約 38,369 件
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/1404.html
「まった!キョン!!」 「なんだ、佐々木?」 「君は、今、何をしようとしている?」 「なにって、ラーメンに胡椒を入れようとしてるんだが?」 「これは、豚骨ラーメンだよ?」 「ふむ。その通りだが?」 「普通、豚骨ラーメンには、7味唐辛子だろう」 「え?そうか?」 「そうだよ。だって、高菜を7味唐辛子であえたものを、のせて食べるだろう」 「それは、店によらないか?俺の家は、皆胡椒だ」 「僕の家では、7味唐辛子だ。」 「胡椒の方がうまい!!」 「いや、7味だね」 「・・・・・」 「・・・・・」 「・・・・・キョン。君の奥さんになる人は、苦労するね。豚骨に胡椒を入れるんだから」 「佐々木の旦那も苦労するな。豚骨に7味なんて…」 「僕は、キョンのお嫁さんなんかならないよ!」 「俺だって、佐々木の婿にはならん」 「へー、キョン。君、女の子を選べるような甲斐性があるのかい?」 「悪かったな。どうせ、俺は、お前みたいに器量良しじゃないさ。」 「・・・・え・・・・」 「確かにお前は、美人だ。男にもモテるだろうよ。」 「・・・・・・・えっ」 「でも、その喋り方のせいで、男はよってこないね。かけてもいい」 「・・・・・んーっ?なんだってぇ?」 「まぁ、お前の相手できるのは、俺ぐらい・・・」 「・・・・・・・・・えっ・・・・・・・」 「・・・・・・・・キョ、キョン?あの・・・・・」(///) 「・・・・・・・・・あ・・・その」 「な、なんでもない!!失言だ!忘れろ!!」(///;) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」(///;) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」(///;) 「・・・・・・・・・・・・・・お、おいしいね。ここのラーメン」(///;) 「・・・・・・う、うまいな・・・・・・・」(///) 「・・・・・・・・・・・・おいしいね・・・・・・」(///) 「・・・・・・・ああ!・・・・」(///;)
https://w.atwiki.jp/marcher/pages/32.html
(4日目) FROM みや TO れーな 田中さん、おはようございます!今、学校に向かうバスの中です 隣に座ったおじさんの臭いにもうダウン寸前!! ×0× 昨日は時間が本当になくて、全然話しできませんでしたよね(涙) 今週の日曜日に何か予定ぁりますかぁ?夕方からでいいので、一緒に遊びに行きませんか? みやは田中さんのお話をしっかり聞きたいなぁ!!今日もぉ仕事頑張ってくださいねっ♪ ●月★日(金) PM 5 30 学期末のこの時期になるとテストが近づいてくる。優等生の光井は学校の図書室ではなく、都立図書館で勉強する。 光井のカバンはその日あった授業のノートと参考書が詰め込まれ、はじきれんばかりになっている。 「あれ、愛佳?今日も図書館行くの?明日、休みなんだから少しくらい休めばいいのに。 これからユリナとカラオケ行くんだけど、一緒に行かない?たまには気分転換しようよ」 「ありがとう、でも今度のテストはしっかり勉強したいから、またさそってえな。ほな~」 クラスメイトにバイバイと手を振りながら光井は最寄りの駅へと駆け出した。 道には少し雪が降り積もり、急いで走ると濡れてしまうので注意がいる。滑らないように早足で光井はかけていく。 夕方ということもあり、駅前にいるのは学生が目立つ。それから、遊びの帰りと思われる中学生や小学生もいる。 勉強する前に光井は軽い夕食を取るために駅前のコンビニに入った。 奥の棚においてあるお茶とサンドイッチを光井はかごに入れレジに並んだ。 前のお客が支払いをしているのを待っていると、お金の落ちる音がした。 ふと視線を下にすると光井の足元に数枚の硬化が転がってきていた。 「お金落ちましたよ。はい、どうぞ」 光井はしゃがんで目の前に落ちていた硬化を拾い、支払いをしていた前のお客に渡した。 「ありがとうございます」 ―ぺこりと頭をさげて彼女の手の平に小銭を置こうとした瞬間 バチッ ―静電気が走った まさかこのような場所で静電気が起こると思わない光井は驚いてしまった 「すみません、私、静電気が起こりやすいんです。びっくりしました?」 (そんな体質もあるんやなあと)と思いながら、軽く謝っているその人を見ていた。 「次のお客様、どうぞ」 コンビニの店員の声が聞こえたので光井はかごをレジの上に置き、カバンから財布を取り出した。 目を上げると先ほどのお金を拾ってあげた女の人は店から出て行ってしまっていた。 「あれ、近くの高校の制服やよね…いいな、あっちの方がかわいい制服やし…」 自分の着ている制服の胸についている赤いネクタイを無意識に触っていた。 ●月★日(金) PM 7 00 「ふぅ~今日も忙しいっちゃね~、愛ちゃん、コーヒー入れて~」 「また?はい、れいな」 高橋がれいな用のマグカップに砂糖を大量に入れた特製の激甘コーヒーを注いで渡した。 「愛ちゃん、ありがとう。そういえばね、今日の朝、こんなメール来たと」 れいなは朝に届いた雅からのメールを高橋にみせた 「今週の日曜日にみやが遊びに行こうって誘ってくれたと。 れーなも昨日しっかり話しできんかったやけん、もいっぺん会いたいんよ。 愛ちゃん、お願い休みちょうだい!この通り!!その分明日頑張るから!!」 れいなが手のひらを合わせて頼み込んだのをみて、高橋は何も言わずこくんと頷いた 「ほんとう!愛ちゃん、ありがとう!本当に優しくて大好きよ! でも、れーなの代わりにサユに手伝い頼むから、愛ちゃんの負担は増やさないようにするっちゃ」 「なんの話してるんデスか~」 「あ、リンリン、こんな時間に珍しいね。どうしたの?バイト、今日はいいの?」 中華料理屋でバイトしているリンリンが来るのは大抵夜遅く、閉店後であることが多いので非常に珍しい。 「店長が用事があるので、夕方ノお店お休してマス。リンリン、高橋サンのお手伝いに来まシタ!」 リンリンは満面の笑みでシャツの腕をまくりあげてながらカウンターに入ろうとする。 「ありがとうリンリン。でもね、今はちょっと余裕あるから大丈夫よ。リンリン、ご飯食べた?」 「マダで~す。そういえば夕ご飯マダでした!!高橋サン、何か食べたいデス!!」 いつもお腹ぺこぺこなリンリンを見て高橋は冷蔵庫から野菜を取り出し、トントンと刻み始めた 高橋の料理ができるまでリンリンはカウンター席に座り、カバンから筆ペンを取り出し何かを書き始めた 二階から下りてきた田中がリンリンが来ていることに気づき声をかけた 「あれ?リンリン、こんな時間に来るの珍しいやん。何を書いとうと?」 そう言ってリンリンの書いている物を覗き込んだ。しかし、すぐに額にしわをよせて離れた。 「れいな、何書いてあった?」 キッチンにいる高橋が野菜炒めを作りながら、れいなに尋ねてきた 「・・・読めん。全部、漢字で書かれていると!リンリン、なんて書いてあるんよ?」 「これはデスネ、リンリンの中国の友達から来た手紙の返事デス!!この前、また会いタイって来たので返事書いてマス! メールでもいいんですけど、手紙の方がいつまでも手元に残りマスし、いくらでも書けるデス! 手書きのほうが温カイから、リンリン、手紙を書いてマス!内容は秘密事項!」 完成した野菜炒めと焼きそばをリンリンの前に置きながら、高橋が手紙を覗き込んだ 「リンリンは本当にいい子だね。友達から来た手紙とか、メールの返信よりも何倍も嬉しいからね~ 何度も読み返すと文字一つ一つの温もりが伝わってくる気がするし… 私も誰かに書いてみようかな~」 集中して手紙を書くリンリンを愛おしげに高橋はじっくりと眺め始めた 「あ、高橋サン、そんなにミラレルとヒジョーに書きにくいデス・・・」 れいなはリンリンの前に置かれた野菜炒めをつまみ食いし、携帯をいじりはじめた 「れいなも昔の友達に今度、会うっちゃよ!今度、リンリンにも紹介するけん、楽しみにしとって! …送信っと」 暫くすると高橋とリンリンの携帯にメールが届いた 「『アドレス替えました 田中れーな』??れいな、今アドレス替えたの?」 「アドレス替えて、友達とのつながりを再確認するっちゃ!」 残念ながら宛先不明で帰ってきたメールが数件あったのをみて、うつむき加減のままれいなは言った ●月★日(金) PM 7 00 「あれ?矢口さん、お帰り早かったですね。ここ空いてますよ」 マルシェが夕食のコロッケを幹部専用の食堂で食べていると、矢口がふらふらと部屋に入ってきた 「あ~もう、おなかすいた~まったく、仕事は書類ばかりでつまらないし・・・」 ぶつぶつと独り言には聞こえない大きさの独り言を呟きながらマルシェの向かいに座った 矢口はお腹をさすりながらマルシェの食べているコロッケをじっと見ていた ごくっとつばを飲み込む音が矢口の喉からもれ、腹の虫が空腹を告げた 「(クッ)…矢口さん、おひとつどうぞ」 目に涙を浮かべながらマルシェは空腹の先輩に貴重な一個を差し出した 「まったくここのご飯も出て来るの遅いんだから~マルシェいなかったらおいら空腹で死んでいたよ」 コロッケを美味しそうにほおばりながらも、相変わらず口から出るのは愚痴ばかり 「矢口さん、大変なんですね」 「あったりまえじゃん、ほぼオリメンのおいらは常に忙しいのさっ。実験室にこもってばかりのマルシェと違ってね」 そうこうしているうちに注文した中華丼が出てきた 「そういえば、あの調査はどうなりましたか?」 「調査?なにそれ?」 箸を止めることなく矢口は中華丼のどんぶりを持ち上げてがっつくように食べ続けている 「あのボスから頼まれていた雅とかいう子の調査ですよ」 「そんなの知らないよ。だって、おいら昨日からずっと部屋にひきこもってるんだから」 (昨日の夜に飛び出し、一日もしないうちに帰ってくること自体が異常だよね。 実際に調査に言ったことは事実だし、それは私が知っている。 対能力者においての準備はトップクラスにするこの人が能力にかかったとは思いにくいし… それに、脳にダメージを与えるような大きな怪我はしていないよし…どういうこと?) そうこうしているうちに矢口は夕食を食べ終わり、お茶を飲み始めた 「そういえばよっしーはどうしたの?まだ、任務終わらないの?ちょっと頼みがあるんだけどな~」 「吉澤さんはまだお帰りになっていないようですよ。なんか、情報屋に扮して潜入しているらしいですよ ところで矢口さん、ちょっとこの後お時間いただけませんか?」 「マルシェが珍しいね~なに?新しい薬でもできたの?それともおいらに相談事かい? そうだ、マルシェに作ってほしいものがあるんだけどさ、ナイフでこう先がくねって曲がった…」 水を飲んで口を潤したマルシェは矢口を引き連れ、自分の研究室へと戻って行った ●月★日(金) PM 7 00 亀井と道重は二人で遊びに出掛け、両手にいっぱいの買い物をしていた 「えへへ、いっぱい買っちゃったね♪こんなに買っちゃって今月はピンチかも~」 「さゆみも結構買ったけど、エリよりは計画的に買ったから大丈夫。 もし、困ったらうちにおいでよ~」 「じゃあ、ふつつかな者ですが、今夜からよろしくお願いします」 「何それ~」 「サユだって嬉しいくせに♪」 亀井が冗談半分で頭を下げているのを見て道重はアハハと笑い始める 二人は約束していた洋菓子のお店を回り、その味をメモして回っていた 道重の卒業後、二人でお店を開くための参考になるような味を探し求め、アイデアを出し合っていた だが、実際メモに書かれたことは、お世辞にも綺麗とはいえない字でかかれた落書きと奇妙な絵だけであった 道重が覗き込んでもかろうじて「おいしい♪」だの「いちご」としか解読できそうになかった 「も~エリがまかせて!って言ったから頼んだのに、これじゃどのお店がよかったとかわからないじゃん!!」 道重は少しばかりご立腹な様子であるが、亀井はどこ吹く風、全く気にしないで笑っている 「え~大丈夫だって~エリのこの優秀な頭で美味しいお店は覚えてるから~」 「じゃあ最初に言ったお店の名前は?」 「・・・・ほら、あれだよ、あれ。わかるよね、あれ!」 「…覚えていないってことね。もぅ」 「そういう日もあるよ~エヘヘ~ご飯食べに行こうよ~」 そんな二人は道重の講義終了後、すぐにこの場に来て片手で数えきれないくらいのケーキ屋を訪れている 普通に考えるならばお腹いっぱいで動けないハズであるが、この二人ときたら 「そうだね。少し怒ったらお腹すいちゃった。どこ行こうか?」 「エリ、サユが行きたいところでいいよ!」 いっこうに食欲は尽きないようである 「じゃあ、あっちにあるお店にしよう。友達がね、この前個室のいいお店だって教えてくれたから」 二人は表通りからすこし外れた小さな路地にあるそのお店に向かって歩き出した 比較的そのお店までは距離があり、二人はぺちゃくちゃと話しながら歩いていた 気になるブランド品、大型の書店で「月島きらり」の握手会が明日開かれること、愛ちゃんの訛などネタは尽きない どれもこれも大したことはない話題であるが笑いあっているとなんだか楽しくなってしまう 亀井はヘラヘラ笑いながら歩くので、道重は車道に入らないか心配しつつも仲良く歩いている 「確か、この通りだったと思うんだけどな~エリ、××っていう看板見つけたら教えてよ」 「ほ~い…う~ん、ないね~」 道重は内心(エリは探す気がないんだろうな)と察しながら携帯を片手に必死に探していた キョロキョロと辺りを見渡していると「あの、すみません」と後ろから声をかけられた 振り向くと自分とほぼ同じ、もしくは少し上の年齢の女性が立っていた 手には何かの書類を持っているようで服装は非常にラフな格好で、メガネをかけている 「あの、ちょっとお尋ねしたいことがあるんですけど…」 長年の経験からして路上でこうやって声をかけて来るときはいい話は絶対にあり得ない 「あの、今、さゆみ達急いでいるんで、ごめんなさい」その一言を言う前に隣にいた亀井が先に口を開いた。 「どうしたんですか~」 相変わらずの空気を読まないのんびりした口調でメガネの女性に優しく声をかける。 道重は無意識に亀井の腕を掴んでいた。メンドクサイことに巻き込まれる前に逃げるために 亀井が笑顔で問いかけてきたのを見てメガネの女性はほっとした様子だった 「あ、よかった~みんな、止まってくれないから…あの、えっと、駅ってどっちですか?」 道重もほっと小さく安堵のため息をつき、自分の行動を思い返し少しばかり反省した。 ただこの場所で資料を持ち、メガネをかけた女性というだけで怪しいことと勝手に推測したことを申し訳なく思った。 そうやって思い改めて見直せば、メガネをかけているとはいえところどころにくだけたような印象を感じる。 おそらくかけているメガネもファッションの一つなのだろう 道重が注意深く考える癖を持つようになったのに対して亀井は昔とほとんど変わらない。 直感が働くというのか、何となく動くだけで良い結果を生みだすことになることが多い。 この適当さには見えない力が働いているのかもしれない、と道重はたまに羨ましく思うときがある。 道重がこのように考えているうちに、亀井は女性に駅への道を教え始めた。 「駅はですね~ここから、まっすぐ行って~・・・ですよ~」 非常に大雑把な説明だが、ポイントは押さえられており非常に分かりやすい 女性はその道を忘れないように視線を上に向け、頭の中で整理しているようであった。 そして一度では覚えきれないようで二、三度説明してもらいようやく理解したようである 道重がぼうっと亀井を見ていると女性の方に頭を下げ、女性が髪の毛に手を伸ばしている どうやら髪の毛に綿毛か何かが付着していたようで、亀井は取ってもらっているようだ 道を教えたのに恰好だけはなぜか亀井がお礼を言っているように頭を下げている格好になって妙におかしい 「ありがとうございます、亀井さん。ご丁寧に。本当に優しい方ですね!」 「ねえ?きいたぁ?サユゥ、エリ、いい人だって、エヘヘ・・・」 お礼を言われて嬉しそうにくねくね体を動かして道重の方を亀井はむいた。 道重はいつものことと思いつつ「よかったねえ」と適当にあしらった。 「ありがとうございました」と女性は道重の方にも一礼をして駅へと歩き始めた。 しかし、ほんの数歩歩いたところで女性は転んだ。どうやら、凍っていた路面で滑ったようだ。 歩道に手からついたので、運よく手袋をしていたとはいえ何らかの怪我をした可能性が高い。 思わず道重と亀井は駈け寄っていった。 「イテテ・・・」尻もちをつき、ちょっと恥ずかしげに顔を赤くして座り込む格好になっていた。 大丈夫ですか?と言いながら道重は手を差し出した。 必死に冷静を取りつくろい、すいませんと道重の手を取って女性は立ちあがった。 手を触れた瞬間に道重はちょっと掌に痛みが走ったような気がし、女性にさし出した掌に何か付いていないか見返した。 「ありがとうございます。本当に」というお礼の声を聞きながら道重は掌にくっついていたトゲを取り除いた。 「気を付けてくださいね。駅はあっちですからね」 駅への方向を指さし、道重は優しい声をかけ、女性はお礼をして駅の方向へと走って行った。 「さあ、エリ、お店探し再開しよ」 道重は亀井の手を握り、亀井もぎゅっと握り返した。 ●月★日(金) PM 8 00 図書館で勉強中の光井の机に置いておいた携帯電話がブルブルと震えた。 夕食を一緒に取っていた亀井と道重のお店のテーブルの上に置いたあった携帯電話がブルブルと震えた。 3台の携帯に届いたメールは全て同じで、文章はほんの一文のみ 『アドレス替えました 田中れーな』 「田中って誰やろ?」 「ねえ、『れーな』って誰だっけ?」 「さゆみにも来たの、知らないのこの人。なんか怖いね…」 三人は何も考えず届いたメールをすぐに削除した。 ●月★日(金) PM 8 30 計画は順調のようね…素直に嬉しいわ しかし、まさかこんなに簡単に行くなんて思わなかった…才能かしら? でも、明日はあの人と…おそらく一番難しいあの人との接触だから… メンバーのなかで一番慎重で、強力な精神系能力者のガキさんに接触するんだから 田中さんへの愛がこんなに深いなんて、あの人が知ったらきっと喜ぶでしょうね… フフフ、想像するだけで笑みがこぼれてくる… おっといけない、そろそろあのお店が終わるころね。急いでいかないと・・・ あと5人・・・ back 『Vanish!(3) 病むときにも愛する故に』 next 『Vanish!(5) 未完成のキズナ』
https://w.atwiki.jp/crossnovel/pages/25.html
人通りの少ない道で、砂埃が風に舞い上がる。 エールの艶やかな黒いショートカットの髪が揺れた。 地面の爆発が起きたところは黒く焦げて、エールの鼻に硝煙の匂いを届ける。 スズムシを模した茶色のワームを前に、エールは致命的な隙を晒していた。 『エール、変身しろ!』 モデルZの叫びが昼下がりの道路で響いた。 エールもその行為が正しい、と頭で理解しているのだが動けずにいる。 やがて茶色のワーム、ベルクリケタスワームが僅かに身動ぎをした。 エールが反応してどうにかライブメタルを掴むが、ワームの体表が水面のように飛沫を上げて見知った青年の姿に変わる。 柔らかい金の髪に、黒ぶちメガネ。タレ目気味の目に筋が通った鼻。 柔和な顔立ちは今はしかめ面を作っていた。 彼の右腕が動き、エールが反応する間もなく眼前にサソードヤイバーが差し出される。 「どういうつもり……? ジルさん」 「違う」 ジルはエールの言葉を否定する。いったいなにを否定しているのだろうか。 ジルはサソードヤイバーを前に差し出したまま、搾り出すようにして告げた。 「エールさん、僕はジルじゃない。ジルを殺し、そのすべてを簒奪した……ただのワームだ」 苦しそうな声が、エールの耳に届く。彼はなぜこんなにも辛そうなのか。 エールには理解出来なかった。 □ コーカサスとカブトの拳がぶつかり、衝撃波に川の水面が波打つ。 反動で二人が同時に離れ、橋の上で踏ん張って互いに睨みつけた。 コーカサスの瞳に光が宿る。カブトは仕掛けてくるとわかり、警戒をして構えた。 だが、その構えも無意味。黄金の影がカブトの拳をすり抜け、腹部に重い一撃を与える。 後方に数メートル吹き飛ばされ、カブトは片膝をついた。 加賀美と二人がかりでも圧倒されたのだ。一人で勝てる道理はない。コーカサスの瞳がそういっている。 愚かなことだ、とカブトの仮面の下で微笑んだ。コーカサスの肩部から、パキッという硬い音が鳴る。 「ムッ……」 コーカサスの動きが止まる。右のアーマーの先端部が欠けた。 コーカサスは落ちる欠片を見届け、カブトへとゆっくり視線を移動する。 「なるほど。アナタも強くなった、ということですか」 「おばあちゃんが言っていた。俺の進化は光より速いとな」 カブトは立ち上がって天を指し、コーカサスに余裕たっぷりと告げる。 もっとも、カブトには珍しくこれは虚勢だ。コーカサスは強い。 ハイパーゼクターがないとはいえ、単純な戦闘力ならカブトの上をいく。 とはいえ、ハイパークロックアップのない今こそ倒せる数少ない機会なのだが。 「ところで、一つ聞きたいことがある」 「答える必要がありますか?」 「この街には二匹のワームがいるだろう?」 カブトはコーカサスの拒絶を無視して、疑問をぶつける。 コーカサスは無言のままだが、なにより雄弁な答えである。充分だ。 コーカサスの構えに力が入る。本気でくるのか。カブトはカウンターの体勢を整えた。 二人の間につむじ風が舞う。近くの街路樹の葉がこすれあい、風がやんで二人が動く。 『Rider kick』 『Rider beat』 カブトの足が、コーカサスの拳が、タキオン粒子の電流をまとってぶつかり合う。 二十トン近くの衝撃のぶつかり合いに橋がひび割れて、水面が波立つ。 力が拮抗すること数秒。衝撃は収まり、中心の二人は拳と蹴りをぶつけたまま制止した。 やがてゆっくりとそれぞれの足や腕をおろし、先にコーカサスゼクターが離れた。 「なんのつもりだ?」 カブトの姿から戻り、天道が尋ねる。それに対し黒崎は踵を返した。 橋を超えたあたりでピタリと止まり、振り向かず先程の問いに答える。 「なに、ここで決着をつける気をなくしただけです。また近いうちに会いましょう」 そう言って去っていく黒崎の後ろ姿を、天道はただ見ているだけであった。 コーカサスとの戦闘でダメージが大きい。黒崎の姿が見えなくなったと同時に天道は膝をついた。 大きく喘ぎ、キッと前を睨みつける。必ず倒す。天道の瞳はそう言っていた。 『エール、遠慮することはない。こいつは人を殺しているはずだ。倒すんだ』 モデルZの冷静な声にハッとなって、エールは距離をとる。 サソードヤイバーはジルの手にあった。ライブメタルを取り出し、 ―― エールちゃん。 ジルの母親であるエリファスの顔を思い出して、動きが止まる。 『どうした? エール!』 モデルZが急かすが、敵が目の前にいるのだ。当然であろう。 ただ、理屈ではわかっているのだが、エールの心が彼を討つことを拒否している。 なぜだろうか。理由がわからない。困惑するエールの前で、ジルが先に動いた。 ジルは見事にエールの前で土下座する。突然の行動にエールの混乱は深まるばかりだ。 『なんのつもりだ?』 「…………僕はワームだ。殺されてもしかたないし、エールさんになら殺されてもいい。だけど……」 エールの代わりに尋ねたモデルZへジルは答え、柔和な顔に決意を乗せてあげた。 必死にすがる人間のように真剣な表情が、そこにはある。 エールはゴクリ、と生唾を飲んだ。いつの間にか、手には汗が握られている。 「三日だけ、三日だけ待って欲しい! その間に死ぬ準備を整える。だから……」 『その間にヒトを殺さないとも限らないだろう?』 モデルZにバッサリと切り捨てられて、ジルは言葉を詰まらせる。 なにしろ昨夜襲ったのは彼自身だったのだ。警戒し、言葉を疑うのが普通だ。 「信じてもらえないのはわかっている。けど……」 「いいよ」 必死に懇願するジルに、エールは思わず答えてしまった。 望んだ展開のはずなのに、ジルが目を見開いてエールを見ている。 モデルZの咎める視線を無視して、エールはもう一度告げた。 「わかったからいってよ! 絶対……絶対三日後には許さないから……」 我慢出来ずジルへ理不尽な怒りをぶつける。 傷を負わされたから正当な怒りのはずなのだが、エールの感情はそこからきたものではない。 もっとも許せないこと。それはエリファスがどうあっても悲しんでしまうことだ。 「エールさん……」 ジルはただ一言、感謝するようにつぶやいてエールに礼をいい、走って視界から消えた。 いつの間にか、地面にはサソードヤイバーが放置されている。 『エール、大丈夫?』 モデルXが心配そうに声をかけるが、エールは頷き返すので精一杯だ。 頭がごちゃごちゃして考えがまとまらない。 「モデルX、モデルZ。このことは誰にも話さないで……」 『エール……』 「お願い。アタシも……三日だけ整理する時間が欲しい」 エールの悲痛な願いは、モデルZの言葉を失わせる。 地面に置かれたサソードヤイバーを回収し、エールは人気のない大通りから離れた。 □ ガーディアンの拠点へと戻ったエールは、心配してくれた仲間に謝罪して回った。 探索チームのみんなはエールが無事であることに喜び、あっさりと許す。 気持ちのいい彼らの態度が、今のエールには痛かった。一匹ワームを逃がしたのだ。 独断専行の上、自分の都合で危険な可能性を放置した。冷静になればどう考えてもエールに非がある。 それでもどうしても、エールにはジルを殺せなかった。 「サソードは使えそうか?」 「天道……」 エールは姿を見せた青年の名前をつぶやく。いつもの余裕を見せた態度で尋ねてきた。 サソードヤイバーを奪ったことを天道に報告したときに、彼自身からもう一匹ワームが存在していることを伝えられた。 伝えられた当初エールは動揺したのだが、天道はワームがもう一匹いる事実に驚いている、と解釈してくれたようだ。 騙しているみたいで、エールの罪悪感が増している。 「うん、サソードゼクターは自分の意思を取り戻した。モデルXと一緒に使えば、ドレイクゼクターのように戦えると思う」 「そうか」 天道が頷いて微笑む。妙な反応だ、とエールは思ったがなにも言えない。 ふと、脳裏にジルの姿が浮かぶ。ワームについては天道はプロフェッショナルといってもいい。 一つ尋ねてみることにした。 「天道、一つ聞いてもいい?」 「なんだ? いってみろ」 「もしも……もしもだよ? ワームが擬態して記憶やその人のすべてをコピーして……心までコピーしたとしたらどうする?」 エールは天道の顔を見上げて、真剣な眼差しを向けた。 天道の表情は相変わらず。冷静なまま彼は口を開いた。 「倒す」 天道は短く断言する。そこに迷いも淀みもなく、ハッキリと。 エールは少しだけ納得がいかなかった。理屈ではない。感情がだ。 「その人に大切な人がいて、前と変わらない生活をしていても?」 「当然だ。擬態された人間も、その周りの大切な人たちも……なによりワームにとってもそれ以外救う手段はない」 「どうして?」 エールの問いに、天道はどこか遠くを見つめた。 なにか後悔するような、なにか失ったようなそんな表情だ。 「エール、死んだ人間は生き返らない。決してな」 それ以上、天道がなにか喋ることはなかった。 エールにはまだ理解出来ない。天道が伝えたかったことも、彼が味わった過去も、なにもかも。 なにより、このときの天道はエールにはなにも知らないままでいて欲しい、と願っていた。 ワームがまだ残っている、ということで調査は続行された。 殺人事件は起きていないものの、いまだ事件は未解決扱いだ。 エールも街に繰り出し、ガーディアンとして調査を続ける。 商店街の通りを歩いて、事件について訪ねようとしたとき背中から声をかけられた。 「エールちゃん、やっほー!」 「エリファスさん」 白い服に柔らかい金髪のショートカット。車椅子で生活する女性。間違えようもない。エリファスだ。 エールは今はもっとも会いたくない相手に会ってしまった。 事情はどうあれ、エールは彼女の大切な息子を殺すことには変りない。 殺す、と思考した瞬間胸がチクリと痛んだ。エリファスの車椅子がエールの傍に寄り、顔を覗きこむ。 「エールちゃん、もしかして具合が悪い?」 「え? そんなことはないよ」 「そう? 顔色悪いわよ。どこか痛いなら無理せずいって」 エリファスの気づかいに返事をする。エリファスは心配そうに体調を尋ねるが、真実を教えるわけにはいかない。 もしも、『あなたの息子は怪物に姿も記憶も真似されて、とっくの昔に死んでいる』などと言っても信じてもらえるはずがない。 それだけでなく、万が一真実を知った彼女がどれほど傷つくか。エールはとても怖かった。 嘘ですませることができるのなら、それがいいときもある。 そう割り切るにはまだエールは若かった。 「あの、エリファスさん……」 「はい、エールちゃん。どうしたの?」 エールがゴクリとつばを飲み込む。舌を湿らせて、どうにか言葉をひねり出した。 胸の鼓動がうるさい。それでも聞かねばならなかった。 「もしも……もしも、メカニロイドが死んだ大切なヒトのデータをすべてコピーして現れたら、そのメカニロイドは大切なヒトだと思う?」 奇妙な質問だとは自覚している。これ以外例え方を知らない。 エリファスは黙り込んでいる。エールの質問を理解しかねているのだろうか。 それもしょうがない。 「ごめん、唐突すぎた。これは忘れて」 「……そんなことはないわよ。エールちゃんが真剣だから、ちょっと考え込んだだけ。 そうねぇ、私はやっぱりそのメカニロイドと大切なヒトは違うと思うわ。死んだヒトは生き返らないもの」 エリファスは柔らかく微笑みながら、エールに答えた。 天道と似た結論にエールは意外に思う。 「……心をコピーしても?」 「ええ。だってかわいそうじゃない」 「かわい……そう?」 エリファスはエールに頷く。 エールにはジルと彼女の関係が重なるため、かわいそうという一言が不意打ちであった。 「『コピーしちゃったメカニロイド』は決して死んだヒトにはなれない。だから、それを大切なヒトの生き返りだって思ったら、ずっとそのメカニロイドは自分になれないのよ。かわいそうだわ」 エリファスの答えにエールは目を見開く。優しい彼女らしい答えだった。だからこそ辛い。 彼女ならきっと、ジルでなく怪物だと彼が告白しても受け入れそうだからだ。 エールはその可能性を摘みとる。今、なにが正しいのかエールにはわからなかった。 □ 結局、三日の時間はエールに答えを与えなかった。 ポツポツと小雨が振り、空は厚い雲で覆われている。 昼なのに薄暗く、不吉な予感しかない空だった。 『エール……』 「大丈夫、モデルX。…………覚悟はできている」 エールはつぶやいて、店の自動ドアをくぐって中へ入っていった。 ここにジルがいるはずだった。できればエリファスは留守であって欲しいと願う。 暗い店内へと足を踏み入れ、エールは軽く眉をひそめる。 人の気配がしない。 『やられたか』 「そんなはずはない! だって、あのときの目は……」 『あいつの目を見れたのか?』 モデルZが鋭く尋ねる。エールは言葉を失って目を伏せた。 知りあいがワームだった。その事実に混乱し、言葉の真偽を確かめるのを怠ったのではないか。 エール自身もそう思っていた。 『そう結論をつけるのは早いと思う。とりあえず店内を捜索しよう』 モデルXが間を取り持ち、エールもモデルZも黙る。 別にモデルZは怒っているわけではない。単に冷静なだけだ。 多少動揺しているエールが店内を回ろうとした瞬間、通信機が鳴った。 「プレリー?」 『エール、まずいことになったわ。郊外にイレギュラーの反応を多数確認したの』 「まさか……ッ!」 エールは歯を食いしばる。もしかして、ジルの姿を奪ったワームがイレギュラーを指揮しているのではないか。 エールに自分を責める自虐の感情が芽生える。 ―― メットールをマスコットにした遊園地が炎によって赤い色に染め上がる。 ―― ヒトビトの悲鳴が上がり、人ごみの中、小さなエールは母親の手を握っていた。 ―― イレギュラーの群れの銃弾で建物が破壊される。 ―― エールを安心させようと振り向いた母親の後ろに、イレギュラーが現れて……。 あのとき同じことが起きるかもしれない。そう思うと、エールは居ても立ってもいられなかった。 エールは店をとびでて、モデルXとモデルZの力で赤い装甲のロックマンZXへと変身していた。 人の名前を刻んだ墓石をいくつも通り過ぎて、天道は目的の人物へと接触する。 天道が独自に調査を続けていると、ある事実が発覚したのだ。 だから、彼女が重要人物となり、問いただすことを決めた。 「突然すまない。あなたに尋ねたいことがある」 「あなたはエールちゃんを迎えに来た……」 「天道総司だ」 天道は簡潔に告げると、喪服を着たままのエリファスへ身体を向けた。 車椅子の彼女は花を墓へと添えている。この墓はあの殺人事件で身元がわからなかった者を収めているはずだ。 「……誰か知り合いが?」 「ええ。私の息子が」 エリファスの答えに天道は僅かに眉を動かす。 小雨が降ってきて、風が街路樹の葉を揺らした。 □ 様々な種類のガレオンやメカニロイドが集まったのを見届け、プロメテはイライラした様子で歩きまわる。 合流する予定のワームがいまだにこないのだ。 先に到着したはずのマスクド・ライダーに選ばれし男。黒崎一誠も姿を見せない。 岩が露出し、小雨で濡れていくのを見届けてプロメテは苛立たしげに岩を砕く。 「まだか! まったく……」 プロメテはモデルVに絶望や恐怖の感情を与えるための今回の作戦に興味がない。 持ってきた戦力をワームに任せて、さっさと引継ぎを終わらせたいのだ。 エールと戦えるのは少し魅力的だが、まだ彼女に死んでは困る。 楽しすぎてくびり殺さないようにするのは難しい。 危ない思考を続けるプロメテは人の気配を感じて頭を上げる。 現れた存在からは普通でない雰囲気が漂っていた。 「キサマがここに派遣されたワームか?」 「……ええ」 プロメテはフン、と鼻を鳴らす。柔和な顔に黒ぶちメガネ。金髪の優男を擬態先に選ぶとは、よくわからないワームだ。 強者だとは聞いていたが、本当か怪しいものである。 「まあいい。さっさと……」 プロメテがイレギュラーの群れを押しつけようとした瞬間、嫌な予感がして地面を蹴る。 プロメテが消えた場所へ巨大な岩をスズムシを模したワーム、ベルクリケタスワームが投げ飛ばしていた。 岩はプロメテに掠りもしなかったが、ガレオンを十数体まとめて潰す。 「どういうつもりだ?」 「……見ての通りだ。ここから先は一歩も通さない!」 「虫けらがヒトの真似事か?」 プロメテが苛立たしげに大鎌を振るう。同時にイレギュラーたちもあのワームを敵と認めたようだった。 一斉砲撃がワームを狙う。クロックアップはクロックダウンチップを装備したプロメテの前では無意味。 されど、イレギュラーの砲撃はすべてワームに当たることはなかった。 ワームは冷静にすべての弾道を見極めて、針の隙間を通すように僅かな合間へと身体を押し込み、前へ前へと進んでいく。 「ほう」 プロメテは目の前のワームの戦闘力の高さに感心する。 今まではスペックを笠に着て、戦闘そのものは素人同然の連中が多かった。 イレギュラーの損傷が二割を超えたとき、プロメテの口角が釣り上がる。 「少しは楽しめそうだなぁ!」 プロメテの不機嫌はどこへいったのか。楽しげに笑いながら、大鎌をワームへと振るう。 風が唸り、鎌の刃を迫らせてプロメテは大きく笑った。 それは二日前のことだった。 ジルは白い店内に存在する花たちに手入れをして、綺麗に見えるように整えていく。 すべての作業を丁寧に行い、業者に渡す商品を準備した。 淡々と仕事をしていると、店の自動ドアが開いて客が入ってきたことを知らせる。 ジルは無理やり笑顔を浮かべて、客の訪問を歓迎した。 「いらっしゃいませ!」 「どうも」 「黒崎さん……」 白いスーツに白い帽子を被った、筋骨隆々の大男が現れる。 彼は店内の青いバラを手にとり、満足そうに頷いていた。 「我々のもとに戻る決心はつきましたか?」 「…………すみません」 「そうですか。残念です」 ジルは戻らない、と言外に告げる。黒崎は言葉通り残念そうに青いバラを愛でていた。 「強く、綺麗なバラを育てる。そんなアナタには生きていて欲しかったのですが」 「サソードすら彼女たちに渡した。僕は裏切り者だ。生かす必要はない、ということですよね?」 ジルが黒崎に向けて構える。顔には緊張が走っていた。 だが、意外にも黒崎は行動を起こさない。 「我々のこの街での目的は知っていますね?」 「ええ。それを聞いて……」 まだ死ねないとエールに告げた。その言葉を飲み込んで、ジルは黒崎と目をあわせる。 黒崎は不思議そうにジルを見つめていた。 「ならば覚悟は出来ていることでしょう。私はアナタを殺す気がありません」 「見逃してくれるのですか?」 「アナタしだいです。それでは」 黒崎はそう言って、店から離れていった。ジルの育てた青いバラは彼のお気に入りである。 逆に言えば、彼が今までジルを見逃してきたのもそれだけだ。 いつ殺されても不思議ではない。ジルはただ、唇をかみしめた。 調査を続けているうちに、天道は毎夜ある男の目撃証言があったことに気づいた。 周囲が気にもとめなかったのは、彼が殺人を犯すには不可能の距離で目撃されていたからだ。 クロックアップを使えば、アリバイなど意味をなさない。 ゆえに天道は殺人の夜、毎回外出していたジルへとあたりをつけたのだった。 「いつから知った?」 「最初からですよ」 エリファスはそう言って、花束を整える。 墓はとても綺麗で、彼女が何度もここへ来たことがわかった。 「…………同じ姿をしていても、同じ記憶を持っていても、わかってしまったのです。あの子はもう……生きてはいないのだと。親って難儀ですね」 「……復讐か?」 「最初はそうでした」 天道の問いに、エリファスは淡々と答えていく。 エールへと向けた笑顔は、今は力を失っているように見えた。 「ジルは……この子はすべてを奪われてここに眠ってしまっている。ジルの成長は私にとって生きがいでした。 だから、いつかあの子を……もう一人のジルを殺すために私は騙された振りを続けたのです」 「……結局、殺せなかったんだな」 「ええ。憎くて憎くてしょうがなかった。ジルじゃないのに、ジルの振りを続けるあの子に私は怒りをいだいていた。いえ、抱こうとしたの。 そうでないとこの子が悲しむと思って」 天道は無言だった。ワームの擬態は様々な事態を起こす。 彼女の身に起こったことは一番救いがなく、一番多く起こっていた出来事であった。 「けどね、楽しかったの」 「……それはあなたの息子じゃない」 「わかっている。わかっているけど……あの子は私を愛してくれた。ジルが残した店を一生懸命切り盛りして、ジル以上に私のこの身体に気を遣った。 ……なんででしょうね。あの子が本気で私を母親として慕ってくれていることに気づいてしまったの。 ジル以上にジルらしく振舞おうとした。決して私にジルの喪失を気づかせないように努力していた。 そのすべてが……とても愛しかった……」 「だが、奴は同じことを繰り返した」 「ええ。あの子はジルにしたように、ヒトをまた殺してしまった。私は……あの子を信じた自分が馬鹿なのか考えたわ。 だけど私にあの子を殺すことは出来ない。だって……部屋を覗いたら、見てしまったの…………」 彼女は一旦言葉を区切り、思い出すように目を細めた。 天道はだいたい想像ついたが黙っている。 その行為は“心を持ったワーム”ならば全員がとるものであったからだ。 「あの子は自殺しようとして、それが叶わないで泣いていた」 天道は「そうか」とだけ答えて彼女を見つめた。気丈な女性だ。 すべてを許すというのだろう。天道自身は…………。 「あなた、ジルを殺しにきたのでしょう?」 「殺す以外に彼に救いはない」 「わかっていた。いつか終りがくるって……」 エリファスは花を整えて、天道に微笑む。 天道は無表情のまま、彼女に問うことにした。 「一つ聞かせて欲しい。あなたにとって、あのワームは息子なのか?」 「ええ。かけがえのない、ジルと同じく私の息子よ。たとえ罪を贖わないといけないのだとしても……」 エリファスの微笑みが天道には眩しい。彼女は本気で、ワームとしての彼を愛したのだ。 それでもワームは殺さねばならない。たとえ彼女を不幸にしても。 天の道は辛く険しい。だからこそ天道総司が往くのであった。 □ エールが郊外のエリアに踏み込み、周囲を見渡した。 今のエールは赤いアーマーを身にまとい、緑のクリスタルが額に存在している。 普段は黒いエールの髪が金に染まり、マフラーのように風になびいていた。 ロックマンZXとなったエールは敵の攻撃を想定して構えていたもの、視界に入ったものに驚く。 「イレギュラーの残骸……?」 『戦闘の跡だと? 天道が来たのか』 「わからない。先を進んで確かめる!」 疑問を口にするモデルZへ答え、エールは地面を蹴った。 エールは風を切って進むも、イレギュラーに襲われる気配は皆無だ。 目に映るのは残骸ばかり。エールの疑問が深まるが、足をとめる。 白い三角状のヘルメット。紫色のアーマー。死神のような大鎌。 振り向き凶悪な笑みを浮かべるそいつを、エールはよく知っていた。 「プロメテ……!」 「遅かったな。モデルZXのロックマン」 プロメテはそう言って、右手に握っていた虫の羽らしきパーツをエールに投げつける。 エールの四肢を麻痺させた、催眠音波を発していた部分である。 エールが視線を移動させると、プロメテの足元には全身に切り傷を負ったベルクリケタスワームがいた。 「エール……さん……?」 「まさかワームを手懐けるとは思わなかったぞ。毎回俺を楽しませてくれる。こいつのせいであの街を襲う計画がパーだ」 ワームの羽がエールの胸にぶつかり、はらはらと地面に落ちた。 それはどこか、花びらが落ちるのに似ている。ジロリとエールはプロメテを睨みつけた。 「…………ジルさんを離して」 「虫けらを庇うのか? 滑稽な話だ。こいつらはどの道、ヒトを殺さないと生きていけない種族というのに」 プロメテの言葉にベルクリケタスワームがうなだれた。 それでもエールは一歩踏み出す。たしかにエールは彼を殺そうとした。 だからといって、プロメテに踏み潰されたままの彼を放っておくわけにはいかない。 理屈じゃないのだ。あくまで感情でエールは動く。 ZXセイバーの柄が変形して銃となる。エネルギーをチャージ終えた銃口が、人一人分の大きさの光弾を吐き出す。 ジルを開放し宙に浮かんだプロメテを睨んで、エールは宣言した。 「聞こえなかった? アタシは離して、っていったのよ」 「クックック……いいぜ。ちょうどストレスが溜まっていたところだ。相手してもらうぞ!」 プロメテがハイになり、大鎌を振り上げた。 エールはZXセイバーを構えて迎え討つ。 二人が同時に距離を縮めたとき、エールの耳に『One,two,three』と聞き慣れた電子音が響いた。 「ライダー……キック」 稲妻の如く、カブトが落下して地面にクレーターができる。 プロメテは飛び退いて舌打ちをしていた。エールはカブトの背を視界に入れて、彼の乱入に驚く。 「天道……」 「無事か?」 カブトの問いにエールは頷いて無事を示す。プロメテが襲ってくると身構えるが、彼は宙に浮いているだけだ。 不機嫌そうに鼻を鳴らし、離れていく。 「逃げるの!?」 「見逃してやるだけだ。それに三対一は趣味じゃない。モデルVの生贄に都合がいい場所はまだまだ多いしな」 「なら一つだけ聞かせて! モデルV……もう一つあったの?」 エールの疑問はもっともだ。セルパンカンパニーに保存されたモデルVは破壊したはずだ。 あの象のフォルスロイド、ビッグドンの『モデルVへの生贄を作る』という任務から不思議に思っていたのだ。 そのエールにプロメテは馬鹿にしたように嘲笑した。 「もしかしてお前、あのモデルVですべてが終りだと思っていたのか?」 「どういう……こと!」 「あれで終わるわけがないだろう。あれはただの始まりだ。お前はしょせん、この腐れたロックマン同士の争いの駒なんだよ!」 プロメテは狂ったように笑い、カブトの銃撃を避け続ける。 エールを見下ろすプロメテは本当に愉快そうだった。 「さあ、ここまではいあがってこい。お前には選択肢はないのだからな……」 そう言って、プロメテの姿が消える。簡易転送装置だろう。 反応の探索はプレリーに任せるしかない。エールは歯を食いしばる。 ビッグドンの言葉から薄々は気づいていた。覚悟もしていたはずなのに、プロメテが肯定するだけでモデルVへの恐怖が蘇りそうだった。 エールは頭を振り、決意に満ちた瞳をプロメテが消えた先へと向ける。 「絶対にまた、アタシが止める」 エールのつぶやきは黒い雲に吸い込まれて消える。 モデルVとの因縁はエールが強い。こればかりはカブトに任せるわけにはいかなかった。 守るためのロックマン。それこそが彼女を支えるものであったのだから。
https://w.atwiki.jp/fra29/pages/451.html
Encore à te plaindre. またそんなこと言って。 Tu es pénible. メンドクサイねー。 Il n y a que moi pour écouter ça. 僕しかいないよ、こんなこと聞けるの。 前のページ 次のページ 音声を「フラつく。」で聴く
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/240.html
「ねえ、あい!いつまでここを歩くの?」 その白い狼面の顔からは赤い髪の少女を呼ぶ声が発せられる。 「ビアンカ…私だって知らないわ」 自分は知らない世界。それも、突然殺し合いをしろと言われた。 理解出来る筈が無い。理解出来ても認めたくなかった。 第一、今何処に居るかも把握していない。分かる事はここが潮風が吹く港という事だ。 「じゃあどうするの?ずっとここで 「分からないよ、私に聞かないで!」 あいはつい怒鳴ってしまった。辺りは重い空気に包まれる。 静寂を破ったのはビアンカだった。 「そう。もうあたし達ここまでみたいね。私は死にたくないわ。」 ビアンカはそう言うとデイバックから刀を取り出す。刀は鈍く月の光を反射していた。 「ステキね」 「ビアンカ!?」 ビュ。 突然ビアンカの刀の斬撃があいの束ねていた右の髪を切り落とした。 「ふん!」 ビアンカの振り下ろす刀をあいは必死に避けた。 その度に、あいの顔には冷や汗が伝わる。 「やめて、ビアンカ!」 あいの説得も虚しく響くだけで、ザクッと言う音と共に、あいの左髪が地面に落ちる。 「次は左耳よ!」 「いやっ!!」 グチャ。 ビアンカの頭は石榴の如く砕け散り、肉片と骨片が辺りに飛び散る。 あいの足元に目玉が転がると同時にビアンカだった肉塊は倒れ伏した。 「あ…あ…」 血。血だ。あいの右手には、血がついた斧が握られていた。 残酷なその液体は徐々に海へと流れ、海を紅く染めた。 あいはその場にへたれこみ、それを呆然と、ただ見つめているだけだった。 【東京湾 三日目 19時】 【あい@劇場版どうぶつの森】 [状態] 自失 [装備] ☆ドルハーケン@ティアリングサーガ [道具] 支給品一式 夢想正宗@女神転生 [思考]:ブーケ、サリーを捜す。 【ビアンカ@どうぶつの森 死亡確認】
https://w.atwiki.jp/eternal-dreamer/pages/2137.html
サクジョTOP カードリスト ステータス エボ 攻略 敵データ ストーリー みんなのデッキ 個別の攻略情報を募集中です。デッキ診断なんかもどうぞ。 柏木ちとせ << 桃園ひばり【6限目】 >> 俵真悠子【6限目】 桃園 ひばり【6限目】 (6限目 ストーリー) つよさ ★★ 変身前 桃園 ひばり【6限目】 変身後 調和を司る奏者 ひばり 生命力 2100 生命力???以下/5ターン終了後で変身 攻撃力 280 攻撃力 300 防御力 230 防御力 250 愛情 24 愛情 28 学力 19 学力 23 体力 15 体力 19 マナー 15 マナー 19 センス 19 センス 22 獲得カード KC0346 桃園 ひばり【6限目】生命力 1850攻撃力 250防御力 260特殊効果 特になし愛情 7学力 5体力 4マナー 4センス 5 【1年B組 桃園 ひばり(ももぞの ひばり)】「えっ・・・・・・。私もバトルするんですか?」ひばりは合宿のお手伝いをしながら、新曲のアレンジに取り組んでいた。ニューイヤー・コンサートの練習もおろそかにはできないけれど、やっぱり楽曲のアレンジには夢中になってしまう。特訓の邪魔にならないように、特訓会場の本部で大人しくしていようと思っていたのだが……どうやらそうもいかないみたいだ。 変身前 サポ 愛Lv1 愛Lv1 属性 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 攻撃 540 550 550 550 550 550 560 560 防御 480 480 480 480 480 480 480 480 変身後 アビ 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 サポ 愛Lv1 愛Lv1 愛Lv1 属性 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 攻撃 560 570 570 570 570 570 570 580 580 580 防御 500 500 500 500 500 500 500 500 500 500 ■攻略法募集中■ 3ターンが終わって生命力が1650でした -- ナルカカシ (2011-08-07 21 10 25) 本日 - 昨日 - 総計 -
https://w.atwiki.jp/eternal-dreamer/pages/1875.html
サクジョTOP カードリスト ステータス エボ 攻略 敵データ ストーリー みんなのデッキ 個別の攻略情報を募集中です。デッキ診断なんかもどうぞ。 冬野怜 << 桃谷翠 >> 宮小路真希 桃谷 翠 (2限目 ストーリー) つよさ ★★★★★★ 変身前 桃谷 翠 変身後 重力の妖精 翠 生命力 1300 生命力780以下/9ターン終了後変身 攻撃力 220 攻撃力 225 防御力 215 防御力 195 愛情 20 愛情 40 学力 10 学力 20 体力 10 体力 10 マナー 10 マナー 20 センス 20 センス 20 獲得カード KC0088 桃谷 翠生命力 1050攻撃力 200防御力 205特殊効果 特に無し愛情 8学力 4体力 3マナー 3センス 4 【3年2組 桃谷 翠(ももたに みどり)】「てへっ。ちょっと失敗しちゃった」一見すると、中学生かそれ以下に見える程の幼さと可愛らしさで、生徒会のマスコット的存在となっているが、これでもれっきとした3年生の翠。楓葉学園生徒会副会長というだけあって、学力も相当に優秀で、実力を見た目で判断すると痛い目を見ることになる。その可愛らしさから、ひびきの要保護対象者となっている。 変身前 サポ マLv1 体Lv1 愛Lv1 属性 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 攻撃 390 400 405 410 420 425 435 435 435 435 防御 395 385 380 390 385 395 405 405 405 405 変身後 アビ センス マナー マナー 体力 学力 センス 愛情 愛情 愛情 愛情 サポ セLv1 マLv1 マLv1 属性 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 攻撃 395 405 415 415 425 435 425 425 425 445 防御 355 355 355 365 365 375 395 395 395 385 クリアすると以下の戦利品が貰えます。 (初回のみ)愛情のカードLv1 ■攻略法募集中■ クリアで愛情Lv1 -- 名無しさん (2010-06-11 15 25 30) 本日 - 昨日 - 総計 -
https://w.atwiki.jp/eternal-dreamer/pages/1805.html
サクジョTOP カードリスト ステータス エボ 攻略 敵データ ストーリー みんなのデッキ 個別の攻略情報を募集中です。デッキ診断なんかもどうぞ。 宮小路真希 << 中沢麻美 >> 鈴川るりか 中沢 麻美 (3限目 ストーリー) つよさ ★★ 変身前 中沢 麻美 変身後 七変化の麻美 生命力 1000 生命力550以下で変身 攻撃力 195 攻撃力 195 防御力 180 防御力 180 愛情 12 愛情 12 学力 10 学力 10 体力 4 体力 4 マナー 8 マナー 8 センス 6 センス 6 獲得カード KC0158 中沢 麻美生命力 900攻撃力 180防御力 180特殊効果 特になし愛情 6学力 5体力 2マナー 4センス 3 【2年4組 中沢 麻美(なかざわ あさみ)】「えっとぉ……そうだ、こうしなくちゃ」うっかり屋さんの麻美は、完璧人間を目指そうとするあまり落ちつきがない。いつも一生懸命なところが健気で可愛いという、かくれファンも多い。何もないところで転びそうになると、泣きたくなってくる。 変身前 サポ 愛Lv1 属性 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 攻撃 375 375 375 375 375 390 390 390 390 390 防御 350 350 350 350 350 360 360 360 360 360 変身後 アビ 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 サポ 属性 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 攻撃 375 375 375 375 375 390 390 390 390 390 防御 350 350 350 350 350 360 360 360 360 360 ■攻略法募集中■ 本日 - 昨日 - 総計 -
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/8725.html
243 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/07/15(土) 22 21 48 ID softbank060146109143.bbtec.net [27/73] 日本大陸SS 漆黒世界アメリカルート(Re) 「信長の異常な愛情 -または如何にして(ry-」2.5 織田政権における外地進出は、非常に理路整然しているというのが後世の評価である。 織田信長という英傑が一代で戦乱状態にあった国内を統一し、覇権を確立したのは確かに偉業である。 だが、彼の人生を後世から振り返れば、それはまだ半分でしかない。残り半分は外地獲得や海洋進出の指揮という形で埋め尽くされている。 普通ならば、統一した政権を打ち立てた後に、ここまで大胆な外地進出を行うというのはリスクが伴う。 まして日本大陸という巨大な大陸国家において、その膨大な民や勢力を束ね上げたばかりというのは、何時結束が崩れるかという不安も伴うものであるからだ。 にもかかわらず、織田政権は惜しみなく外へ打って出た。 まずは、国家の統一により土台を構築。 ほぼ同時並行で、先進国であるスペインからとの交易により、外へ出るための手段と最初の足掛かりの確保。 それにより、東南アジア地域の資源および利権の獲得とそれに伴って生じた利益による投資した費用の回収。 これに国内において生じていた浪人問題や反体制派の勢力をそぎ落とすというおまけつきの効果を発揮できた。 そして、国内開発に伴って生じる利益を一部プールしつつも、惜しみなく投資することで操業を続けたのだ。 この結果として日本は多くを得た。 太平洋の横断によるハワイ領有、そこからアラスカ方面およびアメリカ西海岸への到達である。 そこからは海洋資源獲得と後発となるゴールドラッシュによる投資費用の回収以上の利益を獲得した。 国内における開発や技術発展に必要な資源が外部から流れ込んだことは、元々が潤沢とはいえ、機構や特性上得られないものを多く得られ、加速をもたらした。 これらによって日本人が進出した地域こそ、のちの大日本帝国の領土として組み込まれる地域のひな型となった。 加えて、この各地に展開した領土を結ぶネットワークにより構築された勢力圏は、当時の列強さえも弾く領域として非常に完成度が高かった。 日本という国家が自分たちの領域を守るため、そして資源などに不自由しないため、そして安全を確保するため。 得られたものは、金銭的なモノだけではなく、それ以上であったのだ。 そうであるがゆえに、後世の人々は、欧州の人々もそうだが日本の勢力圏にいる人々さえも、完成されすぎたそれに恐怖したのだった。 まるで無駄がない。必要な時に必要なモノを揃え終わっており、あるいは進出した先で獲得できることを理解しているかのように振舞うのだ。 一見して無謀な賭けに見えるそれらも、多少の負けはありはしても最終的にはすべて勝ち越しており、最終的なゴールにもたどり着いている。 加えて、異常な技術発展がそれらを支えていた。 戦国時代が終わったとほぼ同時に、待ちわびたようにあらゆる技術が花開いていったのだ。 まるで騒乱の時代が終わった時に備えてあらかじめ用意され、下地を整えてあったかのように。 当時の欧州先進国さえも凌ぐそれらが一斉に花開き、国力増強に貢献した。 ここまでくれば、少々考えが回る人間にはわかってしまうだろう。 何者かの作為を。あるいは未来を見通しているかのような行動を、判断を。 予定調和にもっていくほどの何かが、表に出ない範疇で蠢いているということを。 だからこそ、この陰謀論をはじめとした幾多の憶測は、ある種の説得力を以て、長らく世に流布することとなる。 それこそ、織田信長台頭以前よりもさらに前ではないかと推測された。 いや、もっと前からではないか? 議論に果てはない。 いずれにせよ、それらは中らずと雖も遠からずであった。 彼らさえもいつ頃からいたかも把握していない、日本という国の裏側で動く彼ら---夢幻会の活動の結果なのだから。 けれども、そんな噂の立つ世界においても、彼らは自らの目的を果たすために動き続けた。 いや、どちらかといえば、北米に生じさせたミームという強敵との決着をつけるため、かもしれないが。 そして、それでも、世界は順調に回り続けているのである。 244 名前:弥次郎[sage] 投稿日:2023/07/15(土) 22 22 20 ID softbank060146109143.bbtec.net [28/73] 以上、wiki転載はご自由に。 短いですが、このころの日本を後世から見たら…って感じで
https://w.atwiki.jp/eternal-dreamer/pages/1898.html
サクジョTOP カードリスト ステータス エボ 攻略 敵データ ストーリー みんなのデッキ 個別の攻略情報を募集中です。デッキ診断なんかもどうぞ。 小早川莉子 << 一之瀬比奈 >> 柳木真琴 一之瀬 比奈 (4限目 ストーリー) つよさ ★★★★ 変身前 一之瀬 比奈 変身後 けなげなお手伝いさん比奈 生命力 1800 6ターン終了後変身 攻撃力 230 攻撃力 230 防御力 230 防御力 230 愛情 7 愛情 28 学力 5 学力 12 体力 2 体力 10 マナー 4 マナー 12 センス 4 センス 13 獲得カード KC0212 一之瀬 比奈生命力 1200攻撃力 215防御力 215特殊効果 特になし愛情 7学力 5体力 2マナー 4センス 4 【1年4組 一之瀬 比奈(いちのせ ひな)】「急がないと、休み時間が終わっちゃうぞぉ」どういうわけか、よく頼まれごとをされてしまうのだ。ろう下を歩いていると、先生に呼び止められてプリントを渡されてしまったり。学級花だんの水やりを任されてしまったり、と枚挙にいとまがない。彼女の人当たりの良さに加えて、丁寧に仕事にをこなす姿勢が認められているのかもしれない。 変身前 サポ 愛Lv1 愛Lv1 属性 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 攻撃 430 430 430 450 450 450 450 450 450 450 防御 420 420 420 445 445 445 445 445 445 445 変身後 アビ 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 サポ 愛Lv1 属性 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 愛情 攻撃 430 430 430 430 430 430 430 440 440 430 防御 430 430 430 430 430 430 430 440 450 430 ■攻略法募集中■ 本日 - 昨日 - 総計 -