約 165,680 件
https://w.atwiki.jp/sh_takasen/pages/61.html
鳥越裕介 背番号88 1軍内野守備走塁コーチ 呼び名は「ゴエ」、「ゴエさん」、「パルプンテ」など。 普段の打撃はryだが、ポストシーズンにめっぽう強いため、「ミスターオクトーバー」の異名を持つ。 大分県臼杵高 - 明治大を経由し1994年中日ドラゴンズにドラフト2巡目で入団。 1997年には遊撃手というポジションで守備率 997というプロ野球記録を残した。 1999年にトレードでダイエーへ。 2006年に引退し、翌年から二軍の守備走塁コーチ→2009年から二軍監督→2011年からは一軍守備走塁コーチと、なんだか出世街道である。厳しくも熱い指導で、選手からの人望は厚い。 選手時代〜 恵まれた体格から繰り出される残念な打撃、名手と称される軽やかな守備を行う選手。応援団から「働け働け」とコールされることも。打撃については、中日からのトレードの際、当時中日の監督だった星野仙一が「鳥越はそちらの2軍の選手より打てませんよ」と王さんに前もって言っていたほど。 2003年ダイハード打線と称された時でも、チーム打率2割9分7厘という何かがおかしいチーム内において打率が2割1分2厘しかなく、他球団から「癒し」と言われたりもした。が、2003年日本シリーズでは、阪神サイドからほぼ無警戒だったのを逆手に取る(?)大活躍。連日「ラッキーボーイ」と称された。巨人・坂本勇人は光星学院時代に「ソフトバンク鳥越のような豪快な打撃が持ち味」と記者に評価されたことがあるが、未だにこの記者の真意は不明である。はて、豪快な打撃…? 一方、呼び名の“パルプンテ”という、ドラクエに出てくる「何がおこるかわからない不思議な呪文」と同様に「鳥越が打つと不思議なことが起きる」とされた。例)チーム5連敗で優勝脱落の危機の試合で逆転HRを放ち、チームはその後9連勝→優勝など。「鳥越が打点を上げた試合は負けない」とネタ混じりで言われていた。 ゴエデータ2003年(264打数56安打25打点1本塁打 .212)鳥越が出た試合 70勝42敗3分 勝率 .625 鳥越が出てない試合 12勝13敗 . 勝率 480 鳥越がヒットを打った試合 33勝7敗1分 勝率 .825 鳥越が2安打以上の試合 9勝2敗 . 勝率 .818 鳥越が長打を打った試合 5勝1敗 . 勝率 .833 鳥越が打点を挙げた試合 15勝2敗1分 勝率 .882 ポストシーズンにめっぽう強く、プレーオフでもチームが風物詩化する中、最終回の場面で同点の引き金となるツーベースを放つなど気を吐いた。「ミスターオクトーバー」の異名はここから来ている。 2003年の東西対抗戦では、サヨナラHRを放ちヒロインに!ベンチや観客、実況アナにいたるまで大爆笑させる。 2005年には当時横浜に在籍した種田仁から「ガニマタ打法」を教わって、「格好わるい」と言いながらも取り入れていた。 しゃべりが上手いのが特徴でお立ち台でも軽妙なトークを披露するなど人気があった。 2005年8月31日には3打点を上げる活躍でヒーローに。王さんはこの日の活躍に当時「万馬券を当てたよう」とコメント。この試合が実質選手としては最後のお立ち台となった。 (今日の活躍に触れられて)「まぐれです」 (前打者ホルベルト・カブレラが敬遠されたことを聞かれて)「敬遠は当然です」 (同年代の宮地の活躍に触れられて)「まあ、社長(宮地選手)はよく頑張っていると思います。負けないように頑張りたいんですけど、打率がまだ6分くらい差があるんで、何とかつめて宮地も首位打者取れるように頑張って欲しいです」 (夏休み最後の試合、野球少年、野球少女たちに最後に一言)「たまにしか試合に出なくても練習してれば結果は出ると思います。腐ることなく、野球少年みんな日々の練習を一生懸命やって下さい。今日はありがとうございました」 若手の台頭を受け、2006年に王さんから直々に戦力外通告→コーチ就任の連絡が入る。「知らない番号からかかってきたと思ったら王さんだった」とのこと。コーチ番号は当時二軍監督をしていた秋山幸二の「71」に。1971年の7月1日生まれ、当時の部屋番号も701ということで嬉しかったらしく、引退会見もこの喜びに触れたさっぱりしたもので、記者陣を笑わせた。 コーチ時代 引退の翌年から二軍の守備走塁コーチをしていたものの、2009年には30代という若い2軍監督に。 途中、コーチになることに対し、背中を押してくれた最愛の夫人を乳ガンで亡くす。同じ頃に父が急逝した福田がショックのあまり投げやりになったが、「お前の気持ちは俺も分かるけど、野球のときは忘れよう。それがお父さんのためだ」と言って、励ましたという。 福ちゃん、今宮辺りは特にコーチ時代から指導している。正しく、わしが育てたならぬ鳥が育てた状態で、川﨑からも尊敬されている。ちなみに、鳥越による福田評は「首から下は完璧」。2012年に二軍コーチ時代から指導をしていたトゥーシェンが、プロ入り初HRを放った際には泣いてしまったことが球団側より暴露されている。 2011年からは一軍守備走塁コーチをつとめ、試合後に福ちゃんをハリーホークに向かって挨拶させ、その様子を見て爆笑していたことも。 2011年、日本シリーズに向けてのチーム内紅白戦において、控え選手で結成された紅チームにて、野手不足のため3塁手として引退後まさかのスタメン。未放送だったものの広報によると内川の打球を無難にさばいたとのこと。打席はなかったがたかせん民「現役復活あるで!」「代打は監督だな」と大盛り上がり。しかも試合は、この試合右翼手だった山崎のレーザービームもありまさかの紅組勝利という、パルプンテな試合に。 2012年春のセンバツに、元ホークスの大越基監督率いる早鞆(山口)が初出場を決めたことに対し、「これで願掛けしていたヒゲが剃れます(笑)」と相変わらずの喋りで祝福する。なお、大越が監督をつとめることになった際「選手は監督の顔を見ている。お前が変わらないと何も変わらんぞ」という鳥越の言葉が胸をついたと大越自身は語っている。3月26日の早鞆-智弁学園戦には、田之上と共に現地へ応援に駆けつけた。 監督の変わらなすぎる体型がおかしいのだが、最近徐々に太ってきている気配がある。 2006年に引退した際はきちんとお別れの場を設けてもらえず、数年後に村松が引退する時には彼の引退試合を開いてもらえるよう、球団に掛けあったこともある。2012年3月4日、柴原引退によるメモリアルバッターボックスでは、内野陣形があえてダイエー時代のものとなり、「ショートストップ・鳥越裕介」として6年ぶりにショートの守備に!コールされると大歓声が球場内に起こった。球団公式Twitterによるとセレモニー終了後に「今日は、鳥越裕介の裏引退セレモニーなんやで」と言ったとのこと。飯島球団スタッフTwitterによると、元ホークスの井口がセカンドにつくという計らいは、鳥越が話をつけて実現したらしい。 2012年末、GG賞のチーム受賞者が本多一人だったことを受け「もし来年ゼロだったら辞表を出さないと」とコメント。翌年、見事松田と今宮が期待に応えて受賞した。 その他エピソード ムードメーカーで誰とでもすぐに打ち解け、藤井将雄の棺を本人曰く「俺は外様なのに」チームメイトと運んだことも。 外国人選手とも仲が良く、ペドロ・バルデスが戦力外通告を受け、帰国する際には空港まで行きただ一人見送った。バルデスはそんな鳥越の気持ちに打たれて泣いたという。 やはり昔在籍したトニー・バティスタがお立ち台でよく口にする「チョーゴキゲン!」は、鳥越が吹き込んだ説が有力視されていたが、違うとのことである。 アッキーラの座右の銘『野球を差別する人は、野球に差別される』は、元々鳥越の言葉。一軍と二軍を行き来して歯がゆい思いをしていた当時、鳥越コーチが『野球を差別する人は、野球に差別される』と言って、一軍でも二軍でもやることは一緒と教えてくれたことが印象に残っているから座右の銘にしたとコメントしている。 前述の夫人の件もあって乳ガンの撲滅・早期発見の啓発・推進を呼びかける『ピンクリボン運動』の啓蒙活動を行っている。「(検診で早期発見するなどして)1人でも多くの方が助かってくれればいい。あんな思いをするのは俺だけでいい」「毎年涙が出そうになります。手渡しすることで、(チラシに)必ず目を通してくれると思います。いつ、自分の身の周りでも起こるか分からないことですし、検診にはしっかり行ってもらいたいです。」
https://w.atwiki.jp/hmmarimo/pages/226.html
1981年 篠塚和典(巨人) 短打・長打狙いに瞬時に切り替える器用さと正確なバットコントロール、また二塁手としては華麗な守備で活躍した。 通算成績 打率.304 HR92 打点628 盗塁55 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1982年 田尾安志(中日>西武>阪神) イチローが憧れた選手。円月打法から広角に打ち分け、安打製造機と呼ばれた。引退後は、東北楽天イーグルス初代監督となった。 通算成績 打率.288 HR149 打点574 盗塁58 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1983年 高橋慶彦(広島>ロッテ>阪神) スイッチヒッターでありながら打率3割を5度、20本塁打以上を4度記録するなど活躍。日本記録の連続試合安打33試合はイチローですら破ることが出来なかった金字塔。 通算成績 打率.280 HR163 打点604 盗塁477 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1983年 中畑清(巨人) そのハツラツとしたプレーなどから「絶好調男」と呼ばれ、引退試合となった89年日本シリーズ第7戦で代打HRを放つなど記憶に残る選手。松井秀喜と対談すると大概、言い負かされる。2012年、横浜DeNA初代監督に就任。 通算成績 打率.290 HR171 打点621 盗塁70 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1984年 宇野勝(中日>ロッテ) 珍プレー好プレーが始まるきっかけとなる伝説の「おでこキャッチ」をし、ホーム付近にいた星野仙一が激怒してグラブを叩きつけていた。遊撃手としてはシーズン記録の41HRを放った強打者である。 通算成績 打率.262 HR338 打点936 盗塁78 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1985年 高木豊(大洋>横浜>日ハム) スーパートリオの一人としてその俊足を生かして相手チームをかき回した。長男、次男、三男とサッカー選手として活躍している。 通算成績 打率.297 HR88 打点545 盗塁321 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1985年 掛布雅之(阪神) 江川卓との名勝負を演じた4代目「ミスター・タイガース」。甲子園の浜風を計算して、打球を風に乗せてレフトスタンドへHRを打つなど技術力と聡明さが光った強打者。 通算成績 打率.292 HR349 打点1019 盗塁49 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1985年 落合博満(ロッテ>中日>巨人>日ハム) 今も達成されない3度の三冠王を獲得した日本を代表する天才打者。逆方向のHRは滞空時間が長い独特のものだった。また中日の監督としては優秀な成績を残した。 通算成績 打率.311 HR510 打点1564 盗塁65 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1985年 岡田彰布(阪神>オリックス) 85年、選手会長として打率.342、35HR、101打点と活躍し、阪神初の日本一に大きく貢献。珍プレー好プレーでは、一塁にヘッドスライディングした際に”しゃちほこ”のようになる様が取り上げられた。 通算成績 打率.277 HR247 打点836 盗塁76 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1985年 真弓明信(ライオンズ>阪神) 長打力のある1番打者として活躍。初回先頭打者本塁打、通算41本はプロ野球第2位の記録である。ロッテのコーチ時代、バレンタインデーのポスターに載るほどの男前。 通算成績 打率.285 HR292 打点886 盗塁200 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1985年 ランディ・バース(阪神) 2年連続の三冠王、阪神ファンは「神」と呼び、多くの野球ファンに「史上最高の助っ人」とされている。右へ左へ浜風関係なく飛ぶ打球は凄まじく、85年の阪神日本一の立役者となった。 通算成績 打率.337 HR202 打点486 盗塁5 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1986年 川藤幸三(阪神) 「浪花の春団治」として親しまれた阪神代打の切り札。その豪快な立ち振る舞いは多くの人に愛された。コーチ時代には「野次将軍」としてベンチに君臨した。 通算成績 打率.236 HR16 打点108 盗塁29 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1986年 達川光男(広島) コンタクト事件、サヨナラ・インフィールドフライ、当たってないのに死球だと偽る、ファールをキャッチング技術で誤魔化し三振でゲームセットに見せかけるなど「西の詐欺師」として数々の珍プレーを生んだ。 通算成績 打率.246 HR51 打点358 盗塁17 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1986年 ウォーレン・クロマティ(巨人) 巨人史上最高の助っ人。観客席の巨人ファンへの「バンザイコール」などのパフォーマンスで人気を博した。暴走して野手に挟まれて、タッチアウトになる時のしぐさはお茶目だった。 通算成績 打率.321 HR171 打点558 盗塁26 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1987年 秋山幸二(西武>ダイエー) HRを打ってバック転でホームインするなど高い身体能力を持つ走攻守3拍子揃った選手で、オールスターゲーム18年連続ファン投票選出による出場は歴代最長記録である。 通算成績 打率.270 HR437 打点1312 盗塁303 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1988年 門田博光(南海>オリックス>ダイエー) 足に負担のかからないHR狙いの打撃で88年に40歳で44HRを放ち、日本初の快挙となると同時にMVPも獲得し、プロ野球史上最年長記録となった。 通算成績 打率.289 HR567 打点1678 盗塁51 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1990年 藤井康雄(オリックス) パ・リーグ最強の満塁男で、通算満塁HR14本はパ・リーグ記録、代打満塁HR4本は日本記録である。 通算成績 打率.252 HR282 打点861 盗塁20 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 1990年 伊東勤(西武) 捕手として歴代2位となる2327試合に出場し、西武ライオンズ黄金時代の司令塔として活躍した日本球界屈指の名捕手の一人。 通算成績 打率.247 HR156 打点811 盗塁134 javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。 戻る
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/45029.html
登録日:2020/05/17 Sun 21 25 20 更新日:2024/08/24 Sat 20 15 02 所要時間:約 22 分で読めます ▽タグ一覧 936連勝 NWA WWE殿堂 ティヤシュ・ラヨシュ バックドロップ バナット プロレス プロレスラー ミシガン州 ルー・テーズ 世界王者 最強 鉄人 『ルー・テーズ(Lou Thesz)』1916年4月24日 - 2002年4月28日は、米国のプロレスラー。故人。 ミシガン州バナット出身。 本名:アロイシウス・マーティン・テーズ(セッズ) 幼名:ラヨシュ・ティヤシュ(ルー・セーズ) ハンガリー系移民(母はドイツ系)の子で、ファミリーネームは日本では“テーズ”として定着しているが、本来の英語圏での発音では“セーズ”に近く、更にルーツであるハンガリーでは“セッズ”となるという。 全盛期の公称サイズは身長191cm、体重110kg。 晩年でも腹等は殆ど出ておらず、手足が長く痩せ型だが均整の取れた体格をしていた。 非常に運動神経に優れていたそうで、挑む競技やリング上での技の動きに応じて利き腕や利き脚(踏み込みの順番や体の向きや振り上げる足なんか)が自然に変わり、本人もそれが戦術的に(相手が間合いに戸惑う等して)有利に働いたと語っている。 16歳でのデビュー以来、休業していた時期もあるものの、半世紀以上もの期間(単純に始まりから終わりとすると58年間)にも渡って現役生活を続けた。 21歳の若さで初めて世界チャンピオンとなって以来、全盛期を過ぎても業界を代表するプロレス王者として名を挙げられていた。 特に、1948年から1955年までのキャリアを重ねながら体力も衰えていなかった時期には、公式戦で936連勝という前代未聞の大記録を打ち立てており、ギネスブックにも記録されている。 ……ただし、記録の中には引き分けも挟まれているし、テーズ自身は記録その物を否定している。 以上の経緯から付けられた異名は“20世紀最高(最強)のプロレスラー”で、日本では“(20世紀最強の)鉄人”の敬称で親しまれた。 日本でプロレス文化が根付いた頃には既に選手としては一歩引いた業界の大ベテランとなっていたことから、権威付けの為の顧問として複数の団体に呼ばれることもある一方で、リングに立った場合には衰えを知らないかような妙技を見せつけた。 一撃必殺のバックドロップの使い手として知られ、日本では正統派のプロレスラーの理想系として捉えられていたものの、実際の業界では確かに強いものの強さ以外の観客へのアピール力は低い(ショーマン的ではない)という類の選手であり、特に中年となって以降は興行の目玉ではあるものの、どちらかと言えばヒール的な扱われたかたもされたという。 日本での関わりの中で、アントニオ猪木やジャンボ鶴田にバックドロップを伝授したことでも日本のファンにはお馴染みの存在である。 現役最後の試合は90年に新日本プロレスで行われた、日本人では最後の弟子とも呼べる存在となった蝶野正洋との戦いで、何と74歳の時だった。 【来歴】 1916年4月ハンガリー帝国からの移民であった靴の修理工で、母国ではミドル級のレスリング選手でもあったティヤシュ・マールトンの長男として生まれる。 出生名はティヤシュ・ラヨシュで、他に三人の姉妹が居たという。 一家は1918年にミズーリ州セントルイスに移住し、そこでファミリーネームを英語名に改め、ティヤシュはルー・セーズ(テーズ)となる。(ハンガリーでは本来は姓が先なので、ティヤシュ・ラヨシュ→ラヨシュ・ティヤシュの英語変換である。) 物心ついた頃より、父よりグレコローマンスタイルのレスリングの指導を受けており、これがテーズの格闘競技者としての原点となった。 同じく、幼少の頃より父に連れられてプロレス観戦にも出かけていたとのことで、貧乏な移民の子供だったテーズは、十代になると自然にプロレスビジネスの世界へと入っていくことになる。 デビューは1932年の16歳の時で、イースト・セントルイスの教会で行われた興行でデビューしたという。 テーズは、この頃を長いプロレス人生の中で一番楽しかった時期と回想しているそうで、ルーキーであるテーズはアマレスの強豪であったコーチのジョージ・トラゴスと先輩のピート・サワーからは実戦的なレスリングを、同じく先輩で日本の講堂館柔道に挑戦した経験も持つアド・サンテルからは関節技を学んだという。 テーズは、スタンディングでもグラウンドでもダブルリストロック(チキンウィング・アームロック=腕からみ)で相手をコントロールする戦法を基本としていたが、この技術はこの頃には既に培われていたのかもしれない。 そして、テーズの“伝説”も、この頃からスタートする。 “伝説”によれば、テーズが訓練を積んでいたセントルイスのジムに元プロレス王者“ストラングラー(絞め殺し)”エド・ルイスがフラリとやって来て、そこで見かけた17の若造に稽古を付けてやろうとした。 しかし、その若者は反対に往年のプロレス王者をグレコローマン・バックドロップでマットに叩き付け、絞め殺し屋はショックを受ける処か未来の王者を見つけたことに大喜びしたという。 それが、ルイスが若者=テーズのロードマネージャーとして付くようになった始まりであったという。 ……これが、ルー・テーズとエド・ルイスの“伝説”となっているドラマチックな出会いであるが、流石にスパーリングこそしただろうけれども、脚色され過ぎたエピソードであると見られている。(*1) だが、1920年のニューヨークで大観衆を前に世界チャンピオンになった“本物”の実力者が、まだ現役中だったのに、たかだか17歳の若者に惚れ込んで師弟関係を結ぶばかりか、マネージャーとしてツアーに帯同するようになったこともまた事実である。 そして、1937年に入って早々には、当時は新聞記者をしていたサム・マソニックとの出会いがあった。 ユダヤ人で、熱狂的なプロレスファンであったマソニックは若きテーズの才能に惚れ込み、何と30日間連続で特集記事を書き下ろし、この記事で大いにテーズは知名度を上げることになったという。 後にマソニックはセントルイスでプロモーターに転向し、更に後の48年には米国、延いては世界最大のプロレス興行団体として知られる(新)NWA(National Wrestling Alliance)の七人の発起人の一人となり、その中でも最も長い通算で22年間もの間を会長として過ごしている。 テーズは、NWA発足後は単なる選手を越えたマソニックの懐刀として、NWAの勢力拡大に貢献することになる。 37年12月、当時の慣例では30歳前後からが獲得資格となっていた世界王者(MWA世界ヘビー級王座)を、上記の経緯や知名度の上昇もあってか21歳にして獲得。 この時には防衛戦でのアクシデントもあり短命に終わったものの、39年には旧NWA世界ヘビー級王座を獲得している。 しかし、この時も半年で陥落し、おまけに敗戦にて左膝を負傷して一年もの休業を余儀なくされたという。 この時の負傷は古傷として一生残ることになり、本人は70歳にして右の臀部を手術する羽目となったのは、長年に渡り左膝を庇う無理な動きが常態化していたからだ、と振り返っている。 このように、若きテーズにも楽あれば苦ありという所であったが、世界大戦の最中、師匠のエド・ルイスが活躍したかつてのプロレスの本場であるニューヨークが興行を自粛する中で、新たに米国のプロレスの中心地となったのは奇しくもテーズの住む中西部セントルイスであり、テーズは地元の若くて強くてハンサム(グッドルッキング)な王者としてプロモーターにも愛されていたという。 43年、既に著名なプロレス王者となっていたテーズも大戦中のこの時期にはアメリカ合衆国陸軍に入隊していた。 尤も、出兵等はせずに体育教官の任に就き、オマケに軍でもプロレス興行を行っていた。 これは、当時の決まりで興行収入の20%を軍が活動費として徴収出来た為で、寧ろ積極的に奨励されていた程だったという。 終戦後の46年にカナダ・モントリオールでモントリオール版AWA世界ヘビー級王座を獲得。 47年にセントルイスでホイッパー・ビリー・ワトソンを破りNWA世界ヘビー級王座を獲得。 一度、ビル・ロンソンに渡すも48年7月に取り返し、ここから55年5月にレオ・ノメリーニに反則負けするまで、前述の通り936連勝(正確には936戦無敗か)の記録を打ち立てることになる。 この間の53年12月には、ハワイで日本プロレスを発足させたばかりの力道山がテーズとの初対決を実現させているが、実力の違いを見せつけられ、3本勝負ながら1本目の決着となった元祖パイルドライバー(後述)の威力もあってか、後のラウンドを棄権して敗北している。 終戦後のテーズの歩みは、そのまま米国マット界の展開とリンクしていた。 特に、40代に入ったテーズが敗北もするようになったことでNWAは分裂状態となっていき、エドワード・カーペンティアに敗れた試合を切っ掛けとして、セントルイスのNWA本流に離反した勢力により、AAC(ボストン)、WWA(ロサンゼルス)、AWA(オマハ-ミネアポリス)が誕生した。 ニューヨーク派の推す新王者である“元祖ネイチャーボーイ”バディ・ロジャースとの戦いでは、セミリタイアして牧場経営していたテーズがマソニック派に引っ張り出され、試合では思惑通りに完勝を収めながらも、自分達が主導権を握ったままでいたいビンス・マクマホン・シニアが中心となってWWWF(現在のWWE)を誕生させた。 つまり、テーズの一挙一動で米国のテリトリーの勢力図が塗り変わり、70年代には三大テリトリー(NWA、AWA、WWF)の誕生に繋がった。 こうした流れを鑑みても、テーズのNWA世界王座をオリジナルとすれば、それと並ぶ権威とされたAWA王座、WWF王座も元は勝手に暖簾分けされた亜流タイトルでしかなかった。 力道山時代に日本マット界の最高権威であったインターナショナル王座も、元を糺せばNWA王座を失ったテーズに対して、NWA本部が長年の感謝を込めて贈呈したベルトを、テーズが58年にかつて勝利した力道山に招聘され、日本マット界の為に置いていった(・・・・・・)タイトルである。 このインターナショナル王座を中心に、ジャイアント馬場の全日本プロレスでは90年代に三冠ヘビー級王座が、政治力が足りず本家NWA王座に届かないことを悟ったアントニオ猪木の新日本プロレスでは、替わりの王座としてNWF王座の権威付けが行われ、80年代からはオリジナルタイトルとしてIWGPヘビー級王座が設立されることになった訳である。 そうしたタイトルの誕生した理由を当時の日本のファンも関係者さえも正確に語れたかは不明だが、遡ってみれば、凡ての源流はテーズにあった。 そして、そんな事実を知らずともテーズは日本プロレスは勿論、新日本でも全日本でも権威として扱われた。 新日本プロレスでは、当初は日プロから引き継いだ外国人招聘ルートを全日本に握られていた為に、テーズとカール・ゴッチの二人を大物外国人として呼ばざるを得なかった。 73年に米国での対戦経験があったゴッチと組んで、猪木と坂口征二のコンビと対戦。 この時点でテーズは60間近、ゴッチも50に届く年齢だったものの、二人共に異常なコンディションの良さで“世界最強タッグ”の宣伝に違わぬ実力を発揮して、最終的には敗れるものの坂口をバックドロップで仕留める等、肉薄している。 75年には猪木のNWF王座に挑戦。 59歳ながら開幕早々にバックドロップが火を吹く等、全盛期の猪木を圧倒する場面すらあったが、一瞬のブロックバスターホールドで敗れている。 この交流の中で、アントニオ猪木にバックドロップの極意が伝授され、 後の83年には全日本プロレスで復活した、自分の名を冠した若手リーグ戦(ルー・テーズ杯争奪リーグ戦)の決勝を裁くために訪れた際に、馬場の次のエースであるジャンボ鶴田にもバックドロップを伝授している。 特に、鶴田はテーズ流のバックドロップを更に自分に合った形で研鑽を加えていったことで知られており、初公開にてオールドスクールのダーティチャンプである絶対王者ニック・ボックウィンクルから完全な3カウントを奪って、AWA世界ヘビー級王座をいきなり奪取。 この技をきっかけとして、鶴田は“善戦マン”を脱した“怪物”と化していくことになった。 一方、新日本と全日本プロレスの誕生より早く66年に日本プロレス離脱組により設立された国際プロレスにもテーズは招聘されていたものの、67年にTBSを放送局に付けた新体制としてTBSプロレスを名乗ってスタートした『TWWAプロレス中継』の第一回放送にて、TBSが新設したTWWA王座を巡る戦いにて、局側が次代のエースとして推すグレート草津にやんわりとながら負けるように指示されたテーズは憤慨。(*2) 社長の吉原功もスポンサーのTBSの顔をやんわりと立てつつもテーズに非礼を詫び、指示に従う必要が無いことを了承した。 ……そうして始まった草津との試合では、直ぐに草津の実力を見切ったテーズが早々にバックドロップを放ち、一撃で草津は失神KOに追い込まれる。(*3) これにより、スタートの時点で思いっきり泥を塗られる形となった『TWWAプロレス中継』も74年までで打ち切られ、国際プロレス自体も81年に活動を中止した。 後に設立された新日本と全日本の隆盛の陰でひっそりと活動を終えたきっかけがテーズのバックドロップだったと誠しやかに囁かれているものの、何だかんだで番組も団体も延命している辺り、単に団体や集まった人員の力不足であったのかもしれない。 ただし、テーズに敗れてエースの夢が早々に破れた草津に関しては、低迷を越えて団体の中心選手には戻るも、後に改めて設立された看板タイトルのlWA王座には手が届かず、団体の終焉と共にプロレスラーも廃業している。 尚、上記の様な経緯を考えれば団体を出入り禁止になってもおかしくないテーズだが、実際には下記のCWAと国際プロレスの提携関係もあって、スペシャルレフェリーとして団体の終焉までに度々と訪れていたりする。 これについては、国際プロレスの立役者に日系人レスラーのグレート東郷が居り、彼と共に力道山の死後の日本のプロレス界をコントロールしようとしていた為とも、単にプロとして金払いのいい相手に従っていたからとも言われる。 実際、同時期に国際プロレスのエースであったラッシャー木村の印象をファンインタビューで聞かれ、猪木や馬場より強いと応えてしまっている。 また、東郷と組んでいたことについては、日本のマット界を思う気持ちを利用されたと釈明したりしているので、割とマジの話だった可能性も……。 日本では猪木へ挑戦した75年以降は選手としては呼ばれていなかったが、77年にメキシコUWAで初代UWA王者に認定されて一年も防衛した末にカネックに敗れて王座を失い、還暦越えながら立派に初代王者としての責務を果たしている。 更に、80年からはテネシー州メンフィスの独立団体CWAにて、“人間風車”ビル・ロビンソンに幾度も挑戦しており、この頃までは還暦過ぎでもコンディションを維持出来ていたことが窺える。 しかし、86年の右臀部の手術により、やっと選手としては本当にリタイア状態に。 しかし、87年にWWFで開催されたオールド・タイマーズ・バトルロイヤルで出場している誰よりも年上だったのに優勝。 そして、90年に新日本プロレスで長州力が認定されたグレーテスト18クラブ王座の設立の為に訪れた際に、前年に海外修行の締めくくりで自宅ジムを訪れてSTF(ステップオーバー・トゥーホールド・ウィズ・フェイスロック)を会得していった、最後の弟子とも呼べる蝶野正洋と戦うが、試合の中で臀部を負傷してしまう等、納得のいく戦いが出来なかったとして長い現役から退くことを決意した。 関係者や観衆からは当然のようにエキシビションとして扱われていた試合だったが、当人にとっては昔と変わらず真剣勝負であり、この試合でも開幕直後に完璧なタイミングでバックドロップを炸裂させ、往年の反りは流石に失われていたものの、目が覚めるような一撃で観衆をどよめかせた。 試合内容も、往年のテーズの攻めを目立たせる蝶野のド派手な受け身もあって短時間ながら見処の多い内容で、最後は蝶野に先んじてSTFを仕掛けた所を反対に切り返されてギブアップ負け。 テーズは最後まで“鉄人”の矜持を崩さずに長い現役生活を終えたのだった。 ……が、92年に新日本から派生したUWFから更に派生したUWFインターナショナルが最高顧問として接触を図ってきたのに応えて、自身が所有していた旧モデルのNWAヘビー級王座ベルトを世界ヘビー級王座ベルトと称して提供。しかし、このベルトは90年にテーズ自身がバージニア州ノーフォークで開催したトーナメントにてインターナショナル・ワールド・ヘビー級王座として既に復活させており、Uインターでは日本で知られる前に王者となっていたマーク・フレミングを呼び寄せてノンタイトルで高田に負けさせる替わりに、フレミングを常連外国人として使うという回りくどい措置を取らねばならなくなり……と、ちょっと迷惑な偉いお爺ちゃんなのは晩年まで変わらなかった。 更には、92年に第2回G1を制して弟子の蝶野が復活したNWA世界ヘビー級王座を獲った際に、リップサービスで袂を分かった先輩の高田の名前を出すと、直ぐ様に本気にして高田と対戦させようとしたりと、その後も団体の垣根を越えてやらかしは続いた。 新日本は新日本で「ん?今なんでもって…」とばかりに条件は何でもいいと煽ってきたUインター側に対して数億円のギャラを要求したり巌流島決戦を要求したりと無理難題を吹っ掛けた訳だが、巻き込まれた蝶野の述懐によると、G1中の負傷による首の古傷の悪化で、レスラー人生の中でも最悪と呼べるコンディションにあった蝶野を守る為に長州以下のフロントがUインター側の思惑を反故にするために動いた結果であったらしい。何れにせよ、Uインターに関わったこととでテーズは新日本側から見限られてしまうが、本人的にはプロレス人生で二番目に楽しかった時期であるらしい。(金払いが良かったのだろうか?) また、Uインターが苦しくなると理由を付けて離れたと誠しやかに言われていたものの、02年3月のUインターのブレーンであった宮戸優光の結婚式には夫人を伴って来日している。 しかし、それから間も無くの02年4月28日にフロリダ州オークランドで心臓バイパス手術に挑むが、肺炎の併発による心臓疾患で逝去。 無理に手術をしなければもっと長生き出来たとも言われていた程だった“鉄人”は、手術の失敗で呆気なく旅立ってしまった。享年86歳。 長い人生の大半を、プロレスの為に費やした偉人であった。 2016年4月。WWE殿堂レガシー部門に“20世紀最強の鉄人”の名が加えられた。 【主な得意技】 バックドロップ テーズの代名詞にして、現在でも“伝説”として残る必殺技。 テーズのバックボーンを踏まえ“グレコローマン・バックドロップ”と呼ばれる(当人も称していた)こともある、反り投げタイプのバックドロップ(現在ではバック(ドロップ)・スープレックスとも分類される)である。 テーズ曰く、父から教わったグレコローマン式のバックドロップ、兄弟子のアド・サンテルが習い覚えていた柔道式の裏投げ、プロになってから会得したプロレス式のバックドロップ(抱え式バックドロップ=ベリー・トゥ・バック・スープレックス)をミックスさせて完成したと語っていた。 この弁からすると、元祖もテーズとなるが、元祖はアド・サンテルで弟子のティヤシュ・ラヨシュに伝授されたとする話も伝わり、更にティヤシュが英語名アロイジャス・マーティン・ルー・セスを名乗っていたので、これがテーズと間違えられたのだろう……とする説が誠しやかに語られていた。 ……が、どうやらこの説ではテーズ(セッズ)がハンガリー系移民であるという事実までは踏まえていなかったようで、どうやらハンガリー名ティヤシュ・ラヨシュ(名と姓の順番だとラヨシュ・ティヤシュとなる)とは、やっぱりルー・テーズ(ラヨシュ・ティヤシュの英語名変換)のことであったらしい。(アロイジャス=アロイシウスは成人してからの“本名”だった模様で、テーズは幼名をリングネームとしていたことになる。) ……まあ、既に100年近く前の話であるし、お伽噺となってもおかしくない頃合いではある。 俗に言う“ヘソで投げる”バックドロップであるが、テーズ本人は、日本でそう言われている“極意”について「出来る訳がない」と一笑に付したとのことで、どうやら弟子達にそう言って指導していたというのも単なる“伝説”だったようだ。 バックドロップ自体は、近代では定番過ぎて基本と呼べる技となってしまった感があるが、現在でも大技として大事に使う選手も居るし、中でもテーズ式はコンスタントに“必殺技”とする使い手が登場してくる程の技である。 前述のように直接指導した相手にはアントニオ猪木やジャンボ鶴田が居り、蝶野も初めに道場に行った時には、最初は普通にバックドロップを指導されたと証言している。 蝶野の物は単なるヘソ投げ式ではなく低空式と呼ばれ、特に弧を小さく高速で叩き付けることを目的とした投げ方をしていたが、実はテーズがフィニッシュとしていたのは、此方の低空式であったとも言われている。 尚、テーズ本人は上記の弟子達も含む他の選手とは根本的な仕掛け方からが違っており、テーズの場合は相手がヘッドロックを仕掛けてくるように仕向けておいてから、その瞬間を投げていた。 無防備な状態の相手を投げることも必殺技としての威力を発揮する秘訣だったのかも知れない。 そのタイミングの妙は、見た目には老いさらばえていた引退試合の時にすら失われていなかった。 漫画の様な話だが、正に神業の類である。 バックドロップの和名と言えば“岩石落とし”だが、テーズの物は“後ろ脳天逆落とし”と呼ばれていた。 天龍源一郎は修行時代の米国に倣ってか、ヘソで投げるバックドロップ自体を“ルー・テーズ”と呼んでいた。 フライング・ボディシザース・ドロップ 和名は“空中胴締め落とし”という、恐らくはテーズのオリジナル技である。 相手に向かって足を広げながら正面から飛び付き、そのまま押し倒してフォールを奪う技で、どうやらバックドロップを使うまでも無い相手へのフィニッシュとしていたようである。 長いプロレスの歴史の中でも殆ど使い手が居ないレアな技で、テーズ以降は弟子のジャンボ鶴田がバックドロップと共にレパートリーにしていたり、テーズと直接の繋がりは無いものの、同じくアマレス出身でバックドロップを必殺技とした永田裕志が一時期に使ってた位であった。 しかし、この技に再び脚光を与えたのは世紀末に突然変異的に出現したWWFのストーン・コールド・スティーブ・オースチンで、押し倒した上にマウントパンチをかますアレンジを加えたが、実況にて“鉄人”へのリスペクトからテーズ・プレスという新しい呼び名が付けられた。 オリジナルに近い使い方では、10年代に入ってから獣神サンダーライガーが再現に挑み、一時期にはフィニッシュとして多用していた。 ハイアングル・バック・スラム またはリバース・スラム、単にバック・スラムとも呼ばれている技で、以前の日本では元祖パイルドライバーと呼ばれていた技である。 もっと単純にテーズ式パイルドライバーと呼ばれるようにもなったが、テーズ自身も語ったように、後のパイルドライバーに比べれば、欧州式のスタンプ・ホールド(逆さまに抱えた相手を背中からマットに押し潰すようにして丸め込む技)に近い技であり、それを投げに特化させて、脳天から落としてやるようにアレンジした危険技である。 謂わば、前から仕掛けるバックドロップであり、テーズ自身のそれは相手を正面から片方の肩の上に担いで、鋭角にマットに突き刺していくという、マットの硬い当時には人を殺しかねないような技であった。 実際、負けん気の強い力道山も初対決でこの技を食らって、以降のラウンドを棄権している。 後に、一時期テーズの指導を受けたことがあるテリー・ゴディが、この技をアレンジしてパワーボムを開発している。 また、知ってか知らずか同じく弟子の蝶野が普通のパワーボム使いである越中詩郎戦にて近い技を見せたことがあり、ゲーム(『キング・オブ・コロシアム』)では“元祖パワーボム”の名前で実装されている。 この他では、海外発祥で川田利明が三沢光晴にパワーボムをウラカン・ラナで切り返されそうになったのを耐えて放った垂直落下式パワーボム(三冠パワーボム)が、要領が似ているとして“元祖パワーボム”と呼ばれている。 バックドロップ、フライング・ボディシザース・ドロップと並ぶ、テーズの“三種の神器”として数えられるが、この技は隠し技に近く、威力もバックドロップに匹敵する為か滅多に見られない技であった。 エアプレーン・スピン ファイヤーマンズ・キャリー(柔道の肩車)の体勢で担ぎ上げた相手を自らグルグルと高速回転することで平衡感覚を奪い、下に落としてから押さえ込んでフォールを奪っていく技。 フライング・ボディシザース・ドロップと同じく、バックドロップを使うまでもない相手へのフィニッシュとして使用された。 ドロップキック テーズ本人はショーマン・シップ的な技として嫌っていたそうだが、本人は実戦的な技としてアレンジしてレパートリーに取り入れていた。 正面飛び式だが、確実に受け身を取れるようにしたモーションの少ない飛び方で、相手の顎を蹴り上げるようなモーションで決まったり、倒れた相手には追撃として低空で決めていく等、エグい使い方をしていた。 当人も威力には自信を見せており、踏み切りが普段の構えの時とは逆になるので、対戦相手は大いに惑わされて距離感が掴めず、まともに顎に入った時などはそのままフォールを取れたという。 ダブル・リストロック いわゆるチキンウィング・アームロックなのだが、テーズの時代にはこの技でギブアップを取るという概念が無かったのか、もっぱらスタンディング状態から相手の腕を固めて、グラウンドに引きずり込む為の起点として用いていた。 その鮮やかさは引退試合でも色褪せていなかった。 テーズ曰く、グレコローマン・バックドロップより重要な技(戦術的な意味で)とのこと。 テーズ・スペシャル・スマッシュ 拳(ナックル)で殴るのは当時から反則技であり、テーズも基本的にはレスリングで試合を組み立てていたが、相手がラフに出たときや戦術の中では、この打撃を使う時もあった。 部位的には知ってか知らずか空手で言う弧拳に相当し、直角に曲げた手首の骨で殴る技である。 この他にも握った拳の内側で殴ることもあった。 試合によっては普通に拳を使う場合もあり、リング上の殴り合いではアマ・プロ両方で実績を残したボクサーでもあったダニー・ホッジ以外には負けないとの自信を持っていた。 また、相手がヘッドロックを仕掛けたくなるように、ヘッドロックの体勢から細かい打撃を打ち込むダーティな戦法も用いていた。 クロスフェイス テーズ自身は公式の試合でフィニッシュとして使うことはなかったが、相手の動きを完全に止めてしまうセメント(ガチ、洒落にならない)技として、古くから用いていた拷問的な複合関節技。 これこそが、テーズ道場を訪れた蝶野が見つけた“必殺技”であり、後にSTFと称される技の原型となった。 テーズは習得を申し出た蝶野に対して「これはセメント技だ」と説明したというが、日本への帰国後に多くの人にも納得させる形で、この技を公式の試合にも持ち込んでみせた蝶野のセンスを高く評価していたという。 実際、引退試合となった蝶野とのエキシビションでは、公式試合中に初めて、そして、蝶野に先んじて自分からSTFを仕掛けている。 尚、テーズ道場で言う“クロスフェイス”とは、正確には蝶野のSTFのバリエーション中の“原型STF”と呼ばれる技のことである。 この他、馬場が鶴田に言い聞かせた“必ずリング中央に位置取りして相手だけを動かす”という戦術のルーツ(少なくとも確認出来る限り)もテーズである。 その、基本的な戦術は引退試合まで変わらなかった。 【余談】 テーズと同じく、日本ではプロレス界でも最高の実力者として仰ぎ見られていた存在にカール・ゴッチが居り、プロレスラーとしての実績では雲泥の差があったものの、テーズも揃って日本に呼ばれることがあったゴッチの実力を認めていた。しかし、晩年には全くゴッチのことを話さなくなり交流も消えており、二人に何かがあったのは確かだが、詳細は近しい関係者にも不明である。因みに、二人には公式での対戦経験があり、ゴッチは9度もテーズのタイトルに挑むチャンスを得るが勝てず、64年にテーズがNWA王者、ゴッチがオハイオ版AWA王者として統一戦に挑んだ時にもテーズが勝利している。 現役の頃は3本勝負が普通だったので、礼儀として相手に1本を取らせてから2本取り返して勝利することが多かった。……が、それもせずに2本先取したり、前述の様に1本目で決着を付けてしまう場合も稀にあり、それはつまり……相手の実力が……ということが殆どだったらしい。 プロレス評論家、ライターの流智美は晩年のテーズの側近だったとして知られている。尤も、その関係はビジネス的なものではなく、息子を失っていたテーズ夫妻にとって流は“日本の息子”であり、偉大なるプロレス王者は気さくに“日本の息子”のマイホームにやって来ては昔話を聞かせ、流の子供達にとっては、テーズは優しいアメリカのお爺ちゃんだったという。 1991年に放送された第15回アメリカ横断ウルトラクイズでは、準決勝敗者に対する罰ゲーム要員としてゲスト出演。(*4)当時75歳であったがさすが本職、素人の敗者2名(ともに当時大学生)を圧倒していた。途中偶然にもダウンを取られ、そこからマジになってしまったが…(*5) 追記修正はヘソで投げてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] アメプロ界ではショーマンではないという扱いだったが逆にヨーロッパに行くと「ふざけてないで真面目にやれ」とかヤジられる程度にはショーマンであったようだ。まああっちはゴッチみたいなレスラーばっかりだったので極端というか。 -- 名無しさん (2022-07-27 13 41 51) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/2825.html
少し古びた校舎。 きちんと閉まらないロッカー。 落書きだらけのトイレの壁。 汗臭いボロボロの部室。 教室の窓から見える真っ赤な夕焼け。 桜が満開になる正門。 制服のまま入ったプール。 橙の落ち葉が舞う中庭のベンチ。 雪で一面になった校庭。 怪我した球技大会。 あいつの黄色い声援が恥ずかしかった体育祭。 焼きそばを作った初めての文化祭。 あいつに負けて悔しかった学年末テスト。 どこまでも続く緑の田んぼ道をふたりで歩いた。 藍色の海にひとりでいたあいつ。 よくふたりで買った紙パックの自販機。 下駄箱であの子がいつも待ってた。 あいつの髪を切った非常階段。 青い空の下で虹をつくってたあいつの姿。 だだっ広い図書室であの子に問い詰められた。 かわいいワンピース。 お返しのストール。 食堂のカレー。 ポッケに入ってたキスミント。 小銭がいつも散かってるカバン。 あの子と一緒に行ったマック。 泣いてるあたしをあいつのバイクに乗せてくれた。 あいつに連れてってもらった知らない紫色の街。 あたしの部屋でお泊り。 夏休み、ラブホテルで動揺。 あいつの好きな人を知った日。 決して届かない気持ち。 決して報われない想い。 卒業式前日の教室での曖昧な会話。 気付かないフリ。 あいつが選んだ道。 駅のホームで果たされることのなかった口約束。 あいつを想って泣いてるあの子の顔。 あたしの名前を呼ぶあいつの声。 今でも目に耳に心に残ってる。 24年間生きてきた中で一番濃かった高校三年の一年間。 思い出にするには早すぎて、受け入れるには遅すぎた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 七年前。 「いってきまーす」 お弁当が入ったスクールバックと、Tシャツとジャージの入ったアシックスのエナメルバッグを持って家を出る。 家から歩いて10分ちょっとで駅前のバスターミナルに着く。 そこから南山高校行きのバスに乗って約15分で学校に到着する。 これがあたしの通学ルート。 もう三年目。 学校の周りには田んぼと遊泳禁止の寂れた海しかない。 田舎と言われれば田舎だ。 まわりの子たちはここは田舎で嫌だって言ってる。 みんな都会で暮らしたいって言ってるけど、あたしは別にこのままでもいい。 だってのんびりして落ち着くんだもん。 街に行くにも電車で30分で着くんだし。 毎朝、田んぼの中を走るこのバスも好き。 顔なじみになったバスの運転手さんも好き。 7時15分。 まだ人の気配が感じなれない少しモヤのかかった学校。 普通の生徒の登校時間はだいたい7時45分頃。 なぜあたしがこんなに早く学校に行く理由はひとつ。 部活の自主練の為。 小さい頃から運動が出来る方だったし、毎年の運動会では決まってリレーの選手に選ばれてた。 一位になって親や先生に褒められるのが嬉しかった。友達にすごいねって言われるのが嬉しかった。 みんなにすごいねって褒めて欲しくて、陸上を始めた。高校に入ってからも続けた。 別に全国大会出場とか県代表とかに一度も引っかかったことないけど、そこは気にしなかった。 最近は褒められるよりも、ただ単に走るのが好きになったから。 それにうちの部は強豪校じゃないから、責められることはないし。 基本真面目な性格だから練習は今まで一度もサボったことはない。 そのせいか部長を任せられた。 元々小さい頃からよく先生に「西脇さん、あとお願いねw」って言われて、班長とか、なんとか委員長を経験済みだし。 その部活も今年の五月の県大会で引退。 引退試合くらいは表彰台に上りたいなって思って、今日から朝練を始めることにした。 部室で着替えて誰も居ない校庭を走る。 ザッ、ザッ、ザッと地面を蹴るスパイク音が響き渡る。 誰にも邪魔されないで走るのってすごく気持ちいい。 朝走るのちょっとクセになりそう。 キーンコーン、カンコーン、、。 8時を知らせるチャイムが鳴った。 走るのに夢中になってて時間を気にしてなかった。 あたしは急いで部室に戻って制服に着替える。 下駄箱の前の掲示板に人だかり。 今日から新しい学年だからみんな張り出されてるクラス割を見てる。 あたしも人だかりに飛び込んで自分がどこのクラスに入ってるのか確認する。 うちの学校は一学年10クラスある。 10クラスもあれば顔も名前も知らない人は結構いる。 なのでクラス替えの季節は結構ドキドキもんなのだ。 『西脇綾香』発見! 五組だ。 あっ!やった。 エリちゃんと一緒だ。 よかった〜。 友達がひとりでも一緒だとすごく安心する。 「チッ」 左隣から舌打ちが聞こえた。 振り向くと知らない子。目が合ったからニコって笑った。 向こうもニコって返してくれるかと思ったのに、超無表情。 そして人ごみを抜けて消えてしまった。 知らない子だったけど、顔ちっちゃくて可愛かったな。 長い黒髪もめっちゃキューティクルだったし。 なんで舌打ちなんてしたんだろ? 友達と同じクラスになれなかったのかな? そうだったら舌打ちするのわかる気がする。 「あ〜ちゃーん!!」 あっ、エリちゃんだ。 「クラス割見た?」 「見た見た!今年も一緒のクラスじゃけぇwちょー嬉しい」 「ねー。三年間一緒だもんね。あっ、大島っちとしずちゃんも一緒だよ」 「ほんまに?ヤッター!」 「しかも担任はミキコちゃんだって!うちのクラス当りだよねw」 「ほんまじゃ。なんかすごく楽しいクラスになりそうじゃねw」 「あ・・・。でもうちのクラス留年した人がいるみたいだよ」 「え?留年、、、てことは、いっこ上の人?」 「そうなるねw」 「えー!?なんかそれってやりずらくない?」 「しかもその人、結構ヤバ目の人らしい」 「えっ!?ヤバいってなにが?」 「わかんないwでもめっちゃキレイな人らしいよ?」 「そうなんじゃ・・・。て、その人なんて名前なん?」 「えっとね。フルネームは知らないwけど、あだ名があるみたい」 「あだ名?ヤバい人なのにあだ名なんてあるんじゃ。なんて言うん?」 「たしか・・・”もっち”とか言ったかな?」 お餅みたいなあだ名。 もっちって言うから名前は持田さん? そんな名前クラス割に載ってたっけ? まー、留年するほどヤバい人らしいからあまり関わらないようにしよ。 そんな人よりも、話の合う普通の子たちと仲良くなろっと。 高校生活最後の一年間なんだ。 思いっきり楽しんでキラキラでカラフルなそんな思い出たくさん作るんだもん。
https://w.atwiki.jp/kyojin-ogasawara/pages/646.html
「なんでも実況J」での巨人小笠原スレ 過不足あったらどんどん修正汁。余裕があったらスレ内容をリンクさせるとなお良し 分類は評価員の基準を参考にしつつある程度フィーリングで 変態変態~死亡 変態~受難 変態~射精 変態~純変態・基地外 変態~他 その他基地外 不謹慎 逮捕 スポーツ ほのぼの 他 巨人小笠原の秘密 歴史スレ ぐう畜~交流戦編~ 巨人小笠原だらけの歌謡祭 日ハム小笠原スレ カッスレ・カッスラー 変態 変態~死亡 巨人小笠原、広島天谷に挑発を繰り返すも死亡 大相撲・巨人小笠原場所が開催 巨人小笠原、ゴキブリホイホイに引っ掛かり死亡 巨人小笠原、交際中のキンタマを庇い死亡 巨人小笠原、地球を強姦し死亡 巨人小笠原、死ぬ。 巨人小笠原子力発電所 巨人小笠原、回転ドアから上手く出られずに餓死 変態~受難 巨人小笠原、魔球を覚える 巨人小笠原と七人の小人 巨人小笠原、山崎パン工場で延々と単純作業 巨人小笠原、居酒屋で暴行を受ける 巨人小笠原、宇宙戦艦に搭乗 変態~射精 巨人小笠原、柔道に転向する 変態~純変態・基地外 巨人小笠原「CDTVをご覧の皆さんこんばんは」 巨人小笠原、小説家デビュー 巨人小笠原、将棋をする 巨人小笠原、竜王戦に乱入 巨人小笠原、育児休暇を申請するために自身をレイプ 巨人小笠原、金さん銀さんの御霊をレイプし死亡 変態~他 巨人小笠原、平野綾と交際 巨人小笠原、中村ノリを大正義巨人軍に勧誘 巨人小笠原、クロコダインと決闘 巨人小笠原、暴走族に加入する 巨人小笠原、駒野のお見舞いに行く カッス、イカ娘と料理対決 巨人小笠原、ティンベーで弾きローチンで突く 巨人小笠原、ハロウィン祭りに乱入 その他 基地外 巨人小笠原、邂逅 巨人小笠原、子供店長をリコール 巨人小笠原、ハイチ支援へ 巨人軍小笠原、インパラと衝突 巨人小笠原、エース級の5頭を食す 巨人小笠原、尖閣諸島に居座る 巨人小笠原、『SMAP×SMAP』出演 巨人小笠原、相次ぐ高齢者の行方不明に喝 巨人小笠原、写生大会で射精 巨人小笠原「はい、こちら『いのちの電話』」 不謹慎 巨人小笠原、モモンガごっこをして死亡 巨人小笠原による一人甲子園、開幕 巨人小笠原、震災禍のハイチを慰モン 巨人小笠原、競艇のレース中に接触事故を起こし死亡 巨人小笠原、1945年8月にタイムスリップ ギギギの巨人小笠原 巨人小笠原、メイド喫茶を開業 巨人小笠原、不振の浅田真央のコーチに就任 巨人小笠原、笑って伊藤智に出演 巨人小笠原、石井投手の結婚を祝う 巨人小笠原の泉 巨人小笠原、徳光和夫の 逢いたい に出演 逮捕 巨人小笠原、キンタマを引きちぎり逮捕 巨人小笠原、強姦罪で逮捕─【東京都】 巨人小笠原、71424÷99000を計算し逮捕 スポーツ 巨人小笠原、幕田カイコスターズと対戦 巨人小笠原、矢野選手の引退試合を演出 巨人小笠原、格闘技イベント「Ginamite!!」出場決定 巨人小笠原、ファジアーノ岡山を応援 2022年は巨人小笠原宅で開催・・・サッカーW杯 ほのぼの 【性人の日】新性人が壇上でキンタマかざし乱暴 巨人小笠原、筆談ホステスと対談 巨人小笠原、歩くキンタマを熱演 巨人小笠原、海上で精液を噴射する ナゾの巨人小笠原、日本海沿岸に続々漂着 巨人小笠原、揺れる 巨人小笠原、焼肉店をオープン 巨人小笠原、花火になる るろうに憲伸が実写化―主要キャストに巨人小笠原 「眠りのカッス」、またしてもお手柄! 巨人小笠原、母校に帰る 巨人小笠原、EXILEに加入 巨人小笠原、釣り上げられる 巨人小笠原、しまむらでジーパンを買う 巨人小笠原、陳国際大学終身名誉教授に就任 巨人小笠原、全力で走る 巨人小笠原、4コマ漫画を描く 巨人小笠原、きこりの泉に落とされる 巨人小笠原、ワニワニパニックにキンタマを食われる 巨人小笠原、ポスティングに掛けられる 巨人小笠原、こりずに徹子の部屋に出演 巨人小笠原、ジャイアンズに電撃トレード 巨人小笠原、人生で一番楽しいクリスマスを過ごす 魚人小笠原、イクラに精子かけて逮捕 巨人小笠原、マジカルバナナで自分のバナナを披露 巨人小笠原、ひとあし早く雑煮を食べて死亡 他 星の王子さま、巨人小笠原に会う 巨人小笠原、ターフを駆ける 33歳男性お手柄!転落巨人小笠原を軌道上に寝かせる ノーベルぐう畜賞に巨人小笠原氏(36) 【速報】巨人小笠原、0ー9800でポルトガルに大敗 「すごいな、カッス。どうやったんだ?」 巨人小笠原、WC戦犯駒野と対談する 巨人小笠原、ネット掲示板にキンタマAA爆撃で規制 巨人小笠原、二足歩行をする 巨人小笠原、出馬する 巨人小笠原のキンタマ、FA宣言 巨人小笠原、プロ死亡届を提出 巨人小笠原、さらなる補強へ カッス教授、大正義について熱く討議 巨人小笠原、ドラフトで指名されず死亡 巨人小笠原、今年も指名されず・・・37度目 巨人小笠原、沢村投手入団を歓迎 巨人小笠原、リニアを開発し死亡 巨人小笠原主演「ダイ・セーギ3.7」が公開 ひげをそる頃に タマザラシ編 巨人小笠原、ついに訴えを起こす 巨人小笠原、地球温暖化に貢献 巨人小笠原、ハローワークを訪問 巨人小笠原、渡辺内野手を激励する 巨人小笠原、畜生人間コンテスト開催 巨人小笠原、島流しに処される 巨人小笠原、インフルエンザのワクチンに紛れ込む 巨人小笠原、戦犯オブザイヤー2010を開催 聖夜の惨劇!巨人小笠原、ホワイトクリスマスを祝う 巨人小笠原、クリスマスパーティで絶頂射精 新ローマ法王・巨人小笠原が即位式 巨人小笠原、実写版サザエさんに出演 巨人小笠原、野間口と選挙に行く 巨人小笠原、略してオガモン 巨人小笠原の秘密 巨人小笠原、オリックスファンを増殖 巨人小笠原、深夜のコンビニバイトを始めるも死亡 巨人小笠原、ピザ屋のCMに出演 巨人小笠原、生まれる 巨人小笠原、自身の存在に疑問を抱く あの人は今―――巨人小笠原内野手容疑者さん 巨人小笠原、巨人小笠原スレを立てる 巨人小笠原、万物を創生する 巨人小笠原、次の試合まで冬眠する 巨人小笠原の練習光景 巨人小笠原は何人のカッスと連続絶頂射精できるのか 歴史スレ 日本昔話「巨人小笠原太郎」 巨人小笠原、大名行列を行う 巨人小笠原、備中高松城を攻撃 巨人小笠原、信長の草履を温めて死亡 巨人小笠原、金を建国 巨人小笠原、後金を建国 ぐう畜~交流戦編~ 巨人小笠原、田口と壮絶な死闘を繰り広げる 巨人小笠原、斉藤和巳の手術を担当 巨人小笠原、谷村ひとしに圧勝 巨人小笠原「タッツ……ねえ」 巨人小笠原⇔小瀬外野手のトレードが成立 巨人小笠原だらけの歌謡祭 巨人小笠原、忍者になる。でも即死 巨人小笠原達、ロマンスの神様になる 巨人小笠原、忍タマになる 日ハム小笠原スレ 日ハム小笠原、神宮に降り立つ 日ハム小笠原、福岡に降り立つ 日ハム小笠原、37歳の誕生日前に帰還 日ハム小笠原、一夜限りの復活を遂げる 日ハム小笠原、チリの作業員33人を救出 カッスレ・カッスラー 巨人小笠原、最近のカッスラーに物申す
https://w.atwiki.jp/kixyojinogasawara/pages/19.html
「なんでも実況J」での巨人小笠原スレ 過不足あったらどんどん修正汁。余裕があったらスレ内容をリンクさせるとなお良し 分類は評価員の基準を参考にしつつある程度フィーリングで 変態変態~死亡 変態~受難 変態~射精 変態~純変態・基地外 変態~他 その他基地外 不謹慎 逮捕 スポーツ ほのぼの 他 巨人小笠原の秘密 歴史スレ ぐう畜~交流戦編~ 巨人小笠原だらけの歌謡祭 日ハム小笠原スレ カッスレ・カッスラー 変態 変態~死亡 巨人小笠原、広島天谷に挑発を繰り返すも死亡 大相撲・巨人小笠原場所が開催 巨人小笠原、ゴキブリホイホイに引っ掛かり死亡 巨人小笠原、交際中のキンタマを庇い死亡 巨人小笠原、地球を強姦し死亡 巨人小笠原、死ぬ。 巨人小笠原子力発電所 巨人小笠原、回転ドアから上手く出られずに餓死 変態~受難 巨人小笠原、魔球を覚える 巨人小笠原と七人の小人 巨人小笠原、山崎パン工場で延々と単純作業 巨人小笠原、居酒屋で暴行を受ける 巨人小笠原、宇宙戦艦に搭乗 変態~射精 巨人小笠原、柔道に転向する 変態~純変態・基地外 巨人小笠原「CDTVをご覧の皆さんこんばんは」 巨人小笠原、小説家デビュー 巨人小笠原、将棋をする 巨人小笠原、竜王戦に乱入 巨人小笠原、育児休暇を申請するために自身をレイプ 巨人小笠原、金さん銀さんの御霊をレイプし死亡 変態~他 巨人小笠原、平野綾と交際 巨人小笠原、中村ノリを大正義巨人軍に勧誘 巨人小笠原、クロコダインと決闘 巨人小笠原、暴走族に加入する 巨人小笠原、駒野のお見舞いに行く カッス、イカ娘と料理対決 巨人小笠原、ティンベーで弾きローチンで突く 巨人小笠原、ハロウィン祭りに乱入 その他 基地外 巨人小笠原、邂逅 巨人小笠原、子供店長をリコール 巨人小笠原、ハイチ支援へ 巨人軍小笠原、インパラと衝突 巨人小笠原、エース級の5頭を食す 巨人小笠原、尖閣諸島に居座る 巨人小笠原、『SMAP×SMAP』出演 巨人小笠原、相次ぐ高齢者の行方不明に喝 巨人小笠原、写生大会で射精 巨人小笠原「はい、こちら『いのちの電話』」 不謹慎 巨人小笠原、モモンガごっこをして死亡 巨人小笠原による一人甲子園、開幕 巨人小笠原、震災禍のハイチを慰モン 巨人小笠原、競艇のレース中に接触事故を起こし死亡 巨人小笠原、1945年8月にタイムスリップ ギギギの巨人小笠原 巨人小笠原、メイド喫茶を開業 巨人小笠原、不振の浅田真央のコーチに就任 巨人小笠原、笑って伊藤智に出演 巨人小笠原、石井投手の結婚を祝う 巨人小笠原の泉 巨人小笠原、徳光和夫の 逢いたい に出演 逮捕 巨人小笠原、キンタマを引きちぎり逮捕 巨人小笠原、強姦罪で逮捕─【東京都】 巨人小笠原、71424÷99000を計算し逮捕 スポーツ 巨人小笠原、幕田カイコスターズと対戦 巨人小笠原、矢野選手の引退試合を演出 巨人小笠原、格闘技イベント「Ginamite!!」出場決定 巨人小笠原、ファジアーノ岡山を応援 2022年は巨人小笠原宅で開催・・・サッカーW杯 ほのぼの 【性人の日】新性人が壇上でキンタマかざし乱暴 巨人小笠原、筆談ホステスと対談 巨人小笠原、歩くキンタマを熱演 巨人小笠原、海上で精液を噴射する ナゾの巨人小笠原、日本海沿岸に続々漂着 巨人小笠原、揺れる 巨人小笠原、焼肉店をオープン 巨人小笠原、花火になる るろうに憲伸が実写化―主要キャストに巨人小笠原 「眠りのカッス」、またしてもお手柄! 巨人小笠原、母校に帰る 巨人小笠原、EXILEに加入 巨人小笠原、釣り上げられる 巨人小笠原、しまむらでジーパンを買う 巨人小笠原、陳国際大学終身名誉教授に就任 巨人小笠原、全力で走る 巨人小笠原、4コマ漫画を描く 巨人小笠原、きこりの泉に落とされる 巨人小笠原、ワニワニパニックにキンタマを食われる 巨人小笠原、ポスティングに掛けられる 巨人小笠原、こりずに徹子の部屋に出演 巨人小笠原、ジャイアンズに電撃トレード 巨人小笠原、人生で一番楽しいクリスマスを過ごす 魚人小笠原、イクラに精子かけて逮捕 巨人小笠原、マジカルバナナで自分のバナナを披露 巨人小笠原、ひとあし早く雑煮を食べて死亡 他 星の王子さま、巨人小笠原に会う 巨人小笠原、ターフを駆ける 33歳男性お手柄!転落巨人小笠原を軌道上に寝かせる ノーベルぐう畜賞に巨人小笠原氏(36) 【速報】巨人小笠原、0ー9800でポルトガルに大敗 「すごいな、カッス。どうやったんだ?」 巨人小笠原、WC戦犯駒野と対談する 巨人小笠原、ネット掲示板にキンタマAA爆撃で規制 巨人小笠原、二足歩行をする 巨人小笠原、出馬する 巨人小笠原のキンタマ、FA宣言 巨人小笠原、プロ死亡届を提出 巨人小笠原、さらなる補強へ カッス教授、大正義について熱く討議 巨人小笠原、ドラフトで指名されず死亡 巨人小笠原、今年も指名されず・・・37度目 巨人小笠原、沢村投手入団を歓迎 巨人小笠原、リニアを開発し死亡 巨人小笠原主演「ダイ・セーギ3.7」が公開 ひげをそる頃に タマザラシ編 巨人小笠原、ついに訴えを起こす 巨人小笠原、地球温暖化に貢献 巨人小笠原、ハローワークを訪問 巨人小笠原、渡辺内野手を激励する 巨人小笠原、畜生人間コンテスト開催 巨人小笠原、島流しに処される 巨人小笠原、インフルエンザのワクチンに紛れ込む 巨人小笠原、戦犯オブザイヤー2010を開催 聖夜の惨劇!巨人小笠原、ホワイトクリスマスを祝う 巨人小笠原、クリスマスパーティで絶頂射精 新ローマ法王・巨人小笠原が即位式 巨人小笠原、実写版サザエさんに出演 巨人小笠原、野間口と選挙に行く 巨人小笠原の秘密 巨人小笠原、オリックスファンを増殖 巨人小笠原、深夜のコンビニバイトを始めるも死亡 巨人小笠原、ピザ屋のCMに出演 巨人小笠原、生まれる 巨人小笠原、自身の存在に疑問を抱く あの人は今―――巨人小笠原内野手容疑者さん 巨人小笠原、巨人小笠原スレを立てる 巨人小笠原、万物を創生する 巨人小笠原、次の試合まで冬眠する 巨人小笠原の練習光景 巨人小笠原は何人のカッスと連続絶頂射精できるのか 歴史スレ 日本昔話「巨人小笠原太郎」 巨人小笠原、大名行列を行う 巨人小笠原、備中高松城を攻撃 巨人小笠原、信長の草履を温めて死亡 巨人小笠原、金を建国 巨人小笠原、後金を建国 ぐう畜~交流戦編~ 巨人小笠原、田口と壮絶な死闘を繰り広げる 巨人小笠原、斉藤和巳の手術を担当 巨人小笠原、谷村ひとしに圧勝 巨人小笠原「タッツ……ねえ」 巨人小笠原⇔小瀬外野手のトレードが成立 巨人小笠原だらけの歌謡祭 巨人小笠原、忍者になる。でも即死 巨人小笠原達、ロマンスの神様になる 巨人小笠原、忍タマになる 日ハム小笠原スレ 日ハム小笠原、神宮に降り立つ 日ハム小笠原、福岡に降り立つ 日ハム小笠原、37歳の誕生日前に帰還 日ハム小笠原、一夜限りの復活を遂げる 日ハム小笠原、チリの作業員33人を救出 カッスレ・カッスラー 巨人小笠原、最近のカッスラーに物申す
https://w.atwiki.jp/actors/pages/14309.html
ボブ・サップをお気に入りに追加 ボブ・サップのリンク #blogsearch2 ボブ・サップとは ボブ・サップの86%は回路で出来ています。ボブ・サップの10%は情報で出来ています。ボブ・サップの4%はやらしさで出来ています。 ボブ・サップ@ウィキペディア ボブ・サップ ボブ・サップの報道 【Vol18】ばんえい記念へ向けての争い/斎藤修(競馬評論家) - 地方競馬アンバサダー | 競馬コラム - netkeiba.com - netkeiba.com 小島聡「いっちゃうぞ! バカヤロー!」~一度は使ってみたい“プロレスの言霊” - ニフティニュース 【ドリームエイジC】地力強化メムロボブサップ - サンケイスポーツ 【RIZIN】大激怒ボビー、”110kg筋肉獣”北村克哉と一触即発フェイスオフ「ネットで余計なこと言うな!」(ボビー)(イーファイト) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【RIZIN】メインはRENA vs山本美憂、皇治vs祖根寿麻がセミファイナルに=11・20沖縄大会の全対戦カード&試合順が決定(ゴング格闘技) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【UFC】ヴィランテ戦目前のクリス・バーネットに直撃インタビュー! 「日本が恋しいし、日本で戦いたくてたまらない」 - スポーツナビ - スポーツナビ 【玉ちゃんの酔滸伝】元K-1ファイターと武蔵さんのYouTubeに出演 2人ともベロベロになり「時間切れ」 - ZAKZAK ボビー・オロゴン、筋骨隆々の肉体に「ガタイ良すぎんだろ」と驚きの声 カイヤも激励(ENCOUNT) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【RIZIN】皇治vs祖根寿麻、ボビー、ベイノア、渡慶次幸平ほか9カード発表=11.20沖縄(イーファイト) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ボビー・オロゴンが元新日の北村克哉と対戦。会見では安田大サーカス団長に事件ネタを掘り返され激高【RIZIN.32】(TOKYO HEADLINE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 北の大地に「SHINJO」が帰ってくる!現役時代に日本ハムで残した数々の伝説をプレイバック<SLUGGER>(THE DIGEST) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 機内で隣席の黒人が「ボブ・サップに勝った」というのでフェイクニュース流すな!と言ったら…【連載】アクティビスト・小玉直也の「こんな人生があるのか!?」(3)(FINDERS) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【RIZIN】ボビー・オロゴンが参戦、サップ戦以来14年ぶりのMMA復帰テーマは“禊”「自分をボコボコに出来る相手を用意して」(イーファイト) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 朝倉未来、斎藤VS牛久後に「クレベル選手が頭抜けてる。2人より強いと思う」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース RIZIN・スダリオ“令和のボブ・サップ”をKO「これからもっと強くなる」 - デイリースポーツ 【RIZIN】“令和のボブ・サップ候補”SAINT、打倒スダリオ剛の“ミッション”を達成させたら次は大晦日(ゴング格闘技) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース [父&母連続インタビュー]金メダリストの両親は「教育論」を語りません 須崎優衣(松原孝臣) - Number Web - ナンバー 「ボブ・サップのパンチがうなりをあげて…」王者アーネスト・ホーストがパワーに屈した衝撃《カメラマンが見た名勝負・2002年10月》(長尾迪) - Number Web - ナンバー 「沖縄で開催するなら私に」山本美憂、拳を磨いた沖縄で果たす弟との約束 RIZIN 11・20 - 沖縄タイムス 顔面を腫らすほどの熱戦で見せた“親方”藤野恵実の圧倒的存在感。(布施鋼治) - Number Web - ナンバー 【11日帯広11R】今季10戦8連対のメムロボブサップ - サンケイスポーツ 快進撃のボブ・サップがK-1ワールドGP3度制覇のアーネスト・ホーストにビーストラッシュで勝つ!【10月5日は何の日?/週刊プロレス】(BBM Sports) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 錦江湾マリンでSUPを極めてやる!海はアタシの友達だぁ~ by歌 - 南日本新聞フェリア! ヘビー級で世界と戦った武蔵が振り返る。パンチが一番重かったのはジェロム・レ・バンナではなかった(ゴング格闘技) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【RIZIN】皇治が何とMMA練習「平本蓮とやったら盛り上がる」など反響、MIXルールの声も(イーファイト) - Yahoo!ニュース - スポーツナビ 丸山礼、ゴリエの後輩思いの言葉に号泣 - テレビドガッチ 【ばんえいグランプリ結果】ファン投票1位のメムロボブサップが逃げ切って圧勝 - netkeiba.com 【DEEP】注目のフライ級王座戦! 王者・藤田大和vs.伊藤裕樹、DEEP大原樹里とZST小金翔が王者対決、“令和のボブ・サップ”が2戦目=9.23 後楽園(ゴング格闘技) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【プロレスラーが教える絶品レシピ15】悪の料理長・将軍岡本の「切り干し大根の玉子焼き」(BBM Sports) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【18日地方競馬全力予想】安定感 メムロボブサップ - サンケイスポーツ BeatsじゃなくBeast? 1500円で買える危うげなネーミングの完全ワイヤレスイヤホン - ASCII.jp 【DEEP】見た目のインパクトは抜群“令和のボブ・サップ”となれるか、SAINTがメガトン戦「エキサイティングなショーをお届けしたい」(ゴング格闘技) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 那須川天心vs.武尊。「世紀の一戦」実現への残された可能性とは? - マイナビニュース プロレスグッズ一筋20年 世界最強への道 - 東京新聞 【格闘技】シバター、RIZINでHIROYAの腕を折らなかった理由 「格闘技に興味を持ってもらう試合を」 - SPREAD 皇帝ヒョードルに勝てなかったノゲイラ。だが4度目の対決が実現していたなら 。 - マイナビニュース 忘れ難きノゲイラvs.ボブ・サップ。19年前、真夏の国立競技場『Dynamite! な夜』に 。 - マイナビニュース 【プロレスこの一年 48】飯伏、中嶋、潮崎、鷹木、諏訪間…新人デビューの当たり年となった04年のプロレス - ENCOUNT 【ベテラン記者コラム(126)】サップの化けの皮がはがれた、ミルコの左ストレート一撃 - サンケイスポーツ 【天馬賞予想】ダブル三冠達成の大記録に挑むメムロボブサップが最有力 - netkeiba.com スダリオ剛がミノワマンにKO勝ちし「日本のヘビー級の人たちを一人ずつ潰していく」【RIZIN.26】 - 株式会社ヘッドライン 【RIZIN】皇治が大晦日の対戦相手にサップ・ホンマン・亀田の名前を出した理由とは - イーファイト 皇治がボブ・サップ級との対戦ぶち上げれば、榊原氏は藤川球児氏を「口説きたい」【RIZIN】 - 株式会社ヘッドライン 【ヒストリー】ミノワマンがボブ・サップに秒殺一本勝ち、ここからサップ連敗街道が始まる=2009.5.26 - イーファイト 昆虫食から環境問題まで。“ビースト”と呼ばれた男の探究心──ボブ・サップ、インタビュー (2020年5月4日) - エキサイトニュース 今振り返るRIZIN 曙とサップ再戦は消化不良も瞬間最高視聴率マーク - デイリースポーツ 福井セリナがYouTubeで“野獣”ボブ・サップと薬学クイズ対決 - スポーツ報知 グラドル福井セリナ、ボブ・サップと薬学部対決 - ニッカンスポーツ 福井セリナ YouTubeで“野獣”サップとの日米薬学部対決実現「感激。頭の良さに脱帽」 - スポニチアネックス Sponichi Annex 福井セリナ ユーチューバーデビュー作にボブ・サップとコラボ「格闘王の頭の良さに脱帽」 - スポーツ報知 福井セリナvsボブ・サップ、秀才2人が異色の“日米薬学部対決” - ORICON NEWS 福井セリナが野獣サップと薬学部対決 - サンケイスポーツ 【編集長コラム】「諏訪魔VSボブ・サップが急浮上」 | ガジェット通信 GetNews - ガジェット通信 「曙を破ったときのような規模に...」 ボブ・サップ「ラスト・ファイト」を予告 - J-CASTニュース K-1が「紅白超え」テレビ史変えたサップvs曙 - 格闘技 - ニッカンスポーツ 【新CM公開のお知らせ】ボブ・サップが企業のデータマーケティング部の新入社員に!?「b→dash」の新CMにて、おぎやはぎ×ボブ・サップが共演し、企業のデータ活用現場の奮闘を描く - PR TIMES 【RIZIN】ボブ・サップは「引退する気は全くなさそう」(榊原委員長) - イーファイト 【RIZIN】ボブ・サップが大砂嵐を破り15連敗ストップ、前代未聞の試合展開に - イーファイト アリーナは失笑 大砂嵐 総合格闘技デビュー 判定で敗れる 戦意失い、逃げるようなそぶりで… - スポニチアネックス Sponichi Annex 大砂嵐がデビュー戦飾れず、サップとの肉弾戦に敗北 - 格闘技 - ニッカンスポーツ 【RIZIN】ボブ・サップ、大砂嵐に「痛みを教えてあげる」 - イーファイト 大砂嵐9・30「RIZIN」デビュー戦の相手にボブ・サップ熱望 - 東スポWeb 朝青龍「焼いてやろうと思った」7戦目サップに圧勝 - 格闘技 - ニッカンスポーツ 元恋人に流血DVしたボブ・サップの”異常性”を専門家が語る - 日刊SPA! 【RIZIN】榊原実行委員長、ボブ・サップにオファー出さずよかった - イーファイト ボブ・サップ、日本人恋人が告発した「壮絶DV被害」の衝撃! - アサ芸プラス 【徹底解析】ボブサップは何者なのか判明 / ボブ・サップに隠された正体が判明 / FBIから捜査協力要請も | ガジェット通信 GetNews - ガジェット通信 ボブ・サップが薬物依存でDV疑惑?朝青龍との対戦見送りや逮捕の可能性も - デイリーニュースオンライン - デイリーニュースオンライン 朝青龍1000万企画 挑戦者にボブ・サップ参戦 - 格闘技 - 日刊スポーツ 【相撲】朝青龍vsボブ・サップが決定、勝算はあるか=大みそか『朝青龍を押し出したら1000万円』 - イーファイト ボブ・サップ、「朝青龍を押し出したら1000万円」に参戦! - サンケイスポーツ ボブ・サップ、朝青龍に土俵で挑む 押し出したら『1000万円』 - ハフィントンポスト 【RIZIN】ボブ・サップ引退試合について榊原実行委員長が言及 - イーファイト ボブ・サップ 本物の猛獣と生活していた “虎の穴”構想も披露 - スポーツニッポン ボブ・サップがボボ・サップに「改名」 「九州で物議」ボボ・ブラジル問題、再燃? - J-CASTニュース 【ゼロワン】曙 ボブ・サップとプロレスマットで再戦 - 東スポWeb 【そっくりさん】ボブ・サップと梅干しはシンクロ率120% | Smart FLASH[光文社週刊誌] - SmartFLASH 【ROAD FC】ボブ・サップ秒殺のカンフーパンダ、川口との体重差49.5kgに - イーファイト 【閲覧注意】ボブ・サップの「壁ドン」がメチャ怖い - ロケットニュース24 【ROAD FC】ボブ・サップと中国巨漢戦士が再び舌戦 - イーファイト 【ROAD FC】ボブ・サップが中国巨漢戦士と激突 - イーファイト 【格闘技】曙、ボブ・サップへのリベンジ失敗 2R途中に試合続行不能 0-3の判定負け - 産経ニュース 曙、ボブ・サップにまた負けた…12年ぶり再戦は2R判定負け - dot. 【RIZIN】公開計量で曙とボブ・サップが乱闘寸前 - イーファイト 12年ぶりの曙 VS. ボブ・サップ、大みそか格闘技イベント「RIZIN」で - - ねとらぼ 【RIZIN】曙vsボブ・サップ12年ぶりに大みそか再戦 - イーファイト 【イベント】ボブ・サップとツーショット撮影会 - eFight【イーファイト】格闘技情報を毎日配信! - イーファイト “61歳”小林幸子がプロレスデビュー ボブ・サップとの初戦で白星 - ORICON STYLE 小林幸子(61歳)がプロレスデビュー、ボブ・サップと対戦 衣装「この日のために作った」(動画) - ハフィントンポスト ボブ・サップ、仮面女子にメロメロ「結婚して」 - ORICON STYLE アントニオ猪木氏らが平壌でプロレス大会 ボブ・サップらの場外乱闘にどよめく【画像】 - ハフィントンポスト SUPって何? ボブ・サップか? 初心者でも気軽に水上散歩 - スポーツナビDo - スポーツナビ ボブ・サップが資産10億円に、秘密は「ふなっしー方式」 | 富裕層の最上級を刺激する 「ゆかしメディア」 - YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア) fripSideのボディーガードはボブ・サップ?! 「black bullet」PVにゲスト出演 - アニメ!アニメ!Anime Anime 【LEGEND】西島、引退試合でボブ・サップを秒殺KO - イーファイト 井戸田、DVD「バレット」PR中にボブ・サップの乳首触る - ナタリー エンターテイナー ボブ・サップさん - PRESIDENT Online ボブ・サップ&ピース綾部「ホワイトハウス・ダウン」イベント乱入者を撃退? - エイガドットコム 武藤敬司&ボブ・サップ、美人英女優めぐり火花散らす? - エイガドットコム 総合格闘家ボブ・サップがリメイク版『コナン・ザ・グレート』に悪役として出演 - シネマトゥデイ 冬のソナタ またでるよ 冬のソナタ 韓国KBSノーカット完全版 DVD BOX(初回限定 豪華フォトブックレット&スペシャル特典ディスク付) 本当に長い間、待たせてごめんなさい。「冬のソナタ」韓国KBSノーカット完全版をいよいよお届けします。 映像は韓国KBSのオリジナルそのままに、音楽に関してもユン・ソクホ監督が想いを込めて監修し、一部楽曲を変更しました。初回限定特典にはぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/ユン・ソクホ監督&田中美里の対談スペシャルDVDの他、DVDオリジナルポストカード、シリアルNo付 豪華フォトブックレット(20P)を封入しております。 今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!)に加えて、映像特典の【スペシャル短編集】には、ペ・ヨンジュンのスノーボードシーンの撮影風景も収録しています。 【ここが違う!8つのポイント】 ◆今までの日本用編集版よりも約166分長いノーカット映像(本編後のエンドロールも収録!) ◆ファン待望の「ダンシング・クィーン」「白い恋人たち」をついに収録。 ◆日本語吹替を再収録。萩原聖人さん、田中美里さんが担当、その他主要人物もなつかしいあの声で。 ◆本編は日本語字幕に加えて韓国語字幕も収録 ◆一部変更した楽曲をユン・ソクホ監督が想いを込めて監修!(一部BGMはオリジナル版より変更されています) ◆<初回限定特典1>スペシャルDVD:★ぺ・ヨンジュン 独占インタビュー/★ユン・ソクホ監督&田中美里の対談 ◆<初回限定特典2>豪華フォトブックレット:シリアルNo付(20p) ◆<初回限定特典3>DVDオリジナルポストカード3枚 ボブ・サップのキャッシュ 使い方 サイト名 URL ボブ・サップの掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ ボブ・サップ このページについて このページはボブ・サップのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるボブ・サップに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/533.html
その頃、太陽の都にあるエグゼクターズ基地の一室では。 「レーマ……そろそろ戻ってくるかな」 「一年と言っていたから、無事ならばもうじき戻ってこよう」 「無事なら……レーマ、大丈夫かな」 「まっとうな勝負なら、私のレーマが遅れをとることはあるまいが……」 リシェルとアンシェルが、心配そうに顔を見合わせてそう話す。 鉄格子で遮られた部屋の中に、レーマの姿はない。 「……私がこのようなザマでなければ、レーマをあのような苦界に行かせることはなかったというのに……」 「姉様は悪くないよ。それに、今の姉様が行ったら余計心配だし」 「……そうだな」 自嘲気味にアンシェルが笑う。 かつて女王派の騎士であった頃、戦いに敗れて囚われ、執拗な拷問と輪姦を受けたアンシェルは、今でも心に深い傷と、男に対する恐怖心を負っている。 かつては誰が相手でも怖れずに立ち向かって行けたが、今では一人きりだと戦うどころか、身体がふるえて逃げることさえ出来ない。 今のアンシェルは、側にレーマがいて初めて、昔のように振舞うことが出来る。 逆に言えば、決して一人にはさせられないのだ。 そんなアンシェルの代わりとして、レーマはもう一年近くも前に、シュバルツカッツェへと送られていった。 繁栄を続けるネコの国の首都、シュバルツカッツェ。 その郊外に、石造りの巨大な闘技場がある。 唯一超大国としての繁栄と富が生み出したきらびやかな退廃は、ありとあらゆる娯楽を編み出しては飽きて打ち捨て、そして更に刺激的な娯楽を求め続けていた。 そんな中で、ヒト奴隷の剣闘がネコの貴婦人達の娯楽として人気を博していた。 貴重品であるヒト、それもいたいけな少年や少女が命をかけて戦い、そして命を散らすそれ自体を娯楽として楽しむということ。 貧民では中古一匹買うことさえ困難な、ヒトの少年少女のかけがえのない命を。 そんな貴重なヒトの命を、ただの消耗品として娯楽の贄とする歪んだ贅沢。 それこそが自らの繁栄を謳歌する瞬間だったのである。 そのため、ヒトの剣闘にはあまたの貴婦人から多大な金額が落とされていった。 敗者は一片の死肉として打ち捨てられ、食肉にされる反面、勝者は多大な賞金を与えられる闘技場の掟。 ゆえに、勝利を積み重ねる優秀なヒト剣奴の所有者には莫大な富が集まっていった。 だから、レーマはシュバルツカッツェへと送られたのだ。 「この前、ミスティから早馬が届いたわよ。レーマ君、無事に契約満了でこっちに戻ってくるって」 ニュスタが、アンシェルとリシェルの捕らえられている部屋の鍵を開けて中へと入ってきた。 「本当かっ!?」 「無事なのですね?」 ふたり同時に、そう声を上げる。 「あぁ、見事に五体満足みたいよ。それどころか、年間不敗、おかげでずいぶん賞金稼いだみたい」 「ねんかん……ふはい?」 「つまり、負けなかったということか?」 驚きの声を上げるリシェルとアンシェルに、ニュスタがうなずく。 「そういうこと。ま、レーマ君の階級だと負けちゃったらほぼ死ぬから、五体満足で戻ってくるって事は一度も負けなかったってことよね」 「すごいな……レーマ」 「ま、まあ、わかりきっていたことだ。私のレーマがそこらの剣奴ごときに遅れを取るはずなどない」 さっきまでずっと心配していたのをごまかすようにそう言うアンシェルをみて、リシェルが笑う。 「そんなこといって姉様、さっきまでずっと心配してたくせに」 そう言われて、アンシェルが顔を真っ赤にして否定する。 「うう、うるさいっ! 私が心配していたのは、あのような場で毒を盛られたり卑劣な手段を使われはしなかったかということだっ! まっとうに闘って、私のレーマが負けるはずがないことなど自明の理っ!!」 いつの間にか“私のレーマ”ということになっているらしい。 「ふふっ。でも、そのレーマ君、結構向こうで人気だったみたいよ」 そう言いながら、冊子と何か四角いものが入った封筒のようなものを取り出す。 「ほら、レーマ君ってけっこう美少年じゃない。ネコの貴婦人や腐ネコの間で結構人気出ちゃったみたいよ」 「人気? レーマが?」 リシェルが問い返す。 「そ。強いし可愛いし、だから結構アイドルになってたみたい」 「あ……アイドルぅ!? あのレーマが?」 その言葉に、我慢できなくなってリシェルが笑い出す。 「笑わなくても良いではないか」 アンシェルが横からとがめる。 「ご、ごめんなさい……でも、あのレーマがアイドルって聞いてピンとこなくて……」 「まあ、確かにイメージがわかぬが……」 二人にとっては、子供の頃から顔なじみの弟のような可愛いペットであって、確かに可愛い顔立ちだとは思うが、それ以上でも以下でもない。 それがいつの間にかアイドルとか聞かされては、なんの冗談かと疑いたくもなる。 「疑うのも無理ないけど、ほら」 そう言って、ニュスタがきれいな装丁の雑誌を二人に見せる。 「なんだ、これは……“月刊KEN-DOLL”?」 二人が、渡された雑誌の表紙をしげしげと見る。 「剣奴とDOLL……お人形さんの造語でケンドル、剣奴アイドルのことみたい。そんな雑誌が出るぐらい、ヒト剣奴は人気みたいよ」 「……見事な絵だな」 カメラ目線の美少年の顔が印刷された表紙に、おもわずそう口にする。 「それ、ふぉとぐらふぃーっていう技術なんだって。少年少女のアイドル剣奴が毎回そういうので撮影されてその雑誌に掲載されてるみたいよ」 「レーマも、載っているのか」 「そうみたいよ。目次に載ってないかしら。期待のニューフェイスって」 「えーっと、目次……っ!?」 「きゃ☆」 アンシェルが表紙をめくった瞬間に凍りつき、リシェルが妙に嬉しそうに悲鳴を上げる。 「ななな、なんだこれはっっ!!」 慌てふためくアンシェル。 そこには、ブーメランパンツ一枚の美少年が海辺ではしゃぐグラビアが掲載されていた。 「何を見せるのだ貴様はっっ!!」 アンシェルが、耳まで真っ赤にしてニュスタに怒鳴る。 「こ、これって……その」 リシェルは、頬を染めてその写真に見入っている。 「だから、そういう雑誌なんだって。ネコの女の子はそーゆーのみてきゃーきゃー言ってるのよ」 「見せるなっ、品がない!」 「そー言われてもねえ」 アンシェルがニュスタに食って掛かっている横で、リシェルが少年剣奴たちのグラビアをめくりながら恥ずかしそうに嬉しがっている。 「やだ、これ凄いかも……ほらほら姉様、これなんてほとんど裸……」 「そのようなものを見るなっ! ……」 言いながら、横目でちらちら見てしまっている姿をニュスタがおかしそうに眺めている。 「レーマくんはセンターカラーで出てるわよ。結構すごいことになってるから」 「す、すごいこと……だと?」 「レーマが……えっと……」 何を妄想しているのか、顔を真っ赤にして見合わせるアンシェルとリシェル。 「え、えっと……センターカラーって……真ん中よね……」 「あ、ああ……」 妙に緊張した様子の二人がページをめくってゆく。 ページをめくるたびに、肌もあらわな美少年の写真が出ていて、そのたびに顔を真っ赤にして目を背けるアンシェルと、嬉しそうな悲鳴を上げて見入るリシェルの対比がおかしい。 そして、ページをめくって…… 「きゃ♪」 「なっ……なんだこれはっっ!!」 二人が同時に声を上げる。 雨の闘技場を背景にした、見慣れたヒト召使の写真。 見間違えるはずもない、レーマの姿だった。 「こ、これ……ちょっと大胆……かも」 「あ、あ……あの大うつけはっっ!! はるばる国境を越えて何をやっておるのだっっ!!!」 驚いたように写真に見入っているリシェルと、衝撃のあまり怒り出すアンシェル。 「けっこうセクシーに撮れてるでしょ。人気あるのも納得よね~」 「人気が何だっっ!! 私はレーマをこのような破廉恥な男に育てた覚えはない!」 「そんなに怒んなくてもいいのに」 「これが怒らずにおれるかっ!! あのケダモノのようなネコの女どもに、私のレーマがこのような姿を晒しているかと考えただけで虫唾が走るわっ!!」 雨の闘技場で、やや悲しげな表情で空を見上げるレーマの写真。 右手には剣を握り、上半身は裸。腰当てひとつを身に着けただけの剣闘士の姿。 少年の色白な裸身の上を水滴が伝い、濡れた黒髪がひとすじ頬にかかり、悲しげな表情とあいまって妙に扇情的な雰囲気をかもし出している。 「こ、これ……透けてるよね?」 腰当の白い布が雨に濡れて半透明になっている。濡れた布が太股に張り付いているため、くっきりと太股の形を浮き上がらせ、かすかに肌の色も見える。 リシェルがどきどきしながら、グラビアを指差して言う。 「こ、このレーマ……なんだか……ちょっとやらしくない……?」 「私に聞くなっ! あのたわけめ、戻ってきたら断じて許さぬ! 三日三晩、この手で折檻して鍛えなおしてくれる!」 色恋沙汰に奥手なアンシェルには、いささか許しがたいのだろう。 「そんなに怒んなくてもいいのに。レーマくん、アンシェルの身代わりで行ったんだから」 「それとこれとは別だっ! 剣闘ならまだしも、このような破廉恥な姿を晒すなどとは聞いておらんっ!」 「破廉恥って。そういうけど、アンシェルだって向こうに送られてたら、こんな格好させられてたのよ♪」 そう言って、雑誌の後ろの方を見せる。 「なな、なんだこれはっっ!」 「ちょっ……えっちぃよこれ……」 まだ幼さを残すヒトの少女が、小さなビキニ鎧だけをまとったあられもない姿でポーズをとったグラビアが掲載されている。 少女達の恥ずかしそうな表情と、手首や足首につながれた鎖が、ネコの野郎どもの劣情を刺激しそうなのは想像に難くない。 「アンシェルちゃんの場合はこんな感じ。誰が行っても、剣奴ってこんな扱いよ」 ニュスタがなだめるように言う。 「獣人どうしのまともな闘技より、ヒトの少年少女使ったストリップまがいの剣闘の方が、シュバルツカッツェじゃ娯楽として盛り上がってるのよ。落とすお金の量が五倍ぐらい違うんだって」 「……わ、私のレーマを……ええいっ、私のレーマにあのような男娼まがいの真似をさせたのはどこの誰だっっ!!」 「そんなこと言ったって。国境越えてまでかませにされるよりは人気が出たほうがいいじゃない」 「そういう問題ではないっ!」 感情を抑えきれずにわめき散らすアンシェル。……どうやら理屈と言うより、自分以外の女にレーマの裸を見られるのが我慢ならないらしい。 「けど、ここ見てよ」 ニュスタが、センターグラビアにページを戻して指差す。 「『遙かなるわが君へ』なんてタイトルつけられてんのよ。アンシェルとリシェルのこと。しかもこの記事がまた、レーマくん恥ずかしいこと言ってるんだから」 「は、恥ずかしいこと……?」 「これ以上恥ずかしいことがあるかっ!」 「そんなこと言わずに、読んでみなさいって。アンシェルちゃん、顔真っ赤にしてのぼせちゃうかも♪」 「そ、そうなんだ……」 「たわけっ! この私がそのようなことで……」 怒り散らしながら、それでも記事を読んでいくアンシェル。 「な、な、なっ……」 「れ、れーま……こんなこと言わないでよっ……」 ほんの半ページ読んだあたりで、もう赤面しはじめている。 「た、たわけっ……そのようなことをよくも臆面もなく……」 「やだぁ……そんなこと人前で告白しないでよぉ……」 一ページ読み終えたあたりでは、二人とも耳まで真っ赤になっている。 「…………」 「…………」 二ページ目あたりになると、言葉もなく黙々と読んでいる。二人とも、熱病にでもかかったように顔が赤い。 「………………」 「………………」 ようやく読み終えた頃には、二人ともぽーっと浮かされたようになっていた。 「ね、恥ずかしかったでしょ♪」 楽しそうに尋ねてくるニュスタ。 「こんなもの読ませるなっ!! 恥ずかしくて死にそうになったわ! というかあのたわけめ、こんなこと人前で言うなどどういう神経をしておるのだっっ!」 「こ、これ……レーマ、こんなことよく人前で言えたよね……」 恥ずかしさを誤魔化すようにわめくアンシェルと、恥ずかしすぎてぼーっとなってるリシェルをみて、ニュスタが面白そうに説明する。 「ふふ♪ ま、ほとんは八割ぐらい誇張だと思うけどね。こういう雑誌って、読者の女の子が喜ぶようにキャラにあわせて色づけするのよ」 「き、きゃくしょくとはいえだな……かつじとしてこのようなことを……いやその、いうなとはいわぬが……」 声が上ずったままのアンシェル。記事の中で、レーマが言った事にされている『愛しています』とか『一生を捧げ尽くす』とか『身も心もあの人のもの』などという単語が頭の中をぐるぐる駆け回っているらしい。 「レーマくんの場合は『愛するご主人様の身代わりになって剣奴になった健気なヒト奴隷』というキャラなのよ。ま、経緯は同じようなものだけど、女の子がきゃーきゃー言うための脚色とか演出ってのがあって、ね♪」 「……で、でもこれ……すごいよね」 リシェルが真っ赤な顔でじーっと記事を見つめている。 「ま、そういうキャラクターとしてのレーマくんが結構人気なのよ。最近じゃプロマイドもいろいろあって、ほら」 そう言って、二人に見せると。 「なっ……」 「ゃんっ……」 二人揃って言葉を失う。 返り血を浴びて立つ、剣闘士姿のプロマイド。裸の上半身に、頬から胸板にかけてついた返り血の鮮やかな色と色白の肌のコントラストが目を奪う。 「やだっ……これ何かえっちい……」 「……あのたわけは……何をしておるのだっ……」 半ば怒り気味にアンシェルが次のプロマイドを手に取り、そしてそのまま凍りついた。 牢獄のような場所で撮られたプロマイド。上半身裸の剣闘士姿のまま、鎖で両腕を拘束されて、ベッドに仰向きに倒されている。そして腰当てのバックルが緩められて、少しずらされている写真。 「こ、こ、これってほら、その、あれよね……」 「わわ、私に聞くなっ……」 何か妙にそわそわしながら顔を見合わせる二人。子供の頃から知ってるレーマだけに、余計に刺激的だったらしい。 慌てふためき、まるでなにかから逃げるように次のプロマイドを手に取る。 三枚目は、二枚目と同じ場所で撮られたらしいプロマイド。こんどは裸ではないが、サイズの合わない短めの囚人服を着せられ、虚ろな表情で両腕を天井から吊るされている。 その囚人服も胸元から大きく引き裂かれ、破れた隙間から素肌と腹がちらちらと見えるのが、ある意味裸よりいやらしい。 「ち、ちょっとほら、これ、おへそ見えてる……」 「へ、へそぐらいなんだっ、さっきのよりはましだろう……」 「でで、でもこれ、やっぱり何かやらしいよね……?」 「こ、こんな顔をするのが悪いのだっ……これではまるで、襲ってくださいといっているようなものではないかっ……」 そして四枚目も、同じ場所で撮影されたのだろう。 今度は左足を鎖でつながれ、全裸で石床に座り込み振り向いている。振り向いた表情は悲しそうな瞳で、口許だけ諦めたような微笑を浮かべた表情が女心をそそるのだろう。 「お、おしり、おしり見えてる、おしり見えてるよ……」 「おおお、おしりおしり言うなっ……」 二人とも、半分錯乱しかかっている。 五枚目で、ようやく服を着たプロマイドがあった。 ……が、衣服がどこの少女マンガから飛び出してきたのかといいたくなるような王子様コス。 しかも背景は薔薇。……それはいいのだが、王子様コスなのに鎖付きの首輪をつけられている。。 「やんっ、このレーマかわいー……なんだかおとぎ話みたい……」 「……こ、これは……仕立て屋を探せということなのか……?」 なぜそうなるのだろう。 「…………」 机の前に広げられた五枚のプロマイドを前に、なかば放心状態のアンシェル。 恥ずかしそうにしながらも、しっかりと見ているリシェル。 「結構売れてるんだって。腐ネコに大人気って言ってたわよ」 ニュスタの言葉に、アンシェルは放心したまま反応しない。 「………………」 「アンシェル?」 「……ここここ、この写真撮った奴を連れて参れっ! 天に代わって成敗してくれるわっ!! 私のレーマを何だと思っている!!!」 刺激が強すぎて半ば錯乱しているらしい。 「ニュスタぁ、これ……もらっちゃっていい?」 その横から、リシェルが尋ねる。 「リシェルっ! こんな破廉恥なもの捨てろっ!!」 「えーっ……だって、レーマ普段はこんな姿してくれないもん」 「してたまるかっ!! 私の前でこのような姿を取ってみろ、その時は……」 斬り捨てる、という言葉が出てこない。 「そのまま襲い掛かりそうね♪」 横から、ニュスタが茶々を入れる。 「だだだ、黙れっっっ! 私のレーマがこのような姿をしてみろ、その時は……」 言いかけて、頭の中で光景がよぎったのだろう。 「…………」 そのまま、ぼーっとなって倒れそうになり、慌ててリシェルが横から支えた。 「姉様、ちょっと横になったほうが良いかも……」 「…………」 「そーね。そのままだと鼻血出るわよ。ちょっと濡れ布巾用意するからベッドに寝かせといて」 「……れーまが……れーまが……」 うわごとのように繰り返している。 「やっぱり、ネコのセンスはちょっと刺激が強かったかな」 濡れ布巾を用意してきたニュスタがそう口にする。 「うん、ちょっとすごかったかも……」 まだ頬を赤くしているリシェルがそう答える。 「けど、あれが売れてるらしいのよ。レーマくん、童顔で色白だから腐ネコに好かれてるみたいよ」 「うん……ちょっとほしいかも」 「ほしいって、リシェルは本物がもうすぐ帰ってくるんだからいいじゃない」 「うん。帰ってきたら……レーマにあれと同じ格好させるんだ♪」 ものすごく嬉しそうにそうリシェルが言う。それが耳に入ったのか、アンシェルが飛び跳ねるように起きる。 「やめんかっ!! あのような破廉恥な姿を私のレーマにさせられるかっ!」 が、言った直後にまたそのままぱたんと倒れてしまう。 「たぶん、アンシェルちゃんの頭の中でレーマ君のえっちな姿がぐるぐるしてるはずよ」 「そんな感じ……」 「れーま……れーま……」 ◇ ◇ ◇ 半年ほど、時間はさかのぼる。 ハトゥン・アイユから遠く離れたネコの国の首都、シュバルツカッツェ。 その郊外にある闘技場の控え室。 「……今日は、どんな相手なんですか」 上半身裸、腰当てひとつ身に着けただけのレーマが、ネコの女性……ミスティに尋ねる。 左手には剣奴証明の腕輪、頭には月桂冠を模してデザインされた金のリング。水滴のように、小さなダイヤがいくつかちりばめられている。 「今日はかませにゃ。チキュウにいた頃はちょっとしたワルだったみたいだけど、まともな訓練も受けてない、弱いものいじめしか能がないザコにゃ」 「……怖いもの知らずに突っかかってくるタイプですね」 少し緊張した声でレーマが言う。 「そうかもしれないにゃ。そういうチンピラ相手には、下手に技に頼らずに一撃で斬り捨てたほうが安全にゃ」 「それで、お客さんは沸きますか……?」 「今日の流れだと、ちょっとこうすっきりしない試合が多いから、ここらでそういう試合を見せておけば沸くにゃ。泥試合ばかりだったから、派手な試合を待ってるはずにゃよ」 「だったら、早めに終わらせてきます」 「それがいいにゃ」 闘技場のスタッフが、レーマの身体にオイルを塗る。 「最近、レーマの人気はうなぎのぼりにゃ。プロマイドもよく売れてるにゃよ」 「……なんだか、ピンときませんね」 そう言って困ったように微笑する。 「その顔にゃ。レーマは童顔だから、そういう表情が女の子の欲望を刺激するにゃ」 「そ、そうなんですか……?」 本人には全く自覚がないらしい。 「歓声に気づかないかにゃ?」 「え、いえ、その……たしかに、最近声がすごいなとは思いますけど……」 「……やれやれにゃ」 肩をすくめて、ミスティが息をつく。まあ、自覚がないのがいいのだろうと思うことにする。 その間にスタッフがオイルを塗り終わると、そのまま入場の準備を始める。 「この鎖だけは、いつまでたっても慣れませんね」 手錠と鎖を見ながら、レーマがこぼす。 「これも演出だから我慢するにゃ。一応『レーマは囚人にゃから普段ずっと鎖につながれてて、試合中しか手枷足枷を外されない』って設定にゃから」 「……だから、僕のぷろまいどだけいつも牢屋で撮影されるんですね」 剣奴仲間の友達の場合は、海とかにも行って明るい雰囲気の撮影もあるのに、レーマの撮影だけはなぜか牢屋とか雨の闘技場とかそんなのばかりだったりする。 「けど、あれが売れてるにゃよ。レーマはいじめられて泣きそうな顔が一番人気あるにゃ」 「……それはそれで……つらいです」 そんな話をしている間に、手錠と鉄球付き足枷が取り付けられる。そして最後に、目隠しのレザーマスク。 「よし、じゃあ行ってくるにゃ!」 元気よくミスティが送り出してくれる。 「……行ってきます」 拘束されて、視界も失うと、やはり少し不安になる。その中で、レーマは鎖を引かれて闘技場へと向かう。 しばらく歩くと、屋外のすこし冷たい空気が肌に触れはじめる。 そして、花道の左右、少し高いところにある観客席から響く歓声。 花道をまっすぐ歩き、両肩に手を置かれたところで足を止めると、目隠しのレザーマスクが外された。 レーマの素顔が見えた瞬間、左右の観客席からひときわ大きい歓声が起きる。 目の前には頑丈な鉄格子。その先に闘技場がある。 左右の観客席は、約4メートルほど上にある。おそらく、剣奴の逃亡や、熱狂的なファンが観客席から剣奴を誘拐する事を防ぐためだろう。 その観客席からは「レーマくーん!」「レーマーっ!!」「こっち向いてー!」という黄色い歓声と共に、花やリボンが投げ込まれる。 高いところにある観客席にレーマが少し恥ずかしそうに手を振ると、きゃあきゃあと歓声が巻き起こる。 その中で、手枷足枷が外され、一振りの真剣を握らされる。 向かい側の花道には、髪を金髪に染めた痩せた男。手に持っているのは両手持ちのだんびら。 どうやら、薬物を投与されているらしい。鉄格子を蹴飛ばして奇声を上げて吼えているのがわかる。 なるほど、噛ませだと思った。 シュバルツカッツェの王立闘技場は大小二つある。 大きいほうは、騎馬戦や水を浮かべての模擬水戦などもみせるもので、中央の舞台は縦横300メートル四方、観客五万人収容という巨大なもの。 個人の剣闘などに使われる小闘技場は、舞台は直系約50メートル、壁の高さ約3メートルの円筒形。それを丸く囲むようにして、一万人収容の観客席。 そしてそこで開かれる試合は4種類。 ・ナックル……素手、防具無しの総合格闘技。 ・ガントレット……篭手、シューズ着用の、打撃系を中心とした格闘技。 ・シルト……武器使用、軽防具着用の剣闘技。 ・ソード……武器使用、防具無し。もっとも危険度の高い剣闘技。 危険度が高いほど、観客の熱狂度が高い。つまりは、お金を落とす額も高い。 そのため、レーマはこの闘技場の剣奴になってからはずっと、その最も危険なソードマッチを行っている。 「これより第12試合、選手の紹介を……」 毎度のことながら、試合前のアナウンスの声は歓声にかき消されて花道までは聞こえない。 しばらくして、鉄格子が開く。それが試合開始の合図。 レーマは剣を片手に持ったまま、まっすぐに中央まで歩いてゆく。 向かい側の男は、大きく左に回ったかと思うと、急に向きを変えたり走ったり、なんともいえない不規則な動きを見せる。 それで幻惑させているつもりなのか、それとも薬物の影響なのかはわからない。どちらにせよ、間合いが届かないうちは相手の位置を視界にとどめるだけでよい。 奇妙な動きをしながら、男がレーマへと近づいてくる。 奇声を上げながら近づいてくる男の表情は、レーマが外見的に幼く見えるせいか、頭から油断して掛かっているらしい。 威嚇するようにだんびらを振り上げ、品のない笑っているような顔で近づいてくる相手。同じヒトとは思いたくもないほどに醜悪に見えた。 そういう相手なら、むしろ自分から出たほうが良い。 相手のだんびらが、もう少しでレーマに当たるという距離まで近づいたとき、先にレーマが踏み出した。 一瞬、男の判断が遅れる。 男が慌てて剣を振り下ろそうとするより早く、レーマの剣が男の胸を貫き、そして真横に切り裂いていた。 勝負は一瞬、一太刀で終わった。 あっけなく終わらせすぎたかと少し不安になる。 命を賭けているとはいえ、興行は興行。 レーマのように、素人とはおよそ桁違いの技量を持っている場合は、ただ勝つことよりも多少の“遊び”……言い換えれば、観客が喜ぶ程度に苦戦して見せたり試合を長引かせたりする演出が求められる。 最初の頃は、ただ圧倒的に勝つだけであったため、試合後よくミスティに叱られた。 今日も、これだけ差が合ったのならもう少し長引かせたほうが良かったのではないだろうか。 そんなことを考えながら、恐る恐る観客席を眺める。 大歓声が沸き起こっていた。 最近、演出とはいえ苦戦してみせることが多かっただけに、たまには瞬殺するような圧勝も嬉しいのだろう。 とはいえ、いつも圧勝でも人気は出ない。 その辺の強弱のメリハリのつけ方は、大体いつもミスティが考えてくれる。 要は、勝つのは当然のこととして、どのようにして勝てば観客が沸くかというブックの書き方。ブックとはいうが、真剣を使う以上、負けた相手は本当に死んでしまうし、運が良くても一生ものの大怪我を負う。 はじめから殺される前提で送り込まれる対戦相手にとってはたまったものではない。 当事者は命を賭けているとはいえ、所詮……この大観衆にとっては、娯楽にすぎないということなのだろう。 少し困ったような表情を浮かべたまま、レーマは花道へと戻る。 そこで、再び鎖と足枷をつながれ、レザーマスクをかぶせられる。 背後で鉄格子が閉まる音がして、そしてまた歓声の中を控え室とひっぱられて行った。 「いー感じに盛り上がったにゃ」 浴室で湯をかぶり、返り血と油を落としてから控え室に戻ると、ミスティが嬉しそうにそう言って両手を握ってきた。 「たまにはばっさりと斬り捨てるのも悪くないにゃ。あとはセミファイナルとメイン。まあ、こっちは心配しなくてもうまくいくにゃ」 「今日は、どんな順番なんですか」 「13試合はセイカ、14試合はユーキ、メインでカスミにゃ」 「メインはカスミさんですか」 「ま、一昨日はセイカ、先週はユーキがメインだったし、野郎どもからはカスミが一番人気だからにゃあ。カスミはそろそろ引退も考えなきゃならないし、辞める前にたっぷり稼いでおくにゃ」 「引退……ったって、カスミさん、僕よりいくつも上じゃないでしょう?」 と、レーマとミスティが話していると。 「18よ」 と、ぶっきらぼうな声が聞こえてきた。 「あ、カスミさん」 「女のトシを詮索するものじゃないよ」 ややきつい口調でそう言ってくる。 「す、すみません……」 ショートカットのボーイッシュな容姿。笑えば可愛いのだろうが、いつも厳しい表情を崩さないのと、相手が男でさえ勝つ強さが男女を問わない人気を生み出している。 女剣奴用の、小さな革ビキニをまとっただけの鍛えられた肢体。女性でありながら隆起した腕の筋肉とくっきり割れた腹筋が、彼女が何年もこの闘技場で生き残ってこられた理由を何よりも雄弁に物語っている。 「本当は去年引退するつもりだったんだけど、勝っちゃったからね」 「去年って、じゃあ17で?」 「五年やりゃあ十分さ。こっちは12からここに立ってる。言いたくないけど、いい加減身体にガタきてんのさ」 「じ、じゅうに……」 驚くレーマに、聞きなれた声が横から話しかけてきた。 「デビューは俺より先だったからな。身体が出来上がる前から真剣持ってやらされてちゃ、傷みも早い」 「ユーキさん……」 180センチを超える長身の剣奴。カスミの兄のユーキが準備を終えて控え室に入ってきた。 「まだガキのうちからこんな重てぇもん持たされて試合させられてみろ。15の頃には膝も腰もボロボロさ」 「……そうやって、人の故障を横からベラベラしゃべんないでくれる?」 不快そうにカスミがそういうのを、ユーキが反論する。 「隠し通せるもんでもねーだろが。それだけ筋肉つけたら、観客席はともかく、近くで見たら誰が見てもドーピングでボロボロの関節ごまかしてるってわかるだろうが」 「……そうだね」 少しだけ寂しげな表情を見せる。 「当時のブッカーが頭悪いんにゃ。目先の金ほしさに子供を上げて、変態趣味のネコ男どもから金巻き上げてたにゃ。ん~……なんていうかにゃ、子供を使い捨てにして金を稼いでたにゃよ」 ミスティがそう言って腕を組む。 「…………」 「ま、私も人のことは言えないけどにゃ。今、故障だらけのカスミをクスリ漬けにしてまで闘技場上げてるのは私にゃからな」 「そいつはいいさ。どのみち、あたいはここでしか生きられない。……今の動きが出来るうちはまだ闘うさ」 覚悟を決めたような言葉だった。 「……その、頑張ってくださいとしかいえませんけど」 レーマが、なぜか申し訳なさそうにそういう。 「何言ってんにゃ」 ミスティが、そんなレーマの背中をばんと叩いて言う。 「カスミの引退試合の相手、レーマにゃよ」 「え……えええええええっ!?」 初めて聞かされた事実に、思わず声を上げる。 「何驚いてんだい。セイカもユーキもあたいの兄弟なんだよ。まさか兄弟とやれるわけないんだから、その次に腕の立つアンタが相手するにきまってんじゃないか」 「え、え、え……」 呆然として声が出ないレーマ。 「まったく。こんなのが相手で大丈夫なのかねぇ」 カスミが心配するような呆れたような目でレーマを見る。 「にゃーに、レーマは本番に強いタイプにゃ。油断してたら負けるにゃよ」 「そういう『本番に強い』ってタイプ、もう三人は潰したよ」 「さ、さんにん……」 完全に怖気づいているレーマ。 そんなレーマの後から、明るい声が聞こえた。 「おまたせーっ! 試合もうすぐ?」 声の主は、ユーキとカスミの弟、セイカ。レーマより一つ年下の15歳。 モデルでも通用するような美少年で、闘技場でも姉のカスミと一、二を争う人気を誇る。 今現在、メインを張れる実力を持っているのは、ユーキ、カスミ、セイカの三兄弟とあと二人ほど。レーマは人気はともかく、格で言えばまだセミファイナルどまり。 「何をやってた。休憩と場内清掃もうすぐ終わるぞ。そしたらスグだ。いますぐ準備しろ」 ユーキがそう言って咎める。 「ごめん」 「じゃ、油塗って急いで準備するにゃ」 「うん」 闘技場のスタッフから油を塗りこまれると、セイカの少年特有の危険な色気がいっそう際立つ。 もともと、油は組み付き防止と保温、その他色々な理由があって塗られるのだが、セイカやレーマの場合、まだ幼さを残す少年と言うこともあって、油で輝く肌が妙に艶めかしく映る。 これが、もう少し年上のユーキやカスミになると、油を塗ることで肌の輝きの陰影がつき、鍛えられた筋肉を強調させる意味合いを持つ。 丹念に油を塗り込められたセイカに、白いマントをまとわせ、銀の首飾りで飾る。武器はショートソードの二刀流。 レーマのような、剣奴隷の哀愁を感じさせる入場演出とは異なり、セイカの場合はいかにもアイドルっぽい、輝くような派手な姿での登場となる。 その辺は、それぞれの剣奴のキャラクターに応じて異なる。 さて、身長160センチ程度と小柄な上に、武器も短いセイカの場合は、大半が自分より大柄な敵との試合となり、当然間合いの不利がある。 それを補うのが、一瞬の隙を突く投擲。 ナイフに比べるとやはり重さのあるショートソードを、左右どちらからでもほとんどノーモーションの一瞬で投げつけ、確実に急所を貫く技術がセイカの最大の強み。 もちろん、最初から投げつけては面白くもなんともないため、最初は相手に攻めさせ、あわやというところから逆転の一撃として投げるのが、おおよそパターン。 ……言い換えれば、接近戦であっても、本気で襲い掛かってくる自分より大柄な相手に対してそこまで『遊べる』だけの力があるということだ。 「じゃ、そろそろ花道に行くにゃ」 「おっけー。じゃ、遊んでくるね」 「……ほどほどにな。この前、遊びすぎてたら小石踏んでコケただろ」 「あ、あれは……」 ユーキの言葉に、セイカが慌てる。 「あと、たまには投げずに勝ちな。最近ワンパターンだよ」 「う、うん、ちょっと……気になってた」 カスミの言葉に小さくうなづく。 「じゃあ、今日は華麗に刺し殺すにゃ。レーマもさっき一撃で終わらせたし、今日はいつもと違う勝ち方にこだわるってみるかにゃ」 ミスティがそんな話をしながらセイカを花道へと連れて行く。 剣闘士を何年もやっていると、殺すことになんの罪悪感も感じなくなってくる。 特に、この三兄弟のような、こちらで生まれた世代、地球の倫理観とは無縁の世界で育ったサラブレッドたちは、弱肉強食を当然と思っている。 だから強いのだ。 落ちものから剣奴に落ちたヒトが、相手を殺すことにためらいを見せる隙に、なんの迷いも見せずに斬り捨てることができる。 そしてそれは、レーマにもいえる。 五歳で落ちてきて、もう十年少し。そして今まで、命がけの戦いに巻き込まれたことも少なくはない。だから、他者の命を奪うことに対して、落ちものと比べると迷いが薄い。 「……え、えっと……」 「何だい?」 「引退試合って……普通にやっていいんですか?」 「ああ、普通で良いよ。下手に花持たせようとか思ってたら、あんたが死ぬからね。言っとくけど、あたい今でもレーマよりは強いよ」 「え、ええ……」 「そうかぁ? 俺が見た限り、けっこう差が縮まってるぜ」 「そう見えるかい?」 「そうだな。少なくとも、返り討ちにした三人よりは腕あると思うけどな」 「……それならそれでいいさ。楽しめそうだ」 「た、楽しむったって……」 完全に怯えているレーマ。 「はははっ、そうビビんなって。引退試合ったって後一ヶ月は先なんだから、その間にこいつの動き見て研究すればいいんだよ」 「……で、でも……」 「なんだ?」 「僕が勝っちゃったら……カスミさん死ぬんでしょ?」 恐る恐る尋ねる。その問いかけに対して、カスミは不敵に笑って答える。 「ああ、運が悪いとね。けど、引退試合は大抵レフェリーが死ぬ前に止めるんだ。こっちの旗色悪いとね。で、負けたら……ふふふっ」 「な、何ですか、その笑い方」 「そいつぁ秘密だよ。ただ、お楽しみってだけ言っといてやるさ」 「お、おたのしみ……」 「けど、相手がお前で楽しめるかねぇ……」 ユーキがぽつりとつぶやく。 「おいおい、そりゃああたいに喧嘩売ってんのか?」 「なんだ、自覚あるのか……って、冗談だよ冗談」 「こっのクソ兄貴……ッ」 笑いながら手を振るユーキを、カスミが乱暴な言葉で罵る。 「そういう言葉遣いするから心配になるんだよ」 「そっちが先に喧嘩売ってきたんだろうが」 「あ、あの……一体、何が……」 わけがわからないまま、不安だけが高まっていくレーマ。 「ああ、大したことじゃねーよ。もしレーマが勝てば、こいつとな」 そう言って、ユーキが親指でカスミを指差す。 「あたいがアンタの筆下ろししてやるって言ってんだよ」 そして、あっけらかんとカスミが続ける。 「ふふ、ふ、筆下ろし?」 「あんた、どーせ童貞なんだろ?」 「あ、いえ、その、僕は……」 顔を真っ赤にして否定するレーマ。その表情を見てカスミが笑う。 「あー、こりゃ間違いないね」 「完璧だな」 と、ユーキも相槌を打つ。 「あ、いえその、ぼぼぼく……」 「わかったわかった。そんなに怖がらなくても痛くしねえよ」 完璧に誤解されているらしい。 まあ、童顔の少年が顔を真っ赤にして童貞を否定していては、これは誤解してくれと言ってるようなものである。 「ま、あたいが筆下ろししたくなる程度には強くなっといてくれよ。しょっぱいままだと、女も知らずにあの世逝きだぜ」 「…………」 顔を真っ赤にしてうつむいているレーマを見て、二人がくっくっと笑っている。 その頃、剣闘場では。 「速いっ! 二試合続けての瞬殺劇!」 眼前で起きた圧勝劇に、アナウンサーが絶叫し、観客席からは興奮に満ちた大歓声が怒涛のように響き渡る。 その中心では、セイカが血にまみれたショートソードを高々と掲げ、大きくジャンプして勝利をアピールしている。 血に飢えた観客の狂的な大歓声と、たった今ヒトを殺した人間が全身で見せる歓喜。 明らかに狂的な空間が、その中にいるとまるでそう思えなくなるのが、セイカの試合だ。 「今日はまた、ずいぶんさっさと済ませてきたな、あいつ」 「最近遊びすぎてたからね。たまにはいいんじゃないかい?」 ユーキとカスミがそう話している。 「そうだな。遊ぶのもいいが、たまには真剣なところみせとかないと印象悪いしな」 人の命を奪うことを、遊びといえる感覚。 そういう神経の持ち主にならなくては、生きて行けないのだろう。 「ただいまーっ!」 返り血を浴びたまま、笑顔のセイカが戻ってくる。 「ねえねえ、見てくれた?」 「悪りぃ、もーちょっと遊ぶと思ってたから見遅れた」 「むぅ~」 ユーキがそういうと、セイカが拗ねたように口を尖らせる。 「さ、いいから血糊落としといで。ユーキとあたいは試合の準備始めるから」 「はーい」 ちょっと不満そうな返事を残してセイカが浴室へと消える。 「さて、レーマも試合終わったからって帰らずに、できるだけ向こうの窓から俺とカスミの試合見とけよ。引退試合までにヒント見付とかないと、正直死ぬぞ」 「……はい」 「手加減する気はないからね。そいつは客に失礼さ。引退試合ってのは遊び無しの真剣勝負だからね。……レーマも、死にたくなけりゃ腹くくるんだよ」 「……はい……」 厳しいようだが、その覚悟を最初に持たせて置かないと、生半可な気持ちで引退試合に挑んでは、間違いなくレーマは死ぬことになる。 突き放すような言葉も、レーマを生き残らせるためのカスミやユーキなりの優しさなのだろうと、そうレーマは思った。 控え室の少し端の方にある窓……と言うよりは観客席の下をくりぬいた覗き穴からは、闘技場の光景を見ることが出来る。 木箱に腰掛けると、レーマはその覗き穴を見る。 場内では、死体を片付け、運よく息のある敗者は担架で医務室に運び込み、そして血のついた土を取り除き、新しい土をそこに敷く作業が行われていた。 その間は休憩時間。観客はめいめい売店でグッズを買ったり、トイレに行ったり、酒やソフトドリンクを買ったりしている。 「あ、もう兄さん試合?」 浴室から戻ってきたセイカが、がらんとした控え室を見回し、唯一残ったレーマにそう声をかけてくる。 「うん、二人とももう準備して花道の奥に行ってる」 そうレーマが答えると、セイカがちょこんとレーマの横に腰掛けてきた。 「レーマは僕を待ってたの?」 そして、無邪気にそんなことを聞いてくる。 「いや、僕がカスミさんの引退試合やるらしくって。それで、試合見て研究しとけってユーキさんから」 「なーんだ。待ってくれてるって思ってたのに」 拗ねたようにそう言われて、つい謝る。 「ごめん」 「まっ、いーけど。でも、姉さんの相手ってレーマに決まったんだ」 「うーん……今日聞いたばかりだから、よくわかんないけど」 「けど、たぶん決まりじゃない? だって姉さんの相手できそうなのって、レーマぐらいしかいないもん」 「カスミさんには、まだまだって思われてるみたいだけど」 そうレーマが答えると、セイカがいつもの明るい笑顔で笑いかける。 「でも、レーマなら勝てるんじゃないかな。……なんとなくだけど」 「勝てなきゃ死んじゃうしね」 「あははっ、それもそうだね。姉さん怖いもん」 「だから、試合見て勉強しろって」 「あ、それでここに座ってるんだ」 「うん。見とかなきゃ」 「じゃ、僕も教えたげるね」 そう言って、横に座って身体を寄せてくる。 「んーと……もうそろそろ始まるかな」 「うん、歓声起きてるね……っと、入ってきたみたい」 覗き窓の向こうに、長身の男が見える。 「兄さんは、何よりあの長身とリーチの長さが特徴。得意技は『二階から振り下ろされる』って例えられる上段からの面打ち……って、言わなくても知ってるよね」 「うん。……ユーキさんの場合は、武器も僕らの身長ぐらいある大太刀だから、なかなか踏み込めない」 「相手にすると隙がないんだよね。まっすぐ中段に構えて、こっちの動きに合わせてくれない。かといって攻め急いだら、リーチが長いから先に当ててくる」 「突きが厄介なんだよね。リーチが長い上に出が速いから簡単にもぐりこめないし、それを何十発も連続で出しても息を乱さないし」 二人とも、ユーキの特徴についてはいまさら試合を見るまでもなく知り尽くしている。 模擬刀と防具を使った訓練では何度も試合しているから、身を持って敵に回したときの厄介さは知り尽くしている。 獣人とも戦った経験が少なくないレーマから見ても、ユーキは確かに強い。 しいて言えば、ユーキはあまりにも教科書に忠実な刀法だから、ヒトの常識からかけ離れた動きを見せる獣人相手ではてこずるかもしれない。 しかし、相手の身体能力がヒトのレベルであれば、これはもうかなり強い。 とにかく、攻防共に隙がなく、リーチもあるために非常に攻めづらい。 背筋を伸ばし、無理のない備えから中段に構え、相手を常に正面に捉える。そのため、生半可な攻めは簡単に捌かれ、逆に打たれる。 研ぎ澄まされた基本の技は、半端な“奥義”やら“秘剣”やらをはるかに凌駕すると、レーマはユーキとの訓練で何度となく思い知らされている。 思えば、アンシェルやレーマに相手をしてもらった時も、やはりそうだった。 教わった技を片っ端から出しても、全部捌かれて、基本の技だけで打たれて負けた。 が、それは相手がヒトより強い獣人だから仕方がないと、そう自分を納得させていた部分もある。 同じヒトを相手にして、覚えてきた技が研ぎ澄まされた基本に負けるというのは、レーマにとっては衝撃的なことだった。 「たぶん、兄さんは基本を完璧に固めるのが姉さんに勝つ一番の近道だと言いたいんじゃないかな」 「うん……僕もそう思ってた」 「あ、ほら、始まってるよ」 そう言われて、覗き窓の向こうに目をやる。 中段にまっすぐ大太刀を構えたユーキと、左右にせわしなく動く対戦相手。 焦っているのだろうと、レーマは思った。 小手先の誘いやフェイントにはまるで引っかからない。 それなら、ただ茫洋としているのかというと、少しでも隙を見せると閃光のような突きが襲いかかる。 要は、こちらのペースに持ち込めないのだ。 だから、対戦相手は何とかしてユーキのペースを崩そうとして、せわしなく動く。 否、“動かされてしまう”と言ったほうが適切だろうか。 威圧感に耐え切れず、勝手に動き回って無駄に体力を消耗してしまうのだ。 そして、相手の呼吸が乱れた瞬間。 目にも止まらぬ速度で繰り出されたユーキの片手突きが、相手の喉を貫いていた。 「……圧倒的だね……」 ただ、そういうしかなかった。 「……レーマ、あのレベルまでたどり着ける?」 セイカが、横からそう尋ねてくる。 「……どうだろ……なんていうか、僕も自信あるつもりだったけど……まだまだ……」 正直、ユーキの試合はいつも見て圧倒される。 技術とか身体能力とかを超えた、何か理屈で説明できないものが、ユーキの剣にはあるのだ。 「けど、兄さんぐらい強くならないと、姉さんには勝てないよ」 「うん……わかってる」 自信なさげな口調のレーマ。 そんなレーマに、セイカが横から不満そうに言う。 「もーっ……せっかく協力してあげてるんだから、もうちょっと自信持ってよ」 「……ごめん。そうだね」 「兄さんも姉さんも、もちろん僕も、ほんとはレーマに期待してるんだから。レーマはきっと強くなるって思ってるんだよ」 「うん……ごめん、ちょっと暗い顔したかな」 そう言って、無理に笑う。 「そーそー。レーマはもう少し笑わないとダメだよ。僕の友達なんだから」 そう言って、屈託のない笑顔で笑いかけてくる。 セイカには、喜怒哀楽のうち“哀”という感情がない。強く、そして客受けのする剣闘士になるため、そのような感情を抱かないように育てられてきたのだ。 だから、人を殺しても喜ぶし、泣いてる人にでも笑いかける。 今だってそう。 圧倒的な力の差を見せ付けられ、どうしようもない不安に襲われているレーマにも、無邪気に笑ってじゃれついてくる。 だが、そんなセイカの存在が、レーマの心を覆う不安を拭い去るのも事実なのだ。 「ごめん。こんな顔してちゃダメだよね」 「そーだよ。僕がついてるんだから」 「ごめん」 「だからぁ~……そーやってすぐ謝らないでよ」 「ごめん……あっ」 「もぉ~……」 拗ねたように頬を膨らませる。 「…………」 「…………」 微妙な沈黙……は、いつも30秒ともたない。 「それでね、レーマ」 さっきまでふくれていたのが、もう機嫌を直して話しかけてくる。 「えっ、あ、何?」 「特訓、明日から始める?」 もうすでに、気持ちが翌日のことに向いている。 「あ、付き合ってくれる?」 「うん。レーマと一緒に練習してると、僕も強くなれるし」 「うーん……でも明日は、またいろいろ写真撮ることになってて」 「あ、そーなんだ。じゃ、あさってからやる?」 「そうだね。いろいろ試さなきゃ、カスミさんには勝てそうにないし」 「じゃ、あさって時間空けとくから。それで……」 と、話をしていると。 「特訓も結構だが、なにをやって何をつかむのか目標たてとかないと時間だけが無駄に過ぎるぞ」 試合を終えたばかりのユーキが戻ってきてそう言った。 「あ、ユーキさん」 「中途半端な技をいくら覚えたってあいつには勝てねえぜ。何かひとつでも極めることに専念したほうがいい」 「あ、はい……」 「さっきの試合で見せた片手突きだがな、あれひとつモノにするのに二年かかった」 「二年……」 「つっても、そんな時間はねえからな。今あるものの中で、使えそうなのを思いっきり研ぎ澄ますことに集中すればいい」 「はい」 「ほら、もうすぐあいつの試合が始まるぞ」 その言葉に、覗き窓の向こうを見る。 「かっこーいいよね、姉さん」 「うん」 ストリップまがい、とも揶揄されることがある女剣奴の試合だが、もちろんそれだけではないというのを、カスミの試合は教えてくれる。 胸と下腹部のみを隠す露出の高い革のビキニ姿は、観客の劣情を誘うというよりも、むしろ女戦士の鍛え抜かれた筋肉を見せ付けるという意味の方が大きいのかもしれない。 「あれ……今日、ビーストマッチ?」 カスミの向かいの鉄格子の方を見て、セイカがユーキに聞く。 「そうみたいだな。今日はセミでかませが三試合続いたからな、メインで締めたいんだろ」 「そんな話、言ってなかったような……」 「途中変更だろうな。さすがにメイン4つまとめて圧勝劇だと退屈なんだろう」 退屈か面白いか、それだけの理由でマッチメイクが変更されることもある。 ……大抵の場合、より危険な相手に。 ビーストマッチとは、キメラの失敗作など、廃棄処分にするしかない魔法生物とヒト剣奴との試合である。 もちろん、興行である以上は、ヒトが負けたら話にならないため、事前に薬物投与などでそれなりに戦闘力を落としておくが、それでも一歩間違えれば死ぬというレベル。 試合の中に、本物の生死をかけた必死さがなくては、観客の熱狂は得られない。 見る限り、身長164センチのカスミと比べて二回りは大きい。 「あんなのと……戦って勝てるんですか?」 レーマにとっては当然の質問だったが、ユーキはふっと鼻で笑って答えた。 「昔のカスミなら、五分で片付ける」 「五分……」 「ま、昔の話だがな。さっきも言ったが、今は全身に故障抱えてる。ちょっと手こずるかもしれん……が、まあ負けることはねえ」 「昔は兄さんより強かったんだよ」 「……去年まで、俺もセイカもあいつの前座だったからな。俺らが強くなったってのもあるが、カスミが身体壊して力落としたってのもある」 「……それでも、強いですよね」 「まーな。けど、あのミスティがおめえさんを引退試合の相手に指名したってことは、がんばりゃお前さんが勝てるレベルにまで差が縮んだってことだ」 腕を組んで覗き窓の向こうに目をやりながら、ユーキは続ける。 「結構稼いでるお前を、負けるとわかってる試合に出すわけねえからな。金銭的な意味でも死んだら大損だ。それでも出すってことは、勝つ目があるってことだろ」 「……そう言われたら、なんだかそんな気も……」 「つっても、生半可では勝てないのも事実だ。そろそろ始まるぞ」 そういわれて、覗き窓に目をやる。 肌も露な女戦士と魔獣の試合。そういうのもここの観客達は好みらしい。 が、試合の方はやや押され気味に見えた。 いくらなんでも、体格差がありすぎる。 さらにいえば、身を守る防具がないため、一撃でも貰えば終わる。 そのため、なかなか踏み込めない。 そんなことをレーマが思っていると。 「……やっぱり、昔に比べると相当動きが悪くなってるな」 心配する素振りもみせずに、ユーキが言う。 「ガタイはでかいが、あれだけ振りが大きくて遅いと、昔ならぽんぽん飛び込めたものだがな」 その言葉に、セイカが続ける。 「膝と腰やっちゃったからね。去年までの姉さんと比べて、半分ってところかな」 「そんなものだな。ここらが潮時なのは間違いない」 などと言ってはいるが、二人ともまるで心配する様子もない。 「……大丈夫、じゃないですよね」 少し心配そうな口ぶりのレーマ。 「あれ、もしかしてレーマ、姉さんのこと心配してる?」 セイカが意外そうに尋ねてくる。 「そりゃ、まあ……」 「ふーん……意外とレーマって心配性なんだ」 「心配じゃないの?」 そう聞くと、セイカが笑う。 「あの程度なら、今の姉さんでも大丈夫だよ」 その言葉に、今度はユーキが説明する。 「距離をしっかりとって、相手に踏み込ませていない。あの距離をキープできれば、まず大きな怪我はない。戦ってると案外狭く感じる闘技場だがな、上手く弧を描いて距離を維持している」 言われてみれば。 踏み込めないと感じていたが、よく見れば相手の攻撃が届く範囲も巧みにかわしている。 「で、きちんと反撃も出来てる。相手の攻撃に合わせて、腕や顎に少しづつ損傷を加えているのがわかるか?」 「あ……はい」 一撃一撃は浅いが、よけながら巧みに怪物の振るう大顎や腕に切り付け、血を流させている。 「昔のような、客受けのする激しい出入りは出来ないってだけで、勝つだけならどうということはない。もう少しビーストの腕と顎を痛めつけたらばっさりだ」 「レーマ、昔の姉さん知らないから。あの程度なら余裕だよ」 「そ、そうなんだ……」 そんな話をしているうちに、確かに覗き窓の向こうでは様子が変わりかけていた。 一方的に襲い掛かっているように見えた怪物が、いつの間にか両腕と顎を血まみれにしていた。 そして、痛みと怒りで荒れ狂う怪物の隙を見つけては、カスミの剣が少しづつ的確に傷を増やしていく。 試合時間は約20分ぐらい。怪物が上半身を血まみれにしてどうと倒れると、控え室まで震えるような歓声が起きた。 「……すごいな……」 レーマが、そうぽつりと言う。 「で、レーマならあの化け物相手にどう戦う?」 ユーキが、そう尋ねてきた。 「え? ……え、えっと……」 急に言われて、頭の中が真っ白になる。 「えーと、んー……」 しばらく考え込む。 が、考えるばかりで一向に言葉が出てこないレーマに、ユーキがしびれをきらす。 「ビーストマッチはだいたい、その日の流れを見てのぶっつけ本番だ。もし今日のメインがレーマだったら、そんだけ悩むヒマはくれないぞ」 「え、えっと、でもでも……」 頭の中が完全に混乱しているレーマに、セイカが助け舟を出す。 「大丈夫だよ。そんなに悩まなくても、本番になったら覚えてるものが適当に出てくるから」 「……そりゃま、そうだけどな。だけど、ある程度試合の流れを作る訓練もしておいたほうがいいぞ。覚えてるもの出すだけで勝てる相手じゃねえんだから」 「は、はい……」 少ししょぼんとしていると、試合を終えたばかりのカスミが控え室へと戻ってきた。 「なんだい、みんないたのかい。……って、一人落ち込んでるのがいるね」 そう話しかけるカスミに、ユーキが冗談交じりに言う。 「お前もそろそろ潮時だな。こいつ、結構心配してたぞ」 「心配……って、あたいの試合をかい?」 「他に誰がいる」 その言葉に、カスミがくすりと笑って言う。 「やれやれ、こんな子に心配かけるようじゃ、あたいもいよいよだねぇ」 そう言いながら、しょんぼりしているレーマの近くまで歩いてゆくと、レーマの両肩に手を置いて、 「心配してくれるのはいいけど、まだまだあんたには負けないつもりだよ」 そう言って笑顔を見せた。 「あ、はい……いえ、僕だったらあの怪物とどうやって戦うんだろうとか」 「あー、そうだねえ……」 レーマの言葉に、しばらくカスミが考えて言う。 「アンタの武器は手数だね。試合中は剣が止まらないし、技の引き出しも少なくない。だったら、自分から前に出て行ったほうが有利だろうね」 「じ、自分から前に、ですか……」 魔獣の巨体を前にして本当に自分から前に出られるか、すこし自信がない。 「ガタイがでかいからってそればかり考えてビビんないことさね。その分、どこに振っても当たるし、当たれば痛いし血もでる。的がでかいんだと思えばいいのさ」 それはそうだが、一歩間違えれば相手の攻撃が直撃する距離に飛び込むのは度胸がいる。 「あんたの剣は攻撃が防御を兼ねてんだ。剣が止まらないから、不用意に打ち込めば腕ごともってかれる。激流の中に飛び込むようなもんさ」 それは、きっとそうなのだろう。 戦場での一対多を想定した乱剣こそがハイランダーの剣の真骨頂。 本太刀と呼ばれる18の型と、それを自在に組み合わせて繋げる風勢剣。 その風勢剣を得意とするアンシェルから徹底的に型とその連携を叩き込まれたことが、ここにきて生きている。 言うまでもなく、ただ振り回すだけであれば──もちろん、それはそれで多大な体力が必要だが──誰でも出来る。 ゲームや漫画の世界で言う、いわゆる乱舞技というものだが、獣人ならともかく、ヒトがそんな動きをすれば、それは体力の無駄遣い以外の何物でもない。 実戦の場でそんなことをやらかそうものなら、攻め疲れたところでばっさりと斬り捨てられるのが関の山だろう。 レーマの操る乱剣は、剣の勢いを足捌きに連動させて絶えず動き、その勢いを更に剣に反映させながら、その一振り一振りが確実に眼前の敵を切り裂くもの。 手当たり次第に振り回す乱舞技に比べたらはるかに無駄が少なく、つまりは空振りが極端に少ない分、攻撃を外した際の隙がない。 そして興行的に見れば、とにかく動きが大きく見栄えがするために、派手好きなネコにはウケが良い。 本人はまるでそんな気はないのだが、レーマの乱剣は、観客には極めてわかりやすい「ひっさつわざ」として認知されている。 「……怖いけど、それしかないですね」 「ま、その怖さをどう乗り越えるかだろうね。とりあえず鍛えまくるしかないさ」 「……はい」 結局は、そこにたどりつくのだろう。 「さて、ちょっと怪我したし、あたいはちょっと医者の世話になってくるよ。あんたらも早めに上がりな」 「はーい」 「わかりました」 「ああ、とっとと帰る」 三者三様の答えが返ってくる。 「じゃ、また訓練場でな。レーマも、試合までには腕上げときなよ」 そう言い残して、カスミが片手を上げて部屋を出て行く。 太股や上腕にいくつかの裂傷があるが、胴体と顔は無傷。 きちんと距離を取って攻撃を見切れていた証拠だろう。 「……風勢剣、しかないかな」 ぽつりとレーマが言う。 「一番得意な剣を極めるのが最善だろうな。下手に小手先の工夫に走って勝てるもんじゃねえ」 ユーキがそう応える。 「特訓するなら、僕が付き合うよ」 と、セイカ。 「じゃあ、お願いできる? 明日は撮影あるんで明後日から」 「だったら、俺も付き合おう。ちょうど相手が欲しかったところだ」 レーマの言葉に、横からユーキがそう言ってくる。 「あ、おねがいします」 「よし、じゃあ明後日な」 そう言って、その日は別れていった。 そして翌日。 レーマはミスティに連れられて地下通路を闘技場へと歩いていた。 剣闘士宿舎と訓練場と闘技場は、距離的には少し離れているが、地下通路でつながっている。 表通りを歩かせないというのは、剣闘士の逃亡や拉致を防ぐという意味もあるが、それぞれのキャラクターの幻想を打ち砕かせないためという意味もある。 当人達は命を懸けているとはいえ、あくまでもショーである以上、徹底的に剣闘士たちの幻想を崩さない企業努力がなされている。 ちなみに、剣闘士興行の権利を握っているのは猫井グループのうち、ミスティの所属する猫井エンターテイメントカンパニー。 この長い地下通路も、猫井グループが掘ったものである。 「……今日は、どんなのを撮るんですか?」 「ホワイトデーのポスターと、プロマイドに使うのが数種類にゃ。プロマイドの方はちょっと汚れてもらうから、先にポスターの方やるにゃよ」 「よ、汚れるって……」 何か、嫌な予感がする。 「そんなに怖がらなくてもいいにゃ。別に痛い目には合わないにゃよ」 「…………」 肉体的にはともかく、精神的に痛い目にあいそうで怖い。 そんなことを考えていると、ミスティが話しかけてきた。 「カスミの引退試合は大々的にやるにゃ。昨日の試合見てたら、さすがにもう関節が限界に近づいてるし、最後にもう一稼ぎさせたら静養させるにゃ」 「やっぱり、関節がおかしくなってるんですか」 「軟骨は消耗品にゃ。再生魔法もあるけど、使いすぎたら効かなくなってくるし、副作用もあるにゃよ」 「…………」 「商品価値が落ちる前にギリギリのタイミングで辞めさせるのが大事にゃ。本当はもう半年早く辞めさせたかったけど、引退試合を二回も勝ったら辞めさせられないにゃ」 「で、僕が相手するんですよね」 「そうにゃ。だからここで一気にアピール度を高めて売りまくるにゃ。レーマも契約期間はあと半年だし、ここからが勝負にゃ」 そう言ってぐっと拳を握り、目を輝かせている。 「…………」 嫌な予感がとめどなくあふれはじめていた。 闘技場と同じ建物内にある、撮影用のスタジオ。 十数室ある部屋にそれぞれ、いろいろなセットが組まれていて、そこで撮影を行う。 ……そう、いろいろ用意されている。 「こっちにゃ」 最初に案内された部屋は、バスルーム風の部屋。そこに、ソフィーと名乗るメイク担当らしきウサギの女性とネコの女性カメラマン、そしてスタッフらしい獣人が数人待っていた。 入浴シーンとかシャワーとかの撮影で使われる……そしてほとんどの場合、全裸にされる。 「いきなり、ココですか……」 沈んだ表情を見せるレーマ。その暗い表情を無視してミスティが言う。 「最初にやらないと、今日は徹底的にレーマを汚しまくるからにゃ」 「け、汚しまくるって……」 「ふっふっふっ、知らぬが花にゃ。さあ、とりあえずメイク済ませたら浴槽の中に入るにゃ」 浴槽の中には湯が張られ、その上一面にぷかぷかと球体が浮かんでいる。 「なんですか、この玉」 「キャンデー……のつもりにゃ」 「き、きゃんでー?」 「ホワイトデーのポスターは三種類にゃ。とりあえずここでキャンデー風呂と、あと二つは別のスタジオで撮るにゃ」 「……きゃんでー風呂……」 「さ、わかったらさっさと中に入るにゃ。寒かったにゃろ?」 「……それは、まあ」 「だったら、とっとと脱いで入るにゃ」 「…………」 やっぱり、そうなるらしい。 更衣室などという気の効いたものはない。そもそも、奴隷に人権はない。 ここに入ったが最後、泣こうがわめこうが最後は有無を言わさず押さえつけられ、衆人環視のもとで全裸にされてしまう。 諦めて服を脱ぎ、風呂の中に入ろうとする。 「にゃふふ~何度見てもいいおちんちんにゃあ……」 ミスティが、嬉しそうにそう口走る。 「うふふふふぅ~……ほんと、かわいいおちんちんねぇ~……」 メイク担当のソフィーがそれに同調して、妖しげな笑い声を上げる。 「………………」 聞こえないふりをして湯船の中に入る。 外の空気が少し寒かった分、暖かいお風呂は少し嬉しい。 ぷかぷかと浮かぶ球体が下半身を隠してくれるのも。 「にゃう……すこしタマタマが少ないかにゃあ」 ミスティが小首をひねりながらそんなことを言う。 「もう少しどっさりと、いかにもキャンデーに埋もれてますって感じにしたほうがそれっぽいにゃあ」 「そ~ねぇ~……これじゃあちょっとキャンデーバスって感じじゃないわね~……」 ミスティとソフィーが浴槽を見ながら相談している。 「も~少し増やすぅ?」 「そーだにゃあ。ちょっと多めに入れてみるにゃ」 「おけ。じゃあ、ちょっとそこのタル持ってきて」 撮影スタッフらしき大柄なネコ獣人が、二人がかりでタルを運んでくる。そのタルの中には、湯に浮かんでいるのと同じような球体が大量に入っていた。 「どれくらい入れますか」 「とりあえずバケツ三杯」 「へいっ」 大柄な獣人の男が、バケツでどぼどぼと風呂の中に球体を流し込む。 三杯も入れると、もう湯が見えなくなるほど、浴槽の中は球体で埋め尽くされていた。 「んー、これぐらいでいいにゃ。じゃ、ちょっとこっち向いて笑うにゃ」 「え、あ、はい……」 そうは言われても、笑えといわれてすぐに笑えるほど撮影慣れしていない。 そもそも、衆人環視の中で全裸で風呂に入れられた状態で笑えるほどプロでもない。 「ほらぁ~、も~すこしお顔をあげてぇ~も~すこし力を抜いてぇ~」 何度となくダメ出しを食らい、そしてなんとかOKが出る程度の笑顔を作る。 「よし、まあこんなものかにゃ。じゃあ、両手でそのタマタマを掬い上げるにゃ」 「こ、こう……ですか?」 日差しの差し込むバスルームの中で、浴槽いっぱいのキャンデーにつかる裸のショタ剣奴。 恥ずかしげな笑顔を浮かべ、両手いっぱいにキャンデーを持ってこちらを見つめる、そんな構図。 カメラマンが、その構図で十数枚、微妙に構図を変えながら写真を撮る。 湯船に使ったままほぼ一時間。少しお湯がぬるくなってきたあたりで、ようやくここでの撮影が終わった。 「お疲れ様にゃ。じゃ、体ふいてこれに着替えるにゃ」 そう言って、バスタオルと真新しい剣闘衣を渡される。 ぬるくなった風呂から上がると、またスタッフ合わせて十人以上に生着替えを見られながら剣闘衣に着替える。 「じゃ、次はこっちにゃ」 そう言って、二つ隣のスタジオに連れてゆかれた。 「……ここって」 全体的にポップな、明るい感じのスタジオ。 ヒト一人乗れるぐらいの大きな皿とか、化粧箱を模したセットが組まれている。 「こっちでも何枚か撮るにゃ。それで、今回はちょっと装飾がつくにゃ」 「装飾……?」 「これにゃ」 そう言って、スタッフの一人に指示を出して持ってこさせたものは。 「…………」 リール状になった、ピンクのリボンだった。 「裸リボンは女のロマンにゃ。そういうわけで、ちょっとぐるぐる巻きになってもらうにゃ」 「何が女のロマンですかっ!!」 おもわず、そう声をあげる。 「もちろん、レーマに拒否権はないにゃ」 そう平然と言い放つと、ミスティがスタッフに合図を出した。 「えっ……あっ、その、ちょっと、待って……待ってええっ!!」 スタジオの中に、レーマの悲鳴が響いた。 数分後。 「…………」 五人がかりで絶対ほどけないようにしっかりとリボンを巻き付けられたレーマが、女の子座りで半泣きになっていた。 顔の前で手を組み、まるでお祈りするようなポーズにレーマを拘束しているリボンは、巻きついている面積自体は少ないものの意外と頑丈で、自力では抜け出せそうにない。 「うふふふふぅ~……やっぱり若いお肌って、リボンが似合うのよねぇ~」 「露出を多くするにはあまり幾重にも撒くわけには行かないにゃ。けど、無駄な抵抗が出来ない程度にはきちんと巻きつける必要があるにゃ。けっこう大変なんにゃよ」 「…………」 ミスティの説明が聞こえているのかどうか、恥ずかしい姿で拘束されたレーマは半ば放心状態になっている。 「ほら、いつまでもぼーっとしてないで、とっとと撮るにゃよ」 ネコが小動物をいたぶるように、ミスティが肉食獣の笑みを浮かべてレーマを起き上がらせ、スタッフに命じて大皿の上に座らせる。 「座り方はそのままでいいにゃ。女の子座りで半泣きというのもまた扇情的にゃ」 そして、今度はサッカーボール大のキャンデーの模型をごろごろと十数個ほど大皿に並べさせる。 そして、カメラマンやソフィーといろいろ話し合いながら、キャンデーの位置を変えたり、照明の色を変えたりしている。 「よし、じゃあ十枚ぐらい撮るにゃ」 大皿の上に、十数個のキャンデーと裸リボンの少年が乗った構図。 少年は今にも泣き出しそうな不安そうな瞳でこちらを見ている。 それでも、リボンを巻きつけられた白い素肌はほんのりと紅潮して、妖しげな色気をかもし出している。 「……まあ、こんなものかにゃ。じゃあ、次はこっちにゃ」 そう言って、今度は化粧箱のセットに連れて行く。 プレゼントを入れる小箱を、そのまま人間が入るサイズまで拡大したもの。カメラスタンドは斜め上方にあり、モデルは化粧箱の中から見上げるような形になる。 「この中に入るにゃ」 化粧箱のセットは、後ろが蝶番で開くようになっている。そこから中に入ると、ちょこんと座らされる。 「今度はちょっと笑うにゃよ。プレゼントが泣き顔じゃ絵にならないにゃ」 「は、はい……」 「そして、手はちゃんと顔の前で組むにゃ。『僕をもらってください』って感じを出すにゃよ」 「…………はい」 「ほら、もうすこし顔を上げるにゃ。そして手はもう少し胸に近づける。……よしよし、じゃあキャンデーも用意するにゃ」 リボンのついた化粧箱の中で、ちょこんと正座をした半裸の少年がリボンを巻きつけられ、羞恥に頬を染めつつ上目遣いに見上げる構図。 少年の周囲には数個のキャンデー。そんな写真を数枚。 「じゃあ、次はひっくり返すにゃ。さあさあ、また出番にゃよ」 「へいっ」 さっき、五人がかりでレーマにリボンを巻きつけた獣人たちが、また化粧箱に近寄ってくる。 「え、な、なに……わあっ!?」 そして、状況が飲み込めないレーマを抱え上げると、今度はレーマを逆さにひっくり返して化粧箱の中におしこめる。 「な、な、なに……!?」 ワケがわからないまま、箱の中で逆さにされてしまうレーマが戸惑いの声をあげる。 「不自然な構図と言うのもいいものにゃよ。それに……この構図ならぱんつの中まで見えるにゃ」 「!? ち、ちょっと、そんなのっ……」 無駄な抵抗を試みるが、上半身はリボンで拘束されているために脱出できない。 「ふっふっふっ、そんなに暴れてもいいのかにゃあ? 暴れたら暴れるほど、媚薬風呂の成分が全身に回るにゃよ?」 ミスティの口から、さりげなく恐ろしげな単語が出てきた。 「びやく……ぶろ!?」 「今頃気付いたのかにゃ? ただのお湯じゃないにゃ。一時間も、特性の媚薬を混ぜた湯につけこんでやったにゃ。そろそろ薬がまわってくるころにゃ……」 「そ、そんな、ひどいですっ!」 「ふっふっふっ……全身の力が抜けてきて、全身がビンカンになってくるにゃ……ほら」 「ひゃんっ!」 ミスティの指が太股に触れると、レーマが悲鳴を上げてびくんと身体を震わせる。 「ん~、効果は抜群にゃあ……ほらほら、こんなことされてるにゃ」 「あっ、んっ、ちょっと、そんな、やめ……」 「ほらほら、抵抗が弱くなってきたにゃあ……」 「ひあぁっ! ごっ、ごめんなさい、もうやめてください、ごめんなさいっ……」 はじめのうちは脚をばたつかせて抵抗していたが、その脚の動きが少しづつ鈍くなり、やがて、ぴくんぴくんと悶えるくらいしか動かなくなる。 「ちょっとぉ~、一人で楽しんでないでぇ……メイクしてもいぃ~?」 そこに、ソフィーが追い討ちをかけてくる。 「えっ……め、めいくって……」 「ああ、失礼したにゃ。もちろんいいにゃよ。たっぷりと時間をかけていいにゃ」 その言葉を聞いて、ソフィーがウサギ特有の禍々しい微笑を浮かべて近づいてくる。 「話がわかるわぁ。じゃあ、ちょっと脚の方もお化粧しておかないとねえ~」 そう言って近づいてくると、化粧道具一式を広げ、足の裏から太股の付け根まで、文字通り舐めるように筆を走らせていった。 「ほら、この辺が大事なのよぉ。ココをこうされると、ほら、ちょっとくすぐったいけどがまんしてねぇ」 「あぁんっ、あっ、やだ、ごめんなさいっ……」 「も~……そんなに嫌がっても無駄よお。ほら、足の裏、膝の裏、太股の内側、こういうところもちゃんとケアしておかないと」 さらさらと筆を走らせるたびに、レーマの切なげな悲鳴が箱の中から聞こえてきた。 気がつけば半時間近く。 箱の中では、放心状態のレーマが潤んだ目で天井を見上げていた。 全身が朱に染まり、うっすらと汗を浮かべている。 もちろん、上下逆さまになっているから腰布は下に垂れ、その下の薄布がカメラの前に晒されている。 そんな恥ずかしい姿を、更に何枚も写真に収められる。 「…………」 撮影が終わったときには、レーマはもうぐったりとしていた。 「さあ、これからが本番にゃよ。たっぷりと恥ずかしい写真を撮るから覚悟するにゃ」 「…………」 何か言い返す気力も残っていない。 上半身を拘束するリボンをほどかれても、まるで木偶のようにぼーっとなっていた。 「さあさあ、今日はたくさん撮るにゃ。休まず次行くにゃ」 「…………」 空ろな表情のまま、無言でミスティの後を付いていった。 三番目のスタジオは、闘技場を模したセット。 遠景で撮る場合は実際に闘技場で撮影することもあるが、それ以外はほとんどこのセットで撮影する。 レーマにとっても、一番見知っているセットだ。 「さあ、それじゃあここからはプロマイドの撮影にゃけど……今回は『戦いに負けてあんなことやこんなことをされる』というシチュエーションにゃ」 「……あ、あんなことやこんなこと、って……」 「それは後のお楽しみにゃ。まずは一枚目、戦いに敗れて倒れてる写真にゃ」 「……」 恨めしそうな目でレーマがミスティを見るが、こうと決まったものはどうあがいても覆せない。 「さあさあ、この辺に倒れるにゃ。仰向けになって、ぐったりとするにゃ」 「……わかりました」 この闘技場に来て最も学んだのは、人間、諦めが大事だということかもしれない。 闘技場の砂の上に仰向けになる。 「ほら、もうちょっと身体をくねらせるにゃ」 「くねらせるって……」 「なんかこう……『襲ってオーラ』が足りないにゃ」 「……え、えっと……」 よくわからないまま、身体をくねらせてみる。 「ん~……どーもいまいちだにゃあ……」 そう言って小首をかしげるミスティに、後からソフィーが。 「あらぁ、そんなの簡単じゃないのぉ。ちゃんと『実際に体験』させてあげれば、きっと色っぽくなるわよぉ♪」 「じ、じっさいにたいけん……!?」 不安そうな声を上げるレーマに、禍々しい笑顔で答える。 「そうよぉ。ほら、ちょっと皆さん、この子をおさえつけてくれるぅ?」 そう言いながら、道具箱の中から注射器を取り出す。 「え……あっ、ちょっと……あの、何ですかその注射器!?」 「うふふふふぅ……そんなにおびえなくても、ちょっとちくっとするだけよぉ」 そう言うと、ソフィーは両手両脚を押さえつけられたレーマに馬乗りになり、その左手にちくりと注射を射つ。 「さぁ~、これでしばらくすると全身の力がぬけてくるわぁ~……」 「な、なに射ったんですか……?」 「とっても気持ちよくなるお薬よぉ♪ 少し動けなくなるけどねぇ~」 「な、なんですからそれっ!?」 「うふふふ~すぐにわかるわよぉ~……」 そして五分。 「ほらぁ~……そろそろお薬が効いてきたはずよぉ~」 「え……あ……あぁ……」 レーマの全身から力が抜けて、自分の意思に反してぐったりとなる身体に不安げな声をあげる。 「うふふふふぅ……ちょぉっとくすぐったいわよぉ~……」 「あっ、あっ、やめてっ……」 馬乗りになったまま、レーマの上半身に指を這わせるソフィー。 「あらあらぁ、くすぐったいのに抵抗できないのねぇ~」 「あっ、ああんっ、いや……」 「まるで女の子みたいな声……かわいいわぁ」 そう言いながら、さわさわと上半身を撫で回す。 「腹筋がぴくぴくしてるわよぉ……この辺が気持ちいいのかしらぁ」 「ああっ、ひぃ、ごめんなさいっ……」 動けないのをいいことに、しばらく若い肌を楽しむと、スタッフに命じてメイク道具を持ってこさせる。 「れーまくん、このままでもきれいなお肌だけどぉ、私がも~っときれいなお肌にしてあげるわねぇ」 そういうと、さわさわと胸から腹部にかけて化粧道具を使って少年の白い裸身を弄んでゆく。 「やっ、やぁ……ごめんなさぃ……おねがいします……」 「うふっ、ふふふふぅ~……口では嫌がってても、身体は正直ねぇ~ほら、もう乳首尖らせちゃって」 「あっ、ああああっ……」 「男の子のおっぱいも、意外と敏感なのよねぇ~」 「あっ、あっ、そんなところ……」 メイクと称した公開逆レイプは二十分以上も続いた。 「くすん……ぐす……」 潤んだ目で力なく天井を見上げるレーマ。全身にうっすらと汗を浮かべ、ライトに照らされた素肌が妙に艶めかしい。 そんなレーマを、ミスティとソフィー、そしてカメラマンのネコ女性も加わってあーだこーだと言いながらポーズを決めてゆく。 それから、もともとの構想どおりの戦いに敗れた後なのか、それともレイプ終了後かわからない姿のあられもないレーマの写真を何枚も撮影する。 それが終わると、動けないレーマを無理やり立ち上がらせ、スタッフに背負わせて次のスタジオに入った。 「……あ……あぁ……」 そこは、レーマにとってはおなじみの場所だった。 そして、最もトラウマの強い撮影場所でもある。 地下牢のセット。 十字架とか鎖付きの壁とか拷問道具とか粗末なベッドとか、そういう禍々しいものがいくつも用意されたスタジオ。 「うふふふふぅ~……いつ来ても素敵な部屋ぁ~……うふふ、うふふふふふぅ……」 再び妖しげな笑い声を上げるソフィー。その声を聞いて、レーマの全身にぞおっと寒気が走る。 「さぁ~、ここからが本番よぉ~」 そう言いながら、セットの中をいろいろ物色する。 そして、片隅に引っ掛けてあった細い荒縄を手にとると、 「やっぱり最初は緊縛よねぇ~」 とか言いながら近づいてくる。 「は~い、ちょっと後ろ手にくるくるっと縛っちゃってぇ~」 「や、や、やめ……」 「だめよぉ~、モデルはスタイリストに逆らっちゃあ~。ぜ~んぶ、私に任せておけばぁ、も~っともっとれーまくんを綺麗にしてあげるんだからぁ~うふふふふぅ~」 ものすごく嬉しそうで邪悪な笑い声。 「うむ、万事おっけーにゃ。さあお前達、ぐるぐるっと縛り上げるにゃ」 「や、やだ、やめて、縛らないでーっ!」 切なげな悲鳴を無視して、屈強な獣人たちがレーマに縄をかける。 「縛り方はシンプルにね~。あんまり複雑にすると写真がわざとらしくなっちゃうからぁ」 「うっす」 手首に巻きつけ、両肘を拘束し、あとは胴体に二回巻きつけただけのシンプルな拘束。それでも、両腕の自由は完全に奪われている。 「うふふふふ~やっぱり、若い子の縄衣装って素敵~」 「うんうん。これなら誰が見ても襲いたくなるにゃ」 「……くすん」 縛られて床に転がされたレーマを、二人の女性が見ながらそんなことを話している。 「さぁ~、あとはお化粧の時間ねぇ~……何をされても抵抗できない男の子を気持ちよくするのって最高に興奮するのよねぇ~」 「ち、ちょっと、まってくださいよっ……」 「だ~め♪ 私がレーマ君のかわいらしさを最大限に引き出してあげるわぁ」 そういいながら馬乗りになると、先ほどのメイクをいったん拭き取り、別の化粧を整えてゆく。 「こんどは、気丈な少年っぽさを出してあげるわねぇ~♪ 虜にされて自由を奪われた男の子が、それでも気丈に振舞う姿って、そそるのよぉ~」 「ひゃあんっ!」 「あらあらぁ、そんな声出しちゃあダメよぉ~。強い男の子なんだからぁ」 「だ、だって、そこ……」 「あらぁ、女の子じゃないんだからぁ、おなか触られたぐらいで感じちゃだめよぉ~。お肌もちゃんとお化粧しておかないと、写真写りが悪いんだからぁ」 そう言いながら、さわさわとくすぐるように腹や胸にも薄く化粧をする。 「やっ、やぁ、ゆるしてくだ……あはぁっ!」 「うふふふふ~お風呂の効果はてきめんだったみたいねぇ~こんなによがってくれて嬉しいわぁ~」 「やっ、やぁ、おねがい、もうやめ……んんっ、あぁっ……!」 「あらぁ、ほんとに気持ちいいのねぇ~じゃあ、特別サービスで全身メイクしてあげるわぁ♪」 「えっ、あっ、あ、ああぁぁぁっ!」 身動きひとつ出来ないいたいけな美少年の悲鳴が、スタジオにむなしく響いた。 数十分後。 「あらぁ~メイクだけでいっちゃうなんて、かわいい子ねぇ~」 「ぐすっ……ひっく……」 「あーあ、仕方ないにゃあ。新しい下着用意するから、ちゃんと脱がせて拭いてあげるにゃよ」 「わ~かってるわよぉ~♪ ちゃんとお口でお掃除してあげるわぁ」 「ぐすっ……んっ、あっ、いやぁ……」 「ほ~ら、きれいにしてあげるんだから暴れちゃだめよぉ~。うふふふふ、縛られててもおちんちんは元気ねぇ」 そういいながら、布でくるんで軽くこすったり、指先でつついたり、舐めたり吸ったり。 そのたびにレーマが動けない身体をよじって切なげな声をあげて悶える。 ミスティが下着と真新しい剣闘衣を持ってくるまでの間に、レーマは気を失うほど弄ばれ、そして気を失ったままそれでも下半身を弄ばれていた。 「あ~あ、メイク終わっちゃった……」 失神している間に、本来の仕事である顔のメイクを終わらせると、まだ遊び足りなそうなソフィーが残念そうにレーマを起こす。 「起きたかにゃ?」 「あ……」 ミスティの声で、意識を現実に引き戻される。 「ほら、名残惜しいけどメイクはおしまいにゃ。眠ってる間に準備は整えておいたにゃよ」 「え……えぇ? こここ、これって……」 レーマの転がされている周囲には、妖しげな大人のおもちゃが無造作に転がされている。 「心配しなくても、使いはしないにゃよ。プロマイドに妖しさを出すための小道具にゃ」 「私はぁ~使いたいんだけどなぁ~」 少し不服そうなソフィー。 「だめにゃ。こんなことで壊したら本業の儲けが減るにゃ」 「…………」 それが理由ですかと目で尋ねる。 「試合の入場料、賭け試合の胴元、それにプロマイドはじめ各種グッズ。どれもこれも、レーマが優秀な剣奴だから儲けが成り立つにゃ。だから、ちゃんと大切にしてあげるにゃよ」 「…………」 「ほら、感謝するにゃ。うりうり」 「やっ、やん、くすぐらないでっ……」 「やめてほしかったら、感謝の言葉を口にするにゃ」 「ご、ごめんなさい、感謝してますから許してっ……」 「よろしいにゃ」 「……はぁ……はぁ……」 「あ~、ミスティい~なぁ~」 「ソフィーはさっきまで散々楽しんでたにゃ」 「もっと遊びたかったのにぃ~」 「猫井社員たるもの、遊びと仕事のメリハリはきちんとするにゃ」 毅然とした口調でミスティが言う。 しかし、かくいう本人が一番仕事と遊びの境界線が疑わしいのではないかと、その場にいた人間の過半数は思っていた。 「一枚目はその泣き顔でもいいけど、二枚目はちょっと強気にカメラを睨んで欲しいにゃ」 「え……?」 「泣いてる子をいじめるのもいいけど、無力なのに強気な態度を崩さない子をいたぶりたいのも人として当然の心理にゃ」 「そ~ねぇ~。やっぱり、反撃できない程度の抵抗をしてくれたほうがいじめ甲斐があるものよぉ~。強気な子を縛って自由を奪って屈服させる快感はたまらないわぁ」 「…………」 その言葉が冗談でもなんでもない100%真実の気持ちであることを、身を持って思い知らされたばかりのレーマは、無言で床を見つめている。 「さ、そういうわけだから、ちょっと強気にカメラを睨んで欲しいにゃ。……あ、涙は拭かなくてもいいにゃ。潤んだ目で睨みつけるのがかわいらしいにゃ」 すっかり妄想全開のミスティが、心底嬉しそうに指示を出している。 「そーにゃそーにゃ、その顔がそそるにゃ」 「い~わぁ、その『負けないもん』って顔がぞくぞくさせるのよぉ~……もっともっといじめたくなっちゃう……」 なにやら恐ろしげな言葉が聞こえてくる。 そんな中で、写真がさまざまなアングルから撮られてゆく。 後ろ手に縛られたまま床に転がされた上半身裸の少年が、涙を浮かべながら気丈にこちらを睨みつけてくる。 床に無造作に転がされた鞭やロウソクや注射器やバイブなどの妖しげな小道具が妄想をかきたてる。 基本コンセプトはそのまま、足に鎖をつないだり首輪をつけたり、何種類かのパターンを撮影すると、ようやくレーマを縛る縄をほどき、セットの別の場所に連れて行く。 が、その場所は。 「……今度は……宙吊り……?」 「そうにゃよ。いろんなパターンの拘束を撮影するにゃ。これが終われば、次はあそこの十字架でハリツケにゃ」 「…………」 逃れようのない運命に言葉を失うが、それでも撮影は進む。 両腕を天井から吊るされた姿の撮影。 「ちょ~っと特殊メイクするわねぇ~」 そう言いながら、ソフィーが近づいてくる。 「本当なら直接これで叩くんだけどぉ、仕方ないからメイクですませてあげるぅ」 そう言って、スパンキング用の革の鞭を残念そうに見る。 「……痛いのは嫌いです」 「あらぁ~けっこうクセになるのにぃ~」 「なりたくありません」 「そぉ……残念ねぇ~……」 目が本気だから怖い。 ともあれ、専用の用具を使って、鞭の跡に見えるメイクを施していく。 さすがに猫井に雇われているだけあって、見ただけでは本当に鞭打たれたようにしか見えない傷跡を描き出してゆく。 「ひゃんっ……」 筆の感触に、ときどき身体がびくんと反応して震える。 「あらぁ~……動いちゃだめよぉ~」 「ご、ごめんなさい、だって……」 「うふふふ~言わなくてもわかるわぁ~……感じてるのよねぇ~うふふふふふ……」 言いながら、わざと肌のくすぐったいところに鞭の跡を描いてゆく。 「あっ、やん、ひぃ、そんなところ……」 「だめよぉ~……ガマンしなきゃ本当にムチで打っちゃうんだからぁ~」 「そ、そんな、ひいっ……」 「うふふふふぅ~……おいたされたくなかったらガマンなさぁい……」 両腕を天井から吊るされた半裸の少年の肌に筆を走らせるウサギの女性。筆が敏感な箇所をなぞるたびに、宙吊りにされた身体がぴくんぴくんと悶える。 「なかなかいい光景だにゃあ……」 ミスティが妙に嬉しそうにそう呟いていた。 「ほ~らぁ、本物そっくりでしょお~」 「うんうん、これなら本当に鞭で打たれたみたいにゃ」 「……うん……なんか、すごくひどい目にあわされたように見えます……」 レーマの言葉に、ミスティが満足げに頷く。 「よし、じゃあ撮るにゃ。今度もちょっと強い表情にするにゃよ」 「は、はい……」 「イメージ的には『折れそうな心を必死につなぎとめてる』感じにゃ。ひどい目に合わされても心は砕けない、そんな強さを写すにゃ」 「……こう……いう感じですか?」 「うーん、いい感じにゃけど、すこし『ガマンしてる感』が足りないにゃ。痛いんだけど、それに負けないって感じがほしいにゃ」 「えーっと……じゃあ……」 「片目は閉じておいてもいいかにゃ。うっすらと開けた片目だけで前を見据えるのも、拷問の痛みを演出できるにゃ」 「じ、じゃあ……」 表情の細かい確認を行う。 そこを怠ると、写真に臨場感が出ないということらしい。 そうはいわれても、こういう写真を撮られるというのはやはり恥ずかしい。 無意識のうちに、羞恥の表情が見え隠れする。 もっとも、それがいいらしい。 ともあれ、少なからぬ脱線はありながら、撮影はそれなりに順調に進んでいた。 その後も、十字架とか拘束台とか鉄格子の中とか、妖しげなシチュエーションの写真が次々と撮られていった。 予定通りの撮影が全て終わったのは、もう夜の八時を過ぎたた頃。 本当なら昼間で終わる程度なのだが、ソフィーとミスティが悪乗りして遊んでいると、いつの間にか予定の倍以上の時間がかかってしまっていた。 「お疲れ様にゃ。いい写真が取れたにゃ」 「…………」 ご満悦のミスティとは対照的に、丸一日吊るされたり縛られたり視姦されたりしたレーマは、口も利けないほど疲れきっている。 「あにゃにゃ、ずいぶんお疲れだにゃあ」 「……疲れました」 搾り出すようにようやくそう答える。 「まあ、これも仕事にゃよ。ほら、これでも飲んで元気出すにゃ」 そう言って、ドリンク剤を手渡す。 「……なんですか、これ」 「心配しなくても、普通の栄養ドリンクにゃ。三十分もしたら歩けるぐらいにはなるにゃよ」 散々騙されたあとでは、どう考えても素直に飲む気にはなれない。 「……いただきます」 それでも、このままではどうせ動けないのだからとりあえず飲む。 もし騙されていたとしても、どうせこれ以上恥ずかしい目にあうこともないだろう。 幸い、本当にただの栄養ドリンクだったらしい。 よろよろと立ち上がると、やっと普通の服に着替えることが許される。 「あ~あ、もうちょっと楽しみたかったのになぁ」 まだ満足していないらしいソフィーの言葉には聞こえないふりをして、宿舎に戻ろうとする。 「ああ、ついていくにゃ。とりあえず今日はこれで終わりにゃから。ソフィーもお疲れだったにゃ」 「私はぁ~まだまだぁだいじょ~ぶよぉ~♪」 のんびりした返事が返ってくる。 「また来週、別の男の子を連れてくるにゃ。その時も頼むにゃよ」 「あらぁ、来週もお仕事できるのぉ? うふふふふぅ……」 嬉しそうであやしげな笑い声。まだ見ぬ哀れなイケニエに思いを馳せているようだった。 地下通路を宿舎へと帰りながら、ミスティが話しかける。 「いい写真が撮れたにゃ」 「……恥ずかしかったです」 「恥ずかしい写真だからこそ売れるにゃ。売れればその分、レーマがカモシカの国に帰るのも早くなるにゃ」 「……そうなんですか?」 「もともと、身代金を稼がせるために連れて来たにゃ。今のペースなら、輸送費生活費その他の必要経費合わせても一年以内に完済できるにゃ」 「じゃあ、もうすぐ帰れるんですね」 「契約期間は一年にゃから、あと半年はどうしてもここにいてもらうけどにゃ。けど、それ以上延長する必要はないかもしれないにゃ」 「そう……ですか」 「にゃけど、それもこれもカスミに勝てたらの話にゃ。真剣勝負にゃからな、負けたらその場で死ぬにゃよ」 「…………」 改めて言われると、ぞくりと寒気がする。 「……強いですよね、カスミさん」 「にゃ? 怯えてるにゃか?」 「……そりゃ、ちょっとは……」 その言葉に、ミスティがばんばんとレーマの背中を叩いて励ます。 「強いは強いにゃけど、マッチメークしたのは私にゃよ。勝てる見込みがなかったらそんな試合組まないにゃ」 「……それは、そうかもしれませんけど」 「レーマの武器は手数にゃ。相性的な話を言えば、今のカスミが一番苦手なタイプにゃ」 「え?」 「関節痛めてるから、止まることを知らない連撃には身体が追いつかないにゃ。さらに、下段や脇構えからの斬り上げる技の引き出しが多いのも相手にすれば嫌なものにゃ」 「……そうなんですか」 「結構見づらいものにゃよ」 もともと、意識して引き出しを増やしたわけではないが、獣人相手の戦闘においては、相手の方が身長で上回ることが多かったため、自然と下から上へと切り上げる剣が増えただけのことにすぎない。 が、確かに言われてみれば、下から上へと来る剣は見えにくい。 「にゃから、あと三週間鍛えれば、十分勝てるにゃ。というよりも勝って貰わなきゃ困るにゃ。せっかく撮った写真が売れなくなるにゃ」 「……努力します」 「うむ、にゃ。明日から特訓なんにゃろ?」 「何で知ってるんですか?」 「扉の向こうまで聞こえてたにゃ」 「…………」 「しっかり頑張るにゃ。セイカもユーキも応援してるにゃよ」 「はい」 「よし、じゃあ明日からは気分を改めて頑張るにゃ」 「頑張ります」 「それじゃ、今日はこれでさよならにゃ。ゆっくり眠って疲れを取るにゃよ」 「はい」 そうして、長い一日が終わった。 ミスティから宿舎の管理者に身柄を引き渡され、あてがわれた個室へとつれてゆかれる。 魔洸ランプの光が照らす殺風景な小部屋。窓には鉄格子がはめられ、扉は鍵をかけられると内側からは開けることが出来ない 部屋の中には小さな机と、それなりには柔らかい、眠るには十分な寝台。壁際の棚にはダンベルやゴムロープなどの、ちょっとしたトレーニング器具。他にはなにもない。 寝台に腰掛け、一日中弄ばれた身体を見る。 手首や胴体の縄の跡はだいぶん薄れてきた。一晩寝れば、明日は何があったか気づかれずにすむかもしれない。 「……寝ようかな……」 寝台の上に寝転び、目を閉じてぼんやりと考える。 三週間。長いようでかなり短い。 しかもその間にも試合はある。 この時期は週一回のペースで興行が行われているため、あと二回、途中に試合が挟まる。 そこで怪我などしたらどうしようもないハンデとなる。 が、二度の試合を無傷で終わらせる程度の力がなくては、もとより勝てないような気もする。 磨きをかけるとすれば、カスミにもミスティにも言われた手数。 そこに正確さと更なる速さを加えるには、何よりも下半身の粘り。 ランニングと水泳の割合を少し増やして、それから模擬試合を重ねたほうがいいだろうか。 それとも、型を繰り返して基本の動きにブレをなくすべきか。 そんなことを考えているうちに、ゆっくりと眠りについていった。
https://w.atwiki.jp/3rd_story/pages/87.html
不二山 嵐 アルバムイベント | 学校関連 | デート関連 | ED関連 | ツーショットなど | スチルなしのイベント | ADV | 【学校関連】 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 ( 1 )百人掛け1(1年目文化祭・普通以上・柔道部の練習場が出来るイベントが発生している) ( 2 )百人掛け2(上のイベントの続き) ( 3 )初めての試合(3年目6月まで・休日に柔道部コマンド実行・友好以上・要部活経験値) ( 4 )早弁(冬服期間・普通以上・平日に勉強コマンド) ( 5 )データ研究(2年目4月~3年目7月・平日に柔道部コマンド・友好限定) ( 6 )決心(2年目冬・平日に柔道部コマンド・秋の映画館デートスチルをみていることが条件・要部活経験値) ( 7 )マッサージ(2年目2月~3年目4月・休日に柔道部コマンド・好感度が不二山>新名) ( 8 )学園演劇(3年目文化祭・学園劇を選択・友好以上・不二山の好感度が一番高い) ( 9 )修学旅行(2年目修学旅行・一緒にまわる・好き以上) ※自室カスタマイズ写真 (10)喫茶店(冬服) (11)喫茶店(夏服) ※マッサージスチルは新名の柔道部で迫られるスチルと対応していて、好感度が高い方のイベントが優先されるが イベント期間中に好感度を逆転させれば両方発生させることも可能。新名未登場でも発生 【デート関連】 1 2 3 4 5 6 ( 1 )腕相撲(春・ゲームセンターでデート・普通以上) ( 2 )みせたいもの(夏・はばたき城デート・好き以上) ( 3 )考え込む(2年目秋限定・映画館デート・友好以上) ( 4 )海辺デートで(冬・海辺デート・好き以上) ( 5 )レスキュー(通年・プール監視員アルバイト中・普通以上・要バイト経験値) ( 6 )クリスマス(3年目クリスマス・好き以上・登場キャラ内で一番好感度が高いこと) 【ED関連】 1 2 3 4 5 < ( 1 )告白(正面の角度) ( 2 )告白(斜め下の角度) ( 3 )キス ( 4 )親友告白ED ( 5 )ED後 ※自室カスタマイズ写真 【ツーショットなど】 ※新名と共通 (1)(2)を除いて新名が柔道部所属必須・新名とのPvsPはどれも発生しない page1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 page2 13 ( 1 )不二山投げ飛ばされる(2年目4月~1月までの冬服時・新名が登場していてバンビが柔道部所属・新名が柔道部に入部) ( 2 )不二山投げ飛ばされる(2年目の夏服時・新名が登場していてバンビが柔道部所属・新名が柔道部に入部) ( 3 )不良にからまれる(冬・ボウリングorゲーセンorカラオケでの3人デート後) ( 4 )アルパカ(3年目4月10日以降の春秋で発生報告・動物園3人デート・不二山好き以上&新名友好以下) ( 5 )カレー(3年目8月合宿・事前に部活コマンドを実行して合宿の話を不二山から聞く・不二山&新名が友好以上・気配り30以上) ( 6 )下校中(2年目以降夏服時・二人とも友好以上・柔道部コマンド実行・要部活経験値) ( 7 )夏合宿プール(3年目8月合宿・好感度が不二山>新名・不二山が友好以上) ( 8 )夏合宿花火(3年目8月合宿・好感度が新名>不二山・新名が友好以上) ( 9 )シャワー(夏・夏休み×・平日に柔道部コマンド・新名好き以上&不二山友好以下・好感度が新名>不二山) (10)引退試合(3年目9月~10月・柔道部コマンド実行・要部活経験値) (11)△関係崩壊(3年目10月以降・PvsP条件を満たして部活コマンド実行・冬服ver) (12)△関係崩壊(3年目6月~9月・PvsP条件を満たして部活コマンド実行・夏服ver) (13)三人ED2 【スチルなしのイベント】 初めての柔道部活動(初めて柔道部コマンド実行) ※攻略本に誤情報あり スカウトして正解(柔道部に入部して何回か部活をしていると時期不問で発生・柔道部コマンド実行・要部活経験値・不二山にスカウトしてよかったと言われる) 百人掛け予告(1年目9月・要部活経験値・文化祭で百人掛けをすると教えられる) 謎のダンディ(1年目9月~11月2日まで?・上のイベント発生後・要部活経験値・謎のダンディが登場して話を聞いてくれる) 俺らの城(1年目9月~11月2日まで?・上のイベントが発生した以降の週末・柔道部の練習場が出来る) 鶴の一声(1年目11月・1年目文化祭に百人掛けイベントが発生している・柔道部顧問の大迫に呼び出される) 理事長(1年目冬以降・「謎のダンディ」が発生している・理事長と会話・このイベントは校内イベントで発生します) 鍛えがいがある(柔道部コマンド実行・「鶴の一声」が発生済み・練習後に大迫と会話) 新入生たちと練習(2年目?・第3日曜に柔道部コマンド実行・新名が柔道部でない?) 進路相談(2年目9月・友好以上・自動発生・柔道部未所属でも発生) 柔道部を辞めさせられるかも(3年目4月・好き以上・自動発生・翌週に結果報告イベントあり・柔道部未所属でも発生) 親に報告してきた(3年目4月・好き以上・柔道部を辞めさせられる云々の相談を受けた翌週自動発生・柔道部未所属でも発生) 試合敗北(3年目6月・友好・休日に柔道部コマンド) 嵐さんのドS(2年目6月・柔道部所属・休日に柔道部コマンド・新名が柔道部所属) 練習試合勝利(休日に柔道部コマンド・友好以上・主人公が不二山の試合の反省点をあげる・不二山>新名) 練習試合勝利(休日に柔道部コマンド・好き以上・主人公が不二山の試合を理想的な試合だと褒める・不二山>新名) 合宿予告(3年目6月~夏休み前まで・柔道部所属で要部活経験値・不二山または新名が友好以上?) カレー(3年目8月合宿・事前に部活コマンドを実行して合宿の話を不二山から聞く・不二山&新名が友好以上・気配り30未満) クリスマス(3年目12月25日にデート・クリスマスのスチルを見てることが条件・追加デートのない自宅やスキー以外の場所でデートする) 本気で勝負(PVPイベントが発生してしばらく経過後・PVP中・平日に柔道部コマンド) 【ADV(アドベンチャー)パート】 はじまりの日(1年目文化祭百人掛けイベ発生~大迫顧問就任ミニイベ後) 行けねーよ(学校スチル(6)「転校を断る」イベント後) 父と子(進路相談イベント「親に報告してきた」の後) 未来への道(ED1を見ると出現) ノスタルジア(投げ飛ばしイベントで発生) 笑顔の有効活用(新名柔道部入部後1ヶ月ほど) きらきらひかる?(好き以上・運動パラ300・所属部不問・ゲーム中では主人公を下の名前で呼んでいてもADV内では苗字呼びになる?) 強いヤツに、会いに行く(友好以上・2年目修学旅行前の下校会話を聞き、修学旅行では別行動・所属部不問) 太陽と月(スチルなしイベント「本気で勝負」発生後・みよの三角関係情報で新名より嵐の方が主人公に近い) 賽は投げられた(PvsPイベント開始で発生) ▲▲ページ top
https://w.atwiki.jp/pgbnavi/pages/996.html
高倉 伶花(たかくら れいか、1994年9月13日 - )は、名古屋Cキャッツに所属した元プロ野球選手(投手)。 概要 経歴プロ入り前 プロ入り後 選手としての特徴 人物 詳細情報年度別投手成績 表彰 記録初記録 節目の記録 その他の記録 背番号 能力推移 pixivリンク 概要 所属 名古屋Cキャッツ 背番号 32 国籍 日本 出身 岐阜県多治見市 生年月日 1994年9月13日 身長 168cm 体重 64kg 投打 右投右打 血液型 A型 プロ入り 2017年ドラフト外 PL ひとは 球歴 岐阜啓学館高等学校→尾張大学→熊本シルフィード(2017-2020)→名古屋Cキャッツ(2021-2023) 経歴 プロ入り前 もともとは物静かで動揺しやすい性格だが、中学校から野球を始め、人前ではそれなり以上に話すことができるようになった。 高校では俊足好守の内野手として知られたが、投手不足により徐々に投手に転向。3年生の時は絶対的エースの影で二刀流が話題になったこともある。 大学では部活動がなく、社会人チームに所属。その傍らで理論面を追求しており大学院の進学も考えていたが、ゼミの教授からの後押しもあり熊本シルフィードにテスト入団。この時野手でも入団テストを受けたが、打撃力不足が原因なのか投手での入団となった。 プロ入り後 2017年は飛躍の一年。終盤は失点が目立ったものの、それでもAS出場、登板およびホールドはチーム内最多などリリーフエースと呼べる活躍を見せた。オフの海外武者修行で野崎百合佳に師事し、変化球などの強化に励んだ。 2018年も昨年と同様以上の活躍を見せる。2年連続のファン投票によるAS出場、リーグ最優秀中継ぎのタイトルまでも獲得した。だが、相変わらず与四死球は非常に多い。 2019年は好不調の差が激しく、7登板連続無失点する一方で4被弾したり、2試合でノックアウトされ計7失点もした。一方、与四死球とWHIPは大幅に改善。 2020年は不調にあえぐチームの中で気を吐き、シーズン失点率を自己最低に抑える。またオールスターでも三者凡退(うち2奪三振)と活躍を見せた。オフに名古屋Cキャッツに移籍し、大学の先輩で新たにコーチとなった小野寺ユウカの教えを乞うこととなった。 2021年は3敗を喫するなど、やはり尊敬する人物のもとで1年を過ごしたせいか大苦戦。投球回も必然的に自己最小となるなど、自身を見直す機会と誓い翌年に臨むこととした。 2022年は印象に残る登板は少なかったようだが、縁の下の力持ちというべきか、完了投手となった試合数や奪三振数は自己最多となった。そろそろ後進への貢献ができるか…? 2023年。この年限りでの引退を表明し、かねてから決めていた研究者の道を目指す。通算50ホールド、引退試合での初先発(4回1失点)、チームの優勝への貢献などファーストキャリアを締めくくるにふさわしい1年となった。 さらにはPO、CSと勝ち進み……だが現役最後の投球で、元チームメイトである常磐メロが惜別ともとれる一発を放ち、札幌の2連覇を許した。 選手としての特徴 足の速さとフィールディングの良さでもアピールできる速球派投手。速球をより活かすためのパームの他に、打ち取るためにスライダーやシンカーを使うこともある。 高校時代は先発経験もあるが、大学時代からは主にロングリリーフを担当するようになった。 常にクイック気味のフォームが原因なのか、球が軽めで巧打者に弱い一面もある。 人物 普段は淑やかな優等生といった印象を受けるが、野球が絡むと一転し、高い集中力を発揮する。 大の甘党で遠征時には必ずといっていいほど、地元の銘菓を買ったり有名なカフェに行ったりしている。 詳細情報 年度別投手成績 年度 所属 規定 試合 勝 敗 S H 完投 完封 先発 QS 完了 防御率 投球回 打者 被安 被本 奪三 与四 与死 敬遠 失点 自責 WHIP 2017 熊本 × 22 0 1 2 11 0 0 0 0 3 3.06 17 2/3 85 20 0 13 8 1 0 8 6 1.58 2018 熊本 × 20 3 1 0 13 0 0 0 0 3 2.75 19 2/3 92 20 1 18 11 3 0 7 6 1.58 2019 熊本 × 20 0 0 1 9 0 0 0 0 4 4.03 22 1/3 90 18 4 13 5 1 0 10 10 1.03 2020 熊本 × 17 0 1 0 10 0 0 0 0 5 0.47 19 1/3 80 15 0 12 7 1 0 4 1 1.14 2021 名古屋 × 14 1 3 1 1 0 0 0 0 7 4.73 13 1/3 59 12 2 13 7 0 0 7 7 1.43 2022 名古屋 × 15 0 0 1 2 0 0 0 0 8 1.23 14 2/3 64 11 0 18 6 0 0 4 2 1.16 2023 名古屋 × 16 0 0 0 6 0 0 1 0 4 1.86 19 1/3 81 15 1 11 8 1 0 4 4 1.19 通算:7年 124 4 6 5 52 0 0 1 0 31 2.56 126 1/3 551 111 8 98 52 7 0 44 36 1.29 表彰 球団優秀新人(2017、熊本) 最優秀中継ぎ(2018) 記録 初記録 初登板・初ホールド:2017年4月5日 対広島レッドリーブス2回戦(藤崎台県営野球場)、8回表に2番手で救援登板、1回を無失点 初セーブ:2017年4月9日 対札幌ホワイトエンジェルス2回戦(札幌ドーム)、11回裏に5番手で救援登板・完了、1回を無失点 初奪三振:同上、11回裏に銀愛美琉から 初勝利:2018年7月15日 対福岡クローネ3回戦(リブワーク藤崎台球場)、7回表に5番手で救援登板、1回を無失点 初先発登板:2023年8月30日 対大阪ナイトブレイカーズ8回戦(バンテリンドーム ナゴヤ)、4回1失点 節目の記録 20ホールド:2018年7月22日、対名古屋Cキャッツ3回戦(ナゴヤドーム)。10回裏に4番手で救援登板、1回無失点 30ホールド:2019年6月16日、対東京フレイズ3回戦(リブワーク藤崎台球場)。7回表に2番手で救援登板、1回無失点 40ホールド:2020年7月15日、対名古屋Cキャッツ4回戦(ナゴヤドーム)。8回裏に2番手で救援登板、1回無失点 50ホールド:2023年6月28日、対広島レッドリーブス4回戦(バンテリンドーム ナゴヤ)。6回表に2番手で救援登板、1/3回無失点 その他の記録 オールスターゲーム出場(2017、2018、2020年) 背番号 33(2017-2020) 32(2021-) 能力推移 年度 速球 球威 変化 制球 体力 守備 ピン/特1 対左/特2 打強/特3 クイ/特4 総合 2017 18/A 10/D 12/C 14/C 11/D 18/A 3 3 3 3 99/C 2018 18/A 12/C 13/C 14/C 12/C 18/A 4 3 - - 109/C+ 2019 19/S 15/B 16/B 16/B 11/D 20/S 対ピ○ 真っ向 投球リズム - 149/A 2020 19/S 15/B 16/B 16/B 11/D 20/S 対ピ○ 投球リズム - - 149/A 2021 19/S 15/B 16/B 16/B 11/D 20/S 対ピ○ 投球リズム - - 149/A 2022 16/B 14/C 14/C 14/C 11/D 18/A 投球リズム - - - 109/C+ 2023 16/B 14/C 14/C 14/C 11/D 18/A リズム - - - 109/C+ pixivリンク 選手シート【2017】 選手シート【2018】 選手シート【2019】 選手シート【2020】 選手シート【2021】 選手シート【2022】 選手シート【2023】