約 1,948,994 件
https://w.atwiki.jp/07th-umineko/pages/142.html
「はぁ、はぁ、はぁ……!」 ガランとした人気のない廊下を、ライオンの着ぐるみを着た少年が駆けている。 ――いや、正確には彼は元々本当にライオンのぬいぐるみそのものであったのだが、とある原初の魔女の力によりニンゲンの少年の姿にされた過去を持っていた。 「うりゅー!だ、誰か助けて! 真里亞助けてぇぇぇぇぇぇうりゅぅぅぅぅぅ!!!」 いまだハァハァと荒い息遣いをさせながら、さくたろうは短い息継ぎの合間にようやくその言葉だけを振り絞る。 彼が口にしたその名こそ、さきほど彼に命を吹き込んだという原初の魔女の名だった。 ぬいぐるみ時代からの友人でもあり、それでいて彼にとっては恋人よりも深い心で結ばれている少女――真里亞だ。 「ど、どうして……なんであの人たち、ぼ、僕のこと……?」 しかし――その深い絆で結ばれている真里亞はいま彼のそばには居なかった。 それどころかこの一見すると古びた洋館のような構造物には、きっと自分と『あいつら』しかいないのだろう。 さくたろうは混乱した思考の中で、その絶望の答えに行き着いていた。 まがりなりにも魔女のそばで生きてきた自分にはわかるのだ。 自分にはもう逃げ場など一切無いことに、とっくに気がついていたのだ。 しかし、それでも走るのを止められない。 逃げるのをやめられない。 それはぬいぐるみとしてではなく、生き物として生まれ変わらせられたゆえの本能だった。 「はぁはぁはぁ! も、もうダメ、息が……うぅぅぅ」 しかしいくら動物の王者であるライオンを模した彼とはいえ、もはや力いっぱい走りすぎ体力の限界らしい。 段々と自分の足のスピードが落ちていくのをつぶさに感じながら、その小さな身体をヨロヨロと横の壁にへばりつかせていった。 しかしそれに比べ、背後から迫りくる追跡者達の気配、速度はまるで変わらないのだからさくたろうにとってはたまらない。 あいつら特有のキュインキュインという巻き込み音を廊下に響かせながら、彼を常に一定の距離に置きながら迫ってくるのだ。 「う、うりゅ-、どうしてこんなことに? もしかしてさっき真里亞を連れて行ったのも、これが狙いだったんじゃ……」 もはや走れない、歩けもしないほど疲弊しながら、さくたろうはほんの数十分前の出来事を頭に巡らせていた。 ニンゲンは死ぬ前に走馬灯が頭を横切るというが、もしさくたろうがそれを体験することがあれば、きっとそれは真里亞との記憶。 今の地獄のような恐怖とはちがう、とてもとても幸せな時間を思い出していった……。 ――――――――――――――――――― 「うー、ベアトリーチェが呼んでる? それって、真里亞と遊びたいってこと?」 子供らしいきょとんとした顔をしながら、床に女の子座りをしている真里亞が呟く。 彼女の手元にある画用紙には隣の友人と一緒に描いていたであろう、ベアトリーチェの似顔絵が描かれており、今自身が呟いた魔女の名を心から尊敬していることがその場の誰の目からも見て取れた。 またその似顔絵の周りには色とりどりのジュース、お菓子がバラ散かれており、そこには真里亞の大好きなさくたろうも座ってくれていた。 さきほど家に電話があった。 今日も彼女の母親は帰りが遅いらしく、それを聞いた真里亞は怒られる心配がないことをいいことに、この自分の部屋を幻想の世界へと作り変えたらしい。 その証拠に部屋の中にあるベッドや机、テレビなどは間違いなく現実の部屋と同じ姿をしているのだが、真里亞の目の前にいるその少女は、あきらかに現実離れしたいでたちで彼女の問いに答えた。 「そのとおりであります。 偉大なる原初の魔女、真里亞卿と優雅なお茶会を共にしたいと、我らがベアトリーチェ様よりのお達しであります」 特徴的な隻眼に真っ白な軍服を着込んだ少女――シエスタ00(ダブルオー)。 殺戮兵器として優秀なシエスタ姉妹の中でリーダー格である彼女が、背後に二人の姉妹を引き連れながら、床に座っているさくたろうと真里亞に敬礼する。 魔女の家具である彼女達が、この部屋にいる――それこそがまさに今この部屋が幻想の世界に彩られている何よりの証拠であった。 「うー、でも真里亞まだ魔女じゃないよ? まだまだ小さなものしか生み出せない、魔女っこ見習い……」 「そんなことはございません。 ベアトリーチェ様はとてもご勤勉な御方です。自身が1000年を生きる無限の魔女でありながらも、真里亞卿の幼い創造の魔法を是非学びたいと仰っているのです」 「真里亞の魔法……。 真里亞みたいな未熟な魔女の魔法をベアトリーチェがまなびたい?お勉強したいって言ってくれてるの?」 「はい。そのために我らシエスタ姉妹――その中でも特に選ばれた45、410、そして私00の三名、恐れ多くも大真里亞卿をベアトリーチェ様の元へと導く案内役を任されているものであります……」 舌が噛みそうなセリフを苦もなくスラスラと言い終えると、00――そして背後の45、410が無駄のない動作で真里亞へうやうやしくもお辞儀をする。 まるでどこかの高名な洋館で執事訓練でも受けたような完璧な仕草で――それはベアトリーチェが真里亞のことをどれだけ尊敬しているかがうかがい知れるものであった。 「うーうー!行くー! 真里亞、ベアトリーチェとのお茶会行くー!連れてって連れてって!」 敬愛するベアトリーチェ。 その彼女にお茶会を呼ばれただけでも光栄だというのに、おまけにここまで尊大な案内役を三人もよこされたとあっては、彼女もはやる気持ちを抑えられない。 ぴょんぴょんとその場を跳ねて嬉しがる。 そんな可愛らしい真里亞の仕草を見て、00は彼女には珍しくクスリと口元に笑みを浮かべた。 「かしこまりました。 我々シエスタ姉妹も大真里亞卿をご案内できる任務を遂行でき光栄であります。 それでは……」 「さくたろ、さくたろ! ベアトリーチェが会いたいって! 真里亞と一緒にお茶会パーティーパーティー、さくたろも一緒に行こう行こー!」 「うりゅー! よかったね、よかったね真里亞!ベアトリーチェとお茶会お茶会♪ 一緒に行こう行こううりゅー♪」 『………む………』 ぴょんぴょんと飛び跳ねながらさくたろうに声をかける真里亞を見て、さきほどの笑みを浮かべていた00の表情が――わずかに曇った。 すると次の瞬間、背後にいる410が何かを構えるかのような動作をしたのを00は見逃さなかった。 00はすぐさま自分の背中にスっと手を向けると、背後の410に姉妹だけに聞こえる音域でそれを制す。 『やめろ……まだ早い』 00のその指示を受け、410は構えを解く。 いくぶん、不服そうに。 だがその緊張感のようなものは抜く気はないようで、410はにひひと微笑みながら自身の『本当の命令』を遂行したくてウズウズしているようだった。 急ぎすぎるその相棒の態度に、隣に居た45もたまらず慌てふためく。 『さ、先走りすぎであります、410! まだ真里亞卿がおられます……』 『真里亞卿がいたって関係ないにぇ。 むしろいる前でおもいきり ブ チ や っ て やりたいのににぇ、にひひひひ♪』 その可愛らしい声とは裏腹に、410が邪悪な笑みを浮かべながら――つぶやいた。 そのピンク色のクチビルをたずさえた口元からはヌラリと蛇のような舌が覗き、今すぐにでも目の前の美味な獲物にかぶりつきたい衝動を抑えきれないようだった。 それを見た45はまたもΣ(゜Д゜;≡;゜д゜) 。 そして00はいまだ色欲を隠すことができない部下に、己の指導が足らないなと表情を引き締めていくのだった。 「うー……どうしたの00? ママみたいな怖いお顔……」 その急激に緊張した00の表情に、目の前ではしゃいでいた真里亞といえど一抹の不安を感じとらずにはいられなかったようだ。 何事かあったのかと、真里亞は00の顔を無垢な瞳で見つめていく。 その瞬間、00はふたたび執行者の仮面を被ると、任務遂行の障害を取り除く言葉を重ねていく。 「……とても申し上げにくいのですが、真里亞卿。 ベアトリーチェ様はお二人で――つまり他の第三者が入らない、二人きりでの面会を希望されております」 「うー、ふたりきり? 真里亞とベアトリーチェの二人きり……」 「そうであります。 今は形骸されつつありますが、魔女のお茶会は本来はもっとも高貴なもの。 そこには例え魔女の家具や眷属だろうと、出席を許されていないものなのであります。 我々姉妹も真里亞卿を送り届けたのち、その場を離れるようご命令されております」 「うー……じゃあさくたろ、来れない? 一緒に、ダメ? どうしてもダメ?」 「……申し訳ありません」 言葉通り心底申し訳無さそうに目線を落としながら、00が深く深く顔をうつむける。 彼女がここまで暗い表情など、そうは浮かべない。 それが真里亞にとっては冗談や嘘の類ではなく、本当にベアトリーチェが二人きりのお茶会を希望しているのだと、そう思えた。 「うーうー、さくたろ、ダメ、一緒じゃないと。 うー……」 普段の真里亞ならば大切な友達であるさくたろうがダメなどと言われれば、その場でうーうーとかんしゃくを起こしていたかもしれない。 しかし00の神妙な顔つきを見て――何よりも自分も魔女見習いとして、魔女のルールというものに敏感な真里亞はそれを無下にはできない何かを感じ取ったようだった。 そしてそれは同時にすぐそばで話を聞いていたさくたろうにも伝わる。 申し訳無さそうな顔をする真里亞と00をに比べ、彼は二人に向けて少しだけ大人な対応を見せる余裕があったようだ。 「わかりました00さん。 僕はここで待ってます。 真里亞のこと、よろしくお願いします」 「……はい、おまかせください。 真里亞卿は我々シエスタ姉妹が責任を持ってベアトリーチェ様の元に送り届けます」 「うーうーダメー。 さくたろ一緒。 真里亞、さくたろと一緒がいい」 「ダメだよ真里亞、わがまま言っちゃ。 一人だけで行っておいで? 僕はここで待ってるから」 「で、でもそうしたらさくたろ、一人になっちゃう。 さくたろ、一人で寂しい……」 「だいじょうぶ、平気だよ。 真里亞と僕は心が繋がってるから、離れててもぜんぜん平気平気。うりゅー♪ 「さ、さくたろー……」 「そんな寂しそうな顔しないで、真里亞。 そのかわり帰ったらいっぱいいっぱい聞かせて?ベアトリーチェとのお話。 魔女の紅茶がどんなに香ばしかったか。 魔女のお茶菓子がどれだけ甘かったか、ね?」 「……………うー」 見た目の幼さとは対称的なさくたろのなだめる言葉に、真里亞が小さくうめき声をあげる。 それはいまだ納得できないといった感情を示すものではあったようだが、それでも彼女は彼女なりにそうするしかない、という理解を得たものには違いなかった。 真里亞はゴメンネ、と小さくさくたろうに謝ると、前に居る00の方に向き直り、連れてってという意思表示を示すよう、その天使のように可愛らしい手の平を前に向かって突き出した。 「……ご理解いただき真に感謝いたします、真里亞卿。 それではベアトリーチェ様の元へとお連れいたします」 00は最大限の礼を尽くしながら真里亞の手をうやうやしく取ると、ゆっくりと目を瞑り何やら呪文のような言葉を呟いていく。 それは彼女達シエスタ姉妹が持つ転移呪文の一種で、真里亞とさくたろうには理解できるはずもなかったが――それをいいことに、00は410と45に最後の指示を命じる。 『任務障害、オールクリア。 45、410、オープンファイア』 『りょ、了解であります!』 『りょうかぁい。 にひひひひぃぃぃ♪』 紫、赤、青――様々な色学模様の魔方陣が、00と真里亞の身体を包み込んでいく。 すると二人の存在など元々その場には無かったかのように、徐々に薄く、見えなくなっていく。 シエスタ姉妹の転移術はそれすら魔女の送迎用に作られているのか、真里亞は自身の身体を包み込むその光を心地よく感じながら、愛するさくたろうに『バイバイ』と手を振っていくのだった……。 ギュイイィィィィィンッ!!! 「…………へ?」 バイバイと手を振っていく真里亞を悲しませないよう、さくたろうは最後まで彼女への笑顔を絶やさなかった。 なのでその音の正体が彼の身体を切り裂いたとき、それはまるでそうなることを彼自身喜んでいるかのような――そんな滑稽な光景に見えた。 「あれ? え、えっと……な、なんで?」 ハラリ…とさくたろうの胸元から何か黄色い布切れが零れ落ちる。 いや正確にはそれは零れ落ちたというのは誤りで、ポロリと剥がれ落ちたといったほうが正しいか。 それはさくたろうの決して高くない身長の首元から胸元――そして足の先までまっすぐと。 包丁で縦に切れ込みを入れたように、彼の身体を覆っている黄色い服がまるでリンゴの皮でも剥いたようにツルンと剥がれ落ちたのだ。 けれどもそれは身体そのものには傷一つ付いていない。 見事な『切り裂かれ方』だった。 「う、うりゅー! なんで服が破けて……ま、真里亞に着せてもらった大事なお洋服が!」 突然の出来事にさくたろうは困惑する。 この時にはまだ彼は自分が切り裂かれたという事実には気づかず、ただパラリパラリと床に落ちていく服の残骸を拾いあげようとするだけ。 本来ならばなぜ破けたのか?という疑問が先に湧き上がるのが普通なのだろうが、さくたろうにとってこの服は真里亞との大事な絆でもある。 破けた理由、自分に危害が向けられている可能性――それらよりも破けた布を拾い上げる行動が優先したのである。 そうしてさくたろうが床に手を向けようとした、次の瞬間、またあの耳を抉るような機械音が鳴り響いた。 キュイイイイィィィィン! ビリイィィィィッ!!! 「う、うりゅー!」 今度はさきほどよりも軽い切裂音――すでに最初の一撃で目的が達せられたのが計り取れるものだった。 けれどそれでもぬいぐるみの布切れ程度を切り裂くのには充分な威力のようで、さくたろうはその時になってようやく自分の服を細切れにした音の正体に気づく。 「……!? 今のって、ま、まさか……」 それはまるで蛇のように襲いくる、黄金の楔――。 さくたろうもよく知っているシエスタ姉妹の黄金の殺戮兵器が、彼の服を切り裂いていたのだ……。 『おっと、あぶないあぶない。 動くことも計算に入れないとにぇ。 にひ♪』 『す、すでに計算済みであります。 危険部位確認。 距離誤差修正。 410にデータリンク……』 「あ、あの……な、なんでこんなこと?」 もっともな質問をしながら、さくたろうは目の前に立っているシエスタ45、410の顔をポカンと見つめてしまう。 本来ならば彼はこの時、すぐにでも逃げ出す行動を取るべきだったのだろう。 けれど目の前の見た目にも可愛らしい耳をピョコンと生やしたウサギ達が、まさか自分にそんなことをするはずないと、危機感の足らない質問を向けてしまうのだ。 「シ、シエスタさん? うりゅ、な、なんで僕の服、破いたんですか……?」 『ん~と……なかなか殺さずに、ってのも難しいにぇ。 多少はしょうがない?』 『き、傷は絶対に付けたらダメと言われてます! よく狙って、410』 さくたろうの質問が聞こえてるのかいないのか、シエスタ410と45はふたたび弓を構えるような動作をしつつそんなやりとりを交わしていく。 彼女達二人の重なった手のひらにふたたび黄金の蛇が光り輝きながら集束していくと、それはあきらかに目の前のさくたろうを狙っていた……。 『対象外殻、損傷率70%。 このまま裸にひん剝くにぇ。 にひ』 『あ……そ、そういえば順序がちがいます410、まず捕まえてから脱がせないと! そ、それにこの場所では予定とちがいます!』 『そんなのまどろっこしいにぇ。 どうせ ブ チ 犯 る んだから、ここでヤっちゃっても一緒だにぇ。 にひ、追撃狙撃準備♪』 姉妹の手元がしっかりとした狙いを正面へ定めたとき、ようやくさくたろうは理解する――自分が狙われているという事実に。 しかし、それは黄金の矢の照準が自分を捉えたからではない。 45、410のまるで今晩のおかずか何かでも見るような――その無機質な瞳が無言でそれを物語っていたのだ。 彼女達にとって自分は会話する意味もない、ただの獲物でしかなかったことに彼はようやく気が付いたのだった……。 「う……うりゅうううううううぅぅぅぅぅぅっ!?」 ―――――――――――――― そこからはもう、さくたろうにとってはほとんど記憶に無い出来事だった。 わけもわからない恐怖に駆られた彼はすぐさま真里亞の部屋を飛び出し、ただがむしゃらにシエスタ姉妹から逃げ回る。 だがすでに獲物を逃がさない魔法結界は完成しているのか、さくたろうは自分がどこをどう逃げ回っているかもわからぬままただただ走り続けるしかない。 どこか古びた洋館のような建物内ではあったようなのだが、背後から迫り来る黄金蛇にばかり気がいってそれを理解している暇すらあたえられないのだ。 そうして何度と無くさくたろうの身体は姉妹によって引き裂かれ、いつのまにか彼は頭のフードだけを残したまま裸同然の格好で逃げ回っていた……。 「ま、真里亞……うりゅー、真里亞、真里亞ああああぁぁぁぁぁっ!!!」 助けてくれる。 何度も何度も叫べばきっと彼女が助けに来てくれる。 だがさくたろうの中でそんな儚い妄想が潰えそうになったほどの時間が経ったとき、ついに彼は『それ』を見つけた。 「…………あ」 おもわず壁によろけた拍子に、コツリと手元に何かがぶつかった。 ――――ドアノブだ。 いままで不自然なほどにただ洋館の通路のようなものが続いていたのに、そこには本当に当たり前にドアノブが突き出しており――さくたろうに入りなさいとでもいうように救いの手を差し伸べていたのだ。 「こ、これって……まさか」 彼はおもわず生唾を飲み込みながら前を見上げると、そこにはしっかりと重厚な扉がそびえ立っていた。 壁にドアノブだけが付いてました――なんて嫌な想像が一瞬頭をよぎっただけに、そこにドアがあるという当たり前の光景だけでさくたろうは飛び上がるほどに嬉しくなってしまった。 しかもそのドアのネームプレートを見ると、ご丁寧にも彼を更に喜ばせる文字が描いてあったのだ。 【Dear Sakutarou】 親愛なるさくたろうへ――そのドアにはそう記してあった。 あいにくfor ~という追記はなかったのだが、心身共に追い詰められていたさくたろうは都合よくもそのドアをこう解釈していく。 「……真里亞だ。 真里亞が僕の危険を察して用意してくれたんだ! やったーうりゅー!」 どこにそんな体力が残っていたのか――彼はその場をピョンピョンと跳ね回ると、何の疑いも無しに目の前のドアノブに手をかけていった。 さんざん喜ばせておいてカギがかかってましたというイジワルも無く、それはあっけなくギギィと軽快な音を響かせると彼を部屋の中へと誘っていく。 中はごくごく普通の洋館の一室のようで、古めかしい暖炉やそれなりのお茶を嗜めそうなテーブル、 簡素なベッドなどが備え付けられているのが見えた。 特に何も怪しいものは無い。 いたって普通の部屋だ。 ……不気味すぎるほどに。 「…………? と、とにかく入っちゃおう! ありがとう、ありがとう真里亞、うりゅー♪」 一番最初に扉を見た時から感じた違和感を無理やり黙殺し、さくたろうはその部屋へ逃げ込むように入りこんでいった。 疑う必要なんて無い。 だってこれは真里亞が用意してくれたお部屋。 愛する『さくたろう』へと書かれていたのだから。 バタン! ……カチャリ。 「はぁはぁ、ふぅ……」 部屋の扉を閉めすぐに内鍵をかける。 念のため備え付けられたチェーンもしっかりとかけると、さくたろうはようやく――本当にようやく一息をつく。 思えばずっと走り通しだった。 魔法で生み出された家具とはいえ、よくここまで小さな身体の自分がシエスタ姉妹相手にここまで逃げ切れたものだ。 言ってみれば、それはまさに『奇跡』。 あの奇跡の魔女が微笑んでくれたとしか思えないほどの幸運だ。 「もっとも、真里亞がここを用意してくれたおかげだけどね。 うりゅー♪」 ようやく上がっていた息が回復してくるのを感じると、さくたろうは部屋に備え付けられていたベッドにゆっくりと腰を掛けていった。 最初部屋の中を見たときはあまり質の良さそうなベッドには見えなかったが、なかなかどうして。 何も身に着けていないお尻を乗せると、それはポヨンと見た目とは違う柔らかい感触を返してきた。 敷いてあるシーツもさきほど洗ったばかりのように真っ白でふわふわで、まるでさきほどまでお日様の光を浴びていたかのように良いにおいがした。 「すごくふかふかしてる。 お日様みたいにポカポカしてるし、このまま寝ちゃえそう……」 身体の疲れも合いまって、このまま横になれば本当に眠りにつけそうだった。 さすがにこの状況下で寝てしまうのは平和ボケもいいところだろうが、さくたろうはだんだんと自分の置かれているが安全へと近づいていくのを感じた。 もう大丈夫、あとはこの部屋で真里亞が帰ってくるのを待っていればいいのだ。 ベアトリーチェとのお茶会が終わるまで、この部屋のこの心地よいベッドで待機していればいいのだから……。 「……真里亞が帰ってきたら、ここで一緒にお昼寝したいなぁ。 二人でポカポカしたらとってもきもちいいだろうな、うりゅー♪」 『ボク達がいつも使っているベッドだからね。 45が毎日あたふたお洗濯してるからこその、このフカフカにぇ。 にひ』 『よ、410がいつもサボるからです! お洗濯当番の割り振りに抗議をするものであります……』 「あはは♪ 僕も真里亞のベッドシーツ毎日お洗濯してるからよくわかる、あれって大変だよー。 ……ふぇ?」 あまりに自然に――それでいてありきたりな日常的な会話で入ってこられたものだから、その独り言を口にしたさくたろう自身も疑問を挟む余地なくそうあいずちを返してしまう。 「え。 え、え……?」 『『こんばんはさくたろうちゃん。 ようこそ、シエスタの子宮へ』』 シエスタの子宮 2 - - 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/469.html
メローネは暗闇の中にいた。 そこには見慣れた顔ぶれがいた。 「これからは・・・もっとしんどくなるぜ・・・てめーらは・・・」 「うおおおがががが!だが!ウイルスは許可しないィィィィ~~!」 「栄光は・・・おまえに・・・ある・・・ぞ・・・ やるんだ・・・ペッシ・・・オレは・・・おまえを見守って・・・いるぜ・・・」 「兄貴が逝っちまう前に兄貴の目の前でよォォォォ償いは させるぜェェェェ!」 「『覚悟』の強さが・・・『上』・・・なのは・・・ オレの・・・方だぜ・・・グイード・ミスタ・・・」 「ひとりでは・・・レなねぇ・・・」 「俺のそばにちかよるなぁぁぁああああ!」 そこには戦って敗れていく仲間達の姿があった。ん?後ひとりは誰だ・・・? そして背後に気配を感じ、後ろを振り返ると 蛇に噛まれて死んでいる自分の姿があった ゼロの変態第三話 シエスタ 「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 メローネ今朝の第一声である。 「ゆ・・・夢か・・・。クソッ!最悪の目覚めだッ! しかしあの夢はいったい・・・?」 夢の中ではギアッチョやリゾットまで死んでいた。あり得ないと思ったが なまじリアリティのある夢だったので、彼は不安になった。 「な、ない。あり得ない。さっさと夢のことは忘れよう。うん。」 まだ陽も出ていない。メローネは昨晩ルイズに言われた通り、下着を洗濯することにした。 「下着・・・?」 下着である。幼女(といっても差し支えのない少女)の。 「・・・・・・・・・」 メローネが洗濯しようと決心して10分後、彼は廊下をうろうろしていた。 「しかし、どこで洗えばいいんだ?もう10分はうろついてるぞ。」 究極生物の真似事をしていたこの男が部屋を出たのは3分前である。 「それにしてもここ広過ぎじゃあないのか?」 うろついているメローネは1つの人影に気がついた。 メイドだった。 メイドッ!我々の中でのメイドッ!それは精神的な意味において貴族達のそれと少し違っていたッ! 彼らは家事や掃除以上に萌えを望み!単なる職業を超え宗教に近かった! 『メイド』!『メイド』!『エマ』!『シャーリー』!『ロベルタ』!『メディア』! 彼女の存在がメローネの脳回路をショート寸前まで熱くしたッ! しかしッ!彼は見逃さなかった! 彼女の顔が恐怖で引きつっていたのをッ! それもそのはず、着ている服は全身タイツ(腹部露出)!顔には変なマスク! 右手に女物の下着!左手に謎の機械! とどめに頭にはパンティー! どう見ても立派な変態もしくは下着ドロの変態です本当にありがとうございました。 ここで叫ばれでもしたら、彼の人生は即THE・END! 彼は本能で危険を感じ、下着を放り投げるとメタルギア仕込みのCQCで彼女を取り押さえたッ! 「騒ぐな。あんたに危害を加えるつもりはない。話を聞いてほしい。」 必至な分顔が怖かったのだろう、彼女は恐怖でガタガタ震えていた。 「それでは貴方がヴァリエール様の使い魔の平民の変態の方でしたか」 「いや、断じて変態ではない。平民らしいけどな。」 あれからメローネは取り押さえたメイド、シエスタに事情を説明し、 水場へ案内してもらっていた。 (しかし・・・一時はどうなることかと思ったが、何とかなったな。 だがパンツをかぶっている理由の説明にあんなに手こずるとは・・・) ちなみに彼の言い訳は『洗濯籠が見あたらなかったし万が一ご主人様の下着を落としてしまっては困る』 もっとましな嘘をつけ。 そうこうしているうちに水場へついた。 「ここの洗濯道具は自由にお使いくださってけっこうですので」 そう言って去ろうとするシエスタをメローネは呼び止める。 「ちょっと待っていただきたい!」 「え?」 「いや、実は洗濯の仕方がイマイチわからなくてね。教えてはくれないか?」 もちろん嘘である。英語、ドイツ語、フランス語。ゲームやアニメ見たさに覚えた日本語。 爆弾の作り方から魔改造の仕方まで、その大量の知識により付いた仇名は『変態』 もちろん洗濯板の使い方も知っている。下心丸出しである。 しかし、そんな変態の頼みを彼女は嫌な顔一つせず。 「ええ。私なんかでよければ喜んで。」 畜生!いい女だ!こんな女死なせたら地獄行きだぜ! こうしてメローネは朝っぱらから幸せな時間を過ごしたのであった。
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/5716.html
倦怠人形シエスタ R 闇文明 (1) クリーチャー:デス・パペット/ハンター 3000 ■バトルゾーンまたはマナゾーンに自分の他のクリーチャーがある時、このクリーチャーは攻撃できない。 FT:夢の旅に出ます。起こさないでください。---倦怠人形シエスタに掛けられたボード 収録 DMA-01「パラレル・ユニヴァース」 作者:Moko 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ocg-o-card/pages/5859.html
《召喚師のシエスタ》 永続魔法 このカードを発動する場合、自分は発動ターン内に通常召喚できない。 お互いのプレイヤーは自分のターンに通常召喚できない。 お互いのプレイヤーは相手のスタンバイフェイズ時に モンスター1体を通常召喚する事ができる。 part17-221 作者(2007/08/07 ID FMqyC2BD0)の他の投稿 part17-238 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/565.html
autolink ZM/W03-005 カード名:ルイズ&シエスタ カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 ● パワー:1500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《メイド》? 【起】●助太刀1500 レベル1[手札のこのカードを控え室に置く](あなたはフロントアタックされている自分のキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+1500) R:打倒!ティファニアっ!! SR:(なし) RRR:(なし) レアリティ:R SR RRR illust.ヤマグチノボル・メディアファクトリー/ゼロの使い魔製作委員会 サイト&デルフリンガーと並ぶ、1/0助太刀の先駆け。 コストがなくなった割にパワーは500しか下がらないので、非常に使い勝手が良い。 コストを温存したいデッキは従来の2000カウンターではなくこちらを採用したい。 ・関連ページ 「ルイズ」? 「&」?
https://w.atwiki.jp/07th-umineko/pages/145.html
ほとんど裸のままベッドに腰をかけているさくたろう。 その彼の身体をサンドイッチするように、シエスタ45、410の二人が両脇に腰をかけていたのだ。 それは後から部屋に入り込んできたという風ではなく――まるで初めから彼女達がこの部屋の主として存在していて、そこにさくたろうが招待されたとでもいうような光景だった。 「!? き、君達なんでここ、にぃ……んんむぅっ!」 さくたろうがそれを言い終えるよりも早く、左隣に座っていた方の女の子――シエスタ410がさくたろうの唇を塞いだ。 自分のクチビルで、だ。 『ん……あんまり動かないでにぇ? 抵抗しなければ痛くはしないから。 にひ……♪』 「ふわ……や、やめてぇぇぇ」 ……柔らかい。 それでいてほどよく弾力のある410のクチビルがさくたろうに襲い掛かる。 肉厚のそれは言葉で言い表せないほどに心地よく、さくたろうは悲鳴を上げながらも彼女のクチビルのマシュマロのような柔らかさを堪能してしまう。 「あふ。 や、柔らか、い……んん!」 『……この反応、キスは初めて? てっきり真里亞卿としてるものかと思ったけどにぇ』 さくたろうのウブな反応に、410は加虐心を煽られたように更にクチビルの動きを大胆にさせていく。 重ねているクチビルをそのままパックリと開いていくと、あろうことかさくたろうの口内へと唾液で濡れた舌を刺しこませていったのだ。 ヌルリとした今まで感じたことの無い感触がさくたろうの敏感な口内を襲う。 「ふぅっ! うりゅー、や、やめてぇ。 こんなのダメ……キ、キスは好きな人とじゃなきゃダメって真里亞が。 ああ……」 さきほどまで自分を殺そう?としてた相手に、いきなりキスをされている。 それどころかクチビルを塞がれ口の中に舌まで入れられているという、事実。 それがさくたろうの幼い思考には理解できず、ただただこの異常から異常への移り変わりにやめてと小さく抵抗の言葉を口にすることしかできない……。 けれども身体の方はしっかりとこのメスと接することを欲しているようで、さくたろうは剥き出しになっている下半身がムズムズとしたくすぐったさに包まれてきているのを感じていた。 「あう、あうあう。 んん、く、くすぐったい」 『さくたろうちゃん、かわいいにぇ。 焦らずゆっくり経験していきましょうね? にひひ……』 まるで弟にでもささやくようにそうつぶやくと、410はディープキスを続けたままさくたろうの下半身にまで手を伸ばしていく。 少年のものらしく皮を被り、手のひらだけでも包み込めてしまうほどの大きさのペニスが痙攣するようにヒクヒクと震えていた。 それを410はほどよい力加減でギュっと握り締めると、その硬さを確認するようにニギニギと弄り始める。 『……やらしいにぇ。 こんなに小さいのにしっかり反応してる。 さくたろうちゃんはオナニーはしてるのかな?』 「うりゅー。 そ、そんなのしたことない」 『……嘘だにぇ。 このおちんちんの動きはきもちよくなれるのを知ってるにぇ。 赤くない文字は信用できない。 にひひ』 「あうう……」 気恥ずかしさのあまりついた嘘をあっさりと看破され、さくたろうは顔を真っ赤にしてモジモジと身体を揺らす。 それはまるで410にもっとペニスを弄るのを続けて欲しいと願っているようで、彼女の白手袋のもどかしい感触が更にさくたろうの興奮を煽っていく。 そしてそれに答えるように410はにひひと小悪魔な笑みを浮かべると、今度は手のひらでしっかりとさくたろうの勃起ペニスを包み込んでいった。 彼がさきほど知らないと嘘をついた自慰行為――それと同じ動きで上下にペニスをシゴいていく。 「あ、あ、あ。 うう、うー!」 生まれて初めて女の子にしてもらうオナニー。 そのなんともいえない快感にさくたろうは女の子のようなあえぎ声をあげ悶える。 同時にそれは彼の心までもがシエスタ410の愛撫を受け入れた証拠でもあった。 ビクンビクンとペニスを打ち震わせながら、さくたろうはもっとして…と言葉を口にするのを堪えるのが精一杯だった。 『どうかにぇ? さくたろうちゃんのおちんちんはきもちいいって言ってるけど、本人からはまだその言葉を聞いてないにぇ。 言わないとここでやめちゃう』 「うりゅ。 き、きもちいい……です」 『……そう、それでいいにぇ。 素直にしていればこのおちんちんをもっときもちよくしてあげますからね~? 真里亞卿にも秘密にしてあげるにぇ』 「ま、真里亞……真里亞に、秘密にしてくれる?」 『そう、秘密にぇ。 ボク達とさくたろうちゃんだけの秘密。 秘密のおちんちんパーティにぇ。 にっひひひひ♪』 うまいこと言ってやった、とばかりに410は嫌らしい目つきで嗤う。 だが真里亞に秘密にしてくれる――というその言葉には、確かにさくたろうの心にトドメを刺すだけの破壊力がこもっていたようだった。 「……あう! な、なに?」 410の甘い提案に心を奪われた途端、続けざまにさくたろうのペニスに何か粘ついた液体が注がれる。 それはシゴかれているペニスに潤滑油を垂らしたかのように絶妙で、おかげで410の手の動きはヌルヌルとした刺激にあいまって更にスピードを増していく。 『ナイスにぇ、45。 自分で思いついた?』 『み、見てるだけでは任務放棄だと思い、普段410がやっていることを参考にしたものであります。 んぅ……』 さくたろうのペニスに流されたもの――それはシエスタ45の唾液だった。 彼女はちょうどペニスの真上に自分の顔を置くと、口の中で溜めた唾液を下に向かって垂らし始めたのである。 しばらくの間410とさくたろうの情事を静観(もっとも顔は真っ赤にさせていたが)していた彼女だが、自分だけ何もしないのは任務放棄だと思い彼女なりの行動に出たらしい。 『ん……お、おちんちん震えてます。 もうすぐ、で、出ちゃったり……そ、その……』 『あいかわらずウブにぇ、45は。 そんなことで初体験できるの? にっひひひ♪』 『うう。 イ、イジワルです410。 んん……』 気恥ずかしさを隠すように、45は続けてさくたろうのペニスに唾液を垂らす。 ペニスに向かって突き出されたピンク色の舌はなんとも卑猥でいやらしく、さくたろうは粘ついた感触によってニュグニュグとシゴかれていく感触に自分の射精が近づいてるのを感じた。 「う、うりゅー。 も、もうダメ……ああ、で、出ちゃうーうー!」 『我慢しないでイっていいにぇ。 ほらほら、ここ触ると……』 とどめを刺すように410がペニスの先っぽを指先で弄ると、さくたろうはビクンとペニスを跳ねさせる。 ドクリ…と玉のような透明液が少しだけ漏れ出すと、続けざまに抑えきれない射精が始まっていく。 「ふあああっ! ああ、あー、ああああー!!!」 『きゃっ!? あ、あうあう、す、すごいであります……』 ドクンドクンと真上に向かって吐き出される白い液体に、それを見ていた45が驚きと興奮を伴った表情で見つめる。 同じ家具である女の子に射精を見られる恥ずかしさも相まってか、さくたろうはマゾ的な快感をも射精のスパイスにしながら更に濃い精液を吐き出してしまう。 「うりゅーうりゅー! き、きもちいい。 二人に射精見られて、い、いっぱい出ちゃううぅぅぅぅっ!!!」 『にっひひひひ♪堕ちたにぇ。 ほらほら全部出しちゃったほうがきもちいいよ? おちんちんの中のもの全部出しましょうね』 「うん、うんん♪ あーあー! うりゅぅぅぅー!!!」 もとより射精の最中に冷静になれるオスなど居はしない。 さくたろうは真里亞にはとても見せられないようなだらしない顔で快楽に溺れていく……。 隠れて自分でした時とは比べ物にならない射精量――大量の青臭い精液がペニスからビュクビュクと噴き出す。 それらはさくたろうの股間周りを濡らしたのはもちろん、射精を手伝った45、410の身体にまで及んだ。 彼女達の白手袋に包まれた指先、前の開いたスカート、荘厳な装飾が施された軍服にまでビチャビチャと飛び散り、それらを穢らわしくも汚していくのだ。 けれども45、410はそれを嫌とも感じずに、むしろ1匹のオスを陥落させたという任務成功に満足の笑みを浮かべていくだけだった……。 ―――――――――――――― そこからはもう、さくたろうは彼女達の言いなりだった。 一度メスによる射精を覚えさせられ壊れてしまった家具は、もはやされるがままに快楽に溺れていくのだ。 もとより何の戦う力も持たないさくたろうでは、訓練され卓越した戦闘技術を持つシエスタ姉妹(特に410)のおもちゃにされることは明白だった……。 「ああ、き、きもちいい! うりゅーお尻ピチャピチャきもちいひぃぃぃぃ!!!」 さくたろうがベッドの上で四つん這いにされている。 そして彼のお尻にはシエスタ410が深々と顔を埋めていた。 彼女の口からはグイイと舌が伸ばされ、さくたろうの敏感な尻穴をピチャピチャと舐めまわしていた。 『にひ。 さくたろうちゃんのお尻の穴、かわいいにぇ。 舌で抉るたびヒクヒクしてる。 きもちいい?』 410の問いにさくたろうはコクコクとうなずく。 返事をすることすら惜しいようにうなずき――すぐさま喘ぐ。 はしたなくもお尻をフリフリと揺らし、410にもっと舐めてと懇願するのだ。 さきほどまでオナニーしかしらなかった彼にとってそれは凶悪な快楽。 それでいてもう抜けられなくなるほどの中毒性だったのだ。 『あの……こ、こっちはどうですか? 初めてですが、む、難しいであります』 そしてさくたろうの喘ぎ声の正体はそれだけではなかった。 四つん這いになった彼の身体の下にはシエスタ45が逆さになって潜り込んでおり、空いたペニスをジュポジュポと口唇愛撫していたのだからたまらない。 「うりゅー、お口の中、あ、あったかくてきもちいい。 45さん、もっとおちんちん舐めてぇじゅぽじゅぽしてえぇぇぇ!!!」 『りょ、了解であります! んん……!』 命令されることが至上の喜びである彼女にとって、その言葉は最高の奮起剤。 すぐさま顔を激しく前後させていく。 410のそれほどではないのだろうが、任務実行に忠実な彼女はさくたろうのあえぎ声を聞きながら最適なペニス愛撫方法を導き出しているようだった。 「あう、あうあう。 真里亞ごめん、ごめんなさい。 45さんに舐められてボクおちんちんきもちいいうりゅー!」 『す、すごい。 舐めてあげるたび口の中でビクビクして……こ、ここ?』 初めてとは思えないほどの卓越した舌撃をさせながら、45は今までで一番反応が良いと思われたペニスの割れ目に舌を潜り込ませた。 すると410に尻穴を舐られている快楽とも相まって、さくたろうはついにビクンビクンと勃起ペニスを打ち振るわせる。 『アナルがヒクついてきたにぇ。 ……イっていいよ。 にひ』 「ああ、で、出ちゃう! 二人してそんなにされたらまた出ちゃう出ちゃうぅぅ! うりゅーっ!!!」 『んんっ!? ん、ん。 んん……』 410によるアナル舐め。 そして45によるフェラチオに我慢などいかほども保つはずもなく、さくたろうはすぐさま射精――そしてそれをそのまま45にゴクゴクと飲んでもらうという夢のような快楽が続く。 身体中にビリビリと電撃が走るような錯覚に襲われながら、さくたろうは更なる快楽の渦に飲み込まれていくのだ……。 ――――――――― 『そうそう、そのあたり。 さくたろうちゃんのは小ぶりだから、きっとこの態勢のほうがやりやすいにぇ』 『ん……い、位置特定が難しいです。 ここですか?』 『もうちょっと下だにぇ。 間違ってお尻の穴に入れないようにね? にっひひひひひ♪』 『も、もう! 410、下品であります。 ん……』 ふたたびベッドの上――今度はさくたろうは仰向けになり寝転がっている。 そしてその上には裸になったシエスタ45が跨っていた。 小さめだが形の良い乳房があらわになり、ツンと上を向いた乳首が彼女の髪の色と同じピンク色となってそこに色づいていた。 さくたろうはそれをドキドキした面持ちで眺めながら、来るべき快楽の始まりをただジっと待っていた。 『あ……は、入りそう、です。 ん、んん!』 『怖がらないで一気に乗っちゃったほうがいいにぇ。 これだけ濡れてればヌルっと入っちゃう?』 『は、はい。 あ、あんっ!』 シエスタ45が声を上げた直後、さくたろうはペニスがヌルヌルっとした生暖かい感触に包まれたのを感じた。 それはさきほど口の中に受け入れられた時と似たような感触だったが、感度は段違い。 こちらは狭い穴の中に蜜を塗りたくったように粘りつき、それでいてやけどしそうなほど熱い――それでいてさ獲物を絶対に逃がさない密室快楽だった。 さくたろうは小さくあっ…と声をあげる。 『あ、あん! ん、な、なんだか変な感じです。 お腹の下あたりがきつく感じて……』 『痛い? もし痛いなら一度抜いたほうがいいにぇ。 まあそしたらボクが入れちゃうけど、にひ♪』 『そ、そんなに痛みはないです。 熱くて……き、きもちいい、です……』 410の指導を受けながら、45はそのままゆっくりと上下に身体を揺らし始める。 初めてにしては覚悟があるようにユサユサと動きはじめるのは、彼女の責任感ゆえだろうか――。 さくたろうは騎乗位の格好で目の前で女の子が動いているという事実に感動すら覚えながら、ただ初めて経験する膣の感触にグっと歯を食いしばる。 『よかったね、さくたろうちゃん。 これで君は大人の仲間入りだにぇ。 45の中はきもちいい?』 410の問いにさくたろうは答えられない。 少しでも力を抜いたり口を開こうとすると、危うく悲鳴を上げて達してしまいそうになるからだ。 もっとも初めて女の子と経験する彼にはわかるはずも無いのだが、シエスタの膣はニンゲンとは異なる構造で出来ている。 おそらく創造主が『そういった目的』を想定して彼女達を作り出したものなのだろうが、彼の頭の中での気が狂うほどの快楽がそれを証明していた。 初めに手でシゴかれ、きもちいいと感じた。 その後お尻の穴を舐められながら口で抜き取られ、これ以上の快楽はもう無いとさえ思った。 けれども男女の営みにはまだまだ上があったのだ……。 『あん、あん、あぁ! に、任務だってことを忘れそうでありま……あ、あはぁんっ!』 『……にしても、よく頑張るねさくたろうちゃん。 シエスタの子宮を味わったら大抵のオスは泣きながらすぐ射精しちゃうのに。 さすが真里亞卿の家具だにぇ』 『……あ。 そ、それちがいます、410』 『……へ?』 45のその言葉に410は頭にハテナマークを浮かべる。 それはさくたろうと繋がっている45にしかわからないことであり、むしろそれを見ているだけの410に悟らせなかっただけでも彼はよく我慢したといえるだろう。 いまだ45が腰を上下に動かしていると、タイミングよくその繋がった接合部からはヌチャヌチャといやらしい粘膜の音が漏れ出した。 『そ、その、じつはさっきから出ちゃってるんです。 私の中で何度も何度も。 ビュービューって……』 『……いつから? ぜんぜん気が付かなかったにぇ……』 『さ、最初のは入れてすぐです。 初めは射精ってわからなくて、け、けど動いたらまたすぐ出ちゃったみたいで。 あ、い、今もまた出してます……あ、あん!』 二人が繋がり始めてからほんの1、2分――45の中で三回目の膣内射精が始まる。 ビュクビュクと子宮に向かって吐き出されてくる精液に、作戦用の避妊剤を投与している身でも妊娠させられてしまうんじゃないかという想像が彼女の頭をよぎった。 ついには膣口からは収まりきらないピンク色の精液がドロリドロリ漏れ出し、それが45が処女を喪失したという赤き真実となってさくたろうのお腹の上を流れ出ていくのだった……。 『こ、こんなにたくさん射精しちゃってます。 だ、だいじょうぶ……?』 『……元気だね、さくたろうちゃん。 でもお腹の中にちゃんと残しといてにぇ? このあとは『二人目』も待ってるんだから。 にっひひひひ♪』 眩暈がするほどの快楽に包まれながら、さくたろうは今日何度も見た410の邪悪な笑みをふたたび目撃する。 それは自分の身体がまだまだ開放される気配がないということを雄弁に物語っているもので、彼はその危うい事実に寒気のようなものを感じつつも、胸とペニスを躍らせずにはいられないのだった……。 - - さくたろうそこ変われ・・・410とやりたい -- (名無し) 2013-10-01 22 56 53 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/18957.html
居眠り僧侶(サイレントシスター) シエスタ - 光文明 (4) クリーチャー:オラクル 4000 このクリーチャーがアンタップされる時、かわりに自分のシールドをひとつ、手札に加えてもよい。(こうして手札に加えたシールドの「S・トリガー」を使ってもよい)そうした場合、自分の山札の上から1枚目を、裏向きのまま自分のシールドに加える。 作者:- フレーバーテキスト 「ぐーすかぴー。果報は寝て待て、でございますよー。」 ---居眠り僧侶 シエスタ 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/herikutu/pages/52.html
906 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 02 32 ID 51UsXrxH □ 真夜中のシエスタ (教授の話は他の話題から急に飛んだので、始まり方が唐突である) ボトルメールの筆者は8つの娘。 名は、もう忘れてしまったな。仮にお梅とでもしておこう。 お梅は小さな漁村に住む貧しい漁民だった。祖母、父、母との4人で、 小さなあばら家に慎ましく暮らしていたようだ。生活が苦しく、他の兄弟は 全部人買いに売られたとあり、当時の生活の窮状が窺えたということだったな。 そんな貧しいながらも平凡な暮らしの中、突如事件が起こった。 夏の寒い晩のことだ。……俗に言う丑三つ時という時間帯だな。 いきなり小屋の扉が開いた。 お梅が寝ぼけまなこで扉を見ると、そこに異形の女が立っていた。 背の丈は六尺(約180cm)近く、髪は青く、両の目が赤く光り、白い角が生えて いたという。女の服はみたこともない布地でそれは美しかったそうだ。 真っ暗な中、不気味に光る眼がお梅を射抜いた瞬間、お梅は恐怖のあまり身動きが 取れなくなったという。「女の鬼だ」と思ったそうだ。 女は薄く「ぬぇ」と笑った。と、いきなり手にした黄金の弓に矢をつがえ、引き 絞った。黄金に輝く光の帯が小屋中を駆け巡り、鮮やかな曲線を描いて回っていた。 はっと気がつくと、悲鳴を上げる暇もなく、家族全員が次々とその光の矢に射抜かれ、 虐殺されていたそうだよ。 私も死んだ、と最後に書かれていたらしい。……おかしな話だ。じゃあこの手紙を海に 流したのは誰なんだ、と当然のように議論になったっけなぁ……。 (くだらない教授の感想が続き、実質の話は終わり) 昭和九年、五月。 そのボトルメールは現在の青森市の一角、小さな漁村へ流れ着いたという。 手紙の内容が難解を極めた為、最高学府である某大学へ送られ、そこで専門家の 鑑定を受けたという。しかし、鑑定の結果はおろか、ボトル・手紙すらも戦中の混乱で 紛失した今となっては、どこから流れ着いたものか、そもそも存在したのかすらも 検証不可能である。 例の六軒島事件が起こるまでその存在は忘れ去られていた。ところが、何かの折に 偶然その話題を耳にした某教授が、その存在を思いだし、講義の席で一回だけ話題に した。その内容を元に、これまた正体不明の誰かが編集したのが以上の文章である。 伝聞の伝聞であるからして、その信憑性には大いに疑問が残る。 907 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 03 45 ID 51UsXrxH 410「……『ぬぇ』じゃなくて「にぇ」だにぇ」 45「よっ、余計なおしゃべりはいいから……! 現場を早く再構築しないと怒られますっ……!」 410「……めんどくさいにぇ」 エヴァ「早くする!」 シエスタ姉妹が再構築した現場は以下の通り。 【小屋の中に祖母、父、母、娘の4人の死体がある】 【祖母、父、母、娘は死亡している】 【祖母は胸から、母は眉間から、父は胴体から、娘は頭から血を流して倒れている】 【小屋は20畳ほどの広さで、窓が一か所、扉が一か所ある】 【扉は内側から閂がかけられている。外側に錠、またはそれに類する機構は存在しない】 【窓は内側から鍵がかかっている。窓はガラス製である。壊れてはいない】 【扉、窓ともに、今の状態において、一切の人・物の出入りを拒む】 エヴァ・ベアトリーチェ 「今日は軽く捻ってあげようと思って、魔女の存在を示唆するボトルメールから現場を 再構築したわ。これから私が赤字を一つ使うと、間抜けでドジで、トロいカメな貴方達 でも、魔法を認めざるを得ないと思うわぁ……くすくすくす。 ……言うわよ。 【祖母、父、母、娘は全員他殺である】 つまり、私がシエスタ姉妹に命令して黄金の弓で4人を全員殺して、その後で悠々と外へ出て、 また黄金の弓を使って、扉の隙間から閂を掛けたってわけ! ま、こんな綺麗な死体は趣味じゃないんだけど! ……ま、汚くしておいてまた先代に怒られる のもウザイから、綺麗に直させといたのよ。シエスタ姉妹に頼んでね! しちゃいなさいよぅ、リザイン!! 認めちゃえば? 負けちゃえばぁ!?」 908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 08 45 ID Pc+vcHSK 即死赤字よろろーん 『単なる一家の無理心中、家族のいずれかが残りを殺害、 しかし即死ではなかった為反撃にあい残った一人も死亡』 909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 12 11 ID ZLy0aTb1 . 906 角なんてあったっけ…って思ったらうさみみのことなんですね。 鵺…は関係ない、ですよね…。 取り敢えず、基本、 『一家は生活苦による心中。お互いがお互いを殺しあった。手紙は遺書。』 910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 12 45 ID 94s/CRgM エヴァ様こんばんは、ミルクティーをお持ちしました。 このゲーム盤には、祖母、父、母、娘の四人と…… 人買いに買われた他の兄弟たちも存在するのかな? 復唱要求はもう少し問題文を読んでからで。 911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 12 56 ID GDmh7TwI ぬぇぬぇ 『犯人Xは小屋の外から機関銃の類を乱射し、 中の住人は壁を貫通した銃弾で射殺された』 912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 13 09 ID fkcL6dyy 甘いな 復唱要求 「小屋には窓、扉それぞれ二箇所以上存在しない」 913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 14 06 ID B2Ld4tI8 【小屋の中に祖母、父、母、娘の4人の死体がある】 か 復唱要求 「小屋の中に祖母、父、母、娘の4人の死体以上に死体はない」 「小屋の中に祖母、父、母、娘の4人の死体以外に隠れている人間はいない」 914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 17 00 ID 94s/CRgM 小屋が小さなあばら家ということはどこかの壁が壊れていて すきま風が吹いたりなんかして。死因は射殺かな。 復唱要求 「この小屋はベアトリーチェの密室定義に準ずる。」 「小屋の中から銃弾は発見されていない。」 915 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 17 09 ID Y6tkrr9Y エヴァ「 . 908 どこを切るかは自由のはずよねぇ? 【無理心中を図った人間はいない】 . 909 伝聞の間に鬼にされたみたいね、興味ないけど。 【無理心中を図った人間はいない】 . 911 【祖母、父、母、娘とも部屋の中にいたモノに殺されている】 モノがカタカナなのはそれが魔女だから。 . 912 …最初の赤が信頼できないのかしら? 【小屋には窓、扉それぞれ二箇所以上存在しない】 916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 18 43 ID 94s/CRgM モノ……カタカナですねぇ。 復唱要求 「このゲーム盤に動物は登場しない。」 917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 18 46 ID wXqaMGVe 復唱要求 「四人は全員小屋の中で死亡した」 918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 19 57 ID k1CXIb2m 幼女ktkr!とりあえずとんでも。 『娘は幼女(8才)。娘はその日初潮を迎えた。 その村では、初潮を迎えると 祖母は胸から、母は眉間から、父は胴体から、娘は頭から血をすこしだし、 混ぜて皆が飲む習慣があった。 しかし、4人のうち複数人が、他人が感染すると即死するウイルスを持っていた。 それを飲んで全員死亡。』 【祖母、父、母、娘とも部屋の中にいたモノに殺されている】 モノは血液で。 919 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 20 49 ID Y6tkrr9Y エヴァ「 基礎固めに忙しいみたいね、そうこうしている間に一晩超えちゃうわよぉ、くすくすくす。 . 913 要求に答えるわ。 【小屋の中に祖母、父、母、娘の4人の死体以上に死体はない】 【小屋の中に祖母、父、母、娘の4人の死体以外に隠れている人間はいない】 . 914 予定より早いけど、仕方ないわ。基礎固めで時間を費やしちゃうと 屈服までの時間が遅くなるしぃ……もちろんあんた達のことよ!! 【閂を閉めた後の小屋は、先代ベアトリーチェの密室定義を満たす】 ……2番目は復唱拒否ッ! 理由はないわ! 920 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 24 28 ID Y6tkrr9Y . 916 【密室の構成に関わった人間以外の生物はいない】 【殺人に関わった人間以外の生物はいない】 要求とは違うけど、これで満足かしらぁ? . 917 要求に答えるわ。 【四人は全員小屋の中で死亡した】 . 918 【毒・ウィルスなどで死亡した人間はゲーム盤に存在しない】 あはははは、面白ーい…魔女ナメてる? 痛い目見るわよ? 921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 24 55 ID fkcL6dyy まだまだ 復唱要求 「娘は小さな漁村に住む貧しい漁民だった」 922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 26 24 ID 8i2Tl4Z3 『犯人Xは4人を殺した後、扉から出てトラップXにより閂を閉めた』 923 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 31 01 ID Y6tkrr9Y エヴァ「復唱要求が多すぎてさばき切れない…シエスタ姉妹!!」 410「シエスタ410、ここにぃ」 45「シエスタ45、ここに」 エヴァ「適当に相手してあげなさい。しばらく任せるわ。 910の ミルクティー呑んでるから終わらせて」 . 921 「問題ないにぇ。 【娘は小さな漁村に住む貧しい漁民だった】 . 922 「青だにぇ…遅いから単騎でも撃墜可能、にひひ。 【父が扉の閂を閉めた】 「あっ、その手は……」 「すットロイことしてられないにぇ!」 924 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 31 23 ID B2Ld4tI8 復唱要求 「死んだ四人は銃を撃っていない」 「死んだ四人は1人目が死亡後3分以内に全員死亡した」 925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 33 38 ID 94s/CRgM 父が扉の閂を? ここは基本に戻って……。 復唱要求 「祖母、父、母、娘の四人は即死である!」 926 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 35 58 ID Y6tkrr9Y . 924 「ふっ、復唱に答えます! まっ、間違えた…! きゅー…1番目は拒否するであります……! 【死んだ四人は1人目が死亡後10分以内に全員死亡した】 . 925 「そっ、それも拒否したいであります……!」 「なんかいきなりピンチっぽいにぇ」 「あっ、あの悪手が…!」 927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 36 36 ID 8i2Tl4Z3 『4人はトラップX(モノ)により殺された』 928 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 37 25 ID k1CXIb2m 人数が4人ってのがヒントかな。ネタが古いけど。 『父親が閂を閉めたあと、4人は2対2でプロレスをしていた。 その戦いのさなか、祖母は胸から、母は眉間から、 父は胴体から、娘は頭から血を流した。 最後、マッスルドッキングをしかけたが、 技をくらった方もしかけた方もダメージをくらい死亡。』 貧しい村なんでそれぐらいしか娯楽がないんです、きっと。 929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 41 27 ID 94s/CRgM 父は胴体から血を流している、ですよね。 腹というのは何とも致死性に欠ける。って誰かが言ってた。 『扉から入ってきた犯人Xが四人に銃を発砲。祖母、母、娘は即死。 犯人Xは四人が死んだと思いこみ、小屋を後にする。 父は犯人の攻撃から逃れるために扉に閂をかけた後に絶命。』 930 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 42 53 ID Y6tkrr9Y . 927 「にひ。星2つ目だにぇ」 【ゲーム盤の中に殺人トラップXは存在しない】 . 928 「大きく切るにぇ! 【祖母を殺した存在は父、母、娘、祖母の誰でもない】 「3つ目。あと2つでエース! にひひ」 「おっ、怒られるであります……! そんな手は……」 「にひひ、大丈夫、楽勝だにぇ!」 931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 47 49 ID B2Ld4tI8 わざわざ10分以内に広げたのは即死を回避するミスリードか? 復唱要求 「4人の苗字は他殺さんではない」 『銃の暴発で全員事故死』 932 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 51 56 ID Y6tkrr9Y . 929 「き、来た!!」 「これぐらいじゃないと撃墜した気にならないにぇ!」 「地形データ収集、射撃用データ収集。410へデータリンク。」 「410データ受領。標的を捕捉。地形誤差修正。射撃曲線形成、制御点補正完了。45へデータリンク」 「45データ受領。危険区域確認」 【父は即死している】 【四人を死に至らしめた凶器は全て同一の銃である】 【四人を殺した直接の凶器は、銃である】 【祖母、父、母、娘は銃でうたれて死亡した】 【銃はこの日、四回発射され、いずれも人間に命中している】 . 931 「よっ、要求に応じるであります……!」 【4人の苗字は他殺さんではない】 【銃は暴発していない】 「ほっと一息だにぇ…」 933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 53 59 ID wXqaMGVe 「ゲーム盤において父、母、祖母、娘の存在はそれぞれ1人ずつである」 934 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 00 57 00 ID Y6tkrr9Y . 933 「OKだにぇ… 【ゲーム盤において父、母、祖母、娘の存在はそれぞれ1人ずつである】 ベアト「……ちょっと静かすぎるではないか…もっとこう、盛り上がっていこうぜぇぇ!! みたいな……その……コホン」 935 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 58 13 ID 94s/CRgM . 929 932 父は即死ですか…! 王道的な青字だったので、回避されるとは思いましたが 銃、同一の銃…。 復唱要求 「事件後、小屋から四人を殺した銃が発見された。」 936 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 00 59 50 ID B2Ld4tI8 『犯人Xが室内で銃を発砲。銃弾は兆弾しまくりの状態になった。 犯人Xは驚いて部屋を出て、父が閂を閉じる。その後、家族全員に 命中して死亡した』 937 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 00 07 ID 94s/CRgM 屁理屈推理……人間とトリック……うーん。 私が思うにそろそろ次スレの季節なのです。 938 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 00 30 ID ZLy0aTb1 んー 『んー合意をともなった心中。』 暴発に反応してるのが気になりますね。 939 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 03 26 ID Y6tkrr9Y エヴァ「……まだ耐えてるみたいね。お茶も呑んだし……。 . 935 仕方ないわね…要求に応じようかしらぁ。 【事件後、小屋から祖母、父、母、娘を殺した銃が発見された】 「今気がついたけど、これって家具の否定よねぇ?」 「……あ、あ、そうだったにぇ…」 「……ひっ、酷いであります……!」 940 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 05 03 ID 8i2Tl4Z3 う~ん、これでどう? 『犯人Xは母と娘を銃で殺し、祖母に致命傷のダメージを与え銃を捨て扉から脱出。 父は閂を閉めた。その後絶命寸前の祖母が銃で父を殺し、その後自分も死亡』 941 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 06 21 ID wXqaMGVe 『犯人Xが部屋内で娘、母を殺害。犯人Xは逃走し父は鍵を閉めた。祖母は父を殺した後にショックによりショック死した。』 942 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 06 49 ID 94s/CRgM 私のミルクティー飲んで頂き、有難うございますエヴァ様……! 静かなのは謎が正統派に難しいのと、このところ夜更けに問題が続いたので きっと皆さん寝不足なんだ。0時過ぎで眠いのですよ……w 943 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 10 09 ID Y6tkrr9Y . 936 【跳弾による死者はなし】 . 937 【合意をともなった心中ではない】 . 941 【精神的なダメージにより死亡した人間はいない】 . 940 「……ぐ……高速の青ッ!!」 944 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 10 25 ID 94s/CRgM 「事件後、小屋から四人を殺した銃が発見された。」 【事件後、小屋から祖母、父、母、娘を殺した銃が発見された】 家具の否定w 四人=祖母、父、母、娘なのか、四人≠祖母、父、母、娘なのか……。 【ゲーム盤において父、母、祖母、娘の存在はそれぞれ1人ずつである】 四人以外に誰かが居るような気がするんですよね、犯人Xは買われた兄弟か……? 945 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 14 01 ID Y6tkrr9Y . 940 なかなか目のつけどころがいいわ! 【祖母は即死している】 【母は即死している】 【父は即死している】 ので赤で切れる……のだけれど!! 祖母と娘を入れ替えれば成立する。 ただし【父は2回撃たれている!!】のよ!! 946 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 15 04 ID k1CXIb2m 屁理屈解答を作りたいけど、赤が決まってるからなぁ。 947 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 18 35 ID wXqaMGVe ここまで出てお手柄奪うわけには行かないなw . 940さんがんばれw 948 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 20 51 ID 94s/CRgM 父は二回撃たれている、かぁ……。 . 940さん、ファイトっ。 949 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 20 51 ID wXqaMGVe 二回撃たれてるっても即死なわけで「バンバン!」だっただけじゃないのか? 表現の仕方が変だがw 950 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 21 39 ID Y6tkrr9Y ベアトリーチェ「 ……今日は人数も少ないゆえ、青字も散発気味のよ。 それでは魔女に勝てまいて……くっくっくっく。 . 944 「ふむ。目のつけどころは正しい。犯人は隠れておる。 【ゲーム盤には犯人と祖母、父、母、娘の5つの駒が存在する】 951 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 25 24 ID 8i2Tl4Z3 . 947-948 わかんねえーw協力してくれよw 娘は即死じゃないので 『犯人Xは散弾銃を部屋の中で3発撃ち、母、祖母が即死。娘、父は致命傷を受けた。銃を捨て犯人は逃走。 父が扉を閉めた。娘が銃を1発撃ち父を殺し、娘も絶命した。』 952 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 26 01 ID Y6tkrr9Y . 949 【父は即死している】 【四人を死に至らしめた凶器は全て同一の銃である】 【四人を殺した直接の凶器は、銃である】 【祖母、父、母、娘は銃でうたれて死亡した】 【銃はこの日、四回発射され、いずれも人間に命中している】 現場を再構築してあげましょうか。 今から祖母を殺すわ。バン。…死んだ。 母を殺す…バン。死んだ。 娘を殺す。バン。死んだ。 父を殺す。バンバン。死んだ。 あれ、私今何回バンって言ったかしらぁ? ……五回じゃなかった? 五回だったわよねぇ? くすくすくすくす。 ”これが魔法”よ!! 953 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 27 39 ID Y6tkrr9Y . 951 「残念だけど… 【銃は散弾銃ではない!】 【このゲーム盤において、一回の射撃で2人を殺すことはできない】 954 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 30 19 ID Y6tkrr9Y ちょっと訂正よ。 無限の可能性を赤字に残しちゃまずいものね…。 【このゲーム盤において、一回の射撃で2人以上を殺すことはできない】 【このゲーム盤において、一回の射撃で2人以上に弾を当てることもできない】 955 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 31 09 ID 94s/CRgM 協力したいし青を貫かせたいけど難しいッ(汗 今バンって五回言ったってことは……あ、四回発砲して一つは空砲? バン(銃弾) バン(銃弾) バン(空砲(不発)) バン(銃弾×2) 表現の仕方はこんな感じ……? で、四人は他殺……あれ? 復唱要求 「娘は銃殺である!」 「銃はこの日四回発砲されたが、そのうち一回は不発である!」 956 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 31 18 ID wXqaMGVe 『犯人Xの武器によって魔カンコウサッポウ状態により母、祖母を貫いた。さらに娘に致命傷をおわせ逃走。父は鍵を閉めて娘にバンバンされて全員死んでしまった』 957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 32 55 ID 8i2Tl4Z3 . 952 【祖母、父、母、娘は銃でうたれて死亡した】 銃で"うたれて"が漢字じゃないので 『父は銃で打たれた後、撃たれた』 958 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 33 05 ID 94s/CRgM なんだか、私の推理はミスリードはないかと 不安でいっぱいなのです……(汗 959 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 34 02 ID wXqaMGVe 「このゲームで銃は1つしか存在しない」 960 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 35 44 ID Y6tkrr9Y . 955 ……き、拒否するわッ! 【四人を殺した直接の凶器は、銃である】 【祖母、父、母、娘は銃でうたれて死亡した】 明白じゃない、復唱する理由がないッ!! 【不発の弾はない】んだしッ! . 956 「……ふぅ、ごめんなさいね。 954により切らして貰うわ!! 961 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 39 09 ID 94s/CRgM 8歳の娘なら強く叩けば死ぬでしょうね。 頭から血を流している、の描写が怪しいのです 漠然と頭と示しているのと、うたれて……が、平仮名ですね。 復唱要求 「娘は銃で殴られて撲殺されていない!」 962 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 39 11 ID wXqaMGVe あぁ、なるほどね。 やっと理解したわ 963 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 39 18 ID Y6tkrr9Y . 957 ……ぐっ……。 【父は2回撃たれている!!】 …ヘソ噛んで死んじゃえばぁ? . 959 要求に答えるわよ! 答えればいいんでしょ!? 【このゲームで銃は1つしか存在しない】 964 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 39 59 ID uDwFw34G ぐぅ…数が合わない。 【四人を殺した直接の凶器は、銃である】 銃で死んだといっても、撃たれたとは限らない…? . 951借りるぜ! 『犯人Xは散弾銃を部屋の中で3発撃ち、母、祖母が即死。父は致命傷を受けた。 銃を捨て犯人は逃走。 父が扉を閉めた。娘が銃を1発撃ち父を殺し、娘は反動で銃が額に当たり、絶命した。』 965 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 42 27 ID uDwFw34G おっと散弾銃じゃない 『犯人Xは銃を部屋の中で3発撃ち、母、祖母が即死。父は致命傷を受けた。 銃を捨て犯人は逃走。 父が扉を閉めた。娘が銃を1発撃ち父を殺し、娘は反動で銃が額に当たり、絶命した。』 966 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 43 31 ID wXqaMGVe こうかな。 『犯人は母、祖母を撃ち殺し、娘を銃で打った。犯人は逃げ、父は鍵を閉め、娘に死ぬ前にバンバンされた。娘も死んでしまった。』 967 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 44 22 ID Y6tkrr9Y . 965 966 エヴァの前に、音速の青の弾丸が突進してくる! 「なッ、何ですってぇえええぇええぇ!! シエスタ姉妹!!」 「軽く音速……!!」 「……ちょ、直撃、来ますッ!! きゅー!!」 968 : ◆OHI34wfmmI :2009/04/14(火) 01 45 16 ID Y6tkrr9Y (というところで次回に続いてもいいのでしょうか?) 969 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 46 24 ID wXqaMGVe !? 970 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/14(火) 01 47 05 ID 94s/CRgM 次回に続いちゃうんですか∑ 「真夜中のシエスタ2」へ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/07th-umineko/pages/146.html
そこは魔女の待合室とでもいうべき異界の空間。 明かりが元々付いていないのか、それとも灯していないだけなのか――部屋の中は薄暗かった。 ただ一つだけある明かりといえば、部屋の中心に備え付けられたテーブル。 そこの卓上には小さなランプが置かれており、テーブルの上に置かれている数々の茶器とその周辺にある複数のイスだけは視認できた。 ……カチャリ。 テーブルの上の茶器から音が響く。 どうやらその茶器とイスには主がいるようで、こんな薄暗い部屋の中で彼女は一人、お茶を嗜んでいた。 ――奇跡の魔女、ベルンカステル。 荘厳なドレスを身にまとい、スカートから伸びた尻尾を床に垂らしながら――彼女はそこにいた。 普段ならばもう一人の喧しい魔女、ラムダデルタも一緒のはずなのだがあいにく彼女は不在のようだ。 ベルンは二人用の小さなテーブルの上に二人分のティーカップ、二人分のお茶菓子を用意しながらも、ポツンと一人で紅茶などを嗜んでいるのである。 一見すると、それはとても寂しそうな光景――本来ならばお茶という物は複数で楽しむものだからだ。 けれども一人でそれを嗜んでいるベルンの表情にはあいかわらず人形のような無機質なものしか張り付いておらず、ガラス玉を嵌め込んだような瞳からは微塵も寂しさなど感じさせないふうに見えた。 ベルンは優雅に――それでいて慣れた仕草で紅茶のティーカップを手に取ると、それを口元に運んでいく。 そしてコクリと一口。 ほんの少量飲み込むと、つまらなそうにふうとため息をつきながらカップを乱雑にソーサーへと放り置く。 ガチャン!と無作法な音が彼女以外誰もいない空間に響くと、どうもベルンは見た目ほどは落ち着いていないことがよく見て取れた。 ……イラついているのだろうか。 ベルンは手近にあったミルクのカップを手に取ると、それをドバドバと大量にティーカップに注いでいく。 あきらかに適量ではないその量に、薄茶色を保っていた紅茶はみるみるうちに白く混濁していき――どうやら彼女はもうそのカップに口を付ける気など無いようだった。 そうしてミルクをあらかた注ぎ終えると、今度は砂糖入れにまで手を伸ばしていくベルン。 中に収められているサイコロ型の砂糖を一つ、二つ、三つと、たとえいかなる甘党でも加えないであろう量をただただ暇潰し目的だけで加えていくのだ。 いくら一人きりとはいえそこまで退屈なのだろうか。 それはまるで待ち合わせ場所でデートに遅れている恋人を待ち続けているような、そんな光景に見えないこともなかった……。 「…………遅いわよ。 何してたの?」 そうしてベルンがテーブルの上でできる暇潰しをあらかたやり終えると、ようやく彼女の隣に一人の人影が現れる。 しかし、それはベルンが本当の意味で待ち続けている相手ではなかった。 「……遅れて申し訳ありません。 作戦完了のご報告に参りましたものであります」 「…………っ」 期待した相手ではなかったことに気づき、ベルンは舌打ちする。 もちろん、その相手に聞こえるように、だ。 また舌打ちされた彼女の方も主の不機嫌には気づいているようで、用意されているもう一つのイスには座らず、ベルンのやや後方に立つと静かに敬礼をした。 「本日、14:25。 シエスタ45、410両名による作戦を実行。 特に大きな障害も無く、無事標的を鹵獲できたことをご報告するものであります」 そう報告する彼女の頭上には、ピョコンと折り曲げられたウサギ耳――片方には傷が付いている。 また片方にしか光を宿していない瞳は真っ直ぐにベルンへと向けられており、彼女を主人であると認める実直さがよく現れていた。 「……そう。 そういえばそんな命令してたわね。 忘れてたわ」 「………………」 わざわざシエスタ姉妹を統率している少女――シエスタ00が直々に報告に来たというのに、ベルンはご苦労様という労いの言葉すらなく、それどころか忘れていたと毒を吐く始末だ。 もちろんそれは不機嫌なときのベルン特有の嫌味であり、00も彼女がつい一時間ほど前に出した命令を忘れているわけなどないとわかっている。 だからこそそのまま沈黙し、ベルンがそれを『思い出す』時間を与えるのだ……。 「でも、まあ……そう。 あのガキの家具、そんな簡単に堕とせたの。 そう。 ふふ……」 しばらく経つと、ベルンの口元がわずかにほころぶ。 さきほどまでの退屈と不機嫌さはまだ引きずっているようだが、暇潰しで撒いた種に多少興味を持ち始めたようだ。 主が少しだけ上機嫌になるのを確認すると、シエスタ00は更に補足するように細やかな報告を重ねていく。 「ご指示通り、真里亞卿にはベアトリーチェ卿とのお茶会があるとの虚言で対象との距離を引き離しました。 鹵獲時には45、410のみによるスムーズな作戦を遂行できたものであります」 「……鹵獲とか回りくどい言葉使うわね。 ようは童貞のガキ一匹、シエスタの淫売な膣で骨抜きにしたってだけでしょ。 ちゃんと主人への口止めもしてあるわよね?」 「あ……は、はい。 その……」 唐突にベルンの口から出たドス黒い単語に一瞬、00はたじろいでしまう。 それが自分達姉妹を乏しめるものならなおさらだ。 けれども、一見クールを装ったベルンがこういった発言を口にするのは特に珍しいことではない。 いつものことだと知りながらも慣れない自分を戒めながら、00は更に報告を繋げていった。 「そ、そちらの方も問題ありません。 対象が真里亞卿へ今回のことを報告するのは生物学的に見て限りなくゼロであると推測されます。 もちろん、今後の継続する『奉仕』による口止めも完璧であります」 「……そう。 じゃ、それでいいわ。 まあ、バレたらバレたであのうーうーやかましいガキ魔女の泣き顔が見れて楽しそうなんだけど、ね。 クスクスクス……」 「………………」 報告を終えた00――そしてそれを聞き邪悪な愉悦に浸るベルンカステル。 百年以上を退屈で過ごして来た彼女にとって、今回の作戦成功は正に美酒。 気まぐれで思いついた暇潰しの種ではあったが、それが開花にまで至ると思いのほか退屈の苦味を薄めたようだ。 「それで、あの童貞家具。 ……さくたろうとかいったかしら。 どんな様子だった?」 だからこそベルンはまだ満足しない。 できない。 こんなおもしろい話の詳細を聞かないはずはないのだ。 「滑稽だったでしょうね。 初体験でいきなり二人相手。しかもシエスタ姉妹の淫らな膣はニンゲンとは比べ物にないほど良質に作られている。 あのショタ家具が初めてでどんなふうに純潔を散らされたか、想像するだけでゾクゾクするわ。 クスクスクス……」 すでに頭の中ではさくたろうが喘ぐ様でも浮んでいるのだろうか――ベルンはさきほどまでの不機嫌をすっかり忘れたようにクスクスと嗤った。 その寒気がする微笑みを見た00は、自分が更に主を喜ばせられる戦果を持ちえながらも、それを彼女に渡すかどうか一瞬迷ったが――結局、そう口にしていく。 「……恐れながら申し上げます。 その件については45が作戦映像を記憶メモリに保存しているものであります。 編集したのち御提出致しますので、詳細はそれにてご確認ください」 「……あら、気が利くのね。 でも編集なんてしなくていいわ、すぐに持ってこさせなさい。 あのうりゅうりゅ言ってたムカつくガキが馬鹿みたいにオス声あげてヨガるとこ、早く見たいの。 それだけで10年は退屈が凌げそうだしね」 「りょ、了解であります。 それでは45が帰還したのち、すぐにこちらに記録映像をお持ちいたします」 「お願いするわ。 できるだけ早く、ね。 ありがとう。 ご苦労様」 「……は。 労いの言葉、恐悦に存じます。 大ベルンカステル卿……」 ここにきてようやく――ようやく00は主であるベルンからねぎらいの言葉をかけられる。 しかしそれは自分の命令に忠実に従ってくれたから出たものではなく、00が気を利かせて用意させた映像記録によるものであることは明白だった。 もちろんそれは00本人もわかっていることなのだが、主からの欺瞞に満ちた感謝の言葉に形だけでも礼を述べざるを得ないのだ……。 「クスクス、ああ、楽しみ。 ほんと楽しみだわ。 あの純真無垢な童貞家具がセックスを知ってどれほど壊れたのか、イカれたのか。 姉妹に後ろと前を責められて?初めて女の膣の感触を知って? どれほどイカれた射精豚に成り下がったのか、ほんと見るのが楽しみ。 あんたもそう思うでしょう、00? クスクス、クスクスクスクス……」 「………………」 ベルンの表情が上機嫌な――それでいて美徳とは程遠い不道徳な笑みに埋め尽くされていく。 今回の作戦を命令したのはもちろんベルン本人なのだから、その成功を聞いた彼女の口元が綻んでいくのはわからないでもない。 けれども00は初めこの作戦内容を聞かされたとき、自分達シエスタ姉妹はベルンカステルにとって本当の意味での操り人形でしかないのだと実感したのだ……。 右代宮真里亞の家具――さくたろうを誘惑し、こちらの手駒にせよ。 誘惑とはまた小綺麗な言葉で、有り体に言ってしまえばカラダを使って骨抜きにしろという意味だ。 それどころか今後の主への口止めのため、定期的に対象への肉体奉仕まで継続するよう命ぜられている。 それなりの大多数がいるとはいえ、大切な武具であるシエスタの一部が快楽玩具としての用途を求められているということ……。 自分達シエスタ姉妹は標的破壊がその主な用途。 実際、昔からそう使われてきた。 それ目的ならばいかに無遠慮な使用をされてもかまわないのだが、今回のようなニンゲンの一部のメスがするような卑劣、卑怯な『殺し方』はさすがのシエスタ姉妹でも眉を顰めずにはいられない。 もっとも一部の姉妹には――本当にごく一部の姉妹の中にはそういった行為を楽しんでいる者もいるようなのだが、少なくとも彼女らをまとめる立場である00はそれに納得をしていなかった。 「お、恐れながら申し上げます。 大ベルンカステル卿……」 だからこそ00はグっと自らの表情に緊張を持たせ、この場所に来る前から決意していたその言葉を搾り出す。 それが主人の機嫌を損ねる可能性を大いに感じつつも、何人、何十人、何百人の姉妹を束ねるものとしての必死なる抗議の言葉を重ねていくのだ……。 「で、できるならば今後このような任務はご遠慮頂きたい所存であります。 我々シエスタ姉妹の本来の役目は標的破壊、及び殺害が主な用途。 そのためならば如何なる命令も恐悦に存じますが、此度のような卑猥な使用目的は」 ……ビチャアァァッ!!! 00がそこまで口にした刹那――彼女の顔に何か生暖かい液体が叩きつけられる。 瞬間、ツンとした甘い香りが00の鼻をついた。 それはさきほどのベルンの退屈凌ぎの残骸――ミルクと砂糖が大量に投与された白濁の毒紅茶だった。 「黙りなさいこのクソ片目女が。 あんたたち生かす殺すしかできない無能なシエスタ姉妹に、わざわざ『女として』の任務を与えてやったんでしょう。 むしろ感謝して欲しいくらいだわ。 それともなに。 まさか私の命令が不服なの? 家具の身であるあんたが? 魔女であるこのベルンカステルに? 身の程を知りなさいこの 豚ウサギ が」 ――さきほどまでの上機嫌が嘘のよう。 ベルンの顔は醜く歪んでいた。 眉はハの字に大きく歪み、眉間にはピクピクとしわがよっている。 00はその悪魔のような表情だけで決意の念が揺らぎそうになったが、それでも懸命に言葉を搾り出す。 彼女の肩には今後のシエスタ姉妹達の扱い――命運ともいえるものがかかっているのだ。 ここで退くわけにはいかなかった。 「い……いえけっしてそのようなことは。我々家具が主の命に不服などあるはずもありません。 で、ですが」 「不服って言ってんのよ今のあんたはこのゲロカスが。 何ならあんたたちシエスタ姉妹647体、全員山羊共の肉便器にしてやってもいいのよ? 優美優雅なあの姉妹が揃ってクソ醜い山羊共の肉ペニスでひぃひぃ言う姿はさぞ壮観でしょうね。 あああんたの場合はその隻眼にブチ込んでやるのもおもしろそう。 脳みそまで突き刺してグチャグチャに掻き混ぜたらさぞきもちよさそうだわ、何なら今すぐやってみる?」 「そ、それだけはお許しくださいベルン卿! 私はどうなってもかまいませんが、ほ、他の姉妹達だけはどうかお許しください!」 「だったらいちいち口答えするんじゃないわよ汚らしい豚家畜が。 あんたたちシエスタ姉妹は私の家具家具肉玩具肉人形。 見た目はどんなに美しかろうがその憎ったらしくも可愛いらしい顔もいやらしく実った乳房もバカデカイ尻も全部私の退屈を紛らわす肉塊なのよダッチワイフ共が。 あとあんた今ベルンって言ったわね言ったわよね? そう呼んでいいのはラムダだけなのよいったい何様のつもり。 まさかたかが家具のあんたが主の恋人気取り? 私と数回肌を重ねたくらいで調子に乗るなこの売女が」 「…………っ!?」 ベルンカステルから次々と吐き出される暴言、蔑言、卑言――それらが決意した00の心をズタズタに引き裂いていく。 そして何よりも00の心を砕いたのは、ベルンの最後の赤字だった。 魔女の赤字は真実であるというルールのとおり、確かに00は主であるベルンとの肉体関係があった。 もっともそれは強欲なベルン本人の命令によるものであり、00には何の落ち度も無い。 彼女はただ忠実に命令に従っただけだ。 だがそれでもそういった主との関係を利用し、家具である姉妹の立場に有利な進言をしたことが無かったなどと――誰が赤字で証明できようか。 実際一部のシエスタ姉妹の中には、主と関係を持ってしまっている00にリーダーとしての資質を疑問視する者もいるのだ……。 それに矛盾もある。 さきほど自ら自分達を卑猥な目的に使用しないでくれと抗議したにもかかわらず、当の本人が主と肌を重ねているのだから――その言葉には説得力など欠片ほども無いのだ。 00は自分の決意がこれほどまでにも儚かったことにショックを受けつつ、片方しか潤ませられない瞳を涙で濡らしながら、こう、つぶやく。 「も、申し訳……ありま、せ……。 で、出過ぎた発言を、お、お許しくださ、ぃ……」 主の前で涙を流すことだけはすまいと、フルフルと身体を震わせながらグっと悲しみを堪えていくシエスタ00。 見た目ほどは強くない彼女がこれほどまでに耐えられるのは、優秀な家具ゆえの経験と才能だろう。 00は今すぐにでも涙を流したい欲求に駆られながらも、なんとか目を伏せそれを主に見せない健気な努力を重ねていくのだ……。 「……へぇ。 あんた、そんな顔もできるのね。初めて知ったわ。 結構そそる顔するじゃない……」 だが00の必死の努力にも、ドS魔女ベルンカステルは謝罪の言葉など一切かけない。 それどころか初めて見る実直な部下の被虐的な表情に、ドス黒いサド的な欲求まで溢れさせる始末。 そこには家具は魔女に絶対に抗えない。 確定した上下関係があることを多分に匂わせるものだった……。 「ほ、報告を終わりましたので、し、失礼致します。 記録映像は後ほど45に持ってこさせるものであります……」 自らの涙を堪えることに限界が訪れたのか、それともベルンの黒い欲求を察知したのか――00は逃げるようにその場を去ろうとする。 けれども一度獲物を捕らえたら逃がさないのは魔女も同じ。 それはベルンカステルとて例外ではなかった。 「待ちなさい。 誰が帰っていいって言ったの? まだ話があるわ、ここにいなさい」 「……イ、イエス マム」 転移により姿を消そうとするが、それも無駄なことだった。00はふたたびベルンに引き止められる。 彼女としてはこのまま即座にこの場を立ち去り誰もいないところで泣きたかったのだろうが、シエスタ姉妹の統率役という任が彼女の安息を許さないのだった……。 - - 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/27639.html
【検索用 ゆめしょうしょのしえすた 登録タグ 2011年 VOCALOID longan ゆ れくし 初音ミク 曲 曲や】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:longan 作曲:れくし 唄:初音ミク 曲紹介 なんて素敵な世界。愛しい世界。 夢だとわかっているけれど。 どこか少しだけズレていて、脆そうな世界観、をイメージして書きました。 (作詞者ピアプロコメントより) 曲名:『夢少女のシエスタ』(ゆめしょうじょのしえすた) 歌詞 (ピアプロより転載) ふわふわと誘う小鳥のささやきに ゆらゆらと泳ぐ私はフリルのドレス 虫たちもリズムに合わせ踊るのよ 足どりも軽く ほらね、ステップをふんで 絵本みたいな景色を 追いかけて走ろう 夢の世界ではぜんぶホンモノになるのよ ふしぎだね 白昼夢 わすれたはずの思い出も きらめいてみえる 宝石箱の秘密ね 愛しいの この世界 ずっと揺られていさせてね ルララ歌をうたって しあわせの音を鳴らすの もう少し眠ろう 終わりがくるまで いつか地平の先で あなたに会いましょう 夢の世界ならどんなねがいでも叶うの ふしぎだね 白昼夢 なくしたはずのぬくもりも 出逢えてしまうの おとぎ話の魔法ね 愛しいの この世界 そっと抱いていたいから 今は歌をうたって しあわせの続きを見せて また明日もきっと 笑ってねマボロシ いつまでも踊ろう 終わりがくるまで コメント かわいい! -- 名無しさん (2013-12-05 23 11 35) 名前 コメント