約 1,954,137 件
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3216.html
XXバトルロワイアル本編 XXバトルロワイアル本編SS目次・投下順 XXバトルロワイアルの死亡者リスト XXバトルロワイアルの参加者名簿 XXバトルロワイアルのネタバレ参加者名簿 XXバトルロワイアルのルール・マップ
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/5277.html
ぶそうしんき バトルマスターズ マーク2 機種:PSP 作・編曲者:ベイシスケイプ(並木学、上倉紀行、工藤吉三、阿部公弘)、Sota Fujimori、マーヤ、真下正樹、Re;versible、大貫和紀、堀田星司 開発元:ピラミッド 発売元:コナミデジタルエンタテインメント 発売年:2011年 概要 『武装神姫 BATTLE MASTERS』のアップグレード版。 収録曲 曲名 作・編曲者 補足 順位 ラビリンス 真下正樹 歌:MIQ、作詞:真下裕子 Introduction 並木学 Battle "Coliseum" ver.2 工藤吉三 Battle "Sky" ver.2 上倉紀行 Battle "Black blizzard" ver.2 工藤吉三 Battle "Ruins" ver.2 Battle "Waterfall" ver.2 Battle "Examination room" ver.2 上倉紀行 Battle "Tube" マーヤ 2011年239位 Battle "Plant" 上倉紀行 Battle "Versus 01" Battle "Versus 02" Sota Fujimori Throb! Throb!! 上倉紀行 Christmas In 2040 孤高のカタルシス Re;versible 歌:実谷なな、作詞:Re;versible After Terrorism 上倉紀行 Okuni's Theme 工藤吉三 Mimic's Theme 上倉紀行 Battle "Triphantom" 工藤吉三 2011年122位第2回マイナーゲーム304位PSP91位 In The Building 上倉紀行 Revealing 阿部公弘 Strongest AI 工藤吉三 Battle "Despair" Battle "The Last" 上倉紀行 第2回ラストバトル384位 か弱き十字架の愛 Arrangement version 大貫和紀、堀田星司、上倉紀行 True Master 上倉紀行 か弱き十字架の愛 大貫和紀、堀田星司 歌:KEI、作詞:mitsu サウンドトラック 武装神姫 BATTLE MASTERS Mk.2オリジナルサウンドトラック PV
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/217.html
作者・◆N2K943LWJ1Uz氏 ネタキャラ、2chキャラ、明確なキャラ設定のない半オリキャラが多数参加していますが、全員特殊な能力のない一般人として書いていきます。 バトルロワイアルの中で様々な葛藤をする一般人の心理、みたいなものが上手く書けたらいいなあ、と思います。 24ロワは書き手の性格がいい加減なため、性格が変わっていたりなどのキャラ崩壊がありまくりです。 というか書き易さのためなら、あえて積極的にキャラを(個人的に違和感がない程度に)崩したりもしていくつもりです。 そういう事をしてもあまり違和感が出ないキャラや元ネタを選んだつもりですが、それでも苦手という方は要注意。 24バトルロワイアル本編 24バトルロワイアル本編SS目次・時系列順 24バトルロワイアル本編SS目次・投下順 24バトルロワイアルキャラ別追跡表 24バトルロワイアルの参加者名簿 24バトルロワイアルの死亡者リスト 24バトルロワイアルの支給品一覧 24バトルロワイアルのルール&マップ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2714.html
7月25日(月) その翌日、つまり月曜日。私はまたもや炎天下の元に歩いていた。 今日は神姫センターに行って、マスター登録をするそうだ。そうすることで公式大会にも出られるらしい。出る気はないんだけど。 「いいじゃん、無料だし色々特典ついてくるし」 「でも暑い」 「仕方ないでしょ。仁さんはお店あるんだし」 定休日とか言ってなかったっけ? 「樹羽はちょっと外に出て散歩した方がいいんじゃない?」 肩掛け鞄の中から、シリアがひょっこり顔を出す。 「シリアまで華凛の味方だ」 「私は樹羽のためを思って言ってるんだよ」 それくらいわかっている。が、やっばり不思議だな、神姫って。 その時、華凛がこちらを見て笑っていることに気が付いた。 「不思議でしょ、神姫って」 「……うん」 「??」 シリアは何のことかわからずキョトンとしている。 神姫は小さな人。見た目は人形そのものだけど、ちゃんと人の「心」を持っている。後8年早く神姫に触れていたら、私はあの時、笑っていられただろう。 「シリア、ありがとね」 「?? どういたしまして……」 やって来たのは駅前だった。ビルには「武装神姫」と書かれた垂れ幕がかかっており、さらに武装したアーンヴァルmk,2の写真や、TVにも神姫についての特集をやっている。 「ここまで人気だったんだ」 「元々2031年の発売から人気だったし、4年前の神姫ライドシステムの開発に3年前の大会ラッシュでさらに人気が高まったのよ」 3年前は神姫を使った事件とかもあったんだけどね、と華凛は付け足した。 「ま、今はそんなことも無くなって、みんな安心して神姫と一緒にいられるんだけどね」 「安心」 最近の世の中に関して、私はよく知らない。テレビはあまり見ないし、新聞(今時紙性の新聞をとっている家は割と珍しい)だって見ない。 「神姫を悪いことに使う、か」 鞄の中で、シリアは小さく呟いた。 3年前の事件、神姫は物として扱われたに違いない。それは、神姫のことなど考えていないと言うことだ。 それはシリアにも共通している。シリアはそれを思っているのだろう。 「今は安心」 「うん、そうだね」 私が言うと、シリアは笑ってくれた。でも、その笑いはどこか悲しそうに見えたのは気のせいだろうか。 「ほら樹羽、ここだよ」 華凛が指差す先、そこには一際大きなビルが建っていた。大きく「神姫センター」と書かれている。 なんか、今から不安になってきた。 建物の中は、人で賑わっていた。みんな神姫と一緒にいるか、中には買ったばかりの神姫を紙袋に入れている人もいる。 あの猫みたいな神姫は、マオチャオ型だ。思えばあの日、ゲームセンターで神姫バトルを見たことから始まったような気がする。 「まずカウンターに行ってカード作ってもらわないとね」 「……うん」 私は華凛の手を握った。人込みはそれほどではないが、はぐれたら嫌だ。華凛もそれをわかってくれたのか、無言で手を握り返してくれた。そのまま進んで行く。 「え~と、確か3番だったかな……?」 華凛の背は私より高い。よって手を引かれた状態だと、華凛がどこへ向かっているのかイマイチよく分からない。 「あ、いたいた!」 華凛の歩く速度が上がる。どうやら目的の場所を見つけたらしい。視界が軽く開ける。白いカウンターが目に写った。 「いらっしゃいませ、神姫センターへようこそ!」 その緩やかなソプラノに、私は懐かしさを覚えた。思わず顔をあげる。 「長谷川……さん?」 「あ、覚えててくれたんだ。お久しぶりね、奏萩さん」 そう言って微笑んでいるのは、私の中学生の時のクラスメイト、長谷川碧(はせがわみどり)だった。 わずかにウェーブのかかった薄緑色の髪に、きっちりとした制服。未だにあどけなさが残る顔立ちはだいぶ大人びた感じがする。 「何で長谷川さんがここに?」 「そりゃ、私がここで働いてるからよ」 それはそうだろう。でなかったらカウンターの向こう側で制服を着ているわけがない。 「私に自ら話しかけてくるとは、華凛にしかなついてなかった子がねぇ……」 「話しやすくなった?」 「そうそう、なんか空気って言うかオーラみたいな物が変わった気がするわ」 華凛と長谷川さんが笑い合う。 変わった――私は変わったのだろうか? だとすれば、その要因はやはりシリアとの出会いだったんだろう。 「で、今日は何の用? 昔話しに来た訳じゃないんでしょう?」 「ああそうだった。碧、樹羽に神姫カード作ってくれない?」 華凛がそう言うと、長谷川さんは一回微笑んでから、 「では、新しく神姫カードをお作りいたします」 すっかり様になった受付嬢になった。 「まず、お客様の名前や生年月日など、こちらのタブレットにご記入下さい」 渡されたのは、B5サイズのタブレットとタッチペン。赤い縁で囲われた部分を書けばいいらしい。自分の携帯の番号など覚えてなかったが、すかさず華凛が教えてくれた。 最後に、自分が持っている神姫とその名前を記入する。 「ありがとうございます。少々お待ちください」 長谷川さんはタブレットを受け取ると、慣れた手付きでタブレットを操作した。カウンターの向こうのパソコンと一緒に動かしていく。 やがて全ての作業が終わると、長谷川さんは一枚のカードを出した。銀色のカードで、エウクランテのシルエットと「武装神姫」と言う文字がプリントされている。 「お待たせ致しました。こちらがお客様のカードになります」 カードを受け取る。裏面には、細かい文字で注意書きがビッシリと書いてあった。ま、進んで読もうとは思わない。 「なお、お客様のランクは3からとなっております」 「ランク?」 ランクとは何だろう。3とは高いのだろうか? 「ランクって言うのは、まあ武装制限みたいなものね。このランクの登場で、初心者でも金を積めば勝てるって風潮が無くなったの。後、その人がどれぐらい強いのか、だいたいの目あすかな?」 「へぇ……」 確かに一里あるが、やっぱり武器が強くても使う人が駄目では宝の持ち腐れではないだろうか? だとすれば、このランクという制度が出来る前も、金を積んで勝てたのは初級から中級の人までだっただろう。つまり、真に強い人にはあまり意味のない制度なのかもしれない。 まあそれはそれとして、 「何で3から?」 シリアが疑問の声をあげる。普通ランクは1からではないのだろうか? 「あ、あなたが奏萩さんの神姫? シリアっていうんだよね」 「あ、はいそうです。よろしくお願いします、長谷川さん」 「やっぱえうえうはマジメよねぇ、ウチとはおお違い」 「ウチ?」 「私もオーナーだからね。後、そのランクは私からのプレゼント」 「長谷川さんからの?」 「強いんでしょ? 奏萩さん」 後ろで華凛がニヤニヤしている。絶対華凛の差し金だ。 「まあいいじゃない、ランク3からなら、公式でも今まで通り純正装備で戦えるんだから」 「そうなの?」 「そうなの。あと、ヴァーチャルバトルでは、武装データで武装するのは知ってるでしょ? その武装にはポイントがあるの。ランクが上がると、装備出来る武装の種類だけじゃなくて、武装が装備出来るキャパシティも増えていくのよ」 つまり、神姫には790や530と言ったようにキャパシティが設けられており、そのキャパシティ以内で武装をやりくりしなければならないらしい。 「めんどう……」 「そこが楽しいんじゃない。オリジナルの武装パターンを作りだすのよ!」 カードゲームに近いものがある気がする。余談だが、最近新しい決闘板がKCから発売されるとかビルの広告に書いてあった。 と、その時だった。 「う~うっさいじゃん。人が静かにロックを聞いてる上でごちゃごちゃ喋らないで欲しいじゃん」 カウンターの下から神姫が顔だけ出した。シンバルみたいな物(むしろシンバルそのもの)が頭に付いているその神姫は、確かベイビーラズ型だったはずだ。 「ちょっとグリーン、今接客中……」 「マスターが楽しくお喋り出来てるなら問題ないじゃん。マスターの友達ってことじゃん?」 独特な語尾で喋るグリーンと呼ばれた神姫は、こちらを――正確にはシリアを見た。 「私はグリーンって言うじゃん! よろしくじゃん!」 「よろしく」 「あ、よ、よろしくお願いします」 シリアは突然のハイテンションについていけていない様子。 「かー! 噂には聞いてたけどやっぱエウクランテはマジメじゃん! もっと羽目を外すくらいでちょうどいいじゃん?」 「は、はぁ……」 なんと言うか、元気な子だった。ある意味シリアとは対称的な感じ。 「碧も神姫持ってたんだ」 「うん、この仕事してるとさ、自然と惹かれるものがあって、つい……」 「なんの予備知識もなく買ってしまったと?」 「うん。元気なのはいいんだけど、家で留守番させるとすねるし、かと言ってこっちも接客業だから……」 なるほど、つまりカウンターの下でロックを聞いてて貰うので妥協してもらったのか。 そのグリーンは、今シリアと話している。思えば、シリアも私同様交友関係は少ないはずだ。これは交友関係を築くいい機会かもしれない。 「…………」 ふと見ると、華凛がグリーンのことをじっと見ていた。 「どうしたの?」 「あ、ううん! なんでもない」 華凛はまた長谷川と話し始めた。 (華凛?) さっきまでの華凛の表情は、まるで無くしてしまった何かを想っているような、そんな顔だった。 「明日はバトルしに行きましょう」 帰り道、華凛はそう宣言した。 「明日、月曜日」 「夏休み」 そう言えばもうそんな時期である。 「ゲームセンター行ってさ、バトルしに行こうよ!」 「…………」 正直、乗り気ではない。バトル事態が嫌な訳ではないが、初対面の人とバトルするのは、まだ抵抗がある。 「いいですね、行きましょう」 「シリア……」 シリアは鞄の中から手を上げた。神姫はやる気があるらしい。 つまり後は私次第。 「……わかった」 「よし、決まり! じゃあまた明日ね! 迎えに行くから、ちゃんと服着て寝ててよ! あられもない姿晒してたら問答無用で襲うからね!」 華凛は早口で巻くし立て、自らの帰路についた。 「……帰ろっか」 「うん、そうだね」 私たちも、帰り道を歩きだした。 夕日がコンクリートの地面を紅く染める頃、私は翌日の来訪を僅かながらに楽しみにしていた。 第五話の1へ 第六話の1へ トップへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2115.html
ウサギのナミダ ACT 1-6 □ 翌週末。 俺は気が進まないながらも、いつものゲームセンターへと足を運んだ。 井山とかいう変態野郎がいるかと思うと行く気がそがれるのだが、先週の騒ぎの後で行かないのでは、こちらに後ろ暗いことがあるように思われてしまう。 ティアの恐がりようを思うと、さらに気が引けるのだが、それでも俺はやはり、いつも通りに行くべきだと思ったのだ。 そんなことを考えていたら、いつも行く時間より、一時間ほど遅くなってしまった。 俺はティアを連れて、ゲームセンターへと向かった。 いつものように、店内に入り、武装神姫のコーナーに足を向ける。 ……気のせいだろうか。 ざわついていた店内の空気が変化したように思えた。 バトルロンドコーナー特有の喧噪がなりを潜め、いきなり空気が重くなったような感じだ。 よく見れば、コーナーの誰もがバトルに熱中している風ではない。 みんな、隠れるような視線で……俺を見ていた。 眉をひそめる あの井山みたいな奴が来たからといって、こんな風に迎えられるいわれはないはずだ。 だが、武装神姫のプレイヤーの誰もが、何かやっかいなものを見たような視線で俺を見ている。 俺がどうしようかと迷って立ち止まっていると、店の奥から長身の男が現れた。 大城だ。 「大城、これはどういう……」 「遠野、悪いことは言わないから、しばらくここに来るのはやめておけ」 大城は、らしくない難しい顔をしながら、そう言った。 俺が来たときに言う言葉を決めていたかのように、はっきりと言い切った。 「なんで」 短い一言が硬い口調であったのを自覚する。 食い下がった俺に、大城は黙って一冊の薄い雑誌を差し出した。 週刊のゴシップ写真誌だ。 下世話な芸能ニュースを中心に、サブカル的な内容も扱う、はっきり言って低俗な雑誌だった。 大城から受け取った雑誌は、神姫のオーナーの間では有名だった。 神姫の記事が毎週載っているためだ。 その内容は真面目なものではなく、神姫のグラビアとか、有名神姫のゴシップとか、そう言うたぐいのもの。 俺は興味がなかったので、ほとんど目を通したことはない。 俺はその雑誌をパラパラとめくる。 雑誌の真ん中あたりに、袋とじページがあり、開封されていた。 その扉ページには、『衝撃! 淫乱神姫の過激プレイ、その中身』という、まったくひねりも何もないタイトルが、奇妙な字体で書き殴られていた。 ページをめくる。 「あっ……!」 俺の胸ポケットで、ティアが絶句するのと、俺の脳内にハンマーが振り降ろされたのは同時だった。 そのグラビアに写っているのは、ティアだった。 いや、グラビアなんかじゃない。 グラビアだったら、少なくとも被写体の美しさを表現しようとする姿勢が見て取れるはずだ。 そんな姿勢は欠片もない。 あらゆる方法で汚される神姫を、より扇情的な構図で撮影した写真、だった。 なんで……ティアの過去は海藤くらいしか知らないはずなのに。 なんで、この記事で『T県、T駅前のゲームセンター常連神姫・T』なんて伏せ字で名指しされてる!? しかも、ティアの画像には、目隠しされていない。 ティアを知る人が見れば、間違いなくティアだとわかる。 「……なんだよ、これは……」 「それはこっちのせりふだ。なんなんだよ、これは」 大城が厳しい表情で俺を見た。 「まさかお前、ティアにこんなことさせてるんじゃないだろうな?」 「するわけないだろう!!」 返す答えが大きな声になってしまったのも、仕方ないことだと思う。 冗談でも、俺がティアを慰みものにしているなどと、言ってほしくはない。 「だろうなぁ。お前がそんなことするタマとは思ってねぇよ。 だがな、疑問はある。 この写真はティア以外には見えねぇ。そして、いつ、誰がこの写真を撮ったのか?」 「……奴か」 「だろうな。だが、それが本当だとすると、井山が言っていたティアの過去も本当だということになる」 ……妙なところで鋭い奴だ。 大城の言うことは全くの正論で、否定の言葉も見あたらない。 俺は拳を握りしめる。 「……たとえそうだったとして、今のティアと何の関係がある?」 「関係はないかもしれねぇ。だけど、気持ちじゃ納得できねぇよ。 言っちゃぁ悪いが……神姫風俗は違法だぜ? 犯罪に関わった……しかも、こんな姿を公開された神姫とバトルしたいと思うか?」 「だからそれは……!」 俺の反論を、大城は右手を挙げて制した。 「わかってる、お前は下心あるような奴じゃないってことはよ……。 でも、考えてみろ。今ここでお前が意地を通してバトルしようとしたって、誰も応じてくれやしない。 それどころか心ないヤジや噂話に、つらい思いをするのはお前達だぞ?」 そう、わかっていた。 今この状況で、俺が意地を張ってバトルをしようとしても、応じてくれる対戦者などいないことを。 それでも、俺は納得できなかった。 俺達は何か悪いことをしたか? ただバトルロンドをプレイしようとすることが、悪いことかよ? 俺と出会う前のティアは、確かに違法行為をしていたのかも知れない。でも今は、素体も標準的なものに換装されて、俺の神姫として登録されている。 それに、ティア自身が何か悪いことをしたか? ティアに違法行為をさせたのは神姫風俗の経営者で、法に触れると知りながら彼女を汚したのは、井山みたいな連中じゃないのかよ? 俺はぶつけようのない不満を握りつぶすように、強く強く拳を握る。 何とか無理矢理、自分を納得させようとする。 それでも頭が沸騰して、言葉にならない。 つかの間、俺と大城の間に沈黙が流れた。 それを破ったのは、別の方からかけられた声だった。 「ああ、ああ、遠野くん! 困るんだよねぇ、ああいう人を連れてこられちゃあさぁ!」 「店長……」 俺を見つけた店長は、あわてて側までやって来て、そんなことを言った。 店長は二十代半ばくらいだろうか。小柄で童顔なので、実際は学生のように見える。 人がよく、いつもにこにこと笑っている人だ。 それが、今は迷惑そうな顔で俺を睨んでいる。 「ああいう人って……井山みたいな奴のことですか」 「ちがうちがう! 黒い背広の、いかにもそっちの人って感じの連中だよ!」 店長の話では、午前中に一度、三人組のダークスーツ姿の男達が来店したという。 そして店長にこの雑誌を見せながら「この神姫がバトルしに来ていないか?」とほとんど脅迫めいた口調で尋ねたのだ。 店長は、知らぬ存ぜぬで切り抜けたらしい。 店長にしてみれば、やっかいごとを避けたい一心だったようだが、俺達にとってはありがたい話だった。 男達は、この神姫が来たら教えてほしいと言って、去っていった。 おそらくこの男達は、神姫風俗「LOVEマスィーン」の関係者だろう。 俺がティアを見つけたときに会った男達と特徴が同じだ。 「すみません。ご迷惑をおかけして……」 「ほんとだよ……君も常連さんだから、言いたくはないけど、しばらく店に顔を出さないでくれよ。 僕の方は何も知らないってことにしておくから」 店としては最大の譲歩なのだろう。 俺達のことを話さないでいてくれるだけでも、よしとせねばなるまい。 あんな手合いがやってきたのは、俺達にも責任があると思う。 店長はブツブツと文句を言いながらも、最後は俺の肩をたたいて、去っていった。 こうなってしまっては、店に迷惑がかかってしまう。 認めたくはないし、納得は行かないが、ここは立ち去るしかない。 俺は大城に手を挙げて、きびすを返した。 ふと気付いて、声をかける。 「そういえば、今日は久住さんは来てないのか?」 「……あの記事を見て、すぐに帰ったよ」 「そうか……」 少し胸が痛む。 ティアの過去は、むやみに人に話したリする種類のものではない。 だが、久住さんや大城にも黙っていたことは、俺にも責任があると思う。 特に久住さんは女性だから、何も知らずにこんな写真を見せられればショックだったろう。 「すまないな、大城」 「……」 大城はらしくもなく口ごもる。 わかっていた。 俺に「店に来るな」という嫌な役目を、大城が自分からかって出たことくらいは。 友達だから、相手にとって嫌なことでも遠慮なく言う。 それはそれで奴らしい。 そう考える俺の頭はようやくに冷えて、一抹の寂しさが心の中に積もりつつあった。 俺は大城に背を向け、ゲーセンの出入り口をくぐった。 結局のところ、納得などしていない。 ただ、現実を認識し、俺が一歩引いて、意地を通すのをやめただけだ。 帰り道も、家に着いてからも、俺は考え続けている。 風俗にいた神姫を保護して、自分の神姫として登録し、バトルロンドに参戦した。 武装はオリジナルだが、違法パーツは使っていない。公式戦にもエントリーはしていない。 近場のゲームセンターで草バトルを繰り返した。 それだけだ。 俺は誰もだましていたわけじゃない。 だけど、ティアの過去が、神姫風俗というものへの認識が、どのようなものなのか思い知らされた。 神姫のオーナーであれば、パートナーとして大事にしている神姫を、性のはけ口として弄ぶその行為自体、受け入れられないだろう。 (お互い同意のもとのスキンシップならば、また別なのかも知れないが、俺にはよくわからない) その気持ちはわかる。 だが、もはや風俗の神姫ではないにもかかわらず、なぜティアは受け入れられない? 武装神姫としてバトルにいそしんでいる姿は、誰もが知っていることだというのに。 ティアの過去がどうあれ、俺以外の誰に迷惑がかかるというのだろう? ……いや、ゲーセンの店長には迷惑かけているか。 確かに、あの黒服連中が店に出入りするようになったら、店長にしてみれば大きな痛手だ。 それを理由に店に来なくなる客もいるかもしれない。 その点については、申し訳ないと思う。 俺達のことを黙っていてくれるという店長には、むしろ感謝しなくてはいけないだろう。 だが、直接の原因は俺達か? ティアが、風俗にいたことが悪いというのか。 俺は、断じて違う、と言いたい。 神姫はオーナーを選べない。そしてオーナーの命令は絶対だ。 風俗にいる神姫は、どんなに嫌でも、違法であっても、身体を売る以外に為すすべがないのだ。 ティアはもう何度も何度も傷ついた。 もう十分だろう。俺のもとにいて、同じように傷つく必要なんてない。 それでも、ティアは受け入れてもらえないのか。 風俗にいた神姫というだけで、この先ずっと認めてもらえないのか。 そこまでいくと、もう社会的通念の問題で、俺個人の力ではどうしようもないことだ。 それはわかっている。 頭では理解できている。 納得できていないのは、俺の感情だ。 為す術のない自分の力不足に、不満であり、怒っている。 やっとたどり着いた、武装神姫オーナーとしての道を突然閉ざされたことに怒っている。 俺達が今までしてきたことを、誰もが手のひら返したように否定する態度が、納得行かない。 けれど、頭でどんなに考えたところで、結局俺一人の力なんてたかがしれており、何をしたところで、問題解決にはならない、という結論に達する。 堂々巡りだ。 俺は額に手を当て、ため息をつく。 以前、海藤が言っていた言葉を思い出す。 「どんなに君が否定しても、神姫風俗とのつながりを疑われるよ」 ああ、そうだな、海藤。君の言うとおりだ。 俺は今、自分の無力さに打ちのめされている。 こんなどうしようもない状況に誰がした? 俺じゃない。久住さんや大城でもない。ゲーセンに集まる常連さん達や、店長でもない。 誰だよ、俺達をこんな状況に追い込んだ奴は。 俺の視線が、不意に机の上の神姫をとらえた。 クレイドルの上で膝を抱え縮こまっている。 ゲーセンであんなことがあってから、一言もはなさず、落ち込んでいる。 俺の神姫。 ティアが、顔を上げた。 視線が交差する。 ……俺はどんな顔をしていただろうか。 ティアの愛らしい顔が、みるみる恐怖に塗りつぶされていく。 ……なぜだ? なぜそんな顔をする? 「ティア」 「ひっ……!」 俺の呼びかけに、ティアは頭を抱え、ますます縮こまる。 「ご、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」 まるで、壊れてしまった音声メディアのように。 謝罪の言葉を繰り返し繰り返し唱え続ける。 俺は。 俺はバカか。 俺は一瞬でも、ティアが元凶だ、などと疑ってしまったのか。 今回のことで、一番傷ついたのはティアのはずだというのに。 「違う……お前が謝ることなんてない」 絞り出すようにかすれた声。 ちゃんとしゃべったはずなのに、その声色には悔しさが滲んでいる。 「ちがうんだ」 言い聞かせるようにつぶやく。 誰に? きっと、ティアと自分自身に。 マスターとして自分の神姫を守れなかったふがいない自分に腹が立つ。 ティアにこんな顔をさせてばかりな自分が悔しい。 俺は前に言った。 ティアに、普通の神姫でいてもいいと、教えてやりたい、と。 俺が望む以外に、ティアが俺の神姫になる資格があるのか、と。 ……何様のつもりだ。 俺は、こうして怯え、傷ついているティアに、何一つしてやれていないじゃないか!! それで、一瞬でも、俺をこうして苦しめているのはティアじゃないか、なんて考えて。 俺の方こそ、ティアのオーナーでいる資格がない。 やり場のない怒りを鎮めるため、両の拳をきつくきつく握りしめた。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2418.html
キズナのキセキ ACT1-8「聖女のルーツ その2」 ◆ 「姐さん、お世話になりましたね」 「あ、あぁ……そんなことは……いいんだけど、さ……」 微笑すら浮かべて挨拶する桐島あおいに、姐さんは呆気にとられた。 同時に、激しい違和感を感じた。 姐さんの知っている桐島あおいは、こんな笑い方をしない。 これが三日前、裏バトル会場で泣き叫んでいた神姫マスターと同一人物だろうか。 そして、あおいの新しい神姫。ノーマルのハーモニーグレイス型に見えるが、立ち居振る舞いはまったく違う。 二人とも何とも言えず不気味だった。 この三日の間に、裏バトルでの顛末は知れ渡っていた。 ゲーセンの常連たちが、ニヤニヤと笑いながらこちらを見ている。 しかし、あおいはどこ吹く風といった表情で、空いている筐体に座ると、アクセスポッドにマグダレーナを送り込んだ。 常連の一人が、すぐに筐体の向かいに座った。完全に小馬鹿にした表情。 対戦が始まる。 そして、対戦が終わったときには、常連たちの表情はすべからく、驚愕と畏怖に塗りつぶされていた。 マグダレーナの勝利。重武装の神姫相手に、三十秒とかかっていなかった。 常連たちは次から次へと対戦を仕掛けてくる。 マグダレーナはことごとく圧勝し、連勝を積み重ねた。 マグダレーナの武装は、ハーモニーグレイスのデフォルト装備と変わらない。スカートアーマーの中に小型スラスターが追加されたのと、キャンドルに柄がついて、ビームトライデントにカスタマイズされている程度だった。 それでも、あらゆる神姫を退ける。 あおいは薄ら笑いを浮かべながら、その様子を見守っているのみだった。 マグダレーナの勝ち星が二桁を越えたが、彼女はかすり傷一つ負っていなかった。 「……誰か、アダチさんに報告しろ」 常連の一人が小声で言う。 アダチは、ゲーセンで一番の実力者で、裏バトルでルミナスを破壊した因縁の相手だ。 こうしてあおいは、その日のうちに仇敵を引っ張り出すことに成功した。 「神姫を無くしたばかりだってのに、ずいぶん調子こいてるみたいじゃねぇか、ええ?」 現れたアダチは嘲笑を浮かべつつ、あおいに近づいてきた。 あおいは微笑みを返し、言った。 「あなたとここでバトルする気はないわ」 「なにぃ……?」 「わたし、また裏バトルに参戦しようと思ってるの。そこでお相手してくださる?」 「上等だぜ……また笑い物になりたいみてぇだな……」 アダチは舌なめずりしながら承諾した。裏バトルのマッチメイカーには、自分が話を通す、とも。 週末、あおいは再び裏バトルに挑む。 姐さんはことの成り行きを見守るしかなかった。 □ 「……その試合の内容は……思い出したくない……」 「見たんですか? その裏バトルの試合を」 「ああ……見た。……見なければ良かった……」 姐さんは自らの両肘をぎゅっと抱いた。 「あれは……残虐なんてもんじゃない……それ以上に、むごい……そうとしか言いようがなかった……」 長く息を吐くように、姐さんは静かに呟く。 それほどに、思い出したくもないほどにひどいバトルを、俺は想像できない。 だが、この後姐さんから語られた話は、その片鱗を知るのに十分な内容だった。 ◆ 悪魔モチーフの神姫と、修道女モチーフの神姫のバトルは、さながら悪魔対エクソシストの様相だった。 観客たちの予想は、もちろん悪魔の勝利だった。フル装備の高性能なストラーフと、ほとんどノーマルのハーモニーグレイスでは、勝負にならないと見るのが普通である。 賭け率も九対一でアダチ有利のオッズになっていた。 あおいはアダチに一度手ひどく負けているから、このような評価になるのも当然だった。 確かに、勝負にならなかった。 圧倒的な戦闘力で、修道女は悪魔を蹂躙した。 もはや、ステージ上の大型ディスプレイで展開されていたバトルは、一方的な残虐ショーになり果てていた。 エクソシストが、地べたに這いずる悪魔ににじり寄る。 『ひっ』 アダチのストラーフは、恐怖に顔を歪めながら、這うようにして、マグダレーナから逃れようとする。 彼女はすでに深刻なダメージを負っており、もはや戦闘できる状態ではない。 対するマグダレーナは、攻撃時に舞った埃を纏うのみ。 マグダレーナは、ストラーフの背後から、ゆっくりとした足取りでにじり寄る。 やがて、ストラーフを足元に捉えたマグダレーナが、のんびりと攻撃を開始した。同時に、アダチのストラーフの絶叫が会場に響きわたる。 「やめろっ! おい、聞こえてんのかよ! あいつの装備は高けぇんだぞ!? 百万は下らねぇんだ! やめてくれよぉっ!」 筐体の向かいに座るあおいに対し、アダチは怒鳴った。 あおいはそんな怒声を受け流し、微笑を浮かべ続けている。 「……マグダレーナ、装備も残らず粉々にして」 『承知』 「な……てめぇぇっ!!」 顔を真っ赤にして睨むアダチに、あおいは涼やかな視線を向けた。 「強い奴がエラいんでしょ? あなたがそう言ったのよね? だったらわたしに……マグダレーナに勝てばいいんじゃない?」 「なっ……こっちはもう戦えねぇだろ、勝負はついたんだ! だったらもう、バトルは終わりだ!」 「……それが、負け犬の分際で、人に物を頼む態度?」 「くっ……」 アダチは悔しさに拳を握りしめながら、うつむいたまま、言葉を絞り出した。 「もう……勘弁してください……おねがいします……」 あおいは満足したようににっこり笑って頷いた。 「いやよ」 「なっ……!?」 「だってあなた、わたしがこの間そうやって必死にお願いしたけど、聞いてくれなかったじゃない」 「て、っめえぇぇ……!」 筐体のイスを蹴り飛ばし、アダチが飛び出した。 掴みかかろうとする。 その手が、あおいの胸ぐらを掴もうとした瞬間、 「がっ」 身体が大きく震え、その場にうずくまってしまった。 あおいの右手に、小さな箱のようなものが握られている。先端から青白い火花が散った。 「夜の一人歩きは危ないでしょう? だから護身用に持ってるの。スタンガン」 アダチが顔を上げる。 美しいあおいの顔が、自分を見下ろしていた。 不気味な、能面のような笑顔で。 そのとき、ようやくアダチは理解した。こいつは俺に復讐しに来たのだ。俺がこいつにしたのと同じように。だとしたら、はじめから赦すつもりなんてないのだ。 ストラーフの絶叫がひときわ高くなった。 リアルバトルのフィールド上で、マグダレーナが単純作業をこなすように、淡々と装備を破壊していく。まるで職人芸のような、悪魔の所行だ。 目の前で丁寧に破壊されていく装備は、アダチが時間をかけ、苦労を重ね、お金もたくさん使って集め、カスタマイズしたものだ。 「やめてくれ……もう、勘弁して……やめてくれぇ……」 弱々しく、呟くような懇願を漏らす以外に、できることはない。 彼の神姫はいまだ絶叫を続けている。 観客たちは静まりかえっていた。目の前で繰り広げられる、予想外にして想像を超えた惨劇に、言葉を失いながらも、ディスプレイの映像から目をそらすことが出来ないでいる。 そんな中。 姐さんの耳にかすかに聞こえてきた、鈴を鳴らすような、声。 「ふふ……うふふふ……あは……あはははははは……!」 ステージの上、あおいが嗤っている。 本当に、心からおかしい、というように、身体を反らせて。 美しい哄笑が、静まりかえった会場の奥まで染み渡った。 すると、あおいは観客席の方を向いて、見回しながら、言った。 「……ねえ、どうしたの? なんでみんな笑わないの? わたしのときには、みんな笑ってたじゃない!? わたしは笑うわよ? あははははははは!」 ステージの上で一人爆笑を続けている。 甲高い笑い声が、いやでも耳に入ってくる。 観客席の一番後ろでその様子を見ていた姐さんは、思わず一歩後ずさった。 「……狂ってる……」 思わず呟いてしまった。 だが、あおいにしてみれば、神姫を失った絶望をから自分を守るためには、狂うしかなかったのかも知れない。 そうさせたのは、紛れもなく、アダチであり、この裏バトル会場に来ている面々なのだ。 ならば、彼女の言うとおり、ここで笑わないのは不公平かも知れない。 しかし、観客の誰も絶句したまま、笑うことは出来なかった。 マグダレーナは、あおいの指示を忠実かつ確実に実行した。 最後には、相手のストラーフの素体さえ、修理可能な部品がないほどに粉々に撃ち砕いた。 やがて、マグダレーナがレフェリーの勝利宣言を聞いたときには、おびただしい数の神姫の欠片が足元に敷き詰められていた。 □ 「それ以来、アダチの姿は見てない。手塩にかけた神姫が、たったの一試合で文字通り粉々にされたんだ……もうバトロンもやってないだろ」 姐さんはうつむき、顔を暗くしていた。 聞いている俺でも、気持ちのいい話ではなかった。姐さんの断片的な話だけでもそう思うのだ。会場で目の当たりにしたなら、俺の想像を遙かに超える惨劇が目に焼き付いたに違いない。 酷な話をしてもらったと思う。 それでも俺は言葉を続けざるを得ない。 「……それでその後どうなったんですか?」 「……あんた、まだ聞き足りないのかい?」 「このエリアでバトルロンドが流行らなくなった理由と、さっきの神姫マスターたちが桐島あおいを敵視する理由をまだ聞いてません」 ただアダチという有力マスターが再起不能になっただけでは説明が付かない。 話のはじめで、姐さんは言った。桐島あおいのせいで、このエリアのバトルロンドは廃れてしまったのだと。 いったい、彼女は何をした? 姐さんはじっと俺の顔を見つめていたが、俺に折れる気がないことが分かると、ふっとため息をついた。 「まったく……強情だねぇ」 「時間も金もかけて、ここまで来てますので」 「へえ、どこから来たんだい?」 「C県です」 「そりゃ……ご苦労なこった。じゃあ、もう少し話しようかね」 姐さんは薄く笑って、残りを話してくれた。 ◆ アダチがいなくなったのと入れ違いに、あおいが再びゲームセンターに顔を出すようになった。 だが、歓迎すべきことではなかった。 あおいとマグダレーナは、有力な神姫たちをことごとく狩り始めたのだ。 そう、バトルではなく、狩りだった。 M駅周辺エリアで最強だったアダチの神姫にすら圧勝したマグダレーナである。他の神姫では決してかなわない。 初めて戦ったときにはあらゆるバトルを秒殺で終わらせたが、今度のマグダレーナは違っていた。 裏バトル並に残虐な戦い方をした。 もちろん、ゲームセンターでのバトルはバーチャルバトルだから、神姫も武装も破壊されることはない。 しかし、神姫のAIがダメージを負った。 マグダレーナと戦った神姫は、あまりのバトル内容に、マグダレーナを見ただけで畏れおののくようになった。 特にひどいダメージを負った神姫は、もはやバトルする事もかなわなかった。 そんな神姫たちが続出し、ゲームセンターでのバトルが成り立たなくなってしまったのだ。 対戦相手もいなくなり、バトルする神姫マスターも減って、姐さんの勤めるゲーセンのバトルロンドコーナーはすっかり寂れてしまった。 そんな状況に呆然としていると、今度は違うゲーセンでマグダレーナが猛威を振るっているという噂が聞こえてきた。そこのゲーセンでも、瞬く間にバトルが廃れてしまった。 このエリアの有力なゲームセンターは、マグダレーナの洗礼を受け、神姫たちが狩り尽くされた。近隣のエリアにもその噂は広まり、遠征にやってくる神姫マスターも皆無になった。 もはや、このエリアはバトルロンドの空白地帯になり果てたのだった。 だが、あおいの暴走は止まらなかった。 秋が終わる頃、姐さんの耳に、噂が届いた。 このエリアの裏バトルが壊滅した。 裏バトルのフィクサーは、マグダレーナの選手登録を大いに歓迎した。 長らく有力選手だったアダチのストラーフを下したのだ。新たな有力選手、そして残虐なバトルをするヒール役として迎え入れた。 そして、観客の人気も上々だった。裏バトルでは強い神姫に人気が集まる。金を賭けているのだから、当然だ。 しかし、フィクサーの判断は裏目に出た。 裏バトルで多額のファイトマネー得たあおいは、マグダレーナの武装を整えていた。 もはやアダチと戦ったときのマグダレーナではない。 アダチのストラーフ以上の実力者を相手に、圧倒的な力の差を見せつけた。しかも、前回同様、完膚無きまでに神姫を破壊して。 その戦いぶりから、桐島あおいとマグダレーナは『狂乱の聖女』の異名を取ることになった。 二人の狂乱はとどまることを知らなかった。 リアルバトルでもバーチャルバトルでも、負けた相手は必ず再起不能になる。 さすがのフィクサーもこれには困り果てた。 そろそろ負けてもらわねばならない。 そこで、この裏バトル会場で最強の神姫とマッチメイクした。マグダレーナに負けず劣らず極悪な神姫である。 いくら『狂乱の聖女』といえど、無傷というわけにはいかないはずだ。 そのはずだった。 だが、装備を整えたマグダレーナは無敵だった。 フィクサーの意図を察していたマグダレーナは、最強神姫との戦いを秒殺劇にして見せつけた。 これには、裏バトルの関係者、観客のすべてが、絶句した。 もうこのエリアにマグダレーナの敵はいなかった。いや、最初からいなかったのかも知れない。誰もマグダレーナにダメージの一つも与えることは出来なかったのだから。 そしてついに、裏バトルも閉鎖になった。 有力な神姫は『狂乱の聖女』にことごとく狩り尽くされたのだ。 そうなれば、賭けは成り立たない。神姫マスターの出入りもなくなり、観客も減ってしまった。もう、興業としては壊滅だった。 こうして、M市のバトルロンドは衰退した。 桐島あおいの復讐は、こうして完遂されたのだった。 □ 「……確かに、あの子をおかしくしちまったのは、このエリアの連中みんな……だったんだろうよ。 でも、あんまりじゃないか……。いくら強いからって、このエリアのめぼしい神姫を全部潰すなんて……。 バトルの姿勢がどうあれ、みんな武装神姫が好きだったのに……」 桐島あおいの容赦ない粛正の結果、M駅を中心としたエリアにあるゲームセンターでは、バトルロンドは下火になった。今は粛正を免れた連中が来て、細々と愚痴を言っているだけである。 このあたりでバトルロンドが盛り上がっているのは、隣町の神姫センターだという。 なるほど、どうりでM市のバトルロンドの状況について調べても、めぼしい情報が出て来ないわけだ。 今のこのエリアの状況は、桐島あおいの望んだとおりとも言える。 神姫センターでのバトルなら、勝負にこだわったプレイスタイルであるとしても、公式のレギュレーションに則るため、健全性が約束される。 彼女はエリアに蔓延したプレイスタイルに対しても復讐を成し遂げたのだ。 俺はそう思った。 「わたしの話は、これで終わりだよ」 姐さんが呟くように言った。その横顔は、どこか寂しそうに、悲しそうに見えた。 「最後に一つだけ教えてください」 「なんだい、まだあるのかい?」 「桐島あおいが今どこにいるか、知っていますか?」 「知らないね……でも、噂は聞こえてくる。あの子がまだ、どこかで戦い続けていることはね……」 姐さんは瞼を伏せ、うつむいた。 そして、小さな声で、こう言った。 「……なあ、あんた、もし……あの子に会ったら、伝えてくれるかい?」 「なんでしょう」 「もう……あの子は十分戦った……もう休めって。これ以上、他人も自分も傷つけないで……そう伝えておくれ」 「……わかりました」 その短い言葉から、姐さんという女性の情の深さが伝わってくるようだった。 M駅中心のエリア自体が、桐島あおいによって壊滅させられたのだ。バトルロンドが出来なくなった店の損害もあっただろう。 だが、それでも姐さんは、桐島あおいの心配をしているのだ。 口で言うのは厳しいが、不器用で情が深い。だからこそ、常連たちは姐さんの言うことに素直に従うのだろう。 俺は姐さんに改めて礼を言って、ゲームセンターを後にした。 随分長く話し込んでいたらしい。日が西に傾いていた。そう言えば昼飯もまだ食べていない。 とりあえず、座れるところで、食べながら考えをまとめよう。 そう思って、俺はマクドナルドに足を向けた。 夕方のファーストフードショップは、学校帰りの学生たちで、それなりに賑わっていた。 レジ待ちの列の後ろについたところで、携帯端末が鳴った。 ポケットから端末を出し、相手を確認する。 大城だ。 「もしもし」 「遠野、お前今どこにいる?」 「……なんだ、やぶからぼうに」 「緊急事態なんだよっ!」 大城の怒鳴り声が携帯ごしに飛んできて、俺は思わず耳から遠ざけた。 何を焦ってるんだ 「今、ちょっと用事があって、M市に来てる」 「M市……だと? なんだってこんなときに、そんな遠くにいやがる……」 「なんだよ、何かあったのか?」 まさか、また何かやっかいごとか。 俺がため息をつこうとした時、携帯から聞こえてきた大城の声。 「あったんだよ! 桐島あおいって女が、ノーザンに来て……」 俺の手から携帯端末が滑り落ちた。 次へ> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/gods/pages/78869.html
エルロンド 指輪物語に登場するエルフ。 関連: エアレンディル(2) (父) エルウィング (母) マグロール? (養父) ケレブリアン (妻) エルラダン (息子) エルロヒア (娘) アルウェン (息子) アラゴルンニセイ (アラゴルン二世、養子)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1735.html
「くっ……!!」 「ほらほら!どったのランちん?」 「ラン、焦るな!ミコちゃんのペースだぞ」 「わ、わかっています…し、しかしこれでは…」 ランは手にした愛刀コルヌの刀身でミコの撃ち出すアルヴォ PDW9の弾丸を防いでいた 「みゃはは、そうは問屋がおろさないってね~。ランちんに近づかれたらしんどいし、私のスタイルじゃこの距離が一番なんだってさ。ご主人さまが言うにはね」 「くっ……」 ランはその身を右横に回転させた 「おっと」 すかさずミコの狙いも移動する 「はぁああ!!」 低い姿勢のまま真上へと飛びあがり両手でコルヌを頭上へ高々と構えたラン 「うわっち!!」 すかざずミコは振り下ろされる剣劇をバックステップでかわした 「やるねぇランちんw」 「ミコ姉様の弾幕を抜けるには多少の無茶も必要ですので…!」 言うないなやミコとの距離を縮めるラン 『三段突き!!』 頭部・胸部・腹部に向かって素早い突きがミコを襲う そのミコはというと大きな二つの眼を怪しく光らせて… 「うにゃにゃーーー!!」 と叫びながら両の手に持ったモノですべて撃ち落としていた 「なっっ!?」 「にゅふふのふ~www」 「そ、それはノア姉様の『干将・莫邪』ですか!?」 「そだよ~~かりてきちったww」 「あの子…いつの間に…」 俺の横にいるインターフェイス姿のノアがあきれた目でバトル画面を見ている 「ミコ、あなた何勝手に持ってきてるんですか」 「いいじゃん。ちょっとだけかしてよ~」 「ずりーぞアネキ!姉さんの武装なんて使いやがって!」 「にゅふふ~うらやましいでしょユーナ。でもさ、ユーナだってノアねぇから赤丸クン借りてるじゃない」 「あ、赤丸?…いや。まぁ確かにそうだけどさ…」 「いいじゃない赤丸クン。ノアねぇと一緒に戦ってきてる経験は頼りになるし、かっわいいしねぇー」 「や、まぁ頼りにはなるしイイ奴だけどさ…」 「しかも最近二人で熱心にバトルの研究とかしてるみたいじゃないの~」 「…アネキ、何が言いたいんだ?」 「にゅふふふ。何がってそりゃ…」 「ミコ、かがめ」 「うに?」 俺の指示通りかがんだ瞬間水平にミコの上をコルヌが空を切る 「バトル中にのんきな奴だなお前らは…」 「にはは…失敗失敗…w」 「くは~~、どうにもこうにもならねぇな。射撃も接近戦もこなすミコちゃん相手ってのはどう戦っていいもんか…」 「つかず離れずの距離感覚を保ち、たとえ割って入れたとしてもすぐさまその対処方を明人さんが指示しています。それに忠実に正確に動けるミコ姉様…ノア姉様の強さが目立ち過ぎているというのもありますが…ミコ姉様も強い!」 「ミコちゃんは『強い』ことに含め…『上手い』んだ。戦い方が、その駆け引きがな…」 「にゅふ~~伊達に『銃剣士(ガンブレイダー)』なんて呼ばれてないよん♪」 そういえばそんな二つ名もあったなぁ… 俺自身すっかり忘れてたけど… 「うに!?ご主人さまヒドイー!!」 「いいから前向けお前」 「さて、どうしたもんかなランスロット?」 「そこで私に聞いちゃうんですか!?」 「実際に戦うのはお前だしな。指揮官としては現場の意見も聞き入れねばならんのだよ」 「……はいはい」 「マスターの意見をそんなあつかい!?」 「ではお答えさせていただきますが…今の私のスキルではミコ姉様に太刀打ち出来るのは接近戦だけかと思います」 「ふむ、へたに小細工するよりかは徹底的に一本筋を通すべきだと?」 「はい。『銃剣士』であるミコ姉様の『剣士』の部分とも手合わせ願えるなら…」 「ん~……ならやってみっか…」 「ん、作戦タイムは終了か?」 「おうよ、作戦名は…」 昴が話す中ランは『牙突』のような構えをとる 「『ガンガン行くぜ!』だ」 ダッシュとともに鋭い突きを繰り出すラン 「にゃあ!」 右手に持った干将でいなすミコ 「はああぁぁ!!」 ランはそのまま止まることなく体を一回転させて逆胴を打ちにいく 「にゃんのぉぉ!!」 二人の白熱した剣はバトルアリーナを踊るように舞っていた… 「で、結局はアネキの勝ち…か」 ここは近くの神姫センター 今日はエルゴは休みだったので久しぶりに来てみたんだが 今はひとバトル終えてティールームで休憩中 「やはりまだミコ姉様にはかないませんね」 「でもランちんなっかなかのもんだったよ?」 「そ、そうですか?有難う御座います!」 「ふむ、確かにいいレベルなんだけどな…」 俺から見てランに足りないもの… 「そうだな、ランも何か自分専用の武器を持ってみたらどうだ?」 「私専用…ですか?」 「ああ、ノアの《クロノスベル》やミュリエルの《アポカリプス》、レイアの《マステマ》みたいな…な」 実際武装の良し悪しで勝負が決する……とまでは言わないがその割合が大きいのは確かだ 武装を使いこなせるだけの実力があればそれに見合うだけの名刀、名機が必要となってくる 「俺が思うにランは今の『コルヌ』で戦うのはつらいだろ?」 特に接近戦型の神姫となると獲物の重要性は高い 「確かにそうですが…」 「なら私のお下がりになりますがあれを使ってみてはどうですか?」 紅茶の入った缶をテーブルの上に置いたノアはそう言った 「あれって…『紅蓮』のことか?」 「『紅蓮』?」 「ちょっと待ってろ。確か『紅蓮』の入ったボックスは……あ、あったあった」 俺は武装関係の入ったアタッシュケースの中から桐の箱を取り出す 「なんだそりゃ?」 「ノアが《クロノスベル》を使うまで愛刀としていた龍刀【紅蓮】だ」 桐箱を開けると中には『紅蓮』の名の通りの紅色の刀が入っていた 「しかしこりゃ……刀と言う割には神姫サイズならちとでかくないか?」 「そうだ。正確に言うと大太刀と言ったほうがいいだろうか」 「刀だからな…ランは騎士だから扱いには馴れないだろうが…使ってみるか?」 「は、はい!!」 「では向こうのトレーニング用媒体で私が扱い方を教えましょう」 「はい、ノア姉様。お願いします」 「うにゃ!私も行く~」 「アタシも!」 三人はノアに連れられて席を立ちトレーニング用媒体のほうへと向かった 「すまねぇな明人」 「なに、気にすんな。あれはなかなかの名刀だからな。桐箱の中に入れとくよりもランに使ってもらった方がいいのさ」 あいつもそれを望むだろうしな… 「んじゃ有り難く使わせてもらうな。いやぁ丁度よかったぜ、最近香憐ねぇと孫一だけじゃなくて葉月とレイアまで実力付けてきてるからなぁ…うちらの周りの女性達は強くてならんねぇ」 「ははっ、まったくだ」 実際のところ俺達元八相のメンバーのうち半数が女性であるというこの事実 うん、全くもって女性は逞しくなったと思う 「いやはや葉月も我が妹ながら逞しくなっちまってなぁ…兄としては喜んでいいものなのかどうか…」 「あ、そういや葉月のことでお前に伝えとかなきゃならんことがあった」 「ん?」 「あいつ、大学にファンクラブが出来てるらしいぞ?しかもかなり大規模の」 …………はい? 「ちょっとまて、ファンクラブ?」 「いや、前からそれなりに人気はあったみたいだがな。なんてったって鳳条院っつうめちゃめちゃ良家の御嬢様なのに誰にでも分け隔てないあの性格だろ?顔だってそこらのアイドルグループなんかよりは上のレベルだ。ありゃ世の健全なる男どもがほったらかしにしとくわけねぇわ」 「いや、まぁ、そりゃ……」 確かに兄の俺からしてみても葉月がモテるという話は納得のいくものではあるんだが… 「それがこの前の鳳凰杯でかなり目立ったろ?いや、勇ましいのなんのって男どもだけならず後輩の女の子にも慕われちゃって大変なんだとさ」 「……はぁ、そりゃお気の毒様だわな…」 後輩の女の子って…あれか、「御姉様ステキ!」的なスイッチでも入っちゃったってことか… 「んで問題が…だな」 …なんかやな予感 「来週葉月の大学であるイベントが行われるらしい…」 「あるイベント?」 「ああ、なんでもそのファンクラブのやつらを中心にかなりの数の学生が武装神姫を始めたらしくてな?まぁ元からやってるやつもいたんだそうだが…それを好機と武装神姫サークルのやつらが主催で大学全体の神姫バトルロイヤル大会を行うんだと」 「ふーん。でもそれがどうしたよ?発端はどうであれいたって普通だと思うぜ?」 「話は最後まで聞けって、こっからなんだよ問題は」 いやに焦らすなこいつは… 「この武装神姫サークルの連中、葉月がレイアを神姫にし始めてから何度か勧誘してきたらしいんだがな、その度に断られてるんだ。それでもこいつらは未だ諦めてないらしくてな。それに今回の騒ぎだ。葉月をサークルに入れればそれにつられて大量に入ってくるであろうやつらを狙ってんだと」 なんじゃそりゃ… 「大量に会員集めて入会費をふんだくろうって狡いマネしようとしてるんだわなぁ」 「んなやつらほっとけばいいじゃねぇか…現に葉月はそのサークルには入らねぇんだろ?じゃあこの話もチャラになるんじゃねぇか」 「それがな…そうもいかねぇんだ」 「?」 「やつら、葉月がしつこい勧誘を迷惑がってるけれど強く断れない性格に付け込んで賭けを持ち出してきたらしいんだよ」 「…賭け?」 「ああ、なんでも葉月に対する勧誘を今後一切行わない代わりとしてバトルロイヤルの優勝者特典として『葉月に一つだけお願いを叶えてもらえる権利』を付ける事を交換条件にしてきたんだと」 「…おいおいおい、ちょっと待てよ」 そんなもん激しく向こうに有利じゃねぇか… サークルメンバーが勝てばもちろんその特典を使い葉月にサークル入りをさせて目標達成を狙うだろう 腐ってもサークルメンバーだ、葉月の追っかけで始めた初心者程度には負けないだけの自信があるのだろう 加えて特典につられてその追っかけ初心者どもも大勢参加する バトルロイヤルの性質上、いくら葉月とレイアが鳳凰杯決勝リーグまで進んだ実力者でも優勝するには圧倒的に不利だ 「んで、やっぱり葉月はその条件…」 「ああ、受けちまった」 「………やっぱりそうなるか」 今日も俺の予感は冴えていた 「と、いうわけで来週の金曜日、そのバトルロイヤルに参加することになった」 「……いや、まぁそりゃいいんだが」 「うにゃ、大体はわかったんだけど…」 「……相も変わらず妹さん想いですね、ご主人さま」 「うっ……しょうがねぇだろ、認知しちまったんだ。兄貴としてはほっとけるかよ・・・」 ここで見捨てたら男がすたるってなもんだ 「しょうがないですね…で、その大会の参加者は何人ぐらいの規模なんですか?」 ……一番いい辛い所を聞いてくるノア 「んと…それがな…」 「…ご主人さま?」 「?どうしたんだアニキ」 「バトルロイヤルなんでしょ?こっちは味方が私、ノアねぇ、ユーナ、ランちんに孫いっちゃん、レイアっちにミュリエルんだから計7人だね。あ、冥夜んも手伝ってくれれば八人になるよ」 「んじゃぁこれだけいれば50人位相手でもなんとかなるよな。なんたって『緑色のケルベロス』に『黒き狼』、『ガンブレイダー』まで揃ってるんだ。もしかしたら70人ぐらいでも大丈夫なんじゃねぇ…」 「……………150人」 「………へ?」 「………あ、アニキ?い、今何て?」 「………だから…150人同時プレイのバトルロイヤル」 「「は、はあああああぁぁぁぁぁぁっっ!!??」 「………ご主人さま…」 うん、えっと、いや、なんかもう…ゴメンナサイ… 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/28836.html
登録日:2011/08/02 (火) 15 01 48 更新日:2024/02/15 Thu 00 00 47 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 BATTLE MASTERS 一覧項目 武装神姫 豪華声優陣 PSPゲーム「武装神姫BATTLE MASTERS」に登場する架空のフィギュアロボット達の事。 ゲーム内でお迎え出来る神姫は10体。DLCで8体となっている。 神姫毎の性能差は若干あるがCPU戦では大差なく、固有レールアクションも特筆するものはない。 一部の固有レールアクションが産廃とは言ってはいけません それが礼儀というものです つまり、自分の好きな神姫を使うのが一番! また自機の性格は固定だが、NPCになると機体の印象を180度覆すような濃い神姫が登場する。 ちなみに、DLC神姫はシナリオ、2Dパートでの会話などは実装されていないorz 戦闘中の小窓に映る表情で我慢しよう。 と、思ったらMk.2にてシナリオ実装、よかったね! アーンヴァルMk.2(声:阿澄佳奈) ベストセラー機体、天使型アーンヴァルの正統後継モデル。 ゲーム開始時に手に入れる事が出来る、初心者にも安心の性格設定(例外除く)。 店員からも「お嫁さんにするならこの子が一番」と一押し。 固有RAは「グランニューレ」「一刀両断・白」 彼女のシナリオは、結構重い。 ストラーフMk.2(声:茅原実里) 悪魔型ストラーフの正当後継モデル。ストイックな性格設定。 バトロンの初代の元気小悪魔が好きな人はちょっぴり残念かも。 アーンヴァルMk.2とはライバル的位置付けがされており、ゲーム内でもよく強敵が使用している。 固有RAは「ジャーヴァル・クルイク」「一刀両断・黒」 ハウリン(声:喜多村英梨) 犬型。オーナーに従順な性格設定で一部の可哀想な紳士達に大変愛されている。 彼女の「あたま、撫でて下さいね?」にやられたお友達は数知れず。 しかし中にはNPCの“銀千代”のように、やたら偉そうな個体もいる。 固有RAは「ドッグサーカス」 Mk.2にて初期選択神姫に昇格した。 マオチャオ(声:橋本まい) 猫型。マイペースで甘えたがりな基本性格設定で、こちらも一部の可哀想な紳士淑女に溺愛されている。 主人公の親友も「たま子」という名のマオチャオといちゃついている。 綺麗なマオチャオに(色々な意味で)衝撃を受けた人は多いハズ 固有RAは「スーパーねこ乱舞」 Mk.2にて初期選択神姫に(ry フブキ(声:福井裕佳梨) 忍者型。クールながら従順な性格設定で、初期のモデルにもかかわらず今でも人気を博している。 序盤で強制的に入手する。が、何度棄てても再び同じイベントが発生し手元に戻ってくる事から「呪いのフブキ人形」とネタにされている。 ちなみにこのイベントはフブキがバトルロンドで最初に貰える無料神姫であることを表現したものと思われる。 ……売ることは考慮しなかったようだが。 固有RAは「夢想手裏剣」、後述するバレットカーニバル程ではないが、要らない子扱いされている…… ゼルノグラード(声:白石涼子) 火器型。リアル嗜好な性格設定で、武器(特に銃火器)へのこだわりが強い。 バトルにおいてオーナーに有益なアドバイスを与える玄人らしさを見せる。 が、やたら死亡フラグを立てたがる。 固有RAは「バレットカーニバル」なのだが、大抵のマスターから要らない子扱いされている…… Mk.2にて初期(ry アーク(声:堀江由衣) ハイスピードトライク型。熱血で正義感の強い性格設定でオーナーをぐいぐい引っ張る。 NPCキャラになると良くも悪くも性格がオーナーに似てくる者が多い。浮気プレイもお手の物。 だが自機になると何故か性格や口調が安定しない。ライターェ… 赤いボディでバイクに変形するが、「振り切るぜ」とかは言わない。 あるイベントで一部の紳士にトラウマを植え付けた。ナイフクリア的な意味で。 固有RAはコナミのゲームより「ロードファイター」通称「轢き逃げアタック」 イーダ(声:田村ゆかり) コナミ自重しろ。 ハイマニューバトライク型。性格設定は公式で上級者向けとされている程。 むしろオーナーをリードしようとする高飛車な彼女に多くの痴豚が歓喜の悲鳴をあげる。 あとヘンゼルちゃんマ゙ジデン゙ジ 固有RAは同じくコナミのドライブゲームより「スリルドライブ」通称「轢き逃げアタック(その2)」 アルトレーネ(声:中島愛) 戦乙女型。素直でやる気全開な性格だがよく空回りしている。 「〜なのです!」といった特徴的な喋り方やテンションの上げ下げが激しかったりと、意外とオーナーを選ぶかも。 ギュウドンは健在。 あと悲鳴が痛々しい。 固有RAは「ゲイルスケイグル」 アルトアイネス(声:水橋かおり) 戦乙女型。アルトレーネとは姉妹機だが、こちらはやや性格が気難しかったりと扱いづらい所がある。 ツンデレでボクっ娘とかなりハイスペックだがNPCになるとオーナーに恵まれない可哀想な子。 「みぎぃっ!」は紳士のトラウマの一つ。 固有RAは、SGDこと「シザース・ガリアス・ドミニオール」 〜DLC神姫〜 紗羅檀/シャラタン(声:高垣彩陽) バイオリンをモチーフにしたデザイン。上品だが世間知らずな性格でよく相手を挑発する。 固有RAは「ロスト・パラディウム」 ベイビーラズ(声:平野綾) エレキギター型。パンクらしいデザインで、語尾に「〜じゃん」と付く無邪気なロリータ。 笛を吹くとカプセルをだしたり固有RAに血圧アップが必要だったりはしない。 ボディパーツがなかなか刺激的。 固有RAは「We Will Rock Y☆」 蓮華(声:金田朋子) 九尾の狐がモチーフで、自身を神の遣いと自称する。 彼女をお迎えする際は(主に耳の)健康を損ねないようご注意ください。金朋自重。 固有RAは「後天爆裂」 ガブリーヌ(声:小林ゆう) ヘルハウンド型。自分を地獄の使者と信じるよう性格設定された厨二神姫。がさつで乱暴だがLOVE値が上がるとデレッデレになる。 「マスターの為だったら、何だってしてやるよ……」 外見や言動が少年っぽいが神姫は皆女の子です。 固有RAは「ヘルクライム」 ラプティアス(声:遠藤綾) 鷲型。やや高圧的だが、その内に静かな情熱を秘めた気高い性格。 昔の少女漫画でいう「お姉様」といった印象が漂う。 戦闘時小窓の表情が凛々しい表情・ウィンク・笑顔ととても魅力的。 固有RAは「スーパーダブルナックル」 実は勝利だけではなく、戦闘内容にもこだわる方。 アーティル(声:中原麻衣) 山猫型。「根性!根性!テラ根性!」という謎の掛け声を上げる熱血スポ根神姫。 彼女をお迎えしたコーチ、もといオーナーは上手に鍛えてあげましょう。 武装の大半が重火器だが、名前の由来が砲兵だから仕方ない。 固有RAは「スーパーツインカノン」 因みにロリ巨乳。 Mk.2のイベントで更にRAを手に入れた プロキシマ(声:朴ロ美) ケンタウロス型。宝塚歌劇の男役を思わせる凛々しい性格。 女性オーナーを意識していそうだが、スタイルの良さや可愛らしい笑顔を見せてくれたりと、なかなか良デザイン。 固有RAは「オメガスターロード」 『トロンベよ… 今が駆け抜ける時!』 謎の食通さんはお帰りください マリーセレス(声:桑谷夏子) コナミ自重しろ。 テンタクルス型神姫。翠星石(声優繋がり?)とタママ二等兵が合体したような性格。 何て言うか物騒、そしてドS。 可愛い見た目に騙されないように。 固有RAは「バッカルコーン+E83」 〜その他〜 スタルクリーゲル メカメカしい見た目が特徴の神姫。 ゼルノグラードのデザイナーと同じ人がデザインした。 オールベルン Mk.2にて参戦決定したが、無印では防具と武器だけ。 また、ドロップパーツの中には飛鳥や旧白子・旧黒子等といった未登場神姫の武器や防具がある。 因みに飛鳥はMk.2で参戦が決定した。 全神姫のイベントをクリアしてから追記修正をお願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 神姫個々のページが4人ぐらいしかないから -- 名無しさん (2014-06-16 12 37 09) 4人ぐらいしかいないから そっちも作っていきたいな -- 名無しさん (2014-06-16 12 37 26) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/282.html
そのじゅうに「口に出して言うには恥ずかしい話」 あれからと言うもの、僕とティキは勝ち方を忘れたんじゃないかと言うくらい連敗続きで。 『勝つ』事のみにとらわれず、『成長』する事に重点を置いているわけだから、今まで見たいな出鱈目をしていないんだから、その所為で勝率が下がるって言うならわかる。 それでも勝つ気でバトルしてるわけで、ハナから負けるつもりなんて、さらさらない。 だと言うのに、一向に勝ちが見えてこないってのは、どうしてなのか? そして今日も今日とて負け戦。 「ティキ、ごめんなー……」 正直僕は意気消沈。だって、どう贔屓目に見ても、僕はティキにうまく指示を出せていない。 「そんな、マスタが悪いのではないのですよぉ~ ティキだって……思った通りに動けて無いのですぅ」 僕の頭の上でがっくりと肩を落とし、ティキは泣きそうな声で言った。 実際のところ、僕もティキも負け込んでいる理由なんてわかっている。 あの日、エルゴで見たあのバトル。あの衝撃が未だに脳裏に、メモリにこびり付いているからだ。 ……あんな風に、動けるはずも無いのに。 「今日俺、部活サボるから付き合え」 そういって無理やり連れてこられたのは、一番近所にある神姫センター。 確かに僕は部に顔を出す事を禁止されていて暇をもてあまし、資金も無いのにバトル三昧で、その上敗戦続きだった訳だから文句らしい文句は言えない。 それに式部がそんなヤツだってことを僕は百も承知で、そしてそんなヤツでも僕にとっては得がたい友人なので、付き合うことにはやぶさかでなく。 て言うより、チョットだけ式部に気まで使ってしまう位な微妙な立ち位置にさえ居るわけで。そして僕はそれを正直に口してしまう事しか出来なかったりもする。 「なあ、お前は武装神姫のオーナーだって事、学校じゃ隠してんだろ? なのに、こんな学校の近所で僕と一緒にいていいのか?」 我ながら自虐的。学校ではいたって目立たなかった僕が、すでに武装神姫にはまっている所謂オタクであるという噂はすでに学年中に広まっていて、更に僕はそれを隠すのを止め、堂々と神姫バトルを行っていたんだから、噂が真実だと言うのは周知の話。 だからそんな僕と一緒にいたら、式部も同じ扱いを受ける事は必至で。 そんな事を考えていた僕に、式部は僕の頭――ティキの定位置だけど今ティキはそこには居ない――を殴る事で返す。 「――っ! お前なぁ! これ以上僕がバカになったらどうすんだよ!!」 「そんな頭ならバカにでも何でもなっちまえ!」 そう言って怒っている式部を少し睨んだりもしたけど、正直言って怒ってくれた式部がうれしい。 間違ってもそんな事、口に出したりしないけど。 だから僕は、ありったけの感謝をこめて、 「……ありがと」 と、ぶっきらぼうに言う。 「なんだ? 殴られて礼を言うなんて、お前Mか? 気持ち悪!」 「んなワケあるかー!」 コイツはこんなヤツだから、だから僕にとっては何物にも換えられない大切な友人なんだ。 僕と式部がそんなやり取りをしているそのテーブルの上では、ティキがきらりに弱音を吐いていたりする。 「ティキはどうやって戦っていいのかわからないのですよぉ~」 半泣き状態。 そんなティキを見て、きらりは少し困った顔をする。 「ティキちゃん、そんなの、私も同じだよ。でもね、それって、私たちにまだ限界が来ていないって事なんだよ」 「限界、ですかぁ?」 「そう、限界」 きらりはもう一度繰り返す。 「私たちは、まだ何者にもなれる可能性が、それこそ無限大にあるの。確かに、得意な攻撃パターンや、戦法っていうのは存在するけどネ」 そう言って、きらりはティキの頭を撫でる。 「だから、ティキちゃんは他の誰かのような武装神姫じゃなくて、『ティキちゃん』になればいいんだよ。もちろん、お手本にする人が居てもいい。だけど、ティキちゃんはその人にはなれないでしょ?」 「……ハイですぅ。ティキはティキにしかなれませんですよぉ~」 「きっとティキちゃんは、他の誰かになろうとしてたんじゃないかな? だから、自分のやりたい事がわからなくなちゃったんだよ」 ティキに向けられているハズのきらりの言葉は、僕の胸にも響いた。 「そうだぜ? お前らはお前らにしかなれねーよ。そんな事して、自分たちの可能性を狭めたら勿体ねーだろ?」 式部がきらりの言葉に続く。だけどその言葉は僕にも向けられていた。 「俺としてはさ、お前らがそんなんじゃ張り合いがねーワケよ。あんな、らしくないやり方じゃぁさ」 まるで見ていたかのような事を言う。 ……見てたのか! 僕がギョッとして改めて式部を見ると、そこにはニヤニヤと人の悪そうな笑みを浮かべる友人の顔があった。 言いたくは無いし、思うのだって恥ずかしいけど、コイツってイイヤツだ。改めてそう思う。 僕とティキは顔を見合わせる。そして二人で照れ笑いを浮かべた。 「そんじゃぁさ、取りあえずリハビリって事で、チーム組んでバトロイでもしようぜ」 そういって立ち上がった式部ときらりに、僕とティキも続く。 その日、僕達は久しぶりに勝利を手にした。 終える / もどる / つづく!