約 883,600 件
https://w.atwiki.jp/telespo2010/pages/580.html
スポンサー遍歴(夏期) 世界を変える100人の日本人 テレビ東京系列(金)20 00~20 54 対象日7月9日 7月16日 7月23日 9月3日 9月10日 9月17日(最終回) 対象日 7月9日 1部60秒 - TKC全国会 30秒 - LION、ニトリ、外為オンライン、(PT)自由民主党、(PT)アートネイチャー 2部60秒 - 国際石油開発帝石 30秒 - リーブ21、アース製薬、日清食品、トライグループ 7月16日 1部60秒 - (PT)アサヒ飲料 30秒 - トライステージ、国際石油開発帝石、中央三井信託銀行、リーブ21、アース製薬 2部60秒 - 外為オンライン 30秒 - ニトリ、TKC全国会、LION、(PT)永谷園 7月23日 1部60秒 - 山田養蜂場 30秒 - 外為オンライン、ニトリ、TKC全国会、LION、(PT)アサヒビール 2部60秒 - 国際石油開発帝石 30秒 - アース製薬、トライグループ、日清食品、リーブ21 9月3日 1部60秒 - 外為オンライン 30秒 - TKC全国会、LION、明治乳業、ニトリ、(PT)アコム 2部30秒 - 三菱UFJニコス、リーブ21、国際石油開発帝石、日本たばこ産業、日清食品、養命酒 9月10日 1部30秒 - 養命酒、和光堂、リーブ21、国際石油開発帝石、日本たばこ産業、日清食品、(PT)アコム 2部30秒 - ニトリ、外為オンライン、TKC全国会、LION、富士フイルム、(PT)アサヒビール 9月17日(最終回) 1部30秒 - ニトリ、養命酒、外為オンライン、リーブ21、TKC全国会、LION、(PT)アコム 2部60秒 - 富士フイルム、国際石油開発帝石 30秒 - 日清食品、ソニー生命
https://w.atwiki.jp/telespo2009/pages/355.html
スポンサー遍歴(秋期) 世界を変える100人の日本人! テレビ東京系 (金)20 00~20 54 対象日10月16日 10月23日 10月30日 11月6日 11月13日 11月20日 対象日 10月16日 1部60秒 - 外為オンライン 30秒 - LION、住友生命、TKC全国会、ニトリ、KDDI 2部60秒 - 太田胃散、DMM.com 30秒 - リーブ21、HONDA 10月23日 1部30秒 - リーブ21、太田胃散、DMM.com、TKC全国会、住友生命、YKK AP、明治製菓 2部30秒 - KDDI、外為オンライン、LION、HONDA、ニトリ、濱田酒造株式会社 10月30日 1部60秒 - 外為オンライン 30秒 - 濱田酒造株式会社、KDDI、LION、TKC全国会、ニトリ 2部60秒 - DMM.com、太田胃散 30秒 - リーブ21、住友生命 11月6日 1部30秒 - リーブ21、DMM.com、太田胃散、スターツ、東芝、ITJ法律事務所、(PT)永谷園 2部30秒 - ニトリ、外為オンライン、KDDI、LION、TKC全国会、SUBARU 11月13日 1部30秒 - TKC全国会、ニトリ、外為オンライン、KDDI、LION、HONDA、(PT)ソニーマーケティング 2部30秒 - 富士フイルム、リーブ21、DMM.com、太田胃散、スターツ、東芝 11月20日 1部30秒 - スターツ、富士フイルム、リーブ21、DMM.com、太田胃散、ITJ法律事務所、HONDA 2部30秒 - LION、TKC全国会、ニトリ、外為オンライン、KDDI、(PT)ソニーマーケティング
https://w.atwiki.jp/nasakenai/pages/150.html
795 :無名草子さん :sage :2009/03/30(月) 23 02 17 世界を動かす石油戦略 (ちくま新書) 867 :無名草子さん :sage :2009/06/02(火) 21 11 00 石井彰 , 藤和彦 『世界を動かす石油戦略』(ちくま新書) これは正直あまり期待していなかったのだが、素晴らしい内容でした。 著者らは一貫して「古典的地政学」をエネルギー資源戦略の枠組みとすることに批判的で、主に国際経済学の常識に基づいている。 タイトルだけ見ると、まさに「古典的地政学」的な「国際的な資源囲い込み競争に負けるな」的な内容だと思われてしまうのではないか。 自分も完全にそう思ってスルーしていた。逆にそっち系の内容だと思って買った人は騙されたと思ったのではなかろうか。 経済学的な思考に慣れている人にはすんなり飲み込める内容だが、政治学系の人には色々異論反論はあるだろう。 詳しい内容の紹介や検討は長くなりそうだしまとめきれないので端折ります。 ただ、ここで批判されている「古典的地政学」以上に、左派とかフランス系の地理学・人口学・世界システム論・<帝国>論なども、 奇妙な、ある意味危険な主張をしているような気がしますね。(最近ではエマニュエル・トッドの保護主義擁護とか) あとなんとなく良いことをしているという気分だけのエコとかグリーンニューディールとか。 また「資源の囲い込み競争に勝たねばならない」という「思い込み」がマッチポンプというか自己成就的に 実際に「資源の囲い込み競争」をもたらしてしまうという政治の力学については、また別個に考えなくてなならない問題であることは確か。 出版された時期が911直後でイラク戦争前と微妙に古いので、 欲を言えば、その後の国際情勢や昨年の金融危機顕在前後に起こった資源高騰などの現象も折り込んだ改訂版が出てほしいところだが。 結論部分に同意するかどうかはともかくとして、隠れた名著ではないでしょうか。 ⇒アマゾンリンク
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5277.html
前ページ次ページルイズが世界を征服するようです 唐突だが、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーは、同級生であるルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールのことが嫌いだ。 それはツェルプストーとヴァリエールの確執などという問題ではなく、純粋に、キュルケ個人として、ルイズ個人のことが、だ。 嫌っていた、という表現では、少々生温いかもしれない。 憎悪していた、というのはややニュアンスが違う。 忌み嫌っていた、というべきか。 キュルケは、常々こう思っていた。 一言で彼女のことを言い表すならば。 まさしく、『邪悪』だと。 この言葉を聞いたキュルケの親友、タバサは、無言で頷いたという。 幼きある日、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、自宅の池に浮かべた小舟の上で考えていた。 先ほどのメイドの言葉を思い出す。 小腹が空いた、何かつまもうとキッチンに入り、たまたま聞いてしまった陰口。 『貴族の癖に、魔法が使えないなんて――』 もっともな言葉だと、ルイズは歪んだ笑みを浮かべた。 貴族とは即ちメイジであり、魔法が使える。 当たり前の認識だ。 その常識に照らし合わせれば、なるほど、確かに自分は落ちこぼれのクズだろう。 しかも、ここは名家も名家、誰もが畏れるヴァリエール伯爵家なのだ。 姉や父が怒るのもわかろうというもの。 だが、彼女はそれをまったく、これっぽっちも気にしていなかった。 ある予感がするのだ。 いや、確信と言ってもいい。 ――自分はおそらく、貴族だとか平民だとか、そういう下らない次元ではなく、もっと遥かに大きな概念で括られる存在になるのだ、と。 ルイズは、そんなひどく傲慢な確信を抱いていた。 ……しかし、ゴチャゴチャとうるさくさえずる輩を、このまま放置しておくのも癪だ。 ここらでひとつ、黙らせておく必要があるだろう。 それには、魔法を成功させるのが一番だ。 今やってもどうせ失敗するだろうが、しかし、試さずして魔法が成功することなどありはしまい。 魔法が使えない、と言っても研鑽を怠っているわけではない。 専属の教師を雇い、多くの書物を読み漁って、彼女は既に一人前の魔法使いたるに十分な程の知識を蓄えていた。 どの魔法を試してみようか。 魔法に成功した、ということが一目でわかるようなものが良いだろう。 仮に『ライトニング・クラウド』に今成功したとしても、誰にも見られず空しく散るのがオチだ。 となれば、錬金。いや、使い魔召喚が妥当か。 本来ならば魔法学院の進級試験になる筈のものだが、構うまい。 先に召喚していたとしても、さして問題があるわけでも無いだろう。 そうして彼女は、詠唱を始めた。 成功する、とは思っていない。失敗して元々。成功したら――むしろ驚く。 「5つの力を司るペンタゴン――」 驚いた。 「なんだ……ここは……?」 舞い上がる水飛沫の向こう、現れたものを見て、ルイズは更に目を見張った。 おまけに喋った。ということは、あれは――人間なのか? 身を包んでいるのは紫のローブ。手にしているのは先端に竜の頭部を象った杖。 しかし、その姿は人間とはかけ離れている。亜人、だろうか。 そして、何よりも異常なのが、こうして面を向かい合わせているだけで伝わってくる凄まじく強大な魔力と、その邪悪さである。 一瞬にして理解した。理解する間もなく思い知らされた。 これは、巨悪なのだと。 「……小娘。これを引き起こしたのは貴様か? 何なのだ、これは」 こちらを睨めつけてくる。 ひるんではならない。こいつは、私の、使い魔なのだ。 「小娘じゃない。私は、ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 お前の、主よ」 「……主、だと?」 圧迫感が更に強くなる。 怯える心に鞭を入れ、ルイズは笑った。引くな。笑え。傲岸不遜であれ。 それが、主だ。 「そうよ。アンタは私の使い魔召喚に応じた。 使い魔ならば、主である私に従うのが道理でしょう」 次々と重ねられる問いに、ルイズは答えていった。 召喚の儀式。使い魔。主。ハルケギニア。トリステイン。ヴァリエール。魔法。貴族。 やがて、その応答も尽きた頃。そいつは、突如として笑い始めた。 「ク……ハハハハハハハハハハ! 窮地に突然現れたものに、飛び込んでみれば……別の世界とはな! これぞ、精霊のお導きだろうよ! 感謝するぞ!」 「…………」 ルイズにはわかっていた。 精霊だと? そんなもの、こいつが信じているわけがない。 こいつは、自らこそ神と称するような者。 精霊など、鼻で笑い飛ばして無視するような輩だ。 ――だが。 それでこそ、私の使い魔に相応しい。 「よかろう。小娘よ、貴様と契約してやる。 この世界は、少々我とは馴染まぬようでな。力が出てこん。 貴様と繋がれば、我は十二分に元の力を発揮できるだろうよ」 これで、まだ不調だというのか。 だとすれば、一体、こいつはどれだけの力を持っているというのだろう。 「結構。でも、小娘ではないわ。あんたは使い魔。私に従属する者よ。わかる? 私のことは、主と呼びなさい」 「クククク! 承知した、我が主」 膝を着き、頭を下げる使い魔を見下ろしながらルイズは考える。 こいつは、決して素直に従うような奴ではないだろう。 『使う』のには、ひどく苦労する筈だ。 だが、そのデメリットを補って余りある力。 そう、この力だ。これさえあれば、――国を手に入れることすら、不可能ではあるまい。 「主よ。我にはわかる。貴様も、おそらく我と近しい者。 躊躇無く世界を踏みにじる種類の人間だ。 我は待っていた。貴様のような者が現れるのをな」 「随分と言ってくれるわね。私はそんな、あんたみたいな悪じゃないわよ。 で、何が言いたいの?」 そいつは立ち上がると、ルイズの目を見て笑った。 どこまでも邪悪でありながら、赤子のように無垢な笑い。 「もし我の味方になれば――世界の半分をお前にやろう」 こうして。 後に歴史書に『魔王』と記される、主と使い魔は出会った。 2人は、幼い子供でも笑い飛ばすような目的を叶えるための行動を、ここに開始する。 即ち。 世界征服である。 「乗ったわ」 使い魔――りゅうおうの額に、ルーンが刻まれた。 ――ルイズが世界を征服するようです―― 進級試験でもある召喚の儀式は、滞り無く終わった。 そして大半の予想を裏切り、あのルイズは召喚に成功した。 『ゼロ』の異名を持ち、今まで一度も魔法を成功させたことの無い、あのルイズが成功したのだ。 それに驚かなかったのは、学院生徒では僅か2名。 キュルケ。そして、タバサである。 儀式を終え、夕暮れ時。学院の廊下を並んで歩きながら、キュルケが漏らす。 「――茶番ね」 「おそらくそう」 普段は寡黙なタバサが、珍しく言葉を続けた。 「彼女が召喚したあの小さな黒竜。 あれはおそらく、既に前から使い魔だった。でもなくとも、彼女と何らかの繋がりがあったと思われる」 「そう思う理由は?」 熱にうかされたように、タバサは喋り続ける。 「ヴァリエールは魔力を使っていなかった。詠唱の真似事をしていただけ。 あそこであの竜が現れたのは、おそらくは竜自身の能力に拠るもの。 転移時の爆発で砂埃を起こし、それを皆の目から隠した」 「……私も同意見よ。問題は、どうしてそうしたのかってことね」 キュルケが眉根を寄せ、タバサが応じた。 「たった今召喚したように見せかけたのは、あの竜を今まで隠匿していたため。 あれは、普通の竜ではない」 「……まさか、韻竜、ってこと?」 韻竜。 極めて高い知性を持ち、先住魔法すら操るとされる、伝説の存在である。 「違う。……おそらくは、それをも越える存在」 「どうして、わかるわけ?」 タバサが立ち止まる。 ちょうど、彼女の自室の前だった。 「それを今から見せる。が、他言はしないで欲しい」 「了解よ。ツェルプストーの名にかけるわ」 キュルケは即答した。 この時間の短さこそが、揺るがぬ信頼の証であり、 つまるところ彼女達の関係を如実に示すものだった。 タバサがドアを開く。 窓から夕焼けの陽光が差し込み、赤く染まった部屋。 その隅で、巨大な何かが蹲っていた。 「……さっきあんたが召喚した風竜じゃない。どうしたの? こんなとこに蹲って」 タバサは問いに答えることなく使い魔に近づいていく。 竜の背にそっと手をやった途端、竜が痙攣するように跳ねた。 身を縮め、更に部屋の隅へと体を押し込めていく。 「ヴァリエールがあれを召喚してから――したように見せかけてから、ずっと怯えている」 ぶつぶつと、何かを呟く声が聞こえる。 はじめ、キュルケは誰が喋っているのかと部屋を見回し――やがて、その顔に理解の色が浮かんだ。 「まさか……」 「そう。私が召喚したのは、韻竜だった」 キュルケが目をひん剥いた。 「す、凄いじゃないアンタ! 韻竜を使い魔にするなんて、聞いたこt」 「今はそれを問題にしている時ではない」 興奮するキュルケの言葉を遮り、タバサは続けた。 「この竜はずっとこう繰り返している。 『あのお方が来た。あのお方が。あのお方がいらっしゃった』。 ……極度に怯えてしまっていて、会話は難しい状況。 何とか聞き出せたのは、あの黒竜が、竜を統べる『王』のような存在であることだけ」 キュルケの顔が歪む。 「伝説の韻竜をそこまで怯えさせる、『王』……。 一体、なんなのよそれ」 タバサは頷いた。 その顔は、夕日に照らされていてもはっきりとわかるほどに青白かった。 「ヴァリエールが今まで魔法が使えない『フリをしていた』のは、皆を油断させるためではないかと私は思う。 今ここでその偽装を止めて、黒竜を皆の目に晒した。 おそらく彼女は、本格的に『目的』に向かって動き出す筈。 あの黒竜が、どれだけの力を持っているのか。……私は、恐ろしい」 ――そして、沈黙。 部屋には、怯える風竜の呟きだけが響いていた。 「どうしたの? リュウオウ」 儀式から数日後、食事の場。 肩に乗せた小竜が妙な素振りをしていることに気付き、ルイズは小声で話しかけた。 「まさか、あの騒ぎが気になるわけ? 放っておきなさい、あんなの」 ルイズが目を向けた先では、金髪の少年――ギーシュが黒髪のメイドを怒鳴りつけていた。 関わる意味も価値も無い、どうでも良いことだ。 だが。 「あの髪……目……いや、まさか」 「リュウオウ? どうしたの?」 「バカな、まさか、そんな筈は。 だが、あの瞳、忌々しい輝きの瞳、間違える筈も」 ルイズは顔をしかめた。 幼い頃からの付き合いで、動じた所など1度も見せたことのないリュウオウが、どうしたというのだ? 「こんなところに、かの血を受け継ぐ者が居る筈がっ……!」 「リュウオウ!」 声量を抑え、使い魔を怒鳴りつける。本当にどうしたのだ。まったくもってらしくない。 リュウオウは沈黙し、……やがて、掠れた声を出した。 「……主よ。あのメイドは理不尽な謝罪を要求されている。 助けてやるべきではないのか?」 「……アンタ、頭腐ったの?」 「あのメイドに恩を売っておけ。なんとしても、あやつを敵に回してはいかん。 あれは――我らの『運命の敵』だ」 「はははは! ルイズ! 『ゼロ』の君の使い魔が、僕と決闘だなんてね! 確かに竜種は強力さ! だけど、手のひらサイズのそれじゃあね! 僕の敵じゃない!」 言葉と同時に、青銅の戦乙女が組み上げられる。その数、7。 それを鼻で笑い飛ばし、ルイズは己の使い魔に念話を伝えた。 『リュウオウ。――蹴散らしなさい』 『承知した、我が主』 異世界の魔法、『ギラ』。 初歩の魔法である筈のそれ。 だが、魔王の手によるものとあれば――最早、別の魔法と言っても過言ではない威力を持つ。 小さき黒竜から放たれた閃光は鋭く、ただの一瞬ですべてのゴーレムを溶かし尽くした。 「な!? ぼ、僕のワルキューレが!」 「……『大嵐の聖剣』?」 「うむ。城の宝物庫に収められていたのだがな。 昨夜の騒ぎで、それが盗まれた。かの大悪党、『土くれのフーケ』じゃ」 どうでもいいわ、と鼻をほじるルイズに、使い魔からの念話が届く。 『主よ。この討伐、引き受けよ。他の者に譲り渡してはいかん』 『リュウオウ?』 ほじった鼻××を飛ばす主に顔をしかめながら、りゅうおうは笑った。竜のくせに器用な顔である。 『最早、驚くことも出来ぬ――この世界と我の世界とは、想像以上に縁深きようだ』 「『エクスプロージョン』!」 ルイズから放たれる、『虚無』の魔法。 りゅうおうの指導を受け、自らの属性に目覚めてから幾数年。 使い魔からあふれ出る魔力のバックアップをも受け、ルイズの力は凄まじいレベルに達していた。 一撃で巨大なゴーレムを砕き、無数の残骸へと散らす。 「がっ、ぐっ……な、なんだその魔法は……」 地に叩きつけられ、動きを止めるフーケ。 その傍らから、ルイズは奪われた物を拾い上げる。 「これが、『大嵐の聖剣』……?」 光差さぬ森の中で、自ら光を放つように輝く一振りの長剣。 それと対を成すように、小さき黒竜が闇に包まれる。 闇から現れたのは、紫のローブを纏った亜人。彼本来の姿である。 「ク……ハハハハハハハハハ! 愚か者どもめ! 『大嵐の聖剣』だと!? ああ、確かにその剣は、念じれば強力な風の刃を生み出す! 我らが扱う魔法の一つ、『バギクロス』をな! なるほどなるほど、強力な魔法だが……その剣の本質は、そんなものではない!」 おかしくてたまらない、というように腹を抱えて笑うりゅうおう。 そう、この剣の強さは、そんなものではない。 それは、希望。 それは、光。 それは、正義。 それは、絶望と悲しみの暗闇の中を、燦然と照らす一条の光。 それは、夜が暗ければ暗いほど、闇が深ければ深いほどに輝きだす白銀。 それは、例えすべてを無くしても、尚この胸より生まれ出る最強の力。 それははじめ、ただの強力な剣だった。 だがそれは、時を経るにつれ、人々の希望を、意志を、夢を、その剣身に集めていった。 折れるわけにはいかないから、折れなくなった。 曲がるわけにはいかないから、曲がらなくなった。 故に最強。最強であれ、と望まれた――それ故に最強の、勇気ある者のための剣。 それは、絶望を知りながら、それでも尚闇に抗う人々の希望を担った、伝説の剣。 それは、人々の歓声を一身に受け、血を吐いて泥に塗れながらも強大な魔王へ立ち向かう、勇者の剣! 「この剣に相応しき名は2つ! 『王者の剣』! そして……『ロトの剣』だ!」 ルイズは悟った。 ああ――この剣を持つ者こそが、私たちの『敵』なのだ。 剣は、りゅうおうが魔法でどこぞに転送してしまった。 「この剣を破壊することは出来ぬ。よって、封印した」 ということらしい。 「さて。――じゃあ、こいつね」 ルイズはそう言うと、土くれのフーケへと顔を向けた。 「ひっ!」 フーケは先ほどから、りゅうおうの出す凄まじい邪悪な気配に怯え切っていた。 腰が抜けており、それでも何とか逃げようと、手を使って後ずさる。 「怯える必要は無いわ。私たちは、アンタに危害を加えるつもり無いから」 りゅうおうがククク、と笑う。 ルイズは満面の笑みを浮かべ、尻をついているフーケに手を差し伸べた。 「先ほどのゴーレム。見事だったわ。 私達は、力のある人材を求めてるの。 ああ、アンタなら、十分にその資格がある」 フーケは、理解できないものを見る目でルイズを見つめ、震える声で尋ねた。 「な、なに、を……?」 「もし、私たちの味方になれば――そうね、世界の2%くらいはくれてやってもいいわ」 捜索の甲斐無く、奪われた『大嵐の聖剣』は、戻らなかった。 騒ぎの後、ミス・ロングビルが突然の辞職願いを残し、実家に帰ったという。 「……ふぅ。疲れた。頭の中花畑な奴の相手は疲れるわ」 「クク。そんなことを言ってよいのか、主? あやつはこの国の王族であろう?」 「は。だから花畑だってのよ。王女のくせに、その責務すら理解していない。 あれ、放っておくとその内この国を滅ぼすわね」 アンリエッタが、寮の自室を去った後。 ルイズは寝台に寝転がって愚痴を漏らしていた。 テーブルの上に乗っている小竜は、ルイズに問いかける。 「しかし、主よ。先ほどの話、どうするのだ?」 「ああ、アルビオンの話? 受けるに決まってるじゃない。 そもそも、あいつを傀儡にしてこの国から手に入れる計画なんだから、 繋がりは強くしておかないとね。何をきっかけに近づこうかは悩みの種だったし、渡りに船ってやつよ」 「クハハ! あの王女も、まさか親友がそんなことを考えておるとは、夢にも思うまい!」 堪え切れぬ笑いを漏らす使い魔に、ルイズは輝くような笑顔を向けた。 「知ってるかしら、リュウオウ? ――親友ってのはね、お互いそう思ってるから親友なのよ」 「そこまでよ、ワルド」 今まさにウェールズを刺し殺さんとするワルドの背後。 ルイズは、突如としてそこに出現していた。 「これ便利ね。『トヘロス』だっけ?」 「ああ。自らより弱き者に、気配を悟られぬようにする魔法だ。 今の我らならば、気付かれる心配は皆無だろうよ」 「そんな便利な魔法あるならもっと早く使いなさいよ、バカ竜」 「な……!」 突然現れたかと思えば、肩に乗せた使い魔との会話を始める婚約者。 ワルドは、絶句していた。 「ミ、ミス・ヴァリエール! こ、このワルドは裏切り――」 「ああ、アンタ黙ってて」 使い魔が何事かを呟くと、ウェールズは瞬時に昏倒した。 ……どうやら、眠っているらしいことをワルドは見てとる。 「る、る、ルイズ……? 一体、何なのかな……これ……?」 恐る恐る尋ねるワルドに、ルイズはようやく顔を向けた。 「ワルド。あなたが、『レコン・キスタ』の尖兵だってことは、もう知ってるわ」 「――――!」 瞬時にその場から飛びのき、距離をとる。 考える。悟られていた。ならばこれは? 王女の罠か? あの腐れビッチ、愚鈍なのはまさか演技なのか? いや、ならば何故ルイズを選んだ? 戦闘力も皆無な筈なのに? 婚約者ならば情で落とせると思ったのか? ――混乱する頭ではじき出された、最初の言葉はこれだった。 「る、ルイズ。……何で、私、呼び捨て?」 片言であった。 「……ぷ、ははははは! いいわ、ご希望なら今まで通り、ワルド様と呼びましょうか?」 「ああ、頼む」 「頼むのか」 使い魔が突っ込んだ。珍しい光景である。 「さて、ワルド」 「様をつけてくれ」 「こだわるのね。――あなたが先に勧誘した『土くれのフーケ』は、私たちの仲間よ」 「……そういうことか」 先日、『レコン・キスタ』に加わった大盗賊、『土くれのフーケ』。 ……間諜だったか、とワルドは失敗を悔いる。 「けどね。私たちは、別にトリステインに仕えているわけではない。 これがアンリエッタの罠だとか想像しているかもしれないけど、大外れ。 安心なさい。あの王女は、見かけ通りよ」 「なに?」 困惑するワルドを前に、ルイズは笑った。高らかに笑った。 「聖地奪還? 下らない。ああ、下らないわ。小さいわね、ワルド。 仮にも、私の婚約者ならば――世界征服くらいは言って欲しいものよ」 「様を」 「貴様、しつこいぞ」 魔王は突っ込み役に回っていた。他に居ないのだから仕方が無い。 ルイズは腕を広げ、演説を続ける。 「私達は、世界を欲している。 『偏在』をはじめとした強力な魔法を駆使するスクウェア・メイジ。 おまけに騎士としても極めて優秀なあなたならば、私たちの仲間たるに十分な力よ。 このりゅうおうが居れば、更なる力をあなたに与えるのも容易。 ねぇ、ワルド。あなたが、必要なのよ」 そうして、ルイズはワルドに手を差し伸べた。 「あのクロムウェルにいつまで従属しているつもりかしら? あれはただの小物。あなたが付き従う価値など、欠片も無いような男なのに? さぁ――この手をとりなさい、ワルド。そして、一緒に世界を踏み躙りましょう? もし、私たちの味方になれば――うーん、えー、世界の1%くらいは、あげなくもないというか、善処するわ」 ワルドはしばらく黙考する。今の状況。レコン・キスタ。クロムウェル。ルイズ。そして、この使い魔。 「……君の目的は、何だ?」 「ククク。物分りの悪い男だ。 世界征服だと、先ほどから言っておろう」 ……本気なのか、とワルドは額に汗を浮かべる。 世界征服。聖地奪還どころの話ではない。 人間やエルフ、この世界に住む全てを敵に回すつもりなのか。 「……クロムウェルは、伝説の『虚無』の使い手だ。 『レコン・キスタ』を敵に回せば、いずれ相対することになる。勝算は、あるのか?」 「ああ。あれ、嘘よ」 「は?」 ワルドの口があんぐり開いた。 「う、嘘? ……………………嘘ぉ?」 「あいつが使ってるのは、水の秘宝で……ってああもう、面倒ね」 ルイズは嘆息すると、おもむろに杖を腰から引き抜いた。 ワルドに突きつける。 「言葉で納得できないなら、力で示すわ。 かかってきなさい、ワルド。力とは何なのか、教えてあげる」 「……いいだろう。私も、口先だけでは納得できない。 そこまで言うなら、お手並み拝見といこう。 君たちが、あのクロムウェル卿をも上回る力を持っていると、納得させてくれれば―― その時は、君の下につく」 ワルドは自らの愛杖を抜くと、詠唱を始めた。 「ユビキタス・デル・ウィンデ――」 手加減をしている余裕など無いだろう。 最初から、全力でいく。 「ユビキタス。『偏在』せよ!」 5人にその数を増やしたワルド達が、ルイズに殺到する! 「リュウオウ」 「承知した、我が主」 『ベギラマ』。中級閃熱呪文。 魔王の手によって放たれたそれは、4人のワルドを瞬時に消し飛ばした。 「な――!」 慌てて動きを止める、残り物。 ワンアクションで、分身全てを消し去るほどの威力。 しかも、あいつは今――わざと、本体を避けた。 つまり、本体がどれか、ということも、一瞬で把握したのであり―― 「……なるほど。わかったよ、ルイズ。確かにこの使い魔の力は、君が言うだけのことはある。 使い方次第では、まさしく世界を征服し得る力だろう。 わかった。君に、従う」 「それは重畳。じゃ、こいつはさよならね」 黒竜から放たれた、初級爆裂呪文『イオ』。 眠るウェールズ・テューダーは、無数の肉片へと散った。 「姫様。……ウェールズ皇太子は、裏切り者の手により、その胸を刺し貫かれて――」 「我が力及ばず、申し訳ありません」 アンリエッタの前、平伏するルイズとワルド。 「……そう」 平静を装うアンリエッタだが、その顔は蒼白。 「ご苦労様でした。……もう、下がって下さい」 「これで、よかったのかい? ルイズ?」 王宮の廊下を並んで歩きながらの問いかけに、ルイズは微笑む。 「ええ。これでアルビオン貴族派への憎悪は煽った。 あとは、きっかけがあれば――トリステインは、アルビオンへと侵攻する」 ワルドは肩をすくめた。 「やれやれ。可愛い婚約者が、こんな酷いことを考えるようになっていたとはね。 君の仕業かな、リュウオウ?」 使い魔は念話で低い笑いを漏らした。 『ククク。何を言うか。主は、我と出会った時よりこの有様であったぞ。 それを見抜けなかったのは、貴様の目が腐っておることの証であろう』 「おや。手厳しいね」 2人と1匹は、声を揃えて笑った。 「タバサ。いえ、シャルロット・エレーヌ・オルレアンと呼ぶべきかしら?」 学院裏庭の片隅。 突然かけられた言葉に、タバサは一瞬にして迎撃体勢を整える。 「見事ね。流石はシュヴァリエ。 その恵まれない体格でありながら、よくもそこまで磨き上げたものだわ」 拍手をしながら姿を見せたのは、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 タバサは無表情のまま、杖を握り締める。 「緊張する必要は無いわ。私に、あなたを害するつもりは無い。 私の用は、ただ一つ。勧誘よ」 ククク、と肩の上の黒竜が哂う。 「……私に、あなたに与する意志は無い」 断言するタバサ。 この邪悪に、手を貸すことなど決して無いと、目が告げていた。 「ああ、知っている。知ってるわ。 あなたとキュルケが、何やらコソコソ動いていたのはね。 ――でもね、シャルロット。この言葉を聞けば、あなたはきっと、私の味方。 私の信頼する仲間になってくれるわ」 「その名前で、私を呼ぶな」 敵意をむき出しにするタバサを前に、ルイズは笑った。 それは、絶対的な優位に在る者の傲慢。 抵抗を可愛く受け止める、強者の微笑み。 「こんなのはどうかしら。 もし、私の仲間になれば――あなたに、母を返してあげる」 タバサの顔が、凍った。 「どうしたっていうのよ、いきなり!」 「これ以上の協力は、出来ない」 突然態度を変えたタバサに、キュルケは苛立ちを隠せない。 あのルイズが裏で、何をしているのか。 それに関する調査もようやく進んできたというのに、一体どうしたのか。 「何があったの!? あいつに、何かされたわけ!?」 「これ以上は、言えない」 目を伏せ、視線を合わせないタバサ。 それを見て、キュルケは嘆息した。 「……そう。あんたなりの、思いやりってわけ?」 「関わらない方がいい」 ふん、とキュルケは鼻を鳴らした。 「冗談。あいつは、私の敵よ。あの邪悪を、放っておくことは出来ないわ」 「許して欲しいとは言わない。が、これ以上は言えない。 もう一度言う。関わらない方がいい」 「くどいわ」 タバサが顔を上げ、キュルケを見上げる。 ――一瞬だけ。2人の、視線が交わされた。 それで、十分。 まるで違う性格でありながら、それでも親友だった2人。 幾つもの死線を潜り抜け、互いの背中を任せあった2人。 その2人にとっては、その一瞬で十分だったのだ。 「じゃあね、タバサ。楽しかったわ」 「今まで、ありがとう。さようなら」 それは。 親友同士の、決別の瞬間だった。 「……知っていたんですか」 自室の扉を開け放ち、突然現れた黒髪のメイド。 ルイズは驚き、音を立てて椅子を離れる。 「シエスタ!」 「……知っていたんですか、アルビオンが、タルブに侵攻するのを!」 シエスタは叫ぶ。握り締めた拳を震わせていた。 『……話を聞かれたか。少々、無用心だったようだな』 使い魔の念話に、ルイズは硬い表情で頷きを返した。 「……まぁね。あっちには、何人か間諜を忍ばせてあるから」 「なんで、なんで、それを前に――」 「必要だったからよ」 返された答えに、メイドは戸惑う。 「必要――?」 「そう。トリステインがアルビオンに侵攻するための、口実としてね。 バカが向こうから来てくれたおかげで、やりやすくなったわ。 これでこちらとしては、何の憂いも無くアルビオンを叩き潰せる」 シエスタが目を伏せる。 握り締めた拳から、一筋の血が垂れた。 「そんな理由で、見捨てたんですか。 タルブを。私の、故郷を。お父さんも、お母さんも、弟も、みんな、死んだ」 「見捨てたわ。――どうでもよかったから」 視線を上げ、ルイズを睨みつけるシエスタ。 その瞳の輝きに、りゅうおうは体を震わせた。 ――ああ、あの瞳、あの瞳の輝きこそが、かの血脈の証。 幾度倒されても決して折れぬ意志の現れ。 人々の希望を背負う、一筋の光。 正にあれこそ――勇者たるものだ。 「……優しい人だと思ってた。 名前を覚えてくれたり、私を助けてくれたり。 今、この時より。あなたは、私の敵です」 『……厄介なことになったな』 メイドが去った後。 また盗み聞きされるのを警戒してか、念話でりゅうおうは話しかける。 『ま、なってしまったものは仕方が無いわね。 いずれ敵対するのならば、それがいつであっても大差は無いわ』 「……参ったわね。ちょっと、水の指輪を舐めてた」 「あれほどの力を持つとはな。少々、計算が崩れた」 小高い丘の上。本来の亜人の姿に戻ったりゅうおうと、ルイズは語り合う。 「よいのか? 今まで隠匿していた力、ここで晒してしまって? 7万の敵が相手となれば、流石に隠し通すことは不可能であろう」 「仕方無いわね。ここでトリステインの兵力を失うのはまずい。 ま、もう政府の8割がたは掌握したし、国内は力押しで何とかなるでしょう」 7万の敵を単騎で食い止める、決死の任務。 ルイズとその使い魔は、自ら志願してここに立っていた。 「お、来たわね。よくもまぁ、あんなに群れちゃって」 「数こそが人間の力。主よ、侮るでないぞ」 「わかってるわ」 遠目に見える丘の向こう、見え始めた敵の先頭集団。 それに向かい、ルイズは意識を集中させた。 「最初から全開でいくわよ。叩き潰すわ」 「承知した、わが主」 制御できる限界スレスレの出力で放たれた『エクスプロージョン』と、最上級爆裂呪文『イオナズン』。 初撃は、数千の敵を消し飛ばした。 「がっ――!」 「リュウオウ!」 ルイズは目を疑った。 本来の姿を取り戻したリュウオウが、あのリュウオウが――圧倒されている。 アルビオンの片隅にある、小さな村。 こんな所に、何故こんな使い手が! 「くっ……何者だ、貴様!」 言葉と共に、『ベギラマ』を放つりゅうおう。 しかしその閃光は、敵の左手にある大剣に吸収されてしまう。 この世界のものとは思えぬ奇妙な服装に、黒い髪の若い男。 何かのルーンが浮かび、光り輝く左手には大剣。魔法を吸収する、対魔法使いのためと思われる兵装。 そして、その右手には―― 「何で、その剣がここに――!」 ルイズの疑問ももっともだった。 その剣は封印した筈。あのリュウオウが封印したのだ、そう簡単に破れるわけもない。 だというのに、何故、ここにあるのか。 『大嵐の聖剣』。いや―― 「『王者の剣』。……『ロトの、剣』――!」 「か、カカカカカカカカ! クハハハハハハハ!」 戦闘中、しかも劣勢だというのに、りゅうおうは笑い出した。 魔法を放ち、剣を杖で防ぎながら、堪えきれぬ笑いに身をよじらせる。 「そうか。――そうか! ついに現れたか! この世界にも、やはりいたか! だとすれば、その剣を持っているのも不思議ではない、必然だろうよ! 運命、だからな!」 そう。その剣は、必ずやある者の手に渡る。 闇に抗う者。 勇気ある者。 人でありながら、ただ自身の努力と意志だけで人を超えた存在。 「現れたか! 我が愛しい怨敵! 我が愛すべき天敵! ――『勇者』よ!」 ここに、物語の主人公は降臨した。 前ページ次ページルイズが世界を征服するようです
https://w.atwiki.jp/asrivival/pages/53.html
ミストラルシティ上空に浮かぶピエタ帝国。そこに現れた起源のオリジンとの死闘。迎え撃つ十也たち。 次々とやられていく仲間たち。そして十也の鎧も破壊されるのであった。しかしそれをきっかけに自分の力に気づき始める十也。 彼にウルズから渡される赤い箱。それは世界にとっての希望となりえるのだろうか。 十也「オリジン!」 オリジンのもとに現れる十也。 オリジン「自分から現れるとは殊勝な心掛けだ。そなたを倒せばあとはもうこの世界に我を邪魔するものはいない」 コード・ウルズは右腕を切断され(機械の腕だが)満身創痍の状態。他のメンバーは全員オリジンに吸収されている。残った最後の砦…それが天十也なのだ。 オリジン「そなたの鎧は破壊された。おとなしく我の力の一部となるのだ!」 十也「いいや!俺はあきらめない!みんなを救い出すんだ!お前を倒して!」 オリジン「愚かな…実に愚かだ!地球人よ!その愚かな行いを悔いて朽ちよ!『喰邪(はじゃ)の翼』!」 オリジンから放たれる無数の羽根。それに触れればオリジンに吸収されてしまう。生身の体の十也がそれを受ければ終わりだ。 十也「ウルズ…お前からもらったこれを使う!」 小さな赤い箱を手に取る十也。 オリジン「なんだ…それは?」 十也「解除コード!『ユナヴォイド』!」 十也の言葉に呼応して箱が開く。 オリジン「なんだ!?」 箱から放たれる光。その光の中に無数の羽根が打ち込まれていく。 オリジン「ただのこけおどしか…」 十也「うぉぉ!!」 無数の羽根が吹き飛ばされていく。 オリジン「なっ!」 光の中から姿を現す十也。その姿は鎧に包まれていた。以前の鎧『コート・オブ・ブラスト』とは違う鎧だ。 十也「これが…新たな力」 その鎧は全身が赤を基調としたカラーとなっており、その見た目は以前よりも攻撃的なイメージを感じさせる。 オリジン「なんだ?それは?」 十也「これが俺の新たな力!『ブラスト・ユナヴォイド』だ!」 オリジン「だが!何をしようと!『喰邪の剣(はじゃのつるぎ)』!」 オリジンの翼から放たれる無数の剣が十也を襲う。 十也「はぁぁ!!」 オリジン「なっ!」 一瞬でオリジンの目の前に移動し拳を打ち込む十也。オリジンはその衝撃で吹き飛ばされる。 十也「す、すごい。力があふれてくる…。」 ピピピ 十也の鎧から機械音が聞こえてくる。 ???『やぁ。XXXX』 XXXX。その名前は覚えがある。過去の俺の名だ。そしてこの声!記憶の中で出てきた老人だ! ジャーデ『この音声を聞いているということはわしは死にお前はこの鎧を使っているということじゃな』 十也「これは録音されていたもの…なのか?」 あの老人が死ぬ前に録音していたらしい。ということはウルズの言っていた信用できない人物とは… ジャーデ『XXXX。この鎧はお前の能力を最大限に引き出すことのみを考えて作ったものじゃ。お前の力を存分に振るうがいい。ちなみにこの鎧にはシフトR2はない。じゃが代わりに…』 十也に剣が飛んでくる。とっさに避ける十也。 オリジン「地球人ごときが!調子に乗るなよ!」 オリジンだ。 ジャーデ『じゃあの。』 老人からの録音は終わったみたいだ。 十也「これなら…いける!」 オリジン「図に乗るでない!我の真の力を受けよ!『吸喰転生(きゅうしょくてんせい)』!」 オリジンの翼がオリジン自身を包み込む。 十也「なにをする気だ…」 まるで卵のようだ。 オリジン「ぐぉぉぉ!!」 翼の中からオリジンが姿を現す。その姿は先ほどまでとは別物だ。まるで全身を鎧に包み込んだ鬼のような姿になっている。 オリジン「これが我の究極の姿『喰邪星神(はじゃせいしん)』!地球人ごときにこの姿をつかうことになるとはな」 十也「や、やばい。さっきまでと全然違う…」 オリジンから放たれる殺気。それは先ほどまでと比べ物にならない。 オリジン「我にこの姿を使わせたことを後悔するがいい!『喰邪星剣(はじゃせいけん)ソウル・スクレイド』!その魂までこの星から消し去ってくれる!」 オリジンの手から出現した剣が黒い炎を纏い、十也に襲い来る。 十也「当たるわけには!」 オリジンの攻撃を避ける十也。オリジンの剣はピエタ帝国の大地を砕き崩落させる。 十也「なんて威力だよ…」 オリジン「次はあてるぞ!」 十也「こうなったら…!」 十也は覚悟を決める。 十也「使うぜ!コードCBT!」 ピピピ! 十也の鎧が機械音声を発する。 『音声コード承認。コードチェンジ・ブレイク・スルー。ブレイクモードに突入します』 十也の鎧が赤く輝く。 オリジン「『喰邪星神(はじゃせいしん)』となった我をたおすことなどできぬ!」 十也「やってみなきゃわからないだろ!いくぜ!」 十也は両手にエネルギーの塊を生成する。 オリジン「その技は効かなかったのがわからないのか?」 十也「趣向を変える!」 十也はエネルギーの塊を自身の両足に打ち込む。 オリジン「自らに打ち込むだと?何を…」 十也の両足に打ち込まれたエネルギーの塊はその両足を覆うように光り輝く。 十也「アペンド!」 十也が一瞬でその姿を消す。 オリジン「どこに行った…ぐっ!」 一瞬だった。十也が消えたと思った次の瞬間、オリジンはその頭にものすごい負荷を感じた。 十也「うぉぉ!!」 十也の蹴りがオリジンの頭に打ち込まれたのだ。続けて連続で蹴りを打ち込む十也。 オリジン「がっ…はっ…」 その蹴りは目にもとまらぬ速さだ。 十也「はぁぁ!!」 右足に力をためる十也。両足の輝きが右足へと集まっていく。そしてその輝きは右足の先端へと集中する。 十也「『ブレイク・シュート』!」 十也の右足から凄まじい速度の蹴りがオリジンの腹部に放たれる。そのままオリジンの体は吹き飛ばされる。 オリジン「なっ…」 オリジンが腹部を確認するとそこにはエネルギーの塊がくっついていた。十也が蹴り飛ばした瞬間に自分の右足の先端に集中したエネルギーをそのままオリジンの体にくっつけたのだ。 右手を広げ天に掲げる十也。するとそれに呼応したようにエネルギーの塊が強い光を放つ。 十也「ブレイク・アウト!」 右手を閉じる十也。エネルギーの塊はオリジンを巻き込みながら凄まじい爆発を放つ。十也の鎧から輝きが消える。 『ブレイクモード終了します』 十也「これで…やったか?」 爆発により凄まじい煙が発生し、オリジンの姿が見えない。 キン! 煙の中で何かが光る。 十也「なんだ?」 次の瞬間、十也に向かって無数の剣が飛んでくる。とっさに防御をとる十也。しかしその防御は間に合わない。 十也「ぐぁぁぁ!!」 十也の鎧に刺さる無数の剣。鎧を貫通し何本かは十也の体にも突き刺さる。 オリジン「先ほどよりも凄まじい力だな。だが…」 煙の中から姿を現すオリジン。あれだけの攻撃を受けたというのにまるで堪えていない。 オリジン「先ほどの力ももう発揮できまい。」 十也「はぁ…はぁ…」 オリジン「粒子の力…確かに強力な力だがそれでは我には勝つことはできん。我の能力『吸喰』は粒子を喰らう。粒子エネルギーの爆発では我の糧となるのみだ」 十也「く…そ…」 オリジン「だがよくここまで戦ったな。ほめてやろう。世界の理(ことわり)も知らない人間にしてはなかなかだったぞ。」 剣を振り上げるオリジン。 オリジン「さらばだ地球人!」 振り下ろされる剣。 十也「コードCBT!」 赤く輝く十也の鎧。そして一瞬のうちに姿を消した。 オリジン「なに!?まだそんな力が…。だが無駄なあがきだ。我にはそなたの力は通用しない。」 十也「それはどうかな…」 十也がオリジンの背後に立つ。 オリジン「いつの間に!」 十也の手には大剣が握られている。アポロンの大剣だ。 オリジン「剣を持ったところで…」 十也「お前は俺にヒントをくれた…お前を倒す…な」 十也は剣に意識を集中する。 十也(できるはずだ…今の俺なら!) 十也の両手からエネルギーの輝きが大剣に伝わる。光を放つ大剣。 十也「力を貸してくれ!アポロン!エクス=ペリエンス!」 オリジン「我を倒すことなどできぬ!『喰邪星剣(はじゃせいけん)ソウル・スクレイド』!」 オリジンの黒い炎を発する剣と十也のエクス=ペリエンスが激突する。 オリジン「ぬぉぉ!!」 十也「うぉぉ!!」 両社の力は拮抗しているように見える。いや少しオリジンの力の方が上のようだ。徐々に押し負けてくる十也。 オリジン「ふははは!」 十也「くっ!ここで負けるわけには…」 十也の肩には地球の未来がかかっている。そしてオリジンに吸収された仲間たち。彼らを助けるためにも負けるわけにはいかない。 十也「いかないんだぁぁぁぁ!!」 輝きを増すエクス=ペリエンスと十也の鎧。 オリジン「な、なに!」 十也の力が増していく。 オリジン「そ、そんな!これは!」 十也「たぁぁぁ!」 ガキン! オリジンの剣が弾き飛ばされる。 オリジン「そんな…ばかな!因子の力も持たないものが…この我の力を上回るだと!」 十也「これで!」 十也は大剣を再び振るう。その太刀筋はオリジンの体を両断する。 オリジン「ば…かな。シンコウシャである…我が…地球人…ごときに」 十也「ブレイク・アウト!」 光を放つオリジンの体。その体から無数の魂が抜け出る。 オリジン「我は…認めん!この我が…こんなところで!」 十也「おわりだ!オリジン!」 オリジン「我はぁぁぁ!!!」 オリジンの体が消滅する。十也の鎧とエクス=ペリエンスから輝きが消える。 『ブレイクモード完全終了』 強制解除される『ブラスト・ユナヴォイド』。 十也「危なかった…なんとか…なった…な」 『ブラスト・ユナヴォイド』に搭載された切り札ブレイクモード。『コート・オブ・ブラスト』のシフトR2と違い、ブレイクモードは制限時間60秒を好きなタイミングで切り、残り時間を温存することができるのだ。 オリジンに吸収されたアポロンたちが復活する。 アポロン「これは…」 ボルク「体が…」 キノ「やったんだね」 スライ「あれは!」 トニー「十也!」 十也のもとに駆け寄る一同。 十也「よかった…無事だった…んだな」 ディック「お前の方が無事じゃなさそうだぞ!」 にろく「急いでEGOまで連れていくぞ」 ナル「うん!」 十也「アポロン…お前のエクス=ペリエンスのおかげでかてた…ぜ」 気を失う十也。 アポロン「大したやつだ。あのオリジンを倒すとは…それはまぎれもなくソナタの力だよ」 結利「十也…(ありがとう。あなたのおかげで未来は救われたよ…本当に…ありがとう)」 ~~~ オリジンがやられた光を遠くで見ているウルズ。 ウルズ「さすがだな…十也。これでミッションコンプリート…だ」 ピピピ ウルズに通信が入る。 ウルズ「…わかった」 通信は終わったようだ。 ウルズ「十也。お前はお前の道を行け。天十也としてな」 いずこかへと去っていくウルズ。彼はいったい何者なのだろうか… ~数日後~ 十也「はっ!」 病院のベッドで目を覚ます十也。その横には結利がいた。 結利「十也!」 十也「終わったんだな…」 結利「うん。オリジンは消滅して、ピエタ帝国も元の場所へと戻ったみたい。地縛民たちもなんとか息を吹き返したみたいだよ」 十也「そうか。これで未来は救われたんだな…」 遠くを見つめる十也。 十也(グローリー。お前たちは自らの使命を全うするために作られた存在だった。それ以上にはなれなかった。) 過去の自分の境遇とグローリーたちを重ねる十也。 十也(おれはこれからも生きていく。天十也として!) 一部のものしか知らない世界を守るための戦い。人知れず世界を救った天十也たち。 彼らならこの世界に立ちはだかる脅威を退けられるだろう。たとえどんな敵が現れようと。 オリジネイター編~完結~ ASR to be continued
https://w.atwiki.jp/telespo2010/pages/325.html
スポンサー遍歴(春期) 世界を変える100人の日本人! テレビ東京系列(金)20 00~20 54 <冬期> 対象日4月16日 4月23日 4月30日 6月4日 対象日 4月16日 1部60秒 - (PT)永谷園 30秒 - LION、外為オンライン、ニトリ、ソフトバンクモバイル、アートネイチャー 2部30秒 - TKC全国会、リーブ21、サントリー、(PT)永谷園、(PT)コーワ、(PT)第一三共ヘルスケア 4月23日 1部30秒 - リーブ21、サントリー、TKC全国会、(PT)永谷園、(PT)コーワ、(PT)再春館製薬所、(PT)タカラトミー 2部60秒 - (PT)永谷園 30秒 - ニトリ、LION、外為オンライン、第一生命 4月30日 1部60秒 - (PT)永谷園 30秒 - LION、外為オンライン、ニトリ、(PT)劇場版・銀魂、(PT)角川映画「いばらの王」 2部30秒 - TKC全国会、サントリー、リーブ21、アイア、(PT)永谷園、(PT)コーワ 6月4日 1部30秒 - リーブ21、ニトリ、アース製薬、NTTコミュニケーションズ、JPゆうちょ銀行、再春館製薬所、(PT)永谷園 2部30秒 - 外為オンライン、LION、TKC全国会、ソフトバンクモバイル、キリングループ、富士フイルム
https://w.atwiki.jp/gemoso/pages/21.html
名前 性別 年齢 在住 設定 ヘラン・フート 男 13 クートーア島 焼きうどんが好き。 小琴輪・re・志摩栖子(おことわ・リー・しますこ) 女 14 クートーア島 口癖は、「ふぇぇ・・・おしっこ漏れちゃったよぅ・・・」 ナゴ・コーソラ 女 23 クートーア島 クートーア島のバスの運転手。 ミリアン 女 不明 クートーア島 クートーア島の村長。モソモソと人の子。外見は少女。 桂川ザイン(かつらがわ ザイン) 男 32 クートーア島 第3ホールビアト校の教師。既婚者。 赤緯ている(せきい ている) 男 18 クートーア島 第3ホールビアト校に通う学生。 宇良金沢(うら かなざわ) 女 16 クートーア島 第3ホールビアト校に通う学生。 ぺたぺた 無 不明 クートーア島 料理人。 メヨ=レオノ 女 11 十六月島 アルラウネの少女。樹海住み。そばアレルギー。 ビスタッテ・プロマシ 男 不明 300年前のカイゼリア戦争に参加したと豪語する正体不明のオヤジ。小さな工房の親方をしている。ただの人間族では無さそうだ。 マイケル 男 22 十六月島 十六月島を調査しに来た考古学者。アグレッシブで女好き。 ニーモ・トキコリッヒ 男 かつてトルニアン公国建国戦争の際に活躍した騎士。エブンリマルゴの決戦において獅子奮迅の活躍を見せるもその際に受けた傷が元で建国を見ることなく死去した。 エイセイ・ストレンジ 男 19 ビスタッテの工房で働くはた迷惑な才能に溢れる青年。マッドサイエンティスト、あるいはマッドエンジニアを志しており、ヒマさえあれば己の肉体を改造したり、キチガイじみた機械や兵器を作ったり、謎の生命体を生み出している。ビスタッテの正体に気づきつつある。 エイリォ・ガッズォ 男 25 裸婦絵画の天才画家。富裕層御用達。マーロ男爵の友人。 ホラッチ・イェホウ 男 25 どんな依頼も金次第で請け負う傭兵。自分の力に絶対の自信を持っており、実際に王国の騎士をも圧倒するほどの強さを持つ。 リーン・クナン 女 20 忍の里の抜け忍で、現在も追われている身。忍刀焔と忍刀霰の両方を持っている。 ニフティ・グバッグ 女 18 リーンに並々ならぬ恨みの感情を持ち、リーンを執拗に付け狙う。目的の為ならば手段を選ばない、残忍な性格。希少な鉱石で精製された鉄甲を装備し、あらゆる攻撃を拳で防ぐ。 ランザ・F・サイス 男 22 過去の記憶を失っており、それを取り戻す為に世界を旅している。「F」とはFINISH、FINALLEという意味を持っており、その名を持つ者は三日で世界を滅ぼすことのできる魔力を体内に秘めている、という伝説がある。 アルフ・ジーモ 鉱物図書館司書兼管理人。国から壁面の管理を任されているが、時々勝手に書き換えて遊んでいる。 森の老人 男 不明 笑い森に一人で住む非常に高齢の男性。詳細な年齢は不明。付近の村の長老は「自分が幼い頃から彼はずっと年寄りだった」と語る。たびたび目撃されるものの彼が言葉を話すところを見たものはいない。森の老人の姿を見たなら森の奥に入りすぎた証拠であり、地元の住人達は彼を見掛けると引き返す。 コヒル・ゼリン 女 14 コーヒーゼリーがとても好きな女の子。コーヒーゼリーを摂取しても良い年齢に達してはいないが、誰にもばれないように秘密で食べている。ちょっぴりワルなのである。夏になると自宅の庭で肌を焼いている。 ガウロ・ラゴン 男 28 レイシー・ガウロ族出身の戦士。集落を守るという責任と獣人の戦士としての誇りから感情を押し殺す寡黙な男。 ガウロ・モンベリー 男 76 レイシー・ガウロ族の族長にして祭司である老獣人。ルアウグフを祭る祭司の役目は族長が代々受け継ぐ。 ガウロ・リエン 女 12 レイシー・ガウロ族の少女。偶然出会った旅人にもらったコーヒーゼリーを食べて以来、笑いの森の外の世界に憧れている。 ガウロ・パルバシー 女 20 レイシー・ガウロ族の女性。笑いの森に流れる川で毎日洗濯をするのが日課。美しい毛並みの尾を持っている。 ガウロ・レニマレ 女 22 レイシー・ガウロ族の女性、パルバシーの親友。弟がビターパンケーキに所属しており、身を案じている。
https://w.atwiki.jp/gintamawiki/
銀魂 銀玉くえすと 銀さんが転職したり世界を救ったり 攻略wiki このwikiは、ギンタマルチRPG「銀魂くえすと」の攻略wikiです。 ネタバレにご注意ください。 現在攻略情報募集中 管理者サークル「銀魂高校 3年Z組」(メンバーならだれでも編集OK)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5587.html
前ページルイズが世界を征服するようです 「じゃあ、行ってくるよ」 「……今からでも、考え直すつもりは無いの?」 「無いね。キュルケ、君だってわかってるだろう? あの主従を同時に敵に回してしまっては、倒すのはまず無理。 どちらかを先に叩く必要があるんだ。なら、潰しやすい方からやるだけさ」 トリステイン王城前。ローブに身を隠した2人が、細々と言葉を交わす。 「……ギーシュ。あんたのこと、嫌いじゃなかったわよ」 「おいおい、これで永遠の別れってわけじゃないんだ。縁起でもないことは言わないでくれたまえ。 ああでも、これを渡しておこう。モンモランシーに、頼む」 ギーシュは懐を漁り、封筒を取り出した。表に書かれたあて先は、 『永遠の愛を誓って モンモランシーへ』。 「……ごめんよ。自分で渡しなさい」 「はは。いや、そう言わずに。頼むよ」 無理やり手紙を押し付けられてしまう。 軽薄そうな態度を装いながら、ギーシュの瞳は酷く真剣だった。 ……ふと、元帥にまで上り詰める程に優秀な軍人であったという、ギーシュの父を思った。 獅子の息子は、やはり獅子だったか。 「じゃあね、キュルケ。僕も、君のことが好きだったよ」 背を向けながら手を振り、裏通用口の門番へ話しかけるギーシュ。 既に、ルイズの所へ辿り着くための話はつけていた。頷きと共に、門番はそのまま彼を通す。 ギーシュは、振り返らなかった。 「キュルケさん。どうですか?」 背後からかけられた声に振り返ると、同じようにローブ姿の3人。 「……行ったわ。打ち合わせ通り、15分後。突入するわよ」 そして、15分後。 「こちらです!」 城内を案内する近衛兵と共に、4人は走る。 強気を装うキュルケの胸中は、不安で押し潰されそうだった。 ――もし、そこの角を曲がった先に、ギーシュの屍が転がっていたら。 ――もし、階段を上りきったそこで、ルイズと使い魔が笑っていたら。 不安を振り飛ばすように、キュルケは走る速度を上げる。 「あと、もう2つ階段を上がれば――がっ!」 一際広い廊下に辿り着いた、次の瞬間。 先頭を走っていた近衛兵が、奇妙な声と共に立ち止まった。 「伏せ!」 背中を走る悪寒と同時に、キュルケは体を床に投げ出す。 他の3人も、キュルケの言葉に即刻反応していた。 4人が床に転がったその上を、質量を持った猛烈な風が通過する。 風の鉄槌を受けた近衛兵が、背後へと吹き飛んでいった。 その胸には、幾つかの氷塊が突き刺さっている。もう息はあるまい。 「ちっ……!」 立ち上がって体勢を整えながら、キュルケは舌打ち。 廊下の中心に目を向ける。そこに、 「ここから先は、行かせない」 かつての親友が、立ちふさがっていた。 ――ルイズが世界を征服するようです―― 数人の近衛兵と共に、タバサが攻撃を開始した。 背の丈3メイル程の石ゴーレムが突撃し、更に雷と炎が渦を巻いてキュルケ達に襲い掛かる。 「サイト!」 キュルケの言葉と同時に、2本の剣を構えた少年が迎撃。 左手の大剣で魔法をまとめて吸収、右手の聖剣を振りかざして風の刃を叩きつける。 対するゴーレムは腕を広げて刃を受け止め、背後の主達を守った。 「シエスタ! 下がってなさい! ティファ! サイトの援護! 私はあいつをやる!」 戦闘に関する打ち合わせは、既に済ませていた。瞬時に役割分担が成される。 ティファニアは『虚無』を発動させるべく詠唱をはじめ、サイトはゴーレムの腕を潜り抜けて兵達へと迫る。 「舐めるな、ガキが――!」 近衛兵達も腰から杖剣を抜き、サイトを迎え撃つ。 国の中枢の防衛を任せられた精鋭たちである。 数人が連携すれば、その力、決してガンダールヴに劣るものではない。 「『ディスペル』!」 剣が打ち合わされる甲高い音が響くと同時に、ティファニアの魔法は完成していた。 ゴーレムの体を維持していた魔法が消滅し、瓦礫となって崩れていく。 「――――」 「――――」 ゴーレムが崩れる轟音、剣戟の音が響く中。 2人のメイジは、無言で向き合っていた。 言葉は要らない。 別れは既に、あの時に済ませてある。 ここに居るのは、かつての友などではなく――敵だ。 「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ――」 「ウル・カーノ・ジエーラ――」 先にタバサの『ウェンディ・アイシクル』が完成。 数十の氷の矢が、キュルケに殺到する。 「邪魔!」 『ファイヤー・ウォール』で迎撃。 氷の矢は溶け、炎と水が音を立てて水蒸気を作る。 視界を遮る霧の向こうへ、キュルケは続けて『フレイム・ウェーブ』を放った。 炎3つを組み合わせた、トランアングルスペル。波打つ炎の奔流がなだれ込み、風を呼んで霧を払う。 しかしその先に、タバサの姿は無い。 「しまっ――!」 ……確かにキュルケは優秀なメイジだ。あの年齢でトライアングルに達するなど、並みの才能と努力では達成出来ない。 決別から一年近く。魔法の腕も更に上がっているようだ。 が、しかし。それでも、自分には勝てないとタバサは思う。 戦いに必要なのは、魔法の腕などではない。 それを用いて、いかに殺すか――それこそが、戦闘の勝敗を分けるものに他ならない。 その技術においては、キュルケは自分に遠く及ばないと、タバサは確信していた。 「…………」 そもそも、タバサの戦闘スタイルは正面で魔法を打ち合うものではない。 その小さな体躯を逆に生かし、影から致命的な一撃を加える暗殺者のものである。 足音を『サイレント』で消し、風で移動を補助しての高速移動。 瞬時にキュルケの背後へと音も無く移動、腰のナイフを抜く。 狙うは肝臓。守るものも無い、人体における致命的急所の一つ。 ――殺った。 「っ!」 しかしその確信は、驚愕と共に覆された。 有り得無い速度でタバサに反応するキュルケ。 視界の端にタバサを捉えるや、体を捻り―― 「舐めるなっ!」 豪快な回し蹴りで、タバサを逆に吹き飛ばす! 「ぐっ!」 武器であった筈の軽い体は、劣勢になれば途端に致命的な弱点となる。 咄嗟に両腕でガードしたものの、衝撃は大きい。手からナイフがこぼれ、床に落ちた。 頭を混乱が支配する。決して反応できないタイミングと速度だった筈が、何故? 一瞬の迷い。そこを、キュルケは容赦無く突く。 神速の踏み込み。詰められた間合いに焦り、タバサは咄嗟に右腕の杖を突き出すが、かわされる。 その右腕を、キュルケは左手で掴む。捕まえた。 そのまま更に踏み込み。勢いと共に、右腕の肘をタバサの鳩尾に叩き込む。 「がっ!」 衝撃を逃がすことすら出来ず、息を漏らすタバサ。 暴風のごとき連撃はまだ終わらない。脇腹に左膝をぶちかまし、崩れかけるタバサの顔面にまた右の肘。 ここでようやくタバサの右腕を解放、空いた左で更に顔面を殴りつける。 床に崩れ落ちたタバサを右足で蹴り上げ、続けてバックステップ。右手の杖を構える。 キュルケが選んだ魔法は得意中の得意、『フレイム・ボール』。 巨大な炎の玉が瞬時に練り上げられ、床に這い蹲るタバサへと襲い掛かる。 ――勝った。 立場を逆転した勝利の確信はしかし、またも覆された。 「『バギマ』……!」 死に物狂いで搾り出された風の刃が炎球を迎撃。爆発と共に相殺する。 言葉一つで成立する異世界の魔法が、本来不可能なタイミングでの反撃を可能にしたのだ。 「ちっ……」 爆煙に包まれながら、千載一遇の好機を逃したことに舌を打つキュルケ。 一方、タバサは荒い息を何とか整えつつ、必死で頭を巡らせていた。 ――魔法の使用を許さない程の、超近接距離における戦闘術をキュルケは身につけていた。 確かに効果的だが――しかしそれだけならば、幾らでも対処の方法はある。 問題は、あの有り得無い速度だ。 風のメイジである自分を、炎のキュルケが速度で上回るなど、常識では考えられない。 補助の魔法を使っている様子も無いのに、一体どのようにして? 「く……」 煙が徐々に薄くなっていく。 タバサは軋む体に鞭打ち、立ち上がった。 体の状態を確認。――あばら骨を何本か、持っていかれたか。 しかし、この程度ならば問題無い。 「『ベホイミ』」 癒しの力が、体を包み込む。 体力を回復させることは出来ないが、傷を塞げれば十分だ。 やがて煙幕は晴れ、キュルケが再び姿を見せる。 「……ふぅん。あんたも、あの使い魔の力を手に入れたってわけ」 「……あなたも。随分と、変な力を身に付けた」 「はん。あんた程じゃないわ」 そう嘯くキュルケの右腕には――流星の装飾が施された、美しい腕輪が嵌められている。 「――さて。悪いけど、通してもらうわ」 「そうは、させない」 彼女――ルイズ達に報いるためにも、ここを通すわけにはいかない。 ……確かに、彼女は邪悪だった。どうしようも無く悪だった。 だが。彼女達のおかげで、母は救われたのだ。 思い出す。母がこちらを見て、名前を呼んでくれた瞬間。 あの瞬間の喜びは、言葉に表せるようなものではない。 今まで、誰もその喜びを与えてはくれなかった。誰も、母を救ってはくれなかった。 悪こそが、母を救ってくれた。ならば、どんな悪だろうとも構いはしない。 ――神など、糞でも喰らっていろ。 「『ピオリム』」 速度を上げる補助呪文を使用。 相手が自分よりも速いのならば、自分が更に速くなるまでのこと。 速さで勝れば、あのような近接格闘術など恐るるに足りない。 深呼吸。目の前の敵を、睨みつける。 「――――!」 「――――!」 双方の声にならない叫びが、戦闘再開の狼煙を上げた。 そうして。 舞台は、アルビオンの草原へと移る。 「…………」 サイト達一行は、言葉を失っていた。 深紫に染められた巨大な体躯。広げられる翼。 地を踏みしめる脚はそれだけで人体よりも太く、牙が並ぶ口からは呼吸と共に炎が漏れる。 怒りの咆哮と共に、周囲の空気が振動して肌を叩く。 ――圧倒的な力が、そこに存在していた。 「竜……王……!」 ティファニアは震えと共に、この存在の名の由来を思い知る。 あの亜人の姿こそが、全力だと思っていた。 十分に勝算は存在すると、そう思っていた。 しかし――これでは。 「……まずい」 竜が首を掲げる。口腔から、抑えきれない炎の端が覗いていた。 4人は即座に陣形を組み、攻撃に備える。 サイトは2本の剣を掲げ、キュルケは詠唱を開始。 ティファニアは懐から、宝玉の取り付けられた杖を取り出した。 シエスタは何かを祈るように手を組み、俯いている。 「みなさん……凌いで!」 ティファニアの祈るような言葉と共に――業火が、パーティ目掛けて繰り出される。 相殺しようとロトの剣から繰り出された風の刃、キュルケの魔法『フレイム・ウェーブ』。 その2つを瞬時に飲み込み、凌駕して、炎は4人を襲う! 「あ……ああああああああああ!」 「くっ……!」 ――やがて。炎の奔流は途切れた。 草原は広範囲に渡って焼き尽くされ、火は更に広がり続けている。 その中心で、一行は何とか持ちこたえつつも……全滅寸前の状態にあった。 「けんじ……いしよ……!」 まともに声も出せないティファニアが何とか杖を掲げると、癒しの力がパーティを包む。 しかし、それを大人しく待つような敵ではない。 竜の巨大な腕が振り下ろされる。 その一撃は、例えるならば鉄槌。 巨大な質量で、容赦無く対象を叩き潰さんとする絶対の一撃。 人間では、決して生み出せない威力のものだ。 「おおおおおおおおおおお!」 殆ど癒えていない体の力を振り絞り、叫びと共にサイトが迎撃。左手のルーンが、輝く。 剣と巨腕が激突し、――サイトは、十数メイルを吹き飛ばされる。 そのまま、動かなくなった。 「く……」 キュルケは唇を噛み締める。 本来の予定ならば、近接戦闘ではこちらに分がある筈だった。 敵の魔法もサイトと自分が相殺することができ、仮に傷を受けてもティファニアが居れば問題は無い。 ……その筈が……! 敵が再び頭を掲げる。また、あの炎が来る。 先ほどと違い、サイトが居ない。こちらはもう満身創痍。 湧き上がる絶望を必死で押し込めながら、キュルケは詠唱を始める。 ――それでも。奴らに、屈するわけにはいかない。 煉獄のごとき炎が放たれる。魔法で迎え撃つが、呆気なく飲み込まれた。 視界を埋め尽くす劫火を前に、キュルケは覚悟を決め、目を閉じる。 全滅、か――。 「『フバーハ』!」 ……肌を焼く熱は、確かに強力ではあったが――覚悟していたものとはほど遠かった。 疑問に、キュルケは目を開く。 まず目に入ってきたのは、自分の体を包み込む薄い光の膜だった。 決して瞳を刺すことの無い、穏やかな、暖かい光。 視界を移せば、ティファニアや倒れているサイトにもその光は宿っている。 そして――やはり光に身を包むシエスタが、微笑んでいた。 「すみません。不慣れなもので、詠唱に時間がかかりました。 ティファさん、回復を頼みます」 ティファニアが慌てて再び杖をかざす。 火傷は癒えていき、視界の端にサイトが起き上がるのが見えた。 「これで炎への耐性がつきました。回復を怠らなければ問題はありません。 あとはあの打撃対策ですが――『スカラ』」 「うぉ?」 こちらに駆け寄ってきたサイトが、驚きの声を上げる。 「なんか、力が……」 「キュルケさんにも、『スカラ』。……これで、打撃への耐性がつきます。 それでもあの攻撃は脅威ですが、何とか持ちこたえて下さい。ティファさん、援護を頼みます。 私はまた魔法の詠唱に入りますので、――2分。 2分間、私に時間を下さい」 キュルケは目を見張った。 シエスタの半分以上焼き切れたローブの下、何かが輝きを放っている。 首から下げられた、半円のペンダント。 それはこの戦いに赴く前、この腕輪と、ティファニアが持つ石と共に 廃墟となったタルブから見つけた物だった。 『……おじいちゃんが、遺してくれたものです。 これは本来の三分の一でしかない、らしいですけど……』 そう笑って、彼女はそれを自分の首にかけたのだ。 ……そのペンダントが、この窮地にあって光を放っていた。 キュルケはシエスタを見つめる。シエスタの黒い瞳は、この窮地にあっても尚輝きを失っていなかった。 ああ、そうか。 これが、この瞳とペンダントの輝きこそが、彼らが恐れる唯一の――。 「……了解。サイト、私と一緒に前衛。遠慮なく攻めるわよ。 ティファ、回復を。隙があったら、大爆発を叩き込んでやりなさい」 2分間。 迎え撃つ相手を考えれば、永遠よりも尚長い時間ではあったが、キュルケは提案を受け入れた。 竜に向き合う一行。 ペンダントの光に対し、怯むような素振りを見せていた竜が再び咆える。 「仕切り直しね。いくわよ」 戦いが、再開された。 ――それは、まさしく。幾多の英雄譚に謳われる戦い、その再現だった。 圧倒的な力を持つ竜。 軽減できると言っても炎の威力は尚凄まじく、腕や尾から繰り出される一撃は必殺。 対する者達は、力の方向を逸らし受け流すのにすらも、全身全霊の力を振り絞る必要があった。 正面から相対すれば、即刻死が訪れる。それほどの戦力差。 また、癒しの力も万能ではなく、失われた体力を取り戻すことは出来ない。 時間の経過と共に、確実に追い込まれていく。 防御に専念してすらその有様、増してや打倒するなど――奇跡を幾度起こせば足りるのか。 しかし。 太古の英雄達はそれでも諦めず、全身から血を流しながらも、歯を食いしばって立ち上がり、 好機をただ待ち続け――そして、巨人や竜などの圧倒的強者を滅ぼしたのだ。 紫竜が再度、高く吼える。 そして、その口から青く凍てつく、力の波動を繰り出した。 「な……!」 「光が!」 その波動は、傷を与えることこそ無かったが―― 一行にかけられた補助魔法、『フバーハ』と『スカラ』。その2つを打ち消していた。 まずい、と歯噛みする間も無く、キュルケは絶望そのものの光景を目にする。 竜が、またもあの炎を繰り出そうと構えていた。 必死に頭を巡らせる。今あれをまともに喰らえば、パーティは確実に全滅するだろう。 それだけは、何としても避けなければならない。 ……ならば……! 「サイト! 先に叩くわよ!」 言葉と共に、竜へと全力で突進する。 振り下ろされる腕をかわし、振り回される尾の下を潜り抜け、竜にたどり着いた。 体の凹凸を足場に、1度、2度と跳躍を繰り返す。 最後に、一際強く肩をけりあげ―― 「だ、あああああああああああああああああああああ!」 空中から、竜の横っ面を渾身の力で殴りつけ、 「おおおおおおおおおおっ!」 更に反対側から、サイトが両腕の剣、そして風の刃で3連撃を叩き込む! 「――――――!」 轟音。 発射口を叩かれ、行き場を無くした炎が口腔内で爆発したのだ。 自らの炎で身を内部から焼かれ、一歩後退する竜。 まさに、絶好の好機。 いかなる奇跡か、まさしくその瞬間に詠唱を終えたシエスタが叫んだ。 「いきます! 離れて!」 着地と共に、サイトとキュルケが竜から飛び退く。 シエスタはそれを確認、練りに練りこんだその力を解放する――! 「『ギガ』――――」 それは、勇者のみが扱える最強の呪文。 空を引き裂き、天空からの一撃を叩き落す神の鉄鎚! 「――『デイン』――!」 幾条もの白い稲妻が、竜に殺到。 全身を、凄まじい威力で焼き尽くす! その一撃、たとえ竜族の王であろうと耐えられるものではない――! 「――――!」 声にならない絶叫を上げる竜。 これを逃してはもう終わり、全力で畳み掛ける! 「『エクスプロージョン』!」 ティファニアの一撃。 不得意な魔法でありながら、それでもありったけの精神力を叩き込んだ大爆発が竜を包む。 「おおおおおおおおおっ!」 サイトの一撃。 防御用の大剣を捨て、聖剣を全力で頭部に叩き込む! 「サイト、離れなさい! これで終わりよ。……『爆熱』――!」 そして、キュルケの一撃。 禿頭の師より授けられ、更に改良した彼女最強の禁呪。 空気中の水蒸気を錬金、空気と攪拌して点火。 凄まじい衝撃波と共に、数千度に達する超高熱の大爆発を引き起こす。 これだけでも既に十二分に強力だが、この魔法が特殊なのは、ここからだ。 まず、爆発の保持時間が長い。爆風が従来の魔法よりも長く維持されるため、 相手はその間焼かれ続け、爆風に晒され続けることとなる。 更に、第2段階。 周囲の酸素を急激に消費した結果発生するのが、急激な気圧の変化。 人間ならば内臓破裂を引き起こす程のものであり、その威力は至近距離においては凄まじいレベルに達する。 また、空気中の酸素バランスが崩れることにより、いくら呼吸しても酸素が取り込めないという状況を作り出し、 加えて酸素不足の状態で燃焼するため大量の一酸化炭素が発生、中毒を引き起こす。 ……限定された空間内だけにこれらの効果を発生させるのは極めて困難であり、 また、余りに過ぎる破壊力のため、師より使用を禁じられた大魔法だ。 「どう、だ……!」 文字通り、全ての力を注ぎ込んだ連続攻撃。 体力も精神力も、徹底的に使い果たした。 これで、倒せないようならば――終わりだ。 竜はその全身を焼かれ、立ち尽くし―― 轟音と共に、その身を地に横たえた。 「…………」 「…………」 「……やっ……たのか……?」 剣を杖に立ちながら、疑問の声を上げるサイト。 一行が顔を見合わせ、喜びを浮かべかけた瞬間、 「――『ベホマ』」 「…………え?」 絶望の、声が、響いた。 竜の全身を、癒しの力が包む。 呆然と見守る4人の前、竜の傷が次々と癒えていき――やがて竜は、再びその体を掲げた。 『なるほど、人としては中々だが――しかし、それまでだな』 脳裏に、嘲笑の声が響く。 ティファニアが膝から地に崩れ落ち、サイトが絶望に呻く。 「うそ、だろ……?」 『これが、人と我らの、決定的な力の差というものよ』 ククク、と笑う竜。 キュルケがよろめきながらも杖を構え、シエスタは再び魔法の詠唱を始める。 『無駄なことだ、かの者達の子よ。最早、貴様の仲間に戦意など――』 突然、りゅうおうは念話を打ち切る。 目の前のことなど些事でしかない、というように首を回し、遥か遠くの空を見つめ始めた。 『…………まさ、か…………!』 りゅうおうの視線の遥か先、ガリア王国ヴェルサルテイル宮殿。 ……いや、元宮殿と言うべきか。 既に建造物はあらかた崩壊し、そこにあるのはただ瓦礫の山だった。 「は、ははははははははははははははは! 待っていた! 待っていたぞ、そなたのような存在を!」 その瓦礫の中。 宮殿を失った王は、しかし狂ったように笑い続ける。 巨大な『それ』を見上げながら、腕を広げ、踊るように回る。廻る。 「ははははははははははははは! さぁ、壊してくれ! ……世界を! 全てをだ!」 踏み潰され絶命するその瞬間まで、王は嬉しくてたまらない、というように笑い続けていた。 『それ』は辺りを見回し、そして自身の力を解放する。 ――その夜、ガリア王都リュティスは、氷の海に沈んだ。 それは全てを滅ぼすもの。 全ての命を生け贄とし、世界を絶望で覆い尽くさんとするもの。 ……それは、かつてとある異世界を闇に封じ込めた、大魔王と呼ばれるもの。 前ページルイズが世界を征服するようです
https://w.atwiki.jp/telespo2010/pages/176.html
スポンサー遍歴(冬期) 世界を変える100人の日本人! テレビ東京系列(金)20 00~20 54 対象日1月22日 1月29日 2月5日 2月12日 3月5日 除外日拡大放送 休止 対象日 1月22日 1部60秒 - 外為オンライン 30秒 - KDDI、LION、TKC全国会、スターツ、ニトリ 2部60秒 - DMM.com証券 30秒 - リーブ21、セコム、NTTデータ、(PT)コーワ 1月29日 1部60秒 - DMM.com証券 30秒 - リーブ21、ニトリ、セコム、コナミ、(PT)コーワ 2部60秒 - 外為オンライン 30秒 - スターツ、KDDI、LION、TKC全国会 2月5日 1部60秒 - (PT)永谷園 30秒 - TKC全国会、外為オンライン、KDDI、LION、(PT)トヨタ自動車(「SAMURAI CODE」番宣) 2部30秒 - ニトリ、DMM.com証券、リーブ21、スターツ、(PT)コーワ、(PT)永谷園 2月12日 1部30秒 - スターツ、DMM.com証券、リーブ21、ニトリ、「恋するベーカリー」、(PT)永谷園 2部60秒 - (PT)永谷園 30秒 - TKC全国会、LION、KDDI、外為オンライン 3月5日 1部30秒 - 外為オンライン、KDDI、ニトリ、TKC全国会、NEC、LION、(PT)永谷園 2部30秒 - リーブ21、日本通運、DMM.com証券、日本医師会女性医師支援センター、ソフトバンクモバイル、(PT)GO!FES 除外日 拡大放送 2月19日 = 2時間スペシャル 休止 2月26日 = 「所さんのそこんトコロ!」3HSP