約 1,954,101 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/451.html
戦うことを忘れた武装神姫 その10 ・・・その9の続き・・・ 「両者、神姫をフィールドにセットして下さい。」 ジャッジマシンの音声に従い、久遠はフィールドに歩み寄る。 M町の筐体は、立体フィールドが実際に構築される最新型のCMU-381型。広がるは・・・人間サイズのキッチン。にやり口元に笑みを浮かべる久遠。 「こりゃ初戦は・・・エルガで決まりだな。」 神姫達も異論なし。 「じゃぁ、頼むぞ。」 「にゃーん! まーかせてー!!」 エルガと、各種装備・得物のつまった箱をフィールドの指定箇所にセット。対するサイトウは、2体分の装備を組み合わせた白子をセット。 「両者、準備はよろしいですか? では、フィールドを閉じます。」 フィールドバリアがおろされる。 久遠たちは、モニター席に移動。ここからは指示を出すことも可能で、待機神姫用のクレイドルもある。。。 「それでは、本日の第1試合・猫爪『エルガ』VSアーンヴァル『アスタ』、試合開始いたします。」 静まり返るギャラリー。フィールドでは、にらみ合うエルガとアスタ。 「Ready-・・・ GO!!!」 試合開始。 キッチンフィールドは最近追加されたもののようで、サイトウの白子・アスタもやや不慣れな様子。 接近が困難と判断したのだろうか、アスタはセットポイントから斜め上後方へ移動した。さすが過剰なほどの重装とだけあり、上昇速度も相当速い。間合いを取りつつ、フィールドの全体を確認する- 、遠距離を得意とする白子のセオリー通りの戦い方・・・ ・・・なのだが。 「にゃっはー!!!」 アスタの上昇速度を上回る勢いで、床から飛びかかるエルガ。 「な、なにっ!」 「そーれっ!!」 あっという間に追いつくとヤンチャオを振りかざす。慌てるアスタ、サイドバーニアを全開にしなんとか避ける。 「ありょ? ・・・おーーー!!!」 一方の避けられたエルガは、戸棚に向かって一直線・・・かと思いきや。 「あらよーっとなのですよー!」 ヤンチャオを器用シンクの突起に引っかけ、クルリと向きを変える。 勢いそのままに、姿勢がまだ整え切れていないアスタへ向けて突撃。 どうやらアスタは、装備が大きすぎるためすばやい動きが出来ないらしい。 『アスタ!上から来るぞ! 撃て、撃つんだ!』 叫ぶサイトウ、しかし、銃をかまえる前にエルガが追いつき-。 「おくさーん! 今日の晩ご飯は何ですかー!!!」 エルガが取り出したるは、なんとしゃもじ。 両手で持つしゃもじを一気に振り下ろす。 斜め後方からの強烈な一撃。 「ぐはっ!!」 アスタはシンクのカドにたたきつけられ、ブースター1基破損。補助翼にも大きな損傷を受けることになる。 「『とつげきしゃもじ』が決まったな・・・。」 モニターで観戦する久遠が、ぼそっと呟いた。この技、エルガと久遠が調理中に、つまみ食いをして逃走を図るリゼを仕留めるためにエルガが編み出した技。。。 「い、いたそー・・・」 と、リゼ。・・・しょっちゅうこの技を食らってる為であろうか、その痛みを想像し、顔を思わずしかめる。。。 幸いにも、アスタは下に落ちることなくシンクの上へと転がった。バーニアと損傷した補助翼をすぐに捨て、LC3がベースと思われる長銃を構えた。 「set・・・ファイア!」 床に降り立ち、テーブルに登ろうとこそこそ走り回るエルガに狙いを定め、LC3とは思えぬ速射で打ちまくる。 しかし。 「ほーいほいのほいさっさー。」 軽快かつ挑発的なステップで、エルガは弾を避ける。 「くっ・・・何故そこまで速く動けるっ!!」 「にゃっにゃんにゃー。 それは企業秘密なのでーす。」 「なぜ、何故だっ!!」 実際、エルガの足は、久遠の神姫の中で最も速い。だが、、弾が当たらない理由は別にあった。 「あいつ・・・戦闘の基本わかってんじゃねぇか。。。」 サイトウはエルガの動きにうめいていた。 エルガは、アスタが撃ち始めた瞬間から、死角となる位置を選んで走っているのはもちろん、どんな床面であっても一切飛び上がらずにいたのだ。 飛び上がった瞬間は、飛行装置を装備しない神姫にとってはもっとも無防備な瞬間のひとつでもある。それをエルガは、本能的に知っていたのだ。 その様子に、久遠はここでようやくCTaの言っていたこと -戦うことを忘れていても、戦いを忘れてはいない- を、理解した。 「なるほどね。。。 うん、うん。。。 となると・・・。」 こいつらなら、勝てる。 『エルガ、竹串だっ!! 右にあるぞっ!』 久遠は通信用マイクを掴んでエルガに声をかけた。 「にゃにゃ? ・・・あっ! わかったのですー、にゃーさん!」 降り注ぐ弾を避けつつ落ちていた竹串を拾い上げると、アスタめがけて投げつけた。 「甘い、甘い!!」 さっさっと、鮮やかに竹串を避けるアスタ。だが反撃されているということは、攻撃方法を読まれている裏返しでもある・・・そう感じたアスタは、弾種を速射から高エネルギー弾に変更し、改めて狙いを定めた。 「これなら・・・仕留められる!」 エルガが身を隠すイス全体が消滅するレベルにセットし、引き金を- 『あっ!!! アスタ! 撃つな!!!』 叫ぶサイトウ。しかし、遅かった。 引き金が引かれた瞬間。 LC3改、爆発。 爆風でとばされ、食卓の上にどさりと落ちるアスタ。装備はボロボロ。 LC3改の銃口に竹串が深々と刺さっていたのである。長銃であるが故の死角となっている真っ正面から、見事な投擲で竹串を突っ込んだエルガ。。。 「串カツと焼き鳥の作り方教えて置いて良かったよ。」 「ま、マスター、これは違うと思うんですが・・・。」 モニターを見ながらほっと胸をなで下ろす久遠に、イオが突っ込みを入れる。 「ちっ・・・。 アスタ、9Xを使え! 早くしろ!上がって来るぞ!!」 一方のサイトウは、舌打ちをしつつアスタに指示を出し続ける。だが相当のダメージを受けたようで、なかなか立ち上がらない。そうこうしているうちに、エルガもテーブルに上がってきた。 「こ、こんな情けない試合になるとは・・・っ!」 立ち上がるアスタ、手には自動小銃・・・ 「ほいさっ!」 を取り出したと同時に、エルガは再び竹串を投げ、すっぽりと銃口に。 「な、ななな?!」 自動小銃を捨て、ハンドガンを取り出す・・・と今度は爪楊枝。出す銃出す銃に、エルガ次々に竹串、爪楊枝を差し込み、使用不能としてしまった。 「にぇっへっへ・・・ もうおしまいですかぁ?」 取り出す銃が無くなった頃、アスタはテーブルの隅に追いつめられていた。背中の羽根はすでに使用に耐えられない。最後に残された、黒子の武器でもある剣を取り出した。 「そんなもんは怖くないのですよ。 でざいんないふって知ってるかにゃ? あれはもっと怖いんだよー。」 どうやら以前、シンメイに脅迫されたときのことを言っているようである。 久遠も脅迫された、あのエンゼルパイ事件のこと。。。 エルガにとってもトラウマとなっている様子。。。 「ほんとーに怖いモノって何かを、にゃー教えてあげましょうかぁ?」 妙な目つきで、にじり寄るエルガの手には・・・SUS製のおたま。 「そぉれっ!!!」 かぁん!!! 剣よりもリーチが長いため、余裕の攻撃。剣をいざ投げんと構えた格好のまま、白目をむいて・・・ アスタは倒れた。 「アスタ、戦闘不能。 勝者、猫爪・エルガ!!!」 ジャッジメカが勝負の終わりを告げた。 エルガの勝利に、ギャラリーは大きな歓声を上げた。 ・・・>続くっ!!>・・・ <その9 へ戻る< >その11 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1230.html
バトルロイヤルの特別ルールについて バトルロイヤル参加の手続き ①バトルロイヤルは毎時00分ちょうどに開始されます。 (エントリー受付は30分前から10分前までです) ②料金100円を支払いカードキーと参加神姫を交換してください。 この時点までに神姫への武装は済ませておいてください。 ③カードキーをもってバトルロイヤル用の筐体へエントリーしてください。 筐体はどれでも構いません。カードキーを差し込めば貴方の神姫とデータリンクを開始します。 ④ランダムで12コーナーの内から1コーナーが選ばれます。(初期配置) コーナー内に5つ存在する出現ポイントから好きなポイントを選び神姫に伝えます。 神姫の特性や武装に応じ好みの場所を選んでください。 (他の神姫がどのコーナーのどのポイントからエントリーするかは分かりません) ⑤試合開始の合図と共に出現ポイントのゲートが開き、武装のロックが外れます。 試合開始30秒以内にゲートから出てください。戦闘開始です。 (ゲートは30秒で地面に格納されるため、それまでに出られないと失格になります) ⑥戦闘開始後30分経過するか、参加神姫が最後の1体になった場合試合終了です。 撃墜数に応じた戦績に加え、最後の一人となった神姫には特別にボーナスポイントが入ります。 注意事項 参加神姫にはバトルロイヤル監視のマスターコンピューター(以下MCP)とのデータリンクが義務付けられます。 これにより、神姫の武装、および稼動モードは一部がMCPの管理下に置かれます。 具体的には致命傷と判断されたダメージを受けた場合の“強制的なスリープモードへの移行”および“既に敗退している神姫への攻撃”が禁止されます。 システムの都合上敗退した神姫を戦闘中に回収できないことに対する措置ですが、予期せぬ事故により敗退後にダメージを受ける可能性があることを予めご了承ください。 神姫センターバトルロイヤルのご案内より抜粋
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/9140.html
登録日:2011/09/05(月) 21 45 21 更新日:2022/02/07 Mon 13 39 28 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 14弾 あーたn かこいかずひこ アクションフィギュア アーティル カニス ガトリング・モンスター スポ魂 タカヤノリコ バリスティックブレイズ フィギュア リンクス ロリ ロリ巨乳 ヴァオー 中原麻衣 巨乳 根性!根性!!テラ根性!!! 武器庫 武装神姫 玩具 砲兵 アーティルとは…… マッハで蜂の巣にしてやんよ! ハッハー! まだまだいけるぜメルツェェェェェル!! 根性!根性!テラ根性! この三つの言葉で表せる △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- * * * + うそです n ∧_∧ n+ (ヨ(*´∀`)E) Y Y * * * * + あながち間違いでもないが n ∧_∧ n + (ヨ(*´∀`)E) Y Y * 武装神姫に登場するMMS。シリーズ第14弾として登場。 《設定》 モチーフ 山猫型 メーカー:A/cute Dynamix(アキュート・ダイナミックス) 型番:Acd024_l 機体設定 2040年アキュート・ダイナミックス社がAcd023_eラプティアスと同時に開発した機体。 本機は背部ハンガーに装備された多機能モジュールシステムが特長で、この装備はパーツの組み換えによりウエポンプラットフォーム、スラスターユニット等多くの機能を付与することが可能であり、高い拡張性を獲得している。 ヤマネコをモチーフとしたアーティルは基本的に地上戦用であるが、背部、脚部に装備されたスラスターにより立体的な戦術にも十分に対応可能。また砲撃精度の向上を主眼として、頭部と機体各所のセンサーを統合したマルチレンジングシステムを搭載し、ハンドガン等による中距離射撃、ロングレンジの対地/対空射撃において優れた性能を有している。 さらにタッグマッチにおいては同社の空戦用神姫であるラプティアスとの連携で全戦域をカバーすることが可能であり、戦術的に大きな効果を発揮する。 向上心に富み、基本的に従順なAI設定だが判断力ではやや未成熟な部分も残しているため、指導力のあるマスター向けの機体と言えるだろう。 ここまでは箱に書かれているし、フィギュアについてもまとめサイト等に書かれているので省略する さて、この神姫…… 巨乳である 巨乳である 大事なことなので二度言いました どれくらい巨乳かというと、相方のラプティアスよりデカイ tall素体のラプティアスよりsmall素体のアーティルの方がデカいのだ つまりロリ巨乳 最高じゃないか(歓喜) フィギュア発売に先駆けてBATTLE MASTERSに参戦 リアパーツ内臓ガトリングが自重していない事で有名 どれくらい自重していないかと言うと…… 一発の弾消費で二発同時発射 恐ろしいスピードでライドMAX確定 空中で撃っても落下しない ちょっと経験値を集めるだけで即装備可能 ヘビーガンにはあるまじき構えスピードの速さ とあるRAを使うと文字通りマッハで蜂の巣にしてやんよ!状態 殆どのガトリングを産廃にしかねないトンデモ兵器である 何故作ったし、コナミ 次回作にてシナリオ追加決定! 余談だが、この弾からバトルロンド用アクセスコードが付属しなくなった 何、前にも付属しなかった神姫がいるって? 知らんなぁ〜〜 尤もバトロン廃止されたからもう関係ないが 2011年11月2012年1月にリペイント版であるアーティル・フルバレルが発売された こちらは相方共々メインカラーが黒色になっており、パーツの特性と相まって多くの紳士が多々買いする事を…… 強いられているんだ! 追加パーツは肩アーマーとDLCにも出たツインキャノン『ドレッドイーター』、盾にも使える大型センサーである 余談 バトマス初期ステータス LP:400 ATK:40 SPD:4 DEX:4 CHA:40 DEF:40 アビリティ ブースト性能−1 スピード+1 DEX+1 何故かコイツの防具アビリティは移動関係ばかりである Mk-Ⅱネタバレ LP:450 ATK:40 SPD:4 DEX:6 CHA:40 DEF:40 アビリティ ナックルAC+1 ドリル−1 機関銃+1 2011年11月17日正式配信 素体:600円(前作のをDLした場合は無料) 装備:1000円(前作のを(ry) シナリオ:500円 地味に強化されて帰ってきた しかも、リアのバリスティックブレイズが二発同時発射から一発ずつ交互に撃つ形になった以外は全く修正されてなく、更に本作から追加されたガトリングスキルのお陰で凶悪化。他のガトリングを文字通り産廃にした。 というかガトリングメインの場合はコイツ一択 更にフルセット装備にしてもかなりコストが余る そんな彼女のシナリオだが…… コジマナッコゥ! ゴッドフィンガァァァッ! えぐらせて貰うで、GA エクセリオン……バスター! 何だ今のは…… 気を取り直して説明しよう 内容はやはり想像通りスポ魂モノ。 だが、このシナリオには秘密がある それは…… 今まで入手方法が不明だったRA『シャイニングナックル』が手に入るのだ! このシャイニングナックル、ショットガードを前方に張りながら相手をぶん殴るというクロスボーンX1フルクロスが愕然としてしまいそうな代物だが、皆様ご丁寧に技名を叫んでくれる。どこのGジェネだ。 しかし、謎なのは…… シナリオ配信前にどうやって手に入れたんだ、シャイニングナックル? 余談だが、彼女の初期ステータスを見て貰えばわかるが、バトマス最強兵器と名高いナックルに適性がある しかも、武器セットのカタマランブレードはナックルカテゴリー最強火力 即ち、遠距離型だから近接戦闘でボッコボコにしてやんよとホイホイ彼女に近づくともれなくナックルで逆襲される羽目になる ハッハー!暑すぎるぜメルツェェェェェル!! また、有料DLCにドレッドイーターが追加された 追記修正は彼女をMAXまで育ててからお願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] アーマードコアとどんなつながりが? -- 名無しさん (2015-02-06 10 19 16) 山猫は英語でリンクスと言うのですがそれはアーマードコアネクストのパイロットの名称と同じなんです。 -- 名無しさん (2015-02-06 10 32 05) 俺のこの手が光って唸る!根性見せよと輝き叫ぶ! -- 名無しさん (2015-02-06 10 53 37) 火器やナックルで戦うより、頭部アーマーで頭突きした方が強そうにに見える、というのは内緒だ! -- 名無しさん (2015-08-23 21 38 51) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2133.html
ウサギのナミダ ACT 1-17 □ その日は、あまりにもいろいろありすぎて、アパートに帰り着いたときには、すっかり疲れ切っていた。 水浸しの服を脱ぎ、熱いシャワーを浴びると、あとはもう寝床にごろりと横になって、他に何をする気も無くなっていた。 体は疲れていたが、意識は妙に冴えていた。 まだ興奮しているのだろう。 今日あった出来事を反芻しようとするが、うまく頭が回らない。 結局俺は、ボーッと天井を見上げながら、ただただ寝っ転がっていた。 どのくらいそうしていただろう。 携帯電話に着信があった。メールの着信音。 ゆっくりと手を伸ばし、液晶画面を見る。 約束通り、久住さんからだった。 メールの文面は、彼女らしく、簡潔だった。 「今日は生意気なことを言って、ごめんなさい。 明日、午前11時に、JR○○駅改札前で待っています。 追伸。 ティアの写真、送ります。」 添付ファイルを開く。 俺は小さく吹き出した。 ティアとミスティが一緒に写っている画像だ。 Vサインを出しながらティアの肩を抱いて余裕の笑顔のミスティに対し、ティアはなんとも間抜けな表情で肩をすくめている。 バカだな。笑えばいいのに。 俺はその画像だけで、ひどく安心してしまった。 ティアは無事だ。久住さんのところにいる。いまはそれでいいのだ、と思えるほどに、心に余裕ができていた。 メールの返事を送る。待ち合わせと画像の件に了解の旨を伝えた。 それにしても。 久住さんが指定した待ち合わせ場所が不可解だった。 最寄り駅からだと、ちょうど東京をまたいでいく感じになる。 そんなところで待ち合わせとは……他に行くところでもあるのだろうか。 まさか、彼女なりの嫌がらせというわけでもあるまい。 ……そんなことを考えること自体、俺の心が疲れている証拠だ。 俺は目覚まし時計をセットする。 明日の約束に遅れるわけにはいかない。 そして、寝床に横になると、不意に睡魔が襲ってきた。 疲れた……。 そう思いながら、睡魔にされるがまま、眠りに落ちていった。 翌朝。 異常に早く目が覚めた。 まだ気が高ぶっているのかも知れない。 だが、体の疲れはとれているし、頭の中もすっきりしていた。 時間にはまだだいぶ余裕がある。 俺はゆっくりと身支度を整え、駅前で朝食を取ることに決めて、家を出た。 ティアのいない一晩で、俺は心の整理がついていた。 必要な時間、だったのだろう。久住さんはそれがわかっていて、俺にこの時間をくれたのかも知れない。 結局、一番大事なことは、ティアが俺のそばにいることだ。 そのためなら、別にバトルロンドにこだわる必要はないのだ。海藤とアクアのように。 誰に見せることもなくなるだろうが、ランドスピナーを自在に操り、走る楽しさをティアが感じ続けてくれるなら、それでいいのだ。 それをティアに言ってやるつもりだった。 ティアは……どんな顔をするだろうか。 それにしても、今日の待ち合わせ場所は不可解だ。 待ち合わせなら、うちの最寄り駅、そうでなければ、三駅ほど離れた久住さんの最寄り駅でもいいはずなのに。 なぜ二時間近くもかかる遠いところ、しかも大都市というわけでもない、ごく普通の駅前なんて指定したのだろうか。 久住さんは、よくわからない人だ。 彼女にはいつも驚かされる。 それは不快ではなく、むしろ嬉しいサプライズが多いわけなのだが。 今日の待ち合わせ場所も、彼女の特有のサプライズなのだろうか。 やっぱり、よくわからない。 俺は電車の中で、つらつらとそんなことを考えている。 二時間近くかかった列車の旅も、ここで終着だ。 たどり着いたその駅は、全く普通のJRの駅だった。 時間よりも十分ほど早い。 待ち合わせは改札の前なので、もう一度駅名を確認してから、改札を通った。 彼女は先に来ていた。 ……だが、声をかけるのがためらわれた。 あそこにいる女性は、本当に、久住さんだろうか? いつもと雰囲気がまるで違っていた。 いつもの久住さんは、細いジーパンなどを履き、スポーティーな格好だ。それに武装神姫収納用のアタッシュケースを持ち歩いている。 ところが、待ち合わせの場所にいたのは、 「あ、遠野くん」 そう言って、微笑みながら小さく手を振ったので、やはりこの少女は久住さんで、待ち合わせの相手はどうやら俺であることを、かろうじて認識できた。 「おはよう、久住さん……待った?」 なんとかここまで口にできた俺を、むしろ誉めてもらいたい。 女の子に免疫のない俺は、緊張がすでに最高に達し、思考は遙か彼方に吹っ飛んでいた。 もちろん、表情に気を使う余裕などこれっぽっちもない。 「わたしも今来たところ。……でも、早かったですね」 「……遅刻すると、いけないと思って。でも待ち合わせ場所に完璧に変装した人がいたからびっくりしたよ。その格好どうしたの?」 「さすが遠野くん、いい心がけです。これですか?それは…まだ秘密です」 にっこりと笑う久住さん。 反則度が五割増しくらいになっている気がする。 これは久住さんによる何かの策謀なのだろうか。 俺にとってはもうサプライズを通り越して、遠大な陰謀の一端ではないかと思われる。 この時点で俺はもうドギマギした気持ちをどうにも持て余しており、すがりつく話題を必死に捜していた。 そして、巡り巡った思考の末、一番大切な今日の本題にたどり着いた。 「あ、あの……てぃ……ティア、は……?」 「大丈夫。ちゃんと連れてきました。 いつも胸ポケットが定位置みたいでしたのでコートの内ポケットにしっかりと。 ……ティア」 久住さんが、下げたハンドバッグにその名を呼ぶと、二人の神姫がバッグの口からひょっこりと顔を出した。 ■ 菜々子さん(ミスティのマスターも、名前で呼ぶことをわたしに要求した)の呼びかけに、左右の大きな内ポケットにそれぞれ隠れていたわたしとミスティは前を塞ぐボタンを弾け飛ばしてから顔を出した。 すぐに目が合う。 マスター。 一日会っていないだけなのに、ひどく懐かしい気持ちになった。 同時に、罪悪感が沸いてくる。 それは、わたしの噂で迷惑をかけたことと、マスターに無断でいなくなったことの両方の意識が入り交じった複雑なものだった。 マスターは少し驚いたようにわたしを見つめ、 「ティア……」 わたしの名前を呟いて……そのまま、地面に両膝と両手を着いてうなだれてしまった。 ええぇ? マスターは大きく一つため息をつく。 「どんだけ心配したと思ってるんだ……」 あ……。 昨晩、久住さんが言ったとおり。 マスターは、本当に、わたしの心配をしてくれていたんだ。 わたしのことなんて、忘れてそれで……幸せになってくれればよかったのに。 それでも、マスターが心配してくれたことが嬉しくて。 自分が消えようとしてたことなんて棚に上げて。 なんてひどい神姫だろう。 「ごめんなさい……」 結局、いつもの言葉を口にするしかない、わたし。 でも、マスターは、 「おまえが無事なら……いいさ」 そう言って顔を上げた。 もう、いつもの無表情だった。 包帯を巻いていない、左手の甲を差し出す。 「戻ってきて……くれるよな?」 マスターは相変わらず表情を表に出さなかったけれど。 でも、声が、少し震えていた。 わたしは、菜々子さんのバッグから出ると、マスターの左手に乗り移る。 そのとき、後ろを振り返ると、ミスティが笑顔で頷いていた。 □ 左胸のポケットの重さに、俺は心底ほっとする。 俺は立ち上がると、久住さんに頭を下げた。 「ごめん。見苦しいところを見せてしまって……」 「ううん……ふふふ、いいリアクションでした」 「それから……ありがとう。ティアを見つけてくれて……昨日も、気を遣ってくれて……」 「大したこと、してないわ」 そう言って、久住さんは首を横に振った。 彼女がどんな思いなのか、その表情から伺い知ることはできなかった。 久住さんは、一度目を閉じて、うん、と頷くと、俺を見た。明るい表情。 「さて、用事も済んだことだし……ねえ、遠野くん、連れて行きたいところがあるの。付き合ってくれる?」 「え? あぁ……」 やはり続きがあった。 「はじめから、そのつもりだったんだろう?」 「やっぱり、わかる?」 「そうじゃなきゃ、こんな遠くに呼び出したりしないだろう?」 「まあ、ね」 久住さんは反則度五割増しで笑っている。 彼女を勘ぐっているのは、俺の神経が過敏なのか、疑心暗鬼すぎるのか。 俺が何となく即答できずにいるのを見て、彼女は言った。 「大丈夫。ただのホビーショップなんだけど……遠野くんも、きっと気に入ると思うわ」 「ホビーショップ……?」 ただのホビーショップなら、途中過ぎた秋葉原でも事足りる。 わざわざこんなところまで来るというのには、理由があるのだろうが……。 まあ、考えていても仕方がない。 せっかくこんな遠くまでやってきたのだから、このあたりのホビーショップでバトルロンド観戦も悪くはないだろう。 俺たちの顔が知られているわけでもないのだから。 「わかった。付き合うよ」 「決まりね」 久住さんはにっこりと笑う。 俺と彼女は並んで歩き出した。 駅前の商店街を歩いていく。 何も特別なことなどない、どこにでも見られる、ごく普通の商店街だった。 いったい、何を考えているんだろう? 俺は隣を歩く久住さんを盗み見る。 ……えらく細い肩が視界に入った。 久住さんは、男の俺に比べれば確かに小柄だったが……こんなにも細い肩だったろうか。 いや、全身が細くて華奢な感じがする。 それでも、痩せすぎという感じではなく、女性らしい柔らかな体つきだった。 いかにも、女の子という感じで……。 これでとても美人なのだから、俺が隣にいるのがえらく場違いに感じてしまう。 というか、端から見たらどうなのだろう。 一緒に並んで歩いているなんて、まるでデートみたいなのではないだろうか。 ……デート!? 俺と、こんなに可愛い女の子が!? いやいや、違う。 これは久住さんの厚意で、ホビーショップに案内してもらっているだけなのだ。 だが、一度意識してしまうと、頭では否定していても、感情が沸騰してしまう。 おかげで、女の子にろくに免疫のない俺は、久住さんの隣で緊張しっぱなし、彼女を意識しすぎて頭の中は真っ白という状態に陥った。 「ここよ」 目的地に着いたことを久住さんが教えてくれなければ、ぎくしゃくとした足取りのまま、どこまでも歩いていったかも知れない。 俺たちがたどり着いたのは、彼女が言ったとおり、ホビーショップの店先だった。 それほど大きいとは言えない、商店街にある個人経営の普通のホビーショップ。 店の看板を見上げる。 『ホビーショップ・エルゴ』とあった。 エルゴ……? 「って、ここ……あの、エルゴ……なのか?」 「うん」 久住さんはあっさりと頷いた。 「遠野くんだったら、きっと来てみたいだろうと思って」 それはもちろんだった。 ホビーショップ・エルゴといえば、武装神姫ファンならば知る人ぞ知る名店だ。 俺が知るエルゴ評でもっとも印象的だったのは「武装神姫の魅力がすべて詰まっている店」というものだった。 さらに、ここのバトルスペースの常連達は、有名な神姫プレイヤーばかりなのだ。 ティアを迎える前から、一度は来てみたいと思っていた。 久住さんは店の自動ドアをくぐっていく。 俺もあわてて後に続いた。 「いらっしゃいませ」 元気のいい女性店員の挨拶が出迎えてくれる。 店内を見渡した俺は、圧倒された。 気合いが入っている、なんてものじゃない。 武装神姫のパッケージ商品はもちろん、追加武装からカスタムパーツ、専用工具にメンテナンス用品、果ては神姫専用のオリジナル衣服まで。 ありとあらゆる武装神姫関連製品が所狭しと、しかしきちんと系統立てて、わかりやすく並べてある。 秋葉原などの大型店舗に比べたら小さい店ではあるが、へたをすればこっちの方が品揃えがいいんじゃないか? 店頭に置ききれない分は、検索端末で在庫確認、注文もできるようになっているみたいだ。 端から物色したい気持ちになるが、今日は久住さんの付き添いである。 とりあえず我慢して、久住さんに目を移す。 「おひさしぶり、静香さん!」 「あら、菜々子さん、元気だった?」 久しぶりの再会に、エプロンをつけた女性店員とハイタッチなんかしている。 女性店員はめちゃくちゃ美人だった。流れるような黒髪が印象的な美人。 久住さんとはタイプが違うが、男だったら思わず振り向いてしまうほどの美貌だ。 武装淑女にはえらく美人が多い気がするが……美人じゃないとバトルロンドをやってはいけないという掟でもあるんだろうか。 なんて、腐った思考をしていた俺に、その店員さんが視線を向けてきた。 俺の上から下までさらり、と視線を流し…… 「彼氏?」 久住さんへの問いに、俺は思わず吹き出した。 久住さんは、店員さんの耳元へ口を寄せ、何事か囁いている。 そして、 「ふぅん……」 また俺をさらりと見渡した後、なにか納得げに頷いていた。 ……なんなんだ。 「ところで、店長は?」 「奥で作業中。呼んでくる?」 「ううん、いいわ。こっちに戻ってきたら、わたしが来たこと伝えてくれますか? 言えばわかりますから」 「わかったわ」 店員さんが頷くのを確認して、久住さんは俺のそばに戻ってきた。 「先にティアとミスティを預けてしまいましょう」 「え?」 神姫を預ける? 久住さんは俺を店の一角に案内する。 そこは神姫サイズの机や椅子が並ぶスペースだった。 いまも数人の神姫がたむろしている。 あとで説明を受けたが、神姫学校と言って、エルゴで神姫を預かるサービスなのだそうだ。 「ティアはこっちね」 「ミ、ミスティ……ちょっとぉ!?」 ミスティはティアに腕を絡めて、ぐいぐい引っ張っていく。 以前にも利用したことがあるようで、勝手知ったる、という感じだった。 「わたしたちは、上ね」 久住さんは俺を店舗の二階へと案内する。 店の二階はバトル用のスペースになっており、バトルロンド用の筐体が並んでいた。 筐体の数こそ、ゲームセンターに比べれば見劣りするが、観戦用の大型ディスプレイも設置されているし、多人数対戦用の設備も備わっている。 休憩スペースで観戦もできるようになっていて、いたれりつくせりだった。 小さな店なのに、多くの常連が通うのも、当然だと思う。 近くにあったら、俺だって常連になっているだろう。 久住さんは差し向かいになれる小さなテーブルのある休憩スペースに、俺を連れてきた。ちょうど誰もいない。俺たちは向かい合って腰掛けた。 大型ディスプレイでは、現在プレイ中のバトルロンドの様子が映し出されている。 思わず目がいってしまう。 バトルをしているのは、アーンヴァルとマオチャオ。 アーンヴァルはノーマル装備の組み替えのカスタムらしい。 一方のマオチャオは、巨大なブースターを背負い、高速で滑空している。 バトルは白熱している。その動きから、両者ともかなりの手練れだとわかる。 「あの神姫……両方とも見たことあるな……」 「ああ……マイティとねここ、有名だもの」 久住さんのさも当たり前のような答えに、俺は吹き出した。 『公式武装主義者』と『雷光の舞い手』かよ!? 俺でもその二つ名を知っている、有名な武装神姫だ。 その二人が普通に草バトルしているこの状況って……。 いきつけのゲーセンにしか行ったことのない俺にしてみれば、スタープレイヤー同士のバトルをあっさり観戦できるこの状況が、とんでもなく贅沢なことに思えた。 「さっきの、店員の女の子もね、有名よ?」 「へえ……?」 「ドキドキハウリンのマスター」 「ぶっ」 俺が驚く様を、久住さんは面白そうに見ている。 まったく、俺は井の中の蛙だ。 彼女が『天才』戸田静香か。 秋葉原の神姫バトルミュージアムで、バトルロイヤル五二機撃墜を達成したハウリン。 そのマスターはあらゆる技術を身につけており、武装、ソフトウェア、果ては神姫用の衣服まで作成するとか。 バトルも強いが、ショーマンシップでバトルを盛り上げることを一番とする、趣味人。 どんな人物かと思っていたが、まさかあんな美人が……。 俺は首を振った。 世の中、わからないことが多すぎる。 俺たち二人は、そこでしばらくバトルロンドを観戦していた。 白熱の攻防を見ていると、やはり血が騒ぐ。 俺もバトルしてみたい、と思う。俺の、武装神姫と。 「やっぱり、バトルロンドはいいな……」 心からそう思う。 ティアに、バトルしなくてもいい、なんて言ってやるつもりだったが、心の底では納得していなかったのかも知れない。 バトルに挑む神姫達の美しい姿、マスターが繰り出す知略の攻防、そして神姫とマスターがともに掴む勝利の達成感。 何物にも代え難い、と思う。 「遠野くんは……どうして武装神姫をはじめたの?」 唐突な、久住さんの問い。 「どうしてティアを自分の神姫にしたの? あのレッグパーツはどこで手に入れたの? どうしてあの戦い方にこだわるの? ねえ……」 まっすぐな視線に射抜かれて、俺は身動きすることができなかった。 「教えて。わたし、あなたのこと……あなたたちのこと、何も知らない」 ■ ミスティはわたしの腕を取って、ぐいぐいと引っ張っていく。 わたしは歩調を合わせるのがやっと。 彼女は妙に楽しそうに見えた。 神姫学校のスペースには、何人かの神姫が集まって、グループを作って歓談しているようだった。 ミスティは、グループの一つに近づいていく。 グループの輪で、中心になっていた神姫が、近寄ってくるわたしたちに気がついて、顔を上げた。 ツガル・タイプだ。 瞳に少し気位の高そうな光を宿している。 「あら、珍しい……ミスティ、ひさしぶりね」 「ごきげんよう。調子はどう?」 まずまずね、なんて答えたツガル・タイプは、ミスティに腕を抱えられているわたしを見た。 「その子は?」 「この子はティア。わたしの親友」 「親友? あなたの?」 何か信じられない珍獣を見るような視線。 それでも、ツガル・タイプの彼女は、微笑んで挨拶してくれた。 「はじめまして、ティア。わたしはシルヴィア。ミスティの昔なじみよ。よろしくね」 「は、はい……ティアです……よろしく……」 お辞儀をしたわたしの頭の中に、浮かんでくるものがある。 ツガル・タイプのシルヴィア……? 聞いたことがある。確か…… 「レッド・ホット・クリスマス……?」 シルヴィアさんは頷いた。 その二つ名は全国大会でも知られた有名な神姫の名だった。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/488.html
戦うことを忘れた武装神姫 その14 ・・・その13の続き・・・ ジャッジマシンが、フィールドの準備が出来たことを知らせる。 「両者、神姫をフィールドにセットして下さい。」 久遠は、狐スタイルのシンメイを静かに置いた。 プラントフィールド、神姫 サイズの工場が次の舞台。相手は、軽装にバックパックのみの兎子。一見すると 普通の「中装備兎子」なのだが。。。 「むむ、あの兎子の装備・・・」 「ええ、本気ですね。 全く無駄がありません。」 ぼそっと呟くように答えるシンメイ。 「おそらく、このフィールド自体にも相当慣れているのでしょう。」 しばしフィールドを眺め、なにやら考えるシンメイ。 「そうだ。マスター、私の背中のハコを、緑の大きいモノに換えていただいても いいですか? ついでに、ぷちの弐号も載せて下さい。」 と、久遠を見るシンメイの顔は、普段は滅多に見せることのない、ちょっと悪戯 っ娘のにんまり笑顔。 「おっ・・・何かひらめいたな。」 言われたとおりに、緑の箱とぷち弐号を載せる久遠。 「任せて下さい。 おそらく、7分30秒以内には勝てるでしょう。」 「目標を定めるのはいいけれど、無理はしない事。いいね。」 「了解しました。 ・・・ではマスター、許可を願います。モードB・レベル5に 移行してもよろしいですか?」 「本件は重要事象である。 よって、モードB・レベルF+ を、特別に許可する。」 「・・・ありがとうございます。 では、行ってまいります。」 キィン・・・ 甲高い動作音が久遠の耳に入った。閉じられるフィールドから手を 振るシンメイの右目の色が・・・ 濃紺に変わっていた。 「それでは、本日の第3試合・吼凛『シンメイ』VSヴァッフェバニー『コリン』、 試合開始いたします。」 先までとは一転、異様なまでの盛り上がりを見せる店内。コリンに、シンメイに、 声援が飛ぶ。 「Ready-・・・ GO!!!」 ジャッジマシンの声に、両者同時にスタート。 構造物が多いフィールド内を、 互いに隙を狙うように走り回る。時折、兎子のコリンが撃つカロッテP-12の弾音 と、2人の駆け回る足音だけが、静かな工場内に響き渡る。スパイ映画のような 緊迫した様子がモニターに展開され、徐々に静まるギャラリー。 と、シンメイが足下に散らばるチェーンを踏んでしまった。一段高い通路に立つ 立つコリンは、その音により、すぐさまシンメイを発見。 しまった、という表情のシンメイの頬にレーザーサイトの赤い点が光る・・・ 間一髪、シンメイは何とか弾を避けるも、顔にかすり傷を負う。 転がるように コンテナの陰へと逃げ込むシンメイ。 -しばしの静寂-。 「ふっ。。。」 口元ににやりと不気味な笑みを浮かべたコリンは、バックパックからグレネード ランチャーを取り出し、コンテナへ向けて・・・ ガス弾を何発も発射。 猛烈な煙が、フィールドを覆う。 排気しきれずに、シールドの隙間からガスが 外へ漏れだし、近場にいるギャラリーもむせ返るほどのガス。 『いいぞ! そこで一気に決めるんだっ!』 スコープを下ろしガスマスクを装着したコリンは、P-90を模したと思しきオリ ジナルのハンドガンを手に、通路から飛び降りコンテナ裏へと廻った・・・が。 「い、いない?!」 そこに、シンメイの姿はなかった。 「けほ・・・な・・・なんですかっ! 私はゴキブリですかっ?!」 振り返ると、そこには目薬ぽちぽち差しているシンメイが。 「な・・・なぜあれだけのガスを浴びても動けるんだっ!!」 驚くコリン。モニター席のサイトウもまた、驚きを隠せずにいた。 「あぁ、良かった・・・ どうなることかと思いました。」 イオがシンメイの無事に、ほっと胸をなで下ろす。 「ガス絡みは、あいつは相当抵抗力あると思うよ。」 シンメイを信頼しきっている久遠は、コーヒー片手にのんびり観戦。 「何しろウチに来た頃、しょっちゅう殺虫剤で自爆していたからね。」 「シンメイはね、バ○サンで炊きあげられたこともあるんだよー。」 久遠に、エルガも付け加えた。 「へー、そうなんだ・・・。 あのシンメイがねぇ・・・。 くすっ!」 妙ににやにやするリゼ。いつも小言を言われているからだろうか・・・ と。 『皆さん・・・ 通信入ったままですよ・・・ けほっ・・・ あ、あとで、 覚えておいて下さいね・・・ 特にマスター。』 怒りの四つ角が見えそうな押し殺した声に、久遠のモニター席はちょっとだけ 空気が凍り付いた。。。 『・・・ん? おい、何をぼーっとしている! 相手は止まっているぞ!!』 サイトウの声が、コリンに届く。 「い、イエス、マスター!」 サイトウの叱責にP-90を構えるコリン・・・と、何かによって銃がはじかれた。 「・・・遅いですよ。」 見れば、スパナ(神姫サイズ)を数本手にしたシンメイが不気味な笑みを浮かべ ている。 コリンはP-90を諦め、A4W改を取り出しすぐさまぶっ放す。 だがシンメイは、まるで先を読むかの動きで鮮やかに弾をかわす。 「いいですよ、弐号。 ・・・同期もばっちりですね。」 ぷちの弐号、シンメイが狐型ヘッドユニットを作った際、センサー類のさらなる 感度向上を図るため、CTaに頼んでセンサーユニットとしての機能に特化させた ぷち。。。 フィールドに慣れているであろう相手との差を補うために、弐号を 選択したシンメイの読みが、見事に的中したのである。 再びフィールドは、刑事ドラマのクライマックスばりの様相を呈していた。 コリンはA4Wを手に、所狭しと逃げ回るシンメイを追いかける。 シンメイも、 今度はぷち弐号の力を借りていることもあろうか、背負った緑の工具箱から取り 出したスパナやレンチで反撃をする。しかし、コリンも相当の手練れ、ひとつと して当たるものは無く、工具はどこかへと消え、金属の当たる音が響くだけ。。。 「あと・・・3箇所・・・。 残りは4分15秒・・・いけるっ!」 ぼそっと呟くシンメイ、取り出したるは、射出可能な特殊インパクトレンチ。 再び高い位置の通路へと登ったコリンを狙い、コマを3個発射。 「はっ、どこを狙っているのか?」 余裕の表情で飛んできたコマを避けたコリン。 「狙っていたのは貴方ではありません。 ・・・2、1、0! さぁ、お祭りの時間ですっ!!」 シンメイが叫んだ。すると。 「うっ、何だっ?! 何が起きたんだっ!」 コリンの足下の通路が傾いた。 慌てて飛び降りると・・・今度は両サイドから 鉄骨が襲いかかる。 突然の事態に、状況が読めないコリンは、マスターである サイトウに助けを求めた。 『マスター!! 指示をお願いします!!』 コリンの呼びかけに、サイトウは返事をしなかった。いや、できなかった。神姫 が、自ら判断し、フィールドを崩壊させて攻撃を仕掛けるなどとは、夢にも思わ なかったからだ。 鉄骨を避け、反射的に後ろへ下がると、クレーンのワイヤーが緩みフックが落下。 崩れた鉄骨の隙間をスライディングの形で抜け出し、ドミノ倒しになる厚板材を 蹴り飛ばす。 『マスター! はやく!! 指示を!!!』 しかも、計算し尽くされた、見事なまでのトラップ・・・。 神姫に、所詮機械 人形である神姫に、こんなことができる訳がない。。。 サイトウは、半ば パニックになっていた。 返事の無いマスターに見切りをつけ、コリンは全体がトラップと化した建物から の自力脱出を試みる。休む間もなく襲いかかるトラップの数々、床を波のように 流れ来るパイプを飛び越え、降り注ぐ煤をかいくぐり・・・ 最後に、台座が緩んで転がり出した大型変圧器に、フィールドの隅へ追いつめら れてしまった。 「おー、さすが工具とトラップの天才だなー。」 美しいまでの崩壊の連鎖を、モニターでじっくり鑑賞する久遠たち。ギャラリー にもどよめきが起こる。 ・・・シンメイは、コリンを狙っていたわけではなく、トラップを構築するため に、各所に工具を当てていたのである。もちろん投げた工具は、駆け回りながら くまなく回収済み。 追いつめられたコリンが振り返ると、ざっくりとフォークが足下に突き刺さる。 シンメイの得意技、「最後のリンゴは、私が頂きます」が決まった。 「くっ・・・!」 硬直するコリン。直後、背後に気配を感じ、続いて首筋に冷たい感触が。 「・・・。」 「・・・。」 変圧器のノイズに紛れ、勘づかれることなくコリンの背後へと回ったシンメイが、 首筋にナイフを突き立てる。そのナイフは、コリンが装備していたものだった。 「私は、神姫を治すことのできる技術をもった機体です。・・・賢明な貴方なら、 この言葉が何を意味するか、おわかりになりますね?」 シンメイが静かに言った。 その言葉に、コリンは手にした銃を捨てた。 「・・・神姫の息の根の止め方も知っている、と言うことね。」 コリンは両手をあげて、ギブアップをジャッジマシンに示す。 「コリン、ギブアップ! 勝者、吼凛・シンメイ!!!」 相手を一切傷つけることない、美しい勝利。 予想外の展開に、店内は、ネット上は、大いに盛り上がった。。。 ・・・>続くっ!>・・・ <その13 へ戻る< >その15 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiarekore/pages/12.html
武装神姫の用語集です。ここでは公式で使用されている文言が基本となります。→公式の設定から派生している自創作の技術等はリンクとして追記は可能とします。 例 ヂェリカン/Jelly Can=武装神姫のメンテナンス用添加剤「ヂェリー」を封じたもの。味にバリエーションがあり神姫に与えると親密度が上がる。 クーラント ニトロ →(自創作ヂェリカンへのリンク)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/472.html
戦うことを忘れた武装神姫 その11 ・・・その10の続き・・・ 「『おめざめはおたま』、かぁ。。。ありゃ俺でも痛いし。神姫だったら下手すりゃ致命傷になるぞ。」 苦笑いをしながら、イオを肩に乗せてフィールドに歩み寄る久遠。 「・・・そういえば、ヌシさんが朝起きないときはエルガがいっつもアレをやってたっけ。 あの間合いと速度は・・・流石だわ。」 「ええ、その後毎回のたくってましたよね、マスター・・・。」 モニタ席に残ったリゼとシンメイが、フィールド上で誇らしげにおたまを かざすエルガを見ながら言っていた。 シールドが解除され、エルガは久遠の姿に気づいた。 「おー、よしよし。良くやったぞー。えらいえらい。」 「にゃーさーん! たっだいま〜! 勝ったよー!」 久遠に飛びつくエルガ。だが、右手のヤンチャオを装備したままだった為、ヤンチャオが久遠の腕にざっくり刺さる。 「あ・・・。ごめんにゃさ〜い。。。」 「痛いけど、この勝利に免じて無罪放免である、ってね。いやぁ、お見事。まさか台所のフィールドがあるとは。やりやすかったろ?」 「うん! それに、おうちのよりきれいだったから、走りやすかったの。でもね、隠れるところが少なかったからちょっと大変だったかにゃー。」 「エルガ・・・それは大きな声で言うところじゃないよ、俺の部屋が散らかっていることを暴露している以外の何物でもないんだから・・・。」 周囲のギャラリーからは笑い声も聞こえる。 妙に和やかな久遠サイドの反対側では、まだ目を覚まさないアスタを乱暴にストックボックスへ放り込むと、サイトウは無言のまま次の対戦に使用する神姫の装備を選んでいた。その雰囲気に、彼の応援団もだんまり。。。 「ネクストフィールド、準備完了しました。」 ジャッジマシンが告げた。今度のフィールドは・・・ RPG・ダンジョンスタイル。 「あらぁ・・・かわいらしい舞台ですねぇ。」 久遠の肩の上に乗ったイオが、フィールド上に構築されたちょっと不気味な、地下神殿遺跡の様子を見ていった。 「か、かわいらしいのか?」 「えー?そう思いませんか?」 首を横に振る久遠とエルガ。 「まぁいいや。えっと、次はイオが行くんでいいのかな?」 「はい〜。どこまで出来るかはわかりませんが・・・ よいしょっと。」 フィールド上に降り立ち、久遠から装備の入った袋を受け取ると、ちょいちょいと装備を調える。 「にゃー、イオぉ、かっこいいよぉ!!」 装備を終えたイオの姿に、エルガが目を輝かせる。 「え・・・そうですか?」 ちょっと恥ずかしそうにするイオの姿に、ギャラリーも集まる。基本は白子装備・・・なのだが、翼がちょっと独特の形状になっている。 そして補助翼の代わりなのだろうか、ツガルの装備を真っ白にリペイントしたものを適宜追加。 そして翼には、ブースターではなく埋め込み型のジェットエンジンタイプの推進器。ツガル装備も翼+ジェットエンジンも、CTaから(久遠が知らぬ間に)もらった、とのこと。 「はいはい、すみません。写真はあとでお願いします。 時間押しちゃうんで・・・」 珍しい姿に写真を撮ろうと集まったギャラリーをかき分け、フィールドにイオをセットした久遠。反対側では、待たされて、より不機嫌さが増した顔付きのサイトウが、フィールドに合わせたのであろうか、「あの」騎士子をセットしていた。 「それじゃ、いってきまーす。」 手を振るイオに久遠とエルガもまた手を振って応える。 フィールドバリアがおろされ、第二試合が始まる。 「第2試合、アーンヴァル『イオ』 VS サイフォス『ディサ』、試合開始いたします。」 そして、再びの静寂-。 「Ready- ・・・GO!」 『行け!あの装備なら動きは鈍いはずだ!』 サイトウに命じられ、ジャッジが言い終わるか終わらないか、フライングとも思える速攻のサイフォス・ディサ。 「とああぁぁあぁ!!!」 デファンスを構え、重武装に身を固めたディサだが、その重量をものともしない速さでイオに迫る。 だが、イオは・・・ 「・・・おかしいですねぇ・・・。エンジンに火がつきません・・・」 グリグリと推進器のダイヤルだのスイッチだのをいじる。その様子を確認したディサは、一撃で勝負を決めようと、狙いを定め・・・。 「あ、忘れてました、安全装置。 えっと、たしk・・・きゃーーー!!」 安全装置を解除した途端、左の推進器のみが全開に。反時計回り方向に、もんどりうつ形で転がっていくイオ。 「な・・・っ!」 結果として、ディサの突撃をかわすことになる。イオは転がって、神殿の柱にぶちあたってようやく止まった。 「もう、CTa姉様の作るものはいっつも何か抜けているんだから・・・。」 と、自らの装備をチェックするイオに再びディサのデファンスが迫る。 「とあぁ!」 「あらまぁ、 補助翼が一個取れてますね。よっと。。。」 さっと、イオは足下に落ちている補助翼を拾おうと頭を下げ、またしてもディサの突きをかわす。 モニターを見ながら顔が引きつっている久遠に、リゼがお茶を持ってきた。 「ヌシさん、大丈夫か?」 「あ、ありがとう、リゼ。。。 イオのやつ、天然なのはわかるけどさ、なにもこんな場でも発揮しなくたっていいだろうに・・・。」 「それがイオなんだってば、ヌシさん。それに、あいつの強運は恐ろしいくらいだし。」 とにこやかに言うリゼだったが、 「フォローになってないよ、強運も怖いかも知れないけど、俺はこの試合を見ている方が怖いよ。」 久遠の目元は、小さく震えていた。 突撃を外されたディサのディファンスは柱に深々と刺さってしまい、抜けなくなっている。 引っこ抜こうとするディサを後目に、イオは補助翼を 装着し、今度はきちんと推進器を作動させた。 『そんなものは捨てろ! まだ武器はあるだろう、馬鹿者!』 サイトウの声にディサはディファンスを捨て、特殊武装の鎖鎌を取り出すと、大きく振りかざし飛び上がったイオめがけて投げつける。だが。 「あらー! 宝箱も置いてあるんですねー! すっごーい!」 フィールドの片隅に設置された宝箱めがけて急降下。 飛んできた鎖鎌の分銅をあっさりと避けてしまう。 「・・・でも中身はダミーですね。」 近づいてよく見れば、あくまでダミーで、ただ光っているだけに過ぎない中身にがっかりのイオ。その後ろから、投げナイフが飛んできた。 「貴様!無視するんじゃない!!!」 「はーい、ごめんなさいねー。 あまりにこのフィールドがかわいらしく出来ていたものですから。」 と、イオが振り返ると、その側をナイフがかすめる。振り返ったことで、やはり「結果として」ナイフを避ける事になってしまった。 「こ、こ、このぉ・・・!!!」 ついにブチ切れたディサ、しかし、繰り出す攻撃をイオはのらりくらりとかわしてしまう。 「・・・。 なんであんなに避けるのが上手いんだ?」 「イオ本人に、『避けている』気が全くない無いからだと思いますよ。」 モニタでその様子を観戦しながら分析をするシンメイ。 「天然の境地を極めた者のみが手に入れられる、ある意味で無我の境地にも通じるものがある・・・ それを会得したのだと思います。」 「この状況見ながら冷静に考えられるお前が羨ましいよ、シンメイ・・・」 冷や汗ダラダラの久遠に、エルガはそっとおしぼりを差し出していた。 『焦るな、ディサ! よく見ろ、相手は接近戦で攻撃する手だてをあまり持っていない! いったん間合いを取って、頭を冷やせ!』 「オーケー、マスター。」 接近戦に移り、膠着状態になりかけた(といっても、避けられているだけなのだが)ところで、ディサは柱の陰へといったん下がった。 ごそごそと陰で得物を用意するディサの姿に、 「じゃぁ、私も・・・そろそろ攻撃をいたしますよ?」 と、イオも対抗して何かの準備にかかろうとした、その時だった。 「くっそぉ、元・在庫のくせに・・・」 ぼそっとつぶやいたディサのその一言に、イオが反応した。 「・・・ディサさん、いま何とおっしゃいました?」 イオの頬が、今までにない引きつり方をしていた。 「白い在庫っていったんだよ、この天然ボケが!」 「い、いま、在庫って言いましたね・・・」 「あぁ、言ったさ。 白い子といえば在庫、一時期は代名詞にもなってたくらいだからな。」 「あっ!!! 馬鹿っ!!! あいつ・・・」 久遠が声をあげた。 「どうした? ・・・あー。ヌシさん、もしかして・・・。」 リゼも、勘づいたようだった。 そしてシンメイも、エルガも。 「にゃー、あの騎士のひと、言っちゃいけないこといっちゃった・・・」 「それも、3回も言っちゃいましたね。。。」 イオに対する唯一のNGワード、それが・・・「在庫」。 以前、何の気なしにCTaが口走って、シャレにならない事態に陥ったことすらある禁断 の単語・・・。 みるみる変わって行くイオのその顔に、モニターを見る久遠と神姫達は、相手のディサが無事であるよう、祈る気持ちへと変わり つつあった。。。 「在庫・・・在庫じゃない・・・ あたしは・・・ 在庫じゃないもん!!!!!!!!!!」 くわっ!と、イオが顔を上げた。そこには、今までの「のほほん」とした表情が消え失せ、目に一杯の涙を浮かべ語るも恐ろしい程の形相となった、 「鬼」となったイオが浮かんでいた・・・! ・・・>続くっ!>・・・ <その10 へ戻る< >その12 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1656.html
あらすじ 普通の高校生神姫マスター、百合川 桐葉と悪魔型の翡翠の織りなす熱血バトルストーリー? 著/リンのマスター あらすじ"J dreamer"登場キャラクター設定 J dreamer 登場キャラクター設定 dream 00 紅の戦乙女 TOPへ - 昨日 - 今日 - 合計 コメントフォーム(感想、ご意見等あればどうぞ。) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiarekore/pages/10.html
武装神姫の年表の内、公式準拠の物です。 ※公式設定やその説が濃厚である事柄のみ自由に追記可能です。アニメ、ゲーム、紙媒体…自分の知る武装神姫の歴史を書き残してください。 ※あくまで"公式に準拠"した最もベースとなるデータなので、自創作は絡ませないようにしましょう! ※年数は箇条書きの-←これを使用、その年に何があったかをなるべく簡潔にまとめてください 例 2036年 →神姫が一般普及し、武装神姫というコンテンツが確立される。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1331.html
ESTABLISHMENT DATA -設定資料集 near to you ■■■摩耶野市と神姫センター■■■ □摩耶野市(まやのし) 摩耶野市は関東圏に位置する都市であり、かつてはなだらかな平野を利用した田園都市として発展していた土地である。 近年では新都市構想によるテストベットとして多数の研究機関や企業が集う学術研究都市としての発展が著しい。 都市計画によって理路整然とされた街並みは合理的・機能的かつ優麗で、都市緑化を全面に押し出した景観は「都市=ビルの並ぶ無機質な空間」という概念を旧時代のものとすることに成功している。 その摩耶野市の中央地区、マヤノエクスプレス摩耶野駅近縁に存在するのが我らが「神姫センター・摩耶野市店」である。 ○センター地区 主要幹線であるマヤノエクスプレス線駅を中心とした中央地区。 公的機関、公共施設、大型商業施設、娯楽施設が集まる。 神姫センターはここに存在する。 ○研究地区 多くの研究機関や教育機関が集まる地域。 民間企業や民間研究機関が集まる研究開発区と、大学や公共研究機関が集まる研究教育区に分かれる。 ○住宅地区 都市計画したがった公団住宅、公営住宅や分譲住宅地、一般の民家が集まる。 ○郊外地区 元の平野の田園風景の面影を残した、公園や緑地も多い緑豊かな地区。 貯水用の人工湖などが存在する。 また、その特性から都心部には設置しがたい施設(戦略自衛隊技術研究所、丘陵を利用した宇宙太陽光発電の研究施設)などはこの地区に設けられている。 □神姫センター・摩耶野市店 神姫センター・摩耶野市店は、近年になってからのオープンという新しさもあって、それ以前の神姫センターにない試みが随所に取り入れられている。 そのひとつが「施設自体のアミューズメント化」である。 これはアミューズとして定着した武装神姫バトル人気を鑑みて、施設全体を「神姫センター=神姫を購入する場所」から「神姫センター=神姫と人々が集い、コミュニケーション・レジャーを楽しむ場所」へとシフトさせようという試みである。 いわば同神姫センターは、それ自体が神姫をメインにしたテーマパークのようなものであり、神姫購買層だけでなく神姫所持層、非神姫ユーザーの取り込みを狙った意欲的なものである。 同センターでは、神姫購入の他に様々なアフターケア、学習設備、ネットコミュニケーションによる全国各地の神姫センター間の交流などのサービスを受けることができる。 また目玉となる神姫バトルは最新鋭の設備を完備し、学術研究都市という土地柄を最大限に利用して日々改良、新たなる試みが取り入れられ全国の他の神姫センターとは違う、このセンターだけのサービスを多数設けると共に、そうした新技術の実働試験も兼ねている。 フィフスフロア 業務エリア 機械設備や事務室・中央監視室など(一般客立入禁止) フォースフロア アミューズエリア レストラン街、アミューズメントコーナー(武装神姫バトル筐体ほか) サードフロア 上級者エリア 主に神姫のカスタマイズパーツを扱った店舗が並ぶ セカンドフロア 中級者エリア 主に神姫の各武装パーツやクレイドルバリエーションモデルなどを扱った店舗が並ぶ ファーストフロア 初心者エリア 神姫の基本セットであるコアユニット・CSC・素体を主に取り扱った店舗が並ぶ グランドフロア エントランスエリア エントランスホール、セントラルコート。インフォメーションや、軽食店やグッズショップなどがある。 アクセス: マヤノエクスプレス線摩耶野駅下車、徒歩10分 この神姫センター・摩耶野市店のサービスでも取立てユニークなのが「神姫カフェ」である。 センター1階に存在する神姫カフェは、接客を始めとした店内の業務員のすべてを神姫のみで構成するという斬新なスタイルを取っている。 また同神姫センターのオリジナル神姫アイドルユニット「ブルーメンヴァイス」をはじめとした多くの神姫がスタッフとして人間スタッフに交じり、サービスに当たっており、これらが人気を博している。 戻る