約 194,498 件
https://w.atwiki.jp/rm96/pages/28.html
ふと、あまりの息苦しさに目が覚めた。 そしたら、目の前でふにふにと動く2つのしっぽ。 …なぜ? ■ ■ まだ寒い夜のこと。 バイト帰りのオイラは、ちょっとだけ駅から離れた住宅地を家に向かって歩いていた。 大学入ってワンルームマンションでの優雅な一人暮らし。すっとぼけた恋人もいるし、まぁ何の不満もないわけで。けっこう楽しいキャンパスライフってヤツを送ってる。 住宅地って言っても、駅の近くって言ったって一本入ればなんとなく街灯があるくらいだから、日付が変わっちゃってる今くらいの時間だとけっこうコワイっていうか、不気味。 すたすたと急いでたら、ふと…。 「「にゃー…」」 後ろの方からか細い声が二つ。 ぴたりと止まったオイラの足。 「「にゃぁ?」」 振り向きたいような、振り向いたらいけないような…。 足を動かそうとしたら…。 「「にゃ…」」 弱弱しい泣き声。 あぁ…もうだめ。 そのままの姿勢で、首だけを動かして、 「んがぁっ!」 意味なく気合入れて振り向いたら、電信柱の下にダンボールがぽつーん。 「「にゃぁ」」 中には子ネコが2匹。黒と三毛。ちっこいカラダを寄せ合ってじっとオイラを見つめていた。 黒い方がうるうるとオイラを見つめて、 「…にゃぁ…」 ってすがるように呼びかける。 三毛の方は…なんていうの? ちょっと睨むような感じでオイラを見上げてる。 「にゃぉ…」 『拾ってくれよぉっ』って感じで。 どっちもかわいい。 連れて帰ってあげたい。 「くぅーーっ! どーしろってゆーんだよぉ!」 だけどオイラのところは当然動物ダメだし…。 「「…にゃぁ」」 ニ匹と目があって、オイラの足は釘付け状態。 ぶるぶると小さく震えて、励ますように時々擦り寄って舐めあったりしてる姿が胸にきゅんとくる。 と、そこに後ろから足音。 「ヤグチ?」 「あっ! カオリ」 オイラと同じマンションに住む美大に通ううちゅぅ…。 「宇宙人じゃないってば。勝手にエイリアンにしないでよ」 だから、そーゆーとこが宇宙人なんだってば…。 「あんたホントにナマイキよ」 えーっと。カオリさーん。 そうじゃなくってさ。 カオリはじっとオイラの顔を見ると、 「あー。目があっちゃったらさ、しょーがないって」 そう言って、にっこりと微笑んだ。 「ちょっと? カオリ?」 「うん。かわいいよね」 カオリは電信柱の下のダンボール前にしゃがんだ。 「「にゃあ」」 二匹がカオリ向かって呼びかける。 よしよしと撫でてやると、二匹ともうれしそうに目を細めた。 …。 ダメだ…。ダメだってば、オイラ。 カオリはよいしょとダンボールを持ち上げると、 「ほい」 「はいぃ!?」 「なによ。あたしに嫉妬したくせに」 って、むぎゅとオイラに押し付けた。 「ほら」 言われてダンボールを持つと、黒と三毛のほんっとにきれいな瞳が、戸惑うオイラを映してて…。 ポンとカオリに肩を叩かれた。 「あたしも協力するからさ。ね」 「ぁぁ…。うん…」 カオリにダンボールを持ってもらって、黒と三毛を抱っこした。 「…ぁっ!」 がりがりじゃねぇか…。 なんだよぉ! 「わかった。オイラ、面倒見るよ」 オイラが、いっぱい愛してあげるからね。 カオリがオイラの頭を撫でてうなずいた。 こうして、二匹はオイラの家族になった。 黒い方は…。 「なんかけっこうおっとりしてるかと思えば、妙に負けず嫌いで…。甘えんぼでさぁ」 「で、ちょっととぼけたところがおもしろい」 イシカワみたいだよねって、カオリ。 ちょっと三毛と比べたら声高いかなぁっていうのも、なんかね。 ちなみにイシカワ、梨華ちゃんはオイラの高校の後輩。 三毛の方は…。 「ちょっと時々目つき悪くて気が強いけど、なにげに黒より甘えたさんだよねぇ」 「オイラの膝の取り合いになるときもあるんだよね」 ついでによく食う。 フジモトみたいだねって、カオリ。 ちなみにフジモト、ふじもんもオイラの高校の後輩。 「黒がリカで、三毛がミキか」 「ちょっと! 勝手に名前付けないでよ! ってか、なんで知り合いの名前付けるんだよ!」 「だって、それ以外浮かばないもん」 「だからってさぁ!」 「ほら。リカ。ミキ」 で…。 結局2匹はそのまま、その名前でなついてしまった…。 そんなこんなで、オイラの楽しい毎日は続いている。 ■ ■ しっぽがふにふに。 カラダはなんか、両側からのしかかられてるような感じ。そう。それで目を覚ましたんだよなぁ。 なんとなく頭が冴えてきて、ふと、思った。 リカもミキもオイラのベッドに入ってきて寝るわけで、基本的にまっぱで寝るオイラの肌に感じる感触は、ふわりとした毛じゃなきゃいけないわけだ。 なんかあったかくって、妙に安心するぬくもり。 それはいいんだけど、人肌なのは…なぜ? 重いのを振り払って強引に起き上がってみる。 「んぅ…」 「んー…」 「ひぁっ!?」 なっ…なんだぁ? この声!? ベッドから這い出るとそっと布団をはいで、電気をつけた。 「あああああっ!」 ベッドに人! ペタンと座り込んだ。足にチカラが入んなぃ。 「ふっ…ふじもん!? 梨華ちゃん!?」 壁にくっつけたベッドの壁側にふじもん。 オイラがいたところを挟んでふじもんと向かい合って寝てる梨華ちゃん。 「ちょっ…なんで!?」 狭い部屋の中のどこにも2匹の姿がない。 そのかわりに梨華ちゃんとふじもん。 しかも…。 「なんだよ…これ…」 梨華ちゃんのオシリのちょっと上についてる黒いしっぽにそぉっと触れてみた。 「んー…」 むうって顔をしかめる梨華ちゃん。 指に触れたしっぽはホンモノ。子ネコのリカのしっぽが体にあわせて長くなった感じ。 布団をはいだから寒いのか、ぴょこっと顔を上げるとにじにじとふじもんに擦り寄った。むぅとふじもんも顔を上げてカラダを寄せると丸まってひしと抱きしめる。 …やべぇ。 …エロい。 じゃ、なくって…。 しっぽ…ホンモノだよ。ってことは…。 今度はふじもんの頭についてる三角の耳に触ってみた。 「んん…」 ぱしぱしって…。 やわらかい感触。 …。 猫耳としっぽをつけた梨華ちゃんとふじもん。 すーっとオイラの血の気が引いていく。 「んう…。まりちゃん?」 「はぁ!?」 目をこすって梨華ちゃんが起き上がった。きょろきょろと辺りを見回して、ぱっとおいらを見つけると、 「あっ。いたぁ」 ふんわりとうれしそうに微笑んだ。 やべ…。ちょっと待て…。声まで一緒って…。 すると、ふじもんも起きたらしい。 「りかちゃん?」 ふぁ…て、あくびをして体を起こすと、むぎゅっと後ろから梨華ちゃんに抱きついた。 梨華ちゃんが甘えた顔でうれしそうにすりっと頬をふじもんに摺り寄せる。 「あのねぇ。まりちゃんがいなかったから、どーしたのかなぁって、思ったの」 「そっか」 「でも、ほら」 って梨華ちゃんがオイラを指差す。 「ほんとだ。ねぇ、まりちゃん。ねようよぉ」 っていうか、やっぱり声も一緒かよ…。 「え…。あぁ、うん。あの…二人は…?」 そしたら、二人ともびっくりしたように目を丸くした。 「なんで? まりちゃん?」 マユゲがぐぅっと下がって悲しそうにオイラを見る梨華ちゃん。 そんな梨華ちゃんに抱きついたまま、ぐっと身を乗り出してむうっと膨れるふじもん。 「ミキたちのこと…わかんないの?」 「え…わかんないって…。ホントに…リカとミキ……なの?」 こんなこと「はいそうです」なんてよっぽどじゃなきゃ受け入れられないでしょ? ふつー。 だって、リカとミキはネコだったはずで…。 「だって…」 何気なく指をさしたオイラを見て、二人は顔を見合うときょろきょろとお互いのカラダを観察。 「あっ。まりちゃんとおんなじだ!」 「ミキたち、ニンゲン!? ニンゲン!?」 「わーい!」って、ぱぁって笑顔が広がる二人。 そのままベッドにコロンと転がってキャイキャイと嬉しそうにじゃれあってたりなんかするんだけど…。 うぅ…。刺激強すぎ。 そう…今更ながらじゃないんだけど…二人ともまっぱだし…。 ひとしきり転がって、ぎゅうっと抱き合ったまま、ふじもんを上に乗っけてる梨華ちゃんが首をかしげた。 「でも、まりちゃん…しっぽないよ」 「ほんとだ。みみもないね」 「うん…」 じいっとオイラを凝視する二人。 ちょっと…コワイ。 ふん…とふじもんがうなずいた。 「まっ、いっか」 オイ…。 「うん」 梨華ちゃんもこっくりとうなずいた。 ちょっと待て…。 それはそれでいいようなよくないような…って、オイラ放置かよ! もそもそと布団を引き寄せて目を閉じる二人。 時計を見ると午前2時を過ぎたくらい。 こんな夜中に何やってんだよ。オイラ…。 なんなんだよ。急に…。 人間みたいな姿になっちゃってさぁ…。 しかも知り合いにそっくりで…。 なのに、知り合いじゃなくって…。 あそこにいるのは子猫だったリカとミキ。 いや…違う。子ネコのリカとミキ。 しかも…なんでまっぱなんだよぉ。 マンガみたいなんだから、どーせだったら服着てたっていいじゃん…。 女同士なんだからって思うんだけど、それじゃなんか割り切れない何か…。 とりあえず、あそこにいるのはリカとミキなんだ。 子ネコの、オイラが拾ってきた…子ネコの、ね。 はぁ…とため息。 そしたら、 「まりちゃん?」 リカがこっちを見ていた。 「ね。おやすみなさいしよ?」 「いっしょにねよぉ」 リカの上に乗っかったままミキがひらひらと手招きする。 かわいいよなぁ。 かわいいよ。 人間の二人ももちろんかわいいんだけどさぁ。 人間の二人も知ってるだけに、なんかなぁ……。 おねだりされて、甘えられてさ。 なんかオイラ…すっごいイケナイことしてる気分。 「ねぇ~ぇ。まりちゃん?」 「まぁりぃちゃん」 「あぁ。わかったよ。だから、ちょっと待ってて」 「「はぁ~い」」 っていうか、こんなに素直な返事、あの二人からじゃ『よしっ! ヤキニクおごってやるぞ!』っていわない限り、絶対に聞けないよなぁ。 なんかしみじみ。 タンスからTシャツとパンツを出して着替えた。 いや…だってねぇ。恥ずかしいでしょ…。なにを今更ってゆーんじゃなくって、ね? ほんとはまっぱで寝たいけど、まぁ…しょーがない。 あと2枚Tシャツと下着を出すと、 「ほら。二人とも起きて」 ベッドで丸くなってる2匹…じゃなくて、2人を起き上がらせた。 「ほら。これ着て。風邪引いちゃうから」 着替えに悪戦苦闘すること20分。 あぁ…オイラ明日、1限に授業入ってんだよなぁ…。 しっぽはとりあえず穴を開けてあげた。 下着…とりあえず何枚か買っとかないと…。出費かさむなぁ…。 ま、それは働けばいいことだし。2人のためだし、いざとなったら美少女大好きなカオリに泣きつけばいいか。 ま、それはいいとして……。 「まりちゃん」 着替えたリカが難しい顔してシャツの胸元を引っ張ってる。唇をなんとなく尖らせて上目遣いでちろリと見つめると、 「…ちょっとキツイ」 「へ!?」 「うーん。なんかね、むね、ちょっとキツイ」 じーっと自分の胸元を見つめるリカ。 くうっ…。オ…オイラだってナイスバディなんだぞっ! けど、声も姿も同じなんだから、当然体系もおんなじなわけで…。 リカの方が背が高いし、憎らしいことに出るとこは出てる。だから当然といえば当然。 ミキも裾を引っ張って唇をタコにしてるし…。 「まりちゃん。これみじかい。ついでにキツイ」 「キツイ…って、ミキは胸ないだろ!?」 ぺタッとした胸。短いはともかく、キツイってなんだよ! つい口調が荒くなる。 「ひどっ! リカちゃん! まりちゃんがいじめるぅ」 むぎゅってリカちゃんの胸に顔をうずめるミキ。 くぅ…うらやま……。コホン。いやいや…そーじゃなくって。 「いじめてないってば。いいじゃん。形きれいなんだから」 じゃないだろっ! オイラぁぁぁぁぁぁぁぁっ! リカはよしよしって頭を撫でながら、 「そーだよ。リカはぁ、ミキちゃんのすきだよ?」 「ほんとぉ?」 埋めた胸の中から顔を上げるミキ。 うぁぁぁ…。ぅぉぉぉぉぉっ! なんか空気がショッキングピンクなんですけどぉっ! 「ほんとっ」 ハートマークついてるし。梨華ちゃんがこの口調だったら絶対ふじもんに「きもい!」ってつっこまれるぞ! っていうか、あの二人。案外二人っきりの時はこんなだったりして……。 リカがちゅって、ミキの唇にキスをした。 えへへへへって笑って、 「ミキもっ!」 って、キスをお返し。 んで、二人で幸せそうに微笑みあって…。 くそぉ…。またオイラ放置かよぉ…。 リカはミキのTシャツのすそをいじりながら、 「でも、なんかぴちぴちだね。これ」 って、オイラの方を見る。 「うーん」 言われると、胸のあるないはともかく、たしかになんか窮屈そう。 「あー。まりちゃんのほうが…ちっちゃいんだね」 「…あっ。そうかぁ」 ミキがぽんと手を叩いた。 「そーゆーことかぁ」 「…うん。そういえばそうだ」 オイラはちっこいから大概Sサイズで間に合っちゃうけど、ニンゲンになったリカとミキはオイラより10センチは大きいんだから、そりゃあキツイよな…。 パンツは伸びるけどTシャツはねぇ…そうもいかない。 ミキはベッドの上に立つと、ほらって裾を引っ張った。 引っ張っても裾からパンツ見えてるし…。 「あー。わかったよ。明日にはちゃんとしたの用意しとくから、今日はそれで我慢して」 しかたないカオリにシャツもらおう。大は小を兼ねるって言うし。 けど、ミキはぺたんと座ると、 「やだ。キツイからぬぐ」 って、Tシャツを脱ぎ捨てた。 「リカちゃんもっ。ほら」 「うん」 んしょんしょとリカもTシャツを脱いだ。 「ふぅ。これ…どーしよ」 リカがパンツに手を掛ける。 「あー! それまで脱ぐのはやめてぇ!」 「「ん?」」 揃って首を傾げてオイラを見る二人。 沈黙すること約1分。 「いいんじゃない?」 「そだね。ジャマじゃないし」 ほっ…。 としたのも、つかの間。 「まりちゃんもそれぬごーよ」 リカちゃんがスゴイことを言う。 ミキはよっこいしょとベッドから降りると、 「うわっ! ちょっと!」 オイラをお姫様抱っこしてベッドに運ぶと、ぽんっとリカちゃんの膝に座らせた。 「ちょっ! おいおいっ!」 「まりちゃんもぬいじゃえ。ジャマでしょぉ」 ミキがオイラのTシャツを脱がしにかかるから、必死に裾を引っ張ってガードしたら、えいってリカが後ろからくすぐってきた。 「ははっ! やっ! やめっ!」 リカの手を押さえようと裾から手が離れた。 「よいしょっと!」 「わっ!」 見事な連係プレイで奪われたTシャツ。 くそぉ。おまえらずるいぞぉ…。 ニコニコ上機嫌な二人。 「じゃ、おやすみなさいしよ」 「うひょ!」 きゅうって後ろからリカに抱きつかれて、背中に感じる胸のやわらかさ。 パターンってミキにリカもろとも押し倒されて、ひしって抱きつかれて、さらに細いきれいな足が絡みついてくる。 「ちょっ!」 まるでお気に入りのぬいぐるみ状態なオイラ。 ぎゅうって前と後ろから抱きつかれて、二人はっていうと、顔を寄せ合ってもうユメの中。 ドキドキ…。 どうやって寝ろっていうんだよぉ。 電気ついたままとか別にしてさぁ…。 * 当然、眠れるわけがない。 寝言やら、寝息やら、もぞもぞ動くから何かと思えばその…胸触ってきたりとか。 これで寝れたらすごいって! なんとか二人の間から脱出して着替えて、ふぅと一息。 あぁ…まだ6時だよ…。 ふぁ…ねむ…。 オイラ一人分が抜けた狭いベッドはポコッと膨らんでて、リカとミキがぴたってくっついてすーすー眠ってる。 あーあー…。しあわせそーな顔しちゃってさぁ…。 いいよねぇ。 コドモみたいな寝顔がかわいくて、なんかな。自然に笑っちゃうよ。 さぁて、朝ごはんでも食べるかな。 気がつけばそろそろ家を出る時間。 カーテンを開けたら青い空。 もそもそって布団が動いて、ぴょこって顔を出すリカとミキ。 カバンを持ったオイラを見て、 「まりちゃん。おでかけ?」 ってリカ。そしたら、ミキが、 「がっこーいくんだよ。がっこー」 って教えてあげると、 「そっかぁ。おべんきょーしにいくんだぁ!」 って。そして、またキャッキャッて「がっこー! がっこー!」って。 「何で知ってんの?」 って聴いてみたら、 「「だって、でんわではなしてるじゃーん」」 …だそうです。 「れぽーとおわんねーとか」 「しけんはんいどこだっけーとか」 オイ…。 「「いってらっしゃーいっ!」」 なんでニンゲンになったかわかんないけど、いいよね。 朝、『いってらっしゃい』てさ。 さぁ! がんばるぞっ! 「よっ! カオリ」 「オス。ヤグチ。なに? ずいぶんごきげんじゃん」 「へへっ。まぁね」 帰ったらネコに戻ってるかな? それともそのままかな? なんだかんだと、 『『おかえりなさぁ~いっ!』』 を期待してるオイラ。 これってもしかして奇跡ってヤツ? 楽しい毎日がもっともっと楽しくなるんだって思ったら、神様にありがとうなんて言ってみた。 きっと二人はまだ布団で寝てるんだろうな。 よく晴れていい天気。 今日も昼寝日和だからね。 (2004/6/14)
https://w.atwiki.jp/pspo2i-sarashi/pages/17.html
【PSNID】kubota-kosuke 【パトカ番号】50173430 【キャラ名】1st かいえん 2nd なつき (本名は康佑で、ニックネームは「こーちゃん」) 【罪状】升ブロガー、ナノブラバグ推奨、Amebaなうで「荒らしマジ乙www」「晒しスレとかガキのやることだね」などと発言 ブログ ttp //ameblo.jp/kaien1027/ 宣伝 ttp //www18.atpages.jp/psp2infinity/upload/src/up0209.jpg 討伐数16万でステタイプカンスト2キャラ、パニッシュメントとエンドイフ6色、アマテラス複数、ライザー他所持 晒されたと知った後でエンドイフ6色等の画像を消去、同時に自ら晒していた自画像も消去、 コメントによって批判されたときにはコメントを必死で削除、その後認証制にするなど怪しい点が多い 彼の残した迷言に「燃え上がれ~燃え上がれ~かいえん」という発言があるが、予言通りブログ(かいえん)が燃え上がった。 キャッシュ 康佑の生活日記
https://w.atwiki.jp/fragrantwind/pages/28.html
らんぼーの部屋
https://w.atwiki.jp/25438/pages/1163.html
憂「ほーらほーら」なでなで 犬「はっはっ!」ぱたぱた 梓「何かもうメロメロだよね」 憂「でも、最初は怖くて前を通れなかったんだよ」 純「またまたご冗談を」 梓「そんなにラブラブなのに?」 憂「私がこの子と仲良くなれたのはお姉ちゃんのお陰なんだ」 梓「唯先輩の?」 純「聞きたい聞きたい!」 幼女時代 幼憂「この家の前通るの怖いよぉ」ぐすっ 幼憂「また吠えられるよぉ…」 幼唯「どうしたのーういー」 幼憂「お姉ちゃん…ワンちゃん吠えるから怖いよぉ」 幼唯「そっかぁ~」 犬「わんわん!」 幼唯「…」ジィー 犬「?」 幼唯「ワンちゃん吠えないで、憂が怖がってるから」ニコッ 犬「わんわん!わんわん!」 幼唯「いーこいーこ」ギュッ 犬「わん?」 幼唯「大丈夫だよぉ~私も憂も酷い事しないからね」なでなで 犬「くぅーん」 幼唯「エヘヘ」ニコッ 犬「くぅーん」スリスリ 幼憂「お姉ちゃんすごーい!」 幼唯「憂もなでなでしてあげて」 幼憂「でも、怖いよぉ…」 幼唯「うーん」 犬「わんわん!」ぱたぱた 幼唯「あっ!憂~ワンちゃんの尻尾を見てみて」 幼憂「尻尾?」 幼唯「そうだよ~ワンちゃんはね尻尾を振ってる時は嬉しい時なんだよ~」 幼憂「そ、そうなの?」 幼唯「ワンちゃん、憂の事好き?」 犬「わんわん!」ぱたぱた 幼唯「凄く振ってるよ~ワンちゃん憂の事大好きなんだって」 幼憂「私、なでなでしてみるね!」 幼憂「い、行くよ…いーこいーこ」なでなで 犬「わんわん!わんわん!」ペロペロ 幼憂「わっ!ワンちゃんくすぐったいよ///」 幼唯「これで憂とワンちゃんは友達だよ~」 幼憂「うん!」 幼唯「良かったね憂」 梓「何か唯先輩らしいね」 憂「うん、お姉ちゃんは頼りになるんだよ」 唯「あ~!憂~」 憂「お姉ちゃん」 梓「唯先輩こんにちは」 純「こんにちは」 唯「あ~ずにゃん」だきっ 梓「いきなり辞めて下さい///」 純「とか言いながらも喜んでるから、もっとやって下さい唯先輩」 唯「流石、純ちゃん!わかってるね~」 純「それほどでも」 梓「ちょっと純!」 憂「お姉ちゃん、梓ちゃん困ってるから離してあげて」ニコッ 唯「仕方ないな~月曜日にたっぷりあずにゃん分を補給するね!」 梓「やっと解放された…」 唯「憂~お腹空いた~」 憂「帰ってご飯にしようね」 梓「じゃあ、また明日ね」 純「バイバイ憂」 憂「バイバイ、梓ちゃん純ちゃん」 梓「やっぱ姉妹って良いね」 純「唯先輩ってやっぱお姉ちゃんなんだね」 梓「何よいきなり?」 純「今まで憂に頼りきってる人だと思ってた」 梓「まぁそうだよね」 純「でも、イザって時は唯先輩なんだと思う」 純「上手く言えないけどさ」 純「ちょっと憂が羨ましいかな」 梓「純にもお兄さん居るじゃん」 純「まぁね~」 梓「私は一人っ子だから羨ましいよ憂や純が」 純「よーし!ならば私が梓のお姉ちゃんになってあげよう!」 梓「純が?何か頼りないから嫌だな」 純「おー我が愛しの 妹!あ~ずにゃん」だきっ 梓「にゃっ!もう///はーなーせー」じたばた 純「照れるな照れるな~」 梓「照れてなーい///」 純「梓や憂がさ」 梓「な、何よ?」 純「イザって時は私が梓や憂の支えになるから」 純「泣いてたらどこに居ても必ず駆けつける!約束するから!だから…」 梓「だから?」 純「だから、ずっと友達だからな!」 梓「当たり前だよ純」 純「手を繋いで帰ろう梓」 梓「お姉ちゃんじゃなかったの?甘えんぼうだね」クスッ 純「ゆ、唯先輩だって憂に甘えてるから良いんだ///」 梓「はいはい」クスッ 純「馬鹿にしたな~」 梓「してないって、はいっ」スッ 純「梓?」 梓「手を繋いで帰るんでしょ?ほらっ」 純「うん」ギュッ 梓(ありがとう純) おしまい 戻る
https://w.atwiki.jp/moecc/pages/204.html
【1ページ】 【2ページ】 【3ページ】 【4ページ】 ◆表の見方 は1ページ目にあります。 № 1ページ 略 № 2ページ 略 № 3ページ 略 № 4ページ 略 1 天然 天 6 ミステリアス ミス 11 世話焼き 世 16 やんちゃ や 2 甘えん坊 甘 7 セクシー セク 12 ヤンデレ ヤン 17 まじめ ま 3 ツンデレ ツン 8 清楚 清 13 泣き虫 泣 18 でふぉると で 4 高飛車 飛 9 小悪魔 悪 14 高貴 貴 19 生意気 生 5 ボーイッシュ ボ 10 クール クル 15 マニッシュ マニ 20 ざんねん ざ ◆一覧表 メインタイプ 6 ミステリアス サブタイプ 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 貴 マニ や ま で 生 ざ 天然 天 甘えん坊 天 甘 ツンデレ 天 ツン 高飛車 天 飛 ボーイッシュ 天 甘 ボ ミステリアス 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セクシー 天 ミス セク 清楚 天 甘 ボ ミス 清 小悪魔 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クール 天 甘 ツン 飛 ボ ミス 清 悪 クル 世話焼き 天 甘 ミス 悪 クル 世 ヤンデレ 天 甘 ボ ミス セク 悪 クル ヤン 泣き虫 天 甘 ツン ボ ミス 清 悪 クル 世 ヤン 泣 高貴 ミス クル 貴 マニッシュ 天 ツン ミス セク 悪 クル 泣 マニ やんちゃ 天 甘 ボ ミス 悪 ヤン や まじめ 天 ミス 清 悪 クル ま でふぉると 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 マニ や ま で 生意気 天 甘 ツン ボ ミス セク 清 悪 クル ヤン 泣 マニ や で 生 ざんねん 天 甘 ツン 高 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 マニ や ま で 生 ざ ▲ページTOPへ メインタイプ 7 セクシー サブタイプ 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 貴 マニ や ま で 生 ざ 天然 天 甘えん坊 天 甘 ツンデレ ツン 高飛車 天 飛 ボーイッシュ 天 甘 飛 ボ ミステリアス 天 ミス セクシー 天 甘 飛 ボ ミス セク 清楚 セク 清 小悪魔 天 甘 飛 ボ ミス セク 悪 クール 天 飛 ボ セク 悪 クル 世話焼き 世 ヤンデレ 天 飛 ボ ミス セク 悪 ヤン 泣き虫 セク 悪 ヤン 泣 高貴 飛 セク 悪 貴 マニッシュ 天 飛 ボ ミス セク 悪 クル ヤン 貴 マニ やんちゃ 天 甘 飛 ボ セク 悪 ヤン マニ や まじめ セク 悪 ま でふぉると 天 甘 飛 ボ ミス セク 悪 クル ヤン 泣 貴 マニ や ま で 生意気 天 ボ ミス セク 悪 ヤン や で 生 ざんねん 天 甘 高 ボ ミス セク 悪 クル ヤン マニ や で 生 ざ ▲ページTOPへ メインタイプ 8 清楚 サブタイプ 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 貴 マニ や ま で 生 ざ 天然 天 甘えん坊 天 甘 ツンデレ ツン 高飛車 天 飛 ボーイッシュ 天 甘 ボ ミステリアス 天 甘 ボ ミス セクシー セク 清楚 天 甘 飛 ボ ミス セク 清 小悪魔 天 甘 ボ ミス 清 悪 クール 天 甘 飛 ボ ミス 清 悪 クル 世話焼き 清 悪 クル 世 ヤンデレ 清 ヤン 泣き虫 天 甘 ボ ミス 清 悪 クル 泣 高貴 天 飛 清 悪 クル 貴 マニッシュ 清 クル マニ やんちゃ 天 ボ 清 悪 や まじめ 天 甘 ボ ミス 清 悪 クル 泣 マニ や ま でふぉると 天 甘 飛 ボ ミス 清 悪 クル 世 泣 貴 マニ や ま で 生意気 天 ボ ミス 清 クル 泣 で 生 ざんねん 天 甘 ボ ミス 清 悪 クル 泣 や ま で ざ ▲ページTOPへ メインタイプ 9 小悪魔 サブタイプ 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 貴 マニ や ま で 生 ざ 天然 天 甘えん坊 天 甘 ツンデレ 天 ツン 高飛車 天 甘 飛 ボーイッシュ 天 甘 飛 ボ ミステリアス 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セクシー 天 甘 飛 ボ ミス セク 清楚 天 甘 ボ ミス 清 小悪魔 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クール 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世話焼き 天 甘 飛 ボ ミス 清 悪 クル 世 ヤンデレ 天 甘 飛 ボ ミス セク 悪 クル ヤン 泣き虫 天 甘 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 高貴 天 飛 セク 清 悪 クル 貴 マニッシュ 天 甘 飛 ボ ミス セク 悪 クル 世 マニ やんちゃ 天 甘 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 マニ や まじめ 天 甘 ボ ミス セク 清 悪 クル 泣 マニ ま でふぉると 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 貴 マニ や ま で 生意気 天 ツン ボ ミス セク 悪 クル ヤン 泣 や で 生 ざんねん 天 甘 高 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 マニ や ま で 生 ざ ▲ページTOPへ メインタイプ 10 クール サブタイプ 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 貴 マニ や ま で 生 ざ 天然 天 甘えん坊 天 甘 ツンデレ 天 ツン 高飛車 天 ツン 飛 ボーイッシュ 天 甘 ツン 飛 ボ ミステリアス 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セクシー 天 飛 ボ セク 清楚 天 甘 飛 ボ ミス 清 小悪魔 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クール 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世話焼き 天 ミス 清 悪 クル 世 ヤンデレ 天 飛 ボ ミス 悪 クル ヤン 泣き虫 天 甘 ツン ボ ミス 清 悪 クル 泣 高貴 天 ツン 飛 ボ ミス 清 悪 クル 貴 マニッシュ 天 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 貴 マニ やんちゃ 天 ボ 悪 クル や まじめ 天 ボ ミス 清 悪 クル 泣 マニ ま でふぉると 天 甘 ツン 飛 ボ ミス セク 清 悪 クル 世 ヤン 泣 貴 マニ や ま で 生意気 天 甘 ツン 飛 ボ ミス 清 悪 クル ヤン 泣 や で 生 ざんねん 天 甘 ツン 高 ボ ミス セク 清 悪 クル ヤン 泣 貴 マニ や ま で 生 ざ ▲ページTOPへ 清楚のツンデレの行、紺色ラインではないでしょうか -- (名無しさん) 2011-09-11 11 23 54 清楚-ツンデレは同時取得不可ですね。訂正しました。 ご指摘ありがとうございます。 -- (管理) 2011-09-12 10 27 15 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/clubclock/pages/36.html
ペンネーム えんぞう (外用に礬素盤象とか夢野えんぞうとかあります) 学部学科 理工学研究科先端化学専攻 執筆ジャンル SFに振りわけられそうなもの 好きな言葉 終わるまで終わらないよ 何か一言 アニメ
https://w.atwiki.jp/83452/pages/11002.html
『ぷにぷに』 憂「……」ドキドキ 唯『ぷにぷに~♪あずにゃん柔らか~い』 梓『も、もう……。やめて下さいよ唯先輩ぃ……』 憂「っ!」ドキッ 唯『よいではないか~よいではないか~♪』 梓『ひゃあっ!?』 憂(な、何やってるんだろう……?) こんにちは、平沢憂です。 私は今、お姉ちゃんの部屋の前で立ち往生しちゃってます。 今日は梓ちゃんがお姉ちゃんと家でギターの練習をすることになっていて、私はお茶を持って行こうとしていたのですが…… 唯『ぷに、ぷに♪』 梓『いつまで続けるんですかこれ……』 こんな声がさっきからずっと漏れ聞こえているのです。 は、入りづらいよぅ…… というかもしかして、これってまさか……え、えっちな…… 憂「違う違う!」ブンブン お姉ちゃんと梓ちゃんに限ってそんなことをするわけがありません! これは私の勘違いで、中に入れば二人はきっとギターの練習をしているはずです。 憂「よ、よ~し。お姉ちゃん、入るよ~」 唯『澪ちゃんよりずっと小さいけど、あずにゃんのもぷにぷにで気持ちいいよ~。ずっと触ってたいなあ』 梓『何言ってるんですか……離して下さいよぉ』 憂「!!!」 意を決し、部屋のドアをノックしようとしたその瞬間。 二人のその会話が聞こえ、私はびくっとして硬直してしまいました。 お盆に載せていたお茶が零れそうになりましたが、それどころではありません。 憂「ぷ、ぷにぷにで気持ちいい……?」 お姉ちゃんがずっと触っていたい、梓ちゃんの体の一部。 澪さんよりずっと小さいけど、柔らかいところ。 梓ちゃんは小さいけど、澪さんは大きい部分。 そ、それってやっぱり…… 憂「……///」カアアッ ふ、二人が仲が良いのは知ってたけど、ここまで進んでるなんて…… どうしよう、何だか凄く恥ずかしいです。 憂「わ、私ここにいないほうがいいよね?」 二人の世界を邪魔するのは野暮というもの。 そうっとその場を離れようとして…… 唯『私はあんまりぷにぷにじゃないんだよね~』 梓『そうでもないと思いますけど……』 離れようと、して…… 唯『そうかなあ?でも澪ちゃんやあずにゃんに比べると……』 梓『唯先輩も大分ぷにぷにになってますよ、ほら』 は、離れないと…… 唯『あずにゃん、もっと触って~♪』 梓『へ、変な言い方しないで下さいっ』 憂「……」ドキドキ 離れないといけないと頭では分かっているのに…… 足が、動いてくれません……! 憂「お姉ちゃん、梓ちゃん……///」 二人のえ、えっちぃ会話をこのまま聞いていたいという好奇心が、私をその場に縛りつけているようです。 うう、私って…… 思わずほっぺに手を当てると、手が火傷しちゃうんじゃないかと思うくらい熱くなっていました。 唯『……』 梓『……』 憂「あれ……?」 二人が声のトーンを落としたせいか、急に声が聞こえなくなってしまいました。 何かを話している、ということはかろうじて聞き取れるけど…… 憂「……」 ここが引き時だとは思います。 思います、けど…… 憂「も、もうちょっとだけ近づけば……」 また二人の会話が聞こえるかも…… ソロソロと、音を立てないようドアに近づいて。 憂「え、えっと……」キョロキョロ 誰もいないのは分かっているのに、周りを見渡します。 そして、ゆっくりとドアに耳を当てようとして…… ガチャッ 憂「ひゃあああああああっ!?」 梓「あれ、憂?」 唯「うい~?どうしたの、ドアの前で……」 ドアが開き、お姉ちゃん達とご対面。 二人の姿は私の想像していたものと違い、いたって普通に見えて…… ……心臓が、飛び出るかと思いました。 …… 唯「憂、顔真っ赤だよ。大丈夫?」 憂「う、うん……平気」 梓「でも何やってたの?あんな大声出して……」 憂「っ!」ドキッ ど、どうしよう…… 聞き耳を立てていた、とはさすがに言えません。 そ、それに梓ちゃん達だって、この部屋で何をやってたんでしょうかっ! 憂「お、お茶を持って来ようと思って!そ、そそそそれよりお姉ちゃん達は何やってたの!?」ズイッ 唯「うおうっ!?憂、落ち着いて落ち着いてっ」 憂「あ、ごめんなさい……」 梓「私たちは別に……ギターの練習してただけだし」 憂「でも、その……梓ちゃんが、ぷにぷに、だとか……///」 梓「えっ?ああ、聞いてたんだ」 憂「ふっ不可抗力だよ!?廊下にいたら偶然聞こえちゃって……!」アセアセ 梓「う、うん。分かったから、そんなに焦らなくても……」 憂「あ、焦ってなんかないよっ」 嘘です、焦りまくりです。 何とか落ち着こうと試みるものの、なかなか成功しません。 うう……変に意識すると顔がまた真っ赤になりそうだし…… 梓「えっと、それでぷにぷにっていうのは……」 唯「ふっふっふ、待ったあずにゃん!こういうのは実際に憂にも触ってもらったほうが分かりやすいよっ!」 憂「え?」 梓「あっ、それもそうですね。じゃあ唯先輩が……」 唯「いやいや、あずにゃんの方がぷにぷにだから分かりやすいよ~」 梓「そうですか?じゃあ……」 憂「え、ええっ!?」 わ、私が梓ちゃんのを……? 興味がないと言えば嘘になるけど、でもいきなりそんなっ! 梓「じゃあ憂、手を出して?」 憂「う、うう……」スッ 心の葛藤をよそに、手を差し出す私。 今から、梓ちゃんのを…… 憂「……///」 そう考えただけでまた顔が熱くなってしまい、思わずぎゅっと目を瞑ってしまいました。 そして、ゆっくりと何かが近づく気配がして…… ギュッ 梓「どう?」 憂「……ふえ?」 手を、繋がれました。 憂「え、え~と……」 唯「ほら憂、あずにゃんの指を触ってみて~。ぷにっぷにだよ~♪」 梓「ギターとか弾いてると、弦を押さえる指の皮が硬くなってくるんだ」 憂「ゆ、び……?」 確かに。 そう確かに梓ちゃんの指はぷにぷにしていて、触ってみると気持ちよくて…… …………。 あああああああああっ!? 憂「そ、そっか!うん、指だよね!ぷにぷにだね、梓ちゃん!」 梓「へっ?まあ小学生の頃から練習してるからね」 憂「そうだね、梓ちゃんの手は小さいもんね!」 唯「私も大分硬くなったけど、澪ちゃんやあずにゃんには及ばないんだよね~」 憂「お姉ちゃんはまだまだこれからだよ!大丈夫!」 そう、そうなのです。 全て繋がりました。 二人はずっとそのことを話していて、お互いの手を触り合っていたのです。 憂(よく考えたら……いやよく考えなくても、お……む、胸とかを触り合うわけないよね……///) ちっちゃな梓ちゃんの手はもちろん、澪さんの手が大きいという話も、硬くなってぷにぷにしてるという話もお姉ちゃんに聞いたことがあります。 ああ、気付く機会はあったはずなのに! 梓「別に指が硬くなっても、そんなに喜ぶようなことでもないですけど」 唯「私もぷにぷにの指が欲しいんだよ~」 梓「何ですかその変な願望……とりあえず憂、分かった?」 憂「う、うん。ありがとう梓ちゃん」 梓ちゃんの手を離し、お礼を言います。 私に微笑みかけてくれるその表情は、すごく純粋で可愛くて…… 憂(よ、よかった……私の考えてたことがバレなくて、本当によかった……。よしこのまま自然に部屋を出ないと) 梓「どういたしまして。……えっちなこと、してたわけじゃないからね?」ボソッ 憂「……えっ!?」ドキッ あ、梓ちゃんにバレちゃった!? 梓「あっ、やっぱりそうだったんだ。あはは、憂ってば『何で分かったの!?』って顔してる」 憂「な、ななな何で……あっ!」 唯「……?」 慌ててチラッと横目で様子を窺うと、お姉ちゃんはこちらを見ながら小首を傾げていました。 どうやら私たちの小声会話を不思議に思っているだけのようです。 よ、よし、まだお姉ちゃんにはバレてない……! 梓「ふふ、唯先輩が気になるの?大丈夫だよ」 憂「うう……。あ、梓ちゃんはどうして私がその……変な勘違いしてたって分かったの?」 梓「憂が挙動不審なんて珍しいからね。何かあるのかな~と思って考えてたら……」 憂「か、考えてたら?」 梓「……」 一旦言葉を切る梓ちゃん。 少しだけ顔が赤くなってる……? 梓「こ、こほん。何というか、私と唯先輩の言動にやや不純に捉えられる部分があったというか、何というか」 憂「それって……」 梓「う……よく考えたら、私たちの会話って変というか、えっちっぽかったというか……///」 今度ははっきりと分かるほど顔を赤らめて、ボソボソと私に教えてくれる梓ちゃん。 やっぱりあの状況だとそんな風に思っちゃうのが普通……なのかな? うん、きっとそうだよ! 憂(私は別に、特別え……な子じゃないんだねっ!) 憂「梓ちゃん!私ね、」 梓「でも、意外だったな~。まさか憂が……」 憂「え?」 晴れ晴れとした気分で梓ちゃんに同意を求めようとした私の言葉は、しかし梓ちゃんによって遮られ。 ……あれ? 梓ちゃんの顔、さっきまで恥ずかしそうだったのに……何だか今は、妙に笑顔になってる……? 唯「もう~、二人ともさっきから何のお話してるの?」ヒョイッ 憂「お、お姉ちゃん!?」 いけない! このままだとお姉ちゃんにもバレちゃう! こ、こうなったら…… 梓「ある意味で唯先輩より純粋なのかもとか思ってたけど、憂って実は……」 憂「お姉ちゃん、梓ちゃんって指以外にもぷにぷになとこがあるんだよっ!」 唯「えっ?どこどこ?」 梓「ちょ、何言ってんの憂!?」 憂「私が今から教えてあげるよ。見ててね……」ジリッ 梓「う……憂?」 よし、二人の注意は引きつけました! 後はこのまま一気に…… その前に梓ちゃん、胸をガードしようとするのはやめて……私はそんな子じゃないってば! 憂「梓ちゃんのぷにぷにしたとこ……それはここだよ!梓ちゃ~ん♪」ガバッ 梓「にゃああああっ!?」 憂「ほらほら、つんつん♪」 梓「ちょ、ちょっと憂ぃ……」 憂「えへへ、やっぱり柔らかいね……梓ちゃんのほっぺ」 梓「あ、あんまり触らないでよぅ……」 そう、私が触っているのは梓ちゃんのほっぺ。 以前触った時にも感じたのですが、やはり梓ちゃんのほっぺは柔らかさの中にも瑞々しい張りと弾力を持っていて、触るとすごく気持ちいいです。 さあお姉ちゃんの反応は? 唯「あずにゃんのほっぺ……!」キラキラ 梓「ひいっ!?」ビクッ やりました、興味津々です! 成功を確信した私は梓ちゃんのほっぺの感触を楽しみつつ、とどめの一言をお姉ちゃんに伝えます。 「お姉ちゃんも一緒に梓ちゃんをぷにぷにしようよ」、と。 唯「あっずにゃ~ん♪」 憂「梓ちゃ~ん♪」 梓「や、やめ……ひうううっ!?」 …… 唯「いや~、今日は楽しかったね!」 憂「そうだね、お姉ちゃん」 あれから数時間が経って、夜もすっかり更けた頃。 私とお姉ちゃんは何となく一緒に寝ることになり、今は枕を並べてお話しています。 唯「しかしあずにゃんのほっぺ柔らかかったなあ……。あのぷにぷに感、指では味わえないよ」 憂「あはは、そうだね~。二人でいっぱい触っちゃったね」 唯「終わった頃にはあずにゃんぐったりしてたもん。憂も私と同じでぷにぷに大好きなんだねっ!」 憂「えへへ……」 梓ちゃんを二人がかりでぷにぷにして疲れさせ、私のことは有耶無耶にしちゃおう作戦は大成功でした! ちょっとやり過ぎちゃったかもしれませんが…… ごめんね、梓ちゃん。 後日改めてお詫びに行かせてもらうよ…… 唯「ねえねえ憂」 憂「どうしたの?」 心の中で親友に謝っていると、お姉ちゃんが顔を覗き込むようにして話しかけてきました。 お姉ちゃんの綺麗な瞳に至近距離で見つめられると、何だかドキッとしてしまいます。 か、顔近いよお姉ちゃん…… 唯「あずにゃんのほっぺは確かにすごく柔らかかったけど……みんなの中で、誰が一番柔らかいと思う?」 憂「誰が一番……?」 みんな、というのは軽音部の皆さんや和ちゃんのことでしょうか。 それなら…… 憂「う~ん……」 唯「あは、分からないかな?」 憂「うん……みんな柔らかそうだし、ちょっと一番は分からないかも」 唯「ふふ、そうだね。りっちゃんも澪ちゃんもムギちゃんも和ちゃんも、間違いなくみんなぷにぷにだよ!」 憂「純ちゃんもかなあ」 唯「でもね、私には分かるよ。誰が一番柔らかいか」 憂「へえ……誰?」 お姉ちゃんがそこまで言う人……誰なのか気になっちゃいます。 ……ちょっと嫉妬しちゃうけど。 唯「知りたい?」 憂「うん、教えて欲しいかな」 唯「そっか、じゃあ……それっ!」ギュウッ 憂「ひゃっ!?お、お姉ちゃん……?」 唯「えへへ、すりすり~♪やっぱり憂が一番柔らかいよ~」 憂「そんなことないよー」 唯「いやいや、少なくとも私にとっては憂が一番!ほれほれ~」スリスリ 憂「あ……えへへ」 私に抱きつき、ほっぺとほっぺをくっつけて来るお姉ちゃん。 あったかくて、柔らかくて、まるで全身がお姉ちゃんに包みこまれちゃったみたいで…… 唯「ね、今日はもう寒いからこのまま寝ちゃおっか?私は憂のほっぺを堪能するけど、その代わり憂にはあったかさをあげるよ!」 憂「……ふふ」 唯「笑われたっ!?」ガーン 憂「ごめんねお姉ちゃん、やっぱり私は一番じゃないよ。だってほら……」 ほっぺをくっつけてると分かるよ。 お姉ちゃんの方が柔らかくて……ずっとくっついていたくなるんだ。 だから、ほっぺを堪能させてもらうのも私。 憂「えへへ……ぷにぷに♪」ギュッ 唯「おおう、手まで……何だか今日の憂は甘えんぼだね?」 憂「うん!お姉ちゃん、今日はクリスマスの時みたいに毛布を独り占めしないでね?」 唯「ぜ、善処します!」 ほっぺとほっぺをくっつけて。 手と手を繋いで。 憂「おやすみ、お姉ちゃん……」 唯「おやすみ、憂……」 今日は、いい夢が見れそうです。 ……あ。 眠りに落ちる前の、最後の疑問。 私はお姉ちゃんが一番、お姉ちゃんは一番だって言ったけど、実際は誰が一番のぷにぷにほっぺの持ち主なのでしょうか。 …………。 今度、調べないといけませんね! えっと、別に私がぷにぷにしたいだけってわけじゃないよ? おわり 5
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/918.html
QB「とりあえず一人確保できてよかったよ」フウ QB「物足りないけど、一旦見滝原に戻ろうかな」スタスタ ??「何かしらあれ…猫?キツネかしら?パン食べないかな」ゴソゴソ QB「ん?ちょうどいいや、帰る前にあの子勧誘していこう」スタタタ ??「わわわ、猫(?)が自分から近づいて来てくれるなんて!」ドキドキ QB「はじめまして、ボクはキュゥべえ!」 ??「うわっ?しゃべったあああかっわいいいいい」ギュー QB「くっくるしいつぶれるっ中身がでちゃう(背中から)あとなんかビリビリする!」バタバタ ??「あっごごごごめん!」パッ QB「(1日で3体破損の新記録出るかと思った…)それより、キミはボクの声が聞こえるみたいだね」 ??「?誰でも聞こえるんじゃないの?(きっと内臓スピーカーとかがあるのよね)」ビリビリ QB「ぎゃうっ!ちょっと、今わざとビリビリさせたよね!?」ササッ ??「あは、ごめんね…(探ってみたけど構成は有機物だったわ…悪いことしちゃった)」シュン QB「ねえねえ、さっきのビリビリもそうだけどキミには何かすごい力があるみたいだね」 ??「常盤台の電撃姫御坂美琴って知らない?私のことよ!」フンス QB「(うわあ自分で『姫』とか…)すごいや、キミが学園都市で7人しかいない超能力者かあー」棒 御坂「まあねー(って動物に自慢しちゃう私って寂しい…)」 QB「で、その電撃姫はこんなひとけのない公園で何してるの?待ち合わせとか?」 御坂「ぐ…っ(アイツが通るかな~って思って待ち伏せ中とは言えない)見回りしてるのよ!」 QB「見回り?」 御坂「このあたりは結構スキルアウトがうろうろしてて危ないのよ。 女の子が絡まれたりしないようにレベル5の私が目を光らせてるって訳」 QB「そうなのかあ。美琴は正義感が強くて優しい子なんだね!」 御坂「!!!そそそんにゃことないわよ」 御坂(黒子には『それは風紀委員の仕事』だって怒られるし、アイツには『不良の皆さんが可哀想』 とか言われるのに…この猫(?)は私のこと評価してくれるのね)ジーン QB「そんな強くて優しい正義の味方の美琴にお願いがあるんだけど、聞いてもらえるかい」 御坂「なあに?」 QB「実はボクは悪い魔女と戦える資質を持った女の子を捜してるんだ」 御坂「は?魔女??」 QB「魔女は使い魔を放ったり人間に魔法をかけておびき寄せたりして食べちゃうんだ」 御坂(なんか一気にうさんくさい動物に見えてきたわ) QB「ある日突然人がいなくなったり、理由もなく自殺する人っていない?そういうのは大抵魔女に操られてるんだ」 御坂「……そういえば、たまに風紀委員にも失踪者の捜索手伝いの依頼が来るって言ってたわね」 QB「でしょう?ここは『学園都市』科学の街だ。 あちこちに張られた監視網に引っかからないで人が消えるなんておかしいと思わないかい?」 御坂(確かに『科学では理解できない力』ってものの存在は認めるわ…アイツの右手とか) 御坂「でも『魔女』が本当だとして、ソイツには科学の力が通用しないんでしょう? 私の電撃も科学の力なのよ。そんなのと戦えって言われても…」 QB「そこでボクの出番なのさ!ボクはキミに魔女と戦うことの出来る魔法の力を与えられる! ボクと契約して『魔法少女』になってくれない?」 御坂「……あぁ、カナミンごっこか」 QB「ごっこじゃないよ!もし『魔法少女』になってくれるなら、願いを一つかなえてあげるよ」 御坂「願い~?」 QB「そう、魔法少女は願いの力を魔力に変えて戦うのさ。 この街でもすでに一人、願いをかなえて魔法少女になった子がいるよ」 御坂「本当に?!その子はどんなことを願ったの?」 QB「(……手近にいた知り合いをショタに変えて拉致とか言えねえ…)それはボクからは言えないな。 魔法少女になったら会うことになるだろうから聞いてみるといい」 御坂「願い……ねえ。それ、どんなことでも叶えられるの?」 QB「どんなことでもだよ」 御坂「死んだ人を生き返らせて欲しい、っていうのでも?」 QB「もちろんさ」 御坂「…それじゃあ、殺された妹達を…10031人の妹達を生き返らせてくれる?」 QB「いちまん…?ちょっと多すぎるよ」 御坂「そんな!なんでもって言ったじゃないの」 QB(願いの力を魔力に変えたとしても、一万人も生き返らせたら力の浪費が激しすぎる。 本来の目的外にそこまで力を割いてあげることは出来ないよね) QB「なんでも『一つ』だよ。一人生き返らせるのに一つの願い。その10031人はそれぞれ別の人間だろう?」 御坂「! そうね…(あの子達をひとりひとり個性のある人間として受け止めようって誓ったのに…!)」 QB「叶えられる願いは一つ。自分じゃどうしようもないと思ってることを叶えたいとは思わない?」 御坂「うーん…でも、私それ以外は神頼みしたいほどのお願いってないのよね」 QB「たとえば、『好きな人に振り向いて欲しい』とか」 御坂「んがっ!?ちょちょちょっと何言ってるの?私は別にアイツのことなんか」 QB「『アイツ』? 美琴には好きな人がいるんだ~どんな人?」ニヤニヤ 御坂「ちっちちちがうっつってんでしょ!アイツは~好きっていうか~」ビリビリビリ QB「あばばばbbbbbbbbb」ビリビリ 御坂「あっごめんごめん漏電しちゃった」 QB(はやくかえりたい…)プスプス 御坂「…アイツのことは、好きっていうか…一番辛い時に助けてくれた恩人?みたいな」モジモジ QB「うんうん、それで好きになっちゃったんだね」 御坂「ちがうっても~!いっつもひとりで問題抱え込んで突っ走ってるから、恩返しに手伝ったりしてやってもいいかなーって…でも、アイツ強いし能力とか通用しないし」モジモジビリビリ QB「あばばばばbbbb(なんでボクはJCのノロケ聞きながら電撃くらってるんだろ)」ビリビリ 御坂「…魔法少女の『魔法の力』を手に入れたら、アイツの抱えてる問題を手伝ってやれるのかしら」 QB「少なくとも、この街で起こってるやっかいごとのいくつかは確実に解決できる。 その人が巻き込まれないように…巻き込まれたとしても美琴が助けてあげられるようになるよ」 御坂「そっか……いいな、それ」 QB「でしょでしょそれじゃ願い事を言って魔法少女に」 上条「くそーもう卵はダメだ!しかしまだ本日限定豚コマグラム28円は望みがある!」ダダダダダ 御坂「! アイツ!アイツだ!」 QB「…アレが美琴の好きな人なの?(やっべさっき魔法効かなかった奴だ)」 御坂「そう!あーもうまた走ってどっか行っちゃう…!ねえ早く早く」 QB「さらっと『好き』って認めたね。で、願い事は何にするの?」 御坂「アイツを私の彼氏にして!!」 QB「ええー!さっきカッコよく『アイツを助けられる力』キリッとか言ってt「何か?」ビリビリ ハイハイ了解しましたなんでもないです(よーく狙いを定めて…)」 QB(うまくいきますよーに!)テクマクQBテクマクQBミコトチャンヲスキニナーレ 上条「」シャランラー 上手いこと右手を避けてヒットしました 上条「……」ハッ 御坂「あああアイツこっちに気がついたわ!」ドキドキ 上条「ビリビリ!……いや、美琴!」スタスタ 御坂「!!!(美琴って!美琴って名前で!!)なななななに?」カァァァ 上条「好きだ!付き合ってくれ!!」←イケメンAA(ry 御坂「……………………………………………………ふ、ふにゃー」バリバリバリバリバリ QB「あばばばbbbbbbgggggggggg」ビクンビクン 上条「急に返事しろとは言わない。明日一緒にどこか出かけないか?その時に返事をくれ」キリッ 御坂「う、うん!行く!」ビリビリ 上条「それじゃあ……また明日な!気をつけて帰れよ、俺の美琴」AA(ry 御坂「う、うん!っていうか今返事してもいいんだけど…俺の美琴だって…!!」ビリビリバチバチ QB(←new)「一日で3体破損の新記録更新しちゃったよ…ビリビリ収まるまで離れて待っとこう」 御坂「……ハッ!ねえキュゥべえ!どこ?」キョロキョロ QB「(横で旧QB食ってたのに気付いてなかったのか…)ここだよ」ヒョコ 御坂「すごい、願いを叶えるって本当だったのね!だってアイツ何やっても気付かない超鈍感だったのに」 QB「でしょう?それが魔法の力だよ。それじゃあ約束どおり魔法少女になってもらうからね」ワキワキ 御坂「うん!アイツと私の世界を守るためにがんばるわ!」 御坂のソウルジェムが生成されました。 QB「さあ美琴、これがキミのソウルジェムだよ。受け取るといい」ペカー 御坂「…きれいね。宝石みたい」 QB「だろう?これがキミの魂の輝きさ。大事なものだから無くさないように持っててね」 御坂「わかったわ。で、魔女と戦うとかってどうやるの?」 QB「それは明日、もうひとりの子にも教える約束してるから一緒にやろう」 御坂「明日!?明日はアイツとででででーとにゃのに」ビリビリ QB「あぶなっ!ボク達の予定は昼すぎからだからね。彼とは夕方に待ち合わせたらどう?」 御坂「そそそんにゃ初デートから夜誘うなんて」ビリビリ QB「何を想像している」 御坂「そ、そうよねイキナリそんなことないわよね普通に一緒にディナーして…一緒…一緒かあ…」ウフフ QB「…じゃあ、そういうことで明日の昼にまたここへ来てね。聞いてる?」 御坂「うんうん聞いてるわよディナーの後は第三学区の夜景スポットとか…」ウフフフ QB「……落ち着いた頃に連絡することにしよう」スタスタ ~~ 某アパート ~~ 結標「着いたわ、ここが私の下宿先よ」ヒュンスタッ 幼年通行「うっわボロっ」 結標「それに関しては同意するしかないわね。ただいまー」ガチャ 小萌「おかえりなさい結標ちゃん遅いですよー?先生心配しちゃったのです」トテトテ 幼年通行(……ン?見覚えが…ってコイツは…っ)コソコソ 結標「ごめんなさい、ちょっと面倒事に巻き込まれちゃって。 あーくん、この人が家主…ってどうしたの後ろに隠れたりして(人見知りショタMOEEEEE)」 幼年通行「(やっぱ帰る。コイツ俺と面識ある上にウチの保護者と知り合いなンだよバレちまう)」コソコソ 結標「(大丈夫よ、これだけ見た目が変わってるんですもの気付くはずないわよ)」ヒソヒソ 小萌「結標ちゃん?何ブツブツ言ってるんですかー?後ろの子は誰ですか?」 結標「えっとー知り合いの弟(って事にしとくわよ!)なんだけど~お兄さんとケンカしたらしくて」 幼年通行「……」コソコソ 小萌「あらら、だいぶ人見知りな子なのですねー?大丈夫ですよー先生は怖い人じゃありませんから」 幼年通行「(怖いとかそンなンじゃねェンだけどな…)…コンチワ」チラッ 結標(なんなのこの小動物みたいなのはああはあはあ小萌の前でなかったら全力ペロペロだわ)キュン 小萌「はいこんにちはです!私は月詠小萌といいます。小萌先生と呼んでくださいねー」 結標「ほらっあーくんも自己紹介なさいな」 幼年通行「あ…(アホかァァァ!ここで『一方通行』なンて名乗れるかァ!)」チラッチラッ 結標「(ショタの目配せたまんねええええ)んもー甘えんぼなんだから☆」 幼年通行(マジでブチコロしてェェェェ)ビキビキ 小萌「うふふ、結標ちゃんにとっても懐いてるんですねー。さ、二人とも靴を脱いで上がってくださいな」 結標「やだー小萌ったらあーくんが私のことダイスキなのわかっちゃうー?痛っ痛い叩くことないじゃない」 幼年通行「やっぱり残骸(レムナント)と一緒にパーツ単位でバラしとくべきだったなァ!」モゾモゾ 結標「さ、早く座って焼肉食べましょ……何してるの?」 幼年通行「……袖も裾も長すぎて靴脱げねェ」モゾモゾ 結標「……手伝ってあげてもいいけど?」 幼年通行「……ン」 結標(うっはー足ちっさ!足首ほっそ!私、魔法少女になって本当によかった!)ハァハァ 幼年通行(コイツが今何考えてるか手に取るようにわかるわ…マジ怖ェ…) 結標「コートも脱がすわよ」 幼年通行「ついでにシャツの袖まくって折ってくれ」ヌギヌギ 結標「モヤシだったくせにだいぶ袖余っちゃってるわね」オリオリ 幼年通行「誰がモヤシだコラ」 小萌「焼肉の準備できてますよー。席に着く前に手洗ってきてくださいねー」 結標「はいはいっと。小萌はこういうことうるさいのよねー」ジャバジャバ 幼年通行「……(手ェ届かねェ…)結標」 結標「はい、次どうぞ。何?」フキフキ 幼年通行「……だっこしろ」ノビ 結標「ぐっはあああああああ」バタン 小萌「結標ちゃん!?どうしたのですかー?」オロオロ 幼年通行(ホントもうどうしようコイツ…)ハァ ~~ 焼肉開始 ~~ 「「「いただきまーす」」」 小萌「さあっどんどん食べるのですよー。あーくんは焼肉好きですかー?」パクパク 幼年通行「」ウン 結標「おねえちゃんがお肉とってあげるわ。はいカルビですよー」 幼年通行「…自分で取れる」 結標「無理しないの、座ったままじゃホットプレートにお箸とどいてないじゃない」 幼年通行「チッ…」パクモグモグ 結標「(手が小くなってお箸の扱いもおぼつかなくなってるじゃない。 肉取るくらいで恩着せたりしないわよ任せなさい)」ヒソ 幼年通行「(クソ、わかったよ)」ムグムグ 小萌「ぷはー、焼肉とビールは最強の組み合わせですねー五臓六腑に染み渡るのですよー」ヒック 幼年通行「……結標、肉」 結標「……」モグモグ 幼年通行「…オイ」 結標「…おねえちゃん」 幼年通行「はァ?」 結標「淡希おねえちゃん」 幼年通行「……」 結標「淡希おねえちゃん」 幼年通行「肉くれ……あわきおねェちゃン」 結標「何食べたい?カルビ?ロース?タン塩もあるわよ今焼くわね」セッセセッセ 幼年通行「……(ある意味扱いやすいンだが…なンだろう腹より先に心が虚無感でいっぱいになってくぜ…)
https://w.atwiki.jp/rm96/pages/197.html
れいにゃがくぁ…とあくびをした。 そこへひらひらとモンシロチョウ。 ふわーっとれいにゃの視線が流れて、きらりと光った。 ひゅっ! ふわふわと漂うチョウを振り下ろした前足が捕らえそこなうと、れいにゃはのらりくらりと舞うチョウの後を追っかけていった。 カオリがそんな後姿にふんわりと目を細める。 すっかり乾いたチョコレート色の地面にぴょんぴょんと跳ねる小さな陰。 昨日までの鬱蒼とした大雨の一日はウソのようで、からりと晴れた空の青は眩しい。 パタンと文庫本を閉じて傍らに置くと、大きく空に向かって体を伸ばした。 「カオたん」 ふいに呼ばれて声の方を振り向くと、リカが勝手口から顔を覗かせていた。 「ん? どした?」 「ううん。別になんでもないんだけど、いい天気だなぁって思って」 ブリキのマグカップを片手にリカは勝手口のドアを閉めると、スペースを造ってくれたカオリの隣に座った。 「他のみんなは?」 「ののはお昼寝。マコトは部屋で手紙書いてるみたい」 「あぁ、愛しいアイちゃんに?」 「うん。愛しいアイちゃんに。さっき届いたらしいよ。で、レイナとサユは今日は軍学で基礎教練でしょ」 「そうだね。で」 「で…って?」 「あんたの愛しいミキティは?」 「愛しい…って…」 「違うの?」 カオリが『んん?』と首を傾げて大きな瞳でリカを見つめる。 リカは小さく肩を揺らして、にらむように上目遣いで見返した。 「…違わない」 ぼそりと呟く。 カオリがふぅっと赤く染まったリカの頬をそっと包んでよしよしと撫でる。 恥ずかしさで少し拗ねたように唇をうにっと尖らせるリカ。 「もぅ…」 「ふふっ。それで?」 「うん…」 とりあえず一度深呼吸。 「今日は……うん」 「リカ?」 「ほら。だから…明後日…」 「出撃予定の日だよね? 明後日…」 カオリは腕を組んで右手を顎にやると、ふむと目線を斜めに落として地面を見やる。 リカはマグカップに口をつけた。 こくっとのどがなる。 カオリがふぅ…っと目を見開いた。 「そっか…。うん。ごめん」 「ううん…」 リカの穏やかな笑顔に、少し申し訳なさそうに眉を下げて微笑むカオリ。 リカはすっと手にしたマグカップを差し出した。 「飲む? 水だけど」 「うん。ありがと」 にっこりと微笑んでマグカップを受け取る。ほんのりと冷たいブリキに唇をつけると、ふと、リカを見た。 「いいよ。全部飲んで」 笑顔で答えて、リカは壁にくっつけて置かれた木箱の上の本に気がついた。 コクリコクリとカオリののどがなる。ちょうど渇いていたのどに透き通った水のやわらかさが心地いい。 「読書?」 「そっ。なんかね。お部屋で読んでるのもったいなくって。ここ、お気に入りなの」 ちょうど食堂の真ん中ら辺。目の前にグランドを兼ねた広場。少し右手にははたはたとなびく洗濯物。 なんともいえないのんびりとした光景の後ろには、広い広い真っ青な空。 「ふーん。なんでもない場所なんだけどねぇ」 「ふふっ。そこがいいの」 「うん」 カオリからマグカップを受け取ると、リカは木箱の上に置いた。 「うーんっ…。いい天気」 大きく体を伸ばして見上げたリカの視線の先にも青。 「しばらく晴れるといいね」 「そうだね」 きらきらと広場の向こうに広がる短い草が輝いている。 穏やかな午後の始まりは、きらきらきらきらと命の躍動に溢れた光の時間。 カオリは隣で陽射しを受けて和むリカの髪に、そっと手を伸ばした。 「カオたん?」 「久しぶりに、洗ってあげようか?」 「うんっ!」 満面の笑顔で大きくうなずくリカ。 やわらかい微笑を返すと、カオリはポンと肩を叩いた。 リカはパタパタと勝手口を開けて中へと入って行った。 カオリは洗濯機の前を通り過ぎると、その角を曲がって大雑把にいくつか積まれた木箱の中から二つを取り出して持ち上げる。 「よっ!」 腰を入れてしっかりと上半身に預けると、慎重に歩を進め、洗濯機のそばで下ろした。 すでにリカが軍支給のある意味無添加なシャンプーとリンス、バケツと45リットルのポリ袋、そして蛇口にホースを繋いで待っていた。 二つの木箱をくっつけて並べると、リカは木箱の端に三つ折にして丸めたバスタオルを乗せた。 「ん。じゃあ、座って」 「うん」 ポリ袋をごっこ遊びのマントをつけるようにして首に回し、胸元でしっかりと端を握って押さえると、カオリはリカの後ろ髪をポリ袋の上に下ろした。 そして、カオリに頭を押さえられながらゆっくりと箱の上に横になると、首を丸めたタオルの上に乗っける。 カオリはサッとポリ袋を垂らすと、地面に下ろした余った部分にバケツを置いた。 リカの顔の上にかごの中から取り出したタオルを置くと、 「じゃ、いくよー」 「うん」 少し体をひねって、蛇口をひねった。 色褪せた水色のビニールの先からキラメキを伴って溢れ出す水。 あたたかい陽気のせいか、少しぬるく感じた。 ホースの先端に親指で少し圧力をかけて勢いを作ると、リカの黒髪をじっくりと濡らしていく。 「どぉ? 冷たい?」 「大丈夫。ちょっと冷たいけど、気持ちいいよ」 右手の指先を全部しっかりと使って、強く梳かすようにしゃかしゃかと水になじませて軽く洗い流す。 それだけでもううっとりした顔をしているようなリカに、カオリはどこかくすぐったいような笑みを零した。 かしかしかしかしかし…。 心地よい刺激。 小気味のいい音。 カラダがすうっと和んで、ふわりとした気持ちよさ。 リカはぼんやりと浸っていた。 カオリはホースをバケツの中に入れると、一度蛇口を閉めた。 「それじゃ、いよいよ行きますかねぇ」 カオリはシャンプーを手にして手のひらに出すと、バケツの中の水を掬い取って泡立てた。 泡に包まれるカオリの手。 そっと差し入れると、両手の指で手早く、だけどしっかりと少し力を入れつつ、リカの頭に刺激を与えながら髪を洗っていく。 がしがしがしがしがしがし…。 すっかり泡だらけになったリカの黒髪。 包むように右に左に、生え際にと丁寧に指を動かしていく。 「なんか…懐かしいねぇ」 「うん。よく相談したよね」 「うん。懐かしいね。あん時はもう、この子、どーなるんだろうって思ったし」 「あたしもどーなるんだろって思ってた」 へへへっとくすぐったそうに笑うリカ。 入隊後まもなく、特殊任務として編成された部隊に配属されたリカとアイ。 アイとともに配属された部隊は敵地偵察と情報収集。工作への下地作りという地味な任務。 しかし、それはとても重要な任務。 天才と称されたヒトミ。大器と望まれたノゾミ。幼いながらも非凡なアイ。 生きるためという一点のみで入隊したリカ。 『…あたし………』 『できないって思ったら、一生できないよ』 『……』 『死ぬときは死ぬんだから』 まっすぐに見据えるカオリの目は怖くて、だけど冷たくはなかった。 『できないならできないでもいいけど、やれることがあるんなら、やれることをするの』 『……』 『訓練に喰らいついてきてんだから、大丈夫だって』 『だけど……』 「リカ」 「はい?」 「大きくなったね」 『あんたができることをやれば、あたし達は誰も死なない』 「まだまだ。そんなことないよ」 『もっとさ、あんたは自分の力を信じていいんだよ』 「まだまだ。カオたんにも、ナカザーさんにも、教えてもらうこと…いっぱいだよ」 『ポジティヴ』 『…ポジティヴ?』 『ダメって考えるより、できるって考えな。カオリはリカを信じてるよ』 「ヤスダさんにだって、今でもいろんなこと、教わってるし…」 「うん…」 「でもね…ありがと」 すっかり体の力が抜けて、されるままカオリの指の刺激を堪能する。 そんなリカのやわらかい表情で、胸の中に広がるやさしいキモチ。 がしがしがしがしがしがし…。 愚痴を言えば呆れたように突き放されて、説教されて…。 だけど、一生懸命に話を聞いて、諭してくれて…。 いつしかカオリの愚痴を聞いてて、一緒に考えて…。 二人して落ち込んで、けれど今度は妙におかしくなって…。 「ホント。リカとはさ、こーやって、いろいろ話したね」 「うん…」 泡に包まれたリカの髪をまとめると、抱えて首に近い方から側面へと手を動かす。 顔に置かれたタオルの端から、ちらりと見えたカオリの手首。 ぎゅっと胸元のポリ袋を押さえるリカの左手に力がこもる。 「カオたん」 「ん?」 「たまにはじゃなくって、また洗ってもらいたなぁ」 「ふふ。そうだね」 「こうやって話せるの…なんかうれしい」 「うん」 今度は反対側に少しだけ頭の向きを変えて、またがしがしと指がいったりきたり。 何度この子の髪をこうやって洗っただろう。 何回この人に髪をこうやって洗ってもらっただろう。 がしがしがしがしがしがし…。 首に近い辺りを洗い終えて、そっと頭の向きを正面に戻して髪から手を離すと、すうっとリカの右手がカオリの左手首を掴んだ。 「リカ?」 しっかりと掴まれた手首。 リカは笑っていなかった。 「…」 何かを言いかけるようにうっすらと唇を開き、親指がそろそろとカオリの左手首をなぞる。 辿ったのは、3センチ5ミリほどの1トーン明るいわずかにだけ盛り上がった一筋の線。 よく見なければわからない、だけど明らかに不自然に刻まれた傷痕。 「…リカ?」 何も応えず、ただじっと傷を見つめている。 決して多いとは言えないなりにも恋をして、その度にこの傷に口付けられた。でも、不思議とうれしいとは思わなかった。 リカは愛しむように傷の上に親指を何度か往復させると、手を放した。 「もう…痛くないよね?」 ふわっと微笑んで、カオリの胸にじわっと膨らむぬくもり。 こくりとうなずいて、リカの顔に置いた水よけのタオルを取り去った。 そして、そっと顔を近づけて、目を閉じて…。 リカの唇にふわりと重なった厚みのある柔らかなカオリの唇。 ざわっと風が揺れて、バタバタとシャツが歌いだす。 眩しい白が真っ青な空の中に泳いでる。 気がつけば空には大きな雲が流れていて、太陽を隠したせいで原色に程近くなった空の青。 目をすうっと細めて微笑むカオリ。 パシャと頭の上の方で水の弾ける音がして、リカはなんとなく我に返った。 「さ。すすごっか」 キュッ。 ホースからあふれ出してバケツに飛び込む水のざわめき。 髪に指を差し入れて、微妙な力加減を加えてわしわしとすすぐ。 雲の陰が二人の上に落ちたかと思えば、また光が包み込んでいく。 長期になることを見越して作られた最前線なのに木造の兵舎の二階の方から聞こえてくるハーモニカの“きらきらぼし”。 「のんちゃん、起きたみたいだね」 「うん。でも、まだ眠そう」 ちょっとよれた2音混じったスローテンポな掠れ具合が晴れた空に不似合いで、ヘンな哀愁を誘う。 それとなく二人して口ずさんだ。 きらきら光る空の星は、まだ空の青の中に隠れている。 けど、このまま雲が空を覆いつくさなければ、きっと今日はきれいな夜空が見れるだろう。 きらきらひかる空の星は、どんな風に見てるんだろう? こんな自分達を…。 きっと、なんとなく。 そんな感じでもう一回流れてくる“きらきらぼし”は、さっきより少しだけ眠気がとんでいた。 カオリはホースをバケツにつっこんで蛇口を閉めると、今度はリンスに取り掛かる。 軽く手に広げると、リカの髪を包んで全体にいきわたるようにかしかしと手を動かす。 ばらばらとロングトーンでドーやミーとかソーやら、Cとか2音3音と混じった音がバラバラと流れていく。 手早くリンスを終えると、蛇口をひねって水を出す。 適当に吹いてるのに飽きたのか、 「けろけろけろけろ、くわっくわっくわっ」 「けろけろけろけろ、くわっくわっくわっ」 “カエルのうた”がのそのそと二人の上を流れていった。 リンスを洗い流すと、カオリは蛇口を止めた。 リカの顔の上のタオルを取ると、それで髪を包み込んでわしわしと軽く水気を拭き取ってから巻き付けた。 「はい。おわり」 「ありがと」 リカは起き上がって巻きつけたタオルを解いてがしがしと髪を乾かすと、軽く手で整えて、ふうっ…と息をついてタオルを肩にかけた。 「なんか…すぐに乾いちゃいそうだね」 少し汗ばむくらいの陽気。暖められた風。地平線を囲むように雲は並んでいるけれど、北東へと流れていく風が次から次からとせっせと運んでいく。 雲に隠れてはまた現れる太陽。 見上げて、カオリとリカは目を細めた。 さらっとカオリの長い髪と、生乾きのリカの髪を風が舞い上げる。 リカはうーんっと、ぎゅっと握った拳を高く空に突き上げて体を伸ばした。 「すっっごいキモチよかったぁ!」 「ふふっ。ありがと」 とろけるような笑顔で言われて、自然とカオリの笑顔も綻ぶ。 ガタッ! 「リカちゃん?」 二人が見上げると、2階のたぶんそこはリカの部屋の窓からノゾミが顔を出した。 「何やってんのぉ?」 「カオたんに髪洗ってもらったのぉ」 「髪ぃ?」 「そう」 「のんちゃんも洗ったげよーか?」 「うんっ! 今行くー!」 パタンと窓が閉まった。 カオリとリカはふふっと顔を見合って笑った。 「のんちゃん、リカの部屋でお昼寝してたの?」 「うん。ミキちゃん見送って戻ったら、ベッド取られちゃってた」 「ふふっ。そっか」 ばたばたとにぎやかな足音。 リカは立ち上がってぺたんと胡坐をかいて座っているカオリの後ろに回ると、きゅうっと背中に抱きついた。 「たいへんだね。もう一人増えたみたいだよ」 「ね。みんな甘えんぼだからね。もぅ」 とか言っているカオリはうれしそうで、 「自分だって」 と、リカは頬を寄せた。 「ばれた?」 って笑うカオリ。 そっとリカの手を握って、慌しく駆けてくるノゾミとマコトの姿ににっこりと目を細めた。 木陰で眠っていたれいにゃが『ん?』と顔を上げる。 ふーと辺りを見回して、くぁぁ…とあくびをすると、また丸めた体に顔をうずめて夢の中へ。 のんびりと梅雨の中休み。 午後は今日も緩やかに流れようとしていた。 (2004/5/31)
https://w.atwiki.jp/milky_holmes/pages/96.html
トップページ ミルキィ用語 らめえん らめえん 場末のラーメン屋(11話)。床が油でベトベトしている。食券を売る券売機があるにもかかわらず 何故か従業員(シャロ)が注文をとっている。