約 1,366,907 件
https://w.atwiki.jp/miraclemoon_u/pages/37.html
職と武器コア 70、80、90の武器コアと職の早見です。 便宜上、ABCグループに分けました。 オクで探したりトレチャに反応する時にお役立てください。 Aグループ(盾、斧、双剣、太刀、聖剣) 70:タイタン 80:フィジクス 90:ロビン Bグループ(双銃、砲、ダガー、弓、手裏剣) 70:ネブラ 80:クラップ 90:クレイン Cグループ(杖、琴、書、鎌、槍) 70:バラフ 80:マーベル 90:アイビス
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/43646.html
暗黒惨劇 C 闇 (3) 呪文 ■S・トリガー ■次の能力を3回行う。 ▶相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのパワーを-1000する。 作者:シザー・ガイ 一瞬1000マイナスは強すぎないか?って思ったんですが、《鬼奥義 ザコダケ・イッソー》があるし大丈夫だろうと思って。 収録 パロディ・パックSG-01「邪神帝アイビス君臨!?」 フレーバーテキスト 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/srwogskouryaku/pages/218.html
OG1リュウセイルート キョウスケルート 共通ルート OG2 武器改造引き継ぎOG1 OG2 引き継ぎそうで引き継がないユニットOG1 OG2 OG1 リュウセイルート 引き継ぎ元 引き継ぎ先 ゲシュペンストMk-IITT(リュウセイ機) ビルトラプター(FM) ハガネ ハガネ(武装追加) ハガネ(武装追加) クロガネ キョウスケルート 引き継ぎ元 引き継ぎ先 量産型ゲシュペンストMk-II(キョウスケ機) 量産型ゲシュペンストMk-II(カチーナ機) 量産型ゲシュペンストMk-II(エクセレン機) 量産型ゲシュペンストMk-II(ラッセル機) アルトアイゼン アルトアイゼン(武装追加) ヴァイスリッター ヴァイスリッター(武装追加) 共通ルート 引き継ぎ元 引き継ぎ先 R-1 R-1(武装追加) R-2 R-2パワード R-3 R-3パワード OG2 引き継ぎ元 引き継ぎ先 アルトアイゼン・ナハト アルトアイゼン アルトアイゼン アルトアイゼン・リーゼ ヴァイスリッター ライン・ヴァイスリッター ガーリオン・カスタム ズィーガーリオン カリオン アステリオン R-GUNパワード(合体攻撃無し) R-GUNパワード グルンガスト参式 ダイゼンガー ヒリュウ改 ヒリュウ改(武装追加) ハガネ ハガネ(武装追加) ハガネ(武装追加) クロガネ アンジュルグ アンジュルグ(後期) ヒュッケバインMk-III・トロンベ ヒュッケバインMk-III・タイプR 基本的に引き継ぎのある機体の場合、引き継ぎ元のユニットは消滅する。 武器改造引き継ぎ OG1 引き継ぎ元 武器名称 引き継ぎ先 武器名称 ゲシュペンストMk-IITT(リュウセイ機) T-LINKリッパー ビルトラプター(FM) HBRアンダーキャノン ハガネ トロニウム・バスターキャノン クロガネ 超大型回転衝角 OG2 引き継ぎ元 武器名称 引き継ぎ先 武器名称 アルトアイゼン 3連マシンキャノン アルトアイゼン・リーゼ 5連チェーンガン アルトアイゼン ヒートホーン アルトアイゼン・リーゼ プラズマホーン アルトアイゼン リボルビング・ステーク アルトアイゼン・リーゼ リボルビング・バンカー アルトアイゼン スクエア・クレイモア アルトアイゼン・リーゼ アヴァランチ・クレイモア アルトアイゼン 「切り札」 アルトアイゼン・リーゼ エリアル・クレイモア ヴァイスリッター オクスタン・ランチャーE ライン・ヴァイスリッター ハウリング・ランチャーE ヴァイスリッター オクスタン・ランチャーB ライン・ヴァイスリッター ハウリング・ランチャーB ヴァイスリッター オクスタン・ランチャーW ライン・ヴァイスリッター ハウリング・ランチャーX カリオン(銀・アイビス機) ホーミングミサイル アステリオン マシンキャノン カリオン(銀・アイビス機) ソニックカッター アステリオン ソニックブレイカー カリオン(銀・アイビス機) Gドライバー アステリオン マニューバーRaMVs グルンガスト参式 アイソリッド・レーザー ダイゼンガー 斬艦刀・電光石火 グルンガスト参式 ドリル・ブーストナックル ダイゼンガー 斬艦刀・大車輪 グルンガスト参式 オメガ・ブラスター ダイゼンガー 斬艦刀・雷光斬り グルンガスト参式 参式斬艦刀 ダイゼンガー 斬艦刀・雲耀の太刀 ガーリオン・カスタム マシンキャノン ズィーガーリオン ブレードレールガン ガーリオン・カスタム ソニック・ブレイカー ズィーガーリオン ソニックアクセラレーション ハガネ トロニウム・バスターキャノン クロガネ 超大型回転衝角 基本的に、武器改造の引き継ぎは同名のものに対して行われる。上記のものは例外。 グルンガスト参式とガーリオン・カスタムは引き継ぎ前の方が改造費用が安い。後継機も主力級なので先行投資を推奨。 逆に、ヴァイスリッターのオクスタン・ランチャー各種は引き継ぎ後の方が改造費用が安い。改造するならば通常戦闘用のBと合体攻撃用のWの改造のみにすると資金を無駄遣いせずにすむ。 引き継ぎそうで引き継がないユニット 引き継がない場合は、元のユニットは残る(シロガネのみ例外) OG1 引き継がない元 引き継ぎそうで引き継がない先 リオンF アーマリオン ゲシュペンストMk-IITT(アヤ機) R-3 ゲシュペンストMk-IITT(ブリット機) ヒュッケバインMk-II ビルトラプター R-1 R-1 SRX ゲシュペンストMk-II・タイプR ゲシュペンスト・タイプR グルンガスト グルンガスト弐式 グルンガスト グルンガスト2号機 ビルトシュバイン ヒュッケバイン009 ヒュッケバインMk-II ヒュッケバインMk-II・トロンベ ヒュッケバイン009 ヒュッケバイン008L F-28メッサー SF-29ランゼン OG2 引き継がない元 引き継ぎそうで引き継がない先 アンジュルグ アシュセイヴァー、ヴァイサーガ シロガネ ハガネ ビルトラプター R-1 アルブレード R-1 R-1 SRX グルンガスト グルンガスト2号機 グルンガスト弐式(ヒュッケバインMk-II) 龍虎王(虎龍王) ヒュッケバインMk-III・トロンベ アウセンザイター 量産型ゲシュペンストMk-II(カイ機) ゲシュペンストMk-II・タイプS ビルトビルガー ビルトビルガー・L ビルトビルガー ビルトファルケン
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/366.html
life goes on ◆XrXin1oFz6 Jアークの小さな医務室のベッドで、シャギア・フロストは2時間ほど前に流れた放送を思い返していた。 放送と同時に配布された名簿を見て、彼は小さく息を吐く。 分かっていた。分かっていたことだが、その分かっていたことがとても重い。 オルバ、比瑪、ガロード――死したものが読み上げられる以上、放送名前が呼ばれるのも、この名簿に名がないのも当然だ。 だが、あのどこまでも自分たちの策謀を打ち砕き立ち塞がった少年、ガロード・ランならと小さく思ってしまったのも事実。 随分と弱気になったものだと自嘲する。 この世界に来る前ならば、おそらくこんなことを考えることもなかっただろう。 医務室から覗く窓の外では、機動兵器たちが落ちたパーツを回収している。 この二時間で、事態は大きく変わりつつあった。 話に聞くと、 騎士凰牙の腕は修繕できるとか、 マシンセルという特殊なナノマシン入りの腕が回収されたとか、 パーツの具合でもしかしたらストレーガとガナドゥールの再合体が可能になるかもしれないとか。 マテリアル的な話だけではない。 あのインベーダーたちの登場から続くさまざまな事態の急変。 もはやこのバトル・ロワイアルという形式を取ったデスゲームもまた崩壊しつつある。 終わりは、近い。 どんな結末になろうと次の放送はないだろうとシャギアは意識した。 ベッドから降りて、シャギアは立ち上がる。 適切な治療が施され、二時間以上ばかり休ませてもらった以上、身体的な疲れはもうそれほどではなかった。 寝ている熱気バサラ――そう言えば、ナデシコでも気絶していなかったか?――の横を抜け、医務室から出る。 医務室の外も、相変わらずの静寂だ。 おそらく医務室や解析器具のある中枢部などに人手を回すので精一杯なのだろう。 随分甘いことだとシャギアは小さく笑う。 自分が殺し合いに乗ってないという論拠など、どこにもない。 それにも関わらず、よくも自分を野放しにできたものだ。 今自分が銃器などを持って中枢などを強襲すれば、どれだけ被害が出るか、分からないわけでもないだろうに。 ギリ、と奥歯を噛み合せるシャギア。 奴らは、信じているのだろう。シャギアではなく、ガロードを。そして自分のニュータイプとしての感性を。 そして、ガロードが託したシャギア・フロストという人間が牙を剥くことはないだろうと思い込んでいる。 ガロード・ランの遺言まがいの言葉など知ったことかとシャギアは思う。 勝手に押し付け、消えていった相手の都合を聞き届ける理由はない。 ここに来て、紆余曲折あって自分が随分と曲がってしまった。 それを、シャギアは自覚する。 まして、ニュータイプと手を組もうなどど――― シャギアの意識は、一時間半前にまで飛ぶ。 ◆ ■ ◆ 中枢で、マシンセルとトモロの回線をつなげ、アムロは携帯用の端末を叩いていた。 周りには、カミーユとキラもおり、キラはどうやら別の角度から解析をしているようだ。 『医務室を出たようだ』 トモロが事務的な口調で三人に告げる。 同時に展開されたウィンドウには、シャギア・フロストの姿があった。 「あの……本当に協力してくれるんでしょうか?」 キラが、おずおずとアムロに聞く。 『なんらかの敵害行動に出ようとした場合、隔壁を下ろして隔離する』 「トモロ、そういうことじゃなくて……!」 アムロは、少し考えてからキラの言葉に応じる。 「よくわからない。だが……協力してくれると信じるさ」 ニュータイプは万能なんかじゃない、人の心の奥まで覗くことなどできないし、やってもいけない。 だから、未来なんて不確かなものは分からない。 アムロはそう考えながらも、思考に陰りがあるのを感じていた。 一時間半前の、医務室での出来事。 ―――「目を覚ましたのか?」 アムロが打ち身などを癒すため、湿布薬を医務室に取りにいった時だった。 ちょうどシャギアが目をさましたのだ。 その時何げない調子でアムロは声をかけた。別に大した意味があったわけでもない。 目覚めたところに出くわした以上、無視するのもおかしいだろう――といった程度のものだ。 シャギアは周囲を見回し、場所と時間を確認すると、ここは何処かと放送の内容について聞いてきた。 アムロも、隠す理由もないため当然答える。 ここがJアークの医務室であること。次の禁止エリアは何処か。 そして、放送で呼ばれた死者も。 シャギアの顔が死者の名を聞き、一気に老けこんだ気がした。 魂が抜けたというべきか。疲れ切り呆けた顔になる。 呼ばれた名前には「オルバ・フロスト」という名前があった。おそらく、兄弟なのだろう。 いや、それだけではないのかもしれない。 今のシャギアから感じるものは、悲しみではなくどこまでも深い喪失感だ。 「まず、何があったか順番にいこう」 アイビスがちょうど格納庫に行っているタイミングに起きるとは。 自分は、あまり説明には向いてないなと思いながらも説明していく。 そして、同時にシャギアからもあの戦いの発端を話してもらった。 なぜなら、向こう側の乱戦、その全てを知るのはここで寝ていたシャギアとバサラなのだから。 途中からならば分かるが、始まりはなんだったのか。 アムロは、今からやること、今やることを話しながら時々シャギアにも口を開かせ、説明させた。 大まかにアムロ側の説明も終わり、シャギア側もあらかた話し終えたときだった。 アムロは、シャギアに問う。 「ガロードは……最期、何を?」 ガロードが最期に託した男だというのなら、この男はガロードから何を託されたのか。 アムロとしては、ただ純粋に知りたいが故の質問だった。 「ティファ・アディールに、必ず帰ると伝えろ、と言われただけだ。 ……私が、ニュータイプの益になるようなことをすると思っているか。 むしろ逆にニュータイプを私が殺してしまわないかをガロード・ランは気にするべきだった」 僅かに他者へ嘲りと自嘲の混ざった笑いをこぼすシャギアに、アムロは目を見開いた。 「ニュータイプ……?」 アムロは自分の短慮を内心歯噛みした。 ガロードと同じ世界の人間ならニュータイプを知り、 そしてニュータイプに対して何らかの考えを持っている可能性は高い。 今は触れるべきではなかったかもしれない。 しかし、もう踏み出してしまった。なら、もう今更引くのは逆効果だ。 「ニュータイプを知っているのか?」 「その通りだ。我ら兄弟以上にニュータイプのことを知っているものはいない」 我ら兄弟。オルバ・フロストのことだろうか。 アムロの感覚に、ざらりとしたものが混じる。 目の前の男から放たれるのは、先ほどの喪失感を埋め合わせる泥のような何かだった。 「ニュータイプなど、ただの兵器に過ぎん」 絶対の確信。疲れた顔ながら、それが読み取れる。 同時に、深い憎悪も。 「……違う。兵器としか思えない人間がいるからこそ、兵器になるんだ」 しかし、アムロにもニュータイプには確固たる思いがある。 シャギアを見据え、アムロも言った。 「では、人間の革新とでも言うのか? 利用されるしかない無能な存在が?」 「それも違う。ニュータイプは、幻想だ。どんな力があろうと区別はないはずだ。……少なくとも俺はそう思う」 「まるでニュータイプを知るような口ぶりに聞こえるが」 アムロは、いったん区切り、息を吸い込む。 「黒歴史は知っているか?」 「黒歴史……?」 アムロは、ギンガナムから伝え聞いたことをそのまま話した。 ガンダム、ニュータイプ、スペースノイドも、どれも一つなぎの世界であることを。 そして自分がとある時代において、もっとも最初のニュータイプ、『ファースト・ニュータイプ』であることも。 話のスケールに少し呆然としていたが、アムロ自身がニュータイプである下りを聞いた途端、 シャギアの顔が歪んでいく。 「それが、どうした? 自分がニュータイプであることを得意げに話に来たのか?」 「そうじゃない。ただ、ニュータイプに捕らわれないでくれ。 歴史は繰り返している。ニュータイプも、等しくその輪の中にある。何も変わりはしない」 シャギアの、激昂。 泥のような何かが、マグマのように熱い憤怒になるのが即座に分かった。 最悪、こうなることも分かっての行動だったが、それはアムロの予想を超えるほどの怒りだった。 ニュータイプになれなかった――そんな嫉妬など欠片たりとも混ざっていない。 どこまでも純粋な憎悪と憤怒。 ニュータイプというものに対して無関心でもなく、さりとて嫉妬もなく、ただ憎しみだけ。 「我らはニュータイプに捕らわれてなどいない! 我らの手のうちにニュータイプがいるのだ!」 「ニュータイプという概念に縛られていることは、代わり………」 「黙るがいい! 黒歴史は全てがあったのだろう!? なら分かるはずだ、我らがどれだけ不当ないわれを受けたか!」 アムロの返答は沈黙。 ギンガナムからは、全てがつながっているとしか教えられなかった。 目の前の男がいったい何をされたのかはわからない。 だが、それがどうしようもなくシャギアの逆鱗に触れてしまったのは分かる。 「分かるか!? 我ら兄弟はニュータイプなどというありもしない幻想のため存在を抹殺され、ないものにされた! ニュータイプのできそこない、亜種……ただ兵器に順応できないだけでレッテルを張られたのだ! 私ら兄弟間では何よりも強い共感能力があったにも関わらずだ! 劣ることなどないのに劣等種として! ニュータイプとして生きてきたお前のような存在に何が分かる!?」 シャギアが発した最後に言葉が、それだった。 ……… …… 『どうした? 手が動いてないが』 トモロの声ではっとする。 手元の端末の操作が御留守になり、どうやらさっきのことを思い出していたようだ。 (俺は、やっぱりなっちゃいないな……) 人の心など分かるはずもない。 だからどこが踏み込んではいけない領域かもわかるはずもない。 だが、先ほど自分は迂闊に土足で、もっとも踏み込んではいけない部分に踏み込んでしまった。 シャギアも、形はどうであれニュータイプに翻弄された人間の一人なのだ。 ニュータイプと似て非なる力を持つため、ニュータイプしても普通の人間としても扱われない苦しみ。 一体それはどういったものなのか。 しかも、おそらくそれを共有していた兄弟を失ったことへの絶望。 できることなら、解き放たれてほしい。 だが、自分にその資格があるのか。本当に、他者へ何か言う権利があるのか。 傲慢だな、とアムロは少し己を嫌悪した。 自分の価値観の押し付けに過ぎないのかもしれないことを自覚していながら、 自分の価値観を絶対のように言って押し付けようとする自分は、結局変わらないのではないか。 自分こそギンガナムの世界までつながる、人の業の輪の中に捕らわれた存在なのかもしれない。 その時、ブンドルから通信が入った。 「急な話ですまないが、カミーユをこちらに回してもらえないだろうか」 ◆ ■ ◆ アイビスは格納庫の柵に手をあて、その上に顎を乗せていた。 目の前では、ブレンと、蛇の姿をしたデータウェポンがじゃれあっている。 よく考えればどちらも機械にも似た心持つ生き物だ。 趣味があってもおかしくないし、仲間ができたと思っているのかもしれない。 その姿を見てもアイビスの心はいまいち晴れることはない。 原因は医務室に入ろうと思った時中から聞こえてきたあの会話だ。 (劣等種、劣ってる、か……) その言葉を、彼女は理解できる。 『劣等』――ここに来る前、自分につけられた称号だ。 劣っているのは、自分でも訓練の時から分かっていた。 それでも、必ず追いつき夢をかなえると走ってきた。 だが、最期に待っていたのは、墜落と失墜だったのを覚えている。 途中まで確かに希望はあったのだ。 いつか夢にたどり着けると努力する余地があった。 自分が経験した挫折は、結局自分が弱くて再び努力するため、立ち上がれなかっただけ。 シャアや、ブレン。その他多くの人を見て、ここに来てやっとまた学べた。 彼女はまた起き上がれた。 しかし、そのチャンスもなく、努力も無為だとしたらどれだけその人生は辛いのだろう。 生まれ持った力だけで振り分けられ、他人に劣っていると断ぜられる。 ひたすら、挽回のチャンスもなく劣等種としてさげすまれる。 自分は、スレイを憎んだことはなかった。 同じ夢を持つ仲間だと思っていたし、今は無理でもいつかは並んで飛んでみせると信じていたからだ。 だが、もしも自分とシャギアと同じ立場だったらどうだろうか。 いくら努力したって届かないとフィリオからも言われ、味方は誰もいなくて。 実際努力する意味すらなかったら。 仮定の話とは言え、スレイを憎まなかったと胸を張っては言えなかった。 そうなったら自分は――― きっと、ここに来る前のように生きる価値がないと陰鬱になり、命を絶っていたかもしれない。 それを考えればシャギアという人はものすごく強い人間だ。 自分が間違っている、自分が劣っているとは絶対に認めず、 逆に世界が間違っていると立ちあがることなど、自分にはできそうになかった。 「よう、どうしたんだ?」 「コウジ?」 横には、パーツをいじっていたのか油と煤だらけの甲児がいた。 おそらく、ふさぎこんだ顔をしていたのだろう。慌てて手を振り、そんなことないと否定した。 甲児は少し笑ったが、すぐ真顔になってうつむいた。 「シャギアさんの、ことだろ?」 「あ……え、どうして!?」 格納庫にいた甲児が、何故医務室の会話を聞いていたのか。 目を白黒させるアイビスに、そっと甲児は手を差し出した。 そこにあったのは携帯型の端末。 そこで、アイビスも気付く。 「もしかして……全部筒抜けだった?」 悪いことがばれた子供のような様子で、アイビスは甲児に問う。 甲児は頭を掻きつつ「まあな」と一言だけ答えた。 アムロは話す際シャギアに気を使いきちんと端末を切っていたが、 アイビスはいつでも反応できるようにつけっぱなしだったのだ。 つまり、アイビスの端末を通してシャギアの話は全員に伝わっているということだろう。 「知ってるのは、あの時聞いてた人だけだから、俺だけかもしれないし、他にいるのかもしれないな」 どれだけ知ってる人がいるのかはわからないと伝えると、 甲児はアイビスの横の柵に、背を預け天井を見上げた。 「シャギアさんってさー、底抜けに明るいんだぜ?」 突然の甲児の言葉。 アイビスは、その言葉の真意が、いまいちよくわからなかった。 甲児の顔を見上げるアイビスに、照れた様子で今度は頬を掻く甲児。 「いやさ、ずっとナデシコで一緒だったけどさ。 タマゴ焼き取り合って本気で喧嘩したり、一緒にアニメ見て盛り上がって笑ったり…… しかめっ面、見たことなかったよ。いつも自信満々で、みんな励ますようにしてて」 甲児は、アイビスの顔を見ながら、嬉しそうに言った。 シャギアが、アニメを見て拳を振り回してたとか、いきなりブイサイン相手にかましてなごませたとか。 本当にうれしそうに、身振り手振りを混じえ、満面の笑顔で甲児は言う。 その姿がどこか痛々しいと思ってしまうのは、アイビスの思い込みだろうか。 「だからさ、俺シャギアさんのこと、そういう人だと思ってたよ。 首輪の解析とかもできて、みんなを気遣えて、明るくて、挫けなくて……」 尻すぼみに小さくなる甲児の声。 「けど、違ったんだよな。あんな色々抱え込んで、それでもああやって笑ってたんだよな」 甲児の言葉は、さっき聞いたシャギアの言葉からは想像できない。 けれど、アイビスもさきほどのナデシコ直行から、甲児が嘘をつくような相手でないのを分かっている。 きっとその言葉は真実なのだろう。 少し、アイビスはその頃のシャギアが見たいと思ってしまった。 そこまで、立ち上がり続けられるのは何故なのだろう。 「思うけどさ、兄弟だけでもお互い考えてることが分かるってすごいことだよな。 俺もシロウって弟いるけど、なに考えてるかなんかわかりゃしないぜ。 あの人が劣ってるっていうなら俺なんかもうミジンコだよ」 人と違った力を持ってて、人より何をやらせても優秀で、周りも気遣える人のどこが劣等なのか。 甲児だけでない。自分だってそんな人に比べたら劣っている。 なのに、ただニュータイプと違うだけで差別される。そのニュータイプがどれほどのものなのだろう。 カミーユもアムロも、自分たちと何も変わらないように見えるのに。 「立派な人だったんだね」 「ああ、本当にな」 ブレンが、アイビスの横にいつの間にか、いた。 作業用の高い足場から、ブレンの頭をなでると、ブレンは心なしか嬉しそうにした。 蛇のデータウェポンはそれをじーっと見て、どこか拗ねているように見える。 「だからさ、シャギアさんが困ってるなら、こんどは逆に助ける時だと思うんだ」 甲児は、宣言するように拳を握り言った。 アイビスは、ブレンを撫でながら思う。 自分も、いろんな人の助けがあったからこそ、ここまで来れたのはさっきも思ったとおりだ。 なら、今度は自分が他人を助ける番ではないか。 もちろん、自分のことすら満足にできないのは分かってる。 それでも他人のため頑張りたいと願うのは悪いことだろうか。 「誰かの自由や幸せのために闘う」――それはとある時間軸において後々、彼女が語る言葉だ。 そのひな形が、今彼女の心にも灯り始めていた。 「私も手伝うよ」 差し出す手に、甲児は少し驚いたようだった。 だが、甲児も笑い、その手を握り返した。 作業場の高い場所で、二人がこうして握手を交わす。 ◆ ■ ◆ その下で―― 「……若いな」 「しかし、だからこそ美しい。打算の混じらない人の絆とは、どんな形であろうと美しいものだ」 二人のその遥か下、機体の足元に近い場所でブンドルとロジャー、二人の男がやれやれと笑う。 「しかし、注意深さが足りないな。先ほど、同じミスをしたというのにだ」 「若いということは青いということ。それも少しずつ治っていくものだと信じるべきだ」 端末から漏れるアイビスと甲児の声。 そう、アイビスはまたも端末のスイッチを切っていなかったのだ。 もっとも、甲児に指摘されるまでそれに気付かず、つい甲児と話し込む間もそのままだったのだろう。 「……さきほど話した内容。任せてかまわないか?」 ブンドルが顔を引き締め、ロジャーに問う。 ロジャーはゆっくりと大きく横に首を振った。 「残念だが答えはノーだ。私は交渉せず他者を排撃することを認めはしない。……急ぎすぎではないか?」 「いや、今でも遅すぎるくらいだろう。我々は超える壁は厚く、多い。 札を増やさねばおそらく最初の壁すら越えられない」 どこまでも冷静なブンドルに対し、ロジャーの顔には苦いものが混じっていた。 「アムロと君の二人にもしもの……汚れ役を任せることになることを詫びよう。 しかし、若さのままに走り、必要のない場所で散る様を見過ごすのは心苦しい」 気にすることはないとロジャーは答えると、ソシエ嬢に呼ばれ、凰牙のほうへ走っていく。 凰牙の調整はやはり搭乗者本人でなければ微妙な部分があるのだろう。 ブンドルは胸の薔薇を引き抜くと、それを眺める。 しかし、ブンドルが真に見ているのは今この場にあるものの向こう、未来だ。 ブンドルは、ユーゼスが絶対に自分たちを見逃すことはないと直感していた。 相対した瞬間にじみ出る、信頼や真実からほど遠いあの醜い雰囲気。 ブンドルは自分の美学に基づく予感だけは疑わない。二度目の遭遇で、それを確信していた。 このまま行けば、体よく駒として擦り減り切るまで使い捨てられるか、キョウスケのように殺されるか。 もっとも、結果としてキョウスケ・ナンブは予想外の変質を遂げたようだが。 しかし他者をあっさりと都合が悪くなれば切り捨て、 危険なものとも平気な顔で手を結ぶ人物であることは疑いない。 ブンドルの端正な顔がわずかにこわばる。 あまりにも、今の状況は前途が多難としかいいようがない。 いくらかパーツの回収やメンバーの集結がなり、風が吹き始めているが、それはそよ風のようなもの。 高い山にぶつかれははかなく消えてしまうものだろう。 この場から真の意味で脱出を狙うなら、大きく分けて3つの山がある。 一つ、キョウスケ。 二つ、ユーゼス。 三つ、アインスト・レジセイア。 この全てを乗り越えなければいけない。 そのためには、その時その時の的確な戦力の分配、そして何よりこちらの総合戦闘力の強化が必須だ。 キョウスケとユーゼスがつぶし合い、結果見据えるべきはノイ・レジセイアだけという最高のケースも考えられるが、 常に最悪の事態を想定して動くべきだろう。 都合のいい夢想ばかりで乗り越えられる地点はもうない。 ブンドルは、サイバスターを見上げる。 未だ、真の力を目覚めさせることなく沈黙する巨神。 その力を引き出すことは、絶対に必要な条件だ。 だが、あまりにも時間がない。 今の時間は、19時40分。ユーゼスとの会談まで4時間と20分しかない。 放送後からここまで慎重に吟味してきたが、ここが限界点だ。 ブンドルは、おそらくサイバスターの選んだ人間はカミーユだと思った。 熱気バサラもそれに近かったが、あのラーゼフォンにバサラが乗り込んだ時から、 サイバスターに乗るブンドルだけがわかる独特の感覚がなくなっていた。 そして、行動を共にして分かったが甲児も違う。 サイバスターは興味を示すことはなかった。 アムロやロジャーたちは最初から考慮の外だ。 あまりにもサイバスターが求めるものとは違いすぎる。 結果、残ったのがカミーユだ。 ブンドルもそれとなくカミーユが格納庫に来るたびに確認をしていたが、ほぼ間違いはないだろう。 ブンドルにはわかる。サイバスターの声なき声が、その本質を理解するものとして。 廊下の向こう側からカミーユの姿が見えた。 ブンドルは今一度惜しむようにサイバスターを見つめ、その荘厳な建造物のような表面を手でなでる。 損壊も最低限ではあるが修復され、両腕も使用可能になった。 もう一度、サイバスターを駆りたい気持ちはないわけでもなかった。 しかし、自分ではないのだ。自分では理解はできても行使はできない。 そっとその手をサイバスターから放す。 ブンドルは、もう振り返ることはなかった。 彼が向かう先にあるのは――VF-22S・Sボーゲル。 カミーユが乗っていたマシン。 今から自分は道化を演じよう。 それが、自分を含むこの場にいる全員の未来につながるならば。 VF-22S・Sボーゲルのシートに、静かに背を預ける。 同時に流れ込むこの機体の知識。 しかし、手に握られた機体のわりに大きすぎるライフルの知識はない。 これは別の機体の武器だったということか。 だが分からなくてもかまわない。そこは自分の腕でカバーする。 反応弾は、空間突破の切り札として外してJアークに保存してある。 これで、最悪の事態にも備えはできているはずだ。 カメラから周りを確認する。 ロジャーやソシエ嬢の姿はない。 甲児とアイビスも、危険に巻き込まれない位置にいる。 なら、もう問題ないだろう。 気難しそうな顔の青年の姿が見えた。 ブンドルは最期に一度目をつむる。 開かれた目に、迷いはもうなかった。 多少荒療治でもサイバスターの力を覚醒させ、実践に耐えられるだけの経験を積ませる。 そして、疲労のないベストコンディションでユーゼスと会談する。 これ以上遅れては、それは不可能だ。 「聞こえているだろうか、カミーユ・ビダン」 VF-22Sのガンポッドが、静かに標準させられる。 対象は―――生身のカミーユだ。 ◆ ■ ◆ 破壊を破壊――再生を破壊。 破壊を再生――再生を再生。 この身にこれ以上の休息は不要。 この機にこれ以上の補充は不要。 我は我が身を持って打ち砕くのみ。 宿り木が巣食いしこの体に、もはや救いはなし。 人の業。 人の技。 人の道。 それらの価値。 人の宿業の結末。 爆心地。 到達点。 約束の地。 『望まれていない』 『望まれていない生命……修正』 『望まれていない存在……抹消』 『望まれていない未来……改編』 『望まれていない自分……到達』 我の願いは――― ◆ ■ ◆ 「サイバスターの力はその程度ではないはずだ。その真の力を見せてほしいところだが」 失望の混じったブンドルの声が、カミーユに投げられる。 VF-22Sが、サイバスターの前をバトロイド形態のまま悠然と飛行する。 突然こんな場所に呼び出し、いったい何のつもりなのか。理由は分かっても、到底納得いくものではない。 操縦桿を握りなおし、サイバスターを立ち上がらせる。 サイバスターの操者として、カミーユが適任だと言われた。そしてその力を引き出して見せろと。 銃を突き付けられ、無理に機体に乗せられ、ここまで引き摺られ、戦わされた。 「―――勝手な都合でッ!」 機体を一機に加速させる。 今、目の前にあるのは今まで自分が乗っていた機体。 そして、その手に握られているのは、中尉から託された撃ち貫くための槍。 サイバードに変形して廃墟の市街地を駆ける。 軽過ぎた印象のVF-22Sよりも、サイバードはΖガンダムに近い。カミーユの感覚とうまく噛みあっている。 VF-22Sがオクスタンライフルを腰のラックにおさめ、代わってガンポットを抜くのが見えた。 遠距離狙撃を捨てた以上、距離を詰めて来るつもりなのか。 それがまた余計にカミーユを煽る。今、サイバスターに中距離以上の有効な攻撃はない。 セオリーで言うなら、遠距離から射撃を繰り返すべきなのだ。 それをわざわざこっちの懐に飛び込んでくる理由は一つ。挑発だ。 サイバードの後ろにバルキリー形態のVF-22Sが追いすがる。 カチリと小さな音を立てたのち、閃光とともに吐き出される銃弾。 咄嗟に、急上昇し、射線から逃れる。しかしVF-22Sは突然バトロイドに変形。 勢いそのままに虚空を滑りながらも、ガンポッドを上に向けた。 慣性によって与えられる勢いが落ち、射撃が可能となる位置と、サイバードが上昇した位置が重なっていた。 サイバスターに変形し、剣ですぐ横のボロボロの巨大ビルへ切り込む。 砂糖菓子のように崩れたビルの隙間に身を隠すとともに、閃光が下から上へ駆け抜けていく。 これが初めてVF-22Sを与えられた人間の操縦とは思えない。 VF-22Sの微細な癖までブンドルは掴んでいるとしか思えなかった。 そのままカミーユは、ビルを横薙ぎにディスカッターで切り飛ばす。 ほこりまみれのガラスが砕かれ僅かに光を照りかえす。崩れたビルの残骸が、自由落下でVF-22Sに振り注いだ。 サイバスターはビルの反対側から脱出。周囲を索敵する。 しかし、そんな必要はなかった。ビルとビルのわずかな隙間からビームの輝きがこちらに迫る。 ぎりぎりスウェーバック同然に回避。ビームの発射地点にカロリックミサイルを叩き込む。 しかし、VF-22Sはそのビルの隙間の狭さを利用し壁に変え、奥の暗闇に消えていく。 今、VF-22Sが使ったのは間違いなくオクスタンライフルだった。 人の気を知らないで平然と使うんじゃないと言いたかったが、VF-22Sの姿はない。 驚くことに、気配すら見つからない。判然と、何箇所かに同時に存在しているのだ。 「殺気を消し、分け、切り込む。騎士道の基本だと覚えておくといい」 右ななめ後方。 殺気を感じた場所にカミーユが振り向くが、そこにあったのは、数m程度の瓦礫。 先ほどカミーユが落としたものだろうか。それが、一発のガンポッドに打ち抜かれ―― 飛礫となってサイバスターの表面を打ちすえる。 「こんなもので!」 「しかし、その『こんなもの』もよけられない」 瓦礫の向こう、カメラのフォーカスが何に焦点を当てるかで僅かに混乱している間。 その間に正確にVF-22Sは距離を詰めている。 バリアを纏った拳をギリギリの場所ながらディスカッターで受け止めるが、体躯では勝るはずのサイバスターが弾き飛ばされる。 飛礫に足を止めたサイバスターとブーストを利用し上方から攻撃したVF-22S。 そしてなにより、人型ロボット特有の人間に近い重心を見切りそれをずらすように叩いたブンドルの技量。 落下するサイバスターに追撃はない。 いつでも倒せる余裕か、これは模擬戦に過ぎないといいたいのか、その両方か。 勝手な都合で戦いに引きずり出して、勝手な都合でやって見せろと期待して。 そして、これか。 地面に叩きつけられる直前、サイバスターの背面で精霊光が輝く。 逆噴射で大地に立つ大空の魔装機神。 見上げるサイバスターに、VF-22Sがオクスタンライフルを突き付ける。 「お前が、それを使うなッ!」 キラの時と同じ怒りが、意識を塗り潰す。 キョウスケから託されたものを、撃ち貫く槍を奪い挙句俺に向けるのか―― 勝手な都合で! 脚部、背面、腕のスラスターを限界まで一気に開放する。 一瞬でトップスピードまで加速したサイバスター。シートが体に食い込み、ギチギチと嫌な音を立てる。 天空まで駆け上がるサイバスターは、VF-22Sとの距離を瞬く間に詰める。 VF-22Sも急いで回避行動をとろうとしたが、あまりにもサイバスターに比べてその動きは鈍重と言わざるを得ない。 オクスタンライフルを構えていた右腕が、ディスカッターに切り飛ばされ、宙を舞った。 左手でガンポットを抜き、サイバスターに突きつける。 だが、サイバスターは切り飛ばされたVF-22Sの右手を空の手に掴み、距離を取る。 ガンポッドが放たれる――撃ったのは、何も掴まれていないVF-22Sの左手。 サイバスターは再び夜の空へ。 サイバスターの左手には、剣が。右手には槍が。 月光を受け、サイバスターが白銀に輝く。 「聖ジョージの騎士、か……」 ブンドルの呟きは、怒れるカミーユに届くことはなかった。 ◆ ■ ◆ ――美しい。 それが、サイバスターを始めて目にした時、ブンドルが素直に抱いた感想だった。 優美な印象を受ける純白。兵器としての無骨な印象に程遠い、芸術品的な美しさ。 大空に羽撃つ白鳥のようなその姿は、彼の美意識を刺激するに十分過ぎるものであった。 お前の美しさに私は誓おう――この醜き催しを企てた無粋なあの者達に、我が美学を知らしめんと。 だが、奇しくもサイバスターが望んだ者は、ブンドルではなかった。 ブンドルのようなものではなく、熱く滾る何かを持った若者こそが、サイバスターは求めていると感じた。 心の奥に少し、その組み合わせは美しくないのではないかと思う部分もあった。 くだらない思い過ごしだった。 ブンドルは、静かに一人頷いた。 自分らしくもない杞憂であったことを嬉しくも思いながら、 その美しさを自分では引き出せなかったことへの、ほんの少し名残惜しさもある。 ――本当に美しい。 それが、今のカミーユが駆るサイバスターを見て、ブンドルが素直に抱いた感想だった。 その表面は、戦闘を経て僅かに黒ずみ、元の純白さはない。動きも優雅とは言い難い。 しかし、この美しさは何たるものか。大空を羽撃つ白鳥ではなく、大空を支配し統べる猛禽類の王、鷹のようだ。 サイバスターは、やはり戦騎。その美しさは、躍動する戦いの中にこそある。 燃え上がるような情熱を受け、大空を舞う姿は、鑑賞物として置いてみるものとは別の美しさがあった。 剣と槍を携え闘う雄々しき姿に、ブンドルはイギリスの神話に登場し伝説の悪竜を屠った騎士、聖ジョージを見た。 徐々に、自分が乗っていた時より、サイバスターの速度が上がっていく。 それに合わせて、カミーユの動きも鋭くなっていく。 自分が押され始めている。 そうか、これこそが真のサイバスターか。 VF-22Sにサイバスターのオクスタンライフルが叩きつけられる。 静かにVF-22Sが失墜し、大地に落ちていく。だが、そのかわりに大空には羽ばたいたのだ。 ついに、願い続けていた翼が。サイバスターが。 ビルの壁を背に、蹲るバトロイドのVF-22Sの側に、サイバスターが立つ。 通信機越しに、カミーユの荒い声が聞こえてくる。 怒りに我を見失いとどめを刺す気かもしれない。 あえて道化に徹し、気を逆立てるような言葉を吐いてきた。 その結末は、けしておかしなものでない。 だが、みすみすやられるつもりもない。 命という対価を払うのは、まだ先のつもりだ。 オクスタンライフルが、VF-22Sを標準する。 警告メッセージのウィンドウをブンドルは片づけ、タイミングを待つ。 一瞬の攻防。それならまだ自分に分がある。 撃つ瞬間、回避して機体の中にも伝わるように拳を打ち込む。 それだけを、狙う。 一秒。 二秒。 三秒。 静かに時間だけが経つ。 そして――― すっとオクスタンライフルが下ろされる。 「聞いて分かってますよ。最初から、何が目的だったか。けど、こんな方法で何がしたかったんですか!?」 カミーユの怒りは、銃撃ではなく言葉という形でブンドルに向けられた。 「それも伝えているつもりだ。無論、その責任も負う覚悟はあった」 「だから、黙って殺されようとしたんですか!? 冗談じゃない!」 もっとも、本当は反撃する気だったのだが、今それを言うと余計にことを荒立てるだけだろう。 ブンドルは貝のように口をつぐむと、ボロボロのVF-22Sを立ち上がらせる。 「人をなんだと思ってるんです!? 死ねば責任が取れるなんて逃げているだけだ!」 「だが、現実の状況と折り合いをつかる形では、これしかなかったと思っている。私なりに『納得』しての行動だ」 次の瞬間、VF-22Sはサイバスターに殴り飛ばされていた。 メインカメラに砂嵐が混じる。 「『妥協』を『納得』なんて言葉でごまかして! 自分だけを納得させようとするのが大人のすることか!」 口をハンカチでぬぐう。 口を切ったのか、そこには赤いものが混じっていた。 気付けばドクーガの最高幹部になり、自分に苦言を呈するものは少なくなっていた。 無論、それを必要ないほど自分も優秀だったと自負もある。 だが、これほど荒々しく想いをぶつけられたのは一体どれほどぶりか。 「これも、若さか……」 口元が自然と緩むのが分かった。 久しぶりの血の味もけして悪くないのかもしれない。 自分を振り返るというのは苦いものが往々にして混じるものだ。 「戻りましょう、みんなも待ってます」 カミーユの疲れた声。 やはり感情の爆発で力を出すが、それをコントロールできないタイプなのだろう。 長所でもあるが、短所でもあるところだ。 いや、これはあの場にいる全員に言えることか。 VF-22Sのスラスターが火を噴く。 まだあと一回二回は戦闘で持つだろう。 サイバスターと並び、戦艦へ帰還しようとする。 その時だった。 →life goes on(2)
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/4170.html
アンディ・デイビスの家 名前:Andy's House ロケーション:『トイ・ストーリー』(1995年) 概要 おもちゃ好きの少年アンディ・デイビスが暮らしている家。母のミセス・デイビス、妹のモリー・デイビスと三人暮らし小学生の時に一度引っ越しをしている。家はいずれもトライ・カウンティにある。一番目の家の住所は不明だが、二番目の家はエルム通り234にある。 『トイ・ストーリー』では一番目の家が登場している。デイビス一家は数日後に引っ越しを控えており、アンディの誕生日とブッキングするため、誕生日パーティーを前倒しで行った。隣にはシド・フィリップスの家があり、悪ガキのシド・フィリップスや凶暴な犬スカッドの存在にアンディのおもちゃたちは怯えていた。 『トイ・ストーリー』のラストで、デイビス一家は引っ越し業者エッグマン・ムーバーズと共に二番目の家へ引っ越す。一番目の家より小さいが、アンディは自分専用の部屋を与えられるようになった(引っ越す前は妹のモリーと同室)。 登場作品 エピソード トイ・ストーリー トイ・ストーリー2 トイ・ストーリー3 ハワイアン・バケーション ニセものバズがやって来た レックスはお風呂の王様 トイ・ストーリー4 ゲーム トイ・ストーリー トイ・ストーリー2:バズ・ライトイヤー参上! トイ・ストーリー3* キングダム ハーツIII ディズニー スピードストーム 構成 リビング デイビス一家の居住空間。 引っ越し前の最後のアンディの誕生日パーティーはリビングで行われ、子供たちがゲームをしたり、バズ・ライトイヤーの開封が行われた。 アンディの部屋 アンディが生活している部屋で、ウッディやバズなどアンディが所有するおもちゃが置かれている。アンディのデスクには、赤いルクソーSr.が置かれている。 部屋の壁紙は青空に白い雲のデザインとなっており、『モンスターズ・インク』でランドール・ボッグスが身体の色を変えるトレーニングの際にも登場している。壁にはミッキーマウスの時計や、カウボーイやバズに関連するポスターが貼ってあるが、大学生になるまでの間にアーティストのポスターなども追加されている。「トイ・ストーリー・マニア!」のキューラインでは『マジシャン・プレスト』(2008年)のポスターが貼られている。 一番目の家ではアンディの部屋はモリーと共用になっている。アンディの部屋の向かいにはシド・フィリップスの部屋があり、クリスマスツリーのイルミネーションを投げれば届く距離にある。 『トイ・ストーリー』の最後で二番目の家へ引っ越し、アンディは自分専用の部屋を手に入れる。『トイ・ストーリー2』では、ウッディがアル・マクウィギンにさらわれた後、バズがハムやエッチ・ア・スケッチと協力して犯人を突き止めると、バズらはウッディの救出へと向かう。 『トイ・ストーリー3』では、アンディが大学へ行くために家を出ることになる。『3』にはピクサー・アニメーション・スタジオの次回作である『カーズ2*』(2011年)のフィン・マックミサイル*や『Newt*』のポスターがあるが、後者は製作中止となっている。 モリーの部屋 『トイ・ストーリー3』で初登場。『トイ・ストーリー2』では、ウッディの帽子が行方不明になった時のボーの「モリーの部屋は捜したわ」という台詞でのみ存在が確認できた。 モリーは兄のアンディと共同で部屋を使っていたが、引っ越した際にそれぞれ自分専用の部屋を与えられている。 ボーと羊たち、ミセス・ポテトヘッド、バービーはモリーのおもちゃなので、彼女の部屋に置いてある。『2』と『3』の間にボーはよその家へ旅立ち、『3』の冒頭ではバービーもいらない扱いを受けてしまう。 屋根裏部屋 『トイ・ストーリー3』で初登場。 普段は使用しないものが置かれる物置部屋と化している。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/371.html
(怯えているのだ……この私が怯えている!? この謂われのない感情を喚起するものは何だ!? こ、これは生理反応でしかない。理性で克服できるはずだ! こんな……こんな不条理な感情!) アムロに言ったはずの言葉をもう一度己に言い聞かせる。 それでも、悪寒は消えない。振り切れない恐怖が、苛み続ける。 「う、う、うわぁぁーーっ!!」 その叫びとともに、瓦礫の中ロジャーの意識は再び戻った。 目の前にあるのは、ビッグオー……ではなく凰牙のコクピット。 光はメインカメラからも側面モニターからも確認できない。 僅かに映る黒いものの輪郭から、ロジャーは今自分が瓦礫にいることを理解した。 荒い息を必死に整えようとするが、おさまらない。 いつか見た地下の悪夢が、頭にフラッシュバックする。 「外は……あの主催者はどうなっている!?」 凰牙を動かそうとするが、あまりの圧力にびくともしない。 少しのすきまでもあれば勢いで吹き飛ばすこともできるが、密着するように敷き詰められた瓦礫は動かすことも難しい。 いくら動かそうと動かない現状。何をしても無駄という状況が逆にロジャーを落ち着かせた。 行動をやめれば、熱は引く。当然の話だ。 そうなると浮かぶのは最悪の状況。もしや、自分以外、すでに死んでいるのではないかという不安。 いや、そんなあるはずがないとロジャーの理性は言う。しかし、感情はそれを否定した。 終わったのか。自分たちのやったことは、所詮、主催者の前ではうたかたの夢だったのか。 それを思い知らされるほどの戦力差。 ロジャーの体が沈む。 ただ、ぼんやりすることしかできない。 ふと、空気はどれだけ持つのだろう、そのまま自分は朽ちるのかと思い、 それすら関係ないと頭を振った時、 「ロジャー! ロジャー、どこ!?」 外から聞こえてくるのは、アイビスの声だった。 「どこにいるの!? 答えて!」 生きていたのか。ということは魔王は去ったのか。 そのロジャーの問いを否定するように、激しい地響きが聞こえてきた。 これは、戦いの印だ。 つまり、まだ魔王と戦うものがいる? 馬鹿な、勝てるはずがない。このまま黙っていろ。そう感情が訴える。 しかし――ロジャー・スミスをロジャー・スミスたらしめる理性と記憶(メモリー)が許さなかった。 「私はここだ! ここにいる!」 ロジャーは、通信機に声を張り上げる。 すると、ロジャーの前にあった瓦礫がはじけ飛ぶ。 目の前にいたのは、ソードエクステンションを構えるブレンだ。 「助けて! シャギアとカミーユが戦ってる!」 ロジャーは、はっと気付き、シャギア同様怯えていた自分を恥じた。 通信に映るアイビスに、恐怖の色はない。ただ、未来を信じ、切り開こうとするひたむきさがあった。 自分は、いったい何をしていたのか。ほんの少しでも恐怖に震えたことが馬鹿馬鹿しい。 「凰牙、アークションッ!!」 凰牙が再び起動する。 瓦礫を払い、立ち上がる黒金の巨人。 その巨人の前に広がるのは、ただひたすらに吼えながら巨大な魔王に立ち向かう二人の青年の姿だった。 しかも押している。再生されても、ひたすら、諦めず押し続けている。 「手伝って、ロジャー! あたしじゃいい考えも浮かばないし……力が足りない! あれを倒すのに、凰牙とロジャーの力を、あたしとブレンに貸して!」 今にも戦場へ飛び込んで行こうとするアイビス。 ロジャーは、なぜか笑いがこみあげてくるのを止められなかった。 笑うロジャーを見て、ポカンとするアイビスに、口の端を小さく吊り上げロジャーは言う。 「この世界にもいつか太陽が昇る。そう信じている若者は素晴らしい。 そして……青春は降りかかる現実を有り余る勢いで押し切ること。ロジャー・スミスの法則だ」 自分もまだまだ若いつもりだが、と小さくロジャーは付け加えた。 ロジャーは、目の前の戦いを凝視する。こうして戦いを遠くから俯瞰できるのは自分とアイビスだけだ。 冷静さといままでの記憶(メモリー)を振り絞れ。 一分、二分と時間だけが過ぎる。 ロジャーは、頭を全開で回転させる。 ビックデュオ、ゴースト、多くのメガデウス……それらの戦いを機転でロジャーは乗り越えてきた。 今、もう一度その閃きを自分へ手繰り寄せる。 この状況でなお札を伏せる余裕はあるとは思えない。ならば、今目の前で起こる戦いが相手の全てのはず。 蒼い魔王は、巨大化したことと、バイタルジャンプができること以外は以前と同じだ。 かならず、どこかに突破口があるはずだ。 アイビスの焦る声が、さらにロジャーを煽る。 しかし、ロジャーもそうそう思い付くものではない。 なにか、ヒントが欲しい。目の前に与えられた記録だけでは足りない。 せめて、複数方向から見ることができれば。例えば、見上げるような今の位置からではなく空から―― 「空?」 空。その一言が急激にロジャーの頭をまとめる。 そうだ、空だ。それが唯一蒼い孤狼が動きを鈍らせた場所だ。 相手が動けない状況に持ち込み、こちらの最大の攻撃を叩きこめば―― 一瞬、またアムロのようになるではと考えがよぎる。 だが、頭を振る。そんなことを悩んでいては進まない。 賭けるしか、ない。 自分の行動が、全てを決めるかもしれない。 潰されそうなプレッシャーがロジャーにかかる。 しかし、それでもなおロジャーは不敵に笑う。 私は、私だ。私自身の記憶(メモリー)から導いた考えを信じずになにを信じる。 「どうやら空は常に、我々の味方のようだ」 ロジャーは、アイビスに自分の計画を打ち明ける。 それは、アイビスにとっても危険が大きいものだった。 だが、アイビスは迷うことなく頷いた。どこまでも強い娘だ。 データウェポン・バイパーウィップを左腕に凰牙が装着する。 一度目を閉じ、ゆっくりと目を開く。 迷いを断ったロジャー・スミスが動き出す。 ◆ ■ ◆ 「おおおおおお!!」 ガンダムF-91・ヴァサーゴの手のビームソードが蛇のように伸び、魔王にかみついた。 蒼い魔王の装甲をもぎ取り、さらに突き刺す。その動きは、クローアームによく似ていた。 サイバスターの手の中の剣が、渦巻く風を纏い疾走する。 細剣、一閃。明らかに剣より広い範囲の装甲を、一撃で切り飛ばす。 「お前のような奴はここにいちゃいけないんだよ!」 サイバスターから溢れた光が、青い魔王を打ち付ける。全身くまなく光にやられ、蒼い魔王がたたらを踏む。 その光の中、ヴァサーゴが蒼い魔王の眼線に迫る。魔王は、そのF-91の全長はあろうかという角を振り回した。 しかし、それはヴァサーゴの揺らめく蜃気楼を引き裂いただけだった。 「いいか、これは甲児の分だと思うといい」 コツンと、音を立て、先ほどまで赤熱していた角にヴェスバーが押し付けられる。 ヴァサーゴが引き金を引くと、そこから溢れた光が、角をへし折る。 それだけにとどまらず、魔王の頭が完全に消滅する。即座にビームソードが、ぽっかり空いた首に入り込んだ。 植物と機械が混じり合った内側がかき混ぜられ、肩などから汚わいな液体がこぼれた。 不死鳥に姿を変えたサイバスターの突撃。 しかし、先ほどまでとは熱量が違う。燃えるような赤の炎ではなく、収束させさらに火力を高めた青い炎。 首を失いながらも、必死に軸をずらす蒼い魔王。さらに、左手をかざし、不死鳥に叩きつける。 魔王の左腕が空を舞う。さらに、その脇腹を抉り飛ばした。 ―――ヲオオオオオオヲヲヲヲヲオオオオ……… 首を失い、抉られた空洞から響く苦悶の声。 間違いない。蒼い魔王は、初めて苦しみ、己の不利を感じている。 さらに追撃を仕掛けようとするが、魔王はバイタルジャンプで二機から逃げるように距離を取る。 損傷部分が何度もなく弾け、光を放ち、再生していく。 アムロの力を吸い取った結果が、この燃えるような生命エネルギーによる再生能力だった。 肩で息をするように、機体の上半身を上下させる魔王。 「ありえない……認めていない……!」 サイズ比そのままに巨大化し、威力を高めた5連チェーンガンが打ち出される。 だが、その悪意を掻い潜り、さらにヴァサーゴとサイバスターは肉薄した。 ヴァサーゴのハイパービームソードが、サイバスターのディスカッターが、蒼い魔王の両腕を落とす。 魔王は、姿勢制御用のウィングを展開、スラスターで空に飛び上がる。 そして、その勢いのまま大地に落下した。 鋼鉄の巨獣のスタンピートが、大地を貫き、地盤を沈下させる。 最初の落下よりもはるかに広い範囲のビルが倒壊した。 激しく動き回り、攻撃を阻む間に魔王は再び腕を再生させる。 「再生が早い……!」 シャギアは、ガンダムF-91ヴァサーゴの中で顔をゆがませる。 あまりにも再生速度が速すぎる。しかも、その巨体から繰り出される攻撃は強力無比で、一撃でも当たれば落とされる。 バイタルジャンプと言う切り札まで相手が持っているため、その体を削り切るよりも早く再生されてしまう。 「それでもやらなきゃいけないんだよ!」 オクスタンライフルに、サイバスターの風の力が収束する。 撃ち出されたBモードの弾丸が、風の力を受けて碧に輝き、蒼い魔王を貫通する。 このまま行けば、サイバスターとヴァサーゴのエネルギーが尽きるのが速いか、 それともあちらの再生力が尽きるのが先かの勝負になる。 あれだけの巨体が保持しているエネルギーを考えれば、無謀に思える勝負だ。 ヴァサーゴと、サイバスターが攻め立てる。 戦闘力では、蒼い魔王を凌いでいながら、倒しきれないが故に勝てもしない。 消耗戦だけが続いていた。 どこまでも続く繰り返しの中、サイバスターとヴァサーゴが戦い続ける。 徐々に、エネルギーがつき始めている。このまま、では、早晩落ちることは間違いない。 あともう一つ、手があれば。それを何度も呟きながらも、状況は変わらず続いていく。 もうすぐ、ヴァサーゴの状態を維持する限界だ。 「アイビス! 用意は終わっているか!?」 「もちろんだよ!」 だが、間にあった。 カミーユとシャギア以外の声が、ついに現れる。 再び現れた、ブレンと凰牙。 「そちらは、最大の攻撃を用意してほしい!」 「信じていいのか?」 その答えは、ロジャーの笑み。 その顔は、自信に満ち溢れていた。 「存在は……許されない……破壊する!」 蒼い魔王の声に、もう恐怖はない。 「いくよ、ブレン!」 ヴァサーゴの横を通り抜け飛ぶブレンが消えた。 その姿は見えない。だが、見えなくても場所は、すぐに分かる。 魔王が、背中を掻くようにもがく。しかし、次の瞬間魔王の姿は空高くにあった。 「騎士(Knight)凰牙、ファイナルステージ!」 左手の鞭が伸びあがり、凰牙の頭上で回転する。稲妻を何重にも纏い、大嵐を巻き起こす。 それが持ち主の意志に呼応し、まっすぐに蒼い魔王に飛ぶ。 アルクトスに伝わる電子の聖獣が一体、バイパーウィップのファイナル・アタック。 鞭の先端が、プラズマを帯び、加速して射出される。 ブレンが、背中からバイタルジャンプで離れる。その直後、蒼い魔王にファイナルアタックが直撃する。 ただ一発当たっただけではなく、文字通り蛇のしつこさで何度となく魔王の手を掻い潜り複雑な軌跡を描きぶつかっていく。 そして――気付いた時には蒼い魔王の体を締め上げる。絶え間なく流れ続ける紫電が、蒼い魔王を叩く。 ブレンにとって、極度に負担がかかる状況でバイタルジャンプはできないし、無理に行えばどこに飛ばされるかわからない。 おそらく、蒼い魔王も、状況は同じ。ならば、常に締め上げ圧力を加え続ければ回避はできないのだ。 大地にいるならおそらく、その質量で強引に突破も可能かもしれない。 だが今、魔王はブレンのバイタルジャンプのために空にいる。 空は、唯一魔王が自由にできない空間だ。 「今だ!」 ロジャーが、サイバスターとヴァサーゴに檄を飛ばす。 「ここからいなくなれぇぇぇ!!」 空が澄んだ青に染まる。精霊光の輝きがサイバスターの周りを飛ぶ。 穏やかな光が、一気に四つに収束した。青と緑の中間に近い色合いのそれが、輝きを増す。 サイバスターの組んだ腕が、集積した力の大きさに震えた。 世界の理を塗り替える、局地的な宇宙の新生――コスモノヴァ。 どこまでも広がる青空へ、夜の闇を変える。 「いけええええええ!!」 「何故だ……!」 放たれた極光が、蒼い魔王を討つ。 目を開くこともできないほどの光が、魔王を包む。 「次は、私だ……!」 もし、死者は消えないというのなら。オルバが、甲児が、ヒメくんが見ているというのなら。 今この一瞬だけでもいい。力を、貸して欲しい。そう――人間として。 排熱で背後の空気が歪む。放出される黒ずんだ金属の塵が、何かを形作る。 F-91ヴァサーゴの背中に黒い六本の翼が広がった。 それはヴァサーゴを超えたヴァサーゴ。 ―――ガンダムF-91ヴァサーゴ・チェストブレイク! 深紅の腕が、金色に変わる。握ったビームソードが、巨大な上二本、下一本の金色の爪になる。 翼をはためかせ、ヴァサーゴ・チェストブレイクが飛ぶ。インパクトの瞬間――爪が相手に合わせてさらに巨大化。 竜の顎〈アギト〉の如く、金色の爪が魔王を上下から挟みつぶした。 「何故……完全に……近付ける―――!」 唯一拘束を逃れた杭打ち機が、ヴァサーゴ・チェストブレイクに迫る。 しかし、杭打ち機の部分だけが突然蒼から紅に色を変え――自分の胸の中心にある球体に打ち込まれた。 「――今まで使ってくれた分、上乗せして返してもらうぞ!」 『何故だ――何故――こんなことが―――』 男の声に、人間の感情が宿る。それとは別に、言いようもない淀んだ声が場に響いた。 この声は間違いない。あの、最初の時のノイ・レジセイアの声。 「言ったはずだ。 『もし貴様が人間を取るに足りない存在だと驕っているのなら、遠くない未来貴様は再び打ち砕かれる』とな。 忘れたか? それとも、俺の言葉など覚える価値もなかったか!?」 『何故――――』 球体に杭を打ちながらも、指ではっきりと胸の赤い球体をキョウスケは指す。 「カミーユ! ここを撃て! 撃ち貫け!」 「あああああああああああああああああああああああああああ!!」 蒼い炎を纏いながら、オクスタンライフルをまっすぐに構え、サイバスターが疾走する。 ライフルの先端が、杭打ち機で割れた隙間に飛び込む。 繰り返されるゼロ距離射撃。 ひび割れていく赤い球体。 『何故―――――完全な生命に―――――!!』 最期に聞こえたのは、ノイ・レジセイアの絶叫だった。 【アムロ・レイ 死亡】 【兜甲児 死亡 】 【キョウスケ・ナンブ 死亡】 【残り 12人】 「本当に、行くのか? 意味があるとは思えないが……」 「それは行ってみなければわからない。今の私の目で見て、なにか分かることがあるか……それを知りたい」 凰牙とF-91が向かい合う。 その横では、力を使い果たし動かないブレンとサイバスター。 アイビスとカミーユはずっと気を張っていた。緊張の糸が切れたのだろう。 気絶……なのだろうがその顔は随分と安らかに見える。 塗装がはげ、ヴァサーゴとしての状態が切れた今のF-91は全身灰色だった。 もしも見る人が見れば、こう言ったかもしれない。PS装甲を切ったガンダムのようだ――と。 シャギアは、自分が基地跡に行くことをロジャーに告げた。 アムロが言ったとおり死者は消えることなく、今もオルバと自分がつながっているとしたら。 何もなくても構わない。それでも弟が潰えた地に行きたいと。 「無論、24時までは会談の場所に行く。私の地図には基地とここの途中の補給ポイントも記録されている」 「だが……」 おそらく自分が襲われることを心配しているのだろう。 ならば、答えは一つ。かつてのように、自信を持って、答える。 「お任せを。 わたしの愛馬は凶暴です」 そう言って、空を見上げる。空には、一面赤い光が渦巻いていた。 あの球体を砕いた瞬間溢れた光が夜空を染めた。それと同時、この世界にあったノイ・レジセイアの邪気は消失したのだ。 何故自分にそんなことが分かるかはたいしたことではない。分かるから、分かる。理由はいらない。 大切なことは、おそらくもうこの世界への奴から横やりはないということだ。 「決着は、人の手でということか」 いまや沈黙している蒼い魔王。いや、もはやそれは魔王ではなくただの孤狼。 コクピットには誰もいないにもかかわらず、誰かがいた暖かさだけが残っていた。 おそらく、最期にあの男が遺したものだろう。 まだポカンとしているロジャー・スミスをおいて、F-91がスラスターを吹かす。 「ガナドゥ―ルのレース・アルカーナは回収しておくといい! あれを増幅し射出すれば空間突破には十分のはずだ! 空間突破に必要な四つの攻撃のうち、反応弾も合わせJアークが沈まないかぎり三つを確保できる!」 「ま、待て!」 その言葉を無視し、F-91は空を飛ぶ。 視界は、見渡す限りの空が広がっていた。 【共通の行動方針 1:24時にユーゼスと合流。現状敵対する意思はない 2:ガウルン・キョウスケの排除 3:統夜・テニア・アキトは説得を試みる。応じなければ排除 4:ユーゼスとの合流までに機体の修理、首輪の解析を行い力を蓄える】 【カミーユ・ビダン 搭乗機体: サイバスター パイロット状況:強い怒り、悲しみ。ニュータイプ能力拡大中。疲労(大)気絶 機体状況:オクスタン・ライフル所持 EN30% 現在位置:D-3 第一行動方針:ユーゼス、アキトを「撃ち貫く」 第二行動方針:遭遇すればテニアを討つ 最終行動方針:アインストをすべて消滅させる 備考1:キョウスケから主催者の情報を得、また彼がアインスト化したことを認識 備考2:NT能力は原作終盤のように増大し続けている状態 備考3:オクスタン・ライフルは本来はビルトファルケンの兵装だが、該当機が消滅したので以後の所有権はその所持機に移行。補給も可能 備考4:サイバスターと完全に同調できるようになりました】 【アイビス・ダグラス 搭乗機体:ネリー・ブレン(ブレンパワード) パイロット状況:精神は持ち成した模様、手の甲に引掻き傷(たいしたことはない) 気絶 機体状況:ソードエクステンション装備。ブレンバー損壊。 EN50% 無数の微細な傷、装甲を損耗 現在位置:D-3 第一行動方針:使える部品を集めて機体を修理する 第二行動方針:協力者を集める 最終行動方針:精一杯生き抜く。自分も、他のみんなのように力になりたい。 備考:長距離のバイタルジャンプは機体のEN残量が十分(全体量の約半分以上)な時しか使用できず、最高でも隣のエリアまでしか飛べません】 【ロジャー・スミス 搭乗機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童) パイロット状態:肋骨数か所骨折、全身に打撲多数 機体状態:右の角喪失、 側面モニターにヒビ、EN0% 現在位置:D-3 第一行動方針:殺し合いを止める。機体の修復 首輪の解析 第二行動方針:首輪解除に対して動き始める 第三行動方針:ノイ・レジセイアの情報を集める 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉) 備考1:ワイヤーフック内臓の腕時計型通信機所持 備考2:ギアコマンダー(黒)と(青)を所持 備考3:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能 備考4:ハイパーデンドー電池4本(補給2回分)携帯 備考5:バイパーウィップと契約しました】 【シャギア・フロスト 搭乗機体:搭乗機体:ガンダムF91( 機動戦士ガンダムF91) パイロット状態:健康 ニュータイプ能力覚醒 機体状態:ビームランチャー消失 背面装甲部にダメージ ビームサーベル一本破損 頭部バルカン砲・メガマシンキャノン残弾100% ビームライフル消失 ビームソード保持。 EN5% 現在位置:D-3 第一行動方針:基地へ行き、オルバが亡くなった場所へ行ってみる。 第二行動方針:ガウルン、テニアの殺害 第三行動方針:首輪の解析を試みる 最終行動方針:主催者の打倒 備考1:首輪を所持】 ※ 戦場跡には、無傷、無人のアルトアイゼン・リーゼが放置されています。 【二日目20 30】 BACK NEXT life goes on(1) 投下順 Alchimie , The Other Me life goes on(1) 時系列順 Alchimie , The Other Me BACK 登場キャラ NEXT life goes on(1) アムロ life goes on(1) カミーユ Alter code Fire life goes on(1) アイビス Alter code Fire life goes on(1) 甲児 life goes on(1) ロジャー Alter code Fire life goes on(1) シャギア Alter code Fire life goes on(1) キョウスケ
https://w.atwiki.jp/sentai-kaijin/pages/2750.html
「俺の臭いを嗅げ~!」 【製作No.】 第23号 【名前】 アロハイビスカスカンク 【読み方】 あろはいびすかすかんく 【声】 愛河里花子 【登場作品】 爆竜戦隊アバレンジャー ダイノガッツCD 【所属】 邪命体エヴォリアン 【分類】 ミケラ創造トリノイド 【製作者】 創造の使徒 ミケラ 【得意技】 アロハビームハイビスカスミサイル 【使用カラー】 不明 【抽象モチーフ】 アロハ 【植物モチーフ】 ハイビスカス 【生物モチーフ】 スカンク 【詳細】 ミケラが3つのモチーフ(アロハ、ハイビスカス、スカンク)を融合させて作り出したトリノイド第23号。 らんる曰く「ちょっと可愛いかも~」。 上記の台詞と共に強烈に臭いオナラを相手に浴びせる。 商店街の福引が当たった凌駕達はハワイに行き、そこでキラウエア火山の壁画に描かれていた爆竜ファイヤーノコドンを発見する。 「火山の中に眠っている」という情報を壬琴から得て、アバレキラーや破壊の使徒 ジャンヌと共にファイヤーノコドンの復活を阻止しようと出撃し、自身のオナラを浴びた凌駕達は臭さで倒れそうになった為に変身して、再度オナラを浴びせるも通用せず、ダイノダイナマイトを受け倒される。 その直後、ジャメーバ菌を含む雨を破片が浴びた事で再生巨大化する。 爆竜はオナラで気絶したままだったが、全員のダイノガッツで復活したファイヤーノコドンと交戦中、ファイヤーインフェルノによって爆竜は立ち上がり、更にアバレンオーはファイヤーノコドンと爆竜武装した事によりアバレンオーノコドンファイヤーとなり、最期は爆竜必殺バーニングカッターを受け爆散した。 敗北後、ファイヤーノコドンは長い眠りに再び就いた。 【余談】 喋るのがかなり早く、ダイノダイナマイトを受けた際も「あっバカ、ちょっとタンマ、待ってストップ。スーパーダイノボンバーとかスーパーダイノダイナマイトとか言ってんじゃねえよ!大体スーパーって何だよスーパーって、スーパーはマーケットだけでいいじゃんって聴いてないだろ人の話…うわぁ~!」とかなり長い台詞を約9秒間で発言していた。 巨大化後は喋りはゆっくりになった。 それと同様に名前自体も早口言葉らしく、「アロハイビスカンク」との誤表記も多く存在する。 声を演じる愛河氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は今作が初となる。 夫である岩田光央氏(『侍戦隊シンケンジャー』のソギザライ、『海賊戦隊ゴーカイジャー』の行動隊長ビバブー)もスーパー戦隊シリーズに出演している。
https://w.atwiki.jp/alicecode12/pages/615.html
デイビス=マッカーサー 概要 サンジャオロンのエリート 性別 男性 年齢 26 名前 デイビス=マッカーサー 性格 無神経、理性的、演奏好き 解説 真四角の薄型メガネを掛け、金髪でオールバックの髪型をした神経質そうな青年。 仕事に私情を持ち込まず、スケジュールの一秒の遅れも1ドルの経理の誤差も許さない、ヤナギカゲ重工内では『Mr.サイボーグ』のあだ名で通っている理性的な性格。ジンやフェン、エミーリアなど感情や欲で動きやすい人間の多いヤナギカゲ重工においてはザンザスと並ぶブレーキ役。 一方で人の心情を考慮しない、無神経な物言いを意図せずしてしまうことがあり、それが原因でトラブルを引き起こすこともある。 乗機のサンジャオロンに関しては近距離で闘うため判断一つ誤れば大きな損傷を受けかねない弱点をいかなる状況でも理性を失わないデイビスの性格がカバーしているためか相性は良好。 そんな機械的な彼だが、唯一趣味のクラシック観賞の時だけは年相応の顔に戻るらしい。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/313.html
◆ 素早く、それでいて非常に巧緻に長けた剣閃が迫って来る。受け止め、受け流す。数合切り結ぶ。そして引き際に小さく、それでいて鋭く剣を振るった。空を斬る感触に臍を噛む。 再び距離を開けての対峙。長く細い息を吐く。 手ごわい。少なくとも刃物の扱いに関してはギンガナムを上回り、自身と拮抗していると言っていい。さらに、その妙を得た動きには目を見張るものもある。 黒い機体の後方のただ一点だけを睨みつけ、剣を構える。ギンガナムと他の二機が戦闘を繰り広げている場所だった。そこだけを見ている。目的は一つ。 この黒い機体を避わし、その場へ急行する。 然る後、ギンガナムにこの機体の相手をさせ、他の二人を説き伏せる。それが最善手。 下手にここで戦闘を繰り広げても意味はない。まして、ラプラスコンピューターが破損するようなことがあれば、それは致命的だ。それだけは避けねばならない。 その上で、ギンガナムとあの二人の溝が修復不能になる前に舞い戻らなければならなかった。それが課せられた課題なのだ。 「難儀な話だな……」 「あん? 何がだ?」 「いや、なんでもない」 黒い機体の膂力はギンガナムの機体とほぼ互角。速力と大きさもだ。外見的にも幾らか似通っている。恐らくはこれもガンダムと呼称される機体なのだろう。 力では相手、素早さでは自分ということになる。 全く肝心なときにいない男だ。このような相手こそギンガナムにうってつけであり、黒歴史とやらの知識も役立つというものだというのに。 それを生かすには目の前の男を突破する他ない。 隙は見えない。それでも突破せねばならない。それも速やかに、被害なくだ。心気を澄ませる。掌に刃の重さを感じ、そして、ブンドルは一陣の風となって駆けた。 「悪いが押し通らせて頂く」 「させねぇよ」 ◆ 廃れ、荒れ果てた廃墟で閃光が瞬き、光軸が飛び交う。音響がさらなる音響を導き、廃墟に似つかわしくない喧騒が辺りを支配している。 白桃と浅葱、二色のブレンパワードが織り成す連携を受け、ギンガナムは劣勢を強いられていた。 蒼い機体が視界から消える。ゾクリとしたモノを感じて、振り向き際に左拳を振るった。 頑強な金属音が響き、真っ向から接触する拳と剣。 蒼いほうが動きを変えていた。 それまでの自機の非力さを悟り、単純な押し合いには決して持ち込ませまいとする態度から、真っ向から力勝負を挑むような我武者羅さに変わっている。 二機の足が止まる。押し合い圧し合いの純粋な力勝負。ならばギンガナムに負ける道理はない。 押し切れる。そう思ったその瞬間、白桃色の機体に割って入られ、あえなく距離を取る。 「ちっ!」 蒼い機体がギンガナムを一点に押し留め、足が止まるその隙を白桃色の機体が衝いて来る。 それが相対する二機の基本戦術だった。 まったくもってうっとおしい。決め手の放てぬ戦いというのはストレスが溜まるものだ。 だが、ギンガナムは笑っていた。 こういう戦い方もあるのか、という好奇の心が疼いていた。これは一対一では知りえぬ戦い方なのだ。 愉快だった。こみ上げてくる感情を抑えることが出来ない。今、確実に生きていると実感できる。そのことが堪えようもなく愉快だった。 ギム=ギンガナムは、月の民ムーンレイスの武を司り、勇武を重んじるギンガナム家の跡を継ぐべき存在として生れ落ちてきた。 それを当然のように受け入れ、幼少の頃から鍛錬に勤めてきたギムの誇りは、しかし158年前の環境調査旅行を境に裏切られることとなる。 月に帰還したディアナ=ソレルに軍を前面に押し立てた帰還作戦を主張したギムの父の言が、一言の元に退けられたのだ。 同時に『問題の解決に武力を使うことしか思いつかない者は、過去、自らの手で大地を死滅させた旧人類の尻尾である』と言葉を被せられ、ギンガナム家は軍を没収された。 以後、自害した父に代わりギンガナム家を統治することとなったギムであったが、そこには望んだものは微塵も残されておらず、虚しさだけが胸の内を占めていた。 そして、120年前、30代の終わりに差しかかったとき、ギンガナムの鬱屈が限界に達することとなる。離散していた旧臣を集め、クーデターを企てたのだ。 だが、事を起こした末路に待っていたのは無残な敗北だった。結果、形だけの裁判の末、永久凍結の刑に処され、120年の眠りに付くこととなる。 つまり押し込められ、追いやられ、爆発するも報われず、死んだように過ごしてきたのが彼の半生であった。 しかしだ。彼はここに来て生を実感していた。 幼い頃に夢見た乱世がここにある。血湧き肉踊る戦いがここにはある。心憧れた、絵巻物の中の存在に過ぎなかった黒歴史の英霊達がここには存在する。 そして、なによりも今自分は闘っている。闘っているのだ。これほど嬉しいことがあるか。 生まれて初めて、生が実感できる。生きていると思える。幼少の頃に望んだ自分が今ここには存在しているのだ。 だからこそギンガナムはこみ上げてくる歓喜の声を抑えることが出来なかった。 気持ちが高ぶる。全てがよく見える。体に力が漲っているのが実感できた。そして、それに呼応するかのようにシャイニングガンダムの出力が上昇していく。 想いを力に変えるシステム。まったく良く出来た相棒だ、と一人感心する。 相手は二機。蒼が動きを押し留め白桃が隙を衝いて来るのならば、白桃から先に始末するだけのこと。そう思い定める。 蒼が消える。それを合図にギンガナムは猛然と突撃を開始した。 「芸がないな。マニュアル通りにやっていますというのは、アホの言うことだ! このギム=ギンガナムにぃ、同じ手がそういつまでも通用するものかよぉっ!!」 ◇ 突然、弾丸のように突撃を開始したギンガナムを見て、アイビスは考えたものだな、と一人ごちた。 ラキのバイタルジャンプは多少の揺らぎを持たせてはいるものの、死角への移動を基本としている。そして、攻撃は組合に持ち込むための剣戟が主体。 つまり、消えた瞬間に視界が開けている方向に高速で突っ込めば、攻撃に晒される可能性はきわめて低いのだ。そこを衝かれ、なおかつこちらに狙いを定めてきた。 ならばどうする? 決まっている。 (ブレン!) (……) (やるよっ!!) 今度は自分がギンガナムの打撃を受け止め、力勝負に持ち込み、ラキに隙を衝かせる。役どころが入れ替わった。ただそれだけだ。 歯を食いしばり、アイビスは受けの姿勢を取る。巨岩のような圧力を放つギンガナムを目の前に、大地をしっかりと捉え、構える。 「アイビス、受けるな! 避けろっ!!」 クルツの声だったが、遅かった。一度止まった足を動かすには彼我距離が近すぎる。 ならば、とソードエクステンションを両の手で掲げ、受ける。接触の瞬間、刀身を反らし、受け流す。受け流したはずだった。 天と地が逆さまに、視界が反転する。 巨大なダンプ、あるいは列車に撥ねられた人間のように錐揉み回転をしながらヒメ・ブレンが宙を舞う。 ブレンが大地に打ち付けられ、アイビスもまたコックピットにその身を激しくぶつけられる。意識が明滅し、追撃を予想して身を固くした。 が、次の瞬間襲ってきたのはギンガナムの追撃ではなく、クルツの怒声であった。 「馬鹿野郎! 真っ向から受け止めるなんて正気か?」 クルツの顔面越しに投影されたモニターには、ギンガナムと交戦を続けるラキの姿があった。恐らくは追撃をかけられる前に割って入ってくれたのだろう。 結局はまだ足を引っ張っている。その口惜しさが拳を固くした。 「うるさい。ラキは同じブレンパワードで止めてる。なら、私だって……」 「お前には無理だ。あれはお前には向いてねぇ、俺にもだ」 アイビスの抗弁をクルツは軽く受け流す。 そう。アイビスとラキでは受け方が違う。というよりラキの受け方が少々特殊だった。 通常の受けは相手に押し負けぬように足場を、土台をしっかりと安定させて受け止める。 対して、ラキはその場で受けようとせずに前に出る。受けるというよりはぶつけに行っていると言ったほうが正しいのかもしれない。 相手の一番力が乗るところでは決して受けず、前に出ることで打点をずらし、力を半減させ、自身の前に出る力をそこに上乗せさせる。言葉にすればそんなところだろう。 だが、それでようやく五分。いや、それでも四分六でギンガナムの膂力のほうが強いのだ。真っ当な受け方では勝負にならない。 だから今モニター向うのラキは、受けの後瞬時に弾き距離を置く戦い方に戻していた。一機でギンガナムに抗うには、そうする他はない。 (ブレン、悔しいね……あいつらには出来て、私らには出来ない) 俯き、ブレンの内壁に添えた手にギュッと力を込める。 悔しかった。他人には出来て、自分には出来ない。それは落ちこぼれと言われているようで悲しい。悔しい。そしてなによりも自分の不甲斐なさは腹立たしかった。 そんな思いがその手には込められている。 「アイビス、ラキを羨ましがるんならお門違いだ。だが、そうじゃねぇ。そうじゃねぇだろ? ラキにはラキのブレンの扱い方がある。だったらお前にはお前なりのやり方ってもんがあるだろうが。違うか?」 「私なりの……やり方?」 見透かしたように掛けられた声に驚く。考えたこともなかった。 人を羨むのではない自分なりの乗り方。スレイにでも、ラキにでも、誰に対するでもない自分なりのやり方。こんな何でもないことなのに、考えたこともなかった。 No.1に対するNo.4。負け犬という別称。流星という不名誉な字。それらに引け目負い目を感じてきたのは、知らず知らずのうちに誰かに対する自分を意識していた証なのかもしれない。 「クルツ」 「ん?」 「ありがと。ただのスケベ親父じゃなかったんだ」 「おいおい、親父はよしてくれ。俺はまだ二十代だぞ」 「そっちに反応するんだ」 軽口を叩き、笑い、顔を上げる。目にキラリと光が灯る。また一つ憑物が取れた。そんな顔だった。 (……) (ブレン?) (……) (うん。わかった。やってみよう!) いつからかブレンの声が聞こえるようにもなっている。普通に会話も出来る。そのことに未だ気づかぬまま、アイビスは声を張り上げた。 「いくよ、ブレン!!」 視界の先には、ギンガナムに押しやられ、ついに体勢を崩したネリー・ブレンの姿がある。 そこへ跳び、ネリー・ブレンの真横にジャンプアウトした。叫ぶ。 「ラキ、ブレン同士の手を合わせて!」 「手を?」 「早く!!」 ギンガナムとの距離は既に幾許もない。そんな中、二機のブレンパワードが手をつなぎ、胸を張る。 次の瞬間に顕現するのは二体のブレンパワードが張り巡らすチャクラの二重障壁――ではなく、ただ一重のチャクラシールド。 しかし、二つのチャクラが混ざり合うそれは、強固な分厚い壁である。打ち付けられた拳とチャクラの間で火花が散り、拳を弾かれたギンガナムの姿勢が仰け反るような格好で崩れた。 その瞬間、ヒメ・ブレンは飛び出し、真っ直ぐに距離を詰める。 「ギンガナム、あんたは私の行為を偽善だと言った。でもね、人の為の善と書いて偽善と読むんだ!! なら、私はジョシュアのためにあんたを討つ!!!」 体勢が整う前に畳み掛けると決めていた。擦れ違い様にソードエクステンションによる横薙ぎの一閃。 しかし、ギンガナムもさすがと言うべきか、体勢が不完全ながらも咄嗟にアームカバーを構える。 固い金属音が鳴り、受けたギンガナムの体勢が完全に崩れ、仰向けにひっくり返った。この好機、逃す手はない。 「ラキ、合わせるよ! やり方はブレンが教えてくれる」 「ブレンが? ……ひっつく? くっつくのか?」 二機で小規模なバイタルジャンプを繰り返し、翻弄し、体勢を立て直させる隙は与えない。ラキが次の瞬間何処に現れるのか、それはアイビスにもわからない。 しかし、決め手を放つ瞬間、どこに現れ、どうすれば良いのか、それはブレンが全て教えてくれた。 「1・2・3」 タイミングを計る。体勢の崩れたギンガナムの右後方。ドンピシャのタイミングで二機はそこに現れた。 背中が合わさる。ブレンバーとソードエクステンションが、鏡合わせのように突きつけられる。その動きには寸分のズレさえも存在しない。 「チャクラ」 「エクステンション」 「「シュートオオオォォォォオオオオオオオオオオ!!!!」」 二つの銃口に光が灯り、濃密で重厚なチャクラの波が放たれる。巨大な破壊の力を携えたそれが、堰が決壊し氾濫した濁流の如くギンガナムへと猛進していく。 その光景の最中、突如として覇気に満ちた笑い声が大地を震撼させた。 「ふはははは……。これをおおぉぉぉ待っていたっ!!」 そう。ギンガナムはこのときを待っていた。かつて相対した男が最後に放つはずだった一撃。 それに酷似したこの一撃を真っ向から打ち破ることには二重の意味がある。すなわち、この戦いとあの男との戦い、二つの勝利。 「貴様らが七色光線ならばぁぁ、小生は黄金の指いいいぃぃぃぃいいいいいいいい!!!」 押し包み、瞬く間に呑み込まれて消えるその刹那、ゆらりと起き上がったシャイニングガンダムは左腕を無防備に突き出した。その指間接が外れ、隙間から染み出した液体金属がマニピュレーターを覆い、発光。そして―― 「喰らえっ!!! 必いいぃぃぃ殺っ!!! シャアアアァァァイニングフィンガアアアアアアァァァアアアアアアアアアアアア!!!!」 その光り輝く左腕が荒れ狂うチャクラの波に真っ向からぶつかった。 真っ直ぐに伸びたチャクラエクステンションが、ギンガナムがいる一点で遮られ四方に拡散する。拡散した幾筋ものチャクラのうねりは大地を抉り、暴れ、阻むもの全てを破壊する。 だが、それで終わりではない。三者の激突は未だ続いている。チャクラエクステンションはシャイニングフィンガーただ一つで抑えきれるほど甘くはない。 強大な圧力に押さえ込まれ、ギンガナムは前に出ることが出来ない。いや、むしろ押されている。 重圧を一点で受け止める左腕は断続的に揺れ、ぶれ動き、機体を支える両脚は爪のような跡を残しながら徐々に後ろへと押し流され、爪跡はチャクラの濁流に呑まれて消え去る。 このままでは押し切られ、呑み込まれるのは時間の問題なのだ。だがしかし、ギンガナムに諦めの色はない。あるのはただ狂気的とも言える喜色のみ。 「ぬううぅぅぅぅぅぅっ!! 見事! まさに乾坤一擲の一撃!! 実に見事な一撃よ!!! だがなあぁぁぁっ!!!! この魂の炎! 極限まで高めれば、倒せない者などおおぉぉぉぉっないッッッ!!!!!」 押し流され続けるシャイニングガンダムの足が止まる。エンジンの出力が上がり続け、背面ブースターが限界を超えてなお唸りを上げる。 「シャイニングガンダムよ。黒歴史に記されしキング・オブ・ハートが愛機よ。お前に感情を力に変えるシステムが備わっているというのならああぁぁぁっ! 小生のこの熱き血潮!! 一つ残らず力に変えてみせよおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!」 そのギンガナムの雄叫びを合図に、それは始まった。 機体の色に変化が生じる。白を基調としたトリコロールカラーから、色目鮮やかな黄金色へ。そして、機体を構成する全てのものが眩く発光を始め、闇夜を切り裂くチャクラ光の中に黄金が浮かび上がる。 変化は外見のみに留まらない。充溢する気力を喰らい天井知らずに上がり続ける出力は、計測器の針を振り切り、それを受けた推力は前進を可能にしていたのだ。 「ふはははは……このシャイニングガンダム凄いよ! 流石、ゴッドガンダムのお兄さん!!」 爆発的なスラスター光を背に感嘆の声を上げ、七色の輝きの中に飛び込んだギンガナムは激流に逆らい、遡上を始める。 その様は鯉の滝登り等という生ぬるいものではない。天を衝くが如き勢いと圧力を持って遡上し、そして、金色の光がチャクラの波を衝き抜けた。 「なっ!」 阻むものを失ったギンガナムの突進は、限界まで引き絞られた矢が飛び出すようなもの。 弾ける勢いでヒメ・ブレンの頭部を掴んだギンガナムは一筋の閃光となり、建ち並ぶ廃墟の群を物ともせずに突き破る。そして、その終着でヒメ・ブレンを天高く掲げ―― 「絶っ好調であるっ!!!!」 爆発。轟音を残して頭部を粉砕されたヒメ・ブレンが崩れ落ちる。同時に背後で異音。俊敏に反応し、振り向き際に蹴り飛ばした。 ◇ 蹴り飛ばされたネリー・ブレンが瓦礫の海に埋没する。息を弾ませ、衝撃から来る苦痛にラキは顔を歪ませた。 虚を衝いたはずの視覚外からの攻撃にも対応してみせる油断のなさ。加えて、奴の言をそのまま信じるのならば、あの闘争心がそのまま反映されるシステム。 つくづく厄介だというのが、率直な感想だった。 そう考えて、ふと自分らも似たようなものか、という思いを抱いた。アンチボディーはオーガニックエナジーを糧に動く。そこには人の放つものも含まれているのだ。 ならば、自分やアイビスの感情もまたブレンに力を与えているのだろう。そう思った。 (ブレン、すまない。大丈夫か?) (……) (よし) 心を落ち着け、ブレンに声をかけると立ち上がらせる。その姿を前にギンガナムから通信が飛んできた。 「ほう。まだ戦う意志を失わぬか……見上げた根性と誉めてやろう。どうだ? ギンガナム隊に入らぬか?」 「悪いがお断りだな」 「ならば死に物狂いで戦うことだな。それにここで小生を倒せばジョシュアとやらの魂も救われるかも知れぬしなぁっ!!」 「ジョシュアはそれを望まない。人には戦いなど必要ないんだ」 本心だった。ジョシュアの弔いの為と思い定めて戦いはしても、どこか違うという思いは常について回っている。 不意にギンガナムが動く。早い。咄嗟に拳をブレンバーで受け止める。 「それは違うな。人は己の内に闘争本能を飼っている。 それを解き放つために戦いは必要なのだ! その為にこのような場が用意されている!!」 「本能の赴くままに戦い続ける姿のどこに人間らしさがある!」 言葉を返し、弾き、距離を取る。意外なほどブレンの掌に伝わる重みは軽かった。遊ばれている。咄嗟にそんな思いが頭を突く。 揺れ動き、翻弄させるような動きを取りながら、ギンガナムが言葉を吐く。その口調には言葉遊びを愉しむような余裕が込められていた。 「ならば聞く! 水槽の中で飼われている魚のような生のどこに人間らしさがある!!」 「どういう意味だ」 「外敵もなく、餌も十分に与えられ、安全で平和な住みやすい環境。それを世界の全てだと思い込んでいる。まるで飼われた魚の様ではないか。 だがなぁ、人間はそのような環境に息苦しさを覚える。だからこそ、ディアナは地上へ帰ることを望んだ。 だからこそ、このギム=ギンガナムは戦い、戦乱をもたらすのだ。人として生きる為になぁっ!!」 突如動きが変わり、強烈な一撃がラキを襲う。それをブレンバーで受け流し、攻撃に転じながらラキは反論を返す。 ギンガナムの言を受け入れることはジョシュアの、人として生きようとした自分の生き様を否定することだ。それは、死んでも受け入れることはできない。 「それは違う。確かに人は生きるために戦うことがある。憎しみにまみれて道を見失う者もいる。 だけど、それだけが人じゃない。それを私はジョシュアから、人から学んだ」 「だが、貴様は戦っているぞ!!」 受けたギンガナムが言う。シャイニングガンダムとネリー・ブレンの双眸が、ギンガナムとラキの眼光がぶつかり火花が散った。 巨大な重圧を伴ってギンガナムは圧し掛かってくる。そのギンガナムの言葉には迷いがない。だからこそ強く、なによりも危険なのだ。気を抜くと押し切られそうになる。 「そうだ。私は戦っている。私はメリオルエッセ……負の感情を集めるだけの働き蜂。所詮、人にはなれない。だから――」 唇を噛み締めて言う。渾身の力で押し返し、再び距離を取ったところで泣き出しそうになり、思わず言葉を区切った。 人にはなれない。それはある意味では分かっていたことだ。いくら憧れ、恋焦がれようとも、蛾に生まれついた者が蝶になることは適わない。 同じだ。私もメリオルエッセに生まれついたからには、人になることなど適わないのだ。 分かっていた。分かっていたが、どこかでそれを受け入れてない自分がいたことは、確かだった。 それなのに、今自分の言葉で肯定し、受け入れてしまった。それがどうしようもなく悲しい。 でも、それよりも受け入れ難いことが存在する。だからこそ泣き出したい思いで受け入れた。 人は私とは違う。私の周りにいた人は、負の感情を集めるためだけに作られた私に、それだけが人ではないと教えてくれた。 そんな人間が、憧れ恋焦がれた人間が、戦いを自ら望むような者であって良いはずがない。 私の傍にいた人が与えてくれたぬくもりは、そんな人からは決して得られないものだ。そう信じたい。 「だからこそ、貴様は私の手で止めてみせる!!」 「それは結構。だが、できるのか? このギム=ギンガナムをぉ!!」 切り結び、跳び、かわし、攻め、守る。目まぐるしく入れ替わる攻防ではあったが、バイタルジャンプを多用してようやくギンガナムの動きについて行けるという状態だった。 初手を合わせたときから比べ、ギンガナムの気力は満ち溢れている。それに伴ってシャイニングガンダムの基礎能力が桁外れに上がっていた。 対し、ラキの操るネリー・ブレンは少しずつ消耗し、痛み始めている。ラキ自身も似たようなものだ。 それでも方法はあった。死ぬ気になればやることができるただ一つの方法が。 (……) (ブレン、落ち着け。仇は私が討たせてやる。それと私に遠慮はするな) (……) (恍けるな。お前が私を気遣ってくれているのは分かっている。でも、それじゃ駄目なんだ) 分かっていたことだ。ネリー・ブレンが自分を気遣い、自分の周辺に集まり渦巻いている負の感情のオーガニックエナジーを主として動いていたことは。 それはラキの負担を減らすためだろう。それに造られた生命であるラキのオーガニックエナジーは、自然の生命に比べると驚くほど希薄で弱いのだ。だがそれでも―― (……) (いいさ。ここで全て吸い尽くしていけ) (……) (すまないな。ありがとう) ブレンの説得を終え、しかし、息をつく暇もない。攻防は続いているのだ。 視界の端でギンガナムを捉えつつ、隙を見て通信をヒメ・ブレンへと試みる。 頭部を失ったヒメ・ブレン相手に通信が繋がるか不安はあったが、程なくそれが要らぬ心配だったということが証明された。通信は繋がった。 「アイビス……無事か?」 「うん。私は大丈夫。でもブレンが……ブレンが私のせいで……」 ギンガナムの攻撃を受けるその一方で盗み見たアイビスの表情は暗く沈んでいる。 アンチボディーは半分機械半分生物という特殊な存在だ。頭部を失うということは死を意味している。 それを自分のせいだと思い込み、責任と重荷を背負い込んでいるといった感じだった。その姿に一瞬頬を緩ませる。 やはり人間は優しく暖かいのだ。ブレンはきっとそんな人の優しさに魅かれたからこそ、人を必要とする体に生まれたのだろう。そう思った。 その一方で、無理だろうなとは思いつつ慰めの言葉をかける。 「気にするな。お前は精一杯やった。だれもお前を責めやしない。お前のブレンもきっとお前を恨んでやしない。 そして、これから起こる事もお前のせいではない。だから、気に病まないでくれ……そうなると、私は悲しい」 「えっ?」 伏せていた顔が上がるのを目の端が捉えた。バルカンを二発三発とかわしつつラキは言う。 「……私のブレンを頼む。こうみえても寂しがりやなんだ。きっとお前の力になってくれる」 「ラキ、あんた……」 「ジョシュアが最後に守った者を私も守れる。それだけで十分だ」 「違う。違うよ……ラキ」 顔を左右にふるふると振るわせるアイビスを無視して、言葉を続ける。 自分の声が湿り気を帯びていくのに辟易しながらも、どうすることも出来ない。 「アイビス、会えてよかった」 「ラキ、ジョシュアが本当に守りたかったのは私じゃない! あんたなんだ!! だから、だから一緒に生き延びよう……二人で生き延びる道もきっと見つかるからっ!!!」 耳に飛び込んできた声にハッと目を見開き、俯いた。出来ることならそうしたかった。でも目の前の現状はそれを許すほど甘くはない。 だから、ラキは一度だけギンガナムから視線を外し、アイビスを見て声を掛ける。努めて明るく、精一杯の笑顔で。 「本当はもっと落ち着いて話がしたかった。でも時間がない。アイビス、お別れだ」 「ラキ!!」 「盛り上がってるとこ悪いがな。お前らは死なねぇよ」 「「クルツ!!」」 突然割って入った声にラキとアイビス――二人から驚きの声が上がった。そんな二人に構うことなくクルツは飄々と言葉を繋げる。 「ラキ、お前がろくでもないことを考えてるのは分かってる。でも悪いな。こいつは俺が貰う。お前はアイビスと行け」 「何、無茶なことを言っている。その半壊した機体でこいつを押さえられるはずがないだろう」 「無理だよ、クルツ。あんた一人ならまだ逃げられる。機体が動くのなら逃げて」 「うるせぇっ!!! うるせぇよ……行きたいんだろ? 本当はそいつと行きたいんだろうが!!!」 「それは……」 言い澱み、覚悟が揺らぐ。 諦めたはずの先を突きつけられ、そこにいる自分を連想してしまい生きたいという衝動が膨らむ。思わずクルツの言葉に縋りつきたくなり、浅ましいと自分で一喝する。 そんな心の機微を見通してか、クルツは言葉を畳み掛けてきた。 「行けよ。とっとと行っちまぇ! いいか? 勘違いするんじゃねぇぞ。俺はお前の代わりにこいつの相手するんじゃねぇ。誰かの代わりなんて真っ平ごめんだ。 俺は俺が好きでこいつの相手をするんだ。こいつは俺の我侭なんだよ。あいつと一緒に行くのはお前の我侭だ。だったら、我を張れよ。押し通せ。 会ったときからお前は我侭尽くしだったんだ。いまさら変に遠慮なんてしてんじゃねぇっ!!」 「しかし、お前は……」 「俺は俺の我を通してここに残る。お前はお前の我を通してあいつと行く。それで全部まとめてオールO.K。円満解決。大団円だ。違うか? 違わねぇだろ。 分かったか? 分かったら、さっさと行っちまえよ。お前らがいると邪魔なんだよ。気になっちまって、切り札が切れねぇ」 「ならばそのカード、小生が切りやすくしてやろおっ!!」 「ッ!!」 クルツに気を取られすぎていた。気がつけばギンガナムが間近に迫っていたのだ。 近いっ! 近過ぎる。回避も何も、全てが間に合わない。直撃? 当たるのか? くらうのか? くらえば―― 豪腕を目前にぞっと全身が怖気立ち、肝が冷えた。思わず目を閉じ、首を竦める。身を固く小さくして来るべき衝撃に備える。 しかし、その瞬間はついぞ訪れなかった。変わりに怒声が飛んで来る。 「何やってんだ! 早く行け!! ちんたらしてんじゃねぇ! 今すぐ走れ!!」 恐る恐る開けた視界に、いつの間に忍び寄ってきたのか、ギンガナムに背後から組み付くラーズアングリフの姿が映しだされる。 「ク……ルツ?」 「さぁ行け! 行くんだ! 行って、俺の代わりに二人であの化け物に一発かましてこい……頼んだぞ」 目が合い、気圧された。その目には一本の筋が通った、ぴんと背筋の伸びた胸に迫る何かがある。 それに抗おうと胎に力を込めたが、一度揺れた覚悟はそれを押し返すまでの強さを持ってはいなかった。 乾いた口が動く。何度か唾を飲み込み、何度も言葉を喉元で押し殺したその口は、しかし最後には辛うじて聞き取れる程度の声で喉を震わせた。 「……すまない。頼む」 「いいってことよ。任せろ」 陽気な、いつもと変わらぬ声が耳朶を打つ。悲壮さなど微塵も感じさせない、ちょっとした用事を引き受けるような、そんな声だった。 クルツとギンガナムに背を向け、ネリー・ブレンが跳ぶ。 決めた以上、戸惑ってはならない。速やかに動かなければクルツの覚悟に水をさすことになる。それが、似たような覚悟をほんの少し前まで決めていたラキには、痛いほど分かっていた。 ジャンプアウト。物言わぬヒメ・ブレンを抱え上げる。アイビスが文句を言ってきた。その気持ちも、やはり痛いほどに分かる。 だがそれに耳を貸すわけにはいかない。例え恨まれようと構わない、とラキはその場からの離脱を開始する。 普通に長距離のバイタルジャンプを行う余力は、もう残されていなかった。 ◆ 赤い戦車のような人型機動兵器が投げ飛ばされ、瓦礫の海に埋没した ラキとアイビスが離脱を開始して数分。ずぶずぶと上下逆さに埋没していく機体の中、クルツは一人ぼやく。 「やれやれ、こんなつもりじゃなかったんだけどな。こういうのを親心って言うのかね」 本当に初めて会ったときから世話のかかる奴だった。意見は食い違うわ、一度決めたら梃子でも動かねぇわ、自分勝手に動き回るわで、本当に面倒ばかり掛けやがる。 でも気持ちのいい奴らだった。 にしてもついてねぇな。こんなとこに呼び出されてまでして、俺、何やってるんだろうな……。 「……まぁいいさ。悪かぁねぇ」 がばっと起き上がり、コンクリートの破片を跳ね除けながら呟いた。 ああ、そうさ。悪かぁねぇ。女を守って死ぬ。男として最高の死に様じゃあねぇか。あんたもそんな気分だったんだろ? ジュシュア=ラドクリフ。 ふぅ~っと長い息を吐く。横目でちろりとこれから命を賭ける相手を見やり、リニアミサイルランチャーを突きつける。 「悪いな、大将。俺の我侭に付き合ってもらってよ」 「貴様がその半壊した機体で何をするのか興味があってな。だが、空の銃では小生は倒せぬ。そこのところは分かっているのか?」 クルツが最も懸念していたこと、それは無視をされ二人の後を追われることだったが、どうやらその心配はなさそうだった。人知れず胸を撫で下ろす。 敵さんは、こちらの手札に興味津々なご様子。ならどうすればいい? 簡単だ。挑発して好奇心を呷ってやればいい。そうすればもう少し時間を稼ぐことが出来る。 「知ってるか? プロってのは、弾を撃ち尽くしても最後の一発ってのは取っておくもんだ。本当にどうしようもなくなっちまったときに自分の頭を撃ち抜く為にな」 「下らんな。己の頭を自ら撃ち抜くぐらいなら、その一発で相手を倒すことを考えるべきだ。 最後まで相手の喉下に喰らいついて初めて一人前の兵士と言える。貴様もそうだろう……違うか?」 「そういう考え方もありっちゃありなんだが……。勿体つけといて悪りぃんだけど、実は弾なんか残っちゃいねぇんだな、これが」 リニアミサイルランチャーを手放す。瓦礫で跳ねたそれが乾いた音を立てた。 からかわれたとでも感じたのかモニター越しの表情が怒り、睨みつけてくる。想像以上に単純な奴だ、とほくそえんだ。話術では負ける気がしない。 「短気は損気。そう怒りなさんなって……。代わりにギンガナム、あんたには別のもんをぶつけてやるよ」 「ふんっ! 貴様のごとき雑兵の命一つで小生を止められると本当に思っておるのか?」 完全に臍を曲げたらしい男を前に急にクルツの目つきが変わった。 「馬鹿言っちゃいけねぇな。あんたに生き残られちゃ、せっかくのお涙頂戴シーンが台無しだ。 それになぁ、お前さん自分のこと買いかぶり過ぎだ。こちとら戦争屋。弾なんざなかろうが、手前を倒す手段なんざいくらでも思いつくんだよ。塵一つ残さねぇから覚悟しろい」 「吠えたな」 「吠えたさ」 売り言葉に買い言葉。睨み合い。互いの鼻が白み。直ぐに二つの哄笑が廃墟に木霊し始める。カラッとした笑い声が大地を包む。 「面白い! ならばきっちり殺してみせろよ!!」 「上等だ! そろそろ行くぜ!!」 時間は十分とは言えないが稼いだ。もう巻き込む心配も多分ない。あとは俺が上手くやれば万事オッケー、全ては上手く収まる。 シザースナイフを抜き放ち、握り締める。接近戦の不利は百も承知。だがそれでもラーズアングリフに残された武器はそれしかない。 「来いっ!!!」 腰を低く落とし、ギンガナムの声を合図に猛然と突進を開始する。敢行したのは命がけの接近戦。 だが、それは余りにも馬鹿げた行為だった。ただでさえ鈍重なラーズアングリフだ。脚部を損傷した現在、ギンガナムと比べるまでもなく動きは鈍重を極めている。 動きは鈍く、勢いも無ければ、切れも伸びも無い。ギンガナムから見れば凡庸も凡庸。ただ愚鈍なだけの特攻としか映らなかった。 ゆえにギンガナムは激昂した。軽んじられた。甘く見られた。そういう思いが有り、自尊心についた傷が感情を刺激したのだ。 「どんな隠し玉があるのかと思えば、ただの特攻とは……実に下らん!!」 ギンガナムが動く。ラーズアングリフの鈍重さに比べ、その動きはまさに疾風。 「小生を愚弄した罰だ!! DNAの一片までも破壊しつくしいいぃぃぃいいいい、鉄屑にしてやるっ!!!」 間合いが瞬時に潰れる。ギンガナムが放った手刀は、頑強な装甲の継ぎ目を狙う一突き。 右胸を貫かれるその寸前、クルツはシザースナイフを投げ捨てた。右腕で逃さぬようシャイニングガンダムを抱きしめる。 「野郎に抱きつくなんざ趣味じゃねぇが……この時を待っていたんだよ!」 「何だこれは! この馬鹿げた熱量は!! 貴様ぁ、一体何をした!!!」 キーボードに指を滑らせ、一つの文字列を叩き込んだ。それは祈祷書の『埋葬の儀式』の一節を捩ったシャドウミラーの自爆コード。 その真髄は機密保持の為、後には何も残さない絶対の破壊。文字通り全てを無に帰す力。 即ちコード名―― ――Ash To Ash―― 「別に大したことなんざしてねぇよ。ただ土に還るだけさ。俺もお前もなっ!!」 勝利を確信し、誇らしげに笑ったクルツを光の海が包み込んだ。 →Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(ver.IF)(4)
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/235.html
第120話「Unlucky Color」まで 死亡者編 『死亡者名(搭乗機)/殺害者名(搭乗機)』 キャラ辞典より抜粋&コメント なお順番は死亡順 エクセレン=ブロウニング(搭乗機なし)/アインスト=ノイ=レジセイア(搭乗機なし) アインスト=ノイ=レジセイアに最初の見せしめにされ首輪を吹き飛ばされ死亡。 このことによりキョウスケはアインスト達を倒しアルフィミィを解き放ちエクセレンを迎えに行くこと を覚悟する。 メルア=メルナ=メイア(ジム・カスタム)/グ=ランドン・ゴーツ(ラフトクランズ)、流 竜馬(大雷凰) グ=ランドンに機体を串刺しにされ竜馬に機体を爆散されロワ参加者(除くエクセレン)初の死亡者となる。 早々にテニアとの合流を果たすも彼女の目の前で死亡。このことがきっかけでテニアがゲームに 乗ってしまいカティアを殺害、統夜も乗っているので彼女の死は報われない。 グ=ランドン・ゴーツ★(ラフトクランズ)/フェステニア=ミューズ(ベルゲルミル) 竜馬の大雷凰に機体をライジングメテオ・インフェルノで真っ二つにされる。 それでも生存していたがテニアを挑発、そのまま彼女に撃ち殺される。 だが彼の言葉は彼女の心に絶望を植えつける。 ラクス=クライン EVA零号機)/ヒイロ=ユイ(レイダーガンダム) EVA零号機を操ってヒイロを追い詰め、説得しようとするも常識外れの攻撃により零号機を破壊され、死亡。 版権作品初の死亡者となる。似た思考の持ち主であるリリーナとは遭遇できなかった。 木戸 丈太郎(クロスボーン・ガンダムX2)/相羽 シンヤ(搭乗機なし) 知恵と技術でサイコガンダムを撃破するものの、相羽シンヤがテッカマンに変身できるとは見抜けず、 PSYボルテッカにてコクピットブロックごと蒸発させられる。 彼が放送で名を呼ばれてもたいして影響がないことも考えると可哀想な死に様である。 神名 綾人(アルトロンガンダム)/テンカワ=アキト(YF-21) ロジャーとリリーナを奇襲するも、割り込まれたアキトにマーダーとみなされコクピットに拳を 打ち込まれ死亡。だが、彼との戦闘で凰牙のENがなくなったためリリーナの死にも関与している。 カティア=グリニャール(VF22S・Sボーゲル2F)/フェステニア=ミューズ(ベルゲルミル) テニアと再会するも、すでに彼女はゲームに乗っており絞殺される。テッカマンに殺られたキッドを 除けば当ロワで生身で殺られた人、第一号である。なお、友人に殺されるという最後をとげた一番欝な 死に方である。 ジョシュア=ラドクリフ(クインシィ・グランチャー)/ギム=ギンガナム(シャイニングガンダム) アイビスと行動中に統夜に御大将を擦り付けられる。そのまま戦闘中にクインシィに邪魔され シャイニングフィンガーを喰らい機体が大破、アイビスと共に逃げるものの既に彼は爆死していた。 なお、彼の死はラキに影響を与えるため彼女の今後が心配である。 リリーナ=ドーリアン(セルブースターヴァルハラ)/相羽 シンヤ(搭乗機なし) 機体をばらばらにされ連れ攫われテッカマンにコックピットの ハッチをこじ開けられ首を跳ね飛ばされる。 おとなしく凰牙にENを供給していればもっと違った展開が待っていたかもしれない。 ギャリソン時田(ガンダムレオパルド・デストロイ)/ガウルン(マスターガンダム) ガウルンと再び交戦、激戦を繰り広げるもガウルンの宗介の愛の前に敗れ去る。 すごい執事だけに序盤でおしい人が逝ってしまったのは残念。 <<第一回目の放送で上記10名の死亡が伝達>> ユウキ=コスモ(ジガンスクード・ドゥロ) /ジョナサン=グレーン(ガンダムF91) ギャリソンの死を悲しみバサラの歌に心を癒されている 最中にジョナサンの奇襲を受ける。機動性の高いF91を倒すため広範囲攻撃の G・サークルブラスターを放とうとするも生きていたバサラがいたため躊躇。 そのままコクピットにヴェスバーを撃ち込まれ蒸発、死亡する。 九鬼 正義(ドラグナー2型カスタム)/バーナード=ワイズマン(ブラックゲッター) ブラックゲッターの強襲を受け、あっさりと撃墜されてしまう。 ラーゼフォン系は全滅、薄氷同盟最初の死者となった。 アスラン=ザラ(ファルゲン・マッフ)/カテジナ=ルース(ラーゼフォン) カテジナに盗られたラーゼフォンと遭遇。 バサラが乗っていると思い込んだまま交戦。だが、ドラグナ-系の力ではデウスエクス・マキナに 一歩及ばずに機体を両断され敗北。最後に思いを親友に託しながら死亡してしまう。 神 隼人(YF-19)/クルツ=ウェーバー(ラーズアングリフ) 同行していたクインシィがエイジに襲いかかり、続いて現れた竜馬も加わり混戦状態に陥る。 その中、クインシィ・ガロードに3人目を探せと言い押し切る形で離脱させた。 さらに竜馬の説得を試みるも失敗。最後はクルツの狙撃で被弾、そのまま地表に墜落死となった。 アルバトロ=ナル=エイジ=アスカ(ガナドゥール)/流 竜馬(大雷鳳) 消えたラキを探している途中でクインシィに襲われる。 途中乱入してきた竜馬によって一度は気絶するも意識を回復。 壊れたフォルテギガスからガナドゥールを分離して、逃走を試みるが追い詰められる。 最後は大雷鳳と正面からぶつかり合い敗れ去った。 ヒイロ=ユイ★★(搭乗機なし)/ベルナルト=モンシア(搭乗機なし) 一度交戦をしたモンシアとG-6基地で再び遭遇する。 モンシアがヘビーアームズを自爆させた結果、機体を失う。 基地の状態を調べ、格納庫へ一応の確認しに行く途中にまたもやモンシアに遭遇。 白兵戦で彼を追い詰めるも自爆に巻き込まれ帰らぬ人となる。 なお彼の死を持って薄氷同盟は全滅となった。 ベルナルト=モンシア★(搭乗機なし)/ヒイロ=ユイ(搭乗機なし) 大破したヘビーアームズを有効利用しヒイロの乗るレイダーを破壊。 しかし、外の様子をうかがいに行く途中に実は生きていたヒイロと遭遇する。 子供と舐めた結果追い詰められて、ヒイロを巻きこんで自爆死する。 孫 光龍(レプラカーン)/キョウスケ=ナンブ(ビルトファルケン(L)) 機体の整備にと立ち寄ったG-6基地でバーニィを発見。これに襲いかかる。 戦闘中、ゼクス・キョウスケが現れて場が複雑化。 そんな中でキョウスケと戦闘となり、念の暴走の果てにオーラコンバーターを貫かれて死亡した。 シャア=アズナブル(核ミサイル)/カテジナ=ルース(ラーゼフォン) アムロとの合流を目指し、F-2補給ポイントで待機中、カテジナと遭遇。 機転を利かせ、一度はカテジナの撃退に成功するもラーゼフォンの長距離狙撃を受けてしまう。 アイビスを逃がし、彗星は地に落ちる。だがその意志は確かに受け継がれていた。 死亡後も、窮地のアムロと共振する、アイビスの悪夢に出てくると大活躍である。 相羽 シンヤ★★(テッカマンエビル)/クルツ=ウェーバー(ラーズアングリフ) ロジャーから受けた痛手を癒すべくD-8にあるコンビニの食糧を根絶やしにする。 続いて機体の奪取を目指し、移動してきていたクルツに戦闘を仕掛ける。 テッカマンの能力を活かし終始優勢に戦闘を進めていたが、最後の最後でクルツの策にかかり死亡。 テッカマンとしての傲りが最大の敗因であったのは間違いない。 ゴステロ(スターガオガイガー)/ギム=ギンガナム(シャイニングガンダム) アムロを追いつめるも、ブンドル、ギンガナムに乱入され、勝機を逃してしまう。 そのままギンガナムと戦闘になるが、彼には「勇気」が足りなかった。 純粋な力比べに負け、死亡。 ゼクス=マーキス(メディウス・ロクス)/キョウスケ=ナンブ(ビルトファルケン(L)) キョウスケと共に基地の制圧に成功するも、直後に機体制御をAI1に乗っ取られてしまう。 が、メディウス内部からキョウスケをサポート。 オクスタンライフルに撃ち抜かれ死亡するも、その魂は最後まで気高かった。 カズイ=バスカーク(メディウス・ロクス)/キョウスケ=ナンブ(ビルトファルケン(L)) ゼクスの操縦技術をAI1に学習させ、メディウスの制御を奪う。 圧倒的な力でキョウスケを追いつめるが、最後には人の力に破れることとなる。 オクスタンライフルを撃ち込まれ死亡。 マサキ=アンドー(アルトアイゼン)/ガウルン(マスターガンダム) キラたちと共にダイへと戦闘を仕掛ける。 ガウルンと戦闘になり、ボロボロのアルトアイゼンで善戦するも一歩及ばず、コクピットブロックをもぎ取られ死亡。 彼の持っていた小石がある人物の運命を大きく変えることとなる。 ミスマル=ユリカ(無敵戦艦ダイ)/ガウルン(マスターガンダム) Jアーク組と交戦。地盤を崩すという荒技で戦況を一変させたが、その直後にガウルンによってダイの艦橋は大破。 外に投げ出されアキトと再会を果たすも、マスターガンダムに踏まれ圧死。 彼女の死はアキトに多大な影響を及ぼすことになる。 <<第二回目の放送で上記15名の死亡が伝達予定>> 以上、死者の説明を終わりますの。この調子でどんどん増えることを期待しておりますの。 生存者編 ●小隊(最新エピソード時の場所と時刻)状況コメント ・『生存者名(搭乗機)タイプ分け』備考&一口コメント 自衛協力型(自衛はするが友好的。対マーダー予備軍) 無差別型(見敵必殺・問答無用) 猫被り型(友好的に見えるが、攻撃の機会を狙っている) 策士型(知略戦で漁夫の利狙い。攻撃は最終手段) 対マーダー(マーダーは攻撃。他には協力的) 自衛戦闘型(敵対するなら相手を殺す気あり) 協力暴走型(基本は自衛協力的だが、状況によって暴走してしまう) 平和解決型(攻撃されても話し合いで解決したい) ●バーニィ(G-6/初日20 50) 気絶中。 バーナード・ワイズマン★(ブラックゲッター)無差別型 ゲッター線目当てのAI1の攻撃を受けた結果、機体は実質大破。 同時に気絶する。ちなみに彼の気絶は本日二度目、戦績は一勝三敗。 それでも生きているあたり悪運がかなり強い。 ●カテジナ(F-1/初日21 00) シャアを撃墜し、現在は補給ポイントを探している。 カテジナ・ルース★★(ラーゼフォン)自衛戦闘型 バサラから機体を強奪し、アスラン、シャアを殺害。 強化人間の性質がラーゼフォンにどのような影響を与えるかは不明。 ●ラキ(G-8/初日21 00) 目的地は無いが何かできることを求めてアイビスを探している。 グラキエース(ネリー・ブレン)自衛戦闘型 ジョシュアの仇であるギンガナム、統夜と立て続けに遭遇。 しかし、仇であることには気付かなかった為か戦闘にまでは及んでいない。 負の感情を吸収する体質の持ち主だが、現在のところ精神は落ち着いている。 放送直後など負の感情を過剰に吸収すればどうなるかはわからない。 ●統夜(G-8/初日21 00) 朝までひとまずは交戦を避けて休憩中。 紫雲統夜(ヴァイサーガ)策士型 ラキとの接触で放送後からの迷いがより大きくなり、どう転んでもおかしくない状態になりつつある。 テニアを探すつもりだが、見つけたときどう動くかはまだ決めてはいない。 良機体でもあるのでそこそこ生き残れそう。場所が場所なだけに放送まで動かないかもしれない。 ●リョウ(D-8/初日21 00) 仇敵である隼人と再会。しかし、復讐を果たす寸前に横やりによって隼人を殺され怒り心頭中。 流 竜馬★(大雷凰)無差別型 元の世界に戻り隼人や早乙女博士を殺すためマーダーとなる。 現在は体も機体もぼろぼろの状態で、隼人を殺したクルツを追跡中。 真ゲッターはほっといていいのか、竜馬よ。 武蔵との再会した場合どうなるかは未知数である。 ●キョウスケ(G-6 /初日22 10) マサキ捜索隊・足が速い組。……だったが諸処の戦闘でキョウスケ一人に。 ユーゼス達が来るまで休息予定。 キョウスケ・ナンブ★★★(ビルトファルケン(L))自衛協力型 エクセレンを殺されたにも関わらずマーダー化せず、打倒主催者とアルフィミィの開放を目指す。 基地の激戦を生き残るも、カズイの暴走によりメディウスと対決。 辛くもこれを撃破するもその代償は大きかった。 ●クインシィ&ジョナサン(B-4/初日22 30) 再会できたクインシィとジョナサンは真ゲッターに乗り込むことに。 現在はC-6にいるはずのキラとの合流を目指し移動中。 クインシィ・イッサー(真ゲッター)協力暴走型 協調性0なので苦労人な人物としか組めない? エイジを襲い、竜馬と交戦。隼人の言うことをこれぽっちも聞かない。 ジョナサンと合流したがガロードとは別れることに。これがどう影響するのか? ジョナサン・グレーン★(真ゲッター)策士型 クインシィとの合流に成功。今度はJアーク目当てにキラとの合流を目指す。 JアークからF-91に乗り換え、鬱憤晴らしに他の参加者を殺すへたれ。 ●ガロード(B-4/初日22 30) クインシィと別れ、B-1にて神隼人と合流を目指す。 ガロード・ラン(ガンダムF91)自衛協力型 クインシィに振り回されてた。原作でもこんな感じ。 現在唯一の、ガンダムに乗るガンダム作品主人公である。 これは活躍フラグとなるのか!? ●カミーユ&ユーゼス&ベガ(B-5/初日22 30) マサキ捜索隊・足が遅い組。経路はD-6の岩山から西進し深夜0時までにはG-6へ。 カミーユがユーゼスに不信感を持ちつつあるが、ベガが間に入ることで緩和されている。 カミーユ・ビダン(VF-22S・SボーゲルⅡ)自衛協力型 ベガは信頼しつつあるが、非人道的なユーゼスの行いを嫌悪している。 Zガンダムと同じく可変機のバルキリーに乗っている。 本人の操縦センスと相まってかなりの戦力になるだろう。 ユーゼス・ゴッツォ(アルトアイゼン)自衛戦闘型 スパロワで主催者なのは伊達ではなく、アインストの力を手に入れようと画策中。 サイバスターのラプラスコンピューターにも興味がある様子。 周りの人間は協力ではなく利用するつもりである。 DG細胞感染済みの首輪という爆弾をかかえているのも私だ。 ベガ(月のローズセラヴィー)自衛協力型 月のローズセラヴィーを支給されENも満タンなためこの面子では一番攻撃力がある。 ユーゼスのことを信用しているのが彼女にとって吉とでるか凶とでるか。 カミーユに対しては母親的な立場? ●アムロ(B-1/初日23 40) クルツとの戦闘を終え、ブンドルの応援に行くつもり。 アムロ・レイ(ガナドゥール)自衛協力型 エースパイロットとはいえ、機体の状態は良いとはいえない。 もしかしたら目前のストレーガ乗り換えもある? ブンドルと情報を交換。ギンガナムと交戦しているブンドルの応援に向かうつもり。 ●ブンドル(B-2/初日23 40) サイバスターを駆り情報の収集中。 ギンガナムと交戦中。ひとまずアムロから離れたところへ連れて行くつもり。 レオナルド・メディチ・ブンドル(サイバスター)自衛協力型 美しいサイバスターを駆り、対主催者のため首輪解除の情報を集めている。 彼ではサイバスターの全能力を引き出せないが機動力もあり腕も良いので単独でも大丈夫。 ●ギンガナム(B-2/初日23 40)無差別型 伝説のNT、アムロと出会いテンション最高潮。現在ブンドルと交戦中。 ギム・ギンガナム★★(シャイニングガンダム) アムロと出会い、更にはゴステロさえも撃破するという御大将的には最高の状態。 ブンドルからアムロの居場所を聞き出すつもり。 ゴッドカレーパンを食べ栄養状態も万全だ。 ●アイビス(B-2/初日23 40) アムロと戦闘中のクルツをアイビスが助け、バイタルジャンプで移動。 アイビスはクルツがアムロを殺害したと勘違いをしている。ラキについての情報を交換予定? アイビス・ダグラス(ヒメ・ブレン) 自衛戦闘型 ジョシュア、シャアの死が少し響いているようである。 ラキを探すため、目の前の手がかり(クルツ)から情報を聞き出すつもり。 ●クルツ(B-2/初日23 40) シンヤを撃破後、エイジの安否を確認しようとB-1へ移動後、アムロと戦闘に。 その最中アイビスに助けられるもアイビスは彼がアムロを殺害したと勘違い。 クルツ・ウェーバー★★(ラーズアングリフ)猫被り型 隼人を狙撃で仕留め、エイジの離脱を手伝い、竜馬から逃走中。 シンヤから襲撃されるもなんとかこれを撃破。アムロとの戦闘を経てアイビスと対面している。 赤い色との相性が最悪。 ●キラ&テニア&ムサシ&ソシエ(D-7/二日目00 00) 全体的な関係は基本的には悪くない。ただしキラはテニアを若干疑っている。 相手が同じ対主催派だということを知らないままダイと戦闘、なし崩し的にナデシコとも戦うことに。 キラ・ヤマト(Jアーク)対マーダー型 放送後、暴走する事無くロワ脱出を目指す。 半ば無理やりにJアークに乗り換えさせられたが、相性はいい感じ。 フェステニア・ミューズ★★(ベルゲルミル(ウルズ機))猫被り型 彼女自身の戦闘能力は高くはないが猫被りマーダーとしての器量に期待できる。 統夜を殺す事も今では構わないと感じている。 現在混乱を極めるD-7において、彼女の行動は大きな鍵ではないだろうか。 巴武蔵(RX-78ガンダム)対マーダー型 彼はテニアの涙に騙され利用される運命である。 反応弾にビビッてる。 ソシエ・ハイム(なし)自衛協力型 ドスハードを失い、生身で動いていたのが運の尽き、エビルに間違えられ攻撃される。 右足は折れたもののそれでも生きていて、マサキに助けられた。 勝気な性格なので状況によっては怪我を押して飛び出しそうでハラハラする。 ●ロジャー(D-7/二日目00 00) 依頼主は死んだがその依頼は引き継いでいる。しかしシンヤは問答無用で攻撃対象。 ロジャー・スミス(騎士凰牙)平和解決型 D-7にてJアーク組、ガウルンと交戦中。現在は瓦礫の下に埋まっている。 実はこのネゴシエイター、関わった人間の死亡率が高すぎる。 ●ガウルン(D-7/二日目00 00) 気力135。アキトの歪みの原因であるユリカの殺害に成功。 ガウルン★★★(マスターガンダム)無差別型 カシムへの愛でDG細胞によって癌さえも克服した。 D-7の混乱を大いに楽しむつもり。だが一番の狙いはアキトだろう。 ●シャギア&オルバ&比瑪&甲児&バサラ(D-7/二日目00 00) フロスト兄弟は比瑪と甲児を利用する気である。現在は甲児達の人のよさが幸いし穏やかムード。 バサラを拾った。その他にも機体をいくつか拾っておりナデシコの格納庫が充実してきている。 現在はD-7にてJアーク及びマスターガンダムと交戦中。 シャギア・フロスト(ヴァイクラン)自衛戦闘型 ディバリウムと合体しガドル・ヴァイクランとなることが可能。 オルバと共に生き残るためにゲームには乗らない。ただし、他人は容赦なく利用する。 コスモの頭部を潰すことで首輪を手に入れたが、潰したことは現在甲児達には隠している。 現在D-7にてマスターガンダムと交戦中。 オルバ・フロスト(ディバリウム)自衛戦闘型。 兄を裏切った弟の機体に乗せられるも兄弟間の信頼度NO.1である。 MAP兵器持ちであり合体も可能なので強力な機体を運用する。 シャギアと共に生き残るためにゲームには乗らない。ただし、他人は容赦なく利用する。 現在D-7にてマスターガンダムと交戦中。 兜甲児(ナデシコ)自衛協力型 熱血単純な主人公。フロスト兄弟の所為で裏切られフラグを持っている。 ナデシコでは実力を発揮できない。甲板に新たに係留された旧ザクをもしかして使う気か? 現在Jアークと交戦中。 宇都宮比瑪(ぺガス)平和解決型 とりあえず、ナデシコのオペレーターをやっている。ぺガスは格納庫に収納中。 戦闘を嫌い、出来る限り話し合いで解決したいと思っている様子。 現在Jアークと交戦中。 熱気バサラ(プロトガーランド) シャギアに故障した機体ごと拾われる。 意識がはっきりとしない状態でフロスト兄弟の会話を聞いており、今後どう作用してくるかが見もの。 ただし、現在は喉を潰しており、歌はおろか話すことさえままならない。 ●アキト(不明/二日目1 30) ユリカを殺害され、蘇生を願う一心でアルフィミィのところまでボソンジャンプ。 新たにアルトアイゼンを支給され、優勝を目指す。 テンカワ・アキト★(YF-21)無差別型 現在地不明。どこかにランダムで転送されるらしい。 ユリカの蘇生を目指し、マーダーに転向。 ボソンジャンプの使用が首輪爆破条件に追加されたが、ぼろぼろの身体でも戦闘が可能になる薬を所持。 以上、時系列順に二十九名の紹介と状況説明を終わりますの。