約 488 件
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/505.html
「たてみやには感謝してる。きぬはたの相手をしてくれるから。おかげできぬはた、毎日が退屈しないって楽しそう」 「感謝してるなら絹旗に俺と飾利姫の仲を邪魔するなって言って欲しいのよ! おかげでいつもいつも殴られちまう羽目に……」 「大丈夫、たてみやとういはるの仲は友達で止まってる。きぬはたにはそれとなく伝えておくから後は自分で頑張って」 食堂で待機してる滝壺は食堂のおじさんこと建宮との会話をそれなりに楽しんでいた。 ただ初春の仲を取り持つという気は今のところ起きておらずあくまで客観的立場を守っている、今のところは。 そこにシステムスキャンを終えた、というかレベル0なのでやることが無くて終わった当麻と浜面がやって来る。 「おっ二人ともご苦労さんなのよ! ところで上条当麻と茶色いの、二人だけか? 後の3人はどうしたのよな?」 「土御門は白雪の付き添いで常盤台、青ピとアクセラは用事があるから先に行けってさ。そういやあ五和、最初はどこに勤めるつもりだったんだ?」 「要望は当然ながらここだったのよね。でもそうしたら上条当麻、お前さんに毎日ベッタリで仕事にならないって飾利姫が却下したのよ」 初春は確かに当麻を兄(義理の)として慕っており、五和が未だに当麻を諦めていないことを良く思っていないが私情は挟んでいないつもりだ。 建宮の言葉通り、五和が仕事を忘れるという事態になっては本末転倒で、それで万が一が起きては元も子もないというのが理由。 ならばと五和の家事スキルを存分に発揮できる繚乱家政女学校で土御門の妹、舞夏の護衛兼講師で渋々ながらも了承したというわけだ。 「飾利姫は土御門のことも考えてて本当に偉いお人なのよ。土御門が妹の為なら何でもやる男とはいえ、妹が弱点には違いないのよな。だからこその護衛ってわけさ」 「(……あいつなら舞夏を人質に取られた時点で俺達の敵になりそうだしな)そっか。何か悪いな、俺やみんなの為に」 「気にすることないのよ。プリエステスも俺も他のメンバーも、そして飾利姫も好きでやってることよな(それこそが世界の為というのは秘密なのよね)」 当麻が建宮と真面目な話をしている間、浜面と滝壺はかなりどうしようもない話をしていた。 もちろん内容は当麻をシメる会についてなのだが、そのことで両者の意見は真っ二つに。 「どうして? はまづらはかみじょうと友達でしょ? どうしてかみじょうをいじめるの?」 「いや、だからさ。最近、上条が調子にのってるからここいらでお灸を据えようってだけで……。頼むから協力してくれ!」 「イヤ。かみじょうは私の友達でもあるし、それでかみじょうが酷いことになったらみさか、きぬはた、ういはる、さてんが悲しむ。だからゴメン」 頑なな滝壺の態度に浜面は自分の恋人を味方に引き入れることを諦めた。 ションボリしてる浜面を見た滝壺は溜め息を吐いた後で浜面にある約束をすることに。 「協力は出来ない。でもその代わり、私はこのことはかみじょうには教えないから」 「あ、ありがとな滝壺! じゃあ俺行ってくるぜっ!」 こうして滝壺は当麻をシメる会へと戻っていく浜面を手を振って見送った。 しかし浜面は分かっていなかった、滝壺の言葉の真意を。 「はまづら、私は言ったよ。かみじょう『には』教えないって」 一方、当麻の教室では吹寄を筆頭にした当麻をシメる会についての会議が始まっていた。 「場所はそこの公園、時間は放課後。いいわね?」 「「「「「異議なし」」」」」」 「じゃあ情報屋、段取りを。」 「OK、まず青ピが何でもいいから馬鹿話でもして上条の下校を少しでも遅らせる。」 「承知したでー。」 「その間に作戦部隊①が二手に分かれて表門と裏門に行って上条を待ち伏せる。」 「「「「「了解」」」」」」 「ところで何で作戦部隊を①~③に分けるの?」 「そりゃ、クラスの全員が自分を置いて出て言ったらバカ上条だって気付くからさ。」 「なーるほど。それで納得。」 「で、のこのこ帰ろうとする上条を①部隊の(表門裏門の)どちらかがとっ捕まえてさらに他の部隊に連絡。『宴』を始めるってわけさ♪」 「「「「「「了解♪」」」」」」 「さすが情報屋、うまいわね。」 「いや、俺なんてまだまだ。雲川先輩の足元にも及ばねえよ。」 「そういえば雲川先輩は?」 「なんか今回は用事が有るから無理っぽいって言ってた。ただ『用事が早めに済んだら喜んで行くけど』だって。」 「とりあえずは先輩無しでやるわよ。」 「「「「「ラジャー♪」」」」」」 「下校まではみんな普通にしてろ。上条に感付かれたら元も子もない。」 「誰に感づかれたらまずいんだ?」 クラス全員ビックゥ!!!!!! 振り返ると携帯(美琴と通話していた)片手に笑っている上条当麻の姿があった。 美琴には滝壺から連絡が入っていたのである。 ゆえに上条さんは笑って言う。 「『バカ上条』で悪かったな。」 「え、えーっと…かなり聞いてた?」吹寄が訊ねる。 「『場所はそこの公園』ってとこからだな。」 「「「「「「全部じゃねえか!」」」」」」 「ところでアクセラ、テメエはそんな集団で一人を襲うとか卑怯な真似はしねえよな?」 「す、する訳ねェだろ。」 「むしろ人数の少ないほう、一人で大人数にぶつかる方に加担するよな?」 「あ、あァ…(話の流れが見えてきたなァ…)」 「打ち止めも言ってたもんな♪『あの人は卑怯なことは好きじゃない』って。」 「も、もちろンだ好きじゃねェ。」 「と言う訳で手伝え。」 「何をだァ?」答えを知りつつも一方通行は訊ねる。 「そりゃあ大人数で一人を襲おうとか考えてる連中を殺るのをさ♪嫌とか言わねえよな?もし言ったら打ち止めに電話するぞ。」 「わ、分かった手伝うぜェ!!!(すまねェ青ピとか!!打ち止めに見捨てられたら俺は能力使えねェモヤシになっちまうンだよォ!!)」 「わー!!アクセラがカミヤンに寝返った!!」 「二学期の悪夢がよみがえるー!!逃げろー!!」 ギャーギャー言ってるクラスメイト達に… 「アーメン…」 一方通行はマジで祈った…。 数分後… 「お片づけ、終わったぞォ…」 「本当にありがとうございます!!カミジョーサンはマジでやばかったです!!」 クラスメイト達はもう戦う気力さえ無かった… 「覚えてろ…!!」 そう言い残してクラスメイト達(青髪ピアス、浜面、半蔵ももちろんいる。)は去って行った…。 「んじゃ行くか」 「アァ?どこにだよ?」 「え?だって今日は午後のホームルームは無いらしいからこのまま美琴達と合流する事になったんだけどってありゃ?これさっきも言ったっけか?」 「アァアァ、行くよ行きますよ行ってやるよォ!!」 一方通行はやけくそになって上条について行った。 ------------------------------------------- その頃のクラスメイト達はバラバラになって逃げ出した。その中の一つ、浜面と半蔵のシーン 「クソッ!!学園都市最強は学生になっても最強か!!」 「全くだ、スキルアウトを壊滅寸前に陥らせた二人なだけはあるな…」 浜面は今の半蔵の言葉を聞いて驚愕した。 「!?お前分かってたのかよ!?」 「ああ、憎ったらしいあの顔を忘れるわけ無いだろう?」 つまり半蔵は自分達のリーダーを殺した相手を、絶対の安全を奪った男達を見逃したと言う事になるのだ。 「だったら何で普通に接してたんだよ!?」 「だってお前だって普通に接してただろうが、お前があそこまで笑ったのを見たのはバカ騒ぎした時ぐらいだぞ?だから安心したんだ。それにそんな事言っても駒場のリーダーやアイツらは喜びやしないだろ?」 「半蔵…」 男達の友情を感じたその時だった。 「…浜面超殺す…」 その言葉を聞いて浜面は恐る恐る後ろを振り向いた。そこには… 「絹旗!?何で怒ってるんだよ!?」 「浜面の分際でお兄ちゃん襲うだなんて超生意気です…」 「それこそ何で知ってるんだよ!?」 簡単なことだ、滝壺が念のため初春達にも連絡を入れたのである。だがそんなことは浜面は知らない。 「…おい浜面、あの殺気をギンギンに出してるガキは誰だ?」 「上条の義妹!!ついでにいけない恋をしたレベル4!!」 「なっ!!誰がお兄ちゃんを…はうっ!!浜面超はめましたね!?」 「それはお前の自滅だ!!逃げろおおおおおおっ!!」 浜面達は絹旗、違う場所で神裂も他のクラスメイトたちを粛清をしていたのは言うまでもない。 その頃、常盤台に着いた土白、先生達は…
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1148.html
当麻達がステイルをフルボッコしている中、ハイドマン&クレイウーマンの前にちょこんと腰を下ろした初春。 今の今まで上琴にさんざんな説教をされていたせいもあって、目の前の少女に変な癒しを感じている二人に驚きの提案が成される。 「えっと、初めましてハイドマンさんとクレイウーマンさん。私、科学側の人間でネセサリウスのサポートをさせてもらっています初春飾利といいます」 「……驚いた。噂には聞いていたけどあなたの様なお子様だと思わなかったわ」 「騙されるなクレイウーマン。ここに居る時点でこの子供も常人とは離れた存在なんだぞ。……俺達に何か用か?」 「実はあなた達の今後についてなんですけど、夏の戦争が始まるまでこちらの教会で働きませんか?」 学園都市の教会で働く=ネセサリウスに寝返って欲しい、そう解釈してもおかしく無い初春の提案に絶句するハイドマンとクレイウーマン。 当然ながら二人が猛反対するのは目に見えていたので、初春が先手を打つ。 「教会で働くというのは文字通りの意味です。ネセサリウスに入れとかいう意味ではありませんよ?」 「それってつまり……教会で下働きしろってことかしら?」 「クレイウーマンさんは察しが良くて助かります。ですがあくまでも捕虜という名目ですからある程度の自由は……ステイルさんが許さないでしょうけど」 初春の提案は捕虜の身として考えるならいい待遇だが、ステイルからの尋問はあるだろうと覚悟も決めた二人。 クレイウーマンはほぼ受け入れ態勢を整えていたが、ハイドマンだけはまだ猜疑心を持っていたので初春に尋ねる。 「一つ聞かせろ。どうして俺達にそんな待遇を提示した? 俺達を懐柔でもするつもりか?」 「……えっ? 夏の戦争が来るまで尋問漬けの生活は体に悪いって思っただけですよ? 悪いことをしたなら体で返すのが基本ですし。あと、可哀想かな……って」 「「は…………?」」 魔術師になって、生まれで初めて出会う善意の塊のような少女に唖然とするハイドマンとクレイウーマン。 初春がこのような提案をしてきた理由を聞くことになる二人、それが二人にとっての止め(?)となる。 「私、お二人が根っから悪い人には見えないんです。だから今後もこうゆう風に接していけば分かり合えるのかなって。……こちら側に入っているのに甘いって分かってるんですけど」 「……もしもの話だけどさ。あんたは私達が教会の下働き中に逃亡するって考えたりしないの?」 「全く考えないって言えば嘘になります。でも、私はお二人のことを信じてますから♪ 夏の戦争が始まるまで逃げたりしないって」 「…………まったく、ここまで信じられては断るわけにも逃げるわけにもいかないな。分かった、君の提案を呑もう。クレイウーマン、お前もいいな?」 裏の企みとか一切無い初春の提案を受け入れたハイドマンとクレイウーマン、目の前の少女だけは裏切らないようにしようと密かに決意する。 しかしその後で初春が申し訳無さそうに二人にあることを告げる。 「ありがとうございます。……ですがステイルさんの尋問が無くなることは無いと思います。お二人は捕虜なことには変わりないですから。時間は極力減らしてもらうように頼みますけど……」 「そこまでしてもらわなくてもいいわよ、別に。あんた、って言うのは失礼ね。初春の気持ちだけで充分よ」 「クレイウーマンの言う通りだ。それに俺達の持っている情報など微々たるもの。むしろ尋問するだけ無駄というものだ」 「はぁ、そうなんですか。あ、最後に言い忘れていました。当麻お兄ちゃんと美琴お姉さんのことなんですけど」 上琴の名前を出した途端に怯え出した魔術師二人に心から同情した初春、そんな二人を安心させる言葉を口にする。 「当麻お兄ちゃんと美琴お姉さんには私からお二人のことを許してもらうように説得します。私が頼めば少しは怒りを収めてくれるでしょうし。でも条件を提」 「お願い! 是非ともあの悪魔二人を説得して! 尋問よりもあの二人のが私達は怖いっ!」 「俺からも頼むっ!」 「お、お二人とも、ち、近いです! そ、それにまだゆ、許してくれると決まったわけじゃないですし、条件付きって可能性が高」 初春が全てを言い終わる前に彼女と魔術師二人の間に七天七刀が突き立てられ、初春と二人は引き離された。 こんなことを仕出かすのは神裂とシェリーしか居ないわけで、初春はシェリーに抱きかかえられながら神裂とシェリーの説得方法を考え始めた、ちょっと面倒と思いつつ。 そして初春が二人の事を考えている時、ステイルは開放されていた。 「……酷い目にあった」 ステイルがタバコを取り出すと、美琴を引き連れた上条が現れた。 「ステイル、自業自得って言葉をお前にくれてやる」 「うるさい。大体君の不幸体質が僕に乗り移った気がするんだけど気のせいかな?」 「何よ?自分が悪いのに当麻のせいにしないで!!」 「さあな?俺自体よくわかんないし。……それよりさっきの重要参考人がフルボッコにされているんだが?」 「まあ五体満足であれば何でもして良いって向こうが言ってたし、夏までに治ればいいんじゃないかな?」 ステイルがタバコの煙を吐きながらそう答えると、二人はすかさずつっこんだ。 「いや!!それ良くないでしょうが!!」 「しかもそれ傷付ける前提じゃねえか!?」 「……いやいやいや、それさっきの君達が言えることじゃないと思うんだけど?」 ステイルがそう言うと、上条と美琴はうっ!!とうめき声を上げて何も言えなくなってしまう。 そんな沈黙の中、最初に口を開いたのはステイルだ。 「これから魔術的な作業をしなくてはならないんだ。 君の右手は作業の邪魔になるし、今日はお疲れみたいだから帰れ」 「ああ、わかった。じゃあな」 「さようなら」 二人はステイルに挨拶を一応すると、愛しい人と共に家に帰るのだった。 「待つんだ上条。君、いや君達は自分達のしたことに反省をしてもらわなくてはいけない。たとえそれが襲われたからだとしてもね」 「闇咲……先生。それってやっぱりみんな揃って生活指導ということでせうか?」 「そうなるな。ああそれとステイル、魔術的作業はしなくてもいい。どうやら魔術そのものを見られたことは無さそうだし、被害は私の学校の生徒が起こしたものが大きいからな」 正直、作業が面倒だと思っていたステイルは闇咲の言葉に感謝していたが、言われてみて確かにその通りだと思ってしまった。 グラウンド、一部の校舎破壊はハイドマン&クレイウーマンの仕業だが、その他の場所は当麻達と新入生達の戦いによって破壊とかされている。 そして当麻は闇咲と共に半壊状態の校舎にある生徒指導室へと向かう羽目に。 「おっ、闇咲が戻ってきたようぜよ。んじゃちょっとばかし面倒だが大人しく生活指導を受けるとするぜい」 「だなァ、マジ面倒だが。で、雪で埋まってる弟はどうすンだァ? 気絶してたはずだが寝息立ててンぞ」 「私、赤音ちゃんに聞いたことあるよ。井ノ原くんって能力使用中に眠ると半日は絶対に起きないって。理論はまだ解明されてないって話だよ」 「しゃーない、新入生達を何割か片付けてくれた礼として運んでやるかにゃー」 土白、一方通行、土御門に背負われた真夜は闇咲の生徒指導を受けるべく校舎へと戻って行ったが、寝ている真夜を真昼たちに預けるという考えは無いようだ。 美琴は当麻が居なくなったので仕方なく家へと帰ろうとするが、 「お、お姉さま、大変心苦しいのですが……」 「ゴメン美琴ちゃん、さっき寮監さんから電話があってこっちに来いって……。何でか分からないけど美琴ちゃん達がここでやらかしたこと、知ってるみたいで……」 「う、浦上さん、それはキャンセルしたいんですけど……ダメですよね?」 「残念ながらね。でも心配しないで。あれ(魔術的要素)はバレてないし、私も一緒にお説教みたいだから」 寮を出たのに寮監に説教されるという理不尽を受けることとなり、心の中で自分の不幸っぷりを嘆くしかなかった。 グラウンドから応接室に移動し、神裂による早とちりで酷い状態になっているハイドマン&クレイウーマンに回復魔術を施しているのは建宮。 そこには建宮の他に治療されている二人、初春、神裂、シェリー、ステイル、インデックスが居た(応接室の人払いは完璧)。 今現在、初春による神裂とシェリーへのお説教がされている所である。 「どーしてお二人はあんな酷いことをするんですかっ! 私はただ頼まれごとを聞いていただけなんですよっ!」 「で、ですが、飾利にあんなに接近して羨ま……ではなく、襲われてるのではと……」 「そ、そうだよ飾利。か、神裂きはべ、別に悪いことをしたわけじゃなくてだね、えっと……」 初春とハイドマン&クレイウーマンの間に割って入った神裂、問答無用で二人の魔術師を七閃で滅多斬りにしてしまう。 普通なら神裂だけが怒られるのだが、シェリーが全く止める所か推奨していた様子だったので彼女も怒られているのだ。 「言い訳なんて聞きたくないです! せっかくお二人が協力的になってくれたのに、これで心を閉ざしたらどうしてくれるんですか!」 「そ、その時は、ステイルが尋問して情報をき、聞き出しますよ……。全責任はす、ステイルが取ってくれます」 「汚いぞ神裂! ……だが初春、どんなに協力的になってくれると言っても捕虜は捕虜だ。断っておくが彼らの人権は……っ!」 魔術師としては至極正しいステイルの発言だが、それが初春は神裂達の件も相俟って気に喰わなくなり、彼を黙らせるほどの鋭い視線を送る。 「ステイルさん、お二人への尋問は全面的に禁止して下さい。お二人は全てを話してくれると言ってくれました。協力的なら尋問の必要は無いですよね?」 「そ、それはそうだけど……。まあ、いいだろう、ただし取り調べは僕がさせてもらう。それでいいね?」 「ええ。それと取り調べが無い間は教会で下働きをしてもらいます。時間や行動の制約は当然してもらいますが、問題は無いですよね?」 「大有りだっ! どこの世界に捕虜を下働きでもそれなりの自由を与える組織が……うっ!」 ステイル、そして魔術側の人間にしてみたら甘すぎる初春の提案だが、それを却下できないプレッシャーを初春が出していた。 「お二人は私のことを信じてくれています! 逃亡も反逆も絶対にしませんっ! もしお二人が問題を起こしたら全責任は私が取ります! い・い・で・す・ね?」 「わ、分かったよ……」 (あのステイルをやり込めるなんてやっぱりかざりは侮れないんだよ) 結局、ハイドマン&クレイウーマンの処遇は初春の考え通りで受け入れられることに。 「良かったなお前さん方。ここに飾利姫が居なかったら人権皆無の扱いは必至だったよな。ま、後は飾利姫への恩義を忘れなければわしは文句無いのよね」 建宮に治療されている二人はまだ喋れる状態では無かったので、彼の言葉に頷くことで同意を示した。 初春に怒られてしょげている神裂とシェリーはその怒られていた初春から頭を撫でられながら慰められていた。 「まあ、今回のことは火織お姉ちゃんとシェリーさんの私に対する心配の表れとしてこれで許してあげます。でももし同じことがあったら私、しばらく口を利いてあげませんからね」 「やはり飾利はお姉ちゃん思いの優しいいい子ですね。大丈夫、私はもうあの二人に酷いことはしません。飾利と口を利けなくなるのは辛いですし……」 「私も。ま、飾利にここまで心配されてんだ。あいつらだって下手な考えは持ってないはずさ。あ、飾利、次はハグね♪」 「し、しませんからねっ! じゃあハイドマンさん達の治療が終わり次第、教会に帰りましょうか。火織お姉ちゃんとシェリーさんはお二人を運んで下さいね」 内心では冗談じゃないと思っていた神裂とシェリー、しかし初春を怒らせるのはもっと嫌だったので仕方なく受け入れることに。 それから30分後、治療が終わったので応接室に居た面々は建宮を除いて教会へと帰って行った(建宮は食堂へ)。 一方の体育館裏、大満足状態の滝壺と麦野、幸せそうだがゲッソリしている浜面の姿があった。 「……麦野に……唇……守れきれた……二人に……息子もの初めても……死守……!!」 ふふふふふっ……と不適に笑う浜面。ナニが……いや、何があったかは聞かないでもらおう。 一方女二人は、 (*1) 十八禁的な、恐ろしい事を考えていた。 「さぁーてと、はーまづらー」 「……そろそろCをやろう」 その言葉にビクッ!!と浜面が震え、残酷な現実に引き戻される。 今まで何があったかは言わないが、浜面は今までの状況が嫌だった。それがもっと過酷な状況になるのは嫌だ。 浜面はこの状況から逃げるべく頭を回転させた。 と、その時、スピーカーから闇咲の声がした。 『二年の浜面くん、服部くん、滝壺さん、郭さん、今すぐ生徒指導室に来てください』 浜面がそれを聞いた瞬間。 滝壺を背負い、麦野から逃げる様に(と言うか逃げている)走った。 「待てよぉ、浜面ぁ!!」 「お前はさっさとカエレ!!」 そう言うと浜面はすぐに消えてしまった。 生徒指導室に呼び出された当麻、土白、浜滝、一方通行、半郭、真夜(睡眠中)、青ピ(完全に巻き添え)は三時間もの間、こってりとしぼられた。 優しさの欠片も無い災誤の説教、厳しさの中にも優しさが見える闇咲の注意は彼らを反省させるのには充分過ぎた。 「ふむ、まあこの辺で許してやろう。だがいいかお前ら。相手が悪いからと言っても限度があるぞ! 次はこんなもんじゃ済まさんからな!」 「災誤先生、彼らも反省していることですし今日の所はここまでにしましょう。それに」 闇咲が何かを言い終える前に生徒指導室のドアが開くと、小萌と木山、そして結標が入ってきた。 そして今回の件で暴れた当麻達の前に大量のあるものが結標の【座標移動】によって積み上げられる。 「みなさんには学校が休校の間、その課題を全部やってもらいますからねー♪ 大丈夫、一年生のみんなにも同じような課題を後日渡しますので」 「きゅ、休校? いや、それ以前に勉強が苦手な上条さんはこれはもはや拷問でしか……」 「校舎、体育館、グラウンドがあの有様では学校どころでは無いだろう。修繕が済むまで休校になったんだ」 ちなみに休校の期間は10日、その間は学校側から出される課題が授業代わりとなり、当麻達の場合はそれプラス今回の罰の課題となるわけだ。 なお月結の二人も対象となるはずなのだが、目撃者も密告者も出なかった上に保健室で小萌と木山と一緒だったことから免れていた。 「では今日はこれで解散。明日は通常の課題を渡さなくてはならないから学校には来るんだぞ」 「センセー、井ノ原弟がまったく起きる気配無いんですけどこのままでええんですか?」 「心配するな。外で真昼と茜川が待っている、二人に運んでもらうさ」 罰課題を貰った面々は口々に不幸だの災難だの口にしながら生徒指導室を出て、各々の自宅へと帰って行った。 生徒指導室に残っているのは土白、闇咲、木山である。 「すまないな土御門。君のお抱えの業者の力を借りることになってしまって」 「気にする必要は無いですたい。10日もあれば今回の件の反省を生かしてもっと頑丈な学校に生まれ変わらせることは難しくないからにゃー」 「……しかしまさかここまでの被害が出るとはな。夏に控えている戦争のことを考えると少し気が滅入りそうだよ」 「木山先生、気が滅入るのは私達ですよ……。通常の課題と罰の課題のせいで、元春といちゃつける時間が減っちゃうんですよ!」 だったらいちゃつくことを我慢しろと思った木山と闇咲だが、バカップルの土白には言っても無駄だと分かってるので言わなかった。 こうして多くの爪痕を残した今回の友愛高校の一件は終わりを迎えるのだった。 「結局。私の出番。少なかった。別に今さらだけどね。ふふふっ……」
https://w.atwiki.jp/chaina_battle/pages/719.html
柳原 愛子(やなぎはら なるこ、安政6年5月26日(1859年6月26日) - Template 和暦?10月16日)は、明治天皇の典侍。大正天皇の母。 位階の正二位をもって二位の局と称される。女房名は梅ノ井、早蕨内侍など。 幕末の議奏・権中納言正二位 柳原光愛の次女で、伯爵・柳原前光の妹。「筑紫の女王」柳原白蓮は姪にあたる。 明治3年(1870年)、皇太后宮小上臈として出仕し、掌侍(勾当内侍)を経てTemplate 和暦?権典侍となった。 明治天皇の宮人となって、第二皇女・梅宮薫子内親王、第二皇子・建宮敬仁親王、第三皇子・明宮嘉仁親王を出産したが、のちに大正天皇となる嘉仁親王のみが成人できた。 Template 和暦?典侍に任官。 所生の皇子の即位後、Template 和暦?7月正三位皇后宮御用掛・御内儀監督となり、Template 和暦?12月1日、従二位に叙された。Template 和暦?5月10日、勲一等瑞宝章を授けられた。Template 和暦?12月25日、息子である大正天皇が崩御し、Template 和暦?11月には孫である昭和天皇が即位した。Template 和暦?2月11日、勲一等宝冠章を受章。Template 和暦?10月16日薨去。墓所は東京都目黒区中目黒五丁目の祐天寺にある。 和歌に優れ、宮中歌会始に3回撰歌したという。 明治天皇の没後は準皇族の扱いを受け、大正天皇臨終の際、貞明皇后の配慮によって枕辺で別れを告げたという逸話を残す。 大正天皇が暗愚であったという風説は大正時代からあり、そのためその遺伝的な根拠を柳原愛子に求め、非難する傾向があった。 略歴 Template 和暦?8月31日、明治天皇(睦仁)との間に明宮嘉仁親王(のちの大正天皇・第123代)を出産。 Template 和暦?4月29日、孫である迪宮裕仁親王(のちの昭和天皇・第124代)が誕生。 Template 和暦?12月23日、曾孫である継宮明仁親王(のちの今上天皇・第125代)が誕生。 外部リンク 系図でみる近現代 第23回 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年11月17日 (月) 15 01。
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/1076.html
「じゃあ私達はこれで失礼します。行きましょうか火織お姉ちゃん、建宮さん」 「……な、なぁ建宮。飾利、一体何やったんだ?」 「わしは飾利姫から直々に付けて下さった耳栓のお陰で何も聞こえんかったのよ。ただなぁ、佐天と絹旗がもの凄く怯えてたことは分かったんだが……」 建宮の思い出すのも辛そうな表情、神裂の察して欲しいという視線を受けて当麻はそれ以上の追求を止めた。 一方で初春は美琴に二つの包みを渡し、ある頼みごとをする。 「じゃあこのチョコを対馬さんと浦上さんに渡してもらうように白井さんに頼んでもらえますか?」 「オッケー。ところでさ、私と当麻へのチョコは?」 「それなら和室で気絶してる見知らぬ二人が持ってると思います。私はどこにあるのか分からないので見知らぬ二人に聞いてもらえると助かります」 「あ、うん、それはいいんだけどさ、か、飾利? 見知らぬ二人ってもしかしなくても……涙子と最愛?」 対馬と浦上へのチョコを黒子に渡すように頼まれた美琴だが、初春の『見知らぬ二人』発言に途惑ってしまう。 美琴の質問に答える初春の笑顔、いつも通りの笑顔なのだが得体の知れないプレッシャーを上琴、神裂、建宮は感じていた。 「あの二人は私の知ってる涙子さんと最愛さんじゃありません♪ 当麻お兄ちゃん、見知らぬ二人に伝えてもらえますか? 謝るべき人に謝るまで許してあげないって♪」 「お、おう、分かった……。後でお前達の作ってくれたチョコ、美琴と一緒に食べさせてもらうからな」 「お二人のお口に合えばいいんですけど。じゃあ今度こそ失礼しますね♪」 こうして初春、神裂、建宮、帰る際に呼び寄せたシェリーを見送った上琴は思った、ちょっと風変わりな家族のようだと。 ちなみに初春の佐天&絹旗に対する『見知らぬ二人』扱いだが、謝るべき人間が建宮だと二人が気付くまでの一週間もの間、続けられたという。 そして場所はリビング、シェリーが帰った今、ウエディングチョコケーキを食べているのはインデックスのみ。 グロッキー状態でリビングのソファーにもたれかかっているのは頑張った月夜、ステイルだった。 「さて、このウエディングチョコケーキも名残惜しいけど充分に幸せな味を堪能したんだよ。後は一気にいただきます!!」 今までゆっくり食べていたのが嘘だったかのようにインデックスは4割残っていたウエディングチョコケーキを僅か3分で完食してしまった。 その事実に呆気に取られている当麻だが、彼の今日一番の不幸(多分)はここから始まる。 「やっぱすげーなー、インデックスは。食べることに関しちゃ世界一だな……ってインデックスさん? わたくし上条当麻の顔に何か付いてますか?」 「えっとね、とうまの口の周りに少しだけどチョコが付いてるんだよ。あととうまの体から美味しそうなチョコの匂いがするかも」 インデックスの警察犬も裸足で逃げ出す嗅覚、土御門さえも凌駕する観察眼(食べ物限定)に当麻はウッと唸ってしまう。 そんな当麻の変化など恋人の美琴にはお見通しで涙目で睨みつける。 当麻は思った、神裂の恩返しチョコを本人もいないのにどう説明したらいいものかと。 「美琴?確かに俺はチョコを持っているけど、これは神裂が今までのお礼って言ってたんだ!!本当だ!!」 「……どうせ私は神裂さんみたいに胸が無いから浮気に走るんだよね」 「とうま、胸で人を判断するのはどうかと思うんだよ?」 ヤバい、二人どころか周りの人間全て睨んできた。ヒシヒシと殺気が感じるくらい。 上条はとことん自分は不幸な人間だと、心底思った。 「……誰も信じてくれないのか」 はぁ、と溜め息をつき、美琴を見つめる。 「美琴は信じてくれないのか?」 さすがはフラグ策士一級の上条当麻、無自覚にも美琴のハートを射ぬいてしまう。 美琴は上条にガシッ!!と抱き付き、無理矢理に唇を奪う。 十分相手の唇を堪能すると、唇を離した。 「そんなことない!!誰も当麻の事信じなくても私は信じる!!」 「うぅ……美琴、ありがとう」 周りの人間はこの光景を見ると、邪魔ができ無くなってしまう。 二人の空間の邪魔しないため、一同はこっそりと外に出た。 「あのね、当麻」 「ん?どうした美琴?」 「これ」 美琴のポケットから出てきたのはチョコだった。 「よっしゃ!!美琴のチョコゲット!!」 「ねえ、開けてみて」 美琴の言うことに従い、包みを広げる。 中のチョコはシンプル、だけど愛情たっぷりのチョコだった。その証拠に……、 「み、美琴の口づけつき!?」 「そっ、食べてみて」 美琴の作ったチョコをひとかじりすると上条は、 「甘い!!そしてうまい!!」 心のそこからそう思い、叫んでしまった。 「良かった……」 美琴が安堵すると、上条もポケットからチョコを取り出した。 「美琴、実は俺もチョコ作って来たんだ」 「えっ?」 美琴は何故当麻も作ったのか疑問に思った。 そして当麻はポケットからチョコを取り出した。 「ねえ、どうして私にチョコを作ってくれたの?」 「それは美琴だけにチョコを作るのは嫌だったから俺も作ったんだ。」 「当麻、ありがとう!!」 そして二人はキスをした。 時は過ぎ、午後7時、黄泉川のマンションで一打がお互いのチョコを食べ合っていた。 一方通行の膝の上に打ち止めが座るスタンスはすでに当たり前なのだが、一方通行にはまだ照れが残っていたりする。 「あなたの作ったチョコが美味しいのはいいんだけどミサカのよりも美味しいことにミサカはミサカは落ち込んでみたり……」 「ンなこたァどうでもいいだろうが……。俺はてめェの作ったチョコの方がその、何だァ、す、好きだからよォ」 一方通行に褒められたことが嬉しくなった打ち止めは思いっきりハグをし、一方通行もまた照れつつも素直にされるがままになっていた。 その様子を微笑ましく見ていたのは晩ご飯の後片付けを終えた黄泉川と芳川だった。 「おーおー相変わらず見てつけちゃってくれるじゃんよ」 「もう二人はすっかりラブラブね。こちらとしては一方通行がからかい甲斐が無くなるのはちょっと寂しいけど」 「……なァ、黄泉川、芳川。打ち止めをよォ、学校に通わせてやらねェか? こいつの為にも」 打ち止めは最初は茶々を入れようとしたが、一方通行の真面目な雰囲気を受けて黙って聞くことにした。 黄泉川と芳川はお互いに顔を見合わせたあとで、一方通行の提案に賛成の意を示した。 「ま、いいんじゃないか。打ち止めに勉強は必要無さそうだが、同年代の子供の友達を作ることは必要だからな。手続きはこっちでやっとくじゃん」 「悪ィな、俺のワガママ聞いてくれてよ。……どうした? 芳川」 「いえね、学校に通うのはいいんだけど名前はどうするの? まさか『御坂打ち止め(ラストオーダー)』にするつもりじゃないわよね……。あと両親は?」 「あァ、そりゃァ確かに無理があるな……。名前はそうだな、美しく咲く華で美咲華でいいんじゃねェか? 親はてめェらのどっちかでいいだろ」 打ち止めの学校通いの問題点をやや投げやり感は感じられるものの、あっという間に解決してしまった一方通行。 しかしジト目で一方通行を眺めてきたのは打ち止め、名前自体には文句は無かったものの、適当感に納得が行っていない様子。 「あなたのセンスに文句を付ける気は無いけど当て字っぽいのに釈然としないってミサカはミサカはぶーたれる」 「しゃあねェだろ。苗字を一人称にするなんざただの変人だろうがァ……(ちょっと面倒だったってなァ言えねェな……)」 「じゃあ妹達(シスターズ)はどうなるのってミサカはミサカは突っ込んでみたり」 「……あいつらはあいつら、てめェはてめェだ。俺にとってのと、特別はて、てめェだけだ……。名前に選んだ漢字もお、俺なりに考えたンだ。素直に受け取っとけ」 顔を真っ赤にさせてソッポを向いた一方通行を可愛く思った打ち止め、黄泉川と芳川が居るにも関わらず彼の頬にキスをした。 突然のことに慌てる一方通行だが彼も打ち止めも気付いていない、黄泉川と芳川がそれどころでは無かったことに。 「あの子の親には私がなるじゃん! 桔梗、悪いがあんたの出る幕は無い、大人しく引き下がってくれると助かるじゃんよ」 「一方通行ならのし付けて譲るけど打ち止め……じゃなかった美咲華なら話は別。絶対に譲れないわ。たとえ黄泉川、あなたでもね」 打ち止めの養母の座を巡る黄泉川と芳川の戦い、決着が付くのは4月に入ってからのことだった。 その頃の第八学区のとあるマンション、ポリアモリーカップルはまったりしていた。 真昼は真夜の作ったチョコフォンデュー、赤音は同じく真夜が作ったフォンダンショコラを食べ、真夜は後片付けの最中だ。 「二人ともー、味の方は大丈夫ー?」 「おー♪ 真夜の作ったモンに文句なんざ有るわけねーだろ♪」 「私もだよ~。ありがとね真夜君、こんな素敵なバレンタイン初めてだよ♪」 後片付けを終えた真夜は三人の時の指定席、真昼と赤音の間に腰を下ろす。 「ところでさ、小萌先生が言っていた木山先生の伝言覚えてる?」 「ああ、訓練が無くなったってやつだろ? いいことじゃんか、俺らの自由な時間が増えてデートもし放題なんだぜ♪」 「……そのことなんだけどさ、訓練は続けようと思うんだ。まあ、自主練になるんだけど。も、もちろんデートの時間は増やすつもりだよ! ……ダメ、かな?」 真昼と赤音は真夜ならそう言うと思っていたのか、特に驚く様子も無く自信なさげな恋人の提案を受け入れる。 「いいよ♪ 確かに練習を怠ると能力の劣化にも繋がるしね~。真夜君のそうゆう向上心の強さ、私は大好きだから♪ デートの時間はきっちり増やしてもらうけどね」 「しゃーねーか、やっぱ。真夜がそうゆう奴じゃなかったら俺だって惚れたりしねーもんな。その代わり、デートの時間はきっちり作ってもらうぜ。つーわけで俺も賛成♪」 「ありがと二人とも(半蔵と郭さんは……たまでいいから付き合ってもらおうかな)」 レベルも上がったポリアモリーカップルは決意も新たに更なる進歩を目指すのだった。 こちらはとある居酒屋、小萌と木山は二人っきりで飲んでいた。 「良かったんですか? 木山先生。真夜ちゃん達に訓練は終わりって言って」 「心配要りませんよ。そこで何もしなくなったらそこまでということです。まあ、あいつら、特に真夜は自主練でも始めますよ」 「あー、確かに真夜ちゃんなら納得出来ますねー。それにしても木山先生、子供達のことをちゃんと見てて立派ですー」 「そんなことありませんよ。私はただ後押しするだけ、そこからは彼ら自身の強さですから」 木山は真夜たちが彼女の言う通りに自主練を始める決意を固めたことは知らないが、理屈抜きで自分の予想が的中していることを信じていた。 ジョッキのビールを一気飲みした後で小萌は“ダンッ!”と音を立ててジョッキを置くと、現在抱えている悩みを木山に打ち明ける。 「ところで木山先生、もし自分の居候ちゃんと甥っ子が付き合ってるって分かったらどうします?」 「月詠先生の甥っ子ということは月詠先生と同じく童顔で子供体型で背が低いんですか? だとしたらそれはとても科学的に興味」 「そんなことは関係ないんですーーーーーっ! そりゃあ確かに翔太ちゃんは私と同じで童顔でチビですけど……」 木山の悪意の無い発言に怒った小萌、その後での甥っ子についての評価で自分の首も絞めていることには気付いていない。 相談された木山は何が問題なのか分かっていないので、素直に小萌に尋ねることにした。 「確か居候は『座標移動』の結標淡希でしたね。何か問題でも?」 「それがですね、結標ちゃんが変な目で見られないか心配で心配で……。翔太ちゃんと並ぶと姉と弟にしか見えないんですよ、見た目」 「別に心配するほどのことでは無いでしょう。うちの学校には生粋のそうゆう嗜好の持ち主がいるんですから。それと比べたら問題ありませんよ」 小萌は木山の言う人物が誰なのかすぐに思いつくと、その少年と比べたら大したことじゃないと思うことに。 しかし彼女は知らない、結標が4月に何の相談も無く自分の勤める学校に転入してくるなど。 その当人の結標は小萌の甥っ子にして自分の恋人、月詠翔太の住んでいる寮で二人っきりになっていた。 「結標さん、やっぱりこういうのは恥ずかしいというか…」 「何よ。さっきまで外でも抱き締めてたじゃない。それに結標さんじゃなくて淡希で良いって何回言えば良いのよ。」 今、結標と翔太の状態は先ほど公園で抱き締めていた時と同じように抱き締めあっていたのだ。 また、翔太は付き合い始めたのがほんの数日前なので未だに結標の呼び方が前から呼んできた『結標さん』のままなのだ。 「そういえば、翔太は4月から転校するんだっけ?」 結標は翔太を抱き締めるのをやめ、翔太の転校の事について聞いてみた。 「そうなんだけどさ、小萌おばさんが居る高校なんだよね。」 「そうなんだ。なら私もそこに転校しよっかな。それなら一緒に登校できるし。」 「え、えええええぇぇぇぇぇ!?そ、そんなことしたら僕がさらに恥ずかしいじゃないか!!」 「でも良いじゃない。恋人同士なんだからさ。じゃあもう決めたから。」 結標は小萌にも言わず、4月から勝手に当麻たちの高校に通う事に決めた。 また、小萌がその事を知るのは始業式の二日前だったりする。 (ん?何か忘れている気がするんだが、まあそんな大した事ではないよね。) 「あ、淡希、どうしたの?」 「な、なんでもないなんでもない。それと恥ずかしがらずにしっかりと淡希と言えるようにしてね。」 「分かった。がんばってみるよ。」 結標は多分翔太に関係ないことだと思ったので話をそらした。 また、結標が忘れている事、それはその高校に土御門、一方通行が通っているという事だったりする。 「あ、そういえばこれさっき公園で渡そうと思ったんだけど、これ。」 結標がブレザーのポケットから取り出したもの、それはチョコが入っている箱だった。 「淡希、ありがとう!!」 「うわっ!?」 翔太は嬉しくて結標に抱きついた。 そして結標は急に翔太から抱きついたことに驚いた。 「ねぇ翔太、キスしよ///」 「え!?まだそこまではッ!?」 翔太が何かを言おうとしたとたん、結標は翔太の唇に自分の唇を重ねた。 しかも、ディープキスだった。 「プハッ、あ、淡希いきなりキスをしないでよ///」 「べ、別に良いじゃない。恋人同士なんだからさ///」 「じゃあ仕返しだ!!」 今度は翔太からキスをした。 「はーまづらぁ、正直になっちまえよ?私に欲情してんだろォ?」 「弾丸のキズが入ってる胸で欲情できるわけない。はまづらは私で欲情してる」 「そのキズ付けたのコイツなんだよォォォおおおおおおおおおおおお!!」 「……お願い、お願いだから俺の前でそんなこと言わないでくれ」 浜面は滝壺の部屋で色んな意味で絞られていた。 どんな意味かって?少なくとも性的な意味ではないので安心してほしい。 浜面は嘘発見器を頭につけられ、今度はチェーンで巻き付かれた。 二人が起きた瞬間襲われたのだ。 「不幸だ……」 浜面は知り合いのレベル0の口癖を呟くのだった。 ~~数時間後~~ 麦野は体の調整と言い、どっかに帰っていった。 「はまづら、大丈夫?」 「……色んな意味で、もうダメ」 滝壺は弱りきった浜面のため、鞄からチョコを取り出した。 「はまづら、あーん」 「お、おお!!滝壺のチョコ!!いただきます!!」 カプッ!!とチョコをひとかじり、浜面のリアクションはもちろん。 「うまい!!」 「よかった。はいはまづら、もう一回あーん」 「あーん」 この後、浜面が滝壺にチョコを渡し、驚かせるのは書き記す事でもない。 「結標さん、やっぱりこういうのは恥ずかしいというか…」 「何よ。さっきまで外でも抱き締めてたじゃない。それに結標さんじゃなくて淡希で良いって何回言えば良いのよ。」 今、結標と翔太の状態は先ほど公園で抱き締めていた時と同じように抱き締めあっていたのだ。 また、翔太は付き合い始めたのがほんの数日前なので未だに結標の呼び方が前から呼んできた『結標さん』のままなのだ。 「そういえば、翔太は4月から転校するんだっけ?」 結標は翔太を抱き締めるのをやめ、翔太の転校の事について聞いてみた。 「そうなんだけどさ、小萌おばさんが居る高校なんだよね。」 「そうなんだ。なら私もそこに転校しよっかな。それなら一緒に登校できるし。」 「え、えええええぇぇぇぇぇ!?そ、そんなことしたら僕がさらに恥ずかしいじゃないか!!」 「でも良いじゃない。恋人同士なんだからさ。じゃあもう決めたから。」 結標は小萌にも言わず、4月から勝手に当麻たちの高校に通う事に決めた。 また、小萌がその事を知るのは始業式の二日前だったりする。 (ん?何か忘れている気がするんだが、まあそんな大した事ではないよね。) 「あ、淡希、どうしたの?」 「な、なんでもないなんでもない。それと恥ずかしがらずにしっかりと淡希と言えるようにしてね。」 「分かった。がんばってみるよ。」 結標は多分翔太に関係ないことだと思ったので話をそらした。 また、結標が忘れている事、それはその高校に土御門、一方通行が通っているという事だったりする。 「あ、そういえばこれさっき公園で渡そうと思ったんだけど、これ。」 結標がブレザーのポケットから取り出したもの、それはチョコが入っている箱だった。 「淡希、ありがとう!!」 「うわっ!?」 翔太は嬉しくて結標に抱きついた。 そして結標は急に翔太から抱きついたことに驚いた。 「ねぇ翔太、キスしよ///」 「え!?まだそこまではッ!?」 翔太が何かを言おうとしたとたん、結標は翔太の唇に自分の唇を重ねた。 しかも、ディープキスだった。 「プハッ、あ、淡希いきなりキスをしないでよ///」 「べ、別に良いじゃない。恋人同士なんだからさ///」 「じゃあ仕返しだ!!」 今度は翔太からキスをした。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/994.html
1: 【種別】 役職 【初出】 七巻(名称のみ) 【解説】 英国で最も力を持つ三派閥の内の一つ『騎士派』のトップの役職名。 三派閥の頂点という意味では清教派のトップである最大主教・ローラ=スチュアートと同列の立場にある。 2: 【種別】 人物 【初出】 SS 【CV】 子安 武人 【解説】 『騎士団長』の役職に就いている人物。 多少若作りしている感はあるが、歳は三〇代半ば程。 金髪で中々の美男子。 本編の10年ほど前には既に『騎士団長』の役職についていた。 普段は英国女王エリザードの傍に控えており、奔放な性格である女王の規律を正すため 気苦労が絶えないという執事のような一面も持っている。 ウィリアム=オルウェルとは立場・身分を超えた親友で、 彼を『騎士』に任命するための準備を整えたりもしている。 英国第三王女誘拐事件に際しては政治的な事情で『騎士団』は動く事ができないにもかかわらず、 自身の盾の紋章(騎士の立場)を捨ててまで救出に向かおうとするなど、 職業意識の高さがうかがえる高潔な人物。 イギリスに来た当時の神裂に「英国での立ち振る舞いを教えて欲しい」と頼まれた事を未だに覚えており、 ssでは一輪の花を携え神裂火織を舞踏会に招待するため緊張した様子で天草式の住居を訪れ、 建宮と押し問答を繰り広げるも、 「元女教皇は年上にリードされるより年下をリードする方がお好みなのよ!!」 と言い放たれ、その場は諦めたようだ。 一七巻では再び神裂を誘いに本人の元に現れ、 前述の件と共に『堕天使エロメイド』の噂についても触れ、淑女としての嗜みを説く。 第二王女キャーリサが革命を起こした際には、『騎士派』を率いて彼女の側に付いた。 キャーリサの騎士派への対応窓口の役割を担う他、実働の先陣にも立って指示を出している。 長年に渡って英国のために仕え、三人の王女とも彼女らが少女の頃からの旧知の仲ではあるが、 英国の行く末のためとあらば迷いなく第三王女ヴィリアンの首を取ろうとするなど、 国のために私情を滅することの出来る男。 役職に恥じない極めて高い戦闘能力を持ち、 フルンティングやパターン魔術、ソーロルムの術式などトップクラスの性能を持つ魔術を行使する。 その強さはカーテナ=オリジナルの補正を受けている状態とはいえ、 聖人である神裂を苦もなく一蹴し、 アスカロンを手にしたアックアことウィリアムと互角に打ち合う程。
https://w.atwiki.jp/yaruo-aoiti/pages/103.html
// ,,..-'"⌒"'-.,_/ / _,.-'´ ̄ \/ / ___,.---.,_ ヽ, / _,r'"´_,.-'"'-.,`'-,._ ヘ .| /_,r'"´ `'--,ヽ } .{ ;; ././ ,_,r'ニ´⌒'-イノ;;'".| | ノ .| ;;, { レ'_r'^' 'T⌒'┐{_"';;,,リノ .,r-i . _ !,;; | / r'´r'亞^スノ { ̄ _i'^'y' | r´`y-, ヽ;; |.{ レ--,ニ´_,.-'´ | .} |.| | | ___ ゝ レ . ィ-'"、 ,,;ii" .. | | || .|, | _ヘ  ̄`' 、/ し'"´ii;'",ィ´ . .| ! ! |, .}7^} ./;;;;;ヽ, / ゝェエノ ,イ^'┐ .{;;;;;;L. {;;;;;; 〈__;;;; ;;;;; 〉-''" _/.丿},- .|;;;;;;;;〉 .};;;;;;;;;;;;;~`"'--.,_ └-'"7-'´7〈 ス、_ .|;;;;;;/ ノ;;;;;;;;; ;;;;;;;_> ,Y / ト、´ ´'- | .ノヘ;ゝ〈;;;;;;;;;;;;;;; ゝ-'"´ ;;;;;;;/ { {|;;;;ヽ ゝ_,.-' ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ, ;;;;;;;;;;;;;;| ヘ \;;;;`"'-- -' / 血髑郎 公都・酒場”血髑髏”店主 (AA出典 覚悟のススメ:戦術鬼総支配・血髑郎) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ルルーシュの初めての公都視察の際、たまたま立ち寄った酒場”血髑髏”店主。 (店名は雑談所埋め短編 「 建宮 → 海王 反面教師、移動中 」参照) 娘の智子を王太子の室へと押し込みを始めて排除された。 智子は、その後こっそりディアボロが侍女として救い上げた。 なお、店主の名前は出てきていないため、名前の血髑郎は暫定的にAA元の名前をつけている。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/399.html
『250人のシスターが動き出しました!!そしてその後に何千人かの女魔術師が!!目的は上条当麻、いえ、御坂美琴の様です!!』 「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 『実はですね、インデックスがこちらに来てから「御坂美琴暗殺計画」 という計画が立てられていまして、まあそこは何とか理性を保てたわけですが、 次に五和達が失敗してきた遊園地の件で理性を保てた者達も暴走して何とか騎士派達で止めたんです、 しかし次の新居と婚約パーティーで騎士派の者達を250人と数千人が通り抜けられたわけです。』 「それマジですかにゃー!?」 『はい、他の騎士派や魔術師達も向かってますが間に合うかどうか…… ちなみにこの250人と数千人を動かしてるのはオルソラです。』 「にゃんれすとー!?」 『人間の裏は恐ろしいものです…』 「同感だぜい……」 しかし土御門は魔術師達より上琴の方が怖かった。何故なら、もし魔術師達がこの家に襲撃してきたらどうしよう? 土御門が魔術を使えば何とか追い返せるだろう。 しかし、新居は必ずしも無事という保障は無い。もし上琴が帰って来た時に無事なわけない新居を見たらどうなるだろう? 全員を一瞬で殺す大技が出てもおかしくない。そう考えるととても恐ろしかった。 「ねーちんはこっちに来れないのかにゃー? ねーちんと学園都市に残ってる天草式メンバーがいればあるいは……」 『無理です。こっちには五和がいるんですよ。今は眠らせてますが、いつ目を覚ましてそちらに襲撃に向かうかも分からないんですよ!』 当てにしていた戦力の確保が出来なかった土御門は落胆するが、五和の存在を考えるとそれ以上は求めなかった。 土御門は次にこのことを知られたくない人物を思い出し、神裂にそのことを尋ねる。 「ところでねーちん、そのことを初春ちゃんには知らせてないよな? あの子が知ったらそれこそ大変なことになりそうなんだが」 『初春ですか? まさか。彼女は今はまだ魔術と関わりを持たせてません。あの子が知った場合、五和にしたように手段は選ばないでしょうけど……』 「(初春ちゃんどうやって五和を? しかしねーちん、初春ちゃんにこっちの事情を話すつもりか?)知らないならそれでいい。ねーちん達は五和のこと頼んだぜ」 『分かりました。土御門、健闘を祈ります。それと良いお年を』 神裂との電話を切った土御門は今のこちら側の戦力、そして戦力になりそうな人物を算出する。 今こちらに残ってる戦力は土御門、月夜、黒子、一方通行、一応打ち止めとかなり強力だが、それでも相手の戦力差(というか物量)は大きい。 そこで土御門は戦力に、しかも美琴限定でならとっておきの人物を思い出して電話をかける。 「もしもし海原くんかにゃー。こちら土御門だぜい。ただ今、美琴ちゃんに危機が迫ってるぜよ。至急、応援を求むにゃー♪」 「御坂さんの危機ですか! 分かりました、自分もすぐに応援に駆けつけます。ショチトルと結標さんも連れて来ますので!』 「そうしてくれると助かるぜい♪ じゃあ迎撃ポイントを後で転送しておくからそこで思いっきりやって欲しいにゃー♪」 土御門は海原に助っ人を要請はしたが、上琴新居の場所は明かさずに別のポイントでオルソラ率いるシスター魔術師連合軍を叩かせる腹積もりなのだ。 次に土御門は残ってるメンバーを呼び寄せて、詳しい事情は伏せて襲撃の件を伝える。 「というわけで俺達はカミやんと美琴ちゃんの愛の巣、および自分達の身の安全の為に襲撃犯を迎え撃つんだぜい!」 「理由が一部かなり情けないけどやるしかないよ。私もあの二人の怒りに触れたくないし」 「同感ですわ。それに想い人の幸せを祝福出来ない輩には一片の同情も必要ありません。無事に正月を迎える為、戦いますわよ!」 「今年最後に大暴れが出来るってのは嬉しいよなァ。溜まりに溜まった鬱憤、存分に晴らさせてもらうぜェ!」 高位能力者がやる気になってくれたことに安心してる土御門だが、打ち止めが何の反応を示さないことを怪訝に思う。 そして振り返ると、携帯で誰かと話してる打ち止めに青ピが尋ねる。 「ところで打ち止めちゃんはさっきから誰と話しとんの?」 「初春おねーちゃんだよってミサカはミサカは正直に話して、しかも後ろのみんなの会話はぜーんぶ筒抜けだって白状してみたり」 「「「「「えええええええええええっ!!」」」」」 一方通行からの妨害電波が止まったことで初春が打ち止めに電話をかけ直していたのだ。 その際、後ろで土御門たちが大声で叫んでいるものだからその内容が聞こえるのは当然。 打ち止めが土御門に電話を渡すと、普段どおりの声、しかし得体の知れない恐怖を感じる初春の声がこう紡ぐ。 『当麻お兄ちゃんと美琴お姉さんを襲撃ですかー。大晦日に暇な人たちもいるんですね。分かりました、こちらからも何か殺れるようにバックアップします♪』 大変なことになった。本当に… 「あの子ならひこぼし二号でもハッキング出来ますわ…」 「マジかよ!!あれには結構ヤバイ核兵器があンだぞ!!」 「ひえー!!色んな意味で大変や!!」 「元春!!どうするの!?」 土御門は何か諦めた顔をして、何やらいつもとは違う顔になった。 「初春とか言ったか?」 この言葉で場の空気が固まった。 「つっちー命が惜しくないんか!!」 「今なら間に合いますの!!前言撤回してくださいですの!!」 「元春前言撤回して!!元春死んじゃうよ!!」 初春という存在はカップル達にとって悪魔の様な存在である。だが土御門は 「少し黙ってろ」 魔術師、土御門がそこにいた―― 「初春」 『な、何ですか?』 土御門の気迫は向こうにも伝わったらしい。 「よく聞いておけ、これから戦う奴らは風紀委員での仕事なんてお遊びとは違う。」 「『お遊びですって!!』」 初春と白井が怒るがそんな事はお構い無しに土御門は続ける。 「そうだ、お遊びだ。お前らのやってるお遊びは今から戦う敵には通用しない。 本気で殺しにかかっても一人を気絶させる位だ。これはあくまで運が良かったらの話だ。素人はすっこんでろ。」 『いいえ、やめません!!当麻お兄ちゃんと美琴おね――』 「いい加減にしろ!!」 この言葉だけで土御門は日常とは違う土御門になっていた。 「ふざけて勝てる相手じゃない、さっきも言ったはずだが運が良くて勝てる相手だ!!相手は遊んで人を殺せる力を持っているんだぞ!! それはお前が何かをハッキングして勝てるような相手じゃない!!」 「でもひこぼし二号なら――」 「だからそんなおもちゃで勝てる相手じゃないって言ってるんだ!!それにひこぼし二号がハッキングされたら誰が学園都市を監視するんだ!? そんな事したら学園都市はパニック状態に陥る!!お前らみたいな警備員や風紀委員だけで守れるわけ無いだろうが!!」 『で、でも――』 「そんでもやるっていうならお前は土御門元春の敵だ。カミやんの義妹だろうが何だろうが容赦しない。」 この言葉だけで初春飾利は恐怖を覚えた。まるでライオンの檻に放り込まれる様なものじゃない。今の土御門は人間じゃないと初春飾利は知った。 『はい、分かりました。』 土御門の言葉にうなずいてしまうのは当然の事だった。 ピッっと土御門は携帯の通話を切った。しかしまだ土御門はいつもの土御門じゃない。 「元春…だよね?」 白雪が聞いてしまうのもしょうがないことである。 「何言ってんだにゃー月夜、正真正銘土御門元春サマだぜい?」 喋り方は戻っているのだが明らかにどこかが違う。大きな何かが違うのに何が違うか分からない。 そんな白雪の気持ちなど考えもせず土御門はポケットから地図を出し広げる。 「じゃあ作戦会議ぜよ。敵は東京国際空港に着陸して今神奈川付近にいるのがざっと300人だ。」 「300人も!?」 「いや、まだ空港には五千人来ると考えていいな。とにかくこの数は圧倒的に不利だぜい。そこでお前らにやって欲しいことがあるにゃー。」 「何?」 白雪はとにかく今の土御門の役に立ちたかった。それで元春と一緒にいられるならばと、 「――罠、つまりトラップ作りだぜい。しかも特大のにゃー♪」 「……ふぅ、あれが土御門さんの本気ですか。煽って正解でした。これでいいんですよね? 神裂さん」 『すみません初春。貴女に危険なことをさせてしまって。ですが土御門が本気になれば負けは無いでしょう』 実は初春の土御門のやり取り、これ全て神裂からの指示によるものだった。 いかに相手が強大とはいえ、トリックスターの土御門の頭脳があれば負けは無いと神裂は踏んでいたのだ。 そこで土御門を本気にさせられそうな初春に一芝居打ってもらったという訳だ。 『……それよりも、本当にいいのですか? 初春が私達魔術側の事情を知るということは……今までの生活を捨てることと同じなんですよ』 「分かってます。でも、それでも守りたい人達が居ますから。土御門さんはお遊びって言ってましたけど、私なりに出来ることを探していくつもりです」 『……私は正直、今でも反対です。ですが貴女とは短い付き合いとはいえ頑固者だということは理解してます。ですから私は、いえ天草式十字凄教一同はここに誓います』 初春の覚悟、それは子供ゆえの無茶だとは分かっていても、神裂に少女を止める術は無い。 ならばせめて彼女と共に歩む為、神裂は他の天草式メンバーが同じ思いと信じて初春に誓いを立てる。 『私達はこれから先、初春飾利を護り抜くことを誓います。仲間として友として、そして家族として』 「私もこれから先、私は貴女達天草式十字凄教および貴女の大切な友、そして仲間の助けになることを誓います。仲間として友として、そして家族として」 神裂火織、天草式十字凄教、そして初春飾利の新たなる、しかし強固な絆が結ばれることになる。 重苦しい雰囲気を解いた二人は今、当麻と美琴の為に出来ることを模索する。 「早速ですが神裂さんにお願いがあります。五和さんの監視は対馬さんと浦上さんに任せて、建宮さんと最愛さんと共に魔術師の数を減らせるだけ減らして下さい」 『確かに五和が寝てる以上、必要以上の監視は不要ですね。分かりました、すぐに向かいます』 「それと土御門さんの要請で学園都市から3名の協力者が出るみたいなので、合流出来れば一緒に行動して下さい。見れば一目で分かります」 『分かりました。さすがに全てを片付けるのは私達でも無理でしょうが、やれるだけやりましょう。ところで初春はどうしますか?』 神裂は初春からの指示を受けた後で、彼女自身の役割について尋ねる。 電話越しからでも楽しげな雰囲気は消え、本当に真剣な空気が神裂には伝わってくる。 「事後処理です。もともと私、戦うのって向いてないですから。最初から土御門さん達に戦ってもらって私はサポートに専念するつもりでしたし」 『まったく貴女という子は……。土御門には後で私から連絡しておきましょう。貴女の本気の覚悟もしっかりと。では初春、全てが終わった後で』 「神裂さん、決して無茶だけはしないで下さい。それと、土御門さんに伝言をお願いします。初詣に行けないようになったら怒りますって♪」 『フフッ、それは怖いですね。分かりました、ちゃんと伝えておきます』 神裂と電話を終えた初春は自分が足を踏み入れた世界の恐ろしさを思い、体が震えるのを感じる。 それでも自分を貫き通す為に彼女は体の震えを抑えて、自分なりのやり方で戦いに身を投じる。 「さて、今年最後の大一番。影ながらのサポートを頑張るとしましょうか」 そう言って彼女は自分のPCのキーボードを叩き始めるのだった。 その頃、神裂から指示を受けた天草式十字凄教学園支部(五和除く)と絹旗も動き出す。 「魔術側の人間、結構一般人に化けてますね」 「そうなのよね。でも天草式十字凄教に及ばないのよな」 「見つけ次第、人気のないところまで追って、そこで気絶させてください」 「気絶でいいのですか?女教皇様」 「一応、イギリス清教の仲間です。殺してはいけません」 「そうですか。では」 作戦会議を終えた後、天草式十字凄教学園支部は散っていった 「私はもう裏に首を超つっこんじゃってますから、裏の裏は超表ですよ」 「ありがとう絹旗。ではあなたは上条当麻を護衛してください」 「超わかりました。では」 「(皆さん、無事で……)」 絹旗も作戦開始で全員戦闘モードに入ったその時、初春から衝撃の情報が…… 『大変です!!魔術師達が美琴お姉さん達に接触した模様!!更になぜか滝壺さんが人質に!!』 「「「「「「「「「「「「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」」」」」」」」」」」」 魔術師達が美琴と接触するのは予想していたがまさか人質にするとは予想外だったらしい。(当たり前か) 「なんで滝壺さんが超捕まってるんですか!?」 「そうですか。それではこちらから浜面さんに伝えておきましょう」 「よろしくお願いします。相手は30人程度です」 トゥルルルルル ちょうど、浜面から電話がかかってきた 「ちょっと神裂さん!滝壺がいないんですけど!」 「そのことなんですが、どうも相手に人質に取られたみたいで・・・」 「なんですと!?」 「そこには御坂さんもいるのですが、どうも一人では無理らしいので・・・」 「場所を教えて下さい!すぐに行きます」 「神奈川県、鎌倉北方15キロ北緯○○度東経○○度!!間違いありません!!」 「わかりましたブチッ」 今の音は通話が切れた音か、それとも浜面がキレた音か・・・ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「滝壺が人質に取られたそうだ。美琴ちゃんもそこにいる。今から行きたい」 「美琴がいるなら俺も行く!」 「もう一人増援を送るから、まずは走るんだにゃー」 「「んじゃ!」」 「(ココは取り合えずあいつに電話だ)」 トゥルルルルルルル 「もしもし?何でしょうか?」 「オレだ。神奈川県、鎌倉北方15キロ北緯○○度東経○○度で御坂が危険だ。すぐに向かえ」 「御坂さんが!?分かりました!」 御坂と滝壺のピンチに幻想殺し、最強のLEVEL0、アステカの魔術師が向かう!! 『最愛さんは予定を変更して、滝壺さん救出に向かって下さい。滝壺さんの身の安全も大事ですが、最愛さんも無茶はしないで下さいね』 初春の指示を受けた絹旗も、神裂から同行を命令された対馬と共に滝壺救出へと動き出す。 ちなみに対馬と浦上は本来は五和の監視だったが、カエル顔の医師にここは大丈夫と言われたので前線に出て来ている。 完全に先手を打たれ、形勢は早くも不利かと思われたが初春がもたらした次の情報はその不利を跳ね返すほど強力だった。 『神裂さんは焦らずそのままでお願いします。空港では騎士団長さんとウィリアムさん、えこの場合は後方のアックアさんですね。お二人が暴れています♪』 「そ、それは確かに心強い援軍ですね(こちらが要請せずにあの2人が動いた……おそらく魔術側の恥部ともいえる彼女達の暴挙を止める為でしょう)」 『ですが5000人全員では無いようです。1000人を逃がして、残る4000人が足止めしてるみたいですね』 本来ならあの二人で空港の魔術師全員を相手にして欲しいと無茶を願った神裂だが、それでも4000人を相手にしてくれたことには感謝した。 『私は皆さんが気兼ねなく暴れられるように情報操作、ならびに情報規制をかけます。当麻お兄ちゃん達を巻き込んだのは不覚でした。でもこれ以上は相手の好きにはさせません!』 「その意気です初春。ではこちらも遠慮なく力を振るうことにしましょう」 『神裂さん、無茶だけはしないで下さいね。神裂さんに何かあったら怒りますから♪』 「それは怖いですね。肝に銘じておきましょう。ああ、それと建宮に何か言いたいことはありませんか?」 神裂は建宮のモチベーション大幅アップを願って、初春からの伝言を彼に伝えようとしていた。 『そうですね~。死なないで下さい、そして学園都市に戻ってきたら元気な姿を見せてくださいと。では、また後で』 「……あの子は天然であのようなことを言ったのでしょうか? 建宮のテンションが上がるならそれに越したことはありませんが」 初春からの伝言を建宮に伝えようとした神裂だったが、目の前に魔術師達が現れたので相手をする為に伝言は後回しにするのだった。 その頃、空港では騎士団長とウィリアムの親友コンビによる大立ち回りが演じられていた。 「折角の休みというのに…最悪である。」 「全くだ。さっさと片付けてゆっくり過ごすとするか。」 「全くその通りである。面倒はさっさと潰すに限る!!『Flere210(その涙の理由を変える者)』!!」 飛ぶわ飛ぶわ、メイスとフルンティングを振るうたびに魔術師達が高く飛んでいくのだった。 たいして時間はかからなかった。 ものの5分足らずで約5000人の魔術師達は気絶。 または行動不能な状態にさせられていた。 「案外、早く片付いたのである。」 「そうだな。」 二人はちょっと前まで殺しあっていた仲とは思えないほどの、 チームワークを発揮していた。 二人に吹っ飛ばされた中に 無理やり参加させられたステイルがいたのは誰も知らない。 その頃、買い物にいった女性陣二人は…
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1008.html
「ミサカ、巫女と美琴(14)」 御坂達に見つかったと思った姫神秋沙はくわえかけた指を慌てて身体の後ろに隠した。 一体何があったのかと思った上条当麻は声のあがった方向に顔を向けた。 その先では御坂御琴と御坂妹がそれぞれ直径4m程の丸い芝生の中心に立ちつくしている。 正確に言えば彼女達の周りからヒヨコが居なくなっていただけだっだ。 しかも彼女達が動くと「モーゼの十戒」よろしく黄色い海が左右に分かれ道を空けていく。 どうやら「電磁波などを『一時的に』隠してくれるステルスモード」が終了したようだ。 上条がヤレヤレとため息をついた時、今度は背後の姫神秋沙から「あー!」という声があがった。 振り返った上条が見たものは人差し指を見つめたまま固まっている姫神秋沙だった。 「どうした?姫神」 「え?なっ、なんでもない」 「その指、ケガでもしたのか?」 「そっ、そんなことない」 「本当に大丈夫か?」 「大丈夫。うん。ホント」 上条が問い掛けても姫神秋沙は愛想笑いを浮かべたまま何事もないと主張するだけだった。 上条としてもそれ以上問いただすこともできず、仕方なく御坂姉妹へ向き直った。 上条が向き直るのを見届けると姫神秋沙は静かに後ろを振り返った。 そこには姫神秋沙の野望を打ち砕き姫神秋沙を奈落の底に叩き落とした1羽のヒヨコがピヨピヨ鳴いていた。 30秒前、姫神秋沙は身体の後ろに回した手を不意につつかれたのだ。 驚いて手を戻してみると人指し指に付いてあったハズのご飯粒が無くなっていた。 上条との間接キスという妄想に浸っている時間が長かった分、姫神秋沙の受けたショックも大きかった。 ただ単にご飯粒が無くなっただけならまだ姫神秋沙は立ち直れたかもしれない。 はしたないと言われようが指をくわえさえすれば目的(間接キス)は達成できたのだから。 しかしこのヒヨコはご飯粒だけでなく上条の唇が触れた指先までつつきやがったのだ。 上条との間接キスをヒヨコに奪われた以上、今更指をくわえてもそれはもはやヒヨコとの間接キスでしかない。 姫神秋沙は自己弁護の理論武装をしようとしていた1分前の自分を恨んだ。 こんなことなら本能のままに指をくわえれば良かったなどと過激な考えまで芽生えてくる。 しかしその原因を作ったヒヨコは姫神秋沙の苦悩も知らずピヨピヨと鳴き続けている。 その姿を見た姫神秋沙はおもむろにヒヨコを両手で顔の前に持ち上げて小声で話しかけた。 「なんて事してくれたの。あなた! あなたは私の大切なご飯粒、いいえ!上条君との間接キスを私から奪ったのよ! あんなチャンスは二度と来ないかもしれないのに………… あなた。ひょっとして自分はちっちゃいからって許されるとでも思ってる? …………………… 焼き鳥、蒸し鶏、竜田揚げ。酒蒸し、照り焼き、みそ炒め。ローストチキン、棒々鶏。 手羽先、唐揚げ、香草焼き。鶏皮、鶏ハム、鶏つくね。チキンナゲット、オムライス。 チキン南蛮、親子丼。チキンピカタ、フリッター。チキンカレー、チキンカツ。…… 早く大きくなりなさい。ふふっ」 上条は不意に背後から襲ってきた悪寒に驚き後ろを振り返るとそこにはヒヨコに優しげに 語りかける(ように見える)姫神秋沙の姿があった。 (なんだ。やっぱりなんだかんだ言っても姫神だって可愛いもの好きがなんだ。 …………じゃあ、さっきの悪寒はどこから来たんだろう?………… まあ、気のせいだな。うん、きっとそうに違いない) 『知らぬが仏』とはよく言ったものである。 一方、御坂美琴は悲しげな声でヒヨコ達に訴え掛けていた。 「なんで、どうしてなの?私達あんなに解り合っていたじゃない! さっきまでの思わせぶりな態度は何だったの!? ひどいわ!貴方達! 私の心を弄んだのね!」 いつまでも御坂美琴に三文芝居を続けさせる訳にはいかないので上条は重い腰を上げることにした。 「ミサカ、巫女と美琴(15)」 「おーい!御坂アンド御坂妹! あの時ラストオーダーは『ステルスモードは一時的だ』って言ってたろ! それに最後まで話を聞かずに飛び出すから『スーツの容量は10分が限界なの』って話も 聞いてなかったんだな。やっぱり」 「そっ、そんな……」 「ミサカの理想郷がたった10分の夢だったなんて現実はなんと残酷なのでしょう とミサカはちょっとセンチな気分でつぶやきます」 「だから!二人ともそんなに落ち込むなって。 お前達はその後の説明も聞いてなかったんだろ。 ステルスモードはリセットするのに1時間掛かるけど再起動できるらしいぞ」 「え、そうなの? じゃあ私達、ここで1時間待ってれば良いのね!」 「その前に、御坂!お前ここへ来た目的を完璧に忘れてるだろ!」 「目的?…………って何だっけ?」 「ヒヨコ爆弾だよ。ヒヨコ爆弾!」 「そういえばそんなこと言われた気もするわ」 「お前なぁ……。じゃあ今から爆弾探すからな」 「「えーーっ!?」」 「えーーっ!?じゃない。 爆弾を1時間で探しだしゃ、また10分間ヒヨコ触り放題なんだからさ」 「でもこんだけのヒヨコの中から爆弾なんてどうやって探し出すのよ?」 「それなら大丈夫!たった今、良いアイデアが浮かんだ」 5分後 「ちょっと、アンタ!覚えてなさい」 「何言ってんだ。御坂!お前のかわいいヒヨコ達のためなんだぞ」 「まったく、なんで私達だけが働かなきゃなんないのよ!」 上条のアイデアは御坂美琴と御坂妹を並べて牧場内をくまなく歩かせることであった。 本物のヒヨコなら御坂達の電磁波におびえて逃げ出すはずである。 現に御坂達が移動すると黄色いヒヨコ達が左右に分かれ彼女達に道を空けている。 もし御坂達が近寄っても逃げないヒヨコがいたらそれがヒヨコ爆弾だということだ。 一方、御坂美琴もこれが確実に爆弾を見つける良い方法であると頭では納得している。 しかし自分がヒヨコ達にどれほど嫌われているかをこうまで見せつけられては心穏やかでいられるハズがない。 それに上条と姫神秋沙が小山の頂上に座って「頑張れー」などと呑気にエールを送ってくるのも気に入らない。 三分の一ぐらい来たところでとうとう御坂美琴がキレた。 「あーっ!もう、ちんたらやってらんないわよ。こうなったら私の電撃で!」 御坂美琴が前髪から静電気のような火花を散らして盛大に電磁波を放出すると御坂美琴を 中心とする半径15m以内にいたヒヨコというヒヨコがワラワラと逃げていった。 「ふふん、これなら爆弾探しもあっという間ね! まっ、美琴っさんにかかればこんなものよ。ほーほっほっ!」 高笑いする御坂美琴は自分の犯した過ちにまだ気付いていなかった。 完全に怯えきったヒヨコ達はもう二度と御坂美琴に近づくことはなく、御坂美琴が自分の 浅はかさに気付き打ちひしがれるのは37分後の話である。 しかも御坂美琴の同類としてヒヨコ達に嫌われた御坂妹からの罵声が追い打ちをかけるのだった。 「全く後先考えず行動するとはお姉様はなんて馬鹿野郎なんでしょう とミサカはこんなお馬鹿さんが私達のオリジナルだなんて恥ずかしくてたまりませんと 舌鋒鋭くお姉様を糾弾します」 未来のことなど知らない御坂美琴は上機嫌で爆弾探し(ヒヨコ脅し)を再開した。 遡ること30分前、学園都市某所にて 「建宮さん!」 「どうした、五和?」 「どうして私達まだアジトにいるんですか?上条さん達はもうヒヨコ小屋へ行っちゃったんでしょ?」 「心配せずとも簡単にヒヨコ爆弾が探し出せるハズないのよな。 我らの出番は彼らがヒヨコ爆弾を探し出した時よ。 五和はその時先頭に立つのだからしっかり準備をして貰わないとな」 「じゃあ、その準備ってのが何で写真撮影なんですか?」 「知らんのか?五和。 ちゃんと記録を撮っとかないとその後が大変なんだぞ。 カットが変わる度に髪型や小道具が変わっていたらおかしいだろ!」 「いったい何の話をしてるんです? とにかくこっちはこんな恥ずかしい格好なんてさっさと終わらせたいんです!」 (うむ。五和のやつは我らの口車に乗って潔く小悪魔エロキャットを着てくれた。 問題はいかにして女教皇様(プリエステス)にこのお色気エロバニーを着て貰うかなのよな。 まずは小悪魔エロキャット姿の五和の写真を添えて五和の活躍をお伝えするとして 最後の一押しをどうしたら良いものか。うーむ) 「建宮さん。真剣に悩んでるフリしても騙されませんよ」 「いや本気で悩んでいたのだが……仕方ない。そろそろ出発するのよな」 「ミサカ、巫女と美琴(16)」 「あっ!あった。あれじゃない?」 御坂美琴の捨て身の探索で爆弾は呆気なく見つかった。 それは御坂美琴の目の前およそ10m離れた位置にあった。 本物のヒヨコ達は御坂美琴から15m以上離れてピヨピヨ鳴いているのでどうやら間違いなさそうだ。 「おーい!御坂。俺達もそっちに行くから待ってろ。危ないぞ!」 「大丈夫よ。 アンタ、電撃使い(エレクロトマスター)である私の能力をなめてるんじゃない? 時限爆弾だって言うからには電子回路が組み込まれてるんでしょ? それなら私の能力でチョチョイのチョイよ!」 ヒヨコ達に避けられ続けること30分ようやく爆弾を見つけた御坂美琴は上機嫌だった。 しかし相手が魔術師だと知っている上条はあれが単純な時限爆弾だとは思えなかった。 案の定ヒヨコ爆弾をスキャンしていた御坂美琴が戸惑いの声を上げた。 「あれ?てっきり時限爆弾かと思ったけど中には電子部品一つ無いじゃない。 かといってグラビトンでもなさそうだし…………ダミーかしら?」 「おい!ちょっと待て。それに不用意に近づくな」 「ホントに心配性ね! まあアンタがそんなに心配だって言うなら砂鉄の剣を伸ばしてみるわ」 「くれぐれもいきなりぶった切ったりするんじゃないぞ」 「いくら何でもそこまで馬鹿じゃないわよ、美琴さんは。ちょっとつついてみるだけよ」 御坂美琴は砂鉄の剣をヒヨコ爆弾に向けてゆっくり伸ばしていく。 そして砂鉄の剣がまさにヒヨコ爆弾に触れようとした瞬間、砂鉄の剣は思いっきりヒヨコ爆弾に突き刺さった。 「あ……れっ?」 砂鉄の剣を突き刺した当の本人である御坂美琴が素っ頓狂な声をあげた。 何が起きたか分からず混乱している御坂美琴の前でヒヨコ爆弾がいきなりバタバタと動き出した。 しかも電子部品一つ無い体内から警告のメッセージが聞こえてきた。 「異常事態発生。妨害工作の可能性が高いと判断。予定を繰り上げ5秒後に自爆します。 5……4……3……」 「わっ、わっ!ちょっと、どうしよう?」 予想外の出来事に慌ててしまった御坂美琴は爆弾への対応が遅れてしまった。 「KANAMIN! Magical Tornado!(カナミン!マジカルトルネード!)」 姫神秋沙がそう叫んでマジカルステッキを放りあげた。 するとカナミンが空中に現れ、姫神秋沙が投げたマジカルステッキを空中でキャッチした。 そしてカナミンはマジカルステッキを緑色に輝かせて横一文字に振り抜く。 すると龍のような竜巻が発生してヒヨコ爆弾を空中へ吸い上げた。 「Aegis-Field!(イージスフィールド)」 続け様に姫神秋沙が叫ぶとカナミンはマジカルステッキを紫色に輝かせる。 すると空中のヒヨコ爆弾を囲むように薄紫色の力場が形作られた。 直後にその中でヒヨコ爆弾は爆発したが爆音も爆風も外には少しも漏れ出さなかった。 地上に降りてきたカナミンの頭を姫神秋沙が撫でるとカナミンは微笑みながらその姿を薄くしていった。 同時刻、学園都市某幹線道路上にて 「建宮さん!」 「まあ、その。なんだ…………」 「どうして私達、まだマイクロバスに乗ってたりするんですか? 建宮さんの計画にはこの事故渋滞も織り込み済みだったんですか?」 「いや。そのーっ、大丈夫。きっと間に合うから。 そんな簡単にヒヨコ爆弾を見つけられるわけ無い……ハズだから。 だからその海軍用船上槍(フリウリスピア)の先端を喉元に押しつけるのは止めてくれるかな?五和ちゃーん」 「私にこんな格好までさせたんだから『間に合わなかった。ごめんなさい』じゃ済ませませんよ。 い・い・で・す・ね!」 「大丈夫!きっと大丈夫……………………だといいな…………」
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/2205.html
前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説 5日目 その他大勢編 食蜂編 上条について興味を持った食蜂は、彼について調べるため書庫を覗こうとしていた。 とはいえ彼女には、御坂や初春のようにハッキングするスキルは無い。 しかし、自分でできないなら他人にしてもらえばいい。パンが無ければお菓子を食べればいいのだ。 彼女の能力なら簡単だ。適当な警備員を捕まえて、あとは「書庫見せて」と命令すればそれで済む。 そんな訳で、運良く【わるく】捕まった鉄装綴里【アンチスキル】のノートパソコンを見せてもらっている。 「出ましたドン。これが上条当麻のデータザウルス。」 語尾がおかしくなっているのは食蜂の遊び心なのか、それとも単純に鉄装がラリッているからなのか。 ディスプレイを見つめて、食蜂は眉をひそめる。 (おかしいわねぇ……LEVEL0なら私の超能力が効くはずなんだけどぉ…… それともあの防御力には、何か能力以外の秘密があるのかしらぁ?) 当たらずと雖も遠からずだが、書庫にその秘密は記載されていない。 書庫を見ても何も分からない事を知り、とりあえずダメ元ではあるが、普通に「上条当麻」でググってみた。 すると気になる記事を発見する。 「…この『そげ部』って何なのかしらぁ?」 「どうやら個人運営のファンクラブのようでザウルス。」 「ふぅ~ん…ファンクラブねぇ……」 食蜂は何気なくそのサイトをクリックしてみる。 その十数分後、「そげ部」に新しい会員が一人増える事になるのであった。 ステイル&姫神編 『姫神の様子はどうだ?』 そう上条に聞かれて、ステイルは隣に立っている姫神をチラリと見る。 彼女はあまり表情を変えないが、頭にでっかく怒りマーク付いている(ように見える)ので、まぁ怒っているのだろう。 「それは、明日になれば分かるんじゃないかな。」 そう言って電話を切った。 「……これでいいかい?」 「それでいい。ありがとう。」 あの後ステイルは、姫神から魔力の痕跡が無いか調べたのだが、結局は何も無かった。 ならば今回の事件は能力者の仕業か、とも思ったのだが、話を聞く限り操られている様子も無さそうだ。 幻想殺しが発動したという、絹旗については確かに疑問は残るが、少なくとも姫神は自分の意志で告白したのだ。 「それにしても、ひどいヤツだね。上条当麻は。」 「本当そう。私がどれだけ勇気を出したか……それなのに。それを魔術のせいとか。どういう神経してるんだろう。」 「で? 君は明日どうするつもりだい?」 「いい質問ですねえ。それはこの。魔法のステッキを使って……」 「使って?」 「血の雨を降らす。」 「そうかい。良かったら僕も手伝ってあげようか?」 「そうしてもらえると。すごく助かる。」 こうして、三沢塾で共に戦った二人が、同じく共に戦った上条をぶっ倒すためにタッグを組んだのであった。 妹達編 『どうなっているのですか。ミサカ10032号と通信ができません、とミサカ11000号は困惑します。』 『あの野郎、上条【ターゲット】と接触した瞬間ネットワーク切りやがった、とミサカ12000号は憤慨します。』 『上位個体は何をしているのですか、とミサカ13000号はこんな時だけあのアホ毛を頼ります。』 『びええぇぇぇ~~~ん!!! 二人がケンカをやめてくれないよぉ~、ってミサカはミサカは~~~!!!』 『びええぇぇぇ~~~ん!!! ミサカ本当は悲しくも何ともないのにぃ~~~!!!』 『…何やってんだコイツ等、とミサカ14000号は上司と末っ子の役立たずっぷりに嫌気が差します。』 『というか他の逆ラブラビッツのメンバーはどうしたのですか、とミサカ15000号は確認を取ります。』 『こちら10039号。現在常盤台中学周辺にて、お姉様のファンと思われる人たちに、 お姉様と間違われ追いかけられています、とミサカは息を切らしながら実況します。』 『こちら13577号。あの人だと思って声を掛けたら、猫地蔵の呪いに罹った人でした、 とミサカはミサカのうっかり具合に舌を出して反省します。』 『どいつもこいつも……とミサカ16000号は呆れます。』 『………こちら10032号。まずは通信が遅れた事を謝罪します、とミサカは深く頭を下げます。』 『!!! そんな事はいいから彼とどうなったのか教えてください、とミサカ17000号は催促します。』 『結論から言えばフラれました。やはり二人はすでに恋人同士だったようです、とミサカは報告します。』 『そう…ですか、とミサカ18000号は妹達を代表して落胆します。』 『あ、あの~…その情報は誤りかもしれません、とミサカ19090号は意見します。』 『どういうことですか、とミサカ19000号は聞き返します。』 『先程、クワガタのような髪型の人がどこかに電話しているのを聞いてしまったのですが、あの人とお姉様は、 ある理由で恋人のフリをしているらしいのです、とミサカは耳にした情報をそのまま伝えます。』 『……その話、くわしく聞かせてください、とミサカ20000号はきな臭いものを感じ取ります。』 建宮編 上条から五和達へのフォローを頼まれた建宮は、携帯電話で今日一日の事を五和に説明していた。 誰かが人々を操って上条に何かをしようとしている事。犯人は能力者の可能性が高い事。 学園都市には精神操作を得意としたLEVEL5がいる事。動くのは明日である事。変なくの一もどきがいた事。 そして、上条と御坂が本当は恋人同士で無いことだ。 「それじゃあ五和、このことを女教皇様にも伝えておいてほしいのよ。」 『ぅぇっ!? いや、あの…うえっ!!?』 「あっ、それと、このことは他の皆には黙っておいてほしいのよ。」 『えっ、あの、でも……』 「じゃ! そういう訳でヨロシクなのよな!」 通話を切り、ふうっ、と一息入れる建宮。 何故今回の事を五和と神裂にしか伝えないか、理由は簡単。余計なライバルを増やさないためだ。 (皆には悪いが、女教皇様と五和の恋を応援している俺としては、 「上条当麻とあのお嬢ちゃんが付き合っている」という誤報は、そのままにしておいた方が都合がいいのよ。) 内心ほくそ笑む建宮だが、彼は知らなかった。 まさか五和とのこの会話を、丸々ミサカ19090号に聞かれていただなんて。 イギリス清教女性組編 建宮からの報告を聞いた五和は、言われた通り神裂だけに話していた。 「あ…ありのまま今聞いた事を話しますよ! 私は、御坂さんが上条さんの彼女だと思ってたら実はそうじゃなかった。 な…何を言っているのかわからないと思いますが、私も何を聞かされているのかわかりませんでした…」 「お、落ち着きなさい五和! なにナレフですか貴方は!」 「と、とにかく、上条さんは私達まで操られていると思っているみたいです……」 「それは…何と言うか複雑な心境ではありますが…… しかし学園都市で何かが起きているというのは事実のようですね。この事をオルソラ達にも―――」 「ダ、ダメです! 建宮さんが、この件は私達だけに留めておけと……」 「何を言っているのですか!非常事態なのかもしれないのですよ!?」 「そ、そうですけど……」 「皆をここに呼びます。いいですね?」 「は…はい……」 流石の五和も、女教皇様には逆らえない。女教皇様 越えられない壁 教皇代理なのだ。 さて、この話を聞いた他の女性達の反応はいかに…? 忍び編 服部はうんざりしていた。浜面と別れた後、事も有ろうに郭【めんどうなの】に捕まってしまったのだ。 「半蔵様聞いてください! 私さっき変なクワガタ男にナンパされたんですよ! やっぱり忍者ブームが来てるんですって! 海外ではワンピよりナルトの方が人気があるらしいですし…… だから今のうちに服部家の復興を! し、子孫繁栄には協力いたしますから!!」 服部はとてもうんざりしていた。 吹寄編 吹寄はトボトボ歩きながら悩んでいた。 (……どうして私はあんなことを言ったのかしら……) まさか嫉妬しているなどとは夢にも思っていない彼女は、考え事をしていたので、ろくに前を見ていなかった。そのため、 「うわっ!!」 「キャッ!?」 人とぶつかったのである。 「す、すみません!ちょっとボーっとしていたもので……」 「いや、こっちこそ悪い。大丈夫か? …ってアレ? アンタ、大将にくっついてた人だよな。」 「……大将?」 「ああ、上条のことだよ。 アンタもやっぱアレか?酒池肉林パーティーの参加者なのか?」 出会い頭に何聞いてるんだこの男は。当然、吹寄の頭にはクエスチョンマークが浮かび上がる。 「あの…ごめんなさい、言っている意味がよく……」 「だからさ、アンタも上条ハーレムの―――うおっ!!?」 吹寄は目の前の男の襟首を強引に掴んだ。 「上条ハーレム…? その話、詳しくお聞かせ願えますか?」 削板編 削板はラーメンをかっ食らっていた手と口を止めた。 彼の耳はその気になれば、500㎞先のコインの落ちる音さえ聞くことができる。デビルイヤーは地獄耳なのだ。 おそらく彼も、上条たちの事を気に掛けていたのだろう。今回の事件を聞きつ――― 「なに!?各地でロボットが暴走しているだと!? おのれDr.ワイリーめ…まだ世界征服を諦めていなかったのか。こうしちゃいられないな!!」 ―――けた訳ではなさそうだ。 彼は彼で、またとんでもないことに巻き込まれそうではあるが、面倒なので別にいいや。 アイテム編 いつものようにファミレスに集まっているアイテムの面々。 いつもと違うのは、浜面の代わりにフレメア=セイヴェルンがいる事だ。 「何か今日の絹旗、いつもと様子が違くない?」 そう切り出したのは、アイテムのリーダー、麦野沈利だ。 ちなみに絹旗は、あの後映画館に行ったのだが、混んでいたのでやめたらしい。 で、仲間たちと合流し、現在はドリンクバーで超ミックスジュースを超作っている。 「映画見れなかったのに、何であんなにご機嫌な訳? いい事でもあったのかしら?」 「多分、きぬはたは誰かに恋したんだと思う。」 そう言ったのは滝壺理后。正真正銘浜面の彼女だ。 「こ、恋ぃ!? あの絹旗が!?冗談でしょ!」 「本当。同じ恋する乙女として、私には何となく分かる。」 そこでオレンジジュースを飲んでいたフレメアが割り込んできた。 「にゃあ。麦野も滝壺も、大体浜面が好き。でも私も好きだから四角関係。」 フレメアのとんでもない一言に、滝壺はカッと目を見開き、麦野は飲んでいたコーヒーを噴き出した。 「……むぎの? 道理で最近、妙に艶っぽくなったと思ったら……」 「違う違う違う違う!! わ、私があんなの好きになる訳ないでしょ!!?」 「あれ?皆さん何だか超盛り上がってますね。何の話してたんですか?」 ドリンクバーから戻ってきた絹旗も交え、ガールズトークはさらに花を咲かせる。 グータンヌーボでやれ。 キャーリサ編 ステイル達から遅れること数時間。 ここ第23学区に着いたのは、イギリスの第2王女である軍事のキャーリサと、護衛に付いてきた騎士団長。そして、 「学園都市に来るのは三度目である。」 聖人と神の右席の力を失った、元後方のアックア、ウィリアム=オルウェルだ。 「……随分と遅くなっちゃったし、今日はもー宿を取って明日にするぞ。」 「遅れてしまったのは、キャーリサ様がお着替えに手間取っておられたからですよ。 全く、あの少年に会うためとはいえ、少々気合いが入りすぎているのでは?」 「は、はぁー!? 別に気合いなんか入ってないし! 学園都市に来たのもただの観光だし!」 「やれやれ、キャーリサ様は、いざご自分の色恋の話となるといつもそうやって素直になられない…… え~と、こういうのをこの国では何と言ったかな……」 「ツンドラ…であるか?」 「それは永久凍土の広がる地域の事だろう。たしか…カンダタだったような……」 「違うな。それは蜘蛛の糸の主人公か、もしくはドラクエ3に出てくる盗賊の名前だし。 そーじゃなくて、お前達が言いたいのはチンさむの事だろ?」 「…それは股間がふわっとする現象の名前である。」 「チンチロ」「ぎんたま…」「とらドラ!」「みんゴル?」「…ガンダム」「つるとんたん!」 どうでもいい事を言いながら、ホテルへと向かう王女とその護衛達。 それだけ日本のサブカルチャーに詳しくて、何故「ツンデレ」が出てこないのか。 アステカ編 佐天が帰った後、海原はショチトルに呼び出されていた、 「それで、トチトリにも言えない事とは何なのですか?」 「だ、だから……その…だな…」 ショチトルはさっきからこの調子だ。顔を真っ赤にしたまま口ごもっている。 「…まぁいいでしょう。では言えるようになったらまた呼んでください。」 「いや待て! 言う!言うから!!」 ショチトルは佐天の一言を思い出していた。 『だからショチトルも頑張ってね!?』 「(ルイコだって勇気を出すって決めたんだ……私だって!!) あ、あのな……? エツァリ…お兄ちゃん……わ、わた、私は…だな。お、お兄ちゃんの…ことが――――― 浜面編 浜面は今日、非常についていなかった。 服部と遊ぶために第15学区に来たのだが、ここまでは良かった。 だがその後、上条に会ってしまい、そのおかげで不幸が伝染ったのかもしれない。 服部と別れた後は、変な女(ただし巨乳)に絡まれ、延々と上条ハーレム(ただし浜面の想像)について聞き出され、 それが開放されたかと思えば、麦野から「好きじゃねぇから!」という謎のメール。 訳が分からないため、折り返し電話をしてみると、何故かブチギレられた。 なので、彼は麦野のご機嫌を取るために、シャケ弁を買って帰るはめになったのである。 そんな訳で、彼は今、閉店間際のスーパーに来ている。 狙うは半額シールの貼られたシャケ弁当。 最近では、しょっちゅうこんな事をしているため、知らないうちに「シャケ弁ハンター」などと呼ばれ、 3種類の都市伝説の一つとなっているほどだ。 だが、半額弁当を狙うのは彼だけではない。 目の前に転がるのは、絶賛気絶中の貧乏学生やスキルアウト。 彼等もまた半額弁当を狙い、そして手に入れられなかった者達だ。 今、ここに立っているのは浜面と、 「よう、シャケ弁ハンター。 やっぱり最後はお前か。」 彼だけだ。黒妻綿流。スキルアウトグループ、「ビッグスパイダー」の元リーダー。 噂では、風紀委員の固法美偉と付き合っているとかいないとか。あくまでも噂だが。 「うっせぇよムサシノ魔人! いいからそのシャケ弁を渡せ!じゃねぇと俺はブ・チ・コ・ロされるんだよ!!」 「駄目だな。俺だって腹が減って死にそうなんだ。 売れ残りの弁当はこのシャケ弁一つ。だったら…分かってるだろ?」 「くそっ! こっちは本気で殺されるかもしれないってのに……仕方ねぇ、やるしかねぇか!!」 腹が減ったら拳で語れ。 半額弁当をめぐり戦い続ける者達。人は彼等を「狼」と呼んだ。 果たして、この最後のベン・トーを手に入れるのは、浜面か、それとも黒妻か。 非常にどうでもいい戦いが、今幕を開ける。 土御門&雲川編 土御門は今、自分の寮で雲川と電話中である。 『かなり面白い事になってるみたいだけど。お前もなかなか腹が黒いというか何というか……』 「何言ってるにゃー雲川先輩。 オレの能力は『肉体再生』、つまりは強化系だぜい? 強化系の性格は単純一途なんだにゃー。」 『…気まぐれで嘘つきは変化系のはずだけど。』 「だったら先輩も変化系だぜい。そっちだって気まぐれに楽しんでるんだろ?」 『まぁな』 「けどいいのか? 先輩だってカミやんの事―――」 『土御門、昔の偉い人の言葉にこんなのがある。「愛は 勝たなくてもいい」』 「……不知火半袖は昔の人じゃないにゃー。」 『ま、とにかく明日は傍観者でいるつもりだけど。私なりに仕掛けもしたしな。それに……』 「それに…何だにゃー?」 一呼吸ついた後、雲川はとんでもない事を言ってのけた。 『略奪愛の方が燃えるだろう?』 小萌編 第5学区の居酒屋にて、小萌と、その同僚の黄泉川愛穂は飲んでいた。 「だから例えば、例えばですよ? もしその…生徒さんを好きになってしまったら、どうするのかって聞いてるんです。」 「んー…そういう経験が無いから分からないじゃん。 でも最近じゃあ、年の差カップルとか流行ってるし、別にいいじゃん? そもそも、好きになっちゃったもんは仕方無いじゃんよー。」 「はぁ…そう単純な話では無いのですよ……」 「で、お相手はやっぱりあの悪ガキじゃん?」 「た、例え話なのです! それに、か、上条ちゃんは関係無いのですよ!!」 「あっれ~? 私はただ悪ガキとしか言って無いじゃん。」 「うぐっ……それは…そのですね……」 「まぁまぁ、ここは一つ、告白する練習でもしてみるじゃんよ。 『月詠小萌は世界中の誰よりも、上条当麻を愛しています』 ほれほれ、言ってみるじゃん!」 「先生は甲子園なんか目指してないのですよ!!」 「なら、『僕は死にましぇ~ん!』…とか?」 「さっきからチョイスが古すぎです! てかだから!先生は別に上条ちゃんのことはですね!!」 数時間後、迎えに来た結標が見たものは、へべれけに成り果てた二人の教師の姿だった。 御坂編 常盤台中学女子寮内。 御坂は上条からの告白を受け、だらしないほどニヤケきっていた。 センチュリースープでも飲んでいるのではあるまいな。 明日は食蜂を連れ出してくるという、大事な任務があるはずなのだが、今の彼女は上の空だ。 まぁ、やっと想いが通じたのだから、今日くらいは浮かれてもいいのかもしれない。 たとえ真実が、偽の恋人【ざんこく】であったとしてもだ。 一方、ルームメイトの白井は、目が血走っている。 ドーピングコンソメスープでも飲んでいるのではあるまいな。 彼女はいまだに上条を呪い殺す事を諦めていないらしく、魔法陣の描かれた紙の上で黒魔術の呪文を唱えている。 「タッカラプト ポッポルンガ プピリット―――」 節子…またそれも黒魔術の呪文やない。ナメック星の神龍を……いや、もういいか。このくだりも3回目だし。 それにしても、もうすでにこんな調子の白井が、 上条と御坂の恋人(役)の事を知ってしまったら、一体どんな行動を起こすのだろうか。ある意味見てみたい。 さて、いつまでもこんな様子の二人に、巡回中の寮監様から何か一言、言ってもらおう。 「貴様等!! もう寝ろ!!!」 上条編 「悪いなインデックス。メシこんな時間になっちまって……」 「本当なんだよ! もしお腹と背中がくっついたら、とうまのせいかも!! お土産があったから良かったものの……」 急いで調理している間、とりあえずインデックスには、あの時出てきたいちごおでんで飢えを凌いでもらっている。 まさかハズレのいちごおでんが、こんな形で役に立つとは、上条自身も全く思っていなかっただろう。 「あーい、ご飯できたぞー。」 「うわーい!!待ちくたびれたんだよ!! いっただっきまーす!!!」 また随分とゆるい空気が流れているが、今のうちに、この平和なひと時をよぉく味わっておけ上条当麻。 明日は色んな意味で、とても大変な一日になるのだから――― 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説
https://w.atwiki.jp/deruta_sanbaka/pages/155.html
『250人のシスターが動き出しました!!そしてその後に何千人かの女魔術師が!!目的は上条当麻、いえ、御坂美琴の様です!!』 「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」 『実はですね、インデックスがこちらに来てから「御坂美琴暗殺計画」 という計画が立てられていまして、まあそこは何とか理性を保てたわけですが、 次に五和達が失敗してきた遊園地の件で理性を保てた者達も暴走して何とか騎士派達で止めたんです、 しかし次の新居と婚約パーティーで騎士派の者達を250人と数千人が通り抜けられたわけです。』 「それマジですかにゃー!?」 『はい、他の騎士派や魔術師達も向かってますが間に合うかどうか…… ちなみにこの250人と数千人を動かしてるのはオルソラです。』 「にゃんれすとー!?」 『人間の裏は恐ろしいものです…』 「同感だぜい……」 しかし土御門は魔術師達より上琴の方が怖かった。何故なら、もし魔術師達がこの家に襲撃してきたらどうしよう? 土御門が魔術を使えば何とか追い返せるだろう。 しかし、新居は必ずしも無事という保障は無い。もし上琴が帰って来た時に無事なわけない新居を見たらどうなるだろう? 全員を一瞬で殺す大技が出てもおかしくない。そう考えるととても恐ろしかった。 「ねーちんはこっちに来れないのかにゃー? ねーちんと学園都市に残ってる天草式メンバーがいればあるいは……」 『無理です。こっちには五和がいるんですよ。今は眠らせてますが、いつ目を覚ましてそちらに襲撃に向かうかも分からないんですよ!』 当てにしていた戦力の確保が出来なかった土御門は落胆するが、五和の存在を考えるとそれ以上は求めなかった。 土御門は次にこのことを知られたくない人物を思い出し、神裂にそのことを尋ねる。 「ところでねーちん、そのことを初春ちゃんには知らせてないよな? あの子が知ったらそれこそ大変なことになりそうなんだが」 『初春ですか? まさか。彼女は今はまだ魔術と関わりを持たせてません。あの子が知った場合、五和にしたように手段は選ばないでしょうけど……』 「(初春ちゃんどうやって五和を? しかしねーちん、初春ちゃんにこっちの事情を話すつもりか?)知らないならそれでいい。ねーちん達は五和のこと頼んだぜ」 『分かりました。土御門、健闘を祈ります。それと良いお年を』 神裂との電話を切った土御門は今のこちら側の戦力、そして戦力になりそうな人物を算出する。 今こちらに残ってる戦力は土御門、月夜、黒子、一方通行、一応打ち止めとかなり強力だが、それでも相手の戦力差(というか物量)は大きい。 そこで土御門は戦力に、しかも美琴限定でならとっておきの人物を思い出して電話をかける。 「もしもし海原くんかにゃー。こちら土御門だぜい。ただ今、美琴ちゃんに危機が迫ってるぜよ。至急、応援を求むにゃー♪」 「御坂さんの危機ですか! 分かりました、自分もすぐに応援に駆けつけます。ショチトルと結標さんも連れて来ますので!』 「そうしてくれると助かるぜい♪ じゃあ迎撃ポイントを後で転送しておくからそこで思いっきりやって欲しいにゃー♪」 土御門は海原に助っ人を要請はしたが、上琴新居の場所は明かさずに別のポイントでオルソラ率いるシスター魔術師連合軍を叩かせる腹積もりなのだ。 次に土御門は残ってるメンバーを呼び寄せて、詳しい事情は伏せて襲撃の件を伝える。 「というわけで俺達はカミやんと美琴ちゃんの愛の巣、および自分達の身の安全の為に襲撃犯を迎え撃つんだぜい!」 「理由が一部かなり情けないけどやるしかないよ。私もあの二人の怒りに触れたくないし」 「同感ですわ。それに想い人の幸せを祝福出来ない輩には一片の同情も必要ありません。無事に正月を迎える為、戦いますわよ!」 「今年最後に大暴れが出来るってのは嬉しいよなァ。溜まりに溜まった鬱憤、存分に晴らさせてもらうぜェ!」 高位能力者がやる気になってくれたことに安心してる土御門だが、打ち止めが何の反応を示さないことを怪訝に思う。 そして振り返ると、携帯で誰かと話してる打ち止めに青ピが尋ねる。 「ところで打ち止めちゃんはさっきから誰と話しとんの?」 「初春おねーちゃんだよってミサカはミサカは正直に話して、しかも後ろのみんなの会話はぜーんぶ筒抜けだって白状してみたり」 「「「「「えええええええええええっ!!」」」」」 一方通行からの妨害電波が止まったことで初春が打ち止めに電話をかけ直していたのだ。 その際、後ろで土御門たちが大声で叫んでいるものだからその内容が聞こえるのは当然。 打ち止めが土御門に電話を渡すと、普段どおりの声、しかし得体の知れない恐怖を感じる初春の声がこう紡ぐ。 『当麻お兄ちゃんと美琴お姉さんを襲撃ですかー。大晦日に暇な人たちもいるんですね。分かりました、こちらからも何か殺れるようにバックアップします♪』 大変なことになった。本当に… 「あの子ならひこぼし二号でもハッキング出来ますわ…」 「マジかよ!!あれには結構ヤバイ核兵器があンだぞ!!」 「ひえー!!色んな意味で大変や!!」 「元春!!どうするの!?」 土御門は何か諦めた顔をして、何やらいつもとは違う顔になった。 「初春とか言ったか?」 この言葉で場の空気が固まった。 「つっちー命が惜しくないんか!!」 「今なら間に合いますの!!前言撤回してくださいですの!!」 「元春前言撤回して!!元春死んじゃうよ!!」 初春という存在はカップル達にとって悪魔の様な存在である。だが土御門は 「少し黙ってろ」 魔術師、土御門がそこにいた―― 「初春」 『な、何ですか?』 土御門の気迫は向こうにも伝わったらしい。 「よく聞いておけ、これから戦う奴らは風紀委員での仕事なんてお遊びとは違う。」 「『お遊びですって!!』」 初春と白井が怒るがそんな事はお構い無しに土御門は続ける。 「そうだ、お遊びだ。お前らのやってるお遊びは今から戦う敵には通用しない。 本気で殺しにかかっても一人を気絶させる位だ。これはあくまで運が良かったらの話だ。素人はすっこんでろ。」 『いいえ、やめません!!当麻お兄ちゃんと美琴おね――』 「いい加減にしろ!!」 この言葉だけで土御門は日常とは違う土御門になっていた。 「ふざけて勝てる相手じゃない、さっきも言ったはずだが運が良くて勝てる相手だ!!相手は遊んで人を殺せる力を持っているんだぞ!! それはお前が何かをハッキングして勝てるような相手じゃない!!」 「でもひこぼし二号なら――」 「だからそんなおもちゃで勝てる相手じゃないって言ってるんだ!!それにひこぼし二号がハッキングされたら誰が学園都市を監視するんだ!? そんな事したら学園都市はパニック状態に陥る!!お前らみたいな警備員や風紀委員だけで守れるわけ無いだろうが!!」 『で、でも――』 「そんでもやるっていうならお前は土御門元春の敵だ。カミやんの義妹だろうが何だろうが容赦しない。」 この言葉だけで初春飾利は恐怖を覚えた。まるでライオンの檻に放り込まれる様なものじゃない。今の土御門は人間じゃないと初春飾利は知った。 『はい、分かりました。』 土御門の言葉にうなずいてしまうのは当然の事だった。 ピッっと土御門は携帯の通話を切った。しかしまだ土御門はいつもの土御門じゃない。 「元春…だよね?」 白雪が聞いてしまうのもしょうがないことである。 「何言ってんだにゃー月夜、正真正銘土御門元春サマだぜい?」 喋り方は戻っているのだが明らかにどこかが違う。大きな何かが違うのに何が違うか分からない。 そんな白雪の気持ちなど考えもせず土御門はポケットから地図を出し広げる。 「じゃあ作戦会議ぜよ。敵は東京国際空港に着陸して今神奈川付近にいるのがざっと300人だ。」 「300人も!?」 「いや、まだ空港には五千人来ると考えていいな。とにかくこの数は圧倒的に不利だぜい。そこでお前らにやって欲しいことがあるにゃー。」 「何?」 白雪はとにかく今の土御門の役に立ちたかった。それで元春と一緒にいられるならばと、 「――罠、つまりトラップ作りだぜい。しかも特大のにゃー♪」 「……ふぅ、あれが土御門さんの本気ですか。煽って正解でした。これでいいんですよね? 神裂さん」 『すみません初春。貴女に危険なことをさせてしまって。ですが土御門が本気になれば負けは無いでしょう』 実は初春の土御門のやり取り、これ全て神裂からの指示によるものだった。 いかに相手が強大とはいえ、トリックスターの土御門の頭脳があれば負けは無いと神裂は踏んでいたのだ。 そこで土御門を本気にさせられそうな初春に一芝居打ってもらったという訳だ。 『……それよりも、本当にいいのですか? 初春が私達魔術側の事情を知るということは……今までの生活を捨てることと同じなんですよ』 「分かってます。でも、それでも守りたい人達が居ますから。土御門さんはお遊びって言ってましたけど、私なりに出来ることを探していくつもりです」 『……私は正直、今でも反対です。ですが貴女とは短い付き合いとはいえ頑固者だということは理解してます。ですから私は、いえ天草式十字凄教一同はここに誓います』 初春の覚悟、それは子供ゆえの無茶だとは分かっていても、神裂に少女を止める術は無い。 ならばせめて彼女と共に歩む為、神裂は他の天草式メンバーが同じ思いと信じて初春に誓いを立てる。 『私達はこれから先、初春飾利を護り抜くことを誓います。仲間として友として、そして家族として』 「私もこれから先、私は貴女達天草式十字凄教および貴女の大切な友、そして仲間の助けになることを誓います。仲間として友として、そして家族として」 神裂火織、天草式十字凄教、そして初春飾利の新たなる、しかし強固な絆が結ばれることになる。 重苦しい雰囲気を解いた二人は今、当麻と美琴の為に出来ることを模索する。 「早速ですが神裂さんにお願いがあります。五和さんの監視は対馬さんと浦上さんに任せて、建宮さんと最愛さんと共に魔術師の数を減らせるだけ減らして下さい」 『確かに五和が寝てる以上、必要以上の監視は不要ですね。分かりました、すぐに向かいます』 「それと土御門さんの要請で学園都市から3名の協力者が出るみたいなので、合流出来れば一緒に行動して下さい。見れば一目で分かります」 『分かりました。さすがに全てを片付けるのは私達でも無理でしょうが、やれるだけやりましょう。ところで初春はどうしますか?』 神裂は初春からの指示を受けた後で、彼女自身の役割について尋ねる。 電話越しからでも楽しげな雰囲気は消え、本当に真剣な空気が神裂には伝わってくる。 「事後処理です。もともと私、戦うのって向いてないですから。最初から土御門さん達に戦ってもらって私はサポートに専念するつもりでしたし」 『まったく貴女という子は……。土御門には後で私から連絡しておきましょう。貴女の本気の覚悟もしっかりと。では初春、全てが終わった後で』 「神裂さん、決して無茶だけはしないで下さい。それと、土御門さんに伝言をお願いします。初詣に行けないようになったら怒りますって♪」 『フフッ、それは怖いですね。分かりました、ちゃんと伝えておきます』 神裂と電話を終えた初春は自分が足を踏み入れた世界の恐ろしさを思い、体が震えるのを感じる。 それでも自分を貫き通す為に彼女は体の震えを抑えて、自分なりのやり方で戦いに身を投じる。 「さて、今年最後の大一番。影ながらのサポートを頑張るとしましょうか」 そう言って彼女は自分のPCのキーボードを叩き始めるのだった。 その頃、神裂から指示を受けた天草式十字凄教学園支部(五和除く)と絹旗も動き出す。 「魔術側の人間、結構一般人に化けてますね」 「そうなのよね。でも天草式十字凄教に及ばないのよな」 「見つけ次第、人気のないところまで追って、そこで気絶させてください」 「気絶でいいのですか?女教皇様」 「一応、イギリス清教の仲間です。殺してはいけません」 「そうですか。では」 作戦会議を終えた後、天草式十字凄教学園支部は散っていった 「私はもう裏に首を超つっこんじゃってますから、裏の裏は超表ですよ」 「ありがとう絹旗。ではあなたは上条当麻を護衛してください」 「超わかりました。では」 「(皆さん、無事で……)」 絹旗も作戦開始で全員戦闘モードに入ったその時、初春から衝撃の情報が…… 『大変です!!魔術師達が美琴お姉さん達に接触した模様!!更になぜか滝壺さんが人質に!!』 「「「「「「「「「「「「はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」」」」」」」」」」」」 魔術師達が美琴と接触するのは予想していたがまさか人質にするとは予想外だったらしい。(当たり前か) 「なんで滝壺さんが超捕まってるんですか!?」 「そうですか。それではこちらから浜面さんに伝えておきましょう」 「よろしくお願いします。相手は30人程度です」 トゥルルルルル ちょうど、浜面から電話がかかってきた 「ちょっと神裂さん!滝壺がいないんですけど!」 「そのことなんですが、どうも相手に人質に取られたみたいで・・・」 「なんですと!?」 「そこには御坂さんもいるのですが、どうも一人では無理らしいので・・・」 「場所を教えて下さい!すぐに行きます」 「神奈川県、鎌倉北方15キロ北緯○○度東経○○度!!間違いありません!!」 「わかりましたブチッ」 今の音は通話が切れた音か、それとも浜面がキレた音か・・・ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「滝壺が人質に取られたそうだ。美琴ちゃんもそこにいる。今から行きたい」 「美琴がいるなら俺も行く!」 「もう一人増援を送るから、まずは走るんだにゃー」 「「んじゃ!」」 「(ココは取り合えずあいつに電話だ)」 トゥルルルルルルル 「もしもし?何でしょうか?」 「オレだ。神奈川県、鎌倉北方15キロ北緯○○度東経○○度で御坂が危険だ。すぐに向かえ」 「御坂さんが!?分かりました!」 御坂と滝壺のピンチに幻想殺し、最強のLEVEL0、アステカの魔術師が向かう!! 『最愛さんは予定を変更して、滝壺さん救出に向かって下さい。滝壺さんの身の安全も大事ですが、最愛さんも無茶はしないで下さいね』 初春の指示を受けた絹旗も、神裂から同行を命令された対馬と共に滝壺救出へと動き出す。 ちなみに対馬と浦上は本来は五和の監視だったが、カエル顔の医師にここは大丈夫と言われたので前線に出て来ている。 完全に先手を打たれ、形勢は早くも不利かと思われたが初春がもたらした次の情報はその不利を跳ね返すほど強力だった。 『神裂さんは焦らずそのままでお願いします。空港では騎士団長さんとウィリアムさん、えこの場合は後方のアックアさんですね。お二人が暴れています♪』 「そ、それは確かに心強い援軍ですね(こちらが要請せずにあの2人が動いた……おそらく魔術側の恥部ともいえる彼女達の暴挙を止める為でしょう)」 『ですが5000人全員では無いようです。1000人を逃がして、残る4000人が足止めしてるみたいですね』 本来ならあの二人で空港の魔術師全員を相手にして欲しいと無茶を願った神裂だが、それでも4000人を相手にしてくれたことには感謝した。 『私は皆さんが気兼ねなく暴れられるように情報操作、ならびに情報規制をかけます。当麻お兄ちゃん達を巻き込んだのは不覚でした。でもこれ以上は相手の好きにはさせません!』 「その意気です初春。ではこちらも遠慮なく力を振るうことにしましょう」 『神裂さん、無茶だけはしないで下さいね。神裂さんに何かあったら怒りますから♪』 「それは怖いですね。肝に銘じておきましょう。ああ、それと建宮に何か言いたいことはありませんか?」 神裂は建宮のモチベーション大幅アップを願って、初春からの伝言を彼に伝えようとしていた。 『そうですね~。死なないで下さい、そして学園都市に戻ってきたら元気な姿を見せてくださいと。では、また後で』 「……あの子は天然であのようなことを言ったのでしょうか? 建宮のテンションが上がるならそれに越したことはありませんが」 初春からの伝言を建宮に伝えようとした神裂だったが、目の前に魔術師達が現れたので相手をする為に伝言は後回しにするのだった。 その頃、空港では騎士団長とウィリアムの親友コンビによる大立ち回りが演じられていた。 「折角の休みというのに…最悪である。」 「全くだ。さっさと片付けてゆっくり過ごすとするか。」 「全くその通りである。面倒はさっさと潰すに限る!!『Flere210(その涙の理由を変える者)』!!」 飛ぶわ飛ぶわ、メイスとフルンティングを振るうたびに魔術師達が高く飛んでいくのだった。 たいして時間はかからなかった。 ものの5分足らずで約5000人の魔術師達は気絶。 または行動不能な状態にさせられていた。 「案外、早く片付いたのである。」 「そうだな。」 二人はちょっと前まで殺しあっていた仲とは思えないほどの、 チームワークを発揮していた。 二人に吹っ飛ばされた中に 無理やり参加させられたステイルがいたのは誰も知らない。 その頃、買い物にいった女性陣二人は…