約 2,102,375 件
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/8352.html
689 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 10 17 37.55 ID KMECKK890 [1/3] 旧ソードだと精霊魔法のスリープで寝てる相手は仮死状態扱いで新陳代謝とかも止まったはず。 …旧ソードで思い出した事あるんで俺も報告してみる。ちょっとまとめてきます 690 名前:1[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 10 40 43.31 ID KMECKK890 [2/3] 結構無茶な理屈でひどい展開にされた旧ソードのとある卓 前提として、前のセッションで宝の地図を見つけていた。 この宝の地図は入手時にGMから、また別のセッションで必要になると言われていたもの。 問題のセッションは台詞形式で記述するけど大体こんな感じだった。↓ GM「さて、君達が街道を歩いていると(コロコロ)うん、ソーサラーの背中の荷物から煙が上がってるね」 ソサ「え?ちょ、ちょっと何で?」 GM「セージで判定して。成功?なら、君が以前入手したマッチが自然発火したみたいだね」 プリ「は?マッチが?自然発火っておかしいだろ!」 GM「それがするんだよ。中世のマッチはリンの問題で、ちょっとした事でも燃え易かったらしいんだ」 ソサ「いくら燃え易いって言っても自然発火は…」 GM「残念。体温程度で火が点く事もあったんだってさ。背負い袋に体温が伝わってたんだね」 691 名前:2[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 10 42 10.33 ID KMECKK890 [3/3] ファ「いやマテ。いくらなんでも無茶じゃないか?ともあれ水かけて消すよ!水袋の水で良い?」 GM「残念。冒険者の背負い袋なんだからきちんと防水加工されてるのは当然だろう?長旅をするんだからね そして燃えた炎はソーサラーPCの荷物にあったランタンの油に引火。爆発する。 ダメージ受けといて(打撃力は20で追加ダメージがそこそこあった)」 ソサ「生きてる。生きてるけど…どうすんだこれ」 GM「ああ残念。君の荷物は全て燃えてしまった。宝の地図も焼失してしまったね」 ソサ「そもそもランタンの油でこんな爆発とかしねーだろ!」 GM「君は魔晶石を持っていたね。ランタンの爆発がきっかけで、その衝撃で魔晶石に蓄えられていた魔力が 爆発してこの威力になったんだ。あ、魔晶石ももちろん失ったよ」 ファ「そもそも地図はソーサラーPC以外が持ってたんじゃなかったか?」 GM「たまたま君達は彼に渡していたんだよ。そういう事もあるのが冒険者だろう?」 PL陣「ふざけんなコノヤロー!苦労して現金収入無しで宝の地図ゲットしたあのシナリオは何だったんだ!」 GM「報酬に繋がるもの出したくなかったんだよ!」 今更学生時代にサークルで作ってた紙のリプレイを書き起こして思うのが、理屈もひどいけどやり方も本当ひどいなと。 一事が万事この調子の、自信たっぷりに「実は君達はこういう事をしてしまっていたからこういうハメになったんだよ」 と、PCかPLがやってもいないミスを起こした事にして、報酬減額とかミッション失敗とかにされ続けて 俺らも頭来てGMやらせないようにしたら脱退して行った。 692 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 10 44 23.72 ID 0KfpeEmt0 [1/5] 防水加工の中に黄燐マッチ入れておいたら電気火花で着火は確かにありそうだが 日常に使う着火具の取り回しを冒険者ができないことの方がありえんだろ 693 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 11 13 28.47 ID sUssTGZA0 [1/5] 報酬渡したくない系のマスターってどうして絶滅しないんだろう 694 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 11 48 05.44 ID gB4oCRQr0 防水の背負い袋となると材質は油を染み込ませた皮かねぇ 脱脂してない毛織物でもいいけど ただ、マッチは火口箱の中に入れるだろうに 発火しても大事にはならんぞ?大概金属製の缶か金属で内張りした箱なんだから 一番の突っ込みどころはランタン爆発と衝撃による魔晶石爆発だが 695 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 11 51 29.94 ID 237qwT800 [1/4] そういうマスターは金銭報酬が重要で無いルールだけやってればいいのに。 まあ、いちゃもんつけて経験点を取らせないようにするかもしれないが。 696 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 11 55 53.75 ID 0KfpeEmt0 [2/5] お金渡したことによるPTの強化に対応しきれないって言うならさきにぶっちゃけて 報酬を名誉や領地など監禁しづらいもので渡せばいいしな 697 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 11 59 14.58 ID ik8QucrX0 [1/3] 695 GM「依頼を選り好みされたら困るので必要最低限の金も渡さないようにしよう」 698 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 11 59 40.70 ID 237qwT800 [2/4] GMをやめさせられたからって、PL専に楽しみを見出すことができなかったんだろうか。 TRPGをやるなという扱いじゃなかったみたいなのに。 701 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 13 05 28.07 ID fyZYoeDG0 そもそも旧SWにマッチなんてあったか? まだ着火具は火打ち石レベルだった記憶が 703 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 13 13 54.65 ID zdKVArIz0 [2/2] そもそも体温で発火するようなら代物ならそれ相応の扱いをしてるのが普通じゃないんですかね。 「冒険者だから防水加工は当然」とかいう癖に必需品のマッチの扱いが雑とかご都合主義にも程があるだろw 描写もないのにソーサラーに地図渡していたとかもクソすぎ。うちならリアファイ始まってるわ 704 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 13 57 45.42 ID rqtXJ88Z0 701 どっかに出てきたような記憶もあるが、アイテムコレクションか何かだったかもしれない 705 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 14 10 08.41 ID 9C0Byqsi0 704 アイテムコレクションのは発火の魔法入りマジックアイテムで 黄リンどうこうなマッチではなかったと思う 710 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2013/08/31(土) 17 03 02.36 ID 4fWKEDJL0 PLを嵌めて陥れることにしか興味がないGMは昔から存在していたほんとに困りものだよ。 昔聞いた又聞きの話だけど、作成時だったか探索中に入手だったかは忘れたが 飛行系の魔法がかかったローブだかマントだかをGMが出してくれたので魔法使いPCが装備したんだそうだ。 そしてダンジョンを探索していると、飛行ユニットを吸い込むミキサー型の即死トラップが出てきて 魔法使いPCが問答無用でミンチ化即死にされたという話を思い出した。 701 704 705 大陸で冒険者時代のカシュー王に道具屋の親父が発火マジックアイテムを見せてくれて その見た目と着火方法が擦りマッチだったというお話だったよ。 化学マッチなのか魔法マッチなのかは曖昧に表現されていたよ。 でもこういうのを公式扱いにするのは無しっしょ。 スレ358
https://w.atwiki.jp/sengokusaga-mixi/pages/429.html
山[家康に過ぎたるもの]本多忠勝 (ハイレア) 山[家康に過ぎたるもの]本多忠勝+ (ハイレア) 山[家康に過ぎたるもの]本多忠勝++ (ハイレア) 山[徳川十六神将]本多忠勝 (Sレア) imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 攻2710 防1960 戦力18 攻3252 防2352 戦力18 攻3794 防2744 戦力18 攻4878 防3528 戦力18 スキル:敵将討取(消波)効果:水属性の防御 大ダウン -戦場で真価を発揮する猛将-「どりゃぁぁ!!家康様を守るのがオレの役目!殿軍はこの忠勝に任されよ!きっと務めを果たし、再び馳せ参じましょう!」 -戦場で真価を発揮する猛将-「どりゃぁぁ!!家康様を守るのがオレの役目!殿軍はこの忠勝に任されよ!この先へ行くならば、このオレが相手になろう!」 -戦場で真価を発揮する猛将-「どりゃぁぁ!!家康様を守るのがオレの役目!殿軍は、この忠勝に任されよ!フン、この程度の兵力、一人で片付けてやるッ!」 -戦場で真価を発揮する猛将-「この忠勝、家康様の敵には容赦せぬぞ!刃向う者は覚悟しろッ!この蜻蛉切で真っ二つにして冥途へ送ってくれるッ!」 売却価格 貫 売却価格 貫 売却価格 貫 売却価格 貫 [浅井三姉妹]初 ← 戻る → [蜻蛉切の女傑]本多忠勝
https://w.atwiki.jp/akasi3/pages/191.html
#blognavi 夜の23時前。 洋画劇場も終わりに差し掛かり、「そろそろランニングに行くか」と考える。 ―「トントン。」 『新聞の集金かな?』 ―「私達はこのような教えを伝えて...(うんぬんかんぬん)(冊子を渡しながら)」 ( A`) 10分後、何とか帰っていただきました。 新聞勧誘もそうだが、聞く気ないんなら多少強引にでも断るべきなんだけどね。 そのほうが相手にとってもいい。 未だに苦手だが。 聞いてて、「どういうつもりでやっているのか」と聞きたく、 また「そこは違うだろ」「”本当は”、”正しいのは”こうだ」と言いたくなった。 「私の信じている正しい教えはこうだ」と、 ・・・ そう。”信じている”。 別に変わらない。今自分が見下そうとしたその人たちと。 仮に、自分が信じているものが、”正しい”と言えるものであろうと、 その信じる主体である”自分”は、彼らとなんら変わりはない。 まあ言ってしまうと、それ以前に、 ”信じている”、”信仰である”以上、 それは”宗教としては(本当の意味では)”間違いなんだと思うが。 - - - - 新しく独り暮らしを始める諸君。 私個人としては、こういうの(↑)に付いて行かない様に気をつけろ、何てことは別に言う気がない。 ただ、自分がやったことは、自分で責任を持つべきだと、それだけ思う 何をするにしても。 それが出来れば(あと他人に迷惑をかけなければ)、何をやってもいいと思う。 今やってる人もね。 カテゴリ [駄文] - trackback- 2006年03月27日 00 06 02 #blognavi
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/6048.html
71 :NPCさん:2011/06/29(水) 18 08 43.32 ID ??? 昔の懺悔 ガンダムのTRPGの時のこと クリティカルして成長時にまたクリティカルな出目を出すとニュータイプとして覚醒していけるシステムの奴で 途中参加だったんで学徒兵設定で俺弱いプレイをしてたんだけど1シナリオ目でニュータイプとして覚醒 次のセッションでニュータイプレベルが上がって、また次のセッションでもNTレベルが上がった 僕って天才だったんだ~ オールドタイプの軍人さんチーッス! 俺ひとりでクシャッとやってきます! ってキャラに増長。リアルでも。 で、次のセッションで味方から密告でニュータイプ研究所に送られたんで 新キャラでお願いね!ってGMに言われて俺ムギャオー&サークル脱退 若かった・・・ 72 :NPCさん:2011/06/29(水) 18 18 50.45 ID ??? リアルでの増長具合はしらんが ルール通り成長したキャラをシナリオ間で即死させたわけだろ? GMが困だとおもうが 73 :NPCさん:2011/06/29(水) 18 27 46.76 ID ??? 時々いるよね ルール通りに処理してるだけなのに、ケチをつけたり、排除しようとする輩 そういうのが、GMだと理不尽な退場させたり、むちゃくちゃな敵を出したり 75 :NPCさん:2011/06/29(水) 18 30 16.59 ID ??? 71 …それは GMが 困では ないのか? 76 :NPCさん:2011/06/29(水) 18 31 50.83 ID ??? ガンダムなのに何でまず増長したPCを殴らなかったんだろう 79 :NPCさん:2011/06/29(水) 18 37 41.12 ID ??? 学徒兵が戦いの中でNTとして覚醒していくなんて超主人公じゃん 80 :NPCさん:2011/06/29(水) 18 57 06.37 ID ??? 76 ロールプレイで 鉄拳制裁して「殴られずに一人前になった奴がいるか!」とか言えばいいだけだわな 81 :NPCさん:2011/06/29(水) 19 15 51.64 ID ??? リアルで増長ってのがどの程度かによるなw 85 :NPCさん:2011/06/29(水) 19 34 55.65 ID ??? ニュータイプというPL垂涎の要素(しかもデメリット無し)を、 ランダムで与えるシステムが設計としてよろしくなかった。 SWの両手利きみたいなもんだ。 GMもPLも困ったちゃんだが、システムも開発途上であったがゆえの悲劇だな。 98 :NPCさん:2011/06/29(水) 20 44 43.50 ID ??? 71 それは明らかにGMが困だ 99 :NPCさん:2011/06/29(水) 20 46 09.18 ID ??? 85 退魔戦記の血筋システムはひどかった。 104 :NPCさん:2011/06/29(水) 21 00 03.83 ID ??? 差があるならGMが埋めればいいのに ノロイとかで下げるんじゃなくて他をアッパー、そいつを微アッパーな方向なら文句も出にくかろう スレ277
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/143.html
中公新書256 名嘉正八郎・谷川健一編 沖縄の証言(上) 庶民が語る戦争体験 中央公論社刊 昭和46年7月25日初版 昭和57年2月1日5版 長い文章なので、章立てと小見出しを転載時に付加しました(以下※印)。そのキャプション語彙も私の責任です。この民俗学者である谷川健一氏の解説は、大書「沖縄県史」を紐解くガイドとして極めて有効だと思われるので転載しました。なぜなら、200ページ余りの新書版には収めきれない証言・戦史を反映しようと、熱を込めて書かれた一文だからです。 by pippo 証言の意味するもの(解説)前半・・・谷川健一(一 沈黙という岩盤)※ (二 沖縄の戦況)※(サイパンから沖縄へ)※ (防衛隊と現地徴兵)※ (離島の悲劇)※ (本島北谷上陸)※ (北部戦線、伊江島民の犠牲)※ (本島、首里攻防と夥しい犠牲)※ (南部島尻、住民の犠牲)※ (米軍の攻撃目標)※ (日本軍の撤退)※ (海軍部隊の最期)※ (南部での陸軍最後の死闘)※ (命を奉げた住民の協力と、日本軍の冷酷な仕打ち)※ (三 沖縄住民にとって友軍とは)※ (四 戦争とはなにか、日本人とはなにか)※ 証言の意味するもの(解説)前半・・・谷川健一 (一 沈黙という岩盤)※ いまを去る二十六年前、沖縄の天地は凄惨な地獄と化した。本土の日本人が空襲に逃げまどい、疎開の不便な生活になやんでいるときに、沖縄はその大地の上に敵の兵士と戦車を迎え、間断のない艦砲射撃の下にさらされながら数ヵ月を送った。この間の記録は数多くの沖縄戦記としてすでに発表され、私たちの胸をゆさぶってきた。そして沖縄本島の中南部に林立する各県の慰霊塔、これらは、それがそもそもの目的でないにせよ、私たちに一時の罪責感をあたえて、そして解放するというカタルシスの役を果たしていることも否めない事実である。涙は人間を浄化し、人間の苦悩をやわらげる作用をもつ。戦後二十六年、いままさに沖縄が本土に復帰しようとする寸前、沖縄の戦いの記億は、沖縄戦記や慰霊塔を残したまま、過去に押しながされようとしているかにみえる。本土復帰によって、沖縄の戦後は終わった、という人が出てくるであろう。私たちは沖縄の大地に聞くほかない。それははたして真実であろうかと。 沖縄は、昭和47年(1972)5月15日に日本領に復帰しましたので、この文章はそのおよそ一年前に書かれたようです。 「今を去る六十ニ年前」と置き換えてこの文章は成り立つだろうか? 「沈黙の岩盤」は厚い。読谷村チビリガマの集団自決が語られるようになるまでに38年も掛かった、という。 これまで軍人や知識人が沖縄戦について発言しても、沖縄の庶民だけは沈黙した。私がこの庶民の沈黙の岩盤につきあたり、その大きさがわかったのは、沖縄史料編集所が『沖縄県史』に収録する予定の沖縄住民の非戦闘員の聞書きの記録を読ませてもらったときである。私は皮肉にもこの聞書きにふれてはじめて、沖縄の民衆の言語に絶する苦難、そして戦後二十何年間をつらぬいたその苦難を語るまいとする沈黙の意味を、やっと諒解したのである。 傍点箇所を太字に>pippo 苦しみが大きすぎるとき、人は告白する衝動を失い、それにふれることを極度に嫌悪する。沖縄の民衆が過ごした戦後は、まさしくそのようなものであった。極限状況まで追いつめられた庶 178 民にとつて、その苦難はあまりに大きすぎて、それを語ることを欲しなかった。しかし、それは沖縄の庶民の心底にまるで鋼のように重く、冷たく沈んでいたのだ・そしてや一と戦後二十何年目かに、彼らの寡黙な心情は、戦争体験を語ろうとするまでに余裕を持ってきた。とすれぼ、沖縄の戦後はこの沖縄の民衆のかかえてきた沈黙の岩盤にささえられていたといっても、けっして過言ではない。これこそ、戦後の沖縄の思想の原点であることを私は確認した。沖縄の戦後は、この無告の民の沈黙から出発し、沈黙の岩盤にささえられてこんにちまでやってきたのだ。沖縄の戦後社会をいろどるさまざまな現象や事件の鍵はここにある。 沖縄の悲劇はサンフランシスコ条約によつてもたらされたか。断じてそんなことはない。すでに沖縄戦からはじまつていたのだ。日本の一部でありながら、このような言語に絶する苦難が、沖縄の民衆を唖にした。しかし彼らは、その体験を忘れていたのではなかった。日本とアメリカの双方への痛烈な不信を生むにいたつた沖縄の戦いこそが、沖縄の戦後思想の原点である。それは強固な沈黙の核を秘めてはいるが、すべてはここから出発する。沖縄の民衆がその重い口をやっと開いて沈黙を破りはじめたこんにちこそ、沖縄の本土なみ戦後が始まるといえる。この沖縄戦の民衆の証言は、その意味で私たちに戦後思想、いや戦後史そのものの書きかえを迫るものをもっていることはうたがうべくもない。 上記赤太字は>pippo (二 沖縄の戦況)※ ここにおいて、私たちは本書の背景となる沖縄の戦況をしばらく追ってみたい。 179 (サイパンから沖縄へ)※ 昭和十九年七月七日、サイパン島の日本軍の守備兵は全減した。そしてその月の二十一日には、米軍はグァム島に上陸を開始した。マリアナ諸島には、数万の沖縄県民が出稼ぎにいっている。その中には自決して果てたものも少なくない。沖縄の人たちは地理的な近さからだけではなく、血のつながりの近さから、サイバン島やグァム島の運命がやがて自分たちの島にもふりかかるかも知れないという不安を強くもった。 その不安は、七月末までに沖縄県民を本土と台湾へ緊急疎開させよという日本政府の命令が発令されるにいたって、いよいよ確実となった。住みなれた沖縄の島々をあとにして、台湾へ二万、本土に約六万の疎開がおこなわれた。その中には、鹿児島の南、奄美(あまみ)の北のとから列島の悪石島付近で、アメリカの潜水艦に撃沈された対馬丸のような悲劇もある。対馬丸は那覇市内の国民学校の児童と一般疎開者合わせて一、六六一名を乗せて、八月二十一日に那覇港を出発した。あくる日、機関に故障を起こして一隻だけが船団からおくれた。そこを敵潜水艦にねらわれたのである。助かったものはわずかに一七七名にすぎなかった。遭難者の半数の七六六名が国民学校の児童であった。児童は五九名しか生き残らなかった。 この衝撃がおさまらない十月十日、米軍による沖縄への最初の攻撃がおこなわれた。しかもそれは決定的な一打であった。六万五干の人口をもつ那覇市の主要部分は、その九割が灰燼に帰した。読谷(よみたん)、嘉手納(かでな)、伊江(いえ)島、那覇の各飛行場、沖縄本島の港湾施設や船舶も破壊された。そして県民の一ヵ月分にあたる米が焼けた。軍需品の損害もおびただしく、長勇ちよういさむ参謀長は進退伺いを 180 出したほどである。それからざっと一月足らず、十一月四日には沖縄第三十二軍の主力を構成する第九師団の台湾転出が大本営から通達された。当時沖縄本島方面の戦闘を受けもつ第三十二軍は、第九師団のほか、第二十四師団、第六十二師団、独立混成第四十四旅団、それに軍砲兵隊の合計六万から成り立っていた。そのほか海軍兵力一万があった。このうち一個師団をひき抜くというのだから、沖縄の守りが手薄になるどころか、がたがたになるのは目に見えている。 この措置に現地沖縄では軍民ともに憤激し絶望した。あとで大本営がその補充をこころみようとしたときは、敵の潜水艦の跳梁(ちょうりょう)がはなはだしく、兵力の輸送は困難で実行に移されなかった。いきおい沖縄の守備軍も、敵の上陸地点と想定される場所に主力を結集して、決戦をいどむ作戦を放棄しないわけにはゆかなかった。そして、このことが米軍の沖縄作戦をいもじるLく容易にしたことは、否定できない。 (防衛隊と現地徴兵)※ 第九師団が転出したあとの人員不足を、日本軍は地元の沖縄人で埋めようとした。防衛隊は最初、飛行場の建設に参加させる目的で、一九四四年六月に組織された。一九四五年一月以降、十七歳以上四十五歳までの沖縄人で、引っぱられて防衛隊にはいったものはおよそ一万七千名をかぞえた。 沖縄の民間人が組織した防衛隊の任務は、主として弾薬や糧秣の運搬に従事する仕事で、苦力(クーリー)都隊であった。 181 そのほかに日本軍は多数の沖縄人を現地徴兵し、召集した。召集といっても、体(てい)のよい狩り出しで、米軍上陸以後の一九四五年の四月、五月になると口頭で召集令が伝達された。実際に第三十二軍に加わって戦闘に従事した沖縄の人たちの数はわからないが、おそらく日本軍勢力の三分の一を占めていたのではなかろうか、と推論する向きもある。米軍の沖縄進攻開始当時、第三十二軍の兵力は十万、その中に二万の防衛隊とかず知れないほどの現地召集の沖縄の人たちが含まれていた。陸軍自体の全兵力は七万七千、そのうち歩兵が三万九千、特別部隊、砲兵隊その他のサービス部隊が三万八千。そのサービス部隊に沖縄の人たちは大量に組み込まれていたのだったろう。 (離島の悲劇)※ 米軍は沖縄島上陸にそなえて、一九四五年の三月中旬から飛行場と飛行機を使用不能にする目的で、日本本土の各飛行場を急襲した。また米軍の艦艇は沖縄近海を掃海し、艦砲射撃を加えた。三月二十六日の朝、米軍は伊江島か沖縄本島に上陸するという日本軍の予想を裏切って、まず慶良間(けらま)諸島の攻略にとりかかった。阿嘉(あか)島、慶留間(げるま)島、外地(ほかじ)島、座間味(ざまみ)島、屋嘉比(やかび)島などを占領し、あくる二十七日に渡嘉敷(とかしき)島に上陸した。米軍発表によると、慶良間諸島では日本軍は五三〇名が戦死し、二二名が捕虜となった。米軍は三一名の戦死者と八一名の負傷者を出したにすぎなかった。 慶良間諸島の地図1、慶良間諸島の地図2 慶良間諸島の悲劇はむしろ住民のあいだに起こった。慶留間島では、親は縄や手でわが子をしめ殺し、そのあとを追った。その数は約四〇名。座間味島では、米軍が上陸するとともに、内川(うちかわ) 182 山壕内で野村村長はじめ、吏員、家族、村民多数が手投弾や劇薬で一人の未遂者もなく最期をとげた。山頂近くに結集していた住民は薬で死にきれず、棒で頭をたたき割って最期をとげ、ある者は生まれて二、三ヵ月の赤子を乳房で窒息させ、子供を一人一人のどを切ってゆく親、首をくくる者、銃弾で倒れる者、手榴弾を使う者、と、さまざまな方法で自決するという悲惨きわまりないさまであった。自決者および、戦火に倒れた島民の数は三五八名に達した。 渡嘉敷島の場合は、谷底に追いこまれた住民たちは古波蔵(こはぐら)村長の訣別の言蒙終わると、手榴弾で自決していった。死ねない者はおたがいに棍棒でなぐり合い、剃刀(かみそり)で頸を切り、子の首をしめ、鍬(くわ)で頭を割り、谷川の水を血で染めつくした。そこへ迫撃砲弾が炸裂した。思わず死をこわがり逃げ出す者も出て混乱が起こった。自決者四〇〇余名、戦死者三〇余名。 こうして慶良間諸島では慶留間、座間味、渡嘉敷の島々で惨劇がおこなわれた。 (本島北谷上陸)※ 一九四五年四月一日、復活祭日曜日の明け方、一、三〇〇隻の米軍の艦艇が勢ぞろいした。五時三十分、戦艦一〇隻、巡洋艦九隻、駆逐艦二三隻、そして一七七隻の砲艦がいっせいに砲口を開いて、総攻撃直前の掩護射撃を開始した。八時三十分、上陸用舟艇は比謝(ひじゃ)川の川口を中心にした北谷(ちゃたん)村の海岸線にたどりつき、夕方まで六万以上の兵が上陸した。すでに米軍の斥侯はその数日前か、前日に上陸して慎察していたと思われるふしがあるが、米軍が不思議に思ったのは、日本軍が低抗らしい抵抗を示さないことであった。日本軍の砲兵陣地からの妨害は、ほとんどなかった。地雷に出くわすこともなかった。 183 米軍はその日のうちに桃原(とうばる)の線まで進出した。地上の低抗は少なかったが、日本の特攻機は果敢な攻撃をこころみた。米軍は島袋(しまぶく)を突破し、中城(なかぐすく)湾を海岸ぞいに南下して、三日には東海岸の久場崎(くばざき)を占領した。四月七日、陸軍の戦闘機部隊が読谷飛行場に、九日には嘉手納飛行場に着陸するというすぱやさだった。 米軍が北谷村海岸に上陸したとき、日本車の第一線部隊の中軸は中城村喜舎場(きしゃば)にあった。中城村の北方(戦後は、米軍基地のため分断され、北方は分村して北中城村となった。)は、米軍の進撃がはやくて日本軍の後退がはやかったために、米軍上陸後わずか二、三日で米軍に捕虜にされている人々が多いが、現在の中城村は南よりで、米軍の進撃を後ろにして南へ落ちのびる時間の余裕があった。そのために中城村北方(現在の北中城村)は、一般庶民の戦火による生命の犠牲がいくぶん少なかったが、中城村は南部の市町村と異なることなく犠牲が多かった。 四月五日まで北谷村砂辺(すなべ)海岸の金網内に入れられていた一、五〇〇名余の捕虜の住民は、比嘉(ひが)と島袋の収容所にトラックではこばれた。 (北部戦線、伊江島民の犠牲)※ 北上した米軍は石川(いしかわ)地峡を通り金武(きん)の線に到達した。そして八重(やえ)岳にたてこもる日本軍を攻撃、四月十三日には沖縄北端の辺戸(へど)岬に着いた。四月十五日には八重岳を制圧し、あくる十六日には伊江島に上陸した。伊江島は平べったく丸い島で、島の中央には沖縄本島から遠望できる城山(ぐすくやま)が突出している。米軍の攻略の目標は飛行場を確保し、利用することであった。それにたいして日本軍は、城山の陣地を中心に強固な防備態勢を敷いて米軍をよせつけなかった。猛烈な艦砲射撃 184 ののち上陸した米軍の攻撃を、日本軍の地雷や夜襲が阻止した。 日本軍には、多数の伊江島の村民がまじって戦った。女たちも例外でなかった。頭髪を切り、戦闘帽をかむり、男装して爆雷を持って飛び出し、竹槍をひっさげて切込みに加わり、みずから死ぬと知りたがら米軍陣地に体あたりした。その中には、乳のみ児を背負った掃人もまじっていた。 伊江島での日本軍の低抗が頑強をきわめたことは、米国陸軍省編の沖縄戦記『日米最後の戦闘』("Okinawa", The Last Battle )の認めるところであるが、六日間にわたるこの戦闘で米軍は一、一二〇名の死傷者を出した。内訳は戦死者一七二、負傷者九〇二、行方不明四六。日本軍は四、七〇六名の戦死者と一四九名の捕虜を出した。このうち軍服を支給された約一、五〇〇名の民間人が含まれていた。 当時本島に疎開した三、○○○名をのぞけぱ、伊江島に残留していた同島の住民数は約四、○○○名と推定されるが、そのうち少なくとも一、五〇〇名は死んだと考えられる。というのも伊江島民で米軍の捕虜となり、慶良間諸島の渡嘉敷島、慶留間島に移されたものはおよそ二、一〇〇名余にすぎないからである。 (本島、首里攻防と夥しい犠牲)※ 眼をふたたび本島の戦闘に転ずると、米軍の進撃は四月八日以来ストップしていた。牧港(まきみなと)から宜野湾(ぎのわん)市の嘉数(かかず)、東は中城村和宇慶(わうけ)、西原(にしはら)村上原(うえはら)にのびる戦線を日本軍は死守して一歩もゆずらなかった。とくに嘉数の戦線は壮烈をきわめた。この前線を後退させるのに、米軍はなんと半月 185 かかった。そこはいくつもの丘陵が重なり合い、天然の防塁となっているとともに、高地を守備する日本軍は攻めのぽる米軍を狙い打ちすることができる。嘉数戦線では、身体を地表にさらすことは死か負傷を意味していた。 日本軍は、蛸壷(たこつぼ)と急造爆雷をたくみに使用した。米軍は攻めあぐみ、日本軍の砲火の前に立ちすくんだ。日に一メートルしか前進できないこともあった。米軍が毒ガスを使用したのはこの嘉数においてであった。その犠牲者は壕にひそむ非戦闘員の中からも出た。 しかし、日本軍の死傷もはなはだしかった。そのうえ兵力の一部は南部に備えておかねばならなかった。米軍は島尻(しまじり)の港川(みなとがわ)に上陸するとつねに見せかけて日本軍を牽制、その結果、日本軍は全兵力を嘉数戦線に投入することはできなかった。四月二十四日の明け方、日本軍は猛烈な砲火を米軍陣地にあびせるかたわら、深い霧を利用して、首里(しゅり)防衛の第一線から後退しはじめた。しかし日本軍は、仲間(なかま)、前田(まえだ)、幸地(こうち)の線でふみとどまった。この第二線を守らねぱ、首里は危険にさらされる。そこで両軍死力をつくしての攻防戦が展開された。 Yahoo地図システム 前田丘陵四日間の戦閾は、「ありったけの地獄を一つにまとめた」といわれるほどで、嘉数に劣らずものすごいものであった。「手投弾は飛びかい、洞窟や蛸壷壕には弾薬が投げこまれ、夜は夜で双方とも敵のいつとも知れぬ夜襲におびえていた」と『日米最後の戦闘』の一節は伝える。 日本軍はこの戦闘に破れることをきわめて憂慮し、反攻に転ずる計画を立てた。五月四日、総反攻が実行されたが、結果は日本軍の無惨な敗北に終わった。約五、○○○名の戦死者を出し、 186 その戦力ぽ半分以下に低下した。これにたいして米軍の損害は約一、○○○名。日本軍の士気はおとろえ、重苦しい空気が支配した。沖縄住民の被害もおそるべきものがあった。 沖縄戦中の最大の激戦地の一つであった宜野湾市の嘉数では半数以上が死んだ。浦添(うらそえ)村の前田では、人口が三分の一に減った。西原村の幸地では戦前九六〇名の人口が戦後三三〇名に減った。一四〇戸のうち五三戸が一家全減。おなじ西原村の桃原では、人口四〇〇余名のうち残存者九四名。七六戸のうち一家全滅は四二戸。桃原の近くの西原村字我謝(がじゃ)では一、○○○名のうち四五〇名しか残らない。やはり西原村の字池田(いけだ)では、四〇五名の戦前人口が二五五名に減少した。 (南部島尻、住民の犠牲)※ 沖縄戦が住民をまきこんだ戦争であったことがこれで理解される。この数字の比率は、沖縄戦の破局の舞台であった南部の島尻においても同様である。南部の被害についていえぽ、喜屋武(きやん)岬に近い旧真壁(まかべ)村の字真栄平(まえひら)部落では、沖縄戦直前の約九〇〇名が、戦後は三五六名に減った。総戸数一八七戸のうち、一家全減が五八戸、一名生存二三戸、両親なし二一戸、父なし五二戸である。 おなじく旧真壁村の名城(なしろ)では住民八○○名のうち、その三分の一が死んだ。 旧高嶺(たかみね)村の字国吉(くによし)では、戦争直前の人口が四七〇名前後、そのうち戦死者が二一〇名以上。ここは、米軍のバックナー中将が戦死した場所の近くの部落であるが、捕虜になった住民のうち男子は全部銃殺された。 旧真壁村字伊敷(いしき)は、一三〇名の人口のうち五五名が死んだ。同村の宇江城(うえぐすく)は、一六三名の人口 187 のうち生き残りは七〇名。同村の糸洲(いとす)では人口二五〇名のうち半数以上が死んだ。 旧喜屋武村の字上里(うえざと)では、一二〇名前後の住民の三分の一以上が死んだ。同村の字束辺名(つかひな)では、人口二三〇名あまりが一五六名となった。 旧摩文仁(まぶに)村の大渡(おおど)では、人口二五〇~三〇〇名のうち約半数が死んだ。同村の米須では、一、五〇〇名のうち生き残りはわずか三三〇名。一家全減は全戸数の四七パーセント。 旧兼城(かねぐすく)の照屋(てるや)では、人口八九六名のうち、死んだもの三七〇名。 旧高嶺村与座(よざ)では九〇〇名近い人口のうち三一〇名しか残らない。しかも一七、八歳から五〇歳ぐらいのあいだの男は、たった六名しか生きていなかった。そして戦前戸数一五四戸にたいして、一家全滅は四五戸、つまり三分の一は、家族全部が地上から消え失せたのである。 東風平(こちんだ)村の小城(こぐすく)では、戦前人口が七四〇~五〇名。それが戦後の帰郷者をふくめて三〇〇名余。すなわち、戦死者は四四〇名以上である。 (米軍の攻撃目標)※ 日本軍の最後の首里防衛線は安里(あさと)の北から大名(おおな)、沢岻(たくし)を通り、石嶺(いしみね)の丘陵地帯におよんだ。東の方は運玉森(うんたまむい)の北の桃原や我謝にのびていた。五月十一日に米軍は総攻撃を開始し、十日間の激戦が展開された。米軍は攻撃目標に自分たちの名前をつげた。首里の東側の弁(べん)ヵ岳はチョコレートでつくったドロップのようにとがっていた。また那覇郊外の安里の北の高地はシュガー・ローフ(一山の砂糖)と呼ぱれた。ここを米軍が奪取すれぼ首里攻略の鍵を手に入れたことになるのだった。沖縄にいる米軍の将兵に向けて東京放送は英語で話しかけてきた。おそらく東京ローズとよぼれる有名な女性の声であったろうか。 188 「シュガー・ローフ・・・・・チョコレート・ドロップ・・・・・ストロベリー山・・・・・まあなんというすばらしい名前でしょう。白いピケットを張りめぐらした中に、キャンディの家が見えます。木々には、キャンディのいっぱいはいった罐がぶら下がり、赤や白い筋が陽に輝いてキラキラ映えています。でもみなさん、この赤い実はアメリカ人の血の色なのです。こういうすばらしい名前の山こそ、じつは恐ろしい肉弾戦が行なわれるところなのです。もちろんいちぱん悲惨なところを、きれいな名前をつけて、こわがらなくてもよいようにするのは、ごくあたりまえのことでございましょう。シュガー・ローフがどうして何回となく攻撃の手を変えなけれぱならなかったか、よくごぞんじでいらっしゃいましょうね。それはまったくダンテの“地獄”さながらだからです。そう、砂糖の山・・・・・チョコレート・ドロップ・・・・・いちごの山・・・・・みんなきれいな名前ですわね。ただそこにいったことのある人は、そこがどういうところかごぞんじなんですけれども・・・・・」(『日米最後の戦闘』) 事実、米第六海兵師団はシュガー・ローフを占領するまでの十日間の戦闘で二、六六二名の死傷者と一、二八九名の戦闘疲労症(精神病)を出している。 運玉森(うんたまむい)は米軍によって「百万ドルの山」と名づけられていた。この運玉森はそれだけの値打があった。その東側を制圧することによって、那覇と与那原(よなばる)を結ぶ道路が確保できて、首里攻撃は 189 格段に容易になるからである。米軍は五月二十一日に、運玉森の東側の丘陵斜面を確保し、首里防禦陣の突破口を開くことに成功した。 (日本軍の撤退)※ ここにおいて日本軍首脳は一大決断に追い込まれた。米軍が運玉森からいっきょに首里南方の津嘉山(つかざん)付近に押し寄せたら、全陣地の組織がくずれることになる。三月下旬の日本陸軍の総兵力は約八六、四〇〇名であった。その後現地召集の沖縄人をも加えているが、それがいまや生存の将兵は五万内外に減っており、しかも精鋭はほとんど死傷し、歩兵火器の大部分は消耗している。この五万の兵力をもって首里の外郭をささえることはむずかしく、直径一キロ内外の狭い地域に配置すれぼ、米軍の物量攻撃の好餌となるだけの話である。といって逃れるところは、南部の知念(ちねん)半島か喜屋武岬しかなかった。知念半島は洞穴陣地が少なく、また米軍がすぐ近くの与那原に迫っているので、そこへの撤退案は捨てられた。 第三十二軍牛島司令官、長勇参謀長、八原(やはら)高級参謀などの軍首脳は、喜屋武岬に後退する案を選んだ。これにたいして島田沖縄県知事は、非戦闘員を知念半島に移し、そこを無防備地帯として米軍に通告することを強調したが、軍首脳はその主張を聞き入れなかったと伝えられる。もしこの案がいれられたら、沖縄戦の最後の様相はすこぶるちがったものになっていただろう。 事実、沖縄の現地軍は五月十六日に大本営に打電していた。 「軍は状況を判断し総力をあげ北面より首里東西の線に最後の予備を投入しつつ敢闘中たるも現兵力の保持逐次至難となり、まさに組織的戦略持久は終焉せんとす・・・・」 190 この電文の示すとおり、日本軍の組織的低抗は首里防衛戦で終わったのである。 米軍は嘉数の首里防禦の第一戦線を突破するのに、四月八日から二十三日まで半月を費やし、その嘉数から二キロ南の前田高地に敷かれた防衛第二戦線を突破するのに、五月五日までの十二日を要した。そして、前田から二キロ南の石嶺高地に設けられた第三番目の防禦陣を突破して首里前面に迫るのに、五月二十日までの半月余を費やした。つまり、四キロ余前進するのに一月半ちかくをかけねばならなかった。このことだけを考えても、それが文字どおり死闘であったことがわかる。一日にして百メートル足らずの前進距離に埋まった死体の数を想像せよ。 しかしいったん、首里防衛を放棄した以上は、そこにどのような激闘がくり返されたとしても、敗残の兵たちがその終末を引きのばすための戦いにすぎなかった。野戦病院に残された兵隊はおよそ一万であったが、そのうち動けない重傷の兵士は手投弾、爆薬、薬品で自決をとげた。五月末、おりから降りつづく雨で泥濘と化した道を、五万の日本軍が南部へと撤退をはじめていた。しかし、島尻南部では三万に減っていた。一〇キロの道のりのあいだに二万が失われたことになる。体力の衰弱や負傷のため歩行できなくなったり、また米軍の艦砲射撃の餌食にたったものも多かった。 (海軍部隊の最期)※ 一方、小禄(おろく)にいた一万の海軍部隊は、その中核になる精鋭の二、五〇〇名を首里戦線に送って陸軍を助けたが、その残りは小禄を死に場所とさだめて、小禄半島に上陸した米軍を迎え撃った。しかし、圧倒的な敵の前にはどうしようもなく、大田実少将は司令部壕内で六月十三日に自決し 191 た。大田司令官は六日夜、海軍次官に次のような電報を打っている。それをとくに左にかかげるのは、沖縄で戦った日本の軍人で、沖縄県民にたいする心づかいを示す唯一の文書の例だからである。 「沖縄県民の実情に関しては、県知事より報告せらるべきも、県には既に通信力なく、三十二軍司令部叉通信の余力なしと認めらるるに付、本職、県知事の依頼を受けたるに非ざれども、現状を看過するに忍びず、之に代って緊急御通知申上ぐ。沖縄島に敵攻略を開始以来、陸海軍方面防衛戦闘に専念し、県民に関しては、殆ど顧みるに暇(いとま)なかりき。然れども本職の知れる範囲に於ては、県民は青壮年の全部を防衛召集に捧げ、残る老幼婦女子のみが相次ぐ砲爆撃に家屋と財産の全部を焼却せられ、僅(わずか)に身を以て軍の作戦に差支なき場所の小防空壕に避難、尚砲爆撃下・・・・風雨に曝(さら)されつつ乏しき生活に甘じありたり。而(しか)も若き婦人は率先軍に身を捧げ、看護掃炊事婦はもとより砲弾運び挺身斬込隊すら申出るものあり。所詮敵来りなば老人子供は殺さるべく、婦女子は後方に運び去られて毒牙に供せらるべしとて、親子生別れ、娘を軍衛門に捨つる親あり。看護婦に至りては軍移動に際し、衛生兵既に出発し身寄(みより)無き重傷者を助げて・・・・真面目にして一時の感情に馳せられたるものとは思われず、更に軍に於て作戦の大転換あるや自給自足夜の中に逢(はるか)に遠隔地方の住民地区を指定せられ、輸送力皆無の者黙々として雨中を移動するあり。之を要するに、陸海軍沖縄に進駐以来、終始一貫勤労奉仕物資節約を強要せられて、御奉公の192・・・・・を胸に抱きつつ遂に・・・・・ことなくして本戦闘の末期と沖縄島は実情形・・・・・一木一草焦土と化せん。糧食六月一杯を支うるのみなりと謂う。沖縄県民かく戦えり。県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを」(原文は片仮名まじり、旧仮名遣い文。句読点は引用者による。「・・・・・」は、原文の不明箇所。) 切々たるこの訴えを、戦後の本土の政治家たち、いや日本国民全体がどのように受けとめているか。いまなお残る小禄の地下壕にむなしく谺(こだま)するのみであるか。 (南部での陸軍最後の死闘)※ 一方島尻に後退した陸軍部隊は、司令部のある摩文仁の丘の真北にあたる八重瀬(やえす岳)と与座を中心にして、西は国吉から真栄里(まえさと)におよび、東は具志頭(ぐしちゃん)にわたる抵抗線を敷いた。米軍は五月末日から六月四日までわずか五日間で南部地区の半分を制圧した。六月五日から日本軍の抵抗線に攻撃を開始し、日本軍の執拗な防禦を十日あまりかかって排除した。八重瀬岳、ついで与座岳が占領され、国吉台地と真栄里も攻撃を受けるにおよんで、最後の望みは絶たれた。 牛島軍司令官は六月十八日に訣別の電報を大本営に打った。その日にバックナー米軍司令官は高嶺村真栄里で戦死をとげた。十九日も米軍の猛攻はつづけられ、摩文仁の丘まで迫ってきた。西側は米須まで進出した。新垣(あらかき)と真栄平は最後まで戦闘が激しく展開された。六月二十二日、摩文仁の軍司令部洞窟が米軍に急襲された。六月二十三日午前四時、牛島司令官と長勇参謀長は自決して終わった。 一万五千名から一万八千名の日本兵が沖縄の南部海岸の断崖まで追いつめられた。日本軍の損 194 害は六月初めから日に一千名だったのが、六月十九日に二千名、二十日には三千名、二十一日には四千名以上となった。そして、六月二十三日から月末までの米軍の掃討戦で、九千名の戦死傷者を出した。米軍の推定によると、沖縄戦開始以来五月末まで約七万名の日本兵が死んでおり、それ以降四万名近くが死んでいる。 沖縄南部の戦いは、死か捕虜かの二老択一をせまられたものであった。ここにおいて日本軍は一刻もながく生きのびるために、沖縄の住民を犠牲にすることをあえて辞さなかった。それは死を前にLたエゴイズムといえるのかもしれない。しかし間題は、日本軍の沖縄住民にたいする不信の念が前提となっていること、そして武器を持った人間が、非戦闘員にたいして脅迫をもってのぞんだことである。沖縄の住民は好きこのんで自分の住んでいる土地を戦場としたのではなかった。 (命を奉げた住民の協力と、日本軍の冷酷な仕打ち)※ 中部の住民十数万名が戦火に追われて南部をめざしたのは、沖縄県当局と日本軍の指示によるものであったが、しかしその結果、沖縄の南部には三浦半島とひとしい地域に三十万名の沖縄住民と日本軍がひしめきあうことになった。これにたいして米軍は、海上から艦砲射撃をもってこたえ、地上は火焔放射器(かえんほうしゃき)で壕を焼きはらった。喜屋武岬にいたる原野のカヤやススキの上に空からガソリンの雨を降らし、その上に油脂焼夷弾(ゆししょういだん)を投げ落として、その中にひそむおびただしい兵士と住民を殺した。米軍の使用した火器は、艦砲、榴散弾(りゅうさんだん)、黄燐弾(おうりんだん)、迫撃砲、焼夷弾、毒ガス弾、催涙弾、火焔放射器、投下爆弾などである。米軍の上陸地点である北谷村の海岸には艦砲が一坪 194 に五発落ちたといわれ、また南部ではその総面積に一坪あたり二十発ぐらいの弾丸が落ちたといわれている。 こうして、当時四十七万ていどの沖縄本島の人口のうち二十万近くが死んだ。生き残ったのは、沖縄本島ならびにその属島を合わせて三十万名である。住民の三分の一を死なせた戦いの意味は如何。この問いはいまも鮮烈な血の色のかがやきと、もっとも鋭くもっとも重厚な意味を失っていない。 それは、死者の数が莫大であるというだげではない。沖縄住民が男も女も老いも若きも総力をあげて日本軍に協力しようとしたのにたいして、日本軍は沖縄の住民に背筋の凍るような冷酷な仕打ちをもって報いたという事実をどう考えるか、という問題である。そもそも、中部の避難民に向かって南都の島尻地区に行けと指示することじたいが、軍人と民間人をいっしょにして敵の攻撃をできるだげそらそうとする目的からなされたのではないかという疑いがある。 その疑問を一笑できない理由がある。というのも米軍は、首里をめぐっての攻防戦がまだ終わっていないとき、空から前線後方地域にビラをまき、沖縄人に白布を着て歩いたら空襲や爆撃されないでもすむと知らせていた。日本軍はこのことを利用し、白布をつけ民間人に化けて首里から南へと何千名となく大移動をした。これはまもたく米軍が空から発見するところとなり、攻撃のよい目標となった。 日本軍は沖縄の住民を戦火にまきこむことで存命をはかったのではないか、という現地の痛切 195 な指弾は措(お)くとして、すくなくとも牛島司令官や長参謀長の自決が、沖縄の民衆にとってなんの意味もないことは断言できるのである。いやしくも最高司令官たるものが、軍参謀から「摩文仁の洞窟は軍の戦闘司令所としての機能を発揮せず」と指摘されたにもかかわらず、おのれの死に場所をえらぶために、全軍を指揮する場所としてはもっとも不適当な摩文仁の丘をさして落ちていった。鹿児島出身の牛島司令官が、摩文仁を西南戦争のときの城山になぞらえていたことは、自決の直前、長参謀長と、西郷隆盛の城山の話などをしあったという事実から推察できる。牛島司令官が高潔で温容な人格の持主であったことを否定しないが、おのれの最後をいさぎよくすることと、住民の生命ならびに生活の損失を最小限にとどめるための心づかいとはおのずから別なのである。 (三 沖縄住民にとって友軍とは)※ 証言の意味するもの・・・谷川健一(続) (四 戦争とはなにか、日本人とはなにか)※ 証言の意味するもの・・・谷川健一(続) 目次へ | 後半へ
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/8996.html
KLK/S27-068 カード名:セーラー服とは卒業するものだ カテゴリ:クライマックス 色:赤 トリガー:扉 【永】あなたのキャラすべてに、パワーを+1000し、ソウルを+1。 (扉:このカードがトリガーした時、あなたは自分の控え室のキャラを1枚選び、手札に戻してよい) 鮮血――――― レアリティ:CR RRR 14/05/19 今日のカード ・対応キャラ カード名 レベル/コスト スペック 色 新しい自分へ 流子 1/0 4500/1/0 赤 “鮮血更衣”流子 3/2 9500/2/1 赤
https://w.atwiki.jp/verginia12/pages/26.html
ネットで美容情報をチェックしてたら見つけたのが糖質制限ダイエットってやつです。 糖質だから、お菓子とかをやめて食事に気をつけてやせるダイエットなのかと思ったら、大違いでした。 糖質でも食事で糖質を取らないようにして、ダイエットする方法で糖質に体内で変化する炭水化物をなるべく採らないようにしようというものだそうです。 ごはんやイモ類などの炭水化物を制限して、それ以外のたんぱく質などが含まれているおかずを中心に食べましょうってことみたいです。 体内で糖質になるもの以外はいくら食べてもいいみたいで、お肉とかお魚などもOKなんですって。 お腹が空かないようにたくさん食べても大丈夫みたいですね。 でも、ご飯大好きな私にはツラそうなダイエットです。 糖質制限 外食
https://w.atwiki.jp/eriponmagi/pages/123.html
「今日はホント星が綺麗だね」 道重さんのお宅で夕食をご馳走になった後、あゆみんと2人で帰路の途中。 満天の夜空を見上げた私達は、思わず足を止めました。 天空一面に散りばめられた星々。 でも私は、その美しい瞬きに何か言い知れない胸騒ぎを感じたのです。 特に目についたのが、赤く燃えるあの星。 あれは……さそり座。サソリの火。 「!!?」 サソリの火がどんどん輝きを増して、私の視界に大きく迫ってきます。 そして遂には、身体の中に入り込んでくるような不思議な感覚。 これは……。 身体が、熱い!! 燃えるような熱さとともに、急激に意識が朦朧としていきます。 そして呼び覚まされるお方の記憶。 「ご主人様……」 ○ 「道重さん! はるなんが……! はるなんが!!」 黒猫を抱えた亜佑美が駆け込んできたことにより、さゆみ邸は騒然とした空気に包まれた。 「まずは落ち着いて、何があったか話してくれる?」 「帰る途中はるなんと星を眺めていたら、はるなんが急に意識を失って倒れて……。 今もそうなんですけど、はるなんの身体がすごく熱いんです! きっと高熱が出てるんだと思うけど、さっきまですごく元気だったのに なんでこんなことになったのか……」 さゆみの指示によって、テーブルの上に毛布を敷き、その上に春菜を寝かせる。 「ミャオミャオと、ずっとうわ言のように啼いててなんかすごい辛そう……」 「でもなんで猫の鳴き声なんやろ。まるで人間の言葉を忘れちゃったみたいやけど」 「ご主人様、ご主人様って、すごい哀しそうに呼んでるよ」 「まーちゃん猫の言葉解るの?」 「ううん、でもなんとなくそんな気がする」 「ご主人様って……。そういえば倒れる寸前もそんなことを呟いてた!」 周りを囲むようにして、みんなが心配そうに顔を寄せ合い春菜の様子を見守る。 「ご主人様か。……やっぱりね」 「やっぱりって、道重さんははるなんがなんでこんなことになったか 原因がわかってるんですか!?」 「みにしげさん! 早くはるにゃんこを助けてあげてください!! ずっとうなされていてこのままじゃ可愛そう!!」 「原因はだいたいわかったけど、どうすれば一番はるなんのためになるか。 それが難しいんだよね……」 珍しく眉間にしわを寄せて考え込むさゆみ。 次の言葉を待つように、みんなの注目が集まる。 その時だった。 顔を上げたさゆみがスッと立ち上がり、リビングの入り口に向かって頭を下げた。 みんなもさゆみの視線を追って振り向くと、 いつの間に入室したのか、そこには普段見慣れぬ人物の姿があった。 そして衣梨奈が驚きの声を上げる。 「吉澤さん!?」 「久しぶり重さん。いきなりお邪魔しちゃって悪かったね」 「いえ、さゆみの方から連絡しようかと思ってたくらいなので、 こちらこそわざわざ出向いていただきすみません」 突然の来訪に驚愕する一同を前に、ひとみは「大親友」の衣梨奈に一つウインクすると、 テーブルの上に寝かされていた春菜を抱き上げた。 「本当はもう少しゆっくりしていきたいんだけど、そんな余裕もないからさ。 それじゃあこの娘は連れて行くよ」 「はい。後のことはよろしくお願いします」 そして笑顔で軽く手を振ったひとみが、瞬間移動の魔法によって姿を消した。 あまりに急すぎる展開に、みんな呆然とその様子を見送ることしかできなかったが、 気を取り直して里保がさゆみに問いかける。 「道重さん、これはいったい……。はるなんは大丈夫なんですか?」 「後は吉澤さんに任せておけば大丈夫。 きっと一番はるなんのためになる方法を選んでくれるはずだから。 ただ、それがはるなんにとって本当に幸せかどうかは、それこそはるなん次第だけどね」 大丈夫と言いつつも、含みのあるその言葉とどことなく哀しげにも見えるさゆみの表情に、 みんな不安げに顔を見合わせることしかできなかった。 ○ 「どうなの様子は?」 「うん、落ち着いてる」 「そう、なら良かった」 「ここに連れてきたら熱も下がったし、自然に人間の姿に戻ったんだけど……」 「予想通り、原因はそういうことなんでしょうね」 「やっぱりそうだよね……」 遠くからうっすらと耳に届く誰かの会話。 その声に反応するように、春菜がようやく目覚めた。 ぼんやりとしたままゆっくり辺りを見渡す。 窓もない薄暗い小部屋。 自分が簡易ベッドに寝かされていることに気づく。 そしてベッドの側にいたのが……。 「吉澤さん!!」 ひとみの存在にようやく気づき、春菜がベッドから飛び起きた。 「おはよう。うん、その様子なら元気そうだね」 ただでさえ寝起きで頭が回らないところを、 ひとみからイケメンスマイルを向けられ慌てふためく春菜。 「あ、あの、どうして吉澤さんが……。 いえ、それ以前にここはどこですか? なんで私はこんなところにいるんでしょう??」 「まあ、混乱するのも無理ないよね。 あたしが飯窪に用があって来てもらったんだ」 「吉澤さんが、私に……用?」 なんのことだろう、まったく想像もつかない。 「そう。梨華ちゃんが迷惑をかけた時の借りを返そうと思ってね」 その言葉に、春菜の過去の記憶が呼び覚まされる。 以前、聖が思いがけず梨華に連れ去られそうになるという騒動があり、 衣梨奈と里保がどうにか解決した後に、確かにひとみはこう言っていた。 『今回みんなには色々迷惑をかけたし、その埋め合わせはきっとさせてもらうから もしあたしにできることがあれば気軽に言ってよ』 その約束通り、衣梨奈はKYにも頼み込んでひとみの「親友」となり、 里保はリリウムの世界でケメコの助力を得ることができた。 そして春菜もまた、その騒動の現場に立ち会ってはいたのだが……。 「で、でもいいんですか? 私はあの時ほとんど何の役にも立てませんでしたけど」 ほとんど傍観者でしかなかった春菜が、まさか約束の対象者として ひとみに認識されているとは夢にも思っておらず、 逆に申し訳ないような気持ちになってしまう。 「もちろん。だから、もし飯窪が望むのなら……」 微笑みとともにではあったが、ひとみの声は真剣な響きを伴っていた。 「飯窪が今、一番会いたい人に会わせてあげようと思ってる」 一番会いたい人。 その意味を頭で理解する前に、無意識に春菜の口からある言葉が零れた。 「……ご主人様」 「そうだとは思っていたけど、やっぱり記憶の封印が解けてるんだね」 封印されていた記憶。 使い魔としてご主人様と過ごした幸せな日々。そして最後の別れ。 ひとみの確認をきっかけに、それが春菜の脳裏に一気に溢れだしてきた。 軽く頷いてひとみが懐からハンカチを取り出し、春菜の目元を拭う。 そこで初めて、春菜は自分の瞳から涙が流れ落ちていることに気づいた。 「吉澤さん、私……」 「急に記憶が押し寄せてきたんじゃ、溢れ出るその感情をコントロールできないのも仕方ないさ。 涙の言うままに任せて、気持ちの高ぶりを全部出しきっちゃいな」 ぶっきらぼうにも聞こえる物言いとともに、自然な仕草で春菜を抱き寄せるひとみ。 そして春菜は、自分でも訳の分からぬまま、ひとみの胸の中で声を上げて泣いたのだった。 ○ 「すみません、何だかすごい取り乱してしまって」 簡易ベッドに並んで腰掛ける春菜とひとみ。 ようやく涙も収まった春菜の表情は、スッキリと吹っ切れていた。 「いいよ別に。ともあれ気分が落ち着いたようでよかった。 で、話を戻すけど……」 「はい。私が今一番会いたい人、つまりご主人様と会えるって おっしゃってましたけど、それは本当なんですか?」 「もちろん。飯窪が本気でそれを望むならね」 「でもご主人様は今、大いなる災厄をその身に抱えて封印の眠りについているはずでは……」 「そのことについては、もし気になるんなら本人に直接聞いてみるといい。 それと一つだけ忠告しておくけど……」 そこでひとみの声質が、グッと重みを帯びたものに変わる。 「あたしができるのは、飯窪をかおりんと会わせることだけ。 飯窪の心情としては聞かれるまでもなくかおりんに会いたいだろうけど、 それが本当に飯窪の望む結末になるとは限らない。 もしかしたら、知らない方が良かった、記憶を封印されたままでいた方が幸せだったと 後悔するような未来が待ち受けているかもしれない。 そんな可能性も考慮した上で、どうするかしっかり考えて返事をしてほしいんだ」 ひとみから放たれる重厚なプレッシャーに思わず青ざめる春菜。 しかし、春菜の返事は揺るぎないものだった。 「それでも……。私は、ご主人様にお会いしたいです」 春菜の瞳をジッと見つめ、その覚悟を見て取ったひとみが、納得したように笑顔で頷いた。 「うんわかった。ならその願い、叶えてあげようか」 「……じゃあここからはあたしの出番ね」 「キャア!!」 誰もいないはずの背後からいきなり声をかけられ、春菜が簡易ベッドから飛び上がる。 「ちょっとケメちゃん! いきなり驚かせてどうすんのさ」 「ごめんごめん、この頃なんか人をビックリさせるのが快感になってきちゃって」 そして、驚愕の表情のまま振り返った春菜に改めて自己紹介をする。 「ごめんねいきなり出てきて驚かせちゃって。あたしの名前は保田圭。 飯窪も情報屋なんてしてるのなら、名前を聞けばそれ以上細かい説明は不要よね。 それと最初よしこに聞いてた質問に答えると、この場所はあたしの住まい。 飯窪をカオリに会わせるために特別に来てもらったのよ」 「地底奥深くのこの場所に人を呼ぶことなんてほとんどないからと、 怖がらせないように化粧もバッチリして歓迎の準備万端だったはずなのに、 その登場の仕方でビビらせてんじゃ全てが台無しじゃんかよ」 「ハイハイ、あたしが悪かったわよ。 もっとちゃんと謝ればいいんでしょ。なんだっけ? ゆるしてにゃん? これはもう古いんだっけ? ごめんねポーズ? 今時の流行りなんて知らないわよ、いつもこんなとこにいるんだから」 ひとみとケメコの軽妙なトークを前にして、そこでようやく春菜が気づく。 目が覚める前になんとなく聞こえていた会話は、この2人によるものだったことに。 2人の喋りに圧倒されて口を挟むこともできない春菜の姿にようやく気付いたケメコが、 取り繕うように一つ咳払いをすると、口調を改めて春菜に話しかけた。 「それじゃあこれからカオリのところに案内するから、 あたしの後についてきてちょうだい」 手にしていた錫杖でケメコが壁を一つ叩くと、 鈍い音をたてて隠し扉が開き、地下へと続く階段が現れる。 後ろを確認することもなく足を踏み入れるケメコ。 部屋に残るひとみに大きく頭を下げ、慌てて春菜がその後に続いた。 ちょうど人が一人通れるくらいの狭い下り階段。 周囲の壁は明らかに自然岩で、魔法の影響か足元が判別できる程度の青白い光を放っている。 足音も立てず軽快に進んでいくケメコに、 とても声をかけられる雰囲気ではなく黙って後ろをついていく春菜。 はたしてどれくらいの時間が経過しただろう。 何階分かもわからぬほどの距離を下り、ようやくケメコが足を止めた。 下り階段の行きつく先、木製の古びた扉の前でケメコが微笑とともに振り向く。 「さあ、この先にカオリがいる。 ここから先は、あなたの目で真実をしっかりと見極めなさいな」 その言葉とともに、飯窪が返事をする余裕すらも与えず、ケメコは暗闇に紛れて姿を消した。 独りきりで残された春菜が、一つ大きな息を吐く。 そして、意を決して古びた扉に手をかけた。 扉を開けた先に広がる光景。 それは春菜が全く予想しないものだった。 抜けるような青空。暖かな陽光。緩やかに風に靡く草原。遠くから響く小鳥の囀り。 それは本来、地底奥深くのこの場所にあるはずもない広々とした庭園であり、 そして春菜にとっては既視感のある懐かしい空間でもあった。 「これは、こぶしファクトリー……」 春菜の要望に応えて衣替えされた、ご主人様のアトリエ。 その記憶の通りであるのなら、庭園の中央には……。 視線を向けた先には、純白の花をまとった大きな木が植えられ、 その木蔭に設置されたモダンなテーブルと、そして春菜の姿に気づいて ゆっくりと立ち上がり微笑みかけてくる人物の姿が。 「ご主人様!!!!」 思わず声を上げて駆け出す春菜。視界が一気に涙でぼやけてくる。 ケメコの後ろについて黙々と階段を下りながら、 ご主人様と再会した時のことをずっと考えていた。 もしそれが実現するのであれば、私の成長した姿を見てもらいたい、 もうあの頃の泣き虫で何もできない私ではないことを知ってもらいたい。 でも駄目だった。もっと大人びた振る舞いでいたいと思ったのに、 ご主人様の姿を目にした途端、感情が抑えきれなくなって身体が勝手に動き出していた。 「ただいま、はるなん」 その一言とほぼ同時に、春菜が胸の中へと飛び込む。 「ご主人様……会いたかった…………会いたかった!!」 号泣しながら、うわ言のように繰り返すことしかできない自分が情けなくなってくる。 ワシャワシャとかき混ぜるように頭を撫でる、懐かしい掌の感触。 ああ間違いない、本当にご主人様だ。 『涙の言うままに任せて、気持ちの高ぶりを全部出しきっちゃいな』 その時、不意にひとみの言葉が蘇ってきた。 そうだ、たとえ情けなくてもこれが今の私の素直な気持ちの表れなんだ。 だからそれを無理に抑えたりせず、溢れ出るその感情に身を任せればいいんだ。 その事に思いが至るとともに罪悪感にも似た感情がスッと消え去り、 春菜はまた、生まれたての赤子のように圭織の胸に縋り付いたのだった。 ○ 「どう? 特製のハーブティは」 「はい美味しいです。わざわざ私なんかのためにありがとうございます」 圭織が淹れてくれたハーブティで喉を潤し、 口の中に広がる爽やかな風味に、ようやく春菜も落ち着きを取り戻す。 代わってこみ上げてくるのは、痺れるような幸福感。 目の前には優しい瞳で私のことを見つめるご主人様の姿が。 2人でテーブルを囲んでこうしてティータイムを過ごせるなんて、 もう二度とありえないと思っていた時間が現実のものとなっている。 この幸せにどっぷりと浸かりこんで、このまま思考停止してしまいたい誘惑に駆られる。 でも、今のこの状況はわからないことが多すぎる。 それを見て見ぬ振りで放置しておくわけにはいかない。 「ご主人様。いくつかお聞きしたいことがあるのですが……」 「何? 言ってごらん」 「ご主人様はどうして、今ここにおられるのですか? 大いなる災厄をその身に抱えて封印の眠りについていたはずなのに……。 それに私は、なんで急にご主人様の記憶を取り戻すことができたのでしょう?」 「ああそのことね。大いなる災厄ならもう、浄化したわ」 「えっ!?」 何十年、何百年かかるかもわからないと言っていた大いなる災厄の浄化。 まさかそれをもう成し遂げてしまっていただなんて。 「浄化の完了とともに、自らの封印も解除するように設定してたんだけどね。 カオリの目覚めとともに、はるなんの記憶の封印も解かれてしまったことに気づいたの。 別にカオリの封印と連動させてなんかいなかったんだけど、 きっとはるなんのカオリへの想いが考えていた以上に強かったせいじゃないかな。 だからね、いきなり記憶が解放されてはるなんが大変なことになってるんじゃないかと、 圭ちゃんとよっすぃ~にお願いしてはるなんをこの場所に連れてきてもらったのよ」 帰り道に突然、高熱とともに意識を失ったのは、ご主人様の記憶が解かれた影響だったのか。 そしてこの場所に連れてこられてから高熱が治まったというのも、 きっとご主人様と同じ空間にいることによって症状が落ち着いたということなのだろう。 ご主人様がここにいる理由。自分の記憶が解放された理由。 話を聞いてみれば、なんということはないすんなり納得のできるものだった。 「カオリの方からも、はるなんに聞きたいことがあるんだ。 記憶が封印されてから、はるなんがM13地区で一体どんな生活を送っていたか。 今日までのこと、詳しく話を教えてもらえないかな」 圭織に促され、春菜がM13地区で過ごしてきた日々を語り出す。 さゆみの口利きもあり、街の古本屋さんでバイトしながら 魔道士を相手に情報屋を始めたこと。 さゆみとの繋がりから衣梨奈、里保など大切な仲間達と巡り合えたこと。 そして、魔道士協会に向こうを張っての、仲間を取り戻すための大冒険。 圭織の適切な相槌もあり、春菜からスムーズに伝えられるM13地区でのエピソード。 それとともに、自分がどれだけ密度の濃い充実した生活を送っていたのか、 春菜も改めて気づかされる。 楽しげに聞き入っていた圭織だったが、話が一段落するとまた春菜に問いを発した。 「はるなんはさ、未来に向けて胸に抱いてる夢とか願いごとってないの?」 「夢とか願いごと……ですか。 そうだ! 記憶は封印されたままでしたけど、心の奥底でずっとご主人様を助け出したい、 大いなる災厄を取り除いて封印から解放したいという願いは持ち続けていました! 結局は、私の出る幕なんてまったくなかったんですけど。 今振り返ってみると、だからこそ災厄除去のための有益な情報を仕入れようとして 情報屋なんて始めたんだと思い……」 「ううん、そういうことじゃないのよ。 はるなんがカオリのことを想ってくれるその気持ちは嬉しいんだけどね。 カオリとは別の、今のはるなんが抱えているはるなんだけの夢のことが聞きたいの」 春菜の言葉を遮る圭織の目元が、心なしか寂しげな色合いを帯びているような気がして、 訳も分からず春菜の鼓動が大きく高鳴る。 でもそれはほんの一瞬のことで、春菜も考えすぎだとすぐに気を取り直して 自分の抱いている密かな夢を語りだした。 それはM13地区を一つの共同体としてまとめ上げ、協会と対をなすもう一つの 『魔道士の秩序』を形成するという壮大な、いやもっとはっきり言ってしまえば 一笑に付されても仕方ないようなあまりにも現実味に乏しい夢。 しかし圭織は、真剣な面持ちで春菜の話を受け止めると、ニコリと微笑んで大きく頷いた。 「とっても素敵な夢だね、はるなん」 「あ、ありがとうございます! ご主人様にそう言っていただけると、本当に嬉しいです」 「うん、はるなんの話を聞いてカオリも安心したよ。 圭ちゃんとよっすぃ~に無理を言って、この時間を作ってもらって本当に良かった」 何か吹っ切れたような圭織の口調。 それと対称的に、言い知れぬ不安が春菜を襲う。 「それって一体……どういう意味ですか?」 「もうカオリには、何の心残りもないってこと」 そして春菜のその不安は、すぐに現実のものとなった 「だから……。これではるなんとは、本当のお別れをしないといけないんだ」 『もしかしたら、知らない方が良かった、記憶を封印されたままでいた方が幸せだったと 後悔するような未来が待ち受けているかもしれない』 ひとみから釘を刺された言葉が、春菜の脳裏に蘇る。 だからこそ、ただご主人様と再会してめでたしめでたしで終わるとは限らないと、 自分の中での覚悟はできていたつもりだった。 でもやっぱり……。 せっかく再会できたというのに、いきなり別れを告げられても納得できようはずもない。 「どういうことですかご主人様? どうしてお別れしないといけないんですか!? この前は、大いなる災厄から世界を救うという重大な使命があったからこそ、 ご主人様と別れの時を迎えなければならなかった。それはまだわかります。 でも今は、大いなる災厄が取り除かれ、ご主人様の使命も果たされました。 この期に及んで、ご主人様とお別れをしなければいけない理由なんて もう何も存在しないはずですよね!?」 できるだけ感情的にならないように圭織に問いかけたいと努力するが、 どうしても段々と気持ちが高ぶってくる自分を止めることができない。 「そうだ! 大いなる災厄を取り除いたということは、 もうあの研究所に籠って宇宙を監視する必要もなくなったということですよね!? ならば、これからはM13地区で私と一緒に暮らしませんか? 魔道士にとってはとても住み心地のいい街ですし、 道重さんや私の仲間達や、周りにいるのは素敵な人達ばかりですし! ああでも、他人と交流を好まれないご主人様にはやっぱり水が合わないかもしれませんね。 ならばやっぱり以前のようにあの研究所で暮らしましょう! ご主人様と私の2人であの頃のよ……」 「はるなん、はるなん」 哀しげに呼びかける圭織の一声で、激情に呑まれかけていた春菜の感情が 冷水を浴びせられたように一気に沈み込んでいく。 ああ、またご主人様を困らせるようなことをしてしまった。 私はなんて成長のない情けない人間なんだろう……。 「今のはるなんは、新しい人生を確立できて、大切な仲間にも恵まれ、 そして未来への夢もしっかりと見据えているんでしょう。 それを捨ててまで、昔のようにカオリと2人で暮らそうなんて、 今までの自分を全て無にするようなことは言っちゃ駄目だよ」 これまでになく厳しい口調で春菜を叱りつけた圭織だったが、 すぐに安心させるように表情を和らげる。 「はるなんが、カオリとまた一緒に暮らそうと言ってくれるのはとっても嬉しいんだけどね。 でも、その願いはもう叶えてあげることができないのよ」 「……どうしてですか?」 圭織の哀しみを湛えた微笑が、春菜の胸を締め付ける。 そして、圭織の口から決定的な一言が零れ落ちる。 「今のカオリはね、この世の人間じゃないの」 「えっ!?」 「カオリはもう、死んでるのよ」 その瞬間、全ての空気が凍りついた。 それは春菜の覚悟のキャパを越える、あまりに衝撃的な告白だった。 だが、いきなりそんなことを言われて、誰がああそうだったのかと そのまま素直に受け入れることができるというのだろうか。 「で、でも、ご主人様は現にこうして私の前にいらっしゃるじゃないですか! 先ほど抱きついた時、頭を撫でてくださった時の感触も、 それは確かに私の覚えているご主人様そのものでした! そんな死んでるなんて言われても信じろという方が無理があ……」 「そうだね、この身体は確かにカオリのものだし、別に幽霊になってるわけでもない。 そういう意味では厳密にはまだ死んでないと言えるのかも。 でもそれは、圭ちゃんに頼み込んで、特別に冥界の門をくぐるまでの猶予をもらってるからなのよ」 「冥界の門……」 ケメコがこの地底奥深くで監視しているという、あの世へと繋がる門。 春菜にとってもほんの噂でしか耳にしたことがなかったが、実際に存在していたとは。 「大いなる災厄を取り除いて自らの封印を解いた時、浄化のために 持てる全てを費やしたカオリの身体はボロボロで、そのまま力尽きるはずだった。 でもそこで、はるなんの記憶の封印も解かれてしまったことに気づいたの。 すでに新しい人生を歩んでいるはるなんにとって、 過去の記憶がいきなり溢れ出したら大きな混乱と心身の変調に襲われることは避けられない。 このままではカオリの存在がはるなんの足枷になってしまう。 だから、その心残りを取り払うために、圭ちゃんにお願いしてほんの少しの猶予をもらい、 はるなんとの最後のお別れの場を設けてもらったんだよ」 淡々とした口調で説明する圭織。 春菜は半ば呆然としたまま、ただただ話に聞き入ることしかできない。 「カオリのもう一つの心配は、はるなんが新しい生活をちゃんと送れているかということだったけど、 これは完全に取り越し苦労だったようで良かったわ。 大切な仲間と未来への夢。 この2つさえあれば、はるなんはもう過去に引きずられることなく生きていける。 後は、カオリという足枷を外して過去と完全に決別をすることが、 今のはるなんが何の憂いもなく前に進んでいくために必要なこと。 だから、ここでカオリと本当のお別れをしないといけないのよ」 嘘だ! ご主人様が死んでしまっただなんて絶対に信じない!! せっかく再会できたのにお別れなんてそんなの嫌だ!! 私はご主人様とずっと一緒にいるんだ!! 感情のままに泣きわめき、圭織に縋り付くことは簡単だった。 ただ、ご主人様に自分の成長を見てもらいたいとの想いが、 昔のような子供染みた感情任せの行動をとりたくないというストッパーとなり、 残った一片の理性を捨て去ることなく、春菜をギリギリで踏み留まらせていた。 でも……。ご主人様からのあまりにも受け入れがたい告白を前に、 私は一体どうすればいいのだろう。 『ここから先は、あなたの目で真実をしっかりと見極めなさいな』 去り際のケメコの言葉。 どんなに受け入れがたくても、これが目を逸らしてはいけない真実だというのか……。 「いきなりこんな話をされてはるなんが戸惑うのも、 拒絶したい気持ちもよくわかるけど、これだけはわかってほしいの。 貴女のご主人様は、もう、この世には存在しないのよ」 ご主人様は……この世には存在しない…………。 ご主人様…………は………………? その一言は、麻痺しかけた心にストンと納まり、そして春菜の脳髄を強烈に揺さぶった。 これが……見極めるべき真実!? だとすれば、なんでこんなことを……。 いやそれは、私のため。ご主人様が私のためにわざわざ……。 ならば、私ができることは、ただ一つだ。 「わかりました。 これで、ご主人様とは、お別れですね。 今まで、私をここまで育ててくださり、本当にありがとうございました」 圭織の顔をジッと見つめながら、声が震えないよう、途切れないようにグッと腹に力を込める。 よかった。どうにかちゃんと伝えられた。 健気な春菜の返答に一瞬驚きを見せた圭織だったが、すぐに柔和な表情に変わる。 「受け入れてくれてありがとう、はるなん。 強硬に拒絶されても仕方ないかと思ってたんだけど、どうやらカオリは、 はるなんのことをいつまでも子供扱いしすぎちゃってたみたいだね。 本当に成長したねぇ、はるなん」 春菜が一番聞きたかったその言葉。呼応するように涙腺がまた緩みだす。 「ありがとうございます。最後に一つ……いいですか? 最後に、もう一度だけでいいので……ギュッと抱き締めてくださいませんか?」 圭織が微笑んで頷きそして立ち上がると、理性を全てかなぐり捨てた春菜が飛びついた。 「ご主人様……ご主人様!! ……大好きです! 本当に本当に大好きです!!」 「カオリも大好きだよ、はるなん」 溢れだす涙もそのままに、圭織の胸に顔をうずめ、想いの全てをぶつける春菜。 圭織もうんうんと応じながら、春菜の頭をワシャワシャとかき混ぜるように撫でる。 いつまでも続くかと思われたかけがえのない時間。しかし。 俄かに空が掻き曇り、穏やかだったこぶしファクトリーに強風が吹き荒れる。 「名残惜しいけど、そろそろ時間のようだね」 風に煽られてこぶしの花が一斉に散り落ちる。 そして風に舞った花びらは白い輝きに変じて、圭織の身体を徐々に覆っていく。 泣き濡れた顔を上げた春菜に、圭織が光を纏いながら優しく微笑みかけた。 「じゃあ、これで本当のお別れだよ。はるなん」 「ご主人様……。さようなら」 あの時、口にすることができなかった別れの言葉。 ようやく、目を見てはっきりと言えた。 「はるなんの夢が実現するよう、祈ってるよ」 そっと顔を寄せた圭織の唇が、春菜の唇に重なる。 その瞬間、圭織の身体が一際大きな輝きに包まれ、目も開けられないほどの強烈な光を放つ。 それが徐々に収まるとともに、圭織の姿が春菜の前から消え去っていた。 ○ 麗かな午後のひと時、にぎやかな声が道重邸の庭に響き渡っていた。 「へへ~んだ、はるなんこっちこっち~!!」 「はるなんちょっとトロすぎじゃね? 黒猫の姿の方がよっぽど素早く動けそうじゃん」 「ああもう、2人ともちょこまかと本当にすばしっこいんだから! 見てなさい、私の本気はこれからなんだからね!!」 まーどぅーに翻弄されながらも、真剣に鬼ごっこに興じる春菜。 そんな微笑ましい光景を、縁側に腰掛けてぼんやりと眺めている人物の姿があった。 「何してんの里保?」 「ああえりぽん。いや別にどうってことでもないんだけど、はるなんがね……」 「うん。元気になってほんと良かった」 「うんそれもあるんだけど……。 なんかちょっと雰囲気が変わったというか、綺麗になったなぁと思って」 「綺麗に?」 意外な指摘に驚く衣梨奈を尻目に、さゆみが会話に割って入る。 「それはきっとね、はるなんが一つ、大人の階段を上ったからだよ」 「ああなるほど。なんとなくわかる気がします」 腑に落ちたように頷く里保と対称的に、衣梨奈は困惑顔を隠さない。 「うーん、はるなんも別に前と変わったようには見えんし、 大人の階段とか言われても全然ピンとこないっちゃけど」 「お子ちゃまには分からない話よ。ね、りほりほ」 茶化されてふくれっ面になる衣梨奈。 その様子が思いのほか面白く、さゆみと里保が顔を見合わせて笑いあった。 いつもと変わらぬ日常の一コマ。 だけどみんな、一歩一歩着実に成長を続けている。 喜びも哀しみも、全てをその身体に抱え込みながら。 「はるなんの夢、いつかきっと叶うはずだよ」 過去に区切りをつけ新たな一歩を踏み出した春菜。 里保達とともに眩しそうに見守るさゆみが、その背中に向けてそっと呟いた。 (おしまい) ←黒猫の追憶 ~真実を照らす絆~→
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/3435.html
308 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/11/15(日) 23 16 20 ID ??? ロラン「冗談はさておき、結婚するならだれが良いんですか?」 アムロ「ン…マリナさんかな」 ロラン「えっ!?」 刹那「………プツンッ」 アムロ「い、いや。そういう意味じゃなくてな…ほら、俺は弟や妹が多いだろ」 ロラン「エド時代のショーグン並ですよね」 アムロ「あそこまで多くないけどな…で、アルやシュウトの為にもお母さんがわりになる人が良いかな、って……今は」 ロラン「安心しましたよ。恋愛感情ではなく、自分の置かれた状況で考えたんですね」 アムロ「それはそうだろ。実際、今の彼女達で結婚するなら……」 ドゴーーン アムロ「………え?」 OO金眼刹那「……………」 ロラン「せ、刹那……?」 刹那「マリナを奪う者は兄さんであろうとも、駆逐する!!」 アムロ「うわーーー!!」 ロラン「ぎゃーーー!」 アムロ「まぁ、あれは……うん。母さんを取られたく無いって感情なんだろうな」 ロラン「ガンダムと崇拝する兄さんを攻撃する程の感情がですか?いたた」 アムロ「男は皆マザコンだよ」 309 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/11/15(日) 23 32 04 ID ??? 308 シャア「よく言ったアムロ!ではロラン君は私にくれるのか?」 312 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/11/16(月) 01 03 47 ID ??? マリナ「刹那、お兄さんを攻撃するなんてそんなのはガンダムではないわ。バーザムよ」 刹那「ガ、ガンダム!?」 313 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/11/16(月) 01 12 38 ID ??? ジュドー「少しずつ、マリナさんも刹那兄貴に毒されてきてるな」 ガロード「だなぁ。あとは・・・・」 ネーナ「せっちゃああああああああああん!」 ジュドー「あっちはいつも通りだな」 ガロード「変わらないねえ」
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/41827.html
性癖を超えるもの、ウギン LEG ゼロ文明 (8) クリーチャー:プレインズウォーカー 7000 ■自分のカードのコストは2少なくなる。 ■各ターンの終わりに、クリーチャー1体かプレイヤーのどちらかを選び、クリーチャーならパワーを-3000し、プレイヤーならシールドを1枚選び、ブレイクする。 ■このクリーチャーが攻撃するとき、コストの合計がマナゾーンのカードの枚数以下になるように各カードタイプをそれぞれ1枚ずつ追放しても良い。そうしなければ、相手にカードを1枚選ばせ、ゲームから除外する。 ■各ターンに1度、マナゾーンから[無色(10)]支払い、このクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、山札から3枚をシールドに置き、カードを7枚まで引く。その後、手札にある各カード・タイプを1枚ずつ最大7枚までバトルゾーンに出す。 ■相手の性癖が気に食わなければ、このカードのテキストに書かれている効果を指定の3倍までになるように好きな数増加させて効果を発動してもよい。 作者:餅キング 私の作ったエキスパンションをきっかけに自慢の弟子であるcitrus氏が作ったカード、《NTRを死んでも許さぬ者、ジェイス》をはじめとし、当Wikiで発生した性癖クリーチャーによる闘争。俗に言う終末性癖大戦に終止符を打つべく、マジックの世界からウギンが文句とともに飛んできました。いい加減しょっ引かれて来い。なんか文句を言っているようだが、一応彼は純愛好きのようだ。 フレーバーテキスト 「貴様らいい加減にしろ」// 古きウギンは文句とともにやたらでかいシャングリラを連れてすっ飛んで来た 関連 《伝宝無夢&異空代個 -超獣の物語-》 《NTRを死んでも許さぬ者、ジェイス》 《性癖理解に定評のアルエメ嬢》 《FF外から失礼する真面目な訪問者、ソリン》 評価 相手自身に性癖が存在しない、または自覚がない場合はどうなりますか? -- 引退者X (2022-11-22 00 39 24) 質問ありがとうございます。性癖が無くとも、それが気に食わなければ能力の倍化が出来ます(理不尽) -- 餅キング (2022-11-22 12 52 42) 俺が知らない間に話がでかくなって...(笑)最後の10マナ支払う所についてもコストは3倍になるんですか? -- citrus (2022-11-22 13 15 58) 質問ありがとうございます。一応出来るけど、そんなことをする人は多分居ない。 -- 餅キング (2022-11-22 14 26 48) やはりそうでしたか(笑)と言うか何かウギンさんシャングリラ持ち出して何をする気ですか!? -- citrus (2022-11-22 21 22 33) 多分エルドラージ侵攻の時みたくお説教でしょう。 -- 餅キング (2022-11-23 01 30 24) なるほど...(汗)そういえばこのカードもMtGの方のウギンさんがモデルなんですか? -- citrus (2022-11-23 23 33 13) そうです。MTGから説教しに来たらしいです。 -- 餅キング (2022-11-24 00 28 19) 名前 コメント