約 851 件
https://w.atwiki.jp/amizako/pages/538.html
「珍らしい話とおっしゃるのですか、それではこんな話はどうでしょう」 ある時、五、六人の者が、怖い話や、珍奇な話を、次々と語り合っていた時、友だちのKは最後にこんなふうにはじめた。ほんとうにあったことか、Kの作り話なのか、その後、尋ねてみたこともないので、私にはわからぬけれど、いろいろ不思議な物語を聞かされたあとだったのと、ちょうどその日の天候が春の終りに近い頃の、いやにドソヨリと曇った日で、空気が、まるで深い水の底のように重おもしく淀んで、話すのも、聞くものも、なんとなく気ちがいめいた気分になっていたからでもあったのか、その話は、異様に私の心をうったのである。話というのは、 私に一人の不幸な友だちがあるのです。名前は仮りに彼と申して置きましょうか。その彼にはいつの頃からか世にも不思議な病気が取りついたのです。ひょっとしたら、先祖に何かそんな病気の人があって、それが遺伝したのかもしれませんね。というのは、まんざら根のない話でもないので、いったい彼のうちには、おじいさんか、曾《ひい》じいさんかが、切支丹の邪宗に帰依していたことがあって、古めかしい横文字の書物や、マリヤさまの像や、基督さまのはりつけの絵などが、葛籠《つづら》の底に一杯しまってあるのですが、そんなものと一緒に、伊賀越道中双六に出てくるような、一世紀も前の望遠鏡だとか、妙なかっこうの磁石だとか、当時ギヤマソとかビイドロとかいったのでしょうが、美しいガラスの器物だとかが、同じ葛籠にしまいこんであって、彼はまだ小さい時分から、よくそれを出してもらっては遊んでいたものです。 考えてみますと、彼はそんな時分から、物の姿の映る物、たとえばガラスとか、レンズとか、鏡とかいうものに、不思議な嗜好を持っていたようです。それが証拠には、彼のおもちゃといえば、幻燈器械だとか、遠目がねだとか、虫目がねだとか、そのほかそれに類した、将門目がね、万華鏡、眼に当てると人物や道具などが、細長くなったり、平たくなったりする、プリズムのおもちゃだとか、そんなものばかりでした。 それから、やっぱり彼の少年時代なのですが、こんなことがあったのも覚えております。ある日彼の勉強部屋をおとずれますと、机の上に古い桐の箱が出ていて、多分その中にはいっていたのでしょう、彼は手に昔物の金属の鏡を持って、それを日光に当てて、暗い壁に影を映しているのでした。 「どうだ、面白いだろう。あれを見たまえ、こんな平らな鏡が、あすごへ映ると、妙な字ができるだろう」 彼にそう言われて、壁を見ますと、驚いたことには、白い丸形の中に、多少形がくずれてはいましたけれど「寿」という文字が、白金のような強い光で現われているのです。 「不思議だね、一体どうしたんだろう」 なんだか神業とでもいうような気がして、子供の私には、珍らしくもあり、怖くもあったのです。思わずそんなふうに聞き返しました。 「わかるまい。種明かしをしようか。種明かしをしてしまえば、なんでもないことなんだよ。ボラ、ここを見たまえ、この鏡の裏を、ね、寿という字が浮彫りになっているだろう。これが表へすき通るのだよ」 なるほど見れば彼の言う通り、青銅のような色をした鏡の裏には、立派な浮彫りがあるのです。でも、それが、どうして表面まですき通り.て、あのような影を作るのでしょう。鏡の表は、どの方角からすかして見ても、滑らかな平面で、顔がでこぼこに写るわけでもないのに、それの反射だけが不思議な影を作るのです。まるで魔法みたいな気がするのです。 「これはね、魔法でもなんでもないのだよ」 彼は私のいぶかしげな顔を見て、説明をはじめるのでした。 「おとうさんに聞いたんだがね、金属の鏡というやつは、ガラスと違って、ときどきみがきをかけないと、曇りがきて見えなくなるんだ。この鏡なんか、ずいぶん古くから僕の家に伝わっている品で、何度となく磨きをかけている。でね、その磨きをかけるたびに、裏の浮彫りの所と、そうでない薄い所とでは、金の減り方が眼に見えぬほどずつ違ってくるのだよ。厚い部分は手ごたえが多く、薄い部分はこれが少ないわけだからね。その眼にも見えぬ減り方の違いが、恐ろしいもので、反射させると、あんなに現われるのだそうだ。わかったかい」 その説明を聞きますと、一応は理由がわかったものの、今度は、顔を映してもでこぼこに見えない滑らかな表面が、反射させると明きらかに凹凸が現われるという、このえたいの知れぬ事実が、たとえば顕微鏡で何かを覗いた時に味わう、微細なるものの無気味さ、あれに似た感じで、私をゾッとさせるのでした。 この鏡のことは、あまり不思議だったので、特別によく覚えているのですが、これはただ一例にすぎないので、彼の少年時代の遊戯というものは、ほとんどそのような事柄ばかりで充たされていたわけです。妙なもので、私までが彼の感化を受けて、今でも、レソズというようなものに、人一倍の好奇心を持っているのですよ。 でも少年時代はまだ、さほどでもなかったのですが、それが中学の上級生に進んで、物理学を教わるようになりますと、御承知の通り物理学にはレンズや鏡の理論がありますね、彼はもうあれに夢中になってしまって、その時分から、病気と言ってもいいほどの、いわばレソズ狂に変わってきたのです。それにつけて思い出すのは、教室で凹面鏡のことを教わる時間でしたが、小さな凹面鏡の見本を、生徒のあいだに廻して、次々に皆の者が、自分の顔を映して見ていたのです。私はその時分ひどいニキビづらで、それがなんだか性欲的な事柄に関係しているような気がして、恥かしくてしようがなかったのですが、なにげなく凹面鏡を覗いて見ますと、思わずアッと声を立てるほど驚いたことには、私の顔のひとつひとつのニキビが、まるで望遠鏡で見た月の表面のように、恐ろしい大きさに拡大されて映っていたのです。 小山とも見えるニキビの先端が、石榴のようにはぜて、そこからドス黒い血のりが、芝居の殺し場の絵看板の感じで物凄くにじみ出しているのです。ニキビというひけ目があったせいでもありましょうが、凹而鏡に映った私の顔がどんなに恐ろしく、無気味なものであったか、それからのちというものは、凹面鏡を見ると、それがまた、博覧会だとか、盛り場の見世物などには、よく並んでいるのですが、私はもう、おそけを振るって、逃げ出すようになったほどです。 ですが、彼の方では、その時やっぱり凹面鏡を覗いて、これはまた私とあべこべで、恐ろしく思うよりは、非常な魅力を感じたものとみえ、教室全体に響き渡るような声で、「ホウ」と感嘆の叫びを上げたものなんです。それがあまり頓狂に聞こえたものですから、その時は大笑いになりましたが、さてそれからというものは、彼はもう凹面鏡で夢中なんです。大小さまざまの凹面鏡を買いこんで、針金だとかボール紙などを使い、複雑なからくり仕掛けをこしらえては、独りほくそ笑んでいる始末でした。さすが好きな道だけあって、彼は人の思いもつかぬような、変てこな装置を考案する才能を持っていて、もっとも手品の本などをわざわざ外国から取り寄せたりしたのですけれど、今でも不思議に堪えないのは、これも或るとき彼の部屋をおとずれて、驚かされたのですが、魔法の紙幣というからくり仕掛けでありました。 それは、二尺四方ほどの、四角なボール箱で、前の方に建物の入口のような穴があいていて、そこのところに一円札が五、六枚、ちょうど状差しの中のハガキのように、差してあるのです。 「このおさつを取ってごらん」 その箱を私の前に持ち出して、彼は何食わぬ顔で紙幣を取れというのです。そこで、私はいわれるままに手を出して、ヒョイとその紙幣を取ろうとしたのですが、なんとまあ不思議なことには、ありありと眼に見えているその紙幣が、手を持って行ってみますと、煙のように手ごたえがないではありませんか。あんな驚いたことはありませんね。 「オヤ」 とたまげている私の顔を見て、彼はさも面白そうに笑いながら、さて説明してくれたところによりますと、それは英国でしたかの物理学者が考案した一種の手品で、種はやっぱり凹面鏡なのです。詳しい理窟はよく覚えていませんけれど、本ものの紙幣は箱の下へ横に置いて、その上に斜めに凹面鏡を装置し、電燈を箱の内部に引き込み、光線が紙幣に当たるようにすると、凹面鏡の焦点からどれだけの距離にある物体は、どういう角度で、どの辺にその像を結ぶという理論によって、うまく箱の穴へ紙幣が現われるのだそうです。普通の鏡ですと、決して本ものがそこにあるようには見えませんけれど、凹面鏡では不思議にもそんな実像を結ぶというのですね。ほんとうにもう、ありありとそこにあるのですからね。 かようにして、彼のレンズや鏡に対する異常なる嗜好は、だんだん嵩じて行くぽかりでしたが、やがて中学を卒業しますと、彼は上の学校にはいろうともしないで、ひとつは親たちも甘過ぎたのですね、息子の言うことならば、たいていは無理を通してくれるものですから、学校を出ると、もうひとかどおとなになった気で、庭の空き地にちょっとした実験室を新築して、その中で、例の不思議な道楽をはじめたものです。 これまでは、学校というものがあって、いくらか時間を束縛されていたので、それほどでもなかったのが、さて、そうして朝から晩まで実験室にとじこもることになりますと、彼の病勢は俄かに恐るべき加速度をもって昂進しはじめました。元来友だちの少なかった彼ですが、卒業以来というものは、彼の世界は、狭い実験室の中に限られてしまって、どこへ遊びに出るというでもなくしたがって来訪者もだんだん減って行き、僅かに彼の部屋をおとずれるのは、彼の家の入を除くと、私ただ一人になってしまったのでした。 それもごく時たまのことですが、私は彼を訪問することに、彼の病気がだんだん募って行って、今ではむしろ狂気に近い状態になっているのを目撃して、ひそかに戦慄を禁じ得ないのでした。彼のこの病癖にもってきて、更らにいけなかったことは、ある年の流行感冒のために、不幸にも彼の両親が、揃ってなくなってしまったものですから、彼は今は誰に遠慮の必要もなく、その上莫大な財産を受けついで、思うがままに、彼の妙な実験を行なうことができるようになったのと、それに今ひとつは、彼も二十歳を越して、女というものに興味をいだきはじめ、そんな変てこな嗜好を持つほどの彼ですから、情欲の方もひどく変態的で、それが持ち前のレンズ狂と結びついて、双方がいっそう勢いを増す形になってきたことでした。そしてお話というのは、その結果、ついに恐ろしい破局を招くことになった或る出来事なのですが、それを申し上げる前に、彼の病勢が、どのようにひどくなっていたかということを、二つ、三つ、実例によってお話ししておきたいと思うのです。 彼の家は山の手の或る高台にあって、今いう実験室は、そこの広々とした庭園の片隅の、街々の甍を眼下に見下す位置に建てられたのですが、そこで彼が最初はじめたのは、実験室の屋根を天文台のような形にこしらえて、そこに可なりの天体観測鏡を据えつけ、星の世界に耽溺することでした。その時分には、彼は独学で、一と通り天文学の知識を備えていたわけなのです。が、そのようなありふれた道楽で満足する彼ではありません。その一方では、度の強い望遠鏡を窓際に置いて、それをさまざまの角度にしては、目の下に見える人家の、あけはなった室内を盗み見るという、罪の深い、秘密な楽しみを味わっているのでありました。 それがたとえ板塀の中であったり、他の家の裏側に向かい合っていたりして、当人たちはどこからも見えぬつもりで、まさかそんな遠くの山の上から望遠鏡で覗かれていようとは気づくはずもなく、あらゆる秘密な行ないを、したい三昧にふるまっている、それが彼には、まるで目の前の出来事のように、あからさまに眺められるのです。 「こればかりは、止せないよ」 彼はそう言い言いしては、その窓際の望遠鏡を覗くことを、こよなき楽しみにしていましたが、考えてみれば、ずいぶん面白いいたずらに違いありません。私も時には覗かしてもらうこともありましたけれど、偶然妙なものを、すぐ目の前に発見したりして、いっそ顔の赤らむようなこともないではありませんでした。 そのほか、たとえば、サブマリン・テレスコープといいますか、潜航艇の中から海上を眺める、あの装置をこしらえて、彼の部屋に居ながら、雇人たちの、殊に者い小間使いなどの私室を、少しも相手に悟られることなく覗いてみたり、そうかと思うと、虫目がねや、顕微鏡によって、微生物の生活を観察したり、それについて奇抜なのは、彼が蚤の類を飼育していたことで、それを虫目がねや度の弱い顕微鏡の下で、這わせてみたり、自分の血を吸うところだとか、虫同士をひとつにして同性であれば喧嘩をしたり、異性であれば仲よくしたりする有様を眺めたり、中にも気味のわるいのは、私は一度それを覗かされてからというものは、今までなんとも思っていなかったあの虫が、妙に恐うしくなったほどなの⊂すが、蚤を半殺しにしておいて、そのもがき苦しむ有様を、非常に大きく拡大して見ることでした。五十倍の顕微鏡でしたが、覗いた感じでは、一匹の蚤が限界一杯にひろがって、口から、足の爪、からだにはえている小さな一本の毛までがハッキリとわかって、妙な比喩ですが、まるで猪のように恐ろしい大きさに見えるのです。それがドス黒い血の海の中で(僅か一滴の血潮がそんなに見えるのです冒背中半分をぺちゃんこにつぶされて、手足で空をつかんて、くちばしをできるだけ伸ばし、断末魔の物凄い形相をしています。何かその口から恐ろしい悲鳴が聞こえているようにすら感じられるのであります。 そうしたこまごましたことを一々申し上げていては際限がありませんから、たいていは省くことにしますが、実験室建築当初の、かような道楽は月日と共に深まって行って、ある時はまた、こんなこともあったのです。ある日のこと、彼を訪ねて、なにげなく実験室の扉をひらきますと、なぜかブラインドをおろして部屋の中が薄暗くなっていましたが、その正面の壁一杯に、そうですね一間四方もあったでしょうか、何かモヤモセとうごめいているものがあるのです。気のせいかと思って、眼をこすってみるのですが、やっぱりなんだか動いている。私は戸口にたたずんだまま、息を呑んでその怪物を見つめたものです。すると、見ているに従って、霧みたいなものがだんだんハッキリしてきて、針を植えたような黒い草むら、その下にギョロギョロ光っている盥《たらい》ほどの眼、茶色がかった虹彩から、白目の中の血管の川までも、ちょうどソフトフォーカスの写真のように、ぼんやりしていながら、妙にハッキリと見えるのです。それから棕櫚のような鼻毛の光る、ほら穴みたいな鼻の穴、そのままの大きさで座蒲団を二枚かさねたかと見える、いやにまっ赤な唇、そのあいだからギラギラと白い瓦のような白歯が覗いている。つまり部屋一杯の人の顔、それが生ぎてうごめいているのです。映画なぞでないことは、その動きの静かなのと、生物そのままの色艶とで明瞭です。無気味さよりも、恐ろしさよりも、私は自分が気でも違ったのではあるまいかと、思わず驚きの叫び声を上げたほどです。すると、 「驚いたかい、僕だよ、僕だよ」 と別の方角から彼の声がして、ハッと私を飛び上がらせたことには、その声の通りに、壁の怪物の唇と舌が動いて、盥のような眼が、ニヤリと笑ったのです。 「ハハハハハ……どうだいこの趣向は」 突然部屋が明かるくなって、一方の暗室から彼の姿が現われました。それと同時に壁の怪物が消え去ったのは申すまでもありません。皆さんは大かた想像なすったでしょうが、これはつまり実物幻燈……鏡とレンズと強烈な光の作用によって、実物そのままを幻燈に写す、子供のおもちゃにもありますね、あれを彼独得の工夫によって、異常に大きくする装置を作ったのです。そして、そこへ彼自身の顔を映したのです。聞いてみればなんでもないことですが、可なり驚かせるものですよ。まあ、こういったことが彼の趣味なんですね。 似たようなので、いっそう不思議に思われたのは、今度は別段部屋が薄暗いわけでもなく、彼の顔も見えていて、そこへ変てこな、ゴチャゴチャとした鏡を立て並べた器械を置きますと、彼の眼なら眼だけが、これもまた盥ほどの大きさで、ポッカリと、私の目の前の空間に浮き出す仕掛けなのです。突然そいつをやられた時には、悪夢でも見ているようで身がすくんで、殆んど生きた空もありませんでした。ですが、種を割ってみれば、これがやっぱり、先ほどお話しした魔法の紙幣と同じことで、ただたくさん凹面鏡を使って、像を拡大したものにすぎないのでした。でも、理窟の上ではできるものとわかっていても、ずいぶん費用と時間のかかることでもあり、そんなにばかばかしいまねをやってみた人もありませんので、いわば彼の発明といってもよく、つづけざまにそのようなものを見せられるた、なにかこう、彼が恐ろしい魔物のようにさえ思われてくるのでありました。 そんなことがあってから、二、三ヵ月もたった時分でしたが、彼は今度は何を思ったのか、実験室を小さく区ぎって、上下左右を鏡の一枚板で張りつめた、俗にいう鏡の部屋を作りました。ドアも何もすハ、かり鏡なのです。彼はその中へ一本のロウソクを持って、たった一人で長いあいだはいっているというのです。一体なんのためにそんなまねをするのか誰にもわかりません。が、その中で彼が見るであろう光景は大体想像することができます。六方を鏡で張りつめた部屋のまん中に立てぽ、そこには彼のからだのあらゆる部分が、鏡と鏡が反射し合うために、無限の像となって映るものに違いありません。彼の上下左右に、彼と同じ数限りもない人間が、ウジャウジャと殺到する感じに違いありません。考えただけでもゾッとします。私は子供の時分に八幡の藪知らずの見世物で、型ばかりの代物ではありましたが、鏡の部屋を経験したことがあるのです。その不完全極まるものでさえ、私にはどのように恐ろしく感じられたことでしょう。それを知っているものですから、一度彼から鏡の部屋へはいれと勧められた時にも、私は固く拒んで、はいろうとはしませんでした。 そのうちに、鏡の部屋へはいるのは、彼一人だけではないことがわかってきまLた。その彼のほかの人間といちノのは、彼のお気に入りの小間使いでもあり、同時に彼の恋人でもあったところの、当時十八歳の美しい娘でした。彼は口癖のように、 「あの子のたったひとつの取柄《とりえ》は、からだじゅうに数限りもなく、非常に深い濃《こま》やかな陰影があることだ。色艶も悪くはないし、肌も濃やかだし、肉付きも海獣のように弾力に富んではいるが、そのどれにもまして、あの女の美しさは、陰影の深さにある」 といっていた、その娘と一緒に、彼の鏡の国に遊ぶのです。しめきった実験室の中の、それをまた区ぎった鏡の部屋の中ですから、外部からうかがうべくもありませんが、時としては一時間以上も、彼らはそこにとじこもっているという蹲を聞きました。むろん彼が一人きりの場合もたびたびあるのですが、ある時などは、鏡の部屋へはいったまま、あまりにも長いあいだ物音ひとつしないので、召使いが心配のあまりドアを叩いたといいます。すると、いきなりドアがひらいて、すっぱだかの彼一人が出てきて、ひとことも物をいわないで、そのままプイと母屋の方へ行ってしまったというような、妙な話もあるのでした。 その頃から、もともとあまりよくなかった彼の健康が、日一日とそこなわれて行くように見えました。が、肉体が衰えるのと反比例に、彼の異様な病癖はますます募るばかりでした。彼は莫大な費用を投じて、さまざまの形をした鏡を集めはじめました。平面、凸而、凹面、波型、筒型と、よくもあんなに変わった形のものが集まったものです。広い実験室の中は、毎日かつぎ込まれる変形鏡で埋まってしまうほどでした。ところが、そればかりではありません。驚いたことには、彼は広い庭の中央にガラス工場を建てはじめたのです。それは、彼独得の設計のもので、特殊の製品については、日本では類のないほど立派なものでありました。技師や職工なども、選びに選んで、そのためには、彼は残りの財産を全部投げ出しても惜しくない意気込みでした。 不幸にも、彼には意見を加えてくれるような親戚が一軒もなかったのです。召使いたちの中には、見るに見かねて意見めいたことを言う者もありましたが、そんなことがあれば、すぐさまお払い箱で、残っている者共は、ただもう法外に高い給金目当ての、さもしい連中ばかりでした。この場合、彼に取っては天にも地にも、たった一人の友人である私としては、なんとか彼をなだめて、この暴挙をとめなければならなかったのですが、むろん幾度となくそれは試みたのですが、いっかな狂気の彼の耳には入らず、それに事柄が別段悪事というのではなく、彼自身の財産を、 彼が勝手に使うのであってみれば、ほかにどう分別のつけようもないのでした。私はただもう、ハラハラしながら、日に日に消え行く彼の財産と、彼の命とを、眺めているほかはないのでした。 そんなわけで、私はその頃から、かなり足繁く彼の家に出入りするようになりました。せめては彼の行動を、監視なりともしていようという心持だったのです。従って、彼の実験室の中で、目まぐるしく変化する彼の魔術を、見まいとしても見ないわけには行きませんでした。それは実に驚くべき怪奇と幻想の世界でありました。彼の病癖が頂上に達すると共に、彼の不思議な天才もまた、残るところなく発揮されたのでありましょう。走馬燈のように移り変わる、それがことごとくこの世のものではないところの、怪しくも美しい光景、私はその当時の見聞を、どのような言葉で形容すればよいのでしょう。 外部から買入れた鏡と、それで足らぬところや、ほかでは仕入れることのできない形のものは、彼自身の工場で製造した鏡によって補い、彼の夢想は次から次へと実現されて行くのでした。あの時は彼の首ばかりが、胴ばかりが、或いは足ばかりが、実験室の空中を漂っている光景です。それは言うまでもなく、巨大な平面鏡を室一杯に斜めに張りつめて、その一部に穴をあけ、そこから首や手足を出している、あの手品師の常套手段にすぎないのですけれど、それを行なう本人が手品師ではなくて、病的なきまじめな私の友だちなのですから、異常の感にうたれないではいられません。ある時は部屋全体が、凹面鏡、凸面鏡、波型鏡、筒型鏡の洪水です。その中央で踊り狂う彼の姿は、或いは巨大に、或いは微小に、或いは細長く、或いは平べったく、或いは曲がりくねり、或いは胴ばかりが、或いは首の下に首かつながり、或いはひとつの顔に眼が四つでき、或いは唇が上下に無限に延び、或いは縮み、その影がまた互に反復し、交錯して、紛然雑然、まるで狂人の幻想です。 ある時は部屋全体が巨大なる万華鏡です。からくり仕掛けで、カタリカタリと廻る、数十尺の鏡の三角筒の中に、花屋の店をからにして集めてきた、千紫万紅が、阿片の夢のように、花弁一枚の大きさが畳一畳にも映ってそれが何千何万となく、五色の虹となり、極地のオーロラとなって、見る者の世界を覆いつくす。その中で、大入道の彼の裸体が月の表面のような、巨大な毛穴を見せて躍り狂うのです。 そのほか種々雑多の、それ以上であっても、決してそれ以下ではないところの、恐るべき魔術、それを見た刹那、人間は気絶し、盲目となったであろうほどの、魔界の美、私にはそれをお伝えする力もありませんし、またたとえ今お話ししてみたところで、どうまあ信じていただけましょう。 そして、そんな狂乱状態がつづいたあとで、ついに悲しむべき破滅がやってきたのです。私の最も親しい友だちであった彼は、とうとう本ものの気ちがいになってしまハ、たのです。これまでとて本、彼の所業は決して正気の沙汰とは思われませんでした。しかし、そんな狂態を演じながらも、彼は一日の多くの時間を常人のごとく過ごしました。読書もすれば、痩せさらぽうた肉体を駆使して、ガラス工場の監督指揮にも当たり、私と会えぽ、昔ながらの彼の不可思議なる唯美思想を語るのに、なんのさしさわりもないのでした。それが、あのような無慙な終末をとげようとは、どうして予想することができましょう。おそらく、これは彼の身うちに巣食っていた悪魔の所業か、そうでなければ、あまりにも魔界の美に耽溺した彼に対する、神の怒りででもあったのでしょうか。 ある朝、私は彼の所からの使いのものに、あわただしく叩き起こされたのです。 「大へんです。奥様が、すぐにおいでくださいますようにとおっしゃいました」 「大へん? どうしたのだ」 「私どもにはわかりませんのです。ともかく、大急ぎでいらしっていただけませんでしょうか」 使いの者と私とは、双方とも、もう青ざめてしまって、早口にそんな問答をくり返すと、私は取るものも取りあえず、彼の屋敷へと駈けつけました。場所はやっぱり実験室です。飛び込むように中へはいると、そこには、今では奥様と呼ばれている彼の愛人の小間使いをはじめ、数人の召使いたちが、あっけに取られた形で、立ちすくんだまま、ひとつの妙な物体を見つめているのでした。 その物体というのは、玉乗りの玉をもう一とまわり大きくしたようなもので、外部には一面に布が張りつめられ、それが広々と取り片づけられた実験室の中を、生あるもののように、右に左にころがり廻っているのです。そして、もっと気味わるいのは、多分その内部からでしょう、動物のとも人間のともつかぬ笑い声のような唸りが、シューシユーと響いているのでした。 「一体どうしたというのです」 私はかの小間使いをとらえて、先ずこう尋ねるほかはありませんでした。 「さっぱりわかりませんの。なんだか中にいるのは旦那様ではないかと思うのですけれど、こんな大きな玉がいつの間にできたのか、思いもかけぬことですし、それに手をつけようにも、気味がわるくて……さっきから何度も呼んでみたのですけれど、中から妙な笑い声しか戻ってこないのですもの」 その答えを聞くと、私はいきなり玉に近づいて、声の洩れてくる箇所を調べました。そして、ころがる玉の表面に、二つ三つの小さな空気抜きとも見える穴を見つけるのは、わけのないことでした。で、その穴のひとつに眼を当てて怖わこわ玉の内部を覗いて見たのですが、中には何か妙に眼をさますような光が、ギラギラしているばかりで、人のうごめくけはいと、無気味な狂気めいた笑い声が聞こえてくるほかには、少しも、様子がわかりません。そこから二、三度彼の名を呼んでみましたけれど、相手は人間なのか、それとも人間でないほかの者なのか、いっこうに手ごたえがないのです。 ところが、そうしてしばらくのあいだ、ころがる玉を眺めているうちに、ふとその表面の一ヵ所に、妙な四角の切りくわせがでぎているのを発見しました。それがどうやら、玉の中へはいる扉らしく、押せばガタガタ音はするのですけれど、取手も何もないために、ひらくことができません。なおよく見れば、取手の跡らしく、金物の穴が残っています。これは、ひょっとしたら、人間が中へはいったあとで、どうかして取手が抜け落ちて、そとからも、中からも、扉がひらかぬようになったのではあるまいか。とすると、この男はひと晩じゅう玉の中にとじこめられていたことになるのでした。では、その辺に取手が落ちていまいかと、あたりを見廻しますと、もう私の予想通りに違いなかったことには、部屋の一方の隅に丸い金具が落ちていて、それを今の金物の穴にあててみれば、寸法はきっちりと合うのです。しかし困ったことには、柄が折れてしまっていて、今さら穴に差し込んでみたところで、扉がひらくはずもないのでした。 でも、それにしてもおかしいのは、中にとじこめられた人が、助けを呼びもしないで、ただゲラゲラ笑っていることでした。 「もしや」 私はある事に気づいて、思わず青くなりました。もう何を考える余裕もありま廿ん。ただこの玉をぶちこわす一方です。そして、ともかくも中の人間を助け出すほかはないのです。 私はいきなり工場に駈けつけて、大ハンマーを拾うと、元の部屋に引き返し、雫を目がけて勢いこめてたたきつけました。と、驚いたこをには、内部は厚いガラスでできていたと見え、ガチャンと、恐ろしい音と共に、おびただしい破片に、割れくずれてしまいました。 そして、その中から濡いだしてきたのは、まぎれもない私の友だちの彼だったのです。もしやと思っていたのが、やっぱりそうだったのです。それにしても、人間の相好が、僅か一日のあいだに、あのようにも変わるものでし.{うか。きのうまでは、衰えてこそいましたけれど、どちらかといえば、神経質に引き締まった顔で、ちょっと見ると怖いほどでしたのが、今はまるで死人の相好のように、顔面のすぺての筋がたるんでしまい、引っかき廻したように乱れた髪の毛、血走っていながら、異様に空うな眼、そして口をだらしなくひらいて、ゲラゲラと笑っている姿は、二た目と見られたものではないのです。それは、あのように彼の寵愛を受けていた、かの小間使いさえもが、恐れをなして、飛びのいたほどでありました。 いうまでもなく、彼は発狂していたのです。しかし、何が彼を発狂させたのでありましょう、玉の中にとじこめられたくらいで、気の狂う男とも見えません。それに第一、あの変てこな玉は、一体全体なんの道具なのか、どうして彼がその中へはいっていたのか。玉のことは、そこにいた誰もが知らぬというのですから、おそらく彼が工場に命じて秘密にこしらえさせたものでありましょうが、彼はまあ、この玉乗りのガラス玉を、一体どうするつもりだったのでしょうか。 部屋の中をうろうろしながら、笑いつづける彼、やっと気を取り直して、涙ながらに、その袖を捉える女、その異様な興奮の中へ、ヒョッコリ出勤してきたのは、ガラス工場の技師でした。私はその技師をとらえて彼の面喰らうのも構わずに、矢つぎ早やの質問をあびせました。そして、ヘドモドしながら彼の答えたところを要約しますと、つまりこういう次第だったのです。 技師は大分以前から、三分ほどの厚みを持った、直径四尺ほどの、中空のガラス玉を作ることを命じられ、秘密のうちに作業を急いで、それがゆうべ遅くやっとできあがったのでした。技師たちはもちろんその用途を知るべくもありませんが、玉の外側に水銀を塗って、その内側を一面の鏡にすること、内部には数ヵ所に強い光の小電燈を装置し、玉の一ヵ所に人の出入りできるほどの扉を設けること、というような不思議な命令に従って、その通りのものを作ったのです。できあがると、夜中にそれを実験室に運び、小電燈のコードには室内燈の線を連結して、それを主人に引き渡したまま帰宅したのだと申します。それ以上のことは、技師にはまるでわからないのでした。 私は技師を帰し、狂人は召使いたちに看護を頼んでおいて、その辺に散乱した不思議なガラス玉の破片を眺めながら、どうかして、この異様な出来事の謎を解こうと悶えました。長いあいだ、ガラス玉との睨めっこでした。が、やがて、ふと気づいたのは、彼は、彼の智力の及ぶ限りの鏡装置を試みつくし、楽しみつくして、最後に、このガラス玉を考案したのではあるまいか。そして、自からその中にはいって、そこに映るであろう不思議な影像を、眺めようと試みたのではあるまいかということでした。 が、彼が何故発狂しなければならなかったか。いや、それよりも、彼はガラス玉の内部で何を見たか。一体全体、何を見たのか。そこまで考えた私は、その刹那、脊髄の中心を、氷の棒で貫かれた感じで、その、世の常ならぬ恐怖のために、心の臓まで冷たくなるのを覚えました。彼はガラス玉の中にはいって、ギラギラした小電燈の光で、彼自身の影像をひと目見るなり、発狂したのか、それともまた、玉の中を逃げ出そうとして、誤まって扉の取手を折り、出るに出られず、狭い球体の中で死の苦しみをもがきながら、ついに発狂したのか、 そのいずれかではなかったでしょうか。では、何物がそれほどまでに彼を恐怖せしめたのか。 それは、到底人間の想像を許さぬところです。球体の鏡の中心にはいった人が、かつて一人だってこの世にあったでしょうか。その球壁に、どのような影が映るものか、物理学者とて、これを算出することは不可能でありましょう。それは、ひょっとしたら、われわれには、夢想することも許されぬ、恐怖と戦慄の人外境ではなかったのでしょうか。世にも恐るべき悪魔の世界ではなかったのでしょうか。そこには彼の姿が彼としては映らないで、もっと別のもの、それがどんな形相を示したかは想像のほかですけれども、ともかく、人間を発狂させないではおかぬほどの、あるものが、彼の限界、彼の宇宙を覆いつくして映し出されたのではありますまいか。 ただ、われわれにかろうじてできることは、球体の一部であるところの、凹面鏡の恐怖を、球体にまで延長してみるほかにはありません。あなた方は定めし、凹面鏡の恐怖なれば、御存じでありましょう。あの自分自身を顕微鏡にかけて覗いて見るような、悪夢の世界、球体の鏡はその凹面鏡が果てしもなく連なって、われわれの全身を包むのと同じわけなのです。それだけでも、単なる凹面鏡の恐怖の幾層倍、幾十層倍江当たります。そのように想像したばかりで、われわれはもう身の毛もよだつではありませんか。それは凹面鏡によって開まれた小宇宙なのです。われわれのこの世界ではありま廿ん。もっと別の、おそらく狂人の国に違いないのです。 私の不幸な友だちは、そうして、彼のレンズ狂 鏡気ちがいの最端をきわめようとして、きわめてはならぬところを極めようとして、神の怒りにふれたのか、悪魔の誘いに敗れたのか、遂に彼自身を亡ぼさねばならなかったのでありましょう。 彼はその後、狂ったままこの世を去ってしまいましたので、事の真相を確かむべきよすがとてもありませんが、でも、少なくとも私だけは、彼は鏡の玉の内部を冒したばっかりに、ついにその身を亡ぼしたのだという想像を、今に至るまでも捨て兼ねているのであります。
https://w.atwiki.jp/c0v0p/pages/60.html
総括Wikiにも同じページが存在します。以降の編集はそちらで行ってください。 美術品 美術品 [#l6c6c1f9] ア行 [#x36225fe] アルノルフィニ夫妻の結婚 [#g40ef1b6] アルペの聖体器 [#ha968c07] イコン [#fdff34ef] ヴィーナスの誕生 [#da0589c2] ヴェールの女 [#f6158bca] 円盤投げ [#q0d40a62] エレクティオンの少女像 [#bab659ff] オーロラ姫のティアラ [#y47102bc] カ行 [#n41d74fd] 狩人のディアナ [#xa41fe15] 岩窟の聖母 [#z9085f6b] 岩窟の聖母 [#g6e8ff7b] 旧約聖書のタペストリー [#h643f783] 行列寓意図飾杯 [#g506d346] 御者の像 [#g0a51761] キリスト降架 [#i3d11eda] キリストの復活 [#ya02a6d5] キリスト昇架 [#h1a5487d] キリスト磔刑 [#xec2153b] 果物 [#x8d1bb8c] ゴルゴタの丘 [#k04e1557] サ行 [#x3faf417] 最後の審判 [#addfafae] 最後の審判 [#rb2893d4] 最後の晩餐 [#tfe17c78] 失楽園 [#o6a20906] 受胎告知 [#vefea203] 受胎告知 [#d05194a6] 受胎告知 [#sdbdde71] 受胎告知のマリア [#oe1a2276] 勝利 [#b120a68a] スピキオ伝のタペストリー [#te81a506] 聖アンナと聖母子 [#ua02b8c8] 聖家族 [#pac99a95] 聖地で説教する聖エティエンヌ [#s691e3a2] 聖ドニの殉教 [#w49f6524] 聖ヒエロニムスとライオン [#j108226d] 聖母子像 [#q6d602c1] 聖母子と聖ヨハネ [#t97ff153] 聖母子と二天使 [#g1407f1f] 聖母子と幼児ヨハネ [#e031174b] 聖母戴冠 [#j16a4a5e] 聖母戴冠 [#def87e3a] 聖母被昇天 [#l1c3afd6] 洗礼者ヨハネ [#tee73501] 象牙の聖櫃 [#k1762871] 象牙の笛 [#y2d6d144] 創世記 [#y10732ba] タ行 [#mc30fd42] ダヴィデ [#af83562a] 天馬にまたがる名声の女神 [#j5e0b727] 天馬にまたがるメルクリウス [#d8886def] トレドの風景 [#pc8a70b9] ナ行 [#o0b44aed] ニコラス・クラッツァーの肖像 [#h96bee59] 人間を守るキリストの犠牲 [#k4e434a4] ネッソスにさらわれるディアネイア [#xc8791b2] ハ行 [#n86c1245] バベルの塔 [#m356a9e0] バベルの塔(小) [#d80a8311] ピエタ [#ddbbdf21] ヒワの聖母 [#j8b991a8] 船形器 [#j1301cd4] プリマヴェーラ [#mc795bc9] マ行 [#uef83e25] マギの礼拝 [#ffaf503e] マクシミリアンの狩猟 [#f713bf4d] マグダラのマリア [#h46234be] モーゼ [#i057bea1] モナリザ [#k0200c17] ヤ行 [#xee6a9cb] 薬剤師の肖像 [#v0f42594] ラ行 [#ya49921a] レースを編む女 [#o15c0bfc] ラオコーン [#bc5fdd39] ラオコーン [#rbb56d92] ラオコーンの右腕 [#n94bd169] ワ行 [#te4666fe] ア行 アルノルフィニ夫妻の結婚 説明:ヤン・ファン・エイク作。銀行家夫妻の結婚証明画と思われる。絵には宗教的な象徴が多く描かれ、幸せな結婚生活を祈念したものであろう。中央の凸面鏡やシャンデリアをはじめ、筆では不可能なほど細かく描き込まれている。---ランク:1---発見方法:クエスト「ある夫妻の結婚証明」---発見場所: アルペの聖体器 説明:北フランスのリムザン地方リモージュ出身の細工師・G.アルペが作ったという、祭礼用の器。モンマジュール修道院院長の墓室に納められていたが、あまりに美しいためマルセイユの教会に移されたと伝えられる。---ランク:1---発見方法:クエスト「修道院長の副葬品」---発見場所: イコン 説明:正教会で信仰に用いられる聖像。宗教上の聖人や重要なシーンを書いた物である。---ランク:1---発見方法:小さな宗教画の地図(ランク2)---発見場所:ファマガスタの教会 奥にある祭壇付近 ヴィーナスの誕生 説明:ボッティチェルリ作の絵画。ヴィーナス、つまりギリシャ神話のアフロディテが、海の泡から生まれたときの様子を描いている。左の二人はゼフュロスとフローラ、右は時の女神ホーラである。---ランク:2---発見方法:クエスト「海から生まれた女神」---発見場所:ヴェネツィア宮殿 ヴェールの女 説明:ラファエロ作の、女性の肖像画。ラファエルの恋人に貴族の婚礼衣装を着せた姿だとも言われている。多忙なラファエロは弟子に手伝わせることが多かったが、この絵は一人で描きあげたという。---ランク:2---発見方法:クエスト「ヴェールをかぶった女の肖像」---発見場所: 円盤投げ 説明:古代ギリシャの彫刻家・ミュロン作といわれる男性像。原作は青銅だと伝えられるがこれは大理石製の模作である。ローマ時代の作とされる。---ランク:2---発見方法:クエスト「ギリシャの競技の像」---発見場所: エレクティオンの少女像 説明:パルテノン神殿のそばに建つ、エレクティオン神殿のカリアティド(女像柱)。6体あり優雅な雰囲気を漂わせている。---ランク:2---発見方法:少女像の柱の地図(ランク4)---発見場所:アテネ西の郊外、オリンピア地方、入ってすぐ北西 オーロラ姫のティアラ 説明:眠れる森の王女の伝説で有名な、オーロラ姫のティアラ。婚礼に用いたとされる。子孫を通じてイングランドに渡るも、戦乱で紛失。このたび、イングランドの教会に寄贈されたものが発見された。美しい細工で芸術的価値が高い。---ランク:3---発見方法:クエスト「オーロラ姫のティアラ」---発見場所: カ行 狩人のディアナ 説明:作者不詳の絵画。ローマ神話のディアナが、猟犬をともなって狩りに出かける様子を描いている。柔らかで自然な裸体が美しい。モデルはフランス王の愛妾だといわれる。---ランク:1---発見方法:クエスト「神話を題材にした裸婦画」---発見場所: 岩窟の聖母 説明:読みは「がんくつのせいぼ」。レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画である。ミラノのある聖堂の依頼で描かれた物だが、報酬で折り合わず、このオリジナルは渡されなかったという。絵には聖母子と聖ヨハネ、天使が描かれている。---ランク:5---発見方法:クエスト「ダ・ヴィンチの真筆」---発見場所: 岩窟の聖母 説明:読みは「がんくつのせいぼ」。レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画である。ミラノの聖堂の依頼で描かれた絵画が報酬で折り合わず、複製であれば安くてよいということで描かれたものである。この絵の製作には弟子の手も入っているそうだ。---ランク:2---発見方法:クエスト「ダ・ヴィンチの祭壇画」---発見場所: 旧約聖書のタペストリー 説明:シモン・ブーエの原画をもとにした連作タペストリーの一つ。旧約聖書をもとにした内容で、全部で八枚あるという。分厚く豪華なゴブラン織りのタペストリーである。---ランク:1---発見方法:タペストリーの地図(ランク2)---発見場所:ヴェネツィアの教会 書物台に向かって左側の壁ぎわ 行列寓意図飾杯 説明:「ぎょうれつぐういずしょくはい」。ヴェネツィアのガラス工房で作られたという器。瑠璃色のガラス器にエマイユが施されている。ガラスのエマイユ技術は、ヴェネツィアで多用された。これほどの作品は、ヴェネツィアでなければ作れないだろう。---ランク:1---発見方法:クエスト「ヴェネツィアのガラス細工」---発見場所: 御者の像 説明:デルフォイ遺跡で発見された御者の青銅像。競技会で優勝した御者の功績を讃えるために奉納されたものであろう。均整の取れたすばらしい像である。---ランク:1---発見方法:クエスト「古代ギリシャの傑作」---発見場所: キリスト降架 説明:ルーベンス作の祭壇画の一枚。処刑されたイエスを、母マリアたちが十字架から降ろす光景である。誇張された肉体とポーズ、劇的な光の使い方など、それまでの絵画とは一線を画している。---ランク:4---発見方法:クエスト「王の画家にして画家の王」---発見場所:アントワープ教会 キリストの復活 説明:ジェルマン・ピロン作の大理石像。処刑後、復活したキリストの姿を表したもの。本来は数体の彫像からなる作品のはずだが、未完成のままだという。---ランク:2---発見方法:クエスト「復活したイエスの彫刻」---発見場所: キリスト昇架 説明:「しょうか」。ルーベンス作の祭壇画。イエスが打ち付けられた十字架が、立てられようとしている場面だ。波を打つような筋肉、浮き上がるイエスの白い肉体など、これまでの宗教画と異なる表現がされている。---ランク:4---発見方法:クエスト「社交的な画家」---発見場所:アントワープ教会 キリスト磔刑 説明:「たっけい」。エル・グレコ作の絵画。イエスが十字架に架けられた情景で、左右対称の構図の中でイエスが白い体をよじって天を仰いでいる。彼の宗教画は光輪を描かないなど定石を無視したところにあるため、初期には認められなかった。---ランク:1---発見方法:クエスト「風変わりな宗教画」---発見場所: 果物 説明:カラバッジオ作の、果物かごを描いた絵画。人物を描かない絵はこれまでの常識を打ち破るものだ。やや生気を失いかけた果物や葉が生々しく、これまでにない魅力がある。---ランク:2---発見方法:クエスト「果物かごだけの絵」---発見場所: ゴルゴタの丘 説明:アンドレア・マンテーニャ作の祭壇画。ゴルゴタの丘ではりつけにされるキリストを描いたもので、ほぼ完成された遠近法を用いている。衣服や武具、馬具など、緻密な考証がされている点も評価できる。---ランク 1---発見方法 クエスト「画期的な絵画技法」---発見場所 ナポリ教会 サ行 最後の審判 説明:ジョルジョ・ヴァザーリ作の天井画。キリスト教の最後の審判の様子が生々しく描かれている。ヴァザーリは絵だけでなく、文筆家としても知られている。---ランク:1---発見方法:クエスト「ヴェネツィア教会の天井画」---発見場所: 最後の審判 説明:ミケランジェロがシスティナ礼拝堂の祭壇奥に描いたフレスコ画。巨大にして素晴らしい芸術作品である。描かれているのは最後の審判の様子。中央にイエスがおり、救われた者は左手から昇天し、罰を宣告された者は右手から地獄に落ちる。---ランク:---発見方法:---発見場所: 最後の晩餐 説明:レオナルド・ダ・ヴィンチ作のフレスコ画。遠近法によって描かれ建物内部が奥に続いているように見える。周囲の弟子たちに比べてイエスがあっさりと描かれているのは、彼にありがちなことだが未完成なのだろう。---ランク:2---発見方法:クエスト「崩れ行く名画」---発見場所: 失楽園 説明:マザッチョ作の壁画。礼拝堂の壁に、複数の画家が描いたものの一つである。 マザッチョは線遠近法を生かし、それまでとは大きく異なる、生気にあふれた絵画を描いた。 ランク:1---発見方法:教会の宗教画の地図(ランク2)---発見場所:ジェノヴァの教会 書物台の左手壁ぎわ 受胎告知 説明:シモーネ・マルティーニ作の祭壇画。製作当時は複数の絵からなる大規模なものだったという。この時代の宗教画としては人物が表情豊かで、新しい時代の到来を思わせる。---ランク:1---発見方法:教会の宗教画の地図(ランク1)---発見場所:ジェノヴァ教会 書物台に向かって左側の壁ぎわ 受胎告知 説明:レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画。遠近法で描かれているが、マリアの右手など部分的に狂っている箇所もある。意図的だろうか。地面の花々は丁寧に描かれ、天使の翼は鳥のそれを解剖学的に研究したものである。---ランク:3---発見方法:教会の宗教画の地図(ランク7)---発見場所:ジェノヴァ教会 受胎告知 説明:フラ・アンジェリコ作の祭壇画。鮮やかな色彩で描かれたこの絵は作者の敬虔な信仰心を如実に表している。アンジェリコの名は通称で、穏やかな修道槽であった彼を「天使のようだ」と表現したものだそうだ。---ランク:---発見方法:---発見場所: 受胎告知のマリア 説明:リーメンシュナイダー作の彩色大理石像。受胎告知を受けたマリアの像である。イタリア方面でのマリア像とは違った魅力があり、清楚な美しさが印象的だ。---ランク:1---発見方法:クエスト「大理石のマリア像」---発見場所:ハンブルグ教会 勝利 説明:ミケランジェロ作の大理石像。ユリウス2世の墓標のために作られた像の一つだが、未完成のまま打ち捨てられた。老人を組み敷き、体をねじらせた若者の像である。---ランク:1---発見方法:大理石の男性像の地図(ランク3)---発見場所:シラクサの教会 前方の座席の左手壁ぎわ スピキオ伝のタペストリー 説明:ジュリオ・ロマーノの原画をもとに織られた連作タペストリーの一枚である。内容は、古代ローマ時代のカルタゴ戦争を舞台に、スキピオの事績を追うものである。---ランク:1---発見方法:タペストリーの地図(ランク2)---発見場所:ナントの教会、座席の左の壁ぎわ 聖アンナと聖母子 説明:レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵。聖アンナの膝にマリアが座り、幼いイエスを抱こうとしている。アンナはマリアの母であるが、ここではマリアと同じくらいの年齢で描かれている。この絵は未完成だそうだ。---ランク:1---発見方法:クエスト「変わった構図の聖母子画」---発見場所: 聖家族 説明:ミケランジェロ作の絵画。ほかの画家の作品に比べて肉体や衣服が立体的に感じるのは、彼が彫刻を得意とするからだろう。聖母にさほど聖性が感じられないのは、彼の所属している宗派の教義によるものだと思われる。---ランク:3---発見方法:クエスト「ミケランジェロの絵画」---発見場所: 聖地で説教する聖エティエンヌ 説明:ヴィットーレ・カルパッチオ作。聖エティエンヌの生涯を題材とした六枚の年代記絵画の一枚。描かれている街はイェルサレムで、エキゾチックで鮮やかな衣装、石造りの美しい街並みが特徴的である。---ランク:1---発見方法:クエスト「聖人の年代記絵画」---発見場所: 聖ドニの殉教 説明:アンリ・ベルショーズ作の祭壇画。当時、金地に鮮やかな色彩で描く手法が流行し、これもそれにならった作風である。---ランク:1---発見方法:クエスト「流行した宗教画」---発見場所: 聖ヒエロニムスとライオン 説明:バルトロメオ・ベラーノ作の青銅像。聖ヒエロニムスがライオンの足に刺さったトゲを抜いている姿である。青銅像は、通常は鋳型(いがた)を使って複製できるが、この作品は蝋型で作られた1点物で、複製品がない。---ランク:2---発見方法:クエスト「聖者と獣の青銅像」---発見場所: 聖母子像 説明:作者不詳の木像。シナノキで作られた聖母子像である。かつて南ドイツの教会にあったと伝えられる。聖母は足の下に三日月を踏んでおり、黙示録の「太陽をまとい、月を踏みしく」と表される女を指していると思われる。---ランク:---発見方法:クエスト「聖母子像」---発見場所: 聖母子と聖ヨハネ 説明:ラファエロ作の絵画。別名があり、「美しき女庭師」という。由来は、聖母子の背景に描かれた美しい田園風景であろう。柔らかな筆致の名作である。---ランク:2---発見方法:クエスト「ラファエロの聖母子画」---発見場所: 聖母子と二天使 説明:フラ・フィリッポ・リッピ作の聖母子と天使の絵。宗教画は形式を重視した象徴的な書き方をされるのが常であったが、彼は生気に満ちた人物で宗教画を描いた。この聖母のモデルは彼の妻だと言われている。---ランク:1---発見方法:クエスト「美人画の先駆け」---発見場所: 聖母子と幼児ヨハネ 説明:ラファエロ作の絵画。別名を、「小椅子の聖母」という。ラファエロのそれまでの聖母像と異なり、生気にあふれている。恋人であるマルゲリータをモデルにしているとうわさされている。---ランク:3---発見方法:教会の宗教画の地図(ランク8)---発見場所:ナポリ教会 聖母戴冠 説明:フラ・フィリッポ・リッピ作の祭壇画。彼はそれまでにない独特の色使いで、表情豊かな作品を生み出した。ボッティチェルリやダ・ヴィンチなど、多くの画家に多大な影響を及ぼしたという。---ランク:1---発見方法:教会の宗教画の地図(ランク3)---発見場所:ジェノヴァの教会 後方の座席の左手壁ぎわ 聖母戴冠 説明:フラ・アンジェリコ作の祭壇画の一部。名前は「天使のような」という意味で、死後にそう呼ばれるようになったという。非常に敬虔な修道士で、壁画や祭壇画を多く製作した。当時最先端の技術だった遠近法が取り入れらた作風。---ランク:1---発見方法:教会の宗教画の地図(ランク1)---発見場所:ナポリの教会、座席の左の壁ぎわ 聖母被昇天 説明:ティツィアーノ作の巨大な祭壇画。まさに天に引き上げられようとするマリアは、それまでの聖母とまったくことなる、生き生きとした生身の女性として描かれている。この絵をきっかけに、ティツィアーノは大成功した。---ランク:3---発見方法:クエスト「出世作」---発見場所: 洗礼者ヨハネ 説明:レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画。洗礼者ヨハネを描いている。「あの方は栄え、私は衰えなければならぬ」という言葉からくる、上を指差したポーズをとっている。不自然なような、不思議な微笑みを浮かべている…。---ランク:3---発見方法:教会の宗教画の地図(ランク7)---発見場所:マルセイユ西教会 象牙の聖櫃 説明:「せいひつ」。作者不明の、象牙でできた高さ30cmほどの聖櫃。自宅での礼拝などに使われたのではないだろうか。左右の板はたためるようになっている。中央の聖母子像は完全な像ではなく、浮き彫りである。---ランク:2---発見方法:教会の祭器の地図(ランク5)---発見場所:ボルドーの教会、書物台の右手奥 象牙の笛 説明:アフリカで作られた、象牙製の笛。素朴で独特の彫刻が施されており、象牙本来の美しいカーブが生かされている。装飾品ではなく、実用にされていたと思われる。---ランク:---発見方法:---発見場所: 創世記 説明:ミケランジェロ作の壮大な天井画。システィナ大聖堂の天井を埋め尽くしている。題材は旧約聖書の「創世記」で、アダムの創造や楽園追放、大洪水などの有名な逸話が、躍動感に満ちた素晴らしい筆致で描かれている。---ランク:5---発見方法:クエスト「天井を埋め尽くす絵画」---発見場所:ナポリ教会 タ行 ダヴィデ 説明:ミケランジェロ作の大理石像。高さ4mを超える巨大なものである。これはゴリアテを打ち倒す直前の、緊張したダヴィデである。関節や筋肉、血管などすべてがリアルで、いまにも動き出しそうだ。---ランク:3---発見方法:クエスト「古代の英雄の巨像」---発見場所: 天馬にまたがる名声の女神 説明:高さ3mを越える、巨大な大理石像。ペガサスに乗った女神がラッパを吹き鳴らしている姿である。宮殿の水場を飾るために作られたという。---ランク:1---発見方法:クエスト「ペガサスと女神の大理石像」---発見場所: 天馬にまたがるメルクリウス 説明:「天馬にまたがる名声の女神」と対になっている巨大な大理石像。ペガサスにローマ神話の神・メルクリウスがまたがっている。対にして置けば、豪華な眺めだろう。---ランク:1---発見方法:クエスト「対になった天馬の像」---発見場所:ナント教会 トレドの風景 説明:エル・グレコ作の風景画。風景画は絵画としての価値をあまり認められないものだが、この絵が素晴らしいことは誰の目にも明らかだろう。彼は誰の依頼によるものでもなく、自分の意思によってこの絵を制作した。暗く明るい、不思議な絵だ。---ランク:3---発見方法:風景画の地図(ランク7)---発見場所:ヒホン・酒場暖炉傍 ナ行 ニコラス・クラッツァーの肖像 説明:息子のほうのハンス・ホルバイン作の絵画。極めて写実的な技法が彼の特徴である。モデルのニコラスはイングランドの宮廷に仕えた天文学者で、そのためこの肖像画にも天文学で用いる道具が描かれている。---ランク:2---発見方法:クエスト「イングランドの絵画」---発見場所:ロンドン書庫 人間を守るキリストの犠牲 説明:フランス・フロリス作の宗教画。非現実的な象徴を集めた、不思議な構成になっている。フランドル地方の画家らしく、プロテスタント寄りの内容になっている。---ランク:1---発見方法:クエスト「宗教画の新しい流れ」---発見場所: ネッソスにさらわれるディアネイア 説明:グイド・レーニ作の、ヘラクレスを題材とした連作の一枚。ヘラクレスの妻・ディアネイラが、ネッソスというケンタウロスにさらわれるシーンである。素晴らしい躍動感にあふれた作品だ。---ランク:1---発見方法:クエスト「ギリシャ神話が題材の絵」---発見場所: ハ行 バベルの塔 説明:ピーテル・ブリューゲル(父)作の絵画。建築中のバベルの塔を描いている。特に大型ではないのに、建築に携わる人や工具が非常に緻密に描かれている。本来はバビロンにあった塔だが、欧州の街をモデルに描いている---ランク:1---発見方法:クエスト「バベルの塔の絵画」---発見場所:アムステルダム教会 バベルの塔(小) 説明:ピーテル・ブリューゲル(父)作の、もう一枚のバベルの塔の絵。大きな絵と違い、建築の様子は描かれていない。なぜか全体が強い赤で描かれており、神の怒りで砕かれる前触れを思わせる。---ランク:1---発見方法:クエスト「もう一枚のバベルの塔」---発見場所: ピエタ 説明:ミケランジェロ作の大理石像。処刑されたイエスを抱く聖母マリアの像である。人間の肉体、衣服のひだなど、冷たい石だとは思えない出来だ。イエスに比べてマリアが若いが、これも表現方法の一つである。---ランク:3---発見方法:クエスト「天才の青年時代」---発見場所: ヒワの聖母 説明:ラファエロ作の絵画。同じ題材の絵が複数あるため、この絵は通称でこう呼ばれる。由来は、左の聖ヨハネが小鳥のヒワをつれているからである。---ランク:2---発見方法:クエスト「ラファエロの名画」---発見場所: 船形器 説明:ラピスラズリを削りだして作った器で、金やエマイユで装飾した調度品。意思の削りだしはイタリアでなされたものだが、金属部分は何度も手直しされているようだ。---ランク:1---発見方法:クエスト「宝石を削りだした器」---発見場所:ボルドー プリマヴェーラ 説明:ボッティチェルリ作の絵画。中央にヴィーナスとキューピッド、右にはゼフュロスに息を吹きかけられた女神フローラが、左には美・貞節・愛の三女神とメルクリウスが描かれている。---ランク:3---発見方法:クエスト「ボッティチェリの傑作」---発見場所: マ行 マギの礼拝 説明:レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画だが、未完成である。彼が最初に手がけた大作だとされるが、製作中にほかの土地へ転居したため未完成となった。絵の題材は、誕生したイエスを三人の賢人が礼拝に訪れた情景である。---ランク:2---発見方法:クエスト「ダ・ヴィンチ最初の大作」---発見場所: マクシミリアンの狩猟 説明:原画はベルナールト・ファン・オルレイ。神聖ローマ帝国皇帝であるマクリミリアン1世の狩猟風景のタペストリー。12枚の連作物の七枚目で9月と呼ばれる。縦4.5m、幅5.5mの巨大なものである。---ランク:1---発見方法:クエスト「十二枚の連作タペストリー」---発見場所: マグダラのマリア 説明:ドナテッロ作の木像。マグダラのマリアは、回心してイエスに従った女性で、イエスの死後は何も身につけず山にこもったとされる。この像は年老いた彼女の姿で、通常は若く美しく表される宗教像と一線を画している。---ランク:2---発見方法:クエスト「老いた聖女」---発見場所: モーゼ 説明:ミケランジェロ作の大理石像。ユリウス2世の墓のために作られた像の一つである。十戒の石板を抱え、緊張した表情で遠方を見つめている。---ランク:2---発見方法:男性像の地図(ランク4)---発見場所:ナポリ教会 モナリザ 説明:レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画。不思議な微笑、衣服の上品な質感、空気遠近法による背景、なにより、まるで血が通っているかのような肌。まさに理想の肖像画といえる。---ランク:5---発見方法:クエスト「ダ・ヴィンチ=コード」---発見場所:アムステルダム教会 ヤ行 薬剤師の肖像 説明:フランソワ・クルーエ作の肖像画。モデルは彼の友人でピエール・キュートという。イタリアとフランドルの影響を受けた、自然で非常に写実的な絵画だ。---ランク:1---発見方法:クエスト「細密な人物画」---発見場所: ラ行 レースを編む女 説明:ヤン・フェルメール作の絵画。縦が24cm足らずの小さな絵画でありながら、一心にレースを編む女性が見事に描かれている。女性の手元は精密に、それ以外はあえて不明瞭に描くことで緊張感を出している。---ランク:3---発見方法:クエスト「画商が描いた絵画」---発見場所:ロンドン ダケット商館 ラオコーン 説明:ラオコーンはトロイの神官で、トロイの木馬を防ごうとした人である。ギリシャに肩入れするアテナが放った大蛇に襲われ、二人の子と共に命を落とした。 ランク 4---発見方法 クエスト「トロイ戦争のてん末」---場所 ヴェネツィア元首公邸 ラオコーン 説明:ローマで出土したラオコーン像の完全な姿。体をよじり苦痛に耐える表情から、天罰の恐ろしさがまざまざと伝わってくる。 ラオコーンの右腕 説明:ローマで出土したラオコーン像の、折れた右腕。ラオコーン像には天をつかむような伸ばした右腕がつけられていたが、これは曲げられている。---ランク 5---発見方法 クエスト「失われた右腕」---場所 ナポリ郊外 ワ行
https://w.atwiki.jp/shinmanga/pages/370.html
アイオーン ◆L62I.UGyuw 時刻は既に十七時を回っている。 圏外と表示された携帯電話のディスプレイから視線を外した。剥き出しの木の根をひょいと跳び越える。 少し歩いてぬかるみを避けた後、一旦立ち止まって手の上の透明な小球を目の前に掲げた。 静かだ。木々のざわめきも聴こえない。 無風の森は、ぼんやりとした闇に沈んでいる。 不安を煽る無音の中で、或は携帯電話を胸のポケットに戻して、代わりに地図とコンパスを取り出した。 そしてそれらをひとしきり眺めて考える。 釈然としない。 歩いた距離を考えると、神社の敷地からはもうとっくに出ていると思う。 いや、それどころかF-5エリアからも出ているのではないだろうか。 変わり映えのしない景色のために距離感を失いそうになるが、それでも確実に一キロメートル以上は歩いている。 コンパスはいつからかふらふらくるくると不安定に回転するばかりで役に立たない。 一帯に磁鉄鉱でも埋まっているのだろうか。 一方で、どういう仕組みか永久指針はずっと一定の方向を指し続けている。 故にひとまず頼るべきものはこの原理不明の道具しかないのだが――。 白い息を吐く。 やはり釈然としない。 いい加減、永久指針の指し示す地点に到着してもいいはずだ。 パックの移動経路も考慮すると、永久指針が神社周辺を指していたことは確実だったのだから。 デイパックに地図とコンパスを仕舞って、ペットボトルを手に取った。 「さて……行くか戻るか、それが問題だ。本当ならすぐ戻るはずだったんだけど、当てが外れたかな」 軽く喉を潤して、或は独り言ちた。 ********** 秋瀬或には一つの癖がある。 癖、と言うよりはある種の信念のようなものかもしれない。 それは迷ったときに、より積極的な道を選択するということ。 そして今までずっとそうだったように、今回もその判断は正しかった。 行く手に光が射した。 森はある所で急に終わっていた。 そして辺りの景色が唐突に開けた。 眩しさに目を細める。 そこには薄い黄金色の輝きを放つ紫の大海があった。 地平線の遥か向こうまで広がる一面の花の海だ。 後ろから、一陣の風が吹き抜けていった。 花の海を渡って行く風のうねりがはっきりと見える。 柔らかく、それでいて瑞々しい香りが鼻腔をくすぐる。 いつの間にか、雪は止んでいた。 空を覆っていたはずの雪雲は綺麗に消え失せ、代わりに赤く巨大な光の塊が空に蕩けている。 そういえば、今は夕暮れ時だったのだと、或は今更のように思った。 紫の匂いに満ちた黄金の世界。 それはあまりにも幻想的な光景だった。 「もしかすると――これが、『幽界』だったりするのかな?」 明らかに、島の何処かなどではあり得ない。 いや――現実にこんな光景は存在し得ない。 馬鹿馬鹿しい程に赤々と巨大な太陽と、それが発する光学の法則を全く無視した黄金の光が、雄弁にそう語っていた。 幽界は現世の常識が通用しない世界なのだというようなことを、あのお調子者の妖精は語った。 彼の故郷であるという妖精郷もその幽界にあるらしいが――実際に妖精の世界などというものがあるのなら、それは目の前の風景こそが相応しい。 「……ん?」 視界の隅で何かが夕陽を弾いた。目を向ける。 花の海から続く、長く遠く突き出した高い断崖。その先端。 落ち掛かった夕陽に照らされて、いくつもの尖塔が特徴的な建物が、紅玉のように小さく煌いていた。 「あれは……城か?」 小さく見えるが、距離を考えるとかなり大きい建築物のはずだ。 永久指針はどうやら崖上の建物を指しているようだったし、何より他に行く当てもない。 或は迷わず歩き始める。 何が待ち受けているにせよ、ここで引き返すという選択肢は端から存在しない。 程なくして建物の正面に着いた。 やはりそれは城だった。 城――と言っても、周囲に高い城壁もなければ見張り台もない。 一般的な城とは違い、戦略上の拠点としての機能をこれは持ち合わせていない。 ヨーロッパ圏の御伽噺に登場するお城がイメージとしては最も近いだろう。 しかし異質なことに、死者の罪を量る古代エジプトの神――アヌビスの彫刻が入口の大扉の上に鎮座している。 幻想の世界には相応しい代物だと或は思った。 改めてもう一度天を衝く尖塔を見上げてから、冗談のように大きい両開きの扉に手を掛ける。 眠りから覚めたように、ほとんど抵抗なく扉は動き始めた。 巨大な怪物が徐々にその口を開いて行く。 中から滲み出した闇がひやりと頬を撫でた。 完全なシンメトリを構成する通路が暗闇の中へと真っ直ぐに吸い込まれている。 「さて――」 鬼が出るか蛇が出るか。 ランタンに灯を入れ、或は闇へと踏み込んで行く。 ********** タイトルは知らない。ずっと昔、両親がテレビで観ていた映画だ。 それほど興味は湧かなかったのに、何故か最後まで横で観てしまったのを憶えている。 舞台はアメリカの長閑な島で、主人公の青年は何処にでもいる平凡なセールスマン。 彼は生まれてから一度も島の外に出たことがないのだが、それは嵐の日に父が海に沈んで死んだことがきっかけで水が怖くなったためだ。 しかしその死んだはずの父が目の前に現れたときから、彼の日常は綻び始める。 タネを明かせば、実は彼の生活の一部始終は街中に隠された大量のカメラで常に撮影されていて、それが二十四時間全世界に放映されているのだ。 そして彼の父は勿論のこと、島の住人は親も妻も親友も道行く人までもが全てエキストラで構成されている。 のみならず、島そのものが巨大な人口ドームで覆われたセットなのである。 そのことに薄々勘付いた主人公は、何とかして島を脱出しようと試みるのだが……。 まともじゃないね、これは。 一通り城内を探索し終えて入口から続く円形の大広間に戻って来た或は、ランタンを消すと端的にそう感想を述べた。 応える者のない言葉が、暗い吹き抜けの空間に虚しく吸い込まれる。 窓から射し込む夕暮れの美しい光が、辛うじて大広間から闇を掃っている。 城内はちょっとした迷宮の様相を呈していた。 細長い廊下と大小無数の部屋が蜘蛛の巣のように張り巡らされ、油断すると元来た道も分からなくなりそうな複雑な構造だった。 寝室だけでも軽く十以上はある。 しかし或がまともではないと評したのはそんな点ではない。 この城には生活感がない。もっと言えば、人が入った形跡すらない。 それにも拘らず、城内の何処を調べても、磨き抜かれた床には塵一つ落ちていなかったし、真鍮の調度品には一点の曇りも見られなかったし、ベッドのシーツはたった今交換されたばかりのようだった。 城内の至る所に見える蝋燭は、或が来る前から燃えていたにも拘らず、まるで尽きる気配がない。 或は入口正面の大時計を見上げた。 十七時五十二分。 剥き出しの歯車や調速機が整然と動いているのが見える。 大時計の刻む時は酷く緩慢だ。 だがこれはこの大時計が狂っているということを必ずしも意味しない。 デイパックから時計を出す。 十七時五十二分。 大時計の示す時刻と一致している。 要するに、この城は時間の流れが狂っているのだろう。 ここに着いてから随分時間が経過しているはずなのに、未だ夕陽が沈み切っていないのがいい証拠だ。 しかし驚くには値しない。 時空王デウス・エクス・マキナの力をもってすれば、その程度は造作もないことだからだ。 人智を超えた現象を割合すんなりと受け入れて、或は大広間の中心に近付く。 「怪しいと言えば何もかも怪しいけれど……一番怪しいのは、やっぱりこれか」 チェス盤にも似た大広間の床の中央部には、巨大な円に内接するように六芒星を二つずらして重ねた紋様が描かれていた。 二重六芒星の頂点には、それぞれ異なる奇妙なシンボルが配置されている。 そして二重六芒星の中心、その上に。 一抱えもある血の凝ったような紅い球体が、音もなく宙に浮いていた。 もしこの城が生きているのなら、きっとこれが心臓なのだろう。 間近で眺めてみる。 質感は完全に均質で、表面は凸面鏡のように滑らかだが、或の姿は映っていない。 警棒で軽く叩いてみる。 ご、と鈍い音。 球体は空間に固定されているかのように動かない。 ゆっくりと触れてみる。 途端に、異様な悪寒が掌から背中へと突き抜けた。 「――――っ!」 熱いヤカンに触れたように、ほとんど反射的に或は球体から手を離した。 靴が床を擦って耳障りな音を立てる。 全身に鳥肌が立っている。背中に冷汗が滲んでいる。鏡を見なくても顔が強張っているのが判る。 軟らかいとも硬いとも温かいとも冷たいとも判断出来ない、冒涜的な感触だった。 冒涜的な感触――とは一体何だ。 その表現がまるで的外れである一方で、球体の感触について他に言語化する方法もおそらくないだろうと或は思った。 次の行動に移るまでに、しばらく時間が掛かった。 或は少し下がってニューナンブを構え、無造作に引鉄を引いた。 乾いた破裂音と光、それに鋭い金属音がほぼ同時に発生した。 音が壁に跳ね返りながら無限に減衰して行く。 「駄目か」 特段期待はしていなかった、という口調で或は呟いた。 球体には間違いなく銃弾が直撃したはずだが、その表面には傷一つ付いていなかった。 少なくとも今すぐにこの球体をどうこうすることは難しいと判断せざるを得ない。 「無意味なオブジェクトだとは考え難いけど……何だろうな、これは」 「それは王玉」 不意に、予期せぬ答えが降って来た。 はっと振り向く。 「それは賢者の石」 視線が彷徨い、そして大階段で止まる。 「それはベヘリット」 居る。上階の暗がりに、何者かが立っている。 「しかしてその実体は、千の姿と名を持つ高エネルギー結晶体であり――真理に至る凶夢の深淵からの呼び声だ」 世界の中心へようこそ、秋瀬或君。 涼やかなテノールが虚空に響いた。 声の主が無言で降りて来る。 こいつは何者なのか。 まず頭に浮かんだのはそんな至極当たり前の疑問だった。 そして聞き覚え――ではなく見覚えのある単語『賢者の石』。 並列して、先制攻撃もしくは逃走という選択肢がちらついたものの、これは却下する。 完全に有利な立場であったにも拘らず敢えて声を掛けたということは、とりあえず害意はないのだろう。 勿論それは必ずしも敵意の不在を意味しないのだが。 そして発言の内容。 ほとんど意味は解らないが、自分の名前を知っていた、という点は無視出来ない。 現在、この島で秋瀬或の顔と名前を一致させることが出来る者は、未来日記所持者を除けばミッドバレイくらいしかいないはずだ。 最後に――。 階段の半ばで、声の主は窓から射し込む神々しい光に照らされた。 その姿を確認して――或の顔が心なしか引き攣った。 カエルだった。 もう少し詳しく述べるならば、デフォルメされたカエルの着ぐるみだった。 全身黄緑色である。腹だけ白い。丸い頭の上にデカい目玉がくっ付いている。他に特徴はない。制作者のやる気のなさが窺える。 寂れた遊園地のマスコットでも、もう少し気の利いたデザインではないだろうか。 カエルがゆっくりと降りて来る。 頭脳明晰にして大胆不敵、テロリストも舌を巻くハイスペック中学生秋瀬或も、流石にこの瞬間ばかりは呆気に取られた。 いくら奇矯な人間には慣れているといっても限度というものがある。 これはないだろう。 場にそぐわないどころではない。 ここで登場すべきは高級なタキシードに身を包んだ胡散臭い紳士か仙人のように長い白髭を蓄えた老人か、せめて黒服にサングラスの強面であって、断じて出来損ないのマスコットではない。 「おや、どうしたのかな?」 カエルが心底不思議そうな声で喋った。 黙れ。 いや、相手のペースに呑まれてはならない。 或は努めて冷静にカエルを見返した。 カエルの声には聞き覚えがある。正確には似た声を知っていると言うべきか。 そう、ある人物が成長すればこんな声になるだろう。 すなわち――。 「悪趣味が過ぎますよ、鳴海清隆さん」 ほとんど確信を持ってその名を口にした。 「ああ全く! せっかくミステリアスに登場したんだから、もう少し溜めってものが欲しいなあ!」 まぁ、仕方ないか。 大げさに、残念そうに言って、カエルの着ぐるみはよいしょとその頭を外した。 下から整った顔が現れる。歳は三十そこそこといったところか。 なるほど、鳴海歩に似ているといえば似ている。 だが彼の放つ柔らかで自信に満ちた雰囲気は、彼の弟にはないものだ。 しかし一体何をしに――。 「何をしに現れたのか、という顔をしているね」 読まれた――という程のことでもない。当たり前過ぎる疑問だ。 「大したことじゃない。『それ』のメンテナンスだよ。龍脈が乱れていたからちょっとね。もう終わったからそのことは気にしなくていい。 いや、実は君がこの『王族の庭城』に来たときに声を掛けようかと思ったんだが、そのタイミングをうっかり失っちゃったというか。 ほら私はシャイだから」 何処まで本気かまるで掴めない。 しかし『それ』とは或の背後の球体だろう。 確かにこの付近に龍脈が集まっているとも、それが乱れているとも聞いているが――。 「ふむ。納得出来ないかね。ならこういう理由はどうだろう。 秋瀬君――我々の仲間になるつもりはないかな?」 或の全身が強張った。 ああ、つまり何か。 これは「せかいの はんぶんを おまえに やろう」とかそういう類の誘いなのか。 その言葉が本気かどうかなどどうでもいい。 『神』の言葉は或の『探偵』としての矜持を踏み躙るのに十分だった。 或はこの男を嫌いになろうと決めた。 そして告げる。 「ご好意は大変有難いのですが――クソッ食らえだ」 右腕を跳ね上げる。 手の中にはニューナンブ。 撃鉄を起こす。 銃口が男を捉える。 胸に狙いを絞る。 引鉄を引いた。 ――――カチン。 撃鉄が落ち、弾は出なかった。 静寂が耳を貫く。 永遠にも感じる、しかし僅かな間の後、或は静かに銃口を下に向けた。 一瞬だけ表に現れた激情は既に見られない。 「不発……か」 或の表情に驚きはない。 清隆は眉一つ動かさず、しかし光の加減か、少しだけ哀しい顔で微笑んでいる。 「もしかすると」 清隆が先程とは打って変わって平坦な声を発した。 「私がここで君の銃弾に斃れる可能性もあったのかもしれない。 私がこの先の未来を見ずに済む可能性もあったのかもしれない。 何故なら秋瀬君、君は数奇な運命の元に生まれた因果律の申し子だからだ。 君だけが不確定因子を持っていたからだ。 だがやはりそうはならなかったらしい。 運命の歯車は全てを轢き潰す。機会はいつだって一度きり。 箱の中の猫は観測された」 一気に言い終え、そして彼は今度こそはっきりと哀しみを湛えた瞳に虚空の闇を映した。 「一体何を……いや、貴方は――何者です?」 「君はもう解っているんだろう? 私は――」 ********** 映画のクライマックスで、番組のプロデューサーは、島民を操り夜を昼に変え嵐を起こしてまで彼の脱出行を妨害する。 しかし彼は最早ただの平凡な青年ではない。あらゆる妨害を撥ね退け、水への恐怖を抑え付けてまで舟での脱出を敢行するのだ。 そしてとうとう島を囲うドームの壁まで辿り着いてしまう。 真実を知り、主人公は呆然としながら安っぽい世界の出口の扉を開く。 出口の前で逡巡する彼に対して、天からプロデューサーの声が降って来る。 戸惑う主人公。あんたは何者だと問う。 そして僅かな間の後、プロデューサーは天からこう語り掛けるのだ。 私は『神』だ。 同じ台詞を吐いて、鳴海清隆は秋瀬或に冷徹な視線を向けた。 静謐な大広間を見下ろす大時計は、十七時五十五分を指している。 窓からほとんど水平に射し込む昼の残り香が、二人の空間を二分している。 「そうですか。ところで」 沈黙を破ったのは或だった。 「ご存知でしょうが、僕は歩さんから貴方達に纏わる物語を伺いました。 すなわち、人類を滅する人類以上の存在――ミズシロ・ヤイバと、彼に対抗出来る唯一の存在――鳴海清隆を中心とするサーガです。 これはそうですね、敢えて近いものを挙げるとすれば、ゾロアスターの善神アフラ・マズダと悪神アンラ・マンユの戦いが適当でしょうか。 普通ならばとても信じられるものではありませんが、デウスを知る僕等にとってはそれほど突飛な話でもありません。 何にせよ、このサーガはアフラ・マズダがアンラ・マンユを打倒することで一つの区切りを迎えた訳です。 歩さんとブレード・チルドレンの物語は、誤解を恐れずに言うなら単なる後日談に過ぎません。 ですが、僕には一つ気になったことがあります」 一旦言葉を切って清隆の表情を窺う。 「歩さんの語った物語には悪魔と呼ばれた男、ミズシロ・ヤイバの視点が全く欠けていた。 まあこれは当然なのかもしれません。彼は人類とは相容れない存在だったのですから。 しかしです。ミズシロ・ヤイバは本当に悪魔だったのでしょうか? 彼が生きていれば、おそらく彼の一族は人類を緩やかに滅亡させ、新人類として繁栄していたでしょう。 確かにこれは現人類から見れば悲劇以外の何物でもありません。ですが視点を変えればどうでしょうか。 彼の血族――新人類にとってみれば、ミズシロ・ヤイバはまさに神そのものとなり得たはずです。 彼の目的はあくまで現人類の駆逐であり、決して無秩序な破壊を齎す類のものではなかったのですから。 つまり貴方達の戦いは、神と悪魔の戦いではなく、やはり善神と悪神の戦いであったと見なすのが妥当です。 さて、ところでその戦いにおいて、ミズシロ・ヤイバは新人類を始め様々なモノを創り出しました。 対して鳴海清隆は何をしたのでしょうか。彼の創り出したモノを破壊して回っただけではありませんか?」 清隆は見透かすような眼で見詰めている。 「鳴海さん、貴方の真の役割は、アフラ・マズダではなくアンラ・マンユだったのではありませんか?」 ********** 鳴海清隆に対して並べ立てた言葉は、全くの出鱈目という訳ではないが、半ば口から出任せだった。 そもそも歩から得た情報は断片的であり、まだ秘匿されている情報もあるはずであり、清隆に対する有効打となる武器は何もなかった。 どの道、切れるカードなどなかったのだ。 デウスの記憶というホールカードはあるが、自分自身ですら価値の判らないカードを闇雲に切るのは愚者の所業である。 だから、次のカードをヒットした。 要は鳴海清隆を揺るがせたかったのだ。 ある部分で、彼と自分は似ているのだろうと思う。 自分がそうであるように、彼のパーソナリティは絶対的な自己肯定に拠っている。 そこを僅かでも突き崩せればと思ったのだが。 「うん、流石に手強いな」 結局のところ、彼は小揺るぎもしなかった。少なくとも表面上は。 彼は或の挑発を黙って聴き終えると、間抜けな着ぐるみの背中を見せて再び階段の上へと去って行った。 まだゲームを続けるのなら後ろの扉を開けたまえ、とだけ言い残して。 その背に銃弾をブチ込むことも考えたがやめた。まず間違いなく無駄だからだ。 そもそも銃弾をブチ込めたとして、それを勝利と呼べるかは甚だ疑問だ。 少し逡巡してから後ろの扉――それは城の入口に繋がっていたはずだが――を開けると、次の瞬間には夜めいた境内に立っていた。 振り返っても壮麗な城は影も形もなかった。コマ送りのような感覚だった。 そして今、白い化粧が施された木々の向こうに本殿の屋根が見える。 携帯電話を取り出す。 時刻は既に十七時五十八分を回っている。 映画のラストシーン。 主人公を懐柔しようとするプロデューサーに対して、彼は皮肉の利いた最後の挨拶を述べて外の世界へと旅立つ。 それを全世界の視聴者達は感動の涙と拍手で迎えるのだが、直後に興味を失い次の番組を探し始める。 実にブラックなオチ。 ブラックなオチだと思っていた。 しかし。 今なら、この状況なら解る。 あのオチをブラックだと感じるのは、要するに他人事だからだ。 実のところ、真の神はプロデューサーではなく視聴者達だ。 プロデューサーは『神』という役を演じていたに過ぎない。 視聴者達を満足させその後への関心を失わせる幕切れこそが、主人公が求めていた自由への切符だった。 あれは主人公が完全な勝利を収めたことを端的に示すオチだったのだ。 「僕にとっての勝利とは……何だ?」 三度目の放送が始まる。 【F-5/神社/1日目/夕方】 【秋瀬或@未来日記】 [状態]:疲労(中)、左肩に銃創、右こめかみに殴打痕 [服装]: [装備]:コピー日記@未来日記、ニューナンブM60(4/5)@現実 [道具]:支給品一式、各種医療品、 天野雪輝と我妻由乃の思い出の写真、 ニューナンブM60(5/5)@現実、.38スペシャル弾@現実×20、 警棒@現実×2、手錠@現実×2、携帯電話、 A3サイズの偽杜綱モンタージュポスター×10、 A3サイズのレガートモンタージュポスター×10 永久指針(エターナルポース)@ONE PIECE、クリマ・タクト@ONE PIECE [思考] 基本:雪輝の生存を優先。『神』について情報収集及び思索。(脱出か優勝狙いかは情報次第) 1:『神』の謎を解き、勝利する。 2:偽装した自身の死を利用して、歩や由乃に感づかれないよう表に出ずに立ち回る。 3:コピー日記により雪輝たちの動向を把握、我妻由乃対策をしたい。 4:探偵として、この殺し合いについて考える。 5:偽杜綱を警戒。モンタージュポスターを目に付く場所に貼っておく。 6:蒼月潮、とら、リヴィオの知人といった名前を聞いた面々に留意。 7:探偵日記の更新は諦めるが、コメントのチェックなどは欠かさない。 8:『みんなのしたら場』管理人を保護したい。 9:リヴィオへの感謝と追悼。 10:出来ればひょうに直接会ってみたい。 11:何故、僕はデウスの声を知っている? [備考] ※参戦時期は9thと共に雪輝の元に向かう直前。 ※蒼月潮の関係者についての情報をある程度知りました。 ※リヴィオからノーマンズランドに関する詳しい情報を得ました。 ※鳴海歩について、敵愾心とある程度の信頼を寄せています。 ※鳴海歩から、ブレード・チルドレンと鳴海清隆、鳴海歩、ミズシロ・ヤイバ、ミズシロ・火澄、 並びにハンター、セイバー、ウォッチャーらを取り巻く構図について聞きました。 ただし、個人情報やスキルについては黙秘されています。 ※鳴海歩との接触を秘匿するつもりです。 ※【鳴海歩の考察】の、3、4、6について聞いています。 詳細は第91話【盤上の駒】鳴海歩の状態表を参照。 ※みねねのメールを確認しました。 みねねが出会った危険人物及び首輪についてのみねねの考察について把握しました。 ※参加者は平行世界移動や時間跳躍によって集められた可能性を考えています。 ※ミッドバレイとリヴィオの時間軸の違いを認識しました。 ※パックからひょうの仮説(精神体になんらかの操作が加えられ、肉体が元の世界と同じでない可能性)を聞きました。 ※胡喜媚から彼女の能力などについて若干の情報を得ています。 時系列順で読む Back AGITATOR/THINKER Next キャラクターはセリフだけで見分けがつくように書き分けよう 投下順で読む Back AGITATOR/THINKER Next キャラクターはセリフだけで見分けがつくように書き分けよう 146 C3 -Cube×Cursed×Curious- 秋瀬或 170 消灯ですよ
https://w.atwiki.jp/marsdaybreaker/pages/991.html
三面鏡(さんめんきょう) ファンファン・ファーニチャー家具店で販売されている家具。 (生活ゲームでの)外見、評価+1。 家の住み易さを+2上昇させる。 ※ご購入は上記のファンファン・ファーニチャー家具店リンクからどうぞ L:三面鏡 = { t:名称 = 三面鏡(アイテム) t:要点 = 鏡,鏡台,化粧品 t:周辺環境 = 設置された家 t:評価 = なし t:特殊 = { *三面鏡のアイテムカテゴリ = ,,,設置型アイテム。 *三面鏡の位置づけ = ,,,{家具,ショップアイテム}。 *三面鏡の取り扱い = ,,,FFF。 *三面鏡の販売価格 = ,,,30マイル。 *三面鏡の住みやすさ補正 = ,,,住みやすさ、評価+2。 *三面鏡の外見補正 = ,,,(生活ゲームでの)外見、評価+1。 } t:→次のアイドレス = 集まる視線(イベント) } 解説 ファンファン・ファーニチャー家具店で販売されている高級家具のひとつ。 家に設置することで、家の住み易さを+2上昇させるという効果をもつ。 また、生活ゲーム時、外見判定+1となる。 昔、三面鏡のついた鏡台は嫁入り道具として必ず嫁ぎ先に持っていったと言われている。 しかし現在は、住宅事情などで必ずしも鏡台を置く場所があるものではない。 代わりに卓上用の三面鏡を利用したり、洗面台に三面鏡機能がついているものもある。 そもそも三面鏡を置いていない家も多いのではなかろうか。 また三面鏡は、両側の2つの鏡を使用した合わせ鏡が可能という側面が存在する。 無限に続くように見える姿のせいか、悪魔が現れる、合わせ鏡の世界に閉じ込められるなどの都市伝説や怪談も多い。 次のアイドレスとして、集まる視線(イベント)が用意されている。 着飾った姿に見とれる人が続出といった、ステキなイベントを期待したい。 保有国一覧 藩国名 入手履歴 保有者 使用履歴 現在所持数 保有者なし 参考資料 ファンファン・ファーニチャー家具店:三面鏡 アイドレスWiki:三面鏡 上へ 戻る 編集履歴 藻女@神聖巫連盟 (2009/07/31) 翡鹿龍樹@土場藩国 (2009/02/04) イラスト 黒崎克耶@ファンファン・ファーニチャー家具店 (2008/11/17) 解説 日向美弥@紅葉国 (2008/10/27)
https://w.atwiki.jp/ryuunabe/pages/1953.html
三面鏡 商品ページ 名称:三面鏡(家具) 要点:鏡・鏡台・化粧品 周辺環境:設置された家 特殊:住みやすさ+2 *三面鏡のアイテムカテゴリ = ,,,非着用型アイテム。 *三面鏡の位置づけ = ,,,家具。 *三面鏡の外見補正 = ,,,(生活ゲームでの)外見、評価+1。 →次のアイドレス:集まる視線(イベント) コメント 三面鏡、おしゃれに必須(?)の鏡だよね。自分では見れない背中の方とかをちょっと確認したりするのにも使えるし、それこそ、気づきにくいところをカヴァーするのに便利、便利。 要点を見る限りは化粧品も付いている(もしくは自前で購入してるんだろうけど)ようなので、わりとオシャレに気を使う人が欲しがる家具であるといえるよね。
https://w.atwiki.jp/zeturin/pages/1158.html
目次 【時事】ニュースにびなも凸面体 RSSにびなも凸面体 口コミにびなも凸面体 【参考】ブックマーク 関連項目 タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース にびなも凸面体 gnewプラグインエラー「にびなも凸面体」は見つからないか、接続エラーです。 RSS にびなも凸面体 gnewプラグインエラー「にびなも凸面体」は見つからないか、接続エラーです。 口コミ にびなも凸面体 #bf 【参考】 ブックマーク サイト名 関連度 備考 はてなキーワード ★★ 関連項目 項目名 関連度 備考 参考/COMICペンギンクラブ ★★★ 商業誌 タグ 人物 最終更新日時 2013-05-27 冒頭へ
https://w.atwiki.jp/doldoldoldol/pages/207.html
発見物 史跡 宗教建築 歴史遺物 宗教遺物 美術品 財宝 化石 植物 虫類 鳥類 小型生物 中型生物 大型生物 海洋生物 港・集落 地理 美術品 名称 ランク ポイント 説明 難度 経験値 発見方法 名称 ランク ポイント 説明 難度 経験値 発見方法 赤いターバンの男の肖像 ★★★ 4 ヤン・ファン・エイク作。諸説あるが、エイク本人を描いたものといわれている。彼はそれまでの画法を改良して、この絵のように細部まで描き込むことを可能にし、深く多彩な光陰を表現することに成功した。 7 462 新たな技法 アダムとエヴァ ★★ 3 楽園を背景に、男女と動物を描いた彫刻銅版画。デューラーの四大銅版画のうち最も早く制作された。テーマは「原罪」。ウィトルウィウスの人体比例を用いてあり、古代彫刻の理想的形態が提示されている。 5 300 描かれた理想 アルノルフィニ夫妻の結婚 ★ 1 ヤン・ファン・エイク作。銀行家夫妻の結婚証明画と思われる。絵には宗教的な象徴が多く描かれ、幸せな結婚生活を祈念したものであろう。中央の凸面鏡やシャンデリアをはじめ、筆では不可能なほど細かく描き込まれている。 3 180 ある夫妻の結婚証明 アルペの聖体器 ★ 1 北フランスのリムザン地方リモージュ出身の細工師・G.アルペが作ったという、祭礼用の器。モンマジュール修道院院長の墓室に納められていたが、あまりに美しいためマルセイユの教会に移されたと伝えられる。 1 50 修道院長の副葬品 イコン ★ 1 正教会で信仰に用いられる聖像。宗教上の聖人や重要なシーンを描いたものである。 2 26 小さな宗教画の地図 ウィトルウィウス的人体図 ★★ 2 古代ローマの建築家であるウィトルウィウスが示した人体の比率をダ・ヴィンチが再考察し、図式化したもの。ダ・ヴィンチはこの図によって人物をより写実的に描こうとしたという。 6 340 ダ・ヴィンチの人体図 ヴィーナスの誕生 ★★ 2 ボッティチェリ作の絵画。ヴィーナス、つまりギリシャ神話のアフロディテが、海の泡から生まれたときの様子を描いている。左の二人はゼフュロスとフローラ、右は時の女神のホーラである。 5 300 海から生まれた女神 ヴェールの女 ★★ 2 ラファエロ作の、女性の肖像画。ラファエロの恋人に貴族の婚礼衣装を着せた姿だとも言われている。多忙なラファエロは弟子に手伝わせることが多かったが、この絵は一人で描きあげたという。 5 310 ヴェールをかぶった女の肖像 ウルビーノのビーナス ★★★★ 5 ティツィアーノ作。前面に横たわるヴィーナスの視線はこちらに向けられ見る者を挑発するようである。足元で丸まる子犬は従順と貞節を、手に持つバラは愛を象徴している。貴族の館の洋服ダンスを探る侍女が、女神を世俗的に感じさせる。 9 720 美の基準 エレクティオンの少女像 ★★ 2 パルテノン神殿のそばに建つ、エレクティオン神殿のカリアティド(女像柱)。6体あり優雅な雰囲気を漂わせている。 4 210 少女像の柱の地図 円盤投げ ★★ 1 古代ギリシャの彫刻家・ミュロン作といわれる男性像。原作は青銅だと伝えられるがこれは大理石製の模作である。ローマ時代の作とされる。 4 220 ギリシャの競技の像 オーロラ姫のティアラ ★★★ 4 眠れる森の王女の伝説で有名な、オーロラ姫のティアラ。婚礼に用いたとされる。子孫を通じてイングランドに渡るも、戦乱で紛失。このたび、イングランドの教会に寄贈されたものが発見された。美しい細工で芸術的価値が高い。 7 506 オーロラ姫のティアラ 音楽の稽古 ★★★ 4 フェルメール作。彼はこの作品で透視図法による構図の歪みを克服しようとした。楽器に向かう女性は、上部の鏡では隣の男性のほうへ顔を向けているように見える。ヴァージナルには「音楽は喜びの伴侶、悲しみの薬」と書かれている。 7 510 フェルメールの試行錯誤 画家・彫刻家・建築家列伝 ★★ 2 ジョルジョ・ヴァザーリによって記された芸術家の列伝。133人もの芸術家の生涯が綴られている。著者自身も絵画に建築にと多彩な才能を発揮した人物で芸術家の評価面においても信頼性が高い。美術史における一級の資料である。 5 300 優れた芸術家たちの本 ガッタメラータ将軍騎馬像 ★ 1 ガッタメラータとは12世紀後半から13世紀前半にかけて活躍した傭兵隊長である。ヴィスコンティ家との戦いでヴェネツィアを勝利に導くなど数々の軍功を上げた。この青銅像はその功績を讃え、ドナテッロによって作成されたものである。 4 140 英雄の像の地図 カピトリーノの雌狼 ★★★★★ 10 ローマ建国神話に登場するロムルス・レムス兄弟が狼の乳を飲む姿をかたどった青銅像。双子の像はアントニオ・デル・ポッライウォーロが最近付け加えたものだが、狼の像はエトルリア時代のものである。 13 1157 血塗られた建国者 狩人のディアナ ★ 1 作者不詳の絵画。ローマ神話のディアナが、猟犬をともなって狩りに出かける様子を描いている。柔らかで自然な裸体が美しい。モデルはフランス王の愛妾だといわれる。 3 160 神話を題材にした裸婦画 岩窟の聖母 ★★★ 4 読みは「がんくつのせいぼ」。レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画である。ミラノの聖堂の依頼で描かれた絵画が報酬で折り合わず、複製であれば安くてよいということで描かれたものである。この絵の製作には弟子の手も入っているそうだ。 6 440 ダ・ヴィンチの祭壇画 岩窟の聖母 ★★★★★ 6 読みは「がんくつのせいぼ」。レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画である。ミラノのある聖堂の依頼で描かれた物だが、報酬で折り合わず、このオリジナルは渡されなかったという。絵には聖母子と聖ヨハネ、天使が描かれている。 12 1105 ダ・ヴィンチの真筆 旧約聖書のタペストリー ★ 1 シモン・ブーエの原画をもとにした連作タペストリーの一つ。旧約聖書をもとにした内容で、全部で八枚あるという。分厚く豪華なゴブラン織りのタペストリーである。 2 70 タペストリーの地図 行列寓意図飾杯 ★ 1 「ぎょうれつぐういずしょくはい」。ヴェネツィアの工房で作られたという器。瑠璃色のガラス器にエマイユが施されている。ガラスのエマイユ技術は、ヴェネツィアで多用された。これほどの作品はヴェネツィアでなければ作れないだろう。 2 105 ヴェネツィアのガラス細工 御者の像 ★ 1 デルフォイ遺跡で発見された御者の青銅像。競技会で優勝した御者の功績を讃えるために奉納されたものであろう。均整の取れたすばらしい像である。 2 130 古代ギリシャの傑作 キリスト降架 ★★★★ 5 ルーベンス作の祭壇画の一枚。処刑されたイエスを、母マリアたちが十字架から降ろす光景である。誇張された肉体とポーズ、劇的な光の使い方など、それまでの絵画とは一線を画している。 9 780 王の画家にして画家の王 キリスト昇架 ★★★★ 4 「しょうか」。ルーベンス作の祭壇画。イエスが打ち付けられた十字架が、立てられようとしている場面だ。波を打つような筋肉、浮き上がるイエスの白い肉体など、これまでの宗教画と異なる表現がされている。 9 780 社交的な画家 キリスト磔刑 ★ 1 「たっけい」。エル・グレコ作の絵画。イエスが十字架に架けられた情景で、左右対称の構図の中でイエスが白い体をよじって天を仰いでいる。彼の宗教画は光輪を描かないなど定石を無視したところがあるため、初期には認められなかった。 3 185 風変わりな宗教画 キリストの洗礼 ★ 1 ダ・ヴィンチの師であるアンドレア・デル・ヴェロッキオの手による絵画。だが、この絵で背景と一番右下の天使はダ・ヴィンチが描いたとされる。師ヴェロッキオは、その天使のあまりの美しさに驚愕し、以後絵画は描かなくなったという。 2 100 師弟の絵 キリストの復活 ★★ 2 ジェルマン・ピロン作の大理石像。処刑後、復活したキリストの姿を表したもの。本来は数体の彫像からなる作品のはずだが、未完成のままだという。 5 290 復活したイエスの彫刻 果物かご ★★ 2 カラバッジオ作の、果物かごを描いた絵画。人物を描かない絵はこれまでの常識を打ち破るものだ。やや生気を失いかけた果物や葉が生々しく、これまでにない魅力がある。 6 380 果物かごだけの絵 ゴリアテの首を持つダヴィデ ★★ 3 グイド・レーニ作。羊飼いのダヴィデが、巨人ゴリアテを投石器で倒し、その首をとるという聖書の一節を表現している。古典的な構図でありながら、レーニの独特の斬新な表現を垣間見ることができる。 6 340 闘士の首を持つ男 ゴルゴタの丘 ★ 1 アンドレア・マンテーニャ作の祭壇画。ゴルゴタの丘ではりつけにされるキリストを描いたもので、ほぼ完成された遠近法を用いている。衣服や武具、馬具など、緻密な考証がされている点も評価できる。 2 95 画期的な絵画技法 犀 ★★ 3 アルブレヒト・デューラー作の木版画。デッサンしたかのように細部まで細密に描かれているが、デューラー自身は犀を一度も見たことがない。ゆえに、この木版画はデューラーの並はずれた想像力と表現力を証明する一枚ともいえるだろう。 5 290 人並みはずれた想像力 最後の審判 ★ 1 ジョルジョ・ヴァザーリ作の天井画。キリスト教の最後の審判の様子が生々しく描かれている。ヴァザーリは絵だけでなく、文筆家としても知られている。 1 80 ヴェネツィア教会の天井画 最後の審判 ★★★★★ 6 ミケランジェロのフレスコ画。巨大にして素晴らしい芸術作品である。描かれているのは最後の審判の様子。中央にイエスがおり、救われた者は左手から昇天し、罰を宣告された者は右手から地獄に落ちる。 12 1118 芸術か異端か 最後の晩餐 ★★ 3 レオナルド・ダ・ヴィンチ作。遠近法によって描かれ建物内部が奥に続いているように見える。周囲の弟子たちに比べてイエスがあっさりと描かれているのは、彼にありがちなことだが未完成なのだろう。 4 260 崩れゆく名画 サモトラケのニケ ★★★★★ 10 サモトラケ島で出土した大理石片を組み上げて作った、美しいニケ像。腕と頭部が失われているが、かえって翼の美しさが引き立っている。 14 1215 風をはらむトルソ サリエラ ★★★★★ 9 豪華な彫刻が施された金細工の塩入れ。ルネッサンス期を代表する彫刻家ベンベヌート・チェリーニの作。その豪華さと精緻を極めた彫刻によって、「彫刻のモナリザ」と呼ばれている。 13 1170 盗まれた金細工の彫刻 失楽園 ★ 1 マザッチョ作の壁画。礼拝堂の壁に、複数の画家が描いたものの一つである。マザッチョは線遠近法を生かし、それまでとは大きく異なる、生気にあふれた絵画を描いた。 2 90 教会の宗教画の地図 受胎告知 ★ 1 シモーネ・マルティーニ作の祭壇画。製作当時は複数の絵からなる大規模なものだったという。この時代の宗教画としては人物が表情豊かで、新しい時代の到来を思わせる。 1 40 教会の宗教画の地図 受胎告知 ★ 1 フラ・アンジェリコ作の祭壇画。鮮やかな色彩で描かれたこの絵は作者の敬虔な信仰心を如実に表している。アンジェリコの名は通称で、穏やかな修道僧であった彼を「天使のようだ」と表現したものだそうだ。 2 100 清楚な絵 受胎告知 ★★★ 2 レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画。遠近法で描かれているが、マリアの右手など部分的に狂っている箇所もある。意図的だろうか。地面の花々は丁寧に描かれ、天使の翼は鳥のそれを解剖学的に研究したものである。 7 539 教会の宗教画の地図 受胎告知のマリア ★ 1 リーメンシュナイダー作の彩色大理石像。受胎告知を受けたマリアの像である。イタリア方面のマリア像とは違う魅力があり、清楚な美しさが印象的だ。 1 60 大理石のマリア像 勝利 ★ 1 ミケランジェロ作の大理石像。ユリウス2世の墓標のために作られた像の一つだが、未完成のまま打ち捨てられた。老人を組み敷き、体をねじらせた若者の像である。 3 120 大理石の男性像の地図 スキピオ伝のタペストリー ★ 1 ジュリオ・ロマーノの原画をもとに織られた連作タペストリーの一枚である。内容は、古代ローマ時代のカルタゴ戦争を舞台に、スキピオの事績を追うものである。 2 70 タペストリーの地図 聖アンナと聖母子 ★★ 3 レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵。聖アンナの膝にマリアが座り、幼いイエスを抱こうとしている。アンナはマリアの母であるが、ここではマリアと同じくらいの年齢で描かれている。この絵は未完成だそうだ。 5 280 変わった構図の聖母子画 聖ウェロニカ ★ 1 ロベルト・カンビンの作品。油彩による着色方法を使用した最初期の画家の一人。この作品は聖女ウェロニカがイエスの顔をぬぐい、その顔が布に浮かび上がった様子を表現している。 4 110 教会の宗教画の地図 聖家族 ★★★ 3 ミケランジェロ作の絵画。ほかの画家の作品に比べて肉体や衣服が立体的に感じるのは、彼が彫刻を得意とするからだろう。聖母にさほど聖性が感じられないのは、彼の所属している宗派の教義によるものだと思われる。 7 495 ミケランジェロの絵画 聖地で説教する聖エティエンヌ ★ 1 ヴィットーレ・カルパッチオ作。聖エティエンヌの生涯を題材とした六枚の年代記絵画の一枚。描かれている街はイェルサレムで、エキゾチックで鮮やかな衣装や、石造りの美しい街並みが特徴的である。 1 75 聖人の年代記絵画 聖ドニの殉教 ★ 1 アンリ・ベルショーズ作の祭壇画。当時、金地に鮮やかな色彩で描く手法が流行し、これもそれにならった作風である。 2 110 流行した宗教画 聖ヒエロニムスとライオン ★★ 2 バルトロメオ・ベラーノ作の青銅像。聖ヒエロニムスがライオンの足に刺さったトゲを抜いている姿である。青銅像は、通常は鋳型(いがた)を使って複製できるが、この作品は蝋型で作られた1点物で、複製品がない。 5 300 聖者と獣の青銅像 聖母子像 ★★ 3 作者不詳の木像。シナノキで作られた聖母子像である。かつて南ドイツの教会にあったと伝えられる。聖母は足の下に三日月を踏んでおり、黙示録の「太陽をまとい、月を踏みしく」と表される女を指していると思われる。 4 230 聖母子像 聖母子と聖ヨハネ ★★★ 2 ラファエロ作の絵画。別名があり、「美しき女庭師」という。由来は、聖母子の背景に描かれた美しい田園風景であろう。柔らかな筆致の名作である。 6 440 ラファエロの聖母子画 聖母子と二天使 ★ 1 フラ・フィリッポ・リッピ作の聖母子と天使の絵。宗教画は形式を重視した象徴的な描き方をされるのが常であったが、彼は生気に満ちた人物で宗教画を描いた。この聖母のモデルは彼の妻だといわれる。 3 190 美人画の先駆け 聖母子と幼児ヨハネ ★★★★ 2 ラファエロ作の絵画。別名を、「小椅子の聖母」という。ラファエロのそれまでの聖母像と異なり、生気にあふれている。恋人であるマルゲリータをモデルにしているとうわさされている。 8 612 教会の宗教画の地図 聖母戴冠 ★ 1 フラ・アンジェリコ作の祭壇画の一部。名前は「天使のような」という意味で、死後にそう呼ばれるようになったという。非常に敬虔な修道士で、壁画や祭壇画を多く製作した。当時最先端の技術だった遠近法が取り入れらた作風。 1 40 教会の宗教画の地図 聖母戴冠 ★ 1 フラ・フィリッポ・リッピ作の祭壇画。彼はそれまでにない独特の色使いで、表情豊かな作品を生み出した。ボッティチェリやダ・ヴィンチなど、多くの画家に多大な影響を及ぼしたという。 3 150 教会の宗教画の地図 聖母被昇天 ★★★★ 3 ティツィアーノ作の巨大な祭壇画。まさに天に引き上げられようとするマリアは、それまでの聖母とまったくことなる、生き生きとした生身の女性として描かれている。この絵をきっかけに、ティツィアーノは大成功した。 8 624 出世作 聖マルコの遺体の運搬 ★★ 2 ヴェネツィアのグラン・ディ・サン・マルコ同信会館のために描かれた連作「聖マルコ伝」の代表作とされる絵画。人物には強烈な明暗がつけられ、巧みな遠近法と相まって絵画に臨場感と緊張感を与えている。 6 330 聖マルコを救う信者の絵 洗礼者ヨハネ ★★★ 2 レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画。洗礼者ヨハネを描いている。「あの方は栄え、私は衰えなければならぬ」という言葉からくる、上を指差したポーズをとっている。不自然なような、不思議な微笑みを浮かべている…。 7 473 教会の宗教画の地図 象牙の聖櫃 ★★ 1 「せいひつ」。作者不明の、象牙でできた高さ30cmほどの聖櫃。自宅での礼拝などに使われたのではないだろうか。左右の板はたためるようになっている。中央の聖母子像は完全な像ではなく、浮き彫りである。 5 245 教会の祭器の地図 象牙の笛 ★★ 4 アフリカで作られた、象牙製の笛。素朴で独特の彫刻が施されており、象牙本来の美しいカーブが生かされている。装飾品ではなく、実用にされていたと思われる。 6 360 インドのゾウ使い 荘厳の聖母 ★★ 2 アンブロージョ・ロレンツェッティ作の祭壇画。ロレンツェッティが生涯に手がけた荘厳の聖母の一作。彼が描いた聖母子画の中で、特に評価が高い。互いに視線を交ぜ合わせる聖母子の姿は深い愛を感じさせる。 4 220 荘厳の聖母 創世記 ★★★★★ 4 ミケランジェロ作の壮大な天井画。システィナ大聖堂の天井を埋め尽くしている。題材は旧約聖書の「創世記」で、アダムの創造や楽園追放、大洪水などの有名な逸話が、躍動感に満ちた素晴らしい筆致で描かれている。 11 1053 天井を埋め尽くす絵画 ダヴィデ ★★★★ 3 ミケランジェロ作の大理石像。高さ4mを超える巨大なものである。これはゴリアテを打ち倒す直前の、緊張したダヴィデである。関節や筋肉、血管などすべてがリアルで、いまにも動き出しそうだ。 8 684 古代の英雄の巨像 タラのブローチ ★★★★ 4 8世紀にアイルランドで作られたブローチ。金の準環状ブローチで宝石と共にケルト文様が彫り込まれている。僧衣などのマントを留めるために使われた。アイルランド金細工の至宝といわれている。 8 612 職人好みの装飾品 デルフトの小道 ★★ 3 フェルメール作の風景画。生涯のほとんどを過ごした故郷デルフトを描いたといわれる。レンガの継ぎ目や扉に付けられたかんぬきなど、細部にわたって写実的に描き込まれている。まるで目に映った情景を切り取ったかのようだ。 5 280 生き続ける風景 天馬にまたがる名声の女神 ★ 1 高さ3mを超える、巨大な大理石像。ペガサスに乗った女神がラッパを吹き鳴らしている姿である。宮殿の水場を飾るために作られたという。 2 120 ペガサスと女神の大理石像 天馬にまたがるメルクリウス ★ 2 「天馬にまたがる名声の女神」と対になっている巨大な大理石像。ペガサスにローマ神話の神・メルクリウスがまたがっている。対にして置けば、豪華な眺めだろう。 2 120 対になった天馬の像 トレドの風景 ★★★ 2 エル・グレコ作の風景画。風景画は絵画としての価値をあまり認められないものだが、この絵が素晴らしいことは誰の目にも明らかだろう。彼は誰の依頼によるものでもなく、自分の意思によってこの絵を制作した。暗く明るい、不思議な絵だ。 7 528 風景画の地図 怠け者の天国 ★★★ 2 ピーテル・ブリューゲル(父)作。農民のいる情景を好んで描き、「農民ブリューゲル」と呼ばれる。この絵に描かれている僧侶や兵士、農民は、なにもせずに美食にありつき、ただ寝そべるだけである。 7 473 怠惰な世界 ニコラス・クラッツァーの肖像 ★★ 2 息子のほうのハンス・ホルバイン作の絵画。極めて写実的な画法が彼の特徴である。モデルのニコラスはイングランドの宮廷に仕えた天文学者で、そのためこの肖像画にも天文学で用いる道具が描かれている。 4 230 イングランドの絵画 人間を守るキリストの犠牲 ★ 1 フランス・フロリス作の宗教画。非現実的な象徴を集めた、不思議な構成になっている。フランドル地方の画家らしく、プロテスタント寄りの内容になっている。 1 60 宗教画の新しい流れ ネッソスにさらわれるディアネイラ ★ 1 グイド・レーニ作の、ヘラクレスを題材とした連作の一枚。ヘラクレスの妻・ディアネイラが、ネッソスというケンタウロスにさらわれるシーンである。素晴らしい躍動感にあふれた作品だ。 2 110 ギリシャ神話が題材の絵 ネーデルランドの諺 ★ 1 ピーテル・ブリューゲル(父)の作。ネーデルランドに伝わる諺を90種以上描き込んでいる。例えば右下の粥をこぼしている男性がいる。これは「こぼした粥は器には戻らない」つまりは取り返しのつかないことを意味する諺である。 2 110 文字のない格言集 眠れるビーナス ★★★★ 6 ジョルジョーネ作。ヴェネツィアの貴族の結婚祝いに依頼されたもの。弟弟子のティツィアーノに影響を与え、後に同じ構図の絵が描かれている。静謐な空間で眠るヴィーナスからは、無垢の美しさが滲み出している。 9 720 眠れる女神 花輪の聖母 ★★★★ 3 ルーベンスとヤン・ブリューゲルの合作。ブリューゲルが花輪を、ルーベンスが人物を描いた。ブリューゲルは「花のブリューゲル」とも呼ばれるほど静物画に定評があり、各々が得意分野を生かした作品となっている。 8 650 画家の適材適所 バベルの塔 ★ 1 ピーテル・ブリューゲル(父)作の絵画。建築中のバベルの塔を描いている。特に大型ではないのに、建築に携わる人や工具が非常に緻密に描かれている。本来はバビロンにあった塔だが、欧州の街をモデルに描いている。 3 170 バベルの塔の絵画 バベルの塔(小) ★ 2 ピーテル・ブリューゲル(父)作の、もう一枚のバベルの塔の絵。大きな絵と違い、建築の様子は描かれていない。なぜか全体が強い赤で描かれており、神の怒りで砕かれる前触れを思わせる。 3 170 もう一枚のバベルの塔 ピエタ ★★★ 2 ミケランジェロ作の大理石像。処刑されたイエスを抱く聖母マリアの像である。人間の肉体、衣服のひだなど、冷たい石だとは思えない出来だ。イエスに比べてマリアが若いが、これも表現方法の一つである。 6 451 天才の青年時代 ヒワの聖母 ★★ 2 ラファエロ作の絵画。同じ題材の絵が複数あるため、この絵は通称でこう呼ばれる。由来は、左の聖ヨハネが小鳥のヒワをつれているからである。 4 240 ラファエロの名画 瀕死のガリア人 ★★★★★ 6 ペルガモン王国の王、アッタロス1世が作らせたといわれている青銅像の模造。模造でありながら非常によい出来である。ペルガモン王国に度々侵攻したガラティア人が死に直面したときの複雑な表情を見事に表している。 10 910 ペルガモンの忘れ形見 船形器 ★ 1 ラピスラズリを削りだして作った器に、金やエマイユで装飾した調度品。石の削り出しはイタリアでなされたものだが、金属部分は何度も手直しされているようだ。 2 115 宝石を削りだした器 プリマヴェーラ ★★★★ 4 ボッティチェリ作の絵画。中央にヴィーナスとキューピッド、右にはゼフュロスに息を吹きかけられた女神フローラが、左には美・貞節・愛の三女神とメルクリウスが描かれている。 9 708 ボッティチェリの傑作 放蕩息子の酒宴 ★ 2 レンブラント作の人物画。聖書の一節、富豪の息子が娼婦と豪遊する場面を描いたといわれる。レンブラントらしからぬ明暗のはっきりしないタッチは、題材の向こうに現実的ななにかを見ているからかもしれない。 6 180 人物画の地図 ポセイドンのブロンズ像 ★★★★ 6 昔アテネにあったという、ポセイドンの青銅像。槍投げの瞬間を詳細に模した、精巧なもの。支えにした左足の親指は少し上がり、後ろに下げた右足は踵が上がっている。今にも動き出しそうな像である。 9 636 生きているような作り物 マギの礼拝 ★★ 2 レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画だが、未完成である。彼が最初に手がけた大作だとされるが、製作中にほかの土地へ転居したため未完成となった。絵の題材は、誕生したイエスを三人の賢人が礼拝に訪れた情景である。 4 220 ダ・ヴィンチ最初の大作 マクシミリアンの狩猟 ★ 1 原画はベルナールト・ファン・オルレイ。神聖ローマ帝国皇帝であるマクシミリアン1世の狩猟風景のタペストリー。12枚の連作物の七枚目で、9月と呼ばれる。縦4.5m、幅5.5mの巨大なものである。 1 65 十二枚の連作タペストリー マグダラのマリア ★★ 2 ドナテッロ作の木像。マグダラのマリアは、回心してイエスに従った女性で、イエスの死後は何も身につけず山にこもったとされる。この像は年老いた彼女の姿で、通常は若く美しく表される宗教像と一線を画している。 5 280 老いた聖女 ミロのヴィーナス ★★★★★ 10 メロス島で出土した大理石の女性像。他の像と組み合わされていたと思われる。豊かな肢体の柔らかな曲線と着衣のひだが美しい。 14 1222 メロス島を惑わす女神 メランコリア ★★★ 3 アルブレヒト・デューラーの代表作ともいえる銅版画。この版画の中には球や多面体から砂時計や秤などの日用品に至る様々なものが描きこまれている。これらが何を表しているのか、デューラー本人にしか知りえない。 7 480 デューラーの憂鬱 モーゼ ★★ 1 ミケランジェロ作の大理石像。ユリウス2世の墓のために作られた像の一つである。十戒の石板を抱え、緊張した表情で遠方を見つめている。 4 240 男性像の地図 モナリザ ★★★★★ 7 レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画。不思議な微笑、衣服の上品な質感、空気遠近法による背景、なにより、まるで血が通っているかのような肌。まさに理想の肖像画といえる。 13 1183 ダ・ヴィンチ=コード 薬剤師の肖像 ★ 1 フランソワ・クルーエ作の肖像画。モデルは彼の友人でピエール・キュートという。イタリアとフランドルの影響を受けた、自然で非常に写実的な絵画だ。 3 190 細密な人物画 ユディト ★★★ 3 ジョルジョーネ作の絵画。旧約聖書「ユディト記」を題材とした。ユディトの右手には剣足元には敵将ホロフェルネスの首。ユディトの表情や、色彩、タッチからは、臨場感は微塵も感じられないが、神聖さや静寂な空気が醸し出されている。 8 539 ジョルジョーネのユディト 四人の使徒 ★★ 2 デューラー作の絵画。四名の使徒が描かれている。赤と白の鮮やかな衣装は衣擦れの音すら聞こえてきそうなほどである。キリスト教では、赤は慈愛を、白は無垢を表している。 5 310 描かれた使徒 ラオコーン ★★★★★ 7 ラオコーンはトロイの神官で、トロイの木馬を防ごうとした人である。ギリシャに肩入れするアテナが放った大蛇に襲われ、二人の子と共に命を落とした。 10 923 トロイ戦争のてん末 ラオコーン ★★★★★ 9 ローマで出土したラオコーン像の完全な姿。体をよじり苦痛に耐える表情から、天罰の恐ろしさがまざまざと伝わってくる。 13 1183 蘇るトロイ戦争 ラオコーンの右腕 ★★★★★ 8 ローマで出土したラオコーン像の、折れた右腕。ラオコーン像には天をつかむような伸ばした右腕がつけられていたが、これは曲げられている。 11 1053 失われた右腕 リュートを弾く道化師 ★★ 2 フランス・ハルス作の単身人物画。ハルスは様々な人々の表情を描写した作品を数多く発表している。風俗画の主流であったカラヴァッジョ派の明暗法の影響は少なく、道化の表情を生き生きと描き出している。 5 300 笑いの画家 レースを編む女 ★★★★ 3 ヤン・フェルメール作の絵画。縦が24cm足らずの小さな絵画でありながら、一心にレースを編む女性が見事に描かれている。女性の手元は精密に、それ以外はあえて不明瞭に描くことで緊張感を出している。 8 624 画商が描いた絵画 ろうそくに火を灯す少年 ★★★★ 6 エル・グレコ作。ろうそくに火を灯す少年の静謐な表情と、火の一瞬のゆらめきをとらえた名画である。エル・グレコがイスパニアに渡る前に描かれたもので、彼の特徴である人物を引き伸ばして描く画法は用いられていない。 9 720 間延びしていない絵 発見物 史跡 宗教建築 歴史遺物 宗教遺物 美術品 財宝 化石 植物 虫類 鳥類 小型生物 中型生物 大型生物 海洋生物 港・集落 地理
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/3932.html
このページはこちらに移転しました 三面鏡 作詞/104スレ587 これは一体誰なんだお・・・(^ω^;) これが僕の顔なのかお?(^ω^;) な、なんだか気持ち悪いお・・・(^ω^;) 三人の僕が僕を見つめてるお(^ω^;) い、今ちょっとニヤってしたおwwwwwww(^Д^;) 気持ち悪いおwwwwwww(^Д^;)うぇうぇwwwwww
https://w.atwiki.jp/mustnotsearch/pages/1470.html
登録タグ:ホラー 危険度1 3面鏡の1つが不自然に映る心霊映像 睨みつける先に何があるのか…… が、実は作り物だったらしい。つまり偽物だ。 分類:ホラー 危険度:1 コメント 1ゲットぽっい・・? -- 名無したん (2012-03-22 17 59 14) 今日から三面鏡見れない -- 羯諦 (2012-03-22 19 22 14) これは怖い -- オワタ (2012-03-22 20 36 32) リアルだな -- 名無しさん (2012-03-22 21 50 27) これ昔テレビで見て超トラウマ…男の子が空中で消えるトリック映像のやつ並にキツい… -- 名無しさん (2012-03-22 22 01 45) 女の子が 鏡を見ながら 母親と会話をする 女の子が母親の方向に向く 鏡には 女の子の後頭部が うつるはずだが 女の子の顔が うつっていた -- あきか (2012-03-22 22 10 20) これ左上にずっと両目があるんだけど違うかなあ、、、 -- 名無しくん (2012-03-22 23 35 17) 三面鏡の左右どっちかの十三番目の自分の顔は未来の自分の死に顔だとか・・・。 -- ディアルガ (2012-03-23 00 25 59) すごい合成臭いんだが、、、 -- 名無しさん (2012-03-23 07 06 18) もしかして、三面鏡の前で女の子は後ろを向いているのに、右の鏡に写った像だけ女の子の後頭部を横目で見てるやつですか? -- ニガティ (2012-03-23 08 08 33) とりあえず関連項目によく見るとなにかがおかしい追加したほうがいい これよくみるとなにかがおかしいでもあったはず -- 名無しさん (2012-03-23 08 32 25) これはどっかで見たぞ?何かの検索ワードに -- 名無しさん (2012-03-23 10 30 11) ↑上の者 よく見ると何かがおかしい での画像検索だ -- 名無しさん (2012-03-23 10 32 50) 何回見ても怖いなぁ -- アルベルジュ (2012-03-23 14 45 55) これとあるアプリにあったな -- 名無しさん (2012-03-24 01 23 23) これテレビで観たなあ -- 猫村 (2012-03-24 16 29 41) こんな心霊映像怖いなんて思うほうが・・・w 本当に怖いのは「本当にあった呪いのビデオ」だろ -- 名無しサタン (2012-03-24 22 59 40) 昔テレビの心霊映像特集でやってたような気がするがその時はそれより怖い映像がったのであまり記憶にない -- れじすたー (2012-03-24 23 44 27) これはトラウマ -- 巻町操 (2012-03-25 23 20 00) 削除しました。 言われなくとも三面鏡は怖い。 -- 名無しさん (2012-04-01 12 13 49) 心霊写真を作ったり、死んでも幽霊になる人間が一番怖い -- まりもっこり (2012-04-01 14 18 42) ↑6 これ「本当にあった呪いのビデオ」に入ってるぞ。 -- 名無しさん (2012-04-18 21 53 42) こんなの初歩的な合成で簡単に作れちゃうじゃないwこんなちっちゃい子巻き込んで作品にして世にさらす大人の方が怖いよorz -- まろにぃ (2012-04-29 10 43 22) 削除しました。 トンネルの前で手招きしとる幽霊ビデオの方が恐い -- 北のクンニから (2012-05-03 15 52 48) コレ、トラウマ -- とりすろ (2012-05-03 17 28 07) 上、 /⌒ヽ, ,/⌒丶、 ,エ -- 名無しさん (2012-05-03 17 32 38) ↑すまん適当にコメしたらこんなんなったww -- 名無しさん (2012-05-03 17 33 40) ↑なんで適当にコメすんだよwww -- 名無し (2012-05-03 19 10 52) あ、私のトラウマじゃん… -- ゆんゆ@残念な奴 (2012-05-07 19 23 22) これは合成です。ニコ動のメビウスという方がそれを動画で証明しています。 -- さかまんじゅう (2012-05-17 22 01 44) これ2回もテレビで見せられた… 何が夏特集じゃい! -- 名有りさん (2012-06-25 23 43 09) 2↑それホント?ちょっと見てくる -- 名無しさん (2012-07-24 19 41 18) あちゃー・・・。合成だったのかよwでもあれ合成にみえないが・・。 -- あかり (2012-08-06 11 47 59) 呪いのビデオにもあったなー。 -- ジャイヤン (2012-09-08 21 51 17) 怖いよ・・・鏡の裏が見えるというか・・・(意味不明でごめんなさい) -- ああああああああああああああああああああああああああああ (2013-04-04 22 52 43) これが合成と見抜けないようでは、世の中渡っていけんよ。見てないけど。 -- 名無しさん (2013-05-01 03 51 42) テレビで見てから.もうおばあちゃん家の三面鏡が見れない -- うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ (2013-05-29 19 02 02) 問題のシーンだけ手ぶれが止まってる -- ああああ (2013-06-22 23 43 09) 確かこれ合成 -- 藤原妹紅 (2013-06-30 22 28 31) 合成に俺は今までびびってたのか…… -- KK (2013-08-11 10 24 53) 専門家に見せたら笑って「合成ですね」といったらしいよ。 -- 名無しさん (2013-08-14 11 10 13) [削除済み] 削除しました。 ちょっと違うが合わせ鏡の無限ループに小さなsfを感じたことgs -- 名無しさん (2013-09-29 22 59 57) テレビで何回か見たことあるからもう見飽きたw -- 雨音雫 (2014-04-23 20 35 33) 一つの鏡だけ動いてないって怖いですね -- yoshi (2014-05-22 18 45 40) ガセだったのか -- 悪の帝王 (2014-05-27 10 12 00) こっち見んな -- 名無しさん (2014-05-27 16 56 45) テレビで見たことある。右側の鏡に映ってたあれは何だったんだ!? -- ファンタジー妄想依存症 (2014-05-29 16 56 45) まぁ「こっち(撮影者の方)を見てる」って言う事はなんか伝えたかったんじゃあないの?合成でもね。 -- 名無しさん (2014-05-30 21 41 49) こわーーー -- koij (2014-05-31 11 40 20) 友人と小4位のとき見たがおもしろかった♪ -- 廃人 (2014-07-04 12 21 27) マジでトラウマになる!! -- クイーンキング (2014-07-14 20 47 28) 僕の家に三面鏡あるんだけど・・・ -- 沢庵 (2014-10-05 06 56 42) ダンススタジオ系のホラーか -- 真 終わる世界 (2014-11-16 21 29 14) これが作り物だと分かっても、怖くてうちにある三面鏡は見たくない......本当に、合成で心霊映像作るのやめてほしいわ -- 黒い豚 (2014-11-16 22 22 11) 睨んでいたあれは何だったんだ!?? -- 勝海 (2014-11-27 18 47 37) テレビで見たことあるww -- 金湯 (2014-12-13 21 36 24) やっぱり幽霊の仕業でしょう! -- 畳っち (2015-02-20 07 35 07) 海外でもあったな。 -- かめかめ (2015-08-07 08 07 02) さっきテレビでやってたぞ -- メガフライゴン (2015-08-09 20 13 55) 仮に作り物にしても怖いわ・・・ うちの三面鏡もう見れないやないか(涙声) -- 名無しさん (2015-12-07 18 03 45) 自分も見たことあります -- 名無しさん (2016-01-04 01 21 49) 私の家にもさめきょあります。(>。<) -- わたs (2016-01-06 09 24 15) あの顔はなんだっただろうか? -- 青天目 (2016-07-25 23 49 05) どうなってんの?あれ -- カーガナイク (2018-01-10 07 38 27) こここここここれまじで合成だよ?おおおおおにゃのこがこっちを振り向くタイミングで三脚を使ってるんだよ? -- 名無しさん (2018-10-17 22 16 29) ほんとにあった!呪いのビデオシリーズだと、他にも不気味な映像から風呂で大量出血してるシーン、嘔吐シーン、びっくり映像がちらほら。合成かどうかはどうでも良くて、単純に検索してはいけない系の要素が多い。 -- 名無しさん (2020-04-04 20 30 35) 本気にしてる奴いるけどこれ偽物だよ -- メタトンNEO (2020-06-23 19 12 46) こち亀の両津の分身がいて草 -- 名無し (2020-08-14 18 24 00) 偽物か -- ざわっち2世 (2020-09-02 16 42 55) これ有名だよね。検索していけない番組でやってたような。 -- ゲーム太郎 (2021-04-07 18 04 52) マリパ1のリーダーはだれだ思い出す。何故か。 -- ナイル (2021-06-03 22 14 49) 三面鏡が見れなくなるわ -- 名無しさん (2022-01-17 20 19 56) 1980年代くらいのビデオかな? -- 名無しさん (2022-04-08 15 07 20) テレビで見て怖かった覚えある -- 名無しさん (2022-09-06 00 38 40) 顔怖 -- めろん (2023-10-01 11 53 17) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/legends/pages/550.html
プロフィール 三面鏡の少女 これまでのお話 基本的に自分で書いた分のみがまとめられております 他の方のお話とリンクしている部分に関しては後々整理していきたいと思います 三面鏡の少女 投下番号 関連イベント 分類 タイトル 0001 夢の国 三面鏡の少女 01 合わせ鏡に自分の死に顔が見える 0002 夢の国 三面鏡の少女 02 少女の覚悟、地獄の始まり 0003 夢の国 三面鏡の少女 03 決着への遠い道のり 0004 夢の国 三面鏡の少女 04 侵入者の気配、迫りくる危機 0005 夢の国 三面鏡の少女 05 白き救世主と黒き悪魔 0006 秋祭り 三面鏡の少女 06 秋祭りへと馳せる思い 0007 秋祭り 三面鏡の少女 07 親愛と擦れ違い 0009 秋祭り 三面鏡の少女 08 通りすがりの悪意 0011 首塚の宴会 三面鏡の少女 09 宴への招待と同行者 0013 首塚の宴会 三面鏡の少女 10 空色の華、赤色の華 0014 首塚の宴会 三面鏡の少女 11 宴と少女とその思い 0019 首塚の宴会 三面鏡の少女 12 甘い果実と危険な香り 0020 首塚の宴会 三面鏡の少女 13 背中合わせの愛情 0021 首塚の宴会 三面鏡の少女 14 感染拡大 0022 首塚の宴会 三面鏡の少女 15 間違った歯車の噛み合せ 0023 首塚の宴会 三面鏡の少女 16 本能による回避 0024 首塚の宴会 三面鏡の少女 17 探求は続く 0025 首塚の宴会 三面鏡の少女 18 暴走の終わり 0026 首塚の宴会 三面鏡の少女 19 好意と行為の再確認 0027 ハロウィン 三面鏡の少女 20 ハロウィンと少年と 0036 マッドガッサー 三面鏡の少女 21 ばら撒かれる悪意、歩み去る決意 0037 過去・学校町 三面鏡の少女 22 やや昔のお話 0054 クリスマス 三面鏡の少女 23 愛の贈り物(性的な意味で) 0056 クリスマス 三面鏡の少女 24 救世主の思い出 0060 正月 三面鏡の少女 25 初夢 0061 正月 三面鏡の少女 26 巫女服姿でアルバイト 0062 正月 三面鏡の少女 27 迷子のお知らせ 0063 白蛇 三面鏡の少女 28 巫女と触手、ではなくて 0064 過去・学校町 三面鏡の少女 29 チュウガクセイニッキ 0065 白蛇 三面鏡の少女 30 黒服H セクハラ始め@別パターン 0066 過去・学校町 三面鏡の少女 31 チュウガクセイニッキノウラガワ 0068 白蛇 三面鏡の少女 32 人と妖の境 0071 白蛇 三面鏡の少女 33 白い蛇の行く末は 0075 白蛇 三面鏡の少女 34 白い蛇と蛇の城 0077 バレンタイン 三面鏡の少女 35 思いはそれぞれに 0079 三面鏡の少女 三面鏡の少女 36 IF~とある可能性の終着点 0081 冬将軍 三面鏡の少女 37 吹雪の中で その裏で その後で 0093 過去・学校町 三面鏡の少女 38 これも昔のお話 0094 悪魔の囁き 三面鏡の少女 39 必死が故に騙される 0095 悪魔の囁き 三面鏡の少女 40 分身Aの憂鬱 0096 悪魔の囁き 三面鏡の少女 41 火事場のなんとやら 0097 ホワイトデー 三面鏡の少女 42 ホワイトデー 相容れぬ愛 0098 悪魔の囁き 三面鏡の少女 43 求める強さの価値 0100 悪魔の囁き 三面鏡の少女 44 涙は零れず 雨が降る 0102 悪魔の囁き 三面鏡の少女 45 どこかへ向かう止まらない歩み 0103 悪魔の囁き 三面鏡の少女 46 言葉にしなければ伝わらない事 0104 悪魔の囁き 三面鏡の少女 47 星は夜空で光るもの 0111 三面鏡の少女 三面鏡の少女 48 恋の空回り 0112 三面鏡の少女 三面鏡の少女 49 命短し恋せよ乙女 0114 悪魔の囁き 三面鏡の少女 50 娘を持つ父の苦悩 0116 太歳星君 三面鏡の少女 51 繋がり切れる縁 0117 太歳星君 ドクター 65 再開、砕懐 0130 学園祭 三面鏡の少女 52 頭痛の種+ 0131 三面鏡の少女 三面鏡の少女 53 小さな世界 0132 学園祭 三面鏡の少女 54 不良娘はメイド様 0136 三面鏡の少女 三面鏡の少女 55 気分転換、暇潰し 0138 H-No復讐編 三面鏡の少女 56 兎は寂しいと死ぬって話は都市伝説になりますか 0141 学園祭 三面鏡の少女 57 怒りゲージはショート寸前 0142 学園祭 三面鏡の少女 58 管轄外の勘違い 0145 学園祭 三面鏡の少女 59 人生諦めが肝心 0147 学園祭 三面鏡の少女 60 羞恥の事実 0149 学園祭 三面鏡の少女 61 はっきりしない人間模様 0150 学園祭 三面鏡の少女 62 気をつけよう、山の天気と空気読めない奴の声 0151 学園祭 三面鏡の少女 63 折角だから開けた扉 0153 教会 三面鏡の少女 64 腹空き合うも多少の縁 0154 学園祭 三面鏡の少女 65 楽しい時間はあっという間 0159 夏休み 三面鏡の少女 66 迷いは蜘蛛と踊る 0161 夏休み 三面鏡の少女 67 情欲の毒と無知の毒 0163 夏休み 三面鏡の少女 68 逃げて隠れて隠される 0164 教会 三面鏡の少女 69 誰かと食べるご飯 0165 夏休み 三面鏡の少女 70 目覚め 0166 夏休み 三面鏡の少女 71 気遣うバカ、気付かないバカ 0169 夏休み 三面鏡の少女 72 お泊りの宴 0170 教会 三面鏡の少女 73 お昼の町角で 0172 夏休み 三面鏡の少女 74 友達と過ごす夏休みの一日 0176 教会 三面鏡の少女 75 かえってキた酔っ払い 0179 教会 三面鏡の少女 76 お子様達のクリスマス 0180 三面鏡の少女 三面鏡の少女 77 とある少女の新年光景 0182 教会 三面鏡の少女 78 噛み合う歯車、噛み付く猛犬 0188 教会 三面鏡の少女 79 守護者の誓い 0193 バレンタイン 三面鏡の少女 80 どうでもいい奴らのどうでもいい話 0193 教会 三面鏡の少女 81 家なき子山羊 0194 教会 三面鏡の少女 82 一人きり、二人きり 0195 宮定家 三面鏡の少女 83 見えないものは信じない、信じないものは見えない 0199 教会 三面鏡の少女 84 乙女の怒りを拳に込めて 0205 教会 三面鏡の少女 85 信じていれば叶う願い 0209 教会 三面鏡の少女 86 友の情と愛の情 0235 マヤの予言 三面鏡の少女 87 毒に紛れる毒 ドクター 0008 第三帝国 ドクター 01 来訪者 0009 第三帝国 ドクター 02 犬が好きな近所のオッサン 0015 首塚の宴会 ドクター 03 友好と隔意 0010 マッドガッサー ドクター 04 ドクターとバイトのある日常会話 0012 過去・ドイツ ドクター 05 ドクターとバイト青年@出会い編 0017 首塚の宴会 ドクター 06 友好と拒絶 0018 首塚の宴会 ドクター 07 閑話休題 0028 マッドガッサー ドクター 08 バイト青年の受難 0031 マッドガッサー ドクター 09 行方不明者 0032 マッドガッサー ドクター 10 究極の選択 0033 マッドガッサー ドクター 11 間違っているはずの正しい道 0016 過去・アメリカ ドクター 12 ドクターとメアリー@出会い編 0034 マッドガッサー ドクター 13 マッドガッサーvsドクター 0035 マッドガッサー ドクター 14 英国からの来訪者 0039 中央高校戦 ドクター 15 侵入と追走 0040 中央高校戦 ドクター 16 黒い罠 0041 中央高校戦 ドクター 17 無くしたはずのもの 0042 中央高校戦 ドクター 18 共同戦線 0043 中央高校戦 ドクター 19 黒い獣と白い衣 0044 中央高校戦 ドクター 20 消える怒りと湧き上がる怒り 0045 中央高校戦 ドクター 21 消えない想いと引き継がれる想い 0046 中央高校戦 ドクター 22 前面のみの防衛ライン 0047 中央高校戦 ドクター 23 遠い監視者、遠い環視者 0048 過去・ドイツ ドクター 24 ドクターとバイト青年@出会い編 の裏で 0049 中央高校戦 ドクター 25 十三段目への覚悟 0050 中央高校戦 ドクター 26 赤い世界、赤い救いの手 0051 中央高校戦 ドクター 27 二度目の変化 0052 中央高校戦 ドクター 28 辛い目覚め 0053 アメリカの黒服 ドクター 29 迷い続ける男と女@アメリカの黒服達 0055 クリスマス ドクター 30 双子と迷子と戸惑い子 0057 過去・ドイツ ドクター 31 夢見る少女の今昔 0058 クリスマス ドクター 32 双子の暗号迷走中 0059 年末 ドクター 33 年の瀬、迷子に師も走る 0067 年末 ドクター 34 双子の受難継続中 0069 過去・学校町 ドクター 35 ドクターとミツキ@出会い編 0070 太歳星君 ドクター 36 毒は半身に巡る 0072 中央高校戦 ドクター 37 世界総統会議 0073 太歳星君 ドクター 38 薬はゆっくり作られて毒はゆっくり回っていく 0076 悪魔の囁き ドクター 40 どっちにとってもとばっちり 0080 悪魔の囁き ドクター 42 丸く収まる勘違い 0082 第三帝国 ドクター 43 待ち焦がれたその日 0083 同族殺し ドクター 44 口裂け女と口裂け女 0084 同族殺し ドクター 45 医者と舞踊上 0085 同族殺し ドクター 46 引き金を引く覚悟 0087 同族殺し ドクター 48 一旦落着 0089 同族殺し ドクター 50 持つものと持たざるもの 0090 同族殺し ドクター 51 後悔 0092 悪魔の囁き ドクター 53 あくまで囁くように 0101 悪魔の囁き ドクター 56 総統はかく語りき 0105 悪魔の囁き ドクター 57 子供と風邪の子 0107 悪魔の囁き ドクター 59 普段優しい人ほど怒ると怖いもの 0108 悪魔の囁き ドクター 60 犬メイドと一角馬 0109 悪魔の囁き ドクター 61 良い子は真似をしてはいけない行為 0110 悪魔の囁き ドクター 62 ウェルカム・トゥ・ザ~ 0122 花見 ドクター 70 桜の下の肢体 0127 第三帝国 ドクター 75 花より何か 0128 アメリカの黒服 ドクター 76 黒服女は日々悩む 0129 第三帝国 ドクター 77 師匠の支障ある行動 0133 アメリカの黒服 ドクター 78 出遅れて逃げ遅れて気後れて 0134 アメリカの黒服 ドクター 79 黒服女は静かに暮らしたい 0135 第三帝国 ドクター 80 少女の欲求 0137 アメリカの黒服 ドクター 81 忍び寄る黒い影 0139 プール ドクター 82 金と不幸は仲間が多いところに集まるもの 0140 プール ドクター 83 憩いのひととき 0143 プール ドクター 84 泳ぎの才能 0144 プール ドクター 85 流れはそうそう止まらない 0146 プール ドクター 86 先生は全てお見通し 0152 プール ドクター 88 一夏の情熱 0152 アメリカの黒服 ドクター 89 急転直下 0155 アメリカの黒服 ドクター 90 熱線、一閃 0156 アメリカの黒服 ドクター 91 道なき道をゆるやかに 0157 アメリカの黒服 ドクター 92 最初で最後の再会 0158 アメリカの黒服 ドクター 93 さよなら 0167 第三帝国 ドクター 94 ふあんていなこころ 0174 第三帝国 ドクター 95 さよならは言わないで 0189 過去・ハンガリー ドクター 96 昔に無くした三つのもの 0192 教会 ドクター 97 チェス盤をテーブルごとひっくり返す思考 0197 世界のどこか ドクター 98 最果ての行き止まり 0198 教会 ドクター 99 魔女の言葉の信憑性 0201 教会 ドクター 100 嘘吐きと大嘘吐き 0202 教会 ドクター 101 急げ急げ、飛べ走れ 0203 教会 ドクター 102 趣味と実益 0204 教会 ドクター 103 寒空からの帰還 0246 バレンタイン ドクター 104 遅れてきたバレンタイン 犬メイド 0074 太歳星君 ドクター 39 メイドはまだ帰れない 0078 太歳星君 ドクター 41 飛将と犬メイド 0086 太歳星君 ドクター 47 無双に巻き込まれる犬一匹 0088 太歳星君 ドクター 49 見つけてしまったがために 0091 太歳星君 ドクター 52 苦難は続くよ何処までも 0094 太歳星君 ドクター 54 犬メイドの苦労 0099 太歳星君 ドクター 55 犬メイドと悪霊 0106 太歳星君 ドクター 58 犬メイドと危険な黒服 0113 太歳星君 ドクター 63 『陰謀論』はかく語りき 0115 太歳星君 ドクター 64 犬メイドと戦いの価値 0118 太歳星君 ドクター 66 毒蜘蛛の子を散らすように 0119 太歳星君 ドクター 67 仙と血みどろ祟り神 0120 太歳星君 ドクター 68 悪役、暗躍、だれの役 0121 太歳星君 ドクター 69 毒を巡り、毒が回る 0123 太歳星君 ドクター 71 悪魔が来たりて風が吹く 0124 太歳星君 ドクター 72 祟り祟られ死に死なれ 0125 太歳星君 ドクター 73 祟り神はまた眠る 0126 太歳星君 ドクター 74 毒を巡りて毒を吐く 人食いシリーズ 0148 ソニー・ビーン一家 ドクター 87 ○○家の食卓 0160 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 01 続くかどうか判らない話 0162 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 02 老後の悪い趣味 0168 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 03 蝕まれる世界 0171 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 04 噛み合わない歯車 0173 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 05 くらいつくすものたち 0175 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 06 ふえるもの 0177 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 07 手のひらという舞台の上 0178 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 08 もぐりこむもの 0181 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 09 かみきれないもの 0183 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 10 かくされたもの 0184 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 11 にらみあうもの 0185 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 12 てをとりあうもの 0186 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 13 にじりよるもの 0187 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 14 ころすもの 0190 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 15 きえさるもの 0191 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 16 さりゆくもの 0200 ソニー・ビーン一家 誘拐と人食い 17 ギブアンドテイク 0196 正体不明の物体 正体不明 01 正体不明、行先不明 0206 正体不明の物体 正体不明 02 正体不明、所在不明 0207 正体不明の物体 正体不明 03 正体不明、原因不明 0208 正体不明の物体 正体不明 04 正体不明、戦力不明 0210 正体不明の物体 正体不明 05 正体不明、対策不明 0211 正体不明の物体 正体不明 06 正体不明、幸先不明 0212 正体不明の物体 正体不明 07 正体不明、思惑不明 0213 正体不明の物体 正体不明 08 正体不明、生死不明 0215 正体不明の物体 正体不明 09 正体不明、安否不明 0216 正体不明の物体 正体不明 10 正体不明、現状不明 0218 正体不明の物体 正体不明 11 正体不明、本心不明 0218 正体不明の物体 正体不明 12 正体不明、意識不明 0218 正体不明の物体 正体不明 13 正体不明、顛末不明 0220 正体不明の物体 正体不明 14 わかること、わからないこと がっこうのかいだん 0214 生首バスケの少女 がっこうのかいだん 01 がっこうのかいだん その1 0217 生首バスケの少女 がっこうのかいだん 02 がっこうのかいだん その2 悪の秘密結社 0221 悪の秘密結社 悪の秘密結社 01 悪党と秘密の結社 0222 悪の秘密結社 悪の秘密結社 02 悪党と研究者 0224 悪の秘密結社 悪の秘密結社 03 悪党と診療所 0225 悪の秘密結社 悪の秘密結社 04 悪党と悪魔 0226 悪の秘密結社 悪の秘密結社 05 悪党と労働者党 0227 悪の秘密結社 悪の秘密結社 06 悪党とその要求 0228 悪の秘密結社 悪の秘密結社 07 悪党と約束 0229 悪の秘密結社 悪の秘密結社 08 悪党と迷いの家 0230 悪の秘密結社 悪の秘密結社 09 悪党とただの人 0232 悪の秘密結社 悪の秘密結社 10 悪党と黒服 0233 悪の秘密結社 悪の秘密結社 11 悪党と怪人 0234 悪の秘密結社 悪の秘密結社 12 悪党と改造人間 0237 悪の秘密結社 悪の秘密結社 13 悪党と正義の味方 夏の夜の 0219 サキュバス 夏の夜の 01 夏の夜の淫らな夢 0231 サキュバス 夏の夜の 02 夏の夜の淫らな夢 0236 サキュバス 夏の夜の 03 夏の夜の淫らな夢 0238 サキュバス 夏の夜の 04 夏の夜の淫らな夢 ともだち 0239 『友達』 ともだち 01 友達の友達は皆 0240 『友達』 ともだち 02 さよなら惨獲、またきて刺客 0241 『友達』 ともだち 03 さよなら 、また 0242 『友達』 ともだち 04 知らぬところで知らぬ間に 二人の少女のエピローグ 0243 卒業式 逢瀬佳奈美と宮定繰 01 女と男とエトセトラ 0244 卒業式 逢瀬佳奈美と宮定繰 02 ふくやのこびと 0245 卒業式 逢瀬佳奈美と宮定繰 03 終わりの式と始まりの式 0247 卒業後 逢瀬佳奈美と宮定繰 04 華咲く時 次世代 0248 次世代編 次世代編 00 Next Generation 00 0249 次世代編 次世代編 01 Next Generation 01 0250 次世代編 次世代編 02 Next Generation 02 0251 次世代編 次世代編 03 Next Generation 03 0252 次世代編 次世代編 04 Next Generation 04 0253 次世代編 次世代編 05 Next Generation 05 0254 次世代編 次世代編 06 Next Generation 06 0255 次世代編 次世代編 07 Next Generation 07 0256 次世代編 次世代編 08 Next Generation 08 0257 次世代編 次世代編 09 Next Generation 09 0258 次世代編 次世代編 10 Next Generation 10 似非関西弁女 0016 マッドガッサー 似非関西弁女 01 剣でもペンでも握れば強い 0029 マッドガッサー 似非関西弁女 02 湯煙と血痕 0030 マッドガッサー 似非関西弁女 03 魔女の罠 0038 マッドガッサー 似非関西弁女 04 契約 0038 R-18部分 似非関西弁女 05 契約の最中 0223 マッドガッサー 似非関西弁女 06 騒動を終えたある夏の日の小さな来訪者 小ネタ **** 三面鏡の少女 小ネタ 01 コスタリカ帝国を知ったらどうなるの? **** マッドガッサー 小ネタ 02 バイト青年の受難その後、IF展開 **** クリスマス 小ネタ 03 『もげろ』の契約者 **** 単発 小ネタ 04 膝の皿の裏のフジツボ **** 単発 小ネタ 05 効かないよ **** 単発 小ネタ 06 橘あゆみ **** 単発 小ネタ 07 チョコを食べ過ぎると鼻血が出る **** バレンタイン 小ネタ 08 『もげろ』の契約者 **** マッドガッサー 小ネタ 09 マッドガッサー×似非関西弁女 **** 単発 小ネタ 10 雪まつり **** 単発 小ネタ 11 猿夢vs~ **** 単発 小ネタ 12 馬鹿は死ななきゃ治らない **** 単発 小ネタ 13 やっぱり馬鹿は死ななきゃ治らない **** 単発 小ネタ 14 とある漁船の臨時職員(アルバイト) **** 単発 小ネタ 15 不良(チンチラ) **** 単発 小ネタ 16 IMOUTO~疾風伝~ **** 単発 小ネタ 17 ある魔女のお話 **** 単発 小ネタ 18 暇無し火間虫やる気無し **** 単発 小ネタ 19 暇だしダメ出し仕方なし **** 単発 小ネタ 20 フォレストクイーン **** 単発 小ネタ 21 噂の深層 ページ最上部へ