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歩く鳥の臓器(マシュワズ・フォアグラ) C 火文明 (2) UMAクロスギア ■クロスギア ■これをクロスしたクリーチャーは「スピードアタッカー」を得、可能なら毎ターン攻撃する。 ■変身:自分のクリーチャーがバトルする時、これをクロスしているクリーチャーからこのカードを外してもよい。そうしたら、このカードをクリーチャー側に裏返す。 変身後⇒《ピーティ・パーティ》 作者:切札初那 フレーバーテキスト 収録 NDM-08 「冒険編 ステージ3 オルテグロス山」 名前 コメント
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姫は歩くよどこまでも ーゼルダ姫ー ゼルダは特になんの目的もなくただ北へ歩いていた 本当に目的がないのだ。 この殺し合いの場 まず何をしたらいいのかが多少わからない。 ただ隠れ場所を探すのが先決ということを物語っているのだ。 彼女は少しだけあせっていると言っていいんだろう。 何故ならば…… ー回想開始ー 未来と変わらずにゼルダ姫は北上する。 そこにこの…… あの音が……鳴り響いた ドゴォォォォォォォォン!!!!! この音は……そう、ロイがもっていた支給品の爆発 そしてこの爆発で亡くなった一匹のゴリラ…… ただ、そんなことは知らずに音だけがゼルダの耳にへと届いた ゼルダ「な、なんなのでしょう!?と、とりあえず危ない!?」 そう判断し……そして現在のように隠れ場所を探すのだ…… ー回想終了ー 以上のこともあり、とにかく北へ北へと歩く姫 姫は 歩くよ どこまでも…… D-3 ゼルダ姫@ゼルダの伝説 状態:健康 一途の不安 装備:フックショット@ゼルダの伝説 M61 バルカン 200/200 道具:基本支給品 コーラ@現実 メントス@現実 1、ガノンドロフの企みを阻止する 2、とりあえず隠れ場所を探す sm057 コンビニ行こうかな~? 投下順 sm059 under sm036 Try Forceの持ち主よ ゼルダ姫 sm066 アイクの伝説
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歩く死骸/Walking Corpse 歩く死骸/Walking Corpse(1)(B) クリーチャー - ゾンビ 2/2 参考 神霊廟-コモン
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その国は、あらゆる意味で異質だった。 何がといわれれば、まずは風景だろう。 血と形容するには鮮烈さが足りないがその空は赤く染まり、 どんな世界の住人であれ異常と思えるものであろう。 次にと問われれば、その成り立ちであろう。 世界の成り立ちを明確に証明できるほど人はいまだ高みには達していない。 だが神という唯一の絶対たる存在が数々の世界を創造したと仮定するのならば、 そこは神の思惑をも超えたところより顕れ、 ついには神すらも手がつけられぬとさじを投げたような場所であった。 最後にと聞かれれば、それは住人だろう。 国とはようは人の集まりだ。 どれほど発展し、巨大な街があろうとも、人がいなければそれは廃墟だ。 人がいて、やがて群れをなし、筆頭となる人物を定めてはじめて国となる。 国に住まう住人、場所の気候、資源、諸々の要素によって国の特色が出る。 そしてその国の住人は、やはり異質だった。 全長が異質だった。体型が異質だった。能力が異質だった。性格が異質だった。生態が異質だった。 まるで世界のありとあらゆる「異」なるものを凝縮して生まれたような生命だった。 そもそも生物なのかが疑わしかった。 そんな異質な住人が住まう国の出来などいうまでもない。 ようするに、この国はとてつもなく異質なのだ。 ■――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 異質な赤い空に光る蒼いほうき星。空を直進し、曲がり、自在に動くさまは飛行機の演武のよう。 流星の周りには光が明滅している。まるで星を彩るように。銃器とミサイルのデコレーションを付けている。 疾る流星の正体は魔の力を纏い鋼鉄の騎馬を駆る1人の少女。 彩りを飾るのは鋼のボディに乙女のハートを備える一機のメイドロボ。 この異質の地においてなお異質な招かれざるものたち。2人の出遭いが織りなす出来事はやはり異質か、それすら越えた領域か。 知る者は、いまだ現れず。 ネコ歩く:04 唸る鉄拳!飛び出すビーム!あえてジェット・邂逅編 困惑―――現在のスバルの心境を端的に表すならその一言がもっとも適っていた。 ここにいること自体の事態でも混乱しているというのにさらに謎のメイドさんに銃をぶちかまされている。 まだまだ実戦経験が浅いスバルには、いや例え歴戦の経験豊富な魔導士といえども この状況を冷静に観察できるものだろうか。 だがそれでも不意打ちのロケットランチャーに対し瞬時にウイングロードを展開し回避できたのは 芽吹き出した魔導士としての才能、身体に染みつきはじめた攻撃への条件反射ゆえ。 攻撃を受けてから瞬時に頭を戦闘に切り替え今も絶え間なく続く弾雨を防ぎ切っている。 少女の手に持たれているサブマシンガンが火を吹く。被弾すれば人の体など容易く貫通する威力と速度、 だがいずれもスバルの体を捉えることにはならない。 その名の通りに音速の領域に足を踏み入らんとするマッハキャリバーの前に、 放たれた銃弾はただ蒼い残像を抜けるだけだ。 仮に被弾したとしても、魔導士が身に纏う防護服―――バリアジャケットを貫くには至らない。 魔力で構成されたそれは、見た目よりも遥かに高い防御性能を持つ。 服だけではなく術者の全身を覆っており、空海中を問わずして行動することができる。 強度や性能は術者も魔力量、戦闘スタイルによって分かれる。 例えば砲撃戦を専門としてる高町なのはは防御性を高め移動砲台とすら形容される程堅牢であり、 逆に高速機動戦に重きを置いているフェイトは若干装甲が薄めだがその瞬速を存分に生かせる機動性を誇る。 スバルのバリアジャケットは出力と装甲を併せ持つ、師のなのはにも似た意向、 魔力も意志も込められてない豆鉄砲程度ではその肌血に染めることは出来はしない―――! 「ピピ―――小火器デハ火力不足、重火器ノ使用ヲ申請」 それを知ってか知らずか、銃を捨てた少女は、 まるでそこにあったかのような自然さでロケットランチャーを構え、黒い銃身をスバルへと向ける。 見れば、捨てられた銃も姿が消えていく。魔法に依らない転移装置だろうか。 考察するスバルを尻目に、再び放たれる砲弾。 ロックオン機能により標的を違うことなくスバル目掛けて突き進んでいる。 威力は先程確認済みだ。大地を穿つほどの火力、直撃すればバリアジャケットの上でもただでは済まない。 選ぶは迎撃。右腕を引き、魔力を滾らせる。 「リボルバー……シュート!」 思い切り振り抜いた拳の先を、蒼い衝撃波が征く。進路は当然、迫りくる黒弾。 蒼と黒が触れ合うのも一瞬、空を爆炎が包み、メイドの視界を覆う。 常人には目くらましとして機能するそれも機械にとっては意味を成さないのか。 螺旋を巻く翡翠の瞳は黒煙に紛れて地上に降りた蒼星を見逃さなかった。 やがて煙も晴れ、やはりそこにいたスバル。白い服には煤一つ汚れもなくいまだ健在だ。 初の邂逅と同じ目線にて、改めて少女たちは対峙する。 「白兵戦、用―――」 「待って下さい!!」 遠距離での銃撃は効果なしと見たか、少女が近接戦闘に踏み切ろうとしたのと、 スバルが戦闘を止めようと声を上げたのはほぼ同時。 出鼻を挫かれた形になり、一端機械の少女の動きが止まる。 「時空管理局機動六課、スバル・ナカジマです!こちらに戦う意思はありません、武装を解いて下さい!!」 今一度説得を試みるスバル。この状況は彼女にとってまったく望ましくない事態だ。 この場で戦わなければならない理由を自身は持ち合わせていない。 訳も分からないまま戦闘行為に及ぶのは管理局の魔導士として、 何よりスバル・ナカジマ個人としても受けいられるものではなかった。 だからこうして言葉を投げかける。名を、身分を明かす。 侵入者という物言いといい、有無を言わせずこちらに砲撃をしてきたことといい、 この世界は何やら緊張した事態にあるのかもしれない。 管理局の名を出した以上、あちらも少しは落ち着いてくれるだろう。 少なくとも自分に戦いの意思がないことを示さねばならない。 「オ断リシマス。侵入者ニハモレナク強制退去(オモテナシ)ヲ行ウヨウ、マスターヨリ命令サレテオリマス」 返答は変わらず。相手はあくまで徹底抗戦の構えを崩さない。人のものとは違う、冷えた声で拒否を告げる。 スバルが出会い、拳を交えた戦闘機人は、人体への機械の移植の拒絶反応を防ぐために 「人体を拒絶反応を起こさないように調整した」倫理など投げ捨てるものとするような存在であるが、 それでもベースとなるのは人間、一つの生命なのだ。 だが目の前の少女はそれとは別種だ。そもそも初登場の時点で「変形」をしたものが生命の範疇に収まるかが疑問だし、 人間を人間たらしめる要素、すなわち「感情」をまったく感じられない。 スカリエッティ一味の扱うポッド状の量産兵器、ガジェットドローンと相対してるような感覚だった。 「……っ駄目です!私たちが戦う理由なんてないんです!お願いします、話を聞いて下さい!!」 だからといってスバルも引き下がらない。ここで流されたら絶対に後悔する結果になると、自分の芯の部分が強く叫んでいる。 「―――――――――」 スバルの懇願に一時動きを止めるメイドロボ。しばらくぶりに当たりが静寂に包まれる。 短くも長い沈黙の後、 「―――了解シマシタ。一時戦闘行為ヲ中止シマス」 スバルの言葉が届いたのか、はたまた別の要因か、手に握られていた剣の柄のようなものをしまい込み、停戦を申し入れるメカメイド。 「あ、有難うございます!えっと、あなたは……」 話を聞いてくれると分かってひとまずの休戦に安堵するスバル。 近づこうとしてまだ目の前の少女に名前を聞いてないことを思い出す。 「申レ遅レマシタ。私、遠野インダストリアル開発、ドクターアンバー主任、愉快型都市制圧兵器 メカヒスイト申シマス。以後、オ見知リ置キヲ」 ロングのスカートをつまんで丁寧なお辞儀をするメカメイド。 初対面の相手にも、いや初対面だからこその律儀な態度は成程メイドの名に恥じぬ対応だ。 メイドなどテレビか漫画くらいでしか見たことのないスバルがメイドの何たるかなど知る由もないことだが。 「あ、ご丁寧にどうも…………………………………………って制圧!!?」 やや間を置いて聞き流せない発言に気づき身を強張らせるスバル。今し方襲われた手前自然構えを取ってしまう。 「ゴ安心下サイ。現在制圧プログラムハ停止中デス。今ノ私ハシガナイ一メイドロボニ過ギマセン。 ―――オ客様次第デハ再起動ノ準備モアリマスガ」 「………っ」 それが冗談でも脅しでもなく単なる事実であると、 害を為すようなら躊躇なく撃つといっていることにスバルは息を呑む。 自分の行動如何では戦闘も起こり得る。自身にかかった責任を重く感じ、冷静さを取り戻す。 「……それじゃあメカヒスイさん、質問ですけどここは一体何処ですか?」 「ココハパチネコラシキ濡レタ雑巾以下ノ造形物ガ息ヅク地ノ獄(ヒトヤ)、 悪夢巣クウ地下王国、グレートキャッツビレッジ跡地デス」 ……なんだろう、途中とびっきり悪意に満ちた言葉が吐かれていた気がする。 声に高低差がない分その部分だけ目立って聞こえる。 「…………はあ……そう……ですか」 (グレートキャッツ……猫が住んでる世界?っていうか楽園なのに地の獄(ごく)で悪夢? でも跡地って……) 何やら矛盾した言葉だが何故だか妙な説得力を感じる。どうにも、反論しがたい威圧感というか、 現実味が帯びてるというか。 ツッコミ所に溢れた真偽はどうあれスバルには聞き覚えのない名前だった。 地下王国、ということは1世界の限定的な地区の名だろうか。 「失礼デスガ、スバルサマハドンナゴ要デコチラニ越シニナラレタノデショウカ」 頭を捻っているスバルに鋼鉄メイド―――メカヒスイが質問を返す。 「それは―――私にもよく分からないんです。パンダを追っていたらいつの間にかここにいたんです。 どうしてこんな所に来たのか、どうやって元の場所に戻るのかも分からなくて……」 何故自分がここに来たのか、それはむしろスバルが聞きたい位だ。 転移魔法とも次元震による漂流とも違う。原因など、いくら考えても皆目見当もつかない。 「―――ソウデスカ。ソレハ、災難デシタネ」 「はい―――あの、管理局と通信って取れますか?そうすれば何とかなるんですけど……」 とはいえいつまでも悩んではいられない。 目の前のメカの無駄なハイテクぶりから見れば科学技術は相当進んでいることが分かる。 それならば他世界の、特に管理局との通信手段も持ってるかもしれないと望みを掛ける。 「―――最近簡易型ノ転移装置ガ完成シマシタノデ元ノ座標ヲ特定シテモラエバ通信ガ通ル可能性ハアリマス。 デスガ、全テノ行動ノ決定権ハマスターニアリマス。私個人デハ判断シカネルケースノ為、 申シ訳アリマセンガ、スバル様ニハ城マデオ越シ願イシタイノデスガヨロシイデショウカ」 城、というのは遠くにそびえ立つあれのことだろうか。確かにいかにも拠点って感じがする。 いずれにせよスバルに拒む理由などなかった。 「いえ、全然いいですよそれ位、押し掛けてきたのは私なんですし。 むしろ私の方からもお願いします」 意図してないとはいえ許可なく侵入してしまったのは自分だ。 お願いするというのならむしろ自分の方なのだ。 見ず知らずの突然の訪問者にも丁寧に対応してくれる事も含めて、深々と頭を下げる。 「――――――ドウカ頭ヲオ上ゲ下サイ。メイドガオ客様ニ例ヲ尽クスコトハ当然ノ事ナノデスカラ」 そんな行動を前にメカヒスイは、いつもと変わらず、けれど少し困ったような表情でスバルを止める。 それを目にしたスバルは、やはり変わらない笑顔で、 「それじゃあ改めて。よろしくお願いします、メカヒスイさん」 「―――カシコマリマシタ。ソレデハ城ヲオ連レシマス」 そう言って、後ろに直り移動を開始するメカヒスイ。……なにか今、変な違和感があったが気のせいだろう。 踵から出たローラーで走行する後姿を見てスバルは率直な感想を口にした。 「……メイドさんってすごいなぁ」 甚だしい勘違いにツッコミを入れられる人材は、残念ながらこの場にいなかった。 ◇――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 所は変わってここは暗い路地裏。陽の光も遮られる人口の樹林。 整備など行き届くわけもなく、人が賑わう道理もなし。 打ち捨てられた投棄物は異臭を醸し出し、さながらそこは獣の腸、異界のよう。 どれほど科学が発展を遂げようと、魔法が知れ渡り広まろうとも、 大きな街というものにはこのような吐き溜めの場所が必ず生まれる。 そんな歴史の漂着地に居を構える者など浮浪者か表に出る顔を持たない者かよほどの変人だが、 そこにいる少女はそのどれとも違っていた。 左右に留めた橙色の髪も、瑞々しさに溢れる肌と肢体も、 肩と腿を曝け出した汚れ一つない服もこの場とはまるで無縁の身なりで、だからこそひどく目立っていた。 「……どう?見つかった、クロスミラージュ?」 ≪いえ。スバル・ナカジマ、マッハキャリバー、共に反応感知出来ません≫ 「っの……!どこ行ったってのよあのバカは……っ!」 苦虫を潰したような表情、とはこのことか。焦燥した心持ちでティアナ・ランスターは路地裏を彷徨っていた。 現地の局員も到着し、市民の困難が治まっていくのを確認した後、 先んじて犯人を追跡しに行ったスバルと合流するため彼女の魔力反応を頼りに進んでいた。 だが今は当てもなく入り組んだ迷路を右往左往している。 理由は一つ、スバルの魔力反応が急に途切れたからだ。 弱まったのでもなく、何の脈絡もなく消え去ったというのは通常考えられない事態だ。 考えられるとすれば理由は二つ。一つは転送魔法にてどこかへ飛ばされたこと。 だが他者の転送魔法は自身だけが移動するものとは難易度が桁違いだ。 そもそも対象を強制的に転送させるなど本来の使い方と大きく脱している。 それだけの使い手だとすれば一応の辻褄は合うが、それでも矛盾を複数孕んでいる。 そして二つ目は―――対象が物理的に跡形もなく消滅したということ。 それこそありえない事だ。周囲にスバル以外の魔力反応は感じられない。 魔力を伴わない質量兵器の類だとしても、何の痕跡も残さず実行出来るとは思えない。 だがそれでも―――スバルの強さを知り、ありえない可能性とした上で最悪のケースを頭に置いていなければいけない。 いずれにせよ緊急の事態に変わりはない。ティアナの思考は既に「戦闘」のそれに切り替わっていた。 既にバリアジャケットは展開済み、銃型のデバイス、クロスミラージュも二丁両手に握られている。 急ぎながら、だが警戒を怠らずに周囲を探るティアナ。そうして研ぎ澄ました感覚が、 ―――コンクリートの木々を掻い潜る影を捉えた。 「――――――そこっ!!」 声とともに過たず放たれる橙色の銃弾。行き先は背後の右斜め、人の姿も影もないあらぬ方向。 そこに待っていたとばかりに白と黒の巨体―――パンダの着ぐるみが飛び込んできた。 無論2人(?)の間に打ち合わせなどあろう筈もない。 通路に潜む気配の動きを先読みし、角から姿を現すタイミングをこちらが見計らって引き金を絞ったに過ぎない。 簡単な説明だが決して容易い行いなどではない。正確に撃ちだす技術はもとより、 相手の出方を想定する戦術眼、思考から速やかに体を稼働させる反応速度、 軽く出しただけでもこれだけの要素を持ち合わせねば可能ではない芸当。 突出した才を持たぬとされる少女が挫折と努力との果てに得た技術だ。 完全に慮外の不意打ちであるはずの光弾を、だが巨体は左の腕で思い切り弾き飛ばす。 非殺傷性とはいえ当たれば昏倒させるだけの重みを持つシュートバレットを、 まるでテニスボールのように着ぐるみがいなす様は、畏怖と滑稽が入り混じった奇妙な感覚を覚える。 しかしその結果として、勢いをスフィアを弾く分に持っていかれ減速、 白黒の着ぐるみは地に落ちることとなった。 元よりティアナは直撃など期待していない。撃った目的は牽制、動きを止めさせることが重要だ。 より研磨すれば正確に当てられただろうが今の自分ではこれ位が限度だ。 「―――止まりなさい」 次の訓練の指標は後回しだ。今行うべきは犯罪者の確保にある。 銃を構え、佇む着ぐるみの前に向き直る。 犯罪者とはいえ無闇に撃つ気はない。それに聞きたいことも多々ある。 犯人を追跡する中でスバルは消息を消した。ならば目の前のモノが関わっていると考えるのが自然だ。 「時空管理局よ。貴方を暴行の現行犯で逮捕するわ。おとなしく捕まるのなら危害は加えません。 それと貴方を追っていたはずの局員をどこにやったかも答えて―――」 言い終えるより前に、丸い拳が腹へと吸い込まれていった。
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NYA/122 U クラスメイト 珠緒/歩くスピーカー 女性 パートナー 太陽の子 珠緒/歩くスピーカー 女性 レベル 1 攻撃力 2000 防御力 4000 【あたしが見るに、八坂君はニャル子ちゃんのこと、嫌いじゃないよ】《混沌》 【自】このカードがベンチに置かれた時、あなたは自分の手札を2枚まで選び、自分の控え室に置く。それらのカード1枚につき、あなたは1枚引く。 作品 『這いよれ!ニャル子さんW』 備考 2013年6月27日 今日のカードで公開 このカードをパートナーにしているカード 取得中です。 関連項目 取得中です。
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「・・・・・・・・・遅い」 ここは麻帆良学園、3-Aの教室。 ホームルームも終わり、静まり返った教室に人影が一つ。 オレンジ色の髪に蒼と緑のオッド・アイ。ネクタイを緩め、第一ボタンを外した制服。 出席番号8番、神楽坂明日太である。 さて、何故彼が教室に一人でいるのかというと、理由は簡単である。 毎度のごとく居残りを食らったのだ。 いつもであれば他に四人、いわゆるバカレンジャーの面子が揃っているのだが、今日は一人だ。 『今日は新発売のゴーヤ珈琲ミント風味の発売日ですので。居残りを受けるわけにはいかないのです』 と、夕。 『いやあ、双子に勉強を教えてもらったんでゴザルよ。あの二人の方が拙者より勉強できるでゴザルからな』 と、楓。 『ワタシは五月に教えてもらったアルよ。超とハカセに聞いても何言ってるかチンプンカンプンアルからな』 と、古。 『えへへー、分かんなかったからテキトーに埋めたら当たってたんだー。ラッキー!ゴメンねアスタ』 と、まき絵。 「チクショウ・・・裏切り者どもめ」 幾多の戦場(居残り授業)を共にくぐり抜けてきた戦友の離反を恨みながら、ネギ子を待つ。 「あーあ。せめて高畑先生だったら居残り一人でも大歓迎だったのによ」 去年までは英語の授業はタカミが担当していて、居残り授業も彼女が行っていたのだが、今年からはすべてネギ子が受け持っている。 アスタとしてはこの居残りもタカミが担当していればまったく苦ではなかったのだが、今ではただの拷問である。 「にしても遅いなアイツ。何やってんだよ」 かれこれ30分近く待っているのだが一向に来る気配がない。 「まさか忘れてんじゃないだろうな・・」 ガラガラッ そう思った瞬間、教室の扉が開いた。どうやら来たらしい。 「おっ。遅せえぞネギ子・・・・げっ」 「『げっ』、とはなんですの『げっ』とは」 予想に反して、教室に入って来たのは別の人物であった。 ハーフと見間違える程に見事なブロンドの髪をなびかせた少女。 3-Aの委員長。出席番号29番、雪広あやかである。 アスタの発言に眉をひそめながら歩み寄る。 「なんか用かよいいんちょ、俺はこれから居残りがあってネギ子待ってんだから用があるなら後に・・」 「残念ですがネギ子先生は急用で来られませんの。ですから私が代理ですわ。貴方の居残りなんかに時間を割くのは不本意ですが、ネギ子先生がお困りの様でしたので」 「はあ!?なんだよ、よりにもよっていいんちょかよ・・・」 思いっきり感情を表情に表すアスタ。あやかの眉間の皺はより一層深くなる。 「なんですかその反応は?私では不満とでも?」 「当たり前だろ」 即答 「人が厚意で来て差し上げたというのに、なんですのその態度は・・・」 「別に俺が頼んだわけじゃねえだろ。大体なんでお前なんだよ!普通なら他の先生とか」 「他の先生、ではなくて高畑先生、でしょう?下心見えみえですわよ」 「ばっ、違えよ!」 図星をつかれたアスタは、顔を赤くしてムキになって反論する。 「ふんっ、貴方みたいなおサルさんと高畑先生を二人きりにしたらどんな間違いが起きるかわかったもんじゃありませんからね。私が来て正解ですわ」 「な、なんだとこのヤロウっ!誰がするかそんなことっ!!」 「あらゴメンなさい。そうですわね、小学生の頃からずるずる片思いを続けている貴方にそんな度胸があるはずもありませんわよねえ?」 「コイツ・・言わせておけば・・・」 「さ、下らないことを言ってないでさっさと始めましょう。いい機会ですわ、基礎の所から教えて差し上げます」 あやかはアスタの向かい側の席に座る。椅子は床に固定してあるタイプなので後ろを向きながら教えるのは体勢が少々辛いが、隣に座る気はないらしい。 「余計なお気遣いど-も。学年四位様」 「お礼なら結構ですわ。その代わり厳しくいきますので、覚悟して下さいな。学年最下位候補さん」 「はいはい」 「ですからそのthatは‘あれ’という意味ではなくてその前にある単語の・・」 10分経過 「えっ・・・・・・と?あれ、でもそれだと・・・・・」 20分経過 「ああもう、何度言ったら分かるんですの?ですからそこは・・」 40分経過 「だからここの和訳は・・と。あれ、これなんて意味だっけ・・・・・」 1時間経過 「あーーもうわかんねえ!!休憩だ休憩!!」 シャーペンを投げ出し、アスタは背もたれにもたれかかる。もはや神経を使い果たしたといった感じだ。 「もう集中力が切れたんですの?・・まあ、貴方にしては持った方ですわね」 「人間の集中力なんてせいぜい10分が限界だって聞いたぜ」 「それを言い訳にしないで下さい。まあいいですわ、ひとまず休憩にいたしましょうか」 あやかはふう、とため息とつき、アスタは身体を背もたれに預けてだらりと力を抜く。 二人共ただ静かに身体を休ませる。 無音の空気が二人を包む。しかし気まずさはまったくない。 なんだかんだで長い付き合いの二人である。お互いの存在もそこにいるのが自然のことの様でもあった。 こうして何も喋らずに同じ空間を共有することが、あやかには心地よかった。 顔を合わせれば先程の様に口喧嘩ばかりではあるが、それも挨拶みたいなもの。 言い合いをするのもあやかは結構楽しんでいるのだが、今の様に静かに過ごすのも悪くはない。 (・・・そういえば、こうしてゆっくりと二人きりになるのは久し振りな気がしますわね・・・・・) アスタが転校してきたばかりの頃、彼は他のクラスメイトとあまり関わろうとせず、一人でいることが多かった。 しかしそんな中で、あやかはアスタに積極的に触れ合っていた。 なので自然と二人でいることが多くなり、始めは本当に喧嘩の売り買いばかりであったが、その内にどんどん打ち解けあい、アスタも変わっていった。 今のアスタがあるのは、彼女のおかげだと言ってもいいだろう。 そうしてアスタもクラスに馴染んで友人も増え、同室のこのかと一緒にいることが多くなり、最近ではネギ子もやって来た。 こう考えると、二人だけになる機会というのは意外にも少ないものだ。 思い返してみればリゾート島や麻帆良祭の時もほとんど二人にはなれなかった。 (って、何残念がってますの私ってば) そんな自分の思いも自覚はしつつも素直に認められない、プライドの高いあやか。 「そういや、こうやって二人でいんのも久し振りだな。小学校のころはこんな感じの時もよくあったけど」 「へっ!?あ、そ、そうですわね!言われてみればそんな気もしますわ。おほほほほほほほ」 まさか自分と同じことを考えているとは思ってもみなかったあやかは驚きながらも嬉しくなった。笑って誤魔化してしまったが。 気持ちが通じているのかも、なんて。 「最近はお互い色々忙しいしな。いいんちょはなにかと仕事多いし、オレもネギ子が来てからこっち騒がしいことばっかだし」 「ええ、そうですわね。小学校の頃は長い休みの時に貴方がよく私の家までついて来たりもしましたけど、最近ではそういうことも減ってしまいましたし」 「この前の春休みに行ったのも久し振りだったしな。あ、教室で二人といえば覚えてるか?教室で居残り掃除くらったこと」 「覚えていますわよ。貴方と喧嘩ばかりしていたら先生に怒られて、『仲直りできるように二人で協力してお掃除しなさい』って、遅くまで掃除させられましたわね。私の人生の汚点の一つですわ」 「今となっちゃいい思い出じゃねえか」 「ほとんどの掃除を私にやらせたことも、ですか?」 「悪かったって」 なんということのない会話だが、あやかにとっては幸せな時間だった。 こんな風に誰かと一緒にいるだけで幸せになれるのは、きっと幸福なこと。 貴方が私にくれる、幸福な時間。 そんなことを考えながら、あやかはアスタの言葉を一字一句漏らさないように耳を傾け、話に花を咲かせた。 この幸福な時間を一秒でも無駄にしない様に。 しばらく経って二人は勉強を再開し、参考書とにらめっこを続けた。 ついでにあやかが持ってきた今日ネギ子がやるはずだった小テストのプリントも終わらせ、居残り授業は終了した。 「あーーーーーーーー疲れたああああああ今日はもうなんもやる気しねえええ」 「まったく、このくらいで音をあげないで下さいな」 「お前の授業がキツすぎんだよ」 「お褒めに預かり光栄ですわ」 「褒めてねえって」 教科書類を鞄に詰めながら、グチグチと文句をたれるアスタ。 鞄を閉じて立ち上がり、ぐぐっと背を伸ばして一息つく。 「さて、帰るかいいんちょ」 「え、えっと私はこの後プリントの採点をしてネギ子先生の机に置きに行って、その後・・その、図書館に行くつもりですので」 「ん、そうか?そんじゃ先に帰らせてもらうか」 「ええ。そうして下さいまし」 扉まで歩くアスタの背中を見送る。ガラッと引き戸を開けたところでアスタは少し振り向いた。 「悪かったないいんちょ。つき合わせちまって」 「そう思うなら少しは成績を上げてくださいな」 「それは保証できないな」 ニヒ、とイタズラっぽい笑いを浮かべて、扉を閉めた。 除々に遠のいていく足音が聞こえなくなったところで、あやかはほっと胸を撫で下ろした。 ペンケースから赤のボールペンを取り出し、キャップを外す。 「まさか一緒に帰るのが気恥ずかしかったなんて・・・言えませんわね」 間違いの回答に、少し憎たらしげに×をつけた。 ------------------------------------------------------------------ 「たっだいまーっと」 「あ、おかえりーアスタ」 普段使わない頭をフル活動させた反動でクタクタになったアスタは帰宅を遂げた。 部屋へと入りながらネクタイを外し、鞄と一緒に無造作にベッドに放り投げる。 「やっほー兄さん、お帰りー」 ネギ子の部屋に改造されたロフトから、夏近くだというのに冬毛のオコジョがピョコンと飛び降りてきた。言うまでもなくオコジョ妖精のカモである。 「あれ、エロガモ。ネギ子と一緒じゃないのか」 「姉貴がエヴァにとっ捕まっちゃったから逃げてきちゃった。てへっ」 「急用ってそれだったのか。ったくエヴァの奴、お陰でいいんちょにしごかれるはめになっちまったじゃねえかよ」 愚痴を言いながらアスタはどっかりと座布団に座り、テーブルにつっぷす。 「居残りお疲れさんアスタ。はいっ、疲れた時は甘いもんやえ?」 台所から三人分の紅茶とケーキをお盆に載せたこのかが出てきた。 「おっ、サンキューこのか」 「あっ私の分もある!ありがとーこのかの姉さん」 人間の姿へと成り変わって並べられたケーキに飛びつくカモ。 三人でテーブルを囲んでのちょっとしたティータイムだ。 このかの用意したケーキは甘ったるく、疲れた身体に染み渡る。先程脳が消費しきった糖分を身体中に供給してくれる様だった。 「ところでいいんちょがどないしたんアスタ?」 「ん?ああ、ネギ子が来れなくなった代わりになんでかいいんちょが来てよ」 「いいんちょが勉強見てくれたん?」 「そうそう。これがまたキツイのなんのって」 「へえー。よかったじゃないの」 「そうやなあ。よかったなあ」 ニコニコと笑うこのかとカモを見て、アスタは紅茶をすすりながら眉をしかめる。 「よかねえって。こっちはクタクタだっての」 「アスタやなくていいんちょが、や」 「そうそう。いいんちょの姉さんが、ね」 「ん?なんだそりゃ」 ますます笑いを強めニヤニヤと笑う二人を不思議に思いながら、アスタはケーキを口へ放り込んだ。 「ただいま帰りました。遅くなって申し訳ありません。連絡の一つでもよこせばよかったのですが」 プリントの採点を終えた後、念の為アスタと鉢合わせしないように時間を置いたあやかは少し遅めの帰宅である。 「あ、帰ってきた。お帰りいいんちょー」 「遅いであやか姉ちゃん」 「お帰りあやか。もうすぐご飯の用意できるから着替えておいで」 ルームメイトの夏美と千津雄、そして現在居候中の夏美の妹(と言うことにしている)コタ美が迎えた。 部屋で着替えを済まし、千津雄の手料理が並べられた食卓に着く。 「いいんちょこんな遅くまで何してたの?」 「ネギ子先生に急用ができてしまったので、代わりにアスタさんの居残り勉強を見て差し上げたんですの。アスタさんの素晴らしい理解力のお陰ですっかり遅くなってしまいましたわ」 「大変やなああやか姉ちゃんも。ネギ子に雑用押し付けられたんかいな」 「な、なんて言い方しますの!私は自分からお手伝いを申し出たんです!!まったくコタ美さんは・・・。ああもうほら、口の周りが汚れてますわよ。もっとお行儀良く食べなさいな」 「むぐぐ」 行儀悪くご飯をかっこんで汚れたコタ美の口をナプキンで拭いてやるあやか。なんだかんだ言って面倒見はいい。 「そういえば今日は居残りアスタ君だけだったんだよね。てことは今までアスタ君とずっと二人きりだったんだ?」 「え、ええ。そうですけど」 「ふふふ、良かったねあやか」 「な!べ、別にちっとも良くなんてありませんわ!変なこと言わないで下さいな千津雄さんてば。大体、あのおサルさんに勉強を教えるのがどれだけ大変だと思っていますの?おかげで私もクタクタですわよ」 顔を赤くして反論するあやか。しかしそんな事を言いつつも、顔は嬉しそうであった。 「あはは。素直じゃないなーいいんちょは」 「んもうっ、夏美さんまで!」 「なんや、あやか姉ちゃんアスタのこと好きやったんか?」 「なっ・・・なああ!!??」 キョトンとしながら「ふーんそーやったんか」と一人納得するコタ美。そんなコタ美を口をあやかは見てパクパクさせる。 「な、ななななな何言ってるんですのあなたは!!わ、わた、私がアスタさんをす、すすす、好・・・・ああもうっ!!そんな事言うのはこの口ですか!!?このっ、このっ!」 「いふぁふぁふぁふぁ!ひゃ、ひゃめれやあやふぁねーひゃん!いふぁいふぇ!!」 あやかは更に顔を耳まで真っ赤に染めて、コタ美の頬を引っ張る。実に良く伸びた。 「ああダメだよいいんちょ、コタ美ちゃんいじめちゃ」 「そうだよあやか。コタ美ちゃんはただでさえ夏美ちゃんの実家で酷い扱いを受けているんだから」 「だからウチの実家はフツーだって!!」 ------------------------------------------------------------------ 翌日の放課後 「窓の施錠完了、と」 日直の当番だったあやかは、丁寧にまとめ上げた日誌を職員室のネギ子の元へ届け、その後教室の黒板の清掃をし、仕上げに窓の鍵閉めを行った。 几帳面な性格な上に根が生真面目なので、人よりも時間がかかってしまった。 「さて、帰ると致しましょうか」 足元に置いてあった鞄を持ち、教室を出ようと歩き出したが、ふとアスタの机が目に止まった。 進行方向を変えて、歩み寄る。 つつ、と指で机の表面をなぞり、昨日の事を思い出したりなどしてみる。 「まったく、本当にあの人には理解力が欠けていますわよね」 何度説明を繰り返してもまったく頭に入っていかないアスタに勉強を教えるというのは非常に困難であった。 だが、そんなことも含めて楽しんでいる自分が確かにいた。 「一緒に帰らなかったのは・・ちょっと惜しいことをしましたわね」 普段アスタは同室のこのかと下校しているし、近頃では刹那も混じっているので、二人きりで下校できるチャンスなどほとんどない。 昔はよく二人で帰っていたのに。 意地っ張りも考えものですわ。とため息を一つ。 「・・・ふう。こんな事をしていたらまた帰りが遅くなってしまいますわね」 そうして余韻に浸りながらも、あやかは教室を後にする。ちなみに、もちろん消灯は怠らない。 階段を下りて下駄箱へと向かった。少々急いではいるが、みっともなく走ったりしないのは彼女らしいと言える。あくまでも行儀良く、歩く姿は百合の花という言葉の体現かのようだ。 昇降口まで着くと、見慣れた姿がそこにはあった。 開け放たれた入り口の所に寄りかかり、腕組みをしながらあやかを見つめる二色の瞳。 それはもちろん 「・・・アスタさん」 「よう」 素っ気なく挨拶を返すアスタ。 一方のあやかは平静を保つのが精一杯だ。なにせつい先程まで想いを巡らせていた相手が不意に現れたのだから。 「な、なにをなさっているんですの?そんな所で。こんな時間にそんな所でボーっと突っ立っているなんて余程暇なんですのね」 しかしそんな素振りは見せない様に、普段通りの憎まれ口を叩いてしまう。まあそんな事もアスタには分かってしまうのかもしれないのだが。 「別に。ただ、昨日わざわざ遅くまで勉強見てくれたどっかの世話焼きお嬢様にお茶でも奢ってやろうかなー・・とか思ってよ」 「あ、あら。貴方にしてはいい心がけですわね。その世話焼きお嬢様とやらが羨ましいですわ」 「そこではぐらかすなよ」 アスタはムスっとあやかを睨む。あやかとしては照れ隠しだったのだが。 「・・・ごめんなさい」 「謝んねえでもいいっての。で?どうすんだよ。行かねえのか?まあ嫌ってんなら別に・・・」 ゴソゴソ、カチャッ。ピッピッピッ・・・・ アスタが言い終わる前に、あやかはおもむろにケータイを取り出し、電話をかけだした。 「ん、おい・・」 「あ、夏美さんですか?私です。今日も少し帰りが遅くなりそうですので、夕食は千津雄さん達と先に食べていて下さいな。ええ、別に大したことではありませんわ。ちょっとした野暮用です。それでは」 ピッ ケータイを切り、ポケットへ仕舞う。そして上履きから革靴へ履き替え、アスタへと向き返る。 「さ、行きましょうか。奢ってくださるんでしょう?」 「・・・ったく、調子いいやつ。で、俺とのお茶は野暮用扱いかよ」 「言葉のあやですわ。それに貴方とお茶だなんて言ってあらぬ誤解を受けたらたまったもんじゃありませんからね」 「へいへい、そうですか。ほんじゃ行くか」 嫌味を言いながらニッコリと笑うあやかを連れて、アスタは歩きだした。 ほのかに陽が傾いた空の下を、二人で歩く。 「ところで、ちゃんとしたお店なんでしょうね?まあ貴方が連れて行くのですからあまり期待はしませんけど」 「馬鹿にすんなよな。ちゃんとこのかに良い店聞いてきたんだからよ。よく分かんねえけど、紅茶の葉っぱがいいんだとさ。まあお前んちの比べたら話になんないかもしれねえけどな」 「その辺は我慢して差し上げますわ」 (・・・それに、貴方と一緒ならティーパックの紅茶でも美味しく感じられるんでしょうから) 手を少し伸ばせば届いてしまう距離、あやかは歩く。 ちらりと、気づかれないように横目でアスタを見る。 昔から変わらない、生意気そうな横顔 ぶっきぼうに見えて、今もこうして私に合わせて歩幅を短くしながら歩いてくれる、優しい貴方 私はずっと、そんな貴方に惹かれていたのでしょうね 『あらゴメンなさい。そうですわね、小学生の頃からずるずる片思いを続けている貴方にそんな度胸があるはずもありませんわよねえ?』 人の事は、言えませんわね 私もずっと片思いのままですもの。告白する度胸も、ありはしませんわ でも、いいんです 今はまだこのままで 今はこうして、貴方の隣りを独り占めできるだけで十分ですから まだお互いに無垢な子供だったあの頃のように 二人で歩く帰り道 アナタと歩く、帰り道 「何にやにやしてんだ?」 「なんでもありませんわ。ふふふ」 「変なヤツ」 愛しい人と並んで歩く。 あやかは3cmだけ、アスタに寄り添った。 .END おまけ こうしてあやかはほのかな幸せを噛み締めながら、アスタの横を歩いた。 そんな二人を見守る姿が、あやかが消灯を済ませてもう誰もいなくなったはずの教室にあった。 「よかったですね。委員長さん」 窓側の列の一番前の席。 そこにひっそりと佇む、制服とは違うセーラー服を身に纏いった少女。まるで透き通る様な白い肌と髪をしている。 いや、実際に透き通っている。 そう。60年前からずっとこの教室にいる彼女は自縛霊、相坂さよ。 彼女は今現在一人の例外(実際にはもう一人、某吸血鬼もいるのだが普段まったく関心無しなのでノーカン)を除いて誰も見ることのできない、まったくもって存在感0の幽霊である。 実は彼女、昨日の居残りの時も教室にいたのだ。もちろんアスタ達は気づくはずもなかったが。 邪魔をしてはいけないかな、と思ったのだがあやかのことを応援したくなってしまい、彼女は陰ながら応援していた。(陰ながらと言っても同じ教室にいたのだが) 二人の様子を見て、あやかがアスタに好意を抱いているのが分かったからである。 そう。同じ恋する乙女だから。 「私もあんな風に、二人っきりで・・・なんて」 並んで歩く二人を見つめて、そう願う。 あの二人もまだ両想いではないが、それでもさよには、あやかがこの上なく幸せそうに見えた。 好きな人となら一緒にいられるだけで幸せなのだからと、さよは思う。 一人きりの教室。 みんな帰ってしまって、独りぼっちの教室。 60年間毎日訪れる、独りだけの時間。 もう慣れっ子だと思っていた。 でもやはり、孤独に慣れるなんてことはないのだと、改めて実感した。 誰かにそばにいて欲しい。 ううん。好きな人に、『あの人』にそばにいて欲しい。 「我侭、ですよね」 もし自分が幽霊でなかったとしても、そう思ってしまうのはきっと独りよがりなことだ。 「うん・・そうですよ。それに少し我慢して、明日になれば会えるんですから」 そう。また明日になればあの人に会えるんですから。 あの扉を開けて、あの人が・・・・ ガラッ 「よっ、さよちゃん。お邪魔するよ」 そう思った途端、引き戸が開かれてその人物は現れた。 「えっ、あ、朝倉さん・・・?」 朝倉和実。 彼こそが今現在さよを見ることができる一人の例外。 そして、まさに今、さよが会う事を望んでいた人物。 「え、な、なんで朝倉さんが・・・?」 「ん?いや、今度の麻帆良新聞に載せるネタ探してたらこんな時間になっちゃってさ。今日はもう諦めて帰るかなーと思ったんだけど、疲れたから少し休もうと思って」 「それで、教室に?」 「一人でダラダラしてるより、誰かとお喋りしてる方が楽しいからね」 「え・・・?それってつまり・・・・」 私に、会いに来てくれた?い、いえ。そんな都合のいい考え方しちゃ・・・ 「ってわけだからさ。ちょっといいかな?それとも、やっぱお邪魔かな」 「いいえ!そんなことないです!あの、私もその、誰かとお話したいなーって思ってたところでしたから・・・少し、寂しかったので」 「そう?じゃ、ベストタイミングか」 「ええ、それはもう」 だって会いたいと願った瞬間に、朝倉さんが来てくれたんですから。 ちょっとした神様のプレゼントかもしれませんね。 「そんじゃお言葉に甘えて。・・・隣りいいかな」 「はいっ。もちろんです」 もう一人の少女の、小さな幸せのお話でした。 .END
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【登録タグ FF10 き ジェクト ティーダ ユウナ 殿堂入り】 【タイトル】君の隣を歩くのは 【概要】ユウナのサード服を見たジェクトの呟きから始まる、FFXキャラ三人の平和な日常。 もしも三人が同じ場所で仲良く過ごすことができたら、きっとこんな感じ(だと嬉しい) 【対象】FF10ファン ティーダとユウナが好きな人 【バトル】プレイヤーキャラ:ティーダ レベル50推奨 でも、負けても問題なく進みます。 【コード】 0000-1042-1496-7017 【作者名】陽月 スレ感想 【2スレ】 すげぇほのぼのしたよ 初々しい二人の姿も良かったしそれを見守るジェクトも良い親父! お互い、隣を歩くのは自分っていう意識を持ってて微笑ましかったw コメント とても素敵なifストーリーでした。そのまま -- 名無しさん (2011-05-09 12 20 52) ↑失礼しました; そのまま結婚式をやってしまえ!と思わず言いたくなるお話でした。 -- 名無しさん (2011-05-09 12 23 45) 名前 コメント
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【曲名】 風に向かい歩くように 【アーティスト】 岸本早未 【歌詞】 http //www.jtw.zaq.ne.jp/animesong/ta/tantei/kaze.html 【作詞】 AZUKI 七 【作曲】 大野愛果 【編曲】 小林哲 【作品】 探偵学園Q 【メディア】 TVアニメ 【テーマ】 ED主題歌 【初出】 2004年 【備考】 同アニメOP主題歌でデビューした岸本早未の4thシングル。2番サビ後にラップあり。
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【検索用 inthegray 登録タグ 2023年 I VOCALOID VOICEVOX ナースロボ_タイプT 初音ミク 曲 曲英 歩く人 紺屋鴉江】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:歩く人 作曲:歩く人 編曲:歩く人 イラスト:紺屋鴉江(Twitter) 唄:初音ミク・ナースロボ_タイプT 曲紹介 歩く人です。蕎麦美味しいですね 曲名:『in the gray』 歩く人氏の33作目。 ボカコレ2023夏TOP100ランキング参加曲 歌詞 (piaproより転載) 擦り切れた理を 忘れていた風の中を 空を泳ぐ民よ 明日になれば この日々も翳の向こう 忘れてゆく 一人きりでいた 一息で無くなる 雨に攫われてゆく ここでまたね コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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NYA/057 TD 暮井 珠緒/歩くスピーカー 女性 パートナー 噂話をする珠緒/歩くスピーカー 女性 レベル 2 攻撃力 3000 防御力 4000 【ニャル子ちゃんのことをどう思っているのかな?】《混沌》 【キャンセル】【起】〔手札〕[このカードを控え室に置く] → あなたのベンチの《混沌》が2枚以上なら、あなたは相手の、【スパーク】の技か【キャンセル】の技を1つ選び、無効化する。 作品 『這いよれ!ニャル子さん』 備考 2013年5月22日 今日のカードで公開 このカードをパートナーにしているカード 取得中です。 関連項目 取得中です。