約 2,647,028 件
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/1016.html
例年より少しだけ暖かい冬のある日、私の魔術師としての師である蒼崎橙子は言った。 「ああすまないけど鮮花、古い馴染みの依頼でね。今すぐこれを冬木市まで届けてくれないだろうか?」 「―――いいですけど、なんですかコレ?」 ――思えば、それが私黒桐鮮花の受難の始まり。 雨の中で出逢ったのは未だ幼い一人の少女。 「お、女の子!? ちょっと、貴女大丈夫!?」 「………ぅ、」 「――――この子、人間じゃない…。それに、消えかかってる」 「け、契約、を………」 「――――――!」 或いはそれは引き返せる最後の一線だったのかもしれない。 けれど黒桐鮮花はそこを踏み越えることを決断した。 少女を救った対価はとある戦争へのチケット。 「私はキャスター。聖杯戦争の為に召喚された七騎のサーヴァントの一、魔術師の称号を持つ者です」 「聖杯、戦争?」 「はい。七人の魔術師が七騎のサーヴァントを使役し戦い、生き残った最後の一組にあらゆる願いを叶える万能の器を与える儀式です」 「あらゆる願いを、って、それって根源に繋がっているってこと!?」 「ええと、多分……」 その夜に出逢ったのは、モノを殺す眼を持った死神の化身。 「――兄さんに似ているくせにあの女そっくりの眼を持っているなんて………!」 「驚いたな。君、秋葉にそっくりだ」 「………秋、葉?」 「気をつけて下さいマスター! あの人も、マスターです!」 「……そういうこと。けど、俺のサーヴァントはちょっと問題ありでね。――取り敢えず、コレ一本で何処までいけるか試させてもらう」 戦いに割り込んできたのは正義の味方を目指すという一人の少年。そして弓兵を従える赤い少女。 「お前ら、止めやがれ―――――!」 「ッ! 新手!?」 「………一度に三人のマスターが集まるなんて、意外な展開だな」 「―――いいえ、四人よ。そこのナイフ使い、動かないで。私のアーチャーが貴方を狙っているわ」 「―――――――――」 そして現れたのは最強最優のサーヴァントを従えた銀の少女。 「マスターがこんなにいっぱい。みんなまとめて殺しちゃえ、セイバー。――でも、お兄ちゃんだけは残しておいてね?」 「承知したイリヤスフィール。君の望むままに」 ―――そして、闇の中に暗躍する謀略者達。 「始まったようだな、聖杯戦争が」 「初戦から六騎。第四次聖杯戦争と同じ展開だな」 「ふん、此度の戦には前回ほどの華は無い。雑種どものつまらぬ遊戯だ」 「ククク、果たしてそうと言い切れるかな英雄王殿。或いは、もっと愉快なモノが出てくるやも知れませんぞ」 「下らん。あまり下らぬことばかりを口にするようならばその首落としてやろうか、ヌアザの血統よ」 「そう簡単に、いくとお思いで?」 「よせ二人とも。未だ始まったばかりなのだ。我々はただ事の流れを静観していればそれでよかろう」 ALL TYPE-MOON参加企画 Fate melty blood(仮)――― 今冬発売予定――― To... 「あれ、橙子さん。鮮花何処に行ったか知りませんか?」 「………ああ、多分、今頃死地に居るんじゃないか?」 「………え?」 「あら? ねえ翡翠、兄さんは何処?」 「――秋葉様…。志貴様は、今朝方冬木市に行くと言ってお出かけになられましたが」 「………なんですって?」 セイバー:シグルド イリヤ ランサー:フィン 言峰 アーチャー:ラーマ 凛 ライダー:チンギスハン 慎二 キャスター:壱与 鮮花 アサシン:スキュラ 士朗 バーサーカー:ヘイドレク 志貴 前アーチャー:ギルガメッシュ
https://w.atwiki.jp/minasava/pages/52.html
例年より少しだけ暖かい冬のある日、私の魔術師としての師である蒼崎橙子は言った。 「ああすまないけど鮮花、古い馴染みの依頼でね。今すぐこれを冬木市まで届けてくれないだろうか?」 「―――いいですけど、なんですかコレ?」 ――思えば、それが私黒桐鮮花の受難の始まり。 雨の中で出逢ったのは未だ幼い一人の少女。 「お、女の子!? ちょっと、貴女大丈夫!?」 「………ぅ、」 「――――この子、人間じゃない…。それに、消えかかってる」 「け、契約、を………」 「――――――!」 或いはそれは引き返せる最後の一線だったのかもしれない。 けれど黒桐鮮花はそこを踏み越えることを決断した。 少女を救った対価はとある戦争へのチケット。 「私はキャスター。聖杯戦争の為に召喚された七騎のサーヴァントの一、魔術師の称号を持つ者です」 「聖杯、戦争?」 「はい。七人の魔術師が七騎のサーヴァントを使役し戦い、生き残った最後の一組にあらゆる願いを叶える万能の器を与える儀式です」 「あらゆる願いを、って、それって根源に繋がっているってこと!?」 「ええと、多分……」 その夜に出逢ったのは、モノを殺す眼を持った死神の化身。 「――兄さんに似ているくせにあの女そっくりの眼を持っているなんて………!」 「驚いたな。君、秋葉にそっくりだ」 「………秋、葉?」 「気をつけて下さいマスター! あの人も、マスターです!」 「……そういうこと。けど、俺のサーヴァントはちょっと問題ありでね。――取り敢えず、コレ一本で何処までいけるか試させてもらう」 戦いに割り込んできたのは正義の味方を目指すという一人の少年。そして弓兵を従える赤い少女。 「お前ら、止めやがれ―――――!」 「ッ! 新手!?」 「………一度に三人のマスターが集まるなんて、意外な展開だな」 「―――いいえ、四人よ。そこのナイフ使い、動かないで。私のアーチャーが貴方を狙っているわ」 「―――――――――」 そして現れたのは最強最優のサーヴァントを従えた銀の少女。 「マスターがこんなにいっぱい。みんなまとめて殺しちゃえ、セイバー。――でも、お兄ちゃんだけは残しておいてね?」 「承知したイリヤスフィール。君の望むままに」 ―――そして、闇の中に暗躍する謀略者達。 「始まったようだな、聖杯戦争が」 「初戦から六騎。第四次聖杯戦争と同じ展開だな」 「ふん、此度の戦には前回ほどの華は無い。雑種どものつまらぬ遊戯だ」 「ククク、果たしてそうと言い切れるかな英雄王殿。或いは、もっと愉快なモノが出てくるやも知れませんぞ」 「下らん。あまり下らぬことばかりを口にするようならばその首落としてやろうか、ヌアザの血統よ」 「そう簡単に、いくとお思いで?」 「よせ二人とも。未だ始まったばかりなのだ。我々はただ事の流れを静観していればそれでよかろう」 ALL TYPE-MOON参加企画 Fate melty blood(仮)――― 今冬発売予定――― To... 「あれ、橙子さん。鮮花何処に行ったか知りませんか?」 「………ああ、多分、今頃死地に居るんじゃないか?」 「………え?」 「あら? ねえ翡翠、兄さんは何処?」 「――秋葉様…。志貴様は、今朝方冬木市に行くと言ってお出かけになられましたが」 「………なんですって?」 セイバー:シグルド イリヤ ランサー:フィン 言峰 アーチャー:ラーマ 凛 ライダー:チンギスハン 慎二 キャスター:壱与 鮮花 アサシン:スキュラ 士朗 バーサーカー:ヘイドレク 志貴 前アーチャー:ギルガメッシュ
https://w.atwiki.jp/mncorelay/pages/1143.html
隕石がある洞窟内の宝箱から手に入るネームレス用の腕防具。 早い話がマジカルアーマーの盾版。 防御+40、全魔法属性耐性と流石に鎧には劣るものの強力。 小型化に技術を要するためか売値はマジカルアーマーの10倍となっている。 対物理戦用特殊服と組み合わせることでほとんどの属性をカバーできる脅威の装備である。 もうこれさえあればいいんじゃないかな……。 ただし入手するためには下層に行くための柵を壊す前に宝箱を開けなければならない。 柵を先に壊してしまうと宝箱の中身が変わってしまう。 おまけに宝箱を取れるのはタイマーを起動しているときのみという罠っぷり。 エンカウントが通常だと決して手に入らない。 育成具合が試される。 ちなみにこのダンジョン、一度クリアすると二度と入れない。 取り逃した場合は泣くしかない。 だがこのダンジョンには負けず劣らずな罠腕装備がもう一つ存在するのであった……。 何も分からず手に入ったが、こんなに条件付いてたのね…怖い怖い -- (名無しプレイヤー) 2019-01-25 16 38 12 売れ -- (きんのたまのおじさん) 2019-01-25 19 20 07 絶 対 嫌 デ ス -- (名無しプレイヤー) 2019-01-28 14 17 37 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/mncorelay/pages/1137.html
フィールド上で開けると現在のメンバー全員に経験値をランダムで追加してくれるアイテム。 ゲストに対しても有効だが、エディタを開いている際には使えない。 5000ペリカで売却も可能だが正直もったいない。 ウララーのレベルが上げ辛いプレイヤーを救済するために走者が仕込んだ説が有力。 マスクデータである「ラッキーモード/アンラッキーモード」いずれかに突入している際には獲得経験値が大きく減ったり増えたりするので、この時やたら少ないからといってF12を押してやり直してもやはり少なかったりするため、アンラッキーを脱却するまで使用を控えるのが吉。 また、テナイアンがいる時にも当然加算されるので数値弱体化に注意しよう。 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/crossnovel/pages/65.html
□ 薄暗い研究所のような場所で黒い高級スーツに身を包み、右眼を眼帯に隠した男が歩いていた。 弟切ソウが目当てのドアの前で足を止める。 ドアに備え付けられた電子パネルから声が聞こえた。 『弟切さん? 準備なら出来ていますからどうぞ、お入りください』 「わかった」 弟切は短く答えて、パネルを操作してドアを開く。 薄暗い室内の中の淡い光りに弟切は眉をしかめた。サイバーエルフがカプセルに保存されている。 大きなモニターはこの研究所のメインコンピューターとつながっていた。 弟切の左眼に揺れる金のポニーテールが映る。赤いジャケットの上に白衣をはおった見た目だけなら二十代前の女性が、弟切へと近寄ってくる。 綺麗というよりは可愛らしいと記憶していた顔には白いのっぺりとした仮面が覆っている。 細身の身体を弟切に向けて対面してきた。 「ライブメタルはどうなった? ドクターCL」 「モデルH以外は意識を封じ込めたまま力を引き出すことに成功したわ。ゼクターと一緒よ」 「再調整のためには意識を戻さないといけない……面倒だ」 「それもこれで最後。きてみる?」 ドクターCLは立ち上がって隣の部屋へと誘った。弟切は頷いてあとをついていく。 ドアをくぐるとカプセルの中でエネルギーを送られている緑のライブメタルがいた。 『キサマら……パンドラたちの仲間か!?』 モデルHが怒りに任せたまま叫ぶ。弟切はニヤリと笑うが、モデルHの抵抗が激しくなった。 カプセルがピシリ、とヒビが入って弟切が尋ねる。 「おい、本当に大丈夫なのか?」 「問題はないわ。それに……」 ドクターCLはあっさりと弟切に告げてモデルHへと歩み寄る。 モデルHへ向けて仮面を外し、笑みを浮かべて優しく話しかけた。 「モデルH、アナタたちの力を私に貸してくれないかしら?」 『……ッ!? あなたは……そんなバカな!?』 ドクターCLはフフ、と笑みを浮かべる。驚愕に満ちて隙ができたモデルHへとエネルギーが送られていった。 モデルHから悲鳴が上がり、ドクターCLは仮面を再びかぶる。 鈴を転がすかのような美声でドクターCLはつぶやいた。 「たとえ影でもアナタたちは私に力を貸すことになる。なぜなら、かつて影に仕えたのはアナタたち自身なのよ?」 歌うように紡がれる言葉。 含むような笑いとモデルHの悲鳴が暗い室内に響いた。 □ うっすらとペンテが目を開くと、木目調の天井が視界に入った。 身体にかかるシーツが上半身をあげると同時に剥がれた。素肌に巻かれた包帯を触り、手当てを終えていることを知る。 じくり、と傷口が痛む。周囲を見回すとどうやら民家のようだ。 木の家というアンティーク調に仕立てられた周囲を見回し、回想する。 崖から落下して地面に叩きつけられてながらも、倒れるまで全速力で逃げたのだと思い出した。 血の跡を誤魔化した覚えはあるが、どこで意識を失ったかはわからない。 モデルVAはどこにある? とペンテは思考して首を回した。 とたん、ドアが開いてペンテは視線を向け直す。そこには見知らぬ女性が一人立っていた。 「目を覚ましたんだ? よかったぁ……」 若い声だ。外見はペンテと歳の差はないように見える。 柔らかい栗色の髪が腰まで届いている。童顔で大きな瞳には安堵の色が浮かんでいた。 首まで隠す柔らかい布地の白いセーターに淡い桃色のプリーツスカート。 黒いタイツがスラッとした足を包んでいる。可愛らしいデザインの手袋を脱ぎながらペンテに歩み寄ってきた。 「アタシはリーネ。お兄さんは?」 「…………ペンテだ。礼を言うが、俺の荷物はどこだ?」 「せっかちね。そんなに大事なものが入っていた?」 そういってリーネは籠に入ったペンテの荷物を渡してくる。 目的のライブメタルも紛失していない。確認を終えながらも、手にとったモデルVAが不機嫌なのを感じ取った。 まあいいか、と脇に籠を置いてリーネに向く。ペンテが現状確認をする前にリーネが話しかけてきた。 「ねぇ、ペンテさんお腹すいていない?」 ペンテが「ああ」と頷くと同時に嬉しそうに隣の部屋へと移動する。 もっともすぐに戻ってきたが。持っていたトレイにはスープとパンが乗っていた。 「アタシの特製よ。後で味の感想を聞かせてね!」 そういってリーネが押し付けた料理をペンテは受け取った。 体力を回復するため食事は必要だ。リーネはおしゃべりらしく食事中にも話しかける。 適当にあしらい、モデルVAの苛立が増していっているのを感じた。 あれは他者とのコミュニケーションを破壊以外でとることがない。会話を続けるという行為を嫌悪している節すらあった。 とはいえ、ペンテは他者との会話は苦痛ではない。 (フィオもお喋りだったしな) 自分をこんな目に遭わせた敵との思い出を浮かべて、ペンテは心の中だけでつぶやいた。 『ハンター時代の先輩だった?』 「と、いうよりは先生だな。俺に生きる術をすべて教えていた」 モデルVAへとコールドエンプレスとの関係を問われ、ペンテはあっさりと答える。 もっとも特に隠し立てするような内容ではない。今まで話さなかったのはモデルVAがペンテの過去に興味を持っていなかったからだ。 モデルVAとしてはロックマン以外に傷つけられてコケにされたことが気にくわないのだろう。 ペンテが不甲斐ない、とすら考えている節がある。常に飢えているペンテと、それを諌めるモデルVAの立場が逆になっていた。 それほどモデルXたちに拘っているということだ。 『ところでだ、ペンテ』 「なんだ?」 『キサマ、いつまでこうしているつもりだ?』 モデルVAが指摘すると、ペンテは右手に下げた買い物袋を持ったまま肩をすくめて「さあな」と答える。 いつもの紫色の毒々しいジャケットではない。雪の降る商店街で街灯に背をあずけるペンテは青いセーターを着けていた。 今は世話になっているリーネの死んだ父親ものらしい。彼女曰く、もともとのジャケットより似合っているとのことだ。 雪原エリアに接しているだけあって、街一面銀世界。 ペンテが顔をあげると、街で保管されている旧化石燃料所が視界に入る。大きな施設だが可動はしていない。 別のエネルギーが開発され、捨てるわけにもいかず昔から放置されていたらしい。 この街を案内した時のリーネの言葉だ。 「ペンテさん、待った?」 店から出てきたリーネが尋ねるが、ペンテは首を横に振る。 待つことは慣れていた。数分寒空の中立つことは苦痛ではない。 馴れ馴れしくひっつくリーネにも億劫だが、拒否することもなかった。 これがモデルVAがいらついている理由であることは充分にわかっていたが、互いに互いのことを想いやるような関係ではない。 イザというときだけ力を貸し合う。モデルVAとはドライな関係だと思うが、このくらいが丁度いい。 リーネが荷物を持って前をいくのをペンテはついていく。 ケガの治り具合は順調といったところか、と内心つぶやいた。 ペンテがリーネの手当を受けて一週間経つ。 もともと生命力の高いペンテは二日で動けるようになった。 その間なにをしていたかというと、ペンテにいわせればなにもしない。 「おう、新入り。リーネも一緒に買物か?」 「トーマスおじさん。そうよ」 大柄でガテン系の男の野太い声がペンテの耳に届き、リーネが返した。 ペンテは軽く挨拶をして男へ向く。世話になっている間、目の前の男の仕事に加わったこともある。 ゆえにペンテは『新入り』と呼ばれているわけだ。ちなみにリーネは昼はウェイトレスとして暮らしている。 独り身なのに自分のようなものを担ぎ込むとは無防備だと呆れたものだが、彼女の父親が目の前のたくましい男と友人だったらしい。 手を出せばどうなるかは考えなくてもわかる。遺跡の発掘作業を請け負っているトーマスは現場監督のようなものか、とペンテは把握した。 「しっかし、リーネと一緒に暮らしているのに手を出さないとはな。まあ、色気は足りないのはわかるがな!」 「ちょっと、おじさん!」 ガッハッハ、と大口開けてトーマスはペンテの背を叩いた。どういうわけかペンテは彼に気に入られている。 黙々と仕事をこなすのがよかったのだろうか。よくわからない。 仕事を通してこの街に知り合いが増えた。モデルVAはそのことが気に入らないようだが。 「そういえば新入り。お前さんを探しているって奴がいたぞ」 ペンテは首を傾げる。とはいえ、相手は想像ついていた。 「どこにいましたか?」 我ながら陰気な声だ、とペンテは感想を抱きつつもトーマスに尋ねる。 リーネを家へ送ってから向かおう、と思考してトーマスと別れた。 星がまたたき、月が淡く光って地面を照らす。 雪が積もり、白くなった木々が少しだけ光を反射していた。 雪景色は美しいものだ、とフィオは感想を抱く。 やがて雪を踏みしめる一定のリズムの音が聞こえてきた。来たか。フィオは笑みを浮かべて振り向いた。 「やっぱり一人ね」 「フン。こいつもいるさ」 そういってペンテがライブメタルを見せたが、フィオは笑う。 相変わらずの様子にいくらか安堵した。 「……覚えているかい? アタシたちが離れた日のことを」 「唐突だな」 ペンテが答えてフィオは当時を思い返す。 あの日は珍しくフィオがドジって敵に捕まってしまった。 ペンテは人質をとられた形となったが、フィオは心配していなかった。 自分ごと殺す。そういう男だと知っていた。なのに、ペンテは撃たなかった。 「あの日なんでアタイごと撃たなかったんだい?」 フィオが尋ねてもペンテは沈黙を返す。そう簡単に本心を明かす男ではない。 特別な感情を抱いてもらっていると期待していいのか、などとは聞かない。今は敵だ。 『いいかげんにしろ、キサマ。用件をいえ』 モデルVAがイライラした様子で忠告する。今にも暴れかねない。 ヤレヤレ、とフィオは肩をすくめて本題に入った。 「最後の忠告だよ、ペンテ。ライブメタルをアタシに渡しな。そうすればあんたに干渉しないように取り計らう」 『ふざけるな。すぐに鉄くずに変えてやる。ペンテ、準備しろ』 「あんたには聞いていないよ、モデルVA。これはアタイとペンテの問題さ」 そういってフィオはペンテを見るが、来たときと変わらず黙っていた。 フィオとてすぐに片付くとは思っていない。これは自分の未練といってもいい。 殺し合いを一度、交わしたとはいえだ。 「三日だけ待つよ。三日後のこの時間にもう一度答えを聞く。ペンテ、またね」 フィオはそういってあっさりと踵を返した。 ロックオンされればすぐに殺されるような真似だ。 しかし、ペンテは動かない。森の闇に消え、フィオはやがて消える足音だけを残した。 ペンテは消えていったフィオの後ろ姿を見届け、微動だにしない。 モデルVAの刺すような殺気を受け流し少しだけ昔を思い出した。 イレギュラーに襲われ、孤児となったペンテを引き取ったのは彼女だった。 当時のフィオは若いながらも、周囲に一目置かれている違法ハンターの一人だ。 ペンテの前を歩き、圧倒的な力を見せつけた彼女に憧れていた時期もあったと回想した。 今はどうか知らない。ただ、モデルVAがイラつく事実、人質となった彼女を撃てなかったのは本当だ。 ペンテは少しだけ微笑む。自分がとる手は決まっている。 しばらくは雪を踏む自分の足音だけが耳に入った。 □ 風が吹いてエールは思わず身体を抱きしめた。 モデルXがエールの心配をするが、エールは問題ないと応えた。 エリファスと会ってよかったと思っている。後ろを振り返るのはここまでにしたい。 転送装置まで歩く道のりの中、エールは思考を切り替えた。 ガーディアンの研究所からライブメタルが盗まれた。 ワームの首領ですら囮に使った作戦に驚き、悔しく思う。 自分がめげてさえいなければと考えたのは一度や二度ではない。 だけど、エールの瞳は前を向いている。もう二度と後悔はしない。 (待ってて、モデルHたち。アタシが絶対助ける!) エールは内心そう決意して一歩踏み出す。 すべてを守るロックマンになる。その想いに微塵も偽りはないのだから。 □ リーネが用意した夕食を平らげ、時計をみてペンテは席を立った。 あれから三日経ち、約束の時間が来たのだ。ペンテは隣の部屋で黒いインナーに紫のジャケットと、いつもの服装へと着替える。 モデルVAはいまだ不機嫌だが問題ない。頑丈なブーツをはき外へ出る。 「ペンテさん、いくの?」 後ろでリーネが声をかけてきた。バレないようにするつもりだったが、予想外に勘がいいらしい。 首だけ動かして顔を見ると不安そうにしていた。 本当にフィオといい女とは面倒だとペンテは感想を持つ。 「アタシ……少し不安で……」 ペンテは自分になにを期待しているんだろうか、と呆れた。 ペンテは普通とは違う。モデルVAのように日常を送るのに支障が出るほどではないが、それでも穏やかな日々では生きていられない存在だ。 モデルVAが自分のそうした特性に疑いを持っているのは笑えるのだが、ペンテは自分の異常性を痛いほど自覚している。 だから彼女が期待するように、「必ず戻る」とも「一人にはしない」とも告げない。 「今日はずっと家に入っていろ」 なぜなら、これは別れの言葉だから。 ペンテは彼女に特別な感情を持ちはしない。一人で強くある。 それこそがペンテを支える信念であったからだ。 風が強く雪が舞う。吹雪が近いのか、とペンテは感想を抱いたがもうどうでもいい。 三日目の約束の場所へたどり着き、ペンテは現れた女性とわかるシルエットに近づいた。 肩で切りそろえられたショートボブのキツメの美人。 かつてペンテが「フィオ」と呼び、生きる術を授かった存在。 「答えは出たかい?」 フィオの声に僅かに期待の色が混ざっていることにペンテは嘆息した。 答えなどわかっているはずなのに、僅かな可能性に縋っている。 教え教えられる関係など戻れはしない。ペンテは静かにライブメタルを取り出して構えた。 「……そうかい」 僅かに落胆した声にペンテは眉を上げる。それ以外の答えなどありはしないのに、と。 ペンテの口が動いたのと、フィオの全身がうごめいたのは同時だった。 「ロックオン」 あがる戦いのゴング。二人の激突に、雪が積もった木々が揺れた。 カミナリが落ちたような轟音が周囲に轟く。 紫色の装甲を纏ったロックマンVAVAと、漆黒の鋭利な装甲を持つコールドエンプレスの拳が激突した音だった。 ギシギシと音が鳴り、数秒の間拳が拮抗する。先にコールドエンプレスが舌打ちをしてロックマンVAVAに力負けをした。 吹き飛び、地面を滑るコールドエンプレスを見届けてロックマンVAVAは踵を返す。 『どういうつもりだ、ペンテ?』 「今は黙っていろ」 そうつぶやいて後ろから襲う氷の散弾を右手のバルカンで迎撃する。 逃げきるほど全力の速度は出さず、追いかけることが可能の速度を保つ。 引きつけているとはわかるほどわざとらしくロックマンVAVAは駆けた。 『キサマ……』 モデルVAが不機嫌になる。それもそうだ。ロックマンVAVAは今、街から離れるコースを取っているのだ。 コールドエンプレスが突進してきて、その刺突を捌いた。 「妬けるねぇ。あの街に未練があるのかい?」 コールドエンプレスの言葉にロックマンVAVAは低く笑った。 コールドエンプレスはロックマンVAVAに付き合い、街から離れる軌道を追ってくる。 まったくもって甘い奴である。その昔から変わらない甘さが、 「モデルVA、いくぞ」 命取りである。ロックマンVAVAは急に旋回してコールドエンプレスに接近した。 突然の方向転換にコールドエンプレスは反応できない。 ロックマンVAVAは仮面の下で薄く笑い、コールドエンプレスの四肢にガッチリと組み付いた。 虚をついた、たった一度の機会。癖を読まれている以上、この手しかない。 「準備はいいか? モデルVA、フィオ。地獄の炎へ一緒に逝こうぜ」 『……クックック。そういうことか』 ロックマンVAVAの背中からブースターの炎が吹く。 加速し続け、途中でコールドエンプレスが殴りつけるが距離が近すぎて威力がでない。 森と街は近い。インナーに入り、深夜とはいえヒトがロックマンVAVAたちを目撃するが関係なかった。 目的へ一直線だ。ロックマンVAVAが進む先には化石燃料を保存しているタンクがある。 「まさか、あんた――――」 コールドエンプレスが焦るが関係ない。この距離では氷の散弾も使えないのも計算済み。 いや、たとえ使われてもこの手は離さない。コールドエンプレスの身体をタンクの表層に叩きつける。 反動の衝撃がロックマンVAVAの全身にも届き、仮面の下で血反吐が出るが獰猛な笑みが消えない。 「ペン……テ……」 「ここからが地獄だ」 右肩のキャノン砲を向ける。コールドエンプレスのぶつかりひび割れたタンクから漏れている化石燃料ごと狙い撃つ。 光が走り、ロックマンVAVAの視界を炎が占拠した。 真っ白い閃光とともに爆発が轟いて一つの街が炎に飲まれた。 「が……くはっ……」 コールドエンプレスは全身にまとわりつく炎をそのままに、四つん這いになって喘ぐ。 燃え盛る瓦礫の上で呼吸を整えることが、今できる唯一の手段。 震える四肢に活をいれ、膝立ちになった瞬間コールドエンプレスの周囲に影が落ちる。 「よう、元気そうだな」 ロックマンVAVAの低い声を耳にして、振り向いた瞬間鉄パイプが視界を覆う。 コールドエンプレスの腹部に鉄の棒が埋まり、強制的に身体が浮いた。 『クッハッハ……ハハハハハハハッ! ペンテ、やれ!』 「いわれずとも……」 ロックマンVAVAはモデルVAに応えて、中空に浮くコールドエンプレスへ回し蹴りを放った。 コールドエンプレスの頭部の装甲が凹み、地面を数メートルバウンドする。 顔だけを上げてロックマンVAVAを見ると、彼も傷が深い。 装甲にヒビははいり、左肩のミサイルランチャーはとても使える状態ではない。右肩のキャノン砲は半壊し、使えて二、三発という状態である。 鉄仮面の左側が四分の一破損して、ペンテの狂気に満ちた瞳が覗いていた。 「相変わらず……タフだ……ねぇ……」 ロックマンVAVAが僅かに覗いた口の端を持ち上げて両手のバルカンを掃射した。 体表を跳ねる銃弾にコールドエンプレスはうめきながら、してやられたことを実感する。 コールドエンプレスは名が示す通り氷属性のフォルスロイドである。 炎の攻撃には極端に弱い。ゆえに化石燃料の炎はコールドエンプレスに深い傷を負わせた。 とはいえ、街のほとんどを覆うほどの爆発だ。間近にいたロックマンVAVAとて無事ではすまないはずである。 いや、ロックマンVAVAなら……ペンテなら不思議じゃないとコールドエンプレスは回想した。 傷つけば傷つくほど、ペンテの動きは鋭さを増していった。 まるで傷つくことを望むように。なにかを満たしたように。 「どうした!? フィオ、お前の力はそんなものか!?」 「余計なお世話……さねぇ!!」 コールドエンプレスが氷の散弾を作り出し、ロックマンVAVAへ直撃させる。 距離は三メートルもひらいていない。遠くなら周囲の熱で氷が溶けるが、近距離なら威力はそこまで落ちない。 なのに、ロックマンVAVAは当たった場所から血を流しながら盛大に笑った。 「そうだ、それでこそ俺に生きる術を教えた女だ! さあ、残った命で抵抗しろ!!」 一瞬でロックマンVAVAはコールドエンプレスの懐に潜り、固めた拳が鳩尾を襲った。 胃の中身が込み上げてくるが、どうにか飲み込んでコールドエンプレスはその場に踏みとどまった。 両手に氷の刃を作り、ロックマンVAVAを斬り裂く。 パッ、と花火のようにロックマンVAVAの斬り裂いた箇所が血を吹くが、ロックマンVAVAは加速して右つま先を左頬に打ち込む。 視界が衝撃につられて揺れ、全身をバルカン砲が撃ち抜かれた。 マズイ、とコールドエンプレスは距離をとるが、ロックマンVAVAは離さない。 狂おしいほど愛するようにロックマンVAVAが笑う。そうだ、こいつはこういう奴だ。 少しだけ、コールドエンプレスは嬉しくなった。 足を止めてロックマンVAVAの拳を受け止める。炎で弱まった装甲が歪んだ。 『観念したか?』 「モデルVA、アタイとペンテの間に割って入るな。そうさね、結局これが互いに一番好きなことさね。ペンテェェェェ!!」 コールドエンプレスは愛する者を呼ぶように叫び、蹴りを放った。 ロックマンVAVAが応え、互いの右足がぶつかり合う。 力負けし、コールドエンプレスの足から血が流れるが構わない。 そうか、そうだ。このペンテをコールドエンプレスは、フィオという名の女性型レプリロイドは、愛したのだ。 ロックマンVAVAの右拳が右脇腹の装甲を砕き、衝撃に地面を転がる。 コールドエンプレスはすぐに立ち直って、ロックマンVAVAの頬を斬った。 かすっただけだ。ロックマンVAVAの頭突きに打ち据えられ、泥を顔からかぶった。 泥の味が口内に広がるが、それ以上に過ごすロックマンVAVAとの時間の甘美さが胸に満ちる。 泥を吐き捨てながら、氷のショットガンを放った。 ロックマンVAVAは気にせず進み、膝蹴りを腹に叩きつけてきた。 後ろに倒れるコールドエンプレスの首をつかんで、熱せられた壁に押し付けられる。 コールドエンプレスは悲鳴をあげながらも、ロックマンVAVAを何度も何度も殴り続けた。 まるで喜んでいるようだ、と頭の隅で自分の悲鳴を評する。 ロックマンVAVAは仮面の下で微笑み、貫手の形を右手で作った。 「楽しいなぁ、フィオ!」 ペンテにとって最高の褒め言葉を受けて、コールドエンプレスの腹部が貫かれる。 血反吐がロックマンVAVAの鉄仮面を赤く染めて、だらりと両手が垂れた。 ドサ、とやけに倒れた音が大きく響く。ああ、そうか。コールドエンプレスは蜜月が終わったことを知った。 (終わりか……) コールドエンプレスは地面に伏せながら、そう思考した。 レプリロイド用の血に染まった右手を引き抜くロックマンVAVAの顔を見つめて、一つだけ納得がいないことを思い返す。 あの日、人質にとられたのはコールドエンプレスのミスだ。 ペンテならば自分ごと殺すだろうと期待していた。だけど事実は逆。 その事実が、コールドエンプレスの愛したペンテに傷がついていた。 首を動かしロックマンVAVAを見る。そのことだけは確かめたい。 そう思考したコールドエンプレスの耳に、ペンテの名前を呼ぶ声が聞こえた。 コールドエンプレスは無理して身体を跳ね上げ、ペンテの名前が聞こえる場所へ跳躍する。 『チッ、しぶとい!』 モデルVAが吐き捨てるが、コールドエンプレスが早い。 栗色の髪を腰まで伸ばした女性をつかみ、追ってきたロックマンVAVAへ盾として向ける。 「ひっ!」 「お嬢ちゃん、黙りな。さて、ペンテ。……あのときの答えを聞かせてくれないかね?」 『俺を渡すということか? そんなの――――』 「違う、そんなことじゃない。ねぇ、ペンテ?」 「ペンテ……さん……?」 リーネが戸惑ったように視線をロックマンVAVAへと向ける。 対するロックマンVAVAは無言。コールドエンプレスは知りたかった。 なぜ自分が人質になったときは撃たなかったのか。なぜ自分をねじ曲げたのか。 ロックマンVAVAはコールドエンプレスへ視線を向けて、右肩のキャノン砲を光らせた。 熱線がリーネの腹部とコールドエンプレスの胸を貫く。リーネは即死だ。助かりはしない。 「だから家に入っていろと忠告はした」 ロックマンVAVAは興味なさげにつぶやいて、右手をコールドエンプレスの頭へ向けた。 高価な宝石についた傷が埋まったような感覚に包まれ、コールドエンプレスは微笑む。 よかった、これでこそペンテだ。 銃弾がコールドエンプレスの頭部に降りそそぎ、トマトのように砕け散る。 コールドエンプレスの想いも、思考もそこで途絶えた。 ロックマンVAVAは標的が沈黙したことを悟り、踵を返す。 低く笑って満足であることを示した。 あの日、コールドエンプレスを……フィオを撃たず、今回リーネを撃った理由は単純だ。 フィオは生きていれば戦う相手として申し分ない。 リーネは生きていたところで、倒すにあたいすることは一生ない。 ただ、それだけ。 事実フィオはフォルスロイドへと改造を施し、裏切り者となったロックマンVAVAと戦った。 リーネにはそれを望むべくもない。 血で血を洗う死闘。 これこそがロックマンVAVAを満足させ、気持ちを昂らせた。 『フン、ペンテ。この調子でモデルXたちを殺すぞ』 ロックマンVAVAはモデルVAに適当に返事をする。 モデルVAと、ロックマンVAVAことペンテの目的は似ているようで違う。 モデルVAはモデルXたちに“勝ちたい”のだ。 だがペンテは一人でどこまでも強くなれる自分と死闘を繰り広げる“過程を味わい続けたい”だけ。 自分と同じ理由で強くあるフィオは倒せた。 ならば、自分とは真逆の理由でどこまでも強くなれるエールと天道と死闘を演じることこそ、今のペンテの最大の楽しみだ。 モデルVAとは違う。 ただ戦うことで乾きが癒されるペンテは、地獄の道を修羅となって歩み続けた。 死が確定したその道。ペンテは恐れはしない。 行き着く先には興味ない。ただその過程を実感できれば、それでいいのだから。 To be continued……
https://w.atwiki.jp/mncorelay/pages/236.html
「いいだろう。 殺し合いの中で、貴様も魔神の本質を思い出すがいい!」 プチリレーより出演。 ディガルツ=アヒャンティアがフルネームらしい。 緑色の水晶で変身できる。 ちなみにこの欠片はデフラグさんを起動させるエネルギー源である。 風の魔神であり、封印状態でもMP100消費技を使える。 通常攻撃は風属性つきなので、見た目以上に火力がある。 HPは430と高め、攻撃は381と低くなく、全体攻撃まで使える。 だが、クリティカル率が低く全体的に能力はパッとしない。 闇属性の術を覚えるが精神は低い。 固定ダメージの技を覚えるが、通常攻撃の方が強い。 装備がさほど強くない。 等、微妙なキャラである。 早い話が技と装備に恵まれていない魔神。 使いづらい。 ちなみに本来ガチガチの悪役だが、主人公側になったことで台詞が悪役っぽくなくなっている。 きれいなディガルツである。 ボスとしても登場。 四体の無限に復活するお供を連れて現れ、襲いかかってきた。 が、直前の三バカやその後に控えるジラネーヨの方が強く、微妙な印象しか残らない。 同時期のゲストが強力な斧使いであるため、比較してなおさら弱く感じる。 これはひどい。 原作初期のモナンとモラーンだけで戦わなければいけないバージョンでは鬼畜だったなぁ…メッセージが流れてようやく勝利かと思ったら「ここから本気出す」展開だし -- (名無しさん) 2016-11-05 16 52 31 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/mncorelay/pages/1142.html
ネームレス用の武器。 アサルトライフルの短いバージョンみたいなもの。 重い上に攻撃+0、命中50、消費MP25ととても使い辛い武器。 しかし回避無視、クリティカル+25%、2回攻撃、x2属性とやけくそのような性能を誇る。 2連続クリティカルでも出ようものなら鬼のような火力になることもある恐るべき可能性を秘めた武器。 ちなみに1%の確率で驚きになるが誤差だ誤差。 とまあハイリスクハイリターンな博打武器である。 25%の確率で両方外れ、50%の確率で片方外れとフル性能を発揮できるかどうかはかなり運。 運に自信があるのならほかの手段で攻撃を上げて使ってみるのも悪くないかもしれない。 ちなみにx[N]攻撃に耐性を持っている敵にはただの豆鉄砲である。 ただ飛んでいるというだけでこの銃は役立たずとなるのだ。 げせぬ。 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/crossnovel/pages/121.html
キュアパッションの持つピックルン、アカルンの瞬間移動の力で場所を移したディケイドとプリキュアたち。 全く見覚えのない現在位置を確かめるように、プリキュアたちは痛む身体に鞭を打ち周囲を見渡す。 空は相変わらず曇ったままだが、この場所には先程のタコカフェと同じでフュージョンの持つ嫌な雰囲気を感じない。 恐らく、ここも何らかの原因でフュージョンの吸収から逃れた場所なのだろう。 このまま考えてもしょうがない、と比較的に冷静だったホワイトが瞬間移動の力を持った本人であるパッションに尋ねる。 「パッション、ここは……?」 「分からないわ。大人数での移動だったから、とにかく移動しやすい悪い力の少ない場所を 選んだの」 「ここは……」 パッションを始めとするプリキュアが戸惑う中、変身を解いた士がプリキュアたちの疑問に答える。 そう、士はここが何処であるか良く知っている。 当然だ、何故ならばここは、記憶のない士にとって、つまりは生まれ育った家に帰ることが出来ない士にとって最も安心出来る場所なのだから。 「夏みかんの……夏海の家だ」 強く唇を噛み締め、顔を伏せながら士は苦々しく呟く。 ここは周囲のようにフュージョンの力で荒らされていなかった。 いつものように古びた、どっしりとした造りをした写真館だ。 (ここが無事なのは世界と世界が繋がる場所だからか……? それともたまたまか……?) 士たちが世界を移動するとき、常にこの写真館を伴って世界観を移動している。 もちろんマシンディケイダーを使えば『世界の壁』を超えることが出来るが、全ての世界を回る際には必ず写真館と共に移動してきた。 そのため、この写真館自体にも何かしらの力があるのかもしれない。 その力を持っているからこそフュージョンの吸収から逃れることが出来たのだろう、と士はとりあえず納得しておく。 または、世界と世界を繋ぐ時に、このプリキュアの世界に溢れる多大なプリキュアの力の影響を受けたのか。 キュアブルームやキュアイーグレットは世界に溢れる精霊の力を扱い戦っていることから、世界にあふれるプリキュアの力の影響を受けたという話はそれほどおかしなものではないだろう。 とにかく、この写真館は無事で、無事だからこそパッションは無意識にここを選び、結果士は写真館に戻ってきたということだ。 「……くそっ!」 士は地面を思い切り蹴りつけながら悪態を突く。 この中では最も年長である自分がそんな態度を取れば、貴重な戦力であるプリキュアの心を削ってしまう。 そんなことは分かっているが、悪態を突かずに入られなかった。 『おかえりなさい』 日は暮れているわけではないが、曇り空で太陽の光は見えない。 だが、写真館の扉を見る度に、士の頭にはシンケンジャーの世界での夏海の言葉が思い出される。 『私も、待っていることにしました。士くんが帰ってくるのを』 『何処の世界に行っても、士くんが帰ってくるのはここですもんね』 『だから、”おかえりなさい”』 「お前が居なくなってどうする……!」 「士……さん……?」 世界の破壊者、ディケイド。 フュージョンに対する怒りと自分の不甲斐なさに対する怒りで燃えるその瞳。 その瞳はこの世界で何を映し、何を思うのか。 仮面ライダーディケイド×プリキュアオールスターズDX みんなともだち☆奇跡の全員大集合! 【仲間が消えた日、明日を探す日】 「――――それこそが世界の破壊者であるディケイドの持つ業そのものなのだ」 「えっ!?」 「だ、誰!?」 いつの間にか士の後方に背中合わせに立つように現れた謎の男。 地味な色の帽子と、同色の丈の長いコートを初老の身体で覆っており、眼鏡の奥に見える瞳には怒りと嫌悪の色に染まりきっている。 突然すぎる登場を果たしたその謎の男に、プリキュアたちは身構える。 いつだって彼女たちの敵は瞬間移動を思わせる唐突さで現れるのが原因だろう。 が、士は軽くため息を吐きながら、それでいて怒りに溢れた声を男へと向かって放った。 「お前か……鳴滝」 「ディケイドよ。お前という存在が訪れたがために、それだけのためにプリキュアの世界も破壊されていく……」 「またそれか、それしか言うことがないならさっさと出て行け。今の俺は気が立ってるんだ」 邪険に扱う士に対して士が鳴滝と呼んだ謎の男はそれでも怒りに満ちた声を投げつける。 まるで親の敵か、あるいはそれ以上の存在に対するかのような態度。 それだけでこの二人が敵同士なのだということが分かるが、それにしては好戦的という印象をあたえる士が仕掛けないのはおかしい。 「本来、プリキュアの世界には存在するはずがなかった仮面ライダーが生まれる……その不確定要素こそが世界を滅ぼす原因になるのだ。 その不確定要素を世界に導いたのはディケイド、全ては貴様が原因なのだ!」 「黙れ……それなら俺がアイツを倒しに行くだけだ」 その一も二もなく仮面ライダーディケイド、門矢士を責め立てる口調にプリキュアたちは顔をしかめる。 僅かな間しか共に居ないが、それだけだが士は悪い人間ではないように思える。 フュージョンと戦っている姿や、夏海を庇おうとする姿にユウスケと共闘する姿。 それらは決して我が侭に人を滅ぼそうとする破壊者の姿には見えなかったのだ。 鳴滝は言葉を止めることなく、怒りのままに口を開き続ける。 「夏海くんとクウガも貴様と出会わなければこんなことになりはしなかった……ディケイド、貴様が二人を不幸にしたのだ」 「そんなことない!」 その様子に口を挟まずにはいられなくなったのか、キュアドリームが口を開く。 ボロボロの身体だとは思えない強い視線で鳴滝を見据えたまま、口を開く。 「士さんは世界の破壊者なんかじゃない! 士さんは……そんな悪い人なんかじゃない!」 「君は何も知らないだけだ、だからそんなことが――」 「確かにそうかもしれない。けど、夏海さんは士さんを頼ってタコカフェに行った。 そして、士さんと会った時、本当に嬉しそうに、安心したように笑ったんだよ! だから……だから、夏海さんとユウスケさんは不幸なんかじゃない! 士さんたちは友達なんだもん!」 「確かに、私たちは士さんたちのことを何も知らない……」 それを受け継ぐようにキュアブルームがドリームの言葉を続ける、やはりドリームと同じく強い眼差しで。 「だけど、私たちを助けてくれたユウスケさんが本当に士さんのことを信頼していたから。 それに士さんは二人のことを心配しているから、だから私は士さんを悪い人だとは思わない!」 「…………ディケイドは世界の破壊者。関わったものは全て破滅する。 それを君たちプリキュアが覚悟しているというのなら、私はここから立ち去ろう。 だが、ディケイドよ! 今の光景は貴様の業の一つだ! 彼女たちがなんと言おうと、それだけは変わりはしない!」 鳴滝はそれだけを言うと、コートを軽く翻す。 それだけで鳴滝の身体は霧散していき、まるで瞬間移動のようにその姿を消してしまった。 プリキュアたちは驚きを示すが、士はいつものことだと何も反応しはしない。 ただ、曇り空の下で誰も居ない写真館の玄関だけを眺め続けている。 背中越しからでも様々な感情が渦巻いていることがわかり、プリキュアたちに話しかけることを躊躇わせる。 「その……士」 そんな中で一人、ナッツだけが士へと声を投げかける。 士は振り向かず、声も返さずにただ一つの場所を眺めている。 ナッツはそんな反応を予想していたのか、何も言わずにポシェットの中から一つのペンライトを取り出す。 レインボーミラクルライト、ある一面ではこの騒動が大きくなってしまった最初の要因とも言える。 「このミラクルライトはプリキュアをパワーアップさせるための道具ナツ…… そして、士。ディケイドが使っていたあの大きなタッチパネルの変身アイテム、あれも仮面ライダーに力を与えるものナツ」 「……何が言いたいんだ」 そこでようやく士がナッツへと言葉を返す。 ナッツは神妙な顔つきのまま、ゆっくりと頷いて言葉を続ける。 全員が全員その言葉に現状を打開できる何かがあると思い、息を沈めてナッツの言葉に集中する。 ナッツの技術力は優れていることを、特にプリキュア5の面々は良く知っているのだ。 時間こそ掛かっているが、本来ならば異世界であるパルミエ王国とのぞみたちの住む世界を通信できる機械を独力で作りあげたほどだから。 「……思うにナツ、その変身アイテムとミラクルライト。 この二つが組み合わされば、仮面ライダーの力を手に入れたフュージョンにも対抗できるんじゃないかと思うナツ」 「そんなことが出来るんですか、ナッツさん?」 ミントが不思議そうに首をかしげながらナッツに尋ねる。 その言葉にナッツは僅かに間を空けてからゆっくりと頷く。 ナッツの肯定の様子に士は苛立ったように言葉を続ける。 「それでどうなる……その間にもアイツは力をつけてくるぞ。 たとえミラクルライトとかいうのとケータッチを組み合わせても、それ以上にアイツが強くなっていたら――――」 「大丈夫だよ!」 確実な解決にはならないナッツの言葉に士は苛立を深くする。 だが、士の苛立ちを感じさせる言葉を正面から否定し、それでいて勇気づけるような声をドリームがあげる。 士もその言葉でようやく反応を見せて、プリキュアたちの方へと振り返る。 「ナッツ、他のミラクルライトはナッツハウスの中にあるんだよね?」 「そ、そうナツ。あの後で改良を重ねるために皆から回収して、ナッツの部屋のあるナツ」 「じゃあ、私たちがそれを取ってきて、ミラクルライトをいーっぱい士さんの変身アイテムにつければいいんだよね!」 簡単に言うドリームに、士や妖精たちは目を丸くして見つめる。 確かにそれならなんとかなるかもしれないが、言うほど簡単ではない。 移動方法としてはパッションの瞬間移動があるが、恐らくフュージョンも警戒しているはずだ。 「ド、ドリームの言うことは間違ってはないナツ。 ミラクルライトはプリキュアの力になるものだから、それを使えば仮面ライダーだけでなくプリキュアもパワーアップするはず…… だ、だけど、取りに行くのは危ないナツ……」 前の戦いではミラクルライトで遅れをとった以上、ミラクルライトの保管場所であるナッツハウスは最も警戒されている場所だ。 クウガと言う巨大な力を手に入れた今、恐らくナッツハウスの前で待ち構えているだろう。 何故ならフュージョンの不安要素はあのミラクルライト以外に存在しないのだから。 「……そうだね、そうだよね」 「それじゃあ、行っちゃおうか」 やがて、その言葉に虚を突かれていたブラックとピーチも笑いながらドリームの言葉に答える。 肯定の意、二人に続くように他のプリキュアも弱々しく、だがしっかりと笑みを浮かべながら立ち上がる。 フュージョンからディメンションシュートを受けた身体が無事なわけではない。 そんなプリキュアを気遣ってか、タルトが俯きながら話しかける。 「そんな! その身体で行こうなんて無理があるで、プリキュアはん! せめてもう少しだけでも身体を回復させてからでもええんとちゃいますか!?」 「プリップー……」 タルトだけでなく、心配そうな顔をして宙に浮かぶシフォンの姿。 その二人や他の妖精たちにも対してピーチは優しく笑みを浮かべて答える。 「ちょっと行ってくるだけだから、せっかく皆で集まったんだから早く終わらせないとね」 「せやかてなあ、ピーチはん……」 「大丈夫大丈夫! まだ動けるし、ほらほら!」 「ラブゥ……」 自分はまだ動けるとピーチはアピールするかのように、軽く力こぶを作るような動作で笑顔を浮かべる。 それでもまだ心配そうな顔をする二人に、困った顔をしつつも笑いかける。 管理国家ラビリンスとの戦いと言う密度の濃い付き合いをやってきた二人にはその笑顔で止めることは難しいと悟る。 タルトは『はぁ』と軽くため息をつき、それ以上は何も言わない。 他のプリキュアのやりとりも同じだったのか、メップルたち他の妖精も同じように笑いを浮かべている。 そして、僅かに顔をしかめている士に対して向き直る。 十七人全員に見つめられていることに圧迫感は覚えていないようで、士はただ一瞥するだけだ。 それを何か用かと言う無言の問いだと判断し、ブラックが口を開く。 「士さん」 「……なんだ?」 「たこ焼き、美味しかったです、もう一回食べたい。出来ればアカネさんのと食べ比べしたいぐらい」 「……」 「世界の破壊者とか、あたしにはよくわかんないけど……士さんのたこ焼きは美味しかったです。 だから今度は、士さんの仲間の人と一緒に食べましょうよ」 士は何も言わずにただブラックの言葉に耳を傾ける。 そして、ブラックの言葉を受け継ぐようにピーチは相変わらず柔らかく微笑んで言葉を続ける。 「罪を憎んで人を憎まず。大事なものを守りたい、って気持ちはみんな一緒だから」 「そうか……」 「だから、私は私の見た、友達のことを思っている士さんの力になりたいと思います」 ピーチはそれだけを言って、背中を向ける。 そしてリンクルンを手に持ったパッションへと言葉を放つ。 「パッション、お願い」 「分かったわ」 パッションはゆっくりと頷き、リンクルンを両手に持ち目を瞑る。 そのパッションを中心にプリキュアたちは集まっていき、強い眼差しのままに空を見つめる。 「ナッツハウスへ!」 強い言葉とともに、パッションを中心にプリキュアたちは消えていった。 取り残された、変身アイテムでない妖精たちと士は何も言わずに黙り込んでいる。 いつだってプリキュアに任せるしかない妖精は歯がゆさを感じているのだろう。 士はそこでようやく顔を上げ、ポツリと呟く。 「そうだな」 えっ、と不思議そうな顔で妖精たちは士を眺める。 すがすがしい顔、とは言えないが先程よりは吹っ切れた顔をしている。 その瞬間にケータッチを取り出してナッツへと手渡した。 目を丸くしているナッツに向かって、士は言った。 「……なるべく早く頼むぞ」 「ナツ!?」 「アイツらを見ていると考えるのが面倒くさくなっただけだ」 ◆ ◆ ◆ キュアパッションの持つピックルン・アカルンの瞬間移動能力によってナッツハウスの門前まで訪れたプリキュアたち。 空は当然のように暗黒に曇っており、心なし周辺の林に生える木々も萎びれた印象を覚える。 見慣れた風景に渦巻く邪悪な気配にプリキュアたちは僅かに顔をしかめるが、直ぐにその表情を引き締める。 「ミラクルライトはナッツの部屋にあるんだよね」 「ええ」 全員が顔を見合わせて頷き合う。 ミラクルライトを取るだけという目的だが、実際はそれほど簡単なものではない。 ナッツが言ったようにミラクルライトはプリキュアの力を倍増させる物、それをフュージョンはよく知っている以上は邪魔が入るはずだ。 『プリキュアァ……!』 その予想は不幸にも外れておらず、当然のように曇った空から水銀色の怪人・フュージョンが降り立ってくる。 必ずこのナッツハウスに来ると読んで待ち構えていたのだろう。 今のままのプリキュアになら勝てる、恐れるのはミラクルライトだけということをフュージョンは認めているのだ。 逆に言えば、ミラクルライトさえ手に入れてしまえばプリキュアの勝利の目も見えてくる。 フュージョンに向かい合ったプリキュアたちは静かに構える。 十七組の鋭い眼光を受け流しながらフュージョンは姿を変えて行く。 『ここで、私と一つに……!』 フュージョンが取った姿は仮面ライダーディエンドではなく、金色の禍々しい装飾を施した黒い複眼の仮面ライダー。 プリキュアたちにも分かる。 この姿・この力は小野寺ユウスケ、仮面ライダークウガのものだ それをフュージョンが操ると言うことは、すなわちユウスケはフュージョンに取り込まれたと言うこと。 『この姿こそ最も邪悪な仮面ライダー……ライジングアルティメットクウガ、究極の闇そのものだ』 力を確かめるように手を握りながらフュージョンは呟く。 そして、プリキュアたちへと向かってゆっくりと指先を掲げる。 その瞬間だった、プリキュアたちの足元に激しい爆発が起こったのは。 「きゃあああああ!!!」 クウガ、いや究極の闇が持つ力の一つである発火現象を用いた攻撃。 触れることすら許さない最強の力だ。 『プリキュアよ……私と、一つに……!』 ◆ ◆ ◆ 「ああ、帰っていたのかい士くん。いや、ちょっと空が曇ってきたからねえ。 泣き出す前に洗濯物を畳んでおこうと思って……あれ?」 「士だけェ? ユウスケたちはぁ?」 写真館の前で立ち尽くしていた士の前に現れたのは、一人の老人と真っ白な奇妙な形をしたコウモリ。 老人はそこに居るだろうと考えていたはずの二人の姿が見えないことに不思議そうに首を捻る。 「夏海とユウスケは……今は居ない」 「そっか、出かけてるのか……まあ、ちょうどいいや。もう少しかかるからね」 その疑問に答えるように士は口を開く。 妖精たちはケータッチを改造しているナッツの所にいる。 今は待つだけの身がひどくもどかしい。 「いやね、今日は美味しいパンが焼けたんだよ。 ほら、このチラシに書いてあった『パンパカパン』ってお店のパンが美味しそうでね。 思わず作りたくなっちゃって……後で二人が帰ってきたら一緒に食べよう」 「栄次郎ちゃん、わたしの分はぁ?」 「ちゃんと作ってあるよ。皆で食べた方が美味しいからね、こういうのは」 「やったぁ♪」 甘ったるい声を出しながら白いコウモリ・キバーラが周囲を羽ばたく。 それを見て老人・光栄次郎も好々爺そのものの落ち着いた顔に笑みを貼り付ける。 普段と変わらないそのやり取りを眺めながら、士ふと思いついた。 「そうだ、こっちで知り合いが出来た。十七人ぐらいいるが……なんとかなるか?」 「十七人!? そりゃ多いねえ……まあ、一人の分が凄く少なくなるけどなんとかなるよ」 「大丈夫だ、他の食べ物も持ち込むからな」 驚愕に顔を染めながらも栄次郎は何かを確かめるように指を折り始める。 士の顔には苛立ちは薄くなっていた。 先程士自身も言ったように、考えるよりもフュージョンを殴りたいという気持ちが強くなっている。 フュージョンを倒してしまえば今の状態が元に戻るということは、プリキュアたちから話を聞いたので知っている。 「士……士……」 大変だなあ、と呟きながら栄次郎が写真館へ入っていくのと入れ替わりに声変わりを済ましていない甲高い声が響く。 声のする方向へと視線を移すと、そこにはココの姿が見えた。 メップルたちのようにプリキュアの変身に必須でない妖精たちは今この場に残っているのだ。 「終わったらしいココ」 「そうか」 士は短く答えてケータッチをいじっているだろうナッツのいる場所へと向かっていく。 思ったよりも早かったな、と思いつつそっとカードホルダーに触れる。 コンプリートフォームの空白のカードに対して、ある考えが浮かんでいるのだ。 ミラクルライトはプリキュアの力を増大させる、そしてコンプリートフォームは仮面ライダーの力を集めたコンプリートフォームへと姿を変えさせる。 この二つはどこか似ている、そう士は感じたのだ。 「士、終わったナツ……」 そんな士へとナッツが僅かに俯きながら声を掛ける。 小さなナッツの手には見慣れたケータッチがあり、特別変わったようには見えない。 「ケータッチ……それはナッツじゃ良く分からないほど複雑なものだったナツ。 かろうじてミラクルライトの核となる機能をつけることが出来たナツけど……正式な力が出せるかどうかは分からないナツ」 「いや、構わない。あの時間で頭が落ち着いた」 士はそっけなく答えて、ナッツから奪い取るようにケータッチを手に取る。 ケータッチを軽く眺めた後に、何も言わずただマシンディケイダーに跨りヘルメットを被る。 戦いに行くのだ、妖精たちにだってそれぐらいは分かる。 完全にケータッチが戻ったわけではないのに、戦いに行く士へと向かって思わずココの口が開く。 「士……君は、君は一体何者ココ?」 ココはそう尋ねる。 異世界の存在を知っているココとナッツでも知らない、仮面ライダーという存在。 そして、世界の破壊者と呼ばれるディケイド、そのディケイドが目の前の青年だという。 だが、その青年からはそんな分かりやすい悪意は感じない。 だからこそ、聞かざるを得なかった。 たとえ青年の記憶がないと分かっている、残酷な問いだとしても。 しかし士は、大したことではない、というような表情のまま答えた。 「俺か? 俺は――――」 士はココの言葉に答えながらホルダーから一枚のカードを取り出す。 手に取った一枚のカードを前へと突き出し、勢いよくディケイドライバーに差し込んだ。 ―――――― KAMEN RIDE ―――――― ――――――― DECADE ――――――― ◆ ◆ ◆ 「くっ……あぁ……!」 場所は変わってナッツハウス周辺の森林。 ナッツハウスの被害を嫌ったプリキュアたちが場所を移したのだ。 フュージョンとしても圧倒的な力を得た今では地の利を考える必要はない。 おとなしく位置を変え、全力で向かってくるプリキュアを全力で叩き潰していた。 『傷は癒えていない……何故そのような姿で強大な力を得た私の前に立つ……?』 「アンタには……分かんないでしょうね!」 「もうこれ以上、私たちの世界を貴方の好きにはさせたくないの!」 「虹の園の美しい風景……そこに住む優しい人々……そのどれもが、私の大切なものなんです!」 フュージョンの問い掛けにブラック、ホワイト、ルミナスの三人が立ち上がる。 かなりのダメージが蓄積しているが立ち上がる、その不気味な様子にフュージョンは眉を顰める。 「そうよ……! 私たちには大事なものを抱えて生きてるの!」 「……貴方の物じゃない! 私たちは、私たちで居たいの!」 「最初から一つなら……私と薫はあんな辛い思いを抱かなかった」 「だけど、それを乗り越えたときに一つならあんなに嬉しくなかった……咲と舞という別の人間が居たから、私たちは嬉しかった」 ブラックたちに答えるようにブルーム、イーグレット、満、薫の四人も立ち上がる。 あれほど叩き潰したというのに、瞳には強い敵対の色は一向に消える様子はない。 「一つになるって私には良く分からない……だけど、私は皆と喧嘩しても、皆と一緒に居たい!」 「そういうことよ……! 喧嘩もしなければ、相手の心が分からない……」 「そんな未熟な人間でも、私たちは別々の人間としても一緒に居たいんです!」 「別々の道を目指しながら、お互いに励まし合う……」 「それで私たちは良いわ……! そうやって、頑張ってこれたんだから……!」 「皆が一緒だなんて……あのナイトメアとの時を思い出して気持ち悪くなるだけだわ……!」 全員がボロボロの身体だというのにプリキュア5とローズがゆっくりとだが確かに立ち上がる。 やはり折れないその瞳に、思わずフュージョンは一歩だけ後ずさる。 「皆が皆……違うから……それを仲良くなれたときに幸せを感じることが出来る……!」 「私たちは……張りあうように競いあって……お互いが完璧になるの!」 「他人を信じること……私は、好きだから……!」 「皆が笑っている姿を見れるなら……私、せいいっぱい頑張るわ……!」 ピーチとベリー、パインとパッションも立ち上がる。 その瞳には、フュージョンへの敵意しか存在せず、折れるという様子を見せはしない。 『貴様らぁ……!』 攻め上げていたフュージョンが苦しそうな声をあげる。 プリキュアたちは強い眼差しのままにフュージョンを睨みつける。 そして、揃い合わせたかのように同じタイミングで口を開き同じ言葉を投げつけた。 ――――だから! 私たちは貴方なんかに負けない!―――― 『だがぁぁぁ! 私の力の前に倒れるのだぁ!』 それ以上、プリキュアの姿を見たくはないと言わんばかりに発火現象での攻撃を行う。 そして、ひるんだ隙に体勢を低くする。一撃必殺であるライダーキックの構え。 直撃すればしぶとすぎるプリキュアでも死んでしまう、そんな一撃だ。 ジリッと音を立てながら足の踵から土踏まずまでを地面から離していく。 後は助走をつけて、空中で回転するように回りながら蹴りを叩き込む。 それだけで、プリキュアは打倒出来る。 だが、本当に死ぬのか? そんな不安もある。 そんな不安も抱えたまま、フュージョンが走り出した瞬間。 『なっ――――!?』 フュージョンの身体に強い衝撃が叩き込まれた。 何が起こったのか分からないと言わんばかりに、着地も忘れて衝撃が襲ってきた方向に眼をやる。 「待たせたな、プリキュア」 聞き覚えのある声と、いまさらながら気づいたバイクの排気音。 バイクで吹き飛ばされた、と瞬時にフュージョンは理解する。 フュージョンをバイク、マシンディケイダーで吹き飛ばした衝撃を物ともせずに軽く降りてくる。 その姿を、プリキュアたちとフュージョンはよく知っている。 『仮面ライダー――――』 「――――ディケイド!」 目に痛いほどに光を反射するマゼンダ色のスーツと、奇抜な仮面をつけたバイクに跨った戦士の姿。 世界の破壊者、だが今はフュージョンを倒そうとする仮面ライダーディケイドだ。 「プリキュア! 大丈夫ロプか!?」 「シロップ!」 「ココや……他の皆も居る!」 ディケイドが現れた瞬間、天空に巨大すぎる怪鳥の影が舞う。 その背中にはメップルたちのようにプリキュアの変身アイテムとなれなかった妖精の姿が見える。 相も変わらずに一つとなることを阻むその集団の姿に、フュージョンは憤りながら大きく怒鳴りつける。 『貴様ぁ……まだ私の前に立つか……! 最大の力を失った今でも、私に勝てると思っているのかぁ!?』 フュージョンの言葉にディケイドはバイクから降りながら、ふん、と鼻で笑う。 「こいつらの単純なほどに真っ直ぐな姿を見てたらな、考えるのが馬鹿らしくなる。 だから今はとにかく……イライラさせるお前をぶん殴る、それだけだ!」 『それだけ……それだけだとぉ? それだけのために死にに来たのか?』 その声に今度はフュージョンが鼻で笑う。 だが、ディケイドはそれに対して何も返さずに、効果を示さなくなったはずのコンプリートカードを取り出す。 そして、そのカードをケータッチに差し込むと、フュージョンに吸収されて以来全く起動しなかったケータッチが光を放ち始める。 その光は士以外の、フュージョンすらも知っている光、ミラクルライトの光そのものだった。 「やった! 起動したでぇ!」 「プリキュアのカードとミラクルライト……この組み合わせだから起動したんだナツ!」 タルトとナッツがその様子に驚きの声をあげるのを聞きながら、ディケイドは素早くボタンを押していく。 光の影響か、タッチパネルに表示されるイメージは普段の九個よりも格段に多い、十七個ものイメージだ。 ――――― BLACK ――――― ――――― WHITE ――――― ―――― LUMINUS ――――― ――――― BLOOM ――――― ――――― EAGLET ――――― ――――― BRIGHT ――――― ――――― WINDY ――――― ――――― DREAM ――――― ――――― ROUGE ――――― ―――― LEMONADE ――― ――――― MINT ――――― ――――― AQUA ――――― ――――― ROSE ――――― ――――― PEACH ――――― ――――― BERRY ――――― ――――― PINE ――――― ―――― PASSION ―――― ――― FINAL KAMEN RIDE ――― 十七枚のカードがディケイドの周辺を回り、肩から胸へと通り肩を結ぶホルダーに収まっていく。 低い機械音とともに光を放ちながら、ディケイドのカードが額へと装着される。 ―――― DECADE ――――― プリキュア・コンプリートフォーム。 光を放つその姿は、ディケイドのコンプリートフォームに姿こそ同じだが、力の性質が僅かに異なる。 その力の性質は仮面ライダーのものではなく、プリキュアのもの。 そして、そのベクトルはミラクルライトの影響かプリキュアへと向かって力を『与える』ことが主だ。 「力が……!」 「凄い……」 「力が湧いてくるよ……!」 ディケイドの腰に嵌められた、ミラクルライトが内部に仕込まれたケータッチから輝く光が放たれる。 そして、その光がプリキュアたちが包んでいき、プリキュアたちもその光を抗うことなく受け止める。 悪い光ではなく、自分たちに利する暖かいものだと感じたからだ。 「ミラクルライトの光だココ!」 「なんや……!? プリキュアはんらの姿が!」 その光はプリキュアたちへと力を与える光。 光を受け取ったプリキュアは力を新たに、姿を変えていく。 鳳凰の火を受けてさらなる力を得た『スーパープリキュア』、ディケイドの放った光によりその姿となったキュアブラックとキュアホワイト。 人と人の繋がりに寄り、絶えることなく輝き続ける光に包まれた『黄金』のシャイニールミナス。 満と薫を精霊の力も得ることで『花鳥風月』の四人が揃ったキュアブルーム、キュアイーグレット、キュアブライト、キュアウィンディ。 繭を破るように光の中から現れた背中にそれぞれの色の『蝶』の羽をつけたスーパープリキュア5。 全ての人の心の力によって、姿を得た白い羽を持ち微弱だが優しい光を放つ『天使』の姿をしたキュアエンジェル。 『これ、は……!』 その姿に気圧されるように、フュージョンは一歩後ずさる。 先程とは違う圧倒的な力、それどころかこちらの力を奪われていくそれにフュージョンの脳は疑問で埋め尽くされる。 『その光が……その光が原因なのか……! 私の力が……私から離れていく……!』 ディケイドの放った光によって集めたその力がどんどんと分裂していく感覚を覚える。 今のこの姿を、フュージョンは保つことができなくなる。 ライジングアルティメットクウガの姿が霧散していき、かつてプリキュアたちと戦った特徴のない姿へと変わっていく。 『何故だ……私は、力と一つになったはずだというのに……!』 「お前はユウスケや夏海、海東と一つになったんじゃない、取り込んだだけだ。 ちょっと刺激を与えてやれば……力が逃げ出していく程にな!」 霧散して行く力を追いかけるように、フュージョンは前方へと手を差し伸ばす。 だが、無くなっていく力は取り戻せない。 クウガの力を完全に逃がすことはかろうじて避けたが、その力を引き出すことは叶わない。 フュージョンの馬力自体は落ちてはいない、未だ強大な存在であることに変わりはないのだ。 だが、力を引き出せないと言うことにフュージョンへと強い動揺を与える。 『何だというのだ……! 何なのだ、貴様は!!』 その存在を知っているというのに、フュージョンは叫ばずにはいられなかった。 先程までプリキュアをライジングアルティメットクウガで圧倒していたはずなのに、あっという間に形勢が逆転している。 それもこの仮面の男が現れたからこそだ。 「知らないのか? だったら教えてやる」 ディケイドはふんと鼻で笑い一歩踏み出す。 それに呼応するようにプリキュアたちも一歩、踏み出す。 「通りすがりの仮面ライダーだ! 覚えておけ!」 ディケイドが放った言葉は、妖精たちに放った言葉とそっくり同じだった。 To Be Next――――――――――――――――
https://w.atwiki.jp/crossnovel/pages/146.html
◇ 「……」 赤い液体に満たされた容器の中に、人間といえるかどうかすらわからぬ、ヒトガタが浮かんでいる。 ―――生命維持は機械に頼り。 ―――知能さえも機械に預け。 世界最高峰の魔術師と言われたものは、今や科学技術の塊と化している。 そんな、男にも女にも、老人にも成人にも囚人にも聖人にも見えるものは、一言、 「この野郎…………………………………!!!!」 怒りを込めて呟く。 目の前に、一つの天使【エイワス】が現出する。 「おや、ここしばらくで見ない感情の現れだね」 器の小ささが知れるぞ、と呟く。 「別に望んで感情を排しているわけではないのでね。必要とあらば、排出する他ない」 と、アレイスター。続けざまに、 「……見逃せない誤差だ。一方通行【アクセラレータ】は魔術を会得。浜面仕上は『素養格付【パラメータリスト】』を手に入れる。何より『幻想殺し【イマジンブレイカー】』が―――」 普段にはない饒舌ぶりが、彼の怒りを露わにしている。 ―――。 かっ、かっ、かっ。 足音。 窓もドアもないビルの、中。 空間移動能力者【テレポーター】でもなければ入れないビルの、中。 ...... ただの魔術師は、アレイスターの前へと歩む。 「……、ッ!」 驚いたのは、エイワス。 青ざめたプラチナのような翼をはためかせ、散る。 「残念だが失礼する。その男は何かと”苦手”でね」 ゴガァア!!と、炸裂音が響く。 「不倶、」 エイワスの去り際に放った一撃も、一言の結界に静止(とど)められる。 「君の作品は不出来だな」 「『相克スル螺旋』程ではないがな」 見えない緊張の糸。 互いが互いを、”敵”としている。 「……何の用事だ」 「言うまでもあるまい」 「上条当麻の失踪は君の仕業か」 ............ 「わかってると思うが、個人としてやったことではない。興味ある対象が望んだから、そうしたまでだ」 ―――トン 魔術師【侵入者】の肩に、手が置かれる。 ビーカーに浮かぶ者の、ではない。 ―――歴代最高峰の魔術師、アレイスター=クロウリ―の手だ。 「次元をすでに凌駕するか」 思わずつぶやく侵入者―――荒耶。 二人いるとか、そういう次元ではないのだ。 そこにも、居る。 容器の中にも、目の前にも。 どこにもかしこにも見渡しても――――ッ! 「―――邪魔をするな」 男にも女にも、囚人にも、聖人にも子供にも大人にも聞こえる声で―――!! 「金剛、」 バキィン! 金属がぶつかり合う音とともに、戦闘が開始される。 「準備運動は必要ないのか?」 「君程度の相手なら必要ないさ」 衝撃の杖は、動きを止められていた。 「蛇蝎、」 上方から覆い被さるように、杖を突きだして襲いかかったアレイスターだったが、魔術師は動きもせず、言葉を紡ぐだけでそれを受け止める。 魔術師の右手が、アレイスターの眼前へと迫る。 しかし、当たらない。 『静止』していたアレイスターは、もう居ない。 次に魔術師を襲うのは、後方、死角からの一撃―――ッ! 「戴天、」 左手で杖は握りとられる。 アレイスターは焦りもせず、呟く。 「消飛べ」 ドン! 短い炸裂音とともに、杖を握られていた位置が爆散する。 しかし、爆風や、熱、音までもが大気の流動と同じく『静止』していた。 この程度の攻撃では、魔術師に届きすらしない。 判断したのか、アレイスターは 「―――神よ、なぜ私を見捨てたのですか」 紅い光線が迸り、魔術師の背後を狙う。 やはり、アレイスターは『空間』や『存在』という次元、概念を凌駕しているようだ。 「ぐっ……」 左手を突き出して、魔術師は応戦し、 「、頂経」 死なない左手は、かつて炎の魔術師を苦しめた一撃をものともしない。 しかし、魔術師は攻撃に転じることができない。 そもそも、視認しているアレイスターに攻撃を当てたところでダメージが入るかどうかもわからない。 「……なぜ魔術を使う」 魔術師は、素直に疑問に思ったことを口にする。 アレイスターは、魔術を捨てた者。そして世界の敵となったもの。 その男がいまだ魔術に頼るというのは、いささか疑問である。 ........ 「私の作品の術式だ。お披露目しておこうと思ってね」 「―――ッ!」 第一の結界が破られる。 「(竜王の殺息【ドラゴンブレス】…!?)」 あらゆるものを『静止』させる結界だが、質・破壊力がケタ違いの竜王の殺息の前ではどんどんジリ貧になる。 「私こそ疑問だ。『抑止力』を相手取る君が、なぜ私に立ち向かう?それでは君が『集合的無意識』に従っているようなものだ」 ............... 「逆だ。今後の展開次第では、お前こそが私の抑止力になりうる。アレイスター」 「―――『ペクスヂャルヴァの深紅石』」 会話こそ交わしているものの、戦闘中である。 なにかが来るとすぐに察知した魔術師は、後方へ飛び退こうと足を前に突き出して地面を蹴り―――。 「ぐっ……ぐがぁッ!」 直後、魔術師の足先から足首、脛、膝、へと、強烈な痛みが這い上がる。 まるで関節を強引にずらすような痛み。 思わず膝をつく。 「―――終わりだ」 アレイスターの一言。 そして、魔術師の全身の骨は砕け散――― ..... るはずだった。 「……右手……だと……!」 魔術師は右手で足を叩きつけていた。 這い上がる痛みが全身へ渡る前に―――ッ! .... 「あの妖怪とは事前に密約を交わしている」 例えばこの右手のように―――と、魔術師。 次の瞬間、爆発的な脚力でアレイスターの眼前へと迫るッ! 「フィアンマと同じ手か。右手を取り込んだ程度でいい気になるな」 迎え撃つアレイスターはねじれた杖を魔術師へ向け、 「 」 聞こえぬ声でなにかを言う。 そして、 ―――トン あまりにも軽い音。 「取り込んだだけでは、大した力にはならぬか。やはり、あの少年が身に付けてこその右手【イマジンブレイカー】」 魔術師の右腕は、肩口から綺麗さっぱり切断されていた。 流血はなく、切断面は空洞であるかのように真黒だ。 「……やはり、お前の領域内【テリトリー】では分が悪いか」 ここは素直にひかせてもらう、と魔術師。 アレイスターは止めない。まるで、いつでも相手にできるとでも言うかのように。 「君よりも優先して相手取るべきなのは――――――」 ―――あの妖怪だからな―――。
https://w.atwiki.jp/mncorelay/pages/109.html
「気にするな。一般市民を救うのも俺達の役目だ。」 さいたまなRPGより出演。 さいたま市に勤務しているさいたま市隊の隊員で元マフィアのメンバー。 モラストルとは同じ職場仲間でもある。 刀を扱うことができ、特性により通常攻撃は先制攻撃可。 回避率も上昇している。 特技によって自身の攻撃力を強化することも出来るので、スピードアタッカーとして十分に活躍することが出来るキャラである。 ネームレス(相棒)、モラストルと共に愛生会をあぼーんする任務を受ける。 物事はハッキリ言うタイプで、怪しいと感じた事、文句、自分の気持ちなどもしっかり言う。 まっすぐな姿勢をした性格なのであろう。 原作では、ムンゾ城制圧任務に遅れてやって来る。(その時、城の大体半分ぐらい進んでいる) 残った敵相手に自分の実力をたっぷり見せてやる、と余裕気に言ってることから物事を少し気楽に考えている部分もあるのかもしれない。 名前 コメント すべてのコメントを見る