約 5,086,071 件
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/119.html
デザイナー 声優 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補正 神姫考察 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント デザイナー BLADE(まじしゃんず・あかでみい、武装神姫2036、等) 声優 喜多村英梨(ガールズ&パンツァー:ダージリン、フレッシュプリキュア!:蒼乃美希、魔法少女まどか☆マギカ:美樹さやか、這いよれ!ニャル子さん:八坂真尋、他) 神姫解説 動物の特性を全面に取り入れた独特のアプローチでファンの多い、Kemotech社の開発した犬型神姫。胸部装甲と1セットになったナックルによる近距離打撃戦、専用大型キャノン・吠菜一式による遠距離砲撃、さらにそれぞれが個別にAIを備えた5体の中・遠距離専用オプション兵器・犬型プチマスィーンズによる追尾攻撃と、あらゆる距離に対応できる武装を備えた全距離対応強襲型神姫に仕上がっている。 名称:犬型ハウリン(いぬがたはうりん) メーカー 素体:Kemotech 武装:Kemotech 型番:KT36D1 フィギュア発売:2006年9月28日 主な武装:頭甲・咆皇 胸甲・心守(本作では下記の理由により、これひとつ装備するだけで「獣牙爆熱拳」を使用出来る) 手甲・拳狼(腕装甲と一体化したナックル。本作では胸甲・心守とワンセット) 脚甲・狗駆 KT36D1ドッグテイル 十手(片手斬撃武器) 棘輪(きょくりん/トゲ付きリング。投擲武器) 吠莱壱式(ほうらい・いちしき/下手持ちヘビーガン) (通称「骨っこバズーカ」。実は上下連装式で二門の砲口を持つ。フィギュアでは弾倉が外せたりと意外に芸が細かい) 犬型プチマスィーンズ(全5機。本作では未実装…?) 狗狼(クーロゥ)Type1(リペイント版武器。本作では未実装) 狗駆(クック)Type1(リペイント版レッグ防具。本作では未実装) 報賞認識票・ごほうびドッグタグ(リペイント版首輪。本作では未実装) 振尾(フーリオ)Type1(リペイント版リア防具。本作では未実装) しっぽアクセ:“つれてけご主人様” (リペイント版リア防具だが振尾Type1にのみ装着できる。本作では未実装) 武装神姫第2弾。愛称「犬子」。第1弾組のアーンヴァルやストラーフ、同期のマオチャオ(と、そしてEX枠だがヴァッフェバニー)と共に、シリーズ初期を代表する神姫のひとり。 それだけにフィギュアという面では、技術的に過渡期にあったため「決して元デザインに忠実とはいえない頭部パーツの造形」という面もさる事ながら、武装の可動範囲が特に上半身において狭いもの(素体腕を外し、まるまる武装と交換する方式。これにより肩関節の可動範囲が事実上失われてしまい、腕部もダブルボールジョイント接続になるため干渉が多く無改造だと吠莱壱式を正面に構えることが出来ない)となってしまったため、総合的な評価としては微妙なものとなってしまった。 しかしながら、先発の第1弾組とはうって変わったデザイナー独特のセンスによる方向性と、ボイスパーツのお方がパーソナリティの双璧(もう片方はこちらのお方)を務めたウェブラジオ「RADIO RONDO」の存在、そして何よりデザイナー自身が公式コミック版「武装神姫2036(以下「2036」。単行本全5巻)」を電撃ホビーマガジン(現在は電撃ホビーウェブへと移行)に連載していたという事もあって、相方共々今なお根強い人気を誇る。 武装神姫というシリーズが、かくも多種多様極まるデザイン的方向性を終始保ち続ける事が出来たのも、彼女達ケモテック神姫(と、続く第3弾組)がその先鞭をつけた功績あったればこそだろう。 現にその影響は、後年のガールズプラモ群においても明らかに偏ってはいるが見る事が出来る。 2007年度に開催されたホビーイベント『キャラホビ2007 C3×HOBBY』では、「2036」本編での水着姿を再現したリペイントバージョン(俗称:水犬子)が販売され、その後僅かに仕様変更された電撃15周年バージョンも販売された。こちらは装備が全体的に軽量化されている上頭部パーツの造形も改良されているため、従来品と組み替えるという楽しみ方も可能だ。 以上の3バージョンいずれも大量に販売されたため、現在の中古市場でも比較的簡単に見かける神姫となっている。 更に、デザイナー考案による強化型「ガルダハウリン」も存在していたが、バトロンのサービス終了に伴いお蔵入りとなった経緯がある(「2036」には登場)。 果たしてこれらの装備は実装されるのだろうか? それはバトコンスタッフのみぞ知る。 従来の公式媒体では、他でもない「2036」の主人公格たる凛をはじめ、ノベライズ版「神宮司シリーズ」の情報屋アイコ、そしてアニメ版のポッチィ等ほぼ一貫して常連メンバーを務めていた。 当然ながらバトロン・バトマス(およびMk.2)・バトコミと、ゲームにおいても皆勤賞である。 しかし、本作ではそんな状況が一変。何故かなかなか実装の気配が見えず、ハウリンオーナー達のみならずケモテックファン達をも長い間やきもきさせてきたが、この程シーズン2発足に伴い栄光ある最初の神姫として、漸くの実装とあいなった。 久々の登板は概ね歓迎された一方で、件の「チェイスチェイスジョーカーズ」絡みの減台騒ぎを経てからでは「遅過ぎた」との声も。 公式もこれを気にしてか、実装後2/6までと比較的長めのピックアップ期間をとっていた。 なお、2024年のパチスロ版にも登場を果たしている。 なお本作では、BLADE神姫独特のプロポーションを再現するためか、フィギュア版における1st素体(厳密には脚部を短く改設計されている)ではなく3rdSmall素体に近い体型で再現されている(要はこの娘と同じ処理)。 性格 犬らしく生真面目で従順、ひたすらマスターの役に立つことを第一に考えるタイプ。それゆえに聊か柔軟性に欠ける面も見受けられる。 投擲武器が専用武装に含まれているというのに、不得意武器とはどういうギャグなのだろうか……? セリフ一覧 + 私の活躍、お見せします! ログイン時 通常(朝) おはようございます!朝からお顔を見られて幸せです!さあ、早く行きましょう! おはようございます!朝早くから連れてってくれて、嬉しいです!今日もよろしくお願いしますね! 通常(昼) こんにちは!今日もず~っとお供しますよ!それでは、ご命令をどうぞ! こんにちは!今日もガツンと元気に、頑張って行きましょうね! 通常(夕) こんにちは!そろそろおやつの時間でしょうか!私、バトルも楽しみですが、おやつも楽しみなんです! こんにちは!お散歩行くのにいい時間帯になってきましたね!…あぁ、バトルが先でしたね!えへへ…。 通常(夜) こんばんは!これから何をしましょうか!全力で頑張っちゃいますからね! こんばんは!暗くなってもどこにいるか、私にはすぐ分かりますよ~!だって、いい匂いがするんですから~!えへへ♪ 通常(深夜) こんばんは!夜も更けてきましたが、調子はいかがですか?どんな時間でも、私はずっとお供しますからね! こんばんは!夜遅くまで頑張っているんですね。私も他の神姫に負けないよう、一緒に頑張っちゃいますからね! 年始 あけましておめでとうございます!今年の目標はもう決まりましたか?私の目標はもちろん、マスターのために一意専心でバトルに尽くすことです! (ボイス) あけましておめでとうございます!新年からお傍にいられるなんて、幸せです!今年もいっっっぱいついていきますからね! バレンタイン あ、あの…!バレンタインなので、チョコを作りました!張り切って作り過ぎちゃいましたけど…良かったら、受け取って下さい! ホワイトデー えっ!?これってもしかして、バレンタインのお返しですか?ありがとうございます!穴に埋めて後生大事にしますからね! エイプリルフール ゴールデンウィーク 夏季 暑くなってきましたね~。え?犬型といっても、私は舌を出して、体温調節なんてしませんよ! 水着キャンペーン 七夕 ハロウィン ハロウィンは、お菓子がもらえるみたいですね。いっぱいイタズラして、お菓子をたくさん取って来ますから、期待していてくださいね! 冬季 寒くなってきましたねえ。“犬は喜んで庭を駆け回る”と言いますが、寒い時はバトルでもして温まりたいです! クリスマス メリークリスマス!マスターはサンタクロースに何をお願いしたんですか?私はもちろん、マスターが欲しい武装をいっぱいくださいってお願いしましたよ! (ボイス) メリークリスマース!今日は大切な方の傍に、ずっと居なければいけない大事な日だとか。そういう訳で、私だけと、一緒に過ごしてもらえないでしょうか? 神姫の発売日 オーナーの誕生日 お誕生日おめでとうございます!今日は私が一番待ち遠しかった日なんです!私、これからもずぅーっとお仕えしますから! 神姫ハウス 命名時 呼び方変更 (→決定後) LvUp後の会話 MVP獲得 3連勝後 3連敗後 専用スキル解放時 親密度Lv5後 親密度Lv10後 親密度Lv20後 親密度Lv30後 親密度Lv40後 親密度Lv50後 親密度Lv60後 親密度Lv70後 親密度Lv80後 親密度Lv90後 親密度Lv100後 親愛度Lv1~19限定 親愛度Lv20~39限定 親愛度Lv40~59限定 親愛度Lv60~79限定 親愛度Lv80以上 頭タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 胸タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 尻タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 通常会話 クリスマス限定 年始限定 武装カスタム 戦闘力Up・武器LvUP時 戦闘力Down時 素体カスタム 親密度LvUp時 限界突破時 出撃時 キャラ入れ替え バトル開始時 → バトル中 撃破時 コンテナ入手時 被弾時 オーバーヒート時 スタン時 デバフ被弾時 スキル発動時 (能力強化系) (HP回復系) (デバフ系) (攻撃スキル) (チャーミークリアボイス) 被撃破時 次出撃時 サイドモニター 応援時 交代時 被撃破時 バトル終了時 1位 → 2位 → 3位 → 4位 → カラフルコンダクト どこまでも お傍で お供します 掴み取る 勝利を この拳で 頑張った 私を 見て下さい 親密度LvUp時 マスターレベルUp時 コンテナ獲得後1位 コンテナ獲得後2位以下 レイド成功時 レイド失敗時 神姫ショップお迎え時 はじめまして!お会いできて、と~っても幸せです!私、いつまでもお供しますから! 初めまして!出会えてすっっっごく嬉しいです!これから、よろしくお願いします! ゲームオーバー時 その他 + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 ええっ!リ、リセット!?う…嘘ですよね?冗談ですよね? はい を押す 嫌です!絶対嫌です!冗談でも嫌です!私、大好きだから忘れたくないんです、離れたくないんです!ずっとそばに居させてください!お願いします! はい を押す(二回目) そ、そうですか…。隣にいていいのは、私じゃない、ってことなんですね…。今まで可愛がってもらえて、幸せでした。ありがとう…さようなら。 リセット完了 初めまして!出会えてすっごく嬉しいです!これから、よろしくお願いします! リセット取消 リ、リセットしないんですね?良かったぁ…。これからも、ずっとそばに居られるだけで、私は幸せです! 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・ご主人様・アニキ 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1500 150 960 85 70 20 90 R 1050 105 90 40 110 SR 1140 125 110 60 130 UR 1230 145 130 80 150 覚えるパッシブスキル一覧 忠実なる守り手【ハウリン専用】近接を使用した際に踏み込み距離、射程アップ スキル名説明 早熟型のパターンで覚えるパッシブスキル 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる ため威力増加[小]ため攻撃の威力を上げる 防御力アップ[小]防御力を上げる ダッシュブースト消費量減少[小]ダッシュする際のブースト消費を減少する クリティカル防御アップ[小]クリティカルダメージを抑える ブーストアップ[小] *要限界突破(L110)ブースト時の移動スピードアップ 体力最大値アップ[中] *要限界突破(L120)体力の最大値を上げる 通常型のパターンで覚えるパッシブスキル 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる スピードアップ[小]移動する際のスピードアップ 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる ダウン軽減[小]ダウン時の行動不能時間が短くなる ダッシュブースト消費量減少[小]ダッシュする際のブースト消費を減少する 防御力アップ[小] *要限界突破(L110)防御力を上げる 攻撃スピードアップ[中] *要限界突破(L120)攻撃時のスピードが上がる 晩成型のパターンで覚えるパッシブスキル ブースト最大値アップ[小]ブーストゲージの最大値を上げる 攻撃スピードアップアップ[小]攻撃時のスピードが上がる ため時間減少[小]ため時間を減少する ダッシュブースト消費量減少[小]ダッシュする際のブースト消費を減少する 全能力アップ[小]全ステータスがアップする ブーストアップ[小] *要限界突破(L110)ブースト時の移動スピードアップ ため威力増加[中] *要限界突破(L120)ため攻撃の威力を上げる 神姫固有武器補正 ※レアリティが上がる毎に得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +30% 片手斬撃武器・双斬撃武器・両手斬撃・双頭刃撃武器・格闘打撃武器・下手持ちへビーガン・回復・補助・防具用武器 苦手武器 -30% 片手ライトガン・両手ライトガン・投擲武器 神姫考察 攻撃力 素のステータス自体はやや低めだが、片手斬撃武器・格闘打撃武器といったDPSに長ける武器を持て、また固有パッシブの影響で先手を取りやすいため、数値以上に優秀である。 防御力 体力こそやや高いが防御力が低く、あまり高くはない。 機動力 素でも多くの神姫のダッシュ速度を上回っており、どの型でも最終的にはパッシブでブーストアップが付く。 ブーストゲージ周りにも不備はなく、総じてやや優秀と言えるか。 総評・運用 固有パッシブは近接の踏み込み・射程を強化。近接武器の当てやすさが大きく上がる。 固有パッシブを活かして先手を取り、キルを繰り返すのがシンプルにかなり強力。各種ジェム自動回収付き装備を付ければ横吸いもケアできる。 スキルは攻撃力アップなど火力周りをサポート出来るものがオススメ。 神姫攻略法 固有パッシブで強化された踏み込みが強力。機動力を活かして逃げるのは基本的に厳しく、またDPS勝負に持ち込もうにもハウリン側の武器は強力なものが多く、先手を取られてしまった場合基本的にこちらが先に倒される。 他のプレイヤーを狙ったところを倒す、ハウリンが複数人の編成にいるなら、出撃時間を揃えさせて同士討ちさせるなど、周りを利用して対処するのが良いだろう。 バトコンが4人プレーのバトルロイヤルだという基本に立ち返って戦おう。 お迎え方 2023年1月27日~から神姫ショップに登場 アップデート履歴 コメント 親愛度1でも頭撫で喜ぶ&セクハラ怒らないの強すぎる。 -- 名無しさん (2023-01-30 14 42 56) パッシブで近接が伸びるのがめっちゃ強い… -- 名無しさん (2023-05-22 19 13 53) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1062.html
第8話 「初戦」 「ンなーっはっはっはっはァ! ぅワガハイの最高傑作! バイオレント・ブラック・バニー! 略してB3(ビー・キューブ)よ! 今日は最高の成果を期待しておるぞォ!」 「サー、コマンダー」 「……なぁ、神姫のオーナーってのは皆あんなテンションなのか?」 「……私は今まで以上に遼平さんの事が好きになれそうです」 武装が揃ってから更に3日。 ネットで行える簡易バーチャルトレーニングで大体の動き方をマスターした俺とルーシーは、いよいよ初の実戦に参加する事にした。 ……と言ってもそう大げさな話じゃない。 今や武装神姫を扱った店は街のそこかしこにあり、神姫オーナーであればいつでも参加できるシステムを設置している店もあるのだ。 休日なんかにはちょっとした大会が開かれる事も多いようだが、普段行われるのは公式トーナメントやリーグ戦みたいなモノじゃなく、個人同士の草バトルって所だろう。 で、そんな俺たちの初陣の相手が、さっきからハイテンションで大騒ぎしてるオニイチャンってワケだ。 年は俺より少し若いくらいで、なんだかヘンなシミだらけのズボンにベスト、ご丁寧に頭には同じ模様のハチマキをしてる。 「アレはシミではなくて都市迷彩です。 それにハチマキじゃなくてバンダナですよ」 ルーシーが小声で注釈を入れてくるが、俺はそういうのに詳しくないんだって。 ま、そういう事に疎い俺でも分かるくらいにあからさまなファッションの軍隊フェチだった。 「退くな媚びるな省みるな! 敵前逃亡は問答無用で軍法会議! 兵士に命を惜しむ事など許されぬ! そう、お前の前に道はなく、お前の後ろに道が」 「そろそろ選手のご登録をお願いしたいのですが宜しいですか」 「あ、ハイ」 天井知らずに上がりっぱなしのテンションは、店員さんの必要以上に事務的な口調に大人しくなった。 っと、こっちにも来た。 「それでは、こちらにオーナー名と神姫のパーソナルデータ入力をお願いしますね」 キツめな感じの美人さんだけど、さっきと違ってにこやかだ。 どうやら店員さんもアレはやかましいと思ってたらしい。 えーっと、そんじゃ… オーナー名:藤丘 遼平 武装神姫:TYPE DEVIL「STRARF」 ニックネーム:ルーシー と、こんなトコかね。 『それでは両者、スタンバイ!』 さっきの店員さんによるアナウンスが入る。 「ビィィィ!キュウゥブッ! んGoGoGoGoォオゥ!!!」 「サー、コマンダー」 「んじゃ行くか、ルーシー?」 「ハイ。 あなたとなら、何処までも」 ……何処で憶えてくんのかね、そういうセリフ。 崩れたビルの立ち並ぶ廃虚をステージに、バトルはスタートした。 まずは索敵からか。 「相手のバッフェバニーは遠距離戦闘重視の重火器装備型…『ガンナー・ブラスター』です。 早めに接近しないと厄介ですね」 「初陣が真逆のタイプってのは嫌なもんだな」 「負ける気はありません…前方に反応」 緊張した言葉とほぼ同時、ビルとビルの隙間を縫うようにして何かが迫ってくるのが目に入った。 一瞬戸惑った俺が命じるより早く、ルーシーは大きく跳んで回避行動を取っていた。 着弾。 閃光。 爆発。 「…ミサイル?」 「誘導式ではないので、正確にはロケットですよ。 妄想スレ第2段の198さん、ありがとうございました」 「誰?」 「こちらの話です。 …来ますよ」 崩れたビルの残骸を乗り越えて敵が姿を現す。 左肩にはバズーカ砲、ロケットポッドを右肩に。 両手にはそれぞれガトリングガンと大ぶりのコンバットナイフを携え、のっしのっしと歩みを進めてくる……その顔は赤いスコープにガスマスクのせいで表情が読めない。 『ンなーっはっはっはァ! そこな新兵! こそこそ隠れて様子見とは兵士の風上にも置けぬ奴! このB3とワガハイが、フヌケた貴様らに戦場における鉄の掟というモノを叩き込んでくれるわっ!』 あーうるせぇ。 「ドンパチのルールブックにゃ不意打ち上等って書いてあんのか?」 『ムっふっフーン、モノを知らぬ奴め。 この世には『勝てば官軍』というすンばらしい言葉があるのだ! 勝った者にのみ全ての権利が与えられる! 即ちルールを決めるのもまた勝者! つまりすなわち勝利は勝ぁぁぁぁぁっつッ!』 「サー、コマンダー」 ……本格的にワケ分からんなお前ら。 「ま、向こうさんから来てくれたんなら探す手間が省けたな」 「そういう事を言ってる場合ですか」 すいっ、と持ち上げられたガトリングガンが狙いを定める前に、再び跳躍。 弾丸の雨が虚しくビルの壁を穿つのを尻目に、着地したルーシーがこちらに尋ねる。 「どうしましょう?」 「初の実戦なんだし……ここはやりたいようにやってみ」 「……了解」 『むヌぬっ、敵の眼前で作戦会議とは悠長な! 静かにせんかァ! ここは戦場だぞォ!』 相手オーナーの怒声を無視し、前傾姿勢になったルーシーは距離を詰め始めた。 ロケットポッドが迎撃を始めるが、最初の攻撃で誘導式でないと判っている。 最初から当たらない位置のモノは完全無視、被弾する位置にあるモノはサブマシンガンで撃ち落としていく。 その間、視線は相手に固定したまま。 『「なにー!?」』 くそ、向こうと俺の声がカブった。 つかルーシー、お前ちょっとスゴい? 距離が縮む事を嫌ったB3は後退を始めるが、なにしろこっちとは「一歩」の長さが違う。 あれよあれよと言う間に戦闘は至近距離でのそれに移った。 向こうもこの距離ではガトリングガンの取り回しは不可能だと悟り、もう1本コンバットナイフを取り出しての2刀流に切り替えた。 こっちもナイフ2刀流で斬り結ぶ! ……が、ルーシー自身の両手は空いているワケで。 サブアームが相手のナイフを押さえつけている間に、ひょいと掲げたサブマシンガンを相手の顔面に向けてブッ放しやがった。 ががががががっと派手な音がして頭が何度も揺れた後、B3は仰向けにぱったりと倒れた。 『んンNoおぉぉぉおおぉぉうッ!? B3! 応答せよびぃきゅうぅぅぅぅッぶ!』 「ルーシー、お前それちょっとエグい」 「勝てば官軍、負ければ賊軍……勝負の世界は非情なのですよ」 『衛生兵! えーせーへーえぇぇぇぇぇ!!!!』 しれっと言ってのける15センチ足らずのオモチャ。 コイツはやっぱり悪魔かなぁと思って嘆息した俺の視界で、動くものがあった。 「ッ……、」 どごおぉぉんっ! 突然起こった爆発に、俺の口から出かけた言葉が止まった。 スコープとガスマスクがダメージを緩和したのか、大の字になったB3の肩にマウントされたバズーカ砲から煙が昇り、射撃直後を物語る。 そして濛々と爆煙に包まれているのは……ルーシーの頭部付近。 「ルーシーっ!」 背筋の凍るような思いが俺の口を再び動かす。 「返事しろおい!」 「無事です」 冷静な声が響き、風に吹き散らされた爆煙の中からススけたルーシーの顔が見えた。 顔周辺のダメージはそんなものだが、片方のサブアームが手首の辺りから吹き飛んでいる。 どうやらそれを盾にして直撃を防いだらしい。 それを見てもB3は追撃しないし立ち上がらない。 どうやらバズーカは1発きりで、さっき与えた頭部への衝撃はオートバランサーか何かに影響を与えたらしい。 実質、勝負はここで決着ってワケだ。 ほっとした俺、ぽかんとしている相手オーナー、悔しげな表情のB3、無表情のルーシー。 なんだか妙な沈黙の後、ルーシーはおもむろにしゃがみ込んでB3のそばに膝を着くと、残ったサブアームを動かし始めた。 その手に握られているのは、ほとんど使う事もなく無傷に近いアングルブレード。 「はいはいストップストップ、もう終わっただろ。 こっちの勝ち」 俺の言ってる事を聞いているのかいないのか、ルーシーは見せつけるようにブレードを振り翳したまま動かない。 「こら、あんま脅かすなって」 刃に照り返る陽光を受けたB3の顔に、はっきりと恐怖の色が映る。 「ルーシー」 ぐっ、とアームデバイスのシリンダーが動く。 「やめろバカ!」 制止の声と風を一度に裂いたブレードが、鋭い音を立ててコンクリートの床に突き立った。 ……丸く湾曲した刃と床の隙間に、B3の白い首筋が挟まっている。 顔を上げれば、相手オーナーが白いハンカチを必死に振る姿があった。 「ンんバカモノおぉぉっ! 勲章ではなく命ひとつを持ち帰れば良いと教えたはづだろぉがっ!」 「サー、コマンダー」 「試合前と言ってる事が違うんだが……」 「アレがあの人たちの絆の形なのでしょう」 ひしと抱き合う(?)2人を眺めて、にこにこ笑顔のルーシー。 ……ホント、あの氷みたいな目ェしてた奴とは思えんね。 「……ちょっと、興奮しました」 俺の視線に気づいてか、わずかに肩を落とした。 人間で言えば『カッとなった』んだろうが……あんまコイツは怒らせない方がいいかも知れない。 「今、何か失礼な事を考えましたね?」 「いぃえぇメッソーもない」 「怪しいです」 「最愛のパートナーに信じてもらえないとはツラいなぁ」 ちゃかしたセリフに、テレたように小さく微笑む。 「最愛、ですか……嫌わないでくださいね」 「つまんない心配しない」 あっちほど熱烈じゃないが、こっちもちょっとイイ雰囲気。 ひとしきり泣いたり感動したりして気が済んだのか、向こうのオーナーが握手を求めてやってきた。 胸ポケットからはB3が覗いている……ちょっと微笑ましいな。 「いやいやいや諸ォ君! 今回は良い勉強をさせてもらったぞぉ!」 「ま、こっちも楽しかったよ。 ちょっとヒヤっとしたけどな」 「うむ! 記念すべき初陣を勝利で飾れなかったのはヒッジョーォに無念ではあるが、今日この日の戦いはワガハイとB3の輝ける第1歩として生涯この胸に刻もうぞ!」 「お前あんだけ偉そうな事言っといて自分も初心者かコラ」 バカ笑いするミリタリーマニアから視線をそらすと、ルーシーがB3の頬をそっと撫でている所だった。 「さっきは怖がらせてごめんなさい。 貴女の心優しいオーナーに、最大限の感謝を忘れずにね」 「……イエス、マム」 ルーシーの柔らかい微笑みと、風にかき消されそうなB3の声を幕に、俺たちの初陣は終わった。 「ついでにそちらのオーナー。 差し出がましいようですが『バイオレント』は『Violent』で頭文字は『B』ではありません。 その子の為にも早めの改名をお奨めします」 「ンなんとぉーっ!? ワガハイ一生の不覚ぅッ!」 「サー……」 その後、彼の神姫は『バーニング・ブラック・バニー』に改名したとかしないとか……ちゃんちゃん。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1175.html
現(いまどき)の神姫──あるいは祭 世間では、物の見事にお盆である。一般の人々は行楽の時だろうが、 接客業となれば暇か忙殺か、どちらかしかない。さて、私・槇野晶が MMSショップ“ALChemist”を置く秋葉原はと言うと、表通りを中心に 何処から集まったのか……とボヤきたくなる程の混雑を見せている。 「と言っても分かってるんだよ、マイスターもさっき行ってきたもん」 「これクララや、人の思考を勝手に継ぎ足すでない……とはいえ、な」 「ぁ、あぅぅう……鳳凰杯の比になりませんよぉ~……有明と幕張~」 「アルマお姉ちゃん、すっかり熱がこもっちゃってますの~……もう」 「やむを得まい。日中“行軍”して、これから店を開けるのだしな?」 そう。今年は久しぶりに、皆を連れて“祭典”へと行く事にしたのだ。 察しのいい諸兄なら分かるだろう、欲望渦巻く夏冬二回の“アレ”だ。 ……相変わらず殺人的な熱さと臭気だった。エアコンは有ると言うが、 あの大群衆だ。熱気を醒ますには、とても出力が足りんな。物見遊山が 主目的だったので、敢えて人混みは避けたのだが……それでもキツイ。 オマケにコスプレ等と勘違いされて写真を強請られたのも、頂けんな。 「事前事後の風呂、クリーニングに給水……毎回行く者の気が知れん」 「カメラさんを蹴り倒さなかったのは、良心が働いた為でしょうか?」 「……単純に、全力で薙ぎ倒す為のスペースが無かっただけなんだよ」 「でもマイスター、今回はわたし達が居る事で大分違ってましたの♪」 「有無。神姫があの界隈でどう扱われているか、妙に気になってな?」 ロッテのみならずアルマとクララをも擁して、敏感になってきたのだ。 今回“祭典”に私がわざわざ出向いた理由の一つは、それなのだが…… お約束の自作書籍類も、いかがわしい系統の本はそう多くなかったな。 と言っても、その手の本が集中する三日目は完全にスルーしたのだが。 妙に人気があったのは、マオチャオを題材にした小説本だったか……? 「今年は幕張で、玩具展示会もあったもんね。神姫も新作一杯だよ」 「うむ……第七弾・第八弾の試作型が、コンパニオンをするとはな」 「でも、そっちもハシゴするのはハードでしたよマイスター~……」 「そう言うなアルマや、なかなか可愛らしい連中だったじゃないか」 「わたしは、あの限定マオチャオさんが一番気に入りましたの~♪」 人気だったとは言え本は買わなかった……荷物を増やしたくないのでな。 だが気にはなるので、通販を実施するならばそちらを利用しようと思う。 それより、早々と抜け出して赴いた幕張もなかなかの物だった。神姫達を 扱う“EDEN”主催の共同ブースでは、様々な趣向が凝らされていた。 その最たる物こそ、新作の神姫達数名による“自己紹介”だったのだな。 『こんにちわなのにゃー!暑い中、有明から来た人もいるにゃー!?』 『こら、マオ。飛ばしすぎッ……オーナーの皆様初めまして、凛です』 『にゃー達は、今日ここで先行発売してるリミテッドタイプなのだ!』 『ってマオ!あの娘は神姫でしょ!すみませんでした、オーナーさん』 『気にしないで下さいですの~♪マイスターはこういうの好きですし』 リペイントとマイナーチェンジを施された第二弾の神姫二人は、私達を 出汁にして見事ギャラリーを沸かせた。その後、まるでモデル達の様に 最新作の神姫が己の一芸を披露しながら、特設ブースに出てきたのだ。 無論神姫の体格を考慮して、ブース上部には拡大用モニターも完備だ。 『俺様、お前、マルカジリーッ!なんて事はしないぞ、幾ら寅でも』 『い、いたいぃぃ~……こほん、でもウチらは合体もこなしますえ』 『第六弾が合体なら、私達は変形を主軸に勧めます。私、アークと』 『私、イーダです。地上戦ではこのスピードと機動性が武器ですよ』 『ちょーっと待った!ボクらも忘れてもらっちゃ困るね、飛鳥に!』 『小官はムルメルティア!軍事的要素を最大限活かして戦います!』 『ほう、今後も新機種が続々登場するのか……勉強は怠れぬな……』 とまあ、漫才なのか模擬戦なのか分からぬ掛け合いに始まり、己の躯と 武装を十分に見せつける為のファッションショー的イベントもあった。 掛け合いには居なかったEX版の面々も、ここでは存分に輝いていた。 圧巻は、ツガル二人による激しいダンスだ。限定版の青い娘もいたぞ。 そしてその横で、常設展示として新機種の紹介をしていた二人が……! 『あ、マイスター!こっちのエウクランテとイーアネイラは凄いです!』 『……如何ですか、レーシングカーや高級外車を彷彿とさせるこの躯は』 『ふふふ。黒と紅の妖しい魅力、このクールなボディペイント。そして』 『え!?あ、あぁぁ……イーアネイラさん、胸が増量されてますの!?』 『お~っほっほっほっ!そう、限定版らしく更に美しく更に華麗にッ!』 『……ボクらにはマイスターが付いてるから、悔しくなんかないんだよ』 『ぷ、プレッシャーを掛けるな三人とも!しかし、これは誰の企画だ?』 あの黒い限定版の姿は、今でも忘れられぬ。嫉妬の炎が神姫センターで 更に巻き上がるのも、そう遠い未来の物語では無さそうだな……有無。 そう言う訳で、半日使って“現(いまどき)の神姫”を探ってきたのだ。 決して入念に見たという訳ではないのだが、アンテナ感度は実にいい。 今後の創作活動にも、意欲が益々かき立てられるという物だ!まずは、 秋冬モデルの“Electro Lolita”を作り上げる所から始めるか、有無! 「実にいい収穫だった。お前達も、存分に見聞きして感じただろう?」 「はいですの♪マイスターの創作意欲がある内に、お手伝いしますの」 「まあ待て。風呂あがりでバッテリーが切れかけているだろう、皆?」 「あ……そう言えば。でもマイスター、お店は手伝わなくても……?」 「何、疲れていても半日位なら一人でこなせる。デザインもするしな」 「……そう言う事なら、ボクらは十分“お昼寝”させてもらうんだよ」 ──────現(いまどき)の神姫は、未来に向けて何処へ行くのかな? メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/517.html
ちっちゃいもの研の日常-02 ここは東杜田の片隅にある、ちっちゃいもの研・・・。 「CTaさん、ちょっとお願いします。」 見慣れない顔の男が、CTaに設計図のチェックを依頼している。 「うーむ、よしよし。 これでいいんじゃないかな。」 「あ、ありがとうございます!」 ダメ出し28回目にして、ようやく通った模様。 彼の目の下には、はっきり とした隈がうかんでいる。 ちょっと足もおぼつかない様子。 「・・・あのなぁ、いくら若いと言っても無理をしちゃいかんぞ。 あとで 言っておくから、先帰って寝ろや。」 彼は今年配属になった新人。なんでも、久遠のツテで本社へ入社したとかで、 当初からバリバリ仕事をこなし、ついには腕を買われてちっちゃいもの研へ 配属になったという経緯がある。 「はぁ、ありがとうございます。ですが、ちょっと私用で機材を使いたいの で、昼まではいることにします。」 というと、ちょっと頭を下げて自分の作業台へと戻った。 「ん〜? 何を作っているのかな〜?」 こそこそと隠れるように作業をする彼の元へ、CTaが行ってみると・・・ 武装神姫。 にやり、意味深長な笑みを浮かべるCTa。 「ちょ、ちょっと・・・何ですか・・・って、えぇ?!」 「いいモン持ってるねぇ。」 「ボクのマーヤに触らないで下さい!」 慌てて、伸ばされたCTaの手から、マーヤと呼ばれた「ツガル」を守る。 「ほうほう、だいぶ疲れている感じじゃないか。」 「もう、ほっといてください! ・・・先週の対戦で、左膝負傷しちゃった からねー・・・ ようやく手が空いたから、今治してあげるよー。」 「やさしくしてくださいね、おにいさま。」 そのやり取りに、CTa暴走。 「ぐわあぁぁっ!! おにいさまと、おにいさまと呼ばせたな!」 「な、何ですかいきなり!!」 背後からの叫び声に、びっくりして作業する手を止める男。 「認定! ちっちゃいもの研の、神姫使いリストに強制編入!」 「ちょ、ちょっと、CTaさん・・・。」 「ときにお前、神姫のメンテナンスはできるか?」 「はぁ・・・よほどコアが傷ついていない限り、治せる自信はありますよ。」 「よっしゃ! 決まった! お前、あたしの下、ナンバー2決定!」 「何なんですか、いったい!」 と、男が叫んだとき。CTaの白衣のポケットから、沙羅とヴェルナが顔を覗 かせた。 その姿に、男は驚き、固まった。 ・・・CTaさんも、神姫使い だったのか?! ということは、もしかして・・・自分は久遠さんにもはめ られてしまった可能性も・・・?! 混乱する彼にCTaは追い討ちをかける。 「それだけの神姫に対する愛、そして裏付けられた技術。 おまえ、あたし の一番弟子決定だわ。」 「はぁ?」 「はーい、拒否権無ーし。 いやー、困ってたんだよー。 最近、神姫関連 の修理だの研究だの、依頼が多くて多くて。あたし一人じゃ手一杯でさ。」 「そういうことだったんですか。」 「ただーし! 神姫とかをいじる人間は、ここでは偽名を持たなくっちゃい けないんだな、これが。 そーすっと、あんたの場合は・・・ 本名がアレ だからぁ・・・ 『Mk-Z』でどうだ。 うん、これがいい。 決定ね。」 言うが否や、CTaは近場の端末を操作し、研究所の所内用名簿から彼の本名 を抹消し、「Mk-Z」と冗談抜きで入れてしまった。 「あ・・・。」 悲しそうな顔をする、Mk-Zと名付けられてしまった彼。 「大丈夫。こうすれば、あんたもこそこそすること無く、存分にマーヤへ愛 を注ぐことができるのさっ!! どうだっ!」 「どうだ、と言われましても・・・」 「なにぃ? 嬉しくないのか?」 「い、いえ、嬉しいんですけど、なんか納得いかない気がして・・・」 「あんたが納得いかなくても、あたしは納得したからいいよ。」 「そ、そんな〜!」 悲鳴を上げるMk-Z。と、彼の手元へ、沙羅とヴェルナがやってきた。 「どうもっス! 沙羅って言うっス! こっちはヴェルナって言うっス!」 「よろしくおねがいします〜。 そうそう、先ほど関節がっ、て言っておられ ましたよね。ここに、マスターが作った削りだしの強化関節がありますので、 ぜひお使いください。」 そういいながら、ヴェルナはリゼにも使われているあの強化関節パーツを一組 差し出した。 美しく、鈍い光沢を放つパーツに、目を奪われるMk-Z。 「せっかくだから使ってくれよ。 あたしの弟子になってくれた以上は、悪い ようにはしないよ。 もちろん、通常業務の上でも、ね。」 ・・・変なノリで、変なところに転がり込んでしまった気がしない訳でもない。 でも居心地は悪くなさそうだな・・・。 こういう仕事も、いいのか・・・な? Mk-Zは、自分の置かれた境遇が、じつはとても恵まれているのではないか、 と思い直し、CTaにちょっと感謝をしていた・・・。 それから一週間後。 「はい、あーん。」 「・・・おにーさまー、この塩鮭、美味しいですー!」 「おー、そうかそうか。 じゃ、こっちの唐揚げもあげよう。」 「えっ! いいんですか? それでは・・・いただきまーす!」 昼休み、マーヤに仕出し弁当を分け与えるMk-Zの姿が。さっそく、CTaによって、 マーヤにも食事機能が搭載されていた。・・・いや、むしろ彼が進んで食事機能 を搭載した、と言うべきか。と、 「Mk-Zよぉ。さっき知り合いから電話があってな。 バトルに負けた神姫を叩き 壊したアフォがいたらしくて。 その神姫を、これから連れてくるそうなんだが、 お前に任せてもいいか?」 本来の医療関係の仕事の資料を山と持ったCTaが、Mk-Zに声をかけた。Mk-Zの 目つきがかわった。 「なんですと? 負けた神姫を、叩き壊した・・・だって?」 弁当にいったん蓋をすると、マーヤに命じた。 「マーヤ、受け入れ態勢を整えるんだ。」 「わかりました、おにーさま!」 「人間に叩き壊されたとなると、相当の傷を負っているだろう・・・。 任せて ください師匠! 神姫ドクター・Mk-Zの名にかけて、ちっちゃい心、救います!」 マーヤと並んでぐっと拳を挙げたMk-Z。 にやりと笑みを浮かべ、それに答えるCTa・・・。 ここに、ちっちゃいもの研「最強」の、神姫ドクターコンビが誕生した。。。 <トップ へ戻る<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/627.html
「マスターじゃない!!『お兄ちゃん』だっっっ!!!」 しばし沈黙。その後にハウリンは口を開く。 「…お、お兄ちゃん…ですか…?」 「そう、お兄ちゃん」 またしばし沈黙。 「マスターでは…ないのですか…?」 「マスターだけどお兄ちゃん」 そして、またしばしry 「で…では、マスターはあなたでいいんですよね?そして呼称はお兄ちゃん、と?」 「うん、そういうこと! あー、あと名前だよな。ちゃんと考えといたんだ、『ぽち』!どうだ、いいだろ!」 「ぽ、ぽちですか、犬のような名前ですね…」 「もしかして、いやだったか…?」 俺が不安そうに聞く。 「そんなことないです!マス…お、お兄ちゃんが付けてくれた名前だからうれしいです!これからよろしくお願いしますね、…お兄ちゃん」 「そっか!ならよかった!よろしくな!」 いや、しかしこいつは思った以上に可愛い。顔赤くして「お兄ちゃん」は反則だろう。まぁ、俺が呼ばせてるわけだけども。 と、そんなことを考えていると。 ―ピンポーン 「こんちわー、佐川急便でーす」 本日二度目の宅配便。俺は何が届いたか、わかっていた。 「お、ぽち、妹が来たぞ!おいで!」 そう言ってぽちに手を差出しつつベッドの上に置いてあった財布を掴む。 「妹?…ですか?」 ぽちは不思議そうな顔をしながら首を傾げている。うん、可愛い。 ぽちを手に乗せ、俺はまた玄関に向かった。 さて、また段ボール箱が一つ。今度の箱には「武装神姫・マオチャオ」と書かれている。 「マ…お兄ちゃん、もしかして妹とはこのマオチャオタイプのことですか?」 箱の上に移動したぽちが聞いてくる。 「お、さすが察しがいいね。そう、こいつがおまえの妹だ!ぽちの妹にするためにわざわざ配送時間をずらして指定したというわけよ。」 部屋につき、ぽちは床にひょいっと飛び降り、 「そ、そうなんですか。でもそれなら起動させる時間をずらせばよかっただけなのでは…?」 と的確なツッコミをくださった。 「言うな。俺も今そう思ったけど言うな。それより、早速起動させてやろうじゃないか。」 俺は誤魔化すように、箱を開封していく。 「おはよー!きみがますたー?なんだかちっちゃいねー!」 そう言ってぽちに話掛ける猫型MMSマオチャオ。天然ですかー? ぽちはなんだかびっくりと困ったが混ざったような顔をしている。 「いやいや、俺を無視しないで欲しいかなー、なんて」 こちらから声をかけてみる。 「おー、あなたがますたーだね!なんだか違うと思ったんだよー!で、で!なんて呼べばいい!?あとあと、名前ちょーだい!」 元気な子だなー。マオチャオってのはみんなこう元気なのか?そんなことを考えつつ、答える。 「よし、お前の名前は『たま』!俺のことは『兄ちゃん』だ!」 「おー!ねこみたいでかわいーねー!たまはたまだぁ!へへ、ありがと、兄ちゃん!よろしくね!」 たまはそう嬉しそうに言った。喜んでもらえて何より。 「あぁ、よろしく。ちなみにこっちがぽち。お前のお姉さんだ。」 そう紹介する。 「ぽちです。よろしくお願いしますね、たま」 「うん!よろしくね、姉ちゃん!」 「姉ちゃん…妹っていうのも悪くないですね。」 仲良くできそうで何より。これからの生活、楽しくなりそうだな。 つづきかねない
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/898.html
舞い踊る、白鳥の乙女達(中編) 一見すると、それはミサイルにしがみついた鳥というフォルムであった。 白鳥の“スヴェン”と隼型の“ファルケン”、百舌鳥型・“ビルガー”。 これが“Valkyrja”進化の最終形として私が考えついた、追加武装だッ! 三羽の鳥はレーザーで“天使達”を威嚇しつつ、各々の主へと寄り添う。 「“SSS”着装!“Valkyrja・Skjald-maer・Phase”へっ!!」 『な、何?晶ちゃんのお手製かな?……い、一度下がってっ』 「う、うんっ!何アレっ?!」 次の瞬間“SSS”は分解されて、姿を現したばかりの“Valkyrja”に 接続。伝承に伝わる“白鳥の乙女”をイメージした姿へと変貌させる。 その手には、棺桶風コンテナミサイルランチャーと剣、そして……槍。 音叉の様な形状の槍、と言えば神姫に詳しい諸兄には察しも付こうな。 先に動いたのは、その槍を振ったクララだった。穂先から、音が響く! 「逃がさないよ……“ミストルティン”、常若の力を殺いで!」 「うぁ……ぁあ!?な、何?ブースターの出力が、落ちる……?」 「って言うか、なんだかフラフラ……こ、このっ!」 「気をしっかり持ってっ!この音に惑わされちゃ、ダメッ!!」 「……足が止まった、今だよ」 ジャミングスレイヤー“ミストルティン”。第四弾・ジルダリアの槍を 参考に私が作った、音波攻撃武装である。音圧で攻撃するだけでなく、 元来の武装と同じく神姫の制御機能をジャミングする事が可能なのだ! 本家本元のジルダリアには若干劣るが、これでも妨害には有効である。 効果を見計らって、ロッテがミサイルランチャーを上下に割り開いた。 「“ギャッラルホルン”、彼女らの決定的な敗北を……えいっ!」 「うぅ……って何このミサイル!?このっ、って黒いッ!?」 「え、煙幕弾!だめ、離れないと視界がとれないよ?!」 「ティニア、そう言ってもさっきのがまだ……うーっ!?」 「突っ込んでも、大丈夫ですの。援護します!」 “ギャッラルホルン”と称されるミサイルコンテナには、ロッテ愛用の 煙幕弾が大量に搭載してあるのだ。黒い帳によりアーコロジーの天蓋は 闇に覆い尽くされ、その中途にいた“天使達”が暗黒に藻掻き始める。 重力設定の都合もある故、拡散には時間が掛かる。絶好のチャンスを、 アルマは見逃すことなく飛び込んでいく。雷を纏った刃を構えてなッ! 「“ノートゥング”の一撃、この状態でかわせますかっ!?」 「きゃ、あああぁぁぁぁあっ!?」 『ティニアッ!!?』 “ノートゥング”とは、とどのつまりスタン機能を備えたクレイモア。 だがシンプル故に色々と扱いやすく、打撃力も非常に高い逸品である。 上昇する出力を全て上乗せして、装甲ごと相手を叩き斬る事も可能だ。 そして事実その様に、“天使”の一人は切り伏せられた。ゆっくりと、 月面へと一人が落着していく。この時点で3対2と有利だ。だが……! 「迂闊に飛び込んじゃったのは、失敗ですよ!」 「あ……」 煙幕が晴れた時、アルマの前にはキャノンランサーの砲身があった。 ティニアとやらの位置を覚えていたミラ……か?が、接近したのだ。 今だ完全に闇が払拭されない現状で、傍目にはイリンとやらの位置は 完全に見えなくなっている。だが、度胸を付けたアルマは怯まない。 そう、ロッテが戦っていた時。アルマも己と戦っていたのだからな! 「……一つ、いいですか?」 「なんですっ?」 そっとアルマは指摘する様に、“左手”の人差し指を立て話し出した。 だが、それと同時に“SSS”から変じた“右肩”の防壁が展開する。 それは……無数のマイクロミサイルだ。それは正確に、後ろへ飛んだ! 暗闇の奥に潜んでいた天使を燻り出すには、十分な威力を持っている! 「えっ!?うわあぁぁぁっ!!」 「貴女達は、コンビネーションが完璧すぎます……!!」 「イリンッ!!な、なんでバレたの!!?」 「さっきロッテちゃんを掴まえた時も、ぴったり点対称でしたから」 「くっ……!」 同型である“天使達”のシンパシーは、三姉妹の非ではないだろう。 但し完璧すぎる同調は、こういう隙を産み出す事にも繋がっていく。 だからこそ私は、その手の調整プログラムをアルマ達には使わない。 訓練と実戦の中で積み上げ構築した、体感的なコンビネーションこそ 真に役立ち、強さを発揮する“絆の力”と言える物なのだからな!! 「これで、貴女達は分断されました!」 「後は一人ずつ、ボクら個人が……」 「お相手を務めさせてもらいますのッ!」 空中にいるミラと、アルマに叩き落とされたイリン・ティニアの位置は 大分離れている。合流を阻止する為に、ロッテとクララは落下している 二人の前に躍り出て、一対一の戦いを望んだのだ。同時に“SSS”は 願いに応える様に、展開して真の姿を見せる。追加武装としての姿だ! 全くフォルムを変えた三人を前にして、一歩も“天使達”は退かない。 それでこそ私の従姉……に仕える神姫達だと言える。見上げた闘志だ! 「妹を傷つけた以上、手加減はしないわよ!」 「それでいいです。あたしも全力でいきますから!」 「く、姉様の従妹の神姫だって手加減しないわよッ!」 「……それはボクらも同じ。さあ、決着を付けよう」 「強そうなのはわかるけど、私達も負けられないッ!!」 「大丈夫、勝つのはわたし達ですの!」 ──────どちらが真の“戦乙女”か、決着だよ……! 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/2chbattlerondo/pages/57.html
Windows 7対応状況 2009年10月21日現在、Windows®7上での動作は保証いたしておりません。なにとぞご了承ください。(公式発表) 32/64bit版Windows 7とも,非公式かつサポート外だが,動作は確認済み(4Gamer.net Windows 7対応状況) アップデート履歴 http //www.shinki-net.konami.jp/support/updata/update-rireki.html 容量や見易さの都合上、アップデート履歴を年度別に分離しています。 2010 2009 2008 2007 + 一覧 神姫NET 閉鎖 Ver2.06 (2010.10.28) Ver2.05 (2010.09.30) Ver2.04 (2010.0-.--)/データ不明 Ver2.03 (2010.0-.--)/データ不明 Ver2.02 (2010.0-.--)/データ不明 Ver2.01 (2010.0-.--)/データ不明 Ver2.00 (2010.0-.--)/データ不明 Ver1.99 (2010.07.03) Ver1.98 (2010.07.02) Ver1.97 (2010.07.01) Ver1.96 (2010.05.27) Ver1.95 (2010.0-.--)/データ不明 Ver1.94 (2010.04.22) Ver1.93 (2010.0-.--)/データ不明 Ver1.92 (2010.03.18) Ver1.91 (2010.02.25) Ver1.90 (2010.01.28) Ver1.89 (2010.01.05) 神姫NET 閉鎖 『武装神姫バトルロンド・ジオラマスタジオ・神姫NET』は、 2012年1月31日をもちましてサービスを終了させていただきました。 これまでご愛顧いただき、誠にありがとうございました。 http //www.busou.konami.jp/shinki_net/ 終了までの日程は以下のとおりでした ・2011年5月31日 13 00 プレミアム期間中のプレミアムチケット購入を停止 ・2011年6月30日 13 00 神姫ポイント販売終了 ・2011年7月31日 13 00 プレミアムチケットの販売終了 ・2011年10月31日 13 00 武装神姫BATTLE RONDO、ジオラマスタジオサービス終了 ・2012年1月31日 13 00 メッセージ掲示板、スクリーンショット掲示板の終了。神姫NET公式サイト閉鎖 Ver2.06 (2010.10.28) 神姫ショップに以下のモデルを追加ヘルハウンド型ガブリーヌ(ジオラマスタジオ対応) 九尾の狐型蓮華(ジオラマスタジオ対応) アチーブメントを追加 エキストラミッションを追加 Ver2.05 (2010.09.30) 神姫ショップに以下のモデルを追加エレキギター型ベイビーラズ(バトルロンド、ジオラマスタジオ両対応) ヴァイオリン型紗羅檀(バトルロンド、ジオラマスタジオ両対応) アチーブメントを追加 強化武装パーツを追加 マニュアルの修正バトルモード「ソングフォーユー」の発動効果に「追加効果無効」と記載されておりましたが、正しくは追加効果は無効化されません。 Ver2.04 (2010.0-.--)/データ不明 Ver2.03 (2010.0-.--)/データ不明 Ver2.02 (2010.0-.--)/データ不明 Ver2.01 (2010.0-.--)/データ不明 Ver2.00 (2010.0-.--)/データ不明 Ver1.99 (2010.07.03) スキル「ジークフリート」の「シュバルツリスト」装備時に素体命中率が攻撃力に加算されていない不具合の修正 頭部がアルトアイネス以外のとき、アルトアイネスのボディに「シュバルツブレスト」が装備できない不具合の修正 Ver1.98 (2010.07.02) アルトアイネス素体にスクール水着(各色)を着せるとクライアントが落ちてしまう不具合の修正 打撃系メインウェポンで攻撃したときのHIT音が鳴らない不具合の修正 アルトレーネのアチーブメント達成状況が初期化されてしまう不具合の修正 特定コア専用の頭部武装パーツが、装備できない不具合の修正 武装エディットで「紙ヒコーキ」を選択するとクライアントが落ちてしまう不具合の修正 Ver1.97 (2010.07.01) 神姫ショップに以下のモデルを追加戦乙女型アルトアイネス(バトルロンド、ジオラマスタジオ両対応) バトルモード「モードオブワルキューレ」の性能説明において、一部誤解を招く表現がございましたので、修正いたしました。バトルモードの性能詳細に関してはマニュアルをご参照ください。 ブラオシュテルン二刀流に「モードオブワルキューレ」のボーナス効果が付与されていなかった不具合を修正いたしました。 Ver1.96 (2010.05.27) 神姫ショップに新商品を追加 神姫ショップに以下のモデルを追加戦乙女型アルトレーネ(バトルロンド、ジオラマスタジオ両対応) GEM交換アイテムにアイテムを追加 アチーブメントを追加 Ver1.95 (2010.0-.--)/データ不明 Ver1.94 (2010.04.22) 神姫ショップに新商品を追加 神姫ショップに以下のモデルを追加 花型ジルダリア リペイントカラーバージョン 種型ジュビジー リペイントカラーバージョン 「バトルロンド3周年感謝祭」開催 イベントミッション「神姫プラネットを開拓せよ!」を追加 「ふくびき」の景品にアイテムを追加 「神姫センター」に「強化武装開発」を追加 コミュニケーションメニュー表示時にオーナーの誕生日を表示 ポイントバトルの獲得ポイントの調整 Ver1.93 (2010.0-.--)/データ不明 Ver1.92 (2010.03.18) 神姫ショップに新商品を追加 「オーガンシールド」の説明文不具合の修正 称号の組み合わせを最大4つまでに拡張 マニュアル更新 Ver1.91 (2010.02.25) 神姫ショップに新商品を追加 神姫ショップに以下のモデルを追加箸型 こひる スプーン型 メリエンダ ポイントバトルのルール表記不具合の修正 Ver1.90 (2010.01.28) 神姫ショップに新商品を追加 神姫ショップに以下のモデルを追加天使コマンド型ウェルクストラ リペイントカラーバージョン 悪魔夢魔型ヴァローナ リペイントカラーバージョン 武装エディット画面でのメインウェポン・スキルのガイドメッセージ拡張 マニュアル更新 Ver1.89 (2010.01.05) 神姫ショップに新商品を追加 新要素追加 「ポイントバトル」のランキング表示の拡張 「ポイントバトル」に12体以上エントリーすると、12体め以降の神姫の戦績が正常に表示されない不具合の修正
https://w.atwiki.jp/wikiwiki7/pages/12.html
・とらドラ! まとめwiki ・ガンダム00バレまとめ @ ウィキ ・TVアニメ「CLANNAD」まとめwiki
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1012.html
叡智、輝いて──あるいは梓の日常 Σはつまり……あっ、気付かなくてごめんなさいなんだよ。ボクは、 犬型神姫のクララ……と言っても、この姿じゃ全然説得力無いかな? 今ボクは人型神姫インターフェイス・HVIFを装着して、学習塾の “一応塾”って所に、女子高校生・槇野梓として通っているんだよ。 「講義をおわーるッ!はい君達、次の時間まで自習しなさーい!」 「……ん。相変わらず、金鉢先生のは歯応えがある授業なんだよ」 「ん~……ねえ、もう出ていいでしょ?はぁい皆、そして梓さん」 「そっちも結構お疲れみたいだね、ジュピジーの“綺羅”さん?」 「あら分かる?神姫だって、ずっと同じ姿勢は大変なのよね……」 隣の友達が持つバッグから這い出してきたのは、種型神姫の綺羅さん。 この塾では、神姫等の“ホビー”を持ち込んでも講義中に使わなければ お咎めはないんだよ……流石に、ボク自身が神姫の姿で塾生になるのは 一蹴されちゃったけど。でもそれはある意味、仕方がない事だもんね。 「にしても、やっぱ人間の学問って面白いわよねー聞いてるだけでも」 「……そう?神姫でそれを活かせる機会は、あまり多くないんだよ?」 「そうよ!メカメカしい種のアタシでも、色々と知る悦びはあるの!」 「その変換は危険なんだよ……ともかく、物事を知る事自体が好き?」 「そうねー……うん、そう!自分のまだ見えない世界が分かるのよ!」 敢えて意地悪な振りをしてみたけど、彼女の本音を引き出す為だもん。 そしてこれは、少なくない姉妹達──神姫が持っている願望なんだよ? 勿論“人間の世界なんか関係ない”って言うスタンスの娘も多いけど、 ボクが実家……MMSショップ“ALChemist”と、この“一応塾”で触れた 神姫の中では、凡そ6:4の割合で積極派が多かった計算になるもん。 「秋葉原は、知り合いにも結構逢えるし。黙ってるのは辛いけど!」 「知り合い?……神姫センターにも近いもんね。バトルはするの?」 「アタシは防御力がどーだとか言うけど、あんまり興味ないかなー」 「……マスターの倭さんも、あんまりバトル派じゃないみたいだね」 そのマスター・倭未来さんは、一生懸命英単語学習ゲームで学習中だよ。 流石に塾内では構ってあげられないみたいだけど、綺羅さんは綺羅さんで “勉強”を楽しんでるし、このコンビに取り立てて問題はない……かな? そして、バトル重視ではなくファッション重視みたいなのはその服装から 分かるよ。汎用肌色素体に換装して“TODA-Design”の服を着てるしね? 「あ。ねーねー梓さん!アンタん家、MMSショップなのよねッ?!」 「……そうだよ、よく調べたね綺羅さん?お姉ちゃんが経営してるよ」 「だって、“TODA-Design”にも並ぶ可愛い服作ってるって評判よ!」 「それ聞いたら、お姉ちゃんは『む、それは照れる』って喜ぶね……」 「自分の家なのに知らないのー?三月から、ちょっと話題なんだから」 時々ネットは見るけど、ボクらは余り評判のリサーチをしないんだよ。 そもそも経営してる晶お姉ちゃんが、世間の目を気にしない人だもん。 だから、それだけ密かな評判があるというのは……ちょっと驚きかな? ……お姉ちゃんに帰って報告したら、照れ笑いを浮かべて喜ぶかもね。 「前の鳳凰杯だっけー?あそこで限定版売ってたそうじゃない、いーなー」 「……売れ残りが一セット位はあるから、今度持ってくる?綺羅さん用に」 「えっ、いいの!?ありがと梓さん!アタシのケチなマスタ……痛ッ!?」 「こら!人に集るんじゃありません綺羅ッ!梓さんも甘やかしちゃダメよ」 「え゛~!?いいじゃないせっかくくれるって言うんだし。ね、梓さん!」 知らず知らずヒートアップする綺羅さんを止めるのは、常にマスターの 倭さん。今もやっと英単語ゲームから目を離して、綺羅さんを小突く。 結構騒がしくてケンカばかりだけど、ボクには仲良しに見えるんだよ。 決して“マイスター(職人)”の側だけでは知覚しきれなかった、神姫と 人の関係。それを知る“勉強”に、このHVIFは有用なツールかな。 「構わないんだよ。“フィオラ”を着てもらえば宣伝にもなるから」 「……本当商売人ね、貴女達姉妹は。お姉さんが職人さんだから?」 「かな。晶お姉ちゃんの側にいると、色々とボクらも学べるんだよ」 「気苦労だけじゃないといいんだけど……本当、真面目ね梓さんは」 「物を学ぶって態度は、常に真摯な物だって思うからね……人生も」 「いっつも堅いねー梓さん。でも何故か面白いのよね、変なの……」 『貴女仙人?』ってツッコミを受けるけど、真理の一面だとは思うもん。 特に、ボクら神姫が人間の……具体的に言えば別の文化を学び取る上で、 真面目な志を欠かしてはいけない……と一体の神姫なりに考えるんだよ。 だってボクらを産み出した存在であり、ボクらの側にあるのが人だもん。 パートナーか主か或いは別の仲か、それぞれの神姫で異なるけどね……? 「兎に角、高いのをただでもらう訳に行かないし。今度何処か行く?」 「……ファーストキッチンのガーリックバターポテト、プラスαだよ」 「はぁ。貴女へのお願いってなんでもそれで片づくんだから……ねぇ」 「……貴女もっと欲張らないでいいの?って言いたいのかな、倭さん」 「神姫じゃ参考にならないけど、なんかそういうのは淡白かなアタシ」 機先を制されて黙る倭さんと、的確な感想を言う綺羅さん。これも二人の 一面なんだよ。そう。本当は神姫であるボクも、物質関係の欲望は希薄。 服飾や武装をもらって喜ぶ神姫は多いけど、人間程欲深くはないんだよ? むしろ神姫は、何もないが故……周りと触れ合い“心”を満たしたがる。 そっち方面で言えば、物質社会が発展した人間よりもずっと欲深いかな? 「そんな人間もいたっていいかもね。もちろん神姫だっていていいもん」 「だねー、その方が面白いし。でさ、取引成立したんならいいでしょ!」 「しょーがないわね綺羅は……じゃあ、今度お願いね梓さん?ってヤバ」 「ほら席に着けぇ!そろそろ講義を始めるぞ、全員フィルムを出すッ!」 渋々倭さんの鞄に戻る神姫の綺羅さん。また後でねー、と手を振る彼女に ボクも軽く手を振って、筆記用のフィルムスクリーンを取り出すんだよ。 「……ねぇ、そんな淡白で将来何になりたいとかあるの?梓さんって」 「敢えて言えば、大事な人の支えに……かな。お金は別にいいんだよ」 「それなのに塾ねぇ……つくづく変わり者なのね、っと続きは後でね」 「そこ私語禁止ッ!いいか、学問は力こそパゥワァーで──────」 ──────学びたくて学び、尽くしたくて尽くす。普通の欲望だよね? メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/477.html
世に一人しかいない、あなただから エルゴから帰ってきた私達は、シャッターの前で待っていた常連客の 応対を終えて、預かった“ツガルタイプオプション付きハウリン”の チェックをしている。研鑽中の情報処理技術も総動員しての作業だ。 その傍らでは私服のロッテが心配そうに、眠る神姫を見つめている。 ちなみにこの神姫、昨日買われていったばかりなのだが、有無……。 「ふむ。むぐ……むむ、これはどうにも深刻かもしれんな」 「マイスター。この娘は治せませんの?火器管制システム」 「うむ。論文で読んだ事も、日暮に聞いた事もあるのだが」 「だが~……?だがってどの事なんですの、マイスター?」 「所謂あれだ、“ワン・オブ・サウザンド”という奴だよ」 銃器職人の伝説であるそれは、千挺に1つの偶然の産物を意味する。 微細な部品加工時のミスや、手作業による部品同士の相性。これらの 様々な偶然により、量産品にも拘わらず通常を凌駕する性能を持った “神様の贈り物”の一挺を“ワン・オブ・サウザンド”と呼ぶのだ。 マイスター(職人)と名乗るなら、他業種の職人に関する伝説も必須! 「論文は、神姫版“ワン・オブ・サウザンド”の存在を示唆し」 「で、日暮さんはその証言をしてくれた、という事ですの~?」 「うむ、なかなか理解が早いなロッテ。流石私の“妹”だッ!」 「えへへ~……で、えと。そうなると、この娘がソレですの?」 私は肯くしかなかった。神姫版のそれは“オーバーロード”と言われ、 CSCとコアの相性による後天性と、部品加工の段階で起こる先天性の 二種類を持つという。だが、どうもこの娘は……両方に該当する様だ。 しかも“オーバーロード”は、良い事ばかりの当たりクジ等ではない。 “ワン・オブ・サウザンド”は持ち主に不幸をもたらしたと言うが…… “オーバーロード”は知性を持つ神姫自身に、多大な不幸をもたらす。 「この娘の場合は、火器管制システムが別系統に宛われている様だ」 「別系統……それってなんですの?ひょっとして白兵機能ですの?」 「わからんが、それはないな。駆動系の出力効率もどうも鈍い……」 私もロッテも、言葉がない。何せ現状では、バトルに出られないのだ。 ツガルタイプオプションの長所である射撃装備は現状では煙も出ぬし、 かといって白兵装備を握っても、このままでは押し切られて敗北……。 初めからバトルを無視するユーザーには何でもない話なのだが、今回は バトルを好む常連だけに、この“初期不良”は参っている様子だった。 一応はこの“ALChemist”も販売店である故、既に交換に応じている。 「マイスター……このままじゃこの娘は、どうなっちゃいますの?」 「返品してしまえば、パーツレベルで解体されてリサイクル……か」 「そんなの、そんなの可哀想ですの!産まれてきただけなのにっ!」 「無論!“HOS”系のソフトを使えば問題は防げるが、それもな」 「ああいうのを使うのも、なんだか可哀想ですの……人形みたいで」 ロッテの言葉を滑稽と思うか?だが彼女らは、既に人間と変わらぬ。 無機物の15cmにも満たない躯とは言え、人と同じ思考ができるのだ。 そして“プロテクト”を外された彼女らは、自由な心さえ確立する! そんな彼女らを“人形”と嘲笑できる奴こそ、既に人ではないッ!! ……少し熱くなったがともかく、私達に返品する気はなかった訳だ。 動きを画一化する市販の戦闘制御プログラムも、無論考慮にはない。 「うむ……“HOS”自身は、事件とその後の風評被害もあるし」 「マイスターなら、きっとその辺もなんとか自作しちゃいますの」 「……そこまで読んでいたかロッテよ、この娘は本当に良い娘だ」 「だって、どうなってもわたしはマイスターの“妹”ですの~♪」 正規品をそのまま使うのは、余程の事がなければ私はしない性格だ。 だが、彼女に出来る事は何か?それを掴まなければ、何も始まらぬ。 だからこそ私は荷札を書き始める。宛先は……株式会社東杜田技研。 もう片手では“Dr.CTa”宛てのメールを入力する。とどのつまりは、 彼女らに解析を依頼するのだ──この“オーバーロード”の正体を。 「そう言えば、この娘はマスター登録されちゃいましたの?」 「一度な。だが交換の段階で停止し、正規手順で解除したよ」 「それならこの娘は、私の妹かお姉ちゃんになりますの~♪」 まあ自然とそうなるだろう。返品もせず元のオーナーの所にも帰れぬ。 となれば居場所は、他に引き取り手がなければここ以外にはないのだ。 しかも“オーバーロード”……未来を考えれば、ずっと面倒を見たい。 傲慢かもしれぬが、神姫に関わる私だからこそ出来る……最善の手だ。 「ではロッテと同じ様に、この娘にも名前を与えねばならぬな」 「はいですのっ!お店から一文字もらって“クララ”とか……」 「クララか。有無、良い名前だ。戻ってきたら、呼んでやろう」 「了解ですの♪クララ、もう暫く我慢してくださいですの……」 ……“ロッテ”も店名から拝借したのだが、彼女には後で説明するか。 ともあれ、私は眠っている“クララ”をそっと緩衝剤の上に横たえた。 傷が付かぬ様、布でくるんでやるのも忘れない。明日にでも発送だな。 結果として大損となったが、この際は儲けよりも私達の魂を尊重する! 「さてと……今度はロッテの番。エルゴで調整した“アレ”だ」 「はい♪早速プログラムを入れて、自己調整してみますのっ!」 「手塩に掛けて、お前を大事に育ててやるからな……ロッテよ」 「はいっ。今度からクララも一緒ですの、マイスター……ん♪」 「う゛……面と向かって言うな、不意打ちすりすりも禁止ッ!」 ──────大事な大事な、私の“妹達”。願わくばずっと側に。 次に進む/メインメニューへ戻る