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…覚えている あの男と、遭遇した時の事を 『いいですか?派手な行動は慎むように。一応、報告は控えておきますが…派手に行動すると、組織に見付かる危険性があります。自衛するな、とは言いません。しかし、積極的に、他の都市伝説と戦う事は控えるように』 そう、自分に言い含めてきた黒服の男 …はじめて、だったのだ 誰かに心配されるなど、生まれて初めてだった …だから、忘れなかった 私の事など忘れなさい、という黒服の言葉など意味をなさず ずっと、あの男の事を覚えていた …あの時、自分はまだ小学生だった あの男にとって、自分は保護すべき対象としか見られていなかった あの黒服は、随分と未成年に甘いから …しかし 今は、もう自分は未成年ではない あの黒服の保護対象ではない 護られるべき対象ではない 自分は、首塚を中心とした組織に入った あの黒服を縛り付けている組織と、敵対している組織 だから、その下に入った あの組織と違い、規則が緩いと言うのも理由の一つではある しかし、決定的だったのは、やはり、あの組織と敵対している、と言う理由からだった 自分は元・人間だと、あの黒服は言っていた …だから、きっと あの組織を倒せば、あの黒服は開放されるのだ 「…待ってろよ。必ず、こっちのものにしてやる」 ぼそり、青年は呟く 全ては、おのれの目的の為に そのためならば、伝説的な都市伝説であろうと、利用してやろう そんな野望を、胸に…… 「…あいつ、何をボソボソと言ってるんだ?」 「見るな。目を合わせるな。あいつの口走る言葉を聞くな。悪い影響しかない」 …小学生くらいの中性的な外見の子供と、中年の男性が、青年から距離をとる 青年は、気付いていない 己の言動及び行動が、ありとあらゆる方面に誤解を与えまくっている事を それが原因で、ちょっぴり組織内村八分にあっている事にも 青年は、カケラも気付いちゃいないのだった 終わってしまえい 前ページ次ページ連載 - 首塚
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喫茶ルーモア・隻腕のカシマ ある物語の結末 * ♪GracE (試験運用中) * 蒼天 眼下には、町並みが小さく見えていた 学校町と呼ばれている町だ そして 眼前には、二つの墓標がある 「輪……何を祈ったんだい?」 「もし……天国と地獄があったとして……彼らが出逢えなかったなら……」 「……うん」 「彼らが輪廻転生した時には、幸せな形で出逢える様にって……」 少年は、輪廻転生の都市伝説 だが、彼らの転生を操る事など出来ない だから、ただ……祈るだけだ 「……そうか」 マスターは微笑む、柔らかい笑み 彼は知っている、ある魔術師の物語を 命と共に流れ込んできた記憶と想い 悲しい結末 だが、輪たちには語られるべき物語 マスターと輪たちだけが知っていればいい物語 彼らは忘れない 都市伝説に翻弄され、その生涯を終えた者がいることを 人間は、不完全ゆえにいとも容易く狂う だが、不完全ゆえに変わることも出来る そして、それは都市伝説も同じだ ゆえに彼らは希望を捨てない より良い明日があると信じて生きていく * ~ 登場人物 ~ 輪 マスター サチ 隻腕のカシマ ジャック・ザ・リッパー 童貞魔術師 桃娘 カシマレイコ コーク・ロアのボクサー カメラの男 首なしライダー ディケイド 学校町のみなさん * ~ スペシャルサンクス ~ クロスして頂いた作品の書き手の方々 クロスさせて頂いた作品の書き手の方々 スレ立てしてくれた方々 スレを保守してくれた方々 投下中に支援してくれた方々 スレのまとめをしてくれた方々 * ~ 原案 ~ 「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 初回スレ 1 * カラン・コロン……カラン・コロン…… 来客を告げるベル 店内には、 軍装の若者と彼に寄り添うように座る金髪の美女 テキパキとオーダーを取るメガネの華奢な女性 カウンター内には穏やかな雰囲気の中年男性 そして カウンター席にはちょっとツンとした少年がいる ここは "喫茶ルーモア" 噂話が交錯し、都市伝説が語られる店 誰もが戦いから日常へと帰る場所 『喫茶ルーモア』 ─ Fin. ─ * 前ページ次ページ連載 - 喫茶ルーモア・隻腕のカシマ
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あ
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ビルドオプション 詳しいビルドオプションについてはこちらを参照。 Visual Studio 2008 Professional以上をお持ちの方 ここからVS2008対応のフレームワークとVisual Studio Add-inをダウンロードしてインストールしてください。 あとはOretoku.slnを開いてビルド。 Visual Studio 2008 Professional以上をお持ちで無いにもかかわらずVisual Studioを使用したい方 ググって下さい。 Professional以上ならVisual Studio Add-inが使えるのでQtをビルドするだけで済みますが、 Expressの方はAdd-inを使えないので大人しく下記のGCCを使う方法をおススメします。 GCC、Qtインストール済み qmake Oretoku.pro make release GCCのみインストール済み ここからフレームワーク(Windowsの場合はMinGW版)をダウンロードしてインストール。 或いは各種パッケージ管理システムからインストールする。 Qtをインストールしたディレイクトリ/bin/qmake Oretoku.pro make release GCC、Qt未インストール ここからQt SDKをダウンロードしてインストール。 Qt CreatorでOretoku.proファイルを開きビルド。
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RKB/150 C 萩山 葵/5年生チーム 女性 パートナー なし レベル 3 攻撃力 3000 防御力 3500 リミテッドアイコン 【ファイヤー】 【保証はできないけど、互角に戦う方法ならある】《スポーツ》 【スパーク】【自】あなたは相手のフィールドのカードを、自分のリタイヤ置場の〈スポーツ〉と同じ枚数選び、相手の控え室に置く。 【そのための道を、私が示してあげる!】《幼馴染》 【自】〔ベンチ〕あなたのリングの〈5年生チーム〉がアタックした、またはアタックされた時、このカードをあなたの控え室に置いてよい。1枚以上置いたら、あなたは自分のリングのカードを選び、そのターン中、そのカードを+500/+1000。 作品 『ロウきゅーぶ!SS』 備考 2013年10月14日 今日のカードで公開 対応パートナーが多く優秀なカード。 通常Fに見せかけて上昇値は低いものの攻守パンプ効果もある。 ロウきゅーぶ!といえば智花や真帆のイメージがあるが、五年生チームも十分に優秀である。 上位プレイヤーを目指すならば、ぜひ手に入れたいところである。 このカードをパートナーにしているカード 取得中です。 関連項目 取得中です。
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「真冬、もう少しだけ辛抱していてくれ」 真冬からの返事はない。まだ脈はある。だからまだ助けられるはずだ。 犯人はもうわかった。 生徒会に恨みを持っている人物はあの人しか居ない。最悪会長さんも紅葉先輩、そして鍵もやられているのかもしれない。 「だった一人でもやってやる」 今からあの人がいる場所へ全速力で行って、倒して、解毒剤を奪って真冬に飲ませる。 これだけの行動に出たんだ。きっと罠を仕掛けているに違いない。 それでも間に合わせて見せる。 「900秒だ。900秒で全部終わらせてやる」 勢い良く扉を開いて踏み出した。 疲労感が体を重くする。 今思えば今まで何もしてこなかったあの学校が今日になって突然襲ってきたのはこのためなのかもしれない。 でも、そんなことは関係ない。 「教えてやるよ。椎名深夏を怒らせるってことがどれだけ恐ろしいってことかを」 廊下は走ってはいけない。そんなことぐらい分かっている。 でも今はそんな常識をあたしは消し去る。 頭の中の枷が外れた。もうあたしには一般常識なんて通用しない。 物理法則もなにもかもが今のアタシには通用しない。 世界はめまぐるしく過ぎ去っていく。 常識と日常に閉ざされた世界は、それら全てをぶっ飛ばした今のあたしには見えないものだ。 だから、常識ではないそれが目に入った。 そこは日常じゃなくて非日常だった。常識はなくて非常識な空間だった。 それは巡に似ていた。巡なのは間違いない、でも巡じゃない。 巡にとてもよく似た人は床一面に広げた紅いカーペットのようなものに横たわっていた。 でもそれも間違いだって近づいてから気づいた。 これはカーペットじゃない。ただ紅で床が染まっているだけだ。 「巡!! おい、しっかりしろ巡!!」 「深夏……ゴホッ」 「喋るな!! 傷は……あ、浅いから」 「自分の体よ、自分がいちばん分かっているから」 巡は巡だった。でも傷が深い。血が止まらない。 抱えると制服は紅く染まっていた。 「深夏、逃げて。今すぐ碧陽から逃げて」 巡はそんな事を言った。でも、そんな事出来るはずが無い。真冬の命が掛かっているんだ。 「そんなの出来ない。それにこんなことをした奴をあたしは」 「床の染みは守よ」 「!!」 「守は声も姿も必要ないからこんな目に遭ったの。だから深夏だけでも逃げて」 巡の顔色はどんどん悪くなっていく。声を出せていられるのもあと僅かだろう。 もう真冬を助けるためだけじゃない。宇宙兄弟の敵討ちだ。 「そんな事聞いて、逃げられる訳ないだろ。あたしの怒りは誰にも止められない」 「いいよ。私はあいつのこと憎んでいないから……」 「巡? おい、しっかりしろ。巡、死ぬな巡!!」 巡はあたしの腕の中で静かに息を引き取った。 泣いている場合じゃないのに、涙が流れてきた。急がなきゃいけないのに、急げない。 「巡、守、仇は必ずとるから」 涙を拭いて先に進んだ。あの人がいる場所まであと少しだ。 曲がり角を曲がれば目標はあと少しというところで、そこから先は非日常だと気づいた。 日常と非日常を分ける目印の様に彼はそこに倒れていた。 病的な白い髪は紅かった。男なのに細い腕は折れていた。 善樹だ。中目黒善樹だ。 「どうして」 彼はそう言い残して息を引き取った。 その言葉には恨みはない。疑問だけがあった。 曲がり角に人の背が見えた。 あの男が善樹や巡達を殺ったんだ。そんな確信があった。 それなのにあたしの足はここに来て男と遭遇することを怯えている。 この曲がり角を曲がればあたしに日常は永遠に崩壊する。 でも、進まなければなにも始まらない。 「今更何を怯えているんだ。あたしは椎名深夏!! こんなところで逃げたりはしない」 運命の曲がり角を曲がった。 そこにいた男の手は血で染まっていた。 予想はあった。 巡は恨んでいないと言った。 善樹はどうしてと恨みよりも疑問を優先させた。 それでも否定していたから思いつかなかった。こいつがここにいると誰よりもあたしが思いたくなかった。 「どうして……どうしてだよ。どうしてお前がっ!!」 「許してくれとも愛してくれとも言わないぜ、深夏」 「なんでお前が、お前があの三人を殺すんだよっ、鍵!!」 そこにいたのは他でもない鍵だった。 涙を流しそうなわけでもないのに、とても悲しい瞳をした鍵だった。 「答えろよ鍵!! どうしてなんだよ」 「深夏なら分かるだろう。こういう時どういう行動を取るべきか」 「あたしと戦うつもりか?」 「そうだ。安心しろ、深夏を傷つけることはしない」 「鍵、そこを今すぐどいてくれ。真冬の命が危ないんだ。あたしは藤堂先輩に会わなきゃいけない」 「分かっている。でも、だからこそ深夏を通すわけには行かない」 鍵が何を考えているのかなんて分からない。分かるのはここを通すつもりはないということだけだ。 それは真冬の命が掛かっていたとしても譲れないらしい。 鍵は悪い奴じゃない。いい奴だ。その鍵がこんな行動に出るなんてなにか理由があるんだろう。 でも、それはあたしには関係ない。 「鍵悪いがあたしは鍵を倒してでもここを進まさせてもらう」 「そうか。仕方ないな。深夏の相手は本当はしたくなかったけど」 「鍵、行くぜ。ここで決着をつける」 「ああ、来いよ深夏。相手をしてやるよ」 それは激闘だった。 四天王とか言っていた妙な連中との戦いよりも遥かに激しい激戦だった。 床には穴が開き、天井は崩れ、壁は砕け散る。割られた窓の硝子の破片が夕焼けで当たりを照らしている。 決着はついた。 「大丈夫か、深夏」 「鍵……杉崎、鍵」 あたしは床に伏して鍵を睨みつけていた。 鍵はあたしに攻撃してこなかった。徹底的にあたしの足止めに徹していた。 組合うことができれば倒せた。でも、鍵はあたしと正面からは戦わず体力を削る索に出た。 「卑怯だぞ鍵!!」 「目的が違うだろ。俺は深夏を傷つけずに終わらすこと。深夏は俺を倒すこと。その違いが深夏の不利に働いただけだぜ」 「くそっ」 鍵はあたしの戦う力を削ぐことを目的としていたみたいだ。 傷つけたくないという鍵の言葉は本当だった。でも今はその言葉がとても悔しい。 悔しいか深夏。でも、深夏の体調が万全だったら立場が逆転していただろうな。まあ、だからこその四天王なんだが」 「どういう意味だよ鍵!! まさか、あいつらは鍵が」 「……ああ、そうだよ。深夏封じのために俺が送った。そうじゃなきゃ深夏は倒せないからな」 「お前は、真冬のことがそこまで嫌いだったのか!? そんな殺したいほどに組んでいたのか!?」 「いや、真冬ちゃんは大事だ。でも、会長も大事だ」 「どういう事だ? まさか会長さんもやられたのか」 なんとか立ち上がって、鍵に尋ねた。やっぱり鍵も理由があってこんなことをしているんだ。 「話しすぎだな。まだ、立ち上がる体力が残っていたのか深夏」 「く、鍵。一緒に戦おう、そして真冬と会長さんを助けよう」 「その心配はいらないぜ深夏。会長も真冬ちゃんも深夏も俺が守るから」 「鍵、お前はどうなんだ? まさか、お前」 「……」 鍵のあんなに思いつめた表情はあの日以来だ。夏のあの日鍵に合った日以来だ。 二人を助けれなかったことで苦しんでいた頃の鍵の表情だ。 「ふざけるなッ。生徒会にはお前も必要なんだ。あたしが居て真冬がいて会長さんがいて知弦さんがいて、そしてお前が居る。それが碧陽学園生徒会だ」 「悪いな、その日常は今日限りだ。形ある物はいつか壊れるから」 「そんなことさせない!! 変わっていいものもある。だけど変わっちゃいけないものだってあるんだ」 「まだ戦えるのか。だけど無駄だ深夏。お前の動きは既に見切っている」 見切っている。鍵の言うようにあたしの攻撃は一度も鍵に当たらなかった。鍵は今までの付き合いでもうあたしの攻撃を見切っていたようだ。 全ての攻撃はさばかれてあたしは鍵に体力を消耗させられて倒された。 どれだけ素早く殴っても、どれだけ鋭く蹴っても、全て無効化される。 でも、それはさっきまでの話だ。 「さっきまでのあたしと同じと思うなよ。この怒りがあたしを強くする。もうお前にだって見切れない」 「やってみろよ。俺を倒すこともできないようだったら、真冬ちゃんを助けるなんてただの妄想だ」 「あたしのこの思いがその妄想を現実に変えてやる」 体中を感情が走る。これは怒りだけじゃない、あたしの中の仲間への強い想いと絆だ。それがあたしを次の段階へ進ませる。 あたしの体に収まりきらない力はリボンを引き裂いた。力を浴びた髪がなびく。 「なにっ、消えた!?」 「こっちだ鍵!!」 体はもうガス欠だ。でも、足りない分を補ってくれるのはあたしの仲間たちへの想いだ。だからあたしは戦える。 「これが未来へと繋がる友情の力だ。ライジングエア!!」 「ぐはっ。まさか、これほどとは」 「あたしが皆を守る。真冬も会長さんも紅葉先輩も、そして鍵!! お前があたしの事を守ろうとするようにあたしもお前を守る」 「うぅ、だけど深夏。俺は倒れるわけには行かないんだ。会長を守るためにも、真冬ちゃんを助けるためにも、お前のためにも俺はまだ倒れるわけにはいかないんだ!!」 鍵はまた立ち上がった。でも、今のあたしを倒せる力はもう残っていない。 「鍵、何度やっても同じだ。一人で全部背負い込もうとするお前が、ここに居ない仲間の力を借りて一緒に戦うあたしに敵う道理はない」 鍵はそこで両膝を突いた。その鍵にあたしは手を差し伸べた。 「何やってんだ。鍵、お前も一緒に行くぞ。真冬の解毒剤を探すんだ。そして会長を助けだすんだろ」 その手を鍵は掴んで立ち上がった。 「そうだな、俺は馬鹿だな。でもな深夏」 鍵が何かを言おうとした時だった。突然目を見開いた鍵は叫んだ。 「伏せろ!! 深夏」 でも鍵を倒したあたしの体の反応は鈍かった。そんなあたしを鍵は力づくで倒した。 ドンッ そんな音を背景にあたしの目に映ったのは衝撃を受けて、血が吹き出る鍵の姿だった。
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喧嘩上 党員リスト 更新日 家門Lv 家門名 ラダー 備考 09 8/8 15+3 こねこ鍋 0/0 脱党、引退等 09 8/3 28+3 黒魔道師 0/0 喧嘩上→Kingdom_Hertz 09 8/8 32+3 dreamskipper 0/0 喧嘩上→Kingdom_Hertz 黒魔道師、リボのアンドレショップ品を詐欺価格にて販売。 -- 名無しさん (2009-01-11 10 11 22) 初心者なんじゃね?w ルレッタで出る帽子だから高く出しちゃった!とかww -- 名無しさん (2009-01-11 10 20 22) いい人だろ -- 名無しさん (2009-01-13 12 33 26) 党首さんはとってもいい人ですよ。ELデモスレくれました。 -- ★アイス★ (2009-01-13 13 59 04) 課金アイテム毎日必死で売ってる厨古代チケット7.5Mはぼりすぎだろ 何考えてプレゼント換金してんだろwww強くなりたいの? -- 名無しさん (2009-03-23 22 17 56) ↑物くれたらいい人だって家畜だなwその内「ハムにされて売られるぞw」 -- 名無しさん (2009-03-24 09 45 01) ↑意味不明w ごめんよ党首。ふざけすぎましたヾ(;´▽`A``アセアセ -- ★アイス★ (2009-03-24 10 00 37) プレゼントで渡すって話だったのですが前払いしたのにまだアイテム届かないのですが 不安です -- 名無しさん (2009-03-24 18 53 09) 物乞いマイクしつこすぎだろ -- 名無しさん (2009-06-23 21 06 41) ここ・・・解散してね?w -- 名無しさん (2009-08-01 01 20 01) You,消えちゃいなよ!編集よろ~ -- 名無しさん (2009-08-08 02 23 23) こねこ鍋見かけたな・・・サブか?w -- 名無しさん (2009-12-07 01 11 14) 名前 コメント
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概要 基本テクニック絞る、変換する、繰り返す マインドマップ ストーリー法(リンク法) 場所法 間隔練習・交互練習・多様練習 アウトプット・語呂合わせ 「暗記」3:「問題集」7 参考にした本 みんなの攻略方法 コメント 選択肢 投票 いいね! (0) 概要 全般でも述べられているように暗記は、基本的な学習方略の一つである。 例えば市井・新井の中学生を対象とした国語の学習方略尺度の作成の研究では、「意味理解方略」(文章はその主題を考えながら読むなど)と並び「暗記・反復方略」(教科書は暗記するくらい繰り返し読むなど)を挙げており、社会科の学習方略研究の一つとして、村山が中高生の社会科の学習方略尺度を作成した際にも「拡散学習方略」「マクロ理解方略」「ミクロ理解方略」と並び「暗記方略」を挙げている。 なお、西洋では暗記や復習が表面的で効果が薄いと批判されるのは、これらを使う生徒がそれ以外の方略を使わない傾向にあるからである。一方で、日本では暗記や復習は単に教材を理解する過程の手段とされ、学習の一環として行われている。要するに、暗記等の「低レベル」とされる方略を使い基盤を作った上で、日本人の生徒はその他の方略も使っているとされる(*1)。 基本テクニック 絞る、変換する、繰り返す 「暗記のすごいコツ」の著者である碓井孝介は、暗記が得意な人は次の3つを行っているという(*2)。 絞る 覚える情報を徹底的に厳選する 変換する 情報の姿・形を覚えやすいように変える 繰り返す 情報に触れる回数をできるだけ増やす そして、「繰り返す」ことについて、覚えたい情報を聞いたり、読んだりしたら、すぐに脳内で繰り返す「即反復」を推奨している。とくに、即反復する際には、頭の中で説明することが効率的に覚えられるコツとして紹介している。その上で復習するタイミングとして、エビングハウスの忘却曲線と管理のしやすさから、1日後、1週間後、1か月後を原則とするのがよいとする。ただし、得意科目であれば、1日後、10日後、45日後とし、苦手科目は、1日後、3日後、1週間後と科目によって変化させるのも効率を上げるとしている。 マインドマップ 「トニー・ブザン天才養成講座」の著者であるトニー・ブザンは著書の中で、「記憶の原則」として次の6つを挙げている(*3)。 原則1 「最初」は覚えやすい 最初の方が覚えやすい傾向があり、これを「初頭効果」と呼ぶ。 原則2 「最後」も記憶しやすい 最後の方も想起しやすい傾向がある。これを「親近効果」と呼ぶ。 原則3 「ユニークなもの、目立つもの」は記憶しやすい 目立っていて頭の中でパッとイメージが浮かぶものほど、そして、イメージが多感覚的であるほど記憶に残りやすい。これを「フォン・レストルフ効果」と呼ぶ。 原則4 「繰り返されたこと」は記憶しやすい 繰り返しによって、同じ言葉同士の結びつきが強化される。 原則5 学習の中盤で学ぶことは記憶しにくい 学習法を工夫しないと、真ん中の記憶がすっぽり抜け落ちてしまいかねない。 原則6 関心の高いことは記憶しやすい 関心や興味のあることほど、記憶に残りやすい。 こうした原則から、「記憶を高める4つの方法」として次を挙げている。 1 計画的に休憩をとって「初頭効果」と「親近効果」を活かす 2 連想による関連付けをする 3 興味を持って学ぶことで、学習意欲を高める 4 重要なポイントは繰り返す さらに、記憶の基本原則として次の10つを挙げている。 イメージする力を高めるための基本原則 原則1 ”五感”を活用する 原則2 大げさに"誇張"する 原則3 ”リズムと動き”を活用する 原則4 カラフルに”色”を付ける 連想力を生かすための基本原則 原則5 ”数字”を活用する 原則6 ”記号”を活用する 原則7 ”順番”をつけ”パターン化”する 右脳と左脳の両方を活用するための基本原則 原則8 ”魅力的”なイメージにする 原則9 ”ユーモア”を活用する 原則10 ”ポジティブ”なイメージにする これらの原則を活用し「マインドマップ」を描くことで有効に記憶することができるという。「マインドマップ」の書き方については、著書の中で次のように説明されている。 1 罫線のない大きめの紙を横長に使い、これから作成するノートのトピックやテーマを要約するカラフルなイメージ(セントラル・イメージ)を紙の中心に描く。 2 セントラル・イメージから直接(すきまなく)、自然な曲線を描く太い枝(メインブランチと呼ばれる)を伸ばす。 3 メインブランチのすぐ上に、太く大きい字でキーワード(本の各章の見出しに相当する包括的な言葉)もしくはキーイメージを記入する。 4 それぞれのメインブランチの先から、枝分かれさせてサブ・ブランチを伸ばし、その上にキーワードかキーイメージを記入する。ブランチの太さ、文字の大きさと太さに変化を付け視覚的リズム感を出し、中心は太く大きく、外側は細く小さくする。また、すべてをすきまなくつなげる。 5 ほぼ完成してから、関連個所を矢印でつないだり絵を加えたりして、記憶しやすくなるよう工夫する。 ストーリー法(リンク法) 世界記憶力グランドマスターである青木健は、著書「記憶力日本チャンピオンの超効率 すごい記憶術」の中でストーリー法を紹介している。 ストーリー法とは覚えるものを使って話(ストーリー)を作って記憶する方法で、手順は以下のとおり。 1 覚える単語をイメージ化する 2 イメージ化した単語で話を作る 例えば、覚えるものが「黒電話」「時計」「燃えているエレキギター」「穴の中の猫」「てんとう虫」であったとすると、それをそのまま覚えるのではなく次のような話を作って覚えるものであるという。 「黒電話」が鳴ると「時計」がものすごい速さで動き出した。空からは「エレキギター」が降ってきて、「穴の中にいる猫」にあたると、猫は口から「てんとう虫」を吐き出した。 ストーリー法を使用するときは、このようにあり得ないような話の方が感情に結びつき、印象に残りやすくなるため、現実の世界で起こりそう似ないようなストーリーの方がよいのだという(*4)。 場所法 青木健は、メモリースポーツの世界チャンピオンを含め、メモリーアスリートのほぼ全員が使っている絶大な効果のある記憶術として「場所法」を紹介している。場所法のやり方は次の通り。 【ステップ1】仕込み 身近な場所を選ぶ。そしてその場所のどこ(プレイス)に、どの順番(ルート)に記憶すべきものを配置するかを事前に決めておく。これを「場所づくり」という。身近な場所としては「自宅」が挙げられる。自宅を例に考えるとドア、玄関、洗面台、トイレ・・・などをプレイスとして設定し、ドアから入って近い順にルートを設定することが考えられる。遊園地や大学のキャンパスなどを活用し広い場所で長いルートを作ることもできる。 【ステップ2】覚えたいものをプレイスに置く 覚えたい単語などを「仕込み」で設定したプレイスに頭の中で、順に置いていく。置く際には、文字情報ではなく、イメージとして置いていく。プレイスに物をおくときは、俯瞰的に置くよりも、自分の目の前にプレイスがあり、そこに覚えるものがあるイメージをすると記憶に残りやすい。 【ステップ3】ルート通りに思い出す 思い出す時には、頭の中でプレイスをルート通りにたどり、何を置いたかを思い出していく。 「記憶術全史」の著者である桑木野幸司は、ステップ1で使う場所として、できることなら、普段から見知っているなじみの建築がよく、例えば、自宅や会社、学校、よく使う駅、図書館、スーパーが理想的であるとしている。そして、その見取り図を頭の中にコピーするだけでは不十分で、想像力を駆使して自由にこの空間の内部を動きまわれるよう普段から訓練すべきであると述べている。 また、ステップ2でイメージを作る際に、類似、置換、連想、接触、反対、寓意、語呂合わせ、地口といった概念装置を駆使し、もっとも効果的な方法で文字をイメージに「翻訳」することを提案している(*5)。 間隔練習・交互練習・多様練習 「使える脳の鍛え方」の著者であるピーター・ブラウン他は、ひとつのことを完璧になるまで一気に何度も練習するという「集中練習」に対し、間隔練習、交互練習、多様練習の方がより効果的であると述べている。(*6) 間隔練習 間隔をあけて学習を行い、少し忘れてから思い出そうと努力することで、記憶がさらに強化される。 交互練習 二つ以上の科目を交互に学ぶもの。交互学習は、集中練習のように成果を実感できず、使われることが少ないが、集中練習より交互練習の方が習熟と長期間の記憶の維持に役立つことがわかっている。 多様練習 様々な条件での学習。例えば、計算問題の数字を変えて解きなおすなど。 アウトプット・語呂合わせ 「東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっているシンプルな勉強法」の著者である河野玄斗は、著書の中で、一度覚えたものはなるべく早いうちに反復した方が復習時間を短縮することができ、一般的に最も効率がいいのは、「はじめて記憶した30分後、1日語、1週間後、1か月後にそれぞれ復習・再記憶する」こと(諸説あり)だと述べている。その上で、「アウトプット」と「語呂合わせ」を紹介している。 アウトプット勉強法 アウトプットは、より一層、しかも格段に長期記憶へ移行しやすい方法。単語を覚えるときは1単語に1分かけて1回チェックするより、10秒かけて6回チェックしていった方が、断然記憶に定着する。なるべくアウトプットの回数をふやせるような工夫をすべき。 語呂合わせ 語呂合わせには「平成以降の総理大臣全員」などの複数の単語を覚えるものと「マルクス・アウレリウス・アントニウス」のような複雑で長い単語を覚える2種類がある。前者は、ストーリー仕立てにして暗記単語をつなげていく。後者は、一言一句間違えてはいけないので、正確に思い出せるよう複数の語呂合わせを用意する。 「暗記」3:「問題集」7 「アウトプット大全」の著者である樺沢紫苑は、著書の中で記憶においては、インプットよりアウトプットが重要で、教科書や参考書を読むのはインプット、問題集を解く、過去問を解く模試を受けるのがアウトプットで、教科書をただ反復して暗記するだけでは、記憶に残らないという。そのため、できるだけたくさんの「問題を解く」ことが記憶に残すために重要であると指摘している。 また、勉強する上でのインプットとアウトプットの黄金比は3:7であるとして、短時間で教科書を暗記し、その倍の時間を問題を解くことに振り向けることが最も効果的な記憶法、勉強法だとしている(*7)。 参考にした本 自己調整学習 理論と実践の新たな展開へ/自己調整学習研究会【3000円以上送料無料】 価格 3,960円 (2023/2/12 10 44時点) 感想(0件) 自己調整学習に関しても網羅的に記載された入門書。 この分野について最初に読むならこれ! 使える脳の鍛え方 成功する学習の科学 [ ピーター・ブラウン ] 価格 2,640円 (2023/2/12 11 30時点) 感想(3件) 脳科学から勉強法を解説した一冊。 これまでの勉強法は間違いだらけ?! 図解でわかる 暗記のすごいコツ 誰でも確実に結果が出せる35のテクニック [ 碓井孝介 ] 価格 1,540円 (2023/2/12 11 02時点) 感想(2件) 偏差値35から公認会計士に合格した碓井氏による暗記 勉強法の解説書!多くのテクニックが紹介されています♪ マインドマップ記憶術 (トニー・ブザン天才養成講座) (トニー・ブザンのマインドマップ) [ トニー・ブザン ] 価格 1,320円 (2023/2/12 10 57時点) 感想(1件) マインドマップを考案したトニー・ブザン氏本人による 解説書!マインドマップだけでなく、記憶術の基本も解説♪ 記憶力日本チャンピオンの超効率すごい記憶術 [ 青木 健 ] 価格 1,320円 (2023/2/12 11 07時点) 感想(4件) 記憶術の基礎から勉強への応用までとても分かりやす く解説されている良書です♪ 記憶術全史 ムネモシュネの饗宴【電子書籍】[ 桑木野幸司 ] 価格 2,145円 (2023/2/12 11 11時点) 感想(0件) 記憶術そのものだけでなく、その歴史まで網羅された 専門家による書籍。記憶術マニアになりたい人にオス スメの本です♪ 学びを結果に変えるアウトプット大全 [ 樺沢 紫苑 ] 価格 1,595円 (2023/2/13 10 45時点) 感想(57件) アウトプットがいかに重要か網羅的に解説。勉強に限ら ず様々な場面でのアウトプットの方法がわかります! みんなの攻略方法 実践テクニックを紹介する欄。 ※管理人も収集した情報を書き込みますが、読者も自由に追記してくださいね♪ (記載例)【10代 高校生 佐藤太郎(ニックネーム)】 私は、○○の時には○○することで○○しています。 コメント 名前
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ゲーム王国編 第二話 【詞後硬直】 「無理、絶対無理。何これ、何なのこれ」 「何度も言わすな、『子泣き爺』だ」 「都市伝説じゃなくて妖怪じゃん! 水木しげるワールドの住人じゃん! こういうのは鬼太郎の仕事じゃん!」 『人面犬』と契約した翌日。 何故かはわからないが、都市伝説と戦うことになった。 都市伝説を憶えるのには実戦あるのみだとか言われたがそんなことはあるだろうか、いや、ない。 自慢じゃないが殴り合いの喧嘩どころか口喧嘩すらしたことない温厚な人間が実戦なんて無理。 というか、どうやって戦えってんだ。 「ヤバいヤバい、殺されるってマジで、死ぬって本気で」 「そう簡単に死にやしねえよ。殺させやしねえから安心しろ」 「怖い怖い怖い怖いいいいいいいい!」 「俺の話を聞け!」 あれだよ、『子泣き爺』って言えば泣き始めると巨大化して砂をかぶせてきて引っ掻いてちゃんちゃんこで窒息死させる無慈悲で残酷な凄い体臭の化物だよ。 子供の頃鬼太郎で見たことあるから間違いない。 ここで人生終了か、死んでしまうのか、もうあの無邪気な頃には戻れないのか。 だが。 だが、その前に。死ぬ前に。っていうかあれだ。 「死に……たく……ないいいいいいい!」 「ちょ、バカ、逃げんな!」 全速力でその場から逃げ去った。 こう見えても百メートルを十八秒くらいで走れる自信はある。 「逃げんなって言ってんだろ!」 あっという間に追いつかれ、首根っこを咥えて戻された。 徒競走で一位を取ったことのない経験がこんなところでも活かされるなんて。 「あああぁぁぁ~」 「言うこと聞けこの糞ガキ!」 「お前らみたいな万国ビックリショーの仲間になりたくねええええええ!」 ◆ □ ◆ □ ◆ 「お前達の仲間にはならない――そう言ったはずだが?」 同日、同じ場所。 時間だけが違った。先の時間が昼間なら今は夜更け。 ふたりの男が相対していた。 ひとりの名は江良井卓。 もうひとりの名は高城楓といった。〈ゲーム王国〉建国を目論む六人のうちのひとりである。 「敵にならないとの言葉を聞いていない」 だから、現れた。 シンプルな物言い。 「敵にはならん。勝手にしろ」 「……信用できない」 「ならばどうする」 単純に数だけで見ると江良井はひとり、彼らは六人。 江良井の能力である〈地獄の帝王〉を含めても――ふたり。数の上では優勢である。 「錨野はお前を敵にするなと言っていた。逆らうつもりはない」 彼らのリーダー格である錨野蝶助は、江良井だけは敵に回すなと厳命してある。 江良井の中に何を見出したのか多くは語らないが、単純な戦闘力だけではないようであることは確かだ。 無論、彼ら五人は錨野に逆らうつもりはないし、対峙するだけで汗が出てくるような江良井を敵に回そうとも考えない。 今こうして平然としていられるのはただの虚栄にしか過ぎない。 「ならそれでいいだろう。それとも――今ここで死ぬか?」 「――ッ!!」 江良井は何もしていない。ただ言葉を発しただけだ。 それなのに、体にかかるこの凄まじい圧は何だ。 都市伝説でも〈異常〉でもないこの見えない圧力は何だ。 純粋な殺意。純然たる殺意。憎悪や悲哀や恐怖や愉悦といった不純物のない、清流のように澄み切った混じりっけなしの殺意。 ふつふつと湧き上がる汗と脱兎のごとく逃げ出したい衝動をこらえ、高城が何かを口にすべく声を絞り出そうとした時――第三者が現れた。 「そうしてくれると助かります」 「な――」 現れたのは黒いスーツを身にまとう男。 言うまでもなく〈組織〉の黒服だ。 「とある契約者がこの付近で戦闘したとの報告があったので来てみましたが、それ以上のものが見つかりましたね」 「〈組織〉……!」 「如何にも。お初にお目にかかります。A-№107のナンバーを与えられている〈組織〉所属の黒服です」 「何の用だ」 「江良井卓さん、貴方の監視と高城楓さん、貴方達〈ゲーム王国〉の情報収集を担当しています」 口元に笑みを浮かべ、淡々と答える。裏がある笑みなのを隠そうともしないのは自信か否か。 「もっとわかりやすく言いましょう。――私は貴方達の敵です」 「そうか」 答えるが早いが、A-№107に真っ直ぐに突き進む。 その拳が黒服に届こうとした瞬間、その姿は消えた。 「意外に気の早い方だ。敵とは言いましたが戦いに来たわけではありません。少なくとも今日のところは、ですが」 「瞬間移動……?」 「私に課せられた命令はあくまでも貴方達の監視及び情報収集に過ぎません」 高城の問いに答えず、やはり淡々と口にするA-№107。 自身の拳が空を切った答えを探しているのか、何も言わぬ江良井。 そして続けざまに攻撃を仕掛けるべく走り出すと――電子的な音が高城から聞こえた。 いつの間に持っていたのか、右手に携帯ゲーム機を手にしていた。 音が聞こえると同時に標的を変えた江良井の手刀が高城の首筋に迫る瞬間―― 「『アメリカ村』発動」 高城の声が聞こえたかどうか、ふたりの男はこの場から消失していた。 ◆ □ ◆ □ ◆ 「死にたくないいいいいいいいいいいいいいいいい!」 「んだよ、ぎゃあぎゃあうるせーな」 首根っこを咥えられて『子泣き爺』のいた場所に引き戻されると、面倒臭そうに男がひとり立っていた。 中年――と呼ぶにはまだ若干早そうな、頭部が若干心許ないのを見るに中年のような。 「っと、何だお前」 『人面犬』を見て驚く男。そりゃそうだ、誰だって驚く。 って、隠さないとマズいんじゃないか? 「あー……その犬の契約者か」 「って驚いてないし!」 「んー、ま、確かに野良じゃない『人面犬』ってのは滅多にないかもな」 「いやいやいや、そっちじゃなくて『人面犬』そのものに驚こうよ!」 「都市伝説なんて驚くことじゃないだろ」 当たり前のことのように笑う男。 ああそうか、この男もどっかおかしいんだ。 「残念そうな人を見る眼で俺を見るのはよせ」 「いや、だって……なあ?」 「お前も契約者だな?」 「そうだけど?」 即答かよ、何なんだよ、知らない間に都市伝説ってこんなに市民権を得ていたのか。 きっと選挙とかもやってんだ。衆議院参議院の他に都市伝説議院ってのがあるんだよ。 「ゴロが悪いってーの」 「お前……その都市伝説どこで手に入れた? いや、質問を変えよう。――何と契約している?」 と、アホなことを考えていると『人面犬』が呟いた。 流石は犬なだけあって、都市伝説の臭いに敏感なようだ。 「そりゃ企業秘密だ」 「神、妖怪、噂、デマ、ネットロア……数多くの人外を見てきたこの俺でも初めてのタイプだ」 「何? そんなヤバいのこの人?」 「別に俺はヤバくねえよ」 「よく飲まれないな」 「そりゃそうだ」 何故か自信満々に男は答えた。 「飲まれにくくなる方法を俺らのリーダーから教えてもらったのさ」 「人の手柄じゃん! それ自慢するところ!?」 「そこはツッコミどころじゃねえ。――そんなことよりもお前、ここにいた『子泣き爺』はどうした?」 「消した」 あっけらかんと言い放つ男。 って消した!? あの化物を? 「お前の能力で、か?」 「イエス」 「その力は本当に都市伝説のものか?」 「イエス」 「どんな能力だ?」 「企業秘密」 「仲間がいるのか?」 「イエス」 「目的は?」 「企業秘密」 どうしよう……この置いてけぼりのやり取りにどう加わればいいんだろう。 『人面犬』の質問にイエスと企業秘密しか口にしないのを見るに絶対に怪しいのは間違いないんだけど、何がどう怪しいって聞かれると……。 犬は犬で何だか男相手に警戒してるようにも見えるし。 「っていうかさ」 「あん?」 「何だ?」 「あんた、何て名前なの?」 きょとんとした顔のふたり。いや、もう片方は犬だから一頭と数えるべきか。あれ、犬って一匹だっけ。 それは兎も角。この問いに、男はめっちゃ笑い出した。 「面白いヤツだな、お前さん」 笑いながら言われてもバカにされてるとしか。 「至村」 「?」 「俺の名前は至村賢ってんだ。〈ゲーム王国〉建国の為にこの町に来たのさ」 「目的……企業秘密なんじゃないの?」 ニヤリと屈託の無い笑顔で、男――至村賢は言った。 「だいじょぶだ」 続 前ページ次ページ連載 - 葬儀屋と地獄の帝王
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「そうか...かりんも知り合いが巻き込まれてるんだな」 「そうなの。アリナ先輩も連れてこられてるみたいなの。炭治郎もなの?」 「うん。神子柴に爆弾を投げて斬りかかった人がいただろう?あの人も俺の知り合いなんだ」 「あのきらきら筋肉男?」 (きらきら筋肉...宇髄さんのことか) 月光に照らされる路上に、少年少女の影が浮かんでいる。 竈門炭治郎と御園かりん。 この殺し合いで、互いに初めて会った者同士、行動を共にしていた。 かりんはこの殺し合いに恐怖を覚えていた。がたがたと、無意味に建物の隅で震え続けていたほどに。 彼女は魔法少女としてそれなりの修羅場は経験してきたが、それはあくまでも魔女という人外相手にだけ。 対人関係に関しての命のやり取りは皆無に等しい。 それも、魔法少女としてあまり強い部類ではない彼女だ。恐怖するのも無理はないといえよう。 そんな中、炭治郎と出会えたのは幸運だった。 彼がゲームに乗っておらず、彼女を気遣い優しく宥めてくれたお陰で、気持ちもどうにか落ち着かせることができた。 そしてようやく彼女は名簿に目を通し、知人もまた巻き込まれているのを知った。 七海やちよ。 かりんと同じく神浜市の魔法少女であり、7年の経験を有する超ベテランだ。 彼女とはグリーフシードの扱いにおいてひと悶着あり、険悪ではないものの苦手な人物だが、少なくとも言われたことは正しかったし、悪い人間ではないため合流しておくべきだ。 そして、アリナ・グレイ。 彼女もまた魔法少女であり、かりんの中学校の先輩でもある。 彼女は芸術思考の高い人間であり、良く言えば唯我独尊、悪く言えば自己中心的。傍から見れば、作品こそ素晴らしいものの、人格面に問題ありの狂人と烙印を押されることだろう。 けれどかりんは知っている。彼女が落書きと吐き捨てる絵を持ち込まれても、厳しい意見と共に納得も出来る評論を下してくれることを。 何度持ち込まれても、ただ見もせずに突っぱねることだけはあまりしなかったこと。 そして、なにより『怪盗少女マジカルきりん』を読み命の尊さを知ってくれていることを。 そう。誰に何を言われようとも、かりんにとってのアリナ・グレイは揺るがない。 例え世界がアリナを侮蔑の目で見ても、かりんはアリナを信じ続けるだろう。 絶対にアリナを死なせない―――かりんはこの殺し合いにおいてようやく前を向けるようになった。 一方の炭治郎もまた、かりんと出会えて幸運だと感じていた。 彼は全てに怒っていた。普段の彼らしくもなく、一目で怒っているとわかるほどに怒りの形相を浮かべていた。 こんな催しを開いた神子柴に。この会場に漂う血と怨念の匂いに。あの時、なにもできなかった自分に。 あのセレモニーで、どこかで見たことのある気がする鬼殺隊の青年が死んだ。 彼は無残にも首輪で爆死させられたが、しかし蘇生された後も勇敢に斬りかかってみせた。 その刃こそ届かなかったものの、死してなおこの殺し合いを止めたいという想いがあったのだろう。 宇髄と丸メガネの男もそうだ。 鬼殺隊の青年より遅れての到着ではあったが、彼らも己の命すら厭わず殺し合いを止めようとしていた。 それなのに自分はなんだ。 状況の把握で行動が遅れ、神子柴が隙を見せてようやく動くことができた。 判断が遅い。もしも自分も真っ先に檀上に上がれていたら、宇髄達よりも先に攻撃出来ていたら、彼らが神子柴を討ち、こんな催しも始まらずに済んだかもしれない。 ここに至るまでの全てが許せず、思考も冷静で無くなっていた。 そんな折に鼻孔をついたのが、建物の隅から漂ってきたかりんの恐怖の匂いだった。 炭治郎は鼻が利く。匂いを嗅げれば、その人がどういう感情なのかがある程度わかる。 その恐怖の匂いを嗅いだ時、一般市民までも巻き込んだのかと炭治郎の怒りは更に高まったが、一方でなんとしても守らねばとも思った。 それから一拍置き、『でもこんなに怒った人がいたらもっと怖がらせるんじゃないか』と彼の中の理性が働き、まずは自分が落ち着くように呼吸を整え、頭を冷やしてから彼女に接触することができた。 その甲斐もあり、こうしてかりんと和やかに接する時間が作れたのだった。 (かりんのお陰で名簿を確認できる余裕ができてよかった。ここにいるのは宇髄さんだけじゃない。善逸に伊之助、玄弥に時透君もいる。それに...鬼も) この会場には鬼殺隊の面々が自分以外にも呼ばれている。 善逸はきっと寂しがっているだろうな、伊之助は無暗に強さを見せびらかしていないといいけれどと心配はするものの、誰も殺し合いには賛同していないのは確信していた。 一刻も早く合流し、共に剣を並べたいと思う。 そして、鬼舞辻無惨率いる『鬼』。 彼らの討伐は鬼殺隊の悲願であり存在理由だ。 例え己の五体が砕けようとも鬼を斬り悲しみの連鎖を断ち切る。それが、数多の隊士の共通の想いだ。 恐らく鬼たちはこの殺し合いでも人を殺すだろう。必ず倒さねばならない。 ある程度の方針が定まった二人は、荷物を纏め立ち上がり、歩き出す。 不安にならないように声を掛け合いつつ、しかし目立たぬように声を潜めつつ。 そんな折だった。 「―――っ!」 炭治郎の鼻をつく、強烈な異臭。 近づいてくる。 何者だ。 いや、覚えがある。 今まで嗅いできた、血と臓物の臭い。 これは (―――鬼) 「貴様らもこの宴の贄か」 現れたのは、炭治郎の知る鬼、鬼舞辻無惨はおろか、妓夫太郎でも猗窩座でもなく。 しかし、彼らと遜色ない気配を放つ巨漢だった。 炭治郎は咄嗟に刀を構え、かりんを己の背に隠す。 「小僧。貴様は中々の手練れのようだな。そこの小娘とは面構えが違う」 男は炭治郎を見下ろし、愉悦に顔を歪める。 「ひとつ手合わせを願おうか。我が名はゾッド。不死者(ノスフェラトゥ)の通り名で呼ばれている」 男と視線が交差した瞬間、炭治郎は理解した。この男に、言葉は通用しないと。 「俺は鬼殺隊の一人、竈門炭治郎。...かりん。離れるんだ。俺がこいつを食い止めているうちに」 炭治郎は匂いで感じ取っていた。 この男は強い。少なくとも自分の知る柱の面々に匹敵し得るほどに。 戦えば、間違いなく自分はただでは済まないだろう。なんとしてもかりんだけでも逃がさねばならない。 「見くびるな小僧」 だがしかし、返答は今までの大人しめなものではなく。 今までとはうってちがい、強い語気だった。 「我はハロウィンが生んだ魔法少女、マジカルかりん。弱者の為に戦うのは我の役目!下がるのは貴様なのだ小僧!」 「駄目だかりん!その男は―――」 ずい、と前へと進み出たかりんに炭治郎は呼び止めようとするも憚られる。 変わっていた。かりんの姿は、いつの間にか摩訶不思議な衣装に包まれていたのだ。 (えっ?) 困惑する炭治郎を他所にゾッドはかりんへと目を向ける。 「その衣装...貴様、魔女か」 「魔女ではない。魔法少女だ!怪盗だがな」 「前線に出てくるのなら女子供といえど容赦はせんぞ」 「貴様こそ我が魔鎌、ジャックデスサイズの錆にしてやろう。それが嫌ならお菓子を渡して立ち去るがいい」 「よくぞ吼えた。ならばこれ以上の言葉は無粋!いざ、尋常に!」 ゾッドが駆け出し、炭治郎とかりんは覚悟を決める。 (恐いの...でも、私だって魔法少女なの。炭治郎を見捨てることなんてできないの!) (かりんは強がっているだけだ!けど彼女を逃がしている暇はない!俺がどうにか彼女を助けつつ、ゾッドを倒す!) ゾッドの刀と炭治郎の刀が交差し、戦いは始まった。 ☆ 響き渡る金属音。 それは一度で終わらず、ゾッドが剣を振るう度に鳴り響き、早さを増していく剣劇はまるで小さな竜巻かの如く余波を広げていく。 「わわわっ」 その余波に押され、後退をよぎなくされるかりん。 一方の炭治郎は、ただひたすらにゾッドの剣風を捌きどうにか耐えていた。 やがて始まる鍔迫り合い。 技術のみならず、純粋な力も大きく左右するこの状況に、ゾッドはホゥ、と小さく感嘆の声を漏らし、炭治郎は汗を流しながら歯を食いしばる。 「やはり貴様は筋がいい。我が剣をよくぞここまで受けられたものだ」 (くあああああ!重い!手が震えて仕方ない!俺は守りに専念してやっとなのに相手はまだ余裕だ!それにこの男の刀は...!) 炭治郎の目に映る刀身は燃え滾るように赤く、『悪鬼滅殺』の四文字が刻まれていた。 間違いない。ゾッドの持つ刀は鬼殺隊の炎柱、煉獄杏寿郎の日輪刀だ。 とはいえ、炭治郎の刀とてただの刀ではない。 純粋な日本刀―――しかし、ただの日本刀ではあらず。 人の身でありながら、数体の悪魔族(デーモン)と戦い、その身と引き換えに討ち果たし、見事守るべき者を守った教職員、大柴ソウスケの刀である。 持ち主の五体砕けようとも原型を留め続けたその刀、間違いなく日輪刀に勝るとも劣らない業物であろう。 刀の差はない。あるのは使い手だ。 剣術とは腕力がすべてではない。しかし、片手でも余裕があるのと両手で受けるのがやっとでは、確実に前者が有利である。 それも、炭治郎のように達人の手解きを受けてはいなくとも、数多の戦場で培ってきた技術があるのなら猶更だ。 (考えろ!考えろ!俺がこの男に勝つには―――!) 「むぅん!」 ゾッドの筋肉に筋が走り、さらに力は籠められる。 (まずい、押される!このままじゃ―――) 「もらった!」 ゾッドの背後にまわったかりんが、跳躍し斬りかかる。 その速度こそ炭治郎とゾッドには及ばずとも、充分に人を超えている。 「ムゥン!」 ゾッドは剣から片手を放し、かりんへと裏拳を放つ。 跳躍しているため、後退することもできず、鎌でゾッドの拳を受けたかりんは、そのまま後方へと飛ばされ壁に衝突した。 「かりん!」 「大丈夫なの!」 すぐに返された返事に焦燥は消え、この隙に反撃の準備へと入る。 ス ウ ウ ゥ ゥ ゥ 炭治郎の呼吸が変わる。 呼吸。この動作が、鬼殺の剣士の『型』の根幹を為す。 (この状況から出せる型はこれしかない!) 刀の角度を逸らし、ゾッドの剣をわずかに滑らせ、身体を捩じることで僅かな空間を作る。 そこから放たれるは ―――水の呼吸、陸ノ型 ねじれ渦 渦巻のような太刀筋をゾッドは剣を逆手に持ち返ることで難なく受け止める。 (まだ終わるな!止められるのはわかっていたんだ!) ―――水の呼吸、弐ノ型 水車 刀を打ち付けた反動で浮かび上がり、宙返りからの回転斬り。それも防がれる。 ―――水の呼吸、漆ノ型 雫波紋突き! 着地し、間もなく繰り出される、炭治郎の持つ型の中で最速の突き。尚も防がれる。 (何度防がれても構わない。何度も同じ個所に衝撃を与え続ければいつかは折れるんだ) 己より格上の相手にも武器破壊は有効である。剣士である以上、剣が無ければ殺傷力はどうしても落ちるからだ。 (折る。このまま攻め続けて) 『俺は俺の責務を全うする!!』 炭治郎の脳裏に不意に過った煉獄の影。 もしも彼がこの場にいれば、自分に構うことなく折れと断じるだろう。 だが、刀は持ち主の信念が込められたものだ。炭治郎の目に焼き付いたあの大きな背中に、信念に刃を振るうこと自体に一瞬だけ微かな拒否感を抱いてしまう。 そう。瞬きにも満たぬ一瞬だ。けれど、その一瞬が勝負の明暗を分けてしまう。 「―――ヒノカミ神楽」 「ヌゥン!」 ゾッドが身を捩じり、刀身の角度を変え炭治郎の突きを逸らす。 先の炭治郎と似たような受け流しだが、しかしゾッドは余力を充分に残していたのに対し、炭治郎は全力の突き。 それが逸らされれば嫌が応にも態勢は大きく崩れてしまう。 がら空きになった炭治郎の胴体目掛けて、ゾッドは刀を振り下ろした。 ―――トリックアンドトリート 炭治郎の身体を切断するはずだった刀は、音もなく消え去った。 「ぬっ」 「ははははは!貰ったのだ!」 高笑いを上げるかりんの手には、ゾッドが握っていた筈の日輪刀があった。 魔法少女には個々の固有魔法がある。 魔法少女・御園かりんの固有魔法は窃盗。対象の意識さえ逸れていれば、大抵のものを盗めるのである。 (と...盗れたの...私、やれたの!) 「すごい...凄いぞかりん!」 「フハハハハハ!マジカルかりんに盗めないものなどないのだ!!」 魔法のことを知らない炭治郎は純粋に驚愕と称賛を抱き、それを受けたかりんはエヘンと胸を張る。 「さあ、ぼさぼさ筋肉お化けよ。もはや貴様に戦う術はない。大人しく我らに従うのだ」 高揚した気持ちのまま、かりんはゾッドに降伏を迫った。 「...なるほど。個々で劣ろうとも、貴様ら二人が合わされば、俺より剣士としては一枚上手というわけか」 淡々と、悔しさなど微塵も見せぬほど平静にゾッドは一人言ちる。 「然らば貴様らであれば我が渇きを埋めることが出来るのか...試させてもらう」 ―――ゾワリ 炭治郎とかりんの全身に怖気が走り産毛という産毛が瞬く間に逆立つ。 彼らは感じ取っていた。 ゾッドから放たれる気配が今までとはまるで別物になっていくことに。 かりんは魔女の、炭治郎は上弦の鬼と相対した際の感覚を覚える。 メキメキとゾッドの身体が変化していく。 ただでさえ巨体だった身体が二回り以上大きくなり、全身が黒く硬い毛に覆われていく。 人間の様相を象っていた顔からは1対の巨大な角と牙が生え、臀部からは巨大な尻尾が生えていく。 その姿は、まさに悪魔。見る者全てに抱かせる感情は、恐怖。 「さあ...ここからが真の戦いだ。俺を失望させてくれるな」 ☆ メキメキと身体が軋む音がする。 振るわれた剛腕は獲物を捉え、勢いよく吹き飛ばしていく。 「炭治郎!」 吹き飛ばされた炭治郎に駆け寄る間もなく、ゾッドの巨腕がかりんへと振るわれる。 「わわっ」 咄嗟に回避するも追撃は止まらない。 休む間もなく振るわれる腕は、徐々にかりんを死へと近づけていく。 (このままじゃ駄目なの。どうにか反撃を...!) 痺れを切らしたかのように、ゾッドの両腕がかりんを挟み込むように振り下ろされる。 好機。 かりんは跳躍し、ゾッドの頭上を飛び越した。 (これなら振り返る前に間に合うの) 「キャンディーデススコ」 放とうとした魔法は、しかし腹部を襲う衝撃に中断される。 尻尾だ。ゾッドの鞭のように長くしなる尻尾がかりんの腹部を叩いたのだ。 かりんの身体は地面を跳ね、態勢を整える隙すら与えられず、ゾッドの殴打がかりんを襲った。 吹き飛ばされるかりんはそのまま立ち上がろうとしていた炭治郎へと衝突し、互いの骨を軋ませる。 「どうした。これまでか?これで終わりなのか貴様らは」 足音を響かせながら歩み寄るゾッドに、炭治郎はふらふらと身体をよろめかせながらも立ち上がる。 チラ、とかりんへと目をやれば、魔女っ子染みた衣装は元の服装に戻り、頭部と口端から血を流しくるくると目を回していた。 これ以上彼女を戦わせれば命に関わってくるだろう。 退くわけにはいかない。炭治郎は、刀を強く握りしめゾッドを見据えた。 「そうだ。それでいい。俺を退屈させてくれるな」 ニイィと口角を歪め、ゾッドは嗤う。 その笑みに、炭治郎の腹部が煮えるように熱くなっていく。 「退屈...?お前はなにを言っているんだ」 この閉鎖空間で強制された殺し合いに怯え、己の命を守る為に神子柴の言葉に従うのならばまだわかる。 だが、この男は『退屈』などと宣った。炭治郎にはそれが理解できなかった。 「戦いこそが我が愉悦。強者の血こそが俺の渇きを埋めるのだ。容易く散る命であるならば、せめて微かにでも俺の渇きを埋めてみせよ」 放たれた言葉は私欲そのものだった。 一方的で、横暴極まりない我欲。 炭治郎の腹部に留まっていた感情は、一気に脳天にまで噴出した。 「命はお前の玩具じゃない。失われれば二度と戻らないんだ。ゾッド、俺は命を踏みつけにするお前を絶対に許さない!!」 響く怒声に、しかしゾッドは微塵も怯まない。 愉悦の笑みも止まらない。 「グハハハハハ!俺を許さない?ならば貴様は何ができる!?」 「お前に誰も奪わせない!罪なき命がお前の欲に踏みつけられる前に、俺がお前の首を斬る!!」 「ならばこれ以上の問答は不要。俺の屍を踏み越えてみせよ!」 ゾッドの口上が終わると同時に、弾けるように炭治郎が駆け出す。 ス ウ ウ ウ ゥ ゥ ゥ 炭治郎の呼吸が変わる。 放たれるは、水の呼吸ではなく、もう一つの呼吸。 持久力と引き換えに破壊力を手に入れた、父から授かった呼吸法から放たれるは、攻撃の威力を一点に集中させる突き技。 ―――ヒノカミ神楽 陽華突 高速で迫る炭治郎の突きに、ゾッドは両腕を盾のように構えることで迎え撃つ。 剣が、ゾッドの右腕に突き刺さった。 (このまま型を切り替えろ!腕を斬るんだ!) 「ヒノカミ神楽―――」 炎舞。放たれる筈だったそれは、しかし剣が動かず。 ゾッドの筋肉は、貫かれてなお衰えず、炭治郎の剣を挟み込んでしまったのだ。 「この俺に守りの型を取らせるとは...貴様の命、渇きを埋めるに値する!」 ゾッドは空いた左腕で、炭治郎の腹部を狙う。 躱しきれない。炭治郎は己の死を覚悟する。 ドスリ、と鈍い音が響き炭治郎の腹部が赤く染まる。 が、しかし 「......!?」 ゾッドの手に、肉を割く感触は感じられなかった。当たったはずなのに、なぜ。 ドサリ、となにかが落ちた音がその答えを彼に伝えた。 落ちたのは、ゾッドの毛深く太い左腕だった。 ゾッドの腕の切断面から遅れて血が流れ、それを押し付けられた炭治郎は蹲り大きく息を吐く。 (いつの間に斬られた...?この小僧ではなく、あの小娘でもない。ならばこれは...) ゾッドの視界の端で、バサリ、と白の外套がたなびいた。 (乱入者か。俺の意識外からとはいえ、斬られた感触すら与えんとはな) ふらふらと立ち上がり、事態を遠目に見ていたかりんはぽつりと呟いた。 「ヒーロー...なの」 ☆ 堂島正はヒーローに憧れていた。 子供の頃にテレビで見た、世のため人の為に戦うかっこいいヒーローに。 それに一番近いのは医者だと思っていた。 どんな人間の命も救う。そんな正義の象徴のような人間がいるだけで、きっと世の中は良くなると信じていた。 けれど、事はそんな単純ではなかった。 医者とは命を扱う仕事である。当然ながら、手術のひとつとっても全てが成功するとは限らない。 難病の治療に成功したところで、同じ治療法で全ての人が救えるわけではない。 99%成功する手術でも、予期せぬ出来事で残りの1%を引き当ててしまうこともある。 あと数秒早く手術を始められれば助かったというケースもある。 結局のところ、人が一生のうちに救える人間の数など数えられる程度だ。 だから、救える時があれば救えない時もあると割り切るしかなかった。 とある少年が抱えていた、手術の成功率が5割の病気を治した時だって、特別嬉しく思えなかった。 その少年、佐神善との出会いが、堂島の価値観を少しだけ変えた。 最初は彼に対してもなにも感じていなかった。 退院してからも、病弱の幼馴染、糸葱(あさつき)シスカに会いに病院に通っていたのを見かけた時だって、時期に来なくなると思っていた。 けれど、彼は何度も足を運んでいた。毎週必ず、雨の日でも雪の日でも。小学生から中学生に、高校生になってもずっとお見舞いに足を運び続けた。 そんな彼に次第に興味を持った。 どうしてそこまで気を配ってやれるのか、食事でもしながら話を聞いてみたかった。 聞けば、大層な理由もなかった。『シスカに元気になってほしい』。ただそんな優しさだけで彼女のもとへ足を運んでいたと分かった時、堂島は嬉しくなった。 優しさに溢れた命を救うことが出来たんだという、医者の喜びに改めて向き合えた。 シスカに対してもそうだ。 彼女の病気は何度手術をしても治らなかった。堂島自身、先も長くないとどこか諦めていた。今でも完治する確率は低いと見立てている。 けれど、確信していた。 善の優しさがシスカの支えとなっており、ある晴れの日に彼らが手を繋いで退院してくれることを。 割り切っていたはずの感情が、再び蘇ってきた。 彼のような優しい命を救いたい。その優しさで傍の人を救ってほしい。そんな者がいれば、きっと世の中は綺麗になるんだと。 それが医者である自分の本来の願いだったのだと。 その一方でこうも思う。 彼らと真逆の、その一人がいることで何人もの命を害する者がいる。 そんな者達がいなくなれば、どれだけの命が救われるだろうと。 医者である以上、そういった者たちが運び込まれてくれば手術もするが、これから悪党に奪われる命を見捨てていいものか。 否。 悪という病巣は野放しにできない。 一人で全てを狩りつくすのは無理だとしても、恐怖を植え付けることで抑制することはできる。 だから、堂島は偶然手に入れた吸血鬼(ヴァンパイア)の力を使い、悪人を切り殺してきた。 悪に奪われるであろう命を穢させないために。悪事を働けば殺されるという恐怖を病巣共に植え付けるために。 『医者』という正義と『悪党狩り』という恐怖。その二つを象徴する存在であり続けることこそが、彼の望む『ヒーロー』の在り方だった。 そしてそれは殺し合いに巻き込まれても変わらない。 老婆の語った報酬、死者の蘇生には微かに心が傾いた。愛する家族を取り戻せるんじゃないかと。 けれど、そんなものはまやかしだ。所詮は老婆の掌の人形でしかない。 だから堂島の方針は変わらなかった。『悪を斬る』。当然、その悪にはあの老婆も入っている。 名簿には知った名が幾つかあった。 ドミノ・サザーランド。狩野京児。加納クレタ。芭藤哲也。そして―――佐神善。 クレタと芭藤は確かに死んだはずだが、この殺し合いの為にわざわざ蘇らせたのだろうか。なんにせよ、彼らは間違いなく人々に危害を加える。斬り捨てておくべきだ。 ドミノと狩野京児は燃然党の中では残忍残酷と評判が悪いが、民間人には被害を及ぼしたという話は聞かない。あの老婆を討つ為に手を組むことも考えよう。 再三警告しても善を戦いに巻き込む以上、一時休戦、以上の関係は作ろうとは思わないが。 そして善。彼は死なせない。必ず生かして返してみせる。 方針を定めた堂島の耳に、ほどなくして戦闘音が届く。 彼はすぐに吸血鬼の姿に変身し、急いで現場へと足を進めた。 もしも善がそこにいれば必ず戦っているだろう。死なせる訳にはいかない。 やがてたどり着いた先に見たのは、巨大な怪物に刀を構え対峙する少年。その背には傷ついた少女が倒れている。 「命はお前の玩具じゃない。失われれば二度と戻らないんだ。ゾッド、俺は命を踏みつけにするお前を絶対に許さない!!」 声が聞こえた。怪物に臆することなく響く、少年の声が。 「お前に誰も奪わせない!罪なき命がお前の欲に踏みつけられる前に、俺がお前の首を斬る!!」 遠目に見ていてもわかる。少年と怪物には如何ともし難い実力差がある。 あのまま戦い続ければ、確実に少年は死ぬ。 けれど、彼は立ち向かうのだろう。 剣を振るうことで救える命があるのなら、彼はその身を傷つけても戦うのだろう。 彼のように―――佐神善のように。 「...ハッハッハッ」 思わず笑いがこぼれる。 果たして生涯のうちに、あそこまで他人の為に身体を張れる人間に何人が出会えるだろう。 自分は幸運だ。善のような少年に二人も出会えたのだから。 「だったら、死なせる訳にはいかないな」 堂島は駆け出した。己の正義を貫く為に。『善』を摘む悪を罰する為に。 そして彼は―――怪物の左腕を斬り落とした。 ☆ 「素晴らしい剣技だ。俺の腕をこうも容易く断つとはな」 ゾッドは斬り落とされた左腕を拾い、切断面同士を合わせた。 すると、たちまち皮膚と筋繊維が修復され、左腕はあるべき場所へと戻った。 (ドミノと同レベルの再生能力か...吸血鬼ではないようだが) 堂島自身、吸血鬼という異端だが、ゾッドから発せられる禍々しい気配は今までに感じた類のモノではなかった。 ならば一体これは... (なんにせよ、思ったよりも手強そうだ) 「ありがとうございました。俺は竈門炭治郎と言います」 突然の異形の来訪者に面食らった炭治郎だが、ひとまずは助けてくれた礼を言おうと頭を下げた。 「あの、あなたはいったい...?」 困惑する炭治郎の問いに、堂島は仮面の奥で笑顔と共に返した。 「ヒーローさ」 【F-6/1日目・深夜】 【ゾッド@ベルセルク】 [状態]健康 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2、右腕に刺さった大柴ソウスケの日本刀@デビルマンG(炭治郎の支給品) [行動方針] 基本方針:本能の赴くままに戦う 1:乱入者(堂島)と戦う ※参戦時期は15巻くらいからです 【堂島正@血と灰の女王】 [状態]健康 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品1~3 [行動方針] 基本方針:悪を滅ぼし正義を生かす。 1:炭治郎たちを救う。 2:善を生還させる。ドミノと狩野とは積極的に争うつもりはない。 ※参戦時期はドミノと内通の契約を結んだ辺りです。 【御園かりん@魔法少女まどか☆マギカシリーズ】 [状態]頭部出血(中)、全身にダメージ、気絶寸前、疲労(大)、煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃(ゾッドの支給品) [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品1~3 [行動方針] 基本方針:ゲームから脱出する。 0:アリナ先輩を探すの。七海やちよも恐いけど探すの... 1:炭治郎と行動するの。 2:ぼさぼさ筋肉おばけ(ゾッド)、恐いの... 3:ヒーローが現れたの...! ※参戦時期はアリナがマギウスに所属しているのを知る前からです 【竈門炭治郎@鬼滅の刃】 [状態]出血(中)、全身にダメージ、打撲(中)、疲労困憊 [装備]なし [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2 [行動方針] 基本方針:殺し合いを止める。 0:ゾッドに怒り。被害が出る前に倒す。 1:善逸、伊之助、玄弥、時透、天元との合流。 2:かりんと行動し知人を探す。 3:鬼舞辻無惨を斬る。鬼を斬る。 ※参戦時期は柱稽古の辺りからです ※鼻が利く範囲が狭まっています。 Next [[]] Previous コイントス 前話 名前 次話 START ゾッド [[]] OP 堂島正 [[]] START 御園かりん [[]] OP 竈門炭治郎 [[]]