約 1,516,398 件
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/10421.html
871 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 07 28 57.02 ID WyZUZ8HS0 全然違う話なんだが、この前GMに言われてセッション前から超萎えた発言があってさ 「どんなPCでもウェルカム。俺が皆さんを必ずハッピーエンドに導きますw」 「強く作ってもバッチリ調整するので強く作っても弱くても変わりません。だから趣味に走れw」 「俺のシナリオにバッドエンドという文字はないので安心してくれ」 そういうのやめてと伝えたけど全部「大丈夫任せてw」で話が通じなかった シナリオは勢い任せというか、燃える演出は基本多いんだけど PCの演出を「そこはこうしよう。そして他のPCがこうできるから~」と乗っ取るのが多すぎた そして戦闘も事前宣言通りと言うか、2Rほど戦うとムービーシーン移行で、演出戦闘で終わりだった 振り返るとPCとして意思決定がまるでさせてもらえなかった 872 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 07 37 13.48 ID sV5npozXO [1/2] 871 乙! 即興型の吟遊GMとでもいうべきか? 提案はともかく選択肢を決定してはいかんよ まぁ後、ガチで闘わなければ能力差も関係ないわなぁ 873 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 07 42 04.02 ID 2KtfAu4HO [1/2] 清々しいまでの古典的吟遊だな。 つまらないだけで実害が少ないからか、吟遊ってTRPG滅ぶまで無くならないよな多分。 874 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 07 42 46.68 ID Ev8DSz720 871 報告乙 そのGM、TRPGのGの部分は無視すると言っているに等しいってわからないんだろうな、きっと 875 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 07 48 06.97 ID 2KtfAu4HO [2/2] え? RもPも無視されて、Tしか残ってないだろ? 876 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 07 52 27.97 ID P/W9LnNW0 Tだけ残ってもしゃーないので蹴り倒して帰ろうぜーでそして誰もいなくなるな 877 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 08 25 48.82 ID BtyWr+rz0 俺ならわざとバッドエンドになるような事をしまくるな せっかくハッピー確定なんだから楽しまないと 878 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 09 39 13.67 ID COLPpM0F0 テーブルはあってもトークが消えてるから、 Tすらも半分消えかかってるんじゃね? 879 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 09 45 36.32 ID onQrpL420 [1/5] 報告者がやったのはГってことか 880 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 10 07 33.10 ID lCEiM4IH0 [1/2] じゃあスレ違いだな!(錯乱) 881 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 10 07 40.62 ID X7F9TYVd0 いや、丨かもしれん 882 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 10 16 10.72 ID OukirIZo0 [1/2] .でいいよそんなの 883 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 10 55 48.12 ID 20mCjyHd0 「」だな、もはや 884 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 11 16 50.32 ID Ilu4ZxRc0 「名前を言ってはいけないあの遊び」になる日も近い 885 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 11 22 54.48 ID VzHEpU/x0 [2/3] そもそも遊びなのだろうか 886 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2015/05/07(木) 12 18 18.04 ID sV5npozXO [2/2] 885 遊びの定義からかなぁ 多分、お駄賃や弁当すらなしの完全ボランティアで映画のエキストラやらされてる感覚かと スレ413
https://w.atwiki.jp/darkness00/pages/277.html
Sweets Time 原曲(U.Nオーエンは彼女なのか?) ※裏歌詞 グロす・・・ 蜜心臓と血液 隠し味には肉片を真っ白な骨を 墓場に捨てましょう 早く私を楽しませてよ 死体は何にも喋らない ひとつしか知らない悲鳴あげていたの まだ息のある人間が牢屋から逃げて私の弾に撃たれて両腕だけ残して燃えてしまった さぁ皆で叫んでよ 新しい悲鳴を聞かせてよ 誰も声が出せないの 誰も叫ばない お腹が減ったのね、一つ分けてあげる甘くてとろける血肉を 美味しかったでしょう?さぁ元気が出たならまた叫んでよ 心臓と血液 赤褐色とピンク混ぜたなら どんな色になるのかしら?地下牢と同じ色 さぁ早く楽しませてよ 死体はどうしても喋らない 血をかけてあげる その赤いドレス 髑髏で作った牢屋にまた人間閉じ込める ねぇ悲鳴をきかせてほしの 悲鳴を聞かせてよ 新しい人間今度は金髪の女の子(魔理沙) 真っ白な骨を墓場に捨てましょう
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/38226.html
はっぴーえんどはつづかない【登録タグ v flower は ミリ子 心華 曲】 作詞:ミリ子 作曲:ミリ子 編曲:ミリ子 唄:flower・心華 曲紹介 アンチヒーロー躍らせろ! illustration:琴葉猫 歌詞 (piaproより転載) ねえ ほらそうやって 手を振ってほら 子供みたいに ねえ ほらそうやって 手を引いた また子供騙しって ほら僕は傷付いてまた昨日みたいに ねえほら君も気付いてんでしょ?本当はさ 「明日雨になるよ だってね祈ったんだ ねえまたあの日の事 再現しようか」 弾けた馨る鉄の声と涙流すBB弾 夢掴め 此処はインセプションだ 蜘蛛の糸は無い 此処に残れよ アンチヒーロー踊らせろ ああ ほら君は手を取ってまた助けてと言う ねえ ほら僕は夢見たくて求めてしまったんだ それは紛れも無いまやかしなのに ああほら君は手招いて笑う「本当はね?」 明日君が死んで僕が独りでも 例え話だから まだ笑えるんだ 霞んだ目 舞い戻った聖地 其処で暮らすエイリアン 武器掴め壊せアウェイ戦だ 蜘蛛の糸は無い 此処に残れよ アンチヒーロー踊らせろ ひとつ ふたつ 不協指数が 影を連れてしとしと笑う 黒い穴の中に居たいんだって夢をひろげた 縋る君のアタマを割る 弾けた馨る鉄の声と涙流すBB弾 夢壊せ此処はインセプションだ 蜘蛛の糸はとうに切れた 武器掴め壊せアウェイ戦だ 嘘の君と共に消えるよ アンチヒーロー踊らせろ ねえ まだそうやって居るの? ねえ まだ手招いて云うの? ねえ まだ君が見える 其れはエミュレータ? 「明日君が死んで僕が独りでも 例え話だから まだ笑えるんだ」 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/3186.html
今日 - 合計 - アクアゾーンオプションディスクシリーズブルーエンペラーの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 15時01分44秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/686.html
どうしたら三年前の事件を明るく防げるかなと思って書いたもの パラレルワールド 『ハッピーエンドをめざして』 http //rano.jp/1258 中等部二年生の水分理緒を知らぬ者はいないだろう。 彼女の異能は、触れた水を武器として操ることである。いつもペットボトルの水を携帯し、戦闘時にはそのミネラルウォーターを使って敵を「斬る」。 名家の娘である彼女は常に穏やかな笑顔をたたえており、異性に人気がある。おっとりとした外見とは裏腹に芯の強い側面があり、かなり優秀な異能者であることは解説するまでもない。 そんな彼女が窓辺の席で、友人たちと談笑しているなか。 昼休みの校庭では高等部の学生が草野球を楽しんでいた。投手が渾身のストレートをインコースに放ったが――。 「どおおおりゃあああああああああああ!」 打者は太すぎる両腕をコンパクトに縮め、一気にバットを回す。 軟球が卓球のピンポン球のように、軽々と弾き飛ばされてしまった。 「どーだ! これで全打席ホームランだ!」 龍河弾はバットを放り投げると、巨体をのっしのっしと弾ませてダイヤモンドを一蹴した。どう攻めてもこの男によって得点されてしまう投手はやけになり、「おめー相手じゃ打つ手がねーよ! この筋肉バカ!」と罵った。 へっへっへと本塁を踏んだこの男子高校生は竜の血が流れており、超力系異能者のなかでも桁違いに「強い」。どんなに厄介な有害ラルヴァが発生しても、彼が動けば戦闘は穏便に、あるいは一発逆転を見せることも多かった。 その校庭から一つの建物をはさんだ場所に、初等部・中等部の給食センターがある。給食は生徒の任意で食べることができ、クラスごとに給食当番というものがある。 「へっ。誰よりも早く給食を届けてやるぜ!」 そう楽しそうな声で言ったのは、初等部の早瀬速人である。彼の異能は亜音速で移動することだ。今日もグリーンピース入りカレーの入った大食管を両手に持ち、バカなことをおっぱじめようとしていた。 通常のルートを外れて、彼は高等部の敷地を横切っていく。ショートカットだ。得意の異能でぐんぐん加速していったが、視界に小さな女性の姿を目にした。 「げっ! うわあああああああああああ!」 異能のコントロールに未熟だった彼は、まだ急には止まれなかった。女性が仰天して早瀬のほうを向き、目と目が合ったときには・・・・・。事故は発生していた。大食管のふたが宙に吹っ飛んだ。 「君ぃ。クラスと担任の名前を言いなさい。ちゃんと謝ってくれれば、許してあげるからね・・・・・・?」 「ごめんなさいごめんなさい! 本当に申し訳ございませんでした、先輩!」 頭からあつあつのカレーをかぶった春奈・C・クラウディウスは、しくしく涙を流した。 そこは山を切り崩し、住宅地を造成しようとしている地区であった。 「確か、この辺りでしたわね・・・・・・」 水分理緒は工事現場に来ていた。 土曜日の授業が終わったあと、帰宅途中に彼女のモバイル手帳が振動した。周辺にいるラルヴァを探知したのだ。 舗装されていない道を奥に進んでいくと、やがて訪れた凄惨な光景に彼女は唾を飲み込んだ。 「これは・・・・・・」 あちこちに横転している、傷だらけの重機。 岩肌や路面に付着している、おびただしい量の血。 ここで戦闘があったことは確かである。それにしても、常軌を逸している惨い現場だ。ここで一体どんな戦いがなされていたというのか。 「すでにもう終わってるようだ。ひでぇもんだ」 と、水分は背後から話しかけられる。 静かに彼女のもとへ近づいていたのは、とても背の高くて硬そうな筋肉を身にまとっている、強そうな男子生徒であった。半そでのカッターシャツから、大木のような太い腕が伸びている。 「高等部の龍河さん・・・・・・?」 「そうだ。お前さんは中等部の水分理緒かい?」 水分の握るペットボトルを見てから、龍河はそうきいた。 「お互い、有名人なんですね」と水分はくすっと笑う。「龍河さんも、ラルヴァの反応をたどって来たのでしょうか?」 「ああ。俺が来たときにはもう、こんな感じだったけどな」 そこにまたもう一人、男の子が乱入してくる。彼は砂煙を上げながら、急停止した。 「待たせたなラルヴァ野郎! この俺、早瀬速人が相手をしてやる!」 水分と龍河はぽかんとしながら彼の事を見つめていた。激しい戦闘も異能力のぶつかり合いも、何も起こってはいない。むなしい鳥の鳴き声が早瀬の耳にも届いたとき。 「あれ・・・・・・? もう戦いは終わってるの・・・・・・?」 彼はしょんぼり肩を落としたのであった。 工事現場でのラルヴァ発生は、偶然にもこの三人を引き寄せたである。あまりにも生々しい爪あとが気になった彼らは、調査を始めた。 「どこも真っ赤じゃねえか。残忍だぜ」 「でも、これは人間のものではないと思いますわ」 水分は龍河に、ある場所を指差した。血溜まりに混じって、茶色い体毛が大量に残っているのだ。 「・・・・・・ビーストラルヴァのものなのか?」 「だと私は見ています」 ということは、残忍に傷つけられたのは異能者でなく、ラルヴァのほう・・・・・・? ますます不可思議な現場に、二人は首をかしげるのであった。 「このえぐられたような跡はなんだ?」 と、もっと奥に進んだ場所にいる早瀬が水分たちを呼んだ。 水分が駆けつけてみると、棒のようなものでえぐられたような傷が、切り開かれた山肌にいくつも走っていたのである。周りに付着する血液の量も多かった。 「異能者が武器でラルヴァを痛めつけていた・・・・・・?」 水分がそう言ったとき、早瀬は背筋を震わせる。 「ちょっとやりすぎだろ・・・・・・」 「ええ、私もそう思います」 「これじゃまるで、人間がラルヴァ殺しを楽しんでいるかのよう――」 早瀬の視線が水分に釘付けになる。水分は喉が乾いたのだろうか、ペットボトルを開ける。彼女の桃色の唇に、ペットボトルの口が近づく。 しかし、彼女は水を飲もうとしていたのではなかった。 水分はミネラルウォーターの雫を零すと、それを指先でピンと弾き飛ばした。 早瀬の顔のすぐ隣を、弾丸のように駆け抜けた。キュンという音が彼の耳に残る。 そして。 がらんがらんと、早瀬の背後で何かが崩れる音がした。 「何が起こった!」 龍河が二人のもとに駆けつけた。水分はにっこり、 「私たちのことを覗いている無粋な方がいらっしゃったので」 と妖艶に言った。 草むらの影から何かが這い出てくる。龍河は表情を引き締め、構える。 だが、それはばちばちと火花を散らしている「ロボット」であった。水分の弾き飛ばした水弾によって、目の部分に大きな穴が開いてしまった。 「ロボットだと・・・・・・?」 「どこかで見たことあるようなロボットですね」 そう、水分がロボットのもとへ近づいたときだ。 「水分先輩! 危ない!」 彼女は横から現れた早瀬に抱えられ、その場から急激に離れる。同時に異変を察知した龍河も、後ろに大きく飛んだ。 工事現場の山に爆音が響く。 ロボットは自爆した。 三人はあのあと、一緒に双葉学園に戻っていた。 図書委員に無理を言って、閉館時間の後も図書館に彼らは篭っていた。 時刻は二十時を過ぎている。でも、早く調べ上げないといけない。そんな直感が彼らに働いていたのである。徹夜も覚悟していた。 「思い出しました・・・・・・。あのロボットは授業で使われていたものです」 「ああ、言われてみればそうだな」 双葉学園の戦闘訓練では、訓練用ロボットが使用されることがある。水分も龍河も一度は戦ったことのあるロボットが、あの現場にいたのだ。 龍河が、双葉学園で使用されている訓練ロボットの資料を持ってきた。 「ほら、これだ。こいつがあの山にいたんだ」 「与田技研の訓練素材ですわね」 「何であんな所にいたんだろうな。怪しくねえか?」 「はい。普段見るものは迷彩塗装なんてされていません」 工事現場で遭遇したロボットは確かに、与田技研のカタログに載っているものと同系機種だった。しかし水分が撃破したものは迷彩塗装がされており、頭部に大きな目のようなものが設置されていた。 「情報収集・・・・・・でしょうか?」 「だろうな」 「ただいま! 話を聞いてきたぞ!」 と、早瀬が図書館に帰ってきた。彼はあの工事に携わっていた人の話を聞くために、病院に行っていたのだ。片手には、帰り際に調達してきた差し入れが。 「巨大な熊のラルヴァが現れたらしい。重機を投げてはぶつけてきたり、おっちゃんたちに殴りかかったり、散々だったってさ」 「やっぱりカテゴリー・ビーストだったか」 と、龍河は早瀬の持ち込んできたおにぎりを頬張りながら言った。 「あと、戦いに出たのは高等部の立浪姉妹だった」 「立浪姉妹?」 水分はミネラルウォーターを机に置いて、早瀬の顔を見る。 「うん。工事現場の人が目撃していたから間違いない」 「学園の猫耳アイドルだったのか。なら瞬殺されちまうわけだ」 「でも、解せませんわね」 三人は怪訝そうな顔つきになる。 どうして、あんな凄惨な現場が残されていたのだろう? 血液が辺り一面、べっとりと付着していたというひどい惨状。 現場の痕跡や武装の特性から考えて、ビーストラルヴァを倒したのは鞭使い・立浪みきだろう。しかし、姉とは違って消極的で大人しい彼女が、あんなに惨たらしくラルヴァを血祭りに上げるようなことがあるのだろうか? ・・・・・・そして、運命のときは刻一刻と近づいてきていた。 龍河のモバイル学生証が鳴動したのだ。 「お? 誰からだ?」 画面を開いたとき、彼の顔に緊張が走った。 「なんでぇ、これ・・・・・・」 水分と早瀬が、大きな肩の後ろから覗き込む。 それは差出人が「双葉学園・超科学力分野・有識者会議」となっているメールであったのだ。本文が「これは過去にラルヴァによって不幸に陥った者に対して送られるものである」とだけ記されており、大きな容量の動画が添付されていた。 「過去にラルヴァによって不幸に陥った者だとぉ? 勝手なこと言いやがって!」 彼は机を乱暴に殴った。水分が冷静にこんなことを言う。 「もしかして、複数人の生徒に配信されている・・・・・・?」 「え? 俺のところには届いてないぞ?」 早瀬が慌てて自分のモバイル学生証を見て言った。 「とりあえず、動画を見てみませんか?」 水分が言う。龍河は恐る恐る、そのファイルを開いた。 そして彼らは惨劇を目の当たりにする。 三人は机にぐったりと突っ伏したり、両腕を垂らしたりしていた。 「何だよ・・・・・・。あんな残虐なの・・・・・・」 早瀬は歯を鳴らしながら言った。 さすがの水分も頭痛がしているのか、額を押さえていた。 ファイルには、立浪みきがあの工事現場で鞭を振るい、熊のラルヴァを惨殺する映像が納められていた。腕を斬ったり、腹を裂いたり、頭部に穴を開けてかき混ぜたり。 それに織り交ぜられて、テロップが挿入されていた。「立浪姉妹はラルヴァである」「立浪姉妹は双葉学園の脅威である」「立浪姉妹は我々学園生徒によって粛清させられるべきである」 「なんつうか、悪意がひしひしと伝わってきたな」 そう、顔面の汗を拭いながら龍河は言った。 「執拗なほどにね」と、水分が付け加える。 「悪趣味だなあ。こんなのをみんなに配信しているのか?」と、早瀬が言った。 「・・・・・・裏で何かが起ころうとしている」 水分は椅子から立ち上がる。静かな図書室内を歩きながら、二人に自分の考えていることを話した。 「これはふだんラルヴァを嫌っている生徒を執拗に煽り立てるものです。そんな彼らを煽り立てて、利用しようとしている悪いお方がいらっしゃいますわ。その方は相当、立浪姉妹を消したくてたまらないようですわね」 普通の人間なら参ってしまうぐらい、刺激の強すぎる映像。しつこいぐらいに視覚的に訴えてきた、テロップの煽り文句。嘘を嘘と見抜けないような人であったら、あっけなく冷静さを失って思わぬ行動に出てしまうことだろう。それぐらい映像は巧妙で、悪質なつくりをしていた。 「もしかして、その映像を撮影していたのが」 「ええ。あのロボットで間違いないですわ」 早瀬に対して水分はそう答えた。 しかし、双葉学園に訓練素材を提供しているロボット工学の老舗が、あのような姑息な情報収集ロボットを仕向けるような真似をするのだろうか? 与田技研は超科学系の卒業生が立ち上げたメーカーであり、母校の生徒に対して悪事を働くようなことをするとは思えない。 でも、あのロボットを改造することができて、かつ他の目的に転用する技術を持っているのは、与田技研の人間でないとまずありえない。 「聞いたことがあるぜ」 と、龍河はニヤリと笑って言う。 「同期に与田技研のおぼっちゃまがいるんだ。ラルヴァが大ッ嫌いな男だ」 「じゃあ、そいつの仕業なのか?」 「まあ、それは月曜日になってみないとわかりませんわ」 水分は大きく息をついた。 動画の最後に、このような一文が流されていたのだ。 『七月十一日月曜日・高等部第三グラウンドにて、我々は立浪姉妹に真っ向から勝負を仕掛ける。学生諸君で力を合わせ、双葉学園にはびこる悪を排除しよう!』 七月十一日・月曜日。 猫耳姉妹の長女・立浪みかは空高く放り出され、グラウンドに叩きつけられた。 「ひどいよ・・・・・・ひどいよ・・・・・・!」 砂煙の中でうつ伏せになったまま、彼女は泣いていた。 それもそのはずだ。彼女が愛する学園生徒が、こうして敵となって立ちはだかっているのだから。一斉に攻撃を食らって、ボロボロにされているのだから。 「どうだ立浪みか。この人数を見たまえ。これが双葉学園の総意なのだ。『ラルヴァ』であるお前を排除するため、みんなこの場に来てくれたんだ! この現実をどう受け止める!」 涙ぐんでいてぼやけている視界の向こうには、何人も何人も・・・・・・非常に多くの生徒が横に並んで自分を冷たい視線で見下ろしているように見えた。 彼女に対して言葉をぶつけた与田光一は、自分の集めた集団を横目に見る。 そして、ちっと舌打ちをした。 (ああは言ったものの、何だ? この想定以上の人数の少なさは・・・・・・!) 彼はラルヴァに恨みを持っている人間を利用し、立浪姉妹を始末することを企てていた。学園生との手によって彼女を殺させることに大きな意味があるのだ。 そうしたいはずなのに、どうにも人数が集まらない。多くて三百人は集まるものだと目論んでいたのに、ざっと数えたところ、五十人に届くか届かないかの人数であった。 与田は不機嫌だった。おとといから、どうしてかイレギュラーが重なる。 自分の仕向けた情報収集ロボット「コレクター」を、第三者に発見されてしまったのだ。 研究所で遠隔操作をしていた彼は、映像にまず初等部の生徒が映ったのを発見して仰天する。それからすぐに現れたのが、中等部の有名人・水分理緒だった。 まずいと思ったが遅かった。水分は「コレクター」の存在を見破り、水の弾を撃ち込んで機能停止にしてしまう。真っ暗になった映像を前に、与田は悔しそうにして自爆スイッチに拳を叩き込んだ。ロボットを見てしまったのは、あの二人だけだと彼は思い込んでいる。 それでも「コレクター」の映像は手に入れることができたので、地道な編集作業の末、彼は生徒たちに映像を送信することになる。 と、ここで集団がざわつき始めた。与田は考え事を止めて、彼らが指を差すほうを向いた。 見知らぬ熊の少年が、生徒たちに向き合って話をしているのだ。 与田はまた舌打ちをした。「何だ、あいつは!」。彼はイレギュラーが大嫌いなのである。 「人間のみなさま・・・・・・ごめんなさい。異能者のみなさま・・・・・・ごめんなさい。・・・・・・島に住むみなさま・・・・・・ごめんなさい」 氷をぶつけることのできる異能者が、新しい氷を具現させる。 グレネードランチャーを構えた生徒が、しっかり彼に標準を定める。 魔法を使える女子が、ステッキから雷竜を召還する。 「うちの父親が、みなさまに大きな迷惑をかけてしまって・・・・・・。悪いのは僕らですから、どうかみき姉ちゃんたちを・・・・・・」 理性を失った生徒たちの異能力が、火を噴いた。立浪みきは絶叫していた。 ところが、熊の少年――マイクが恐る恐る目を開いたら。 「ぐおおおおおお!」 彼はびっくりした。何と自分に直撃するはずの集中攻撃を、急に現れた男が背中で受け止めているのだ。上空から降ってきた龍河が、生徒たちによる一斉放火からマイクを守ったのだ! 「君はこっちおいで!」 マイクの小さな体は早瀬によって抱えられ、その場から離脱する。攻撃を被弾した龍河は爆発に包まれたが、カッターシャツが吹き飛んだ程度でまったく負傷していない。 「汚い真似しやがって!」 彼がそう睨みを利かせただけで、生徒たちは半歩下がって恐れおののいた。 高等部で最強に近い男が、立浪姉妹の味方をしている。もうそれだけで彼らは何もできなくなる。それぐらい龍河は強くて、敵に回してはいけない存在なのだ。 「ど、どういうことだ! お前だってラルヴァに家族を――」 「大きなお世話だ、おぼっちゃん」 と、龍河は怒りの混じった視線で与田をじっと捉えた。 与田は歯をぎりぎり噛み締めた。ラルヴァに家族を殺されている龍河は、絶対自分の味方になってくれるはずだと思い込んでいた。最強に近い龍河を引きずり込めると確信していたから、自信を持って今回の計画を強行することができたのである。 龍河は困惑している生徒たちに向かって、こう怒鳴った。 「お前らぁー! 何をこんなやつに乗せられているんだぁー!」 「これはあいつの悪巧みなんだ! 騙されちゃいけないんだ!」 マイクを姉妹に預けてきた早瀬も、龍河に並んで彼らに言った。 常軌を逸した悪質な映像を見せ付けられて、麻痺した理性。与田は意図的にそれを狙い、ラルヴァを嫌っている生徒たちを扇動した。 二人の話を聞いた生徒たちは、熱が引いていくように冷静さを取り戻す。 「俺たちはなんでこんなことを?」 「ラルヴァを倒せといっても・・・・・・」 「あそこにいるのは同じ生徒だしなあ・・・・・・?」 与田のかけた催眠がとける。サブリミナルな効果が失われる。学園生徒を利用して、姉妹を殺させる計画が破綻した瞬間であった。 「ぐっ・・・・・・!」 大きめの白衣を翻して、与田が早々に逃亡を図ろうとする。 しかし、退路を水分理緒が塞いだ。 「あなたほど悪いお方を見たことがありませんわ」 「お前は、水分理緒・・・・・・!」 「たくさんの生徒たちにあの惨たらしい動画を送ったそうですね。でも、あなたの思い通りにはさせません」 「俺たちがまる一日かけて、動画を開いた生徒たちに注意していたんだぜ!」 「あいつの言うことに耳を貸すなってね!」 与田は衝撃のあまり目の前が真っ暗になった。 三人は図書館で映像を見たあと、できるだけ多くの生徒たちに連絡を取って、冷静になるよう注意を促していたのだ。映像でしつこく繰り返されていた論調のおかしな点、矛盾点を教え、正気に戻させていた。特に動画を見ていない生徒には、決して見ないよう強く言った。 首謀者はようやく理解する。この三人の妨害が人数の低さに反映していたのだ。龍河を味方につけたくて彼に動画を送ったことが水分たちに計画を知られることになり、皮肉にも敗因となってしまったのである。 「フッ・・・・・・。フハハハハ・・・・・・」 与田は笑い出した。自らの悪巧みがこんなにもあっけなく看破され、失敗に終わってしまうなんて。 そして彼は白衣の中に納めてあった護身銃に手をかける。水分が頭上でペットボトルを握りつぶしたのは、ほぼ同時であった。 「死ね」 トリガーが弾かれる。銃声が響く。水分の脳天目掛けて銃弾が飛んだ。 しかし、水分が腕を縦に振って放った水のウェーブが、真正面から弾丸とぶつかる。 薄い水のカッターに触れた弾丸はぱっくり半分に割れ、分離した。それらはそのまま水分の両脇を通過する。一方、水分のウェーブは、与田の体を縦半分に斬ってしまわんとばかりに直進してきた。 「ひぃっ――」 眼前まで押し寄せたウェーブは、与田のぎりぎり手前で止まって無くなる。迫り来る恐怖の刃物を前にして、与田は死んだとさえ思った。呆然と、銃を握る腕を垂らしたとき。 ぱきん。 眼鏡のブリッジが折れた。 与田はびくびく震えだした。ぼやけた近視の視界の向こうで、水分が笑っている。ピントがずれて見えるはずがないのに、与田には水分の妖しい笑顔が見えてならなかった。 「悪党は大人しく醒徒会の沙汰を待つのがいいですわ。ふふ・・・・・・」 与田はもう、無駄な抵抗をすることはなかった。 「これは何事だ!」 ここでようやく醒徒会が駆けつけてくれた。水分が後から知ったことだが、この日この時、醒徒会のメンバーはどうしてか全員が学部長のもとに呼ばれていた。よりより学園を作るために云々、中身の無い話を学部長から長々と聞かされていたらしい。 実はこの学部長が真の黒幕だったのだ。彼は伝統ある双葉学園にラルヴァの生徒がいることに、誰よりも憤慨した大人であった。つまり、彼は与田たちが立浪姉妹を始末するあいだ、醒徒会を拘束していたのだ。 天下の醒徒会が現場にやってきて、悪事が丸裸になってしまえば、いよいよ与田光一は詰んでしまったことになる。 彼はがっくり、頭を垂らした。 水分と龍河と早瀬は、一緒に醒徒会室から出てきた。 与田光一の悪事を暴き、あわやのところで事件を止めたことに、会長から感謝の言葉をいただいたのだ。後日、三人は改めて表彰されるという。 「与田の計画に加担した奴らも罰せられるんだってさ」 と、早瀬が口を開いた。それに水分がくすっと笑って、 「反省文千枚でしたっけ? ま、嘘を嘘と見抜けなかった罰ですわ」と言った。 「まったくとんでもない奴だったぜ。与田は」 今後、与田光一は風紀委員や学生指導の管理下に置かれ、もう二度と浮かび上がることはないだろう。学生二人を殺そうとしていたことを、学園はとても問題視している。 なお、学部長は自宅謹慎ののち懲戒解雇される見通しらしい。 「猫耳姉妹もホントよかったな。殺されるところだった」 「そうですわね。こうして学園から守られる結果になって良かったです」 「別に二人がラルヴァでもいいのに。わけがわかんないや」 立浪みかとみきはこれまで通り、双葉学園の生徒として平穏な暮らしを送ることができる。二人が知らない間に殺されそうになったことを聞いた友人たちは、これからはどんなときでも側にいてあげようと決心したらしい。仲間がいれば、工事現場のときのような暴走を起こすこともないのだ 「同感です。彼女たちは何も悪くありません」 「だよなぁ? へへ、気が合うな、俺たち」 「俺もそう思う!」 三人はいっせいに笑いあった。すると、水分がこんなことを言った。 「私も醒徒会になって、より良い学校づくりをしたいです」 「俺もそう思ってたところだ!」と龍河が言う。「俺は頭が良い方じゃねェけどよ、楽しい学園生活の為なら全力で働いてやるぜ!」 「俺もいつか醒徒会に立候補したいな。自分の異能を活かした仕事をやりたい!」 「あん? お前にピッタリな仕事は、やっぱパシリじゃねぇのか?」 水分が思わず吹き出してしまう。文句で言い返した早瀬を、龍河がアームロックでぎりぎり締めてからかっていた。 この三人が醒徒会として再会するのは、三年後のはなし。 遠藤雅は大学から双葉学園に入学した、稀な生徒である。 昨日双葉島に到着し、あてがわれていたアパートに入居した。時刻は午前二時手前。暗闇の中に浮かび上がる、明るいコンビニエンス・ストアから出てきた。 袋の中にはカップラーメンと飲み物が入っている。コンビニから離れて、家路に着こうとしたときだった。 コンビニの裏手から、ごそごそと物音がしたのだ。 ――何かいるのかな? 興味の沸いた彼は裏に回った。 駐車場の隅に、何か黒い物体が蠢いている。ゆっくり近づいてみたそのとき、この異形はギロリと真っ黒な眼球を彼に向けた。 「うわあ!」 彼はしりもちをついた。そして驚愕する。 常識ではありえない大きさの「カラス」だった。彼の体を覆い尽くしてしまうぐらい、このバケモノは大きい。 「何だよ、何だよこれ!」 カラスは鋭いくちばしを、彼の頭目掛けて振り下ろした。彼はたまらず目を瞑った。 と、そのとき。雅の背後から、小さな少女の影が。 背後から飛び上がった少女は黄色い瞳をしていた。両手から爪を生やしており、雅の目の前に着地すると同時に切り裂く! ギギッと悲鳴を上げて仰け反ったカラスを、少女は思い切り蹴った。カラスは駐車場の壁面に背中から衝突する。少女は走って、さらに追い討ちをかけた。 深夜に猫の鳴き声が轟いた。カラスは少女の爪によって全身をズタズタに引き裂かれ、絶命する。 「ふうっ」と、カラスを倒した少女は額の汗を拭った。 「おつかれ、みくちゃ」 「うん、上出来だね。あとは早く猫耳が出せるといいね」 戦っていた少女に続き、もう二人、別の女の子が現れた。少女のお姉さんだろうか? 「ま、こんな下級ラルヴァ、大したことないわよ」 と、少女は優雅に言ってみせる。 「あたしたちが戦い方教えてやってんだからねー!」 「一人ぼっちだったらこうも上手くはいかないかもね」 「うん! いつもありがとう、お姉ちゃん!」 そして、しりもちをついたまま呆けている雅のことを、少女は見た。 「あんた、誰?」 「・・・・・・え、その」 「あんたのような弱っちい一般人が出る幕はないの。おとなしくお家に帰ってなさい?」 口の過ぎる末っ子に、次女が「こらこら、みくちゃ!」と注意する。 「こいつはこういう子なんだ、許してやってくれ!」 そう、長女らしき人物が雅にウィンクしてみせた。 三人は深夜にも関わらず、楽しそうに談笑しながら闇夜に消えていった。 「なんだ、あの子」 随分と小生意気な子供だった。雅は立ち上がってぽんぽん埃を払うと、ビニール袋を持つ。 「まあ、どうでもいっか、あんなの」 遠藤雅は口笛でも吹きながら、アパートへ戻っていったのであった。 彼は自分の素晴らしい異能に気づくことはなく、半年で双葉学園を退学した。 トップに戻る 作品保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/610.html
……すこし背が伸びたな、とあさひは思った。 喫茶店の片隅、対面の席でパフェに舌鼓を打つ妹は、いつか家を出ていった時と比べてずいぶん変わった風に見える。 別に顔立ちや服装が大きく変わったわけじゃない。 ただ、どこか大人びたというか。そんな気がするのだ。 「そっか。じゃあ、特に不自由はしてないんだな」 「お兄ちゃん心配しすぎだよ。もう何年経ったと思ってるの」 「心配しないわけないだろ。その歳でひとり暮らしなんて、普通おかしいんだからな」 「でもお兄ちゃん、なんだかんだでほっといてくれてるじゃん」 「諦めたし呆れてるんだよ……。お前、何度連れ戻しても隙見て出ていくだろ。ていうかむしろなんで今までどうにかできてるんだ。まさか――」 「だから。べつにヘンなことはしてないって。どろぼうしたり、えっちなことでお金を稼いだりもしてないよ」 「えっ…………、ごほん! お前な……あんまり心臓に悪いこと言うなよ……?」 兄の心配をよそに、妹――神戸しおはどこ吹く風だ。 それを見てあさひは、もうこの数年でいったい何千回吐いたかわからないため息をつく。 どういうわけかこの妹は、最近やっと中学生になったくらいの年齢であるにも関わらず、信じられないほど自立している。いや、しすぎている。 しおが急に家を出ていった時、神戸家はそれはそれは大騒ぎになった。 そもそもが不安定な暮らしだったのだ。 母はひどく取り乱し、あさひも血眼になって街中を探し回った。 そうしてようやくしおを見つけたかと思えば、あっけらかんとした顔で「これからはひとりで暮らす」とか言い出すものだからもう大変だ。 だけど真に驚くべきは、しおが本当にひとりで大体のことを"なんとかして"みせたことである。 連れ戻しても連れ戻しても聞かないので、いつかあさひ達家族はしおに根負けすることになった。 その結果、しおは中学生になる今年までずっとひとり家族と離れて暮らしている。 書類だとか手続きだとかで必要なときだけ帰ってきて、はんこをもらう。 そういうあまりに歪んだ家族関係が、なんだかんだ今の今までずるずると続いていた。 「お母さん、元気にしてる?」 「ああ。……最近はさ、薬を飲まなくても大丈夫になってきたよ」 「そっか。お父さんは?」 「まだ刑務所の中。お前の言う通りにしたら相当ビビってたから、……まあ出てきてもうちには近付かないだろうな」 「ふふ。ならよかった」 あさひは思う。 いったい、かつて純真無垢だったはずの妹はいつの間にこんな油断も隙もない存在に成長してしまったのか? 考えても考えても答えは出ないが、しかししおは今のところ、自分達家族と距離を取りこそすれど断絶はしないでくれていた。 それどころか、神戸家にとっての呪いだったあの悪魔のような父親は他でもない彼女の助言によって社会から追放されたくらいだ。 要するに神戸家を出たしおが、他でもない神戸家を救ってくれた形になる。 もちろん彼女の助言を聞いたあさひのがんばりもあったのだが、結果だけ見れば、しおの出奔が壊れた家庭を元に戻す役割を担っていた。 「で。次はいつ帰ってくるんだよ」 「んー……次はちょっと先になるかも。私もいろいろ忙しくなるから」 「中学生の台詞じゃないんだよなぁ……!」 「それよりお兄ちゃんも、"お姉さん"とはどうなの。けっこうまんざらでもなさそうだけど」 「うっ……うるさいうるさい。妹に言うことじゃない、ませたことを言うなっ」 「あはは。お兄ちゃんかわいー」 けらけらと笑うしおに、兄は顔を赤くして咳払いをする。 そこでふと、しおは兄のかばんに付いている見慣れないキーホルダーに目を留めた。 ……いや、見慣れない、というのは嘘だ。 "見覚えのある"それを指差して、しおは問いかける。 「そのキーホルダー。最近流行ってる映画だっけ」 「ん? ……ああ。そうだよ」 「ちょっと意外。お兄ちゃんってそういうの好きなんだ」 「……うるさいな、悪いか」 「悪いとは言ってないよ。ちょっと意外だっただけ」 「――、なんか。こういうこと言うのは恥ずかしいんだけどな」 あさひは、キーホルダーにちょんと指を触れた。 「こいつ、下品で粗暴で、おまけにわけわかんないことばっかり言うんだよ。 でも……なんかそれ見てると、元気になってくるっていうか……。 俺が悩んでることなんて、すごいちっぽけなことなんだって――そう思えるんだよな」 「ふぅん。その映画もお姉さんと見に行ったんだ?」 「う――うるさい、うるさい……! 関係ないだろお前にはっ」 以前は嫌いですらなかった、ひたすら何の関心もなかった兄。 それが今は、からかいがいのある可愛い人に見える。 何しろあの世界じゃ、結果はどうあれ一度負けてしまった相手なのだ。 無視して軽んじることもできない。かつてそう考えたのは正解だったなと、しおは財布を取り出しながらそう思う。 「……もう行くのか?」 「うん。今日はちょっといろいろあるから」 「いいよ、金なんて。妹に出させるほど困ってない」 「いいの? お兄ちゃんおこづかい制でしょ。後で困っても知らな」 「いいから! お前な、あんまり兄を子ども扱いするなよ……!?」 そういうところが子どもっぽいんだよな。 思いながら、しおは席を立って。 赤と黒の二色コスチュームに身を包み、背中に二振りの刀を背負った。 ヒーローと呼ぶにはちょっとケレン味の強すぎる男のキーホルダーを一瞥して、小さく笑った。 ◆◆ 「――ただいまっ」 そう言いながら扉を開ける。 事務員のお姉さんと軽い挨拶をしつつ、とてとてと奥まで歩いていく。 するとそこでは、紅茶を飲んでいる見知った顔が出迎えてくれた。 「あ……おかえりなさい、しおちゃん……」 「うん、ただいま。にっちーは?」 「にちかちゃんなら……学校帰り、直接事務所(ここ)に寄るって言ってたよ……」 幽谷霧子―― あの聖杯戦争では敵として戦った、アイドルの少女である。 しおはてっきり、敗れた彼女達は世界の終わりと共に消滅してしまうものだとばかり思っていた。 というより、そう聞かされていた。 だがどうやら、しおの知らないところで何かあったらしく。 霧子と、そして彼女と同じ陣営に属していたひとりの少女も、しおと一緒にこの"新世界"へと運ばれてきた。 「しおちゃんは、今帰り……?」 「うん。お兄ちゃんと会ってたんだ」 「あさひくんと……そっか……ふふ……。それはあさひくんも、うれしいね……」 霧子は、あの頃と何も変わらないように見える。 この世の誰でも安心させる、日向を思わせるようなぽかぽかした人だ。 そして変わらないと言えば、彼女と一緒にこの世界へ流れてきた"もうひとり"もそう。 足音が響いてきて、しおの顔を見るなり「げっ」て声をあげた彼女も、あの頃から何も変わってない。 「――ま~た来てるし。283(うち)はあんたの児童館じゃないんですよ」 「あ。おかえり、にっちー。髪やってー」 「おかえりなさい……にちかちゃん……」 「あ、霧子さんただいまー……って、そうじゃなくて。霧子さんもこの図々しいガキにのほほんと応じてちゃダメですよいい加減っ」 「でも……しおちゃんだし、いいかなって……」 「そうだよ。にっちーのけち」 「なんか当然みたいな顔して入り浸ってますけどこいつ283のアイドルじゃないですからね!? 正真正銘、マジの部外者ですからねーっ!?」 ――聖杯戦争が終わって、神戸しおは願いを叶えた。 後から霧子達に聞いて知ったことだが、にちかのサーヴァントが界聖杯に取り入っていたという。 その影響なのか、しおの願いはすぐに叶えられることはなかった。 それどころかあの世界からこの世界へやってきて数年経つ今も、まだ願いは叶っていない。 とはいえ、しおはそこの心配はしていなかった。 愛に時間は関係ない。 それに、自分達の戦った……自分が"彼"と戦ったあの戦いが、ただの茶番だったなどとはとても思えなかったからだ。 自分があの日、界聖杯へと告げた願い事はいつか必ず叶う。 ならば今、自分にできるのはその日を迎えるために少しでも準備を整えておくことだけ。 昔みたいに、ただ守られるだけのお姫様じゃなく。 今度は、守ってあげられる対等の関係になれるように。 しおは、強くなった。 予期せず与えられたその日までの猶予を、一日だって無駄にせずに今日まで生きてきた。 「まったくもう……。ていうか髪くらい自分でやってくださいよ、今年で中学生でしょ」 「んー。できるけど、にっちーがいちばん上手だから」 「はあ、も~~……! ほら、じっとする! あんまり隻腕の人間に雑用任せるもんじゃないですよ!」 「えへへ。おねがいしまーす」 ソファに腰掛けて、後ろのにちかがしおのリボンをほどく。 そして黒髪を、ぶつぶつぼやきながらも丁寧に整えてくれるのだ。 しおはひとりで大体何でもできるようになったが、この世界に来てからも――主に霧子が世話を焼いてくれていたからだろうか。 できないことは人に頼る。力を借りる。相談する、ということを覚えていた。 心の中の"愛"と、それに向かう想いの強さはそのままに、隣人に触れることを知った少女。 それが、世界樹の玉座を射止めた天使の今の姿だった。 『――次のニュースです。都内の病院から、心臓手術の画期的な論文が発表され世界的に話題となっています』 「あ……。この病院って」 にちかが言い、しおも目線を彼女の方に向ける。 霧子は、自分のことのように少し照れくさそうな顔で笑った。 『論文を発表したのは新宿区、皮下医院に在籍するリップ=トリスタン氏。 トリスタン氏は数年前、自身の手で現在の妻にあたる女性の心臓を手術(オペ)し――』 現在霧子はアイドルとしての活動をする傍ら、学生ながらに病院に出入りして現場で働くための下準備を始めている。 その受け皿となっているのが、今名前の出た皮下医院だ。 要するに彼女の境遇は、あの界聖杯内界でのそれとほぼ同じなのだった。 『――今回発表された論文に関して院長の皮下氏は、かねてより業務提携を結んでいる峰津院財閥とも協力し、トリスタン氏の開発した新療法をいち早く実用段階に持っていきたい意向を示しており……峰津院大和氏と皮下氏はワイドショーなどで舌戦を繰り広げることも多い犬猿の間柄ですが……』 「うわ。あのろくでなしども、こっちだと真っ当にやってるんですね」 「ふふ……。皮下先生も、リップ先生も……とってもいいお医者さんだよ……」 世界五秒前仮説という考え方がある。 これまでに積み重ねられてきた歴史はすべて単なる設定でしかなく、世界は今から五秒前に誕生した赤子でしかないという理屈だ。 この新世界の成り立ちは、つまるところそんなところ。 神戸しおの願いを軸に界聖杯が新生させた、あらゆる事象世界から隔絶された無謬の新世界。 そこに放り込まれたしお、そして霧子とにちかは――当然のように、この世界の住人としての記憶や立ち位置を用意された状態で転送された。 それもまた、あの聖杯戦争と同じだ。違いは与えられたロールが一時のものか、それともこの先永遠に続いていくかという点だけ。 「そういえばにちかちゃん、レッスンの調子はどう…………?」 「マジ大変ですよ。一応振り付けとか、私用のを作って貰ってるんですけどね。 それでも身体を理由に美琴さんの足引っ張りたくはないですし、結局練習時間も人一倍必要っていうか」 「そっか……次回のライブ、シーズにとってもすごく大事なライブだもんね……気合いいっぱいだ………」 「そりゃもう。相手は真乃さんのイルミネと――"一番星の生まれ変わり"ですから。中途半端な妥協でやり合ったら大恥かいちゃいます」 にちかとそのパートナーによる、シーズ。 櫻木真乃を擁するイルミネーションスターズ。 そして事務所外からの刺客。瞳に星を宿した、最強無敵のアイドル。 建前こそ共演だが、その実態はほぼ対決である。 アイドルとしてようやく芽が出始めたところであるにちかにしてみれば、当然負けられない戦いだ。 そろそろ一発、シーズの名を轟かせておきたい。そんな下克上の野心が彼女の目には燃えていた。 隻腕という、アイドルをするには大きすぎるハンディキャップも……今のにちかは物ともしていなかった。 「……摩美々さんも元気そうでしたね、この前会いましたけど。あの人はやっぱりすごいです」 「ふふ……うん、摩美々ちゃんはいつでもどこでもかっこいいよ……」 283プロダクションは、今も芸能界の頂に向けて日々輝きを増させている。 シーズも、イルミネーションスターズも、そしてもちろんアンティーカもだ。 事務所では気心知れた仲間で友達でも、ステージに立ったら星を奪い合うライバル同士。 彼女達は戦って、分かり合って、強くなる。 いつかの東京で、そうだったように。 「プロデューサーさんも大変だね。毎日いそがしそう」 「いいんですよ。あの人、仕事が恋人みたいなとこあるし」 それを支えているのが彼女達を市井から拾い上げて見出し、そして磨き上げる"プロデューサー"の献身であるのは言うまでもないことだった。 しおもよく顔を合わせるが、にちかの言う通り、今の仕事が天職なんだろうなとそう感じる人だ。 自分をアイドルに勧誘したことは一度もないあたり、人を見る目もあるのだろうと思う。 実際自分は、大勢のために輝くことをするつもりはないし、向いてもいないと思うから。 「はい。いっちょあがりです」 「わー。ありがとね、にっちー。はいこれ」 「……なんですかこれ?」 「飴ちゃん。喫茶店でもらってきたの」 「相変わらず私のことはちょっと舐めてますよね?」 「あはは。飴ちゃんだけに?」 「うるさ」 鏡で確認すると、やっぱり自分でやるよりうまくできている。 にっちーはすごいなあ、としおは改めてそう感じた。 ばっちり決めなきゃいけない日は彼女に頼むに限る。 そして今日は、まさに自分にとってその日なのだ。 「なんですか? これから誰かとお出かけでもするんです?」 「んー。ちょっと違うかな。会いに行くの」 「会いにって、誰に。さっきあさひくんと会ってきたんじゃ」 「――だいじな人」 「……、……あー。"ついに"ですか?」 「うん! なんとなくね、ぴんと来たんだ。あ、今日だ、って」 そう言ってしおは、純真に微笑んだ。 その微笑みは眩しいが、アイドルとしての輝きではない。 みんなを照らす偶像ではなく、誰かひとりのために磨かれた輝き。 その輝きはステージの上でなく、ひみつのお城の中にこそ似合う。 「……そっか……。いっぱい我慢したね、しおちゃん…………」 「えへへ」 「車には、気をつけてね……いってらっしゃい、がんばって……」 「ありがと!」 手を振って、ぱたぱたと事務所を出ていくしお。 あの世界で出会った時より少し丈の伸びた背中を、かつて方舟を名乗った少女たちは見送って。 「……やっと終わるんですねぇ、聖杯戦争」 「そうだね……でもぜんぜん、昔のことの気がしないや……」 「同感です。あの頃はまさかこうして、あの子に懐かれるなんて想像もできませんでしたけど――人生ってわかんないもんですね、ほんと」 彼女達は顔を見合わせ、やっとやって来た本当の"終わり"を噛みしめるのだった。 終わりといっても、あの時とは違ってこの世界が終わるわけじゃない。 世界は終わらないし、誰が欠けることもないまま。 世界は、これからも穏やかに、それでいてときどき劇的に続いていく。 少女のために造られた、少女のための"方舟"。 終わりを迎えてひとつ変わることがあるとすれば、それは。 今日この日、ある王女の願いが叶うこと。 ただそれだけの非日常がこれからきっと、どこかの街角でひっそり起こる。 アイドルの少女たちは、日常に還った彼女たちは、どちらともなく小さく笑いあった。 それがあの戦いで散ったもの、消えていった世界への何よりの手向けになると信じて。 「――ま、あんまりインモラルな方向に行きそうだったら介入する方向で」 「ふふ………にちかちゃんも、けっこうお姉ちゃんしてるよね………」 「そんなんじゃないですー! にちかは妹で十分です、あんなくそ生意気な妹とかいりませんっ」 綺羅星のような日常を――支え合いながら生きていく。 かつてあの街で、願いを抱いてそうしたように。 ◆◆ 「う゛~……。ちょっと今回の数学、テスト範囲広すぎませんこと……? 今回という今回こそは私、ダメかもしれませんわ……」 「みー。沙都子はびーびー泣きながら勉強して、なんだかんだ上位に滑り込むのが定番パターンなのですよ。ボクの派閥の子たちは沙都子のことを嫌味な猫さんだと思ってるのです。にゃーにゃー」 「り、梨花が学校の成績を"部活"にしてしまったからでしょう!? そうじゃなかったら私だってもうちょっとラフに片付けてますのよ……!!」 黒髪と金髪の少女ふたりが話す横を、たたたた、と通り過ぎて。 しおは小走りで、どこにいるとも分からない"彼女"を探していた。 ちょっと疲れて足を止めると、ビルの巨大広告が映画の宣伝をしている。 光月立志伝、と題されたその映画はよほどの話題作なのか、最近テレビでも街頭広告でも主演の顔を見ない日がないくらいだ。 ちょんまげにしても奇矯な髪型をした、日本人離れした大柄な男。 義侠の風来坊の肩書で知られ、彼を主役にした架空の大河映画が制作されるほど大人気な主演男優がお決まりのフレーズを叫んでいる。 『煮えてなんぼの! おでんに候~~~!!』 そういえばお兄ちゃん、この映画見たいって言ってたなあ。 意外とこういうヒーローものっぽいのが好きなのかな。 そんなことを思いながら、しおは乱れた息を整えながら今度はゆっくり歩き出した。 「おい、頼むよ~~! 機嫌直してくれって、昨日は本気(マジ)で残業ヤバかったんだって……!!」 「知らない」 「今度の土日で必ず埋め合わせするからさ。な? な~!?」 そばかす顔の、うだつの上がらなそうな青年が恋人らしき女性に平謝りしている。 どこかで会ったような気もしたけれど、たぶん気のせいだろう。 流石に東京は都会だ。こういう痴話喧嘩を見るのも、そう珍しいことではない。 「あ、そうだ……。今日は手料理作ってくれよ、オレ久しぶりに幽華のカレー食べたいな~~!」 「……なんで怒ってる彼女に要求すんのよ。アンタってやっぱりバカよね」 「うぐっ……。い、言われてみれば確かに……」 「――はあ。ほんと私、なんだってこんなヤツと付き合っちゃったのかしら」 女性はため息をついて、すたすたと歩き出した。 一見するとバッドコミュニケーションのように見えるが、しおには分かる。 あれはたぶんむしろグッドコミュニケーションだ。その証拠に、さっきまでより少し足取りが弾んで見える。 「急に会社の呼び出しが、とか言い出したら承知しないわよ」 「……! えっ本気(マジ)!? 許してくれたの!?」 「うるさい黙りなさい。ほら、キビキビ歩かないと置いてくわ」 「りょ、了解(りょ)! あっ、オレカレーは肉ゴロゴロのニンジン抜きな! 分かってると思うけど!」 どっちも大変だなあ。 そう思いつつ、視線を外す。 しおの足取りは次に、繁華街の方へと向かった。 別に理由があったわけじゃない。 そしてそもそも、きっとこの予感は理屈じゃない。 だって、今日は願いが叶う日だから。 何をどうしたって、自分は彼女に会うことができる。 この広い東京の中から、夢にまで見たあの人を見つけ出すことができる。 しおにはその確信があった。 気分はさながら、都会のアリス。 こまごまとした街並み、雑踏の中を、不思議の国を探検するみたいに足を弾ませ進んでいく。 「! ドードー……!? 来た、やっと――」 聞いたことのある声がして、しおはその方向に目を向ける。 するとそこでは、まさに今誰かの人生が壊れようとしていた。 「――あっ」 歩きスマホをしながら歩いていた、冴えない男。 彼の目の前を、明らかにスピード違反と思しきタクシーが通り過ぎていく。 それに驚いた拍子に、男の手からスマートフォンが離れて宙を舞った。 しおからすれば一瞬の出来事だが、男にとっては永遠のようにさえ感じられたことだろう。 スマホは側溝の方へと、真っ逆さまに落ちていく。 男の顔が絶望に染まる中、しかし。 「よっ、と」 通りすがりの青年が、ひょいと手を伸ばしてそれをキャッチした。 力が抜けたように地面へ座り込んでしまった男へ、青年は爽やかな笑顔を浮かべて端末を差し出す。 「歩きスマホは危ないですよ」 「あ……ああ、どうも……。いや、えっと――本当ありがとうございます。……よかった、消えてない……!」 「それ"ズーデン"ですか? ……ってうわ、ドードー! 凄いな――持ってる人初めて見ましたよ。だいぶ入れたんじゃないですか、お金」 「ま、まあ……。でもこれで、ようやく報われました」 ズーデン。ズーロジカルガーデン、だっけ。 クラスの子達が話していた記憶があるし、誘われた記憶もある。 しおはいまいち面白さが分からずすぐやめてしまったが、のめり込むと楽しいものなのだろう。 ゲームかあ。私はソシャゲより、やっぱりコンシューマーゲームの方が好きなんだよな。 そんなことを思いながら、進む足取りを再開しようとして。 今まさに絶望のどん底に落ちようとしていた男を助けた青年と、目が合った。 黒髪の青年だった。アトピーか何かの痕が口元に痛々しく残っているけれど、その顔には影が差していない。 自分に笑顔で片手を挙げた"彼"に、しおも微笑んで片手を挙げた。 たぶん、もう二度と会うことはないだろう。 街角の小さなヒーローと別れて、しおはまた、ひとりになった。 ヴィランのいない街はちょっと退屈で、ついついうたた寝してしまうような、そんなささやかな幸せで溢れている。 ◆◆ 「じゃ、また明日ね。私はこれからちょっと野暮用あるから」 「ああ。あの小動物くん? しょーこちゃんも趣味わかりやすいよね」 「ち――違うっての! いや、まあ違わないけど……そういうのじゃないからっ! ……まだ……」 「ふふ。まあがんばって。後で結果聞かせてね」 「う゛ー……! 今に見てなさいよ……!!」 ◆◆ ――友人と別れて、帰路につく。 男漁りをやめてからだいぶ経つけど、やっぱり少し退屈だ。 この世界は、些細な幸せとぬくもりに溢れている。 でも自分にとっては、さほど甘いものじゃなかった。 別に、何が足りないわけでもない。 足りないものは、たぶんないと思う。 両親に先立たれてひとり暮らしではあるけれど、不便を感じたことはない。 お金だってある。バイトもしている。 学業は優等生だ。友達もいる。 なろうと思えばなんでもなれるだろうなと、そう自己評価できるくらいには恵まれていると自負している。 でも、何かが足りない。 心の中にある、ちいさなちいさな瓶の中。 その中に、自分の知らない何かが欠けているとそう分かるのだ。 「……私もそろそろ、彼氏でも作ろうかな」 あいにくとこの渇きは、男を漁っていた頃にも満たされたことはないけれど。 でも親友のあの子みたいに、決まったひとりを作って付き合ってみればまた変わってくるのかもしれない。 少なくとも暇潰し、気休めくらいにはなるだろう。 あの子だって、あの様子じゃじきに例の小動物くんとくっつくことになるだろうし。 そうなったらまた暇な時間が増える――自分探しを始めるには絶好の頃合い、というわけだ。 とりあえず、今日は家に帰ろう。 その前に、久々に叔母の様子でも見てこようか。 小さい頃から変わらずはちゃめちゃな暮らしをしているから、いつ死んだり消えたりしても不思議ではないのだし。 別段あの人が死んでもそんなに悲しまないとは思うけど、それでもいざそうなったら面倒なことはいろいろ思いつく。 これも仕事と割り切って、心の嫌気を黙らせて。 そうして前を向き、歩き出そうとして…… 「――――、――――」 私は、"その子"を、見つけた。 道の先に立って、こっちを見ている小さなシルエット。 初めて出会うはずなのに、何故だかひどく懐かしく感じられる顔。髪色。 天使のようなその顔は、思わず胸が熱くなるほど可愛らしいのに。 それ以上に私を熱くする何かが、私の瓶のちょうど欠けている部分から湧き上がってくるのがわかった。 「あなた、は……」 そうだ――私は。 私は、この子を、知っている。 今まで、どうして忘れていたんだろう。 でも当然だ、出会ったことがないんだから。 "ここでは"、出会ったことがない。 いつか、こことは違うどこかの人生で。 出会って、一緒に暮らして、そして永遠を誓い合った。 私の、私だけの、お姫様。 はじめて"寂しさ"をくれた――私の、天使。 口が、自然と動く。 そして紡ぐのだ。 まだ知らない、知るはずのない、でも知っている、その名前を。 まるで千年の誓いが果たされるような万感の思いを込めて、私は…… 「……しおちゃん?」 大好きな人の名前を、呼んでいた。 ◆◆ 世界は滅んで、誰も元ある場所に帰れはしなかった。 かわりに生まれたのは、王冠を得た王女のための世界。 この世のどことも繋がらない、故に剪定されることもない、理想の方舟。 不思議なことは、もうなにもない。 世界は、変わらない。 社会を変えるヴィランはいない。 願いを叶える戦いは、二度と始まらない。 ここにあるのは、ただささやかな幸せだけだ。 きっと終わらない、エンドロールを知らない世界。 だけどそれが、誰の心を脅かすでもなく。 誰もがそういう風に生き続ける、無謬の箱庭。 宇宙でも時空でもないどこかに漂う、ちいさなちいさなお菓子の瓶。 だからこれも、きっとその例外ではないのだろう。 広い、とても広い街の片隅で。 ただひとつの再会があった。 ただひとつの願いが、叶った。 それだけで、それまでのことだ。 確かなことは、ひとつだけ。 今この瞬間、確かにこの世界は始まり。 最後の"しあわせ"のピースが埋まったのだろう。 地平線は、超えられた。 夜明けはやってきて、人々は皆照らされている。 ここは、天使のための理想郷。 天使の愛のために廻る、ネバーエンドの世界。 ◆◆ ネバーエンディングシュガーライフ。 ◆◆ 時系列順 Back Thank You for the encounter(前編)
https://w.atwiki.jp/chaos-touhou/pages/327.html
U.N.オーエンは彼女なのか?「フランドール・スカーレット」 読み:ゆーえぬおーえんはかのじょなのか?「ふらんどーる・すかーれっと」 カテゴリー:Chara/女性 作品:東方混沌符 属性:闇 ATK:8(+1) DEF:5(-) 【登場】〔自分の【表】のキャラ1体を控え室に置く〕 『貫通』(このスキルを持つキャラがガードされた場合、そのダメージ判定で相手のキャラの耐久力を超えたダメージを本来の目標に与える) ずっと地下で休んでいたわ。495年くらいね illust:珠梨やすゆき TP-SA03 T 収録:スターティングデッキ「OS:東方混沌符 2.00」 参考 ネームが「フランドール・スカーレット」であるキャラ・エクストラ一覧 紅魔館の幽閉姫「フランドール・スカーレット」 破壊する吸血鬼「フランドール・スカーレット」 東方紅魔狂「フランドール・スカーレット」 悪魔の妹「フランドール・スカーレット」 メイド長と妹様「十六夜 咲夜」 「フランドール・スカーレット」 スカーレット姉妹「レミリア・スカーレット」 「フランドール・スカーレット」 クランベリートラップ「フランドール・スカーレット」 ありとあらゆるものを破壊する程度の能力「フランドール・スカーレット」 U.N.オーエンは彼女なのか?「フランドール・スカーレット」 Extra Stage「博麗 霊夢」 「フランドール・スカーレット」 東方紅魔郷 魔法少女達の百年祭「パチュリー・ノーレッジ」 「フランドール・スカーレット」 東方紅魔郷 「フランドール・スカーレット」 東方紅魔郷 the Embodiment of Scarlet Devil.
https://w.atwiki.jp/galawiki/pages/9.html
亡き王女の為のセプテットの裏譜面。 ☆12で1500コンボ。作曲者はZUN 1小節毎にどんどん加速していく、いわゆるソフラン曲であり、最終的には3倍になる。 ・裏熊や裏エンドリとは違い、ギリギリ目で追うことはできる。 BPMは156だが、32分音符が多用されているので、実質312と見て良い。
https://w.atwiki.jp/orenoimouto-he/
ようこそ! PS3版 俺の妹がこんなに可愛いわけがない。ハッピーエンド 攻略wiki へ!! 2018年2月現在 まだ更新中です! まだ未完成ですが、クリア・トロコンするのには問題ありません(たぶん) 限定版 HDコンプ!BOX 通常版 発売日 2013年9月26日 メーカー希望小売価格 限定版11,294円 (税込)通常版 7,480円(税込) ダウンロード版7694円(税込) ジャンル 想い出作り奮闘Liveシミュレーション フォーマット PS3® 販売形態 BD-ROM ダウンロード版もあり PSN℠ 対応 トロフィー 対応 人数 1人 CEROレーティング(対象年齢) CERO C(15歳以上対象) プロデューサー 二見鷹介 開発元 ガイズウェア 発売元 (株)バンダイナムコゲームス
https://w.atwiki.jp/winningpost10/pages/520.html
産 誕生年 馬名 国 性 札 SP ST 力 瞬 勝 柔 精 賢 健 サブパラ合計 気性 芝 ダ 芝質 脚質 成長型 成長力 距離適性 子出 毛色 性格 高 長 小 左 右 脚 喉 腰 特性 ウマソナ 父馬 父系 母馬 牝系