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【TOP】【←prev】【PlayStation 3】【next→】 アルノサージュ 生まれいずる星へ祈る詩 タイトル Ar nosurge アルノサージュ 生まれいずる星へ祈る詩 機種 プレイステーション3 型番 BLJM-61150 ジャンル RPG 発売元 ガスト 発売日 2014-3-6 価格 6800円(税別) タイトル アルノサージュ 生まれいずる星へ祈る詩 AGENT PACK 機種 プレイステーション3 型番 GUST-00029 ジャンル RPG 発売元 ガスト 発売日 2014-3-6 価格 9800円(税別) タイトル アルノサージュ 生まれいずる星へ祈る詩 GSスペシャル最強DXコンボ 機種 プレイステーション3 型番 ジャンル RPG 発売元 ガスト 発売日 価格 20370円(税別) 駿河屋で購入 プレイステーション3
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アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ アルノサージュ PLUS ~生まれいずる星へ祈る詩~ アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ DX 機種:PS3,PSV,PS4,NS,PC 作曲者:土屋暁、阿知波大輔、柳川和樹、浅野隼人、志方あきこ、霜月はるか、MANYO、Morrigan、石塚徹、川井憲次、大嶋啓之、dottedline hiroko 開発元:ガスト 発売元:ガスト(無印)、コーエーテクモゲームス(PLUS, DX) 発売年:2014年(無印, PLUS), 2021年(DX) 概要 サージュ・コンチェルト第2弾。 7次元先に存在する異世界の「宇宙移民船ソレイル」を舞台に、プレイヤー自らが物語に介入し、ソレイルに起きている異常事態を探っていく。 前作となる『シェルノサージュ』の直接的な続編であり、またアルトネリコシリーズともストーリー上の繋がりを持つ。 アドベンチャーゲームであった前作とは異なり、今作はアルトネリコシリーズ同様のRPG形式となっており、戦闘システムやレシピ調合システムなどもアルトネリコシリーズのものに近い。 今作のボーカル楽曲はアルトネリコシリーズでお馴染みの志方あきこ・霜月はるか・みとせのりこといった歌姫の他、 初代アルトネリコでクルシェ役を演じた声優の南條愛乃や、ロシア人シンガーソングライターのオリガ・ヴィターリエヴナ・ヤコヴレワが新たに歌姫を務める。 また同年には、PS3版であったDLCや新規コスチュームを含め、さらにタッチ操作対応など調整が加えられたPSVita版『アルノサージュPLUS』が発売された。 ガストがコーエーテクモゲームスに合併されてからの初のタイトルとなる。 2021年にはPLUSの画質を向上させたリマスター版『アルノサージュDX』がPS4,switch,Steam向けに発売された。 収録曲 サウンドトラック 曲名 作・編曲者 補足 順位 アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ オリジナルサウンドトラック Disc1 謳無き丘へ-Harmonics Pre=Ciel- 作:土屋暁編:志方あきこ 歌:志方あきこオープニングテーマ 第12回589位第13回334位第14回987位第15回575位第2回オープニング172位 Onogoro 阿知波大輔 バイオス屋など S/L 柳川和樹 ワールドマップ:ソレイル艦内 碧き方舟 阿知波大輔 ワールドマップ:ソレイル外観 新緑の大地 for Ar nosurge 作:中河健編:阿知波大輔 ワールドマップ:惑星アルシエルアルトネリコより同名曲のアレンジ 遠いようで近い場所 柳川和樹 ワールドマップ:謳う丘 人が人であるために 柳川和樹 フェリオン 第2回ガスト92位 緑陰の蛍 阿知波大輔 クオンターヴ 駅まで歩こう 柳川和樹 ほのかの 色褪せた看板を目印に 柳川和樹 天領沙羅 虹の伽藍 阿知波大輔 クルトフェーナ ふしぎなパレード 阿知波大輔 けもけも 箱庭 柳川和樹 居住区など やがて全ては歪む 柳川和樹 廃墟居住区など 澄んだ景色 柳川和樹 蒼い海の丘など 列車の中は走らずに 柳川和樹 列車内イベント 凪 柳川和樹 ソラなど テオレマ 阿知波大輔 シャールロードなど AT Inside~異変~ for Ar nosurge 作:中河健編:柳川和樹 第一増幅塔:増幅塔隔B壁内アルトネリコより同名曲のアレンジ 古代の記憶 for Ar nosurge 作:中河健編:阿知波大輔 第一増幅塔:シルヴァプレートアルトネリコより同名曲のアレンジ 彩りを運ぶ風 柳川和樹 シャラノワールの森など 天涯 柳川和樹 ヒュムネスフィアなど 水を伝う体温 柳川和樹 禊場 罪の水槽 柳川和樹 フラスコの海など 玄室 霜月はるか 第一増幅塔:原初のオルゴール玄室 アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ オリジナルサウンドトラック Disc2 Minakata 阿知波大輔 ストーリー前半通常戦闘 第12回621位2014年103位RPGバトル365位第2回ガスト133位通常戦闘曲247位 Mikazuchi 柳川和樹 ストーリー後半通常戦闘 第8回953位第9回431位第10回670位第11回429位第12回438位第16回436位2014年95位RPGバトル181位第2回ガスト49位通常戦闘曲108位 Hazuchio 阿知波大輔 ボス戦など Susanoo 阿知波大輔 ボス戦など Tsukuyomi 柳川和樹 ボス戦など Kusanagi 阿知波大輔 戦闘リザルト 友のため 柳川和樹 フレンド技 協力者たち 柳川和樹 フレンド技 交わす言葉 柳川和樹 禊場会話(デルタ編) 無機質な愛情 柳川和樹 禊場会話(アーシェス編) 持てるだけ持って 柳川和樹 アイテム入手など 知らないどこかへ 柳川和樹 目的達成など 心の網 柳川和樹 ジェノマップ Misty 阿知波大輔 ジェノメトリクス:サーリ 並木道にて 柳川和樹 ジェノメトリクス:白鷹 臆病な卵 柳川和樹 ジェノメトリクス:カノン 砂と電気椅子 柳川和樹 ジェノメトリクス:ネイ 死より重い罪 柳川和樹 ジェノメトリクス:レナルル 狭間に揺れる光 柳川和樹 ジェノメトリクス:ネロ 遺伝選定 柳川和樹 ジェノメトリクス:ジル 宝を咲かせて 柳川和樹 ジェノメトリクス:キャス 絆の灯かり 柳川和樹 ジェノメトリクス:イオン L.C.P. 阿知波大輔 ジェノメトリクス:ねりこ アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ オリジナルサウンドトラック Disc3 笑顔の日 柳川和樹 そこのけ姫 阿知波大輔 羽休め 阿知波大輔 砂時計は倒れない 柳川和樹 目と芽と痲 柳川和樹 淡く滲む 柳川和樹 遡り、辿る 柳川和樹 俺たちのターン! 柳川和樹 決断のとき 柳川和樹 不穏因子 柳川和樹 常に備えよ 柳川和樹 Ashihara 阿知波大輔 説明は君に任せた 柳川和樹 エピソードロック説明など 這い寄るコント 柳川和樹 緊迫のひととき 柳川和樹 あなたの鼓動が聞こえたら 柳川和樹 思考の小路 柳川和樹 鎮魂詩 柳川和樹 語り部 柳川和樹 朝の瞬き 柳川和樹 夜の瞬き 柳川和樹 かの卓に着きし者たち 柳川和樹 Hymmn QUANTAM_NOVA; 柳川和樹 詩魔法:クァンタムノヴァ Hymmn LIGHT_HYMMN; 柳川和樹 詩魔法:ひかりのこころ Hymmn FEMINI_SAT; 柳川和樹 詩魔法:フェミニサット Hymmn LIGHTHOUSE_NIGHT; 柳川和樹 詩魔法:灯台守の夜 Hymmn LIBO_PANDEMICS; 柳川和樹 詩魔法:リボ・パンデミックス Hymmn YU-KI_PERMITATION; 柳川和樹 詩魔法:結城の証 りょうりのじかん ~All Cast Ver.~ 柳川和樹 ゲーム内では調合店と操作キャラで歌が変化する ざっ歌 ~All Cast Ver.~ 阿知波大輔 くすりすく ~All Cast Ver.~ 柳川和樹 めかに歌 ~All Cast Ver.~ 阿知波大輔 あなたのプラグイン ~All Cast Ver.~ 柳川和樹 サウンドトラック未収録曲 フラスコの海 志方あきこ シェルノサージュより同名の曲をそのまま使用 夢の栖 志方あきこ ボーカルアルバム 曲名 作詞 作曲 編曲 歌 補足 順位 Ar nosurge Genometric Concert side.蒼 ~刻神楽~ 彼方 柳川和樹 サントラオリジナル曲 Class CIEL_NOSURGE; 志方あきこ波乃渉 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ プラセンタ:イベント 第12回718位2014年380位 Class XIO_PROCEED; 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ ソラ:イベント星詠台:母体想観戦 第8回109位第9回114位第10回105位第11回64位第12回132位第13回62位第14回246位第15回256位第16回839位2014年33位RPGバトル160位第2回ガスト101位 Lxa ti-cia 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ ダイアンサスの木:イベント ラシェール・リンカーネイション 高橋麗子 川井憲次 川井憲次 志方あきこ東京混声合唱団 謳う丘:ラストボス戦 第8回764位第9回515位第10回340位第11回246位第12回227位第13回326位第14回392位2014年67位RPGバトル279位第2回ラストバトル223位 em-pyei-n vari-fen jang; Origa石塚徹 石塚徹 石塚徹 Origa プロローグシャールロード:イベントPLASMA本部:イベント 2014年320位 yal fii-ne noh-iar; Origadottedline hiroko dottedline hiroko 石塚徹 Origa ノイアの祭壇:カノン戦 2014年245位 この世界のあなたと、あのセカイのあなたへ 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ エンディング:帰還への旅立ちED 第8回850位第9回514位第10回162位第11回124位第12回185位第13回94位第14回231位第15回377位第16回577位2014年58位第3回ゲームソング245位第2回エンディング78位第2回ガスト65位 -K 柳川和樹 サントラオリジナル曲 Hymmn CHUMPI; 志方あきこ 志方あきこ 詩魔法:ちゅんぴ Hymmn ARTIFICIAL_FLOWER; 志方あきこ 志方あきこ 詩魔法:偽りの花 Hymmn AMENO_MURAKUMONO_MIKUJI; 志方あきこ 志方あきこ 詩魔法:天叢雲神籤 Hymmn TOKIKAGURA_TENTOUKI; 志方あきこ 志方あきこ霜月はるか 詩魔法:刻神楽x天統姫 Hymmn SEXY_METAL_IDOL; 志方あきこ 志方あきこ 詩魔法:機甲艶姫 Hymmn I_HAVE_NO_ROYALTY_INCOME; 志方あきこ 志方あきこ 詩魔法:俺には印税収入がない。 Hymmn 7TH_APOCALYPSE; 志方あきこ 志方あきこ 詩魔法:第七世界神示 Ar nosurge Genometric Concert side.紅 ~天統姫~ f'aux me-morie 浅野隼人 サントラオリジナル曲 Class CIEL_N_PROTECTA; 高橋麗子 Morrigan Morrigan 南條愛乃リリィ ジェノミライ大聖堂:ジル戦 第9回942位2014年129位RPGバトル315位 Class EXPAJA 高橋麗子 川井憲次 川井憲次 南條愛乃東京混声合唱団 プラセンタ:母体想観戦 Class AR_NOSURGE#RE Incarnation; 高橋麗子 大嶋啓之 大嶋啓之 南條愛乃 星詠台:イベント Hidra Heteromycin 日山尚 霜月はるか 柳英一郎 霜月はるか セレスガーデン:ネイ戦 2014年404位RPGバトル460位 Class DISTLLISTA; 日山尚 霜月はるか 柳英一朗 霜月はるか センターオブラシェーラ:惑星アルシエル突入ムービー Class EXSPHERE_NOSURGE; みとせのりこ Morrigan Morrigan みとせのりこ 謳う丘:ラストボス直前・???戦 第8回398位第9回373位第10回757位第11回431位第12回829位2014年37位RPGバトル142位 Ar-ciel Ar-manaf 高橋麗子 MANYO(arcane) MANYO(arcane) 南條愛乃 エンディング:ラシェーラ定住ED ra-ison d'etre 浅野隼人 サントラオリジナル曲 Hymmn TSUNDE_RAIN; 柳川和樹 南條愛乃 詩魔法:ツンデレイン Hymmn NEURON_KILLER_Z; 阿知波大輔 南條愛乃 詩魔法:ニュロキラーZ Hymmn SPARTAN_LIB; 柳川和樹 南條愛乃 詩魔法:スパルタン・リヴ Hymmn TOY_INSTALLER; 柳川和樹 南條愛乃 詩魔法:トインストーラー Hymmn SCHIZOIDROPHIA; 阿知波大輔 南條愛乃 詩魔法:シゾイドロフィア Hymmn BRIDAL_LAUNCH; 阿知波大輔 南條愛乃 詩魔法:ブライダルランチ Hymmn AR=CIEL_SPHERE; 阿知波大輔 南條愛乃 詩魔法:アルシェールスフィア サウンドトラック アルノサージュ~生まれいずる星へ祈る詩~オリジナルサウンドトラック Ar nosurge Genometric Concert side.蒼 ~刻神楽~ Ar nosurge Genometric Concert side.紅 ~天統姫~
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アルノサージュ~生まれいずる星へ祈る詩~ 攻略wiki PlayStation 3用ゲーム「アルノサージュ~生まれいずる星へ祈る詩~」の攻略Wikiです。 誰でも自由に編集できますので、新情報があれば気軽に追加・修正をお願い致します。 タイトル アルノサージュ~生まれいずる星へ祈る詩~ ジャンル 7次元RPG ハード PlayStation 3 発売日 2014年1月30日 発売元 ガスト プレイ人数 1人 CERO 公式サイト ゲーム公式サイト http //social.gust.co.jp/pc/arnosurge/ ※当wikiを利用することによって生じるいかなる損害も当サイトでは補償致しません。 ※ご利用につきましては自己責任となりますのでご注意ください。 ※文章の著作権は当wikiにあります。内容の複写、転載を禁じます。
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本ページでは『アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~』『アルノサージュ PLUS ~生まれいずる星へ祈る詩~』『アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ DX』を紹介する。判定はいずれもなし。 アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ 概要 あらすじ 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 アルノサージュ PLUS ~生まれいずる星へ祈る詩~ 概要(Plus) 評価点(Plus) 問題点(Plus) 総評(Plus) アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ DX 概要(DX) アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ 【あるのさーじゅ うまれいずるほしにいのるうた】 ジャンル 7次元RPG 対応機種 プレイステーション3 発売元 コーエーテクモゲームス 開発元 ガスト 発売日 2014年3月6日 定価(税抜) 通常版 6,800円ダウンロード版 6,000円AGENT PACK 9,800円 判定 なし ポイント あなたと7次元少女が星を救う物語の完結編前作を知らないと理解が追いつかないストーリープレイヤーの特異な役割とそれを生かした奇抜なイベント サージュ・コンチェルトシリーズ シェルノサージュ / アルノサージュ "想い"の強さは絆になり、やがてそれは奇跡となる 概要 『アルトネリコシリーズ』から連なるエクサピーコ宇宙世界観を広げて送り出した新シリーズ「サージュ・コンチェルト」の第二作にして完結編。 前作『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』はヒロインとのコミュニケーションが主体のADVだったが、本作は敵を倒していくRPGである。 前作の登場人物が多数続投し、前作の積み重ねを礎にして物語が展開される。 なお、本作は『アルトネリコ』の世界で地上が崩壊するよりも前の時間軸となっており、終盤には『アルトネリコ』シリーズとのリンクが描かれる。 あらすじ 失われた星から旅立ち、新たなる惑星を求めて何千年も宇宙に彷徨ってきた巨大移民船。人間を苛むがごとく、未知な生命体--シャールが人を襲い、どこかへ攫っていく。シャールを奉るジェノミライ教団が発足してから、シャールに抗う人間たちはフェリオンという都市に流れ着いていく。デルタ・ランタノイルという青年は、半年前除隊されたフェリオンの軍事組織PLASMAに復帰。記憶喪失に戸惑いながら、恋人キャスティ・リアノイト(キャス)に支えられて活躍していく。彼の活躍の背後には、ある常軌を逸する仕組みがあった…。そしてこの世界の運命の一端を担う、7次元先からこの世界に降り立った少女、イオナサル・ククルル・プリシェール(イオン)は、長年の沈黙を破り、世界を救うために7人の友の助力を求めて奔走する。傍に侍らせる人型ロボット--EARTHES(アーシェス)も、ある仕組みを身にまとっている… 特徴 2人の主人公と、それぞれのパートナーとなる2人のヒロインの2タッグの視点を切り替えながら進むストーリー 主人公は人間の青年デルタと人型ロボットのアーシェス。デルタは前作の登場人物である「ター坊」が成長した姿であり、パートナーは前作でもター坊の幼馴染だったキャス。アーシェスは前作のシステムに準じてプレイヤーの分身となるロボットであり(*1)、前作ヒロインのイオンが引き続きパートナーとなる。 判り易く分けると、デルタは自らの意志を持って喋る『FF』タイプ。アーシェスはプレイヤーの分身的な喋らない『DQ』タイプとなる。 しかし本作の大きな特徴は、この2人の主人公に画面の前のプレイヤーがゲームハードを通じて直接干渉しているというメタフィクション的設定が盛り込まれていることである。 アーシェスはプレイヤーが直接操作する。デルタについても操作によって超人的な立ち回りが可能となる(*2)が、引き換えに当人の感覚や記憶の喪失に見舞われる事が描写されている。 片方の進行が行き止まりになったら、もう片方に切り替え、向こうだけではもらえないヒントを得て進んでいく。 舞台 時間軸は、前作の「夢セカイ」で語られた一連の出来事から5000年もの時が流れた時期であり、前作で描かれた惑星ラシェーラから飛び立った巨大移民船「ソレイル」が主な舞台となる。 物語はまずデルタ編から始まり、プロローグの終わりを以って2年の年月が経過する。この空白の2年間がリアルタイムで2年掛けて前作を展開した期間とされる。そして前作終了と共にアーシェス編が始まり、以降は同一時間軸の中でデルタとアーシェスの視点を切り替えながら進行する。 5000年も経過しているが前作キャラの多くが続投している。これは彼らがコールドスリープで永き眠りに就いていたり、時間を跳躍したため。 ザッピング セーブポイントで行われる機能で、2タッグの視点を切り替える。 戦闘システム ランダムエンカウトのターン制バトルだが、通常のRPGとは趣が大きく異なっている。まず戦闘が始まるとヒロインが詠唱する「詩魔法」を選択。主人公は詩魔法詠唱が終わるまでヒロインを守って戦わなければならない。ヒロインがやられるとゲームオーバー。 攻撃をヒットさせる、撃破やブレイク(*3)ボーナスによるターン継続、防御成功などで主人公の攻撃力を高める「バースト値」と詩魔法の「ハーモニクスゲージ」が上昇。後者が一定まで溜まれば「ハーモレベル」が上昇し、ハーモレベルが1以上で詩魔法が発動できる。 敵はWAVEと呼ばれる編隊を組み、マップ毎に設定されたWAVEが順番に戦いを挑んでくる。通常戦闘は詩魔法を発動する、規定ターンが経過する、自力でWAVEを全滅させるのいずれかで終了する。 詩魔法が発動すると、その魔法の威力とハーモレベルに応じてWAVEを吹き飛ばし、戦闘が終了。ボス戦の場合は戦闘が継続する。 WAVEを全滅させてしまえばそのエリアはフリーになり、移動するまでエンカウントしなくなる。逆にWAVEが残っていると再びエンカウントするが、残存した次のWAVEが強敵だった場合、バースト値とハーモニクスゲージが無い状態で戦う羽目になる。 攻撃は多段攻撃(□ボタン)、範囲攻撃(△ボタン)、ブレイク攻撃(×ボタン)、パワーアップ攻撃(○ボタン)の四種類を駆使する。使用可能回数はそれぞれ設定されており、使い切るとターン終了。 敵ターンではタイミングよくボタンを押して防御する。上手く防げればダメージを軽減できるが、防御可能回数は決まっており、使い切ってしまうと残りの攻撃で一方的にヒロインをタコ殴りされてしまう。 特にボスは攻撃演出の所為でタイミングが読みにくかったり、多段ヒットの攻撃も放って来るので防御も難しくなってくる。 ストーリーが進むと各戦闘で1度だけ主要キャラの支援を受けられる「フレンド技」が使用可能に。使用すると技に対応したキャラが2Dアニメ付きで現れ、ダメージに加えてデバフなどの効果を与えられる。 店と調合 モブ店での売買のほかにも、ネームド店主合計4人の店で売買・調合・世間話ができる。 調合では1つアイテムを作る度に主人公、ヒロイン、店主の3人が教育番組の如く歌って踊る演出が入る(*4)。 世間話と調合を経て店主と仲を深め、経営奮闘のドラマが見られる。店主4人に対し、こちらも主人公2人とヒロイン2人の4人全員が1人ずつそれぞれのイベントの主軸となって進めていくのも見もの。最終的に完成したアイテムはプレイヤーにとって大いなる助けになる。 一度見た会話は通常は二度と見られないが、クリア後の「エクストラ」では何度も鑑賞可能。アーシェス側の選択肢も再度表示されるので両方のパターンが見られる。 ジェノメトリクス ヒロインや主要キャラの精神世界に入り、心に抱く問題を解決して絆を深めるモード。『アルトネリコ』のコスモスフィアのようなもの。 ジェノメトリクスでは、ヒロイン1人だけでなく、ほかのキャラとも同時につながることがある。 精神世界での活動によって、能力強化の結晶を入手でき、ヒロインが新たに詩魔法を習得する。 複数人の精神世界が入り混じったジェノメトリクスはコスモスフィア以上に混沌としており、中には逆シェルノサージュと言うべきイベント(*5)すら用意されている。 禊ぎ ヒロインと一緒に風呂に入って、結晶のインストールと、集めたトークマター(話題)で世間話ができる。 世間話はデルタの場合はキャスとのバカップルな会話を暖かい目で見守る。アーシェスの場合はイオンと向かい合い、話題毎に用意された選択肢でプレイヤー自身が応対する。 こちらも会話は話題毎に一度きりだが、調合感想と同じくクリア後の「エクストラ」では何度も鑑賞可能。 DLCによりサブキャラとも風呂に入って世間話できる。 ジェノミリンク セーブポイントで進行状況を反映させ、前作と連動する。製作したアイテムの一部がこちらにコピーされる。逆に向こうにアイテム制作のヒントなどのさらなる進展を促すこともある。 また、「セカイリンク」を行うことで本作が『シェルノサージュ』のセーブデータからの連続した物語(『シェルノサージュ』プレイ済み扱い)となり、作中でもアーシェス=『シェルノサージュ』のプレイヤーと認識される。彼方でのイオンとの関係によって本作の展開も微変化する。 評価点 設定を生かしたユニークなシナリオ 大筋こそ船の危機を救う物語だが、前作でも伏線が張られたインターディメンドという技術(*6)が本格的に応用されることにより、「プレイヤーが画面とハードを通じて作中世界に介入する存在となり、それを作中人物が認識してきている」 という大掛かりな設定を盛り込んでいる。前作が「別世界を覗き見るゲーム」とするなら、本作は「別世界に直接干渉するゲーム」と言える。 所謂メタゲーの部類に入るが、整全な世界観のおかげで作中世界に馴染ませ、使命感を植え付けて真摯にかの世界と付き合うようにできている。むしろプレイヤーがそちらの世界に組み込まれると言ったほうがしっかり来るのだろうか。 それでいてメタさに負けない物語の壮大さを持ち、プレイヤーにまさに自分が世界を救っているカタルシスを与える。 セーブ ロードや非リアルタイム戦闘、作中の時間や場所が一瞬で飛ぶ、果てはとてもじゃないがお見せできないものにモザイク処理が施されると言った「ゲームならよくあること」も、全部インターディメンド技術によるものと解釈することができる。 ジェノメトリクスも、謎解き、そして上述の設定に基づく新風な展開がもたらされる。 イオンの精神世界はそれこそ、前作でイオンとの絆が深まれば深まるほど感慨深く、胸を締め付けられる話である。 + ネタバレ エンディングは大きく分けてノーマルとトゥルーの2種類存在するがどちらの結末に辿り着くにしてもこの設定であるが故にプレイヤーの心に残るものは重く切ない。 具体的にはプレイヤーとイオンの別れが描かれるのだが、前作で彼女との生活に入り込み長い時を過ごした人ほど尋常ではない深い喪失感を抱える事になる。 この感覚は前作の(発売当時からプレイしていれば)リアルタイムで2年もの歳月を彼女と過ごす特殊なゲーム性ならではであり、他の作品ではまず味わえないだろう。 その一方、セカイリンクをした状態でトゥルーエンドを迎えると、『シェルノサージュ』側にて真のエピローグと言うべき演出を見る(聞く)ことができるというサービスが用意されている。 もちろん本作単体でもしっかり物語の結末を見届けることはできるが、この演出はイオンの物語を最初から最後まで見届けたプレイヤーだからこそ辿り着き、知ることができる本当の結末であり、前作と今作にのめり込んだプレイヤーほど感慨深いものとなっている。 宇宙船という限定的な舞台ながら、その特異過ぎる状況や構造から閉塞感はほとんど無く、7次元先の世界で繰り広げられる不思議な冒険を堪能できる。 ビルの立ち並ぶ都市、青空の広がる大地、宇宙船の推進部に築かれた町などロケーションは独特且つ豊富。 進歩したグラフィック ハードがPS3に移ったおかげか、前作でみられるオブジェクトの粗っぽさが払拭される。 前作でもある程度評価できるキャラモデルも、光影表現が強化されてさらに見栄えが良くなった。 続投キャラは全員新モデルで登場し、成長したという実感を与えてくる。 メリハリのある戦闘システム プレイヤーのターンは行動回数を使い切らない限り敵ターンに移らないが、□攻撃を連打するたびに繰り出される攻撃はアクションゲームのコンボのような快感がある。 各攻撃の特性と敵の特性によって使い分け、殲滅効率を上げるための行動順にプレイヤーの腕が問われる戦略性のある作り。 戦闘の評価で勝利演出も変化。低い評価なら各ヒロインが一言喋るだけだが、最高評価にもなればデルタとキャスがハイタッチして決めポーズ、イオンがアーシェスの腕に抱きついてくる、と言った豪華な演出が入る。 音楽 音楽と詩は、やはりアルトネリコシリーズ・前作の流れを沿った豪華な作り。 南条愛乃氏が担当するヒロインに昇格したキャスが謳う詩と、阿知波大輔氏・柳川和樹氏によるインストは各場面を盛り上げる。 賛否両論点 展開のクセ 前作を知らなければ五里霧中な一方、前作経験済でも消化しにくい新旧混じりの独自設定の絨毯爆撃の下、メインストーリーがハイペースで展開されていく。 前作が独特なゲームデザインでハードルが高く人を選ぶ作品だったのに対し、本作はジャンル自体はメジャーなRPG。しかも発売当初はプラットフォームも違っていた。 公式サイトや事前情報では前作と密接に関係があることについてはあまり触れられておらず、そもそもメタゲーであること自体伏せられている。 そのため、前作を飛ばして本作からいきなり始めてしまい見事に置いてきぼりを食らった人や、普通のRPGだと思ったらメタゲーで面食らった人も相当数居たと思われる(*7)。 また発売時点では前作はまだ完結しておらず(12章+α構成のうち、10章時点)、前作経験者でも繋がりが分からない部分が多かった。前作記事でも述べている通り演出上の意図があった面もあるのだが、分かりにくいのも確かである。 メタゲー故にプレイヤー自身が作中世界に感情移入できないとストーリーに付いていけない。特にプレイヤーと同一視されるアーシェスへの自己投影は必須で、それこそ本当に「アルノサージュをプレイしている」のではなく「7次元先に本当にある世界を見ている」気にならないと存分に楽しむ事はできない。 そのため、普段からゲームの主人公に自己投影をしないorできない人には勧め難い。特に今作は前作と違って明確な登場人物として干渉する形式のため、より深く没入する事が求められる。最低でも、アーシェスというキャラ(或いはそれを操作している人物)を演じるぐらいの心構えは必要だろう。 アーシェス自身、意思表示は選択肢で行うのだが、殆どが2択(時には1択も)な上に違いもあまり無いものが多かったりと、前作同様キャラの方向性もある程度決まっている。そういうキャラを演じることを強いられている感も否めない。 幸い、プレイヤーが自然とその気になりやすいシナリオ運びにはなっているが、前作同様「スケベな所があるオタク寄りの少年~青年」のイメージが少なからずあるので、自己投影のし易さが人によって大きく分かれる。 混迷した状況での人物の心境変化もややつかみにくい。特にカノンとコーザルは前作の境遇からは本作との不連続性が漂う。 + やや重いネタバレ解説 前作11話で一度カノンとコーザルは消滅し、本作でカノンの謳う「em-pyei-n vari-fen jang;」「yal fii-ne noh-iar;」でコーザルほか惑星とともに消滅したジェノム達は蘇るが、その以前カノンはどのように復活したのかは不明。前皇帝から拝領した「命導御霊鈴」のおかげかどうかはわからない。 本作序盤、2人は「人間たちが星を潰した罪を贖う・咎める」よう動くが、前作からすると星を潰したあのグランフェニックス計画は惑星自身の合意の元で決行されたもの。 それを知らないか、どうあれ惑星の意志をあの決断を下すまで追い詰めた人間はやはり悪いと考えるかは最後まであやふやである。 コーザルは前作の深思熟慮な賢者の性格から一転、頑迷で短慮な振る舞いが目立ち、そのギャップに不満を思うユーザーが多い。 ゲーム外の話だが、内部資料の公開サイトであるworldsettingdocumentでコーザルに関する記述を鵜呑みにするとコーザルが極悪人になってしまう。 本編を見る限り多くの負の設定が没になったようだが、はからずともコーザルのマイナスイメージを強めている。 終盤では、『アルトネリコ』からのゲストキャラとしてシュレリアが登場するが、彼女の活躍とはファンサイトのトウコウスフィアに舞い戻ったごとくあざとさ大放出である。 極め付けは本シリーズの人物に「行かないで!」と選択を迫る場面。トロフィーにもなるがその選択の意味的に取得するのにためらう代物。 プレイヤー自身をストーリーに取り込む作風ではあるが、実際の所はプレイヤーの分身であるアーシェスにしろ、作中で扱われるプレイヤーの存在にしろ、現実のプレイヤーの意思に関係無く振る舞わされる事が多々ある。ストーリー上の都合はあるのだが、それにしても実際のプレイヤーを無視し過ぎな部分も幾つか。 アーシェスはデルタ視点で敵として登場したり、一部のイベントでプレイヤーの意志に関係なく能動的に行動するケースもあり、設定に不統一感がある部分も。本編でもジェノメトリクスでもプレイヤー云々関係無しに活躍して立派に主人公をやっているシーンは少なくない。 特に後半のあるシーンでは「自分の体の制御を取り戻そうと立ち向かってくるデルタをあざ笑うような態度で抑え付け、その後、デルタとキャスの愛の力で撃退される」という役回りをプレイヤーが演じさせられると言った、人によっては嫌悪感を抱きかねないイベントがある。 特に開発側が意図している通り世界観にのめり込んでいるプレイヤーほど不快になるだろう。通常、プレイヤーは真摯に世界と向き合っているという流れで進んでいるのに、急にこのような態度を取るのは違和感が強い。 なお、本作の最終的な黒幕はプレイヤーと同じ立場にある別のプレイヤーと言える存在であり、作中世界を単なるゲームとして扱い、そこに生きる人々も駒としか見ていない(*8)。 自身の「ゲームクリア」のために作中世界を危機に陥れており、実際のプレイヤーはその「敵」に対して本気で作中世界を救うために戦いを挑むという構図になっている。 にもかかわらず、このシーンではプレイヤーはこのような態度を取ったり作中世界をはっきりゲームとして扱うなど、何故かここだけやらされる事が黒幕と同レベルである。 その一方で、後の展開では作中キャラの頼みで快く協力する流れになるので、余計にこのシーンの異質さが際立っている。プレイヤーの心情も、時にはストーリーに沿った急激な変化を要される。 しかも、同時刻には同じプレイヤーが操作しているはずのアーシェスがイオンを守るために必死に戦っているので、ここでも設定に曖昧さを感じさせる。 挙句、アーシェスはここで一度大破する。片や主人公達の愛に敗れ、片やヒロインを守って散るという状況に置いてきぼりを喰らうこと必至。 デルタ達も、この時に対峙した相手とアーシェスが同一人物だと気付いていないのか、それを言及することは無い。プレイヤーから言う選択肢も無く、以後も別人のように振る舞い続けなければならない。 そもそもアーシェスの正体が仲間の間に共有されておらず、単なる「意思を持つロボット」として接してきている者もいる。そう言った相手に対しては、イメージ通りの「意思を持つロボット」として振る舞うことになり、それらが混在するため自分が操作しているのが「アバターとしてのアーシェス」なのか「アーシェスというキャラクター」なのか分からなくなる。 世界の運命を左右する危機的状況に別世界の人間が介入しているという設定の関係上、意図的と思われる蚊帳の外感がある。 プレイヤーが英雄になる訳ではなく、あくまで作中世界の人々が自分達の手で未来を掴み取り、プレイヤーはその手伝いをする形となる。 これにより、他世界に直接干渉し、その存亡を賭けた戦いに助力している感覚は味わえるが、それ故に自分を中心に物語が動く訳ではない(どころか他のキャラがどんどん話を進める)ので人物の心情を掴みにくく、状況の理解もやや難しい。 アーシェス視点の調合会話では、店主とイオンだけが盛り上がって完全に蚊帳の外に置かれる物も僅かながらある。その際の選択肢はいずれも自分の存在をアピールするか、空気を読んで黙ってるかという切ないもの(*9)。 本編の流れ自体は概ね王道なのだが、ジェノメトリクスや調合イベントではかなりぶっ飛んだノリも見られる。『アルトネリコ』などで慣れている人ならいつもの事だが、初見の人は戸惑っても仕方ない程には癖は強い。 作中でも「人は生きる事に不自由しなくなるとサブカルチャーに走る(意訳)」と語っている通り現実のサブカル・オタク界隈のノリを7次元も先なのにそのまま持ち込んだようなギャグ・パロディ(*10)、家族や友人の前でプレイするのが憚られるような際どいイベント・演出などが節操なく詰め込まれている。その無節操さ故、反応は爆笑、ドン引き、困惑、辟易、感嘆などなど、人によって様々だろう。 特に調合については、前作ではイオンが一方的に喋ってプレイヤーが時折返答する程度だったのが、今作では複数人で(アイテムの試用込みで)会話を繰り広げるため、良くも悪くもネタの濃さが増している。 ジェノメトリクス内での行動によってヒロインの性格が(戦闘中のみ)変化するのだが、SかMかという分岐もあるため、とても人前でなどプレイ出来ないような台詞が飛び出す事も多々。Mに寄ったイオンが敵ターン時に言う「いいよ!叩いて…!」などは最早ドン引きレベル。 パーティー編成要素がない パーティーキャラはデルタ+キャスとアーシェス+イオンの2タッグで固定。ほかのキャラは敵としてか、フレンド技を通してしか参加できない。 2タッグが一画面で並べて戦えるようにはゲームシステムができていない。終始一度に片方しか戦闘に参加できない。 ラストバトルには4人揃って臨むのだが、前哨戦では選んだ方のタッグしか戦えず、ラスボスとも律義に1タッグずつ戦う。一応、前哨戦でどちらを選んだかでエンディングが変化するようにはなっているが…。 開発リソースが集中できているかパーティー編成の自由度が無くて面白みが薄いかは意見が分かれる。 詩魔法の効果の低差別性 すべての詩魔法は攻撃技であり、付加効果にわずかな差がでるといった具合。 効果に差があると戦闘スタイルによっては使用詩魔法が固定されてしまわずに済むと見るか、戦闘スタイルの幅が狭いと見るか。 調合可能アイテムの種類がとにかく多い 調合時の感想イベントは豊富で内容も楽しく、アイテムの種類も色々とネタに走っていて一覧を見るだけでも面白い。エンディング条件のアイテム以外はデルタ、アーシェス両方に会話が用意されているのでその数も膨大。 しかしそれ故に種類は無駄と言ってもいいほど多く、装備品は良いのだが、消費アイテムとなると効果が被っていたり何の効果も無いアイテムが相当数ある。最早ネタの為だけのアイテムも少なくない。種類もかさむので管理も大変に。 詩魔法もそうだが、RPGとしてのバリエーションや戦略性よりも演出、デザイン、ネタを取ったが故と思われる。 + さらには…(ネタバレ) トゥルーエンドの条件となるアイテムを手に入れるには、調合可能アイテムの殆どを作成しなければならない(*11)。調合可能箇所4店全てで作れるアイテムが違うため、その数は非常に多く、費やす手間も膨大なものになる。 前作との連携要素(セカイリンク) 前作との連携により、アーシェスとイオンは通常なら赤の他人同士から始まるところ、恋人あるいは夫婦である前提でゲームが始まる。これによってアーシェス編はそれまでの好感度を引き継いでイオンとの冒険ができる。 ゲーム的な特典は少ないものの、前作にのめり込んだ人からは概ね好評。 主人公を演じている体ではなく「本当にゲームのヒロインと冒険できたら」という願いを叶え、また、前作で間接的に交流することしか出来なかったヒロインを、今度は自ら守って戦えるという一種の舞台装置となり、ロールプレイが非常に捗る。 一方、『アルノサージュ』から入った層からすれば前作未プレイでは体験できない要素があり、しかもその前作がジャンルの違うADVで敷居が高いと、あまり面白い話ではない。上述した、本作からの新規層が置いてきぼりを喰らいやすい一因に。 一応、イオンの方は最初は初対面のつもりで話しかけてくる(*12)ので話自体は問題なく進むのだが、その一方でセカイリンクをしていようがいまいが、プレイヤーが前作を知っている事前提の台詞が出て来る事も。 + ネタバレ 評価点では「セカイリンクをした状態でトゥルーエンドを迎えると『シェルノサージュ』側で真のエピローグの演出がある」と上述したが、逆に言えば前作をプレイしていないとその真のエピローグが迎えられない。 トゥルーエンドのラストシーンでは、ある場所に向かうイオンを見届ける前にインターディメンドの接続が切れて幕切れとなる。 心配無用という流れではあるのだが、その後イオンがどうなったのかは分からず終いなので、本作単体で物語にのめり込んでいた人は相当な喪失感に見舞われながら終わってしまう。 前作からのプレイヤーだからこそのご褒美でもあるのだが、本作からの新規層にはまたも納得し難いことに。 問題点 パートボイスの分配 メインストーリーがパートボイスで、キャスティングされるのも半分程度なので、エンディングに急ぐプレイだとボイスが少なく感じてしまう。 温泉での結晶整理とタッチ・店での世間話・フィールドトークに多少ボイスあり、戦闘ボイスがジェノメトリクスでの選択肢が影響する人物性向により変化するぐらい。 比重がやや大きいジェノメトリクスもボイスが半分程度で、調合感想と温泉での世間話に至ってはなし。 カメラワークの厳しい制約 移動パート時のカメラ方向は完全に現在位置に依存。 敵ザコラインナップ フィールドでランダムエンカウントする敵のラインナップは場違いなケースが散見される。特に終盤に顕著。 また、詩魔法で殲滅しきれなかったWAVEは次の戦闘で戦うのだが、上述した通りバースト値もハーモニクスゲージも無いまま戦わなければならない。 しかし強い敵は詩魔法に耐えやすいため、生半可な詩魔法では次に強敵と戦わされて逆にピンチに陥ってしまう。ハーモレベル上限が低く敵も弱い序盤はまだしも、後になるととにかくハーモレベルを上げてWAVEを残さないような戦い方になりがち。 ダンジョンや街が全体的に狭く短く、RPG的な探索の楽しみは薄め WAVEを全滅させてしまえばエンカウントもしなくなるので、楽と言えば楽だが味気ないと言ってしまえばそれまで。 一方、ラストダンジョンは1マップで終わってしまう短さを誤魔化す為か、WAVEが50にまで一気に跳ね上がる。 戦闘中の処理 WAVE全滅もしくは敵の行動を封殺したときにプレイヤー側がボーナスターンを得られるが、その際に3秒ほど処理タイムに入り、ぶつ切り感ができてしまう。 ハーモニクスレベル3・4で自動的に1ターン一度以上ヒロインが支援全体攻撃を繰り出すが、プレイヤーの動きをストップさせる演出に入り、数秒後に再開。 演出はカットできないため避けるためにはハーモニクスレベルを抑えながら戦うしかない。 また、その演出もヒロインか詩魔法キャラが適当な動きと一種のセリフの後爆発が起こるもので占められている。 コスチュームチェンジ関連 条件を満たせば解禁されるシステムとして最初から表示されており、いかにも作中で色々な衣装が手に入って着せ替えながらプレイできそうになっているが、その解禁条件は実は裏ボス撃破。コスチューム自体、イベント衣装への切り替え程度でしかない。 やり込み要素は乏しい 「ゲームとして」やり込むべき世界観ではないとは言え、単純にRPGとして見ると周回要素やエンディング後の世界は無いので、トゥルーエンドまで行ってしまえば裏ボスと戦うか、調合、禊ぎ、ジェノメトリクスのイベントを見返すぐらいしかやることが無い。 クリア後にはBGM、イベントスチル、ムービーの鑑賞や禊ぎ、調合のイベントのリプレイが可能な「エクストラ」が解禁される。 しかし禊ぎ、調合イベントは本編で体験したものしかリプレイできず、調合は良いのだが禊ぎの方は期間限定のトークマターもあるため、取り逃がしの回収にはまた最初からプレイしなければならない。 裏ボスも「340億ものHPを全国のプレイヤーと協力して削りきる」というトンデモ仕様。しかも『シェルノサージュ』側でマイクロクエーサーにエネルギーを送信するとHPが回復してしまう。 ストーリー上でも「強大過ぎて普通の方法では倒せないので、封印しておくしかない」という存在だったのだが、いざ倒しても機械的なアナウンスが入るだけで特別な演出や展開は無し。一応、イベント衣装への切り替えとモデル鑑賞の縦回転(*13)が解禁されるが、その程度。 現在はキャンペーン終了によって他のプレイヤーとの協力や前作操作による回復は無くなり、HPも単独プレイヤーで十分倒せる程度に固定されている。 バグ 「バグノサージュ」などと揶揄された前作に続き、本作も大小のバグが多数存在する。アップデートで修正されているものもあるが、依然として(移植版にも)残っているバグも少なくない。 文字化け、BGM不具合、エラー落ち、フリーズなどは勿論、イベントが発生せず進行不能、主人公が床を突き抜けて自由落下してハマると言った深刻なものも幾つか。 演出の不備なのかバグなのか、中盤の山場にアナウンス音(*14)がループ再生される演出があるのだが、不必要に複数のシーンを跨って再生される結果、ハイライトされるはずの詩「Class XIO_PROCEED;」やムービーに水を差してしまうようなことがある。 しかもその音量はBGM音量に依存なので、確実に詩を聞くのを妨げてしまう。 無関係なシーンにロードしても、タイトルに戻って「EXTRA」を見ても鳴り続ける。止める為にはセーブしてゲーム終了・再起動する羽目に。 現在は修正済みだが、禊ぎでキャスやイオンに結晶のインストールをすると、本人の声の代わりにデルタの気怠そうな声が聞こえるという本シリーズの売りの1つを見事に潰しているバグすらあった。 総評 前作で築いた世界観を昇華し、RPGとしてゲーム性を付加させつつストーリーを帰着させた完結編。 ヒロインのイオンを始め前作から続投したキャラクター達の織り成す物語にプレイヤー自身を組み込むメタ構造と、 それを生かしたゲーム展開が魅力であり、豪華絢爛な楽曲がそれらを彩る。 しかし緻密且つ独特な世界観と、感情移入の度合いがストーリーの面白さに直結する関係上、 物語を本当に楽しむには前作からしっかり作中世界にのめり込んでいる事と、プレイヤー自身が1キャラに成りきるロールプレイが不可欠であり、 新旧入り混じった数々の設定と駆け足な展開についていくのはそれでも尚、容易なことではない。 また、純粋にRPGとして見ると破綻こそは無いが、演出、キャラクター、ネタを重視したが故のゲーム的な物足りなさも否めない。 良くも悪くも、前作から連なる「7次元先にある世界」を体験し、干渉するという演出に特化した作品と言える。 それでも前作に続き、他ではなかなか味わえない魅力を持つのは確かであり、しかしその魅力をフルに楽しむ為のハードルはかなり高いのもまた確かである。 この世界観と設定に興味が惹かれた人は、相応の覚悟を以ってしっかりと腰を据え、前作共々「7次元先の世界」と向き合って欲しい。 余談 特徴で触れたが、『シェルノサージュ』本編の出来事は、本作の序盤の間の出来事である。 現実世界で配信されていたパックは作中のキャラがリアル同様2年もの期間を掛けて少しずつ作成・送信していたもの、という体裁である。それによって完全に記憶が修復されたイオンが、アーシェスとなったプレイヤーと共に旅立つのが本作のアーシェス編の導入部である。 ただし、セカイリンクをしていない場合は、それまでイオンの記憶修復を手伝っていたのは別の誰かとなり、アーシェスのプレイヤーとイオンは初対面として扱われる。 ニコニコ静画上で展開されるwebコミックサイト、水曜日のシリウスにて2014年2月24日よりコミカライズ版(著 タツオ)が連載された。単行本は全2巻。 アルノサージュ本編の前日談であり、本編では廃墟となっている都市「アメノミライ」を舞台に記憶を失う前のデルタとキャスの活躍が描かれる。 また下記のPULSの限定版『サージュコンチェルト・エージェントツインパック』では、特典として本作のヒロイン「ラチェット」の衣装のダウンロードコードが付属していた。 ゲーム作品のノベライズを多く扱っていた一二三書房のラノベレーベル、桜ノ杜ぶんこよりDLCで追加された白鷹のジェノメトリクスのアーシェスサイド「寧はるか遠く」で描かれた世界を原案とした、本作及びシェルノサージュの前日談小説「ゆきねライフロギング」(著 糸井健一)も発売された。こちらも全2巻。 2巻はサージュコンチェルト全体で残った最後の謎を補完する非常に重要な作品となっている。更に2巻発売当時に行われたキャンペーンで、本作の真エンドとエピローグの間を繋ぐ後日談小説を読むことができた。 しかし非常に流通数が少なく電子書籍化もされていないため、あとから本作を知った層にはストーリーを知る上で最大の障壁となっている。『DX』が発売された際、ガストショップにて在庫品が少数販売されたものの需要を満たすには至っていない。入手出来ても後日談小説のキャンペーンは既に終了している。 吹き替えを含めた英語圏対応のバージョンがある。RPGで海外のファンを離すまいと準備したつもりだっただろうか。 しかし本作はストーリーが単体では、一応それぞれ完結しているアルトネリコシリーズ三作と違って、前作とセットなゲームである。 生憎『シェルノサージュ』は英語に対応しておらず、海外プレイヤーにサージュ・コンチェルトシリーズを楽しんでもらうには中途半端と言わざるを得ない。 本作の黒幕はプレイヤーと同様、依り代となっている存在の名前をそのまま名乗るため本名は最後まで不明である。 しかし、黒幕が僅かに見せた人間性から「あつし」というあだ名がシリーズファンによって付けられる。公式もエイプリルフールでこのネタを拾われている。 アルノサージュ PLUS ~生まれいずる星へ祈る詩~ 【あるのさーじゅ ぷらす うまれいずるほしにいのるうた】 ジャンル 7次元RPG 対応機種 プレイステーション・ヴィータ 発売元 コーエーテクモゲームス 開発元 ガスト 発売日 2014年10月2日 定価(税抜) 通常版 5,800円ダウンロード版 5,143円AGENT PACK 8,800円 判定 なし 概要(Plus) 『シェルノサージュ』と同じハードであるPSVへの移植版。 評価点(Plus) 追加要素 ネイやカノンとの禊ぎ、白鷹のジェノメトリクスと言った無印のDLCは全て同梱。 PSVの「タッチ操作」に対応。「禊ぎ」中にキャラにタッチすると反応してくれる。 禊ぎできるキャラクターとしてサーリ、ネロ、シュレリアの3人が追加。デルタ、アーシェス双方に用意されており、そのボリュームも多く読み応えがある。ネロは悪役サイドの人物であり禊ぎがあるのはおかしいが、(ネタバレになるので詳細は伏せるものの)衝撃設定でそれをフォローしている。 サーリ、ネロはアーシェスをロボットではなく、それを操作しているプレイヤーと認識したうえで対話してくれる。女の子の友達と会話しているような気分になれ、自分自身が世界にのめり込むロールプレイを促進できる。 シュレリアの禊ぎには『アルトネリコ』に関するネタが仕込まれており、シリーズファンなら思わずニヤリとできる。 4人の主人公とヒロインにはそれぞれに新たな衣装が用意される。衣装の中にはクリア後に入手できるものもある。 これにより、無印ではほぼ形骸化していたコスチュームチェンジ要素が普通に楽しめるようになった。ただし、イベント衣装はやはり裏ボス撃破が必要。 こちらのバージョンのみ、初回特典としてアニメ『ロボットガールズZ』とのコラボ衣装が収録されていた(*15)。 ジェノミリンクで『シェルノサージュ』からイオンのコスチュームの一部(ブルーミングヤード、ポーラーズメモリーⅠ、紫陽咲花)を入手できる。 エリア探索中、デルタ、アーシェスに背面タッチパネルで悪戯できる。 改善された要素 中盤のある展開におけるプレイヤーの扱いに疑問符の付く展開は無難な形に改善された。 + ネタバレ 無印の項で上述したデルタとプレイヤーが対峙するシーンは、真摯に世界の危機に立ち向かっているはずのプレイヤーが何故か「デルタを乗っ取った悪者」として扱われ、そう演じることを強いられていたが、PLUSでは「不可抗力でデルタを乗っ取る形になってしまった」という体に置き換えられている。 実際その通りなのだからこの方が流れとしても自然である。 その他 PS3 → PSVへの移植だが画質の大きな劣化などは見られず、違和感なくプレイできる。 『シェルノサージュOFFLINE』との同時発売だが無印を切り捨てる事は無く、そちらのデータとも連携可能で追加要素も全て解禁出来る。無印をプレイしていたがPS3を所持しておらずプレイ出来なかった人や、PLUSの追加要素は見たいが無印とOFFLINEは別物と考えるユーザーには嬉しい配慮。 『シェルノサージュOFFLINE』との同時発売となった点 前作を全て読み終えてから本作と、順にプレイできるようになっているため、物語の繋がりが分からず困惑するような事態にはなりにくい。 問題点(Plus) バグも無印に加えて新たなものが発生している。 バトル中に処理落ちが発生することがある。 ゲームクリアに支障がでるレベルではないが、プレイヤーによっては気になる部分。 無印から僅か半年での追加要素あり移植であり、これら追加要素は無印では一切アップデート等でフォローされることがなかった。当然、無印プレイヤーからすれば愉快な話ではない。 無印プレイヤーが追加要素を堪能するには改めてPLUSを購入してプレイし直す必要が生じる。これ自体は本作に限った話ではないが、本作の場合はPLUSが出るまでのスパンが短過ぎるのが問題である。 また、評価点には「前作をプレイしていたがPS3を所持しておらず無印がプレイ出来なかった人には嬉しい配慮」と書いたが、逆に「PSVを所持していない無印プレイヤー」には何の旨味も無い。 無印の強みを敢えて挙げるなら大画面でプレイできる事ぐらいだったが、後のDXの発売でそれも失われてしまった。 総評(Plus) 無印よりは手軽にプレイできる『シェルノサージュOFFLINE』との同時発売で、ネックだった発売時期の齟齬や入り込み辛さをある程度解消した。 処理落ちなど一部気になる部分はあるものの、画質の大きな劣化などはなく移植作品としては満足のいく出来。追加要素の禊ぎも読み応えがある。 依然としてハードルが高めな前作プレイ済という前提はあるが、「次元を超えて世界の危機に臨む」という、普通のRPGでは味わえない体験をしたい人は手に取って損はない。 アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~ DX 【あるのさーじゅ うまれいずるほしにいのるうた でらっくす】 ジャンル 7次元RPG 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4Windows(Steam) 発売元 コーエーテクモゲームス 開発元 コーエーテクモゲームス(ガスト) 発売日 2021年3月4日 定価(税抜) 5,800円 判定 なし 概要(DX) PLUSのリマスター版。こちらも『シェルノサージュDX』と同時発売。 『シェルノサージュDX』との連動は同ハード間のみ。旧版との連動やデータ引き継ぎも同じく不可能。 禊ぎでの触りモードはPCに合わせてかカーソルエイム式になったが、タッチパネルを持つPS4(DUALSHOCK4)とSwitch版でもそれに準じてタッチ操作はなくなってしまった。 またWin版は規制に合わせて過激描写に修正が入っている。ならPS4版とSwitch版のタッチ操作にも手を入れて貰えなかったんですかね。 シェルノDXで目立ったグラ表現の劣化はこちらにも少なからずあり、光屈折表現(陽炎)が消失。そのせいで味気なくなったエフェクトが多い。 ローディング全般が早くなった。 …が、詩「em-pyei-n vari-fen jang;」が謳われてフルオートでシーンが進む場面は、無印・PLUSではローディングを加味して、キャラの動きが展開に呼応し、ちょうどサビの終わりに再生停止だったのを崩してしまった。
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シェルノサージュ 〜失われた星へ捧ぐ詩〜 シェルノサージュ〜失われた星へ捧ぐ詩〜 コメント ガストより2012年4月26日に発売のPlayStation Vita (PS Vita) 用ゲーム。 シェルノサージュ〜失われた星へ捧ぐ詩〜 ドレディアorキレイハナ:イオナサル・ククルル・プリシェール/イオン 花飾りから モウカザル:ター坊 未定:キャスティ・リアノイト/キャス コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 シェルノサージュ~失われた星に捧ぐ詩~ メガリザードンX:テレフンケン チラチーノ:キャスティ・リアノイト/キャス エリキテル:プライム・セオジウム/プラム 使い手のシトロンに似ているので テールナー:カノイール・ククルル・プリシェール/カノン クチート:ネィアフラスク/ネイ カクレオン:雑貨屋ねりこさん ハハコモリ:レナルル・タータルカ ムクホーク:白鷹 ニャオニクス:サーリ・プランク ノズパス:ジル 使い手のツツジは教師なので ポリゴンZ:クラケット・パルミウム スターミー:ネロ モンメン:にゅろきー フーディン:リーヴェルト アルノサージュ~生まれいずる星へ祈る歌~ ゴウカザル:デルタ・ランタノイル ゴビット:アーシェス -- (ユリス) 2016-09-07 22 10 56
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【作品名】シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ 【ジャンル】リアルタイム・ライフ・シミュレーション 【先鋒】端末withあなた 【次鋒】サルモン 【中堅】サカタチウオ 【副将】ねりこさん 【大将】イオン 【基本設定】現実世界の「あなた」が携帯端末を通じて7次元先の世界と繋がり、 そこに存在していた少女「イオン」と交流したり、世界やイオンの謎を解いていく作品 作中では端的に言うと「生活パート」「夢パート」「記憶パート」が存在しており 過去である「記憶パート」は「生活パート」より時系列的に前になる ただし、後に「記憶パート」は現実での過去の出来事ではあるが作中で見れるものは一部改竄されている部分(ター坊=デルタの名前など)があり、 「生活パート」はアルノサージュ管に幽閉された現実世界のイオンが見ていた精神世界のようなものと判明した そのため、起点世界問題を避けるため、シェルノサージュ単品で参戦させる今回は基本的に「生活パート」のみでテンプレを作成する (ちなみにアルノサージュ等を含めたサージュ・コンチェルトシリーズとして参戦させた場合は メンバーはおそらく「エクサピーコ(宇宙)」「ラシェーラ(惑星)」「アルシエル(惑星)」みたいになる) 【時間の概念】作中においてねりこがイオンの世界について 「この世界には時間の概念があるようでない」と発言している そのため環境依存時間無視ではあるが現在のところは意味がないか 【OFFLINE版】オンライン版より後に発売された「シェルノサージュ OFFLINE ~失われた星へ捧ぐ詩~」については 「端末のOSがバージョンアップしただけ」と製作者が発言しているためこのテンプレにおいては同一作品として扱う 【先鋒】 【名前】端末withあなた 【属性】謎の端末with現実世界にいるプレイヤー 【大きさ】テーブルや棚の上における程度の大きさの機械 【攻撃力】攻撃不可 【防御力】大きさ相応 【素早さ】移動不可 反応は常人並み 【特殊能力】相手に自分の想いを伝えることができる 射程は部屋ひとつ分、伝えるのに2、3秒かかる ただし自分の「名前」や「容姿」など可能性が無数にあるものは伝えられない 端末を展開することでイオンを夢セカイにつれていけるが他人にできるか不明 【長所】一応想いを感じ取っただけで負ける相手には勝てる 【短所】実質ただの置物 【戦法】勝ちたいと想いを伝え続ける 【備考】プレイヤー本人は直接は登場しないため直接は参戦不可 そのため、外部操作型ロボットルールの1を適用して参戦 なお、プレイヤーはイオンに「働いている」と伝えることができ、デートにいったりもするため成人男性並みとする 【次鋒】 【名前】サルモン 【属性】半分下ろされた状態の魚 【大きさ】鮭並み 【攻撃力】鮭並み 【防御力】鮭並み 【素早さ】鮭並み 【特殊能力】半分下ろされているが素の状態がそれなので行動するのに問題はない 【長所】脂が乗って非常に美味 【短所】謎の多い魚 【戦法】とりあえずはねる 【備考】登場はイオンが採取してきたものしかないので陸地の状態で参戦(つまりほぼ動けない) 【中堅】 【名前】サカタチウオ 【属性】七つの瞳を持つ不気味な魚 【大きさ】アンコウ並み 【攻撃力】アンコウ並み 【防御力】アンコウ並み 【素早さ】アンコウ並み 【長所】とある悪い噂のため乱獲され、絶滅寸前になった 【短所】そんなに美味しくはないらしい 【戦法】とりあえずはねる 【備考】登場はイオンが採取してきたものしかないので陸地の状態で参戦(つまりほぼ動けない) 【副将】 【名前】ねりこさん 【属性】「雑貨屋ねりこ」店主 【大きさ】成人女性並み 【攻撃力】成人女性並み 【防御力】成人女性並み 【素早さ】成人女性並み 【特殊能力】イオンの記憶を参照し、読み取ることができるが最強スレにおいては無意味 【長所】胸が大きい 【短所】謎めいている 【大将】 【名前】イオン 【属性】記憶を失った少女 【大きさ】ハンマーを持った16歳程度の少女並み 【攻撃力】ハンマーを持った16歳程度の少女並み 【防御力】16歳程度の少女並み 【素早さ】16歳程度の少女並み 【特殊能力】記憶の中において行ったこともない場所も詳細に思い浮かべることができ、 それが現在の状態になっている理由らしいが詳細は不明 【長所】レシピと材料さえあれば何でもかんでも作る 【短所】記憶の中の「イオナサル・ククルル・プリシェール」と性格が微妙に違う気がする 参戦 vol.111 155-156 修正 vol.115 39 vol.111 368 :格無しさん:2013/06/08(土) 18 00 39.73 ID zE9ziE/g シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~考察 ○ダービーマウちゅう2 【先鋒】分け 【次鋒】【中堅】陸に上がった魚じゃそのうち窒息死しそうな気がするが一応分けか 【副将】【大将】殴って勝ち 2勝3引き分け ○爆チュー問題 【先鋒】分け 【次鋒】【中堅】はねているだけでは何にもならないので分け 【副将】【大将】殴って勝ち 2勝3引き分け ○とべとべコウモリ 【先鋒】【次鋒】分け 【中堅】魚好きでも大きさが違いすぎるからたぶん食べられることはない 分け 【副将】【大将】殴って勝ち 2勝3引き分け △ピクミン 【先鋒】【次鋒】分け 【中堅】炙られ負け 【副将】殴って勝ち 【大将】ノヴァブラスターは射程がわからないので考慮外 速すぎて分け 1勝1敗3引き分け ×烏の北斗七星 【先鋒】【次鋒】【中堅】空からつつかれて負け 【副将】【大将】殴って勝ち 2勝3敗 ×鳥の歌(千里愛風) 【先鋒】【次鋒】つつかれて負け 【中堅】相手が子供だったとしてもでもはねてるだけの魚を蹴飛ばすとか踏むとかはできるので負け 【副将】【大将】相手の年齢性別が分からないので考察不能 3敗2不明 ピクミン=シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~
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シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ シェルノサージュ OFFLINE ~失われた星へ捧ぐ詩~ シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ DX 機種:PSV,PS4,NS,PC 作曲者:土屋暁、志方あきこ、霜月はるか、弘田佳孝、柳川和樹、下田祐、大嶋啓之、Morrigan、上野洋子、SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS 開発元:ガスト 発売元:ガスト(無印版)、コーエーテクモゲームス(OFFLINE版, DX版) 発売年:無印版2012年(DLCによる各話配信は2~4話が2012年、5~9話が2013年、10~12話が2014年)、OFFLINE版2014年、DX版2021年 概要 サージュ・コンチェルト第1弾。 7次元先に存在する世界「ラシェーラ」を舞台に、記憶を失った少女イオンと端末越しに生活し、失われた過去の記憶を蘇らせる。 失った過去の記憶の先には何が隠されているのか…? アルノサージュの前日譚であり、かつアルトネリコシリーズの根源となる作品である。 シェルノサージュでは基本ソフトだけでは1話しか見られず、それ以降はDLCという形で徐々に配信されていくという特殊な販売形式をとっている。 楽曲も新しい話毎に随時追加されている。そのため初収録となる時期が異なるので、発売年に関するランキングに投票する際には注意。 またゲーム内とサウンドトラックで曲名が少々異なっているものがあるので投票時の表記揺れに注意。 今作ではアルトネリコシリーズでもおなじみの志方あきこ氏が詩の他にBGMなども手がけている。 2014年に最終話である12話をもってついに完結した。この後の物語はアルノサージュへと引き継がれる。 また同年に全話・全コスチュームDLCを含め、さらにオフラインのみでストーリー進行できるよう調整されたシェルノサージュOFFLINEが発売された。 ガストがコーエーテクモゲームスに合併されてからの初のタイトルとなる。 2021年にはOFFLINE版の画質を向上させたリマスター版シェルノサージュDXがPS4,switch,Steam向けに発売された。 収録曲 サウンドトラック 曲名 作・編曲者 補足 順位 オリジナルサウンドトラック~音と世界の受信記録 Sec.1~ GATE 49.212.40.208 SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS オプションメニュー 序言ノ響 志方あきこ はじまりの道標 志方あきこ 試練編第一幕:始まりの刻 コズミックシティ SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS 試練編第二幕:天地咆吼デート:パーツ屋 宵闇の花 志方あきこ 試練編第三幕:それぞれの決意 第12回893位第15回797位2012年422位 ExecuTron 志方あきこ 試練編最終幕:宝石とこころ 約束~小さな出会い~ 志方あきこ 万寿沙羅 志方あきこ おててつないで♪ SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS デート:海、カフェテラス 安らぎの時 志方あきこ 夢と機械と秘密基地 志方あきこ デート:縁日 Crisis 志方あきこ 優凜ノ彩 志方あきこ 不穏 志方あきこ Sympathy~テレフンケン~ 志方あきこ 部屋の音楽では「Sympathy」と省略 喪失の欠片 志方あきこ 慟哭 志方あきこ ちいさなはな SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS ahih rei-yah~繋ぐ想い~ 志方あきこ 部屋の音楽では「アイレイヤ/繋ぐ想い」と表記 RELUXISM SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS デート:ショッピングセンター ツーショット SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS 帝立ジェノメトリクス同調調停院 SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS デート:学校部屋の音楽では「同調調停院」と省略 帝立天文学量子波動学研究所 SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS 部屋の音楽では「天文学研究所」と省略 約束~忘れえぬ夢~ 志方あきこ 剛毅果断 志方あきこ 一本街燈 SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS HACK=MAGIC SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS 駆け抜けろ! SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS Genometrics 志方あきこ タイトルメニュー UNDERPOLIS SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS 夕焼け通り SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS デート:教会、温泉デート中触りモード 夢の栖 志方あきこ ジェノメトリクス:試練編 STARGAZE~銀河飛行~ SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS クエーサー送信メニュー部屋の音楽では「STARGAZE」と省略 フラスコの海 志方あきこ シャールの巣 第11回898位第12回773位第13回455位第14回472位 煌の砂漠を旅する少年 志方あきこ 本編未使用 サウンドトラック用ボーナストラック オリジナルサウンドトラック~音と世界の受信記録 Sec.2~ Disc1 アルメティカ行進曲 志方あきこ 崩壊編第一幕:わかちあい 白桜の庭園 志方あきこ 崩壊編第二幕:偽りと真実の詩 ImitationRED 志方あきこ 崩壊編第三幕:次元崩壊 背魂奉納祭 志方あきこ 崩壊編最終幕:覚醒 にゅろりすとらんど 志方あきこ 皇帝編第一幕:七次元の彼方 旅立ち前の箱庭 柳川和樹 皇帝編第二幕:親愛なるセカイへ LastPandemic 志方あきこ 皇帝編第三幕:皇帝 天涯星夜 柳川和樹 皇帝編最終幕:ラシェーラ 第13回861位 幻の栖 志方あきこ ジェノメトリクス:崩壊編 理の栖 志方あきこ ジェノメトリクス:皇帝編 序言ノ響~祝詞~ 志方あきこ 風紋烈火 志方あきこ 運命大輪 志方あきこ 結城さんチの郵便箱 志方あきこ デート:水族館 ぽっぺけぺ~? SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS 約束~優しい涙~ 志方あきこ エイリアンロード 志方あきこ 人格崩壊計画 志方あきこ 0 00 01 志方あきこ 最後の想い SSS-Solid State Signal-OOOPS TEAM WEEDS 音日記1~不思議の家~ 下田祐 部屋の音楽では「IonRoom」と表記され、イオンの行動によって曲が変化する 音日記2~うたたね係数~ 下田祐 音日記3~月行燈~ 下田祐 音日記4~あかいほし~ 下田祐 オリジナルサウンドトラック~音と世界の受信記録 Sec.2~ Disc2 Plim Nosurge 阿部隆大 本編未使用 サウンドトラック用ボーナストラック シャラノイア伝承 阿部隆大 希望の地~ほのかの 阿部隆大 律動の兆 浅野隼人 泡沫の想 浅野隼人 壊劫の初 浅野隼人 順流の影 浅野隼人 niizhtana 浅野隼人 First Story-bezhig- 浅野隼人 First Story-niizh- 浅野隼人 First Story-niswi- 浅野隼人 Another Story 浅野隼人 サウンドトラック未収録曲 Ciel Nosurge 志方あきこ オリジナルサウンドトラック~音と世界の受信記録 Sec.2~のアンケート回答特典として配布 ボーカルアルバム 曲名 作詞 作曲 編曲 歌 補足 順位 Ciel nosurge Genometric Concert Vol.1~契絆ノ詩~ 謳無き丘へ 土屋暁 土屋暁 志方あきこ 志方あきこ OP ahih rei-yah 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 1話ボーカルアルバムでは「Ahih rei-yah」 第7回909位第8回177位第9回295位第10回773位第11回160位第12回265位第13回161位第14回566位第15回430位2012年109位和風258位第3回ゲームソング241位第2回ガスト66位 天地咆吼 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 城南海 2話にて追加 QuelI- {ein te hyme} 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 3話にて追加 Neptlude 日山尚 霜月はるか HIR 霜月はるか 4話にて追加ボーカルアルバムでは「ネプトリュード(Class NEPTLUDE= extends.TX_CLUSTERS/.)」 2012年336位 Ciel nosurge Genometric Concert Vol.2~想界の詩~ 美し世界 高橋麗子 弘田佳孝 弘田佳孝 城南海 5話にて追加 コード・エテスウェイ 日山尚 霜月はるか 柳英一朗 霜月はるか 6話にて追加ボーカルアルバムでは「コード・エテスウェイ(Class ETHES_WEI= extends.COMMUNI_SAT/.)」 2013年242位 QuelI- EX[cez]- {kranz}; みとせのりこ Morrigan Morrigan みとせのりこ 7話にて追加 zu-fao jen-din; 日山尚 霜月はるか 柳英一朗 霜月はるか 8話にて追加 2013年203位第2回ガスト114位 Ciel nosurge Genometric Concert Vol.3~帝賜の詩~ 虹の国のデュオワルツ 高橋麗子 大嶋啓之 大嶋啓之 南條愛乃 9話にて追加 mei-fa-re koo-ja-i; 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 10話にて追加 継承奉願祝詞 江幡育子 上野洋子 上野洋子 yoko 11話にて追加 ラシェール・フューザー 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 12話にて追加 第9回475位第10回261位第11回140位第12回267位第13回275位第14回516位2014年110位第3回ゲームソング146位 ライラニア (シェルノサージュに関係がある曲のみ記載) ラ・シェール 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ 志方あきこ シェルノサージュイメージソング・各話EDテーマ 第16回758位第2回ガスト97位 サージュコンチェルト歌曲AGENTセレクションCD(初出の曲のみ記載) Class EXSPHERE_NOSURGE(beta version) みとせのりこ Morrigan Morrigan みとせのりこ 12話にて追加ボーカルアルバムでは「Class EXSPHERE_NOSURGE;~Original」 2014年507位 サウンドトラック シェルノサージュ オリジナルサウンドトラック~音と世界の受信記録 Sec.1~ シェルノサージュ オリジナルサウンドトラック~音と世界の受信記録 Sec.2~ Ciel nosurge Genometric Concert Vol.1~契絆ノ詩~ Ciel nosurge Genometric Concert Vol.2~想界の詩~ Ciel nosurge Genometric Concert Vol.3~帝賜の詩~ ライラニア サージュコンチェルト歌曲AGENTセレクションCD
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『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』は「判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 本ページでは『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』『シェルノサージュ OFFLINE ~失われた星へ捧ぐ詩~』『シェルノサージュ DX ~失われた星へ捧ぐ詩~』を紹介する。判定は『無印』『OFFLINE』は賛否両論。『DX』は劣化ゲー。 シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ 概要 あらすじ コミュニケーションパート 夢セカイ 登場人物 コミュニケーションパート 夢セカイ 特徵 各モードの説明 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 シェルノサージュ OFFLINE ~失われた星へ捧ぐ詩~ 概要(OFFLINE) 変更点(OFFLINE) 評価点(OFFLINE) 賛否両論点(OFFLINE) 問題点(OFFLINE) 総評(OFFLINE) 余談(OFFLINE) シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ DX 概要(DX) 評価点(DX) 賛否両論点(DX) 問題点(DX) 総評(DX) 余談(DX) シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ 【しぇるのさーじゅ うしなわれたほしへささぐうた】 ジャンル 7次元コミュニケーションゲーム 対応機種 プレイステーション・ヴィータ 発売元 コーエーテクモゲームス 開発元 ガスト 発売日 無印 2012年4月26日RE Incarnation 2013年2月21日廉価版 2013年10月10日 定価(税抜) 通常版 5,184円廉価版 3,758円ダウンロード版 4,200円 → 3,292円 (廉価版発売後)AGENT PACK 7,344円RE Incarnationパッケージ版 7,344円ダウンロード版 6,480円 判定 賛否両論 ポイント 1人の女の子との生活シミュレーション本体は1章のみの内容で完結には計5,600円分のDLCが必須厚い音声作りと微妙なビジュアル表現作業と虚無で構成されたゲーム性バグと開発力不足との戦いで予定期間を大幅に延びた2年間世界観(外部展開)にどこまで入り込めるかが評価の分かれ目 サージュ・コンチェルトシリーズ シェルノサージュ / アルノサージュ 遙か七つの宙を越え二人は 今宵一つの空に舞う 概要 コーエーテクモゲームスが買収したガストが、『アルトネリコ』シリーズから連なるエクサピーコ宇宙世界観を広げて送り出した新シリーズ『サージュ・コンチェルト』の第一作。 ガストブランド初のオンラインタイトルでもある。 7次元(*1)先の世界にいる少女とのリアルコンタクトをするためのソフトだと標榜するその意気込みとは…。 あらすじ コミュニケーションパート PSVを介して偶然7次元先の世界にある古びた端末に接続してしまった、画面の前で操作している"あなた"。7次元先の世界ではイオンという少女が、家の前に落ちていたその端末を起動しようと試みていた。端末に外の世界から接続した存在(あなた)の想いを伝える機能がある事に気付いたイオンは、初めての来訪者に喜ぶ。彼女には過去の記憶がなく、自分とねりこという雑貨屋を営む謎の女性、2人だけの世界で今まで暮らしてきたのだという。こうして7次元先の世界の観測者となったあなたとイオンの端末越しの奇妙な生活が始まった。そして端末にはもう1つの機能があった。それは彼女のジェノメトリクス(精神世界)にダイブして失われた記憶を修復する事。 夢セカイ 太陽・ベゼルの膨張により飲み込まれようとしている惑星・ラシェーラ。この地では、「天文」と「地文」というふたつの組織が人類存続のための計画を掲げる。天文は宇宙移民船で別星系への移住「グランフェニックス」を提唱。地文は「セーブ・ベゼル」で詩魔法でラシェーラと太陽の再生を目指そうとしている。そんななか、この地を収める皇帝の世代交代が行われることになり、天文と地文はそれぞれひとりずつ皇帝候補を擁立した。皇帝継承の儀の3年間、皇帝候補はラシェーラの一番地理位置の低い町・万寿沙羅(まんじゅさら)に降り立ち、最下層民の身分から皇帝になるのにふさわしい己を磨き、宮城へ帰らなければならない。 登場人物 + ... コミュニケーションパート イオン/イオナサル・ククルル・プリシェール(CV 加隈亜衣) 偶然繋がった7次元先の世界にいた少女。過去の記憶を失い自分とねりこ、2人だけの世界で孤独に暮らしている。性格はおっとりした恥ずかしがり屋で、真空管を使った電子工作に目がない。 夢セカイではかつて天文の皇女だった彼女の視点から物語を追体験することになる。臆病で何も主張する事が出来ず、皇位継承の儀の最初の演説からも逃げ出してしまった彼女が、ラシェーラの人々との出会いを通じてどのように成長していくかがこの物語の見所。 あなた PSVを介して7次元先の世界のイオンの部屋の端末と繋がってしまったあなた。つまりプレイヤーである画面の前で操作している自分自身である。 この自分自身が登場人物であるということが、サージュコンチェルトシリーズでは非常に重要でストーリー上で大きな意味を持つことになる。公式やファンの間での呼称は「端末さん」である。 ねりこ(CV MAKO) イオンの家の近所で「雑貨屋ねりこさん」を営む正体不明の謎の女性。イオンが外出していると部屋にやってきて、プレイヤーに独特な口調で意味深な話をしては去っていく。 夢セカイ ター坊(CV 大原桃子) 皇位継承の儀の開幕で、民衆にもみくちゃにされ怯えて1人万寿沙羅のスラムに隠れていたイオンを家に招き入れたガキ大将の少年。 彼との出会いをきっかけにして物語は大きく動き始める事になる。 キャス/キャスティ・リアノイト(CV 水瀬いのり) ター坊の結成したチーム「超輝工冒険団」の一員の少女。富裕層の住むコロン「フォーシーズン」から訳あって地上に降りてきたツンデレお嬢様。 カノン/カノイール・ククルル・プリシェール(CV 井ノ上奈々) イオンの対立候補である地文の皇女。非常に厳格な性格で指導力も兼ね備えており、天文派からも不安視されていたイオンと異なり始めから地文波の民衆の高い支持を得ている。当初はあまりに脆弱で頼りないイオンに対して辛く接していたが…? イオンと同じ苗字だがククルル・プリシェールとは皇女候補を表す称号でありどちらも本名ではない。 ネイ/ネィアフラスク(CV 内田真礼) 2幕より登場。イオンの同行者として勝手に付いてきた快活で脳天気な踊り子の少女。イオンに関するある重大な秘密を知っている。夢セカイの物語はイオンと主にこの4人を中心に展開される。 特徵 天文の皇帝候補であるはずだが何かの原因で記憶を失い、世界の片隅にある部屋で滞在している少女イオナサル・ククルル・プリシェール(愛称・イオン)。 部屋にある端末を通してイオンの生活様子を観察、そして触れ合うのがプレイヤーの役目。 イオンの精神世界に住む妖精シャールを記憶修復作業に割り当てて、ラシェーラの歴史を追体験できる。 イオンと一緒に過ごし、仲を深めていくこともある。 ソフト単品ではストーリー第1幕とイオンとのコミュニケーションパートしかプレイすることができず、毎月配信されるDLCによって継続的にイベントが追加され1年で完結する(*2)という形式を採っている。 またオンライン専用タイトルでもあり、インターネットに接続出来る環境がなければ一部の限定的な要素しかプレイすることが出来ない。 SNS的な機能がゲーム内に用意されていて、オンライン要素はサージュコンチェルトという世界観をユーザー間で共有し継続的なコミュニティを築くための、コミュニケーションツールとしての側面が強い。 各モードの説明 コミュニケーションパート イオンの部屋 端末としてイオンの部屋を観察し、触れ合う本作の基本となるモード。イオンはプレイヤーと同じように7次元先の世界をリアルタイムで暮らしている。だが何もしなければ彼女は同じ生活サイクルを単調に繰り返すのみ。そんな彼女に対して、プレイヤーがPSVの画面をトントンして干渉することでイオンと会話したり、工作や採取を頼む、デートに行くなど様々なコミュニケーションが行える。 こうした日々を繰り返していく事で、孤独だった彼女の生活に変化を与えていくのだ。 仮想世界 イオンとデートに行くことで入れる空間。1つのスポットに20以上ものそれなりに長さのあるイベントが用意されている。 後述のマイクロクエーサーのエネルギーの累計量が一定量に到達する毎に、ねりこさんから新しい仮想世界カードが手に入り徐々に行ける場所が増えていく。 なお、デートで向かう先はイオンが住んでいたラシェーラではなく、何故か我々の住む地球の日本に酷似した場所である。 シャールウィッシュ 毎日更新されるシャールから提示されるミッション。ミッションを達成することで、シャールの勧誘や育成に必要なHympを集めることができる。 シンフォリズム イオンの現在のラブラブ度・体調・機嫌・性格傾向・食の嗜好とそれをグラフ化したデータを見ることができる。 ラブラブ度はストーリーの進行とデートに行った回数で上昇する。 体調の状態でイオンがいつ頃食事を摂るか、睡眠をするか等をある程度予測する事が出来る。 性格傾向と食の嗜好はプレイヤーが会話の中で選んだ選択肢によって、派手or地味、マメorおおらか、辛党or甘党、さっぱりorコッテリの中で4段階に徐々に変化し服や食事の好みに影響する。味の好みがコッテリになるとハードな肉料理ばかり食べるようになるのでユーザーの間ではすっかり肉食キャラが定着してしまった。 SNS、メッセージ機能 Twitterのように他のユーザーをフォローしてメッセージのやり取りを行う事が出来る。これで同好の士を探してコミュニケーションを取るのが、見てるだけの時間がとにかく長い本作において、ある意味一番インタラクティブ性のあった部分だと言えなくもない。 ジェノメトリクスパート 夢セカイ イオンの部屋と並んで本作のメインとなるモード。廃墟となったイオンの記憶の世界をシャールの手によって修復させていくことで、かつてラシェーラで暮らしていた彼女の記憶を追体験することが出来る。記憶を復元する度に忘れていた工作や料理のレシピを思い出し、イオンの部屋でまた新たなアイテムを作ることが出来るようになる。2章以降はセカイパックというDLCとして配信(各章514円、2章のみ無料)され全ての記憶を復元するまでに足掛け2年3ヶ月もの時を要した。 シャールの巣 記憶の修復で使用することになる妖精シャールを雇用したり育成することができる。メインに置いておけるのは6体。新しいシャールの雇用はバーコードをPSVのカメラで読み取ることで行う。シャールは様々な要素で経験値を得てレベルアップする他、Hympを使用して修復能力を高めるスキルを覚えさせたり、装備品で見た目をカスタマイズする育成要素がある。 各シャールのクエーサー情報からイオンの住む惑星に、シャールが集めたエネルギーを送れる。このエネルギーは全プレイヤーで共有で累計ポイントが一定量になるごとに、報酬として前述の仮想世界カードの他にもシャールの新しいスキル、装備品、イオンの部屋で流せるBGMなどが解禁されていった。貯めたエネルギーは続編のアルノサージュにて驚愕の理由で使われることに…。 発売当時はここでコミュイベントという四択の問題やアンケートに答えるイベントが定期的に行われ、正解者に大量のHympが支給されたり、Web上で展開されていた企画でアンケート結果が集計されたりしていた。 評価点 シナリオ イオンの記憶が見せるラシェーラの存亡をかけた群像劇の中で、各人の思惑が交差する様は見ごたえあり。 名ありキャラの数を絞った分、各人の役割は明確。 時系列順に修復される記憶での出来事に、部屋内のイオンの一喜一憂が伝わる。衝撃的な事実と向き合うには、プレイヤーの相伴が必要になってくる。 世界観・設定 『アルトネリコ』シリーズ譲りの世界観の奥深さは健在。綿密に組み込まれた設定が我々の世界の7次元先に存在するとされる世界「ラシェーラ」の説得力を高めている。 イオンを眺める楽しさ 部屋内のイオンは様々なことに打ち込む。物つくり・料理・食事・昼寝・入浴と言ったイオン1人の活動のほかにも、触らせてもらう、仮想世界へのデートに行く、一緒に就寝などのスキンシップ要素を多種搭載。 材料採集でイオンが部屋から離れる代わりに、雑貨屋ねりこがイオン不在を狙って端末と話すためにやってきて、物を贈呈してくれることもある。ときにはねりこに会う目的でイオンを部屋からどかすのも一興。 手堅く作りこまれる音声関係 歌手に『アルトネリコ』シリーズ御用達の志方あきこ氏、霜月はるか氏、みとせのりこ氏など豪華な陣容。 ADVで進んでいくストーリーの中で、クライマックスでムービーとともに披露する詩魔法はミュージカル然としていて盛り上がる。ムービー映像の質はそんなに高くはないが…。 『アルトネリコ』シリーズではヒュムノス語という架空言語が詩魔法の歌詞に盛り込まれていたが、本作ではそれに代わり主に地文側が使うジェノムと呼ばれる生命体の公用語「契絆想界詩」と、天文側が使うシェルノトロンという機械で使用されるプログラム言語「REON-4213」の2つの架空言語が使われている。詩魔法を発動させる人物の思想や、その時の状況でこの2つの言語が使い分けられ世界観の構築に一役買っている。 ヒュムノス語と同じく架空言語の歌詞にはしっかりその発動者の心情や物語的な意味があり、ストーリーを観たあとに改めて歌詞を見るとその奥深さに驚かされるだろう。 鑑賞コマンドで呼び出せる詩の数は多くないが、本作では志方あきこが詩ではない曲もいくつか作曲・歌唱し、数の面では劣らない。 声優陣も当時新人だがいまや売れっ子の加隈亜衣氏や内田真礼氏、水瀬いのり氏らが熱演している。とくにイオン役の加隈氏はその仕事量により人気が急上昇した。 コンセプト上、加隈氏が公式の広報に出席するときはイオン役ではなく「イオンのお友達」と自称するとか。 豊富な収録音声がキャラの魅力や世界観・ストーリーの訴求力を高めている。 賛否両論点 複雑な世界観設定 本作独自な概念がかなり多い。現実の専門知識を下敷きにする設定も点在する。 『アルトネリコ』シリーズとの類似概念はあるが、そうではない点も多いため、ガストファンにも新規ユーザーにもハードルが高まったといえる。 インタラクティブ性の薄さ イオン相手に一緒にやれることが少ない。不規則なイオンの生活リズムは後のアプデである程度プレイヤーに合わせてくれるようになったが、それでも長時間の工作をさせると簡単にずれてしまい一緒に生活している感は薄れてしまう。 イオンに物つくりを依頼できるが、衣装・薬・デートアイテム以外の大半は完成してもイオンの感想を聞けるだけで、機械類ならギミックを体験させる、といったこともない。 物作り依頼のほとんどが「完成時の感想を聞くという」目的以外でプレイヤーに行わせる動機づけがされていない(*3)。 窓もないワンルームで実質的に外界も無いも同然、土日も祝日も無い、昼夜もよく分からない、仕事も学校も無い少女を眺める以上は生活感が薄い。 日常の何気ないランダムイベントといったものが用意されていないのも生活を眺めるゲームとしては無理がある設計であり、上記の物作り依頼で感想を聞くぐらいしかやることがない状態に陥りがちになる。PSVの省電機能により眺めていると強制的に暗転するのも大きなネック。 単調で生活感がない暮らしのためにコミュニケーションにおける日常会話もバラエティが薄く感じられる。豊富な筈の収録音声は工作や料理の感想といった固定会話に集中してしまっている。 ゲームのコンセプト 本作の開発コンセプトの1つにあるのが「画面越しの世界にいる女の子と1年間生活を共にするコミュニケーションツール」である(*4)。 このコンセプトを実践するにはゲーム側で与えられる要素を受動的に消化するのではなく、プレイヤー自身が能動的に7次元先の世界に住んでいるイオンとの端末越しの生活をロールプレイし続ける必要がある。 発売日からリアルタイムでプレイした場合、プレイヤーは2年以上もの月日を毎日彼女と過ごすことになるので、彼女に対する愛着は一般的なギャルゲーのキャラクターとは比較にならないほど深いものとなる。 逆に言えば、そこまでイオンに愛着を持てなかったプレイヤーは2年以上もの虚無期間に付き合いきれずに篩い落とされるという選別が行われ、結果的にファンコミュニティの結束は高まった。意地の悪い見方ではあるが、事実その状態になってしまったのは否定できない。 プレイヤーにイオンとの生活をロールプレイさせ、このテンションを維持したまま続編のアルノサージュへと繋げるのがこの作品の狙いだったが、そういった「受け身ではなく能動的にロールプレイしなければならない」といった話はとっつきが悪い印象を与えるために当然ながら公開的な宣伝では伏せられ、熱心なファンの間だけの認識にとどまっていた。 問題点や上述の項でも触れられているが、本作を(発売当時からリアルタイムで)普通のADVとしてプレイしようとすると次の章が配信されるまでかなりの長い間、虚無期間を過ごすこととなる上、肝心のコミュニケーション部分も同じ会話に動作を繰り返すばかりで変化に乏しい。 はっきり言って客観的にゲームとしての面白さ"だけ"を評価した場合この作品の優れている部分は評価点でも述べられている通りキャラクターの魅力と(外部展開による世界設定込みでの)シナリオの完成度、そして音楽、音声周りくらいしかない。 このコンセプトに対してプレイヤーが理解を示し、7次元先の世界と端末で繋がった生活というシチュエーションに入り込み、イオンと単なるゲームキャラクターを越えた関係を築けるかで評価がかなり変わってくるだろう。 上記で挙げられたようなコンセプトや外部展開主体の手法はTRPGの文法に近いものであり、本作は単体のデジタルゲームというよりもサージュコンチェルトという大枠の中のブックのひとつといった性格が強い。 残念ながら単体の通常のゲームとしても楽しめるようにはあまり作られておらず、「コンセプトを理解しロールプレイし続ける必要がある」という要求は、一般ユーザーにとっては「ゲーム自体が提示するものが貧相なのに対してプレイヤーが脳内で補完してやる必要がある」という意味にしかならなかった。 この問題は結局のところ、作品媒体をも内包する壮大な世界観に対してゲーム自体のクオリティがまるで追いついていないことに起因している。 ギャルゲーとして セールスポイントの1つとしてヒロインと交流し絆を深めていく、言わばギャルゲー要素がある。PSVのタッチ機能を利用したスキンシップも有り、注目を集めた部分である。しかしDLCを含めたシナリオの進行度と好感度に該当するラブラブ度が連動しており、シナリオを放置して交流だけを楽しむことができない問題があった。 ソフト本体(第1章に該当)だけを購入しても関係は赤の他人止まりである。友達にすらなれない。そして続きのDLC(第3章から有料)が配信されるのは数ヶ月後。加えて後述するバグの問題もあった。ギャルゲー目当てで購入した層の大半はここで見限ったと思われる。 そもそもラブラブ度が事実上のシナリオ進行度でしかないことは伏せられていた。発売から半年ほど経ち、イオンと交流することに興味を持っていなかった批判側寄りのユーザーが、毎日熱心にイオンと交流しているユーザーとの間にラブラブ度の差がない点に気づいたことで判明した経緯がある。 つまり思い入れの強いユーザーほど(ゲーム的には)無駄なことに時間を費やしたことになるわけで、しばらくはこの事実を否定または保留する意見が少なくなかった。今は受け入れられているとはいえ、ロールプレイをしているという高い意識を持っていないと白ける話である。 恋人になるためには13年4月配信の第5章まで進める必要があった。交流以外の要素もあったとは言え、当時のプレイヤーはそれまで辛抱強く待たされていた。 なお、プレイヤー側はイオンの姿を普通に認識して話を聞くことができるが、イオンから見たプレイヤーはイオンに対して触れた感覚や想いを伝えるだけの機械でしかないので、このガードの固さはイオンを1人の人間として考えれば当然と言えば当然の反応だったりする(*5)。 しかし、それは設定だけを重んじゲームとしての設計を度外視していることの証左でもある。ゲーム本体だけでは、1年間辛抱強く待ち続けなければ宣伝で謡っているようなコミュニケーションなど全く意味がないのだ。 また問題点で挙げるようにリアルタイム進行による制約があり、思った通りのタイミングでイベントを起こせない。一緒にお話したいと思いゲームを起動しても、寝ていたり食事中で相手をしてもらえないことがある。ゲームとしてはかなり萎える展開である。 完了までの27か月の大半を占めることになった何も起きない虚無期間やDLC費用を無視すれば、デートイベントが豊富で、友達から恋人果ては夫婦までの流れを描いているなど、ボリュームは相当なものがある。 逆に言えばそのボリュームは間延びした配信期間で大幅に希釈されているうえに費用も嵩むものており、実際のプレイ感とはかけ離れている。 多く見られる批判意見の1つが「価格に比してボリュームが無さすぎる、特に本体は基本無料でもおかしくない」というものであり、ファンと批判者との意見はここでも一致を見ない。 関係を深めていくと普段の台詞も変化する。仲良くなれた実感が沸き、一緒の生活がより楽しくなる。 ギャルゲーの醍醐味である告白のシーンはかなりドキドキさせられる。同様にプロポーズイベントもある。 ヒロインが想う相手が主人公のキャラクターではなくプレイヤー本人という設定もポイント。ロールプレイを楽しめる人ならとことん嵌る。 リアルタイムだからこその演出もある。ゲーム起動時には寝ていなければ「あ、きた!」とヒロインが満面の笑みで出迎えてくれる。時間を操作できないからこそ「待っていてくれた」という説得力がある。仕事や学校からの帰宅直後に言ってもらえれば嬉しいはず。 見限った層がいる一方で、上述した魅力の虜になってのめり込むプレイヤーもおり、ゲームのコンセプトの項と合わせて本作が賛否両論と言われる所以となっている。 ただし、結局は「関係を深める=シナリオ進行度を上げる」でしかなく、毎日優しく扱おうが雑に扱おうが実際には差は出ない。 極端な話、ナデナデ要求を拒否し続ける程にイオンを嫌うプレイでもシナリオとデートイベントさえ進めていれば全く問題なく関係は進行するし、仮に機嫌が悪くなったとしてもデメリットは一切ない。 しかも、数回画面を叩いて喋らせるだけで簡単に機嫌は直ってしまう。はたしてこれをコミュニケーションメインの作品と見ていいのか、この点においてもファンと批判者との間で実際には意見は分かれている…最終的には後述のアイテム作成で差が出たわけだが。 また「関係の変化」は本体発売からリアル一年経ってようやく変化らしいものが見られるぐらいに遅く、その頃には登録ユーザーの9割が脱落していた。変化を実感できたユーザーはごく一部である。 リアルタイムでプレイし続ける事を前提としたストーリー進行の制約 エンディングを迎えるには重要カテゴリというアイテムをほぼ全て2個ずつ作って、「とあるアイテム」を作成する必要があるのだが、これを作成するためにかかる工作時間が累計300時間以上かかる。 その重要カテゴリを作成するのに上位素材、上位素材を作成するのに中間素材、そして中間素材を作成するのに膨大な数の下位素材と採取素材が必要となる(参照)。 この膨大な作業量でも発売からリアルタイムでプレイする分には、重要カテゴリアイテムの追加はDLCに合わせて数ヶ月に1度だったので、毎日プレイしていたユーザーからすれば実はそこまで問題ではなかった。 しかしそういったユーザーにしてもアイテムが何個必要になるかまでは最後まで分からず、不足を恐れて最大の9個まで揃えるという力業で対応していた者が多かった。 その場合は累計で1000時間を大きく越える。どちらにしても一般ユーザーが付いてこれるものではない。 しかしDLCが全て実装されたあとに始めたプレイヤーや、コンセプトをあまり理解せず(*6)ストーリーだけを見て放置していたプレイヤーはこの膨大な作業に一気に向き合う羽目となり、ブラック企業社員の如く働かされることとなったイオンと共に地獄を見ることに…。 また、イオンと結婚するには第10章までのデートをほぼ全て行う必要があるのだが、1日1回しか行けない約束デートというものがありこれが63回(*7)、特定の工作アイテムを差し出して行けるアイテムデートが67回もある(参照)。 これもリアルタイムでプレイする分には大した問題ではないのだが、『アルノサージュ』のためにエンディングと合わせて終盤から一気に目指そうとすると重い足枷になってしまう。 『アルノサージュ』の発売時期 エンディングに繋がる最後のセカイパックが配信されたのは2014年7月31日のことなのだが、それより4ヶ月も前にエンディングから直接繋がるストーリーにして、『シェルノサージュ』から続くプレイヤーとイオンの物語の完結編『アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~』が発売されてしまった。 こちらは普通の買い切り型のRPGなので制限なく最後までプレイすることができるのだが、おかげで物語の核心に関する様々な衝撃的事実が本作が完結する前にネタバレされてしまうことに。 ただし、本作とアルノサージュを連動させるとプレイヤーが続編の時間軸の出来事を知っていることを前提とした選択肢やイベントが追加される仕掛けが用意されているので、プレイヤーのこの世界での役割を表現する演出として意図して行われていると思われる(*8)。 また、『アルノサージュ』にも本作を最後までプレイしないと分からない設定があるので、ネタバレを知ってしまったからといって本作をプレイする意義がなくなってしまう訳ではない。 問題点 3Dゲームとしてのビジュアル表現の貧相さ 背景オブジェクトがチープすぎる。ほとんどが紙の板でできているように見え、ディテールも粗い。PS2、ひいてはPS1レベルの出来具合。 キャラのモーションも少ない。イオン以外のキャラのほとんどは決まった動きしかしない。イオンも、長く触れ合うことになるプレイ過程で、モーションを十数種のみ持つと代り映えしない。 上述の量を誇るデートイベントは乱暴的に言ってしまえば数歩でループする背景で少しお喋りしたら終わりという代物である。 工作や食事の種類が多い一方でモーションやオブジェクトがあまりにも少なく、「鍋を食べている場面のはずなのに食パンを齧っている」「電子回路を作っているはずなのに金づちで石をたたいている」といったシーンと合致しない光景が多発する。少ないなりに工夫できそうなところでもまともに選んでいない場面が多い。 モデル自体は及第点。とはいえテクスチャー貫通も目立つ。 女性キャラには乳揺れが印象に残るものがいる。シリアスシーンでもなりふり構わず揺れまくるので、雰囲気が怪しくなること間違いなし。 詩魔法ムービーの質にもアラあり。本作で最も評価される1章と比べて、キャラがその場で適当に動くだけの2章・3章は特に批判される。特に3章は舞台演出が話の中心となる故、ムービーの低品質さはそのまま話の悪さに繋がる。 重要なはずの器具であるシェルノトロンにまともに画像やモデルが用意されておらず、詩魔法もビジュアルエフェクトを欠けたものが多い。 たとえば、7章でシャールが使った攻撃魔法はゲーム外で提供された資料で詠唱文を読解しないと攻撃がどんな性質なのかさえわからない。 コミュニケーションパートのイオンの生活パターンが貧弱。トイレや就寝を除けば机に座っているのがほとんど。殺風景な部屋だからそうなるのは仕方ないのだが…。 せめて家具を配置する機能だったり、それによってイオンの行動が変化するなどがあれば違っただろう。長時間の工作作業をさせると休憩なしで黙々と作業し続け延び一つしないといったディテールの甘さも無機質感と単調さに拍車をかける。 リアルタイム進行による制約 イオンの工作はいずれも時間単位を要するが、仕事の動きは数十秒でループするモーションで占められている。完成所要時間はアイテムごとに決まっており、早めることはできない。途中でトントンして喋らせる以外、待つほかない。 また上記どおりグラフィックが貧しいせいで、臨場感は皆無。リアルタイム進行は作業感を増幅するだけで終わる。 イオンの生活サイクルはある程度プレイヤーと合わせるようにはできるものの、急な生活の変化でイオンの就寝時間がこちらの活動時間になったりその逆もあり、その場合出来ることがかなり制限されてしまう。 イベントが原則1回きり デートは9つのスポットにフルボイスで分岐のあるイベントが約20種類用意されているのだがゲーム中1度しか見ることが出来ない。さらに言えば配信の遅れにより、個々は2~4分程度のデートが数か月に10回強のペースで起きる程度なので密度が薄い。 夢セカイのイベントを最初に見た時や工作完成時の感想の初回(1度目と2度目以降で変わる)、ねりこさんとの会話でも分岐があるのだがこういう会話もやはり1度しか見ることが出来ない。 一部の分岐ではイオンの過去に纏わる重要な設定がサラッと出てきたりするのだが分岐を間違うと当然見れなくなってしまう。OFFLINE版ではロードができるようになったのである程度改善されたものの素直にイベント回想などを用意して欲しかったところ。 この仕様のせいでデートはイベントを全て消化してしまうとミニデートという目的地に着いた瞬間何かと理由を付けてすぐ帰ろうとするイオンを見るだけのイベントしか発生しなくなってしまい非常に味気ない。 さらに当初はミニデートすらなく、イベントを一通り消化した後のデートの誘いは次のDLC配信までのあいだ絶対に断られるようになっていた。 日常会話は2、3回喋らせただけで一時的に会話しなくなってしまい、以降30分経過するまでは相槌を打つだけになる。定期的なコミュニケーションによる好感度上げといった要素もなく、後述の通りシャールのシステムもシナリオが終わればほとんど用を為さない。そのため、イベントを消化してしまうと工作を頼む以外にすることがなくなってしまう。 しかも、工作がゲーム進行に必要な要素だと判明したのは全DLCの配信完了後であった。本作が一部から「虚無ゲー」と評されるのは、このような設計に由来している。 シナリオパートに既読スキップ機能がない 分割されているおかげで比較的問題にならなかったとはいえ、タッチ操作オンリーなので画面をぺちぺち叩き続けねばならない。2012年の作品としては基本部分が極めて遅れている。 詩を聞くだけなら部屋内の「詩を鑑賞」コマンドでいいが、ムービーまで見返したい場合は該当チャプターに行ってムービーが出るまで画面を叩き続けることになる。 特に8章ではオートだとチャプター選択して詩魔法ムービーになるまで30分弱かかるといえば面倒さが伝わるだろうか。 ソシャゲ要素の劣化でしかないシャール・クエーサー送信 シャールはレアとされるものを除いてランダムパーツの組み合わせでしかなく、そもそもレアシャールほど所持者が多い。 その用途はシナリオ進行ながらやることといえば配置してしばらく待つだけであり、シャールの能力は待ち時間を軽減するためのものでしかない。さらにフリーミッションといったものもなく、シナリオ消化後は次のDLC配信まで宙ぶらりんの状態が続く。 バーコード読み取りによるシャール生成システムも一見すると面白そうに見えるが、実際は最初の1体はランダム生成で消去して同じものを読み込めば違う組み合わせが出てくるという雑さ。一応存在する育成要素もどれもアンバランスでやはり全く練られていない(*9)。 世界設定的には重要ではあるものの、ゲームのシステムとしてはソシャゲの上辺だけを真似て育成収集という核を大きく削ったものでしかない。 また当初HymPは新規シャール所有に要求されるポイントとして想定されていたと思われるが、レアシャール所有に必要なポイントが非現実的な数値に跳ね上がってしまったことへの対応処置で頻繁な無料引き換えの発行が為されたため、メインの使い道が事実上消滅してしまった。 ただ、シャールの着せ替えやランダム生成シャール育成等の趣味の領域にはまだ使い道が残っている。 クエーサー送信は個々のユーザーが皆でエネルギーを送るという体のソシャゲ風全ユーザー参加型システムだが、これも実態としては虚無であり参加するかどうかはロールプレイの問題だったと言っていい。 シャールのシンクロ率によって効率が上がるという一応のゲーム的要素は備えているものの、やることといえば「一々個別にシャールを選択>クエーサーメニューを開く>クエーサーへエネルギーを送信させる>シャールの巣に戻る…以下ループ」するだけのソシャゲもびっくりなデイリークエストである。 全ユーザーの送信総量によって全ユーザーに特典を提供するという触れ込みだったが規定値に達しても表示がバグったとして発布を遅らせる、または逆に規定値に及ばなくても発布する、と運営の不備(または出来レース)をひしひしと感じさせていた。 頻発するバグ 軽くは画像乱れ・音飛び、重くは進行不能・強制終了・データ破壊など。PSVのC2エラートリガーとして悪名高い。 最初期バージョンはユーザーを阿鼻叫喚させていた。パッチを重ねた今でもたびたび遭遇するやっかいなバグが多い。 2章公開後にシナリオを一定以上進めるとイオンがタッチに反応しなくなり一切喋らなくなるバグが起きたが、普通にプレイしていれば確実に発生する重篤なバグにもかかわらず修正に1か月を要した。しかもこのバグは数か月後にも再発している。 例えば、ユーザー間のコミュニケーション機能は階層を深く潜っていくにつれて高確率でC2エラーが発生する、本作プレイ後PSVを再起動せずに別のゲームをプレイしているとそのうちにC2エラーが起こるなどあるが、これらは最後まで修正されていない。 「既にバグは治った」という声は、この種の細かい不具合を無視したものであった点に留意する必要がある(*10)。 DLC配信直後に重篤なバグが報告されるケースが多かったが、個人差が大きいことや再度DLすることによって直る場合が少なくなかったことから、本来あるべきDLデータの破損チェックが機能していなかった可能性が高い。 このことから、セーブデータのバックアップを取っておくことはユーザー間で常識化していた。本作はオートセーブのみである。PSプラス(有料)のセーブデータ預かりサービスが始まるまでは外部機器が必要なうえ、何Gバイトもある本体データを含めて丸ごとコピーしなければならない状況が続き、ユーザーに強い負担がかかっていた。 サポート自体も杜撰だった。ガストがユーザーに対してバグ報告をお願いしているにもかかわらず、報告フォームに対して返事を返すことはごく稀であった。特にゲーム内機能によるスタッフへのメッセージに至っては完全に無反応を貫き、ダミー機能と化していた。 報告してもまともに読んでいないのではないかという疑いから、確実にバグ報告を伝えるためには電話を直接かけることが推奨されていたほどである。 そのうえ収集されたバグ情報で公式が公表するものは一部に過ぎず、ユーザー間で自主的にバグ情報を共有し合わねばならなかった。 ちなみに、声優の水瀬いのり氏も本作のアカウントを所持しているのだが、発売から半年後「キャス役の水瀬いのりです。データ壊れた!」という言葉を残して別アカウントを作り直している。それに他のユーザー達が群がってよくあることとして励ましている光景は、本作特有のあまりに特殊なものであった。 コンテンツの持続更新体勢 購入したてのゲーム本体は3~4時間ほどで読了できるボリュームの1章ストーリーとわずかな部屋内イベントしかない。そして2~3ヶ月の間隔で少しずつ追加していく。記憶修復作業でゲーム進行を遅らせてくるが、やはりユーザーのコンテンツ消費速度に耐えられない。 本来なら1ヶ月に1章のペースで新しいエピソードが配信され1年で完結する予定だったのだが開発が遅れに遅れ、時には3ヶ月(Extraシナリオを数に入れなければ5か月)近く新規コンテンツの配信がない時期もあった。そして実際に完結したのは上述の通り2年3ヶ月後のことである。 発売当初の日常会話のバリエーションはさらに乏しく、「生まれ変わったら何になりたい?」という同じ質問をイオンが健忘症のように毎日繰り返してきた。DLCでの追加を前提にしていたにしてもそれに甘えすぎである。 本作にはプレイヤーの誕生日を祝ってくれるイベントがあるが、1年以上の配信は想定していなかったらしく1度きりのイベントだった。よって以降はイオンから忘れられるという悲しいことに。こういった細々とした部分での雑な造りが、本作の主張する「コミュニケーションツール」としての説得力を減少させている。アップデートによる対応可能なはずのそれらも、対処されなかったものが目に付く。 前半部のイオンは良く言えば守ってあげたくなるタイプ、悪く言えば頭が弱くて流されやすいという性格が強調されているが、これは人によって大きく好みの分かれるものである。 シナリオにはその成長物語という側面があるのだが、成長するまでリアル時間で膨大な待ち時間がある性質上、最初からヒロインを好きになれなければそのままリタイアを招きやすい。 追加コンテンツの大半は有料で、最終的にはゲームソフト2本相当の価格。時間的にも金銭的にもユーザーにかける負担は並のゲームを突き放している。 DLC必須なことに対する説明不足 パッケージ版とDL版の本体どちらにも追加DLCについての記述はない。ネット記事や雑誌などでは確かにシナリオが追加DLC形式であることに触れていたが、最も基本的な部分においてはおざなりであった。ファンは周知させていたとするが、何となくで手に取ったような一般層の視点とはかけ離れたものである。 発売前のアナウンスの嘘 当初は「1ヶ月に一度DLCを配信する」以外にも「DLCを入れなくても単体で十分なボリュームがある」「無料でモーションやミニゲームが追加される」などと喧伝していたのだが、実際は本体だけでは体験版レベルの内容しかなく、モーション追加やミニゲームに関しても有料のシナリオDLCが前提で本体のみでは反映されないものだった。 DLCが一か月毎に配信されないことに関しては当初はバグを言い訳にしていたものの、1年経つ頃にはいつのまにか言い訳すらなくなり常態化した。 ミニゲームに関して付け加えると、これは一応じゃんけんの形を取ってはいるが勝率が5割から全く変動しない出来レースでゲーム性皆無な代物だった。 つまり、じゃんけんのふりをする会話が追加されただけであり、ミニゲームと呼べるようなものではない。 本編で語られない設定の多さ 本作というよりサージュコンチェルトシリーズ全体の問題ではあるが良くも悪くもゲーム外のコンテンツで明かされた要素に重要な物が多い。 前日談や後日談、脇役達のサイドストーリー、裏設定等本編で語られない重要なエピソードが限定版の特典CD、当時のWebで配信されていたコンテンツ、絵本、漫画版、小説版、その小説版のおまけで期間限定配布されていたPDFとかなりの数がゲーム外のコンテンツで展開された。グッズ類は当然有料であり、設定に大きく関わるものだけに絞って揃えるとしても軽く一万円を超える。 大筋のストーリー自体は本作と続編のアルノサージュできちんと完結しているのだが、一部この前日談を知っている事前提で進む箇所があり、エンディングも後日談を知らないとやや消化不良感が残る。 ゲーム自体のバグやクオリティのチープさ、配信の遅延等の諸問題が重なっていたにもかかわらず、各メディアでしたり顔で設定を語るディレクターの姿勢に違和感や不信感を覚えて離れていった者は数多い(*11)。 今でこそ外部展開が主なことは認識されつつあるが、その展開手法はコア層向けの内輪臭が強いものだったことや、当時の宣伝がゲームだけで充分な内容を含むかのようなものであったことが、開発と一般層ユーザーとの間に認識の齟齬を招いた。 以前から土屋氏は公式交流サイト「トウコウスフィア」でコアなファン達と一緒に盛り上がっていた経緯がある。いわば本作はその延長線上の、その内輪ノリの楽しさを同人ではなく(外野の一般ユーザーも巻き込んでしまう)商業作品で展開しようとした実験的かつ無謀な試みであった。 現在ではそのほとんどが配信終了や絶版と化していて、作品自体がマイナー寄りな為流通数も少なく、これら全ての内容を把握してストーリーを完全に理解するのは非常にハードルが高い。 ストーリー細部の演出 上記の外部展開に触れずにゲームのシナリオのみを追った場合、キャラの感情変化の過程が説明不足で唐突に映る場面が多いうえに演出もチープで出来が良いとは感じにくいだろう。特に序盤は「無垢なイオンが考えなしに行動した結果問題発生 → 謳って解決(したことにして皆が反省したり感動したりする)」という一見しただけでは雑な展開が続く。しかもこれが最初の一年続いたため、プレイヤーは相当篩に掛けられたと思われる。 一方、各人の背景が掘り下げられるにつれ、序盤の疑問を生む展開は多くが納得できるようになるが(*12)、それまでは混乱必至。 テキストがキャラのセリフだけで進行するのはアルトネリコシリーズのコスモスフィアと同じだが、あちらと違って主人公のイオンは状況に逐一突っ込みをするようなキャラではなく、状況説明や進行役を兼ねた俯瞰視点持ちのマスコットキャラも存在しない。ビジュアル面で見せるという点でも不足していたため、外部展開やExtraシナリオに補足を頼るのが避けられない構造になってしまったきらいがある。 総評 少女とのリアルライフを謳っていたものの技術力と開発費が全く追いついておらず、単純に手抜きと感じられる造りが随所に見受けられ、さらにリアルタイム進行による待ちが必要となる場面が多くストレスフル、バグの嵐も追い打ちをかける。 シナリオも、序盤の演出のショボさと商品のアーリーアクセスに近い販売手法のせいで発売当時は手放しで褒められない。そもそもが「生活感をだせない空間設定」「1分操作しないだけで音も画面も暗転停止する当時のPSV」という条件と生活観察ゲーという形態は相性が最悪であり、それを無視して事を進めていた開発にまともに「ゲーム」を作る気があったかについては大いに疑問が残ると言わざるを得ない。 一方でよく作りこまれた世界観はニコニコ生放送や公式特設サイト、設定資料集の販売などで幅広く外部展開され、ゲーム本体よりもむしろ力が入ってすらいる。 これは普通の感覚からすると優先順位を取り違えているように見えるものの、『アルトネリコ』の時代から設定にのめりこんで公式に入り浸っていたようなコア層にとっては馴染みやすく刺さる手法であった。 つまるところ完全に世界観ありきの造りで特定層だけを狙い撃ちにしたニッチな作品であり、誤解を恐れずに言えばクリエイター土屋暁が商業ゲーム作品のディレクターとしてやるべき仕事もリソースも全て無視して「やりたいことだけを一切の躊躇なくやってしまった」作品である。 よって彼のファンにとっては垂涎の一品、そうでない人にとってはゲームですらない何かとなった。そして実態と乖離した宣伝内容に釣られて(まともなゲームを期待して)購入してしまった一般層と旧来のコア層との間で当然ながら評価が割れてしまい、安くない本体価格にもかかわらずシナリオが半分も進んでいない一年経過時点で既に9割の脱落を招くことになった(*13)。 乏しい本体ボリューム的にも、基本無料の代わりにDLCで稼ぐ形式にしておけば不幸は生まれなかっただろう。 しかし本作と向き合った時間が長ければ長いほど、イオンという存在に対して単なる二次元のキャラクター以上の愛着を抱けるようになるのは確かであり、OFFLINE版が発売され9年経った現在でも本作をプレイし続けてるという熱心なファンも多い。 万人にとってのナンバーワンにはなり得ないが、この作品の持つ世界観にどっぷり浸かることができれば、イオンと過ごした日々はその人にとって一生ものの忘れられない体験になり得る。 また、一方でできない約束を乱発した開発運営の結果「ガスト(土屋 暁)の作品は二度と買わない」というユーザーも少なからず生み出した。そんな両極端な作品であった。 余談 『RE Incarnation』は発売日までにリリースしたDLCを収録したバージョン。その後のコンテンツはやはり別途で購入・ダウンロードする必要がある。 本来通りのスケジュールであればDLCが完結間近であったはずが、不備に不備を重ねて半分も進行できていなかった状況でこんなものを出したら普通は大炎上ものだろう。 だが、幸か不幸か既にユーザーが徹底的に篩にかけられた後だったために外野が騒ぐ程度で終わった。 今でこそ当たり前の動画サイトの生放送を通じて作品のアップデートの最新情報や物語の解説を行う単独のゲーム作品の広報番組だがそれを最初期に行ったのが実は本作である。 一部は現在でも動画サイトで見ることができるので、当時の空気感に触れてみるのも一興かもしれない(*14)。 ネタバレの塊なので本作と『アルノサージュ』を一通りクリア後に見ることを勧めるが「SurgeConcerto WorldSettingDocuments」というサージュコンチェルトシリーズの世界観共有の為に開発者向けに用意され後に一般公開された公式の設定資料Wikiが存在する。これを読めばこの作品が単なるギャルゲーではないことが未プレイ者でも理解出来る筈。 架空言語「契絆想界詩」と「REON-4213」の解説もある。一部の記述は本編との違いがあるので注意。 + 設定資料Wikiとシェルノ・アルノ本編の違いについて 「zu-fao jen-din;」で世界が巻き戻されたとき、設定資料Wikiによればネロが7章におけるシェルノトロンサーバーからの解放すら無かったことにされるが、本編ではレッドスクリーンの原因となる詩が謳われる直前までにとどまり、ネロがぱれす・にゅろきーるに訪れてキャスと打ち明けることに繋がる。 『アルノサージュ』の舞台となる第七紀において、コーザルはいろんな計画を進んでおり、イオンを星詠台に閉じ込めることや、あの「人間を養分にして星を育てる」計画も彼が画策したとWikiにあったが、さすがにこれでは彼が許されない悪役になってしまい大地の心臓に至る資格もなくなるのか、本編では上述の行為が他の者の画策とし、彼が11章で力場に吸い込まれた苦しみゆえにそれらの計画を最初的には同調しただけにとどまった。 ほかにも大筋に影響はないが細部に違いがある(*15)。 本作の発売に先駆けて2012年1月26日にラシェーラの都市、万寿沙羅を定点ライブカメラで観測し市民の会話を聞くことのできるアプリ「genomirai7」がIOSで配信された。 このアプリをプレイしてからシェルノサージュ本編を始めると、世界観によりすんなり入っていけたのだが、残念ながら現在は配信終了している。 7次元先の世界と現実世界の繋がりを表現する一環としてゲームのイベントと連動する2つのイベントが行われた。 1度目が2012年12月6日~31日限定で発生したイオンが絵本を描く「7つのソラを越えた想い」イベント。描かれた絵本は「フィラメントスター」というタイトルで実際に星海社より出版され、コミックマーケット83のガストブースにてイオンの世界から送られてきた本という体で先行販売された。 この絵本は続編のとあるイベントにてイオンとプレイヤーの関係性を表すアイテムとして密接に関わってくる(*16)。 2度目が2013年9月から無料DLCとして配信された「7つのソラを越えたレシピ」イベント。イオンがこれまで作ってきた料理をレシピブックにまとめるというイベントなのだが、そのレシピ本がこれまた星海社より「イオンのあなたと作りたい♪レシピブック」というタイトルで出版された。 このレシピを元にゲーム中でイオンが作った料理を実際に再現したメニューが当時秋葉原に存在したメイドカフェ「シャッツキステ」(2020年閉店)にて期間限定で提供された。 本作の特異性を象徴するものとして今でも語り草となっているのが「ラストメッセージCD」の存在だろう。 2014年3月6日に発売された『アルノサージュ』と、2014年7月31日に配信された最後のセカイパックをもってサージュ・コンチェルトの物語は完結したのだが、その後12月28日より本作の真のエンディングを迎えることのできたプレイヤーを対象に、『シェルノサージュ』のクリア認定証とイオンからプレイヤーに向けた感謝のメッセージが収録されたCDが販売された。 このCDであるがなんとプレイヤーの名前がイオン(CV 加隈亜衣)により1枚1枚収録され、さらにシェルノサージュのサーバーに保存された個々のプレイヤーが選んだ選択肢に合わせて内容が変化するという正に世界に1枚しか存在しないものになっていると当時のインタビューで語られている。 なお、下記のOFFLINE版はこのキャンペーンの対象外。 「リアルタイム」「少女との付き合い」という触れ込み、そしてバグの多さは同年に発売された『NEWラブプラス』と結び付けられた。 実のところ、世界設定ありきでゲームを志向していない本作と、あくまでゲームであることを基本に置く『ラブプラス』とでは目指すものが根本から異なっており、比較自体がナンセンスである(*17)。 これらはゲハ論争に発展しKOTYに選評が届く事態にまでなったものの、バグばかりが問題にされ作品の本質については正しく語られたとは言い難い。そして本作について出された結論は「ゲーム性自体は十分にあり、バグが直ったから選外」という投げやりなものであった。 当時の選評は「本作を1つのゲームとして評価するなら」決して間違ってはいないものだったが、ファン層はそもそもゲームを求めておらず、その意味では的外れと言えた。 一方で擁護意見も「バグは多いがシナリオはいい」といった、当時のシナリオの範囲の出来と合致しないうえに肝心の外部展開にも触れない不自然な内容が多かった(*18)。 ゲームのみを重点に取り扱うKOTYにマルチメディア展開に詳尽な評価を下せというのは些か無理であったとはいえ、ゲームのみの評価である選評を嘘扱いしたあげくにシャールにさえゲーム性があることにしてしまった当時の議論は異常なものだった。この一件は、匿名掲示板の議論に大量の無関係の人間が流入すればまともに成立しなくなることを物語っている。 シェルノサージュは発売前の3か月だけでも2大ゲハブログで50以上も記事が作られるなど規模に見合わない不自然な取り上げ方をされており、実際に作品に触れていない怪しげな連中が擁護と批判双方に多く混じっていた可能性が高い(*19)。 作品を無謬として問題をバグだけに押し付けようとした一部の先鋭的なファンと、バグをネタに嘲笑したいだけのアンチの利害が奇しくも一致した結果ともいえる。本作に対する冷静な意見が見られるようになったのはごく最近の話であり、今なお過去の爪痕は深い。 2017年4月12日より本作と設定や世界観を共有するスマートフォン向けソーシャルゲーム『拡張少女系トライナリー』が配信された。 並行世界の本作のとある人物が物語の鍵を握るキャラとして登場する他、コラボイベントも行われた。ゲームコンセプト的にも共通点が多い。 僅か1年半でサービス終了となったが、世界観偏重の内輪向け作品という傾向は本作と共通しており、サービス終了したあともメディア展開は継続した。 2019年の7周年の際にサントラ・ボーカル曲セット『ETHESTRON ~Surge Concerto sonic-spheres complete BOX』が発売された。付属する7インチレコードのレコード音源(ダウンロードサイトも付記)で本シリーズ完結の後のイオンの動向が語られる。 同時に本作仕様のニキシー管時計(107,307円)が受注生産されたのだが、こちらも4期まで受注を採れるほど応募者がいた。 シェルノサージュ OFFLINE ~失われた星へ捧ぐ詩~ 【しぇるのさーじゅ おふらいん うしなわれたほしへささぐうた】 ジャンル 7次元コミュニケーションゲーム 対応機種 プレイステーション・ヴィータ 発売元 コーエーテクモゲームス 開発元 ガスト 発売日 2014年10月2日 定価(税抜) 通常版 5,800円ダウンロード版 5,143円AGENT PACK 8,800円 判定 賛否両論 ポイント オンライン版の有料DLCをほぼ内包時間操作で幾分は楽に相変わらずの高いプレイハードル 概要(OFFLINE) ゲーム起動にガストのサーバーへの接続が必要なくなったOFFLINE版。『シェルノサージュ』の完全版ともいえるバージョン。 続編『アルノサージュ』のPSV移植版である『アルノサージュPlus』との同時発売である。 変更点(OFFLINE) 時間操作機能の追加。未来へスキップできるように。過去へも一般のゲームらしくセーブデータをロードすることでいける。 季節限定の追加イベント、時間を教えてくれるコマンド、プレイヤー自身のことを話す(そしてイオンの反応を聞く)コマンドなどが実装される。 無印では食事、デート、睡眠の時間を任意の曜日、時間に決めて実際にその時間まで待つ必要があったが提案したらその場で行えるようになった。また約束デートは別なスポットなら1日複数行ける。 一定の条件を満たすとイオンの容姿をシェルノサージュとアルノサージュを両方プレイしたユーザーには感慨深い「ある人物」の姿にすることが出来る。 評価点(OFFLINE) 無印版の有料DLCをほとんど内包 オンライン版であればゲーム2~3本相当の金額を要求されていた内容を通常の価格で楽しめる。 数か月毎のDLC配信形式から解放されたことによりゲーム上およびシナリオの構成上の問題が軽減された 無印版は配信の遅れもあり「ゲーム単体の描写では疑問符が付くキャラクターの行動や感情描写の不足が数か月先のDLCまでフォローされない」「購入が必須ではないはずのEXシナリオでそのフォローを行っている」といった構成上の問題を抱えていた。OFFLINE版も外部展開に大きく依存しているのは変わらないものの、その点ではまともになったと言える。 無印の人を選ぶ最大の要因であった「次のDLCが配信されるまではシナリオと生活パートの双方で何も起きなくなってしまい、机とベッドとバスルームを往復するだけのイオンを眺めるだけになってしまう」虚無期間に付き合う必要がなくなった。 すでに工作がゲーム進行上必要な行為と判明している点からも、何の意味があるのかわからないという不安を抱えたまま工作作業を頼み続けるという虚無感から解放されている。 ネット接続無しでプレイ可能に 無印版はプレイするのにネット接続が必須だったので、携帯機のゲームにもかかわらずPSVを3G回線に契約するかフリーWi-Fiスポットのある場所でないと限定的な要素しか外出先でプレイすることができなかったが、これで何時でもどこでもイオンの生活を覗くことが出来るようになった。 また無印版はオンライン専用であるが故に、サーバー側の都合で事実上プレイ不可能になる日が来ることが予想される(*20)が、オフラインならこの問題とも無縁である。 無印版のデータを引き継げる 無印版を発売日からプレイしていたユーザーは、2年以上の月日を"無印版の"イオンと共に過ごしてきたのだが、そのイオンとのデータをOFFLINEに引き継ぐことができる。これで上述のいずれ訪れるであろうサーバー終了の日を迎えても安心。 3G契約のキャンペーンや雑誌の特典で付いてきた限定のデートスポット「プラネタリウム」や一部衣装は、この方法で無印版から引き継がないと入手出来ない。 時間操作で快適に 無印版にもあったリソースのHymPを支払う必要があるが、所要量はごくわずか。 イオンが就寝したら朝までスキップ、工作を開始させたら終わった後まで飛ぶ、などの目的なら余裕。よほど無駄な飛ばし方でもしない限り自由に飛ばせられる。 無印と比べて圧縮したプレイ過程にできるが、無印版の更新速度が遅すぎるだけで、ようやく普通のゲームと同じペースで遊べると言えよう。 重要であろう工作完成感想も、完成の瞬間から離れていてもしっかりしてくれるので聞き逃れの心配もない(*21)。 リアルタイム進行のらしさを残しながら不便さを一気に解決したのである。 複数セーブ、ロードも可能に 無印版ではPSVのバックアップ以外で原則ロードをすることが出来ずセーブもオートセーブで分けることはできなかったので同じ場面をやり直す事は不可能だったがOFFLINE版では可能に。 これにより一度しか見ることのできなかったイベントを何度も見返せるようになった。 しかし、『アルノサージュ』でイオンから提示されたこのゲームならではの"ある設定"を知ってしまうとやり直すのが少し躊躇われるかもしれない(*22)。 賛否両論点(OFFLINE) 楽にはなったが、相変わらず時間はかかる 時間操作はあくまで待機時間等を飛ばせるだけであり、記憶修復・採取・調合といった作業をチマチマとこなすゲーム性は変わっていない。 一般的なソーシャルゲームのスタミナをほぼ無尽蔵に回復できるといえば近いか。ノベルパートだけを楽しむようなプレイは不可能である。 それでも無印よりは早くクリアまで辿り付けるため、当シリーズに興味はあるが膨大な有料DLCの前に二の足を踏んでいる層にとっては救いとなった。 ストーリーの複雑さは変わっていない 外部情報を取り入れないと分からない情報や独自の概念は依然として多い。 コンセプトの否定 時間操作の実装で確かに遊びやすくはなったのだが、その分7次元先の世界に住む少女と共にリアルタイムで生活を送る、というコンセプトは薄くなってしまっている。 本作のエンディングや続編の『アルノサージュ』は、イオンとリアルタイムで過ごした時間の深さがプレイヤーの感情移入に直結すると言っても過言ではないため、無印版本来のコンセプトを理解してプレイしていたプレイヤーからは、このシステムを否定的に捉える者も多い。 『アルノサージュ』から知った層や新規にとっては短期間で一気に読み進められるOFFLINE版はありがたい存在であり、一概に改悪とは言い切れないので賛否が分かれるところ。 時間操作機能を使わなければDLCが全て実装されたあとの無印版に近い感覚で遊ぶことはできる。 無印版はオートセーブでやり直しが利かないからこそ、イオンに対してプレイヤーが取った個々の行動に意味があったのだが手動セーブ、ロードの実装でこれも意味が薄れてしまった。 一般的なゲームなら便利になることは歓迎されるべきことなのだが、こうした賛否が出てしまうほどにこの作品の世界観に入り込んでいたプレイヤーにとっては、不便さすらも7次元先の世界の実在性を演出する魅力となっていたのだ。 起こったことを話すコマンド プレイヤー自身に対応できるネタに限りがある。そしてコマンドを選択したらキャンセルできず、自身が思い浮かべたことがうやむやのまま発せねばならない癖の強いコマンドである。 問題点(OFFLINE) オンライン要素 本作は完全なオフライン専用タイトルではなく、「OFFLINE」の題目と矛盾が生じている。 季節限定イベント OFFLINE版でも唯一時間判定がガストのサーバーに依存する要素、つまり本体時間をいじって目当ての…という手段は通じない。OFFLINE版の名前負け。 もっとも、本作の開発コンセプトを考えれば時間を飛ばすのは本来言語道断である。季節限定イベントのリアルタイム連動はOFFLINE版でユーザーに最大限譲歩した開発者の最後の抵抗と言えなくもない。 ちなみに季節限定イベントは2年目以降、1年目とは別なパターンのイベントが用意されており全てのイベントを見ようと思ったら無印版の完結に要した時間と同じく2年プレイし続ける必要がある。 ボイスデータは別途PSストアから無料ダウンロードする形を取っている。DLせずともゲームクリアに支障は無いが、一部台詞がボイス無しになる。 イオンが異常に疲れやすい 不具合なのか時間操作や複数作成を踏まえてのバランス調整なのか不明だが、無印に比べてイオンがすぐに疲れてしまう。 現実時間に合わせてプレイしていた場合、採取と工作(*23)をそれぞれ3回行うとほぼ確実に「とても疲れています」状態になり、18時には風呂に入って眠ってしまう。 無印版は採取に3回出かけたあとさらに工作を6回程度はこなせる体力があり、普通にプレイする分には疲労を気にする事はほとんどなかったのだが…。 この問題とは別に採取時にソフトを起動したままにしていると、疲労度が異常に早く蓄積するという不具合(未修正)もあり、時間操作を活用するとさほど邪魔にならないが、とにかく無印版のコンセプトを大事にしたい層に優しくない。 食事 寝起き、昼12時、午後6時で固定した平常の食事準備だが、作り置きした料理を食べくれない。バグなのか仕様(*24)なのか不明だが、プレイヤーが料理を頼んで作り置きしてもらっても平常食事時に選ぼうとせず、毎回新しい料理を作るか果物を食べだしてしまう。 この仕様のせいでイオンが無駄に採取に出掛けて料理を作ってしまうため、上述の疲労度の問題に引っかかりやすくなっている。しかも料理に時間を消費してしまうので、1日辺りに使える工作の時間も減る。 また無印では献立思考中に料理を頼むと、その料理を作って食べてくれたのだがこれも廃止されてしまっている。 時間を飛ばさずに食事を始めるまでに待つと進食前感想がスキップされてしまう。食事中まで時間を飛ばしても進食中感想 → 進食前感想の順に発表される、といった具合に怪しい処理が多い。 プレイヤーが頼んだ料理の感想を聞きたかったらその場で冷蔵庫にある料理を食べてくれるコマンド「一緒にご飯を食べよう」で食べてもらうしかないのだが、優先度の設定に問題があるのか空腹状態でも作り置きした料理を無視して果物を食べてしまうことが多い。 確実に目当ての料理の感想を聞くにはセーブして食べる料理をリセマラしなければならないという不自然な仕様になっている。 イオンが独り言を言わなくなった。 無印では放置しているとイオンが様々な独り言を喋っていたのだが、何故か削除されてしまった。環境ゲーム的な側面が強い本作では、重要な要素だと思うのだが…。 有機ELを採用していた当時のPSVでは一分間の放置で画面が暗転し音声も停止したため、実際には本作を環境ゲームとしてプレイするのは無理があった。それを明確化させたかったのかもしれない(*25)。 削除された要素 イオンのタスク移行時のモーションがアイキャッチに取り替われる形で消失。中には専用モーションが。ただ代わりに挿入されるイオンのイラストは非常に可愛らしい。 特にバスルーム内タスクの多くは覗けなくなってしまった。 一時期経った後のONLINE版では行動変更時に一瞬ながら高速ワープしたり体がねじ曲がったり座標がおかしくなったりする表示バグが発生していたため、それを潰すための処置だと思われる。座標を変更する際に座標が違ったまま強引にモーションを繋げていた結果の産物だろう(*26)。 + ネタバレ 記憶修復具合に応じて部屋がひび割れしなくなり、ターミネイト突入時に一気に崩壊する。 無印ならターミネイトでようやく覗けた風呂は、終始カーテンがかかったまま。 相変わらずのバグの多さ 上述のバグか仕様か怪しい現象の他にもゲームがクラッシュするような致命的な物は存在しないがやはりバグが大量に存在する。 大半はパッチで修正されたものの一部深刻な物が未修正になっており本作をベースとしたリマスター版のDXでもそのままになっている。 総評(OFFLINE) オリジナルは「通常のテキストアドベンチャーにして分割商法などしなければ誰も不幸にならずに済んだ」とも言われていたが、その膨大な負荷とコンテンツ・技術不足をものともせず生き残ったファンの一部はOFFLINE版をして「7次元先の世界とコミュニケーションを取る"ツール"から普通の"ゲーム"になってしまった」とも評する。 いずれにせよ本作は超スローライフしか歩めなかった無印版からかなりの時短が可能になり、プレイ負荷は良くも悪くも常識的な範囲に収まることになった。 ただし、なおも作業ゲーである点や世界設定を外部に依存する点は変わらず。 余談(OFFLINE) ガストショップ限定ではあるが、無印購入者を対象に本作が値引きされるディスカウントキャンペーンが行われた。最大まで値引きされると1500円で購入できてしまう。 その値引き方法であるが無印のサーバーにあるデータと照合してクリアしていると-500円、夫婦になっていると-1000円といったように無印の進行状況で判定されるという一風変わったユニークなものになっている。 シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ DX 【しぇるのさーじゅ うしなわれたほしへささぐうた でらっくす】 ジャンル 7次元コミュニケーションゲーム 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4Windows(Steam) 発売元 コーエーテクモゲームス 開発元 コーエーテクモゲームス(ガスト) 発売日 2021年3月4日 定価(税抜) 5,800円 判定 劣化ゲー 概要(DX) 『OFFLINE』のリマスター版。『アルノサージュDX』と同時発売。 評価点(DX) オンライン要素が完全に取り払われている OFFLINEの名を取り上げられてから、というツッコミどころだが、これでネットにつながらずとも季節イベントを見られるように。 ハード本体時間変更で目当てのイベントを狙えるようになった。 しかし本体時間を前後させたら、プレイヤー側時間が関わるシャールウィッシュが更新されなくなり、HymP収集に支障をきたすことがある。 なお同じくプレイヤー側の1日1回できるクエーサー送信は問題なく継続できる。 据置機でプレイ出来るようになったことによる恩恵 元はPSV専用ソフトだったのでどうしても映像面や音響面で限界があったが、モニターに出力できるようになったことでよりクリアな環境で楽しめる。 7次元先の世界を端末を通して覗き見る感は薄れてしまうが、モニターで等身大サイズのイオンと生活できるのは、オリジナルとはまた違った魅力があると言えるだろう。 賛否両論点(DX) ボイスメール ゲーム内での進行状況によってゲーム外で届く仕組みであったボイスメールは、ゲーム内で受信・閲覧できるように。 ただ編集に問題があってか変なところで再生終了になったものもある。 シャール雇用の謎の仕様変更 新しいシャールを勧誘する為のコードを読み込むと、次の勧誘までに1時間待たなければならないようになった。無印及びOFFLINE版共にこんな制限は存在せず何故変更したのか謎である。 時間を操作すればこの1時間も飛ばせるが、交流の為に必要だった(*27)無印と異なりOFFLINE版は各属性のシャールを揃えれば新たなシャールを雇用する必要性は薄いため(*28)、この制限は使えるHympが少ない最序盤のプレイの嫌がらせにしかなっていない。 オリジナルの方がよほど実際の待ち時間は長くHymPの形骸化も強い…というかシャールは世界設定の構成要素としてはともかくゲームシステムとしては最初から破綻しているものであり、前の方が良かったとは単純には言いがたいところがある。 こういったオリジナル至上主義的な批判は、バグ以外の面でもけっして無謬ではなかったそれを神格化する一部の過激なファンの主観によるものが大きいだろう。まあDXはそういった人達こそが購入層ではあるのだが… 問題点(DX) 触りモードの劣化 PCに合わせてかカーソルエイム式になったが、タッチパネルを持つPS4(DUALSHOCK4)とSwitch版でもそれに準じてタッチ操作はなくなってしまった。 それだけでなく、ゲーム内ではPS4のDUALSHOCK4もSwitchのゲームパッドも左スティック押下+移動という癖の強い操作方法で固定されていて、目当ての箇所を触り難く、スティックに非常に負荷が掛かる。アーシェスにレーザービーム当てるよりダイレクトに端末の干渉を妨害出来るのでは…。 コントローラー側でコンフィグすればいくらか操作感は改善されるものの、ほかのゲームとの兼ね合いの問題は言うまでもない。もっとも、元のオンライン版自体が他のゲームとの兼ね合いなど一切考慮していないのだが。(*29) こういう操作方法は『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』の初期バージョンなどでよく批評されたが、あちらのようにアップデートで別の操作方法をゲーム内で提供することはなかった。 アルノのおまけ要素としてのタッチとは違い、シェルノの場合はメインとなっているので、ゲーム体験に深刻な影響を与えてしまった。画面をタッチする操作「トントン」は本作の代名詞とも言える要素だったのでこれでは台無しである。 スリープ時に時間の進行が止まる お触りと並んで重要な要素だった時間の連動も廃止。ハードをスリープするとその間の時間の経過が止まり、時間操作で合わせないとどんどん現実時間と時間がズレていってしまう。 これを回避するにはスリープで中断する度に毎回セーブして再開時にロードして経過時間を進めるしかない。 OFFLINE版で時間操作が実装された時点でリアルタイム制は形骸化していたが、あくまで時間を操作するというプレイの選択肢も用意されているだけで無印と同じくリアルタイムでプレイすることもできていた。 触りモードと時間連動の仕様変更はゲームの根幹を揺るがす重大な変更にもかかわらず発売まで伏せられておりWin版アルノサージュの一部表現の変更と併せて物議を醸した。 もっとも、無印の記述にもある通りオリジナルも工作依頼などで簡単に現実時間とずれてしまう。オリジナルからして現実時間と合わせる気はない作りであり、プレイヤー側が頑張ってコントロールすれば合わせることもできるという程度のものだった。その設計思想を継承しているだけともいえる。 なんちゃって高画質化 平時では光影表現が薄くなっていて、fpsも低い。 ムービーにだけ光影表現が復活するが、今度は解像度が落ちる。 DX版を含んだジェノミリンクは同ハード内でしかできない メーカーの違うNSのシェルノとPS4のアルノとの連動ができないのはまだしも、旧PSV版・PS3版のソフトとDX版のも連動できない。PSV版『シェルノサージュ』とPS3版『アルノサージュ』ができたと考えるとまた劣化。 また、無印版 → OFFLINE版シェルノへの引継ぎのようにPSV → DXへの引継ぎはできない。つまり、旧ハードでのイオンとの積み重ねをDX版に移すことはできない。DXのキャッチコピー「ーあなたに出逢えた、あの奇跡の瞬間を、もう一度ー」とは、一からのやり直しを意味する。 もっともマルチの都合を考えると引き継ぎの実装は難しく、それでなくともOFFLINE版ですら既に7年前の作品なので仕方の無い面はある。 しかし、この影響で無印版の引き継ぎのみで使用出来た限定のデートスポットや衣装が失われてしまった。OFFLINE版のベタ移植な以上データは残っている筈なので、引き継げないにしても別な形で実装はできたと思うのだが…。 総評(DX) 7年越しのリマスター版だが、PSVのOFFLINE版と比較して、特にコミュニケーションパートにおいてコンセプト崩壊レベルの劣化点が目立つ。 PSV版をプレイしていたユーザーからの批判が相次いだタッチ操作と時間連動の仕様変更はマルチ化した際、各ハードに合わせる手間を省いた結果と言わざるを得ず、どれか1つの機種に絞って開発していればと思わずにはいられない。 とはいえ旧バージョンのPSVに付きまとっていた「環境ソフトめいた作風にもかかわらず放置していると暗転し音が止まる」という致命的な問題は完全になくなってもいる。 そもそもオリジナルの"コンセプト"はユーザーに強い負荷を敷き大量の脱落者を招いた負の側面を抱えており、けっして手放しで賛辞出来るものではない。それでありながらもその点にこだわった不評の多さは、本作購入者のほとんどが熱烈な既存ユーザーであったことを窺わせている。 余談(DX) 通常版の他に『アルノサージュDX』とセットになった限定版が3種類発売されたのだが「AGENT PACK CODE SILVER/.」(税込19,250円)、「CODE GOLD/.」(税込27,280円)はこの手のゲームの限定版の価格としては分かるとして最上位セットの「CODE GOLD/. with 7DGATE CONNECTION Bundle.」はなんと108,790円である。 これでも即時完売してしまうのだからこの作品に魅せられたユーザーの熱量は凄まじい。 内訳の4万近くを占めるフィギュアの出来に憤慨するユーザーも多かったが…。 「CODE GOLD/.」に付属しているインタラクティブドラマCD「私の想い、あなたに届け――」には描き下ろし曲「ih=fao-i iyon-du;」が収録されるほか、上記の7インチレコードの音源のさらに後のイオンの動向が語られ、当時サービス終了してすでに2年も経過した『拡張少女系トライナリー』とのつながりを意識した内容がある。 『拡張少女系トライナリー』をプレイできるはずのないサージュ新規プレイヤーなどの層に、プレイ動画を通しての履修をファンがすすめた結果、「トライナリー令和世代」が生まれたとか。 『トライナリー』の方は2021年12月10日から特注グッズと一緒に「ラストメッセージ」に似た個々のヒロインとの交信サービスが始まったが、1人に付き197,001円の出費がかかる。
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草案 シェルノサージュ~失われた星に捧ぐ詩~ メガリザードンX:テレフンケン チラチーノ:キャスティ・リアノイト/キャス エリキテル:プライム・セオジウム/プラム 使い手のシトロンに似ているので テールナー:カノイール・ククルル・プリシェール/カノン クチート:ネィアフラスク/ネイ カクレオン:雑貨屋ねりこさん ハハコモリ:レナルル・タータルカ ムクホーク:白鷹 ニャオニクス:サーリ・プランク ノズパス:ジル 使い手のツツジは教師なので ポリゴンZ:クラケット・パルミウム スターミー:ネロ モンメン:にゅろきー フーディン:リーヴェルト アルノサージュ~生まれいずる星へ祈る歌~ ゴウカザル:デルタ・ランタノイル ゴビット:アーシェス -- (ユリス) 2016-09-07 22 10 56
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