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701 名前: ◆3WmQZKDzxM [sage] 投稿日: 2006/10/08(日) 21 33 17 型枠 バーボンだった 「ちょwwwおまwwwwwwその手に持ってんのなんだよwww」 後ろから現れたのはアーチャーが持つバーボンだった。 しかも、ただのバーボンじゃねぇ。知る人ぞ知る名酒 bourbon nightじゃねぇか。 「ほぅ、その顔はコレを知っているようだな。 何、運良く手に入ったのでな。折角の美酒も一人で飲んでは詰まらんだろう? 皆で飲もうと思ってな」 「おっ、いいねぇ」 「肴はあの小僧にでも作らせればよかろう。 いや、全く夜が楽しみだな」 「……貴方達」 アーチャーとのやりとりに夢中になっていると、やったらハスキーヴォイスでライダーさんが割り込んでくる。 やべぇ、見た目は水商売やってそうなナリのくせしやがって、意外と堅物なんだよなコイツ…… 体を戦慄かせ今にも怒鳴り散らしそうなライダーを見たアーチャーは 「たまには良いではないか。酒は百薬の長とも言うだろう? たしかに飲み過ぎれば体にも悪かろう。 だが、たまにはハメを外し、ストレスを発散させんとな。 ストレスを溜め込む方がよほど体に悪い。」 「ですが、仮にも未成年であり学生である身で……」 反論しようとするライダーにトドメとばかりに言いくるめる。 「それ程心配ならお前が監視でもすればいい。 それとも、自己管理が出来ぬという程我々を信用出来んか?」 「……はぁ、全く。仕方ありませんね。程々にして、明日に響かない様にする。それが条件です」 盛大なため息をつきながらの渋々のGOサインに思わずガッツポーズをしてしまう。 嗚呼、夜が楽しみだ。 665 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage 次回が最終回] 投稿日: 2006/11/06(月) 20 00 34 「「「かんぱーーーい」」」 酒の席での儀礼を済ませ、グラスに注がれた液体にそっと口を付ける。 その瞬間なんとも言われぬ極上の香りが鼻腔をくすぐる。 その数瞬後にアルコールが喉を焼くのがなんとも心地良い。 この瞬間だけは■■と繋がる聖杯などより、目の前のグラスの方に価値を感じてしまうのは致し方ないのではなかろうか。 当然、その極上の酒を更に際立たせる為のツマミへと箸が伸びる。 嗚呼、美味い。 自画自賛するつもりは無いが、今日の出来は良い。 今年最高の出来ではないだろうか。 人生の中でも屈指の完成度だ。 「……まぁまぁだな」 人がいい気分に浸っている時に…… 「まるで自分ならもっと上手く作れるみたいな言い方だな、アーチャー」 「貴様がそう感じるならそうなのだろう?」 クッ、確かにこいつの料理の腕は認める……が、今日の出来ならば負けてはいまい。 「まぁ、不味くはないがな」 ブッチーン その一言は許せねぇだろ…… やっぱコイツとは会わねぇ 「てめぇ「いえ、この料理はアーチャーのモノに勝るとも劣らないでしょう」 今にも飛びかからんとする俺の声を遮ったのはセイバーだった。 「そうね。坊やもなかなか腕を上げたのではなくて?」 そこに加勢するようにキャスター。 「フッ、折角の酒の席だ。下らぬ言い争いで酒を不味くする必要もあるまい。 今日の所はそういう事にしておくか。」 予想外にあっさりと引き下がるアーチャー。 とは言え、こちらも何時までも引きずっても面白くない。気分を変えてぱーっと飲んでやる! いつか絶対に越えてやると心に決め、勢い良く目の前のビンに手を伸ばす。 666 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage 次回が最終回] 投稿日: 2006/11/06(月) 20 07 02 ちょっと待て――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 持ったボトルからは、不思議な感覚が伝わる。 「……おい、藤ねぇ。」 隣に座る虎に睨みつける。 その理由は、我が手中の「空の瓶」だ。 確かにこの人数なら一瓶くらいすぐ無くなるだろう。 だが、封を切ったのは3つ。 今日の覚悟が感じられる、呆れるほどの思い切りの良さだ。 その内の一、先程まで三分の二以上残っていた物が空。 ソレに触れられる者は一口だけしか飲んでない俺と、既に虚ろな眼をし、顔を上気させてる藤ねぇ。 そして先程から料理をもの凄いスピードで片付けていくセイバー。 どう考えても犯人はコイツしかいないだろ? 某少年探偵だって同じ結論だろう。 「にゃにぃ~?しりょ~」 ……まだ始まって10分しか経ってないのに呂律が回らないって何でだよ。 っつーか、そんなに一気に飲んだら急性アル中で倒れるぞ? 人の心配をよそに、グイグイとグラスを煽る大虎。 「ちょ、藤ね……」 おれの言葉は藤ねぇに顎を掴まれる事により途切れた。 「ほりゃ~、しろ~も飲めぇwwwww」 隣の席にある瓶をかっさらったバカ虎は、あろうことか俺の口に瓶をつっこんできやがった。 「んごっ!?ン"ン"ン"――――」 大量のアルコールが喉だけに留まらず、胃まで焼こうとする。 必死に抵抗するも虎の指は弛まず。 「ほりゃ~、しろ~も飲めぇwwwww」 隣の席にある瓶をかっさらったバカ虎は、あろうことか俺の口に瓶をつっこんできやがった。 「んごっ!?ン"ン"ン"――――」 大量のアルコールが喉だけに留まらず、胃まで焼こうとする。 必死に抵抗するも虎の指は弛まず。 天国の父さん。か弱い女性とは空想のモノなのでしょうか? 藤ねぇ……こんなアルコールの強い酒を一気に飲ませて頭をシェイクされたら下手すりゃ急性アルコール中毒で死ぬぞ? 薄れゆく意識を繋ぎ止める事はできなかった。 667 名前: 381 ◆3WmQZKDzxM [sage 次回が最終回] 投稿日: 2006/11/06(月) 20 11 04 ――――――――――― ――――――――――――― 「う"ぅ~」 目を覚ますとそこは混沌だった。 隣からは、う゛ぅ~ぎもぢわるい~などとバカ虎のうめき声が聞こえるが敢えて無視の方向で。 基本優等生のライダーもグロッキーのご様子。 アーチャーはボトルに溺れて溺死中。 流石はランサー、ぶっ倒れてもグラスは放さない。 未だに動いて居るのは桜とセイバー。 セイバーは残っている料理をはむはむこくこく。 桜に至っては、新しくボトルを開けていた。 開始早々虎にKOされたお陰で助かったのか? こりゃ明日は皆、二日酔い決定だななどと思いながら立ち上がる。 いまだぼやける頭を覚ますために庭へと向かう。 がらりと戸を開けると、秋の風が頬を撫でる。 ひんやりとしたソレは意識を覚醒させる。 夜空を仰ぎ見ると見えるのは深淵の闇に浮かぶ月の姿。 「ああ、今夜はこんなにも月が綺麗だ――――――ってか?」 意味も無くそんな言葉が口をついて出た。 がさりっ 音を立てて草むらが揺れた。視線をそちらへと向けると其処に居たのは月すらも濁って見える程、透き通る様に白き少女だった。 「……初めまして、おにいちゃん」 寂しげに微笑みかける、見も知らぬ少女に、思わず見とれてしまう。 ―――――ドクンッ それと同時に心がざわめく。 あれは「この世界」には居ない筈のモノ。 在ってはいけない物なのだ。 何故ならここは―――――――なのだから。 「ねぇ、おにいちゃん……今幸せ?」 少女の声で我に還る。 「えっ?」 「だから、今幸せ?」 何故、この少女はそんな事を初めて会う俺に聞くのか、どのような意図でその様な質問をするのだろうか?あまりにおおざっぱな質問にどう答えて良いのか戸惑う。 「聞いてるの、おにいちゃん?」 ぷぅ、と頬を膨らませ不機嫌そうに再度俺に問いかける。 ―――――幸せなのか、と。 何故か分からないが、その質問には真剣に答えなければいけない気がする。 恐らくは、少女の真剣な瞳がそういう気持ちにさせたのだろう。 少しだけ考えて俺は答えた。 A:―――幸せだ。B:―――そんな事をある訳ないだろ…… 投票結果 A 2 B 5 決定
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店員「残念。チ ャ レ ン ジ 賞 で す ね」 カイジ「……」 カイジ「はっ……!?」 店員「また挑戦してくださいね」 カイジ「いや、いや特賞だろ?」 店員「チャレンジ賞です。ほら」 くじを開いて見せる カイジ「えっ、なっ、何で? 」 カイジ「くじ箱の中身すべて引いたのに特賞がないってどういうことだっ!?」 店員「いや、継ぎ足す暇なくお客さん一度に7枚も引いちゃうんですもの。」 カイジ「継ぎ足す?」 そう言って店員はバックヤードから新たにくじを持ってきた―― 店員「オーナーからくじが少なくなってきたら足してくれって言われていたのに……」 そう言いながら空箱になったくじ箱にくじを継ぎ足していく カイジ「そっ、そんな…馬鹿な…」 カイジ「あ、あり得ないっ!!」ぐにゃあぁあぁ 店員「お客さん、顔が歪んでますよ」 カイジ「あ…あわ…あわ」 カイジ、言葉も出ない―― 店員「見たところ、まだ引換券を持っているみたいですけど」 店員「続けますか?」 カイジ「くっ…あと5回で特賞を引けっていうのかっ……!!」 カイジ「いや……」 カイジ「これくらいの逆境… 俺は乗り越えてきた」 カイジ「それも一度だけではなく、何度もっ!!」 カイジ「俺は引けるっ…!!」 カイジ「どうせなら最後の灯が消えるまで足掻いてやるよ」 カイジ「蝋燭だって消える直前こそ輝くんだっ!!」 店員(目つきが変わった!?) カイジ―― 残り5枚に全てを懸けるっ……!! 狙うは特賞『デラックス1/1羊もふもふぬいぐるみ』!!!!!!! ~~~~~~~~~~~ 店員「そしたら全部で12枚分のティッシュになります」 店員「はい、どうぞ」 カイジ「……」ショボーン 店員「ありがとうございましたー」 カイジ落胆し、店を出る―― カイジ(くそっ、結局12枚すべてチャレンジ賞のティッシュ……) カイジ(あれから5枚引いてもまだ30枚近くあった……) カイジ(くそっ!! こんなコンビニくじでも負け組かよっ!!) カイジ(俺は、俺は結局何もできねぇ男なのかよっ) カイジ「くそぉぉおぉおぉぉ」 雄叫びを上げながらコンビニのゴミ箱を蹴り飛ばす ガッシャーン――!! ゴミ箱がひっくり返り一面にごみが広がる カイジ「くそっ、くそっ!!」 店員「ちょっとお客さんやめてください」 店員が慌てて、取り押さえる 店員「ちゃんと散らかったゴミを片付けてから帰ってくださいよ」 カイジ(……) カイジ渋々ゴミを拾おうとする、がっ その時、カイジに電流が走るっ――!! カイジ「こ、これって……」 カイジ「そ、そうか必ずしもみんなが……」 カイジ「ってことは……」 カイジに圧倒的閃きっ――!! カイジ「そうだ!! これなら急げば、まだ間に合うっ」 カイジ「他の人にぬいぐるみを取られる前になるべく早くっ!!」 両手を買い物袋でいっぱいにし、彼は夜の街へと走り出した―― ~~~~~~~ それからかれこれ5時間が経過し、太陽が徐々に顔をのぞかせ始めていた 店員「いらっしゃいませー」 カイジ「はぁ…はぁ…」 店員「???」 カイジ「よかった。まだあった……」 羊ぬいぐるみは他の人にまだとられず相変わらず通路をふさいでいた。 カイジ「くじを引かせてくれ」 店員「あっ、はい」 店員(なんだ? この人朝早くから……) カイジがポケットから次々と引換券を出していく 店員「えっ!? えっ!!」 店員も唖然とする なんとその数150枚――!! 店員「ど、どうしたんですかっ!! この数はっ!!」 カイジが冷静にゆったりとした口調で話す カイジ「……割に合わないんだよ」 店員「えっ!?」 カイジ「このくじは特賞とチャレンジ賞しかない」 カイジ「1500円の買い物でわざわざティッシュを狙うやつはいない」 カイジ「となれば狙いは特賞」 カイジ「だが、全ての人がこの特賞に魅力を持つとは限らない」 カイジ「さらに引換券は一枚ではなく、5枚集めてやっと一回くじをひける」 カイジ「引換券一枚でくじが引けるなら、興味のない人でもやってみるかという」 カイジ「感情が湧くかもしれないが、興味ない人に5枚集めるのはきつすぎる」 カイジ「つまり、よっぽど特賞が欲しい人以外はこのくじをやるには割に合わないんだよ」 カイジ「となれば、興味のない人にとってその引換券は価値がないよな」 店員「……」 カイジ「価値を感じない人にとって引換券は同時に渡されるレシートと同じようなもの」 カイジ「……捨てるんだよ」 カイジ「興味がなければレシートと一緒に引換券もっ!!」 店員「……つまりあちこちのコンビニのゴミ箱から券を拾ってきたということですか」 カイジ「そうさ、一晩中かけてだ」 カイジ「多くの人が大抵300円以上の買い物をするから予想より早く集まったけどな」 カイジ「さぁ、引かせてもらうぜ!!」 店員「そ、そんな拾った引換券なんて、ダメですよ」 カイジ「ダメじゃねぇ。引換券は引換券だ。引かせろよっ!!」 店員「そ、そんなぁ」 カイジ「どうなんだよっ!!? あっ!? はっきりしろよっ!!」 店員「わ、わかりました」 くじ箱を差し出す―― カイジ「この瞬間を待っていたっ……!!」 カイジはさっそうと手を伸ばす―― ついに届いた希望の光 そしてつかみ取るっ――!! ~~~~~~~~ カイジ「じゃあ、このティッシュ21個と羊のぬいぐるみは貰っていくからな」 店員「はっ、はい。ありがとうございました」 カイジ22枚目にしてやっとぬいぐるみを手に入れ、店を出る カイジ「重いぬいぐるみだなぁ。はぁ、はぁ……」 カイジ「でも急がねぇと…… 生徒や先生が来る前に……」 カイジは桜が丘高校の前に来ていた―― カイジ「確か、こっちに裏口が……」 カイジ「まだ早朝で人がいなくて助かった」 ガチャッ―― なんとか部室にたどり着く―― カイジ「よし、これでOKだ」 カイジ「つ、疲れた…… 昨日から寝てないし、体力が限界だ」 カイジ「それにしても俺の体力ってけっこう持つんだな」 カイジ「体力仕事もいけるかも」 カイジ「……下らねぇこと言ってないで帰るか」 最後に部室を見渡す―― カイジ「ありがとうな、唯ちゃん。昨日の事は絶対に忘れねぇよ」 カイジ「たとえ地の獄に行ったとしてもな」 カイジ「悪いがこれぐらいのことしか出来ない俺を許してほしい……」 カイジ「もし、また会えるなら…今度は貸し借り無しで会おうな」 バタン― カイジは部室を後にする ~~~~~~~~ 朝―― 唯「えぇ~!! 特賞なくなちゃったの!?」 店員「すいません。今日の早朝で出ちゃいまして」 唯「そ、そんなぁ… あの羊ちゃんのために一万円近く使ったのに」 店員「気の毒に……」 唯「うぅ…うっ…わぁ…うわぁぁぁん」ポロポロ 店員「特別にチャレンジ賞のティッシュを差し上げますから」 店員「これで涙を拭いてください」 唯「いいよぉぉ…いっ…いっぱいもってるしぃぃ」ポロポロ 店員「……」 学校っ――!! 唯「みおちゃぁあん、りっちゃぁああん、むぎちゃああぁあん、聞いてよぉおお」ポロポロ 律「唯っ!! ちょっと部室に来てくれっ!!」 唯の手を引っ張る―― 唯「えっ、なに、何なのぉ」ポロポロ 澪「泣いてる場合じゃないんだ」 紬「大変なことになってるのよ」 唯「ひっく、ひっく、ど、どういうことぉ?」 3人に連れられ、部室のドアを開ける 中には梓が控えていた 梓「唯先輩、こ、これ見てください」 唯「えっ、これって」 唯の涙が止まる―― そこにはお菓子やジュースが入った大袋4つ分が机に置かれ そして唯の席の隣にはあの特賞『デラックス1/1羊もふもふ ぬいぐるみ』が置かれていた 唯「あっ、あぁ」 思わず息をのむ―― 唯「羊ちゃんだぁぁぁぁぁぁああぁぁ!!!」 思わずぬいぐるみに飛びつく唯 梓「これってやはりプレゼントってことですかね?」 澪「た、たぶん」 紬「だとしたらやっぱり……」 律「唯がこのぬいぐるみを欲しがっていたことを知っているのは」 律「私たち4人ともう一人だけ……」 梓「私ちょっとあの人のこと見直しました」 澪「確かに、見た目は怖くて危険な感じがしたけど」 紬「やっぱり唯ちゃんの言っていた通りだったわね」 唯「だから言ったでしょ!?」 羊に抱きつき、もふもふさせながら言う―― 唯「カーくんは良い人だって♪」 終わり 戻る
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毎週の定例行事である遊郭街の動向報告書を射命丸は、稗田邸に持って行った際にいつもの部屋に通されて、この館の主である稗田阿求の事を待っていた。 その時の射命丸は1人っきりでありなおかつ、いい加減稗田邸への訪問にも慣れて来ていたから足を延ばして姿勢を崩した状態で稗田阿求の事を待っていた。 稗田邸の主である稗田阿求がやってきた時はさすがに居を正すが、それだって最初の時と比べれば随分と、楽な姿勢だなとだいたいの者が見ればそう言う印象を抱くだろう。 射命丸としては遊郭街を取り仕切り、また拡大させまいと動いてくれている件の、遊郭宿を経営する忘八たちのそのお頭が遊郭街全体を統制して、また遊郭と言う組織が動き回れないように締め付けている様子を事実だけを淡々と伝えるだけで良い、本当に楽な仕事となりつつあったのが大きい。 稗田阿求としても、あの忘八たちのお頭が遊郭街の拡大を阻止しなければ生き残れないと実感している事、そしてその実感を原動力に拡大阻止に動き、またそれに成功している事は厳然たる事実である。 一線の向こう側となっている存在が、権力を持っている場合が多いとはいえ総数としては少なくいわゆる通常の存在が男女ともに多く、渋々と遊郭と言った存在を認めている事に加えて。 そんな渋々存在を認めている遊郭街が、ギリギリの一線とお目こぼしによって存続を勝ち得続けようと尽力している忘八たちのお頭の事も、やっぱり阿求は渋々に渋々を重ねながらも彼が有能であることを認めなければならなかった。 ここ数か月は、阿求が射命丸からの方向を読みながら渋々と忘八たちのお頭は上手くやっているのだなと、それを確認する作業の場としての機能しか見られなかった。 それが射命丸に対して楽過ぎてこれでまぁまぁな金額のお駄賃をもらっているのが、それに対するいくばくかの恐れ、その程度の悩みしかもっていなかった。 「やぁ、射命丸さん」 だから、稗田○○が部屋のふすまを開けて入ってきた時――当然の事で、妻である稗田阿求もいるとはいえ――には、足を延ばしてそれこそバタバタさせてストレッチのような物をしていた自分の、あまりの間の悪さ運の悪さを呪いたくなった。 更に言えば丈の短いスカートを、どうせ稗田阿求が夫である○○には会わせないだろうと言う、これもまた慣れと言うよりは舐めた考えから、露出の少ない着衣を着替えが面倒なのでいつもどおりのミニスカートを履いて来た自分の考えの甘さを、射命丸は大いに呪うしか無かった。 稗田○○が入ってきた瞬間、射命丸のボケーっとまではいかないが魅力を隠すことを忘れただらっとした姿に、射命丸の目には稗田阿求がはっきりと口角の端をヒクリと動かす姿が見えた。何というか理不尽極まりないなと、射命丸はそう思うしか無かったのだけれどもこんな事が言えるはずも無かった。 だけれども○○は……多分これが彼なりの優しさと言うか処世術なのだろう。 「報告書を」 としか言わなかった、あくまでも射命丸が持って来た情報にしか興味を見出していないと言うそう言う態度を貫いており、射命丸の顔すら見なかった。 せいぜいが射命丸の持ち物、特に今回は傍らに書類束を置いていたので、○○の視線はそこのみに集中させていた。 これは○○にとっても幸運であった、体のいい視線の逃げ場が存在させられるのだから。 「ええ、まぁ、はい……」 無論の事で射命丸は報告書を○○に渡す以外の動作を、極端な事を言えば許されてはいなかった。 この状況で稗田○○を見る勇気が、稗田阿求の不興を考えれば出来るはずも無くさりとて稗田阿求もやっぱり怖い。 射命丸は目線の安定させ所を求めているうちに、稗田○○の後ろ側にいる上白沢の旦那と……彼に関しては目線すら会う事が無かった射命丸の方が目線を通らせたのに。 上白沢の旦那は初めから、この場で自分は徹底的に気配を消して置物になろと試みているのが明らかな、どこも見ていない虚空を見つめるような表情で天井ばかりを見ていた。 敵にはならないが同時に味方にも絶対になってくれない性質の存在と化していた。 「ははは」 射命丸が目線の置き場をどこにすればいいか、それが分からずに悩んでいると報告書を読み進めていた○○が、笑ってくれた。 少し射命丸はホッとした、この状況ならこの場にいる者がつまり射命丸も含めて、稗田○○に対して目線をやる事の意味付けとしては十分であるからだ。 「あの男、忘八たちのお頭はそれなり以上に頑張っていると言うか……まぁ必死と言うべきか。こっちに目を付けられるぐらいならば、遊郭内でやや暴君と思われる方がマシと判断しているのか。だとしてもいきなり相手の私室に音も無く乗り込むを通り越して待ち伏せとは……そこから先は質問攻めと言うのは恐ろしいけれども、彼からすればやましい事が無ければ全てに答えられるし、実際に潔白だったら彼の方から頭を下げて謝罪して後々にうまみのある仕事などを割り振っている辺り……支配者としての特性と気配りはあるんだな」 少し上機嫌そうに、実を言うと○○はあの忘八たちのお頭に対して頂点に立てる存在がそんなに生半可なはずは無い、と言う評価のような物は与えていたのだった それと同時に、頂点に立てる存在が全く何も怖い所が無い、なんて事もやっぱりありえないと言うのは重々理解していた。 ただその能力と恐れの混在こそが、○○の忘八たちのお頭に対する評価や注目に値すると言う魅力につながっている部分もあった。 「……そうですね」 稗田阿求はと言うと、今のあの男でなければ遊郭街は統制できないだろうと言う実際上の問題で、渋々に渋々を重ねて今の忘八たちのお頭を評価しているに過ぎなかったので。 あの男でなければ大分話はこじれるだろうと言う部分に置いて、阿求は最愛の夫である○○と同じ意見を持つ事が出来たのは確かに重畳であり、とても多幸感を得る事が出来ているのだけれども。 やはり同じ意見を持つための対象が、渋々存在を認めている遊郭街であるのがたまらなく腑に落ちない微妙な気持ちを抱かせるようで、阿求の言葉は夫である○○がしゃべり倒した後だと言うのに『そうですね』の一言をしぼるだけで、それすらも出てくるまでに微妙な間と言う物が存在していた。 「まぁ……遊郭街に関してはあの男が目端を効かせているのが分かればほとんど十分だろう」 そう言いながら一応、○○は阿求に射命丸からの報告書を渡したけれども、阿求の中にある○○がそう思うなら自分もその意見だと言う――逆でも通用するのだが、○○も阿求の出した意見には逆らわないどころか盲信する――決定事項を覆したくなくて、通りいっぺん程度にぱらぱらとめくるのみであった。 毎週毎週作らせるこの報告書、不釣り合いなほどに実入りの良い仕事とはいえ毎週報告を持ってこさせる射命丸には、○○は少し悪いなと思いつつも、悪いなと思っているのならばこそさっさと○○は思っている事をやりたい事を実行して、この場でかかる時間を短縮するべきなのであった。 ただそのために行う事が、射命丸に対してカマをかける事だと言うのはかなりの問題なのだけれども。 けれども○○の中に罪悪感らしきものは……実は少なかった。 良いだろう別に、射命丸よお前は長生きできるんだからこの場で感じる圧力程度の時間なんてことないはずだ、と言うような吐き捨てるとまでは行かないものの全体から見ればとても少ない割合なのだから付き合えよと言う、割合では測り切れない部分を無視している、間違いなく乱暴な気持ちを○○は抱いていた。 「で、まぁ。射命丸さん」 射命丸からの遊郭街動向報告書は、全くもって通りいっぺん程度の確認だけで――これ作るのに毎週2日とか3日ぐらいかけてるんですよと射命丸は言いたかった――稗田○○だけでなくて稗田阿求ですらもが、報告書への興味を早々と無くしてしまっていた。 (何の為に報告書作ってるんだろ……いや定例報告何て大きな動きが無い方が良いもんだけれども) 射命丸は何も憎まれ口などは絶対に声には出さなかったが、やはり2日以上はかけて作っている報告書への興味が薄い場面を見せられては、感情の動きを穏やかになどは出来るはずは無かった。 だが射命丸にとっての不運はそこにあった、この状態で腹芸がいつも通りに出来るはずが無かった。 「何か面白そうな事、目立った事ってありましたか?」 ○○はやや急き立てるように射命丸に対して質問をしてきた、間と言う物を出来るだけ少なくしたかったと言う○○の意思は明らかであった。 ただそれはまだ、稗田阿求にとっては依頼の閑散期だからちょっと○○が焦れている程度の認識であったし、この場においては誰の敵にも味方にもならないと決めてしまった上白沢の旦那はと言うと○○の急き立てるような様子にはとんと気付かなかった。 そして射命丸がこの日一番の悪運を引いてしまった。 報告書へのぞんざいな扱いからの不満により腹芸が出来なくなってしまった射命丸は、少しばかり次の新聞のネタに使えそうな事柄を思い出してしまった。 そう言えば最近、遊女が変な獣だか妖だかただの集団錯乱なのかよく分からない騒動が、何度かあるなと言う事を思い出した。 何故この時に限って思い出してしまったか、だってそちらの方がずっとすっと楽しいからだ。少なくとも新聞製作を一時中断させてでも用意している報告書へのぞんざいに近いような扱いをされた後では、清涼剤が欲しくなる。 どのように紙面を彩ろうかと言う所まで考えたところで、これは出来るだけ自分の腹の中で隠しておきたいと、遊郭街の動向調査をしている傍らで見つけた役得のような物だからだ。 だけれども、天狗の射命丸がそう簡単に稗田の不興を買うはずが無いし、買わないように全力であると阿求は分かっているとはいえ夫には射命丸とあまり会話をしてほしくないのが、隠しようが無いし我慢できない素の感情であった。 なので阿求はずっと、○○よりも強烈に射命丸の事をつぶさに観察していた。 「何かあるんですか?」 阿求の声は隙間に入り込むように絶妙の間で出された、射命丸が醜聞とはいえ紙面を躍らせれそうな楽しい話題を見つけた瞬間であった。 さすがは稗田家の、阿礼乙女の九代目様と言うべきだろう。 それだけでなく阿求は○○よりも前に出てきた、○○にはこれ以上前に出て来なくて大丈夫だからと片手では○○を優しくなだめるようにしながらも、射命丸を見ている阿求の目は血走っていた。 我慢するつもりだったのかもしれないが、我慢しきれなかったと言う事らしい。あるいは射命丸がすぐに答えを言わなかったことも、まぁ、関係が無いとは言い切れないだろう。 「言え、何か思ったなら言え」 阿求の口調が段々と高圧的になり。 「判断は夫が、○○がします。貴女からのお話が夫のお眼鏡あるいは嗅覚に反応するかどうかは」 ついには、と言うよりはまたしても阿求は夫である稗田○○を持ち上げ始めた。 ただ射命丸にとって悪い運が減少を見せたのはその瞬間であった、阿求の脳裏でまた○○が面(おもて)に立って何かを調査し捜索して、解決する絵が見えたことによる愉悦が阿求の中にやってきたからであった。 「ふふ、ふふふ」 あまつさえ阿求はすべてを置いてけぼりにして愉悦から来る、どう考えても純ではない笑い声まで上げ始めた。 どこも見ていなかった上白沢の旦那も、稗田阿求が愉悦から笑み所か笑い声まで上げだせばさすがにその方向を見る。 だけれどもと言うべきか、上白沢の旦那は淡々としていた。 ○○ですら急に愉悦から笑い出した阿求の背中に手を回して、また温かいお茶も前に出して落ち着くように気を配っていたけれども。 そんな光景を目の前にしても上白沢の旦那は淡々と、無表情を貫き通していた。 嘲笑も恐れも、ありそうな感情が何もなかった、とにかく物の如く感情も気配も停滞させてそれでいて稗田阿求が求める役柄だけはやり通す事でこの場を乗り切ろうと言う算段だったのだ。 そしてこの場を乗り切ると言う部分には、射命丸が稗田阿求をこれ以上刺激しないと言う部分も含まれていた。 「稗田阿求の溜飲がどうやら下がったらしい、今のうちだと思うぞ射命丸文」 上白沢の旦那は射命丸に対してそれだけ言ったら、また彼はどこも誰も何も見なくなった、眼は確かに開いているのに、彼の視力は健康体のはずなのに。 射命丸文は人間と言う物が怖くなりそうであった、これは忘れようがない光景だ。
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登録日:2011/03/04(金) 19 18 15 更新日:2020/11/12 Thu 19 57 29 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 ぬかみそ漬け めちゃイケ めちゃイケスクリーム スクリーム リアルかまいたちの夜 リアルわかめ王子 リアルガリバー旅行記 事件 人カツ 呪・5周年 客船 岡村隆史 岡田一少年の事件簿 幽霊船 惨劇 船 豪華客船 金田一少年の事件簿 電気あんま あの忌まわしき事件からおよそ1年が過ぎたある秋の日… 2001年にテレビ番組めちゃ2イケてるッ!で再び起こってしまった番組史上最悪の惨劇。別名『めちゃイケスクリーム2』とも言われる。 相変わらずBGMが某ドラマと同じで、出演者の一人雛形あきこが同じ年客船を舞台にした事件に巻き込まれたのは多分偶然である。 ●あらすじ 番組5周年企画として豪華客船でロケを行うめちゃイケ。期待しながら船に乗り込むメンバー達。 しかしこの頃パーティーが死の航海に変わろうとはまだ誰も知らなかった… ●登場人物 岡田一少年(岡村隆史) 矢部浩之 山本圭一 加藤浩次 濱口優 有野晋哉 光浦靖子 大久保佳代子 雛形あきこ 鈴木紗理奈 武田真治 スクリーム 再び現れた恐怖の凶悪犯。 果たして正体は誰なのか… ●事件の全貌 PM9 15 展望デッキで企画が始まるのを待つメンバー達だったが急に上から黒いリボン付の小包が落ちてくる。中には携帯電話が入っていた。 携帯に入っているメールは わたしはもうあなたたちの近くにいます と書かれていた。 岡村がメールを読んだ後停電が起き、目の前にスクリームが姿を現した。 またもや停電してる間にいなくなった有野。彼を探しにメンバーが甲板に出ると全身がワカメとコンブに包まれたの有野の姿があった。 今回も大久保のしわざと疑うメンバー。光浦曰く大久保は少し遅刻するらしい。 無惨な姿の仲間を見たメンバーは操舵室へ船から降ろすように言いに行くが操舵手は既に白骨死体の状態だった。文字通りの幽霊船という異常事態、脱出不可能な船内で巻き起こる惨劇を阻止すべく岡村中年は強く誓う。 「面白ぇじゃねぇか…この挑戦、受けて立つ!じっちゃんの名に賭けて!」 PM10 30 残念ながらパーティーは中止。岡村中年の適切な指示が飛ぶ。 「各自、部屋で待機」 最後まで断固拒否の姿勢をとったのは加藤であった。彼は前回の惨劇で電気あんまという凄烈な地獄を体験し独りきりになることに極度のトラウマを抱えていたためだ。しかし、なんとか宥められ渋々部屋で待機することに。 小包に入っていた携帯にメールが届き、携帯を持っていた岡村はメールを読む。 なぜパーティーを始めない?おまえたちが言うことを聞かないならば… その瞬間武田の抵抗する声が。武田の部屋に急ぐメンバーだったがすでに遅く、武田は行方不明となった。さらに全員集まった筈だが加藤の姿もない。加藤は部屋を出た瞬間にスクリーム達に襲われ電気あんま地獄を味わう。加藤はスクリームが2人いると証言した。 PM11 00 パーティーを開始する為に展望デッキに上がるメンバー達。だが会場は不吉な飾り付けにされていて用意された料理は1口ずつかじられていた。 パーティーの最中においしい漬物を用意したというメールが届く。 PM11 40 船内は広いので漬物を男女一組で探す。濱口と光浦が漬物を見つけたがその直後に襲われる。悲鳴を聞き駆けつけたメンバーの前には2つの漬物樽が。片方を開けるとぬかみそに漬かった光浦がいた。もう片方には濱口が入っていると思いきや中身はなんと前回メンバーを襲った大久保が入っていた。 大久保は皆に遅れて船に乗り込む時に襲われ、最初の犠牲者となっていたのだ。 その後濱口の助けを求める声が耳に入る。彼は縄に縛られ頭には蚊が沢山入ったカプセルを被らされていた。 犯人が大久保ではないと知ったメンバー。謎は深まるばかりである… AM0 55 未だに見つからない武田。実は武田は小包が落ちてきた時にはいなく停電後に現れた。 マジオネアでナンパを暴露された恨みでナンパ相手の女子大生と犯行に及んだと推理する岡村。 その後スクリームからカラオケ大会を始めろとメールが届く。明るい歌で盛り上がろうとするメンバーだが小田和正の『さよなら』が勝手に流れる。 そしてサビに入った瞬間鼻血が流れる紗理奈の映像(犯行予告)が映る。 AM1 40 紗理奈を守る為彼女を部屋に閉じ込めドアの前に集合するメンバーだが紗理奈の部屋の窓からスクリームが現れ窓を叩く。部屋の鍵を全部閉めたから安全なのに大袈裟に騒ぐ紗理奈にメンバー全員呆れる。 メンバーはめんどくさくなり犯人探しに行く。いつまでも駄々をこねる紗理奈に岡村は仕方なく雛形を紗理奈に同行さする。 AM2 15 紗理奈と雛形の2人がいる部屋を襲うスクリーム。そして岡村達にメールが届く。 (トイレに行きたいと言っていた紗理奈の)お望み通り、トイレに行かせてあげました。と書いてあった。 女子トイレに行くとウ○コの被り物を被らされた雛形がいた。被り物は鍵がかけられて外れなかった。 紗理奈は外でオション像に成り果てていた。 しかし紗理奈捜索中に山本がスクリームに拉致された事は誰も知らなかった… AM3 00 3時の鐘が鳴り響いた瞬間古時計の窓から武田の顔が現れる。武田は古時計の中に閉じ込められていた。 武田が犯人ではないとなると犯人は誰なのか… そしてメンバーにメールが届く。 夜食の準備ができました。食堂へどうぞ。 食堂には山本の服が落ちており奥の厨房には山本が小っちゃい山さん達に豚カツにされかけていた。 メンバーが知らない間に山本を豚カツとして食べさせる作戦だったのだ。 「人カツだろ。」 AM4 05 矢部、今すぐロビーに来い。 ここに来て普通の呼び出しを受ける。案の定襲われる矢部。そして矢部は真夜中の海で漂流されていた。頭にはやっさん(横山やすし)帽が被らされていた。 AM4 40 雛形の被り物に付いている南京錠をよく見ると吉本興業のマークを発見した。さらに幽霊船長の襟に付いていた国会議員バッチを岡村は回収していた。そして矢部のやっさん帽。これらの共通点は全て西川きよしに繋がっていた。確かにめちゃイケはきよし師匠に色々迷惑を沢山をかけていたがきよし師匠はこんな復讐をする人ではないはず… 推理している時にスクリームが4人も現れ加藤を拉致した。そして加藤はまたも電気あんまをされる。 船の先端にスクリームを追い詰めたメンバー。ついにスクリームの正体が暴かれる。 以下ネタバレ(一部要反転) スクリームの正体はきよし師匠の妻であり大親友の西川ヘレンだった。 犯行動機は国会議員の仕事で忙しい師匠を番組の企画でめちゃめちゃにしたからという夫を想うが故の仇打ちだと言う。 そして残り3人のスクリームの正体は西川夫妻の子供・長男忠志、次男弘志、長女かの子だった。 でも彼等はめちゃイケに対して怒ってはいなく逆に感謝していた。 そして彼等からきよし師匠は怒っていない事を聞いたヘレンはメンバー達に謝罪して事件は解決したのである。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] この企画を好きだったな -- 名無しさん (2013-08-30 03 07 05) 美人さんには何気に仕打ちが甘かったw -- 名無しさん (2013-12-11 02 10 56) 前回の話見てたから終わった時「あれ、岡村黒幕じゃないの?」と首を傾げてたな・・・。 -- 名無しさん (2014-08-12 22 49 43) 古時計の心の扉やのくだりは面白かった -- 名無しさん (2015-03-06 20 34 50) 体育会や文化祭で気まずい空気になったとき 薄々と感づいたのに 空気を読まなかった黙らなかった自分が馬鹿すぎると思った -- 名無しさん (2015-03-06 20 38 04) 大久保が疑われたとき 塩島 かっちゃんという素人さんが出ていた -- 名無しさん (2015-03-30 03 15 55) ちなみに舞台となったフェリーは小笠原海運の「おがさわら丸」 -- 名無しさん (2015-10-30 16 19 41) メンバーの中にガチの幽霊船長がいる件について -- 名無しさん (2015-12-02 22 44 02) あちゃイケやら こちゃイケやらって、番組知らない人だったら、IQを疑うような危険な間違いなセリフ -- 名無しさん (2016-10-04 15 10 57) それに対しての「めちゃイケや言うてるやろ!英語で言わんと分からんか!?」って息子のツッコミに死ぬほど笑った記憶 -- 名無しさん (2017-04-05 10 04 46) 名前 コメント
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『土くれ』のフーケ捜索隊に、ツェルプストーとタバサ以外にもう一人仲間が増えた。オールド・オスマンの秘書、ミス・ロングビルだ。 オールド・オスマンの秘書なのだから当然メイジだろうし、フーケの居場所も知っている。戦闘員と案内役、まさに頼もしい限りである。 そしてわたしたちは早速馬車に乗り込みフーケの居場所へと向けて出発した。 普通、馬車よりも魔法で移動したほうが速いのだが、それだと目的地に着くまでにどうしても精神力を消費してしまう(当たり前のことだけど)。 目的地までの距離が長ければ長いほどだ。 しかし、フーケと一戦交えなくてはいけないような、そんな危険性を伴うときに精神力を消費するのはあまりにも不味い。 だから馬車に乗って目的地にまで行くのだ。馬車なら魔法より多少遅れをとるが魔法を使わなくても目的地まで行くことができる。 つまり魔法を使わない分精神力も温存できる、というわけである。 しかし『馬車』といっても、屋根や壁といった遮蔽物を取り払った馬車で、その見た目はまるで荷車のようだ。 これは、襲われたときにすぐに外に飛び出せるようにとの配慮で、このようにしたのである。しかし、この馬車に乗るのはあまりいい気はしない。 だって、この馬車が荷車に見えるということは、それはつまりわたしは荷台に乗っているように見えるということだ。 貴族であるわたしが荷車の荷台に乗るだなんて、それじゃあまるで平民みたいじゃないか。まったく、こんなことこういった必要性が無ければ絶対にしないのに。 「ちょっと。なんで私があげた剣を使わないの?」 そんなことを考えていると、当然ツェルプストーの(耳障りな)声が聞こえてきた。 『私があげた剣』?『使わない』?一体何のことだろうか。剣といえば、この中で剣を使うのはわたしの使い魔であるヨシカゲだけ。 ヨシカゲのほうを見やる。すると、そこにはわたしが買い与えてあげた剣が置かれていた。 ………………………………なんで!? 「あれは目立つから駄目だ。目立ったら相手に気づかれやすいだろ」 ツェルプストーの問いに、ヨシカゲはさも当然というふうにそう答える。 なるほど。たしかにあの剣は立派だけど、それだからこそ遠くからでもよくわかる。だから、そのせいでフーケが早くこちらに気づく可能性がある。 晴れてるからピカピカ光るだろうし。 それよりはわたしが買ってあげた剣の方が(不本意だけど)地味で目立たなくていい。 「……たしかに、ダーリンの言う通りね。わかったわよ。今回は仕方ないし。でも、次からはちゃんとあたしが買ってあげた剣を使ってね」 ツェルプストーもヨシカゲの言ったことが理解できたのだろう。渋々といった感じで納得した。 ふふ~んだ。ざまあみろベロベロバ~(もちろん実際にはしない。貴族はそんなみっともないことはしないのだ)。 一言で言えば暇。 良く言うなら暇。 悪く言うなら暇。 暇と言えば暇。 暇が暇で暇。 オールド・オスマンの演説を聴くぐらい暇。つまり、暇だった。 出発してからどれくらいの時間が経ったのだろうか、わたしにはわからない。 ミス・ロングビルの情報が確かなら、フーケの隠れている場所まで馬で学院から4時間も掛かる。 始めこそ、いつフーケが襲ってくるかもしれないという緊張が少なからずあったが、まったく何もないとそんな緊張感も続かない。 そうすると、どうしてもだらけてしまう。結果暇だと思ってしまう。暇になる。現に暇になってしまった。 暇じゃないのはこんな状況でも本を呼んでいるタバサぐらいだ。本当なら本なんて読んでいる場合じゃないのに。怒りを通り越して呆れるわ。 さて、暇だったら誰かと喋ればいいと普通は思う。でも、喋る相手がいない。 ヨシカゲは平民で使い魔だから論外。貴族のわたしとは話が合わないに違いない。貴族も知らなかったぐらいだし。 ツェルプストーなんて考えるまでもなく論外、却下、話しかけてきても喋らない、喋ることを許可しない。 タバサはどう見ても喋りそうにないし、ミス・ロングビルとは何を話せばいいのかわからない。 ……そういえばどうしてミス・ロングビルが手綱なんて握っているのかしら? 出発するときに自分から御者を買って出たから何も思わなかったけど、普通こういうのは付き人や使用人がするものだ。 それをどうして貴族であるはずのミス・ロングビルがやっているのだろうか? 「ねえミス・ロングビル……、手綱なんて付き人にやらせればいいじゃないですか」 わたしと同じことをツェルプストーも疑問に思ったのだろう。ツェルプストーは何の躊躇いもなくミス・ロングビルに問いかける。 まあ、わたしもそこは気になっていたところだ。こんなときだけだけどツェルプストーのお喋りは役に立つ。 ツェルプストーの問いかけに対しミス・ロングビルは、 「いいのです。わたくしは、貴族の名をなくした者ですから」 そう言って微笑んだ。 ……貴族『だった』んだ。オールド・オスマンの秘書が貴族じゃないなんてちょっと変だけど、きっとよほどの事情があるに違いない。 それにしても、わたしが直接聞いたわけじゃないにしても、ちょっとまずいことを聞いちゃったわ。 きっとミス・ロングビルも、このことはあまり言いたくないことだったに違いないはずだし。 しかし、ツェルプストーは止まらない。 「だって、貴女はオールド・オスマンの秘書なのでしょ?」 「ええ、でも、オスマン氏は貴族や平民だということに、あまり拘らないお方です」 「差し支えなかったら事情をお聞かせ願いたいわ」 ミス・ロングビルはツェルプストーの言葉に微笑を浮かべた。この状況でそれは誰が見ても言いたくないという証であるのは間違いない。 現にミス・ロングビルは喋ろうとはしない。 当然だろう。ツェルプストーが言う『事情』がどの程度までの事情かはわからない。けれど、貴族だった者にすれば貴族じゃなくなった後の軌跡なんて恥でしかないはずだ。 少なくともわたしはそう思う。なにせ身分が平民にまで落ちるのだから、貴族だった者には耐え難いことに違いなかったはずだ。 もしわたしが平民になったとしたら……、そんなこと考えるだけで恐ろしい。 「いいじゃないの。教えて下さないな」 が、ツェルプストーはそんなことをちっとも考えないらしい。興味津々と言った顔でミス・ロングビルに近寄っていく。 なんて無遠慮で思慮に欠ける行動なんだろうか。人の聞かれたくない秘密を無理に暴こうとするなんて。 それは貴族としてあまりにもマナーに欠けた行動で、貴族として見過ごすわけには行かない。 そんな義務感から、わたしはミス・ロングビルへと近寄っていくツェルプストーの肩を掴んだ。 今思えばそれは勝手な想像だったし、義務感よりも自分が勝手に想像したミス・ロングビルの過去に同情しての行動だった。 でも、そのときのわたしにとっては自分の中に沸き起こったものが義務感で、その義務感が真実であるということに疑いもしなった。 「なによ。ヴァリエール」 ツェルプストーがわたしへと振り返り睨みつけてくる。わたしはその視線に真っ向から対峙する。なにせわたしの方が貴族として正しい行動をしているからだ。 睨まれたぐらいで怯える筋合いが無いし、ツェルプストー相手に目線を逸らすなんて負けを認めるようなものだ。 「よしなさいよ。昔のことを根掘り葉掘り聞くなんて」 そういえば根掘り葉掘りの葉掘りってなによ?少しイラつくわ。 「……ふん」 ツェルプストーは小さくそう呟くと元の場所に戻り頭の後ろで腕を組んだ。 「暇だからおしゃべりしようと思っただけじゃないの」 「あんたのお国じゃどうか知りませんけど、聞かれたくないことを、無理やり聞き出そうとするのはトリステインじゃ恥ずべきことなのよ」 そんなわたしの言葉をツェルプストーは見事に無視し、足を組む。 まったく、ゲルマニアじゃこんな当たり前のこともわからないのかしら。まあ野蛮で成り上がりな国なんてそんなものよね。 「ったく……、あんたがカッコつけたおかげで、とばっちりよ。何が悲しくて、泥棒退治なんか……」 そんなことを考えていると、ツェルプストーの口からそんな言葉がイヤミったらしい声と共に飛び出してきた。 ……わたしのせい?とばっちり?なにをいってるんだこいつは? 「とばっちり?あんたが自分で志願したんじゃないの」 そうだ。ツェルプストーは自分から志願したのだ。それなのになんでそれがわたしのせいになるのか。 思わずツェルプストーを睨みつける。 「あんた一人じゃ、ヨシカゲが危険じゃないの。ねえ、ゼロのルイズ」 はあ?ヨシカゲが危険? 「どうしてよ?」 「いざ、あの大きなゴーレムが現れたら、あんたはどうせ逃げ出して後ろから見てるだけでしょ。ヨシカゲを戦わせて自分は高みの見物そうでしょう?」 わたしが逃げ出す?高みの見物?冗談じゃない! 「誰が逃げるもんですか!わたしの魔法でなんとかしてみせるわ!」 そうよ。貴族は決して敵に背を見せないのよ。敵を前にして逃げるわけ無いじゃない! 「魔法?誰が?笑わせないで!」 しかし、ツェルプストーの目には見間違いのないほどの嘲りの色が見て取れる。まるでわたしが逃げ出すことを決定しているかのように。 気に入らない。さっき『ゼロ』といったことも気に入らない。わたしの思いを軽く見ていることも気に入らない。だからツェルプストーは嫌いなのよ! 家系的にも、個人的にも! わたしとツェルプストーの鬱屈とした睨みあいはそれから暫らくの間続いた。最低の暇つぶしだった。
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梓「失礼します」 一応ノックをして入室。 職員室には見知った顔の先生が一人だけ居た。 さわ子「いらっしゃいにゃん」 紬「さわ子先生……?」 さわ子「そうだにゃん。今日は他に誰も居なくて困っていたところなのにゃん」 澪「先生……どうしたんですか?」 さわ子「にゃんにゃーーーん!!」 さわ子の口からおどろおどろしいものが姿を表す。 澪「ひっ!? あれが……」 紬「あれが正体……猫ね」 梓「うあああっ!?」 その猫のようなものが霊体となりさわ子から出現。 梓の口に目掛けて入り込んだ。 梓は恐怖で動けない。 梓「ああああっっ!?」 紬「梓ちゃん!!」 澪「…………」 澪も恐怖で動けない。 猫の霊体が梓の中に完全に入り込むとさわ子は糸切れ人形状態で倒れた。 澪「あ……ひ……」 紬「梓ちゃん……大丈夫?」 梓「……」 梓「大丈夫だにゃん」 紬「……だめね」 澪「……取り憑いたのか?」 梓「ただのツマミかと思ったら中々しっくりくるにゃん」 紬「最悪ね」 澪「ぐっ……」 梓「ほら」 梓「早く逃げないと食べちゃうのにゃん」 紬「澪ちゃん!」 澪「うんっ」 紬が合図して二人は職員室を飛び出した。 澪「ど、どうするムギ!」 紬「部室へ行きましょう!」 澪「わかった!」 その時後方の職員室の扉が吹っ飛び、中から巨大な猫が姿を表した。 澪「うわっ、なんだよあれ!?」 紬「まさか……梓ちゃん!?」 澪「あれが!?」 体長5メートルを超える巨大な猫が澪達を追いかける。 猫梓「お前たち鈍過ぎるにゃん」 澪「くっそ! ムギ、乗れ!」 澪の下半身が大きく膨れて蜘蛛のそれになる。 紬はそこに跨った。 澪「スピード上げるぞっ!」 紬を乗せて部室へ向かう。 しかし澪のスピードを持ってしても猫を振り切る事が出来ない。 澪「なんて早さだ……!」 紬「嫌な予感の正体は猫……私たちはごはんとおもちゃくらいにしか思われてないわね」 楽しそうに追ってくる巨大な猫梓を見て呟く。 澪「ううううっ……ころされるぅ……!」 半泣きで必死に逃げる澪。 紬「うーん……とりあえず反撃してみるね」 紬が猫梓に向かって手をかざした。 大根を射出。 猫梓に命中。 しかし猫梓は止まらない。 澪「どうなった!?」 紬「あんまり効いてないかも……」 澪「うああああんっ! ムギィ~!」 紬「お、おちついて澪ちゃん! とりあえず撃てるだけ撃ってみるね」 大根をガトリング。 廊下をフルに使って被弾を最小限に抑える猫梓。 紬は攻撃の手を休めないが猫梓もスピードを落とさない。 紬「それならっ!」 紬は天井に向かって大根を撃ち出した。 大根は天井で弾けてすりおろされて廊下に広がる。 しかし猫梓はツメを使って難無くすりおろし廊下を越えてくる。 紬「……」 澪「どうだ? やったかっ!?」 全力で飛ばしているため脇見をする余裕の無い澪が聞いてくる。 紬「……とっ、とりあえず部室に!」 澪「もうやだあああっ」 澪の跳躍で階段を上りきって部室に駆け込み、扉を閉めた。 澪「どどどどどうしようムギっ」 紬「澪ちゃん糸を出して!」 澪「いとっ!」 だばー。 澪から大量の糸が垂れる。 猫梓「にゃんにゃん」 その巨体で軽やかに階段を駆け上がる。 猫梓「ここかにゃん!」 猫梓が部室の扉を突き抜けて入ってきた。 紬「澪ちゃん!」 澪「よしっ!」 仕掛けて置いた糸が猫梓の身体に絡みつく。 猫梓「なんだにゃん?」 紬「そのままくるんじゃって!」 澪「分かってる!」 糸で猫梓をがんじがらめにする。 猫梓「ぷへっ。気持ち悪いのにゃん」 しかし猫梓が暴れると糸は切れてしまう。 澪「うそっ」 猫梓「ほんとにゃん」 猫梓が前足で澪をなぎ払った。 澪「げえあっ!?」 紬「澪ちゃん!!」 澪が猫梓の一瞬の攻撃を避けれずドラムセットに突っ込む。 続いて猫梓が紬をにらむ。 猫梓「お前の大根の所為で身体が水浸しなのにゃん」 紬「沢庵もあるのっ!! ピクルス――」 紬が沢庵ショットガンを打ち出そうとするが突然猫梓の姿が消える。 紬「えっ?」 澪「ムギっうしろ!」 猫梓「お前はのろいにゃん」 紬を前足で叩きつけてそのまま押し潰した。 紬「むぎゅう……!」 澪「ムギィーーーー!!」 それを目の当たりにした澪が梓猫に体当たりをかます。 猫梓「うごっ……まあまあ早い……にゃん!」 澪「っが!」 澪を尻尾ではたき落とす。 澪「げほっ……くそ」 猫梓「蜘蛛は足を一本ずつもいでいくのが楽しいのにゃん」 猫梓は馬鹿にしきった表情で澪を眺めている。 と、その時。猫梓の意思に反して前足が動いた。 猫梓「にゃん?」 下から持ち上げる力が猫梓の前足を跳ね除けようとしている。 猫梓はそれを押し潰そうと力を入れるが前足はどんどん浮いて来る。 猫梓「ぐぬぬ……!」 紬「わ……私……パワーには自信が……あるのぉっ!!」 猫梓「にゃにゃん!?」 紬が力を振り絞って猫梓を跳ね除けた。 猫梓は体勢を崩す。 紬「澪ちゃんっ!!」 体勢を立て直した猫梓の牙が紬を襲うが間一髪で澪が紬を拾った。 澪「こ、こわかった……」 紬「澪ちゃんありがとっ!」 猫梓「ちょっと楽しくなってきたにゃん」 澪「くそお……ゴキネコめ……」 紬「澪ちゃん」 澪「ん?」 紬「猫梓ちゃんの懐に行きたいの。出来るかな?」 澪「……や、やってみる」 猫梓「にゃにゃんっ」 猫梓が飛び掛かってくる。 紬を乗せた澪がそれを寸でのところでかわしていく。 猫梓「その調子にゃん!」 澪「このっ……!」 噛みつき、引っかき、尻尾。 それらが澪を仕留め損ねると部室に傷跡を増やしていった。 澪「はあっ……はあっ」 猫梓は少しずつ澪との間合いを詰めていく。 そうして段々と逃げる範囲を狭められ、澪は部室の角に追いやられた。 猫梓「どうしたのにゃん?」 意地の悪い笑みを浮かべて前足を構える。 紬「別にっ!」 紬が大根を猫梓の顔面に射出した。 猫梓はそれを前足で払いのけると目前には澪がいた。 猫梓がそれに食いつこうとした瞬間、澪は糸を足場にして空中で方向転換する。 澪「よしっムギ!」 紬「はいっ!」 猫梓の下から声が聞こえた。 猫梓「にゃに!?」 紬は猫梓の腹に右手を添えて叫んだ。 紬「ラディッシュパイルバンカー!」 部室全体を揺るがす激しい揺れと油圧系の音が鳴り響いた。 紬がゼロ距離で撃ち出した巨大な大根が猫梓の腹部を貫く。 猫梓「ゲボアッ!!」 びちゃびちゃと血を吐く猫梓。 腹部からもおびただしい血が流れている。 猫梓「グボッ……く……そったれにゃん……グパパパパーー!」 猫梓の口から霊体の猫が飛び出し、梓から完全に追い出されたそれが実体化する。 それは体長1メートル程度の猫で先程の巨大猫のような身体能力は見受けられない。 猫「ごはっ……仲間ごと攻撃するとか最悪なのにゃん……」 紬「観念して! 今なら見逃してあげる」 猫「くう……仕方ない、今のゴキブリより性能は劣るがさっきのメガネ女をもう一度乗っ取るにゃん。……人払いが裏目に出たかもしれないにゃん」 猫は部室を飛び出して職員室へと向かい始めた。 紬「そうはさせないっ!」 紬はすぐさま後を追った。 部室に残されたのは猫を追い出した事で元の身体に戻った梓とそれを棒立ちで見つめる澪。 梓「……」 澪「……梓?」 澪がふらふらと梓の元へ歩み寄り膝を突く。 梓は巨大な猫に変化していた所為で制服が破れてしまい今は一糸纏わぬ姿だ。 腹部の怪我と流れ出る血が痛々しい。 澪はそっと梓を抱きかかえた。 澪「おい梓……生きてるか?」 梓「……うぷ、げほっ」 咳き込みながら血を吐き出すも返事を返す。 梓「生きてますよ……えふっえふっ。……あの猫はどうなりました?」 澪「今ムギが追ってる。それにしても流石ゴキブリはしぶといな。まあサービスで止血しておいてやろう」 梓「それはどうも……。うあ、私裸じゃないですか……やだなあ」 澪「ゴキブリなんだからいいじゃないか」 梓「嫌ですよ。澪先輩ブレザー貸してください。癪ですけど無いよりマシです」 澪「糸で全身巻いてやろうか?」 澪が糸で作った即席の包帯で梓の腹部を止血する。 梓はゆっくり起き上がり渋々貸されたブレザーを羽織った。 澪「っと、のんびりしてられないな。私はムギを追う。ゴキブリはホイホイで休んでろ」 梓「律先輩に言いつけますから」 梓を部室に残し澪はムギを追って職員室へ向かった。 6
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クロード こうしてればいつか神様が助けてくれるって? 嘘だね。神は下を向いてるやつなんか見向きもしない。神の奇跡は掴み取るもんだ。自分で、自分自身のこの手でな。 ——そうおもうだろ、あんたも。 —クラウディウス・フルトベングラー 名前:クラウディウス・フルトベングラー クラス:クレリック6、オーデインド・チャンピオン5 種族:人間 属性:中立にして善 信仰:アウレリウス 性別:男性 年齢:17 身長:6ft 体重:166lb XP:47225(六章終了時) -オルターフォーチュン(200)*4-100+ パーテー資産: 1696.25(20141220) 【筋】14+4+(+4)【敏】10+(+0)【耐】14(+2) 【知】10(+0)【判】18+2(+5)【魅】14+4(+4) HP 73= (10d8(4、4、4、5、8、5、3、1、8、1)+30)/ AC23+=10+10(鎧)+2-1(盾)+(敏)+1+1(反発) +(ヘイスト)+(イレイション)+(ディバインプロテクション)+(バークスキン) 接触11、立ちすくみ22 イニシアチブ+0 移動20フィート セーヴィングスロー 頑健 +5 +4 +2 +1 = +12+ 反応 +2 +1 +0 +1 = +4+ 意志 +5 +4 +3 +1 = +13+ 基本攻撃ボーナス+9、組み付き+13 近接武器: +1アダマンティン製ロングソードオブファインドザギャップ(1d8+4+1+/19-20x2/12)/ +15+++=9(BAB)+4+(Str)+1(強化)+1(特技) +(IFB) +2ロングソードオブリランダー(1d8+4+2+/19-20x2/12)/ +16+++=9(BAB)+4+(Str)+2(強化)+1(特技) +(IFB) +1スペルストアリングガントレット(1d3+4/x2/12)/コンバスト(Lv7、威力強化) +14+++=9(BAB)+4(Str)+1(強化) +3ミスラル製ダガー(1d4+6/19-20×2/9)/ +16+++=9(BAB)+4(Str)+3(強化) 近接接触:+10 遠隔接触:+8 鎧:+2高品質フルプレート(AC+10(鎧+8、強化+2)、【敏】上限+1、判定ペナルティ+5、50ポンド) ) 盾:+1高品質バックラー(AC+2(盾+1、強化+1)、判定ペナルティ±0、両手持ちの際攻撃ロールに—1) 強打 arーx、dmg+x 両手持ち+強打 (【筋】14) arー(1+x)、dmg+1+2x x>=2なら arー(1+x)、dmg+3+2x (【筋】18) arー(1+x)、dmg+2+2x x>=2なら arー(1+x)、dmg+4+2x 技能 (( )内は相乗効果及びその他の修正値、クラス外技能は[ ]で記す) 〈精神集中〉16=14+2、〈知識:宗教〉14=14+0、〈呪文学〉14=14+0 技能の離れ業 特技 《治癒呪文任意発動》(Hmn) 《強打》(1Lv) 《退散回数追加》(3Lv) 《信仰の相殺》(6Lv)FC2 《恐るべき一撃》(9Lv) 《不屈の精神》(OCh) 《武器習熟》(ロングソード)(DBn) 《武器熟練》(ロングソード)(DBn) 特殊能力 アンデット退散11/Day 難易度10+7+4、ダメージ7d6[使用回数:] 信仰の鎧:即興アクションでダメージ減少5/-、次のターン開始時まで 一撃:即興アクションでatk+魅力、dmg+cl 信仰の砦: 呪文注入: 魔術僧侶: 神々の拳: 迅速な任意発動: 聖なる戦士: 戦場の術者: 言語 共通語、グレイホーク共通語 所持品:27lb PHBⅡの冒険者セット的アレ(背負い袋、ベルトポーチ、寝袋、火打ち石、/陽光棒、ロープ50ft.(麻)、保存食十日分、水袋)27lb 治癒道具 1 構成要素ポーチ 2 ポーション・ベルト(csw) 聖印(銀製)1 ルシルの葉(精製五回分) オーメンオブペリルの焦点具(25gp) トゥルーシーイングの物質要素(250gp)*1 ダイアモンド(1000gp)*7 ユニコーンの角(190)*0 ガントレット 装備中のマジックアイテム:70 +1アダマンティン製ロングソードオブファインドザギャップ (ptp) ミスリル製ダガー+3 1lb ロングソード+2オリエン 高品質ロングソード 4lb +1スペルストアリング(コンバストLv7威力強化)・スパイクトガントレット(右) 1lb フルプレート+2/6 50lb. バックラー+1/3 5lb リング・オブ・プロテクション+1/5 リング・オブ・レッサースペルバトル/9 クロークカリスマ+4/8 1 アームバンズオブマイト/3 ベルトオブジャイアントストレングス+4/10 ベストオブレジスタンス+1/5 ペリアプトオブウィズダム/8 HHH/9(戦利品全般) 5lb ユニコーンの角*2(接触を近距離に)190 ガーディナルの羽*1(AC+2)600 【所持品すべて、財布、発煙棒×6】 ポーション キュアモデレット*2 キュアシリアスウーンズ ディスプレイスメント ディメンジョンホップ ヘイスト スクロール 1Lvリムーブフィアー25 2Lvリムーブパラリシス150 2Lvディヴァインインサイト150 2Lvシーインビジビリティ*4 150 2Lvロープトリック(Lv10 500 3Lvリムーブカース375 3Lvマスコンビクション 3Lvダウンドラフト 3Lvゴーストタッチウェポン 3Lvスペルキャスターズベイン 3Lvディスペルマジック(Lv10、750 /3Lvフェルザグレイテストフォー 4Lvディヴィネーション725 4Lvスピークウィズデット 4LVフリーダムオブムーブメント* 4Lvディメンジョナルアンカー700*2 5Lvリヴィヴィファイ(ユニコーンの角入り)2310 5Lvコミューン1625 アライン・ウェポン コンセントレイト キュアモデレットウーンズ*3 リムーブディシーズ アニマルメッセンジャー インビジビリティパージ ワンド 1Lv サイン 50/1 2Lvベネディクション キュアライトウーンズ 50/30、 レッサービゴー50/50 レッサービゴー50/21 レッサービゴー50/ (/アルヴィッツァへワンド・オブ・キュア・モデレット・オヴ・ウーンズ(術者レベル3) 10チャージ/4、サイレンス34/2、ストーンスキン) 所持金:43gp−1sp-10cp 4lb.(タック爺に1200gp貸 合計運搬重量 74ポンド +ポーションベルト 荷重:軽 58ポンド 中 116ポンド 重 175ポンド 頭上持ち上げ:400 持ち上げ 800 押し引き 2000 呪文発動能力 信仰、クレリック呪文、術者レベル9 セーヴ難易度: 15+呪文レベル 呪文使用回数 0Lv 5 / 1Lv 5+1 / 2Lv 5+1 / 3Lv 3+1 / 4Lv 3+1 / 5Lv 2+1 領域; 戦、審問 すべての解呪判定+4、《武器習熟:ロングソード》、《武器熟練:ロングソード》 プリセットスペル 0Lv ガイダンス ガイダンス ガイダンス ライト レジスタンス 1Lv:(魔術:トゥルーストライク トゥルーストライク シールドオブフェイス コンヴィクション プロテクション・フロム・イービル レイオブホープ 領域:マジック・ウェポン(戦) 2Lv:(魔術:シーインビジビリティ ディヴァイン・プロテクション ディヴァインインサイト ディヴァインインサイト シーインビジビリティ シーインビジビリティ 領域:ゾーンオブトゥルース 3Lv (魔術:スペルキャスターズベイン) ディスペルマジック プレイヤー オルターフォーチュン 領域:ディテクトソウツ 4Lv (魔術:ディスペリングスクリーン) フリーダムオブムーブメント ブレッシングオブライチャス(PH2 ディスペルスクリーン 領域:ディバインパワー(戦) 5Lv (魔術:インドミダビリティ) インドミダビリティ レイズデット 領域:トゥルーシーイング 背景設定的考察 ノイエフラネスの一大国であるミッテンハイム大公国近郊の小さな領地、バーンスタイン候国で生まれ育つ。粗暴だが根は優しく、何より自分の住む居場所を大切に思っている。両親はバーンスタイン候に仕える騎士とその妻であったが、母はクロード出産後に、父は 出生先でそれぞれなくなっている、ということになっている。詳細は不明。その後領主であるバーンスタイン候マルティヌスに引き取られ、息子のように育てられる。義父に睨まれながら何でも屋(というていの荒事屋)のまねごとをしていた。 そこに伸びる魔の手。この国は『断層』の真上にあり、ここを制すれば物の行き来を掌握出来る、とミッテンハイムのお偉いさん方から眼を付けられていた。 そして覚醒するクレリックとしての能力。夢に現れるハイローニアス(?)。「力が欲しいか? なら私の下へ来るが良い」 二年ほど前にアウレリウス騎士修道所(武術学術帝王学を学ぶロイヤルスクール)への入学を進められる。クロード渋々承諾。(ここから学園パート) やんちゃの限りを尽くす。ミッテンハイム大公嫡男デーナリオン(当時)と知り合う。 (なんとか)学園を卒業し、候国に戻るクロード。表向きは二年前とさほど変わらないが、何やらきな臭い空気が漂う。クロードは、この地を守ることが出来るか。 候国には幾人か気の合う仲間がいて、幼い頃からの付き合い。領主の息子(娘?)とか、親友の悪ガキとか。←GM好きに使ってください 関連NPC ストラーダ・バーンスタイン(領主の息子、長男) ミノア・バーンスタイン(ストラーダの妹) ブレンディ(親友悪ガキ) マルティヌス・バーンスタイン(バーンスタイン候国領主) ミッテンハイム大公国(ノイエフラネスの有力国家) デーナリオン(ミッテンハイム大公、クロードの二つ上、グルメンホード?) 名前 本名はクラウディウス=フルトベングラー。愛称はクロード、クラウド、など。 堅苦しい人はクラウディウスと呼び続けるかもしれない。 データ的解説 オーディエント・チャンピオンを目指すクレリック。以上。 名前 コメント
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時、虚刀、学園にて ◆xzYb/YHTdI 水倉りすかは箱庭学園にいる。 理由は簡単。 「これをやっと食べられるのが私なの……」 支給品の食糧、りすかの場合は「乾パン」だった。 缶詰に詰まっていたが、これは手で開けられたタイプだったので、そこは問題なかった。 ――――さて、比較的どうでもいい設定だったのだが、りすかは乾いたものは食べれないという設定がある。 しかしお腹はサイレンを鳴らす。 所詮小学生。 そういった根本的な身体の作りは弱い。 別にりすかにはその食の欲を禁欲する必要はあまりないので、食べようと努力した。 その結果、りすかは、 「それにしても大きいのが、箱庭学園なの」 そう箱庭学園に訪れていた。 理由としては、最低条件である、水を確保できる可能性が大きいこと。 もちろん支給品としての水もあるが、それをただ乾パンのために使うのはさすがにもったいないだろう、という考えもあった。 なので、どこか水を手に入れる場所があるか確認してみた。 まず先ほどの、クラッシュクラシックが頭をよぎるが、さすがに戻るにしては歩みを進めすぎたし、 こういったおそらく序盤であろう時間に来た道を戻るというのもどうかと考え、次を見て見た。 次にぱっと目に入ったのは海だった。―――が、さすがにそれは最終手段と考え、またしても次に進む。 そして、一戸建てやら、喫茶店やらがあったが自らの位置関係の中で、 一番近くにあり、水も手に入りそうな、もっと言うとキズタカもいそうな場所な箱庭学園にりすかは進んでいった。 今度は道に迷うこともなく。 そして今、ここにいる。 そこで、虚刀流と出遭うこととなった。 ◇ この者はりすかが箱庭学園に到着する大分前には目的通り箱庭学園に到着していた。 「――――しかし面倒だ」 相変わらずその口癖を発するはやはり鑢七花である。 縛られない。 叱られない。 絞られない。 ただただ優勝を目指し動き、殺す。 そんな彼は今、学校中を探しまわり終わったというところにまでいた。 校舎、植物園、やけに冷えた倉庫、鉄骨造りの何か、時計台前、剣道場、 変に荒された更衣室(七花にはやましい考えは無かったけど)などを訪れない。 ただ一年間旅をしてきた彼も、見たことのない物質があり、戸惑った。ということもあったが。 そして最後に訪れているのは、体育館だった。 その道中、誰とも出会うことは無かった。 だから改めて、もう一度地図を見る。 優勝するため。殺すため。 やはり目に入るのは、 一、 クラッシュクラシック 一、 豪華客船 今度はこの二つに絞られた。 ただ、そこで迷っていても仕方ないので、距離が近いクラッシュクラシックに行こうと決意する。 そんな時だった。 「あなたに聞きたいのが、私なの」 なんて奇抜な言語に、奇妙な姿に、奇禍な出遭いをしたカッターを手に持つ水倉りすかがそこにいた。 ただ、別に出遭って直ぐに七花もりすかも戦うほど、血に飢えている訳でもない。 ちゃんと七花の場合は剣士としての作法に則り、りすかの場合は人間としての常識に則り、 順序を整えて戦闘にシフトする。 「それでキズタカを見つけたのが、あなたなの?」 「――――?えーと……それで……俺がキズタカを見つけたのか聞いえてるのか?―――なら、しらねぇな」 「ならいいのが、私なの」 「おいおい……。まぁいいか、ツッコムのも面倒だ」 と。 ここで七花は構える。 一の構え『鈴蘭』。応用が一番効く構えである。 そこで一回七花は一瞬だけ目を閉じて、 見開いた!! 「虚刀流七代目当主、鑢七花。推して参る!!」 「――――――へ?」 間抜けな声を挙げたりすか。 次の瞬間には、既に懐にいた。 「虚刀流奥義一の奥義。『鏡花水げ……つ』?」 しかし、七花の攻撃が当たることは無かった。 そこに、りすかの姿は無かったのだから。 ◇ 解説という名の語り口からの説明不足の謝罪のコーナー さて、 りすかは『赤き時の魔女』という異名を持つ。 魔法は『属性』水、『種類』時間、『顕現』操作。 その名の通り、彼女は時を操る魔法を駆使して戦うのだが。 例を挙げるとするならば、 先ほど―――というには時間は経ち過ぎたが、零崎曲識との戦いで見せた、大人りすかが代表格である。 次に、『省略』という、魔法を使える。 これは、傷の完治までの時間を『省略』したり、目標の座標に行くまでの時間を『省略』したりできる。 もうお気づきの方もいるかとは思うが、説明させてもらおう。 あの七花が懐に入った瞬間には、りすかは『省略』を行ったのだ。 病院での一戦、ツナギの時とは違う。 ツナギは彼女にとって、天敵だったから、怯え、恐怖し、戸惑い、混乱したのだ。 だから、『省略』が通常通り行うことができずに、詠唱しざる負えなかった。 しかし今回は違う。 傍から、少なくてもりすかから見たらただの徒手空拳に怯える必要がなかった。 あの素早い動きには驚いたが、ただ、それだけだった。 『魔法使い』もしくは『魔法』使いであろうが、少なくてもりすかとは違い、詠唱が必要となる。 その間に逃げることは簡単であった。 さて、ならば次に出てくる疑問は、何故逃げたのだろう、という疑問であるが。 それは簡単。 あまりに殺し過ぎたら、もしかたらここにいるかもしれないキズタカに怒られてしまうかもしれないから。 使えない。なんて言われたくないから。嫌われたくないから。 ―――まぁ、今の七花はどうみても害を成す人間にも見えたのだが、それならそれで、また殺せばいい。 少し、甘い考えかもしれないが、今、りすかの身体は少しおかしいのに彼女自身は気づいていた。 やはり先ほどというには遠い過去のことだが、曲識との一戦で大人から子供に戻ったときに気づいたのだ。 ならば、危険を冒してまで『死ぬ』こともないだろう。という考えの下に彼女はそのような行動をとったのだった。 ◇ りすかは再び「クラッシュクラシック」に訪れていた。というか跳んだ。 りすかはそれほどまだ、色々な場所に訪れていないせいか頭に情景が思い浮かぶことができなかった。 なので渋々というわけでもないが、そこに訪れざる追えなかった訳である。 ここで、りすかは少し疑問に思う。 (いじられたのが、ここなの?) そう、少し変わっていた。 どこが?と聞かれると困ってしまうほどの差異だが、感覚的な物がそう、訴える。 しかし、それを知ったからといってりすかはどうすることもできない。 だから、りすかは再び、歩みを進めたのだった。 【一日目/深夜/C-3クラッシュクラシック】 【水倉りすか@りすかシリーズ】 [状態]健康 、腹八分目、出血(小) [装備]カッターナイフ [道具]支給品一式×2(片一方の食糧、乾パンは食べました)、ランダム支給品(0~2) [思考] 1、まずは、相棒の供犠創貴を探す。 2、この戦いの基本方針は供犠創貴が見つかってから決める。 [備考] ※新本格魔法少女りすか2からの参戦です。 ※治癒時間、移動時間の『省略』の魔法は1時間のインターバルが必要なようです。(残り60分) なお、移動時間魔法を使用する場合は、その場所の光景を思い浮かべなければいけません。 ※大人りすかについての制限はこれ以降の書き手にお任せします。 ◇ 手には血。 りすかの手首から放たれた血が『鏡花水月』を放った手に着いてしまったのだ。 しかし彼はそれを軽く拭うだけで、それ以上何もしなかった。 というかまず蛇口の使い方など知る由もないのだから。 むしろ彼はある単純にして難解な疑問を頭の中でいっぱいだった。 そして、それを口にする。 「何だったんだろう……」 ただただ呆然するだけだった。 何せ、目の前にいた人が、目の前で消え去ったのだから。 絶対折れない刀を見た彼でも。 何でも切れる刀を見た彼でも。 数多を感じる刀を見た彼でも。 薄くて美しい刀を見た彼でも。 何でも防御す刀を見た彼でも。 重くて無骨な刀を見た彼でも。 電流が流れる刀を見た彼でも。 思い人を模す刀を見た彼でも。 心を清浄する刀を見た彼でも。 自分すら計る刀を見た彼でも。 毒が体に廻る刀を見た彼でも。 遠方から刺す刀を見た彼でも。 どんな『異常』なことを見た彼でも驚かざる負えなかった。 忍者とも。 所有者でも。 『不忍』のあいつでも。 おそらくできなかった芸当を目の当たりにしたのだから。 ――――しかし。 そんな彼だから、こういった事態の対応は簡単に、柔軟にすんなりと済まして行く。 「まぁ―――何者でも、いいか」 そして再び歩みを進める。 りすかのいる、「クラッシュクラシック」へと――――。 【1日目/黎明/D-4 箱庭学園 体育館】 【鑢七花@刀語】 [状態]健康 、りすかの血が手、服に付いています [装備] [道具]食糧二人分、水、筆記用具、地図 [思考] 基本:優勝し、願いを叶える 1:「クラッシュクラシック」に向かう。 [備考] ※時系列は本編終了後です。 ※りすかの血に魔力が残っているかは不明です。 堕落の果て、害悪の跡地にて 時系列順 障り猫逆怨み 堕落の果て、害悪の跡地にて 投下順 障り猫逆怨み クラッシュクラシックの赤い魔法 水倉りすか 魔のつく二人の人探し 虚刀流、道を決める 鑢七花 刀らしく人らしく
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アンチロッテの有名人・芸能人リスト 特定の球団のアンチ 泉圭輔 ソフトバンク→巨人投手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。本人によるとロッテは最も嫌いな球団で、2022年シーズンのロッテ戦で滅多打ちにされた以来、極力ロッテの菓子などは食べないようにしてる。 金泰均 元ロッテ選手 「私は日本の千葉ロッテマリーンズと契約したがそれは間違いだった。言葉が通じないしホームランを売ってもコーチがハイタッチをしてくれない。全く野球が楽しくなかった。」と逆恨みしている。 小池秀郎 元近鉄投手 1990年のドラフトでロッテの入団を拒否した。小池は西武、ヤクルト、巨人の3球団を希望し、それ以外であれば社会人に進むことを表明しており、特に阪神とロッテには拒否の意向を強く伝え、更に総監督の矢野祐弘も「ロッテは最も入れたくない球団」と発言していた。 酒居知史 ロッテ→楽天投手 美馬学の人的補償でロッテから楽天に移籍が決まった時は大喜びしてた。ロッテに所属してた時は起用法と成績低迷で不満があった。 佐々木千隼 ロッテ→DeNA選手 ロッテに所属してた時は出場激減に不満があり、現役ドラフトでロッテから移籍した時は大喜びしてた。 澤村拓一 ロッテ投手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。2020年シーズン途中に香月一也とのトレードでロッテへ移籍したが、日本では巨人以外の球団にいる意思はなく、シーズン終了後に即座にFA宣言してメジャーへ移籍した。しかし日本球界復帰時に巨人からのオファーはなく、嫌々と渋々ロッテに戻った。 K-鈴木 オリックス→巨人投手 2023年交流戦でロッテと対決したときに池田来翔にデッドボールを「わざと」ぶつけて骨折離脱させた。 ダルビッシュ有 パドレス投手 涌井が嫌いでアンチロッテである。ちなみに涌井が入る前から本人はアンチロッテだったとのこと。 長野久義 広島→巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。ロッテに指名された後に入団拒否会見で「ロッテはファンの応援がうるさくていつまでも優勝できない。世界一入りたくないチーム。」と発言しロッテファンからの顰蹙を買った。 比嘉幹貴 オリックス投手 2018年7月20日のロッテvsオリックス戦で中村奨吾にわざと乱闘を仕掛けられたことを根に持っている。 古木克明 元プロ野球選手、格闘家 小学生時代の卒業文集で「絶対に行きたくない球団はロッテ、大洋(現・横浜DeNA)です」と書いていたエピソードがトリビアの泉で紹介された。 藤岡貴裕 元巨人投手 2020年練習試合でロッテと対決したときに福田秀平にデッドボールをぶつけて骨折離脱させた。 丸佳浩 巨人選手 千葉県出身だが熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。一部でロッテファンを自称していたのは嘘でFA移籍時にはロッテからのオファーを無視した。 元木大介 巨人コーチ 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。ダイエーホークスの指名を拒否したり、戦力外後にトライアウトを受けず引退した。 森友哉 オリックス選手 熱狂的なオリックスファンで東日本の球団は全てアンチ。 贔屓球団以外アンチ 秋広優人 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 石原慎太郎 元政治家 故人。熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 稲田朋美 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 井納翔一 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 内海哲也 元巨人・西武選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 大勢(翁田大勢) 巨人投手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 大城卓三 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 岡本和真 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 オコエ瑠偉 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 小野田紀美 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 梶谷隆幸 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 片山さつき 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 門脇誠 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 木原誠二 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 河野太郎 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 坂本勇人 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 櫻井よしこ ジャーナリスト 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 佐藤正久 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 菅義偉 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。過去に「巨人以外の球団は大がつくほど嫌い」という発言をしている。 菅野智之 巨人投手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 杉田水脈 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 高梨雄平 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 竹中平蔵 パソナ会長 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 テリー伊藤 プロデューサー 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 徳光和夫 フリーアナ 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 十倉雅和 経団連会長 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 戸郷翔征 巨人投手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 中居正広 元SMAPメンバー 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 成田悠輔 経済学者 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 新浪剛史 サントリー社長 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 橋本琴絵 作家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 橋下徹 弁護士・元大阪市長 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 はすみとしこ ネトウヨ漫画家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 原辰徳 巨人監督 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。「俺は巨人以外のチームで絶対に監督はやらない」と明言。ドラフトの際も巨人以外から指名された場合は入団を拒否するつもりだった。 百田尚樹 放送作家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 堀内恒夫 政治家、元巨人監督 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。評論家時代には他球団を見下す発言が多々見られた。 松井一郎 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 松川るい 政治家 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 松田宣浩 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 御手洗冨士夫 キヤノン社長 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 山口俊 元巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 山崎伊織 巨人投手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 横山英幸 大阪市長 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 吉川尚輝 巨人選手 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 吉村洋文 大阪府知事 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 渡邉恒雄 読売新聞社会長 巨人以外の近鉄などの消滅した球団も含む他球団を激しく憎んでいる。ただし巨人を支持する理由は新聞の売り上げのためであり、巨人ファンとは言い難い。 渡邉美樹 ワタミ会長 熱狂的な巨人ファンで近鉄などの消滅した球団も含む他球団は全てアンチ。 アンチロッテの企業・団体リスト 巨人ファン 野球ファン ほぼ全員がアンチ阪神で、それ以外では中日を嫌う者が多いが、それ以外の球団に関しても見下している者は多く、中には巨人以外は全てアンチという者も少なくない。パ・リーグ各球団は「マイナー球団」と言って見下す者が多い。更にロッテは「貧乏球団」と言って見下す者が多い。 ネット右翼(ネトウヨ) ネット住民 巨人ファン率が高い傾向にあるので他球団(特に阪神、中日)はアンチが多い傾向にある。また、ロッテは親会社が韓国系であるため特に嫌われる傾向がある。 江崎グリコ 製菓会社 親会社が競合相手でありロッテを嫌悪する傾向が見られる。 ブルボン 製菓会社 親会社が競合相手でありロッテを嫌悪する傾向が見られる。 明治 製菓会社 親会社が競合相手でありロッテを嫌悪する傾向が見られる。 森永製菓 製菓会社 親会社が競合相手でありロッテを嫌悪する傾向が見られる。
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946 名前:『ゲーセン』1/5[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09 54 09.29 ID QuEJDhZDO [1/3] 俺は今ゲーセンに来ている。 受験生なのにと自分でも思ってるけどな、俺だって来たくて来てるわけじゃないんだぜ? 桐乃のやつ、俺が受験失敗したらどう責任とってくれるんだろな。タノシミダナーハッハッハ。 もうわかってると思うが、ここには桐乃に連れて来られたんだ。 ったく突然俺の部屋のドア開けて「ゲーセンいくわよ!!」だもんな。どっかの団長様を思い出したぜ。 結局そのまま連れ出されて今はいつもの4人組でここにいる。 黒猫と沙織も来るなら絡む相手にも困らないだろうし俺いらなかったんじゃね? 面倒くさいことになりそうだから言わないけど。 「ぐぬぬ……!!」 「もうあきらめたらどう? もう少しあなたの悔しそうな顔を見るのも悪くはないけれど」 「うるさい!! 絶対とってやるんだから!!」 『クレーンゲームは貯金箱』とはよく言ったものだな。桐乃、いまのでいくら貯金した? 桐乃がゲーセン限定のメルル人形と格闘を始めてすでに30分。 こいつが金持ちだとはいってもそろそろ止めてやったほうがいいだろ。黒猫や沙織も待たせちまってるしな。 947 名前:『ゲーセン』2/5[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09 56 04.90 ID QuEJDhZDO [2/3] 「おい桐乃、」 「なによまだあきらめない……あ、そうだ。アンタ取りなさいよこのメルルちゃん」 「はぁ!?」 「変な顔すんな! わたしがお金払うから問題ないでしょ!! はいもうお金入れたからさっさとやる!」 大声で変な顔とかいうなよ! 突然んなこと言われたら誰だって同じ反応するっつーの! しかしここは大人しく従っておく。俺の金じゃないしな。適当にやっても問題ない…… おい何だよ桐乃その期待に満ちた顔は! さっきまでの渋い顔はどこへ行ったんだ。 くそっ、そんな顔をされたら頑張りたくなるだろうが!! シスコンじゃなくてもな! 「あっ! ……あー……」 「今のは惜しかったですな! 京介氏、頑張ってくだされ!」 「少なくともそこの女よりは可能性があるわね」 黒猫、素直に誉めてくれてもいいんだぞ?まぁまだ取れたわけじゃないが……。 えーとさっき桐乃が入れたぶんだと残り回数は……3回か。 採れなかったら俺に文句いいながらまた続けるんだろうな。しかし文句も続けさせるのも阻止したい。 となるとあと3回で採るしかねぇな。よーく狙って、と。 「よしこれでどうだ?」 「いけっ! て、ああー!」 「どうやら今回も無理そうね……あら?」 途中ですぐに諦めて残り2回の攻め方を考えていたが黒猫の声で我に返る。 「黒猫なにが……うおっ、持ち上がってる!?」 「隣の人形の商品タグにアームの爪が引っかかっていたようね。ふ、結局運だよりとは情けないわね」 「まあまあ黒猫氏、運も実力のうちと言うではありませんか。良かったですなきりりん氏!」 「……! ………!!」 沙織の言う通りだぞ黒猫。 運も実力のうち! ウンウン。 ……そんな目で見るなよ。 で、肝心の桐乃は……人形が出口に向かうのをものすごい目で見ている……。輝いてるってレベルじゃないぞ。 あやせからもらったメルルファギュアのほうがレア度が高いはずなのにあの時以上の反応に見える。 あの時は声に出して騒いでたしな。 948 名前:『ゲーセン』3/5[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09 57 21.39 ID SRFMAVzDO [2/4] 「ほれ、桐乃。とれたぞ」 「あ、ありがと。……だ、大事にするから」 お、おい、今桐乃の口からありえない言葉が……最近聞いたな……。 桐乃が少しずつ変わってきてるのはわかってる。それも悪い変化じゃない。 驚くばかりじゃなく自然に受け入れてやらないとな。 「おう。つってもやっぱ運でとれたようなもんだし俺の金じゃ……痛ぇ!! なにすんだ沙織!?」 「京介氏、もう少し雰囲気というものを考えたほうがいいでござるよ……」 「まったく、高坂のKはKYのKだということね」 沙織も黒猫もひでえな。それに黒猫、家族まとめて馬鹿にすんじゃねえよ! 「あの、ホントにありがとね……!」 ……自然に受け入れるってのはまだしばらく無理そうだ。 だ、だってよ! 俺の妹が、こ、こんなに……!! 「イチャイチャするのもいい加減にしなさい。目的は果たしたのだし別のゲームコーナーに行くわよ」 「そうでござるな。そうそう、このゲームセンターは階でジャンルが別れてまして……」 黒猫、そんなこと言うと桐乃が……ほらな? このあとはすっかり調子を取り戻した桐乃と黒猫の喧騒、何故か詳しい沙織の説明を聞きながら遊び回った。 949 名前:『ゲーセン』4/5[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 09 58 43.34 ID QuEJDhZDO [3/3] ―――――――― 「ふぅ~~」 スッキリしたぜ。 今日は朝からトイレに行ってなかったからな。突然連れ出されてドタバタしてたし考える暇もなかった。 桐乃と黒猫がクイズゲームに熱中してる間にトイレに行かせてもらった。あいつ等から目を離すのは少し不安だったが沙織もいるし大丈夫だろ。 しかしクレーンゲームのフロアにしか男性用トイレがないというのも不便だな。 「さて、とっとと戻らないとな。……お?これは……」 ――――――――――――――――――――――――― 「おっそい! なにやってたのよアンタ!」 「わりぃわりぃ。あれ?黒猫と沙織は?」 「アンタが遅いから先に格ゲーやりいってもらった。と、友達待たせるのも悪いし……」 ふむ。やはり俺以外には割と常識的なんだなお前は。いや、いいことだけどさ。俺以外、がついてなけりゃな。 よし、黒猫たちのところに向かうか。 「遅れたアンタが仕切んな! ってうわぁ!?」 「「あっ」」 桐乃が転びそうになった。バランスを取り直して結局転ばなかったがな。さすが陸上部だぜ。 ……いや問題はそこじゃない。って言ったら桐乃に怒鳴られそうだかそこじゃない。 今確かに聞こえたんだ。天使の声が。 「……あやせ?」 振り返るとマイスイートエンジェルが物陰から顔を出していた。 何故こんなところにあやせがいるんだ?ゲーセンにくるような奴じゃないのに。 あやせがこちらに近づいてきたので理由を聞くと、どうやら俺たちをつけていたらしい。 いつから?そしてなんで? ……理由が予想出来るのが嫌だ……。 「桐乃とお兄さんが2人で歩いてるのを見つけてからです。もちろん、お兄さんがいかがわしいことをしないか見張るために」 そんなことしねえって何回も言ってるだろ!! つーか黒猫達ど合流する前からつけてたのかよ……。結構な時間だぞ? 割と歩いたし。 「桐乃のためですから。あ、桐乃の友人については桐乃の趣味を知ったときからなんとなくわかっていたので隠さなくて大丈夫ですよ?」 950 名前:『ゲーセン』5/5[sage] 投稿日:2011/01/19(水) 10 00 27.28 ID SRFMAVzDO [3/4] なるほど、それはよかった……ってそこじゃねえ! 前から思っていたがあやせにはストーカーの気質があるんじゃないか?まあ俺のことを思ってつけてくれるのならやぶさかではないヘヘヘ。 「突然ニヤつくのはやめてください。気持ち悪いです」 そうだよな! お前が好きなのは桐乃で俺のことは嫌いだもんな畜生!! っと、そうだ。こいつをあやせに…… 「あやせ、手の平をだせ」 「すいません警察ですか?」 「おいやめろ! 変なことじゃないから!! マジでやめてお願い!」 携帯を閉じ渋々といった表情で手の平を差し出すあやせ。 「ほらよ。これやるよ」 「な…! なんですか突然……これ……」 「ちょ、アンタそれどうしたのよ!?」 どうしたのって桐乃、さっきトイレに行った時にスゴく採れそうだったのが見えたから無意味に採っちまっただけだぜ? ほら、なんか採れそうなのがあると実際いらなくても手を出してしまったりするだろ? まあそんなわけで、天使の人形のキーホルダーなんて俺は使わないしせっかくだからあやせにな。天使だし。 ……あやせ? 震えるほど嫌なら貰わなくてもいいぞ? 俺が泣きそう。 「あーあやせ、突然すぎたよな。スマン。これは別の奴に……」 「だっ、だめです!!」 あやせは人形を握りしめて思いっきり手を引っ込めた。 だめってなにが? 「お、お兄さんのことです。返したら私が触った人形をつかっていかがわしいことをするに決まってます!」 「しねえよ!! 頼むからもう少しだけ俺の評価をあげてくれ! 少しでいいから!」 「無理です。と、突然好きだとか結婚しようだとかいう人なんて信用できません!」 「ア、アンタ普段あやせになにしてんの!?」 あ、あやせ、それは今関係ないだろ! 「と、とにかく私はもう帰ります!! じゃあね桐乃!」 あやせは爆弾と笑顔を残して帰っていった。 このあと不機嫌な桐乃に『俺の金』でクレーンゲームをやらされたり、男1人でプリクラコーナーを歩き回ることを強要されリアル通報されかけたりしたのはまた別のお話し……。 おわり