約 1,954,320 件
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3870.html
作者・◆w/jS/22IWo氏 オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル 本編 オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル本編SS目次・時系列順 オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル本編SS目次・投下順 オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアルキャラ別追跡表 オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル参加者名簿 オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル参加者名簿(ネタバレ) オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル死亡者リスト オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアルルール・マップ オリ+版俺得なバトル物多ジャンルバトルロワイアル支給品一覧
https://w.atwiki.jp/fullgenre/pages/147.html
バトルロワイアルからの支給品 ベレッタM92F 銭形警部に支給 9mm口径の半自動拳銃。 原作では三村信史に支給された。 防弾チョッキ 蒼星石に支給 ベスト状の身体防護服。 原作では織田敏憲に支給された。 イングラムM10 瀬田宗次郎に支給 軍用サブマシンガン。 漫画版では桐山和雄に支給された。 織田のバイオリン 千草貴子に支給 織田敏憲のバイオリン。 S&W M10 杉下右京に支給 38口径の回転式拳銃。 S&W社を代表する名銃である。 シアン化カリウム+外れ武器三点セット 亀山薫 に支給 『特別付録・シアン化カリウム』というラベルシールの貼られた透明の袋に入った毒薬。 毒薬の存在を隠すための外れ支給品が他に3つも付いてきた。 付いてきたのは三味線糸、小型液晶テレビ入りポテチ、タオル。 三味線糸 亀山薫に支給 シアン化カリウムに付いてきたハズレ支給品。 農作業用の鎌 水銀燈に支給 普通の鎌。 コルトパイソン 桐山和雄に支給 357マグナム弾を使用する回転式拳銃。 鉈 レイ・ラングレンに支給 普通の鉈。ひぐらしの鉈とは何の関係も無い。 軽トラック ストレイト・クーガーに支給 普通の軽トラ。 三村信史特性爆弾セット 泉こなたに支給 名前通り三村信史が作中で使用した爆弾+α。 内容は爆弾、台車、滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル 爆弾以外の道具は、信史がプログラムのある施設に爆弾を投下しよう集めた物。 ちなみにボイスコンバーターとは、パーティーなどで使用される変声用のスプレーのことである。 バージニア・メンソール ストレイト・クーガーに支給 ヅキこと月岡彰が愛用するタバコ。 一箱二十本入りでZIPPOライターとセットで5箱支給。 主に女性向けの銘柄として売られている。 レミントン・デリンジャー 次元大介が警察署内で発見。 原作では月岡彰に支給された銃。 作中の描写通り非常に小さく携帯性に優れるが、ニ発しか装填することができない。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/827.html
人物紹介 月夜 のどか Nodoka TSUKUYA 実の兄から神姫を強奪したちゃっかりさん(?)。 剣道部で、家も古い剣術道場。マリーと香子を溺愛、多分お兄ちゃんのことも好き。 月夜 時裕 Tokihiro TSUKUYA 実の妹に神姫を強奪された不幸な人。 アーニャが可愛くてしょうがない。香子ちゃんファンクラブ(通称ナイツ・オブ・ワイトドリーム)の会長兼会員ナンバー1番。多分妹のことも好き。 斎藤 香子 Kako SAITO カトー模型店に集まる全ての男性神姫マスターのアイドル的少女。 恥ずかしいのであまり公言はしないが、実は自分のファンクラブがあることがちょっとした自慢。 バトルを始めて、のどかに負けるまで全てのバトル(ただし非公式)に連勝を続けてきた。いつしか付いた通り名は『プリンセス・オブ・ワイトドリーム』。 ワイトドリーム(White Dream)とはチューリップのトライアンフ系の品種の1つ。 カトーさん Mr Kato カトー模型店の店主。お髭のおじ様。 神姫紹介 マリー・ド・ラ・リュヌ Marie de la Lune 人形型MMSノートルダムの武装神姫。月のマリーさん。 人形型云々というのはマリー自身とまわりの人間がそう言ってるだけ。もともとは素体だった。 マリー(マリア)と名づけられたからノートルダム(我らが貴婦人:聖母)。 傘っぽい武器とドレスっぽい何かを着けて戦う。 アーニャ Anya アーンヴァルモデルの武装神姫。ボディは紫色。 時裕のパートナー、変なお嬢様口調で話す。 時裕と二人きりのときはアンヌシカと愛称で呼ばれる。 ラーレ Lale ジルダリアモデルの武装神姫。ボディは通常のジルダリアタイプより少し明るい白。 ジルダリアらしく状態異常を引き起こす武装を使いこなす腹ぐ...否、知能派の娘。 ラーレとはトルコ語でチューリップのこと。 武装紹介 ロンブレル・ロング L ombrelle longue 『長い日傘』 日傘みたいな武器。一応ライトセーバーとライフルになる。 ラ・ローブ・ジュアン(ウォードレス) La robe jouant -War dress- 『遊ぶドレス』 ドレスのくせに傘よりも攻撃的な装備。ミサイルなどを追撃するための機関砲、フレキシブルに動くクワガタのような角が特徴。 チューリップ The tulips カトー模型店オリジナルウェポン。麻痺効果のある武器のシリーズ名。 超速効性ライフルタイプのフォステリアナ、遅効性ロッドタイプのトライアンフ、超遅効性ソードタイプのレンブラントがある。 どれもチューリップの系統の名前。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2290.html
6th RONDO 『愛しています、私のバカマスター ~1/3』 携帯電話には携帯ショップがあるように、武装神姫にも神姫専門ショップが存在する。 神姫センターと呼ばれる店舗だ。 そこでは神姫やパーツの購入、検査、修理を行うことができ、またバトル用の筐体を初めとして様々な設備 (神姫 “で” 遊ぶためだけでなく、神姫 “が” 遊ぶためのものまである) が揃っている――らしい。 竹さん曰く、とにかく神姫のことで困ったらとりあえずここに立ち寄ればいいのだとか。 しかし、俺が神姫を購入する店としてボロアパートから比較的近いヨドマルカメラを選んだように、近所に都合よく神姫センターがある、なんてことはなかった。 (ヨドマルを選んだ理由は他に、姫乃と同じ場所で買いたかったとか、ポイントが貯まるとかそんなものだ) いくら神姫がそこそこの人気を誇るとはいえ、携帯ショップのようにどの町にも神姫センターがあるのかといえば当然そんなことはなく、主に新幹線が停車する主要な駅の側くらいにしかない。 だから、ボロアパートから徒歩十分の工大前駅、そこから電車で二駅のところに神姫センターがあるのはまだ良いほうだと言える。 ジャスコのような大型店舗がどーんと聳える代わりにゲームセンターもないような田舎だと、神姫バトルは専ら室内の手作りスペースで行われ、強者になると例え火の中水の中草の中森の中土の中雲の中姫乃のスカートの中 「ちょっ!? やめてよ!」 だろうとお構いなし、熱く燃えたぎるハートはお巡りさんに声をかけられるまで冷めることはないという。 よいこのみんな、こんなオトナになっちゃダメだゾ☆ さて。 勿論俺達が (主に姫乃が) 野外プレイなどという破廉恥な真似をするはずもなく、今は竹さん、または鉄ちゃんこと竹櫛鉄子さんの案内のもと、神姫センターへ向かっている最中だ。 用事はもちろん、神姫バトル。 俺の眉間に穴を空けたニーキにギャフンと言わせるための、復讐の輪舞曲。 俺に代わって悪魔に鉄槌を下す戦乙女は―― 「ふふっ、神姫センターってどんなところなんでしょうね! 楽しみですね、マスター!」 胸ポケットから顔を覗かせたエルは今朝からずっとこの調子で、大好きなアニメの劇場版を観に行く子供のようにはしゃぎっぱなしだ。 もうちょっと、ほんの少しでいいから緊張感というものを持ってほしい。 それに、せいぜい 15cm 程度とはいえその体の中にギッシリと機械部品を詰め込んだ神姫がポケットの中で動くと服が引っ張られて首が痛いのに、ご機嫌斜め上のエルはそんなことはお構いなし。 首も痛いが、周りの乗客の目も痛い。 「あーわかったわかった。 もうすぐ電車降りるからせめてそれまで静かにしててくれ (ひそひそ)」 「了解です。 ところで我がマスター (ひそひそ)」 「どうした我が戦乙女よ (ひそひそ)」 「私、マスターはてっきり “そういうこと” に無頓着な人だと思ってました (ひそひそ)」 「なんだよ、そういうことって (ひそひそ)」 「ここからだとよく見えるんですが、ちゃんと鼻毛の処理をしてるんですね (ひそひそ)」 「余計なお世話だ!」 「背比うっさい」 「はい……怒られたじゃねぇか (ひそひそ)」 「それはそうですよ。 電車の中ではお静かに (ひそひそ)」 「てめっ! こ、こほん…………後で覚えてろよ、全力でくすぐり倒してやる (ひそひそ)」 ヨドマルカメラの売り子として起動されたエルはほとんど店の外に出たことがなかったらしく、神姫春闘事件後の花見やボロアパートへ帰ってからはずっと、元から丸い目をさらに丸くして輝かせていた。 見るものすべてが珍しい。 目に映るものすべてが面白い。 その日の夜は唯一の所持品だったクレイドルも使わず 「今日はマスターと一緒に寝ます。 いいですよね」 と俺の枕元に横になり、タオルハンカチをかけて眠っていた。 そんなんで眠れるのか心配だったのだが、その一日はエルにとっては世界が変わるような一日だったからなのか、ベッドから落ちることもなく、ぐっすりとバッテリーが枯渇するまで眠っていた。 (一日動きまわった上にデータ整理にかなりの電力を食ったらしく、素のアルトレーネ型の抑揚のない声が耳元で 『バッテリー容量が不足しています。 すぐに本体をクレイドルに寝かせて充電して下さい』 と言った時は心臓が止まるかと思った) そういったわけでエルは今日が神姫センターデビューデイとなるのだが、このテンションの高さの理由はそれだけではない。 「ところでマスター、どうですか? 似合ってますか? (ひそひそ)」 「なーにが 『ところで』 だ。 いくら似合ってたって、そう何度も何度も同じこと聞かれちゃ 『似合ってない』 って答えたくなるぞ (ひそひそ)」 「こういう時は素直に 『似合ってる』 って言えばいいんですよ。 何度でも 『似合ってる』 って褒めちぎればいいんですよ (ひそひそ)」 神姫は基本的にマスターの好みで服を用意しなければ素体のまま過ごすことになり、“素っ裸”に見えないように素体にペイントが施されていたり細かいアクセサリが付属していたりする。 アルトレーネ型の場合は豊かな胸から臍より上の辺りまでを濃い青でペイントされ、首元と腕、脚はそれぞれ純白のカラー、ロンググローブ、サイハイソックスだ。 おまけにショーツはガーターベルト付きのようなデザインで、以上、その他の箇所は素肌を露出している。 ここまで挑戦的なデザインに加えて癖のある長い金髪は狙いすぎな感があるにもかかわらず安っぽい扇情さは無く、気品すら感じられるデザインには脱帽するばかりだ。 しかし今日のエルは一味違う。 いくらペイントが施されているとはいえツンツルテンな素体の上に、鉛色の革製ロングコートと、同色のブーツを纏っているのだ。 しかも驚くことなかれ、このコート、ただのコートではなくエルのためだけに作られた世界で一着の特注品なのだ。 ロングコートと言えば野暮ったく聞こえるが、素体の各所にあるくびれにフィットするよう作られているので、出る所は出て締まるところは締まり、よりアルトレーネ型の体のラインを強調している。 右腕の部分は何故か肩から先が無く、また左腕部の袖にはまったく意味を成さないベルトがぐるぐると五本ほど巻かれており、この左右非対称デザインに製作者の趣味が溢れ出ている。 足首まで伸びるスカート部は臍が十分見えるほど大きく前が開かれており、これがもし臍の下から開いているとエルがただの痴女になってしまうことも完璧に考慮されている。 このスカート部にもベルトがぐるりと数本巻かれており、さらに腰に二本、胸を上下に挟んで強調するように一本ずつと、とにかくベルトが多い。 エルがアルトレーネ型だからこそ着こなしているものの、これが他の神姫、例えばあの武士と騎士だったら……似合う似合わない以前に、顔が濃い…… 手に取ってまじまじと見るとその出来の良さに驚かされるばかりの逸品で、これが手作りと聞いたときはさすがに製作者の言葉を疑ってしまったのだが、睡眠時間を削りに削ったその製作者、一ノ傘姫乃の目の下の大きな “くま” はすべてを物語っていた。 (裁縫のことはサッパリ分からないのだが、姫乃の握力では革に針を通せないことくらいは想像がつく。 かなりパワフルなミシンとそれを扱う腕が必要なはずだが……) コートと同色のブーツは女性が好んで履きそうなものとミリタリーオタクが好んで履きそうなものの間を取ったようなデザインをしており、お洒落にもバトルにも使用できる優れものだ。 さすがにブーツまで手作りとはいかないものの、 「鉛色のコートに白の素足って、なんだか卑猥な感じがするの」 と姫乃がニーキのお下がりをプレゼントしてくれた。 これらを受け取って一式装備したエルはしばらくの間、調子の外れた鼻歌を歌いながら鏡の前でポーズをとるのに夢中になっていた。 ヨドマからクレイドルだけを持って俺のところへ来たため新品のアルトレーネ型が持つはずの装備すら持っていないエルに何か買ってやらないと、と考えていたのに、肝心の財布には生活費が残るのみで、単なるおしゃべりフィギュアと化していたエルを立派な武装神姫にしてくれたのが自分の彼女だという事実は、 「マスター! とってもいい彼女さんを持ちましたね!」 と満開の笑顔で言ってくれるエルの言葉と一緒に俺の自尊心をグリグリと抉った。 コートが完成したのは今朝のことで、朝九時頃にパジャマ姿で俺の部屋を訪れてエルに試着させて微調整を終えた姫乃はそのまま俺のベッドに倒れこんでしまった。 そのまま可愛らしい寝息をたて始め、服といえば第三のヂェリーTシャツだったエルがどんなにはしゃいでも、姫乃の寝顔鑑賞を邪魔するように竹さんが俺達を迎えに来ても、姫乃は午後二時まで身動きすらしなかった。 そして遅めの昼食を三人で済ませて今に至る、というわけである。 「傘姫大丈夫なん? まだ目の下がパンダっとるし、フラフラしよるけど、別に神姫センター行くのって今日やなくてもいいんやろ?」 「さっき十分寝たから大丈夫よ。 エルはせっかく今日を楽しみにしてたんだから連れて行ってあげないとね。 それに今日を楽しみに待ってたのはエルだけじゃないのよ。 ね、ニーキ?」 「……」 姫乃の今日も変わらぬカッターシャツの胸ポケットで大人しくしているニーキは何も言わず、車窓の外を眺めていた。 このニーキも、今日は素体のままではなく服を着ている。 これがまた姫乃オリジナルらしいのだが、その姿を見たときはエルのコートと並べて姫乃の趣味を少しだけ理解できたような気になった。 燕尾服である。 オーケストラの指揮者が着るような、読んで字の如く裾が燕の尾のような形をしたアレだ。 エルのコートとは違い大幅なアレンジは施されておらず (細かいこだわりはあるのだろうが、そもそも俺は燕尾服に詳しいわけではない)、取り外し可能な空色のツインテールがなくなってショートカットとなった悪魔型は男装の麗人型へと進化を遂げていた。 ニーキの冷静で淡々とした雰囲気と相まって、その端麗な容姿は華やかさを除けば宝塚のトップスターのようだと絶賛しても過言ではない。 ……俺が神姫を買うことに随分と抵抗してくれた割に、姫乃は神姫を男装させて眼の保養をしていたってわけだ、へぇそうなんだ、などと嫌味を言うつもりはないけれども。 男にだって嫉妬というものがあるのだと、彼女に知って欲しい背比弧域であった。 「ヒメに面と向かって言い難いのならば私が伝えておこう」 「やめろ。 そして俺の心を読むな (ひそひそ)」 「ほれ、二人とも電車降りるよ。 お~い傘姫生きとる? 寝たら死ぬぞ~」 姫乃のことを傘姫と呼ぶ女性、竹さんは姫乃の高校時代からの親友らしく、この少々独特な方言 (彼女曰く、北九州ベース博多アンド鹿児島アレンジなのだそうだ) はともかくとして快活な性格が外見にも表れていて、大学の益荒男共の評判はすこぶる良い。 いや性格が云々以前に、姫乃が “可愛さと美しさを足して2を掛けた” ような容姿ならば竹さんは “可愛さと快活さを足して1.5を掛けた” ようなものだ。 残り0.5は、身長こそ姫乃と大差無く俺の頭一つ分低いくらいなのだが、姫乃が持ち得ないシルエットのメリハリだ。 寧ろ益荒男共にとってはこの0.5が何よりも重要なのかもしれない。 短くサッパリとした髪に全身を春のシマムラコーディネートで固めていても何ら違和感がないのだから、その戦闘力は姫乃に一歩も引けをとら…… 「ん、どうしたの? 目のくま、そんなに変かな?」 ……いや、やはり姫乃のほうが圧倒的に可愛い。 アルティメットカワイイ。 ヒメノ型神姫とか発売されないだろうか。 いや、ここは竹さん風にカサヒメ型といったほうがそれらしいか。 「ほれ、あの建物。 まるまる一棟が神姫センターなんよ」 俺がカサヒメ型に自分のことを何と呼ばせてどんな武装をさせるか妄想を膨らませているうちに、何時の間にやら俺達一行は神姫センターの近くまで来ていた。 ――とりあえず、カサヒメ型の姉妹機はセクラベ型で保留としておこう。 神姫センター一階はさすが専門店というだけあって、ヨドマルとは比べ物にならない商品の充実っぷりだ。 客の相手をする神姫もヨドマルよりはるかに多く、ほぼ全種類の神姫が小さな体を元気一杯動かしているのを見ているだけで時間が過ぎてしまいそうだ。 「ほらマスター見てください! アルトレーネ型がいますよ! うわぁ隣にアルトアイネス型もいます! ちょっとお話ししてきていいですか? いいですよね! 行ってきます!」 勝手にポケットから棚に飛び降りたエルは完全武装のアルトレーネとアルトアイネスのほうへ走っていった。 そういえばエルは “動いているアルトレーネ” を見るのは鏡に映る自分を除いて初めてになるのだろうか。 今まで店員として働いていたエルが今日は客なのだからはしゃぐのも多めに見てやるが、あまりウロウロされると姫乃クオリティが目立って目立ってしようがない。 「あのアルトレーネのコスプレかっけー。 ここコスプレの服とかも売ってんのか」 「下の中古売り場にあるんじゃね? でもクソ高そー」 「うわまた懐かしいものを。 なんだっけあのコート。 ほら、三〇年くらい前のFFの」 「クラウドでしたっけ? 流行りましたねーあれ。 でも似てますけどコートは着てなかったような」 まあ、褒められて悪い気はしないけれど。 これでは落ち着いて店内を見て回ることもできない。 それに今日は姫乃と竹さんもいるのだからあまり出過ぎた行動は――と二人の方を見ると、何故か竹さんの前に人集りができ、エル以上に衆人の目を集めていた。 「あー今日は神姫連れてきとらんからバトルはまた今度、また今度、だからまた今度っつっとんのやから並ばんでよ! なーらーぶーな、前へならえすんな! 予約なんか受け付けとらんっての! どさくさにアドレス渡されても困るってのアポ取ろうとすんな!」 竹さんの前に老若男女問わず並んだ人達は武装した神姫を連れていて、神姫達は皆武装の確認をしたり素振りをしたりと落ち着き無く、マスター共々鼻息を荒くしていた。 ほら散った散った、と大人気な竹さんが人々を追い払い、やれやれと大きなため息をついた。 竹さん大人気の理由を姫乃が教えてくれた。 「鉄ちゃんってね、実はすっごく強い神姫マスターなのよ。 以前私をここに連れてきてもらったときもこんな感じだったわよね」 「いっつもそう。 これじゃおちおちメンテもできんもん。 そらまあ、私のコタマはそこそこ強いしバトルしたくなるのも分からんでもないけど、そんな何人も相手にできるかっての。 コタマのバッテリーは普通の神姫と変わらんっての」 「へぇ、竹さんってそんなに強いのか」 「うん。 たぶん今この神姫センターにいる誰よりも強いわよ」 「ここって……結構な人数だぞ?」 うんうん、と頷いた姫乃は自慢できる友人がいることが嬉しそうだ。 「あー傘姫、恥ずいからあんまし……」 「私も他の人に聞いた話なんだけどね、ここで大会が開催された時のことらしいんだけど」 「その大会の優勝者が竹さんってわけか! すげぇ!」 「ううん、鉄ちゃんは観戦してただけなんだって。 それでね、その時優勝した男の人が表彰台の上から鉄ちゃんを見つけて、一目惚れしちゃったらしいのよ。 その人が、たぶん優勝して少しだけ気が大きくなってたんでしょうね、その場で鉄ちゃんに告白したんだって。 そうよね?」 「……まぁね。 告白っつーか、私のこといきなり指さして 『今! あなたに惚れました! エンジェルktkr!』 やもん。 恥かいたわあ、あん時はほんと」 「でも竹さんに彼氏がいるって聞いたことないし、ってことはそいつのこと振ったのか」 「背比、今しれっと傷つくこと言ったね……振ったっつーか、その場のノリで 『じゃあ神姫バトルで私に勝ったら付き合ったげる』 って言ってしまったんよ。 うん、ノリで」 ノリノリで。 と竹さんは額を抑えて自分に呆れている。 それはそうだ。 大会優勝者、言うまでもなく最強の神姫に勝負を挑むなんていくらノリといっても愚行にも程が……ん? 「でも竹さん、彼氏はいないって……あれ、どういうことだ?」 「その場におった全員がチャンピオンが勝つって疑いもせんで、チャンピオンに挑んだ私は負けて彼氏ゲットする腹積もりと思われて、そのチャンピオンの神姫にまで 『ま、アタシのマスターはそこそこイイ男だし? アンタが考えてることも分かるよ。 それなりに手加減してやるから、適当に頑張って適当に負けて、彼氏ゲットしたら?』 って鼻で笑われて――」 眉間に皺を寄せてその神姫の嘲りを腸を煮えくり返しながら思い出しているらしい竹さんは口角を釣り上げ、凄絶な笑みを作った。 「――そんな状況で相手を完膚無きまでたたきのめすのって、ゾクゾクしたわぁ」 「ドSだ! ここにドSがいる!」 「相手の神姫、花型ジルダリアだったんだけど、手加減どころか指一本触れられずに負けてそれ以来トラウマになっちゃったんだって。 ちょっと可哀想」 「そうなん? それは知らんかった」 「未だにハーモニーグレイスを見ると足が竦んで動けなくなっちゃうんだって」 「 【 あらららら それはひどいな 超wざwまwあw 】 」 「ドS俳句だ! 姫乃気をつけろ、竹さんの近くにいたらそのうちヤられるぞ!」 「ふひひひひ! 悪いけど傘姫の体は私がもらっとくよ!」 「このっ、俺の姫乃を食うつもりか!」 「何の話よ!? やめてよ、もう!」 「ただいま戻りましたーって、なんだか楽しそうですね。 私も混ぜてください!」 「…………はぁ」 姫乃の胸ポケットの中でニーキが漏らした深いため息は誰の耳にも入らなかった。 神姫センターは二階から上が武装神姫専用のゲームセンターになっていて、神姫を連れたマスター達が百円玉を何枚も持って遊んでいる。 その中でもやはり二階のバトル用筐体はプレイヤーとギャラリーが多く、どの筐体でも神姫達がマスターやギャラリーの応援を受けて火花を散らしていた。 ビリヤード台に四角形のガラスケースを置いたような外観をしていて、大きさは四方が2m弱から1mくらいと大小様々なものがあり、高さも神姫が飛びまわるのに十分なものだ。 ガラスケースの中は何もなかったり障害物があったり、廃墟、砂漠、滝、サーキット、礼拝堂、無駄にピカピカ光るステージなど、神姫達は例え火の中水の中草の中森の中土の中雲の中姫乃のスカートの中 「しつこい!」 どのような状況であっても冷静に地形を生かす戦い方が求められる。 「お、そろそろ障害物無しの一番シンプルなステージが空くけど、なんか他にバトりたいステージある?」 「エル、どうだ?」 「どんなステージでも問題ありません。 どーんと来いです」 「ニーキは戦ってみたいステージある?」 「いや、私もどこでもいい」 「よし。 じゃ順番取ってくるから待っとって。 筐体使用料はまぁ、今回は私が奢ったろ」 今まさにその筐体ではバトルが佳境を迎えていた。 ありったけのミサイルを全方位に撒き散らす軍隊風の眼帯神姫は、夏の蚊のように襲い来るミサイルを涼しい顔で回避しつつ接近してくる忍者神姫に翻弄されている。 眼帯神姫がまだ起動して日が浅くバトルに不慣れなのは、筐体のガラスに張り付いて必死に応援しているマスターを見れば分かる。 彼女のマスターはさっきから 「撃て撃て撃て! 数打てば中るんだ!」 とだけ繰り返して眼帯神姫を混乱させるばかりで、もう一方の忍者のマスターは椅子にもたれ掛かり余裕綽々といったところだ。 次は俺達の番だ、あんな無様な真似はできない。 そう思うと掌がじっとりと湿ってきた。 相手は姫乃とその神姫なのだから気負う必要なんてまったく無いのに。 勝利への焦燥と敗北への焦慮は刻一刻と強くなっている。 「いよいよ私達の初バトルですね、マスター。 安心して下さい、絶対に勝ってみせますから!」 エルが俺を励ますように力強く宣言した。 その顔には一片の気後れもない。 俺はほんとうに良い神姫に巡り合えたと思う。 普通に神姫を買って、普通に箱を開けて、普通に起動して。 そんな出会い方ではきっと俺は満足できなかった。 このバトルを、これまでエルを育ててくれたレミリアへの感謝と代えよう。 「頼むぜエル。 悪魔に鍛えられたお前の力で、あの偏屈神姫をギャフンと言わせてくれ!」 「了解ですマスター! 戦乙女の名にかけて必ずや、マスターに勝利の美酒を御賞味頂きます! ――ところで、その、私の武器なんですけど、ばっちり用意してくれましたか?」 コートの左袖のベルトをいじりながらそう言って、申し訳なさそうにこちらを見上げた。 ヨドマルで働いていたエルは普通アルトレーネ型に付属するはずの剣などを持っておらず (だからこそ俺のような貧乏人が最新型を買えたのだが)、俺が武装を用意しなければならない。 防具はエルを買った時に姫乃に 「私が用意するから大丈夫。 だから絶対に他のものを買わないでね」 と念を押されて今朝になってコートとブーツをもらい、武器はというと―― 「ばっちり用意しておいたぜ。 戦乙女に相応しいやつを見繕ってきた」 「それなら早く見せて下さいよぉ~。 マスターはあんまりお金が無いから、もう私、言い出しにくくて。 素手で頑張れ! なんて言われたらどうしようかと思ってました」 「はっはっは、すまんすまん。 でもほら、自分の神姫を驚かせたいマスター心を分かってくれ。 ええと……」 鞄に入れていた “それ” を、目を輝かせて 「早く早く!」 とせがむエルに渡してやった。 「ほれ、コイツで頑張ってこい!」 「はい! マス…………た…………………………………………ん?」 筐体では丁度バトルが終わったようで、忍者が彼女のマスターに向かって親指を立てるのを見届けた竹さんが俺達を迎に来た。 「場所空いたけど、傘姫、背比、準備OK?」 「私達はオーケーよ」 「こっちもオーケーだ。 ニーキはもういいのか? まだ遺書の用意ができてないんじゃないのか?」 「問題無い。 エルを倒した後で君の眉間を蜂の巣にしてやるから、今の内に神に祈っておくといい」 「え? え? マ、マスター? こ、これは冗談ですよね?」 「よっし! それじゃ、二人とも両側に座って、そこの丸いとこに神姫を乗せれ」 「姫乃、こんな上等なコートを作ってもらっといて悪いけど、手加減はしてやれないぜ!」 「私だって全力でいくからね、弧域くん!」 「いや、ちょ……………………ええええええええ?」 ――――そして話はプロローグに戻る。 NEXT RONDO 『愛しています、私のバカマスター ~2/3』 15cm程度の死闘トップへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2801.html
『戦闘』刀ツカイ対槍ツカイ 黒野白太「神姫越しにあんな殺気出せる人が居るとは思わなかった。」 『日常』『刃毀れ(ソードブレイカー)』 黒野白太「思いつく限りの悪行をやってやるよ。」 『日常』武装紳士の日常 イシュタル「造作も無い。」 『日常』必殺技 黒野白太「見えていても分からない必殺技というのもあるよねぇ…。」 『戦闘』Battle Venus 黒野白太「僕は神姫バトルに勝ちたいだけの武装紳士さ。」 『設定』白の女神と黒の英雄 登場人物 白田黒乃「黒野白太のモデルはジャギ様。」 『過去』貴方はここに、貴方はどこに? イシュタル「それこそが私達神姫の愛だと私は考えている。」 『ネタ』演説 黒野白太「イシュタル様マジ女神!」 『戦闘』愛など要らぬ 黒野白太「全て等しくどうでもいい。」 『コラボ』錆びた刀は戻せない 白田黒乃「キズナのキセキのキャラクターをお借りしました。ネタバレを含んでおりますので、先に「キズナのキセキ」を読む事をお勧めします。」 『日常』誇大妄想家 黒野白太「一寸の虫にも五寸の魂です。」 『日常』イチャつきにも似た何か イチャつきにも似た何かー後半 白田黒乃「容量オーバーとか…どうしてこうなった。」 『戦闘』虫食い 黒野白太「勝った! 死ねぃ!」
https://w.atwiki.jp/equites/pages/63.html
ターブルロンド #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 入党時期 キャラクター1 キャラクター2 キャラクター3 他メインキャラ 戦闘スタイル 党首について 好きなNPC 好きなコス 好きなエリア ひとこと
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2698.html
あらすじ 著 ユキ 舞台は2044年。相も変わらず平和な世界に一人の引きこもり少女がいた。 これはそんな引きこもりを克服しようと奮闘する少女と それを共に歩んでいく神姫の話―――― レールアクションや武装ランク等、様々な設定は『武装神姫 バトルマスターズMk2』をプレイしてみて考察したりそのまま引っ張ってきています。 なお、ゲームでは出ていないシステムが出たりします。 あと『武装神姫 バトルマスターズMk2』の時代設定は2041年ということにしてあります。 ※1-2にある本の内容に関しましては、ライドオン204xのあらすじから使わせていただきました ※4-3にて登場するミス・非常識についてはライドオン204xを参照 ※バリアに関しての補足説明といたしましては、通常神姫(またはリアライド時のマスター)が張ることの出来る緊急的なバリアが一般的なものになっています。クリティカルダウンの回避にしか役に立たないものでHPにダメージがいきます。 ※読んで頂いた方、できればコメントのほどよろしくお願い致します ※第十二話から読まれる方へ。11-3の最後に少しつけ足しました。第十二話から読まれる方は、そちらから読むことを推奨します 更新履歴 2012,6,5、 初投稿 2012,6,10、第二話出来ました 2012,6,10、人物紹介も載せました 2012,6,12、第三話出来ました。ちょっと2が長いです 2012,6,14、第四話出来ました。初バトルです 2012,6,16、第五話出来ました 2012,6,17、第六話出来ました。全体的にちょっと長いです 2012,6,19、第七話出来ました 2012,6,21、第八話出来ました 2012,7,8、 第九話出来ました 2012,7,14、第十話出来ました。今度は3が長いです 2012,7,24、第十話を修正しました 2012,8,2、 ちょこっと修正してみました 2012,8,3、 第十一話出来ました 2012,8,9、 第十二話出来ました 2012,8,9、 最終話出来ました 2012,8,19、全体的に場面変更線を入れました。内容は変わってません(10―3が変に途切れていたのを修正しました) 登場人物紹介 引きこもりと神姫 第一話・引きこもりデイズ1 2 3 第二話・襲撃者1 2 その夜の話 第三話・逆さまの神姫1 2 第四話・それは卒業試験なの1 2 3 第五話・νタイプ1 2 第六話・等価交換1 2 3 第七話・くるっと回って一回転1 2 3 第八話・持たざるもの1 2 3 第九話・再会と不調の間奏曲1 2 3 第十話・斬鉄剣の伝承者1 2 3 第十一話・真夏の雪1 2 3 第十二話・終わりと始まり1 2 3 最終話・私たちの未来これからの話 9月1日 おまけ 本日 - 昨日 - 総合 - ご意見ご感想など、どんどん書いて下さい! -- ユキ (2012-07-12 00 58 30) テンポが良くて読みやすいです! -- 神姫中毒 (2012-07-12 09 42 23) ひさしぶりに来れたら面白い作品が始まってて、得した気分です、切り口が又良いですよね〜楽しみにさせて頂きます -- ナナシ (2012-07-12 19 20 23) おお! 嬉しい限りです! まだまだ至らぬ点はありますが、よろしくお願いします! -- ユキ (2012-07-13 14 53 38) 10話を修正しました。ちょっと調子に乗ってやりすぎてしまいまして、すいませんでした -- ユキ (2012-07-24 14 23 12) いい小説ないかなーと探していたら神作品を見つけてしまった!やばい!おもしろすぎ!次回の話も期待してます! -- しおん (2012-07-27 09 50 20) 読みやすくて良いですが、6-3や7-2で同じ場面を別視点から書く時に、視点が切り替わったことを示す印がないとわかりづらいかなと感じました。 -- 名無しさん (2012-07-30 22 32 48) なるほど、貴重な意見ありがとうございました。まだまだ未熟故、ご指摘いただける点は色々あると思いますが、これからも読んで頂ければ幸いです -- ユキ (2012-08-01 19 43 48) 一応同じ場面を別視点で書くところに印(?)を入れてみました。他の視点変更点は何もつけてませんが、つけた方が良いですか? -- ユキ (2012-08-02 12 07 58) 上の印のことを書いた者です。分かりづらかったようなので私の好きなトミすけ氏の作品『ウサギのナミダ』を例に挙げます。1-1を読んでいただくと■や◇などが入っており、それらが入るたびに別の視点に切り替わっています。今回の修正のように露骨に誰々の視点と書く必要はありませんが、修正前の状態だと似た内容の文が不意に繰り返され読者が混乱する恐れがあると思います。(私もよく読むまで間違えて同じ文を挿入してしまったと思ってました・・・) ということが言いたかったのですが言葉が足りなかったようで申し訳ないです。長々と失礼しました。 -- 名無しさん (2012-08-02 18 31 16) 十一話の投稿、お疲れ様です。朱野君の言動が微笑ましいです。季節外れの雪とそれを不思議に思わない人々、謎が謎を呼ぶ展開で続きが楽しみです。 -- 名無しさん (2012-08-03 22 15 44) 楽しく読ませてもらってます~ 10-3 斬鉄剣のネタばらし部分なのですが、「不可」をかけたになってますが「負荷」じゃないでしょうか?お節介ですいません・・・>< -- 神姫中毒 (2012-08-06 11 52 10) ホントだ、間違ってる……。ご指摘ありがとうございました。他にも誤字、脱字等ありましたら、ご指摘していただけると有難いです -- ユキ (2012-08-06 21 42 02) 完結しない作品が多い中、凄まじいペースでの最後までの完走、お見事です。ただ一つ・・・12-3の最初のほうの「いいわけ…」の後、恐らく変換ミスだとは思いますが、ここだけは間違えちゃあいけねえ・・・! -- にゃー (2012-08-09 22 45 34) 完結お疲れ様でした〜、泣いて良いですか?神様の粋な計らいの仕業で私の涙腺決壊状態です(T^T)良い話をありがとうございました -- ナナシ (2012-08-10 01 43 29) むぅ…これは負けてられない…弟に負けっぱなしにしとくわけにはいかぬ -- rotto (2012-08-10 02 10 07) 祝完結!!見事なまでの完成度にウるっと来ちゃいました! ユキ先生の次回作にごきた・・・あれ? -- 神姫中毒 (2012-08-10 10 07 58) うっほうっ、最後の最後で誤変換してしまった。あそこでのミスはかなり痛い。ちゃんと修正しときました -- ユキ (2012-08-10 10 53 22) 完結おめでとうございます。凄まじい更新スピードでしたね、それでも手抜きは無く漫才・戦闘・成長の描写がしっかりしていました。学校に行った彼女がどうなったか…期待してもいいんですね! -- 白田黒乃 (2012-08-10 16 22 11) たくさんのコメント、ありがとうございます! 白田黒乃さん あなたの作品も読ませていただいています。次回作は製作予定です。流石に樹羽を高校に行かせてENDって言うのもアレですし、まだ色々解決してませんから。 -- ユキ (2012-08-10 23 06 38) 引き神完結お疲れさまでした!・・・これは泣くほどいい作品でした!文章力やばいですね!もしこの話の続きをやるならまたみさせてもらいますね!ともかく、お疲れさまでした!・・・自分も書こうかなぁ -- しおん (2012-08-13 01 05 20) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/265.html
前へ 先頭ページ 次へ 第七話 OFイクイップメント クエンティン達は、鶴畑屋敷の地下にある特設の武装神姫バトルトレーニングルームへ来ていた。仕方なく。 「僕の権限でここから追い出すことだってできるんだからな」 そう鶴畑大紀に言われたことは――興紀が許さないだろうから――特に気にならなかったが、余計な面倒を起こしたくなかった二人は渋々ながら彼に従った。 眠る必要のないクエンティンはどうということもなかったのだが、理音のほうはというと……。 オーナー席に着いたとたん、こっくりこっくり舟をこぎ始めていた。肉体的にも精神的にも疲労がかなり募ってきているのである。 こりゃお姉さまの指示は望めないな、とクエンティンはあきらめ、バトルスペースへと登った。ちょっとした違和感が後ろ髪を引いたが、今はその原因がわからず、クエンティンは立ち止まらなかった。 バトルスペースはバーチャルではなく、リアルバトル用のものだった。円柱の形をしており、面積は半径十五メートルほど、高さもそれくらいである。人間には狭く感じるが、体長わずか十五センチちょっとのクエンティンにとっては、一対一の勝負をするには必要十分な広さであった。 鶴畑大紀は興奮を抑えられていないようにクエンティンには見えた。まるで新しいおもちゃを手にした子供のようだ。実際子供なのだが。 スタート地点に登壇する。 「さあ、ちゃっちゃと終わらせましょうよ。子供は寝る時間よ」 「子供はいつまでも遊びたいんだよ」 クエンティンの挑発に、鶴畑大紀は乗らなかった。余裕綽々の態度である。おおいに勝算があるようだった。 「なあ、僕が勝ったら」 鶴畑大紀はとんでもないことを言い出した。 「そのイクイップメント、貰うぞ」 何のことだ、と思い、すぐにエイダだと気がつく。 くれよ、ではなく、貰うぞ、という否応のない表現が、鶴畑大紀という人間の傲慢さをよく表していた。 負けたらどんなに抵抗したところで、自分からエイダは引っぺがされる。興紀の言っていたとおり引っぺがすことが不可能ならば、ばらばらにされることは間違いない。 なんてこった。いきなり負けられなくなった。クエンティンは焦った。 ここまでやっておいて興紀が出てこないところを見ると、寝ているのだろうか。いずれにせよ彼の手助けは無いと考えたほうがよさそうだ。そもそも助けられたくは無いが。 今の自分に対してそこまで自信たっぷりに言い放つということは、やはり大きな勝算を持っているに違いなかった。 普通の神姫ではどんなに違法なパーツをつけたところで、エイダと融合したクエンティンには勝てない。エイダの性能はもう武装神姫という玩具の範疇を超えていた。 少なくとも武装神姫のノーマル装備がまったく通用せずかつ人間用の拳銃弾をはね返すような相手と複数対峙しそれらをいとも簡単にスクラップ同然にして、自らも二十ミリの大口径機関砲弾を素で防ぎきる性能を誇るような代物に、普通の武装神姫がどんなに徒党を組んでかかったところでかなう筈がないのである。 思い上がりなどではない。クエンティンが今まで実際にこのボディで体験してきた事実だった。 「アタシに勝ちたいなら戦車でも持ってきなさい」 そのとおりであった。 しかし、鶴畑大紀はフン、と鼻で笑った。 「その余裕、こいつを見ても言ってられるかな」 鶴畑大紀が右手に携えていた頑丈そうな金属製アタッシュケースを開くと、中から一体の人形が自分から躍り出た。 『人形ではありません。武装神姫です』 エイダが訂正する。 しかし、あんなタイプの神姫をクエンティンは見たことがなかった。 その神姫を一言で表すならば、棺、だった。 全身をホワイトピンクのメインカラーが彩っている、古代エジプトの棺のような装甲にその武装神姫は全身を覆われていた。見えるのは顔だけだが、素体タイプはもちろんサングラスのようなバイザーに目が隠されどのコアなのか判別できない。 唐突にチリチリという電子音とともに棺が細かいビットと化して散らばり、すぐに収束、マントとなる。 その神姫はどうやら素体はアーンヴァルタイプらしかった。あの憎たらしいノーマル主義なアイツと同じ、天使型。 それでも、もう天使の面影はどこにもない。 頭部には結んだ髪の毛を模したパーツが三対取り付けられ、全身をホワイトピンクの装甲で補強している。脚部はクエンティン同様足首が無くとがっており、首もとの球体から全身にピンク色のエネルギーラインが通っている。 股間部にはやはり立派な突起物があった。 「エイダ、あれ……」 『間違いありません。私をもとに作られたOFイクイップメントシリーズの一つ、MMSタイプ・アージェイドです』 デルフィのゼロシフターのように情報公開されたようである。 「OFイクイップメントって、なに?」 『私のような武装神姫の総合戦闘支援システムと、その専用装備を含めた総称を、オプショナリーフレームイクイップメント、OFイクイップメントと呼びます』 「何であいつがそれを持っているのよ!?」 「なんでって、当たり前だろう?」 鶴畑大紀が代わりに答えた。 「僕ら鶴畑家はこいつの筆頭出資者なんだから、サンプルを貰うのは当たり前だ。お兄様から聞いてないのか? 僕にとっては、お前が持っている方がおかしいんだ」 要するに目くらましのために、大元のエイダ、デルフィとは別の、どどのつまり試供品をあてがわれたわけだ、とクエンティンは考えた。 「お兄様から聞いたよ。本当の試作品はお前が付けてるヤツだってな。普通に頼んでもどうせ譲ってくれやしないだろうから、弱らせたあとに引っぺがしてやるのさ」 あの男、身内とはいえ意外に口が軽いな、とクエンティンは小さく悪態をついた。 「そんなホントのことしゃべるなんて、アンタ間抜けじゃないの?」 「お前が馬鹿だ。本当のことをしゃべるってことは、お前はもう檻に入れられたも同然なんだよ」 クエンティンは後ろを振り返った。バトルスペースの端っこを、いつの間にかオレンジ色のエネルギー膜が取り囲んでいたのである。 ブレードで切りつけようとする。その途端、エネルギー膜から強烈な電撃が放たれた。 「ぐあああっ!?」 『無駄だってば。もう逃げられないよ』 スピーカー越しに鶴畑大紀の声が聞こえた。 『それにお前の声は眠りこけているご主人様には届かない。おとなしくそのイクイップメントを渡すか、僕のミカエルにぶち壊されるかだ。選べ』 「どっちも嫌よ!」 『じゃあ壊れろ。行け、ミカエル!』 「イエス、マスター」 ギュオオッ! 熾天使の名を冠したその神姫が、マントをはためかせ猛スピードで接近してきた。 ミカエルはオレンジのエネルギーブレードを手の甲から放出し、切りかかってくる。 「くっ!」 自らのブレードを交わしてクエンティンは回避。左へ間合いを取りながら、 ツツツシュ! ショットを放出し牽制する。 『そんなもの、ミカエルには効かないよ』 ミカエル、エネルギーシールドを展開してショットをすべて防御。 『ウィスプでやれ!』 鶴畑大紀の命令でミカエルのマントがバラバラになり、無数のビットに変形、クエンティンへ突進する。 『レーザーで迎撃してください』 すかさずエイダがアドバイスを出す。 クエンティンはダッシュをしつつ、ウィスプと呼ばれたそのビット群を一つ残らずロックオン。 ガシォーン! 幾十本ものレーザーが応酬する。 爆発。黒煙がフィールドを埋め尽くす。 『敵機接近』 乗じてミカエルが突撃。黒煙をまといながら出現する。ビットとなって撃墜されたはずのマントが復活していた。 エネルギーブレードを振るう。命中。 「ぐうっ!?」 焼け付くような痛覚がクエンティンを襲う。右肩から左わき腹の装甲にかけて袈裟懸けに焦げ付いた切り傷がついた。とっさに広報へスウェーバックしたのだが、少し間に合わなかった。 『オブジェクト、出ます』 フィールド表面がぐにゅぐにゅと変形してゆく。ファーストレベルのスタジアムにも使われている実体ホログラム技術である。ホログラムでありながら触れたり持ち上げたりできるのだ。 岩山が連なり、谷間には天然ガス掘削基地を模した建造物が再現されている。 『鉄骨や鉄板などのオブジェクトを利用してください』 クエンティンは下降。建造物をすり抜けつつ、両の手元に一番近い鉄骨を引きちぎる。実体ホログラムは物体の材質的特性も可能な限り再現されるから、鉄骨はかなり重いはずである。だがクエンティンはその重量をまったく感じていなかった。エイダの反発重力機能の応用で、重量をカットしているのだ。 後方からミカエルが追ってきているのが分かる。クエンティンは上昇段階でいきなり振り向くと、二本の鉄骨を時間差で投げつけた。 「!?」 ミカエルは一本目は避けたものの、修正照準で投げられた日本目には思い切り衝突した。投げられた鉄骨の速度は非常に速く、鉄骨そのものの質量と相まってミカエルを圧し戻すには十分だった。ミカエルは建造物に墜落した。 その拍子にガスタンクが潰されたようで、建造物はミカエルを巻き込んで盛大な爆発に包まれた。あまりにも大量のガスが貯蔵されていると設定されていたためか、赤黒いきのこ雲が上がるほどだった。 「ぃやった!」 さすがにあの爆発では生きてはいないだろうとクエンティンは確信した。 その油断が隙を生んだ。 『爆心地より高エネルギー反応』 「えっ!?」 ズィ、ビュームッ!! 爆煙立ち上る残骸より金色の大出力ビームが飛び出した。 回避は間に合わない。クエンティンは最大出力でシールドを展開して、真正面からビームを受け止めた。 しかし、半分も受けきらないうちにシールドは散り散りになって瓦解。 「うああ!」 火花を散らしながら、クエンティンはバランスを崩し落下してしまう。 『ダメージ75パーセント突破。危険です』 エイダの警告を聞き終わらないうちに、クエンティンは岩壁に墜落した。 いまだ煙の納まらない建造物から、棺状態のミカエルが現れる。 『終わりだな』 嘲笑をこめた口調で鶴畑大紀が言った。 『そいつを渡す気になったか?』 「フン、前口上はいいからさっさと殺ったらどう? さっきから思ってたけど、そのカンオケ状態、たらこキューピーに見えるのよね」 岩壁にめり込んだままクエンティンが挑発した。 なんとこれが、とくにたらこキューピーのあたりが、鶴畑大紀の逆鱗に触れたらしかった。 『死ねぁー!』 彼の絶叫とともにミカエルが棺状態を解いて突撃する。 エネルギーブレードを展開。真上から振り下ろす。 ガギンッ 「……ばーか。だからアンタはお子ちゃまなのよ。そのまま遠くから撃ってりゃよかったのに」 切りつけられる間際、クエンティンは両手を突き出し、ミカエルの両腕をグラブして封じる。 「エイダ!」 『ハッキングを開始します』 エイダはミカエル、というよりはアージェイドのメインシステムに侵入、お目当てのプログラムを瞬時に探り当てた。 「作戦成功。アンタの得物、いただくわね」 水色のスパークが二体の間に発生する。すると一つのデータ粒子の塊が、ミカエルの方からクエンティンへ移動した。 『サブウェポン、ウィスプのデバイスドライバを取得しました』 「行っけー!」 クエンティンの腰にあった三つのはさみの形をしたスカートパーツが分離する。 それらはがっちりとミカエルを拘束したかと思うと、無理矢理クエンティンから引き剥がす。ウィスプとクエンティンの右手の間には水色のエネルギーワイアーが張られた。 「うおりゃっ!」 それを振り回す。 ミカエルはウィスプに引っ張られ、そのまま岩山に激突。岩の破片がバラバラと舞う。 間髪いれずにクエンティンは下に引っ張り、ミカエルを地面にぶつける。 再び岩山へ。続いて端のエネルギー膜へ。ミカエルは電撃を受ける。 「アンタの負けよ。ノックアウトは癪だから、ギブアップしなさいな」 『く、くそっ。誰がギブアップなんぞするもんか。ミカエル、振りほどけ! 反撃しろ!』 だが、ミカエルはもがくだけで振りほどけない。ウィスプの拘束は強力だった。ジャッジAIは戦闘不能を判断しない。 「早くしないと大事な神姫が壊れちゃうわよぉ」 『まるで悪役です』 「もともとそうよ」 掛け合いつつ、振り回すのはやめない。ミカエルはだんだん弱っていった。 『や、やめろぉ! もうやめてくれえ!』 ついに鶴畑大紀は弱音を吐いた。 「そこまでだ。試合を終了しろ」 予期せぬ方向から声がかかった。 冷静な、しかし威圧感のある声。 『試合終了。ノー、コンテスト』 ジャッジAIの音声とともにエネルギー膜が消え、オブジェクトも無くなりただの平地になった。 声の主を確認した鶴畑大紀の顔がみるみる蒼白になってゆく。 「お、お兄ぃ、さま……」 仕立てのよい白いスーツを着て、出入り口に興紀が腕を組んで直立していた。 「お前もよく分かっただろう、プロトタイプの実力が」 「なーんだ、やっぱり兄貴がけしかけたのね」 クエンティンの言葉に、興紀はフン、肩をすくめた。 「ど、どういうことだ!?」 冷や汗をだらだらと垂らしながら、次男坊はうろたえた。 「だからぁ、アンタはこのお兄様に利用されたのよ。エイダの戦闘データを取るためにね。アンタはつまり、かませ犬なの」 「なんだとお!?」 「大紀」 「ヒィッ!」 興紀の一言に、次男坊は硬直。 まるで蛇ににらまれた蛙だな、とクエンティンは思った。 狡猾な蛇に、太った蛙。良いたとえだ。 「あとで私の部屋に来い。アージェイドは捨てるな」 「は、はい、お兄様……」 蛙はそのばにへたり込んだ。 「夢卯理音嬢」 「……んぐ?」 今までずっと眠りこけていた理音が、興紀の声で目を覚ました。 「申し訳なかった。明日は昼までゆっくり休むとよい」 興紀はそれだけ言って出て行った。 理音は再び大きく振り子運動をやり始める。 「ああもう、お姉さまったら。ちゃんとお部屋に戻って寝ましょうよ」 クエンティンはグラブ機能で理音を肩に担ぐと、そのまま引きずっていった。 人間も持ち上げられるのか。便利な機能だ、とクエンティンは思った。 バタン。トレーニングルームの扉が閉められる。 バトルスペースでぐったりしているミカエルと床に座り込んだまま動かない次男坊を残したまま、オートで照明が落とされた。 部屋は真っ暗になった。 つづく 前へ 先頭ページ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1311.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ 神姫の構造と戦闘について ※この雑文は武装神姫に対するALCの勝手な解釈です。 一応本編ではこの解釈で考えてますよ、的なものです。 以上を考慮した上でお読み下さい。 オレ設定に興味は無いと言う方はどうかスルーして下さい。 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る 神姫の構造 武装神姫の構造は中枢部、末端部、装備の3つに分類できる。 中枢部 神姫の最低必要条件。 頭部、首部、胸部(胸アーマーの部分、及び腹部は含まない)のみの構成。 これにCSCを搭載すれば神姫と識別される。 (この状態では電源は無いため、有線接続が必要だと思う) 交換が効かず、破損=神姫の死であるため堅牢なシェルで守られていると思う。 バトルに使用する武器は、このシェルを傷付けられないのが前提。 非常用のバッテリーもここに内臓されていると思う。 頭部は思考、嗜好などを決定する部分のひとつ。 CSCから影響を受け、その方向性を決定するが、頭部自体の傾向も強くあると思う。 (アーンヴァルは真面目な子が多いとか…) 胸部はCSCの基部であると同時に、神姫の身体機能の最大値を決定する部分だと思われる。 トルクがここで決まると言う感じだろうか? (マオチャオは素早いとか、サイフォスは腕力があるとか…) もちろんCSCの影響を受け、性能は変化すると思う。 余談だが、神姫は全て裸素体だと考えている。 フィギュアの塗装はパイロットスーツみたいなもの? (ジルダリアならブラとパンツだけだ!!) 当然“デフォルトでは”胸の先端や股間部分は何も無いと思うが…。 交換用の18禁パーツが出回らない訳は無い!!(力説) 末端部 いわゆる手足、それに加えて中枢部に含まれない腹部も末端部のひとつ。 ここは神姫の体であると同時に交換可能な装備でもあるため、換装やカスタマイズも可能。 (作中ではレライナが脚部を改造していると言う設定になっている) 腹部には神姫のメインバッテリーである燃料電池が内蔵されている。 燃料電池の種類はさまざまだが、基本的には水素を補給し、酸素と反応させることで電力を得る仕組み。 しかし、この機能を使用したとしても、やはりクレイドルによる睡眠と充電は必須。 (補給用の水素は商品なので有料。バトロンの急速充電池がこれだといいな、とか・・・) もちろん、この機能を使用せずにクレイドルの充電のみでも活動可能。 また、別売りのバイオ型燃料電池と換装すれば、神姫は食事から糖分を摂取し電力に還元することが可能になる。 (食事できる神姫の科学的説明・・・になる?) そして、燃料電池だということは活動すると“水”が生成されてしまう訳なのだが…。 あ…、えっち機能のある(性器のある)お腹も売ってると思う。 装備 言わずと知れた武器防具。 取り外しは容易であり、簡単に換装が可能。 手で握るものの他、ぷちマスィーンズなどもこれに分類される。 武装の威力はおそらく最大でもガスガン程度。 これ以上になると人間に対する殺傷能力を持ってしまい玩具としては危険。 近接武器ならカッターナイフとか? どちらにせよ使い方しだいで人間に攻撃も可能。 (神姫の銃弾が目に入れば失明の危険はあるし、頚動脈を狙えば刃物で殺せる) これは現実のエアガンや包丁等でも同じ事なので許容できるはず。 当然、防具はその威力で破壊できる物に限られる。 (その場合、アーマー系は消耗品なので値段も安いはず) また、前述のとおり中枢部は堅牢なシェルで守られる為、バトルによる神姫の『死亡』は無いはず。 もちろん、中枢部を守るシェルのような強度の高いものは、防具としての使用は禁止だと思う。 つまり、これに当てはまる武器防具が公式レギュレーション(この作品内の公式です)に相当するはず。 自作武器や改造武器はこの審査を受けなければ公式戦での使用は認められない。 もちろん、違法改造の武器はこれに相当しない。 戦闘について 神姫が強くなると言うのは、力が上がるとか素早さが高くなるとかでは無いと思う。 きっと百戦錬磨のアーンヴァル(たぶん非力)が、生まれたてのサイフォス(腕力は凄そう)と腕相撲すれば必ずサイフォスが勝つと思う。 これが、剣を使った勝負となると話は別。 (剣道八段の小柄な老人と、剣道初段の大男の戦いを想定すれば分かりやすいだろうか?) つまり、神姫の強さは能力値ではなく技術(スキル)的な強さと、経験を反映した最適化による効率の向上だと言う事になる。 また、神姫は案外“頭が悪い”と思う。 計算の速さとかはコンピュータなので当然早いのだろうが、応用力に欠けるのではないだろうか? 狙撃が得意な神姫と言うのは、遠くの目標に弾を当てられるだけであり、狙撃の最適なポジションの選定とかはマスターの指示待ちになる筈。 でないとマスターが戦闘を指示する意味が無くなるし…。 もちろん、経験を積んだ神姫はかなりの精度でその手の判断が出来るようになるのだろうが、マスターの指示が完全に不要な神姫はいないと思う。 実力差がある場合ならともかく、互いの実力が伯仲している場合、マスターの指示の有無(あるいは良し悪し)は確実に勝敗に影響する。 こんなところですね。 くれぐれもALCの勝手な解釈だとお忘れなく。 そのうちコラムとか、対談形式で纏めて読み物にしておきたいけど・・・。 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1180.html
「接近して相手をすぐ倒すクリナーレで」 「さっすがアニキ!話がわかるぜ!!」 頭の上で騒ぎ喜ぶクリナーレ。 まぁ喜んでくれるのは嬉しい。 だけど他の三人は少し残念そうな感じだ。 『後で他の奴等と戦うから、その時にな』と言うとパア~と明るい表情になる神姫達。 さて、そろそろ対戦するか。 装備…よし! 指示…よし! ステータス…よし! クリナーレを筐体の中に入れ、残りの神姫達は俺の両肩で座ってクリナーレの観戦をする。 「クリナーレ、負けんなよ!」 「おう!任しときな、アニキ!!」 「頑張ってクリナーレ!!」 「クリナーレさん~頑張って~!」 「姉さんー!無茶はしないでくださいねー!!」 「闘いに無茶はつきものだぜ!」 クリナーレは余裕綽々な笑顔を俺に見せ筐体の中へと入って行く。 気がつくと俺は両手で握り拳をつくっていた。 いつになく俺の心は興奮していたのだ。 何故だろう? 多分、誰かを応援している事によって熱くなっているのかもしれない。 それとクリナーレに勝ってほしい、という気持ちがある…かもなぁ。 俺は筐体の方に目を移すと中には空中を飛んでいる二人の同じ武装神姫達が居た。 READY? 女性の電気信号が鳴り響き、一気に筐体内の中に緊張が走る。 勿論、外に居る俺達もだ。 FIGHT! 闘いの幕があがった。 お互いの距離150メートルからスタートして、まずは二人とも距離を縮め接近する。 クリナーレはDTリアユニットplusGA4アームに付いてるチーグルを相手のストラーフに向ける。 すると敵のストラーフもクリナーレと同様にDTリアユニットplusGA4アームに付いてるチーグルをクリナーレに向けた。 そのままお互いの距離が縮まっていく。 70…60…50…40…30…20…10…0! ガキャン! 鈍い機械音が辺りに響く。 DTリアユニットplusGA4アームのチーグル同士がぶつかった音だ。 「この!」 「うりゃっ!」 クリナーレが先に叫び上げ遅れて敵のストラーフも叫ぶ。 お互い両手を突き出しさらに互いの両手同士で掴みあう。 チーグルもその状態だ。 二人とも引かない力押しの戦法。 チーグルと自分達の両手で押し合い睨みつけあう状態が数秒たった。 「…そりゃ!」 敵のストラーフは何を思ったのか、自分を軸にしてクリナーレをブンブンと回す。 遠心力によりドンドン、と回転するスピードが速くなる。 「セイッ!」 ストラーフの掛け声と同時にクリナーレを離した、地上に向けて。 クリナーレは物凄いスピードで斜めの角度で地上に落ちていく。 いや、地上に落ちる前に廃棄されたビルにぶつかってしまう。 このままじゃマズイ! 「クリナーレー!」 俺は叫んだ、だがクリナーレからの返答はないまま、そのままビルに突っ込んだ。 ドガシャーン! ビルの壁をブチ破りそこらじゅうに雷みたいな亀裂が走る。 もう一回軽い衝撃でも当てればビルは倒壊するような亀裂だ。 って、ビルの様子よりもクリナーレの状態が気になる。 すぐさまビルに穴があいた部分に集中し目を凝らして覗く。 視力は良い方なので多少離れていても見える…はずだ。 …いた! グッタリと上半身を壁に寄りかかり座っている。 「大丈夫か!?クリナーレ!」 「イテテ~、大丈夫だよアニキ」 ヨロヨロと覚束ない足で立ち上がるクリナーレ。 これはちょっとヤバイかもなぁ。 筺体に付いてるコンソールを見るとクリナーレのLPは半分以上無くなっていた。 ちょっとどころではなく、かなりヤバイ。 あの野郎…無理なんかしやがって。 そんなヤバイ状態のクリナーレに追い撃ちがきた。 敵のストラーフがクリナーレがぶつかって出来た穴からモデルPHCハンドガン・ヴズルイフを撃ってきたのだ。 撃った数は二発。 何とかしてクリナーレはその二発を避けたものの、ただでさえフラフラの状態なので転がるように倒れ込む。 だが、幸いな事に転んだ場所が瓦礫の壁だったので敵のストラーフが追撃出来なくなったこと。 「クリナーレ、大丈夫なら返事をしろ!」 「ごめん、アニキ。やっぱり、ボク…負けちゃうかも」 弱々しい声で言うクリナーレ。 こんなにも弱々しいクリナーレを見たのは久しぶりだ。 前は違法改造武器を使った時に泣いたんだったけ。 今のクリナーレはあの時と同じだ。 このまま戦闘を続ければ精神的に弱気になってしまう。 どうする…どうすればいい! 俺に出来る事は何かないのか!? 「しっかりしてください、姉さん!弱音を吐く姉さんなんか、姉さんじゃありません!!」 「!?」 いきなりの大きな声が聞こえたので俺は驚愕する。 声の主は左肩に座っているクリナーレの妹、パルカだった。 怒った表情にも見えるけど悲しい表情にも見える、なんとも言えない表情だ。 自分の姉をまるで叱っているようにも元気づけてるようにも見える。 俺もパルカの事を見習わないといけないなぁ。 「クリナーレ!お前は力はそんなものか!?違うだろ。お前はそんなヤワな奴じゃないだろうが!!頑張れ!!!」 瓦礫に隠れていてクリナーレの姿は見えないが、俺とパルカは諦めない。 「そうよ、クリナーレ。貴女なら勝てるわ!」 「クリナーレお姉様はいつも元気な人ですわ。頑張ってください!」 アンジェラス、ルーナが後から応援する。 考える事は皆同じということか。 よし、このまま応援し続けるぞ。 「負けんな!クリナーレ!!」 大声で応援し続けていると他のオーナー達が『なんだ?』とこっちに来くる。 けど今の俺には野次馬なんてどうでもいい。 今はクリナーレの応援に専念するべき。 そう思った時だった。 「分かってるよ!ボクが負ける訳ないだろう!!」 クリナーレの大声が聞こえた。 ドカーン! それと同時にビルの反対側の壁が爆発した。 その爆発から勢いよく飛び出すクリナーレ。 表情は元気いっぱいのいつものクリナーレだった。 「クリナーレ!」 「アニキ、パルカ、アンジェラス、ルーナ。応援ありがとう。ボク、頑張るからしっかり見ててね!」 左手を元気よく振るクリナーレ。 フッ…心配掛けやがって。 まぁこれでいつものクリナーレに戻ったから大丈夫だろ。 「さっきはよくもヤッてくれたな!倍にして返すんだからー!!」 クリナーレが敵のストラーフに物凄いスピードで突っ込む。 あれ? この光景はデジャブーだぞ。 あっ! 戦闘が始まって最初に敵と接触した時の場面だ! ガキャン! 再び鈍い機械音が辺りに響く。 DTリアユニットplusGA4アームのチーグル同士がぶつかった音。 「また振り飛ばされたいのかな?」 「フン!残念でした~、次に振り飛ばされるのはお前だよ!」 お互い両手を突き出しさらに互いの両手同士で掴みあい、二人とも引かない力押しの戦法になる。 最初の時とまるっきり同じ。 チーグルと自分達の両手で押し合い睨みつけあう状態が数秒たった。 「それ!」 「!今だ!!」 敵のストラーフがまた振り回そうとした瞬間の隙をクリナーレは見逃さなかった。 ゴツン! なんとお互い掴んだままの状態で敵のストラーフの頭にクリナーレが無理矢理の頭突きをかましたのだ。 あまりの痛さにストラーフは自分の頭を両手で押さえてフラフラとバランス悪く飛ぶ。 その間にクリナーレはアングルブレードを右手と左手に一ずつ持ち二刀流になる。 「クラエーーーー!!!!」 ズバズバズバズバ!!!! 「オマケだーーーー!!!!」 グシャ! アングルブレードで4回斬った後に回し蹴りをして吹っ飛ぶストラーフ。 そのまま吹っ飛んだ敵のストラーフは反対側にあるビルの壁にぶつかり、LPが無くなり力尽き地上に転落していき、ゲーム終了した。 俺の方の筐体に付いてるスピーカーから『WIN』と女性の電気信号の声が鳴り響く。 多分、相手の方では『LOSE』と言われてるだろう。 そりゃそうだ。 勝ちがあれば負けもある。 二つに一つ。 「勝ったよ!アニキ!!」 筐体の中で俺の事を見ながら喜ぶクリナーレ。 俺も自分の神姫が勝った事が嬉しくて微笑む。 両肩にいるアンジェラス達も喜びハシャイでいる。 そうか…。 これが武装神姫の楽しみ方か。 確かにこれは楽しい。 おっと、クリナーレを筐体から出さないといけないなぁ。 筐体の出入り口に右手を近づけると勢いよくクリナーレが飛び出して来て俺の右手に抱きつく。 そのまま俺は右手を自分の目線と同じぐらい高さまで持っていきクリナーレを見る。 「頑張ったな、クリナーレ」 「エッヘン!アニキやみんなの為に頑張ったんだから!!」 「言ってくれるじゃねぇかー、こいつ」 「…アウッ」 俺は右手の手の平に居るクリナーレを更に左手の手の平と添えるようにくっ付けて、お茶碗のような形を両手で形どる。 両手でよく水を掬う時にやるあの形状だ。 その形を保ちつつ親指の腹の部分でクリナーレの頭を撫でる。 この撫で方はクリナーレのお気に入りだそうだ。 何でも、俺に抱かれているようで気持ちいいらしい。 まぁ…クリナーレがそれがいいと言うなら俺はなにも文句は言わん。 「いいなぁ…。ご主人様、ご主人様、次の試合は私を指名してください。絶対勝ちますから!」 「ダーリンのご褒美を貰うために頑張らないといけませんわね」 「あの…私のバトルは最後でもいいので…もし勝ったら、お兄ちゃんのご褒美くれますか?」 両肩で何やらクリナーレに嫉妬しているように見える三人の神姫達。 そんなにご褒美が欲しいのか? まぁ今日はトーブン、ここにいるつもりだから一応全員バトルさせてやるか。 俺はクリナーレの頭を撫でるの止めて離すと。 「え!?もう終わりかよ~。もっと撫でてー!」 離した親指を無理やり掴み自分の頭に擦り付けるクリナーレ。 はぁ~…我侭な奴だ。 まぁそこが可愛いだけどな。 だがもし、ここでまた再びクリナーレの頭を撫でると両肩に乗っている三人に何されるか解らないので撫で撫ではお預け。 クリナーレを両手から左肩に移動させ、俺は次の筐体に向かった。 闘いはまだ始まったばかりだ。 「さぁ行くぞ!俺達のバトルロンドの幕開けだー!!」 こうして俺達のバトルロンドがスタートした。 そしてこの日からクリナーレの二つ名が出来た。 名は『重力を操る者』…。