約 339,315 件
https://w.atwiki.jp/freedom_wars/pages/548.html
Dead Channel製の特殊槍。 威力は低いが、血を食らう、という噂がある。 突きタイプながら周囲に対しても広範囲に攻撃ができる。 四角ボタンの弱攻撃チャージ技で投擲が可能。 性能 威力 124~166 攻撃タイプ 突 希少度 怯みダメージ[%] - クリティカル発生率[%] 0 クリティカルダメージ倍率 1.0 ダメージ吸収発生率[%] 4.0 ダメージ吸収率[%] 5.0 火 氷 雷 Will O - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 入手方法 生産レシピ 生産時間 10 00 必要資源名 希少度 必要数 ダイアカーボン:最低硬度 1 2 廃ギアボックス 3 2 装甲:簡易装甲丁型 2 1 ※武器プラント Lv.8 より生産可能 ボランティア 強化に必要なレシピ 必要資源名 希少度 必要数 所要時間 Lv.1 ⇒ Lv.2 Lv.2 ⇒ Lv.3 Lv.3 ⇒ Lv.4 Lv.4 ⇒ Lv.5 Lv.5 ⇒ Lv.6 Lv.6 ⇒ Lv.7 Lv.7 ⇒ Lv.8 Lv.8 ⇒ Lv.9 Lv.9 ⇒ Lv.10 武器改修派生 成長タイプによるステータスの変化 成長タイプによる威力早見表 Lv. 成長タイプ 晩成タイプ 変則タイプ 平坦タイプ 早熟タイプ 1 124-130 131-139 140-144 145-166 2 3 4 5 6 7 8 9 10 晩成タイプのステータスの変化 Lv. 威力 怯みダメージ[%] クリティカル 発生率[%] クリティカル ダメージ倍率 ダメージ吸収 発生率[%] ダメージ 吸収率[%] 1 124-130 - 0 1.0 4.0 5.0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 変則タイプのステータスの変化 Lv. 威力 怯みダメージ[%] クリティカル 発生率[%] クリティカル ダメージ倍率 ダメージ吸収 発生率[%] ダメージ 吸収率[%] 1 131-139 2 3 4 5 6 7 8 9 10 平坦タイプのステータスの変化 Lv. 威力 怯みダメージ[%] クリティカル 発生率[%] クリティカル ダメージ倍率 ダメージ吸収 発生率[%] ダメージ 吸収率[%] 1 140-144 2 3 4 5 6 7 8 9 10 早熟タイプのステータスの変化 Lv. 威力 怯みダメージ[%] クリティカル発生率[%] クリティカルダメージ倍率 ダメージ吸収発生率[%] ダメージ吸収率[%] 1 145-166 2 3 4 5 6 7 8 9 10
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/685.html
銃創がまだ真新しい壁に、優は拳を叩きつけた。 「くそ……また間に合わなかったか……!」 硝煙と鮮血の匂いが、優の苛立ちを煽り立てる。 地面にこびりつく血痕、転がる無数の死体、無惨に破壊された建物。 すべて鉤十字騎士団の仕業だ。 奴らは大胆にも憲兵隊の基地を襲撃し、殺戮の限りを尽くしたのである。 「……親衛隊は相変わらずのようね。半世紀の時を経てなお、いまだに血を求め続けている」 ティアもまた優の傍らで基地の惨状を見つめていた。 常に冷静さを失わない彼女も、このときばかりは怒りを隠せずにいた。 憲兵隊の基地が鉤十字騎士団の奇襲を受けている。 待機していた二人に、切迫したその通信が飛び込んできたのは、ほんの数分まえだ。 優とティアは現地に急行したが、時すでに遅し。 親衛隊の姿はなく、後には殺戮の爪痕が虚しく広がっていた。 基地の状態は、惨憺の一言に尽きた。 生存者は皆無。将兵から新兵に到るまで、徹底的に殺しつくされていた。 誰とでも打ち解ける人となりの優は、まだ出会って間もない憲兵隊とも友好を深めていた。 気のいい奴らばかりだった。 一人も死なせることなく、任務を終えることが出来ればいいと思った。 だが、無駄死にをさせてしまった。悔しさに腹が煮えくり返りそうだ。 そんな不甲斐ない自分に腹が立っている優を、さらに逆なでするものが壁に残されていた。 血文字で描かれた「のろま野郎」と「次はお前達だ」というメッセージ。 いうまでもなく鉤十字騎士団が自分らに残したものに違いない。 「これで、何度目だ」 「三度目よ。同時に二箇所で襲撃が起きていることから、どうやら敵は複数でことに当たっているようね」 此処以外のいくつかの基地も、鉤十字騎士団によって、壊滅的な被害を被っていた。 早急に人員の補充が為されているが、すぐに元の態勢に復帰するのは難しい。 これではナチ残党に何か動きがあった時に、まともな対応がとれない。 鉤十字騎士団だけならば、スプリガンで対処できる。 だが、奴らがネオナチを率いて、ウィーン全土で大規模なテロを仕掛けてきたとしたら。 一騎当千の実力を持つスプリガンといえど、広範囲に渡る敵の活動を抑えることは不可能だ。 奇しくもこの戦略は、鉤十字騎士団に対する優達のそれと似通っていた。 武装した憲兵隊を容易に殲滅する戦力。そして機を正確に見極め、撤退する判断力。 あまりの素早さに満足な対応がとれぬまま敗れ去ってしまう。 半世紀前に連合軍を苦しめた電撃戦のやり方だ。 その見事なヒット&アウェイに、優達は翻弄されていた。 優は、苦悶の表情のまま死んでいる憲兵隊の兵士を見た。 機関銃で蜂の巣にされた死体。太い槍のような何かで急所を穿たれた死体。 中には、命乞いの末に嬲り殺されたような死体もあった。 ――へどが出る。 優とて、人間が戦場という極限状態の中で、いくらでも非情になれることは知っている。 そして、昨日まで生きていた人間が、次の日に物言わぬ屍と化すことも、痛いほど理解している。 その不条理さを軍人は日常として受け止める。 だが、優は違う。理屈では分かっていても、それを許容することができない。 良くも悪くも彼は若かった。そしてなまじ力を持つが故に、悩む。 他に方法があったのではないか。 もし自分がもっと速く辿り着いていれば、こんな殺戮は起きなかったのではないか。 一人でも多くの人間を助けることが出来たのではないか。 任務で仲間が傷つき死んでしまうたびに――優はそんな葛藤に陥り、自分を苦しめる。 「くそ!」 再び拳を叩きつける。焦燥と苛立ちばかりが募る。 ただ時間だけが浪費されていく。何か対策を立てねばならない。 さらに犠牲者が増える前に―― 「落ち着きなさい、優」 穏やかな――怒りで目が曇っている優にとっては憎らしくなるほどの――口調で、ティアが言った。 「そんな調子じゃあ、返り討ちにあっちゃうわよ。冷静になりなさい、冷静に」 何を悠長な、という言葉が喉から飛び出そうになったが、すぐに飲み込んだ。 優は自分を取り巻く状況について頭をめぐらせた。 思い出す。ロンギヌスが奪還された夜、自分と相対した剣士のことを。 まだ刃を交えてすらいなかったが、彼女の実力は痛いほどわかる。 心臓を締めつけられるような殺気。全身から放出される剣気。 背中に冷たいものが流れるのを、優は感じた。自分にこれほどの戦慄を覚えさせる者は、そうはいない。 おそらく、憲兵隊の基地を襲った連中も、同等の実力を備えているだろう。 苦戦は免れない。 だがそうだといって、自分は奴らを好きにさせておけるのか? 答えは否だ。 鉤十字騎士団を野放しにしておけば、いずれ、全世界に騒乱を引き起こすに違いない。 そんなことは絶対にさせない。 どんなに困難なことだろうが、知ったことではない。 自分の無力さ故に死なせてしまった人達のためにも。 日本にたくさんいる、自分の大切な人達のためにも。 必ず鉤十字騎士団を斃し、ロンギヌスを奪い返す。 不意に優は、自分の頬をぱん! とひっぱたいた。 痛みで頭がクリアになり、すっきりとした表情でただ一言、 「すまん」 と、謝った。 「気にしないで」 ティアは満足げに笑った。 ――もう、大丈夫ね。 優がいつもの調子を取り戻したのを見て、ティアは安堵した。 確かに鉤十字騎士団は強敵だ。 だが彼は、これまでにも多くの修羅場を潜り抜けてきた。 今回も見事困難に打ち勝ってみせるだろう。 だがウィーンで勝利を収めたとしても、それで戦いが終わるわけではない。 先を見据えねばならない。鉤十字の亡霊を退けた後には、あの魔女が控えている。 グルマルキン・フォン・シュティーベル。 ティアの古代高等魔術とは違う、ルーン魔術を得意とする魔術師。 蛇のように狡猾で、野獣のように獰猛な、強敵だ。 彼女は手段を選ばない。障害があれば、いかなる方策を駆使してでも排除する。 それに、決して浅くない因縁が、自分らにはある。 おそらくグルマルキンは、自分を殺すためにあらゆる策略を巡らしてくるだろう。 万全な状態でなければ、彼女を滅するまえに、不覚をとりかねない。 準備が必要だった。グルマルキンを完全にこの世から抹殺するための準備が。 ――そのためにアーカム本部へ、自分の装備の用意を打診しておいた。 地下"遺跡"倉庫に封印してある、スプリガンになる前に彼女が使っていた魔術礼装。 普段のティアは、コーリング・ビーストのための召喚符しか携行していない。 古代高等魔術に精通する彼女ならば、召喚符のみでも十分な戦力を誇るが、今回だけはそうはいくまい。 自分のカードをすべて切る覚悟でなければ、鉤十字の魔女を完全に滅するのは不可能だ。 ウィーンでの戦いには間にあわないだろう。だがグルマルキンとの決戦では、心強い味方となってくれるはずだ。 ともかく、今の翻弄されている状況をどうにか打開しなくてはならない。 まだ襲撃を免れている憲兵隊の基地は複数存在しているが、おそらくそのすべてを同時に襲撃できる ほどの機動力を、鉤十字騎士団は持っている。 つまり、次にどの基地が標的なるのかまったく予想がつけられないのだ。 憲兵隊が歯が立たない以上、スプリガンが相手をしなければならないのだが、人数が二人しか いないため限界がある。 だが、敵が憲兵隊を狙っている以上、その対策を取りやすいのもまた事実であった。 「さっき、まだ無事な憲兵隊の基地のすべてに、転移魔法陣を刻んできたわ。 これで親衛隊が次に襲う基地の予想が外れても、奴らが退却する前に辿り着くことが可能よ。 あとは複数の襲撃に備え、二手に別れて敵の出方を待ちましょう」 敵が憲兵隊の基地を襲撃している理由は、血のメッセージからも明らかだ。 奴らはスプリガンを抹殺しようとしている。 自分らをおびき寄せるためだけに、憲兵隊を血祭りに上げたのだろう。 ならば、その考えが変らないうちに――標的を一般市民に変更する前に、鉤十字騎士団を 待ち構え、打ち倒す。 たとえ別の基地に鉤十字騎士団が現れたとしても、一度でも奴らの姿を確認できれば、どんなに 距離が離れていても一瞬で目的地に移動できる転移魔法陣で不意を突くことができる。 だが、この作戦は様々な危険性を孕んでいた。 その一つは戦力の分散だ。敵の人数がはっきりしない上に、相手がどれほどの手合いかわからない この状況では、二手に分かれるのははっきりいって得策ではなかった。 もう一つはこれが受身的な作戦であることだ。 防衛戦は常に意識の緊張を強いられ、そしてその状態が長期間続けば、確実に心身に悪影響を及ぼす。 何より敵の狙いがその心理的な揺さぶりであるかもしれないのだ。 そういった諸々の要因もあり、欲を言えばこちらから先手を打ちたかった。 だが、状況がそれを許さない。 ウィーンは広大であり、編成の真っ最中である憲兵隊抜きに二人だけで敵を探し出すのは困難であり、 何より探索中に再び奇襲が起こった場合、また同じことの繰り返しになってしまう。 ティアが得意とする古代高等魔術も、鉤十字騎士団を探し出すには決定的な手段とはいえなかった。 神秘の一端に触れたことのない人間の目には、魔術は底無しの深淵のように映るものである。 だが彼女の言葉によれば、魔術は決して万能なものではなく、きちんとした理論体系が存在し、 最適な条件と環境が揃わなければ、数々の奇跡を実現するそれも、無用の長物に成り下がるという。 今から探索のための術式を組み立てるには、あまりに時間が足りなすぎる。魔女はそう結論付けた。 ということで、殆んど苦肉の策に近いものであっても、この方法を取るしかなかった。 しかしこれでいくらかの光明が見えてきたのも、また事実であった。 明確に目標が定まれば、兵の士気はあがる。 士気は戦いにおいて重要な要素だ。戦場の趨勢を決めてしまうほどに。 「やっと、あいつらをぶっ飛ばせるってわけだな」 優は不敵な笑みを浮かべながら、両の拳を突き合わせる。 確かに状況から言えば、こちらが不利だ。 だがたとえほんの僅かな勝機しかない窮地においても、最後に勝利を掴むのが御神苗優という人間であった。 連中に思い知らせてやる――スプリガンを敵に回したことが、どれほど恐ろしいことなのかを。 すっかり覇気が戻った優を見て、ティアは苦笑いを浮かべながら付け加えた。 「予想外の事態が起こらない限り、ね」 「ま、予想外っていったら、初めからそうだけどな。まさかナチ残党が絡んでくるなんてよ」 そもそも、最初にロンギヌスを狙っていたのはナチ残党ではなく、武器商人<トライデント>であった。 鉤十字騎士団に敗れ去って以降、彼らは沈黙を守っている。戦力を建て直し、息を潜めて機会を窺っているのかもしれない。 もしその推測が正しければ、鉤十字騎士団との戦いの最中、背後からの伏兵に討たれる、という可能性が浮上してくる。 だが、もはや<トライデント>にそれだけの力は残されていないだろう。もとより組織としては死に体であった上に、 虎の子であった<COSMOS>の残存部隊を鉤十字騎士団に駆逐されてしまったのだ。 スプリガンと鉤十字騎士団との戦闘に割り込もうとしても、両者の挟撃に合い再び脱落するのが落ちだ。 だから優もティアも、さして危機感を抱いていなかった。 「ま、もう一度動こうって胆力は、もう<トライデント>にはないだろうぜ。きっと今頃、指でもくわえて 地団駄してる最中だろうよ――」
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/22631.html
行列のできるThe 神漢(シェンメン) R 火文明 (6) クリーチャー:ジョーカーズ 6500+ ■スピードアタッカー ■∞パワーアタッカー ■W・ブレイカー 作者:はんむらび だいたいG・ゼロの無い《無限超邪 クロスファイア》。 《トンギヌスの槍》が打てる。一応それだけ。 フレーバーテキスト 麺の味を語る漢がいるかよ。食えばわかる。-行列のできるThe 神漢(シェンメン) 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/pokemanofjoytoy/pages/153.html
《ロンギヌスの槍/Lance of Longinus》 ロンギヌスの槍/Lance of Longinus イベント コスト:1T ローマ帝国、YAKATA 対象のプレイヤーに確定しているポイントを1点解除する。 ポイント?を直接攻撃できる珍しいイベント。 しかしながら、ポイントを攻撃する手段としては、これよりもシチリアのお転婆姫/Sicilian Tomboyのほうが優れているし、そもそも相手にポイントが確定するシーンはそれほど多くない。
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/40592.html
神人類(シェントラル) 零 P 光/闇文明 (4) エグザイル・クリーチャー:ゴッド・ノヴァOMG/アウトレイジOMG/オラクル 4000+ ■中央G・リンク ■自分のクリーチャーが破壊されたとき、それよりもコストの小さいゴッドまたはオラクルまたはアウトレイジを1体、自分の手札から出してもよい。 ■自分の他の、名前に《神(シェン)》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。 作者:はんむらび 「プラマイ零」がクリーチャー化。アニメ版「プラマイ零」はイズモの妹、オラクルの魂を持ち、オラクルにしてアウトレイジとされるので、ゴッド・ノヴァOMG/アウトレイジOMG/オラクルという種族を獲得。 能力は全クリーチャーへの「疑似ドロン・ゴー」の付与。「破壊されたクリーチャーのコスト以下」の「ゴッドorオラクルorアウトレイジ」しか出せないが、種族デッキではそれなりに強力。 最も相性がいいのはゴッドで、「リンクしたゴッドのコストは通算される」「リンクしたゴッドが破壊されるときはその中から1枚が離れる」という性質との噛み合いが非常によい。 例えば、《神人類 零》と《真滅右神ラウドパーク》がリンクしていて破壊されるとき、4コストの《真滅右神ラウドパーク》を場から離して4+4-1=最大7コストの《悪魔右神ダフトパンク》を踏み倒し、そのまま《神人類 零》とリンクさせることすらできる。 エグザイル化に伴い、「神人類」の「神」が「神(シェン)」のサポートを受けられるように。《神豚槍 ブリティッシュROCK》《神聖牙 UK パンク》《超法無敵宇宙合金武闘鼓笛魔槍絶頂百仙閻魔神拳銃極太陽友情暴剣R・M・G チーム・エグザイル~カツドンと仲間たち~》からのドロン・ゴーが可能なほか、《トンギヌスの槍》のアタックチャンスにも対応した。 これ自体のコストが軽いので前者の能力はあまり活きないが、《トンギヌスの槍》をアタックトリガーで撃てる最軽量4コストとしては2種類目なので、ある程度実用的か。 「神人類(シェントラル)」は「神(シェン)」と「中央(セントラル)」より。中央G・リンクを得たことを示す。 フレーバーテキスト 関連カード 収録 DMHX-01 超絶強化!!デュエキングMASTERS? 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/37182.html
登録日:2017/07/02 Sun 21 06 21 更新日:2023/02/09 Thu 20 01 35 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 X-0 X-1 X-2 ドイツ ナチス パワードスーツ ペルソナ ペルソナ2 ムラマサコピー ラストバタリオン ロボット ロンギヌス13 ロンギヌスの槍 ロンギヌスコピー 兵器 妖刀 愚か者、ここは戦場だ! 海上自衛隊 聖槍 聖槍十三騎士団 聖槍騎士団 陸上自衛隊 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 愚か者、ここは戦場だ! 《ロンギヌス13》 聖槍騎士団ロンギヌス13とは、ペルソナ2罪の中盤~終盤に登場する中ボス。 ヒトラーフューラー率いるラスト・バタリオンの精鋭部隊であり、航空機を模した黒いパワードスーツ「ヒンメル・フォイアー」に身を包んだ13名で構成されている。なお、隊長機のみカラーリングは白い。 量産型のロボットという訳ではなく一体ずつそれぞれ個性が異なっており、中には女性も2名存在する。 コンタクトの対応は全員同じだが、中には明らかに変な口調の奴もいる。 折り畳み式の翼と背部のプロペラによって飛行が可能な他、MG34機関銃や聖槍ロンギヌスの複製品・ロンギヌスコピーを装備しており、この槍によってペルソナ使いの能力を封じることができる。 他にも集音マイクやペルソナセンサーなるハイテク品も装備している。という設定 どの機体も物理防御が高く、ロンギヌスコピーでペルソナを一定ターン無力化してくる上、槍から放つ電撃ガイスティブブリッツで感電させてきたりと非常に厄介な攻撃ばかり使ってくる。 しかも初戦以外はかならず三体以上のロンギヌス13を同時に相手にすることになる上、弱点もそれぞれ異なるのでかなり手強い。 隊員同士はそれぞれエルフ、ツヴェルフなどドイツ語の数字で呼び合うのが特徴。 ◆ロンギヌス11~13 「ヌッフッヒ~! 一人で私と戦う気か小僧? その蛮勇だけは褒めてやるぞ、小僧!」 「まるで生娘のような慌てぶりだな。戦場で女に戻るとは情けない!」 「私の相手は子猿二匹か。つまらん……」 最初に戦うことになるロンギヌス部隊。蝸牛山頂上の遺跡、カラコルの入口で登場する。 部下の兵らと共に仮面党員を排除して本隊を遺跡内部へと進入させ、そのまま入口にて陣取っている。 この時は仲間が各自分散して一体ずつ相手をすることになり、栄吉or舞耶と組むと11(エルフ)、ゆきのorギンコと組めば12(ツヴェルフ)を相手にする。 ちなみに達哉が一人で戦う場合は13(ドライツェーン)とのガチンコ勝負となるが、13の弱点属性が炎なのでヴォルカヌス・改がいればぶっちゃけ楽勝。 ◆ロンギヌス8~10 「未練だな…壊れたマリオネッテに用はない」 「クックック…今頃、生を望むか? 虫の分際でかつて見た夢が忘れられぬか」 「ふん、星を掴むなど笑止千万! 地を這う虫は土に返るのが道理よ!」 カラコル内部の中央橋にて登場。仮面党幹部のレイディ・スコルピオンこと吉栄杏奈を三対一でリンチしており、あわや殺されかける所で主人公一行が到着して戦闘になる。 未練を引きずる杏奈の内心や、ゆきのが慕っていたカメラマン、藤井俊介の最期の言葉を言い当てるなど、知りえないはずの事を何故か知っている素振りを見せるが、藤井の死を嘲笑われたことにブチキレたゆきの姐さんの手で蹴散らされる結果となった。合掌。 今回は三体を一度に相手にする上、使ってくる魔法の種類も13~11より多彩になっている。ここからが聖槍騎士団戦の本番と言っていいだろう。 しかし、ロンギヌス8~10との戦闘のみ選択肢によって完全回避が可能になる為、こんな所でこいつらと戦ったっけ…?となる人もいる。 ちなみに、カラコル入口にゆきのを置いてきた場合はシャドウゆきのと杏奈の二人によって返り討ちに遭っておられます。もう一度、合掌。 ◆ロンギヌス5~7 「哀れ…何も知らずに踊り続けた人形が来たぞ」 「花はいずれ枯れるもの…儚きものと星を天秤にかけていいものか?」 「愚かな…ならば、その花もろとも枯れ果てよ!」 宝瓶宮の神殿最深部にて登場。 他の神殿は全て新たな仮面党幹部となった主人公一行のシャドウがボスを務めているため、正直存在が浮いているのだが、そのことに引け目を見せるどころか自分たちから言及してくる。 「本来、ここにいるべきは誰だったのだろうな? マリオネッテよ……」 主人公一行に加わった淳が全ての記憶を思い出していないことを終始嘲笑うなど、ここでも馬鹿にした態度を隠さない。 とは言っても、戦力的には10~8と大して変わらないのもあって印象はやや薄いかもしれない。 ◆ロンギヌス1~4 「大層な自信だな、若き獅子よ。時として若者は己が全能感に酔い、過ちを犯す。今がその時としれい!」 シバルバー内部にて戦う最後のロンギヌス部隊。ここでは隊長機である1(アインス)が登場し、四体もの団員を相手にすることになる。 戦闘開始直前の舞耶とのやりとりで選んだ選択肢によってロンギヌス達の強さが変化し、素直に答えると通常通りだが、ネガティブな答えを返すと思考が現実になる迷宮「シバルバー」の力によって強化されてしまう。 戦闘勝利後、アインスは淳の母親は今頃どこにいるのかと嘲った捨て台詞を残していった。 何も知らずに…… 《Xシリーズ》 「………………………………(無言)」 ペルソナ2罰に登場する中ボス。 秘密結社、新世塾の幹部・菅原陸将が開発させた対悪魔・ペルソナ用の兵器。「人型戦車」と銘打たれているが、実質的には自律駆動のロボットである。 罪の世界をトレースするかのように、「向こう側」の聖槍騎士団を模して造られた。 駆動系を制御するための動力として人体から脊髄などの組織が移植されているというかなり非人道的な兵器。(*1) ロンギヌス13と違って完全な量産型のロボットであり、一切の個性がない。コンタクトをしても無言である。 基本は自律駆動だが、パワードスーツのように人が乗って操縦することも可能であり、実際に達哉が一機を拝借して乗り込んでいた。 ロンギヌスの槍と同様にペルソナの能力を封じる「妖刀・村正」の複製品であるムラマサコピーを装備しており、こちらも同様にペルソナ能力を封じにかかってくる。 ちなみに、妖刀村正のオリジナルは新世塾の筆頭、須藤竜蔵が持っているものがそれと思われる(*2)。 新世塾は陸上自衛隊の第15師団(*3)と海上自衛隊の一部を掌握しており、それぞれの所属ごとに機体の特性が異なるのも特徴。 航空自衛隊も掌握していればロンギヌス13同様に空を飛ぶロボットが出てきたかもしれない。 ◆X-1 陸上自衛隊所属の陸戦用人型戦車。戦車というよりは装甲車に近い外見をしている。 上記のムラマサコピーの他、背部の81ミリ迫撃砲ともう片腕のM249ミニミ機関銃を主武装としており、高い火力で容赦なく攻め立ててくる。 ロンギヌス13と比べると物理、魔法防御共に非常に高く硬いのが特徴で弱点の電撃属性以外はまともなダメージが通らない。 ただし、ロンギヌス13と違って魔法は使わないために物理に耐性があるペルソナがいると楽。 ちなみにムラマサコピーはロンギヌスコピーと違ってダメージがあるため、ロンギヌス13戦と同じ感覚で戦っていると意外な所で痛い目に遭う。 最初の登場は、これまで新世塾の手足として働いていた台湾マフィアを用済みとして処分するべく、天誅軍と共に廃工場に送り込まれた一機。 新世塾の存在と脅威を宣伝する役目を果たして同じく用済みとなった舞耶達の排除をも併せて目論んでおり、パオフゥの盗聴を逆利用して彼らを廃工場に誘き寄せた。 最終的に舞耶達に返り討ちにはされたが、パオフゥの仇である云豹(ユンパオ)を始めとした台湾マフィアの殲滅任務は完遂した。 新世塾の本拠地である豪華客船(に偽装した駆逐艦)、日輪丸のヘリポートでも四機が登場。一機は達哉が引き受けてくれるが、残る三機と同時に戦うことになる。四機とも達哉1人で倒せるんじゃないかなとか言ってはいけない 電撃属性の合体魔法や全体魔法があればまとめて片づけられるのでムラマサコピーに気を付けて同時撃破を試みたい。 ◆X-2 海上自衛隊所属の水陸両用兵器。潜水艦のような外見をしており、水中を潜航することが可能。 ムラマサコピーはもちろん、ガトリングガンのJM61に対空ミサイルのシースパローが装備されている。 ただ、武装としてはロンギヌス13はおろかX-1の機関銃よりもガトリングガンの方が威力が高いはずなのだが、何故かX-2の火力はX-1を下回っている。 他にも、水陸両用機能を持たせるために装甲が若干甘くなっているのかX-1よりも耐久力や防御力が少し落ちてしまっており、総じて汎用性の代償に戦闘力が下がってしまっていると言える。 海底遺跡にて五機が神取鷹久と石神千鶴の護衛として同行している他、達哉が遺跡に侵入する際に一機を拝借して搭乗していた。 達哉が乗っていたものと敵側の一機は相討ちになり(*4)、残る四機は南条ルートの場合は神取鷹久と共に5vs5で戦うことになる。 X-1同様にタフな上に数も多いだけならまだしも、実質神取との二連戦になるので滅茶苦茶苦労するボス戦である。 ちなみにエリールートの場合は達哉が一人で神取も含めて引き受けてくれることになるが、 5vs1というゲーム的にマゾ全開な縛りでありながら全部撃破してしまう達哉はバケモノである。 なお、これを実際の戦闘でやろうとするなら、物理属性反射の耐性を持つマハーカーラを降ろし、HP全回復アイテムの宝玉をしこたま持ち込む必要がある。 マハーカーラの耐性ならば銃撃を全て反射し、ムラマサコピーによるペルソナ封じ(剣撃属性)も無効化出来る。(*5) あとは舞耶達と戦った時と同じように神取がX-2を全機倒すまで動き出さなければ、宝玉を惜しみなく使いまくる事でどうにかなる。 …と、一見するとこの戦闘は無理ゲーに思えるのだが、実はトニーの店で売り出されるアイテムなどをそこそこ揃えれば舞耶単独(コンバートなしの達哉と同レベルかつ初期ペルソナ&初期装備)での撃破が可能である。 つまり終盤の装備で固めているうえに耐久力の基礎ステータスも高い達哉なら余裕。 具体的には以下の4つがあれば良い。 最大HPを上昇させる「マッスルドリンコ」 HPを完全回復する「宝玉」 各種ステータスを上昇させる「◯◯の勾玉」系アイテム。 X-2の弱点を付く「激雷の勾玉」 実際にやってる動画もyoutubeに投稿されているので気になる人は検索してみよう。 ちなみにその投稿者によれば、前述しているマハーカーラやロキといった一部の攻撃を反射出来るペルソナがあれば楽勝とのこと。 ◆X-0 PSP版『罰』のアディショナルシナリオにて登場する上記二種のプロトタイプ。外見はX-1の色違いで白い。 理学研究所内を探索していた達哉の前に立ちはだかるが、まだプロトタイプで装甲が薄いのか達哉一人でも楽に倒せるなどあまり強くはない。 弱点は電撃ではなく、何故か核熱属性。 ちなみにXシリーズでは珍しくレッドベレーの一人がパイロットとして搭乗している。 ※以下『ペルソナ2 罪/罰』のネタバレを含みます ロンギヌス13の正体は『這い寄る混沌』ニャルラトホテプの化身の1つ。 人々の噂によって生み出された存在にすぎない彼らは全員がもれなくニャルラトホテプの生み出した人々の心を試す試練の一環でしかなく、 劇中での仮面党との戦いや小競り合いの全てはニャルラトホテプの一人芝居にすぎなかった。 追記・修正はペルソナ封印を回復してからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 聖槍騎士団というとあの魔人どもがまず思い浮かんでしまうなあ。人体移植の非人道的兵器というとHCシリーズなんかも… -- 名無しさん (2017-07-02 23 52 25) 他のボスキャラやってた声優さんが兼ね役で声やってたり 速水奨ボイスのロンギヌス2はやたらとカッコいい… -- 名無し (2017-07-03 00 41 08) 「気づいたかフロイライン」とかいう言い回しが妙に頭に残ってる。 -- 名無しさん (2017-07-03 03 07 42) 実際は聖槍の中の人は全部ニャルの化身による一人芝居なんだっけ? -- 名無しさん (2017-07-03 03 21 29) 噂で集合無意識から出現した存在だから、ニャルと言えばニャル。この論法で行くと悪魔全部ニャルだけどね。アレもワタシで全部ワタシ -- 名無しさん (2017-07-03 16 51 02) ↑まぁつまり、末端の兵士に至るまで全部ニャル様の化身ということに -- 名無しさん (2017-07-03 17 40 19) BGMがOPのアレンジという高待遇 -- 名無しさん (2017-07-04 21 44 12) X1にムラマサとかクロスボーンガンダムみたい -- 名無しさん (2020-01-17 17 41 22) ↑多分実験試作機としてのXナンバーじゃねーかなこれ。 設定上こんなもん制式機として採用できるわけないのでそういう名目で運用させてる可能性はある -- 名無しさん (2021-04-01 20 56 23) ↑X=バツ、罰とかけてると思ってた -- 名無しさん (2021-05-07 04 47 17) P5Sの大ボスのデザインにこいつらに似てる奴出てきたけどやっぱ5は2意識してんのかね? -- 名無しさん (2023-02-09 20 01 35) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/novel_lexeed/pages/118.html
《A-XX神威の天槍ロンギヌス》 テキスト(推定) 効果モンスター・アームズ 星8/種族不明・属性不明/攻2600/守1800 自分のメインフェイズに、自分フィールド上に表側表示で存在するマスターに このカードを装備カード扱いとして装備する事ができる。(アームズ共通テキスト・詳細不明) 装備モンスターの攻撃力は2000ポイントアップする。 装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、 その数値分だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。 考察 第三十章で登場した最上級のアームズモンスター。 装備モンスターの攻撃力を上昇し、貫通を付与する。 作中において 第三十章にて紫導が使用。 《清静乱舞》により特殊召喚され、《S-MR剣豪アラヤ》に装備された。 作中では「攻撃力を2000上げ~」と言われているにも関わらず、明らかに攻撃力が2300ポイント上昇している。 関連項目 アームズ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/36223.html
ブヒーナクの槍 P 無色 (6) 呪文 ■G・ストライク(このカードを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない) ■相手のカードを1枚、バトルゾーン、墓地、マナゾーン、またはシールドゾーンから選ぶ。相手はその選んだカードを自身の山札の一番下に好きな順序で置く。 作者:wha + 関連カード/2 《トンギヌスの槍》 《アリゾナ・ヘッドショット》 【企画】20th終盤戦!!!リメイクカード大集合!!! カードリスト:wha 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/867.html
(――こいつは、前に進むことしかできない火だ) フィーアから繰り出される鋭い蹴りを回避しながら、優はそう思った。 優の目の前には、赤い暴風があった。 そういう形容が許されるだけの荒々しさと力強さが、いまのフィーアにはあった。 彼女の戦い方を見た誰もが、人間とはこうも自由自在に動けるのかと感嘆し、また、重力の存在を忘れるだろう。 まず、回転蹴りから始まり、それが二回。続けて、地面に両手をついて、腰をねじり、大きく回転を加える。 そしてフィーアは一個の駒となり、その両足は凶器と化す。さらに、旋回する両足に宿った遠心力を利用し、絶妙なタイミングで 地面から離れ、空中蹴りの二連撃。 その一つ一つの蹴りは、それだけで完結せず、次の動作へつながり、大きな流れを形成している。一連の流れに澱みはない。 その上、"赤い靴"による、超スピードがその蹴りに付加されるのだ。もはや人間のくびきを超え、化物の域にまで達している。 ――そのフィーアの攻撃を、最小限度の動きでかわし、いまだ傷を負っていない優もまた、化物と言って差し支えないだろう。 なぜ、人間でしかない優が、動体視力の限界を超えるフィーアの蹴りについていけるのか―― (――はっきりと、見えてるぜ。お前の殺気がな) ある高名な合気道の達人の逸話に、拳銃の弾をかわしたという信じられないものがある。 その達人は、弟子になぜその芸当が出来たのかを尋ねられたときに、こんな言葉を残した。 『拳銃の引き金を引こうとすると、黄金の玉のような光が飛んでくる。弾はそのあとからくるから、避けるのはなんでもない』 一般人からすれば理解不能な論理であるが、武道には余人には計り知れない神秘的な領域が存在する。 中国の内家拳法では、身体よりも精神の修練に重きを置く。その技量が極限に達した拳法家は、意を自由自在に操り、 銃弾を見切るなどの絶技が可能となる。このように、精神を鍛えさえすれば、現代科学の範疇を超えた現象を引き起こせる、 というのが武道家達の主張だ。事実、そのような達人が幾人か存在している。 が、誰もがその境地に至れるわけではない。 常に戦いに身を置き、熾烈な鍛錬を重ね、何もかもを差し出す覚悟がある者にだけ――"明鏡止水"、あるいは"水の心"――を獲得する 資格があるのだ。 優は、その資格を有していた。 スプリガンとして世界中の戦場に赴き、各国の特殊部隊や人ならざるもの、そして師であったある仙術師との死闘を経て―― 優は、その"水の心"を得ることが出来た。 優の視界には、黄金の玉のかわりに、火が見えている。それが、優のイメージするフィーアの殺気の形だ。 その火の軌道から身体をずらせば、自然にフィーアの攻撃を回避することになる、という寸法だ。 自分の心の中に"水"を作り、相手の思考を投影させる。 その"水の心"は、あらゆるものを映し、あらゆるものを呑み込む…… そして、わずかな隙を見つけ、優は、裏拳をフィーアに叩き込んだ。 「ぐッ!」 リズムを崩されたフィーアに向けて、すかさず優はオリハルコンナイフを突き出す。が、フィーアは"赤い靴"の超スピードで それを回避。わずかに距離をとる。 フィーアの顔には、驚愕の色がある。なぜ、超高速で動く自分の蹴りをかわせるのか。 その心の隙をつけば勝利を手にすることもできたのだろうが、 (だが……敵はこいつだけじゃねえ!) そう、優の敵は、フィーアだけではない。もう一人の御伽噺部隊―― 「さて、今度は私の番だな」 その声とともに、優のこめかみに、ごり、と何かが押し付けられた。その鋼鉄の感触に、優の心胆は一気に冷えた。 MG42機関銃から、銃弾が吐き出される。 「うお……!」 優は頭を抱えて伏せた。きわどいところだったが、何とか銃撃を回避する。が、それを察知していたのか、すかさずツヴァイは 蹴りで追い討ちをかけた。 「ぐ……!」 今度は避けきれないと判断した優は、咄嗟に後方へ飛んだ。相対距離を稼いで緩和させた衝撃を、両腕で受ける。 重い一撃――だが、AMスーツの高い耐久性もあって、ダメージはそれほどでもない。 「ツヴァイ!」 「フィーア、一人で戦うな。いくら高い能力を持っていたとしても、一人では、一人分の力しかだせん。……二人がかりでいくぞ」 「……わかった」 不敵に笑って優を見るツヴァイ(狼顔の表情の変化を見慣れていない優には、わずかに頬が歪んだようにしか見えなかった)、 そして鋭い眼光で優を睨みつけるフィーア。 「そういうわけだ、スプリガン。……まさか、卑怯などとは言うまいな」 「へ、上等だよ。何人がかりでも、俺は負けないぜ」 「いい答えだ。では、ゆくぞ!」 電動ノコギリに似た唸り声が上がり、無数の銃弾が優に襲い掛かる。"水の心"でツヴァイの殺気を察知し、優はそれを回避していく。 フィーアのときと同じく、銃弾は一発も優に当たらない。二人の戦闘を観察していたツヴァイにとっては、それは予測の範疇だった。 だから、MG42機関銃とは別の手段で、彼女は攻めることにした。 ツヴァイは――あぎとを大きく開けた。太く、鋭い牙が、ずらりと並んでいる。 そしてMG42機関銃を乱射しながら、優に向かって突撃した。彼女は"噛み付き"を仕掛けようとしているのだ。 戦場格闘技において、"噛み付き"は基本の一つとされているが、留意点がいくつかある。 狙いは頚動脈に絞る、前歯を根こそぎ引く抜かれる恐れがあるため、衣類の種類を吟味すべし。 が、これらのことは、ツヴァイにとって何の意味も持たない。 彼女の持つ狼の牙と顎は、防弾服の上からでも肉を噛み千切ることが出来る。 銃弾の波状攻撃が、優から徐々に逃げ道を奪っていく。緻密に、狡猾に、ゆっくりと回避の方策を潰していく。 これでは、水の心があっても逃げ切れない。 猛烈な勢いで迫るツヴァイに対して、優は覚悟を決めた。片手で頭をかばいながら、オリハルコンナイフを構える。 そして、両者は交錯して―― 「ぐぶっ……」 ツヴァイの喉笛に、ぱっくりと傷口が開き、血飛沫が盛大にあがった。がくり、と膝をつく。 しかし―― 「グルアッ!」 獣の咆哮を上げ、ツヴァイは立ち上がった。そして、仕留めたはずの敵が再び向かってきたことに驚く優の肩に、喰らいついた。 「ぐあ!」 みしみしと肩が悲鳴をあげる。 AMスーツの耐久性のおかげで、牙の貫通は免れていたが、肩が外れるかと思われるほど強い力が優を苛める。 「くッ、離しやがれ!」 蹴り、肘打ちを見舞う。が、肩にかかる力は緩まない。一度喰らいついたまま、離れない。 そして、優は見た。血の噴水が止まり、ツヴァイの喉笛の傷が、見る見るうちに塞がっていくのを―― (こいつ、なりでただの人間じゃあねえと思ってたが、ライカンスロープかなにかか!?) ライカンスロープ――超古代文明が生み出した生物兵器だ。 彼らは人間を遥かに凌駕する反射神経と身体能力を持っていたが、ここまでの再生能力は有していなかった。 あるいはツヴァイは、ライカンスロープではなく、伝承に出現する本物の人狼であるのかもしれない。 ともあれ、このままでは満足に戦えない。どうにかして脱出を試みようとする優の耳に、 「お前のその動きの種は知らないが!」 という声が届いた。ツヴァイの背後から、フィーアが躍り出る。 「身体の自由さえ奪えば、関係ない!」 フィーアの蹴りが、優の首を刈り取るべく、振るわれる―― その刹那、本能が、理性より先に、最適解を導き出した。 AMスーツの出力を最大にする。そして、怪力が宿った両腕で、ツヴァイの身体を掴み、持ち上げ―― 「おおおおおおおおッ!!」 迫り来るフィーアに、ぶつけた。 「な!?」 「くッ!」 ツヴァイと激突したフィーアは、態勢を崩される。蹴りは空振りになり、そしてツヴァイとフィーアは二人いっしょに、地面に落下した。 「ぐ……」 肩を押さえながら、優はうめいた。AMスーツに突き刺さったままの牙が、ツヴァイの顎の力のすさまじさを物語っている。 痛みは残っている。だが、まだ戦える。そしてそれは、ツヴァイとフィーアも同じことだった。 ツヴァイは無言で立ち上がり、べっ、と血と牙が混じった液体を吐き出した。 フィーアはその背後で赤い靴を起動させ、いつでも戦闘を再開できるよう待っていた。 「まったく」 ツヴァイが口を開いた。もう再生が完了したのか、牙が元に状態に戻っている。 「スプリガンというのは、みなこれほど厄介な奴らばかりなのか?」 「厄介ってんなら、あんたらも同じだぜ。そっちの金髪の……」 「フィーアだ」 「そして、私はツヴァイという」 「あ、ご親切にどうも。んで、フィーア……てめえの動きは、俺が戦ってきた奴らの中でも、五指に入るほど速い。 そして、ツヴァイ。知り合いに人狼が一人いるんだが、あんたみたいな反則的な再生能力は持ってなかったぜ」 「ジャン・ジャックモンドのことか。かつて彼のデータを見たことがあるが、あまり相手にしたくない手合いだな。君と同じく」 「俺も同じ気持ちだぜ。でもま、人狼の弱点はたくさんあるからな」 「残念だが、銀器も、聖別された刃物も、私に致命傷を負わすことはできない。私の身体は、れっきとした科学技術で造られている」 「サイボーグってわけか」 「似たようなものだが、少し違う。彼らは機械で構成されているが、私は強化細胞で構成されている。まあ、それはいい。 ――さすがはスプリガンだ。二人がかりでも、足止めが関の山とは。これでは抹殺はおろか、時間稼ぎも難しいな」 「……なんだって?」 「グルマルキン大佐はお前達を抹殺しろと仰った。が、それ以上に、私達がウィーンに来たのは、足止めの意味合いが強いのだよ。 ロンギヌスを使った儀式――まだ、その準備が整っていない。そのための時間を、お前達と戦って稼げ、ということだ」 「そうか。なら、とっととお前達を倒して、あの魔女のところへ行かないとな」 「ふ、それを許しては、私達としては立つ瀬がない。容易く勝ちを得られると思うなよ。では、フィーア、いくぞ!」 「ああ! スプリガン、確かにお前は強い。このまま生かしておけば必ず大佐を脅かす。だからこそ、ここで殺す!」 「やってみやがれ!」 そして、死闘が再開される―― ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ──その死闘を見つめる影がある。 「なんだよ、苦戦してるどころか、十分渡りあってんじゃん」 「こりゃあ、あたしたちの出る幕、ないかもね。どうしようか」 イスカリオテ所属――ハインケル・ウーフーと高木由美江。そして、 「ともかく、戦闘に介入するのは、まだ控えておきましょう」 埋葬機関所属――シエル。 教会が有する暴力の象徴である彼女らもまた、ロンギヌスを巡る戦いに、本格的に参加しようとしていた。 が、その前に、いくつか片付けて置かなければならないことがあった。 「――私達以外にも、この戦闘を見ている人間がいるようですし」 「あー、オーストリア憲兵隊?」 「いえ、憲兵隊に私達の存在がばれても、後々ナルバレック達がオーストリア政府に圧力をかけてくれるでしょうから、大丈夫なのですが。 問題なのは、<トライデント>です。おそらく、ここ一帯に、彼らの監視がかかっています。その監視があるままで動くと、 <トライデント>経由で、教会がロンギヌス奪取のために動いたと各国に知られるおそれがあります。 ……いくら教会でも、世界中を敵に回すことは出来ません」 「なるほどね。で、そいつらを始末してくればいいんだな?」 「お願いします」 「了解。んじゃ、行くよ、由美江」 「あいよ」 そういって、ハインケルと由美江は姿を消した。 一人残されたシエルは黒鍵を構え、 「さて……うまく立ち回らなければ」 静かに、そう言うのだった。
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/672.html
教皇庁――ヴァチカン。 その最深部で、二人の女性が会していた。 一人は青いカソックを纏ったシスターだ。 彼女の名はシエルといった。 「――久しぶりだな、シエル。元気そうじゃないか」 執務室の椅子に座っていた女性は、不敵な笑みでシエルを出迎えた。 ヴァチカンに保管されている優美な絵画がかすむほどの美貌だった。瞳には挑戦的な光が輝き、一挙一挙に自信が満ち溢れている。 だが、美しい花には毒がある。彼女は若輩ながら、教会における超武闘派組織――埋葬機関の長だった。 埋葬機関。設立から400年の時を数える、神の敵である異端を排斥し、殲滅する異端審問集団。 計八名という少人数ではあるが権限は強く、たとえ大司教であろうとも異端認定受けたものは、串刺しは免れない。 その凶暴性故に、教会内の異端として、彼女らは疎まれていた。何度もその行き過ぎた行為をとりただされ、組織存続が議論されてきた が、現在も教会内の最先鋒として神の敵と闘争を続けている。 「ええ、ナルバレック。あなたも元気そうですね」 「おいおい、それは皮肉か? 一日中机に張り付いて、次から次へと舞い込んでくる書類と格闘する毎日なんだぞ。 ……そんな生活に気が滅入っていることぐらい、お前なら分かるだろう。短い付き合いではないんだし」 「あなたは、心労とは無縁の人だと思っていましたが」 「心外だな。私も人だ。落ち込みもすれば怒りもする。最近ストレスがたまって仕方ないんだよ。気分転換に外にでも出てみようか。 アルズベリ・バレステインとか」 「協会と白翼派のにらみ合う危険な場所に、ほいほい出歩かないでください! ……まったく」 くくく、とナルバレックは意地悪く笑う。生真面目な性格であるシエルをからかうのは、ナルバレックの趣味であった。シエルは渋い顔を しているが、本気で怒り出すことはない。ナルバレックが言ったように、短い付き合いではないのだ。ここでへたに隙を見せれば、いくらで も付込まれることは重々承知していた。それは、とても、面白くない。 「まあ、冗談はそれぐらいにして。シエル。君を呼び戻したのは、他でもない、君の力が必要になったからだよ」 「……真祖の姫君の監視よりも、重要な任務ですか?」 「確かにそれも重要な任務ではあるが、今はもっと致命的な事態が進行中だ。 ――ナチ残党どもが、動いた」 笑みを消し、真面目な表情を作るナルバレック。その態度から、事態の深刻さが察せられた。 「グルマルキン・フォン・シュティーベルという名に、聞き覚えはあるな」 「――ええ」 グルマルキン・フォン・シュティーベル。 かつて第三帝国に手を貸した、本物の魔女。人間との接触を極端に嫌う魔女の中において、彼女は異端の存在だった。 目的のためならば進んで人間に歩み寄り、契約を結び、人間に叡智を授ける。契約の代償として、彼女は混沌を望んだ。 魔女の狙いは、戦争の惨禍が産む混乱そのものだった。ナチスがヨーロッパを征服し、各国の主導権を握れば、彼女ら<闇に近いもの>の 天敵であるヴァチカンの力を削ぐことになる。パワーゲームにおいて<闇に近いもの>がヴァチカンと対等に渡り合い、ともすれば凌駕す る。そんな世界こそが、魔女の願いだった。 知っての通り第三帝国は崩壊し、彼女の目論みも水泡と帰したが、もしも結果が違っていれば、教会と<闇に近いもの>との勢力図は一気 に塗り替えられていただろう。 シエルもグルマルキンのことは知っていた。彼女の人生を狂わせた蛇――ロアの知識に残っていたのだ。残虐にして冷酷。油断のできない 相手だ。 「旧世代の遺物が、何の間違いか半世紀の時を越え動き出してしまった、というわけだ。だが、現代に残る、数少ない"本物"だ。奴は協会の ように神秘の秘匿など考えない。なりふり構わず、目的のためなら神秘を行使するだろう。 ――そして、私たちが出向かねばならないもう一つの"理由"も存在する」 「理由?」 「奴の目的だよ。聖遺物、それも最上級レベルのモノを、奴は手に入れてしまった。――ロンギヌスさ」 かつて聖人の脇腹を貫いた聖槍。WWⅡで教会が回収し損ねた、奇跡の残り香。確かに、教会も動かざるを得ない、とシエルは納得した。 聖人に縁のある聖遺物は、破格の奇跡を約束する。ヴァチカンに現存する本物の奇跡を起こす聖遺物は、"エレナの聖釘"のみ。聖遺物管理 局"マタイ"も世界各地から聖遺物を収集しているが、何の力も持たない贋物も少なくない。 神の代理人を名乗る教会としては、切札はそろえておきたい。ただでさえ死徒二十七祖、吸血鬼信望者、そして休戦協定は結んでいるもの の、油断のならない魔術協会や英国国教騎士団など、敵の数には事欠かないのだから。 「あのスプリガンがロンギヌスを警護していたようだが、グルマルキンに出し抜かれてしまったようでね。まったく、だらしのない。だが、 見ようによって好機だ。グルマルキンとスプリガン、その横合いからから掠め取り、ついでに奴らを殲滅して来い」 やはり、こうなるのだ――ナルバレックが出す指令は、ろくなものが無い。シエルは諦め混じりの溜め息をついた。 「――ええ、わかりました。気は進みませんが……」 ところで、とシエルは疑問を口にした。 「今回、埋葬機関からは私のほかに、誰が派遣されるのですか?」 「キミ以外には、だれもいかない」 しれっと、ナルバレックはいった。ふつふつと、シエルの胸中でイヤな予感が広がる。 「……ちょっと待ってください、他の埋葬機関のメンバーはどうしたんですか」 「全員出払っている。他にまかせられるものがいれば、君を呼ぶわけがないだろう。これでも苦労したんだ。なんとか君以外の人間に、この 任務を頼もうとね。おっかない猫の鈴役に、君以上の適役はいないのだから。だがいくら打診しても、だれも連絡をよこしやしない。だから 残念だけど、埋葬機関からは君だけだ」 「な――」信じられない、とシエルは絶句した。 「グルマルキンなんていう大物に、一人で立ち向かえと?!いくらなんでも、無謀すぎます。以前のように不死ではないんですから」 「だれも一人で、とはいっていないだろう」愉快げにナルバレックは唇を歪める。 「確かに埋葬機関から人員は避けんが、その代わり他の課に援軍を要請しておいた。 ――さすがに話の分かる人だったよ、マクスウェル局長は」 その時、バン! という激しい音とともに、扉が開かれた。誰が入ってきたのかを確認する暇もなく、シエルは強い力で引き寄せられた。 がっちりと首をロックされ――ぐしゃぐしゃと髪を揉みくちゃにされた。 「馬鹿野郎! 帰ってたんなら、先に言え!」 「ちょ、ちょっとハインケル……シエルが困ってるわ」 嬉しげな声と、不安げな声。それは、シエルにとって聞き馴染みのある声だった。 「ハインケルに、由美子――?」 まぶしいブロンド、端正な顔立ちに浮かぶ笑みが、シエルを出迎えた。その後ろに、小さく手を振る、きれいな黒髪の少女。 ――第十三課、通称"イスカリオテ"の殺し屋。 ハインケル・ウーフー、高木由美子の両名である。 「今回は十三課にも動いてもらうことになった。――教会に忌み嫌われる、鬼子同士の共同戦線さ」 埃っぽい風が老朽化した建物の間を吹き込んでいく。ニューヨークの裏路地にある建物は、どれも薄汚れている。車の排気、整備されてい ない下水道から溢れた生活排水で汚れているのだ。ニューヨーク・スラムは広く、入り組んだ道路は体内に張り巡らされた鉄線のようだ。そ の道路を、ダークレッドのジャケットを着た東洋人の男が歩いている。年齢が分かりづらい童顔に、小柄ではあるが鍛えられていることが窺 える、重心のぶれない身のこなし。 男は「HODSON’S INN&BAR」の看板が掛けられた酒場に入った。酒場の中には馴染みの客がいた。 「よう、ロング。久しぶりだな」 「探偵家業は繁盛してるか? ビリー・龍(ロン)」 腰にまで届きそうな長い黒髪を背中のところで一つに結い、眼帯をかけた右眼を隠すように前髪を一房流している東洋人。 清潔な黒のスーツで身を着飾っているが、鷹のように鋭い眼光からは、とても堅気の人間とは思えない。 彼は暗黒街の伝説的な凶手だった。 東洋の神秘を繰る、黒衣の大妖。 黒ずくめの隻眼の東洋人。 名をエドワード・ロング。 ちん、とグラスを鳴らした。旧友との再会を祝うような響き。ロングとビリーは、互いに一息で飲み干した。 彼らは、この暗黒街で仕事をともにしていた。やばい橋も何度も渡った。死に掛けるほどの傷を負ったこともあるし、いくつもの組織に命 を狙われたこともあった。だから相棒(バディ)を解消した今でも親交がある。 「最近ずいぶんと目にしてなかったが、いったいどこにいってたんだ?」 「なに、ただの里帰りさ。日本の酒が恋しくなったんでね」 「ははあ、ならソフィアにもあったんだな」 「てめえの頭掻っ捌いて<マクスウェルの悪魔>見せろってよ」 「おっかねえ。魔女の手にかかる前に、魔物はそうそうに退散するとするぜ」 ししし、とビリーが笑うたび、巨大な犬歯がちらつく。今のニューヨークの最新流行はヴァンパイア・ファッション。その退廃と暴力性に 魅入られた若者の間で、人口の犬歯を生やす遊びが大人気だ。彼らは牙持ち(ファンギー)と揶揄されている。 「だけどよ、なんだって今になって戻ってきたんだ? 日本ならのらりくらりできるだろーによ」 「ま、人間自堕落が過ぎると逆に体を動かしたくなるのさ」 おかわり、と空のグラスをバーテンに差し出すと、ロングは周囲を見渡した。 「ここで待ち合わせしてるんだがね」 予定の時間が過ぎても、ロングの新しい仕事のパートナーは来なかった。退屈しのぎに、ロングはビリーの話に付き合うことにした。この 暗黒街で血と暴力の種は事欠かないのだから、時間つぶしにはちょうどいい。ロングが暗黒街を留守にしていた期間は、それなりに長い―― しかし、久しぶりのホームの情勢は、特別新鮮さを感じることはなかった。それでも感慨深いものがあった。 だが、話が進むにつれ、ロングは次第にうんざりした表情を浮かべ始めていた。さっきから、延々とビリーの愚痴を聞かされ続けていたの だ。 「近頃の若いもんはだめだ、モラルがなってない。そこらじゅうに食いカスばら撒いてばかりで、責任ってもんがありゃしねえ。誰がてめえ らの尻拭いをやってるのか、まるでわかってねえ。おかげでゴミ掃除に追われる毎日さ。 手綱を引くドラゴネッティもだめだな。あいつらがまともだった頃は一度もないが、このままじゃフロストに組織を乗っ取られるだろう な。そうなりゃ、今以上にここらが住みにくくなるぜ。他のファミリーの連中も辛抱強く我慢してきたが、もう限界のようだぜ。秘密協定が あるとはいえ、こんどなんかあったら戦争になるだろうな」 「ならとっとと店畳んで、けつまくればいいじゃねーか」 「ま、それは最後の手段さ。俺はこの街のやつらを気に入ってるんでな。それこそ"喰っちまいたくなるくらいに"。だから最善はつくすさ。 愛しのホームを守るためにな」 ロングは苦笑した。彼の人間好きは、相棒(バディ)を組んでいた昔から変わらない。 「それにな」ビリーは続ける。 「実際、ここより暮らしやすい街はそうそうないぜ。生まれも育ちも関係ない。どんなやつらでも受け入れる。そりゃあ苦労はいろいろしな きゃならんが――居場所があるってのは、いいことだよな」 ビリーの視線は、どこか遠いところへと向けられてた。追憶に思いを馳せているのか。ロングは、いまだにこの男の過去の全体像を捉えた ことはない。大まかな素性を知るのみだ。いままでどのような人生を送ってきたのか。興味はあった。しかし、ロングは人の過去に土足で踏 み入るような趣味は持ち合わせてはいなかった。この街でよい信頼関係を築きたければ、互いの過去に対する徹底的な無関心が要求される。 それに、他人の不幸で泣く真似なぞロングには考えられないことだったし、向こうも不幸自慢するような性格ではあるまい。 「わりいな、愚痴につき合わせちまって」 ロングは肩をすくめた。何をいまさら、というふうに。 「年ィ取ると、誰だってそうなるさ」 そのとき、新たな客が店の中に入ってきた。 来客はコートを羽織った三人組だった。衣服のふくらみから、銃を携帯していることが分かる。店内に向けられた鋭い視線が、無遠慮 に店内に向けられた。その視線に気づいた幾人かの客達は、いそいそと目だ立たない席へとうつった。ここの住人は、危険には人一倍敏感 だ。 「……おいロング」ビリーが険しい顔を向ける。 「お前どんな仕事を請けたんだ。ありゃあ<トライデント>の連中じゃねえか。少し前までくいっぱぐれてた連中だが、今や我らが合衆国政 府がスポンサーについてるらしい。悪いことはいわねえ、考え直せ」 「いや、そこは抜き差しならぬ事情があるっツーか」ロングは親指と人差し指でわっかを作り、苦笑いをした。 「おぜぜが足りんのよ。ま、それ以外にも目的がないわけじゃねーんだが」 そして席を立ち、ロングは二人分の勘定を支払った。 「ま、ちょっくらいってくらあ」 片目に鷹のように鋭い光を宿し、猛禽のような笑みを見せた。 「聖なる槍を奪いによ」