約 1,366,881 件
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/3801.html
ティム・デイビス 名前:Tim Davis 出生:1928年2月28日 - 2013年5月7日 職業:俳優 出身:アメリカ 出演作品 1940年代 1942年 バンビ(とんすけ(青年)、フラワー(青年)):小林桂樹、永六輔、奥田英太郎、小野晃弘
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/387.html
かくして、ロジャー・スミスは帰還する――! 「ネゴシエイター……? その機体は!?」 魂まで抜け出ているのはないかと思う声で横から声をかけられる。 そこには、テンカワの乗る機体が白い星の表面に座り込んでいた。 ロジャーは腕を組んだまま、三方を見る。 横――細部が変わっているが、朽ちたキングジェイダーと思わしきロボット。 上――光り輝く『世界』。 下――大いなるO――ビッグオー。 ロジャーは今、天へと伸ばすビッグオーの腕の上にいる。 だが、そこにいるビッグオーは朽ち果てている。腕は片方なく、赤い頭部装甲は砕け、全身は傷だらけだ。 「ビッグオー……」 ロジャーは、無理やりに忘却させられていた記憶(メモリー)を思い出した。 自分はこの殺し合いが始まる前に、あのノイ・レジセイアとあっている。 そこでノイ・レジセイアはこう言ったのだ。完全なる世界とは何か、それを知るための仲介者として世界を演出する存在と交渉してほしいと。 突如この白い魔星へ拉致されたも同然だったのである。信頼や、フェアと言った言葉からかけ離れた横暴をロジャーは当然否定した。 そして、その時もロジャーは叫んだ。来ることを確信し、神の鋳造せし巨人に、生の息吹を与える言葉を。 だがそこでビッグデュオに宿ったノイ・レジセイアにロジャーは敗北した。 ビッグデュオを打ち倒せはしたが、ビッグオーも戦える状態ではなかった。 ロジャーは、ビッグオーの損傷の一つ一つが、どうやってついたか記憶(メモリー)に覚えている。 ノイ・レジセイアは最後に告げた。 「お前と言う存在が起こす可能性……観測する価値がある……しかし、我が目的を知られるには……早い……」 意識が暗転し、気付いた時にはロジャーはその記憶(メモリー)を失い、あの始まりの場所にいた。 ノイ・レジセイアの威光を感じながらも、誰よりも早く一歩を踏み出し、一声を放った理由はそこにある。 コクピットに飛び乗り、左右に並ぶスイッチを手馴れた様子で弾き、降りてくるリング状の操縦桿の中、ロジャー・スミスは両腕をクロスさせる。 目の前には円形のディスプレイ。そこに流れてくる文字は―― “CAST IN THE NAME OF GOD” “YE NOT GUILTY” 雑音混じりでも、ひび割れ読みづらくなろうとも、ビッグオーはロジャーの期待を裏切ることは決してない。 途中までしかない左腕を真っ直ぐ前に突き出し、右腕を腰溜めに。 どれだけボロボロであろうとも、その体勢に構えたビッグオーの両眼は光を得て瞬いた。 ロジャーが見つめる相手は、これから生まれいずる『世界』そのもの。 「ネゴシエイター……なにをするつもりだ?」 「この状況をそのままに投げ出すのは私のやることではない」 自分がやるべきことは、自分で決める。 そして、今やるべきことはこの狂った世界で起こった、狂った出来事を収束させること。 ロジャーは、もう迷わない。 「正気か!? あれが何か分かっているのか!?」 テンカワが、あれが何か、ノイ・レジセイアがなんと言ったかを早口でまくしたてた。 いつも無口で、そういう性分なのかと思っていたが、案外にそうでもないらしい。 ロジャーは冷静にテンカワの話を全て聞き、それでもなお肯定する。 テンカワは、ロジャーの様子を見て、信じられないと言外で示しながらも、さらに断言するように、 「どうするつもりだ? 突然出てきたその機体がどれだけのものかは知らないが、『世界』を相手に戦って勝つつもりか?」 「……私が真っ先に暴力という手段を取る人間だと思っているとしたら心外だが……戦うつもりはない」 「なら……」 「私は」 テンカワの言葉を途中で切って、ロジャーは言った。 「交渉人だ。言葉というものがどれだけの力を持つかも知っている」 ポカンとするテンカワ。その頭上には、コミックなら大量のクエスチョンマークが回っているだろう。 テンカワは、もう白い魔星にふれるほど巨大化した『世界』を指さした。 「あれと……交渉するつもりか!?」 「その通りだとも。私は、諦めるつもりもない。足を止めるつもりもない」 ギアコマンダーに映る蛇の影。 ロジャーはバイパーウィップと契約するときに、こう言った。 ―――――私はロジャー。ロジャー・ザ・ネゴシエイター……この混沌の世界と交渉し、調停する者だ、と。 その契約の条件を、ロジャーは守る義務がある。 ロジャーは、ビッグオーを歩かせ、白い魔星の表面に撃ち捨てられたガンダム頭のキングジェイダーへと近づいた。 もう、そこに命の気配はない。シャギアもキラもいないことをロジャーは直感的に悟った。 ロジャーは、ガンダムキングジェイダーの胸の中心で輝く深紅の宝石を見つけた。 装甲が剥げ、内部構造がむき出しになっていながら、その宝石だけは砕けることなく輝いてる。 これがおそらくトモロが話していた、動力源のJジュエルというものなのだろう。 ビッグオーはそれを丁寧に拾い上げた。 「……本当にやる気なのか?」 「そういう君は、ここで諦めるつもりか? それが君として、君らしい選択なのか?」 「自分らしくいこう……か。そういうお前は、自分が何者なのか知っているのか?」 「その通りだ。私はロジャー・スミス。そして、ネゴシエイター。これが私の仕事だ」 いぶかしむような声だったが、ロジャーの声を聞いて、テンカワの声に僅かに張りが戻る。 まだどこか悩んだ様子だったが、それでも自分が自分であるとテンカワは告げた。 「俺は、ユリカの味方だ。どんな時でも、ずっとだ。ユリカを生き返らせるに、死ねと言うなら死んでやる。 だが、今は死ぬ時じゃない。本当にやれるものならやってみろ。本当にできると言うなら、何だってやってやるさ」 「そうか。なら、君にできることがある」 「なんだ?」 「私に依頼することだ。この『新しい世界』に対して、古い世界にいる我々が結着をつけるまでの猶予が欲しいと」 口の端を僅かに釣り上げて、ロジャーが笑う。 それにつられて、テンカワも口元を僅かに緩めた。 「いいさ、ロジャー・ザ・ネゴシエイター。……頼む、この古い世界にもう一度時間をくれるように」 ビッグオーがゆっくりと足を進める。 そして、アルトアイゼン・リーゼの前に立つと、ロジャーはあるものを取りだし、コクピットから降りる。 アキトも、何も言わずともコクピットから降りた。ビッグオーの手の上で、初めて生身で二人は向かい合った。 「私が求める報酬は、この二つをアイビスとカミーユに届けることだ」 「俺が、約束を無視するとは考えないのか?」 「少なくとも、私の知るテンカワ・アキトという人間は、最後の一線ではフェアであると思っている」 差し出すのは、黒のギアコマンダーとJジュエル。 テンカワは、「よく知りもしないのに、言えたものだ」と言いながらも、その二つをしっかりと受け取った。 一瞬、互いの顔から表情が消える。両者とも相手の顔を見つめていた。 「渡してからは、容赦しない。俺は、ユリカの味方だ。それが、俺が在りたい俺自身だからだ」 「もし、君が何者か知って、なお貫き通そうというのなら、あえてなにも言わない。依頼は、確かに受け取ったのだから」 そして、お互いが背を向け、コクピットに戻っていく。 二人の邂逅は、ただそれだけ。だが、確かに二人は感じとっていた。 自分が自分であることの難しさを知った男は、信用できると。 アルトアイゼン・リーゼが光とともに消えていく。おそらく、あの空間転移を使ったのだろう。 白い魔星の表面部にいるのは、もうこれでロジャーだけ。 ロジャーとビッグオーが、近付いた白く輝く『新しい世界』へ手を伸ばす。 ――ビッグオーの手が、『新しい世界』に触れた。 その瞬間、ビッグオーの手が小さな破片となって散った。 同時に、ロジャーには凄まじいまでに膨大な、情報とも思念とも呼べない、混じり合った何かが流れ込んでくる。 気を抜けばものの一瞬で自分自身を見失ってしまうほどの圧力を伴った、カタチのないモノ。これが『世界』。 それでも、脳をぐちゃぐちゃにかき回すような大嵐の中でも、ロジャーは自分を見失いはしない。 『世界』は、何かを叫んでいる。それだけでもロジャーは感じることができた。 ならば、交渉の余地はある。 相手が意思を持ち、何かを叫ぶというのなら、ロジャーはその声なき声に耳を傾ける。 ロジャーにできることは、相手の望むことを言語に変えること。 「私は君の名前すら知らない! 君がなにを望むのか……それを私に教えてほしいのだ!」 ロジャーが、叫ぶ。 たった一人の人間など容易に消し去ってしまう、人間とは比べものにならない存在の力を持つ『世界』に。 『世界』の意思がさらに大きくなる。これは、ロジャーに向けて何を主張しているのか。 否定か。疑問か。はたまた、動揺か。ロジャーは歯を食いしばり、相手から――『世界』から目を離さない。 「もし君が、この古い世界にも何か可能性があると思うのなら……待ってほしい! まだこの世界で、生きる者がいる! そして、今を変えようとしている! まだ変わっていくことはできる!」 『世界』の膨張が、止まった。 ビッグオーの指が触れた部分からそれ以上膨張することはなく、白い明滅だけを繰り返している。 今の言葉だけで通じてくれたのかとロジャーは僅かに楽観する。だが、次にはさらに圧力を持ってロジャーへと意思が向けられた。 やはり、言いっ放しで終わるほど、交渉というものは甘くない。ロジャーは、必死に『世界』の意思を読み解こうとする。 ロジャーの言葉を聞く気がないなら、とっくにロジャーは光に消えている。 膨張を止めてくれたのは――人間で言うのなら足を止めてくれたのは――ロジャーの言葉に興味を持ってくれたことに他ならないだろう。 そして、ロジャーに向ける意思の量が増えることは、 回りすべてに叫び散らすのではなく、ロジャー・スミスという個人に言いたいことがあるからに違いない。 「もし、君が自分の望むことを言葉に変えられるというのなら、そうすることを希望したいが……」 言葉ではなく、頭に直接意思を送ってくる相手に、言葉という概念が通用するのか。 言葉は、お互いを人間が理解するための手段である。 もしも人間が理解できないようなものならば、それを言葉で表現することもできないだろう。 いや、表現できるものであるとしても、言葉以外の伝達手段を持ち、使用する『世界』が言葉を使う有用性を理解できるとは思いづらい。 そんな相手に言葉という手段を用い、交渉しようとしている自分も自分かとロジャーは苦しくても、なお笑う。 理解できない、という発想を捨てるのだ。 それがどんな意思伝達手段であろうとも、理解できるという前提で臨まねば掴めるものもつかめない。 何を言っているか分からなくても、どう思っているかだけでも掴む。 『世界』にそんなものがあるか不明だが、言葉が通じなくても怒りや悲しみ、喜びなど感情は伝わってくるものだから。 「私が君の希望を答えられないかもしれない。だが、君の希望が分からなくては、答えられるかどうかすら分からない!」 頭痛に顔をゆがませても、ロジャーは叫び続ける。 自分が持つ、たった一つの手段である言葉を――「交渉」を、相手に伝えるために。 『世界』がロジャーに何かを発信している。ロジャーはそれを受信している。問題は、ロジャーがその受信したものを理解する方法だけだ。 ロジャーは、その時、ふと違う方法を思いついた。ロジャーの言葉が、もしも『世界』に通じているのなら。 「もし君に私の言葉が通じているのなら、答えてほしい!」 そう言って、ロジャーは一度言葉を区切る。 「君は私に何を伝えたい!? 怒りか!?」 意思の圧力が、僅かに歪んだ。 歪みが、ロジャーのこめかみあたりで鈍い痛みを呼ぶ。 自分が不快に感じることから、おそらくこれは『世界』にとっても不快なのだろうとロジャーは当たりをつけた。 「喜びか!?」 先程と同じ反応が返ってくる。 これも、おそらく違う。 「楽しみか!?」 これも、違う。 なら、残るのは一つしかない。 無論、これは『世界』にも感情があり、四つのうちのどれかに正解があると仮定しての消去法にすぎない。 ロジャーは『正解』がなかった場合を敢えて頭の端に寄せ、四つ目の選択肢を世界に問う。 「なら……悲しみか!?」 ロジャーが言葉を放つと同時、ロジャーの頭に流れる不快な歪みが消えた。 まっすぐロジャーの頭に入っていく意思の圧力に、ロジャーはこれが正解だと悟る。 しかし、これで終わりではない。さらなる疑問がロジャーを追い詰める。 『世界』は、悲しんでいる。ならば、それはいったい何に対しての悲しみなのかということだ。 生まれたばかりの世界が感じる悲しみとは、一体何なのか。『世界』ならざる身のロジャーには想像もつかない。 だが、そこでやめてしまっては終わりだ。 「君は一体何に悲しんでいる!? 悲しんでいる理由は何だ!?」 『世界』の悲しみを知るべく、ロジャーは光に手を伸ばす。 「親しき存在の死!?」 「大切なものの消失!?」 「自分が傷ついたことなどへの痛み!?」 ロジャーは、自分が思いつく限り、悲しむ理由を挙げていく。だが、どれもが歪みを伴った間違いであるという圧力のみ。 人が思いつく限りの理由も、『世界』には当てはまらない。ロジャーは諦めず、言葉を探し、世界にぶつける。 頭痛の中、叫び続けたことで酸欠と相まって視界が白くなる。それでも、ロジャーは叫び続ける。 しかし、送られてくるのは否定ばかり。 ロジャーはビッグオーの計器に持たれ、ゼイゼイと喘息の患者のような呼吸で、白い世界を見上げる。 「いったい、君は何なのだ?」 ロジャーからすれば、まったくわけのわからない相手を前にしての、ひとり言だった。 だが、それに対しての反応は、これまでにないほどのものだった。否定のような歪みを伴った感覚はない。 どこまでもまっすぐに、ロジャーの頭が割れてしまうほどの大量の意思を流し込んでくる。 その圧力にロジャーは、喉から獣のような咆哮を上げながら、目を向いた。 到底、人間が受け止められるものではない、処理できないように思えた。だが、ロジャーはギリギリのところで理性を保っていた。 何故か。 それはロジャーが、わずかではあるが世界から送られてくる情報を処理――いや、理解できたから。 ロジャーは知っている。自分が誰なのか分からない苦しみを。自分と言うものがどこにあるのか分からない絶望を。 今、脳に流れ込んでくるものは、全てそう言ったベクトルを持った意思だとロジャーは分かったからこそ、理性を持っていられる。 情報が一度途切れた時、ロジャーはビッグオーのシートにぐったり自分が倒れていることに気付いた。 処理できない頭の中で暴れる意思に、意識の全てを向けていたせいで、自分の体がどうなっているのか認識できなかったのだ。 「君は、」 ロジャーは、おそらく正解と確信しながらも、『世界』へ問う。 「自分が何者かわからないのか?」 再び襲いかかる、圧倒的な圧力。しかし、同じモノの二回目、繰り返しだ。 その意思の中から、理解できた部分を今度は言語に変えてさらに理解しようとする。 一度味わった苦しみだから、もう一度耐えられるとは限らない。 だが、それでもロジャーは耐えられると信じ、敢えて逆に意思へ飛び込んだ。 そこに舞い踊るのは、ロジャーも慣れ親しんだ言葉という読解可能なもの。 ――ワタシ ハ ダレ? ――ナノタメ ニ ウマレタ? ――ワタシ ハ ナンダッタ? ――――ダレモ イナイノ? 同時に、流れ込むのは断片的な多くの人々の記憶。 光景の端々に、見たことのある風景が映り、知る人間の姿がある。 それは、あの殺し合いの風景であり、その舞台の上にかつていた人々であった。 かつてあの世界には声が満ちていた。それが呪詛であれ慟哭であれ、歓喜であれなんにしろ声があったのだ。 だが、それはもう絶えた。生まれ変わる世界に飲み込まれ、消えた。 同時に、人々の記憶や意思も、『ノイ・レジセイアが完全になる世界と呼ぶ世界』に統合されたのだろう。 あいまいな、誰でもない過去の記憶(メモリー)を持ちながら、それを確認してくれる人はもういない。 どこかで聞いた話だとロジャーは自嘲気味に笑った。 『世界』が何故広がり、全てを飲み込もうとするのか。ロジャーの声に耳を傾けたのか。 なにが完全な世界であるものか。 ノイ・レジセイアは完全な世界と呼んだ当人……いや当世界が、一番知っている。 どんな存在であろうとも、他者を求めずにはいられないのだ。 ただそれだけのもので、単一なもので、完成された世界などありはしない。 答えが、やっとロジャーにも理解できた。 理解できたのなら、ロジャー・スミスが次にやるべきことは何か。 憔悴しきった状態だというのに、ロジャーは、颯爽と立ち上がる。まるで、舞台の上の役者のように。 ロジャーの瞳が燃える。その意識は、あれだけの意思と情報の圧力にさらされた後だというのに変わることはない。 そしてロジャーは――ビッグオーのコクピットから降り、コクピットへの入り口、ビッグオーの胸の部分に立った。 ビッグオーの瞳が輝いた。危機へ飛び出していくロジャーを守ろうとするため動き始めるビッグオーを、ロジャーは手で制する。 「待て、ビッグオー。これは私の仕事なのだよ」 ロジャーが世界と向き合う。一対一で、正面から。 一瞬でも気を抜けば、魂ごと肉体をどこかに持ち去ってしまう嵐の中、ロジャーはいる。 今、ロジャー・スミスという男の持つ力と、世界の存在する力は、まったく等量だった。 「私は知っている。過去を失った街を。そこでは、誰もが記憶(メモリー)を、過去を求めていた」 吹きつける意思の風の中、ロジャーは真摯に語りかける。 それは、交渉する世界に向けてのものであり、同時にロジャー本人に向けたものでもあった。 「人にとって記憶(メモリー)は大切なものだ。 何故なら、それがあるからこそ、人は自分を確かめられる。それが失われれば人は不安から逃れられない。 だが、生きている人間は――いや、どんなものであれ、決して過去の記憶(メモリー)だけが形作っているものではない!」 ――ロジャー・スミス。 「この私自身、己がどういう存在なのかもわからない……私には、自分自身の記憶(メモリー)すらないのだ! だが、恐らく私は自分自身の意思で記憶(メモリー)を消し去ったのだ! その選択をしたのは、私自身だ! 私自身の為に、今と! そしてこれからを生きる為に! 自分という存在を信じたいが為に! 」 ――ロジャー・ザ・ネゴシエイター。 「今を生きることがどんな存在でもできる! どのように生を受けたとしても、一つの存在としての在り方は別なのだ! そして、それを選ぶのは他でもない君自身しかできない! 他人を飲み込むことで満たされるものではけしてない!」 ――パラダイムシティ一の交渉人。 「他の誰でもない! 君が、君で生きるんだ!」 ロジャーの言葉が、『世界』すら震わせる。 いや、それはノイ・レジセイアの力によりその光景を見ていたもの全ての魂も振るわせるだけの重みがあった。 ―――依頼は、達成された。 世界の意思が、風となってロジャーを優しく一度なでる。 それがロジャーの言葉への肯定であることを、誰よりもロジャーは理解していた。 古き世界に内包された、新たな世界が今一度眩い光を放つ。 それは世界の在り方を変える意思の変化によって生み出される因果律の風。 ロジャーとビッグオーを巻き込み、因果律ごと捻転する。 人の身では――いや、因果の内側にいる存在には耐えること叶わぬ力が生みだす、光の嵐。 光が収まった時――もう、そこには何もなかった。 舞台の上の難題を力ずくで解決する機械仕掛けの神〈メガデウス〉も。 記憶喪失の街で一番の交渉人〈ネゴシエーター〉も。 本当にそこにいたのか分からないほど、痕跡を残さず。 いや。 彼がいたことは、空に浮かぶ世界が示している。 新しい世界は、乳白色の卵型となり、白い魔星の側で静かに佇んでいる。 もう、世界が何かを飲み込むことはない。 【ロジャー・スミス 生死不明】 ■ 「やったのか……?」 自分の横にいる、腕を失ったアルトアイゼン・リーゼから声が漏れる。 突然白い小窓から見えた光景は、ノイ・レジセイアの告げた絶望をそのまま映している――はずだった。 「ロジャー……?」 もうすぐ、世界があたしたちのいる世界を押しつぶす。そして、全てなくなってしまう。 ノイ・レジセイアはそう言っていた。アイビスも、特別人と違う感覚を持たずとも、そう認識させられていた。 あの、圧倒的な存在感を持つ世界を前に。 だが、世界が放っていた圧力はもうない。ただ静かに形を変えて、宇宙に浮かんでいる。 それをやり遂げたのは、誰か。 他でもない、ロジャーだ。 ロジャーは、生きていた。そして、自分のやるべきことを――交渉をやり遂げたのだ。 「感謝するさ、本当にこうやって機会をくれたことを、な」 アルトアイゼン・リーゼが拳を差し出した。そこにあったのは、Jジュエルとギアコマンダー。 「受け取れ。奴は本当に交渉を成功させた。これは、俺が奴に払う報酬だ」 アイビスも白い投影された空間越しにロジャーとアキトのやりとりも見ていた。 まだ現実に追いつかない頭のまま、アルトアイゼン・リーゼをアイビスは見つめていた。 あまりにも現実離れした出来事の、現実離れした結末。それを飲み込むまで、アイビスは結構な時間が必要だった。 ブレンの掌に押し付けられる二つの道具。ロジャーが、最期にあたしたちに遺してくれたもの。 「で、でも……」 自分で言っておいて、なにが「でも」なのか分からなかった。 これを受け取ったところで、何も変わらないのではないか。 いったい、ロジャーはこれで何をさせようとしたのだろうか。 教えてくれるロジャーもいない。ロジャーは、確かに救ってくれた。 けど、この人工の星を取り巻く状況は依然として変わっていない。 自分に何が出来るのか。 そんな躊躇の念が、僅かにアイビスの言葉を濁す。 目の前のアキトは、アイビスを見て苛立たしげに舌打ちをした。 「渡すものは渡したぞ」 そう言って、アルトアイゼン・リーゼが杭打ち機のついた腕を振り上げた。 「奴との契約もここまでだ。後は俺の好きにやらせてもらう」 ロジャーとアキトのやりとりを思い出し、さっと血の気が引く。 そう、アキトは渡した後までは協力しない、願いを叶えるために殺し合いを続行するつもりだと言っていた。 つまり、自分をアキトは殺そうとしている。アイビスの恐怖を感じて、ブレンが後ろに下がる。 しかし、下がるだけ。そこに、抵抗をしようという意思はない。 「……奴の死に損だな。もういい、ここで死んでいろ」 「そんな言い方……!?」 「俺の言うことに納得いかないか? なら、やってみろ。 ――お前は、ここで諦めるつもりか? それがお前として、お前らしい選択なのか?」 アキトの言葉に、アイビスははっとなる。最後の言葉は、ロジャーがアキトに向けて放ったものだ。 そして、その言葉でアキトは何かを取り戻したように見えた。 アルトアイゼン・リーゼの背中に火が灯る。視界に映るスラスターの輝き。 スラスターが十分に出力を貯め、姿勢安定用の補助ウィングが展開された。 アイビスが、ブレンが動いた。 突進してくるアルトアイゼン・リーゼ。突き出される拳。その延長線上にある杭打ち機。 目をそらさない。引き寄せる。この距離で早めに動けば、相手も照準を直して対応される。 だから、それが出来ない限界を待つ。 恐怖で足がすくみ、動けなくなるのをアイビスは抑える。同時に、恐怖でその場からただ逃げ出してしまうのも。 動くべき時に、動く。言うは易し、やるは難し。 今度は、間違わない。 それでもアイビスは――それを成功させた。 相手の体が沈み、アッパーカット気味にこちらをとらえる寸前に、バイタル・ジャンプ。一気に背後に回り込む。 そして、ソードエクステンションを相手に向けて引いた。だが、アルトアイゼン・リーゼの巨体が消えた。 次の一撃に備えてアイビスが首を左右に振る。しかし、追撃はなかった。 少し離れたところで、アルトアイゼン・リーゼはただ立っている。 「……やればできるものだな」 アルトアイゼン・リーゼから聞こえるアキトの声。 それでやっとアイビスもなんとなく相手の真意を理解する。 「あ……ありがとう」 「お前のためじゃない。奴があまりにも報われないと思っただけだ。 さっさと行け。お前がやるべきことを果たせ。さもなくば撃ち貫く」 まっすぐアルトアイゼン・リーゼは隻腕をこちらに突き出し、アキトが言った。 「それでも、ありがとうだよ。助かったよ、アキト」 「……さっきも言ったはずだ。そう思うならさっさと行けと。お前は邪魔だ。 もうすぐここは―――」 突然、地面が揺れた。 偽りの星であり、地殻などないはずのインセクトケージの草が、木が、土が、振動でひび割れていく。 「――戦場になる」 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァアアアア!!!!!」 地面を突き破り現れたのは濁った桃色の、歪な体を持つ巨大な何か。 アイビスは、下の階層でそれを見ている。それは―― 「AI1……デュミナス!?」 しかし、アイビスがデュミナスから離れてあまり時間は経っていないというのに、その姿は無残なものだった。 半身を丸ごとえぐり取られ、そこから体液なのかよくわからない汚わいな液体を垂れ流し、全身砂埃で汚れている。 浮かんでいた四つの手も、どこにも見当たらない。 「……来たか」 アキトは、まるで来ることを知っていたかのような泰然とした態度で、デュミナスへ機体を向けた。 アイビスも、ソードエクステンションを構え、アキトともにデュミナスと戦おうとした。 だが、アキトはそれを制止するよう叫んだ。 「来るな。これは、俺の相手だ。俺が……倒す」 「何を言ってるんだよ! 相手もボロボロだけど、そっちだってボロボロじゃない!」 今のアルトアイゼン・リーゼは、片腕と頭を失っている。 それに、どこか動きもぎこちない。機体のフレームがどこか歪んでいるのは明白だ。 損傷の度合いならデュミナスに比べて軽いが、もともとの力はパーソナル・トルーパー一機とは比べものにならないほどデュミナスのほうが上だ。 「関係ない。倒す必要があるから倒すだけだ。お前は、この土壇場で損傷やリスクを考えて戦いを避けるつもりか?」 「それは……確かにそうだけど」 「ならさっさと行け、何回言わせるつもりだ。これ以上邪魔をするというのなら――殺す」 間違いなく、本気の殺気が込められたアキトの気配。 なにがアキトを駆り立てるのかは分からないが、アキトにはアキトの戦う理由があるのだろう。 「わかったよ。けど……」 「けど?」 「……頑張って」 「……お人よしだな。せいぜいそうする」 一発触発の空気の中、アイビスは下層への通路に走る。 どこまでも落ちていけるような円形の通路から、風が舞い上がり、ブレンへ吹きつける。 暗く、光の見えないこの通路の向こうには、おそらく地獄が待っているのだろう。 それでも――アイビスは飛び込んだ。 今までの戦いは、ずっと誰かがそばにいてくれた。 シャアがいた。キラがいた。カミーユがいた。シャギアがいた。アムロがいた。甲児がいた。 たった一人では到底太刀打ちできない相手にも協力し、連携し、撃破してきた。一人ではなかった。 だが今、アイビスの側には誰もいない。もう後がない。絶体絶命の状況だ。 自分は、アムロやシャアのような特殊な力もない。ロジャーやブンドルのような冷静な頭脳もない。 はっきり言って、あらゆる点でアイビスのポテンシャルは最低だったろう。 そんな自分が一人残って、できることがあるのか。 もう何もできない? ――いや違う。できる。 それでも、この戦いは終わらない。それは――なお足掻いている人がいるから。 今も、戦っている人がいる。だから、終わったりしない。 自分が、地獄と思ってる場所で、もう駄目だと絶望していた時に、地獄を生み出すものと戦っている人がいる。 あたしは無力じゃないとアイビスは己に言い聞かせる。瞼を閉じ、震える気持ちを呼吸とともに吐き出す。 絶望するにはまだ早い。今、ブレンの手の中にあるのはロジャーが遺してくれた希望。 全ての希望が砕けるまで、いや、砕けたとしても諦めるなんて冗談じゃない。 できないわけがない。ここで終わってたまるもんか。 そうジョシュアやラキに誓ったんだ。 ここで膝をついたら、あの二人に合わせる顔がない。 「一緒に飛ぶよ! ブレン!」 ずっと一緒にいてくれたパートナーにアイビスは言う。 飛ぶと。決して、地に落ちたりせず、飛び続けると。 力が劣っていても、アイビスは絶望しない。諦めない。 そんな彼女だからこそ、フィリオ・プレスティはアイビスにアルテリオンを遺したのだ。 どんな状況でも諦めず這い上がり、空を飛ぶ。 根性論と言ってしまえばそれまでだが、それこそアイビスが誰よりも優れているところ。 流星が、暗い闇の中を切り裂き飛んでいく。 「……行ったか」 アキトは、アイビスがこの場を去ったことを確認し、改めてデュミナスと向きなおす。 醜い。それが、アキトがデュミナスに対して抱いた最初の印象だった。 こんな醜悪な化け物と、自分が何処かで繋がっていると考えるのは、心底不快でしょうがなかった。 「あ、なたは……」 デュミナスの身体の切断面から、肉が盛り上がり蠢いた。金属をこするような音を立てながら膨張する肉は、不気味としか言いようがない。 インセクトケージに芝生を汚し、自分が流す液体の海に産み落としたのは巨大な手。その中心には、瞳の文様が刻まれている。 「あなたは……もう一人のわたし……ですね……?」 デュミナスの言葉に、アキトは何も答えない。いや、答えたくなどなかった。 アキトは、自分が自分でないような不快さと、何か足りないという欠落をこの白い魔星に辿り着いてから常に感じていた。 いや、それは正確ではない。もっと厳密に、正確に言うのであれば――このテンカワ・アキトになってからだ。 アキトは、一度死んだ。デビルガンダムの苗床となった体を、メディウス・ロクスに吸収されて。 そして、その後メディウス・ロクスはAI1へ進化したが、ガンダムキングジェイダーに粉々にされた。 その破片は、次元すら超えて飛散した。その次元すら超えて飛散した破片は、成長してデュミナスとなった。 だが、次元を超えずこの世界で漂っていたものの内、ひときわ大きな破片は、何たることかテンカワ・アキトの記憶と姿を形作った。 そう。 両者も原典〈オリジナル・AI1〉の砕かれた破片から生まれた存在に他ならない。 アキトも、こうやってデュミナスと向かい合うまでそうであるとはわからなかった。 ただ、混在する謎の記憶と、どこか心の奥底から願いきれない――あれほど追い求めていたのに――ユリカの蘇生に困惑するばかりだった。 アキトの記憶の混在は、次元の向こうに流れ着き、MUの力を手に入れこの空間に干渉するデュミナスの影響。 そして、ユリカの蘇生に対しての、情熱の欠落は―――― アキトは小さく首を振る。 それを認めることは、他でもない自分が、テンカワ・アキトでないと認めるに等しいことだ。 アキトは、アキトだ。アキトは、覚えている。小さい頃のユリカに振り回された日々も、あのもう戻れぬナデシコでの日々も。 アキトという存在を構築する過去を全て持っている。だからこそ、アキトは自分をアキトだと思える。 ロジャー・スミスと違い、アキトは過去なしで自分を証明できるほどの自信はなかった。 「今のままでは……私は完全になれず消えてしまう……もう一度……力を集めなければいけません……」 産み落とされた掌が、アルトアイゼン・リーゼにゆっくりと近づいてきた。 おそらく、あのときのようにアキトを吸収することで、自分の能力を再生させようというのだろう。 アキトは、その掌を、デュミナスを否定する。アルトアイゼン・リーゼの腕が掌を弾き飛ばす。 「何故……? どうして……!? あなたも、わたしのはず……」 「違う。俺は、お前じゃない」 瞳の文様が蠢き、大きく開かれた。 模様でも、それの彩る感情が驚愕だと認識できるのは、他でもないアキトがやはり『そういう存在』だからか。 手を震わせ、デュミナスはアキトにどう対応していいのか迷っているように見えた。 それに対する、アキトの返答は一つ。 肩の装甲が開かれる。そこに納められたのは、大量の大型ベアリング弾。 それが一斉に解き放たれ――デュミナスの産み落とした掌をばらばらに噛み裂いた。 「何故……私たちの目的は同じ。あのお方の願いを叶えるためにあるはずです」 「あのお方? ふざけるな。俺は―――ユーゼスのことを認めない。ユーゼスは屑だ。ゴミだ。あんなものは、生きる価値もない」 デュミナスの動きが止まる。 ひどく無機質だったデュミナスの声に起伏が、感情が生まれる。 「許さない。私はあのお方を否定するものを……許さない!」 「来い。俺の全存在を賭けて――お前を否定してやる」 作り物の青空の下。 人という実験動物を納める檻の中で、同じ造物主を持ちながらあらゆる点で真逆の存在が激突する。 ■ この殺し合いの全てを司る存在、ノイ・レジセイアすら及びつかぬ偉業を達成した男が消え行く姿を、誰もが見つめている。 光の向こう、この星の外で起こった出来事は紛れもなく事実である。それは、今統夜たちが生きていることが証明している。 世界の風が、白い魔星を一度揺らしたが、それだけ。今もこうやって赤い宇宙に白い魔星は浮かんでいる。 「あり得ない……こんなことが……起こりえるはずがない……世界を……世界の在り方を……一人の人間が変えるなど……」 「まだ、そんなことを言うのかよ……世界は、人が支えてるものなんだよ! 空っぽの世界に、変わらないものがあるはずなんてないんだ!」 統夜は、声がしたほうを見た。 先程の衝撃で崩れた瓦礫の下から、見覚えのある機体が身体を起こしている。 全身ひどい有様だが、それでも剣を杖代わりに震える機体を支えていた。 光の粒子をはためかせ、銀色の猛禽類を思わせる姿をしていたはずの姿は、もう影も形もない。 それでも、戦おうという意思だけは、全く変わらず統夜にも伝わってくる。 統夜もまた、斬艦刀を再び引き抜くと、ノイ・レジセイアへ向けて突き付けた。 「俺には、何が起こったのか半分も分からないけど……分かることがある。 それは俺が助かったこと。そして、お前には今度こそ打つ手がないってこと。今度こそ、終わりだ!」 斬艦刀の一撃が、今度こそノイ・レジセイアに叩き込まれる。 ノイ・レジセイアが我に返るより早く、旋風のごとく繰り出された剣が、ノイ・レジセイアの上半身と下半身を叩き割った。 ノイ・レジセイアの上半身がくるくると空を舞い、疑似重力に引きずられて壁に落下していく。 あとは、斬艦刀を突きたて、力を奪えばいい。そう思い、統夜は剣を持ったままノイ・レジセイアへ近付いていく。 この長かった戦い全てに終止符を打つために。 ノイ・レジセイアの力さえ手に入れてしまえば、もはやこの世界に敵はない。 これが、事実上最後。 まだ再生する可能性を考え、ゆっくりと警戒しながらでも、距離は詰めていく。 「――――仕方がない」 その呟きに応じる形で、ゆっくりとノイ・レジセイアが突如壁に発生した底無し沼のような“闇”に呑み込まれ始める。 「な……」 統夜は、その光景に驚きながらも、一気にスラスターを全開にした。統夜の直感が告げている。 今のうちに決着をつけろ、と。このまま放置しては取り返しのつかないことになる。そんな予感に従って機体は加速していく。 闇が発生していたのは、僅か数秒の事だった。だが、その数秒が遠い。斬艦刀が到達したのは、闇の中へ完全にノイ・レジセイアが沈んだのちだった。 ――――この力だけは使うつもりはなかった…… 闇の渦の中に差し込まれた斬艦刀に、手ごたえはない。 しかし、その深い闇の向こうから、ノイ・レジセイアの声が響く。 ――――我を完全から遠ざける行為……しかし……再びこの箱庭を生み出すには……力が必要…… 地面が、隆起する。 統夜の心臓が早鐘のように音を立てる。統夜の脳がけたたましい警告を鳴らす。 統夜は、この世界全体が一気に沸騰したような暑さを肌に感じた。 世界のような圧倒的な存在感ではなく、ただただひたすらに強大な力。 巨獣の踏みならし〈スタンピート〉に近い振動が起こり続ける。 呼吸することすら困難になる。アインストの亜種であるからこそ、余計に統夜には理解できる。 今すぐ逃げろ。一秒でも早くこの場を離れろ。統夜の本能が絶叫していた。 だが、その思いとは裏腹に、足は凍りついたように動かない。 ■ ――白い魔星、ネビーイームは全域がデビルガンダム細胞に侵されている。 だからこそ、どんな場所であろうともペルゼイン・リヒカイトやアルトアイゼンといった機体を強化できた。 だが、その権能を司っていた主たるデビルガンダムはAI1ごとガンダムキンジェイダーに粉砕される。 その結果、ネビーイームはその巨大さゆえに目に見えにくいが、徐々に崩壊しつつあるただの巨大な建造物になり下がっていた。 どんな強力な力も、その力を行使する指示者がいなければなにも起こらないからだ。 ここで、思い出してほしい。 ――そもそも、何故ネビーイームはここにあるのか? それは、アルフィミィがノイ・レジセイアの新たな肉体として用意したことに他ならない。 ――では、何故ネビーイームとの融合をノイ・レジセイアは拒否していたか? それは、ノイ・レジセイアがより完全なものになるためだ。機械を取り込めば、力だけは増すが自身を完全な生命から遠ざける。 完全なる世界へと至る資格を失ってしまう。これでは、ノイ・レジセイアからすれば意味がない。 ――ならば、今すぐに完全なる世界へ至る必要がなくなればノイ・レジセイアはどうするか? 答えは、言うまでもない。 ■ 星の中心に位置する大空洞に、爆発的に瘴気が拡散していく。 闇の中から、巨体が浮上する。 荘厳な、そして圧倒的な威圧感を持ち、声が響き渡る。 何もなかったはずの空間が白く圧縮され、闇の円環より人知を嘲笑う、存在しえないような生物が顕現する。 顕現したノイ・レジセイアを見て、統夜は驚愕した。 禍々しく伸びる角、 おぞましく蠢く触手、 原色を切り貼りしたような体色、 生物でも無機物でもない怪物的なフォルム。 植物のような触腕を伸ばし、 無機物のような外皮を纏い、 動物のような爪と翼を携え、 金属のような光沢を持ち、 ―――人のように話す。 あらゆる生物の可能性を寄り合わせたような究極の生命体であり、 同時に、その進化の不均衡さにより膨張する体はどこまでも不完全で、「出来そこない」であった。 それは、統夜が最初に幻覚として見たものに他ならない。 半径5kmほどの球状に広がる中心部の壁、その三分の一以上を占める場所からその肉体が現れる。 床から直接生える身体を伝うように、赤い肉が床板をはがして露出する。 リノリウムに似た光沢を持ち、神殿のような静寂を保っていた星の中心は、巨大な生命体の体内へ変わる。 全長1kmを超える、あらゆる生物の進化と、数多の生命体が生みだしたテクノロジーを内包した巨躯が空間を震わせる。 ――――聞け………矮小なるものよ……… ――――今の我は不完全故に、過ぎた力を内包するもの……… ――――――――我の名はシュテルン・ノイ・レジセイアなり………!!! 統夜の前に現れたのは、この殺し合いにおいて、絶対の力を持つ存在だった。 →ネクスト・バトルロワイアル(5)
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/312.html
◆ 「……嫌だ…嫌だ」 立ち並ぶ廃墟をなぎ倒し、抉れた大地が一筋の巨大な爪痕になっていた。 その爪の先で地に伏すヒメ・ブレン。その中でアイビスはうわ言を繰り返し呟いている。 うつむき、小さく丸まり、膝を抱え、体は芯から奮え、瞳孔は開き、焦点の合わぬ瞳は揺れ、歯の根も噛み合わず、心も折れた。 怯えが、慄きが、恐怖が全身を支配している。 「アイビス、無事か?」 ――通信? 僅かに顔を上げ、コックピットの内壁にぼんやりと開かれた通信ウインドウに目を向ける。 端整な顔立ちの青年がそこにはいた。 「ク……ルツ?」 「動けるな? やり返すぞ」 「無理だよ!」 息巻くクルツの声に咄嗟に反対の言葉が出る。本心だった。 自身の無力を思い知らされ心砕けた少女を目の前にして、驚きの表情をクルツが浮かべる。 「何……言ってんだ?」 「……無理だよ。ジョシュアの敵討ちなんて……私には無理だったんだ。 あんな奴に……勝てるわけがない。ねぇ、逃げよう。逃げようよ。ここから逃げちゃおう」 「お前、本気で言っているのか?」 「本気……だよ。だって仕方ないよ。勝てないんだ! 怖いんだ!! どうしようもないんだからっ!!!」 ギンガナムを思い浮かべると何をするのよりも恐怖が先に立つ。涙がこぼれ、体が震えてどうしようもなかった。 「そうか……悪かった。悪かったよ。すっかり忘れてた。誰も彼もが戦闘に慣れてるわけじゃねぇんだよな。 どいつもこいつも機動兵器の扱いに長けてやがるから、ついあいつらといる気になっちまってた。……俺は残るぜ」 「無茶だよ。あんたもうほとんど弾ないんでしょ……殺されちゃうよ」 「あぁ、その通りだ。だからアイビス、俺は無理強いはしないぜ。でもよ。ここで逃げちまってもいいのか? そりゃ俺だって死ぬのは怖いさ。逃げ出したくなることもある。だけどよ……命を懸けても絶対に譲れないことって……あると思うんだ。 これさえやり遂げれば一生胸張って生きていけられる。そういうときってあるだろう? だから俺は諦めない。だから俺は戦う」 思わず見上げた瞳に真っ直ぐな目をしたクルツの顔が飛び込んできた。その顔が一度にっと笑い、すぐに真面目な表情を作る。 「柄にもねぇことを言っちまったな。まぁいい。後は俺一人でやってみる。助けに入ってくれたラキは見捨てられねぇ。例え勝てなくても一泡吹かせてやるさ。 お前は逃げろ。逃げてそのアムロとか言う奴に悪かったって代わりに謝っといてくれ。じゃあな。お互い生きてたらまた会おう!!」 「あっ! ま……」 返事を返すよりも早く通信は途切れた。ノイズを伝えるのみになった通信機を前に呆けたように立ち尽くす。膝を抱え、丸く蹲り呟く。 「ずるい……」 心の中では逃げ出したい思いと踏みとどまりたい思いが葛藤を続けていた。 こんな自分でもまだ何かやれることがあると思う一方で、行ったってどうせ何も出来やしないといった思いがある。 「ラキが……ラキがいるんだよね」 胸を張って生きていけるのかは分からない。でも、今逃げ出したら一生悔いて生きていくのだろうという予感はあった。 少なくともここで逃げてしまえば二度とジョシュアに顔向けは出来ないだろう。シャアにもだ。 (でも……でも……ブレン、私はどうしたらいい?) お前は行かないのか、と耳元がざわめく。引け目を、負い目を感じながら生きていくのなんて真っ平ごめんだ、と何かが囁く。 それでも足は前に出ない。どうしようもなく怖いのだ。もう一度ギンガナムとの交戦を考えただけで膝が笑い、腰が砕け、足が退ける。 行きたい思いと逃げたい思いが交錯し、アイビスはその場から動くことは出来なかった。 ◆ 蒼と白の巨人が踊っている。 突き出した斬撃が防ぎ、捌かれ、かわされる。 迫る拳を受け止め、受け流し、やり過ごす。 目まぐるしく入れ替わる攻防は一つの流れとなり、流れは次の流れへと滑らかに変化していく。 そんな攻防の中、奇妙な心地よさが全身を包んでいた。 ブレンバーをなんでもなくかわしたシャイニングガンダムの双眸が閃く。 さあ、来い。 お前の番だ。 重心の動きが見える。 体重が左足に移り、右足が僅かに浮く。 その動作をフェイントに、突然撃ち出される頭部のバルカン。 それをすり抜ける様にかわす。 音が消え。 色が消え。 五感が遠くなる。 やがて体も消えた。 何もない空間に残された意識だけが。 飛び。 交わり。 火花を散らす。 エッジを立てる。 刃先が一瞬輝く。 踏み込み、剣を振るう。 手ごたえはない。 そのことに心が湧き踊る。 馳せ違い、反転。 正対し、トリガーを引く。 極小距離からの射撃。 かわせ。 生きていろ。 もう一度、刃を交えよう。 飛び退く。 距離を取る。 体中の体重を足に乗せ。 もう一度、踏み込む。 相手も重心を足に。 そして、バネの様に前へ。 いいぞ、速い。 さあ、もう一度。 交錯する意識と意識。 剣と拳が擦れ違う。 掠ったか。 凄い。 いい動きだ。 楽しい。 しかし、何だ? 少し遅れた。 何故だ? 遅い。 重い。 どうした? どういうことだ? この不自由さは。 このズレは。 それに、声が。 ――ラキ。 男の声が。 ――ラキ。 聞きなれた声が間近に。 ――ラキ、そっちじゃない。 誰……ジョシュア? 不意に長く暗いトンネルを抜けたかのような色鮮やかな景色が周囲を埋め尽くした。 それに気を取られる間もなく、眼前に迫った豪腕の対応に追われて、咄嗟に身をよじる。 装甲の表面で火花が散ったかと思ったときにはもう蹴飛ばされて、1km先の地面を転がっていた。 何という素早さだ。 こんな相手と今まで五分に渡り合っていたというのが信じられなかった。 口の中を切ったのか血の味に気づき、五感が体に戻ってきたということを自覚する。 戻ってこられたのはあの空間に介在していた二つの意思のおかげ。 胸をギュッと掴む。消えたと思っていたジョシュアの心ともう一つ。 ただの機械ではなく生きている機械、感じたズレの正体――ネリー・ブレンの意思。 (ブレン、ありがとう) (……) 視線の先では、急に不調を起こしたこちらをいぶかしみ、待っている相手の姿があった。 その姿は語っている。『もっと戦おう』『もっと殺しあおう』と。 「ん?」 (……) 「大丈夫。もうそっちには引き込まれない」 ――そう。ジョシュアの心の頑張りを決して無駄にはしない。 ◆ 未だ暗い大地に重い足跡を残し、脚部に損傷を抱えたままのラーズアングリフは移動を続けていた。スナイパーであるクルツの頭に、ラキとギンガナムの接近戦に割り込むという選択肢はない。 移動の足を止めずに周囲に目まぐるしく視線を走らせ彼が探すのは、周囲でもっとも見晴らしがいいと思われるポイント。 コンクリートに覆われ、ビルに埋め立てられた市街地と言えど、元の地形を考えれば若干の高低差は存在する。その僅かに小高い丘一つ一つに厳しいチェックの目を向ける。 しかし、廃墟と化しているとはいえ、立ち並ぶビルは高く数も多い。高いところに高いものを建てるというのは、都市景観の一つの考え方なのだ。 絶好の狙撃ポイントといえる場所など見つかりはしない。それでも幾分マシな丘を見つけ、目を付けた。 周囲に気を配り、極めて慎重に、静かに、そして素早くビルの谷間を突き抜ける。坂を登りきったクルツの視界が開け、ラキとギンガナムが切り結ぶ戦場が映し出された。 「ここなら、いけるか……?」 戦場の全てを見渡せるという状態には程遠い。だがそれでもやるしかない。 地に伏せ、短銃に輪切りのレンコンを思わせる回転砲頭をつけたようななりのリニアミサイルランチャーを構える。 掌中の弾は僅かに二発。だがそれでいいとクルツは一人ごちた。 狙撃の前提条件は相手方に悟られないこと。その観点から見るとこの機体は少々派手過ぎる。一度発砲すればまず間違いなく見つかるだろう。 つまり二度目はなく、多くの弾はこの場合必要ない。問題はそれよりも狙撃にはおよそ向かないと思われる火器のほうにある。 近中距離用の小型ミサイル。噴射剤の航続距離には不安が残り、レーダー類が軒並み不調な以上、誘導装置もどこまで信頼できるかわからない。精度に問題が出てくる可能性が高いのだ。 「どうしたもんかねぇ、こりゃぁ……。でも、まぁ、大見得切っちまった以上やるしかねぇか」 頼れるのは最大望遠にした光学センサーと両の目のみ。 なんだかんだ言ってもやることに変わりはない。出来るだけ正確に目標を狙い撃つ。ただそれのみ。 機体を地面に伏せさせると、目を細め、小指の先ほどにしか見えない飛び交う二機の挙動を穴が開くほど見つめた。瞬きはしない。ただじっと動きを止めて来るべきときを待つ。 睨んだ視線の向うで七色に輝くチャクラ光と蒼白いブースターが、蛍のように大きく、小さく尾を引きながら明滅する。 突然、不調が起こったのかネリー・ブレンの動きが鈍る姿が見えた。そして見る間に押し切られ蹴り飛ばされる。 距離にして約1km。両者の間が開く。それを視認した瞬間には既にトリガーを引いていた。 煙の帯を引いたミサイルが銃身から飛び出していく。そして、カサカサに乾いた唇に舌を這わせ、もう一発。 弾装はこれでもぬけの空。だが、とりあえずの人事は尽くした。後は運を天に任せるのみ。 常識に従い速やかに射撃地点から離脱を始めたクルツの耳に、爆発の轟音が届いた。だが、噴射炎越しに直前で身を翻すのが見えた。案の定、爆煙の右上を裂いて敵機が現れる。 その様にクルツはにやりと笑った。 「予想通りだ! 往生しやがれ!!」 グッと親指を立てて突き出した右手を下へ返す。二発目はギンガナムに向かって猛進している。 気づいた敵機が姿勢制御用のスラスターを噴かし、慌てて左へ大きく流れた機体の勢いを殺す。 無駄だ、とクルツは一人毒気づく。場は空中、足場のないそこでは勢いは殺しきれない。ジャマーか、あるいはSF染みたバリア装置でも持っていない限り直撃は避けられない。 それがクルツの下した結論だったが、直ぐにそれは破られ驚くこととなった。 ギンガナムがブンッと音を立ててピンクの光刃を腰から引き抜く。そして、一切の躊躇もなしにミサイルに投げつけたのだ。 結果、直撃前にミサイルが爆発し、呆気に取られて動きを止めたクルツはギンガナムと視線がかち合うこととなる。 「やべっ!!」 息をつく間もなくギンガナムが反撃に転じた。左腕から無数の光軸が殺到する。一制射につき二筋の光軸。 「くそっ! 良い腕してやがる!!」 三制射かわしたところで体勢を崩し、四制射目がラーズアングリフの右膝間接を砕く。そして五制射目、コックピットへの直撃を覚悟した。 その直撃の刹那、異音と共に何かが視界に割り込む。眼前で七色に輝く障壁とピンクの光軸が火花を散らし、残響を残して消えていった。 両の手を大きく広げて身を挺して庇うように立ちふさがる機体を見上げ、クルツは抑えきれない笑いを噛み殺す。 「ようやくおいでなさって下さったわけだ」 見知った顔が一つ、モニターに映し出されている。赤毛に黒のメッシュの少女、アイビス=ダグラスだ。 「待たせてごめん。ここからは私も戦う」 「悪いな。こっちは弾切れ。ここらでギブアップだ。で、大丈夫か?」 おちゃらけた態度で両手を挙げてお手上げをアピール。そこから一転して真面目な顔つきに変わったクルツが言う。 それにアイビスはモニターに向かって右手を掲げて見せつつ、答えを返してきた。 「大丈夫じゃないよ。怖いし……ほら、手だってまだ震えてる。でも、ブレンがあの蒼いブレンを助けたがってるんだ。それに――」 「それに?」 「あたしもここで逃げたらジョシュアに顔向けが出来ない。 あんたが言うように胸を張って生きていくことが出来なくなる」 目を見、おっかなびっくりではあれど吹っ切れたようだな、と推察したクルツはクッと笑い、言葉を返す。 少なくとも、ただのやけっぱちでぶつかって行こうという心構えではないらしい。 「ない胸して、言うねぇ! 上等だ!!」 「一言余計だ!!」 「ハハ……怒るなよ。褒めてるんだぜ、これでも。 アイビス、モニターをこっちに回せ。俺がサポートをしてやる。思いっきり暴れてこい!」 「モニターを?」 「ああ! 敵機の行動予測と弾道計算、その他もろもろ全部任せろ」 「ナビゲーションの経験は?」 「ないっ!」 「えぇ~、無茶だって!!」 砕けた口調で返してきた言葉に、固さは取れたな、とにっと笑う。 軽口というのは、固くなって縮こまっている新米兵士に普段の自分を取り戻させてやるのに有効なのだ。それで随分と生存率が変わってくる。 「そいつは実際にやってみてから言う言葉だな。やってみもしねぇうちからする言葉じゃねぇ。少なくともないよりマシだろ? それに怪しければ無視してくれて構わねぇ」 「そりゃ……まぁ……」 「なら決まりだ! 俺とお前、二人で……いや、ラキも合わせて三人で奴に一泡吹かせてやろうぜっ!!」 「わかった。やるよ、ブレン!!」 威勢良く啖呵を切ったクルツに、一度目を丸くしたアイビスが目つきを変え、顔つきを変え、答える。 その姿を見たクルツは、いじけにいじけて一周したら良い顔になったじゃないか、と一人ごちた。 ◆ 突然の爆発にラキの挙動は遅れ、一時的にギンガナムを見失っていた。 爆発の余波か、電磁波が入り乱れてレーダーの効きがとんでもなく悪い。視界も立ち込めた薄煙でフィルターをかけられていた。 そして、二度目の爆発が起こる。 耳を劈く轟音と眩い閃光。遅れてやってきた空気の壁が薄煙を吹き飛ばす。 咄嗟に目を向けたその先に、左腕から投げナイフを投げるように光軸を飛ばすギンガナムの姿があった。視線誘導に引っかかったように、光軸が殺到する先に自然と目が向く。 「あれは……ブレンパワード? ……っ!!」 クルツのラーズアングリフと白桃色のブレンパワードをラキが視界に納めるのと、ギンガナムが大地を踏み鳴らし進撃を開始したのは、ほぼ同時だった。 咄嗟に視線を戻す。またしても出遅れた。 猛然と突撃を試みるギンガナムに対し、初動の遅れたラキは間に割ってはいることが出来ない。間に合わない。 が、それはあくまでラキに関してだけのことである。 ラキよりも素早く反応を起こしたネリー・ブレンが跳ぶ。バイタルグローブの流れは一切合財の距離をふいにして、ネリー・ブレンをギンガナムの真正面へと誘う。 ジャッという鋭い反響音。 咄嗟に掲げられたアームプロテクターと唐竹割りに振り下ろされた刀剣の間で、火花が奔る。 「ブレン、弾け! 押し合うな!!」 『緊』と乾いた音を残して、ブレンが飛び退いた。 格闘戦の為に造られたシャイニングガンダムとブレンパワードでは、人で言うところの腕力・筋力がまるで違っている。 だからこそ押し合わずに弾く。単純な力比べでは敵うはずもない。 ならどうすればいい? こんなときにジョシュアならどう戦う? 思案を巡らせる。巡らせるうちに再び身の内で疼き始めたモノを感じ取り、思わず手に力を込めた。両の手はネリー・ブレンの内壁にバンザイに近い形で添えている。 そこはほんのりと暖かい。その感触を肌から感じ取り、ラキはホッと息をつく。 大丈夫。感覚は戻っている。 目も見える。耳も聞こえる。鼻も利くし、ブレンを感じることも出来る。大丈夫。まだ大丈夫だ。 そう何度も自分に思い聞かせた。そしてそこに意識を割かれ過ぎた。 風切り音を残して銃弾が飛来する。それはシャイニングガンダムの頭部に誂られたバルカンの弾。 意識を自分の内側に向けていたのに加えて、光を発するビームとは違い闇に紛れる実弾。視認のしにくさの分だけ反応が遅れた。 回避は間に合わない。だが、この程度の弾ならチャクラシールドで弾ける。 そう思い、チャクラシールドを張る瞬間、スッと右方向に回り込むうっすらと白くぼやけた帯が目を掠めた。 しまったっ! チャクラシールドが展開する。七色に揺れ、輝くチャクラの波に視界が遮られる。透明度の高いチャクラ光ではあるが、その輝度は高い。そして、今は夜。目標を見失う。 バルカンを弾き終わり視界が開けたとき、それは頭上に回りこんでいた。 右方向に注意を払っていたラキは完全に意表を衝かれた形となる。上方から勢い良く突っ込んできたギンガナムに対して、ブレンバーで受けるのが精一杯の反応だった。 だが、真正面から受け止めすぎた。上方からの押しつぶすような巨大な圧力。受け流せない。弾き、飛び退くにしても大地が邪魔になる。 「ブレン、耐えてくれ」 耐える。それが唯一残された選択肢。 足場の舗装道路が砕け、アスファルトの破片が舞い上がる。嫌な音を立ててブレンバーの刀身に皹が走る。 そして、次の瞬間――圧力は消え去った。一条の閃光が眼前を掠め飛び、その対応に追われたギンガナムの機体の姿が遠くなる。 クルツか。そう思った耳に飛び込んできたのは、まったく聞き覚えのない声だった。 「ラキ、これからあんたを援護する」 「お前……は?」 思わずキョトンと呆けたような呆気に取られたような顔になって、ラキは呟いた。突然、モニターの隅に赤毛の少女の顔が映し出されたのだ。 「アイビス=ダグラス。ラキ……あんたを探してた」 「アイ……ビス?」 「うん。あんたに伝えなきゃならないことがある。ジョシュアは……」 「知っている。ジョシュアはお前を守って死んでいった……」 アイビスの言を遮って、ジョシュアの死を口にする。その言葉にモニター越しの顔は俯いて押し黙った。 アイビス=ダグラス、そう名乗る少女の顔を見、ラキは話しかける。 「アイビス、私もお前を探していた。今会えてよかった。そう思える」 「えっ!?」 その声にパッと伏せていたアイビスの顔が上がった。戸惑い表情がそこには浮かんでいる。 微笑みを返す。意図した笑みではなかった。自然と口元が綻んだのだ。 『今』会えてよかった。本当にそう思える。 今ならまだいつもの私のままでいられる。でも二時間後三時間後は分からない。 次の放送を迎えたとき、いつもの自分でいられるという保証はどこにもなかった。 瞼を閉じ、ブレンの内壁に触れる両の手に神経を集中させる。 ほんのりと暖かい。気持ちを落ち着かせ、心を穏やかにさせる暖かさだ。 大丈夫。今の私はいつもの私だ。 「ラキ」 呼ばれて、もう一度アイビスに視線を戻した。そこには戸惑いの色はもうない。 あるのは一つの決意だけ、それが言葉となって飛んで来る。 「ジョシュアの弔い合戦だ。あいつを、ギンガナムを倒すよ!」 あいつにジョシュアは殺されたのか、と思った次の瞬間、ジョシュアはそれを望むのだろうか、とふと疑問が頭をもたげた。 あの時、ジョシュアはギンガナムの名を出すことはしなかったのだ。 「二人で楽しくやってるところ悪いがな。そろそろ奴さん仕掛けてきそうだぜ」 どちらにしても戦わないわけにはいかないだろう。二体のブレンはともかく、クルツのラーズアングリフは損傷が大きそうだ。逃げ切れるとはとても思えない。 思いなおし、ラキはギンガナムを睨みつける。 それにジョシュアがどう思おうと、仇は仇なのだ。ジョシュアを殺した者が生きている。それはやはり納得がいかない。許せないのだ。逃げるという選択肢は今はない。 「ああ、ジョシュアの仇討ちだ!!」 →Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(ver.IF)(3)
https://w.atwiki.jp/suparoboogs/pages/42.html
ラウル・グレーデン →(汎用台詞) 通常(OG2) 攻撃 対アインスト「行くぞ、アインスト!」 「怪獣退治も、人命救助の一環だ!」 「エイリアンかインベーダーってとこか!なら、手加減しない!」 「あんな奴等、俺達の世界にはいなかったぞ!」 対アクセル「アクセル・アルマー!あの時の借りを返させてもらうぞ!」 「この世界にいるべきじゃないんだ!俺達は!」 「お前たちのせいで、フィオナは…!!」 「アクセル…!お前だけは許せない!!」 「アクセル・アルマー!俺はお前を許さないっ!!」 対ヴィンデル「勝負だ!ヴィンデル・マウザー!」 「時の流れの彼方に消え去れ!ヴィンデル・マウザー!!」 「ヴィンデル!お前にこの世界の歴史を変える権利なんて無い!」 対インスペクター「人の星にちょっかい出すんじゃない!」 「怪獣退治も、人命救助の一環だ!」(ガルガウ戦) 「俺達の歴史、異星人なんかに変えられてたまるか!」 「行くぞインスペクター!」 「偉そうな事ばかり言うな!見識が狭いのはそっちだ!」 対ウェンドロ「ウェンドロ!お前に時流エンジンを渡しはしないぞ!」 対エクセレン「コックピットは外さなきゃ…!」 対シャドウミラー「奴らがこの世界にいるなんて…!!」 「お前達にエクサランスは渡さないぞ!」 対シュテルン・ノイレジセイア「頭を潰せば、奴らは崩れるはずだ!」 アージェント・ファイター(アージェント・ヘッド)「このままでも、戦闘くらいは!」 「当てられたら終わりだ…だったら先制攻撃で!」 被弾 対アクセル「アクセル…!俺はまだ倒れちゃいないぞ!!」 対インスペクター「さすが指揮官機、攻撃力が半端じゃないぜ!」 「押しが甘いぞ、インスペクター!」 エクサランス・ストライカー「頑丈じゃないと始まらないフレームだからな」 回避 対アインスト「ふう、攻撃方法まで変わってやがるぜ…!」 「化け物の攻撃なんかに当たるか!」 対アクセル「あいつの攻撃に当たるわけにはいかない…!」 「昔の俺だと思うなよ!アクセル!」 対インスペクター「こっちのことは監査不足だったみたいだな!」 「エクサランスは絶対に渡さない!」 「狙いが甘いぞ、インスペクター!」 対シャドウミラー「エクサランスは絶対に渡さない!」 援護攻撃 アイビス「アイビスさんに続くぞ、連携プレーだ!」 「アイビスさん、俺も行く!」 アラド「アラド、後は任せろ!」 カーラ「カーラさん、後は任せて下さい!」 ギリアム「ギリアム少佐、こちらからも行きます!」 ゼオラ「ゼオラ、こっちからも行く!」 ゼンガー「ゼンガー少佐、援護します!」 フィオナ「名付けて、エクサランスコンビネーション!」 「フィオナ、後は任せろ! いくぞ!」 ユウキ「手伝います、ユウキさん!」 ラミア「ラミアさん、俺も行きます!」 レーツェル「レーツェルさん。援護します!」 リョウト「少尉、援護します!」 レオナ、エクセレン「少尉の後に続けば……いける!」 援護防御 ゼンガー「ゼンガー少佐、下がってください!」 エクサランス・ストライカー「このフレームなら、頑丈にできてるからな!」 通常(OG2.5) 攻撃 対バルトール「あいつらを止めなければ、多くの人が犠牲になってしまう!」 対フォルカ「」 対修羅兵「修羅にやられてたまるかよ!」 被弾 回避 援護攻撃 援護防御 通常(OG外伝) 攻撃 対シュウ「シラカワ博士!あんたにおれ達の未来を否定する権利はない!」
https://w.atwiki.jp/yaruotrigger/pages/111.html
【2ndシーズン】X-XXX 相良隊 X期部隊構成 隊員 ポジション トリガー 特徴 相良宗介 万能手 アステロイド、イーグレット、アイビス、メテオラ、シャウラ、スパイダー SE所持 新垣あやせ 万能手 アステロイド、バイパー、弧月、グラスホッパー、エスクード エース 葉即できる夫 攻撃手 弧月、旋空、幻踊、グラスホッパー エース 弦巻マキ 通信士 弦巻派 X期部隊ランク戦結果 【1stシーズン】B-002 相良隊 → A-001 相良隊 5期部隊構成 隊員 ポジション トリガー 特徴 相良宗介 万能手 アステロイド、イーグレット、アイビス、メテオラ、シャウラ、スパイダー SE所持 新垣あやせ 万能手 アステロイド、バイパー、弧月、グラスホッパー、エスクード エース 葉即できる夫 攻撃手 弧月、旋空、幻踊、グラスホッパー エース 弦巻マキ 通信士 弦巻派 5期部隊ランク戦結果 ランク戦戦績 1st 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th 8th 隊成績 勝○ 5pt 勝○ 6pt 負 3pt 勝 6pt 分 3pt 分 4pt 分 4pt 勝○ 7pt 相良宗介 2、L 2、LV 0、D 2、B 1、L 1、D 2、D 2、L 新垣あやせ 0、L 2、L 2、D 2、DV 1、D 0、D 0、D 1、D 葉即できる夫 1、DV 0、D 1、A 2、D 1、B 3、D 2、D 2、LV 隊総合成績 4位 5pt 2位 11pt 1位 14pt 1位 20pt 2位 23pt 2位 27pt 1位 31pt 1位 38pt ○生存点 L:ALIVE、D:DOWN、B:BAILOUT、A:AREAOVER、V:MVP ランク戦戦績 得点 生存 無失点 MVP 生存点 勝利 隊成績 32 7 10 4 3 4 相良宗介 12 4 5 1 - - 新垣あやせ 8 2 2 1 - - 葉即できる夫 12 1 3 2 - -
https://w.atwiki.jp/yaruotrigger/pages/123.html
【2ndシーズン】X-XXX 木勢出隊 X期部隊構成 隊員 ポジション トリガー 特徴 木勢出できない夫 狙撃手 イーグレット エース 蘇芳・パヴリチェンコ 狙撃手 イーグレット、アイビス、ライトニング ソーニャ・アレクサンドロヴナ・ケレンツカヤ 攻撃手 スコーピオン、シャウラ(?)、アステロイド 東北じゅん子 通信士 東北派 X期部隊ランク戦結果 【1stシーズン】B-013 木勢出隊 → B-011 木勢出隊 5期部隊構成 隊員 ポジション トリガー 特徴 木勢出できない夫 狙撃手 イーグレット エース 蘇芳・パヴリチェンコ 狙撃手 イーグレット、アイビス、ライトニング ソーニャ・アレクサンドロヴナ・ケレンツカヤ 攻撃手 スコーピオン、シャウラ(?)、アステロイド 東北じゅん子 通信士 東北派 5期部隊ランク戦結果 ランク戦戦績 1st 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th 8th 隊成績 負 2pt 負 3pt 負 2pt 勝○ 5pt 負 2pt 分 3pt 負 3pt 負 1pt 木勢出できない夫 1、D 3、D 0、D 2、LV 1、B 0、D 1、D 1、D 蘇芳・パヴリチェンコ 1、B 0、D 1、D 0、B 0、D 1、L 1、D 0、D ソーニャ・アレクサンドロヴナ・ケレンツカヤ 0、D 0、D 1、D 1、D 1、D 2、L 1、D 0、D 隊総合成績 7位 2pt 8位 5pt 12位 7pt 8位 12pt 11位 14pt 10位 17pt 10位 20pt 13位 21pt ○生存点 L:ALIVE、D:DOWN、B:BAILOUT、A:AREAOVER、V:MVP ランク戦戦績 得点 生存 無失点 MVP 生存点 勝利 隊成績 19 3 6 1 1 1 木勢出できない夫 9 1 2 1 - - 蘇芳・パヴリチェンコ 4 1 3 0 - - ソーニャ・アレクサンドロヴナ・ケレンツカヤ 6 1 1 0 - -
https://w.atwiki.jp/if_notss/pages/180.html
年度 頭 タイム 1着 騎手 2着 騎手 3着 騎手 1着馬の父 成績 2001 0 53.9 メジロダーリング 吉田豊 シンボリスウォード 後藤浩輝 カルストンライトオ 熊沢重文 Green Desert ◆ 2002 0 53.7 カルストンライトオ 大西直宏 ブレイクタイム 松永幹夫 タイキメビウス 小林久晃 ウォーニング ◆ 2003 0 54.2 イルバチオ 左海誠二 ティエッチグレース 小林久晃 トーセンオリオン 向山牧 ロイヤルアカデミーII ◆ 2004 0 53.9 カルストンライトオ 大西直宏 タカオルビー 吉田豊 ネイティヴハート 石崎隆之 ウォーニング ◆ 2005 0 54.0 テイエムチュラサン 田嶋翔 ウェディングバレー 後藤浩輝 スピニングノアール 中舘英二 タイキシャトル ◆ 2006 15 0 55.7 サチノスイーティー 鈴来直人 マリンフェスタ 大西直宏 レイズアンドコール 石橋脩 カリスタグローリ ◆ 2007 14 0 55.1 サンアディユ 村田一誠 ナカヤマパラダイス 木幡初広 クーヴェルチュール 後藤浩輝 フレンチデピュティ ◆ 2008 16 0 54.2 カノヤザクラ 小牧太 シンボリグラン 内田博幸 アポロドルチェ 勝浦正樹 サクラバクシンオー ◆
https://w.atwiki.jp/jyakiganmatome/pages/1572.html
名前:エル=ガンマ 眼:??? 種族:天使 性別:男 年齢:??? 一人称:私 二人称:お前 三人称:奴 口調:妙に事務的、感情を出さないようにしている節が有る 口癖:特になし 好きなもの:??? 嫌いなもの:??? 容姿1:白くタイトなロングコート、顔には包帯が乱雑に巻かれている 容姿2: 装備:神鳳剣 戦術:近接戦闘を好む 職業:天使見習い 所属組織:天界 出身世界:天界 タイプ:厨二病こじらせた人 設定: アイビスが天界から連れてきた、地上監視天使の一人。 格好が非常に禍々しいため、なんかベヨネッタとかに出てきそうな天使である。 白いコートにベルト、包帯ぐるぐる巻きで不気味。 っていうか単純に厨二病こじらせただけ。 神様に天使として登用されるとき、「私はエルです」などと意味不明な発言をし反感を買った。 無口キャラ気取っているがどうやら自分でキャラ付けしているようである。 なので時折キャラが崩れたり「ワイのワイワイワーイ!」とか叫び出す事が多い。 でも天使としては新米ながら、アイビスよりはたぶん有能であるのがタチ悪い。 ちなみに学生かばんに「DEBIRU MEI KURAI」って書いてある。 しかも油性ペンで。 だが地上に降りてきて学校に通い始めてから、港内に迷い込んできた犬にビビって失禁するという惨事をやらかしたため 転入早々「チビルメイクライ」という不名誉な渾名がついた。 どうやらシャイなのか、入浴時でも顔の包帯を外すことはない。 っていうか外れない特殊な素材で作ってあるらしい。 カレーとか食うとエラい事になっているのだが、ごりおしで午後の授業に出席したところ 渾名が「トイレットペーパー」へとランクアップした。
https://w.atwiki.jp/yaruotrigger/pages/113.html
【2ndシーズン】X-XXX 糸色隊 X期部隊構成 隊員 ポジション トリガー 特徴 糸色望 狙撃手 アイビス、イーグレット、ライトニング エース 夜神月 射手 アステロイド、ハウンド、メテオラ、バイパー トップメタ 麦野沈利 射手 アステロイド 大エース 柊蓮司 攻撃手 弧月、旋空、アステロイド、メテオラ エース 新城アカネ 通信士 結月派 X期部隊ランク戦結果 【1stシーズン】B-012 糸色隊 → B-001 糸色隊 5期部隊構成 隊員 ポジション トリガー 特徴 糸色望 狙撃手 アイビス、イーグレット、ライトニング エース 夜神月 射手 アステロイド、ハウンド、メテオラ、バイパー トップメタ 麦野沈利 射手 アステロイド 大エース 柊蓮司 攻撃手 弧月、旋空、アステロイド、メテオラ エース 新城アカネ 通信士 結月派 5期部隊ランク戦結果 ランク戦戦績 1st 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th 8th 隊成績 分 2pt 勝○ 10pt 負 1pt 負 3pt 分 3pt 分 3pt 勝○ 5pt 負 1pt 糸色望 1、D 2、L 0、A 1、B 0、D 1、B 0、L 0、D 夜神月 1、L 4、LV 0、D 0、D 1、D 2、L 3、LV 1、D 麦野沈利 0、D 2、D 1、B 1、D 0、D 0、D 0、D 0、D 柊蓮司 0、D 0、D 0、D 1、D 2、L 0、D 0、D 0、D 隊総合成績 10位 2pt 1位 12pt 3位 13pt 3位 16pt 3位 19pt 3位 22pt 3位 27pt 3位 28pt ○生存点 L:ALIVE、D:DOWN、B:BAILOUT、A:AREAOVER、V:MVP ランク戦戦績 得点 生存 無失点 MVP 生存点 勝利 隊成績 24 7 10 2 2 2 糸色望 5 2 4 0 - - 夜神月 12 4 4 2 - - 麦野沈利 4 0 1 0 - - 柊蓮司 3 1 1 0 - -
https://w.atwiki.jp/dmorika/pages/1945.html
《緑神龍エイビス》 緑神龍エイビス SR 自然文明 (7) クリーチャー:アース・ドラゴン 8000 このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中から自然のカードを1枚選び、自分のマナゾーンに置いてもよい。その後、山札をシャッフルする。 このクリーチャーが攻撃する時、自分のクリーチャーを1体、バトルゾーンからマナゾーンに置いてもよい。そうした場合、コストが自分のマナゾーンにあるカードの枚数と同じかそれ以下の進化ではない自然のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。 W・ブレイカー 作成者:GiS フレーバーテキスト DMO-25 「輪廻編(ブラフマー・ループ)第1弾」作:エウブレウス禁断の力を宿した龍。かの龍が目覚める時、それは新たなる大地が産み出される時でもある。 収録セット DMO-25 「輪廻編(ブラフマー・ループ)第1弾」 参考 [[]]