約 9,961 件
https://w.atwiki.jp/h21fjhs/pages/50.html
~第7学区 とあるカフェ~ ニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャー 海原 「おやおや、浜面さん大人気ですね」 浜面 「いや、あの……こんな数がまとわりついてくると、正直重いんだが」 一方通行 「ぬこカフェねェ……野郎3人で入るよォな店じゃねェだろ」ハァ 浜面 「そんなこと言って、内心まんざらでもないだろ?」 海原 「先程から膝の上でくつろがせてますしね。白い者同士、相思相愛じゃないですか」 一方通行 「うるせェ。おいモップ、オマエもいつまで居座ってやがる」シッシッ ペルシャ 「イヤー」ガシッ 浜面 「離れたくないってよ」 海原 「余程居心地がよいのでしょうね」 一方通行 「……オマエ、頭のネジ外れてンだろ」ナデナデ ペルシャ 「ブナー」 フシャァァァ フギャァァァァ 浜面 「あ、おい! 俺のことで争うのはやめろ!」 海原 「しかし、帰宅してからユリコさんに怒られませんかね」 浜面 「大丈夫だろ、あいつはおっとり型だし」 一方通行 「? オイ、ちょっと待て。オマエら、決まった相手がいるンじゃねェの?」 海原 「ええ、僕には結標さんという方が」 浜面 「滝壺こそ至高だ。反対意見あるヤツは表にでろ。講義してやる」 一方通行 「ユリコって誰だよ」 海原 「家族ですよ」 浜面 「そうか、お前には話したことなかったな」 一方通行 「……どンなヤツだよ」 海原 「色白で、元気が良くて、人見知りはまったくしないで」 浜面 「ちょいとイタズラ好きで、食いしん坊なんだよな。そこがまた可愛くてなぁ」 海原 「それと、物怖じしませんね。興味があれば一直線ですよ」 一方通行 「……」← ユリコ想像中 一方通行 「オマエら、節操ねェのな」ハァ 海原浜面 「「?」」 ペルシャ 「ブナー」 ~きぬはた荘 キッチン~ 絹旗 「彼氏(かのうじ)という生き物は実在するんでしょうか」 婚后 「……突然何の話ですか?」 絹旗 「というワケで、ミサワさんの超彼氏はどんな人か教えてください」 番外個体 「は、えっ?」 婚后 「あら、わたくしも興味がございますわ」 絹旗 「超浜面とか海原さんのことはそこそこ知ってますけど、ミサワさんの下僕については知らないことが多いので」 番外個体 「下僕って……それは浜面さんの専売特許だよ」 婚后 (浜面さんも、少しだけ不憫ですわ……) 絹旗 「で、どんな人なんですか、ほらほら」 番外個体 「あー……愛想悪くて、虚弱体質で、言葉汚くて、ひねくれてて、厭世家で、ピーマン嫌いで、白くて」 婚后 「少しは褒めて差し上げてくださいな」 番外個体 「…………不器用で優しい」 絹旗 「あーあー、最後の一言で超台無しです」 番外個体 「なんでよぉ!!」 婚后 「落として落として、最後に上げるのは常套手段ですわよ」 番外個体 「ぐぬぬ……もうこの話はお終い!」ザラザラザラ 絹旗 「お、いよいよチョコを溶かすんですね。テンパランスでしたっけ?」 婚后 「テンパリングですわね」 番外個体 「これが見た目より難しいんだ」マゼマゼ 婚后 「ダマにならないように気をつけませんと」 絹旗 「お、早くも溶け始めてきましたよ!」 番外個体 「おいそこ。なに食パンの耳持ってスタンバってんだ」 絹旗 「超味見ってヤツです」 婚后 「ダメですわよ、足りなくなったらどうするのですか」 絹旗 「浜面の分をチロルにします」 番外個体 「ダメだっての! ほら、ブラウニーなんでしょ、生地でも作ってきな」シッシッ 絹旗 「超ケーチーでーすー」 婚后 「ほらほら、わたくしたちも自分の準備をいたしませんと」 絹旗 「はーい」 絹旗 「えーと、バターは……」ゴソゴソ 婚后 「……絹旗さん、そのポーズは……少々扇情的では……ちゃんと膝を折ってしゃがんだ方が」 絹旗 「ふふん、超大丈夫です。角度は計算されつくしているので決して中身は見えません」 番外個体 「見える見えないの問題じゃないっての」 婚后 「はあ……あら? 卵の数が危ないですわ……」 絹旗 「古くなってもアレですし、使い切っちゃいましょう」 婚后 「お言葉に甘えますわね」 番外個体 「はい、こんなもんでしょ」ゴトン 絹旗 「おお、超チョコレートです」 婚后 「下準備その1は完了ですわね」 番外個体 「」ザラザラザラ 絹旗 「あれ? まだ溶かすんですか?」 番外個体 「これは自分で使う用のちょっと違うチョコ」マゼマゼ 婚后 「何が違うのですか?」 番外個体 「んー、ビターってやつ?」 絹旗 「甘さ超控えめですか」 番外個体 「超控えめだね、これは」 婚后 「出来上がりが楽しみですわね」コンパカッ コンパカッ 絹旗 「? 白身しか使わないんですか?」 婚后 「ええ。まずメレンゲから作りますので」 絹旗 「黄身、超ちょっと勿体無いですね」 婚后 「そういうことならどうぞ」 絹旗 「はい?」 婚后 「飲んでくださいな」ニコニコ 絹旗 「いやいやいやいや! 飲めませんよ!」 婚后 「身体にいいですわよ?」 絹旗 「それでもですね」 番外個体 「きぬはたのー、ちょっといいとこ」 絹旗 「見せませんから!」ウガー ~きぬはた荘 食堂スペース~ 結標 「んー……」ガサガサ 滝壺 「さっきから何やってるの?」 結標 「なかなか納得のいく形に仕上がらなくてね……」 白井 「あまり手を加え過ぎると、かえってグシャグシャになりますの」 滝壺 「ささっとやったったほうがいいよ」 結標 「分かってるんだけどね」ガサガサ 滝壺 「やり直したほうがよさそうだね」 結標 「あーん、もー、次!」グシャグシャポイ 白井 「転移能力に関してはミリ単位で調整できますのに……」 結標 「それとこれとは別よ」ガサガサ 滝壺 「ちょっと休憩しよ。焦ってるとなにもうまくいかないよ」 白井 「そうですわね、一休止挟みましょう」 結標 「うー……」 白井 「ところで、この大きいのは海原さん用だとして、この小さい量産型ハートはどうなさるおつもりで?」 結標 「考えてないのよね。義理ばらまく相手もそんないないし」 滝壺 「読者プレゼント」 結標 「なんの読者よ」 白井 「まあ、男女問わず身近な相手に渡せばよろしいかと。本命のついでという大義名分もございますし」 滝壺 「1個食べてみていい?」 結標 「ええ、どうぞ」 滝壺 「あ、普通にチョコレート」ポキポキ 白井 「甘さは若干控えめにしてますのね」ポキポキ 滝壺 「私好きだな、ビターっぽいほうが」ポキポキ 白井 「この一口サイズも、何気に気がきいてますの」ポキポキ 結標 「それぐらいにしてよ。なくなっちゃうでしょ」 滝壺 「あ、ギザギザハート発見」 結標 「……これ、浜面くんにあげようかしら」 滝壺 「……なんかやだ」ムー : : : 結標 「できた……」ヘナヘナ 白井 「包装紙にリボン、無難な仕上がりですの」 滝壺 「このちょっとだけ不恰好な感じが、手作り感出てていいよね」 結標 「もう許してよ……」 滝壺 「はい、一日早いけど二人に」 結標 「? なにこの包み」 白井 「この触り心地はクッキーですわね」 滝壺 「うん」 結標 「なんだか悪いわね」 白井 「ではわたくしからも」 滝壺 「さっきのネコ? もったいなくて食べれないかも」 白井 「カビる前に頂いてあげてくださいまし」 結標 「私からは……いいわね、さっき食べてたし」 滝壺白井 「「えー」」 結標 「余ったらあげるから」 ~きぬはた荘 キッチン~ 婚后 「♪」ガッシュガッシュガッシュ 絹旗 「メレンゲって、顔を超突っ込みたくなりますよね」 番外個体 「あー、なんか分かる。顔に塗りたくなるよね」 婚后 「や、やめてくださいな」 番外個体 「いや、しないけどさ」 絹旗 「たしかムースでしたっけ? ここからどうやってムースになるんですか?」 婚后 「こちらに、チョコレートと生クリームを混ぜたものがございますので」 絹旗 「顔に塗ると」 婚后 「塗りません!」 番外個体 「混ぜるんでしょ? それ」 婚后 「そうですわね。泡を残す感じで、そっと優しく」マゼマゼ 絹旗 「お、なんか超それっぽくなってきました」 婚后 「ここまでくれば、あとは容器に移して冷やすだけですわ」 番外個体 「絹旗さんはどこまで進んでるの? なんか暇そうだけど」 絹旗 「今焼いてますよ」 【オーブン】<ヴォォォォォォン 番外個体 「いつも思うんだけど、大丈夫なのかウチのオーブンは」 絹旗 「まあ、あれでちゃんと動いてますし」 婚后 「ミサワさんは、進捗はいかがですか?」 番外個体 「んー、そろそろいいかな」コトッ 絹旗 「なんですか、この出来損ない」 番外個体 「誰が出来損ないだコラァ!」 婚后 「トリュフですよね? ここから丸めるんですわよ」 絹旗 「あ、そうなんですか? やってみていいですか」 番外個体 「待った。この氷水で手を冷やしながらの方がいいかも」 絹旗 「(チャプ)うっ……超冷たいです」 番外個体 「で、こんな感じに一口サイズで」コロコロコロ 絹旗 「まさに泥団子ですね、見た目的にも」コロコロコロ 番外個体 「失礼だなキミは」 【冷蔵庫】<バタム 婚后 「こちらは固まるの待つだけですわ」 番外個体 「ムースってどれぐらいで固まるの?」コロコロ 婚后 「さあ?」 絹旗 「さあ、って……」 婚后 「どのみち渡すのは明日ですし。明日まで冷蔵庫に入れておきますわよ」 絹旗 「なんか楽ですね、ムースって」コロコロ 婚后 「あら、ここに到るまでは中々に大変ですのよ? メレンゲも作りましたし」 番外個体 「ただ混ぜるのもしんどいしねー」コロコロ 【オーブン】<イエーイ♪ 絹旗 「お、焼けた。超焼けました」トテトテ 番外個体 (やっぱおかしいよ、あのオーブン……) 絹旗 「超いい感じです!」 番外個体 「あー、胡桃ってこれに使ってたのか」 婚后 「これで完成ですか?」 絹旗 「冷ましてから、上にチョコ塗ってスライスアーモンド乗せて超完成です」 婚后 「あと一息ですわね」 番外個体 「よーし、こっちも仕上げ」ポフポフポフポフ 絹旗 「ココアパウダーですか?」 番外個体 「うん」 婚后 「こちらの群れにはかけないのですか?」 番外個体 「そっちにはこれかけるから」つ【グラニュー糖】 絹旗 「なんか違うんですか?」 番外個体 「黒いのはビター、白いのは甘めだね」 婚后 「チョコレートを2種類溶かしていたのはこのためでしたのね」 番外個体 「そういうこと」フフン 絹旗 「では、この絹旗サマが味見を」パク 番外個体 「あ、ダメ!」 _, ._ 結標 「( ゚д゚)!?」 番外個体 「あーぁ、知ーらなぁい……」 婚后 「?」 絹旗 「うっ、が、は……うあああ……」ブルブル 婚后 「き、絹旗さん!? 気をしっかり!」 絹旗 「苦いですぅ! 超苦いですぅ!!」ウガー 番外個体 「だからダメって……彼、甘いの苦手だから。原材料にこれ使ったんだよ」つ【カカオ99%】 婚后 「一欠けらよろしいですか?(パク)……こ、これはききますわね」 絹旗 「うぇ……口の中が超おかしくなりました」 番外個体 「わざわざ色分けたのに」 絹旗 「だってここまで苦いとは思わないじゃないですか! 超ひどいですぅ!」 番外個体 「つまみ食いしといて何言ってんだ!」 婚后個体 「「では、せーの 「超できましたー!」ピャー 番外個体 「おい、フライング」 婚后 「お気持ちは分かりますわ。最上の出来ですもの」クスクス 番外個体 「じゃとりあえず、当初の予定通りに」 絹旗 「超お茶会ですね」wktk 婚后 「? それは?」 番外個体 「あれ? 婚后さん、聞いてない?」 絹旗 「みんなで作ったのを、みんなで超味わいましょうということです」フンス 婚后 「まあ、そんなことが……道理でみなさん、たくさん作ってる訳ですわね」 番外個体 「……もしかして、婚后さん足りない?」 婚后 「大丈夫ですわ。わたくしもかなり多めに用意しておりますので」 絹旗 「とりあえず、他に渡す分だけ残しておかないといけませんね」 番外個体 「んーと、いくつかな……」 婚后 「本命用はちゃんと確保してくださいね」ニコニコ 番外個体 「それは大丈夫。絹旗さんが誤飲したのが彼用だから」 絹旗 「誤飲て! 赤ちゃんじゃないんですから!」 婚后 「言われてみれば、ココアパウダーの方がずっと少ないですわね」 番外個体 「これは普通の人の味覚には合わないでしょ」 絹旗 「なんつうもんを食わせてくれたんですか……」 番外個体 「別に食べてくれなんて頼んでないし」 婚后 「ほらほら、それぐらいに。片付けに入りましょう」 絹旗個体 「「はーい」」 絹旗 「しかし、気が付けば夕方ですか。超早いです」 婚后 「作業に没頭しておりましたしね」 番外個体 「浜面さんたちはなにやってんのかな」 絹旗 「大丈夫ですよ、浜面だし」 婚后 「でも、滝壺さんたちは心配しておられるかもしれませんね」 番外個体 (そういえば、一方通行はどうしてんだろ) 番外個体 (片付け終わったらメールしてみるか……)ジャブジャブ ~第7学区 とある遊技場~ 一方通行 「」ヒュッ コン コン カコンカコンカコン 一方通行 「9番in、だ。俺の勝ちだなァ」クカカ 海原 「ナイスポケットです」パチパチ 浜面 「なあ……一ついいか?」 海原 「どうしました?」 浜面 「次で何ゲーム目だ?」 一方通行 「5ゲームだな」 浜面 「俺ここに来てから一回も打ってねぇぞ!?」 海原 「仕方ないでしょう。ビリヤードはポケットに入れれば続けて打てるんですから」 一方通行 「仕方ねェな」 浜面 「お前が入れすぎなんだよぉ! 俺にもやらせろよぉぉぉ!」 海原 「でもたしかに、一方通行さんの独壇場ですよね」 一方通行 「ハッ、ここの出来がちげェよ」コンコン 浜面 「さてはお前、能力使ってるな!? ずるいぞ!」 一方通行 「アホか。使ってなくてもこれぐらいは朝飯前だろォが」 浜面 「そうなの?」 海原 「玉を打つ強さ、跳ね返る角度、もろもろの軌道予測は論理的には計算で弾き出せますからね」 一方通行 「ンな難しい話じゃねェ。スリークッションぐらいまでなら予測できンだろ」 浜面 「???」 海原 「まあ、相手が悪かったということです」 <あの、すいませーん 海原 「はい?」 女子A 「すっごいお上手なのね、見とれちゃったわぁ」 女子B 「よかったら教えてくださーい」 一方通行 「メンドくせェ。他あたれ」シッシッ 女子C 「いけずせんと。お礼に、今日の夕餉奢りますさかい」スリスリ 浜面 「」ドッキーン 海原 「……浜面さん、ダメですよ」ハァ 浜面 「わ、わかってるがな! あー、なんだ。俺らはそういうのナシだ」 女子A 「あら、つれないのねぇ」 海原 「すみませんが、僕らにはもう決まったお相手がいますので。命が惜しいんですよ」ニコニコ 浜面 「という訳だ」ウンウン 女子B 「えー、いーじゃん。ちょっとぐらーい」 一方通行 「そこの優男が言ったこと聞こえなかったンかよ。こっちゃオマエらよりも 上等な相手がいるんだ。残念でしたねェ?」 女子A 「……もういいわ。こんなお馬鹿さん、相手にするだけムダみたいねぇ。いきましょ」カツカツ 女子B 「え、あ、待ってよー。ほら、あんたも行くよ」ズルズル 女子C 「アーレー」 一方通行 「……ケッ、くっだらねェ。すっかり興醒めだ」ガシガシ 海原 「困ったものですね」 浜面 (逆ナンなんて初めてされたぜ!) ~きぬはた荘 リビング~ 絹旗 「終わりでーす」 滝壺 「あ、お疲れ様」 番外個体 「うん、疲れた」 白井 「出来はいかがでしたか?」 番外個体 「絹旗さんが悶えるぐらいの完成度かな」 絹旗 「アレは超トラップです!」ムキー 結標 「何を作ったのよ……」 婚后 「ビター、だそうですわよ」クスクス 滝壺 「それじゃ、お茶入れる?」 結標 「あ、手伝うわよ」 絹旗 「ユリコー。超おあずけの代わりに、今のうちの焼き海苔をあげましょう」つ■■■ ユリコ 「(*・ω・)」モシャモシャ 婚后 「ネコはチョコ食べれませんものね」 : : : 白井 「それでは、始めますの」 結標 「6人作って、色んなのができたわね」 絹旗 「それぞれ美味しく頂くのが目的で、超作りましょうと言い出したんですから」フンス 番外個体 「みんな他に渡す分は確保してあるんだよね?」 婚后 「抜かりございませんわ」 滝壺 「じゃ、全部食べちゃってもいいんだね」 絹旗 「……あれ? ミサワさんの毒弾がないですよ?」 番外個体 「毒弾ってなんだ、毒弾て。あれは避けてあるよ」 絹旗 「えー。アレを食べた人のリアクションが超見たいです」 番外個体 「……しょうがないな。淡希、これ食べて」 結標 「今の話を聞いた上で、食べると思ってるの?」 番外個体 「…………これ、一方通行用に作ったんだけど、出来上がりが不安なんだ……」 結標 「……」 番外個体 「だから、感想きかせて欲しくて……ねえ、お願い」 結標 「騙されると思ってるの? バカ」ペシン 番外個体 「いてっ」 滝壺 「置いておけば誰か食べるよ、多分」 白井 「こちらのブラウニーは、どなたの作ですか」クンクン 絹旗 「私です」ビシッ 結標 「器用なのね」 滝壺 「おいひい」 絹旗 「そりゃ私の作品ですから」フンス 番外個体 「クッキーかー、その手もあったな」サクサク 婚后 「結構なお点前ですわね」サクサク 滝壺 「頑張ったから」 絹旗 「え、なんですかこれ! ネコでチョコでオブジェですか!?」 白井 「一人一つですのよ」 婚后 「これは勿体無くて食べれないですわね」 結標 (どうしよ、もう食べちゃったとか言いにくい) 白井 「あの、今気付いたのですが5種類しかございませんの」 絹旗 「誰か提出してませんね」 婚后 「あ、わたくしですわね。ただいまお持ち致しますわ」 滝壺 「まだ完成してないの?」 婚后 「そろそろ大丈夫かと」 番外個体 「このギザギザハートは淡希のかい」 結標 「ギザギザなのはそれだけよ」 婚后 「お待たせいたしました。どうぞ召し上がってくださいな」 白井 「あら、ムースにしましたのね」 滝壺 「すごい、よく作ったね」 絹旗 「そんな難しくないですよ」 番外個体 「それは本人が言ってこそ意味を成すセリフだよ」 白井 「ふわふわで本格的な口当たりですの」 結標 「こんな美味しいの、一般家庭で作れるのね……」 婚后 「クッキーやブラウニーに比べれば、簡単ですわよ」 滝壺 「」 絹旗 「滝壺さん?」 滝壺 「………………このトリュフ、苦い」 番外個体 「? 今食べたの、白いヤツだよね」 滝壺 「うん、白かったね」 番外個体 「え、やだ、ウソ、何個か紛れ込んでる!?」 滝壺 「」ゴクゴク 白井 「ではお一つ(パク)こちらは甘いですの」 絹旗 「あー、まあ……超当たりつきってことで」 結標 「数を確認してみたら?」 番外個体 「……ちょっとみてくる」パタパタ 婚后 「あのチョコレートを使っただけあって、大した威力ですのね」 滝壺 「あれ食べた後だから、ムースがすごく甘い」モフモフ 番外個体 「……」 結標 「あ、どうだった?」 番外個体 「たしかに、数がおかしい……滝壺さんが食べたのを引くと、当たりがあと1個ある」 白井 「なんだか食べるのが怖くなってきましたの……」 番外個体 「んー、もしかしたら浜面さんと海原さん用に取ってあるやつかもしれないし……」 滝壺 「食べてみるまで分からないね」 婚后 「ある意味で、本当に当たりつきですわね」 絹旗 「(パク)残念、ハズレです。超甘いです♪」 結標 「そういえば、あの二人もそろそろ帰ってくるんじゃない?」 白井 「そうですの。この現場を抑えられては楽しみも減るでしょうし、片付けましょう」 絹旗 「家中甘い匂いが超付いてますから、何やってたかはバレちゃいそうですけどね」 番外個体 「とりあえず、ネコ以外はこれは大きい箱にまとめて入れておくから」 婚后 「お好きなときに頂けばよろしいですわね」 絹旗 「空腹で超眠れない夜に丁度よさそうです」 <たでーまー <ただいま戻りました 結標 「あら、明日の主役がお帰りね」 滝壺 「片付け間に合ったね」 ~翌朝 きぬはた荘 リビング~ 海原 「チェックメイトです」タンッ 浜面 「なっ、い、いつの間に……」 婚后 「あの、今お時間よろしいですか?」 海原 「ええ、大丈夫ですよ。勝負も決しましたし」 浜面 「ぐぬぬ……」 婚后 「こちら、わたくしからの義理チョコです。どうぞお召し上がりになってください」 海原 「チョコ? ああ、そうか。今日は2月14日でしたね」 浜面 「すげぇな、これ作ったのか?」 婚后 「ええ、昨日みなさんそれぞれ作りましたのよ」ニコニコ 海原 「なるほど。それで追い出されていたのですね」 浜面 「うん、うまい!」 婚后 「ありがとうございます」 白井 「お二人とも、わたくしからもございますのよ」 海原 「おや、これはこれは……」 浜面 「ずいぶん可愛い包みだな。いかにもバレンタインって感じだ」 海原 「ありがたく頂戴致します」 白井 「あ・く・ま・で・も、義理ですので」ニコニコ 浜面 「いやいや、もらえるだけでもありがたいぜ!」 婚后 「お上手ですわね、お二人にはこの後に本命が待ち構えておりますのに」クスクス 白井 「では、わたくし達は学校に向かいますので」 海原 「はい、いってらっしゃい」 浜面 「車に気をつけてな」 白井婚后 「「行ってまいります」」 海原 「まさか手作りとは……いざ貰えると、うれしいものですね」 浜面 「……」グス 海原 (泣くほど感動してますか) 番外個体 「はーい、お二人さん。私からもあるよ」 海原 「ミサワさんからも?」 浜面 「やべぇ、もらったチョコの人生レコードがあっさり更新されたぜ……」 番外個体 「はい、お二人の奥方に気を使って小さいけど」 海原 「ありがとうございます。本命には渡さなくていいんですか?」 浜面 「そうだそうだ。もっとすごいの用意してんだろ?」 番外個体 (そのすごいのが混ざってるかもしれないんだよね……) 番外個体 「ま、本命は本名ってことで。んじゃ、私バイトあるから」 海原 「お勤めご苦労様です」 浜面 (俺もバイト探さねぇとな) 海原 「いや、驚きましたね。こんなイベントが用意されているとは」 浜面 「俺、猛烈に感動してるわ……生きててよかった……」 海原 「大袈裟……でもないですね。お気持ちは分かりますよ」 絹旗 「泣くのはまだ超速いですよー」ポフン 浜面 「絹旗!? おんぶお化けは重……くないっつってんだろ!」 絹旗 「超当たり前じゃないですか。それより、はいどうぞ海原さん」 海原 「絹旗さんからもですか? ありがとうございます」 絹旗 「ホワイトデーには超期待してますので」ニコニコ 海原 「おや、これは頑張らないといけませんね」 絹旗 「はい、浜面の」つ【きなこもち】 浜面 「おいこれチロルじゃねぇか!」 絹旗 「あれー? もらえるだけでも超ありがたいんですよね? あれー?」 浜面 「すみませんでした、絹旗サマ」 絹旗 「……はい、これ」 浜面 「!?」 絹旗 「義理ですからね!? 海原さんと中身同じですからね! 超義理ですからね!」ドタタタ 浜面 「……渡すなりどっか行っちまったぞ」 海原 「照れ隠しですよ」 結標 「ねえ、海原」 海原 「あ、結標さん。どうしました?」 結標 「少ししたら、私の部屋に来てくれない?」 海原 「? ええ、分かりました」 結標 「うん、待ってるから」 <バタン 浜面 「……うわー、これきたわー。うらやまけしからんな」 海原 「人のこと言える身なんですか」 : : : 海原 「そろそろいいでしょうか」 浜面 「おお、行ってこい! で、帰ってくるな!」 海原 「しかし何の用事で……何か悪いことしましたかね」 浜面 「いいからいいから。ほれ、姐さんがお待ちかねだぜ」 海原 「?」 <バタン 浜面 「ったくよぉ。お熱いこって」 滝壺 「はまづら」ヒョコッ 浜面 「おお、滝壺。どうした?」 滝壺 「二人きりになれたから今の内、って思って」 浜面 「?」 ~同日 第7学区 隠れ家的喫茶店~ 番外個体 「これ、マスターに」 マスター 「これはなんであるか」 番外個体 「チョコレートです。ほら、今日バレンタインですから」 マスター 「そういうことであるか。頂戴するのである」 番外個体 「一応手作りですからね。心して味わってください」 マスター 「うむ」 <カランカラン♪ 番外個体 「いらっしゃいませー。あ、言って損した」 一方通行 「オイ、どォいう意味だ」 番外個体 「べっつにー」 一方通行 「ったく……いつもの」 番外個体 「はいはい」 番外個体 「この時間に来るってことは、最終信号の検査待ちかな?」カチャカチャ 一方通行 「あァ」 番外個体 「最終信号といえば、昨日はどうだった?」 一方通行 「どォだったもなンもあるか。朝から追い出されてエライ目にあったぜ」 番外個体 (うわ、そこまでしたんだ。やるじゃん) 一方通行 「よォやく日暮れ時に帰れたと思ったら、家中甘ったるい匂いが染み付いててよォ」 番外個体 「へー、そりゃ災難だったね」 一方通行 「一体なンなンだ。またオマエ、変なこと吹き込ンだンじゃねェだろォな」 番外個体 「なんのことやら……ねえ、それより今夜行っていい?」 一方通行 「合鍵渡してンだろ? 別にお伺い立てる必要もねェだろォが」 番外個体 「ま、一応ね」 <カランカラン♪ 番外個体 「いらっしゃいませー」 常連 「アップルティーくださいな」 ~きぬはた荘 結標個室~ 海原 「少々お待ち下さいね」パキパキパキ 結標 「この光景、何度見ても慣れないわね……」 海原 「まあ、顔面にヒビが入って剥離するなんて普通の人は滅多にないでしょうから」 結標 「滅多に、じゃないでしょ。まずないわよ」 海原 「はい、お待たせしました」 結標 「……ええとね、今日がどういう日か、貴方はもう分かってると思うんだけど」 海原 「はい」 結標 「……これ、貴方に」 海原 「これは……これを渡すのならリビングでもよかったのでは?」 結標 「だって……」 海原 「?」 結標 「貴方が素顔の時に渡したかったから……」 海原 「ああ……これは気がきかず、失礼しました」ナデナデ 結標 「やっ、頭撫でないでよ!」 海原 「お気に召しませんか?」 結標 「うー……」 海原 「これ、開けていいですか?」 結標 「え、ここで?」 海原 「はい。もうすぐにでも見たいんですよ」ガサガサ 結標 (やだ、こんな……羞恥プレイじゃない) 海原 「おお……手作りなんですよね? 見事な出来栄えです」 結標 「…………頑張ったもん」 海原 「このメッセージは、結標さんの本音と受け取っていいですか?」 結標 「……きっ……」 海原 「?」 結標 「聞かなくても分かるでしょ!!」ムキー 海原 「はは、そりゃそうですよね」 結標 (鈍いんだか、なんなんだか……) 海原 「"Crazy for you"。結標さんらしい、ストレートな言い方ですね」 結標 「……それ、絶対他の人に言わないでよ」 海原 「ええ、約束しますとも。それにしても……」 結標 「? なにかおかしい?」 海原 「いえ、気が合うと思いまして。僕も似たような気持ちですよ」 結標 「は……え?」 海原 「"Crazy for you"ということです」ニコニコ 結標 「なっ……」 結標 (こいつ、たまに無自覚でこんなこと言うんだから……) 海原 「? どうかされましたか?」 結標 (タチ悪いわよね……でも) 結標 「ううん、嬉しい」ピト 海原 「それはよかった。拒否されたらどうしようかと思いました」 結標 「する訳ないじゃない……ねえ、もうしばらくこのまま」スリスリ 海原 「どうぞ、気の済むまで」 ~その頃 きぬはた荘 リビング~ 浜面 (二人きりになれたからって……何が始まるってんだ!?) 滝壺 「それでね、はまづら」 浜面 (まさか、あんなことやそんなことを……) 滝壺 「? はまづら?」 浜面 (奥さんいけません! 午前中から、しかもリビングでそんな!) 滝壺 「はまづら、鼻血でてる」 浜面 「はっ」 滝壺 「大丈夫?」 浜面 「大丈夫だ。その、チョコ食ったら鼻血出ちまってな!」 滝壺 「食べ過ぎ」 浜面 「みんなしてくれるからよ、ありがたすぎて涙が出てくらぁ」 滝壺 「当然だけど、私からもあるよ?」 浜面 「お、マジでか!」 滝壺 「ね、隣座ってもいい?」 浜面 「何今更遠慮してんだ」 滝壺 「」ポスン 浜面 (やべぇ、なんか緊張してきた)ドキドキ 滝壺 「はい、これ、はまづらに」 浜面 「ありがとうございます」ハハー 滝壺 「他の人にあげたのとはちょっと違うやつだからね」 浜面 「何が違うんだ?」 滝壺 「内緒」 浜面 「食えば分かるだろ、開けていいか?」 滝壺 「うん」 浜面 「お、すげぇ。チョコクッキーだ」 滝壺 「頑張った」フンス 浜面 「食べてみていいか?」 滝壺 「……貸して」ヒョイ 浜面 「?」 滝壺 「はい、あーん」 浜面 「え?」 滝壺 「あーん」 浜面 「あ、あーん」パク サクサク 滝壺 「おいしい?」 浜面 「んまい! なんちゅうもんを食わせてくれたんや……!」 滝壺 「よかった、おいしいって言ってもらえて」 浜面 「も、もう一枚いいか?」 滝壺 「うん。あーんってして」 浜面 「」アーン 滝壺 「なんか、鯉に餌あげてるみたい」 浜面 「そう考えると、すっかり餌付けされちまってるな」サクサク 滝壺 「餌付けなの?」 浜面 「ああ。もう滝壺以外からあーんされても受け付けることはできんぜ!」フンス ~きぬはた荘 絹旗個室~ 絹旗 「ちぇー、リア充ばっかです。超居辛いです」 絹旗 「……やっぱ、私ぐらいの歳だと恋愛にもっと積極的なのが超普通なんでしょうか」 絹旗 「その辺、どう思います?」 ユリコ 「(・ω・)?」 絹旗 「ま、まあ、この私に釣り合う相手が超いないだけの話ですよ!」 絹旗 「……今まで私が関わった男の人で、且つフリーの人というと……」 ――ボクがおるやないの! 絹旗 「ないですからないですから!」ブンブン 絹旗 「……そういえば、ミサワさんがバイトしてるお店のマスターって」 絹旗 「超シブイって聞いたような……」 絹旗 「……」 絹旗 「今度、お店の場所を聞いておくとしますか」 ~同日 常盤台中学~ 婚后 「……これは新手のいじめなのでしょうか……」 婚后 「はあ……どういたしましょう」 <あれ?どうしたの? 婚后 「あら、御坂さん。ごきげんよう」ペコリ 美琴 「あ、うん。こんちは。どうしたのよ」 婚后 「それが……ロッカーを開けたらこの有様でして」 美琴 「……すご。これ、全部チョコよね」 婚后 「お気持ちは嬉しいのですが、どう持ち帰れば……」 美琴 「うん、わかるわー。私もロッカーに詰め込まれてたり、次から次へと渡されたりで……」 婚后 「困った習慣ですわね」 美琴婚后 「「はあ……」」 婚后 「かといって捨てるわけにもございませんし……運送業者に引きとってもらいますわ」 美琴 「え? そんなことできんの?」 婚后 「ええ。受け渡して、そのまま自宅まで運んでいただいて」 美琴 「それ、私も頼んでみていい?」 婚后 「勿論、問題ございまs 「お・ね・え・さ・まぁぁぁぁん!!」 美琴 「げえっ、見つかった!」 婚后 「今の声は白井さん……?」 美琴 「あの子、何をトチ狂ったんだが、自分の唇にチョコ塗ってきてるのよ!」 婚后 「それは……白井さんなりの贈り物では」 美琴 「受け取れるかっつーの! 私逃げるから! また後でね!」ダダダダ <お待ちになってぇぇぇ(ヒュンヒュンヒュン) <だーー!待てと言われてはいそうですかって言う訳ないでしょ!(ピシャーン) <あbbbbb 婚后 「……大変ですわね、あのお二人も」カチカチ 婚后 「あ、もしもし? はい、引取りをお願いしたいのですが……え? 死体? いえ、チョコレートですわ」 ~同日 きぬはた荘 結標個室~ 結標 「……ねえ、ついでに一つ」 海原 「なんですか?」 結標 「もう多くは望まないから。せめて二人でいる時ぐらい」 海原 「はい」 結標 「ファーストネームで呼んでほしいかな……」 海原 (どうにもピンとこないんですよね。呼称ってそんなに大事なんでしょうか) 結標 「ダメ?」 海原 (まあ、なにが大事なのかといえば) 海原 「結標さ……あ、いえ、淡希さんがそう望むのであれば」 結標 「っ……」ヘナヘナ 海原 「? どうかされましたか?」 結標 (きくわ、これ。同性に呼ばれるのとすごい違いね……) 結標 「ううん、なんでもない」スリスリ : : : 結標 「……」ナデナデ 海原 「こんなことされたの、初めてですよ」 結標 「貴方だけよ、ここまでさせるのは」 海原 「膝枕というのは、なかなか照れますね」 結標 「お互い様よ」 海原 「少々眠くなってきたんですが」 結標 「いいわよ、ちょっとぐらいなら寝ても」 海原 「ですが、この感触を今しばらく味わっていたいのも本音です」 結標 「……バカ。そういえばね」 海原 「はい?」 結標 「さっき真琴から、今日はすごく遅くなるか朝帰りってメールきた」 海原 「おやおや……あのお二人もお楽しみのようで」 結標 「何やってきたんだか、聞き出してあげないとね」クスクス ~その頃 きぬはた荘 リビング~ 滝壺 「はい、あーん」 浜面 「あ、あーん」 滝壺 「おいしい?」 浜面 「上手すぎて喉から手が出るぜ!」グッ 滝壺 「はい、もう一口」 浜面 「」マグマグ 滝壺 「みんなどうしたんだろうね。お昼ごはんの時間なのに」 浜面 「俺達に気を使ってるんじゃねぇか?」 浜面 (まー、海原達はどうせお楽しみ中なんだろうけどよ。ケッ) 滝壺 「……なんか悪いね」 浜面 「今日ぐらいは甘えておこうぜ」 滝壺 「そうだね……ねえ、はまづら。久しぶりにあれしてほしい」 浜面 「アレ?」 滝壺 「あれ」 浜面 「?」 滝壺 「ごちそうさまのキス」 浜面 「いやいやいや、ちょっと待て! "ごちそうさまの"ってのはやったことないぞ!?」 滝壺 「いいからいいから」 浜面 「あー……じゃあ、目閉じてくれるか?」 滝壺 「ん」パチリ 浜面 (くそぉ! 照れるじゃねぇかぁぁ!) 滝壺 「」wktk 浜面 (ええい、ままよ!) 浜面 「お、お邪魔します……」 滝壺 「っ……」 ~同日夕方 第7学区 とある病院~ 結標 「はあ……結局何時間ああやってたのかしら……」 結標 「時間が経つのを忘れるって、ああいうことを言うのね」コンコン <誰? 結標 「私」ガラッ ショチトル 「あなたか。今日はどうしたんだ?」 結標 「貴女にまだお礼してないことに気付いてね」 ショチトル 「?」 結標 「お兄ちゃんとの交際を認めてくれたお礼」クスクス ショチトル 「え、なっ、あ、あれは認める認めないの問題じゃなく、お兄ちゃんが決めた相手だから……」 結標 「でも、受け入れてくれたことには感謝してるから」 ショチトル 「う……」 結標 「で、ね。今日は感謝してる人に贈り物をする日なのよ」 ショチトル 「? 話に聞いていたのだと、女から男に渡す日だと」 結標 「細かいことはいいのよ。ほら、受け取って」 ショチトル 「これは?」ガサガサ 結標 「チョコレートよ、手作りのね」 ショチトル 「あ、ありがと……そうだ。あの、これ、私から」 結標 「買ってきたの?」 ショチトル 「看護婦さんに手伝ってもらって。お兄ちゃんに渡しておいてほしい」 結標 「……ダメ」 ショチトル 「なぜ?」 結標 「こういうのは自分で渡さないと」 ショチトル 「う、で、でも……」 結標 「それと、私に気を使う必要はないわよ? 貴女のお兄ちゃんなんだから」 ショチトル 「あう……」 結標 「海原、下の売店にいるから。呼んできてあげる」 ショチトル 「え!? ちょ、ちょっと待っ……消えた……」 ショチトル 「見る度に思うが、便利な術だな……」 <ドサッ ショチトル 「?」 海原 「あいたたた……おや? 売店にいた筈なのですが……」 ショチトル 「」ブーッ 海原 「おお、ここはショチトルの病室でしたか。丁度よかった」 ショチトル (あ、え、す、素顔!?) 海原 「これ、差し入れの雷おk」 ショチトル 「こ、これ! 私から!」ズイ 海原 「これは? わざわざ買ってきてくれたのですか?」 ショチトル 「ああ、病院の人が手伝ってくれるっていうから」 海原 「ありがとうございます。お返しは期待していてくださいね」ナデナデ ショチトル 「」プシュー ~とある病院 廊下~ 結標 (ふふ、うまくやってるかしら) チョンチョン 結標 「?」クルッ 麦野 「……」 結標 (え? 看護婦さん?) 麦野 「見つけたわよ、座標移動」クスクス 結標 「!?」 麦野 「どうしたのよ、怖い顔しちゃって」 結標 「……貴女、何者? 看護婦にコスプレしてまで、何しにきたの?」 結標 (まずい……すぐ後ろの部屋に妹さんが……) 麦野 「コスプレじゃないっての、ド阿呆」 結標 「え?」 麦野 「ま、いいや。話があるんだけど。ちょーっとツラ貸してもらえないかにゃー?」 結標 「……いいけど、周りには手を出さないでよ」 麦野 (さっきから何勘違いしてんだ、コイツ) : : : 結標 「で? 話って?」 麦野 「アンタ、確か絹旗んところに間借りしてるのよね?」 結標 「? 絹旗さんの知り合い?」 麦野 「そんなところ。で、これをね、届けてほしい訳。今日夜番で抜けれないからさ」 結標 「この袋って……高級チョコレートじゃない」 麦野 「浜面って冴えないチンピラがいるだろ? そいつに渡してやって」 結標 「……へー。ふーん」ニヤニヤ 麦野 「な、なによ」 結標 「いえ、別に。浜面くんとはどんな関係なの? 元彼?」 麦野 「……そこまで話す必要はないでしょ。麦野からって言えば伝わるはずだから」 結標 「麦野さんね。確かに預かったから」 結標 (にしても、背高いし髪綺麗だし顔立ち整ってるし、浜面くんも隅に置けないわね) 麦野 (脚細くて綺麗……見せつけてんのかよ、クソッ) ~同日 きぬはた荘 玄関~ 配達員 「おるかー」 絹旗 「はいはい」 配達員 「ここ、ここな」トントン 絹旗 「」ペタシ 配達員 「まいどー」 <バタン ユリコ 「?( ・ω・)っ」チョンチョン 絹旗 「……なんですかね、これ」 滝壺 「どうしたの?」 絹旗 「いえ、なんか大荷物が届いてですね」 滝壺 「誰宛て?」 絹旗 「えと、婚后さんですね」 滝壺 「実家からかな」 絹旗 「さあ……詮索も超すべきではないでしょうし」 <ギィィィィ 白井 「ただいまですの」 婚后 「ただいま戻り……あら?」 絹旗 「あ、超おかえりなさい」 滝壺 「おかえり。荷物届いてるよ」 婚后 「あらあら、もう届いてましたのね」 絹旗 「なんですか、これ」 婚后 「学校で頂いたチョコレートですわ。流石に担いでくるわけにもいきませんし」 滝壺 「これ全部チョコ?」 絹旗 「常盤台超すげー」 白井 「お姉様には負けますの」 婚后 「御坂さんには適いませんわ。せっかくですし、全員で頂きましょう」ベリベリ 滝壺 「いいの? こんごうがもらったのだよ?」 白井 「どの道、一人二人では食べきれませんし。傷ませてしまうほうがくださった相手には失礼ですの」 絹旗 「超言えてますね」ウンウン 滝壺 「わー、なんか高そうなのばっかり」ガサガサ 絹旗 「これが常盤台クオリティですか」 <ギィィィィ バタン 海原 「ただいま戻りました」 結標 「ただいま。……なにやってんのよ、みんなして」 絹旗 「超チョコパーティです」 海原 「これ全部チョコレートですか? すごいですね」 婚后 「次から次へと、こんな量になってしまいましたわ……」ハァ 結標 「あ、チョコで思い出した。浜面くんいる?」 絹旗 「お風呂でカビキラー中ですよ」 結標 「そう……これ、病院で預かったんだけど。麦野さんって人から」 滝壺 「むぎのから?」 婚后 「まあ、こちら最高級品ですわよ」 絹旗 「むー、超浜面のくせに。食べちゃいましょうよ」 滝壺 「だめだよ、きぬはた。むすじめ、後で渡しておくね」 結標 「うん、お願いね」 浜面 「終わったぞー。バッチリ綺麗だ。今日から俺はカビキラー王だな」フンス 海原 「いいんですか、それで」 白井 (チョコレートの口紅が余ってしまって……こうなったら、ですの!) 白井 「あの、大きいお姉様はどちらに?」 結標 「今日帰ってこないわよ」 白井 「」 浜面 「まーたお泊りか。ミサワの姐さんもようやるな」ケラケラ 婚后 「? 白井さん?」 白井 「」 絹旗 「超真っ白に燃え尽きてます……」 ~同日夜 第7学区 一方通行邸~ 打ち止め 「あの人はお風呂に入ったね? ってミサカはミサカはイマノウチ」 番外個体 「うん、大丈夫。それよりちゃんと出来た? 変なのになってないだろうね」 打ち止め 「ワーストが送ってくれたメール通りにやったらできたよ! ってミサカはミサカは完成品を掲げてみる!」 番外個体 (アルミホイルで包んで……ラッピングまで言わなかったからなぁ) 打ち止め 「あの人、喜んでくれるかな、ってミサカはミサカはちょっぴり不安だったり」 番外個体 「まー、顔には出さないだろうけど、どんなのでもちゃんと食べてくれるよ」 打ち止め 「ワーストはどんなの作ってきたの? ってミサカはミサカは敵情視察を試みてみたり」 番外個体 「ナ・イ・ショ♪ あとで最終信号にもあげるから、楽しみにしておくといいよ」 <ガチャ バタン 一方通行 「オイ、出たぞ。オマエらもさっさと入っちまえ」 打ち止め 「その前に! やることがあるの! ってミサカはミサカはあなたの手を引っ張ってみる!」グイグイ 一方通行 「あァ? なンだ?」 番外個体 「いいからいいから♪ お座りになって♪」グイグイ 一方通行 「押すな、危ねェだろ!」 打ち止め 「あのねー、今日バレンタインだから! これ!」ズズイ 一方通行 「どォしたンだよ、これ」 番外個体 「作ったんだよ、最終信号が。自分だけで」 一方通行 「……マジでか?」 打ち止め 「うん、大マジ! ってミサカはミサカは出来る女をアピールしてみる!」 番外個体 「んで、これは私から。手作りだから、ありがたく味わってね」 一方通行 「……」 番外個体 「なんか言う事ないの?」 一方通行 「あ、あァ……ありがとよ」 打ち止め 「ねー食べて! 感想きかせて! ってミサカはミサカは捲したててみる」 一方通行 「分かったから騒ぐな。近所迷惑だろォが」ズビシ 打ち止め 「ぴぎゃ」 一方通行 「しっかしまァ、手作りねェ」ガサガサ 打ち止め 「」ドキドキ 一方通行 「……甘ェ。これ、そこいらで売ってるヤツより甘ェぞ」 打ち止め 「う、だ、だって、チョコレートだし……」 番外個体 「ほら、コーヒー淹れた」コトッ 一方通行 「?」 番外個体 「」ジロリ 一方通行 「……あ、甘ェがブラックとの相性は抜群だな。悪くねェ」 打ち止め 「!」ニパー 番外個体 「ふふん、私が教えただけあるねぇ」ナデナデ 打ち止め 「ほめられたー! ってミサカはミサカは全身で喜びを表現してみる」グルグルグルグル 番外個体 「で? 私のはいかが?」 一方通行 「急かすなよ、せっかちは長生きできねェぞ」ガサガサ 打ち止め 「ワーストのはどんなの? ってミサカはミサカは覗き込んでみる」 一方通行 「ほォ? 見た目に似合わず可愛らしいの用意したじゃねェの」 番外個体 「いちいち一言余計だよ!」 一方通行 「……お。悪くねェな。ブラックを固形にして噛み砕いてるみてェだ」 番外個体 「あなたのブッ壊れた味覚に合わせてあげたんだからね」 一方通行 「はいはい、そりゃどォも」 番外個体 「はい、最終信号にも。こっちは甘くしてあるから」 打ち止め 「あ、ありがとー! ってミサカはミサカは早速実食してみたり!」パク 打ち止め 「」 一方通行 「? 何固まってやがる?」 番外個体 (え、まさか……) 打ち止め 「に、にが、がっ、にっがーーーーーい!!!」 番外個体 (大当たりぃぃぃぃぃ!?) 一方通行 「オイ、オマエまさかこれと同じの与えたのか? ガキにゃキツイだろォが」 番外個体 「あ、あの、これは……スリリングな当たり付き」アセアセ 打ち止め 「~~~~~~っ!!!」ポカポカポカ 番外個体 「ゴメンゴメン!」 : : : 番外個体 「」フー 一方通行 「クソガキはもォ寝たのか?」 番外個体 「うん」 一方通行 「こいつ飲ンだら俺も寝るか」ズズ... 番外個体 「ねーえー、寒いよー。一緒に寝ようよー」ユサユサ 一方通行 「アホ言え。ガキじゃあるめェし」 番外個体 「この間、このソファで膝枕してやったじゃん! 耳掃除もしてやったじゃん! しかもそのまま3時間近く寝やがって! そのお返しに腕枕ぐらいしてくれてもいいと思うけど」 一方通行 「くっだらねェ。俺は寝る」 番外個体 「……なんだよ。死んじゃえ、バカ」 一方通行 「…………俺の部屋に来るなら、戸締りと消灯確認してから来いよ」 番外個体 「!?」 一方通行 「ま、俺の気が変わらねェ内にな」スタスタ 番外個体 「……前よりもっと近づけたのかな。バレンタインのお陰で」 番外個体 「」ダッ <ガチャガチャ <戸締りおk!
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/534.html
~8月某日 きぬはた荘 リビング~ 【テレビ】<今日は、全人類の独立記念日だ! 絹旗 「///」 結標 (この演説シーン観るの何度目かしら……) 絹旗 「いやぁ、映画って超本当にいいものですね」ピッ 結標 「それは否定しないけどね。でも、一度だけでいいから最後まで観せてくれない?」 絹旗 「最後はですね、ドーンってなってズバーンと突っ込んで おいターコー って……」 結標 「言わないでよ!」 絹旗 「次はこれいきましょう」ガサガサ 結標 「インディか……絹旗さんが生まれる前の映画じゃない」 絹旗 「ハリソン超かっこいいです」 結標 「あら、俳優で選ぶこともあるの? 他に好きな人とかは?」 絹旗 「超好きな俳優さん、ですか? そうですね、シルベスターとか」 絹旗 「でもやっぱ超イチオシは缶コーヒーのCMにもでてるジョーンズさんです」 結標 「……」 絹旗 「ハリソンをジョーンズさんが追っかけまわす映画なんて超ヘヴィローテですよ……///」ハゥ 結標 「絹旗さんって骨董品が好きなのね」 絹旗 「こ、骨董品!? 超ナイスミドルと言ってください!」ウガー : : : 絹旗 「……」 結標 「…………」ジー 絹旗 (結標さんリクのこれは映画ですか? さっきから海洋生物が海中を動きまわってるだけなんですが……) 絹旗 (……でも、なんというか、超綺麗ですね) 結標 「私、こういうの大好きだなぁ」 絹旗 「海って……本当に、こんなに綺麗なんですか?」 結標 「私が小さい頃に行った海は人が多いばっかで、大して綺麗じゃなかったわね」 絹旗 「そういうものなんですか」 結標 「絹旗さん、海に行ったことないの?」 絹旗 「ないです。飛行機の窓から見たことならありますけど、超間近に見たことはないですね」 結標 (……そっか、きっと物心ついたころから学園都市にいたのね) 結標 「海、行ってみる? 時期的にもちょうどいいし」 絹旗 「超行ってみたいです」 結標 「どうせいくなら、綺麗な海のほうがいいわよね」 絹旗 「綺麗であっても、この映画みたいに氷がゴロゴロ浮いてる海は超イヤですよ」 結標 「そんなの私だって嫌よ」 絹旗 「とりあえず、みなさんにも相談してみましょうか」 結標 「ええ、それがいいわね」 ~同日夜~ 絹旗 「みなさん、海です」 結標 「色々省略しすぎでしょ」 滝壺 「海? いくの?」 絹旗 「夏だし、みんなでどうでしょうという話です」 海原 「確かに、海に行くにはいい季節かもしれませんね」 結標 「ところで、この中で海に行ったことある人いる?」ノ 婚后 「」ノ 絹旗 「二人だけですか、こりゃますます行かなければなりませんね」 滝壺 「でも、外出許可って出してもらえるかな」 白井 「今なら帰省シーズンで審査が緩くなってる筈ですので、大丈夫ですの」 婚后 「LEVEL5の方となるとそうもいかないでしょうが、わたくし達なら望みはありますわね」 番外個体 「海か……海で何するの? 釣り?」 結標 「発想が渋いわね。他にあるでしょ、泳いだりスイカ割ったり海原埋めたり」 海原 「えっ」 滝壺 「じゃあ、日程と場所決めないとね。申請にも必要だし」 絹旗 「今月中がいいですね、都合の悪い日がある人はいますか?」 海原 「いや、埋めるって、えっ?」 白井 「わたくしは来週頭に風紀委員の全体会議がありますので、それさえ避けて頂ければ」 番外個体 「土曜はやめてね、毎週病院に行く日だから」 結標 「他は?……まあ、夏休み中だし融通はきくか」 海原 「では、再来週の平日を狙いますか。あ、埋めないでくださいね」 滝壺 「後はどこいくかだけど……どうしよっか」 婚后 「あの、よろしいですか?」 絹旗 「なんでしょう」 婚后 「もしよろしければ、場所は提供させて頂きたいのですが」 結標 「提供……?」 婚后 「実家の方でプライベートビーチを所有しておりまして」 結標 (スケールが違すぎて付いていけないわ) 番外個体 (これがセレブか……) 婚后 「日頃のお礼も兼ねて、招待させてくださいな」 白井 「そうですの、この時期に海となると離れ小島でもない限りは大混雑でしょうし……」 絹旗 「お言葉に超甘えておくっていうのもアリということですね」 婚后 「ですが何分遠いので、行くとなると泊まりになりますがよろしいですか?」 白井 「先程申し上げた予定を避けて頂ければ、問題ございませんの」 番外個体 「同じく」 結標 「じゃ決まりね、申請は私の方でしといてあげる」 絹旗 (一番乗り気なのって結標さんですよね) 海原 「ちょっとした旅行になりますね、これは楽しみです」 番外個体 「……あ、水着なんて持ってなかったな」 結標 「買いにいくわよ!」 番外個体 「反応早っ! 何を企んでる!」 結標 「いつものようにアレコレ試着させて楽しむに決まってるじゃない。ついでに私も買う」 番外個体 「ちょっとは本心隠してよ」ハァ 白井 「そ、そういうことなら、わたくしもご一緒させてください!」 番外個体 (mjd……)ズーン 海原 「あ、では僕も是非」 3人 「「「アンタはダメ(ですの)」」」 海原 「」 滝壺 「私は持ってるからいいや」 絹旗 「同じく私も持ってますんで」 結標 「え? 意外ね、持ってるんだ」 絹旗 「プールなら行ったことありますからね」 婚后 「わたくしも持ってますので……あ、ではわたくし達で水着以外に必要なものを揃えるのはどうでしょう?」 結標 「お願いしていいの?」 絹旗 「超任せてください」フンス ~同日深夜 絹旗個室~ 滝壺 「ねえねえ、きぬはた」 絹旗 「はい、なんでしょう」 滝壺 「ゆりこはどうするの?」 絹旗 「あっ」 ユリコ 「( ・ω・)?」 絹旗 「ユリコだけ仲間外れは超可哀想です……連れていけませんか?」 滝壺 「……キャリーケースとか使えば、大丈夫なんじゃないかな」 絹旗 「やりましたね、ユリコ!」ヒョイ ユリコ 「(・ω・)?」 ~同時刻 結標個室~ 番外個体 「水着って……どんなのにすればいいのかな」 結標 「最低限隠すべきところだけ隠れてればいいのよ」 番外個体 (ダメだこいつ) 結標 「まあまあ、なんだったら私が選んであげるから」 番外個体 「直前の発言を聞いて、なおその言葉を信じろと?」 結標 「なんか最近冷たくない? あっ、そっか、一方通行に心奪われちゃったのよね」ニヤニヤ 番外個体 「なっ、んなっ、何を言い出すんだ!」 結標 「真琴ちゃんってば、照れちゃって可愛いなあ、もう」ナデナデ 番外個体 「顔撫でないでよ!」 ~同時刻 白井個室~ 婚后 「海なんて、何年ぶりでしょうか」 白井 「それにしても驚きましたの。まさか海一つ所有してらっしゃるとは」 婚后 「そんなまさか。正確には小島一つですわよ」 白井 「まあ、邪魔が入らないというのは素晴らしいことですの」 白井 (そう、邪魔が入ることなく大きいお姉様と……グフフ) 婚后 「し、白井さん? 身体からなにやら黒いオーラが立ち昇ってますが……」 白井 「あら、わたくしとしたことが……」 婚后 (いったい何をお考えに……?) ~同時刻 海原個室~ 海原 「……埋められませんよね?」 ~絹旗班(必要なモン揃える組)~ 絹旗 「なーにが必要なのですかね」 婚后 「最低限の食料や消耗品は用意するように言っておきますわ」 海原 「逆に言えば、それ以外のものは自分たちで揃える必要がある、と」 滝壺 「例えば?」 海原 「……雀牌とか?」 絹旗 「私がルール分からないので超却下です」 婚后 「雀牌なら、今回使う別荘に置いてあったと思いますが」 絹旗 「あるんですか!」 滝壺 「浮き輪使いたいんだけど、あるかな」 婚后 「そういった類のものは持ち込まなければいけないかと……」 絹旗 「あ、そういえば……」 滝壺 「?」 絹旗 「結標さんが海原さん埋めるって言ってましたよね」 海原 「えっ」 絹旗 「スコップと鶴嘴があればいいですか?」 海原 「僕に聞かないでください。あといらないです、スコップも鶴嘴もいらないですから」 婚后 「もしもの時のために、そういった道具は置いてある筈ですわ」 絹旗 「よかったですね、海原さん」ニコニコ 海原 「よくないですっ」 滝壺 「浮き輪あった、あとコレ」トテトテ 絹旗 「……あ、ビーチボールですか。これも買っていきませんか?」 婚后 「ええ、よろしいんじゃないかしら」 海原 「このビーチボール怖い顔ですね……メガンテを唱えそうな顔してますよ」 絹旗 「そしたら海原さんに超トスです!」 海原 「やめてくださいよっ」 : : : 海原 「ふぅ……重いですね」 滝壺 「頑張って、私は荷物持ちのうなばらを応援してる」 婚后 「こういう時に殿方がおられると頼りになりますわ♪」 絹旗 「超頑張ってください」 海原 「絹旗さん、僕より力あるのでは?」 婚后 「そういえば、以前に車を放り投げてらっしゃいましたわね」 絹旗 「なんですか、海原さんは超か弱い超美少女である私に荷物持ちをさせたいんですか」 海原 「はは、これは失礼しました。引き続き持たせていただきますよ」 ~結標班(水着買う人組)~ 白井 「大きいお姉様ー、こちら似合いそうですの♪ ぜひご試着を」 結標 「あら、白井さん。これはちょっと大胆過ぎじゃない?」 番外個体 「ちょっと大胆? この∨字型のビニール紐が? 私には水着にすら見えないんだけど」 結標 「まあまあ、着てみないと分からないこともあるわよ」 白井 「そうですの、何事もチャレンジですの」 番外個体 「これまでも色々試着させられてきたけどね、これだけは絶対ヤダ!!」ウガー 白井 「つれないですのー」 番外個体 「私はいいから、二人とも自分のを選んできてよ」ハァ 結標 「そうね……(ヒョイ)あ、これいいな」 白井 「ツーピースですか。この鮮やかな赤がなんとも情熱的ですの」ハゥ 番外個体 「こういうのセンターストラップって言うんだっけ?……ハデだなぁ、歳考えなよ」 結標 「結標淡希17歳! 貴女と同い年です!」グリグリ 番外個体 「あいたたた! 頭割れる割れる!」 結標 「そういえば、白井さんは選ばなくていいの?」グリグリ 白井 「あ、わたくしはとっておきを持ってますので」 結標 「あら、楽しみね」グリグリ 番外個体 「もう許してー!」 結標 「口は災いのもとってことね」パッ 番外個体 「……まだ痛い」 白井 「大きいお姉様、こちらなどいかがでしょう?」 番外個体 「……や、これもちょっと……」 白井 「えー、折角わたくしの水着と色違いお揃いですのに」 番外個体 (え……マイクロビキニじゃん) 結標 (白井さんも大胆ね……) 番外個体 「……! これがいい」ヒョイ 結標 「えー、ワンピース? それはつまらなーい」boo boo 白井 「……あら? でもこちらの水着、背中ざっくり空いてますの」 結標 「これ、後ろから見るとビキニね。面白い作りになってるわね」 番外個体 「白井さんが持ってきたのに比べると随分マシに見えるよ」 結標 (この模様、なんか見覚えあると思ったら一方通行の……) 番外個体 「決めた、これにする。淡希はそれでいいの?」 結標 「え? えぇ」 番外個体 「歳を」 結標 「」ガシッ 番外個体 「ゴメン、なんでもないから頭掴まないで。そのまま手放して」メリメリ : : : 結標 「買った買った」ホクホク 番外個体 (一方通行から貰ったお小遣い( 344)のお陰でかなり思い切った買い物ができたな) 番外個体 (このイベントのためにバイトちょっと休むことになったけど、なんとかなりそう) [[携帯電話]]<ヒビキアウ ネガイガイマ メザメーテクー♪ 白井 「あっ、ちょっと失礼しますの(ピッ)はい、もしもし」 白井 「あら、婚后さん……あっ、はい。こちらも今し方終わりましたの」 白井 「はい、わかりましたの。では後ほど」ピッ 結標 「なんだって?」 白井 「向こうの買い物もちょうど一段落着いたらしいので、合流して昼食にしますの」 ~30分後 とあるファミレス~ 白井 「あ、あちらにいらっしゃいましたの」 滝壺 「きたきた、こっちこっち」ノシ 絹旗 「先にはじめてますよ」プハー 結標 「飲み会じゃないんだから」 婚后 「満足いくお買い物は出来ましたか?」 番外個体 「うん、かなりね」 海原 「水着を買ったんですよね? どのようなものを?」 結標 「現地でのお楽しみってところね」 海原 「では、せいぜい楽しみにしておきましょう(主にミサワさんのを)」 番外個体 「みんなの水着ってどんなの?」 滝壺 「白いの」 絹旗 「プールで着てた、あの白スク水ですか?」 滝壺 「あれはスク水じゃない」ムー 結標 「そういう絹旗さんはどうなのよ」 絹旗 「超お楽しみってヤツです」 番外個体 「絹旗さんの水着姿を見たがる人間なんているの?」 絹旗 「超失礼ですね、世界中に溢れてますよ」フンス 番外個体 (あれ? 前にもこんなやりとりなかったっけ?) ~食後~ 番外個体 「さっき気付いたんだけどさー」 結標 「?」 番外個体 「みんな旅行に使えるようなバッグって持ってるの?」 他全員 「あ」 絹旗 「ミサワさんはあるんですか」 番外個体 「ロシアからこっちに来るときに使ったのがあるよ」 婚后 「言われるまで気付きませんでしたわ……」 海原 「ちょうどいいじゃないですか。この後に見にいけば」 滝壺 「そうだね、まだ間に合うよ」 白井 「どれぐらいの大きさがあればよろしいのでしょうか」 番外個体 「白井さん一人入れるぐらいあれば十分でしょ」 白井 「……え?」 結標 「そうね、白井さんなら閉じ込められても脱出できるし」 海原 「エスケープマジックのトリックが明らかになりましたね」 白井 「え? え?」 絹旗 「じゃ、選ぶときはとりあえず白井さんに入ってもらえばいいんですね」 白井 「冗談じゃございませんの!!」 婚后 「白井さんが入れるとなると、海外にでも行くかという荷物になってしまいますわよ?」 白井 「だから入りませんの!」ムキー : : : 結標 「あ、なんだ。何泊向けって目安はあるのね」コンコン 絹旗 「2~3泊向けってありますね、これが超よさそうですが」 滝壺 「しらい」コイコイ 白井 「た、滝壺さんまで!? ぜったいイヤですの!」 婚后 「いくら白井さんでも、これに入るのは厳しいのでは……?」 海原 「ふうむ(パカッ)これに人間は入らないでしょう」 番外個体 「私は白井さんの可能性を信じてる」 絹旗 「この試練を超えたら、LEVEL5になれるかもしれませんよ?」 白井 「けっこうですの!」ウガー 結標 「まあ確かに……これじゃ白井さん、というか人間は入らないわよ」 絹旗 「あ、じゃコレどうですか。7~8泊向けだそうですよ」 結標 「これならいけるんじゃない?」 滝壺 「ちょっと大きいけど、これにしようか」 婚后 「そ、そんなに滞在なさるのですか? つい2泊ぐらいだと思ってました」 白井 「なぜわたくしが入るかどうかが基準点なのですか……」 番外個体 「なんでだろうね」 白井 「言い出したのは大きいお姉様ですのー!」ポカポカポカポカ 番外個体 「えいっ」ワシッ 白井 「っ!? 頭を抑えるのは卑怯ですのよ!」スカスカスカスカ 海原 (なんと平和で微笑ましい光景でしょうか)●REC ~同日夜 きぬはた荘 リビング~ 絹旗 「……うー、超困りました」 婚后 「あまり好かれないことは覚悟の上でしたが……これは予想外ですわね」 滝壺 「嫌がられるかと思ってたのに」 【キャリーバッグ】<ニャー♪ 絹旗 「超気に入って出てこなくなってしまうとは……」 婚后 「ユリコ、ほら、海苔がございますわよ?」ヒラヒラ 【キャリーバッグ】ω・)つ 滝壺 「取ろうと必死だね」 絹旗 「出てきてくださいよ、ユリコがいないと頭が軽いんですよ」ハァ ~同時刻 番外個体個室~ 結標 「試着なしで勢いで買っちゃったけど、結構似合うじゃない」 番外個体 「そ、そう、かな? でも背中ここまで開いてるとは……」 白井 「いーえー、それぐらいは見せるべきですの♪」 結標 「ほら、私の方はどうかしら?」プルッ 番外個体 (見せつけやがって……ちくしょぉ……) 白井 (うらやまけしからんですの……) ~同時刻 海原個室~ 海原 「さてさて、替えのバッテリを用意しておかねばいけませんね」 ~出発前日~ 絹旗 「羽田まで行かなきゃいけないんですか!?」 婚后 「は、はあ、申し訳ありません」 番外個体 「当然っちゃ当然なんだろうけどね」 海原 「そういえば、外出申請の方ってどうなりました?」 結標 「全員OKだそうよ。こっちは問題なしね」 滝壺 「どれぐらいかかるのかな」 婚后 「一度那覇空港まで、そこから私有機に乗り換えますので……半日は必要ですわね」 絹旗 「乗換が必要なんですか」 白井 「まあまあ、招待して頂けるだけでもよしといたしませんと」 結標 「あ、そうそう。外出に際しての留意事項ってのが来てるから、みんな聞いてね」ガサガサ 絹旗 「えー。いいじゃないですか、そんなの」 結標 「よくないわよ。えーと、まず…… 学園都市外において能力の行使、解説、またはこれに準ずる行為を禁止とする 」 白井 「まあ、当然ですの」 婚后 「むやみに能力を使う訳にも参りませんものね」 結標 「次いくわね。 毛髪、体液、その他DNA情報が採取可能な痕跡は可能な限り残さないものとする 」 番外個体 「無理」 結標 「無理ね、これは気にしなくていいわ」 海原 「いいんですか」 結標 「次。 怪しい人にはついていかない 」 絹旗 「子供じゃないんですから……」 番外個体 「違うの?」 絹旗 「」ベチッ 番外個体 「いたっ」 結標 「 現地の水道水には気をつける ……これ、アレね」 滝壺 「あれ?」 結標 「考える人間が途中から面倒くさくなったんでしょ。あとこんなんばっかだもの」パサ 絹旗 「 怪しい土産屋には気をつける 、 カツアゲ対策にお金は分散して持ち歩く ……なんですか、これ」 番外個体 「メンドくさー。要は能力使わなけりゃいいんでしょ?」 結標 「それだけ守ってれば騒ぎにはならないでしょうね」 白井 「まあ……くれぐれも大きな騒ぎは起こさないでくださいまし」 ~そして出発~ タタンタタン... タタンタタン... 絹旗 「空港に着いたら起こしてくださいね」 結標 「空港まで乗換が最低2回は必要なハズだけど」 絹旗 「( A`)」 番外個体 「露骨に嫌な顔しないで、モンハンでもしようよ」ナデナデ 絹旗 「ていうか、車出してミサワさんに運転してもらえばよかったんですよね」 番外個体 「やだよ、メンドイ」 結標 「学園都市の外だと、さすがに無免じゃ誤魔化しがきかないでしょう」 白井 「中でもききませんのっ、本来であれば」 滝壺 「しらいとこんごうも今日は私服なんだね。あ、ポッキー食べる?」 白井 「さすがに旅行ともなれば、制服は息苦しいですの。あ、ポッキーいただきますの」 婚后 「今回ばかりは、といったところですわね」 海原 「いや、なんだか新鮮です。普段は制服姿しか見ていませんからね」 婚后 「変じゃありませんかしら」 海原 「よくお似合いです。夏らしくていいんじゃないですか?」 婚后 「あら。社交辞令でも嬉しいですわね」 海原 「社交辞令なんてとんでもない、本心ですよ」 番外個体 (なにあそこいい雰囲気なの?)ヒソヒソ 結標 (しっ、こういうときは黙って観察するものよ)ヒソヒソ 絹旗 「あれ? モンハンじゃないんですか?」 ~都内 某大きな駅~ ケイヒントウホクセン トウカイドウ ヨコスカセン ケイヒンキュウコウセン トエイアサクサセン ハオノリカエデス オデグチハ ミギガワデス 婚后 「ここで乗換ですわね」 海原 「ここの駅は、この辺でもかなり大きい方だそうですよ」 絹旗 「なんでこんな人が超多いんですか!」 滝壺 「目がまわりそう」 白井 「ええと次に乗るのは……あ、あの赤い電車ですの」 絹旗 「こんな調子じゃ行くだけで超疲れてしまいます……」 番外個体 「絹旗さん、迷子にならないように手繋ごっか?」 絹旗 「超結構です!」 コノデンシャハ エアポートカイトク ハネダクウコウイキデス ツギハ ハネダクウコウ コクサイセンターミナルエキ ニテイシャシマス 白井 「あとはこの電車に乗っていれば空港ですの」 滝壺 「まだかかるの?」 海原 「ガイドブックによりますと……これに乗れば、あとは空港までノンストップだそうですよ」 結標 「成程ね、どうりで……」 番外個体 「大きい荷物を抱えた人が多いんだね」 滝壺 「あ、新幹線だ新幹線だ」 海原 「おお……実物は初めて見ましたね」 絹旗 「アレにも、いつか乗ってみたいですね」 婚后 「冬になったら、鉄道で北に行ってみるのも面白そうですわね」 白井 「冬にあえて北国というのも趣がございますの」 : : : 番外個体 「」ジー 結標 「何見てるのよ。……路線図?」 番外個体 「ねえ、見てコレ。 天空橋駅 だって。なんかカッコよくない?」 結標 「天空橋……へえ、どんなところなのかしらね」 絹旗 「こういう大層な名前のところって、結局は大したことないものですよ」 婚后 「あら、それは少々夢がなさすぎではありませんか?」 滝壺 「なんか面白そう。ちょっと降りてみる?」 海原 「さっき通過してしまいましたよ?」 滝壺 「」ムー ~羽田空港 国内線ターミナル駅~ 絹旗 「おお、これは超快適です」ガラガラ 海原 「僕はしんどいんですけどね」 結標 「スーツケースに跨る絹旗さんと、それを押す海原か」 番外個体 「なんか絵になるのはなんでかな」 結標 「ていうか、絹旗さんの荷物多くない? 2泊3日でしょ?」 番外個体 「白井さんが入ってるんじゃないの?」 白井 「……ここにおりますの」 婚后 「皆さん、手配していたチケットをお渡ししておきますわね」 結標 「あら? チェックインまでまだまだ時間あるのね」 白井 「かなり余裕を持って出発しましたので……ここまでスムーズに来れたということですの」 滝壺 「空港を見学しよう」キラキラ 絹旗 「それもいいですね。超海原さん、押してください」 海原 「はいはい、どちらから向かいましょうか?」 絹旗 「貴方の荷物は預かってあげるから、絹旗さん(on スーツケース)を押すのに専念なさい」 海原 「すいません、これは助かります」 <なーに超もたもたしてるんですかー <そう怒らないでくださいよ 白井 「事情を知らない人がみたら兄妹と思うかもしれませんの」 婚后 「絹旗さんは年上の殿方を扱うのがお上手ですわね」クスクス 滝壺 (はまづらで鍛えたんだよね) ~1時間後~ 滝壺 「そろそろチェックインの時間だよ」 婚后 「みなさん。遅れると行列に巻き込まれるので、そろそろ参りましょう」 結標 「ねえ、飛行機って初めて乗るんだけど、どんな感じなの?」 番外個体 「耳がカキーンってなるぐらいだよ。あと、飛行機は離陸時に本気出す」 滝壷 「……この飛行機は普通に飛ぶんだよね。マッハ6とか出ないよね」 絹旗 「見た感じ、普通の旅客機なので超大丈夫かと」 滝壷 「あれにはもう乗りたくない」フルフル 白井 「マッハ6ですの? そのような出鱈目な乗り物があるのですか?」 番外個体 「学園都市製の絶叫マシーンのことじゃないかな。ヴェネチアに1時間で行けるバケモノだよ」 海原 「音速の6倍ですか。快適とは言いがたいでしょうね」 白井 「みなさん、携帯電話の電源は落とさないとダメですのよ」 滝壺 「そっか、電波とかダメなんだよね」 絹旗 「……ミサワさんって、乗っても平気なんですか?」 番外個体 「えっ」 結標 「そういえば貴女って、身体から常に電磁波だしてるのよね」 番外個体 「言わなきゃ分からないって」 他全員 「……」 番外個体 「なにかな、その目は」 滝壺 「飛行機墜とさないでね?」 番外個体 「墜とすかっ」 : : : <皆様、まもなく離陸いたします。 <座席ベルトをもう一度お確かめください。 番外個体 「お、ようやく出発だねー」 結標 「」ドキドキ ヒュゴォォォォォォォォ 結標 「わっ。なになに?」 番外個体 「エンジン音、これからスピード上がるよ」 ゴォォォォォン 結標 「ひゃぁっ!?」 番外個体 「ヒュー、この離陸時の加速はクセになりそう☆」 番外個体 「それにしてもついてないね。よりによって後ろの方の席か」 結標 「何か問題なの?」 番外個体 「飛行機で後ろの方の席っていうのはね」 ゴゴォン... 結標 「きゃあっ!?」 番外個体 「よく揺れるんだ。ロシアから来るときも後ろだったけど、死ぬかと思ったよ」 結標 「……ね、ねえ、紙とペンある?」 番外個体 「? 手帳ならあるけど」 結標 「貸して。念のために辞世の句書いておくから」 番外個体 「やめてよ、縁起でもない。じゃ、着いたら起こしてね♪ シートベルト外しちゃダメだよ」 結標 「えっ、寝ないでよー! アイマスクとヘッドホンって(ガクンッ)ひゃわぁ!?」 滝壺 「Zzzz」 絹旗 「」スピー 海原 「右肩に滝壺さん、左肩に絹旗さん……ははは、動けません」 海原 「仕方ないですね、今朝早かったですからね」 滝壺 「Zzzz」 絹旗 「」モゾモゾ 海原 「絹旗さんサイドがさっきからくすぐったいのですが」 滝壺 「Zzzz」 絹旗 「」スリスリ 海原 「……はい? 飲み物? あ、烏龍茶でお願いします」 海原 「はいどうも」 海原 「……なぜ、あの客室乗務員さんは笑いを堪えるような顔だったのでしょうか」 ガタガタン... 白井 「先程から揺れが激しいですの……今日は天候に恵まれませんでしたわね」 婚后 「」 白井 「現地は晴れているとよろしいのですが」 婚后 「」 白井 「婚后さん? どうかされましたの」ユッサユッサ 婚后 「……白井さん……分かっててやってますわね?」 白井 「なんのことだか分かりませんの」 婚后 「う、ぐぬぬ……」 白井 「冗談ですの。まあまあ、こんなこともあろうかと飴を用意しておりますの」 婚后 「申し訳ございません、頂きますわ……」ガリガリ バリ
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/804.html
492 :名無しさんなんだじぇ:2010/08/28(土) 12 26 53 ID /R5c9eNM 池田「キャプテンのおにぎりは最高だし!」 小十郎「この小十郎…これほどに美味な食べ物は初めてです!」 トレーズ「エレガントでいてしっとり、それでいてしつこくなくまろやか。実にエレガントだな、ミスミホコ」 美穂子「ありがとうございます。あ、刹那さんと海原さんにはお弁当を用意したんですよ?」 小十郎「なにぃ?!」 池田「うらやましーしぃ!」 刹那「すまない」 美穂子「いえいえ」 海原「なぜ、ぼくたちだけに?」 美穂子「お互い頑張りましょう」 刹那・海原「!?」 部長「ねー、マーカーどこ置いたかしらー?」 美穂子「あ、ごめんなさい!それここに置いておきました!」 刹那「宣戦…布告か?」 海原「なんというか、兎に全力で仕留めにかかるライオンのようですね、あの人」
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/954.html
~11月初旬 某日早朝~ [[目覚まし時計]]<クロコォォォォォォ 白井 「……朝ですの」 白井 「さて、仕度をいたしませんと」 白井 「」ズキッ 白井 「……あ、あれ?」 白井 「う……頭が……」ズキズキ 白井 「これはまさか、キャパシティダウン……!?」 白井 「みなさんは……このことを知らせませんと……」ズキズキ 白井 「あ、その前に着替えを……あいたたた」 ガチャ バタン 白井 「……みなさんはリビングでしょうか」フラフラ 結標 「あら、白井さんおはよ……ちょっと、どうしたの?」 白井 「む、結標さん……なんとも、ございませんの……?」 結標 「貴女こそどうしたのよ。顔色すごく悪いじゃない」 白井 「キャパシティ、ダウン、が……」 結標 「キャパシティダウン? って、音響兵器だっけ? 何も聞こえないけど……?」 白井 「? では、この頭痛、は……あれ?」フラッ 結標 「ちょ、ちょっと!?」 白井 「あ、頭が……」 結標 「しっかりなさい。……これって」 ~同じ頃 きぬはた荘 リビング~ 浜面 「うん、いい朝だ! おはようございまっs」 滝壺 「」グテー 絹旗 「」ガタガタ 浜面 「? おい、どうしたんだ、お前ら」 滝壺 「あ、はまづらだ……」 絹旗 「さむ……」ガクブル 浜面 「!? 二人とも顔真っ赤じゃないか!(ピト)けっこう熱があるな」 滝壺 「」グテー 絹旗 「超さむいです……」 浜面 「参ったな、こりゃ……とりあえずお前ら、部屋戻って寝てろ」 滝壺 「うー」 絹旗 「」ガクブル 浜面 「戻った戻った。必要なモンがありゃ届けてやるから」 結標 「なに、貴女達もなの?」 浜面 「おお、結標の姐さんか。……今、あなたたちも、って言ったか?」 結標 「ついさっき、上で白井さんが倒れそうになってて。たぶん風邪ね」 浜面 「もしかして、今朝になってから顔を見てない連中もマズかったりするか?」 結標 「かもね。いつもこの時間には全員起きてるし」 浜面 「ちと様子を見てきたほうがいいな」 結標 「私が行ってくるから、貴方はそっちの二人をなんとかしてあげて」 浜面 「おう、頼んだぜ」 結標 「さて、まずは……あの子の部屋から行くか」 コンコン ガチャ 結標 「生きてるー?」 番外個体 「」 結標 「ダメそうね」 番外個体 「……でかい声でしゃべるな……頭に響く……」 結標 「頭が悪いの? 他に悪いところは?」 番外個体 「ちょっと何その言い方……ぅぐ……」ズキズキ 結標 「ほーら、落ち着きなさい。熱もちょっとあるみたいだし、多分風邪ね」 番外個体 「へー、これが風邪か……風邪ってこんなにツライんだ……」 結標 「さて、まずは……あの子の部屋から行くか」 コンコン ガチャ 結標 「生きてるー?」 番外個体 「」 結標 「ダメそうね」 番外個体 「……でかい声でしゃべるな……頭に響く……」 結標 「頭が悪いの? 他に悪いところは?」 番外個体 「ちょっと何その言い方……ぅぐ……」ズキズキ 結標 「ほーら、落ち着きなさい。熱もちょっとあるみたいだし、多分風邪ね」 番外個体 「へー、これが風邪か……風邪ってこんなにツライんだ……」 結標 「初めて風邪ひいたの?」 番外個体 「う……ねえ、私、死ぬの……?」 結標 「はい?」 番外個体 「やだ……まだ死にたくない……」ウルウル 結標 (病気のときは弱気になりがちだけど、これは重症ね) 結標 「大丈夫よ。ちゃんと寝てればよくなるから」ナデナデ 番外個体 「……ホント……?」 結標 「ホントよ。私が貴女にウソついたことある?」 番外個体 「あるような、ないような……」 結標 「あーはいはい、下手に頭使うと治らないわよ。いいから寝てなさい」 番外個体 「はーい……」 結標 「じゃ、また後でくるからね。ちゃんと寝てるのよ」 バタン 結標 「無事な人間の方が少ないわね……」 結標 「この分だと、あとの二人もダメかな」 ガチャ 婚后 「あら、おはようご ケホケホ……」 結標 「婚后さん?……もしかして、喉が痛いの?」 婚后 「ええ、昨夜から咳が止まらなくて……お陰で眠れませんでしたわ」ケホケホ 結標 「貴女は喉か……」 婚后 「?」 結標 「ああ、ゴメン、なんでもないの。動きまわると悪化するから、寝てなさい」 婚后 「一つだけ ケホッ 頼まれて頂けませんか……?」 結標 「なにかしら」 婚后 「お水を……」 結標 「喉が乾いたってこと? 分かった、何か持ってくるから」 婚后 「申し訳 ケホッ ございません……」 バタン 結標 「……はあ、ここまで生存者ゼロか」 浜面 「よう、姐さん。他の連中はどうだった」 結標 「今のところ全滅。絹旗さんと滝壺さんは?」 浜面 「どうにか寝かしてきた」 結標 「……どうにか?」 浜面 「まあ、なんだ。絹旗のやつが、な……ほら、病気のときってナーバスになるだろ?」 結標 「ついさっき生きた実例を見たわね」 浜面 「それで、なかなか解放してもらえなかったって訳だ」 結標 「ご苦労様。それにしても、こんな一斉に倒れちゃうなんて……」 浜面 「風邪だろ? たっぷり食ってたっぷり寝れば大丈夫だ」 結標 「貴方だけ無事なのはおバカだから?」 浜面 「そういう発言をブーメランって言うんだぜ?」 結標 「黙りなさい。とりあえず私、キッチン行ってくるから。海原の様子見てきてくれる?」 浜面 「おお、任せといてくれ」 コンコン 浜面 「うーなーばーらーくーン」 浜面 「……返事がない。入っちゃうぞ? 肯定とみなす」ガチャ 海原 「おや、浜面さん……おはよう、ございます……」 浜面 「大丈夫……そうじゃないな。風邪か?」 浜面 (素人の俺が見ても分かる……こいつが一番重症だ) 海原 「はは……いやいや、お恥ずかしい、ところを……」 浜面 「起きるな起きるな! いいから安静に……っておい、すごい熱じゃないか!」 海原 「ええ、それに加えて、頭痛と、喉の痛みも、酷くて……」 浜面 「こりゃいかんな。取り合えず、今は寝てろ。後でまた来っから」 海原 「お手数、おかけ、しますね……」 浜面 「もういい、無理して喋るな。安静にしてろよ、いいな」 ガチャ バタン 浜面 「ふう、こりゃ大変だ。海原が一番ヤバイな」ガシガシ 結標 「…………」 浜面 「お、なんだ。戻ってたのなら一言」 結標 (あいつが一番重症だなんて) 浜面 「? なんか言った?」 結標 「いえ、何も」 ~きぬはた荘 リビング~ 結標 「もー、傷薬とか消毒液はあるのに、なんで風邪薬がないのよ……」ガサゴソ 浜面 「買ってくるしかねえか。症状も度合いもバラバラだしな」 結標 「症状か……そうね、ちょっと整理しましょう」 浜面 「ああ。まず滝壺と絹旗は熱だ。測らせたら39度ちょっとあったぞ」 結標 「よく出歩いたものね……白井さんと真琴は頭痛ね。熱は微熱だけど、まともに動けないみたい」 浜面 「で、お嬢は咳か? 部屋の前通ったとき、ずっとゲホゲホ聞こえてたな」 結標 「確実に悪化してるわ……海原は?」 浜面 「全部」 結標 「え?」 浜面 「熱が高くて、頭が痛くて、喉も痛いんだとよ」 結標 「なんてこと……あいつもついてないわね」 浜面 「さて、何からすりゃいいんだ」 結標 「……食事の用意と必要なモノの買出し。まずそれからかしら」 浜面 「なるほど。料理とかまるっきしダメなんで任せていいか? 俺は必要なモン買ってくるからよ」 結標 「え? あ、え、ええ、任せておきなさい」 浜面 「ありがてえ。じゃ、頼んだぜ!」 <ガチャ バタン 結標 「……うん、なんとかなる。なんとかなるわよ」 結標 「ええと、たしかここらへんに……」ガサゴソ 結標 「あったあった。"週刊 今日の晩ごはん"」 結標 「風邪の時って……うーん、早く治るためにはやっぱ栄養価が高いほうが……」ペラペラ 結標 「ペッパーハンバーグか……」 結標 「香辛料が入ってるし、身体温まっていいかも」 結標 「他に候補は……」パラパラ 結標 「色々あるわね」 : : : 結標 「あーん、決められない」 結標 「これ以上時間かけてられないし、素直に聞きましょ」カチカチ 件名:質問 日付:20yy/m/d 7 22 ─────────────── 風邪引いたときにオススメの メニューってなにかしら 結標 「送信……」ピッ 結標 「さて、他になにか」 結標 「あら? 相変わらず返信早いわね」ピッ 差出人:月詠小萌 desuyo@comodo.ne.jp 件名:Re 日付:20yy/m/d 7 24 ─────────────── 風邪をひいたときは消化機能が弱 り気味なので、消化がよい食べ物 が良いのですー。お粥とかおじや とかオススメなのですよ。ついで に身体が冷えないように生姜やネ ギ、栄養価が高いタマゴを入れれ ば効果抜群なのです。あとはビタ ミン類と水分の補給に、すりおろ した林檎も摂るといいかもなので すー。 結標 「……メールの長さも相変わらずね」 結標 「でも、そっか。お粥ね……ネギとか生姜とか卵も残ってたハズだし」 結標 「林檎はないか……買ってきてもらわないと」カチカチ 件名:買い物追加 日付:20yy/m/d 7 29 ─────────────── 林檎人数分 結標 「送信。こっちはこれでOKね」ピッ 結標 「よし」 結標 「お粥ね、作りましょう」 結標 (みんな、もう少し待っててね) ~きぬはた荘 キッチン~ 結標 「お粥って……どうやって作ればいいのかしら」 結標 「うーん、いつもなら料理のときは滝壺さんか真琴が居てくてるんだけど」 結標 「あー、ダメダメ。頼りっぱなしもダメよね」 結標 「まずはお米」ザラザラザラ 結標 「で、水につけて……」 : : : 結標 「……」ウーン <たでーまー 結標 「あ、おかえりなさい」 浜面 「買ってきたぞー。各種の風邪薬に、冷えピタに、水に、あと林檎な」ガサガサ 結標 「随分な量になったのね。重かったでしょ」 浜面 「こんなの重いのうちに入らないぜ」エヘン 結標 「力持ちなのね、滝壺さんも惚れる訳だわ」 浜面 「いやいやいやいや、今関係なくね!? そそそ、それよりだな!」 結標 「?」 浜面 「姐さんは、なんで糊なんか作ってるんだ?」 結標 「糊? なんのこと?」 浜面 「いや、そこの鍋……」 【鍋】<グツグツグツ 結標 「…………これ、お粥なんだけど」 浜面 「いや、これは糊だろ! 米の形残ってねえじゃん!」 結標 「な、なんでよ! 食べれるでしょ!」 浜面 「食っても死なねぇだろうけどさ! これはあんまりだろ!」 結標 「」ジワ 浜面 「あ、あー、そういえば俺メシまだなんだ! ハラが減って死にそうだ! これは俺が食う!」 結標 「……いいわよ、無理しなくて。自覚はあるから」 浜面 (なんだ、あるのか) 結標 「ダメな女だと思ってるでしょ? 料理もマトモにできないんだから」 浜面 「出来ることと出来ねえことは人それぞれだろ」 浜面 「滝壺だって料理はできるけど、身体動かすようなことはてんでダメなんだぜ?」 結標 「はぁ……お気遣いどうも。一応修行中なんだけどね」 浜面 「? 手料理を振舞いたい相手でもいるのか?」 結標 「……ナイショ。で、これは食べてくれるのよね?」 浜面 「」 結標 「さすがの私も、病人にコレだす程腐れてないから。改めて作らないとね」 浜面 「」ヒョイパク 結標 「レシピ検索、と……最初からこうしてればよかったわ」 浜面 「よかった、味は普通だ」 結標 「さて、これ出来たら食べさせて、薬飲ませて……を全員分か」 浜面 「やっぱ人手が足りねえな」モグモグ 結標 「ネコの手も借りたいってこういうことかしらね」 チョンチョン 結標 「?」 ユリコ 「゚+.(・ω・)゚+.゚」 結標 「……ええと」チラッ 浜面 「なんでそこで俺を見る!?」 結標 「そうよね、ユリコも自分のご主人が心配なのよね」ナデナデ ユリコ 「(・ω・三・ω・)」 浜面 「なんか違うっぽいぞ?」 ユリコ 「オアーン」 結標 「……ご飯?」 浜面 「あー、そっか。絹旗がダウンしてるから、ユリコにメシやってないのか」 結標 「そういうことね……そこにネコ缶あるから、あげてくれる?」 浜面 「おお、これか。よしよしユリコ、メシだぞ。これ食ったらお前のご主人のところに行ってやってくれな」 ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」 ~1時間後~ 結標 「どうにかお粥っぽくできたわね……」 浜面 「これで完成か?」 結標 「いえ、あと風邪に効果のあるネギとか生姜とか卵とか……」 浜面 「あー、なるほどな。その方が冷えなくていいかもしれねえな」 結標 「もうそこに用意してあるから、あと入れるだけよ」 浜面 「……これ、全体的にでかすぎないか?」 結標 「え? そう、かな?」 浜面 「もうちっと刻んでおこうぜ」トントン 結標 「刻んだら入れちゃって」 浜面 「よーし、投入」ドボドボドボ 結標 「かんせーい」 浜面 「うん、見た目はお粥っぽいな」 結標 「ねえ、味見してみて……はい、あーん」ズイ 浜面 「お、おう。(パク)あふっ、あふあふあふ……」 結標 「」ジー 浜面 「ゴクッ……あ、熱いけど、うまいぜ!」グッ 結標 「良かった……」 浜面 「よし、あとは食わせて薬飲ませるだけだな」 結標 「だけって言うけど、結構な人数よ。手分けしましょ」 浜面 「6人だから、3人3人か」 結標 「そういうこと。まず6等分しないとね」 ~滝壺個室~ 浜面 「滝壺、大丈夫か?」 滝壺 「うん……」 浜面 「結標の姐さんがお粥つくってくれたぞ。食えるか?」 滝壺 「むすじめが……?」 浜面 「一口二口でも食わないと、薬飲めないからな」 滝壺 「ちょうだい……」 浜面 「おお。熱いから気をつけてな」 滝壺 「……むすじめ、腕あげたね……」 浜面 「そ、そうなのか?」 滝壺 「ただのお粥じゃなくて……風邪向けに工夫されてて……」 浜面 「本人が聞いたらきっと喜ぶぜ」 ~絹旗個室~ 浜面 「おーい、メシだぞー」 絹旗 「イヤですぅ……食べる気なんて超しないですぅ……」 ユリコ 「(´・ω・)」 浜面 「ダーメーだ。食べないと薬飲めねえし、治らねえぞ」 絹旗 「うぅぅ……じゃ、超アーンってしてください……」 浜面 「しょうがねえな。ほれ」 絹旗 「」ハムッ 浜面 「食ったら薬飲んで寝てろよ」 絹旗 「苦いのは超イヤです……」 浜面 「カプセル剤だから大丈夫だ」ナデナデ ユリコ 「(´・ω・)ノ」ナデナデ ~番外個体個室~ 結標 「はいっと」ペタシ 番外個体 「あー、なにこれ気持ちいい……ねえ、もっと……」 結標 「勘違いさせるようなセリフ吐かないの」 番外個体 「いや、だって……この、冷えピタっていうの? すごい、これ、マジ学園都市クオリティ……」 結標 「これは外でも売ってるハズだけど?」 番外個体 「」 結標 「替えは置いておくからね。ぬるくなったら取り替えなさい」 番外個体 「……もう、行っちゃうの?」 結標 「また後で来るから、ちゃんと寝てなさいよ。いいわね?」 番外個体 「はーい……」 ~白井個室~ 結標 「調子はどう?」 白井 「寝てる分にはどうにか……」 結標 「とりあえず、今日いっぱいは安静にしてるようにね」ナデナデ 白井 「う……あ、ありがとうございますの……あ、あの」 結標 「どうかした?」 白井 「他の方は……?」 結標 「……みんな似たような状態だけど。私がいるから大丈夫よ」 白井 「……」 結標 「貴女の性格上、難しいかもしれないけど。今は自分の心配だけしてなさい」 白井 「お手数おかけしますの……」 ~婚后個室~ 婚后 「申し訳、ございません……ケホケホ……色々と……」 結標 「無理して喋らなくていいわよ。はい、コレね」つ△ 婚后 「?」 結標 「ヴィックスよ。私の経験上、喉にはこれが効果あるの」 婚后 「」パク 結標 「噛み砕いちゃダメだからね。ゆっくりと溶かして」 婚后 「」コクリ 結標 「あと、お水買っておいたから。お腹壊さないように、ぬるいままだけど」ゴトッ 婚后 「」ウズウズ 結標 「じゃ、また後で様子見に来るから。安静にね」 ~海原個室~ 浜面 「おい、メシだぜ。しんどいのは分かるが、ちょっとは食べておかないとな」 海原 「いやいや……お手数おかけしますね……」 浜面 「熱いから気をつけてな」 海原 「これは、浜面さんが……?」 浜面 「まさか。作ったのは結標の姐さんだぜ」 海原 「ほう……これは、期待できますね……」 浜面 (お、海原の味覚にはあってるんだな) 浜面 「食ったら薬飲んで寝てるようにな」 海原 「ええ……どの道、動けませんしね……」 浜面 「あとで様子見に来るけど、必要なモンがあったら俺か姐さんを呼んでくれ」 ~同日 きぬはた荘 リビング~ 結標 「つっかれたぁ……もうお昼近いじゃない」ドサッ 浜面 「全員にメシと薬とその他は行き渡ったし、俺らもメシにしとくか」 結標 「……どうしよっか。もうピザとかでいい?」 浜面 「俺はなんでもいいぜ」 結標 「じゃ頼んどいてもらえる? もうなんでもいいから」 浜面 「はいはいっと」ピッピッ 結標 「看病も大変ね、まだ半日だっていうのに」 浜面 「はい、シーフードピザ1つで」 結標 「あ、サラダも頼んどいて」 浜面 「すいません、サイドメニューのサラダも1つ」 ~25分後~ <毎度どーもー 浜面 「はいはい、来たよ、来ましたよっと」 結標 「……考えてみたら私、朝も食べてなかったわ」 浜面 「バタバタしてたもんな」 結標 「ところでさ、貴方から見て重症の人っている?」 浜面 「あー、絹旗と海原」モギュモギュ 結標 「海原は聞いてたけど、絹旗さんも?」 浜面 「アイツの場合は、弱気になってるんだろ」 結標 「弱気ね……病は気からって訳じゃないけど、そんな調子じゃ治るものも治らないわよ」 浜面 「こればっかりはなぁ」 結標 「とにかく、明日まで様子見て、よくなってなかったら病院行きね」 浜面 「ここで出来ることも限度があるしな」 結標 「あと、アレね」 浜面 「?」 結標 「私たちもミイラ取りにならないように気を付けないと」 浜面 「俺は大丈夫だぜ、鍛えってからな!」フンス 結標 「おバカは風邪ひかないらしいけど、一応マスクぐらいしときなさい」 浜面 「ガキの頃に風邪ひいた俺はバカじゃないってことだな!」 結標 「おバカでも風邪ひくのね」 浜面 「さっきからひどくないですか!?」 結標 「冗談よ」クスクス 浜面 「くそ、俺は死ぬまでいじられキャラという宿命なのか……」 結標 「きっとね」 浜面 「(´;ω;`)」 : : : 結標 「~♪」ベリベリ 浜面 「なあ、林檎はどれぐらいの大きさに摺りおろせばいいんだ?」ザリザリ 結標 「ちょっと荒いぐらいで丁度いいんじゃない? はい2個目」 浜面 「さっきから気になってるんだが、剥いた皮ちょっと分厚くないか?」 結標 「摺りおろすんだから、いいでしょ」ベリベリ 浜面 「まあ、そうなんだけどな」ザリザリ 結標 「海原の皮剥いたら、何が出てくるのかしら」 浜面 「おいおい、何恐ろしいこと口走ってんだ」 結標 「え? あ、声に出てた? ゴメンなさい、気にしないで」 浜面 「?」ザリザリ 結標 「~♪」ベリベリ 浜面 「ちょ、ちょっと待ってくれ!」 結標 「どうしたの?」 浜面 「すりおろ林檎でボウルがいっぱいになった」 【ボウル】<アフレソウデス 結標 「あら……」 浜面 「さすがに、これだけりゃ十分じゃないか?」 結標 「むしろ余るわね……そうだ!」ピコーン 浜面 「?」 結標 「夜のお粥に入れてあげましょ、きっと美味しく」 浜面 「やめてあげよう、な?」 ~きぬはた荘 2階~ 浜面 「えーと、手前の部屋から行くか」 コンコン ガチャ 浜面 「絹旗? 起きてるか?」ソォー 絹旗 「あ、浜面……」 ユリコ 「」スピー 浜面 「寝れないか?」 絹旗 「さっきまで寝てました……喉が、超渇いて……」 浜面 「お、ちょうど良かった。ほら、林檎おろしだぜ」 絹旗 「……アーンって」 浜面 「はいはい、手のかかるお嬢さんだ」 絹旗 「超うるさいですぅ……」パク 浜面 「どうだ? 俺がおろしたんだぜ?」フンス 絹旗 「……超おいし……林檎ってこんなに、美味しかったんですね……」 浜面 「なんだ、今日はやけに素直だな」 絹旗 「私は、いつも素直ですぅ……」 浜面 「あー、そうだったな。おし、食ったら夜まで寝てろ」 絹旗 「夜に来てくれるんですよね……超約束ですよ……?」 浜面 「あぁ、約束だ」 ガチャ バタン 浜面 「……あれ、ほんとに絹旗か?」 浜面 「風邪ってな怖いね……侮れんな」 浜面 「よし、お隣さんいくか」 コンコン ガチャ 浜面 「滝壺、起きて……」ソォー 滝壺 「」スピー 浜面 「起きてないか……」 滝壺 「」スピー 浜面 「起こすわけにもいかないよな……また後で来るからな」 バタン 浜面 「次は……一番の重症患者か」 浜面 「一番奥の部屋だったよな」 コンコン ガチャ 浜面 「海原、入るぞ」 海原 「」 浜面 「おい、大丈夫なのか?」 海原 「寝ようとしているんですが……頭痛に、悪寒がひどくて……」 浜面 「病院行ったほうがいいか?」 海原 「いえ……今朝よりはマシですので……」 浜面 「なんかあったらすぐに言えよ、遠慮なんざいらねえから」 海原 「ご迷惑を……すみませんね……」 浜面 「それは言わねえ約束だぜ」 ~同じ頃~ 結標 「まずは……あの子からでいっか」 コンコン ガチャ 結標 「起きてる?」 番外個体 「」スピー 結標 「お休み中か……ぬいぐるみ抱くなんて、可愛いところあるのね」 結標 「じゃ、後で来るから。それまで傍に居てあげてね、ウサギさん」 バタン 結標 「さー、次いきましょ」 コンコン ガチャ 結標 「入って大丈夫?」 白井 「はい、どうぞですの」 結標 「朝よりはラクそうね」 白井 「お陰様で……薬も効いておりますし」 結標 「今日いっぱい休めば、あとは大丈夫かしら」 白井 「ええ、わたくしは平気ですので。他の方を……」 結標 「分かってるわよ。はい、コレ」 白井 「これは、林檎ですの?」 結標 「水分とビタミンの補給にね」 白井 「(パク)まあ……こんなに美味しく感じるなんて……」 結標 「身体が求めてる証拠よね」 白井 「重ね重ね、お手数お掛けいたしますの……」 結標 「病気の時ぐらいはお互い様でしょ? じゃ、何かあったら呼んでね」 白井 「はいですの」 バタン 結標 「何人かは回復に向かってるみたいね」 結標 「次の部屋、と……」 コンコン ガチャ 婚后 「あら、結標さん……」 結標 「調子はどう?」 婚后 「朝よりは大分……結標さんのお陰ですわ……ケホ」 結標 「油断しちゃダメよ。明日の朝までは安静にしててね」 婚后 「かしこまりました……」 結標 「林檎たべる? はい」 婚后 「まあ……懐かしいですわね」 結標 「?」 婚后 「幼い頃、風邪をひくと……よく作ってもらってましたわ……」 結標 「お母さんに?」 婚后 「いえ……執事に……」 結標 「あぁ、あのおじ様ね」 婚后 「これを食べれば……元気になれそうな気がしてきますわね……」クスクス ~きぬはた荘 リビング~ 結標 「……そっか。やっぱり絹旗さんと海原ね」 浜面 「あの2人は、ちょっと目を離せないかもな」 結標 「付き添ってあげたほうがいいかもね……それも後で考えましょ」 浜面 「そうだな。夜中になんかあったら大変だもんな」 結標 「さて……色々やってたら、もう夕方か」 浜面 「俺らのメシはどうすっか」 結標 「ピザの残りと林檎おろしよ」 浜面 「ですよねー」 結標 「寝込んでる人の分は、朝と同じでお粥として……あ」 浜面 「どうした?」 結標 「着替えさせないと。けっこう汗かいてるでしょうし」 浜面 「あー、それがあったな」 結標 「……こればっかりは、貴方と分担できないわね」 浜面 「……ですよねー」 結標 「まあ、仕方ないわ。他の人は私が行くから、貴方は滝壺さんの着替え手伝ってあげて」 浜面 「俺は買い物でもってえぇ!? なんで滝壺狙い撃ち!?」 結標 「なんでって? 他にいないでしょ?」 浜面 「ま、まあ……そうかもしれねえけど」 結標 「ついでに身体でも拭いてあげなさい」 浜面 「そ、そこまでっすか!?」 結標 「よし、決まりね。私は夕食作ってくるから、貴方は蒸しタオル用意しといて」 浜面 「あ、ちょっ……行っちまった」 浜面 「……お、怒られねえよな?」 浜面 「おっしゃ、タオルだなタオル! やってやるぜ!」 ~1時間後 きぬはた荘 キッチン~ 結標 「すっかりお粥が得意料理になっちゃったわね」 結標 「もっと手の込んだことが出来ればなぁ……」 浜面 「よお、タオルは用意できてるぜ」 結標 「あ、お疲れ……様?」 浜面 「なんだよ、その反応」 結標 「ちょっと一枚貸してくれる?」ヒョイ 浜面 「?」 結標 「えい」ベチッ 浜面 「うぉぉぉ! あっちぃーーーー!!」 結標 「熱いでしょ?」 浜面 「な、なにすんだ!」 結標 「貴方ねぇ、人の身体を拭くものなのよ? 持つのもツライぐらい熱くしてどうするの」 浜面 「いや、この方がすっきりすると思ったんだが」 結標 「冷たいよりはいいでしょうけど……使うときに冷ませばいいか」 浜面 「メシの方はどうなんだ?」 結標 「もう出来てるわよ」 浜面 「おし、じゃ出動するか」 結標 「っ……」ズキッ 浜面 「? おい、なんか疲れてないか?」 結標 「ちょっとだけね、大丈夫よ」 浜面 「あまり無理してくれるなよ」 結標 「分かってるって。ほら、行きましょ」 結標 (頭いたい……でも、私までダウンする訳には……) ~絹旗個室~ 絹旗 「あ、結標さん……」 結標 「調子はどう?」 絹旗 「はあ、朝よりは……あの、浜面は……?」 結標 「んーと……着替えもしなきゃいけないから、私が来たの」 絹旗 「そ、そうでしたか……」 ユリコ 「(´・ω・)」 結標 「あ、ユリコのご飯も後で持ってくるからね」ナデナデ 絹旗 「……」 結標 「どうしたの? 大丈夫?」 絹旗 「あ、はい……大丈夫です……」 結標 (病は気から、か……浜面くんに来てもらってもよかったかな) ~白井個室~ 白井 「しかし、本当に口惜しいですの」 結標 「何が?」ゴシゴシ 白井 「わたくしが万全の状態であれば……」 結標 「そんな気にしないでも……」ゴシゴシ 白井 「大きいお姉さまに付きっ切りで看病とか人肌で暖めてさしあげたりとか……」グフフ 結標 (ああ、いつも通りだ) 結標 「まあ、貴女と真琴は一番軽症だから。そんなに心配しなくてもいいわよ」 白井 「そ、そうなんですの?」 結標 「うん。あの子も頭痛がひどいだけで、他はそれほどでもないから」 白井 (チッ) 結標 「確信した。貴女はもう大丈夫ね」 ~番外個体個室~ 結標 「ほら、腕こっち」 番外個体 「よっと……ねえ、淡希さ」 結標 「ん?」 番外個体 「今の状況、海原さんを落とすチャンスだと思わない?」 結標 「……何言ってんのよ」 番外個体 「いやほら、献身的な看病でガッチリとハートキャッチあわきん☆」 結標 「」バシッ 番外個体 「……私、病人なんだけど」ズキズキ 結標 「減らず口を叩く元気があるなら大丈夫ね」 番外個体 「そそ、私は寝てれば大丈夫だから。海原さんのところに行ってあげて」 結標 「言われなくともそうするわよ。あいつが一番重症だしね」 ~滝壺個室~ 滝壺 「着替えも……?」 浜面 「お、おう。あー、なんだったら俺は外で」 滝壺 「手伝って」 浜面 「はい」 滝壺 「着替えは2段目の引き出しに入ってるから」 浜面 「失礼します」ガラッ 浜面 (っておい、下着と服を一緒にしておくなぁぁぁ!!) 滝壺 「? ねえ、はまづら。このタオルは?」 浜面 「汗をかいているようであれば、身体を拭こうかと」 滝壺 「じゃあ……お願いね」プチッ 浜面 (俺の理性頑張れぇぇぇ!) ~婚后個室~ 結標 「だいぶよさそうね」 婚后 「ええ、お陰様で楽になりましたわ」 結標 「油断しちゃダメよ。夜は冷えるからね」 婚后 「心得ております」 結標 「まだちょっと声が変だしね」 婚后 「う……」 結標 「じゃ、着替えましょうか」 婚后 「はい、お願い致しますわ」シュルッ 結標 (すごい、高級ブランドばっかじゃない……部屋着にここまでお金かけるなんて) 結標 (今度借りようかなぁ) 婚后 「結標さん? この格好で放置されるのはきついのですが……」 ~海原個室~ 結標 「大丈夫? 起きれる?」 海原 「う……すみません、色々と……」 結標 「無理しないでいいわよ」ヨイショ 結標 (あら、思ってたより硬い) 海原 「」ブルッ 結標 「寒いの?」 海原 「ええ、少々悪寒が……」 結標 「じゃあ、さっさと済ませましょ」 海原 「お手数おかけしますね……回復した暁には、ちゃんとお返しを……」 結標 「今はそんなこと考えなくていいわよ」 ~その頃 滝壺個室~ 浜面 「はい、着替えに身体拭き、完了ですよっと」 滝壺 「はまづら、ありがとね」 浜面 「いえいえ、お安い御用ですことよ!」 浜面 (鼻血耐えるのに必死だったぜ) 滝壺 「でも、はまづらとむすじめのお陰で朝よりは楽になったよ」 浜面 「そうか? それを聞いて安心だぜ」 滝壺 「……ねえ、はまづら」 浜面 「どうした? まだ何かあるか?」 滝壺 「もう寝るから、それまで傍にいて?」 浜面 「おお、任せとけ!」 滝壷 「」スピー 浜面 「よし、寝たな……それにしても滝壷は冷えピタが似合うぜ」 <ガチャ 絹旗 「浜面、ここにいたんですか……」 浜面 「絹旗? どうしたんだ? なんか必要か?」 絹旗 「超必要ですぅ……浜面が……」 浜面 「?」 絹旗 「超心細いんです……一人にしないでください……」 浜面 「あぁ、分かった、分かったからな。今行くから。寝ないと治るもんも治らねえぞ」 滝壷 「」ガシッ 浜面 「……ええと」 絹旗 「浜面ぁ……うー、寒いです、超寒いですぅ……」ガシッ 浜面 (どうすんだ、コレ) : : : 結標 「で、携帯使ってまで全員分の洗濯中だった私を呼んだワケね」 浜面 「左様でございますの」 結標 「この部屋に布団敷いてあげればいいじゃない。で、貴方も付き添ってればいいわ」 浜面 「……その手があったな」 結標 「今持ってきてあげるから。それまで絹旗さんが冷えないようにしてあげなさい」 浜面 「お、おお。すまねえ」 絹旗 「」ブルブル 結標 「……その体勢、まるで携帯の充電器ね」 浜面 「ん? なんか言ったか?」 結標 「いえ、なにも。それじゃ、ちょっと待っててね」 ガチャ バタン 結標 「はーぁ」 結標 (私にも充電器になってくれる人いないのかしらね) 結標 「……なに言ってるんだか」 結標 「布団のスペアってどこにあったかしら……」 結標 「……絹旗さんの持ってくればいっか」 ~10分後~ 結標 「よいしょっと」ボスン 浜面 「いや、すまねえ」 結標 「別に貴方の為じゃないわよ。ほら、絹旗さん、こっち」 絹旗 「あぅぅ……」モゾモゾ 結標 「じゃ、あとは任せちゃって平気よね?」 浜面 「あぁ。本当なら俺が海原のとこに行くハズだったんだが……」 結標 「いいわよ、それぐらい。海原のところには私が行くから」 浜面 「ああ、頼んだぜ」 ガチャ バタン 結標 「海原のところか……」 結標 「……さて、そろそろあいつはくたばったかな?」 ~海原個室~ 結標 「生きてる?」 海原 「え、えぇ……どうにか」 結標 「なにかあったら言いなさい。ここに居てあげるから」 海原 「……すいませんね……付きっきりにさせてしまいまして……」 結標 「貴方が一番重症だからね。家の中で死なれても寝覚めが悪いし」 海原 「ふふ……病人相手でも、容赦がないですね……」 結標 「もう喋らないの。いいから寝てなさい」 海原 「そうしたいのですが……悪寒がひどくて中々……」 結標 「しょうがないわね……毛布持ってくるわ」 : : : 結標 「……ねえ、寝ちゃった?」 海原 「」スピー 結標 「はあ……手のかかること」 海原 「うっ……」ブルッ 結標 (真琴にはああ言ったものの……何かしてあげたいのは確かよね) 結標 「……私がしてやれること」 結標 「」プチッ プチッ シュル バサッ 結標 (ブラもない方がいいかな)パチン 結標 (お邪魔します)モゾモゾ 海原 「」スピー 結標 (今だけだからね、ここまでしてあげるのは) 海原 「……?」 海原 (なにか温かくて、柔らかい……これは……?) 結標 (気付かないでね……気付かれたら死んじゃう……) 海原 (ですが……なんだか安心しますね……今なら寝れそうです……) 海原 「」ギュゥ 結標 (うひゃぁぁぁぁぁ!?) 海原 「」スピー 結標 (あ、明け方近くなったらこいつが起きる前に退散しようと思ってたのに……) 結標 (あまり気が進まないけど、座標移動で逃げるしかないか……) 結標 (あったかい……まだちょっと熱があるのかな) 結標 「……」 海原 「」スピー 結標 (けっこう胸板厚いのね)ポンポン 結標 (んー)グリグリ 海原 「うん……?」 結標 (いけない、起こしちゃう) 結標 「……」 結標 (ここまでやったんだから、ちゃんとよくなってね) 海原 「」スピー ~その頃~ 滝壺 「ん……」ムクリ 滝壺 「……あれ?」 絹旗 「」スピー 浜面 「」 滝壺 「なんで2人が一緒に……?」 滝壺 「……私も」モゾモゾ 浜面 (起きてるっつうのよぉぉ!) 滝壺 「」スピー 絹旗 「」スピー 浜面 (両サイド固められたぁ! どうするよ俺!) ユリコ 「(・ω・)」ジー 浜面 (おい待て! 動けない俺に何をするつもりだ!) ユリコ 「( ・ω・)つ」 浜面 (こっ、こら! 鼻抑えるな!) 絹旗 「んぅ……」 浜面 (あ、動いたら起こしちまうな。耐えるしかないか!) ユリコ 「」ゴロン 浜面 (おりゃ?) ユリコ 「」スピー 浜面 (胸の上まで寝始めやがった) 浜面 (両サイドに加えてマウントポジションですよぉ!) 浜面 (朝までこのままか……不幸、ではないか) ――そんな調子で、全員全快まで更に丸一日要した ~二日後 朝 きぬはた荘 リビング~ 番外個体 「ん~」ノビー 番外個体 「コーヒー飲みたい」 白井 「あら、おはようございますの」 番外個体 「あ、おはよ。もう起きて大丈夫なの?」 白井 「丸二日寝てたせいで身体が痛いですが、風邪のほうは大丈夫ですの」ゴキゴキ 番外個体 「はは、同じだ」 海原 「おはようございます」 白井 「海原さん? 起きて大丈夫なんですの?」 番外個体 「一番重症って聞いてたけど?」 海原 「ええ、どうにか」 白井 「峠は越えたということですのね」 海原 「浜面さんと結標さんのお陰ですね」 番外個体 「そういえば、淡希は?」 海原 「……今朝になってからお見かけしてませんね。ご自分の部屋でお休みなのでは?」 白井 「動きっぱなしでしたでしょうし、きっとお疲れですの」 番外個体 (なーんだ、結局なんもなかったのか) 海原 「いやしかし、少々お腹が空きましたね」 番外個体 「私も空いてるし、なんか簡単なの用意してくるよ」 白井 「ぜひ、お手伝いさせていただきますの!」フンス 番外個体 「そ、そう? じゃ、お願いしようかな」 <あー、もう、首いてー <わ、わたくしがマッサージを! 海原 「結標さんには、ちゃんとお礼をしなければいけませんね」 絹旗 「超おはようございます」 ユリコ 「( ・ω・)ノ」 滝壺 「おはよ。うなばらも大丈夫なの?」 海原 「おはようございます。お二方も峠は越えたようですね」 絹旗 「私たちは、まあ、動けるぐらいにはなったんですが……」 滝壺 「はまづらが熱出しちゃって」 海原 「なんと……」 絹旗 「私たちも病み上がりですが、今は浜面のほうが超重症ですので」 滝壺 「きぬはたと私で看ててあげるよ」 海原 「ご無理はなさらないでくださいね」 絹旗 「浜面もですけど、結標さんは大丈夫なんでしょうか?」 海原 「浜面さんがダウンしたということは、結標さんも……?」 ~その頃 海原個室~ 結標 「あー」orz 結標 「昨日の朝は海原より先に起きて逃げれたけど、今朝は寝過ごしちゃった……」 結標 「で、私の服と下着がきちんと畳まれてて、海原がいないってことは」 結標 「……う」 結標 「うみゃぁぁぁぁ!///」 <バーン 結標 「」ビクッ 婚后 「海原さん!? いったい何を……あら?」 結標 「お、おはよ」 婚后 「悲鳴が聞こえたかと思えば、結標さんでしたのね」 結標 「あ……こ、これはね……」 婚后 「もしやお邪魔でしたか……? し、失礼致しましたっ」 結標 「え?」 <バタン 結標 「ちっ、ちが(ズキッ)うっ……」 結標 「頭が……」ズキズキ 結標 「これ以上は隠せそうにないわね……」 結標 「とりあえず、自分の部屋戻って着替えるか……」 結標 「……うー、痛い。これじゃ演算もできないわね」ズキズキ ~きぬはた荘 リビング~ 番外個体 「うーん、二日ぶりのコーヒーの美味しいこと」 白井 「もうすっかり中毒ですのね……」 海原 「ミサワさんの場合は、職業病とも言えるかもしれませんね」 婚后 「みなさん、おはようございますわ」 絹旗 「おはようございます。婚后さんも超回復しましたか」 婚后 「ええ、お陰様で。結標さんのお陰ですわね」 滝壺 「むすじめ……今朝になってからまだ見てないよね」 海原 「やはり浜面さんと同じパターンでしょうか……?」 婚后 「浜面さんに何かあったのですか?」 絹旗 「今朝になって熱出しちゃいまして」 滝壺 「だから、今度は私たちが看てあげる番」 婚后 「まあ、そんなことに……」 結標 「お、おはよ……みんなもう大丈夫なの?」 海原 (……様子がおかしいですね。これは形振り構ってられませんか) 白井 「ええ、結標さんのお陰ですっかり」 番外個体 「淡希? なんかフラついてない?」 結標 「ちょっと疲れたのかも……あっ」ズキッ 番外個体 「危ない!」バッ 結標 「うっ……」 番外個体 「うわ、あつっ。これ熱あるでしょ」 絹旗 「結標さんもですか……」 滝壺 「私たちが伝染しちゃったんだね、きっと」 結標 「やっぱダメ……頭痛いよ……」 婚后 「看病にあたってくれたお二人が倒れるなんて……」 海原 「あの、結標さんは僕に任せてください」 結標 (海原が……って、ええええ!?) 番外個体 「いいの?」 海原 「結標さんには寝ずの看病をして頂いた恩もありますし」 結標 (それ今言わないでぇぇ) 海原 「浜面さんも倒れてるそうですし、絹旗さんと滝壺さんは浜面さんをお願いします」 絹旗 「超了解です!」 滝壺 「任せて」フンス 婚后 「……そうですわね、わたくしと白井さんは学校がありますし、ミサワさんもバイトでしょうし」 白井 「確かに、風紀委員もこれ以上は休めませんの……」 番外個体 「わかった。じゃ、お願いね」 海原 「結標さん、こちらへ。部屋までお連れしますよ」ポスン 結標 「うー……」 番外個体 「淡希、顔赤いよ。歩くのもツライんじゃない?」 結標 「大丈夫よ……」 海原 「白井さん、部屋までお願いできますか?」 白井 「はいですの」 結標 「ま、待って! 歩けるから……海原、お願い」 海原 「ご本人がそう仰るなら……どうぞ、捕まってください」 結標 「ごめん……」ギュゥ 海原 「ゆっくりでいいですよ」 結標 「はーい……」 番外個体 「……さっき、寝ずの看病って言ってた?」 絹旗 「超言ってましたね」 婚后 「海原さんが一番症状が重かったらしいので、きっと付き添ってたのでは?」 婚后 (かといって、なぜあんな格好だったのかは分かりませんが) 滝壺 「はまづらも付き添ってくれてたしね」 白井 「疲労に加えて、ずっと同じ部屋にいたのでは伝染るのも無理ありませんの」 番外個体 「まあ、淡希は海原さんに任しておけば平気でしょ。浜面さんは大丈夫なの?」 絹旗 「そうですね、そろそろ様子を見にいってやりましょうか」 滝壺 「何か食べさせてあげないと」 <きぬはた、お粥って作れる? <超任せてください 番外個体 「ミイラ取りがミイラになるってこういうことなのかね」 白井 「今日は、わたくし達も出来る限り早く帰宅して手を貸しませんと」 婚后 「この家の中で風邪ループに陥ってしまいますわね」 番外個体 「それにしても……淡希が寝ずの看病か」 番外個体 (淡希やったじゃん)ニヤニヤ 白井 「きっと、付きっ切りで人肌で暖めたりとかしたんですの」 婚后 (はっ。だ、だからあのような格好を!?) 番外個体 「婚后さん、どうかした?」 白井 「顔が赤いような……風邪がぶり返したのでは?」 婚后 「だ、大丈夫ですわ! ほら、お二人とも、もう出る時間ですわよ!」 お二人 「「?」」 婚后 (その場面を想像してしまったではありませんか……) =====
https://w.atwiki.jp/compels/pages/181.html
「セイレーンの仕業…と考えて良いのかしら」 顎に手を当てて独りごちる、長いマフラーを風に靡かせる、一部が犬耳の様になった11、2歳程の金髪の、軍服を着た少女。紫紺の瞳を細めて考え込む姿は、一見隙だらけに見えるが、今この場に襲撃者が現れても、その身体に打ち込むことなど出来はしないだろう。 緩やかに弛緩した、極々自然な立ち姿は、確かな鍛錬と歴戦の経験に支えられた武人の佇まいだ。 なおスカートもズボンも履いていないので、黒い紐パンがモロに見えるが、当人に気にした様子は皆目無い。無いと言ったら無い。 凡そ外見に相応しくない、外見からは考えられない事だが、そもそもがこの少女は人では無い。突如として現れ、人類を海から駆逐した存在であるセイレーン。そのセイレーンと戦う為に人類が生み出した存在。 艦としての過去と、人としての現在を持つ存在、艦船(KAN–SEN)である。 少女はその艦船(KAN–SEN)の中でも、最高クラスの戦歴と武勲を誇る、ロイヤル所属の戦艦であり、その名をウォースパイトといった。 「母港の哨戒網を突破して、ロイヤル寮の警備を掻い潜って私を拉致する────いくら何でも無理ね。ならば鏡面海域?確かエディンバラが出逢った異世界の者達は、共に記憶を封じられ、偽りの記憶を与えられて学園生活を送っていたとか……」 腕をあり得ない長さに伸ばしていた、ルフィという名の少年を思い出して、ウォースパイトは、最初に殺されたルフィとエースという少年達が、異世界の存在だと推測する。 なにしろあんな風に腕が伸びる者など、ウォースパイトの知る限り人類どころか艦船(KAN–SEN)にすら存在しない。 異世界の住人といっても、ビーチバレーで対戦した者達や、合同ライブをやったアイドルの様な只の人間もいるが、重桜の者に似た姿の『トゥスクル』や『ヤマト』といった国から来た者達や、錬金術師とその仲間達の様な特異な力を持つ者達も居る。あの2人は、そういった特異な能力を持つ者達だったのだろう。 そして、そんな存在する世界が異なる者達を、世界の壁を超えて集められる存在を、ウォースパイトは一つ知っている。 「今までの例から考えても、セイレーンがこの件に関わっていると考えるべきでしょうね」 目下の所こんな事をさせる理由が皆目検討も付かないが、そもそもがセイレーンが何を目的としているのか、なにを考えているのか、ウォースパイト達艦船(KAN–SEN)がセイレーンと戦い始めてから────それよりも更に過去、人類が艦船(KAN–SEN)を建造する以前、艦(ふね)を用いてセイレーンと交戦していた時から、全く以って不明のままである為に、ウォースパイトはこの事態の背景について考える事を一旦辞めた。 「それにしても、子供ばかり…では無いでしょうけど、幼い子供を集めて殺し合わせる…とは一体何を考えているのかしら」 ルフィとエースという2人の子供が殺された場で、ウォースパイトは周囲を観察して、あの場にいた男女が、外見上は自身と近しい事を把握していた。 あくまでも『外見上』ではある。実年齢で選んだのならば、最初のセイレーンとの大戦の時より存在する自分は『子供』には含まれない。実際に数十年の時を生きていようが、外見が幼い者を此処に集めたのだろう。 「陛下も此処に拉致されていたら一大事ね。ロイヤルの沽券…。いいえ、滅亡に関わるわ」 自身と同じ位の外見の主君。クイーン・エリザベス級一番艦クイーン・エリザベスの姿を思い出し、ウォースパイトは焦燥を抱いた。 ロイヤル艦船(KAN–SEN)の頂点に立つクイーン・エリザベスはその指導力とカリスマで、数多いるロイヤルの艦船(KAN–SEN)を統べる存在だ。 ロイヤルの艦船(KAN–SEN)達からは厚く慕われ、インプラカブルなどはクイーン・エリザベスの人形を持ち歩いている程だ。 そのクイーン・エリザベスを失えば、ロイヤルの艦船(KAN–SEN)は統制を、陣営としては方針を、艦隊としては指揮系統を失う事になる。 こんな所で、こんな事で、失われて良い存在では無いのだ。 「まずは陛下の所在を確認。居られれば身命を賭して守護。そして、艦船(KAN–SEN)として、人間を守護し、セイレーンの目論見を撃ち破る。その為には、まずこの首輪を外さないと」 といっても、艤装を外している時に此処に引き摺り込まれた為に、現在のウォースパイトは外見相応の身体能力を持つ幼女でしか無い。 「艤装も無しに戦わせるとは気が利かないわね。それを言うなら艦船(KAN–SEN)を陸で戦わせる時点でおかしいけれど」 取り敢えず身を守る為の武器が欲しい。そんな事を思いながらランドセルの中身を改めて見る。 「重桜の駆逐艦や潜水艦の子が持ってたわねぇ」 幼児そのものの睦月型駆逐艦の姿を思い出し、徹頭徹尾子供扱いされている事に、多少ムカっ腹を立てながら仲を改めると、出てきたのは一振りの剣と、一枚のDISC。 「ロイヤルの伝説に語られる騎士達の王の剣…。本物なのかしら、それとこのDISC。書いてあることが本当ならば、これ程有用なものはないわ」 試験無しで、未知の兵器や武器を使うのは、戦場に身を置く者としては有り得ない。説明書の記述が正しいのか如何かを確認するべく、説明書に書いてあった通りに、額にDISCを挿入する。 「あとは能力を発動させるだけ」 瞳を閉じてDISCにより獲得した能力を使用────ウォースパイトの身体から、半透明の物体が出現し、形を整えていく。 ウォースパイトの身体に纏う様に出現したものは、鋼の威容、敵を撃ち砕く火砲、艦船(KAN–SEN)の戦う為の力。ウォースパイトの艤装そのもの。 試しに近くに有った岩を砲撃すると、聴き慣れた砲声と共に射出された砲弾が、岩を粉微塵に撃ち砕いた。 「威力は…予測は出来ていたけれど、艤装本来の物より劣るわね。次はこの剣だけれど」 支給品の剣を二、三度振って、感覚を確かめると、20m程離れた場所に有る岩に向かって、剣を振り上げる。 振るった剣の軌跡から、黄金に輝く光刃が飛翔し、岩を綺麗に断割した。 「これなら戦闘になっても問題無いわね」 ウォースパイトは頷いて、スタンドを収めると、歩き出した。 【ウォースパイト改@アズールレーン】 [状態]:健康 [装備]:約束された勝利の剣(エクスカリバー)@Fate/stay night 『力』のスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ [道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~1 [思考・状況]基本方針:この事態の解決 1:クイーン・エリザベスがいれば、絶対に守護する 2:艦船(KAN–SEN)として人類を守護する [備考] ネプテューヌ、うたわれるもの、キズナアイ、ホロライブ、DOAXVV、アイドルマスター、ライザのアトリエの世界と人物についての知識をある程度有しています。 SSSS.GRIDMAN 及びSSSS.DYNAZENONの世界と人物は、コラボイベント『弧光は交わる世界にて』に関わっていないので知りません。関わったKAN–SENから話を聞いたくらいです。 支給品解説 【『力』のスタンドDISC】 破壊力:B スピード:D 射程距離:D(ただし大型タンカー船1台分は余裕) 持続力:A 精密動作性:E 成長性:E 物質と融合して、能力者の思うがままに造り替え、操作する能力。 原作においては小さな貨物船を巨大タンカーへと変貌させた。 ウォースパイトは艦であり人で有る艦船(KAN–SEN)である為に、このスタンド能力で、自身の艤装を作り出せる。 作り替える事ができるという特性から、艤装の武装部分(主砲、副砲、対空砲) を、状況に応じて変化させることが可能。 砲撃の威力や耐久性こそ本来のものより落ちるが、艦船(KAN–SEN)としての身体能力や特殊な能力を使用可能となっている。 約束された勝利の剣(エクスカリバー)@Fate/stay night 魔力を光に変換して、光の斬撃を放てる宝具。 最大出力で放てば、強力な再生能力を持つ山サイズの肉塊を消滅させられる程だが、そこまでの威力は発揮されない様に制限されている。その代わりに燃費がだいぶ軽くなっている。
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/1662.html
U斬「さて、私は、寄生虫の存在しないマブナやライギョ を手にいれるにあたり…」 U斬「マブナやライギョより、食物連鎖的にですが いわゆる下位にある、貝や小魚に目を向けました。」 U斬「これらが、なぜ、寄生虫を有しているかというと、 それを根源的にさかのぼれば外部との接触が原因です。」 大原「そ、それも常識以前のような…」 U斬 「なので、東北のある沼なのですが…ライギョやフナが泳ぐ場所があるため、 そこにある、ライギョやフナより下位にある連鎖の食物から」 U斬 「寄生虫を取り除くことにしました。」 U斬「非常に手間のかかる作業ですが、不可能ではありません。」 U斬「多くは、小型の貝類が最初的な宿主でした。」 U斬「外部と遮断された、清涼な湖沼でしたので、数年を用しましたが、 寄生虫を絶滅させました。」 U斬「卵(らん)で繁殖する魚類には母子感染などありませんからな。」 U斬「ただし、この方法は、回遊魚に対しては応用不可能です。」 海と河川を行き来する回遊魚には…」 U斬「養殖的形態をとれば別ですが…」 U斬「もっとも、湖沼にある魚を天然といいますが、 国内の多くの湖沼に魚が存在するのは、人間がそこに持ち込んだという因も多い。」 U斬「結局のところ小型の湖沼を作ればよいのですが、 それですと、先ほどの団社長のような考えを差し挟む方もおられるので。」 U斬「それに、寄生虫のいない環境をつくり維持するのが目的なため、 結果的には既存の小型の湖沼から寄生虫を取り除くほうが 時間的にも費用的にも軽くすむ。」 京極「し、しかし寄生虫がない状態をつくり維持するんためには 小型の湖沼だとしてんも莫大な費用と労力が…」 U斬「この ユウキル 、食のためなら、なんでもするっ!!!!」 「「「「や、やはり美食ビースト!!!!!」」」」 U斬「しかしですな、アユ刺しに応用できないのが残念。 あれもうまい…」 U斬「…さて、私がこのようなことを考え実行したのは、 一言で言うと、奇を衒う…のではなく、奇を思うためです。」 陶人「奇か…正と奇…」 U斬「先生のおっしゃるとおりです。 孫子はその著の中で、奇つまり策略と、正、通常的な攻勢の使い方を説いています」 U斬「ただし、正>奇ですが。奇は正のためにのみ存在します。 それ自体のためではない。そして正は何のために… いや、これ以上はあとに残しておきましょう。」 U斬「この観点を食にあてはめれば…」 U斬「食は何のためにあるのか…」 U斬「私が今しているメイクは、見ての通り、歌舞伎の隈取を参考にしました。」 U斬「安易な類推ですが、皆さんご存知の通り、 歌舞伎は、もとをただすと傾奇くです、そして江戸期以前より遡ると…」 唯「えどぉ?」 梓「江戸時代知らないとかないですよね?まさか…」 U斬「江戸期以前よりさかのぼると、『かぶく』は『ばさら』です。」 大原「婆娑羅か…」 U斬「『ばさら』は『太平記』の時代、室町初期に現れましたが、 その体現者たちは同書のなかで非常に暴虐無人な様が描かれています。」 U斬「そう、『ばさら』を簡単に言えば、破天荒な振る舞い、生き方なのです。」 唯「む、むろまちぃ…?」 梓「せんぱい…」 U斬「しかし注意しなくてはなりません、これには… 公家的な、そして北朝よりの武士の見方があります。」 U斬「加えて、庶民の思いを同時代の資料から伺うことははっきり言えば難しい。 庶民よりに書いてあっても記述者は支配層、主に武士です。」 澪「(気持ち悪いのおさまった…)ムギのご先祖様は室町時代何やってたんだ? 偉かったんだろ?」 紬「諸大臣や関白が多かったかしら~」 澪「えっ…」 U斬「我々は彼らを誤解をしてきたのではないでしょうか?」 U斬「歴史の流れを分枝のようなものでみると… 研究者はそのようなものを当然ひどく批判しますが…」 U斬「西洋的な歴史観は、キリスト教的救済にのっとり、直線です。 それに対して、日本は仏教的なものを受けて円環だ。」 U斬「発展しやがて至福にいたると希求するのと、 結局は巡り巡るとする…」 U斬「そう…」 U斬「そのような世、ことに乱れていた世を受けて 彼ら『ばさら』は自らの身をもって、それを逸らせようとしたのでは?」 U斬「世に対することを身をもって」 U斬「幕府よりの『ばさら』が多かったのも事実ですが…」 U斬「世は正、彼らの生き方が奇、です。」 U斬「として、この前半を締めくくりたい。」 京極「うーむ…こりゃ…」 団社長「生死観ですね…」 陶人「ははっ!ははははっ!!そういうことか!」 さわ子「若いうちは美貌に磨きかけて イイオトコとつきあってればいいのよ♪」 唯「…プスプス…」 澪「唯しっかりしろっ!!」 憂「おねえちゃんーーーー!(泣)」 そして、対決(バトル)がはじまる… 12
https://w.atwiki.jp/h21fjhs/pages/54.html
~3月中旬 きぬはた荘 リビング~ [[電話]]ジリリリリン ジリリリリン 絹旗 「? はい、もしもし?」 滝壺 「家の電話が鳴るなんて珍しいね」 浜面 「つうか、これ置物だと思ってたぜ……」 <はい?麦野?今はここには住んでませんが。 浜面 「麦野に用事か。そういやあいつ元々ここに住んでたんだっけな」 滝壺 「うん。ロシアで別れるときに鍵もらったんだよね」 <……えっ!?急に言われても超困りますって!! 浜面 「言われて思い出したけど、麦野って今どこで何してんだ?」 滝壺 「病院に住み着いてるよ。"職場徒歩ゼロ分で超便利"なんだって」 浜面 「ナースむぎのん……ありだな」 滝壺 「もしもし、むすじめ? みさわも混ぜて集合で」 浜面 「すいませんでしたぁぁぁぁ!!」 <いや、超初耳ですよ!?……郵便?なんのことですか? 浜面 「なあ、さっきから何騒いでるんだ?」 滝壺 「どうしたんだろうね」 <……分かりました。確認してみます。 浜面 「おい、なんだ今の電話」 滝壺 「知ってる人?」 絹旗 「……超知らない人です」 滝壺 「何の電話だったの?」 絹旗 「まだなんとも……麦野のところに行きましょう」 浜面 「なんでここで麦野が出てくるんだ?」 絹旗 「この家の本来の持ち主だからです」 ~同日 第7学区 とある病院~ 麦野 「……ちょっと待って。今の話、本当か?」 絹旗 「まあ、電話で聞いた限りでは」 浜面 「いくらなんでも竹やぶすぎるぞ」 滝壺 (やぶへびって言いたいのかな) 絹旗 「麦野も知らないんですか? 何か知ってるかと思って来たんですが」 麦野 「今初めて聞いたわよ」 絹旗 「郵便がどうとかって言ってたんですけど」 浜面 「そういや、お前宛に来た郵便物をいくつか渡してなかったか? その中にはないのか?」 麦野 「……待ってて、見てくる」 カツ カツ カツ 滝壺 「今の話が本当だとしたら……」 浜面 「いろいろ大変なことになるぞ」 絹旗 (どうしてですか……どうして……) : : : 麦野 「内容証明があったんだけど、もしかしてコレ?」 浜面 「送り主は……都市整備開発局 第十三課……?」 絹旗 「超間違いなさそうですね」 滝壺 「むぎの、開けてみて」 麦野 「あ、ああ」ビリビリ 絹旗 「どうですか?」 浜面 「なんて書いてあるんだ?」 麦野 「……なんか、ゴメンね。こんな大事なもん見落としてたなんて」 滝壺 「じゃあ……」 麦野 「悪い予感が的中っていうのかしら?」 麦野 「あの家に住めるのも、今月一杯よ」 ~同日 第7学区 とあるファミレス~ 浜面 「どうすんだ……あと10日ちょいしかないぞ?」 滝壺 「……まず、みんなにもちゃんと伝えないとダメ」 絹旗 「そうですね……色々準備もあるでしょうし」 浜面 「なあ、全員いっぺんに移住とかできないのか?」 滝壺 「この人数だと難しいと思う。学園都市は一人暮らしか少人数向けの部屋ばっかだから」 絹旗 「……」チュー 浜面 「しかし、再開発か……言われてみりゃ、あの辺古臭い建物ばっかだったな」 滝壺 「住んでる人も年齢高い人が多いし、地区自体が昔から手付かずなのかも」 絹旗 「……」ボコボコボコボコ 滝壺 「きぬはた、行儀悪いよ」 絹旗 「あっ、ち、超失礼しました」 浜面 「どうしたんだ? なんかお前、様子がおかしいぞ」 絹旗 「あぁ、そのー……みなさんにどう話したものかと」 浜面 「まあ……ストレートに言う他ないだろ」ガシガシ 絹旗 「にしても、いきなり追い出されるとか超無情です」 浜面 「計画は前々からあって、俺らが気付いてなかっただけだろ? 文句言えねえよ」 滝壺 「むぎの宛の郵便物はまとめてむぎのに渡してたから、誰も気付けなかったんだね」 浜面 「それに単に追い出されるんじゃなく、立退料は出るぞ? 麦野に、だけどな」 絹旗 「一応、引越し代としてみんなに渡すとは言ってましたね」 滝壺 「引越し……そういえば、最近ご近所で引越し多かったよね」 浜面 「このせいだったんだろうな……やれやれだぜ」 絹旗 「……」 滝壺 「きぬはた、大丈夫?」 絹旗 「え、あっ、はい、超大丈夫ですよ」 浜面 「さっきからどうしたんだ?」 絹旗 「むっ、超浜面に心配されるとは……私はもうダメかもしれません」 浜面 「ひでぇ! お前やっぱいつも通りだ!」 滝壺 「」ジー 絹旗 「とりあえず、みなさんにも今日話したほうがいいですよね」 滝壺 「そうだね。もう時間もないし」 絹旗 「では、今夜の予定を空けておいてもらえるように連絡を」カチカチ 店員 (なんかいつもと空気が違ぇなあ) 絹旗 「超送信」ピッ 浜面 「どうすっかなぁ、俺らも……」 滝壺 「……まず、住むところから探さないとね」 絹旗 (その"俺ら"に私は入ってるんでしょうか……) 浜面 「絹旗はどうするんだ」 絹旗 「……そうですね。常盤台に復学したら半強制的に入寮でしょうし、超ちょうどいいかもしれません」 浜面 「あー、そっか。あそこは全寮制だったな」 滝壺 「いいの? 私たち3人なら住むところあるかもよ?」 絹旗 「いやいや、お二人の仲を邪魔するわけにもいかないじゃないですか」 浜面 「そ、そんな気を使ってもらわなくても、なあ?」 絹旗 (……どうせ) ~第7学区 セブンスミスト~ 白井 「決まりましたか?」 婚后 「ええ。こちらにいたしますわ」 白井 「なんと色気のないデザインを……淑女たるもの、いつでも殿方に見せられるものを選ばないとダメですの!」 婚后 「あなたのいう淑女の定義が最近よく分からないのですが……」 白井 「大体、なんでこんな地味なデザインを」 婚后 「お言葉ですが、わたくしのサイズだとバリエーションに乏しいんですのよ」 白井 「」 婚后 「今日だって、今持っているものは最近窮屈だから買い足しに来てますのに」 白井 「ふ、不公平ですの……わたくしはいまだAAだというのに……」グスッ 婚后 「大きければ正義など幻想ですわ」ハァ 白井 「うう……うん? 誰ですの、こんな時に電話をならす不届き者は」カチカチ 婚后 「あら、メールが……」 白井婚后 「「絹旗さんから?」」 ~第7学区 とある公園~ 海原 「ホットドックなんて久しぶりですよ」 結標 「……」ジー 海原 「?」 結標 「一口ちょうだい」 海原 「ええ、どうぞ」 結標 「じゃあ、私のクレープも一口食べていいわよ」ズイ 海原 「いただきますね」ニコニコ 結標 「はい、あーん……あ、ゴメン。ちょっとメール」 結標 (もー、誰よ。邪魔するのは) 海原 「まったく同じタイミングでメールですか。気が合いますね」カチカチ 結標 「そっちも?……もしかして、絹旗さんから?」 海原 「? ということは、結標さんに来たメールも?」 結標 「ええ、絹旗さんから。……どうやら一斉送信したみたいね」 ~第7学区 とある病院 更衣室~ 19090 「番外個体、お疲れさまでした。今日の検査結果です、とミサカは紙切れを渡します」つ□ 番外個体 「はいはい」 19090 「今日も異常なしでよかったです……とミサカは心より安堵します」ハゥ 番外個体 「ありがとねー、いつも心配してくれて」ナデナデ 19090 「」フニャー 番外個体 「次の検査予定日は4月の……もう4月になるのか」 19090 「早いですね……番外個体が学園都市に来てもうすぐ一年です、とミサカはこの一年を振り返ります」 番外個体 「なんかあっという間だったなー。そういえば、最初に話しかけてくれたのはあなただったね」 19090 「そ、それはより見聞を広めたいと思いまして……」 番外個体 「本音は?」 19090 「そのハイスレンダーボデーの秘密を探るため(ガシッ)痛いです痛いです!」 番外個体 「マジショックー、私あなたのこと信頼してたのにぃー」ギリギリ 19090 「こめかみ! こめかみに指が! あ、ほら、電話! 電話なってますよ!」 番外個体 「あ、ホントだ……絹旗さん……?」カチカチ 差出人:絹旗さん notmoai@comodo.ne.jp 件名:【超重要】 日付:20yy/m/d 15 12 ─────────────── 今日の夜、お話ししたいことがあ りますので、家にいてくれると超 嬉しいです。 ~同日夜 きぬはた荘 リビング~ 海原 「そうそう。絹旗さん、昼間にメール頂きましたよね?」 絹旗 「」ドキリ 結標 「そういえば来てたわね。話ってなんなの?」 白井 「あら? もしや全員が受け取ってますの?」 番外個体 「そうみたいだね、この様子だと」ズズ... 婚后 「全員の耳に入れなければならないようなお話、ということですわね」 絹旗 「……あっ、あのですね」 滝壺 「……」 絹旗 「みなさんに、超重要な報告があるんです。詳細は浜面が説明します」 浜面 「ふぇ? なんで俺?」 絹旗 「お願いです……」 浜面 「……あー、分かったよ! いいか、よく聞け!」 海原 「そんな大きい声で言わなくても聞こえてますよ」 浜面 「単刀直輸入に言うからな」 結標 「直入ね」 浜面 「この家 (・ω・)オアーン」 浜面 「ユリコ! 今大事な話してるんです!」 ユリコ 「(・ω・ )三三三三」ポテテテ 絹旗 「浜面! 私のユリコに大声浴びせるとは何事ですか!」 浜面 「おい、俺はお前の代わりに喋ってやってんだぞ!?」 番外個体 「いいから進めてよ」ヒュッ ヒュッ 浜面 「危ないやめて釘投げないで!」 滝壺 「はまづら、遊んでないで早く」 浜面 「滝壺さんまで!? よし、言うぞ!」 浜面 「お前ら全員この家に住めなくなるからな!」ビシィ 全員 「……」 絹旗 「他に言い方ないんですかバカ面!」ムキー ~15分後~ 白井 「再開発指定地域……そんなことが……」 婚后 「では、ここも立ち退きの対象に?」 滝壺 「そういうことになるね」 結標 「随分と急な話ね……」 絹旗 「……わ、私だって……」 浜面 「あー、すまん! 俺がみんなに伝え忘れてたんだ! こいつはうっかりだ!」 番外個体 「そっか。じゃ、浜面さんを殴ればいいんだね」 浜面 「応! 殴れ殴れ!」 番外個体 「……なんてね」ニヤニヤ 海原 「急な話で戸惑っていますが、誰も誰かを責めようなどとは考えていませんよ」 白井 「まず何からするべきか、全員で知恵を出し合いますの」 婚后 「そうですわ。この際ですから、とことん話しましょう」 絹旗 「……そ、そうですよね。今日は朝まで超生討論です!」 海原 「まず、ここに住めなくなるというのはもう覆せないんですよね?」 白井 「厳しいと思いますの。相手方からすれば、わたくしたちは通達を無視し続けた形になりますし」 番外個体 「なんだそりゃ……シビアだねぇ」 結標 「もういっそ全員まとめて移住しちゃえばいいんじゃないの?」 浜面 「それは俺も考えたんだがな」 婚后 「学園都市は、一人暮らしか多くても3~4人向けの物件ばかりですわ。 今の水準を維持したまま移住するのは厳しいのでは」 絹旗 「水準っていいますと?」 結標 「一人一部屋、リビング、キッチン……8LDKでバストイレ別、ペットOK、庭付きの物件ね」 滝壺 「そんなの見たことない」 絹旗 「超相部屋にしても、最低4部屋……教職員や研究者向けの物件ならありそうですが」 白井 「そういった物件は教職員や研究者に優先的に割り当てられますの」 絹旗 「むう……」 浜面 「もういっそ家建てちまうか?」 海原 「今からでは色々足りませんよ。土地、資金、時間……色々と」 結標 「時間、か……そうね、何をするにも急がないと」 番外個体 「んじゃまず方針を決めないといけない訳だけど」 海原 「全員移住か可能か、否か。それで決まるのではないでしょうか」 婚后 「物件の資料を漁ってみましょう。ヒントがあるかもしれませんわ」 白井 「……あの、申し上げにくいのですが」 滝壺 「どうしたの?」 白井 「わたくしはもしかしたら……常盤台の寮に戻らなければならないかもしれませんの」 婚后 「あっ……」 浜面 「そういえば、絹旗もじゃないか?」 絹旗 「そ、それは……」 滝壺 「……」 絹旗 「……一緒にいれるなら、その方が超いいです……」 滝壺 (そっか、きぬはたの様子がおかしかったのは……) 滝壺 (だとしたら私、無神経なこと言っちゃったかも……) ユリコ 「( -ω-)」ウトウト ~数時間後~ 番外個体 「東の空が白じんできたね……コーヒー飲みたい人」 結標 「」ノ 海原 「」ノ 浜面 「」ノ 婚后 「」ノ 白井 「」ノ 番外個体 「あー、もういいや。全員分持ってくる」 海原 「そちらの首尾はどうですか?」 婚后 「難しいですわ……」 白井 「コンビニのフリーペーパーでは情報量も知れてますの……」ペラペラ... 浜面 「こっちも厳しいな」カチャカチャカチャ ッターン! 滝壺 「不動産情報サイトを見てるけど、なかなかないね」 絹旗 「時期が微妙なんですよね。超引越しシーズンですし」 結標 「希望は8LDKだもの……引越しシーズンじゃなくてもキツイわよ」 絹旗 「…………やっぱり、それぞれ住むところを探した方が超早そうですね」 海原 「……」 結標 「現実的に考えれば、そうなんだろうけどね……」 婚后 「力及ばず、でしたか……ですが、これ以上は時間も惜しいですわ」 絹旗 「ま、まあ、私は常盤台の寮に行きゃいいですから、超心配ないんですが」 白井 「ちょっと、絹旗さん……」 浜面 「そうだよな、お前はまだ最後の砦があるもんな」 滝壺 「ねえ。みんな疲れてるだろうし、一旦休もうよ」 結標 「そうね、そろそろ眠いし……」 海原 「結論としては、各々で動くということになりそうですね。少々寂しいですが」 浜面 「……おし、ちょっとでも寝るか! 疲れた頭じゃナイスアイデアも出ないぜ!」 絹旗 「そうですね。では一旦解散で」 番外個体 「ねー、砂糖」 番外個体 「……なんで誰もいないんだ?」 ~同日午後 きぬはた荘 番外個体個室~ 番外個体 「」スピー <コンコン ガチャ 結標 「あら。まだ寝てたのね」 番外個体 「んぁ……?」 結標 「あ、起きた」 番外個体 「……何やってんの、こんなところで」ガシガシ 結標 「ヒマなんだもの。今家に私たちしかいないしさ」 番外個体 「あー、そうなの? 海原さんも?」 結標 「あいつなら妹さんにの所に言ってるわよ」 番外個体 「一緒に行けばよかったじゃん」モゾモゾ 結標 「何また寝ようとしてるのよ」バサッ 番外個体 「ひゃうっ」 番外個体 「私の寝起きの悪さは分かってるでしょぉ……」ガシガシ 結標 「じゃほら、缶コーヒーあげるから目覚ましなさい」ピト 番外個体 「冷たっ!」 結標 「背中に入れたらもっと目覚めるかしら」 番外個体 「やめてやめて! 起きるからやめて!」ジタバタ : : : 番外個体 「忘れがちだけど、海原さんの妹さんって入院してるんだったね」 結標 「忘れがちは余計よ。それに、もうすぐ退院できるらしいし」 番外個体 「……どうすんの?」 結標 「何が?」 番外個体 「ここに住めなくなった後、海原さんとの甘イチャラブ同棲計画が」 結標 「」ピコッ 番外個体 「いたっ」 結標 「どこから出てきたのよ、その怪しい計画は」 番外個体 「だってさー、この壁の薄い家じゃ海原さんとやれなかったこともあるでしょ?」 結標 「やれなかったことってなによ」 番外個体 「えっ……そりゃ、ほら……その……アレとか?」 結標 「突っ込まれてうろたえるなら最初から言わないの」ピコッピコッ 番外個体 「やめて叩かないで」 結標 「ったく……そういう貴女はどうするのよ。アイツのところにいくの?」 番外個体 「……いいって言われればね。それも聞きにいかないと」 結標 「ダメだったらどうするの?」 番外個体 「公園で寝ようかな」 結標 「なんでそうなるのよ!」 番外個体 「冗談冗談♪ ダメって言われても多分住みつくよ」 結標 「押しかけ女房ってヤツかしら。いいんじゃないの?」 番外個体 「にょ、女房って……」 結標 「あら? 違うの?」 番外個体 「」プシュー ~同日 第7学区 とある病院~ ショチトル 「」サクサク 海原 (チップスターを食べる時、両手で持つクセはなんでついたんでしょうか) ショチトル 「? 何をジロジロ見ている」 海原 「いえ、なんでもないですよ」ニコニコ ショチトル 「……相変わらず、胡散臭い男だ」 ショチトル (お兄ちゃんが! お兄ちゃんが素顔で笑顔!) 海原 「ところで、今日は大事な話がいくつかあります」キリッ ショチトル 「?」 海原 「まず、貴女の退院の見通しが立ちました」 ショチトル 「ほ、本当に!?」 海原 「まあ、リハビリ等必要ですが、一区切りといったところですね」 ショチトル 「そうか……やっとか」 海原 「それでですね」 ショチトル 「うん?」 海原 「どうしますか? 学園都市に留まりますか? それとも故郷に……」 ショチトル 「……お前はどうするんだ?」 海原 「……どうしましょうか。僕も、もうすぐ今住んでいるところから追い出されてしまうんですよ」 ショチトル 「! じ、じゃぁ一緒に……!」 海原 「学園都市に留まると?」 ショチトル 「……今更故郷に戻ったところで、帰る家はない」 海原 「……」 ショチトル 「だったら、お兄ちゃんと一緒がいい……」ゴニョゴニョ 海原 「? 今なにか」 ショチトル 「何も言っていない!!」 海原 「?」 ショチトル 「そ、それより義姉さんはどうするんだ? 同じところに間借りしているんだろう?」 海原 「結標さんですか? まだ結論は出ていないようですね」 ショチトル 「……3人じゃダメなのか?」 海原 「は、はい?」 ショチトル 「も、もちろん向こうの意見を聞いてからだけど、その……」 海原 「そうか、それでもいいですね」 ショチトル 「そ、そうだろう?」 海原 「持ち帰って、聞いてみますよ」 ショチトル 「ああ」 海原 「では、早速」 ショチトル 「え? もういっちゃうの?」 海原 「すみませんね、今回ばかりは時間がないんですよ」 ショチトル 「そうだよな、うん、早いほうがいい」 海原 「では、また来ますね」 ショチトル 「」ノシ <バタン ショチトル 「3人、3人か……なんか楽しみだな」 ~同日 常盤台中学 事務局~ 事務 「はい、では手続きは超完了しましたので、いつでも入寮可能です」 白井 「お手数お掛けいたしますの」ペコリ 絹旗 「……」 事務 「あの、大丈夫ですか?」 白井 「いーえー、慣れ親しんだ家と離れるショックを引きずっているだけですので」 事務 「あー、多いんですよ、そういう子は。でも超大丈夫ですよ、誰でも最初はそうなんです」 絹旗 「はあ……」 事務 「あっ、あのっ、もう認証通るようになってるので、よかったら下見していったらどうですか?」 白井 「そ、そうですわ、絹旗さん! 是非下見していきますの」 絹旗 「はあ……」 白井 (今日起きてからずっとこんな調子ですの……どうすれば……) 絹旗 「んじゃ、いきますかー……」トテトテ 白井 (起きてから超を一回も言っておられませんし……) ~第7学区 常盤台中学 新寮~ 白井 「あ、そ、そういえば、わたくしたち相部屋になりましたわね!」 絹旗 「……え? そうだったんですか?」 白井 「ええ、トラブル防止の観点から友人や知り合いは優先的にくっつけられますの」 絹旗 「そりゃ、よろしくお願いします」ペコリ 白井 「いえいえ、こちらこそ」ペコリ 絹旗 「ええと、ここにあてれば開くんでしたね」ゴチン 白井 「……絹旗さん? なにを?」 絹旗 「あれ? 開かないじゃないですか」 白井 「絹旗さん、静脈認証ですの。顔ではなく掌を当ててくださいまし」 絹旗 「」ペタシ ピンポーン 絹旗 「おお、開きました」 白井 (一体どうしろと……) 絹旗 「」ポケー 白井 「あの……絹旗さん」 絹旗 「はい?」 白井 「やはり……離れたくないという思いも分かりますが……」 絹旗 「いや、そうじゃないんですよ……それもありますけど……」 白井 「?」 絹旗 「結局……こうなっちゃうのかな、と思うと……」 白井 「と、言いますと?」 絹旗 「……」 白井 「……」 絹旗 「……私、前にも共同生活みたいなことしてたんです」 白井 「前というのは、あの家で?」 絹旗 「いえ、あの家に移ってくる前です」 白井 「そうでしたの」 絹旗 「ただ……ある日、何の前触れもなくバラバラになっちゃいまして」 白井 「……」 絹旗 「気が付いたら、私の周りから誰もいなくなってました」 白井 「……それは」 絹旗 「その時のメンバーとは再会はできました。でも……」 白井 「でも?」 絹旗 「今回もまた……バラバラに、なっちゃいそうですね……」 白井 (元気がなかったのはそのせいでしたか……) 白井 「絹旗さん」 絹旗 「はい?」 白井 「わたくしは、ここにおりますの」 絹旗 「白井さん……」 白井 「わたくしだけではございませんの。他の皆さんだって、ちょっと住むところが変わるだけですの」 絹旗 「……そうですよね」 白井 (……悔しいですが、わたくしの力だけでは超復活とはいきませんの……) 白井 (ここは一つ……) ~同日夜 きぬはた荘 絹旗個室~ 絹旗 「」ゴソゴソ 絹旗 「ワンピはもう売っちゃいましょうか。何回も読みましたし」 絹旗 「」ゴソゴソ 絹旗 「これは……みんなで旅行に行ったときの写真ですね」 絹旗 「そうそう、この時はまだ浜面は塀の中でしたっけ」 絹旗 「…………」 絹旗 「また……行けるといいですね……」 <コンコン 絹旗 「はい?」 <ガチャ 滝壺 「起きてる?」ヒョコッ 絹旗 「ええ、ご覧の通りです」 滝壺 「ご覧の通り……荷物の整理中だった?」 絹旗 「……ええ、まあ」 滝壺 「今日はね、きぬはたと話したいなと思って」 絹旗 「私と、ですか?」 滝壺 「うん」 絹旗 「うーん、でも改まって話すことも」 滝壺 「……きぬはた、最近元気なかったし」 絹旗 「そ、そうですかね?」 滝壺 「うん。今日も超って言ってない」 絹旗 「それが目安なんですか……」 滝壺 「今日は一緒に、寝ながらお話しようよ」 絹旗 「まあ、私は問題ありませんが……このひっくり返った部屋でよければ」 滝壺 「超問題ない」フンス 滝壺 「きぬはたは、ここでの生活は楽しかった?」 絹旗 「この際だから、白状しちゃいますとね……すごく楽しかったです」 滝壺 「うん、私も楽しかった」 絹旗 「私言ったことありましたっけ?」 滝壺 「? 何を?」 絹旗 「こういう風に共同生活みたいなことするの、アイテム時代を思い出すって」 滝壺 「言ったような、言ってないような」ウーン 絹旗 「ま、まあ、ともかくそうなんですよ」 滝壺 「そうなんだ」 絹旗 「自分でもよく分かりませんが、こういうのに一種の憧れを持ってたのかもしれません」 滝壺 「……」 絹旗 「実際、皆さんのことを単なる知り合いとか同居人以上に思えてますし」 滝壺 「それはみんなそうだと思うよ」 絹旗 「……なのに」 滝壺 「なのに?」 絹旗 「また、自分たち以外の都合で、こんな……」 滝壺 「……」 絹旗 「アイテムのときもそうでした」 滝壺 「それは……」 絹旗 「内部抗争も世界大戦も全部終わったのに、どうしてまたバラバラにされなきゃいけないんですか?」 滝壺 「……きぬはた」 絹旗 「結局、私はぼっちがお似合いってことなんですか? 暗部に関わったから!? 置き去りだから!?」 滝壺 「っ、きぬはた!」 絹旗 「」ビクッ 滝壺 「それは違う」 絹旗 「滝壺さん……でも……」グス 滝壺 「……そっか。きっときぬはたはみんなのことを家族だと思ってたんだね」 絹旗 「……」グスグス 滝壺 「でも、大丈夫だよ。家族であれば、離れてても家族なんだと思う」 絹旗 「離れてても……」 滝壺 「きぬはた、これ覚えてる?」チャリ 絹旗 「ストラップ、ですか……? たしか、沖縄で買ったヤツですよね」 滝壺 「うん。みんなお揃いの。きぬはたは今も使ってる?」 絹旗 「もちろんですよ。ええと、携帯携帯……あ、ホラ!」ジャーン 滝壺 「きぬはたのは水色だったね」 絹旗 「……なんか、これ見ただけであの暑い土地での日々を思い出しちゃいますね」 滝壺 「うん、他にも色々思い出せる」 絹旗 「……そうですね、不思議なものです」 滝壺 「もし寂しくなったら、これ見ればいいよ」 絹旗 「……そうします。そうならなくても大丈夫なようにしないといけないのかもしれませんが」 滝壺 「焦る必要はないよ」 絹旗 「でも、皆さんに心配かけてばかりじゃないですか?」 滝壺 「気にしなくていいのに」 絹旗 「そうは超いかんざきです」 滝壺 「じゃあ、もう寝ようか。明日からも忙しいし」 絹旗 「……滝壺さん、わざわざありがとうございました」 滝壺 「いいんだよ、私はいつだってきぬはたもみんなも応援してるから」 ~数日後 きぬはた荘 玄関~ 配達員 「おるかー」 絹旗 「はいはい」 配達員 「これで全部やな?」 絹旗 「はい、お願いしますね」 配達員 「まいどー」 <バタン 白井 「荷物を送られたのですか?」 絹旗 「ええ、寮の部屋に。旅行バッグ一つ分の荷物は残してますけど」 白井 「バッグ一つ分?」 絹旗 「超ギリギリまでここに居座るためです」フンス 白井 「……ふふ、考えることはみな同じですの」 絹旗 「てことは白井さんも?」 白井 「わたくしだけではなく、みなさん最低限必要なものは残すらしいですの」 絹旗 「やっぱり、ここに超愛着があるんですよ」 海原 「そういうことです。やはり、離れるとなると寂しいですからね」 白井 「あら、海原さん」 絹旗 「海原さんも荷物超整理中ですか」 海原 「いえ、大体落ち着きました。もともと大して物も持ってませんでしたし」 <海原ー 海原 「はい?」 結標 「ねー、ダンボール余ってない?」 海原 「ダンボールですか? 新聞紙じゃダメですか?」 結標 「は?」 海原 「新聞紙でも、重ねてかぶれば十分に温かいですよ」 結標 「違うわよ。荷造りに使うの」ピコッ 絹旗 「ダンボールなら、スーパーでもらってきたのがあると思いますが」 白井 「たしか……浴室のドアの横に積んでおいた筈ですの」 結標 「あ、そうなの? ちょっともらっていい?」 絹旗 「ええ、どうぞ」 結標 「じゃあ、ちょっと頂くわね」 海原 「……結標さんは、荷物が多いようで。何があんなにかさんでいるのでしょうか」 白井 「あら。今の発言は頂けないですの」 絹旗 「結標さん、私服多そうですし。それじゃないですかね」 白井 「淑女たるもの、身だしなみにはいつも気を使うものですの」 海原 「はあ……そんなものですかね」 婚后 「あ、みなさん。ちょっと出てまいりますわね」 絹旗 「どっか行くんですか」 婚后 「ええ。今日新しい部屋に大きい荷物が届く手筈になっているので、受け取りに」 白井 「大きい荷物、ですの?」 婚后 「新しい寝床、とでも申しましょうか。夕方までには戻りますわ」 <バタン 絹旗 「着々と進んでる感じがしますね……超ちょっと寂しいです」 <いやぁぁぁぁぁ!! 白井 「!?」 絹旗 「今の声は……結標さん?」 海原 「」ダッ 絹旗 「あ、早っ」 浜面 「おい、今のすごい声はなんだ?」 白井 「なんでしょうか……」 <うっ、海原!アレ!アレ! <こ、これは……! 絹旗 「……?」 浜面 「何が起こってんだ?」 白井 「とにかく、わたくし達も参りましょう」 <やだ!飛んだ!飛んでる!! <結標さんに手は出させません! 絹旗 「二人ともどうし……っぎゃぁぁぁぁ!!」 浜面 「おい、絹旗! 大丈夫か!」 白井 「あ、れは……イニシャルG」ガクブル 結標 「し、白井さん! 貴女の能力で外に飛ばしちゃってよ!」 白井 「イヤですの! わたくしですと、触らないと転移できませんの!!」 海原 「これは強敵ですね……!」 絹旗 「結標さんだったら触らなくてもテレポできるじゃないですか! 超さっさとやっちゃってくださいよ!」 結標 「無理無理無理! アレが視界に入ってるせいで座標計算できないもん!!」 浜面 「そぉい!!」スパーン コテン 浜面 「お前ら騒ぎすぎ。こんなの丸めた新聞紙で一発だろ」 絹旗 「……浜面、今だけは超カッコイイです」 浜面 「俺はいつだってカッコイイぜ!」フンス 結標 「はぁぁ……」ヘナヘナ 海原 「大丈夫ですか?」 結標 「ダンボール動かしたら出てきたんだもん……びっくりしたぁ……」 絹旗 「超イヤですね……アレが動き出す季節なんですか」 白井 「人類の敵ですの……」 浜面 「そんな大袈裟なもんかよ」 結標 「いいから早く片付けてよぉ……」 浜面 「ああ、はいよ」 滝壺 「みんなどうしたの? 2階にまで声聞こえてきたよ?」ヒョコッ 浜面 「ああ、コレだよ、コレ」 絹旗 「見ちゃダメですっ!」 滝壺 「」 白井 「た、滝壺さん?」 滝壺 「」 浜面 「おい、滝壺? どうした?」 海原 「これは……立ったまま気絶しておられるようですね」 絹旗 「浜面! なんでそんなもんを見せてるんですか!」 白井 「最低ですの! 見損ないましたの!」 浜面 「そこまでか!?」 海原 「とりあえず浜面さんはソレの処分と、滝壺さんの介抱を」 浜面 「お、おう、任せとけ」 海原 「いや、とんだ騒ぎになりましたね」 結標 「……海原」クイクイ 海原 「どうしました?」 結標 「……立てない……手貸して」 海原 「相当なショックだったんですね……よっと」 結標 「ちょ、ちょっと! そこまでは求めてないわよ!」ポカポカ 白井 「最強の空間移動能力者が、お姫様抱っこで運ばれてますの」 絹旗 「これはある種、貴重ですね」 結標 「……もう殺して」グス ~同日 第18学区 とあるマンション~ <ガチャガチャ バタン 婚后 「ふう」 婚后 (時期が時期だけに、長点上機管轄の学生寮への申し込みは締め切ってましたが) 婚后 (こちらのほうが自由度が高い分、楽かもしれませんわね) 婚后 「さて、業者さんが来るまで荷物の整理でもしておきましょう」ゴソゴソ : : : 婚后 「はあ……肩こりが……」 <ピンポーン 婚后 「あら……来ましたわね」 婚后 「はいはーい」 222 名前: ◆r462iqU2Ag[sage saga] 投稿日:2011/04/04(月) 00 05 34.52 ID bPq49dAho [4/8] 配達員 「ご注文の品をお届けにあがりました!」 婚后 「はい、ご苦労様。こちらにお願い致しますわね」 配達員 「はい、ただいま!」ゴトゴト 婚后 (ネット通販で買いましたが……ここまで大きいとは) 配達員 (大きい水槽だなぁ。熱帯魚何匹分だろ) 配達員 「こんな感じでよろしいですか?」 婚后 「ええ。ありがとうございます」 配達員 「では、こちらにサインをお願いします」 婚后 「」カキカキ 配達員 「ありがとうございました!」ペコリ 婚后 「いえいえ」 <バタン 婚后 「……ふふ、ふふふっ」スリスリ 婚后 「エカテリーナちゃんを迎える準備は完璧ですわね♪」 ~その頃 第7学区 一方通行邸~ <ガチャ バタン 番外個体 「やっほう、生きてるー?」 一方通行 「お生憎となァ」 打ち止め 「あ、ワーストの荷物届いてるよ! ってミサカはミサカは出迎えつつ報告してみたり!」 一方通行 「使ってねェ部屋があったからそこに入れといた。これからはそこの部屋使え」 番外個体 「え? 個室もらえるの? ありがたくって涙がでちゃう」 一方通行 「つっても物置同然だったからな。家具の類は買ってこないとねェぞ?」 番外個体 「それはその内ね。とりあえず、ちょっとだけでも整理しようかな」 一方通行 「あまり散らかすなよ。俺はちっとコンビニ行ってくる」 打ち止め 「プリン買ってきてねプリン! ってミサカはミサカはしがみついて頼み込んでみたり!」 ~一方通行邸 番外個体個室~ 番外個体 「あ、これ冬物か」ゴソゴソ 番外個体 「冬物衣類、と」カキカキ 番外個体 「荷物の整理も大変だね。日本に来たときの何倍あるんだ、これ」 番外個体 「お? これって……」 : : : 一方通行 「戻ったぞ」 打ち止め 『おかえりー! ってミサカはミサカは満面の笑顔で出迎えてみたり!』トテテテ 一方通行 「……いや、おい……満面の笑顔って、見えないじゃねェか」 打ち止め 『?』←ワースト仮面装備 一方通行 「どォしたンだよ、それ」 打ち止め 『ワーストのお部屋に遊びにいったら見つけたんだよー、ってミサカはミサカは報告してみる』 番外個体 「あ、帰ってたんだ」←バトルスーツ装備 一方通行 「」 番外個体 「……な、なに? ジロジロ見ないでよ……」 一方通行 「ンでそンな格好してンの?」 番外個体 「荷物整理してたら見つけたんだよね。んで、まだ着れるかなーと思って」 一方通行 「ふーン……」 番外個体 「いや……だから、ジロジロ見るなって……なんなの?」 一方通行 「それ、キツいンじゃね?」 番外個体 「」 一方通行 「そもそもフィットする素材なンだろォけどよ、模様がなーンか横に伸びて「どりゃぁぁ!」バキッ 一方通行 「」 番外個体 「~~っ、着替えてくる」 打ち止め 『はーい、ってミサカはミサカは見送ってみる』 番外個体 (美容とかダイエットとか気にしてなかったけど……気にしないとマズイのかなぁ……)グスッ 番外個体 (でも胸がちょっとキツくなったのは喜ぶべきことなのかな……) 番外個体 (あの人が触ってくれればもっと、って……いやいやいや、そんな……)ブンブン 打ち止め (なんか今日のワーストは見てて面白い、ってミサカはミサカはひっそり観察してみたり) 一方通行 「」
https://w.atwiki.jp/seisoku-index/pages/159.html
~某日早朝 絹旗個室~ 絹旗「スカートの長さは……よし、こんなもんですね」 滝壺「きぬはた、すごい可愛い」 絹旗「滝壺さんも超似合ってますよ」 滝壺「変じゃないかな? すごい久しぶりに着たけど」ヒラヒラ 絹旗「完璧です。溜息がでる可憐さです」 滝壺「ありがと。……なんか緊張するね。在籍っていっても、管理書類上の話だったし」 絹旗「これまでは研究所でやってもらえてたんですけどね。アイテムも活動休止ですし。 上 も戦争の後遺症で資金が超カツカツらしくて、そこまで面倒見きれないらしいです」 滝壺「私たちも 返品 されちゃったしね」 絹旗「一昔前なら 処分 だったんですけどね。超ありがたいことです」 ~きぬはた荘1階 リビング~ 滝壺「おはよう、みさわ」 絹旗「おはようございます、ミサワさん。私達にも珈琲をくれると超嬉しいです」 番外個体「あ、おはよ。ちょっと待ってね……って、どうしたの二人とも?」 結標「あら、やっぱり貴女達も制服なのね」 番外個体「あれ、淡希まで? 今日仮装パーティでもあるの?」 結標「身体検査よ。普段訳ワリで登校してない生徒も、この日ばかりは別なの」 絹旗「おや? 滝壺さんと結標さんの制服、もしかして同じですか?」 結標「そうみたいね……正直私も驚いたわ」 滝壺「むすじめも霧ヶ丘女学院だったんだね」 番外個体「そういう絹旗さんの制服も、あの二人と同じように見えるけど?」 絹旗「あの二人?……って、あああ!」 白井「おはようございますの」 婚后「おはようございますわ、朝から賑やかですわね」 絹旗「Σ」 白井「……絹旗さん? そのお召し物は常盤台の……」 絹旗「あ、えっと」 婚后「もしや、今日から常盤台に編入なのですか?」 絹旗「いえ、元々常盤台の生徒ですよ。研究協力(嘘)で殆ど登校してませんけど」 婚后「あら、正直意外ですわ」 白井「まあまあ、そういうことでしたら、みんなで一緒に行きますの」 絹旗(うぅぅ……やっぱりこうなった……みんなで登校なんて超緊張します) ~今日はみんなで朝食~ 結標「真琴は身体検査ないの?」 番外個体「うーん、今はどこにも籍おいてないし、ないんじゃない?」 結標「帰国子女は一味違うわね」 番外個体「ただのニートだよ」 滝壺「むすじめ、霧ヶ丘はここから遠いから。そろそろ出ないと」 結標「え? あら、もうこんな時間……それじゃ行きましょうか」 滝壺「おー」 番外個体「いってらっしゃーい」ノシ 白井「少々早いですが、わたくし達も参りましょうか」 婚后「そうですわね。たまにはのんびり歩くのも悪くないですわ」 絹旗「あ、もう出ますか、そうですか(心の準備が……)」 白井「行ってまいりますの」 婚后「行ってまいりますわ」 絹旗「ミサワさん、超申し訳ありませんが食器の片付けと留守番をお願いします」 番外個体「はいよー」ノシ 海原「みなさん行ってしまいましたね」 番外個体「あ、海原さん。おはよう」 海原「いや、僕はミサワさんの次に起きたんですけどね。とても話に入れませんでした」 番外個体「海原さんもないんだ、身体検査」カチャカチャ 海原「ええ、ないですよ。あ、僕も手伝いましょうか」 番外個体「いいよいいよ。その代わり、あとで付き合ってよ。暇なんだよね?」 海原「お安い御用です」 ~霧ヶ丘組~ 結標「ねえ、滝壺さん」 滝壺「?」 結標「たしか貴女って、身体壊して能力使えないんじゃなかった?」 滝壺「うん。でも、完全に無能力って訳じゃないの。なんていうのかな、本気モードになれないだけ」 結標「あら? そうなの? よかった、ちょっと心配だったのよ」 滝壺「心配?」 結標「ほら、ウチの学校って能力開発に力いれてるでしょ? 過去には、能力が使えなくなって退学になった生徒もいるぐらい」 滝壺「私も退学になるかも、って思った?」 結標「そういうことね」 滝壺「ありがとう、むすじめ。でも大丈夫だよ」ギュゥ 結標「ちょ、ちょっと抱きつかないで、場所考えなさいよ///」 ~常盤台組~ 白井「今回こそは評価を上げたいところですの」 婚后「平時より鍛錬を積むことにより……といっても、わたくしも伸びやんでますわ」ハァ 白井「レベル4になってからが長いですわね……絹旗さんもそうでなくて?」 絹旗「まあ、私は人生初検査でレベル4でしたので長いっちゃ超長いですね」 白井「まぁ……天才型でしたのね」 絹旗「……ええ、そんなところですね……」 婚后「(……なにやら不穏な空気ですわね) そういえば、絹旗さんの能力…… 窒素装甲 でしたかしら? どんなことができますの?」 絹旗「超端的にいうと、窒素を操る能力です」 婚后「ぜひ拝見させていただきたいですわ♪」 絹旗「大した芸はないですよ、こんなことができるぐらいです」ヒョイ 婚后「え? ええ?!」 白井「車を軽々と……!?」 絹旗「あ、ここ路駐禁止区域ですね。ついでに片付けてやりましょうか」ポイッ 白井婚后「」 ~その頃 きぬはた荘~ 番外個体「やった、迅竜の天鱗ゲット」 海原「おめでとうございます。次は僕のリクエスト、古龍の大宝玉ですね」 番外個体「何倒せば出るんだっけ」 ~霧ヶ丘女学院~ 結標「じゃ、私は向こうだから」 滝壺「うん、また後でね」 結標「……(あの方向は特別教室? 特殊な機材とか必要なのかしら)」 結標「おっと……人の心配ばかりしてられないか」 結標(前よりはマシとはいえ……嫌なこと思い出しちゃうわね) ~霧ヶ丘女学院 第2グラウンド~ 計測係「まずは最大重量、最大距離、平均転移時間の3点を計測します。 体調に著しい変化が見られた場合はすぐに申告してください」 結標「はいはい。さっさと始めましょ」 計測係「では、最大重量計測から始めます」 結標(1000kg以上だと腰にくるのよね……) : : : 計測係「計測完了です。最大重量4520kg、最大距離802M、一度の転移に要する時間は平均0.9秒」 結標(ここまでは現状維持か……まあまあってところね) 計測係「次はご自身を連続で複数回転移して頂きます。昼休み後に再開です」 結標(ここからが正念場ね……) ~霧ヶ丘組 昼休み~ 結標(あー、お腹空いた。この時間になれば食堂も空いてるわね……あれは、滝壺さん?) 滝壺「」グテー 結標「お疲れ様、大丈夫?」ツンツン 滝壺「南南東から信号が来てる」 結標「?」 滝壺「あ、むすじめだ」 結標「……ちょっと貴女、本当に大丈夫? 朝より顔色悪いわよ?」 滝壺「あ、うん。ちょっと疲れただけだから、大丈夫」 結標「ヤバそうだったらすぐに言いなさい。病院ぐらいはひとっ飛びだからね」 滝壺「ありがと、私を心配してくれるむすじめを私は応援してる」ギュゥ 結標「だーかーらー///」 結標「さて、午後もあるからお昼にしないと」 滝壺「見学してていい? 私はもう終わったから」 結標「え? 早いのね、どうだったの?」 滝壺「現状維持」ブイ 結標「まあ、落ちるよりはマシよね」 滝壺「逆に、上がる見込みもないんだけどね」 結標「……それは……」 滝壺「大丈夫だよ、気にしてない。今は能力以外にも大切なものはたくさん持ってるから」 結標「……それもそうね」クス 滝壺「よし、お昼ごはんにしよう」 ~常盤台中学~ 絹旗(うっわ、見るからにお嬢様な人ばっかり……私とか超場違いじゃないですか) 白井「わたくしと婚后さんは校庭ですのね」 婚后「絹旗さんは……ちょっと系統が違うようですし、別メニューでしょうか」 絹旗「そうですね、私はあっちn <ドパァァァァァン 絹旗「? なんですか、今の……ひゃ、冷たっ! 水!?」 白井「ああ、お姉様……今日も絶好調ですの……」ホワーン 婚后「あれは御坂さんですわね。常盤台の超電磁砲と呼ばれる方ですわ」 絹旗「なっ……(超電磁砲!? あれが!?)」 <ドパァァァァァン 白井「威力が高すぎるあまり、プールの水で緩衝させないと計測できませんの」 絹旗(これがレベル5……麦野やホストモドキもそうでしたが、次元が違いすぎです) ~常盤台中学 校庭~ 【物体】 白井「……」 【物体】ヒュッ 白井「うーん、もうちょっと伸ばしたいですの……」 【物体】 婚后「それっ」 ─=三【物体】シュポーーン 婚后「あらあら、飛距離ではわたくしの勝利のようですわね」 白井「12tトラックを弾丸代わりに飛ばす人に、飛距離で勝てる訳ございませんの」 <ソォーーーイ! <ドガグワゴシャァァン 白井「?」 婚后「聞き慣れない音ですわね……なんでしょうか」 白井「こっちの方から聞こえましたの」 婚后「きっと、どなたかの能力測定……って」 絹旗「ちぇすとぉーーー!」ドガァン 絹旗「ちぇいさーーーー!!」バゴォン 白井「絹旗さん……?」 婚后「すごい……あんなに分厚いコンクリート板を素手で粉々に」 白井「考えてみれば、車を持ち上げるぐらいの力量で殴られれば一溜まりもありませんの」 婚后「殴られて無事な方がいるならば、ぜひお目にかかりたいですわね」 浜面「へっくし」 ~常盤台組 昼休み~ 絹旗(白井さんは、超電磁砲に会いに行ったようですね) 絹旗(婚后さんは子分みたいな方々と合流して……私も誘われましたが、流石に超きまずいです) 絹旗「……お、常盤台の食堂は超おいしいですね」 絹旗「……」ムグムグ 絹旗「さ、寂しくなんてないです」 ~その頃 きぬはた荘~ 番外個体「お昼どうする? 宅配ピザとかでいいよね(ガサガサ)どれにしよっかにゃー」 海原「僕はアンチョビが入ってなければ、なんでも良いですよ」 番外個体「えっ」 海原「いやー、アレは人間が食べるものじゃないですよね」 番外固体「そっか、じゃ私は人間じゃないんだね……海原さんなんてキライ」プイッ 海原「」ガビーン ~霧ヶ丘組~ 計測員「総合評価、レベル4。これをもちまして検査は終了です。お疲れ様でした」 結標「はあっはあっ……疲れたぁ……」ペタン 結標(自己転移もやれるようにはなったけど、連続はまだ苦手だわ……) 滝壺「むすじめ、お疲れ様。タオル使う?」 結標「あ、ありがとう。洗って返すわね」 滝壺「すごいスピードで移動してたね、位置を掴むのがやっとだった」 結標「自分を連続で飛ばしてるから、実質高速移動でしょうね」 滝壺「これで終わり? 喉が渇いたし、どこか寄っていかない?」 結標「それもいいわね。とりあえず、着替えてくるから待っててくれない?」 : : : 結標「お待たせ」 滝壺「? ブラウスはどうしたの?」 結標「あ、あら? いつものクセで布巻いただけだった……」 滝壺「ブレザーの前閉めて」グイッ 結標「外ならともかく、校内でこの格好はマズイわよね」 滝壺「外でもまずいよ」 結標「うっ」 滝壺「待ってるから、ちゃんと着替えてきて」 結標「わ、分かったわよ。ちょっと待ってて」 ~常盤台組~ 絹旗「総合評価レベル4。ま、こんなもんですね」 絹旗「やることも超終わりましたし……帰りましょうか」 絹旗(ここは居心地が……やはり私はお嬢様というガラじゃありませんね) 絹旗(そういえば、あのお二人は朝別れて以来見かけませんね……まあ、お二人の都合もあるでしょうし) 絹旗「はあ、さてさて……」トテトテ : : : 絹旗「…………あれ?」 白井「あら、ようやくいらっしゃいましたのね」 婚后「どれだけ待たせるおつもりですの? このわたくしを常盤台のこ(ry」 絹旗「あれ? あの、どうして……?」 白井「? 何か不思議ですの?」 婚后「同じ家に帰るのですから、ご一緒するのは当然ではなくて?」 絹旗「私に合わせることはないのでは……その、お二人にも用事が」 白井「それは、昼休みに寂しい思いをさせてしまった」クスクス 婚后「埋め合わせ、ですわよ」クスクス 絹旗「さっ、寂しい思いなんて超してないです! 超誤解です!」ウガー 婚后「はいはい。それよりも、今日の夕食当番は絹旗さんではなくて?」 白井「早く帰りますの。もしかしたら買い物も必要かもしれませんし」 絹旗「むー……わ、分かりましたから、さっさと行きましょう」 ~きぬはた荘 リビング~ 番外個体「」スピー 海原「REC●」 <ギィィィィィ バタン 白井「ただいまですの」 婚后「ただいま戻りましたわ」 絹旗「ただいま戻りました」 海原「おや、皆さんお帰りなさい。なにか飲み物でも用意しましょうか?」サッ 絹旗「冷たいのでお願いします、超クタクタです」グター 海原「では、何かお持ちしましょう」 婚后「これは申し訳ございません」 絹旗「ミサワさん、ソファーに寝っ転がって独占しないでください」ボスン 番外個体「ふぎゃっ……起きるから、背中に座らないでよ。あ、海原さーん、私コーヒー」ノシ 白井(寝起きの大きいお姉様! ああ、この乱れた髪、気だるい瞳……堪りませんの!)ハァハァ 番外個体「?」ポケー 海原「はい、どうぞ。麦茶でよろしいですか?」 白井「わざわざありがとうございますの」 絹旗「」ゴキュゴキュプハー 番外個体「背中のがどかないと飲めないんだけど」 海原「ミサワさんのはここに置いておきますね」コトッ 婚后「白井さん、先に買ってきたものを冷蔵庫にいれませんと」 白井「あっ、そうですわね。ちょっと失礼しますの」 絹旗「夕食作る前に着替えないと……だー、超めんどくせー」 番外個体「ちょっと、いつまで人の背中でくつろいでるのさ」 絹旗「超気に入りました。今日から私の指定席です」 番外個体「……(ま、そのうち飽きるでしょ)」 絹旗「わっ、ブラック苦っ! なんでカフェオレじゃないんですか!」 番外個体「ちょ、それ私の! なに勝手に飲んでるの!」 <ギィィィィィ バタン 結標「ただいま。……何してるのよ、貴女たち」 滝壺「仲良し姉妹みたいだね」 番外個体「こんな妹いらない……淡希ー、背中のこれ片付けてくれない?」 絹旗「さっきから失礼ですね。私に乗っかってもらえることに超感謝してください」 番外個体「あなたに乗っかられて感謝する人間なんているの?」 絹旗「何を言ってますか、世界中に超溢れてますよ」 結標「……絹旗さん、その座り方だとスカートの中が全見えよ?」 絹旗「」 滝壺「そうやって膝をたたんで椅子に座るの、きぬはたの癖だよね」 結標「癖って……まさか今日一日、外でもそうやってたの?」 絹旗「……あっ、ち……超着替えてきますっ!」ドタタタ バタン 番外個体「……私のコーヒー、半分以上なくなってるし」 ~夕食後~ 白井「あら、じゃあ結局みなさんレベル4のままですのね」 婚后「まあ、そう簡単にはレベル5にはなれないということですわね……」 番外個体「私も自分の強度気になるなー。いつもの病院で計測してもらおうかな」 結標「面白そうじゃない、やってみなさいよ」 番外個体「海原さんもどう? 今回検査受けてないよね」 海原「いや、僕は今回は遠慮しておきましょう」ニコニコ 絹旗「なぜですか? 超折角の機会ですのに」 海原「いやぁ、ははは」 滝壺「?」 番外個体「無理強いはしないけどさ、誰だって都合と事情はあるしね」 海原(……まさか見破られてる訳じゃないですよね?)ダラダラ 滝壺(そういえば、うなばらってAIM拡散力場がない……ま、いっか) 絹旗「滝壺さん! 超見てくださいこれ!」ピャー 滝壺「? 無料招待券?」 絹旗「ええ、第22学区にあるスパリゾート……(……読めません) なんとかの券です」 滝壺「これ、どうしたの?」 絹旗「今日、買い物に行ったときにクジ引きが超当たりました」 滝壺「すごい、私はクジなんて当たったことないのに」 絹旗「とにかく、折角ですので皆さんと超温泉に行きましょう」 ~夕食後~ 絹旗「というワケで超温泉に行きます」 婚后「 招待券1枚につき3名まで入場可 とありますが……」 番外個体「チケットは2枚だから、1人余るね」 海原「……なんですか、なんで皆さん僕を見るんですか?」 結標「……まあ、さすがに可哀想だから、あと1人の分は全員で分割しましょう。 7人全員が格安で入れたと思えばいいし、その方が公平でしょ」 絹旗「よかったですね、バ海原」 海原「いや、なぜ僕がハブられる前提なんですか。あと かいばら ではなく うなばら です」 婚后「でも、第22学区というと少々遠いですわ。夕方以降に行くとしたら移動手段を確保できませんと」 結標「……ちょっと、なんでみんなして私を見るのよ」 番外個体「車があるんなら私が運転してもよかったんだけどねー」 結標「? 貴女、私と同い年のハズよね? なんで免許持ってるの?」 番外個体「持ってないよ。必要なのはカードじゃなくて技術だし」キリッ 結標「…………」 絹旗「でもまあ、ミサワさんの言葉にも一理ありますね。では車が用意できれば問題なしと」 白井(大アリですのぉぉ!!) ~翌日 学園都市某所~ 番外個体「こんな人気のないところに連れてきて……何されるの……?」コツコツ... 絹旗「超誤解を招く言い方はやめてください。見てほしいものがあるだけです」トテトテ... 番外個体「なんだろうなー」 絹旗「こいつです。今なら自由に使えます」 番外個体「……これ、キャンピングカーじゃん。絹旗さんの?」 絹旗「正確には違いますね。でも、ほら、キーなら挿さってますよ」 番外個体「……ホントだよ。随分ほったらかしだったみたいだけど、動くのかな」 絹旗(アイテム休止以来、半年近くほったらかしにされてましたからね) 番外個体「ちょっとエンジンかけてみていい?」 絹旗「どうぞどうぞ、超やっちゃってください」 カシュシュシュシュ ドルルルン 番外個体「お、ご機嫌なサウンド」 絹旗「普通の車よりちょっと超デカイですが、運転いけますかね?」 番外個体「これぐらいなら大丈夫でしょ。これで足は確保できたね」 ~数日後 週末 夜~ ブロロロロロ 婚后「この人数でもゆったりできますのね」 白井「……これでよかったのでしょうか」 絹旗「こまけぇこたぁいいんです」 結標「滝壺さんは前?」 海原「ご本人たっての希望で、助手席だそうですよ」 : : : 番外個体「この大きさの車でもオートマなんだねー」 滝壺「学園都市にマニュアル車ってあるのかな。あ、ガム食べる?」 番外個体「あ、ありがと。第22学区だっけ? どこをどういけばいいの?」ムグムグ 滝壺「しばらくはまっすぐでいい」ムグムグ 結標「それにしても、存外丁寧な運転なのね。あの子のことだから飛ばすと思ったのに」 海原「そういえばあまり揺れませんね。ウチの運転手にも見習ってほしいものです」 婚后「あら、海原さんのお宅にも運転手さんがおられますのね」 結標(このバカ!) 海原(すいません、うっかり) 白井「?」 絹旗(グループの運転手は超ヘタクソ、と……) : : : 番外個体「ここが第22学区? 人がいる感じがしないけど……」 滝壺「第22学区は地底都市なの。ほら、あそこ。あそこのゲートに入って」 番外個体「はー、これはまた凝ったことを……」 滝壺「目的地は第3階層だからね」 ゴトゴトッ 海原「……スピードが上がりましたね」 白井「外の景色を見る限り、第22学区に入ったようですの」 婚后「あの……なにかすごい勢いで旋回してる気がするのですが……」 絹旗「地下都市に入って、下り通路まわってるんだと思いますよ」 婚后(酔いそう……) : : : 番外個体「うっひゃー、たーのしいー☆」 滝壺「みさわ、スピードスピード」 番外個体「あ、ゴメン、つい飛ばしちゃった」 滝壺「もっと出して」ワクワク 番外個体「」 ~第22学区 第3階層~ 番外個体「……あのさ、私、道間違えてないよね?」 滝壺「あってるよ」 番外個体「ここ地下なんだよね? なんで星空が見えるの?」 滝壺「あれは外の景色をスクリーンに投影してるの」 : : : 結標「もうすぐ着きそうね」 海原「意外と早いものですね」 絹旗「やっぱり車を用意して超正解でしたね」 婚后「」 白井「婚后さん、大丈夫ですの?」ユサユサ 婚后「ゆ、揺らさないでくださいまし……」 滝壺「あ、見えてきた。あの建物だよ」 番外個体「あの神羅カンパニーみたいなビルだね。おkおk」 滝壺「なんか、温泉以外にもいろいろあるみたい」 番外個体「その気になれば一晩ぐらい軽く過ごせるかもねー」 : : : 結標「あら、洗顔フォーム忘れちゃったわ」ゴソゴソ 白井「あ、あの……よろしければ、わたくしのをお使いください」 結標「えっ、い、いいの? 私は貴女のこと……」 白井「あら、わたくしはいつまでも過去に囚われるほど小さい人間じゃございませんわよ」 結標「……そうね、小さいのは胸と身長だけで十分よね」 白井「んなっ!? わたくしはまだ発展途上なだけですの!」ムキー 結標「はいはい、10年後に期待してるわ」 白井「い、今はどうあっても適わないだけに余計悔しいですの……!」プルプル 絹旗(この二人の会話がここまで続くのは初めて見ました) 番外個体「むー、参った。駐車場が空いてないね」 滝壺「あ、みさわ、あっち。あそこ空いた」 番外個体「ホントだ! よし逃がさない」フミッ 滝壺「わ、アクセルベタ踏みなんてはまづらでもしないよ」 : : : 絹旗「さっきから超トロトロと走ってますね」 海原「車を停める場所を探しているのでしょう」 結標「この分だと、中も結構混んでそうn(グンッ)きゃっ!?」 海原「おっと」 結標「ちょ、海原、アンタどこ触ってんのよ!」バキッ 白井「な、なんですの、この急加速は」 婚后「」 白井「婚后さん! お気をたしかに!」 ~スパリゾート安泰泉 ロビー~ 結標「ほら、座った座った」 婚后「う……申し訳ございません……」 番外個体「なんかゴメンね、飛ばしすぎちゃったかな」 婚后「いいえ、わたくしは元々乗り物に弱いので……ミサワさんが気負うことはありませんわ」 絹旗「時間はありますし、超ゆっくり休んでてください。入場の手続きはしておきますので」 滝壺「こんごう、飴買ってきたから食べて食べて」 婚后「あ、申し訳ございません、頂きますぅ……」モグ ボキボキバキ 海原「まあまあ、ご無理はなさらず。時間はまだまだありますよ」 白井「帰りは助手席にお乗りになった方がいいかもしれませんわね」 絹旗「戻りました。あ、バ海原はあとでお金出してくださいね」 海原「あ、はいはい……あれ? 分割じゃないんですか?」 絹旗「超細かいことを気にする男ですね。鬼が笑いますよ」 結標「それ、使い方が違うわよ」 絹旗「こまけぇこたぁいいんです。みなさん、これ付けておいてください」つ◯ 番外個体「リストバンド?」 絹旗「ICチップ入りで、ここの施設を利用するときに必要だそうです。 あと、ロッカーの鍵も兼ねてますので、超絶対に失くさないでください」 白井「この数字はロッカーの番号ですのね」 婚后「……あら? 滝壺さんは?」 滝壺「ただいま、パンフレットもらってきた」トテトテ 番外個体「どれどれ(ガサガサ)わっ、すっごい」 結標「ショッピングモールにゲーセン、ボーリング場……温泉だけじゃないのね」 絹旗「超折角ですし、全部いきましょう!」キラキラ 白井「楽しそうですが、全部かどうかは時間と相談ですの」 滝壺「温泉に行くなら最後にしたほうがいいね、汗もかくかもしれないし」 海原「どこかで夕食もとりたいですね」 婚后「食事直後の入浴は消化に悪いので、順番を考えませんと」 結標「あら、もう大丈夫なの?」 婚后「ええ、どうにか……ご心配おかけしました」 番外個体「婚后さんも復活したし、適度に歩いてみよっか」 ~スパリゾート安泰泉 アウトレットモール~ 絹旗「おお、すごい規模ですね」 結標「」ウズウズ 番外個体(あ、なんかヤな予感) 結標「真琴、行くわよっ」ガシッ 番外個体「えっ、ちょっ、待tt」 白井「(これは大きいお姉様の様々なお姿を見るチャンス!)わたくしも参りますの」トテテテ 絹旗「行ってしまいましたね」 滝壺「」ジー 婚后「滝壺さん? 何を見て……あれは、アンティークショップ?」 滝壺「なんか面白そう」 婚后「いいですわね、ちょっと覗いてみましょう」 海原「行ってしまいましたね」 絹旗「……」ジー 海原「僕らはどうします?(なんでしょう、この視線は)」 絹旗「滝壺さーん、私も超行きますー」トテテテ 海原(あれ? なにか怒らせるようなことしましたっけ?) 海原「まあ、集合場所代わりにここに座ってましょうか」 海原「ふう……今の僕ら、一方通行さん風に言うと 平和ボケ なんでしょうけど」 海原「悪くないものですよ、こういうのも」 海原「男一人、時折居心地の悪さは感じますけどね(苦笑)」 結標「あ、ねえねえ、これ試着してみなさいよ」 番外個体「ちょっと、また私を着せ替え人形にするの!?」 結標「いいじゃない、何を着ても似合うんだからさ、何を着ても」 番外個体「この前の買い物でゴスロリ着せられた時、帰ったら死のうと思ったんだけど」 結標「えー、可愛かったわよ?」 白井「結標さん、お言葉ではありますが……」 番外個体(助かった?) 白井「大きいお姉様にはこちらの方がお似合いかと」スチャ 番外個体「!?」 結標「あら、いいじゃない。これから暑くなるんだし、これぐらいは許容範囲よね」 番外個体「これ服なの? 水着じゃないの?」 白井「? 水着はもっと露出が激しいものですの」 番外個体(この子にとって、水着ってのは絆創膏かなにかなのか……?) 結標「サイズはどう?」 番外個体『サイズとかいう前に布が少ない』 白井(なんだかんだ言いながら試着なさいますのね……) 結標「わがままさんねー、じゃ今度こっち試着してみなさい」 番外個体「プリントTシャツ? これはマシd……淡希、これ書いてる言葉の意味分かってる?」 結標「ロシア語なんて分かる訳ないじゃない」 白井「どういう意味ですの?」 番外個体「……言わなきゃダメ? さすがの私でもコレは……」 結標「えー、気になるー、教えてよー」グイグイ 白井「もったいぶらずに教えてくださいな」グイグイ 番外個体「あなたたちねぇ……」プルプル 婚后「あら、この子いいお顔立ちですわね」ナデナデ 滝壺「かわいいね、オッドアイなんだ」 絹旗「西洋人形ですか……夜中に泣いたり髪が伸びたりしそうで超怖いです」 婚后「それは偏見ですわ。泣いたり髪が伸びたりするのは、魂が宿り心が通じ合った証拠ですのよ」 滝壺「こんごう、こっちの子見て、双子なのかな」 婚后「あら、同じオッドアイなのに配色が逆? 双子さんのようですわね」ホワーン 絹旗「……うっは、なんですか、なんでこんな値段するんですか」 婚后「これなら安いほうですわ。有名作家の作となると新車一台買えるぐらいしますのよ」 絹旗「新車って……」 滝壺「きぬはた、この双子、私達の部屋に一つずつ置こうか」 絹旗「イヤですぅ! 超怖いですぅ!」 婚后「この可愛さが分からないなんて……」 絹旗「超精巧で生きてるみたいで、逆に怖いんですよ……お、おお? あれはもしや」フラフラ 滝壺「きぬはた?」 絹旗「(*゚∀゚*)」 婚后「アートポスターですか? 古い映画のものを揃えていますのね」 滝壺「あ、この映画みたことある」 絹旗「滝壺さん、超お目が高いですね。この映画は―(5分経過)―で、監督の表現したいこと―(10分経過) それでもって、こっちのポスター―(15分経過)―主役の演技がですね―」 滝壺(きぬはたの病気が始まっちゃった) 婚后「き、絹旗さん、そろそろ皆さんと合流しませんと」 絹旗「むう、まだ超喋り足りないのですが……仕方ないですね」 : : : 海原(超暇ですね) ~スパリゾート安泰泉 レストラン街~ 番外個体「うう……また遊ばれた……身体を弄ばれた……」ブツブツ 婚后「ミサワさんから黒いオーラが出てるのですが……」 結標「気にしないでいいわよ、その内元に戻るから」 滝壺「ご飯何にしようか」 絹旗「たまには焼肉とかどうですか。最近家にいると菜食中心ですし」 白井「カロリーが気になりますが、たまにはいいかもしれませんの」 海原「では、そこのお店などどうでしょう。食べ放題だそうですよ?」 絹旗「超決定です。いきましょう」 ~とある焼肉店~ 結標「」バシッ 番外個体「ふぎゃっ。な、なんで急に頭はたくのさ!」 結標「このバカ! タレから網に乗せるなんて何考えてるの!」 番外個体「?」 結標「ああ、もう、ほら貴女はニンジンだけ食べてなさい」ヒュンヒュン 番外個体「ちょ、やめて! 私の皿に座標移動しないで! ごめんなさいごめんなさい!」 絹旗(まさか焼肉奉行だったとは) 滝壺(ここは逆らっちゃ駄目) 海原(結標さんの本領発揮ですね) 白井(大きいお姉様……運転までなさったのに、報われませんの……) 婚后(これが焼肉パーティ……弱肉強食の世界ですのね) 番外個体「わー、私のお皿にニンジンがいっぱい」 白井(だいぶ克服してるようですわね……レイプ目じゃありませんの……チッ) 海原(僕としたことがカメラを忘れてくるとは) 滝壺「むすじめ、ここらへんのは食べても平気?」 結標「……うん、よさそうね」 滝壺「きぬはた、ほら、食べて食べて」ヒョイヒョイ 絹旗「あ、滝壺さん、お気持ちは超ありがたいのですが……私、臓物は」 滝壺「きぬはた」 絹旗「」ゾクッ 番外個体「絹旗さん、お互い頑張ろっか」ポリポリ 絹旗「うぅぅ……超どうしてこうなった」モギュモギュ 婚后(あら、内臓というのも美味なのでございますね、斬新ですわ)モギュモギュ ~スパリゾート安泰泉 ゲームセンター~ 滝壺「あ、ガンシューティングだ」 結標「これ、みたことないわね。新作かしら」 番外個体「ね、やってみていい?」ウズウズ 絹旗「あ、私も。超やりたいです」ウズウズ 海原「どうぞどうぞ、ぜひ腕を披露してください」 番外個体「足ひっぱらないでよ?」チャリン 絹旗「それはこっちのセリフです」チャリン 白井(大きいお姉様、銃を構える姿が様になってますの///) 滝壺「きぬはた、頑張って」 <Mission start!! 番外個体「」ドカドカドカドカドカドカ 絹旗「」ドカドカドカドカドカ 婚后「すごい……百発百中ですのね」 海原(このお二人の構え方……実弾を撃ったことがあるようですね) <Stage clear!! 番外個体「やるじゃん」 絹旗「そちらこそ」 白井「……この分ですと、オールクリアまでかかりそうですの」 結標「ちょっとその辺を見てきましょうか」 : : : 婚后「まあ、あのヘビの縫いぐるみ、なんと愛らしい……///」 結標「UFOキャッチャー? よかったらとってあげましょうか?」 婚后「まあ、よろしいんですの?」 結標「お安い御用よ(ヒュン)はい」つ乙 婚后「」 滝壺「むすじめ、それは犯罪」 婚后「結標さん、今回はお気持ちだけ……中に戻してくださいな」 婚后「むー……わ、わかったわよ。じゃ、せめてとりやすい位置に……」 滝壺「ダメだよ、むすじめ」 番外個体「なーにやってんのさ」 絹旗「UFOキャッチャーは超つぎこんでナンボですよ」 結標「あら、終わったの?」 絹旗「はい、エンディングまで到達しました」 海原「まったく、見事な腕前です。いいものを見させて頂きました」 白井「大きいお姉様の勇姿を堪能できましたの」ホワーン 番外個体(なにこの子こわい) 滝壺「ねえ、きぬはた、あれやってみたい」 絹旗「あれ? プリクラですか?」 結標「この人数だと厳しいでしょ」 海原「僕を抜きにしても6人……キツイですね」 滝壺「じゃダメだね。今回は諦めよう。全員じゃないと意味ないし」 海原「滝壺さん……」ジーン 結標「いい感じに疲れたし、そろそろお風呂いきましょうか」 滝壺「そうだね、帰りの時間を考えると丁度いい頃かも」 白井「それじゃまいりますの」 婚后「広いお風呂なんて久しぶりですわね」 海原「お、どうやらこっちのようですよ」 番外個体「ちょっと待った。なんで海原さん来てるの?」 海原「? この期に及んでハブられるんですか? 流石に傷つきますよ」 絹旗「いや、こっち女湯なんですが……」 海原「……あ、失礼。僕は向こうですね、ははは」 結標「……海原、貴方まさか」 海原「違いますよ! 流れで付いてきてしまっただけです!」 女性陣「……」ジトー 海原「あっ、じゃあ、僕は向こうに。また後ほど、ごゆっくり!」ピューッ 結標「……気を取りなおして、入りましょうか」 ~女子脱衣所~ 婚后「ええと、このリストバンドの数字がロッカーの番号でしたわね」 番外個体「……なんで私だけこんなかけ離れた数字なの」 絹旗「超偶然ですよ」 番外個体「まあ、そうなんだろうけど……じゃ、私向こうだから」ノシ 白井「また後ほどに」 滝壺「私たちも早く準備しよう」 結標「そうね、なんだかんだ言って楽しみだったしね」 結標「ゴメンなさい、髪まとめないといけないから先行ってて」シュルシュル 白井「あ、わたくしもですの」 婚后「申し訳ありません、わたくしも」 滝壺「いいよ、待ってる」 絹旗「長いといろいろ大変ですね」 滝壺「それにしても、むすじめとしらいは髪解くと別人だね」 白井「こういう時でもないと下ろしませんものね」 絹旗「そういえばミサワさんは日によって下ろしたりまとめたりしてますね」 結標「単に気分でしょ、あの子の場合は」 番外個体「っくしゅん」 ~男性チーム~ 海原「おや、思ったよりも空いているんですね」 海原「ええと、確か日本のお風呂は……最初にかけ湯というものをするんでしたね」 海原「うん? かけ湯とありますね、これを使えばいいのでしょうか」 ザバァ 海原「あづぁーーーー!?」 海原「熱い熱い……油断できませんね、こんなところにトラップとは……」 海原「おや? 熱いので水でうめてご利用ください ?」 海原「ははは、これはやられてしまいました」 ~女性チーム~ 番外個体「入り口から一番遠いロッカーってどういうことよ……」ペタペタ 番外個体「さすがにもうみんな中にいるだろうなぁ」 ガラッ 結標「あら、やっときたのね」 滝壺「遅かったね」 番外個体「なんだ、意外と空いてるんだね」 滝壺「時間もだいぶ遅くなってきたしね」 白井「!(大きいお姉様……なんとスレンダーな///)」 絹旗「ミサワさんもちゃっちゃと洗っちゃってください」ワシワシ 白井(これはよりお近づきになるチャンス!) 白井「大きいお姉様ー、お背中お流しいたしますの♪」 番外個体「し、白井さん? いや、そこまでしてくれなくても……」 白井「いーえー、大きいお姉様には運転もしていただいておりますし、労らないと罰が当たりますの」 番外個体「そう? じゃあ、お願いしようかな」 白井「お任せくださいな♪」 : : : 番外個体「前から気になってるんだけど、なんで私、大きいお姉様って呼ばれてるの?」 白井「は、それは……ごく個人的な事情ですの」 番外個体「(あっ、ツライ事聞いちゃったかな)まあ、いいけどさ」 番外個体「ところで何使って洗ってるの? タオルじゃないよね?」 白井「タオルで泡立てて、素手で洗ってますのよ。この方が肌が傷付きませんの」 番外個体「は、はぁ!? 素手!?」 白井「それにしても、キメの細かい肌ですの……ロシア美人というヤツでしょうか」 番外個体(そりゃ生まれてから一年も経ってないから、経年劣化してないだけだよ) 白井「ですが、髪の毛先は痛んでおりますわ、きちんとケアしませんと」クンカクンカ 番外個体「あんまり気にしたことないなー」 白井「これからは気になさってくださいな、一手間かけるだけでも違いますのよ?」クンカクンカ 番外個体「……ねえ、どうしたの? そんなに私の髪はいい匂いなのかなー?」 白井「(気付かれてた!?)あ、そ、その、はい……」 番外個体「ふふっ、白井さんってちょっと変わってるよね」 白井「よ、よく言われますの」 白井(それにしても、後姿はお姉様と瓜二つですのね) 白井「ちょっと失礼致しますの」 番外個体「ひゃっ!? 白井さん!?」 白井「? どうかされましたの?」 番外個体「い、いや、前は自分でやるからいいよ!」 白井「遠慮なさらにずに。乗りかかった船、毒を食らわば皿までですの♪」 番外個体「意味わかんn やっ、どこさわって……!」 白井(お胸はお姉様よりもありますのね……)モニュモニュ 白井「大きいお姉様、あまり動いたら転んでしまいますの」 番外個体「だったらやめ……ひゃう……ちょ、くすぐった……ぁ……!」プルプル 白井(ああ、今なら死も恐れませんの……///)ハァハァ 番外個体「(? 手がちょっとずつ下に……)っ! そ、そこはダメェ!!」ガシッ 白井「はっ」ピタッ ~男性チーム~ 海原「あっ、すいません。ちょっと失礼しますよ」ザブザブ 海原「おっと、少々熱めですね」 海原「……はい? 僕ですか? いえ、今日は連れと来たんですが、全員女性でしてね」 海原「……うらやましい、ですか? ははは、そんなの幻想ですよ」 海原「現実には居場所がないわ吊るし上げられるわで大変ですよ」 海原「……え? でも楽しそうな顔してる? 僕がですか?」 海原「ふふ、それは否定できないかもしれません」 海原「? どうしたんです? なぜ皆さん、怖い顔をなさってるんですか?」 ~女性チーム~ 番外個体「……やりすぎ」 白井「も、申し訳ございません、ついつい……」シュン 番外個体「……ねえ……もう流していいよね?」 白井「あっ、そ、そうですわね。では、シャワーを……」 白井(お姉様よりも忍耐強いお方ですの……良いことを知りました)シャワワワ 番外個体「はあ……まあ、ありがとね。ほら、次白井さんの番」 白井「はい?」 番外個体「されっぱなしもヤだからね。さあ、座った座った」 白井「で、では、お願いしますの」 白井(まさか! まさか大きいお姉様に流していただけるなんて!) 番外個体「かゆいところはないですかー」ゴシゴシ 白井「もっと優しく……できれば素手で」 番外個体「調子に乗らない」 : : : 番外個体「じゃ、あと流すからねー」 白井「あの、大きいお姉様……前がまだですの」 番外個体「」 白井「前がまだですの」 <いい加減にしろ(ビリッ) <きゃぅっ 絹旗「さて、いい雰囲気の二人は超ほっといて、先にお湯に入っちゃいましょうか」ドボーン 滝壺「なかよしだね、あの二人」チャプ 婚后(前からうすうす思ってましたが……もしや白井さんは女性に……?) 結標(……滝壺さんて、普段の服装じゃ分からないけど立派なものをお持ちなのね)ジー 滝壺「? むすじめ? どうしたの?」 結標「あっ、ごめんなさい、なんでもないの」 絹旗「」ジー 結標「絹旗さん?」 絹旗「あの……いったい何をしたら、そんなに胸育つんですか?」 滝壺「さあ?」 婚后「気が付いたらなってましたわね」 結標「婚后さんってまだ中3でしょ? 中3でそれは反則よね」ツンツン 婚后「やっ、急に触らないでくださいな」 絹旗「……超くやしいです」 婚后「ま、まあ、これは個人差ですわよ。それほど気に病むこともありませんわ」 滝壺「妊娠すると大きくなるらしいよ」 絹旗「滝壺さん、それは色々とすっ飛ばしすぎです!」 結標「牛乳飲んだり適度な刺激を与えたりするといいかもね」 絹旗「適度な刺激……マッサージとかですか」 結標「誰かにさわってもらえばいいんじゃない?」クスクス 絹旗「誰か……誰かといいますと……」 <大きいお姉様ー、もっとお優しく…… <変な声出さないでよ! 誤解されるからぁ! 絹旗「……私もあそこに混ざれば」 結標「アレはやめときなさい」 絹旗「」ムニムニ 滝壺「結局自分でやるんだね」 結標「絹旗さんはまだ望みがあるわよ、年齢的に考えて」 絹旗「そ、そうですかね……」 婚后「大丈夫ですわよ、同い年の白井さんよりはあるのですから」 白井「そ、そうですよね!」 番外個体「んじゃいい加減ながすよー」シャワワワ 白井「びゃーー!?」 番外個体「えっ……? あ! ゴメン! 水だった!」 白井「」gkbr~男性チーム~ 海原「ふう……いいお湯ですね」 海原「……おや? ミストサウナがあるのですか」 海原「どれ、ちょっと入ってみましょうか」 ガチャ 海原「すいません、おじゃましm」 怖い兄ちゃんA「」ジロリ 怖い兄ちゃんB「」ギロリ 怖い兄ちゃんC「」チラリ 怖い兄ちゃんD「」セロリ 海原「すいません、おじゃましました」 バタン ~女性チーム~ 番外個体「寝るなー、しっかりしろー」 結標「……なんで貴女、一糸纏わぬ白井さんをお姫様抱っこしてるのよ」 番外個体「ミスって水ぶっかけちゃった」 絹旗「ああ、だから超震えてるんですね」ムニムニ 白井「」gkbr 滝壺「待って、いきなりお湯にいれたら心臓マヒ起こすかも」 番外個体「若いんだから平気でしょ」 結標「その発言、オバサンっぽいわよ」 番外個体「オバっ……」ガビーン ドボン 滝壺「あ、しらい落とした」 婚后「白井さん、しっかりして下さいまし」ザバァ 白井「……っは、わたくしはいったい……」 : : : 白井「死ぬかと思いましたの」チャプ 番外個体「そしたら私の能力で人間AEDしてあげる☆」 白井「ちょっと冷水シャワー浴びてきますの」 結標「やめなさいよ、バカ」 絹旗「」ムニムニ 滝壺「」フニャー 婚后「滝壺さん、のぼせそうですわ。そろそろあがりましょう」 滝壺「うん」 結標「私たちもあがりましょうか。ほら絹旗さん、いつまでやってるの」 絹旗「……これで少しは」 結標「そんなすぐ変わる訳ないでしょ。こういうのは継続が大事なの」 番外個体「あれ? もう出るんだ?」 結標「ええ。貴女たちは後から来たんだし、もう少しイチャついてていいわよ」 番外個体「私はノーマルだよ!」 白井「まぁまぁ、照れてるお姿も魅力的ですの///」 番外個体「ちょっと、抱きつかないでよ!」 結標「それじゃ、ごゆっくり」ノシ <こら、はーなーれーろー! <いーやーでーすーのー 絹旗「」ゴキュゴキュ 結標(さっそく牛乳飲んでるのね……) 婚后「絹旗さん、喉が渇いてるのはわかりますが、タオルぐらいまかないとダメですわよ」バサッ 絹旗「おお、これは超失礼しました」 滝壺「あ゛~~い゛~~」 ~【扇風機】ゴォー 結標「滝壺さん、そこ陣取ってたら他の人が使えないわよ」 絹旗「プハー、もう一杯」 結標「やめなさい、お腹壊すわよ」 <ちょっといつまでそうしてるのさ!歩きづらいんだけど! <もう少し、もう少しだけですのー 婚后「あら? まだやってましたの」 番外個体「婚后さん、これ引き取ってもらえないかな」 婚后(御坂さんから離れてしまった反動でしょうか) 番外個体「はーなーれーてー、私のロッカー向こうだから!」 白井「うぅん、仕方ありませんの。今日はお姉様成分を補給できましたし……」 番外個体「まーったく、もう……それじゃ、また後でね」 白井「ああ、行ってしまわれましたの……」 結標「あまり疲れさせちゃダメよ。運転できるのはあの子だけなんだから」ペタペタ 婚后「それにしても、リフレッシュできましたわね」 白井「また来たいものですの(そして大きいお姉様と……グフフ)」 結標「そうね、2~3ヶ月に1回は来てもいいかもね」ペタペタ 絹旗「? 結標さん、さっきから何ペタペタしてるんですか?」 結標「乳液だけど……貴女たちは使わないの?」 絹旗「超使ったことないです」 滝壺「ないね」 白井「冬場で乾燥する日なら使いますが……」 婚后「普段使いはしませんわね」 結標(えっ、何この疎外感) 絹旗「」ゴォーッ 白井「ドライヤー終わったら貸してくださいな」 絹旗「超少々お待ちください」ゴォーッ 結標「婚后さんの髪、この長さでこのツヤなんて羨ましいわね。コツとかあるの?」 婚后「特にありませんわね。敢えて申し上げるなら……」ゴォーッ 結標「」メモメモ 婚后「実家のお母様が贈ってくださる特製シャンプーがいいのかもしれませんわ」 結標「……特製?」 婚后「ええ、詳しくは存じませんが、蜂蜜やらプロテインやらを私用に配合したものだとか……」 結標(セレブにゃ勝てねーや) ~スパリゾート安泰泉 休憩コーナー~ 海原「お、みなさんいらっしゃいましたよ」 番外個体「あ、きたきた、遅いよー」 結標「いや、貴女やけに早いじゃない」 番外個体「? 身体ふいて服着るだけでしょ? どこに時間かかるのさ」 白井「……大きいお姉様、髪乾かしてませんの?」 番外個体「ほっときゃ乾くじゃない」 絹旗「結標さんみたいに、乳液とか化粧水とかパックとかもしていないんですか?」 結標「そこまでしてないわよ!」 番外個体「乳液? 化粧水?」 結標(そんな無頓着でも、このレベルを保てるなんて……ムッカつくー) 番外個体「?」 : : : 白井「大きいお姉様はまたコーヒーですのね」チュー 番外個体「白井さんだって、コーヒー牛乳飲んでるじゃない」 白井「ブラックコーヒーとコーヒー牛乳を同列に比べないでくださいな」 絹旗「」ゴキュゴキュプハー 滝壺「きぬはた、また牛乳?」 婚后「お腹によろしくないですわよ?」 結標「絹旗さん……牛乳ってね、意外とカロリー高いの」 絹旗「」 海原「みなさん、アイスをどうぞ。僕の奢りです」 絹旗「わ、私は超遠慮しておきます」 結標「あら、食べないの?」 婚后「いただきますわね、海原さん」 滝壺「(ガサガサ)ほら、きぬはたが大好きなビターキャラメル味があるよ」 絹旗「ぅ……」 番外個体「あー、冷たくてあまーい☆ あれー、絹旗さんは食べないのー?」 白井「お風呂上りのアイスは格別ですのよ♪」 結標「残念ねー、じゃあ、これは私がもr」 絹旗「ダメですぅ! 超ビターキャラメルは私のです!」 海原(みなさん、道連れを作ろうと頑張ってますね) ~帰宅路~ ブロロロロ... 絹旗「」スピー 滝壺「」スピー 白井「」スピー 結標「」スピー 海原(超居づらい) : ; : 婚后「」スピー 番外個体「ははは、孤独だ」 絹旗「」スピー 滝壺「」スピー 白井「」スピー 結標「」スピー 海原(暇だし、顔に落書きでもしましょうか) キュッキュ 海原(絹旗さんの額に 内 。我ながらシュールですね) : : : 番外個体「うん? うそ、渋滞?……地上に出るのに詰まってるのか……最悪」 婚后「」スピー~2時間後~ 婚后「あら、着きましたの……? ミサワさん、お疲れ様でした」 番外個体「チカレタ」 : : : 結標「んー、すっかり寝ちゃったわね」 白井「ブッ……絹旗さん……」プルプル 絹旗「?」 滝壺「おでこ、どうしたの?」つ【鏡】 絹旗「……なんですかこりゃぁぁぁ!」 海原「」コソーリ 絹旗「うーーーなばらぁぁぁぁ!!!」 海原「あっ……ハハハ、バレました?」 番外個体「ふー……外の空気が気持ちいいね」 婚后「夜風が心地いいですわ」 <まずは落ち着きましょ、ね? <超ちっそパーーーーンチ!! バリーーン 番外個体「……今、音速で飛んでいったのって海原さんだよね」 婚后「……きっと、気のせいですわ。人間が音速で飛ぶなんて有り得ませんもの」 番外個体「……そ、そうだよね。疲れてるのかな、早く寝よっか」
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/1198.html
262 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/16(月) 04 56 27 ID tUOhI2fw 【海原の病室】 海原「アトル!アトル!」 美琴「一体なんなのよ…」 R妹「失礼します。(ガラッ)F、おしるこ作ったからEと一緒に…おや…とミサカはこの状況を見て首をかしげます」 海原「R妹さん!アトルが!アトルが!」 R妹「落ち着いてください、とミサカはお二人に諭します」 美琴「実は…かくかくしかじかで…おかしいでしょ、妹がこんな」 R妹「なるほど…お姉さま、少しご無礼をお許しください。そう言ってミサカは右手を振り上げます」 美琴「えっ…」 バシーン! 海原「R妹さん!」 美琴「痛っ…何を…」 R妹「貴女はそれでもラノベのヒロイン役ですか?とミサカは少し怒りの入った視線を向けつつ言います」 美琴「…どういうことよ?」 R妹「ロボットが感情を手に入れる、人に叶わぬ恋いをする。絡繰茶々丸、ラミア・ラヴレスなどなどラノベやマンガ、ゲームなどで使われ倒されていることじゃないですか」 美琴「えっ…」 海原「本気で言っているんですか?」 R妹「こんなところで嘘を言ってどうするのです。兆候はあの水泳大会が終わり、現世に戻ってきたぐらいから見られました。ミサカは現世において他の妹のまとめ役的な仕事もしていたのですぐに変化に気付きました。ああこの娘…EとFは次のステージに進む可能性があると」 美琴「…」 海原「…」 R妹「ただそれが原因で上…特に麻婆神父とかに目をつけられても困るのでこちらでの出来事を忘れるように調整をしていました、一気にというのは無理なので段階的に。しかしその全てが終わる前に…」 海原「…死んでしまったんですね」 R妹「はい。それでそれまでの調整が全てパーになったのです。でもそのおかげで、私は彼女らが次のステージに進むのを見守れたのです、彼女らの姉として。そしてF…いえ、アトルと呼んだほうがいいのでしょう。彼女がEよりも一足先に次のステージに到達したのです、とミサカは長々とした説明を終えます」 美琴「でも…本当に…?」 R妹「では今の彼女の行動を定義するとしたら何ですか?恋する乙女の行動としか言えないでしょう」 美琴「…そうね、間違いはないわ」 R妹「今の彼女に必要なのは理解です。だから…」 海原「…わかりました」 美琴「…うん、正直まだ信じられないんだけどね」 R妹「助かります。では彼女の目覚めを待ちましょう」
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2510.html
MMS戦記 外伝「敗北の代価」 「敗北の代価 9」 注意 ここから下は年齢制限のある話です。陵辱的な描写やダークな描写があります。 未成年の方は閲覧をご遠慮下さい。 大阪港の端、貨物船やフェリーが静かに停泊している。その一角に真っ黒の巨大な豪華客船が停泊していた。 豪華客船には明々とまばゆい光が窓から零れ落ち、桟橋をうっすらと照らす。 桟橋に数台の観光バスが到着する。 バスからは数十人の取りまとめのない老若男女、スーツ姿のサラリーマン風の男や、杖をついた老人、制服を着た高校生、ガタイのいいスポーツマン風の男、ギャル、はてには小学生としか思えないような女の子などなど・・・ぞろぞろとバスから降りてくる。 年齢も服装も性別もまったく何一つ共通点がない集団であったが、一つだけ共通しているある物をみんな持っていた、アルミ製のカバンである。 海原「おーーーおーー今日もぎょうさんきよったな!見てみ、グロリア」 海原は最上階のスィートルームのべランダから桟橋を覗き込む。 グロリア「あそこにいる集団はすべて武装神姫オーナーですね」 スクルド「目でわかります」 青い武装を纏った2体の神姫が桟橋を覗く。 海原「ああ、そうや!ジジイやババア、サラリーマンのお兄ちゃんも折れば、女子高生もおる、熟した団地妻もおんな!!おっ!!!みてみい、あそこにおるんの小学生のガキやで!」 グロリア「ふふふ、神姫のオーナーになるのは年齢や性別は関係ありませんからね」 海原「そうや、武装神姫は平等や、差別はせえへん!大事なのは強かったらいい・・・ただそれだけのことだな、なあ!!瑠璃よ」 海原はベランダのテーブルで、酒を飲む瑠璃に話題を降る。 瑠璃「・・・・ああ、そうね」 。 瑠璃は真っ赤なミニチャイナを着ており、長い足をえらそうにXに組んで興味なさそうに酒をあおる。 海原「どーした、瑠璃?なにか不満か」 海原は瑠璃のとなりの椅子に座り、瑠璃のスラッとした生足をスリスリとさする。 さも当然のように、まるで挨拶でもするかのように海原は瑠璃の豊満な胸を揉み、体を舐めるように触る。 瑠璃「・・・・」 もう慣れた。3日前にこの男と交わってから毎日、隙があればこうやって私の体を触り弄ぶ。 最初は悪寒が走るほど嫌だったが、人間慣れると恐ろしいもので三日も毎日、昼夜を問わずされると何にも感じなくなってきた。 瑠璃はそっぽを向く。 瑠璃「別に・・・」 海原「へっへへ、また今夜も激しくやろうぜ、瑠璃ちゃん」 海原はそういうと瑠璃の顎をくいっと上げると深くキスを行う。 瑠璃「ん・・ちゅ・・・んん・・・・く・・・」 自分のマスターが好きでもない男に蹂躙されるのをみてスクルドは顔を背ける。 グロリア「スクルド、下にいこうか・・・さっきの連中の下見に行こう」 スクルド「ええ、そうですね」 海原「グロリア!今日は一日、好きに遊んできていいぞ、喧嘩売られたら全部買って分捕っちまえ!」 海原が叫ぶ。 グロリア「イエス、マイマスター」 海原「ふへっへ、その方が瑠璃ちゃんも喜ぶだろう?お金をいっぱい稼がないとな・・・俺のグロリアと瑠璃ちゃんのスクルドがいれば無敵だ。怖いものなんかねえ・・・・2人で頑張ってゆうすけ君を助けようぜ、へへっへ」 海原はそう言ってニヤつくと、瑠璃の股間に手を沿わす。 瑠璃「ん・・・く・・・」 瑠璃の口から甘い吐息が漏れ出す。 グロリア「・・・・では、行ってきます」 スクルドは海原に嬲られる瑠璃をただ呆然と眺めている。 スクルド「・・・・・」 グロリア「・・・行こう、スクルド」 グロリアは軽く敬礼すると、スクルドの手を優しく引いて部屋から出て行く。 海原「・・・ふっ・・・すいぶんとご執心だな・・・」 海原は瑠璃の体を揉み解しながらそっと瑠璃の耳元で囁く。 瑠璃「はあはあ・・・ん・・・何が・・・」 瑠璃が荒い息を吐いて聞き返す。 海原「グロリアだよ、アイツはどうやら俺以上にやり手だな」 瑠璃「ぐっ・・・・なにが・・・あっ・・・」 海原は野太い指を瑠璃の蜜の滴る秘所に這わす。 海原「寂しがりやでな、一緒にそばにいてくれる『誰か』がほしかったんだよ」 瑠璃「ん・・・あ・・・・なんのこと・・・」 海原「アイツは強い、恵まれている。だが、それだけだ・・・強い奴は多いが、孤独に耐えれる奴はそうそういない、己の寂しい心を紛らわせてくれる『誰か』がほしかったんだよ・・・アイツは」 瑠璃「・・・・・ふっ・・・・あっははは!!」 瑠璃は突然、笑い出す。 海原「・・・・何がおかしいんだ瑠璃?」 瑠璃「それってあなたのことでしょう?・・・・お金持ちで、権力もあって強くてやりたい放題、でも孤独、だから『お金』で私を縛って一緒にいたいってことでしょう?」 海原「・・・・」 海原の手がぴたりと止まる。 瑠璃「グロリアもあなたも一緒よ・・・お互いそっくりだわ・・・」 海原「ふっふ・・・ふは・・・そうだな、結局は奴も一緒だ・・・言われて始めて気がついたよ」 瑠璃が自分から海原の首に手をかけてキスをする。 海原「んぐ!?」 瑠璃「そんなに・・・そんなに寂しいなら・・・一緒にそばにいて欲しいなら・・・そばにいてあげるわよ・・・」 海原「・・・・瑠璃」 海原は瑠璃の細い腰をぎゅっと抱きしめるとベッドに倒れこんだ。 アヴァロンの一階ロビーで受付を行うオーナーたち、老若男女のオーナーたちはアルミケースを空けて自慢の神姫たちを見せて登録を済ませる。 ルカ「24、25、26・・・うわァ・・・まだまだいっぱい来ますねマスター」 天使型のルカはロビーの横にあるテーブルの上で、受付に訪れる神姫たちを確認して騒ぐ。 神代は腕を組んで、アヴァロンに乗船するオーナーたちをじっと確認する。 アヴァロンに乗り込んだ新たな乗客は全部で60人、大型の観光バスが一台あたり30人を乗せてそれが2台来たのだから、けっこうな数だ。 そして、最後の乗客の姿に神代は顔をしかめる。 アヴァロンに最後に乗船したのは、神代と同じ若い女だった。 濃い紫色の胸元が大体に開いたタイトな女性用スーツ。スカートは酷く短く、スラッとした長い足がカツカツとタラップに音を立てる。 受付には若いスーツ姿のボーイが名簿を見て女の登録を行う。 ボーイA「いらっしゃいませ、ようこそアヴァロンへ」 若い女はさっと、携帯のパスワードを見せる。 □ 重邀撃戦闘機型MMS「リカルダ」 SSSランク 二つ名「ミョルニル」 オーナー名「春日 凪」♀ 20歳 職業 神姫マスター ボーイは名簿と女のパスワードを照会する。 ボーイA「確認しました。春日様であられますね」 春日「そうだ、しばらくここで稼がせてもらうよ」 春日と名乗る女はにやっと笑う。 神代「・・・・春日!」 神代は椅子から立ち、叫ぶ。 春日「麗・・・あは♪なんでこんな所に?2年ぶりかな?生に会うのは?」 テーブルの上でルカが目をぱちくりさせる。 ルカ「あれれ?マスターのお知り合いですか?」 春日「おやおや、これが麗の新しい神姫かい、アンヴァールの初期型か・・・これまたクラシックだね」 神代「ルカだ。私の新しいパートナーさ・・・」 春日「そうかいそうかい、いいね。素敵な神姫じゃないか」 春日はルカをまじまじと見る。 神代「案内しよう。私は4日前に乗船しているんだ」 春日「まさかこんなところで昔の友達にあえるなんて思ってもいなかったよ、麗」 神代「・・・私はなんとなく春日がきそうな気はしていたけどね・・・」 春日「・・・ふふふ・・・・」 神代は船内の中央にあるバトルロンドの観客席に春日を案内する。 シャンデリアがきらびやかに光輝き、赤い絨毯が敷かれ、何十人もの神姫やオーナーでごった返していた。 いかにも怪しい風体をしたオーナーたちはテーブルを囲み、立食をしたり神姫の話をしたりして騒いでいる。 春日「なるほど、これがアヴァロンか・・・噂には聞いていたが、なんともまあ贅沢な非公式のバトルロンドの会場だな」 神代「考えたものよ、豪華客船をまるまる一隻使って裏の非公式バトルロンドの会場にするなんて・・・」 春日「これだけ派手に豪勢にやってるってことは、スポンサーと主催者はさぞかし羽振りがいいんでしょうね・・・神代」 春日の目がキラリと光る。 神代「・・・・」 ルカがくすりと笑う。 ルカ「最初、ここに来たときもオーナーは同じこと言いましたよね」 神代「羽振りがいいのは、スポンサーと主催者じゃない、参加するオーナーよ」 春日「なるほど、なるほど・・・ここでは一日に何億って金が動くって聞いたけど」 神代「ここは他の非公式のバトルロンドの会場とはわけが違う、ホンモノの金持ちとMMSマスターが来る場所よ」 春日「なるほど、なるほど・・・で・・・私はホンモノのMMSマスターかしら?」 神代「・・・・さあ?それはこの会場で生き残れたら、ホンモノってことじゃないかしら?」 春日「あはッ!!そうねその通りだわ」 神代と春日は二階の観客席に座る。 神代がボーイを呼ぶ。 神代「ワインと軽い食事を・・・」 ボーイB「かしこまりました」 春日「羽振りがいいのは、麗・・・あなたもいっしょみたいだね」 神代「そうかな?」 ボーイが上物のワインとサンドイッチ、スープやパン、クリームの乗ったデザートを持ってくる。 神代「では、頂ましょうか?」 春日「ああ、美味そうだ。さすがは豪華客船贅沢だな」 神代と春日はバトルを観戦しながら食事を楽しむ。 ルカは春日が大事そうに持っているアルミケースをチラチラと見る。 神代「そのアルミケースの中には、アイツがいるのかい?」 春日「っと・・・そうだった・・・改めて御紹介しないとね・・・」 春日はテーブルの上にアルミの頑丈なスーツケースを置く。 鍵を開けて、ゆっくりとフタを開ける。 ケースの中にはドライアイスが詰められ、一体の完全武装の神姫が静かに眠っていた。 ルカ「ふわああ・・・すごい武装ですね・・・・」 ルカが感嘆の吐息を漏らす。 神代「・・・さすがだな、春日、見事な武装だ」 春日は自慢げに自分の神姫を語る。 春日「そうだろう!!ほら、私の神姫をぜひもっとよく見てくれ、また新しい機構のエンジンを仕上げてみたんだ。非常に精密で複雑なんだが・・・動作も精度も確実でね、すばらしいだろうまるで芸術品のようだろう美しい・・・ここまで実用段階に仕上げるのには、大変な労力がかかったんだ」 たいていの一般的なレベルのMMSオーナーは、既存のMMSの装備を改造するのが関の山で、精密な素粒子エンジンを工作できる腕前を持ったMMSオーナーは極めて稀である。 春日は軽い外見に寄らず、天才的な才能と頭脳と腕前を持っている一流のMMS職人である。 春日「一般人が精製できる素材といえば、たかが知れているが、私の工廠には業務用の射出生成機があるし、より複雑な加工が可能なマルチベンダー(サル○ニーニ、超高級加工機械)も数台ある。樹脂や軽合金、複合素材やクチクラなども扱える。それにかのカタリナ社のバックアップもある。私の「リカルダ」は一級の素材と最先端技術で作られた最高級の武装神姫だ」 神代「・・・カタリナ社製の次世代型の最新鋭MMSか・・・前にまして凄みが増したな」 春日は興奮しつつ、そして冷静に話しを続ける。 春日「私は武装神姫が大好きだ。武装神姫を愛しているし、それらが動いて戦う姿を見るのは無上の喜びだ。愛する神姫には活動の機会を与えてやりたい。それが武装神姫の存在を証明するものだと私は思っているからね」 神代「戦うための、純粋な武装神姫か」 春日はうなずく。 春日「そうだ純粋な武装神姫だ・・・麗、武装神姫の本懐とはなにか?考えてみたことがあるかね?」 神代は肩をすくめる。 春日「武装神姫の本懐とはなにか?いろいろとそれについて考えを持っている奴はいるだろう。だが私にとってそれは一つしかない!!正しいのは一つだ!!」 ルカ「・・・・」 春日は興奮して机を叩く 春日「武装神姫にとって本懐はなんだ? 武装神姫に武装を施させずに、可愛らしいドレスやお洋服を着せて着せ替え人形をさせることかね? 下種な男共の慰み者として、性欲処理をさせるための自慰の道具か? それとも、神姫同士でリアルで戦うのは危険だからといってバーチャルの仮想空間でピュンピュンピコッピコと電子音とCGで出来た弾丸で戦うことかね? お店で店番をしてレジ打ちをさせて、バイトでもやらすことか? 可愛いエプロンでも着せて飯でも菓子でも作らせることか? 歌でも歌わせて踊ってアイドルの真似事でもやらせるか? 近所の公園で空き瓶を並べて射的でもやるか? それとも家にいるネズミやゴキブリを駆除でもするか? 冗談じゃない。そんな連中は武装神姫じゃない、絶対に武装神姫とは呼ばせない。ぶっ殺してやる!!! 武装神姫は獲物を仕留めるハンターでなければいけない。 それも己の全てを賭けた本当の戦いだ。 私の武装神姫が仕留めるべき獲物とはね、もっと危険で狡猾で、倒すべき価値のある獲物でなければならない。 では武装神姫にとってもっとも恐ろしく強大な天敵とは何か? それは同じ武装神姫以外、他ならない、武装神姫の敵は武装神姫以外にはありえないのだよ 私はこの非公式のバトルロンドこそが武装神姫によって与えられた最高の舞台だと思っている。 ここではなんでもが「自由」だ!!! 下らない武装神姫を縛るようなルールもなければ、制限もない!! 持てる力を全て出し切って戦う場所だ!!」 ダン!!と机に拳を振り上げて叩きつける春日。 春日「ハァハァ・・・んく・・・」 春日はワインを掴むとゴクゴクと流し込む。 春日「麗!!!私の言っていることが何か間違えているかね?」 神代はやれやれといった感じで春日に手を振る。 神代「ああそうかもな、そうかもしれないな」 ルカが小声で神代に囁く。 ルカ「こ、この人・・・なんか怖いです」 神代「昔からだ・・・気にすんな」 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>「敗北の代価 10」 前に戻る>「敗北の代価 8」 トップページに戻る