約 115,871 件
https://w.atwiki.jp/mh_rifujin/pages/662.html
Q: 484 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/02/03(日) 16 46 53 ID 9gOdrtSa ヘルシーが売りのカニから油が大量に剥ぎ取れる事に理不尽を感じます A: 485 :ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/02/03(日) 17 06 42 ID UNpR9MiA 484 油は全部エコナです。よって吸収されにくい油なので結果的にヘルシーです 油 蟹
https://w.atwiki.jp/tomi3/pages/11.html
空気清浄機のグローバルメーカー「COWAY」から「きれいな空気から衛生的な加湿まで」を1台で実現する加湿空気清浄機が日本初登場『AIRMEGA 250H』2021年12月15日(水) 新発売 - PR TIMES Razer,ワイヤレスヘッドセット「Barracuda X」のカラバリモデルやスマホゲーム用の指サックなどを発売。 - 4Gamer.net ブルーエア、サイドテーブルとしても使える空気清浄機 - 家電 Watch 小池栄子さんを新イメージキャラクターに採用 12月9日(木)発表 - PR TIMES 読める、AIボイスレコーダーの最新モデル「AutoMemo(R)(オートメモ) S」 本日より予約受付を開始 - PR TIMES 「呪術廻戦」ツカモトぬいぐるみやUSBメモリ、モバイルバッテリーが登場!在宅ワークにも (アニメ!アニメ!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース パナソニックのデジタルビデオカメラがBCNランキングで1位に! 2021/12/9(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ビバモール」に続き、22年秋には「ららぽーと堺(仮称)」がオープンで賑わう大阪府堺市美原区。堺市や南河内エリアの暮らしがさらに便利に!|不動産投資の健美家 - 健美家株式会社 春季に数量限定で発売し、2年連続で完売!ふんわり香りうるおい続く、全身用保湿クリーム『アクア シャボン トータルマルチクリーム サクラフローラルの香り』がリニューアル! - PR TIMES “カメラで遊ぶ”! デジタルカメラ 「BONZART ZIEGEL」販路拡大 - BCN+R - BCN+R エプソンプリンター リモートでおすすめ診断!全国各地の店頭や公式通販サイトでサービスを開始 - PR TIMES 【最大70%OFF】フォーカルポイント・ダイレクト 楽天市場店。スーパーセール開催中!:時事ドットコム - 時事通信 「スティック型掃除機」販売員が本当に買っている3機種と絶対に買わない1機種――2021年ベスト10 - 日刊SPA! 年末家電商戦…「巣ごもり」で自宅時間長くちょっぴり贅沢に ほったらかしの調理家電やワンランク上のレンジ(静岡朝日テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 失速が続くタブレット市場、一部のAndroidメーカーは前年超え - BCN+R - BCN+R ラオックス、蘇寧が株一部譲渡=親会社変更 中国・小売り・卸売り - NNA ASIA 『あったかぬいぐるみシリーズ』雑貨店・家電量販店にて販売開始!(アニメージュプラス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース モバイルバッテリーから突然火が!道内火事相次ぐ(HTB北海道ニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「Halo Infinite」,リリースを記念したオフィシャルグッズの予約開始 - 4Gamer.net 今売れてるミラーレス一眼TOP10、キヤノン「EOS Kiss M2」が1位・2位独占 2021/12/8(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース あると料理のバリエが広がる「ミキサー」、女性が選んだ総合満足度1位の商品とは?(Suits-woman.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 大阪市、QR決済で20%の還元を実施する「大阪市買い物応援キャンペーン」 12月1日から - TRAICY(トライシー) 伸び悩む「ヤマダデンキ」と好調「ヨドバシカメラ」、2社の決定的な違いとは?(ビジネス+IT) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース テレビを動かせるとリビングが大きく変わる。パナソニック「レイアウトフリーテレビ」レビュー - マイナビニュース 年末に売れてるSIMフリーAndroidスマホは? OPPO・Xiaomi・シャープ・サムスンが大接戦 - BCN+R - BCN+R 流通・小売りの業界誌編集長に聞く行列店を作るヒント| - @DIME 家電を買うなら〈12月30日、31日〉が「圧倒的に狙い目」と言えるワケ - 現代ビジネス レノボがZ世代にアピール b8ta内の期間限定ストアで情報収集 - 日経クロストレンド カプコン作品の音楽データやSteamキーを購入できる公式サイト「イーカプコンデジタルストア」オープン!記念のダブルキャンペーンも開催(Game Spark) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「結局、何枚も買う羽目に…」 意外と多い「スマホの液晶保護フィルム」失敗談(マネーポストWEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 米・東芝、Amazon Fire TV統合テレビにローカルディミング対応「M550KU」 - PHILE WEB - PHILE WEB 「セカンド冷凍庫」購入急増…“パンパン問題”解決(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 小型ゲームPC「GPD WIN Max 2021」のRyzen 7 4800U搭載モデルが家電量販店で販売開始 - 4Gamer.net アンカー、シリーズ初のリン酸鉄リチウムイオン電池を採用したポータブル電源を発売(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース PS5の転売対策にゲオ「梱包材に×印記入」 買い取り業者は「中古品と査定」 - J-CASTニュース 12月のスーパーPayPayクーポンがお得! ケンタッキーや3大牛丼チェーンで最大半額(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【特捜Q】まもなく大掃除シーズン ごみの正しい捨て方とは(テレQ(TVQ九州放送)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 今夜の『霜降りミキXIT』は家電情報が満載! 『ビックロ』の売れ筋商品は… (2021年12月6日) - エキサイトニュース 豪華51種類【ヨドバシカメラ】「2022年夢のお年玉箱」抽選はじまる(LIMO) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ドコモ「home5G」を評判・口コミをもとに徹底解説! おすすめのできる人はこんな人! - GetNavi web モバイルバッテリ、売上が徐々に回復、今後はコロナの状況次第(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 年末も20%~50%還元のお得な施策が続く スマホ決済12月のキャンペーンまとめ【2021年12月5日】(ITmedia Mobile) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース iPhoneセールが開催、SE2が一括10円、12 miniは残価設定型で1円など - iPhone Mania ゲーム「DOOM」の開発元が、メタルバンドの名称に異議。いったいなぜなのか?(WIRED.jp) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 家電量販店のボーナス商戦 キーワードは「コロナ禍」と「原油高」(福島県)(テレビユー福島) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「エディオン日吉店」オープン 横浜市内4店目 ファミリー層の来店目指しおもちゃ売り場を広く(電波新聞デジタル) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 家電量販初! エディオンが「ワイン選びで失敗しにくい」アプリを売り場に導入(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 全住宅への設置義務化から10年「住宅用火災報知器」購入のポイントは?(KSB瀬戸内海放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース BTS“TinyTAN”推し活グッズ作成キット発売へ! 自分だけの缶バッジなどが作れる(クランクイン!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 上質で豊かな大人のためのオーディオライフを提案。東武百貨店 池袋店「オーディオサロン」の試み(PHILE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「Xperia」が好調!/「ブラックフライデー」は何を買った?(ITmedia Mobile) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 読者・家電量販店・編集部がアンケートで選ぶ 今年のデジタル製品 『ASCII BESTBUY AWARD 2021』受賞製品を発表 - PR TIMES 年末商戦 カメラ売り上げ好調も一部で入荷遅れ 部品不足などで - NHK NEWS WEB PayPayカード誕生で変わる「4大」ポイント経済圏 ソフトバンクが反撃開始(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース だまされたふりで詐欺未遂容疑者逮捕に貢献 90歳男性を表彰(毎日新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 携帯のオンライン購入は23.3%、重視する点は「価格」が最多 MM総研の調査から(ITmedia Mobile) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 利用している「美容家電」ランキング 2位は「鼻毛シェーバー」、1位は?(ITmedia ビジネスオンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ガソリン価格の高値水準続く 家電量販店では省エネ暖房器具が人気(YBS山梨放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 砂でできたうず巻き型スピーカー、蔦屋家電+で期間限定展示 - マイナビニュース エディオン、郊外の家電量販店の「感動サイズは65インチ以上」(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース PGAツアー年内最終戦を制したT・グーチ。「軍資金が底をついた」どん底からのサクセスストーリー(みんなのゴルフダイジェスト) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 川崎希&アレク、家電量販店で購入した目当ての商品「これ欲しかったんだよね」 - モデルプレス 川崎希&アレク、家電量販店で購入した目当ての商品「これ欲しかったんだよね」 | 話題 - ABEMA TIMES ゴマキ弟の妻、朝倉未来の「男気」に号泣 1000万企画直後のサプライズに「感動しまくり」(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 美容家電の購入場所、家電量販店が5割・ECサイトは4割に - 通販通信 iPhone13シリーズ、Apple Storeと家電量販店の在庫状況~11/29 - iPhone Mania アジア有数の電気街・秋葉原、再開発に賛否 「拙速でないか」懸念も(毎日新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ノートパソコン等の小型家電はどう処分すべき?リサイクル回収で環境に優しい廃棄の仕方とは - PC Watch 家電量販店 ボーナス、クリスマスに照準 暖房機や調理家電訴求(電波新聞デジタル) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 大手家電量販店担当者が4機種厳選 1万円台から楽しめるレコードプレーヤー - 東スポWeb 家電量販店に集団強盗、2件連続で発生 米ミネソタ州 - CNN.co.jp iPhone 12 miniの在庫一掃傾向加速に注目! 焼肉きんぐや高級ホテルの室料が「実質無料」のキャンペーンも(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ネットショップのセールに潜む「ニセ特価品」という闇 高い割引率を装う手口とは(ITmedia PC USER) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース SB C&SがROCCAT製ゲーマー向けキーボードやマウス,マウスパッドの取り扱いを開始。Amazonや家電量販店で買えるように - 4Gamer.net 備蓄石油の放出 ガソリン高騰歯止めは?(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 冬ボーナス“ややUP”…年末商戦“プチ贅沢”カギ?(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 家電を買わずに「借りる」選択肢。購入前のお試しで後悔防ぐRentioの仕組みを見てきた(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 阪急宝塚駅の周辺に商業施設がオープン 家電量販店とBMWが出店予定 - ITmedia ビジネスオンライン ビックカメラの無料カレンダーが人気「日本地図デカい」「毎年重宝してる」「知育ポスターにぴったり」(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ビックカメラ、エディオン…9月の3〜7%減収の評価が「二重に複雑」な事情 - ダイヤモンド・オンライン 「iPhone SE(第2世代)」に続き「iPhone 12 mini」も SIMロック原則禁止で在庫一掃傾向加速(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 家電量販店の認知率 2位は「ビックカメラ」、1位は? - ITmedia ビジネスオンライン 家電量販店でiPhoneセールが開催、SE2が一括1円、12 miniも2万円台 - iPhone Mania 家電量販店と比べてコストコでテレビを購入するべき4つの理由 - マイナビウーマン 「超PayPay祭」は残り10日! エディオン、ケーズデンキ、ヤマダデンキなど家電量販店で最大5%付与 飲食店などは最大20%還元も(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース アイリスオーヤマ「ヒット商品ランキング」発表 コロナ禍の世相を反映した結果に(ENCOUNT) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 大手家電量販店4社と連携したキャンペーン「ダウンロードソフト秋祭り」を開催 - PR TIMES 小型ゲームPC「AYA NEO 2021 Pro」が家電量販店でも販売開始 - 4Gamer.net STAFF START、新サービス「LINE STAFF START」本格提供開始。アパレル、コスメ、家電量販店など複数企業・ブランドが初期参画を発表 - PR TIMES iPhone13シリーズ、Apple Storeと家電量販店の在庫状況~11/18 - iPhone Mania 「地デジ」移行から10年、変わる家電量販店のテレビ売り場 - BCN+R - BCN+R 顧客情報悪用か 強制性交疑いで家電量販店員逮捕 - 産経ニュース クリスマス商戦に異変…おもちゃ売り場に「Switch」「プレステ5」がない!(BSS山陰放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 小型ゲームPC「GPD WIN Max 2021」が家電量販店でも販売開始 - 4Gamer.net ジョーシンが「阪神タイガース応援大感謝セール」 先着で特製ブランケット - マイナビニュース 年々前倒しになる家電量販店の「福袋商戦」!2022年版を占う(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ヨドバシカメラ、2代目藤沢和則社長による「打倒アマゾン」宣言(後)|NetIB-News - NET-IB NEWS 東播磨高校放送部が音声で火災予防啓発 加古川市消防本部に協力(みんなの経済新聞ネットワーク) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「街の電器屋さん」の灯を消すな! 松下幸之助商学院 きょうも若者が修練に励む(電波新聞デジタル) - Yahoo!ニュース - yahoo.co.jp iPhone13シリーズ、Apple Storeと家電量販店の在庫状況~11/9 - iPhone Mania 中国エリア初の常設コーナーが12月17日(金)より広島県の「エディオン蔦屋家電」に新登場! - PR TIMES Xiaomi、8980円の初心者向けフィットネス用スマートウォッチ「Redmi Watch 2 Lite」を発売 - - ITmedia Xiaomi、ハーフインイヤー型のワイヤレスイヤフォン「Redmi Buds 3」発売 - - ITmedia 【アンカー・ジャパン】大切な人に「スマート」なギフトを贈れる「Ankerギフトサービス」を開始!オリジナルラッピングでお届けするおすすめ製品セット計15種をラインナップ - PR TIMES 【K-1】魔裟斗との対談で安保瑠輝也が木村“フィリップ”ミノルへの対戦を決意、その動画が配信(イーファイト) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 大切な人へ・・・おすすめ家電!(2021年12月07日放送) - UMKテレビ宮崎 伸び悩む「ヤマダデンキ」と好調「ヨドバシカメラ」、2社の決定的な違いとは?(ビジネス+IT) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース コロナ禍で売上2.5倍!女子プロレスが注目されるその理由とは(バトル・ニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 使い古したAnkerモバイルバッテリー。下取りすると300円OFFで買い替えられます(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 危険すぎる“顔面”ハイKO決着 「危ない位置からのハイキック。アゴに当たらなくてよかった」放送席も思わず安堵(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ミルクボーイ、K-1大阪大会でリングアナに挑戦「『M-1』より緊張しました」(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 12月のスーパーPayPayクーポンがお得! ケンタッキーや3大牛丼チェーンで最大半額(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース プレミアプレーオフ組み合わせ決定!“怪物”CBアンリ擁する尚志はJFAアカデミー福島、神村学園と同組に!(ゲキサカ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 5000人以下ボクシング会場は観客収容100% 後楽園1700人へ増席(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース JESSE K-1大会でライブ「ミノル~!」絶叫(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース エディオンネットショップ、PS5抽選販売が本日12月6日より受付開始!(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「効いてねぇぞ」挑発直後によもやの衝撃ダウン! 「まるでゾンビ」何発被弾しても立ち向かう姿に驚きの声(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース プロ50戦目の久高寛之が2―1判定勝ち サウスポー川浦龍生は初黒星 日本スーパーフライ級挑戦者決定戦(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 飯村樹輝弥が元日本王者・奥本から殊勲の勝利 ベテラン久高寛之は日本王座挑戦権獲得 - ボクシングニュース あの日、拳四朗に飛んだ「クソガキ」の野次 切に思うボクシングの「もう一つの魅力」(THE ANSWER) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 初参戦の SAHO が真優に判定勝ちも「倒せたのに倒せなかった」と反省【K-1】(TOKYO HEADLINE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【K―1】木村〝フィリップ〟ミノル 最後の戦いは壮絶KO負け…今後は未定「より厳しくなったかな」 - 東スポWeb 木村“フィリップ”ミノルがKO負け「より厳しくなった」進路明かさず - 格闘技 - ニッカンスポーツ JESSE K―1大会でライブ「ミノル~!」絶叫 - デイリースポーツ K1石井慧2連勝「自分の何かが悪い」20キロ体重差も倒せず - ニッカンスポーツ 【K―1】石井慧 判定勝ちで反省「僕の何かが悪いんでしょうね」 - 東スポWeb 才賀紀左衛門 電光石火の1RでKO負け ダウンし起き上がれず(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース K-1ドレッドヘア美女対決 SAHO がパンチ連打で真優を下す(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 才賀紀左衛門 新恋人同伴で前日計量「彼女がサポート」 新幹線でラブラブ大阪入り(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「エディオン日吉店」オープン 横浜市内4店目 ファミリー層の来店目指しおもちゃ売り場を広く(電波新聞デジタル) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 壬生狼一輝がピンクレディーの衣装で登場。「サウスポー対策の結果がこれじゃ!」【K-1】(TOKYO HEADLINE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 家電量販初! エディオンが「ワイン選びで失敗しにくい」アプリを売り場に導入(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「K-1 WORLD GP」12.4(土)大阪 JESSEさん・ANARCHYさんのスペシャルライブパフォーマンスが決定!大会の当日券も販売! - PR TIMES エディオンのCMソングは?(CDジャーナル) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース エディオン、知育玩具セット「つくロボキット」を40%OFFで発売 ロボットのしくみとプログラミングを自宅で学べる - ロボスタ 来年3月の春場所は観客上限75%、大阪では3年ぶり有観客開催へ - ニッカンスポーツ アルピー平子、誕生日にK-1でゲスト解説担当「すべての試合が最高のプレゼント」(お笑いナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース エディオン、郊外の家電量販店の「感動サイズは65インチ以上」(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース シャープ「4T-C50DN2」が液晶テレビ(50V型以上)で3ヶ月連続売れ筋1位 <AV製品売れ筋ランキング10月>(PHILE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 家電量販店 ボーナス、クリスマスに照準 暖房機や調理家電訴求(電波新聞デジタル) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース クイーンズ駅伝 1区でエディオン・萩谷とユニバーサル・高木が交錯、転倒(毎日新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【J1採点&寸評】広島1-2FC東京|J初ゴールが決勝弾!紺野和也を最高評価!内田宅哉&中村帆高が戦列復帰(SOCCER DIGEST Web) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【K-1】EITOが神保克哉に厳しい指摘「彼は口だけ達者で、声震えとった」「ハッタリでも何でもいいから男ならかまして、拳でぶつかってくれよ」(ゴング格闘技) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ビックカメラ、エディオン…9月の3〜7%減収の評価が「二重に複雑」な事情 - ダイヤモンド・オンライン 岩谷麻優が“爆弾発言”!1000万円争奪ユニットトーナメントの開催を提唱!「必ず実行して優勝者が賞金を得る」【スターダム】(THE DIGEST) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【K-1】K-Jeeが怪我で1カ月の安静で欠場、谷川聖哉はKROSS×OVERヘビー級王者・工藤勇樹と対戦(ゴング格闘技) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 本田望結 本田紗来 がエディオン歳末セール 新CM で元気炸裂! YouTube「本田姉妹やで」そのまんまドーン! | tokyo chips - 鉄道チャンネル 「超PayPay祭」は残り10日! エディオン、ケーズデンキ、ヤマダデンキなど家電量販店で最大5%付与 飲食店などは最大20%還元も - BCN+R - BCN+R エディオンが語る「ITの主導権を取り戻す契機となったクラウド移行プロジェクト」とは - ITmedia 吉田山田×RTB木田「才能開花前夜」がエディオンのCMソングに(音楽ナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 寒い冬を乗り切る!あったか家電 おうち時間を快適に(HOME広島ホームテレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「STU48 沖 侑果の瀬戸内女子図鑑」第11回:高雄さやか×エディオン紙屋町ホール(TV LIFE web) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【K-1】他界した恩師への恩返し、“西の天才”石田勝希「後輩たちに道を作っていくのが自分の役目です」(ゴング格闘技) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース FiiO、ES9219C搭載で性能強化したUSB-DAC兼Bluetoothレシーバー「BTR5 2021」(PHILE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【新日本】旗揚げ50周年施策を発表 3月1、2日の日本武道館2連戦などビッグマッチ概要も決定(東スポWeb) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 年末キャンペーン! 楽天ポイントカード提示&楽天ペイ決済、抽選で最大50%還元(BCN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ボクシング】新人王西軍代表決定戦 キャリア2戦の山名生竜ら12人が全日本新人王決勝戦進出(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ボクシング新人王西軍代表決定戦】鈴木尊虎はドローも優勢点で敗退(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース エディオンネットショップ、Switch(有機ELモデル)抽選応募受付は本日まで - GAME Watch 英洸貴が日本ユースフェザー級王座奪取 亀田京之介は“自滅”で初防衛失敗(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース エディオンネットショップでNintendo Switch有機ELモデルの抽選販売が受付中!【~11月14日】 - 電撃オンライン エディオンネットショップでPS5抽選販売、受付は11月14日23時59分まで - auone.jp エディオン/4~9月は一部店舗の休業・営業時間短縮で減収減益 - 流通ニュース 【大阪】音楽フェス「MUSIC CIRCUS 21」出演アーティスト発表:時事ドットコム - 時事通信 “IWGPベルト論争”に終止符を打つ! 王者・鷹木信悟がオカダ・カズチカと「1.4」で激突「もうなんの言い訳もさせねえ」(Number Web) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 新型スイッチ(有機ELモデル)の抽選販売がエディオンアプリで実施。エントリー受付は11月7日23時59分まで - ファミ通.com 「体験」がテーマ!エディオン最大級店舗、京都四条河原町店の売場づくりを徹底解説 - ダイヤモンド・チェーンストア・オンライン エディオン運営 カクイックスウィング子会社が承継 鹿児島県内9店舗 カコイエレクトロから | 鹿児島のニュース - 南日本新聞 エディオンとマクドナルドがキャンペーン マックのレシート持参で「おもちゃ」が10%割引 - BCN+R - BCN+R 10月下旬発送分が対象! エディオンネットショップにてPS5の抽選受付実施中 - GAME Watch エディオン/名古屋市「イオンスタイル高針原」に出店 - 流通ニュース 【対談連載】エディオン 相談役 岡嶋昇一 - BCN+R - BCN+R エディオン鹿児島本店 10月10日閉店、南店に統合 「建物・設備が老朽」 カコイエレクトロ(南日本新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ホームズ寝屋川に家電量販店「エディオン」ができるみたい。今冬オープン - 枚方つーしん 【人事・機構改革】エディオン(2021年10月1日付) - AdverTimes(アドタイ) エディオン/コーナン小牧店内に「小牧店」を移転オープン - 流通ニュース 【PS5】エディオンのネットショップにて抽選販売を実施。応募締め切りは9月12日まで - ファミ通.com エディオン/「ビバモール美原南インター店」に大阪府44店舗目の直営店 - 流通ニュース エディオン/スマホで事前に購入サポート予約できる「eスマート予約」 - 流通ニュース 【人事】エディオン、都心大型店管轄部署を新設(2021年9月1日付) - AdverTimes(アドタイ) エディオンが成し遂げた基幹システムのクラウド化、移行はわずか3時間で完了 - 日経 xTECH Active エディオン/都市型大型店舗を管轄「GS営業部」新設 - 流通ニュース “以前はベンダー任せだった”システム開発を1年でほぼ内製化 エディオン、大転換に戸惑う現場を導いた戦略とは - ITmedia エディオン/4~6月減収減益、巣ごもり・テレワーク需要落着く - 流通ニュース LINEでも使える自分の「アニメーション」ができる…エディオンで期間限定 短時間で動く「スタンプ」 - tokai-tv.com エディオン、新CMシリーズに俳優の向井理さんを起用 - BCN+R - BCN+R リフォームが強いからできる!エディオン、地域密着「暮らしコンサルタント」戦略で21年3月期決算は過去最高益 - ダイヤモンド・チェーンストア・オンライン エディオン京都四条河原町店がいよいよグランドオープン 「最大15%還元」イベントも実施 - BCN+R - BCN+R エディオン、カード会員向けのPS5抽選受付を本日10時より開始! - GAME Watch エディオンにアニメグッズ販売の専門コーナー「アニメディオンショップ」が登場! 第1弾はアニメ「進撃の巨人」オリジナルグッズ! - PR TIMES エディオン京都四条河原町店、6月1日から営業日と営業時間を変更 - BCN+R - BCN+R エディオン、家電量販初の「Makuake SHOP」を「京都四条河原町店」にオープン - BCN+R - BCN+R 家電購入をサポートする「問診接客」を来店価値に(エディオン)/販促コンペ・企業オリエン - AdverTimes(アドタイ) エディオン、楽天ポイントカードに4月23日から対応へ - BCN+R - BCN+R 家電量販店のエディオンがLINEチラシ導入で閲覧数を大幅にアップできた理由とは - ダイヤモンド・チェーンストア・オンライン エディオン/イオン三田ウッディタウン店に移転オープン - 流通ニュース エディオン/「岸和田店」出店、NFC対応電子プライス・ロボ団導入 - 流通ニュース エディオン、Uber Eatsで家電のデリバリー 国内初 - ITmedia 京都マルイ跡地/「京都河原町ガーデン」4月下旬開業、核店舗にエディオン - 流通ニュース エディオン/イオンモール茨木に出店、NFC対応電子プライス展開 - 流通ニュース #quote 前月 2021年12月 翌月 日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 2021-12-09 14 51 23 (Thu)
https://w.atwiki.jp/testest-umigamedb/pages/1250.html
2021年3月27日 出題者:従業員よっしー タイトル:「売り切れ御免!」 【問題】 新進気鋭の作家タカフミ作の小説『TESTEST殺人事件』が出版され、 この店舗では1週間以上前に50冊が店頭に並んだのだが、 この店舗だけではなくどの店舗でも1冊も売れなかった。 しかし、TESTEST殺人事件は販売直後に売り切れとなってしまった。 一体どういうことだろう? 【解説】 + ... タカフミは今大注目の作家。 今回のタカフミの新作TESTEST殺人事件は、発売3ヶ月前に 地元愛知の5店舗限定で50冊ずつ無料配布されることになった。 出版され店頭に並んだ直後、あっというまになくなる本。 無料配布なので1冊も売れることはなかった。 そして、配布直後から心ない転売ヤーによりメルカリなどで高値で販売され、 それでもあっという間に売り切れてしまったのだった。 《知識》 配信日に戻る 前の問題 次の問題
https://w.atwiki.jp/ishikoro-ss/pages/69.html
身売りされた貴族のお話 05 「おはよう、アシュリー」 気分が悪くなるくらいに爽やかな声で、俺は起こされた。 ゆっくりと上半身を持ち上げると、すぐ近くにダッシュウッド男爵が立っていた。そばには着替えと思われる衣類と、朝食のトレーがある。朝っぱらから、ご苦労なことである。 「朝食の前に、まずは排泄と洗面と着替えを」 「……後ろを、向いていて、もらえるかな?」 「残念だが、そういうわけにもいかないな。きみが何をしでかすかわからないし、我慢してもらうよ」 はあ、とため息をついて、俺はローブと下着を脱いだ。こんな状況だ。いまさら羞恥心を持っていたって、なんの役にも立たないだろう。 さっさと小便を終えると、ダッシュウッド男爵は杖を振って宙に大きめの水玉を作り出していた。……魔法の無駄遣いだな。そう呆れながら、水玉に腕を突っ込んで手と顔を洗う。 それから、新しい衣服――といっても、形状はまったく同じ下着とローブをまとい、身支度を完了させる。 その後、ダッシュウッド男爵は脱いだ衣服や排泄容器を回収して、上へ帰っていった。またすぐにこちらへ戻ってくると言っていたので、その間に朝食を食べられる分だけ口にする。 しばらくすると、ダッシュウッド男爵がふたたび姿を現した。その右手には、何かが握られているようだが、物の判別はできない。 彼は牢獄の中に入ってきて、口を開いた。 「きみが昨日言っていた人物に関することだが」 俺は息を呑んだ。間違いなく、モーリスのことだろう。はたして、彼は無事なのか。緊張と不安で体が震えそうになる。 そんな俺を見据えながら、ダッシュウッド男爵はにっこりと笑顔を浮かべた。 「今日未明から傭兵に調べさせていたが、ついさっき報告があった。モーリス少年は、あのあと通りすがりのメイジから治療を受けたらしい。後遺症もない様子だったとのこと」 その言葉を聞いて、俺はほっとした。あの時は怪我の程度がはっきりとわからなかったが、どうやら大事にならずに済んだようだ。不幸中の幸い、といったところか。 「さて」 そう切り替えて、ダッシュウッド男爵は右手に持っている物を、俺に見せた。 「きみのお願いは聞いてあげたよ。今度は――こっちの頼みを聞いてもらおうか」 それは小瓶だった。中には白濁した液体が入っている。その成分は、一見しただけでは判別できない。だが……強い魔力が宿っているのを感じる。尋常の効果をもたらす秘薬ではないのは、確かだろう。 「口を開けるんだ」 小瓶の蓋を開けながら、ダッシュウッド男爵は静かに命令した。彼は無感情の瞳で俺を見据えながら、ゆっくりと詰め寄ってくる。 ひどい怖気に襲われて、俺は無意識に後ずさった。しかし逃げ場などない。すぐに石壁に背がついてしまう。足の震えもとめられず、俺はその場にへたり込んでしまった。 諦めろと理性が冷ややかに囁き、やめてくれと本能が見苦しく叫ぶ。なすがままにされるしかない、それはわかっている。だが、いざ我が身に危害が加えられるという時になって、冷静にそれを受け入れられるほど屈強な精神など、俺は持ち合わせていなかった。 俺は恐怖に顔を醜く歪ませた。すると、ダッシュウッド男爵は足をとめ、困惑と怪訝の混ざり合った色を顔に浮かべる。 「きみは――なかなか面白い子だね。それとも、頭がおかしくなったのかな?」 頭がおかしいだと? ふざけるなよ、腐れ外道。 たとえ一度死んで生まれ変わろうが、怖いものは怖いんだ。お前の言う“神の子”とやらも、結局は“人の子”でしかない。全てを超克し、全てを超越するような、完全で無欠の存在ではないのだ。それは……俺が、いちばんよくわかっているさ……。 「……仕方がない」 やれやれといった様子で、ダッシュウッド男爵は左手を伸ばした。その手は俺の顎を掴み、無理やり口を開かせる。そして小瓶を突っ込み、中身の液体を流し込んでくる。 どろりとしたものが、喉を通る。味はしなかったが、最低の気持ち悪さだった。 俺が薬を嚥下したのを確認して、ダッシュウッド男爵は満足げな顔で一歩下がった。 「きみには感謝をしなくちゃいけない」 言葉の意味がわからない。俺が、お前に、何をしたっていうんだ? ――それを理解するのは、ダッシュウッド男爵の次の言葉を聞いた直後だった。 「なぜなら、きみは自分の弱点を教えてくれたのだから」 もはや迂闊を通り越して、救いようのない愚鈍であった。 そうだ……なぜ、俺はそのことをダッシュウッド男爵に教えてしまったのだろうか。 どうせ、獄中で死にゆく身なのだ。そうとわかっているのなら、大人しく他者のことなど気にかけないでおくべきだったのだ。 「モーリスという少年は、きみにとって大切な子供のようだね」 にっこりと笑顔を浮かべて言うその姿は、まるで慈悲深い聖職者のようだ。だが、その内心にどれだけのおぞましい企みが渦巻いているのか、知りたくもなかった。 「……彼は、関係ない! 私、以外は……巻き込まないで、くれ……。頼む……」 「それは、きみの返答次第だよ。アシュリー」 冷徹に言い放ったダッシュウッド男爵は、杖を取り出した。 「もしも、きみが言うことを聞かないのであれば――」 彼の言葉の途中で、視界の色彩が異常なほど鮮明になったように感じて、くらりと目眩がした。 どくん、どくん、と心臓が暴れている。気づけば、呼吸も荒くなっていた。なんだ、これは。 「――モーリスという少年を殺すことだって厭わない」 それを聞いた瞬間、俺は発狂しそうなほどに感情が迸った。経験したことのないほどの恐怖と自責が沸き上がり、頭を掻きむしりたくなる。 自分でもわかる。この反応はあまりにも過剰だ。おそらく、さっき飲まされた薬のせいだろう。だが……そうとわかっていても、この激情を抑えることはできなかった。 「アシュリー」 ダッシュウッド男爵が俺の顎を掴み、無理やり視線を合わせる。 彼の瞳は、どこまでも冷たく、どこまでも暗かった。そこに宿る感情があるとすれば――狂気以外の、何物でもなかった。 体が震える。冷や汗がとまらない。 「――ぼくの言うことに従え」 その瞬間、彼は杖を振った。 同時に、俺の頭を底冷えするような魔力が駆け巡る。そこでようやく、俺は気づいた。 ――制約(ギアス)か! 対象に制約をかけ、一定の行動や心理を操作、あるいは制御する魔法。もちろん、いくら優秀なメイジといえども、健常の相手にはそこまで強い制約を課すことはできない。 だが……薬と脅迫によって精神を乱されている、今の俺のような相手には、恐ろしいほど強い効果を得ることができるだろう。それも行使者が、天才的な魔法の技量を持つダッシュウッド男爵であれば、なおさらのことだ。 ――ぼくの言うことに従え。 隷属をもたらすその制約は、寸分の狂いもなく俺に課されたに違いない。さすれば、これから自分がどうなるかも、考えるまでもなく想像できてしまう。 そう、俺はダッシュウッド男爵に言われるがままに、向こうの世界について話すことだろう。だが、それだけで済むかもわからない。もし制約がずっと続くのであれば、俺は彼の操り人形に成り下がる可能性まである。……考えるだけで、身の毛がよだつ。最悪だ。 言葉をなくし、顔面蒼白となった俺に、ダッシュウッド男爵はにこりと笑う。 「アシュリー、ぼくからの命令だ。――生きろ」 ぞくりと寒気がした。彼の言葉が、深く俺の脳に刻まれる。 「きみに自殺でもされたら困るからね。警戒するに越したことはない」 どうしようもないくらいに、完敗だった。もはや、俺がダッシュウッド男爵を出し抜く要素は一つもない。 「そして、もう一つ」 ダッシュウッド男爵は俺の頭を掴み、さらに目を近づけさせた。その瞳は、先程よりもさらに狂気が増しているように感じられた。 やめてくれ。 許してくれ。 もう……いいだろ……。 だが、彼は慈悲など無縁とばかりに、ゆっくりと開口した。 「――ぼくに抵抗するな」 その言葉で、俺の希望は砕け散った。 ◇ 「魔法のない世界、か。なかなか興味深いものだね」 鉄格子を挟んだ向こう側で、ダッシュウッド男爵は椅子に座りメモを取っている。 「なあ、知っているかい? たまにハルケギニアでも、魔法が使われていないにもかかわらず、マジックアイテムのように不可思議な道具が見つかることがある。ボタンを押すと、鮮やかな色が映ったり、耳慣れない音が鳴ったりするようなものとかね。どの文献で詳細を見たかは忘れたが、その形状はきみが少し前に言ったやつと似ているね。なんて名前だったかな……。ケータイ……」 「ケータイデンワ」 「そうそれ。きみの世界からの落とし物、ってところかな? もしかしたら、この世界ときみの世界はどこかでつながっているのかもしれない」 俺が“向こう”から“こちら”に転生したように、二つの世界にはなんらかのつながりが確かに存在するはずだ。とはいっても、双方を生身の人間が簡単に行き来できるような方法は、まずありえまい。そんなことが可能なら、かつて俺のいた地球において、異世界の発見が多少なりともニュースになっていてしかるべきなのだから。 そんなふうに考えを抱けども、言葉にすることはなかった。今までずっと話しつづけていたせいで、もう口を開くのも億劫になっていたからだ。 ……考えていることを話せ、と命令されたら、俺の意思に反して開口せざるを得ないのだろうが。 しかし幸いながら、今回はこれで解放されるらしい。ダッシュウッド男爵は懐中時計をちらりと確認して、至極わざとらしい口振りで言った。 「おや、もうこんな時間か。夢中になると、どうも時が経つのは早いね」 俺にとっては死ぬほど長く感じたがな。お前との会話は苦痛で仕方がない。 ……などと罵倒する気力も残っていなかった。これから何日も同じようなことを続けるのだと思うと、ただひたすらにぞっとしなかった。 「しばらくしたら、夕食を持ってくるよ」 そう言って地下を去るダッシュウッド男爵を、俺は無言で見送った。 毛布に倒れ込む。 彼がいない間に、一度自殺をできないか試してみた。だが、やはり無駄だった。いざ死のうと思うと、強烈な忌避感が込み上げて、まったく動けなくなるのだ。それが制約によるものだとわかっていても、無理やり打ち破れるほどの意志の強さは、俺には存在しなかった。 ……制約(ギアス)。その魔法が禁忌とされている理由を、俺は身をもって痛感した。 命令されても、意識は保ったままで会話も多少の自由が利くのは、まだマシと言えるのだろうか。……あるいは、その分、行動の強制のみに特化して魔法をかけられているのかもしれないが。ダッシュウッド男爵が並外れた水魔法の操作と応用を可能としているのは、ポートランドの屋敷で受けた何回かの指導だけでも十分に理解している。制約(ギアス)という禁忌の魔法が存在するということも、そうした指導のついでに教えてもらったのだ。 あの時、魔法の存在と効果だけではなく、制約を解除する方法も聞いておくべきだったか。いや、もし聞いていたとしても、ダッシュウッド男爵は俺を手中に収めた場合を考慮して、答えをはぐらかしていたかもしれない。俺と違って、あの男は狡猾に先を見据えられる頭脳を持っているのだから。 ふっ、と俺は笑う。 結局のところ、二回目の生というアドバンテージを持っていようが、凡人は凡人にすぎないのだ。そのことは、俺の現状が何よりもの証拠となっている。ダッシュウッド男爵が先日に挙げたような、華々しい活躍を遂げた転生者たちは、きっと俺などと違ってもともと頭の良い人間だったのだろう。 彼らのように表舞台に立ちたかった、とは言わない。けれども、最低限、少しぐらい不自由でも、静穏な生を送りたかった。――その願望は、もはや実現できまいが。 どこから間違ったのか。 どうして間違ったのか。 わずかばかり考えただけでも、数々の浅慮と愚行が思い浮かぶ。もはや己に怒りを感じるどころか、愛想が尽きるレベルだった。 ……後悔したって仕方がないし、卑下したって意味はない。 それもわかっているが、気を紛らわすモノもないこの牢獄の中では、どうしても沈思から逃れることができなかった。 ――これを、あと何日続ければよいのか。 その考えに及んだ時、全身に震えが込み上げた。 無理だ。 耐えられない。 頭をからっぽにするなどということは、もはや俺には不可能としか言えない。これがさらに続けば、いずれ発狂してしまう。そういう確信があった。 そうなれば、何も考えられなくなった俺は、本当にダッシュウッド男爵の傀儡になるかもしれない。脆い精神であればあるほど、水魔法で人を操ることは容易になる。まして彼ほどの腕前であれば、赤子の手を捻るのと同じようなものだろう。 そう理解した俺は、今までよりさらに強い感情を抱いた。 それは――死の願望。もう楽になりたい、という想い。 だが同時に、それを否定する声が頭に響いていた。 ――生きろ。 それはダッシュウッド男爵の施した、制約による命令だったのか。 それとも自分自身の抱いた、生を渇望する叫び声だったのか。 かつり、かつりと、階段を下りる音が聞こえる。 彼が牢獄の前に姿を現すのと同時に、俺は口を開いた。 「ダッシュウッド男爵」 「うん? どうしたんだい?」 夕食の乗ったトレーを魔法で浮かべながら、彼は首を傾げた。 早く私を殺せ――そう言ってみようとしたのだが、声が出なかった。自殺を試みた時と、まったく同じだった。制約が、死を求めることを拒絶している。 ならば、考え方を変えてみよう。直接的な行動や言葉がダメなら、もっと婉曲すればよい。制約を騙せばよいのだ。 「私の、処分は、どうする?」 これは単なる疑問である。不明なことを尋ねるのは、命令で禁止されていない。 俺の質問に、ダッシュウッド男爵は少し困ったような顔をした。 「……きみからは、まだ聞きたいことがある。今すぐに、どうこうするつもりはないよ」 「聞き出した、そのあとは?」 ダッシュウッド男爵は微笑を浮かべた。 「――約束しよう。ぼくは、きみを殺すつもりだ」 信じてはならないはずの彼の言葉なのに。 どうしてなのだろうか。 俺は、それが嘘ではないと直感してしまった。 ◇ 死にたくない。 そう思いながらも、俺の心持ちはどこか楽になっていた。それはきっと、奥底で死という名の希望が生まれたからだろう。 生きろ、という制約はたしかに強大だが、俺のすべてを支配するほどのものではない。だからこそ、事を済ませば俺は死ねる、と思う――思い込むことによって、俺は精神が自壊するのをなんとか免れていた。 ダッシュウッド男爵に命令された俺は、機械のように口を開いた。 向こうの世界でのことを、覚えているかぎり吐き出した。 家族のこと、友人のこと、自分のこと。世界のこと、自国のこと、地域のこと。歴史、宗教、政治、哲学といった学術的な知識から、小説、ゲーム、映画、テレビ番組といった娯楽や文化まで。 俺はすべてを口述し、奴はすべてを記録した。 そうして、何日経ったかもわからなくなってきた頃。 「――満足したよ。いろいろな話が聞けて、面白かった」 ダッシュウッド男爵は、そう言った。 欲しい情報は聞き出した、ということなのだろう。 そして用済みになった、ということでもある。 これで、俺は……。 彼は、いつものように微笑を浮かべた。 「あと少しだけ、きみには用がある。それが終わると同時に、きみは死ぬことになる」 魔法の実験体にでもして、殺すのだろうか。 死ぬのはいい。だが苦しむのは、勘弁したいものである。 楽に殺してくれ、と言おうとして、声が出なかった。面倒な制約のせいだ。舌打ちして、俺は別の言葉を伝えた。 痛いのは嫌いだ、と。 ダッシュウッド男爵は、ほほえみを深めた。 「“痛み”を与えたりはしないつもりだ、と最初に言ったはずだよ?」 そうか。そういえば、そんなことを言っていたな。 すっかり忘れていた。ずいぶんと昔のことのように感じる。 痛みがないのなら、十分だ。 俺は満足して、笑みを浮かべた。 「……そんな顔をされても、反応に困るものだね」 やれやれ、とダッシュウッド男爵は肩をすくめた。 いつも嘘くさい笑顔のお前に言われるとは。心外だな。 ……まあ、どうでもいいことか。どうせ、俺はすぐに死ぬのだから。 「具体的にどうするかは、明日に教えてあげよう。今日は、もう寝るといい」 明日のお楽しみ、というわけか。せいぜい、期待でもしておこう。 「おやすみ、アシュリー」 おやすみ、ダッシュウッド男爵。 ◇ 夢を見た。 幸せそうな家族が、団欒としている様子だった。 それを俯瞰している俺は、笑いたくて仕方がなかった。 それは、万に一の可能性もない光景だったからだ。 馬鹿げた妄想だ。なぜ、こんなものを夢見たのか。 俺は否定したくて、仕方がなかった。 だって、そこにいる女性の面影は―― ◇ 目を覚ます。 背に冷たい汗が流れていた。気分もひどく悪い。 俺は呼吸を整えて、頭を振った。 あれは腐った脳味噌が見せた幻想だ。気にすることはない。 そう言い聞かせながら、立ち上がる。 「悪い夢でも見ていたのかい?」 その言葉で、俺は初めてダッシュウッド男爵の存在に気づいた。彼は鉄格子の向こうで、椅子に座って分厚い書物を手にしていた。 「体調がよくないのなら、水魔法をかけてあげるけど」 「いらん」 俺は吐き捨てるように即答した。この男から善意を受けるなど、気分が悪化するだけである。 ダッシュウッド男爵は微苦笑を浮かべながら、肩をすくめた。 「その返答なら、大丈夫そうだね。さて――身支度を済ませてもらおうか」 「…………」 俺は黙って、命令どおりに排泄と着替えを済ませた。食欲が湧かなかったので、朝食はほんのわずかしか取れなかったが。 その後、ダッシュウッド男爵は上に戻っていった。昼前にまた下りてくるらしい。つまりは、それまで俺には何もすることがないというわけである。 毛布の上に仰向けになり、瞑目する。 俺の処分は今日に教えると言っていたが、いったいどうなることやら。俺の頭では、あの男が何をしでかすか想像もつかない。特殊な魔法薬を俺の体で試用する、程度であったのならよいのだが……妙な期待をすべきではないか。 気づけば、体が震えていた。 死を目前にして、肉体が恐怖している。黙らせてやりたかったが、どうにもならなかった。煩わしいものである。 諦めて我が身を無視し、俺は瞑想に耽ることにした。思索の題目は、「死後どうなるのか」。これでまた転生しようものなら、俺は絶望するしかないだろう。願わくは、天国でも地獄でもなく、すべてが無に帰すことである。 そんなことをあれこれ考えていたら、いつの間にか時間が経っていた。ふと足音が聞こえ、俺はまぶたを持ち上げる。そして、ゆっくりと上半身を起こすと、ちょうど鉄格子の前にダッシュウッド男爵が来たところだった。 彼がレビテーションで浮かべているものを見て、俺は一瞬ながらもうろたえてしまった。 「……料理でも、するつもりか?」 「おや、鋭いね」 ふふ、とダッシュウッド男爵は不気味に笑った。 そんな彼が持ってきたものは、大きな鍋だった。本気で料理を? もはや、こいつの考えることは理解不能だ。 呆れている俺を尻目に、ダッシュウッド男爵は鍋を床に置くと、今朝に読んでいた本を取り出した。 彼はその表紙を俺に見せると、ゆっくりと口を開いた。 「今から百年ちょっと前、ゲルマニアの貴族であるイストファン・バートリ・フォン・エセット伯爵の著した、奥義書(グリモワール)の原本だ」 ……グリモワールだと? 異端の書物に、俺は驚きつつも眉をひそめた。そうしたものの大半は、一般的な系統魔法の理論や法則に則らない、でたらめで荒唐無稽なものばかりのはず。そんなものを、優秀なメイジであるダッシュウッド男爵が取り上げるとは、予想外も甚だしかった。 彼は俺の反応を確かめると、くすりと笑って言葉を続けた。 「おかしいと思うのかい? だが、その考えは改めるべきだろう。なぜなら――これには、神の国と神の子についても記されているのだから」 俺は息を呑んだ。 そうか……まさに俺のような存在は、通常の魔法からでは説明しきれない。であるならば、異端の書物のほうが核心に触れている可能性は、十分に高いだろう。 ダッシュウッド男爵は書物を椅子に置くと、今度は杖を手に持った。そしてアンロックを使い、鉄格子の扉を開錠する。 「エセット伯爵自身は転生者ではない。だが、彼もきみのような転生者の存在に気づき、異なる世界や神的な力の存在を知った」 話しながら、彼は先程の鍋を手にして牢獄内に入ってくる。……何を、する気だ。 「だが知ってしまえば、それが欲しくなるのは人の道理だと思わないかな? それも転生という神秘であれば、魅力は抗いがたいほど大きなものだ」 彼はポケットから、液体の入った小瓶を取り出した。中身は無色透明だが、やはり強い魔力を感じる。これは……なんの秘薬だ。 「飲め」 短く命令して、ダッシュウッド男爵は小瓶を差し出した。その言葉が脳髄を刺激して、俺の体が勝手に動く。……ちくしょう。悔しいが、どうにもならない。震える手がそれを掴み、小瓶の蓋を開けた。そして、かすかな刺激臭がするその液体を、俺の手は容赦なく喉の奥に流し込む。 味はしなかったが、やはり気分が悪かった。 「次は、服を脱げ」 言われるがままにするしかない。俺はローブと下着を脱いで、全裸になった。 「それでいい。さて、話を戻そうか。――神秘を手に入れるには、どうしたらいいと思う?」 ……俺が知るわけない。自分がなぜこんなオカルトな現象に巻き込まれたのか、これっぽっちも理解していないのだから。少なくとも、神様に毎日お祈りをしているかどうかが無関係であるのは、間違いないだろうが。 「答えは簡単だ。――神秘を自身に取り込むこと。そうすることで、対象に宿る力を手に入れられるという思想は、古くから随所にも見られる。とくに今でも、一部の種族の亜人などには、その風習が残っているようだね」 神秘を取り込む? その言葉に、いやな予感がとまらなかった。 その意味を知りたくない。耳を塞いでいたい。 「エセット伯爵は、神の子から力を得る秘術を書物に記した。それは――」 やめろ! 言うな! ……お願いだよ。 やめてくれ。 言わないでくれ。 「神の子の血肉を食らい、その神秘の力を我が物とすること」 すべてが崩れ落ちるような感覚に陥った。 それを言葉で表すなら、絶望、といったところだろうか。 ダッシュウッド男爵は無表情で、けれども途轍もない狂気を宿して言葉を並べる。 「まず四肢を順に、のちに心の臓を食らうこと。さすれば神の子に宿る祝福を得られん。――シンプルでわかりやすいだろう?」 馬鹿な。 あまりにも、理不尽で不合理すぎる。 お前は、本気でそれを信じているのか。 「人知を超えた存在には、尋常の方法をなしても無意味だ。であるならば――試してみる価値は、十分にある。ぼくがそう確信するほど、転生という神秘は魅力的なのさ」 ふざけるな。 そう言おうとしても、声が出なかった。それどころか、体の一切が動かない。俺は今、情けなく震えているはずなのに、その感覚さえなかった。 薬の効果だ――麻痺してきた頭で、その答えに行き着く。 「最初に言ったはずだよ。“今すぐ”は食わないと。だが、興味のあることは粗方を聞いた。かわいそうだが、ぼくが神の力を得るための犠牲になってもらおう」 ダッシュウッド男爵が俺の左腕を掴んだ。そして、蓋を外した鍋に上に、俺の腕を配置する。 なるほど、そうかい。 これから料理を作るための食材を得るというわけか。 ……笑えない冗談だぜ。なあ、おい。冗談だと言ってくれよ。 「水の秘薬は持ってきている。切断しても、すぐに傷口は治せるから安心するといい。“痛み”はいっさい与えない」 ダッシュウッド男爵は、ブレイドの魔法で杖に水の刃をまとわせた。その鋭利な凶刃には、膨大な魔力が凝縮されている。これなら硬い金属ですら、造作もなく断ち切れるレベルだろう。ましてや、子供の細腕ならば―― 「では、まずは左腕から」 やめろッ! そう叫ぶこともできず、杖が振り下ろされる。 薬で痛覚はなかった。 だが、骨肉を切り裂く感触が生々しく脳に伝えられる。 俺は心中で絶叫を上げて――失神した。 NEXT 名前
https://w.atwiki.jp/ishikoro-ss/pages/70.html
身売りされた貴族のお話 06 目を覚まして感じたのは、そこにあるはずのものがないという、明確な違和だった。 恐る恐る、己の左腕に視線を向ける。寝ている間にローブを着せられたようだが、左肩から先の部分の布は切り取られている。そして当然ながら、左腕のあったところには虚空が存在しているだけだった。上腕の切断部は、すでに新しい皮肉に覆われており、痛みすらない。つい先刻まで、そこには確かに俺の腕が存在していたというのに。 くふ、と口から笑い声が漏れた。 すでに片腕をもぎ取ったように、ダッシュウッド男爵は本気で奥義書(グリモワール)どおりに事を進めるつもりなのだろう。となると、近いうちに残りの手足も解体され、肉達磨となったところで心臓を抜かれて死すという未来は、ほぼ確定と言えよう。……なんと、滑稽で醜悪な死に様なことか。 だが存外、俺にとってはお似合いな末路なのかもしれない。愚者への報い。そう捉えることもできなくはないだろう。あるいは、“痛み”を与えられないだけマシなのだろうか。 もはや俺の精根は一切が尽き、諦観だけが全身に巣食っていた。 自嘲の笑みを顔に張り付かせて仰向けになっていると、階段を下りてくる音が響く。案の定、鉄格子の前に現れたのはダッシュウッド男爵だった。 「やあ、気分はどうだい?」 どの口が、そんな言葉を吐くのやら。悪気がないのであれば真性の気違いであり、故意でしているのであれば最低の人でなしである。 俺は気怠さに口を開くこともできず、彼を無視するように押し黙った。 「……ふむ。どうやら、状態には問題がないようだね。その様子であれば、明日にはまた秘術の続きを実行できるだろう」 左腕の切断部が完治しているのはもちろんのこと、相当量の出血をしただろうに、俺は貧血にすらなっていなかった。もしかしたら、水の秘薬でも使って人為的に増血させているのかもしれない。であるならば、この頭のいかれた儀式が完遂されるのも、そう遠くはなかろう。 「さて、秘術の中止以外で要望があるのなら、最大限まで聞いてあげることはできるけど……何かあるかい?」 「…………私の、視界から、消えてくれ」 俺は心からの願いを吐いた。もうこいつの顔を見るのは、必要最低限にしたかった。 ダッシュウッド男爵はにこりと笑うと、 「では、きみが夕食を取ったら戻ろう」 そう言って、彼は鉄格子の扉を開けて、食事を乗せたトレーを俺の横に置いた。 俺は煩わしさを感じながら、口を開いた。 「……いらん」 「そういうわけにもいかない。栄養状態が悪いと、水魔法の効果も弱まってしまうからね。――食べろ」 その言葉に、びくりと俺の体が反応する。これは命令だ。彼の命令には……逆らえない。 起き上がった俺は、意志に関係なく食事を取りはじめた。貴族用の高級な料理ばかりであるが、望まない食事は死ぬほど不味かった。 必要な分の量を胃に収めたところで、俺はようやく拷問まがいの食事から解放された。必要なことは済んだからか、その後、ダッシュウッド男爵は俺の要望どおり、さっさと上に帰っていった。 独りになった俺は、食事後にすぐ寝転がるわけにもいかず、冷たい石壁に背を預けた。 明日に、また一本。 次は右腕か、それとも両足のうちのどちらかか。いずれにせよ、すぐに命の消えることがわかっているのだから、どれから切り取られようが、さほど違いはなかろうが。 腕をなくした左肩を右手で握り、歯噛みをする。 負の感情が混ざり合い、言葉に表せないものとなる。込み上げたそれらは、俺の精神を着実に蝕んでいく。何も考えたくなかったのだが、先刻までずっと気絶していたせいで、眠気もなく目が冴えてしまっている。 俺はじっと、天井を見つめつづけた。何分、何十分とそうしていたのか、わからない。もしかしたら、何時間も経っていたかもしれない。 時間感覚が完全に狂った時、小さな足音がかすかに聞こえた。おそらく、ダッシュウッド男爵だろう。また、何か用があるのだろうか。こちらとしては声も聞きたくないというのに。 「アシュリー」 「え?」 間抜けな声を、俺は上げた。 おそらく、顔も間抜け面だったに違いない。それほどまでに、俺は驚き、そして混乱していたのだから。 震えを抑えられないまま、視線を天井から下ろす。 鉄格子の向こう側に、その人物は気配もなく立っていた。 幻聴と幻視か、と最初は思った。けれども、彼女はもう一度、今度ははっきりと存在を主張するように、明確に言葉を投げかけてきた。 「遅れてすまない。……動くことは、できるか?」 答えようとして、声が出なかった。緊張を抑えこめるために、一度呼吸を直して、唾を飲みこむ。それでようやく、なんとか口が利けるようになった。 「……なん、で……ここに……」 そうだ。 なぜ、ここに来た。 あなたには、そんな理由も義理もないはずだ。 ――ヘレン。 「お前を助けに来た」 まるで当たり前だと言わんばかりに、ヘレンは答えた。 ばかな。 あまりに都合がよすぎる。 これは、俺の妄想ではないのか。 そう惚ける俺の前で、ヘレンは杖を振るう。すると、鉄格子の扉が嘘のようにたやすく開いた。彼女はそこから獄中に入り、俺の前で視線を合わせるように屈みこむ。 「アシュリー」 そう名前を呼ぶヘレンは、たしかに実在していた。これは……俺の妄想などではない。本当に、彼女は、俺を助けに来たのだ。 なぜ、という言葉を呑みこむ。 ここで、あれこれと問答している暇はない。混乱から復帰してきた頭が、そう判断を下す。ここは敵陣であり、危険を冒しながら、ヘレンはやってきたのだ。いますべきことは、いかにして素早くここを脱出するかであろう。 「動けるか?」 ふたたび尋ねるヘレンに、俺は強く頷いた。あれほど萎えていた生気が、いつの間にか湧き出ていた。これは死地から脱出する、最後のチャンスだ。ここまで来てくれた彼女のためにも、無駄にするわけにはいかない。 「ありがとう……ヘレン」 感謝を口にしながら、ゆっくりと立ちあがる。 「詳しいことは、あとで話す。今は逃げることを優先しよう」 ヘレンの提案に賛成し、牢獄を出る彼女の後ろに続く。 開けられた鉄格子の扉をくぐろうとして――俺の脚が止まった。 体が震えて動かない。くそ、動けッ! 己を叱咤しても、やはり結果は変わらない。その原因を、俺はよく理解していた。脱出の機会を前にしてなおも、ダッシュウッド男爵の仕掛けた制約は俺を縛りつけていた。 脱獄するということは、彼に対して明確な抵抗となる。 その場で尻餅をついた俺は、苦々しい顔でヘレンに制約の内容を伝えた。 それを聞いた彼女は、少しだけ考えこむと、すぐにルーンを唱えはじめた。 「ユビキタス・デル・ウィンデ……」 詠唱を終えて、杖を振る。次の瞬間には、“もう一人のヘレン”が現れていた。 分身、と言って差し支えないだろう。まったく同一の姿かたちをした人間が並んでいるのは、じつに奇妙な光景だった。 ――遍在。スクウェアクラスの風魔法である。実際に目にするのは、当然ながらこれが初めてだった。 分身のほうであるヘレンが、座りこんだままの俺を抱きかかえる。その状態で、彼女は鉄格子の外へ出た。 「自力でなければ、問題はないか」 どうやら、ヘレンの言うとおりのようだ。俺の意志では一歩も動けないものの、他人の力で運んでもらえば、ここから離れることも可能だろう。……なんとも情けない体裁だが。 相も変わらず無力な己に自虐感を募らせていると、ヘレンが言いにくそうに口を開く。 「その左腕は――」 「大丈夫……です。傷口は、治っています」 「……すまない。モリグに調べさせていたのだが、時間をかけすぎたな。もっと早く侵入していれば……」 モリグ――そうか、思い出した。ヘレンの使い魔か。主人と使い魔は、感覚の共有をすることもできる。ならば、たしかにあの小鳥を使えば、屋敷の内外などを気づかれずに調べられるだろう。 とはいえ、屋敷に存在する人間の行動などを正確に把握しておくためには、相応の時間はかかってしかるべきである。それを怠って侵入を試みれば、予想外のミスが生まれるかもしれないのだ。それを考慮すれば、ヘレンの行動はまったく正しかったと言えよう。それに現時点で犠牲になったのは、“たかが”俺の片腕一本だけなのだから。 「……行くぞ」 ヘレンは雑念を払うように首を振り、静かにそう言った。俺も余計なことは口にしまいと、「はい」とだけ短く答えた。 先頭をヘレン。後ろに、俺を抱えた遍在が続く。 狭い階段を上へと歩いていくと、前方が行き止まりになった。どうやら、出入り口は棚のようなもので塞ぎ隠されているようだ。ヘレンが杖を振るうと、念力の魔法によって、棚がゆっくりと横にスライドしていった。 その出入り口から出たところは、思いがけない場所だった。それは――書庫だった。整然と書架が並べられ、ほとんどの棚が本で埋まっている。奥義書(グリモワール)などというものにまで手を出しているということは、ダッシュウッド男爵はそれ以外の一般書も膨大な量を読了しているのだろう。もし彼がこれらの書物をすべて読んでいるのだとしたら、末恐ろしい執心である。 「この上が、屋敷の一階につながっている」 ヘレンが声を潜めて言った。 ということは、俺がいた牢獄は地下のさらに下にあったようだ。なるほど、それならいくら大声で騒ごうとも、屋敷の人間には気づかれないだろう。おまけに、貴重な書物が収められている書庫となると、普通の使用人が立ち入ることさえ滅多にないはずだ。牢獄の存在を隠匿するのはたやすかろう。 「タイミングを見計らって、書庫から一階へ、そして屋敷の窓から外に出る。声は出さんように、注意しろ」 ヘレンの指示に、俺は頷いた。 それからは口を閉ざし、書庫から一階に続くドアの前で待機する。遍在ではない、本体のほうのヘレンは両目を閉じていた。おそらく、モリグの視界を共有して外の様子を確認しているのだろう。 「――出るぞ」 ふいに、ヘレンが声を上げた。すぐに彼女はアンロックの魔法で開錠して、ドアを開く。 そこからは素早く、されど足音をいっさい漏らさずに移動する。ヘレンのその身のこなしは、さすが気配に鋭敏な風メイジといえよう。 廊下を渡り、突き当たりのところで、目的と思われる窓があった。先にヘレンがそこを通り、遍在と抱えられた俺があとに続く。 外は月明かりで照らされていた。深夜とはいえ、これだと目を凝らせば遠くからでも姿が見えてしまう。途中で発見されるのではないかと緊張したが、俺たちはなんとか屋敷から離れることができた。 ――逃げだせた。 そのことを、ようやく実感した時だった。 寒気が走った。 それが強烈な殺気だと俺が気づくより早く、ヘレンは行動していた。背後を振り返り、風魔法を放ったのだ。烈風が唸り声を上げて、こちらを射殺さんと飛んできた氷の矢を弾き飛ばした。 「…………」 ヘレンは、魔法が飛来してきた方向を無言で睨んでいた。俺もゆっくりと、震えながら、そちらへと視線を移す。 その姿を見て、俺は危うく小さな悲鳴を上げかけた。 ……彼がいたのだ。ここからでもわかるほどの、見る者すべてを畏怖させうる熾烈な魔力を滾らせて。 「ダッシュウッド男爵……」 俺は苦々しく、その名を呟いた。 遠目だが、ダッシュウッド男爵の服装は寝衣のままだとわかる。もしかしたら偶然、俺たちの脱走に気づいて、駆けつけたのかもしれない。だとしたら、なんとも運の悪い話である。 「アシュリー」 ヘレンは声に緊張を含みながらも、決意したように言い放った。 「私は、ここでやつと戦う」 「え?」 予想だにしていなかった言葉に、俺は面食らってしまった。 「やつは単身だ。お前の今後の安全を確保する好機は、今しかない」 ダッシュウッド男爵を、殺そうと言うのか。 それは……ダメだ。危険すぎる。 たしかに、ヘレンは強いかもしれない。傭兵として渡り歩いているのだから、戦いのスキルは豊富なのだろう。 しかし相手――ダッシュウッド男爵も、スクウェアの力を持つメイジなのだ。楽にあしらえるような甘い敵ではないと断言できる。 おまけに今、俺という足手まといがいることも考えると、戦況は不利といっても過言ではない。 そして、もう一つ――相手はきちんとした爵位を持つ貴族なのだ。 それを殺すなどということは、世間的に見れば途轍もない大罪である。背負うリスクの大きさは計り知れないだろう。 そう……俺のために、ヘレンがそこまでする必要はない。こうして逃してくれただけでも、十分すぎるほどの恩義があるのだから。 「ヘレン! ダメだ!」 俺は思わず叫んでいた。そして、抑えきれない心情をぶちまける。子供らしい口調も忘れて、彼女の行動をやめさせようと、ダッシュウッド男爵の危険性を説いた。 なのに。 それでも。 「ならば、なおさら放っておけん」 まったく退く気配も持たず、ヘレンは言いきった。 なぜだ! どうして、そんなにこだわるんだ……! わからない。理解できなかった。迷惑しかかけていない俺のために、どうして……。 「アシュリーッ!」 その鬼気迫る声に、俺はぞくりとした。 ダッシュウッド男爵は、すでに声の届く位置にまで来ていた。そして、これまでの様子からは信じられないような怒気を湛えて叫んだ。 「命令だ! ――ぼくのところへ戻れ!」 命令、と聞こえたところで、ダッシュウッド男爵の声が不自然に消えた。これは――サイレントの魔法だ。ギアスの効果が発現されないように、途中でヘレンが阻害したのだろう。 「もう時間がない。……ここから、立ち去るぞ」 俺を抱えている、遍在のほうのヘレンがそうささやき、飛行(フライ)の魔法のルーンを唱えはじめた。お荷物でしかない俺を連れて、ここから離脱させるつもりなのだろう。 ……ヘレン、本当に俺のために、ここで彼と対決するというのか。 「……逃げる気か、アシュリー。だが……無駄なことだ。ぼくの取り込んだ、きみの血(水)は、きみの気配の在り処を教えてくれるのだから」 俺から目を離さず、ダッシュウッド男爵が口を開いた。サイレントの魔法のせいで、彼がどういう言葉を上げたのかわからない。だが――俺の存在を諦めない意志と執念が、その所作から感じとれた。 遍在のほうのヘレンが、俺をしっかりと抱きしめて、フライで上空に飛び上がる。 地上に残った二人――本体のヘレンとダッシュウッド男爵は、お互いに杖を構えて対峙した。……もはや、戦闘は避けられまい。どちらかが死ぬことになるのだろう。 先に杖を振るったダッシュウッド男爵の上方に、三十はゆうに超える数の氷の矢が出現した。彼はそのうちの半分を放ったが、ヘレンは風魔法と俊敏な身動きでそれらを防ぎいなした。 俺が認識できた光景は、それで最後だった。フライの高速な移動で、もはやあの二人の姿が見えないところまで来てしまったのだ。 「アシュリー。私が死んで、あの男が生き残ったら、できるだけサウスゴータから離れろ」 遍在とはいえ、俺を抱えている彼女も、紛れもなくヘレンと同一の記憶や思惟を持っている。すなわち、その言葉はヘレンの述べるものに相違ない。 だからこそ。 ――死ぬなんて、言わないでくれ。 震え声で、俺がそう言うと、 「私は、もういいんだ」 なぜ彼女がそんなことを言うのか、まったくわからなかった。俺のために命を危険にさらすことにも、まるで納得できなかった。 かける言葉を見つけられずにいると、すぐにサウスゴータの街に着いてしまう。ヘレンはそのまま降下して、人気がない建物間の細い路地に着地した。 「……思いどおりに、いかないことばかりだな、この世は」 ぽつりと呟いたヘレンは、俺の肩に手をかけてしゃがんだ。 そして、ゆっくりと、語りかける。 「あの男との決着がついた」 その言葉に、俺は顔を強張らせた。 決着がついた。 そして眼前の遍在である彼女は――消失していない。 ならば―― 「やつの息の根は止めた」 安堵が漏れ、次いで不安が湧き出る。 ダッシュウッド男爵が死んだということは、ヘレンは無事だということだ。しかし、彼を殺したということは、今後はその罪から彼女は追われるに違いない。 そんなヘレンに対して、俺はどう感謝して、どう謝罪すればよいのか。 言葉を探し出そうとして―― 異変に気づいた。 「……ヘレンっ!」 眼前の彼女の姿が、揺らいでいた。 ……遍在が、消えかかっている? まさか。 もしかしたら。 いやな予感が膨れ上がる。 それが間違いであってほしかった。 けれども、ヘレンは、躊躇なく言い放った。 「致命傷だ。私も助かるまい」 足の力が抜けて、倒れそうになる。 だが、その体を支えるように、ヘレンは力強く俺の肩を抱きしめた。 「……私からのお願いがある」 胸が破裂しそうなほど高鳴り、乱れた息は過呼吸に近いほどになっていた。 何度かうめき声を上げたのち、ようやく俺は「……な、に」とだけ言葉を返すことができた。 ヘレンが最期に託す願い。 傭兵団のメンバーへの遺言か、それとも別のことか。いずれにせよ、何がなんでも、俺の命に換えようが、実現させなければならないだろう。それは最低限必要な、彼女に対する感謝と謝罪となる。 「アシュリー」 固唾を呑んで次の言葉を待つ俺に、ヘレンは初めて大きな笑みを浮かべて、 「――生きろ」 そして彼女は、風のように立ち消えた。 俺は、崩れ落ちるように膝をついた。 ◇ 気づけば、日の出の時刻になっていた。 いつの間に、それほどの時間が経ったのだろうか。あのことが、つい数分前のことのように思えるのに。 膝をついたままの俺の頭には、ずっとヘレンの言葉が離れなかった。 ――生きろ。 とんだ皮肉だ。ダッシュウッド男爵の命令と同じだなんて。 それでも、それは、ヘレンの願いなのだ。ならば、俺は、“命に換えても”生きなければならないのだろう。 右腕に力を込めて、こぶしを握る。 大丈夫。動ける。動かなければならないのだ。 おもむろに、着実に、立ち上がる。 行こう。 そう思ったが、どこへ、と自問する。 ダッシュウッド男爵が死亡した以上、俺への明確な脅威はなくなったはずだ。彼は俺の存在を秘匿していたのだから、彼のあとを継いで俺を狙うような輩もすぐには現れまい。つまりは、何も今すぐ、着の身着のままでサウスゴータから離れるような必要はないわけだ。とはいえ彼が死亡した事件について、今後起こるであろう騒動の推移には注目しておくべきだろうが。 ならば差し当たり、この街に留まるとして、どうすればよいのだろうか。 ヘレンの傭兵団のメンバー――チャーリーたちに会ってみる? だが、おそらく、もはや彼らはサウスゴータにはいないだろう。ヘレンのあの行動は、明らかに単独で計ったものだった。そしてチャーリーたちについて、ヘレンが何も言及していなかったことを考えると、やはり彼女は傭兵団と袂を分かったのだと推測できる。それはきっと――危険に巻き込みたくなかったからだろう。 今後、少なくともヘレンの死については、傭兵団に言い伝えなければならない。彼らがヘレンに対してどう思っているのであれ、だ。しかしながら、彼らがこの街にいないとなると、現状では保留するしかないが。 ……ひとまず、生き延びることを優先すべきか。我が身が滅びてしまっては、元も子もないのだから。 とにかく、新しい杖と契約して魔法が使えるようになれば、最低限どうにかして生存はできるだろう。しかし、その契約を交わすまでの間は、何かしらの方法で食事と住居を確保しなければならない。 そこまで考えて、頭に浮かんだのは、この街で俺がもっとも知っている宿屋だった。 「……モーリス」 そして、彼のことが頭に浮かぶ。命に別状はなかったとはいえ、俺のせいで怪我をさせてしまったのだということは確かだ。 寝床を貸してくれ、などと厚かましいお願いをするわけではないが、迷惑をかけたことについては、宿の主人やモーリス自身に詫びなければなるまい。 そうした考えもあって、俺が行き先をあの宿と決めるのに時間はかからなかった。 獄中生活のせいでなまった足の筋肉を動かし、細い路地から通りに出る。 まだ日が出て間もない時刻なので、人影はほとんど見えない。 フライの魔法で降り立った位置から方角を判断して、俺は街の大通りへ向けて歩きだした。 澄んだ空気と、拘束のない開放感。あの昏く濁った牢獄を経験してからだと、こんな普通のことがすこぶる大切なのだと実感する。 いつだってそうだ。本当はこよなく大事なものなのに、なくさなければそれに気づけない。 のろのろと歩みを進めて、ようやく見覚えのある道に出る。ここまでくれば、なんとかあの宿屋のところまでは行けるだろう。 時間が経ったこともあって、徐々に人の姿も増えはじめていた。通行人は俺とすれ違うたびに、顔をしかめたり、奇異の目を向けたりする。 だが、それも当たり前の反応だろう。今の俺の外見が、まともな子供のものではないのは自覚していた。そして、そうなってしまった元凶が、誰なのかもよくわかっていた。 周囲の目線を甘受しながら、健常な大人なら半分以下で済むような時間をかけて――俺はようやく、目的地にたどり着くことができた。 すでに店は開いている。しばらく深呼吸を繰り返して、覚悟を決めてから、俺は中に足を踏み入れた。 まだ朝の時間であるからか、酒場には人影がほとんどない。それだけに、給仕が俺の来店に気づくのにも時間はかからなかった。 店の主人を呼んでくれるように俺が頼むと、給仕は不審な顔をしながらも奥へ戻っていった。 そして間もなく、モーリスの父親である主人がやってきた。彼は一瞬、俺の風体を見てたじろいだようだったが、すぐに無愛想な表情に戻して、 「なんの用だ」 疲れと怒りが入り混じったような声だった。……それも当然か。俺のせいで、店で傭兵たちに暴れられたのだ。主人からすれば、もういっさい関わりたくない人間なのだろう。 主人の反応から、これを最後にもう二度と顔を見せないことを、俺は心中で決めた。それが今の俺にできる、最大の詫びだろう。 俺は謝罪の言葉を述べ、頭を下げた。 主人はそんな俺の様子を、つまらなそうな顔で見ていた。 「あの」 謝罪のあと、俺はおずおずと口を開いた。わがままかもしれないが、最後に一つだけ聞いておきたいことがあったのだ。 モーリス。彼が元気になったのかどうかを確認したかった。俺にはもう合わせる顔がないのだが、それでも気になって仕方がなかったのだ。 「モーリスは」 どうしているのか。 そう聞こうとしたところで、遮るように主人は言い放った。 「死んだよ」 体が倒れないようにするのが精いっぱいだった。 絶句している俺に、主人はいらついた様子で言葉を続けた。 「……打ちどころが悪かったようだ。悔しいが……済んでしまったことだ。だから――」 ――もう出て行ってくれ。 疲労のにじみでたその声に、俺は機械的に「はい」と呟いて、踵を返した。 店から出た俺は、ふらふらと歩きだした。行く当てはないが、とにかくどこかへ逃げたかった。 馬鹿な話だよ。少し考えれば、予想できたことだろう。 ダッシュウッド男爵からすれば、俺は獄中で食われ死ぬ存在だった。つまり、俺が外の事実を確認する術はなかったのだ。ならば、事の真偽はどうでもよい。俺を操作しやすい情報を与えられれば、それだけでよかった。 それなのに、のうのうとダッシュウッド男爵の話を信じていたとは、俺はなんと愚かで惨めなのか。 くつくつと笑いが漏れる。後悔と羞恥で、もはや俺は自身を消し去りたかった。 それでも――生きなければならない。生きてこの苦痛を味わうことこそが、俺の犯した罪への罰なのだろう。 乾いた笑いを浮かべて歩む俺に、道行く人々が目線を向ける。それは愚者を憐れむ目か、それとも狂人を蔑む目か。いずれにせよ、俺に近づくまいと道を避けてくれることはありがたかった。 頭が痛い。あまりにも考えることが多すぎた。これから何をするのか。どうすればよいのか。しかし道を決めたとしても、また悪いほうへ転がるだけではないのか。他人を巻き込むのではないか。 胸が痛い。みな、死んでしまった。だが、それを悲しめる資格があるというのか? 誰のせいでそうなったのか、一目瞭然ではないか。 足が痛い。こんな衰えた足では、運動に限界があった。歩くことすらままならないとは、なんという欠陥品なのだろうか。 どこに来たのかもわからなくなってきた頃、ふいに俺は地面につまずいて転んだ。 起き上がろうとしても、右手だけでは体が持ち上がらない。 気力もない。体力もない。そして、せめてもの頭すらない。ないない尽くしだ。このどうしようもない俺という存在を、どう扱えばよいのやら。 諦めて、ぼんやりと地面を眺めていると、頭上からどこかで聞いたことのある声が降ってきた。 「……私の店の前で、何をしている」 NEXT 名前
https://w.atwiki.jp/kobe201/pages/14.html
https://w.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/665.html
俺達が愛したタフな日々 ◆2PGjCBHFlk 卸売り場での戦闘から離脱したウルフウッドが求めたのは、まず何よりも休養である。 そのために彼は身近なところにあった図書館を選んだのだ。 荒らされた様子もないそこを根城に、しばしの仮眠を取ろうとした判断は正しいはず。 正直なところ、選んだ避難所は外見も中身も設計者の頭の中身を疑いたくなる代物だったのだが、その無駄な設計思想が幸いして隠れる場所は結構に多い。 頭の中では相変わらず「死ねコール」が絶え間なく続いており、いい加減に慣れてくると意識しなくても無視することができるようになる。人間の体は偉大だ。 カウンターを乗り越えて奥の通路を通り抜け、階段を上がって『更衣室』というプレートのかけられた部屋に乱暴に押し入る。 血止めなどの簡易的な応急処置を済ませ、置いてあった長椅子に陣取ると遠慮なくその場に横たわった。 最初に入った時、館内に誰もいない様子なのは確認済みだ。本に支配された図書城は戦いの喧騒もどこか遠く、静寂に満ちた空間が今の軋む体と心にありがたかった。 「タバコ……タバコ吸いたいわ。あかん、ほんまに頭ボーっとしてきた」 眠るつもりでやってきて、昏睡したら洒落にならんなぁと思いながら、意識が暗闇の中に飲み込まれていく。 まぁ、眠っただけなら危険を察知すれば勝手に体が起きるはずだ。 もしも昏睡したなら、その時に危険人物を送り込むような酷薄な神の御許に殴り込み、偉そうな髭面を粉砕してやる。 (なんや、案外まだまだワイも余裕あるやんか……) 死ねコールは鳴り止まないし、節々は痛むわで碌なことがない。 それでも眠りにつくその内心は、どこか穏やかなものを保っていられた。 ――のも束の間、ほんの十分程度のことではあるまいか。 「――そうか! 間違いねぇ! そういうことに違いねぇぞ!」 唐突に張り上げられた書架の塔からの大声に、寝入っていた体がびくりと震える。 ぼさぼさに乱れた頭を掻き、寝惚け眼を擦り、懐にいつもの癖で手を入れて、望みのものがそこにないのを確認して、怒りが頂点に達した。 (なんやなんや、どこのイカレポンチやねん。ワイの聖域に断りもなく入り込んで、じたばたじたばた騒ぎ立ておってからに。ドコノクミノモンジャワレスマキニシテシズメタルカコラ) 凄まじい怒気が吹き上がり、無粋な連中に対する殺意へと昇華されていく。 さらには侵入者達は怒るウルフウッドをおちょくるかのように、次々と重いものを地面に叩き落としている。 音とこの場所にあったものからして本だろう。しかも一冊とかではなく数十冊単位で次々と。 (その行為にワイをムカつかせる他の何の意味があるんや) もはや収まりがつかない。急襲し、螺旋塔の馬鹿どもを殲滅する。 サーチ・アンド・デストロイ。サーチ・アンド・デストロイ。 YES、ワイのマスターワイ。ハリー、ハリー、もひとつおまけにハリーやで。 残弾八発に予備マガジン。 件の馬鹿が油断して阿呆面を並べたボケナス共なら、十分にやれるはずの武装であるはずだ。 移動した先に感じる気配は三人。聞こえる声の様子からして、男が三人と女が一人。 あかんやん、計算がいきなり合っとらんやんけ。 この距離で声は聞こえるのに気配は断ってるって、どんな達人君がおるねん。 はい、終了。突撃急襲作戦は未然に防がれました万歳。 声の感じからして三人はガキ。子どもを殺すのは胸糞悪いが、正直なところこの場に足を踏み入れてから子どもばっかり殺してて感覚が麻痺してきよる。 まぁ、賢そうな声の奴の気配がどこにも感じられんから、そんな手練れと一戦交えるつもりなんて毛ほども出てこうへんのやけど。 ドッスン、バッタン、ドッスン、バッタン。 皆さんどうぞお好きにどうぞ。効率が悪いので、二組に分かれて左右同時攻略推奨。 頭おかしくなった四人組とかだったらどうしようか。そもそもこの場に安穏と留まるべきかどうかも問題だ。 奴らの目的がこの図書館中の本に地べたを舐めさせるという部分にあるのであれば、いずれはこの場所にも「本はどぉこだぁ~」と現れる可能性がある。 となるとここでイヤンバカン好きにして状態で転がる自分との遭遇は必至なわけで。 (なんや一秒たりともこんな場所に長居する必要ないやんか) 結論に至れば動きは早い。枕にしていたデイパックを回収し、ほんの数分だが寝転がるのに利用させてもらった長椅子に触れて別れを惜しむ。 悲しいけれどこれでお別れや。ワイは西から東へ、あてもなくさ迷う流浪のコメディアン。 ああ、行かないで。ここに残って。もっと私の固さを味わって。 そうは言ってくれるんやないで。別れが泣き顔になるんは、趣味やないんや。 手紙書くわ、だから手紙……きっときっと書いてね。 おおきに、任せとき。われも風邪ひかんよう、元気に伸び伸びとやれや。 さようなら、初めて私に寝そべった人。 脳内会話終了。 自分で自分がかなりヤバイ状態になっていることが理解できる。しかし本気で頭駄目な人は自分が駄目なことに気づかないらしい。となればヤバイことになってると理解しているワイはヤバイことにはなっとらんのとちゃうんか? ガシガシと頭を掻き、結局、自分は何をしなければならなかったのかを思い出す。 えーっと、そもそもここには何をしにきたんだったか。 脳内ウルフウッドさん、お答えをどうぞ。 (死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね) そやったそやった。もうこんだけ言われてるんやから大人しく死のう。 わー、死のう。さようなら人生、ありがとう毎日。ビバ・涅槃。 「んなわけあるかい。と、遂に一人突っ込みの領域やでこれ」 疲労の極致が認識と判断力の齟齬を生み、中途半端な仮眠が眠気を増大させて耳鳴りがする。 右からは耳鳴り、左からは死ねコール。真ん中にいるのはウルフウッド君でーす、いえー。 何しにここへきたんだったか。 そうだ思い出した。 「ワイ、一眠りしにきたんやないか」 ならばまだるっこしいことは忘れて、とっとと寝よう。 目の前にはおあつらえ向きに寝転がれる長椅子があるし、枕代わりのデイパック。 なんや寝る準備万端やないけ、知らんふりして、ネンネのふりしおってなぁ。 あかん、ほんまにもう限界や、寝るで。たとえ一秒後に世界が滅んでも。 あら、いらっしゃい。またきたのね。 阿呆か、初対面やろが。ええからちゃっちゃと体貸せ。 悪態をついて長椅子に横たわり、頭の下にデイパックを置いて準備完了。 ではさようなら現実。目が覚めたらタバコ屋が目の前にありますように。 ――ドッスン、バッタン。 はい現実逃避終了。今度こそきりきり戻ってきて、きっちり動かんかい。 あまりの間抜けさにほんま頭が下がるで。呆れました。ぶっちゃけ愛想も尽きました。 愛想も尽きたし正直ネタも尽きました。これ以上は間が持たへん。 さっきまでドタバタ騒がしかったはずの館内が急に静まり返っている。 かといって侵入者が出て行ったようにも感じられず、ウルフウッドは首を傾げて階段を下る。 (ほんま嫌やでこれ。実はワイを誘き出すための陽動作戦とかやったらどないやねん。 ガキが騒いでその間に気配のない奴が上階に潜入。 一人ボケ一人突っ込みに夢中のウルフウッド君、スッパリやられて地獄行き――阿呆か) ちらと確認した書架の塔の一階はひどい有様だ。 階段上の本棚から次々と投げ出された本がうず高く積まれ、識者達の嘆きを誘う。関係ないけど。 見上げた本棚の一割程度に過ぎないが、綺麗な仕事ぶりにウルフウッドは感嘆。完全に侵入者が病気であることを確信。 もしくは猟奇的なフェチや。本が床の上でだらしなく寝そべっている光景に性的興奮を覚える輩の犯行や。 ギラリと冴え渡る名推理。灰色の脳細胞が唸りを上げて、とっとと眠れと直訴している。 いやワイもそうしたいのは山々やねんけど、おちおち居眠りもできひんのやここ。 脳内助手に適当に応じて、関係者通路の最奥を目指す。 侵入者達の気配はどうやらその部屋の中らしい。 不思議なことに四人もいて話し声の一つも聞こえないのだが、まさかあられもない本の姿にうっとりしているのだろうか。 想像しただけでげんなりやでほんま。 「あー、こういうことかこういうことか。なんや、変なフェチ入ってるんやないか疑って悪かったわ。 むしろものごっつい賢いやんか。ワイ、なんやかなりの阿呆やん」 部屋の様子を入り口から窺い、室内に誰も見当たらないのと、最奥に漆黒の扉が存在感を主張しているのを見て納得する。 扉は位置からして、一つだけ存在感を主張する移動したと思しき書棚の裏。 つまり侵入者は性癖ではなく、本棚の裏の扉を求めて次々と書架を陵辱していったわけである。丸。 「ほんならわざわざ隠してあるぐらいや。中にあるんは何なんやろなぁ」 まさか貸し出し禁止の貴重な本、なんてオチは待っていないだろう。 鉄の扉の厳重さからいって、中に封印されているのはそれなりの代物。 「ひょっとして武器庫かなにか? いやいや、タバコ屋という線も捨てきれんで」 小声で益体もない戯言を漏らしながら、ウルフウッドは装弾された銃を握る。 姿勢は低く、扉の陰に身を潜め、中の連中に見つからないように内側を覗き、 ――期待がどっちも完璧に裏切られたことを知る。 (なんやプラントの工場みたいなもんやんけ。似ても焼いても食えるもんちゃうで) 落胆も露に額に手を当てるウルフウッドの気持ちも知らず、中にいる少年達はがやがやと嬉しげに手を叩きあっている。 というかなんやねんそのアットホームな感じは。 ここが今、何をする場所でどんだけ人が死んでるのかわかってるっちゅーんか。 人死にがわんさか出て、それでも笑える心が残っとるなんてトンガリみたいな連中やんけ。 うわぁ、そう考えれば考えるほどに腹立ってきた。 殺したろかな。隙だらけやんか、あいつら。 あの水色の髪の嬢ちゃんなんか、多分、自分が死んだかどうかわからんぐらいアッサリいけるで。 三人合わせてものの数秒――あかんて、だから声が四人分聞こえるねんて。 というかこの場においてもまだ四人目の声が聞こえて姿が見えないってどないなことやねん。 透明か。透明人間なんか。あかん、透明人間を倒すのはワイには無理や。 だって透明人間は血も透明やから死んだかどうかが確認できんもん。透明人間はごっついキツイわ~。 あ、でもアレやな。透明人間もずっと裸でおるんは寒くて無理やろうから、夜になって寒なってきたら服を置いといたらどうやろ。 そんでもって透明人間がまんまと服に袖を通して、服だけが浮いてるのを確認すればばっちり殺せるやんけ。 あ、ダメや。透明人間が子どもやったら、ちょっと子供服は用意できへんからな。 参った。これさえなけりゃ完璧な作戦やったのに。 ウルフウッドが脳内で対透明人間戦のシミュレーションを余念なく行っていた時だ。 室内で騒いでいた面々に、新たな変化の兆しが訪れたのは。 『――螺旋界認識転移システム起動、転移開始』 妙に無機質な声が聞こえたと思った瞬間、部屋の中から白光が溢れ出しウルフウッドの目を焼いた。 一瞬、視界が奪われる不徳に全身が臨戦態勢を取って身構えるが、攻撃はない。 何度かの瞬きで視界を取り戻したウルフウッドは、先ほどまで目の前にいたはずのガキ連中が見当たらないことに気づき、 「なんや最近のガキは逃げ足速いんやな。こんだけ速けりゃ世界が狙えるで世界が。何の世界かは知らんけど」 呟きながら室内に入り込み、目新しいものはないかと物色する。 プラントよりさらに小難しそうな機械が群れているだけで収穫なし。 「螺旋界認識転移システム……やったか?」 先ほどのガキ共の交わしていた内容が正しければ、求めるもののある場所へ一瞬で飛ばしてくれる装置らしい。 それを利用してガキ共は会場の中をメルヘンヤッホー感動のご対面スペシャルしているわけだ。 あるいは背後のウルフウッドに気づき、慌てて逃げ出したのかもしれない。 まあどちらにせよ何たる便利機能、完璧にゴチになります。 確か青髪の刺青青年がごちゃごちゃ押したのがこの赤いスイッチやったはず。 ほな、ポチッといきまーす。 「あー、そやな。とりあえずあれや、パニッシャーんとこに飛ばしてくれんかな」 『――螺旋力が確認できません』 いやそんな一見さんはお断りですーみたいな感じでこられても困る話やから。 なんや客を選ぶんかい。お客様は神様ですー言うやん、ちゃうんかい。 「そんなつれんこと言わんと、ワイのパニッシャー返したってくれや」 『――螺旋力が確認できません』 「なんちゅー頑固さ。こうなりゃワイもそっちがYESと首を縦に振るまで、断固として同じ要求を繰り返す。我々は暴力には屈さへんで」 ――パニッシャー。 ――螺旋力が確認できません。 ――パニッシャー。 ――螺旋力が確認できません。 ――あかん、もう飽きた。 「そもそも螺旋力ってなんやねん。なんや、グルグル回ります的な力のことかい。 ほんならこれでどないやねん。ワイは死ぬ前は血塗れの人生を撃ったり撃たれたりしながらぐるぐる回ってきました。 でもって最終的にそこで死んで、死んだと思いきやこのゲームや。生きてても死んでても殺し殺し殺しの螺旋。どや、これは螺旋力にならんか?」 『――螺旋力が確認できません』 「なんやシビアやねんな。ほんならこれはどないや? 実は結構前から頭の中でずーっと誰かが『死ね死ね死ね死ね』繰り返しとんねん。 ちょっと気の弱い奴やったら自殺に追い込まれそうな負の連鎖。 右から左へ流れるように、ぐるぐる終わらないこの死ねコール。これは螺旋力にならんのか?」 『――螺旋力が確認できません』 あまりの頑なさに完全にお手上げ、白旗状態。 意地の張りすぎはよくない。負けるが勝ち、引くのが大人。 「あれか? アレなんか? なんや思いの力が足りませんよー的な? 本当にあなたが欲しいと思っているものはそんなものではありませんよー的な?」 誰にともなく虚空に呼びかけ、それからウルフウッドは仕方ないと舌打ちして、 「そやねん。ほんまはな、ワイは今はパニッシャーなんて欲しないねん。 ほんまのほんま、ここだけの話、ワイが欲しいんわな……タバコやねん。どないやこの本音」 『――螺旋力が確認できません』 「どーいうこっちゃねん!」 けたけた笑う。自分の道化ぶりが自分でおかしく、しかも板についてきた気がする。 今後はコメディアンやのーて、ピエロで売っていったろか。 いやそもそも、ワイってコメディアンやったことあったっけ? 「こりゃ傑作やないか! わっは、わっはっはっはっは! わっは……げほっ、がほっ、わはっはっは!」 肩を大いに震わせ、口を大いに開けて、顔を大いにくしゃくしゃにし、咳き込みながら大声を上げて大いに笑う。 そうして一頻り笑いの衝動が収まったところで、ウルフウッドは黙り込んだ。 沈黙し、赤いスイッチの手前の椅子に腰掛ける。 それからボーっと装置を眺め、何気なくその赤いボタンにもう一度触れた。 「――ヴァッシュ・ザ・スタンピードや。 ワイが、もう一度会いたいんは。ヴァッシュ・ザ・スタンピードや。これでどないや」 応答までの無言はこれまでで最も長かったような気がする。 だからひょっとしたらと、期待させられてしまった。 運命を定める神はウルフウッドを嫌っていて、そんなこと承知だったというのに。 『――螺旋力が確認できません』 無機質な声に「は」と最初に乾いた音が漏れ、後に投げ遣りな笑声が続いた。 まぁ、無理だろうと思っていた。トンガリが死んだのは知っているわけだし。 そもそも実際のところ、これで飛ばされていたとして自分は何がしたかったのか。 ――千切れた首か、残った胴体。どっちかのところに飛び出すわけや。 そんなもん目の前にしても正味、ワイが出来んのは十字切る程度のもんやで。 ああ、でも、それも良かったかもしれない。 胴体はともかく首のところに出れば、あの小憎たらしい嬢ちゃんに会えたかもしれない。 そうしたらよっぽど苦しめ抜いて殺してやって、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの弔い合戦もできたかもしれないのに。 「弔いとか、阿呆やんなぁ、ワイ。そんなこと別に考えてへんねんで」 『――螺旋力が確認できません』 「なんやねん、その返答。それじゃまるでワイが、まだトンガリに会いたがってるみたいやんけ」 『――螺旋力が確認できません』 「ちょっとぉ、勘弁したってぇな。死ぬ前は散々突き放してたくせに、いざ死んでもうたら実はもっと一緒にいたかったんですぅなんてやっすい芝居でも流行らんぞ」 『――螺旋力が確認できません』 「困ったわ。これもう人格攻撃の域やで、ほんま。 われがその言葉を言うたんびに、ワイの中の高潔なウルフウッド像的なもんが削り取られていくんや。訴訟問題起こしたら、これちょっと完全にワイが勝訴やで」 『――螺旋力が確認できません』 「やめえ、ゆうとるやないかぁ――ッ!」 機械の計器を怒りのままに思い切り蹴りつけ、ウルフウッドは吠える。 頑強な造りの機器には何の影響もなく、ウルフウッドの爪先が痛くなっただけの結果だ。 おまけに一向に、声は鳴り止まない―― 『――螺旋力が確認できません』 「そうか。そんなにまで、ワイが間違ってるいうんか」 『――螺旋力が確認できません』 「違うで、トンガリ。これはな、ちゃうんや。ワイはな、あくまでタバコが欲しいだけやねん。 だからこうして、プライドも捨てて何度も何度も頼み込めるわけや。タバコはワイの命の糧。 流石に何事も命とは引き換えにできんからなぁ」 『――螺旋力が確認できません』 「われが死んで悲しいなんて、これっぽっちも思っとらんのや。だって、そやろ? ワシらの関係ってのはいつ死ぬかもわからんような戦場で、互いに憎まれ口叩いて、 ヘマしてるの見たら腹抱えて笑って、そんな関係やったやんな? せやからわれが死んだら笑うのが筋で、これで寂しがるなんてのはワシらと違うんや」 『――螺旋力が確認できません』 「だからな、違てるんや。違てるんやで。トンガリ、ワイはお前が死んだことなんかちっとも悲しないで。 なんや死んだワイと会ってわれはずいぶん喜んどったけど、ワイは正直サブイもんや。 二十歳越えた大人が……っていうかわれの場合はそういう規模やないやんけ」 『――螺旋力が確認できません』 「確かにな、なんやかんやで楽しい日々やったのは事実やで。われと背中合わせで戦った日々は悪ぅなかった。 けどな、戻る言うたわれの手をワイは振り払ったやんか。友達やー言うて出てきたわれを見捨てたやんか。な? ワイのどこに、われの死を悲しむ理由がある?」 『――螺旋力が確認できません』 「せやから、タバコや。ほんまに早う、タバコのとこに飛ばしたってくれ」 『――螺旋力が確認できません』 「ワイがこれでタバコのとこに飛んでいけるなら――」 『――螺旋力が確認できません』 ――ワイはトンガリが死んだことなんか悲しないって、開き直れるんや。 繰り返し繰り返し、その問答は続けられる。 笑い混じりの涙声と、無機質な言葉の繰り返しのやり取りが。 会場の全域に響き渡る放送も、完全に意識の外側に置いたままウルフウッドは呟く。 機械によって構築された室内で――自分に何もしてくれない部屋の片隅で。 『――螺旋力が確認できません』 【B-4/螺旋界認識転移装置室/2日目/朝】 【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン】 [状態]:疲れによる認識力判断力の欠如、情緒不安定、全身に浅い裂傷(治療済み)、肋骨骨折、全身打撲、頭部裂傷、貧血気味 寝不足による思考の混乱 軽いイライラ、聖杯の泥 [装備]:アゾット剣@Fate/stay night、デザートイーグル(残弾:8/8発)@現実(予備マガジン×1) [道具]:支給品一式 [思考] 基本思考:自分を甦らせたことを“無し”にしようとする神に復讐する。(①絶対に死なない②外道の道をあえて進む) 0:ワイはトンガリのことなんてどうでもいい。タバコが欲しいだけなんや。 1:とにかく休憩したい。図書館は誰もいないから、丁度いいはず。 2:売られた喧嘩は買うが、自分の生存を最優先。他者は適当に利用して適当に裏切る。 3:神への復讐の一環として、殺人も続行。女子供にも容赦はしない。迷いもない。 4:自分の手でゲームを終わらせたいが、無謀なことはしない。 5:ヴァッシュに対して深い■■■ 6:言峰に対して――――? [備考] ※迷いは完全に断ち切りました。 ※ヴァッシュ・ザ・スタンピードへの思いは―― ※シータを槍(ストラーダ)、鎌鼬(ルフトメッサー )、高速移動、ロボットの使い手と認識しました。 ※言峰の言葉により感情の波が一定していません。躁鬱的な傾向が見られます。 ※シータのロボットは飛行、レーザービーム機能持ちであることを確認。 ※螺旋界認識転移システムの場所と効果を理解しましたが、未覚醒のため使用できません。 ※五回目の放送を聞き逃しました。 時系列順に読む Back アイが呼ぶほうへ side-A Next 箱庭の隅っこで愛を叫んだケモノ 投下順に読む Back アイが呼ぶほうへ side-A Next 箱庭の隅っこで愛を叫んだケモノ 255 陸でなしと寄せ集めブルース ニコラス・D・ウルフウッド 265 TRIP OF 『D』/死を運ぶ黒き風
https://w.atwiki.jp/amaamaamane/pages/3.html
カウンター 今日 - 昨日 - 合計 - 更新履歴 2015-4-4 あまね氏の現在 ゆるパク検証(画像追加) 2015-3-13 『刀剣乱舞』二次創作からのパク検証2 2015-2-16 『刀剣乱舞』二次創作からのパク検証1 2014-12-26 ゆるパク検証(画像追加) 2014-12-15 『純潔のマリア』パク2(画像追加) 2014-11-11 釈明文の矛盾(画像追加) 企業出資を否定(画像追加) 2014-11-10 すでに終わったこと(画像追加) 2014-11-09 新文書 2014-11-08 花売り騒動の経緯を更新 ゲームのキャラデザパク検証(画像追加) すでに終わったこと 2014-10-18 三次創作からの設定借用 3 2014-10-16 三次創作からの設定借用 1 2 4 5 6 7 2014-10-11 ゲームのキャラデザパク検証 2014-09-01 反省の色は皆無(画像追加) 2014-07-27 反省の色は皆無 2014-07-23 花売り騒動の経緯を追加 2014-07-04 花売り騒動の経緯を修正、追加 2014-05-28 『純潔のマリア』パク2(画像追加) 2014-5-21 ヒグチユウコ氏の配色パク検証(画像追加) 2014-05-20 ヒグチユウコ氏の配色パク検証 『宝石の国』パロ検証(画像追加) 2014-05-10 まんだらけとの繋がり2(写真追加) 釈明文の矛盾 wiki削除を依頼するメール 2014-04-29 まんだらけとの繋がり2(写真追加) 2014-04-25 熱心なごますり 2014-04-21 あまね氏の釈明 まんだらけとの繋がり2 何が問題なのか? 『魔王兵長と花売りエレン』とは(「タグ」の内容も格納) 奥付と後書き(画像サイズ統一) 2014-04-19 タグ 2014-04-14 何が問題なのか? 2014-04-10 『ハウル』パク2 まんだらけとの繋がり 2014-04-09 『純潔のマリア』パク1 2 『ハウル』パク1 『ドロヘドロ』パク ゆるパク検証 エヴァパク検証 花売りの三次創作から設定を無断借用 事後報告(三次創作からの設定借用1に改題) 子供が読んでいると知り大歓喜 印刷所に関しての矛盾 2014-04-08 『純潔のマリア』パク1 『ハウル』パク エヴァパク検証 子供が読んでいると知り大歓喜 2014-04-07 奥付と後書き ゆるパク検証 『宝石の国』パロ検証 『純潔のマリア』パク1 企業出資を否定 まんだらけとの繋がり 『魔王兵長と花売りエレン』とは トップページ 2014-04-06 まとめwiki開設
https://w.atwiki.jp/wakebutu/pages/2.html
メニュー トップページ メニュー 右メニュー ※担当者の選び方 どれぐらい売却実績の経験があるのか、業界経験は長いのか また当初の査定額より価格改定を頻繁にお願いしてくる営業担当者は信用できないかもしれません。
https://w.atwiki.jp/fa-astral/pages/1625.html
ビューティガレージ 理美容院向け機器・支援https //www.beautygarage.co.jp/ きれいな上昇基調の売上推移 空売り機関に注意 シンガポールにアジア拠点 シムガレージ設立 コロナ禍でも商材EC販売好調利益率上がる 店舗設計、工事も大手チェーン向けで回復 大阪中古理美容機器販社を買収 電力供給事業も 4月 卸売業 世田谷区 連368