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【side 蓉】 本当はずっと忘れる事なんてなかった。 素気なくも、さり気無い優しさ。 誰かに頼ることが苦手だった僕が、唯一掴んだ手。 「……いえ、大丈夫です。」 条件反射のように縋りそうになる自分に気付いて、小さく首を振った。 もう、彼に甘えてはいけない。縋ってはいけない。 いくら昔と同じように差し伸べられる手があったとしても、僕にその手を取る資格等、もうないのだから。 「…そうか。」 自身を戒めるように呟いて答えた僕に、聖夜は小さく相槌を打つと部屋へと向かうべく歩き出す。 聖夜の後姿に感じてしまった寂しさから目を逸らして、僕もその後を追ってゆっくりと歩き出した。 「…ほら」 部屋に着くと鍵と扉を開け中に促す聖夜に、「お邪魔します」と小さく口にして躊躇いつつも部屋へと足を踏み入れた。 痛む右足の靴をいつもより少し時間を掛けて脱いでいる間に、聖夜は僕の隣をすり抜けてトランクを持ったまま廊下の奥へと向かう。 奥はリビングかダイニングになっているのか廊下から一枚隔てられた扉を開くと開けた部屋が見えた。 聖夜を追って後に続くと、いかにも男性の一人暮らしというには少し片付いた部屋。 「適当に座ってろ。」 部屋に入ったところで所在なさげに立ち止まっていた僕にそう声を掛けると聖夜は奥にあるキッチンスペースへと足を向けた。 その言葉に従うように、示されたソファへと腰掛ける。 正直立っているのが少し辛かったので、ソファに腰掛けると小さく息を吐いた。 それから手持ち無沙汰に部屋を眺める。 一人暮らしには少し広い部屋。 マンション自体も良い所のようだし、ホストという仕事は収入がいいのだろうかと実もない思考を巡らせていると、不意に目の前に水の入ったペットボトルが差し出された。 「水でいいか?」 それに思考を遮り、ペットボトルを差し出す聖夜に視線を向けると礼をいいそれを受け取る。 「はい、ありがとうございます。」 ペットボトルを渡すと聖夜は僕の隣に腰掛けた。 自分の分のペットボトルの蓋を外し、それに口をつける聖夜をちらりと見てから視線を落とした。 静かな沈黙が部屋に落ちる。 昔なら苦にはならなかった沈黙。 昔ならもっと近くにあった聖夜との距離。 昔と今の違いの大きさに気付いてしまうと、僕が此処にいるのは酷く場違いな気がして、落ち着かない気分になった。 聖夜から受け取ったペットボトルは、冷蔵庫から出してきたばかりらしくひんやりと冷たい。 その冷たさが、まるで気持ちまで冷やしていくようで。 不意に持ったままだったペットボトルが取り上げられた。 不思議に思いそれを視線で追い、聖夜を見る。 聖夜は僕の視線など意に介した様子もなく、ペットボトルの蓋を外すと再びそれを僕の手に戻す。 「あ、ありがとうございます…。」 「いや。」 再び小さな沈黙が落ちる。 何処か気まずいそれを誤魔化す様に、僕はペットボトルの水を口に含んだ。 ひんやりとした冷たさが喉を通って胃に落ちた。 それから沈黙に耐えかねて俯いたまま小さく口を開いた。 「……聖夜。」 「…何だ?」 聖夜の視線が此方に向く。 その視線を合わせるのに、心の準備をするように小さく息を一つ吐いて聖夜を見つめる。 「…今日は、すみませんでした。」 今日幾度目かの謝罪を口にした僕に聖夜が口を開く前に続ける。 「…私の力が足りないばかりに、聖夜だけでなくお店のほうにまで迷惑をお掛けして…」 わざと事務的な口調で、矢継ぎ早に言葉を続ける。 「今日の損害については此方の責任ですから、きちんと責任を取らせて頂きます。 勿論この怪我の治療費も、明日伺った時に必ず。」 きちんと、線を引かなくてはいけない。 まだ目の前の彼のことが忘れられていない自分に気付いてしまったから。 昔のように、彼の優しさに甘えてはいけない。 甘えてしまえば、きっと済し崩しにこの気持ちをとどめることが出来なくなってしまう。 それは、いけない。 …それじゃ、いけない。 昔のように彼に寄り添いたいという気持ちに、蓋をするにはそうせずにいられなかった。 next
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【アイドレス工場のある一室での一幕】 作:那限逢真・三影(PL:那限逢真) 芥辺境藩国は国民総動員で動いていた。 人から猫から大忙しだった。 その中でも、アイドレス生産工場は小助救出作戦以来の大忙しであった。 普段は定時で引き上げる吏族たちも、この時ばかりは倒れるまで働く。 「5番レンチ持ってこい!」 「配線終了しました!」 「手が足りん!! 政庁に行って誰か連れて来い!」 幸いだったのは、こんな事もあろうかと闇星号の生産ラインを残しておいた事だ。 何だかんだでも同じメカ。サイズや用途の違いはあれ、使えないわけではない。 そして、国民がこういう事態を想定してそれらの機器の整備を怠らなかった賜物だ。 こういう、いざと言う時のための準備が出来ているのは藩王の人徳だろう。 資金もなく同時に食糧増産命令も出たために藩国の存亡は風前の灯でもあった。 それでも、誰も彼もが各々に出来る事に奔走していた。 着々と増産され、各地からかき集められる食糧。 アイドレスも局地対応による若干の仕様変更があったものの順調に進んでいた。 しかし、テストも終わっていない機体の量産を開始して間も無く、問題は起こる。 アイドレス工場の一室で悲鳴が上がる。 「何っ!? モーションデータがない!?」 「まだテスト中の機体ですよ!? あるわけないでしょう!!」 そう。ハードの生産は進んでいたが、ソフトのほうが全く進んでいなかったのだ。 前倒し生産の弊害が顔を出したのだ。 「闇星号のモーションデータは?」 「特殊過ぎて使えませんよ。それに可変機ですよ? あの機体」 「ううむ……」 「あの人のコンセプトは変な方向に偏っていますもんね……」 あの人とは言うまでもなく、摂政である那限逢真のことだ。 その那限逢真はアメショーのテストパイロットとして出かけており、ここにはいない。 ついでに言えば、生きて帰ってくるかもわからない。 確かに闇星号のノウハウはある。が、闇星号は歩兵支援を目的として作られていない。 加えて、そもそもが機体のサイズも違うし、コンセプトがアレなのでモーションデータの流用が 出来なかったのだ。 「仕方ない。一から作るぞ。あの人がいない以上仕方ない」 班長が顔を顰めたまま、指示を出す。 機体の性能に大きく関わる事だが致し方ない。 「あ。大丈夫ですよ~。今、メール送りましたから~」 「……はい?」 言葉を発したのは、天然で知られるある整備士だ。律儀に挙手までしている。 「なんで貴女が那限さんのメールアドレス知っているのよ?」 「前に街中であった時に、頼んで教えてもらいました~」 「……おい」 班長が言葉を発しようとした瞬間に、辺りに場違いな電子音が響く。 「あ。返ってきた~。えっと……『今、テスト出撃中で忙しいんだけど?』だそうです~」 「うわ。マズイ時にメール届いたなぁ……」 「悪い事したなぁ……帰ってきたら謝らないと……」 その直後に再び電子音が響く。 「今度は『何とかするからちょっと待て』です~」 「何とかって……どうする気なんだ?」 「……そもそも、テストパイロット中に携帯でメールしているのか? あの人は」 整備士達が呟いていると、モニターの一つにデータ受信の表示が現れる。 始めは一行だったプログラムが、瞬く間に増えていく。 「これって、モーションデータ?」 「……ですよね?」 「あ。またメールです~。『今やっているのでデータを送る。解析甘いからよろしく』」 一瞬、場の空気が凍る。 「あの人、テストしながらデータ解析して送っているのか!?」 「……やっぱり、あの人只者じゃない……」 「前に歩露さんが言ってましたね。あの人はファンタジーだって」 「うん……」 微妙に間の抜けた空気から、いち早く立ち直ったのはメール送信者である整備士だ。 「あ~。でもでも、これで作れますね。アメショー」 「はっ!? そうだ。急げ! 那限さんは命晒してまでデータ送っているんだぞ!」 その一言で全員が正気に戻る。 そして、慌しく自分の仕事を開始する。 三時間後、芥辺境藩国で最初のアメショーがロールアウトすることになる。
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配置 人柱の船大工 流れ者の砂賊 3 蜜柑の大樹 砂時計アリゲーター 6 7 8 9 砂海竜雷艇双頭犬パスカヴィル(ボス) こぶとりラクダ 12 デザートタイガー 14 サンドヒル 舟盛り船蟲 ※-:出現しないマス 方舟計画実験体 双頭犬パスカヴィル 種族 獣 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 打撃 1.0 スキル 重奏魔叫 無 打撃 1.0 敵列 ダメージ スキル 重咬魔牙 無 打撃 1.0 敵単 2回ダメージ ガード その他 二重の極牙 攻撃後、確率で発動 ※戦闘靴所持 方舟の乗員 人柱の船大工 種族 不死 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 闇+~40? 打撃 1.5 スキル ヘイトハンマー 闇+~50? 打撃 1.5 敵単 ダメージ ガード ディフレクト 直接 確率で回避 その他 ※呪斧 竜骨砕き(戦斧)所持 ※ヘイトハンマーは必GEブレイクの可能性あり 砂時計アリゲーター 種族 爬虫 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 打撃 1.0 スロウ追加 スキル アクセルファング 無 打撃 1.0 敵単 ダメージ一定時間、自身と対象の待機ゲージ減少速度が15%上昇 ガード カウンタ 直接 確率で反撃 その他 スロウ抵抗 自身 オープニング時、スロウ抵抗*5を付与 ※チクタクブーツ(戦闘靴)所持 デザートタイガー 種族 獣 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 斬撃 1.5 骨折追加 スキル スイートクラッシュ 無 斬撃 1.5 敵単 ダメージ睡眠追加 ガード カウンタ 直接 確率で反撃 その他 ※鎌所持 流れ者の砂賊 種族 人 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 地+~? 射撃 2.5 スキル サンドカーテンショット 地+~? 射撃 2.5 敵縦 ダメージ ガード ディフレクト 直接 確率で回避 その他 ※サンドバックショット(銃)所持 砂海竜雷艇 種族 無機 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 鉄+~40? 爆撃 2.5 敵× スキル 土竜形水雷 鉄+~50? 爆撃 2.5 敵十 ダメージ ガード カウンタショット 間接 確率で反撃 その他 ※土竜形水雷(爆弾)所持 こぶとりラクダ 種族 獣 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 魔撃 3.0 スキル ガード マジックカウンタ 魔法 確率で反撃 その他 スタン抵抗 自身 オープニング時、スタン抵抗*7を付与 ※『こぶとりラクダさん物語』(本)所持 サンドヒル 種族 蟲 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 地+~30? 魔撃 3.0 スキル 血染砂嵐 風地+~60? 魔撃 3.0 敵× ダメージ ガード マジックバリア 魔法 ダメージ軽減 その他 ※血砂の結晶(水晶)所持 蜜柑の大樹 種族 植物 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 木+~40? 神撃 2.5 スキル 壊血蜜柑汁 無 神撃 2.5 敵広 ダメージ一定時間、受ダメージが20%上昇 ガード ブロッキング 直接 ダメージ軽減 その他 ※指輪or十字架所持 舟盛り船蟲 種族 蟲 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 魔撃 3.5 スキル 回天突撃 無 魔撃 3.5 敵単 ダメージ ガード サイドステップ 魔法 確率で回避 その他 ※バトルパドルロッド(ロッド)所持 ドロップ 装備 名称 種類 Lv 属性 攻撃 防御 魔攻 魔防 命中 制御 行動 固有ギフト スロット 備考 ※本家アイテムデータの並び順と同様 魂片 名称 種族 Lv 属性 ギフト 双子の鎖首輪 無機 58 無 双子形 双子形 行動時、20%で次行動開始までセットアイテムの全性能値が2倍になる自身の待機ゲージ+25 ※敵並び順と同順 探索 名称 種類 Lv 属性 効果 匂い袋 消費 1~3 無 強い敵が寄ってくる。要注意ただし、イベントマップなど一部特殊な戦闘では無効 ※並び順は上から順に消費、薬、食料、一般、宝箱、封壺 タイプ:ダンジョン 属性:地&闇(命/星に弱く雷/花に強い) マップLv:138(~141) スキップLv:不可 クリアボーナス: ボスLv:150~ 雑感 砂噛む枯木の砂丘の向こう側、砂の海に浮かぶ木造の艦。場違いな人工物。 乗船してから3歩目に「二重螺旋の右舷階段」が見える。 たどり着くと下り階段を駆け上がってきた「双頭犬パスカヴィル」が襲い掛かってくる。 戦いに勝つと彼の首輪を魂片として獲得。『ミッション:研究所『方舟』見学』を受諾し、彼を追ってきた人物とともに『方舟』研究室へ進むことになる。
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ビギナーズ王国は教育に力を入れているため、首都に多く学校が存在する。 ただ、根源種族とかいうわけの分からないものがきて逃げろやわんわんと戦略的撤退を決めてから、 そのどれもが休みとなっていた。 一際大きく、また有名な初代国王の名を冠したジャン・タクマ学園(小学校から大学まであり)もその一つだ。 本来なら開店休業中のこの学園に人影は無いはずだが、この日は違った。 普段でも居ないはずの格好をした二人組みが、学園の入り口にぽつんと立っていた。 犬士特有の耳と尻尾を寒そうにぱたぱたしながら、その二つに似合わぬ突撃銃を肩に下げる、 軍服の上に寒さ対策のコートを着た、歩兵二人。 摂政でありながら技族の仕事もするSOUと、技族のエースYuzukiだ。 その愛嬌のある顔をしたyuzukiが首をかしげて問う。 「なんで、学校なんでしょう?」 「それはな、そこにロマンがあるからだ!」 メガネをかけたSOUが、握りこぶしを作って誇らしげに答える。 もう一度首をかしげて、今度は耳も折ってyuzukiが問う。 「………ゲートがあるっていうから来たんですよね?」 「甘いな、ロマンがあるからゲートもできるのさ!」 メガネの向こうになにか別の世界が広がっているとしか思えない熱い口調のSOU。 ぴゅーとふく寒風に逆らった、ぱたぱたと振ったままの尻尾だけが空しさを演出している。 『何だろう、このよく分からないけどとてつもなく寒い雰囲気』とはyuzukiの感想である。 「さぁ行くぞ!ロマンを求めて!」 「ちょ、求めるのはゲートにしてくださいね?!」 がっちゃがっちゃと音を立てながら、まずは幼年部に向かって走り出すSOU。 後を追いながらyuzukiは思った。 『出る時にハリセンを強く奨められたのはこういうことか』 そして同時に持ってこなかったことも激しく後悔し、しょうがないと覚悟を決めた。 そもそもゲート捜索の目的は、敗走の際にバラバラになってしまった大同盟をどうにか復旧すると言うものだ。 リンクゲートはいまだ未知の部分もあるため、昔からの要所を重点的に捜索する方法を採っている。 まぁ、隣の国と同盟だー、と言ったら繋がる不思議技術なため、半分以上骨董品探しが目的である。 そんなこんなでSOUはお宝、yuzukiは真面目にゲートを探し始めた。 もっとも、骨董品らしきものをSOUが持ち出そうとするたびにyuzukiがダメーとクロスチョップをかますので 全くはかどってはいなかった。というかはかどるはずも無い。 半日が過ぎ、大学部まで探しても何も見つからないーとyuzukiの耳がパタッと折れた頃、 骨董品の匂いを探ろうと野生にしていたSOUの鼻が何かを捉えた。 「………なんだ、ロマン溢れる香りがする」 「また骨董品ですか?」 「いや、何だろう……骨董品とは違う、なんというか、古い通路のような」 「通路?」 ゲートは通路とも表現することができる。 yuzukiもSOUの探った匂いを探り始めた。 確かに何かを感じる。 互いにうなずきあって、その方向に歩いていく。 建物の外に出て辿り着いたのは学園の片隅、人が寄り付かないような寂れた花壇。 「これ、ってわけじゃないですね」 「ああ。………下から音がする」 犬士の耳を頼りに、今度は音の出所を探る。 人間の耳では聞き取れないかすかな音も犬士ならば聞くことが出来るのだ。 「……SOUさん!ここ、蓋になってます!」 yuzukiが野生回帰を行って、土で巧妙に隠されていた通路を発見した。 明らかにどこかに続いていそうな地下通路に、お宝だけでなく本来の目的達成への期待も高まる。 防塵のため、携帯しているマスクをつけて中に入っていく。 暗い通路だが、野生の力を発揮しているyuzukiには問題にならない。 SOUがそれについていきながら、目が¥のマークになる。 彼のロマンをかぎわける嗅覚は、この先にあるものの匂いを正確に当てていた。 やがて、階段に辿り着いた。上には扉がある。 扉を叩き、少し浮くのを確認してから一気に開ける。 僅かに赤色の明かりが照らす、広い部屋のようだ。 yuzukiが先に出て、銃を構えて確認。SOUがそれに続く。 ぐるりと一周見渡すが、どう見てもリンクゲートのようなものは見当たらない。 「なんだ……ゲートはハズレか」 「いいや、大当たりだ!」 SOUが場違いなほど明るい声を出す。 へ?とyuzukiが耳を折る。 うはははは、大当たりだーと笑いながらSOUは袋を広げ始めた。 え?袋?何それ? そう思ってyuzukiはもう一度回りを見てみた。 左右の壁には一面に引き出しがそれと分からないようについている。 見える目の前には大きな大きな丸い、ごたごたとロックがついた扉。 そしてその向かい側には、金色に輝く憎い奴。 yuzukiはそれをテレビかなんかで見たことがあった。 「えーと、ここって………銀行」 「その通り!」 金塊の前に袋を置きつつ、凄い嬉しそうなSOU。 いやー、金庫のゲートに辿り着いたねあはははは、と笑いながら金塊に手をかける。 当然ビービー鳴る警報。 気にせず金塊を袋に詰め始めるSOU。 唖然としたまま動けないyuzuki。 彼女がはっと気付いたのは、金庫の扉が開いて5人の警備員が入ってきたときだった。 「動くな!」 既に拳銃を構えて捕まえる気満々の警備員に、どうやって言い訳すれば許してもらえるだろうと考えるyuzuki。 SOUさんわかってやってたのかなとか考えていると、警備員が2人近づいてきた。 『さあ、捕まろう。あー、これで前科一犯か……』 覚悟を決めたyuzukiに警備員が手をかけた。 「1、2、サンっ!」 突如聞こえたその声に、yuzukiは反応した。 肩に置かれた手を取り、二人まとめて壁に向かって投げ飛ばす。 軍隊格闘術、その訓練の際の掛け声が1、2、3。 反射で出せるように訓練されたそれが、本当に反射で出るんだ、と場違いなことを考える。 「………っあーー!」 「なっ………抵抗確認!応援を要請する!」 「え、あ、ちょ、ちょっと、違うんですー!」 必死に弁解しようとするも、後ろには伸びた警備員二人、さらには金塊を袋に詰めてる同じ格好の人間。 あ、これは無理だと、なぜか冷静になった。 人間と言うものは不思議なもので、開き直るということが出来るのだ。 つまりyuzukiも『もうどうにでもなれー』と思ったわけで、 「yuzuki、吶喊します!」 「やれやれー!」 言うだけ言って自分は金塊を詰め続けるSOU。 あははははと半分壊れながら警備員をすっ飛ばすyuzuki。 特殊訓練受けた歩兵に警備員が敵う訳がない。 よって残りも程なく気絶させられた。 「おー、yuzukiさん、やるねぇ」 「人にだけ働かせておいて、何を言うんですか」 「いや、俺も働いたよ?金塊盗ったし」 「それは働いたとは言わないですよ!」 二人して弾丸がスラグ弾だということを確認しながら話す。 yuzukiが一つだけとSOUに聞く。 「SOUさん、このこと知ってたんですか?」 「いやいや、おれはロマンの香りを嗅ぎ取っただけ」 「袋は」 「あれは普通に骨董品を盗ろうと思ってただけ」 「どっち道犯罪ですか!」 「はっはっは。まぁ、それ以上のものが手に入ったんだし、いいじゃないか」 チラっと外を見て車が2,3台到着したのを確認する。 金塊は既に通路に落とし済みである。 後は増援を適当に片付けて逃げるだけ。 「yuzukiさん」 「はい?」 「俺たちに明日はない」 ムダに格好をつけるSOUに、yuzukiは目も少し白くしながらその意図と読み取った。 「………ロマンですか?」 「バレた?」 「……なんかもう、ツッコむ気力もなくなりました」 「はっはっは、戦う気力はなくすなよー」 いよいよ弾丸が飛んでき始めた。 金庫の扉に阻まれてチュンチュン跳ねる弾丸。 その陰からSOUが遠距離、yuzukiが近距離の相手を撃つ。 撃つと言うより乱射に近いSOUが、思いついたように口を開く。 「ごめんよ、yuzukiさん。こんなことに巻き込んで……」 「………顔が笑顔なんで説得力ないですよ」 「やっぱり~?」 「………謝るんなら後でちゃんと謝ってください。 今は、強盗に徹しましょう」 「おっノリノリだねぇ」 「こういう経験も、なんというか……経験のうちです!」 そう言いながら的確なヘッドショットを連発するyuzuki。 『開き直ったな、大丈夫だ』と判断して、SOUは笑う。 「はっは、じゃあ、国のために頑張って帰るぞ」 「はいっ!」 後日、謎の銀行強盗のニュースが摂政によってもみ消されたという噂が王国に流れた。 噂じゃないと知っているのは12人。 摂政をしばき倒して、無理矢理もみ消させた国民代表10名と、当事者の2人である。 これ以降、軍服の銀行強盗が頻発するのはまた別の話。
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384 :悠久蒔寺幻想曲あー、また間違えたこっちはエルメロイ物語だわ ◆M14FoGRRQI:2008/11/17(月) 16 18 29 ウリューのアトリエ 龍ちゃん「イリヤたんとちゅっちゅしたいよ~」 汁元帥「こんにちは、zeroに別ルートが存在したらイリヤを連れ去って悪い事しそうな コンビでお送りするウリューのアトリエの時間です」 龍ちゃん「今日のテーマはこちら!」 【読者の皆様ごめんなさい。作者は間違いをしたのではありません、嘘つきなのです・・・】 汁元帥「今まで散々ゲームブックスレでパワプロのパロディをやるぞと言ってきましたが」 龍ちゃん「がー?」 汁元帥「ぶっちゃけ行き詰まりました。その結果始めたのがアイドルマスターネタを ベースにしたあれです」 龍ちゃん「嘘つきだ!作者は嘘つきだ!」 汁元帥「本当に申し訳ありません」 龍ちゃん「もうこんな所にはいられねえ!そんな訳で俺は旅立ちます」 汁元帥「突然ですねリュウノスケ」 龍ちゃん「いざゆかん、俺とイリヤたんがちゅっちゅできる世界に」 汁元帥「あるんですかそんな世界?」 龍ちゃん「分からない。でもそれを探すのが浪漫って奴だろ?」 汁元帥「待ちなさいリュウノスケ」 龍ちゃん「俺を止めるの旦那?いっとくけど俺結構強いよ、北斗の拳全巻読んでるし」 汁元帥「いえ、私も行きます。リュウノスケがいなくなるのなら私も我慢せずに ジャンヌのいる世界を探そうと思います」 こうしてひとし君スタイルとスーパーひとし君スタイルに着替えた二人は 欲望のままに旅立ったのでした。 果たして次回のおまけコーナーはどうなってしまうのか? 読者は許してくれるのか?それだけが私の心配です―。 三日目『贋作フィーバー』 髪の毛と眉毛の脱色:200ドル 日焼けサロン:560ドル レザー製の赤いコート:55ドル 娘への思い:プライスレス 「完璧だ、コーディネートはこーでねーと」 ホテルの姿見の前で男は呟いた。 しかし、その全体像はどう見てもチグハグで場違いである。 ここはロンドン。しかし男は東洋人だった。 脱色して白くなった髪に日焼けで黒くなった肌、その上に赤いコートでは まるでどこかのヒーローである。 しかし男はフケ顔だった。実年齢はまだギリギリ20代なのだがどう見ても30代後半に見える。 男の名は衛宮切嗣と言った。 彼にはロンドンに行かなければならない理由があった。 彼には姿を変えなければならない理由があった。 そして、こんな格好にしたのは彼の趣味だからだ。 衛宮切嗣29歳、愛人も妻も保護者も娘もいない今、長年押さえつけられていた願望が こんな形で爆発していた。 「正義の味方・・・」 両腕を仮面ライダーの様に回しキメのポーズをする切嗣、いや、今の彼の名は― 「ゲミ・ラマン推参!」 それは東南アジアから中東あたりで仕事をした時に一度だけ使っていた偽名で、 彼の持つ数々の偽名の中では一番ヒーローっぽい名前だった。 「か・・・かっこいいじゃないか僕、うんいける。これならいけるぞ!」 どこへ行こうというのだゲミ・ラマン。 【選択肢】 高校アフロ:時計塔 中退アフロ:デパートの屋上 上京アフロ:トイレ 投票結果 高校アフロ:5 中退アフロ:0 上京アフロ:1 連載時コメント +... 386 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/17(月) 18 22 58 上京アフロ:トイレ どっちのトイレかはあえて問わない。 387 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/17(月) 18 31 57 高校アフロ:時計塔 388 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/17(月) 18 45 07 高校アフロ:時計塔 エミヤーマンと感動の対面? 389 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/17(月) 19 45 45 高校アフロ:時計塔 今夜は俺とお前でダブルゲミ・ラマンだ 390 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/17(月) 19 47 08 高校アフロ:時計塔 せ、先生! 質問があります! 士郎は? Fate本来の主人公は? 391 :僕はね、名無しさんなんだ:2008/11/18(火) 00 38 58 高校アフロ:時計塔 士郎はできた子だから一人で後を追ってくるんじゃないだろうか エルメロイ物語 二日目 第46話 エルメロイ物語
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§第一話「敦は美少女に『おにいちゃん』と呼んで欲しいタイプの人間なのである」 ☆1 夏のある日。突然だが、高瀬敦(たかせあつし)に妹が出来た。 普通ならばそういうと、 「そりゃーめでたい、お父さん似ですか? お母さん似ですか?」 などと祝辞の一つも頂戴しようものだが、残念ながらそういうまともな話ではない。 敦が異変に気付いたのは、母親が夕食の仕度に駆け回っているリビングでの出来事だった。 本日のメニューはデミグラスソースのふんだんにかかった手作りハンバーグである。 高校二年生にもなると、やったー、わーい、ハンバーグだぁ……と万歳をしながら喜んだりはしないが、 それでもまあ、好物が夕飯とわかると心躍るものがある。 そこで敦は妙な事に気付いた。ハンバーグの盛られた皿が四枚ある。 高瀬家は父、母と一人息子の自分で三人家族だから、 何事もなければ用意されている皿は三枚のはずだ。 当然、敦は尋ねた。 「母さん。なんで夕飯が四人分あるの?」 すると母は答えた。 「はぁ?」 はぁ? ……ときたもんだ。 『わけの分からんことを言ってないで飯の仕度を手伝わんかこの愚息がァッ!!』 という意図を込めた「はぁ?」である。 来客の予定なんて聞いてなかったけどなぁ、と首を傾げている敦をよそに、 母親は大声で叫んだ。 「れんぼーっ! ご飯よ、おりてらっしゃい!」 れんぼ? レインボー? ん? ……なに? 「はーい♪」 可愛らしい声で返事をしながら、誰かが降りてくる。 少女だ。十歳ぐらいの可憐な女の子だ。美少女だッ! 栗毛色の艶やかな髪は、頭の両端でちょんちょんと纏められている。 チアガールが持っているぽんぽんのようだ。 夏らしいブルーの水玉模様のキャミソールに、 膝上数センチのミニスカート、ストライブのニーソックス。 露出しているおへそと太ももが眩しい。 子犬のように人懐っこい瞳のその少女は 「やったー、わーい、ハンバーグだぁ♪」 と万歳をして喜び、敦の横を過ぎると、 「お手伝いするね、おかーさん♪」 と食器を並べ始めた。 ……ていうか、誰だこの美少女は。可愛いぞコラ。 「ただいまぁー」 そこで父の帰宅だ。三十後半の世帯主が汗の臭いを纏ってリビングにやってくる。 「あら、ちょうどよかった。今食べるところだったのよ」 「おう。……それよりビールだビール。蒸し暑くてかなわん」 謎の美少女が食事の仕度をしているというのに、父親の反応も特にない。 「おかえりなさい、おとーさん♪」 「おう、ただいま」 戸惑うどころかいたって普通に挨拶している。まるで自分の娘と言わんばかりに。 敦は呆気にとられた。 ちょっと悩んでみた。 ……どうやら場違いなのは自分の方だ。 どうしよう? 試しに父親に聞いてみるか? 「あ、あのさ、父さん……あの子、」 「あぁん?」 あぁん? ……である。 『俺はお前と違って疲れてんだよ、浮かれてんじゃねえぞこの駄息がァァッ!!』 という意図を孕んだ「あぁん?」だ。 「……いや、なんでもない」 敦は言葉を引っ込めた。聞いても事態が好転しそうにないからだ。 とりあえず、あの子は我が家の関係者のようだ。それには間違いないらしい。 ならばちょっと様子を見よう。 じっとしていれば会話の端々から、彼女が一体何者なのか次第に分かってくるはず。 高瀬敦、空気を読むことこそ良き日本人と心得たり。 「おにいちゃん。ぼーっとしてないで、手伝ってよ」 と、美少女の声。 おにいちゃんとは自分のことだろうか。 「えっと、僕?」 「なにいってるの? 変なおにいちゃん。……はい、ナイフとフォーク」 「ふぅむ」 食器を受け取りながら、敦は考えた。 おにいちゃん、か。 すると彼女は僕の妹にあたるのか。 この美少女が、僕の妹か。 ……うん。 良い。 とりあえず良いと思う。 にやり。 「おにいちゃん、変な顔。恐いよ」 「僕は誰?」 「高瀬敦。私のおにいちゃん」 「うん。いいねぇ」 「……」 敦は美少女に『おにいちゃん』と呼んで欲しいタイプの人間なのである。 TOP←P1→P2
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朝からドタバタした1日が始まるのは何もそう珍しいことではない。 この学校にいれば嫌でもドタバタには慣れてしまう。 今日も朝からくーら先生が伊吹副校長の車にバイクで突っ込むという、くーら先生と副校長らしい絡みがあったようだ。 だがそんなこと程度では騒ぎにならない。 そんないつもいつも起こる突発事にいちいち驚いているような人間はこの学園では希少だろう。 それに今朝に限っては転入生が来るという一大イベントがあるのだからなおさらだ。 とはいえ、同じクラスになる生徒以外ではまず先生、後はもし部活に入るならば部活が同じになった生徒あたりじゃないと今日はまず話も出来ないだろう。 おそらく転入生を歓迎して転入生と在校生の間で何戦かのデュエルが行われるからだ。 それを見る機会はあったとしても直接話もできるようなチャンスを掴めるものは多くはないだろう。 まぁ俺は初日から数学の授業で転校生のクラスを教えるから話をすることくらいは出来るだろう。 出来たらデッキのタイプも知りたい・・・いや、実際にデュエルするまで知りたくない気もする・・・だがもし、もし転校生も不死武士使いだったら・・・。 今日の授業は不死武士と確率の話から入るとするか。 もし不死武士使いなら何らかの喰いつきを見せてくるだろうし、デュエルにおける確率論事態も興味を引かない話ではないはずだ。 真面目に話を聞かないようであればその程度のデュエリストであるか、俺よりも相当強いデュエリストであるかのどちらかであろう。 「うん、今から授業するのが楽しみだ」 「なぁに、ぺぱにゃんまさかうちのけーちゃん狙ってんの?」 「あぁくーら先生どうでしたか、転校生はクラスに馴染めそう?」 「うちのけーちゃんだからねぇ・・・多分大丈夫だとは思うけど」 くーら先生にしては歯切れが悪い。この時期に転校してきたこともちょっと引っかかるし何か事情があるのだろうか。 それとけーちゃんってなんだろう。気にしてはいけない、相手はくーら先生なのだから。 「まぁデュエルしていくうちに馴染むでしょうね。伊吹副校長も体育の授業と言いながらデュエルでもするんじゃないですか?」 「ぶんめいならありえる、職権乱用!あーあ、私も英語の授業でけーちゃんとデュエルしよっかなぁ」 ぶんめいとは副校長のあだなの一つである。俺は詳しく知らないが一部生徒と先生の間では広まっているようだ。 「じゃあ俺も数学の授業でデュエルしちゃおうかな、どうせ週に5時間もあるんだし1時間くらいデュエルに使っても・・・」 その時俺は後ろから優しいながらも力強いデュエリストオーラを感じた。 「先生同士おしゃべりもいいけどそろそろ2時間目の授業の用意をしたほうがいいとおもうよ」 後ろにいたのは・・・アース校長だった。 「ああ、すいません、そうですねそろそろ移動したほうがいいですね。くーら先生、転校生の授業羽目を外さないように自重してくださいね」 まぁ、言うだけ無駄だろうけど。 「うん、だいちゃんぺぱにゃんまたね。あとぺぱにゃん、ぺぱにゃんじゃけーちゃんには勝てないと思うよ、ふふっふー」 俺じゃ勝てないって言葉は気になったがあえて反論もせず俺は次の授業の部屋へ向かうことにした。 実際この学校での俺の勝率はあまりよくない。 さっきのアース校長にはまだデュエルで勝てたためしがない。 そもそも校長はデュエル界においては知らない人はいないような存在で俺がそう簡単に勝てる相手ではないのだけれども。 アース校長と肩を並べるとしたらまずサーヴィだろう。 その2人が突出した実力を持っているが、残りの先生、生徒も並の強さではないデュエリストばかりである。 そんな学園で数学を教えている自分がたまに場違いな気がすることがあるが、デュエルに対する思いは負けていないつもりだ。 「おっと、後1分で授業が始まっちまうな、急ごう」 心は既に3時間目の数学の授業と・・・夜のつかっち先生宅での飲み会に向いていた。
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お初にお目に掛かる奴もそうで無い奴も、よろしゅうお見知りおきを。 3-C巽○郎丸云うモンじゃ。ちくと場所を借りるぜよ。 前期・前々期とそれなりの目線で生徒会の姿を見て居ったんじゃが、ホンマに『生徒会』ちゅう組織は必要なのかと思うた。 気ィ悪くしてしもうたら謝るけんが、如何にも『テイの良い雑用係』にしか見えんくてのォ。 こがいな考えを持っちょる俺が立候補するン言うのも可笑しな話じゃが、枯れ木も山の賑わい言うし、お邪魔する事を決めてん。 暇潰し程度に流し読みしてくれんかの。其処を歩くオマエさん。 ①名前および学年 3-C 巽○郎丸 ②公約ないし生徒会長としての意気込み 生徒会機能の凍結 文字通りだ。生徒会としての活動をしないことが公約になる。 前期生徒会が残した領収書やらは引き受けるが、それ以外はノータッチや。 金関係を俺一人で如何こう出来るか如何かは知らん!努力はするが期待するなよ! 閑話休題。 此処は何処だ? そう『戦国』学園じゃ。群雄割拠のドンチャン騒ぎが戦国時代と思うておる。 そン戦国に生徒会と言う名の傘は必要かの? 自己発言と行動に責任を持ち動く。それだけでエエんと違うか。ルールちゅうモンは。 どんな風に高校生活を送るもソイツの自由。人によって楽しい、幸せの程度も範囲も違うけんの。 生徒会が無くても学園生活に問題があるか無いかを確かめたいんじゃ、俺。 学園を巻き込んでのイベントごとを起こしたい場合は、直接学園長に掛け合ってくれ。資金管理とか学園長の方が手際が良いじゃろ。 こっちが手助け出来るんは、ポスター貼りの手伝いとかの程度に落ち着くと思う。何せ俺一人しか居らんよって。 金印は持ち歩くか……学園長に預けるか、そんな感じを予定しちょる。 【任期】 次期生徒会運営を希望する代表者が現れるまで。 我こそはと云う者が出んかったら、俺が卒業するまでずっとこのままじゃ。 そんな訳なんで【役員募集】は行わん。ボランティアは大歓迎やが、メリットは何も無いで。 せやなァ。生徒会室は随時オープンしよう思うてる。 ダベるのも試合するンもしけこむも好きにしちょくれ。但し、使った後は部屋を綺麗にするように。 中庭の自販機は、前期のまま『たまご自販機』だ。これが嫌なら他の奴に投票してくれよ。 【抗争】 生徒会面子は俺一人の予定なんで、代表者とのタイマンを考えておる。 この辺は当選したら詳細を詰めるよって、堪忍な。 【お願い】 前回投票を見て思ったんじゃが、『知る奴が居らんから無投票』な考えは少しでもエエけん、改めてくれんかのォ。 他の立候補者も述べおってん。『人気投票の場じゃ無い』 立候補者の顔や名前で投票を決めるのは、ちくと違う気ィがしてならんのや。 ソイツの『考えに賛同出来るか否か』で投票先を決めるのが選挙じゃないがか? せやから、全員のマニヘストを読んで(聞いて)、その上で「興味が無い、如何でもエエ、無投票」なら 『考えを知った末での結論』と見え成る程と思えるんじゃが 最初から何も見んと「如何でもエエ」ツラするんは、個人的に首を捻ってしもうての。 通ってるガッコに対して如何でもエエちゅう思考が俺にはよォ分からんき、こン場を借りて言わせて貰うたで。 これを機会に、ちくとでも戦国学園のことを考えてくれたらエエなァと思うちょる。あんじょう頼ンますわ。 【最後に】 生徒会長立候補としちゃあ異端過ぎて場違いだとは自覚しよるが、こんな考えを持つ奴も居るんやで、というアピールにはなったやろか。 一人でも多く生徒会、ひいては戦国学園について考えてくれたらエエと思うて名乗り出てみた次第だ。 何か言いたい事が発生したら、下記連絡先を自由に使ってくれ。 あて先間違えるなよ! 【tatsumi】
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54 名前: 僕はね、名無しさんなんだ 投稿日: 2007/09/06(木) 22 07 24 「―――ここですね…」 冬木市からは遥かに距離があるのだけれど、僅か4、5分で到着。眼前にはターゲットが住んでいるアパートがそびえ立っている。 ……果たして彼女は私の頼みを請け負ってくれるであろうか?人一倍ルールに厳しい彼女だが―――いや、当たって砕けろだ。無理は承知の上で頼み込んでみよう。それに今私の手にはとっておきの切り札があるのだから。 ―――まるで吸血鬼の住処に入る心持ちで、彼女の家のチャイムを押す。間抜けな機械音が鳴った直後、中からパタパタと足音が聞こえてきた。 ガチャリ 「はーい…――あっ」 「どうも。久方振りですね、シエル」 「……いらっしゃい、バゼット。あがってください、お茶くらい出しますよ」 ―――私とシエルは実は奇妙な縁で繋がっていたりする。ご存知、私達は協会と教会の異端児だ。たまたま任務で共同戦線を張ったことがあるのだが、そこから異端児同士ウマが合っちゃって、時々一緒にお茶を飲んでたりする。まぁ仲が良いのだ。 相も変わらずの質素な部屋に通され、湯飲みに茶を注がれる。いきなりだが本題を切り出そう―――。 「駄目です」 「まだ何も言ってないんですけど……」 「駄目ったら駄目ですっ!貴女のことだ。どうせ先日発表されたタッグプロレスの賞金をゲットして楽したいだけなんでしょう!?絶対駄目ですよ…。そもそも秘匿が信条の魔術協会に所属しているクセに、何てこと考えるんですか!」 「う…」 確かに魔術を大衆の眼前で使用するのはマズイ。あくまで魔術は神秘であるからこそ魔術でいられるのだ。それが世間に知れ渡ってしまえば、ただの技術、ただの化学反応でしかなくなるだろう。そんなこと、全魔術師が許さない。 ………でも、それなら魔術なんて使わずに格闘術のみで戦えばいいではないか。というかそれが目当てで体術も達者な彼女を誘おうというのに。それにいきなり図星をつかれたのはちょっと悔しい。 「駄目でしょうか…?別に魔術なんて使おうとは思っていませんよ。そもそもあくまでこれ、プロレスですし…」 「駄目ったら駄目ですっ!大体何で私なんですか!?言っときますけどね、私プロレスだなんてやったことありませんよ!そーいう人達なら他にも色々いるでしょうが!」 「色々、とは?」 「い、色々です。…とにかくっ!私はこの街を任されている代行者なんですから、あんまり目立つ行動はマズイんですよ…。それは貴女も同じでしょう?―――という訳でハイ、審議終了。解散!」 「そんな無茶苦茶な…」 あまりに独断すぎる審議に鬱憤が溜まってきた。…しかし、これには私の生活が懸かっているのだ。何が何でも引き下がる訳にはいかない。ふと、部屋に置かれた可愛い小物を見つめ――――そろそろ頃合いだな、と感じた。 「シエル、ここに提案があるのですが」 「物で釣ろうというのですか?…甘く見ないでほしいですね。これでも私は埋葬機関第七――――」 スーパーの袋から『ある物』を取り出し、威勢良くテーブルの上へと置いた。 ドンッ! 「1日1食限定。時計塔特製・魔術カレー、レトルト仕様です。数百種類のスパイスその他を絶妙な量で配合し、血管から直接食べることで……」 「乗った!」 「ありがとう、シエル」 ここに最強のタッグが誕生した。 1、セコンドがいないと話にならない 2、その頃、他の参加チームは… 投票結果 1 1 2 5 決定 カレン・オルテンシアをセコンドに、ギルガメッシュ・ランサー コンビ 七夜黄理、軋間紅摩の最強最悪チーム。 さっちん&シオンの路地裏同盟 秋葉様と藤乃ちゃんの最凶超能力コンビ ルヴィア&凛の時計塔お騒がせペア 乾・ななこ の場違いチーム 荒耶と言峰のラスボスチーム
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「……うぜー」 下敷きを、ぶんぶんと振る、夏の午後。字余りなし。 ギラリと鋭い日差しが、空調どころか風一つない教室の窓から矢のように刺さる。 外から響く蝉の声は、最早時雨というより豪雨だろうか。誰もアンコールなどしていないのにエンドレスで素敵なBGMを繰り返し、蒸し蒸しとうだる暑さに華を添える。 こういう時ばかりは、熱を保ちやすい長髪が本気で鬱陶しい。黒の熱吸収率がいいなんて決めたのは何処のどいつだ。 まあ男の時に比べると、スカートその他が涼しくて助かるのが救いではあるけれど。 チャイムが一つ、場違いに涼しげに鳴り響く。 下敷き片手の授業が終わり見れば、教室端の机の上で茹で上がるバカ一名。ピクリとも動かない塊が気になり、寄ってつついてみるが返事はない。ただの屍のようだ。 ……これを見ていると思わず合掌すると共に、自分の席が南の窓側でなかった事を心から感謝してしまう。南無三。 と、塊がぐるりとこちらを向いた。 「……まだ、ホトケでは、ないぞ……阿呆……」 「そりゃお釈迦様もビックリだ」 傍らで合掌する俺を見上げる視線は、ともすると修羅の如く。もっとも断末魔だが。 「っつーか人を睨む余裕があるなら移動すればいいじゃねーか。10分程度だってだいぶ変わるだろうに」 「……最早動くのすら面倒だ。俺は死に場所を見つけた……」 「やっすいなー、一山いくらだお前の命」 「…………どうしようもなく不服だが、言い返す気力もない……」 「ありゃま」 そこまで言うが早いか、日差しに晒されて随分とホカホカなエビアンを一飲みして、また机に崩れる落ちるバカ。 ダラダラと汗の伝う首筋を何気なく垂れた髪先でくすぐるが、反応なし。溜め息一つ無い。 ……これはまあ、本格的にダメらしい。まさにグダグダである。 ――仕方が無い、あまり気は進まないと言えば進まないが、まあ死なれたらこちとら少し夢見が悪い。 ちっとは元気づけてやらにゃ、まあ親友兼恋人の名も廃るだろう。いや別に励ますとかではない。自分の為だ。誰がコイツの為なんて、そんな事はスケカクが印籠出す前にフクロにされるよりも有り得ない。よし、言い訳オーケー。 ――ふぅ、と息をつく。 「……仕方ない、聞けバカ」 「……何だ阿呆」 「次の次は今日も元気に水泳だ」 「……それがどうした……ついでにそろそろ観念してスポーツタイプではなくスク水を着ろ親友……」 「あいよ」 ……………… みんみんみんと、一瞬の沈黙を繋ぐ蝉の声はマヌケだ。 「……スク水に種類があるのは理解しているな?」 「以前の、もとい男時代の会話の通りに。ただし今日もスポーツタイプも持って来てはいる」 「……条件はなんだ」 「とっとと起きろバカ、元気出せ。少しは扇いでやるから」 話が早くて助かる。こればかりはコイツの数少ない美徳の一つだろう。考えつつパタパタと扇ぐ。 ――にも関わらず、相変わらずバカは突っ伏したまま動かない。 「……いらないのならこっちは別にいいけどさ」 ……正直ちょっとショック……なんて事はない。ちょっと寂しげな声音になったのは俺の気のせいだ。まあ、流石にちっと調子に乗り過ぎたかな、とは思ったけれど。 「ま、待て、少し待て、後少しで構わん」 と、突然バカがいきなりそのままの体制でグルリと首をこちらへ回した。……何故か僅かに焦り顔で。 思わず首を傾げる。 「…………?」 「……いやまあつまりだな、今のやり取りにより益体もない思索が進み、結果として俺の身体、主に腰部を中心とした部位にちょっとした変化がな、それを由に上半身を起こすのが今は少し困難でな」 「………………まあ、つまり」 「勃った」 「うん、判らんでもないがやっぱり死ね」 ――シレッと答えるバカの首に、ゴッ、と手刀を叩き付けてみた。