約 173,352 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2344.html
第一章 深み填りと這上姫 あらすじ: 大学のレポートに追われる毎日を送る俺がトイレに行って戻ってくると目の前に蒼髪の人形がいた。 それは武器と鎧を装い、人という神のために戦う姫という謳い文句の人形 武装神姫であり、乱暴なオーナーに捨てられたといって駆け込んできたらしい。 さて、どうしたものやら…… 第一話:潜入姫 第二話:金無姫 第三話:入城姫 第四話:盗賊姫 第五話:反省姫 第六話:逆襲姫 第七話:決別姫 総合トップに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1915.html
High School Of The Armed God Princess この物語は武装神姫が高校生活を疑似体験する物語です。 コラボする作品 双子神姫 クラブハンド・フォートブラッグ 鋼の心 ~Eisen Herz~ 犬子さんの土下座ライフ。 著 主催:小山田喜久子 ミヤコンさん ALCさん 土下座さん 出演神姫 アンジェラス クリナーレ ルーナ パルカ シャドウ=アンジェラス サラ アイゼン 犬子 以上です。 それではお楽しみください。 更新状況。 物語の始まり 100% 登校:100%画像壱枚 出会い&登校2:100%画像七枚 学校:100%画像壱枚 授業:47%画像製作中(選択あり)<画像と選択は今度更新します> 下校:0%画像製作中 物語の終わり:0%画像製作中 物語の始まり 登校 出会い&登校2 学校 授業 「(c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。」
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2563.html
ここには「美咲さんと先生」のいろいろな設定などを書きたいと思います。 人物 「先生」 :名字は竹田。齢四十に近い男性。常に敬語で話すために真面目な人間かと思いきや、中身は変人である。だが、オリジナル装備製作やプログラムの組み立て、神姫のメンテナンス等をこなせることからかなりの知識人であると思われる。株式会社「カサハラテクニカル」の神姫用玩具開発部門の主任。結果重視の会社であるため、特定の拘束時間はないが出勤日数は二十日間以上と決められている。まれに一日五分しか会社にいないこともあるらしい。フブキタイプ・美咲のマスター。メガネはかけていない。 「カエデ」 :本名・一条 楓(いちじょう かえで)。どこにでもいる普通のOL。薄給から何とかやりくりして神姫を楽しんでいる。会社の休日は火曜、日曜。アーンヴァルタイプ・エルスのマスター。幸薄感に溢れている。 「ケイゴ」 :本名・柏木 圭吾(かしわぎ けいご)。ニートに近いフリーター。親が甘いので神姫もほぼ親の金で楽しんでいる。ただ、嫌味のないさわやかな性格であるため、あまり疎まれてはいない。触手好き。マリーセレスタイプ・ステルヴィアのマスター。ぽっちゃり系。 「エンドウ」 :本名・遠藤 健太郎(えんどう けんたろう)。大学生。先生を師として仰ぎ、尊敬している。アルバイトをしながら大学生活と神姫を満喫している。セカンドリーグのトップクラスに在籍してるので、金銭的に余裕がある。大学生特有の自由時間を生かして全国各地を回り武者修行をしている。ウェルクストラタイプ・『弾丸』のフェフィーのマスター。精神面は幼め。 「ケイイチ」 :本名・東雲 慶一(しののめ けいいち)。高校生。四人の神姫を維持するための電気代や経費を稼ぐため、言うことをあまり聞かない姉妹を引き連れ日々放課後バトルに明け暮れる。バトルセンスはピカイチであり、特に多対多でのチーム戦や混戦においてその真価を発揮するタクティカルコマンダー。今現在は親元を離れて一人暮らしであるが、騒がしい毎日を送っている。アルトレーネタイプ・イール、マオチャオタイプ・アルマ、アークタイプ・マリネ、アルトアイネスタイプ・ネムのマスター。女難の相ならぬ神姫難の相が出ている。 「タチバナ」 :本名・立花 菊子(たちばな きくこ)。先生と同じ「カサハラテクニカル」の社員。神姫武装開発部門の若き主任(年齢は二十代中盤らしい)。立花財閥のお嬢様だが神姫に没頭するあまりに勘当される。彼女が開発する武装はどれも派手さや見た目に重点を置いたものであるが、それに詰め込めるだけの性能を詰め込んだ、高性能だがピーキーなものがほとんど。故にカサハラ製の武装は目立ちたがりの玄人が好む傾向にある。苦いものが大嫌いで、タバコは吸えないがくわえるのは好き。ジュビジータイプ・ホムンクルス、他「カサハラテクニカル」の社員神姫のマスター。残念美人。 「ムースのマスター」 :本名・柊 麻昼(ひいらぎ まひる)。女子高生。明るく元気な女子高生だが、時々ブツブツと独り言を呟いてはニヤリと笑うちょっとアレな子。ゲームの類が大好きで、それが高じて武装神姫に手を出した。友人に機械に強い人が居り、武装の製作を委託している。 神姫 「美咲さん」 フブキタイプ。初期に販売された神姫。比較的角ばった作りの初期素体のままなことをちょっと気にしている。より人間の少女らしい丸みを帯びた新型に換装することを先生に申し出たが、「今のままがいいです」と却下された。どんな武装も使いこなし、どんな間合いにも対応するオールラウンダー。比較的高次元な戦いにも対応できるが、並列処理能力は低いので臨機応変には戦えない。先生の的確な指示が勝利の鍵。 「エルス」 アーンヴァルMk-2タイプ。美咲のギターの副作用の媚薬プログラムのせいでおかしくなったと皆は思っているが、実は初めから百合属性。今までは抑えていたが、プログラムによって解放されただけ。アーンヴァルの標準通り飛行特化の射撃重視装備を施されている。回避以外特に目立った性能はないバランス型。マスターであるカエデ自身があまりいいセンスではないため、実力はサードリーグクラス。だが本人達は気にしていない。 「ステルヴィア」 マリーセレスタイプ。自称地区一の触手使い。マリーセレスの標準装備の触手をカスタマイズし長くしている。触手マイスターになるのが夢。装備はマリーセレスの標準装備にカスタマイズした触手のみの近接格闘型である為、飛行型の敵には弱い。が、地上戦ならばかなりの戦闘力を見せる。マスターであるケイゴはステルヴィアに指示を与えるより、ステルヴィアに敗北しチョメチョメされる相手を見ることに力を注いでいるらしい。 「フェフィー」 ウェルクストラタイプ。『弾丸』の二つ名をもつ。一度CSCを破損し交換されているため、今のフェフィーは記憶を継承した二代目である。コアとCSCの相性が悪かったようで、知らぬ相手には無愛想になり、BL好きになってしまった。さらに、全ての神姫がBL好きだと思い込んでいる為、知り合った神姫に普通にBL話を持ち掛け、どん引きされるのだそうだ。故に友好関係はあまりよろしくない。格闘特化のCSCに合わせて、装備も格闘特化型である。足に備えたバッタの足のようなシリンダーは瞬発力を増加させるための装置で、バネのように足を弾くため高機動用モーターよりもバッテリーの消耗は低い。が、素体への反動は大きい為、こまめに整備をしないと素体自体が破損する恐れがある代物。手足に装備している武装は、エネルギーを内部にて圧縮し、攻撃時に解放させることにより威力を数十倍させることができる。冷却装置は付いているが、すぐに熱を持つので一度の解放ごとに表面を開き熱を逃がさなければならない。スカートバーニアは加速力増加と空中での姿勢制御を兼ねている高出力低持続性の小型バーニアである。内部には小型のエネルギータンクを備え、戦闘時の稼働時間を僅かに延長させている。ちなみにこれは本戦仕様であり、軽い手合わせ等の手加減用装備も別に存在している。 「イール」 アルトレーネタイプ。仲良し四姉妹(笑)の長女。標準のアルトレーネの性格であり、マスターであるケイイチに従順である。が、熱しやすい性格で「牛丼」と呼ばれることを何よりも嫌い、頭に血が上ると冷静さを欠く。武装は近接特化で、紅黒のダークカラーに塗装されたアルトレーネの標準アーマーに七つの細剣を装備するのみ。一対一では勝率はあまり高くないが、多対多の混戦時には無類の強さを誇る。その強さの秘密はアーマーにあるらしい。待て次回!(←未定)末妹であるネムが可愛くてしょうがない。 「アルマ」 マオチャオタイプ。仲良し四姉妹(笑)の次女。性格は捻じ曲がっており、常に他人に突っかかる。ケイイチに起動させられたわけではなく、色々あって人の手から手に渡り歩き、最終的にケイイチのところにたどり着いた。武装は紅黒のダークカラーな標準装甲にカスタマイズされたドリルとレーザー刃の切れ味抜群なレーザーソー。攻撃力はとても高く、さらにマオチャオ特有の機動力の高さで地元神姫センターのトップに君臨する。特に妹のマリネとのコンビは強力で、一部ではそのカラーリングと強さに『夕闇の旋風』と呼ばれている。普通のマオチャオと違って辛いものを好む。末妹であるネムにデレデレである。 アルマ語講座。 「~無い」という否定形は「~にゃー」となる。例「馬鹿じゃないよ」→「馬鹿じゃにゃーよ」 一人称・二人称・三人称。「おまえ」は「おみゃー」。「私」は「あちし」。「あいつ」は「きゃつ」。「こいつ」は「こやつ」 語尾ににゃーをつけるかどうかは気分らしい。「な」を「にゃ」にするかどうかも気分らしい。 「マリネ」 アークタイプ。仲良し四姉妹(笑)の三女。性格は粗暴。一人称は俺。恐ろしく口が汚く、言語矯正プログラムによって規制音が鳴り響く。普段マスターであるケイイチの言うことには馬耳東風だが、バトルの時には忠実である。武装は紅黒のダークカラーなイーダのトライクのカスタム品である。走行可能ギリギリまで積載した火器による砲撃が得意で、地元神姫センターで二位の実力を誇る。アルマとのタッグでは負け知らずで五十連勝以上はしているらしい。末妹であるネムにゾッコンである。 「ネム」 アルトアイネスタイプ。仲良し四姉妹(笑)の四女。仲良し四姉妹(笑)が仲良しでいられるのは彼女のおかげ。性格はかなり幼く甘えん坊で泣き虫ではあるが、芯は強い。武装は紅黒のダークカラーで姉妹たちとおそろいになるように塗りなおされているが、彼女はバトルすること自体は嫌なので装備したことは無い。強いて言うなら、相手の母性や保護欲を掻き立てるその性格が最大の武器。実質一家の支配者だが自他ともに自覚はない。 「ムース」 ストラーフタイプ。クールな印象をあたえるしゃべり方をするが、頭の足りない子。普段から黒いロングコートを愛用している。武装はストラーフの標準装備である強化脚とサブアームに、昔のゲームの主人公が使用していたケルベロスと呼ばれる大型二丁拳銃とデスホーラーという火器満載の棺桶を装備する。それらの火器を自在に使いこなし、セカンドリーグの上位に在籍しているが、そんな装備よりも歌のほうがより強力で凶悪である。 「ホムンクルス」 ジュビジータイプ。派手好きで自意識過剰で自信過剰で自己中心的でポジティブでハッタリ屋。ファーストリーグランカーだが順位は高くないらしい。詳しい記述は未登場なので避ける。 その他 「ギタにゃん」(CV若本規夫 推奨) 『ニャンたるロック』ギター担当にしてリーダー。音楽に対して固有の価値観を持ち、それにそぐわないものには容赦がない。 「にゃんベース」(CV千葉繁 推奨) 『ニャンたるロック』ベース担当。ノリがいいともっぱらの評判。 「ぬこドラム」(CV大塚明夫 推奨) 『ニャンたるロック』ドラム担当。性欲はもてあましてない。 「にゃんセイザー」(CV子安武人 推奨) 『ニャンたるロック』シンセサイザー担当。超クール。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/950.html
神姫の構造材をプラスチックでないものにする そういう案は最初からあった 当然、現状の人工皮膚も純粋な意味でのプラスチックではないが 様々な試行錯誤の末現在の形に纏まったのだ 例えばそれはこんな試行錯誤である 「無題を冠した未完の彫刻」 「駄目です、制御失敗。自壊しました」 若い白衣の男が、淡々と告げた 報告を受け取る男は、若くも見えるし老けても見えた 渋い表情で画面を見る 無残な姿になった神姫が映っていた 構造材に自己修復能力と自己増殖能力を付与し、人体と同じように振舞わせる そういうプランだった だが、そのシステムの制御は困難を極めた それでも何とか作り出したそのシステム、『G』は バトルに臨み得る神姫にとって、非常に有用だった 当時、既に神姫に武装を施してバトルに従事させるということは行なわれていた だが、その度に破損箇所を買い換えるのは面倒だったし、素材で解決出来るのならしてみようとしたのが彼らのグループだった 折りしも『武装神姫』のプランが本格的に始動していた バトル向きに調整された武装神姫に、メンテナンスフリーの自己修復ボディ まさにうってつけと言えた 副作用として、有機物的な特徴を持つ『システムG』は、神姫により人間に近い皮膚を与える事を可能たらしめた だが、傷ついた体を修復しようとした時、どうしても必要以上に増殖し、宿主である神姫を破壊してしまう 既に十数体の神姫が犠牲になっていた 大手のスポンサーであった鶴畑コンツェルンも、そろそろ資金援助をやめようと動いていた 「短絡的に過ぎる・・・このシステムが完成すれば、神姫ばかりではない、人間にも大きな利益があるというのに」 実の所、男の真の狙いはそこにあった 「神姫と人間の境界は脳だけ」にしてしまう事 それ自体は、神姫の開発当初から目指されていた一種の目標地点ではあった 神姫は身長15センチの人間であるべく 遥か古代からの人類の夢、人造人間の完成を目指して 様々な倫理的、技術的問題から身長15センチに決定されたが、男はどちらかというとそれには反対だった 完成した人造人間に人間の脳を移植する それによってより良い肉体を手に入れ、人類それ自体がより進化する 少なくとも男はそう信じていたし、『システムG』を装備した神姫はその試金石になる筈だった 男は自分自身が人間を越えたかったのかもしれない いずれにしても、現状の『システムG』のままでは、少なくとも人間に使用する事などとても出来なかった 開発チームも解体される時が近付き、資金援助の減少、チームの縮小等から、徐々にスタッフの士気も無くなり、気も緩みつつあった そんな時期だった 暴走し、異常増殖した『G』の組織に、生物が触れると融合する性質が明らかになった 否、厳密に言えば、過失から、人間と『G』の強制接触が行なわれたのだ 結果は、恐るべきものだった 『G』と融合した人間は、禍々しい「なにか」に変貌し、暴れ狂ったのだ しかも、そのスタッフは自らの意識を保ったまま、超細胞に取り込まれたのだ 結果そのスタッフは恐慌から暴挙に出たのだ その事実を示すデータは残っていない その日スタッフの一人の始末し損ねたぼやで、研究所は火に包まれたからだ 誰一人、生きている者の居る筈が無い程徹底的に、一切合財が炎の中に消えた スタッフの遺体は、殆どが原形も留めず、パーツも足りなかった為、正確な人数を確認する事も適わなかった 研究所で使われていた、旧式の動力炉が、危険な可燃物質を含んでいたか何かだったのだろう 調査は深く為される事は無かった だが、僅かに残ったものがある 部署が縮小されるに際して、他部署へ異動になった者の発言だ 曰く、「原型となる細胞質からクローン培養して、それを宿主神姫のAIの不随意領域で制御させていたんです・・・原型細胞がどこから入手されたのか、少なくとも私は知らないですね」 いずれにせよ、神姫に人間を越える肉の器を与えようとしたこの研究は頓挫し、神への道は遠ざかった TOPへ 「剣は紅い花の誇り 第貳部」へ?
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/25.html
武装神姫のリン 第2話「初めてのプレゼント」 今日はリンがウチにやってきてからちょうど3週間だ。 起動直後はプリセットの礼儀正しい口調、素直な性格であったが、武装神姫の学習機能はかなり優秀らしくこの頃は素直な性格はそのままに、だが時には俺に甘えたり、文句を言ったりもする。こういった変化もほほえましかった。 「マスター、おかえりなさい。」 「ただいま。」 俺は靴箱に上って俺を迎えてくれたリンの頭を指でなでてやる。 リンはうれしそうだ。 「そうだ、お土産だぞ。」 「えっ、何かあったんですか?」 今日は同僚の気まぐれで以前共同購入したロトくじが当選。とは言ってもせいぜい10万なのだが。 4人で1組購入したので1/4の配当だ。 仕事が終わってからは件の同僚3人と飲んでいたがリンのことが気になり早めに抜けることにした。 そうして予想外の収入を手にした俺が帰りに向かったのはリンを手に入れた家電量販店だ。 とりあえずは自分の仕事で必要なセキュリティ機能つきのフラッシュメディアのお得なパックと今まで使ってきたモノとはランクの違うちょっと高めのインナーイヤホンを購入。それでも分け前の半分以上が残っていたの何かリンに買ってやろうと思った。 最初に向かったので玩具コーナー、とは言っても武装神姫が置いてあるコーナーではなく8歳~のこども向けの製品のあるフロアだ。 そこで俺が吟味するのは今でも絶大な人気を誇り、続編も次々開発されているポ○モンのフィギュアだ。 その中でもリンが好むピ○チューは初期の作品のキャラクターの中でも特に人気がある。 海外でもその名を知っている子供はとても多い。 ゆえに人気商品なのではあるが、幸いブラインドボックスの製品ではないので余計な買い物をする心配が無い。 次は本命、武装神姫のコーナーに行く。 最近は需要に供給が追いついたようで以前のような混雑は感じられない。 リンを購入した時は人が多くてじっくり見ることが出来なかったほかのモデルも一応目を通してみる。 確かにほかのモデルも魅力的で購買意欲をそそられるが、いまは我慢する。 まだリンでさえウチに来てから1ヶ月たっていない。そんな状況で2体目を買うのは少し早い気がした。 ということで武器セットの「ヴェッフェバニー」と他社製品なのでもちろんメーカー側は組み換えを推奨してはいないが、サイズ的に互換性のある武器や雑貨のパックを買ってみた。 それでもまだまだお金は余るので俺は思い切って路線は少し違うが、各種フィギュア、アニメ・ゲームグッズを扱う店の揃う電気街に行ってみた。 で俺が足を運んだのは本物のドールや可動フィギュアのパーツ、衣装などを販売する専門店だ。 以前友人がここなら武装神姫に会うサイズの服が簡単に手に入ると言っていたのだ。 で店内にはいるが俺は少し身震いしてしまった。 美少女フィギュアぐらいなら量販店でも多少は目にするがここはそういったコーナーよりももっと重い、というか濃い空気が漂っている。 閉店時間が近いためか客の数はまばらだが、俺とは違った雰囲気をかもし出している。 そんな中を俺は急いで衣装コーナーへ。 そこにはありとあらゆる衣装が10~20cmサイズで並んでいる。セーターやブラウスといった制服系からマニアックなモノまで網羅されていた。 さすがにリンに過激な衣装を着せるわけにはいかないのでおれはブラウスと黒いスカート、そしてソックス。 ここまで着たらトコトンまでといった感じでリボンと靴をカゴに入れる。 まあ武装神姫を着飾るのも流行っているそうなので、この程度ならだいじょうぶだろう。 そうして選んだ製品をレジに持っていくとキャンペーンを行っていたらしく、同スケールのクローゼットとハンガーのセットを半額で提供していると聞いて思わず買ってしまった。少し高価ではあったが新品の服を適当に置いておくことは忍びなかった。 残金はというと、4000円。まあこんなものかと納得して家路についたがその店を出てからというもの電気街のストリートを歩いているとなんとなく視線を感じた。 やはりスーツ姿でああいう見せから出てきたからであろうか、目立つ店名の入った紙袋をもっているからだったのかもしれない。 こんな感じで無事、リンへのプレゼントを持って帰ってきたわけだ。 自分より二周りも大きい袋にリンは目を丸くする。 「こんなに大きなモノを・・・どうかされたんですか?」 オレはリンに事情を説明する。 「そんなことが…それは良いのですが、いつもの時間に帰ってこないので少し心配しました。」 「ごめんな、次からはメールとかするから。PCでメールの見方は分かってるよな?」 「はい、次からはちゃんと連絡してくださいね。」 「ああ、分かったよ。」 こんな会話をしているとなんだかへんな気分になってくる。 そう、たとえるなら新婚の夫婦なのだ。夫が気を利かせてプレゼントを買って帰ったが、連絡がないままいつもの時間に帰ってこないので心配する嫁。想像したらとても恥ずかしくなった。 恥ずかしくて顔が熱くなるのを感じた俺は話題をそらす。 「なっ、プレゼント見てみろよ。びっくりするぞ~」 「マスターがそんなに言うなら、見ちゃいますね。」 そうして自分の目の前に置かれた、人間にたとえれば6・7人向けのテントぐらいのスケールであろう紙袋の中の中を覗き込むレン。 次の瞬間にリンの顔が沸騰したかのように赤くなった。 「なっ、マスター!! これは何ですか??! 白いヒラヒラの服・スカート、リボン、、、、、ソックスまでぇ~~」 なにやら想像したものとかなり違った物体が入っていたため相当混乱しているようだ。 「……大丈夫か? ただな・・・リンもオシャレとかしてみたら良いんじゃないかな??と思ったから。」 「はぁ、確かに先週テレビでやってたコンテストはすごく綺麗な娘がいましたけど……」 「心配ない、お前は十二分に可愛いよ。絶対に似合う。そうじゃないと万札をはたいてまで買ってこないぞ」 と素直な気持ちを言葉にしてみたが、言った俺の方が恥ずかしくなってくる。 リンもそんなことを唐突に言われたため、普通に戻りかけてた顔がまた真っ赤になる。そうして2人して顔を赤らめたまま数分が過ぎた。 「リン、とにかく一回着てみてくれるか?」 こんなことをしていても仕方がないので俺の方から話を切り出す。 「は、はひ。 分かりました。」 リンはまだ恥ずかしいらしく呂律が回っていなかった。 買ってきた服のパッケージを開けて、サイズを確認する。 「武○神姫にも完全対応」と歌われている製品だけにサイズはぴったりだった 「これの着方は分かるか?いちおう説明書に書いてるんだけど。」 「えっと、大丈夫です。分かります」 「じゃあ自分で着てくれ。俺がやったら着せ替え人形みたいになっちまうから。」 「わかりました。少し待っててくださいね」 てきぱきとプレゼントの服を身にまとうリン。 ブラウスに腕を通し、スカートを身に着け、ニーソックスに足を通す。そこでレンは違和感に気が付いた。 「マスター、あの……下着は??」 !!!!!!!!!!!!!!! 俺は飲みかけていたお茶を一気に噴出しそうになり、それを我慢したのはよいが飲み込んだお茶が気管に少し入ったらしく激しくむせる。 「大丈夫ですか! マスター!!」 なんとか生き地獄から脱出した俺だったが、リンは何もできなかたのが悔しいみたいだ。 「マスター。ご無事でなによりです。」 顔のすぐ横にリンが座って俺を心配してくれる。 「ああ、もう大丈夫。 ごめんな、店の雰囲気に圧されて下着まで頭が回らなかった。」 「いえ、気にしてません、元はといえば私は最初からスーツをきているんですよね。私もうっかりしてました」 俺が起き上がるとリンは最後にお願いをしてきた。 「あの、リボンなんですが自分では結べないので、お願いします。」 快く俺は引き受ける。 モデル「ストラーフ」はツインテールがデフォ状態だが、オーナーの好みでショートカットにすることが可能だがリンは俺の好みでツインテールのままにしている。 その薄い蒼の髪を留めている黒いリボン(とはいえコレは樹脂パーツで髪を通すだけで固定されるようになっている他、ショートカットの状態で使えば武装をマウントするためのサポートパーツにもなる)をはずして、純白の綿100%のリボンを結んでやる。とても小さなサイズなので少し苦労したが以前からプラモデルを弄ることで細かい作業に慣れていたのでちゃんと結んでやれた。 「よし、コレで良いぞ。 鏡見てみろ。」 俺はいつも使っている手鏡(コンタクトレンズの洗浄剤についてきたオマケだがレンのサイズにはぴったりだ)をリンの前に置く。 リンは鏡に映る自分のいつもとは違う姿をまじまじと見つめ、急に振り返ったかと思うと俺に聞いてきた。 「あの……似合いますか?」 控えめな表情で、上目遣いでたずねてくる。 白いブラウスに黒いミニスカート、そしてまた白のニーソックスとリボン、そしてアクセントとしての赤い靴。 極力シンプルにと選んだのが、予想した以上に似合っていたので俺は声が出ない。 「あの?マスター?」 「ああ、似合ってうぞ、想像以上だ。」 「ありがとうございます。なんだか私じゃないみたいですよ、コレなら街に着ていきたい位です。」 「気に入ったんだな~ 最初は着てくれないかと思ってヒヤヒヤしたぞ。」 「そんな、マスターに貰ったものを着ないなんて考えられません。でも変なのは嫌ですからね。」 「わかってる、って言うかそんな服を買うような冒険はしたくない。」 「でも…可愛い服があったらまた買ってくださいね。」 「ああ、もちろんだ。」 その晩、リンはずっと俺が買った服を着ていた。 そして寝る前にクローゼットを寝床の横に置いてやった。リンはせっせと服をハンガーにかけて収納していく。 俺の机の上はリンの『お部屋』になっいるようだ。 そうしてお片づけがわってすぐに就寝。 夜は更けていった。 翌日、寝坊したので朝食を抜き、急いでスーツに身を通してかばんを持って家を出る(リンへの挨拶は忘れていない)。 そうして何とか会社に定刻より10分遅れ(遅刻ギリギリ)で着いたのだが…… かばんに入っていたのは必要な書類、これはだいじょうぶだ、だが肝心のフラッシュメモリーが見当たらない。 寝る前にデータを古いモノから全て転送し、スーツのポケットに入れておいたのだが…… 改めて己の姿を見ると昨夜と違うスーツを着ている。 やってしまった!!と気づいても時すでに遅し。 そうして大切なデータを忘れたため部長に叱られたが、たまにはこんなのもいいと思う俺であった。 ~燐の3 「イベントへ」
https://w.atwiki.jp/2chbattlerondo/
「武装神姫BATTLE RONDO」スレ まとめwiki 概要 オンライン育成・対戦ゲーム「武装神姫BATTLE RONDO」の攻略wikiです。 自由に閲覧・編集してください。 スペシャルサンクス:2ちゃんねるネットゲーム板「武装神姫BATTLE RONDO」スレッドのオーナーの皆さん 主、あの……ゆっくりしていってくださいますか……?
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/861.html
私、ニビルは無事だった あれだけ悲劇風味の展開を重ねておいてそれかい!とか突っ込まないで欲しい 認めたくない事だが、結局機械の体である以上、破損した箇所は取り替えてしまえば良いのもまた事実だった 特に、私のオーバーロードは、「オーバーロードの使用」それ自体には何のペナルティも無い 単に、ストラーフの主力武装の殆ど、武装神姫の素体直付けパーツの使用に制限があるだけである 無論、もしかしたら他にも何か見えないペナルティがあるのかも知れないが 顕現しないものの事まで考えていても仕方が無いというのが私の結論だった ズタズタになった神経系を修復し、新しい四肢に慣れるのに数日を要したが、あとはいつも通り。決勝リーグに向けての調整を重ねるのだった 「Somewhere Nowhere」 「・・・じゃぁ、姉さまが今迄強化パーツを使わなかったのは?」 「そうだよ、ニビルの体に宿ったオーバーロードが拡張端子の使用を困難にしてるのさ」 逆さまにひっくり返った状態で、ヌルはキャロの話を聞いていた 場所は槙縞玩具店の地下にあつらえられたリアルバトル用演習場である・・・本来はここも、槙縞ランキングの主要舞台の一つとして使用される予定だったらしいが、何故か皆川はバーチャルバトルに拘りを持っていた 愛玩派オーナーの参入も促しやすい事と、別にバーチャルバトルだからといって不平不満を述べる神姫も特に居なかったので、この演習場は放置され、時折ヌルやクイントス等が練習に使っているだけの施設に成り下がっていた 本来なら電動薬動の様々なギミックが盛り込まれていたのだが、天井の照明すら入っておらず、手入れも全くされていない様子であり、その種のギミックも全くの稼動不能状態である 「何で今迄言ってくれなかったんだろう・・・」 体を起こし、明確に不満を顔中に表すヌル 「あんたに話す必要がないと考えた理由ってんなら判らないでもないがね」 ヌルの肩にタオルをかけつつ、呟くキャロ 「拡張装備を使わずに・・・つまり普通に考えたら圧倒的に不利な状態で勝つ。そういう格好良い所をあんたに見せたかったんだよ。多分ね」 「いっつもそうだ・・・姉さまは・・・私は別に、姉さまの欠点だって含めて姉さまの事を愛せる自信があるのに・・・」 タオルで顔まで隠して蹲る 「惚気は良いけどさ・・・あんただってあるだろ?そういうの」 「どだいからして、準決勝でニビルと互角以上に戦う為に秘密特訓ってのも充分過ぎる程格好付けだと思うけどね、あたしゃ」 「・・・・・・」 確かに、並み居る強豪を押しのけて、準決勝でニビルとヌルが当たるというのは、両者の実力から考えて相当無理がある事を、ヌルはやはり知覚していた ニビルはまだオーバーロードがあるから良いが、ヌルは実戦経験という観点に於いて華墨とほぼ同等の新人であり、コネによる恵まれたトレーニング環境と、華墨のものほどまだ明白ではないが、ゆらぎ由来の密着格闘戦における天性のカンの良さで、幸運の女神に拾われたに過ぎない いざ戦闘になったら、どう考えても『ズィータ』や『ウインダム』には勝てないし、『ストリクス』『タスラム』相手では戦闘と呼べるものになるかすら怪しく、『仁竜』には得意距離における戦闘経験値に差がありすぎた (結局私は・・・あいつに勝つので精一杯なのか・・・) 『ジルベノウ』に勝った事実を、実感として明確に受け入れる事が彼女には出来ていなかった と、いうよりも、あの瞬間のヌルの戦力というのは実は相当な強運に恵まれた上での物に過ぎない事に、彼女自身が何よりも気付いていた (姉さまへの愛で私の心が満たされていたって、空を飛んでいる相手は降りてきてくれないし、長距離砲撃が出来る相手は近づいてはくれないよなぁ) 結局それまでの戦闘プランそのものが脆弱過ぎるのだ・・・だからここ数日、ヌルは新しいスタイルの模索を始めていた 憧れた銃撃戦のみでの戦闘スタイルを諦め、重装甲と白兵戦闘能力をより重視したスタイルへの転換・・・ 徐々に自分が嫌っている「あいつ」・・・つまりは華墨のスタイルに近付いていくのが厭だった 「体のほうは、もう良いのか?」 トレーニングを再開したニビルに話しかけるクイントス 「ええ、大丈夫よ・・・それにしても流石は、『私に挑む為にこの一連の闘いを経て君達がさらに強くなってくれるなら』なんて真顔で言うだけの事はあって余裕ね。別に貴女に心配される謂れは無いわ」 「・・・自分を偽っても仕方あるまい。どんなに繕おうと、自分は自分以外の誰かになどなれはしないのだからな・・・」 「・・・・・・っ!説教がましく言わないで・・・遅れを取り戻すのにこっちは必死なのよ」 「・・・済まない、邪魔をしたな・・・」 クイントスにとっては自分自身を含めて、あらゆる武装神姫の価値基準はただひとつ、「どれくらい強いか」なのであろう 自分自身もそう思われ、そういう風に値踏みされているであろう そういう考えは半ば被害妄想的ですらあったが、「どれだけ頑張っても武装神姫は武装神姫」という強固なクイントスの信念が、彼女の立ち振る舞いに現れ、貫かれるべき根幹を成しているのもまた事実であった そして、その点がまさしくクイントスを嫌う最大の理由なのではないかと、最近ニビルは気付き始めていた 彼女の誇る「完璧さ」は自分の目指そうとしている世界の扉を閉じてしまう・・・そういう厭な予感 彼女のあり方が武装神姫のあるべき姿なのではないかと思ってしまう強迫観念 本人にとっては全く謂れ無き嫌悪であったが、クイントスはニビルにとって、打ち破るべき磐石な、頭の固い常識の象徴であった 『自分の目指すものを否定する存在を嫌悪する』 そう書けば普通かも知れないが、だからといってクイントスの一言一句に食って掛かり、同じ部屋に居る事すら避けようとするニビルの態度はヌルならずとも相当鼻に付いただろう 「・・・やはり、相当嫌われてるのだな・・・」 自分の強さを妬まれ、憎悪される分には却って戦士を自称するクイントスにとって賞賛であったかも知れない だが、ニビルがそういう人格でない事を彼女は知っていた・・・だからこそ余計に、嫌われる理由に思い当たらないあたり、このふたりの関係はやはり良好と言えないものだろう 「やっぱり問題になるのは空中戦だって!装備をもちっと充実させて備えるべきだろ」 「何いってんのよ!むしろ今更慣れない戦術の練習をするよりは長所を伸ばすべきに決まってんじゃない!ばっかじゃないの!?」 「・・・仲良いというか・・・なんだかとても分かり合っているのだな、エルギール、マスター・・・」 「お前の為だろうが!!」(←同時→)「べ・・・っ別にアンタの為じゃないんだからね!!」 「・・・・・・」 エルギールが来た事によって、華墨は決勝リーグ開催迄の間練習相手に困る事は無かった ここで初めて、華墨はエルギールの『まだ誰にも見せていない』公式武装形態を見た訳だが、何故彼女が其処までしてくれたのかについて思いを馳せる事はついぞ無かったあたり、エルギールもかなり報われない神姫である 因みに、琥珀は普通の料理に関してはチョコレート程危険な腕前では無かった事が武士にとって幸運であった事もここに併記しておく 「何にせよ、僕らがここまでしてあげたんだ、そこそこ善戦してくれないと怒るよ」 「わ・・・判りました琥珀嬢!この華墨、この・・・」 丁度太刀を持っていなかったので、手近にあったフィギュアの剣を胸前に構える 「このまどろみの剣(注1)にかけて!無様な闘いはいたしません!!」 「うむ、頑張って来るが良い」 「勝手に俺のフィギュアの剣をかけてんじゃねえ」 決勝リーグは、もうすぐ始まろうとしていた 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ 注1 2030年発売の、「ドラゴンクエストⅩⅤアクションフィギュア」No.12「遊び人ポルメ」の付属品
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/392.html
「Quel est dîner d aujourd hui ? 」 助手席から、声が聞こえた。 「Es gibt den aiready Reis. So bilde ich die Teeessiggurke. Ich bin so müde. 」 車を運転しながら、ドイツ語で応えてやる。 「확실히.오늘은, 큰 일이었지요.」 えっと…。 「何だ。今のは」 「韓国語ですよ。マスター。『今日は大変でしたね』って言ったんです」 助手席の下の方、クレードルの上でくつろぐ神姫が微笑みを浮かべる。 そう。彼女は武装神姫の侍型MMS。名前は『椿』だ。彼女は、そのAIの性能を発揮して、俺の仕事の秘書として、通訳兼語学指導者として、そして、一人暮らしの俺の話相手として、色々な場面でその能力を発揮してくれる。今や、俺の生活には欠かすことのできないパートナーだ。 ------------------------------------------------------------------- 必要に迫られて、彼女を手に入れた。あ、そこの君、「玩具を『彼女』呼ばわりなんて、コイツ、あぶねー奴なんじゃないの」とか思っただろ。ま、いいや。俺の場合、ネットで神姫を使った外国語学習の事例を見たのがキッカケとなって、神姫の購入を思い至ったんだ。俺の仕事はー、ま、言ってみればブローカー。右から左、必要とする人がいれは、品物を売って歩く仕事だ。その時、たまたまツテがあって、海外との取引の話を持ちかけられていたんだ。 「通訳の役にたつかも」 そう思って、神姫の購入を思い至った。 まだ人を雇えるほど儲けているわけではなかったし、通訳を探すツテもなかった。 正直、購入するときは、ちょっと恥ずかしかったけどね。 まぁ、通常の女の子向けの神姫より、武装神姫の方がハードルが低かった、と、そういうこと。 そして、同時に驚きもした。 神姫について知ってはいた。それでも、起動するまでは「人間の音声認識をして、勝手に動くことのできる人形だろ」くらいにしか思っていなかった。でも。 「はじめまして。私は侍型MMS、TYPE『紅緒』です。あなたが私のマスターですか」 起動直後の第一声だ。今でも覚えている。その動作、声の抑揚にー、そして表情。何ひとつ人間と変わらないその仕草を。 俺は彼女には、人間の女性を扱うのと同じように接することにした。 当初、彼女はバトルのために購入されたのではない、ということに少々戸惑った様子だった。しかし、自分の能力が求められている、というシュチュエーションは、彼女のやる気を引き出すのに十分だったようだ。その翌日、サードパーティの語学パックを使って、彼女は、英語、フランス語、ドイツ語、中国語(もちろん広東語と北京語の二種類は押さえている)やスペイン語など二十カ国語ほどをあっという間にマスターした。 彼女の存在は、取引先にも好評だった。ま、中には、テーブルの上で通訳をする彼女をいきなりワシ掴みにするお客もいたりして、彼女がその後しばらくの間ふて腐れる、という事態もあったりしたけどね。 その後、仕事も覚えてもらって、スケジュール管理や経理にと色々手伝ってくれている。 で、だ。 最近、そんな彼女の元気がない。 「そういえばさ」 しばらく続いた沈黙を破って声をかけた。 「名前の由来、解ったよ」 「はい、シガーソケットのことですか」 彼女が座るクレードルは、車内でも使えるようにシガーソケットから電源を供給されている。メーンの機能はバッテリーの充電だけど、その気になれば、PDAを使って彼女が一日の最後に行う、デフラグとバックアップをすることができる。 「昔ー、まだタバコが一般的だったころの名残だってさ。昔は、そこに発熱コイルを使ったライターがキャップ代わりに入っていたんだって。それが、だんだん車内で使う電気機器の電源供給源になって、その用途が一般化して、えーと、その一方で禁煙運動が進んで、タバコを吸う人はほとんどいなくなったけど、名残でそのまま残ってしまったんだと」 「へぇ」 「だから、ソケットの横にある小物入れって、実は吸って短くなったタバコを捨てるトレーだったらしいよ」 「はい、そうでしたか…」 なんだか、気乗りしない返事が帰ってくる。 うーん、そろそろ切り出してみるか。 「で、椿」 彼女の名前を優しく呼んでやる。 「最近、元気がないけど、どうしたのさ」 「いえ…そんなことは、ない、です。ええ。」 「歯切れが悪いなぁ。ここのトコの君の行動は変なんじゃないかな。ぼーっとしていることが多い」 彼女と暮らすようになってから、一応、神姫のAIのおおざっぱな概要や、ユーザーが抱えるトラブルなんかを調べていた。彼女たちは、人間と同様、環境によるストレスやなんかを感じる、らしい。俺は起動直後、購入目的を聞いて、戸惑いを見せた彼女の様子を思い出していた。彼女は武装神姫だ。武装神姫の存在目的はー。 「バトル、してみないか」 投げかけた。 「えっ」 彼女の顔が明るくなる。よほど嬉しいのか、その瞬間、彼女はその身体をぐるりとこちらへ向けた。 「でも…。マスターはバトルをなさらないのでしょう。私のために、そんな時間とお金を割くなんて無理をされなくても…」 と逡巡する。 やれやれ。 「じゃぁ、こう考えるんだ。君は、ウチの唯一の社員だ。さて、社長であるボクは、よく働いてくれる社員のためにも福利厚生を考えなきゃいけない。そうだろ?」 うーん、人間の女性だったら、ここで手でも握らなきゃいけないトコだ。 取り合えす、片手を使って指先で彼女の頭をなでてやる。こわばっていた彼女の身体から、力が抜けた。 週末がやってきた。 俺たちは近場の神姫センター登録をしている店を訪れた。 バトルは大きく分けて二種類ある。ひとつは神姫BMA(武装神姫バトル管理協会)によるオフィシャルなもの、これは実際に闘うリアルバトルだ。もうひとつは、いわゆるバーチャルバトル。こちらはまだBMAの公認こそは得られていないものの、装備の破損などを嫌がるユーザーの支持も多く、ほとんどのセンターでバーチャルの筐体を用意している。バーチャルのみでも全国ランキングなどが付けられ、準オフィシャルみたいな形で大会が開催されている。さすがに初めてのバトルなので、椿と相談して今回はバーチャルバトルに挑戦することにしていた。 さすがに人が多い。対戦台の前でバトルの指示を出すプレイヤーだけではなく、ギャラリーも胸ポケットに入れたそれぞれの神姫と一緒にモニターで対戦の様子を観戦している。大画面ではブースターと羽を付けた猫型が地面すれすれを滑るように駆け抜けていく姿が映されていた。だめだ。あんなのとやったら、間違いなく向こうのワンサイドゲームで終わっちゃうよ。 俺は周囲の神姫とマスターたちを観察してみた。ありゃ、マスターと神姫でお揃いの服着てやがる。あっちの神姫は眼帯しているけど、ファッションだよね、きっと。コッチには頭の上に神姫を載せてる奴もいるぞ。えー、シッポをパタパタさせている犬型の君。マスターの頭上でポテチの袋を振り回すのは止めなさい。 とか心の中でツッコミを入れていて、ハタと気づいた。 「どうやって対戦するんだ」 よく考えたら、昔の対戦ゲームのように一人プレイをしていて、そこに乱入とか、そういうスタイルではなさそうだ。店員を捕まえて聞いてみることにした。 店長なのだろうか、妙に落ち着きのあるその男性は、「なにこのオッサン」などという態度はおくびにも出さず、丁寧に対応してくれた。彼女を購入した店とは大違いだ。今度から、ひいきにさせてもらおう。 そして、今、俺は対戦相手だった神姫のオーナーと談笑しているところだ。 バトル?あぁ、負けちゃった。 しょうがないでしょ、マスターも当の神姫も初めてなんだし。ただ、一方的に打ち負かされるでもなく、それなりに内容のあるバトルだったことは、椿にも良い経験になったろうと思う。 「でも、銃の扱いが上手かったですね。あなたの戦法だったんですか」 学生だろうか、温厚そうな表情の持ち主だ。彼の神姫は騎士型。最近神姫を購入し、バトルを始めたそうだ。店長は、俺と同じく、初心者でなおかつバトルの相性がよい騎士型神姫を持つ彼を紹介してくれた。「僕も、初めての時は店長さんに対戦相手を紹介してもらったんです」そう言って、彼は快く対戦に応じてくれた。 缶コーヒーを飲みつつ、彼の問いに答えた。 「ああ、こっちが有利に立ち会える状況になるように、そのための呼び水に使おうと思ったんだ。銃でダメージを与えられるとは思っていなかったよ」 テーブルの上では椿が、さっきまで鬼のような剣戟を打ち合っていた、彼の神姫と楽しそうに話している。神姫仲間がいなかったことも、彼女のストレスの一因になっていたのだろうか、と思う。 「マスター」 と、椿が振り返った。 「はいな」 「あの…、彼女にメアドを教えても構いませんか」 「あ、僕たちは構いませんよ」 「そういうこと、いいよ。椿」 彼女は、相手の神姫と手を取り合い、きゃぁきゃぁと騒ぎ始めた。 対戦相手と別れた俺たちは、店内の一角にある神姫コーナーを見て回っていた。そして解ったのは、想像以上に神姫のグッズというのは種類がある、ということだった。武装にはじまり、家具(神姫サイズで実際に機能する家電もある)、バイクや車などの乗り物(どこで乗るんだ)など、など。服なんかは、メーカー品のほかに、個人が制作した品の委託販売もしているようだ。やっぱり一品ものは手間がかかっているだけあり、値も張るが出来は見事なものだった。そんななかから、俺は、袴の和装セットを購入することに決めた。椿は辞退しようとした。でも。 「そういえば、今まで君は僕に尽くしてくれたけど、僕は君になにもしてあげてないしね。たまにはプレゼントくらい贈らせてくれよ」 彼女は消え入りそうな声で、「ありがとうございます、マスター」と言うと、シャツの胸ポケットの中に引っ込んでしまった。 レジを打ってくれたのは、先刻、神姫とペアルックを決めていた少女だった。委託販売している服は彼女の手によるものらしい。梱包しながら、商品の説明をしてくれた、曰く「リアルバトルにも使えるだけの対弾、対刃、対爆性能がありますから」とかなんとか。なんだか、スゴイことになってるんだね。 「で、さ。スーツをオーダーしたいのだけど、いいかな」 「マスター」 椿がポケットから顔を出す。 「この娘、仕事を手伝ってくれているんだ。取引先相手に素体姿のままってのもどうかと思ってね」 「仕事を手伝うって、どんなことををしてるんですか」 質問を投げかけたのは、少女の犬型神姫だ。やけに礼儀正しい。 「ホラ、椿」 「ええ、マスターのお仕事で取引先が海外になることがあるんです。その時の通訳を…」 おずおずと答える。 「え、それじゃぁ、外国に行ったこともあるの」 「はい」 「今度、是非そのときのお話を聞かせてもらいたいわね」 少女の言葉に、犬型神姫も大きくうなずいていた。 「なんだか、今日は盛りだくさんだったね。まだ、お昼を回ったばかりだけど」 「はい」 胸元から聞こえる声の通りが良い。 「また、バトルしにあの店に行こう。次の休みにでも」 「え、スーツの仕上がりはまだ先…」 「いいんだ。俺も面白かったし、やっぱ勝ってみたいじゃん。それに、君も友達ができた方が楽しいでしょ」 「でも、本当によろしいのですか」 「ああ。君の浮かない顔は見たくないし。…今の君はすごく生き生きとしてる。そんな君と一緒にいることが嬉しいんだよ」 胸元の生地がギュッと掴まれる。彼女が俺の胸に顔を埋めて抱きついているのが見えた。 「Я люблю вас, оригинал.」 「また、俺の知らない言葉を…」 おしまい。
https://w.atwiki.jp/quarter/pages/33.html
第46回クランVSクランみんなの力をひとつに^^ 第2試合 ◆対戦カード:RubatoVSくぉ~た・む~ん ◆ワールド:ジュエル ◆チャンネル:ダイアモンド ◆集合時間:2009年2月1日(日)19 10 ◆集合場所:七仙の街(座標 -15・-30付近) 集合写真&結果 姫の友だちがいるクランさんです~^^v らせらせさんがかなりつよかったのを覚えてします~^v^ やっぱりつよかったな~;; -- 姫 (2009-04-16 16 53 50) 名前 コメント 以下のスポンサー広告に、 RMTやBOTツールの広告がありますが、絶対に使用しないでください。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/264.html
第1話 目覚め 「……買ってしまった」 俺はそう呟きながら、丁寧に包装された箱を小脇に抱えたまま自室に入る。 机に箱を置き、椅子に座ると包装紙を剥がしにかかった。 箱を開け、ごそごそと付属品を取り出し、最後に本体の品物を取り出す。 15cmほどの人型ロボット、武装神姫。 ペットショップで犬猫に見つめられて、そのまま買ってしまうという心境に似ていた。 俺は特に目的も無く街をぶらぶらしていた。 大きめの玩具屋にやってきた時、派手なのぼりが一列に並んでいた。 『武装神姫 入荷しました』 「暇つぶしにはいいか」 そんなことを呟きながら店の中に入っていった。 棚にずらっと並んだ箱。 「へえ、こんなのが流行っているのか」 犬のようなものや猫のようなものもある。 箱を手に取り、表蓋をあけて中を確認する。 白を基調としたボディに金髪、装備品も白で統一されている。 「綺麗な顔しているなあ……」 これが出会いのきっかけというか、始まりだった。 偶然に手を取ったのだが、棚に戻そうとした時、確かに寂しいような悲しい表情をした、ように見えた。 梱包されて、メイン電源の入っていない神姫が、そういう顔をしないことは分かってる。しかし、現実はここにある。 マニュアルに従い、クレイドルと呼ばれる充電装置兼データ送受信装置に本体を乗せて状態の確認を取る。 そして、胸部の未だ機械部が剥き出しになっている部分にCSCと呼ばれる部品を差し込む。 本体を買うときに、これが無いと起動しないといわれて、一緒に買った。 多種多様あったが、どのように違うのか分からなかったので、目に付いた宝石の名前の三種類を選んだ。 三本をセットして、胸部カバーを専用器具にてはめ込む。 「はぁ」 ため息を一つついて、神姫本体を持ってみる。 この中にバッテリー、モーター、コンピューター、などが詰まっているのだから技術の進歩は恐ろしい。 「ほほう、よくできてるな」 ― ― ― ― 『メインジェネレーター起動、出力10%』 どこか遠くで声が聞こえる。その声は私のようで私ではない。抑揚のない機械的な声。 『自己診断、腕部及び脚部の破損なし。CSCとのリンク開始』 誰? あなたは私? 『ジェネレーター出力40%まで上昇』 私は上下左右も区別のない空間に浮かんでいるようで、声の発生源も特定できない。 『メインコア異常なし。センサー系全て異常なし』 『メインジェネレーター出力100%に上昇。CSCリンク完了』 『感情人格プログラム起動、以後のメインコア主導権移行』 その声と同時にすうっと身体に吸い込まれていく感じがした。 『TYPE ANGEL 起動』 目の前に光が溢れる。それと同時に、本能的に周囲をみると人間が一人だけ。 多分マスターだろう。 目覚めたばかりの気だるさが抜けてくると、あることに気が付いた。 マスターの手は、私の身体をあちこち触っているようだ。 それを認識した瞬間、顔が赤くなり、恥ずかしさがこみ上げてくる。 ― ― ― ― ぷにぷにと身体中を触っていると声がした。 「あ、あの……マスター? 恥ずかしいのですが……」 「うわ!」 俺は驚いて神姫を放り投げると、トンっと手をつき、腕の伸縮の反動でくるっとまわって綺麗に正座した状態でこっちを見ている。 いつのまに電源が入っていたのだろう。 「はじめまして、マスター。これからよろしくお願いします」 三つ指をついて挨拶をしてきた。 「ああ……」 そう答えるのがやっとだ。 「あ、のさ…ロボットでも感じるのか?」 何とも変な質問だが聞いてみた。 すると、少し顔を赤らめて俯きながら答えてくれた。 「一応、人間と同じ感覚を持っています。です…から…その……」 「そっか」 「すみません」 さらに顔を赤くして顔を背けてしまった。 「いや、こっちこそ悪かった。興味本位とはいえあんなことして」 「はい……」 「で、お前の名前は?」 「はい。武装神姫、TYPE ANGEL アーンヴァルです」 そう即答したが、俺は首を横に振りやさしく言った。 「それは商品名だ。そうじゃなくて、お前自身のお前だけの名前だよ」 びっくりした表情をしてこっちを見つめてきた。 「いつまでも、お前っていいたくないからな」 そう言うと、考え込んでしまったようだ。 ― ― ― ― 名前…… 自分を他人と区別する記号…… 本来ならマスターが与えるもの…… しかし、私のマスターはそれをしない…… どういうことなのだろうか… でも、マスターが名前を要求している。答えなくてはいけない。 ― ― ― ― 「アー…ル、アール! 私の名前はアールです!」 満面の笑顔で自分の名前を言ったアールに、俺も笑顔で答える。 「そっか、アールか。よろしくな!」 「はい!」 そっと出した俺の手に思い切り飛びついて、指の先を両手で掴んだ。 「それで、マスター登録を行います。マスター名と呼称をお願いします」 「俺は、陽元治虫。呼称は……マスターのままでいいや」 「登録しました。マスター」 アールがにっこりと笑い、俺も笑い返す。 こうして、俺とアールの生活が始まった。 TOPへ 次へ