約 42,572 件
https://w.atwiki.jp/yuzuneko/pages/367.html
#blognavi 今日は秋葉原予選です。 この前秋葉の大会に出た時はゆず爺さんとTOGクンしか知り合いがいなくてさみしかったけど、今回はたくさんの身内の方が応援してくれたのでメチャクチャ力をいただきました(TдT) 予選が始まる前はウィズさんの青子に粘着。青子で43連勝とかどんな化物ですか?? 戦ってみたところ、まぁどうしようもない相手ではなかったので、ちょっと安心w(負けましたけどねw) アポさんのおかげで青子123シールドできるのでおかげでめちゃくちゃやりやすかったです!! ブロック代表1回戦まで覚えてないので割愛しますね!! ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブロック代表一回戦は、メカとキシマ。 先鋒ゆず爺さんVSキシマ ゆず爺さんまだスーパーサイヤ人になってないので、一本取るものの惜敗。 見てたところ、馬鹿キャン・シールドが上手すぎるので頭に入れておく。この時点ではひでにゃんより強いんじゃないかとびびってましたww んで俺VSキシマ 2B対空、JCすかしでうさんくさく勝利。 でもひでにゃんのキシマのほうが3倍ぐらい強いわw まだ俺の実力が通じるレベルだと一安心。 次俺VSメカ 前日、町田で一番強いメカに粘着して戦い方がわかってたので、がんばって勝つ。多分昨日戦ってなかったらまけてましたね!! 次はやっと待ちに待った準決勝です。 次の相手は誰だ!!!!!!!!!!!!?俺がぼこぼこにしてやるぜえええええええええええええええええええ ぶぶさん レイさん ( ゚д゚)ポカーン (つд⊂) ( ゚д゚)・・・・・・・ が・・・・頑張ればいけるお(;^ω^) というわけで、雑誌の中の人だとおもってたぶぶさんが先鋒なので、スーパーサイヤ人ゆず爺さんをあてる。 マジやばかったですねw ぶぶネロに一本とって追い詰めるとか神ですね。 もうあれは完全にベジータでしたよ。 でもあいてが残念ながらベジットなのでゆず爺さんがんばるも敗北。 俺VSぶぶさん 完敗です。瞬殺です。ネロ得意とか勘違いしすぎでしたww というわけで準決勝敗退。 うちらがんばったよね!!ゆず爺さん!!今日はお疲れでした!!後、後ろで応援してくれた人アリガト~です!!メッチャ力でました!! 予選後はマックで10人ぐらいで雑談。 みんな面白すぎるww ゆず爺さんがダメ人間になりかけてると言う事がわかったので俺が救いの手をさしのべなくては!!と決心しましたww その後レジャランでバニーさん・蒼月さんとワルク天国を味わう。 バニーさんやっぱ俺の中では一番強いワルクだわw 今日戦ったところ新屋さんよりやりづらいw ゆず爺さんは身内読みで勝利しましたww んでテスト勉強控えてるので帰宅。 まだ1時間しかやってませんw よ~しテストモードに切り替えなくちゃ!! 勉強~勉強~♪ カテゴリ [初準決勝゚・* .。..。. *・゜ヽ( ´∀`)人(´∀` )ノ・゜゚・* .。..。. *] - trackback- 2006年02月26日 22 50 24 準決勝おめでとです~^^秋葉でそこまでいけるのはかなり凄いと思います。次回は一緒に店舗予選突破目指しましょう♪(どんちゃんが全員二縦でw) -- TOG (2006-02-26 23 23 14) ありがとうです〜\(*^▽^*)/トグ君やっぱりメール送れてなかったっぽいですね(;_;)ネロはトグ君に全幅の信頼をおいてるんで期待してますよっ!!後ぶぶネロとSATネロはタイプが違うかもですね〜。初めて闘うと戸惑うかもです。後闘劇までにヒスコハもなんとかしてくれると嬉しいっス。ホント次トグ君と出る予選はマジで楽しみで仕方ないっスwwお互いもっとレベルあげて次の予選頑張りましょうね〜!!!-- どんぐり (2006-02-26 23 33 20) 準決おめ! -- キャッピ (2006-02-27 00 15 59) 同じくおめでとうございます〜ぶぶネロかぁ…自分も去年ビッグワンでタコ殴りにされたからきつかったですw闘劇でたいなぁ‥ -- 管島 (2006-02-27 02 19 24) >キャッピさんありがとうっす!!ヒスコハに勝てたのは、マジでキャッピさんのおかげですよ!!また今度お手合わせよろしくです!>管島さんこのまえは名前かきまちがえちゃってすんませんです(;_;)ぶぶさん強すぎですよ。ホント(・ω・;)(;・ω・) 管島さんもぶぶネロぐらいまで強くなって闘劇全部2タテでw -- どんぐり (2006-02-27 11 08 41) 昨日はお疲れさまでした。昨日のどんちゃん(こう呼んでもいいです?)は凄かったですよ。ここだとあまり長い文章かけないので続きは私のブログで書かせてもらいますねw -- バニー (2006-02-27 18 01 22) いやいやあそこにオレっていうのは明らかに場違いでしたねwそれと呼び方はどんちゃんで全然おっけーですよ( ̄∇ ̄)ノ後大会は良くても野試合でバニーさんにボコられたのが悔しかったです。。カルスト対策頭がわかってても指が動かないw精進します。 -- バニーさん (2006-02-27 18 40 03) 返信遅れたのはごめんね。 -- 最終 (2006-02-28 16 02 13) 上のミスwwまあとにかく・・・(*^◇^)/゚・ *【祝ベスト4】* ・゚\(^◇^*) -- 最終 (2006-02-28 16 02 56) あら…なんか自分変なとこに間違えて書き込みしちゃったかも…ごめんなさい。とりあえず17時すぎにいきますので〜 -- 管島 (2006-02-28 16 18 59) すみません管島さん・・・。なんか4時に見てカキコなかったんで帰っちゃいました。。。すんませんです。。。あとで俺のアド教えるンで今度からはおれの携帯に送ってくださいな。それとさいしゅ~ありがとう!!ワラキア同盟の一員としてこらからもお互いガンバルお( ^ω^) -- どんぐり (2006-02-28 17 42 02) うわ…すれ違ってたのか…さすがに夜勤あけで16時半まで寝てました…んでもういると思ったからさっきまで遊園にいましたよ^^残念(泣 -- 管島 (2006-02-28 18 40 24) というわけで、BBSのほうに私のアドも貼っておきます…宜しくです〜 -- 管島 (2006-02-28 21 14 57) 今日は雨の中対戦きてくれてありがとう〜君のワラキアにはなかなか勝てんわ〜修業する… サブキャラももうちょいがんばります! -- 管島 (2006-03-01 22 56 47) 名前 コメント #blognavi
https://w.atwiki.jp/dangerousss3/pages/217.html
ザ・キングオブトワイライト、ステージ『美術館』。 一回戦の際に、大方の予想通りに派手に壊されてしまい、使われなくなった試合場である。 現在は修復、清掃などの最中であり、また使用済みとはいえ目高機関の所有物である以上、そこには厳重な警備が敷かれている。 いや、敷かれて『いた』。 「嫌だ、嫌だ、やめろォ!! こんなものを見せないでくれェ!」 「いやあ! やめてぇ! お願い許してェ! お母さん! へへ、あは、あはは」 「ゆずが、ゆずが、止まらないんだ……! 頭の中に、ゆずがァアアアアアアあ!!」 深夜。 頭を 掻き毟りながら絶命していく警備員を背後に、一人の男が立っていた。 「これか……」 この世の全てを諦め尽くしたような、摩耗しきった声だった。 男は佇んでいた。 ただ佇んでいたのではない。彼は壁の一点を見ていた。 『それ』を見上げていた。 『それ』がなにか、分かる者は、彼しかいない。 『それ』は、ある絵だった。 男はその前で立ち尽くしていた。 胸の内に銃を携え、ジョン・レノンを待ち構えるマーク・チャップマンのように。 『それ』は、あるイラストだった。 『それ』は、ある漫画だった。ある漫画の、作者直筆の、原画だった。 更に言うなら――『それ』は、ある映画の、原作の、原画だった。 男はその前で立ち尽 くしていた。 主神の像に今まさにハンマーを振り下ろそうとする、不遜なる狂信者が如く。 その口が、当人の意志に反して言葉を紡ぐ。 「『我が――』」 「『我が名は――ファントム、偽原――』」 邪悪なる声。だが。 「『ファントム偽原――ヒ、ヒィ!!?』」 その言葉が、崩れる。 「『な、なんだ!? 馬鹿な、これは、うごあ! お前は、お前はなんだ!? やめろ! そんな馬鹿な――心の闇よりも暗い心だと!? 狂気を食らい尽くす正気だと!? ありえない! お前はおかしい、お前はおかしい、我が、食らわれ、やめろ! やめろ、やめやめやめやめやめやめめめめめめめめめめ』」 ぶつん、と糸が切れたように男の肩が下がる。 「 やはり、か」 邪悪な声が、摩耗しきった男の声に戻る。 「狂気に身を任せることが出来れば、どれほど良かったか」 そして男は、原作の原画に向けて、手を伸ばした。 「だが手に入れた。ファントムルージュ・オンデマンド――クライマックス」 第三回戦試合SS 【この美しくも残酷なチャラい世界で】 一. 数日前。 「ウェーイwwwEじゃんEじゃんwwwアッソビッマショー?www」 「あの……困ります、仕事がありますので……」 大会本会場。 試合会場「円形闘技場」がある場所であり、一般観客用の娯楽施設・購買施設、大会運営本部などを抱える、中心地である。 セニオはいつものように、本会場内の受付嬢に厚かま しいナンパを仕掛けていた。 いつもは警備員に止められるまでがパターンであるが、今回はそうではなかった。 横合いから、声が掛けられたのだ。 「見つけ申した。あちらに、セニオ殿が」 「ったく……。てめえ、いかにもっつうか、わっかりやすい行動してんなあ」 「まあ、自室に籠もるタイプでないのは、分かります……」 声は三人分。 特徴的な探偵着物を着た小柄な少女。 ざんばら髪に大傘を携えた、大柄な男。 そして、帯刀をした鎧ドレス姿の、探偵よりも少しだけ年上の少女。 「お?wお、お、オーゥオウゥ! ヒサッシーユーテネージャンマジー!」 「……なんつってる?」 「“お久しぶりです。しかし、随分と長い間会ってなかった気がします ね、心から”と」 「ゲンキドゥー?wwアイカワラズカーワウィーネーってアユミマジハーレムキテルシwwwガチデハゲるアゲアゲトランスッフゥーウェーイイケイケニクシカタメアツスギッショー」 「“元気ですか 相変わらず可愛らしいですね、……」 「あー面倒くせえ! いいから来い!」 「ちょwww強引マジ勘弁!wwwあ、受付ちゃんジャネーwwwチィーッスハレっちアメっち元気シッテタァー?」 「え? ああ、はい……」「なんてゆーか、ブレないね~セニオっち」 大柄の男――雨竜院雨弓に首根っこを掴まれて、セニオはずるずると引きずられていった。 ◆ 「んじゃ、始めっかァ?」 「合コンウェーイ!wwwんーじゃ自己紹介しちゃおっかな~キカバジ セニオで~っすwwマジヨロコトヨロシクヨロウィッシュ!」 「あはは~、面白いねえ~、すっかり最近見なくなったよねえ~こういう生き物~」 「……皆さん、よろしくお願いします」「いいよ~バッチこーいダネ!」 「拙はいささか場違いやもしれませんが、力添え致します」 「ははは、にぎやかな会になりそうですね。――くく、予想通り、裏の対戦相手もいるか」 「…………くだらないメカね」 試合参加者専用に設けられた談話室に揃った、そうそうたるメンバー。 雨竜院雨弓。黄樺地セニオ。姫将軍ハレル&参謀喋刀アメちゃん。遠藤終赤。偽名探偵こまね。山田。オーウェン・ハワード。 すなわち、 ――ファントムルージュ被害者(+α)による、偽原光義対 策会議――! セ「飲み物注文しまァーッスww! 生イケる人手ェ上げて~!ww」 雨「――おい探偵その一、コイツの声全部シャボン玉にしといてくれねーか」 駒「いいじゃん~BGMと考えれば~。一応、こんなんでも当事者なんだし~」 山「本当にコレ、アテになるんですかね? 偽原はただでさえ歴戦の魔人公安。 それに事前調査も抜け目なくやるタイプだ。一撃で首刈られて終わりじゃないか?」 遠「然様でありましょうか。あの方は、能力を使うことに固執しているように思えます」 駒「そうだね~。あのひとの戦術や戦略は、ぜ~んぶ『相手に映像を見せる』ことに終始してるからね~」 オ「温いメカね。プロ意識の欠片もないメカ。それに敗北した我々も同罪ではある メカが」 雨「ンじゃあ、そこら辺が、付くべき隙か?」 姫「あ、私はお酒飲めないから、オレンジジュースで……」アメ「ここで答えちゃう!?」 ちなみに、飲み物は電話で頼めば従業員が持ってきてくれる。VIP待遇である。 もっとも、今まで参加者同士が慣れ合うことなどなく、利用する者などいなかったが。 山「俺的には、決勝であの正義の味方や暗殺者に任せた方がいいと思うんですけどねえ」 オ「フン。考えが浅いメカね。敗北するだけならいいメカ。 だが――コイツが堕ちた場合、最悪のパターンが想起出来るメカ。 コイツの能力が何だと思っているメカ?」 山「能力コピー……ああ、成程、尖兵としてはこれ以上ないってわけか……」 オ「作戦という なら、コイツに遠隔自決用の爆弾でも持たせておくことを勧めるメカ」 姫「そ、そんな……!」 雨「容赦ねえなあ、アキカンの旦那」 アメ「そういや。アキカンさんにこまっち、山田っちは、どうやってファントムから復帰してるの?」 駒「ん~? まあ、リハビリってことにしておこうかな~」 山「正直、僕たち自身、分かってないんですよ。その辺は。大会側の仕業だとは思うんですが」 オ「……気に入らないメカ」 紅蓮寺「ヒヒヒヒ! そりゃあ大人の都合って奴だなあ! 今後の裏トナメの結果にも関わるしなア! とりあえずこのSSじゃそういうカンジってことでなァ!」 雨「なるほど」 遠「今、誰かおられませんでしたか……?」 セ「あ、もっしぃ店員サン?www すん まっせぇ~ん! オレンジジュース6つと生1つ! あと王様ゲーム用の割りばしアリマスカwwウェーイww」 雨「カラオケ気分かテメェは! あとオレンジジュースやめろ! 」 結局全員頼んだ。飲み物が運ばれてくる。 遠「試合場は――廃村。確か拙の記憶によれば、もともと過疎していたところに、パンデミックで追い討ちを掛けられ滅んだ土地のはずです」 雨「パンデミックか……全く、嫌なもんだぜ」 駒「あれの犯人に関しては、探偵のツテでもよく調べ回らされたね~」 姫「……犯人? パンデミックのことは噂に聞いただけだけど、病気だったんじゃ」 駒「んー実を言うと、あれも、魔人能力だったんだよね~」 山「そりゃまた、大仰な能力ですね。偽原よりそっちの 方を優先すべきじゃないっすか」 遠「ともあれ、セニオどの、感染にはお気をつけ下さい。 必要最低限の洗浄はなされているでしょうが、保菌者の死体などは残っているやもしれません」 セ「カンセン?wwあーオッケオッケーシューカちゃんの頼みなら何でも聞いちゃうwww」 雨「おい探偵その二、ならチャラ語やめさせろめんどくせえ」 遠「……それでは、重ねてもう一つよろしいでしょうか」 セ「ん?wwどしたんシューカちゃん急に膝ついて?wwお腹痛いの?www」 遠「恥知らずとは分かっていますが――もし、貴殿が優勝し、世界平和を実現する際には、何卒この遠藤終赤、遠下村塾に一声お掛け頂きたいのです」 セ「は、あーオッケオッケチョーサイコー!www何で もこの俺様に任せっちゃい!」 遠「当然、不躾な頼みであることは重々承知の上ですが……え?」 アメ「相変わらずノリ軽っるぅー……」 雨「コイツも一緒の現象だな……ついでに俺の願いも叶えてくれよ、このチャラ男」 セ「男の頼みは有料でぇーすwww代返一回でおごり一回ケーサンなwww」 雨「おい、クソだぜコイツ」 続く会議。だが、そのうちにだんだんとグダってくる。 雨「お、イケるじゃねーかアキカンの旦那ァ! どこに消えてんだァ!?」グビグビ オ「フン……若造に呑み負けるほど衰えてはいないメカ」ズズズズズ 遠「そのときヒック拙の叔父上はヒックこう仰りましたヒック探偵よ大志をヒック」 駒「遠藤ちゃん、まあ飲んで飲んで ~大丈夫だよ~ジュースみたいなものだから~」 山「あはは、みんな楽しそうですねー(コイツ……的確に度数の高い酒から押し付けてる……要注意だな……)」 セ「ウェーイウェーイウェイウェーイ! ウェーイウェーイウェーイウェイウェイー! イッパツゲーしゃーす! 三次会決まった時のヒロキの真似ー『ん? 三次会カラオケ? ああ、オーケオーケーカラOKーってか、だははは』wwwwwヤベッショパネッショwwwwガチウケキタコレドッカーンだしwwwww」 姫「……アメ、こんなときどんな顔したらいいか分からない」アメ「……笑わなければいいと思うよ」遠「これが謎……ヒック」駒「これは滅びるのもやむなしかな~」山田「そうですねえ」雨「控えめに言って」オ「死ね 」 セ「ガチ返事マジ勘弁wwwwwwwwww」 そして、その日の夜は更けていった――。 ◆ 「セニオさん」「セニオっちー」 「ウェーイヒックウェーイwwwwあ、ナニヨーwwwヤッベチョー笑ったかもwww」 散会する直前、姫将軍ハレルが、セニオに声を掛けた。 「先程決まった通り、――私、雨弓さん、遠藤さんは、貴方がポータルで飛ぶ直前に、貴方に能力を見せに行きます。存分に使って下さって構いません」 「チョットチョット! アメちゃんのことも忘れないでほしいかなー!」 「あ、そうだね……ふふ、ごめん」 結局、彼らが取った方策はそれだった。 セニオのコピー能力は、最後に見て二時間以内なら、持ち込みが可能だ。 その 為、少しでも有利に戦えるよう、彼らの能力を貸すことを決めたのだ。 『睫毛の虹』。『刀語』。『参謀喋刀』。そして『スマート・ポスト・イット』。 どれも強力な能力である。 なお、山田とこまね、そしてオーウェンは、個人的な事情から断った。 前者二人はそもそもが裏トーナメントの偵察の為に参加していたからで、 オーウェンは自身の本来の能力(核爆発)をコピーされることを危険視しての判断である。 「……ですが、ファントムルージュ自体の対策は『映像を見せられる前に倒す』ことしか挙げられませんでした」 「マイッショーwwオッケオッケwwマジ偽原?wwとかチョーヨユーニコマ即勝ちだしwww」 「一回戦を見る限り、そうは思えません」 「…… ……ウェーw」 一瞬、ほんの一瞬、酔いで加速していたセニオの声が小さくなった。 「お任せあれって奴だしwwwあ、それとも心配してくれてんノーゥ?wwまさかハレルちゃん俺様にとうとう惚れてwwwwやっべ必ず生きて帰るしwww帰ったら結婚しよwwwうはやべえ逆玉キタっしょこれパネー流石俺wwwwパインサラダ作ってまっててwwww」 「あ、いえ、そういうのはまるでないので」 「てーかハレっちにアプローチならまずはこのアメちゃんを越えていけこのチャラ男ー! モチロン全力でブチ殺すから安心してゆっくり死んでいってね!」 「マジひっでーwwwんじゃサまた当日にィ――ウェーイ!www」 「では、御武運を」「うぇーい! がぁーんばってネー !」 そして、セニオはハレルたちと別れた。 だが。 ――試合当日。 ポータル兄弟の前で、試合時間ギリギリまで待っていたセニオの前に、 約束した三人は、現れなかった。 ニ. 「かっしいなwwwあいつら揃ってネボーかよーwwwユメもキボーもねーってかwww」 「……時間だ」 「おけーおけーよろしく頼むよディプロっちゃんwwこの前みたいに埋まるのはマジ勘弁なwww」 「ディプロっちゃん……。……上手くいくかは貴様の運次第だ。飛ばすぞ」 「はいさーいww」 白く開いた扉に飛び込む。 浮遊感。精神に影響が及びそうな異界の光景も、すっかり慣れたものだ。 「っとと! うっわクサッ!wwマジ勘弁だわー朝シャンし てきたってのによーww」 ギャアギャア、と鳥の声。すえた臭い。山奥の廃村。いかにも、と言った様子だ。 滅んだ当時から捨て置かれた、あるいは、そう見えるように管理されていたのか。 「ギッハッラッさぁーん! どーこいんのォー!」 対策会議で聞いた話をまるで聞いていないのか、無警戒に視線を彷徨わせながら練り歩く。 酷い有様だった。痩せた野犬や鴉、腐った食べ物や井戸、加え――人間の死体。 滅びる間近、村人同士の争いでも起きたのか。 農具を突き立てられて砕けた骸骨。壁にもたれ、骨と布だけになったもの。 未だ半ば腐った肉をつけたもの。井戸に頭を突っ込んでいるもの。餓死者惨死者の見本市だ。 もっとも、セニオはチャラ男であ る。 常人ならば畏怖し敬遠する光景も、彼にはお化け屋敷のアトラクションか何かにしか思えていない。 「ったぁくよォー。どーなってんの?wwめんどくせーなあ――あ、もしかして遅刻? 遅w刻wしwちゃwっwたw偽原さん?wwウケるパネーww俺不戦勝キタシマジ?ww やっべ超ラク勝ちじゃーんwww……ん?wwww何だアレwww」 ふと視界の端で、何かがキラリと光った。 遠くの枯れ木の枝に、逆さまに吊るされた死体。キイ、キイと回りながら揺れている。 遠目にも分かるほどに、泥まみれ、血塗れでボロボロだ。迷信深い村人が生贄でも捧げていたのだろうか。その、胸元あたりをセニオは注視する。 キラリ。まただ。確かに光った。 「ん ー?」 セニオは持ち前の軽薄さを活かして跳ぶと、死体の傍らに着地する。 吊るされた小柄な死体の正面に回り込み、その胸元を覗き込む。 覗き込もうとした。 死体は姫将軍ハレルだった。 「………………………………………ウェ?」 ぽたりぽたりと垂れる血液が、解けた金髪を通って地面に落ちる。 目元は赤黒く腫れ、碧眼は見開かれているものの、何も映してはいない。 清廉な平服甲冑は、血と泥で、見る影も無く汚れきっており、その標準的な胸に突き立てられているのは――参謀喋刀、アメノハバキリ。 刃を伝い、流れ落ちる鮮血。――追剥の能力が、発動していない。 背中から飛び出たその刀身は、見る影もなく、鮮血ではないドス黒い緋色に染ま っていた。 「……………ーイ」 セニオは、両方の指を銃のように立てた。それでハレルを指差す。 「……う、うっわ超ビビったwwwwハレルちゃんこんなところで待ってるとか趣味悪すぎっしょ!wwwヤッベヤッベwニーディズ(※ディズニーランド)のホーンテッドとかマジ勝負にならんわスゲーサイノーwww俺知り合いにあそこでバイトしてる奴インだけどさ今度紹介するしかなくねパなくねwww」 「………………」 返事は無い。返事は無い。返事は無い。返事は無い。 セニオは指差した姿勢のまま固まっている。固まっている。固まっている。 一瞬。 セニオは、枯れ木を無造作に蹴り折った。異様に軽い音を立てて、少女が地面に落ちた。 「ハ、ハ レルっちゃんハレっちゃハレ、ルちゃ、アメっち、wwwマジどーどーしたーしたしwww無視とかチョー傷ついちゃうんデスけどぉー?www眠いんなら眠いって言ってくれりゃーくりゃれwww」 「………ァ………」 少女がえづいた。僅かに、息があった。 セニオは安堵する。混乱していた台詞をどうにか飲み下し、その声に耳を傾ける。 「ファ……ファントム……ファン、ファントム……いや……いやあああああああああああ!」 長い、長い悲鳴だった。セニオは思わず飛びのいた。 何が起きているのかと、周囲を見渡した。 いくら見回しても、周囲には、この廃村の住人しかいなかった。 廃人と死体しかいなかった。 もたれた壁に血のりをべったり張り付 け、動かない雨竜院雨弓がいた。 声を挙げずに顔を抑えて哭き叫ぶ偽名探偵こまねがいた。 その隣で、二人に分裂し、苦しみを薄めようと互いに絡み合う遠藤終赤がいた。 両目からとめどなく血の涙を流し、痙攣を繰り返す山田がいた。 地面にアキカンが散らばっていた。たぶんどれかがオーウェン・ハワードだと思う。 セニオがそれを一通り確認した時、ハレルの胸元がきらりと光る。 揺れるストラップ。 アメノハバキリの柄に括りつけられていた端末が、映像を再生した。 ◆ ざざ、ざざ、と砂嵐。 揺れるカメラで捉えた映像。その中心には、満身創痍となった雨弓の姿。 『クソ、クソ野郎、がァ……!』 『流石だな、雨竜院雨弓。深 化したオンデマンドに耐えるのか。 伊達に一度侵食を破っただけはある……もっとも、己の内のファントムを押さえるだけで手一杯のようだが』 『ふざけんな……、俺は三秒どころか、映像なんざ、何も見てねえぞ……! とうとう魔人ですらなくなったか!』 『人聞きが悪いな。それに心外だ、元はと言えばお前がやったことだろう――人間の視界なんてものは、眼球内の水晶体に映された『映像』だとな。 人がその眼で世界を捉える限り、もう俺の力から逃れられる者はこの世にいない』 『まさかてめえ、美術館に……!』 『ああ、行ったよ。何せほら、アレだ。原画を見れば、俺もこの呪いから逃れられるかもしれない、と思ってなあ。そうだったら、救われるじゃないか。な?』 『このっ……どの口で言いやがる』 『ふん。そうだな、お前は、死体で連れていくことにしよう。 喜べ元同僚。お前はあのアキカン殿と同格だ。その強靭な精神力、敬意を表する。 ――まあ、それも無駄なんだがな。なにせこれから世界は滅ぶからな。残念なことにな』 ◆ 映像が変わる。 そこは、談話室だった。個人の部屋だった。深夜の廊下だった。路地裏の一角だった。 見覚えのある相手が、次々と倒れていった。倒れて呻いていた。苦しんで悶えていた。嘆き震えていた。凌辱されていった。あの原作のように。 セニオが、実に何年かぶりに、心からの飲み会を楽しんだ場所が、仲間達が―― 「ひ――うわああああああああああああああああ!」 フ ァ ン ト ム ル ー ジ ュ 三. 「……まあ、自分でも、どうかとは思ったよ」 ぷか、と吐き出された紫煙が、廃村の大気に溶けていく。 「お前を倒す戦術にしては、あまりに非効率で、そのくせオーバーキルだ。 いくらルール上は問題ない……『相手の協力者』も『廃人』も『死体』も、連れ込めるのは前回の試合で判明しているとはいえ、な」 廃屋の影から現れたその人物を、即座に偽原だと見抜くのは難しかっただろう。 「だが、興味が湧いた――何せ仮のとはいえ、際物ぞろいの今大会参加者の同盟だ。 この緋色の幻影を越えるものが現れるかもしれない。そう思ったら、むしろお前がオマケだ」 その服はボロボロで、見える限り、銃 やナイフ一つ持っていない。 添え木をした片足を引きずり――その体は奇妙に厚みが足りず。 顔の右半分は、真っ赤に染まった包帯で覆われており、胸元には痛々しい一文字の傷痕。 その代償は深刻だった。 遠藤終赤に身の三割を剥がされ撃ち殺され、姫将軍ハレルに調達武器を全て壊され、雨竜院雨弓に胴を斬り裂かれ、山田に片足を、オーウェン・ハワードに片目を、偽名探偵こまねに片耳の鼓膜と三半規管を破壊された、偽原光義だった。 「もっとも、結局それだけだったがな」 「や、やめ……ひで、ひでっしょwコレ……w……嘘だろ、こんな、マジねえ……ま、j、勘弁……やめろ……やめ……ヒィ……」 「黄樺地。お前の資料は読んだ。大会運営本部にあったのを拝借し てな。『他人の能力を茶化す能力』だったか」 地面で悶え苦しむセニオを見下ろす。 その頭を足蹴にする。 「茶化してみるか。嘲笑ってみるか。所詮こんなもの、ただのクソ映画さ。ありふれた二次駄作。元ネタを知っていなければ意味のない、不快で場違いな、くだらない外部ネタ。ファントムルージュをそう評して笑った相手は、お前でなくても、いくらでもいたぞ? もっとも、その全員を、俺はこの闇に堕としてきたがな」 「ひでえ……ひでえって……あんまりっしょ……あの、チョー面白ぇ、作品が……」 「ああ、そうか。そういえばお前も、原作を読んでたんだっけか。 ……シリアスを理解出来ない。そのせいで孤立を免れられないとは。哀れな奴だ。可哀想な奴だ。同 情するよ」 蹴り飛ばす。セニオは枯れ木の幹に背をぶつける。 続けて顎を蹴りあげられ、虚ろな目で偽原を見上げさせられる。 「これでも俺も、元とはいえ警官だ。無力で善良な市民を助けるのが仕事だ。 お前みたいなチャラ男にも分かりやすく、一つ、良い事を教えてやる」 偽原は傍らの、姫将軍ハレルを、掴み上げる。 首筋を背後から鷲掴みにして、セニオの眼前につきつけ。 少女の目元を、その乾いた掌で、覆い隠す。 三秒。 「ちょ、おま、待」 「――う、あ゛!? たす、もうや、いやだ、見たくない、アメ、どこ、や、あぅあっ……!」 悪夢を見せられた少女が悲鳴を上げる。 その手が伸ばされる。細い指先が震え、虚空を掻き、… …ぱたりと、脱力して落ちた。 散り果てた少女の涙が、セニオの頬にぽたりと跳ねた。 「これが『絶望』だ」 ザ・キングオブトワイライト第三回戦。 偽原光義VS黄樺地セニオ。 開始十五分。 勝者、偽原光―― ◆ ◆ 「……………………………ねぇわ」 セニオが、草も生やさずに、そう呟いた。 決着を確信し、立ち去ろうとしていた偽原が、驚愕とともに振り向いた。 「やっぱ、ねぇわ。不幸とか絶望とか、ファントムルージュとか、いい加減にしてくれ。 世界ってのは、もっと平和で(チャラく)あるべきだ」 《チャラ男ゥストラはかく語りき》。 神霊レベルのチャラ 男適性。 『シリアスな事象を理解出来ない』という一種の呪い。 代わりに、精神汚染や狂気に対する高い耐性を持つ。 「な、に……?」 偽原は、セニオのそのスキルを破り、彼に絶望を与えることだけに注力していた。 それは事実正しい。チャラ男の中のチャラ男、チャラ王、チャライデアであるセニオにとって、そのチャラ適性だけが存在の全てだ。 だが、……それでも、彼は気に掛けるべきだった。 “真剣を理解出来ないチャラ男に、真剣を教えた”――ならば、何が残るのか、と。 「安心しろよ。俺が出るのは一瞬だけだ。どーせ消えちまうが、決勝戦までは持たせてぇし」 偽原は忘れていた。思考の外に置いていた。 あの大会運営からくすねてきた 資料。その初めに書かれていた戯言を。 ――『世界最強の能力者』。 「ああ、それと。普段だと多分伝えられねえから、今のうちに言っとくわ。 雨弓サン。こまね。山田。オーウェンさん。終赤ちゃん。アメ、ハレルちゃん。この前の飲み会、楽しかったぜ。あんなに楽しいの、久々だった。巻き込んじまって、ごめんな。……ありがとう。愛してた」 周囲に倒れる全員に、順繰りに視線を遣る。後悔。怒り。哀悼。真剣。 その両目の端から、つうと涙が流れた。嗚咽を堪える震え声。申し訳なさそうな言葉。くだらない軽口。その言葉は、誰にでも理解できる平易な日本語。 偽原光義が目覚めさせたもの。チャラくなくなり、すなわち何物でもなくなった『彼』に、それでも便宜 的に呼び名をつけるなら―― 「黄樺地・瀬仁王――凡人形態(ガチデ・パンピー)。とりあえず、そう呼んどけ」 「ガチデ……パンピー……!」 「ん。じゃ、さっさとやることやっとくか。俺の、憎い敵」 その右腕が上がる。指先は、偽原光義を指差している。 「『セット』『ファントムルージュ・オンデマンド』」 その指先に、緋色の光が灯る。 偽原はいぶかしむ。当然、三度の飯よりファントムルージュだった偽原に対し、その能力は有効打になりえない。 だが、瀬仁王の言葉はそこで終わらなかった。 「“×(かける)”」 左手の指先が掲げられる。指差すは廃村の死体のうちの一つ。 チャラ男でない瀬仁王は、ちゃんと覚えている。遠 藤終赤が与えてくれた忠告を。 それは、パンデミックによって生きながら腐り、死んでいった、村人の死体。 「『ブレイクアウト』!」 その指先に、紫色の光が灯る。 イエロゥ・シャロゥで一度に使える能力は一つだけ。 ならば、全てを一つに混ぜてしまえばいい。アメノハバキリの時と同じだ。 さあ。何にもなれない黄色の浅瀬に――絵を描こう。 「能力作動。《イエロゥ・シャロゥ・パレット》。 『ブレイクアウト×ファントムルージュ・オンデマンド』」 能力名:ブレイクアウト。 効果:ウィルスの進化を促す能力。進化の方向性はある程度操作する事が出来る。 備考:人類の三割を破壊した『パンデミック』を引き起こした能力。詳細はtp //www18. atwiki.jp/drsx2/pages/103.htmlにて。 能力名:ファントムルージュ・オンデマンド 効果:対象にファントムルージュの全場面を体感させる。 備考:偽原はこれを以て再び世界を滅ぼそうとしている。 「……破滅の能力を、二つ……掛け合わせだと? 世界を巻き込んで心中でもする気かお前は。流石の俺もドン引きだぞ」 「こっちはその発想にドン引くっての、偽原サン。――掛け算くらい、子供の頃に、習っただろ? まあ、俺は未だに七の段が言えねえけどな」 自分で言って、からからと笑う。 別人格に目覚めたわけではない。あくまでその記憶、頭脳、性格はセニオ自身のものなのだ。 だが、なんか全体的につまらない感じになった瀬仁王が、得意げに両手を広げる。 「なあ、負の数って知ってっか?」 組み合わせたその指先が、 「マイナスかけるマイナスは、プラスになるんだぜ」 金色に、光り輝いた――! ◆ ◆ 「う、いやあ、まただよお~~やってられないよおお~~~」 「ああ、終赤は、終赤はもう、こんな」「こんな、こんなもの、あまりに、ああ、ううう……!」 偽名探偵こまねは、傍らで乱れる終赤の嬌声を、かろうじて遠くに聞いていた。 こまねは、恐らく対策会議の六人の中で、もっとも傷が浅かった。 偽原による二度目の蹂躙の際、彼女は勝てないと判断するや、自らファントムルージュの音声を脳内に再生し倒れたのだ。 自傷による死んだふり。ただでさえ血中ピコ剛力(※原作凌辱作 品による精神汚染の最小単位)が下がり切っていない彼女にはそれでもキツかったし、その上に偽原は、何度も死体殴りよろしく能力を使ってきたのだが。 「あう、んぅ、こんな……どうか……」「ん、ふう、ううああ……!」 だが、初見だった上に、分裂した両方に重篤な精神障害を受け、前後不覚に陥っている遠藤終赤に比べればまだマシだろう。 いささか厚みが足りないが、同じ顔をした二人の美少女が互いの首に手を回し、足を絡め、着物を乱しながら華奢な身体を重ね合わせる。 その様は背徳的な官能に満ちており、また偽原の能力が誤解される一因となろう。 観客は熱狂し、いずれ自らを襲うことになる世界最悪の映像の脅威になど、気付きもしない。 世界は、終わる 。 そこまで考えた時――こまねは、自らを覆う金色の粒子に気付いた。 「う……?」「「う、うえ……?」」 遠藤終赤×2の動きが止まる。 こまねは驚いた。身体の中から、既に値にして500を越えていた血中ピコ剛力が抜けていくのを感じたからだ。 代わりに、喉の奥から、耐えがたい別の衝動がやってくる。抵抗しようと考える間すらなく、口から漏れた言葉は、 「「「うぇーい……?」」」 ◆ ◆ 「よっし……よしよしよしよしよしよしよしよしよしよっし! うう、よっしゃ、きたぜ、ウウェーイキターぜこりゃああwwww」 血中ピコ剛力が失われる! 絶望の強制によって凡人形態へと変じていた言動が、本来のチャラ男のもの に戻る! これこそがパレット――“コピーした能力を融合する能力”の産物! 今のセニオに宿りし能力の名、それは、 「『セット』ォwwww『ファントムルージュ・ワクチン』wwww」 ウイルス療法、というものがある。 特定の細胞、腫瘍のみに有害なウイルスを作り出し、ガン治療等に応用する技術だ。 残念ながら実用段階までには問題が多く、未完成の技術であるが―― 世界を滅ぼしうる魔人能力『ブレイクアウト』によって瀬仁王が進化させたウイルスは、今この時、ファントムルージュ障害に対する特効薬となったのだ! 「サスガオレ天才すぎっしょwwマジサンクスwwwヤッベwww飛べそうwwww」 チャラ男の背から、黄金色の粒子の翼が生 える! 血中ピコ剛力を浄化し、チャラ性を取り戻させた微細なるウイルス――チャラ男粒子! 人々をより軽薄に変えていくそのウイルスが、眼前にいた偽原を奔流に飲み込む! 「な――なんだこれは――これ、ふざけ――ふwwwざwwけwwるwwなwwww」 ファントムルージュに特化させた菌は、偽原に大してまさに特効だ。 偽原は必死に振り払おうとするが、その動きすらチャラ男粒子が飲み込み、ダンスフロアにでもいるかのような軽妙な動作へと変じていく。 「ちょwwwwふざけんなwwwwwこんなものwwwwwウェーイwwwwこんなんで俺のファントムルージュに勝たwwwwれてたまるかwwwwマジ勘弁www」 緋色の幻影が、間抜けな草に覆 われていく。 それだけではない。 チャラ男粒子が、世界の全てをチャラく染めていく。 セ「ハレルちゃんウェーイwwwwダイッジョブダッテwwww」 姫「う……ウェーイw……wセ、セニオ、さ……wwあは、あははw何ですかこれwなんか、くwwくすぐったいw」 アメ「ハレっちwwそいつから離れてwwwチャラ男になっちゃうwwww」 姫「アメももうなってるよwww」 セ「オッスオラ山田www」 山「山田は俺でしょうがwwって何ですかこのノリwww」 セ「死ぬなーオーウェンwwww」 オ「それは私ではないわ阿呆www」 セ「警官サン生きてるかーwwwwって死wんwでwるwwwwwい、医者ァー!www」 雨「生きてるっつうのwwwうるせ えなwwww」 遠「拙はなぜかwwwエンディング中に真顔でパラパラを踊りたくなってきてwwww」 駒「ヤバイよ~wwwwチャラ男になっちゃうよwwwwおなかいたい~wwww」 偽「僕らにどんな世界が~♪wwww」 偽原が歌い始めた。音程もリズムも狂った下手な歌を、楽しげに。 「ウェイウェイウェーイwww僕らにどんな世界がwww 道無き道の先に待ってる 声なき声はこのまま どこにも届かずに消えてゆくのーってかァwww」 いつも以上に、歌詞を無視しためちゃくちゃなもの。 完全にチャラ男に堕ちている――いや、果たしてそうか? チャラい笑い声が……少しずつ、減ってきてはいないか? 「忘れないww 昨日の、w、記憶ゥー ww 消せないw 今日の後悔も、ォー 投げ捨てw がむしゃらにwww明日を目指すwww 朝陽にwww 照らされた傷w 笑い合って―― ――終わることない旅を 続けよう」 駄目だ、と誰かが言った。 あれを最後まで詠唱させてはいけない、と。 ――偽原が、己が存在理由(REASON)を、取り戻してゆく! 「夜の風が 記憶を掻き乱すww 逃げ出せたはずwwなのにw 同じ場所w ひとりw……ゆらりw のらり くらり……w 月を眺めて 君は 救いを願う――のを、やめた」 歌が、擦り切れた。 「キコエルソノコエガ オモカゲヨミガエル」 偽原を覆っていたチャラ男粒子が、内側からのオーラによって弾け飛 ぶ。 「流出(アディルト)――」 ドウ! と緋色の奔流が天へと届く。 廃村も、山も、地表も、雲すら越え、成層圏までがファントムルージュに犯される。 そう。眼球投影など、たかだか通常の応用に過ぎない。 これこそが、原作の原画を取り込んだ偽原が得た、魔人としての最終形態。 ゆえに、その名を―― 「――《暗黒大陸編へ、続け緋色の幻影の最高潮》(ファントムルージュ・オンデマンド・クライマックス)!」 奔流が途切れる。 ……そこにいたのは、もはや偽原でも何でもなかった。 擦り切れた影。赤黒に覆われた、人間大の名状しがたきシルエット。 覆っていたギプスや包帯は吹き飛び、ジャンプ海苔のような緋色のベタに覆 い隠されている。 「うwwwwおえっ! ゲフォゴッフォwwww」 セニオはその姿を見た。ファントムルージュを見た気分になった。 今の偽原を見るだけで、全身に百億を超えるピコ剛力が走り抜ける。ワクチンが無ければ即死だっただろう。 もはや人のカタチも失いつつある偽原が、厳かに告げた。 「最後の上映(オンデマンド)――それは、俺自身がファントムルージュになることだ」 「……今までと変わってなくね?w」 「ファントムルージュ・クライシスはまだ終わっていない」無視された。「俺こそがファントムルージュ・クライシスだ。俺がファントムルージュとなり、そして俺が世界となり、そして世界はファントムルージュになる。それだけ だ。簡単な話だな」 能力名:ファントムルージュ・オンデマンド・クライマックス。 効力:自身のファントムルージュ化。 制約―― 「はwwちょwwおま、マジで!?ww頭おかしィー(↓)だろォー(↑)!ww」 「……気付いたか」 あまりにもおぞましいその制約。それは、能力名からもうかがい知れる。 「ああ、そうだ。俺はもはや――原作と映画の区別もつかん」 対策会議戦でも封印したこの能力を、それでも使うのは、彼の意地からだった。 ファントムルージュの化身たる彼を越えられる者がいれば世界は残り、そうでなければ滅ぶ。 彼は、倒されてもいいと、そう考えていた。 ケルベロス・ミツコなどお誂え向きだ。赤羽ハル でもいい。山田でもオーウェンでもこまねでも、なんならゾルテリアでさえ良かった。ファントムルージュを受けた上で耐えきることが出来る存在なら。 だが、 彼が求めた敵は、彼が求めた救いは、断じてこのような相手ではない。 チャラ男粒子? ファントムルージュ・ワクチン? ふざけるな。 信念も、因縁も、苦悩も正義も悪意も悲劇も悲哀も持たないチャラ男などに―― 「俺の上映(うんめい)を。失われた俺の家族(リソース)を。越えられてたまるものか……!」 「わっけわかんねえwwwwwま、でもオーケーオーケーアリっしょパネっしょwww言っとくけど今の俺、サイッキョーに気分アゲ☆アゲなんでそこんとこ分かってるゥー? ヤバげマズげ無茶ゲ? 分かっちゃってるウェーイオッサン?www『セット』、『スマート・ポスト・イット』!」セニオが二人に分かれ、「「『セット』、『ファントムルージュ・ワクチン』!!wwwww」」 瞬間、軽薄さ二倍、チャラさ四倍、ウザさ無限大の左右対称のチャラ男が顕現。 ――黄金のチャラ男粒子が、出力二倍で再動する。 「ウェーイ!wwwふたりはチャラキュア!wwww」「マジでマックスwwwwwハートすぎっしょwwww」「二人だから22倍盛り上がりまくりんぐwwww」「超ウケマジウケ激ウケワロワロwwwww」「ユーテソレナガチデウェーイオツカレイ!www」「チュリッステンションアゲアゲアリガトランスッフゥ~ウィッシュ!」 二人のセニオが、シンク ロめいて空へと浮かび上がる。 その軽薄さが、とうとう大気の比重を超えたのだ! 断食中のガンジーでもダッシュで徹飲みアゲアゲイッキするレベルの昂揚! 「……映画館では静かにしろ。基本マナーもなってない、親の顔が見てみたいな」 地を逝く緋色の幻影。 踏みしめた足元で大地が犯され触手が芽吹き、その触手すら極度のファントムルージュに晒され枯れていく。 まさに、製作(そうぞう)と上映(はかい)を司る万能の神が如き異様。 「ウェーイwwwwアゲテコーゼwww」「否。あがくな、上映を受け入れろ」 黄金と緋色が、衝突した――! 四. 張り巡らされた最高級編み糸が一瞬で換金され、 広々とした屋内レスト ランに澄んだ音を鳴り響かせて、無数の硬貨が降りしきる。 「まずい……!」 「ん?」 豪華客船の一角。 純白のクロスが敷かれた丸テーブル。その上に、逆さまに置かれたガラスのコップ。その上にきぃんと落ちて跳ね、奇跡的に側面で直立した十円玉。その上に片足立ちで着地した赤羽ハルが、急に動きを止めた対戦相手に眉をしかめた。 隙をつくべき場面だが、そこで相手に合わせてしまうのがこのお喋りな暗殺者だ。 「……あァ、おーおー、あっちも随分やらかしてるみたいだな?」 水平線の向こうで、緋色と金色の光が立ち昇っている。 当然、距離は途轍もなく離れている。だが、特に緋色の光が放つ、この距離からでも分かるおぞましい概念は、その正体を推 測するには十分すぎる。 「やはり、きみより先に、あちらのどちらかに当たるべきだった……!」 悔しげに唇を噛むのは、その対戦相手――今は恐らく弟のミツゴだろう。 赤羽ハルが、セニオとは違う中身の伴った軽薄な笑みを浮かべて、その台詞を揶揄する。 「悲しいねえ。そんなに俺の相手が嫌かい?」 「……三つの危惧がありました」 ミツゴは言う。世界の敵の敵。三つ首の地獄の番犬の嗅覚が捉えた『世界の敵』の予感を。 「一つは、同能力との衝突で、偽原が更に進化してしまう可能性。 もう一つは、黄樺地セニオが囚われて、偽原の尖兵となる可能性。 そして、もう一つの、想定すらしたくなかった最悪――」 水平線の向こうで、金色と緋色の 衝突が激しさを増す。 緋色は眼が痛くなるのに対し、その金色はどこか、見つめる焦点がぼやけるような。 「間違いない……人々を『理不尽な幸福』で襲う軽薄と浅薄と稀薄の化身。 放置すれば、すべての生命は目的意識も生存意志も失い、チャラさと言う名の刹那主義の果てに、世界は滅ぶ……あのペパーミントのアイスクリームと同じタイプの、世界の危機……」 「……話が見えねえなあ。あのチャラ男が、何だって?」 「つまり――」 DNA螺旋を描くように、それらは重なり、お互いを消し飛ばし合っている。 「……黄樺地セニオが、偽原光義以上の、世界の敵となる可能性」 ミツゴはその終結を、犬歯を剥き、背筋を震わせて、見据え続けている――。 ……なお、豪華客船戦の勝利SS次第ではこういった場面が挟まる余地もない可能性があるが、そこら辺は魔法の言葉パラレルでなんとかしてほしい。もちろん優先されるのはあちらのSSである。 ◆ ◆ チャラ男粒子の翼が、緋色の幻影によって根元から引き千切られる。 「まだ不思議な力、残ってるかセニオ?」 「ぐあああああああああ!」 セニオが絶叫を上げ、絶望と共にがくりと膝をつく。だが―― 「ウェイウェイウェーイ! ここは廃村! ここがHi-son! リズムにHigh村! ブンズーブンズーブンズーブンズー! ブンズーブンズーブンズズブンズー! ウェッウェッウェッウェウェッ、ウェーイwwwwサイキョーサイコー サイコーチョーのwwwwオレサマつまーり、キカバジ・セニーオ!www」 ――その背後から、別のセニオが、偽原めがけて黄金粒子を叩きつける! 「が……!? ぎ……」 「CHA-LA HEAD-CHA-LA! 何が起きてもー気分はへのへのカッパー! CHA-LA HEAD-CHA-LA! 頭カラッポの方がー夢詰め込めるー♪wwww CHA-LA HEAD-CHA-LA! えーがおーウェイウェーイウェーイー! CHA-LA HEAD-CHA-LA! ――チャーッラ! ヘッチャーラ!」 チャラ男特有の、適当にサビを繰り返すだけのうろ覚えヒトカラ! 「ぐ……げ……!」 「――CHA-LA HEAD-CHA-LA! CHA-LA HEAD-CHA-LA! CHA-LA HEAD-CHA-LA! むーねがーバーチバーチーするーほどーさわぐげーんーきーだまー――――――スwwパwwwーwwwクwwリwwwンwwwグwww」 「ごああああああああああああーーー!」 ふっ、と。 唐突に、全てが消えた。 ……緋色の幻影が尽きた瞬間、セニオの能力使用時間も過ぎたのだ。 しかし、ブレイクアウトの能力はウイルスの進化。創造ではない。 既に世界に広がったファントムルージュ・ワクチンは、少しずつその被害者を(副作用として一時的にチャラくしつつ)癒していくだろう。 残ったのは、地面にうつ伏せに倒れたくたびれた中年男と、 その背後で大きく息をつく、軽薄な青年。 二人の影が、廃村の夕焼けに長く照らし出された。 「……何故だ」 ヒュー、ヒュー、と、掠れた呼吸音を上げながら、偽原が問う。 「どうして、お前が、こんなに強い……何も持っていないはずの、お前が……」 「ウェ……wー、……wー、……wー……ん?wああ、あーwww」 セニオは夕焼けを見上げると、ふと掌を、太陽に透かす。 ――その身体は、末端部分が無数の“w”に還元され、消えかけていた。 《パレット》を使った代償。一瞬でも『真剣』を理解してしまった弊害。 セニオがただのチャラ男ならば、普通にチャラ男でなくなるだけだ。 だが……チャラ男の概念存在である彼がチャラ男でなくなるということは、イコールでその存在の崩壊 、消滅を意味する。それでなくとも『パンデミック』の制約は永続戦線離脱なのだ。 現在のセニオは、取り込んだチャラ男粒子の残滓によって、かろうじてチャラ性を保てているに過ぎない。それも、もって、あと数日だろう。 だが、最終戦までは持つ。「……なら、別にそれでいーんじゃね?w」と、彼はチャラ男ストラの名の下、いつものようにその絶望の理解を放棄した。 「つーかwww逆っしょwwwアンタが真面目すぎウケるwww」 「な……まだ、お前はそうやって茶化す気か……!」 「ノットノットwww怒るなってwww真面目な話ィーwwwうぇwwwだってホラ、ゲンサクのソンチョーってタイセーツじゃぁーん?www」 「……なに、原作……?」 「でぅあーから すぁーwww働き過ぎなんだよ、アンタはさwww」 セニオは言う。あの映画の、元となった作品の作者のことを思い出して。 チャラ男としての一時的ブームとはいえ――彼も、あの漫画が好きだったのだ。 「そろそろさw――休載しても、良い頃っしょwJKw」 偽原は、その言葉に唖然とし、 「……は」 思わずと言った様子で、小さな笑い声を漏らした。 「く……そうか。そうなのか」 「ソーダッテダッテェーwwwwオレのダチ言ってたもんよーwwwアレの休載はフゼーだってよwwwウゼーwwwワロスwwww」 「くく……チャラ男が、ふ……上手い事を」 「でしょでしょでっしょーんwwwwつーかアイツの怠慢でこうなったんだしwww」 「く、はは……ははは。そうか。休んで、良いのか。ははは……は……」 偽原は笑った。セニオの能力でも何でもなく、ただ純粋に笑い続けた。 それは、彼がかの悪夢に魅入られてから初めての――しょうもない理由で浮かべた、呆れたような、軽薄な笑みだった。 ◆ ◆ ザ・キングオブトワイライト第三回戦。偽原光義VS黄樺地セニオ。 開始二時間三十分。決着。 【巻き込まれた偽原対策会議の面々】雨竜院雨弓、姫将軍ハレル&参謀喋刀アメちゃん、遠藤終赤、偽名探偵こまね、山田、オーウェン・ハワード ――ファントムルージュ汚染は完全浄化。ただし、一部はチャラ化の際の黒歴史が残る。 【黄金色のチャラ男の王】黄樺地セニオ ――勝利。最終戦へと駒を進めるが、後遺症により能力は大きく弱体化し、その存在自体も崩壊しつつある。 【サバンナの緋き幻影】偽原光義 ――作者都合により、救済。 このページのトップに戻る|トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/ginreirap/pages/37.html
先行二等兵 後攻みーる みーるを潰す。堂々タイマン ここで俺の言語論争開幕 お前に負ける気、毛頭ないから お前の次のバースで分かる論争か否か ただの口喧嘩じゃなく論争 それをまず見せていきたい お前はここで負けてoh noと謳う 初戦、俺の勝ち、堂々論破 堂々論破とかまだしてないのに言ってるバカがいる 二等兵の韻のための言葉に無いようだ信憑性や希少性 俺ならお前も一言で黙らす始皇帝レベル まるで思考停止しちまうような言葉の数々にあんたの自己顕示欲も無きものになるだろう 泣き言よりも浴びせる罵詈雑言 俺相当ヤベェスキルであんたと そう遠く無いところまで来たぞ 信憑性や希少性も俺から出た言葉だから関係ないんよ んで駄文連ねてるけどなんて書きたいの? 文の方向性がわからないよ?始皇帝は思考停止のための意味のない言葉繋ぎじゃないの? 一文で矛盾するその駄文 俺ならば始皇帝?いやその上もっと高く このバース、トークし束ねる みーるは俺に近づくも落ちる遠く下まで 始皇帝はお前よりも上の存在って事を気づかせるための言葉 理解できないって子供か? さすが現代っ子、俺は昔ながらの武士だ、pushyも見てる 黒い雲、雨に落雷 風にさすらい歩く現代の侍 韻の刀掴んだならば危ない 近づくならば注意しな扱い 邪魔くさい下手な悪態つく奴ぁ何人いたりともやむない 捨てなjackknife そう甘くはない 悪いが切れ味なら数百倍 うん、その後半のバースは韻を踏みたいがための意味のない言葉じゃないの? 過去の自分が仇となり今を迎え 意味の無いような韻など踏ません 始皇帝が凄くてもお前は始皇帝じゃないし 過去の人でマウント?ダサいわ。韻も低価格品。 他人の功績で自分を強く見せる? そこがWACKの所以だよ 「韻も定価各品」この言葉後半のバースに言ったのかな? つまり二等兵くんはキングギドラの韻をバカにしているんだねw 後半のバースはギドラのサンプリングだもんw 分かって無くて皆が崇めてきた人の韻を定価各品って言っちゃったwww なさるぎる音楽性、それじゃ辿り着けない合格点 論争杯なら自分で勘違いして論争で負けに行ったこいつと、 罠を張り巡らした俺どっちの勝ちか分かるよな 二等兵3票 みーる2票 勝者二等兵
https://w.atwiki.jp/dangerousss4/pages/302.html
準決勝戦SS・ショッピングモールその2 あらゆる盾を決して貫けない矛と、あらゆる矛に必ず貫かれてしまう盾。 ――最弱の矛と、最弱の盾がぶつかったとき。 勝つのは、果たしてどちらだろうか。 * * * ○Side:Mr.Champ バンダナを頭に巻きつけ、コスチュームを身にまとう。 それだけだ。 それだけで、彼は、ただの男ではなくなる。 (決して、これは特別な戦いではない) かつて、決闘が神聖なる儀式とされた時代があった。 人間ではない、何か別の存在の依り代として戦う者。 そのように名付けられた時代があった。 (迷宮時計がかかっていても、やるべきことは同じ) いま感じているのは、高揚、緊張、そして微かな不安と、同じだけの期待。 プロレスラー、ミスター・チャンプの精神と肉体は、いまがまさに全盛であった。 控え室の代わりとなったガレージの暗がりで、ミスター・チャンプの筋肉は、 うっすらと輝いているようにも見えた。 (いつも同じだ。最高の戦いを魅せる。吾輩を信じる誰かに。 いるかどうかもわからない、誰かに) ミスター・チャンプは息吹を吐く。 最後に愛用の竹刀を握り締め、それをもって戦いの準備完了とした。 その間もガレージの外からは、彼の名を呼ぶ声が響いている。 「ウィー・アー・チャンプ!」 「ウィー・アー・チャンプ!」 「ウィー・アー・チャンプ!」 「ウィーーー・アーーーー・チャンプ!」 入場を待っているのだ。 すでにショッピングモールの大通りには特設のリングが設置され、 王者と、挑戦者との戦いが準備されていた。 すべては、彼が所属するプロレスリング団体「代々木ドワーフ採掘団」が、 この異世界で整えてくれた設備であった。 手伝ってくれたファンもいた。 (期待には応える。それが、) それが、彼の信ずる彼自身。ミスター・チャンプである。 ゆっくりと大股で、ミスター・チャンプは外へ続くドアへと向かう。 ――そして、ドアを開けたとき、彼は声援によって迎えられた。 それを受け取め、周囲を見回し、ほとんど同時に彼は目を見開いた。 違和感が、あった。 『さあああーーーーッ、ミスター・チャンプ! 王者の登場です! この風格ッ、溢れんばかりのカリスマ! 金髪が風になびく! まさにショッピングモールに舞い降りたライオンのごとし!』 実況の青年が、マイクを片手に声を張り上げている。 観客が、ミスター・チャンプのファンが、それに歓声で応じる。 『これからはじまるのは、魔人同士の真剣勝負! ――いえ、そんな言葉も生ぬるゥ~~~~いッ!』 実況の青年は、全身を震わせるようにして、声を響かせた。 『――そう、これからはじまるのは! 絶対王者、ミスター・チャンプによる残虐処刑ショーだッ! あの卑劣な糸目の神父を、愛の拳でグチャグチャに撲殺してくれーーーッ! あなたは我々の希望ッ! 正義の化身だから殺人も許されるのですよォォーーーッ! ねぇぇぇ~~~っみなさぁぁぁ~~~~ん!!!』 マイクが天に突き上げられる。 観客はこれから始まる正義の残虐殺害ショーへの期待に、感極まった歓声をあげた。 「そうですよぉ~~~っチャンプ様ぁぁぁ~~~ッ!」 「殺せ! 殺してくださいぃぃ~~っ!」 「正義の残虐処刑で殺せ~~っ! 俺の病気の娘のためにぃ~~~っ!」 「ヒヒャーーーッ! そして世界を支配するのです、チャンプ様ぁ~~~っ!!!」 ショッピングモール全体が揺れるほどの、大歓声である。 この観客のすべてが、いまはミスター・チャンプの味方であった。 何もかもが、いつもどおり。 観客を味方につける、いつもの彼の試合――、いや。 (これは) ミスター・チャンプは違和感の正体に気づいた。 あまりにも濃厚な違和感。 (吾輩のファンが) ――違和感の正体。 それは、そこに集まったファンの顔がことごとく、 ピエロのように――奇怪な白塗りのメイキングを施されていたことだった。 実況も、解説役も、例外ではない。 道化のような衣装に身を包み、キヒャキヒャと笑いながら、 ミスター・チャンプを応援しているのだった。 だが、ピエロのようなメイキングを施していてもわかる。 ミスター・チャンプがファンの顔を忘れようはずもない。 その中の大半は、確実にミスター・チャンプの知る、彼の実際のファン達である。 (――つまり、これは催眠術。精神操作の類か? 皆を操って――吾輩に、より圧倒的な声援を送らせるために?) なぜそのようなことを、と、彼は問わない。 ミスター・チャンプは知っていた。 此度の対戦相手が、そのような手管を得意とする男――『糸目』、綾島聖であることを。 それはプロレス界に伝わる、半ば伝説の存在。 幾万の負け試合に現れ、必ず敗北を得ることのできる者たち。 彼らの存在そのものが、ヒール――すなわち悪役であると。 己が敗けるためには、無意味かつ逆効果な行動ですら、『糸目』は選択する。 特に、五円玉と違法ハーブを使った催眠術は、彼らの常套手段だ。 『糸目』には、心の底の願望を増幅させ、引き出す催眠術があると聞く。 それは術を受ける者自身の望みだからこそ、抗うことは困難を極める。 彼らに共通して潜む望み――、『ミスター・チャンプを応援したい』という欲望。 それを思う様に引き出し、増幅させる。 ファンたちにとって、それはあまりにも甘美な誘惑であり、たまらない快楽であった。 (綾島聖。『糸目』の男か) ミスター・チャンプは、すでにリングの上で待機している男に一瞥をくれた。 神父服に身を包み、いかにも温厚そうな笑みを浮かべた男。 (逆鱗に触れたな) ミスター・チャンプは、いつものファンサービスを兼ねたパフォーマンスをしなかった。 獅子のごとき足取りで、悠然とリングへ向かう。 彼は自分の中で、深く静かに戦意が高まってくることを感じた。 竹刀を握り、また少し緩める。 全身の筋肉が、戦いの予感に震えていた。 (単なるベビーフェイスの戦いは、してやれないぞ) ミスター・チャンプが、怒っている。 * * * ○Side:They are 『さあ、ついに始まりました運命の一戦! ミスター・チャンプの華麗なる死刑執行ショーのお時間! 実況はこの私ィ! 塩谷と!』 『解説の芝内でお送りします。よろしくお願いします』 『早速ですが芝内さん、この勝負、どのような展開となりますかねェ……? ミスター・チャンプの竹刀が、あの悪辣下劣な綾島聖の 内臓をかき回してグチャグチャと抉りとるのは何時でしょうか?』 『いえ、塩谷さん。ミスター・チャンプの神々しき正義の鉄槌があれば、 もはや竹刀を使うまでもありませんねェ。 素手で綾島さんの頭蓋骨に穴を開けェ……、ストローで! フ、フヒュッ! グヂュルグヂュルと啜り上げてしまうでしょう!』 『それはそれは楽しみ……いえ、恐ろしいですねェ……ケヒッ。 はやくあの神父様には、絶望の悲鳴をあげていただきたいものですゥ…… 私たちはとても待ちきれませんよぉぉぉ……ウ、ウフッ! ウヒュヒュフヒュッ!』 * * * ○Side:The Goonies ――とある都会の片隅。 薄暗いバーに、数人の男たちが集まり、グラスを傾けている。 今夜の店内に他の客の姿はない。 彼らだけが中央のテーブルを占拠していた。 そこに集まる者は、いったい何者だろうか。 わかるのは、彼らがチンピラか、あるいは浮浪者同然の身なりをしていること。 いずれ後ろ暗い、裏稼業に手を染めているであろうこと。 それだけであった。 いま、彼らの視線は、店の奥にある古ぼけたテレビに注がれていた。 そこにはリングにあがるミスター・チャンプと、綾島聖の姿がある。 「……おい。始まったか?」 「前フリが長いな。寝ちまうところだった」 「それは、プロレスだからでしょう」 会話が途切れる。 彼らは無言で酒を呷る。 「で、どっちの勝ちに賭ける?」 「チャンプ」 「ミスター・チャンプ様だ」 「ミスター・チャンプです」 誰かが鼻で笑う。 「賭けにならねえぞ。誰かクソ島に賭けろ」 「死んでも嫌だね。勝ち目が無い」 「オレなんてチャンプのために、サクラの観客を10人も雇ったんだ。 いざってときには拳銃で応援してやるぜ」 「ぼくはダンプカーの運転手に待機してもらってるよ。 綾島が路上に逃げたら、交通事故で死んでもらいたいからね」 「私は命知らずの殺し屋を。 毒ナイフを持たせて、ギャラリーに紛れ込ませてます」 くぐもった笑い声があがる。 そしてまた少しの沈黙。 「――しかし、チャンプの野郎、なんだ? 仕掛けないのか?」 「リングに上がったのはいいが、睨み合ってるだけだね」 「さっさと綾島を殺せよ」 テレビの映像は、間合いを計る二人の姿だけを映している。 ミスター・チャンプは竹刀を正眼につけ、やや半身になった構えを。 綾島聖は、両手を後ろで組み、穏やかに立つ構えを。 形も理念も異なれど、それは彼らにとって、基本中の基本。 もっともオーソドックスな構えの型であった。 「つまんねえぞ。クソチャンプ! いますぐ綾島の頭蓋骨をブチ割れ!」 「そうだ、殺せ! お前はチャンプだろ!」 「っつうか、なんで動かないんだよ?」 「――それは、お互いの戦い方のせいだな。特にチャンプの」 不意に、カウンターの奥から声がした。 「ミスター・チャンプの格闘術は、鹿島神流がベースだ。 構えを見てみろ。 腰が高い。プロレスの構えらしくない。 普通のレスラーなら、腰をもう少し落として前傾姿勢をとる」 煙草の煙を吐き出す、かすかな呼吸音。 「あれはむしろ、古流剣術の構えだ。 飛び込んで太刀技の一撃、あるいはそこからの投げ技。 チャンプにとっては、それが理想形だろうよ」 店内の視線は、いまやテレビではなくカウンターの奥の男に注がれていた。 その男は淡々と、念仏でも呟くように続ける。 「一方で、綾島の『糸目』の格闘技術で最も危険なのが、関節技だ。 自分の知らない、思わぬ技法があるかもしれない――と」 一瞬、誰かのグラスの中を、氷が転がる音が響いた。 「そう考えるなら、迂闊には至近距離の攻防には踏み切れない」 「ふうん。マスター、格闘技やったことあるの?」 答えはない。 代わりに、店内の客どもを嘲笑うように喉が鳴った。 「――さて、臆病者どもが賭けないなら、俺が賭けよう」 何枚かの紙幣が、マスターの手でカウンターに突き出される。 「綾島聖の勝利に」 「マジかよ! おい、馬鹿が釣れたぞ」 「今日は店長の奢りだな!」 薄暗く、冴えない男たちの蠢く店内にも、歓声が上がった。 テレビの映像に動きがあったのは、そのときだった。 * * * ○Side:Mr.Champ 「ミスター・チャンプ。 どうか、私の話をお聞きいただけませんか」 その男、綾島聖は、和やかに語りながらリング上を歩く。 ミスター・チャンプを中心として、ゆっくりと。 円を描くように。 「私は決してあなたとの戦いを望みません。 人と人同士が殺し合う。そんなことは馬鹿げています。 すでに前途ある多くの命が、迷宮時計によって潰えました――悲しいことです」 そうして、綾島聖はにっこりと、暖かな太陽のように微笑む。 「ですが、私たち二人で手を取り合えば、 これから先の悲劇を阻止できるでしょう。ミスター・チャンプ」 微笑みながら、神父は右手を差し出す。 「どうか私と共に、この悪夢を食い止めましょう!」 力強い言葉であった。 一片のやましさも感じられない、誠意そのものの言葉。 だが、ミスター・チャンプはただ強く―― じわりと、竹刀の握りを改めることで答えた。 「『糸目』の男――綾島聖よ。 吾輩のファンに何をした?」 「私は、何も」 綾島聖は、穏やかに首を振る。 「ただ、少しだけ、彼らの手助けをしてあげただけです。 彼らは、ミスター・チャンプ――あなたを応援することが、 望みだったようですからね」 そうして、綾島聖の笑みは深くなる。 「私は、人の望みを叶えるのが大好きなんですよ。 誰かの役に立つことが、ただ純粋に嬉しいのです」 「そうかね。なるほど。その矜持、よくわかった。 ――では、吾輩は」 ミスター・チャンプの四肢に、深く強い力がみなぎった。 その瞳は雷のようであった。 「貴様には、手加減はしてやれないぞ?」 言うが早いか、ミスター・チャンプが飛び込む。綾島聖の差し伸べた手を狙う。 先の先を奪う、出小手。 それはチャンプにとって、最速の太刀技。 鹿島神流の理念、『一ツの太刀』に叶った神速の一撃である。 「おやおや。それは残念――。残念で、残念でたまりませんんンン―― たまりませんからぁぁーーー、クヒュッ! 私も、悲しすぎて――」 綾島聖もまた、素早く攻撃に応じる。 差し伸べた右手の袖口に覗くは、金属質の光沢。 「悲しみの舞いを踊ってしまいますよぉぉぉーーーーッ! あなたの血飛沫と共にねェェェーーーシャァァァーーーッ!」 ――綾島聖が振るうは、『糸目』が最も得意とする武器の一つ。 毒ナイフと並んで、広く世に知られた武器。 すなわち、全長1メートルもの刃渡りを持つ、毒鉤爪であった! これほど長い鉤爪を自在に扱える者は少ないであろう。 竹刀と、鉤爪。 互いに得物を構えた両者が、リングの上で交錯する! 「喝ッ」 「邪ァヒャッッッ」 先手は、明らかにミスター・チャンプ。 鉤爪を構えた右手の、出小手を打つ。 「ヒャヒャヒャヒャヒャ! 無駄ァァァーーーですよぉぉぉーーーッ!」 綾島聖は、右手を強かに打たれてもなお、笑みを消さなかった。 左手。 そちらの袖口からも、金属の鋭い音を響かせて、爪が飛び出す。 「どうですかぁぁぁぁ~~~? チャンプさぁぁ~~~~んんん! 両手に1メートルを超える鉤爪! 私の武器は二本であなたは一本! 戦力差は二倍、いや! 塗られた麻痺毒でそれ以上! たぶん三倍!」 綾島は、邪悪なる左の鉤爪を高く掲げた。 それはまるで、己の武器を自慢するように。 「ほぉ~~らぁぁぁぁ! 左右交互に迫り来る殺人毒爪攻撃ぃぃぃーーー! 避け切った者は、いままで誰ひとりぶひゅっ!!!???」 綾島の無用かつ冗長な説明は、唐突に悲鳴に変わった。 小手を打ち、右の鉤爪を弾いた竹刀。 その切っ先が反動で跳ね上がり、間髪入れずに綾島の鼻先を突いたのである。 ――攻防一体。 受けの一打がそのまま攻撃になる。 鹿島神流の挙動を、基礎から体得しているが故の、神速の動きであった。 「お、おのれぇぇぇぇ~~っ!」 綾島聖は、鼻から血を噴き出しながら、なおも攻撃の手を止めなかった。 左の鉤爪を振り下ろす。 「よくも私の美しい顔にィィィィキズをぉぉぉヒャっっ!?」 再び短い悲鳴があがる。 それもまた、一瞬の交錯であった。 綾島聖は、左の鉤爪でチャンプの頚動脈を美しく引き裂こうとした。 瞬間、チャンプは竹刀でその鉤爪の刃を受け、そらし、 同時に小さく鋭く体をひねる。 「フン!」 鉤爪を受けた箇所を支点に、竹刀の柄側をぶつける。 つまり、それは剣術における『柄当て』。 主に至近距離、鍔迫り合いで放たれる、柄による殴打である。 竹刀の柄は火花のように苛烈に、綾島聖の顎を打ち抜いた。 あるいは脳震盪を起こしたのだろうか。 綾島聖の体が傾く。 その機を逃すミスター・チャンプではない。 『そうだーーーーッ! ミスター・チャンプ! 殺れ! 殺れ! 殺れ! 殺れェーーーーッ!』 実況の青年が、歓喜に打ち震えながら叫んでいる。 『チャンプ様ァーーーッ! その正義の鉄槌で、卑劣な凶器使いのクソ神父をお殺しになってくださいッ! あなたに殺される生贄の血がァァァァ見たァァァイィィィィーーーッ!』 その過剰な殺意を煽る実況に、ミスター・チャンプは戦意を高める。 すっかり歪んでしまった。 彼のファンが。彼が、その戦いを魅せるべき者が。 (許すことは、できない。 吾輩もまだまだ未熟だな) チャンプは素早く左手を伸ばし、綾島聖の体を、股からすくい上げるようにして浮かす。 彼の筋力ならば、いとも容易く持ち上がる。 それは、ごくシンプルでありながら、高い破壊力を持つレスリングの投げ技。 『さあァァァァーーッ! ミスター・チャンプ! いとも容易く抱え上げ、死刑執行の準備ィィイイ完了ゥゥゥオオオオォ!』 残虐な殺戮劇の期待に、実況の声が高まる。 ギャラリーたちの熱狂も膨張し、「殺せ」コールが響き渡る。 『そのまま、正義の殺人投げで殺してしまえェェァァァァアアーーーッ! 頭をカチ割って、脳漿ぶちまけ死ィィヒャァァァーーーーーッ!』 この技の名を、ワンハンド・ボディスラムという。 相手の股間から手を差し伸べて持ち上げ、通常は背面から落とす。 だが未熟な者が放てば、相手に頚椎骨折すら起こし得る、十分な威力を持つ投げ技である。 (いいか、綾島聖。 このボディスラムは最初の一撃にすぎない。 だが、思い知るがいい――) ミスター・チャンプは、もとより綾島に受身をとらせるつもりなどない。 容赦なく、首を竹刀の柄でホールドして頭から落とす。 鍔迫り合いから、肘打ちではなく柄当てを選んだのは、このためだ。 チャンプらしからぬ、ラフなファイト・スタイル。 (吾輩は激怒しているのだ、綾島聖!) 憤怒のチャンプが、ベビーフェイスではない、本気の戦いを発揮していた。 それはチャンプがスラム街で生き延びていた頃の、修羅の形相である。 * * * ○Side:The Goonies 「よし!」 「やった!」 「頭蓋骨ブチ割ったか!? おい!?」 薄暗いバーの店内で、数人の冴えない男たちが快哉を叫ぶ。 ミスター・チャンプの激しい戦いは、彼らのような裏ぶれた男たちにまで、 確かに何らかの熱を伝えていた。 「理想的な形で入ったな」 カウンターの奥では、マスターが酒を注いでいる。 琥珀色の液体がグラスの底に溜まっていく。 「あの出小手の速度は、いくら反射神経を強化しても避けられんだろう。 さらに柄当てによる脳震盪で動きを止め、投げ技。 ――そしてすぐ離れる。『糸目』の関節技を掛けられる隙もない」 テレビのモニターでは、飛び離れたミスター・チャンプが、 再び竹刀を構え直す姿が映っている。 それに対するは、カマドウマのごとく跳ね起きた綾島聖である。 何か意味不明な奇声を叫び、大ぶりの鉤爪を振り回す。 無論、それはチャンプの竹刀によって簡単に捌かれている。 今度は強烈な蹴り上げで、鉤爪の刃をへし折られた。 毒塗りらしき刃が宙を舞い、リングに突き刺さる。 「やはりな」 マスターはため息をついた。 「あの鉤爪は、俺が調達してやったんだ。 完全に無駄だったな。 一回戦の羽白も、二回戦の蒿雀ナキも一切空も、 接近すれば一撃で殺される可能性があったから、使うことさえできなかった」 「あいつ馬鹿だぜ」 誰かがせせら笑った。 「勝てるわけねーだろ、クソ島の野郎。 ここんとこ調子乗ってたからな! 一回死ね!」 「あいつの肉体強化は? まだ使ってないのか?」 「とっくに使ってますよ、きっと。 でなければ、いまので死んでますね」 「ウィー・アー・チャンプだッ、ザマァ見ろ! 店長、今日は死ぬほど飲ませてもらうぜ!」 「――どうかな? 綾島聖が、『糸目』で最低の落ちこぼれと言われる理由は」 バカ笑いをあげる客たちを、マスターは面倒そうな目で見た。 「第一に、『うっかり』。 卓抜した敗北の技術体系である『糸目』を、 恐るべき不注意力によって逆用してしまうということだ。 しかし、この状況では――」 テレビのスピーカーから、狂ったような歓声があがる。 『殺せ!』 『殺せ!』 『俺の病気の娘を治すために殺せッ!』 『そいつをブチ殺せば、ぼくも勇気を出して 心臓の手術を受けて差し上げますよぉーッ!』 ピエロのメイクを施した観客が、ヨダレを垂らして綾島聖の死を願っていた。 「『うっかり』する暇もない。ミスター・チャンプの技術体系は完璧だな。 漬け込むとすれば、この過剰に攻撃的なチャンプのスタイルだが」 モニターの映像では、ミスター・チャンプは綾島聖を 竹刀による右首横薙でロープまで吹き飛ばしていた。 反動で戻ってくる神父の頭部を掴み、膝蹴りを入れる。 そうして、綾島には崩れ落ちることすら許さない。 頭部を掴んだまま、次の打撃を加えようとする。 その姿は、まさにベビーフェイスの仮面をかなぐりすてた野獣であった。 雄叫びをあげるミスター・チャンプを眺め、 マスターはカウンターに頬杖をつく。 「――そう、上手くはいかないか。 さすがにチャンプは、ファンからの人気も、精神面も超一流だ」 『――チャンプッ!』 テレビには、一人の少年が映し出されていた。 彼は、顔にピエロのメイクを施していない。 催眠術にかかっていない者も、いたのだ。 * * * ○Side:A boy 「――チャンプッ!」 少年は、声を限りに叫んだ。 「駄目だ、ミスター・チャンプが!」 殺意と血に熱狂した観客の中で、どういう理由であろうか。 少年の声は、なぜか、ひどく澄み渡ってよく響いた。 「ミスター・チャンプが、そんな戦い方なんて、絶対に! 絶対に駄目です!」 彼は名も無き一人のファンであったのだろう。 他の観客からは、そうとしか思えなかった。 それは冷たい事実であった。 しかし、ミスター・チャンプにとっては違う。 彼にとっては、すべてのファンが『特別』である。 その少年の顔を、泣きながら叫ぶ少年を、忘れるはずもない。 一回戦で、彼と斎藤一女の戦いを見届けた、あの少年である! 「ミスター・チャンプはッ!」 少年はもう一度、観客の熱狂を吹き飛ばすように叫ぶ。 そして、片手にはスマートフォン。 「ぼくらの、ヒーローなんですッ! 全国のみんなが! いえ、ここにいない誰かが! 『代々木ドワーフ採掘団』のみんなが! チャンプの――この戦いを見てる! だから!」 少年の手にあるスマートフォンの画面は、遠すぎてとても読めない。 しかしそこには、彼のライバルであり、友人であり、師である者たちの言葉があること。 その言葉たちが彼を叱咤していることは、読まずともわかった。 『何をやっているんだ、ボーイ』 『しっかりしなさい。あなたをみんなが見ています』 『阿呆が』 『何があっても、あなたはあなたのままで。応援しています』 ――他の誰がわからずとも、チャンプには、それがわかった。 「だから、チャンプはチャンプの戦いをしてください! いつもあなたが言っているように! ――ぼくたちだって、チャンプなんですから!」 ミスター・チャンプは目を見開いた。 直前まで、糸のように細められつつあった目を。 * * * ○Side:Mr.Champ ミスター・チャンプは目を覚ました。 そんなことに、気づかされるとは。 ファンは己を写す鏡である。 常々、そのように意識してきたではないか。 (――ならば) チャンプは、綾島聖の頭を離した。 (吾輩がやるべきことは、憤怒に任せての攻撃ではない) 綾島は崩れ落ちる前に、カマドウマのように跳ね、距離をとる。 いまだ、俊敏な動きを保っている。 驚くべきタフネスであった。 「ヒヒャァァァーーーッ! 愚かな人ですねェ……キヒッ! この私に反撃の機会を与えるとはァァァーーーーッッ!」 もはや綾島に鉤爪はない。両方とも折れている。 しかし彼は無意味な自信に溢れ、小刻みな飛び跳ねを始めた。 だが、ミスター・チャンプの目には、その姿はもう映っていない。 「――少年」 ミスター・チャンプは、少年を振り返る。 「感謝するぞ。吾輩は――諸君は、チャンプだ。 ミスター・チャンプだ。それを思い出させてくれた」 「あ、あのっ!」 少年は声を思いきり身をのけぞらせる。 声が震えていた。顔はすっかり赤い。 「な、な、生意気なこと言って、すみませんでした!」 「そんなことはないぞ」 ミスター・チャンプは、不敵に笑う。 「吾輩がやるべきことを、思い出させてくれた」 「おやおやァ……ミスター・チャンプさぁぁぁぁ~~~ん……? よそ見はいけませんねェーーーーーーーッ!」 綾島聖が、空気を読まずに飛び跳ねる。 ミスター・チャンプの背後に回り、襲いかかってくる。 「リングの上があなたの墓標ですよォォォーーーッ! 背中がガラ空きでお命頂戴ィィーーーッ! すばらしいレクイエムの悲鳴をあげェヒャァァァギィィィッ!!???」 「すまぬが、綾島聖。『糸目』の男よ」 ミスター・チャンプは、綾島聖の禍々しい右の貫手を、 柔らかく竹刀の鍔元で制していた。 「貴様の望み通りの敗北はさせてやれんぞ? これは、吾輩の――吾輩たちの試合であるからな!」 そして、必殺・必勝の一撃が突き刺さる。 「さあッッッ!!! とくと見ろ、諸君ッッッ!!!」 それは、彼にとっていつもの一撃。 チャンプの胸には、確かに聞こえた。 ケヒャケヒャと殺戮を待ちわびるファンたちの、真の心の声が。 だから、打てる。 だから、戦える。 いつでも、いくらでも、どんな状況にあっても! ( ( ( ( (ウィー!) ) ) ) ) ミスター・チャンプの右(踏込胴薙)! ( ( ( ( (アー!!) ) ) ) ) 左(跳込逆胴)!! ( ( ( ( (チャンプ!!!) ) ) ) ) 右アッパー!!! 綾島聖の体は、大きく吹き飛んだ。 そして、リングから飛び出し、路上に落下する。 ぐしゃり、と嫌な音が響いた。 その瞬間、チャンプの肉体は夕日を受け、黄金色に輝いていた。 その光は、ひとりひとりに語りかけた。 (ワ レ ワ レ ハ) (チ ャ ン プ ダ) * * * ○Side:They are ――その瞬間のことを、あるファンのひとりは述懐する。 「なにか、悪い夢を見ていたようでした」 「ミスター・チャンプが、綾島聖という男をブチ殺す。 私たちはそれを応援する。 なぜならば、それは正義の処刑。 悪は正義のヒーローによって、惨たらしく惨殺されるもの――」 「あのときは、そう思い込んでいたんです」 「でも、チャンプがあのコンビネーションを繰り出してくれたとき、 なんだか目が覚めたみたいで――嘘だと思うかもしれませんが」 「チャンプの筋肉が、金色に輝いていたんです。 そして、私たちに語りかけてくれていた。 とても不思議な体験でした」 「彼ひとりが正義のヒーローなのではない。 私たちも、チャンプなんだと。正義のヒーローなんだと。 そう思ったら、私は、スゥッと気持ちが落ち着いて――」 「正気に戻ったといえば良いのでしょうか。 もちろんチャンプを応援する気持ちはそのままだったんですけど。 勝ってほしい気持ちは変わらなかったんですけど」 「ただ、相手の華麗なる残虐拷問死刑ショーを期待するのは、 どう考えてもおかしいなって」 「――え、このメイクですか?」 「ピエロのメイクですよね。 実は、あの時以来、すっかり気に入ってしまって」 「いまでは、ここ一番の仕事のときには、 必ずピエロメイクで挑むようにしているんですよ。あはは」 「あはは」 * * * ○Side:The Goonies 「よっし!」 「ウィーーー!」 「アアァァーーーー!」 「チャーーーンプ! ヘイヘーーーーーイ!」 「クソ島神父、死亡確定ィィーーーーイェーーーーー!」 薄暗いバーの店内。 薄汚れた阿呆のような男たちが、両手を振り上げ、飛び跳ねた。 ビールが飛び散り、ウィスキーがこぼれる。 「あれは決まったな! 死んだろ、クソ島め。 落ちこぼれのくせに、調子に乗りやがって」 「そろそろ正義の裁きが下ると思っていたんですよね」 「葬式やろうよ、盛大な葬式を! 今日はパーティーだ!」 店内に熱狂が広がる。 だが、それに冷たい水をかける声がある。 「――さあ、まだわからんぞ」 カウンターの奥で、マスターはなおも落ち着き払ったまま、 葉巻に火を点けていた。 「綾島聖を、最低最強の『糸目』たらしめているものは、 単なる『うっかり』だけじゃない。 むしろそれは副産物といってもいいだろう」 「負け惜しみはやめろよ、マスター」 「今日ばかりはぼくらの勝ちだね」 「――豹変」 マスターは、深く濃厚な煙を吐いた。 「『糸目』の真骨頂は『豹変』にある」 彼の言葉が進むにつれ、店内が静かになる。 熱狂が収束していく。 「温和な微笑みからの、残虐行為。 静から動への、一瞬の変化。テンションの激変。 それは、あたかも二重人格のようだとも言われる」 あれほど温厚で、優しかった神父様が。 あるいは、孤児たちを『家族』と呼んで慈しむ青年が。 あるいは、フラワーアレンジメントも得意な、喫茶店の女性店主が。 突如として『豹変』し、襲いかかるのが『糸目』の基礎中の基礎である。 「それは正解だ。『糸目』は多重人格を意図的に作る。 温厚な人格から、凶暴な人格へスイッチするために。 ――いままで綾島の人格は、どうだった?」 その場にいる誰もが、綾島聖の温和な笑みを思い浮かべた。 本性を現したあとも、口調だけはやたらと穏やかであった。 「綾島聖の意識が途絶えたとき、凶暴な人格が姿を現す」 まさしく、その通りであった。 テレビの中の綾島の体は、痙攣を始めていた。 「――いや。でも、それって」 客の誰かが、戸惑ったように呟いた。 「普段のクソ島と何が違うの??? 敬語を使ってるチンピラが、敬語を使わないチンピラになるだけだろ?」 「ああ」 店長はそれを認めた。 「恐らく、そのとおりだ」 * * * ○Side:Mr.Champ (――これは?) 割れんばかりの歓声の中で、ミスター・チャンプは警戒を解かなかった。 だから、その兆候を察知することができた。 『これはすごいーーーーーッ! なんだか悪い夢を見ていたような気がしますが、 さすがミスター・チャンプ! 綾島選手、吹き飛びましたァーーーッ!』 実況の声が響く。 綾島聖の体が痙攣する。 『ああっと!? これは綾島選手、まだ動いているぞーーーっ!?』 追撃に行くべきか。 一瞬、チャンプの脳裏をその選択肢がよぎった。 だが、ミスター・チャンプは、この『糸目』を相手にそのような戦いをするべきではない。 正々堂々と、起き上がってくる限り倒す。 何度でも。 「――ギ、ィィィギヒッ!」 綾島聖の喉の奥から、奇怪なうめき声が漏れる。 次の瞬間、その体が大きく痙攣したかと思うと、跳ね上がった。 立ち上がる。 「ミスタアァァァァ~~~~・チャンプゥゥ~~~~……! ふしゅるぅぅ……しゅるるるる……!」 口から蒸気のごとき息を吐く。 目は血走り、狂犬のごとき獰猛さがあった。 周囲のギャラリーからも、困惑と恐怖の声が上がる。 「よくもやってくれたなァァァ~~~? 矮小なる人間ごときがぁぁぁぁ~~~っ! クケェェェーーーーーーッ!」 綾島聖。 温厚な笑みを捨て去った神父は、憤怒の表情で両手を広げた。 その筋肉は、倒れる前よりもさらに大きく膨張し、 神父服を引きちぎってすらいた。 それにも増して、異様なのはその筋肉の色である。 赤黒く染まり、血管が浮き出て脈打っている。 「これぞ剛魔爆身……『堕天使』の形相ゥゥ……! この状態になった俺様は、生命力と引き換えに 限界以上の筋肉を引き出す……グ、グフッ! グフフッ! てめぇぇ~~~のついでに、人類すら滅ぼしてくれるわぁッ!」 汚れた笑い声。 そして、赤黒い筋肉が脈動する。 動き出す。 「さあぁぁぁ~~~、公開処刑パーティーのはじまりだぁぁぁぁぁ! 脳天かち割られて死ぃぃぃねぇぇぇぇぇ~~~~~ッ!」 「おう!」 ミスター・チャンプは、飛び込んでくる綾島を迎え撃つ。 胸を張る。 そこには、王者の威風があった。 「さすがだな。ヒールというものは、そうでなくては。 こい、糸目の――むぅッ!?」 綾島聖の飛び込みが、速い。 先程までとは段違いであった。 「さっきから、ゴチャゴチャうるせェーーーんだよォォォォ! クソボケがぁぁぁぁぁあああぁぁぁ!」 それもそのはず、先程までの綾島は、なぜか無意味に背後に回り込もうと。 あるいは、頭上から襲いかかるために飛び上がろうと。 わざわざ無駄な動きとともに接近してきたからだ。 今度は、直線距離であった。 (速い! 『糸目』の脚力、跳躍力をまともに使えば、これほどか。 だが――) ミスター・チャンプは、その速度に対応している。 彼の反応速度を凌駕するものではない。 「殺(シャァ)ァァァァァァーーーーーーッ!」 綾島聖の修羅のごとき形相が、一瞬のうちに迫る。 ミスター・チャンプは、焦ることなく竹刀を構えた。 正眼。 その構えから繰り出されるのは、神速の初太刀。 「覇ッ!」 出小手であった。 チャンプのそれは、反射のインパルスを超える、まさに必中の一打となる。 竹刀の切っ先が、鋭利な槍のように伸びた。 その瞬間。 「忌(キ)ィッヒャ!」 綾島の左手がゆらりと動き、竹刀の先端が標的を逸れた。 弾かれた、のではなく、逸らされた。 そんな感触があった。 (――ふむ、手首!) チャンプの目は、その瞬間を捉えている。 綾島聖は手首で竹刀の切っ先を受け、逸らしたのだ。 打たれる場所が『そこ』とわかっていれば、 いかに速度があろうとも、受けることは可能。 (だが) ミスター・チャンプはいささかも動じない。 竹刀を捌いたとしても、綾島がそのまま懐に飛び込んでくるのはわかっている。 だからこその迎撃。本命の一打である。 (掌底によるフックで、顎を打つ) そして、再びの必殺――ウィー・アー・チャンプの三連撃に繋げる。 何度でも打ち砕く。 接近してくる綾島聖を迎え撃つべく、チャンプは左手を振りかぶった。 ――だがその直後、ミスター・チャンプの膝を、強烈な痛みが襲っていた。 「ぬ……!?」 膝に力が入らない。体が傾く。 チャンプの脳裏に、いくつかの教えが去来する。 『理解不能の一撃を受けても、決して慌てるな』 『正中線を守れ』 『ガードを下げず、構えを解くな』 『胸から上さえ守れば、お前のタフネスを突破できる攻撃は存在しない』 だが、このダメージは、一体なぜだ―― 綾島聖は、まだ拳の間合いには―― (――蹴りか) ミスター・チャンプは辛うじて、その打ち終わりを見ることができた。 それは、プロレスラーが通常打たれることのない禁じ手。 近代剣道にとっても、古流剣術にとっても、鬼手とされる技。 ミスター・チャンプの意識の外にあった一撃。 ――膝関節を狙った、直蹴りであった。 (膝がやられたか) そう悟ったときはすでに、ミスター・チャンプは宙を舞っている自分に気づく。 視界が回転する。 「ぬぅぅ……!」 『ああーーーーっ!? 何が起こったんでしょうか!? 今度はミスター・チャンプが、大きく吹き飛ばされたァァァーーッ!?』 激しい驚愕を含んだ実況の声が、 アスファルトに叩きつけられるミスター・チャンプの耳に響いた。 * * * ○Side:The Goonies 「投げだな。 技法としては、かなり変則的だ」 薄暗い店内より、なお暗いカウンターの奥で、 マスターは物憂げに呟く。 「最初の関節への打撃は、対レスラーの策としては悪くない。 古流剣術相手としても、下段を攻めるのは王道だ」 店内は、静まり返っている。 客は鬼気迫る顔で、テレビを睨みつけている。 呪いの力で綾島聖を殺そうとしているようだった。 「――おい、店長」 「膝を破壊したあとは、八極拳の崩捶に似ている。 チャンプのガードが下がらなかったから、 そのまま太腿に拳を差し込んで、すくい上げて投げた。 金的が理想形だったが、チャンプのことだ。恐らくファールカップがあるからな」 「どうでもいいんだよ、そんなことは! おい! なんでクソ島にあんなことができるんだ!?」 「もともと『糸目』の技は、 あらゆる条件下での敗北のための技だろうが」 マスターは、客の憤懣を無視した。 付き合う義理はない、とでもいう態度であった。 「あらゆる敗北のための道を知るということは、 その逆を知るということでもある。 『糸目』はあらゆる格闘技を取り入れ、それを用いた敗北の技術を練り上げた」 「知るか! バカ! 俺たちの金はどうなる!」 「綾島聖の凶暴な人格は、温厚な人格よりもはるかに愚かだ。 というより、何も考えていない。相手をケヒャり殺すこと以外は。 ほとんど無意識の状態と言える」 マスターは、集まった客を馬鹿にするように笑った。 「つまり、『糸目』が集積した、あらゆる格闘技における敗北の方法を。 相手をぶち殺すため――勝利のために使ってしまうってことだ。 綾島聖が『糸目史上最低の落ちこぼれ』と言われる最大の理由が、これだ」 「ふざけんな! そんなもん許せるかっ、ぶっ殺す! おい、てめえら! チャンプ様を応援しろ!」 「とはいえ」 マスターはもはや笑いを抑えなかった。 「まともにやれば、フィジカルとテクニック、メンタルの差で 最後にはミスター・チャンプが勝ったはずだ。 綾島聖の肉体強化には、時間的な限界もあるからな。 ――だが、もう遅い」 「あ?」 「いま俺が、お前たちを焦らせることに成功した。 いいか。ミスター・チャンプが負けるんじゃない。 綾島聖が勝つのでもない」 マスターは、笑いながら客の顔を眺めた。 ――薄暗い店内に集まった客の顔には、よく見れば一つの共通点がある。 みな、一様に、『糸のように細い目』をしているということだ。 「『糸目』のクソ野郎ども! お前たちの仕掛ける策が、成功した試しがあったか? お前たちが賭け事にせよ何にせよ、勝負に勝ったことがあったか? あ? すでに応援してしまったんだろう――ミスター・チャンプを」 マスターはグラスを掲げる。 「乾杯だ! ミスター・チャンプは知るだろう。 自分がいったい誰を味方に回してしまったのかを」 * * * ○Side:Mr.Champ (――これだから) ミスター・チャンプは、アスファルトの上で仰向けに、 はるか高い空を見上げて思う。 もう、夜が近い。 太陽はショッピングモールの彼方へ沈みかけている。 (これだから、面白い。 好敵手というものは、常に思いがけなくやってくる) そうして、ゆっくりと身を起こす。 膝に手早くバンダナを巻きつける――恐らく、骨にヒビくらいは入っている。 それでも立ち上がれるのは、チャンプひとりで戦っているのではないからだ。 正面には、小刻みなフットワークで飛び跳ねる綾島聖。 チャンプは、ごきりと首を鳴らした。 「さあ、続けようではないか」 竹刀を握り直し、構える。 正眼ではなく、やや下段へ。警戒の構えだ。 綾島聖は、自分が知らない技の使い方を知っている。 それを組み合せて、最適手に導く方法を知っている。 そのことは、チャンプにとって新鮮な喜びであった。 「綾島聖! もうすでに、貴様も――我が好敵手(とも)だ!」 「う――るせぇぇぇぇぇぁぁぁぁヒヒヒャァァァーーーッ!」 むろん、綾島はチャンプの賞賛の言葉をまったく聞いていない。 小刻みに飛び跳ねながら、仕掛けの機会を測っている。 「てめぇぇぇぇをブチブチ殺して! 大腸小腸を仲良く蝶結びしてやるぜぇぇぇぇーーーっ!」 (まったく、面白い) このような相手に、気づかされることがあるとは。 ミスター・チャンプは、少し微笑んだ。 自分でもその笑みに気付かなかったであろう。 ――その、次の瞬間であった。 「ミスター・チャンプさまぁぁぁぁぁぁーーーーッ!」 綾島聖の背後から、見るからに邪悪なグルカナイフを振りかざし、 襲いかかる人影がある。 「神聖なるあなたの敵を、この! わたくしめが! ぶち殺して肉塊に変えてさしあげますぅぅぅーーーーッ!」 それは、ギャラリーに紛れていた暗殺者。 ミスター・チャンプの勝利を確実なものとするべく、 とある男が雇った殺しのプロである。 その殺し屋は、糸のように細い目をぎらつかせ、 綾島の背後から飛びかかっている。 恐らくはドラッグのオーバードーズで目の焦点は曖昧、 ろくに標的が見えているかも怪しい、そんな状態での一撃であった。 「――やめたまえッ! 余計なことを!」 ミスター・チャンプは一喝し、むしろ綾島を庇おうとした。 だがそれよりも、あまりにも勢いよく飛び出したために、 その暗殺者がつんのめって転ぶ方が早い。 「アヒャッ!? チャンプ様ぁっ!?」 結果として糸目の殺し屋は、派手に空中を回転しながら、 ミスター・チャンプの方向に飛んでくる。 「む」 ミスター・チャンプは体をひねり、横にステップアウトして回避する。 造作もない。 そこまでは。 直後、唐突にギャラリーの間から悲鳴があがった。 「――チャンプさまぁぁーーーーーっ! そのような雑魚よりも、わたくしめにお任せくださいぃぃぃーーーッ!」 それは見るからに邪悪な装飾を施した、ダンプカーであった。 鋭いトゲのついたバンパーが、夕日を浴びて真っ赤に輝いていた。 さらに激しいエンジン音。 ギャラリーを何人かひき殺しながら、突進してくるではないか。 その運転手の片手には、ウィスキーの瓶! 完全に飲酒運転である! 「この殺人串刺しダンプカーで、あなた様の敵を轢殺拷問ンンンーーーーッ! 見事仕留めたら、このわたくしめにぜひ褒美を……ひぃぃぃーーーッ!?」 ダンプカーの運転手は、糸のように細い目を見開いて驚愕した。 その刺付きバンパーは、暗殺者のナイフを回避したミスター・チャンプの、 着地を狙いすましたように飛び込む形になったからだ。 「む、ん!」 それでもチャンプは揺るがない。 両足を開き、腰を落とし、肩口からダンプカーを受け止める。 ――ごがっ! あまりにも激しい激突音。 しかしチャンプの逞しい巨体は、ダンプカーの衝撃を受け止め、さらに輝く。 ダンプカーの激突に押し込まれながらも、輝く。 レスリングシューズの踵がアスファルトに擦れ、長い焦げ跡を残す。 その距離、およそ5メートル。 たったそれだけで、チャンプはダンプカーの突進を止めた。 だが、その5メートルは、あまりに致命的であった。 「死ねや、クソ島ァァァーーーーッ!」 「調子乗ンな、調子乗ンな、調子乗ンなコラァァァァーーーッ!」 「正義のチャンプ様の銃弾で、ありがたく死ィィねぇぇぇぇッ!!!」 「ウィーーー!」 「アーーーー!」 「チャーーーーンプッッッッ!!!」 口汚い怒号。 飛び出してくる十人あまりの、糸のように細い目をした男たち。 そして、何発もの間抜けな銃声。 「むッ、――ん!」 ミスター・チャンプ。 ついにその喉から、苦悶の声があがった。 弾丸が、その鋼の筋肉に突き刺さる。 それはダンプカーを受け止め、綾島聖への射線を遮ってしまったが故の被弾。 本来は綾島を狙って放たれた、あまりにも稚拙な射撃技術による銃弾は、 ほとんどすべてがミスター・チャンプに着弾していた。 むろん、チャンプの肉体は並みの銃弾などは弾き返す。 しかしその銃弾は、綾島聖の強化された肉体を貫くべく用意された、 大口径のマグナムであった。 「「「「あ………」」」」 毒ナイフの糸目が、ダンプカーの糸目が、拳銃乱射の糸目たちが、 魂の抜けたような悲鳴をあげる。 「「「「あぎぎぎぎぃぃぃーーーーーーーーっ!?」」」」 その悲鳴は、瞬時にギャラリーにも伝染した。 「――まだだ!」 チャンプは、全身から血しぶきを散らして怒鳴った。 「吾輩はまだ立っている! 来い、我が好敵手(とも)よ! 吾輩の最高最大で――」 「うぅぅぅるせええええぇぇぇぇヒャァァァァーーーーッ!」 綾島聖は最後まで聞かなかった。 まったく聞く素振りさえなかった。 すでにチャンプへ肉薄していた綾島は、両手を伸ばした。 対するチャンプは、上段に竹刀を構える。 それは、彼が初めて見せた構え。 鹿島神流においては、無念無想による、一ツの太刀を至上とする。 いま、ミスター・チャンプは、その境地に達しようとしていた。 もはや、銃弾の一斉射撃で、自由に動くこともできない。 出血が多すぎる――動けるのは一瞬だろう。 ゆえに一撃。 肉を切らせて骨を断つ。 理想はカウンター。 相手の速度と威力を乗せて、打つ。 そのために、チャンプはあえて意識を静止させた。 ――だが、チャンプはこのとき失念していた。 『糸目』の技の中で、最も危険なのは何か。 「死ィヒャァ~~~ッ!」 ずるり、と、綾島の体が蛇のごとく踊った。 それは関節技。 チャンプの首に手をかけ、瞬時に絡みつく。 (打撃ではない。絞め技――) ミスター・チャンプは、相手の力を利用してのカウンターが 不可能となったことをを悟る。 (しかし、まだ) なぜ『糸目』の技において、関節技が最も危険とされるのか。 それは打撃技と異なり、技が繰り出されれば、回避が不可能なためである。 未熟な『糸目』の中には、うっかり技を強くかけすぎて、 相手を殺してしまうケースもある。 つまり、最も力加減を誤り、勝利してしまうことの多い技なのだ。 (フロント・チョークスリーパー……! ならばよし!) 首に巻き付かれながら、ミスター・チャンプはその技の正体に気づく。 強力かつ、単純な絞め技だ。 自分なら抜け方も知っている。 まだ手はある。 この絞めを外したとき、相手の態勢を崩すことができる。 そして『必殺』の一ツの太刀を放つ。 訪れる一瞬の好機を捉えるべく、チャンプは意識を集中する。 その視界が、百八十度回転した。 (――む?) 首から激痛。破壊音。 何かが、溢れ出していく。 ――つまり、『史上最低の糸目』綾島聖にとっては、関節技こそが必殺であった。 もとより、戦車を素手で解体するほどの、綾島聖の肉体強化である。 さらに限界を超えて強化された、『堕天使』の腕力ならば一瞬。 それだけで、頚椎を粉砕し、屈強な魔人を死に至らしめることができた。 (なぜだ) 最後に、チャンプは薄れゆく思念を滑らせた。 (この自分が、なぜ負ける) その答えは、恐らく彼には決してたどり着かない地点にあった。 よもや己の運命が、取るに足らない、 見ず知らずの有象無象のクズどもに左右されようとは――。 * * * あらゆる盾を決して貫けない矛と、あらゆる矛に必ず貫かれてしまう盾。 ――最弱の矛と、最弱の盾がぶつかったとき。 勝つのは、果たしてどちらだろうか。 その答えは神のみぞ知る。 しかし、確かなことがひとつだけある。 他人の足をひっぱる味方をより多く抱えた方が、負けるということだ。 このページのトップに戻る|トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/butoukai/pages/31.html
https://w.atwiki.jp/y0sh1yuk1/pages/70.html
準々決勝 07.9.19 セパハン 0-0 川崎フロンターレ 城南一和 2-1 アルカラマ アルワハダ 0-0 アルヒラル 浦和レッズ 2-1 全北現代 07.9.26 川崎フロンターレ 0-0(PK4-5) セパハン ※セパハンが準決勝進出。 アルカマラ 0-2 城南一和 ※城南一和が準決勝進出。 アルヒラル 1-1 アルワハダ ※アルワハダが準決勝進出。 全北現代 0-2 浦和レッズ ※浦和レッズが準決勝進出。 準決勝 07.10.3 城南一和 2-2 浦和レッズ セパハン 3-1 アルワハダ 07.10.24 浦和レッズ 2-2(PK5-3) 城南一和 ※浦和レッズが決勝進出。 アルワハダ 0-0 セパハン ※セパハンが決勝進出。 決勝 07.11.7 セパハン 1-1 浦和レッズ 07.11.14 浦和レッズ 2-0 セパハン 浦和レッズが初優勝!! 071114_soc_urawa256.jpg
https://w.atwiki.jp/meshimada/pages/23.html
おバカ決勝 当コミュニティーでは珍しいポイント制の大喜利。 様々なスポーツ(スポーツに限らなくなりました)をお題に、利口でない人の行動を答える。 予選二回と準決勝の計三回でポイントを集計し、上位八人が、栄えある? バカ決勝に進む。 次回開催は→F1 (モータースポーツ) 栄光? の記録 合唱 金:@*゚x゚) 銀:かりん 銅:GIG 高速道路 金:屋内用雨傘 銀:えせ 銅:かいわれ ガゾーサ 銭湯 金:えせ 銀:かたせシーマ 銅:幼稚園の頃からメガネ ひよこ屋 短距離決勝 金:屋内用雨傘 競技射撃 金:バイオ 銀:剣菱 銅:屋内用雨傘 水泳 金:@*゚x゚) 銀:えせ 銅:たい ゴルフ 金:かりん 銀:屋内用雨傘 銅:コバルト ※次点 てゐおん 幼稚園の頃からメガネ。 馬術 金:えせ 銀:コバルト 銅:メス牛 @*゚x゚) ※予選1位 人間時計 たい いさむ 田中(13P) 陸上100m 金:かたせシーマ 銀:えせ 銅:ペペンs ※予選1位通過、かりん(14P) 公式ルール 予選(一次、二次) 回答時間は、スタートから3分間(ラグタイムを考慮し実際は3分15秒) 回答個数は一人につき二回まで。 大喜利の回答には、必ず@を付け、その後にハンドルネームを記載すること。 ※3分経過で運営が仕切り線を出す。それより早く投稿されたコメントが有効回答。 ※個数オーバーの場合、三番目以降の回答にポイントは与えられない。 準決勝。 回答時間は、スタートから5分間 回答個数は一人につき三回まで。(四番目の投稿以降は無効) ※そのほかは、予選ルールに準ずる。 ポイントは面白い順に3~1ポイント。 格コメントごとにポイントが入るので、 予選では最大6、準決勝では9点を獲得することができる。 決勝 予選と準決勝の合計ポイントの上位8人に回答の権利が与えられる。 回答時間はスタートから3分間。回答個数制限なし。 解説、ピッチリポーター、大会組織委員長がそれぞれ二個ずつ好きな回答を選び 審判長がベスト3を選び出す。 スタッフ 大会組織委員長 ・・・てゐおん 解説 ・・・茶太郎(2010年大喜利五輪四冠王) ふすま(電波歌シンガー) ピッチリポーター・・・henkakyuu 審判長 ・・・モトミヤ
https://w.atwiki.jp/sendai_mtg/pages/55.html
準決勝 小山内崇vs佐久間俊充 by Mamoru Miura 青黒フェアリーを駆る小山内は、グラコロ仙台では安定した成績を残す上位卓の常連である。コンフラックスで登場した《火山の流弾/Volcanic Fallout》によって苦しい戦いを強いられているフェアリーだが、なんとか《火山の流弾》の嵐をくぐり抜けてここまで辿り着いたとのこと。対する佐久間は、自分専用のデッキしか作らない/使わないというデッキビルダー気質のプレイヤー。時のらせん&ローウィン時代のスタンダードから《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》入りのデッキを調整してきた"時代を先取りしすぎた男"である。 Game 1 ダイスロールに勝ち、先手を取ったのは小山内。初手の7枚は《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》《謎めいた命令/Cryptic Command》《ウーナの末裔/Scion of Oona》《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》2枚と強力なラインナップだが、土地は《沼/Swamp》と《変わり谷/Mutavault》のみ。しばらく考えた末にこれをキープ。青マナソースを引けば動ける算段であろう。対する佐久間はすぐさまマリガン。6枚の手札でゲームを始めた。 1ターン目《変わり谷/Mutavault》セットから、2ターン目《谷》でアタックする小山内だが、3ターン目は3枚目の土地を置くことが出来ずターンを返す。佐久間はここぞとばかりに《突撃の地鳴り/Seismic Assault》を叩きつけてエンド。返す4ターン目、またも土地に巡り会えない小山内は《霧縛りの徒党》をディスカード。5ターン目にして念願の青マナソースである《人里離れた谷間/Secluded Glen》に辿り着き、遅まきながら攻勢の構えを見せる。 小山内のややぎこちない立ち上がりに対し順調にマナベースを構築した佐久間は、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》をキャストし、アドバンテージ差をつけにかかる。 《ジェイス》のアドバンテージをどうにかしなければならない小山内は佐久間のターンエンドに《ウーナの末裔/Scion of Oona》をキャスト、《砕けた野望/Broken Ambitions》を使わせて自分のターンで《思考囲い/Thoughtseize》。《火葬/Incinerate》《謎めいた命令/Cryptic Command》2枚、《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》《否認/Negate》《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》から《否認/Negate》を引き抜いた後、自分も《ジェイス》を場に出し対消滅。 この隙に佐久間は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》を呼び、《恐怖/Terror》《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》2枚、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》《謎めいた命令/Cryptic Command》という小山内の手札から、《恐怖/Terror》をライブラリの底に送る。こうやって安全確認した上で、《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》を着地、これに《火葬/Incinerate》と2枚の土地をぶつけて手札を充実させる。 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》と《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》というクロックをどうにかしなければならない小山内だが、佐久間の《謎めいた命令/Cryptic Command》と《突撃の地鳴り/Seismic Assault》によってブロックに立つはずのフェアリー達はなぎ倒され、《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》が小山内のライフを削り切ったのだった。 小山内 0 - 1 佐久間 Game 2 先手は小山内。お互いに土地を置いては《変わり谷/Mutavault》がちょっかいを出すという序盤の立ち上がりだが、3ターン目の小山内の《ジェイス》には佐久間が《砕けた野望》でしっかり対応。 それからお互い2枚ほど土地を追加し、今度は佐久間が《ジェイス》をキャスト。これに小山内は《謎めいた命令/Cryptic Command》でカウンターしようとするが、《砕けた野望/Broken Ambitions》がそれを許さない。《ジェイス》は無事着地。 またも《ジェイス》に悩まされる小山内は、佐久間のタップアウトに《思考囲い/Thoughtseize》。《連絡/Tidings》2枚、《火葬/Incinerate》2枚、《火山の流弾/Volcanic Fallout》という手札に「ツーペアっすか」と当惑するも《火山の流弾/Volcanic Fallout》を落とす。さらに《変わり谷/Mutavault》を起動し、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》を着地させ、《ジェイス》を倒しにかかる。 佐久間は《ジェイス》でドロー、さらに《連絡/Tidings》までプレイするが6枚目の土地には辿り着けず、溢れた手札を捨てて渋々ターンを返す。小山内は《徒党》の攻撃で《ジェイス》を壊し、2度目の《思考囲い/Thoughtseize》。《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》3枚、《火葬/Incinerate》2枚、《連絡/Tidings》《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》という手札に「なんだそりゃ」とコメントしつつ《火葬/Incinerate》を抜く。頼みの《徒党》が燃やされてしまっては敵わないのだ。残ったマナで《謎めいた命令/Cryptic Command》構える。 返す佐久間の《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》はきっちり《放逐/Dismiss》し、《徒党》に加えて《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》で小山内は攻撃、佐久間のライフは11に。《苦花/Bitterblossom》を追加し、佐久間を追い詰めにかかる。 受ける佐久間は《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》を召喚、《火葬/Incinerate》を当てて状況の打開を図る。小山内の《変わり谷/Mutavault》《集会場》《徒党》アタックに対し、《谷》を《白鳥》でブロックし、残りライフは5。小山内は3度目の《思考囲い/Thoughtseize》で《連絡/Tidings》を落とす。佐久間の後続を断つ狙いか。 ライフにも手札にも余裕がない佐久間は、手札に残っていた《白鳥》を2体追加で召喚。《徒党》と《苦花》トークンをそれぞれ《白鳥》でブロックすると、小山内は手札が増えるものの攻め手が無くなってしまう。 今度は佐久間が攻勢に転じる。先ほど捨てた《ヴィティアのとげ刺し/Vithian Stinger》を蘇生、ブロッカーを排除しつつ3体の《白鳥》で小山内に襲いかかる。返しのアタックも《変わり谷/Mutavault》を立たせることでしっかりケアし、小山内に隙を与えることはなかった。 小山内 0 - 2 佐久間
https://w.atwiki.jp/shorttrackss/pages/55.html
各組4チーム中上位2チームが決勝に進出する。3位,4位は順位決定戦へ。 Q=決勝進出 QB=順位決定戦進出 DSQ=失格 OR=オリンピックレコード WR=ワールドレコード Semifinal1 着順 国名 選手名(英語表記) 選手名(日本語) タイム 1着 韓国 Song Jae-GeunKim Ki-HoonLee Jun-HoMo Ji-Su ソン・ジェジュンキム・キフンイ・ジョンホモ・ジス 7.20.57 Q 2着 ニュージーランド Mike McMillenChris NicholsonAndrew NicolsonTony Smith マイク・マクミレンクリス・ニコルソンアンドリュー・ニコルソントニー・スミス 7.22.38 Q 3着 フランス Marc BellaArnaud DrouetRemi IngresClaude Nicouleau マルク・ベラアーノルド・ドロエレミ・イングレスクルード・ニコル 7.26.09 QB 4着 オーストラリア Kieran HansenJohn KahAndrew MurthaRichard Nizielski キーラン・ハンセンジョン・カーアンドリュー・ムーサリチャード・ノージルスキ 7.32.57 QB Semifinal2 着順 国名 選手名(英語表記) 選手名(日本語) タイム 1着 日本 Yuichi AkasakaTatsuyoshi IshiharaToshinobu KawaiTsutomu Kawasaki 赤坂雄一石原辰義河合季信川崎努 7.22.84 Q 2着 カナダ Mark LackieFrederic BlackburnMichel DaignaultLaurent DaignaultSylvain Gagnon マーク・ラッキーフレデリック・ブラックバーンミシェル・デノーローラン・デノーシルヴァン・ガニョン 7.24.69 Q 3着 イギリス Nichy GoochStuart HorsepoolMatt JasperWilf O Reilly ニッキー・グーチスチュアート・ホースプールマット・ジャスパーウィルフ・オライリー 7.29.40 QB 4着 イタリア Orazio FagoneHugo HerrnhofBob PerettiMirko Vuillermin オラツィオ・ファゴーネウーゴ・エルニョフボブ・ペレッティミルコ・ビルレラミン 7.32.80 QB .
https://w.atwiki.jp/betsuan/pages/14.html
エリア決勝大会東日本エリア1月15日(土) セガワールド石巻 関東Aエリア1月10日(月・祝) ツインスタージオスセガ 関東Bエリア1月16日(日) セガワールド大森 東海エリア1月29日(土) クラブセガ名古屋伏見 関西エリア1月8日(土) セガアリーナ 浜大津 西日本エリア1月9日(日) ハイパーメッセ エリア決勝大会 東日本エリア 1月15日(土) セガワールド石巻 優勝:大老 準優勝:向坂たま 3位:ぽにーた 4位:もじもじ 店舗代表者 ぽにーた、大老、リサ、たかはし優、はく6443、向坂たま、もじもじ、たかひでK3、520、セシリー・C、Mam 参加者:11名 備考:1回戦は4人×2ブロック、3人×1ブロックで、1位残り。2位による敗者復活で決勝戦進出の1名を決定。 関東Aエリア 1月10日(月・祝) ツインスタージオスセガ 優勝:如意棒 準優勝:まさろってぃ 3位:MicAso 4位:Ein 店舗代表者 九尾のたぬき、Ein、ヲサム、適当でした。、よしクン♪、まさろってぃ、Gショー(がしょー)、SLC、MicAso(みかそ)、ミー、ひろにい、ア~ルグレイ、ひろPON、わみたん、如意棒、こぐま 参加者:16名 備考:1回戦は4人×4ブロック。1回戦、準決勝ともに上位2人残り。 関東Bエリア 1月16日(日) セガワールド大森 優勝:ひな 準優勝:NNN 3位:石川さゆみ 4位:MIX!? 店舗代表者 ひな、れいにゃんこ、32、なっちゃん、石川さゆみ、あきなり、ヤスアキ、MoS、(以下略)、NNN、カルアみるく、百舌の早にえ、きびミリン、アラジン、くつ、MIX!? 参加者:16名 備考:1回戦は4人×4ブロック。1回戦、準決勝ともに上位2人残り。 東海エリア 1月29日(土) クラブセガ名古屋伏見 優勝:小祝 準優勝:しう 3位:ルタニシア 4位:第2種郵便 店舗代表者 しう、れははは…、第2種郵便、みみ、ドMさん、神原 駿河(かんばるするが)、世捨て人、aldila、ALI、小祝、さときち、S師P師I師、カピバラさん、エビアン本多、森磁石、カスタム、ニコラス刑事、テツレオーネ、ルタニシア 参加者:18名 備考:1回戦は4人×3ブロック、3人×2ブロックで、4人ブロックは上位2人残り。3人ブロックは上位1人残り。準決勝は上位2名が決勝進出。S師P師I師が参加を辞退。 関西エリア 1月8日(土) セガアリーナ 浜大津 優勝:泣いちゃう鴨 準優勝:毎年増える弟 3位:PELOZ 4位:らま 店舗代表者 ハッセルホフ、ミイラの呪い、魔瑠愚霊手様、TAKAY、ミーア=マス、きっど、EDDY、Feenel、毎年増える弟、はるな、ホ~リックス、らま、ハチャ、☆九頭龍閃☆、PELOZ、087(ぜろはちなな)、泣いちゃう鴨、n速でやる夫、戸田戸田、山修、まろやかさん 参加者:21名 備考:1回戦は4人×3ブロック、3人×3ブロックで各組1位が準決勝進出。4人ブロックの2位(3名)による敗者復活を行い、上位2名が準決勝進出。準決勝は上位2名が決勝進出。 西日本エリア 1月9日(日) ハイパーメッセ 優勝:枢 準優勝:がんちゃん 3位:真野恵里菜♪ 4位:僻地おやじ 店舗代表者 真野恵里菜♪、心山拳師範、四半、博多nみの、K.S、尻子玉、フグの右エラ、僻地おやじ、らいとぱわー、がんちゃん、にいもニャン、なずな、水の都、る瑠ル、枢(かなめ)、初芝リック 参加者:14名 備考:1回戦は4人×2ブロック、3人×2ブロックで、上位2人残り。心山拳師範・フグの右エラが参加を辞退。