約 1,954,359 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1695.html
本当にどうでもいい設定とか色々 (物によってはネタばれの危険性を含みます。閲覧する際は十分に注意なさってください) カスタムメーカー『Genius Johnny zoo』 BLADEダイナミクス社を定年退職した社員、ジョニーさん(米系日本人)が起業した会社。彩女はここで作られた。 社長を園長、社員を飼育員と呼ぶ不思議な会社。通称天才ジョニー動物園。 余談だが園長はジョニー、副園長はマイケル田中、あとの社員はダニエルとかジョージとかマーフィーとかたくさんいる模様。 でも純正日本人は少ない。なぜだ。 カスタムコンセプトは『とにかく動物。BLADEダイナミクスじゃやらないような動物。あとマッジョ~ラ可愛いの!』で現在十体ほど稼動しているらしい。 麒麟型やマングース型、カモノハシ型などどこかずれたカスタムを連発するメーカーである。 ライオン型はどこかの騎士にどこと無く似ているらしいが定かではない。他にも竹刀を持った虎型などが存在する。 ただし彩女は一品物のオーダーメイドで制作されており、同じタイプは存在しない。 ホワイトファング内における神姫バトル 基本はヴァーチャルバトルオンリー。 リアルバトルは出費がかさむしなにより神姫が傷つくのがいや、という人が多いためである。 筐体内に再現された戦場は現実とほぼ変わらない。そのため小道具(小麦粉やら車やら)も充実しているし、現実と同じように使用が可能である。 神姫の耐水性 塩水につからない限り基本は問題ないが、魚型やイルカ型以外は水に沈む。 魚型の素体を使用しているアメティスタは沈まない。 水遊びをした場合はきちんと拭いてあげましょう。 食事機能 コミュニケーション機能の一部として付加されているが、オプションであり普通の神姫にはまずついていない。 彩女はこの限りではなく初期状態から付加されている。 記四季の自給自足生活 基本自給自足な記四季の生活であるが調味料などはこの限りではない。 鍋などは流石に買っているし一応ガスも電気もネット回線もちゃんと通っている。ただし水は山の湧き水や地下水を使用している。 さらに山で取れる物(野草などの山の幸や熊とか猪の肉)やそれを使って作ったもの(陶器とか発酵食品とか漬物とか)を近所(山の麓)の人たちと交換したりしている。 ご近所さん(ほとんど老人)には仙人と呼ばれているらしい。 北白蛇神社 アメティスタが厄介になっている神社。 北の方から来た白い蛇を祭っているらしいが詳細は不明。 巫女さんズ 北白蛇神社の巫女その①(丁寧な方)とその②(がさつな方)。 姉妹で宮司である剛三の孫で現在高校二年生。 その①(丁寧な方)は漢方薬の調合や神事までこなすが、その②(がさつな方)は境内の掃除が主な仕事。うかつに何かをやらせるとすぐに壊してしまうためである(悪意無し)。 二人ともアメティスタの友人でありよき理解者である。 作中の舞台・記四季のご近所 田舎である。 2036年以降だというのにコンビニなんて当然のように無い。場所によっては携帯電話の電波が届かない。お隣さんが遠い。牛が平然と歩いたり田んぼがあったりとなんと言うか山と森に囲まれたド田舎である。 住民はほとんど高齢者ながら元気に暮らしている。二丁目の矢田さんはバーベルに挑戦しているしタバコ屋のタミさんは寒中水泳が趣味だったり。 作中の舞台・記四季の屋敷 竹山の中にある和風建築。 爺一人と神姫一人で暮らすには広すぎるため、未使用の部屋の一部を倉庫として使用しているらしい。 家から山を降りるまでは二時間。そこからいつものセンターまでは車と徒歩で一時間ほどかかる。 作中の舞台・神姫センター 街中にある普通のセンターである。記四季宅からは三時間ほどかかる。 神姫の武装に限らず神姫そのものも売っていてアフターサービスも万全。品揃えもよく品質もよし、ここにある神姫用医務室は有事に限らず対応や治療(修理ではない)が非常に丁寧だと評判。 ただし行くタイミングを間違うとスキンヘッドのオカマッチョに遭遇するため男の人にはちょっとデンジャー。 しかし女性客には非常に人気である。オカマッチョが。 作中の舞台・記四季の土地 天然記念物が平然と闊歩している天然動物園。 普段彼が住む竹山に始まり奥地には樹海が広がっている。しかし何も手入れをしていないためそこはまさに密林である。 たまにハイカーが迷い込むらしい。 白狼型MMS 彩女のタイプである。 本来なら白いスーツに白い武装を使うらしいが、彩女は紅緒装備が気に入ってるため使わない。 両手に装備したナックルや長刀を使い相手を翻弄する格闘型である。 本来神姫は程度の差こそあれ、格闘や銃撃などある程度の汎用性を見せる。しかし白狼型は火器管制を放棄。その代わりに近接格闘や原始的な武器(刀など)に対する適応性を大幅に上げている。 このため銃はまったく使えないが、近接戦に関しては最高スペックをたたき出すことが可能となった。 ジャンヌとルシフェル この二人は元々ホワイトファングの前に書いていた『ゼロウィング・アーンヴァル』の主人公だった。 オーナーの名前は『来栖ヘレナ(くるす へれな)』。女性なのに神父をやっているらしい。 余談だがジャンヌさんは少々百合のケがあるらしく、オーナーのヘレナとルシフェルは日々警戒しながら暮らしているとかいないとか。 奥義・零閃 彩女が使う技の一つ。要するに凄く早い居合いである。 基本彩女は居合いで戦うが、この零閃こそ二の太刀や防御を一切考えずに放つ最速の居合いとされる。 作中では明記されていないが、エアガンを使用した修業の後に更に加速。便宜上修行前を零閃、修行後を零閃改と呼ぶ。 アシモフコード ロボット三原則のことである。 アメティスタの予知能力 その能力は未来を視ること。 彼女はこの能力を使って神社で働いているらしい。 彼女が視た未来は常に改変が可能なため完全な未来予知とはいえない。だが彼女はそれで良いと思っている。 見ようと思って見る事もできるし見ないことも出来る。しかしたまに無理やり見せられてしまう事もあるようだ。 アメティスタの戦闘能力 皆無である。 勿論殴ったりヒレで叩いたりはできるがちょっと離れられると手も足も出ない。 そのため彼女は相手神姫にハッキング(ルールに抵触しない範囲のもの)をかけ、幻影(映像)を見せて相手の動揺を誘う。でも誘うだけなのでやっぱり戦闘能力は皆無。 だが相手が混乱した際に落とした武器(主に飛び道具)で攻撃する事でどうにか戦っている。 脚部の尻尾に関して“逃げない”という決意の証らしいが・・・ 彩女の体 カスタムメーカー製である彩女の素体は見た目こそハウリンであるが中身は別物である。 センサーの類は一切積んでおらず、五感全てを底上げしている。さらに学習面でもある程度のカスタムがされており、鍛えれば鍛えるほど鍛えたとおりに成長する。 内部の細かい部品等は無闇に高級なものではなく、壊れたさいにセンターに行けば部品がそろうように配慮されている。 ようするにありとあらゆるパフォーマンスがいい体なのだ。 予断だが頭の上についているのが彼女の耳であるが、単に滅茶苦茶よく聞こえる以外の機能は無い。ただし可聴域が他の神姫よりずば抜けているため、他の神姫には聞こえない音を聞き分けられるらしい。 余談も余談だが彼女が好きな曲はAI戦隊タチ○マンズである。 神姫バトル・イレギュラーキャンペーンバトル 開催地である各センター最強の神姫と対戦。 勝者には豪華賞品が!(そのときの商品の在庫状況による。場合によっては何か特別な権利である場合も)というキャンペーン。 ちなみにサラは候補に挙がったが落選。理由は砂漠のみ最強だと砂漠以外のステージに当たったときすぐ負けるから。 この手の企画には必ず都が一枚かんでいるらしい。 神姫バトル・PCを通したネットバトル 神姫を購入した際についてくるソフトをパソコンにインストールするだけ。 基本料金無料ながら、ステージの追加は課金制。 これさえあれば世界中のオーナーと対戦が可能になるが、動作が重いうえにステージが狭かったりグラフィックが甘かったりでメインに使用するユーザーは少ない。 どちらかと言うとチャットルーム(ティールームとも)の方に人気があり、ステージも『公園』 や『喫茶店』など戦闘とは関係ない場所になっており、神姫たちの憩いの場となっているようだ。 神姫バトル・大乱闘スマッシュシスターズ(製品版無双神姫) 基本はレースである。 参加する神姫のレベルによってコースが別れ、長いもので10kmほどの距離を完走する。 だが神姫を使用したレースと決定的に違う点は『障害物』が存在する点である。 この『障害物』は訓練用に用いられるネイキッド素体であるが、『障害物』は武装しておりその動きも訓連用とは比べ物にならないほど俊敏である。その上ネイキッドは無限に出現し、ありとあらゆる方向からプレイヤーを攻撃してくる。そのため前へと進むためには彼女たちを蹴散らすしかない。 道中には五つほど補給ポイントを兼ねた場所を通過する必要があり、一つでも漏らすとゴール扱いにならない。神姫の弾切れや武器が壊れた場合に備え、補給ポイントには弾丸や武器が常備してあるが補給時には隙が大きくなるため注意が必要。 基本は二人一組で挑むと良いだろう。 なおこのルールではどれだけ早くゴールに辿り着いたかも重要ではあるが、道中倒したネイキッドの数やスタイリッシュさも重要なポイントである。 上記の三つのポイントを総合したもので勝敗を決めるため、誰よりも早く辿り着こうとも敗北の可能性がある。 なお製品版では水中戦や空中戦などのステージも追加されており、それぞれのステージに応じた武装選択が勝利の鍵となる。 そして最後に。 最終ポイントは指定の座標には出現しない。最終ポイントと指定された場所に行くとオーナーとの通信が妨害され、ラスボスが出現する。 尚ボスは怪獣だったり巨大ロボだったりとセンターによって特色があるらしい。 記四季たちが行くセンターは・・・・ 簡単な時系列 ホワイトファングはハウリングソウルとクラブハンド・フォートブラッグの二年後の物語である。 そのためクラブハンドでは中学生だった春菜たちは高校生に、都は23から25歳に少し老けている。 ハウリングソウルを始点とすると、数ヵ月後がクラブハンド、二年後がホワイトファングと並ぶ。 七瀬姉妹の両親=記四季の子供 二人とも存命中である。 作中では未だに出番が無い謎の両親であるが、いたって普通な人達のようだ。 3Sが斬る! こちらで大人気(?)連載中のカルト的な人気を誇る謎番組。 夏ごろにDVDが発売予定らしい。 ハウリングソウル 彩女やハウに限らず戦闘好きに共通するもの。 共振する魂は彼女たちの意思に関係なく、ただ前へと進むためだけに炎を滾らせる。 作中の年数 2036年以降と言う意外とくに明確にしていない。 二年前の交通事故 都の恋人が死亡した飲酒運転事故。 彼女の目の前で轢かれたらしい。運転手は法の下に裁かれたが彼女は未だにこの事故を引きずっている。そのためか男に興味がなくなってしまっている(女性は恋人に近いところまで行くが男性は友人止まり。吉岡はオカマなので例外である) この事故が無ければ彼女はハウに出会う事ができなかった。 記四季の著作物 小説だったりエッセイだったり色々書いている。 一番新しいのが『レポート必勝法! おいしいカレーの作り方』と『狼と田舎暮らし』である。 記四季の交友関係 アウトドア引きこもりの割りに広い。 人間国宝がいたり某有名店舗の店主がいたりと、どこで知り合ったのか謎の知り合いが多い。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/239.html
《登場人物紹介》 橘 明人(アキース・ミッドナイト) CV 杉田智和 本編の主人公 数年前までは擬人体感戦闘プログラム、通称『レスティクラム』の世界大会にアキース・ミッドナイトと名乗りチャンピオンの座に君臨していたネット会のカリスマ そのときの異名『死の恐怖-スケイス-』は(数十年前の某RPGゲームからの由来)今だネット界に多くのファンを残している しかし、5年前に祖父である鳳条院 兼房の差し金でノアールのマスターとなってからは神姫のマスターとしての生活を始める 現在ランキング13位の凄腕マスターでメディアに出ることもしばしば 生計はランカーとしての収入や臨時で神姫バトルレクチャー教室などを行っている しかし平日でも暇なので商店街やエルゴ周辺にはよく出現する 最近なぜだか何でも屋みたいになってきているが… 基本的にめんどくさがり屋に見えるがなんだかんだで面倒見は良いのでなにかとランカー仲間も多い バトルの教育方針は『強い武装を身につける』ことよりも戦闘経験を積ませることによる『神姫自体の鍛錬』を重視している 容姿端麗で頭脳明晰だが、女性関係に疎い、ぶっちゃけ超ニブイのが玉に瑕な25歳 アルティ・フォレスト CV 奥田秋 明人の元恋人 日米のハーフ 言葉遣い的には上からものを言う常に偉そうなイメージだが、ホントは優しい性格 過去の二つ名は『誘惑の恋人』-マハ- 明人の後釜を継ぐようにレスティクラムの王座につくが、物足りなさを感じて引退する 現在、エリーと共に行動する事が多く、フェレンツェの研究所に居候している 神姫マスターとしての経験は長く米国リーグでは『Upper』クラスレベルと腕も悪くない 相棒はタイプストラーフのミュリエル 最近セカンドへ昇進 明人のいるファーストを目標に日々バトルに打ち込んでいる 鳳凰杯で経験を積みレベルアップ 葉月と同じ大学に留学生として通う 大学三年生 『俗物が!!』とか言いそうな23歳 フェレンツェ・カークランド CV 藤原啓治 『人と神姫のコミュ二ケーション』を題材に超極秘間で研究している国際的な大物研究者 MSS開発において主にバトルではなく日常生活の方面を担当していた開発者メンバーの一人 現在『人型神姫インターフェイス』による研究を行っていてノアールたちやランスロット、孫市の生みの親 しかし一般の家庭での生活状態におけるサンプルデータ不足に悩み、助教授である鳳条院 兼房の提案で明人にモニターを依頼することになる インターフェイス研究以外にも研究対象は多いらしく「(株)東杜田技研・小型機械技術研究製作部」(ちっちゃい物研)の研究には感銘を受けたらしい MMSショップ“ALChemist”の店長、槇野 晶 女子とは旧知の仲であるようだ 表面的には爽やかな紳士だが身内から見ると破天荒なマニアである 神姫を愛して止まない親バカな35歳(ちなみに妻子持ち) エリー・カークランド CV:桃井はるこ フェレンツェの娘 天才的な頭脳と金髪碧眼を父親から受け継いだ 元『八相』の『運命の預言者』-フィドヘル- アルティから明人のことで相談を受けていたのでアルティとの仲は良いと思われる 現在高校に通いながら父親の研究を手伝っているが、『バトル』方面に興味があるらしく自作の武装を明人やアルティの神姫にモニタリングさせている 将来的にはオリジナル武装ブランド名『えりぃじるし』(命名 フェレンツェ)として売り出すつもりだそうだ ちなみにミコの声とエリーの声は一緒だということからも自分の研究に娘の声を使うフェレンツェ博士はかなりの親馬鹿である事がわかる 彼女も自分の神姫を持っているようだが… 体は子供、頭脳は大人を通り越して天才!な17歳 鳳条院 兼房 CV 若本規夫 現在の日本を代表する技術会社『鳳条院グループ』の初代総帥 すっごい金持ちだがどこかオタクチックなお茶目なエロジジイ 実はフェレンツェ博士の研究には助教授としてだけではなくスポンサーも兼ねている ちなみに明人の祖母である妻・薫は健在である 『鳳凰カップ』など大掛かりなイベントをその場の思いつきで企画するなど色々と無茶苦茶な事をしでかすのだが、伊織と香憐には頭が上がらない しかし、いざというときには別人のような威厳を纏い皆の心を動かす大物人物 コネクションがとてつもなく広く、彼の『武器』の一つでもある 孫である明人を何とか跡取りにしたいと思っている75歳 鳳条院 葉月 CV 林原めぐみ 鳳条院家の令嬢にして明人の妹 私立龍ノ宮大学 二回生 あまりお嬢様気質という感じではない。 前からノアールとミコを持つ明人を羨ましがっていたので、念願の初神姫であるレイアをとても可愛がっている。 ランカーデビューしたてなので現在セカンドの下位にいるが、実力の程は明人も一目置いている 鳳凰杯にて最終トーナメントに残り、注目のランカーの仲間入りを果たす 幼いころから明人のことを慕っていて、いつしか兄妹以上の感情を持つようになった しかし、かろうじて周囲からは「極度のブラコン」程度に見られており、その真意を知る人間は兼房と香憐、昴のみである 明人、昴との人間関係で少し悩んでいる 「実は明人と義理の兄妹だった」という設定を夢見る20歳 水無月 香憐 CV 三石琴乃 鳳条院家に仕える執事兼、明人と葉月の教育係 本編で明人が「男物のスーツが宝塚歌劇団の男役張りに似合う長身の超美人」と表現する通り、髪は長めのポニーテールだがどこか「男前」と感じさせる風格の持ち主(本人はとても気にしているらしい) 明人や葉月、昴にとっては姉のような存在で、昔から四人姉弟のように育ってきた 「たくましくなられるように」と明人にレスティクラムを教えた、いわば明人の師匠でもある 本人も凄腕の実力者で、その異名は『惑乱の蜃気楼』-イニス-として知られる 兼房の命により『人型神姫インターフェイス』、孫市のマスターになると同時に側役として明人のマンションの隣の部屋に引っ越す 龍ノ宮 吟璽朗の孫娘、龍ノ宮 涼とは中学時代からの親友同士である 最近、結婚についてはできる限り考えないようにしている29歳 花菱 昴 CV 杉山紀彰 明人、葉月、香憐とは幼馴染の花菱財閥の跡取り息子 幼いころから明人たち鳳条院家とは家族ぐるみの付き合いといった感じで、ほとんど兄弟といっても過言ではない。 その関係からか、葉月とは双方の親同士が決めた許嫁同士ということになっているが…はたして昴自身はどう受け取っているのかはわからない 兼房の陰謀で『人型神姫インターフェイス』であるランスロットのマスターになった 実は過去にレティクラムの経験もあり、『増殖』の-メイガス-という二つ名を持つ お調子者と言うほどではないけれど飄々とした性格に見られることが多い 明人とは違い、女性関係には鋭いし顔もいいのでモテるのだが…調子に乗って痛い目にあうタイプな25歳 綾川 千沙都 CV 能登麻美子 明人のランカー仲間の一人 2036年におこなわれた第三回鳳凰カップ〈春の陣〉での優勝を機に頭角を現してから公式リーグ16位にまで上り詰めたファーストランカー その裏の顔は元八相、『策謀家』-ゴレ- 明人ではなく彼の裏の顔であるアキース・ミッドナイトに好意を持っているらしい 最近では神姫の冥夜(白雷)とともにフリーハッカーとして動いているとのこと しかし義賊のようなものなので悪名は立っていない ちなみに『惑乱の蜃気楼』-イニス-こと水無月 香憐とは昔から犬猿の仲である 誰の元にも属さない一匹狼気質 もう、色んな意味で一番怪しいこと間違いない…多分29歳 鳳条院 伊織 CV 立花 あや 兼房の娘で明人と葉月の母親 鳳条院グループ本社の社長でもある 基本的には過保護なようで、明人にはどっちが親なのかわからないぐらいに甘える 明人が実家から出ることに最後まで反対していた一人 桜に頼りっきりなようで仕事はかなりできる人 実の年齢より幼く見られることもあり、葉月とは友達親子のような感じである 葉月の明人に対する気持ちにも薄々気がついている様子である …親としてそれでいいのか? 最近のお気に入りはミラ いつまでたっても子離れできない45歳 水無月 桜 CV 香憐の母親にして鳳条院グループ本社社長秘書 伊織とは生まれてからの幼馴染で小学校、中学校、高校、大学と全て一緒であった 少し天然の入っている伊織を支える優秀なパートナーにして大親友 ちなみに明人と葉月の乳母でもある 鳳凰杯では全警備主任としてミラとともに多くの神姫とマスターのために戦った 明人のことを高く買っており実はその面では伊織よりも明人離れできていないのかもしれない 影では『鳳条の名参謀』とまで呼ばれている45歳 花菱 燕 CV 昴の母親にして花菱財閥の令嬢 大学生になる頃からアナウンサーの仕事に憧れ、夫である昴の父親に 財閥をまかせてフリーアナウンサーとなった 伊織と桜と幼馴染で小学校、中学校、高校までは一緒だった 三人揃えば『元祖かしましシスターズ』となるらしい… 現、かしましシスターズとの役割受け継ぎは 伊織→ミコ=ボケ 燕→ユーナ=ツッコミ&ボケ 桜→ノアール=ツッコミ と言った感じだろうか… 昴からしたら「肝っ玉かあちゃん」という感じなのだろう 類は友を呼ぶって感じでやっぱり若々しい45歳 龍ノ宮 吟璽朗(たつのみや ぎんじろう) CV 私立龍ノ宮大学の理事長しにて兼房の友人 気風が良く江戸っ子気質な性格で燻し銀 明人や葉月のことを自分の孫のように思っている 兼房同様、器はかなり大きい75歳 龍ノ宮 涼 CV 私立龍ノ宮大学 電子総合学部 助教授 元は情報科学部の助教授だったが今は電子総合学部に移っている 香憐とは中学、高校と同級生で何かと話題の二人であったらしい その関係や兼房と吟璽朗の関係もあって明人とは古い縁である 明人の大学時代の恩師でありいろんな意味で明人の『師匠』と宣言してる人 薫とともにフェレンツェの研究に参加している 明人が苦手とする人筆頭な29歳 紅柳 薫(くりゅう かおる) CV 私立龍ノ宮大学 電子総合学部 教授 明人の大学時代からの友人にして若くして大学教授となった天才 中性的な顔立ちと朗らかな性格で女性からの人気も高い 外見通りの大人しい性格だが芯は強い 自己の研究とフェレンツェの研究の方針が同じことから『人型神姫インターフェイス』の研究チームに加わっている 涼の上司のはずなのだが…な25歳 今居 加奈子 CV 私立龍ノ宮大学 3回生 武装神姫サークル会長 まん丸眼鏡に三つ編み、いかにもオタクチックでいて眼鏡をはずせばあら不思議 実は結構美人さんといかにもひと昔前のヒロイン的要素を持つ女の子 謙虚であまり人前には出たがらないタイプだがれっきとしたファーストランカー 飲み会では「底無しの今居」という二つ名をもつ21歳 草薙 雄也 CV 水島大宙 明人の古くからのランカー仲間の一人 古くからのバトル参戦で実力的にはリーグの中間 相棒のヴァッフェバニーのリャンは最近少しスランプ気味で セカンド下位にいる 臨時神姫バトルレクチャー教室なども引き受けている 趣味はナンパだが現在連敗中で彼女募集中な21歳 メインページへ
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/23.html
入手条件 性格 声優 デザイナー 機体解説 素体性能プラス補正アビリティ マイナス補正アビリティ ライドレシオMAX時の上昇能力 固有武装装備時ステータス イベント EXカラー髪 瞳 入手条件 ゲーム開始時に購入可能。 性格 真面目な優等生といった感じの性格。 誰にでも丁寧に接するため人当たりは良く、そこらの人間よりもずっとコミュ力が高い。が、冗談が通じない。 何事もそつなくこなすが、微妙にドジな面があるのはお約束。 バトルへの参加も積極的で、現状に満足することなく、あくなき向上心を見せる。 神姫ショップの店員のお勧め神姫であり、曰く「嫁さんにするのにお勧めな神姫」。 + 戦闘前セリフ一例 ネタバレの恐れあり。 「呼んでみただけでした~。えへ~」「か、かわいいですねあの子…。同じアーンヴァル型なのに、なんだか妹みたいです。あとで頭なでさせて貰えないでしょうか!!」(vsダーリン) 「マスターはどれくらいのサイズがお好きですか? いえ、今後の参考というか、なんというかですね、ちょっと聞いておきたいじゃないですか!」(vs時速30Km) 声優 阿澄佳奈(ひだまりスケッチ:ゆの、WORKING!:種島ぽぷら、這いよれ!ニャル子さん:ニャル子、ささみさん@がんばらない:月読鎖々美、他) デザイナー 島田フミカネ(ストライクウィッチーズ、メカ娘等) 機体解説 名称:天使型MMS アーンヴァルMk.2 / アーンヴァルMk.2 フルアームズパッケージ (MMS Type Angel ARNVAL MK.2 / FULL ARMS PACKAGE) メーカー 素体:FRONT LINE 武装:FRONT LINE 型番:FL016 (FLO16とする記述もある) フィギュア発売:2010年7月15日(バトルマスターズ同梱)/2011年9月22日(フルアームズパッケージ)(バトルマスターズMk.2同梱) (初期モデルのアーンヴァルは2006年9月7日発売) 主な武装:M8ライトセイバー(2本を組み合わせてダブルソード状態にもできる) GEモデルLS7レーザーソード(腕に固定する大型ソードだが、大型過ぎて取り回しに難あり。バトマスではパイルバンカー扱い) GEモデルLS9レーザーソード(上記ソードの欠点を解消した、手持ち式の大型ソード) リリアーヌ(ビット) ココレット(ビット) アルヴォPDW11(ハンドガン) アルヴォPDW11エクステンド(PDW11に装着する銃剣アタッチメント) GEモデルLC5レーザーライフル GEモデルLC7レーザーキャノン ラファール(パーツの組み替えで生成する支援機。名前はフランス語で「疾風」を意味しており、同名のフランスの戦闘機も存在している) ※なお、彼女の武装アルヴォPDW11(ハンドガン)は同じフロントライン製神姫、天使コマンド型ウェルクストラの所持武装とまったく同名である。こちらはDLC武器「アルヴォPDW11+アルヴォGB1ガンマウントブレイド」として収録されている。バトルロンドでもそうだったのでこの一致はミスなのか意図的かは不明。 FRONT LINE社のベストセラー機種アーンヴァル系列の最新モデル。 初期モデルのアーンヴァルは、改修、追加パーツによるアップデートが限界を迎えていたため、 素体を3rd規格で新造し、武装の機能を統合パッケージ化したもの。 初期モデルが戦闘スタイルによって選択していた単能武装を、個々のパーツに複数の機能を持たせることにより、 一体の神姫が無理なく使えるサイズにまで小型化している。 スペック的には、これまで苦手としていたクロスレンジ戦闘能力が特に強化されマルチロール化した反面、 単純な直線加速力、最高速度などは初期モデルに劣る。 また、アーマーパーツは組み合わせて支援機「ラファール」として運用可能であり、幅広い戦術を選択することが可能となっている。 本モデルはリリース後も随時仕様のアップデートを行っており、2041年時点においてはロールアウト時と比較して 多彩な武装が可能となっている。新たな追加装備としてバリエーション機であるテンペスタ(FL016/T)で試験的に採用された大型ウイング、 脚部バランサーなどのパーツを同機の実績により正式導入。更に既存火器の機関部を流用した大型ソード・GEモデルLS9レーザーソード、 長距離用ランチャー・GEモデルLC7レーザーキャノンを採用し、クロスレンジからロングレンジまで広い範囲において攻撃力が上昇している。 基本AI設定は初期モデルを踏襲した素直なものとなっており、初心者オーナーでも扱いやすい神姫と言える。 上の解説にあるとおり、武装神姫第1弾として発売された天使型アーンヴァルの正統後継機なのだが、 フィギュアは(ストラーフMk.2と共に)ノーマル版(上記のロールアウト時)はバトマス特別版、 フルアームズパッケージ版(上記の2041年時点)はバトマスMk.2特別版のおまけ(というか、大きさからしてゲームの方がおまけ)という 特殊な流通形態(どちらの特別版も、コナミスタイル限定販売)を取ったため、入手手段が限られてしまったという経緯を持つ。 (リペイント版であるテンペスタが一般流通するという、これまでの「ノーマル=一般流通 リペイント=限定流通」とは逆のパターンと なったのはこのためでもある) 2012年現在、正規ルートでは新品のアーンヴァルMk.2の入手は不可能と言っても良い(棚卸し等のイベントで一瞬、限定版が復活することはあるが、 大体が訓練された武装紳士達に一瞬で瞬殺されるため、神姫初心者が入手できる可能性は限りなく低いと言わざるを得ない)。 なお、3rd素体で一新した素体、さらにおそらくは武装神姫史上最多数の武装パーツにより、プレイバリューは歴代神姫の中でも屈指であると言え、 さすがはフロントライン社のフラッグシップモデル、と呼べる出来になっている。それだけに重ね々々、限定流通なのが悔やまれるところである。 素体性能 LP ATK DEF DEX SPD 400 45 45 7 4 プラス補正アビリティ 大剣、ランチャー+1 マイナス補正アビリティ 浮遊機雷-1 ライドレシオMAX時の上昇能力 防御力,武器エネルギー回復速度,スピード 固有武装装備時ステータス + 一刀両断・白 LP 5739 SPD 41 DEX 67 CHA 224 DEF 621 火器 -5% 光学 10% COST 418 アビリティ クリティカル率+2 防御力-2 ジャストガード-2 ブースト性能+2 ダッシュ性能+1 ロック範囲+2 スピード+3 DEX+2 CHA+1 LP-1 SP+1 大剣+1 浮遊機雷-1 ランチャー+1 ミサイル+1 空いている武装:武器2つ、スカート、シューズ、シールド、アクセサリー3つ + 一刀両断・白EX LP 9498 SPD 66 DEX 109 CHA 356 DEF 1028 火器 -5% 光学 10% COST 924 アビリティ クリティカル率+2 防御力-2 ジャストガード-2 ブースト性能+2 ダッシュ性能+1 ロック範囲+3 スピード+5 DEX+3 CHA+2 LP-2 SP+1 大剣+1 浮遊機雷-1 ランチャー+2 粒子BLST+1 空いている武装:武器1つ、スカート、シューズ、シールド、アクセサリー3つ + グランニューレ LP 5736 SPD 40 DEX 67 CHA 225 DEF 623 火器 -17% 光学 35% COST 326 アビリティ クリティカル率+2 ジャストガード-2 ブースト性能+2 空中ダッシュ+1 ロック範囲+4 スピード+2 DEX+2 CHA+2 LP-4 SP+2 大剣+1 浮遊機雷-1 ランチャー+1 空いている武装:武器3つ、スカート、シューズ、アクセサリー3つ + グランニューレEX LP 9496 SPD 63 DEX 109 CHA 359 DEF 1030 火器 -22% 光学 45% COST 599 アビリティ クリティカル率+2 ジャストガード-2 ブースト性能+2 空中ダッシュ+1 ロック範囲+5 スピード+2 空中ターン+1 DEX+3 CHA+5 LP-4 SP+2 大剣+1 浮遊機雷-1 ランチャー+1 空いている武装:武器3つ、スカート、シューズ、アクセサリー3つ イベント + ネタバレ 発生条件 イベント名 備考 初試合後 初バトル Love4 試合後 どうでしたか? Love7 試合後 『目』がわりの神姫 Love9 自宅 お役に立ちたくて Love12 自宅 謎の行動 Love14 ゲーセン・バトル勝利後 気になる情報 『気になる情報』発生後 ショップ バグの存在 上の選択肢を選ぶと、選択やり直し Love16 ゲーセン・バトル勝利後 絶好調です Love18 ゲーセン・バトル勝利後 大丈夫です Love20 ゲーセン・バトル勝利後 彼女の決意 上のイベント後、ゲーセン・バトル勝利後 誓い 上のイベント後、ゲーセン・バトル勝利後 これから、ずっと Love22 ゲーセン・バトル勝利後 リッキィのお使い Love25 ゲーセン・バトル勝利後 欠かせないチェック Love27 ゲーセン・バトル勝利後 消えたリッキィ Love29 ゲーセン・バトル勝利後 鋭い目つきの男 バトル有り(vs千駄ヶ谷伸郎 ウォルフガング) Love30 ゲーセン・バトル勝利後 お手合わせ願います バトル有り(vs永山早苗 リッキィ) EXカラー 色は編集者からみた色で、人によって見え方は異なります。 髪 A 金髪(デフォルト) B クリーム色 C 紫髪 瞳 A 青(デフォルト) B 赤 C 緑
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2838.html
ぶそしき! これから!? 第2話 『イキトウゴウ?』 2-2 「マスター、もうすぐ時間だぜ!」 「も、もうすぐ………………着いた!」 急いで神姫センターに駆け込む1人と1姫。 「はぁ、はぁ……、探すのに夢中になりすぎちゃったね」 「バトルに使えそうなのを探すのに、時間とりすぎたよなー」 友大とヒイロは家に戻った後、昼食やら探し物やらしていたら、約束の時間が迫っていたのだった。 「ええと、どこかな?」 出入り口のところから周りを見渡す。 「……」 神姫センターには今日も性別年齢服装様々な人たちが来ている。 だが、少年の見知った姿は見当たらない。 「いないなー。チャオとそのマスター」 ヒイロが友大の頭に上り、周りを見渡してみるが、チャオと成行は見つからないようだ。 (そ-いえば、神姫センターの『どこで』まち合わせをするか決めていなかったような……) 友大は周りを見渡す。 神姫センターは広く、人も多くて人探しは一苦労しそうだ。 (もしかしたら、成行さん達はまだ着いていないかもしれないから、ここで待っていたほうが良いかもしれない。……いや、もう着いて僕たちを探しているかもしれない。もしそうだとしたら、ここにずっといるのも……) 思わず友大は悩んでしまう。 「すいませーん。ちょっと人探してるんだけどー」 (ヒイロ!?) 人見知りで思い悩むマスターとは裏腹に、その神姫は即行動に移る。 「はい。何でしょうか?」 フライトユニットで人々の上を飛び回っていた天使型MMSの店員神姫が、ヒイロとそのマスターの所へ降りてくる。 「あ、あなたは――」 友大少年の前に来た店員神姫が、なにかに気づいたように声をあげる。 「3日前に尋ねられて来られたお客様?」 「……え、あ! もしかしてアリシア、さん?」 少し考え込み、3日前に出会った天使型MMSの神姫のことを思い出す。 「アリシアでいいですよ、お客様」 相変わらずのニッコリとした営業スマイルを見せる。 「それとお客様、神姫のマスターになられたんですね。おめでとうございます! なにかお困りのことがあったら、なんでも聞いてくださいね」 ヒイロの姿を確認し、よりいっそうにっこりとしたスマイルになる。 「よっす! 佐伯友大の神姫のヒイロだ。さっそくで悪いんだけど、人探ししてるんだ」 ヒイロが物怖じすることなく、会話に入る。 「うん、待ち合わせの約束をしてるんだけど、チャオって猫型神姫のマスターの成行さんって、もう神姫センターに来てるのかな?」 「チャオと成行さん、ですか……」 アリシアは少し考え込む。 子ども同士のことだし、教えても問題ないと判断する。 「まだ、こちらに来られていないようです。 ですが、行き違いにならないように入り口のベンチで待つと良いと思いますよ」 「そうなんだ、ありがと」 「ありがとなー」 実はこっそりとチャオについているGPS機能から検索し、位置を把握したのだ。 子供に神姫を買い与える場合、防犯などのために神姫にGPS機能をつけておく親が多い。 アリシアはそれを活用したのだ。 無論、それらがばれないようにさりげなくアドバイスをする。 「どういたしまして、お客様。 ところで、成行さんのチャオとは神姫バトルをされるのですか?」 ふと笑顔のアリシアが逆に友大とヒイロに尋ねる。 「そーだぜ。チャオとバトルしようって約束したんだ」 「そうなんですか! あ、差し出がましいかもしれませんが、始めはヴァーチャルバトルで勝負した方が良いですよ。リアルバトルはパーツの損傷や消耗でお金がかかりますから」 アリシアが驚いた表情をするが、すぐに笑顔に戻ってアドバイスをする。 「うん、そうするつもりだよ。店長さんや初めて対戦した人にも言われたし」 「そうですか。お客様、神姫バトルを楽しんでくださいね」 心なしか、アリシアが一瞬安心したかのような表情を見せる。 「うん、ありがと」 「ありがとなー」 友大とヒイロはアリシアと別れ、出入り口のベンチに向かう。 ■ ■ ■ 「ご、ごめん!」 「ま、待たせたのだー」 ちょうど友大とヒイロが出入り口側のベンチに着いたときに、成幸とチャオが神姫センターの出入り口に駆け込んでくる。 友大とヒイロを見つけ、すぐに遅刻してきたことを謝る。 「き、気にしないで。あの、だいじょうぶ?」 友大が心配そうに成行達に声をかける。 「はぁ、ふぅ、だ、だいじょうぶ。武装が、まだつ――」 「――ごめんなのだ! 武装パーツの用意で遅くなってしまったのだ!!」 息をきらして喋りにくそうなマスターに代わるかのように、チャオが大きな声をあげる。 「気にすんな。こっちもバトルに使えそうなの探して遅れそうだったんだ」 少年のような笑い声をあげて、ヒイロが言ってのける。 「ヒイロの言うとおり、本当に気にしなくて良いよ。 ……あ、そうだ。バトルはヴァーチャルの方で良かった?」 「う、うん……」 息を整えつつある成行が返事をする。 「よし! ならヴァーチャルバトルの筐体に行くのだ! 何度か来たことがあるから、場所を案内するのだ」 マスターとは裏腹にチャオが元気よく先頭に立ってヴァーチャルバトルの筐体がある所に向かう。 ■ ■ ■ 「こっちはOKなのだ!」 「こっちもいけるぜ!」 チャオの案内で迷うことなくヴァーチャルバトルの筐体がある場所に到着し、空いていた筐体でバトルの準備を行う。 神姫達はすでに神姫参戦用のリフトに乗っている。 「……」 もうすぐ、友大とヒイロにとって2回目の神姫バトルが行われる。 (……よし! と、あれ?) 気合を入れようとしたところ、対戦相手である成行から通信が入る。 『佐伯君――』 少し照れるような、期待するような 『――楽しいバトルをしようよ!』 楽しいことを前にはしゃぐような、明るい声が聞こえる。 「うん!」 相手に応えるように、友大は大きく応える。 ――各データの読み込み終了 レギュレーションチェック……オールクリアー フィールド:闘技場 モード:1vs1バトル バトル……スタート―― ■ ■ ■ 「よし、バトルだ!」 仮想の世界に作られた大理石造りの建物が視界に広がる。 今から戦うための場所と、無人の観客席を認識できる。 そんな場所にデジタルな身体を与えられて出現したヒイロが、現れるなり気勢をはく。 「ひさびさのバトルなのだ!」 同時に、チャオもデジタルな身体を与えられて仮想の空間に出現する。 「「!」」 互いに視認できる位置に現れた2姫が同時に気づき、対峙する。 「「……」」 相手の姿を確認、しばしにらみ合う。 そして、先にチャオが行動を起こす。 「……ヒイロ、1つ言いたいことがあるのだ」 「……奇遇だな、オレもだぜ」 同時に足を相手に向かって踏み出し、腕を突きつける。 「「――なんだよ/なのだ、その武装ーー!!」」 示し合わせたかのように、同じような叫びが仮想の空間に響き渡る。 「アーマーもなしに出るとは、バトルをなめすぎなのだ!」 チャオが指を突きつけた先のヒイロの格好は、いつも見につけている赤いマフラーだ。 それに加え、何かのプラモから剥ぎ取ったと思しきプラ製のハンドアックス、マシンガン、バズーカー、そしてそれらの武装を身体にくくりつけるためのヒモだけだ。 「オレは素体だけでマスターの元に来たし、防具にできそうなの手に入らなかったから仕方ねーだろ!!」 悔しさか怒りか何かをぶつけるように、闘技場の石畳を足で踏み鳴らしてヒイロが叫ぶ。 『……なんか、ごめん』 自分の神姫の叫びを聞いて、友大はなんとも居たたまれない気持ちになる。 「ま、マスター!? マスターは悪くないんだ!! ――って、そ、それはそーと、おまえだってどうだよ!」 ヒイロが突き抜けよと言わんばかりの勢いで、チャオを指し示す。 突きつけられた先のチャオの格好は、筐体に入る前から着けていた首の鈴と尻尾に、マオチャオのセットに予め入っている武装パーツの足の天舞靴と頭の鉄耳装、それに左手の防壁と右手の研爪だ。 マオチャオの武装で特徴的なドリルや大きなボディアーマー、そしてプチマスィーンズの姿はない。 代わりに―― (……ろくにアーマーのないヒイロよりはマシなんだろうけど――) チャオとヒイロの格好を改めて確認した友大少年が、なんとも複雑な面持ちになる。 言葉には出さないことが、ある意味少年の胸中を表している。 「なんだよ! そのアーマーー!!」 知ってか知らずか、自身のマスターの胸中をヒイロはある意味代弁する。 「こ、これはマスターがチャオのために、指にケガをしながら作、作ってくれたものなのだ!」 チャオが着ているアーマーは、ポップで手作り感満載な代物だった。 正確に形が揃っていないパーツ片と縫い目が、「チャオ」と胸部の部分にペンで書かれた名前が、見るものになんともいえない思いをさせる。 『……こっそりおばあちゃんのさいほう箱と生地を使ってなんとか作ったの。初めてだったから見た目は良くないけど……』 『そ、そうなんだ……。うん、初めてだったら、仕方ないよね』 自身のマスター達の通信をよそに、チャオが大声で言い切る。 「笑われたり、馬鹿にされたり、同情されたり、哂われたり、されるかもしれないけど、マスターがチャオに作ってくれたものなのだ! 大切なものなのだ!! ………………きっと」 「『『……』』」 チャオの叫びが仮想の空間に響き渡る。 壁に、建物に、空間にと広がったそれに、すぐに答えるものはいない。 「『『……ごめん』』」 数瞬の沈黙の後に、2人と1姫の声が重なる。 『ごめん、チャオ。ひどいマスターで、ごめんなさい。おばあちゃんにお裁縫を教えてもらって……いつか胸を張って着られるものを作るから』 「ま、マスター!? 何でマスターが謝るのだ!? ちゃ、チャオは、チャオは何か酷いことをしてしまったのか!?」 (……うん、ある意味) 罪悪感と決意に震えるマスターと慌てふためく神姫の声を聞き、友大は胸中で呟く。 (なんか、バトルする雰囲気でも気分でもないし、どうしよう?) すっかり消沈してしまった思いを胸に、友大が考えあぐねる。 「よし、バトルだ!」 赤いマフラーを翻し、 闘技場の石畳を踏み鳴らしたヒイロの気合が空虚な闘技場に響き渡る。 「なんかグダグダしちまったけど、バトルして吹っ切れようぜ!!」 『ヒイロ……』 ニカっと笑った自身の神姫の顔を見やる。 「そ、そうなのだ! バトルして、このなんともいえないふいんきを吹き飛ばすのだ!!」 チャオがえいえいおーと気合を入れるかのように右腕を突き出す。 『そ、そうだね。チャオが、せっかくやる気を出してくれたんだし――』 自身の神姫に叱咤されたかのように、そのマスターが立ち直る。 『――佐伯君。改めて、楽しい勝負をしようよ』 『うん、改めて、楽しい勝負をしよう』 前へ / 次へ トップページ
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1107.html
作者・◆DuWpHWx8tA 氏 内藤泰弘キャラ・バトルロワイアル本編 内藤泰弘キャラ・バトルロワイアル本編SS目次・時系列順 内藤泰弘キャラ・バトルロワイアル本編SS目次・投下順 内藤泰弘キャラ・バトルロワイアル追跡表 内藤泰弘キャラ・バトルロワイアルの参加者名簿 内藤泰弘キャラ・バトルロワイアルの参加者名簿(ネタバレ) 内藤泰弘キャラ・バトルロワイアルの死亡者リスト 内藤泰弘キャラ・バトルロワイアルの支給品一覧
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/120.html
3Dバトルアクションゲーム『武装神姫 BATTLE MASTERS』及び 続編『武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2』について語るスレです(質問・対戦募集OK) 基本sage進行 荒らしはスルー厳守(触れた時点であなたも荒らし) 次スレは 950が立てる(無理なら代理指名/重複防止のため宣言してから立てる) 《公式》 武装神姫 公式サイト https //www.konami.com/games/busou-shinki/ 武装神姫 公式Twitter https //twitter.com/Busou_Shinki/ 武装神姫 BATTLE MASTERS https //www.konami.com/games/jp/ja/products/site/bs_psp/ 武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2 https //www.konami.com/games/jp/ja/products/site/bs_psp_mk2/ 《攻略Wiki》 武装神姫 BATTLE MASTERS wiki https //w.atwiki.jp/busou_bm/ 武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2 wiki https //w.atwiki.jp/busou_bm2/ 《姉妹スレ》 ■武装神姫 PART741(本スレ) https //mevius.5ch.net/test/read.cgi/toy/1606307495/ 武装神姫 AP BC 2(バトコン専門スレ) https //mevius.5ch.net/test/read.cgi/arc/1604801110/ ■武装神姫_BATTLE_RONDO>>PART_389(バトロン専門スレ) https //medaka.5ch.net/test/read.cgi/mmominor/1383209379/ 《前スレ》 【PSP】武装神姫 BATTLE MASTERS 総合 PART 189 https //krsw.5ch.net/test/read.cgi/handygame/1513344248/ 《アップデート》 Mk.2には修正パッチが配布されているので必ずアップデートしてください 手順はMk.2公式サイトの「アップデートについて」ページを参照 アップデートで新たに発生するバグもあるので攻略Wikiで確認推奨 《よくある質問》 攻略Wikiに掲載してあるのでスレ内での質問の前に覗いてみましょう
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/417.html
苛烈なる少女?と、目覚めし神の姫 武装神姫。2030年代においてホビーとして多大な人気を誇る、 次世代ロボット・MMSの発展系として生まれた“神の娘”達。 彼女らの人気は、技術躍進がない限り揺らがないとも言う。 「ですからええと、ですね?規約は満たしてるんですが」 「何だ。言いたい事があったらさっさと言えばいいだろう!」 「その、まず“解除”に要する基準は問題なくクリアです」 秋葉原神姫センター8階、KONMAI事務局東京支部の一室。 ここで私は、なかなかに手強いカタブツの審査官と戦闘中。 流石に、“彼女”の先進性はイレギュラーらしい。満足。 「でも……“リーグ”に出すなんて正気です、槇野晶さん?」 「当たり前!重量級と軽量級。規約内と自分で認めたろうが!」 「確かにそうですけど、やぁ。どちらもギリギリなんですよ」 おおっと、申し遅れた。私は槇野晶、レディに年は聞くな? 私は万世橋警察署の近く、つまりアキバに店を持ってるぞ。 MMSショップ“ALChemist”。オーナーではないが店長だ。 「リアルバトル、ヴァーチャル。どちらも安全基準はッ」 「クリアです。ただどちらも自作パーツの割合が……」 「5割9分台!他は正規品の流用。文句あるの!?」 「だから、それがギリギリって言ってるんですよ」 “彼女”は、規定上のありとあらゆる制限はクリアしている。 無論“プロテクト”の解除用件はとうの昔に満たしている筈だ。 戦闘もランク移動に装甲換装を要するが、条件は皆同じだろう。 恐らく最大の問題は、アレだ。形態移行。(フォームシフト) 「こんな多段変形するパーツなんて、聞いた事ないですよ……」 「ツガルタイプオプションだって装甲を変形させるだろう!」 「え、ええ……ただ、ここまで改造しちゃうと今後が……」 構わない!と言って私は机を叩いた。これでも私は一端の 神姫職人──マイスターだ。あらゆるパーツを規約範囲内で 調整・改造・作成し、求めるユーザーに提供する技術者だ。 ならば、その魂を込めた“彼女”への責任も、当然──。 「全て、私が自己責任で調整していく。文句あるの?!」 「わ、分かりました……参加審査は、変わりませんからね?」 「誰が何時基準を甘くしろと哀願したか、このオヤジめッ」 奴は悪態を付きながら書類を作りだした。よし、まずは一歩。 無機質な検査用共通クレイドルに寝かされていた、私の伴侶。 そう、彼女をそっと優しく起こしてやろう。彼女は大切な……。 「おはようございます、マイスター♪」 「おはよう。よく眠れたか、ロッテ?」 ──────“妹”であるのだから。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2119.html
ウサギのナミダ ACT 1-8 □ 「……落ち着いたかよ?」 ほれ、と言って、缶コーヒーを俺の方に差し出す大城。 今日は大城に迷惑をかけっぱなしだ。 路地裏で泣き叫んでいた俺を、何とかなだめすかして、近くの公園のベンチまで連れてきて、座らせてくれた。 ゲーセンで暴れようとした俺を止めたのも大城だし、今もこうしてコーヒーを買ってきてくれた。 「……すまん。今日は、迷惑をかけた……」 自分の声か、と一瞬疑うようなガラガラ声。 「まったくだぜ」 苦笑しながら、缶コーヒーのプルタブをあける。 そういえば、喉がカラカラだ。 俺も大城にならって、缶コーヒーをあけた。 独特の甘苦い味が喉を通り過ぎると、不思議と心が落ち着いた。 俺はやっと、大城をまともに見ることが出来た。 革ジャンに、ジャラジャラつけたシルバーアクセ。 相変わらずヤンキーに見える格好だが、優しげな視線を道の向こうに投げている。 肩には、大城の神姫・虎実が乗っている。 なんだか心配そうな表情で、俺を見ていた。 ……虎実にまで心配されるようじゃ、しようがないな、俺は。 今日の俺はどうかしている。 こんなに感情的になったのは、生まれて初めてだった。 歯止めがはずれて、自分の衝動を満たす以外のことは、どうでもよくなる感じ。 俺はかぶりを振った。 まったく俺らしくない。 「……話せよ」 「え?」 何の前触れもなく、大城が言った。 「お前とティアのこと、全部話してみろよ」 「……いや、しかし」 「そうやって溜め込むから、あんなふうに暴発しちまうんだぜ?」 「……」 「それによ……俺がお前の友達だって自惚れさせてくれや」 大城は、にっ、と歯を出して笑った。 いい奴だ、と思う。 「……俺の恥をさらすようなもんだけど」 そう前置きして、まとまらない頭をなんとか回転させながら、ぽつぽつと話し始めた。 ティアとはじめて出会ったときのこと、話したときのこと、ボディを交換し、マスターの登録をしたこと。 オリジナルのレッグパーツを武装にするために、様々な訓練をしたこと。 ティアを公園に連れだしたときに、あいつが笑ったこと……。 取り留めのない俺の話を、大城は相づちを打ちながら、辛抱強く聞いていた。 「俺は……結局俺は、自分のことしか考えていなかったんだと思う。ティアが武装神姫になりたいかどうかなんて考えもしないで……。そう言う意味じゃ、あの井山の奴と変わらないのかも知れない」 「そんなことねぇよ」 大城が、俺の方を向いて、ごく真面目な表情で言った。 「ティアが本当に武装神姫になりたくないんだったら……あんなふうに戦えるもんかよ。いつも必死で、お前のために戦っていることくらい、端から見てれば誰にでもわからぁ」 「……今回は、みんなに否定されたけどな」 俺が自嘲気味に言うと、大城は苦い顔をした。 「……すまねぇ。俺に言う権利はない言葉だったかも知れねぇ」 「わかってる、大城、お前を責めてるわけじゃない」 そう、むしろ大城は言いにくいことを言ってくれて、暴れそうになった俺を止めてくれて、今は俺の愚痴を率先して聞いてくれている。 感謝こそすれ、責める筋合いなどあろうはずがない。 だが、ゲームセンターの連中の反応もまた現実だ。 大城はわかってくれていても、他の連中はわかってくれない。 俺達二人では、もうどうにか出来る問題ではないのだ。 俺の口から、独り言のように言葉が転げ出た。 「いっそ……バトルロンドをやめるか……」 「え?」 「そうすれば、ティアは傷つかなくてすむ……ティアのことを考えれば、それが一番なんだろうな。 俺は、ティアがこれ以上貶められてまで、バトルする必要がないんじゃないかって……そう思いはじめて」 「だめだ、そんなの!!」 いきなり大声で叫ばれて、俺はびっくりした。 大城も目を見開いている。 叫んだのは、虎実だった。 怒ったような、困ったような、必死の表情で、大城の肩から俺の方に身を乗り出していた。 「ティアがバトルをやめるなんて、絶対にだめだ! だめなんだ!!」 「な、なんでだよ……」 「だって……アタシは……ティアともう一度戦うことが、目標なんだからっ!!」 ……なんだって? 「いや、そんなこと言ってもな……だっていままで、ティアと戦おうとしなかったじゃ……」 「ちがう、ちがうんだ! アタシは……っ!」 「あー、虎実はさ、ティアに憧れてたんだよ。ああいう神姫になりたいって、な」 興奮している虎実に代わって、話す大城。 ……なんだって? 虎実がティアに憧れてる? 「初耳だぞ、それ……」 「そりゃあまあ、話したのは初めてだしな」 真剣な表情の虎実とは対照的に、大城はにやにやと笑いながら言った。 「遠野、俺達がはじめてバトルしたときのこと、覚えてるか?」 「……まあ、な……」 「あんときは、俺達もはじめての負けで、頭きててよ……そりゃそうだろ、しこたま武装積んでるのに、ライトアーマー程度の軽量級に完敗だったんだから。 しばらくは、地団太踏んでたもんさ。 ……でもな、頭が冷えてくると、わかってきた。あの装備で勝てるってことが……少なくとも、俺達の奇襲をとっさにかわした技量が、どれだけすげぇのかっていうのがさ」 俺は思い出す。 虎実が、ハイスピード仕様にしたファスト・オーガを操り、飛び込んできたティアに向けて、フロントをバットのごとく振り出した奇襲。 あの時の回避はティアのアドリブだった。 大城は、缶コーヒーを一口飲み、話を続けた。 「それで……虎実は言った。 自分も、あんな風に、技で勝負できる神姫になりたい、ってな。 技を磨いて、独自の戦闘スタイルを確立して、オンリーワンの神姫を目指したい……ティアのように。 自分に納得のいく戦いが出来るようになったとき、もう一度ティアと戦いたい……それまでは、ティアとやりたくないって、そう言ったのさ」 俺は虎実を見た。 必死の表情で俺を見つめている。 「まあそれで、俺達は俺達なりの戦い方を身につけようとしてんだ。武装も、前みたいにしこたま積むんじゃなくて、戦い方に合った武装を絞り込んで……それで、今じゃランバトにも参戦してるんだぜ? ゲーセンのランバトで納得のいく結果が出せたら、改めてティアに挑戦するために」 「だからっ……! ティアにバトルをやめられちゃ困るんだ! 頼むよ、トオノ! きついのわかるけど、バトルはやめないでくれよ! もう一度、アタシとティアを戦わせてくれよ! 頼む、頼むから……!」 虎実の必死の懇願に、俺は当惑しながらも感動していた。 嬉しかった。 俺とティアが積み上げてきたことを、こんな風に思ってくれる神姫がいるとは。 「けどな……」 だけど、現実を見つめ直せば、そんな想いにも影が差す。 「そう言ってくれるのは嬉しいが……今は俺達がバトル出来る場所さえない……」 「……だったら!」 虎実は決然と言い放った。 「アタシはランバトで一位を取る! 三強も全部倒して、あそこで一番強い神姫になってやる! それで、ティアをバトルの相手に指名する! それなら、誰も文句は言えない……言わせない!!」 それはまるで誓い。 強い強い決意だった。 そこまでティアを信じてくれるのか。 「ありがとう、虎実……」 その想いを無視することなんてできない。 バトルロンドのプレイヤーであるならば、その想いに応えなくてはならない。 「俺達は……バトルをやめない。虎実と戦うまで、諦めない。 そして、虎実が納得のいく戦いが出来るようになったとき、必ず挑戦を受ける。 ……約束するよ」 「トオノ……」 つぶやいた虎実の瞳から、雫が一筋、小さな頬を流れ落ちた。 「虎実……?」 それが合図だったように、虎実の両の瞳から涙の雫が次から次へと溢れ出てきた。 ついに顔をグシャグシャにして、虎実は泣き出した。 「ティアが……ティアが、かわいそうだ……あ、あんなこと……されてっ……つらくないはず……ねぇしっ……な、なのに……あんなこと、言われて……っ おかしいだろっ……ゲーセンの……連中は……わ、わかってるはずだろっ……ティアと戦えば、戦ったヤツは、わかるはずなんだ……! すげぇ頑張って……身につけた、技なんだって…… な、なのに、あいつらっ……ちくしょうっ、ちくしょうっ……!!」 「虎実……」 悔しかったのは、俺だけじゃなかったのか。 泣いている虎実に、自分の姿がかぶる。 自分の大切な者のために、何もしてやれない無力さ。 今の俺と虎実は、きっと同じ想いだ。 どうしようもない絶望の中でも、味方はいるのだ、と俺の胸は熱くなった。 泣きじゃくる虎実に、せめて髪を撫でてやろうと、右手を伸ばし…… 「うわぁ! なんだこれは!?」 見慣れた手はそこになかった。 異様に膨れ上がっており、色は紫色、まさに異形と言うべき手がそこにある。 これが俺の手とは、到底信じがたい。 だが、 「い、いたたたたたっ……!」 確かにその異形の手から、激痛が伝わってきた。 「お、おい……トオノ、大丈夫か!?」 「あーあ、ひどい手だな。骨折もしてるかも知れねぇ……医者行くか」 いまだに涙を瞳に溜めたまま、虎実は心配そうな声を上げ、大城はさもありなんと頷きながら、立ち上がった。 しかしこの痛みはやばい。 今までは気が高ぶっていたせいか気にもならなかった。だが、一度認識してしまうと、ひどい激痛に目がくらんでしまっている。 俺は、大城の助けを借りて、なんとか近所にあった総合病院にたどり着くことが出来た。 治療してくれた医者の先生に、「自分で壁を殴って怪我をした」と言ったら、こっぴどく怒られた。 別れ際、大城はこう言った。 「俺達はお前達の味方だ。 何もできねぇかも知れんけど。でも、俺達の力が必要なら、遠慮なく連絡しろよ」 笑いながらそう言った。 ……俺の方こそ、友達だと自惚れさせてほしい、いい奴だった。 ■ 今日の自主訓練は最低だった。 マスターから出された課題は、どれ一つとしてクリアできていない。 それどころか、簡単な基本動作さえ、ままならなかったりする。 何度も転んで、痛い思いをした。 でも、本当に痛いのは身体じゃない。 昨日のゲームセンターでの出来事。 わたしが恐れていたことが、最悪の形で起きてしまった。 雑誌に掲載されて、公表されるなんて……考えもつかないことだった。 わたしの過去が、マスターに迷惑をかけた。ゲームセンターの人達は、手のひらを返したように、マスターに冷たくあたった。 あんなに仲が良かった久住さんも、記事を見て逃げてしまったという。 わたしのせいだ。 わたしが、マスターを不幸に突き落とした。 そして……マスターのあの目。 マスターは、わたしのことをどれだけ恨んでいるだろう、蔑んでいるだろう、やっかいに思っているだろう……。 わたしは、生まれて初めて、心が壊れそうなほど痛い、という思いを味わった。 わたしは怯えて、謝ることしかできなかった。 せめて、いつものように出された課題は、いつもよりも必死で頑張ろうと思ったのだけれど。 ……身体が言うことを聞かなかった。 怖かった。いままで積み上げてきたものが、もう無意味になってしまうのではないか、という思いが胸をよぎった。 そのたびに、わたしはトリックに失敗し、転んだ。 マスターに迷惑をかけるだけじゃなく、教えられたことも満足に出来ない。 わたしはもう、マスターにとっては何の価値もなく、ただのやっかい者に成り下がってしまった。 マスターも今度こそ、わたしに愛想を尽かしたに違いない。 わたしは、どうなってしまうのだろう。 あの、元お客さんだった人のところに連れて行かれるのだろうか。 お店に戻されるのだろうか。 もしかすると、電源を落とされたまま、二度と目覚めることはないのかも知れない。 そのいずれもが、怖くて、悲しくて、わたしはまた泣いてしまう。 思い返せば、ああ、わたしは……マスターとの戦いの日々が幸せだったのだと……それを手放さなくてはならないことが悲しいのだと、ようやく理解したのだった。 「ただいま……」 玄関の扉が開いた音に、わたしは顔を上げる。 「お、おかえりなさい、マスター……」 マスターの声はあまり元気がなかった。 何かあったのだろうか……。 姿を見せたマスターを見て、わたしは驚いた。 「どうしたんですか、右手……」 「ん、あぁ……」 マスターは右手を軽く挙げる。 彼の右手は、包帯でぐるぐる巻きにされていて、元の手が全く見えていない。 なにかギプスのようなものをしているらしく、左手と比べてもずいぶん太くなっていた。 「大丈夫。なんでもない」 なんでもないはずないじゃないですか。 でも、わたしに問いただすことは出来なかった。 そんな権利はないのだ。 ただ、マスターのことが心配で、困ったように見つめるだけ……。 マスターがわたしを見た。 「そう、心配そうな顔をするな」 マスターはかすかに笑った。 でもそれは、いつもと違って、自嘲のような苦笑だった。 マスター……その怪我も、わたしのせいですか。 わたしがマスターと一緒にいるから、傷つくんですか。 わたしの胸に、また耐えがたい痛みが走った。 わたしが、マスターに愛想を尽かされることよりも、つらくて悲しいことは。 マスターが自分のせいで傷つくことだと、今ようやく気がついた。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/11.html
小さな冷たい鉄の塊を、ドアノブに差し込む。 がちゃり、と軋んだ音がする。 家の中は、暗い。 広さが重く押しかかる。 誰もいない家。わたし以外、誰もいない。 お父さんもお母さんも仕事でいない。帰ってくるのは夜遅く。 だから、私はひとりぼっち。 小学校でも、家でも、どこでも。世界でひとりぼっち。 テレビをつける。 テレビの光が、部屋を照らす。 流れてくる番組は、小さなロボットが戦うおはなし。武装神姫、といっただろうか。 クラスの子が自慢していたのを覚えている。 私には到底買えそうにない、高価なおもちゃだった。 テレビの中で、女の子とロボットが笑顔で話をしている。 ――――無性に、腹が立って。 わたしは、テーブルの上においてあった花瓶をテレビに投げつけた。 くだらない。 つまらない。 なにが、ともだちだ。ロボットのともだち? ふざけてる。 そんなもの――――どうやったって、わたしにはこないのに。てにいれられないのに。 「そんなことないさ」 「!?」 わたしは驚いて振り向く。誰もいないはずなのに。 そこには、黒い服をきた男の人がいた。 泥棒? いそいで警察に―――― 「おっと、怪しいものじゃない――といっても説得力がないかな。 でも、君に危害を加えるつもりはないよ。 君にお友達をプレゼントしにきただけのお兄さんさ。 そう、僕が何者かなんてそれこそ無価値だ。大切なのは――――」 その人は、手に持った箱をテーブルに置く。 武装神姫のバッケージ。 「君のために、ここに君の友達を連れてきたということだけ」 箱が開く。 その中にいた小さな天使が目を開ける。 かわいらしく、美しく、可憐な、天使。 「おはよう。あなたが、私のマスター?」 天使が私を見る。 違う。 マスターなんかじゃない。 わたしは―――― 「いいえ…ともだち。わたしの、ともだちになって」 わたしは。 この天使に魅入られたかのように近づく。 そう、そうなんだ。天使が来てくれた。 わたしはもう――――ひとりじゃない。 少女と天使の出会いを、男は祝福する。 おめでとう、と。もうきみはひとりじゃない、と。 亀裂のような笑みをその顔に軋ませ、男はふたりを祝福する。 その天使は、口元に笑みを浮かべていた。 酷薄な、悪魔のような微笑を。 神姫狩人 第二話 悪魔のような天使の笑顔 武装神姫バトルサービス、小学生の部。 子供たちの「友達」である武装神姫を傷つけて悲しませないために、小学生の部はその大半が電脳仮想空間によるオンラインバトルで行われることが多い。 明日香が今回見物に来ているバトルステージも、その例に漏れずにオンラインバトルであった。 「つまんない」 明日香がデパートの特設巨大モニターを見ながら、頬づえをついてつぶやく。 「そうか? それなりに面白いとは思うが」 「でもねー。いくらリアルに迫っていても所詮は仮想データですよ。 なんというかこう、ぶつかり軋む鉄やプラスチックの音とか、そういう臨場感がっ」 「子供たちの戦いにそんなモノを求めるな頼むから」 「求めてませんよーだ。だからつまらないって言ってるんじゃないですか。 仕事じゃなきゃ、とっとと帰ってます」 「仕事…ね。この子供たちの戦いに、ボクらの仕事があるっていうのか?」 「ええ。次のカード、よく見ててください」 そう明日香が視線でモニターを指す。 天使型MMS『サマエル』 VS 犬型MMS『フェンリルβ』 「ボクと同じアーンヴァルタイプと…ハウリンタイプか。どちらを見ればいい?」 「見てればわかります」 そういっている間に、戦いが開始される。 子供の神姫だけあって、どちらも武装はほぼデフォルトである。基本セットの範囲内、そしてなんとか子供のお年玉や貯金で買える範囲の追加武装。 明日香たちが参加する一般の部の公式戦は、密かに行われる裏の非公式バトルでは間違いなく勝ち進むことは出来ないだろう。 そのはずである。だが―――― 「……明日香、これは」 「ええ、やはりマルコにはわかりますね」 マルコは目を見張る。 確かに武装やスペックは特筆すべきものはない。 あくまで、その単体のみでは。 「あのアーンヴァル…サマエル、といったか……あのチューンナップは」 「ええ。可能範囲内で、機体のシステムを最大限に行かせるチューンですね。 長く神姫にかかわり、よく識らないとあの絶妙な動きはできません。 ほら、あまりの出来のよさに、CGで追いきれてません。まあこれは主催側のミスでしょうが」 そう、確かにフェンリルβよりもその動きは明らかに格上だった。 ヒットアンドウェイの高機動で確実に相手の戦力を削いでいく戦い。 だが―――― 「それがどうしたんだ? 確かに強いが、ボクらが動く理由があるのか」 「ええ。経歴にそぐわぬ強さ。まあこれは、父親が金持ちでカネにあかして、なんていう場合もあるんでしょうけど、彼女の場合は両親共働きのごく一般の家庭。 加えて、家族親戚や交友関係にも、表だった神姫関連企業の影はありません」 「あきらかに不自然すぎる、と…?」 「ええ。そして……彼女と対戦した神姫たちに共通して、不審な行動が後に見られるようになってるんです」 「不審な行動?」 「簡単に言うと、言うことを聞かなくなる。動作不良が激しくなっている傾向が見られているようです」 「ふむ……それは確かに怪しいな。 つまり、その調査、そして調査結果いかんによっては非公式戦による撃破・回収が今回の仕事、か」 「ええ。子供相手ですから、気が進まないんですけどねー」 「確かにな。で、明日香。その彼女の名前は……」 明日香が答えるまでもなく、オペレーターがその名前を読み上げた。 『勝者、サマエルと…「氷雪恋(ひゆき・れん)」!』 「ここが、その子の家か」 夜。明日香の肩でマルコがいう。しかし…… 「さすがに不法侵入は拙いんじゃないのか、その法的とか色々と。正当性というものが」 「仕事という大義名分がありますから」 「だからといって、忍び込んでというのはちょっと」 「ああもう、だったらどうするっていうんですか」 「しっ」 マルコが明日香の口を押さえる。 そして恋の家の扉を指す。すると、ガチャガチャとノブが回り、恋がその姿を現す。肩には、サマエルの姿も見て取れた。 「これは…スシがネタしょってやってきた、ってやつですね」 「かなり違う」 「似たよーなもんです。何はともあれ好都合だとは思いませんかマルコ」 「油断しないように、明日香」 二人は、恋の後を尾ける。もし仮に、この行動がサマエルの秘密に関係あるのなら、何としてでも尻尾を掴まねばならない。 ……まあ、つかめなくてもやることは同じなのかもしれないが。 「デパート…?」 「昼間の、ですね。うーん…このパターンだと、ここの協会支部が丸ごと関わっている…ベタですけどね」 「結論を出すには早いだろう。ともあれ追おう」 「わかってますよ」 二人は恋とサマエルの後を追った。 「しかし……」 夜の無人のデパートというのは、とにかく、 「不気味ですね…なにか出そうです」 「とくに玩具売り場は、昼間と顔が違うな」 人形やぬいぐるみたちが、うつろな瞳で自分たちを見ているような感覚。 「……こんなところ早く出ましょうマルコ。私こういうの苦手なんですよ」 「キミにも苦手なものがあったなんてね。」 「失敬なことを言いますね、まったく。 さて……彼女はどこへ」 「武装神姫ブースの方、か……」 足を進める二人。 棚に並んでいる数々の武装神姫がそこにはある。 まだ起動していない彼女たちは、今はただの人形にすぎず、いや、彼女たちが「生きて」いることを知っている明日香たちから見たら、それはまるで死体が陳列されているかのような不気味さがあった。 「本当に…不気味ですね。早いところあの二人を探して…」 「誰を探してどうするって?」 明日香のつぶやきに、答える声があった。 「誰ですか!?」 「私? 私はサマエル。ずっと私たちを尾けていたのは、あなたたちね?」 その声は、特設モニターの上に腰掛けた神姫から。 くすくすと、鈴のような笑い声を響かせるその天使の姿に、明日香は言いようのない吐き気を覚えた。 「――見破られていましたか。 ええ、でもある意味手っ取り早いですね。 あなた達には不審な点が数多く見られます。おとなしく全てを吐いてくれれば悪いようにはしませんが」 「へぇ。じゃあ、吐かないって言ったら?」 「力づくで」 明日香の言葉に、マルコが翼を展開して宙に舞う。 「へぇ、やる気なんだ。 ねぇ、ならやっちゃってもいいよね、恋!?」 サマエルが笑う。その声に、モニターの下に立つ少女が、虚ろな笑顔で答える。 「うん。好きにしていいよ、サマエル…」 「ふふ、ありがとう、マイマスター」 サマエルもプロペラントタンクに火をつけ、飛翔する。 ――――おかしい。 違和感。明日香は恋の表情になにか、言いようのないものを感じる。 違和感はそれだけではない。 先ほどの吐き気。厭な空気。軋む空気。このデパート、玩具売り場に足を踏み入れてからの言いようのない視線。 何かが――おかしい。 「はあああっ!!」 その違和感をよそに、マルコはビームソードを抜き、斬りかかる。 サマエルもまた、ビームソードでその剣戟を受ける。 同型の天使同士の戦い。 確かに、サマエルは強い。しかしその強さは、あくまでもデフォルト装備に毛の生えた程度の武装、その機能を最大限に活かすチューンナップによって得られたものだ。 マルコのように、レギュレーションの範囲内とはいえ改造に改造を加えた武装神姫とは違う。 現に、サマエルはマルコの高速の剣を受け流すのが精一杯だ。 では、何だ。 何なのだ、この違和感、焦燥感、危機感は。 「マルコ! 早く決着を!」 長引かせては拙い。明日香の勘がそう告げる。 「何を焦っているの、お姉さん?」 恋が明日香に声をかける。 「せっかくなんだもん、もっと楽しみましょう。時間をかけて、ゆっくり、たっぷり、みんなで、楽しく」 歌うような語りかけ。 いけない。何かが――――拙い。 「あなた、自分が何をしているか、わかってるの…!?」 「うん。お友達が出来たから。サマエルが、つれてきてくれるの、お友達を。 私はもう一人じゃない。一人なんかじゃないの」 「? 何、を……」 つれてくる? 何の話だ。 明日香はふいに思い当たる。 サマエルの対戦相手のMMSの動作不良。 オーナーの言うことを聞かなくなる。命令無視。命令無視? 違う。まさか。 聞かなくなるのじゃない、もし、仮に。 『他の誰かの命令を聞く』のだとしたら―――――― 「だから。私はもう、ひとりじゃない。こんなに、友達がいるの」 瞬間、明日香は理解した。 先ほどからの違和感。視線、気配の正体を。 恋とサマエルを見守り、明日香とマルコを監視していた―――― 無数の武装神姫。 「マルコ! 逃げなさいっ!!」 明日香が叫ぶ。だが、間に合わない。 マルコの背をハウリンタイプの砲撃が襲う。フェンリルβ。昼間、サマエルと戦った神姫だ。 「ぐあっ!」 続いて、何体ものアーンヴァルが襲い掛かる。砲撃で体勢を崩したマルコは避けることができず、手足をアーンヴァルたちに捕らえられる。 くすくす。 くすくす。 くすくす。 くすくす。 笑い声が木霊する。 「な、なんだ、これは……っ!?」 マルコが叫ぶ。何体もの同型MMSに羽交い絞めにされ、動けない。 「マルコっ!」 明日香が走る。もうこんなのはバトルではない。非公式バトルとはいえど、これは明らかに武装神姫の戦いより逸脱している。 なんとかマルコを助けようとし―――― 「うあっ!?」 足に激痛。明日香はそのまま勢いを殺せずに倒れる。 そこには、ストラーフタイプが明日香の足に剣を突き立てていた。 「痛っ…! こ、このぉっ!」 力任せに振り払う。だが、MMSはその数を増やすばかり。 「どう? 私の友達。サマエルがつれてきてくれた、わたしのおともだち」 「あなた……!」 「そして、お姉さん、あなたも、お友達になろう?」 恋が笑う。明日香は気づいた、そう、とっくにこの少女は正気を失っている。 おそらくは、操られているこの武装神姫たちと、同じように。 「くすくすくすくす。そうよ、ご名答。でもね勘違いしないで。恋が自分で望んだの」 サマエルが、明日香を見下ろして笑う。 「……あなたはっ! この子たちに、何をしたっ!!」 「ねぇ、知ってる? AIの共鳴現象って」 聞いたことはある。 先日、とある神姫が感情を暴走させた。そしてそのバグは、周囲の神姫の感情回路にも影響を及ぼしたという。 ――――まさか。 「そう、そのまさか。 私はね、大して強くもないわ。だけど、AIの電気信号を増幅して共鳴させて、ほかの子たちを操ることが出来るの。 共鳴現象を自動的に引き起こして操作する。 そしてね、人間にも応用できるの。だってそうでしょう? 人間の思考や感情も、つきつめていけば脳内で複雑にあまれた電気信号なんですから。 だから、私の声で、私の歌で、干渉できる」 「さっきからの吐き気や違和感の正体は――っ」 「ええ、私からの電波干渉。 あなたみたいに鈍くて意地汚い人間には効き目なんてあまりないけど、それでも恋みたいな素直な子には、よく効くの」 「サマエル…っ! あなた、自分が何をしてるかっ!」 「ええ、わかっているわ。だから何? 私はね、そのために生まれた武装神姫。 だから、やらなきゃいけない事を自分の意思でやるだけよ。 そしてね、もうすぐあなたの神姫も、私の友達になるわ」 「…! マルコっ!」 明日香がマルコへと叫ぶ。 マルコは、たくさんの神姫に囲まれ、押さえつけながら、必死に耐えていた。 洗脳。干渉。侵食されるAI。共鳴するココロ。増幅される憧憬。消されていく想い。 サマエルの声が。マルコに浸透していく。 「私の名前は、サマエル。神の毒と呼ばれる天使の名前。 私の毒は甘美でしょう? 一度味わえば、抗いたくなくなるほどに。 そうしてあなたも私たちの友達になるの。恋が、新しいマスターがあなたをかわいがってくれるわ。 そう、だから考えることはやめましょう? そして何もかもを投げ出して、楽になるの」 ――――――――――――――い。 ――――――――――――さ、い。 「さあ、私の声を聞いて、そして――」 うるさい。 黙れ。 これ以上、ボクを汚すな。ボクを踏み躙るな。 痛い。苦しい。消えてしまう。ボクの今までがなくなっていく。 掴むから苦しい。なら手放せば楽になれる――? それこそ、ふざけるな! 「黙れぇぇぇっ!」 マルコが絶叫する。 「何もかも忘れて楽になる? ふざけるな。 明日香のことを忘れて、楽になるぐらいなら――――!!」 手に力が入る。ビームソードに再び光が灯る。 「煉獄の苦痛の方が、億倍もマシだっ!!」 光の氷柱。シャイニングアイシクル。神姫ハンター用の装備として用意された、回収対象のAIを強制シャットダウさせるための電磁兵器。 それを、マルコは、自らに突き立てた。 「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!」 放電。紫電が疾しる。 「マルコーっ!!」 その電撃に、周囲を囲っていた神姫が弾き飛ばされる。 「馬鹿な、自殺を選んだっていうの!?」 サマエルが空中で体勢を立て直す。 だが、マルコは――肩で息をしながら、全身をバチバチと放電させながら、それでも立っていた。 「何――!?」 そう。 サマエルが電気信号によってAIを狂わせ、支配下に置くのなら。 それ以上の電気によって、その電気の毒を洗い流せばいい。簡単なことだ。 「マルコ、あなた…!」 明日香が叫ぶ。そう、言葉では簡単なことだ。だがそれを実行に移すとなると―――― 「…まったく、本当に痛いな…ああ、すごく痛い。ボクとしたことが、今にも泣き出したくなるぐらいに…… でも。 とても、いい気分だ」 シャイニングアイシクルの出力を調整。 AIをシャットダウンさせるかさせないかのギリギリのパワーの、超圧電流。 それを自分に叩き込み、気付けにする。言うは簡単だ。だが、その苦痛はいかほどのものか。 「――――狂ってる。あなた、正気!?」 「…お前には言われたくないな。 ああ、確かに狂ってるかもしれないさ。何故ならばね、教えてやるよ」 わき腹に突き立ったビームソードを引き抜く。オイルの血が流れ出る。それをものともせずにマルコは剣を構えた。 「神の毒、と言ったな、お前は。天使の名からとったのか。 ああ、ボクの名前も天使から由来している。 だからね、狂っているのは当然かもしれないさ。何故なら、ボクの名の由来は――――」 飛ぶ。剣を振るう。サマエルは反応できない。サマエルの右腕が薙がれ、落ちる。 「第七座天使(ソロウンズ)にして、堕天使、マルコシアス。それがボクの名の由来さ。 堕天使、つまり悪魔といっても同じだ。ほら、ならば確かに狂っていると言われても仕方がない!」 返す刃で、サマエルの片翼を切り落とす。 「きゃああっ!!」 「――だがな。それでもなお、捨てられぬ正義がある。 天より堕とされ狂気に沈もうとも、決して穢れないものがある。 ――――お前は、それに踏み入った。 ああ、初めてだよ、サマエル。 初めてボクは、明確な殺意を抱いている」 そう、許せない。 自分たちだけではない。 子供たちとの、オーナーと神姫の心の繋がりを、この敵は踏み躙ってきた。 毒で心を殺し、操り人形にしてきた。 怒りだ。 その怒りが、激痛に耐えさせた。最後のところで自らを保たせた。 「武装神姫は、人と共に在る。そのためにボクらは生まれた――」 「ひ、ひいっ…!?」 地に落ち這い蹲りながら、サマエルは怯える。 なんだこれは。 今まで感じたことのない感情があふれてくる。 これは――――恐怖。そして絶望。 「お前は。けっして汚してはいけない聖域を。土足で踏み躙った――――!!!!!」 「れ、恋っ! 助けなさい、私の盾にっ!!」 サマエルが絶叫する。 その叫びに恋は、自らの体を盾にする。 だが。 「っ、くそぉっ――――!!」 痛む足に鞭を打ち、明日香が跳んだ。恋の体を突き飛ばすように抱きかかえ、そのまま転がる。 万策尽きた。 サマエルは絶望する。何故だ。何故こうなった。 こんなはずじゃなかったのに。 こんなはずじゃ―――――― 「サァマエェェエエエエル!!!!」 マルコが叫ぶ。 最後の全身全霊のエネルギー。 リミッターをカットし、最大最強出力のシャイニングアイシクルを展開する。 「貴様の罪! 地獄で――――神姫たちに詫び続けろぉっ!!!!!」 飛翔。 流星のようなその輝く一撃。サマエルによけるすべはなく、ましてや、よける意思ももはやない。 何故ならば、ここにきてサマエルはようやく悟ったから。 自分は――――決して、侵してはならない領域に触れてしまったのだと。 そして。 悔恨と恐怖の中、サマエルは砕け散った。 「あれで、よかったのか?」 デパートを後に、マルコは言う。すでに自分で飛ぶ力も何も残っていないので、明日香の肩に腰掛けて体を預けている。 「いいんですよ、これで」 明日香は言う。 サマエルが破壊された後、恋の取り乱しようはなかった。 砕けた破片に泣きすがる恋。 「なんで…どうしてっ、ともだちだったのに…私には、もう、この子しか…っ!」 それを、明日香は平然と、 「自業自得です。言っておくけど、謝ったりはしませんから。悪いのはそっちですからねー」 と言い放った。 「明日香…っ!」 「なんですかマルコ。事実でしょうがー。さて、いいことを教えてあげましょうか、恋ちゃん。 私たちは、公式のバトルにも参加してます。 悔しかったら、お金を稼いで、神姫を新しく買って、自分の実力で私たちを倒してみせなさい。 ま、できたらの話ですけどねー」 ほほほ、と笑う明日香。そして振り返らずにその場を去る。 「…せない…」 その背中に、恋が怒りの言葉を投げかける。 「絶対に、許せない! 私は、必ず…っ! 必ずっ!!」 「ま、こんな商売してたら嫌われるのは日常茶飯事。どってことないですよー、ほほほ」 「……下手な慰めの言葉は、相手を傷つけ貶める」 マルコのつぶやきに、明日香は笑いを止める。 「怒りであれ憎しみであれ、前向きに歩くための活力は必要、か」 「…何か、言いたそーですね、マルコ」 「別に。ボクのマスターはとことんまで捻くれているへそ曲がりだな、と思っただけさ」 そう、自分が憎まれることで、あの少女が立ち上がれるのならそれでいい。 すでにあのMSSによる洗脳と思考操作は解けている、ならば……あとは、自分の足で立ち上がり、進めるだろう。 その原動力が、自分への怒りだとしても、それでも、何もせずに後悔と絶望に沈んだままよりはよほどいい。 しかし、それでも…… 「癪ですね」 「何が」 「そーいう、見透かしたツラがです。いかにもお見通しですよー、みたいな」 「明日香、キミは判りやすいからね。ポーカーだって弱いし」 「関係ないでしょう!」 「さてね、どうだか。まあいいよ、今日はボクは疲れた。そろそろエネルギーが本気でカラになるから、寝る」 「…寝ている間に油性ペンで落書きしてやりましょうかね、こいつは……」 拳を振るわせる明日香。しかしマルコからの返答はない。 見ると。 「くー…すー…」 マルコは、明日香の肩で安らかな寝息を立てていた。 「――まったく。寝顔だけは、かわいい女の子なんですけどね」 指で、マルコの頬をなでる。 「……お疲れ様でした、マルコ」 「そう、本当にお疲れ様。いいデータがとれたよ」 デパートの監視カメラを眺めていた男が笑う。 亀裂のような笑みを顔に軋ませながら。 少女にサマエルを与えた男。彼は歌うように、慈しむように、賛辞の言葉を投げかける。 「だけど、まだまだ始まったばかりさ。いや、まだ始まってすらいないのかもしれないね。 なにはともあれ、今はただ一時の幕間を休むがいいさ。 神姫たちのワルツは、これから開幕するのだから――――」 男は笑う。男は哂う。男は哄う。 これから繰り広げられる姫たちの戦いに思いを馳せ、ただ滑稽に、道化は笑う。 その悪意もまた、彼女たちの輝きの前では「無価値」なればこそ。 男は演出する。 戦いの舞台を。 全ては――――未だ鳴らぬ、開幕のベルを待つばかり。 続く
https://w.atwiki.jp/kakite3/pages/47.html
【ロワ】テラカオスバトルロワイアル 【名前】ジャイアンの母書き手 【代表作】363話「これが私達の全力全開の保守!の筈なのに遅れたかw」、540話「その頃、置いて行かれた二人は」、1016話「悲しみの決着」など 【書き手紹介】 カオスロワ名物の一つでもある、ジャイアンの母関連の話を多く書く書き手。勿論全部がそうというわけではない。 なお1期と2期でジャイアンの母を登場させたのは彼ではない為、母を最強キャラにしたのは彼ではない。 なぜYOKODUNAとのカップリングという暴挙にでたのかという理由は、 ニコロワ読んでYOKODUNA書きたいなぁと思ったので、丁度強いデブ繋がりで組ませようと思ったからだそうだ。 ちなみにジャイアンの母書き手を初登場させたのは、残念ながらジャイアンの母書き手ではない。 【ロワ】テラカオスバトルロワイアル 【名前】マーラ様の人 【代表作】866話「薔薇が散る時」、1171話「Tルート最終話 『カオスの行き着く場所』」、1640話「今、遥か遠い彼方 前篇~後篇(2)」など 【書き手紹介】 カオスロワの5週目で出現したと思われる書き手。 阿部さんの唯一の天敵であるマーラ様を生み出した。(あくまでも初登場させたのであって、その後動かしたのかどうかは不明) だがそれ以上に注目すべきなのはカオスロワの5週目と収拾がつかなくなりかけた6週目を完結させたこと。 参加者は全滅した。スイーツ(笑)みたいな展開ではなくあらゆる超展開を織り交ぜたまとも(?)かつカオスチックな話であった。 【ロワ】テラカオスバトルロワイアル 【名前】やおい 【代表作】不明 【書き手紹介】 801レス目に感想書いたせいでやおいキャラにされた不運な人物。 書き手なのか読み手なのか通りすがりなのか本当にやおいなのかどうか、これらは一切不明。 ちなみにやおいを登場させたのもやおいとギルコンビを生んだのもジャイアンの母書き手である。 【ロワ】テラカオスバトルロワイアル 【名前】513 【代表作】908話「908」、925話「実は本人が書いてます」、935話「935」など 【書き手紹介】 面白くないと書き込んだばかりに参加させられた書き手。 一時は登場させられて直ぐに自ら退場させたようだが、なぜかその後ノリノリになって自分を動かしていた模様。 ちなみに513を初登場させたり殺したりと何度もしていたのもジャイアンの母書き手である。 そんな事をしていたらなぜか野比玉子症候群に掛かってしまっていた。 【ロワ】テラカオスバトルロワイアル 【名前】6/WWxs9O1s 【代表作】58話「魔法老人リリカルかみなり」、132話「歩いて帰ろう」、109話「マーダー誕生」など 【書き手紹介】 東京にマーダーを大量に登場させた書き手、その因果か何故か色々な場所で誤解されまくっている。 髪の毛の本数が勝敗の原因になったり、かみなりさん女体化、シマリスマーダー話など、実にカオスな話を多く書く。 それだけではなく、ムック死亡話やマスオ死亡話など、名高い感動話も手がけている。 それと、おそらくロワ参加回数はトップなのではないだろうか。クロススレでも登場回数は多い。 ちなみに6/を全参加者に狙わせたり、異世界にまで誤解を広げたり、書き手ロワ2ndで6/を初登場させたのもやはりジャイアンの母書き手である。