約 1,158,495 件
https://w.atwiki.jp/cardsummoner/pages/364.html
あくまそうかん 敵ナカマ1体を山札に戻す。 ただし、このSPを使ったナカマはヨミへほうむられる。 『いやな敵ナカマを山札へ戻せる』 このSPを持っている仲魔 ミキヤ Bハワイフロスト
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/320.html
「れいむはしんぐるまざーなんだよ、かわいそうなんだよ!」 「「かわいちょうなんらよ!」」 その、しんぐるまざーのれいむと子供のれいむ二匹の三匹の親子がやってきたのは、夏 の終わり頃であった。 「あら、それはたいへんね」 「かわいそうだよー、わかるよー」 「みょん、すこしごはんをわけてやるみょん!」 「それならまりさも!」 「れいむもわけてあげるよ!」 群れのゆっくりたちがれいむ親子に同情して食べ物を少しずつ分けてやった。少しずつ でも集めると相当の量になった。成体一匹、子供二匹が食べるには十分過ぎる量だ。 「ゆん! ここの群れはみんなゆっくりしているね!」 「ゆわーい、ゆっくち!」 「むーちゃむーちゃちようにぇ!」 れいむ親子は当然のことながら大喜びだ。 こんな調子でタカリゆん生を歩んできたれいむたちであるが、こうまであっさりと食べ 物をくれたのは初めてであった。 「ものわかりのいいゆっくりばかりだよ、ここに住むことにするよ!」 「ゆっくち!」 「よかっちゃにぇ、おきゃあしゃん!」 れいむたちは巣を見つけて定住した。見つけたというか、空いている巣を提供されたの だ。まことにいたれりつくせりで怠惰なれいむ親子が喜ばぬはずがない。 「かわいそうなれいむたちにごはんをちょうだいね!」 「「かわいちょうにゃんだよ!」」 毎日毎日そう言って食べ物を要求するれいむたちに、群れのゆっくりの大半は少しずつ 狩りの成果を分けてやる。 当然のことながら、れいむたちは増長した。くれと言えばくれるのでわざわざそうとは 口にせぬが、食べ物をくれるゆっくりたちを自分たちの奴隷と思うようになっていた。 「むきゅ、れいむ」 そんな時、食って寝てゆっくりしているれいむたちのおうちへ、ぱちゅりーがやってき た。 「ゆ? なに、ぱちゅりーもかわいそうなれいむにごはんをくれるの?」 「むきゅ、ちがうわ」 「ゆっ! ゆっくりしてないぱちゅりーだね! だったらさっさときえてね、このクズ!」 「きえちぇね!」 「クジュ! クジュ!」 「れいむ、あなた少しは自分で狩りをしなさい。別に動けないわけじゃないんでしょ」 ぱちゅりーの言う通り、れいむは狩りをやろうとすればできないわけではない。ろくに やったことがないため経験が無いだけで体は動くのだから、例えば群れの狩りが得意なも のに教えてもらったりすれば、できるはずだ。 「ゆぷぷ! なにいってるの。れいむはかわいそうなしんぐるまざーだからどれいたちが ごはんをくれるんだよ。だから狩りなんかするひつよーがないんだよ」 「ぱちゅりーのくせにあたまよくにゃいにぇ!」 「りきゃりできにゃいの? ゆぷぷ」 「それに、みんなれいむたちにごはんをくれてゆっくりしてるよ? だれも困ってないよ? ゆっくりりかいしてね!」 れいむの言う通りであった。 れいむたちに食べ物をくれてやるゆっくりたちは、皆とてもゆっくりしていた。 「かわいそうなれいむたちにごはんをあげるなんてとかいはね!」 「かわいそうなれいむを助けてあげたみょん!」 「いいことしたんだねー、わかるよー!」 「ゆっゆっ! まりさたちはとってもやさしくてゆっくりしているね!」 といった具合である。 「それはまだ食べ物がいくらでもとれるからよ、そのうち」 「うるさいよ! ごはんをくれないならさっさと消えてね!」 れいむは、ぱちゅりーの説教がましい言葉に苛立って、体当たりをかました。 「むきゅ!」 ぱちゅりーが巣穴から外に飛び出していく。 「ゆん」 もう一発ぐらいかましてやろうとれいむが後を追っておうちから出ると―― 「ゆっへっへ」 一匹のゆっくりまりさがいた。 「ぱちゅりーはまりさがつれてかえるから、れいむもおうちに帰るんだぜ」 ニヤニヤと笑いながら言った。 「ゆぅぅぅ」 れいむは、探るようにまりさを見て、ぷいと不機嫌そうに身を翻しておうちに入ってい った。 「ゆふふふ、力の差ぐらいはわかるみたいなんだぜ」 まりさはそう呟くと、倒れているぱちゅりーの元へと跳ねた。 「ぱちゅりー、やっぱりあいつも駄目なんだぜ」 「むきゅぅ……でも……」 「そもそも、駄目じゃない奴ならあんなになってないんだぜ」 これまで、流れゆっくりは幾度もこの群れにやってきた。中には、あのれいむのように しんぐるまざーだったり、体に傷を負っているものもいた。 しかし、ここは食料が豊富にとれるゆっくりぷれいすであるから、よほどの障害があっ たりしない限り、頑張ればある程度は食べ物を集められる。 そこで、まず自分で頑張ってそれでも足りない場合はみんなで援助するのもいいだろう とまりさも思う。 でも、あのれいむたちのように、かわいそうだからと当然のように要求しこれが満たさ れると今度はそれが当たり前のように思って自分では全く動かなくなるような連中は放っ ておけばいい。 「みんなやさしいから、もうすこしの間は、ゆっくりさせてもらえるんだぜ。あんな奴ら にはそれでもしあわせーすぎるぐらいなんだぜ」 「……むきゅぅ……」 冬が近付いてきていた。 ゆっくりたちは、越冬の支度に入ろうとしていた。実り多きゆっくりぷれいすなので、 よほどのヘマをしなければ、なんとか群れの全員が越冬できるだけの食料は集められる。 不慮の事故などが無い限り、みんな揃って越冬できるはずだ。 「ゆっぎいいいい! どれいども、なにじでるのぉぉぉぉぉ!」 「ゆぴゃあああん、おにゃかすいちゃよぉ!」 「にゃんできょうはむーちゃむーちゃできにゃいのぉ!?」 れいむ親子は、いつもならば群れのゆっくりたちが食べ物を届けに来る時間になっても 誰もやってこないので喚き散らしていた。 「むきゅ、れいむ……」 そこへ、いつか偉そうに説教するのでせいっさいっしてやったぱちゅりーが現れた。 「ぱちゅりー! はやくごはんをちょうだいね! たくさんでいいよ! はやくしないと せいっさいっするよ!」 「はやくよこちぇ!」 「クジュはゆっくちちてにゃいではやくちろ!」 「れいむ……これがさいごのチャンスよ」 ぱちゅりーは、半ば諦観を顔に表しつつ言った。 「今からなら、一生懸命集めれば越冬のためのごはんを集められるわ。一生懸命狩りをし ていれば、もしも足りなくてもみんなが恵んでくれるわ」 「はあああああ!? なにいってるのぉ、この馬鹿ぱちゅりー! れいむたちはかわいそ うだから、狩りなんかしないでもどれいが食べ物を持ってくるんだよ!」 「まったく、おばかなぱちゅりーだにぇ!」 「かわいちょうなれいみゅたちはかりにゃんかしにゃくていいんらよ!」 「……で、きょうのごはんはどうしたの? まだ誰も持ってこないの?」 ぱちゅりーが冷静に言い返す。 「ゆっ、ぐ……」 れいむはさすがに返事に詰まる。正に、ごはんを誰も持ってこないのを訝しく思い、憤 っていたところだったのだ。 「きょうはむのーなどれいがグズグズしてるだけだよ! もうすぐ来るよ!」 「そうらよ! ゆっくちちね!」 「ゆっくちちてにゃいぱちゅりーだにぇ!」 「れいむ……」 「うるさいよ! またせいっさいっされたいようだね!」 「ゆわーい! おきゃあしゃん、やっちゃえええ!」 「せいっしゃいすりゅよ、ぷきゅぅぅぅぅ!」 れいむがぱちゅりーに体当たりをしようとしたその時、 「ゆへっ、とりこみちゅう失礼なんだぜ」 まりさが、ひょいとれいむのおうちの中を覗き込んだ。 また、あの時のまりさだ。 「ぱちゅりー、もう何言っても無駄だからかえるんだぜ」 「むきゅぅ……」 「そうだよ! さっさとかえってね!」 れいむは、まりさの登場にやや気後れしつつも怒鳴りつけた。 「ゆへへっ、それじゃ失礼するんだぜ、ほら、ぱちゅりー」 「むきゅぅ……」 ぱちゅりーはまりさに帽子を引っ張られて不承不承れいむのおうちから出ていった。 「まったく! 馬鹿でグズでクズでむのーでゆっくりしてないぱちゅりーだったね! し ねばいいのに!」 「ゆゆん! ゆっくちちてにゃいにぇ!」 「ゆっくちちね! ばかぱちゅりー!」 それらの罵倒を聞きながら、ぱちゅりーは脱力していた。 「ぱちゅりーは二度も忠告したんだぜ。もう十分なんだぜ」 まりさは、真剣な顔をしていた。 「ぱちゅりー、馬鹿は馬鹿なんだぜ、言ってもわからない奴はわからないんだぜ。もっと 割り切ったほうがいいんだぜ」 その顔のままそう続けた。 「ゆへっ」 しかし、次の瞬間には、まりさはまたニヤニヤ笑いを口の端に浮かべた軽薄そうな表情 に戻った。 「さて、そろそろみんなのおたのしみっ、なんだぜ。じゃましちゃ悪いんだぜ」 「……むきゅぅ……」 「ゆがああああああ、どれいどもぉぉぉぉぉ! おそすぎるよぉぉぉぉ!」 「おにゃかすいちゃよ! ゆっくちできにゃいよ!」 「のろまなどりぇいをせいっしゃいすりゅよ!」 「ゆん、そうだね、おちびちゃん。ちょっとどれいに甘い顔をしすぎたよ!」 いつまで経っても食べ物が届けられないのに臨界点を超えたれいむ親子は、おうちから 出てきた。 どれいのケツを叩いてやるつもりだ。 「ゆん! ゆん! ゆん!」 群れのゆっくりがよく集まる広場に行ってみると、そこではほとんどの群れゆっくりた ちがゆっくりしていた。 「なにじでるのぉぉぉぉぉぉ!」 れいむの大声に、群れゆっくりたちは驚いて、昼寝をしていたものは目を覚ます。 のろまでむのーなどれいどもが必死に狩りをしているのかと思っていたが、想像以上の 惨状だ。こうまで怠けているとは思わなかった。 「はやぐ狩りに行っでごぉぉぉい!」 きょとんとしていたゆっくりたちは、しばし顔を見合わせたりしていたが、やがてれい むの一番近くにいたまりさがぽよんと跳ねてから言った。 「きょうの狩りならもう行ってきたよ」 「ゆん」 「そうだよね」 他のものもそれに同調する。 「だったらなんでれいむのところにごはんを持ってこないのぉぉぉぉ!」 「そうらよ! きゃわいいれいみゅはおにゃかすいてたんらよ!」 「はやくよこちぇ! このクジュぅぅぅ!」 怒りで叫ぶれいむ親子を見ていたゆっくりたちが、にやっ、と笑った。 「きょうからえっとうのためのごはんを集めてるから、そんなよゆうはないよ」 「ゆっ、そうだよね」 「えっとうのごはんはいくらあってもたりないよー、わかってねー」 「ゆ゛っ!」 れいむは、今までと一転して冷淡な対応に一瞬戸惑うも、迷わず伝家の宝刀を振るった。 「れいむはしんぐるまざーなんだよ! かわいそうなんだよ!」 「「かわいちょうにゃんだよ!」」 子れいむ二匹も後に和したが、それによって心を動かされたように見えるゆっくりは一 匹もいなかった。 「ゆん、だからいままでまりさたちはごはんをあげたでしょ、まりさたちはやさしいから ね!」 「とってもとかいはね、ありすたち!」 「ちぇんたちはいいことしたんだよー、ゆっくりできたよー」 「だ、か、ら! いままでみたいにごはんをよこぜええええ! れいむたちはかわいそう なんだよ! だからごはんをあげないといけないんだよぉぉぉぉ! なんでわがらないの、 このどれいどもぉぉぉぉ!」 れいむがどんなに激昂しても、皆、どこ吹く風といった表情だ。 「どれい? まりさたちはそんなものになった覚えはないよ。れいむたちがかわいそうだ と思ったから、よゆうのあるうちはごはんを恵んであげたんだよ。でも、もうえっとうの 準備をするから、そんなよゆうはないんだよ」 「どれいによゆうなんていらないよ! いいがらはやぐよごぜええええ!」 「だからどれいじゃないよ、ゆっくりりかいしてね」 まりさがいかにもうんざりだという感じの顔でため息混じりに言うと、他のゆっくりた ちはおかしそうに笑った。 「わ! わらうな゛ぁぁぁぁ! れいむだちは、かわいそうなんだよ!」 「ねえ、かわいそうなれいむ」 と、ありすが言った。 「みんながあげたごはん、まさか全部食べちゃったの? 少し残しておかなかったの? 自分で狩りはしなかったの? そうしていたら、いまごろえっとうできるぐらいの量は残 ってたんじゃないの?」 「ゆ……な、なんで残しておかないといげないの! かわいそうなれいむたちには、毎日 どれいがごはんを持ってくるんだよ!」 「れいむったら、本当にかわいそうねえ」 「ゆ! そうだよ、だからごはんを……」 「もう、かわいそうなぐらい頭が悪いわねえ。せっかくやさしいありすたちがかわいそう なれいむでも少し頑張ればえっとうできるように恵んであげたのに」 たっぷりと哀れみをこめたありすの言葉に、またもや群れのゆっくりたちはおかしそう に笑う。 「ゆぐ! でも、だって、えっとうのために残しておけなんて、誰も、言ってなかったよ ……」 「そんなの、言われないとわからないとはわからないよー」 ちぇんが言い、そしてまたみんなの笑い声。 「ゆぎ! ゆぎぎぎぎ!」 「お、おきゃあしゃん……」 「ゆ、ゆっくちぃ……」 とにかく、このどれいどもが自分たちを心底馬鹿にしているというのだけは嫌というほ どわかった。 かわいいおちびちゃんたちも、嫌な雰囲気に萎縮してゆっくりできなくなっている。 「うるざぁぁぁい! このどれいどもぉぉぉ! きよくただしいれいむがせいっさいっし てやるよぉぉぉぉ!」 「みょん!」 飛び上がったれいむだったが、着地した瞬間に突進してきたみょんに先の尖った棒で頬 を刺されてしまった。 「ゆぎゃあああ、いだぃぃぃぃぃぃぃ!」 「まったくゆっくりしてないれいむだみょん」 「ゆん! まったくだね!」 「このいなかもの!」 激痛に転げ回るれいむを見てみなが嘲笑う。 「ゆぴゃあああああん!」 「おきゃあしゃんをいじめりゅなあ! ぷきゅぅぅぅぅ!」 子供たちは一匹は泣き叫ぶばかりだったが、もう一匹は勇敢にも膨らんで威嚇した。 しかし、その精一杯の威嚇すらも、もはや嘲笑の対象であった。 「ゆっぐっ、ゆっ、ゆっ」 なんとか立ち直ったれいむだったが、自分たちを取り巻く軽蔑をあらわにしたゆっくり たちに恐れをなして、二度とどれいとかせいっさいっとかを口にしようとはしなかった。 すごすごと退散していくれいむ親子に、さらなる嘲罵が浴びせられた。 「ゆぐっ、ゆひぃぃぃぃ」 「ゆぴゃあああん」 「ゆぴぃ、ゆっくちできにゃぃぃぃ」 我が身の哀れさを感じつつ、れいむ親子はおうちへと引き上げていった。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ……ゆぅ」 翌日、ようやくれいむは自ら狩りをしようと表に出た。 しかし、狩りをろくにしたことがないれいむは不味い草ぐらいしか手に入れることがで きなかった。 「ゆぅ……」 しょんぼりとしながらおうちに向かって跳ねていくと、声が聞こえる。 「ゆっ!」 見れば、少し距離をとったところで群れのゆっくりたちがれいむを見ながら、さも楽し そうにひーそひーそと話していた。 「ゆっ!? ゆゆゆ?」 ひーそひーそといっても、それほど小さい声ではない。しっかりとれいむには聞こえる ような声だ。 「かわいそうにね、いままで怠けていたからろくに狩りもできないんだよ」 「かわいそうねえ、あんなにみんながやさしくあげたのに、それを無駄にして」 「かわいそうだね、あそこまで頭がわるいとね」 「かわいそうにねえ、あんな親を持ったおちびちゃんたちはさ」 ひーそひーそ、ひーそひーそ。 かわいそうに、かわいそうに。 「ゆっぎ! 言うな……」 れいむは、無形の刃に切り裂かれて精神を著しく傷つけられた。 「かわいそうって、言うなぁぁぁぁぁ!」 かわいそうだからと食べ物を貰えていた頃は、自ら盛んに称していたというのに、今や れいむはそう言われることを嫌って激昂した。 「ゆあーん! なんか文句あるのぉぉぉぉ!」 「このいなかもの、せいっさいっされたいの!?」 「ゆぷぷ、れいむ自分で言ってたよね。れいむたちはかわいそうなんだよぉぉぉ、って」 だが、すぐに複数のゆっくりたちに凄まれ揶揄され、おうちに逃げ帰る。 ぽよんぽよんと跳ねていたれいむは、おうちに帰ってくると、そこで信じられぬものを 見た。 「ゆぴゃあああああん、やめちぇぇぇ!」 「たちゅけ、ちぇ、おきゃあ、しゃん」 二匹の子れいむが、三匹の子まりさたちにいたぶられているではないか! 「な、なにじでるのぉぉぉぉぉ! やべろぉぉぉぉ!」 「みょん!」 止めに入ろうとしたれいむだが、みょんに一撃貰ってふっ飛ばされてしまう。 「ゆぐ……ゆぅぅぅ」 痛みに呻くれいむの視界では、依然としてわが子がなぶられている。 「ど、どぼじで……どぼじでごんなごとずるのぉぉぉ」 「れいむのおちびちゃんがいけないんだよ」 側にいたまりさが言った。 「ち、ちぎゃぅぅぅぅ、ちぎゃうよぉぉぉ」 「れいみゅたち、わりゅいことしちぇにゃいよぉぉぉ!」 「まったく、かわいそうな子たちだみょん。わかっていないみたいだみょん」 「かわいそうな親にそだてられたからしょうがないわね。まったくとかいはじゃないわ」 「ゆふん、おちびちゃんたち、そのへんでかんべんしてあげてね。その子たちもかわいそ うなんだよ」 「「「ゆん、ゆっくちきゃんべんしてあげりゅよ!」」」 子れいむたちをいたぶっていた子まりさたちが、そう言って離れた。後には、お飾りも 髪の毛も肌もボロボロになった子れいむたちが残された。 「お、おちびぢゃん……ぺーろ、ぺーろ」 「ゆっく……ち、でき、にゃい……」 「ゆぴぃ……ゆぴぃぃぃぃ」 ことの真相はこうであった。 空腹に耐えかねた子れいむたちが、狩りから帰ってこないれいむを待ち切れずにおうち から出て、ちょうど狩りから帰ってきたゆっくりたちに食べ物をねだったのだ。 しかし、なんだかんだで実際に肉体的に痛めつけられたわけではない子れいむたちは、 子ゆっくりのゆっくりできないことはさっさと忘れる性質も手伝って、いまいち自分たち の置かれている立場が理解できていなかった。 下手に出て懇願するのならともかく、居丈高に要求したのだ。 大人のまりさは無視したが、親に同行して狩りを習っていた三匹の子まりさたちはニヤ ニヤしながら近付いていき、自分たちの狩りの成果を見せ付けた。 子ゆっくりが自分で狩れるものなどたかが知れているが、それでも狩りなどできない子 れいむたちに対して優越感を味わうには十分であった。 「かわいちょうなれいみゅたちは、きゃりもできにゃいんだにぇ!」 「おお、かわいちょうかわいちょう」 「ゆぷぷ、おにゃかすいちぇるの? だったらじぶんでとってくりぇば?」 屈辱に震える子れいむたちに、親まりさの言葉が追い撃ちをかけた。 「狩りの練習もしないで怠けてばかりいるとこいつらみたいになるんだよ。ゆっくりりか いしてね!」 「「「ゆっくちりきゃいちたよ!!!」」」 「……ゆっくち……ちねえ!」 「せいっしゃっ、すりゅよ!」 子れいむたちはとうとう激発して、飛び掛った。 しかし、食っちゃ寝していた子れいむ二匹と、親に狩りを習って表を跳ね回っている子 まりさたちでは力の差は歴然であった。数も、子まりさたちは三匹いて多い。 あっという間に叩き伏せられた。 「ゆぷぷ、よわすぎりゅよ!」 「かわいちょうににぇ、れいみゅたちよわいよわいらよ!」 「まりしゃたちはもっちょがんばろうにぇ、こんなふうになりちゃくないもんにぇ!」 そこからは一方的なリンチであった。 他の群れのゆっくりたちも狩りから帰ってきたが、誰も止めるものはいなかった。 「ほら、なまけているとああなるんだよ」 「ゆっくちりかいしちゃよ」 それどころか、先ほどの親まりさのように、そうやって子供たちの躾に利用しているも のが多かった。 冬が来た。 「またはるにね!」 「はるになったらゆっくりしようね!」 「ゆっくりさようなら!」 春の再会を約して、皆それぞれの巣穴の入り口をふさいでいく。 「おねがいじまず、ごはんをめぐ」 「ゆっくりじゃましないでね!」 「ゆべ!」 冷たい地面にれいむは倒れた。 立ち直った時には、おうちの入り口は完全に塞がれていた。 「おねがいじまず、ごはんをめぐんでぐださい。このままじゃえっどうでぎまぜん!」 「ゆぴぃぃぃ、ゆぴぃぃぃぃ」 「ゆっくり食いはあっちにいってね!」 他の巣に近付こうとするれいむと子れいむだが、容赦ない拒絶にあう。 二匹の子れいむのうち一匹は、既に永遠にゆっくりしていた。 そして、その死体をれいむともう一匹の子れいむは喰らった。 厳しい環境下を生きる野生ゆっくりにとって同属食いは必ずしもタブーではない。しか し、真面目に狩りをすればそんなことをせずとも生きられる環境で生きてきたこの群れの ゆっくりたちは、子供を、姉妹を食ったれいむ親子を完全に敵視し、ただでさえ酷かった 待遇はさらに過酷なものになっていた。近付くだけで暴力を振るわれることは当たり前に なっていた。 そして、二言目には言われるのだ。 みんながあんなにやさしくしてやったのに、それを無駄にして! と――。 「ぱちゅりー、いりぐちをふさぐんだぜ」 「むきゅ……」 れいむ親子を見ていたぱちゅりーが巣の奥に入ると、まりさが入り口を塞ぎ始める。 「しょうがないんだぜ、ぱちゅりーはちゃんと忠告したんだぜ」 まりさは作業をしながら言った。 食料が豊富なこのゆっくりぷれいすには、多くの流れゆっくりが訪れる。 中には、あのれいむたちのように、自分たちはかわいそうなのだから食べ物をよこせと 言うものもいる。 食料がよくとれる頃には、群れのゆっくりたちは快くこれに応じて食べ物を恵んでやる。 そして、自分たちはなんてやさしいんだろう、なんてよいことをしたんだろうと思って ゆっくりするのである。 だが、それも越冬準備が始まるまでだ。それが始まると、食べ物を恵むのはぴたっと止 んで、働かないで食っちゃ寝生活に慣れて鈍りきったさまを見て、せっかくみんながよく してやったのに何をやっているのかと蔑むのだ。 皆、別に意識してやっているわけではない。 ただ、余裕があるうちはかわいそうな弱者に恵みを与えてゆっくりし、余裕がなくなっ てきたらかわいそうな弱者を蔑んでゆっくりしているだけである。 ぱちゅりーは、こういった連中をなんとか説得しようとするのだが、成功したことがな い。 まりさが言っていたように、そもそもそこで説得されるようなものなら恵んでもらえる のをいいことにそこまで堕落したりしない。 一度成功したことは次も成功する。失敗してもそれは何かの間違いだ、と思い込むのは ゆっくりでは珍しくない。 みんなに恵まれて何度も何度も成功体験を重ねたゆっくりは、容易にその方針の間違い に気付けない。気付いた時には、もう手遅れになっている。 そして、増長してどれいだのクズだのと罵れば、群れのゆっくりたちからの援助は絶対 に受けられなくなる。 行き着く先は、アレだ。 思い切ってここを離れない限り、それまでなんとか採れていた不味い草すら無くなった 越冬開始前の時点で完全に詰んでしまうのだ。 れいむ親子は、一欠けらの食べ物も恵んでもらえぬまま、悄然としておうちに入って行 った。そのおうちに蓄えられているのは不味い草が僅かといったところだろう。 「ぱちゅりー、言って分からない奴は分からないし、手遅れになってから分かったって遅 いんだぜ」 「むきゅぅ……」 まりさは、後ろめたそうにしているぱちゅりーを心配そうに見やる。 ぱちゅりーとまりさは子供こそいないものの、番同然の付き合いである。その上でまり さは、ああいったゆっくりに忠告するぐらいならともかく、食べ物の援助等をしたら絶縁 だと告げてある。 本当に絶縁する気は無いのだが、そう言っておけば、大好きなぱちゅりーがああいう馬 鹿どもに深く関わって不幸になることが防げると思ってのことだった。 「さあ、ぱちゅりー、むーしゃむーしゃするんだぜ」 「むきゅ、そうね」 春――。 れいむ親子のおうちには、大きなリボンが一つと、ひからびた子れいむの死体があった。 終わり 餡子んぺに出そうと思ってたけど条件満たせなかったネタ。 書いたのはふらんが大好きだけど全然活躍させられてないのるまあき。 anko429 ゆっくりほいくえん anko490 つむりとおねえさん anko545 ドスハンター anko580 やさしいまち anko614 恐怖! ゆっくり怪人 anko810 おちびちゃん用のドア anko1266 のるま anko1328 しょうりしゃなのじぇ anko1347 外の世界でデビュー anko1370 飼いドス anko1415 えーき裁き anko1478 身の程知らず anko1512 やけぶとりっ
https://w.atwiki.jp/royal-heart/pages/61.html
第9回 ランキング 謎の多そうな人ランキング結果発表!! 1位 アイベル 3票 2位 ペリオス 2票 3位 ステル 1票
https://w.atwiki.jp/2019tkoolcontest/pages/103.html
うんこもれそう 感想ページ 名前 コメント 『うんこもれそう』プレイしました(*クリアはありません)!プレイ時間は20分ほど。お腹を壊してトイレへ急ぐテストシンザンマ(*誤植なし)の物語。昨年の自主コンでキャラクター賞を授賞した作者さんの渾身のクソゲーです! 目的はトイレに時間内に辿り着くこと···なんですが、ちょくちょく勝手に独り言を言い出してタイムロスします笑。でも、タイマーが0になってもゲームオーバーにならず(というか絶対間に合わないんですが)、トイレには誰でも辿り着くことが可能!辿り着くことは。 クリアを探してプレイ時間が長くなったプレイヤーさんもいたようですが(中の人)、道が一本なので僕も思わず壁は全部調べちゃいました笑。クソゲーでも、オチもあり楽しさをしっかり感じられたのは作者さんの大人でもあり子供でもある遊び心によるものなのかなぁ。☆5! -- 啓太 (2019-11-20 09 03 22) 驚きの結末!クソゲーオブ糞ゲー!!何がどうなってるかはその目で確かめてみよう!! -- しらっち (2019-08-15 10 00 06) タイトル通りのウンコゲーw まあ、暇つぶしには良いかと スタッフスクロールはありません ゲームオーバーの画面が、唯一のエンディングとなるようです -- シンザン (2019-07-07 20 34 00) ウ~ン?コれは…糞ゲーかな…。 -- 名無しさん (2019-07-06 10 11 44)
https://w.atwiki.jp/lassoftware/pages/24.html
ありそうな質問 作成中
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/2858.html
このページはこちらに移転しました 146が可愛そう 作詞/21スレ158 作曲/21スレ349 146が可愛そう 無視されて可愛そう 「ところで146が可愛そうなんだが」 ほらスレの住人もそう言っている 146が可愛そう 本当に可愛そう まるで雨に打たれた猫のように まるで捨てられた子犬のように 哀愁を放っている 今気づいた146って俺じゃん 音源 146が可愛そう.mp3 (このページは旧wikiから転載されました)
https://w.atwiki.jp/royal-heart/pages/58.html
第6回 ランキング 口が巧そうな人ランキング結果発表!! 1位 満月と猫 5票 2位 柴いぬ 2票 3位 フィリッシュ 1票
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/595.html
そう鳥のように ◆Ee.E0P6Y2U 宮内れんげとベルク・カッツェは親友である。 れんげはカッツェのことを本当にそう思っているし、カッツェだって――れんげのそれとは少し意味合いが違うかもしれないが――尋ねられれば肯定するだろう。 二人で逃げ出した彼らは、だからか、とても楽しそうだった。 「バァァァドwwwwwwゴォwwwwwwwwwwwwwwww」 「おお高いのん、やっぱうちエアマスターやってん」 Gスーツに身を包み、カッツェは夜の街を飛ぶ。 その腕の中にはれんげの姿がある。紆余曲折を経た二人はようやく出会えたのだ。 れんげはそのことを純粋に喜んでいたし、カッツェだってそれは同じだった。 「wwwwwwwwwwwwwwwwwww」 カッツェは嗤っていた。 嗤いながら跳んで、飛んでいた。 電柱を蹴り、ビルに上り、誰かの頭上を飛び抜けていく。 笑わないれんげの代わりを補うかのように、カッツェは嗤い続ける。 「れんちょーんwwwwwちょっとお願いwwwwwww」 夜を行くカッツェはれんげに話しかける。 「んー?」とれんげが聞き返す。 「さっきみたいにィその手のアレ、使ってくれないですかぁ?」 カッツェはその耳元で囁く。 令呪を使ってくれ、と。 言うまでもなくルーラーからの令呪を打ち消す為である。 「またお願いすればいいのん?」 「そうですwwwwwwこう手を上げてwwwww真面目な顔していえば大丈夫wwwww」 大親友の頼みを断る訳にはいかない。 そうれんげが考えたかまではカッツェには分からなかった。 しかしれんげは迷うことなく、カッツェの言葉通りに言ってくれた。 ――かっちゃんを自由にして と。 手の甲の令呪が光り、最後の一角を残して消えていく。 その代わり、カッツェの身体を縛る戒めが消え去っていった。 そうして壊された籠から、災いの鳥が飛び立っていった。 「うはwwwwwwww」 自分を縛ったルーラーの顔を思い出される。これで彼女に更なる苦痛を持って報いることができるのだ。 「メ・メ・メ・メシウマァwwwwwwwwwwwwwww」 そう言わずして何と言う。 れんげも回収し、令呪の縛りも消え失せた。 嗤う。嗤う。嗤う。どこまでもカッツェは嗤う。 まだまだ聖杯戦争を楽しむことができると―― 「かっちゃん……なんか楽しそう」 それを見たれんげはぼそりと呟いた。 眼下には新都の街がある。 明かりのついた民家がある。そびえ立つ摩天楼が見える。 家庭から漏れ出す声もあれば、飲みに行く若者たちの騒がしい声だって聞こえた。 日が沈み、みなの日常がそれぞれ終わる時間。 夜。 安息な時間の流れを跳び越える。 籠から解き放たれた鳥のように、自由にカッツェとれんげは空を飛んでいる。 二人だけで…… ◇ 「追うぞ」 剣を拾い直したアンデルセンは短く言った。 「アレをあのまま野放しにする訳にはいかん。場合によっては王の闘争の邪魔になりかねん。 あのサーヴァントが明確に我々を脅かした以上、もはや“大人”も“子ども”も関係ない」 それはカッツェと――れんげへの明確なる敵対宣言だった。 眼下には倒れ伏す男女がいる。白目を剥き、ぴくぴくとその身を震わせている。 情報に依れば彼らはNPCだ。孤児院を襲撃した彼らにアンデルセンは容赦しなかった。 そしてそれを率いていたのはカッツェだ。 「……分かっています。私もあのサーヴァントを無視することはできません。 ただ私は――あくまでれんちょんさんを保護する方向でいきます」 「“子ども”だからか?」 いいえ、とルリは首を振った。 「彼女はこの聖杯戦争において明確なイレギュラーなんです。 そのイレギュラーを調べていけば、方舟について何か掴めるかもしれません。 なので出来得る限り保護していく方向でいきます」 あくまで任務の為に必要だから助けるのだと、ルリは言った。 彼女にとって、まずなさねばならないことはこの方舟の情報を持った上での脱出だ。 軍人としての彼女にとってはそれが変わることはない。 その為にもれんげの存在は重要なのだった。 れんげが“子ども”だから助けるのではなく、 あくまで“大人”としての理屈だった。 「ふん」 そのことを汲んだのかアンデルセンはそれ以上何も言わなかった。 剣を構えたまま、カッツェを追うべく駆け出す。 夜の街を飛ぶ彼らを討つべく。 「……ライダーさん、私たちも追いましょう」 とにかくカッツェを追う。 それはここにいた全ての陣営が下した判断だった。 ◇ 「殺す……」 ジナコは言う。 「殺す……」 もう一度、言う。 「殺す……」 ただその胸に精一杯の殺意を充満させて、言葉をひねり出す。。 ありとあらゆる災厄を、もうどうにもならないという苦しみを、全て一つの想いに集約させることでジナコは殺意を保っている。 ごちゃごちゃで、どす黒く沈殿してて、訳の分からない想いを ――殺す その一言に押し込んでいるのだ。 「もう一人のアタシ……“ジナコ・カリギリ”を殺す」 今この社会において“ジナコ・カリギリ”は犯罪者だ。 野蛮で反社会的な、意味不明なことを漏らしながら暴れ回る恐ろしい犯罪者。 これから先、ずっとこの名前にはそれが付いて回る。 そんなことは厭だった。 確かに碌でもない生き方をしてきた。 褒められるようなことなんてロクにない。将来の展望なんてまるでない、親の遺産を食いつぶすだけの社会の寄生虫。 ゲームスコアだって莫大なプレイ時間があったからだ。別にスキルが優れていた訳じゃない。 だけど――だからこそそんな風に終わってしまうのは厭だった。 だってそもそも自分が聖杯に臨んだのは…… ――普通の、ただの凡人としての生きたかった 最初に親が死んだ。 ニートになって、それを勝ち組なんて適当なこと言って、 みんながどんどん変わっていく中、自分だけ何一つ変わらないまま十五年も過ごして、 そのままみんなに置いていかれて、何時しかひとりぼっちになって、 ――勝ち組。勝ち組だって、本気で思ってる訳ないじゃない。 みんな嘘。嘘。嘘。 ……でも、そんな嘘すら言えなくなったら、引きこもることさえできない。 やり直したかった人生を、勝手に取られて終わるだなんて、そんなの絶対に厭だ。 こんなカツラをずっと被って名前を誤魔化して生きていくなんて、とてもできはしない。 だから、殺すしかないのだ。 “ジナコ・カリギリ”を。 殺して、取り戻す。 取り戻して、やり直す。 それがジナコの願いだった。 カッツェを殺したあとの展望など、ジナコにはない。 ただもう一人の自分を殺しただけでは、人生を取り戻すことにはならない。 そのことに薄々と気づいていながらも、敢えて先を見ず目的を単純化することで、彼女は強い殺意を保っていた。 自分を騙す嘘は得意だ。何しろ彼女は十五年も付き続けてきた。 「……ゴルゴさん」 ジナコはだから依頼する。 自身の従者に。 ゴルゴ13――13番目の男に。 「アタシを――殺して」 「…………」 ゴルゴは何も言わない。 ジナコを抱きかかえながらもカッツェを追っている。 気配遮断によって孤児院を離脱したあと、彼は一先ずジナコの言う通りにしている。 今はまだ―― ◇ 寒河江春紀が学園を出たとき、既に日は沈んでいた。 あの一瞬の三つ巴を経て、一通り手早く情報を洗い出すことには成功した。 情報は大体にして揃った。 あとは行動だけだ。 「分かった。なるほど」 学園から離脱し、街を歩きながら春紀は会話していた。 街の中、道路はひっきりなしに車が行きかう。廃棄ガスの臭いが漂ってきて、少し不快だった。 「“かっちゃん”――ベルク・カッツェがこっちに来てる訳か。 分かった、アタシらも行くよ、ルリ」 携帯電話を片手に彼女は行く。 騒々しく汚い街を切りぬけ、戦場へと向かう。 赤みかかった髪が風に吹かれ、彼女の目元を隠した。 ルリからあった突然の電話。 話によると、カッツェの姿が確認され――れんげがさらわれたらしい。 いやさらわれた、というのもおかしいか。元々カッツェは彼女のサーヴァントだ。 宮内れんげ。いたいけな“子ども” 聖杯戦争のイレギュラー。 昼に一度会って、あの時は結局何もしなかった。 「……さて」 歩きながら、ぽり、ぽり、と菓子を頬張る。 チョコレートにくるまれた甘くまろやかな味が彼女の心をすっとさせた。 ああ、気分が良い。良いってことにしておこう。 「いくかい」 その言葉は近くにいる筈のランサーへ向けたものなのか、それとも自分自身へと向けたものなのか、彼女自身分からなかった。 ◇ 「殺すべし……!」 同時刻、夜の街を駆け抜ける一騎のアサシンがいた。 都心ではクラクションが絶え間ない騒音を撒き散らしている。 疲れた顔を浮かべたサラリマンが帰路に付き、電光看板が味気なくループする下ではヨタモノ達が喚き散らしている。 高層建築に狭く切り取られた夜空の上にはおどろおどろしく光る月。 そのアサシンは元来復讐者であった。 敵を屠り、殺し尽し、復讐する。 その結果がそのまま彼の名となった。 「アサシン=サン殺すべし……!」 そして此度の聖杯戦争でも、彼は復讐者となった。 他でも己のマスターを弄び、死に至らしめたサーヴァント。 その名は――ベルク・カッツェ。 ◇ ベルク・カッツェと宮内れんげ。 この陣営はこの聖杯戦争において、普通ならば考えられない存在だった。 マスターはマスターたる自覚がなく、 サーヴァントは非力なマスターを守ることはおろか、放置してどこかに行ってしまう。 結果としてマスターである宮内れんげは他のマスターの下を転々とすることになった。 ジョンス・リー、ジナコ・カリギリ、寒河江春紀、ホシノ・ルリ、アンデルセン…… 多くの者に出会い、そして別れていった。 みながみな、彼女を“子ども”であると扱った。 その間にもカッツェはこの聖杯戦争を縦横無尽に駆け抜けていった。 それが結果として多くの死を招いた。野原しんのすけを筆頭に、彼の存在が間接的に多くの混乱と死を呼んだ。 もしも彼らがいなければ、 この聖杯戦争は違った形になっただろうか。 ジナコ・カリギリは未だ引きこもったままで、野原しんのすけはまだ平和に生きていて、 ウェイバー・ベルベットが戦いに加わることもなく、岸波白野と遠坂凛の戦いにはまた別の結末があって、 寒河江春紀は自身の甘さを自覚することなく、ホシノルリは別の糸口を探し調査を続けていて、 アンデルセンやHALは自身の方針にもう少し集中できていて…… 多くの波紋が起きた。 彼らの行動が――何一つ計画性のない彼らが、しかしそれ故にこの聖杯戦争に大きな影響を与えた。 状況をかき乱した。 彼らは多くの縁、因果の起点にいる。 「んはwwwwww追ってきてるやんwwwwwwww」 二人だけで空を飛んでいると、不意にカッツェが叫びがを上げた。 その視線の先には彼らを追い街を駆けるアンデルセンの姿があった。 尋常ではない速度で追い上げてきている。サーヴァントではないが、彼もまた歴戦の戦士だ。 最もカッツェが本気を出せば追いつける筈もなかったが――彼はあくまで状況を楽しんでいた。 まくどころか、わざと追わせるような動きをしていた。 アンデルセンだけではない。 多くの者が彼を追っていた。縁が蜘蛛の巣ように幾重にも重っている。 覚悟、憎悪、戸惑、信念……その全てが彼らを指している。 多くの縁が中心にいるカッツェとれんげを追っている。 「かっちゃん……」 その中心で、れんげは言った。 「んwwwwwなんですかぁ?wwwwww」 「かっちゃん、みんなと友だちになって欲しいのん」 「んはwwwww友達申請キターwwwwwwwwww」 カッツェはれんげの言葉を嗤う。 嗤いながら夜を飛ぶ。 不意に――橋が見えてきた。 新都と深山町を繋ぐ、大きな大きな赤い橋。 あれがあるからここの人々は交流できる。簡単に会いにいけるし、話せる。 街と街、人と人を接続する――“繋がり”を象徴するもの。 カッツェはその橋を跳び越えていく。 真っ暗な夜の川にあって、その橋が通る直線だけが光って見えた。 「だぁいじょうぶですよ」 「かっちゃん?」 「だってミィにはほらwwwwwwれんちょんがいますやぁぁんwwwwwww」 そう言って、 二人は橋を越えた。 多くの縁を引きずり回すように、彼らは街から街へと移動する。 その先に―― BACK NEXT 141-a we are not alone 投下順 141-c crowds are calling my name 141-a we are not alone 時系列順 141-c crowds are calling my name BACK 登場キャラ:追跡表 NEXT 141-a we are not alone ホシノルリ&ライダー(キリコ・キュービィー) 141-c crowds are calling my name 宮内れんげ&アサシン(ベルク・カッツェ) アレクサンド・アンデルセン ジナコ・カリギリ&アサシン(ゴルゴ13) 電人HAL&アサシン(甲賀弦之介) 136 スカイ・イクリプス Sky Eclipse 寒河江春紀&ランサー(佐倉杏子) 138 フー・キルド・ニンジャスレイヤー? アサシン(ニンジャスレイヤー)
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/6966.html
このページはこちらに移転しました そうでもないよ 作詞/261スレ23 いやあんまり まあ嫌いじゃないけどさ
https://w.atwiki.jp/chibifantasy2/pages/445.html
こそこそうさぎ ペット説明 こそこそこそ、うーん何にも無いなぁ~ 初期ステータス HP SP 攻撃力 防御力 44 7 8 2 魔力 魅力 運 素早さ 3 6 5 4 火 水 風 土 2 25 11 11 技・魔法スキル スキル名 使用SP 第1スキル名 - 第2スキル名 - 第3スキル名 - 適正装備 装備箇所 装備適正 武器 不明 左手 不明 頭 不明 上 不明 下 不明