約 2,765 件
https://w.atwiki.jp/sousenki/pages/19.html
ファウスティーナ・キサラギ(愛称:ファウ) 性別 女性 年齢 9歳 身長 105.6cm クラス 【魔人(デアボリカ)】 使用武器 ハルバート『フィルス・オヴ・セレスティアル』 必殺技 『ルキフェルズ・パニッシュメント』 パラメーター 【パワー】 ■■■■6+2=8 【ディフェンス】 ■■■□5+2=7 【スピード】 ■■■■6+2=8 【テクニック】 ■4-2=2 【ポテンシャル】 ■4-2=2 スキル 【魔身】 プロフィール ハニーブロンドのベリーショートに猫のような琥珀の瞳、彫りの深い顔、浅黒い肌。いつも修道女の衣装を着て仏頂面をしている。身長の小ささがコンプレックス。 黒人の父と日本人の母との間に生まれたハーフだが、母は病弱でファウスティーナを産んで直ぐ死去。父も無理な労働がたたり母の後を追うようにこの世を去り、物心付く前からカソリック系の孤児院で暮らしてきた。 敬虔なキリスト教徒だったが、姉のように慕ってきたシスターが《ネガティブ》に殺された事により神を信じられなくなり、自ら【魔人】に身を堕とす。 口調は関西弁寄りの男言葉でぶっきらぼう。自分の事を「俺」と呼ぶ。人付き合いが苦手というよりは、人とどういう風に接していいのか解らないようで、戸惑いと恥じらいが態度の端々に見受けられる。 他人を呼ぶ時にはファーストネームで呼び捨てにする。それは教官でも例外ではない。教官とのプライベートな付き合いをうざったく思いつつも、少しずつ心を開いていっているようだ。 戦い方は一言で言うと「豪快」。羽根形の刃の付いた十字架型のハルバート『フィルス・オヴ・セレスティアル』を縦横無尽に振り回し、敵を力任せに薙ぎ払うのが彼女の戦闘スタイル。 必殺技『ルキフェルズ・パニッシュメント』は、頭上にかかげたハルバートを高速で水平に回転させ、自らがかまいたちをともなった台風になるという技。近寄る者全てを「断罪」する。 Q A 1.『《H.E.R.O.》になろうと思ったきっかけ、あるいは志した理由は?』 「力が欲しかった。どんなに信じてても神様助けてくれなくて、全部に裏切られた気がして、悪魔にでもなってもいいと思た。《ネガティヴ》倒せるなら、悪魔でも何でも」 2.『誕生日はいつ?』 「4月26日。牡牛座。血液型は……はっきりせんけれどAらしい」 3.『好きなものと嫌いなものは?』 「食物だったら好きなのはケーキとか甘い物。一度、でっかいのまるごと食べるの夢。嫌いな物無い、食物にケチ付けたらバチ当たる。 食物以外だったら……好きになってくれる人皆好き。嘘付く人嫌い」 4.『部活に入っていますか?』 「美術部。見るのも描くのも好き」 5.『あなたの教官に一言』 「ベタベタされるの、嫌だけど嫌じゃない。何か最近自分でも解らない。 でもなんか安心する」 教官 木更津 豊(きさらづ・ゆたか) 性別 男性 年齢 29歳 身長 170.2cm クラス 【魔人(デアボリカ)】 使用武器 大鎌『死神』 必殺技 『悪魔の接吻』 パラメーター 【パワー】 ■■■■■■■■16+2=18 【ディフェンス】 ■■■■6+2=8 【スピード】 ■■■■■■■■□17+2=19 【テクニック】 ■■■8-2=6 【ポテンシャル】 □3-2=1 スキル 【魔身】 プロフィール いつも黒いTシャツに黒いジーンズ、黒いロングコートを羽織り、眼鏡を掛けた優男。 「誰にでも優しく、誰にでも平等に接する」がモットーのノンポリ・無神論者。しかしながら、博愛主義はうわべだけで本心が見えない為、敏感な少女達の中には木更津を嫌う者もいる。 《H.E.R.O.》になったのも正義感からではなく、仕事として割が良いと思った為。魔人である事にも何のてらいも感慨も無い。《H.E.R.O.》を引退して教官にならないかという話が来た時も、「前線で戦うよりラクそうだ」という考えで一も二もなく了承した。 ファウスティーナの教官になったのは、他の教官候補達が心を開かない彼女に音を上げた為、「あいつなら上手くやるだろう」という事で木更津に押し付けたといういきさつがある。 ファウスティーナの事を「長いから呼びにくい」という理由で「ファウ」と呼び、木更津本人の感覚としては「付かず離れずといったドライな距離感」で接している。ファウスティーナにとってはその距離感は、かなり近い部類に入るらしいのだが、木更津は気付いていないようだ。 (by 天羽幻鷹さん)
https://w.atwiki.jp/jfsdf/pages/710.html
セイレ暦1481年 10月16日 バルランド王国首都オールレイング 「陛下・・・・・陛下。」 その声に気がついた彼は、考え事をやめて、いつの間にか側に寄って来た国防軍総司令官に顔を向けた。 「ああ、すまない。」 「大丈夫ですか?顔色が少々よくないようですが。」 国防軍総司令官であるグーレリア・ファリンベ元帥は心配そうな表情で聞く。 「大丈夫だ。何ともない。」 彼、バルランド王国王、アルマンツ・ヴォイゼはそう言って微笑んだ。 しかし、その笑みは、いくらか引きつったものになっている。 (無理もないか。ここ数日はまともに寝ていないようだからな) ファリンベ元帥は、ヴォイゼ国王がなぜ、まともに寝られなかったのか知っている。 いや、ヴォイゼだけではない、ファリンベ元帥も、ここ数日は家に帰っていない。 ずっと、首都の国防軍総司令部に缶詰になっている。 次々と送られてくる情報に指示を下さねばならないから、長く寝入る事も出来ず、 ここ4日ほどは、睡眠時間は3時間しか取っていない。 ファリンベはまだいいほうで、司令部の若手参謀の中には、丸一日睡眠をとらずに働く者も何人かいる。 「それより、新しい情報はないか?」 ヴォイゼ国王は、顎を撫でながらファリンベ元帥に聞いた。 ヴォイゼは、外見は中肉中背の一般的な体系であり、顔は知的な面構えになっている。 身長は120ロレグ(1ロレグ1・5センチ)ほどある。 年は36歳でまだ若いが、数日前と比べると、2,3年は老けたような感がある。 「戦線は大きく後退しています」 そう言って、彼は壁に賭けられている地図を指差した。 「5日前までは、我が王国の国境の前が戦線でした。しかし、今は」 ファリンベ元帥は、羽ペンで赤線の下に黒い線を書き込んだ。 線が所々凸凹し、横線が書き終わる。 「ここの辺りから、ここの辺りが現在の戦線です。」 「そうか。制空権、制海権を敵に取られては、満足に戦えないな。」 「海軍の艦艇もシホールアンルの艦隊には太刀打ち出来ず、ワイバーン部隊も良くて互角に 近い戦闘しか行えません。敵は、武器や兵器、あらゆる面で我らを上回っています。」 戦線は、南大陸と北大陸の繋がった細い地域のガルクレルフでシホールンアンル帝国の攻勢が始まった時に交替し始めた。 当初、ガルクレルフにはバルランド軍と、南大陸連合軍の合計、14万がいた。 シホールアンルは20万の大群で一気に押し寄せた。 攻勢開始から半日は、双方とも激烈な戦闘を繰り広げ、戦線の後退も0.5ゼルド(1.5キロ)しか起きなかった。 ところが、夕刻寸前になって、突如、ガルクレルフより6ゼルド南の港町に突然、シホールアンルの大船団が出現した。 ここの防備は、10000名の部隊しかおらず、輸送船に乗って来た合計7万の軍勢の前に、あっさり防備を突き破られた。 南大陸連合軍は、シホールアンル側の後方の強襲上陸を警戒して、東海岸に5万の兵を配備していたが、 シホールアンルの上陸軍は西海岸に上陸、後背をつく形で出張ってきたシホールアンルの別働隊は 快進撃を続け、翌10日には上陸軍が東海岸配備軍と、国境配備軍の後方、そして補給路を攻撃し、寸断してしまった 早朝には、シホールアンル海軍の巡洋艦、戦艦部隊が沖合いから艦砲射撃を加え、 しまいには竜母のワイバーンをも引っ張り出して国境警備軍を叩きまくった。 10日の夕刻に、国境警備軍の残存部隊は、シホールアンル軍に戦線を突破、包囲されるのを恐れて、 戦線を10ゼルド後退させることを決定した。 その事が住民に伝わると、住民はパニックを起こして、誰もが一目散に南に逃げようとしたため、 街道上は人で埋まり、南大陸連合軍の後退も遅れた。 結果、国境警備軍は残存部隊9万のうち、上陸軍に包囲の輪を閉じられるまで脱出できたのは、わずか3万のみであった。 12日には、バルランド海軍第2艦隊の巡洋艦、駆逐艦部隊がシホールアンル軍と決戦を行ったが、 シホールアンル艦は最低でも14リンル(1リンル2ノット)出せるのに対し、バルランド艦のスピードは速いもので14リンル、 遅いものは10リンルと、スピードが遅く、砲も巡洋艦で6門、駆逐艦3門のみ。 それに対し、シホールアンル艦は巡洋艦で主砲6~8門、駆逐艦で4門装備しており、劣勢は明らかであった。 バルランド側は、巡洋艦1隻と駆逐艦3隻を撃沈したが、逆に巡洋艦5、駆逐艦7隻を撃沈され、ガルクレルフ沖から蹴散らされてしまった。 南大陸での初めての決戦で、南大陸連合軍は大敗を喫したのである。 悪い報告はそればかりではなく、16日の早朝には、敵の竜母艦隊がミスリアル沖に出現し、 その艦載ワイバーンで爆撃を行ってさんざん暴れ回った。 戦線は後退を続け、今ではガルクレルフから30ゼルド離れた地点にまで下がってしまった。 陸軍の装備は、南大陸連合軍とシホールアンル帝国軍共に似たようなものだが、 それを支援するワイバーンや海軍が、南大陸連合軍のものと比べるとかなり進歩している。 「ファリンベ。もしだよ?もし、このままの調子で進んで行ったら、1ヵ月後には戦線はどのくらいだ?」 「1ヵ月後には、ここでしょうか。」 ファリンベ元帥は黒い横線の下に新たな線を引いた。 その横線は、なんと、同盟国であるミスリアルの国境を大きく越えていた。100ゼルドも後退している。 「1年後には?」 「1年後・・・・・・でしょうか?」 フォリンベに戸惑いの表情が見られる。彼は、1年後の戦線を書きたくなかった、なぜなら・・・・ 「かまわない、書いてくれ。」 ヴォイゼ国王は凛とした口調で言い放った。 「俺は知りたいのだ。1年後には線が、どこまで下がっているか。」 ファリンベは、言われるがままに書いたが、書き終わって、彼は後悔した。 なぜなら・・・・ 「悪くて海。よくてレルペレか。」 この線には、バルランドは入っていないのだ! しかも、レルペレとは、南大陸の南端からわずか200ゼルド、同盟国、グレンキア王国の首都である。 南北1100ゼルドもある南大陸が、わずか1年で、シホールアンルの支配下に置かれるか、大部分を占領されているのだ。 悪夢。 まさにそうとしか言いようがなかった。 「下手すれば、もっと早まる可能性があるな。シホールアンルは、竜母やワイバーン、 飛空艇の新型を開発し始めているし。」 「陛下。お言葉ですが、地の利はこちらにあります。シホールアンルの進撃を止められないまでにしても、 侵攻速度を遅くする事は可能です。」 「遅くはなるな。」 ヴォイゼ国王は頷いた。 「だが、勝てる事もない。こっちにも、シホールアンルと同じような艦隊か、新兵器がない限り、 現状では無理だろう。シホールアンルの首都にいる、あの皇帝の首でも跳ねれば、話は変わるだろうが」 彼はそういい終えると、頭を抱えた。皇帝と言う言葉に、特に憎しみが込められていた。 「唯一、こっちにも精強な軍や、頼れる同盟国がいることがいくらか救いだな。」 「特にミスリアルが同盟に着いたのは幸いでしたな。かの国は、魔法に関しては世界一ですからな。」 「ミスリアルの連中が、何かいい魔法でも作ってくれればいいが、それを作るとしても、時間は無いだろう。 魔法の新開発には数ヶ月掛かるからな。その間に、シホールアンルに攻め込まれて、魔法技術もろとも 取り込まれるのがオチだろう」 言い終えると、ヴォイゼは気が重くなった。 「後は、ミスリアルと共同で考案した、あの大魔法しかないのでしょうか。」 「それしか、方法はあるまい。」 国王は、大きくため息を吐いた。 「使用した事もない、新開発の魔法に頼るとはな。私としては、気分は複雑なものだよ」 そうぼやきながら、彼は玉座から立ち上がり、窓に顔を向けた。 窓の外の空模様は、曇っていた。 星がはためく時 1941年 10月17日 午前10時 ワシントンDC ワシントンDCは1801年に、建国の父であるジョージ・ワシントンの名を文字って付けられた。 ワシントンDCは首都であるため、様々な国家機関が集中している。 そして、国家にはかけがえのない機関のひとつ、国務省の中に、待ち人はいた。 その待ち人は、合衆国国務長官、コーデル・ハルである。 ハルは、時計に目をやった。午前10時5分前だ。 「もうそろそろか。」 そう呟きながら、彼は書類に目を通し続けた。 彼の顔つきは、温和そうでありながら、眼は鋭く、顔には皺が深く刻み込まれているが、 それがかえって、狡猾な政治家という印象をかもし出している。 今年で60歳になるが、それとは思わせぬほど元気で、仕事も速くこなす。 国務長官は、33年に任命されて以来ずっと務めている。その為、今年で8年近く努めている事になる。 国務省の職員達は、影で国務省のことをハルの家と呼んでおり、ハル自身も、 「まるでここは私の家みたいだな」 とぼやいていた。 時間は流れ、10時になった。 ドアが開かれ、若い男がドアを開けた。 「国務長官。野村大使がお見えになりました」 「わかった、通してくれ」 ハルはそう言うと、目を通していた書類を側に置き、野村大使が来るのを待った。 さほど時間はかからず、スーツを着た野村吉三郎大使が現れた。 「おはようございます、ハル長官」 「大使閣下、よくぞおいでくださいました。」 ハルは席から立ち上がって野村大使に握手を求めた。 野村大使は微笑みながら、ハルと握手を交わす。 「ワシントンも、ここ最近は涼しくなってきましたな。」 「ええ。お陰で、最近は暑さに煩わされなくなりました。」 野村大使はそう返事した。 「同感です。扇風機も必要なくなりましたから、電気代も少しばかり節約できるようになりましたよ。 では、席にお座り下さい。」 野村は頷いて、執務机の前にある用意された椅子に腰を降ろした。 「ハル長官、本国政府は先日、このような文書を送ってきました。」 野村大使は、カバンから紙を取り出し、ハルに手渡した。ハルはそれを取って、黙読した。 日本大使館から会談の打診があったのは、3日前の事である。 ハルは17日の午前10時に会談を行うと、日本大使館に解答した。 「この文書からすると、日本は中国から撤兵し、満州に迫るソ連に撤収した兵力をぶつけたい。 その際、去年の9月に発せられた必要物資の禁輸を解除してもらいたい、との事ですな?」 「はい、そうです。ソ連と開戦して10ヶ月になりますが、我が軍は勇戦敢闘し、ソ連軍を満州からたたき出しました。 しかし、国境付近のソ連軍は時折、満州に攻め込もうと軍を押し立ててきます。しかし、備蓄物資が、 特に石油があと1年しか残っておらず、これ以上ソ連との戦争が長期化すれば、我が陸海軍は軍艦や戦車、航空機などに 燃料を入れることが出来なくなります。」 「イギリスが貴国に対して行った制裁措置はもう解除されていますが、もらえる石油は予想より少ないと聞いています。 イギリスとフランスは、ドイツ、イタリアとの戦争に忙殺されておりますからな。必然的に、物資はヨーロッパ方面に 優先され、貴国の分は少なくなる。」 「優先的に回した物資すらも、大西洋やインド洋でUボートに襲われているありさまです。 これでは、わが国がもっと石油を欲しても、必要量に届く事はないでしょう。」 2日前、大西洋を航行していたイギリスのPA34船団の輸送船40隻が、 何十隻というUボートにたかられ、全滅してしまった。 英側も、9隻のUボートを撃沈したものの、イギリス本土、フランスに届くはずであった物資は、 大半が海底の底に沈んでしまった。 それ以前にも、Uボートの被害は続いていたが、このような大損害は2ヶ月ぶりである。 フランスで激戦を続けるドイツとイギリス、フランス軍はパリの手前でこう着状態に陥っている。 ポーランド戦で真価を発揮したドイツ機甲師団も、イギリスやフランス軍のなりふり構わぬ必死の抵抗の前に、 戦力を消耗するだけであった。 夥しい犠牲者を出しながらも、双方とも戦局を大きく動かすチャンスは見出せていない いっぽう、極東では、突然日本の空母鳳翔がソ連潜水艦に撃沈され、それが合図だったかのように満州や南樺太に 侵攻したソ連軍は、日本軍の必死の防戦に大損害を出している。 一番悲惨なのは、ソ連太平洋艦隊と日本連合艦隊の戦いで、日本側の空母機動部隊の一撃で、 ウラジオストックの艦艇の半分、軍事施設は叩き潰され、艦隊決戦ではソ連艦隊は日本側の重巡、駆逐艦各1隻を沈め、 戦艦金剛を大破出来ただけで全滅させられた。 ソ連も新型のT34やKV-1重戦車などを押し立てて、機甲戦力で関東軍を潰そうとするが、 日本側は航空部隊もぶつけて応戦するため、ソ連側の方が日本側の損害を上回り、10月の始めに 行われた日本側の陸海共同反攻でソ連軍は国境の外に押し出された。 しかし、ソ連側も諦めるつもりはなく、未だに国境線付近で激戦が続いている。 こうした中、日本側は欧米諸国の禁輸政策の影響で、物資が払底しつつあった。 イギリスとの禁輸は解除されたものの、実際には予定量の半分か、7割程度の物資しか届かず、 これではとてもではないが、戦争を続けるのは苦しかった。 そこで、禁輸が行われる前に、物資の大半を取引してきたアメリカに頼み込んで、禁輸を解除してもらおうと、 野村大使を通じて頼み込んできたのだ。 「確かにそうでしょう。ソ連のあの指導者の性格からして、手を緩めればどっと、赤旗の軍団が 雪崩れ込んできますからな。フィンランドやバルト三国の例がそうです。」 「ソ連には、全く困らされています。」 野村大使は、辛そうな表情でため息を吐いた。 この日ソ戦争で、日本は満州を一応奪い返したが、南樺太は完全に失ってしまった。 南樺太にいた守備軍は玉砕し、在留邦人は半数が本国に帰らぬまま、樺太の地に残された。 ソ連軍の侵攻スピードがあまりにも速いため、逃げ切れなかったのである。 「気持ちはよくわかります。本来、大統領閣下はソ連に親しみを覚えていたのですが、 貴国に戦争を吹っ掛けた時には流石に驚かれておられました。欧米諸国や、わが国の国民にも、 日本に同情するものは少なくありません。」 「そうですか。」 野村大使は頷いた。 「現在、南樺太付近には、連合艦隊の艦艇が常駐している為、ソ連側は千島を攻めあぐねております。 しかし、禁輸が続いている今の現状では、この艦隊も動かなくなり、やがては抑止力としてはなくなるでしょう。」 「よく分かりました。」 ハルは大きく頷いた。どちらかというと、ハルも今回のソ連の暴挙には批判的であり、 「合衆国の敵は日本ではない。第1にドイツ、イタリア、第2にソ連だ。」 と影でそう言っている。 「大統領に打診してみましょう。」 「ありがとうございます。」 野村は深く頭を下げた。 「禁輸さえ解除されれば、わが国もいくらか、戦争がやりやすくなります。ハル長官、どうか、よろしくお願いします」 「わかりました。」 ハルも頷き、野村大使との1つめの協議は無事に纏まった。 午後3時20分 ホワイトハウス 「そうか。」 ハルの報告を受け取った、フランクリン・ルーズベルト大統領は、ハルの報告を、手渡された文書を見ながら聞いていた。 「日本側は、わが国の禁輸を解除してくれと頼んできたか。」 「このような申し出をするほど、日本側は逼迫しているのでしょう。」 ハル国務長官の言葉に、ルーズベルト大統領は頷く。 「そして、2つ目の案が、近衛首相が私と腹を割って話し合いたい、との事か。」 「近衛首相は、悪化した日米関係を元に戻そうと奮闘しておられているようです。」 「彼が頑張っている事は、私もよく分かるよ。」 ルーズベルトは新聞の切り抜きを取り出し、それを見た。2ヶ月前の新聞だが、その文面には、 日本の近衛首相、暴漢に襲われる! という見出しがあり、男が取り押さえられ、近衛首相が護衛に囲まれて引き離されようとしている写真がある。 後の報道では、この暴漢は右翼の青年であると報じていた。 「この時は、右翼の差し金が襲ってきただけのようだが、この差し金がいつ、日本の軍部に変わるか、 近衛首相も日々恐れているだろう。」 ルーズベルトは、新聞の切り抜き記事を置いた。 「しかし、それを敢えて押さえ込み、自分のやるべき事をやろうとしている姿勢は評価に値するだろう。」 「私も同感です。」 「国民も、日本にはいくらか同情的だろうし、ここで日本に恩を売るのも悪くはないと思う。 幕末の開国以来、時には友好を深め、時にはいがみあってきたが、今の時期、情勢は昔と大きく変わった。 ここはひとつ、近衛首相と色々話をしてみたいものだな」 「では、大統領閣下。」 ハルが歩み寄る。 「私は、もともとロシアが好きだったが、ここ最近のソ連の行動を見て、アンクルトムには愛想をつかしたよ。 ハル、野村大使に禁輸及び首脳会談の件について、よく検討し、1週間後には回答すると伝えてくれ。」 ルーズベルトはそう言った。 ハルは、わかりましたと言って、執務室を出て行った。 1941年 10月17日 カリフォルニア州サンディエゴ カリフォルニアの空は、心地よいほど晴れ渡っていた。 「いい天気だね。仕事でなければ、ビーチでひと泳ぎしたいものだよ。」 太平洋艦隊司令部の窓から、真珠湾港を見渡していたハズバンド・キンメル大将は、 隣にいるジェイムス・リチャードソン大将に話しかけた。 「気に入ったかね?」 「ああ、気に入ったよ。何分、北部とは違って、ここでは冬に面倒な雪かきなどやらんで済むからね。」 そう言って、二人はハハハハと笑い合う。 2人は椅子に座って、話を続けた。 「それにしても、1年前には太平洋艦隊の司令部をハワイに移すと言われていたが、 今でもこのサンディエゴにへばりついたままだな。」 「日本軍がソ連相手に精一杯だからな。上層部は日本が予定していた、南方資源地帯への侵攻が出来なくなった事で、 当分は基地施設の移転は必要ないと踏んだのだろう。」 リチャードソン大将はそれでいいと言わんばかりの表情だった。 それを、キンメルは感じ取った。 「君は、どうもハワイ移転が取り止めになってホッとしているようだが?」 「ホッとするもなにも、っと、口で説明しても少し分かりにくいだろうが」 そう言いながら、リチャードソンは執務机に戻って、引き出しをがさごそと探った。 探してから20秒が経ち、 「あった。」 彼は何かを引っ張り出した。それは少し大きめの写真だった。 「これが、移転予定地の真珠湾だ。よく見てみろ。」 彼はある所を指した。そこは、海から真珠湾港に繋がる水道だが、その幅は狭い。 それでもまだいいほうで、西入江に入るほうの入江はさらに狭く、ここに輸送船や大型船を沈められてしまえば、 西入江は港としての機能を喪失してしまう。 「こんな狭い水道しかない泊地なぞに、大艦隊を収容するなど、私には怖くてしかたがないよ。 空襲はなしにしても、船が座礁しただけで、機能は著しく制限されてしまう。」 「しかし、パールハーバーの浅海面は低いぞ。爆撃機にはやられるかもしれんが、 軍艦の宿敵である雷撃機にはやられないと思うが」 「だが安心はできんよ、キンメル。」 リチャードソン大将は鋭い目つきでキンメルを見つめた。 「タラントでは、イギリス海軍が空母艦載機でイタリアの戦艦1隻を轟沈させて、1隻を大破させている。 タラントの浅海面はパールハーバーとあまり変わらん。正直言って、安心はできんよ。」 そう言って、リチャードソンは背もたれによりかかった。 「なるほどな。よく分かったよ。」 キンメル大将は納得したように頷いた。 確かに、真珠湾は軍港にはもってこいの泊地であろう。 しかし、このような問題面もあるとなると、軍港としての価値は一気に下がってしまう。 「この事は大統領に知らせようとしたのかね?」 「知らせようとはしたが、ワシントンではゴタゴタが続いていて、伝えようにも出来なかったのさ。 今年の2月に直接伝えようとしたら、ハワイの移転は取り止めになったのだ。 まっ、私としては、移転取り止めは正解だと思う。」 「つまり、君の願いがかなったと言う訳か。」 そう言うと、リチャードソンは苦笑した。 「移転しろと言われたらやったはずだけどな。軍人は命令を守るのが仕事だから。」 そう言って、リチャードソンはコーヒーすすった。 「さて、キンメル新長官、太平洋艦隊の事は頼んだぞ。」 その言葉に、キンメルは頷いた。 「これからの時代は、戦艦よりも空母、航空機の時代だからな。欧州の戦局がそれを如実に現している。」 「俺も充分承知しているよ。」 キンメルは深く頷いた。欧州の戦いでは、大艦巨砲主義者を失望させるような事が何度も起きている。 戦争が始まって半年後の40年2月には、ドイツの装甲艦リュッツオウがイギリス空軍の雷爆撃で撃沈され、 8月にはイタリアの戦艦チュリオ・チェザーレがフランス・イギリス軍機に攻撃され、大破。 11月にはタラント奇襲でコンテ・ティ・カブールが沈没し、カイオ・デュイリオが大破した。 12月には、英戦艦バリアントが独・伊空軍の爆撃を受けて大破し、イタリア潜水艦に止めを刺されて沈没した。 41年5月には通商破壊に出港したドイツ戦艦ビスマルクが、英巡洋戦艦フッドを撃沈し、プリンス・オブ・ウェールズを たたきのめして蹴散らしたが、復仇の念に燃える英空母部隊や英空軍に袋叩きにされた。 ビスマルクは23機を撃墜したが、必死の防戦空しく、魚雷12本、爆弾13発を受けて撃沈されてしまった。 このように、もはや戦艦の優位性は消失しており、海軍の主流は戦艦から航空機に移りつつある。 「しかし、合衆国では相変わらずサススダコタ級やアイオワ級などの戦艦を作っている。 未だに大艦巨砲主義信じるものが多いようだ。」 「リチャードソン、確かにそうかもしれんが、アイオワ級やサウスダコタ級は、これまでの戦艦と違って、 ノースカロライナ級のように28ノットのスピードが出せる。この間、ハルゼーから聞いたのだが、 海軍上層部には、この3種類の戦艦を、対空火器を増強した機動部隊随伴戦艦にするようだぞ。」 「機動部隊随伴戦艦か。」 リチャードソンは納得したような表情になった。 「確かに、航空機の威力が高くなった現在では、対空火力の充実が求められる。 そのような戦艦に護衛されるならば、空母も被害が軽減できるかもしれないな。」 「そうだろうな。しかし、」 キンメルは苦笑する。 「俺としてはいささか寂しいものだね。昔から艦隊決戦が夢だったのだが。時代の流れは速い。」 「これからの太平洋艦隊司令長官は、軍艦上で指揮を取るより、陸上施設で指揮を取る時代かもしれないな。」 そう言って、2人は頷きあった。 「おっと、長話をし過ぎたな。それでは、後はよろしく頼んだぞ。」 「分かった。」 「艦隊司令官の中には、個性のあふれる奴が多いが、そこはうまく手綱を引き締めてくれ。 特にハルゼーはいささか熱すぎる男だ。注意しろよ。」 「なあに、あいつとは同期だ。同じ釜の飯を食った仲だから、奴の性格は知っている。 うまくあしらってやるよ。」 そう言うと、2人はまたもや笑いあった。 1481年 10月18日 シホールアンル帝国首都ウェルバンル 「ねえ、君。俺とお茶しないかい?」 露店のパン屋で売り子をしていたミーリ・レルベイは、突然現れた若い男に困っていた。 「い、いや、お客さん。自分は仕事中でして。」 「仕事しすぎたら、ストレスが溜まりまくっていけないぜ? それよりは、少し一息をついて1時間ほど話でもしようよ。」 若い男はそう言うと、彼女に微笑んだ。 外見は優男に見え、顔立ちはへらへらしていて体つきは少し細い。 亜麻色の長髪を後ろで結っていて、服は上が白の長袖、下が紫色のズボンと、普通のものをつけている。 「そんなあ、まだお昼が終わったばかりですし、それに、お父さんが許すかどうか。 それに、2週間前も同じような事をいったような気がするんですけど?」 少女はためらいがちに言う。 「おっ?覚えててくれたんだ!いやあ、自分としては嬉しい限りだね! ひょっとして、君も俺の事を気にしているのかな?」 「い、いやあ・・・・あはははは。」 ミーリはいささか困って苦笑を浮かべた。 そこに、 「お客さん。いつもいつもどうも。今日も外をぶらりと回られているので?」 奥から快活な声が聞こえてきた。彼女の父親がこの男に声をかけたのだ。 「やあ、久しぶりだね。調子はどう?」 「上々ですよ。」 父は笑って答えた。 「頼みがあるんだが、この子を少し借りていいかな?」 「い、いや。それは少し困りますなあ。」 と言って、父親も困ったような表情をする。 何しろ、相手があれだから、そう簡単に答えていいものか。 それ以前に、 「ちょっと。」 後ろから別のフード帽の男が近付いて、その優男に声をかけた。 「ん?ああ。」 優男とフード帽の男は何かを耳打ちした。 すると、背を向けていた優男は大きく頷き、小声で返事すると、フード帽の男は去って行った。 「済まないねえ、待たせて。さっきの件だけど、今日はいいや。 君のやっている仕事もこの店にとっては大切だからね。邪魔してごめんよ。じゃ!」 そう言って、優男はどこかに行ってしまった。 「ふぅ~。面白い人ではあるんだけど、こんな市場をぶらぶらしてていいのかな?」 ミーリはため息混じりにそう言った。 「いいんじゃないのかな?もともと、ああいう人だし。最初は驚いたが、何年も経つと慣れるものだなあ。」 父親はしんみりとした表情で言う。 「あれから7年か。あの人は身内にはこうして優しいけど、敵に対しては過酷に扱うからな。 しかし、ああしている事は、余裕があると言う現れなんだろう」 「一国の皇帝陛下が、首都をぶらり歩き回るなんて、前代未聞よね。」 ミーリはそう呟くと、気を取り直して売り子の仕事を再開した。 「早速、敵の重要防衛線にぶち当たったか。」 「ええ。現在、竜母部隊の艦載ワイバーンが事前爆撃を行っています。 南大陸連合軍のワイバーンも出撃していて、現場は激戦の様相を呈しているようです。」 「この事は既に予想済みさ。あとは、南大陸連合軍の防衛線が何日持つか。見物だね」 亜麻色の長髪の若い男。 シホールアンル帝国皇帝オールフェス・レリスレイは、不敵な笑みを浮かべながらそう呟いた。
https://w.atwiki.jp/ova-v/pages/334.html
―ばれなければお得、ばれても英雄、それが悪事― 「グーテンモールゲン! おお、そこを優雅に歩くは、湖でもあったらその美しさに蒸発しちまうお方! 性根の悪い魔女が『世界で一番美しい人は誰』と魔法の鏡に聞けば、鏡が世界で一番美しい方はこの人ですって、裸足で走り出して、号外まき散らし、スピーカーで叫び散らすバンガードの眠れる森のスノーホワイトか。あとは、なんだ、ビーンズじゃん。なんだ。がっかり。すんげーがっかり。落胆したから、金くれ」 基地の入り口すぐに広がるホールで、待ち構えていたかのような二人組を発見し、両手を広げて杖を振り回して非常に大げさで芝居かかった挨拶をしたのは杖をついた男だった。通り係の兵士達が、何事かと一瞥していくが、派手なサングラスをかけた杖の男が、いかにも厄介そうに見えたのか、見なかったことにして通り過ぎていく。 その言葉に、金髪で軍人にしてはやけに優雅な空気を漂わせる優男の方が、微笑みのような苦笑のような曖昧な笑顔を作る。横にふてくされたように立っていた男は、明らかに不満を顔に出す。 「バーンズだ。わざと間違えるな、この厄介者が。そして、俺と中尉の扱いの差はなんだ!? 病院に送り返すぞこの野郎! 」 アルフレッド・バーンズ伍長が腕を組み、苛立った様子で訂正をする。 「おうおう、やってみろよバカヤロウ伍長殿。軍曹に楯突くとは流石のバカヤロウだぜ。流石に上官と喧嘩別れして流れてきただけある。そして、あれが病院だと? 若くて可愛いドジっ娘ナースなんていなかったぜ。キラキラアイの無駄にさわやかで厳つい野郎が『頑張って☆』って言いながら歩行訓練という名の拷問をしてくるんだ。逆らえば『その調子ですよ☆』って言いながら、トレーニング量を増やしてくるんだぞ。三歩進めるようになれば、『おめでとう☆』って言いながら、我が子が初めて歩いたときのように喜んで、バカでかいケーキを用意してお祝いして来やがる。ようやく退院出来れば、『バンザーイ☆』って言いながら全員で胴上げしてくるバカヤロウどもだ。あんな人権無視があるかバカヤロウ。ムショの方がまだ人権守ってるに間違いない。今度は、お前にその地獄を見せてやろう。フハハハハハ!」 今現在も同じ独立機動部隊所属の杖をついた男が挑発的な笑みを見せて態とらしく高笑いをする。 「お前が階級云々言うな。 無事な右足を折るぞ! 」 「ほう、俺の黄金の右足を折ると宣言するか? ふむ、名誉の負傷をした身内に手を挙げるとは、バンガード軍人の風上にも置けないバカヤロウだ。ハートマン鬼軍曹の再教育が必要じゃねーの? ね? 」 と優男の方、イニョル・アンダーセン中尉に向かって相づちを求める。なにやら笑顔でけんか腰の二人を見守っていた。 「元気そうで良かったですよ。脚のことは残念ですけどね。あと、再教育についてはもう依頼してありますよ」 「なっ!? 」 バーンズ伍長の顔が歪む。ハートマン軍曹の訓練は、未だに彼を始めとした数多くの隊員に心の傷を持たせている。 「お、流石はレジェンドオブその歳で中尉さん」 「な、勘弁してくださいよ中尉! 」 ハートマン軍曹のキャンプでのトラウマが、今再び走馬燈の様によみがえってくる。 例えば、約20キログラムの荷物を背負って、全長50㎞に渡り渓谷を行進したこと。杖をついた男も、当時は偶然ながら同じトレーニングに参加していて、その男が自分の荷物にダンベルを忍ばせていて、約25キログラムにされていたこと。そのことに気がついたのは、全てが終わった後だった。 真夜中に、暗闇の中で、突然腕立て伏せを命じられ、日が昇るまでし続けてきたこと。精神を鍛えるために、どれだけやれば終わりという宣言がない突然のトレーニングはよくあることだった。しかしながらその時は、ハートマン軍曹の声を録音し、変装した目の前の男の犯行であったこと。気がついたのは、朝日が部屋に差してきたときだった。 何故だろう、ハートマン軍曹が怖いのは間違いないが、被害の何割かは目の前の男のものだ。因縁が昔から続いているのは、どういうわけだ。本当に病院送りしたくなってきた。 「そんなに焦らないでくださいよ。冗談ですから」 中尉がニコニコしながら窘めるように言った。杖の男は残念そうに肩を落とし、バーンズ伍長は安堵した様子で、額の冷や汗をぬぐった。 「だから、中尉のジョークは心臓に悪いんですよ」 「でも、半分は警告ですからね? 」 「……い、イエス・サー・イエス」 非常に強ばった表情だった。 微笑を浮かべながら、イョルンが杖の男に向き直る。 「急がないと行けないので、本題です。こちらを」 イョルンが茶封筒を差し出し、杖の男が間髪入れずに受け取り、とりあえずは封筒の口を開けて中身を見る。 「遺品の一部です。というか、まだ形が残っている遺品がそれだけです」 「……だろうな」 杖の男が、「もってろ、ジーンズ」と言いながら杖をバーンズに投げて、封筒の中身を手のひらに開ける。カチャカチャと金属音を立てながら、手の平にはところどこかが欠けて、焦げ付き、変形した金属片が現れる。杖の男は「ビーンズだ。間違えるな! 」というバーンズの言葉も気にしない様子で、金属片を睨み付けていた。 「なるほどな。たかが認識表でも、受け取り拒否か」 「何故その話を? 何か知っているんですか? 」 「詳しいことは何も。だが、ことあるごとに、あのバカヤロウはうちのクソ親父がどうこうは言ってたな。懐かしい。ふん、’懐かしい’になっちまったか。もう、あのバカヤロウは’懐かしい’ってことになったのか」 杖の男は、金属片、かすかにバンガードのV、A、Nの文字程度がかすかに読み取れる。Gであった字は左側だけ見え、Cかもしれないし、OやQとも推測できる。が、他は何も読み取れない認識票を睨みながら呟く。どことなく上の空で感情が籠もっていない声だった。 「貴方に預けておくのが良いのかと思いまして。よく組んでいましたし。時が解決してくれるなら、貴方からなら受け取ってくれるかも知れません」 「そうか」と男は呟き、認識表を封筒に戻すとクチャクチャに丸めてズボンのポケットへと押し込む。 「ほら、ボーンズ。俺様のダサイ脚を返せ。いい加減にしねーと車が出ちまう」 「バーンズだ。ほらよ」 杖をひったくるように奪って、再び杖の男になり、改めて独立機動部隊の二人を眺める。 「そんじゃ、結婚するなら連絡くれ。上等のシャンパンを送ってやる」 「ええ。楽しみにしてます」 「だから! 心臓に悪い冗談をやめろ! 」 「ガキが出来たら、プラズマジェットエンジン付のベビーカーを送ってやる」 「期待してます」 「だーかーらー! やーめーろー!」 軽口に平然と応える二人に、アルフレッドが再び、慌てながら不満げに叫ぶ。が、杖の男は無視して、また軽い調子で口を開ける。 「つーか、スノーホワイトなら杞憂だろうが、本当に悪い魔女の毒リンゴをうっかり食うなよ? 」 「そうですか。でも、そのときは、アルフ君がキスして目を覚ましてくれますよ」 「だから、俺はノーマルだ! 」 杖の男が肩をすくめ、イョルンが少しだけ困った顔をする。 「隠喩ぐらいわかれ、バカヤロウ」 「はぁ? 」 「そうだな。判りやすいように電気工事で例えると……俺が乗り遅れるんだ。早く、街について洒落た杖を買いたいんだよ。あとはスノーホワイトから教えて貰ってくれ」 「はぁ? 」 腑に落ちないままのアルフレッドをそのまま置き去りにして、杖の男は背筋を正し、右手を挙げて敬礼をする。独立機動部隊の二人も、敬礼をする。 「お前らにも、最後に会えて良かった。イョルン・アンダーセン中尉、アルフレッド・カーンズ伍長」 「バーンズだ」 「世話になった」 杖の男は、敬礼をやめて、きびすを返してゆっくりと歩いていく。二人揃って、らしく無いなと思い、思わぬ行動に言葉が出ない。 その責任感だけは無さそうな背を見送りながら、アルフレッドは相変わらず不満げに、腑に落ちない顔をし、イョルンは曖昧な表情のまま見送る。 「……あの野郎、最後の最後まで、名前を間違えやがった」 「ふふ」 「笑い事じゃねーっすよ。中尉も、スノーホワイトなんて呼びやがって」 「今更、行儀良くされてもね。彼なりに、心配していると思います」 「心配? 」 あの男がそんな事をするのだろうかと疑問に思う。 「例えばですけど、コネクションを使って、パッと入ってきた年下の上官の命令って素直に聞きますか? 」 「そりゃ、ききますよ」 「例えば、長年勤めてきた人から見て、そんな出る杭は気に入るでしょうか? 」 「あー、いやー、その」 「毒リンゴってそういうことですよ」 「あー」 敵が身内にいるとは思いたくないが、バンガードといえど、クーデター時に政府側についた者達も所属しているわけなので、ある日、突然、背中を撃たれる可能性もある。その点についての忠告であるが、アルフレッドとしてはそこまで警戒する必要があるだろうと考える。年下の上官であり、経験も少ないイョルンだが、そういった策には対抗できるのではないかと小さな背中だが頼れる気もする。 「さて、僕たちも行きましょうか。急がないと」 「そうですよ。本当は昨日、出る予定ですよ」 とまたまた、アルフレッドが不満げだったが、二人の横を杖をついた男が通り過ぎようとしていた。 「間違えた。あっちだ。頼むから、まだ出るなよ。出てたらヘリで追いかけて威嚇射撃してジャックするぞバカヤロウ」 と二人を見ることもなく呟いて去っていく。 「……最後の最後で締まらないな」 「らしいじゃないですか」 杖の男の背中が見えるうちに、二人も早足で歩き出す。 去る者。 残る者。 行く者。 一つ終わり。 一つ始まる。 ホールは、行き交う軍人が絶えることもなく。 遠くからは、喧噪が絶えることはなく。 Back/Home/Next
https://w.atwiki.jp/orisuta/pages/1699.html
1 / 2 ページ ―― オリジナルのスタンドを考えて絵師にデザインしてもらうスレ ―― ―― オリスタトーナメントスレ! ―― この空前のイベントを前に秘密裡に選ばれたオリスタ民達の熱気は……今まさに沸点に達した!! 「お・つ・い・ち~~~~~~~!!」 「 1さ~~~~~~~んッ!!」 「乙イッちゃんステキ~~~~~!!」 スー…… 乙1「地上最強のスタンドを見たいか―――――ッ!!!」 「「「「オ―――――――――!!!」」」」 乙1(ワシもじゃ……ワシもじゃみんな!!) 乙1「選手入場!!」 2 / 2 ページ 『全選手入場です!!!!』 親泣かせは生きていた!!さらなる研鑽を積みダメ人間が甦った!!"エロ小僧"「アリウム・セパ=エイト・ハンドレッド」だァ―――ッ!!! 物質同化型はすでに私が完成している!!サイボーグ化スタンド「バレエ・メカニック」だァ―――!!! 噛みつきしだい噛ませ犬にしてやる!!セーラー服少女「エンヴィ・キャットウォーク」だァッ!!! スタンド戦術なら俺の能力がものを言う!!優男の金髪フェミニスト「ドッグ・マン・スター」!!! 真の色気をしらしめたい!!やわらかいおっぱい「ポール・ムニ」だァ!!! ドラッグレースなら三階級制覇だがスタンドバトルなら全階級オレのものだ!!日本のプッチ神父「コスモ・スピード」だ!!! 打撃対策は完璧だ!!綻ばせるスタンド「イーグル・ハート」!!! 全世界の自然現象は私の中にある!!天気の神様が来たッ「ヒューマン・ネイチャー」!!! タイマンなら絶対に負けん!!集中線で注目集めたるフラッシュヘッド「ライン・ライダー」だ!!! なんでもありならこいつが怖い!!ドラ息子の傲慢暗器使い「マイシクル・ティアーズ」だ!!! バルセロナから気持ち悪い男が上陸だ!!トカゲスタンド「オホス・デ・ブルッホ」!!! 制約のないケンカがしたいから警察官になったのだ!!プロのケンカを見せてやる!!「ニール・コドリング」!!! 地元の土産に甲子園の土とはよく言ったもの!!選手時代の秘技が今実戦でバクハツする!!甲子園準優勝投手「トライアングル・スクランブル」だ―――!!! ナイフ術こそが地上最強の近接戦闘術だ!!まさかこの男がきてくれるとはッッ「ジャック・ナイフ」!!! カチ割りたいからここまできたッ、キャリア一切不明!!林業のスタンドファイター「バッド・バード・ラグ」だ!!! 私は空中戦最強ではない、スタンドバトルで最強なのだ!!御存知ホウキスタンド「スター・キャスケット」!!! スタンドの本場は今やブラジルにある!!センセイを驚かせる奴はいないのか!!「アナザー・センチュリー・エピソード」だ!!! おっぱいデカァァァァァァいッ!説明不要!! B101cm(推定)、Hカップ!!「メテオ・クラッチ」だ!!! 比喩表現は実際に使ってナンボのモン!!超メタスタンド!!兄貴デザインから「メープル・リーフ・ラグ」の登場だ!!! 茜はオレのもの、邪魔するやつは思いきり殴り思いきり蹴るだけ!!見境なき自動操縦スタンド「エンヴィー」!!! ボールを弾ませにここへきたッ!!スーパーボールジャグラー「テンポラリー・プレジャー」!!! 占いに更なる磨きをかけ、"占い師"「ウォント・ゲット・フールド・アゲイン」が帰ってきたァ!!! 今の自分に撃ち損じはないッッ!!百発百中ガンナー「ナポレオン・ソロ」!!! 荒野の魔女のスタンド能力が今ベールを脱ぐ!!欧州から「ゴースト&ダークネス」だ!!! 観客の前でならオレはいつでも全盛期だ!!手負いの曲芸師「タイト・ロープ」松葉杖で登場だ!!! 美容師の仕事はどーしたッ!!闘士の炎未だ消えずッ!!ロケット花火も巨大ロケットも思いのまま!!「クレセント・ロック」だ!!! 特に理由はないッエージェントが強いのはあたりまえ!!財団にはないしょだ!!愛煙家「タール・ムース」がきてくれた―――!!! ライブで磨いた実戦スタンド!!ロックバンドのデンジャラスドラマー「デリケート・サウンド・オブ・サンダー」だ!!! 「引力」だったらこの人を外せない!!超A級弁護士「グラビティ・オブ・ラヴ」だ!!! 超一流ダンサーの超一流のスタンドバトルだ!!生で拝んで金よこしやがれッ!!ストリートの黒人キッド「ティー・ペイン」!!! 纏衣装着型はこの男が完成させた!!ディザスターの切り札「T-REX」だ!!! 若き騎士が帰ってきたッ!! どこへ行っていたンだッ、英国紳士ッッ!! 俺達は君を待っていたッッッ!! 「フリーズ・フレイム」の登場だ――――――――ッ!! ▼単発SS一覧へ戻る
https://w.atwiki.jp/marcher/pages/129.html
「そうやってアタシの前に立つってことはそういうことだと思っていいのかしら」 場所は光と闇、空と大地が交錯する世界の何処か。 黒衣の美女が首を傾げている。 話しかけられたのはトレンチコートに身を固めた男。 その容貌は女かと見紛うばかりの秀麗さ。 手に持ったトランプのカードを華麗な手捌きで弄んでいる。 「ええ、そういうことだと思って頂いて結構です、ミティ様」 「アタシだとわかっていながら、そういうことに持ち込むなんてあんたも酔狂だね」 「あなたがミティ様だからこそ、そういうことに持ち込むのです」 淑女をエスコートするかのような物腰を崩さない男。 しかし時折赤く光る妖しい目は、男が尋常で在らざる存在だということを、慎ましげに物語っている。 「アンタ、何ていう名前なの」 「私などの名前を訊いてどうされるおつもりですか」 「今日のアタシはいつもよりも随分と機嫌が良いもんでね」 「ほぅ、見目麗しいミティ様がいつにもましてご機嫌がよろしいとは何よりのことで」 「だからさ、サービスでアンタの墓石にアンタの名前を刻んであげようかと思ってね」 女がその美貌とはおよそ似つかわしくない不穏な言葉を耳にすると、それまで優雅な態度を守ってきた男が一変した。 「墓だとぉぉぉ。 墓碑銘を刻むぅぅぅ。このクソ女がぁぁぁぁ。 こちらが下手に出てやったらつけあがりやがって。 このアバズレの淫売がどの口でそんなことをホザきやがるぅぅぅ」 「ふん、どうやら地金が出てきたみたいじゃないか」 「魔女なんて時代錯誤の通り名を使う貴様ごときが、この俺を倒すなんておこがましいんだよ。 しかも、ミティだとぉぉぉっ。 そんなふざけ名前の女に名乗る名前など持ち合わせていない」 男の手からカードが1枚、ミティと名乗る女に向けて飛び立った。 轟音と共に土煙が舞い上がる。塞がる視界。 やがて視界が戻ったとき、ミティの立っていた地表には、サッカーボールぐらいの穴が穿たれていた。 その穴の数メートル後方に、ミティが平然と立っていた。 「なるほど、カードをジャグリングしながらエネルギーを注入したのか」 「ご明察だ。 俺はこの手に触れたありとあらゆる物質に破壊エネルギーをチャージする事が出来る。 中々に使い勝手がいいチカラだが、一つだけ欠点がある」 マジシャンのような手さばきでカードを中に舞わせながら、男はぼやく。 「チャージ出来るエネルギーと物質の質量が比例するということだ」 「あん、何言ってんだお前はよぉー」 「つまりだ、このカードのように美しく機能的なものよりも、無粋で無骨極まりない石ころの方が、破壊力が大きいってことだ。 そんなの許せねえっ」 今度は3枚。 軌道と高さを変えて、ミティの元へ向かう。 歴戦の魔女も為す術も無く、破壊のチカラに晒されるばかりかと思われたが。 3枚のカードは魔女が出現させた氷壁を砕き、破片を散らせただけだった。 「どうしたい、優男。 威勢がいいのは口だけかい」 …詠唱破棄であれだけの氷隗を瞬時に生成するとは、デタラメな魔女だ。 自分の名前を知らない男。 何処で生まれたのかさえも知らない。何処へ向かうのかも知らない。 なのに、目の前の女の名は知っていた。 自分の身に帯びたチカラの使い方も知っている。 そして、この世界で果たすべきこと。 「魔女なんて中世の遺物など滅んでしまえばいい」 宙で舞わせているカードを高速で回転させ、最大限のエネルギーをチャージする。 魔女の根絶。 それこそが自分の使命。 眼前の魔女を狩ることが自分の存在意義に他ならない。 「行くぞっ」 崩壊の力が籠められた48枚の魔弾が一斉に放たれた。 「・・・ぎゃあああああああ!!!」 黒衣の魔女の叫びが大地に吸い込まれていく。 「足が・・・アタシの足がぁあああああああ!!!」 “破壊エネルギー”がチャージさせられたカードの攻撃は、氷壁を貫き魔女の身体を傷つけた。 中でも両足に受けたダメージが大きかった。 体を支えることが出来ず転びまどう魔女。 「ミティ様。 そのような身なりで地面を転げ回るとははしたないですぞ」 自らの勝利を確信した男は、慇懃無礼な態度に戻る。 懐から新しいカードのセットを取り出し開封する。 「ひぃぃぃっ、ぎゃあああああっ!!!」 魔女の右腕に新たな一撃が炸裂した。 「まったくもって口ほどにもない。 本当に貴女は氷の魔女として恐れられている方なのですかな」 ゆっくりと魔女に歩み寄る男。 「ひゃぁああああああっ!」 空気中の水分を凝縮、再構成して創り出した氷の槍で反撃を試みる魔女だったが。 小脇に抱えていたステッキで魔女の起死回生の攻撃を打ち砕く男。 自らの終わりを予期したのだろうか、狂気に満ちた笑い声を上げる魔女。 「あは、あは、あははは、あははははははは、ふは、ふはははははははははは」 そんな魔女を冷然と見つめる男。 「ふはははははははははは、ぐわぁははははははははははっ。 あははははははははははは、ひはははははははっはあははっ。 楽しい、実に楽しい。 こんなに楽しいのは久しぶりだ。 うわははははははははは、楽しいぞ、全くもって楽しいぞ。 おい、お前。 優男、お前の名は何という」 気圧されてしまった。 新聞紙で叩き潰された断末魔のゴキブリのような状態の女に畏怖を覚えてしまった。 「苦痛と死の恐怖で忘れてしまったのか。 お前などに名乗る名は持ち合わせていな・・」 「そうか、名無しの案山子野郎か。 つまらない奴だ。 まあいい、おめでとう、案山子君。 第一ラウンドはお前のものだ。 ではこれより第二ラウンドを始めよう。今度は人外の闘争を楽しもうじゃないか」 魔女を中心に圧迫感と共に目に見えない気配がタールの如く大地に漏れ出し、拡がっていく。 魔女が唯一自由の利く左腕を天にかざすと同時に、体中の疵口から漆黒の霧が立ち上がった。 眩霧―魔女がその犠牲者を異界に誘い込む際に発生させる幻の霧だ。 こんこんと湧き出る霧に魔女の姿が一瞬霞む。 そして、魔女の肉体がバラバラと音を立てて崩れたかと思うと夥しい数の毒虫、大鴉の群れへと姿を変えた。 毒虫達はぞわぞわとおぞましい音を立てながら地を這い回り、大鴉は不吉な鳴き声を上げながら辺りを舞う。 「何……これは一体どうしたことだ……」 夥しい大鴉の羽ばたきの中を縫って、妖しく赤く光る男の目。 黒い羽を残し、数十羽の大鴉を消し去ったが、余りにも数が多すぎて、到底減ったようには見えない。 宙を舞う黒い羽は地に落ちると、毒虫に姿を変え自らを裂いた煌きの発生源である男を追う。 気がつけば禍々しい瘴気を放つ毒虫の川が男を取り囲もうとしている。 大鴉達を引き付けて、ステッキで薙ぎ払いながらその間を駆け抜ける。 「ひぃがぁぁぁーっ」 過って毒虫の川に踏み込んでしまった右足が激痛を訴える。 ほんの僅か、靴の爪先が触れてしまっただけなのに、その部分は焼けただれてしまっている。 ステッキを本来の用途で用いながら、毒虫の川の切れ目を捜し退路を探る。 襲い来る大鴉の嘴を防ぐことも叶わず、体中は啄ばまれ、洒脱なトレンチコートは襤褸きれに変わり果てていた。 …落ち着け、これは幻戯に過ぎない。 魔女の本体がどこかに潜んでいるはずだ。 その本体を叩けば…しかし、どうやって捜す。 それ以前に、どうやって大鴉と毒虫から難を逃れる。 痛みの範囲は段々と広がっている。 この分では体の中枢を蝕まれるのも時間の問題だ。 ―来る。 何かの襲来する気配を感じた。 己の肉体の数倍近い大きさの氷塊が頭上から降ってくる。 …くっ、間に合え。 痛む右足に体重がかかってしまうのにも構わずに、ステッキを回転させて破壊エネルギーをチャージしてぶつけた。 弾けろ! 窮余の一手は功を奏したが、その代償も大きかった。 自らの間近で生じた激突と破壊の衝撃を受けて吹き飛ばされてしまう男。 「ぐわぁぁぁぁーっ」 両腕は毒虫の河に浸り、その瘴気で侵された。 もう顔を狙う大鴉の嘴から、身を守ることも出来ない。 為すがままに顔面を啄ばまれ、滴り落ちる血で視界を塞がれる。 ……… 攻撃が止んだ。 体中を走る激痛は変わらないが、新手の攻撃は行われなくなった。 しかし大鴉や毒虫の放つ禍々しい気配が去ったわけではない。 むしろ、より密度が高くなっていくのを感じる。 自分の間近に結集しつつあるのを感じる。 「何なんだ。 お前一体何なんだ」 男の声は悲痛な響きに変わっていた。 「どうした。 優男。 アタシをどうにかするつもりだったんじゃないのか」 魔女の声がする。 恐る恐る目を開く。 目に血が入り痛んだが、気にもならなかった。 男から10メートルばかり離れたところでは無数の毒虫が結集して、女の肉体の形を模ろうとしていた。 しかしその肌の表面はおぞましい毒虫の姿のままで、無数の足が繊毛のように蠢いていた。 「お前は何なんだ一体。 いや、お前は身体の中に何を飼ってるんだ」 魔女の形をした毒虫の群団が声を発した。 「ほう、お前には見えるのか。 アタシの中にいるやつのことが」 どこか感心したような響きは、この場には似つかわしくない。 「ああ、見えるとも、おぞましい化け物の姿が。 感じるとも、とてつもなく邪悪な存在を」 「かつて、世界の半分を滅亡の危機に陥れた存在があった。 人間への憎悪、世界への呪詛。 その存在は世界にとって災厄そのものだった。 その名はへケート。 月を司る冥府神の一柱にして、妖怪変化の女王、そして黒魔術の本尊」 「バカな、そんなやつがお前の中に巣食っているというのか。 有り得ない」 醜悪な毒虫の群団から、元の美しい女へ着々と姿を変えつつある存在は、男を憐れむような口ぶりだった。 「志を遂げることなくその最期を迎えたヘケートは自らの記憶を情報化した。 人をチカラに目覚めさせる為に、脳のどの部位を圧せばいいかという該博的な知識。 チカラを具現化する技術としての、魔術に関する膨大な学識。 そして、何よりも人間に対する圧倒的なまでの悪意。 それらは二進数で暗号化して、人間伝いに継承されていった」 「お、お前も継承者の一人だというのか」 「アタシは簒奪者」 「簒奪者だと」 「暗号化されたヘケートの記憶は、継承者の心臓のパルスに変換される。 つまり、継承者は脈打つ心臓に膨大な情報を保管した記録装置として、その生涯を送ることになる。 情報をコピーする次の継承者が現れるまで」 「黒魔術を学び、ヘケートに関して研究を重ねた人間はその事実に突き当たる。 私もその一人だ。 そして、私は奪った。 ヘケートの記憶を内に秘めた人間の心臓をな」 男はミティと会話をする中で反撃の機会を窺っていた。 何かに触れて、運動エネルギーを与え、破壊エネルギーへの変換と蓄積を行おうとしたが、傷口から侵食し始めている魔女の瘴気は腕の感覚を奪っていた。 闘争の敗北は認めよう、しかし魔女への敵意を消すことは出来ない。 そしてその思いを魔女の論説への反駁という形で晴らそうとする。 「…あ、有り得ない。 そんな莫大な知識と途轍もない憎悪を一身に受けて平気でいられるなんて有り得ない」 「平気なもんか」 魔女が自分の言葉に賛同したことに耳を疑う男。 「平気なんかじゃない。 クソババアは、油断していたらアタシの自我を飲み込んで、アタシの存在に取って代わろうとしている。 だから、アタシもそれなりの手を打たなけりゃならなかった。 ヘケートの記憶を利用して、黒魔術を操るアタシに、アタシは本来の自分とは別の名前をつけることにした。それがミティ。 命名とは呪縛、そして支配権の確立。 アタシ、藤本美貴は氷の魔女ミティの主、そしてミティは藤本美貴の忠実な僕。 黒魔術を行使するミティを別人格として隔離して支配することでアタシはヘケートの侵食から逃れられている。 まあ言ってみれば、病院の無菌室みたいなもんさ。 ミティという隔離室によって、ヘケートというウィルスの感染を防いでる、みたいな」 毒虫の群団は、女の姿形を復元することに成功していた。 女の名は、ミティ? それとも藤本美貴? それとも…。 瘴気に体中を侵された男に、女は宣告した。 「お前、名前は無いんだったな。 つまんねえ男だ。だったら、墓は要らないな。 粉々にして鴉どもの餌にしてやるよ。そして、地獄に落ちて蛆虫になりな」 男の目に映ったのは、瞬時に凍結させた大地を滑走して、殺到してくる女の姿だった。 宙に舞い上がった女の両膝が迫ってくるのが、男が目にした生涯最後の光景だった。 …思い出した、俺の名はRemy LeBe・・・ ぐしゃりと押し潰した男の頭蓋から飛び出した脳漿が大地に飛び散った。 争うように群がる大鴉たち。 ぴちゃぴちゃと啄ばむ音、ばたばたと羽同士が触れ合う音が収まってくるに連れて、霧も晴れてきた。 男の残骸に無感動な一瞥を送ると、魔女はその場を去ろうとする。 ……随分な言われようだな。 妖怪変化の女王だとか、クソババアとか。 挙句の果てにはウィルスだの黴菌扱いか。 私はお前よりも若いというのに余りな仕打ちではないか。 魔女に話しかける声。 それが現実にそこに響いている声なのか、魔女の意識に直接訴えている声なのかは魔女自身にもわからない。 「違ぇーよ、ババア。テメエ生まれたのはいつだっつーの。 くたばった時点で時計を止めんなっつーの」 まるで友人に話しかけるような口ぶりで、見えない存在に答える。 …藤本美貴。 人類の歴史の中で私の記憶を継承した他の誰よりも、お前は世界を憎み、チカラを渇望している。 ならば何故こんなまどろっこしい手段を講じる。 ミティなどというくだらん仮想の人格に、私のチカラを委ねるのだ。 お前が直接私のチカラを行使すれば、お前はこの世界を壊せるというのに。 「くだらん言うな」 ポツリと呟く。 「意味がねーんだよ。 どんなに強いチカラを手にしたところでアタシがアタシでなくなっちゃ意味がねーんだよ」 …青いな。それがお前の弱さだ、しかし同時に強さなのか。 「ババア、テメエこそさっきアタシの足を引っ張って、そいつに勝たせようとしたな。 あの野郎の赤い瞳に心奪われたのか? さしずめ老いらくの恋っってところか、あぁん」 …ババア言うな。 確かにあの者の瞳には心焦がす力があるが…私の欲しいものが何か、お前にはわかってるだろう 「渡さねえよ、この身体も、心も。 お前はこの先ずーっとアタシがこき使ってやる」 …どうかな。 いくら抗ったところでお前の心に力への渇望がある限り、結局は収まるべきところへ収まるだろう。 自らの意思で闇に足を踏み入れた人間は、決して光の下で生きていくことは出来ない。 「関係ねーよ。 闇も光も。 悪も正義も関係ねーよ。 この先、何があろうと、何処へ行こうとアタシはアタシさ」 霧が晴れ、声が途絶えた。 光と闇、空と大地が交錯する場所を目指して、魔女は歩き始める。 己自身の掌に、己自身を握り締めながら。
https://w.atwiki.jp/nouryoku/pages/1387.html
キャラも出来たところで、さっそく本スレに「投下」してみようか。 「投下」というのは、自キャラを本スレに登場させることだよ。 登場の際に書くレスを、「投下文」(なりチャでは、登場ロール)と言うよ。 じゃあ、どんな風に投下文を書けばいいか、例文を提示してから、説明しよう。 【街中】 いい天気ですねぇ 今日が週末だったら、絶好のバードウォッチング日和だったんですが…… 【片眼鏡をかけた優男が、買い物袋を片手に歩いていた】 【紅色の長髪を、金のリボンで三つ編みにしている】 【薄緑色のカーディガンをワイシャツの上から羽織り、ダークブラウンのスラックスを履いていた】 まずは、キャラを登場させる『場所』を書こう。 よく人がいるのは、「街中」「公園」「路地裏」、次点で「森」が多いかな。 場所の特徴は、やる夫スレに分かりやすい解説があるので、そこを参照してほしい。 人によっては、場所を省いて投下文を書くこともあるけど、初めのうちは、場所を書いといた方がいいだろうね。 ちなみに、時間帯は書く必要は無いよ。 現実世界と、能力者世界の時間の概念は、同じみたいだから、昼に投下すれば昼、夜に投下すれば夜、って感じ。 分かりやすいね。 次に、キャラの『台詞』を書こう。 独り言をいいながら行動するのって、変に感じるかもしれないけど、 そのキャラがどんな人物かを表すにあたって、台詞はとても便利なものなんだ。 平和的な性格なのか、好戦的な性格なのか。 温厚な人物か、そうでない人物か。 ちょっとでもそれが分かると、他の参加者も、絡みに行きやすいんだよ。 台詞は、必要不可欠というわけではなく、無言で登場させることも可能だからね。 でも、最初のうちは、台詞があった方が自分も相手もやりやすいと思うな。 それから、キャラの『容姿』。 容姿の描写は、細かすぎず少なすぎずがベストかな。 どんな外見なのか的確に描写すると、相手がイメージしやすいよ。 容姿で書くべき情報は、 「性別」、「服装」、「髪の色や髪型」、「瞳の色」、「武器や所持品」、その他。 この辺を押さえておくといいね。 あと、「武器や所持品」の描写は、意外と大切だから、省かないようにね。 武器や持ち物を見れば、絡みが戦闘に発展する場合を想定して、相手の戦術を推察することができる。 小型のナイフ等の暗器ように、隠し持ったりできる武器はともかく、 日本刀や槍など、目に見えて判断できる装備は、はっきり書いておこう。 いざ戦闘って時に、何もないところから大型の武器が出てきたら、相手もびっくりするからね。 いや、そういう能力っていうのなら、それでもいいかもしれないけど。 そして、キャラの『行動』。 キャラの人となりを描写するにあたって、ある意味、台詞よりも雄弁かもしれないね。 とはいえ、あまり突飛なことをさせなくても大丈夫。 ただ歩いているだけでもいいし、ベンチに座ってるだけでもいい。 自己鍛練や修業の情景、あるいは自分の能力を使用している場面を描写してみたら、 模擬戦や能力の話題に、ロールを発展させやすいかもね。 だいたい分かったかな。 投下文には最低でも、『場所』『台詞』『容姿』『行動』を書くといいよ。 あと、時間帯によるけど、キャラを投下しても、すぐにレスがつくわけじゃないから、しばらく待ってみよう。 なかなか絡まれなかったら、30分~1時間の間隔で再投下したり、 自分から絡みに行く側に回るのも手だね。 これはほんの些細なアドバイスなんだけど、投下文を考える時は、 「思わず絡みに行きたくなるような場面」を想像するといいかもしれないね。 とはいえ、目立った格好や派手な行動をしろって言ってるわけじゃないよ。 台詞や行動をちょっと工夫するだけでも、それはできる。 「あの場に混じってみたいな」と思わせる描写や、表現を自分なりに考えるんだ。 そのためにも、いろんな人の投下文や絡みを読んでみて、勉強することをお勧めするよ。 ←ステップ4へ ガイダンスのページへ ステップ6へ→ .
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/56938.html
登録日:2024/08/31 Sat 07 48 56 更新日:2024/09/04 Wed 15 16 49NEW! 所要時間:約 ? 分で読めます ▽タグ一覧 8月31日のロングサマー エンドレスエイト モーニング ループ 伊藤一角 漫画 該当日に建てられた項目 講談社 週刊モーニングで連載されている漫画。 作者は伊藤一角。 高校生の鈴木くんと高木さんは8月31日をループしている。 記憶を持ち越せるのは二人だけで、後は全てがリセットされてしまう。 タイムループの原因が「夏にやり残した未練」だと考えた鈴木くんは高木さんと仲良くなろうとするが、恋愛経験のない鈴木くんの言動はズレていてなかなか進展しない。 それでも、真摯に向き合い続けて少しずつ先に進んでいく。 【登場人物】 ・鈴木鷹也 8月31日をくり返している高校生。あだ名は「ホーク」。男子校に通っている。 ループの原因がこの夏に立てた「彼女を作って童貞を捨てる」という目標を達成できなかった未練だと考え、同じように8月31日をループしている高木さんと恋人になろうとしている。 高木さんに対する気持ちは決してループから脱出するためだけという訳ではなく、本気で真摯に向き合っている。 学校は進学校で頭はよく、東大を志望するほどで一見優男だが実は柔道で県3位と文武両道。 背も高く顔もイケメンで、身を挺して他人を庇うなど人間もできている。 プロも認めるほどのギターの腕があったりバイクの運転が得意だったりと、普通にモテそうなのだが、恋愛に関しては全てがズレまくっていて何もかも台無しになっている。 例えば、高木さんと出会う前に女性と仲良くなるためにしていた事は、「街中で見かけた女性に近づき、黙って日傘をさして歩く」という怖すぎるものだった。 当然というかお約束というか、ファッションセンスも壊滅的。(*1) しかし、拒絶されたりすれ違ったりしながらも少しずつ距離を縮めて行っている。 ・高木佳夏 鈴木くんと同じく8月31日をループしている高校生。処女ではない。 何故か8月31日をループしており、同じくループしている鈴木くんと行動を共にしている。 ちなみに、二人が知り合ったのはループしているはずのテレビ中継に、毎回違う服装で映り込んでいる鈴木くんを見つけたから。 鈴木くんのキモい言動を目の当たりにしても完全には拒絶しない優しい人物だが、簡単に家に入れたり男性への距離感がおかしく、友人から釘を刺されている。 鈴木くんのキモ言動には引きながらも、経験がない故の正直かつ真っ直ぐすぎるアプローチには意外とまんざらでもない。 特に、周囲に言えていなかった実は美大志望という話を肯定や否定をせずに聞いてくれたあたりから、意識するようになっている。 しかし、ファッションセンスだけは認められない様子。 ・赤羽根くん 鈴木くんの同級生。 リーゼントヘアーの一見ヤンキーのような人物だが、ただリーゼントが好きなだけで実際はかなりいい人。 何故か学校の渡り廊下に1.5リットルサイズのコーラを持って佇んでいる。 鈴木くんが何らかのステップアップが必要と感じた時に訪ね、相談している。 鈴木くんの相談には、初めてのデートの場所を提案したり、無自覚にしていた「おうちデート」について「おうちデート1回で普通のデート10回分くらいだからキングスライムみたいなもんだ」と分かりやすく説明したりと真面目に答えている。 しかし、どうやら実際に女性と付き合った事があるのではなく、その知識は全て恋愛ゲームによるもののようだ。 登場はだいたい単行本一巻に一回程度でそんなに多くないのだが、やたら人気があるらしい。 【その他】 作者の伊藤一角氏は中高一貫の男子校出身で、大学で初めて彼女ができたりした時の衝撃が作品の根っこになっているかもしれないと語っている。 同じサイズのコマを連続で配置し、少しずつ台詞などを変えていく演出が特徴だが、これは映画でいう長回しのシーンの手法である。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] これまんまエンドレスエイトじゃ? -- 名無しさん (2024-08-31 10 28 43) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5432.html
379: 名無しさん :2018/10/31(水) 22 35 28 HOST p413239-ipbf305imazuka.yamagata.ocn.ne.jp 【ネタ】OGクロス・特地派遣軍設定 組織設定 第零特殊作戦群 表向きは別の名前を付けられ、隠されている大洋軍の対オカルト部隊。 宮内庁(皇室)直属の組織であるヤタガラスと違い、政府直属の対オカルト部隊である。 ヤタガラスよりは人員の質が劣る代わりに規模が大きい(群と呼称しているが師団規模)。基本的にはヤタガラスよりも低い脅威の事件を処理する。 優秀とみなされた隊員は、ヤタガラスに出向という形で一時所属することもある。 キャラクター設定 ヒデオ・フツノ 身長:176cm 体重:68kg 性別:男 年齢:22歳 階級:大尉 特地派遣軍に編入された第零特殊作戦群選抜隊の一員。 転生者で真・女神転生でNルートをクリアした主人公――つまり、ザ・ヒーローの魂が宿っている。 前世と同じく母子家庭で育った。前世の記憶が早くから戻ったため、母を守るために己を鍛え、中学になってから悪魔召喚プログラムを探していた。その行動で夢幻会の情報網に引っかかり、そのまま加入。自分の生きた世界が、ゲームになっている世界もあることに驚いていた。 中学卒業後は幼年士官学に進み、そのまま選抜試験を受けて第零特殊作戦群に入る。 一応、人型機動兵器の扱いは学んでいるが、実戦で使用したことは今までない。その代わり生身での戦いの経験は転生後だけでも豊富で、たまにヤタガラスに出向するレベルである。 指揮する部隊は副官として同じく転生したヒロイン(中尉)と、10名の伍長以上の下士官。編成はグリーンベレーのAチームを真似たもの。 使用できるスキルは士気高揚、チャージ、貫通、霞駆け、三日月斬り、一刀一閃、勝利の雄叫び、不屈の闘志と真女神転生ⅣFINALのDLCより高性能になっている。 名前は漢字で書くと蓬野英雄。 真女神転生世界を生き抜いた記憶のせいか、日企連世界の前世の転生者並みに生死観がドライな部分があるが基本的には善良な若者である。この性格と比較的細身で優男風な外見のせいか、よく脳筋連中にナメられる。 隠れた特技に中学生レベルの技量だがヴァイオリン演奏がある。(学んだ理由のヒント:魔人デービット) ケイ・タイラ 身長:180cm 体重:70kg 性別:男 年齢22歳 階級:少尉(臨時) 特地派遣部隊所属の傭兵。 白人系日本人であり、転生者。 白い肌にプラチナブロンドと碧の瞳、そして名前のせいで欧米人と間違えられる。男色家に色目を使われるほどの美男子。現在は名門の次期党首と愛人との間に三男として生まれた。(連合の法では一応一夫多妻は認められていたが、母親の生まれが悪かったため妾という形になった) 兄二人とは仲がいいものの、本妻である義理の母親とは虐待等はなかったが隔たりがあり(彼自身は妾とその子供をいびったりしないだけ立派だと思っている。父親は論外)、大学の予備役将校訓練課程卒業と同時に傭兵――カラードになった。 カラードとしての名はノーザン・ハンターで、ACネームはクリティカルヒット。 セッティングは虎鶫に近いが、多少接近戦もできるようにしてある。 新人でありランクは低く、危険性が低いと思われた特地で経験を積ませようという上の思惑で送り込まれた。銃の腕は魔人と称されるほどで、7.62mmの狙撃銃で1マイル先のマンターゲットにスマイルマークを描けるレベルである。しかし立ち回りを含めた戦闘力では虎鶫より劣る。 大学時代はバイアスロンの選手であったが、金持ちに対する偏見から監督に徹底的に嫌われて公式戦には出られなかった。 人見知りが激しいが、一度気を許した相手には一気に口数が多くなる。オタクで、特撮とプリキュアシリーズ(特に初代)が好き。「萌えより燃え」と公言しているが、別に萌えを馬鹿にしたりしてはいない。 漢字で名前を書くと平慶。 380: 名無しさん :2018/10/31(水) 22 36 02 HOST p413239-ipbf305imazuka.yamagata.ocn.ne.jp 以上です。 ウィキへの転載は自由です。 ゲートネタを書く人が増えるといいなぁ。
https://w.atwiki.jp/tisnrail/pages/160.html
【クラス】 セイバー 【真名】 痣城双也@BLEACH Spirits Are Forever With You 【ステータス】 筋力:E 耐久:EX 敏捷:EX 魔力:A 幸運:D 宝具:A+ 【属性】 秩序・中庸 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 騎乗:D 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。 【保有スキル】 鬼道:A+ 死神が自らの霊力と霊圧を用いて行使する術。 相手を直接攻撃する『破道』と防御・束縛・伝達などを行う『縛道』に二種類が存在する。 セイバーは高位の術も行使することの出来る技量を持ち、更に後述する宝具との兼ね合いもあって脅威度は非常に高い。 死神:B 広義における死神ではなく、尸魂界(ソウル・ソサエティ)の守護を請け負う存在の名称。 悪霊及びそれに準ずる存在に対する攻撃判定にプラス補正を受ける。 セイバーの場合、自らの行いで投獄されているためランクが落ちている。 『剣八』:- (元はAランク) 護廷十三隊最凶の戦闘集団・十一番隊の隊長を務めた者に与えられる称号。・・・ それが意味するのは“最強”の肩書であり、セイバーは八代目の『剣八』であった。 今や彼はこの名前から解放されている。 単独顕現:E 例外として英霊の座ではない地点から単体で電脳世界に出現したサーヴァント、その証。 とはいえ、単独顕現が持つ“即死耐性”“魅了耐性”を備えている。 【宝具】 『雨露柘榴(うろざくろ)』 ランク:A 種別:対人/対軍/対城宝具 レンジ:1~10000 最大補足:1~10000 セイバーの振るう斬魄刀。通常、斬魄刀には始解と卍解の二つの形態が存在するが、セイバーは例外的に常時の卍解状態にある。 物質と融合し、融合した対象と自らを同化させて支配することが出来る。 霊子レベルの超細密な操作まで可能であり、融合範囲内で起こった事象の全ては常にセイバーによって知覚され、また同範囲内の如何なる空間にも瞬間移動で出現出来るなど万能と言っていい性能を誇る。 平時セイバーは空気と融合しており、これによりほぼ全ての攻撃を素通りさせている。 生物と融合するのも可能だが、拒絶反応による反動が激しく使うセイバーは基本的にこの使用法に頼らない。 更に支配可能な範囲も非常に広大であり、生前には計算上日本の国土に迫るサイズになる都市『瀞霊廷』の全域と融合していた。 前述の通り事実上万能の性能を持つ宝具だが弱点も存在し、一つは卍解の使用中セイバーは世界そのものと融合している為“魂魄が固定され変化しない”。即ち鍛錬や成長で自己を鍛え上げることが完全に不可能である。 実際、セイバーはこの宝具の能力を取り除いて見た場合、単なる見てくれ通りの優男でしかない。 そして霊子そのものを吸収する攻撃には非常に弱く、融合範囲で使用された場合、その攻撃による痛手を魂魄全体に数十倍の規模で受けるという絶大な被害を被る。 また奥の手として、『雨露柘榴』を始解状態にあえて戻すというものがある。 この際、融合した霊子を凝縮することで極めて絶大な攻撃力を取り出すことが可能。 その威力は対城宝具の域にさえ達するが、代償としてその後卍解を一年間使用出来なくなってしまう。 聖杯戦争では魔力さえ賄えれば再度の卍解使用も不可能ではないだろうが、しかし要求される魔力量は令呪三画を費やしてもまるで足りないほど莫大な為、やはり現実的とは言い難い。 【weapon】 『雨露柘榴』 【人物背景】 元・護廷十三隊十一番隊隊長。八代目『剣八』。 本名を痣城双也と云う。 誰よりも死神の使命に忠実で、それ故に道を踏み外してしまった合理の男。 本来、痣城剣八は現在も尸魂界の牢獄『無間』に収監されている。 しかし“黒い羽”と云うイレギュラーに触れたことで、例外的な単独顕現を果たして花邑ひなこのサーヴァントとなった。 その為彼の旅はまだ終わっていない。彼は今も、今まで捨ててきたものを拾い直す旅路の途中にある。 【サーヴァントとしての願い】 願望器に代行して貰うような願いはない。 ただ、この戦いが少しでも己の何かを埋めることを望む。
https://w.atwiki.jp/booklove/pages/130.html
初出:第169話 家族構成 妻:ユリアーネ (第一夫人) 息子:第一夫人との間の子(*1) 娘:第一夫人との間の子(*2) 愛妾:フリーダ(*3) 父:故人 母:故人 弟:ダームエル 容姿 髪の色:茶色 000000000 瞳の色:灰色 000000000 茶色の髪に灰色の瞳。ダームエルより濃い色。 誠実でおっとりとした雰囲気の優男。 ダームエルに顔立ちがよく似ている。 地位 階級:下級貴族 職種:文官 年齢関連 マインとの年齢差:+13(春)(*4) ローゼマインとの学年差:+13or14(誕生季による) 作中での活躍 ベルネット家現当主。ダームエルの兄で、弟思い。 フルネームは「ヘンリック・ベルネット」と推測される。(*5) 文官だが、貴族院時代、フェルディナンドがディッターの作戦をゲヴィンネンを使って説明したので兵法も理解しており、ダームエルに教えた。(*6) 結婚してすぐの頃に母を亡くしている。母親の具合が良くないためユリアーネとの結婚を急いだという経緯がある。(*7) 父が存命していた17歳の時にフリーダと契約し(*8)、フリーダの成人後愛妾として貴族街に受け入れる予定。 正妻と子供がいる為、妻として数えられない愛妾という立場は無用な軋轢を躱す為のものである。 18歳で父を亡くし(*9)、若い身の上で当主になる。基本的に真面目で温厚な一族のため、お金に苦労しているが、後ろめたいことや平民から無理やり搾取するようなことをしない。 経済的にはフリーダの家に頼っている状態。 ローゼマインと面会したときは、誼を結ぶようなことはせずに、トロンベ討伐でのダームエルの失態を詫びて、ダームエルが護衛騎士に取り立てられたことを感謝した。 魔力圧縮法に関しては子供を優先するため、辞退している。(*10) 成人が近くなったフリーダに婚約魔石のネックレスを贈っている。(*11)これはイタリアンレストランで注目されているフリーダが貴族からも尊重されているように下町の者からは見えた方がいいだろうと配慮した結果である。(*12) 経歴 05年春頃 フリーダと契約する。(*13) 06年頃 父親の死去に伴い、当主を継ぐ。(*14) 07年秋 オトマール商会にダームエルの罰金を借金する。 12年春 印刷業や製紙業に関わる文官となる。(貴族街からは3名選出)(*15) 15年春 成人したフリーダを貴族街に迎える。 作者コメント 【2022年 03月20日 Twitter】 フリーダに魔石を贈ったのはヘンリックです。イタリアンレストランで注目されているので、フリーダが貴族からも尊重されているように下町の者からは見えた方が良いだろうと配慮されました。 【2022年 11月22日 Twitter】 >ヘンリックとフリーダは良い夫婦になるのか 期待通りにならないことに申し訳ない気持ちでいっぱいですが、第一部Ⅲで書いた通りフリーダは愛妾契約なので夫婦にはなれません。 ただお金があり、ローゼマインと共同で権利を有するレストランの関係もあるので、ヘンリック達から粗雑に扱われることはありません。その点はご安心ください。 コメント このコメント欄はwikiの情報充実のために設けた物です。 編集が苦手な方は以下のコメントフォームへ書き込んで頂ければ有志でページに取り込みます。 表示される親コメントには限りがあるので、返信の際は返信したいコメント横のチェックを付けて返信するようご協力お願いします。 春生まれだとしたら、マイン7春(=ロゼマ6歳)で20歳だからロゼマとの学年は+14。 - 2017-06-26 01 26 55 夏〜冬生まれだとしたら、マイン7(=ロゼマ6歳)で21になるのでロゼマとの学年差は+15では? - 2017-06-26 01 28 09 169話でフリーダ8歳時(春)で20歳とあるのでフェルの1歳下のはず。ロゼマとそんなに歳の差ないよ (2020-08-02 18 07 15) このコメント欄はwikiの情報充実のために設けた物です。 (目的外のコメントは予告なく削除される場合がありますのでご了承ください) 作品内容に関する疑問や質問は「Q&A」へ 作品への感想やキャラへの所感などは当wikiのコメント欄ではなく公式に直接か現行スレへ、二次創作は個人の場でお願いします