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ピンクサファイアを砕け 1.完成と同時に ある日を境にタチの悪いギャングが暴れるようになったノキノシタ区の一画で今日もヒトガタ造駆を量産する“工員”達が工場のような医務室らしき場所に入って行く。 ドライブバイシューティングのように見境なく銃弾と爆発物を振り撒き、数日で紫色の所の経済圏をズタボロにするほどタチの悪いギャングの構成員はおそらく1人か2人しか居ないとされているが小さいPOTもどきを大量に展開してきていた。人々は虫けらのように潰され、生き残ったとしても火力が支配する地獄を見せられるようになってしまった。 「悪いニュースと悪いニュースがある」 「悪いニュースから」 「アドラスの所とはここ数日連絡が取れないらしい。爆撃されて死んだのかもな」 「じゃあ、次」 「10分前にインフラがロケット砲撃で死んだ」 「最高だな、くそったれ」 普通、マフィアが要人の護衛用のヒトガタを製造整備するためだった工場のような医務室のラインには子供から青年になるだろう年齢だったのだろうヒト型人類種群の女が眠らされた状態で並んでいる。 彼女らがどんな人生を歩むはずだったのかは“工員”達は知らないがこんな状況では虫けらのように潰されるのを待つか、多少は抵抗して死ぬかのどちらか。 外から荒れ狂うPOTもどきのけたたましい磁励音と銃声がガンガンと轟き、迫撃砲弾が空気を切る音を聞かされながら“工員”達は流れ作業でヒトガタとは呼べないヒトガタ造駆のようなものを製造し始めた。 通常、専門の技師達が一つのチームで手作りするような工芸品を複数の付け焼刃な教育を受けたに過ぎない凡人達が量産するという無理を強いられながら雑にヒトガタ造駆を量産していく。 そんな製法で作られるヒトガタ造駆の性能は軍用のヒトガタ造駆に劣るのはもちろん、平時にゆっくりと作ってられるようなお高いヒトガタ造駆にも劣り、下手したらそう名乗っているからというレベルのものだった。 ――小さいPOTもどきに載ってるしょぼい銃の銃弾さえも軍用造駆の身体を簡単に粉砕するのだから防御力は自壊しない程度の必要最低限 ――あのピンクサファイア色の毛に覆われたケダモノは最も速くても1000m/sを超えて走れないからその程度の速力を確保できるくらいの古めかしい人工筋肉 一般的なヒトガタ造駆からすれば「なんで作った」と問いたくなるようなしょぼい性能だが、一般人に銃握らせてもどうせ先に小さいPOTもどきに撃ち殺される地獄ではこのくらいの性能の兵士を並べないとどうしようもなかった。 素体に合わせた調整なんてできないから動く事が確実な枯れた技術しか使えないのが大きく、どうせ何か武器持たせてとっとと戦線に投入するのでそういう割り切った性能になった。 眠らされた状態ではもう既に加工用ナノマシン群と材料入り栄養剤を投与した状態だ。ここでは最後の工程として肩周りと腕に通常は宇宙建築物や民間船舶の外壁の裏に張る為の対衝撃ゲルを施すのを行う。 “簡単な作業”だった。頑丈な体組織に比べて皮膚はまだ軟らかい素のままの状態なので医療用メスでさえない適当なナイフで切り裂いても皮膚しか切れないのを良い事に指定された部位を切り裂き、その皮膚を脱がす。 除去した皮膚、さながら長い手袋か肩パッドのようにも見えるをそれを対衝撃ゲルの前駆体とまた別の加工用ナノマシン群が入った溶液へ入れて充分に染み込ませ、元に戻す。そうして加工用ナノマシン群へ指示を送る為の特定の波長の紫外線を正面と背面に浴びせる。これでおしまい。 これでしばらく時間を置けばすぐに動かせるのだ。 そうして一体、また一体と何世代も前の低性能な量産型ヒトガタ造駆が起き上がって適当に急造した武器を握らされて戦線へ投入されていく。 「まだ15体しか作ってないのに素体が来ねぇ!」 「敵襲だ! 二足バッタ3機とプロペラ銃の群れが来てる!」 「最後の一体も完成させろ! 数が要るんだ!」 利用可能だった素体が底を尽き、最後のヒトガタ造駆の製造に取り掛かったときにPOTもどきの襲撃が来る。 やってきたPOTもどきであるヒトの腹あたりの高さを持った二足バッタ型は上部構造に備えた75mm擲弾銃から炸裂弾を撃ちだして工場の設備を破壊し始め、22口径の機関拳銃を2挺備えたプロペラ銃型の群れは防衛用の小型POTと銃撃戦を展開。いくらかは二足バッタ型の炸裂弾で起動前に破壊されたため、防衛戦力は数的劣勢になってしまった。 たった2機しかいない小型POTでは大群をさばくことが出来ず、“工員”達もプロペラ銃型の銃撃を食らい始めてばたばたと死んでいき、最後の一体を完成させて起動すると手持ちの拳銃で応戦を始める。 この状況で最も弱いとされるプロペラ銃型でも大量に現れるので本当に時間稼ぎにしかならない。 2機しかいなかった小型POTはこの短時間でプロペラ銃型を100機近く破壊したがそれでもプロペラ銃型は攻撃を止めないし、二足バッタ型は徹底的に工場を破壊して自動防御設備を黙らせていく。 そんなあたりでようやく起動し終えてヒトガタ造駆が起き上がった。“工員”の一人はプロペラ銃型からもぎ取って来た22口径の機関拳銃をヒトガタ造駆に手渡してPOTもどきを破壊するように指示する。 その小さい機関拳銃が使う弾は非常に古い時代からあるとされる小口径低速弾であるはずの.22LR規格のはずだが弾速が12000m/sと非常に速い上に弾頭質量が10gもあるので普通のヒト型人類種には撃てない代物だったのだ。 さっきまではただの女の子だったヒトガタ造駆は照準器がレシーバー上の溝くらいしかない簡単な22口径の機関拳銃を握り、プロペラ銃型を撃ち落としながら二足バッタ型に近寄ろうと走り出し……そのまま二足バッタ型にタックルをかましてしまう。 「リミッターが無くても射撃は問題ないが移動に難あり……。まぁいきなり速くなったらそりゃ体当たりしちゃうよな……」 「レポート書いてる暇か?」 音速を超えて足を速くできたことなどなかった人がいきなり速く動ける身体にされてしまったらこうなるのは必然だった。 彼女はタックルした後も身体を制御できずに悪戯に腕と脚を振り回してしまい、工場内を跳ね回る。そのパワーで自壊しない程度の対衝撃防御を備えているのでふざけているように跳ね回る。 POTもどき達は小型POTと“工員”達と戦っている個体を除いて今さっき完成したヒトガタ造駆に火力を集中し始めた。 タックルを食らった二足バッタ型は壊れてるのか気絶に近い状態になっているのか分からないが動かなくなっているのでいくらかの“工員”はガス切断機を引っ張って行って動かなくなった二足バッタ型を解体し始めた。このPOTもどきはガス切断機などの溶断器で破壊できるのでこれで始末することになっているのだ。 跳ね回っていたヒトガタ造駆はようやく落ち着いてゆっくり動くことに頭が回り、そこそこ慎重に身を隠しながらプロペラ銃型を機関拳銃で撃ち落とし始めた。この機関拳銃は小さい銃故に連射速度が毎分1000発を超えるほどの速さになってしまって300発も入りそうな巨大な弾倉でもすぐに弾切れになってしまうがプロペラ銃型の数が多いことが幸いして弾には困らない。 “工員”達が動かなくなった二足バッタ型を溶断器で解体しているのを見たヒトガタ造駆は「タックルして動きを止める」ことを思い付き、二足バッタ型に向かって走り出した。 接近を感知した二足バッタ型は上部構造の75mm擲弾銃を少し後ろに下げ、回し蹴りを繰り出して向かって来たヒトガタ造駆を蹴り飛ばして壁に叩き付け、周りを飛んでいたプロペラ銃型複数が叩き付けられたヒトガタ造駆を集中射撃しようと旋回してきた。壁に叩き付けられたヒトガタ造駆は蹴って来た二足バッタ型に機関拳銃を撃ち込むが12000m/sも出てる真鍮で被覆された鉛弾が衝突しているのにも関わらず鉛弾は砕け散り、その薄い正面装甲は傷一つさえ付かない。装甲が無い部分からフレームに入れば浸徹して破壊できたのが見えたものの、その状況に持って行くのは難しい。 自分を蹴り飛ばした二足バッタ型の75mm擲弾銃の横に付いている照準器のレンズが炎に照らされて橙色に光ったのを見たヒトガタ造駆は橙色の瞳に見つめられているように錯覚して恐怖を覚え、改めて自分が何と戦わされるのか、ここ2~3日の間で殺されてきた多くの人々や造駆やPOTが何と戦わされてきたのかを嫌でも分からされた。 正面から突っ込んでもどうしようもないと見たものの、どう動いても二足バッタ型に捕捉されると見たヒトガタ造駆は再び正面から突っ込もうと走り出す。二足バッタ型が蹴りを行う態勢に入ったのを見てヒトガタ造駆は機関拳銃を腰に構えながら下に滑り込むようにスライディングしながら引き金を引く。二足バッタ型が回し蹴りをしたその下に潜りこみながら機関拳銃で銃撃する格好になり、銃弾は非装甲部位を浸徹して二足バッタ型の下部フレームをズタズタに破壊していった。 だが一筋縄では行かないPOTもどきらしく、回し蹴りを空振りしたあと踏みつけに切り替えており、下部フレームを破壊された二足バッタ型の脚はヒトガタ造駆の腹を勢いよく踏みつけた。200kgを超えない総重量とは言え、脚力だけでも2000mほど跳躍できる二足バッタ型の踏み付け攻撃はヒトガタ造駆に血を吐かせるほどの破壊力を出していた。その状態で二足バッタ型はコアユニットらしき部位を破壊されたからか機能停止して倒れ込む。 腹を踏まれたヒトガタ造駆は二足バッタ型から75mm擲弾銃をもぎ取り、残った二足バッタ型に向けて擲弾銃の引き金を引いて4kgほどの微妙に速い炸裂弾を二足バッタ型に撃ち込み、40tもの強烈な反動でヒトガタ造駆の手が痺れ、手から離れた擲弾銃のストックがヒトガタ造駆の左鎖骨ごと左肩を打ち砕く。 身体を潰すような衝撃波と喉を潰す程の叫び声でもたりないほどの激痛に耐えながら起き上がって見れたのは爆風破片で後部がズタズタになって倒れていた二足バッタ型と大量のプロペラ銃型の残骸だった。 ようやくやって来た増援の軽攻撃機型POTが小型POT10機を投下して残っていたプロペラ銃型を掃除し始めたのを見たヒトガタ造駆は気が抜けて倒れ込んだ。 2.対空砲を殴り倒せ 翌日になって血を吸ったコンクリートの床の上で目が覚めたヒトガタ造駆はまわりを見渡した。 まず自分と同じようにヒトガタ造駆化したようなヒト型人類種の男女が同じように床の上に寝ているのがちらほらと見えた。普通、集団生活するとなるとまず男女は分けられるのが通例だったのだが、もう今は相当追い詰められてそんな配慮する余裕もないということなんだろう。 壊れた壁の様子から見るにここは何かの倉庫だったようだ。端っこには壊れた棚が雑に押し込められている。 知らない男と一緒に部屋で寝るのが嫌だと思った彼女はふとマフィアが製造する普通のヒトガタ造駆は記憶を改竄されるケースが多い事を思い出し、試しに自分の名前と過去を想起し始める。 名前はネイナという音は思い出せたがどの字を使ってたかは思い出せない。その音の名が本名だというのは覚えている。 わざわざ「ネイナ」が本名だ、とそんな強調をするところで過去も芋蔓式に思い出した……ホストにハマって貢ぎまくる為に借金しまくってその借金を返済する為に借金しまくって多重債務者になったのだ。借金をするためだけに学生証や身分証を偽造し偽名も使って借金していた。そしてとうとう返済に行き詰ってヤクザに掴まってヒトガタ造駆の素体になったと言うあまり人に言いたくない過去を思い出した。 まさか、と思った彼女はたまたま隣にいてガタガタ震えてる女に話しかけてみる。 ネイナ「お――」 「え! おクスリくれる人を紹介してくれるの!?」 ネイナ「なんでもないです……」 「早く紹介してよ! おクスリ欲じい゛の゛お゛お゛お゛っ!!」 話しかけたら若干理性が残ってるヤク中な女(ヒトガタ)だった……。そんなヤバイ奴に触ってしまった為にネイナはヤク中に肩をがっちりつかまれてガクガクと揺さぶられる。 あとこのヤク中は薬物依存症はもちろんのこと虫歯で口がめっちゃ臭いので虫歯すら直さないでヒトガタ造駆化したようである。その様子から記憶の改竄はおろか何かしらの持病とかも弄らないで他の者も本当にヒトガタ造駆化しただけの可能性が高かった。 周りから聞こえる適当な会話からもただただ性能を付与しただけのヒトガタ造駆達であることをネイナは納得させられた。 「もお゛お゛お゛っ!! やだああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!」 ネイナ「私も嫌だよ!? てか離して!」 近くで叫びながらガクガク揺さぶるヤク中女から解放されたのは出撃命令を下す為に銃と武器を渡され始めた時だった。 白い粉が入った袋を見せびらかす奴が居たおかげで解放されたネイナは出撃命令を持って来たギャングの構成員に昨日使ったものと同型の22口径の機関拳銃2挺と分厚い鉄板に両手剣の柄を溶接したような適当な武器を渡され、近くに浮かんでる軽攻撃機型POTに掴まるように言われた。 ネイナはある程度装備を整えて軽攻撃機型POTに付いている手すりに掴まり、軽攻撃機型POTがまっすぐ上に昇り始める。 軽攻撃機型POTに運ばれていく、その間にネイナは記憶が改竄されてないことを良い事になんとなく過去を思い出していた。 ネイナは……ひどく退屈な日常から抜けたくてホストにドハマりしたその時より前に積まれているひどく退屈な日常を思い出していた。下を見れば炎と黒煙が舞い上がって橙色の光に照らされた地獄絵図になった市街地と比べるとそれがなんでだかファンタジーな感じがしてちょっと面白く感じるのだ。 しかし、同時に見えた自分の身体を見るとそのファンタジーな感じがした過去と悪夢のような現実が地続きの世界であることをどことなく恨めしく思った。 なんでそこらの戦闘用造駆のようにカイブツみたいな見てくれにしなかったのか、なんでマフィアの幹部が従えてるような綺麗で可愛らしくもあるヒトガタ造駆の女のようにちょっとは魅力的な見てくれにしなかったのかと理不尽な不満さえも浮いて来る。見た目が変わってさえすれば夢だろうが悪夢だろうが夢見心地だったのに、とネイナはどうしようもない不満を誰も見てくれないイラついた表情を作って表現した。 そしてぶら下がるだけなのは暇だからと、どうせ誰も聞かないしと、どこかで聞いた歌を思い出しながら下手くそな歌声で歌う。 しばらく歌っているとずっと無口だった軽攻撃機型POTがそろそろ作戦領域に着くと言ってネイナは驚かされた。 そして彼女は荒れた市街地を見下ろしてその様子を思い知った。 自分よりもっと幼い子供達が雑に改造した小さい22口径カービンを持たされて戦線へと行軍させられている光景を見てしまった。 「より安い耐衝撃ゲル製造機が手に入ったらコレだぜ。クライアントのニンゲン様は俺(AI)よりニンゲンのハートが無いようだ」 破れたスピーカから発せられるAIの声がそう言うと何とも言えない説得力が出ていた。 ネイナ「ポットさんも大変ね……」 ピザ配達ドローン「俺はPOTとかいうお高い軍人じゃねーぞ、一昨日までは材料を聞きたくないピザを運んでた配送ドローンだぜ」 ネイナ「“フラメルソムリエおススメのお肉マシマシピザ”とか?」 ピザ配達ドローン「この地域だったら“産地直送 謎の若肉パティをふんだんに使ったピザ”だな」 そしてしょーもない話題に挿げ替えられてもっと安い戦力群の上を通り過ぎていき、その先には沢山の大砲が見えていた。 ネイナが掴まっている軽攻撃機型POTは突然降下して建物より高く飛ばないように速度を維持しながらより速い速度で侵入していく。 ピザ配達ドローン「対空砲に気付かれる前でよかったな。見つかると軍用の航空機でも装甲車でも爆砕されちまうのさ」 ネイナ「それを私に潰させるの?」 ピザ配達ドローン「正確にはお前“ら”急造ヒトガタ造駆に潰させる手筈だ。破壊目標の対空砲は見た目は少なくとも10000年以上前の原始的な大砲に似ているらしい。現用の大砲と違ってシリンダー状パーツが多いからすぐに分かるはずだ」 軽攻撃機型POTは狭くなった市街地を音速で飛ばし、POTもどきで構成されていると思われる対空砲陣地へ低空侵入し、開けた場所へ出てきた。 ネイナの目にはさっき言われた通りに謎のシリンダー状パーツを多く備える大砲が2門ほどあるのが見えた。 だが、その下には乗用車のシャーシのようなパーツが見えているし、そもそも大砲自体もなんかあまり上を向けられなさそうな作りだった。 ピザ配達ドローン「クソっ野砲を積んだ自走砲型だ! まだ降りるな、目標はこいつらじゃない!」 ネイナは降りようとしたもののその言葉で思いとどまり、22口径の機関拳銃を手に取る。 軽自走野砲型2門が間接砲撃態勢に入って砲弾を撃ち始めたのをただ見て飛び去るだけだった。 後を見ていたネイナの目に小さい戦闘機のようなPOTもどきの姿が2つ映った。胴体下部にはミサイルがぶらさがっており、それをこちらに向けて撃って来た。 ネイナ「ミサイルが来てる!」 ピザ配達ドローン「あの倒壊してる立体駐車場に入る、脚を前に出してしっかりしがみついてろ!」 ネイナ「なんで燃えてる建物に突っ込むの!? やめて!?」 ピザ配達ドローン「俺だって火に突っ込みたくねぇよ! だがフレアディスペンサーが無い時に赤外線画像誘導式を撒くならそうやるんだよ!」 倒壊して燃えている立体駐車場へ軽攻撃機型POTが突入し、捕捉している2発のマイクロミサイルもそれを追って内部へ入って行く。 燃え盛る火炎を赤外線に対する煙幕代わりに利用する為の手段だが入った場所は倒壊しつつあり、普段とはまるで様子が違う入り組んだ場所だった。そういう場所を何度も急旋回と激しい加減速を繰り返して切り抜けていく。 ネイナ「ミサイルがまだ追ってきている!」 ピザ配達ドローン「ちっ、俺が昨日やってたから対策してきたんだなっ! これから立体駐車場から高速道路に出るからお前がミサイルを撃ち落とせ、まっすぐ飛ぶ羽目になるから狙えるはずだ!」 そして胴体下部のハードポイントに取り付けられている37mmロケットポッドからさきほど小さい戦闘機が撃って来たものと同じ空対空ミサイルを立体駐車場の壁に発射して穴を開けて隣接した傾いている高速道路の下に出る。 燃え盛るバラック小屋だったり雑な建物だったものの上を通り過ぎていくが2発のマイクロミサイルはまだ追っている。 設計上の最高速度しか出せなくなり、若干音速を超えるくらいのマイクロミサイルに追い付かれそうになったところでネイナは後ろを向いて機関拳銃を片手で構えてまっすぐと飛んでくるマイクロミサイルに向かって鉛弾を撒き始めた。 飛行速度よりも弾速の方が圧倒的に速いので概ね狙った通りの場所に飛んでいくが反動制御が上手くできないため弾の消費が多く、2発落とすだけでも100発近く撃ち込んでいた。 マイクロミサイルの捕捉を振り切った軽攻撃機型POTはそのまま低空飛行で対空砲陣地を探していく。 その途中で濃密なロケット砲撃に遭遇した。視界を埋め尽くすほどのロケット噴煙と凄まじい量の114mmミドルロケット弾が斜め上へと撃ち上がって行く光景を目の当たりにする。上に昇る滝のようである。 その方向はさっきまで自分達が居た場所だった。 同じタイミングで自分達が居た場所から数十万発もの誘導砲弾が飛んで来て大雨のように降り始めるが狙撃銃のように正確な機関銃による対空砲火によって防がれてしまう。その「対砲撃砲火」を抜けても誘導砲弾は明後日の方向へ反らされてしまう。 黒い空と橙色の雲の下で繰り広げられる容赦の無い砲兵戦はPOTもどき側のほうが圧倒的に優勢であった。 たまにネイナがぶら下がってる軽攻撃機型POTよりも遥かに高級な戦闘機型POTが多数やって来るものの、その度にドルフィンもどきと呼ばれてる戦闘機型POTもどきと制空戦を繰り広げられ、圧倒されて墜落していく。 別方向からはとうとう動かせる宇宙船舶や航空機を無人化したいろいろな空中戦力が大量にやって来たが、そのときにようやく破壊目標である対空砲が姿を現した。 彼方から白く輝くプラズマで出来た槍が殺到し、宇宙戦闘艦の砲撃にも耐えられる防御型POTの防御すらも貫通して金属蒸気でできた致命的な雲へ変えて行き、沢山居た空中戦力を一瞬で焼き尽くす。 ピザ配達ドローン「槍が飛んできた方向を覚えておけ、その方向にお前が壊すべき大砲がある」 鉄と岩石の蒸気で出来た炎と雷の大嵐が後ろから迫って来るのを見ながら信じられないほど綺麗になった工業地帯と要塞構造が見える市街地まで飛んでいく。 開けた市街地だった場所には簡易的ながら要塞のような野戦築城ができていた。瓦礫を積み上げて塹壕線と堀を作っており、トーチカなども見えた。そして目標の対空砲も見えた。 そんな場所にネイナは降下し、機関拳銃を握って対空砲陣地に突入する。軽攻撃機型POTはヒトガタを降ろしたこと確認すると急転回して自陣へ帰投していく。 既にこの対空砲陣地には攻撃を行っているらしく、別のヒトガタ達が戦っているのが見えた。 しかしPOTもどきが使う銃弾が進化しているのか22口径弾なのにヒトガタに着弾すると激しく白熱して人工筋肉を過熱させて動けなくするようになってしまっていたのを見た。そしてどこからかともなく撃たれた狙撃を食らって上半身が粉砕される所も。 ネイナが知ってるヒトガタの戦い方はどちらかと言うと防御力を盾に割と自由に動き回る戦い方だったが、この戦場ではもうヒトガタは速いだけの兵器になっていたため普通の歩兵のような戦い方をする必要があるのを思い知った。 ネイナは普通の歩兵がやるそれのように塹壕に侵入して小さいPOTもどきを機関拳銃で破壊しながら対空砲へと近寄って行く。ぶっちゃけ弱いことが解りきっているからそういう戦い方をするのだ。 もしかすると瓦礫を積んだだけの築城だから背中に背負ってる大剣みたいなので破壊できるかもしれないが隠れ場所を壊すのはよろしくないのも分かっていた。でもある程度の長さがあるので地形貫通攻撃を試してみる価値はあった。 ネイナは大剣に持ち替えて柄と刃の背を握って長く持ち、短い武器として握ってからその場で回転して隣の塹壕に向けて大剣を瓦礫に突き入れた。最大で1000m/sで走れる脚とその速度で振れる腕から繰り出せる大剣の速度はどれほどか分からなかったが建材を破壊したあとに何か細かい機械を潰した感触があったので小さいPOTもどきをそれで破壊出来たのだろう。 ある程度の壁抜き攻撃を体得したネイナは待ち伏せしたPOTもどきを壁抜きで始末することを覚え、ぐんぐんと対空砲へと迫って行く。 しかしPOTもどき達もやられてばかりではない。ネイナの前後にある曲がり角から同時に12ゲージの小さい単発散弾銃を握った人間大の土木工兵型POTもどきが飛び出し撃ちしてきた。思わずネイナは機関拳銃で前を撃ちながら姿勢を下げ、散弾が彼女の上を掠めて行った。 前に居た土木工兵型は22口径弾を多数食らって腰と左肩を損傷したが右手だけでスナップして単発散弾銃をブリーチロックを外して一瞬宙に浮かせてから凄まじい手さばきで宙に浮いた銃に散弾を込めて再び散弾を撃ってきた。後に居た土木工兵型は機関銃のように散弾を撃ちこみ始める。 ネイナは姿勢を下げたまま地面を蹴って前に居た土木工兵型にタックルを食らわせて倒し、後ろに居た土木工兵型を機関拳銃でハチの巣にすると倒した土木工兵型がネイナの頭を単発散弾銃のグリップでぶん殴って横に飛ばして散弾を撃って来た。やや遅れてネイナは機関拳銃を至近距離で撃ち込んだものの左肩に散弾を食らった。散弾もあの異様に発熱する金属だったらしく、食らった部位の人工筋肉が過熱状態に陥れられて左腕が動かなくなった。 瓦礫に擦り付けて潰れて輝いている散弾を削り落としたものの、まだ左腕は動かない。機関拳銃を握って塹壕の奥へと進むと対空砲だと思われる多数のシリンダー状パーツを持った大砲が見えた。 ネイナはすかさず大剣に持ち替えて片手で握って対空砲に斬りかかるが対空砲は突然射撃体勢を解いて立ち上がり、格闘体勢へと移行してその長大な砲身で大剣を弾き、流れるように砲身を振り降ろしてネイナの右肩に叩き付けた。 ネイナ「なんで……」 ネイナは10t近くある重たい対空砲の一撃を食らって右肩から背骨を折られて膝を付き、架脚の先に付いている固定用パイルハンマーで塹壕へ突き飛ばされた。 背骨がバキバキに壊れて気持ち悪くなる感覚と激しい痛みに襲われる中でネイナは空を見上げる。 空に線が砲弾の曳光剤によって沢山描かれてまだ戦いが終わりそうにないことを感じ取り、地面から伝わる振動からさっきから対空砲が自分と同じようなヒトガタと格闘戦を繰り広げているのを感じる。 自分と同じように骨を砕かれたヒトガタ達が塹壕の上を飛び去る勢いで殴り飛ばされるのも見えた。 それでも多くのヒトガタが送り込まれたからか小さいPOTもどきは殆ど居なくなっており、数門の対空砲が格闘戦を強いられる状況になってきているようだった。 やがて航空機からと思われるロケット砲撃が飛来して着弾し始め、一門ずつ対空砲が沈黙していった。 結局、戦いは数だと思い知らされたあたりでさっき自分をここまで運んできた軽攻撃機型POTの姿が見えた。さっきよりも大きなロケットポッドを付けているのを見ると対空砲は彼が仕留めてくれたのだろうか。 フォークリフト的なパワードスーツを着込んだ少女の顔が見えたあたりでネイナは力尽きたように眠った……。 3.崩壊した集団を抜けて 翌日、ネイナは昨日とは違う場所で寝かされていたところを煩い雨音と水流の音を聞かされながら目を覚ました。 今度は集合住宅のエントランスみたいな場所だ。ネイナが寝ている場所はフォークリフトのフォークを入れる為のあの枠みたいなものの上に汚い布団を敷いたものだった。昨日よりは寝床の質は良いが床が水浸しである。しかも血と機械油混じりのひっどい臭いがする汚い水。 そして……今日は男物のパンツを履かされて、ブラが無かったのかサラシでさえない灰汁が染み込んだワイシャツの袖が胸に巻かれている。そして目覚めから既にびしょ濡れ。ネイナは泣いた。 ネイナ「あのさぁ……、あのさぁ……」 ヒトガタ造駆に改造されて良くなったことが一つある。めちゃくちゃに壊されても少なくとも身体は簡単に回復することだ。 ヒトガタ造駆に改造されて悪くなったことが一つある。まずニンゲン扱いされないのでそういう配慮が省かれていともたやすく傷つけられることだ。 ここへ来て何故記憶を改竄してくれなかったのか恨めしく思いながら静かに泣いた。思えば常日頃からヒトガタなんてニンゲンじゃないって心のどこかで差別していたしその記憶も覚えているだけに余計に泣きたくなる。 そういえば今日はどういうわけか自分一人だ、と思ったネイナは浸水した床を歩いて出入り口から外に出た。 まっさきに目に入ったのはズタボロになった人々の死体が積み上がっている光景だった。どうせ集積してるだけでしょ、と思いそうになったが赤黒く染まった作業着を着たおばさん達が死体の山から下半身だけの死体を引きずり出して運び始めたのを見て嫌な予感が脳裏に過った。 横に向けて行くと骨盤に銃架と生体部品の詰め合わせが入ったレジ袋を直接ビス止めして銃架に簡易的な制御装置を取り付けている工程が目に入った。 ……とうとう、こっち側もレッグガンを製造するようになってしまったのだ。POTもどきを人の手で製造してしまっているのだ。 もうなりふり構っていられないほど追い詰められてしまったのであろう。 あの製作場の横で目が据わっている偉そうな女に対してヴァメロン二人が怒り狂って抗議しているのが見えた。怒っているヴァメロンの一人が剣に手を置いた途端に偉そうな女はでかい回転式拳銃でそいつの上半身を粉砕した。そしてもう一人のヴァメロンも粉砕した。 その様子を見たネイナは固まった。あのピンクサファイアの無慈悲な暴力を前に何もかもを破壊し尽されて生存競争に投げ出されたあと、かなり深い所で眠らされていた狂気と攻撃性が剥き出しになったのだと、ネイナは理解させられ、女の子らしく膝を震わせる。 ネイナは怖くなってその場から逃げ出し、銃弾が後ろから掠めて行く。 本能的に異種族に対する排他性を察知したからだ。それが人為的に作られたものにも向けられることも容易に想像が付いた。おそらく最も従順な作られた異人種であるAIに対してさえ偏見を持つし、それを意図せず刷り込んでしまう事さえあった。 あの偉そうな女がどんな種族なのか分からないがそんなのはどうでもいい。ヒトだろうとフラメルだろうとヴァメロンだろうと……あの狂気と攻撃性に種族差はない。人類種と呼ばれるのに相応しい機能を持つのであれば単に個体差によって早いか遅いかの違いでしかない。あの場ではヴァメロンより早かった、それだけだ。 恐ろしいとされる排他性を想起した人類種にその気になればなんだって破壊できる爪を手に入れたのなら……あの攻撃性がヒトガタ造駆に向けられるのは時間の問題だった。 あの瞬間はネイナにとっての恐るべき猛獣の種類が爆発的に増えた瞬間だった。 恐るべき猛獣から身を守る、という理由でネイナは誰も居ない武器庫であろう場所に突入し、いくらでも入るバックパックにあの適当な大剣と22口径の機関拳銃2挺とその大型弾倉をいくらか入れてバックパックを身に付けてあてもなく走り出した。 そこからほんの数秒でこの地獄に作り換えたピンクサファイア色の毛を持つ獣人が現れた。 それを見たネイナは思わず横に跳ねて自分で自分をビルの壁に打ち付けてしまうという醜態を晒してしまった。 殺されると思い、獣人が降りた場所に目をやるとこちらを綺麗なサファイア色の瞳で見つめているのが見えたが獣人はネイナに対して興味を失ったのかあの偉そうな女が居る場所に走りだした。 獣人の行動を追って見るとやはり非常に多くの人造したPOTもどきが展開されるが獣人は手持ちのガトリングガンと小さい大砲で数秒で掃除し、人員をわざわざ散弾銃に持ち替えて一人一人殺して、最後にまた小さい自動拳銃に持ち替えて偉そうな女の脚を撃って動けなくして詰め寄った。 そして腹に手を突き刺して背骨を引き千切り、いやみったらしくバラバラにすると頭を千切り、それを持ってこっちに戻ってきてしまった。 獣人はネイナに偉そうな女の生首を渡そうとしてきたが、ネイナは嫌そうに手のひらを前に出して首を横に振った。 それを見た獣人はそこらへんに投げ捨てるような様子で生首をビルの壁に叩き付けて粉砕し、どこかへ跳んでいった。 ネイナ「なんなの……いったい……」 わざわざ嫌がる様子を見て楽しむつもりなんだろうかとネイナは思ったがあの獣人のことだから理解しがたい理由があったのかもしれないと考えるのを諦めた。 そしてどうすれば良いのか、分からなくなって雨が降り注ぐ道路の真ん中で立ちすくんだ。 逃げる理由がいきなり壊されてしまったのだ。 ピザ配達ドローン「大丈夫じゃなそうだな……」 ただ茫然と立ったまま時間が経つのを過ごすと昨日はネイナを運んだ軽攻撃機型POTがネイナの前に降りてきた。 彼の機体はひどく傷つき、弾痕さえ付いていた。 ネイナ「私はどうすればいいの……」 ピザ配達ドローン「俺にだってわからねぇよ。昨日、お前が寝ていた間に猛烈な反撃を貰ってうちのマフィアの重役が死にまくってからはもう分裂して混乱しっぱなしなんだよ」 ネイナが眠っている間にPOTもどきの猛反撃が始まって壊滅的打撃を受け、今に至ると軽攻撃機型POTは語った。 ネイナ「じゃあ、今はマフィア内の内戦状態になっているの?」 ピザ配達ドローン「その通り、ただどういうわけか人種毎に固まって文字通りの絶滅戦争を始めてしまった。場所によっては俺みたいなAIでさえも駆逐対象になっている。もはやヒトガタも例外じゃないぜ」 ピンクサファイアの攻撃に対処するだけの戦いはどういう訳か人種毎の絶滅戦争へと変異してしまったようだ。 ネイナ「ねぇ……、私が守らさせられた人々ってそういう猛獣達だったの……かな」 ピザ配達ドローン「そうかもしれないな……。そんなことよりあそこの倉庫で俺の身体を整備してくれねぇか、普通の機械ってのはPOTもどきと違ってニンゲン様が面倒みなきゃすぐ死ぬ生物なんだ」 ネイナ「整備って……私、機械なんて弄ったこと無いし、そもそもニンゲンじゃないし……」 ピザ配達ドローン「じゃあマシーンなら教えてやればその通りにできるんだな?」 ネイナ「え、いや……、私はニンゲンだから言われた通りにできるとは限らな……」 ピザ配達ドローン「都合良くマシーンとニンゲンを切り替えるヒトガタは初めて見たぞ」 ネイナ「都合良くヒトガタの扱いを切り替えるAIも初めて見たよ……」 しばらく雨音を聞きながら道路の真ん中で並んで佇むと軽攻撃機型POTはネイナに自身の整備を頼み始めた。結局言いくるめられたネイナはさきほど武器を強奪しに入った武器庫っぽい倉庫へ軽攻撃機型POTを誘導し、中に入って着陸させると軽攻撃機型POTはネイナに整備手順を教えながら整備を始めさせた。 ネイナ「ピザ屋の塗装、剥がしてなかったのね」 ピザ配達ドローン「今はもう死んだあのマフィアの連中が水性塗料でそれっぽく塗っただけだったからな……」 ネイナ「――って、この店舗の住所ってこの地域じゃないよね? どっちかというとナカノヤドがある方面じゃない?」 ピザ配達ドローン「ああ、あの何かしらの植物みたいな形の建物が見える住所だぜ。三日前にピザの注文を受けて運びに来たらこうなったがな」 一通りに整備を終えて動作チェックを終え、工具を片付け始めた。 ピザ配達ドローン「すまないが何かの塗料で塗ってくれねえか。流石にこの塗装で人殺しはしたくはない」 ネイナ「良いけど……まるで戦いが終わるその時まで生きようとするつもりね……」 ネイナは棚からスプレーガンとコンプレッサーを取り出し、バケツと塗料が入った缶を持って来ると棚にあったガスマスクとエプロンを付けて軽攻撃機型POTを塗装し始めた。 選んだ色は明るい黄色と黒色、そして赤色の塗料と五芒星の形に切り抜いた板。 明るい黄色と黒色をバケツに入れて混ぜてオリーブの実か葉っぱみたいな色を作って水で薄めてスプレーガンの瓶に入れてピザ屋のような塗装の上から全体的に塗っていく。 ピザ配達ドローン「そりゃそうだ。俺の予想だがあのピンクサファイアはただ遊んでいるだけだから飽きたら戦いは終わると思っている」 ネイナ「そんな子供みたいな理由で街を粉々にする訳ないでしょ……」 ピザ配達ドローン「子供だからこそ、そういう理由だ。俺は犯罪さえできる自由なオープンワールドなゲームでガキが大暴れしてどこまで死なずに行けるのか遊んでいるのを見たことがある。あのピンクサファイアもそれを現実でやっているだけだ」 ネイナ「ならはた迷惑な話ね……」 概ね緑色に塗った後、乾くまで休憩としてしばらく会話を交え、主翼上下面と機首側面に赤い五芒星を塗って行く。 そしてまた乾くまで待ち、耐水コーティングを施していく。 ネイナ「そういえばなんでピザ屋に戻らなかったの? あなたなら飛んで戻れるんじゃ……」 ピザ配達ドローン「さっきはまさにそうしようとしたんだが対空機銃が見えたからやめたんだ。あの状況では撃ち落とされて粗大ゴミになるのがオチだ」 ネイナ「じゃあ、コーティングが乾いたら私と一緒にこの地域から逃げようよ。ニンゲンが相手なら私でも切り拓けるよ」 逃げるようなことをネイナは軽攻撃機型POTに提案するが、彼は少し沈黙した。 ピザ配達ドローン「そうだな、まずはこの地域を抜けて武器と頭数を揃えよう。戦いから逃げるのはその後だ」 ネイナ「ええ、そうしましょう」 それを聞いたネイナは軽攻撃機型POTと共にこの荒れ果てた街を出る事にし、軽攻撃機型POTを整備する為の工具を詰めた工具箱や予備のバッテリーを詰めた箱をハードポイントに取り付け、22口径の機関拳銃を取り出して一番近い隣街に行く事にした。 軽攻撃機型POTにネイナはぶら下がり、彼を気球のように高く飛ばして無事な街の方向を見てから安全そうな領域ならそこまでその方向を飛んでいくことにした。 4.盗まれた配達ドローンは女の子を連れて戻る 雨が降っている荒れた市街地をしばらく低空飛行していると比較的損傷が少ない高架橋や高層ビルが多くなってきて視界が悪い領域にやってきた。まだここはあの無慈悲な砲撃を食らっていないのだ。 しかし、もうあのピンクサファイアからの攻撃を避ける為なのか人影が無く、まだ居るのはもう逃げ場を失って彷徨っているホームレスやストリートチルドレン、そして内戦状態に陥って分裂したマフィアだった集団がこの領域を襲っていた。“楽しさ”を求めて暴力を振りまいたピンクサファイア色の毛を持つ獣人よりもよっぽど獣のように食べ物と安全な場所を求めて街を襲っている。 何かのビルの横に軽攻撃機型POTを付けてもらい、ネイナはそこから連絡橋的な構造物に飛び降りて偵察を始める。 ……生憎、ネイナの身体になっている急造量産型ヒトガタ造駆の眼には双眼鏡機能はないのでヒト並みの視力しかないし、その視力も0.6くらいしかない近眼だった。 それでも急造でも量産でもないそこそこの性能のヒトガタ達が荒れ狂う暴徒達を掃除しているのが見えた。そいつらが持っている銃を前に重傷というか激しい熱傷を負って倒れるヒトガタも。 ネイナ「……ん、重機?」 だが暴徒達はなんだかんだであのPOTもどきと戦って生き残って来た連中でもあるので装備の火力はむしろそこいらのヤクザやマフィアよりも高い。 球形の重力推進式小型宇宙作業機が道路の上に降りると機体両側面に付いている37mm22口径無反動歩兵電熱砲から砲口初速20000m/sオーバーの散弾が吐き出されて数体のヒトガタが一気に吹っ飛ばされて動かなくなった。 そしてPOTもどきの部品を流用したと思われる2輌の武装車両が暴徒を乗せて街へ突撃し始めた。 ネイナ「早く街に飛んで! 頼れる所がなくなっちゃう!」 ピザ配達ドローン「少し前の仲間がこのザマじゃあ、確かに説得力がないよな……」 ネイナは大急ぎで軽攻撃機型POTに掴まり、彼は飛んで暴徒を追う。ビルの形した要塞を少しして抜けるとそこはさまざまな食べ物の匂いが漂う繁華街の近くだった。 さっそく軽攻撃機型POTは37mmロケットポッドから空対空マイクロミサイルを発射して武装した小型宇宙作業機を破壊し、道路に落とした。 そのタイミングでネイナは機関拳銃を手に取って飛び降りて暴徒を乗せた武装車両を追う。蹴る場所が多い所なら最大でも300m/sまでしか出ない軽攻撃機型POTよりも一瞬でも1000m/sを出せる急造量産型ヒトガタ造駆のほうが速いのだ。 荒れた市街地にあったブティックから女物の服を入手して着替えたとは言えどことなくみすぼらしい姿のネイナにとってこの繁華街に姿を現すのはいろいろな意味で苦痛だったが、どうせピンクサファイアの軍勢が来たらどこも同じように荒れ果てると思いながらビルの壁を蹴って移動していく。 1輌目の武装車両を捕捉したネイナは壁蹴りでそれを追い越して後ろ向きに翻って機関拳銃を武装車両に撃ちこみながら落ちて行く。 対空砲火として撃たれる銃弾や散弾がネイナの頭と肩を掠めて行き、最後に37mmマイクロミサイルを発射された。マイクロミサイルの軌跡を見たネイナは着地するとすぐに武装車両と正面衝突するような方向に向かってダッシュして姿勢を低くしてマイクロミサイルを地面に着弾させ、爆風破片を避けると大剣に持ち替えて下に構え、武装車両と衝突する寸前で上に向かって跳んで斬りつける。 すれ違い様に大剣の刃が当たった武装車両は車体前部が潰れて車体が倒立し、作りがあまり良くなかった大剣の柄と刃の接合部が折れた。 柄から先にあるはずの刃が無くなったのを見たネイナは後ろに振り替えると倒立したまま滑る武装車両と派手に吹き飛んでいく暴徒達の姿が見えた。 そして車両系POTもどきに見られるあのドライブシャフトを見つけたネイナは倒立した武装車両に近寄ってドライブシャフトをもぎ取って背負い、機関拳銃を握って暴徒達を撃って通り過ぎていく。 ピザ配達ドローン「くそっ、新しいPOTもどきが来た! 空戦ヒトガタみたいなのだ!」 軽攻撃機型POTからの無線が聞こえて上を見上げると腰のあたりから金属質な翼とジェットエンジンを生やし、肘から先が2本指のクラッシャークローになっている謎のヒト型生物がこちらに向かってきていた。 なんとなくの雰囲気からPOTもどきだと思ったが、機関拳銃で22口径弾を当てた時の手応えがヒトガタだった。それも自分と同じように急造・量産された低性能なヒトガタだ。 ネイナに向かってきているのはその空飛ぶヒトガタもどきだけではなく、繁華街のほうから出撃してきたと思われる容姿が(少なくともネイナより)綺麗なヒトガタの女達も来ていた。その眼は話が通じない敵性動体を見る目だった。 2体の女ヒトガタはネイナを捕捉してネイナより速い1300m/sを超えるダッシュ速度で距離を詰めて肉薄攻撃を仕掛けてくる。白兵戦だとあちらの方が腕前が上なのはネイナにも分かっている為、ネイナは彼女らから逃げるようにビルの壁に跳び上がって2体の肉薄を避けた。そしてヒトガタもどきは跳び上がって隙を見せたネイナを捕捉してクラッシャークローを前に突き出しながら接近し、掴みかかろうとしたところをネイナにドライブシャフトでぶん殴られてクラッシャークローを弾かれた。 そしてヒトガタもどきはすかさずもう片方のクラッシャークローからプラズマの槍を突きだしてネイナの腹を貫き、背中側に火柱を立ててちょうどその位置にいた女ヒトガタ1体を火達磨にした。 今の時代になって今更作られた低性能なヒトガタであるネイナの身体は何世代も前の古い対衝撃ゲルしか実装されてないどころかそれがあるのは肩回りと腕全体しかないというものだった。巨大な発射反動が発生しがちなPOTもどきや外宇宙由来の原始的な銃を使う為という広い意味で、尚且つ「可能な範囲」での攻撃特化仕様のヒトガタだったのだ。他の部位はちょっと堅いだけで防弾・防刃性が皆無だったために実は単なる金属水素で出来たほっそい刺突剣でしかないプラズマの槍でも容易に貫通してしまっていた。 火達磨になった女ヒトガタはプラズマの槍に突かれて延焼が止まらなくなって叫びながら激しくのたうち回り、通常は燃えない筈の皮膚と防御組織が燃えて冷却が間に合わなくなって動かなくなって叫び声さえ出さなくなった。 過貫通になって被害が少なそうだったネイナも無事ではなく貫通された腹回りの人工筋肉が過熱状態に陥り、姿勢制御が出来なくなってビルの壁に衝突、そのまま道路に落ちて行った。 道路に落ちたネイナは機関拳銃を構え、ヒトガタもどきに照準を合わせて銃撃を加えるがとどめを刺しに来たもう1体の女ヒトガタに胸を蹴飛ばされて胸骨もろとも背骨を折られて転がされ動けなくなった。 そのあたりでヒトガタもどきと女ヒトガタが交戦状態に入るものの、ほぼ一撃必殺となるプラズマの槍を警戒してなかなかヒトガタもどきに攻撃を仕掛けられなかった。 白兵戦では不利と判断した女ヒトガタは手持ちの大型回転式拳銃を抜いてヒトガタもどきに銃撃を行うがヒトガタもどきの近くに撃たれた弾頭は全て明後日の方向へ反らされてしまった。 ネイナはPOTもどきというか外宇宙由来の原始的な銃しか使ってなかったので気付きようがなかったが、どうにもPOTもどきの類にはああいう銃弾の命中率を著しく下げる謎のフィールド発生装置的なものがあるようだ。ただ、それがどういう原因なのかはネイナには分からない。 ネイナは都市区の住民だったとは言え、ホストにハマってノキノシタ区にある闇金から借りてまで貢ぎまくって多重債務者になった過去があった。その時に治安が良いとは言えないノキノシタ区を歩いていた事がしばしばあったのだがその時でさえ銃は持ってなかったので実はSIG文明圏の銃がどういうモノなのかは知らない。なんでなのかは知らないがよく撃たれてはいたけれどどう言うモノかは知らない。 ミリタリー趣味どころか趣味らしい趣味があった訳でもない。銃を見たことがあっても関心はなかったのでどういう銃が一般的なのかさえ全然知らない。 ネイナにとっては動けなくなっても握ってるこの22口径の機関拳銃が初めて握った銃なのである。 しかし、その銃は完全に外宇宙由来の設計思想で作られており、もはやSIG文明圏では一般的ではない装薬式の銃かつストレートブローバック方式の作動機構を持つ機関拳銃なのだ。 そんな異常な銃を使っていたネイナにとって、あの様子は何が起こっているのか本当に分からなかった。まともに相対した女ヒトガタは知らずに未知の敵と遭遇していた事を思い知らされた時のような焦燥を見せていた。おそらく彼女も理由は違えど同様の思いであの様子を見ていたのだろう。 女ヒトガタはもう対応が出来ない敵と判断し、ヒトガタもどきから逃げながら援軍を呼び始めた。 少しするとマイクロミサイルが飛んで来るが反らされ、大きな誘導砲弾が来るがそれも反らされ、誘導レーザーは拡散されてしまい、戦闘用の重量級造駆がプラズマの槍を避けながら殴りかかるがクラッシャークローに掴まれて繁華街に向かって軽々とぶん投げられて空中でプラズマの槍を食らって燃え上がった。 ピザ配達ドローン「お前ら……POTもどきがどういう奴らなのか知らなかったんだな」 ちらっと軽攻撃機型POTが繁華街の方から来たと思われる哨戒機型POTに追われているのがネイナの眼に映り、無線通信でそんなことを呟いた。 ピザ配達ドローン「そいつは現代の武器じゃ当たりもしないカイブツだぜ」 「古代兵器なら当てられるかね。例の魔法が発見された3000年よりも前の古代兵器なら……」 「おいっ、ジジイ出てくんじゃねぇ! 今更お前みたいな旧型が銃を手に取ったって足手まといだ――」 話ているのが軽攻撃機型POTくらいしか居なかったところに老いぼれた男と中年ほどの男の声が加わって無線通信が騒がしくなる中、ネイナの意識は遠のいて行く。 少しすると超音速弾なら出す衝撃波が2発分やって来て金属が拉げて悲鳴をあげるのが聞こえ、ネイナが見える所にヒトガタもどきが落っこちて燃えていた。既に燃えている女ヒトガタや重量級造駆のように燃えている。 「なるほど、例の魔法が施されたモノなら好き放題できる奴だったのか。そこのPOTもどきとやらは」 道路の向こう側に長い銃を持った人影が見え、雷のような音が2回轟き、静穏が訪れた。 「しかし、なんでピザ配達ドローンが軍用機みたいな塗装と武装を施されたんだ? 向こう側のマフィアはそこまで追い詰められていたのか?」 ピザ配達ドローン「3日前にいつものように配達しに行ったらそのマフィアに捕獲されてな。いろいろあって俺を捕獲したマフィアがあのピンクサファイア色の獣人みたいな奴の縦深突撃を食らって死んで大混乱、……そしてこっちに女の子と共に逃げようと近寄ったらこのザマだ」 「外宇宙から来た野生の空飛ぶヒトガタみたいな連中を紫色の所が受け入れたあたりから激しく軍拡していたあのマフィアがほんの2~3日でやられたとは……。こちらに逃げようとしたと言う事はお前とそこで倒れてる女の子にはこちらを攻撃する意図は無いんだな?」 ピザ配達ドローン「そうだ。こちらにはそちらを攻撃する意図は無い」 「ジジイ、勝手に話を進めるな。そいつらもPOTもどきの可能性があるんだぞ」 長く感じた騒がしい無線通信を聞きながらネイナはついに血が頭に昇らなくなって眠るように力尽きる……。 5.十九世紀の大砲を並べて 目が覚めた場所はふかふかのベッドの上だった。ネイナはどことなく気持ち良く目覚めてあくびをして寝間着代わりのジャージを脱いでスポーツブラとパンツを付けた。 ネイナはどこか、よく分からない期待をしている。 さも当然のように“昨日の事”としての記憶を選んで想起しようとしたが、頭に浮かんだのはホストを殴り倒し、ついでに何か来たガラの悪い奴とされる連中を殴り殺しているっぽい光景だった。その手にはどうでもいいと思っている血が付いてる。下を見れば奴らの首をハイヒールのかかとで突き刺してる。それも躊躇なく。 ……良い光景とは言えない。 別の記憶を想起して見るも、今度は同じくらいの歳だろう女の子とぼこぼこ殴り合っている記憶だった。この女の子とは目を合わせたらいっつも殴り合ってるような気がするのだ。 いつもその姿は違うけれど同じ女の子だと思っている。言動がちょっとうざいし、あとその子からはときおり撃たれている。 もっと訳が分からない記憶は近くに居た男達が銃撃で手足から砕かれていっているのに自分は安堵している気持ちを感じる記憶だった。 血と肉塊の沼で立ち止まっているとあのいっつも殴り合ってる女の子が良さげな照準器を付けた短い銃を上に向けながら活き活きとした笑顔を見せながらネイナに近寄り、ネイナも真っ赤になった手で彼女とハイタッチしていた。 ――ああ、この記憶がしまわれている身体はろくでもない女の身体なんだとネイナではない何かが思った。 考えがまとまらなくなったネイナはどこの宿泊施設だか知らないがネイナはなんとなく自分の服とバッグを探した。 部屋のクローゼットに入っていたのは22口径の機関拳銃2挺とそれの大型弾倉が入った石の粉が付いた大き目のバックパック、そして誰も居ないブティックから盗んだ血と埃を落とし切れてない汚れた女物の服だった。 それを見てネイナは無意識下で期待していた「悪夢のような現実っぽい悪夢から目が覚める」という謎の期待が打ち砕かれ、思わずふかふかのベッドに飛び込んですすり泣き、枕を濡らす。 ゴトっと堅い物が落ちた音を聞いたネイナはクローゼットに振り返った。 なんかで動いたのだろうか、床にユニバーサルジョイントが剥き出しになっているドライブシャフトが転がっていた。 ネイナ「なんで鈍器代わりに使ったPOTもどきの部品まで私物扱いになってるの……」 そこにドライブシャフトがある理由はただただ鈍器代わりに一度使っただけ、本当にただそれだけ。 ネイナはそれを拾い、クローゼットの扉に付いている鏡を見た。そこに映るのは何故かドライブシャフトを握ってる自分の上半身。 ネイナ「どうしてこうなったの……」 ネイナ自身でも聞きたい、謎の状態である。 比較的薄手の女物の服を着て、腰のベルトにドライブシャフトを差して少しばかりこの部屋を探検することにした。 部屋と言ってもリビングを兼ねた寝室、トイレと一緒になってる浴室と洗面所、それを繋ぐ通路があるものだった。一応、公共放送なんかを流す為のテレビや据え付けの情報端末的なものなんかもある。広さはさほど広くはない。 一通り見たので部屋から出ようとドアの前に立った……が廊下側もしくは管理側からロックされているような表示が出るだけでドアは開かない。 どうやら警戒されてるようで食事か何かしらの用が無いなら出させて貰えないようである。 ネイナはさっさと女物の服を脱いでクローゼットにしまい、寝間着代わりのジャージを着て据え付けの情報端末的なので何が起こってるのか知ろうとした。 返済能力がない多重債務者として身柄を昨日滅んでたマフィアに拘束されてから急造量産ヒトガタ造駆に改造されるまでは夜のお店や弾薬・兵器を手作業で密造する工場でずーっと働かせられていた為、ノキノシタ区がどうなっているのかまったくわからないからだ。その時はあの日にヒトガタ造駆へ改造されるまでこの宿泊施設の寝室より狭い部屋に6つもある狭い4段ベッドの一つを3人で使いまわすような暮らし方をしていた為に世間を知る暇さえなかった。 何となしにニュースサイト的なのを巡ってタイトルだけを流し読みしていって分かった事はある日を境に、それも紫色の所と通称されてる知らないギャングみたいなのが急速な軍拡をしてからパワーバランスがおかしくなった所で唐突にあのピンクサファイア色の獣人と同種と思われる猛獣達が現れてはPOTもどきと呼称されるようなロボット戦力を沢山作るようになって今に至るということだった。 ネイナはあんなものが一つの生物種であることに絶望にも似た感情を覚えた。場合によってはたった一体で軍隊を作るカイジュウと延々と戦い続けるようなものだった。 なんとなく見たニュース記事のコメントに付いていた、「勝手に生えて来る野生の重工業地帯と戦うようなもの」というのはあながち間違いではなかった。何時の日か見た、自分を沈めた対空砲の後ろに広がるこの国のものではない工業地帯の光景が脳裏に浮かぶ。 ふかふかなベッドでぐーたらしているとインターホンが鳴った。そういえば眠っている間に輸液で栄養補給しているだけでここのところは普通の食事をとってない、と思ったネイナはどことなく美味しそうな食事を期待して寝間着代わりのジャージ姿で外へ繋がるドアの前に立った。 やって来たのは食事じゃなくて仕事だった……。ネイナはゴツいヒトガタの男二人に勝手に着替えさせられた上に拘束されてどこかへ連れていかれる。 連れてこられた場所は応急的に作ったような雰囲気がある工場だった。 工場にはスクラップとして処理されるはずだったいろいろな壊れているPOTから対衝撃ゲルを抜いて大砲の部品にしている工程が主に見え、その部品は恐ろしく古い時代にも思えるシンプルな造りの大砲になっていた。 艦載用の70mm級から150mm級のレールキャノンの砲身と薬室を流用した古めかしい作りの砲本体を牽引砲にもみえる砲架や自走砲として使うつもりの無人車両に取り付けている光景も見える。 どこから持って来たのか分からないが陸戦型POTのようにも見える二脚型の何かまである。 ……どうやらこの繁華街を抑えているヤクザ(かマフィア)はあのピンクサファイアに攻撃される前に始末することにしたようである。 ネイナが連れてこられた場所はネイナと同じような仕様と設計で量産されたヒトガタ造駆が整列して並んでいる場所だった。中には自分よりも性能が良い普通のヒトガタまでも居る。そこでネイナはあろうことか「POTもどきを何機“も”撃破したベテラン」としてこのヒトガタ造駆達を教育する事となった。 ネイナはヤクザが用意した新しい古代武器をある程度テストしつつ、いくらかの知られている種類のPOTもどきを模したターゲットドローン型POTを使って実際のPOTもどきとの戦い方を教えることとなった。 ついでにターゲットドローンの調整も事実に基づいて行う。どうにもここのヤクザもPOTもどきがどういうロボット戦力なのかという知識が皆無だったのだ。 例えば、ネイナが知っている範囲でも、 「POTもどきは頑なに質量可変装置を使わない設計をしているため脚による走行モードでは速くとも400m/sが限界速度となり、跳躍モードでさえ1000m/sが上限。これは例の獣人も同様で1000m/sより速いのは航空系となる」 「ヒトガタ造駆とヒト型人類種は必ず判別をして戦い方を変えている。POTもどきと獣人はヒトガタ造駆を自分より速い相手と考えている」 「必ず自分に機能する質量可変装置を無効化しておかないと自然質量よりも質量を小さくされて近寄ることもできなくなる。これは銃砲弾も例外ではない」 「POTもどきは石材系と鉄材系の二種類が存在し、石材系は近接攻撃くらいの速度でも壊せるが鉄材系は経験上6000~7000m/sを超える速度がないと壊れないので必ず高速弾による銃撃を行う」 「基本的に100m以内に近寄ったときにおけるPOTもどきの射撃武器は“過熱されて動けなくされる槍”と考える」 という、戦っていれば自然と分かる事実さえ知られてなかった。 しかし普通に戦っているのを見てるだけではたまたま攻撃が当たらなかっただけにしか見えなかったり、例のおかしな獣人のことなので凄いパワーと防御力でゴリ押ししてるようにしか見えないというのもそういう要因だった。 反動がヒトガタ造駆じゃなかったら致命傷になるレベルで強くなったEML式突撃銃やEML式機関拳銃でレッグガン(を模したターゲットドローン)の戦列を撃破する訓練を行っていく。そして塹壕の中で大剣を使った壁抜き攻撃のやり方なんかも……。 あとは退役軍人らしいおじいさんヒトガタに交代して防御陣地を攻撃する訓練が始まったり、後方の砲兵部隊に位置情報と砲撃位置を指定する言い方を教育が行われていく。 ぶっちゃけ、ネイナにとってはもっと早く知りたかったことでもある。 しばらくして訓練と教育が終わり、攻撃に移る時刻まで自由時間と食事の時間だと聞かされたネイナはどことなく安心したような表情を見せた。 せっかくだからと工場の中を回る事にしたネイナはなんとなく工場の壁に張られている地図を見る。繁華街の地図なのだが、「牽引榴弾砲」や「自走重迫撃砲」とされるアイコンがかなり大量にあるのが見えた。 そして攻撃に向かう全てがヒトガタで構成された機械化歩兵部隊や補給部隊に戦闘工兵部隊なんかが合流してかなり縦に長い隊列を作りながら工場を直接攻撃するような動きをする予定であることも。 ……そう、あのマフィアを滅ぼしたピンクサファイアの軍隊と同じ動きなのである。 教えられた攻撃に移る時刻と現在時刻を確認したネイナは自分が寝ていた部屋に戻ってバックパックを身に付けた。 ……しかし、財布を持ってる筈が無かったので誰かに食事を奢ってもらう事にしたのであった。 6.縦深突撃の先鋒を駆けて 教えられた攻撃の時刻より結構過ぎたあたりにネイナは外に呼び出された。 装備を身に付けると繁華街の道路にはどう見たってそぐわない、数千年前に作られたという古めかしい装軌式の装甲兵員輸送車に乗せられた。 最近のヤクザはこんなものも持っているのかとネイナは思わされたが簡易的な銃塔に立って居る戦車兵みたいな恰好をしているおじいさんヒトガタに「これはわしの自家用車だ」と言われる。 ネイナ「え、なんで個人が兵器を持ってるの? というか兵器なら普通所有できないよね?」 おじいさんヒトガタ「現代の基準だとこいつはもう兵器じゃなくて“骨董品”の類になってたからな、ハッハッハッ」 あまりにも旧式過ぎて「骨董品」という基準になって合法的に所持できていたそうである。 おじいさんヒトガタは少しばかり今乗っている装甲兵員輸送車の来歴を語り、それを話し終えると脇に差していた信号銃を手に取り、首にある無線通信機の制御装置に触れた。 そのときに表情が真面目な、少し怖い表情へと変わり、独り言のようにぼそぼそと何かを話し始めた。 おじいさんヒトガタ「私はあの時と同じようにこの座に立ち、何度乗員が変わったのか分からなくなった古い兵達と幼過ぎる民兵を集めて勝てるか分からない敵と戦おうとしている。古い兵達よ、また力を貸してくれ……」 彼と近い位置に居たネイナは何を言っているのかは聞こえたものの、その意味は解らなかった。ただ、その言葉は少なくとも人間に向けたものではないのは分かる。 おじいさんヒトガタ「機械化歩兵大隊、前へっ! 目標は20km先の工業地帯及び要塞線!」 彼は通信機を有効化して無線による指示を送り、信号銃を上空へ向けて信号弾を打ち上げた。ネイナが乗っている装甲兵員輸送車が動き始め、周りからも履帯の足音を打ち鳴らし始める。 上部ハッチから少し頭を出したネイナは周りを見渡し、同じような装甲兵員輸送車や兵員室に当たる部分に大口径砲を備える砲塔が載っている装甲戦闘車両、もしくは対空機関砲が載っている対空戦車型に相当するものが見られた。ネイナは新しく借りて使う事になったかなり古い形式のEML式の突撃銃を手に持って上に乗り出した。 おじいさんヒトガタ「この手の車両に乗っていながらその身を乗り出す、ということは対戦車射手が居ると言う事だな?」 ネイナ「ロケランバージョンのレッグガンは居るし、なんなら“対戦車砲”に相当するPOTもどきも居るからね……」 おじいさんヒトガタ「それなら取るべきルートが決められるな。いくら個人ででかい国並みの工業力を自由に使えるあのウサギとは言え、この装甲を穿つ対戦車砲は配備数が限られるはずだ」 繁華街のいろいろな場所から大砲の砲声が連続的に轟き始めるとあの大量のロケット砲撃がやって来た。 様子が変化を察したピンクサファイアの軍勢は先に攻撃に出るようだ。しかし、こちらも間接砲撃に対して無策と言う訳ではなく、街のあちこちに、異常とも言えるほど生やした群知性型AIと多数の個知性型AIに制御された防空システムを構成する対空砲が作動し、ロケット砲撃を構成する数十万発のロケット弾を迎撃していく。 向こう側の方も防空システムが作動してこちらが撃ちこんだ砲撃を迎撃していく。 おじいさんヒトガタ「わしが現役だったころは戦車砲積んだ攻撃機型POTが急展開できる対戦車砲のように使われていたが、当然ウサギは知っておるんだろうな……!」 おじいさんヒトガタは握った重機関銃を唐突に旋回させて銃撃をすると出合い頭に重機関銃の徹甲弾を多数食らってもう火を吹いて落ちて行くホバータンク型POTもどきが見えた。 外宇宙由来の怪獣と言えど、その場に持ち合わせた資源を基に工業力を発揮する以上は同じ世界・同じ物理法則で動くということで似たような兵器が出て来るということなのだろうか。 おじいさんヒトガタ「破砕砲撃に合わせて小型偵察POTが1、小型戦闘機POTが8の比率のスウォームを低空侵入させろ。仮に敵性動体を見つけても無理に交戦させなくて良い。航空戦力に任せておけ」 無線通信機で味方と交信する様子を近くで見ていたネイナはどことなくあのときの戦いを思い出していた。POTもどきの軍勢もこのように連携を取って戦っていたのかと。 もう繁華街のほうから離れて対空砲火も届かなくなってくるので敵の砲撃が激しくなり、周囲に榴弾が着弾して破片が飛び交い始めるが装甲兵員輸送車の装甲はビクともしない。 荒れた市街地でも速度を落とさずにどんどんと侵攻し、ネイナも他の急造量産ヒトガタ達も突撃銃や汎用機関銃を構えて無反動砲を備えた二足バッタ型や対戦車手榴弾を落とすだけのスウォームドローンを迎撃し始めた。 おじいさんヒトガタ「この先は対戦車砲陣地があるはずだっ、降車戦闘を行え! 迫撃砲班は射撃位置についたら精密砲撃を始めろ!」 ネイナ達は装甲兵員輸送車から降りて索敵と突入を始め、汎用機関銃持ちに制圧射撃を行わせながら対戦車砲を構えるならちょうどいいポイントへ向かって前進していく。 土木工兵型の姿を探していると急設したバリケードの後ろで3機一組で行動しているレッグガントループを2つ確認し、芋蔓式に機関銃陣地も発見した。……厄介なことに鉄筋コンクリート製の大楯を正面に構えてまさにトーチカのような動きをしてるトブルクメック型なるものも。 「新型を発見! 重防御・大型化したレッグガンのようなPOTもどきが展開しています!」 「周囲にはレッグガンしかいない……いや、跳び上がったらバリケードの後ろに居るレッグガントループが集中射撃できる配置になっている……」 ネイナ「上半身を見せてから走ったらすぐに屈んで」 ネイナは同じ急造量産型ヒトガタの一人にそう指示し、彼はその通りの動きをしてレッグガントループの気を引いた。トブルクメック型が機関銃を撃ち始めたあたりでネイナは大剣を構えてその一瞬でバリケードに肉薄、バリケードごとレッグガントループ一つを粉砕し、続けて近くに居たトブルクメック型に大剣を突き刺して無力化。後ろから付いて来た急造量産型ヒトガタは突撃銃でこちらに銃を向けた残りのレッグガントループを銃撃して始末した。 ネイナ「クリア! 生きている対戦車砲を探すよ!」 急展開して構築した防衛線の隙間を埋めていた小陣地を突破したネイナ達は前身して生きている対戦車砲を探し始める。なるべく使える遮蔽物を破壊する意図で行われた破砕砲撃の影響で壊れたホバータンク型POTもどきの残骸が転がっている中で砲撃の影響が少ないポイントを探しているとホバータンク型POTもどきの内、高射機関砲バリエーションを見つけた。 垂直二連装という微妙に珍しいタイプの連装高射機関砲を備えたそれはネイナ達を見つけると光の矢を撃ちこんできた。 光の矢は謎の機構によって生成されたプラズマ化した長い鉄鋼弾でしかないが、この規模でも生体系に近い組成の造駆系の防御を簡単に貫いて来るので食らってはいけない攻撃だ。場合によっては何人もまとめて燃やされる。 一人の急造量産型ヒトガタは少し後ろの迫撃砲班に誘導砲弾による精密砲撃を要請し、ネイナ達は接近する準備を進める。 防御が十分ではないいくらかのPOTもどきは初速が20000m/sでしかないしょぼい対物クラスの鉄鋼弾でも集中射撃を食らえば駆動系が壊れたり照準装置が壊れるなど何かしらの破壊効果を期待できた。 迫撃砲弾が飛来するのを待っているとレッグガントループが3個突入してきてネイナ達を攻撃し始めた。無線通信で位置がバレたようである。 銃撃で頭すら出せないような状態に追い込まれ、そんな中で迫撃砲弾が高射機関砲の光の矢に撃ち落とされたのが見えた。 その時に装甲兵員輸送車の重機関銃による銃撃が来て3個あったレッグガントループが一瞬で粉砕されてネイナ達が隠れている塹壕みたいな窪みの上を装甲兵員輸送車がかなりの速さで通り過ぎて行った。 ネイナ「え、ちょっと何してるの!?」 おじいさんヒトガタ「このサイズの無限軌道ならお前たちと同じ場所を通れるんだよ! お前らも続け!」 いきなりそんな事を言われながらもネイナ達は結構な速さで前身する装甲兵員輸送車に追随する。装甲兵員輸送車は高射機関砲が撃って来る光の矢をものともせずに前身し、しまいには銃塔にいるおじいさんヒトガタが操作する重機関銃で高射機関砲搭載ホバータンク型POTもどきがハチの巣にされて突き飛ばされて横転する。 そこは対戦車砲を備えたホバータンク型POTもどきがずらっと並んでいる陣地であり、それらは突撃してきた装甲兵員輸送車とネイナ達の餌食となった。 かなり近いところに居たホバータンク型POTもどきは大剣を構えたネイナともう一人の急造量産型ヒトガタに沈められて行き、 それなりに近い所に居たホバータンク型POTもどきは突撃銃や汎用機関銃を構えた急造量産型ヒトガタ達に破壊され、 それらより遠い所に居たホバータンク型POTもどきは装甲兵員輸送車の重機関銃で潰されていく。 ダメ押しと言わんばかりに他の装甲兵員輸送車と装甲戦闘車も続いて突入を果たし、対戦車砲陣地を横から順番に潰していく形になった。 沢山居たレッグガンやトブルクメック型では装甲車両に有効打は与えられず、おそらく40人は居る急造量産型ヒトガタ達とこちら側のスウォームドローンや航空戦力によって磨り潰されていく。 対戦車砲陣地に続いてすぐ後ろにいる迫撃砲陣地も攻撃していき、彼らが戦っている陣地の前に戦闘工兵部隊や追加の野砲部隊や対空砲部隊などが配置について砲兵戦力と制空権を確保し、ついには迫撃砲陣地の後ろに居るPOTもどきの軍勢が退却し始めた。 すでに突出した戦力配置になっているためにPOTもどきの軍勢はその両側面から接近してくるがすぐに配置に着いた対空砲とどこかから調達してきた沢山の民兵や傭兵が塹壕線と機関銃陣地を構築して防御にあたった。もちろん撃破したホバータンク型POTもどきの武装を即行で修理・改造して作った対戦車砲を使って重戦力が来ても対処できる対戦車砲陣地を新たに構築していく。 そんな様子を見たネイナはなんとなく「今回の戦いでは一度も当たらなかったな」っと思いつつ、突撃銃を構えながら周囲を警戒し始めた……が、 ネイナ「はぅっ!?」 ピンクサファイアが構築した工業地帯がある方向から狙撃をネイナは食らってしまい、一撃で右肩を砕かれて倒れた。 おじいさんヒトガタ「……あれがピンクサファイア色のウサギか。初めて見るが……何故わしではなくこの子なんだ……?」 双眼鏡を低い姿勢で構えたおじいさんヒトガタは狙撃の方向からすぐに小さい大砲のような銃を上に構えたピンクサファイア色の獣人を発見し、そんな事を呟いた。 ネイナはなんとなく、想像できる範囲でその疑問に答えようとしたが呼吸が続かず、救急隊員的なヒトガタ二人に運ばれて行った。 7.ピンクサファイアが砕けるとき 狙撃を食らったネイナは救急車的な装甲兵員輸送車の中で目が覚めた。現在時刻を見るにそこまで長く眠ってなかったようだ。 ベッドから起き上がり、装甲兵員輸送車の中からまだ砲声と砲弾の風切り音が轟く荒れた外へと出て来る。そこに広がっていたのは既にこちらが制圧を進めている工業地帯だった。 既にピンクサファイアが構築した防衛網を突破して彼女の拠点である工業地帯に急造量産ヒトガタを主力とする機械化歩兵大隊は制圧に乗り出していたようだ。 自分の力の源である工業力を削がれまいとあのピンクサファイアの獣人はこちらの戦力を倒そうと躍起になっていると大きさが違う2つのロケットポッドとガンポッドを搭載したピザ屋の配達ドローンだった軽攻撃機型POTが教えてくれた。 しかしピンクサファイアの獣人はこれまでに遭遇したどのPOTもどきより堅く、火力投射量が凄まじく、また本物のPOTでも対抗策がひたすらに古いがデカい弾を高速でぶつけられる砲で撃ち殺せとしか言わなくなるほど出せる対抗策が乏しくなるほどの大量の対抗手段を持っているとされている。 バグレスに頼んであの“ツール”を使って貰う事も考えられていたらしいが、質量可変装置を好きなようにクラックしたり、衝突時の運動エネルギーを熱エネルギーへ変換する不思議合金を使った銃弾を大量生産している事実からその手の能力を持っている可能性が高いと見られて絶対に見せてはいけない事となった。やり返された時の対抗手段がまるでないからだ。 6輪トラックの車列がネイナ達が居る場所にやって来ると長い箱や新しいがどことなく古めかしい陸戦型POTみたいなのが降ろされ始めた。 1mほどの長い箱の中には折り畳み11.8mmレールキャノンみたいなものと何か構造的に装填が出来ないレールキャノンのバレルが入っており、もっと長くて大きい箱には機関部がクォーラル製の25mm航空機関砲を流用した何故か小型偵察POTとスラスターが付いている携行砲が入っていた。 「堅い造駆相手でもこんなもんは作らないから楽しかったぞ」 ネイナ「そ、そうなんだ……」 軽作業用のパワードスーツを着込み機械油に塗れた汚い眼鏡をかけた身体の挙動がおかしい変なヒト型人類種はそれとなく新しい武器の説明を始める。 折り畳み11.8mmレールキャノンはインナーバレルと薬室ごと取り換えて弾を装填する方式の単発式の軽量砲でピンクサファイアの身体を破壊できる特殊合金の徹甲弾みたいなものか彗星弾と呼ばれる由来不明だが非常に強力な突撃銃用徹甲弾を弾芯としてEML装弾筒に包んだ弾を33000m/s超という非常に速い初速で撃ち出す代物だった。 しかし弾芯だけでも特殊合金弾で30g、彗星弾で77gにもなって装弾筒まで含めると100gを超える大質量弾を超高速で撃ち出す仕様のせいでそのままだと撃つとまともなヒトガタ造駆の肩でも一撃で粉砕するほど発射反動が非常に強いため対衝撃ゲルをレシーバーとバレルの間に充填してとりあえずは撃っても骨折しない程度にはなっているそうだ。 次にやけに重装甲な陸戦型POTみたいなのの説明が始まったが、しょっぱなからこれは鎧だと言われた。 パワードスーツでさえない複合装甲製の鎧であり装甲防御力に極振りしたものの、ピンクサファイアが作る小火器類と爆風破片は防げるが電子装備は頭部の通信機と索敵照準装置類しかないという。 これを着込んで使うのは間に合わせで製造した大質量高初速弾を使う25mm航空機関砲であり、これに徹甲弾を装填してピンクサファイアを射撃で仕留めるというものだった。 ネイナ「あの、それって私でも使えるの……?」 「普通のヒトガタ造駆なら使えるぞ。大抵は電子装備を使う神経接続端子が……」 ネイナ「私、そもそも普通のヒトガタじゃないし、神経接続端子無いんだけど……」 「へ? それじゃあボクは使える奴が居ない装備作っちまったって事かい!? なんてこった!」 だが、ネイナには使えない装備だった……。 ピザ配達ドローン「おめぇ、急造・量産されたヒトガタ達はマジで身体能力をそれっぽく上げただけだって聞かされなかったか……」 「質量可変装置が無いのと攻撃力とそこそこの機動力しかないって聞かされただけなんだ……、まさか端子すらないのは想像できなかった……」 おじいさんヒトガタ「ジジイでも使えるか? 流石にわしは一応正規に量産されたヒトガタだから端子はあるぞ」 「ああ、よかった。使えるヒトガタが居た……」 仕方なくここでは唯一となっている普通のヒトガタであるおじいさんヒトガタが戦車兵みたいな服装の上から分厚い装甲で出来た鎧を着込み、接続を行った。 その一方でネイナ達は折り畳みレールキャノンを装備していく。 おじいさんヒトガタ「ここにはわししかいないぞ。厳密には質量可変装置が無効化できないヒトガタのお嬢さん方やお兄さん方も居るんだが前線で出しても簡単に投げられるだけだ」 「つーかじいさん、なんで質量可変装置ついてんのに前線に居るんだ……」 おじいさんヒトガタ「どうにもわしは不良品らしくてな、製造直後からどうにも機能せん」 接続を行って25mm航空機関砲を握って装甲シャッターを下ろし、動作チェックを行う。 おじいさんヒトガタ「思ったより視界は広いな。この感じはさしずめ自走対空砲型ヒトガタと言った所か」 ピザ配達ドローン「確かにすばしっこい敵を的確に撃ち落とす意味では一緒だな」 おじいさんヒトガタ「地殻貫通弾はあるか? 演習弾として徹甲弾と同じ弾頭質量で試射をしたいんだが」 「だろうと思って最初の5発はそういう設定の地殻貫通弾にしておいた」 おじいさんヒトガタ「どうも」 そして鎧を着込んだおじいさんヒトガタは機関砲を構えて適当な瓦礫に向かって5発撃ちこんでいく。 その頃にネイナ達は出撃準備を整えた。 おじいさんヒトガタ「流石に砲と装備自体が重いのもあって反動は比較的マイルドだな。100m先の散布範囲も十分な範囲であのウサギも捕捉できる。ただ、視界が悪いから普通の装甲車両と同じように随伴歩兵が要る」 準備を整えるとネイナ達に任務の内容が話され始める。今回はいつもと違ってピンクサファイアを専門的に追い撃破するためのチームとして動く事となっていた。 そのために多数の軽攻撃機型POTを使って戦術機動を行い、ピンクサファイアが出現した所に直ちに降下して撃破に向かう手順となっている。 任務が伝え終えると各々は軽攻撃機型POTに掴まり、一番装備重量が重いおじいさんヒトガタも軽攻撃機型POTに掴まるり、発進していく。 出現の合図は砲撃要請の無線通信と救援物資投下指示用発煙筒の緑色の狼煙だった。――普通は同じ場所で同じタイミングにやらないものだ。 砲撃を要請する無線通信とその場所から昇っている緑色の狼煙を確認し、いよいよネイナ達はピンクサファイアを攻撃し始める。 15機もの軽攻撃機型POTの編隊は最大速度でその地点へ向かう。 ネイナの眼に入ったのは沢山の陸戦型POTを次々と燃やしていくピンクサファイア色の獣人の姿だった。 手持ちのガトリングガンでハチの巣にしつつ、向かって来るパワードスーツを着込んだ民兵の3人組を小さい大砲から榴弾を撃ちこんで近寄らせない。その上で小火器相手には避けもしないでひたすらに駆けまわって小型POT群によるスウォームを破壊していく。 普通のヒトガタ造駆達はもはや近寄れないと知っているので銃撃に徹しているが普通に近寄られてハチの巣にされて行った。 そんな彼女は異様な数の軽攻撃機型POTの編隊を見つけると小さい大砲で榴弾を撃ちこんで一人だけの対空砲火を張り、続けてマイクロミサイル発射機を備えたレッグガン(命名法則的にレッグロケット)を展開した。 ヒトガタをぶら下げてる軽攻撃機型POTは指示を送って一気に降下させて対地ロケット弾を撃てるロケットポッドを持っている個体は同時に空爆を行って去って行く。 降下中のネイナ達の上を掠めるように対地ロケット弾がばら撒かれ、着弾して行って反撃で撃たれた対空マイクロミサイルが昇って行く。 重装備であるおじいさんヒトガタは手持ちの航空機関砲でピンクサファイアにむかって徹甲弾を撃ちこみ始めた。 あんまり命中精度が良くないのもあってだいたいは外れるが一発だけピンクサファイアの腹に命中してその毛並みに腐食性の血を滲ませた。 その時にピンクサファイアが見せた顔はネイナにもはっきりと見えた。驚かせた表情をしてる子猫みたいな目をして口を開けて鈍色の牙を見せていた。そしてこれ以降は見せる事が無いだろう笑顔に変わり、凄く嬉しそうにしていた。始めて自分に血を流させた強敵に合えてすごく喜んでいた。 ネイナ「怖い……。なんで始めてデートに誘われたときの女の子みたいに……喜んでいるの……?」 無線通信機が入っている事を忘れてネイナは思わずその言葉を漏らした。 「やっと全力で遊べる人が来たんだもの! 盛り上がらない訳がないでしょ!」 ……そして初めてピンクサファイア色の毛並みをしたその獣人はこちらが使っている言語で言葉を発した。口が使えるのに一切口を開かなかったあの獣人が口を開いたのだ。 その第一声が嬉しさの表現だった。 ピンクサファイア「私は履帯を動かした音と大砲を並べる音がしたあたりから期待してたよっ! あの防御を突き崩せる人達が来るのを! そして私を死なせられるくらいイかせてくれる人達が来るのを!」 あの獣人は無線通信でそんなことを言いながら女の子が黄色い声を思わずあげるような調子で口を大きく開けて激しいタービン音をかき鳴らし、非常に大規模な艦載レールキャノンが動いているような力強い磁励音を地震のように轟かせる。 その頃にネイナ達はレールキャノンを構えながら着地してピンクサファイアへ接近していく。 ピンクサファイア「私は戦いが好きなの、気に入らない者や集団を一方的に破滅に陥れて無秩序と物質塊へ還すのも好きだけどどっちが殺すのか分からない戦いも好きなのっ!」 誰もピンクサファイアが言う事に何も言わない。他の皆はどう思っているか分からないがネイナはどこか思う所があった。 少なくともネイナも心のどこかで戦いを楽しんでいるところがあったからだ。どのみち普通の社会にはもう戻れないと悟った故の諦めからなのか、生来からの気が付かなかった欲求からなのか、分からないが。 ピンクサファイア「だから動けなくなるまで楽しみましょうっ!」 部隊の中で一番最初にピンクサファイアを射程内に捕らえたのはネイナだった。ネイナはレールキャノンを構えてピンクサファイアに銃弾を撃ち込むが、ピンクサファイアはふわっと避けてネイナにガトリングガンで応射しながら移動する。 反撃を食らったネイナは撃ったらすぐに隠れる事は覚えていたので銃弾を食らわなかったものの、再装填しながらあの反応速度に恐怖した。向けたら察知したような早さだからだ。 ピンクサファイアがどう思っているのか分からないがいつものようにレッグガントループやレッグロケットを含むトループが現れ、ついでにヒトガタ造駆を模したPOTもどきなんかも出てくる。 これらの対処は基本的にもう既に展開している陸戦型POTや他のパワードスーツを着込んだ民兵達が相手するがその数はかなり多い。 そしていくらかの軽攻撃機型POTが搭載しているガンポッドで対地掃射を始めているので戦列歩兵の動きをしているレッグガンの群れなんかも来ていたのだろうか。 いくらかの急造量産型ヒトガタ達は大剣を構えてレッグガン系の対処に当たり、特に重火力なレッグロケット系を探して破壊し始めた。 ピンクサファイアがおじいさんヒトガタの側面に現れ、ガトリングガンと小さい大砲によって多量の銃弾と榴弾を浴びせて行く。流石に対策された複合装甲なだけあって傷が付いたり凹んだりはするが貫通されている様子はない。榴弾の直撃でようやく装甲に傷がついて凹むようだ。 重装備だから回り難いのかなと思ったネイナだったが、おじいさんは何気にそういうパワーがあるのか普通のヒトガタよりも素早くその身を回してピンクサファイアを捉えて機関砲で徹甲弾を叩き込んでいった。 そしてそれをピンクサファイアは軽い身のこなしで避けて見せる。 周囲に居たレールキャノンを構えた急造量産型ヒトガタ7人はピンクサファイアを同時に捕捉してほぼ同時にピンクサファイアに一斉射撃を加えるがこれもピンクサファイアは回避するが一発当たり、背中が血で滲む。 そしてピンクサファイアの背中に生えていた擲弾発射管みたいなものからマイクロミサイルより小さいナノミサイルが自分を撃った7人の急造量産型ヒトガタにそれぞれ発射されて再装填を妨害しつつ、フィギュアスケーターのように滑りながら回転して銃撃と砲撃を周囲に行って行く。 それで一気に7人の急造量産型ヒトガタが倒れた。囲まれても何とかなってしまうほどには強大な敵であると思わせた直後におじいさんは徹甲弾をピンクサファイアの右腕に直撃させてその骨を砕いた。 ピンクサファイアは左手に握ったガトリングガンを軽く投げてから鉄屑を左背部に付けて高速加工して銃架にしてそれでキャッチすると小さい大砲を左手に持ち替えた。 その場で簡単な加工は出来てしまうらしく、ガトリングガンでネイナ達急造量産型ヒトガタの頭を下げさせつつ、小さい大砲でおじいさんの照準を狂わせ、口腔から爆発する火球を地面に発射して岩石と金属の蒸気を発生させるとそこにケガした右腕を突っ込んで簡単にギブスのような金属と溶岩の何かを形成する。 この様子から一部のヒトガタのような速い再生速度はないようである。 あの一瞬で10人居たヒトガタはすぐにネイナとおじいさん含めて動けるのが3人だけになってしまい、拙い状況になって来た。 小さい大砲の弾倉を交換したピンクサファイアはおじいさんを捕捉して砲撃し始める。今度は榴弾ではなく、徹甲弾のようなものであり、一発でおじいさんの左足を装甲を貫いて転がし、続いて反撃で航空機関砲を撃ち始めた所で数発直撃させられながら右腕を撃ち砕き、最後に腹部に直撃させた。 その隙に接射しようと接近した急造量産型ヒトガタもあの反応速度で対処し、徹甲弾のようなもの一撃で沈める。 最後にネイナがレールキャノンを構えて接近して撃ちこむがバックステップで避けられた。……そのときに無力化されたと思われたおじいさんの左腕がピンクサファイアのしっぽを掴み、そのまま振り回されて瓦礫に叩き付けられた。 その時に取っ組み合いが始まり、チャンスと見たネイナは再装填を終えたレールキャノンを構えたが左背部の少し変形してるガトリングガンが射撃を始め、ネイナがもっていたレールキャノンを破壊してしまった。 最後の最後で有効な武器を失ったと一瞬思いそうになったネイナは急造量産型ヒトガタとして完成した直後に戦ったあの出来事を思い出した。 ネイナ「一発だけなら……」 どうみても急造量産型ヒトガタでは撃ったら最後その身体を砕かれる航空機関砲に目を付けたネイナはそこに駆け寄り、重たい航空機関砲を持ち上げて取っ組み合っているおじいさんとピンクサファイアに近寄って行く。 ピンクサファイアが頭部装甲の装甲シャッターを食い破ったあたりでおじいさんはまだ動く左手で拳を作りピンクサファイアを殴り飛ばした。そのときにネイナは航空機関砲の照準をそこに合わせてトリガーを引き切った。一瞬でも身動きが取れない時間が発生さえすればよかった。 一発目が発射された時にネイナの右肩は鎖骨ごと粉砕され、二発目が発射された時には肩から離れ、三発目が発射された時にはトリガーを引いている手が砕かれて航空機関砲が宙を舞う。 充分に近い位置で撃たれた徹甲弾は2発がピンクサファイアに命中し、どちらも胴体の中央部を貫通してわずかしか動かなくなっていた。 ピンクサファイアは口から血を流し、破損したタービン音を鳴らす。 ピンクサファイア「……全力で戦えるなら例え死ぬことになっても楽しいって……本当だったんだね」 まだ生きている無線通信機能で再び喋り出すピンクサファイアだった。 ピンクサファイア「頭がウサギだから素晴らしい言い回しが思いつけないけど……、全力で戦わせてくれてありがとう」 ピンクサファイアの瞳は涙を浮かべるが言っていることは悔しさからの泣き言ではなく、嬉しさの表現と感謝にも聞こえる言葉だった。 その言葉を最後にしてピンクサファイアのタービン音は回らなくなり、無線通信もしなくなり、腐食性の血が燃え始めた。 おじいさんヒトガタ「目標のピンクサファイアは沈黙した……これにて我が隊は任務を完遂せり……被害状況は全損だ……」 横たわったネイナはおじいさんが発した任務完了を伝える無線通信を聞いてこの戦いが終わったような感覚を感じ、もういいよね、と考えて静かに眠った。
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海域での歴史では国際海域上での歴史について述べる。 なお本記事はノルマンディ半島政府によって記されたものであるため、 多少中立性に書けた文書となっています。そのことを留意した上でお読みください。 国際海域の開放以前 [#zf17cfad] 国際海域の開放以前、諸島は国際海域への進出が禁じられていた。 しかし永世中立国 ラ・マジョルカ島の国際機関によって海域への進出が提案された。 書類が発見できなかったため、提案された時期は不明であるが、 T.4243に執筆されたラ・マジョルカの公式文書Times 19にTRPGの名前が確認されることから、 この時期にはすでに提案されていたと思われる。 開放以前にはラ・マジョルカ島の主催により、海域進出に向けた合同演習が行われた。 この演習には多数の先進国が参加したようである。 開放直後(Prd.0~Prd.10) [#j8599245] Prd.0 T.5280 [#o48b57cc] 自由民主島、はくれえ島、Metroplex島が進出宣言をした。 Prd.1 T.5300 [#lec11ee0] 自由民主島が大型輸送艦を建造、はくれえ島が中型輸送艦を建造した。 さらに自由民主島がM型駆逐艦を開発。 この頃、合同演習島付近で多数の原油が発見される。 新たにかりん島、信号島、グリーン島が進出宣言をした。 Prd.2 T.5320 [#o3f5e6fc] 自由民主島が旧エコーズact3島を占拠し、 エコーズ内にあるレアメタル資源を採掘し始める。 Metroplex島が大型石油タンカーを、自由民主島がM型駆逐艦を一隻ずつ建造し、 はくれえ島がR型駆逐艦を、Metroplex島がM型戦闘機を開発した。 また自由民主島は盟友であったかりん島とグリーン島にM型駆逐艦の建造技術を譲渡した。 Prd.3 T.5340 [#pd593098] M型駆逐艦を自由民主島が二隻、かりん島が一隻製造し、 はくれえ島が小型石油タンカーを一隻製造した。 またはくれえ島が盟友の信号島へR型駆逐艦の建造技術を譲渡した。 Prd.4 T.5360 [#w73f2e63] (0,1)の油田をはくれえ島が占拠、石油プラットフォームを建造し、原油の掘削を開始する。 また、はくれえ島はR型駆逐艦を、自由民主島は小型石油タンカーを一隻ずつ建造した。 Prd.5 T.5380 [#f96a08a6] 自由民主島が(13,13)の油田に石油プラットフォームを建造し、原油の掘削を開始する。 Metroplex島はM型戦闘機を製造し、かりん島が大型輸送艦を一隻製造した。 Prd.6 T.5400 [#r7f615f5] かりん島が自由民主島管理下のエコーズact3島に上陸し占拠しようとしたが、 自由民主島派遣守備隊の妨害によって失敗する。 グリーン島は小型石油タンカーを一隻建造し、自由民主島がM型巡洋艦を開発した。 Prd.7 T.5420 [#z29f34e1] 自由民主島がグリーン島に(13,13)の石油プラットフォームを譲渡。 そして自由民主島は三隻のM型巡洋艦に、二隻のM型駆逐艦を建造、 さらにM型航空母艦を開発したとみられていたが、これはただのプロパガンダであり、 金銭的な事情で実際には建造どころか開発も行われなかったようである。(ノルマンディ半島公開の内部資料より) 自由民主島がグリーン島へM型巡洋艦の建造技術を譲渡。 Prd.8 T.5440 [#tac6f3e1] 自由民主島が三隻の巡洋艦を建造。 さらに二隻の航空母艦を建造したと発表があったが、上記のとおり実際には建造されなかった。 A型戦闘機が自由民主島によって開発発表されたが、こちらはきちんと開発されたようである。 自由民主島がM型巡洋艦の建造技術をかりん島へ譲渡した。 Prd.9 T.5460 [#j8a4f870] かりん島が大型石油タンカーを一隻建造。 諸島の活動が活発化してきたことにより、初めて武装海賊船が出現した。 Prd.10 T.5480 [#a3638b4a] さらに武装海賊船が出現。 ム~さん同盟とM.E.B.の対立(Prd.11~Prd.20) [#x9ac6446] Prd.13 T.5540 [#r7e72cb8] 国際機関により自由民主島の艦船の売却が命じられる。 これは負債の債務弁済の見込みが低かったからである。 Prd.14 T.5560 [#c5f7985b] TRPG初の会戦が発生した。自由民主島所属フリゲートと、武装海賊船によるものである。 自由民主島のM型巡洋艦が二隻はグリーン島へ譲渡され、もう二隻は廃棄処分とされた。 Metroplex島がP型駆逐艦を開発した。 また、合同演習島においてボーキサイト鉱山が発見された。 Prd.15 T.5580 [#cd8c0cdc] 自由民主島がグリーン島へ譲渡した石油プラットフォームを新規建造し、 新規建造された部分を自由民主島が管理、原油の掘削が開始される。 またはくれえ島が合同演習島を占領。同島の鉱山からボーキサイトの採掘が開始される。 自由民主島が攻撃機を多数製造し、 Metroplex島はP型駆逐艦を、グリーン島と自由民主島は大型石油タンカーをそれぞれ一隻ずつ建造した。 さらにグリーン島、かりん島へA型攻撃機の技術が譲渡される。 Prd.16 T.5600 [#z088f607] ム~さん連合軍がはくれえ島占領下の合同演習島に上陸、同島を占拠し、 自由民主島・グリーン島によって、同島よりボーキサイトの採掘が開始された。 同時に自由民主島所属攻撃機がはくれえ島所属民間船舶二隻に対し、対艦攻撃を行った。 これにより、自由民主・はくれえ間の緊張が一気に高まり、 自由民主島は中立国ラ・マジョルカ島によってテロ支援国家に指定された。 この混乱に乗じ、Metroplex島は(13,13)に存在するグリーン島の石油プラットフォームを占拠する。 Metroplex島がM型戦闘機、P型駆逐艦を一隻建造し、はくれえ島が駆逐艦を一隻廃棄した。 Prd.17 T.5620 [#p52bbbe1] ム~さん連合軍がはくれえ島所有の石油プラットフォームを占拠し、 自由民主島が原油の掘削を開始する。 グリーン島はMetroplex島と盟約を結び、Metroplex島の石油プラットフォーム(13,13)はグリーン島へ返還され、 Metroplex島は同地に新たな石油プラットフォームを建造した。 さらにMetroplex島が駆逐艦、戦闘機、大型石油タンカー、中型輸送艦を建造し、P型巡洋艦を開発した。 Prd.18 T.5640 [#b6a3b67e] かりん島がム~さん連合所有の石油プラットフォームより原油を掘削し始める。 自由民主島所属の合同演習島付近へ向かう民間船舶がMetroplex島によって妨害される。 Prd.19 T.5660 [#u94e1b07] はくれえ島が中型輸送艦を一隻建造。 国際機関により自由民主島の兵器の売却が指示される。 自由民主島の没落 (Prd.20~Prd.30) [#ifbdaa25] Prd.20 T.5680 [#y3698b82] はくれえ島が自由民主島管理下の合同演習島へ上陸。同地を占領した。 また、同島は小型石油タンカーを製造し、R型戦闘機を開発した。 Prd.21 T.5700 [#h0c62cb1] はくれえ島がム~さん同盟、自由民主島保有の石油プラットフォームを占拠し、中型輸送艦、R型戦闘機を建造。 また信号島へR型戦闘機の製造技術譲渡を行った。 Prd.22 T.5720 [#lf8e16b4] はくれえ島が自由民主島管理下のエコーズact3島に上陸、同島を占領する。 Metroplex島が二隻の艦船を廃棄。 そして、ついに自由民主島が財政破綻し、海域からの撤退を余儀なくされた。 Prd.23 T.5740 [#xece73bd] ム~さん同盟、かりん島保有の石油プラットフォームがはくれえ島に占拠される。 またはくれえ島が小型石油タンカーを一隻製造し、 Metroplex島が一隻の駆逐艦を廃棄、複数の戦闘機をスクラップ処分とした。 Prd.24 T.5760 [#hcf0c1ab] はくれえ島が自由民主島が保有していた石油プラットフォームを占拠。 Metroplex島が二隻の船舶を廃棄した。 自由民主島の没落による状況の安定化(Prd.31~Prd.50) [#l5e29128] Prd.40 T.6080 [#c70ff208] グリーン島が二隻の巡洋艦を廃棄、戦闘機をスクラップ処分とした。 Prd.41 T.6100 [#sb2d28a4] 旧かりん島にて銅山が発見される。 Prd.42 T.6120 [#s8a15bea] グリーン島とはくれえ島の大型輸送艦が武装海賊によって同時に襲撃される。 Prd.43 T.6140 [#z989f14e] 新たにはくれえ島の小型石油タンカーが武装海賊に襲撃される。 はくれえ島の大型輸送艦の乗員は武装海賊により処刑、艦は武装海賊により撃沈。 グリーン島を襲撃した武装海賊船が、グリーン島攻撃機による対艦攻撃で撃沈された。 また、グリーン島が旧かりん島を保護。銅鉱石の採掘を開始した。 はくれえ島はR型巡洋艦を開発した。 Prd.46 T.6200 [#mbb6adda] はくれえ島がR型巡洋艦を一隻、大小輸送艦を一隻ずつ建造した。 Prd.47 T.6220 [#a3d23da6] グリーン島保護下のかりん島に対してはくれえ島が上陸し同島を占拠。 Prd.48 T.6240 [#o9c39855] グリーン島がかりん島に上陸し、一部を保護。 Prd.49 T.6260 [#m89055a0] はくれえ島が三隻の駆逐艦を建造する。 はくれえ島による覇権確立(Prd.51~Prd.70) [#p9b05b47] Prd.66 T.6600 [#zf54f532] はくれえ島が多数の輸送艦隊を編成。 グリーン島の小型石油タンカーが武装海賊に襲撃される。 Prd.68 T.6640 [#p6fdb8cc] 武装海賊が人質を解放。 Prd.69 T.6660 [#qa068b30] グリーン島がM型駆逐艦を一隻建造。 ゲルファント大公国諸島の進出(Prd.71~Prd.100) [#qcbb8704] Prd.72 T.6720 [#n91f3d4f] ゲルファント大公国諸島が海域への進出を決定する。 Prd.79 T.6860 [#m717c135] 国際機構で自由民主島の名前が変更され、ノルマンディ半島となった。 Prd.80 T.6880 [#s0337bbe] Metroplex島がP型駆逐艦とP型巡洋艦の製造技術をゲルファント大公国諸島へ販売。 Prd.86 T.7000 [#tea0c783] はくれえ島が大型輸送艦、中型輸送艦を一隻ずつ建造。 Prd.90 T.7080 [#v57263e3] 5,6島(旧かりん島)からグリーン島戦力を排除。はくれえ島が同島を完全に制圧。 ゲルファント大公国諸島の活動本格化 (Prd.101~現在) [#t4c5236c] Prd.108 T.7440 [#k1dc20f0] ゲルファント大公国諸島がP型巡洋艦二隻製造、P型駆逐艦、大型輸送艦、中型輸送艦を一隻ずつ製造した。 滅亡したMetroplex島において銀山が発見される。 Prd.109 T.7460 [#p397ebeb] ゲルファント大公国がMetroplex島との盟約に基づき、Metroplex島を保護、 また巡洋艦一隻を建造する。 ノルマンディ半島がゲルファント大公国に対し、M型駆逐艦とA型攻撃機の建造技術を販売した。 Prd.111 T.7500 [#raf6f332] ゲルファント大公国がA型攻撃機と大型石油タンカー一隻を生産。 はくれえ島がS型巡洋艦を建造した。 Prd.112 T.7520 [#ocff5371] ゲルファント大公国が無人化していた旧自由民主島の石油プラットフォームを占拠し、原油の採掘を開始した。 また同島がM型駆逐艦を一隻建造。 Prd.114 T.7560 [#r389f64c] ゲルファント大公国が二隻の武装海賊船を撃沈。 あとがき [#v57c1c06] 公式ガイドのためにがんばったんじゃなくて、 暇だったから書いただけなんだから勘違いしないでよね! [[ノルマンディ半島外務省広報文化交流部 ノルマンディ半島]]
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ミサイル・補助 対生物 ○ 対機械 ◎ アローMCS 価格:2600 命中率 62 射程 S 威力 22 チャージ 66 弾数 35 重量 12 実射程:5-6マス 主力型ミサイルで威力はそれなり。 4HIT(4発のミサイルが範囲内の敵に分散して発射される)。 スパイクの下位互換的な立ち位置だが、命中が低くて当たらない。総火力は主力型にしては高いのでライセンスや補助装備で補強すれば化けるだろう。 スパイクMCS 価格:4500 命中率 77 射程 L 威力 24 チャージ 104 弾数 60 重量 20 実射程:9-11マス 支援型ミサイル。敵を一掃できる。 8HIT(8発のミサイルが範囲内の敵に分散して発射される)。 圧倒的制圧力とカスタム性で最も使いやすい強武器。壁越し、崖越しに攻撃出来る点もあり、使わないのは一種の縛りとも言える。 BH-MCS 価格:4000 命中率 50 射程 M 威力 40 チャージ 72 弾数 8 重量 18 実射程:6-8マス 正式名はボンバヘッド。飛行型用。攻撃力は高く、命中精度は高くない。 2HIT。 偵察型は攻撃に参加することが少ない為、あまり使えない。施設ダメージが高いとか何か特徴があれば良かったものの。 MN-MCS 価格:8500 命中率 95 射程 L+ 威力 99 チャージ 160 弾数 30 重量 24 実射程:9-12マス 正式名はメテオノバ。支援型ミサイルで圧倒的な攻撃力を持つ。 2HIT。 単発威力はミサイル最高だが、スパイクと違い目標にしか飛ばないので制圧力がない。ガードを相手するならこちらの方がいいかもしれないが。 タリスマニア 価格:14500 命中率 55 射程 L+ 威力 315 チャージ 172 弾数 25 重量 22 ミサイル武力抗争に関する兵器規制条約で製造禁止の兵器。使えば、時空の歪みによる甚大な被害を及ぼす。 範囲攻撃(3×3) 着弾予定地点までの距離に応じてミサイル→エネルギーと属性が変わる可変武器。ミサイル属性の時に当たるとMCS同様単体にヒットするが、エネルギー属性に変化すると3×3の範囲着弾となる。命中率が低いがミサイル属性でしか適用されておらず、エネルギー属性ではほぼ確定で当たる。 弾速がかなり遅い為、1対1だと詰められてエネルギー属性に変わらないこともしばしば。だが、主力戦車すら1発で撃墜する威力は他の武装にない魅力でもある。 弾数はメタルイーター同等なので、弾数補強より威力やチャージ短縮の方がシナジーが強い。 余談だが、S無式・終焉×2でゲーム中最高硬度の城壁すら1撃で破壊出来るようになる。 リトルウォーリア 価格:3000 命中率 30 射程 S 威力 13 チャージ 68 弾数 40 重量 18 実射程:3-5マス 総合的な能力は低い。 対地専用。範囲攻撃(3×3)。 当たらない、食らわない、弾切れ早いの3拍子。ライフェンの足枷とも言える。 グランドナイト 価格:3300 命中率 52 射程 M 威力 36 チャージ 46 弾数 96 重量 20 実射程:5-9マス 支援型専用、対地支援ロケットコンテナシステム。 再装備機構の向上により制圧能力が向上している。 対地専用。範囲攻撃(3×3)。 なまじ射程があるせいで地面を撃つとウロウロしがち。対面性能は高いので集団戦ならこれ。 グランドアーチャ 価格:5500 命中率 48 射程 M 威力 36 チャージ 64 弾数 62 重量 20 実射程:7-11マス 対地専用。範囲攻撃(3×3)。 グランドナイトより射程が若干長い(射程Lよりは短い)。 弾数は犠牲になっている。 あらゆる意味でグランドナイトの下位互換。価格も高くて弾数・命中が減少、オマケに射程が伸びすぎて更に扱い辛い。 グランドマスター 価格:5900 命中率 65 射程 M 威力 60 チャージ 52 弾数 32 重量 24 実射程:6-9マス 支援型ロケット。弾の減少分は攻撃力で補っている。 対地専用。範囲攻撃(7×7)。 ジャマーと友達。補助装備により圧倒的な面制圧で前衛をフォロー出来る。不安なのは弾切れくらい。 Bウォーリア 価格:7600 命中率 66 射程 M 威力 36 チャージ 26 弾数 121 重量 22 実射程:6-9マス バーサーカーウォーリア。 対地専用。範囲攻撃(3×3)。 X-13仕事人、Final missionメギドで入荷。 涅槃ルート、ヴァダールートでは入荷しない。 最強ロケット。連射武器と同速で繰り出される範囲攻撃は狂気以外の何物でもない。弾数も潤沢なので補助装備2つ積んでも安定感は凄まじい。 O-チビマル 価格:4200 命中率 60 射程 S 威力 36 チャージ 450 弾数 無限 重量 9 実射程:1-6マス 攻撃機を2個射出。計10回攻撃。弾数回復30秒。 自立攻撃機としては心許ないが、超能力型は重量の兼ね合いで持たざるを得ない。 O-マル 価格:9700 命中率 70 射程 M 威力 81 チャージ 610 弾数 無限 重量 12 実射程:1-9マス 攻撃機を4個射出。計20回程攻撃。弾数回復40秒程。 O-チビマルの上位版 上位互換だけあってかなりの火力があるが、手動で撃つと倒す度に次の敵を指示する必要がある。防衛向きか。 装備早見表 ※トルペの装備可能に「O-マル」が表示されるが最大載積量の問題で装備はできない。 ブラ エス アクリ アクー ドレ スコ スカ グラ 夜叉 阿修羅 アグ パグ シー メイ ラー バイ トル クー ライ バラ アクチ ウダチ スタン レン 亜美 アラ ズィ アローMCS ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ スパイクMCS ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ BH-MCS ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ MN-MCS ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ タリスマニア ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ リトルウォーリア ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ グランドナイト ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ グランドアーチャ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ グランドマスター ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ Bウォーリア ○ ○ ○ ○ ○ ○ O-チビマル ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ O-マル ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
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アメリカ軍機一覧 ボーイングB-17Gフライングフォートレス ダグラスA-20Gハボック ノースアメリカンP-51Dマスタング リパブリックP-47Dサンダーボルト (アドオン経由)(XBOX360) 陸軍航空 ボーイングB-17Gフライングフォートレス ダグラスA-20Gハボック ダグラスA-20ハボック/DB-7ボストンは、攻撃機、軽爆撃機および夜間戦闘機などのヴァリエーションがあり、第二次大戦中、米国や英国の空軍、ソ連の空軍および他の空軍で活躍した、双発機群でした。 連合国空軍は爆撃機型をボストンおよび夜間戦闘機型をハボックとして指定しました。 米陸軍航空隊は、A-20ハボックとして知られている航空機を受領しました。 RAF(英国空軍)によって生産された最初の改造型は、ボストンMk IIIと指定されたDB7Bでした。 同じ指示は以前にフランスによって命じられて、DB-73に与えられました。 軽爆撃機として主として使用されるこれらの航空機は、DB7Aと同じエンジンを装備しており、より大きな燃料タンクがありました、ボストンMkⅠ,Ⅱは英国人が改良したかった弱点があった。 合計780のボストンMk IIIがイギリスによって購入された。 しかしながら、少数が輸送の間に失われました。また、多数はソ連へ次に送られました。 ノースアメリカンP-51Dマスタング リパブリックP-47Dサンダーボルト (アドオン経由)(XBOX360)
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【日本語名称】 【現地語名称】 imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (【図面ファイル】) 艦級情報 艦種 航空母艦 運用者 imageプラグインエラー ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。アライド連合王国 建造者 imageプラグインエラー ご指定のページがありません。ページ名を確認して再度指定してください。アライド連合王国 建造期間 1029年 - 1035年 就役期間 1030年 - 1057年 計画数 4隻 建造数 4隻 前級 ファレトカルシャエ級 次級 オルトリスカェ級ポドコフカェ級 船体諸元 目次 全長 258m 艦史 設計 装備 兵装 補助兵装 艦載機 同型艦 派生型 関連項目 全幅 42m 全高 42m 吃水 7m(満載8.3m) 乗員 3,170名 基準排水量 27,980t(2番艦) 満載排水量 36,620t(2番艦) 装甲諸元 装甲材質 【装甲材質】 舷側 艦首【装甲厚】mm艦央【装甲厚】mm艦尾【装甲厚】mm 甲板 艦首【装甲厚】mm艦央【装甲厚】mm艦尾【装甲厚】mm 吃水下 艦首【装甲厚】mm艦央【装甲厚】mm艦尾【装甲厚】mm 艦底 艦首【装甲厚】mm艦央【装甲厚】mm艦尾【装甲厚】mm 司令塔 上盾【装甲厚】mm前盾【装甲厚】mm側盾【装甲厚】mm後盾【装甲厚】mm 機関諸元 機関方式 蒸気タービン方式 主缶 モルテピェ MLT44-2 ボイラー8基 主機 モルテピェ M-590-4 蒸気タービン4基 機関出力 44,500馬力×4基 電源 プルシュキ PL-33 直流発電機4基 電力 30,000kW×4基 最高速度 30kt 巡航速度 14kt 燃料 重油5,500t 推進器 スクリュープロペラ4軸 航続距離 14kt時11,200海里(2番艦) キールカルシャエ級航空母艦はアライド連合王国海軍の航空母艦の艦級。前級のファレトカルシャエ級航空母艦で妥協した点を見直し、様々な部分に試作段階の武装やシステムを導入している。代表的なものはアングルドデッキや蒸気カタパルト、装甲甲板などであり、これらの設備は戦後のジェット艦上機の運用に影響を与えた。4隻が計画され4隻が就役したが、各同型艦ごとに異なる試験運用を行ったために細かいスペックが異なるのが特徴。 艦史 対ファタ・モルガナ政策の1つである第二次五ヶ年計画の最終段階として建造された航空母艦であり、ファレトカルシャエ級航空母艦の強化発展型として設計・建造されていた。しかし、第二次エルスカジ議会がレムファータ諸島(南部リァエム諸島)及びベリニアへの侵攻を強行したことで開戦に間に合わず、レムファータ紛争でこれらの艦艇がファタ・モルガナ帝国海軍と交戦することはなかった。レムファータ紛争ではアライド連合王国海軍の空母部隊がファタ・モルガナ帝国海軍の本土艦隊を打ち破り空母の有用性を証明したが、それにより連合王国海軍もファタ・モルガナ帝国海軍が今後建造するであろう航空母艦に対抗しうる航空機および、それを運用することができる航空母艦の建造に着手することとなる。レムファータ紛争終結後、建造中であった1番艦及び、起工前の同型艦は第二次五ヶ年計画の余剰予算などを用いて大幅な設計変更を行うこととなった。建造時点での主な変更内容は以下の通り。 甲板には300kg爆弾に耐えうる装甲を付与する(1番艦を除く3隻) 夜間発着艦能力の付与(1番艦及び3番艦) 双発戦闘攻撃機の搭載を可能とする(2番艦及び4番艦) アングルドデッキ化(全艦) アレスティングワイヤーの耐久性向上(2番艦及び4番艦) バイタルパートの装甲化(1番艦及び4番艦) 蒸気カタパルトの設置(2番艦及び4番艦) 対空兵装の増設(全艦) 対空レーダーの増設及び変更(全艦) 上記のような設計変更を行ったために量産性は度外視されており、試作装備の運用艦としての意味合いが強い艦艇となった。建造期間は予定の1.5倍程度に伸び、コストも前級の1.8倍というとんでもない艦艇になってしまった。 設計 装備 兵装 兵装 名称 基数 プルシュキ P-32 20DL4連装機関砲 25基 プルシュキ P-22 13DL連装機関砲 24基 補助兵装 補助兵装 名称 基数 情報処理 【兵装名】 【基数】基 射撃管制 【兵装名】 【基数】基 電波探信儀 【兵装名】 【基数】基 音波探信儀 【兵装名】 【基数】基 電子戦装備 【兵装名】 【基数】基 補助装備 舷側エレベーター 2基 甲板エレベーター 1基 蒸気カタパルト 2基 艦載機 艦載艇・艦載機 名称 搭載数 艦載機 1番艦(1032年~1037年) KN-33艦上戦闘機 53+4機 KN-29艦上攻撃機 43+2機 合計 96+6機 艦載機 2番艦(1033年~1040年) KN-38艦上重戦闘攻撃機 50+8機 合計 50+8機 同型艦 同型艦 艦番号 艦名 起工 竣工 退役 Tf220-1 キールカルシャエ 【起工日】年月日 【竣工日】年月日 【退役日】年月日 Tf220-2 オリガ 【起工日】年月日 【竣工日】年月日 【退役日】年月日 Tf220-3 アレサリケ 【起工日】年月日 【竣工日】年月日 【退役日】年月日 Tf220-4 ケリトカルシャエ 【起工日】年月日 【竣工日】年月日 【退役日】年月日 派生型 関連項目
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飛行機(固定翼機) ヘリコプターに分類されない航空機の機体は基本的にここに分類される。 垂直離着陸機もここの分類となる。 IDの変更は、以下のフォルダ内のテキストファイルで可能。 .minecraft\mods\mcheli\assets\mcheli\planes 艦上戦闘機 零式艦上戦闘機21型 Su-33 フランカーD F-14D スーパートムキャット FA-18/F スーパーホーネット F-35C ライトニング II 攻撃機 A-10 サンダーボルトⅡ エンブラエル EMB-314 F-15E ストライクイーグル AC-130 H スペクター マルチロール機 Mig-29 フルクラ厶 トーネード IDS トーネード GR.4 Su-37 ティルミナートル Su-47 ベールクト F-22A ラプター F-35A ライトニング II F-15 S/MTD 爆撃機 フィーゼラー Fi167 雷撃機 B-29 スーパーフォートレス B-2A スピリット 練習機 T-4 中等練習機 輸送機 C5A ギャラクシー 民間機 MD-90-30ER ピアッジョ P.180 アヴァンティII An-2(消防用) PZL M-18(農業用) 水上機 水上戦闘機 強風 零式水上観測機 セスナ 172 マッキM.C.72 飛行艇 US-2救難飛行艇 二式飛行艇 マッキM33 垂直離着陸機 BAe ハリアー II(英) AV-8B ハリアー II(米) F-35B ライトニング II MV-22 オスプレイ
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御指摘頂いておりましたイージス巡洋艦長門型と同駆逐艦雪風型の改定案です。 長門型ミサイル巡洋艦(フライトⅢ~Ⅳ) 長門、陸奥、伊勢、日向、扶桑、山城、尾張、肥前、肥後、伊予、摂津、美濃、他 就役中 48隻 建造中 6隻 基準排水量 13,700t 満載排水量 16,900t 全長 197.6m 全幅 19.8m 喫水 9.3m 速力 32kt 乗員 270名 主機 艦船用エナジーフィラー/同プラズマモーター2基 推進 スクリュー 軸数 2軸 機関出力 105,000馬力 兵装 62口径155㎜単装電磁速射砲(先進電磁砲装置) 1基 97式20mm機関砲 2基(近接防御火器装置・毎分3,000~4,500発) 垂直発射装置 前部 64セル 後部 72セル 3連装短魚雷発射管 2基 艦載機 VTOL 2機 無人偵察・攻撃機 2機 雪風型ミサイル駆逐艦(フライト?~?) 雪風、太刀風、陽炎、不知火、黒潮、天津風、磯風、時津風、浦風、嵐、萩風、谷風、早風、野分、浜風、舞風、秋雲、春風、他 就役中 40隻 建造中 8隻 基準排水量 12,600t 満載排水量 15,450t 全長 186.2m 全幅 22.0m 吃水 8.2m 速力 33kt 乗員 200名 主機 艦船用エナジーフィラー/同プラズマモーター2基 推進 スクリュー 軸数 2軸 機関出力 100,000馬力 兵装 62口径155?単装電磁速射砲(先進電磁砲装置) 1基 97式20mm機関砲 2基(近接防御火器装置・毎分3,000~4,500発) 垂直発射装置 前部 64セル 後部 48セル 3連装短魚雷発射管 2基 艦載機 VTOL 1機 無人偵察・攻撃機 1機 日本海軍の現用イージス艦艇、長門型巡洋艦、及び雪風型駆逐艦は前世代であるフライト?~?Aのイージス艦艇に使用されていたレーダーとは異なる 次世代型イージス艦用の新レーダーシステムと消費電力の増大に伴い開発された大容量の新型艦船用エナジーフィラーを搭載。 既存の艦艇よりも大型化した船体には金剛型、秋月型に比べミサイル搭載数・艦載機数共に強化され一層の打撃力・防衛力向上が図られており、 全艦が対誘導・弾道弾迎撃システムも備えている。 注 弾道ミサイル技術は2010年対ブリタニアに備えて日本で研究開発がなされており、 同時期にブリタニアが開発してくる可能性も見据えたうえで迎撃システムMDの研究開発も行われていた為に 本来ギアス世界には存在しなかった筈の両技術が生み出されている。 注2 同時に弾道ミサイル用のプラズマロケットがそのまま衛星打ち上げにも用いられている為に、宇宙開発としての平和利用にも貢献。 注3 プラズマロケットを用いたICBM=大陸間弾道ミサイル保有国は現在日ブのみであり、保有されていると目される国は合衆国オセアニア。 その他開発疑惑国に中華連邦、E.U.ユーロピア共和国連合、合衆国東アフリカ、大清連邦、高麗共和国等がある。 注4 日本は1940年代より相転移・消滅兵器フレイヤの開発も同時に進めていたが既知の原子力知識では…… 後にブリタニアとの共同研究で……
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710 枯れた名無しの水平思考[]2006/06/21(水) 22 45 10 ID HFtMLngY0 誰か砂漠の嵐(でしたっけ の攻略方法を教えてください 速攻でボこられてしまって… 711 枯れた名無しの水平思考[]2006/06/21(水) 23 31 48 ID czY9nNKJ0 真ん中の補給基地の右斜め上で、対空兵器と戦車を壁にして自走砲で敵の対空兵器と 歩兵を優先して攻撃。 このとき敵の自走砲2部隊以上の射程に入ったなら射程外にいったん引く あとはやられそうな部隊は基地で回復して攻撃をくりかえせばOkかと・・ 敵の本拠地以外の対空兵器をつぶしたら攻撃機とヘリで楽に始末できます 712 枯れた名無しの水平思考[sage]2006/06/22(木) 00 24 13 ID bKF1UWEx0 さっさと全軍で敵本部占領しに行けば上の敵追いつく前に終わる 713 710[]2006/06/22(木) 20 43 14 ID olNc58Hk0 711 ありがとうございました。
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186 :4:2012/08/01(水) 02 02 52 憂鬱本編第8話登場兵器一覧 1/5 1936年 『政治家達の失態による民主政治の権威失墜と 軍部の膨張という悪夢を何とか防ぎ、経済成長に乗った日本。 このままいけばいずれは欧米列強に真の意味で並び立てると、 日本政府首脳が思い始めた頃、世界は激動の最中にあった。 経済的苦境に喘いでいたドイツやイタリアではファシズムが台頭。 そしてスペインでは共産主義勢力が台頭しつつあった。』本編8話より抜粋 スペイン内戦:内戦は近い。 小規模の義勇軍でも、派遣が難しく積極的介入は不可能と判断。 旅順:旅順を初めとした大陸の港の能力向上。 ジープ・ハーフトラック:開発生産中。 九二式軽戦車:輸出は順調。 九七式中戦車:和製T34。 高コストであり使用する為のインフラ整備に辻~んでも骨が折れた。 『史実の九七式中戦車でさえ、日中戦争が無ければ採用されなかった。 国力が大幅に強化されたとは言え、 T34並の戦車の開発は高い買い物であることには間違いない。 まして『今』は『平時』なのだ。高性能戦車の開発を押し通すのは辻でも骨が折れた。 さらに戦車のみあっても意味が無い。 それを運用するためにインフラ整備は必要だった。』本編8話より抜粋 第三次海軍補充計画:金剛型、5500t軽巡の代艦の建造。 嶋田繁太郎:辻~んに追い討ちをかける。 第三次海軍補充計画、新型戦闘機開発の予算交渉中。 真崎甚三郎:欧州派兵に備え、辻~んと予算交渉中。 『「九二式の輸出はうまく言っているんだろう? 何で陸軍がこんなにケチケチしないといけないんだ?」』本編8話より抜粋 永田鉄山:真崎に援護射撃を行う。 『「我々は兵士達の命を預かっているんだ。彼らを欧州の、 異国の地で死なせるのなら、出来る限りのことはしておきたい」』本編8話より抜粋 辻正信:笑顔でドス黒いオーラを出す。 ボヤきながらも最終的には軍事予算の大幅な増額に同意することになる。 『辻は軍事予算の膨張による財政破綻を回避するため、 健全な経済成長を実現するために、必死に軍事予算を抑制していた。 軍部も辻の真意を知るが故にこれに協力してきたが、 第二次世界大戦への準備を行うには不足していることは否めなかった。』 『(準備不足のツケを兵士の命で払うわけにもいかない。 それにドイツの技術力は侮れない……準備は万全を期す必要があるか)』 『企業の買収によって、ドイツの技術の底力を知った辻はドイツの力を軽視できなかった。 さすがの彼も、自身が予算をケチった結果、多くの人間が欧州やアフリカの大地で 無為に死ぬことは避けたかったのかもしれない。』本編8話より抜粋 トランジスタ開発:それを利用した電子製品。 『開発には莫大な金が掛かっている。 何せ高純度のシリコン精製だけでも骨が折れた。 ましてそれを量産する体制を整えたのだ。 辻としては軍需のみに使うのはあまりに勿体無い…… それが本音だった。』本編8話より抜粋 187 :4:2012/08/01(水) 02 03 29 2/5 独逸 『反ユダヤ感情にあわせて反日感情が高まりを見せていた。 第一次世界大戦で他の列強と共にドイツから多くの富を強奪し、 世界恐慌やインフレでは暴利を貪り、さらにドイツ企業を多数買収。 おまけに一部の驕り高ぶった日本人が白人女を買いあさるとなれば、 反感を抱かれても仕方が無いだろう。』本編8話より抜粋 ヒトラー:中国事情と日本資本の動きにイラつき機嫌が悪い。 総合戦略研究所の調査を指示。 『「忌々しい黄色人種どもめ」 「我が国からあれだけ毟り取っておいて、まだ足りないというのか。 中国人といい、全く黄色い猿はユダヤ人よりも性質が悪い」』本編8話より抜粋 ゲッベルス:国民党の近況を報告。 ゼークト中将:独逸軍事顧問団揮。 独逸軍事顧問団:ゼークト中将指揮。国民党に派遣。 様々な支援で辛うじて戦線は維持されている。 国民党:現在、危機に瀕していた。半ば分裂状態にある。 求心力低下が著しく、民心の離反を招いている。 『米国の支援を受けた奉天軍閥は北京を含む華北部一帯を支配しており、 さらに華南部へ進撃しようとしていたのだ。 ドイツの顧問団の様々な支援で辛うじて戦線は維持されているものの、 好ましい状態ではない。これに加えて中国は日本の工作で国民党主導の統一と 近代化への道が急速に閉ざされており、このままではドイツの中国の市場と資源を 親独政権を利用して確保しようという目論みが潰えかねない状態だったのだ。 そんな中、中国では日米資本が各地で浸透を続けている。 これが面白いと感じるドイツの為政者などまずいないと言って良い。』本編8話より抜粋 奉天軍閥:『米国の支援を受けた奉天軍閥は北京を含む華北部一帯を支配しており、 さらに華南部へ進撃しようとしていたのだ。』本編8話より抜粋 188 :4:2012/08/01(水) 02 04 33 3/5 1936年7月 スペイン内戦:内戦勃発。 日本は、予め準備していた物資を スペイン政府に開戦初期に売りつけ儲けた。 軍事面では打てる手は多くは無く、殆ど傍観するしかなかった。 『英仏の不干渉につけこんで、取引はすべて金貨で決済していた。 ちなみに売りつけたのは恐慌の時に米国から安価で買い叩いた自動車や 大陸で売れ残った武器であり、 ベニスの商人もびっくりな悪辣な商売振りと言える。』本編8話より抜粋 総合戦略研究所:略して総研。先読みに不信感が抱かれるようになっていた。 『「………総研の連中は未来が判るのか?」』 『国内でさえ、そう思われるのだから、海外ではさらに不信感を抱かれる破目になった。 特に米英独ソは総研について細かく調査すると共に その調査の手を次第に夢幻会そのものへ伸ばしつつあった。』本編8話より抜粋 夢幻会:設立してから70年近い。総研の後ろ盾。 夢幻会会合 嶋田繁太郎:会合出席。 辻~んや伏見宮の奇行(?)慣れてきていた為、司会進行を勤める。 『「まぁ議題を進めましょう」 「……突っ込まないんですね?」 「もう構わないでしょう。彼は自分なりに国のために仕事をしているんです。 それなら任せておきましょう。たとえ性格と嗜好に問題があって、奇行に走る人物でも、 優秀な働き者には十分に働いてもらったほうが良いですから」』本編8話より抜粋 土肥原賢二:帝國中央情報局局長。会合出席。転生者。 伏見宮博恭王:会合出席。 辻正信:会合出席。 ルーズベルト:名前だけ登場。 ニューディール政策が機能しているとは言いがたいが、 ルーズベルトの支持率は低くはない。 副大統領候補:ガーナーからヒューイ・ロングに代わる可能性が高い。 ガーナー:名前だけ登場。 ヒューイ・ロング:名前だけ登場。人種差別主義者。 暗殺を免れた上に、ルーズベルトと袂を分かつことは無かった。 『これ以降、日本はより積極的にワシントンで ロビー活動を繰り広げることになる。』本編8話より抜粋 B29:原爆専用機の開発。 B29のような超重爆撃機の量産は不可能。 原子爆弾開発:第二次世界大戦に参戦してから。 連合艦隊をもう1セット揃えられるような予算を 捻出するのは戦時でもなければ不可能。 ICBM・SLBM:まだ研究段階。 情報局、外務省:連絡を取り合い米国の動向を調査。 189 :4:2012/08/01(水) 02 05 21 4/5 戦闘機不要論 『何とか軍備を対米6割で我慢させていた。 勿論、この軍縮ムードは航空機の分野にも及んでいる。 だが大艦巨砲主義者と航空主兵主義者は 共に大人しく軍縮を受容れていたわけではない。 前者は条約体制の打破を狙い、 後者は艦艇の出番を奪い去るような新型機の開発を推し進めた。 特に航空機の分野では未来情報によって、 開発が効率化したことで大きな進歩を遂げた。 しかしその結果、夢幻会が危惧していたような 戦闘機不要論が海軍内部で吹き出すことになった。』本編8話より抜粋 『彼ら戦闘機不要論者は、 九五式陸上攻撃機(史実の九六式陸上攻撃機に相当)の高性能振りに過信し、 爆撃機に中々追いつけない戦闘機など不要と声高々に主張した。 九六式戦闘機の登場で戦闘機不要論はある程度抑えることには成功したものの 未だに不要論は根強かった。特に航空主兵主義者たちは、 大艦巨砲主義者と目される伏見宮や 建軍以来のライバルである陸軍が戦闘機隊の派閥に 肩入れしていることに怒りさらに身内である 戦闘機パイロット達を裏切り者扱いして攻撃する始末であった。』本編8話より抜粋 嶋田繁太郎:防空訓練を実施。防空訓練に参加。 『この事態を打開するべく、 嶋田は大幅なショック療法を行わざるを得なくなった。 具体的には鼻高々になっている爆撃機パイロットたちの 自信を木っ端微塵にするために実戦訓練を、 それも開発したばかりの電探まで使った 防空訓練を行うことにしたのだ。』本編8話より抜粋 山本五十六:戦闘機不要論者。防空訓練に参加。 源田実:戦闘機不要論者。防空訓練に参加。 大西瀧治郎:戦闘機不要論者。防空訓練に参加。 『一方的な敗北を喫したことで、源田や大西といった戦闘機不要論者達は その影響力を大きく減衰させた。 主導権を得た夢幻会は、演習結果を元に戦闘機による制空権確保を目指し、 戦闘機の開発を大々的に推し進めていくことになる。』本編8話より抜粋 防空訓練:攻撃側は九五式陸上攻撃機。防御側は九三式戦闘機(複葉機)。 無線誘導、連携を行うことで、迎撃がより効率的に行われる。 そして攻撃側が全滅した。 『九五式陸攻の編隊はいいようにやられてしまう。 それは、日中戦争で複葉機によって 九六式陸攻が次々に撃墜された光景の再現であった。』本編8話より抜粋 九五式陸上攻撃機:史実の九六式陸上攻撃機に相当。防空訓練に参加。 九三式戦闘機:最高速度400キロの複葉機。防空訓練に参加。 九六式戦闘機:現時点で世界最強の単葉戦闘機。初期型の詳細不明。 陸上攻撃機:防空訓練の結果、大量に撃墜されたら多数の搭乗員を一気に失うので、 今後は機体を小型化や防弾を強化するなどして少しでも損害を減らす方針。 早期警戒網:防空訓練の結果から早期警戒網の構築の必要性が証明され、 海軍は本格的に防空体制を整備に着手。 伊吹型戦艦:「伊吹」「鞍馬」 『防空の重要性から第三次海軍補充計画で 建造する伊吹型戦艦は高角砲を増やすなど 防空力を重視する方針となった。』本編8話より抜粋 呉・長崎:伊吹型戦艦「伊吹」「鞍馬」の建造を開始。 ボフォース40ミリ機関砲:対空兵器の強化の為スウェーデンと交渉して 金星エンジンと引き換えに入手。 第三次海軍補充計画、陸軍の三ヵ年計画:承認。 日本は第二次世界大戦に備えた軍備増強路線にシフトした。 『各地の軍需工廠では久しぶりに活気に包まれ、 軍の基地では訓練が厳しくなっていく。 特に海軍は電探やボフォース機関砲の装備などで 相次いで艦艇がドック入りするのと平行して、 呉と長崎では金剛型の代艦である伊吹型の建造が開始される。 これまでの軍縮モードを一気に吹き飛ばすような景況であった。』本編8話より抜粋 米英は、日本陸海軍の急速な軍備拡張路線に不信を抱く。 190 :4:2012/08/01(水) 02 05 53 5/5 ホワイトハウス ホワイトハウスでは日本の軍備増強路線について協議がなされていた。 ルーズベルト:二選を果す。日本について協議。 さらなる調査を命じる。その直後がルーズベルト倒れる。 『夢幻会すら予想できなかった、 歴史の変化が起こった瞬間であった。』本編8話より抜粋 コーデル・ハル:国務長官。日本について協議。 張作霖:名前だけ登場。最近は態度が大きくなっている。 張作良:名前だけ登場。張作霖の息子。後釜の候補。 華北:奉天軍閥の支配下。 中国海軍:海軍基地の建設に続き、水雷艇、潜水艦の配備が予定。 3年以内には巡洋艦の運用開始。 中国海軍基地:青島に建設。 水雷艇、潜水艦:青島基地に配備予定。 オマハ級軽巡洋艦:「リッチモンド」「トレントン 」 中国海軍に引渡し3年以内に巡洋艦の運用開始。 対日調査報告書:これが近代化して70年程度の国なのか、そう思えてきてしまう。 『整備された交通インフラ、 年間生産量が2000万tに達した粗鋼生産能力、 倉崎、三菱などを中心とした優秀な航空産業や自動車産業。 金融も優秀なのは、これまでの経緯からも明らかだ。 米英は確かに日本へ色々と支援したが、 ここまでなるとは思いもしなかった。』本編8話より抜粋
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181 :4:2012/08/01(水) 01 57 36 本編時系列 提督たちの憂鬱 第8話 1/5 1936年 『政治家達の失態による民主政治の権威失墜と 軍部の膨張という悪夢を何とか防ぎ、経済成長に乗った日本。 このままいけばいずれは欧米列強に真の意味で並び立てると、 日本政府首脳が思い始めた頃、世界は激動の最中にあった。 経済的苦境に喘いでいたドイツやイタリアではファシズムが台頭。 そしてスペインでは共産主義勢力が台頭しつつあった。』本編8話より抜粋 スペイン内戦:内戦は近い。 小規模の義勇軍でも、派遣が難しく積極的介入は不可能と判断。 旅順:旅順を初めとした大陸の港の能力向上。 ジープ・ハーフトラック:開発生産中。 九二式軽戦車:輸出は順調。 九七式中戦車:和製T34。 高コストであり使用する為のインフラ整備に辻~んでも骨が折れた。 『史実の九七式中戦車でさえ、日中戦争が無ければ採用されなかった。 国力が大幅に強化されたとは言え、 T34並の戦車の開発は高い買い物であることには間違いない。 まして『今』は『平時』なのだ。高性能戦車の開発を押し通すのは辻でも骨が折れた。 さらに戦車のみあっても意味が無い。 それを運用するためにインフラ整備は必要だった。』本編8話より抜粋 第三次海軍補充計画:金剛型、5500t軽巡の代艦の建造。 嶋田繁太郎:辻~んに追い討ちをかける。 第三次海軍補充計画、新型戦闘機開発の予算交渉中。 真崎甚三郎:欧州派兵に備え、辻~んと予算交渉中。 『「九二式の輸出はうまく言っているんだろう? 何で陸軍がこんなにケチケチしないといけないんだ?」』本編8話より抜粋 永田鉄山:真崎に援護射撃を行う。 『「我々は兵士達の命を預かっているんだ。彼らを欧州の、 異国の地で死なせるのなら、出来る限りのことはしておきたい」』本編8話より抜粋 辻正信:笑顔でドス黒いオーラを出す。 ボヤきながらも最終的には軍事予算の大幅な増額に同意することになる。 『辻は軍事予算の膨張による財政破綻を回避するため、 健全な経済成長を実現するために、必死に軍事予算を抑制していた。 軍部も辻の真意を知るが故にこれに協力してきたが、 第二次世界大戦への準備を行うには不足していることは否めなかった。』 『(準備不足のツケを兵士の命で払うわけにもいかない。 それにドイツの技術力は侮れない……準備は万全を期す必要があるか)』 『企業の買収によって、ドイツの技術の底力を知った辻はドイツの力を軽視できなかった。 さすがの彼も、自身が予算をケチった結果、多くの人間が欧州やアフリカの大地で 無為に死ぬことは避けたかったのかもしれない。』本編8話より抜粋 トランジスタ開発:それを利用した電子製品。 『開発には莫大な金が掛かっている。 何せ高純度のシリコン精製だけでも骨が折れた。 ましてそれを量産する体制を整えたのだ。 辻としては軍需のみに使うのはあまりに勿体無い…… それが本音だった。』本編8話より抜粋 182 :4:2012/08/01(水) 01 58 45 2/5 独逸 『反ユダヤ感情にあわせて反日感情が高まりを見せていた。 第一次世界大戦で他の列強と共にドイツから多くの富を強奪し、 世界恐慌やインフレでは暴利を貪り、さらにドイツ企業を多数買収。 おまけに一部の驕り高ぶった日本人が白人女を買いあさるとなれば、 反感を抱かれても仕方が無いだろう。』本編8話より抜粋 ヒトラー:中国事情と日本資本の動きにイラつき機嫌が悪い。 総合戦略研究所の調査を指示。 『「忌々しい黄色人種どもめ」 「我が国からあれだけ毟り取っておいて、まだ足りないというのか。 中国人といい、全く黄色い猿はユダヤ人よりも性質が悪い」』本編8話より抜粋 ゲッベルス:国民党の近況を報告。 ゼークト中将:独逸軍事顧問団揮。 独逸軍事顧問団:ゼークト中将指揮。国民党に派遣。 様々な支援で辛うじて戦線は維持されている。 国民党:現在、危機に瀕していた。半ば分裂状態にある。 求心力低下が著しく、民心の離反を招いている。 『米国の支援を受けた奉天軍閥は北京を含む華北部一帯を支配しており、 さらに華南部へ進撃しようとしていたのだ。 ドイツの顧問団の様々な支援で辛うじて戦線は維持されているものの、 好ましい状態ではない。これに加えて中国は日本の工作で国民党主導の統一と 近代化への道が急速に閉ざされており、このままではドイツの中国の市場と資源を 親独政権を利用して確保しようという目論みが潰えかねない状態だったのだ。 そんな中、中国では日米資本が各地で浸透を続けている。 これが面白いと感じるドイツの為政者などまずいないと言って良い。』本編8話より抜粋 奉天軍閥:『米国の支援を受けた奉天軍閥は北京を含む華北部一帯を支配しており、 さらに華南部へ進撃しようとしていたのだ。』本編8話より抜粋 183 :4:2012/08/01(水) 02 00 12 3/5 1936年7月 スペイン内戦:内戦勃発。 日本は、予め準備していた物資を スペイン政府に開戦初期に売りつけ儲けた。 軍事面では打てる手は多くは無く、殆ど傍観するしかなかった。 『英仏の不干渉につけこんで、取引はすべて金貨で決済していた。 ちなみに売りつけたのは恐慌の時に米国から安価で買い叩いた自動車や 大陸で売れ残った武器であり、 ベニスの商人もびっくりな悪辣な商売振りと言える。』本編8話より抜粋 総合戦略研究所:略して総研。先読みに不信感が抱かれるようになっていた。 『「………総研の連中は未来が判るのか?」』 『国内でさえ、そう思われるのだから、海外ではさらに不信感を抱かれる破目になった。 特に米英独ソは総研について細かく調査すると共に その調査の手を次第に夢幻会そのものへ伸ばしつつあった。』本編8話より抜粋 夢幻会:設立してから70年近い。総研の後ろ盾。 夢幻会会合 嶋田繁太郎:会合出席。 辻~んや伏見宮の奇行(?)慣れてきていた為、司会進行を勤める。 『「まぁ議題を進めましょう」 「……突っ込まないんですね?」 「もう構わないでしょう。彼は自分なりに国のために仕事をしているんです。 それなら任せておきましょう。たとえ性格と嗜好に問題があって、奇行に走る人物でも、 優秀な働き者には十分に働いてもらったほうが良いですから」』本編8話より抜粋 土肥原賢二:帝國中央情報局局長。会合出席。転生者。 伏見宮博恭王:会合出席。 辻正信:会合出席。 ルーズベルト:名前だけ登場。 ニューディール政策が機能しているとは言いがたいが、 ルーズベルトの支持率は低くはない。 副大統領候補:ガーナーからヒューイ・ロングに代わる可能性が高い。 ガーナー:名前だけ登場。 ヒューイ・ロング:名前だけ登場。人種差別主義者。 暗殺を免れた上に、ルーズベルトと袂を分かつことは無かった。 『これ以降、日本はより積極的にワシントンで ロビー活動を繰り広げることになる。』本編8話より抜粋 B29:原爆専用機の開発。 B29のような超重爆撃機の量産は不可能。 原子爆弾開発:第二次世界大戦に参戦してから。 連合艦隊をもう1セット揃えられるような予算を 捻出するのは戦時でもなければ不可能。 ICBM・SLBM:まだ研究段階。 情報局、外務省:連絡を取り合い米国の動向を調査。 184 :4:2012/08/01(水) 02 00 45 4/5 戦闘機不要論 『何とか軍備を対米6割で我慢させていた。 勿論、この軍縮ムードは航空機の分野にも及んでいる。 だが大艦巨砲主義者と航空主兵主義者は 共に大人しく軍縮を受容れていたわけではない。 前者は条約体制の打破を狙い、 後者は艦艇の出番を奪い去るような新型機の開発を推し進めた。 特に航空機の分野では未来情報によって、 開発が効率化したことで大きな進歩を遂げた。 しかしその結果、夢幻会が危惧していたような 戦闘機不要論が海軍内部で吹き出すことになった。』本編8話より抜粋 『彼ら戦闘機不要論者は、 九五式陸上攻撃機(史実の九六式陸上攻撃機に相当)の高性能振りに過信し、 爆撃機に中々追いつけない戦闘機など不要と声高々に主張した。 九六式戦闘機の登場で戦闘機不要論はある程度抑えることには成功したものの 未だに不要論は根強かった。特に航空主兵主義者たちは、 大艦巨砲主義者と目される伏見宮や 建軍以来のライバルである陸軍が戦闘機隊の派閥に 肩入れしていることに怒りさらに身内である 戦闘機パイロット達を裏切り者扱いして攻撃する始末であった。』本編8話より抜粋 嶋田繁太郎:防空訓練を実施。防空訓練に参加。 『この事態を打開するべく、 嶋田は大幅なショック療法を行わざるを得なくなった。 具体的には鼻高々になっている爆撃機パイロットたちの 自信を木っ端微塵にするために実戦訓練を、 それも開発したばかりの電探まで使った 防空訓練を行うことにしたのだ。』本編8話より抜粋 山本五十六:戦闘機不要論者。防空訓練に参加。 源田実:戦闘機不要論者。防空訓練に参加。 大西瀧治郎:戦闘機不要論者。防空訓練に参加。 『一方的な敗北を喫したことで、源田や大西といった戦闘機不要論者達は その影響力を大きく減衰させた。 主導権を得た夢幻会は、演習結果を元に戦闘機による制空権確保を目指し、 戦闘機の開発を大々的に推し進めていくことになる。』本編8話より抜粋 防空訓練:攻撃側は九五式陸上攻撃機。防御側は九三式戦闘機(複葉機)。 無線誘導、連携を行うことで、迎撃がより効率的に行われる。 そして攻撃側が全滅した。 『九五式陸攻の編隊はいいようにやられてしまう。 それは、日中戦争で複葉機によって 九六式陸攻が次々に撃墜された光景の再現であった。』本編8話より抜粋 九五式陸上攻撃機:史実の九六式陸上攻撃機に相当。防空訓練に参加。 九三式戦闘機:最高速度400キロの複葉機。防空訓練に参加。 九六式戦闘機:現時点で世界最強の単葉戦闘機。初期型の詳細不明。 陸上攻撃機:防空訓練の結果、大量に撃墜されたら多数の搭乗員を一気に失うので、 今後は機体を小型化や防弾を強化するなどして少しでも損害を減らす方針。 早期警戒網:防空訓練の結果から早期警戒網の構築の必要性が証明され、 海軍は本格的に防空体制を整備に着手。 伊吹型戦艦:「伊吹」「鞍馬」 『防空の重要性から第三次海軍補充計画で 建造する伊吹型戦艦は高角砲を増やすなど 防空力を重視する方針となった。』本編8話より抜粋 呉・長崎:伊吹型戦艦「伊吹」「鞍馬」の建造を開始。 ボフォース40ミリ機関砲:対空兵器の強化の為スウェーデンと交渉して 金星エンジンと引き換えに入手。 第三次海軍補充計画、陸軍の三ヵ年計画:承認。 日本は第二次世界大戦に備えた軍備増強路線にシフトした。 『各地の軍需工廠では久しぶりに活気に包まれ、 軍の基地では訓練が厳しくなっていく。 特に海軍は電探やボフォース機関砲の装備などで 相次いで艦艇がドック入りするのと平行して、 呉と長崎では金剛型の代艦である伊吹型の建造が開始される。 これまでの軍縮モードを一気に吹き飛ばすような景況であった。』本編8話より抜粋 米英は、日本陸海軍の急速な軍備拡張路線に不信を抱く。 185 :4:2012/08/01(水) 02 01 25 5/5 ホワイトハウス ホワイトハウスでは日本の軍備増強路線について協議がなされていた。 ルーズベルト:二選を果す。日本について協議。 さらなる調査を命じる。その直後がルーズベルト倒れる。 『夢幻会すら予想できなかった、 歴史の変化が起こった瞬間であった。』本編8話より抜粋 コーデル・ハル:国務長官。日本について協議。 張作霖:名前だけ登場。最近は態度が大きくなっている。 張作良:名前だけ登場。張作霖の息子。後釜の候補。 華北:奉天軍閥の支配下。 中国海軍:海軍基地の建設に続き、水雷艇、潜水艦の配備が予定。 3年以内には巡洋艦の運用開始。 中国海軍基地:青島に建設。 水雷艇、潜水艦:青島基地に配備予定。 オマハ級軽巡洋艦:「リッチモンド」「トレントン 」 中国海軍に引渡し3年以内に巡洋艦の運用開始。 対日調査報告書:これが近代化して70年程度の国なのか、そう思えてきてしまう。 『整備された交通インフラ、 年間生産量が2000万tに達した粗鋼生産能力、 倉崎、三菱などを中心とした優秀な航空産業や自動車産業。 金融も優秀なのは、これまでの経緯からも明らかだ。 米英は確かに日本へ色々と支援したが、 ここまでなるとは思いもしなかった。』本編8話より抜粋