワン 5,800円 1995/12/1 リヴァーシオン テクノソフト 5,800円 1997/12/23 リヴン THE SEQUEL TO THE MYST エニックス 7,900円 2003/1/23 陸上防衛隊まおちゃん マーベラスエンターテイメント 4,800円・デラックスパック5,800円 1998/8/6 陸釣王 加賀テック 5,800円 2000/3/9 リズムンフェイス アスミック・エース エンタテインメント 4,800円 1996/9/27 リターン・トゥ・ゾーク バンダイビジュアル 6,800円 1994/12/3 リッジレーサー ナムコ 5,800円 1995/12/3 リッジレーサーレボリューション ナムコ 5,800円 1998/2/26 立体忍者活劇 天誅 ソニーコンピュータエンタテインメント 5,800円 1999/11/11 立体忍者活劇 天誅 忍百選 ソニー・コンピュータエンタテインメント 2,500円 2000/11/30 立体忍者活劇 天誅弐 アクワイア 5,800円 1996/7/19 リトルビッグアドベンチャー エレクトロニック・アーツ・ビクター 5,800円 1999/11/25 リトルプリンセス マール王国の人形姫2 日本一ソフトウェア 5,800円 2000/10/26 リトルプリンセス+1 マール王国の人形姫2 日本一ソフトウェア 3,800円 1999/9/2 リトルラバーズ シーソーゲーム NTT出版 6,800円 1997/3/14 リフレインラブ 0あなたに逢いたい0 リバーヒルソフト 6,000円 1999/1/28 リフレインラブ2 リバーヒルソフト 6,800円 1998/11/26 リベログランデ ナムコ 5,800円 2000/9/7 リベログランデ2 ナムコ 5,800円 2000/1/6 リボルト アクレイムジャパン 2,000円 1999/7/22 リモートコントロール ダンディ ヒューマン 5,800円 1997/12/18 竜機伝承 ケイエスエス 5,800円 1996/4/12 リング オブ サイアス アテナ 6,800円 1997/9/25 リンダキューブ アゲイン ソニー・コンピュータエンタテインメント 5,800円 **ル 発売日 タイトル 発売元 定価 現在価格 購入額 1999/12/9 ル・コンチェルト ピアニシモ 童 4,800円 1999/12/9 ル・コンチェルト フォルテシモ 童 4,800円 2000/9/7 ル・コンチェルト フォルテシモ・ピアニシモ 童 1,980円 1999/7/29 ルームメイト~井上涼子~ データム・ポリスター 5,800円 1998/12/23 ルシファー・リング 東芝EMI 5,800円 1998/8/27 ルシファード ティー・イー・エヌ研究所 5,800円 2001/7/12 ルナ・ウイング 0時を越えた聖戦0 翔泳社 6,800円 1999/12/2 ルナティックドーン オデッセイ アートディンク 5,800円 1998/12/17 ルナティックドーン3 アートディンク 5,800円 1997/1/10 ルパン三世 カリオストロの城 -再会- アスミック・エース エンタテインメント 6,800円 1999/2/25 ルフトヴァッフェ ビクターエンタテインメント 5,800円 1996/8/30 るぷぷキューブ ルプ☆さらだ データム・ポリスター 4,800円 1996/11/29 るろうに剣心 維新激闘編 ソニー・コンピュータエンタテインメント 5,800円 1997/12/18 るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 十勇士陰謀編 ソニー・コンピュータエンタテインメント 5,800円 2000/6/15 ルングルング オズの魔法使い~Another World~ アフェクト 3,000円 **レ 発売日 タイトル 発売元 定価 現在価格 購入額 1997/1/17 レイ・トレーサー タイトー 5,800円 1996/8/2 レイクマスターズ ネクサスインターラクト 6,800円 1998/7/9 レイクマスターズ2 ネクサスインターラクト 5,800円 1999/9/14 レイクマスターズPRO ネクサスインターラクト 5,800円 2000/4/20 レイクライシス タイトー 5,800円 2000/10/26 霊刻-池田貴族心霊研究所- メディアファクトリー 5,800円 1996/12/3 レイジレーサー ナムコ 5,800円 1997/1/10 レイストーム タイトー 5,800円 1999/6/10 レーシングラグーン スクウェア 5,800円 レース・RPG) 1996/6/28 レースドライビングa GO GO タイムワーナーインタラクティブ 5,800円 1998/10/29 レガイア伝説 ソニー・コンピュータエンタテインメント 5,800円 1999/12/2 レジェンド オブ ドラグーン ソニー・コンピュータエンタテインメント 6,800円 1997/7/31 レシプロヒート5000 エクシング 5,800円 2000/1/20 レスキューショット ブービーぼー ナムコ 5,800円 1999/7/1 レストランドリーム テイチク 5,800円 1996/1/26 レッスルマニア・ジ・アーケードゲーム アクレイムジャパン 5,800円 2002/10/24 れでぃ☆めいど プリンセスソフト 初回限定版6,800円 1998/3/26 レブス アトラス 5,800円 1996/3/1 レボリューションX アクレイムジャパン 5,800円 1999/6/24 恋愛講座 REAL AGE イマジニア 5,800円・限定版7,800円 **ロ 発売日 タイトル 発売元 定価 現在価格 購入額 1997/3/28 浪速の商人0振ってナンボのサイコロ人生0 ソニー・コンピュータエンタテインメント 6,800円 1999/8/26 ロード・オブ・フィスト メディアワークス 5,800円 1998/12/23 ロードモナーク 新・ガイア王国記 東芝EMI 5,800円 1996/3/22 ロードラッシュ エレクトロニック・アーツ・ビクター 5,800円 1997/1/10 ロードランナー エクストラ パトラ 4,800円 1996/2/16 ロードランナー レジェンドリターンズ パトラ 5,800円 1996/10/4 ローンソルジャー ヴァージンインタラクティブ 5,800円 1996/3/8 ロジックパズルレインボータウン ヒューマン 5,800円 2001/3/1 ロジックプロ・アドベンチャー アクアルージュ 1,980円 1996/12/20 ロジック麻雀 創龍 日本一ソフトウェア 2,800円 1999/5/4 ロジック麻雀創龍 四人打ち・三人打ち 日本一ソフトウェア 1,500円 1998/1/15 ロストチルドレン ゲームバンク 5,800円 1997/12/4 ロストワールド・ジュラシック・パーク エレクトロニック・アーツ・ビクター 5,800円 1999/8/5 ロックマン カプコン 2,800円 1997/3/20 ロックマン バトル チェイス カプコン 5,800円 1999/9/2 ロックマン2 Dr.ワイリーの謎 カプコン 2,800円 1999/9/14 ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!? カプコン 2,800円 1999/10/28 ロックマン4 新たなる野望!! カプコン 2,800円 1999/11/25 ロックマン5 ブルースの罠!? カプコン 2,800円 1999/12/9 ロックマン6 史上最大の戦い!! カプコン 2,800円 1996/12/17 ロックマン8 メタルヒーローズ カプコン 5,800円 1997/12/18 ロックマンDASH カプコン 5,800円 2000/4/20 ロックマンDASH2 カプコン 5,800円 1996/4/26 ロックマンX3 カプコン 5,800円 1997/8/1 ロックマンX4 カプコン 5,800円・SP版6,800円 2000/11/30 ロックマンX5 カプコン 5,800円 2001/11/29 ロックマンX6 カプコン 5,800円 1999/10/14 ロビット・モン・ジャ ソニー・コンピュータエンタテインメント 5,800円 2000/1/6 ロビン・ロイドの冒険 ガスト 5,800円 1997/8/21 ロボ・ピット2 アルトロン 5,800円 1999/10/14 ロボット×ロボット ネメシス 5,800円 1998/3/12 ロボトロンX ゲームバンク 3,800円 1996/1/13 ロボピット アルトロン 5,800円 2002/9/19 ロマンスは剣の輝きII ~銀の虹を探して~ 角川書店 10,290円 1999/5/20 倫敦精霊探偵団 バンダイ 5,800円 1997/1/10 RACINGROOVY サミー 5,800円 1997/7/17 RALLY CROSS ソニー・コンピュータエンタテインメント 5,800円 1998/7/16 RapidRacer ソニー・コンピュータエンタテインメント 5,800円 1995/9/22 RAYMAN ユービーアイソフト 5,800円 1997/3/14 RESCUE 24 Hours セントラルシステムズ0CSCメディアート0 5,800円 1997/5/23 RUNABOUT やのまん 5,800円 1998/10/22 L.S.D アスミック・エース エンタテインメント 4,800円 1999/11/25 Ling Rise エポック社 5,800円 1997/12/18 LOMAX トミー 4,800円 1999/6/10 LORD of MONSTERS ソニー・コンピュータエンタテインメント 5,800円 1998/3/12 Lost Sword ~失われた聖剣~ イマジニア 5,800円 1999/12/16 LOVE DESTROY ソニー・コンピュータエンタテインメント 5,800円 2002/3/28 LOVE GAME'S わいわいテニス プラス ハムスター 3,800円 1996/11/1 LULU アリアドネメディア 5,800円 1998/5/28 LUNAR シルバースターストーリー 角川書店 6,800円 1999/5/27 LUNAR2 エターナルブルー 角川書店 6,800円
https://w.atwiki.jp/kihonsho2/pages/13.html
【基本書】〔メジャー〕 〔その他〕 【その他参考書】〔行政救済法:参〕 〔地方自治法:参〕 【入門書・概説書】 【注釈書・コンメンタール】〔行政手続法:注〕 〔行政不服審査法:注〕 〔行政事件訴訟法:注〕 〔国家補償法:注〕 〔地方自治法:注〕 【判例集・ケースブック】〔判例集等〕 〔ケースブック〕 〔その他〕 【演習書】 【基本書】 〔メジャー〕 中原茂樹『基本行政法』日本評論社(☆2024年2月・第4版)……小早川門下。元司法試験考査委員。従来の行政法の教科書と異なり、判例の事案をベースにしたケースメソッドを用いて、抽象的な行政法理論がわかりやすく理解できるよう工夫されている。最終ページの行政訴訟フローチャートが分かりやすい。もっとも、下記の「簡易問題集」を見ればわかる通り、各ケースにおいては個別法の解釈が求められる。いずれできるようになるべきことだが、行政法初学者がいきなり挑むのはきつい。入門書を読んでから挑戦するのも、一つの手だろう。「受験新報」2019年12月号特集「合格者が使った基本書」行政法1位。なお、第3版(2018年3月)に係る正誤情報あり。簡易問題集。序章+全27講+終章。A5判、508頁。(第4版については評価待ち) 櫻井敬子・橋本博之『行政法』弘文堂(2019年8月・第6版)……塩野門下による共著。通称『サクハシ』。判例・通説を中心に、コンパクトに行政法の知識が押さえられている。その平明な記述は、予備校本よりもわかりやすいとの声もある。また、ヴィジュアル面にも工夫が凝らされており、学習者に配慮した読みやすいレイアウトになっている。行政組織法についても一応の言及があるほか、行手法や情報公開・個人情報保護法制などについても、ある程度の分量をもって触れられており、収録されている判例数も多いため、予備試験の択一対策としても有用である。短所としては、総じて理由付けが脱落しがちであるという点が挙げられる。第6版において、個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、国税通則法、地方自治法の改正による住民訴訟制度の改正等の法改正を反映するとともに、重要な新判例を追加し、内容をアップデート。また、処分性や原告適格などの判例の多いテーマを整理して一覧表にまとめるなど、ビジュアル面に一層配慮。「受験新報」2019年12月号特集「合格者が使った基本書」行政法2位。全24章。2色刷。A5判、432頁。改訂が遅れているのが残念である。 宇賀克也『行政法概説I・II・III』有斐閣(I 行政法総論:☆2023年8月・第8版、II 行政救済法:2021年3月・第7版、III 行政組織法/公務員法/公物法:2019年3月・第5版〔☆2024年7月・第6版改訂予定〕)……極めて情報量が多く、判例や学説の網羅性は塩野を凌駕するが、章のはじめにポイントを摘示したり、重要度によって文字のサイズを変えたりするなど、教科書として読みやすいよう工夫されている。判例の体系的なデータ整理が徹底されているのも特徴のひとつ。もっとも、理論面は塩野に劣るという評価もある。また、著者の自説については、結論をはっきりと示していないところもある。伝統的通説に関する記述を「塩野参照」とするところがある。塩野IIIとは異なり、地方自治法は後掲の『地方自治法概説』で個別に取り扱っている。「受験新報」2019年12月号特集「合格者が使った基本書」行政法3位。A5判、574頁・626頁・658頁。 〔その他〕 宇賀克也『行政法』有斐閣(☆2023年7月・第3版)……通称『宇賀レインボー』。著者は田中孫弟子(雄川門下)の、現最高裁判事。ロースクールの未修者クラスの教科書として使うため、上掲『行政法概説I・II・III』のエッセンスを抽出して一冊にまとめたもの。なお、『概説III』の公務員法・公物法はカットされており、司法試験に必要十分な知識のみが凝縮されているといえる。サクハシに比べ記述はやや堅いものの、理由付けはサクハシよりもしっかりしている。収録判例数も多く、予備試験の択一対策としても有用。全10章。A5判、528頁。 塩野宏『行政法I・II・III』有斐閣(I 行政法総論:☆2024年9月・第6版補訂版、II 行政救済法:2019年4月・第6版、III 行政組織法:2021年4月・第5版)……田中門下。行政法の第一人者の手による基本書。著者は現在は一線を退いているが、最新の判例や学説を探究して現在も改訂を続けている。塩野説は、いわゆる行政過程論を展開し、通説の地位を占めている。試験対策としてはやや網羅性に欠ける面もあるが、それでも情報量は豊富であり、かつ考察は深い。III(行政組織法)では、地方自治法、公務員法、公物法も扱っている。II(行政救済法)の第6版において、2014年に全面改正された行政不服審査法が反映された。I(行政法総論)の第6版補訂版において、誤記等の訂正、法令改正(民法等)への対応、行政法判例百選8版への差し替えを行い、後注にてR3個人情報保護法につき対応等された。A5判、444頁・450頁・476頁。 大橋洋一『行政法I・II』有斐閣(I 現代行政過程論:☆2023年12月・第5版、II 現代行政救済論:2021年10月・第4版)……塩野門下。考査委員を長年務めた著者による意欲的な基本書。事例(Case)における問いに解題を与えるという対話型講義のスタイルで書かれており、内容は高度であるが、非常に読みやすく、独修しやすい教科書となっている。『行政法II』も、個々の救済手段を念頭に置いて、典型事例を軸に据えて解説しており、理解しやすい。特に、司法試験に頻繁に出題される処分性及び原告適格は、司法試験受験生必読とすらいえよう。各Caseも、『基本行政法』に比べると簡潔なもので、初学者にもとっつきやすい。全20・20章。A5判、544頁・528頁。 ☆興津征雄『行政法Ⅰ 行政法総論(法学叢書2-I)』新世社(2023年9月)……行政救済法を含まない行政法総論としては異例の大著で「紙幅を費やしてでも思考や推論の過程をなるべく丁寧に言語化することを試み(はしがき)」ている。個別法の解釈方法を具体的条文を用いて解説していること、行為形式論を基軸とする行政過程論を体系として採用せず要件効果論として論じていること、公物法も論じていることなどが特徴。司法試験・予備試験の短答試験で問われた箇所を明記しているのは至便(巻末に事項・判例索引のほか、司法試験・予備試験問題参照部分索引を付している。)。全32章。A5判、864頁。 芝池義一『行政法読本』有斐閣(2016年3月・第4版)……『行政法総論講義』『行政救済法講義』有斐閣(2006年10月・第4版補訂版、2006年4月・第3版)の2冊を初学者向けにコンパクトにまとめたもの。初学者向けという性質上、大胆に削っている論点が多いが、隙のない良書となっている。特に異端説を採っているわけでもなく、通説・有力説にはしっかりと言及しているので、安心感がある。塩野及び芝池が採用した学説が、今日の行政法の通説になっている。芝池の独自説があるとすれば、従来の学説が論じてこなかった間隙を埋めている箇所である。例えば、「形式的行政処分の拡張」のように、従来の学説では指摘されてこなかった短所を指摘している箇所などが挙げられる。全27講+補講(届出)。A5判、494頁。 芝池義一『行政救済法』有斐閣(2022年12月)……『行政救済法講義』の全面改訂版。A5判、414頁。 高橋滋『行政法』弘文堂(☆2023年11月・第3版)……田中孫弟子(南博方門下)。著者の講義レジュメをベースとして執筆されたテキスト。高水準の内容を無難に解説しており、独自説はあまり見られない。大小フォントを使い分け、判例の事案につき詳しく解説しているのが特徴。判例の要点が簡潔にまとまっており、まとめ用にも向く。難点はサクハシと同じく文献の引用がないこと。第3版において、R3個人情報保護法の改正に対応。全4編、全18部。A5判、544頁。なお、同著者による実務家向けの著作として『法曹実務のための行政法入門』判例時報社(2021年9月、A5判、594頁)がある。行政法に特有の論点が含まれているにもかかわらず、民事法的思考に基づいて目前の事案を処理・分析しようとしがちな法曹実務家に対し、行政法の思考方法の独自性・固有性・重要性を伝える(以上、はしがき)1冊本。 稲葉馨・人見剛・村上裕章・前田雅子『行政法(LEGAL QUEST)』有斐閣(☆2023年3月・第5版)……元司法試験考査委員らによる教科書。まとめ用の本としてシェアを伸ばしている。本書については、わかりやすくまとめられていて初学者にも推奨できるという評価と、簡潔な記述で高度な内容まで説明しており、初学者が利用するのは難しいという評価がある。全5章、全18節。A5判、422頁。 藤田宙靖『行政法総論 上巻・下巻』青林書院(上巻:2020年4月・新版、下巻:2020年4月・新版)……田中門下。元最高裁判事。『行政法Ⅰ(総論)(現代法律学講座)』の実質的な改訂版。書名は「総論」と銘打たれているが、行政救済法も内容に含まれている。新版から、上巻(行政法通則)・下巻(行政救済法)の二分冊となった。著者自身は、本書について、「今日のわが国の行政法について、その全体ないし部分の切断面をいわばCTスキャンの如く詳細に描写する先端的な著作」ではなく、「そのような成長の基盤にあったのが何であったのか、そういった成長は法理論的に如何なる意味を持つものであるのか、といったバックグラウンドを理解するための、一つの手掛かりとしての機能を果たし得るかもしれない」と述べており、本書は「体系書」や「教科書」ではないと謙遜気味に評している。しかし、本書はもともと学部の講義用テキストとして書かれたものであり、基本書としても全く差し支えない。行政法理論の基礎的・体系的な理解を得るためには、大変有用な一冊である。内容としては、表現の限りを尽くした丁寧な説明が特徴。行政法の制度と理論全体を、法律による行政の原理という物差しを用い、法律、行政行為、行政強制といった三段階モデルでそれからの偏差を測定する方法(以上、阿部泰隆『行政法再入門(上)』44頁より引用)をとり、いわゆる行政過程論には懐疑的である。A5判、440頁・372頁。なお、同著者による行政組織法の体系書としては『行政組織法』有斐閣(2022年4月・第2版、A5判、534頁)がある。 神橋一彦『行政救済法』信山社(☆2023年3月・第3版)……田中孫弟子(藤田門下)。著者による大学での講義案を書籍化したものであり、2色刷で図や表が多く、読み手の理解を助ける。判例文を長く引用しており、特に藤田裁判官の補足意見の引用が充実している。また、取消訴訟の訴訟要件論については紙幅を割いて非常に丁寧に説明している。折に触れて行政法総論についても軽く言及しており、読者に優しい。A5変型判、456頁。 髙木光『行政法』有斐閣(2015年11月)……塩野門下。歴々の行政法学者のテキスト読解、ドイツ法などアカデミックな内容が盛り込まれており、内容は高度。著者は公法上の当事者訴訟活用論者であり、処分性拡大論には否定的。一応ケースメソッドを採用しているが、説明にはあまり生きていない。全10部、全50UNIT。A5判、556頁。 原田大樹『例解行政法』東京大学出版会(2013年10月)……一般的な行政法の基本書と異なり、総論(行政過程論・行政救済法)と各論(租税法・社会保障法・環境法・都市法)という独特な解説の形式を採る。両者を有機的に統合して解説することで、複雑な行政法の理解を促すことを目的としている。図表が充実している点も嬉しい。著者が大橋門下ということもあり、大橋『行政法』との相性が良い。やや古いことが難点。全2部、全6章。A5判、544頁。 曽和俊文『行政法総論を学ぶ(法学教室ライブラリィ)』有斐閣(2014年3月)……法教連載を単行本にしたもの。単行本化にあたり「行政情報」について2項目(情報公開制度、個人情報保護制度)が追加された。A5判、510頁。なお、「行政救済法を学ぶ」(法学教室・No.415~No.438、全20回)は現在のところ未刊。 木村琢磨『プラクティス行政法(プラクティスシリーズ)』信山社(2022年4月・第3版)……教育的配慮から、行政救済法を中心に記述し、総論はそれが救済法と関わってくる箇所にて逐次説明するという独特の形式を採る。かつての「各論」的要素を取り入れており、行政作用を典型的な4類型に分け、短いケースを用いつつ解説する。全8章。A5変型判、384頁(本文370頁)。 岡田正則『行政法Ⅰ 行政法総論』『同Ⅱ 行政救済法』日本評論社(2022年9月、☆2024年8月予定)……A5判、260頁・272頁。 岩本章吾『行政法講義』成文堂(☆2023年3月・第3版)……A5判、522頁。 高橋信隆編著、岩崎恭彦『行政法講義』信山社(2014年10月)……全27講。A5変型判、416頁。 村上武則監修、横山信二編『新・基本行政法』、『新・応用行政法』有信堂高文社(2016年11月、2017年10月)……A5判、328頁・384頁。 橋本博之 『現代行政法』岩波書店(2017年9月)……全16章+補章(行政組織法)。A5判、336頁。 大浜啓吉『行政法講義I・II』岩波書店(I 行政法総論:2019年10月・第4版、II 行政裁判法:2011年10月)……A5判、526頁・568頁。 市橋克哉ほか『アクチュアル行政法(アクチュアルシリーズ)』法律文化社(2020年4月・第3版)……基本原理や行政組織法の説明が多いのが特徴。行政法を憲法原理や民主主義原理から読み解こうとする。判例や通説的議論に引っ掛かりを覚える、飽き足らない者にとっては面白いかもしれない。全6部、19章。A5判、384頁。 (古典) 田中二郎『新版 行政法 上・中・下(法律学講座双書)』弘文堂(上 1974年4月、中 1976年6月、下 1987年2月・いずれも全訂第2版)……元最高裁判事。1982年1月に逝去。かつては行政法で通説といえば田中説を指した。現在では田中説は「伝統的通説」と位置づけられ、本書は「古典的名著」と称される。実務上の影響力は今なお強い。下巻は弟子の塩野の手によって改訂された。なお、2014年にオンデマンド版で復刊。A5判、388頁・352頁・280頁。 遠藤博也『行政法II(各論)(現代法律学講座)』青林書院(1977年11月)……田中および雄川門下。1992年4月に逝去。行政組織法・行政作用法各論を扱う。行政作用法各論分野の数少ない体系書。行政庁の危険管理責任論の提唱など学説形成に大きな影響を与え続けている名著。 絶版。A5判、388頁。 新井隆一『行政法(青林教科書シリーズ)』青林書院(1992年2月)……2017年6月に逝去。A5判、330頁。他に、『口述 行政法(口述法律学シリーズ)』成文堂(1989年、A5判、288頁)、『行政法(法学基本問題双書)』成文堂(1991年・第4版、B6判、236頁)等がある。 小早川光郎『行政法 上(法律学講座双書)』『行政法講義 下I・II・III』弘文堂(1999年6月、2002年11月、2005年11月、2007年8月。下I・II・IIIはOD版あり。)……著者は行政法学の第一人者の一人。原告適格の要件論で著名。田中・塩野に続く代表的な基本書の地位を得るかと思われたが、未完。上も改訂されていないため、内容はかなり古くなっている。もっとも、理論面での検討は緻密で、なお味読に値する。A5判、352頁、132頁、144頁、128頁。 南博方『行政法』有斐閣(2012年2月・第6版補訂版)……田中門下。2010年に死去。まとめの一冊として有益な概説書。全15章。四六判、338頁。 原田尚彦『行政法要論』学陽書房(2012年3月・全訂第7版補訂2版)……田中門下。「簡にして要を得た」という表現がぴったりの基本書。自説を主張している部分も少なくないが、判例・通説との区別はきちんとなされており、弊害は少ない。判例の収録数がやや少ないため、本書のみでは司法試験対策としての情報量がもの足りないことは否めないが、問題点の分析は鋭く、論旨が明快で、文章もとても分かりやすいため、初学者にも推奨できる一冊である。なお、今後改訂や増刷をする予定はないとのこと。全11章。A5判、480頁。 【その他参考書】 橋本博之『行政法解釈の基礎 「仕組み」から解く』日本評論社(☆2023年12月・新版)……新司法試験の過去問(H29-R4)を素材にして具体的な行政法の問題を解くために必要な技法を修得するための参考書。独習で個別法を解釈して、行政法の問題を解くことができるようになりたい人には有益である。A5判、332頁。 伊藤建・大島義則・橋本博之『行政法解釈の技法』弘文堂(2023年3月)……学者(橋本)とロースクール実務家教員(伊藤・大島)による共著。A5判、352頁。 阿部泰隆『行政法再入門(上) ・(下)』信山社(いずれも、2016年11月・第2版)……既刊の『行政の法システム上・下』『行政法解釈学Ⅰ・Ⅱ』などのエッセンスをまとめて更にバージョンアップした著書。行政法をある程度学ばれ、おかしいな、よくわからないなどと思われる方を対象としている(はしがきより)。いわゆる通説に対する強烈なアンチテーゼであり、その主張は解釈論のみならず立法論にまで及ぶ。著者の研究者・実務家としての経験がふんだんに盛り込まれており、行政法を糧にする弁護士や研究者にとってはまさしく「宝の山」である。A5変型判、468頁・432頁。 阿部泰隆『行政法解釈学Ⅰ・Ⅱ』有斐閣(2008年12月、2009年9月)……通説・塩野説を理解した人向けのオルタナティブな体系書。著者の弁護士としての経験談が豊富に盛り込まれており、実務家にとっても示唆に富む。A5判、674頁・644頁。 高木光・宇賀克也編『行政法の争点(新・法律学の争点シリーズ 8)』有斐閣(2014年9月)……B5判、288頁。 大貫裕之『ダイアローグ行政法(法セミ LAW CLASS シリーズ)』日本評論社(2015年9月)……法学セミナー連載の単行本化。行政法の基礎的な論点を、対話形式で解説する。入門から進化、また復習まで、読み手の需要に応じて姿を変える一冊。全25回。A5判、420頁。 北村喜宣・川崎政司・渡井理佳子編『行政法事典』法学書院(2013年3月)……行政法を100項目に分類して、項目ごとに基本概念・考え方・用語・判例・論点を解説したもの。全6章。A5判、544頁。 高橋滋・野口貴公美・磯部哲・大橋真由美編著『行政法Visual Materials』有斐閣(2020年12月・第2版)……「目で見る」サブテキスト。B5判、222頁。 紙野健二・市橋克哉編 『資料現代行政法』法律文化社(2008年9月・第3版)……副読本。ただし、行服法等の近時の法改正に対応していないため、留意が必要である。A5判、368頁。 櫻井敬子『行政法講座』『行政法講座2』第一法規(2010年7月、2015年12月)……『行政法講座』は、月刊誌「自治実務セミナー」に連載された内容を加筆、修正し、単行本化したもの。A5判、296頁・264頁。 原田大樹『行政法学と主要参照領域』東京大学出版会(2015年3月)……A5判、368頁。 (個人情報保護法) 岡村久道『個人情報保護法の知識(日経文庫)』日本経済新聞出版社(2021年7月・第5版)……新書判、276頁。 岡村久道『個人情報保護法』商事法務(2022年5月・第4版)……全5編。A5判、688頁。 (都市法) ☆大橋洋一『都市法』有斐閣(2024年7月)……全14章。A5判、342頁。 ☆久保茂樹『都市法入門』三省堂書店/創英社(2024年9月)……序章+全10章。A5判、276頁。 碓井光明『都市行政法精義Ⅰ』『同Ⅱ』信山社(2013年11月、2014年7月)……全5章+終章。A5変型判、608頁・688頁。 安本典夫『都市法概説』法律文化社(2017年9月・第3版)……都市法をテーマに法解説から紛争処理制度まで概観。とかく抽象的な議論に偏りがちな行政法を具体的に理解する手助けとなるだろう。A5判、426頁。 〔行政救済法:参〕 高木光・常岡孝好・橋本博之・櫻井敬子『行政救済法』弘文堂(2015年10月・第2版)……逐条解説のコンメンタール調。「行政不服審査法」、「行政事件訴訟法」、「国家賠償法」という救済3法と「行政手続法」の条文の構造を解説。「損失補償法」も扱う。区切りごとに主要判例が載っている。本書は、過去に有斐閣から出版されていた『条文から学ぶ行政救済法』(2006年4月)の改題・改訂版だと推定される。序章(行政救済法の全体像)+全5章。A5判、464頁。 〔地方自治法:参〕 宇賀克也『地方自治法概説』有斐閣(☆2023年3月・第10版)……第8版において、内部統制制度の法定化、監査制度の充実強化を図るなどした2017年改正、地方分権第7次・第8次一括法など重要な法改正が反映された。全9章。A5判、548頁。 川崎政司『地方自治法基本解説』法学書院(2018年2月・第7版)……第7版において、平成29年の地方自治法改正と関連法改正に対応。全8章。A5判、448頁。 松本英昭『要説 地方自治法 新地方自治制度の全容』ぎょうせい(2018年3月・第10次改訂版)……地方自治法を中心に、地方自治「制度」全般を解説したもの。第10次改訂版において、平成29年改正地方自治法の内容等を反映。全15章。A5判、850頁→?頁。 松本英昭『地方自治法の概要』学陽書房(2014年11月・第6次改訂版)……全15章。A5判、548頁。 人見剛・須藤陽子編著『ホーンブック 地方自治法』北樹出版(2015年4月・第3版)……全8章。A5判、252頁。 橋本基弘・吉野夏己・土田伸也・三谷晋・倉澤生雄『よくわかる地方自治法(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)』ミネルヴァ書房(2009年1月)……全7章。B5判、192頁。 猪野積『地方自治法講義』第一法規(2020年5月・第5版)……本書は、旧自治省行政局行政課課長補佐、同理事官、公務員課長等を歴任してきた著者が、地方自治法の基本を解説した入門書である。第5版にあたり、令和2年4月1日施行の地方自治法の改正(内部統制に関する方針の策定等、監査基準の策定等、長等の損害賠償額の一部免責条例の策定等)を反映。全12章。A5判、408頁。 池村正道・西原雄二編『地方自治法(Next教科書シリーズ)』弘文堂(2019年9月)……全11章。A5判、256頁。 【入門書・概説書】 村上裕章『スタンダード行政法』有斐閣(2021年12月)……リーガルクエスト共著者による概説書。講義レジュメ・法学教室連載の書籍化。簡潔かつ明快な筆致で、行政法の「スタンダード」を描き出す。重要事項は太字になっており、図表も豊富に挿入され、各章末の練習問題には解答例までついている。極めて読者フレンドリーな書。A5判、386頁(本文373頁)。 ☆正木宏長・板垣勝彦・横田明美・海道俊明『入門行政法』有斐閣(2023年12月)……行政過程論をとり通説的立場から書かれた入門書だが、著者らの専門分野に係る発展的記述も一部盛り込まれている。裁判例を多数引用しているので(判文までは引用していないが)知識の再確認にも適するだろう。全15章。横組み。四六判、302頁。 藤田宙靖『行政法入門』有斐閣(2016年2月・第7版)……元最高裁判事による定評ある入門書。抽象的で苦手意識を持たれやすい行政法を、口語体で初学者にもわかりやすく解説する。一文がやや長いが、論理性は損なわれておらず、慣れてくれば気にならない。第7版において、改正行政不服審査法(2016年4月施行)に対応。全16講。縦組み。四六判、326頁。 野呂充・野口貴公美・飯島淳子・湊二郎『行政法(有斐閣ストゥディア)』有斐閣(☆2023年3月・第3版)……序章(行政・行政法・行政法理論)+全13章。A5判、308頁。 下山憲治・友岡史仁・筑紫圭一『行政法(日評ベーシックシリーズ )』日本評論社(2017年3月)……序章(行政法の全体像と本書の構成)+全6章。A5判、244頁。 芝池義一・大田直史・山下竜一・北村和生編『判例行政法入門』有斐閣(2022年10月・第7版)……判例を起点として行政法全体を解説する入門書。判例・裁判例を通じた、生きた行政法の理解が目指されている。事実・判旨に加えて数行のコメントが付されている。時折、コラムも挿入されている。はしがきにおいては、本書の最大の特色として、「単に裁判例の事実関係と判決内容を叙述・紹介するにとどまらず、行政法の理論について若干の説明を加えた」旨述べられている。よって、本書のみでも読者は最低限の行政法理論の知識を獲得できることになる。第6版において、編者に大田・山下・北村が加わり、章立ても全体的に見直された。A5判、282頁。 今村成和著・畠山武道補訂『行政法入門(有斐閣双書)』有斐閣(2012年4月・第9版)……著者は経済法学者としても有名。また、憲法学説においても「営業の自由」論にてその名を残している。著者亡き後は弟子の畠山によって改訂が続けられている。改訂は、芦部憲法などと異なり、最新判例や学説を加えるのみならず原文にも手を入れている。本書は藤田『行政法入門』等の影に隠れがちであるが、名著である。入門書としては高度な内容も含まれているが、わかりやすくまとめられていて読みやすい。示唆に富んだ文章が多く、行政法を一通り学んだ者が読んでも有意義であろう。全10章。四六判、284頁。 畠山武道・下井康史編著『はじめての行政法』三省堂(☆2023年4月・第4版)……行政法の基本的な30テーマの見取り図を設問形式で解説した入門書。第3版において、新行政不服審査法に対応。全30講。A5判、360頁。 櫻井敬子『行政法のエッセンス』『行政救済法のエッセンス』学陽書房(2016年8月・第1次改訂版、2015年9月・第1次改訂版)……全15章・序章(行政救済法の世界)+全15章。A5判、224頁・244頁。 曽和俊文・山田洋・亘理格『現代行政法入門』有斐閣(☆2023年3月・第5版)……全5編、全20章。A5判、450頁。 石川敏行・藤原静雄・大貫裕之・大久保規子・下井康史『はじめての行政法(有斐閣アルマBasic)』有斐閣(☆2022年3月・第5版)……第4版において、2014年の行政不服審査法・行政手続法改正に対応。序章+全6章+終章+巻末「全体の見取り図」「行政法(学)関係年表」。四六判、298頁。 石川敏行『新プロゼミ行政法 「3つの手続」で行政法の基本を学ぶ』実務教育出版(2020年6月)……『はじめて学ぶプロゼミ行政法』(2000年3月・改訂版)の実質的な改訂版。本書では許認可と手続3法(行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法)を行政法の「背骨」ととらえて一気に学んだ後、周りに知識を肉づけ。さらに、行政不服審査法と行政事件訴訟法は同時並行の「パラレル学習」を行うという新しい学習スタイルが採用されている。第0章(本書で学ぶこと)+全15章。2色刷。A5判、422頁。 田村泰俊・千葉実・津軽石昭彦編著『先端・ハイブリッド行政法』八千代出版(2019年6月)…… 田村泰俊・山本未来編著『最新・ハイブリッド行政法』八千代出版(2016年7月・改訂第3版) の実質的な改訂版。今回の改訂では公務員志望者、自治体実務者を主たる読者対象とし項目立てや内容変更が行われた。執筆者(早川和宏・土田伸也・廣地毅・山口道昭・吉田勉)。ガイダンス講義+全37講+ロー・スクール/予備試験/公務員試験へのガイダンス。A5判、516頁。 長野秀幸・川崎政司『行政法がわかった(わかったシリーズ)』法学書院(2009年5月・改訂第7版)……全8部。A5判、376頁。 宮田三郎『行政法の基礎知識(1)-(5)』信山社(2004年8月-2006年6月)……講師と学生の対話形式により行政法全分野を概観する入門書。 宮田三郎『現代行政法入門』信山社(2012年3月・第2版)……全9章。B6判、208頁。 高木光『プレップ行政法(プレップ・シリーズ )』弘文堂(2012年3月・第2版)……全10Lesson。四六判、162頁。 宇賀克也編『ブリッジブック行政法(ブリッジブックシリーズ)』信山社(2017年2月・第3版)……執筆者(宇賀克也・木村琢麿・桑原勇進・中原茂樹・横田光平)。全5部、全19講。四六変型判、352頁。 吉田利宏『つかむ・つかえる行政法』法律文化社(2017年10月・第2版)……A5判、244頁。 北村和生・佐伯彰洋・佐藤英世・高橋明男『行政法の基本-重要判例からのアプローチ-』法律文化社(2023年4月・第8版)……A5判、374頁。 磯部力『行政法』放送大学教育振興会(2012年・新訂)……全15章。A5判、244頁。 見上崇洋・小山正善・久保茂樹・米丸恒治『レクチャー行政法(αブックス)』法律文化社(2012年4月・第3版)……全8章。A5判、228頁。 三好充・仲地博・藤巻秀夫・小橋昇・前津榮健・木村恒隆『ベーシック行政法』法律文化社(2021年3月・第3版)……総論から各論(公務員法、警察法、公物法など)までの基本を解説。第2版は、2014年行政不服審査法関連3法対応版。全21章。A5判、310頁。 池村正道編『行政法(Next教科書シリーズ)』弘文堂(2022年3月・第4版)……全14章。A5判、372頁。 大浜啓吉『「法の支配」とは何か——行政法入門(岩波新書)』岩波書店(2016年2月)……法の支配に関する歴史に詳しいのが特徴。タイトルに行政法入門とあるが、いわゆる通説的行政法の紹介ではなく、それを批判する大浜説の入門書となっているため、初学者には難解で理解することは困難と思われる。通説的行政法を理解している者が教養を深めるため、または大浜説を理解するために読むべき本。新書判、288頁。 原田大樹『グラフィック 行政法入門(グラフィック[法学]6)』新世社(2017年5月)……全16章。2色刷。A5判、288頁。 大橋洋一『社会とつながる行政法入門』有斐閣(2021年9月・第2版)……全18章。A5判、186頁。 渡邊賢『行政法』放送大学教育振興会(2018年3月)……放送大学の教材。全15章。A5判、240頁。 田中嗣久・藤島光雄『行政法の基礎がわかった (わかったシリーズ)』法学書院(2018年10月)……全6章。A5判、384頁。 板垣勝彦『公務員をめざす人に贈る 行政法教科書』法律文化社(☆2023年10月・第2版)……交告門下。本書は著者の法科大学院での講義経験をもとに書かれており、司法試験受験生が基礎知識の定着を図る上でも有益。全15講。A5判、300頁。 デイリー法学選書編修委員会編『ピンポイント行政法』三省堂(2018年11月)……法学部生・ビジネスマン・一般読者向けの最新法学教養シリーズの行政法編。四六判、192頁。 吉田としひろ『公務員試験 最初でつまずかない行政法(公務員受験BOOKS)』実務教育出版(2020年7月)……「公務員試験」向けの書籍であるが、「行政法」につまづいている受験生等のために、初学者向けテキストとして、ここに取り上げるものである。全8章。2色刷。A5判、247頁。 木山泰嗣『小説で読む行政事件訴訟法——基本からわかる行政訴訟の手引き』法学書院(2018年8月・第2版)……A5判、328頁。 【注釈書・コンメンタール】 〔行政手続法:注〕 髙木光・常岡孝好・須田守『条解行政手続法(条解シリーズ)』弘文堂(2017年9月・第2版)……実務家用の注釈書。初版(2000年4月)は、塩野、髙木の共著で刊行され、第2版は髙木を中心に2名の新たなメンバーを加え、17年ぶりに全面改訂された。A5判、672頁。 行政管理研究センター(IAM)編集『逐条解説 行政手続法』ぎょうせい(2016年5月・改正行審法対応版)……A5判、473頁。 室井力・芝池義一・浜川清・本多滝夫編著『コンメンタール行政法1 行政手続法・行政不服審査法』日本評論社(2018年9月・第3版)……「行政手続法」・「行政不服審査法」の逐条解説書。第2版(2008年6月)については、2005年(平成17年)改正対応。第3版については、平成26年の行政不服審査法全部改正とその後の学説・判例に対応。A5判、704頁。 (古典) 南博方・高橋滋編『注釈行政手続法』第一法規(2000年2月)……A5判、518頁。 〔行政不服審査法:注〕 小早川光郎・高橋滋編著『条解行政不服審査法(条解シリーズ)』弘文堂(2020年3月・第2版)……実務家用の注釈書。新行政不服審査法(平成28(2016)年4月1日施行)、全87条、附則の逐条解説。A5判、728頁。 行政管理研究センター(IAM)編集『逐条解説 行政不服審査法』ぎょうせい(2016年4月・新政省令対応版)……平成28年4月からスタートする新法の趣旨・制度を解説。なお、新法の逐条解説だけでなく、整備法の附則、政令についても、逐条で解説。A5判、628頁。 宇賀克也『行政不服審査法の逐条解説』有斐閣(2017年2月・第2版)……全部改正された行政不服審査法のコンメンタール。第2版では政省令に対応。A5判、396頁。 橋本博之・青木丈・植山克郎『新しい行政不服審査制度』弘文堂(2014年11月)……52年ぶりに全面改正された新法の逐条解説書。A5判、304頁。 〔行政事件訴訟法:注〕 南博方原編著、高橋滋・市村陽典・山本隆司編『条解行政事件訴訟法(条解シリーズ)』弘文堂(☆2023年8月・第5版)……実務家用の注釈書。A5判、1144頁。 室井力・芝池義一・浜川清編著『コンメンタール 行政法2 行政事件訴訟法・国家賠償法』日本評論社(2006年10月・第2版)……2004年(平成16年)行訴法改正対応。A5判、608頁。 〔国家補償法:注〕 宇賀克也・小幡純子編著『条解国家賠償法(条解シリーズ)』弘文堂(2019年2月)……実務家用の注釈書。A5判、752頁。 西埜章『国家賠償法コンメンタール』勁草書房(2020年6月・第3版)……第3版では、旧版(2014年3月・第2版)刊行後の6年間のおびただしい判例・裁判例と文献が盛り込まれたほか、さらに理論的深化が図られ、約200頁の増加となった。A5判、1584頁。 佐藤英善編『実務判例 逐条国家賠償法』三協法規出版(2008年3月)……A5判、368頁。 西埜章『損失補償法コンメンタール』勁草書房(2018年8月)……A5判、1080頁。 〔地方自治法:注〕 村上順・白藤博行・人見剛編『新基本法コンメンタール 地方自治法』日本評論社(2011年11月)……2011年「地域主権改革関連3法」・「第2次一括法」による改正まで対応 。B5判、640頁。 松本英昭『新版 逐条地方自治法』学陽書房(2017年11月・第9次改訂版)……第9次改訂版において、平成29年の地方自治法の大改正(内部統制制度の導入や監査制度の充実強化、首長や職員等の損害賠償責任の見直しなど)及び関係法令の改正等に対応。A5判、1792頁。 【判例集・ケースブック】 〔判例集等〕 斎藤誠・山本隆司編『行政判例百選I・II』有斐閣(☆2022年11月・第8版)……判例解説の定番書。第7版では、旧版(2012年10月-11月)収録判例の精選・最新重要判例の追加だけでなく、現代社会に照らし、改めて注目すべき過去の判例の再録も行われた。Iは130件、IIは125件を収載。B5判、272頁・276頁。 磯部力・小幡純子・斎藤誠編『地方自治判例百選』有斐閣(2013年6月・第4版)……総計127件+Appendix24件。B5判、232頁。 橋本博之『行政判例ノート』弘文堂(☆2023年3月・第5版)……最高裁判例を中心におよそ200件を収録。すべての判例にその要約(多くて数行)と簡単なコメントが付いている。択一対策に最適の一冊。収録順序はサクハシに完全に準拠しているので、同書の利用者にとっては、一層使いやすい。A5判、344頁。 大橋洋一・斎藤誠・山本隆司編著『行政法判例集I・II』有斐閣(I 総論・組織法:2019年5月・第2版、II 救済法:2018年10月・第2版)……解説なし。事実関係を理解しやすくするため、図表を用いている。原典を尊重という観点から、担当裁判官名を明記している。初版(I:2013年12月、II:2012年10月)の判例収録数(見出しの判例数:I・215件、II・194件、計409件。参照判例も合わせるとI・II合計で800件超)は、他の判例集を圧倒している。A5判、538頁・498頁。 大橋真由美・北島周作・野口貴公美『行政法判例50!(START UPシリーズ)』有斐閣(2017年11月)……B5判、172頁。 村上裕章・下井康史編著『判例フォーカス 行政法』三省堂(2019年5月)……行政法初学者等のためのコンパクトに解説した小型判例集。基本的に見開き2頁で解説(重要判例は4頁)。同社既刊の畠山武道・下井康史編著『はじめての行政法』(2016年3月・第3版)に準拠。121件の判例を収載。事項索引あり。四六判、288頁。 行政判例研究会編『行政関係判例解説』ぎょうせい(2012年3月・平成22年~2020年3月・平成30年)……検察担当者による判例解説書。平成30年版については、平成30年1月〜12月に言い渡しのあった裁判例のうち、行政・法曹実務に影響を及ぼす重要な行政関係判例21件を厳選して解説。A5判、248頁。 小早川光郎・青栁馨編著『論点体系 判例行政法 第1巻~第3巻〔全3巻〕』第一法規(第1巻:2017年4月、第2巻:2017年1月、第3巻:2016年9月)……行政法分野での裁判実務において、実務上問題となる「論点」ごとに判例を整理した実務コンメンタール。A5判、第1巻〔行政活動の基本的な仕組み/行政上の手続・調査・情報の取扱い〕:608頁、第2巻〔行政訴訟〕:668頁、第3巻〔住民監査請求・住民訴訟/国家賠償・損失補償〕:628頁。 原田大樹『判例で学ぶ法学 行政法(ライブラリ判例で学ぶ法学2)』新世社(2020年12月)……A5判、265頁。 〔ケースブック〕 ☆海道俊明・須田守・巽智彦・土井翼・西上治・堀澤明生『精読行政法判例』弘文堂(2023年12月)……「判例の読み解き方を独学で学べる教材」を目指して作られたケースブック。特徴は、表題判例の主文および理由については全文を掲載していること、事件当時の関連条文を漏れなく参照できるようにしていること、関連裁判例のうち重要なものは抜粋を掲載していること、判例の論理構造を意識させるために、判例文中に波線や下線等の書込みを施し、さらに、側注で論証の流れを表現していること、すべての表題判例に論理構造図を付していること、各項目の末尾に設問を付していること、等が挙げられる(以上、はしがき)。これ以上の教材はないという安心感はあるが、反面、読者は必要な箇所を取捨選択することが求められる。表題判例は全66件。B5判、646頁。 稲葉馨・下井康史・中原茂樹・野呂充編『ケースブック行政法』弘文堂(2022年4月・第7版)……弘文堂ケースブックシリーズで、最も出来が良いと評されている。全国の行政法学者が総力を結集した判例集。百選よりも判決文が長めに記載されているほか、個別法を適宜載せているので、学習にも便宜である。また、20の主要テーマごとに、判例の流れを概説した各章冒頭の「判例の概観」も良く整理され、うまくまとまっており、使い勝手がよい。収録判例数は約160件。下級審裁判例も掲載されている。全19章。A5判、660頁。 〔その他〕 山本隆司『判例から探究する行政法』有斐閣(2012年12月)……比較的最近の最高裁判例30件の解説・評釈という形をとりながら、行政法全般にわたり、2004年行政事件訴訟法改正以降の最高裁判例の新動向を分析した著書(法学教室連載の単行本化)。関連判例も含めれば、判例集なみの判例数を紹介している。内容は、非常に高度で難解。著者が新たに発見した些末な論点についても詳しく説明されているので、読者にとっては情報を取捨選択してメリハリをつけて読むことが求められる。事案の分析能力は養われるかもしれないが、司法試験に合格するためにはオーバースペックである。A5判、654頁。 亘理格・北村喜宣編著『重要判例とともに読み解く 個別行政法』有斐閣(2013年4月)……A5判、498頁。 高橋滋・石井昇編、大久保規子ほか著『判例ナビゲーション 行政法』日本評論社(2014年2月)……A5判、224頁。 山村恒年編著『実践 判例 行政事件訴訟法』三協法規出版(2008年2月)……A5判、464頁 宇賀克也『判例で学ぶ行政法』第一法規(2015年7月)……雑誌「自治実務セミナー」連載記事をテーマ別に再構成。行政法を理解するうえで欠かせない代表的な判例について解説。A5判、384頁。 岡田正則・榊原秀訓・本多滝夫編著『判例から考える行政救済法』日本評論社(2019年9月・第2版)……A5判、296頁。 【演習書】 曽和俊文・野呂充・北村和生編者『事例研究行政法』日本評論社(2021年8月・第4版)……行政法の演習書の決定版。良質の長文事例問題に丁寧な解説を付している。ロースクールで実際に試験に出題した問題を集めていることもあり、学生の誤解や間違いの多かった箇所について指摘をしていることが特徴的である。第3版では、全体の半数以上を新規の問題にし、ミニ講義も1本追加。第1部に「ウォーミングアップ」を入れ、全体的に当てはめをより丁寧にした。A5判、560頁。 ☆中原茂樹『基本行政法判例演習』日本評論社(2023年1月)……A5判、472頁。 土田伸也『基礎演習 行政法』日本評論社(2016年3月・第2版)……行政法の初学者向け事例演習・解説書。書名のとおり、基礎的な問題を扱っている。A5判、312頁。 土田伸也『実戦演習 行政法 予備試験問題を素材にして』弘文堂(☆2022年10月・第2版)……司法試験予備試験論文式問題(平成23年から令和3年まで)を素材にした予備試験行政法対策本。参考答案例あり。A5判、336頁。 大貫裕之・土田伸也『行政法 事案解析の作法(法セミ LAW CLASS シリーズ)』日本評論社(2016年3月・第2版)……法学セミナーの連載を書籍化したもの。法科大学院・司法試験対応の事例演習書。A5判、384頁。 大島義則『行政法ガール』『同II』法律文化社(2014年7月、2020年10月)……ラノベ形式で平成18年から25年までの司法試験の過去問を解説。IIは平成26年から令和元年までの過去問を解説。A5判、270頁・232頁。 北村和生・深澤龍一郎・飯島淳子・磯部哲『事例から行政法を考える(法学教室ライブラリィ)』有斐閣(2016年7月)……法学教室の連載を単行本化した長文事例問題集。各事例の解説の前に各事例で問われている論点(「CHECK POINT」)、末尾に「関連問題」とその「COMMENT」が新たに収録されている。上掲の『事例研究行政法』と比較すると完成度は見劣りするとの声もある。A5判、458頁。 石森久広『ロースクール演習 行政法』法学書院(2015年8月・第2版)……24問収録。解答例あり。A5判、448頁。 石森久広『基本演習 行政法』法学書院(2016年4月)……巻末には「解答例」も掲載。全30項目。A5判、384頁。 原田大樹『演習 行政法』東京大学出版会(2014年3月)……初歩から応用まで段階的に論述問題の書き方を修得できるように工夫されている。A5判、516頁。 ☆原田大樹『ファーストステップ 演習 行政法』東京大学出版会(2023年4月)……本書に対しては、興津征雄教授が法学セミナー2023年12月号102-103頁、書評「もっと正確で解像度の高い説明を」において、痛烈な批評をしている。A5判、272頁。 亘理格・大貫裕之編『Law Practice 行政法』商事法務(2015年10月)……Law Practiceシリーズの他の科目に比べて、解説を読んでも答案が見えてくるようなものが少なく、また、担当した学者によって解説の質にばらつきがある。内容としても高度な点があり、初学者が答案の基礎を学ぶことには適さないと思われる。全29テーマを収録。A5判、312頁。 高木光・高橋滋・人見剛『行政法事例演習教材』有斐閣(2012年4月・第2版)……B5変型判、238頁。 吉野夏己『紛争類型別 行政救済法』成文堂(2012年7月・第3版)……実務家教員による演習書。紛争類型別となっているので具体的紛争類型をイメージしやすい。A5判、578頁。 新山一雄『新版・ゼミナール行政法』法学書院(2008年3月・第2版)……全9章、全55講。A5判、256頁。 桜井昭平・西牧誠編『演習ノート行政法』法学書院(2005年6月・第5版)……全110問。A5判、240頁。 (古典) 室井力・市橋克哉編『基礎演習行政法(基礎演習シリーズ)』有斐閣(1993年2月)……「法学教室」の演習欄に連載されたものに書き下ろしを加えて体系的にまとめられたもの。全60項目。四六判、320頁。 塩野宏・原田尚彦『演習行政法(法学教室選書)』有斐閣(1989年4月・新版)……四六判、276頁。 → このページのトップ:行政法に戻る。 → リンク:憲法
https://w.atwiki.jp/kihonshobackup/pages/42.html
【要件事実】 〔受験生向け〕 司法研修所編『新問題研究要件事実』法曹会(2011年9月)……通称「問研」。「類型別」の導入に作成された、司法研修所公式入門書。要件事実は、この本から学習を始めるべきである。なお、予備試験の要件事実問対策としては、サンプル問題,第1回ともに民法・民訴以外に本書程度の知識があれば十分である。新版で13問になり、貸借型契約において返還時期(弁済期)の合意を契約の成立要件としない立場に改説した。A5判、176頁。 司法研修所編『紛争類型別の要件事実』法曹会(2006年9月・改訂)……通称「類型別」。もともとは下記「1巻・2巻」の導入のために作成された、司法研修所の民事裁判教官室が修習生に要求する水準を示す、要件事実のスタンダードテキストであった。しかし、現在では、「1巻・2巻」が読まれなくなり、教科書としても大島眞一『民事裁判実務の基礎』のような優れた書籍が現れたため、本書の利用価値は大きく減っている。初心者にとっては、具体的な書き方を示しているわけでもないので、使い勝手が悪く、中級者にとっても、前述の大島などより優れた書籍があるので使いどころを見出し難い。さらに、賃借型契約が旧説のままであるので、ますます使い勝手が悪い。優れている点を探すとすれば、薄く持ち運びが容易なことくらいではないか。A5判、168頁。 和田吉弘『民事訴訟法から考える要件事実』商事法務(2013年8月・第2版)……定番書。要件事実論の考え方について民事訴訟法の観点を重視しながら概説。A5判、216頁。 岡口基一『要件事実入門』『同(初級者編)』創耕舎(2014年9月、2015年5月)……現役裁判官による要件事実の入門書。前者は、ロースクール生及び司法試験受験生向けに、後者は、予備試験受験生向けに書かれたものである。「問研」には理論的な説明が乏しいという問題意識に基づき、「要件事実」と「主要事実」の違いや、法規不適用の原則など、要件事実論の基本について、「なぜそうなるのか」という理論的背景を明らかにしつつ、丁寧に筋道立てて説明している。前者の巻末には司法試験の過去問の解説が、後者の巻末には予備試験の過去問の解説がそれぞれ掲載されていることも、受験生にとってはありがたい。A5判、206頁・A5判、118頁。 ☆大島眞一『新版・完全講義民事裁判実務の基礎[入門編]]─要件事実・事実認定・法曹倫理─』民事法研究会(2015年12月)……法科大学院生・司法試験予備試験生に向けてわかりやすさを追究した解説。訴訟構造・訴訟物を理解し、要件事実・事実認定の基礎知識を学び、法曹倫理の重要ポイントまで解説した実践講義。民法改正法案にも対応。A5判、566頁。(評価待ち。) 大島眞一『完全講義 民事裁判実務の基礎 上・下』民事法研究会(2013年5月・第2版)……元神戸ロー派遣裁判官による要件事実および事実認定の教科書の改訂版。従来は一冊本だったものが、改訂版では演習問題が付いて上下巻の二分冊となった。単なるマニュアル本とは一線を画した思考過程を丁寧に追う記述が分かりやすく、情報量も充分である。読み手が行間を読まないで済むという教科書としての配慮も、行き届いている。そのため、「類型別」よりも格段に頭に入りやすく、記憶に残りやすい。上巻は、試験本番までに是非読んでおきたい。なお、本文の内容は司法研修所の見解に忠実であるが、コラムでは反対説を唱えている点もあるところが興味深い。A5判、583頁・412頁。 大江忠『ゼミナール要件事実』『同2』第一法規(2003年6月、2004年10月)……「言い分形式」による要件事実問題集。1は典型的紛争類型、2は旧司法試験の民法、民訴法問題からの出題。平成19年5月の増刷では,かなり手を加えられているので,刷数には注意すべきである。A5判、444頁・522頁。 大江忠著(法教育支援センター編)『要件事実ノート』『同・2 重要判例と要件事実論』商事法務(2007年7月、2010年1月)……類型別に完全準拠したQ A本。いわば教科書ガイド。独習用に。A5判、186頁・173頁。 〔修習生・実務家向け〕 岡口基一『要件事実マニュアル(1)-(5)』ぎょうせい(2013年9月-2014年3月・第4版)……通称「岡マ」あるいは「要マ」。現役裁判官による要件事実の辞書。ロー生にとっては、民法に関する(1),(2)巻及び会社法に関する(3)が有益であろう。その他の巻については、行政訴訟や選択科目についてどのような紛争類型が問題となるのかを知るため、目次をコピーすれば十分と思われる。A5判、第1巻:総論・民法1(民法総則、物権、債権総論)、第2巻:民法2(契約総論・各論、不法行為、親族・相続、不動産特別訴訟)、第3巻:商事・手形・執行・破産・保険・金融・知的財産、第4巻:過払金・消費者保護・行政・労働、第5巻:家事事件・人事訴訟・DV。なお、要件事実に関する質問は、著者のask.fmにて受け付けているとのことである。 岡口基一『要件事実問題集』商事法務(2016年6月・第4版)……司法研修所の「民事裁判」科目で行われていた要件事実教育を、ややレベルを落としして再現した解説書。著者いわく「アウトプット用の演習書」であり、込み入っているという意味での難しめの問題が20問収録されている。2回試験対策用に釈明や失当の設問も用意されている一方、最後の方の問題には、2回試験の出題可能性は低いとの注がある。A5判、496頁。(第4版は評価待ち。) 村田渉・山野目章夫編著『要件事実論30講』弘文堂(2012年3月・第3版)……岡マ著者の岡口裁判官いわく「インプット用の演習書」であり,第1部は要件事実論総論,第2部は設例形式の類型別解説,第3部に解答及び簡易解説の付された演習問題17問が収録されており,一冊で自己学習しやすい。A5判、624頁。(第3版は評価待ち。) 加藤新太郎・細野敦『要件事実の考え方と実務』民事法研究会(2014年11月・第3版)……司法書士向けの連載をロー生用に加筆したもの。「問研」の次に使う本であろう。A5判、402頁。 伊藤滋夫『要件事実の基礎―裁判官による法的判断の構造』有斐閣(2015年6月・新版),『要件事実・事実認定入門―裁判官の判断の仕方を考える』有斐閣(2005年4月・補訂版)……著者は元裁判官で要件事実の第一人者。ミスター司研説。『要件事実の基礎』は,後記『事実認定の基礎』と対をなし,民事判決における事実判断の構造(事実認定の基礎)と法的判断の構造(要件事実の基礎)を論じた古典的名著であるが,要件事実論総論的な記述にとどまるので,本書のみで要件事実論を習得することはむずかしい。A5判、424頁・252頁。なお、『要件事実の基礎〔新版〕』は、要件事実の実務での適正な活用を目指し、基礎理論を探求する実務に裏づけられた理論的体系書。初版(2000年12月、A5判、310頁)刊行後、約15年の学説・実務の動きを踏まえ、全面改訂(約114頁増量)された。 (『要件事実の基礎〔新版〕』については評価待ち。) 伊藤滋夫編著『要件事実講義』商事法務(2008年2月)……創価ローの要件事実教育の内容の研究発表といった趣き(要件事実講義の実況中継そのものではない)。問研(ただし旧版)と類型別のQ A集が載っている。A5判、314頁。 伊藤滋夫編著『要件事実小辞典』青林書院(2011年12月)……要件事実(ただし民事法の要件事実のみ)の用語について平易に解説した小辞典。いわゆる司研説の立場に立つ。要件事実特有のテクニカルタームを理解するために。四六判、312頁。 伊藤滋夫・山崎敏彦編著『ケースブック要件事実・事実認定』有斐閣(2005年12月・第2版)……主張整理に加えて事実の摘示および評価を問う演習書。新司法試験の民法の論文問題との整合性が高いという意見もある。独習もできるが、解説なし・ヒントのみ掲載の練習問題が豊富にあるので、勉強会を組んで取り組むのがよいであろう。A5判、536頁。 伊藤滋夫企画委員代表『要件事実の現在を考える』商事法務(2006年5月)……民法学の新たな動向や時代と法制度の激しい変化に的確に対応した要件事実論からの考察の試み。民法、倒産法、労働法、保険法、著作権法、租税法、ADR法など幅広い分野に関する諸論点を検討。A5判、211頁。 伊藤滋夫編『商事法の要件事実(法科大学院要件事実教育研究所報第13号)』日本評論社(2015年3月)……取締役の会社に対する責任など、一般民事法と異なる商事法の特色に着目して、研究者・実務家が要件事実論の視点から徹底して検討。A5判、272頁。 伊藤滋夫総括編集『民事要件事実講座(1)~(6)〔全6巻〕』青林書院(第1巻:2005年3月、第2巻:2005年6月、第3巻:2005年12月、第4巻:2007年3月、第5巻:2008年6月、第6巻:2010年1月)……全6巻のシリーズ中、(3)、(4)巻は民法(財産法)の要件事実を解説している。辞書。A5判、第1巻〔総論I 要件事実の基礎理論〕:408頁、第2巻〔総論II 多様な事件と要件事実〕:412頁、第3巻〔民法I 債権総論・契約〕:592頁、第4巻〔民法II 物権・不当利得・不法行為〕:484頁、第5巻〔企業活動と要件事実〕:382頁、第6巻〔民法学と要件事実論との協働〕:400頁。 新堂幸司監修・高橋宏志・加藤新太郎編『実務民事訴訟法講座(第3期)第5巻・証明責任・要件事実論』日本評論社(2012年12月)……不動産関係訴訟、動産関係訴訟、不動産登記訴訟、売買、貸借契約関係訴訟、債務不履行関係訴訟、不法行為訴訟、安全配慮義務違反関係訴訟、医療過誤訴訟、国家賠償関係訴訟、執行関係訴訟の証明責任・要件事実について解説。ただし、冒頭の「民事訴訟の現在と展望」と題する鼎談においては、過度の要件事実思考に苦言を呈する内容となっていて、興味深い。A5判、360頁。 大江忠『図解要件事実 民法総則・物権』『同債権』『同親族・相続』第一法規(2007年9月,2007年11月,2007年12月)……民法の条文ごとに要件事実をブロック・ダイアグラムで図解。同著者の要件事実民法の簡略版。辞書。B5判、民法総則・物権:308頁、債権:344頁、親族・相続:230頁。 大江忠・辻健吾『要件事実判例演習 民法債権総論』『同 民法債権各論』商事法務(2013年5月、2014年3月)……重要判例を素材に攻撃防御の構造、要件事実を解説。A5判、108頁・160頁。 大江忠『要件事実民法(1)総則』、『同(2)物権』、『同(3)担保物権』、『同(3)債権総論』、『同(4)債権各論』、『同(6)法定債権』、『同(7)親族』、『同(8)相続』第一法規(総則:2005年10月・第3版、物権:2015年4月・第4版、担保物権:2015年4月・第4版、債権総論:2005年10月・第3版、債権各論:2005年10月・第3版、法定債権:2015年10月・第4版、親族:2014年6月・第4版、相続:2014年6月・第4版)……要件事実について民法の各条ごとに、判例や学説を整理・紹介した上で、具体的事例を掲げ、原告-被告相互の証明責任を裁判の流れ(訴訟物-請求原因-抗弁-再抗弁)に沿って解説。A5判、総則:528頁、物権:528頁、担保物権:608頁、債権総論:426頁、債権各論:838頁、法定債権:512頁、親族:520頁、相続:498頁。 ☆大江忠『新債権法の要件事実』司法協会(2016年1月)……民法改正法案をもとに、その内容を簡潔に解説するとともに、主要な改正条文について、その要件事実及び主張立証責任の所在について、設例を設けて検討を加えた著書(はしがき)。 大江忠『要件事実商法』第一法規(2011年12月・第3版)……商法の要件事実について、商法の条文に沿って簡潔に整理。平成22年4月1日施行の改正商法に完全対応。A5判、608頁。 大江忠『要件事実会社法(1)~(3)』商事法務((1):2011年1月、(2):2011年12月、(3):2013年7月)……判例・学説を紹介しながら逐条的に概説した上で、実例に基づく設例を掲げ、訴訟物→請求原因→抗弁→再抗弁等を具体的に解説。A5判、(1)〔第1条~第294条〕:1060頁、(2)〔第295条~第574条〕:1336頁、(3)〔第575条~第979条〕:1550頁。 司法研修所編『増補 民事訴訟における要件事実 第1巻』法曹会(1986年10月),『民事訴訟における要件事実 第2巻』法曹会(1992年6月)……通称「1巻・2巻」。1巻は要件事実の総論の他,代理,条件,相殺,売買関係の要件事実を,2巻は賃貸借関係の要件事実をそれぞれ逐条解説している。昔は修習生必読と言われた。しかし,現在となっては,内容も古くなり,司法研修所が改説している箇所もあるため,修習生の中でも本書にまで目を通している人は稀である。したがって,司法試験受験生が本書を読む必要性は,皆無である。A5判、330頁・242頁。 坂本慶一『新要件事実論 要件事実論の生成と発展』悠々社(2011年2月)……元高裁判事が、「民法は裁判規範である」「要件事実論が前提とするもの」は何かという観点から戦前・戦後の法曹養成制度の変遷を跡づけた。要件事実論の新たな手引き。なお、本書は遺稿となった(著者は2007年に逝去)。A5判、196頁。(評価待ち。) 倉田卓次監修『要件事実の証明責任・債権総論』『同・契約法上下』西神田編集室(1986年7月,1993年12月,1998年7月)……要件事実本のさきがけといえる古典的名著。司研説の立場にとらわれることなく、著名裁判官や民事法学者が自らの要件事実論を開陳し議論をたたかわせている。上級者向け。 並木茂『要件事実原論』悠々社(2003年3月)、『要件事実論概説1 総論』『同2 時効・物権法・債権法総論他』『同 契約法』信山社(2014年12月、2010年3月、2009年4月)……元裁判官が司研説とは全く異なる独自の立場から要件事実を再構成したもの。『原論』でその体系を平易に解説。『概説1』はより本格的に要件事実総論を、『同 契約法』は契約法(民法総則含む)の要件事実を解説。『同2』は時効・物権法・債権法総論・法定債権の要件事実を解説。上級者向けの辞書。 定塚孝司『主張立証責任論の構造に関する一試論 故定塚孝司判事遺稿論集』判例タイムズ社(1992年3月)……司研説とは異なる立場(I・当事者は、権利を主張するについては、最小必要限度の事実を主張立証すれば足りる。II・ある事実を一方の当事者に主張立証責任ありとした場合、これと反対の事実を他方の当事者に主張立証責任を負わせることは絶対にない。III・事実の不存在について主張立証責任を負わせることはないの3つの命題)から要件事実を再構成した意欲的な著書。民法の要件事実(総則の一部、保証債務、契約の効力、贈与契約、消費貸借契約、使用貸借契約、請負契約、委任契約、不当利得)の検討も含まれている。上級者向け。 高須順一・木納敏和・大中有信編著『事案分析 要件事実』弘文堂(2015年2月)……A5判、512頁。(評価待ち。) 【民事事実認定】 〔受験生向け〕 司法研修所編『事例で考える民事事実認定』法曹会(2014年5月)……通称「ジレカン」。司法研修所の白表紙テキストを市販化したもの。貸金返還請求事件を題材に、民事事実認定に関する一般的かつ基本的手法を平易に解説したテキスト。裁判官Jと優秀な修習生A、Bの対話形式なのでわかりやすい。まずはここから。ひそかに処分証書につき「よってされた説」を取っていることに注意。分かり易い上に薄く、非常に読みやすいので、予備試験前に読むのもよい。A5判、138頁。 土屋文昭・林道晴編『ステップアップ民事事実認定』有斐閣(2010年12月)……ロー生,修習生,駆け出し実務家向けの事実認定入門書。第1部解説編もコンパクトで分かりやすい。特筆すべきは,第2部演習問題編で,解説付きの事実認定演習問題は,おそらく類書で初である。ただし,完結した記録の体裁ではなく,手続が進むごとに現れるであろう主張や証拠をどう捉えていくかという,読み物のような形式になっている。問題のレベルは,研修所の導入起案未満で簡単めであり,動かし難い事実,経験則,ストーリーの合理性といった基本軸を明らかにする解説であり,事実認定手法の具体的イメージが掴みやすい。いわば事実認定版の「問研」だろう。また,下記司法研究「民事訴訟における事実認定」の「副読本的な存在となることも意図している」(はしがき)というように,同書がしばしば引用されており,合わせて読むとなお有用。なお,予備試験対策としてはサンプル問題・第1回とも要件事実問以外に関しては民訴以外に本書程度の知識で十分解答可能である。A5判、278頁。 〔修習生・実務家向け〕 田中豊『事実認定の考え方と実務』民事法研究会(2008年3月)……司法研修所教官を歴任した著者が,司法書士向けの雑誌で事実認定のイロハを説いた連載を,法科大学院生や司法修習生のために加筆して単行本化したもの。上掲『ステップアップ』と比べると,本書はより民裁起案や判決起案に特化した内容となっている。実際の判決文をもとに,証拠から間接事実を証明し,経験則によって主要事実を推認していく過程をきわめて分かりやすく解説している。司法修習生にお薦め。A5判、272頁。 伊藤滋夫『事実認定の基礎―裁判官による事実判断の構造』有斐閣(2000年6月・第5刷補訂)……民事事実認定に関する古典的文献。「事実認定における判断の構造」の問題を主題とする。A5判、296頁。 司法研修所編『民事訴訟における事実認定』法曹会(2007年11月)……司法研究報告書が書籍化されたもの。「事実認定に関する判例法理を整理・検討するとともに、裁判実務において培われ、受け継がれてきた様々な事実認定の技法や考え方をできるだけ明確に言語化し、法曹全体の共有財産とすることを目指」した(はしがき)。司法修習生は、大体読む。巻末の高裁裁判官へのインタビュー(14名)が参考になる。A5判、422頁。 司法研修所編『現代型民事紛争に関する実証的研究-現代型契約紛争(1)消費者紛争』法曹会(2011年4月)……司法研究報告書を書籍化。消費者契約紛争の特徴を踏まえた事実認定、訴訟運営の方法など。A5判、130頁。 司法研修所編『民事訴訟における事実認定-契約分野別研究(製作及び開発に関する契約)-』法曹会(2014年1月)……司法研究報告書を書籍化。上記民事訴訟における事実認定の各論編。建築工事契約、ソフトウェア開発契約、プラント建設契約といういわゆる開発型契約についての事実認定の問題点を詳解。各業界関係者へのヒアリング資料が付されており、参考になる。A5判、350頁。 伊藤眞・加藤新太郎編『〈判例から学ぶ〉民事事実認定(ジュリスト増刊)』有斐閣(2006年12月)……百選の事実認定ヴァージョン。民事事実認定の基礎理論(総論パート)と民事事実認定の諸相(各論パート・民法総則、物権・担保物権、債権総論、契約、不法行為)という分類で民事事実認定にまつわる判例を解説(全50項目)。新司法試験には不要。B5判、264頁。 田尾桃二・加藤新太郎編『民事事実認定』判例タイムズ社(1999年4月)……民事裁判官による事実認定にまつわる講演録(6本・田尾桃二、吉岡進、今中道信、後藤勇)と事実認定にまつわる対談・座談会(4本)を収録。歴々の修習生がコピーして収集していた著名な講演録をまとめて単行本化したもの。絶版。 後藤勇『民事裁判における経験則』『続・民事裁判における経験則』判例タイムズ社(1990年11月,2003年4月)……元裁判官。経験則違反として破棄された最高裁判例を素材として経験則を抽出・体系化した著書。経験則の体系化の方法としては一部に批判があるものの有用である。絶版。 加藤新太郎編『民事事実認定と立証活動(全2巻)』判例タイムズ社(2009年10月)……ベテラン裁判官・弁護士が実際の事件(エピソード)を題材に心証形成や訴訟(立証)活動のノウハウについて座談会形式で語った著作。いずれもこれまで実務家が実務経験を通じて習得してきた実践的なノウハウであり、これが書籍化されたことの意義は大きい(はしがきには「暗黙知を形式知に」とある。)。修習生必読。全2巻で分量は多いが、座談会形式なので気軽に読める。ただし、基本的な知識の理解が不十分であると、紹介されているエピソードの意味を十分には理解できないため、基本的な書籍を読んだ後に読むことが望ましい。A5判、492頁・472頁。 加藤新太郎『民事事実認定論』弘文堂(2014年6月)……著名な元民事裁判官による事実認定にまつわる論文集。民事事実認定にかかわる議論群を事実認定本質論、事実認定対象論、事実認定方法論、事実認定過程論、事実認定基盤論に整理して考察。A5判、368頁。 ☆奥田隆文・難波孝一編『民事事実認定重要判決50選』立花書房(2015年2月)……A5判、664頁。(評価待ち。) ☆大阪地裁民事事実認定研究会編『判例からみた書証の証拠力』新日本法規出版(2015年3月)……A5判、484頁。(評価待ち。) ☆村田渉編著『事実認定体系 契約各論編1』『同2』第一法規(2015年5月)……A5判、412頁・372頁。(評価待ち。) 【要件事実・民事事実認定】 河村浩・中島克巳『要件事実・事実認定ハンドブック ダイヤグラムで紐解く法的思考のヒント』日本評論社(2015年7月)……民事裁判の基礎理論に根ざして、要件事実・事実認定・判決・判例研究・和解に関する総合的な解説を行うハンディな事典。A5判、584頁。(評価待ち。) 【民訴法実務書】 〔理論と実務〕 渡辺弘ほか『民事裁判実務の基礎/刑事裁判実務の基礎』有斐閣(2014年6月)……法学教室の連載「民事裁判実務講座」、「刑事裁判実務講座」に、渡辺弘による「民事裁判の流れ」(同誌381号掲載)を加えて単行本化したもの。裁判官が執筆している。まずはここから。A5判、250頁。 加藤新太郎編著『民事訴訟実務の基礎』弘文堂(2011年9月・3版)……資料編と解説編の2分冊。具体的な資料を通して民事訴訟手続きを平易に解説。A5判、464頁。 藤田耕三・小川英明編『不動産訴訟の実務』新日本法規出版(2010年10月・7訂版)、小川英明編『貸金訴訟の実務』新日本法規(2008年1月・5訂版)……新日本法規の『実務』シリーズ。実務家向けの書籍であり、改訂頻繁。ロー生や司法修習生が買う必要は全くないが、司法修習生は民裁修習中に図書館で参照すると便利。A5判、1,132頁。 井上繁規『民事控訴審の判決と審理』第一法規(2013年4月・第2版)……現役裁判官による民事控訴審の判決書作成マニュアル。弁護士も、上告(受理)理由を発見するための手がかりになるだろう。A5判、496頁。 瀬木比呂志『民事訴訟実務と制度の焦点』判例タイムズ社(2006年6月)、『民事訴訟実務入門』判例タイムズ社(2010年12月)……ベテラン裁判官による民事訴訟実務の指南書。著者曰く「実務の技術やノウハウ」の体系書。どのように訴訟運営すべきか、どのような文書が説得力があるかなど民事訴訟理論ではなく民事訴訟実務の指南書。このような類書はほとんどないため、任官希望者のみならず弁護士志望者にとっても参考になる。『焦点』は、民事訴訟実務パートと民事訴訟制度についての提言パートの2部からなり、前半パートの概説書が上記『入門』であり、後半パートの概説書が後記『法曹制度・法曹倫理入門』である。後記『ケースブック』は上記2冊の実践編といえる。 瀬木比呂志『ケースブック民事訴訟活動・事実認定と判断─心証形成・法的判断の過程とその解説』判例タイムズ社(2010年11月)……同名の判タ連載を書籍化したもの。著者である元裁判官が担当した事例の判決書を中心に設例、解説を付すスタイル。直ちに司法試験・二回試験に役立つものではないが,筆者のこだわりが滾々と語られる等,名物部長に捕まったときの民裁修習を疑似体験できる本である。 現代民事法研究会『民事訴訟のスキルとマインド』判例タイムズ社(2010年9月)……実務家と研究者が新民事訴訟法下でのあるべきプラクティスについて研究した論文集。判例タイムズ誌に長期連載(1996-2005年)されたものなので、現在の実務慣行からするといささか内容が陳腐化した論文もあるが(最新の民訴法実務については、瀬木『民事訴訟実務入門』などを参照)、新民訴法の理念を理解するためには、今でもなお有用である。修習生が民訴法実務をより深く理解するためにも使えるだろう。 林道晴・太田秀哉編『ライブ争点整理』有斐閣(2014年5月)……裁判官・弁護士が争点整理手続の実際を紹介した著書。4事例を題材に準備書面などの書面を掲載し会話形式(各当事者の心証付き)であるため、実務をイメージしやすい。A5判、338頁。 土屋文昭『民事裁判過程論』有斐閣(2015年2月)……元民事裁判官による著書。京大ローにおける「民事裁判過程論講義」の草稿を大幅に増補改訂したもの。「民事裁判の裁判過程について、裁判官の内的な視点から、その動態を分析解明しようとするもの」(はしがき)であり、このことは、本書の洋題(Nature of the Judicial Process in Japan inside view of a civil judge)に明らかである。内容は、裁判官の役割論から民事裁判過程解説、民事判断の構造論、事実認定論、判例の位置づけ、裁判官の法的判断形成過程論と多岐にわたる。「すぐれた先達のことば」(はしがき)を多数引用していることも、本書の特徴である。(民事)裁判官志望者必読である。四六判、274頁。 小山弘『設例と設問で学ぶ 民事訴訟実務』日本加除出版(2015年1月)……A5判、244頁。 京野哲也『クロスレファレンス 民事実務講義』ぎょうせい(2015年1月・第2版)……ロースクール生、司法修習生及び若手弁護士のための民事弁護実務入門。B5判、頁。 山本和彦・須藤典明・片山英二・伊藤尚 編『文書提出命令の理論と実務』民事法研究会(2010年8月)……A5判、524頁。 岡口基一『民事訴訟マニュアル―書式のポイントと実務― 上・下』ぎょうせい(2015年9月・いずれも第2版)……訴状の作成・提出から訴訟終了(判決言渡し等)までの一連の民事訴訟手続について、基礎知識や注意点等を紹介しながら解説。また、各場面で必要な主要書式についても本文中に掲載し解説。第2版において、新たに「事実認定」の編が設けられ、その他、民事訴訟法等の改正、家事事件手続法の施行、新たな判例等を踏まえ、全面的に内容を改めるとともに、「当事者の会社更生」「国際裁判管轄」「提訴前証拠収集処分等」といった新たな項目と約20の書式が加えられた。A5判、頁・頁。 裁判所職員総合研修所監修『民事実務講義案Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』司法協会(Ⅰ:2016年6月・5訂版、Ⅱ:2014年5月・4訂再訂版、Ⅲ:2015年6月・5訂版)……裁判所職員総合研修所の教材として、また、民事実務に携わる裁判所書記官等必携の参考資料。B5判、Ⅰ〔民事訴訟〕:408頁(本文365頁)、Ⅱ〔送達事務、訴訟費用、人事訴訟、手形訴訟手続等〕:286頁(本文256頁)、Ⅲ〔簡易裁判所における民事手続等〕:286頁(本文252頁)。 升田純『実務 民事訴訟法─訴訟展開の予測と技術─』民事法研究会(2008年8月・第4版)……A5判、529頁。 瀬木比呂志『民事訴訟実務・制度要論』日本評論社(2015年7月)……民事訴訟の実務とそれを支える制度のエッセンスを理論的見地もふまえて解説。A5判、604頁。(評価待ち。) 森冨義明・東海林保 編著『新版 証拠保全の実務』きんざい(2015年8月)……東京地裁の現役裁判官による本格的体系書。損害賠償請求訴訟で用いられる証拠保全手続について書式例に基づき解説した9年ぶりの全面改訂版。A5判、336頁。 三好一幸『民事訴訟の理論と実務』司法協会(2015年9月)……簡易裁判所判事による著作。B5判、218頁(本文:175頁)。なお、民事調停については、『民事調停の理論と実務』司法協会(2016年6月、B5判、212頁(本文:166頁))がある。 ☆門口正人『民事裁判の要領-裁判官の視点から』青林書院(2016年8月)……元裁判官が法務担当者ら非法曹に向けて、裁判官の立場から民事裁判の実情を質疑応答形式で解説した著書。金融法務事情連載「裁判最前線」の単行本化。裁判官らしく建前論が多く、もう少し本音が聞きたかったところではあるが、参考になる。A5判、291頁(本文288頁)。 〔書式〕 裁判所書記官研修所監修『書記官事務を中心とした和解条項に関する実証的研究』法曹会(2010年2月・補訂版)……実務家必携の和解条項例集。法曹会のHPには在庫表示がないが、同会から直販できるので、電話して購入するとよい。 ☆田中豊『和解交渉と条項作成の実務―問題の考え方と実務対応の心構え・技術・留意点』学陽書房(2014年12月)……和解条項作成の注意点のみならず和解交渉の手法(裁判官、当事者代理人双方)についても論じられている。A5判、272頁。 星野雅紀編『和解・調停モデル文例集』新日本法規出版(2011年2月・改訂増補3版)……和解・調停条項例集。 新保義隆・栗原由紀子『訴訟上の和解モデル文例100』三協法規出版(2012年2月・改訂版)……和解条項例集。 大島明『書式 民事訴訟の実務 ―訴え提起から訴訟終了までの書式と理論』民事法研究会(2012年5月・全訂9版)……A5判、620頁。 法曹会編『民事判決書集』法曹会(1981年11月)……民事判決書の記載例集。 塚原朋一編『事例と解説民事裁判の主文』新日本法規出版(2006年3月)……裁判主文例集。 神崎満治郎『判決による登記の実務と理論』テイハン(2001年4月・改訂)……不動産登記関連の主文例掲載。 青山正明編著『民事訴訟と不動産登記一問一答』テイハン(2008年12月・新訂)……不動産登記関連の主文例掲載。新不動産登記法に対応。 〔ノウハウ・OJT〕 圓道至剛『若手弁護士のための民事裁判実務の留意点』新日本法規出版(2013年5月)……民事訴訟の第一審・控訴審の手続の流れにそって、訴訟代理人弁護士が「ありがちな失敗」をすることなく訴訟活動をするための「実務上の留意点」を解説(はしがき)。なかなか人には聞けない実務慣行が詳しく載っている。書式例も充実している。修習生、新人弁護士にお勧め。A5判、408頁。 藤井篤『弁護士の仕事術I~VII(全7巻予定)』日本加除出版(I〔法律相談マニュアル〕・2013年7月、II〔事件の受任と処理の基本〕2013年7月、III〔依頼者との契約と弁護士報酬〕・2013年9月、IV〔交渉事件の進め方・和解〕・2013年10月、V〔不動産事件処理の基本〕・2013年11月、VII〔法律事務所運営のポイント〕・2014年1月)……公設法律事務所の所長弁護士が、スタッフ弁護士指導のため作成した教材を書籍化したもの。OJT経験の少ない即独や若手弁護士向け。A5判、171頁、235頁、177頁、179頁、181頁、-頁、169頁。 東京弁護士会春秋会編『実践訴訟戦術-弁護士はみんな悩んでいる』民事法研究会(2014年2月)……若手・中堅・ベテラン弁護士の座談会形式で、法廷マナーから訴訟戦術まで、類書の少ない暗黙知を解説する著書。A5判、275頁。 佐伯照道ほか『有利な心証を勝ち取る民事訴訟遂行』清文社(2015年2月)……ベテラン・中堅弁護士による、「訴訟経験の浅い若手弁護士や、その卵である司法修習生、法科大学院生に対し、日本の民事裁判においてどうすれば裁判官の心証を依頼者にとって最大限有利に形成してもらうことができるのかを、できる限り普遍的・客観的視点にて解説し、もって、若手弁護士の訴訟技術の向上を図ることを目的」(はしがき)とした著書。供述の信用性をどう判断するかという民事事実認定の参考書としても使える。A5判、240頁。 東京弁護士会編『事務所経営・事件受任のポイント-若手弁護士のための法律事務所運営術』創耕舎(2015年2月)……若手弁護士のための独立マニュアル。A5判、133頁。 中村直人『訴訟の心得-円滑な訴訟進行のために』中央経済社(2015年2月)……著名なビジネス弁護士が、企業の代理人を担当する弁護士を想定に訴訟の心得を説いた本。A5判、180頁。 升田純『実戦 民事訴訟の実務 ─必修知識から勝つための訴訟戦略まで─』民事法研究会(2015年7月・第5版)……A5判、621頁。 高中正彦・市川充・堀川裕美・西田弥代・関理秀『弁護士の周辺学-実務のための税務・会計・登記・戸籍の基礎知識(東弁協叢書)』ぎょうせい(2015年8月)……税務会計の基礎知識や登記・戸籍の見方、取り方を伝授する即独向け参考書。A5判、226頁。 門口正人・末吉亘・中村直人・佐藤久文『訴訟の技能-会社訴訟・知財訴訟の現場から』商事法務(2015年9月)……会社訴訟、知財訴訟の専門弁護士及び元裁判官が、訴訟の技能について座談会形式で語る。A5判、244頁。 原秋彦『法律実務家が知っておきたい作法』商事法務(2015年10月)……ベテラン弁護士が「比較的経験年数の少ない若手の企業関連の法律実務家を中心的な読者対象(はしがき)」として書いた論考。雑誌NBL連載の単行本化。面談、資料収集整理から法務文書の起案、用語法、引用作法、法務リサーチ、契約書案の起案、周辺専門家、海外弁護士との共働まで多彩な内容を含む。文章内にたびたび英単語が挿入されているのはご愛敬。 東京弁護士会親和全期会編著『こんなところでつまずかない!弁護士21のルール』第一法規(2015年12月)……新人弁護士がキャリアをスタートさせるにあたり、一般にどんなところに気を付けたらよいのか、先輩弁護士はどんなことに気を付けているのか(はしがき)を、21のルールで説く。伝統的街弁の理想像を説いているにすぎないが、参考にはなる。 ☆長瀬佑志『若手弁護士のための初動対応の実務』レクシスネクシス・ジャパン(2016年4月)……評価待ち。 ☆中村真『若手法律家のための法律相談』学陽書房(2016年5月)……評価待ち。 【民事執行法・民事保全法】 民事執行法(昭和54年3月30日法律第4号) 最終改正:平成25年12月11日法律第96号 ※最終改正までの未施行法令あり。 民事執行規則(昭和54年11月8日最高裁判所規則第5号) 最終改正:平成27年4月8日同第4号 民事保全法(平成元年12月22日法律第91号) 最終改正:平成23年6月24日法律第74号 民事保全規則(平成2年5月16日最高裁判所規則第3号) 最終改正:平成27年4月8日同第4号 〔基本書・入門書〕 和田吉弘『基礎からわかる民事執行法・民事保全法』弘文堂(2010年4月・第2版)……図表を駆使し、簡潔明瞭な文章で徹底的に分かりやすさを追求した学生向け入門書の決定版。学習のはじめに間違いのない一冊である。その分中身は薄いが、学部やロースクールの定期試験なら本書を数回通読するだけでも乗り切れるだろう。A5判、272頁。 中野貞一郎『民事執行・保全入門』有斐閣(2013年4月・補訂版)……民事手続法の第一人者による入門書。好著『民事裁判入門』の姉妹版であり、同様のコンセプトに立つ。適度にくだけた文章により分かりやすく解説する。和田・基礎よりも内容は充実しているが、標準的な概説書と比べるとやはり多少の物足りなさもある。四六判、380頁。 上原敏夫・長谷部由起子・山本和彦『民事執行・保全法(有斐閣アルマ)』有斐閣(2014年3月・第4版)……入門書と概説書を兼ねたスタンダードテキスト。コンパクトなれども事項索引・判例索引・条文索引が付されている。コラムも面白い。判例は最決H25.1.17判時2176.29まで収録。四六判、374頁。 平野哲郎『実践民事執行法民事保全法』日本評論社(2013年9月・第2版)……著者は元裁判官の研究者。判例・通説の解説はもちろん、東京地裁や大阪地裁での実務レベルの処理についても学習に必要な程度で触れている。レベルはやや高く、理解するには民法・民事訴訟法の基本的な理解が必須。しかし、これらの関連法とのクロスリファレンスは徹底している。A5判、544頁。 中西正・中島弘雅・八田卓也『民事執行法・民事保全法(LEGAL QUEST)』有斐閣(2010年3月)……スタンダードな民事執行法・民事保全法のテキスト。記述に安定感はあるが、リーガルクエストシリーズらしく発展的な知識も随所にちりばめられている。民法・民事訴訟法の知識があるのは当然の前提としているため初学者には向かない。和田・基礎や中野・入門などを経てから取り組むべき本である。A5判、390頁。 生熊長幸『わかりやすい民事執行法・民事保全法』成文堂(2012年5月・第2版)……本文そのものは条文の引き写しに終始したいささか無味乾燥なものとなっているが、理解を助ける図表や実際の書面のサンプル、読者の興味を惹くコラムなどが随所に散りばめられており、学生向けの教科書を強く意識した作りとなっている。レジュメ調の構成はやや好みが分かれるところであろう。著者が専門とする担保物権とのつながりも強く意識されている。A5判、390頁。 福永有利『民事執行法・民事保全法』有斐閣(2011年3月・第2版)……名著である山木戸克己『民事執行・保全法』(1999年5月)の叙述を利用しつつ(はしがきで明記されている)、現行法に即して書き下ろされた、民事執行法の大家の手による教科書。自説は抑え気味。文章は平明で、注も少なく読みやすい。発展的な内容はコラムに回されている。2版の改訂箇所は判例の追加、ゴシック体への変更などごくわずか。A5判、326頁。 中野貞一郎編『民事執行・保全法概説(有斐閣双書)』有斐閣(2006年6月・第3版)……おそろしく豪華な執筆陣による概説書。平均年齢の高さもあってか文章は硬くて平板。図表の類も少なく、意外とボリュームもあるため、初学者が手を出すと失敗するタイプの本。四六判、440頁。 藤田広美『民事執行・保全』羽鳥書店(2010年4月)……A5判、352頁。(評価待ち。) 松本博之『民事執行保全法』弘文堂(2011年12月)……A5判、624頁。(評価待ち。) 京野哲也・今井隆一『基礎から実務へ 民事執行・保全』日本加除出版(2013年4月)……A5判、440頁。(評価待ち。) <民事執行法> 三谷忠之『民事執行法講義』成文堂(2011年12月・第2版)……A5判、460頁。(評価待ち。) <民事保全法> 斎藤和夫『民事保全法 民事紛争最前線』慶應義塾大学出版会(2014年12月)……学者本だが、学生のみならず実務家も対象とされており実務運用についても詳しい。設例・図解を多用しておりわかりやすい(くどく感じるかも)が、レジュメ調の文体は好みがわかれるかも。A5判、320頁。 戸根住夫『民事保全法要論』法律文化社(2015年3月)……元裁判官。ドイツ法に依拠し実務慣行を批判する、いわゆる体系書(辛口で骨太な概説教科書)。初学者には向かない。A5判、134頁。 〔体系書・実務書〕 佐藤歳二『実務 保全・執行法講義 債権法編』民事法研究会(2006年10月)……A5判、590頁。 <民事執行法> 中野貞一郎・下村正明『民事執行法』青林書院(2016年1月)……民事手続法の第一人者による決定版。まさに孤高の体系書。A5判、883頁(本文844頁)。 齊藤隆・飯塚宏編著『民事執行(リーガル・プログレッシブ・シリーズ4)』青林書院(2014年2月・補訂版)……東京地裁民事第21部(執行部)経験裁判官による民事執行の概説書。A5判、398頁。 東京地方裁判所民事執行センター実務研究会 編著『民事執行の実務 債権執行編 上・下』きんざい(2012年6月・第3版)……債権執行編では債権執行の申立てから配当まで、実務上の論点を東京地裁執行センターにおける実際の運用や取扱いをQ Aで詳解。A5判、360頁・360頁。 東京地方裁判所民事執行センター実務研究会 編著『民事執行の実務 不動産執行編 上・下』きんざい(2012年6月・第3版)……不動産執行編では不動産競売の申立てから配当まで、実務上の論点を東京地裁執行センターにおける実際の運用や取扱いをQ Aで詳解。A5判、484頁・428頁。 園部厚『書式 債権・その他財産権・動産等執行の実務―申立てから配当までの書式と理論(裁判事務手続講座)』民事法研究会(2013年3月・全訂13版)……A5判、1040頁。 園部厚『書式 不動産執行の実務―申立てから配当までの書式と理論(裁判事務手続講座)』民事法研究会(2014年11月・全訂10版)……A5判、692頁。 <民事保全法> 瀬木比呂志『民事保全法』日本評論社(2014年7月・新訂版)……民事保全の第一人者である元裁判官による体系書。実務家必携。判例タイムズ社から出版されていた同名著書の改訂版。A5判、708頁。 須藤典明・深見敏正編集『民事保全(最新裁判実務大系3)青林書院(2016年3月)……A5判、740頁。 須藤典明・深見敏正・金子直史『民事保全(リーガル・プログレッシブ・シリーズ1)』青林書院(2013年4月・三訂版)……東京地裁保全部経験裁判官が同部の運用を解説した著書。三訂版は国際裁判管轄に対応。A5判、300頁。 梶村太市・西村博一・井手良彦編『プラクティス 民事保全法』青林書院(2014年9月)……A5判、876頁。(評価待ち。) 八木一洋・関述之編著『民事保全の実務 上・下』きんざい(2015年7月・第3版増補版)……東京地方裁判所民事第9部(保全部)の裁判官と書記官が、各種保全命令の申立てから保全執行までを詳説。A5判、616頁・544頁。 東京地裁保全研究会編『書式 民事保全の実務―申立てから執行終了までの書式と理論(裁判事務手続講座)』民事法研究会(2010年3月・全訂5版)……A5判、629頁。 原井龍一郎・河合伸一編著『実務民事保全法』商事法務(2011年2月・3訂版)……民事保全手続の体系的解説書。実務に影響すると思われる課題をできるだけ広く取り上げ、解釈の方向性を示すなど、初版以来のスタンスを踏襲。「三訂版」では、気鋭の執筆陣を加え、民事執行法・不動産登記法の改正、人事訴訟法・会社法の制定などのほか、最新の裁判例、実務の動向を踏まえアップデート。A5判、637頁。 菅野博之・田代雅彦編『民事保全の実務(裁判実務シリーズ3)』商事法務(2012年10月)……現役裁判官が実務上の重要な論点を解説する「裁判実務シリーズ」の第3巻。本巻は、民事保全手続の専門部である東京地方裁判所民事第9部で豊富な経験とノウハウを蓄積した裁判官および書記官が、実務上重要な30の項目につき、事例を設けて分かりやすく最新の解説を行う。保全命令の申立てから、審理、調書、保全執行、不服申立てにいたる基本的事項につき、具体例や書式を交え、それぞれの基本と留意点を解説。A5判、322頁。(評価待ち。) 〔入門書・概説書〕 小林秀之・山本浩美『やさしい民事執行法・民事保全法』法学書院(2013年4月)……A5判、324頁。 松村和徳『民事執行・保全法概論』成文堂(2013年4月・第2版)……A5判、288頁。 野村創『事例に学ぶ保全・執行入門─権利実現の思考と実務─』民事法研究会(2013年9月)……A5判、252頁。 〔その他参考書〕 高須順一『民法から考える民事執行法・民事保全法』商事法務(2013年10月)……A5判、350頁。(評価待ち。) <民事執行法> 山崎恒・山田俊雄編『民事執行法(新・裁判実務大系12)』青林書院(2001年6月)……強制執行、競売などの、民事執行に関する訴訟上の諸問題に関し、理論的・実務的見地からの解明を図る。A5判、450頁。 小野瀬厚・原司編著『一問一答 民事訴訟法・非訟事件手続法・民事執行法』商事法務(2005年3月)……法務省立案担当官による新法解説。民事訴訟手続申立て等のオンライン化、簡裁における少額訴訟債権執行制度、最低売却価額制度の見直し、養育費等の間接強制制度、公示催告期間の短縮等について解説。A5判、350頁。 小野瀬厚・原司編著『一問一答 平成16年改正民事訴訟法・非訟事件手続法・民事執行法』商事法務(2005年3月)……民事訴訟手続のオンライン化、最低売却価格制度の見直し、少額訴訟債権執行制度、養育費についての間接強制制度の創設など、平成16年改正について、経緯、内容を一問一答形式により解説。A5判、388頁。 <民事保全法> 門口正人・須藤典明編『民事保全法(新・裁判実務大系13)』青林書院(2002年3月)……民事保全手続における諸問題を理論と実務の両面から解説する。A5判、448頁。 〔コンメンタール〕 <民事執行法> 山本和彦・小林昭彦・浜秀樹・白石哲編『新基本法コンメンタール 民事執行法』日本評論社(2014年4月)……研究者・裁判官・弁護士の共同による新しい注釈書。東京地裁民事執行センターが全面協力している。平成23年改正まで対応。判例索引等がないのが残念。図書館での参照用。B5判、500頁。 <民事保全法> 山本和彦・小林昭彦・大門匡・福島政幸編『新基本法コンメンタール 民事保全法』日本評論社(2014年4月)……研究者及び裁判官による注釈書。東京地裁保全部が全面協力している。平成23年改正まで対応。判例索引等はない。学生は図書館で参照すれば十分である。B5判、272頁。 加藤新太郎・山本和彦編『裁判例コンメンタール民事保全法』立花書房(2012年7月)……A5判、664頁。 〔判例集・ケースブック〕 上原敏夫・長谷部由起子・山本和彦編『民事執行・保全判例百選』有斐閣(2012年3月・第2版)……民事執行・民事保全手続の基本原理や基礎概念を理解するために特別の重要性を持つと思われる判例102件(最判平成23・9・20まで収録)ほかコラム2件を収録。B5判、220頁。 伊藤眞・上原敏夫・長谷部由起子編『民事執行・保全判例百選』有斐閣(2005年8月)……百選の初版。民事執行法・民事保全法の解釈・運用にかかる重要判例125件を解説。B5判、268頁。 古賀政治編、霞総合法律事務所著『民事執行・保全判例インデックス』商事法務(2009年11月)……見開き2頁で,判例のエッセンスを関係図とともにコンパクトに整理。162件の民事執行・保全判例を概観する。A5判、332頁。 浦野雄幸編著『判例民事執行法』三省堂(2005年2月)……現行民事執行法に関し、その施行から今日まで数次に亘る法改正の経緯と当該法改正前後の判例の流れ、それを巡る条文の解釈、運用について、実務の処理を正確に理解をするため、2千件を超える判例の要旨(執行実務協議会等の協議結果、国際関係の判例も含む)を細項目に分類しタイトルを付して収録。付録(判例・先例索引)。A5判、688頁。
https://w.atwiki.jp/kihonsho2/pages/26.html
【基本書】〔メジャー:基〕 〔その他:基〕 <労働基準法:基> <労働契約法:基> <労働組合法:基> <労働審判法:基> <労働者派遣法:基> 【その他参考書】 【入門書・概説書】 【注釈書・コンメンタール】〔労働基準法・労働契約法〕 〔労働組合法:注〕 【判例集・ケースブック】〔判例集等〕 〔ケースブック〕 〔その他:判〕 【演習書】 【基本書】 〔メジャー:基〕 菅野和夫・山川隆一『労働法(法律学講座双書)』弘文堂(☆2024年4月・第13版)……労働法全分野にわたる実務法曹必携の最も権威がある体系書。会社法で言うところの江頭・株式会社法のような存在。最近は、厚生労働省関係者も改訂に関わっている。結論は概ね穏当で、多くの論点で判例を部分的ないし全面的に肯定する。しかしそれは、判例の背景にある利益考量を精緻に分析したうえでの判断であり、全体を通じて理論書としての高度な学問的水準を維持している。単なる実務の手引書ではない。特に、団体的労使関係法の分野では、硬質な解釈論を展開する。文章自体は分かりやすく読みやすいが、大部であり司法試験に出題されない分野も含まれているので、メインの基本書としてではなく辞書として利用する人が多いが、受験対策上重要と思われる箇所は、できる限り精読しておきたい。第13版から、弟子の山川が共著者に加わった。非典型労働者に関する章のみ第3編の最後に移動した。全5編、全18章。A5判、1408頁。著者(菅野)の自伝(聞き手・岩村正彦・荒木尚志)『労働法の基軸―学者五十年の思惟』有斐閣(2020年5月、四六判、396頁)も菅野説を理解するのに役立つ1冊。 荒木尚志『労働法』有斐閣(☆2022年12月・第5版)……労働立法の展開と労働関係の特質を踏まえた労働法体系書。個別的労働関係法を労働保護法と労働契約法に二分し、労働契約法を体系に取り入れている。理論派の体系書であるが、結論は判例及び菅野説に近く、安定感がある。専門である労働時間、労働条件変更法理についての記述は詳しい。第4版において、格差是正法制、高度プロフェッショナル制度、労働時間の上限規制、ハラスメント対策法制、さらには2020年改正による賃金債権等の消滅時効、副業兼業の新規制、70歳就業確保措置までに対応。全4部、全27章。A5判、978頁。(第5版については評価待ち。) 水町勇一郎『労働法』有斐閣(☆2024年3月・第10版)……判例をベースとした豊富な設例を用いて労働法を解説する「教科書」。おおむね2年ごとに改訂されている。序章において大きく紙幅を割いて、歴史的・社会的背景から労働法・判例の解釈や変遷を社会学的に分析している点に特色がみられる。内容は平易で、概ね通説的な解釈に終始しており、分かりやすい。組合関係法はやや薄いが、司法試験には充分な情報量があり、学生のみならず法務担当者にも人気がある。第8版において、旧版(2018年3月・第7版)刊行以降の法令改正や判例の最新の動きをフォローし内容の充実が図られた。全6編、全14章。A5判、532頁。 〔その他:基〕 水町勇一郎『詳解 労働法』東京大学出版会(☆2023年9月・第3版)……労働法についてある程度知識や経験をもっている実務家、研究者を読者として想定した専門書。単なる実務書でなく労働法の歴史・理論に根ざした体系書となるよう心掛けた(はしがき)。労働法専門弁護士、社労士、元厚労省官僚、研究者からなるプロジェクトチームによる検討を経ているため記述内容に安定感がある。見かけのボリュームに圧倒されるが、比較的大きいフォントが用いられているのでそこまで情報量が多すぎるわけではない。全6編、全42章。A5判、1576頁。水町勇一郎『水町詳解労働法 公式読本 理論と実務でひも解く労働法 Q A300』日本法令(2022年7月、A5判、312頁)も参照。 西谷敏『労働法』日本評論社(2020年5月・第3版)……著者はプロレーバー(労働者寄り)労働法学を代表する存在。憲法から説き起こし、労働者の自己決定を尊重する。読者として学生をかなり意識しており、判例および代表的な学説(多くは菅野説)をしっかりと紹介したうえで、必要に応じて自説を展開する。判例の分析は客観的になされており、大変わかりやすく、問題状況を的確に描出している。なお、『労働組合法』有斐閣(2012年12月・第3版)は、学界を代表する本格派の体系書である。菅野労働法とともに、労働訴訟に携わる実務家(特に、労働者側の実務家)にとっては必携の体系書であるといえる。第3版において、「働き方改革」関連法などの法改正に対応。全4部、全25章。A5判、836頁。(第3版については評価待ち。) 浅倉むつ子・島田陽一・盛誠吾『労働法(有斐閣アルマSpecialized)』有斐閣(2020年4月・第6版)……アルマにしては比較的厚い。通読用。1 「労働法の魅力」、2 「労働法のダイナミックス」、3 「労働のステージ」、4 「私生活と労働生活のデザイン」、5 「集団的労使関係システム」、6 「変容する労働市場と法」の全6編、全23章。第6版において、第5版刊行(2015年4月)以降に行われた労働基準法や労働契約法などの重要改正や新しい制度への対応をはじめ、各所をアップデート。四六判、554頁。 両角道代・森戸英幸・小西康之・梶川敦子・水町勇一郎『労働法(LEGAL QUEST)』有斐閣(2020年3月・第4版)……新進気鋭の筆者5人による学部生向けの概説書(第4版において、小西康之が新たに著者に加わった)。章末には演習問題(解答なし)もついている。コラムも充実しており、内容的には他のリーガルクエストシリーズに比べても悪くない出来栄えだが、筆者の一人である水町勇一郎教授の体系書と位置づけが被っている。第4版において、働き方改革関連法を中心とする、旧版(2017年3月・第3版)刊行以降の法改正や、近年の重要判例に対応。全5編、全24章。A5判、424頁。(第4版については評価待ち。) 土田道夫『労働法概説』弘文堂(☆2024年1月・第5版)……労働法全分野を概観。概説&判例ベースの事例を使用した論点解説というスタンダードなスタイルの教科書。「企業・労働者・雇用社会の最適な利益調整」という視点から事例を丁寧に分析している。人事で使用される文書例、図、グラフの使用、砕けた表現など働いたことがない学生でも労働法のイメージが掴みやすいように配慮されている点が特徴的である。個別事例の利益分析が丁寧な点は司法試験向きであるが、自説の主張がやや強いかもしれない。全18章。A5判、536頁。 名古道功・吉田美喜夫・根本到編『労働法I、II(NJ叢書)』法律文化社(2012年10月、2018年5月・第3版)……2分冊のスタンダードな教科書。Iは「集団的労働関係法・雇用保障法」を、IIは「個別的労働関係法」を扱う。基本的に労働者よりであるが、判例のみならず、西谷説、菅野・荒木説もきちんと解説している。菅野・荒木説が肌に合わない人のためのAlternative基本書。Ⅱ(個別的労働関係法 )の第3版は、労働者派遣法等、旧版(2013年3月)刊行以降の新たな法改正や「働き方改革」に伴う立法動向を踏まえ大幅に改訂。全8・15章。A5判、286頁・420頁。 中窪裕也・野田進『労働法の世界』有斐閣(2019年4月・第13版)…定番の概説書。第8版(2009年4月)から横書きに変更し、内容にもかなり手が加えられた。1人の人間が会社に雇用されてから解雇されるまでに問題となる法律を解説するという独特の体系を採っている。記述が全体的に薄く、ややとっつきにくい面もあるが、問題点は網羅的に取り上げられている。まとめ用。第13版において、働き方改革関連法に対応。全27章。A5判、556頁。(第13版については評価待ち。)なお、著者の二人は、考査委員(令和6年) 山川隆一『雇用関係法(新法学ライブラリ 22)』新世社(2008年4月・第4版)……全12章。A5判、352頁。 片岡曻著、村中孝史補訂『労働法1 総論・労働団体法(有斐閣双書)』有斐閣(2007年6月・第4版)……全7章+補論。四六判、404頁。 片岡曻著、村中孝史補訂『労働法2 労働者保護法(有斐閣双書)』有斐閣(2009年1月・第5版)……全8章。四六判、458頁。 小西國友『労働法』三省堂(2008年8月)……全2部、全14章。A5判、592頁。 渡辺章『労働法講義 上(総論・雇用関係法I)・下(労使関係法・雇用関係法II)』信山社(2009年8月、2011年12月)……全14・10講。A5変型判、768頁・640頁。 山川隆一編『プラクティス労働法(プラクティスシリーズ)』信山社(2022年3月・第3版)……基礎を的確に身につけるコンセプトで作られたテキスト。第3版は働き方改革などの重要改正を反映。執筆者(山川隆一・皆川宏之・櫻庭涼子・桑村裕美子・原昌登・中益陽子・渡邊絹子・竹内(奥野)寿・野口彩子・石井悦子)。全26章。A5変型判、412頁。(第3版は評価待ち。) 野川忍『新訂 労働法』商事法務(2010年4月)……同著者による姉妹書『労働判例インデックス(2009年5月・初版、商事法務)』に完全対応。A5判、490頁。 野川忍『労働法』日本評論社(2018年4月〔☆2024年・第2版改訂予定あり〕)……労働法を包括的に紹介する体系書。なお、第1刷についての正誤表あり。全5部、全31章。A5判、1136頁。 川口美貴『労働法』信山社(☆2024年4月・第8版)……労働法全般にわたる、約1100頁に及ぶ浩瀚なテキスト。第2版以降は毎年改訂されている。全26章。A5変型判、1112頁。本書に準拠した演習書として、後掲の『労働法演習-司法試験問題と解説』がある。 (古典) 盛誠吾『労働法総論・労使関係法(新法学ライブラリ 21)』新世社(2000年5月)……A5判、488頁。 <労働基準法:基> 下井隆史『労働基準法(有斐閣法学叢書)』有斐閣(2019年6月・第5版)……本書のタイトルの「労働基準法」は、より精確には「実質的意義における労働基準法・労働契約法・労働者派遣法・男女雇用機会均等法等々の法規と判例・裁判例からなる個別的労働関係法」を意味する(はしがき)。第5版において、2018年に成立した「働き方改革法」に対応。全7章。A5判、588頁。 (古典) 下井隆史『雇用関係法(法学教室全書)』有斐閣(1988年5月、OD版:2013年12月)……法教連載の単行本化。A5判、370頁。 <労働契約法:基> 土田道夫『労働契約法』有斐閣(2016年12月・第2版)……労働契約法時代を見据えた雇用関係法の体系書。労使関係法は扱っていない。非常に詳細であり、実務的に問題となる点や裁判例の動きなども見据えて、丁寧に論点を分析している。辞書。第2版は、旧版(2008年7月)以降、8年ぶりの全面改訂。全14章。A5判、986頁。(第2版については評価待ち。) 野川忍『わかりやすい労働契約法』商事法務(2012年10月・第2版)……2012年8月に改正された労働契約法。本改正は、いわゆる雇止めをめぐる判例法理の明文化、期間を反復更新して5年を超えた場合の労働者の「無期契約転換権」や有期労働契約であることを理由とする不合理なとりあつかいの禁止も導入されるなど、非正規労働者の立場に大きな変化をもたらす内容となっている。本書は、それらの内容を踏まえて緊急改訂された。全5章。四六判、254頁。 <労働組合法:基> 西谷敏『労働組合法』有斐閣(2012年12月・第3版)……序章「労働組合法」の意義+全8章。A5判、536頁。 下井隆史『労使関係法』有斐閣(1995年5月)……法教連載の単行本化。A5判、300頁。 山口浩一郎『労働組合法(有斐閣法学叢書)』有斐閣(1996年3月・第2版)……全9章+補章(労使関係法制の50年)。A5判、366頁。 野川忍『労働協約法』弘文堂(2015年5月)……労働協約の解説に特化した体系書。A5判、480頁。 <労働審判法:基> 菅野和夫・山川隆一・齊藤友嘉・定塚誠・男澤聡子『労働審判制度 基本趣旨と法令解説』弘文堂(2007年11月・第2版)……全2編、全6章。A5判、296頁。 <労働者派遣法:基> 鎌田耕一・諏訪康雄編著、山川隆一・橋本陽子・竹内(奥野)寿著『労働者派遣法』三省堂(☆2022年4月・第2版)……厚労省研究会委員として立案担当に関わった学者による概説書。労働者派遣法各条文の解説だけではなく、派遣労働者・派遣元・派遣先の3者間関係に係わる法的問題(私法上の権利義務関係)を総合的に検討していることが特徴。第2版は平成30年の働き方改革関連法等に対応。序章+全10編。A5判、400頁。 【その他参考書】 土田道夫・山川隆一編『労働法の争点(新・法律学の争点シリーズ 7)』有斐閣(2014年3月)……コンパクトに労働法の論点を解説している。B5判、260頁。 小嶌典明・島田陽一・浜田冨士郎編著『目で見る労働法教材(「目で見る」シリーズ)』有斐閣(2003年6月・第2版)……B5判、144頁。 野田進・鹿野菜穂子・吉永一行編『実務家のための労務相談——民法で読み解く』有斐閣(2020年12月)……労働法の各種論点について、民法の理解(民法規範)と労働法の理解(労働法規範)を併記し適切な解決規範を導けるよう工夫された書籍。A5判、438頁。 【入門書・概説書】 森戸英幸『プレップ労働法(プレップ・シリーズ )』弘文堂(☆2023年1月・第7版)……まずはここから。入門書ではあるが、はしがきに「新司法試験対策としては本書でも充分」とあるように、重要論点の多くを拾い上げ、それなりに論じている。随所にギャグを織り交ぜた軽妙な筆致で読者を飽きさせない。筆者が指摘するとおり、プレップシリーズとしては破格の分厚さである。第6版において、2018年に改正された働き方改革推進法がフォローされ、最新の最高裁判例等の重要判例が補われた。全4部。四六判、356頁。 水町勇一郎『労働法入門(岩波新書)』岩波書店(2019年6月・新版)……労働法全分野を概観した入門書。新書サイズなのでさっと読める。章ごとのはじめに書かれたミニコラムでは、恩師菅野に対する愛が感じられる。新版において、「戦後労働法制の大変革」とされる働き方改革関連法の内容が盛り込まれた。全10章。新書判、278頁。 野田進・山下昇・柳澤武編『判例労働法入門』有斐閣(☆2023年9月・第8版)……判例・裁判例の立場をベースにした概説書。本書は、「ケースブック」といわれる書物のように、判例学習それ自体を目的に判決を長々と詳解するのではなく、労働法の基本情報と判例理論の配分に意を用いて、体系的に融合させることに力点を置いている(はしがき)。重要判例をシケタイのように引用しつつ労働法全体を解説している。入門書であるが、まとめ用としての方がむしろ有用。全5編、全25章。A5判、472頁。 外尾健一『労働法入門(有斐閣双書)』有斐閣(2009年4月・第7版)……全4章、全19節。四六判、356頁。 下井隆史『労働法』有斐閣(2009年4月・第4版)……とても薄い。一冊で労働法全分野を概観している。労働契約法、労基法08年改正に対応。全15章。A5判、294頁。 角田邦重・山田省三編『労働法解体新書』法律文化社(2015年5月・第4版)……労働現場で想定される事例をふまえ、法のしくみを解説した入門書。第4版において、旧版(2011年・第3版)刊行以降の法改正に対応。縦組み。全7章。A5判、216頁。 奥山明良『基礎コース労働法(基礎コース[法学] 8)』新世社(2006年7月)……全3編。A5判、400頁。 安枝英訷・西村健一郎『労働法(プリマ・シリーズ)』有斐閣(☆2021年10月・第13版)……コラムの類はなく、プレップのような「読みやすさ」もない。本書の特長は、条文・判例・行政解釈中心の、淡々とした明快な叙述である。昨今の労働基準法・労働契約法・労働安全衛生法・パートタイム労働法等の改正に対応。電子書籍版あり。全4編。四六判、494頁。 浜村彰・唐津博・青野覚・奥田香子『ベーシック労働法(有斐閣アルマBasic)』有斐閣(☆2020年3月・第8版)……第8版において、「働き方改革関連法」施行、ハラスメント規制など、最新状況に対応。全15章。四六判、342頁。 土田道夫『基本講義 労働法(ライブラリ 法学基本講義 15)』新世社(2010年10月)……全17章。2色刷。A5判、328頁。 土田道夫・山川隆一・島田陽一・小畑史子『条文から学ぶ労働法』有斐閣(2011年3月)……「労働法」を条文から具体的に学べるテキスト。労基法、労契法を中心に重要条文を逐条で解説。序章(労働法の全体像)+全6章。A5判、382頁。 道幸哲也・加藤智章・國武英生編『18歳から考えるワークルール(〈18歳から〉シリーズ)』法律文化社(2018年1月・第2版)……全5部、全16章。B5判、116頁。 野川忍編『レッスン労働法』有斐閣(2013年4月)……架空の自主ゼミ形式でわかりやすく労働法を概観。といってもゼミ構成員間に党派的対立があるわけでもなく、判例・菅野説ベースで予定調和的に解説されているので入門書として最適。ラノベ風のイラストについては賛否がわかれるかも。全25回。四六判、444頁。 山川隆一『労働法の基本(日経文庫)』日本経済新聞出版社(2013年6月)……雇用にかかわるルール全般を第一人者がわかりやすく解説した入門書。『労働契約法入門』を全面改訂し、労働法全体をコンパクトにまとめ、労働契約法、労働者派遣法などの改正を反映。新書判、248頁。 大内伸哉『労働法学習帳』弘文堂(2013年9月・第3版)……全4章。A5判、216頁。 大内伸哉『雇用社会の25の疑問 労働法再入門』弘文堂(2017年11月・第3版)……全25話。A5判、376頁。 小畑史子『よくわかる労働法(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)』ミネルヴァ書房(2017年3月・第3版)……全26章。B5判、220頁 小畑史子・緒方桂子・竹内(奥野)寿『労働法(有斐閣ストゥディア)』有斐閣(2019年3月・第3版)……第3版において、第2版(2016年3月)刊行後の新たな判例や働き方改革関連法の成立に対応。 全15章。A5判、282頁。 新谷眞人編『労働法(Next教科書シリーズ)』弘文堂(2019年1月・第2版)……全14章。A5判、264頁。 金井正元『労働法を基本から』三省堂(2014年3月)……序+全4編、全27章。A5判、240頁。 金井正元『働くときの法律 ウソ?ホント?』信山社(2017年9月)……労働法と社会保険法のコンパクトな入門書。A5変型判、124頁。 原昌登『コンパクト労働法(コンパクト 法学ライブラリ 13)』新世社(☆2020年2月・第2版)……第2版において、「働き方改革」の内容が盛り込まれた。全17章。2色刷。四六判、288頁。同著者による入門書として『ゼロから学ぶ労働法』経営書院(2022年6月、A5判、302頁)もある。 和田肇・相澤美智子・緒方桂子・山川和義『労働法(日評ベーシック・シリーズ)』日本評論社(☆2023年2月・第3版)……第2版において、2018年「働き方改革関連法」に対応し、初版刊行(2015年3月)以降の新たな裁判例が組み込まれた。全6部、全20章。A5判、292頁。 高橋賢司『労働法講義』中央経済社(☆2022年5月・第3版)……第2版において、いわゆる「働き方改革法」に対応。全4編、全11章。A5判、456頁。 西谷敏『労働法の基礎構造』法律文化社(2016年6月)……全12章。A5判、354頁。 川口美貴『基礎から学ぶ労働法』信山社(2020年9月・第2版)……全20章。A5変型判、376頁。 道幸哲也『雇用社会と法』放送大学教育振興会(2017年3月)……放送大学の教材。全15章。A5判、244頁。 本久洋一・小宮文人・淺野高宏編『労働法の基本』法律文化社(☆2021年5月・第2版)……A5判、318頁。 山田省三・石井保雄編著『トピック労働法』信山社(2020年4月)……全4章。A5変型判、344頁。 川田知子・長谷川聡『労働法』弘文堂(2020年10月)……全3部。A5判、360頁。 【注釈書・コンメンタール】 〔労働基準法・労働契約法〕 荒木尚志・岩村正彦・村中孝史・山川隆一編『注釈労働基準法・労働契約法(有斐閣コンメンタール)第1-3巻』有斐閣(2023年5月、2023年9月、☆2024年2月)……研究者によるコンメンタール。全3巻完結。A5判、第1巻 総論・労働基準法(1):748頁、第2巻 労働基準法(2)・労働契約法:628頁、第3巻 個別的労働関係諸法(労働者災害補償保険法、雇用機会均等法、育児介護休業法、パート有期労働法、労働者派遣法、労働施策総合推進法、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法、労働契約承継法):654頁。 西谷敏・野田進・和田肇・奥田香子編『新基本法コンメンタール 労働基準法・労働契約法(別冊法学セミナー)』日本評論社(☆2020年8月・第2版)……労働基準法、労働契約法の逐条コンメンタール。H24年労働契約法改正に対応。個別紛争処理制度・労働契約承継法・パートタイム労働法・労働者派遣法などの概説もついている。第2版において、初版(2012年9月)刊行以降の働き方改革関連法のほか、2020年通常国会〔第201回国会〕における改正にも対応。また、編者に奥田香子が加わられた。事項索引・判例索引あり。B5判、632頁。 荒木尚志・菅野和夫・山川隆一『詳説労働契約法』弘文堂(2014年5月・第2版)……労働契約法の制定に関わった研究者らによる注釈書。労働契約法の規模がかなり縮小されたため、実質的な注釈は100頁程度になっている。最も信頼できる労働契約法の注釈書である。事項・判例索引あり。全4章+資料編(資料1~11)。A5判、472頁。 厚生労働省労働基準局編『労働基準法解釈総覧』労働調査会(2021年3月・改訂16版)……必要な解釈例規を条文ごとにまとめて収録。参考資料には、労働契約法及び施行通達、パート指針等も掲載している。改訂16版は、「働き方改革関連法」による改正を反映させたほか、令和2年3月31日の労働基準法改正(法律第13号)にも対応。B6判、968頁。 厚生労働省労働基準局編『労働基準法 上巻・下巻(労働法コンメンタールNo.3)』労務行政(2022年1月・令和3年版)……労働基準法についての一般の理解を深めることを目的として、行政解釈を中心としつつ、必要に応じこれに裁判例、学説等の引用を加えた、実務に適するコンメンタール形式の概説書。令和3年版は「働き方改革関連法」による改正や賃金請求権の消滅時効期間の延長等に対応。令和3年10月現在の内容で掲載。A5判、732頁・530頁。 労務行政研究所編『実務コンメンタール 労働基準法・労働契約法』労務行政(2020年3月・第2版)……『平成22年版 労働基準法』(労働法コンメンタール)をベースに、日常業務でよく使う事項に絞って専門家がさらに内容を吟味し、読みやすくした特別普及版。第2版において「働き方改革関連法」の改正を機に全面リニューアル。A5判、640頁。 ☆労務行政研究所編『実務コンメンタール 男女雇用機会均等法 パートタイム・有期雇用労働法 育児・介護休業法 パワハラ防止法』労務行政(2023年12月)……A5判、368頁。 角森洋子『逐条解説 労働基準法』産労総合研究所(2019年12月)……元労働基準監督官による労働基準法の逐条解説書。2018年に「働き方改革関連法」の一つとして、労働基準法が約10年ぶりに大きな改正をしたことを踏まえ、労働基準法の逐条解説を、厚生労働省の解釈例規や最高裁の判例(事件の概要と判決の要旨)、実際にあった疑問など多数のQ Aを挿入し、解説。全13章。A5判、432頁。 (古典) 東京大学労働法研究会編『注釈労働基準法 上巻・下巻(有斐閣コンメンタール)』有斐閣(2003年3月、2003年10月)……詳細な注釈書。A5判、466頁・686頁。 東京大学労働法研究会『注釈労働時間法(有斐閣ミドル・コンメンタール)』有斐閣(1990年9月)……A5判、906頁。 〔労働組合法:注〕 西谷敏・道幸哲也・中窪裕也編『新基本法コンメンタール 労働組合法(別冊法学セミナー)』日本評論社(2011年9月)……30年以上の時を経て改訂された労働組合法のコンメンタール。労働組合法に関する近時のコンメンタールとしては、ほぼ判例しか書いていない厚生労働省が出しているものしかなく、実務で参考になる唯一のコンメンタールである。労働組合法以外に労働関係調整法および補論として、公務員の労使関係についての概説もあわせて収録。平成22(2010)年までの法改正に対応。事項索引・判例索引・命令索引あり。B5判、408頁。 厚生労働省労政担当参事官室編『労働組合法 労働関係調整法』労務行政(2015年6月・6訂新版)……本書は、労使関係法の客観的かつ正確な理解を深めるための解説書。平成16年の法改正後、蓄積されてきた裁判例や命令例、諸外国の労使関係法制の動向を盛り込んでいる。平成27(2015)年4月1日現在の内容を掲載。A5判、1264頁。 【判例集・ケースブック】 〔判例集等〕 村中孝史・荒木尚志編『労働判例百選』有斐閣(☆2022年1月・第10版)…労働法分野の理解には欠かせない大注目の判例110件を収録(旧版(2009年10月・第8版)の収録判例は120件)。最もスタンダードな判例集であり、司法試験の問題で出る基本的な判例は網羅している。実務家にも評判がよい。B5判、232頁。 須藤典明・清水響編『労働事件事実認定重要判決50選』立花書房(2017年10月)……審級によって判断が分かれた注目裁判例や先例的意義を有する最高裁判決・高裁判決56本を収録。A5判、608頁。 唐津博・和田肇・矢野昌浩編『労働法重要判例を読む1 総論・労働組合法関係』『同・2 労働基準法・労働契約法関係』日本評論社(いずれも2013年1月・新版)……50件のリーディングケース(最高裁判例及び裁判例)の解説を中心に労働法判例を概観する。関連裁判例を含めると800件超。一般的な判例の読み方についての案内が役に立つ。A5判、308頁・312頁。 野川忍『労働判例インデックス』商事法務(2014年3月・第3版)……見開き2頁で176の判例を解説。事件の概要・事案・図・判旨が2頁の4分の3を占め、コメントは短め。参考文献欄には百選7版、菅野8版・水町2版、有斐閣・弘文堂のケースブック等の頁数が摘示されている。学者が書いた予備校本という評価がぴったりである。A5判、368頁。(第3版は評価待ち。) 大内伸哉『最新重要判例200労働法』弘文堂(☆2024年2月・第8版)……類書最多の200判例を収録。事案と判旨を中心に収録しているため、コメントは短めになっている。『労働判例インデックス』同様、単独著者が執筆しているため、見解は安定しているが、重要判例にも1頁しか割かれていないため、やや物足りなさを感じる。2色刷。B5判、234頁(本文220頁)。 岩村正彦・中山慈夫・宮里邦雄編『実務に効く労働判例精選(ジュリスト増刊)』有斐閣(2018年10月・第2版)……弁護士による判例解説本。「労働者・労働組合側から見て実務上重要な判例の解説を労働者側の弁護士」(初版はしがき)(=日本労働弁護団所属の弁護士)が担当し、「企業法務にとって重要な判例の解説を使用者側の弁護士」(初版はしがき)(=経営法曹会議所属の弁護士)が担当し、対立する見方を「Another Angle」として編者の弁護士が短いコメントを付して補足するというスタイル。したがって、労使の対立点が明確でわかりやすい。第2版において、初版(2014年3月)から掲載判例が一新され、項目の大部分において執筆者の労使分担が入れ替えられた。B5判、292頁。(第2版については評価待ち。) 法律時報「労働判例研究」編集委員会編『労働判例解説集 第1巻・第2巻』日本評論社(いずれも、2009年12月)……B5判、420頁・388頁。 山川隆一・森戸英幸編著『判例サムアップ労働法』弘文堂(2011年4月)……142件の判例をセレクト。A5判、608頁。 野田進『事例判例 労働法 「企業」視点で読み解く』弘文堂(2013年3月・第2版)……序章(企業の中の労働法)+全4章、全29節。2色刷。A5判、456頁。 野田進・豊川義明編『判例チャートから学ぶ労働法』法律文化社(2011年3月)……160を超える判例を23のテーマに沿って判例の流れをつかむチャート図を掲載。全3編、全23章。A5判、320頁。 道幸哲也・小宮文人・本久洋一『判例ナビゲーション 労働法』日本評論社(2014年2月)……全18章。A5判、304頁。 ☆労務行政研究所編『年間労働判例命令要旨集』労務行政(2020年7月・2020年版)……労働関係の重要判決・命令のエッセンスを凝縮して掲載。2019年(平成31年、令和元年)の重要事件144事件を収録。審級別・日付順の検索便覧付き。全12章。B5判、256頁。 菅野和夫・野川忍・安西愈編集代表『論点体系 判例労働法 第1巻~第4巻〔全4巻〕』第一法規(第1巻:2015年2月、第2巻:2014年10月、第3巻:2014年10月、第4巻:2015年2月)……広範囲の法令に及ぶ労働紛争上の論点を、現在の問題を中心に体系的に整理し、実務上の論点を提示。判例の見解を簡潔に解説。A5判、第1巻〔労働契約の基本問題・成立と終了〕:630頁、第2巻〔賃金・労働時間・休暇〕:388頁、第3巻〔人事・労災補償・安全衛生〕:546頁、第4巻〔集団的労使関係・紛争解決手続〕:320頁。 〔ケースブック〕 ☆神吉知郁子・皆川宏之編著『労働法ケースブック』有斐閣(2024年3月)……執筆者(植村新・大木正俊・笠木映里・桑村裕美子・島田裕子・土岐将仁・富永晃一)。全5章、全25Unit。A5判、356頁。 荒木尚志ほか『ケースブック労働法』有斐閣(2015年4月・第4版)……基本判例・設問を通じて労働法の多角的理解を追求した法科大学院向け教材。執筆者(荒木尚志・奥田香子・島田陽一・土田道夫・中窪裕也・水町勇一郎・村中孝史・森戸英幸)。全5章、全28Unit。A5判、476頁。 菅野和夫監修『ケースブック労働法』弘文堂(2014年3月・第8版)……ほぼ毎年改訂されていた。女工哀史の引用から始まり、百選(第8版)掲載判例と最近の裁判例をそれなりに網羅している。編者(土田道夫・山川隆一・大内伸哉・野川忍・川田琢之)。全30講。A5判、644頁。 〔その他:判〕 ☆皆川宏之『労働裁判例の読み方&2019年度「重要労働裁判例」徹底解説講座動画DVD-ROM』日本法令(2020年7月)……セミナー動画DVD-ROM+講義レジュメ。2019年度に判決の出た労働関係裁判例のうち、実務に影響があるものをピックアップし、「事件の概要」「判決のポイント」「実務上の注意点」等を解説。講義の内容(2020年6月19日に収録した講義の動画が収録されています)。なお、裁判例の解説に先立ち「労働裁判例の読み方」についても解説。 【演習書】 水町勇一郎・緒方桂子編『事例演習労働法』有斐閣(☆2023年9月・第4版)……労働契約法対応の事例問題集。「会社法事例演習教材」などと似たスタイルだが、全問にヒントと答案例が付いている。なお、初版(2009年4月)では答案例が解説を兼ねていたため、やや冗長で法的三段論法に則っていない失格答案も散見されたが、第2版(2011年3月)から、全問に出題趣旨と解説も追加された。司法試験に必要十分な程度に判例の示した規範や理由付けがコンパクトにまとめられており、初学者にも使いやすい。全5部、全23Unit。A5判、374頁。 土田道夫・豊川義明・和田肇編著『ウォッチング労働法(法学教室ライブラリィ)』有斐閣(2019年9月・第4版)……労働契約法対応の定番演習書。法学教室連載の単行本化。冒頭にテーマに沿った短めの事例を示して、テーマについての概説と事例への解答を示している。ただし、事例への解答部分は僅かであり、むしろ論点集としての性格が強い。第4版において、最新判例・法改正のフォローだけでなく、新たに、事実関係を詳述した【設問】、【設問】を的確に理解するために必要な【解説】、【設問】の意図を理解して必要なことを論じるために必要な1つの道筋を示す【解答への道すじ】の3部構成とされた。全40項目。A5判、520頁。 石田真・豊川義明・浜村彰・山田省三編『ロースクール演習労働法』法学書院(2010年1月・第2版)……労働契約法対応のやや長文の事例問題集。31問の基礎編と8問の融合問題からなる。全ての問題に法科大学院生による答案が付けられており、教授・弁護士らによる答案に対する駄目出し&問題解説がなされている。問題の難易度は全般的に高めで、解説も労働法の知識を一通り持っている人間を対象にしていることが明らかなため、初学者には厳しい。しかし、その分、事例に対する分析は丁寧であり、新司法試験対策としては有用である。A5判、340頁。 高橋保編『演習ノート 労働法』法学書院(2010年3月・第6版)……現代労働法の視点から、労働法を学ぶうえで必要な基本概念、基本権、労働組合、労働委員会、労働契約、女性労働者などの基本的な問題を108題取り上げた演習用教材。A5判、240頁。 野川忍『労働法問題集』商事法務(2010年9月)……38問収録。A5判、244頁。 大内伸哉編著『労働法演習ノート 労働法を楽しむ25問』弘文堂(2011年11月)……「設問→解説→解答例→関連問題」という構成。労働法を体系的に網羅した22の設問と3つの総合問題からなる。執筆者(石田信平・魚住泰宏・梶川敦子・竹内(奥野)寿・本庄淳志・山川和義)。A5判、456頁。 川口美貴『労働法演習——司法試験問題と解説』信山社(☆2023年9月・第7版)……同著者の基本書『労働法』(2023年3月・第7版)に準拠した司法試験対策のための演習書。18年分(平成18(2006)年~令和2(2023)年)の過去問を年2問ずつ全36回に分けて解説。第2版以降は毎年改訂されている。A5変型判、279頁。 (古典) 安枝英訷・西村健一郎『基礎演習労働法(基礎演習シリーズ)』有斐閣(1994年3月)……四六判、322頁。 野田進・中窪裕也『労働法ロールプレイング』有斐閣(2000年6月)……A5判、300頁。 → このページのトップ:労働法に戻る。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1554.html
朝日とともに剣桃太郎は目を覚ました。 そして、自分が背を預けていたものに声をかける。 「ありがとよ」 すると、その竜はまるで人語を解するかのようにきゅいきゅいと声をあげた。 そうして立ち上がって少し体をほぐす。 野営による疲れはない。 もっとも、男塾一号生にこれくらいで疲れるやつはいないが。 そこまで考えたとき、少し離れたところで木を切る音や重いものをひきずる音が聞こえる。 (少し寝すぎたかな) 多少のばつの悪さを覚えつつも、桃はみなを手伝うべく、音のする方へと歩いていった。 「しかし、昨日はひどい目にあったよなぁ」 「まったくじゃ。飛行帽のやろう、前に家を壊したこと絶対根に持ってやがるわい」 「しかし、ここは面妖なところじゃのう。魔法なんてものが存在するとは思っても おらんかったわい。」 木を引きながら、秀麻呂、松尾、田沢の三人が会話をしている。 向こうのほうでは椿山が、その馬力を生かして、富樫や虎丸などと一緒に木を切っている。 どうやらJに飛燕と雷電は食料を調達しにいっているようだ。 伊達は一人で、その槍術を用いて石を切り出していた。 そこまで見渡したところで、今人手が必要なのは石の切り出しであると判断し、伊達を手 伝うべく歩き出した。 (魔法か。どれほどのものだろうな。) そうして桃は、召喚されたときのことを思い出していた。 空気が凍るとはこのようなことを言うのだろう。この空気は炎蛇でも溶かせまい。 ついついコルベールは現実から目をそらそうと、自分らしからぬことを考えた。 (しかし、このようなことは前例がないので仕方のないことか。) これが平民の一人であるならば、一応生物であることは間違いがないので、 迷わず契約をするように勧めたであろう。 しかし、これほどの人数の召喚となるとどうすればよいのか判断がつかない。 (そうだ。これがあった。) そこで、コルベールは、懐から一冊の本を取り出して目をおとした。 太公望書房刊『異端召喚百選!これであなたも召喚マスター』(観余頭尼屠尼瑠无著) 大変古くかつ怪しい本ではあるが、記述内容に信頼がおけることは、 今までの経験が保証している。 そこにある記述を発見したコルベールは、思わずブリミルに感謝の祈りをささげ、 ルイズに声をかけた。 「ミス・ヴァリエール。何を固まっているのです。早く全員と契約しなさい。」 その声に、生徒たちは一斉に視線をコルベールに向けた。 マジですか!正気かあのコッパゲ。 そのようなざわめきが起こるなか、ルイズは引きつった顔でコルベールを眺めると声をあげた。 「ミ、ミスタ・コルベール。や、やり直しを要求します! 第一、このような大人数では、誰と契約をしろ言うのでしょうか!」 話しているうちに、普段の調子に戻ったのか、ルイズは一気にまくし立てた。 それに、ルイズの発言には根拠があった。 (そ、そうよ。やり直しは正当な要求よ。メイジ一人につき使い魔は一つ。そう決まっているじゃない! それに、こいつら、何で裸の上に上着を羽織っただけなのよ!) ルイズにとっての不幸は、コルベールが無駄に博識なことであった。 「もちろん全員とですよ、ミス・ヴァリエール。 それに始祖ブリミルは数多くの使い魔を従えていたという信頼できる記録も残っています。 人数が多少増えたところで何も問題はないでしょう。 さあ、『コントラクト・サーヴァント』を済ませるのですぞ」 その言葉にルイズは肩を落とし、少しうつろな目をして祝詞を唱え始めた。 せめてファーストキスは、多少はまともそうなヤツで。 ルイズがそう思ったかどうかは定かではないが、祝詞を唱え終わると、鉢巻を巻いた男の方へと歩き出した。 (騒がしいな) 少しの間意識を失っていたようだ。 気配から、多人数に囲まれているのは分かっていたが、殺気などは感じないため、状況を把握することにした。 その時、集団の中から一人の少女が自分達の方に歩み寄ってくるのに気づく。 今の状況を把握するため、もう少し意識を失った振りを続けることにした。 「そうよ。これはあくまでも使い魔との契約なのよ。」 などと小声でぶつぶつ言っているようだ。 契約というと、こちらに何かさせるつもりなのだろうか。 (そういえば、ある中国拳法の奥義に、遠くから人を召喚する、という技があったがそのたぐいか。) とうとう少女は自分の前に立ったようだ。 そこで薄目を開けようとした瞬間、唇にあたたかい感触がはしる。 どうやら接吻されているようだ。 思わず、目を開けると、もう少女は他のヤツのところに向かっていた。 そして、同じように接吻をしていた。 その、少しうつろな表情が気にかかるが、このままでは状況が掴めない。 そう判断した桃は、その少女に声をかけようとした時、手に痛みが走った。 (何だコレは?) 凝視すると、左手の甲には、大団旗などにも示されてる男塾の紋章が、光を放ちながら刻まれていった。 最後に「男塾総代」と刻まれたところで、その紋章は光るのをやめた。 他の者を見渡すと、みなそれぞれ違う場所に紋章が刻まれているようだ。 人によって痛みが違うのか、虎丸などは、尻を押さえているのが確認できる。 「終わりました。」 その時、先ほどの少女が、教員とおぼしき人物に何か報告しているのが見えた。 桃はそちらの方を向くことにした。 ややヤツレタ感のあるルイズが、コルベールに終了を告げる。 そのやつれ方に同情しないといえば嘘になる。 キスのキの字も知らない少女が、いかにも汗臭い男たち数十人とキスをしたのだ。 コントラクト・サーヴァントとはいえ、自分をごまかすにも限界があるのだろう。 しかし、この誇り高い少女にそのような同情を見せるのは、侮辱になる。 そう考えたコルベールは、生徒達を解散させることにした。 解散を告げられた生徒達は、おのおの会話をしながら、空を飛んで帰路についた。 その会話に、ルイズを馬鹿にするような発言は極めて少ない。 女生徒の多くなどは、同じ女として同情する、などといった会話を繰り広げている。 そうしてコントラクト・サーヴァントの会場に残ったのは、男塾一号生たちと ルイズにコルベールのみとなった。 明らかに事情を把握していない様子の集団を、ルイズ一人に任せるのは酷である いかにヴァリエール家の三女とはいえ、これだけの集団の面倒を一人で見れる訳がない そうコルベールは判断したのだ。 「さて、それでは歩きながら事情を説明しましょうか。」 そうして不審な男達の集団に声をかけた。 これだけの集団の面倒を見るには、学院長の支援が必要だと判断したコルベールは、 オールドオスマンのところへと向かって歩き出した。 「うむ。事情は把握した。こちらからもわかる範囲で君達を支援しよう。」 「助かります。」 そうしてオールドオスマンと桃は握手をした。 来る途中互いの情報を交換したルイズにコルベールは真剣に頭を抱え込んだ。 これだけの集団が、全員そろって異世界から来たというのだ。 彼らでなくても頭を抱えたくなる話である。 しかも、その責任のうち半分くらいはルイズにあるのだ。 ……もう半分は、(話を聞く限りでは)あからさまに怪しげな光に、集団で飛び込むという 暴挙に出た彼らにあるのは間違いないが。 一方、塾生たちはというと 「な、なんだってーーー!!」 「ごっついのう」 「鬼ヒゲたちもおらんし、これぞまさしく鬼の居ぬ間になんとやらじゃな」 などと、実に多様な反応をしていた。 もっとも、驚いてはいるものの、悲観はしていないようだ。 ヴァイタリティーあふれる彼らにとっては、むしろ教官たちのいないことの方が大切なようだ。 自分が考え込んでいてもしょうがない、と結論を下したコルベールは、 オールドオスマンに判断を預けることにした。 事情を聞いたオスマンは、いくつかの条件とともに、彼らの学院への滞在許可と 帰還方法の捜索を手伝うことを約束した。 その一つが、常に誰か一人はヴァリエールの使い魔としてふるまうことであるのは言うまでもないだろう。 宿舎については、今余裕がないことをオスマンが告げると、田沢と名乗った男が 「宿については俺たちが自分で建てましょう」 というので、任せることにした。 どうやら、後ろに立っていた男達の顔が引きつったことに気がつかなかったようだ。 とりあえず、本日は使い魔用の小屋で休むように伝え、翌日朝の鐘の音が二回なったら ルイズとコルベールも含めてここに来るように言い渡し、本日は解散となった。 使い魔召喚の件から後、調子を崩され通したルイズは、普段の彼女からは信じられないことではあるが、 大変おとなしく話を聞いていた。 ……むさ苦しい男達の集団に紛れ込みたくない、というのが本音かもしれないが。 とりあえず、お休みとだけ使い魔達に告げると、次々と野太い返事が返ってきて、更に疲れがました。 (美しく、神聖な使い魔を召喚するはずだったのに!どこが狂ったのよ! 始祖ブリミルよ。これはあまりにも過酷ではないでしょうか。) 部屋に戻った彼女は、ひとしきりベッドの中で悪態をつくと生まれて初めて始祖ブリミルをののしった。 だが、思っていたよりも疲れていたようだ。 10分もたつと静かな寝息が響き渡った。 一方男達は、使い魔用の宿舎でわらの上に横たわっていた。 既に爆睡するものも多い。 歯軋りといびきが響き渡って、使い魔たちが寝づらそうにしているにも関わらずだ。 そんな中で1頭の竜が静かに立ち上がった。 (こんな環境じゃ寝れないのね~きゅいきゅい) などと思ったかどうかは定かではないが、とりあえず外で寝ることにしたようだ。 昼のうちに見つけた特等席に向かうと、既に先客がいた。 「月が綺麗だとは思わないか?」 そんな風に男が声をかけてきた。 同感したのかどうかは分からないが、きゅいきゅいと竜は鳴くと、男に近寄った。 少なくとも、悪い男ではないと思われたようだ。 竜が腰を下ろすと、男は一言断りをいれてから、竜に寄りかかった。 会話は何もない。 しかし、不思議と安心できる空気に、男と1頭の竜はいつの間にか眠りだしていた。 男達の使い魔 第2話 完 NGシーン 雷電「こ、この術はまさか!」 虎丸「知っているのか雷電!」 雷電「これぞまさしく、中国において古代より伝わる杵有漢」 かつて、唐の時代、杵有漢(しょ・うかん)という拳法の達人がいた。 国士無双と詠われた彼は、同時に多くの敵を作っていた。 多くの敵に四六時中付けねらわれるのに疲れた彼は、秘奥義神毬送りをもとに一つの奥義を生み出した。 この奥義によって、自分の代わりに戦ってくれるもの、見張りをしてくれるものなどを呼び出した彼は 以降平穏な人生を送ったという。 この故事がハルケギニアに伝わり、召喚となったのは、杵有漢に対する尊敬があったからである、 というのは、雌威璽の始祖武利彌瑠が書いているように、あまりにも有名な事実である 民明書房刊「召喚、その全て」(平賀才人著)
https://w.atwiki.jp/wiki11_piyori/pages/52.html
おい、古泉。 不本意ながらお前の作業を手伝うことにした。 「これはこれは。わざわざ僕を選んで下さるとは、 どうした心変わりですか?」 うるさい。なんならやめてもいいんだぞ。 教本探し 「おや、重そうな荷物をお持ちですね。手伝いましょうか?」 のんびり言うじゃないか。持ってもらえりゃ助かるが、 お前は何か教本とか資料本を持ってきちゃいないのか。 「ああ、その荷物なのですね。資料は教室に置いてきてしまいました。 今すぐに持ってきます。少々待っていてください。」 おい、ちょっと……荷物持った俺に待ってろって言うのか? はぁ、人の話聞かないヤツだな……まったく。 「遅くなりました。さあ、参りましょうか」 なんだこりゃ。『グラフィックデザイン~進化と理論~』 『タイポグラフィ百選』って……他のも横文字ばっかりか。 ずいぶんと小難しいのばっかりそろえてきたみたいだが、 もうちょっと入門書っぽいのは無かったのか? 「残念ながら見当たりませんでした。これではご不満ですか。興味を引きそうなタイトルを選んできたつもりなのですが」 俺としては、もうちょっと軽いノリでさらっと読めるのがいいな。 これじゃちょっと専門的すぎないか。図も少ないし……。 (……って、もしかして俺はハルヒと同じような注文をつけているんじゃなかろうか) 「どうしました?」 ……いや、なんでもない。教本にするにはちょっと難しいと思うが、努力は買う。お疲れさん。 「……ああ、そうです。忘れない内に言っておきましょう。」 なんだ? 「作業に役立ちそうな本と、それからカードも探してみます。 カード? 「ええ、デザインの参考になるでしょうから。タロットカードなんてどうです?」 なるほどな…まぁ、なんにしろ資料ならあるだけあった方がいいだろ。 カードイラスト さて、カードのイラストはどうするか…。 「それなら、実在のものを参考にすればいいのです。 実在のもの? 「そう、例えばタロットカードなんかどうです?」 タロットカードねえ… 「ご存知ですか?タロットには大アルカナと小アルカナとがあり。一般に大アルカナの22枚がタロットカードとして認識されてますね。小アルカナとはいわゆるトランプのカードのことです。ただ、トランプカードの中にも1枚だけ大アルカナが含まれてます。そう、ジョーカーですね これはタロットの愚者と同一なのだそうです」 いや古泉、俺はそんな事を聞きたいわけでは……。 「タロットには正位置と逆位置がありますね。位置によってカードの象徴する意味も変わってくるのです。 大概は逆位置は悪い意味になるようです。」 うんちくをたれるのはいいかげんにしてくれ……作業の方をすすめるぞ。 とにかく、このタロットカードの図版を参考に、カードのイラストを作ればいいわけだな。 「はい。作業を進めましょう」 とはいえ、長時間机に向かっていれば集中力も落ちてくるのは世の常であり、人類の克服すべき弱点であるとも言える) 「気晴らしにタロット占いでもどうですか?」 それはいいが、タロット占いなんてできるのか? 「パッケージにやり方が書いてありました。まずはカードをシャッフルしてカット、並べて……オープン。」 「ん……?……これは……」 どうした、古泉。なにか結果が出たのか? 「ええ、しかし、伝えてもいいものなのかどうか」 占いの結果が悪かったのか?俺は占いなんてものにはそれほど信用を置いていない。気にせず言ってくれ。 「これからの作業効率が落ちるかもしれませんよ」 俺はそんなものには振り回されない。家族の安全に関わることは覗いてだが。逆に最悪の占いだったとしてもそれはそれで早く教えろ。 「いえ、占いには最高、と」 なんだ。まるで問題ないじゃないか。 「僕たちの相性は最高のようです」 ……なんだと。というか、そんなものを占っていたのか。 「最近、ふたりで作業することが多いですからね。僕たちのペアワークはゲームの完成度にも大いに影響を及ぼします。と思って占ってみたのですが、良い結果が出て安心しました。この占いの結果を胸に頑張りましょうか。きっと作業もうまくいきます」 (俺のテンションは今、ナイアガラの滝のように急下降中だがな) 発声練習 (……ん?古泉のヤツはどこに行った?) (お、いたいた。……空を見上げて、なにをしてるんだあいつは?) おい、そんなとこでサボってんじゃない。 「空が青いですね。閉鎖空間の灰色の空の下には、できればもう、戻りたくないものです」 そうか?向こうでのお前は生き生きしてるように思えたが。 「超能力が使えることで得られる万能感なんて、始めのうちだけですよ。誰かに与えられた力と誰かに与えられた使命。僕は選ばれた存在などではない。ただの駒に過ぎないのだと気づくまでに、長くはかかりませんでした」 超能力者ってのもそれはそれで大変なんだな。 「でも今はこの力に感謝しています。自分のこの手でこの世界を守ることができる。それはとても誇らしいことです」 ……それはいいんだがな。お前、発声練習しなくていいのか? 「僕は涼宮さんに免許皆伝をいただきましたから。あなたこそ、練習しなくては、また涼宮さんの機嫌を損ねてしまうのでは?」 ……戻るとするか。 演技練習 そういえば古泉、文化祭で演劇をやっていたよな。 「はい。クラスの出し物で」 その時はどういう方法で演技の練習をしたんだ? 「そうですね……。脱力の練習とかでしょうか」 「自分の身体の、脱力状態と緊張状態を知っておくことは、とても大切です。リラックス効果もありますしね」 「(みくる)そうなんですか?」 「ええ。試しにやってみますか?」 そうだな。 「まず、ここに仰向けになって、力を抜いてください。慣れないうちは、目を閉じるとやりやすいと思いますよ」 目を閉じて横になるのか? 「はい」 ……。 (特になにか起こるべきイベントを想定しているわけではないが、とりあえずやめておこう) (古泉が演技を見せてくれているのだが……) 「私にお任せください。必ずや、悪しき竜から姫を救い出してみせましょう」 「(ハルヒ)古泉くん、演技も完璧ね!」 「恐れ入ります」 ……そうか? 「キョン、いちいちうるさいわね。あんたは減点」 なんの点数だ。 「古泉くんには、発声と演技がよくできたごほうびをあげる。そうね……明日一日、キョンを自由にしていいわ」 いや、なんでだよ。 「恐れ入ります。では、ありがたく頂戴いたします」 お前もあっさり頂戴するな。 SE楽器音 「どうしたんですか?急に黙り込んでしまって。気分でも悪いんですか?」ああ、わるいね。いくらやっても、男2人で作業なんて面白くもなんともない。 「まあまあ。そのうち楽しくなりますよ」 (仲良しデュオよろしく、男2人でギターを抱えているこの図はあまりにも寒々しすぎないか?しかも相手が古泉とは) 「僕の演奏はどうですか?これを歩く音にしようと思うんですが」 いや、そうじゃないだろう。それだと、なんだか“でっでっでっ”って感じで、足取りが悪い。足音は“てくてくてく”だから、こう……だと思うんだが……。 「なるほど。やっぱり2人でつくるといいものができますね」 ……。 「どうしたんですか?また黙り込んで」 (お前にはわからないかもしれないが、とにかく面白くないということだよ) 「いや、僕は楽しいですよ。そうだ、路上デビューはいつがいいですか?」つまらん冗談はやめろ……ああ……気が滅入る……。 ふぅ。これで楽器は全部運び込んだか。 「思ったより力仕事でしたね。少し疲れてしまいました」 「そういえば、今日一日、僕はあなたを好きにできるんでしたね」 なんだ、忘れていなかったのか。 「もちろんです」 「……そんなにいやな顔をしないでください。変なことは頼みませんよ。最近忙しくて背中が凝っているんです。マッサージをしてくれませんか?」いや、男にマッサージされても、嬉しくないだろ……。 「どうしてです?男性のマッサージ師は普通だと思いますが」 それはそうだが……。 「あ……そこです。そこのもうちょっと下でしょうか……」 「いいですね。気持ちいいですよ」 変な声を出すな。気持ち悪い。 「いやいや、あなたの揉み方が上手いんですよ」 「んっ……そんなに強く押さなくとも大丈夫です。もっと、ゆっくりで……」 (新手の拷問かこれは) 「ありがとうございます。だいぶ身体が楽になりました。マッサージ、お上手ですよ」 なんだかかなしい気分だ……。 役作り/キャラ 「僕に、女性のキャラクターが割り振られているんですが。これはさすがに間違いなのではないかと思うのですが……」 なるほど、これは確かにおかしい。が、俺が決めたのではないし、このキャスティングにハルヒの深遠かつ広大な思惑が秘められていないとも限らない。とりあえず、これを読んでみるしかないんじゃないか。勝手にキャスティングを変えるわけにもいかないしな。 「涼宮さんの機嫌を損ねるわけにもいかないですしね」 「一応やってみますが、クオリティは期待しないでいただきたいですね。 『あ、あの……これ、受け取ってください!あなたの気持ちを聞かせてほしいの!』」 (もしも俺がハルヒであったら、ストレスのあまり今頃世界は閉鎖空間で埋め尽くされていることだろう) 「なるほど、さすがは涼宮さんです。こうして、女性の繊細な感情を勉強することは、演技にとって大いに役立つことなのかもしれませんね」 それで、女性の繊細な気持ちとやらは理解できたのか? 「ええ、及ばずながら、以前よりは理解が深まった気がします」 (今の俺にできる努力といったらただひとつ。古泉の中の乙女回路を極力想像しないようにすることだな……) 「ん……これは……。朝比奈さんの書いたシナリオですね」 (もしや、あの時書いていた告白シーンのシナリオか!) 「なるほど、これは、その、すごいですね……。朝比奈さんの想像力には舌を巻きます。あてられてしまいました」 一体なにが書いてあるんだ。俺も知りたいんだが。 「ふふ、知りたいですか?」 「いつも、あなたのことを見ていました」 お、おい……。 「絶対に私の手には入らないものだと、わかっています」 「(谷口)借り物ーかりものーはー元の場所にー。」 「それでも、気持ちはとまらないんです。あなたが……好きです」 「って、うおっ!」 た、谷口……! 「お、おまえら……!そんな仲だったのか!?」 待て!練習だ練習、演技の練習! 「いや、しかし、今確かに……レコーダー、ぽちっと。」 谷口、お前、そのレコーダー……! 「おや、さすがにこれは恥ずかしいですね」 「そうか、キョン、知らなかったぞ。お前、涼宮でも朝比奈さんでもなく……。」 誤解だ、今のは特になんということもない、演技の練習をする日常のひとコマだ! 「いや、安心しろ。俺はそういうものに偏見は持ってない」 そうじゃなくて、誤解だと言っているんだ。面倒だな。古泉、レコーダーを奪うぞ。 「はい。わかりました」 「のわっ!」 「すみません」 (消去……っと。よし。これで俺の穏やかなる日常は守られた) (もっとも、あの女のせいで既に穏やかさなどは破壊されつくし、跡形も残っていないのが現状だが、初心は忘れてはいけないよな)
https://w.atwiki.jp/rokurokubi/pages/43.html
http //www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2002dir/n2489dir/n2489_05.htm 事故や過誤はまったく存在しなかったと考えられる事例の約半数で賠償金が支払われている一方で,過誤が明白と思われる事例の約半数でまったく賠償金が支払われていなかったのである。それだけではなく,賠償金額の多寡は医療過誤の有無などとは相関せず,患者の障害の重篤度だけに相関したのだった。 日本でもアメリカでも、裁判を起こすか否かは起こす人の意思次第ですが、日本とアメリカの民事裁判制度は大きく異なっており、引用されている部分との関連では、アメリカでは民事裁判でも一般市民が裁く陪審制度が取り入れられていることが大きいと思います。陪審制度のもとでは、下手をすると理屈の世界ではなくなってしまいます。 自動車が日本で走り始めた当初から交通事故は起こっていました。そして人身事故は業務上過失致死傷罪として処理されていました。誰が処理していたかというと、運転免許を持たず、したがって車の運転をしたこともとない、場合によっては車に乗ったこともない検察官が起訴し、これも車を運転したこともない裁判官が判決していたのです。その結果、運転者(加害者)はほとんど結果責任的に有罪になっていたと、ベテラン副検事に聞いたことがあります。そして、「一億総前科者」という言葉も聞かれるようになりました。しかし、車の一般化に伴い、法曹や学者も車の運転を経験するようになって、運転者の刑事責任を限定する方向で理論的な検討や交通業過の処理基準の見直しが図られ、現在に至っています。その背景には自賠責保険制度とともに任意保険の普及などにより、民事賠償システムが確立したこともあると思います。つまり社会全体の対応システムの整備とともに検察も数をこなすことによって交通業過の処理システムを成熟させていったものといえます。医療過誤業過では、どなたかも指摘されていましたが、過渡期であり、まだまだ検察も試行錯誤状態なのかもしれません 我が国では医事鑑定を行う鑑定医が各医学会の推薦を受けて選任されていること、一般的に医事鑑定の結果に真っ向から対立するような判決を我が国の裁判官が書くことがないといった事情を踏まえれば、アメリカにおける研究に依拠して、アメリカでみられるような医師による過失判断と司法による過失判断の著しい乖離が我が国においても同様に生じていると結論付けるのは、やや短絡に過ぎるように思われます。 アメリカの多くの州では民事裁判でも陪審制が採用されており、日本の裁判との大きな違いは、「理由を示さなくともよい」という点です。よって、アメリカでは、「医学的なことはよく分からんけど、何となく医師が悪いと思うから賠償責任肯定」という裁判がなされる可能性がありますし、現に結構あると認識しています。また、いわゆる懲罰的損害賠償を採用する州が多いことも特徴で、これらの事情が、アメリカの医療を過度に防衛的なものにしている部分があります。 ちなみに、弁護士や裁判官による医学や臨床実務についての勉強、研修、研鑽は行われています。検察官については知りませんが、当然行っているものと思います。弁護士による医師を招いての勉強会、病院の見学会は度々行われていますし、私が知る限りでは、東大、順天堂大、慶応大、東京医科歯科大の各大学病院が比較的長期間(と言っても2週間程度のようですが)にわたって裁判官の研修を受け入れています。市中の病院にも一部、同様の研修、見学に応じているところがあります。というわけで、それが充分かどうかは別として、法律家による臨床現場の見学も行われていますので、その点については御承知おき下さい。ちなみに、少数ですが医師免許を持つ弁護士・裁判官もいます。 「どうして判断できるのか」という問いに対しては、法律上、紛争に関する判断権限が裁判所に与えられているから、ということになります。そして、その判断が適切妥当なものになるよう、様々な制度が設けられています(鑑定人、参与員、専門委員等の専門家の活用、証人尋問・証拠保全・文書提出命令・調査嘱託・送付嘱託といった証拠収集手段の充実、各種研修の実施等々)。 医療が本来的に高度のリスクを孕んでいるということが裁判官(または厚労省の官僚などの制度設計者)に十分理解されていないところがあるのではなかろうか、という点です。刑法理論的な問題を少しだけ示しますと、従来外科手術は、正当業務行為として傷害罪の違法性を阻却すると考えられてきたと思うのですが、緊急行為的側面をもっと強調されていいのではなかろうか、と思っています。 裁判所は、自らの営みが本質的に「後出しジャンケン」であることをそれなりに自覚し、できるだけ適正な事実認定を行なうよう努力しているのです。これについては多少は存じ上げていますが,「後出しジャンケン」は「自覚していても」バイアスを免れない.だからこそ前向き研究・無作為化が必要,というのが数多くの臨床研究の教えるところです.実例は無数に有る. わたしが考える「裁判官が誤る原因」は弁論や証拠が不十分である可能性の他にもあります.一つは断片的な知識に基づいて判断する事医学,特に臨床医学は知識の体系なので争点がちょっと複雑な,とくに診断や判断の話の場合実は総論を踏まえた上で判断しなければ意味がないのですが非常に各論的な情報のみに基づいて考える.とまでは言わずとも総論軽視です.裁判官は関連文献は感心するくらいよく読んでおられるんですが総論の勉強はさすがにしない二つ目は日本語に限定されている事英語の文献を日本語にそれも素人に分かる様に翻訳するのは非常に大変なコストを伴います. 英語くらい読める人だったら話が早い.三つ目は「情報の偏在」の問題医学知識が医者サイドの方に多い,カルテも持っているということを念頭に置いた指揮をしているわけですが,どうもその割り引き方が雑で偏在の補正に重きを置きすぎてアンフェアになってるんじゃないのと判例百選を読んで思う部分もあったデス. 裁判官の判断にはレトロスペクティブな観点に基づく後出しジャンケンもあれば、プロスペクティブな観点に基づく医師の判断に理解を示そうと精一杯の努力をした跡が見られるものもあり、医師の判断にもプロスペクティブな観点から誠実に示した判断もあれば『後医は名医』を地で行くような後出しジャンケンもあるのではないか」ということです。もちろん、訴訟というものは「過去にあった出来事の落とし前をどうつけるか」というものですから、本質的にレトロスペクティブなものです。その世界にどっぷり浸かり込んだ裁判官に「後出しジャンケンの論理」を捨てさせるのは相当困難なことです。 「専門性」が認められる分野の紛争について、その分野の専門家が最終的な判断を下す制度がよいか、素人たる裁判官が専門家の意見(医事紛争についていえば、医師による鑑定等)を参考にしつつ判断を下す制度がよいか、という点は議論のあるところでしょうが、現在の裁判制度では後者が採用されています。この制度が根本的に変革されることは今のところ考えがたい(憲法改正とか、そういうレベルのハナシになります)ので、現在の制度を前提に、素人たる裁判官に適切な判断をなさしめる工夫をしていくしかないであろうと認識しています。そもそも「専門性」の有無ということ自体明確に線引きできるものでもないし、それを言い出したらキリがないとも思うんですね。たとえば、覚せい剤使用の事案では、覚せい剤成分が尿から検出されたという鑑定結果が重要な証拠になりますが、そうすると化学の博士号を持った裁判官が裁かないといけないのか。これ位ならいいとしても、和歌山のカレー事件では、ヒ素の同一性がスプリングエイトという特殊な装置で測定されて証拠になりましたが、これ位の「専門性」があると素人裁判官ではなく専門家が判断すべきなのか。単なる交通事故でも、車のブレーキが故障していたのであり自分の過失ではないという弁解が出てくることがありますが、そのときは自動車工学の専門家が裁判官にならないといけないのか。幼児による証言の信用性が争点となっている事件は、児童心理学の専門家でないと判断できないのか。銀行の経営者による不正融資が問われている事件では、金融や銀行実務の専門家でないと融資の当不当を見極められないのか。長野で起きたロープウェーからの転落事故に関する裁判は、ロープウェーの設計管理に精通した者のみが裁くべきなのか。絵画の真贋が争点となったら、美術評論家や学芸員、キュレーターが裁判官となるべきなのか。拳銃の殺傷能力が争われたら、拳銃の設計に精通した者が・・・・(以下略)。 あえて言いますが、医療は例外の最たるものではないでしょうか。専門でないと難しいということに関しては業界によって差が大きいと思います。 事実的な要素に関しては、専門家以上に事実に肉薄できる人はいないのだからそれに従うべき範的な要素に関しては、対象となった出来事に近いところの話から、もっと遠いところの話までの整合性、その行為のメリットや現状における問題点等、総合的に判断して妥当な範囲に設定するべき しかし、医療の特質や限界、法的思考との違いを私たちが理解するだけでも被告側医師の対応は変わってくるでしょう。特に問題になるのは、医療は主にプロスペクティブ(プロ)な営みであるのに対し、裁判は主にレトロスペクティブ(レトロ)な営みであることです。レトロの視点からは、のちに判明した事実関係をもプロの責任判断に取り込みがちになること、プロの不確実さや確率判断の難しさへの考慮が欠けること(プロには30%のものが、レトロには70%にもなりうることなど)といった問題があります。「少数派の医療裁判制度改善策(上)」(上田和孝) 裁判官が医学文献を理解できるかというのは医療界からすれば切実な問題かと思います。ただ、医療集中部は裁判官の中でも比較的優秀とされるメンバーが一年中大量に医療事件を扱っており、また、鑑定をしない場合でも専門委員等として裁判所に協力している医師から意見を聞くなどしてカバーしている部分もあるようです。少数ですが、医師の資格を持った裁判官も在籍しているようで、医療界が心配するほど常識外れの判断が出されているとは認識しておりません。 トンデモ判決が出たとして、裁判官が悪いとしても、専門知識がないからということではなく、また、トンデモ判決を出された側の訴訟対応の問題の方に思考がいくことになるように思います。 医学的に誤ったトンデモ判決が出る原因として考えられることは、1)被告が主張・立証に失敗した → 被告及び被告代理人弁護士が努力すべき2)鑑定結果が誤っていた → 鑑定医の選任方法や、鑑定方法を工夫すべき3)裁判官の誤解偏見 → 裁判官に研修させるべき トンデモ判決が多いかどうかは微妙な問題です。奈良心タンポナーデ事件や加古川心筋梗塞訴訟のように、誤判であったことが強く疑われる事例があることは間違いありませんし、維持関係訴訟は専門性の強い訴訟であるため、誤判が生じやすいことは間違いありません。一方で、マスコミ報道をもとにした判決批判や、裁判所に提出された証拠関係書類を見ずにされる判決批判が多いのも事実です。また、判例の誤読・誤解に基づく批判も散見される、との指摘もあります。具体的には「過失は一切無いが、賠償しろ」「病気が治るという期待権が侵害された」と言う判決があるように言われますが、そのような判決は存在しませんし、法解釈上もありえません。また、近年の判例で脳性麻痺で病院が敗訴したものは確認されていない、とされる。 一般に医師の過失の有無は、「診療当時の臨床医学の実践における医療水準」に照らして判断される(最高裁判決昭和57年7月20日、最高裁判決昭和61年5月30日など)。つまり、過失の有無は、訴訟が行われている時点ではなく、あくまで当該医療行為が行われた時点での医療の水準に照らして判断されるべきであるし、その水準というのも、「学問としての医学水準」ではなく、「臨床における医療水準」のことである。
https://w.atwiki.jp/wiki6_piro/pages/6389.html
日本の歴史公園100選 にほんのれきしこうえん100せん 都市公園法の施行50周年を記念して、2006年10月及び2007年2月に、日本公園緑地協会等からなる「都市公園法施行50周年等記念事業実行委員会」によって選定された優れた歴史公園。 100選という名称であるが、実際には250の公園が選定されている。 2006年10月27日に112の公園が選定されたが、城や城趾を中心としたものが多かったため、より広範な歴史公園を対象として第2次募集が行われ、2007年2月5日には138の公園が追加選定された。 北海道 1 大通公園(北海道札幌市) 2 中島公園(北海道札幌市) 3 函館公園(北海道函館市) 4 見晴公園(北海道函館市) 5 五稜郭公園(北海道函館市) 6 元町公園(北海道函館市) 7 函館山緑地(北海道函館市) 8 春採公園(北海道釧路市) 9 緑ヶ丘公園(北海道帯広市) 10 明治公園(北海道根室市) 11 戸切地陣屋跡史跡公園(北海道北斗市) 12 松前公園(北海道松前町) 東北地方 13 青森県総合運動公園(遺跡区域)(青森県青森市) 14 合浦公園(青森県青森市) 15 鷹揚公園(青森県弘前市) 16 城山公園(青森県三戸町) 17 岩手公園(岩手県盛岡市) 18 高田松原公園(岩手県陸前高田市) 19 青葉山公園(宮城県仙台市) 20 西公園・定禅寺通緑地・勾当台公園(宮城県仙台市) 21 益岡公園(宮城県白石市) 22 高清水公園(秋田城史跡公園)(秋田県秋田市) 23 千秋公園(秋田県秋田市) 24 横手公園(秋田県横手市) 25 本荘公園(秋田県由利本荘市) 26 中央公園(秋田県小坂町) 27 霞城公園(山形県山形市) 28 鶴岡公園(山形県鶴岡市) 29 日和山公園(山形県酒田市) 30 鶴ヶ城公園([[福島県会津若松市) 31 開成山公園(福島県郡山市) 32 麓山公園(福島県郡山市) 33 南湖公園(福島県白河市) 34 城山公園(福島県白河市) 35 馬陵公園(福島県相馬市) 36 霞ヶ城公園(福島県二本松市) 関東地方 37 偕楽園(茨城県水戸市) 38 弘道館公園(茨城県水戸市) 39 宇都宮城址公園(栃木県宇都宮市) 40 栃木県日光田母沢御用邸記念公園(栃木県日光市) 41 大室公園(群馬県前橋市) 42 上毛野はにわの里公園(群馬県高崎市) 43 西山公園(群馬県太田市) 44 沼田公園(群馬県沼田市) 45 つつじが岡公園(群馬県館林市) 46 甘楽総合公園(群馬県甘楽町) 47 矢瀬親水公園(群馬県みなかみ町) 48 見沼通船堀公園(埼玉県さいたま市) 49 さきたま古墳公園(埼玉県行田市) 50 水子貝塚公園(埼玉県富士見市) 51 鉢形城公園(埼玉県寄居町) 52 加曽利貝塚公園(千葉県千葉市) 53 城山公園(千葉県館山市) 54 戸定が丘歴史公園(千葉県松戸市) 55 三里塚記念公園(千葉県成田市) 56 諏訪尾余緑地及び鏑木緑地保全地区(千葉県佐倉市) 57 佐倉城址公園(千葉県佐倉市) 58 横利根閘門ふれあい公園(千葉県香取市) 59 日比谷公園(東京都千代田区) 60 浜離宮恩賜庭園(東京都中央区) 61 中央区立十思公園(東京都中央区) 62 旧古河庭園(東京都北区) 63 北区立飛鳥山公園(東京都北区) 64 新宿御苑(東京都新宿区、渋谷区) 65 甘泉園公園(東京都新宿区) 66 新江戸川公園(現 肥後細川庭園)(東京都文京区) 67 文京区立元町公園…(東京都文京区) 68 小石川後楽園(東京都文京区) 69 六義園(東京都文京区) 70 上野恩賜公園(東京都台東区) 71 旧岩崎邸庭園(東京都台東区) 72 旧安田庭園(東京都墨田区) 73 町田市立薬師池公園(東京都町田市) 74 下宅部遺跡はっけんのもり(東京都東村山市) 75 国分寺市立歴史公園(東京都国分寺市) 76 横浜公園(神奈川県横浜市) 77 元町公園…、港の見える丘公園、山手イタリア山庭園、山手公園(神奈川県横浜市) 78 根岸森林公園(神奈川県横浜市) 79 山下公園(神奈川県横浜市) 80 大塚歳勝土公園(神奈川県横浜市) 81 三笠公園(神奈川県横須賀市) 82 ペリー公園(神奈川県横須賀市) 83 鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区(神奈川県鎌倉市) 84 旧華頂宮邸庭園(神奈川県鎌倉市) 85 小田原城址公園(神奈川県小田原市) 86 石垣山一夜城歴史公園(神奈川県小田原市) 87 西海子公園(神奈川県小田原市) 88 小田原市郷土文化館松永記念館の庭園(神奈川県小田原市) 89 秦野市立桜土手古墳公園(神奈川県秦野市) 90 大磯城山公園(神奈川県大磯町) 91 恩賜箱根公園(神奈川県箱根町) 92 湯河原万葉公園(神奈川県湯河原町) 中部地方 93 白山公園(新潟県新潟市) 94 新発田城址公園(新潟県新発田市) 95 奉先堂公園(新潟県新発田市) 96 斐太史跡公園(新潟県妙高市) 97 高田公園(新潟県上越市) 98 瓢湖水きん公園(新潟県阿賀野市) 99 富岩運河及び富岩運河環水公園(富山県富山市) 100 高岡古城公園(富山県高岡市) 101 兼六園及び金沢城公園(石川県金沢市) 102 卯辰山公園(石川県金沢市) 103 安宅公園(石川県小松市) 104 史跡岡津製塩遺跡(福井県小浜市) 105 北の庄城址公園(福井県福井市) 106 養浩館庭園(福井県福井市) 107 金ケ崎公園(福井県敦賀市) 108 亀山公園(福井県大野市) 109 西山公園(福井県鯖江市) 110 霞ヶ城公園(福井県坂井市) 111 曽根丘陵公園(山梨県甲府市) 112 舞鶴城公園(山梨県甲府市) 113 万力公園(山梨県山梨市) 114 信玄堤公園(山梨県甲斐市) 115 松代城公園(長野県長野市) 116 松本城公園(長野県松本市) 117 上田城跡公園(長野県上田市) 118 小諸公園 小諸城址懐古園(長野県小諸市) 119 高遠城址公園(長野県伊那市) 120 岐阜公園(岐阜県岐阜市) 121 大垣公園(岐阜県大垣市) 122 美濃国分寺緑地(岐阜県大垣市) 123 城山公園(岐阜県高山市) 124 風土器の丘史跡公園 古代集落の里(岐阜県高山市) 125 旗本徳山陣屋公園(岐阜県各務原市) 126 国営木曽三川公園(木曽三川公園センター・三派川地区センター)(岐阜県海津市、愛知県一宮市) 127 駿府公園(静岡県静岡市) 128 登呂公園(静岡県静岡市) 129 沼津御用邸記念公園(静岡県沼津市) 130 三島市立公園楽寿園(静岡県三島市) 131 秩父宮記念公園(静岡県御殿場市) 132 鶴舞公園(愛知県名古屋市) 133 名城公園(愛知県名古屋市) 134 徳川園(愛知県名古屋市) 135 久屋大通公園(愛知県名古屋市) 136 豊橋公園(愛知県豊橋市) 137 岡崎公園(愛知県岡崎市) 138 二子山公園(愛知県春日井市) 139 天王川公園(愛知県津島市) 140 青塚古墳史跡公園(愛知県犬山市) 141 古戦場公園(愛知県長久手市) 近畿地方 142 松阪公園(三重県松阪市) 143 九華公園(三重県桑名市) 144 柳が崎湖畔公園(滋賀県大津市) 145 膳所城跡公園(滋賀県大津市) 146 金亀公園(滋賀県彦根市) 147 豊公園(滋賀県長浜市) 148 岡崎公園(京都府京都市) 149 福知山城公園(京都府福知山市) 150 天橋立公園(京都府宮津市) 151 大極殿公園(京都府向日市) 152 勝竜寺城公園(京都府長岡京市) 153 大阪城公園(大阪府大阪市) 154 加賀屋緑地(大阪府大阪市) 155 毛馬桜之宮公園(藤田邸跡公園)(大阪府大阪市) 156 住吉公園(大阪府大阪市) 157 大仙公園(大阪府堺市) 158 浜寺公園(大阪府堺市、高石市) 159 服部緑地(大阪府豊中市) 160 五月山緑地(大阪府池田市) 161 百済寺跡公園(大阪府枚方市) 162 山田池公園(大阪府枚方市) 163 長野公園(大阪府河内長野市) 164 箕面公園(大阪府箕面市) 165 狭山池公園(大阪府大阪狭山市) 166 東遊園地(兵庫県神戸市) 167 須磨浦公園(兵庫県神戸市) 168 瑞宝寺公園(兵庫県神戸市) 169 相楽園(兵庫県神戸市) 170 再度公園(兵庫県神戸市) 171 舞子公園(兵庫県神戸市) 172 姫路公園(兵庫県姫路市) 173 田能遺跡(田能資料館)(兵庫県尼崎市) 174 明石公園(兵庫県明石市) 175 夙川河川敷緑地(夙川公園)(兵庫県西宮市) 176 赤穂城址公園(兵庫県赤穂市) 177 奈良公園…(奈良県奈良市) 178 宇陀市榛原鳥見山公園(奈良県宇陀市) 179 国営飛鳥歴史公園(奈良県明日香村) 180 馬見丘陵公園(奈良県広陵町、河合町) 181 和歌公園(和歌山県和歌山市) 中国地方 182 伯耆国分寺跡・法華寺畑遺跡歴史公園(鳥取県倉吉市) 183 田和山史跡公園(島根県松江市) 184 出雲玉作史跡公園(島根県松江市) 185 城山公園(島根県松江市) 186 高松城址公園(岡山県岡山市) 187 後楽園及び烏城公園(岡山県岡山市) 188 鶴山公園(岡山県津山市) 189 かもがた町家公園(岡山県浅口市) 190 吉備真備公園(岡山県矢掛町) 191 縮景園(広島県広島市) 192 中央公園(広島県広島市) 193 平和記念公園(広島県広島市) 194 入船山公園(広島県呉市) 195 三ツ城公園(広島県東広島市) 196 綾羅木郷遺跡公園(山口県下関市) 197 渡辺翁記念公園(山口県宇部市) 198 香山公園(山口県山口市) 199 指月公園(山口県萩市) 200 防府市三田尻塩田記念産業公園(山口県防府市) 201 吉香公園(山口県岩国市) 202 伊藤公記念公園(山口県光市) 203 茶臼山古墳歴史の広場(山口県柳井市) 四国地方 204 徳島中央公園(徳島県徳島市) 205 ドイツ村公園(徳島県鳴門市) 206 高松市立玉藻公園…(香川県高松市) 207 栗林公園(香川県高松市) 208 亀山公園(香川県丸亀市) 209 琴弾公園(香川県観音寺市) 210 道後公園(愛媛県松山市) 211 城山公園(愛媛県松山市) 212 吹揚公園(愛媛県今治市) 213 城山公園(愛媛県宇和島市) 214 城山公園(愛媛県大州市) 215 高知公園(高知県高知市) 216 桂浜公園(高知県高知市) 217 為松公園(高知県四万十市) 九州地方 218 櫓山荘公園(福岡県北九州市) 219 勝山公園(福岡県北九州市) 220 舞鶴公園(福岡県福岡市) 221 友泉亭公園(福岡県福岡市) 222 大濠公園(福岡県福岡市) 223 宮浦石炭記念公園(福岡県大牟田市) 224 石炭記念公園(福岡県田川市) 225 平原歴史公園(福岡県前原市) 226 平塚川添遺跡公園(福岡県朝倉市) 227 佐賀城公園(佐賀県佐賀市) 228 石井樋公園(佐賀県佐賀市) 229 旭ヶ岡公園(佐賀県鹿島市) 230 小城公園(佐賀県小城市) 231 吉野ヶ里歴史公園(佐賀県神埼市、佐賀県吉野ヶ里町) 232 佐野記念公園(佐賀県川副町) 233 島原城跡公園(長崎県島原市) 234 上山公園(長崎県諫早市) 235 大村公園(長崎県大村市) 236 熊本城公園(熊本県熊本市) 237 歴史公園鞠智城(熊本県山鹿市、菊池市) 238 別府公園(大分県別府市) 239 臼杵公園(大分県臼杵市) 240 岡城跡(大分県竹田市) 241 三島公園(大分県玖珠町) 242 蓮ヶ池史跡公園(宮崎県宮崎市) 243 城山公園(宮崎県延岡市) 244 特別史跡公園 西都原古墳群(宮崎県西都市) 245 石橋記念公園(鹿児島県鹿児島市) 246 鹿児島県上野原縄文の森(鹿児島県霧島市) 247 国営沖縄記念公園(首里城地区)及び首里城公園(沖縄県那覇市) 248 識名公園(沖縄県那覇市) 249 浦添大公園(沖縄県浦添市) 250 座喜味城跡公園(沖縄県読谷村) 関連項目 三笠公園 行きたいところ タグ 「に」 旅用語 百選
https://w.atwiki.jp/tetsumusuds/pages/18.html
プロフィール ・生年月日 1986年5月1日 ・星座 おうし座 ・血液型 O型 ・身長 155cm ・出身地 千葉県銚子市 ・家族構成 父(醤油会社勤務)、母、弟 ・業務 駅務係 ・事業者 銚子電気鉄道株式会社 シャッターチャンス 制服冬服 撮影の最適位置:200%で正面中央、[ ] の中央を目の中央あたりにもってきてください。 また、この状態からズームをすれば高さ補正はほぼ不要となるはずですが、ズーム率が高い場合は微細なズレで3%近く減るので難易度大。 ズームは基本25%区切りです。 通常取材「はにかむ感じ」で上限の80%弱 通常取材「決めポーズで最高の笑顔」or 休日取材で上限まで。 シャッターチャンスは常時上限値 休日イベント(追加取材)発生 4月2週または7月2週または8月2週または9月1週 イルカウォッチング(CG2枚目) 選択肢なし・写真撮影なし 12月1週または12月2週または1月1週または2月1週 クジラウォッチング(CG2枚目) 選択肢なし・写真撮影なし 注)上記イルカウォッチングに行っていない場合発生 7月1週または8月1週 海水浴イベント(特殊服 水着) (日記あり) どうですか?この水着。 似合ってるね +1 注)写真掲載不可 9月2週 レストランで食事 (CG3枚目) よかったら、もう少し私に付き合ってもらえませんか? いいですよ +1 12月4週 初日の出(CG4枚目) 選択肢なし・写真撮影なし 注)12月3週休日に連絡。全取材完了後でも発生。取材が進んでいなくても好感度高ければ発生? 取材中及び記事作成の選択肢・CG[取材進行度対応] ■初回取材(4月2週) [CG1枚目](初登場) これ、記事にしたりしないで下さいね? もちろんです +1 では、どちらへご案内しましょうか? (※1) ・犬吠駅駅舎 他に何か聞きたいことはありませんか? 駅舎についてもっと聞く +1 ・電車レストラン 電車の形のレストランなんて、面白いと思いません? そうだね +1 ・ぬれ煎餅販売所 もちろん、温めずに食べても美味しいですよ。 そのまま聞く +1 [記事] (※1の選択肢で変わる) 犬吠駅の駅舎は何処風の建物? ボルトガル風 犬吠埼とポルトガルは何が一緒? 緯度 犬吠駅が選ばれたのは何だった? 関東の駅百選 電車レストランの名前は? かふぇ・ど・えがお 電車レストランの営業時間は? 土日祝日のみ営業 電車レストランのオススメメニューは? カレーライス ぬれ煎餅を販売している駅は犬吠、仲ノ町、観音、笠上黒生とどこ? 外川駅 ぬれ煎餅は、普通味、うすむらさき味と、あと一つは? あまじょうゆ味 ぬれ煎餅の外川さんオススメの食べ方は? レンジで20秒温める □取材後(固定) バイバイ、またね。 可愛いですね +1 ■進行度0 (密着取材) ぬれ煎餅の注文も大事なお仕事のひとつです。 楽しそうですね +1 [記事] 弧廻手形は1枚いくら? 620円 ぬれ煎餅を焼くコツは? 素早くひっくり返す 弧廻手形には何種類のサービス券がついてくる? 4種類 (銚子駅から取材) そうですねぇ…… 銚子電鉄の魅力について +1 うーん、そうですねぇ……(※2) ・観音駅 ・犬吠駅 ・外川駅 (外川駅を選ぶと次の外川駅取材でセリフが若干変化する) [記事] 銚子電鉄の開業は何年前のこと? 90年以上前 この間の取材は、主にどこの駅に降りたの? (※2で降りた駅) 銚子電鉄の路線距離は何km? 6.4km (犬吠駅案内第2弾) どちらがよろしいですか? (※3) ・ホーム ○○さんも、そう思いません? そうかも そうかなあ (どちらでも±0) ・駅事務所 何でもお答えしますよ。 駅務室の仕事って、大変? どんなグッズを売ってるの? (どちらでも±0) [記事] (※3の選択肢で変わる) この取材は何について取材した? ホーム ホームに降りて、最初に目に留まるものは? 真っ白な壁面 各駅の駅舎について、何と言っていた? 駅ごとに特徴がある この間の取材は、何について取材した? 駅務室 駅務室ではお客様の案内の他、主にどんな業務をしている? 乗車券・グッズの販売 どんなグッズを売っていた? 栓抜き型のキーホルダー (銚子電鉄のお菓子) えへへ、ご満足いただけました? 大満足です +1 [記事] この間の取材で食べたお菓子は、玄米あげもち、ふわふわあげせんそれとあと一つはなんだった? でんでんやき お土産に購入した数は? それぞれ3つ 次に会うときに持っていくと約束したのは何だった? 東京銘菓 □取材後・自由会話1群(以下からランダムに発生。重複なし) (友達) ○○さんは、たくさんいらっしゃいますか? まあまあいるよ +1 (学生時代の思い出) ふふっ。何だと思います? チャイナ服 +1 (趣味) ○○さんは花には興味ないですか? ある +1 (苦手なもの) 良かったら、今度詳しく教えてもらえませんか? いいですよ +1 □取材後・自由会話2群(1群消化後、以下からランダムに発生。重複なし) (悲しい話) ○○さんは、悲しいことよくありますか? あまり無い +1 (嬉しい話) ○○さんは、赤ちゃん欲しいなって思います? 思う +1 (彼氏いるの?) ○○さんは、どんな女性が好みなんですか? 性格のいい子 +1 (取材について) 私、駅員としてもまだまだ半人前ですから…… あなたは優秀です +1 ■進行度1 「少し仲良くなってきた」以降 (観音駅) 私がご馳走するんでおひとついかがですか? 食べる +1 [記事] 観音駅で売られている食べ物は? たい焼き 観音駅で売られている食べ物の特徴は? 電車に乗ったまま買える 観音駅の駅舎は何を意識して作られた? スイスの登山鉄道 (ぬれ煎餅) (日記あり) それは…… ぬれ煎餅かな? +1 [記事] ぬれ煎餅をひっくり返すときに使うものは? トング 銚子電鉄の社員はぬれ煎餅を焼ける? 全員焼ける ぬれ煎餅を焼くときにつける手袋は、どちらの手につける? ひっくり返さない方の手 (応対の様子) よろしければ、ざっと今、ご説明しましょうか? 他のことを訪ねる +1 [記事] 外川さんは、利用客にどうやって道を教えた? 目的地までの地図を書いた 「にしなんとか」に行きたいお婆さん。どこに行きたかった? 西海鹿島 銚子電鉄の無人駅は、西海鹿島と君ケ浜と海鹿島と、後ひとつは? 本銚子駅 (犬吠の観光スポット) (日記あり) う〜ん、そうだなぁ…… (※4) ・地球の見える丘公園 えへへ、感動してくれました? 感動した +1 ・犬吠埼灯台 今度は是非、上まで登ってみて下さい。 そうですね +1 [記事] (※4の選択肢で変わる) この取材で案内された観光スポットは? 地球の丸く見える丘展望館 地球の丸く見える丘展望館の標高は? 約90メートル 外川さんは、この観光スポット、いつ来るのが最高と言った? 元旦 この取材で案内された観光スポットは? 犬吠埼灯台 犬吠埼灯台のらせん階段はなん段? 99段 この観光スポットは、日本の灯台○○選に選ばれている 50選 □取材後(固定) (子供時代) いつか会って、お礼が言えたらと思ってるんですけど。 いつか会えますよ +1 (2回目以降の取材後は自由会話) ■進行度2 「仲良くなってきたぞ」以降 (進行度1で未消化のものから発生) (進行度2では、取材内容を全て消化、または伊集院乱入を除く取材5回目以降、写真撮影だけの取材になる) (仲ノ町車庫・デキ3) 良かったら、デキ3の中をご案内しましょうか? デキ3を取材する +1 [記事] 仲ノ町駅は、○○工場の敷地に囲まれている 醤油 デキ3とは? 凸型の電気機関車 仲ノ町車庫にあるデキ3は昭和何年まで現役で走った? 昭和59年 (外川駅) こんな沿線で働けるなんて幸せ者だね、とも。 俺もそう思う +1 [記事] 今回取材に行った駅は? 外川駅 外川の呼び方、地元の人はなんと呼ぶ? とがわ 外川さんの苗字の読み方は? とがわ □取材後(固定) (ケンタ弟子入り) だから、師匠として俺にいろいろ教えてくれよ。 さすがつくしさんだね +1 (2回目以降の取材後は自由会話) ■進行度3 「なかなかいい感じ」以降 (仲ノ町車庫・澪つくし号) 内側からの眺めはいかがですか? いいですね +1 [記事] 遊覧車澪つくし号はどうやって走る? 他の車両に連結させて走る 澪つくし号と外川さんの年の差は? 近い 仲ノ町の車庫は、一般開放されている? 入場券を買えば誰でも入れる (銚子駅) それじゃあ…… 銚子電鉄の魅力とは +1 [記事] 銚子駅には総武本線と銚子電鉄の他どこの列車が乗り入れてくる? 成田線 銚子駅のホームにあるオランダの風車をイメージした建物の中は? 待合室 銚子駅には、銚子電鉄の駅員はいる? いない □取材後(固定) (ケンタの取材) 師匠に聞きたいこと、たくさんあるんだからさ。 いいよ +1 (2回目の取材後は自由会話) ■進行度4 「かなり仲良くなってきた」以降 (ぬれ煎餅販売) 手伝ったら、邪魔になるだけかな…… つくしを手伝う +1 [記事] 銚子電鉄がぬれ煎餅に力を入れている理由は? 経営難から救ってくれたから いま、ぬれ煎餅の人気は? 人気絶頂 この取材中、「ぬれ煎餅」という言葉は何回出た? 15回 □取材後(固定) (ケンタのその後) そして、いつか一緒に働けたらいいな。 そうですね +1 ■進行度5 「相当打ち解けられたようだ」以降 [CG6枚目](イメージガール) 選択肢なし ※撮影は「はにかむ感じ」が最高ですが上限値になりません。「決めポーズ」は出ません。 [記事] 休日の質問から選択 (駅員と再会) 選択肢なし ※この取材が完了していることが、EDの条件となります。 撮影は「はにかむ感じ」が最高ですが上限値になりません。「決めポーズ」は出ません。 [記事] 休日の質問から選択 □取材後 選択肢無し ■ED (つくしの取材が完全に完了している&全むすめの中で獲得ファンレターが最大) [CG7枚目] 新車導入 ■伊集院(進行度関係無し) (伊集院1回目) こうなったら…… 話に入る +1 伊集院を叱る -1 (伊集院2回目) ○○さんは、何を注文しますか? 一番安いもの -1 外川さんのオススメ +1 ■休日・取材進行度不足・伊集院後の記事 いずれかの質問をランダム。 [記事] 外川さんの制服の帽子の中央のマークは何色? 金色 外川さんと初めて出会った時の服装は? 制服の上にエプロン 外川さんの制服のネクタイの色は何色? 紺色 [記事] 外川さんの働いている鉄道会社は? 銚子電気鉄道株式会社 外川さんの仕事内容は? 駅務係 外川さんの好きな物は子供と何? 花 [記事] 外川さんが自慢としている事は? 笑顔 外川さんの髪型は? ショート 外川さんの好きな食べ物はたい焼きと何? ぬれ煎餅 ■特定取材後に日記(鉄むすコミュ)が出現するもの [休日イベント] 7月1週または8月1週 海水浴イベント [通常取材] 進行度1 ぬれ煎餅 進行度1 犬吠の観光スポット(内容は進行度1 観音駅)
https://w.atwiki.jp/ik-ben-wakei/pages/246.html
公立の義務教育学校については、市町村に学校設置義務がある。そして、設置した学校に関して、通学に関しては、教育委員会に権限がある。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第二十三条 教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。 四 学齢生徒及び学齢児童の就学並びに生徒、児童及び幼児の入学、転学及び退学に関すること。 学校教育法施行令 (入学期日等の通知、学校の指定) 第五条 市町村の教育委員会は、就学予定者(法第十七条第一項 又は第二項 の規定により、翌学年の初めから小学校、中学校、中等教育学校又は特別支援学校に就学させるべき者をいう。以下同じ。)で次に掲げる者について、その保護者に対し、翌学年の初めから二月前までに、小学校又は中学校の入学期日を通知しなければならない。 一 就学予定者のうち、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)で、その障害が、第二十二条の三の表に規定する程度のもの(以下「視覚障害者等」という。)以外の者 二 視覚障害者等のうち、市町村の教育委員会が、その者の障害の状態に照らして、当該市町村の設置する小学校又は中学校において適切な教育を受けることができる特別の事情があると認める者(以下「認定就学者」という。) 2 市町村の教育委員会は、当該市町村の設置する小学校又は中学校(法第七十一条 の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。)を除く。以下この項、次条第七号、第六条の三、第六条の四、第七条、第八条、第十一条の二、第十二条第三項及び第十二条の二において同じ。)が二校以上ある場合においては、前項の通知において当該就学予定者の就学すべき小学校又は中学校を指定しなければならない。 3 前二項の規定は、第九条第一項の届出のあつた就学予定者については、適用しない。 この規定に基づいて、これまでの多くの地域では、学校毎の通学区域を教育委員会が定め、その地域に住む学齢児童及び生徒の通うべき学校を指定してきた。しかし、通学区域をめぐっては、これまで全国で様々な紛争が生じている。現在でも同様である。訴訟も数多く起きている。その代表的な事例を紹介しよう。 昭和50年、富山県中新川郡立山町教育委員会は、町立立山小学校の廃校を決めたところ、町民が廃校処分の取り消しを求める訴訟を起こした。続く51年に立山小学校通学の生徒を統合新設校である立山新小学校への転校を決め、旧立山小学校を施錠廃止した。その後住民は、就学指定の取り消しを求める訴えを起こした。 訴えの理由は、10キロの通学は、バス通学が保障されたとしても、教育条件を著しく低下させ、回復不能な損害を与えるというものだった。 しかし、富山地裁は、「電車やバス通学は広く行なわれており、教育水準の低下はあるとしても、回復不能なものではない」として、原告の訴えを退けた。しかし、控訴審では異なる判決であった。 この裁判で争われたのは、いくつかの論点がある。 第一に、教育委員会の通学校指定は絶対的なものであるのか、それはいかなる理由によるのか。 第二に、通学条件は教育条件となるが、その低下による不利益を、児童・生徒はどこまで甘受しなければならないのか。 第三に、教育委員会の義務教育学校設置義務は、どの程度の学校を設置する義務なのか。 第四に、こうした訴訟を提起できるのは、学齢児童・生徒をもつ親だけなのか、地域住民も含まれるのか。 原告の主張は、「教育委員会は、学習上の不利益がないように学校を適正配置する義務があり、通学条件の悪化で教育条件が低下する場合には、住民はその指定の変更を求める権利がある。また、学校は単に就学させている住民だけのものではなく、将来就学させる可能性がある親、また、学校は単に子どもだけのものではなく、住民も利用するから、住民もその適正配置についての権限をもつ」というものだろう。 教育委員会の見解は、「電車やバスで通学を保障すれば、回復不能な水準低下とはいえず、通学区の指定は教育委員会の法的な権限である」というものだろう。 教育委員会が通学区を指定できるのは、教育条件を「標準」を定めて一定にしてあるという前提があった。この限りで、文部省もまたその批判的立場にたつ人びとも同じ見解をもっていた。この標準規定は、校舎、学級編成、教師の資格や人数等々の教育水準を規定する基準や標準の法令で規定され、教育行政によってこれはかなり厳格に実施されてきた。しかし、その中に「通学時間」や「通学条件」は明確な基準としては存在しなかった。(オランダでは、最低基準として4キロ以内に必ず一校あり、目標基準として2キロが設定されている。)この訴訟は、まさしく通学条件がいかなる教育条件であるのかが問われたといえる。 住民の訴訟については「訴えの利益」の法理によって退けたが、教育条件については、住民の訴えを基本的に認めた。 「抗告人らの児童がその居宅から統合小学校まで片道各9キロメートルないし10キロを通学のために往復しなければならず、旧小学校への通学距離より著しく増大することになる。立山当局は、通学用バスを用意する旨言明し、また、、徒歩と右バスによる以外に電車その他の交通手段がないわけではない。しかし、右廃校処分によって右児童らことに低学年児童らにとっての旧小学校への徒歩通学による居住地域の自然との接触、それについての理解、また、右抗告人らと右児童らにとっての旧小学校と家庭との親密感、近距離感等旧小学校への就学によって維持される人格形勢上、教育上の良き諸条件を失うこととなり、回復の困難な損害といわねばならない。」 「統合小学校への就学する場合、通学はバスによるにしても冬季豪雪時の遅刻、不参はさけがたいものであり、また、児童の緊急事態に際しての保護者とのれんらく、応急措置上の不都合、或いはバスによる交通事故の危険等がよそされ、これは一種の教育的条件の低下といべく、それが統合小学校への就学によってえられる諸々の利点を考慮しても、なお、回復の困難な損害といわねばならない。」「これらの損害を避けるけとが緊急の要するものであることもいうまでもない」『別冊ジュリスト 教育判例百選』p58-59 以上のように、かなり通学条件が教育条件を構成することを重視した判決であった。 学校統廃合は、現在でもさかんに行なわれており、ホームページには具体的な事例が多数掲載されている。ひとつには少子化によって、学校の人数が少なくなり、学校数が多いという現実もあり、また、市町村合併に伴っての学校統廃合もある。 通学区の問題では、区域外就学の問題もある。これは、学校選択制度が実施されるようになって、少なくなったが、学校選択制度を実施していない地域では、現在でも起こり得る問題である。 しかし、この点については、社会的背景が大きく変わってきた。戦後しばらくの間は、区域外就学は比較的自由に行なわれていた。いわゆる「越境入学」であり、戦前の名門を継承した一流高校に進学する数の多い中学、そして、その区域にある小学校への越境入学が1960年代まで続いた。その典型が番長小学校 → 麹町中学 → 日比谷高校というコースであった。麹町中学は3割程度が越境入学で占められたとさえ言われた。 しかし、受験競争が激しくなり、その弊害への批判が強くなるに従って、こうした越境入学を禁止する政策が実行された。その後東京では私立の中高一貫校の人気が高まった。 その後1980年代に入るまで、越境入学は厳しく制限されたが、いじめによる自殺が増加するようになって、いじめから逃れるための転校(区域外就学)を認めるようになる。 そして、90年代に入り、アメリカの新自由主義的教育改革が日本でも導入されるようになり、その中で競争主義的な学校選択制度がいくつかの自治体で実施されるようになった。そこでは越境入学というという概念自体が消失する。そして、学校選択制度が実施されないところでも、少子化の影響で生徒の減少した自治体では、他の地域からの生徒の流入を歓迎する傾向も生じている。 さて、このような通学区指定制度の変遷があるにせよ、基本的に指定通学区が法的に存在しており、大部分の地域では、通う学校を指定されているために、その変更を求める保護者がいることも事実である。ここでは、多少古いが、区域外就学が争われた事例を取り上げる。 佐賀県に三日月町と小城町という隣合わせの町があり、三日月町の甘木・本告地区は小城町に隣接しているので、明治六年小城町に桜岡小学校が設置されて以来、ふたつの地区は隣町の小城町桜岡小学校に通学してきた。三日月町は相応の経費負担をしてきたという。桜岡小学校が改築を必要とするようになり、三日月町に負担を求めたところ、拒否。そして、小城町は、一方的に話し合いなしに、ふたつの地区の生徒の就学を拒否したので、訴訟になった。判決要旨は以下の通りである。 就学をめぐる法律関係は、公権力の行使を本質とするものであって対等な当事者間の法律関係ではない、区域外就学の承諾等の処分がなされる前においては特定の小学校への就学を求める具体的な権利があるわけではない、処分がなされた後に直截に救済を受ける手段(取り消し訴訟等)がある、等から実質的当事者訴訟の要件を具備しておらず、訴えの利益を欠き、不適法である。 予防的確認訴訟としても、区域外就学を認めるか否かは小城町教委が教育行政上の裁量権を行使して判断すべきものであり、本件確認の訴えによってその判断を拘束することは許されない、事前の救済を認めるべき緊急の必要性もなく、事後的な直截な救済手段があり、この手段によっては回復し難い重大な損害が生ずることも考えられない。 以上が判決要旨である。この事例自体は極めて特異なものであるが、紛争の性質としては共通の事例が日本の至るところで起こり得るものである。特に新興住宅地域では、新たな学校が設置されて、通学区域が変更になるときに、これまで通っていた学校に通えなくなる子どもが出てきて、地域のトラブルになることが少なくない。 そして、この判決は、様々な検討課題を提起してもいる。 第一に、就学をめぐる法律関係が「公権力の行使」であり、「対等な当事者間」の問題ではないとしている点である。しかし、実際には、対等であるかは別として、通学区域の変更の必要性が出てきたときには、教育委員会と住民が協議を行なう事例が多くなっている。また、学校選択が権利として認められるようになると、この法律関係は大きく変わることになる。就学の対象学校を決めるのが、教育委員会ではなく、親と子どもになるからである。 以下のような規定に基づいて、実際の変更はあり、それをゆるやかにした東京都足立区の動きから、「変更理由」を求めない変更措置としての学校選択制度が品川区から始まったのである。 第八条 市町村の教育委員会は、第五条第二項(第六条において準用する場合を含む。)の場合において、相当と認めるときは、保護者の申立により、その指定した小学校又は中学校を変更することができる。この場合においては、すみやかに、その保護者及び前条の通知をした小学校又は中学校の校長に対し、その旨を通知するとともに、新たに指定した小学校又は中学校の校長に対し、同条の通知をしなければならない。 つまり、現在においては、就学の法律関係は、必ずしも公権力の行使としての教委の裁量権に専ら属するものとしては、あまり運用されていない。 第二に、住民の権利が、訴訟があるのだから、という理由で制限されているが、実際にその訴訟で訴えを退けているという矛盾がある。 第三に在学関係に関する問題があるが、これは別の章で述べる。