約 1,890 件
https://w.atwiki.jp/bokuranosaiyuuki/pages/26.html
図鑑 名称 カナ 属性 レア度 最大LV 必要術力 初期能力 最大能力 ボーナス 最大能力+ボーナス 単位能力ボーナス無 単位能力ボーナス込 売却価格 進化 備考 攻 防 攻 防 攻 防 攻 防 攻 防 攻 防 進化LV 進化pt 図鑑 キャラ 51 孫行者(火) ソンゴクウ 火 A 30 5 120 100 2900 2100 1320 1320 4220 3420 580 420 844 684 800 - - - - 52 天蓬元帥(火) テンホウゲンスイ 火 A 30 4 890 730 2440 1980 1320 1320 3760 3300 610 495 940 825 640 - - - - 53 捲廉大将(火) ケンレンタイショウ 火 A 30 2 330 500 1180 1780 660 660 1840 2440 590 890 920 1220 320 - - - - 54 龍馬三太子(火) リョウマサンタイシ 火 A 30 1 200 210 770 820 600 600 1370 1420 770 820 1370 1420 160 - - - - 55 南海大龍王 ナンカイダイリュウオウ 火 A 30 6 1450 1590 2820 3180 1320 1320 4140 4500 470 530 690 750 960 - - - - 56 摩昴 マコウ 火 A 30 8 2050 1550 4100 3100 1760 1760 5860 4860 513 388 733 608 1280 - - - - 57 四値功曹 シチソウソウ 火 A 30 10 2570 1940 5720 3330 3300 3300 9020 6630 572 333 902 663 1600 - - - - 58 五嶽四徳 ゴガクヨントク 火 A 30 12 2060 2740 3950 6390 2640 2640 6590 9030 329 533 549 753 1920 - - - - 59 文曲星官 ブンキョクセイカン 火 A 30 8 1350 1800 3360 4320 2640 2640 6000 6960 420 540 750 870 1280 - - - - 60 鍾馗 ショウキ 火 A 30 10 1660 1470 4510 4000 3300 3300 7810 7300 451 400 781 730 1600 - - - - 61 順風耳 ジュンプウジ 火 A 30 7 1490 1330 4530 4020 1750 1750 6280 5770 647 574 897 824 1120 - - - - 62 牛頭仙 ゴズセン 火 A 30 5 1650 1270 3000 2800 1250 1250 4250 4050 600 560 850 810 800 - - - - 63 火徳星君 カトクセイクン 火 A 30 7 1040 920 4080 3290 1750 1750 5830 5040 583 470 833 720 1120 - - - - 64 伏虎 フッコ 火 A 30 7 1360 1520 3300 3700 1820 1820 5120 5520 471 529 731 789 1120 - - - - 65 九曜月 クヨウゲツ 火 A 30 12 1900 1600 6500 4800 2640 2640 9140 7440 542 400 762 620 1920 - - - - 66 壊水 カイスイ 火 A 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 - - - -
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5355.html
本ページは、本Wiki企画にて2009年7月7日~よりニュース速報(VIP)内、涼宮ハルヒSS関連スレッドにて募集されたSSを公開するページです。 関連リンク ニュース速報(VIP)@2ch http //yutori.2ch.net/news4vip/ 涼宮ハルヒのSS in VIP雑談所 http //yy42.60.kg/haruhizatudan/ 涼宮ハルヒのSS in VIP雑談所(携帯) http //same.ula.cc/test/p.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/ 涼宮ハルヒのSS in VIP-支援サイト http //vipharuhi.me.land.to/ SS企画『七夕~夏』投下スレ・短編用 http //yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1246908957/ SS企画『七夕~夏』投下スレ・長編用 http //yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1246909029/ SS企画第5弾 作者別コメントページ http //yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1246908843/ 感想スレPart2 http //yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1230647516/ 人気投票はこちらで! 長編投票所 http //vote3.ziyu.net/html/kikaku5.html 短編投票所 http //vote3.ziyu.net/html/kikaku6.html 無制限コメントページ http //vote3.ziyu.net/html/kikaku7.html 投票期間は延長されて、7月23日(水曜日)~8月9日(日曜日)になりました! 【企画作品のあらすじはこちら!】 □長編作品のあらすじ一覧 □短編作品のあらすじ一覧 □各作品別のあらすじ トップに戻る 作品リスト 【長編】 ☆七夕プレリュード 作者コメント ・彼女が浴衣に着替えたら Ver.Obbligato ☆七夕の約束 作者コメント ☆後味の悪い話 (グロ・ホラー・鬱展開注意) ☆シナモンティー 作者コメント ☆笹の葉半額サマーバーゲン ☆Starry Sentimental Venus 作者コメント ☆愛しき、七夕の日に 作者コメント ・多元量子世界の夏 作者コメント 気にいったSSがあれば是非投票をお願いします! 投票ページはコチラ 一言コメントはコチラ 【短編】 ☆笹の葉アントラクト ☆七夕の日の女二人 作者コメント ☆餡蜜 作者コメント ☆はなびのよるに 作者コメント ・周防九曜の溜息 ☆ある夏祭りの一幕 ☆向日葵 作者コメント ☆summer FM 作者コメント ☆チェイサー! 作者コメント 気にいったSSがあれば是非投票をお願いします! 投票ページはコチラ 一言コメントはコチラ トップに戻る 画像は「2000ピクセル以上のフリー写真素材集」様よりお借りしました http //sozai-free.com/index.html ただいま企画ページ用画像募集中 画像は自分で描いた物か、著作権フリーの物でお願いします
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2671.html
雑談室へ 雑談室過去ログに戻る 過去ログ36ロック完了。 -- 管理人 (2007-06-13 07 37 03) 2ゲト -- 名無しさん (2007-06-13 07 38 01) 3ゲト 管理人さんいつもありがとうございます -- 名無しさん (2007-06-13 07 46 20) 4ゲト管理人さん乙です -- 名無しさん (2007-06-13 07 48 38) 5げと -- 名無しさん (2007-06-13 07 51 07) 初の6ゲット〜 管理人さん乙です -- 名無しさん (2007-06-13 07 53 18) らっきー7 -- 名無しさん (2007-06-13 07 57 25) 8ゲト 戦場読み耽ってて出遅れた…orz 管理人さん乙です -- 名無しさん (2007-06-13 08 02 24) シャミ「にゃぁぁぁ!」(おい我が輩の飯がワカメってなんだよ?同じ海産物でもワカメは食わないぜ誰だよ用意した奴…) あら、ワカメはお気に召しませんか? シャミ「にゃ…」(あんた誰だ?何早口d…)サラサラ…… -- 名無しさん (2007-06-13 08 47 47) 喜緑「おでんにもワカメを入れたらいいと思います」 朝倉「昆布で充分です」 -- 名無しさん (2007-06-13 09 04 34) 喜緑「カレーにも、ワカメを入れるべきです」 長門「ユニーク」 -- 名無しさん (2007-06-13 09 28 37) 朝倉「それ酢昆布?」 喜緑「酢ワカメです」 -- 名無しさん (2007-06-13 11 09 49) 朝倉「あら?この味噌汁…昆布のダシじゃなくて……」 喜緑「ワカメだしを使ってみたの」 朝倉(………オールわかめ…) -- 名無しさん (2007-06-13 12 07 50) ワカメ、昆布ときたら次あたりひじきも欲しいところだな -- 名無しさん (2007-06-13 12 33 59) 谷口「WAWAWAワカメでダシ取れるのか?」 朝倉「……」 長門「……」 喜緑「……」 谷口「すまん……ごゆっくrサラサラサラ -- 名無しさん (2007-06-13 12 36 29) キョン「谷口ーーーーー 戦場軽くパクッた。すまん」 -- 名無しさん (2007-06-13 12 46 53) 喜緑「(ワカメがダメなら次はめかぶよ…!)」 -- 名無しさん (2007-06-13 14 29 51) 長門「パーソナルネーム『めかぶ』の情報連結を解除する。あなたにワカメ以外の選択肢はない」 -- 名無しさん (2007-06-13 14 34 32) 喜緑「めかぶがだめならもずくよ! -- 名無しさん (2007-06-13 14 40 18) 九曜「――――――貴女に………………もずくは……………………似合わない――――――――――」 -- 名無しさん (2007-06-13 14 44 30) 長門「パーソナルネーム『もずく』の情報連結を解除する。あなたにはワカメがお似合い」 -- 名無しさん (2007-06-13 15 23 36) 喜緑「んんっ……もうっ!」 橘「ひどいのです。台詞取られたのです」 -- 名無しさん (2007-06-13 15 29 42) 鶴屋さん「九曜っち!昆布はあたしの専売特許にょろよ!」 -- 名無しさん (2007-06-13 16 39 38) WAWAWAわかめ〜 -- 名無しさん (2007-06-13 18 55 50) キョンモノローグ 今日の朝飯はワカメの味噌汁にワカメご飯。+αでワカメサラダまで出てきやがった。昼休みに弁当をあけてみると、いつもはありがた~く頂戴している具材たちが皆ワカメ。いったいどういうことだ? -- 名無しさん (2007-06-13 19 12 06) 妹「キョンく~ん。わかめは精神を安定させて心身ともに活性化 してくれるってお母さんがいってたよ~。」 -- 名無しさん (2007-06-13 19 18 53) 長門「そう。それはあなたの夜には必須エネルギー」 -- 名無しさん (2007-06-13 19 35 54) ●「そう、僕とマッガーレするために必要なんですよ。フフフ…」 -- 名無しさん (2007-06-13 20 08 02) キョン「ワカメだけは、ワカメだけは……アッー!」 -- 名無しさん (2007-06-13 20 51 32) 何だこの流れwww -- 名無しさん (2007-06-13 21 20 29) ↑やっとツッコミが入って少し安心したwww -- 名無しさん (2007-06-13 21 23 26) ハルヒニートの荒削りな流れ好きだな 盛り上げるところはちゃんと盛り上げてるし -- 名無しさん (2007-06-13 21 38 36) ↑↑いっその事このまま一スレ使ってしまえ、と考えていたw ところでハルヒニートって略せてないじゃん、と思うのだがどうよ? 個人的にはハニートを推挙する。 -- 名無しさん (2007-06-13 21 41 33) 確かに「が」しか略してない -- 名無しさん (2007-06-13 21 52 40) ハルヒート?ハルニート?ハルート?ハヒート?ハート?ハ? -- 名無しさん (2007-06-13 22 05 33) もういっそハート様で。 -- 名無しさん (2007-06-13 22 11 24) ちょwwwハルヒはあんなに脂肪ついてねーよwww胸部のみでも足りnひでぶ!! -- 名無しさん (2007-06-13 22 28 31) ↑↑↑いっそ、ハルノートで……って関係なくなった。 -- 名無しさん (2007-06-13 22 31 34) ハニーってのは? -- 名無しさん (2007-06-13 22 33 18) まあ確かに最終的にはそうなるわけだがw -- 名無しさん (2007-06-13 22 48 49) ハニーならハニでもいい -- 名無しさん (2007-06-13 23 24 44) そもそも略す必要が無い件について -- 名無しさん (2007-06-13 23 30 35) そんなに略して言いたいかwww個人的にハート様wwwブヒヒヒヒ.....ワーカーメー!!(ひーでーぶー!!) -- 名無しさん (2007-06-14 00 25 00) 最近朝倉分がたりない -- 名無しさん (2007-06-14 01 19 41) そのハニーだかハート様だかを読んだわけだが… ハルヒって将来まともに働けるんだろうか… -- 名無しさん (2007-06-14 01 31 05) どこのどいつだ。オーパーツ×ガメラ×谷口にググれを付け足した奴は。 おかげで一話が出来上がらなくてまったく他の作品が進められないじゃないか。 そういや他にも何かキーワードあった気がするが覚えてない -- 名無しさん (2007-06-14 02 02 21) ↑↑↑ わかった。ちと待ってて -- 名無しさん (2007-06-14 02 02 58) ハルヒ+ニート コレは予想外だった -- 名無しさん (2007-06-14 02 04 16) あり得なくはない展開だし うん ありそうでなかったからついつい読んでたらもうこんな時間…俺バカかな?かな? -- 名無しさん (2007-06-14 02 16 47) 今日のインターネッツは俺が多いな -- 名無しさん (2007-06-14 02 42 18) ↑ よう俺 -- 名無しさん (2007-06-14 03 58 51) なあ、ちょっと気になったんだが 九曜捕捉してる人ってもしかして赤い糸の話書いた人? 流れ読まずにスマソ -- 名無しさん (2007-06-14 04 49 49) うん?九曜の催促って多分俺の事だと思うけど……ハルヒはまだ書いた事ないからなぁ。 俺以外にも催促してる人がいれば別だが。 -- 名無しさん (2007-06-14 05 30 21) ↑だ。↑↑は催促じゃなくて捕捉か。スマン、勘違いだ。ちょっくら島流ししてくるorz -- 名無しさん (2007-06-14 06 06 47) 逝くなら佐渡がメジャーだぞ -- 名無しさん (2007-06-14 06 16 09) 島流しの定番といえば隠岐だな。 -- 名無しさん (2007-06-14 06 37 01) 「ハルヒ」と書いて「ニート」と読むきん -- 名無しさん (2007-06-14 06 38 45) 燦ちゃん乙 -- 名無しさん (2007-06-14 06 58 29) 古泉とかいて●とよ………アッー! -- 名無しさん (2007-06-14 07 03 31) ごめん。●ってどういう読み?口頭がわからん -- 名無しさん (2007-06-14 07 07 28) 古泉=赤い球体=● じゃなかったか? -- 名無しさん (2007-06-14 07 11 34) 長門と書いて長門と読む -- 名無しさん (2007-06-14 07 46 41) 長門と書いてメタルグレイモン、朝倉と書いてグレイモン、喜び緑と書いてモンザエモン、九曜と書いてガルーダモン -- 名無しさん (2007-06-14 08 10 25) もしくは九曜と書いてエンジェウーモン -- 名無しさん (2007-06-14 08 10 51) ガルーダモンじゃなくてガルダモンじゃ?という疑問は置いといて。 阪中と書いてテイルモンとy(ry -- 名無しさん (2007-06-14 08 23 01) ↑↑↑↑↑ ●=赤い球体ってことだったのか! 俺ァてっきりアナル狙いだから●なのかと… ちょっと隠岐まで逝ってきますorz -- 名無しさん (2007-06-14 09 10 28) そう考えると●は色々考えられたイイ男! -- 名無しさん (2007-06-14 09 25 38) ●と書いてレイザーラモン。 -- 名無しさん (2007-06-14 09 27 04) アナル狙いなら*じゃね? -- 名無しさん (2007-06-14 09 50 14) (*) アナル狙いならこうかなぁ… -- 名無しさん (2007-06-14 10 29 20) ↑狙いってかアナルそのものじゃないかwww -- 名無しさん (2007-06-14 14 51 35) あれ?ここはいつからアナル雑談になってるのwww -- 名無しさん (2007-06-14 16 05 35) すまん。俺が●の読みについて聞いてしまったばかりに… ちょっとアメリカ逝ってくる -- 名無しさん (2007-06-14 16 20 22) ♪出会いは*の中〜恋に落ちたアッーの日から〜 -- 名無しさん (2007-06-14 16 33 16) ホモ泉が歌ってそうだな -- 名無しさん (2007-06-14 17 34 00) ♪気付かぬうちに心は〜アナルを求めてた〜 -- 名無しさん (2007-06-14 18 02 12) はーてしなーい闇のむーこうにーアーッ!アーッ! -- 名無しさん (2007-06-14 19 01 16) ……またこの流れか -- 名無しさん (2007-06-14 19 04 42) 楽しめるからこんな雑談も良いかもしれんwww ………嫌な人は受け付けないだろうけどさ……アッー! -- 名無しさん (2007-06-14 19 46 42) ワカメが懐かしい… -- 名無しさん (2007-06-14 20 24 14) 何もかもみな懐かしい……と言う事でw -- 名無しさん (2007-06-14 20 29 17) おき太くんなら毎朝会えますよ(関西限定) -- 名無しさん (2007-06-14 20 52 43) 懐かしいと言えば、毎日のように複数SSが投下されていた頃が懐かしいorz -- 名無しさん (2007-06-14 20 53 21) ↑言うな…orz きっと燃料さえあれば… -- 名無しさん (2007-06-14 20 58 39) 分裂は微妙なとこで終わったからな… きっとみんな様子を見てるんだろ -- 名無しさん (2007-06-14 21 01 49) γの続きが読みたいな -- 名無しさん (2007-06-14 21 21 31) まぁ来月末くらいになればまた賑わうんじゃね? -- 名無しさん (2007-06-14 21 34 15) 来月末?なんか燃料になりそうなのあったっけ? -- 名無しさん (2007-06-14 21 37 37) 夏休みだろ -- 名無しさん (2007-06-14 21 47 54) 七夕には凄いことに! なるかな?かな? -- 名無しさん (2007-06-14 21 52 14) 父の日は?父の日は? 夏祭りももうすぐだ。 -- 名無しさん (2007-06-14 22 52 47) パパの日は?パパの日は? レナパパって帝王だよな?同人会の -- 名無しさん (2007-06-14 22 55 19) ↑同人会× 同人界 -- 名無しさん (2007-06-14 22 55 57) 関係ないがベタの語源ってベターじゃないのか? ハルヒニート読んでで思ったんだが… -- 名無しさん (2007-06-14 23 54 12) 来月のスニーカー新刊にもハルヒないのなorzしばらくは他のラノベで我慢しよう……。俺主観だけど、ハルヒっぽいヒロインがいるシリーズもあるし。 -- 名無しさん (2007-06-15 00 21 28) ↑俺も読みたい。kwsk -- 名無しさん (2007-06-15 00 57 13) そういやなんかのブログ本で、彼女が腐女子ってのがあったが、その彼女の振る舞いはハルヒっぽかった。あと彼氏の振り回され方はキョンっぽかった -- 名無しさん (2007-06-15 01 24 17) ↑↑↑↑合ってる。左官用語の「ベタ塗り」が語源と言われている。少なくとも英語ではない。 -- 名無しさん (2007-06-15 01 56 40) ↑ありがとう これでひとつ賢くなれた -- 名無しさん (2007-06-15 02 24 13) ↑↑↑彼女が腐女子って…性格次第だよな… -- 名無しさん (2007-06-15 06 12 04) 彼女がハルヒなら腐女子でもなんでもおk -- 名無しさん (2007-06-15 06 25 46) >γの続きが読みたいな 続きを書くかどうかは、「驚愕」の内容次第。書くとすれば、「涼宮ハルヒの驚愕」γ(ガンマ)ってことになるんだろうけど。 原作の場面のどこを流用して、どこを改変して、どこを独自にするかは、原作を読まないと決められないからね。 発売延期が決定して以降、音沙汰ないけど、いつ発売になるんだろ。 -- 作者 (2007-06-15 06 32 14) 今年中には…ごめん。逝ってくる -- 名無しさん (2007-06-15 06 51 10) ↑↑↑↑振る舞いはもう傍若無人だった。彼氏の家をBL本置き場にしたり、エロゲーのお届け先にしたり。 -- 名無しさん (2007-06-15 08 11 32) ↑×9ハルヒっぽいというのは重ねて書くが俺主観だから、ちげーじゃねーかボケ!と言われても責任とれんぞwwwその作品は、MF文庫『えむえむっ!』というものだ。ハルヒと比べて口調がきついというか下品というかまあそんな感じだが、というかSなんだが、ハルヒがはっちゃけたらこんな感じなんだろな、と俺は思った。主人公がドMなんでSなのは相対的なもんなんだが。 -- 名無しさん (2007-06-15 08 39 07) キミがハルヒを勘違いしているってのはよぉく分かったよ。このブタヤロウ。 -- 名無しさん (2007-06-15 12 08 07) >2007-06-15 06 32 14 なるほど。それにしてもいつ出るんだろうね -- 名無しさん (2007-06-15 12 52 48) 発売日いつでもいいからせめて告知してほしい。 -- 名無しさん (2007-06-15 13 05 31) 下手に告知してまた『ごめんね!』がきたら発狂するから しっかり確定してからでいいや -- 名無しさん (2007-06-15 13 50 34) 何の告知もなく気がついたら店頭に並んでいたりして -- 名無しさん (2007-06-15 14 48 03) 驚愕出るまでココの小説読み腐ってやる! -- ハルヒのアナル (2007-06-15 15 13 15) 本屋にて「お、新刊が出てるのか…はッ!?」なんてなw まさに驚愕だ。 -- 名無しさん (2007-06-15 15 15 09) コミケまでには出るだろうな。勝手な憶測だが -- 名無しさん (2007-06-15 15 18 58) むしろ角川の企業ブースで先行発売したりして -- 名無しさん (2007-06-15 16 46 14) 俺、就職先角川にするよ。まだ5年先だが -- 名無しさん (2007-06-15 16 53 45) 出来上がって出版のスケジュールも決まってからじゃないと発売日出せないだろうなぁもう。 -- 名無しさん (2007-06-15 17 02 48) 他作品の平野の声を聞くとハルヒに脳が変換する…末期か? -- 名無しさん (2007-06-15 17 10 09) こなたとハルヒが一緒とはどうしても思えないんだよな…… -- 名無しさん (2007-06-15 17 13 22) みくると楓が同じ声に聞こえすぎていつヤンデレ化するかガクブルしてます -- 名無しさん (2007-06-15 17 16 51) この時間帯書き込み多いなぁ。 -- 名無しさん (2007-06-15 17 21 56) ハナ金のアフター5だからじゃね? あ、世代が… -- 名無しさん (2007-06-15 17 30 50) 学校帰りの学生達さ… -- 名無しさん (2007-06-15 17 55 16) 学生街の喫茶店? -- 名無しさん (2007-06-15 18 16 49) 胸騒ぎのAfter School! -- 名無しさん (2007-06-15 18 30 55) 夢だな。支離滅裂だ。ありえねえ -- 名無しさん (2007-06-15 18 33 38) 放課後っていったら谷口だろ -- 名無しさん (2007-06-15 18 39 56) WAWAWA忘れ物~ -- 名無しさん (2007-06-15 18 49 55) 携帯で見ると最近更新された小説はみんな改行が めちゃくちゃになってるんだが・・・。これは仕様? -- 名無しさん (2007-06-15 20 20 59) コピー貼り付け の手順でやると改行がおかしくなるときがある -- 名無しさん (2007-06-15 20 24 30) ファイルシーク使えよ。 -- 名無しさん (2007-06-15 20 42 54) ↑その手を忘れてた。流れきってスマン -- 名無しさん (2007-06-15 21 01 09) WAWAWA忘れ物~…ごゆっくり! -- 名無しさん (2007-06-15 22 31 02) もう本編では朝倉さんは出ないんだな〜と思う今日この頃…… -- 名無しさん (2007-06-16 00 23 38) 谷口でればそれでいいや -- 名無しさん (2007-06-16 00 56 54) 朝倉・・・どうなんだろうねぇ 青鬼説ってもうあり得ない裏づけって出たっけ? -- 名無しさん (2007-06-16 01 07 21) あり得ない裏づけも無ければ、あり得る裏づけもない。それがこのシリーズの面白いところでもあるね。 -- 名無しさん (2007-06-16 01 19 07) お前にはナイフとおでんしかないのか!組み合わせがシュールすぎてピンとこない。 -- 名無しさん (2007-06-16 01 56 18) だけど俺は朝倉さんの青鬼説を信じたい… -- 名無しさん (2007-06-16 02 12 12) 朝倉「死んで♪」 -- 名無しさん (2007-06-16 07 48 16) もし朝倉を出そうとすれば…人間として出すとかそんなところだろうな -- 名無しさん (2007-06-16 08 33 43) ・αの電話の声 ・αの謎の後輩 -- 名無しさん (2007-06-16 09 09 41) …ハルヒがキョンのこと好きじゃなかったら話は成り立たないんだよな… -- 名無しさん (2007-06-16 10 53 51) 朝倉出すとか媚売ってるようにしか見えないからやめてほしい。 どんな出し方したってもう消失以上のインパクトはない。 -- 名無しさん (2007-06-16 11 31 53) 個人的に長門と朝倉はガチで対立してる方が面白い。 黒い朝倉とか大好きだ。まあ白くてもいいがこっちはいじられ役の方がいい。 長門と朝倉を姉妹とするなら長門が姉で朝倉が妹だと思う俺は少数派なんだろうなあ。 -- 名無しさん (2007-06-16 11 37 04) 長門VS周防の作者さんってひょっとして長門かバカだったらの人? -- 名無しさん (2007-06-16 14 51 21) ↑長門「が」だったorz。 -- 名無しさん (2007-06-16 14 54 54) ↑よくある -- 名無しさん (2007-06-16 15 09 13) ↑↑↑ちがうよ。最近俺投稿してないし -- 名無しさん (2007-06-16 15 19 37) そろそろ次スレかな?かな? -- 名無しさん (2007-06-16 15 39 36) 作品中の誤字脱字誤変換は直した方が良いのかな? 下手に一度に直すと、更新履歴から新作が埋もれちゃうし…。 -- 名無しさん (2007-06-16 16 04 46) 驚愕が出るまでなら大丈夫だと思う -- 名無しさん (2007-06-16 16 24 54) 驚愕は7/31だぜ -- 驚愕 (2007-06-16 16 27 35) 昔は他人の作品をいじらないが原則だったけど、あからさまな誤字など、気がついたときに少しづつ直していけばいいんじゃね。 -- 名無しさん (2007-06-16 16 42 07) ↑↑本当なのか!? -- 名無しさん (2007-06-16 17 18 38) 誤字脱字の修正 改変の危険性があるから手をつけない方がいいと思う。 作者が直したければ直すだろ。 -- 名無しさん (2007-06-16 18 49 34) ↑×4kwsk! -- 名無しさん (2007-06-16 18 56 55) 自分で調べてみたけどさ…どうも懸賞の日付と間違えたんじゃないかと…いや、希望はあるけどな? -- 名無しさん (2007-06-16 19 27 56) 書籍の発売日ってCDやDVDみたいに何曜日ってはっきり決まっているものなのかな? -- 名無しさん (2007-06-16 20 04 32) 公式ファンサイトとかで告知される -- 名無しさん (2007-06-16 20 18 08) ガセネタは自重しろ…虚しくなるだけだから -- 名無しさん (2007-06-16 20 38 41) コミケまでには出て欲しいな… -- 名無しさん (2007-06-16 21 30 36) だが、出たとしてもそれからコミケまでに驚愕ネタで描けるか、と問われたらNoと答える気が……俺は描く人じゃないから分からんが、そんなに楽な作業じゃないんだろう? -- 名無しさん (2007-06-16 22 07 17) そもそも分裂ネタで書いてる人間も殆どいない。 -- 名無しさん (2007-06-16 22 15 43) コミケでネタにするサークルの有無に関わらず、それくらいまでには正式発売日出してほしい。あと二ヶ月もあるんだし。 -- 名無しさん (2007-06-16 22 23 05) いや、コミケまで燃料が保たない -- 名無しさん (2007-06-16 22 28 23) 関係ないが昨日のVIPの重さは異常だったな… さすがはラピュタと言ったところか -- 名無しさん (2007-06-16 22 33 32) バルス!ワープで~ループな~…ごゆっくり! -- 名無しさん (2007-06-16 22 46 43) 君たちは楽太○の…サラサラサラ -- 名無しさん (2007-06-16 23 17 02) …ワカンネ -- 名無しさん (2007-06-16 23 29 14) ムスカ「三分まってやる」 あーいまい三分♪ -- 名無しさん (2007-06-16 23 58 53) ……バルス。 -- 名無しさん (2007-06-17 00 04 16) ムスカ「答えを聞こう!」 二人「バロスwww」 どうしてもこう聞こえてしまう俺の耳は腐ってるのだろうか… -- 名無しさん (2007-06-17 00 51 20)
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/536.html
―――なぁ佐々木、お前と一緒にその……ま、毎年桜が見たいんだが。 ―――ほぅ、それはキョンなりのプロポーズかい? ―――あ~、まぁ……その、うん。そう思ってもらって構わないぞ。 ―――喜んで受けよう。 ―――って即決かよ!? 少しは悩んだり迷ったりしろよ、一生の事だぞ!? ―――おや? キョンは僕に悩んだり迷って欲しかったのかい? ―――グッ……そ、そんな事ぁ無いが……もうちょっとこう…… ―――くっくっ、キミが思い描いている情景は映画や小説の中だけさ。それにね…… ―――? なんだよ。 ―――愛しい人から待ち望んだ言葉をかけられたんだ。悩む訳ないだろう? ――― ―――ッ! はぁ……やれやれだ。 ―――くくく、それよりも……幸せにしてくれるんだろうね? ―――あぁ、俺の人生かけてお前を幸せにしてやるよ。 ―――そうか、それじゃあよろしく頼むよキョン。 そうして大学3年時に満開の桜の木の下で俺達は永遠を誓い合った。 言葉ほど綺麗な会話じゃなかったけど、まぁ「俺達らしい」って言葉がお似合いなプロポーズだったと思う。 蝉の騒がしい鳴き声で目が覚め、ひどい眠気に襲われながらゆっくりと目を開くと、見慣れた天井が目に入ってくる。 「おや? 起きたのかいキョン」 どこから風が? そんな事を思って身を起こそうとした時に、ふいにベッドの横から声がかかった。 「あぁ、佐々木か……おはよう」 声のする方向に首を向けると佐々木がベッドの横に腰掛けていて、その目は崩した線のように笑っていた彼女は 一瞬だけ目をパチクリとさせると、とても懐かしい―――大切なモノを見る様な目で微笑んだ。 はて? 何か変な事を言っただろうか。 「あぁ、おはようキョン。随分と眠そうだが身体の調子はどうだい?」 あぁ、なんか知らんが猛烈に眠いな。 このまま二度寝しちまいそうなくらい眠いぜ。 夜更かしをした覚えは無いんだがなぁ。 「そうか。いやなに、眠いという事はそれだけ心身ともに疲弊しているという事さ。 睡眠の目的は、心身の休息、記憶の再構成など高次脳機能にも深く関わっているとされ、 下垂体前葉は、2時間から3時間の間隔で成長ホルモンを分泌する。放出間隔は睡眠によって変化しないが、放出量は多くなる。 したがって、子供の成長や創傷治癒、肌の新陳代謝は睡眠時に特に促進され、もっとも必要な物とされている。 ことわざにある『寝る子は育つ』というのもこの辺から来ているのだろうね。 その他、免疫力やストレス物質の除去などがあるが、完全に解明されていない部分も多いんだが……まぁ僕らには関係無いさ」 そんなに動き回った覚えは無いんだがね。昔の不思議探検の方がよっぽどハードな気がするぜ。 それにしても相変わらず無駄に博識だなぁ、お前は。 それにリアリスト過ぎて夢が無い。っとそうだ、夢といえば懐かしい夢を見たな。 「ふぅん、夢か。ちなみにどんな夢だったのか教えてくれないか?」 あ~、……ぶっちゃけお前にプロポーズした時の夢だった。 「おやおや、それはまた随分懐かしい夢だね。ふむ、夢というのは様々な説があるが一般的には見る者の願望が現れるというよ。 それはつまりキョンがもう一度誰かにプロポーズしたいという願望の現われかな?」 よしてくれ、緊張でガチガチになるのも、あんなに恥ずかしい思いをするのもお前に対してだけで十分だし、 お前以外にそんな事をするつもりも無い。 「くっくっ、そうだね、キョンの言う通りだ。僕もキミ以外にプロポーズをされるつもりも受けるつもりも無い。 ふむ、これは俗に言う以心伝心というヤツじゃないか?」 長年お前と過ごしてきたからな。その位の芸当は出来てもなんら疑問に思わんね。 「ああ、違いない。それより長門さんと九曜さんにも目覚めの挨拶が必要なんじゃないかい?」 なに? と佐々木の視線のを追うといつから居たのか長門と九曜が佐々木と反対側の椅子に腰掛けていた。 あ~……すまん、別に無視してたわけじゃないんだが、その……気が付かなかった。 「いい」 「―――別に……気にしない―――」 そうか、助かる。 二人の返事を聞いて安堵する。全然気が付かなかった…… 眠気のせいだろうか、どんなに存在が希薄でも慣れ親しんだ二人の気配をこの距離で感じない訳が無いのだが…… 「しかしお前等はいつまで経っても容姿が変わらんなぁ」 流石に制服は着ていないが身体的な外見はほとんどあの時と変わっていないと思う。 自分に近かった長門の髪に触れ、優しく―――感謝の気持ちを込めて撫で続ける。 長門の少しシャギーかかった髪は見た目とは裏腹に柔らかく、フワフワしていて気持ちが良かった。 「最近は天蓋……いや、周防とも仲良くしてるか?」 「天蓋領域と―――周防九曜という固体と面識を持ってから仲違いをした記録は存在しない。 情報統合思念体と天蓋領域も友好的な関係を築いている。問題無い」 「そうか」 「そう」 なら良いさ。 仲が悪いより良い方が良いに決まってる。 いつぞやの雪山の時の様に長門が苦しむ姿なんぞ見たくもないからな。 「……そう」 この対有機性コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスである長門と知り合ってからかなり経つが長門も長門なりに 感情を外に出すようになって来た―――それでも俺から見れば、だが―――そのせいか 今の長門がどんな感情を抱えているのかも判断が付くが、なんというか『寂しい』って感情なのかね? 何故そんな感情を抱くのか考えようとしても眠気のせいで頭が回転せずハッキリしない。 そしてもう一人の宇宙人である周防九曜に視線を向ける。 初めて会った時は言い様の無い寒気が襲い、恐怖が俺を支配したが、今では長門と同じように多少なりとも コイツが何を考えているのかその無表情の向こうにある感情を読み取る事が出来る様になった。 今周防が立っている場所だと手が届かないのでどうしようかと思案していると その考えを察してくれたのか、向こうから音も無く近付いて来た。 「すまんな周防」 そう言って長門と同じ様に頭を撫でてついでに手櫛で梳いてやる。 彼女の艶やかな黒髪はサラサラとしていて極上のシルクのような肌触りをしており、手櫛は少しも引っかかる事無く梳けた。 「あなたの―――手は―――とても……暖かい―――」 そうか? 自分ではそんな事解らないし、至って普通だと思うんだがな。 「わかってると思うが長門と喧嘩なんかすんなよ?」 お前等が本気で喧嘩したら、それこそ日本どころか世界が破滅しそうだ。 それは勘弁して欲しい。 「―――あなたが―――それを―――望むなら―――」 「そうか」 如何にもコイツらしい物言いに苦笑する。 長門と同じ様にその無表情な顔から何を考えているのか読み取ろうとするが 周防からも「寂しい」という感情が見え隠れしていた。 長門といい周防といい、なんかあったんだろうか? 「でも自分でやってみたい事、して欲しい事があったら周りに遠慮しないでドンドン言えよ? お前は長門以上に感情のコントロールが巧くないみたいだし下手したら長門の時の二の舞いだ。 自分の気持ちを溜め込んでも言い事なんざ一つもないんだからな」 1ミリ程度の首肯を持ってそれに応じるコイツを見て「やっぱり長門とコイツは似てる」と思い、顔がほころぶ。 「―――あなたの―――笑った……顔は―――とても―――綺麗ね―――」 おいおいやめてくれ、男が綺麗とか言われてもあんまり嬉しくないぞ。 「おいおいキョン。僕の事は放ったらかしかい? キミの女たらしは今に始まった事じゃないが目の前でそうイチャイチャされては僕も堪らないのだが」 底冷えする様な声に慌てて佐々木の方を向くと、拗ねたような顔をする佐々木の顔で俺を睨んでいる。 「女たらしにイチャイチャって……お前なぁ」 「くくく、冗談さ。僕だってキョンとはそれなりに付き合いは長いからね。 キミが意識してそういう事をする訳無いと知ってるし、信じているさ。問題は無意識でそれをする事だ。 そのくせ他人から寄せられる好意には殺人的に鈍いと来てる。これは一種の才能かもしれないね。 よく今まで生きていたモノだ、普通なら誰かに刺されていてもおかしくないよ」 「勘弁してくれ……刺されるって単語は俺の中の思い出したくない記憶ワースト上位を2つも占めてるんだ」 「……いや、冗談だったのだが、まさか本当に刺された事があるのかい?」 あー、一回目は未遂で、二回目は脇腹にブッスリだった。 止めよう、思い出しただけで刺された箇所がチクチクするんだ。 「そうだったのか……いや、悪い事を聞いてしまったな」 俺の名誉為に言っておくが、決して女性関係でそうなったんじゃないぜ?全部ハルヒ関連だからな。 ……いや、一回目はともかく、二回目は女性関係なのか? 寝惚けた頭でそんな事を考えていると猛烈な眠気が襲ってくる。 「キョン? 眠いのかい?」 あぁ、なんか知らんが睡眠不足みたいだ。 すまんが……ちょっと……眠る。 「そうか……そうするといい。勿論夢の中で僕の事を想ってくれるんだろう?」 はは、そうだな。 自分で好きな夢が見れるのなら俺もお前の夢を見たいよ。 例えしわがれた婆さんになってもお前は綺麗だからな。 「うん……その言葉を聞いて安心したよ。ゆっくりと眠るといい」 「あぁ、そうさせてもらうか―――おやすみ佐々木」 「あぁ、おやすみ……キョン。良い夢を」 『おやすみ』それが彼が残した最後の言葉となり、言葉通りそのまま眠るように逝ってしまった。 でも私はそれほど驚かなかった。なぜなら彼の顔は私の両親が亡くなる前とよく似た表情を……眠たそうな顔をしていたから。 葬儀は彼と私の肉親、それと親しい友人だけで簡単に行った。 キョンの妹さんとその友人であるミヨキチと呼ばれた子の泣き顔が印象に残った事を覚えている。 私は……不思議と涙は出なかった。喪主を務め、葬儀に参列してくれた人にお礼を述べる。 最後に目を覚ました時に私の事を旧姓で呼んだのは何か意図があったのだろうか? それとも彼の事だから何も考えずに夢に影響されて呼んだだけかもしれない。 「質問がある」 葬儀も終わり、後片付けも一段落して、そんな事を考えながら休憩を取っていた。 歳のせいか最近やけに身体が疲れやすくなってきた。といつの間にか九曜さんを連れた長門さん傍にいて私に声をかけてきた。 「なにかしら?」 「彼が生命活動を停止する前から私の―――『私達』の中に解析出来ないエラーが連続して発生している。 それは情報統合思念体にも天蓋領域にも解析出来ないエラー……未知のエラーが私達に発生している。 そして同じ波形のエラーがあなたの中にも発生している。だからこのエラーの正体を知っているなら教えて欲しい」 あぁ……そうか。人間なら当たり前に理解出来るこの『感情』が彼女達には理解出来ないのだ。 長年一緒に過ごした為か、彼女達が宇宙人に作られた存在という事をすっかり失念していた。 そう思うと私も彼に毒されていたんだなぁ、と改めて実感して笑いが零れてしまう。 そしてそんな感情を彼女達にもたらした自分の夫に目を向け、やっぱりキョンは女誑しなのかな? という思いも出てきた。 「それはね長門さん……『悲しい』と言う感情なの」 彼の遺影に目を向けたまま、優しく―――諭すように告げる 「今まで存在していて当然と思ったモノが忽然と消えてしまう事に対する戸惑いや悲しみ、虚無感、無力感。 そういった感情を貴女達は今学んでいるのだと思うわ」 「―――よく―――わからない―――」 最初に知り合った頃に比べて九曜さんも彼と会って大分変わったからな、心の整理が付かないのか…… 「うん、今はまだそれで良いと思うの。でもね、時間が経つにつれて、その感情は重く、大きくなってのし掛かってくる」 彼に抱きしめてもらう事はもう出来ない。 彼の笑い声も二度と聞けない。 彼はもう二度と私に話しかけてくれない。 そんな世界に生き続ける意味はあるのだろうか? いっそこんな世界を捨てて彼の居る世界へ旅立ってしまおうか? ……でも私はまだ幸せな方なのかもしれない。何しろあと数年も生きれば彼の元に行けるのだろうが、彼女達は違う。 彼女達には『死』という概念が存在しない。つまりその悲しみを背負ったまま永遠と生き続ける事を意味するのだ。 自分だったらとても耐えられないだろう。 「「ごめん……なさい」」 えっ? と思った。だって彼女達に謝ってもらう理由が思い付かない。 「何故……貴女達が謝るの?」 むしろこれからの事を思えば彼女達の方が辛い筈だ。 「―――わから―――ない……でも―――」 「あの人なら、きっとそう言うと思ったから」 そう言う彼女達の言葉を聞いて 「あぁ、それはとても……とても彼らしいな。」 そう素直に思える自分がいた。 寝ても覚めても彼の事ばかり思い出してしまうのはこの家には彼との思い出が多すぎたせいもあるだろう。 彼がいなくなって初めての春が来る頃には私は次第に衰弱していった。身体ではなく、『心』が。 そしてそれに呼応するように身体も弱っていった。 まさに「病は気から」とはこの事だろう。昔の人はよく言ったものだ。 彼との間に生まれた娘も「一緒に暮らそう」と言ってくれたが、私は今の家を離れるつもりは無かった。 この家にはキョンとの思い出が沢山残っていたし、彼の約束が残ってる私にそこを離れるなんて事は出来なかった。 だから私は一日中睡眠ばかり取っていた。 寝ている間は彼の居ない世界を見なくて済む。それどころか夢の中で彼に会えるのだ。 ただ春に近付くにつれて眠る頻度は減って行き、縁側に腰掛けて庭にある桜の木を見上げる時間が増えた。 ここに元からあった木ではなく「あたしからの結婚祝いっさ~! 喜んでもらえればうれしいにょろよ!」と言って 鶴屋さんが家にある桜の木を一本、勝手に植え替えてしまったのだ。 当然最初は「そんな物をもらう訳にはいかない」と遠慮していたのだが、あれよあれよと言う間に準備は進んで 気が付けば元々そこに生えていたかのようになってしまった。 植物というのは環境や土が変わると枯れてしまったり、駄目になってしまうものも多いのだが 幸いにしてこの桜はそんな事にはならず毎年こうして見事な桜を咲かせてくれている。 「ねぇキョン、毎年と僕と桜を見るって約束だったじゃないか。 僕は桜を見てるのに今キミは傍に居ない、これは一種の契約違反じゃないだろうか」 思わずそんな呟きがもれてしまう。 あぁ、今まで意識しなかっただけで自分はこんなにも彼を想い、惹かれ、愛していたのだと理解する。 なのにそれでも―――それでも涙は出なかった。 元々自分が涙を見せるような人間でないのは判っていたが、彼が亡くなっても涙は出なかった。 何故だろう? 彼がもうこの世界にいないのは理解しているのに…… もしかして私は彼の事を本当は愛してなどいなかったのだろうか? そんなありえない考えまで浮かんで来てしまう。 「佐々木さん」 いきなり自分の旧姓を呼ばれてドキッとした。 今日は誰かが訪ねてくる予定は無いし、備え付けのチャイムが来客を告げる音を聞いた覚えも無い。 仮に訪ねてきたとしても今の私は結婚して彼の姓を名乗っている。間違っても旧姓では呼ばれないはずだ。 一体誰が、何処から? そう思って視線を巡らせると桜の木の下に一人の女性が不安気な様子で立っていた。 「あなたは……朝比奈さん?」 そう、彼女は朝比奈みくるに良く似ていた。 私は高校を卒業するまでの彼女しか知らないが、彼女が成長したらきっとこんな美人になったに違いない。 「あっ嬉しい! 覚えててくれたんですね!」 そう言う彼女には先ほどまでの表情は既に消え、とても嬉しそうだった。 「あの人がよく話してくれたわ。美味しいお茶を入れてくれる未来人の先輩がいる、と」 そうですか。と言って懐かしそうに微笑む彼女は見る者全てを魅了するような可憐な笑顔を浮かべていた。 同性の私から見ても可憐な女性だと素直に思える。 「未来からわざわざお茶の話しをしに来た訳でもないのでしょう?」 「えぇ……佐々木さんは最近寝て過ごしてばかりいるんですか?」 「あら? 未来ではそんな事も判ってしまうの? そうね、寝ている最中は―――夢の中ではあの人と一緒に過ごせるから……」 「そうですか……私は今仰ったように未来から―――ある物をあなたに届ける為にやってきました」 「わたしに?」 さて、わたしにも未来人の知り合いは二人の男女がいたが、男性の方はそんなに協力的とは言えなかったし 勿論彼と朝比奈さん以外に未来人の知り合いはいない。では一体誰が、何の為に? 「全てはコレに入っている映像が答えをくれる筈です」 そう言って彼女はポケットから一個の小さな箱のような物を手渡してきた。 ただその箱は鈍い銀色をしていてどこにも溶接したような後がなく、また蓋も無かった。 「これは一体どうすれば?」 「そのまま持っていてくれればすぐに判ります……それでは三十分ほどしたらまた伺いますね」 えっ? と思い顔を上げるとそこにはもう朝比奈さんの姿は影も形も無かった。 姿を見えないようにしたのか、それとももうこの時間世界から消えてしまったのか知らないが……なるほど 未来の科学技術は大した水準に達している様子だ。 「さて、問題はこのシルバーボックスかな?」 中身は何なのか? どういう使用法なのか? どうやって開けるのか? そもそも中身が入っているのか? 解らない事だらけだ。 そうしてなにか手がかりは無いかと手探りで弄っているとカチッとスイッチが入るような音が聞こえたかと思うと 突然目を開けていられないほどの光が辺りを覆った。 光が収まった時に目の前にいる人物を視界に納めた時、私は自分の目が今の光でおかしくなってしまったのではないかと思った。 ―――だってそれは 「な、なん……で」 ―――私が一番会いたくて 「きょ―――ん?」 ―――もう二度と会えない人だったから そう。目に前には昔の―――結婚してから5年目くらいの―――彼が立っていた。真っ直ぐに此方を見つめている。 「本当に……キョン、なのか?」 そっと手を伸ばすがその手は何も掴む事無く空を切り、彼の身体も通過してしまった……つまりコレは幻の一種なのだろう。 「は、はは……そうだね。キミはもう……この世界には居ないんだもの」 自虐的な笑いが浮かんで、そんな顔を彼に見られたくない。そんな事を思って思わず俯いてしまう。 でも―――それでも、こうしてキミを見る事が出来て嬉しい。そう思える自分も確かに居たのだ。 『えっ!? これもう始まってるんですか!?』 いきなり彼が驚いたような声を上げたので、顔を上げてそちらを見てしまう。 そこには少し困ったような顔をした彼がいた。 『あー、えっとだな……佐々木、見えてるか?』 ―――あぁ……見えてるよ、キョン。 『あまり想像したくないが、これをお前が見てるって事はおそらく俺はお前より先に死んじまったって事だと思う。 お前を幸せにするって約束だったのに、お前より先に逝っちまったって時点でお前はもう不幸だと思ってるかもしれない』 ―――全くだ、ひどい男だよキミは。 『これは予想でしか無いんだが、お前は俺が死んでも泣かないと……いや、少し違うか。お前は『泣けない』と思う。 自惚れさせてもらえるなら俺達は互いが互いを大事にしていた。 だからお前は俺の死って事実を『理解』はしても『納得』はしないだろうと思う。 そして今の家から離れずに俺との思い出ばかり追ってるんじゃないか?』 ―――そう……だね。キョンの言う通りだ。僕はキミの幻影を追ってばかりいるよ…… 『それ自体は俺も嬉しいと思う。お前にそれだけ想われてるって事だからな』 ―――当たり前さ。キミは僕が愛したただ一人の男性なんだぞ? 『だから俺を忘れろ、とは言わん。『俺への想い』に縛られないでくれ』 ―――…………。 『俺はもうお前の傍にはいられない、死んじまったんだ』 ――― ―――ッ! 『でも陳腐だと思われるかもしれんが、俺はお前を見守り続けて行きたいと思ってるからな。 いつまでも俺に拘ってるお前は見たくないんだよ』 ―――あぁ、そうかも知れないね。 『だからな佐々木、思いっきり泣け。泣けば多少はスッキリする。人目なんざ気にするな。 俺はお前を抱きしめてやる事はもう出来ないが、お前はお前の納得出来る人生だった、と。 俺と結婚して幸せだったと胸を張って言えるような人生を送ってくれ』 ―――もうキミの姿が滲んで見えないよ……キョン 『あー、色々御託を並べてみたがお前と桜が見たくてこの映像を撮ってる。 しばらくは何にも喋らないからお前の横でお前と桜を見させてくれ。 最後に……佐々木、俺はお前と結婚して幸せだ。今もそして死ぬ瞬間も、死んでからもその思いは変わらないと確信を持って言えるよ』 ―――えぇ、私もよ。 『じゃあな、愛してるよ―――』 そうして私のいつもの「佐々木」ではなく、下の名前を彼に呼ばれた瞬間が限界だった。 私は泣いた。人目をはばからず、彼が死んでから今まで、溜め込んでいた悲しみを吐き出すような慟哭だった。 目の前に彼がいてくれる。例えそれが実態の無い映像だとしても彼が傍にいてくれるだけで私は幸せだった。 私は彼の死を理解はしていたかもしれない。でも、心の中ではそれを納得していなかった。認めていなかった。 だから泣けなかったのだと思う。 そして桜の木が静かに枝葉を揺らし、私の姿を隠すように桜吹雪を舞わせていた。 「ふふ、男の子に泣かされたのなんて何年振りだろう、なんだか泣き疲れちゃったよ」 涙を拭ってウトウトして独り言を呟いたつもりだった。 「俺の肩でよけりゃ貸してやるぞ?」 だからその言葉が聞こえた瞬間は幻が喋ったと思った。 「失礼なヤツだな。幻でも夢でもこうしてお前を想ってやって来たんだぜ?」 えぇ、そうね。それでこれはあなたの夢? それとも私の夢かしら? 「別にどっちでもいいだろ? 大事なのは俺がいてお前がいるって事だけさ」 ふふ、そうね。さて、それじゃあ改めて桜を見に行きましょう。 「家の桜じゃ駄目なのか?」 せっかくだもの。あなたにプロポーズされた桜を見に行きたいわ。 「あそこまでか? かなり距離があるんだが……」 いいじゃない。どうせ夢なんでしょう? 夢の中でくらいあなたとデートを楽しみたいわ。 「やれやれ」 さ、行きましょう。 そう行って彼の腕に抱きつき、体重を預ける。 あぁ、彼の体温だ。彼の匂いだ。コレが夢ならば、永遠に覚めないで欲しい。 「ま、これは夢だからな。お前が望めばそれも出来るんじゃないか?」 それは良い事を聞いたわね。じゃあずっとここに居ようかしら? 「お前がそれを望むならな」 そうして私は愛する人と歩き出す。 一歩一歩を踏みしめる様に、歩き出す。 そうして彼女が再びやって来るとそこには風に揺られてざわめく一本の桜の木と縁側に腰掛けて静かに眠る彼女の姿があった。 「佐々木さん、起きてください風邪を―――」 風邪をひいてしまうと思い声をかけ様として、彼女はそれを止めた。 彼女はとても安らかな、幸せそうな顔をして眠っていた。 その眠りは二度と覚める事は無い。けれど愛する人と本当の意味で永遠になれたのだから、彼女はきっと幸せなのだろう。 夢の中できっと二人は幸せに暮らすのだろうから。 「おやすみなさい佐々木さん―――どうか……良い夢を」 桜の木がその言葉に答えるように微かに揺れた。 ~Fin~
https://w.atwiki.jp/rowamousou/pages/1737.html
423 事態急変! 決戦の音楽隊 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、織田信長(織田信長)、回縞ロックス、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、千太郎、ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎、リエル・リュシエール、魔人ウロボロス、真崎洸、魔神マキシム スエボシからの声明に衝撃を受けるネオ・ブレーメンズ。 事態はもはや参加者どころか世界的危機に直面していた。 リエルが持っていたノートパソコンで外部への救援を願おうとも、主催基地からのジャミングでできなくなり、基地を制圧しない限り応援は呼べそうにない。 むざむざ弾道ミサイルを撃たせるわけにもいかない以上、脱出を後回しにして主催に戦いを挑むしかなかった。 奇跡でも起きない限り、生還が非常に困難な戦いになるだろう。 夕露は戦闘力が低い・皆無である未色と沙織と朔郎だけでも生き延びられるように、他の者が戦っている内に未色の飛行型ロボディに乗っての脱出を進言するが、三人は自分たちでも何かの役に立つかもしれないことや、これまで散っていった者のためにも戦いを最後まで見届けたいと言い、連れて行くしかなかった。 まず、作戦では夕露、信長、ミーティアのグループに別れることにする。 夕露、ヒグマーマン、由奈、真道、九曜、レイ、ヒューマンスレイヤー、ゲイシー、はるか、ブレイン、ファックマンは主催基地に潜入しての制圧。 その夕露グループを支援するのが信長率いる、ロックス、ロボロン、未色、舞菜、千太郎のロボディ部隊である。 後方支援にはミーティアを軸に沙織、立華、勅使峰、朔郎、リエルが担当し、その護衛もしくは予備戦力として魔人のウロボロスと洸がつく。 作戦の決まった対主催連合軍ネオ・ブレーメンズは主催基地へ向かう。 全ての決着をつけるために。 そして、待ち受けていたのはロボディに乗った須原とスエボシ。 マキシムは現状高みの見物らしいが何を企んでるのか……? 424 夢幻 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、織田信長(織田信長)、回縞ロックス、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、千太郎、ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎、リエル・リュシエール、魔人ウロボロス、真崎洸、魔神マキシム 戦いは終わった。 熾烈な戦いではあったが、見事に基地は制圧され、奇跡的に死者は0であった。 互いの生還を喜び合い、それぞれの健闘を称える対主催たち。 特に立華は須原、マキシム、スエボシといった主催陣全員を絞め落とす五臓六腑の活躍であった。 さあ、あとは家に帰るだけだ。 世界を救った英雄たちの凱旋に街ゆく人皆が黄色い悲鳴を 『危ない』『気づいて』『サクロウ』 何やら、セータームーンの形見であるぬいぐるみがうるさく警告を発していた。 今まで自分に危険を伝えて助けてくれた魔法のぬいぐるみの言葉に、何か嫌な予感を感じた朔郎は眼鏡を外して魔眼『真実の眼』を発動させる。 すると、自分たちが主催に勝った『嘘』は消え失せ、空を見上げると浮かれていたブレーメンズに向けて雨のように放たれたミサイルや榴弾が迫っていた。 マキシムは最初にブレーメンズの力を試すべく、勝利の幻覚を見せたのだ。 突破できれば戦いに値する者たちであり、これで全滅するようならそこまで連中だったということになるが…… 425 遙かなる戦い、開幕(オンステージ) 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、織田信長(織田信長)、回縞ロックス、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、千太郎、ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎、リエル・リュシエール、魔人ウロボロス、真崎洸 朔郎の活躍により飛んできたミサイル・榴弾は迎撃がギリギリで間に合い、犠牲者を出すことはなかった。 朔郎の真実の眼がなかったら危うく全滅していたであろう。 掴んだ勝利が幻だったことに一度は落胆したブレーメンズであったが、そこへ誰ともなく言い出した。 「この光景を本物にするんだ!」と。 その言葉を聞いて奮い立たされたブレーメンズに主催によるロボディ部隊が迫る。 夕露「私たちネオ・ブレーメンズは貴様らには決して屈しない! 総員戦闘開始! 歯磨きをろくにできなさそうな歯クソどものケツに鉛玉をぶち込め!」 「「「ウーラー!!」」」 今度こそ本物の勝利を掴むために、ネオ・ブレーメンズの真の戦いが始まる。 426 FRONT MISSION 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、織田信長(織田信長)、回縞ロックス、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、千太郎、ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎、リエル・リュシエール、魔人ウロボロス、真崎洸 まず前哨戦として現れたのはミルドレッドの部隊であるロボディ軍団。 ミルドレッドの部隊は紛争において、江洲衛府島学園の生徒を中心に虐殺を行っているので高校生組にとっては怨敵であった。 ミルドレッドの部隊は主催が浄化杜の繋がりを示すことを意味しており、ネオ・ブレーメンズは江洲衛府島で死んでいった者の無念を晴らすためにも戦いを挑む。 先陣を切るのは6機のロボディであった。 ロックス「一番機、回縞ロックス、出るぜ!」 ロボロン「二番機、ロボロン、ロールアウト(出撃)」 信長「三番機、織田信長、出陣する!」 未色「四番機、時軸未色、いきます!」 舞菜「五番機、大海舞菜、出るわよ!」 千太郎「六番機、千太郎、行きまーす!」 敵はサクマが操っていたものと違い、有人機。そしてこちらを圧倒的に上回る数を揃えていたので正面からの戦いは不利だと思い、まずは森へ逃げ込む。 信長は騎馬兵は森のような遮蔽物が多い場所では機動力を生かせなくなることを兵法として知っており、巨体を持つロボディもまた木々に挟まれて身動きが取れなくなっていた。 夕露たちはともかく、同じロボディに乗る信長たちも条件は同じハズだったが、飛行できる未色の機体に味方を牽引させることで空から攻撃できるアドバンテージによって森に迷い込んだロボディを全滅に追い込む。 戦国時代に培った戦いの記憶が活きたのだ。 ならばと外にいた敵ロボディ部隊は火炎放射器やバズーカなどの戦国時代にはなかった破壊兵器で森ごとブレーメンズを焼き払おうとしたが、ここではゲリラ戦に慣れている夕露の指揮によって阻止される。 重火器を放つ前に由奈のダン譲りの狙撃によって燃料や砲弾をうち貫いて暴発させ、ひるんだところを異能に頼らない肉弾戦に優れたグループが突撃する。 その際、対魔法戦用に魔法無効化の処理をしてるロボディ部隊もいたのだが、ブレインは筋肉による力技で問題なく潰していき「我が魔法はその程度では封じられない」と見栄をを切った。 ちなみに敵味方からそれ魔法じゃないし、と心の中でツッコミを受けたのは言うまでもない。 前哨戦として出てきた敵ロボディ部隊を殲滅させたブレーメンズ。 さっそく基地内の情報を探るためにロボディからパイロットを引きずり出して捕虜にしようとする。 ところがいくら脅しかけてもパイロットがコクピットから出てくる様子がない。 確かに有人機のハズだが……不振に思ったロボロンはスキャンを行った。 ロボロン「生体反応はあるのにやたら動体反応が無い……まさか!?」 敵ロボディのコクピットをこじ開ける ロボロン「……ガッデム!!」 コクピットの中から現れたのは人間の脳髄であった。 有人は有人でも、死んだ人間の脳髄を制御デバイスとして利用した部品だったのである。 その事実と浄化杜の狂気性にブレーメンズは戦慄した。 さらにロボロンが詳細なスキャンを行うとデバイスとして使われた脳髄には死亡した江洲衛府島防衛軍メンバー、義勇兵としてのブレーメンズメンバー、テロでなくなった江洲衛府島学園生徒、さらには同じ浄化杜メンバーの死体を利用してロボディに組み込まれていたことが判明する。 真道「学園が浄化杜の虐殺にあった後、死体は全部首が無くなっていたが、クズが!悪趣味な真似しやがって!!」 九曜「この中に死んだ後輩たちの脳髄が入ってるですって……うわああああああああああああ!!」 人間を兵器として扱う……主催ひいては浄化杜の同じ人間とは思えぬ所業にネオ・ブレーメンズの怒りが爆発する。 絶対に報いを受けさせてやる――ほとんどの面子が主催に対して思ったことであった。 行軍し敵基地が見えてきたところで、主力メンバーは手はず通りに非戦闘員組であるミーティアらと別れて基地へと向かう。 その中でロックスはラップスが死亡した日、死体が回収できなかったことを思い出し、弟がロボディの部品として組み込まれていないことを祈った。 だがその祈りは裏切られることになる…… 427 武器人間 ディスメラ・スイート、ブッチャー ネオ・ブレーメンズが戦闘を始めたと同時に会場から脱出しようとするディスメラとブッチャー。 そこへ主催によるロボディ部隊が襲撃を仕掛けてきた。 幸い数は少なく、劣化「Q」であるブッチャーの敵ではなかったので程なく無力化されたが、中破した機体の中に死んだハズのラップスの識別反応があり、まさか本当にラップスがいるのかと思ってディスメラがコクピットをこじ開けると、生首をロボディに接続されたラップス“だったもの”がそこにはあった。 恋人が兵器にされていたことに衝撃を受けるディスメラ。 自分はまだいい。兄想いで女好きで、こんな汚れた私を受け入れてくれた優しい少年が何をしたというのか? ラップスへの死すら蹂躙された仕打ちには納得できず、泣き崩れるしかなかった。 ラップス側はディスメラのことがわからないのか、ダメージでろくに動けないにも関わらず、ディスメラを殺そうとして無駄に足掻く。 哀れな殺人マシンになってしまったラップスを見ていられないディスメラだったが、彼への想いにより介錯もできなかった。 ブッチャーは自分と同じく争いの狂気による産物を目にして、ディスメラの傍で立ち尽くしていた。 脱出のことすら既に頭から離れ、ただただ二人と一機の時間だけが過ぎていく…… 428 冥き黎明のスパルタン 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、織田信長(織田信長)、回縞ロックス、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、千太郎、須原毅 基地の前ではミルドレッドの息がかかった浄化杜兵と「Q」搭載型ロボディに乗った須原毅が待ち受けていた。 ブレーメンズに向けて己の思想であるイジメ人間の可能性の可能性と、毒にしかならないヒューマニズムの破棄を説く。 かのスパルタ人もそうやって強くなっていったのだ。その思想を人類の祖先とも言えるスエボシも認めており、イジメは人を育てるのに必要なのだ、と。 賛同して仲間に牙を向けたら配下にしてやろうとも考えたが、須原の弱者を食い物にする思想に同調する者は誰ひとりおらず、戦いが開始される。 しかし敵ロボディや兵士はまだしも大国の艦隊すら皆殺しにした「Q」の戦闘力は圧倒的で苦戦するブレーメンズ。 そこで信長は夕露のグループの突入のためにロボディ部隊が須原の囮になると言い、夕露グループを基地に侵入させた。 闇鴉やシルキーすら大きく上回る力を持つ「Q」に6機は果たして勝てるのだろうか……? 429 ダブルキャスト 魔人ウロボロス、真崎洸、リエル・リュシエール、ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎、魔神マキシム ウロボロス「キサマら全員、場外ホームランだ! 喰らえい!!」 カキーンカキーンカキーンカキーン 「「うわあああああああああああああ!」」 やはり非戦闘員組にも容赦のない攻撃を仕掛けてきたミルドレッドの部隊。 しかしウロボロスのバットによって次々と星になり、洸による高熱と冷気攻撃で撃破されていく。 このままではまずいと思った敵部隊は『異能装備型ロボディ』と言われた機体を前面に押し出す。 するとウロボロスの投球も洸の温度差攻撃も全てかき消され、敵の進軍を押しとどめられなくなってしまう。 まるで自分の皆無性能力のようだと、リエルは嫌な胸騒ぎを抑えられなかった。 普通のロボディと違い、対異能バリアを張っていないところに気づいて、ウロボロスが本来の暗黒物質による攻撃で件のロボディのコクピットハッチを吹き飛ばすと、そこから現れたのはリエルそっくりな……否、胸像のようにロボディに接続されたリエルそのものであった。 実は本物のリエルの事故死の裏には浄化杜が絡んでおり、この双子の姉妹に皆無性の素質があると見て、能力だけを欲しがった浄化杜が事故死に見せかけて本物のリエルを殺害し、ミルドレッドの手によってロボディの部品となったのだ。 リエルとミエルは双子の姉妹であり、血統上で同じ異能力が使えても何らおかしくない。 死んだ者は心がないので皆無性を能力として形成できないが、エネルギーだけを抽出して単純な破壊兵器に転用することは可能だ。 それが立華と勅使峰の考察であったが、リエル(ミエル)の耳には届いていない。 自分がリエルではなくミエルであったことや、殺人兵器にされた真実を受け入れられずミエルは発狂。 さらに皆無性能力の暴走により、敵味方関係ない能力による無差別攻撃を始めてしまう。 幸い肉体を半分にされたのは敵の兵隊ぐらいでミーティアらは無事であったが、ウロボロスと洸がはぐれてしまい、手元にロボディもないのでミエルの暴走を止めることもできず、やむなく放置するしかなかった。 ミーティアとはぐれた洸は魔神の存在を感知してから自分の魔人としての力が強まっていくのを感じ不安に思い、同時にだんだん強くなっていることからマキシムの接近を感じていた。 そして……二人の魔人の前に災厄の存在、恐るべき魔神マキシムが現れた。 430 最終兵士 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、スエボシ、ミルドレッド・イズベルス 基地に侵入した夕露たちは敵兵士たちを倒しながら基地の中枢へと向かう。 その途中でロボディと化したクライヴに遭遇する。なんの因果か兄弟であるアスティオと同じロボディとしての対主催である。 浄化杜のエースパイロットであるクライヴは「Q」にこそ及ばないものの高い戦闘力を誇り、ブレーメンズの猛者の進行を押しとどめる。 そこでヒグマーマンは奥の手であり、本来は肉体に負担がかかりすぎて寿命を大幅に縮めるために多用できない裏ワザを使う。 それは北海道特産品をすべて食べることで北海道すべての恵みを得た事で発言する究極モード、ヒグマーマン・北海道・極モードである。 最強の北海道的ヒーローになったヒグマーマンがクライヴに挑む! タラバシザー:タラバガニの力を持つすごいはさみ。どんなものでも切っちゃうよ! サーモンジャンプ:産卵期の鮭よろしく目茶苦茶はねるよ! 夕張メロンボンバー:夕張メロンと同じ色(橙)のエナジーボールを放つよ! 牛乳レーザー:北海道の牛乳と同じ純白の光線を放つよ! スープカレーファイア:スープカレーの辛さをイメージした火炎放射だよ! この内、上二つは異能に含まれない物理判定のためかクライヴのロボディにも有効であり大打撃を与えて大破させた。 好敵手だったクライヴほどの男が死を弄ばれてこんな最期を遂げるとは……夕露は嘆きに似た感情を覚える。 クライヴを撃破していよいよ中枢に進軍した夕露たちを待ち受けていたのは、この殺し合いの黒幕である古の巫女・スエボシと浄化杜幹部であるミルドレッドであった。 悠々と玉座に座っているスエボシはともかく、ミルドレッドはモニターの通信画像でしか姿を見せていない。 ブレーメンズは先ほどの「有人」ロボディの件もあって怒り心頭であったため、ミルドレッドはどこかと問う。 そして現れたのはミルドレッド・イズベルス……の脳髄の入ったポッドであった。 431 河童大奮闘 千太郎、織田信長(織田信長)、回縞ロックス、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、須原毅 相変わらず苦戦を強いられ、ダメージを重ねていく信長のロボディ部隊。 「Q」は無限に学習する兵器であり、学習に応じてパワーアップしていく。 底知れなさはモリアーティや田山以上であり、ロックスやロボロンの技術や、信長の兵法が全く通じなかった。 弱い者いじめをしている時と同じ興奮を覚えながら、須原は対主催たちを更に絶望させるためにミーティアらがいる方角に向けてエネルギーキャノンを発射しようとする。 そこには勅使峰もおり、撃たせれば彼女は死ぬことになる。 そんなことは許せないと千太郎は死を覚悟で須原機に突貫する。 意外にも須原が油断していたことも相まって、千太郎の決死のタックルは功を成し、基地近くの湖に引きずり込むことに成功する。 千太郎の乗っているロボディは水陸両用機であるメロウ。そして河童には水辺は得意な地形であり、ポテンシャルを最大限に引き出すことができる。 そして湖の中で須原機を力の限り蹴り殴る千太郎機。 勅使峰が言っていた「やればできる男」を実践するために、そして人間の中で初めて自分を認めてくれた勅使峰を守るための奮起であった。 湖を見つめる他の仲間たちも千太郎の意外な活躍により本当に勝てるのではないか、と思わせた。 ……その期待は糠喜びであった。 湖から出てきたのは「Q」と手足をもがれたメロウ。 須原は対主催の絶望を更に強めるためにわざと千太郎が勝てそうな雰囲気を演出したのだ。つまり舐めプである。 いかんせん戦闘経験が不足している千太郎の全力では「Q」に僅かな傷をつけることぐらいしかできなかった。 須原「河童は大人しく……人間様の奴隷になっとればいいのだーーーッ!!」 全力が全く届かない敵を相手に絶望し、恐怖の中で千太郎はコクピットを貫かれ、潰されて死亡した。 ロックスや未色、舞菜の怒号や悲鳴をバックコーラスに須原と「Q」による弱い者イジメは続く…… 432 魔人の最期 真崎洸、魔人ウロボロス、魔神マキシム、ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎 ウロボロスと共にマキシムと戦うもやはり魔神は強く、次第に追い詰められていく洸。 野球や温度差攻撃を全く意に介さない事象を自在に捻じ曲げる力に抗えない二人。 戦いの過程でウロボロスがマキシムにバットを奪われ、逆にホームランされてしまう。 一人で戦わなければならず、どう足掻いても勝ち目のない敵に翻弄される洸。 Fはここでも体を明け渡せばマキシムを倒すことができると誘惑するが、洸は断固拒否する。 駄々を捏ねるな、まだ魔人になるのが嫌なのかとFは激を飛ばすが、洸はそうではないと言った。 例え死ぬとわかっても、勝てるかもしれなくても、力には屈したくないと少年は語った。 マキシムがいくら怖くても、Fが本当に絶大な力を持っていても、仲間のために、そして愛するミーティアを守るために戦い続けるのだと言う。 だから肉体が滅んでも魂だけは明け渡さないと自分に誓ったのだ。 だが少年の思いと裏腹に命に関わるダメージを一撃一撃と受けていく。 万策が尽きたと思われたその時、奴を何としてでも打ち倒したい、という思いで思考が埋め尽くされたながら、洸は能力を利用して最後の自爆攻撃を仕掛ける。 この身砕いてでも誰かを守りたいと願った少年は爆炎の中に消えていった…… ミーティア「洸くん――?」 突如、離れた場所で起こった大爆発に嫌な虫の知らせを覚えるミーティア。 すると次の瞬間、誰かが胸から血を吹き出しながら倒れた。 周囲の仲間たちが見ると、そこには事象を捻じ曲げてワープし、魔力のぬいぐるみが警告を放つより早く朔郎を切り裂いたマキシムがいた。 433 新たな魔人 真崎洸 洸の自爆はマキシムに一矢報いることもできず、彼の肉体はバラバラになっていた。 普通なら魔人でも死を迎える状態である。 そう、魔人‘F’がただの魔人であったなら。 精神世界にて少年と魔人は最後の会話を交わす。 『おめでとう、お前の勝ちだ。洸』 「F!どういう事だ!?」 『俺は消える。お前の体と共にな』 「な…に…!?」 『…元より魔人となったお前の方が俺よりも精神は強かったのさ、だから俺は消える。セラフィムがあの男の中に溶けてしまったようにな』 「馬鹿な!何で今なんだよ!」 『環境のせいだろうな。この殺し合いに放り込まれてからお前の意志は幾度となく強くなった。奴を倒したい、あの人を守りたい、死にたくはない、と』 「待てよ!消えるってなんなんだよ!僕の体と一緒にって!」 『魔人の体を持っているのはお前だが…人の体は俺だ。俺が最初にやろうとしていた事を図らずもお前はやってしまったんだ』 「そ、それじゃあ!」 『…終ぞ俺達の目的は果たせなかった、という事さ。洸。もう分離も出来ない。お前は俺を取り込み、完全な魔人になるのさ。俺がなりたくてなりたくて仕方がなかった、な』 「…ッ!」 『お前の事を幾度も死ねばいいと思ったが…今にして思えば俺はお前を誇りに思うべきだったんだな。我が子孫よ。お前は数百年前の魔人に精神力だけで打ち勝ったんだ』 『これは先祖として血を絶やさなかった子孫に対する最大の恩返しであり…魔人を閉じ込めた忌々しい人間に対する最大の呪いだ』 『俺は最も欲しかったものを明け渡すことになるが』 『お前も最も取り戻したかったものを失うんだ』 『だが喜べ、完全に魔人になったお前は強い』 『魔神にだって引けはとるまい』 「『F』…!」 Fは今までずっと勧誘するフリをして洸という人間を試していたのである。 Fはその強すぎる力を制御できない暴れん坊で精神的に未熟であったために封印された過去を持つ。 もし洸がこの力を悪用したり、安易に力に魅入るような惰弱な精神の持ち主であれば乗っ取った方がマシだとも考えていた。 だが洸は、Fが誘惑しても決して力を悪用することはしなかったのだ。 それでもこの前までは力を恐れているだけだったので、まだ力を扱えるほどに強いとは言えなかったが、紛争と殺し合いという環境が今の洸に変化をもたらした。 かけがいのない仲間や愛する人のために今まで恐れていた力を積極的に使い、何度傷つき倒れても強敵に立ち向かおうつする。 それでいて危険な存在であるFに体を明け渡すことを最後までしなかった。 Fが求めていた、力の危険性を理解しつつ、力に溺れず、誰かを守るためだけに振るうことができる者……洸はそれになれたのである。 Fは継承に値する少年に全てを与え、溶け合うことを決めた。 かつての洸であれば死んでも魔人と一つになることは拒否したであろうが、守りたい者がいる彼は魔人化を受け入れ、人間を捨てることに決める。 『最後まで名も思い出せなかったな…畜生』 『さようなら、洸』 『おめでとう、洸』 【真崎洸―消滅】 【魔人‘F’―消滅】 現実世界。 自爆によってバラバラになった魔人の肉体が巨大な魔力により、一つに集まり再生されていく。 しかし、そこに立っていたのはFとも洸ともつかない、全く新しい魔人であった。 【魔人‘???’―誕生】 434 禍々しき真実 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、スエボシ、ミルドレッド・イズベルス とうとう、黒幕の下にたどり着いた夕露グループをスエボシは褒め讃えつつ、この殺し合いを開いた目的や一連の事件の真実を告げる。 この殺し合いの目的は子ら、すなわり人類がどれだけ強くなったかを見るための儀式であるとのこと。 スエボシは争いが人類を強くすることを60万年前から信じており、儀式を起こす前には世界を揺るがすほどの戦争を起こすのだという。 数多の戦争や第一次・第二次世界大戦すらも本当は彼女によって引き起こされたものらしい。 さらに浄化杜による江洲衛府島侵攻も儀式を始める前に人類全体におけるステータスを高めるためであり、そもそも浄化杜立上げのきっかけになった事件――異能者が無能力者難民を虐殺した『サイコの暴虐事件』はスエボシが実行犯になった異能者を神通力で洗脳することで起こしたものであり、浄化杜絡みの異能者・無能力者の対立はスエボシが意図的に引き起こしたものであった。 更に浄化杜の前リーダーはミルドレッドによって謀殺されており、既に乗っ取られていた。 彼女の息がかかっている私兵以外は前リーダーが死んでいて偽物が指示を出していることも知らず、実質ミルドレッドの欲望を満たすためだけの組織になり下がっていたのだ。 そのミルドレッドの野望とは究極の戦闘AIである「Q」の完成であり、そのためには自身の脳以外を犠牲にするほどに心血を注いでいた。 浄化杜は一人の女の野望達成の道具にすぎず、江洲衛府島の紛争もまた「Q」完成を磐石にするためにスエボシの計画に便乗したに過ぎないかったのだ。 世界を脅かす異能者への報復、異能者による驚異を払拭するための戦いといった初志は既に失われていたのである。 真道「醜いな、老いさらばえた支配者気取り…見るに堪えない、醜悪だな」 スエボシ「ああもっとぉぉぉぉ!」 真実を知り、スエボシたちを非難する対主催。 ちなみにスエボシはどのつくМであり、罵声を受けて快感を覚えるスエボシにドン引きする一幕もあった。 スエボシの口から語られたアイリスフィアの青空教室の襲撃事件のきっかけにもなったサイコの大暴虐事件の主犯が自分であると告げられたことに夕露は激怒する。 主催陣営はこの手で必ず処刑すると宣言すると同時に、なぜ回りくどく戦争を起こしてまで殺し合いを開くのか、人類を強くしようとすることに拘るのか夕露は疑問を口にする。 実験? 支配? 憎悪? 享楽? 破壊? ……そのどれでもなく、スエボシは一重に愛情と答えた。 全員が首を傾げるが、スエボシはまあ聞けと説明する。 争いが人間をどんどん強くし、進化を促しているのは有史以前からの人間史が証明している。 戦うために武器を作り、より強靭で効率よく戦うために武器は振るう腕も作る腕も精錬されていった。 人種的にもスエボシの遺伝子を受け継いだ者でも、スエボシ由来でなくても異能を使う者が生まれた。 人間がもし戦う意思がなかったら他の動物に狩られるだけの羊のような弱い生き物になっていただろう。 実際、そうやって強くなれなかった部族や人種が魔族などに抗うことも許されないまま滅ぼされ、涙を飲んだことも多々あるという。 内外の驚異に対抗するためには人類が種として、多大な犠牲を払っても強くなる必要がどうしてもあるのだ。 現代においても、江洲衛府島の紛争によって機動兵器であるロボディの開発が進み、対異能バリアによって無能力者でも魔人・魔族・魔王・旧支配者のような敵に対抗できるようになった。 ロボディがなければそれらの外敵や暴走した異能者に食い物にされるだけの未来が待っていただろう。 このように人類の進化に争いは不可欠なのだ。 それはスエボシにとって深い愛を注いでいるつもりであり、その結果、全人類から怨まれてもスエボシは構わずに罪を受け入れ、殺されるのも辞さないという。 しかし、これまでの人類は母の言葉通りに優勝するか、反抗しても母の下にたどり着けない者も多く、とても人類を独り立ちさせられなかったと言った。 だが、今回の儀式はこんなにも多くの者が集っており、今度こそ母である自分を殺せるのではないかと期待していた。 母を殺した時こそ人類の巣立ちが始まるのだから。 一通りの話が終わり、スエボシと夕露グループは交戦を始める。 しかし突然、はるかが裏切ってゲイシーを攻撃し、深手を負わせた。 スエボシはサイコの暴虐事件の折のように神通力で洗脳耐性0のはるかを操って襲わせたのだ。 さあ、まずは小手調べからだ。 わらわを殺す前にこの娘を殺して乗り越えてみせろ、と「強くなるために」苛烈な試練を与える母・スエボシは微笑んだ。 435 SMALL TWO OF PIECES 回縞ロックス、織田信長(織田信長)、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、須原毅 圧倒的な性能の前に次々と倒れていくロボディ部隊と高笑いを上げてトドメを刺しに行く須原機。 須原が最初に殺そうと選んだのはリーダーである信長であった。 ミダースの首根っこを掴まれ、コクピットに銃口を向けられた瞬間、信長はタイムスリップによって死ぬべき本能寺の変で生き残ってしまったツケがここにきたと思い、死を覚悟する。 処刑されかかる信長を見て、ロックスの感情が爆発する。 また俺は誰も守れないのか? ラップスのように、セータームーンのように、かためちゃんのように、雅のように、アイリスフィアのように、ネメスのように、司空のように、水本のように、カリンのように、千太郎のように……香織の時のように。 皆良いやつだった。それが浄化杜や田山のような理不尽なものに奪われた。 信長ほどの器の大きい男がイジメを史上とする狂った、世界の歪みそのもののような男に殺されようとしている。 また俺には何もできないのかと、ロックスは絶望しかける。 だが絶望しきるその前にコクピットの中で歌が響き渡った。 歌っているのは未色であり、自分や周囲を奮い立たすための歌だった。 歌詞はまだ未完成であるこの殺し合いで散っていった「素晴らしき人々」の歌。 この歌によってロックスは奮い立たされる。 ――理不尽を認められるか! 俺には理不尽から逃げるのには性に合わない、そして現実や悲しみからも逃げない。 だが過去は変えられずとも受けた悲しみを糧に力に変えて、目の前にある理不尽な悲劇を回避しようとすることはできるはずだ。 そしてロックスは無茶を承知で須原機に突貫する。全ては素晴らしく正しい人々を守りたいがために。 その時、不思議なことが起こった。 完全に偶然ではあるが未色のロボディは対異能バリア発生装置が壊れており、歌を通じて精神に訴えかける力が発動していた。 それだけならロックスたちの士気を回復させるしかなかったが、感情の爆発によって不死蝶の力を全開放した未色の歌はそれ以上を超えていた。 かつてセラフィム田山が会場各地に仕掛けられて放置されたエネルギー収集装置である十字架が呼応し、再起動したのだ。 信長の細工によってエネルギーが逆流させられたことで十字架にはセラフィムのみならず、メネス、アアアア、サレオスの魔力も詰まっている。 その十字架が信長による細工を打ち破り、持ち主へと全エネルギーを返還していく。 しかしセラフィムはもういない……ならばエネルギーを受け取るのは誰か? 答えはかつて香織を名乗っていたスフィア、ダアトである。 ロックスがお守り代わりに持っていたダアトがコンソールに合体し、莫大なエネルギーを持ったダアトはツギハギの機体であったシルキー・リペアを再構成し、進化させた。 そして間に合わないと思われた信長機への処刑を、須原機の目の前にワープしてくるようにロックス機は防いだ。 驚く須原の目の前には神々しいフォルムと羽と多数のスフィアを持って生まれ変わったロックスのロボディがあった。 436 光輝、到来 ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎、魔神マキシム、魔人??? マキシムは先ほどのブレーメンズの幻覚からの立ち直りが異様に早かったのを頭の片隅で疑問に思っていた。 故に能力の効果範囲が非常に広い朔朗から潰しにかかったのである。 朔朗は今までの人生経験からずっと基本隅っこで空気に徹していたが、魔神の前では通用しなかった。 幸運なのはマキシムが一撃で朔郎を殺すつもりがなかったために、即死は免れたことだが、どのみちこのままでは失血で死んでしまうだろう。 マキシムを追い払うべくミーティアはスパイ技術を、立華は護符を使って追い払おうとするが、魔神には通じずに一撃で地面に転がされることになる。 ここでマキシムは「今から仲間を裏切り、殺し合いを再開して、最後の一人になれば生かしてやろう」と。 この場にいる面子の戦闘力ではマキシムを倒すなど到底不可能だ。 治療が間に合わない朔郎に関しては介錯してあげた方が良いように思える。 更にウロボロスは敗れ、洸は死に別行動を取っている夕露と信長のグループも苦戦し、勝ち目は薄いことを告げる。 しかし、ここにいる誰もがマキシムに従うことはなかった。 沙織「命欲しさに大好きな人たちを裏切るなんて嫌だ!」 立華「私は真道を信じてる……仲間が戦っているのに自分だけ逃げる真似はしたくない」 勅使峰「生き恥をかくぐらいなら名誉な死を選ばせてもらうよ」 朔郎「た、例え自分の死でも……目を背けない」 ミーティア「……男を萎えさせるような破廉恥な女には成りたくない。 例え愛する彼が死んでいたとしても! 彼と釣り合わない女に私はならないわ!」 圧倒的な存在を目の前にした苦境でも揺るがない対主催の信念の「輝き」に、マキシムは心惹かれ感動を覚えた。 元々、先ほどの裏切れば助けるという言葉はマキシムが対主催を輝きを持ちえるに値するか試すための言葉であった。 「悪とは何か? 弱さから生じる すべてのものである」とニーチェの言葉を引用し、ミーティアたちを善の心を持つ強き者であると認めて讃えるのだった。 故に消し飛ばすことに決めた。 全力の力で殺そうとするのはマキシムなりの強きものたちへの敬意である。 気づいたミーティアはせめて仲間の四人を逃がすが囮になった自分は攻撃に曝されそうになる。 ミーティアは死ぬ間際に最愛の少年の名を口にしようとするが。 瞬間、呼びかけに応じるがごとく、洸と思わしき魔人がマキシムの一撃からミーティアを守った。 自分の回り限定とはいえ、温度差のみならず時間の正負すら支配する魔人に流石のマキシムも驚きを覚える。 そして洸は次に瀕死の朔郎に触れて体内の時間を可能な限り戻し、傷を熱で凝固させることで出血を止め、応急処置に成功する。 この時と温度を支配する魔人に関してマキシムは思い出したように言った。 マキシム「現代まで生きていれば私さえ越えたであろう、神に最も近い魔人。 あまりに強すぎたために一族に封印され……もしくは自ら封印の道を選んでこの世から姿を消したとも聞いたが、まさかここで会えるとは。 名は時の魔人アイオーン、いや破壊のシヴァ、炎の公爵アモン、暴悪忿怒の不動明王、まだまだあるがどれが適切かな?」 洸「F……名前多すぎだろ」 実はFの名前は一つではなく、いくつもの名前を持っていたのだ。 記憶喪失に陥っていたFがいくら調べても自分の正体に行きつけなかったのは多数の名前を持つ一人の魔人が伝承上で別の人物として描かれたために、該当する存在が全て自分と同一人物だと気付けなかったのである。 だがマキシムはあえて過去の魔人Fとは関係ない、それらを越えた洸自身が魔人として新生した存在、魔人の中の魔人『真魔人』と名付けた。 そして激突する真魔人・洸とマキシムの時を操る力と事象を操る力。 今度は互角に近い戦いが繰り広げられ、まさに神と神に近しい者の争いであった。 437 超昂合体! 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、スエボシ、ミルドレッド・イズベルス 操られたはるかは強力な力で夕露グループを押していく。 とても手加減できる相手ではなく、スエボシの洗脳に対処できるものがこの場におらず、やはり殺すしかないのかと非情な判断を迫られかけるが、ヒュスレがここでそんなことは許せないとありったけの痴漢技を仕掛ける。 しかし一度ははるかを絶頂させた技もスエボシの洗脳はそれ以上で、全く通用しない。 ならばボロボロのゲイシーとはるかに想いを寄せるファックマンによる援護を受け、師より受け継いだ痴漢技を更に洗練された痴漢技をはるかに放つ。 今度こそはるかは絶頂し、スエボシの洗脳から解放された。 はるかは再び洗脳され仲間を傷つけてしまったことを悔いるが、当のゲイシーははるかを全く恨んでおらず、ファックマンは洗脳されたらまた助けてやると言い、ついでに愛の告白をする。 一方のヒュスレことヒューマンスレイヤーはスエボシと対峙する。 そしてスエボシの人間という種全体を生かすために強くしたい気持ちは分かるが、ここには無能力者や異能者と言った人間のみならず、魔人や魔族、ヒグマや不死蝶、そして自分のようなエルフまで、多種多様な種族がいる。 スエボシの他の種族を敵とみなして人類だけを最優先する人類至上主義と行き過ぎた保守は時代遅れであり、全ての種が愛し合える可能性を放棄して憎みあってはいけない。 愛し合えば、戦闘力を高めるだけの進化は必要ないと説いた。 それに便乗して「そうですよ~♪」とレイと横から入ってくるが、過去に魔族は愛し合うどころか喜々として人類を襲っていたので、魔族であるレイには敵意を剥き出しにするスエボシ。 レイはその殺意の視線を飄々と躱す。 スエボシは自分の考えが本当に時代遅れかどうかはわらわを倒して証明してみせよと、対主催に迫るが、ここでプロポーズに成功したファックマンとはるかが合体技を披露する。 それはファックマンとはるかちゃんがスターセイバーとビクトリーレオの合体飛行形態のように重なり、互いにアヘりながら突撃する技である。とりあえずサイバトロンに謝れ。 通称はデカマラファック! とてつもなく下品な技だがバイアグラで強化されたファックマンとはるかの高い魔力は相性が抜群であり(信じられないことに)瞬間火力は現状の対主催最強である。 しかも突撃そのものは物理判定なのでスエボシの異能無力化能力の干渉を受けず、攻撃はスエボシの下腹部に直撃し、スエボシを痛みと快楽で落ちかけさせる。 ……これが愛の力なのか。などと思いつつ、スエボシはブレーメンズ相手に全力を出して戦うことに決めた。 「ふわあああああああ、感じちゃううううううう。 しかしわらわもこれだけで負けては母として示しがつかぬから少し本気を出すぞよ」 スエボシは先の話でブレーメンズには二つほど明かしていないことがあった。 一つはこの会場は江洲衛府島並にロボディの対異能バリア発生装置に使われるクリスタルが多数埋まっていること。 一つはクリスタルの正体は自分が過去に分離したクリスタル細胞が増殖したものであること。 そしてスエボシは大地とリンクし、かつて分離した自分の細胞と土壌を吸い上げ、基地を破って66mの大怪獣と化した。 怪獣スエボシは吠えながら、ブレーメンズに言った。 『おまえたちはわらわの考えが時代遅れであり、他種族すら愛すことこそ必要だと言ったな? それを証明する方法は至極簡単だ。わらわを倒して証明してみせよ。 勝った方が正しく、その思想が世界を導くに値するのだ』 一方、戦いの裏でミルドレッドはスエボシにもブレーメンズにも気づかれぬように基地を移動していた。 怪しい笑みを脳髄の中で浮かべながら…… 438 降臨! 神の戦車!! 回縞ロックス、織田信長(織田信長)、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、須原毅 未色の歌、それに触発されて再起動したセラフィムの十字架によってもたらされたエネルギーによって生まれたマシン、否、魔人の力を受け継いだ『魔シン』。 ロックスはこの機体を神の戦車の名前にあやかって『メルカバー』と名付けた。 物体の変化の変化を司るハニエルの力で味方のロボディを戦えるまで修復した後、多くの想いをのせた戦車・メルカバーをもって単身「Q」と須原に戦いを挑むロックス。 空間操作のミカエルと時間操作のザフキエルの力を掛け合わせた瞬間移動、精神干渉のガブリエルと記憶操作のラジエルによるジャミング、物質操作のハニエルと気圧変化のラファエルによる堅牢な防御システム、物質切断のメタトロンと氷結のザドキエルによる光輪による格闘能力、そして破壊のサンダルフォンと焼却のカマエルによる大出力の砲撃に須原は確かに恐怖を覚える。 だが「Q」も伊達ではないとメルカバーを越える自己進化を繰り返し、強化される。 二機の戦いぶりはとても常人がついてこれるような戦いではなく、回りの信長たちが割って入ることも許されない戦いが繰り広げられた。 そして基地から怪獣化したスエボシが出現し、ロックスは須原は自分に任せて信長たちは夕露たちの応援に回って欲しいと言い、信長たちもそれに従って基地の方へ向かった。 味方がいなくなったことでロックスは逆に周囲の被害を気にせずに戦えると思い、メルカバーのスロットルを上げ、フルパワーで「Q」を圧倒しはじめる。 今までは簡単に殺せる相手だと思っていたばかりに、ダメージを積み重ねられている自機の現状に須原は狼狽する。 いじめっこがいじめられっこから予想外の反撃を受けたかのように。 439 「時×∞=輝」を証明せよ 真魔人・洸、魔人ウロボロス、ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎、魔神マキシム 真魔人として覚醒した洸とマキシムは互角に近い戦いを繰り広げていたが、地の戦闘経験の差かマキシムを倒すには足りなかった。 その頃、セラフィムの力を受け継いだロボディの出現を察知し、久世香織ひいてはセラフィムの人格のモデルとなりそれらとリンクしていた少女でもできなかった法の守護者の顕現を何者かがやり遂げたと発言するが、洸にとっては意味不明であった。 多大なダメージを受けながらも無双盗塁で戻ってきたウロボロスが、投球でマキシムを仕留めようとするが、容易くキャッチされる。 自分にはいったい何が足りないんだとのたうつウロボロスだったが、そこで洸が提案する。 「ウロボロス! 野球は一人でやるもんじゃないぞ。 僕と一緒にバッテリーを組もう!」 洸はかつてFに言われた言葉「二つが一つになれば倍以上の力を発揮する」を思い出す。 洸はセラフィムと田山と同じようにFと完全なる融合を果たし、倍以上の力を振るえるようになった。 だったらウロボロスと手を組めばさらに倍以上の力を発揮できるのではないかと、洸は考えたのだ。 魔人同士はライバルで場合によっては殺し合うような中だが、ウロボロスはこれまでの戦いの中でその考えは古く、強大な敵がいたら手を組むべきだと思い至った。 そして洸は時間の正負の付与の力とマウンドとし、自分がバッターとして氷で作ったバットでピッチャーのウロボロスから投げられた一球入魂・最大パワーの火の玉を打ち返していく。その斜線上にはマキシムが立っていた。 マキシムの事象操作能力も、発動直前の状態に戻されるという形で時間操作によって封じられ、相殺された。 火の玉とそれを打ち返す氷のバットをぶつけられた結果、無限に加速し続ける運動エネルギーを食らいながら自分は無限に減速し続けていくという事態に発展。 事象を操って脱出しようにも炎氷だけでなく時の力を得た野球ボールによる物理的ダメージで邪魔されて発動できない。 無限に近い時間をかけて死に近付きながらも決して死ぬ事はないダメージを負わされ、一度囚われれば二度と逃れることができない時の牢獄に魔神は閉じ込められたのだ。 魔神の封印……どんなに強力でも一人の魔人だけではできないことを二人で成し遂げたのである。 「この輝きに包まれるというのも存外…悪くないものだ…」 マキシムは死ぬこともできぬまま二度と現界できないことを悔いるよりも、今までにない人間と魔人による輝きで包まれながら負けられる栄誉ある敗北を喜び、洸たちの目の前から消えていった…… この勝利と洸の生還に仲間たちは、特にミーティアは喜んで洸に抱きついて涙ながらにキスをする。 だが魔神は討たれても戦いはまだ終わっていない。 近くではミルドレッドの兵が再び襲いかかろうとしており、基地の方では怪獣化したスエボシが大暴れしていた。 おそらく皆苦戦しているだろうし、いかねばなるまいと、ミーティアらは基地方面への前進を決意し、洸の真魔人の力と、野球を通じて共に戦うことを覚えたウロボロスの技でミルドレッドの私兵をなぎ倒しつつ基地へと近づいた。 440 Los!Los!Los! 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、真魔人・洸、魔人ウロボロス、ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎、スエボシ 怪獣と化したスエボシがブレーメンズに猛威を振るう。 異能無力化能力によって異能に頼った攻撃は全く効果がない。 ならば、ヒグマーマン、由奈、真道、ヒューマンスレイヤー、ブレイン、ついでにファックマンとはるかによるデカマラファックによる力技で攻撃する。 しかし、生半可な攻撃は土壌を吸収して回復してしてしまう。 大地がある限り、スエボシは無尽蔵に戦えるのだ。 だがダメージの回復には土壌が必要になると見抜いた夕露は肉弾戦派を囮に、異能力者たちと共に基地内の爆弾を集める。 そしてスエボシが幾度目かのダメージを受けて、回復しようとしたところでゲイシーのワープの能力で土壌に仕込んだ爆弾を起爆。 ほぼ無限だった回復を阻止する。 さらにマキシムとミルドレッドの兵を倒した洸とウロボロスが遠方から援護射撃を加え、二人の野球も加えられた大攻勢によってスエボシ怪獣体は核となっていた本人が露出させるまでに至る。 いよいよ年貢の納め時か、とスエボシは子らの成長を喜びつつ最期の時が来ると思っていたが…… 441 末路 回縞ロックス、織田信長(織田信長)、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、須原毅、ミルドレッド・イズベルス 「Q」の無限に進化する力は、理論的に言えばロックスのメルカバーを性能差で圧倒することも可能であった。 ところが、この場のメルカバーと「Q」における、ある「決定的な違い」によって「Q」は押されていた。 それはパイロットの差であった。 ロックスは紛争と殺し合いにおける二度の死線をロボディに乗ってくぐり抜けてきた猛者であり、戦闘経験がほとんどない須原とは段違いであった。 先程までは腕の差を機体性能で圧倒する形を取っていたが、メルカバーの出現により性能差は埋まってしまった。 さらに問題なのは腕の差だけでなく覚悟の差もあった。 音速を超えるスピードで戦う二機はパイロットを保全する安全装置の現界ギリギリのところで戦っているが ロックス「もっとだ、もっと早くだ! メルカバー!!」 須原「止めろ、止めてくれ「Q」! これ以上は死んでしまう!!」 ロックスは安全装置による保護も超え、Gで肉体に負担がかかることも構わず命を燃やして戦っていることに対し、須原には死ぬ気で戦う覚悟やプライドがなかった。 あくまで弱い者イジメを至上としてきた者と、痛みを伴う命のやり取りをしてきた者の差がここで出てきてしまった。 ロックスがメルカバーを性能を120%発揮できていることに対し、須原は「Q」の足かせになっていた。 更に戦闘途中で「Q」のコクピット付近で先ほど千太郎機が死に物狂いで攻撃した際に装甲の間に挟まっているパーツの破片に気づいたロックスはそこを突いて攻撃する。 残念ながら押し込んだ破片はギリギリで中身の須原には届かなかったが、須原の戦意をごっそりと削ぎ、恐慌・失禁させるに至るは十分であった。 同時にロックスは千太郎は「やればできる男」であることを証明したのだった。 ミルドレッド「頃合よ「Q」。余分なパーツを廃棄して計画通りに行動を開始しなさい」 ロックスが須原を討つのも時間の問題かと思われたが、ミルドレッドからの通信が入った瞬間、「Q」は須原の制御を受け付けずにスエボシの方向へと逃げ出す。 それを追いかけようとするロックスだったが――なにかとてつもなく嫌な予感を感じていた。 親であるミルドレッドの指示通り、壊れた武器や装甲などの余分なパーツをパージしながら逃げる「Q」。 その際、須原は「Q」にもっともいらないパーツと見なされてコクピットから放り出された。 何事かと思いつつ、なげだされた須原を無視して「Q」を追い続けるロックス。 須原は高所から落下したが、両足を骨折しただけで生きていた。 だが目の前には、夕露グループと合流をする前だった信長のロボディ部隊がいた。 足が折れていて逃げられない須原は死の運命を受け入れる……ことはなく、信長たちに見苦しく命乞いをしだした。 特にいじめるかいじめられる側しかいない過酷な戦国時代を生きていた信長ならば、自分を受け入れてくれるだろうと取り入ろうとする。 しかしそれは信長にとってそれぞれが信念を持って戦った戦国武将の戦いと単なるイジメを同列にしたとする侮辱行為に辺り、信長の怒髪天をついてしまった。 ついでに須原が先ほどの話でいじめで強くなったスパルタ人を引き合いに出していたが、ペルシャとの戦いには勝利したものの、その後に多額の賄賂を貰って堕落したという史実の勉強も添えて、人はイジメでいつまでも強くなれるわけではなく、本当に強い者はいじめ無しでも己の主張や力を誇示できるものであり、さらに強い者は無益ないじめをやめさせられる者であると信長は説いた。 それを知らずに戦国武将たちの名誉に泥を塗ろうとした須原を信長はロボディで砲撃するのではなく、陰陽火縄銃で直接引導を渡すことに決める。 「こ、これは仕方なかったんだ!いじめは強い人間を育てるのに必要なんだ だからお前たちは強い…え?私はじめられる…い、いやだ!許してくれ!金なら いくらでも!や、やめ…クァwセdrftgyフジコlp」 見苦しい言い訳も通じず、須原の頭は信長の陰陽火縄銃のレーザーによって塵となった。 弱い者イジメは真の強者を育てない……皮肉にも須原自身がそれを証明してしまったのだった。 442 星が喰われるとき 夕露美維兎、ヒグマーマン、九条由奈、真道阿須賀、天城九曜、レイ=ラグナウッド、ヒューマンスレイヤー、ジョン・ウェイン・ゲイシー、雪風はるか、大魔導師ブレイン、ファックマン、真魔人・洸、魔人ウロボロス、ミーティア、郷里沙織、御神薙立華、勅使峰碧、岬朔郎、回縞ロックス、織田信長(織田信長)、ロボロン、時軸未色、大海舞菜、ミエル・リュシエール、スエボシ、ミルドレッド・イズベルス 怪獣化したのにもかかわらずブレーメンズに圧倒されるスエボシ。 だがそこに須原のロボディが登場。 須原に戦いのジャマをするなと言わんばかりに怒るスエボシだったが―― 乗っているハズの須原がコクピットにいない。 そのロボディから生物的な触手が伸びてきて―― スエボシ「※※※※※―――!!!!!」 触手こと「Q」によってスエボシが取り込まれてしまった。 するとどうだろうが、元より巨大だったスエボシ怪獣体がより巨大になり、更に土と機械で構成された触手が無数に生えて対主催に襲い掛かり、自らの肉体に取り込まんとするではないか。 その触手の速度は早く、真道が、立華が、ヒューマンスレイヤーが、ロックスが、未色が、更には遠方で能力を暴走させていたミエルすら皆無性能力が無効化されて取り込まれてしまった。 取り込まれた仲間を夕露たちは救い出そうとするが…… 一方、変異したスエボシに取り込まれたロックスたちが彼女の体内で見たものは ――何故か平和な世界、誰もが望んだ夢、抜け出せない幸せな幻想であった……
https://w.atwiki.jp/barrett/pages/156.html
ver.3より、新しいキャラクターセットが登場しました。 領域にエントリーする際には、22人のキャラクターの中から1人選びます。 あなたは任務中、このキャラクターとして他のオペレーターと会話をします。 オペレーター達アル=シャープ エリック柏 九曜 四喜 収束 チリチカ パール兄 パティパティ フェイ=スリフト メートルM ユク=ラグ=クク リキッドバード 15号 JF飛行機 湯川コードウェイナ グース店長 霊感委員長K ケリー柏 鈴虫りふう 鈴虫ぎふう 降下専用バブーシカ 通称水島礼子 オペレーター達 アル=シャープ このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 見た感じ普通の男の子。どんな口調でも合う。と思う。 -- (名無しさん) 2007-09-03 20 18 01 補給部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 53 58 名前 コメント すべてのコメントを見る エリック柏 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) たぶん多くの人が「エリック伯」と読み間違う。 -- (名無しさん) 2007-09-03 20 18 44 広報部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 54 37 名前 コメント すべてのコメントを見る 九曜 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) モデルについて、アリクイやらバクやら、諸説存在する。 -- (名無しさん) 2007-09-03 17 45 01 清掃部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 55 09 名前 コメント すべてのコメントを見る 四喜 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 今のところ、有効な領域全てで選択されているほどの人気。 -- (名無しさん) 2007-09-03 17 48 10 可愛いニャンコ、殆どの場合モフモフされる -- (名無しさん) 2008-01-29 17 55 52 極秘部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 06 22 名前 コメント すべてのコメントを見る 収束 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 襟で隠された口元にはひげが生えている? -- (名無しさん) 2007-09-02 22 53 48 寒がりらしい。 -- (名無しさん) 2007-12-02 17 04 07 極秘部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 56 14 名前 コメント すべてのコメントを見る チリチカ このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) ちょっとクールな感じの女の子。ポニーテール? -- (名無しさん) 2007-10-17 00 10 18 治安部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 56 37 名前 コメント すべてのコメントを見る パール兄 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 偵察部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 06 56 名前 コメント すべてのコメントを見る パティパティ このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 兎だったり、兎のかぶり物だったり。本当はどっちだろう? -- (名無しさん) 2007-09-03 20 19 13 破壊部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 07 30 名前 コメント すべてのコメントを見る フェイ=スリフト このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 何か収束と中の良い領域が多いような気がします -- (名無しさん) 2007-09-12 22 39 15 場所によってお兄さんだったりお姉さんだったり。 -- (名無しさん) 2007-09-18 07 08 04 治安部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 07 50 名前 コメント すべてのコメントを見る メートルM このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 破壊部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 57 16 名前 コメント すべてのコメントを見る ユク=ラグ=クク このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 優しそうなおばあちゃん。眼鏡をかけている。 -- (名無しさん) 2007-10-17 00 11 26 清掃部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 08 11 名前 コメント すべてのコメントを見る リキッドバード このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 食べ物扱いされることが多い -- (名無しさん) 2007-09-22 14 53 02 工作部隊に所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 43 18 名前 コメント すべてのコメントを見る 15号 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 可愛いワンコ。毛並がもふもふしている -- (名無しさん) 2007-10-20 00 19 08 補給部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 08 34 名前 コメント すべてのコメントを見る JF飛行機 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 工作部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 57 56 名前 コメント すべてのコメントを見る 湯川コードウェイナ このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) モヒカンを毟られることが多い。 -- (名無しさん) 2007-10-20 01 24 37 偵察部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 59 03 名前 コメント すべてのコメントを見る グース店長 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 工作部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 08 56 顔の傷は猫につけられた、らしい。 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 34 23 名前 コメント すべてのコメントを見る 霊感委員長K このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 清掃部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 17 59 29 実は盲目、でも霊感があるから大丈夫だとか。 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 35 59 名前 コメント すべてのコメントを見る ケリー柏 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 広報部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 09 34 エリック柏の娘だそうな。 -- (名無しさん) 2008-01-29 19 33 26 女なのだろうがオカマに見える時もある -- (名無しさん) 2010-11-14 01 22 15 名前 コメント すべてのコメントを見る 鈴虫りふう このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 破壊部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 18 00 40 可愛い。もふもふしないのに和み。 -- (名無しさん) 2008-02-11 09 18 25 名前 コメント すべてのコメントを見る 鈴虫ぎふう このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 治安部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 18 00 12 りふうに同じく。もふられなくても、存在が和み。 -- (名無しさん) 2008-02-11 09 19 09 名前 コメント すべてのコメントを見る 降下専用バブーシカ このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) メカなのか?量産型らしい、というウワサ。 -- (名無しさん) 2007-10-20 20 52 46 偵察部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 18 01 07 名前 コメント すべてのコメントを見る 通称水島礼子 このキャラクターについて、何でも自由にお書きください。(名前省略可) 姐さんが多いような。 -- (名無しさん) 2007-10-20 17 01 58 広報部隊所属 -- (名無しさん) 2008-01-29 18 01 28 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/130.html
ここにはシュールな短編を置いてください 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 涼宮ハルヒのウイルス トライフリング・コーダ 長門有希の1日 もしもハルヒがゲームだったら 涼宮ハルヒのネットサーフィン 巨人の☆ 環 涼宮ハルヒの憂鬱?パロ フルーチェネタ 長門有希と愉快な獣達 バレンタインカオス 涼宮ハルヒの脱毛 ハルにゃんが大王 黒古泉 ナガえもん キョンのあだ名を考える 朝倉涼子の弁明 不条理日記 痔ネタ 手紙ネタ クイズ みくるの観察日記 モニタリング ピューと吹く!ハルヒ ミルキーウェイ 人生計画 長門とジャンプ感想文 門番の憂鬱 ドッキリ エビオスで精液ドバドバ キョンの性癖 オドリグルイ 鬼畜キョンの罠 ヤンデレーズ ケーキ 密室殺人事件 内視顕微鏡もしくは胃カメラ ハイテンションSOS団が出来るまで 鬼教師岡部 僕とあなたのスウィートナイト 長門の日記 馬鹿長門 古泉一樹の観察日記 涼宮ジョジョの奇妙な憂鬱 ブギウギ・マンハッタン・ツイスター キョンの絶望 それぞれの呼び方 長門vs周防 長門vs周防 ~その②~ ドッグファイト! ドッグファイト! ~その②~ 涼宮ハルヒの逃避行 ~その①~ 涼宮ハルヒの逃避行 ~その②~ 朝倉涼子のおでん 長門vs周防、再び 長門vs周防、三度 ちょっとアホな喜緑さんと長門さん エスパーマンが倒せない 朝比奈みくるのバット 朝比奈みくるのバット ~裏腹~ 朝比奈みくるのバット ~蒸し返し~ 朝比奈みくるのバット ~満願成就~ 仮面ライダーナガト 仮面ライダーキョン王 涼宮ハルヒの24 北高附属大学入試問題 サークルオブザムーン ● 佐々木の災難な日常 SMステ 古泉一樹の大暴走 門長艦軍本日大 くたばっちまえ 続!古泉一樹の大暴走 涼宮ハルヒの情報連結解除 スズミヤ家族24 幕張おっぱいほしゅ パフォーマンス過多な雪かき的文章(或いはB・L・Tサンド) -じくも-ズーリシ門長艦軍本日大 プーン 北京 世界のナガアサ 抜け殻 脱皮 小箱 空蝉 WC セキグチさん(ホラー) 周防九曜の侵略 涼宮ハルヒの仕業 涼宮ハルヒの悲鳴 長門有希とガリレオ 若布マヨご飯 もしもキョンが……シリーズ キョンにゃん、或いはネコキョンの可能性 せんてぃぴぃど 黒木田保守 催眠療法士喜緑さん 涼宮ハルヒの呪縛-MEGASSA_MIMIKAKI+冥&天蓋こんにゃく百合カレーmix-Relinquished あなたにポテト~差し入れの焼き芋にょろよー!!~ Dear My Friend いかすめる きらーん☆(註:メガネが光る音)かいちょーさん スク水 エロデレハルヒ 住民たちの団結 羽化 世にも珍妙な物語~内臓ブギウギ~ 胡蝶の夢 ポケットの中
https://w.atwiki.jp/sengoku-taisen/pages/1238.html
亀甲に梅鉢 - 名無しさん 2016-04-08 18 07 27 R武田晴信で武田菱・赤、062SR真田昌幸で真田銭・赤の獲得を確認 - 名無しさん 2016-02-24 16 50 47 SR木村重成でも隅み立て四つ目・橙を取れる事を確認 - 名無しさん 2016-01-19 22 21 46 森鶴の丸・橙はSR毛利勝永で取れます - 名無しさん 2015-12-28 20 02 53 向かい蝶・橙はSR大谷吉継でも取れます - 名無しさん 2015-12-20 21 59 49 徳川80UC酒井忠勝で「剣片喰・緑」を確認 - 名無しさん 2015-12-11 23 52 42 豊臣UC 大野治房で「大文字・橙」の獲得を確認 - 名無しさん 2015-11-23 18 19 28 豊臣UC 青木一重で「富士山形・橙」の獲得を確認 - 名無しさん 2015-11-23 18 17 55 丸に違い矢 - 名無しさん 2015-11-12 21 40 42 徳川C土井利勝で六つ水車・緑で確認 - 名無しさん 2015-11-08 02 01 05 宴131 SR松平信綱で 三つ扇・緑を確認 - 名無しさん 2015-11-01 19 30 32 毛利のC佐野道可で三盛り左三つ巴・翠 確認 - 名無しさん 2015-10-26 18 52 34 佐野道可 下り藤に内の字・翠 でした。 - 名無しさん 2015-12-04 01 31 35 宴 清水景治で 下り藤に内の字・翠を確認 - 名無しさん 2015-10-26 18 47 37 新バーの情報求む! - 名無しさん 2015-10-06 20 30 50 上杉UC 上泉泰綱で「片喰・灰」の獲得を確認 - 名無しさん 2015-06-21 18 55 53 宴R 大須賀康高で「七曜・緑」の獲得を確認 - 名無しさん 2015-06-20 00 06 33 宴R・香川親和(長宗我部家)で「九曜巴・藤」の獲得を確認しました。 - 名無しさん 2015-01-27 17 53 10 宴R 宇都宮国綱で右三つ巴・黒の獲得を確認 - 名無しさん 2015-01-23 04 23 08 宴R 宇都宮国綱で右三つ巴・黒の獲得を確認 - 名無しさん 2015-01-23 04 22 14 宴SR 長尾景春で九曜巴・黒の獲得を確認 - 名無しさん 2015-01-23 03 48 23 あと、真田家は、小山田、幸村以外の熟練度上げましたが、真田銭以外の獲得はありませんでした。バージョン3.0としては真田家の家紋は2種類でおしまいですね。 - 名無しさん 2014-12-02 21 53 11 真田銭・紅、SR真田信幸で獲得しました。 - 名無しさん 2014-12-02 21 47 32 上杉84 SR前田慶次で梅鉢・灰を獲得。編集出来る方お願いします。 - 名無しさん 2014-11-17 21 56 43 豊臣・SR島左近で、「三つ柏・橙」獲得。ちなみに家紋の確認をした際に「島左近 等」となっていたので、他のカードによる獲得もある模様。 - 名無しさん 2014-11-17 17 21 30 すごく今更ですが、豊臣R堀秀政で「釘抜き・橙」獲得しました。 - 名無しさん 2014-11-08 20 34 35 他家の家紋の項目、「丸に細桔梗・黒」R太田資正とSR太田道灌がさ、別々になってます。 - 名無しさん 2014-11-03 11 02 04 本日確認したら、八本矢車・緑を獲得していました。現在、家紋入手設定の無い武将でLv.1以上なのが鵜飼・天海・半蔵の3武将なので、このいずれかによると思われるのですが、入手武将を確認された方情報をお願いします。 - 名無しさん 2014-10-23 22 34 41 徳川027服部半蔵で獲得しました。カード登録画面の家紋では「服部保長 等」、名義でした。徳川の服部家武将での獲得なのかと思います。 - 名無しさん 2014-10-24 16 26 05 家紋の編集をしてくれた方有り難うございます。後、浅井朝倉051 R京極高次で平四つ目・桃獲得。引き続き編集していただける様ならお願いします。 - 名無しさん 2014-10-15 21 57 47 真田007 UC真田昌親で真田銭・紅。編集出来る方お願いします。 - 名無しさん 2014-10-04 02 36 27 徳川055 UC高木清秀で高木鷹の羽・緑。徳川048 C伊奈忠次で二つ巴・緑獲得。毛利049 C熊谷元直で抱き寓生に鳩・翠獲得。編集出来る方お願いします。 - 名無しさん 2014-10-03 03 23 40 織田089 C木造長政で武田菱・青獲得。上杉079 C志駄義秀で竹に対い雀・灰獲得。上杉083 C藤田信吉で繋ぎ五つ目・灰獲得。毛利051 C宍戸元続で花州浜・翠獲得。豊臣054 UC明石全登で竹丸に桐・橙獲得。豊臣084 C平塚為広で亀甲の内梅鉢・橙獲得。豊臣092 UC前田利政で梅鉢・橙獲得。伊達042 UC石川昭光で対鶴・蒼獲得。長宗我部044 R津野親忠で丸に一の字・藤獲得。真田002 UC小山田茂誠で立ち沢瀉・紅獲得。編集出来る方お願いします。 - 名無しさん 2014-10-01 05 44 15 SR太田道灌で丸に細桔梗・黒の獲得確認。 - 名無しさん 2014-09-28 23 28 01 豊臣063 C織田有楽斎で織田瓜・橙獲得。豊臣066 R可児才蔵で丸に違い笹の葉・橙獲得。豊臣074 R小早川秀秋で中輪に違い鎌・橙獲得。徳川44 C青山忠成で青山銭・緑獲得。徳川69UC柳生石舟斎で柳生笠・緑を獲得。他家123西 C有馬晴信で有馬瓜・黒獲得。編集出来る方お願いします。 - 名無しさん 2014-09-28 07 10 18 織田090 C斉藤徳元で二波波・青 、北条52 板部岡江雪斎で丸に片喰・黄を獲得出来ました。編集出来る方お願いします。 - 名無しさん 2014-09-26 04 06 18 織田090 C斎藤徳元、「二頭波・青」の間違いでは? - 名無しさん 2014-10-23 22 20 46 豊臣044 C長束正家で花菱・橙を獲得確認。編集できる方お願いします。 - 名無しさん 2014-09-09 19 50 39 豊臣044 C長束正家で花菱・橙を獲得確認。編集できる方お願いします。 - 名無しさん 2014-09-09 19 50 30 豊臣044 C長束正家で花菱・橙を獲得確認。編集できる方お願いします。 - 名無しさん 2014-09-09 19 50 13 毛利037 UC益田元祥で九枚笹・翠を獲得確認。編集できる方お願いします。 - 名無しさん 2014-08-26 20 02 59 大道寺太郎で大道寺政繁と同じ揚羽蝶・黄取れました - 名無しさん 2014-07-24 23 25 30 自分で見つけた豊臣家の池田恒興と増田長盛を追加。ついでに下の2人の方の分も追加しました。ただ、なにぶん初めてなので間違いなどありましたら修正お願いします。 - 名無しさん 2014-07-16 00 38 39 他家121 R柳生宗厳で「柳生笠」・黒獲得 今川 52C冷泉為和で片喰・紫獲得 後、武田69 C小山田虎満で十六剣菊・赤獲得を確認。 編集出来る方お願いします。 - 名無しさん 2014-04-28 23 30 04 豊臣048 R山内一豊で山内土佐柏・橙の獲得確認 - 名無しさん 2014-04-22 19 54 03 北条家のタイトルが、文字と後ろの色が被って消えています。修正できる方お願いします - 名無しさん 2014-04-16 15 52 32 宴62 SR山名宗全で「糸輪二つ引き両・黒」を獲得出来ました。 - 名無しさん 2014-04-06 04 04 21 毛利046 R渡辺通で渡辺星・翠を取得出来ました。 - 名無しさん 2014-04-03 23 53 20 徳川013 C高力清長で向かい鳩・緑、長宗我部007 R香宗我部親泰で四つ割菱・藤を獲得確認。丸に二つ引き・藤は長宗我部004 R吉良親貞では獲得できませんでした。 - 名無しさん 2014-04-03 21 27 28 C本泉寺で西六条藤・鶯が出ました。 - 名無しさん 2014-04-03 18 05 49 上杉063 UC須田満親で鶴の丸・灰の獲得確認 - 名無しさん 2014-04-02 19 31 41 編集途中で間違えて送ってしまったので再度、他家西110 大祝鶴姫で折敷に三文字・黒 織田家86 山口教継で花菱・青が取れました。 - 名無しさん 2014-03-17 01 00 29 他家西110 大祝鶴姫で折敷に三文字・黒 織田家86 山口教継で花菱・青ga - 名無しさん 2014-03-17 00 56 27 他家西 洞仙院で二引両に左三つ巴・黒が取得できました。 - 名無しさん 2014-03-16 08 22 53 結び雁金・緑は平岩親吉で獲得できます。 - 名無しさん 2014-03-03 00 37 56 北条のR伊勢新九郎で「北条対い蝶・黄」を確認しました - 名無しさん 2014-02-26 00 43 26 右三つ巴・鶯、宴・土橋守重で確認しました。付け加えると本願寺のカラーは黄緑ではなく、鶯(うぐいす)です。 - 名無しさん 2013-12-23 10 50 43 じゃーウグイスに変えてください - 名無しさん 2013-12-31 18 42 08 どなたか土井清良の家紋知りませんか? 熟練度上がっても家紋もらえなかったので、誰かと一緒なのかな? - 名無しさん 2013-10-06 00 09 52 土居だった… - 名無しさん 2013-10-06 00 20 18 丸に笹竜胆・緑は石川数正でも可。丸に片喰・緑をSR酒井忠次で獲得。 - 名無しさん 2013-09-23 23 19 05 ここまで編集しました。 - 名無しさん 2013-08-19 14 49 34 UC結城秀康について、当方も熟練度1ですが結び雁金・緑は未獲得でしたので追加は見送りとしました。 結城秀康・板倉勝重・石川家成で 丸に笹竜胆・緑、九曜巴・緑、右三つ巴・緑のどれかを1つずつ獲得できているので、可能な方がおりましたら確認をお願いします。 - 名無しさん 2013-08-19 14 56 34 結城秀康・内藤正成・鳥居忠広で 右三つ巴・緑、下がり藤・緑、鳥居笹・緑を確認しているのでUC結城秀康は右三つ巴だと思われます - 名無しさん 2013-08-19 18 44 55 R長宗我部元親、R福留親政について、七つ方喰か六つ方喰かが既に報告されているのと逆になっていたので、一旦保留にしました。確認したら編集してみます。 - 名無しさん 2013-08-19 15 01 44 下で河野とかと一緒にR元親、R福留の報告をした物だが、多分元親のほうが七つで福留のほうが六つで合ってると思う。名前の似た二つの家紋を同時に習得したもんだからごっちゃになった、すまん - 名無しさん 2013-08-20 03 07 33 R福留で「六つ方喰」取得を確認。 - 名無しさん 2013-08-20 21 59 04 R鬼庭左月斎で重ね剣菱・蒼の獲得確認 - 名無しさん 2013-08-19 01 22 06 丸に右互い重鷹羽・黒をUC甲斐宗運、六つ片喰い・藤をR長宗我部元親、七つ片喰い・藤をR福留親政、折敷に三文字・藤をUC河野通直でそれぞれ習得確認しました - 名無しさん 2013-08-18 00 14 39 本多立ち葵・緑はUC本多重次でも可。 - 名無しさん 2013-08-01 01 55 02 R甘利虎泰でも花菱・赤は取れます。 - 名無しさん 2013-07-24 01 47 40 R浅井政元でも三つ盛り亀甲花菱・桃を修得可能なことを確認 - 名無しさん 2013-07-21 01 56 18 徳川家 徳川002 UC安藤直次 安藤藤・緑 徳川003 R井伊直政 丸に橘・緑 徳川011 UC奥平信昌 奥平団扇・緑 徳川018 SR榊原康政 榊原車・緑 徳川030 SR本多忠勝 本多立ち葵・緑 徳川032 R松平信康 徳川葵・緑 徳川033 UC結城秀康 結び雁金・緑 徳川034 C渡辺守綱 渡辺星・緑を確認しました。 - 名無しさん 2013-07-13 18 45 37 あ、SR尼子経久でも、「平四つ目・黒」取れるよ。 - 名無しさん 2013-06-25 01 14 37 ここまで編集しました。同レアリティでの同名武将の追加も必要かとは思いましたが今回はやめにしました。 - 名無しさん 2013-06-23 22 59 11 R豊臣40 後藤又兵衛:下がり藤・橙 R豊臣47 森長可:森鶴の丸・橙確認しました - 名無しさん 2013-06-22 17 39 38 Rm真壁 橘・黒 反映されるようになりました。家紋選択可能確認しました。 - 名無し 2013-06-22 01 31 43 C大西頼包 - 名無しさん 2013-06-20 23 42 43 途中送信してしまった。C大西頼包:変わり鳳凰の丸・藤 C佐竹親直:佐竹扇・藤 UC福留儀重:六つ片喰・藤 - 名無しさん 2013-06-20 23 45 35 R本山親茂:檜扇・藤 UC吉田貞重:三つ引き両・藤 UC吉良親実:丸に二つ引き・藤 - 名無しさん 2013-06-20 23 47 40 相馬盛胤で九曜・黒確認しました - 名無しさん 2013-06-20 03 51 50 最上義光で丸に太二つ引き・黒確認しました - 名無しさん 2013-06-19 18 19 53 R真壁の「橘・黒」2.1になったらちゃんと獲得できるように修正が入るね - 名無しさん 2013-06-13 18 42 11 本能寺明智 桔梗・青 確認 - 名無し 2013-06-10 15 17 37 是非長 織田瓜・青 確認 - 名無し 2013-06-10 15 15 55 風林火山継承 高坂 九曜・赤 確認 - 名無し 2013-06-10 15 14 39 UC大崎義直で丸に太二つ引き・蒼を獲得確認 - 名無しさん 2013-06-06 19 55 25 R森蘭丸で森鶴の丸・青を獲得 確認 - 名無しさん 2013-06-04 23 43 48 C芦名義広で九つ割三つ引き・黒 獲得確認 - 名無しさん 2013-05-21 10 26 57 UC石川高信 対鶴・黒を確認 - 名無しさん 2013-05-19 17 48 01 宴 吉見正頼で丸に二つ引き・翠獲得できることを確認 - 名無しさん 2013-05-14 21 38 45 C畠山義継で丸に太二つ引き・黒、SR蒲生氏郷で対鶴・橙を確認 - 名無しさん 2013-05-14 18 53 17 宴伊達正宗 竹に雀・蒼 確認 - 名無し 2013-05-12 22 40 51 必要こばん枚数とは? - 名無しさん 2013-03-20 00 12 55 SR伊達成実で竹に雀・蒼獲得確認 - 名無しさん 2013-03-03 23 35 30 SR片倉小十郎でも九曜・蒼が取れることを確認 - 名無しさん 2013-03-02 22 26 49 宴 戸沢盛安で石持ち地抜き九曜・黒が取れることを確認 - 名無しさん 2013-02-06 00 09 12 宴 渡辺 了 渡辺星・桃 - 名無しさん 2013-01-28 19 59 21 ここまでのコメント分追加+α …なんだけど、豊臣SR利家は「梅鉢」じゃなくて、ほんとに「五七桐」だったの?と疑問が浮上。当方未所持につき、お持ちの方確認を求む。 - 名無しさん 2013-01-24 18 22 02 すでに五七桐・橙を所持した状態で利家の熟練度を上げても梅鉢・橙を取得できていないので、おそらく間違いないかと - 名無しさん 2013-01-27 08 20 10 SR前田利家(豊臣家)で五七桐・橙を獲得したことを本日確認致しました。 - 名無しさん 2013-02-01 19 04 10 UC氏家定直でも左三つ巴・黒が取得可能なことを確認 - 名無しさん 2013-01-20 19 18 30 現状、本編獲得家紋リストには没データや未実装と思わしきものが含まれているので埋まりません - 名無しさん 2013-01-19 09 50 00 うむ。 .NETのカスタマイズ→家紋設定→本編獲得家紋リスト→???のページを開いた際、アドレスの下2桁が05なら未設定、00~12ならたぶん現verで取得可能な家紋と思われる。 - 名無しさん 2013-01-19 20 52 33 SR朝倉宗滴でも三つ盛木瓜・桃が修得可能なことを確認 - 名無しさん 2013-01-17 21 24 03 豊臣家・SR前田利家にて五七桐・橙が取れました。 - 名無しさん 2013-01-16 22 35 20 ここまで編集しました。R真壁の家紋も一応追加としました。 - 名無しさん 2013-01-13 23 32 13 真壁で獲得出来る橘・黒、本編獲得家紋リストに載りません(所持数には反映される)。また、.NETショップの橘が獲得済みの表記になりますが、実際には使用できません - 名無しさん 2013-01-10 09 57 24 蛇の目・橙は加藤嘉 - 名無しさん 2013-01-04 23 25 53 蛇の目・橙は加藤嘉明、丸に出十字久留子・黒は波多野秀治でも可 - 名無しさん 2013-01-04 23 27 30 リストに載っていますが、EX真田幸村では家紋取れなくないですか? - 名無しさん 2012-12-02 21 29 35 いや、幸村は例外的に取れるよ。ここで証明するのは無理だが俺は実際に幸村で真田銭・赤取ったし - 名無しさん 2012-12-02 21 33 46 武将旗の手に入れ方を教えてください…。シリアルとほかに方法はありませんか? - 名無しさん 2012-11-28 00 16 43 ver2.0以降から織田家を使ってないんだけど、いつの間にか三つ盛木瓜・青を獲得していました。(15XXまでの既存武将のどれかに新しく追加されてる?ver2.0までにはなかったことは確認済み) という現象の報告 - 名無しさん 2012-11-27 20 14 39 ググったら荒木村重の家紋が三つ盛木瓜らしいが、熟練度1以上なもので確認できず - 名無しさん 2012-11-29 23 23 49 荒木村重で三つ盛木瓜・青取れることを確認 - 名無しさん 2012-12-05 18 26 44 SR蒲生氏郷が対鶴・橙…だったはずなんだが、同じ日に複数人の豊臣系家紋ゲットしちまったもんでちょいと確証ががが - 名無しさん 2012-11-23 14 23 59 C平野長やすで丸に三つ鱗、右三つ巴は別所吉親でも獲得 - 名無しさん 2012-11-11 21 53 15 ここまで編集 + 波多野秀尚 を追加しました。 - 名無しさん 2012-11-20 21 55 50 ジェイソンことSR朝倉義景で三つ盛木瓜・桃, - 名無しさん 2012-10-27 20 39 37 途中送信orz 脇坂安治で輪違い・橙、R鬼庭綱元で重ね剣菱・蒼獲得。 …豊臣の色が「燈」ってあるけど「橙(だいだい)」の間違いだと思う。 - 名無しさん 2012-10-27 20 41 03 確認してきたけど確かに「燈」じゃなくて「橙」だった。完全な見間違いだすまないorz - 名無しさん 2012-10-28 02 46 37 ここまで編集 + 赤井直正を追加しました。 - 名無しさん 2012-10-27 19 49 27 三つ盛木瓜・桃はC朝倉景紀でも修得可能です - 名無しさん 2012-10-23 02 59 32 SR豊臣秀吉で五七桐・燈、UC加藤嘉明で蛇の目・燈、UC奥村永福で九枚笹・燈、C田中吉政で釘抜き・燈をそれぞれ確認 - 名無しさん 2012-10-23 00 49 14 UC宇喜多秀家で児の字・燈を確認 - 名無しさん 2012-10-21 01 08 46 SR北条綱成で北条鱗・黄 獲得できました - 名無しさん 2012-09-24 05 59 43 瀬田のSR信玄で武田菱・赤獲得。ほか、反映されていなかったものを追加 - 名無しさん 2012-07-04 21 05 07 UC来島熟練度1、C福原熟練度0 の状態では片喰・翠を取れないことを確認しました。獲得リスト修正願います - 名無しさん 2012-07-03 18 28 01 編集しました。 - 名無しさん 2012-07-03 23 43 35 SR立花道雪/抱き花杏葉 確認 - 名無しさん 2012-06-26 12 55 05 SR毛利元就でも毛利三ツ星・翠とれました。 - 名無しさん 2012-06-23 04 36 52 UC尼子誠久で平四つ目・黒を獲得。一覧にはないが、経久でもとれるはず… - 名無しさん 2012-06-19 00 33 35 毛利009 口羽通良、他042 甲斐宗運、他052 鍋島直茂 を追加。 - 名無しさん 2012-06-02 23 09 09 島津010 C鎌田政年 で、「丸に一つ引き・空」を獲得。編集可能な方、追加お願いします。 - 名無しさん 2012-05-27 01 13 23 ここまで編集+α。 - 名無しさん 2012-06-01 22 54 09 宍戸隆家 夕顔・翠 - 名無しさん 2012-05-26 14 19 08 自分も宍戸の熟練度1になっているのですが、獲得できていない家紋でした。可能でしたらご確認お願いします。 - 名無しさん 2012-05-26 16 33 39 失礼しました。 南条宗勝です。 - 名無しさん 2012-05-26 18 32 01 島津001 赤星統家 熟練度1になりましたが、リスト記載の「対鶴に若松・空」獲得できませんでした。赤星氏が「並び鷹羽」と考えれば、別な武将ではないでしょうか? - 名無しさん 2012-05-24 02 59 53 赤星が対鶴に若松と編集したものです。今日確認してきたら、肝付兼盛でした。同じ日に熟練度とったために勘違いしてしまった模様、申し訳ない - 名無しさん 2012-05-25 20 17 29 R巻姫でも「丸に立て三つ引き・黄」を獲得。成田氏親・長泰はどうだろう - 名無しさん 2012-05-21 20 11 55 成田長親で「丸に立て三つ引き・黄」を獲得。リスト追記しました。 - 名無しさん 2012-06-10 01 49 30 八咫烏・黄緑はC鈴木重泰でも取れます - 名無しさん 2012-05-15 23 22 41 ここまで編集+α。来島に関してはほんと苦し紛れの表現に… - 名無しさん 2012-05-19 02 33 04 編集乙。誰がうまいこと言えとwww - 名無しさん 2012-05-19 07 56 19 「平四つ目・黒」R尼子晴久でも取れました - 名無しさん 2012-05-14 22 56 02 UC来島通康で片喰・翠は取れないみたいです。当方UC来島の熟練度1ですが持っていないので…。(C福原は熟練度0) - 名無しさん 2012-05-11 14 40 41 上杉043 UC上条政繁 でも上杉笹・灰がとれました - 名無しさん 2012-04-21 11 16 00 ここ - 名無しさん 2012-05-04 14 40 08 ここまで編集 + 一部家紋を追加しました。 - 名無しさん 2012-05-04 14 41 04 毛利004 C桂元澄 二の字に三つ星・翠 が取れました - 名無しさん 2012-04-09 12 33 26 SR龍造寺隆信で十二日足・黒を確認 - 名無しさん 2012-04-07 21 35 09 他家 R陶晴賢でも 山口菱・黒 が取れました。 - 名無しさん 2012-04-03 20 54 15 毛利家 R安国寺恵瓊 武田菱・翠 が取れました - 名無しさん 2012-04-02 08 13 18 comに負けた - カイト 2012-03-30 18 53 23 それは家紋のところに書くことじゃない - 名無しさん 2012-03-30 18 57 08 SR小早川隆景で左三つ巴・翠です - 名無しさん 2012-03-13 18 58 38 毛018 UC志道広良で蛇の目・翠、毛008 SR吉川元春で九つ割り三つ引き・翠。 - 名無しさん 2012-03-09 10 59 00 ここまで編集 + 一部家紋を追加しました。 - 名無しさん 2012-03-10 18 47 29 一部追加・編集しました。 - 名無しさん 2012-03-08 20 09 31 UC大内義隆で山口菱・黒取れました - 名無しさん 2012-02-28 00 58 15 カード追加に伴い新勢力枠追加 + 一部家紋を追加しました。 - 名無しさん 2012-02-27 16 14 54 足利二つ引き・黒はR足利義昭でも取れました - 名無しさん 2012-01-23 16 12 16 今更ですがSS秋山信友では家紋取得できず。SSは無理なんですね - 名無しさん 2012-01-05 02 02 53 UC下間頼旦でも桔梗・黄緑取得できました。 - 名無しさん 2012-01-05 01 59 58 織田の梅鉢・青は慶次でも取れます - 名無しさん 2011-12-31 00 40 51 って言う情報 - 名無しさん 2011-12-31 00 47 25 ランキングとかでみるんですが、蝶の家紋、池田ぁの他に誰(or何処)で入手できるんですか? - 名無しさん 2011-12-11 01 22 36 池田備前蝶なら池田のみかと思います。 - 名無しさん 2011-12-11 13 35 37 うん、池田蝶は取りました。それ以外のがわからなくて - 名無しさん 2011-12-15 01 04 54 記載が中途だった.NET家紋を記載しました。蝶だと「唐花胡蝶」「桔梗胡蝶」「飛蝶」辺りではないでしょうか。 - 名無しさん 2011-12-15 03 13 13 UC新発田重家で三星・灰取得 - 名無しさん 2011-11-27 13 08 05 「八咫烏・鶯」→「八咫烏・黄緑」等、戦国.NETの表記に修正 + 一部家紋を追加しました。 - 名無しさん 2011-09-16 19 00 56 初めてです。本日R板垣信方で花菱・赤を取りました。馬場は持ってないので…。 - 名無しさん 2011-09-01 21 56 27 どうやって変更するんですか? - 明智光秀 2011-08-30 10 43 33 .net家紋は戦国大戦.netのページに表があるので、省略・誘導でいいんじゃない? - 名無しさん 2011-08-19 18 35 55 つまり大戦.NETに加入してない人はしろってことですね - 名無しさん 2011-08-27 11 11 01 「戦国大戦.net内のページ」じゃなくて、このwiki内の「戦国大戦.NET」のページでしょ - 名無しさん 2011-08-27 13 32 09 林さんの家紋は平井でも取れます。 - 名無しさん 2011-08-19 18 07 22 平井じゃないよ、平手だよ - 名無しさん 2011-08-19 18 14 07 デフォ設定の「丸に違い鷹の羽・黒」は便宜上他家として書いて良かったのですかな? - 名無しさん 2011-08-17 08 56 47 武将から獲得するものじゃないからその他にしといた - 名無しさん 2011-08-17 14 30 35 あれって本来は誰の家紋なんだ? - 名無しさん 2011-08-19 05 36 51 それは雑談ページでやれ、という話だがあえて答えると有名所では大谷吉継なんかそうだな。 - 名無しさん 2011-08-19 07 36 56 編集議論スレで要望があって自分でも欲しいと思ってたから作った。獲得家紋はカードリストからコピペしたものだから間違いとか抜けがあったらそっちの訂正も頼む。本編獲得で力尽きたから.NETはまた今度。 - 名無しさん 2011-08-17 04 42 14
https://w.atwiki.jp/kyokotan/pages/58.html
「はぁ……」 春もたけなわ、お日様が出てる時間もだいぶ長くなってきました。 とはいえ時刻はすでに6時過ぎ、夜の帳はゆるりと降り始めて薄暗い中ネオンに彩られた商店街をトボトボと歩きます。 今日は機関の定期集会の日で今はその帰り道。 思わず口を突いて出た大きな一息が充実した会合の余韻を覚ますものだったとしたらどれだけ幸せだったでしょう。 だけどそんなのはあたしの儚い願望。実態はただの溜息なのです。 佐々木さんのチカラと、あたしの素性をついにキョンさんに打ち明けたあの記念すべき日以来、ようやくスタートラインに立てたはずなのに事態にこれといった進展もなく、機関全体のテンションが落ち気味なのです。 これを打開する妙案もなく例によって今日もぐだぐだでした。 あたしが議長を務めたので余計にヘコみます。 送りの車があったけど思わず辞退しちゃいました。一人になって少し頭を冷やしてたかったから。 「ふぅ……」 さっきから定期的に湧き上がってくる溜息をまた一つ盛大に大気開放。 溜息を吐くほど幸せが逃げるなんて言うけれど、人間落ち込むことに身を任せたいときだってあるのです。 大きく息を吐いてストレスとか厭なことを吐き出してる気になれば少しは気分も晴れるもの。なによりも深呼吸にはリラックスの効果があるのです。 何気なく視線を漂わせると暖色にライトアップされたショーウィンドウが視界に入ってきました。 中に飾ってあるのはキレイ目なワンピース。あたしのお気に入りのブランドなのです。ついこの間も買い物をしたばかり――――、 思考を割り込んで数週間前の出来事がフラッシュバックしました。 それは概ね厭とか恥ずかしいとか、あわよくば無かったことにしたいそういった負の類のモノなんですけど、時おり甘いような、そしてラストは……、酸っぱいような妙な思い出なのです。 …………。 やだ、あたしったらボーっとしちゃいました。 しかしそれも仕方のないことなのです。あの『痛キモチイイ』ような不思議な感覚が鮮烈に焼きついて頭から離れないんですもの。 あのあと恐怖に慄きながら佐々木さんにオシオキとばかりに強制連行されて辿りついたのは、その……、町外れにあるカラオケボックスだったんですけど、普通に歌い始めるはずもなく執り行われたのは…………、延々たるくすぐりの刑。 くすぐりが拷問の一つってのは本当なんだってことをこの身に刻みつけるように実感してしまったのです。 マイクコードで手首縛って、おしぼりで目隠しして……、どうしてああも機転が利くんでしょうか。……変な趣味に目覚めてしまいそうなのです。 「はぁ……」 陶然と回顧に耽ったあたしの口から熱っぽい吐息を思わず漏れ出てしまいました。今までの溜息と明らかに一風趣の異なった息吹。 否が応にも身体が反応して熱く昂ぶります。 こそばゆい感覚を突き詰めるとそこにあるのは極度の緊張による痛み、でもそれすらも通り越してしまうと弛緩の境地に上り詰めてしまうのです。 そうなると普段無意識の内に押し込めているものが全部開放されちゃうような感覚に陥ってしまうの。 もちろんこんなの初めて知ったことですけど。今から思えばあれは知っちゃダメなコトだったような気がします。 佐々木さんのガラス細工のように繊細な指先は信じられないくらいに器用で、探知機でもついてるかのようにあたしの弱いところを次々に探し当てて、そこばかりをそれはもうねちっこく執拗に責め立てたのでした。……佐々木さん恐るべし、なのです。 あの日以来、その、とっても恥ずかしい話なんですけど、どうにもあの感覚が病み付きみたいに忘れられなくなっちゃって……、でも独りではどうしようもなくて、つい夜な夜なイケナイ遊びに耽――――、ってダメダメ、天下の往来でこれ以上考えるのはNG! 火照った頬を戒めるかのようにペチペチと叩いてなんとか気を取り直します。 違うっ、違うのっ、こんなはずじゃなかったのです。それに思考が脇道に逸れすぎっ! 色香で惑わせたキョンさんを舞台裏で操って佐々木さんを真の神様に祀り上げる悪女を目指したあたしはどこへ行ってしまったの? 一回挫けたからってそれで終わり? そんなヤワい精神構造で小悪魔が務まると思ってるの? 本当の小悪魔ってのは厚顔無恥でちょっとしくじってもぺロッと舌を出して帳消しにできるそれはもう無尽とも言える生命力を持った強い強い生き物なのです。 店先で年頃の女子がぎゅっと目を瞑ってひたすらぺちぺちとやり続ける姿は異様の他なんでもありません。 お店の人ごめんなさい、営業妨害じゃないのです。 手を止めるとじんじんと疼く頬に火が灯ったみたいに熱が帯びてきました、それに触発されたように本当に今まで立ち消えになっていたヤル気と自信が沸々と盛り返して来ました。 よしっ、気合は十分! とにかく! ヘコんでても良いことなんてないことはこの数週間でおなか一杯になるくらいに分かったのです。やっぱり自分で動き出さなきゃ何も始まらない。 失敗と失態は取り返せば良いの。 『求めよ、さらば与えられん』 なんて素晴らしい言葉があることでしょう。今のあたしにぴったりなフレーズなのです。 たった今からこれがあたしの座右の銘。 クリスチャンでもないのにお言葉だけ拝借するなんて調子良過ぎかな。でも、それは仕方ないことなのです。なんてったってあたしの唯一神は佐々木さんだから。 確かに前回の『傾国の美女作戦』は大失敗に終わりました。敗因はキョンさんのニブチンさを甘く見すぎていたことと、佐々木さんの監視を怠ったこと。 この対策さえすれば今度こそうまくいくはず。 ショーウィンドウの照明を背にあたしは胸の前でぐっと掌を握りこみます。 道行く人たちの半分が眉を顰めながら奇異の視線を向けて、残りの半分がいかにもわざとらしくそそくさと足早に通り過ぎていくけど、そんなことじゃこの決意表明は……、揺らぎません。揺るがないのよっ。 心意気も新たに作戦第二弾をぶち上げます。半分ヤケ気味に腫れた頬を膨らませながら。その名も、 『熱愛の猛進作戦』 乙女がどうとか、恥じらいがどうとかそういうの気にしてちゃあの超次元鈍感男の相手など到底できないということ。 演技も……演技も不要なのです! あの後、どうしても納得がいかなくて忌憚のない第三者の意見が欲しいあまりに『藤原』さんの前で披露したところ、 「学芸会レベルの茶番だな」 の一言でバッサリ斬り捨てられてしまったあたしの三文芝居なんか、ないほうがっ、いいのよ。 鼻先にツーンとこみ上げてくるものを、すんっ、と乱暴に鳴らして思わず目じりにうっすら浮かんだ雫を払うようにかぶりを振ります。 要は小細工なしの真っ向勝負! これでダメならさすがにあたしも諦めるのです。 そうっ、言うなればこれは意地。女の意地を賭けた勝負なのです。負けられない! 夜空を見上げれば眩いばかりの繁華街の電飾に負けじと皓々と輝くお月様。 月影を真正面から浴びながらあたしはリベンジを固く誓ったのでした。 ////////// 金曜日の午後7時10分前。 この前と同じく地域の中で最も栄えた繁華街でキョンさんと待ち合わせ。 例によってキョンさんのアポをとるのは至難の業で。艱難辛苦と紆余曲折を経てようやく会う約束を取り付けることができました。 約束の日時が週末の平日で中途半端な時間になってしまってるってところに、その痕跡が窺えるのです。 初めて目にする人がローマ字読みするとツッコミ風になってしまうファッションビルの入り口でキョンさんの姿を探しますが、まだ来てないみたいなのです。 スカートのポケットの中でメール着信音が鳴ったのでケータイを開いて確認。 『ターゲットS、学習塾にて数学の講義を受講中。不審な動きはなし』 ふふふ。同じ轍は踏まないのです。今回は佐々木さんの監視付き。部下から定時連絡を入れてもらうようにしました。 安堵して姿勢を正し直します。 ちなみに今日のあたしのお洋服ですけど前回と一緒。強いて言えばお星様のネイルアートを入れたくらいかな。お仕事があるのでネイルチップですけど。 誤解のないように説明しますけど、決して手を抜いたワケではありません。 キョンさんは女の子の服装の細かいところまでは興味は示さないタイプだから、過剰にドレスアップしても自己満足にしかならないというむしろ学習の成果なのです。……というのはあくまでも本音半分。残り半分は十代女子の厳しいお財布事情に由るものなのです。 その代わり! 今回はちゃーんと奥の手を用意してきました。 二つある尻尾を一つにまとめて一つに……、そうっ! ズバリ、ポニーテール! キョンさんの琴線に触れる超重要スタイルだっていう下調べは随分前からついていたんだけど、奥の手は常に取って残しておくもの。策士たる者の基本的な心得なのです。 でも今日は勝負の日なので惜しみなく投入。振り返ってショーウィンドウを姿見代わりにポニーの出来栄えを再確認。 結い位置はあごと耳の延長線のベストポジション。毛先までストレートにまとまった艶のあるサラサラの髪を肩越しに確認すると、力強くうなずきます。 イケる。これなら間違いなく一目でキョンさんのハートも直撃のはず。 自分の世界に入っていっちゃいそうになったけど、写り込む人影の中に小さく写るキョンさんの姿を見つけると、慌てて我を取り戻して振り返ります。 やっぱり出会い頭の第一印象は大切よね。 「こんばんは」 グラビアアイドルばりの極上の営業スマイルでキョンさんをお迎え。対するキョンさんはの倦怠感溢れんばかりの随分なおざりな態度で応えてくれました。 「お前も暇だね。バイトはどうした? オフならオフでもっとプライベートは有効に使えよ」 相変わらず手厳しいのです。 広義で言えばこれも仕事の一環です、という台詞を飲み込んで、 「学校の後で疲れてるところ呼び出しちゃってごめんなさい」 と、ペコリと頭を下げました。ポニーの尻尾がキョンさんに差し出されるような格好になります。 すぐに頭を上げてすかさずキョンさんの表情をチェック。 視界に入ってきたのは、口を半開きにしたままぎこちなく佇むキョンさん。それはまるで何かを言おうとした瞬間に待ったがかかったような、言うなればぶっきらぼうに「まったくだ」とでも返そうとしたときにカウンターパンチをもらったような、おかしな表情。 「んん? どうかしましたか?」 心の中でガッツポーズを作りながら、素知らぬ調子で問いかけます。 「い、いや。なんでもない」 んもうっ、そこで「髪型、変えたんだな」の一言があれば女の子も喜ぶのに、天邪鬼なんだから。 まぁ、いいのです。キョンさんの強硬な態度も崩せたしツカミはOK。 「じゃあ行きましょうか?」 一気に畳み掛けるようにあたしは素早くキョンさんの腕に飛びつくと、ギュッと身を寄せてリードします。 「おいっ、行くってどこへだ?」 「バイキング!」 ////////// 駅前の高層階、海を見渡せる夜景の素敵なホテルレストランの窓際の席に十代のカップルが一組。 一流ホテルというほどではないのである程度のラフさは許されるとしてもちょっと浮き気味であるのは否めないのです。 金曜の夜ということでお客の入りも良くて家族連れも多く、満席に近いくらいに混んでるので、なんとかその中に紛れ込めているのが救いですけど。 せめてキョンさんがもう少し気合入れてオシャレしてきてくれれば良かったんだけど、まぁ贅沢は言わないのが吉です。 このバイキングは期間限定で催されているもので、3000円で普段ご縁のないような料理が取り放題、食べ放題、飲み放題という庶民にとっては一大イベントなのです。そのため、みなさん実に気合が入ってるのです。その例外に漏れずキョンさんも。 キョンさんはあたしに借りを作るのが厭みたいなので、露骨に奢ることは控えて招待券を手配しました。誰かに譲ってもらったわけでもなくわざわざ機関の経費で購入して。 親戚から招待券をもらったけど、家族は都合がつかなくて行けないという設定を作ることでキョンさんをその気にさせることに成功しました。 優雅にホテルで夜景と夕食を楽しみながらでくつろいじゃったりしてますけど、ここに至るまでには聞くも涙の長い道のりがあったのです。 だけど、その労苦の甲斐あって育ち盛りの男子の食欲を煽るために企画したこの計画は結果的に成功でした。 現にキョンさんはさっきから大皿をいっぱいにして戻ってきては、舌鼓を打って非常にご機嫌なのです。 食べるのに夢中で料理の感想以外あたしとほとんど喋ってないのがそこはかとなく残念ですけど。 あたしですか? 正直な話少食なのでバイキングのメリットは無いの。あくまでもキョンさん優先。泣けてくるくらいの健気さなのです。 と、切なさを噛み締めるようにエビチリを一口食べたとき、キョンさんが向かいの席に戻ってきました。あ、今度はにぎり寿司なんだ。 「どうした? さっきからあんまり箸が進んでないように見えるんだが」 「そんなことないのです。ちゃんと食べてますから。お寿司美味しそうね」 「回ってない寿司なんて久しぶりだな」 嬉々としながらキョンさんはアナゴを頬張りました。 幸せそうな笑顔は見てて癒されるものがあるんだけど、あたしと二人でいるときその表情が見たいのです。 「適当に見繕ってきたんだが、自由に取ってくれ」 「あ、うん。ありがとう」 「さすがホテルのレストランだ。いくらでも箸が進むね。今日は偶然家族が出払ってて夕飯をどうしようか困ってたところだったんだ。ちょうどよかったぜ」 「そう言って喜んでもらえるとこっちも嬉しいのです」 「妹を連れてきてやりたいな。あいつを連れて来たら次から次へと目移りして目を回しそうだ」 そんな風に無邪気に話すキョンさんはなんだか普段より随分子供っぽくて、完全に毒気を抜かれてしまいました。 でも、レストランに来てから初めて会話が続いたような気がします。さすがにキョンさん食べるペースも落ちてきたし、お話するならこのタイミングかも。 「キョンさんって好き嫌いないんですか?」 「……ねぇな。特殊にカテゴライズされるもの以外だったら結構何でもいけるかもな」 「女の子の好き嫌いも?」 「ぶっ、っごほっ、ごほ、ごほっ」 慌てて口許を押さえてお寿司を噴出すの阻止して激しく咳き込むキョンさん。、 「あああっ、はい! お茶!」 渡した湯飲みをひったくると一気に流し込みます。 ちょっとした冗談なのにそんなに動揺しなくても。それとも、心当たりがあるっていう裏返しなのかな。 「っ――――、はぁっ! おまえなっ、俺を殺す気か?」 「ちゃんとお茶をパスして助けたじゃないですかぁ。そこまでびっくりする方がどうかしてるのです」 「いいや、全然関係の無い話をいきなり振ったお前が悪い」 反射的に言い返そうと息を呑んだあたしでしたが、キョンさんの酷い有様を目の当たりにして言葉を失ってしまいました。 あ~あ、ほっぺとお洋服にご飯粒いっぱいを貼り付けて……。 ハンカチを取り出すとあたしは席を立ちました。キョンさんは一体何をやらかす気だと言わんばかりに身構えます。もうっ、失礼ね。 「ちょっとじっとしててください。上着脱いで。シミになるといけないから、応急処置だけどやってあげる」 鳩が豆鉄砲を食らったように硬直したまま瞬きだけを繰り返すキョンさんの隙を突いてハンカチで顔についたご飯粒をパッパッと払って、背中から無理やりジャケットを脱がしにかかります。 お醤油のシミがついたところにハンカチのキレイな部分をそっと当てながらお冷の水をちょっとだけ垂らして馴染ませておいて、乾いた部分を当てて汚れを吸い出すことを繰り返すと、……よかった、だんだん薄くなってる。 この間キョンさんはテーブルの料理に手を伸ばすこともせずに黙ったまま見てるだけ。きっと今顔を上げたらバッチリ目が合っちゃうんだろうなぁ、なんて思うと勝手に照れてしまいました。 それをごまかす様にあたしは更に手元に意識を集中させます。 レストランで膝の上でせっせと染み抜きをする女子と、それを呆けたように見守る男子。 客観的に描写するとなんだか奇妙な光景ですけど、ジャケットを返したときのキョンさんの顔を目の当たりにしてそんなことは瑣末事のように吹き飛んでしまいました。 「ありがとうな」 穏やかに微笑みながら礼を言ったキョンさんの表情は、つい数分前まであたしが欲してやまなかったものだったから。 //////////// ちょっぴり幸せな気分に浸りながら、心行くまで食事を楽しんでレストランから出てくると時刻は午後8時20分。 花の金曜日ということもあって、繁華街はまだまだ宵の口とばかりに活気に満ち溢れていました。心なしか道行く人たちの足取りも軽いように思えるのです。 この後ですけど、洋画を見てさらに良い雰囲気になって、映画館の熱気を冷ますために公園に入ってベンチでさらにさらに良い雰囲気になって、その後は、い、いけるところまで! ってのがあたしの計画だったんだけど、レストランから出ると同時にその計画にいきなり黄信号が灯りました。 食事中は結構良い雰囲気だったにもかかわらず、それはそれ、これはこれと言わんばかりにキョンさんの態度は待ち合わせた直後の硬いものへと逆戻り。 キョンさん~、さっきの優しい顔はどこへ隠しちゃったんですか? 映画に誘うと家族が心配するから帰る、とかいい加減なことを言い出したので、さっき今日は家族が不在だって言ってたじゃないですか、と問い詰めてなんとか引き止めたのです。 けれど、このままじゃ本当に半ば義務的に映画を観るだけでスタッフロールと同時にさっさと帰ってしまいそうな雰囲気がありありね。 席を取ってキョンさんを残してホールのドアを閉めて廊下に出てくると、途方に暮れて大きく息をつきす。 辺りを見回すと映画館は大入りらしく飲み物を販売している売店の店先には列が出来ていました。 映画に誘ったのは暗闇でキョンさんの手をそっと握って女の子を意識させようってのが目的でしたけど、こんなテンションじゃ何を仕掛けても効果がないよね。 と、暗く一人ごちると、ずーんっと重く沈んでしまいそうになります。 ……アレを使うしかないのかな。 手提げのバッグから取り出したるはピンク色の小瓶。心なしか水よりは粘度が高いように緩やかに揺れる液体を眺めつつ逡巡します。 ああ、こうやって神妙にしてると誤解されちゃいますね。中身は危ないクスリとかでは断じてないのです。 持って来たのはお酒。アルコール度数の高い焼酎。 正直道具に頼るのは矜持に反する行為なのです。それだけに悩む。うぅ……、どうしよう。酔わせて手篭めにするなんて、姑息なナンパ師みたいなのです。少なくとも女の子がやることじゃないよね。 その時、スカートの中でケータイが震えました。お決まりの定時報告。 『ターゲットSに動きなし。依然講義を受講中』 という内容を確認してパタンと閉じます。 それが合図になったかどうか分からないけど、瞬間佐々木さんの存在を強く意識したことは間違いありません。 あたしが手をつけようとしてるのは禁断の恋愛。モタモタとしてる余裕などないのです。 そう、長期戦は色んな意味でダメ。次回はないものと思わないとっ。 顔を上げるといつの間にか売店の列は捌けてすぐに注文ができる状態。あたしは重い足を引きずるようにしてカウンターに向かいます。 「いらっしゃいませ」 鬼気迫る雰囲気が出てしまっていたためか、店員の男性の顔が一瞬引きつりました。 「グレープジュース2つ」 この言葉と同時に賽は投げられました。橘京子、プライドを削ってまで勝ちたい一世一代の大勝負の幕開けなのです。 //////////// 席に戻ると紙カップを両手に持つあたしをキョンさんが訝って迎えてくれました。 「あれ? トイレに行ったんじゃなかったのか? 飲み物はいらんと言っただろ」 「映画は2時間あるんですよ? 備えあれば憂いなしってやつです。もし、要らなかったらあたしが頂いちゃいます」 上っ面はいつもの調子の茶目っ気があってちょっとテンション高めのあたし、でもその薄皮一枚裏側はここからの展開に怯えまくりなのです。 今一つ釈然としない様子のキョンさんでしたけど、あたしが座るとともにブザーがなって開演となりました。 今から始まるのは前回もプログラムに組み込んでいたアクション映画。 シリーズ三作目らしいけど、白状すると前作をちゃんと観たことないのです。ではなぜこれを選んだかというと、途中にロマンティックというか、ちょっとえっちなシーンがあったりするから。 映画に触発されてキョンさんがあたしのことを意識したりすれ儲けもの。なんにせよ二人のテンションとムードを高めるのが目的なのです。 映画自体は前作を知らなくても十分楽しめる内容で、のっけから派手なアクションシーンが連発。緊迫する場面の連続で思わず引き込まれてしまいました。 それはキョンさんも同じらしくて、視線は正面を向いたまま集中しているみたい。 そのまましばし純粋に映画を楽しんで、オープニングから30分くらい経った頃、運命の瞬間は突如訪れたのでした。 やっぱり喉が渇いたのか、口寂しくなったのか、目の前にあるから単に反射的に取ってしまっただけなのかは分かりませんけど、とにかくキョンさんは何気ないごく自然な動作でジュースを取ってストローに口を付けたのでした。 コクコクと五回は喉が鳴ったかな。思いのほかたくさん飲んだのです。 フィ――――――ッシュ!!! と思わず心の中でガッツポーズ。 何か間違ってるような気もするけど、この際ニュアンスだけそれっぽければ何でもいいの。 言うまでもなくキョンさんが今のんだのは橘京子謹製のグレープチューハイ。 あまり焼酎を混ぜ過ぎるとバレるリスクが高くなるため、配合には最新の注意を払いましたけど、キョンさんは変な素振りを見せることなくカップを戻しました。 やったのです。こんな量で酔っ払うこと期待などできませんけど、お酒が入って少しでもノリが良くなれば御の字。とにかく第一関門はクリア。 そんな風に映画を無視して一人盛り上がるあたしなど全く構わずにその後キョンさんは映画の幕間のタイミングで何度もカップを取り上げたのでした。 カップは不透明だけれど、液体の影から察すると半分以上は飲んじゃったみたい。 これだけ飲めばちょっとは……、といそいそとキョンさんの横顔を窺ってみましたけど、両の眼はバッチリと開いたまま、顔色は分からないけど何の変化もみられません。 まぁ、こんなもんか。と落胆しかけた自分を納得させて、いい加減あたしも映画に視線を戻したのでした。 時間は過ぎて映画も佳境に差し掛かり、お待ちかねというか、あたし的に見所というか、んん……もうっ、どちらも微妙に意味合いが違うんですけど、とにかく件のシーンに差し掛かりました。 スクリーンの中で美形の白人俳優と女優がベッドの中で抱き合ってお互いを求め始めました。わわっ、激しいのです。 とはいえ、たかだかR‐15なので当然ながらお二人はシーツに包まっていてナニがドウなってるのかは分からないんだけど……、あの一枚の布の裏側では一体どんな攻防が繰り広げられているのか逆に想像が掻きたてられてしまいます。 俳優が一言『愛してる』と耳元で囁くと、そこからはひたすらキスシーン。 え、ええー? そんな、のっけからいきなり、し、舌を絡めて、うわ……、お、オトナのキッスの応酬なのです。 ゴ、ゴクリ……、と生唾飲み込んで思わず食い入るように見入ってしまう前に、一片の理性から待ったがかかりました。 バカ、ここで映画にのめり込んでどうするの? 我に返ってキョンさんの横顔を窺うと、キョンさんはべつだん興奮した様子も、慌てた様子も見せず普通にスクリーンに集中してるようでした。 平静を装ってるのか本当に平然としてるのかまでは分かりません。相変わらず読めないなぁ。 でもでも作戦は作戦。映画に誘ったのは今この瞬間のためといっても過言じゃないんだもの。やるしかないのです。 あたしは膝の上で掌を一度グッと握って覚悟を決めると、右手をゆっくりと上げて隣の席の肘掛の上にあるキョンさんの手に重ねました。 っ、着地成功……。喫茶店で閉鎖空間にご招待したとき以来の素肌のコンタクト。 ただ手が触れているだけの状態にも関わらず、あたしの心臓はどんちゃん騒ぎのビッグマーチ。脈が鼓膜の内側で聞こえるくらいです。 分厚くて節くれだっててとても男の子してるキョンさんの手の感触を堪能してしまいました。 あたしがこれだけドキドキしてるんだもの、キョンさんだって少しは意識してるはず……、チラと横目で窺うと――――、寸分の変化もみられないキョンさんの横顔。 ええ? なんでなんで? ま、まさか映画にのめりこんでて気づいてない、とか? ……ありえるのです、何せ相手は究極ニブチン朴念仁。この程度じゃ足りないってことね。 ここでスルーされるのは女としてのプライドが許さないのです。 うー、仕方ない。は、はしたないって思われるかもしれないけど……。 恥ずかしさに耐えながらおそるおそるあたしは重ねた手を握って、キョンさんの指の間に絡めます。いわゆる『恋人繋ぎ』の完成……。本当は掌同士で合わせるんだけど、密着度はさっきの比じゃないのです。 こんなステディな恋人みたいなことをやっちゃうなんて、ひょっとしたら大胆過ぎたかも……、などと思いながらもさすがに気づいただろうとフライングしたり顔を浮かべながら横を向くと、真正面からばっちり目が合っちゃいました。 お互い顔から火が出たように赤面する――――、はずなのに頬を赤らめたのはあたしだけ。 キョンさんは困ったように眉を下げながら、 「橘、手、手」 と、ぞんざいに顎で促しましたが、展開についていけないあたしが固まったままでいると、今度は焦れたように、 「手が重なってるんだよ。どけろ。お前夢中になりすぎだぞ」 そんな超絶勘違いの発言を、しれっと余裕たっぷりに言ってのけてくれたのでした。 唖然としたあたしは字面の如く開いた口が塞がりません。 こ、こんの男はぁ~~~~、性懲りもなくよくもそんなデリカシーのない言葉を……。 そこに怒りの波が遅れてやってきて、わなわなと身体が震え始めました。 温厚だと自他共に認めるあたしがこんな風になるなんて滅多にないのです。 大きく深呼吸して必死に抑えようとしたけれど、無理!!! 許せない! 女の子に恥をかかせるなんて最っ低!! 溢れた怒りを押し留めることができず、思い切りキョンさんの甲の肉をつねりました。 「イテッ」 間抜けな声が傍らからあがりました。天罰なのです。 つねられたトコをさすりながら不審な視線を送ってくる気配はしますけど、もちろん無視。 手を自分の膝の上に戻すと、スカートの裾がシワになっちゃうくらいに強く握り締めながら視線を前の席に座る人の後頭部に突き刺した状態で怒りを滾らせます。 しかしこの憤りは素直に収まらず、喉が乾いたあたしはひったくるようにカップを取って煽るように一気に飲み干しました。 飲んだときは味なんて意識する余裕なんてなかったけど、飲み干してから言い様のない味というか食感を覚えたのです。 熱い……。喉から食道までが疼くような感じ。さっきまで飲んでたジュースと比べて明らかな違和感があります。 吐息が喉に絡まるような妙な感覚、……アレ、これってお正月に飲むお屠蘇みたいな……って、えええっ!? 慌てて確認すると膝元のカップ置きにはしっかりと自分のジュースがあり、その横には空スペース。 なんてこと、よく見もせずに取ったのが仇となって間違えてキョンさんのジュースを飲んでしまったのです。 こ、これって間接……、じゃなくてっ! 変な味は確実に仕込んだお酒のせい。 まずいなぁ、あたしにはブランデー入りのババロアでベロンベロンになってしまった前科があるのです。 だ、大丈夫かな……。大丈夫、よね? 粗相をキョンさんに悟られぬようにカップをそっと戻して、映画なんかそっちのけで弱気な自分に言い聞かせながら身体の反応を窺います。 気が気でないまま時間は過ぎて、映画もいよいよラストシーンというところで身体からの応答がありました。 突きつけられたその応えは……、案の定、恐れていた事態。 身体が内側からポカポカと熱くなって、頭が痺れたようにジンジンしてきました。症状は時間とともに悪くなるばかりで、ありていに言えばとっても、ツライ……。 うぅぅ、まるで風邪を引いたように苦しいのです。 盛った毒に自爆するなんて、なんてドジ。ばかばか。間抜けな自分が厭になるのです。 回る視界にスクリーンの光は刺激が強すぎたので、目を閉じたまま夜店で取った金魚のように口をパクパク空けて喘いでいると、横から声が掛かりました。 「どうした? なんか辛そうだぞ」 薄目を開けるとスクリーンを遮って覗き込むキョンさんの顔。 そんなに目一杯身体を伸ばして心配してくれると……、ちょっと嬉しくなってしまうじゃないですか。 回らない頭でそんな馬鹿なことを考えていると、キョンさんはみるみる深刻な顔つきになりました。 「すごい汗じゃないか。お前、大丈夫か?」 「え、ええと……。ちょっと気分が、優れなくて。大したことはないんですけど」 自分で言っててなんて説得力のない台詞だろうと呆れたくらいですけど、こんなことでせっかくの逢引きがお開きになるのは勘弁なのです。 病気じゃないんだし、どんどんお酒も抜けていくはずなんだからこのままちょっと我慢していれば映画が終わる頃には……、 そんなことを思った矢先でした。急に身体が宙に浮くような感覚がすると、あたしはキョンさんに肩を貸されて席を立ってました。 「キョ、キョンさん?」 「外の空気吸ったほうがいい。出ようぜ」 あたしの前で初めて見せたキョンさんの自発的な姿。 普段は受身ばっかりなのに肝心なところではしっかりサポートしてくれるんだ……、こんな緩急をつけるのは反則なのです。こんなんだから、みんな惑わされちゃうんだなぁ。 そう思うと胸がシクシクと疼きました。ふふ、この症状はきっと酩酊とは無関係かな。 「ちょっと、すいません」とあたしを支えながら道をあけてくれるキョンさんの真剣な横顔を、ホールを出るまであたしはじっと見つめ続けていました。 館内の廊下に出るとひんやりとした空気が心地よく、思わず気が抜けてそのまま一気に力が抜けて膝から崩れそうになっちゃうところをキョンさんが抱きとめてくれました。 ああ、不可抗力ながらついにハグまで……、せっかく冷めかけていたのにまたぶり返してしまいます。 「おいおい、しっかりしろ。マジでやばいなら救急車呼ぶか?」 未成年飲酒で酔っ払って救急車なんて、みっともないにもほどがあると青ざめたあたしは、力を振り絞って断固拒否します。 「少し休めば大丈夫です。お手洗いまで連れてってくれますか?」 キョンさんはいささか釈然としない顔をしながらも了承してくれると、しゃがんで後方に手を広げた姿勢になりました。 「……えーっと?」 意図が分からず一瞬戸惑ったけど、茹だった脳みそを頑張って回してようやく何を促していることに気づくと、一拍置いて沸騰したように顔がヒートアップ。それこそボンッって音がしそうな勢いで。 え、ええ~~~? こんなところでおんぶですかぁ? 嬉しくて恥ずかしいような、どっちにしろせめて心の準備くらいさせて欲しいと身悶えていると、キョンさんはそんなあたしの心の機微など解さず、 「連れてってやるから早くしろ」 と急かします。 うぅ……、恥ずかしいけどしょうがないよね。うん、だって非常事態なんだもの。 そんな言い訳とは裏腹に身体は正直に滞りなく前に傾いて、キョンさんの背中に遠慮がちにもたれ掛かりました。 さすがに首に手を回すことはできず、肩に捕まります。 キョンさんの腕があたしの太ももの裏側に回ると準備は完成。 そこからなんの抵抗もないようにキョンさんはすっとごく自然に立ち上がりました。 重いと言われるのはやですけど、簡単に持ち上げられてしまうのはそれはそれでなんだか全体的にボリュームが足りてないみたいで悔しいなぁ。 なんて、乙女心と葛藤しながらもキョンさんの足取りは確かで着実に歩みは進みます。 飲んだ量からすればキョンさんのがずっと多いはずなのに、酔った素振りなんて微塵も感じられない確かな足取りに理不尽さを感じながらも、定期的な上下の振幅が気持ちよくていつまでもこうしていたい気分になりました。 息を吸うとキョンさんの使ってるシトラス系のシャンプーの香り。そして、その中に漂う仄かな男の人の匂い。 身体全体でキョンさんを感じて、余計に頭がクラクラとしてきました。 キョンさん、これは逆効果ですよ……。 お酒とキョンさんの両方に酔いしれて、気持ちよく、苦しくて、切なくて、ワケがわかんなくて、もう、前後不覚でどうにか、なっちゃいそうなの、です。 まるで手の隙間から一握の砂がサラサラと零れ落ちるように、言った矢先から言葉を忘れていくような蒙昧さのままそんな台詞を一人ごちた刹那、 『カチリ』 と、何かスイッチが入ったような音が脳裏に響き渡りました。 それは自分の中で勝手に作り上げた擬音なのかもしれないけど、この瞬間何かが切り替わったのは間違いないのです。 だって、なんかあたしとっても、変な、気分なんですもの。うふふ。 なんだかじっとしてるのが、もったいない気分。 んん……、もうっ、じれったいなぁ。 意味不明に逸る気を紛らわすように両手をキョンさんの肩に乗せるのを止めて、首に手を回して思い切り後ろから身体をあずけてみました。 当然の如くキョンさんはびっくりして慌てます。 「うおっ。なんだ!? こらっ、じっとしてろ!」 非難の中にも明らかな動揺が見えるのです。ふふ、もしかして変なこと考えちゃってます? 反応が面白くてよりいっそうぎゅっとして密着度を一層高めてあげちゃいました。 「さてさてここで問題です。あたしが今キョンさんの背中に押し付けてるのは何でしょう?」 「そんなもん知るかっ」 ……この台詞にはカチンときたのです。 分からないってことですか? いくら控え目だって言ってもこれだけやれば弾力くらいは伝わってるはずなのです。む~~~~~~。 このどうしようもない鈍感男をどうにかしてやりたくて強攻策に出ることにしました。 抱きつく腕を緩めて少し身を起こすと、ろうそくの日が消えるか消えないかの微妙な加減で、 ふーーっ と、耳元に優しく息を吹きかけてみました。 そうするとさすがに効果は覿面。 頭の先からつま先まで芯が通ったみたいにキョンさんは直立して身を震わせます。 うふっ、ゾゾゾ、という音が聞こえてきそうなくらい。 「なっ!? お前っ、さっきから何かおかしいぞ?」 色を成したキョンさんが背中越しにあたしの表情を覗き込んできましたが、その刹那キョンさんの顔が引きつりました。それはもう、見たくないものを見てしまったような、いわゆる「げっ」といった感じのとっても失礼な表情。 何よ? 確かにフワフワして不思議な気分だけど、そこまで変な顔してるつもりはないのです。 抗議の一言でも言ってやろうとしたとき、目の前で美味しそうな果実が実ってるのを発見しちゃいました。紅く染まったキョンさんの耳たぶ……。 うふふ、いただきまぁーす。あむっ。 「っ―――――!」 この攻撃、いえ口撃は見事にキョンさんの急所に的中したらしく、声にならないような悲鳴をあげてキョンさんはバランスを崩しました。 同時に宙に放り出されたあたしはそのまま上からキョンさんに覆いかぶさるような形でドサリと赤のカーペットの上に倒れこみます。 「イタタ……」 膝を強く打った痛みを合図に状況を把握しようと目を開けると、開眼一番に網膜に飛び込んできたのはキョンさんの顔がドアップ。 どうやらあたしがキョンさんを押し倒しているような体勢になっちゃってるみたいなのです。 吐息が届くような至近距離でお互い目を見開いたまま見つめ合うこと数秒。 キョンさんの顔は微妙に口もとが引きつってて、目じりの辺りが痙攣しててムードもへったくれもないですけど、そんなのはご愛嬌の範疇。細かいことを気にしてたらキリがありません。 だってこんなのは千載一隅の大チャンスなんですもの。 視線を少し落とせばそこにはさっきよりも格別に美味しそうな二房一組の瑞々しい果実。 えいっ、奇襲!!! んちゅっ! ――――、とうとう初キッス達成――――――――。 ああ……、これが夢見ていたキョンさんの唇の感触。温かくて重厚で、口付けているだけで安心できるようなそんな不思議な感覚がするのです。 んー、とキョンさんを味わうかのように強く押し付けます。 ほんのり漂うのはグレープとアルコールの怪しい香り。 心は充足しているはずなのに、身体は貪欲にもっと強い刺激を求めてあたしをいけない衝動へといざないます。 さっきの映画のシーンで観たディープキスを思い起こさせて、それを今すぐやれと。 こんな大胆な自分が信じられないという戸惑いは確かにあります。でも、それはどこか遠い別の場所からもう一人の自分が頑張って叫んでるんだけど、全然声が届いてないような希薄な意識で、自分にブレーキが掛からないまま本能の暴走は止まりません。 ちょうちょが花弁を貪るかのようにキョンさんの唇を割って舌を挿れようとしたそのとき、キョンさんの身体が魚のように飛び跳ねて、凄い勢いであたしを押しのけました。 「きゃん!」 と、腕力も質量もないあたしは簡単に吹き飛ばされて上半身を仰け反らせます。 「なっ、なっ、なんてことしやがるっ!?」 拒絶は反射的なものだったのか、怒りよりも混乱が上回っているような様子でキョンさんは気色ばみました。 驚くのは仕方ないとして、せっかくの乙女の口付けなのにそれをばっちいものみたいに拭うのはいただけないのです。キョンさんってば、ひどい。 「何って、キスですよ。キーッス!」 「お前と俺がそんなことをする理由がどこにある? つーか、お前気分が悪かったんじゃなかったのか?」 そう問われて初めて自覚したんだけど、館内で苦しんでいたのが嘘のように今は何ともありません。 身体が芯から熱くて、気持ちが昂ぶってどこか夢見心地なのを除いては。 「おい」 「……なんですか?」 「いい加減どいてくれ」 「やです」 今のあたしがどこか変だってことは自分でも承知してることですけど、さっきからのやりとりの中でキョンさんの様子も少しおかしいことに気づきました。 普段のあたしに対する強気でぶっきらぼうなキョンさんはすっかり鳴りを潜めて、なんだか受身でしどろもどろな感じ。 ここでなんだかピンと閃くモノがありました。 もしかしてキョンさん、相手が強引だと強く出られないタイプ? 視界はぐるんぐるんでおぼつかないくせにやたらと冴えてるなんてなんだか不思議。何はともあれここは押せ押せで行くしかないのです。 珍しくも優位な状況にあたしは楽しくて仕方なくて、ニンマリと笑ってしまいました。理性という歯止めが利かなくて、愉悦と欲望丸出しのイヤラシイ顔になっちゃってるに違いないです。 目の合ったキョンさんが小動物のようにギクリと瞠目して身体を強張らせたのがその証拠。 「ふふ、キョンさんかわいい……」 「アホなこと言ってる場合かっ。この体勢を何とかしろ! 人が来るぞ?」 キョンさんに指摘されて今の体勢を省みてびっくり。 殿方に跨って見下ろすこの体位は、その、女性が上の、アレなんですもの……、やだ、あたしったらこんなこと考えてばっかり……。 意識すると急激にフラチな衝動が込み上げてきて、じっとしてられなくてむず痒いような妙な感覚に囚われます。 「う、上でもぞもぞするなっ」 キョンさんは真っ赤に顔を染め上げて必死の抗議をします。うふっ、まるでリコピンたっぷりのトマトみたいなのです。 無意識のうちに腰とか足とかが動き出しちゃってたみたい……。やだ、はしたない。 でもどちらかと言えばそういう方面に疎いあたしは、次に何をして良いかが分からず、逸る身体を持て余してしまうのでした。 こんなことなら、もっと予習しとけばよかったのです。 イニシアチブを握りつつもこのあとどういう展開にもっていくべきなのか考えあぐねていると、下からちょっと苦しそうなキョンさんの声。 「誰かに見られたらどうするんだ? 何の悪ふざけか知らんが、悪いことは言わん、どいてくれ」 誰かに見られたら。 この言葉が鍵の様に混乱したあたしの思考に作用して、眩い光が降り注ぐような感覚に陥ります。それは一言で言えば不意に啓けてしまったってこと。 全てが分かって、そして繋がってしまいました。 あ~あ、キョンさん。墓穴、掘っちゃいましたね。 誰かに見られるのがまずいのなら、誰にも見られない場所に移動すればいいのよ。 そして、あたしはそういう所に移動できるチカラを持ってる、そうなればもう話は決まりよね? 「じゃあ、二人っきりになれるトコへ行きましょうか?」 あまりに都合の良い展開が嬉しくて楽しくて、薄く笑いながらキョンさんの手首を掴みます。後は目を瞑ってもらうだけ。そうするには――、 「んん……っ」 もう一度口付けるだけで事は足りました。 顔を近づけてキョンさんが怯んで目を閉じた一瞬の隙を縫って空間移動を敢行なのです。 キスしたまま五感が薄らぐようないつもの不思議な感覚がすると、そこは同じようで違う場所。 その証拠にさっきまで漏れ聞こえていた映画の音声や人の喧騒がなく、静寂に包まれています。 名残惜しくもゆっくりと唇を離して身を起こし、キョンさんの反応を窺いました。 キョンさんはしばらく目を白黒させてからビタリと静止するという実に分かりやすいリアクションを見せてくれました。 ふふっ、無音の違和感にキョンさんも気づいたみたいなのです。 「お前、まさかっ」 「はい。そのまさかなのです。これで心配は無用ね」 「……なんか悪いモンにでも当たったのか? この期に及んで驚くつもりもないが、まさか実は二重人格ですなんて言い出すんじゃないだろうな?」 「失礼ね。これは素直はあたしの欲求なのです。キョンさんのこともっとシリタイっていう……」 突如言いたい言葉が煙のように消え失せてしまいました。 あれっ、なんで? 戸惑う猶予も与えず間髪入れずに襲ってきたのは、ものすごい倦怠感。瞼が重くて、重くて仕方が、ない。 「おいっ、橘?」 「っはぃっ! ええ? ああ、と、とにかく、今夜は帰さないのです、分かり合えるまでじっくり、じっくり……、トコト、ン……」 が、がんばるのよあたし。こんなところでうつらうつらと船を漕いでる場合じゃないのです。 けれど、不本意ながらも意識はどんどん遠のいていくばかり。 ええ~、ちょっとぉ~! こんなのってないのです~~~!!! 恨み節も暖簾に腕押し、ぬかに釘、自分との戦いにも関わらず全く抗うことなど許されないまま、問答無用でブツリとワイヤーが切れたように瞼が強制シャットダウン。 一時はお酒で勢いがついて怪我の功名なんて思ったあたしが馬鹿だったのです、最後に待ってたのはやっぱり因果応報。 気を持たせるなんて神様も意地悪なのです、と不遜にも神相手に毒づいてハッと気づきます。 …………、佐々木さんならいかにも当然の天罰かぁ。 などと馬鹿なことを考えて自嘲気味に笑いながらあたしの意識は徐々に霧散していったのでした。 //////////// 意識を手繰るように覚醒して目を開けると、強烈な光線が飛び込んできて、反射的に手で遮ります。 うぅーん、眩しいっ! おかしいなぁ。部屋の電気を消し忘れてベッドに入った覚えはないのに。 寝起きにも関わらず、目覚めは抜群に良いみたいで珍しく頭はクリアに冴え渡ってるのです。ただ目だけが明るさに慣れないようなもどかしい感覚。 「橘! おいっ、しっかりしろ」 そこへ投げかけられたキョンさんの声? え? どうして眠ってたあたしの傍にキョンさんが? 瞬時にあらぬ想像が駆け巡って、あたしは飛び起きます。 ゴチン! 目を瞑ったまま急に動いたのが仇となり、額を何か柔らか硬いモノにぶつけて、視界にお星様が飛び散りました。 なに? なに? なんなのいったい!? せっかく踏ん張った腹筋も空しく上半身は重力に従って逆戻り。感じた落下の衝撃はいつも私が使ってる枕とは違うものでした。 んん? なんか後頭部にちょっと硬めの低反発素材のような柔らかい感触が……。って、それどころじゃない、痛いぃ。 あまりの痛さに両手で患部を押さえると、ついでとばかりに涙まで浮かんできました。 うぅ……、最悪の目覚めなのです。 「った~~~~~~いぃ!」 「ってぇ」 ようやく拓けた視界に待ってたのは、あたしと同じ格好で額を押さえながら痛みに耐えるキョンさんの顔。上からあたしを覗き込むような姿勢でしかもかなり距離が近い。 この体勢、頭に感じる人肌のような柔らかい感触、これって……、 キョンさんの膝枕――――――――!?? いくら察しの悪いあたしでもここまでヒントが出ればピンとくるのです。 流石に同じ過ちは繰り返さないように今度は横に身体を回転させて、文字通り転がるように離れると、不意に落下感襲われて反射的に頭だけは守ろうと下手くそながらも受身を取ります。 ドン と、尻餅をついて身体が止まったことを確認すると、そこはあたしの部屋でも、キョンさんの部屋でも、ましてはそういうホテルの一室でもなく、素っ気もない無骨な硬いアスファルトの上。 ワケも分からず取り乱したままに立ち上がると、目の前にはベンチに座って顔を歪ませながら額を押さえるキョンさんの姿。 明るいのはあたし達のいる水銀灯の下だけで辺りは真っ暗。今は夜? 聴覚が戻ってくると少し風が吹いていて、ザワザワと木の葉が擦れる音が聞こえてきました。 「――ッ、たた」 遅れて襲ってきたのは芯からズキンと響く頭痛。 さっきぶつけたのとは明らかに違う種類のもの。それが呼び水になって断片的な記憶が戻ってきました。 そうだ、キョンさんとデートしてて、バイキングで夕食を楽しんで、その後映画館へ行って……、焼酎入りのジュースを飲んじゃって、廊下でおんぶされながらキョンさんに絡んじゃって、今の頭痛はその名残! 芋づる式に記憶が呼び戻ってきたけど、ここでピタリと止まってしまいました。 それからあたし、どうしたんだろう……。 途切れたフィルムのように断絶があって、いくら頑張っても思い出せません。 「なんだ、随分と元気そうじゃないか」 「キョンさん、どうしてあたしこんなとこで……」 「覚えてないのか?」 「……はい」 額を赤くしたキョンさんは少し困ったように鼻の頭を掻きました。 どうしてそんな微妙な表情をするんですか? ま、まさかあたしとんでもない粗相をやらかしちゃったりしました? 「気分はもういいのか?」 言われて改めて自分の体調を省みました。それ自体がすでに何も変調がない証拠なのです。ぐるんぐるんに回っていた視界も、熱くて仕方なかった身体もすっかり元通り。 「……大丈夫みたい」 「そりゃよかった。大変だったんだぜ? いきなり落ちたからな。気絶したんじゃないかって思ったくらいだ」 お酒が回ってくだをまいてるうちに寝ちゃったってことかな? おそらくはそんなところだろうと思うけど、キョンさんには大変な迷惑をかけてしまったのです。 でも、なんだかんだ言ってちゃんと介抱してくれるなんて、やっぱり優しい。 それにしてもここまでどうやってあたしを運んだろう……。おんぶ? ま、まさかお姫様だっこってことはないよね? 膝枕の感触を思い出しながら妙な妄想を膨ませると舞い上がってしまいます。 「えー、その……、なんだ……」 キョンさんが少し照れて落ち着かない様子で切り出します。らしくない妙に歯切れの悪い調子で。 「急にお前のキャラがおかしくなったのはなぜだ? 頭の大切な部品が脱落したんじゃないかって疑っちまうくらいにぶっ飛んでたぞ」 どうやら酔っ払ってかなりみっともない姿をお見せしてしまったようなのです。 どんな状態だったのかは思い出せないけど、キョンさんの様子からしてとにかく完全にキャラが壊れちゃってたってことは間違いなさそうなのです。 うぅー、恥ずかしいなぁ。 まさかお酒に酔ってましたなんて正直に白状することはできず、けれど説明せずに変人のレッテルを貼られるのはもっと受け入れられず、結局あたしが用意した嘘の答えは、 「く、九曜さんに作ってもらったサプリメントが身体に合わなかったの、かなぁ?」 なんて酷い出来の嘘。無理のある設定が災いして自信が持って言い切れず、目が泳ぎまくって余計に嘘臭い雰囲気を増幅させてしまいました。最悪の悪循環なのです。 「九曜自作のサプリメントだと? サプリメントって栄養剤か何かか?」 コクリとうなずいてみたものの、いくらなんでもこれじゃあ信じる方が無理があると自己嫌悪に陥りそうになりました。 「……お前、口にするモンは選べって。あいつがまともなモンを作ると思うのか?」 ……あたしは首を振るしかありませんでした。ああっ、ごめんなさい九曜さん。 でもでも、助かったのです。ありがとう、九曜さん。 この窮地でキョンさんを納得させることができたのは、まさにあなただからこそ。 あなたの正体不明、意味不明のキャラクターにはいくら感謝の意を述べても足りないのです。 ひとまず一難去ってホッと息をつこうとしたところへ、まだ早いとばかりにキョンさんが「もう一つあるんだ」と口を開きました。 「アノ事なんだが……、無かったことにしないか? お前もクスリでワケが分からない状態だったと思うし不本意だろ?」 アノ事??? 意味不明な内容にあたしは戸惑います。 きっとやらかしてしまった中身に含まれている事なんだけど、今のあたしには知る由もないのです。 「あの、あたし、なにか失礼なことをやっちゃいました?」 おそるおそる訊いてみると、キョンさんは目をぱちくりと瞬かせた後、素の表情に戻ると小さく首を振ってみせました。 「いや、覚えてないならいいんだ。気にするな。俺も気にしないようにする」 「えぇ~? すごく気になるんですけどっ」 なんて、粘ってみてもキョンさんは教えてくれません。 このままじゃ夜、眠れそうにないのです。なんかあたし的にはすっごく嬉しかった事のような気がしてならないのです。ああっ、もどかしいっ。 「もう一人でも大丈夫だろ。解散だ。メシうまかったぜ。じゃあな」 地団駄を踏むあたしを気にかけず、キョンさんは一人矢継ぎ早に別れの台詞を言い放つと、さっさとベンチを立って行ってしまおうとします。 「ちょっ、キョンさん!」 慌てて追おうとしますが、キョンさんは半身に振り返って肩越しに、 「ポニー。なかなか似合ってたぜ」 と予想だにしないタイミングで大切な言葉をそれはもうぞんざいに投げつけてきたのでした。 虚を突かれたあたしは完全に機能停止。 ただ手を振って歩いていくキョンさんの背中を見送ることしかできませんでした。んもうっ、こんなの反則なのです。 …………なんだかすっごく消化不良な感じがすんですけどっ。 やりきれない気持ちを抑えるようにあたしはベンチの傍らでしばらく立ち尽くしました。 徐々に頭が冷えて来ると思い出したことが一つ。 そうだっ、定時連絡! あたしは慌てる手の上でケータイを躍らせてもたつきながらも、報告を確認します。前回の酸っぱい失敗がちょっとトラウマになっているのかも。 気を失っている間に一通の着信あり。 『ターゲットS経路Cで帰宅完了。自宅に入ったまま動きなし』 「ふうっ」 とりあえずブッキングの心配だけは拭い去ることができました。 そのままピッピッと操作してよくやってくれた部下にお礼と解散のメールを送ります。 送信完了っと。 さて、今回は何だか良かった事と悪かった事がごちゃまぜになったような変な結果に終わってしまいました。 少なくともレストランではちょっと良い雰囲気で、映画館は自爆の大失敗があったものの、さっきのキョンさんの表情からすれば壊滅的ではなかったような気がするのです。 ああ~、なんとか思い出せないかなぁ。何があったのか、何をやってしまったのかとても気になるのです。 記念になるくらいの金星を獲った! っていう感覚だけはうっすら残っているものの、その金星の中身がさっぱり思い出せません。これ以上無駄な記録はないのです。 脳みそを急かすように頭を小突いてみますけど、もちろんこんなことで思い出せたら最初から悩みません。 水銀灯のスポットを浴びて佇みながら記憶を浚ってみましたけど、程なくして諦めました。 ……帰りましょう。取りあえず後退はしてないはず。作戦の度に総計ではプラスの方向に向かってるのは間違いないのです。その進度は亀さんが三歩進んで二歩下がるような感じですけど。それでも明日に繋がるのなら贅沢は言わないのです。 さぁ、撤収――――。 踵を返そうとしたとき、突如身体を襲ってきた怖気にあたしは硬直しました。 背中を這ってゾワゾワと前に回りこんでくるような黒い威圧感。なぜか脳裏に浮かんできたのはまるで太い昆布がうねくっているようなそんなイメージ。 ……なに、これ? 振り返るなと本能が告げているけど、あたしの帰り道はこっちとばかりに身体が独断専攻で180度回転。 そこに待っていたのは、イメージそのままの地上で蠢く昆布の群生……、ってそうじゃなくて! 「く、く、九曜さん!?」 シンと静まり返った公園に素っ頓狂な声を響かせてしまいました。 なぜ九曜さんがここに……、瞬間背筋に冷たいモノが走りました。 ……そうでした。理由の察しはつくのです。……覚悟まではまだ、っできてないけど。 夜に九曜さんにお会いするのは……、初めてのような気がします。いえっ、初めてですっ。 だって、お顔はおろか全身もすっぽりと覆い隠してしまいそうな大ボリュームの艶やかな漆黒の髪の毛は、暗闇と完全に同化して顔面だけが中に浮いてるような感覚に陥るんですもの。 こんなきょうれ、いえっ、鮮烈な光景は一度見たら絶対に忘れないもの。 九曜さん、そういうのは夏にやりましょうよ、ね。懐中電灯なしでそれができるなんて、すばらしい特技なのです。 淡雪のように真っ白なお面を浮かび上がらせて、視線は虚空に彷徨わせたまま。一体どこを見てるか見当もつきません。あたしを見ていないのは確かだけど。 「――――、栄養剤を――――」 やや色彩に寂しい薄い唇がなんの前触れも無く開くと、感情の読み取れない完璧に平坦な音声が滑り出てきました。 出てきたその単語にあたしはビクリと身体を震わせます。 「――――、あなたに―――、栄養を…………あげる――――」 「いえっ、あのっ……、さっきのはですね。言葉のアヤというか、成り行き上致し方なかったというか、とにかくごめ、って、ひぃぃ!」 ビュム! 音を当てるとするならばそんな風切音。とにかく普通の人間には到底出せないような異音を伴って、九曜さんはカタパルト発進のように高速水平移動してあたしに急接近。 まるで能面が襲い掛かってくるような恐怖に駆られて、瞬間冷凍されたようにあたしの身体は固まります。 こ、これはっ、冗談抜きでトラウマになっちゃいますよぅ。九曜さぁん。 その隙を縫ってガッシとあたしの両腕を掴まれてしまいました。 二人で揺りかごを作るような形になるけど、揺りかごなんて平和でのどかな雰囲気など微塵もないのは言うまでもありません。 信じられないことに九曜さんはそのまま後ろに水平移動を敢行。あたしは引っ張られるままに前進するしかありません。 「――――、行こう――――」 「ええっ!? ちょっ、あのっ、待、…………ええっ? えええ~~~~?」 顔を付き合わせたまま、前代未聞のスタイルで強制連行されるあたし。 この展開と、体勢と、九曜さん。全てが信じられなくて混乱は留まることを知らずに膨れあがるばかり。 「――――、栄養――――、注入――――」 ちゅ、注入!? 栄養剤って普通飲むものですよねっ? あのっ、できればあたし服用する方でお願いしたいんですけど……。 そんな願いなど聞き入れられるはずもなく速度は順調に加速。程なくしてあたしは全力疾走を強いられていました。 「えーん。九曜さぁーん、ごーめーんーなーさい――――――――!」 行き先不明の変則二両列車は甲高い泣き言の汽笛を鳴らして闇を切り裂き、夜の公園を暴走します。止まることを知らず、短めの尻尾をたなびかせながら、どこまでも、どこまでも――――。 復讐は何も生み出さない。そんな言葉が胸に沁みます。厳密には復讐とリベンジは意味合いが違うんですけど、とにかく浸りたい気分がそんな感じなので些事は不問なのです。 プライドの復権を賭けて意気揚々と臨んだ作戦第二弾ですけど、性懲りも無く待ってた結末は前回の焼き直し。 悲惨な爆走の行く末に行き着いた終着駅で悪夢のような終焉を迎えたのでした。くすん。 ―完―
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/284.html
夏休みも後半に入り、残された日数と詰まれたままの宿題の量を比較検討する意欲すら無くなる8月中旬の早朝、 俺は着替えその他が入ったバッグを肩に掛けて家を出た。 幸いにもバッグの中身がいつの間にか妹に化けていることもなく、電車に乗り込んだ俺は何度も目を通した便箋を もう一度ポケットから取り出した。 旅支度と言えば長期休暇恒例のSOS団の合宿が定番となっているが、それならば『思い立ったが吉日』を座右の 銘とし、『急がば回れ』『急いてはことを仕損じる』などと言った思考を持たない我が団長様の号令の下、夏休み 初日スタートで盛大に開催されたところだ。 「さすがにミステリツアーもマンネリね。いいわ、今回はあたしがなにか考えるから。あ、冒険ツアーはどう?」 と言う一言で準備に頭を悩ませないで済むと喜んだ古泉も、これなら自分で準備した方がマシだったと言い出すほど すばらしい企画付きで、な。 そのメインイベントは『道なき道を進み最果ての岬に立って海に向かいバカヤローと叫ぶ』と言うもので、もしも 長門がいなかったら俺達は仲良く熊の胃袋に納まっていたであろうすばらしくスリリングなものだった。 まあそれ以外は鶴屋家提供の豪華別荘に北海道の海の幸と言う高校生の合宿にはあるまじき素晴らしさだったが。 それなら今度はなんなのかと言うと・・・俺にもさっぱりわからなかった。 先週、ハルヒが家族で帰省すると言う理由でSOS団の活動も2週間ほど休みにすると宣告した定例会議と言う名の お喋り会が終わり、帰宅した俺が郵便受けを覗くと一通の茶封筒が入っていた。 その事務用の封筒には我が家の住所と俺の名以外、差出人の名前すら書かれていなかった。 部屋に戻った俺はその封筒をしげしげと眺めた。差出人不明の手紙には碌な思い出がない。夏休み中だから放課後の 教室にクラスメイトが俺を刺殺すべく呼び出したりするような内容ではないだろうが。 とりあえず封を切ると一枚の便箋とともに旅行会社の名前が印刷された袋が入っていた。その中にはJRの乗車券と 新幹線の特急券。 はて、こんなものを注文した覚えはないのだが。そう思いつつ便箋に目をやると、封筒に書かれていたのと同じ字で 集合場所と集合時間、そして「楽しみに待っているよ」と言う一言だけが書かれていた。 手の込んだハルヒのいたずら、にしてはやり方が下手な気もするし、かと言って他にこんなものを送ってくるような 心当たりも無い。 しかし、その封筒と便箋の字はなにか懐かしさを感じさせた。そしてそれは俺の心の奥深くになぜか安心感を与える ような気がした。 で、今回も俺は好奇心に負けて早朝の電車で新幹線の駅に向かっているわけだ。そのうちこの好奇心は俺の身を滅ぼす だろうね。そう思っているうち、電車は途中の接続待ちで5分ばかり遅れて駅に着いた。 集合場所の目印となっている看板のある柱の近くでそっと様子を窺う。 柱に寄りかかるように、一人の少女が立っていた。淡いエメラルドグリーンのワンピースを着た少女、それは俺の親友、 佐々木に間違いなかった。 その姿を見たとき、俺の頭の片隅に冷凍保存されていた記憶が一気に解凍された。そうだ、あれは佐々木の字だ。中学 時代、さんざん写させてもらった佐々木のノートの、丁寧で几帳面な字に間違いない。 「おはようキョン、遅かったじゃないか。寝坊したのかと思って心配していたよ」 俺の姿を見つけた佐々木が軽く右手を上げて近寄ってきた。挨拶をした後、早速疑問に思っていたことを聞いてみる。 「なんだってこんな、差出人も書かない手紙で呼び出したんだ?」 俺が便箋を見せると佐々木はそれを手にしてしばらく眺めていたが、 「いや、これは失礼した。僕は何をやってるんだろうね。肝心なことを書き忘れるなんて」 と苦笑いした後、俺に聞いてきた。 「しかし、こんな正体不明の手紙でよく来てくれたね。おかしいとは思わなかったのかい?」 そりゃ思ったさ。ただ、その便箋の字を見てたらなんだか信用してもいいような気がしてきたんだ。特にその「楽しみに 待っているよ」って部分を見ると、行かないといけない気がしてきたのさ。そう告げると佐々木は 「そうかい」 とだけ言ってやけに嬉しそうな表情をした。 その時、背後から聞き覚えのある声がした。 「あーっ!キョンさん遅刻なのです!」 振り返ると、駅構内のコンビニの袋を手に提げた橘京子が立っていた。Tシャツにショートパンツ、リュックサックを 背負ったその姿はどう見ても妹の同級生としか思えない。ん、待てよ。こいつがいるってことは・・・。 「今度は何を企んでるのか知らんが、もう二人はどうした」 そう問いかけると橘は一瞬きょとんとした顔をした後で 「あ、今日は私達だけです」 と言った。よく聞けば、佐々木たちのグループの融和を図ろうと小旅行を企画したのだが藤原は例によって現地民との 馴れ合いを拒否し、九曜は九曜で融和だの親睦だのと言う概念が無いのか話に乗ってこなかったそうだ。 「それで、せっかく企画したんだしキョンさんを誘ってみようってことになったのです。あ、費用はあたしたちの組織 持ちなのでご心配なく」 ふむ、こいつの組織とやらに世話になるのは癪に障るが、誘拐騒ぎの時に車を捨てたくらいだから金はあるんだろうし、 乗りかかった船ってやつか。佐々木が、今にも俺が帰るんじゃないかって顔で見てるのも気になるしな。 「まあそれはいいけど、なんで俺なんだ?」 それくらいは聞いておいた方がいいだろうと思い、橘に質問する。 「あたしは二人でもいいかなって思ったんですけど、佐々木さんがどうしてもキョンさんを」 「あっ、ほら、橘さん!そろそろ列車が来るしホームに行かないと!」 橘の話を遮るように佐々木が口を挟むと、橘の手を引いて改札の方へ引っ張るように歩いて行った。なんだかずいぶん 慌てた感じだったな。なんでなのか知らんが佐々木が慌てるとは珍しいこともあるもんだ。 「ちょっと待ってくれ。俺もなにか弁当でも買ってくる。朝メシも食べてないんだ」 前を行く二人にそう声を掛けると、橘が答えた。 「あれ?佐々木さんがキョンさんの分のお弁当作ってくるって言ってたんですよー?昨日、旅行の支度するのに一緒に 買い物に行ったときにそう言って色々買って」 「ほら!ええと、き、君のことだから発車時間ギリギリに来て買い物する余裕もないんじゃないかと思ってね。それに こちらから招待しておいて空腹のまま付き合わせるのも悪いし」 佐々木はそう言うと、左手に提げていた紙袋を俺に渡した。礼を言ってそれを受け取る。 それにしても、今日の佐々木はなんか様子がおかしいよな。まあ、慌てまくる佐々木ってのもなんか新鮮で悪くはない がね。そう思いながら俺は二人の後をホームへと向かった。