約 1,072,608 件
https://w.atwiki.jp/rakirowa/pages/46.html
支給品一覧 カートリッジ 柊かがみに支給。全部で3個支給された。 デバイス用のカートリッジ。 かいふくのマテリア 素晴らしきフラグビルドに支給。 セフィロスが登場するFF7よりの出展。マテリアとは一般人でも魔法が使えるように調整された魔力の結晶珠。 かいふくのマテリアはその名前の通り、回復魔法であるケアル、ケアルラ、リジュネ、ケアルガを習得できる。 コルト・ガバメント やる夫に支給。 アメリカ軍の一部の特殊部隊で使用されている拳銃。 ゼクトバックル(ホッパー) 川田章吾に支給。 仮面ライダーホッパーに変身する為の変身ベルト。変身するにはホッパーゼクター(バッタ型の自律行動機械)をバックル部に装填する必要がある。ホッパーゼクターを喚び出す条件(資格条件)は「所有者が精神的に絶望している事」。 ホッパーゼクターには2種類、脚力の強いキックホッパーに変身する“緑色のホッパーゼクター”と、腕力の強いパンチホッパーに変身する“茶色のホッパーゼクター”が存在し、一つのホッパーゼクターが左右リバーシブルで緑・茶色の配色となっている。所有者は状況に合わせて2つの姿を使い分ける事が出来る。 原作ではホッパーのゼクトバックルも2つ存在しており、矢車想と影山瞬がそれぞれで使用していた。 千年リング 武藤遊戯か前原圭一のいずれかに支給。 古代エジプト王朝の時代に生み出された、千年アイテムの1つ。目の模様を彫り込まれた三角の板を中心に、5本の角錐を飾り付けた輪と繋げた純金の装飾品。 大邪神ゾークの一部にして、盗賊王の記憶を持つ邪悪な魂「バクラ」が乗り移っている。バクラの人格が宿ることによって、千年リングの持つパワーを行使することが可能となる。 葉巻のケース 衝撃のアルベルトに支給。 HELLSINGのインテグラ嬢が所有していた葉巻のケース。中に数本の葉巻が入っている。
https://w.atwiki.jp/eternal-dreamer/pages/513.html
ハンバトTOP カードリスト ステータス エボ 攻略 敵データ ストーリー みんなのデッキ 個別の攻略情報を募集中です。デッキ診断なんかもどうぞ。 ダンシングホッパー 安岐 (エピソード1 ランダム) 獲得カードHC0030 ダンシングホッパー 安岐生命力 700攻撃力 170 防御力 200火 0 水 0 風 4 土 2 機 4 腕慣らしには丁度いいぞ! 進化前 生命力 700 攻撃力 170 防御力 200 火 0 水 0 風 4 土 2 機 4 「Jamp! Jamp! yeah!!」飛び跳ねる振り付けをふんだんに盛り込んだダンスを踊り続ける安岐。しかし、流石に1人でのダンスに限界を感じているようですが・・・。 サポ 機Lv2 機Lv1 攻撃 320 320 320 350 360 370 380 380 380 390 防御 350 450 450 380 400 410 400 400 400 380 ■攻略法募集中■ 本日 - 昨日 - 総計 -
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3393.html
「これは……大量のタキオン粒子反応?」 青空の下で穏やかに流れる川の音が聞こえる中、ティアナは数名の管理局員達と共に脇に浮かぶコンソールを叩きながら変わり果てた姿の川岸を見つめていた。 緑草の生えた地面には所々に穴が空いており、まるで火薬を使用したかのように見えた。近くのコンクリートで作られた壁には多くの亀裂が走り、灰色の瓦礫が辺りに散らばっている。 ほんの数分前、この場所で異常事態が起きたのは明白だった。 魔導師同士が戦闘した可能性も考えられたが、いくら何でもタキオン粒子を使用したデバイスなど聞いたことがない。 (やっぱり………マスクドライダーがこの場所でワームと戦っていたっていうの?) 焦げたような匂いが辺りに漂う中、ティアナは一つの推測を立てる。 一瞬、風間大介の変身したドレイクかと考えたが、彼は現在クラナガンにいるはずだ。 ということは、以前市街地で管理局がワームの軍勢と戦っていたときに現れた四機のマスクドライダーなのだろうか。 次元漂流者である彼らを一刻も早く保護しなければならないが、未だに捜索が難航している。 JS事件の情報が届かない次元の住民である彼らがワームのことはともかく、スカリエッティのことについて知っているとは思えない。 可能ならば大介と同じようにワームの情報を手にしたいが、キックホッパーの資格者はフェイトに攻撃を仕掛けたので難しいだろう。 しかし、彼は何故フェイトに攻撃を仕掛けたのだろうか。まるで彼女に恨みでもあるかのような態度を取っていた。 もしや彼はこの世界に流れ着いた際に、フェイトに擬態したワームに何らかの被害を受けたのだろうか。それによって、フェイトの人格を誤解している――? 考えに至った途端、ティアナは軽く溜息をついた。このような考案を今しても意味がないだろう。 それより今は、この場所でタキオン粒子以外にも検索された謎の魔力反応についても調べる必要がある。 調べているとこの魔力はミッド式、近代ベルカ式、古代ベルカ式全てに当てはまらない。 もしや、ミッドチルダに存在するのとはまた違う次元の力の産物だろうか。マスクドライダーを相手に戦ったワームが開発した、未知の技術―― そのような物があるのなら即刻この魔力について対策を取らなければならない。 「お~い、ティアナ~」 ティアナが思案に耽っていると、突如として肩をつつかれる。 背後から女の声が聞こえ、彼女は振り向く。 その先にはウェンディ・ナカジマが満面の笑みを浮かべながら立っていた。 「何、どうしたの?」 「こっちこっち」 ウェンディは物陰から手招きをし、こちらに来るように言っている。 何事かと思いながらも、ティアナは訝しげな表情を浮かべて彼女の元に向かう。 「……で、何の用?」 「いや~頼みがあるんスけど、聞いてくれるッスか?」 「勿体ぶってないで言いなさいよ、こっちは忙しいんだから」 ティアナが答えるのと同時にウェンディは機嫌を良さそうにふふん、鼻を鳴らす。 そこから数秒の間も空けずに彼女は満面の笑みを浮かべ、左手を勢いよく突き出した。 「最近金が無くてピンチなんス! だからちょっぴり貸してくれると嬉しいッス!」 ウェンディはこれでもかという程に、歯を輝かせながら陽気な笑みを浮かべる。 彼女は今、金欠だった。その理由は単純明快、無駄な買い物によって。 他の知り合いや姉妹に集っては見た物の、見事なまでに金を借りることは失敗する。 故に、彼女にとってティアナは最後の希望の星だった。 「…………………」 ティアナは無言で朗らかに笑うウェンディに視線を向ける。 刹那、彼女はにこやかな笑顔を浮かべながら左手で握り拳を作り、その頬に勢いよく叩き込んだ。 「ぎゃぅん!?」 奇妙な呻き声を漏らしながら、ウェンディは勢いよく地面に吹き飛ばされる。 ティアナはその様子を見守ることなどせず、背中を向けて現場に戻ろうとした。 しかしその歩みはすぐに止まってしまう。殴られたウェンディが地面を這い蹲りながらも、ティアナの足にしがみついていたからだ。 「ティアナ~行かないでくれッス~~!」 「うっさい! あんた今までにあたしからいくら借りてると思ってるのよ!」 「え~十万超える一歩手前ッスけど~!」 「分かってるならとっとと返しなさいよ! この金食い虫!」 瞳に涙を浮かべながらも歩行を邪魔するウェンディに対し、ティアナは怒声を浴びせる。 彼女は今までにウェンディに散々集られていた。けれどもその金が返ってくる気配は一向に感じられず、むしろ借金が増えるばかりだ。 無論、ティアナは腹を立てている。何故、こいつの尻拭いを自分がしなければならないのか。 「大丈夫ッスよ、最近買った宝くじで一等を当てたときに0.2倍にして返すッスから信用してくれッス~!」 「出来るか!」 「マイフレンド~! ヘルプミ~ッス! 武士の情けで三千円くらいでいいッスから~!」 「知るか!」 ティアナは泣き言を言うウェンディの拘束から逃れようとするが、なかなか離れない。 「なぁ、あれなんだ?」 「待て、目を合わせるな!」 不意に声が聞こえる。 ティアナはふと周りを見ると、周りで捜査をしていた管理局員達がまるで変な物でも見るような視線でこちらを見ていた。 中にはひそひそ話をしている者もいる。 それに気づいたティアナは途端に顔を赤くした。 「いや……これは、その……えっと……!」 『フッフッフッフッフ、さあティアナどうするッス? このまま行けばティアナの未来は無いッスよ~』 頭にウェンディの声が響く。 振り向くと、念話を飛ばしていた彼女は怪しい笑みを浮かべている。 それを見た瞬間、ティアナは気付いた。こいつは最初から恥も外見も捨てて自分に集る気でいたのだ。そうでなければこんな場所に現れない。 謀られていたのだ。自分の迂闊さを呪ったときにはもう遅かった。 『あんた、最初から狙って………!?』 『さあ、どうッスかね~? でも、明日から職場でどんな風に見られるか実に見物ッスね~』 ティアナは未だ縋り付くウェンディの額をクロスミラージュで撃ち抜きたい衝動を抑えながら、身体をワナワナと震わせる。 まずい、こいつは金を得るまで本気でこのままでいようとする。金を貸すのは御免だが、このままでは赤っ恥をかく。 ウェンディに対する苛立ちが徐々に貯まっていくが、もはや諦めるしかないだろう。 「まったく………わかったから離しなさいよ」 「本当ッスか!? 二言はないッスよね」 深い溜息を吐きながらティアナが言うと、ウェンディはその瞳を煌めかせる。 それを見た途端、ティアナは相棒の非殺傷設定を解除しようとする衝動に襲われるが、必死に堪えた。 ウェンディは膝に付いた土を払い落としながら立ち上がる。 「とりあえず、あたしは今忙しいから――」 「分かってるッス! 後でいいッスよ! じゃ!」 ウェンディはティアナの言葉を遮ると、右手を挙げて軽やかに去っていった。 あまりにあっさりとしすぎたので、ティアナもぽかんとした表情を浮かべてしまう。 しかし数秒経った直後、すぐに彼女に対する怒りが沸き上がっていく。 (あいつ………ワームより憎い…………!) ティアナは握り拳を作りながら、心の中で毒を吐いた。 09 異世界大乱闘 光から背を向けるように、その男は暗闇の中にいた。 誰の目にも届かないような闇に。 きっかけは、絶対の信頼を寄せていた部下達から裏切られたことによって。 ――我々シャドウの完全調和に、もうあんたは必要ない これは、自らの片腕といってもいい男の言葉だった。 ――むしろ不協和音なんだよ あの日からだった、何をやっても上手くいかなくなったのは。 これまで挫折を知らなかった人間が、いきなり全てから突き放されたらどうなるか。 上官や同僚からは相手にされなくなり、今まで尊敬の眼差しで見ていた部下の中には軽蔑の態度を取る者も出てくる。 やがて彼が周囲から追い出されるまでの時間はほんの僅かだった。 失意のどん底にまで叩き落とされた彼には、考えることなど不可能だった。 どれ程嘆いたか、どれ程涙を流したかはもう覚えていない。 もはや彼に出来ることはたった一人で朽ち果てるのを待つことしかなかった。 けれども、その日は唐突に訪れる。 ――貴方に使っていただきたいのです。このマスクドライダーの力を 突如として目の前に現れた見知らぬ青年。 彼は男に新たなる力を差し出した。それは、金属質のベルトと飛蝗を模した二つのゼクターを。 ホッパーの名を持つそのゼクターは高い戦闘能力を持つ男をすぐに認める。 やがて新たなる相棒を得た男は自身に牙を向ける異形の存在と戦った。 しかしその内面には以前のように誇りや正義といった高尚な物は何一つとしてなく、あるのは自分をここまで追い込んだ者に対する憎しみのみ。 もう、全ては数年前の過去の出来事に過ぎない。 全てを失い闇に堕ちた男、矢車想が仮面ライダーキックホッパーとなり、ワームとの戦いに再び身を投じるようになってから―― 辺りに吹く風は、肌に突き刺さるほどとても冷たい物だった。 時折雷が走る暗雲によって空は覆われており、全ての光を遮っているように見える。 ミッドチルダと呼ばれる先程までいた場所と違い、ここはアルハザードと呼ばれる別の異世界。 数刻前に戦った銅色のマスクドライダーに敗れた矢車想は、自らの前に現れた白峰天斗に導かれるようにこの世界へとやってきた。 何でもここはかつて、果たせない願いなど存在しないほどの技術力を誇っており、理想郷と呼ばれたほどだった。 しかし今は寂れきっており、知的生命体など一切存在しない。その代わりに、今はワームの巣と呼べるような状態となっている。 けれでも矢車にとってその事実はどうでもいいことだった。 「しかし光栄ですよ、シャドウの隊長として部隊を率いていた貴方と共に戦えるとは」 「知らないな、そんなこと」 突如として口を開いた白峰に、矢車は興味など無いと言いたげに鼻を鳴らしながらあっさりと返す。 今の彼にとって地位など塵ほどの価値もない。隊長の肩書きなど何の意味も持たない。 故に、もし仮に今更矢車を羨望の眼差しで見る人間がいようとも、一切の感情が動くことはないだろう。 続くように白峰は笑みを浮かべ、矢車の方に顔を向ける。 「それで、どうでしょうか? 一切の光が差し込むことのないこの世界の感想は」 「ああ、まさにこの世の地獄って感じだな……」 「そうでしょう? 僕が貴方の元に現れなければこの異世界で彼もまた、身体を弄くられるでしょうね」 白峰の言葉によって、矢車は微かに眉を顰める。 その直後、彼の脳裏に深く焼き付いている光景が蘇っていく。 人としての命を失ってしまった弟、永遠の闇を知ってしまった弟、それを救うことの出来なかった自分、それにも関わらずして今こうしてのうのうと生きている自分。 影山瞬を葬ったあの日から、忘れることの出来ない苦い記憶を思い出す度に、彼の中では身が焼かれそうなほどの自己嫌悪が沸き上がっていた。 しかし矢車はエリオを助けるためにその気持ちを押さえ込んだ。今更、悔やむ心など持ち合わせていない。 「……ところで、相棒達は探してるんだろうな………?」 「勿論です、他のお二人は僕の仲間が懸命に捜索しているところです。ですから、この戦いに集中しても何も問題ありません」 矢車の問いを白峰は丁寧に返す。 エリオと同じように散り散りになってしまった二人の弟たちは、共にミッドチルダへとやってきた彼の仲間が探しているらしい。 白峰が言うにはケンタウルスオオカブトを模したあのマスクドライダーはワームの所有物で、ケタロスの名を持つようだ。 だが俄に信じがたい部分がある。果たして、この男をこのまま信用してもいいのか。 何故、ホッパーゼクターを与えてから今まで自分の前に姿を見せなかったのに、このタイミングで現れたのか。 兄弟達を助けると入っていたが、あまりにも出来すぎている。 もしや、これは何らかの演技――? 「そろそろ、来るでしょうね……」 傍らで歩く白峰の呟きと同時に、矢車は思考を止める。 顔を上げた先には、異質な雰囲気を放つ鋼鉄製の建築物が顕在していた。 それは、この深い森林の中で存在するにはあまりにも不自然すぎる。 第一印象を持った途端、まるで蛇が地面を蠢いているような耳障りな鳴き声と共に、木々の間から矢車の見知った蛹に似た異形が次々と姿を現す。 建物の番人であると思われるサリスワームの群れを冷ややかな目線で一瞥すると、遠くからの電子音が耳に入る。 それは、ホッパーゼクターが地面を飛び跳ねながら移動する際に鳴り響く特有の音だった。 右手で腰に巻いたライダーベルトのバックルを前面に開き、空いたもう片方の手で高く跳躍するホッパーゼクターを掴み取る。 「レイキバット」 「行こうか、華麗に! 激しく!」 白峰の呼び声と同時に、相棒であるレイキバットが白い羽を羽ばたかせながら彼の右手に収まる。 その腰には矢車のとは別の形状の黒いベルトが巻かれていた。 異形達の前に立つ二人の男は、静かに呟く。 「変身……」 「変身」 『HENSIN』 「変身!」 言葉と同時に、矢車と白峰はそれぞれの相棒をベルトに装着する。彼らの相棒もそれぞれ異なる音程で復唱し、目を輝かせた。 ホッパーゼクターからは泡のようにタキオン粒子が吹き出し、六角辺の金属へと形を変えながら矢車の身体を包み込む。 緑と黒の二色に煌めく鎧を形成すると、最後に飛蝗を模した三本角を持つ仮面が頭部を包み、左足にバネを模した形状を持つアンカージャッキが作られていく。 その一方で、逆さ吊りの体制でベルトに止まったレイキバットの双眼は赤い輝きを放ち、白峰の目前に雪の結晶を模したような銀色の方陣が浮かび上がる。 瞬間、それはすぐさま音を立てながら粉々になり、白峰の全身を覆っていく。 瞬き一回分の時間が経過した後、粒子は重厚な装甲に包まれた強化スーツへと形を変えた。 『CHANGE KICK HOPPER』 キックホッパーの鎧に矢車の身体が完全に覆われたのと同時に、電子音声と共に赤い複眼が輝きを放つ。 傍らでは、白峰が戦闘に入る為になる姿へと変えていた。 レイキバットの力によって得られるその外見は、まるで空想上の生物である雪男を連想させる。 金と銀の二つの色によって輝きを放つ仮面、サファイアの如く青く彩られた両眼、両肩に備えられた金色に輝く左右対称の巨大な四本爪、胸部に付けられた体毛状の白いマイクロファイバーの束、両腕に縛られた鎖。 仮面ライダーレイの名が与えられた戦士へと白峰天斗は姿を変えるとの同時に、彼は構えを取る。 サリスワームの群れが一斉に駆け出し、自身の持つ巨大な爪をライダー達のアーマーに目掛けて勢いよく振るう。 だが、彼らがそれを浴びることはなかった。 「フンッ!」 キックホッパーが鋭い反射神経を用いてワームの脇に回り、息を吐きながら前蹴りでサリスワームの身体を吹き飛ばす。 そこから続くように周囲を囲むワーム達に多種多様の蹴りを繰り出した。 六時方向のワームには腹部を目掛けて回し蹴りを放ち、高速の勢いで建物の壁に叩きつける。 姿勢を低くしながら二時方向より迫り来るワームの懐に入り込み、顎に狙いを定めて飛び膝蹴りを打ち込む。 ワームが怯んだ様子を確認すると、すぐさま体の向きを転換させる。瞬間、キックホッパーの目前には毒々しく濃緑に彩られたサリスワームの爪が飛び込んできた。 しかし迫り来る爪に気を取られることもなく、キックホッパーは姿勢を僅かにずらしながらそれらを避ける。 攻撃が空振りに終わったその隙をついて、身体を独楽のように回転させながら横蹴りを頭部に浴びせた。 続くように背後に立つもう一匹の腹部を狙いながら、キックホッパーは後ろ蹴りを打ち出す。重量感が溢れる脚によって異形は宙に飛ばされていく。 二匹の異形が勢いよく地面を転がった途端、続くようにその後ろからサリスワームが流れ込む。 対するキックホッパーはそれに意を介さずに三体のワームに狙いを定めて、膝蹴りを放つ。 前方から迫るサリスワームには顔面を標準とし、上段蹴りを繰り出した。左足は骸骨を象ったような醜悪な顔面に沈み込み、数トン分の重さによってその巨躯が宙に飛ばされていく。 左側からは二匹目の異形が刃のような鋭さを持つ爪を高く掲げ、キックホッパーの胸板を目掛けて振り下ろす。 しかしキックホッパーがそれを受けることはなく、両足を屈めながら即座に側面へと回り込んだ。 そして彼は勢いを付けながら脇腹に目掛けて回し蹴りを放ち、乱暴に吹き飛ばす。 異形の身体が樹木に叩きつけられた様子に目を向けることはせず、キックホッパーは自らの元に向かってくる三匹目のワームに振り向く。 新たなるサリスワームもまた、自らの武器と思われる巨大なかぎ爪を高く構え、斬りかかろうと迫り来る。 しかしキックホッパーは左足を使った前蹴りでそれを勢いよく弾き、仰け反らせた。 途端に隙が出来る。ふらふらと揺れながら体勢を崩すワームの下腹部を目掛けて、キックホッパーは強烈な横蹴りを打ち出す。 それを浴びたサリスワームは、醜怪な呻き声を漏らしながらその場に蹲ってしまう。いくら強靱な生命力を持つ生物とはいえ、その威力に耐えることなど出来なかった。 緑色の巨躯が崩れ落ちていく様子を見つめると、キックホッパーは自身の相棒に指を付ける。 「ライダージャンプ……」 『RIDER JUMP』 周囲の雑踏に飲み込まれそうな程に微かな声で呟きながら、ホッパーゼクターの脚部を天に向けるように動かす。 彼の耳に慣れた音声が鳴り響くのと同時に、両足を微かに開きながら腰を深く落としていく。 ホッパーゼクターの瞳から眩い輝きが放たれ、稼動音を立てながら大量のタキオン粒子が噴出される。 粒子はエネルギーに変換されていき、やがて光へとその姿を変えた。両眼を赤く輝かせるキックホッパーの血液と神経を伝わりながら、到着点である左足に流れ込んでいく。 全ての力がアンカージャッキに纏われていったことを感じると、彼は凄まじい勢いで空を目掛けて高く跳躍した。 キックホッパーが勢いよく大地を蹴ったことによって、彼が先程まで立っていた地面が爆音を立てながら抉れていく。 それを追うようにサリスワーム達は上空に視線を向けるのに対し、跳び上がったキックホッパーは仮面の下で冷ややかに見下ろしている。 跳ぶ距離を徐々に伸ばしながらも、彼は再びホッパーゼクターの脚を左手で触れた。 「ライダーキック!」 『RIDER KICK』 キックホッパーは威圧的な声で叫ぶ。 ホッパーゼクターのレバーを元の位置に戻すと、人工音声と同時にホッパーゼクターは赤い光を発する。 ゼクターの内部に蓄積された雷の形状を持った力は、三本の角が伸びた仮面に行き渡り、瞳は輝きを増していく。 漆黒の空を背にキックホッパーは、再度エネルギーが流れ込む左足を一匹のサリスワームに向けて真っ直ぐに伸ばし、急降下する。 標的となった異形は、弾丸に匹敵する勢いで迫り来る足先に対応することは出来ず、放たれる深紅の波動を浴びるしか出来なかった。 やがてキックホッパーの足がサリスワームの歪な形に発達した胸板に達すると、稲妻を模した力が強制的に体内へと流れ込む。 そして瞬時にアンカージャッキが稼動していき、キックホッパーはサリスワームを踏み台としながら再び跳躍した。 凄まじい勢いで宙を舞いながら、彼は他のサリスワームを始末するために方向転換する。 七時の方角にいる異形に狙いを定めると、再び足を伸ばしながら風を切るような勢いで落下していく。 キックホッパーの一撃を受けたサリスワームは、二十トンもの重さに耐えきれずに空中を舞い、次の瞬間にはその身体を轟音と共に崩壊させる。 それからは数秒間の出来事だった。一匹、また一匹とサリスワームの身体に必殺の蹴りが命中する度に彼は跳躍し、足を伸ばしながら攻め込んでいく。 その度に鼓膜を刺激する音が辺りに響き渡るが、彼がそれを気にすることなどない。 やがて最後の一匹の身体を貫き、反動で跳び上がりながら地面へと着地していく。 それを合図とするように周囲のサリスワーム達はキックホッパーが与えた衝撃に耐えきることが出来ず、蹌踉めきながら爆発四散した。 吹き荒れる爆風と凄まじいほどの火炎による熱を四方から浴びていくが、キックホッパーは何も感じていない。 異形が消えた跡には細胞一つたりとも残らず、まるでせめてもの弔いのように紅蓮の炎が燃え上がっている。 辺りを照らすそれに巻き込まれたのか、地面に生えた若草がちろちろと音を立てながら微かな量の火に飲み込まれていく。 数秒の間も経たない内に黒く縮れてしまい、呆気なく燃え尽きてしまった。 熱せられた空気によって陽炎が生まれていき、辺りの視界が揺らぐ。その中で、キックホッパーの周囲を蠢いている異形の数は未だ二桁に達している。 彼は無言でその事実を認識すると、向かい来るサリスワームに立ち向かうために勢いよく地面を蹴っていく。 キックホッパーとは離れた位置で戦っているレイは、封印の鎖が巻かれた両腕を用いて高速の勢いで拳を繰り出す。 目前より向かってくるサリスワームの顔にクリーンヒットさせると、途端にその身体が数メートル先にある門前まで飛ばされていく。 サリスワームは立て続けに迫り来るが、レイはそれに動ずることはなかった。 後方より襲いかかる爪の気配を感じ取り、瞬時に全身を一歩分横に動かして難なく躱す。 そこからレイは攻撃を避けられて体制の崩したサリスワームの脇に回り込み、腰を深く落としながら正拳突きを放つ。 「ハアッ!」 突き出された拳はサリスワームの身体に深々と沈み込み、体内の組織を容赦なく傷つける。 その身体がぐらりと揺らぐのと同時に、レイは次の標的に顔を向けた。 コピー機を使ってトレースしたかのように全く同じ外観を持つ異形達は、餌に群がるハイエナのような勢いで飛び込んでくる。 軍団のようにやって来るサリスワームの一匹が、その爪をレイに振るう。 しかしその腕は逆に捕まれてしまい、続くように背負い投げの要領で投げ飛ばされていった。 宙を舞うサリスワームの身体が別の個体にぶつかり、地面を激しく転がっていく。 続いて五時の方角から一匹のサリスワームが走りながら近づいてくるが、レイは姿勢を低くしながらその懐に潜り込んだ。 そこからエルボーのように肘を腹部に打ち込む。 サリスワームの身体が地面に倒れたその瞬間、周囲を群がっている異形の間を縫うように紫色の閃光が走る。 刹那、キックホッパーの両眼に搭載されたOシグナルのシステムが働き、三時の方角から時空に歪みが生じていることを知らせた。 情報は瞬時に脳内に流れ込み、クロックアップに匹敵するスピードで自身に迫り来る気配をキックホッパーは察知し、振り向くのと同時に左足を振り上げる。 そこから数秒にも満たない程の僅かな時間が経過した瞬間、金属同士がぶつかり合うことによって生ずる激しい音が辺りに響き渡っていく。 鋭いほどの轟音がキックホッパーの鼓膜を刺激すると、彼に襲いかかった光は一瞬の内に人の形へと変えていた。 「流石だな、キックホッパー」 紫色のショートカットを揺らし、鍛えられた肉体を同じ色のフィットスーツで纏う女がその瞳から殺気を飛ばしながら、左腕より生じている刃でキックホッパーと押し合っている。 肩胛骨の部分を守る鼠色の装甲には、己の存在を現すかのように『Ⅲ』の数字が書かれていた。 キックホッパーは答えることなどせず、代わりに幻影の剣を勢いよく弾き、そこから後ろ数メートルに跳躍して距離を開く。 そこから先に仕掛けたのは女の方だった。明確な殺意の込められた刃を携えながら、駆け抜けてくる。 振り下ろされる凶器が鎧に触れようとするその瞬間、キックホッパーは全身を左方向にずらし、紙一重の差で避けた。 しかしそれで終わりではなく、続けざまに剣戟が振るわれていく。 一撃目は突起が付けられた右肩に迫るが、キックホッパーはそれを身体を軽く反らすようにして空振りに終わらせる。 それに気にかけることなく女は、刃の付けられた右腕を横に薙ぎ払う。 しかしキックホッパーが膝を軽く曲げ、体勢を低くする。それによって刃物は頭上を通るだけに終わってしまう。 攻撃が命中しなかったことにより女は驚愕の表情を浮かべていたが、キックホッパーはそれに気を止めることはせず、がら空きになった脇腹を目掛けて鋭い前蹴りを放つ。 女はそれに反応することが出来ずに勢いよく吹き飛ばされ、ボールのように数回地面を跳ねた後に、鋼鉄の壁に激突した。 けれども気を抜くことはしない。 女が壁にぶつかったことによって粉塵が沸き上がる中、彼は考えている。 このような異質な場所に平然とした様子でいるからには、目の前の女は人間ではなく、その皮の下には人ではない本当の顔が潜んでいるのだろう。 彼の推測は正解だった。煙が晴れていく中、女の起きあがる様子がシルエットで伺える。 瞬間、ボコボコと耳障りな音を立てながらその身体に歪みが生じ、大きく変質を果たしていく。 瞬き一つの時間が経過すると、既に目前の女は人の姿を持っていなかった。 毒々しいくらいにまで紫色に彩られた全身、左右に向かって頭部に生えた八本の角、見る者に恐怖を与えるような骸骨を思わせる顔面、体中に生えた灰色の棘、左腕だけ発達した左右非対称の両腕。 「喜べ、私の新たなる力を貴様で試してやる!」 レプトーフィスワームの名を持つ怪人へと姿を変えた女は、辺りに響く程の大声で叫ぶ。 やはり、こいつも化け物の仲間か。 キックホッパーはそう考えながら目の前の異形と視線を絡ませて、腰を軽く落とす。その瞬間、突如としてレプトーフィスワームの両腕から幻とも思えるような剣が両腕から飛び出してくる。 それは紫色の光を放っていて、先程自分を襲った得物と寸分違いのない形だった。 左右に一本ずつ備えられたエネルギーを原料とする刃物を構え、レプトーフィスワームは姿勢を低くしながら地面を跳ぶ。 異常なまでに発達した筋力によって、キックホッパーとの距離は瞬時に縮んでいく。 渾身の力が込められた異形の振るう刃が、紫色の軌道を描きながらキックホッパーの首を弾き飛ばさんと左から横一文字に迫り来る。 風を切るほどの勢いで放たれる凶器の行き先を、キックホッパーはその両眼で捉えた。 両足を微かに屈め、そこから軽く背後に跳躍していき、自身を標的とした刃を避けていく。 しかし、レプトーフィスワームの攻撃が終わることはない。今度は右腕の剣が下から掬い上げられるようにキックホッパーの胸板を向かって突き進む。 だが着地した直後にキックホッパーは素早く攻撃を察知して、瞬時に勢いを込めながら左足を振り上げた。 「ダアッ!」 「GYAッ!」 キックホッパーのかけ声とレプトーフィスワームの醜悪な鳴き声が、同時に重なっていく。 そこから数秒の時間も経たずに、ヒヒイロノカネによって構成された足による蹴りと、幻想とも呼べるような煌めきを放つ刃物が激突する。 異なる物質の境界面からは、甲高いほどの金属音と火花が生じていった。 漆黒の暗闇に包まれた森林の灯火となるような冷酷な輝きが拡散した瞬間、二つの異形は再度距離を取る。 次の刹那、最初に飛び込んだのはキックホッパーの方だった。力を込めながら両足で地面を蹴り、勢いよく駆け抜けていく。 それは飛蝗の特性を持つマスクドライダーに選ばれたことで手に入れた跳躍力によって成せる技だった。 凄まじいほどの速さでキックホッパーは左足による前蹴りを叩き込むが、レプトーフィスワームは両腕の剣戟を交差させるように構えてそれを防ぐ。 互いの殺気と共に金属同士の激突音と火花が再び迸り、彼らは背後を跳ぶ。 雑草が不規則的に生えた地面にそれぞれ着地した瞬間に、突如としてレプトーフィスワームの姿が消滅する。 まるで蜃気楼のように、紫色の異形が先ほどまで立っていた地面は土煙だけを残し、キックホッパーの両眼から消えていく。 その現象が意味することをキックホッパーは瞬時に察知し、銀色に彩られたベルトの左脇に位置するスイッチに手を近づけた。 「クロックアップ」 『CLOCK UP』 呟くような宣言と同時に叩くと、ホッパーゼクターから音声が復唱される。 その途端、キックホッパーの周囲に存在する全ての存在の速度が、ビデオのスロー再生の如く急激に減退していった。 吹き荒れる風、落ち葉の落下速度、流れる雲の速さ、燃え上がる火炎の勢い、辺りを群れるサリスワーム、それに立ち向かうレイの動き。 いや、ホッパーゼクターに蓄積されたタキオン粒子を体内全域に噴出したことによって彼のみが、自らの移動速度を飛躍的に上昇させていた。 全てのマスクドライダーシステムに搭載されている特殊機能、クロックアップを発動した途端、キックホッパーの目前よりレプトーフィスワームが左腕を掲げながら迫り来る。 弧を描きながら高速の勢いで右肩に近づく刃に気付くと、キックホッパーは自身の並外れた脚力を使って勢いよく天に跳躍した。 続くように彼は空中で身体を捻りながら一回転すると、左足を思い切り頭上に伸ばす。 それによってレプトーフィスワームの一撃が空振りに終わるが、勢いを止めることは出来ず、そのまま流れるように大木を横一文字に両断する。 樹皮は裂かれ、血液の如く内部から吹き出す木屑が宙を舞い、砕かれた木の上半分はゆっくりと傾いていく。 レプトーフィスワームが自身の攻撃を避けられたことを察知した瞬間、まるで鈍器で殴られたかのような重い衝撃が頭部を走り、そこから圧力によって全身が地面へと叩きつけられていった。 呻き声を漏らしながらも、レプトーフィスワームは自分に何が起こったのかを瞬時に把握する。 キックホッパーは跳び上がった直後に踵落としの体勢を作り、そのまま重力の勢いでレプトーフィスワームの頭に脚を叩きつけたのだ。 『CLOCK OVER』 地面に着地するのと同時に、ホッパーゼクターからはクロックアップの状態が終了したことを知らせる声が発せられ、キックホッパーとレプトーフィスワームの速度は通常の状態へと戻る。 その直後に、レプトーフィスワームの持つ刃によって破壊された大木が、轟音をたてながら地面に倒れていく。 辺りの土は振動し、自重に耐えきれなくなった木の枝は次々と折れていった。 互いに自身の速度が減少することを察するも、優劣はキックホッパーの方に傾いている。 「フン……」 地に伏せているレプトーフィスワームを鼻を鳴らしながら冷たく見下ろすと、キックホッパーはアンカージャッキの付けられた踵を用いて異形の左腕を踏み潰す。 この行動には自身をどん底へと追い込んだ存在に対しての復讐の意味を持っている。 こんな化け物がいたせいで自分は全てを失った、こんな化け物のせいで兄弟達が永遠の闇に堕ちてしまった。 けれどもそれを行ったところでキックホッパーが何かを感じることはなく、感情に変化が出ることは一切ない。 ただ、虚しさを覚えるだけだった。 「GUッ……!」 醜悪な声で喘ぐのと同時に、その腕に装着された刃は呆気なく粉々に砕け散っていった。 彼はもう片方の得物を破壊しようと、再度脚を振り上げる。 しかしその直後に、額から伸びたホッパーホーンに埋め込まれたアンテナによって得られる研ぎ澄まされた聴覚が、遠方から風を切るような音を捉え、キックホッパーは動きを止めた。 赤い瞳で方向を見据えると、鋼鉄製の二本の刃がブーメランのように宙を回転しながらこちらに迫っている。 刃物特有の無慈悲な輝きを放ちながら飛来する得物を、キックホッパーは右足を軸に全身を半歩分ずらしながら避けた。 標的を失った凶器は、空中で弧を描きながら方向を転換させていき、Uターンをするように来た道を戻っていく。 宙で回転を続ける刃の軌道をキックホッパーは追いかける。その先には先程の女と全く同じ形状のフィットスーツに身体を包み、無機質な輝きを放つヘッドギアを額に付けた長身の少女がたった一人で立っていた。 違いがあるとするならば、装甲に書かれた数字が『Ⅶ』であることのみ。 その得物はよく見ると、使い手と思われる少女の身長ほどの長さを持っている。 腰に届く程伸びた銀色の長髪は風に棚引き、その表情からは人形を思わせるほどに感情が感じられない。 けれども瞳からは殺意の念が放たれていることをキックホッパーは感じ取るが、それで彼が狼狽えるようなことなど無かった。 キックホッパーと目線を合わせた少女は、空気を裂きながら回り続ける二本の刃の勢いを読みとったのか、一切の躊躇もなしに取っ手を掴む。 「侵入者め……排除する!」 静かで、それでいて殺気が感じられる声を森林の中で少女は響かせる。 途端、その体が濁った光に覆われていき、ヘドロが流れるような醜悪な音を鳴らしながら表面が歪んでいく。 数秒の時間が経過した後、全身の形状は大きく変化していた。 ザリガニを彷彿とさせるように茶褐色に輝く全身の殻、鎧の役割を果たす殻に包まれる発達した筋肉、骸骨を思わせるように象られた双眼、口より長く生えた二本の触覚、刃物の形状を持った左腕、甲殻類の鋏を思わせる右腕、身体の所々に突き出した棘。 サブストワームの名称が与えられた異形へと少女が姿を変えると、腰を落としながら両手で掴んだブーメランを構える。 新手が来たことを察知したキックホッパーは気怠そうに溜息を吐きながら、周囲を囲む敵を見渡す。 蛆虫の如く沸いて出てきたサリスワームの数は、三十匹を超えている。そしてそれらを率いていると思われる姿が違う二匹のワーム。 背後に立つレプトーフィスワームの方は左腕にダメージを負っているだろうが、恐らくまだ充分なほど動けるだろう。 これ以上ワーム達の相手をしているつもりなど毛頭無いが、このまま黙って通れる訳でもない。 禍々しい輝きを放ち、刃の反った二本のブーメランをサブストワームが構えるのと同時に、キックホッパーは両足に力を込めながらゆっくりと曲げていく。 それから一呼吸ほどの時間が経った後、彼らは勢いよく地面を蹴る。 距離が瞬時に縮む中で、初めに繰り出したのはキックホッパーの方だった。 右足を軸としながら身体を大きく回転させて、大気を裂くような音と共に左足を繰り出す。サブストワームは得物を持つ右腕を掲げて、それを受け止める。 冷たく輝いている金属同士がぶつかり合うことによって、甲高い程の激突音と火花が周囲に飛び散っていく。 そこからキックホッパーの振り上げた脚が地面に触れるのと同時に、サブストワームはもう片方の刃物を持った左手で斬り掛かろうとする。 迫り来る刃の軌道を捉えると、キックホッパーは練り上げられた身体能力を用いて後ずさり、空振りで終わらせた。 僅かに隙が出来たとキックホッパーは確信し、手前に一歩力を込めて踏み込むと、空高く跳び上がっていく。 驚異的な跳躍力によってどんどん距離が伸びていく一方で、サブストワームは素早く横に跳躍する。 直後、サブストワームの立っていた背後の位置に佇む巨木は、キックホッパーが真っ直ぐに伸ばす右足を浴びることとなった。 元々込められた数トン分の重さに加え、重力による運動エネルギーが付加された蹴りの威力に耐えることが出来ず、根元からあっさりと砕け散っていく。 そのまま木はあっという間に大地に倒れていき、ほんの一瞬だが周囲は再び大きく揺れる。 濃緑に彩られた木の葉がゆっくりと舞い落ちる中、倒れた木を境界線とするようにキックホッパーとサブストワームは睨み合う。 その最中、キックホッパーの視界の外からレプトーフィスワームが入り込み、サブストワームの横に立つ。 先程砕いたはずの幻影で作られたような左腕の刃は、まるで何事もなかったかのように元の形を取り戻している。 それは到底信じがたかったが、騒いだところでどうにかなるわけでもない。 今やるべき事はどのようにしてワームの群れを突破するかだが、不安要素が多すぎる。これから二対一での戦いになる上に、破壊したはずの相手の武器は完全に復元した。 その上、戦力差と地の利でも敵の方に大きく傾いている。向こうは何十匹の配下を引き連れているのに対し、こちらはたった二人だ。 加えて相手は何か隠し球を用意している可能性も充分にある。突破どころか逃亡すらも不可能なことは火を見るより明らかだろう。 「ここはこの僕にお任せいただけないでしょうか?」 唐突に聞こえた声によって、キックホッパーは思考を止める。 振り向くと、サリスワームの群れを相手にしていたはずのレイが立っていた。 「どういうつもりだ」 「言葉の通りです。ここは僕が食い止めますので、貴方は先に行ってください」 仮面によって阻まれ、表情を確認することは出来なかったが、レイが得意げに言っているのは理解できた。 彼の背後を見てみると、蟻の如く群れていたサリスワームの数はいつの間にか一桁にまで減っている。 二匹の成虫体と戦っていたから気付かなかったが、あれだけの数を一人で倒したのか。 「貴様ら、我々がここを通すと思ったか?」 レプトーフィスワームが脅すような音質で言うが、それに気を止める者はいない。 一見、この場はレイに任せても良さそうだが何かが心の中に引っかかる。 それなりの戦闘力をレイは持っているかもしれないが、数分にも満たない僅かな時間であの数を相手に勝てるのか。 見たところ、何の武装も使ったように見えない。 気にかかる部分は多いが、考えるのを止めた。そう言うのならば、望み通りにすればいい。 もしも罠ならば、その時はその時だろう。 「………いいだろう」 『CLOCK UP』 数秒の考案が終わった後に、口を開いた。 呟くのと同時にキックホッパーは背を向けると、ベルトの脇に備えられたスイッチを再び叩く。 先程と同じ電子音声が鳴り響くのと同時に、ホッパーゼクターから大量のタキオン粒子が彼の全身を駆け巡り、彼の体感時間を常人より遙かに速い物へと進化させた。 クロックアップの状態に入ったのを合図とするように、キックホッパーは建築物の入り口を目指して地面を蹴る。 驚異的な加速能力を用いたことによって、建物の進入に成功するのにそれほどの時間はかからなかった。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/sentairowa/pages/152.html
赤 鬱蒼と茂った樹海の麓にある白い研究所。その入り口に立つ男がひとり。 いや、男と呼ぶには少々躊躇われる容姿を彼はしていた。 赤い宝石のような艶をもつ眼に、物を噛み砕くのに適した強靭な牙。前頭部からは長い触覚が伸び、さながら昆虫のようなフォルムを形作っていた。 肩と足からは敵を威嚇するかのような棘を生やし、くすんだ鋼のような色をした身体は、その見た目通りに硬質的ながらも生物の柔軟性も備えている。 そうそれは男と呼ぶより、怪物と呼ばれるのに相応しい容姿をしていた。 ひとりの人間が究極の生命体を目指し、創造したその怪物の名前はドラスといった。 (お兄ちゃん、今行くよ……) 研究所のドアを開け、ドラスは中へと入る。 ドラスがここを訪ねた目的は、ここで休息を取っているであろう麻生勝――ZOを吸収すること。 同じ創造主の手によって生まれた麻生を吸収することでドラスは一歩神に近づくことができる。 歩みを進めていく度に、ドラスは気分が高揚していくのを感じていた。尻尾がその起伏を表すかのように自然と蠢く。 (人間なら、差し詰め、恋人に愛を告白しにいこうってシチュエーションかな?) 目的を果たすために、待ち焦がれていた相手に会うことができる。ドラスの例えは言い得て妙であった。 やがて、ドラスはある部屋の前で足を止める。 (ここにいるね) 麻生はこの部屋にいる。なんの根拠もなかったが、ドラスの本能は既に確信を得ていた。 ドラスはドアのノブに手を掛け、ゆっくりとノブを押した。 「トワァァァ!」 ドアを開けた瞬間、ドラスに向かって、蹴りの一撃が放たれる。 ドラスは紙一重でそれを避けると、その一撃の主に向かって、体当たりをかけた。 よろめいた隙を狙って、ドラスは後方へと下がり、襲撃者との間合いを取る。そして、その姿を確認した。 黒いアンダースーツに緑色のラインが入った銀色の装甲。赤い複眼を持つその顔からはバッタをモチーフとしていることがわかる。 「やはり来たか、ドラス!」 (お兄ちゃんの声。そうか、それが闇を切り裂くっていうキックホッパーだね) その襲撃者から発せられた麻生の声に、ドラスは彼がホッパーゼクターの力によって変身した仮面ライダー、キックホッパーだと理解した。 同時にドラスは麻生の意図も理解する。 (これじゃあ、お兄ちゃんを取り込むことはできないね) ZOへの変身は麻生自身の身体が変化したものだが、キックホッパーへの変身は麻生がスーツを身に纏ったもの。 取り込もうとしても、キックホッパーの装甲は、堅固な鎧となり麻生の身を守るだろう。 (仕方ない。作戦通り、時間切れを狙うしかないか) ドラスの戦略は決まる。一定の間合いをとっての遠距離攻撃。 首輪によって変身していられる時間が制限されていることはわかっている。キックホッパーだけ例外ということはないだろう。 ドラスは踵を返すと、ドアを開き、その場からの逃走を試みた。 「逃がすか!」 部屋を出たドラスをキックホッパーは追う。 (逃がさない。奴はここで倒す) 麻生はドラスが来ることを予期していた。 ドラスの目的のひとつは自分を吸収すること。ひとりになれば必ず襲いかかってくると思っていた。 まだ、マシーン大元帥との戦いで受けた傷は完全に癒えておらず、体調は万全とはいえない。 だが、ここで決着を着けておかなければ、いずれ誰かを巻き込んでしまうかも知らない。 もう誰も犠牲者は出させない。 「トォ!」 強化された両足で、地面を蹴る。加速を受けた身体は宙を翔け、ドラスの前方へと回り込んだ。 逃げられないことを悟ったのか、ドラスは己のディパックより先端がジグザグという奇妙な刀身をした剣を取り出した。 キックホッパーもそれに合わせて、構えをとる。 「グァァァァッ」 先に動いたのはドラスだった。剣を振り上げ、上段から振り下ろす。だが、遅い。 キックホッパーはそれを避けると、一気に間合いを詰め、ドラスへと拳を打ち込む。 一発、二発、三発。間合いを広げぬよう拳を打ち込むと同時に前へ前へと進む。 四発、五発、六発。そして、七発目を打ち込もうとしたとき、突如、キックホッパーの顔面を打撃が襲った。 (これは……尻尾か!) ドラスの背中から長く伸びた尻尾が、キックホッパーの顔面をはたく。一瞬、キックホッパーの視界からドラスが外れた。 その隙を狙い、ドラスは剣を水平に構えると、キックホッパーの胸を突く。 鋼鉄をも切断するその剣は、キックホッパーの装甲を貫き、彼の生身の部分へと迫った。鋭き刃が皮膚を裂き、続けて、肉の味を知ろうとなおも進んでいく。 「ぐっ、させるか!」 キックホッパーは剣の鍔部分を狙って、蹴りを放つ。そして、その勢いを利用して、後方へと飛んだ。 たちまち身体から抜き放たれる剣。しかし、その代償は少なくなかった。 ジグザグになった刀身を持つその剣は、抜き放たれるときに、周りの肉を抉り取り、キックホッパーの鮮血と肉と装甲を飛び散らした。決して傷は浅くない。 そして、キックホッパーとドラスとの間合いがまた開いてしまっている。 (俺に飛び道具はない。だが、奴には) ドラスは再びディパックの中から道具を取り出していた。小型ながらも強力な威力と連射性能を持つ銃。その威力は前回の戦いで実証済みだ。 案の定、ドラスはそれを構えるとこちらに向かって、引き金を引いた。乾いた音が鳴り、無数の銃弾がキックホッパーに降り注ぐ。 避けようにも狭い通路に身を隠せる場所はなく、弾き返そうにも、この数ではとても間に合わない。 (そうだ!) キックホッパーの脳裏に、マシーン大元帥との戦闘がフラッシュバックする。 自分に放たれるはずが、真理に向かって放たれた凶弾。そのとき、自分がとった行動は…… 「クロックアップ!」 ―Clock Up― 腰のスイッチをスライドさせると、ホッパーゼクターから音声が鳴る。すると、キックホッパーの世界は一変した。 先程まで捉えるのも困難だった無数の銃弾が、ひとつひとつ視認できるほどの速度にまで落ち、ドラスのわずかな表情の移り変わりもわかるようになる。 最も人間が他の動物の表情からその感情がわからないように、キックホッパーにはドラスの感情などわかる由もないが。 キックホッパーは銃弾を全て弾き落とす。そして、再び自分の間合いに戻すため、ドラスへと突撃した。 ―Clock Over― クロックアップの効果が切れ、世界が正常な時間の流れを取り戻す。 だが、自分の間合いに戻すには充分だった。既にドラスは間合いの中だ。 キックホッパーは手刀で銃を叩き落とすと、続けて、拳を頭部へと叩きこむ。再びドラスが尻尾を繰り出してくるが、同じ手は食わない。 逆に尻尾を掴むと、それを力ずくで引っ張り、浮いたドラスの身体を壁へと叩きつける。 2度、3度と、何度も何度も壁がへこむまで叩きつける。 「グァァァァ」 溜まらず悲鳴を上げるドラス。しかし、それでも攻撃の手を緩めるつもりはない。 (ここで、ここでドラスにとどめをさす!) 真理を失った悲しみ。救えなかった自分への悔やみ。殺し合いに乗った闇への怒り。全ての感情を力に変えて、ドラスへと叩き込む。 「トワァ」 幾度となく壁に叩きつけられ、ぐったりとしたドラスを、キックホッパーは放り投げる。止めをさすためだ。 キックホッパーはホッパーゼクターへと手をかける。 (止めのライダーキックだ) キックホッパーがホッパーゼクターのレバーを上げようとしたとき、子供と機械の無機質な声が混じりあったような声がした。 「オニイ……チャン、オコッテルン……ダ…ネ」 声を発したのはドラスだった。よろめきながらも、なんとか立ち上がろうとしている。 「ナン……デ、ソンナニ…オコッテイル……ノカナ?ヒョットシテ…………オネエチャンノコトカナ」 相変わらず表情からドラスの感情は読み取れない。だが、声からはわかる。その声には確かにこちらを侮蔑するかのごとき、ニュアンスが含まれている。 (何を言うつもりだ?……まさか!) 「オネエチャンヲ……『灰』ニシタノハ……ボクダヨ」 「!、………貴様ァ!」 実際に灰にしたのはオルフェノクである影山冴子であるが、その言葉はキックホッパーに絶大なる効果を表した。 一瞬にして、キックホッパーの心が怒り一色に染まる。体中の血液が沸騰し、自然と拳が強く握られる。 「ドラス!」 ホッパーゼクターの脚部、レバーとなった箇所を跳ね上げる。 ―Rider Jump― 一瞬にして脚にエネルギーがチャージされる。その力で地面を蹴り、宙を舞う。 続いて、レバーを下げると破壊エネルギーが怒りと共に左脚へと宿った。 ―Rider Kick― 怒りを込めた渾身の蹴り。これが決まれば、ドラスといえども破壊は免れない。 程なくして爆発音が通路に響いた。 だが、その爆発で破壊されたのはドラスではなかった。破壊されたのは…… 「うぉぉぉっ」 破壊されたのはキックホッパーの脚だった。 左脚に装備されたアンカージャッキはへし折れ、緑色の装甲は吹き飛び、生身の脚を露出させている。そして、露出された脚は焼け焦げていた。 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」 「い、一体何が」 キックホッパーは破壊された瞬間を思い出す。キックホッパーがライダーキックを放った瞬間、ドラスは何かを投げたのだ。 (あれは……首輪か) そう、ドラスが投げたのは、キックホッパーたちが首につけている首輪だった。強力なエネルギーがこもったライダーキックは首輪に当たると一瞬の内に首輪を破壊した。だが、それが命取りだった。 強力な力で破壊された首輪はその瞬間爆発した。爆発自体は小規模のものだったが、その威力は凄まじく、キックホッパーの装甲を破り、麻生の脚へと致命的な傷を与えた。 唯一、幸いといえるのは脚が吹き飛ばなかったことぐらいだろう。 「くっ、貴様」 追撃がくる。キックホッパーは壁を背にどうにか立ち上がる。自分もダメージを受けたが、それはドラスも同じこと。 (まだ、戦える!) そう思い、キックホッパーは構えを取る。だが、ドラスはディパックをとると、こちらへと背を向けた。 (逃げようというのか?) これ以上戦っても無駄だと判断したのだろう。この戦いは痛み分けにして、次に繋げる。それは懸命な判断といえた。 「待て、ドラス!」 しかし、キックホッパーは逃がすつもりはなかった。 (ここで逃がしてしまっては、また、新たな犠牲者が出ないとも限らない。真理ちゃんのように) 「うぉぉぉぉぉ!」 気合を込めて、キックホッパーは両の脚で立つ。だが、やはり脚には激痛がはしる。とても立っていられない。 このままではドラスを追うことは出来ない。 (ならば!) キックホッパーはホッパーゼクターに手をかけると、ベルトから引き抜き、変身を解除した。たちまち、キックホッパーから麻生の姿へと戻る。 そして、すかさず、もうひとつの姿への変身の構えをとった。 「変身」 麻生の呼びかけに応え、光を放ちながら、身体の細胞が人間から別の生命体への変化を始める。 肌の色は肌色から緑へ。その眼は黒から赤へ。だが、心は変わらず、白のままで。 やがて光は収まり、変身が完了する。ドラスの試作体ともいえる姿をしながらも、人の心を持ち続ける生命体。仮面ライダーZO。 ZOの口からクラッシャーと呼ばれる牙が飛び出し、後頭部に空いた気泡から、空気が排出される。ZOが能力の全てを開放した証だ。 ZOは地面を蹴り、ドラスへと飛び掛かっていった。 防御を固めようとするドラスの腕を取ると、チョップで破壊し、そのままキックで脚を砕いた。 (思った通りだ) キックホッパーと違い、ZOは麻生自身が変化した姿だ。変身することで、麻生の肉体は根本から強化される。ZOの左脚は全快とまではいかないが、歩けるぐらいには回復、強化されていた。 ドラスに吸収される危険性はあるが、もう二度と同じ愚は繰り返さない。 ZOはドラスを圧倒する。お互いに満身創痍ではあったが、それならば相手より、より有利になる要素を持つ者が勝つ。 「ツヨイネ……オ…ニ…イ…チャン」 ZOは物が投げられぬようドラスの両腕を破壊し、満足に動けぬよう両足を粉砕、不意打ちが出来ぬよう尻尾も切り取った。 これでもうドラスは抵抗することが出来ない。剣も銃も握れず、尻尾も扱えない。唯一、レーザーを放つ可能性はあるが、恐らくそれは無理だろう。 以前、ドラスと戦ったとき、ドラスは自分の変身が解けたのにも関わらず、止めをさすことができなかった。 恐らくドラスにも首輪の制限というものが掛かっているはずだ。戦い始めて、以前に自分の変身が解けた以上の時間は既に経っている。 (レーザー……?) そのとき、ZOは自分の考えに何らかの違和感を覚えた。何かを見過ごしている。だが、その思考をドラスの声が遮る。 「デモ……ヒドイ…ヨ………バラバラニスルナンテ……イマノ…オニイチャンノスガタヲ………オネエチャンガミタラ……」 「うるさい!」 もう挑発には惑わされない。冷静に、そして、確実にキックを決めるだけだ。 ZOは飛び、キックの体勢に入る。一度、振り上げられた振り子が戻ってくるかのような軌道を描きながら、ZOのライダーキックは放たれた。 それがドラスの頭部へと命中すると同時に、ZOは数度の細かな蹴りを叩き込む。 そこに留まる術のないドラスの身体は、ZOに蹴られ、長い通路を吹き飛んでいった。 長い静寂の後、壁にぶつかる轟音と、それとほぼ同時に爆発音が響く。そして、それに追従して、瓦礫が落ちる音。 「やったか」 ZOはドラスの生死を確認するため、瓦礫へと駆け寄る。ドラスの亡骸はその瓦礫に埋もれていた。キックの衝撃のためか、既に頭部もなく、胸部のみが残されている。 もはや、ドラスはピクリとも動かない。 (……これでドラスの手によって犠牲者が出ることはもうない) 安堵すると同時に、激戦の疲れが襲ってくる。思わずZOは膝を突く。同時に左脚に激痛が走った。 (よくこんな傷で戦えたものだ。早く手当てをしないと) ZOは壁を伝いながら、自分が休んでいた場所、医務室を目指した。 程なくして、医務室に辿り着き、腰を下ろす。 (この傷ではしばらくは戦えないな。だが、安静にしていればなんとかななるはずだ) 一時は呪わしいと思ったこの改造された体だが、今は素直に頼もしく思う。普通の人間と比べ、回復のスピードは段違いだ。 (そう、俺は真理ちゃんとの約束を守らなければならない。一刻もはやく傷を治さなければ) 手当てのために麻生はZOへの変身を解いた。 「!」 その瞬間、背中を衝撃が襲った。 「……ぐはっ」 その衝撃は麻生の背中を焼き、口から鮮血を吐かせる。 (一体何が?) 麻生は後ろを振り向くと、信じられない者を目撃した。 「ド、ドラス!」 そこにはドラスが胴体だけの状態で浮いていた。 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」 耳障りな独特の笑い声を頭がないというのにドラスは上げる。 「な、何故?」 問う麻生に、身体を輝かせ、ドラスは再び、レーザーを放つ。 「ぐわぁぁっ」 右腕に続いて、左腕、その次は右脚。先程のお返しとばかりにドラスは麻生の四肢を焼いていく。 (そ、そうか。わかったぞ) 麻生は先程感じた違和感の正体に気付いた。 麻生は四肢を潰されたというのにドラスがレーザーを使わなかったことを、首輪の制限を受けている根拠にしていた。 だが、それがそもそもの間違いだった。ドラスは制限を受けていたのではない。制限を受けているかのように戦っていたのだ。 ドラスはキックホッパーとZOとの戦いの最中、レーザーは使わず、支給品である剣と銃での攻撃に終始していた。 能力を使い始めたのは、ZOのとどめの一撃、ZOキックを受ける直前からだ。 キックには切り離した頭部を命中させ、浮遊能力で吹っ飛んだように見せかける。そして、レーザーで壁を破壊し、さもキックの威力で壊れたかのように錯覚させた。 (今思えば、ドラスにしてはあまりにも弱すぎた) ドラスが本気で戦えば、キックホッパーやZOとは互角以上に戦える。 あまりに戦いが有利に進んだことを麻生はおかしいと思うべきだった。だが、園田真理を殺された怒りが麻生の判断能力を狂わせていた。 麻生はドラスの策略に自分が嵌ったことを知る。同時に今の状況がどれだけ絶望的なものなのかも。 (すまない。ヒビキさん、冴子さん、……真理ちゃん) 絶望的な状況の中、麻生はドラスに向かっていった。 (3分か。結構もったね。さすがお兄ちゃん。あやうく制限時間を切るところだったよ) 胸部のみとなったドラスの前には、麻生が横たわっていた。 レーザーによって、身体のあらゆる部分が貫かれ、焼かれている。呼吸も浅く、ぴくりとも動かない。 (お兄ちゃんには苦労したな) キックホッパーという力を手に入れた麻生を手に入れるのは並大抵のことではない。 10分しか自分の能力が発揮できず、その後は2時間もの制限が加わるこの戦いにおいて、自分の2倍の時間戦えるようになったのは大きなアドバンテージだ。 だが、ドラスだからこそあるアドバンテージもある。それはネオ生命体であること。 能力制限がされている間は確かに超常的な力は発揮できない。しかし、ネオ生命体であることまで変わるわけではないのだ。 ドラスの身体のほとんどはゴミ捨て場などから収拾した金属で精製されている。ようするに木偶のようなものだ。 本体を傷つけられない限り、いくら傷つこうとも死ぬことはない。 金属で作られた身体はそれなりに強度もあり、銃を撃つ衝撃にも耐えることができる。そして、手足と同じく、尻尾は身体の一部分、制限が加わっても動かすことは可能だ。 (お兄ちゃん。お兄ちゃんの敗因はね、やっぱり人間であることだよ) 麻生が気付く機会はあった。だが、ドラスを倒そうとするあまり、効率的な行動を取れなかったこと。それが麻生の敗因だった。 (いくよ、お兄ちゃん) ドラスの胸部が開き、麻生に向けて光を放つ。それはドラスの本体から発せられる光。 放たれた光は麻生の身体を包みこみ、麻生の身体を粒子化させる。刹那、無数の粒子となった麻生はドラスの体内へと吸い込まれた。 (力がみなぎる) 身体のうちから外へ、徐々にエネルギーが満ちていく。同時にくすんだ鋼色をしたドラスの身体は血肉が通ったかのように赤く染まっていく。 (これが新しい力……ううっ) 「グゥゥゥゥ」 (なにか……おかしいな) 進化の途中で、身体が違和感を訴える。まるで魚の骨がのどに刺さったかのような異物感。 (何か僕の身体に取り込めないものがある?) 「グォォォォ!」 咆哮を上げ、その違和感の原因を力ずくで排出する。胸からふたつ、金属の塊が飛び出してきた。 ひとつはZECTと刻まれたベルト。そして、能力を制限するための首輪。 (僕のじゃないね。お兄ちゃんの首輪か。さすがに取り込むことは無理だったか) それらが排出されたことで、ドラスの進化は完了した。身体は赤く染まり、先程までとは比べものにならない力が身体を支配している。 (これなら制限されていた能力も使えるかも) ドラスは周りの金属という金属に語りかける。僕の下に来い。僕の力になれと。 すると、医務室にある金属の数々は熔解したかのようにただ銀色のみの金属の固まりになり、ドラスに吸い込まれていった。 瞬く間にドラスの胸部のみだったドラスの身体からは手が生え、脚が生え、そして、頭部が形成される。 ドラスの身体は完璧に再生されたのだ。 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」 (凄いなぁ。たぶん、能力を発揮している状態でしか使えないんだろうけど、完璧に再生できるなんて) ドラスは自分の強化された能力に愉悦し、麻生に会おうとしていたとき以上の高揚を得る。 (今度はどれくらい戦えるか試してみたいな。……そうだ。首輪が外れたってことはお兄ちゃん、死んだことになるんだよね。 なら、ここに戻ってくるかも。お兄ちゃんと一緒にいたもうひとりのお兄ちゃん) 2時間後、ヒビキはドラスの予想通りの行動をとるようになる。 ヒビキは血まみれの冴子を手近な建物へと運ぶ。誰が冴子を傷つけたのか? 状況から判断すれば、それはあきらをさらった狼の怪人としか考えられない。 「ちくしょ!」 思わず壁に拳を叩きつける。自分があの時、一緒に行動していればなんとかなったはずだ。冴子が血まみれになることも、あきらがさらわれることもなかった。 だが、悔やんでばかりもいられない。今は肩に大怪我を追った冴子の治療が先決だ。 ヒビキは手近な建物に入ると、研究所を出るとき、念のためと持ってきた応急処置用の道具を使い、冴子の治療を行った。 包帯を巻き終え、冴子の体力回復を待っていると、たちまち時間は過ぎ、2回目の放送のチャイムが鳴った。 放送で知らされる死亡者の名前。その最初に呼ばれた男の名前にヒビキは激しく動揺する。 死亡者の中にあきらと明日夢の名前が含まれていなかったことには多少の安堵を得た。だが、そんな安堵を吹き飛ばす内容がその放送には含まれていた。 その放送に絶対含まれてはいけない人物の名前が呼ばれたのだ。 「そんな、麻生さん」 闇を切り裂き、光をもたらすと誓った勇士の名前。つい今まで自分と一緒にいた男の名前だった。 「ヒビキくん」 「冴子さん……」 冴子もその放送を聞いたのだろう。真剣な面持ちでこちらを見つめる。 「聞いたわ、研究所に行きましょう」 「しかし、その傷じゃ」 「へっちゃらよ、こんな傷」 ヒビキにはそれが強がりだとわかる。冴子の治療をしたのは自分だ。とても大丈夫といえる傷ではない。 だが、ヒビキはその好意に甘えることにした。麻生に一体何が起こったのか。すぐにでも確認したかった。それに冴子をここ置いて行くわけにもいかない。 放送が何かの間違いであることを祈り、ヒビキはバイクを走らせた。 それから一時間と経たずにヒビキたちは研究所へと辿り着いた。バイクを止めると、ドアを開け、研究所へと入る。 (これは……) 入った瞬間、ヒビキは何か圧迫感のようなものを感じた。邪気ともいうべき、邪悪なるものが発する存在感。 (いる。ここに邪悪な何かが) ヒビキは五感を研ぎ澄ませ、通路を進んでいく。 その最中、転がった銃弾、何かが叩きつけられたかのようなへこみ、焦げた壁、そして、瓦礫の山を目撃する。 それらはここで行われた戦いの凄まじさを物語っていた。 (麻生さんはここで誰かと戦ったんだ。しかし、あの麻生さんが敗れたというのか?) 湧き上がる疑問を胸に、ヒビキは一際、邪気を強く発している場所を発見する。 そこは麻生が治療を終え、身を休ませていた場所、医務室だった。 (ここだな) 今まで数々の魔化網と対峙してきたヒビキでさえ、感じたことのない強大な邪気に、自然と身が引き締まる。 「冴子さんはここで待っていてください」 「……そうね、待たせてもらうわ」 冴子もここの邪気を感じ取ったのだろう。一歩、身を引く。 (ここからは鬼の役目だ) ヒビキは懐から音叉を模した変身道具、音角を取り出し、壁を軽く叩いた。 ――キィィィィン 音角が鳴り響く。ヒビキはそれを額へと、ゆっくりと翳す。額に鬼の顔が浮かび上がる。 「変身」 ヒビキの声に従い、身体を紫の炎が包み込む。身体を芯から燃え上がらせ、その姿を鬼へと変化させる纏いの炎。 「ううううう、はぁっ!」 ヒビキが炎を振り払うと、そこには人助けを生業とする鬼、仮面ライダー響鬼が立っていた。 「……っ」 冴子が息を呑む。鬼となった自分の姿に驚いているのだろう。 「行ってきます。シュッ」 大丈夫という代わりに、敬礼に似た響鬼流のサインを冴子に送り、響鬼は医務室へと入っていった。 「ようこそ、もうひとりのお兄ちゃん」 響鬼が部屋に入ると、鋼色の魔化網が悠然と立っていた。 (こいつ、話せるのか) 怪物としかいえない容姿をしていながら、子供のような声で話す魔化網。その奇妙な組み合わせに響鬼は言い知れぬ恐怖を覚える。 「貴様が麻生さんを殺したのか!」 「お兄ちゃん?ううん、僕は殺してないよ。お兄ちゃんは僕と一緒になっただけ。お兄ちゃんは神となる僕と共に永久に生きていくんだ」 「話にならないな」 響鬼は腰に携えた音撃棒、烈火を抜き取り、両の腕に構える。 「愚かな人間には理解できないかも知れないね」 「人間は愚かなんかじゃない。そして、人間を守るのが俺の仕事だ」 睨み合う二人。先に仕掛けたのは響鬼だった。ふたつの音撃棒で素早く連撃を打ち込む。 「はぁっ!」 だが、ドラスは左腕で軽々と受け止める。 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。効かないよ、お兄ちゃん!」 お返しとばかりに肥大化した右腕を振るう。 「がっ……」 骨がきしみ、息が止まる。巨大魔化網に殴られた以上の衝撃が響鬼を襲う。 その一撃で、響鬼は自分が危惧していた敵が想像以上の化け物であることを理解する。 (これを受け続けるのはやばい) 響鬼は口を大きく開け、ドラスの顔面に火を吹きかける。怯んだ隙を狙って、自分のペースに持ち込むつもりだった。 だが、すぐに自分の考えが甘いことを知る。ドラスはまったく怯まない。 「っ……ぐっ」 ドラスの左手が響鬼の首を捉える。そして、いたぶるように徐々に力を入れていく。 器官が圧迫され、息が止まる。響鬼は必死に腕を振り解こうとするが、がっちりと首にくい込んだドラスの指は、まるでその形が正しいかのように微塵も動かない。 (音撃…鼓……) 響鬼はベルトの中心に装着された太鼓状の装備、音撃鼓を右手に取る。そして、それをドラスの左手へと押し付けた。 たちまち音撃鼓は肥大化し、ドラスの腕へと広がる。 闇に落ちようとする意識を精神力で保ち、左手に握った音撃棒を叩き付けた。 ――ドン! 太鼓を叩く音が響き、首を拘束するドラスの腕が若干緩まる。 (今……だ) 二度、三度と音撃棒を打ち込む。ドラスの腕に広がる破壊の波紋。ついにドラスの腕が首から離れた。 好機は逃さない。響鬼は右手にも音撃棒を構えると、本格的に音撃を打ち込み始める。 「猛火怒涛の型」 ――ドン! ――ドン! ――ドン! ――ドドン! 太鼓を敲くかの如く。強く、それでいてしなやかに音撃棒を敲き込む。 「ハァァァァァァァァ、ハッ!」 気合一閃。ドラスの左腕が粉微塵に吹き飛んだ。 (よし、いける。力は強くとも、音撃が通じるなら魔化網と一緒だ。撹乱して、隙をつくり、音撃を打ち込めば勝てる) 響鬼が見たわずかな光明。だが、ドラスはその光明がまやかしだと言わんばかりにあざ笑う。 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。そうこなくちゃ。強くなきゃ、実験にならないもんね」 「実験?」 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」 ドラスが笑い声を上げると、その声に応え、身体が赤く染まっていく。 まるで自分が紅と呼ばれる強化フォームになるかのように。 (これは……紅?まさか、パワーアップしたということか) 赤くなったドラスが左肩を上げると、棚から金属物質が引っ張られる。そして、それは瞬時に形を変え、ドラスの失われた左腕を形作った。 「再生した!?」 「ここからが本番だよ、お兄ちゃん!」 振り下ろされる右腕。響鬼は音撃棒で防御するが、まるで鉛筆を折るかのたやすくそれをへし折り、脳天を直撃する。 一瞬、飛びかける意識。それを気合で繋ぎとめる。 「パワーはこんなものか。次はスピードだね」 ドラスが響鬼の視覚から消える。 「どこだ!?」 「ここだよ、お兄ちゃん」 響鬼の後ろから聞こえる声。急いで後ろを振り向くが、響鬼の視界に飛び込んできたのはドラスの左腕。 反射的に思わず眼を閉じる響鬼。だが、衝撃は顔ではなく、腹に来た。 「ぐぇぇっ!」 「これ以上、頭を殴ったら気絶しちゃうかもしれないからね」 続いて、横から衝撃がくる。拳でも、脚でもない。それはドラスの尻尾だ。 しかし、威力は充分。響鬼の身体は宙を舞い、棚に叩きつけられる。 (つ、強すぎる) ドラスの圧倒的な実力を前に響鬼の心が折れかける。だが、混濁する意識のなか、響鬼は自分に関わる人たちの顔を見た。 自分と同じく人助けを生業とする鬼の仲間。 (イブキ、トドロキ、ザンキさん、サバキさん) ここで新たに出会った仲間たち。 (純子さん、草加、秋山、冴子さん、麻生さん) そして、 (明日夢!あきら!) そうだ、ここであきらめるわけにはいかない。残っている鬼は俺ひとりしかいない。俺は明日夢を、あきらを助けなければいけない。 響鬼は立ち上がる。燃える心を胸に、例えどんな相手だろうともあきらめるわけにはいかない。 「ハァァァァァ!」 響鬼は身体の隅々に力を行き渡らせ、それを燃料に更に身体を燃え上がらせるよう念じる。 (奴に対抗するためには紅になるしかない。夏じゃなくとも、心と体を燃え上がらせれば……なれるはずだ!) 「ハァァァァァ!」 しかし、響鬼の願いは虚しくも叶うことはなかった。変わる予兆こそあるものの紅になるにはいたらない。 それは首輪の制限によるものなのだが、紅になれないという事実は燃え上がりかけた響鬼の心を容赦なく消耗させる。 (なんで、なんで、紅になれないんだよ) 絶望する響鬼に、再び尻尾の一撃が繰り出される。不意を付かれた響鬼は防御することさえ出来ず、まともにその一撃をくらう。 「ぐあっ」 「お兄ちゃん、何するつもりだったの?……もういいかな、大体自分の力がわかったし、殺しちゃうね」 (くっ、逃げないと) 迫る死の恐怖に、響鬼は逃げることを選択する。だが、身体が思うように動かない。 腹への一撃がじわじわと効いてきたようだ。 (なんとか、時間稼ぎを) 響鬼はあきらより渡されたディスクアニマルのことを思い出す。 音角を使い、3枚のディスクアニマル全てに色を与える。 「いけ」 音角によって、仮初の命を持ったディスクアニマルはCDの形から動物の形に変わっていく。すると、響鬼にとっても予想外のことが起こった。 鴉、獅子、大猿。3匹のディスクアニマルはそれぞれが模した動物の大きさまで巨大化し、ドラスの前に立ちふさがる。 (聞いたことがある。昔のディスクアニマルは動物の魂を込めていて、術者の力次第で巨大化することができると。これはそのディスクアニマルか) 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、面白いね」 ドラスは自分に挑みかかるディスクアニマルに気を取られている。逃げるなら今しかない。 響鬼は一直線に出口であるドアを目指す。後ろからはディスクアニマルが砕ける音。 (済まない、ディスクアニマル) 自責の念に駆られながらも、逃げるため、ドアノブへと手を伸ばした。 ドアが開いた。だが、開けたのは響鬼ではない。 そのドアを開けたのは冴子だった。 自分を助けに来たのか。冴子の好意はありがたい。 「冴子さん。早く逃げ……」 一瞬、響鬼は何が起こったのかわからなかった。突如、現れた針状の長い剣が自分の左目を貫いた。 それをしたのは…… 「さ、冴子さん?」 「ごめんなさいね。でも、あなたの知り合いはもうふたりしかいないっていうじゃない。 あきらちゃんにはもう本性が知られちゃったし、明日夢っていう男の子は子供だっていうし……もうあなたに利用価値はないわ」 灰色の怪人の姿になった冴子の姿を見て、自分が騙されていたことに気付く。同時に自分が結果的にあきらを追い込んだ原因であることも。 「ありがとう、冴子お姉ちゃん。お姉ちゃんのおかげでお兄ちゃんと一緒になることができたよ」 「あら、しゃべれるようになったのね。……礼には及ばないわ、ドラスくん」 (こいつら、グルか) 全身から力が抜けていき、床に突っ伏す。見るとディスクアニマルは既に粉々に砕かれ、破片になってしまっている。 (つまり、俺はあきらを窮地に追い込んで、その上、麻生さんもみすみす犠牲にしてしまったってわけか。人助けが鬼の仕事というのに、これじゃとんだ疫病神だ) 先程と同じように自分に関わる人たちの顔が脳裏に浮かぶ。しかし、もう響鬼に力を与えてくれることはなかった。 (サバキさんは最後の最後まで戦って、人助けをして死んだんだ。それなのにサバキさんが命がけで救った純子さんを俺は救うことが出来なかった。 ザンキさんだって、きっと人助けをして死んだ。それに比べて俺は、騙され、人を助けるどころか、犠牲にしてばかり。結局、俺は誰ひとり救えないまま、死ぬのか。 ……いや、それもいいかも知れない。中途半端に鍛えた俺が人を助けようとしても、結局、不幸にするだけ。それならここで死ぬ方が一番の人助けだ) 響鬼の心を絶望の闇が支配する。一切の望みを捨て、生きることすら望まないその心はまさに闇。だが、光が失われたわけではない。 人助け。 響鬼の生きる意味ともいうべき、それが心から消えない限り、仮面ライダーである資格は失われない。 その証に、響鬼の心に惹きつけられ、一匹の生物が響鬼の手に飛来する。 (ディスクアニマル?いや、これは麻生さんの……) ホッパーゼクター。主人を選ぶ、そのゼクターに選ばれたことは、その証。 ドラスと冴子の意識は響鬼から逸れていた。手負いの獲物などいつでも殺せると思っているのだろう。 その隙をついて、響鬼は立ち上がると、床に転がるベルトの元に飛んだ。 (俺は光をもたらすことは出来ない。だが、少しでも光に近づくことが出来れば) 響鬼はベルトを巻くと、鬼への変身を解除する。それと同時にホッパーゼクターをベルトにはめ込んだ。 ―HENSHIN― 電子音が鳴り響き、ヒビキの身体を銀色の装甲が包んでいく。装甲が形作るのは新たなるライダーの姿。 キックホッパーと同様の姿をしながら、銀の複眼と装甲を持ち、左脚ではなく、右腕にアンカージャッキーを装備する。 その姿の名が、変身が完了すると同時に高らかに鳴り響く。 ―Change Punch Hopper― 「キックホッパー?麻生くんのベルトを使って変身したというの?」 「違う。この姿は……パンチホッパー。闇の中でも光を信ずる、仮面ライダーパンチホッパー」 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。そうこなくちゃね、お兄ちゃん」 好敵手の誕生に冴子は恐れ、ドラスはまた笑う。 パンチホッパーはそんなドラスに向き合い、ベルトのレバーを上げた。 ―Rider Jump― パンチホッパーは飛んだ。高く、ひたすら高く。パンチホッパーの狙いはドラスでも、冴子でもない。 ―Rider Punch― 強化された拳が天井を突き破る。その勢いのまま、パンチホッパーは天井裏へと入った。 「今はまだお前たちとは戦わない。だが、必ずお前は俺が倒す」 ―Clock Up― パンチホッパーは加速すると天井裏を通り、その場から去っていった。 「逃がさない」 追おうとする冴子をドラスは静止する。 「追わなくてもいいよ、冴子お姉ちゃん。もう時間だから」 その言葉と同時に赤かったドラスの身体は通常時の鋼色の姿へと戻る。 「力を発揮できるのは10分だけ。その制限は変わらないんだ。だから、冴子おねえちゃん。首輪を外す方法、早く見つけてね」 ドラスは自分のディパックの中から首輪を冴子に渡す。恐らく園田真理のものだろう。 「ありがとう。でも、危なかったわね。あのまま戦いが続いていたら、ヒビキくんに負けてたんじゃない」 暗に今ならドラスを殺せるという意味も込めて、冴子は言う。だが、ドラスに動揺した様子は見えない。 「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ。例え制限があったって、僕が負けることはないよ。だって、僕は神になる究極の生命体なんだから」 聞きようによってはハッタリとも取れるその台詞。だが、冴子はそれが真実だと感じていた。 (この子は本当にそんな状態になっても負けない。この子にはやり遂げるだけの力を秘めている) 冴子の身体が震える。それはドラスのという存在への恐怖と、それに出会えたことの喜び。 (本当は利用するだけのつもりだったけど、この子なら私に永遠を与えてくれるかも知れない。……この子は本当に神になる!) 一歩、神へと近づいたドラス。それに付き従う人間は、他の人間を絶望に染めて、神のそばへと寄り添おうとしていた。 【麻生勝 死亡?】 残り35人 【ドラス@仮面ライダーZO】 【1日目 現時刻 日中】 【現在地:市街地D-6エリア】 [時間軸] 仮面ライダーZOとの戦闘で敗北し死亡した直後 [状態] 健康。 [装備] 怪魔稲妻剣、GM-01改4式(弾数残りわずか) [道具] 首輪(麻生勝)。配給品一式×3(ドラス、立花藤兵衛、麻生勝)。 ラウズカード(ダイヤの4、8。クラブの7。ハートの3、4、7。スペードの4)。拡声器。 [思考・状況] 1:とりあえず休憩。 2:望月博士なしで神になる方法を考える。 3:首輪を外しこの世界を脱出する。 4:首輪の解除のため、冴子を利用する。 5:他の参加者は殺す。ただし、冴子には興味あり。 6:可能ならこの戦いに関する情報を得る。 [備考] ※1:ドラスの首輪は胴体内部のネオ生命体本体に巻かれています。(盗聴機能は生きています) ※2:ドラスはドクトルG、ヨロイ元帥、ジェネラルシャドウ、マシーン大元帥の情報を得ました。 ※3:麻生は首輪が外れたため、死亡扱いになりましたが、ドラスの中で生きています。 ただし、ドラスが死ぬと麻生も死にます。 ※4:赤ドラス化は能力発揮中のみ使用可能です。通常時は普通のドラスに戻ってしまいます。 【影山冴子@仮面ライダー555】 【1日目 現時刻 日中】 【現在地:市街地D-6エリア】 [時間軸] 本編最終話あたり [状態] 肩にかなりの深さの裂傷。2時間は変身不可。 [装備] なし [道具] 首輪(園田真理)。アドベントカード(SEAL)。配給品一式。 [思考・状況] 1:生への執着。ドラスくんなら、自分の望みを叶えてくれる? 2:ドラスくんとの取引にのり、首輪の解除方法を探す。 3:あきらと巧に復讐。 【日高仁志@仮面ライダー響鬼】 【1日目 現時刻 日中】 【現在地:市街地D-6エリア】 [時間軸] 四十一乃巻。明日夢と桐矢を弟子にした後。 [状態] 軽いやけど。左眼に深い傷(失明?)。2時間は鬼、パンチホッパーへの変身不可。 [装備] 音撃鼓。音撃棒×1。変身音叉・音角。ホッパーゼクター&ホッパー用ZECTバックル。 [道具] 配給品一式。 [思考・状況] 1:麻生の仇をとるため、ドラスの打倒策を練る。 2:人質にとられている少年とあきらを助ける。 3:裁鬼と斬鬼の仇をとる。 4:ゲームから脱出する。 5:知り合い以外の参加者全員に不信感。 [備考] ※1:シャドームーンを魔化魍、もしくは闇に堕ちた鬼だと思っています。 ※2:草加達にも若干の疑念が生まれました。 ※3:HONDA XR250は制限により、あらゆる能力で変化することが出来ません。 ※4:あきらを連れ去ったウルフオルフェノクを敵と認識しています。 ※5:首輪の制限により、24時間は紅に変身できません。
https://w.atwiki.jp/nicinicoygo/pages/66.html
遊戯王×ホットペッパー ゴッズのホットペッパー 初代のホットペッパー 細かい部分まで凝っているのでよく見るべし! 遊戯王でホットペッパーその2 遊戯王でホットペッパーその3 ホットペッパー ver.蟲野郎その2 ホットペッパー ver.蟲野郎その3 ホットペッパー ver.蟲野郎その4 ホットペッパー ver.蟲野郎その5 ホットペッパー ver.蟲野郎その6 ホットペッパー ver.蟲野郎その7 ▲
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/9463.html
超次元パーフェクト・ホール 5文明 レア コスト8 呪文 ■相手のクリーチャーを1体破壊する。 ■山札の上から1枚目を裏向きのままシールドゾーンに加える。 ■コスト12以下のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。 (ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札に含めず、自分の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す) 作者:ボーヴァス=ホッパー 時空の奇跡パーフェクト・アース/星の覚醒者パーフェクト・ビッグバンによる時空の奇跡パーフェクト・アース/星の覚醒者パーフェクト・ビッグバンのためのカードです 評価 場取るゾーンを修正しときました。 -- ペペロン (2011-01-23 19 50 27) ぺペロンさん、ありがとうございますm(__)m -- ボーヴァス=ホッパー (2011-01-23 19 52 54) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sentai-soubi/pages/7368.html
『仮面ライダーガッチャード』内で、ライダーが怪人などを倒す決まり手となった技の一覧。 【登場話】 【怪人名】 【仮面ライダーなど】 【決まり手】 第1話 マンティスマルガム 仮面ライダーガッチャード スチームホッパー スチームホッパーフィーバー 第2話 スケボーマルガム 仮面ライダーガッチャード スチームホッパー スチームホッパーフィーバー 第3話 ポイゾナスマッシュルームマルガム 仮面ライダーガッチャード アッパレスケボー アッパレスケボーフィーバー 第4話 サブマリンマルガム ヴァルバラド ゲキオコプターカスタム ヴァルバラブレイク アンツマルガム(クイーン) 仮面ライダーガッチャード アッパレスケボー アッパレスケボーフィーバー 第5話 ゴリラマルガム 仮面ライダーガッチャード アントレスラー アントレスラーフィーバー 第6話 ホークマルガム 仮面ライダーガッチャード バーニングゴリラ バーニングゴリラフィーバー 第8話 ドラゴンフライマルガム 仮面ライダーガッチャード ニードルホーク ニードルホークフィーバー 第10話 ジャングルマルガム 仮面ライダーガッチャード ゴルドメカニッカー ゴルドメカニッカーフィーバー バッテリーマルガム(1体目) 仮面ライダーガッチャード ヒーケスローズ ヒーケスローズフィーバー バッテリーマルガム(2体目) 仮面ライダーガッチャード ゴルドメカニッカー トルネードアロー(アッパレブシドー) 第11話 スパイダーマルガム(1体目) 仮面ライダーガッチャード スチームホッパー ガガガガッチャージバスター(レンキングロボ+バレットバーン+サボニードル) スパイダーマルガム(2体目) 仮面ライダーガッチャード ライトニングジャングル ライトニングジャングルフィーバー 第13話 仮面ライダードレッド零式 仮面ライダースーパーガッチャード クロスユーフォーエックス ユーフォーエックスシャイニングフィーバー 第15話 クローバーマルガムバンブーラフレシアミクスタス 仮面ライダースーパーガッチャード クロスエックスレックス エックスレックスシャイニングフィーバー 仮面ライダードレッド零式(クロトー) 仮面ライダースーパーガッチャード クロスエックスレックス エックスレックスエクストラッシュ 第16話 オロチマルガム 仮面ライダースーパーガッチャード クロスユーフォーエックス ユーフォーエックスシャイニングフィーバー 第17話 ヴァルバラド トライカスタム 仮面ライダードレッド零式(ミナト) (ドレッドブレイキング) 第18話 ムーンマルガム 仮面ライダーファイヤーガッチャード スチームホッパー スチームホッパーバーニングフィーバー 第19話 ケルベロスマルガム 仮面ライダーマジェード サンユニコーン サンユニコーンノヴァ 第21話 エンジェルマルガム 仮面ライダーヴァルバラド オロチショベルカスタム ヴァルバラドクラッシュ 第22話 マンティスマルガム(金色)サーベルタイガーマルガム 仮面ライダーヴァルバラド エンジェコプターカスタム ヴァルバラドクラッシュ 第23話 マンティスマルガムサーベルタイガーミクスタス 仮面ライダーマジェード ムーンケルベロス仮面ライダーファイヤーガッチャード スチームホッパー ムーンケルベロスノヴァスチームホッパーバーニングフィーバー 第25話 プテラノドンマルガム 仮面ライダーアイアンガッチャード アイアンナックル ゴリラマルガムラフレシアミクスタス 仮面ライダーマジェード サンユニコーン仮面ライダーヴァルバラド サンユニコーンノヴァヴァルバラドクラッシュ 仮面ライダードレッド壱式(ミナト) 仮面ライダーアイアンガッチャード アイアンナックルフィーバー(ワープテラ追加) 第26話 ドラゴンマルガム 仮面ライダーウインド ブラックバハムート ブラックバハムートビッグバンノヴァ 第27話 マンティスマルガム(レプリカ) 仮面ライダーマジェード サンユニコーン サンユニコーンノヴァ バッテリーマルガム(レプリカ) 仮面ライダーヴァルバラド ヴァルバラドクラッシュ 仮面ライダードレッド参式(グリオン) 仮面ライダープラチナガッチャード プラチナシュート 第28話 カラカサオバケマルガムフェアリーマルガム 仮面ライダープラチナガッチャード プラチナシュートフィーバー(オドリッパ+レスラーG) 第29話 キュウビマルガム 仮面ライダープラチナガッチャード プラチナシュートフィーバー(マーキュリン+キンキラヴィーナ+グランドサターン+ジュピッタ+ファイヤマルス) 第31話 マンモスマルガム 仮面ライダーマジェード ムーンケルベロス仮面ライダープラチナガッチャード ムーンケルベロスノヴァプラチナシュートフィーバー(インフェニックス) クラーケンマルガム 仮面ライダーマジェード サンユニコーン仮面ライダープラチナガッチャード サンユニコーンノヴァプラチナシュート 第32話 アノマロカリスマルガム 仮面ライダーガッチャード スチームホッパー スチームホッパーフィーバー カッシーン(アルファ) 仮面ライダードレッド弐式(クロトー)仮面ライダープラチナガッチャード ドレッドブレイキングプラチナシュートフィーバー(カイザービー+カリュードス)
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/154.html
ここは街のとあるドーム。普段はここで野球の試合やイベントが開催されたりしている。 「俺は絶対に頂点に君臨してやるんだ!」 茶髪の男が大きな声で叫び、力強く手摺りを殴り付ける。 「うおああああああああああああッッ!!」 そして大声で咆哮した。 彼の名前は小林義雄。ラビットオルフェノクとして覚醒し、ラッキークローバーに入るチャンスを手に入れた男だ。 コツッ コツッ コツッ コツッ そんな義雄の耳に聞こえてくる足音。 「(なんだ!?)」 義雄は足音の方向を見る。 そこに立っていたのは以前戦った事がある、黒いライダー。 漆黒のボディに黄色いダブルストリームが印象的なライダー、カイザだ。 義雄はカイザを見るなりすぐに右手をパチンッ!と鳴らし、ラビットオルフェノクに変身。 カイザのベルトを奪えば、ラッキークローバーに入れる確率が上がるかもしれない。 すぐにカイザへと走っていくラビット。 この時、カイザは自分の右足に『カイザポインター』をセットしていたが、ラビットはそれを特に気にしなかった。 「(俺は……なんとしても頂点に立たなくちゃいけないんだ!)」 ラビットはカイザに攻撃を仕掛けるが、カイザには当たらない。 「…………!」 それどころかカイザは黙って何発もラビットを殴り付ける。 「うわッ……!」 反動で吹っ飛ぶ。だが、何としても負けたくない。絶対に…… ラビットはもう一度カイザに突進するが…… 「せやッ!!」 カイザに攻撃が届く事は無く、右足で腹部に重たい蹴りを入れられる。 「ぐ……」 蹴りの重みに悶えるラビット。しかし、カイザがオルフェノク相手に容赦するはずが無い。 『Exceed Charge(エクシードチャージ)』 次の瞬間、カイザの右足から放たれた光弾を零距離で受けたラビットは そのまま数メートル飛ばされ、さらに全身に黄色い光が現れる。 「(う、動け無い……!)」 動きを封じられたラビット。 そして目の前には黄色く光り輝く円錐と、飛び上がったカイザの姿。しかも足が光り輝いている。 まずい、殺される。 ラビットが最期に見た物は、自分の体にカイザごと円錐が減り込んでいく姿だった。 こうして、義雄は若くして二度目の人生を終えた。彼は人間を誰一人として殺しはしなかった。 だが、そんな事はカイザの知った事では無い。オルフェノクである事自体が罪なのだ。 義雄の体は、浮かび上がった「Χ(カイ)」の紋章と共に灰化し、消滅していった。 そして彼が願った、「ビッグになりたい」という夢も永遠に叶う事は無くなったのであった…… Extra ACT.02「エゴイスト」 「……兄貴。」 「起きたか、相棒。」 影山瞬は今日も路地裏で目を覚ました。 目の前にいるのはこの世界の誰よりも信用がおける男、矢車想だ。 「悪い夢でも見てたのか、相棒?うなされてたぞ」 「ううん……何でも無いよ、兄貴。」 元気そうに立ち上がる影山。 「……そうか。行くぞ。」 「うん、兄貴!」 「フ……」と笑い歩き始める矢車。影山も嬉しそうに矢車の後をついていく。 草加雅人は今日も店先で愛車、『サイドバッシャー』を洗う事に専念していた。 毎日草加に洗車され、サイドバッシャーもピカピカと美しく輝いている。 「草加さん、ちょっとこっち手伝って貰いたいんだけどいいかな?……たっくんも真理ちゃんもまたどっか行っちゃって……」 そうしていると、店から出てきた啓太郎が困った顔をしながら草加に話し掛けてくる。 「ああ、分かった。これが終わったらすぐ行くよ」 草加は爽やかな笑顔で啓太郎の肩を叩く。 「ありがとう、草加さん!」 「気にする事は無い。……それにしても本当に困った奴だな、乾君は。今度俺から言っておくよ」 草加はそのままニコッと微笑んだ。典型的ないい人の笑いだ。 啓太郎も「助かるよ」などと言いながら笑顔で店へ戻っていく。 「…………。」 そして啓太郎が店に入って見えなくなってから、草加は黙って振り向いた。 「真理が乾と……二人でだとぉ……!?」 さっきまでとは別人のような恐ろしい表情で洗車に使っていたホースを握りしめる。そうすることで水が飛び散る……。 「こうしてショ・ミーンの生活に馴染むというのもいいものだな!」 「あはは……そうだね。」 剣はショ・ミーンと同じ生活をするために、フェイトと一緒に下校していた。 ちなみにもう太陽も落ち始めており、なのは達とはすでに別れた後だ。 しかし…… 『ワームの出現を確認しました』 「え!?」 バルディッシュの声に反応するフェイト。またワームが現れたというのだ。 そして地面からサソードゼクターが現れ、剣はそれを掴みとる。 「ワームか……行くぞ!」 「うん!」 二人は同時に走り出す。 「坊ちゃま……」 そんな二人を影から心配そうに見守るじいや。じいやには剣のことで色々と心配な事があったからだ……。 「はぁ!ふん!てやぁっ!」 数分後、海鳴市の公園でサリスを片っ端から斬り付けていくサソード。斬られたワームは爆発してゆく。 一方、この群れのボスである赤いワームの相手はソニックフォーム・フェイトが引き受ける。 『Haken Saber.』 「はぁッ!」 バルディッシュの魔力刃を飛ばし、敵の『キュレックスワーム』にぶつける。 飛ばした魔力刃は全弾命中。のけぞるキュレックスワーム。 「まだまだッ!」 キュレックスワームが怯んだ隙に、姿を消すフェイト。ソニックムーブだ。 「死神様のお通りだぁッ!」 「……!?」 次の瞬間、キュレックスワームの目の前に現れたフェイトは力一杯に光り輝く鎌を振るう。 そしてまた消え、今度はキュレックスワームの背後に現れ、また斬り付ける。 一瞬現れ、夕闇に輝くバルディッシュが黒い死神を彷彿とさせる。 フェイトはあらゆる角度からワームを斬りまくる。斬って斬って斬りまくる! 「これで……!」 そしてフェイトは距離をとり、左手を構えた。これで最期にするつもりだ。 しかし…… 「や、止めてくれ!」 「……え!?」 キュレックスワームは人間の姿に戻り、命乞いを始めたのだ。フェイトもとバルディッシュを降ろしかけるが…… 「騙されるな、フェ・イート!!」 「……!?」 サリスを斬りながら叫ぶサソード。にしても、また変な呼び方しやがって…… 「そいつらは殺した人間の記憶を利用するんだ!その命乞いもタチの悪い演技に過ぎん!」 「……そんな!?」 驚くフェイト。しかし、油断した隙に既にキュレックスワームはフェイトに接近していた。 「……な!」 「そうさ。俺達ワームに殺された人間は永遠に俺達の中で生き続けるんだ。」 フェイトの首をつかむキュレックスワーム。ワームは演技でフェイトを油断させ、その隙にトドメを刺すつもりだったらしい。 「……な!?」 「死ねぇ……!」 フェイトの首を掴む手に力を入れるキュレックスワーム。 「許さ……ない」 「……何!?」 しかし次の瞬間、キュレックスワームの手の力が弱まる。怒りの篭った目でワームを睨むフェイト。 キュレックスワームの腹にバルディッシュ・ザンバーの刃が突き刺さっているのだ。 そして手が離されると、もう一度距離をとり、バルディッシュはカートリッジを3発ロード。 『Trident Smasher.』 「トライデントスマッシャー!」 フェイトの左手から現れた魔法陣から三本の閃光が放たれ、キュレックスワームを飲み込んだ。 「(死んだ人は、帰ってこないんだよ……)」 爆発した緑の炎を眺めながら、フェイトは悲しげな表情をする。 「って、あれ……剣……?」 そしてフェイトは周囲を見回すが、既にサソードの姿は無かった。先に帰ったのだろうか。 「……帰ろうか、バルディッシュ」 『Yes,Sir』 人通りの少ない夜道を、サイドバッシャーが駆け抜ける。乗っているのは言うまでもない、雅人だ。 「…………!?」 するとサイドバッシャーの目の前に突然白い怪人が現れる。 「……オルフェノクか。」 サイドバッシャーを止め、ヘルメットを外す雅人。相手は白い体に、サソリのような姿をしている。 配色はオルフェノクに似ているが……? 『Standing by(スタンディングバイ)』 「変身。」 雅人は携帯型変身ツール『カイザフォン』をカイザドライバーに差し込み、押し倒す。 『Complete(コンプリート)』 雅人が両手を広げると同時にベルトから全身に黄色のフォトンストリームが伸びる。 『Ready』 そして次にカイザブレイガンにミッションメモリーをスロットイン。ブレイガンから黄色く輝くフォトンの刃が現れる。 「お前……オルフェノクか?」 攻撃する前に相手に確認するカイザ。もちろん返事が返ってくる事は無いが…… 「ま、どうでもいいか……ッ!」 一気に接近、相手を斬り付けるカイザ。だが並のオルフェノクとは違うらしく、あまり効いていないようだ。 この相手の名前はスコルピオワームというが、カイザにとってはどうでもいい。どうせ倒すのだから。 そしてスコルピオワームを斬りまくるカイザ。 「これで終わりにしてやるよ」 言いながらスコルピオワームに向けたブレイガンのレバーを引く。 「……ッ!?」 しかし、ロックオンする前にカイザの手に何かがぶつかり、ロックオンは失敗。さらにワームには逃げられてしまう。 「……誰かな?」 怒りの込もった声で振り向くカイザ。そこにいるのはホームレスのような姿をした二人。 二人のうち、髪の毛が長い方の男-影山-が一歩前に出る。 「ねぇ兄貴……あいつは俺にやらせてよ」 「…………。」 黙って影山を見る矢車。 「何だかわかんないけど、あいつは俺が倒さなくちゃならない気がするんだ……」 「……いいだろう。笑って貰おうぜ?」 「ああ、兄貴……!」 笑いながら言う矢車。影山はホッパーゼクターを持ってゆっくりとカイザに接近。 「変身……。」 『Change PunchHopper(チェンジ、パンチホッパー)』 影山はパンチホッパーに変身完了し、大きな溜め息をつく。 一方カイザも溜め息をつきながら自分の首を触る。 「キミ……何のつもりかな?」 「ムカつくんだよ……」 「はぁ?」 訳もわからずに首をかしげるカイザ。一方パンチホッパーは既にカイザに向かって走り出していた。 「おりゃあッ!!」 「……ッ!」 パンチホッパーの重たいパンチをブレイガンで受けるカイザ。ちなみに既にミッションメモリーは抜いている。 「クソ……!」 カイザはすぐにパンチホッパーの手を払い、ブレイガンのレバーを引く。 『Burst Mode(バーストモード)』 「チッ……!」 近距離でブレイガンから放たれた光弾に命中し、ガードの姿勢をとりながら後退していくパンチホッパー。 見た所パンチホッパーは接近戦重視のライダーだ。ならば近付けさせなければいい。 『Burst Mode(バーストモード)』 今度はカイザフォンを外し、コード「1→0→6→Enter」を入力。ブレイガンとフォンブラスターを構え、交互に撃ちまくる。 「う……ぐ……!」 それなりの威力を誇るカイザの銃撃に防戦一方となるパンチホッパー。 カイザは連射しながらゆっくりと接近してくる。 しかし…… カチッ カチッ 「チッ……弾切れか」 ブレイガンもカイザフォンも総弾数は12発。さらにバーストモードのカイザフォンが一発で発射する 弾数は3発。つまり、カイザフォンの方は4回発射すれば弾切れを起こす事になる。 「今だ……!」 『Ready』 これを好機とみたパンチホッパーは一気に走り出し、カイザとの距離をつめる。 カイザの方はそれに対抗する為、再びミッションメモリーをスロットイン。ブレイガンをブレードモードにする。 「うおおおおッ!!」 カイザに殴り掛かるパンチホッパー。カイザはパンチホッパーの左フックをブレイガンで受けるが…… 「(な……軽い!?)」 予想していた程の威力が無い。 「……まさか!」 次の瞬間、カイザは顔面に凄まじい威力の右ストレートを受けていた。左はフェイントだったということだ。 「クソ……!」 よろよろと立ち上がるカイザ。一発のパンチが重い。あまり受け続ける訳には行かない。 「……はぁっ!」 再びブレイガンを構え、パンチホッパーに振り下ろす。 「……ぐぁッ!」 パンチホッパーの左肩に振り降ろされたブレイガン。カイザはやったかと思ったが…… 「おおりゃああああッ!!」 「ぐぁ……!?」 その状態のままカイザの頭と腹にパンチホッパーのパンチが直撃する。 腹の方は空いた左腕で少しはクリーンヒットを避ける事ができたが、顔面に入ったパンチは相当な威力だ。 「(コイツ……戦い方が目茶苦茶だ……!)」 カイザは今までこんな相手と戦った事が無かった。自分のダメージを気にせずに攻撃を続けるとは。 影山もザビー時代は正統派ボクシングスタイルで戦っていたが、今は違う。力任せに殴りつける。殴って殴って殴りまくる。 それがパンチホッパーの戦い方だ。 カイザはミッションメモリーを抜き、ブレイガンを腰に戻す。こいつ相手にブレイガンは役に立たない。かえって邪魔だ。 カイザもアウトボクシングスタイルをとり、パンチホッパーに接近、そのままパンチを放つ。 雅人は大学ではボクシングの部を任された事もあった。それなりの自信はある。 「おりゃあッ!!」 「……フン!」 パンチホッパーはまた力強く右ストレートを放つが、カイザはそれを受け流し、カウンターを入れる。 「クッ……!」 負けじと再びパンチを放つホッパー。 二人はしばらく殴り合う。お互いにパンチが入ったり弾かれたりと、一歩も引かない。 「楽しそうだな……相棒」 矢車もパンチホッパーを見て「フ……」と笑いながら言う。この笑いにどんな意味が込められているかは不明だが…… 「(そろそろか……)」 カイザは最後にパンチホッパーのパンチを受け流し、距離を取る。そして腰から取り出したのはカイザポインターだ。 『Ready』 そしてそれを右足にセットする。 「(そうだ……アレだ!あの黄色いキック!)」 パンチホッパーもカイザポインターの意味に気付き、一気にカイザへと走り出す。 「せやぁッ!」 『Exceed Charge(エクシードチャージ)』 パンチホッパーは自らカイザの蹴りを受け、カイザポインターから発射された光弾に拘束される。 「はあぁッ!!」 飛び上がるカイザ。パンチホッパーの目の前に現れた円錐。黄色く輝くカイザの両足。 「うおおおおおおおッ!!」 パンチホッパーは全力で右腕の拘束を解き放ち、赤く輝くパンチを円錐に撃ち込む。 「……何!?」 「うおおおおッッ!!」 そしてカイザは円錐の中に入り、両足でのゴルドスマッシュとパンチホッパーの赤く輝く右ストレートがぶつかり合う。 凄まじい衝撃だ。周囲も赤と黄色の光に照らされる。そして…… 「「うわぁッ……!!」」 二人はお互いに吹っ飛び、地面に転がる。 「大丈夫か、相棒?」 「うん。これで……決める!」 『Rider Jump(ライダージャンプ)』 ゼクターレバーを倒し、飛び上がるパンチホッパー。矢車も最初は少しだけ心配した顔をするが、すぐに元の表情に戻る。 「チッ……!」 『Ready』 飛び上がるパンチホッパーを見たカイザは、対抗するために今度は右手にカイザショットを装着する。 『Rider Punch(ライダーパンチ)』 『Exceed Charge(エクシードチャージ)』 パンチホッパーは再びゼクターレバーを押し倒し、カイザはカイザフォンのEnterボタンを押す。 そしてパンチホッパーの右腕は再び赤く光り輝き、カイザはベルトからフォトンストリームを通してカイザショットへと光を送る。 「うおおおおおおッ!!」 「せやぁッ!!!」 ぶつかり合うライダーパンチとグランインパクト。再び凄まじい衝撃がお互いの体を走る。 しかし、仮面の下で笑ったのはカイザの方だった。僅かにこちらが押している。 そして、カイザの思惑通りパンチホッパーは押し返されてしまう。 ……はずだった。 「何ッ!?」 パンチホッパーはカイザと拳をぶつけ合ったままもう一度飛び上がったのだ。 そして右腕に装備されたアンカージャッキがガシャンと音をたてて作動。 「落ぉおおおちろおおおおッッ!!!」 次の瞬間、パンチホッパーは何発ものライダーパンチをカイザに打ち込んだ。 カイザは一回のエクシードチャージにつき一発のグランインパクトしか打てない。 対してパンチホッパーのライダーパンチは一回タキオン粒子をチャージすれば アンカージャッキの効果により何発もライダーパンチが打てるのだ。 「うわぁああああああああッッ!!」 大きな声と共に吹っ飛んだカイザは、近くの壁にたたき付けられ、地面に落下。 同時に腹に巻いたカイザドライバーも外れ、強制的に変身は解除される。 「クッ……貴様……!」 地面を這いつくばり、悔しそうな目でパンチホッパーを睨む雅人。 パンチホッパーは「はぁはぁ」と息を切らしながらも雅人を見下ろし、同時にホッパーゼクターがベルトから離れる。 「相棒……やっぱりお前は最高だ……」 「兄貴こそ……」 そう言い、矢車は息を切らした影山に肩を貸し、歩き始める。 雅人はなんとかカイザのベルトを掴み、ボロボロになりながらも二人を睨む。 だが二人がこちらに振り向く事は無く、そのまま黙って夜の闇に消えていった……。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/bngc145/pages/140.html
英名 Dusty Crophopper 種類 飛行機 装備 農用噴霧器 性別 男性 目の色 青色 馬力 680 声優 瑛太? 概要 白とオレンジ色と農薬散布用飛行機。プロップウォッシュ・ジャンクションに住んでいる。翼幅は23フィート(7メートル)。 夢はレーサーであるが、レッドボトムをはじめ周囲からは「農薬散布機がなれるわけない」とバカにされ続けてる。また、高所恐怖症というレーサー飛行機としては致命的な弱点がある。本人曰く「ダスティという名前はほこりっぽいという意味であるが、自身は清潔」とのこと。 エピソード 『プレーンズ』 農場で農薬散布するばかりの毎日に飽き飽きしており、自分がレーサーになっている妄想を見ている。共に肥料散布をしているレッドボトムに「農薬散布機はレーサーになれない」と笑われる。仕事が終わると友人の燃料トラック・チャグと共にレース訓練をしている。世界一周レースの予選に出場する前に海軍ジョリー・レンチ隊の元教官スキッパー・レイリーにコーチになってもらおうと頼み込むが拒絶されてしまう。 ネブラスカ州リンカーンで行われる世界一周レースの予選に「ストラット・ジェットストリーム」という名称で出場。チャンピオンのリップスリンガーや彼の部下のネッドとゼッドには笑われるが奮闘を見せるものの、惜しくも予選落ちとなる。 落ち込むダスティの元に世界一周レースのスタッフ・ローパーから予選5位のフォン・ザ・レッリが違法燃料を使用したため失格となり、ダスティが繰り上げで予選進出となったことを伝えられる。ダスティが頑張っている様子を見たスキッパーはアドバイスをするようになり、翌日から特訓を始めるようになる。特訓の途中でダスティは高所恐怖症という弱点が判明する。その為、高所を飛ばずに低空弾丸飛行とアクロバット飛行を使うことにする。訓練を積み、ダスティは目標値を超えることに成功する。 レース会場に行くと、イギリス代表のブルドッグ、アジアチャンピオンのイシャーニ、世界一周レース4連覇を狙っているリップスリンガーと出会う。そして、メキシコ代表で屋内レースチャンピオン・エル・チュパカブラと友達になる。 第1ステージ(ニューヨーク→アイスランド)では最下位でゴール。遅れてゴールインしたことからリップスリンガーにバカにされてしまう。スキッパーたちから「障害物コースのため、順位を上げるチャンス」とアドバイスを貰う。 第2ステージ(アイスランド→ドイツ)、オイル漏れトラブルで視界不良となったブルドッグを助ける。結果的に最下位でゴールするが、ブルドッグからは感謝される。リップスリンガーは「君はいいヤツだ。いいヤツは勝てない」と嫌味を言ってくる。ダスティの数少ないファンであったフランツ/フォン・フリーゲンホーセンから農薬散布タンクを外したほうがいいとアドバイスを受ける。 第3ステージ(ドイツ→インド)では多くのレーサーがエンジントラブルに見舞われるところ、ダスティは順位を上げていき注目を集める。しかし、リップスリンガーから妬まれることになる。スキッパーから「次のコースは山が危険だから上に行け」と警告される。だが、イシャーニからは鉄道線路の飛行を勧められる。 第4ステージ(インド→ネパール)ではイシャーニから勧められたコースを走るが、トンネルの出口で機関車のプラマスと衝突しかける。ダスティは死を覚悟したが、1位でゴールする。だが、イシャーニがリップスリンガーに買収され、わざと線路のコースを勧めてきたことに気づき、激怒する。 第5ステージ(ネパール→中国)では1位を守り続け、「世界中の労働者のヒーロー」となる。夜、エル・チュパカブラが日本のレーサー・サクラに猛アタックするが失敗、ダスティは彼を手助けする。その結果、見事アプローチに成功する。 第6ステージ(中国→メキシコ)でリップスリンガーの手下であるネッドとゼッドがダスティのGPSアンテナを破壊してしまい、太平洋で迷子になる。燃料切れ寸前、戦闘機のブラボーとエコーが助けてくれ、空母艦・ドワイト・D・フライゼンハワーで燃料補給することができた。フライゼンハワーにはジョリー・レンチ隊の歴代の隊員と記録が刻まれた「記念の壁」でスキッパーを見つけるが、戦歴が一つしかない。ダスティは戦歴が嘘であったことにショックを受けるが、嵐が接近しておりすぐに飛び立たなければならない。急いでフライゼンハワーを飛び立つも、海面に接触してしまい墜落する。救助されたダスティは翼が折れ、飛ぶことができなくなってしまう。スキッパーは訓練飛行中に敵艦隊との遭遇し、訓練生をすべて失い、ショックで飛べなくなってしまった過去を語る。 落ち込むダスティにドッティとチャグは元気づけ、エル・チュパカブラや他のレーサーたちが部品をプレゼントする。皆の協力があってダスティは最終第7ステージ(メキシコ→ニューヨーク)に復帰することができた。 リップスリンガー、ネッドとゼッドはダスティを妨害しようとするが、スキッパーが助けに入る。ネッドとゼッドはダスティを追尾するが、岩に挟まって脱落する。リップスリンガーはスキッパーの尾翼を壊し、1位へと進む。ダスティは高所恐怖症を克服する。ゴール直前にリップスリンガーはカメラ側に傾けるという癖を突かれ、敗北する。1位となったダスティは仲間や観客たちから祝福を受ける。 ダスティとスキッパーはフライゼンハワーに乗船しており、ダスティがジョリー・レンチ隊の名誉隊員となり、レンチ隊のカラー塗り替えられる。ダスティとスキッパーは空高く飛び、「プロップウォッシュ・ジャンクションまで競争しよう」と言ったところで物語が終わる。 『プレーンズ2 ファイヤー&レスキュー』 ダスティはその後も数々のレースで輝かしい成績を収め有名レーサーとなる。プロップウォッシュ・ジャンクションで年に1度行われる「コーン・フェスティバル」に出席することになるが、スキッパーと遊覧飛行している時、エンジンが止まるというトラブルに見舞われる。ドッティが調べると減速ギアボックスが故障、最高速度を出すと墜落する危険があることが判明、またギアボックスが既に製造中止になっており、実質レーサー生命を絶たれてしまう。やけになったダスティは夜間飛行するが着陸に失敗してしまい、ガソリンスタンドで火災を起こしてしまう。消防車のメーデーが消火にあたるが、ホースは水漏れで消化ができなくなる。仲間と協力して給水塔を倒すことで鎮火する。翌日、TMST(とんだ問題さあ大変輸送管理安全チーム)が調査、古すぎる整備、消防士の不足など安全面の問題が浮上したため、空港が閉鎖されてしまう。「コーン・フェスティバル」の開催も危ぶまれ、責任を感じたダスティは消防士の資格を取ることにする。ダスティはピストン・ピーク国立公園レスキュー隊のブレード・レンジャーに訓練してもらうことになる。 ピストン・ピーク国立公園に到着するとレスキュー隊のリル・ディッパー、ウィンドリフターたちと出会う。山火事が発生、ダスティも見学に行くことになるが、消火剤を被ってしまう。ブレードはマルーに命令、ダスティを改造する。彼らはオーガリン・キャニオンの谷で訓練を行う。ダスティはギアボックス速度制限を守りながらも訓練を積んでいく。水をすくってタンクに入れる、日没からちょうど30分後に地上にいる必要があることなど様々な事を学ぶ。ある日、チャグたちから「ギアボックスが見つかった」という連絡が入る。その直後、公園の園長のキャド・スピナーがやってくる。しかし、ダスティを「リップスリンガー」と間違える。明日の夜、ロッジでのパーティーに来るように言われる。ブレードはロッジの利益を優先しレスキュー隊の資金の8割を流用していることを指摘するが、あしらわれてしまう。その夜、ブレードの過去を知ることになる。ブレードは元俳優で『白ヘリ野郎ブレード ニック』というドラマに出演してたことを知る。 落雷による火災が発生、ブレードはダスティを留守番させようとするが、ティッパーとウィンドリフターの説得もあり、つれていくことにする。ダスティは火に囲まれたパラシュート隊を助けるが、ブレードの命令を無視した行動のため注意を受ける。 ダスティたちはロッジのパーティーに出席する。ハーヴィとウィニー夫婦と出会い、皆それぞれの過去について熱く語る。翌朝、チャグから見つかったギアボックスがダスティには使えないことを告げられる。その直後、再び火災が発生したため、ダスティたちは消火に向かう。ブレードは「後4時間でロッジに燃え広がる」と分析、マルーはスピナーにロッジの客を避難させるように警告するが無視してしまう。ダスティは消火作業に当たるがギアボックスのことで頭がいっぱいでブレードの命令を聞き逃してしまう。結果、少しずつばら撒かないといけない消火剤を全部バラまいてしまい、ブレードは基地に戻るように命令する。ダスティは命令を無視して水を汲もうとするがエンストを起こしてしまう。川に流されてしまったダスティを救助しようとブレードだが、ホイストが流木に引っかかってしまう。ダスティは滝の前で飛び立とうするが、ギアボックス故障を恐れて減速してしまう。ブレードの助けでダスティは川下に着陸することができる。しかし、炎が傍まで迫っておりブレードは古い坑道でやり過ごそうとするが、ダスティと言い争いになる。ダスティはギアボックスが壊れてることを打ち明ける。ブレードは「ダスティがここで辞めたら明日救える命が救えなくなる」「どうするのか決めろ」と言い、ダスティはブレードと坑道に避難することを選ぶ。 ロッジでは自然保護官のプラスキと消防車のジャマーがスピナーに客を避難させるように言うが頑なに避難させようとしない。しかし、ロッジからでも確認できるほど炎が燃え広がっており、漸く避難を開始する。 時間が経ち、周囲の炎も無くなったため、ブレードとダスティは飛び立とうとする。だが、ブレードは自力では起きれないほどダメージを受けており、ウィンドリフターが救助にやってくる。基地に戻ったブレードはマルーが急いで修理するも、マルーは「精一杯やったと」言ってガレージから足を引く。マルーはダスティにブレードの過去について語り出し、ドラマで相棒だったニック・ルーピン・ロペスが撮影中に事故死したこと、それがきっかけで消防士になったことを語る。一方、スピナーはロッジを守るために水道管の水をすべてロッジのスプリンクラーに回してしまう。 そんな時、避難用の出口が倒れた木によって塞いでしまう。レスキュー隊に知らせが入り、救助に向かう。しかし、ロッジにすべて水を取られてしまったことで消火剤が作れなくなってしまう。ダスティたちは残された消火剤で戦うことになる。レスキュー隊たちの活躍により、客は避難することができた。一件落着と思いきや、パッチからハーヴィとウィニーが橋に取り残されていることを知らされる。ダスティは救助に向かう。ダスティは2人を救うため、滝で水を汲み取るがスピードを出しすぎてしまう。ブレードが2人を橋から落ちないように支え、ダスティは消火に成功、2人は避難することができた。ブレードはダスティを褒めるが、直後に墜落してしまう。 救助されたダスティ基地へ運ばれ、修理される。5日後にようやく目を覚まし、その間ディッパーがずっと付き添っていたという。園長に昇格したジャマーがやって来て、ダスティを見舞う。スピナーの問題行動を重く見た内務長官が左遷させたという。更にマルーがギアボックスを直してくれたことを知る。そして、ブレードから正式に消防士になったことが告げられる。 基準を満たしたプロップウォッシュ・ジャンクションの空港は再開することができ、「コーン・フェスティバル」ではレスキュー隊によるショーが披露される。ダスティはギアボックスが直ったため思いっきりスピードを出し、見事な空中回転を見せる。 エンドロールの途中、デスヴァレー国立公園に左遷されたスピナーが「熱いかって?死ぬほどね」と言う。 登場エピソード プレーンズ 憧れのレーサーたちダスティ(作品) プレーンズ2 ファイヤー&レスキュー ダスティの航空ショー ギャラリー 動画
https://w.atwiki.jp/yaruotrigger/pages/112.html
【2ndシーズン】X-XXX 結月隊 X期部隊構成 隊員 ポジション トリガー 特徴 小比類巻香蓮 銃手 アステロイド、スコーピオン、メテオラ、グラスホッパー エース 星海神威 攻撃手 スコーピオン、グラスホッパー エース シャーロット・E・イェーガー 狙撃手 イーグレット、ライトニング、グラスホッパー 安部菜々 射手 アステロイド、メテオラ 結月ゆかり 通信士 結月派 X期部隊ランク戦結果 【1stシーズン】B-004 結月隊 → A-002 結月隊 5期部隊構成 隊員 ポジション トリガー 特徴 小比類巻香蓮 銃手 アステロイド、スコーピオン、メテオラ、グラスホッパー エース 星海神威 攻撃手 スコーピオン、グラスホッパー エース シャーロット・E・イェーガー 狙撃手 イーグレット、ライトニング、グラスホッパー 安部菜々 射手 アステロイド、メテオラ 結月ゆかり 通信士 結月派 5期部隊ランク戦結果 ランク戦戦績 1st 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th 8th 隊成績 勝○ 5pt 負 3pt 勝 4pt 勝○ 7pt 勝 4pt 分○ 4pt 負 2pt 分○ 4pt 小比類巻香蓮 1、L 0、D 1、D 1、D 2、LV 0、L 1、D 1、L 星海神威 1、L 2、D 1、D 1、D 1、D 0、D 0、D 1、D シャーロット・E・イェーガー 1、DV 0、D 1、LV 2、D 1、D 2、L 0、D 0、D 安部菜々 0、D 1、D 1、D 1、LV 0、D 0、D 1、B 0、D 隊総合成績 3位 5pt 4位 8pt 4位 12pt 2位 19pt 1位 23pt 1位 27pt 2位 29pt 2位 33pt ○生存点 L:ALIVE、D:DOWN、B:BAILOUT、A:AREAOVER、V:MVP ランク戦戦績 得点 生存 無失点 MVP 生存点 勝利 隊成績 25 8 9 4 4 4 小比類巻香蓮 7 4 4 1 - - 星海神威 7 1 1 0 - - シャーロット・E・イェーガー 7 2 2 2 - - 安部菜々 4 1 2 1 - -