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タブレット端末に求めるもの、 求める条件 資料の取り込み、書き込み 大画面に外部出力する。miracast使用が望ましい。 OS別の検討 iPad pro 及びiOS端末
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TOX/045 R ガイアス/世界を牽引するもの 男性 パートナー なし レベル 4 攻撃力 4000 防御力 4000 【強き者は自らその意思で、その責を果たさなければならない】《精霊》《王族》 【自】〔リング〕このカードが〈四象刃〉にサポートされた時、あなたのリタイヤが4枚以上なら、そのアタックはパートナーアタックになる。 作品 『テイルズ オブ エクシリア』 11月7日 今日のカードで公開。
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「黒田の奴、ルカに何を相談したんだか…氷はこの位でよしと…」 妹に頼まれた氷水を用意した春樹。 「…あれ、貴子ちゃん。大丈夫なのかい?」 「!?……春樹さん…!!」 階段をまさに今駆け上がろうとする貴子と目が合った。 「…ルカさんは?」 「黒田の部屋に…いやちょっと待って」 何かを感じとったのか、春樹は貴子に近付き、話し続ける。 「ちょっと居間においでよ、貴子ちゃん」 「…?……はい…」 ソファーに貴子を座らせると春樹は貴子の頭をじっくりと見つめる。 「あ、あの…」 「でかいタンコブができてたから心配したけど、大丈夫みたいだ」 「は、はい。どうも…」 「で。何で喧嘩したんだい、姉妹でさ?」 「……………」 まさか正直に言うわけにもいかず、貴子は黙る。 「言えない?」 「…大した理由ではないです……喧嘩…は…」 「…豆田と早く仲直りできる?」 「……はい」 貴子の返事にある程度満足した春樹。手が貴子の頭を優しく撫でる。 「!?…(///)………ごめんなさい…」 「いいさ。豆田も貴子ちゃんの事を心配してたから、すぐ仲直りできるよ」 「えっ…嘘…」 「本当さ。殴って後悔したって。謝りたいけど、許してくれるか悩んでた」 貴子の脳裏に陽子の笑顔がよぎる。うるさくて、落ち着きがない、えぐれ胸のおばかな姉。 でも自分には優しく、大事にしてくれる姉。 「…………さい」 「えっ?」 小声で聞き取れなかった春樹が聞き返す。 「…ごめんなさいお姉ちゃん、ごめんなさい、ごめんね………」 後は言葉にならず、静かに泣く貴子。春樹は優しく頭を撫で続けた…… 一方夕圭の部屋で春樹を待つ夕圭とルカ。 「ハル…遅いな…」 「ほんと春樹くんどうしたのかな?」 下着姿の二人が首を傾げていると…… ダッダッダッ 階段を駆け上がる音が。 「あ、来たわ」 「もうせっかちさんなんだから、春樹くんは」 しかし部屋に突入したのは招かざる客二名。 「無事かぁ!!春樹ぃ!!」 「はるくん!!……な、なんでふたりはしたぎなんですか!!」 真智子と陽子の目は驚きから疑惑、そして怒りへと変わっていった。 ちなみに二人の眉間は赤く腫れた状態だ。 「えっ…!?…あ、あは。汗かいて暑くなってさ…あは、あはは…」 「夕圭はまあいい…でなんでルカまで下着なんだか言ってみろ!!」 「…わ、私、家ではいつも下着で……」 「うそです!!」 後は坂を転がり落ちる様に、不毛なバトルが始まったのは言うまでもなし。 では春樹は何処へ? 「困った…」 ソファーで身動きの取れない春樹であった。 腿の上には泣き疲れた貴子の頭があり、シャツの裾をしっかり握られている。 「貴子ちゃん起きて…」 先程寝返りを打ってから、貴子の頬が春樹の敏感な部分を刺激している。 『耐えろ俺!!負けるな春樹!!……煩悩を断ち切るんだ!!…』 目を瞑り、必死に煩悩と戦う内に春樹は眠りに落ちていった… しばらくして… 「…う、うん?私は……!!『は、春樹さんに膝枕されて(///)…… !!!!!…は、はるきさんの股間に顔が!!』(プシュー)……はうっ!!」 目覚めた貴子も興奮で失神してしまった。 余談ながら、不毛なバトルで風邪を悪化させた夕圭に、風邪を移された三人が完治したのは三日後だった。
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タイトル うたわれるもの -散りゆく者への子守唄- 発売日 2006年10月28日 発売ハード プレイステーション2 ジャンル AVG+SRPG(アドベンチャー+シミュレーションRPG) 製品仕様初回限定版・・・7,800円(税込:8,190円) 「うたわれるもの原画設定資料集」と専用BOX付 通常版・・・6,800円(税込:7,140円) メーカー アクアプラス+フライトプラン 公式予約特典スティックポスター 3枚 甘露樹描き下ろしスティックポスター 2枚 介錯〃 1枚 原田たけひと〃 1枚 七尾奈留〃 1枚 ステッカーシート 1シート クリアファイル 1個 ポストカードセット 1セット(4枚) 2007年壁掛けカレンダー 1つ
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猫を率いるもの/Cat Leader 猫を率いるもの/Cat Leader(1)(G)(G) クリーチャー - 猫・式 猫を率いるものは、あなたがコントロールする他の猫1つにつき+1/+1の修整を受ける。 (G),(T):緑の1/1の猫・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 2/2 参考 妖々夢-アンコモン
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■引継ぎ・追加要素 ├全アイテム引継ぎ ├エルルゥの薬術,アルルゥのスキル『自然治癒』引継ぎ ├戦闘練習9番『おまけ』 └特典の場面回想にTV版OPのノンクレジットバージョン うたわれるもの Topページへ
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「アアアアアアアアア!!」 身長3m。規格外の巨漢が夜に吠える。その名は黒房清十郎。【新人類】(ニューエイジ)と呼ばれる殺人鬼。 「アアアアアアアアア!!」 繰り返し吠える。殺戮衝動を発散するためか、やるせない怒りを空に放つためか。否。黒房は喜びの雄たけびを上げていた。ただ嬉しくて、子供のように叫び倒していた。 「本場の殺人鬼に誘われたぞぉぉぉ!!」 幼いころからあこがれていた、殺人の本場、刃離鬱怒(ハリウッド)に誘われたのだ!殺し、殺され、血で血を争うあの世界に! いつか誘われることを夢見て、黒房は本当に頑張ってきた。殺人鬼としての際立った風貌になるために全身に自分で傷をつけた。物心ついたころには両親を撲殺した。ペットのジョンは股から引き裂いたし、隣のおばちゃんはジグソーパズルみたいにバラバラの欠片にしてやった。 殺して殺して殺しまくってきた。ナイフ使いを目指してみたり、拳銃使いに憧れてみたり、斧を使ったりのこぎりを使ったり。最近になってようやく自分の型が掴めてきた。膂力に任せた残忍な嬲り殺しだ。いつか絶対認められる、そう信じてやりぬいた。 殺して殺して殺しぬいて、ついにチャンスが巡ってきたのだ。あと何人か殺して、“彼”にアピールできれば夢はかなう。黒房を動かしてきた、キラキラと輝く夢が実現する。 「アアアア!本当に!信じれば!夢は叶うんだなあああぁぁぁぁ!!!」 最後の締めとなる場所をどこにしようか。それはとっくに黒房の中で決まっていた。 「より多く!より無残に殺そう!殺しまくろう!当然舞台は!人の死ぬほど集まる渋谷だよな!!」 ◇ ◇ ◇ きい、と蛇口をひねる音。 シャワーノズルから吐き出された水流が、陶磁器めいた女の白い肌を温める。女の名は浦見栞。“裏原宿ストローヘッズ”の元中心メンバーであり、今は亡きヘッドの浦見絶彦の妹であり。 【ウラハラシザーズ】と呼ばれる連続殺人鬼であった。 大好きな兄を殺した仇たちを。殺し、殺し、殺してきた。そうして浴びた返り血を浴室で落とす。 こんなことをしたって、奇麗にならないのは分かっている。肌は白くても、私の魂は汚れてしまった。 こんなことをしたって、兄さんが笑ってくれないのは分かっている。多分悲しく首を振るだけだろう。 それでも私は止まれない。それが私に能力を授けた男の目論見の通りだとしても。都合のいい切り捨て可能なコマとして、踊らされていると分かっていても。兄さんがいないこの世で、兄さんを殺した奴らが、笑って暮らしているのがどうしても許せないのだ。 「…今さら、止まれるわけも、許せるわけもないじゃない。」 “裏原宿ストローヘッズ”の裏切り者は全て殺した。あとは、メンバーをそそのかした裏組織。私なんかじゃ到底知ることも出来ない巨大組織の存在も、あの男は教えてきた。 もう私は止まれない。止まらない。男からのメールを再度確認する。仇の居場所。組織の人間の居場所。その真偽を確かめる術はなくても、私はもう絡みついた宿業から離れることが出来ないのだ。 「…渋谷。か。」 ◇ ◇ ◇ 青百合高校の講堂に、万雷の拍手と歓声が渦巻く。西条なつみ率いる演劇部。全国高等学校演劇大会で優秀校に輝いた彼女らは凱旋公演を大成功で終わらせた。 演者控室。通常ならば休息の空間であるが、西条なつみにとってはその限りではない。慕うファンが続々と訪れ、心のこもった差し入れをしていく。それを完璧な笑顔で受け取っていく。後輩、同級生、時には教師に保護者。老若男女問わず引き付ける魅力と華が彼女にはある。 一段落付いたかというとき、大柄な女生徒がびくびくしながら差し入れを持ってきた。 「さ!西条先輩!凄く…凄くカッコよかったです!これ、受け取ってください!」 「ありがとう!手作りのクッキーとは嬉しいね。甘いものは演じた後に欲しくなるんだ。オヤツはとても大切さ。」 「わ、私、ずっとデカ女っていじられてて!でも、同じくらいの背の先輩は、どこまでもかっこよくて…みんなに人気で…、私なんかとは違うなって…」 ス、と後輩女子の口になつみは人差し指を当てて言葉を遮る。 「駄目だ、駄目だよ。自分を卑下しちゃいけない。人はいつだって変われる。君だって、すぐに私みたいになれるさ。」 恐るべきことに。西条なつみは本心からこの台詞を言っている。人の可能性を信じ、人の成長を祈り、愛を尊いものと感じている。その上で、殺し、嬲り、蹂躙し続けている。 「せ、先輩!あの!あの!良かったら、このあと一緒にお茶とかいかがでしょうか!」 一世一代の告白を、西条なつみは涼し気な顔で躱す。 「フフ、申し訳ないけど私もこの後用事があってね、お茶は魅力的だけど別の日にしてくれるかな?」 「う~、分かりました…。どちらに用事があるんですか?」 すうと一息。獲物を狩る獣の目をしていたことに気が付けた者はこの場にいなかった。 「渋谷かな。」 ◇ ◇ ◇ スラッシュ・スラッシュ。 私は切り刻みます。私は切り刻まれます。 トラッシュ・トラッシュ。 私は捨てます。私は打ち捨てられます。 月もないどんよりとした夜空の下。路地裏に場違いな明るい声が響く。声の主は小津夏美。相手を汚染し惑わす言葉は『クラック・クラック』。人呼んで【ガールズトーク】。 今夜の“トーク相手”の哀れな姿は彼女の足元に無残に転がっていた。何回も、何回も、潰すかのように切り刻まれ地面の染みに近い遺体となっていた。 「ひ!ひい!やめろ!やめやがれ!」 見るからにやくざ者といった風体の男が、平凡な見た目の女子高生に怒鳴っている。しかしその声は震え、すでに漏らしていたのか、股間には惨めな染みがくっきりと浮かんでいた。異常極まる光景だった。 その異常の中心、小津夏美は心から楽しそうに笑いかける。 「んふ!わかるよ!お仲間みたいに刻まれるのは嫌で、苦しいと考えているんだね!でも…」 ヒュン、と軽い音共にナイフが投げられ、やくざ者が隠し持っていた通信機を貫く。 「仲間に連絡して、みんなでボコボコにするのは楽しいよね!んふふ!わかる!お兄さんの楽しさわかるよ!お兄さんにも伝わるよね!私の喜び!」 やくざ者の顔が、意志に反し奇妙に歪む。小津夏美の喜びが流入してきたのだ。笑いだしそうになる衝動をグッと抑え、やくざ者は言葉を投げる。 「て、てめえ!やたらめったら殺して回りやがって!もうここらの裏の奴らはてめえのことを知ってるぞ!お終いだ!お終いだ!俺らみたいな半端者じゃない。本職が!てめえを殺しに…ギャブ!」 言葉を遮り頭を勝ち割る。 「んふ!んふふっふ!頭が割れるみたいに痛い!やっぱり!やっぱり!苦しくて!楽しい!」 ああでも。と小津夏美は考える。魔人として覚醒し、様々な倫理観が削ぎ落ちてしまった自分でも、このまま無軌道に殺して回っても先がないことくらいは分かっていた。ならば自重するか?ブレーキを踏みましょうか? スタップ・スタップ 下らない考えはやめましょう。どうせなら派手に。ブレーキを踏むよりもアクセルを踏む方が絶対に楽しいじゃない。 「派手にやるとしたら…んふ!渋谷かしら!」 ◇ ◇ ◇ コツリ、コツリ。稚切バドーは夜を歩く。警察に存在を知られて以来、“殺人鬼を減らすために努力をしております”というポーズのために毎夜歩いていた。 とはいっても、バドーの能力を活用すれば殺人鬼と出くわさずに平穏な日々を過ごすことは容易だ。『象撫』は相手がこちらを知覚したときに発動できる。即ち、殺人鬼がこちらを捉えたかどうか瞬時に判別できるのだ。捕捉されたら全力で逃げる。ただそれだけ。それだけでよかったはずなのに。 「頼むぜ?もうちょいマジにやってくれよ。こうも成果が上がらないと、ちゃんとやってるのか疑っちまうわな。」 大悲川南兵衛。お目付け役にしてバドーの首輪を握る人物。 「…私は真剣にやっていますよ?偶然出会わない可能性もゼロじゃないでしょう?」 無駄な抵抗と分かっていても、言い訳を口にする。自分のような魔人能力者は組織に存在を捉えられたら成す術もない。初見殺しに近い能力者は、対応された時点で詰んでいる。魔人警察という最高クラスの組織にマークされた時点で、バドーはこの男の言葉に従わざるを得ない。 「勿論信じるさあ?ただね、今回はこっちの指定の場所に行ってほしいんだ。ま、パーっと魔人同士でぶっ潰し合ってくれや。」 いつまでたっても慣れない。自分を道具としてしか見てこないこの目には。 いつまで続くのだろう。心許せる相手も家族もなく、社会に認められないまま死にたくない一心でさまよう灰色の日々は。 溜息と共にバドーは夜を歩く。大悲川の指定という事は、その場所には殺人鬼が待ち構えているのだろう。これから殺し殺されの関係を築き上げることに気分が重くなる。 出来れば殺したくない。あの冷たい死を取り込む感覚はいつまでたっても慣れそうにないから。 ただそれ以上に。 「死にたく、ないんだよねえ。」 自分の浅ましさに嫌気がさしながらも、バドーは歩く。殺すために。生きるために。 「…渋谷。スクランブル交差点…ね。」 ◇ ◇ ◇ 夜よりほかに見るものもなし ◇ ◇ ◇ 渋谷。スクランブル交差点。おそらくは日本で一番人が行き交う魔境。殺人鬼の報道が連日なされ、多くの人々が家にこもり夜の街に人気がなくなる中でも、この場はまばらながら人の姿があった。 それが、急遽消えた。人間が持つ生存本能というのは素晴らしい。この場に、人ならざる殺人鬼が集うと、本能が告げたのだ。どんな楽観主義者でも冷や汗と共に家に戻らざるを得ないような、凶悪な殺気が今の渋谷には渦巻いていた。 魔境に引き寄せられた修羅は五人。 【新人類】(ニューエイジ) 黒房清十郎 【ウラハラシザーズ】 浦見栞 【ラブ・ファントム】 西条なつみ 【ガールズトーク】 小津夏美 【ドッペルぬらりひょん】 稚切バドー 今日、この場にいなければ。彼ら彼女らは日々変わらず人を殺しただろう。自分の思うまま暴を振るい、己の意志を貫き続けただろう。 しかし。出会ってしまった。今日、ここで、出会ってしまった。 死ぬ。死ぬ。一人を除き、今夜、明日の朝を迎えずに死ぬ。惨めに、無残に、何一つことを成せず。殺人鬼どもの人生はここで終わる。 互いの姿を認識した瞬間。二人は、前へと進んだ。三人は、後ろへ退いた。進んだ者は、黒房清十郎と浦見栞。退いた者は、西条なつみと小津夏美と稚切バドー。 凄惨極まる戦いが、始まる。 ◇ ◇ ◇ 「アアアアアアアアア!!!」 黒房が雄たけびを上げる。自身の夢への総仕上げ。テンションは最高潮。そんな黒房が選んだ道具は、丸太であった。 『あーたネ、やっぱり奇をてらったやり方は似合わないわヨ?せっかくそれだけのバディがあるんだから、THE暴力!って感じを押し出した方がいいんじゃナーイ?』 “彼”の忠告に素直に従い、自分の思いつく限り最高の暴力の象徴、丸太を持ってきた。渋谷のど真ん中、どいつもこいつもひき肉にする気概で叫ぶ。 「アアアアアアアアア!!!」 凶悪な叫びに恐れをなしたのか、集まった殺人鬼どもが散っていく。誰が逃がすものかと、追撃の姿勢を取る黒房の前に、立ちふさがる者が一人。【ウラハラシザーズ】浦見栞だ。決意に満ちた、思い詰めた瞳で真っすぐに黒房を見上げる。 「アアアアアアアアア!!!」 そんな決意の瞳を無視し、丸太による大暴力で蹂躙しようとする黒房に、栞が告げる。 「…お前が『劇団』の一員だな?」 ピタリと、黒房の動きが止まる。“彼”の組織を知っていることに驚いたのだ。 劇団。アメリカに拠点を持つ超一級の殺し屋集団。その特徴はシンプル。強さだ。劇団員全員が、殺しの本場である刃離鬱怒(ハリウッド)で名の知れた少数精鋭。世界各国の殺人エリートをスカウトし、常にハイレベルな集団を維持している。 「“裏原宿ストローヘッズ”のヘッドを殺した時・・・私の兄さんを殺した時、場を整えたのは『劇団』だって聞いた。そしてその場には尋常でない大男がいるって聞いた…。兄さんの死に加担した奴は!全員!この手で殺す!」 常人なら空気だけで気圧されそうな殺気を、黒房は笑顔で受け止める。 (お!仇討ちってやつかな?…裏原宿?色々仕事してたから正直全く覚えてないけど、ここまで思い詰めて来るってことは本当なんだろうな!…となると、野蛮人キャラはやめて、憎らしい仇キャラでいこう!応用性が大切だって、“彼”も言ってたしな!) ニヤリ、と酷薄な笑顔を作る。 「加担したからなんだっていうんだぁ?お前の兄貴がどうしたってんだぁ?いちいち踏みつぶした虫けらに心を割く暇があるわけねーーーだろぉ?」 (よし!我ながら憎らしい!良い出来ぃ!) プルプルと、栞の唇が怒りで震える。 「――殺す。」 言うが早いか黒房の胸元に飛び込む。あまりに馬鹿正直に正面から来る姿に疑問を覚えつつも、黒房は丸太で迎撃する。 瞬間。ジャギンと。異質な音が響き渡る。栞は、丸太と自分の関係を断ち切った。完全に、間違いなく直撃コースだったはずの丸太が、ぬるりと不可思議な動きで栞を避ける。 困惑する黒房に対し鋏一閃。栞に出来る最速の攻撃が首元に迫る。が、黒房はこともなげに渾身の一撃を躱す。3mの巨躯とは思えぬ素早さ。 丸太を躱されたことに困惑しつつも、体は自然と最適解を取る。目の前の相手を殺すための最適解を。巨木のような脚で、栞に向けて足刀蹴りを放つ。が、栞は瞬時にバックステップ。黒房に触れさせない。 ハイレベルな息つく暇もない応酬。並の魔人だったらこの時点で三回は死んでいるだろう。 「アアアアアアア!!!意外と!やるなぁ!」 「…あんたなんかに褒められても、欠片も嬉しくないね。」 凄絶なるかたき討ち。生死の天秤はどちらに傾くのか。結末はこの夜だけが知っている。 ◇ ◇ ◇ 一方、渋谷ヒカリエ方面。 (やれやれ、とびっきりに罪深い人たちと会えたのは嬉しいけど、まさか四人もいるとは!これはなかなか悩ましいね。) 西条なつみは夜を駆けていた。“脚力”を二倍にしてスクランブル交差点から離れる。それと同時に“思考速度”を二倍にして超速で状況を整理する。 自己の欲求に正直に罪人を狩ってきた西条なつみは当然犯罪者の情報を収集している。娘を溺愛する名家の父親のバックアップもあり、かなりの精度の情報を握っていた。実際、今日渋谷に来たのは【ガールズトーク】が渋谷に来ると情報を得ていたからだ。 小津夏美は殺人の快楽にも魔人能力にも目覚めたばかりで隠匿という事を知らない。相手と苦楽をより深く共有するために「私の楽しみを分けてあげる!お兄さんの喜びも伝わるよ!」などと喧伝しながら殺し回った結果、裏社会には彼女の能力に関する大まかな情報が出回っていた。 (フフ、察するところショルダーバッグを持っていた女子高生が【ガールズトーク】かな?傷だらけの大男は最近話題の殴殺魔だろう。あんなに大きな殺人鬼なんてそうそういないだろうから。あとの二人はちょっと分からないね。) 西条なつみの『バイ・クイーン』は攻守に応用の効く能力ではあるが、単純火力のごり押しには相性が悪い。また乱戦もそこまで得意ではない。一旦距離を取り、他の殺人鬼がどう出るかで今夜の身の振り方を考えることにしたのだ。茶羅山槍夫を狩った時のように、ポーチにはいろいろと用意してある。 (…おや?誰一人こちらには来ないね。) これは予想外の展開。追ってきた相手とうまく一対一になるようにして狩ろうと思っていたがいきなり当てが外れた。 (となると、むこうで乱戦が始まった?それとも一対一が二組出来ている?) なんにせよ、チームを組むなどというのはありえない(・ ・ ・ ・ ・)。我を通し、自分の道に邪魔なものを殺すことで排除してきたからこその殺人鬼なのだ。ましてや出会ったばかり。互いのことを信じられない状況で、殺人鬼が手を結ぶはずがない。 (疲弊したところを漁夫の利でもいいけど…) ぬらり、と唇を舐める。爬虫類めいた、それでいて蠱惑的な動きだった。 「フフ、【ガールズトーク】!苦楽を共にする能力!彼女は、私の罪を共有してくれるのかな?同じくらい罪深くなってくれるのかな?嗚呼!素敵だ!是非!是非!持ち帰って一緒にゆっくり溶け合いたいなあ!」 西条なつみにとって、苦楽を共有できる能力は理想と言えた。傷つけ、傷つけられ、喰い、喰われ合う。 「彼女の喉元に齧り付いた時、彼女の痛みが私に来る?私を喰らってくれる?私の幸せを理解してくれる?フフフ、最高だ。最高だよ。いつもより倍は念入りに色々(・ ・)したいね。」 罪重ねる強欲な狂人、【ラブ・ファントム】 西条なつみ。彼女は今宵の獲物を決めた。 「カロリーを使いそうだ。オヤツを持ってきて正解だったね。」 ◇ ◇ ◇ 走る走る走る。無我夢中で、全身全霊で、一心不乱に。内臓がひっくり返りそうになるが、バドーは全力でスクランブル交差点から逃げていた。 モヤイ像を過ぎたあたりで失速する。胃が限界を訴えていた。 「オゴォ…、オバアアぁ…ウエェェェェ」 吐いた。吐いた。吐いた。胃の中身が空っぽになり、胃液しか出なくなるまで吐き続けた。鼻水も涙もだらしなく垂れ落ち、周囲には吐瀉物のにおいが充満した。その横で、 「オグエェ…、うぶ!オボロロロロロ」 【ガールズトーク】、小津夏美も盛大に吐いていた。 『クラック・クラック』により、夏美の苦しみの理由がバドーに伝わる。バドーの苦しみの理由が夏美に伝わる。 『象撫』により、互いの認識が混合され、知覚が再構築される。 テレパス系の魔人能力者が偶然出会ったことにより、超速の情報交換が行われた。そして、互いに認識を共有した。それ即ち。 《あの黒セーラーの女はヤバすぎる》 ◇ ◇ ◇ 人の死を取り入れるというのは、あまりに悲しく、受け止めきれない。殺人ガガンボの件で初めて人の死を取り入れた時、稚切バドーは心底そう思った。普段他人と認識を混合しないよう努めているのは、こうした負の感情に引っ張られ壊れないようにするためだ。 そんなバドーにとって、西条なつみは劇薬としか言いようがなかった。見た目は超然とした、完璧な生徒会長。同性のバドーでも、月明かりに照らされた西条なつみの凛とした笑顔は魅力的に映った。 だからこそ、完璧な不意打ち。西条なつみがこちらを認識した瞬間、『象撫』で体に入り込んでくる漆黒の情報。西条なつみのこれまでにしてきたこと、自身に向けてくる感情、罪重ねるための、餌に対しての情熱。 殺人鬼としての意識が違い過ぎた。 人の皮を被った災厄のどす黒い殺意と異常性、狂気。それでいて何事もなく一般生活を送る人間的感性。『象撫』はそれらを容赦なくバドーに伝えてきた。全く理解できない享楽を送り込まれたバドーは、胃の腑がぐるりと逆流するのを感じて逃げ出したのだ。 恐ろしいことに、あの西条なつみという女はごく普通の生活の幸せというものを知っている。楽しい学園生活を送り、後輩には慕われ、部活に熱中する青春を送り、それを全霊で楽しんでいる。人を愛し、愛され、夢や希望の豊かさを知っている。 その上で、人を殺し、徹底的に蹂躙することを楽しんでいる。 もう少し西条なつみの認識を取り込んでいたなら、精神に何らかの不調をきたしていただろう。まさしく、バドーにとっての天敵としか言いようがなかった。 仮に、バドーがもっと前から警察の依頼を受けていたなら。何人もの死を受け入れ、人の裏にある悪意を知り、良くも悪くも少しずつ摩耗していたなら。西条なつみの悪意にも耐えられたかもしれない。 しかし。出会ってしまった。今日、ここで、出会ってしまったのだ。 ◇ ◇ ◇ 小津夏美は殺人鬼たちの快楽を飲み込み自らの糧とする殺人鬼だ。しかし殺人鬼としても魔人能力者としても目覚めたばかり。ルーキー殺人鬼と言っていいだろう。 そのルーキーにとっては、西条なつみの漆黒の殺意は濃すぎた。原液のカルピスをそのまま飲まされているような気分。今まで自分が楽しんできていた殺意は、非常に薄いものだと痛感させられた。 殺人鬼としての年季が違い過ぎた。 苦楽の共有と言っても限度がある。例えば目の前に小さなハムスターが一匹震えているとして、大多数の人間が「可愛い」「守ってあげたい」と思う中、「素揚げにしたら美味そうだな」と本気で考えている人間の感覚を理解したいだろうか。共有したいだろうか。 しかもその人間はハムスターが可愛いと理解したうえでそう思っているのだ。 小津夏美にとっての西条なつみは“ソレ”であった。心の底から楽しんでいるのが分かるからこそ、ソレを理解したくなかった。確かに小津夏美は殺人鬼だ。しかし今までは平穏なる生活を送ってきたのだ。 ソレを理解してしまったら、今まで人間として積み重ねてきた日々、家族と過ごしてきた慎ましくも温かな日々を完全に否定してしまうと理解したのだ。だからこそ身体が共有を拒絶し、内臓が暴れるのを感じて逃げ出したのだ。 もう少し西条なつみの喜びを取り込んでいたなら、精神に何らかの不調をきたしていただろう。まさしく、小津夏美にとっての天敵としか言いようがなかった。 仮に、小津夏美がもっと前から魔人能力に目覚めていたら。何人も殺し、殺し、殺され、殺され、魂を少しずつ黒く染めていたならば。心底からの殺人鬼となり今までの自分を切り捨てていたならば。西条なつみの悪意にも耐えられたかもしれない。 しかし。出会ってしまった。今日、ここで、出会ってしまったのだ。 ◇ ◇ ◇ 小津夏美と稚切バドーは見つめ合う。『クラック・クラック』が互いの苦楽を共有する。『象撫』が互いの認識を混合し再構築する。 見つめ合っていた時間は一分にも満たなかっただろう。しかしそれは互いにとって今までの人生で一番濃密なコミュニケーション。自身の汚いところも奇麗なところも、何もかもをさらけ出した、テレパス系能力者同士だからこそ可能な究極にして一瞬の意思伝達。 二人は同時に同じ結論にたどり着いた。協力して、最大の天敵を倒そうという結論に。 「ねえ…もう伝わってると思うけど、こういうのは口に出すことが大切だと思うの。」 小津夏美から話しかける。 「同意する。しっかりと形にしたい。」 稚切バドーも答える。既に瞳に敵意はない。 「「協力して、あの女を倒そう」」 同時に口にして、互いの拳コツンとをぶつけあう。互いに血濡れた殺人鬼。それでも、この夜だけはともに歩むことに決めた。 「あ、勿論わかってると思うけど!裏切りは勘弁だからね!」 殺人鬼然とした振る舞いはどこへやら、ごく普通の女子高生のように小津夏美は話しかける。 「む…そんなことするはずがないと、互いの能力で分かっているはず。」 バドーも、背伸びをやめ、年齢相応の反応を返す。その直後、バドーはクスリと笑う。 「?どうしたの急に?」 「貴方の能力じゃわからないと思うけどね、あのヤバい女、西条なつみっていうんだ。」 「うげ~!最悪!ナツミ被りしてんじゃん!とりあえず、あいつはサイジョー!それで固定!OK!?」 「はいはい、OKよ。」 ――こうして、ありえるはずのない殺人鬼同士の協力関係が築かれた。女王狩りが、幕を開ける。 ◇ ◇ ◇ 浦見栞VS黒房清十郎 小津夏美&稚切バドーVS西条なつみ ◇ ◇ ◇ ✂side:浦見栞 単純な膂力では黒房に利があるのは明白だった。それを理解した瞬間、栞は背を向けて走り出した。逃げるためではない、勝つ準備を整えるための疾走。相手の一撃、丸太との縁を断ち切っての奇襲、それを防がれた時点でこうすることは想定の範囲内であった。 罠の気配を感じながらも、黒房はその背を追う。自分の体力、身体能力、そして何より『マーダー・エントリー』さえあれば、大抵の相手には五分以上の戦いが出来ると判断したからだ。 生半可な策であれば、単純暴力で押しつぶせる。それは思い上がりでも何でもなく歴然とした事実であった。3mの巨躯を誇る戦闘魔人の疾走を止められるものなどそうはいない。実際今までは全ての相手を薙ぎ倒してきた。 栞はスクランブル交差点を離れ、道玄坂方面に向かう。入口に巨大な水槽がある店。安さの殿堂。メガドンキホーテを戦場にすることを栞は決めた。 壁のように積まれた様々な物品。見通しの悪い通路。縁を断ち切る『因果嘲』は、何か物があるときでないと能力を生かせない。まっさらな平地での戦いよりゲリラめいた戦いを得意とする。 (…あの大男の“縁”を見たけど、何か超常のものとは繋がっていなかった…丸太で殴りかかってきたことからも、単純な物理攻撃のはず!) 所狭しと置かれた商品は、二人の視界を悪くする。店内に鳴り響く、妙にこびりつくテーマソングは聴覚を妨害する。しかし、栞に視覚・聴覚の不利は関係なかった。自分と黒房の縁を見ればいいのだ。糸の方向に黒房はいる。 (奴の居場所は分かる。不意打ちで、奴と“地面”の縁を断ち切る!) それは浦見栞の必殺の一撃。地面と縁を断たれた人間は、地下深くに吸い込まれていく。地面とあらゆる影響を及ぼすことが出来なくなるというのはそういう事なのだ。 ただし、当然地面との糸は足裏についている。超至近距離に接近して、相手の歩みに合わせて地上すれすれの糸を断ち切らなくてはならない。 (大丈夫だ。この店内では私の位置はすぐには分からない。私はあいつの位置が分かる。) 自身に言い聞かせる栞の耳に、怒声が届いた。 「アアアアアアアアア!!!」 耳をふさぎたくなるほどの大音量。 「アアアアアアアアア!!!」 黒房清十郎の強みは、恵まれた体格を十全に活かすことのできる小技の数々。風呂上るるい江を葬り去った時のように、反響音で栞の位置を探る。 「そこかあああああ!!」 (見つかった!?ブラフ!?マジ!?判断が付かないけど、接近は糸でわかる!) 縁を示す糸は、対象との距離が遠いほど細くなり、近いほど太くなる。その特性により相手との距離を測れるのだ。その糸が、どんどんと太くなる。うずたかく積まれた商品をものともせず、真っすぐに黒房は近づいてきていた。 『マーダー・エントリー』。安さの殿堂に積まれた商品は、まさに黒房の認識する障害物そのもの!ならば能力を活用すれば透過できる。最速、最適のルートで真っすぐに栞に向かっていく。 急速な接近を前に、栞は早々に切り札を切ることに決めた。 ◇ ◇ ◇ シュルリと響く衣擦れの音。行為の後のけだるさは、妙な心地よさとなって栞を襲う。 横で無邪気に寝息を立てるのはカズト。 別に嫌いじゃなかった。むしろ好きな方だった。 こうして体を開いてもいい程度には好ましい関係を築けていたと思う。 野心家で、背伸びしがちで、ロマンチストで。 (兄さんを殺しさえしなければ、ね。) 復讐の準備が整うまでの間、栞はカズトとともに過ごしていた。上昇志向の強いカズトは、どうやら色々と危険な組織と関係を持っていたようだ。そしてそれを自慢げに話す幼さの持ち主でもあった。 「…それで、こんなものまで仕入れた、と。」 栞はそれをこっそりと拝借した。カズトは殺す。しかしそれで復讐が終わるわけではない。後ろ盾に“あの男”しか持たない栞にとって武器はあればあるだけいい。 魔人能力だけで対処しきれない相手とやりあう日のために。 ◇ ◇ ◇ 「ウオララララぁぁぁ!!」 『マーダー・エントリー』で一直線に栞に向かう黒房。その眼前に、ピンという音とともに黒い物体が投げ込まれる。 ギリシア火、パイナップル、ポテトマッシャー、様々な異名を持ち、数多の戦場で兵士の命を刈り取ってきた兵器。 手榴弾である。 そして、手榴弾を投げ込むと同時に『因果嘲』発動!栞と手榴弾の縁を断ち切り、互いに干渉不可能とする!超至近距離で炸裂したにもかかわらず、手榴弾は栞に傷一つつけることがない! 「ウオオオオ!?」 黒房は、こんな至近距離で手榴弾を爆発させられるとは全く思っていなかった。とっさに雑多にものが積まれた棚を盾にするが防ぎきれない。 戦闘型魔人、驚異の肉体を持っていたとしても流石に手榴弾相手に無傷とはいかない。 「グオアアアア!?」 ダメージを追った黒房は、地面に潜った(・ ・ ・ ・ ・ ・)。『マーダー・エントリー』の認識する障害物はかなり大雑把である。メガドンキホーテには地下に食品コーナーがある。目的地を地下に定めた場合、床は黒房にとって立派に障害物足りえるのだ。 「な…!?」 ドンキホーテ店内を真っすぐに突き進んできたことが予想外なら、床に潜り込んだのも予想外。 (物体透過能力!?となると…このままじゃヤバい!) 栞はとっさに店内の脚立に上る。床下からの完全なる奇襲を警戒したのだ。 (大丈夫…奴の位置は縁の糸で分かる…!) しかし、予想外はさらに続く。奇襲に備えて構えているうちに糸がどんどんと細くなっていく。黒房との距離がみるみる離れていく。 (な…!?逃げるの!?) 兄の仇をむざむざと逃がすわけにはいかない。『劇団』のことも聞きだしたい。縁の糸の示す方向に従い、黒房を追う。 渋谷道玄坂はかつてヤマハミュージックの巨大店舗が44年もの長きにわたり存在していた、音楽野郎のメッカだ。ヤマハミュージックなきあとも、数多の楽器専門店が軒を連ねている。 メガドンキ前の総合音楽ショップ、クロサワ楽器に黒房は駆けこんだ。 「アアアアアアアアア!!!」 雄たけびを上げながら、あっという間に最上階に向かって上っていく。 「アアアアアアアアア!!!」 雄たけびを続けながら、手当たり次第に楽器を手に取り、窓から栞に向けて投げつける。ドラムセットの重さは約10キロ。電子ピアノの重さは約50キロ。 (腕力に任せて高いところから重いものをぶつける作戦…!だけど!私には効かない!) 雨あられと降り注ぐ楽器の縁を次々と断ち切りながら栞は進む。 「アアアアアアアアア!!!」 確かに楽器に殺傷能力を持たせるまでの腕力は栞にはない。戦場を有利に使わせないという点では黒房の目論見は当たっていたかもしれない。しかし、別段黒房が有利になるというわけでもない。単純な物理攻撃は栞に届くことがない。 しかも殺傷能力があるほどの質量の楽器には当然限りがある。あっという間に弾はつき、突き進む栞に対し打つ手がなくなった。 「アアアアアアアアア!!!」 もはや吠えるしか出来ないのか。最上階に黒房の雄たけびが響き続ける。投擲がなくなったのを確認し、栞もクロサワ楽器に飛び込む。縁の糸は変わらず最上階を示している。 「アアアアアアアアア!!!」 変わらず雄たけびは続いている。手榴弾の傷が癒えないうちに、こちらのタイミングで不意打ちを仕掛けるのが正解だと判断し栞は階段を上る。 最上階、奥まった位置にある一室から雄たけびが聞こえる。栞は一つ大きく息を吸う。大丈夫だ。まだ能力はバレていないはずだ。地面との縁を断つという切り札に気付かれてはいないはずだ。自分に言い聞かせ、部屋に突入する。 突入と同時に雄たけびの方向に一気に飛び込み、足元を掻き切る!何度も練習した一撃必殺。非力な自分が強者を討つために積み重ねた技。 しかし、雄たけびの方向にあったのは、高音質が自慢の高級オーディオであった。 「位置丸分かりになるのに雄たけびし続けるわけないだろ?」 栞の背後から野太い声が響く。楽器の投擲が終わったあと、最上階に栞が上ってくるまでの間に黒房は仕込みを済ませていた。自身の雄たけびを超高音質のオーディオに録音し、再生を続けていたのだ。 雄たけびというあまりにも分かりやすい餌に栞は食いついてしまった。すぐさま反転し、黒房に向き直るが、何もかもが遅かった。巨人の凶悪な打ちおろしの右ストレートが、栞の右肩を粉砕した。 「ああああ!あが!ぎぁ!」 痛みに悶絶する栞に、黒房は容赦なく拳を振るう。黒房との縁を断ち切ればこれ以上の攻撃は受けない。しかしそれは仇討ちを諦めることを意味する。逡巡する栞のことなど一切考慮せず、黒房の容赦のない攻撃は続く。 「石蹴り、好きだったんだよな俺。」 栞の腹部に強固な前蹴りが突き刺さる。ゴボリと口から血が溢れ出るが、黒房はまったく蹴りを止めない。ローキックで足をへし折り、崩れ落ちたところにサッカーボールキック。階段から転がり落とす。 学校帰りの小学生が家まで石ころを蹴り飛ばして運ぶかのような気楽さで、黒房は栞を蹴り運ぶ。店外に出るころには四肢の骨は全てへし折れていたが、この程度で刃離鬱怒(ハリウッド)にスカウトされたエリート殺人鬼が手を緩めるわけがない。 「ホイっと。」 鋼の蹴りが肝臓に突き刺さる。吹っ飛ばされた拍子に、アスファルトで体がじゃりじゃりと削られる。右ひじの骨が露出する。 「~~~!!!」 栞は泣き言だけは漏らすまいと必死に歯を食いしばるが、そんな努力をあざ笑うかのように蹴る。蹴る。蹴る。鋏を出す暇なんて無い。道玄坂を【ウラハラシザーズ】浦見栞が血まみれになって転げ落ちる。 どれだけ蹴り転がされたであろう。気が付けばスタート地点のスクランブル交差点まで戻されていた。 「ん~、どうせなら渋谷らしいぶっ殺し方にしたいよな!」 ぐったりとする栞の髪を無造作に掴み、無理矢理立たせる。そしてそのまま、力任せに上空に放り投げる。 (あ…月が…奇麗…) 我ながら的外れなことを考えているな、と栞が自嘲した直後、ハチ公像に落下し、ぐちゃりと嫌な音を立てた。 「ま、そこそこ楽しめたかな!」 黒房の傷は、すでに癒え始めていた。 ◇ ◇ ◇ 🚺side 小津夏美&稚切バドー (さてさて、どこにいるのやら。) 【ガールズトーク】を狩るために、西条なつみは夜の渋谷を練り歩く。 (なんとなく、だけど。巡り合える気がするんだよね。殺人鬼同士。) その勘が正しかったのか、それとも相手もこちらを探していたのか。【ガールズトーク】、小津夏美の姿を遠方に捉えた。しかしほんの一瞬姿を見せたかと思えばすぐさま反転し、逃げていった。 (私を恐れている…という感じじゃないね。かなり演技臭い。誘っている?フフ、面白い。) ちらりと姿を見せては逃げていく【ガールズトーク】に罠の気配を感じながらも、西条なつみは誘いに乗ることにした。 (渋谷は広く入り組んでいるからね…逃げに徹されるよりは全然いいさ。) そうして、誘導されたのは渋谷の再開発エリア。かなり工事が進んだとはいえ、いまだ渋谷には様々な資材が積まれた開発中のエリアが存在する。本来であれば立ち入り禁止の区間だが、殺人鬼たちには何の拘束力もない。 (視界の悪い空間だけど…私なら対応できるさ。) 『バイ・クイーン』で“聴力”を倍にして周囲の気配に耳を澄ます。相手を見失ったので何気なくしたことだったが、それが幸いした。倍になった聴力は、背後から近づいてくる衣擦れの音を敏感にとらえた。 (な!?) 驚きながらも振り返り対応。迫って来ていたのは【ドッペルぬらりひょん】、稚切バドー。殺人鬼に共闘はあり得ないと思い込んでいた故の戸惑いをついて、大上段から金槌が振り下ろされる。 “反射神経”を倍にすることでなんとかポーチを盾に防ぐことが出来た。その時に生じた隙に完璧に合わせる形で、【ガールズトーク】、小津夏美が背後からナイフを突き立てる。 「アグ…!」 ダメージは間違いなくあった。しかし妙な手応えだったので襲撃者二人は同時に距離を取った。西条なつみのセーラー服を、ナイフの刃が通らなかったのだ。 (…特注の…防刃繊維を編み込んだ制服…一応に備えて“耐久性”を倍にしておいてよかった…!) 「やれやれ、せっかちな二人組だね。そんなにまとめて相手にしてほしいのかな?」 完全に虚を突かれ、背に痛撃を受けたにもかかわらず平然と笑う。その得体の知れなさに引き込まれないように、二人は能力対象を互いに絞った状態で、一歩引く。 実はこの時、果敢に攻撃を続けていれば、高確率で討ち取ることが出来ていた。しかしダメージがまるでないかのように振舞う西条なつみの演技に騙されて二人は踏み込むことを躊躇したのだ。 《夏美、落ち着いて、多分はったり。》 《わかるよ。バドー。でもコイツ相手にギャンブルはしない。堅実に勝ち切ろう!》 戦闘における西条なつみの一番の武器は、卓越した演技力だ。彼女の喜びは、怒りは、哀しみは、楽しみは、全霊の本物に見える。しかしそれは全て真実であり全て偽り。 真っ向勝負かと思いきや不意打ち。右かと思えば左。左かと思えば右。怯えているかと思えば勇ましく、激情のまま突っ込んでくるかと思えば逃走し。嘘かと思えば誠。誠かと思えば嘘。彼女の言葉、動作、表情。全てが表で全てが裏。 更に相手を困惑させるのが『バイ・クイーン』だ。“脚力”を倍にして素早く動く。“腕力”を倍にして力強く動く。そんなシンプルな使い方だけではなく、“思考速度”を、“説得力”を、“嗅覚”を、倍にし、戻し、また倍にし、変幻自在の戦い方が出来る。 倍にするには自分自身に触れる必要があるが、西条なつみはそれすら利用する。これみよがしに自分の頬を撫でる、その瞬間に戦闘スタイルが変わる。かと思えば何も変わらず。かと思えば変わり。倍化するためのキーすら発動と未発動を織り交ぜ、相手の思考を混沌に叩き込む。 相手が戸惑い困惑したならば更に言葉で揺さぶる。 「助けて」「殺して」 「許して」「お前のせいだ」 「本当はこんなことしたくない」「さあやりあおう」 「皆殺しにしてやる」「協力しないかい」 「君の母親はね」「初めましてでいいのかな」 「私は知っているよ」「私は何も知らなかったんだ」 彼女を前にし、ニュートラルな感情で勝負を挑める者など存在しない。感情を思うままに操り、虚々実々の世界に引きずり込む。まさにトリックスターと呼ぶにふさわしい、百面相の持ち主。それが罪人狩りの【ラブ・ファントム】なのだ。 ・・・その彼女が、完全に翻弄されていた。 「生意気なぁぁ!」 怒りの演技。猛烈な殺気と共に大きく右腕を振り上げる。どうしてもそちらに意識が行ってしまう迫力。それを隠れ蓑にして左腕で素早くナイフを取り出し切り付けようとする。意識と視線に対するミスディレクション。 《夏美!左手のナイフが本命!右手に意識向けないで!》 《ありがと!バドー!振り上げた右手に石を握りこんでいる!そっちの死角だから気を付けて!》 それを二人の完璧なる意思疎通が打ち砕く。完璧に意思疎通が出来るという事は、視点が倍になるという事だ。夏美に対しての偽りはバドーに見破られ、バドーに対しての偽りは夏美に見破られる。 人は他人と心底から分かりあえることなどあるのだろうか。目の前の愛する人と分かりあえたと思っても、それは思い込みかもしれない。幻想かもしれない。どんなに親しいと思っている人でも、想いの共有を証明するすべなどない。 しかし、二人には真の理解が可能だった。夏美とバドーの意識は混合し、苦楽を共にし、新たに構成される。それはもはや一個の生物。 西条なつみからすれば、目が四つ、腕が四本、足が四本の化け物を相手にしているようなものだ。 《わかるよ!バドーは右から上段蹴りを仕掛けるのが楽しいんだね!私が左からの下段蹴りで、同時に合わせてくれると嬉しいんだね!》 完璧なタイミングで繰り出される挟撃。バドーの上段蹴りを防ぐのに意識をとらわれた結果、夏美の下段蹴りが深々と突き刺さる。 「うあ…!」 西条なつみの凛々しい切れ長の瞳が痛みに歪み、片膝をつく。そこに全く同時に二人の横蹴りがみぞおちに繰り出される。 「あ…!ひぐ…!」 大きく吹き飛ばされ、鉄骨の山に叩きつけられる。何という皮肉!倍化能力を自在に操る、西条なつみが、『バイ・クイーン』の使い手が、倍の物量に押しつぶされようとしている! 《バドー、きっちりこのまま押し切るよ!》 《わかるよ!夏美!最後まで油断しないで!》 微塵も気を抜かず、左右から同時に仕掛ける二人。その二人の間にふわりと、小箱が投げ込まれる。 『バイ・クイーン』は収納能力を倍にすることもできる。小箱の中にそれより少し大きい箱を、その少し大きい箱にさらに大きい箱を、物理法則を無視した逆マトリョーシカのように仕込むことで、小箱の中に巨大な物体を仕込むことだってできる。 「『バイ・クイーン』解除。」 バチバチバチ!と何箱分もの能力が解除され、小箱の中のモノが明らかになる。夏美とバドーは油断せずにそのモノを捉え、しっかりと観察をした。これが西条なつみの切り札と判断し、目をそらさなかった。 現れたものは、赤黒い塊。5歳児ほどの大きさの物体。いや。それは物体ではなかった。 それは、生きていた。 両手足を落とされ、全身の肉を焼かれ、削られ、抉られ、性別、年齢すら定かでない程にいたぶり尽くされ、喰われ尽くされた哀れな被害者。西条なつみに目をつけられ、狩られた不運な罪人。 西条なつみのオヤツ(・ ・ ・)であった。 ◇ ◇ ◇ 稚切バドーと、オヤツ(・ ・ ・)の目が合う。片方しかない目は、それまで何をされてきたのだろうか、虚無を煮詰めたかのような、絶望を固めきったかのような、深い漆黒に満ちていた。 「アギィ!」 電流を喰らったかのように、バドーの体がビクンと跳ね上がる。バドーはオヤツ(・ ・ ・)の認識を取り込み、混合してしまった。 焼かれ、切られ、割かれ、裂かれ、潰され、捩じられ、千切られ、擦られ、折られ。尊厳は消え去り、ただただ死を望み。それでも生かされ、オヤツ(・ ・ ・)としてつまみ喰われてきた絶望を!漆黒の苦痛を!取り込んでしまった! オヤツ(・ ・ ・)の体験が瞬時にバドーを駆け巡る。溶けた鉛を胃袋に注ぎ込まれるような、全身の皮膚が全て自分でない何者かに切り替わっていくような、想像を絶する不快感がバドーの肉体と精神を叩きのめした。 一瞬で涙と鼻水、涎が大量に溢れかえり、特徴的なベンチコートを汚した。 「あ…お…ぶぇ…」 パクパクと、水槽から投げ出された金魚のように、全身を痙攣させる。地に崩れ落ちずに立っていることだけでも奇跡的なほどのダメージをバドーは心身に負ったのだった。 小津夏美と、オヤツ(・ ・ ・)の苦楽が共にされる。しかし、オヤツ(・ ・ ・)から送られてくるのは“苦”のみ。焼かれた皮膚が苦しい、塩をすりこまれた傷口が苦しい、無いはずの両手足が疼くのが苦しい、やすりで削られ切った鼻が苦しい。 「…ァ…!…!ィ…!…」 圧倒的な“苦”が小津夏美を侵食してきた後、時間差で僅かな“楽”が届いた。ざまあみろと、お前もすぐにこう(・ ・)なるんだという、あまりにも惨めな喜びの感情と、西条なつみに殺されることだけを救いとするちっぽけな希望が。 毛穴という毛穴が開き、そこから蟲が這いずり出るかのような、命の価値が損なわれていくかのような虚脱感。気が付いたら吐いていた。気が付いたら泣いていた。気が付いたら―――無様に地に這いつくばっていた。 「…!…!ヒィ…!」 自分の体が自分で上手く動かせない。自分の意志に反して顔面が卑屈に歪む。「西条なつみ様、お願いですから殺してください」と、媚びを売るオヤツ(・ ・ ・)の矮小な喜びが小津夏美を強制的に笑わせる。ぐちゃぐちゃの笑い泣きと共に地面を転がるしかできなくなった。 ◇ ◇ ◇ あまりにも無防備に痙攣する二人。 「フフ、【ガールズトーク】には効くかもしれないと思っていたけど、そっちの子にも効くとは。私はついてるね。」 ここまでの惨状を作り出しておきながら、実に楽しそうに西条なつみは笑う。すっと二人に近づくと、首筋に注射針をプツリと差し込んだ。薬液が注入される。 「お父様はそれなりに権力があってね、これは裏から仕入れた魔人警察が使用する暴徒鎮圧用の筋弛緩剤だ。それを倍の効力にしてある特性品。感覚はそのままだけど、体が全くいう事を聞かないだろう?」 「…ァ…ゥ」 「ヒ…ギ…」 体が全く思い通りに動かせない。舌が麻痺しだらりと垂れさがり、言葉を発することもままならない。 「そろそろコレにも飽きていたから、丁度良かった。」 ぐちゃり、全く躊躇わずに西条なつみはオヤツ(・ ・ ・)の頭蓋を踏み砕く。死に際の痛みと、解放される喜びが二人に伝わり、ビクリと硬直する。 「…さて、そっちのショルダーバッグの子が、【ガールズトーク】でいいのかな?」 同性でもハッとさせられるような、冷たく美しい笑顔。水に濡れた日本刀のような、鋭利でありながら引き込まれる残忍な笑顔。それは演技ではなかった。【ガールズトーク】にこれからすること、溶け合うことを想像するだけで西条なつみは欲望を抑えきれず溢れさせていた。 小津夏美は自分がこれからどれだけろくでもない目に合うかを想像し、涙をさらにあふれさせた。先ほど幸運にも息絶えたオヤツ(・ ・ ・)の比ではない程に自分は喰らいつくされるのだろう。 西条なつみの白い両手がゆっくりと近付き、頭を鷲摑みにし、向き直らせる。 「駄目だよ、目をそらしちゃあいけない。君の能力が噂通りか試したいんだから。」 小津夏美は必死に首を振ろうとするが欠片も抵抗できない。漆黒の殺意、悪意を共有したくなかった。それでも筋弛緩剤で緩んだ肉体、精神では能力を制御しきれず、西条なつみとの共有が始まる。 「…!!凄いなコレは!君の怯えが伝わってくる!不思議な感覚だ!君には私の昂りが伝わっているのかな!?」 言うが早いか、西条なつみは小津夏美に口づけをした。じゅるりと深く舌を絡める。そしてそのまま、舌先を齧り切った。 「…ィ!…ァ!」 「嗚呼!凄い!凄いな!私は今、罪を喰らって、喰われている!この痛み!この喜び!」 恍惚と、とろけた表情を見せる。 「フフ、少しはしたなかったね。ついつい我慢できずに先っちょをいただいてしまった。君とはもっともっと、深く深く溶け合いたい。一緒に罪重ねたい。」 西条なつみはポーチをあさり、“テイクアウト”の準備を始める。小津夏美にもう一切の希望はない。絶望し、震え、遠い日に来るであろう死を待ち望むしかできない。 そんな様を、稚切バドーは見せつけられていた。 ――バドーは物心がついたころから魔人だった。中学生になったころ、能力を制御しきれず、家族全員の認識が混合した。 母は、魔人のバドーを疎んでいた。 父は、そんなバドーを産んだ母を出来損ないだと思っていた。 弟は、自分もいつかバドーのような魔人になるのではないかと怯えていた。 全員がなんとか薄皮一枚でこらえて、表層に出していなかった認識を、『象撫』は暴き、共有させた。次の日には母は実家に帰り、父は弟を連れてバドーから逃げていった。 それ以来、バドーは能力を使ってただただ生きてきた。皮肉なことに、自身の命をつなぎとめる手段は自らを苛む『象撫』だけであった。 何のために生きているのか。そんなこと知らない。習ったこともない。社会に居場所がなく、認められることもなく、他人の認識の隙間を利用してその日暮らし。 そんな日々が力尽きるまで続く。そうバドーは思っていた。家族ですら崩壊させたような薄汚れた自分に、心を許してくれる相手が、心を許せる相手が現れるわけがないのだから。そうバドーは思っていた。 だから。だから、だから、だから! 稚切バドーは全身の力を振り絞る。初めてだったのだ。自身を理解してくれる相手と出会えたのは!能力も、何もかも晒しても側にいてくれる相手と巡り合えたのは! 稚切バドーにとって、小津夏美は紛れもなく生まれて初めての友達だった。 その友達が泣いている。彼女がどうしようもない殺人鬼だなんて分かっている。それでも、理屈じゃない。このままでは彼女は死ぬよりなお酷い、残虐極まる地獄に叩きこまれる。それだけはさせない。 「待…て…やめろ…イカレ…女…」 麻痺しきったはずの舌で、必死に言葉を絞り出す。体は相変わらず動かないが、標的を自分に変えさせるだけの効果はあった。 「ヘエ、普通なら喋るのだって無理なはずなのに凄いね。ううん、君は後回しにしようと思っていたけど、万が一動けて邪魔をされても面倒だ。」 しゅらりと、ナイフを取り出す。 「君も魅力的だけど、メインディッシュが待っているんだ。サクッと終わらせてもらうよ。」 酷く義務的に、バドーの首筋にナイフがあてられる。瞬間、バドーは能力を、『象撫』を全開にする。かつて家族を崩壊させたときのように、その場の全員の認識を混合し再構築する。西条なつみの漆黒の認識が流れ込んでくることに意識乱され、能力は一瞬しか発動できなかったが、その一瞬で十分だった。 血飛沫が夜の渋谷に霏々と舞い散る。鮮やかな赤が空を染める。 殺人ガガンボに対して用いた方法。存在を誤認させる魔技。 西条なつみは、稚切バドーだと認識して小津夏美の(・ ・ ・ ・ ・)首を掻き切った。 ◇ ◇ ◇ 何が起きたか分からず、二人のナツミは目を白黒させる。存在を誤認させるといっても、自分を他人と思い込ませるほどに強烈に認識を乱すには相当の集中が必要だ。 筋弛緩剤を打たれ、さらに精神にダメージを負った状態では、西条なつみ自身を稚切バドーだと誤認させることは無理だった。そこでバドーが選んだ方法は、小津夏美を、生まれて初めての友達を、楽に死なせてやることだった。 「あ…」 声にならない声が小津夏美の口から零れる。コヒューコヒューと空気音が吹き出る。首筋から夥しい血がドクドクと流れ落ち、アスファルトを染め上げる。朱に染まる地面とは裏腹に小津夏美の顔色はどんどんと白くなっていく。生命力が急速に失われているのは明らかだった。 (ごめん。夏美。許してくれるなんて思えないけど。私には、これしかできない。…すぐに後を追うから…。) 能力を振り絞ったバドーに、西条なつみに抗う術はない。すぐに殺されてしまうだろう。多分自分は地獄行きだ。きっと、夏美も。そこでしこたま怒られるのもありかな、などと考えるバドーに、『クラック・クラック』による苦楽の共有がなされた。 飛び込んでくる夏美の苦しみ。掻き切られた痛みの共有。バドーの喉元に焼けるような熱さが走る。 (ああ、そりゃそうだよね。理由はどうあれさ、殺したら恨まれるよね。ごめん…ごめんよ…) 友達に恨まれながら、まもなく殺される絶望感にバドーは沈んでいく。その沈鬱な心に、今度は夏美の喜びが沁み込んできた。 その喜びとは、感謝。最期に一緒に戦ってくれたことへの、魔人として生まれ変わった自分と仲良くしてくれたことへの、楽に死なせてくれたことへの、この上ない感謝。 「バド…ちゃ…私た…ち…友…だち…」 その言葉は、『クラック・クラック』ではなく、紛れもなく小津夏美自身の口から懸命に絞り出された言葉。最後まで言い切れなくても、能力なんて関係なくても、真に伝わった言葉。 その言葉を聞いた瞬間、バドーは『象撫』をもう一度、全力で発動させた。 人の死は極力取り込まないように生きてきたバドーが、全力で夏美の死を取り込んでいく。『象撫』は対象の知覚、意識が鮮明に行われるほどに効力は増す。この時、夏美にはバドーしか世界にいなかった。バドーには夏美しか世界にいなかった。 完璧に夏美の死を取り込んだ結果、バドーの喉元がパクリと開き、鮮やかな血が噴き上がった。バドーの顔色も急速に青ざめていく。二人の痛みは共有され、二人の喜びは共有された。 両者から溢れ出る真紅の血が、渋谷のアスファルトの上で合流し一つになった時、小津夏美と稚切バドーは同時に絶命した。 若い身空で、夢や目標を何も叶えられず、惨めに、何一つことを成せずに死んだ。しかし二人は、誰もが驚くほどの笑顔をたたえていたという。 クラップ・クラップ 静寂の渋谷に拍手が響き渡る。拍手の主は西条なつみ。自身にとって最高の獲物を無駄にしたが、悔しがるそぶりはない。ただ静かに、目の前で息絶えた二人に拍手を送る。 かくも見事に相手と自分を殺して見せた二人へ、殺人鬼として最大の敬意を示し、西条なつみは再び夜の渋谷へと消えていった。 ◇ ◇ ◇ (…これは…もう駄目だなぁ…) だらだらと流れる鮮やかな血。浦見栞は、自身の命が間もなく終わることを受け止めた。両手足の関節は歪にねじ曲がり、開放骨折、血と共に骨が飛び出ている。あばらも粉々になっており、口から血が溢れ出る。 奥歯は砕けているし、右の眼球は破裂した。特徴的だったピアスごと耳はねじ切られていたし、内臓もいくつか潰れていた。『因果嘲』を操る右手の指もほとんど潰れてしまい力が入らない。 負けた。勝てなかった。仇討ちを果たすこともできず、志半ばに朽ち果てる。 分かっていた。こうなることは。能力に目覚めたとはいえ、戦闘のプロフェッショナルというわけではない。兄を殺された恨みを原動力にひたすら走ってきたが、プロの殺人鬼集団に勝てるわけがない。どこかで返り討ちに合って野垂れ死ぬなんて分かっていた。 それでも。栞にはこの道しかなかった。傷だらけになって、ボロボロになっても、兄の死に関わったやつらが笑って暮らしていることが許せなかった。 兄がいるから外から様々な組織が干渉してきただとか。 巨大なグループのトップが急遽抜けることで生まれた空白期間が治安を生むだとか。 そんなことは栞には関係なかった。ただ兄が好きだった。本当に、本当に好きだった。愛という意味で、恋という意味で、性という意味で。 牢獄のような家から、手を引いて連れ出してくれた兄さんの眩しい笑顔が浮かぶ。 チームの馬鹿たちと一緒に、安っぽいカレーを美味そうに頬張る兄さんの笑顔が浮かぶ。 兄さんと一緒になら学校に行くといった時の、困ったような笑顔が浮かぶ。 奇跡のような、閃光のような儚い思い出の数々。 (これが…走馬灯ってやつかな…兄さんはいつも笑っていて…。分かってるよ。こんなことをする私を、兄さんが喜んでくれないなんてことは。) それでも。 たとえそうだとしても。 「オーケィ!今回はかーなりグッドだったわよォ!」 「ありがとうございます!王道にこだわってみました!」 黒房が“彼”に携帯で連絡をしている。渡米前の最後の殺しのチェックを受けているのだ。 「丸太ちゃん選んだのは良かったわァ。やっぱり便器じゃねえ、殺人鬼は殺人鬼でもB級映画よ、最終絶叫計画ヨ。」 「はい!この間の反省を生かしてパワー丸出しにしてみました!本当は知性なきバーバリアン路線を試そうと思ったんですが…」 「そう!あーた、アドリブで憎らしい仇役に移行したのはベリグ!だったわヨ!実際どうなの?仇の覚えはあったノ?」 「いやー、正直原宿?ストロー?よく覚えてないです!でも、どうせ仇討ちに来てくれたなら生かさなきゃなって!」 「いいわいいわぁ!それでこそ『劇団』の期待枠ヨン!」 「ありがとうございます!!良い練習になりました!」 許せなかった。浦見栞には、自分たちの平穏をあっさりと壊し、気にも留めずにヘラヘラと笑える奴らが許せなかった。いつか惨めに無残に死ぬことが分かっていても、許せないと示さずにはいられなかった。 ジャギン。 ぐちゃぐちゃに潰れた右手を必死に動かし、痛みとの縁を断ち切る。 ジャギン。 不安だとか恐怖だとか疲れだとか、自身の行動を阻むものとの縁を断ち切る。 ジャギン。 私に能力を授けた男だとか。私を利用して動いている計画だとか、絡みついた諸々の宿業を断ち切る。 ジャギン。 あとほんの少し。ほんの少し動くために、余計なものを全て断ち切り削ぎ落していく。 もう動かないと思っていた四肢に力を込める。関節が悲鳴を上げる。ミチミチと嫌な音が腱から聞こえるが知ったことではない。内臓がいくつか駄目になっていくが、知ったことではない。ドボドボと体中から血が溢れ、意識が遠のいていくが、知ったことではない。 何もかもが!知ったことではない! 「うああああああああ!」 最後の気力を振り絞り、栞は立ち上がった。残り僅かな命の蝋燭を爛々と燃やし、鋏を黒房に投げつけた。 「うお、危ない。」 不意打ちであったが、黒房はあっさりと躱した。流石に通話しながらというわけにはいかず、一瞬、“彼”との電話を中断して躱した。 努力が報われるとは限らない。奇跡が起こるなんて浦見栞は信じていない。神様がいるなんて、浦見栞は信じていない。 しかし。 奇跡を求めぬ一筋の努力こそが、ほんのひとかけらの奇跡をもたらした。 鋏は、黒房と、携帯電話の間を、ゆっくりと通過した。 ジャギン。 夜の渋谷に、一際鈍い音が響く。縁を断ち切る残酷な音が響く。 「……あ?」 何か取り返しのつかないことが起こったことを肌で感じ、黒房は呆けた声を漏らす。浦見栞は見事に断ち切って見せた。“彼”と黒房の縁を(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)! 「え…?ちょっと待ってちょっと待って!!?え!?嘘だろ!?」 “彼”との通話を試みる。自分の夢である刃離鬱怒(ハリウッド)への渡し人との通話を。しかし、不思議と何も聞こえない。『因果嘲』で縁が断ち切られたことにより、互いに干渉することは一切不可能となった。黒房がいくら叫んでも“彼”のもとに声が届くことはない。“彼”からの声も聞こえない。 「嘘だ!嘘だ!!こ、こんなところで!?そんな!だって!だって俺!」 何かの電波障害かもしれない。そう思い込もうとしたが駄目だった。“彼”との縁が、刃離鬱怒(ハリウッド)との縁が完全に切れてしまったことは黒房自身が一番よく理解できた。もはや“彼”の声も思い出せない。 「お、終わる!?俺の夢が!?こんな!こんな下らないことで(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)!?」 恐慌状態に陥った黒房は、栞を睨みつける。もしかしたら、黒房は今夜初めて栞を敵と認識したのかも知れない。感情のままに怒鳴り散らす。 「お前!お前!何をしたか分かっているのか!?刃離鬱怒(ハリウッド)だぞ!日本人として呼ばれるのは俺が初めてだったんだ!殺人鬼界のビッグニュースなんだぞ!大快挙だったんだぞ!いや、俺個人の名誉の問題だけじゃない!日米の殺人鬼業界のパイプが構築出来るはずだったんだ!お前がしたことは…」 「ハハ。」 唾を飛ばしがなり立てる黒房の言葉を、栞の乾いた笑いが両断する。 「ごめんね。私、そんな難しい話はわからないの。」 笑顔。全開の笑顔。この一瞬だけ、裏原宿ストローヘッズで、愛すべき馬鹿どもと、最愛の兄と、閃光のような日々を過ごした時と同じ笑顔が出来た。 「中学だって行ってないんだもん。」 「アアアアアアアアア!!!畜生!ちくしょううううう!!」 怒りに身を任せ、黒房は栞を叩き潰そうとする。強者として生まれた黒房の生まれて初めての恐慌、焦燥、混乱。 もしも、今日、浦見栞と出会ってさえいなければ。黒房清十郎はエリート殺人鬼として無事渡米出来ていたかもしれない。このように隙だらけで、無様に怒り散らす姿は見せなかったかもしれない。 しかし。出会ってしまった。今日、ここで、出会ってしまったのだ。 その結果。 「ハハ。いたいけな少女を痛めつけてとどめを刺す?いけないなあ、君は実に悪い人だ。」 致命的な隙を晒し。背後から迫りくる西条なつみに全く気が付けなかった。プツリと、薬液が黒房に注入される。対魔人用の筋弛緩剤の効力を倍にした特性品。いかな黒房と言えど、抗うすべはなく、全身の力が抜け地に崩れ落ちる。 「最近噂の殴殺魔…であっているかな?ちょっと色々付き合ってもらうよ?」 「あ…あ…嘘だ…俺は…殺したりない!まだ!まだ!殺したいのに…」 「…!凄いな君は!普通だったら到底喋れない量を打ち込んだつもりだったんだけどね。じゃあもう一本。」 追加の筋弛緩剤に、黒房の意識は奈落に消える。無人となった雑貨屋から拝借したキャリーバッグの容量を倍にして、黒房を収納する。 「…素敵だ。とても素敵な夜だった。 今日、ここで、出会えて良かった(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)。歌いたいくらいに、キラキラした夜だ。」 西条なつみは、鼻歌交じりに、今にも息絶えそうな浦見栞に近づく。 「人の食べかけに興味はないから…もし望むなら楽にしてあげるよ。どうする?」 今にも意識を手放しそうな状態に喝を入れて、ボロボロの右手に意識を集中させる。弱弱しく。しかし確かに。浦見栞は西条なつみに中指を突き立てた。最期の最期まで、誰かの手を借りる気はなかった。 矜持と共に突き立てられた中指を少しの間眺めた後、にっこりと笑みを浮かべ、西条なつみは渋谷を去っていった。 余談ではあるが、このあと黒房清十郎は西条なつみの邸宅で苛烈極まる拷問を受け、ひたすらに食い散らかされた。焼かれ、削がれ、抉られたが、それでも泣き言は一つも言わなかった。 日付が変わるころ、小休止を取った西条なつみの隙を突き、到底動けない量の筋弛緩剤を打たれているにも関わらず死力を振り絞り、舌を噛み切って自決をした。 『劇団』の一員としては惨め極まる死に方であったが、一抹の矜持を示して見せた。【新人類】(ニューエイジ) が最期に殺して見せたのは、自分自身だったのだ。 ◇ ◇ ◇ 煌々と、青白い月が渋谷を照らす。 ―――浦見栞の命の灯が間もなく消える。手足には欠片も力が入らない。ここでもう終わりだと、死を受け入れた栞の耳に、涼やかな声が届く。歌う。西条なつみが歌う。その歌が誰のために歌われたものかは分からない。しかしそのハードロックは、無人となった渋谷にどこまでも深く響き渡る。 (嗚呼…兄さんが好きで…よく聞いてたっけ…。兄さん…私…頑張れたよ…ね…?……) 命が消える直前、浦見栞の脳裏に浮かんだ兄は、いつものように笑いかけてくれた。 さよなら傷だらけの日々よ 目指すは次の世界 明日はもうここにはいない ありがとう悔いだらけの日々よ 今ならば言える 人はたやすく変われぬけど いつの日か本当に戻るべき場所を知る B’z 『さよなら傷だらけの日々よ』 場違いなその歌は、紛れもなく、渋谷の夜に響くレクイエムであった。 西条なつみ:生存 黒房清十郎:死亡 浦見栞:死亡 小津夏美:死亡 稚切バドー:死亡 終
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注:短編集ならぬSS集です。単品では投稿し辛かったSSを載せています。 全てにおいて直接的な虐待はないです。 ○収録SS○ ・よくしゃべるしんぐるまざー ・とある畑にて ・おぼうしさんがしゃべったよ! ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 709 五体のおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 713 最後に聞く言葉 ふたば系ゆっくりいじめ 722 育て親への説教 nue052 にんげんをたおして ふたば系ゆっくりいじめ 787 ふたりなら ふたば系ゆっくりいじめ 800 TAKE IT EASY! 作者:ハンダゴテあき よくしゃべるしんぐるまざー 「れいむはしんぐるまざーなんだよ! かわいそうなんだよ! なぐさめなくちゃいけないそんざいなんだよ! だれもがれいむにゆっくりをていきょうしなきゃならないんだよ! しんぐるまざーはつらいんだよ! ゆっくりりかいしてね! でもあわれみはいらないよ! むしろけいいをひょうしてね! たったひとりであかちゅんそだてているなんてふつうのゆっくりにはできないよ! れいむだからできるんだよ! れいむはとくべつなゆっくりであかちゃんもとうぜんとくべつなゆっくりなんだよ! そこらのゆっくりとはわけがちがうんだよ! ほんらいはとくべつなれいむたちにすべてのゆっくりとにんげんは おいしいごはんとあたたかいねどこと おもしろいおもちゃといけめんなどれいをわたすべきなんだよ! でもみんなにわるいからいままでがまんしてきたんだよ! れいむはえらいね! でもしんぐるまざーになったいま、わるいけどさっきいったことすべていただくよ! いままでがまんしてきたことにかんしゃしながられいむたちにせいいっぱいつくしてね! れいむたちのためにつくせることはとてもゆっくりできるんだよ! こうえいなことなんだよ! れいむにつくせるだいいちごうなれるなんてほんとうにうんがいいね!しあわせものだね! だいいちごういわいにさっきしたうんうんたべていいよ! ありがたくおもってたべてね! でもたべおわったらさっそくめいれいをきいてもらうよ! もうれいむのどれいなんだからあまやかすつもりはまったくないよ! ほら、なごりおしそうにうんうんみつめてないでさっさとたべる! たべるけんりはくだつしちゃうよ! なにしてるの! もういい! うんうんはたべさせないよ! ざんねんだったね! もうにどとれいむのうんうんたべさせないよ! ないてたのんだってもうおそいからね! ほら、どれい! うんうんたべられなかったことをくやんでないでれいむたちにあまあまたくさんもってこい! だいいちごうのどれいがのろまでぐずなんてはずかしいよ! こうぞくのためにきびきびはたらいてくれないとこっちがこまるんだよ! いつまでそこにつったってるの! れいむのことばりかいできる? ばかなの? しぬの? あんこのうなの? しゃかいのごみなの? たべてうんうんするだけのげすなの? ねえ、きいてるの! あまあまもってこいっていってるんだよ! はやくもってこないとせいっさいするよ! れいむはつよいんだよ! にんげんなんかいちげきでたおせるんだよ! おまえみたいなひよわなにんげんなんてさわっただけでころせるよ! わかった? のうなしでもりかいできた? おそろしかったらはやくあまあまもってきてね! ……いいからもってこいよじじい! あまあまもってくればそれでいいんだよ! れいむはしんぐるまざーだっていっているでしょ! かわいそうなんだよ! なぐさめなくちゃいけないそんざいなんだよ! だれもがれいむにゆっくりを――」 帰宅するとれいむ親子に侵入されていた。 親れいむと目が合った瞬間、以上のような、 自分の都合が良いように展開していく言葉を投げかけ始めた。 現在も未だ続いている。 親れいむがひたすら得意げに喋る隣で、初めこそ、親同様に嫌味な笑みを浮かべていた赤れいむが、 途中からずっと表情を曇らせていたことが妙に印象的だった。 とある畑にて お前、こんなところで何やっているんだ。 待てよ。逃げようとするな。ほら、この人参をやるよ。 毒は入っていない。心配するな。 ただ話をしたかったから、この人参を渡しただけなんだ。って聞いていないな。 幸せか。なぁ、さっきまで食べていた野菜は美味しかったか。 まぁまぁか。そうか。こっちの人参の方が美味しいのか。そうか。 もっと欲しい? そうだな。いくつかの質問に答えてくれたらもう一本やるよ。 早く話せ? ああ、判ったよ。 お前はさ、野菜が勝手に生えてくるものだと思っているのか? “なにいってるんだぜ? あたりまえでしょ?”か。そうか。 質問を続けるよ。 お前は何で逃げようとしたんだ? ……なるほど。 “おやさいさんをひとりじめしようとするいやしいにんげんがおそいかかってくるからだぜ”か。 ということは、危険であることを承知でお前はここにきたのか? “そうだよ、ゆっへん!”か。そうか。 他に食べるものはなかったのか? ……あるにはあったのか。けれどお前はグルメだから、 草や木の実、昆虫を食べずに美味しいお野菜を食べるのか。 ん? ここに来るまで大変だった? 何の話だ? ……確かに最近は、殆どの畑でゆっくり対策がされているな。 ああ、そうか。だからお前は野菜を求めにここまで来たのか。 そして、仕掛けが手薄なこの畑に侵入したのか。 確かにここはゆっくり対策し過ぎるとまずいからな。 “たいへんだったんだぜー”か。そうか、大変だったのか。 ……なに手を開きながら右腕を前に出しているのか、だって? ああ、気にするな。特に理由はない。 それより聞いてもらいたい話があるんだ。 これが終わったら、人参やるから我慢して聞いてくれ。 この畑の裏に森があるだろ? そうだ。お前が通ってきた森だ。 ある日さ、森からドスまりさを率いたゆっくりの集団が森から下りてきたんだよ。 目的は私の畑だった。 そう、お前のように、あちこち食い荒らしたんだ。 そいつらもさ、同じようなこと言ってたんだよ。 “おやさいさんはかってにはえてくるんだよ!” “おやさいをひとりじめするな”って。 野菜は勝手に生えてこないことを説明しても彼らは信じなかった。 私はその光景を見て、先ず『馬鹿だな』って思ったんだ。 野菜が生える仕組みを知らない、そして信じないかよって。 でもさ、それがゆっくりの常識として受け入れられているのなら、 仕方のないことなんじゃないかって、ふと思ったんだ。 人間だって、常識に感じていたものを真逆に否定されたら戸惑うし、信じられないさ。 言っている奴を奇異の目で見たり、嘲り笑うかもしれない。 だから、ゆっくりたちの対応は間違っていないのだと私は思ったんだ。 ……でもね、理屈ではそう解っても、もう一度畑の現状を見たとき、身体は動いていたんだ。 妻と一緒に、大切に育てた野菜だったんだ。 金に困っていたわけじゃなかったんだ。 総資産は文句の言いようがないほど潤沢としていたし、元々道楽で始めた農作業だった。 でもな、汗水垂らして育てて、失敗もして、それから何度も試行錯誤を繰り返して、 ようやく生えた野菜だったんだ。 私はドスまりさの顔面を素手で殴りつけたよ。 思いっきり地面に殴り倒した。その後、瞳から涙が溢れた。 上手く力の入らないパンチを何度も繰り出した。 許せなかったんだ。 理屈では分かっていても、私は抑えることが出来なかった。 妻も同じだったんだ。 ドスまりさを殴ることに疲れて、汗を拭いながら辺りを見渡した時、 妻がドスまりさを抜いて最後の一匹になるゆっくりを踏みつぶすところだった。 妻が上げていた足を踏み下ろした瞬間、短い断末魔が畑に響いた。 餡子こそ飛び出しはしなかったものの、頭部に足跡のつき、土に埋もれたゆっくりは動かなかった。 妻と眼があった。涙ぐんでいた。彼女は何も言わなかった。私も何も言えなかった。 畑に沈黙が流れた。 大勢のゆっくりが倒れる畑で、私たちは立ち尽くしていた……。 ……おい、顔が青褪めているぞ。大丈夫か。 何震えているんだ? 私が怖いのか? 野菜を食ってしまったから始末されると思っているのか? おい、勘違いするなよ。私は初めこう言ったはずだ。 話をしたかっただけだと。 約束は守るさ。だから安心しろ。私はお前を殺さない。 “なんだぜ! あんしんしたぜー”か。そうか。良かったな。 でだ、……んっ? なんだって。 話が終わったならさっさと野菜をよこせ? いや、話には未だ続きがあるんだ。 “いいから、さっさとよこすんだぜくそじじい!”か。随分強気に出たな。 まあいいが。 ほら、持ってけよ。 ……“ばかなじじいだぜ”か。そうか。 お前はそれを咥えて逃げるつもりなのか。 “もうおそいんだぜ! ながいはなしはこりごりなのぜ! すたこらさっさだぜ!”か。 そうか。やはり逃げるつもりなのか。 勝手にすればいい。 ただ逃げられればの話だが。 ……なに立ち止まっているんだ。私から逃げるんじゃないのか。 そこに立っていたら私に捕まってしまうぞ。 まぁそれは私に捕まえる意思があってのことだが。 私はお前を捕まえるつもりはないよ。だから安心しろ。 安心して目の前のドスまりさ率いる群れたちと睨めっこをしてくれ。 ……話の続きをしようか。 餡子まみれの畑で私たちが茫然と立ち尽くしていると、ドスまりさが息を吹き返した。 涙で力が入らなかったパンチとドス特有の生命力が働いたのかもしれない。 とにかく私たち夫婦はドスまりさにトドメを刺そうとした。 けれど出来なかった。 “ごめんなさい……まりさたちがわるかったです……おやさいさんたべてほんとうにごめんなさい……” ドスまりさはこうも続けたんだ。 “よくわからないけど、おやさいさんはかってにはえてこないんですね。 まりさ、しりませんでした。ほんとうに、ほんとうにごめんなさい……。 まりさはころしてかまいません。 ただにんげんさん、おねがいがあります。 もりのみんなにおやさいさんのつくりかたをおしえてくれませんか。 まりさたちもおやさいさんたべたいんです。 おねがいします……” ……気がつけば、私たちはドスまりさたちを治療していた。 どういう心の変化があったのか判らない。ただ私たちは無意識のまま行動していた。 畑の耕された土がクッションとなったのか、ドスまりさたちは奇跡的に全員助かった。 それから私たちはゆっくりたちに野菜の作り方を教えた。 使っていなかった土地の一角をゆっくりに貸し、耕すことから始めさせた。 一年の間にいくつかの野菜を共に作った。共に作ったのだから分け前は半々にした。 それから先はゆっくりたちだけで野菜を作らせた。 私たちは手伝わず、判らないことがあったら、答えるだけにした。 もし作らせることが出来たのなら、その野菜を丸々分け与えることを伝えた。 ゆっくりたちは大喜びし、畑仕事に精を出した。 けれど一年の間、野菜がまともに育つことはなかった。出来ても痩せた不味い野菜だけが残された。 最初から上手くいくはずがなかったんだ。 私はゆっくりのことだからそこで諦めると思ったんだ。 けれどゆっくりたちは諦めず、農作業を続けた。 お前がさっき食べた野菜があっただろ? それはそこにいるゆっくりたちがようやく完成させることが出来た野菜なんだ。 私と妻と同じで、汗水垂らして、失敗もして、ようやく出来た野菜なんだ。 ……私はこの話をお前にしたかったんだ。 ……戸惑うよな。常識が覆されたんだもんな。 お前はそこにいる群れのゆっくりと同じなんだよ。 野菜が勝手に生えるものだと思って、独り占めしているだろう人間から奪ったんだ。 でも違うところがあるとすれば、それは人間の畑を荒らしたことでなく、 ゆっくりの畑を荒らしたことだ。 私は何もしない。この畑で起きたことは私にとって、もう関係のないことだ。 私は未だに何故ドスまりさたちを助け、畑を貸したのか判らない。 妻もまた判らなかったそうだ。ただあるようにあったとしか言いようがない。 ドスまりさたちがお前をどう処遇するかは判らない。 ドスまりさたちは、恐らくだがお前が以前の自分たちのようだと感じているだろう。 憐みを抱いているのかもしれない。もしかしたら許してくれるかもしれない。 でも一つだけ言っておくことがある。 ドスまりさたちもまた、以前の私たちと同じ状況にたたされているということだ。 ようやく育ってくれた野菜をボロボロにされたんだ。怒りを抱いているかもしれない。 もしかしたら全員で踏みつけられるかもしれない。 私は何もしない。助けもしないし、殺しもしない。 ……そろそろ行くよ。長々とすまない。 また会えたらいいね。 おぼうしさんがしゃべったよ! 「こんにちは! ぼうしはまりさのおぼうしさんだよ!」 森にある小さな洞穴の中で一つの声が響き渡った。 洞穴の中には、一匹の子れいむと子まりさがいた。 けれど、そのどちらとも口を開けていなかった。 「ゆっ! すごいよ! おぼうしさんがしゃべったよ!」 子れいむが驚き、目の前の子まりさに「どうして? どうして?」と尋ねる。 「ゆー、まりさにもわからないよ……。 あさおきたらとつぜん、 『おはようまりさ! いいあさだね!』っておぼうしさんがいいだしたんだよ……」 子まりさが照れくさそうに説明した。 子れいむは帽子を見上げながら、「ゆぅー」と言葉出すほかなかった。 『れいむにはなしたいことがあるんだ』と言われて、なくなく来たはいいが、 こんなことが起こるなど、子れいむは想像もしていなかった。 「れいむはとてもゆっくりしたれいむだね! ぼうしはれいむといろんなおはなしがしたいよ!」 再び洞穴に声が響く。子れいむはその声で楽しい気持ちになった。 「ゆゆぅ~。いいよ! れいむもぼうしさんといっぱいおはなしがしたいよ!」 子れいむと帽子が楽しそうに会話をしているなか、子まりさは嬉しそうにそれを眺めていた。 噂は瞬く間に広がった。 親がいなく、片目が潰れていて、いつも一人ぼっちだった子まりさの帽子が言葉を話すのだと。 連日、子まりさの巣である洞穴に大勢のゆっくりが訪問した。 子まりさがいる森に住むゆっくりだけでなく、隣の森からも喋る帽子を見に来るゆっくりもいた。 「そこでいってやったんだよ! このぼうしにまかせろってね!」 「ゆゆっ! そんなこといってないでしょ。いったのはまりさだよ!」 子まりさは訪れたゆっくりたちに、帽子が喋る光景を見せて行った。 来るゆっくり来るゆっくりが皆驚いていた。 子まりさは森の人気者になっていた。 子まりさが狩りに出ようとすると、成ゆっくりたちがそれを止めた。 外界には危険が付きまとい、帽子が失われる可能性があるからだと。 子まりさの代わりに成ゆっくりたちが狩りをするようになった。 以前まで食べたことのない山菜や木の実が葉の上に並べられていた。 子まりさにとって、とてもゆっくり出来る食べ物だった。 子まりさに友達が出来た。 帽子が喋るという特別なゆっくりと、皆知り合いになりたがった。 子まりさの傍にはいつも誰かがいた。ずっと一人ぼっちだった子まりさは幸せだった。 巣は温かいところに変わり、ずっと思いを抱いていた子れいむが婚約者になったりもした。 子まりさは今までの人生で味わったことのない、最高のゆっくりを享受していた。 けれどそれは長く続かなかった。 ある日、子まりさが眼を覚ますと、いつもつけたままにしている帽子がないことに気付いた。 巣を見回すが、帽子が落ちている気配はない。 誰かに盗まれたのかもしれないと思った子まりさは慌てて巣から出ようとした。 しかしそれは入口に立ち塞がった一匹の成まりさによって拒まれた。 成まりさの口には子まりさの帽子が咥えられていた。 子まりさはその成まりさに見覚えがあった。 自分に好意的ではない視線をずっと送っていた成まりさだった。 「ゆっ! このぼうししゃべらないよ! どういうわけかせつめいしてね!」 成まりさは口から子まりさの帽子を地面に落とし、踏みつけ、擦った。 子まりさにとって、大切な大切な帽子が汚されていく。 「やめてね! まりさのぼうしさんいじめないでね!」 「うるさいよ! そんなこときいていないんだよ! はやくせつめいしてね! じゃないともっとぐじゃぐじゃにするよ!」 「いだい! いだいよ!」 成まりさが帽子を擦ることを停止した。自分と子まりさ以外の声が聞こえたからだ。 「いだいよ! いだいよ! だずげで! だずげでまりざ!」 成まりさはいつの間にか子まりさが自分に近づいていることに気付いた。 子まりさは成まりさを見上げながら言った。 「まりさのおぼうしさんはねていたんだよ! わかったでしょ! だからはやくかえしてね!」 子まりさの声に、成まりさは怒りを抑えることが出来なかった。 何も言い訳できない子まりさを甚振るつもりだったからだ。 思い通りにならない展開に苛立った成まりさは、擦りつけていた帽子を口に咥え、 そしてバラバラに破った。 「ゆっ! な、なにしているの!」 子まりさが咄嗟に体当たりするが、体格差の問題でそれは敵わなかった。 子まりさは跳ね返り、壁に背中を打ちつけた。 「ふん! まりさがよびかけたのにずっとねてるぼうしなんて、 せいっさいされてとうぜんなんだよ! ゆっくりりかいしてね! ずっときにいらなかったんだよ! ぼうしがしゃべるだけでちやほらされて! ぼうしがなかったら、かためのないゆっくりできないゆっくりのくせに!」 成まりさはバラバラになった帽子の一片を子まりさの方へ放り投げて去っていった。 子まりさは千切れ千切れになった帽子を見つめながら、「どうして……」と思った。 まりさはただゆっくりしたかっただけなのに……。 子まりさは帽子の破片を拾い集めながら、そう思っていた。 子まりさは生まれたときから片目が潰れていた。 森のゆっくりからはゆっくり出来ないゆっくりとして扱われた。 けれど母親は優しく接してくれていた。 それだけ子まりさの救いだった。 けれどその母親がある日突然死んでしまった。れみりゃの襲撃によるものだった。 子まりさは一人ぼっちになった。 誰も話す相手がいなかった。 毎日、独りで狩りをし、独りで食事をとり、独りで眠りについた。 その間に会話はなかった。無言の日々が何日も続いた。 ある日、子まりさは新しい食料を求めにいつもとは違う道で狩りをしていた。 見たことのない美味しそうな食料を集められたものの、道に迷ってしまった。 子まりさはひたすら前に進むことにした。そうすれば知っている道に辿り着けるかもしれないと。 けれど、子まりさの進んだ先に会ったのは、人里だった。 人間はゆっくりできない。 母親からそう聞かされていた子まりさは慌ててその場から立ち去ろうとした。 けれど広場で、人間たちが一人の男に群がっている光景が眼に焼きつき、 子まりさはいつのまにかUターンをしていた。 叢に隠れながら、子まりさはあの男が何をやっているのかを眺めた。 それは口を開けずに喋るといった、俗に言う腹話術だった。 腹話術師の手には怪獣の縫い包みがつけられ、 怪獣が声を発しているときは口をパクパクとさせた。 「まぁこの男が声を出しているんですけどね。縫い包みが喋るとか有り得ないですから」 「ちょ、ちょっとギャモンくん! 何言っているの! 夢をぶち壊すようなこと言わないでよ!」 「いや誰もそんな夢とか抱いていないから。 この男がどの程度上手く腹話術が出来るかしか興味ないから」 「いやいやいやいや!」 といったブラックな漫才が繰り広げられていた。 子まりさはそれに感銘を受けた。 子まりさには怪獣のギャモンくんと男が仲の良い友達に見えた。 まりさもやってみようと子まりさは思った。 ギャモンくんのような縫い包みはないから、帽子を使って、と。 「まりさはいつもひとりぼっちだね! このぼうしさまをありがたくおもってね!」 「ふん! それはぼうしもいっしょでしょ! まりささまがいることをありがたくおもってね!」 「なんだとこんちくしょう! もうしょうがない! ずっとともだちだからな!」 「ゆっ! きりかえはやすぎでしょ!」 いつかに繰り広げた会話を子まりさは思い出していた。 独り芝居の記憶だ。 けれど子まりさには楽しかった。 本当に帽子が生きているように感じられていた。 一人ぼっちであることを思わなかった。 どうしてあの時、子れいむに腹話術を披露してしまったのだろう。 どうしてではない。今以上にゆっくりしたいと思ったからだ。 自分はあの腹話術師のように披露して、周りにゆっくりを集めたがった。 帽子以外の友達や何かを欲しがった。 ゆっくりしたがってしまった。 帽子のおかげで、もう十分ゆっくりしていたというのに。 子まりさは涙を流した。 バラバラになってしまった友達から声を発せさせる気持ちになれなかった。 帽子は死んでしまった。子まりさはそう思った。 自分の身勝手のせいで殺してしまったのだ。 自らが作り上げた生命だと子まりさは判っていても、涙を抑えることが出来ない。 もう喋ることのない親友を思いながら子まりさは泣いていた。 ・あとがき 一作目は何気に今まで書いた中では一番気に入っていたりします。でいぶかわいいよでいぶ。 二作目は作者のいつもの病気が発作を起こした結果です。本当にごめんなさい。でもついやって(ry 三作目はもともと乙一氏の「ぼくのかしこいパンツくん」的な展開にしようと考えていたのですが、 病気が発作を起こして何時の間にかこんな展開になっていました。 最後まで読んでくださった方ありがとうございました。
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ブレス オブ ファイア 4 4-275~276・297~298・336・343~344・376~377・379~382・516~517、 5-197・205・256・258・266・334~339 275 ブレス4 sage 04/03/04 02 19 ID MuCAwRY/ ってなわけでブレス4いきますわ。劇中セリフなしですがご容赦を。 まずはパーティーメンバーの紹介。 リュウ:唐突に裸で現れた主人公。その瞳の片方は未来をも見通すという 「竜眼」であり、唐突に竜の力に目覚め竜変身の能力「竜覚」や接触した他の 竜の力を借りる「竜召喚」を使う。基本的に無言。 ニーナ:第一王女でもある姉のエリーナを探しにウィンディア城を姉の幼馴染 クレイとともに出奔する。とはいえ城の外の世界をほとんど知らないため時に だまされかけることも。風と癒しの魔法が得意でお約束の有翼人。 クレイ:ニーナとともに旅をするフーレン族(腕っ節が強いトラ人間)の族長で ニーナの姉エリーナの幼馴染。族長らしい冷静な一面と種族元来の気性の荒さを 合せ持つ。腕っ節に任せた格闘とオマケのような威力の地の魔法で戦う。 マスター:物語が始まる前の時の大戦で呪いまみれになったチャンバという町で 出会う、全身鎧のナゾの人。「マスターはそういってます」などとちょっと 理解に苦しむ物言いをすることがあるがそれも事情があってのこと。当初は 硬くHPが高いが命中が悪く遅いという特性があるが中盤から「激硬・高HPの 魔法使い」という異色の存在に急変。 サイアス:ウィンディアの同盟国ルディアで傭兵をしており、外交問題に抵触 したリュウ達を監視する役についていたが、ルディアのやり方に反発し仲間に。 普段は寡黙ながら、戦闘では絶対クリティカル技や回復を使いこなすエース。 アースラ:ウィンディアら東側の国と争う西の帝国の軍人。捨てられた村にて カイザードラゴンを暴走させたリュウをその半身であるフォウルに会わせるべく 帝国を案内するということでパーティーに加わる。 物によっては全体攻撃も可能な銃を使いこなす。 フォウル:帝国の建国者・初代皇帝にして竜。数百年したら蘇ると言い残し墓所に 引きこもったが有言実行し、皇都を目指すも権力欲に取り付かれた現皇帝により 追われる立場となる。半身であるリュウとリンクしており、システム的には 竜覚の一部・取得技・取得経験値の一部を共有している。 初期状態でLv60を越えており、普通にプレイしたレベルのリュウ達が 3人がかりでなんとか倒す敵も通常攻撃一撃で屠る反則に近いキャラ。 リュウ達と関わるのは最後の最後、最終決戦の時だけ。 276 ブレス4 sage 04/03/04 03 18 ID MuCAwRY/ 第一章 めざめしもの 第一部 きざし ニーナとクレイがウィンディア城を出奔して三日、彼女らは消息不明のエリーナ の姿が最後に確認されたというセネスタに向かい砂船(砂上艇)を走らせる。 そのとき、砂漠の底から唸り声と地響きを伴って砂竜が現れる。砂船を押しつぶさん ばかりに巨体をうねらせる砂竜を振り切ろうとする必死にクレイは舵を取るが、 結局振り切れずに体当たりを食らってしまい、砂船は砂漠のど真ん中で破壊される。 砂船はなんとか修理可能な破損状況だったのが不幸中の幸いだが、しかし肝心の 修理に使えるモノがない。近くにはサライという町があるようだが二人で行くと 残した砂船を持っていかれるかもしれない。そこでニーナは、自分ひとりでいって くるから船をおねがいします、と提案し、クレイは不安を抱えるもそれを承諾。 かくしてニーナは一路サライを目指し歩き出すのであった・・・。 しばらく砂漠を歩いていたニーナは、砂漠に出来た陥没とそこに打ち捨てられた 荷車を発見。好奇心にかられて身を乗り出すとバランスを崩し陥没の底へ。 そこで背後に不思議な気配を感じ振り返ると・・・何もいなかった。 (ゲーム中ではプレデターみたいな感じでドラゴン「オーラ」が浮かんでいる) が、次の瞬間裸で倒れる同い年くらいの少年を発見。裸の男の子相手にはさすがに 恥ずかしくて会話も何もあったものではないので荷車から服を拝借して少年に 着るように進言。服を着た少年とニーナは二人で陥没を抜け出し、そこで自己紹介。 少年の名前はリュウ。それ以外は何も知らない。それでは困ったということで、 ニーナは、彼に一緒にサライまで行けば知りあいだった人がいるかもしれないから 一緒にいこうと持ちかける。ニーナは持っていた王家の剣をリュウに渡し、 二人でサライを目指す。 道中文字通りのがけっぷちを歩くことになり、案の定ニーナは足を滑らせ転落。 急いでリュウが後を追うもニーナは有翼人なので飛べる。その姿に一瞬呆然とした リュウは見事地面に顔面からダイブ。そのせいというわけではないが、ちょうど いいところに休めそうな洞穴があるのでそこで一晩明かすことに。 場所はガラリと変わって皇帝墓所。予言の通りに復活したフォウルが墓所から 姿を現す。墓所を守らせていたしもべのオンクーを下がらせ、一路単身皇都へ。 そこに皇都から「竜が出てくるから殺せ」と命じられた帝国兵が。その話を聞いた フォウルは竜の力・うつろわざるものの力がどのようなものなのか見せてやろうと 言いドラゴン「スピリチュアル」を召喚、帝国兵を跡形もなく焼き尽くす。 その瞬間、何かに弾かれたようにリュウが息を荒げ目を覚ます。 スピリチュアルの召喚により自分の力が不完全であり、半身と融合を果たさねば ならないと悟ったフォウルは改めて皇都を目指す。しかし、またも妨害。今度は ヨムと名乗る帝国の呪術師。ヨムはフォウルのドラゴンの力は氷属性に偏って いるという半身を失っているが故の欠点を熟知しており、炎の魔人カームを召喚し フォウルの抹殺を試みる。炎属性の傷という決して軽いわけではない傷を負いつつも フォウルはカームを撃破。だが、カームは手傷を負わせるくらいしか出来ない と知っていたヨムは最初から用意していた第2の作戦・森ごと焼き払い作戦を決行。 森からの出口であるつり橋でフォウルを追い詰めたヨミは魔人の炎の腕を召喚、 フォウルは避けようもなく炎の爪を食らい川に転落する・・・。 夜が明けて目を覚ましたリュウとニーナはサライを目指し歩き始める。 297 ブレス4 sage 04/03/05 02 10 ID YjGMwsWn 前回( 276)の続きいきます。 第2部 竜にかかわるもの 多少のハプニングはあったものの無事にサライの町に到着。リュウは自分の 知り合い探し、ニーナは砂船の修理に使えるものを探すことになる。 でも知り合いなんて見つからない。そんなとき商人に騙され余計なものを 買わされそうなニーナを発見したリュウは辛うじて阻止に成功。とりあえず 自分のことは諦めて、危なっかしいニーナと一緒に行動することに。 情報を集めるならやっぱり人が集まる酒場が一番だろうとの話を聞き酒場に 向かう二人。そこで飲んだくれのオヤジが、メシ奢ってくれるならいいこと 教えてやろう、というのでメシを奢る(ミニゲーム)。 財布を痛めつつもなんとか酔っ払うまえに満腹にさせることができ、情報屋 のことを教えてもらう。 その話を基に町を探しまわって情報屋を見つけたが、当然カネがなきゃ情報は 売れない・・・のだが、情報に見合う妥当な額を払うなら売ってやろうという ことになる。ハイ&ローゲームで妥当な額を推理しその額を払うことに。 情報屋が言うには酒場の奥には闇商人がいるが、そいつに会うには酒場の親父に 合言葉を言わなければならない。でもその商人もう町出ちゃった・・・ってな わけで急ぎその商人を追う二人。サライから程近いところで商人を捕まえて 合言葉を教えてもらえた。 サライに戻り酒場のマスターに合言葉を伝えて闇商人に会い、ニーナは早速 砂船の修理に使えるものを売ってくれないかと持ちかけるが、生憎と品切れ。 だが南の砂船の谷にいけば材料がありそうだから取って来いと言われ、その 言葉に従い砂船の谷へ行く二人。 壊れた砂船の残骸で出来た砂船の谷の奥に行くとオヤジと犬が。欲しいものが あるなら自分で掘れ、との言葉に従いスコップと犬(アイテムが落ちてる所を 教えてくれる)をレンタルして、犬の鳴き声に従い砂漠を掘るリュウ。なんとか 砂船の修理に使えそうな「パーツざいりょう」を手に入れることが出来た。 これで砂船が修理できそうだということに喜びながらサライの酒場に戻ると、 そこには帝国の将校が。何でも竜がこのへんに現れたと聞きつけやってきた ものの一向に情報が得られず暴れているようだ。その光景に尻込みするリュウ をよそにニーナは単身その将校の前に躍り出て狼藉をやめさせる。 ラッソと名乗るその将校はそんなニーナを見て鉄鬼ジョを召喚する。 ジョを退けたニーナをよそに、尻込みしているリュウを罵倒するラッソ。 それに腹を立てたリュウは王家の剣を手にラッソに切りかかる・・・が、 障壁のようなものに守られたラッソに刃は届かず、逆に王家の剣を折られて しまう。このままではと考えたニーナはリュウをつれて急ぎ町の外へ逃亡。 だが既にクレイの待つ砂船への道はラッソの手下により竜探索の名目で封鎖 されており、まもなくラッソに狼藉を働いたとして二人を捕らえる別命も 下ってしまう。そのとき酒場で騒動を見ていた客の一人がやってきて、チャンバ という町を通れば帝国兵の包囲網から逃れられる可能性がある、と教えて もらい、二人は一路チャンバへと向かうことに・・・。 298 ブレス4 sage 04/03/05 02 36 ID YjGMwsWn 297の続き なんとか帝国兵に見つかることもなくチャンバにたどり着いたリュウとニーナ。 だがこのチャンバという町はなにやら禍々しい空気が北の方から漂ってくる。 町の者が言うには、先の大戦の折に帝国が放った「呪砲」という兵器の直撃を 食らい町中が呪いに汚染されてしまったが、防呪鎧という頑丈かつ呪いを通さない 特殊な鎧を身に着けた職人たちによって呪い汚染を取り除こうとしているのだそうだ。 二人は呪い除去職人の親方に会い、町の北部を通してはもらえないかと頼むが、 防呪鎧も身に着けてない上素人を呪いまみれの場所に連れて行くわけには行かない の一点張り。職人全員に同行を依頼するも悉く断られ立ち往生・・・そのとき、 北部から防呪鎧を身にまとった人が帰還。彼は「マスター」と呼ばれる人で、 最後の賭けとばかりにニーナは同行を依頼する。 あっさり断られるかと思いきや、マスターはリュウの顔を覗き込み、自分が 道案内すると言い出す。当然親方は反対するが、マスターは「マスターが 大丈夫だ、と言ってます」と珍妙な言葉と妙に説得力を醸し出す迫力で承諾 させてしまう。 そんなわけでチャンバ北部に向かう一行。途中呪いが濃すぎて生身では危ないと リュウ・ニーナとマスターの二手に別れ行動したりしつつも何とかあと一息で 町の外・・・というところで突然に唸り声。なんと後ろから呪いのヌシとも 言うべき大きな骨の人面魚が橋を壊しながら追ってくるではないか! 気合でダッシュ(ゲーム中では○連打)して辛うじてちゃんとした足場に たどり着き、この「スカルフィッシュ」を撃退することに。 「スカルフィッシュ」を退けチャンバから出ることに成功。3人は砂船の パーツの入手がダメになったことや、道中出会った二人のことなどを報告 するべくクレイが待つ壊れた砂船の所へ。 クレイの待つ砂船にたどり着いた一向はそこでお互いに自己紹介をしたり、 道中で起こった事件のことを語り合い、そして夜も深けていった・・・。 336 ブレス4 sage 長くてごめんよ 04/03/0601 30ID zUC1Qw/S 夜も深けてきたので 298の続きをば。 用水路を潜りたどり着いたはアスタナ基地の地下室。夢で見たとおりなら ここにエリーナが・・・逸る気持ちを抑えられないクレイとニーナ。 人目につかないように忍び足で進む。たどり着いた応接間ではなにやら 話し込んでいるやつらがいるが、カーテンの陰に隠れれば見つからずに 抜けられるだろう。そして目前には次の部屋へ続く道が。 この先にエリーナが・・・! というところで目が覚めた一行。みんなが同じ夢を見たという不可思議な 現象に戸惑う一行にマスターは、リュウが持つ竜眼が見せた予知夢だと マスターが言っている、と説明。夢で見た施設はどうやら帝国のもののよう なので、帝国にエリーナがいるということで間違いないのだろう。 ということで帝国を目指せばエリーナに会える、そのためにも当初の目的地 でありかつ対帝国の最前線にある町セネスタに改めて向かうことに。 道中ダムを通ることに。貴重品であるメタルを採取しようという人たちの 協力を得つつまもなくダムを越えられる・・・というところでまたも轟音。 なんと泥竜がダムに向かって来ているではないか!泥の藻屑になるところを 間一髪で逃れダムを後にした一行は、岸壁でカエルの楽師に出会う。 カエルの楽師が言うには竜がこれほど活発に活動するのは珍しいことだ、 何かが起ころうとしているのではないかと語り、うつろわざるものに関する 歌を一曲聞かせてくれる。どうやらリュウに何かを感じたようだ。 カエルの楽師に別れを告げた一行がたどり着いたのはキリア村。町中がワナ だらけという町だが、ここにはセネスタへの抜け道がある・・・ものの、 通行許可をくれる村長はおらず、オウムが一匹いるのみ。しりとり好きな オウムからうまく情報を聞き出してみると。村長は西の森に現れた獣をワナで 駆逐するべく出かけたとのこと。よくない予感と一刻も早くセネスタに行きたい ということで一行も森に向かう。 たどり着いた西の森も村長仕込みのワナが盛りだくさん。時にワナに引っかかり ながらも森の奥に向かうと、そこには子供の獣を今や捕らえんとする村長が。 仕掛けが作動し子供の獣を捕らえて一行を無視しておおはしゃぎの村長は ついついそこに居もしない親獣をバカにする言葉を吐く・・・とコントのような タイミングで親獣「ママン」登場。よくない予感的中ということで村長を 守るべく「ママン」と戦うことに。 リンゴで釣ってうまいこと「ママン」を倒し村長をキリア村に連れ帰した 一行は村長の家で一泊。その折、ここキリア村はセネスタへの抜け道があると いうことで、それをなんとしても守らなければならず、そのためにワナだらけ にしていたのだ、と語ってくれた。 そのころ、森で手傷を負い川に転落したフォウルはジンガ山地の世捨て人の 家で目覚める。 翌朝、景気付けにワナにはまった一行は抜け道を通ってセネスタの町を目指す。 343 ブレス4 sage 04/03/06 02 12 ID zUC1Qw/S 336の続き 第3部 消えた王女 抜け道を通ってセネスタについに到達した一行。最後にエリーナの消息が 確認されたと言うこの町で情報収集すると、エリーナが懇意にしていた孤児院 の子供たちの一人チノがエリーナのことを知っているという。だが、ただでは 教えられない・・・ということでチノと鬼ごっこをすることに。大人の知恵で 捕まえることに成功したが、こりないチノは孤児院の子供たち全員とかくれんぼ して全員見つけられたら教えてやる、と言い出す。 セネスタの町中を探し回って7人いる子供のうち6人は見つけることができた が、肝心のチノがいない。子供たちの話を総合すると町外れにある地下壕に 逃げ込んだようだ。しかしそこはつい最近までチャンバと同じく呪いに汚染 されていた場所であり子供一人では危険すぎる、と孤児院の院長が言うや否や 急ぎチノを連れ帰しに地下壕に向かう一行。 入口を封鎖する男が水売りのおねえさんに鼻の下を伸ばしているスキに地下壕に 忍び込み、魔物を撃退しつつチノを発見。でもチノは危険もなんのその、純粋に 見つかってしまったことを残念がった。 チノを孤児院に連れ帰しやっと話が聞けることに。なんでもエリーナはこの 町の大商人マーロックと共に町を出た、と言うではないか。そこで早速 マーロックの家に向かうとそこには用心棒「カーン」が仁王立ち。あまりにも 分かりやすいくらいに「オレを倒さねば中には入れん」オーラを醸し出す カーンを4人がかりで袋叩きにしてマーロックの家に。 マーロックにエリーナのことを問い詰めるクレイとニーナ。だがのらりくらりと 回答を避けるマーロックはニーナをここに残して男どもは荷物を掻っ攫った盗賊を 捕まえて来い、情報代と用心棒を倒した損害を考えればそんくらいやって貰わないと 割に合わない、でもやってくれたら話はするし帝国につれてってやろう、と言いつける。 憤りを隠せないクレイをなだめすかして東にアジトを構える盗賊を捕まえに行くことに。 何とか盗賊をとっちめて急ぎマーロックの家に帰るとちょうどニーナによからぬ ことをしていそうなところ。それを取り繕うように、今度は北の桟橋で荷物 整理とコンテナの積み込みを手伝え、と告げるマーロック。そろそろ怒髪天を 突きそうなクレイを必死になだめすかして桟橋に向かい、荷物整理と積み込み (ともにミニゲーム)をする。 仕事を終えてどうでもよさそうなごほうびをもらってようやくニーナを解放した マーロックは、エリーナを帝国に連れて行ったことを認め、約束どおり帝国に つれてってやろうと言う。喜ぶ一行。そして西と東を繋ぐ町ハシビトの町へ向かう 一行。だが、その扱いは荷物そのものであった・・・。 密入国のためにはこれしかないという事情はあるため怒りの矛先を向けようのない クレイをなだめすかしつつ砂船は砂漠を行く。 そのころ、なんとか体を起せるくらいに傷がいえたフォウルは小屋の主人で あるババデルに礼をいい、そこから改めて皇都を目指すことに。 山を下る途中で、森で出会った呪術師ヨムと再び遭遇。今度は炎の魔鳥カフー を召喚しフォウル抹殺を試みる。 カフーを病み上がりとは思えない絶大な力で退けたフォウルは、その力に 驚嘆するヨムをよそにドラゴン「スピリチュアル」に変身し空路で皇都を 目指す。が、させじとヨムは再びカフーを召喚しフォウルを追撃させる。 スピリチュアルと化したフォウルとカフーの激しい空中戦。だが、さすがに いまだ傷が癒えきってないフォウルはカフーを振り切ることが出来ず、逆に 熱線を食らい森に墜落する・・・。 344 ブレス4 sage 04/03/06 02 45 ID zUC1Qw/S うはぁエコーナイト担当の人すまぬ。 では 343の続き 荷物扱いでハシビトの町に到達した一行は、その町にある大帝橋を使えば 帝国領に入れるという話を聞く。しかもその日は運良く大帝橋が稼動する 日なのだそうだ。この幸運を利用しない手はない、ということで早速塔の ようになっている大帝橋を上る。 頂上にたどり着くと、そこには呪術的な装置があり、絶妙のタイミングで 口が開く。どうやら大帝橋というのは呪術的な転移装置のようだ。 いざ帝国領へ、エリーナのところへ・・・というところで背後から一人の 男が。サライの町で暴れていた帝国軍将校ラッソが突如現れる。 サライでの屈辱を晴らすべく新たな鉄鬼イメカフを召喚し一行の抹殺を図る。 連続攻撃(コンボ)に弱いという致命的欠点を突きイメカフを破壊すると、 今度は大帝橋の様子がおかしい。どうもいまの戦闘の余波でせっかく開いた 大帝橋が閉じようとしているようだ。ということで更なる屈辱に震えるラッソを 尻目に空間の裂け目に飛び込む。 かくして帝国領にたどり着いた一行。大帝橋を下り近くのアスタナという町に。 巨大兵器「呪砲」が鎮座するこの町には水路があり、それは奥の基地にまで 続いているという話を聞く。そこであの予知夢を思い出した一行は水路から 基地に忍び込めばエリーナに会えるとひらめき、水道修理工のフリをして 水路に行き、潜水して基地内部への侵入を試みる。 基地内部と思われる部屋にでると。そこは夢で見た光景そのもの。ここに エリーナがいるという強い確信を抱き、夢をなぞる様にカーテンの裏を忍び 歩き。この先にエリーナが・・・と思うもつかの間。その行動は基地主任で ありかつ帝国の宰相でもあるユンナに気付かれ、先回りしたユンナは兵を伴い 一行を包囲する。 現在休戦状態にある帝国の、しかも軍事施設に東の国ウィンディアの王女や フーレン族族長がいるとあっては外交問題に抵触しないはずがない、と語る ユンナに対しクレイはここにエリーナがいるはずだと問いかけるが、それを ユンナはそんな「人間」はいない、と一蹴。 そして彼らは東側の国ルディアへと強制送還されるのであった・・・。 かくして第1章終幕。 376 ブレス4のひと sage 04/03/07 01 11 ID H7boZygL 344の続きいきます 第2章 うつろわざるもの 第4部 王家の剣 休戦中の帝国に勝手に立ち入っただけでなく軍事施設にまで無断で立入った ということで東の連盟国のひとつルディアに強制送還された一行。クレイは ニーナをそそのかして勝手に連れて行ったと釈明し一人で尋問を受けることに なる。 そんなクレイを放ってはおけないニーナ。リュウとマスターを伴いクレイに 会いに行こうと拘留されている家を出るとそこで自分たちの監視役として ルディアに雇われた傭兵サイアスが立ちはだかる・・・が、自分の役目は 監視することだけだ、と語る彼はクレイに会いに行くことはおろか家から出る ことすら咎めようとせず、あまつさえ同行すると言い出す。 ということでクレイに合わせて欲しいとルディア城を訪れるも、宰相イゴーリ により一蹴される。 何かクレイの立場を少しでも良く出来る手だてはないものか、何かクレイを 助ける手立てはないものかと考えた結果、クレイのふるさとに行けば何かいい 知恵を貸してくれるかもしれないと思い立ち、それをリュウとマスターに進言。 他に手立てもないのでその案を実行することにする。 サイアスはそれすら止めようとはせず、監視するのが自分の役目とだけ語り 一行に同行する。 フーレンの里への道中立ち寄ったバーウッズの森。一刻も早く通り抜けようと していると、突然ニーナの姿が見えなくなる。 一方ニーナは周りの景色がいやに大きくなっていることに・・・否、自分が 小さくなってしまったことに気付く。リュウ達に危うく踏み潰されそうに なりながらも自分が小さくなってしまったことをアピールしようとするが 気付いてもらえず、しかも小鳥に雛鳥と間違えられて巣に連れて行かれてしまう。 そんなこととは思いもしないリュウ達はニーナを探す。すると姿は見えない ものの声がする。しかしリュウにはそこに妖精がいることに気がつく。 リュウに姿が見られていることに気がついた妖精たちは、竜眼なんて反則だ といいつつニーナをいたずらで小さくしたことを認め、小鳥に連れ去られた と証言。小鳥の巣がありそうな木にマスターが頭突きを敢行する。 巣がある木を揺らされて大慌てのニーナと小鳥。安心させようとその巨体で ニーナに迫り巨大なミミズや虫をエサだといわんばかりに与えようとする 小鳥をニーナはなんとかやり過ごして巣から飛び降りると妖精の魔法が 解けて元に戻り、落下を防ごうとしたリュウを下敷きにして無事着地。 ごめんなさいと素直に謝る妖精たちに別れを告げ、フーレンの里を目指す。 やっとのことで辿り着いたクレイのふるさとフーレンの里。だが里の長老たち では打開策は浮かばず、東に広がる草竜が住まうといわれる黄金平野にテント を構えるクレイの母ターボなら何かよりよい知恵を貸してくれるはずだと教えて くれる。 長老たちの家を出たところになぜかいた元マーロックの用心棒カーンを4人 がかりで袋叩きにして、黄金平野を渡るべく馬を借りようとする一行。 だが馬を乗りこなすには時間がかかる。そんなとき、一匹のオーム(大きな 宙に浮くオウム貝みたいな生き物)がなぜかリュウになつき、これならリュウ ひとりとはいえターボに会いに行けるのではということで、リュウ一人で オームに乗ってターボに会いに行くことに。 377 ブレス4のひと sage 04/03/07 01 41 ID H7boZygL 376の続き かくして一人オームに乗ってターボに会うべく黄金平野を渡るリュウ。 事前に聞いた目印を頼りにしてターボのキャンプに辿り着いたリュウは事の 次第をターボに語る。ターボはリュウに、サライで折られた王家の剣をグー の火山にいる鍛冶屋に頼んで元に戻せばクレイの立場もよくなるはずだと進言。 ちょうどそのときルディアでは、クレイが王家の剣の所在を追及されている ところであった。 仲間たちのところに戻ったリュウはこのことを告げ、フーレンの里でグーの 火山の所在を聞き出し今度は皆で黄金平野を歩いて渡る。 火山の奥に住まう、防呪鎧つくりの名人でもあり鍛冶屋でもある老人は一行に 王家の剣を作ったのは自分だが、材料のフェアリィドロップがないから パーウッズの森にいる妖精から貰って来て欲しいと依頼する。 かくして再び妖精が住まうというパーウッズの森に来た一行。そこで以前 会った妖精たちから、自分たちの住む世界が「ムンマ」とその子供5兄弟 に占拠され仲間も殺されてしまったと語り、ムンマ達を倒してくれたら フェアリィドロップを譲ってくれるという。 妖精の導きによりムンマ達が占拠した妖精の世界へ。そこで敵対するものなど いないが故に高いびきのムンマの子供5兄弟を一匹づつ倒すと親玉ムンマが。 打撃で巨大化・魔法で縮小という特性を持つムンマをなんとか倒し、妖精の 世界を救った一行はお礼にフェアリィドロップと今後の旅での相互協力を 提供してくれる。 フェアリィドロップを手に入れた一行はさっそくグーの火山に行き王家の剣 を作り直してもらう。 これでクレイの手助けが出来る、と意気揚々でルディアに戻ってきた彼らを 待っていたのはサライで折れた王家の剣の、置いてきてしまった刃のほう。 ラッソが拾ったのか帝国からルディアに送られており、これで八方ふさがり。 こうなれば無理やり城に忍び込んでクレイを救い出して逃げるしかない、と いうことで夜を待つべく仮眠をとることに。 そのころ、カフーに撃墜され深手を負い森に墜落したフォウルは、ジンガ山地 に程近いソン村でマミという女性に介抱されていた。 夜も更けてきたところでルディア城への侵入を試みるリュウ達。 眠りこけている兵士を仲間を呼ばれないように1ターンで倒しながらクレイ の元へ。クレイのところに辿り着いた一行は事情を話し、このままでは らちがあかないということでルディアを脱出し、フーレンの里を目指す。 379 ブレス4のひと sage 04/03/07 02 14 ID H7boZygL 第5部 風竜ラーウィ ルディアを脱出しフーレンの里に辿り着いた一行。やはりいい手が思いつかない 長老たちはまたもターボのところに行ってみてはどうかと勧める。 ということで、黄金平野のターボのキャンプへ行き、事情を話す。ターボは リュウのことに気がついたのかウィンディアにある風読みの塔を上り風竜 ラーウィに会って神託を受けてはどうか、と提案。翌日ウィンディアへの 道をふさぐ神殿の封を解く「みどりの玉」をもらい、神殿を越え、巨大ヘビ が住まうアムの沼を越え、ニーナの故郷ウィンディアに到着。 ニーナの口利きで、ニーナの父であるウィンディア王に謁見した一行は、 風読みの塔に入るには城の地下にある洞窟にある「風切りのフエ」が必要で、 洞窟に入るには東のカスクの森に住まう風の巫女に会って許可をもらう事が 必要だ、と教わる。 カスクの森の風の奥にいる巫女に会うと、リュウを見て、将来動乱が起きる とき「アルカイの竜」とよばれる竜が現れ世の行く末を決めることになる、 と語り、リュウと風竜が会うことに意味を見出し「風切りのフエ」を手に することを許す。 森からウィンディアに帰る道中のキャンプで、これまで黙って付いてきた サイアスがやはり黙って何処かへと去っていく。 ウィンディアに帰った一行は王に許可が貰えたことを告げ、城地下の洞窟へ。 時折吹き付ける強風、風を利用したトラップをうまく攻略して「風切りの フエ」を手に入れ一路風読みの塔へ。 そのころ、一行のもとをはなれたサイアスは雇い主であるルディアの宰相 イゴーリのもとに帰っており、リュウ達の行動や、リュウが竜であるらしい ことを告げる。 風読みの塔に辿り着いた一行は「風切りのフエ」を使い中に入り、吹き上げる 強風を利用しながら頂上を目指す。 頂上には巨大な風車とその先端に船のようなものが据え付けられていた。 どうやらこれに乗り風を受けて飛べば風竜に会える、ということのようだ。 いざ風竜に、と思ったそのとき背後から憎々しげな声。そこにはルディア 宰相イゴーリとその直属の暗殺部隊、そしてサイアスの姿が。サイアスの 報告を聞いたイゴーリはリュウが本当にリュウなら帝国の初代皇帝フォウル のような神がかり的な力でルディアに世界の覇権をもたらしてくれるはずだと 画策し、邪魔者であるニーナたち、そして事情を知るサイアスを消そうとする。 これに静かな怒りを燃やしたサイアスはイゴールを裏切り、リュウ達とともに 暗殺部隊、そしてイゴーリを退ける。 当面の問題も解決したところで一行は乗り物に乗り、風の導きのままに空を 舞う。そこで雲を割って現れる巨体、風竜。風竜ははるか昔に自分たち竜を 召喚したチェクという村に行き、そこで己のこと、竜のことを知るといい、 と語り、チェクの村に程近い大雪山の頂上に導く。 380 ブレス4のひと sage 04/03/07 02 40 ID H7boZygL 379の続き。379の最後の「そこで」は消し忘れミスなのでスルーして下さい。 第6部 聖地 風竜の導きのままに大雪山に辿り着いた一行。雪玉で途切れた道を塞ぎつつ 山を下るとそこには風竜が行っていた、かつて竜を召喚したチェクの村が。 なぜか子供ばかりという不可思議な村を散策し長老に会う。すると長老は リュウを「アルカイの竜」と呼び、リュウが竜であること、そしてマスター の中にはどうやら竜が眠っているようだ、と語る。 翌日、一行はマスターの中に眠る竜と対面するため、チェクの長老の力を 借りてマスターの心の中に入ることに。 マスターの精神世界では4属性をつかさどる柱によって封印された、ディース と名乗る女性が。封印を解きたかったらそこの柱どもをぶっ壊せという彼女の 言葉のままに柱(ボスモンスター)を倒し封印を解く。 これまで「マスターが~と言ってます」と言っていたマスターの珍奇な発言は 彼(というかディースが封じられたことによりかりそめの生命を持った防呪鎧) が内にいるディースの言葉を外に伝えていた、ということなのであった。 第7部 アルカイの竜 ディースの封印を解き実世界へ戻ったリュウ達はそこで一休み。 そのころ、フォウルはマミが作ったメシを食っていた。 翌日、チェクの長老はマスターの中にいたディースを、精神体だけの存在で あるディースを受け入れるための巫女であるリームの中に移し、リームの体を 借りたディースは、かつて帝国はチェクの村で召喚された竜に対抗するべく 竜を召喚しようとしたが、ディースは不完全な状態で召喚されてしまったため 防呪鎧の中に定着してしまい、元々半身が足りなかったフォウルの半身リュウ が今になってようやく姿を表した、と語る。 そのころ、体調が万全でないフォウルはそれでも皇都へ向かおうとするが、 マミの家を出たところで村人にマミとのことを冷やかされる。 ディースはさらにリュウの半身フォウルはかつて神がかり的な力で帝国を 築き上げ神皇とまでよばれ崇められた存在であるがあるとき眠りにつき、 半身であるリュウが現れた今眠りから覚めているだろうと語るや否や疲れたと 言い放ち眠りこけてしまう。 381 ブレス4のひと sage 04/03/07 03 39 ID H7boZygL 380の続き そのころフォウルは、マミにかつて神皇とよばれた初代皇帝のことを語りだす。 翌日体調も行動するには問題ないくらいに回復したフォウルは体ならしもかねて ソン村を散策。畑仕事をしていたマミと話をしていると突然村はずれから 逃げてくる村人たち。なんでも突如巨大な魔物があらわれ襲われたのだそうだ。 フォウルがそこに向かうと巨大な獣「パパン」が。傷も癒えたフォウルは「パパン」 を難なく撃退し村に戻る。そこで村人から感謝のまなざしと、怖れを込めた視線 を受ける。 ディースが眠ったままではらちがあかないので再びチェクの長老の力を借り リームの精神世界へ。そこでディースは・・・逆ハーレムかホストクラブか いい男どもをはべらせ優雅に振舞っていた・・・。 これだからニンゲンは無粋で嫌になる、などと愚痴をこぼしながらしぶしぶ 覚醒するディース。そこでリュウにいずれは半身であるフォウルと一体に なる時がくる、と語る。 実世界に戻った一行とやっとこさやる気を出したディースは、かつてチェクの 人々が竜を召喚したとされるアルカイの神殿へ向かおうと言い出す。 野ざらしはよくないということでマスターだった防呪鎧を長老の家に運び込み アルカイの神殿へ向かう。 道中、どういうわけかディースがいないただの防呪鎧のはずのマスターが動き だし、一行の後を追う。どうやら長いことディースを内に封じていたことで かりそめの命ともいうべきものが宿ってしまったようだ。 追いついてきたマスターを、ディースは自分が中にいなきゃただの鎧だと 激しくなじり、それをニーナが慰めて、しょんぼりとマスターはチェクの村へ 帰っていく。 アルカイの神殿の奥、竜を召喚したとされる場所でディースは世界各地に 存在する7体の竜を呼び寄せる。 そのころフォウルは、畑仕事をしていたマミから、地震が頻発するように なると近くのヨギ火山が噴火する、という話を聞く。今回の地震はおそらくは 自分の覚醒、半身の出現などにより強くなった竜の神気に当てられた魔物の 仕業であるとにらみヨギ火山へ。火山の洞窟では神気にあてられ自らを神で あると思い込み暴れだした「イワオカイン」がいた。しかし本物の神である フォウルにはかなうはずもなく消滅する。 村に帰ったフォウルを迎えたのは、ソン村長老の冷ややかな視線であった・・・。 ディースの呼びかけに応じ意識体で表れた竜たちは、自分たちが神・うつろわ ざるものと呼ばれる存在であり、元はここではない世界の住人であったがかつての チェクの村人により世界の営みを安定的なものにするためにこの世界に呼ばれた存在 であると語り、世を乱さんとするリュウの半身に対抗するだけの力を授けよう ということに。(このあと各地の竜に出会うと「竜召喚」を覚えられる) 382 ブレス4のひと sage 04/03/07 03 41 ID H7boZygL 381の続き。本文長すぎって言われちゃったよ。で、 379は 377の続き。 リュウ達と各地の竜とが邂逅していたそのころ、チェクの村には帝国の軍勢が。 逃げ遅れた長老を逃がすべくマスターは帝国兵を撃退していくが、そこに 三度ラッソが。マスターは果敢に立ち向かうもラッソの一撃のもとに破壊されて しまう。 リュウ達が村に戻った時には既に遅く、帝国兵が逃げた村人を追い出て行き、 無残に破壊されたマスターが転がるだけであった。隠れていた長老を始めと する村人の話で捨てられた村に皆避難したと聞き、動かなくなったマスターを 長老の家に入れて捨てられた村へ向かう。 その晩、長老とディースは動かなくなったマスターを前に、共に長く生き過ぎた もの、多くのものを見すぎてしまったものとしてうつろうものの儚さを語り合う。 捨てられた村に向かう前にテントで一泊した一行だが、リュウが起きると そこには他に誰も居ない。不思議に思いテントを出るとそこには帝国兵に とらえられた仲間と帝国の将校アースラが。村人が避難した捨てられた村に 行き、そこで村人や仲間の安否と引き換えにリュウを帝国に連れて行こうと いうアースラの提案をリュウは断れるはずもなく、捕らえられたまま 捨てられた村へ。 そこで待っていたのは、ラッソによる村人の虐殺だった。 命令に背くのかというアースラの言葉を無視しさらに虐殺を続けるラッソ。 その行為に怒り立ち向かう一行の前に立ちふさがるは最強の鉄気アイトー。 一行は死力を尽くしアイトーと戦うも、ドラゴンと化したリュウの攻撃ですら 受け流すほどの力を持った堅牢な盾を持つアイトーを倒す手段など持ち得ない。 傷つき、倒れていく仲間たち。 そしてアイトーの巨刀がリュウを貫く。 リュウが凶刃に倒れるそのとき、リュウの中で何かが弾ける。 リュウの内に眠っていたカイザードラゴンが、怒りのままに目を覚ます。 カイザードラゴンのブレス攻撃・カイザーブレスの前にはいかな攻撃も 受け付けないと思われたアイトーの盾も粉微塵に吹き飛び、怒りの拳が アイトーの体をただの鉄屑に変えていく。 アイトーの絶対の力を信じていたラッソはカイザードラゴンと化したリュウに ただただおびえ、逃げようとするも腰が抜けて立つ事も出来ず、ひたすらに 命だけはと懇願する。 しかし、怒りの感情しか持ち合わせていないリュウはカイザーブレスを撃ち、 ラッソを、村を、消滅させる・・・。 これにて第2章閉幕。 516 ブレス4のひと sage 04/03/12 01 35 ID i6rvUnbg あぶねぇ回線エラーのおかげで流れぶった切らないですんだわ。 んではブレス4の続きを少々。 382の続きです。 第3章 ながれ 第8部 さだめの道行き リュウ達がアルカイの神殿から捨てられた村へ向かおうとしている頃、フォウル が滞在していたソン村に帝国軍が。村長が帝国に神皇と思しき力を持った者が いる、と報告したようだ。帝国軍の目的がフォウルであることを察したマミは かまどから逃げるようにフォウルに告げ扉を押さえる。 それに少し戸惑い、ためらいながらもフォウルは村の外に。 フォウルが村の外に出た頃、帝国兵はなぜかマミを拉致し、さらにフォウル 捜索を続ける。 マミのことが心配になったフォウルは村に引き返そうとするが、途中で村の 若者にマミの気持ちを無駄にするなと言われ、その言葉に従い村を後にする。 ソン村から皇都に行くためにはほこらを通らねばならないのだが、その扉は 供物を捧げることでしか開くことは出来ない。どうしたものかと思案する フォウルの前に、いつぞや撃退した「パパン」が。「パパン」は自らほこらの 扉をこじ開けんが如くに突撃を繰り替えし、そして命尽きる。 自ら供物になった「パパン」の姿に驚きを隠せないフォウル。 「パパン」の姿にうつろうものの有り様の一端を垣間見、物思いに深けながらも ほこらの洞窟を抜け、ソマの森を越えようとする。その時、禍々しい気配を感じる。 その時、ヨムはアスタナ基地では拉致したマミを呪砲発射のための「ニエ」 (生贄)にし呪砲によりフォウルを抹殺せんと画策。 そして、マミをニエにした呪砲が発射される。 呪砲はフォウルに直撃し、ソマの森を呪いまみれにする。 だが、フォウルは生きていた。ボロボロになりながらも、呪いまみれのソマの 森を越え、皇都へ向けて歩き続ける。 カイザーブレスにより崩壊した捨てられた村。 リュウはカイザードラゴンの暴走が納まった後眠り続けていた。 その一方で奇跡的に生き残ったニーナ達はこれまた奇跡的に生き残った アースラを簀巻きにし帝国に乗り込むから道案内しろ、と迫る。 そうこうしている内にリュウが目を覚ましたので、今後のこともあるので とりあえずチェクの村の長老に相談しに行く事に。 チェクの村の長老からリュウのこと、半身のことを聞いたアースラはカイザー の力を鑑み、半身を会わせてみるべきだろうということで帝国への同行を 承諾する。さらに、事態を重く見たディースはリームの中では同行することも ままならないということで、マスターの中に戻りマスター共々付いていくことに。 帝国に行くならハシビトの町の大帝橋、ということでラフト山をいかだで激流 下り(ミニゲーム)しつつ下山しハシビトの町への砂船が出ているシェドの町へ。 517 ブレス4のひと sage 04/03/12 02 14 ID i6rvUnbg 516の続き ハシビトの町に行くには砂船が必要・・・だが、いつぞやのように荷物に なって送ってもらうという手は使えそうもない。となると砂船を買うしかない わけだが、船商人が提示した額はあまりに高額でとてもじゃないが買えない。 と、ちょうど砂船が出るという話が。船になんとかして同乗させてもらえないか 交渉するべく舟を止める手立てはないものかと思案していると、アースラは おもむろに銃を抜き、砂船に向けて発砲する。 なんとか船を止めることに成功した一行の前に現れたのは、何の因果かマーロック。 先に帝国へ進入したときの一連の騒動で一行に負い目を感じていたマーロックは その償いといわんばかりに砂船が買えるだけの額の小切手を切ってよこしてくる。 その小切手で砂船を買い、ハシビトの町へ。 (砂船で移動するときはタイムアタックレーシングのミニゲームになる) ハシビトの町に付いたはいいが、いつぞやのラッソ(というかイメカフ)との 戦いの際に大帝橋は壊れてしまい復旧の目処が付かず帝国領に戻れないという。 大帝橋が使えないとなると、北のシオの海を越えなければ帝国領には行けない。 ということで今度はシオの海を渡る船が出る港町シュークを目指すことに。 (この世界の海は北に広がるシオの海以外はすべて泥の海で、そのせいで船 はシオの海でしか航行できない) 砂船に乗せて欲しいと頼む商人をアクロバティックにかつベストスコアを 出すべく激走する砂船に乗せて謝礼を貰ったり、ロープウェイで行き来する ギガ山を越えたりしたところに関所が。クレイは衛兵に事情を話して通して もらおうとするも全く取り合ってもらえないばかりか襲い掛かってきたので クレイ一人で衛兵二人を撃退するも増援が。そこで、近くの荷台をトランポリン 代わりに大ジャンプで関所を飛び越え、一行はシュークへ。 かくして東大陸唯一の港町シュークに辿り着いた一行は早速船に乗せてもらえ ないかと頼む・・・が、船長に水神の許可がない人間を船に乗せるわけには いかないと断られる。ならばということで北にある水神のほこらへ。 水神のほこらで海竜に出会った一行はシュークに戻り、許可は貰ったから 船乗せてくれと頼むが、今度は船は女人禁制だからどうしてもというなら連れの 女二人には試練を受けてもらわねば、ということに。 第一の試練はマストの上での決闘で、相手を踏みつけ押してマストから落せば 勝ち、というもの(ミニゲーム)。ここはニーナが有翼人という大きな アドバンテージを利用し勝利。 第二の試練は船倉で一晩明かす、というもの。なかなか寝付けない二人のところに 突如幽霊(ドッペルゲンガー)が。これを退けてさぁ寝よう・・・とするも なにやらコソコソと動き回る声。良く見るとそれはネズミファミリー・・・と いうことで、ついでにネズミ退治をすることに。 無事ニーナとアースラは試練を突破したことでもう船長は乗船を断る理由も なくなり、いざシオの海へ。 潮風に吹かれながら航行を続ける一行。その時、なにやら海の底から泳いで 上がってくる謎の影が。それは海面近くで大きくジャンプ、船上に躍り出る! ・・・それはフーレンの里で袋叩きにしたはずのカーンであった。 嗅ぐと毒に犯されるほどの激烈な屁を振りまいてくる危険極まりないカーンを 6人で袋叩きにして海の藻屑にしてやる。 カーン襲来から数日、いまだ航行を続けていると不意に風が止まる。 風がなくては船は人力で動かす他ないがそれではとてもじゃないが持たない。 その時、マストに登っていたニーナは遠くに島を見つける。 船員たちが言うにはそこはおそらくシオの海を荒らす海の魔人の住処では ないかとのこと。そんなやつを放ってはおけないということで、海の魔人が 住む火の山島へ向かう。 197 ブレス4のひ と sage 04/03/16 04 06ID apJYWtAe 割り込みかけてしまっていたら悪いのだが、投下希望を無視するわけにもいかんので ここいら で少々。前スレ517の続き。 第3章 第9部 おろかなるもの シオの海の風を止めている原因を思われる魔人を倒すべく火の山島に辿り着いた一行。 難破船伝いに、人魂の導きを受けながら奥に進むと、そこにはヨギ火山の イワオカインと同じく神気に中てられ自分が神であると錯覚した魔物「セント」が。 子分「エルモ」を召喚しつつ襲ってくる「セント」を撃破しシオの海の安全を 取り戻した一行は改めて西大陸を目指す。 かくしてシオの海の終着点であるリプの村へ到着。ここで村人から西の島々の ジャングルのどこかには原住民パプパプ族が住んでいることを聞き、その人たちなら 帝国領への行き方を知っているかも、ということでとりあえずそのパプパプ族とやらに 会ってみることに。 ということでジャングルを歩く一行だが、その行く手に謎の毛玉が。 なにやら言語と思しきもので何かを訴えかけているような気がするその毛玉に 食い物を見せると物欲しそうな目をする。つまりこりゃ腹が減ってたんだな・・・ ってなことで腹いっぱいメシを食わせてあげる(ミニゲーム)。 腹いっぱいになった毛玉が御礼とばかりに案内してくれたのはパプパプの村。 そこで探検家ベイトからパプパプ族の言葉の翻訳の仕方と帝国領への行き方を 教わる。と、そこへ毛d・・・じゃなくてパプパプ族が。ベイトが言うには どうやらパプパプ族の一人が重い病気になってしまったとのこと。 手持ちに特効薬がないがリプの村ならあるいは、と語るベイトの言葉を受け 一行はリプの村へ戻る。 リプの村に戻った一行は村人から、シオの海の孤島に生えるモズ草なら治療に 使えるという話を聞くが、今生憎と船は・・・というところで先に世話になった 船長が。セントを倒した礼も兼ねて船を好きに使ってくれという船長に礼を いいつつモズ草の生える孤島を探しシオの海を巡る・・・。 モズ草を手に入れた一行は早速パプパプ族の村に戻り薬を作って病気のパプパプ人に。 元気になったパプパプ人やベイトの感謝の言葉を背に、一行は浅瀬伝いに 帝国領に向かう。 205 ブレス4のひと sage 04/03/16 04 36 ID apJYWtAe 197の続き ベイトから聞いた話ではこの諸島郡は潮が引いていれば歩いて渡れるのだが 満ち引きの都合では何日も足止めを食らうかもしれないとのこと。でも夜も 深けてきたら寝るっきゃないでしょ、ということでキャンプを張る一行。 だが、目が覚めたらそこは孤島と化していた・・・。 ただ一人イライラを隠せないクレイをよそに潮が引くまでまったりすごす一行。 食料を確保しに森へ向かうリュウ・ニーナ・アースラ。岸辺で都合よくさおDXを 見つけ釣りに興じるリュウをよそに女性陣はなにやら泉のほうへ。 なんとか食えそうな魚を何匹か確保して(このゲームではここの他各地で釣りが でき、釣った魚はHPなどの回復にも使える)ほくほく顔のリュウが泉で見たものは・・・ 女性陣の水浴び。 偶然のラッキーチャンスに息を潜めるリュウ・・・だったがアースラは気がついた ようで弾丸一発。恐怖を胸にそそくさとキャンプへ戻るのであった。 そのころ、皇都になにやらボロボロになった銀髪の男が現れる。 そう、フォウルである。 懐かしの皇城。城の守護者アーターに皇都を崩壊させるように命じ玉座を 目指すフォウルの目前に現れたのはヨム。切り札の強化型炎の魔人カーポと 強化型炎の魔鳥カミュを次々に召喚しフォウルを滅せんと襲い掛かる。 しかし、リュウがカイザーに目覚めると共にもうひとつの最強竜タイラントに 目覚めていたフォウルにはかなうはずもなく、2体の召喚獣は光に消える。 切り札をあっけなく破られたヨムは、自分の価値はもはやない、やはり神皇になど かなうはずもないのだ、と言い残し自決する。 ヨムの死体を背に皇帝専用の直通エレベーターで最下階を目指す。 最下階で待っていたのは帝国兵と呪術師。竜の力を封ずるという結界を張り 皇帝を守らんとするも、その結界もタイラントの力の前にたやすく崩れ去り 帝国兵達も塵と化す。 そのころ玉座では、フォウル出現におののく皇帝に宰相ユンナが神をも殺せる 剣「神鉄の剣」を授け、これでフォウルを殺せば貴方は皇帝のままでいられる とそそのかす。 帝国兵を蹴散らし玉座に座りガタガタ震える皇帝の前に立つフォウル。 盟約に従い玉座を明け渡せと迫るフォウルに皇帝は神鉄の剣を突き立てる! ・・・が、フォウルは倒れない。打つ手もなくただ哀れに震えるだけの皇帝 の手から神鉄の剣を打ち払い、返す刀で首を跳ね飛ばす。 こうして、神皇フォウルは再び皇帝として君臨することとなった。 そして、フォウルは魔物の巣窟となった皇城の最下でいずれ来る半身を待つのであった・・・。 そんなフォウルの壮絶な死闘をよそにニーナと釣りに興じるリュウ。 今日も釣れてほくほく顔でキャンプに戻ってみればいいタイミングで潮が引いている。 これなら帝国領にいける。一行は帝国領北の玄関であるコウシア村へ向かうのであった・・・。 256 ブレス4のひと sage 04/03/17 01 48 ID DZQO7yZs 205の続き。帝国領に入っていよいよ物語も佳境です。 第3章 第10部 西の大陸 シオの海・サルディン島と北部をぐるりと回ってようやく帝国領の北の玄関口 コウシア村に辿り着いた一行。なにやら不思議な水晶があるという遺跡エン・ジュ の噂を聞きつつ、先に向かおうとするも道が分からないということで知っている 人を探すことに。どうやらチクア村にいる珍品コレクター兼商人のフーという 男が知っているようだ。ということで、シャン川を渡りチクア村へ向かう。 チクア村で商人フーと出会い話を聞こうとするも、交換条件を出される。 何でもエン・ジュ遺跡にある珍しい水晶か、コウシア村名産の壷か、地元料理 シースーの具になる魚「火星ダコ」・「ジャケ」・「タイタン」を釣ってくるか どれかを選ぶことに。 とりあえずエン・ジュ遺跡の水晶から当ってみる。古代の仕掛けを解いて進むと そこにあったのは巨大な水晶。これにリュウが触れると水晶の中にある意識が 語りかけてきてドラゴン「ヘンナー」の力を得る。 (他にも各地の同様の水晶があり、それに触れることでワイバーン・ベヘモス・ ウォリアの力が得られる。またミニゲームの成績によるポイントでパワーアップもする。) ということで水晶は渡せなくなったので、コウシア村名産の壷か魚を釣って フーに渡すことに。交換条件は成立、運河を渡った先のパウク村の村長は皇都に 行った事があるのでそいつに聞いてみるといいだろうという話を聞かせてくれる。 ならば、ということでパウク村に向かうことになる。 258 ブレス4のひと sage 04/03/17 02 15 ID DZQO7yZs 256の続き 第11部 みちびき 商人フーの助言に従い、運河を渡りパウク村に到着した一行は、早速皇都への 道のりを知っているという村長に会うことに。 村長の家では、村長はなにやらお困りの様子。何でも西の森に作ったサクから 入れておいたニワトリが脱走してしまいどうしようもないとのこと。 お安い御用とばかりに西の森に散らばったニワトリをサクの中に入れなおし (ミニゲーム)村長のご機嫌をとると、皇帝墓所の奥には秘密の抜け道があり、 そこを通れば皇都に行けるという話を聞ける。 早速皇帝墓所に向かった一行を待ち受けていたのは墓所の守護神オンクー。 さすがに神皇の墓を守護するだけあって手ごわいオンクーを退けた一行は墓所の 中へ。中では数々の仕掛けとサイコロ型の守護獣「シャイ」・「ツウ」が待ち構えて いた。 辛うじて墓所から抜け道に出て、しばらくぶりの陽光を浴びる一行。 (ちなみに、抜け道を出たところにある隠し部屋にはラスボスを越える実力を 持ったこのゲーム最強のザコ敵が出る) ジンガ山地を下ったところで世も深け、キャンプを張った一行。 そこでクレイは長らく抱いている疑問をアースラにぶつける。なぜ自分たちを 捕縛、連行せずあくまで同行という形を取っているのか。 アースラはその問いに、上官であるルーン将軍の下に連れて行くことが第一で あるが、リュウ達の協力なくしてはここまでは来れなかった、と答える。 夜も明けて皇都へ向かおうとした先には検問が。アースラが事情を聞くと、皇都では 魔物があふれ暴れまわっているので如何ともしがたく、軍本部のあるアスタナに 向かいルーン将軍に会って欲しいと言われる。 ということで、因縁の地アスタナに向かうことになる。 そこで衝撃の真実が待ち受けているとも知らずに・・・。 266 ブレス4のひと sage 04/03/17 02 51 ID DZQO7yZs 258の続き かくしてルーン将軍に会うべく再びアスタナを訪れることになった一行。 だがルーン将軍とは入れ違いになる。しかし将軍の口ぞえなのか基地の奥深く まで入れるように手配されていた。 そして、かつて訪れたときはユンナに追い返されたあの廊下の先へ。 そこには見るもおぞましいほどの、見上げるほどに巨大化した内臓と思しき 物体とそれを保存するためなのか水槽が。その不気味な光景、帝国の秘密を 垣間見ながら進むと臓器に道が塞がれていた。 その時、女性の声が聞こえてくる。ユンナが持つ神鉄の剣を持ってすればその臓器を 断ち切ることができる、と。 その声にクレイとニーナは驚く。そう、長らく捜し求めていたエリーナの声に 間違いなかったからだ。 エリーナの言葉に従いユンナの行方を聞くと、どうやらダンの関のほうに逃げ出した ようだ。急ぎダンの関に向かうとそこにはユンナが。 素早く捕まえ怒りを露にして神鉄の剣をよこせと迫るクレイの気迫に圧倒された ユンナは、隠し持っていた神鉄の剣を投げ捨て一目散に逃亡する。 神鉄の剣を手に入れ意気揚々とアスタナ基地へと戻る一行。道を塞いでいた 臓器を断ち切り向かった先には逃げたはずのユンナが。ユンナは、もはやエリーナ などという「人間」はこの世に存在しないとだけ言い残し再び姿をくらます。 そんなユンナの捨て台詞など気にも留めずに先に進むと、そこには豪奢な ベッドに横になるエリーナの姿が。やっと会えた、ウィンディアに帰ろうと いうクレイやニーナの言葉に、それはできない、と応えたエリーナは語る。 マーロックの導きを受け帝国領に入った後ユンナらに捕らえられ、ありとあらゆる 呪法をその身に受けてしまい、その姿はもはや異形のものと化してしまっている。 呪砲が最も威力を発揮するのは、発射対象に思い入れがある人間、発射対象の 周囲にいる人間から慕われている人間をニエにしたときであり、帝国からしてみれば 東側の各地の町で慕われていると判断された自分は最高級の弾丸であり、しかも 先に語った呪法を受けたこの体は、たとえどれほど切り刻まれてもそれが神鉄の剣に よるものでない限り復元し、無限の弾丸となる。 もはやこの身は人工的に作られた「うつろわざるもの」であり戦争の道具と なってしまっているのだ、と。 信じられないとばかりにクレイは力任せに布団を剥ぐと、エリーナの腰から下は 先ほど通ってきた地下にあった肥大化した臓器と繋がっていた・・・。 最後にエリーナは、クレイと二人きりで話がしたいと言う。その言葉に従い クレイとエリーナは二人きりに。 旅のこと、仲間のこと、お互いの想い。 そんな話の後、エリーナはクレイに懇願する。その神鉄の剣で自分を殺して欲しい、 せめて貴方の手で殺して欲しい、と。 クレイは、エリーナのため、神鉄の剣を振り下ろすしか、なかった・・・。 334 ブレス4のひと sage 04/03/18 01 17 ID +9cnj19R 266の続き。宣言通り今日のカキコで終わりです。 終章 うつろうもの 第12部 旅の終わり/第13部 神とヒトと エリーナと再会できたものの結局は何もできず悲嘆に暮れる一行。だが、まだ 旅の目的がすべて果たされたわけではない。皇城にいるはずのリュウの半身と 会わなければならないという目的がまだ残っている。 悲しみを振り切りアスタナ基地を出た一行は、皇都に向かう途中の、先に封鎖 されていた場所にいた帝国兵からルーン将軍が残存兵力を集め皇城に攻め入った という話を聞き、急ぎ後を追うことに。 呪いにまみれたソマの森を迂回しついに皇都に辿り着く。皇都は既に魔物の 巣窟と化しており、並み居る魔物を蹴散らしながら皇城の城門に辿り着くと、 そこにはフォウルが放ったアーターが待ち構えていた。 皇城の守護獣だけあって強力な冷気を放ち襲い掛かるアーターを撃退すると、 城門の脇には既に息絶えた兵士達と傷ついたルーン将軍が横たわっていた。 アースラは育ての親も同然のルーン将軍の手当てをする。そんなアースラに、 自分の後継を頼む、これからは自分のような老いたものでなくお前や仲間達の ような若い者が切り開いていくべきだ、と語り皇城に行くように促す。 そして皇城に踏み込む。入口から先にはなんと道がない。すると先に倒したはず のアーターが現れ、この先に半身であるリュウを導くように命ぜられている と言い、一行を背中に乗せ城の内部へ導く。 表にいたものよりも強力な力を持った魔物達や、封印の守護者「ドラゴニュート」を 退け、各所に施された封印を解きながら最下層へと向かう。 335 ブレス4のひと sage 04/03/18 01 18 ID +9cnj19R 334の続き 最下層の玉座。そこには皇帝の正装でリュウの到着を待つフォウルが鎮座していた。 殺気立つ仲間達を衝撃波で吹き飛ばし、リュウと向き合うフォウル。 とうとうひとつの神となる時が来た、と語りフォウルは玉座の奥へと姿を消す。 意識を取り戻した仲間達と共に玉座の奥へ向かうリュウ。そこには、アルカイの 神殿と同じような召喚の儀式の間が広がっていた。 フォウルと二人向き合うリュウ。ひとつの神として力を完全なものとして、 世にはびこるうつろうものどもをすべて抹殺してしまおうと語りかける フォウルの提案を撥ね付けるリュウと、仲間達を見たフォウルは閃く。 後ろのあやつらが邪魔なのだと。 フォウルはリュウに圧倒的な力で襲い掛かる。ただ防戦一方のリュウ。 そして、おまえが盾にならねば後ろの者どもは消し飛ぶぞ、と神の業 「エバーホワイト」をリュウに撃ち込む・・・! 「エバーホワイト」を辛くも凌ぎきったリュウ。だが満身創痍。そこに 仲間達が駆けつけ、癒しの術をかける。 ニーナは語りかける。なぜそれほどにヒトを憎むのか?ヒトは今は貴方が 思うように愚かで浅ましく傲慢な生き物かもしれないが、それでも成長して いけるはずだ、と。 フォウルは答える。自分を召喚したものも同じことを言った。だがそいつらが やったことは自分を皇帝にすえて世界の覇権を取ることだけだった。今も さほど変わりはしない。そんなヒトどもに生きる価値など有りはしない、と。 そしてリュウに語りかける。 おまえが見てきたヒトは愚かしい生き物ではなかったか? おまえが見てきたヒトは傲慢な生き物ではなかったか? おまえが見てきたヒトは浅ましい生き物ではなかったか? 自分とひとつになり、ヒトを滅ぼさないか? そして、リュウは、その問いに答える。 336 ブレス4のひと sage 04/03/18 01 44 ID ah/fNAHe 335の続き 便宜上フォウルEDということで。 リュウは、フォウルの言葉を否定しきれない。確かにフォウルの言うような 人間もいたが、だが皆がそうでもなかった。だが・・・ そのとき、リュウの体が光に包まれ、フォウルの中に取り込まれていく。 そして、フォウルはこれまでよりも一層神々しい存在になった。 そこにいるのはフォウルでありリュウ。だが、その心も、体も、力も、その すべてがフォウルの支配するところとなっていた。 フォウルは語る。これから世を、ヒトを、滅ぼすと。 その前に、手始めに貴様らを始末する、と。 そして、究極の竜「アンティマ」へと姿を変える。 させじと徹底抗戦を図るニーナ達。だが、アンティマのすべてを超越した 力の前には為す術もなく、次々に倒れていく。 そして、彼女らは二度と立ち上がることはなかった。 飛び立つアンティマ。世界の粛清が始まる・・・ 337 ブレス4のひと sage 04/03/18 01 59 ID ah/fNAHe 335の続き こちらは本EDへの流れ リュウには分からない。フォウルの言うようなヒトもいたが、そうでないヒト もたくさんいることを知っている。 ここまで来てくれた仲間達、旅を支えてくれた人たち。 その人たちを思う。世界を思う。 ニーナは、この世界が好きだといった。自分も好きなのだと思う。 心は決まった。 リュウは差し伸べられたフォウルの手を払う。 半身であるはずのリュウ、通じ合っているはずのリュウの心が分からないフォウル。 ならば貴様ごと消してやろうではないか、とタイラントを召喚し襲い掛かる。 決死の戦いでタイラントを退けたリュウ達。 ならばとばかりに、フォウルは自らを真スピリチュアルへと変え最後の決戦を 挑む。 数々の神の業を繰り出し怒涛の攻めを繰り出す真スピリチュアル。 これまでの戦いで培ってきた力と技で立ち向かうリュウ達。 決着。竜変身も解け地に崩れ落ちるフォウル。 ヒトに、世界に迷いを抱いていたのは自分であったのだと語りだす。 その時、フォウルの体が光り輝きリュウの中に流れ込む。 338 ブレス4のひと sage 04/03/18 02 12 ID ah/fNAHe 337の続き 神々しい気をまとったリュウは語る。自分はリュウでもありフォウルでもある、と。 そして、融合したことでお互いの真なる想いを知り、為さねばならないことがある、と。 それは、世界から神を捨て去り、そして自らも神の力を捨てること。 祭壇で神の力のすべてを解き放ったリュウは、その力で世界中に散らばる すべての竜を世界から追い出す。そして、リュウも力を失いただのヒトとして 生きる決意をする。 だが、マスターの中にいたディースは世界の行く末をマスターと共に見守るために 留まるといい、マスターもそれを歓迎する。 為すべきことは終わった。さぁ、帰ろう。 アースラは皇都に残り、復興の支援と行方知れずになったルーン将軍の捜索に あたるという。もう敵同士ではないから、とクレイとアースラは固く握手を交わす。 そして、アースラと分かれた一行は、故郷である東の大陸へと向かう。 ヒトは竜が、神がいなくともやっていける。 きっと、そうにちがいない。 アスタナ基地の屋根の上、神の気配が消え行くことを察知したユンナ。 彼はほくそ笑む。 神がいなくなったのであれば、自分が神を作ればいい。 そう呟いて・・・。 339 ブレス4のひと sage 04/03/18 02 22 ID ah/fNAHe 長らくお付き合いいただきましてありがとうございます。 消化不良な点、納得いかない点もおありでしょうが、ゲームとしてはこれにて 閉幕です。 ここからは余談。 先に書いたフォウルEDですが、このときの一行VSアンティマにおいては プレイヤーはアンティマを操作し一行をなぶり殺しにします。 ・一行の攻撃はほとんど効かない・自分を攻撃対象に選ぶことはできない ・毎ターン最大HP分自動回復 といった理由でどうあがいても負けることはできません。 本ED文中で「真スピリチュアル(便宜上)」というのは、一応ゲームでの 名称は「スピリチュアル」なのですが、フォウル操作時に変身できるスピリチュアルと 区別するために真をつけさせてもらっています。
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/1594.html
ブレス オブ ファイア 4 4-275~276・297~298・336・343~344・376~377・379~382・516~517、 5-197・205・256・258・266・334~339 275 ブレス4 sage 04/03/04 02 19 ID MuCAwRY/ ってなわけでブレス4いきますわ。劇中セリフなしですがご容赦を。 まずはパーティーメンバーの紹介。 リュウ:唐突に裸で現れた主人公。その瞳の片方は未来をも見通すという 「竜眼」であり、唐突に竜の力に目覚め竜変身の能力「竜覚」や接触した他の 竜の力を借りる「竜召喚」を使う。基本的に無言。 ニーナ:第一王女でもある姉のエリーナを探しにウィンディア城を姉の幼馴染 クレイとともに出奔する。とはいえ城の外の世界をほとんど知らないため時に だまされかけることも。風と癒しの魔法が得意でお約束の有翼人。 クレイ:ニーナとともに旅をするフーレン族(腕っ節が強いトラ人間)の族長で ニーナの姉エリーナの幼馴染。族長らしい冷静な一面と種族元来の気性の荒さを 合せ持つ。腕っ節に任せた格闘とオマケのような威力の地の魔法で戦う。 マスター:物語が始まる前の時の大戦で呪いまみれになったチャンバという町で 出会う、全身鎧のナゾの人。「マスターはそういってます」などとちょっと 理解に苦しむ物言いをすることがあるがそれも事情があってのこと。当初は 硬くHPが高いが命中が悪く遅いという特性があるが中盤から「激硬・高HPの 魔法使い」という異色の存在に急変。 サイアス:ウィンディアの同盟国ルディアで傭兵をしており、外交問題に抵触 したリュウ達を監視する役についていたが、ルディアのやり方に反発し仲間に。 普段は寡黙ながら、戦闘では絶対クリティカル技や回復を使いこなすエース。 アースラ:ウィンディアら東側の国と争う西の帝国の軍人。捨てられた村にて カイザードラゴンを暴走させたリュウをその半身であるフォウルに会わせるべく 帝国を案内するということでパーティーに加わる。 物によっては全体攻撃も可能な銃を使いこなす。 フォウル:帝国の建国者・初代皇帝にして竜。数百年したら蘇ると言い残し墓所に 引きこもったが有言実行し、皇都を目指すも権力欲に取り付かれた現皇帝により 追われる立場となる。半身であるリュウとリンクしており、システム的には 竜覚の一部・取得技・取得経験値の一部を共有している。 初期状態でLv60を越えており、普通にプレイしたレベルのリュウ達が 3人がかりでなんとか倒す敵も通常攻撃一撃で屠る反則に近いキャラ。 リュウ達と関わるのは最後の最後、最終決戦の時だけ。 276 ブレス4 sage 04/03/04 03 18 ID MuCAwRY/ 第一章 めざめしもの 第一部 きざし ニーナとクレイがウィンディア城を出奔して三日、彼女らは消息不明のエリーナ の姿が最後に確認されたというセネスタに向かい砂船(砂上艇)を走らせる。 そのとき、砂漠の底から唸り声と地響きを伴って砂竜が現れる。砂船を押しつぶさん ばかりに巨体をうねらせる砂竜を振り切ろうとする必死にクレイは舵を取るが、 結局振り切れずに体当たりを食らってしまい、砂船は砂漠のど真ん中で破壊される。 砂船はなんとか修理可能な破損状況だったのが不幸中の幸いだが、しかし肝心の 修理に使えるモノがない。近くにはサライという町があるようだが二人で行くと 残した砂船を持っていかれるかもしれない。そこでニーナは、自分ひとりでいって くるから船をおねがいします、と提案し、クレイは不安を抱えるもそれを承諾。 かくしてニーナは一路サライを目指し歩き出すのであった・・・。 しばらく砂漠を歩いていたニーナは、砂漠に出来た陥没とそこに打ち捨てられた 荷車を発見。好奇心にかられて身を乗り出すとバランスを崩し陥没の底へ。 そこで背後に不思議な気配を感じ振り返ると・・・何もいなかった。 (ゲーム中ではプレデターみたいな感じでドラゴン「オーラ」が浮かんでいる) が、次の瞬間裸で倒れる同い年くらいの少年を発見。裸の男の子相手にはさすがに 恥ずかしくて会話も何もあったものではないので荷車から服を拝借して少年に 着るように進言。服を着た少年とニーナは二人で陥没を抜け出し、そこで自己紹介。 少年の名前はリュウ。それ以外は何も知らない。それでは困ったということで、 ニーナは、彼に一緒にサライまで行けば知りあいだった人がいるかもしれないから 一緒にいこうと持ちかける。ニーナは持っていた王家の剣をリュウに渡し、 二人でサライを目指す。 道中文字通りのがけっぷちを歩くことになり、案の定ニーナは足を滑らせ転落。 急いでリュウが後を追うもニーナは有翼人なので飛べる。その姿に一瞬呆然とした リュウは見事地面に顔面からダイブ。そのせいというわけではないが、ちょうど いいところに休めそうな洞穴があるのでそこで一晩明かすことに。 場所はガラリと変わって皇帝墓所。予言の通りに復活したフォウルが墓所から 姿を現す。墓所を守らせていたしもべのオンクーを下がらせ、一路単身皇都へ。 そこに皇都から「竜が出てくるから殺せ」と命じられた帝国兵が。その話を聞いた フォウルは竜の力・うつろわざるものの力がどのようなものなのか見せてやろうと 言いドラゴン「スピリチュアル」を召喚、帝国兵を跡形もなく焼き尽くす。 その瞬間、何かに弾かれたようにリュウが息を荒げ目を覚ます。 スピリチュアルの召喚により自分の力が不完全であり、半身と融合を果たさねば ならないと悟ったフォウルは改めて皇都を目指す。しかし、またも妨害。今度は ヨムと名乗る帝国の呪術師。ヨムはフォウルのドラゴンの力は氷属性に偏って いるという半身を失っているが故の欠点を熟知しており、炎の魔人カームを召喚し フォウルの抹殺を試みる。炎属性の傷という決して軽いわけではない傷を負いつつも フォウルはカームを撃破。だが、カームは手傷を負わせるくらいしか出来ない と知っていたヨムは最初から用意していた第2の作戦・森ごと焼き払い作戦を決行。 森からの出口であるつり橋でフォウルを追い詰めたヨミは魔人の炎の腕を召喚、 フォウルは避けようもなく炎の爪を食らい川に転落する・・・。 夜が明けて目を覚ましたリュウとニーナはサライを目指し歩き始める。 297 ブレス4 sage 04/03/05 02 10 ID YjGMwsWn 前回( 276)の続きいきます。 第2部 竜にかかわるもの 多少のハプニングはあったものの無事にサライの町に到着。リュウは自分の 知り合い探し、ニーナは砂船の修理に使えるものを探すことになる。 でも知り合いなんて見つからない。そんなとき商人に騙され余計なものを 買わされそうなニーナを発見したリュウは辛うじて阻止に成功。とりあえず 自分のことは諦めて、危なっかしいニーナと一緒に行動することに。 情報を集めるならやっぱり人が集まる酒場が一番だろうとの話を聞き酒場に 向かう二人。そこで飲んだくれのオヤジが、メシ奢ってくれるならいいこと 教えてやろう、というのでメシを奢る(ミニゲーム)。 財布を痛めつつもなんとか酔っ払うまえに満腹にさせることができ、情報屋 のことを教えてもらう。 その話を基に町を探しまわって情報屋を見つけたが、当然カネがなきゃ情報は 売れない・・・のだが、情報に見合う妥当な額を払うなら売ってやろうという ことになる。ハイ&ローゲームで妥当な額を推理しその額を払うことに。 情報屋が言うには酒場の奥には闇商人がいるが、そいつに会うには酒場の親父に 合言葉を言わなければならない。でもその商人もう町出ちゃった・・・ってな わけで急ぎその商人を追う二人。サライから程近いところで商人を捕まえて 合言葉を教えてもらえた。 サライに戻り酒場のマスターに合言葉を伝えて闇商人に会い、ニーナは早速 砂船の修理に使えるものを売ってくれないかと持ちかけるが、生憎と品切れ。 だが南の砂船の谷にいけば材料がありそうだから取って来いと言われ、その 言葉に従い砂船の谷へ行く二人。 壊れた砂船の残骸で出来た砂船の谷の奥に行くとオヤジと犬が。欲しいものが あるなら自分で掘れ、との言葉に従いスコップと犬(アイテムが落ちてる所を 教えてくれる)をレンタルして、犬の鳴き声に従い砂漠を掘るリュウ。なんとか 砂船の修理に使えそうな「パーツざいりょう」を手に入れることが出来た。 これで砂船が修理できそうだということに喜びながらサライの酒場に戻ると、 そこには帝国の将校が。何でも竜がこのへんに現れたと聞きつけやってきた ものの一向に情報が得られず暴れているようだ。その光景に尻込みするリュウ をよそにニーナは単身その将校の前に躍り出て狼藉をやめさせる。 ラッソと名乗るその将校はそんなニーナを見て鉄鬼ジョを召喚する。 ジョを退けたニーナをよそに、尻込みしているリュウを罵倒するラッソ。 それに腹を立てたリュウは王家の剣を手にラッソに切りかかる・・・が、 障壁のようなものに守られたラッソに刃は届かず、逆に王家の剣を折られて しまう。このままではと考えたニーナはリュウをつれて急ぎ町の外へ逃亡。 だが既にクレイの待つ砂船への道はラッソの手下により竜探索の名目で封鎖 されており、まもなくラッソに狼藉を働いたとして二人を捕らえる別命も 下ってしまう。そのとき酒場で騒動を見ていた客の一人がやってきて、チャンバ という町を通れば帝国兵の包囲網から逃れられる可能性がある、と教えて もらい、二人は一路チャンバへと向かうことに・・・。 298 ブレス4 sage 04/03/05 02 36 ID YjGMwsWn 297の続き なんとか帝国兵に見つかることもなくチャンバにたどり着いたリュウとニーナ。 だがこのチャンバという町はなにやら禍々しい空気が北の方から漂ってくる。 町の者が言うには、先の大戦の折に帝国が放った「呪砲」という兵器の直撃を 食らい町中が呪いに汚染されてしまったが、防呪鎧という頑丈かつ呪いを通さない 特殊な鎧を身に着けた職人たちによって呪い汚染を取り除こうとしているのだそうだ。 二人は呪い除去職人の親方に会い、町の北部を通してはもらえないかと頼むが、 防呪鎧も身に着けてない上素人を呪いまみれの場所に連れて行くわけには行かない の一点張り。職人全員に同行を依頼するも悉く断られ立ち往生・・・そのとき、 北部から防呪鎧を身にまとった人が帰還。彼は「マスター」と呼ばれる人で、 最後の賭けとばかりにニーナは同行を依頼する。 あっさり断られるかと思いきや、マスターはリュウの顔を覗き込み、自分が 道案内すると言い出す。当然親方は反対するが、マスターは「マスターが 大丈夫だ、と言ってます」と珍妙な言葉と妙に説得力を醸し出す迫力で承諾 させてしまう。 そんなわけでチャンバ北部に向かう一行。途中呪いが濃すぎて生身では危ないと リュウ・ニーナとマスターの二手に別れ行動したりしつつも何とかあと一息で 町の外・・・というところで突然に唸り声。なんと後ろから呪いのヌシとも 言うべき大きな骨の人面魚が橋を壊しながら追ってくるではないか! 気合でダッシュ(ゲーム中では○連打)して辛うじてちゃんとした足場に たどり着き、この「スカルフィッシュ」を撃退することに。 「スカルフィッシュ」を退けチャンバから出ることに成功。3人は砂船の パーツの入手がダメになったことや、道中出会った二人のことなどを報告 するべくクレイが待つ壊れた砂船の所へ。 クレイの待つ砂船にたどり着いた一向はそこでお互いに自己紹介をしたり、 道中で起こった事件のことを語り合い、そして夜も深けていった・・・。 336 ブレス4 sage 長くてごめんよ 04/03/0601 30ID zUC1Qw/S 夜も深けてきたので 298の続きをば。 用水路を潜りたどり着いたはアスタナ基地の地下室。夢で見たとおりなら ここにエリーナが・・・逸る気持ちを抑えられないクレイとニーナ。 人目につかないように忍び足で進む。たどり着いた応接間ではなにやら 話し込んでいるやつらがいるが、カーテンの陰に隠れれば見つからずに 抜けられるだろう。そして目前には次の部屋へ続く道が。 この先にエリーナが・・・! というところで目が覚めた一行。みんなが同じ夢を見たという不可思議な 現象に戸惑う一行にマスターは、リュウが持つ竜眼が見せた予知夢だと マスターが言っている、と説明。夢で見た施設はどうやら帝国のもののよう なので、帝国にエリーナがいるということで間違いないのだろう。 ということで帝国を目指せばエリーナに会える、そのためにも当初の目的地 でありかつ対帝国の最前線にある町セネスタに改めて向かうことに。 道中ダムを通ることに。貴重品であるメタルを採取しようという人たちの 協力を得つつまもなくダムを越えられる・・・というところでまたも轟音。 なんと泥竜がダムに向かって来ているではないか!泥の藻屑になるところを 間一髪で逃れダムを後にした一行は、岸壁でカエルの楽師に出会う。 カエルの楽師が言うには竜がこれほど活発に活動するのは珍しいことだ、 何かが起ころうとしているのではないかと語り、うつろわざるものに関する 歌を一曲聞かせてくれる。どうやらリュウに何かを感じたようだ。 カエルの楽師に別れを告げた一行がたどり着いたのはキリア村。町中がワナ だらけという町だが、ここにはセネスタへの抜け道がある・・・ものの、 通行許可をくれる村長はおらず、オウムが一匹いるのみ。しりとり好きな オウムからうまく情報を聞き出してみると。村長は西の森に現れた獣をワナで 駆逐するべく出かけたとのこと。よくない予感と一刻も早くセネスタに行きたい ということで一行も森に向かう。 たどり着いた西の森も村長仕込みのワナが盛りだくさん。時にワナに引っかかり ながらも森の奥に向かうと、そこには子供の獣を今や捕らえんとする村長が。 仕掛けが作動し子供の獣を捕らえて一行を無視しておおはしゃぎの村長は ついついそこに居もしない親獣をバカにする言葉を吐く・・・とコントのような タイミングで親獣「ママン」登場。よくない予感的中ということで村長を 守るべく「ママン」と戦うことに。 リンゴで釣ってうまいこと「ママン」を倒し村長をキリア村に連れ帰した 一行は村長の家で一泊。その折、ここキリア村はセネスタへの抜け道があると いうことで、それをなんとしても守らなければならず、そのためにワナだらけ にしていたのだ、と語ってくれた。 そのころ、森で手傷を負い川に転落したフォウルはジンガ山地の世捨て人の 家で目覚める。 翌朝、景気付けにワナにはまった一行は抜け道を通ってセネスタの町を目指す。 343 ブレス4 sage 04/03/06 02 12 ID zUC1Qw/S 336の続き 第3部 消えた王女 抜け道を通ってセネスタについに到達した一行。最後にエリーナの消息が 確認されたと言うこの町で情報収集すると、エリーナが懇意にしていた孤児院 の子供たちの一人チノがエリーナのことを知っているという。だが、ただでは 教えられない・・・ということでチノと鬼ごっこをすることに。大人の知恵で 捕まえることに成功したが、こりないチノは孤児院の子供たち全員とかくれんぼ して全員見つけられたら教えてやる、と言い出す。 セネスタの町中を探し回って7人いる子供のうち6人は見つけることができた が、肝心のチノがいない。子供たちの話を総合すると町外れにある地下壕に 逃げ込んだようだ。しかしそこはつい最近までチャンバと同じく呪いに汚染 されていた場所であり子供一人では危険すぎる、と孤児院の院長が言うや否や 急ぎチノを連れ帰しに地下壕に向かう一行。 入口を封鎖する男が水売りのおねえさんに鼻の下を伸ばしているスキに地下壕に 忍び込み、魔物を撃退しつつチノを発見。でもチノは危険もなんのその、純粋に 見つかってしまったことを残念がった。 チノを孤児院に連れ帰しやっと話が聞けることに。なんでもエリーナはこの 町の大商人マーロックと共に町を出た、と言うではないか。そこで早速 マーロックの家に向かうとそこには用心棒「カーン」が仁王立ち。あまりにも 分かりやすいくらいに「オレを倒さねば中には入れん」オーラを醸し出す カーンを4人がかりで袋叩きにしてマーロックの家に。 マーロックにエリーナのことを問い詰めるクレイとニーナ。だがのらりくらりと 回答を避けるマーロックはニーナをここに残して男どもは荷物を掻っ攫った盗賊を 捕まえて来い、情報代と用心棒を倒した損害を考えればそんくらいやって貰わないと 割に合わない、でもやってくれたら話はするし帝国につれてってやろう、と言いつける。 憤りを隠せないクレイをなだめすかして東にアジトを構える盗賊を捕まえに行くことに。 何とか盗賊をとっちめて急ぎマーロックの家に帰るとちょうどニーナによからぬ ことをしていそうなところ。それを取り繕うように、今度は北の桟橋で荷物 整理とコンテナの積み込みを手伝え、と告げるマーロック。そろそろ怒髪天を 突きそうなクレイを必死になだめすかして桟橋に向かい、荷物整理と積み込み (ともにミニゲーム)をする。 仕事を終えてどうでもよさそうなごほうびをもらってようやくニーナを解放した マーロックは、エリーナを帝国に連れて行ったことを認め、約束どおり帝国に つれてってやろうと言う。喜ぶ一行。そして西と東を繋ぐ町ハシビトの町へ向かう 一行。だが、その扱いは荷物そのものであった・・・。 密入国のためにはこれしかないという事情はあるため怒りの矛先を向けようのない クレイをなだめすかしつつ砂船は砂漠を行く。 そのころ、なんとか体を起せるくらいに傷がいえたフォウルは小屋の主人で あるババデルに礼をいい、そこから改めて皇都を目指すことに。 山を下る途中で、森で出会った呪術師ヨムと再び遭遇。今度は炎の魔鳥カフー を召喚しフォウル抹殺を試みる。 カフーを病み上がりとは思えない絶大な力で退けたフォウルは、その力に 驚嘆するヨムをよそにドラゴン「スピリチュアル」に変身し空路で皇都を 目指す。が、させじとヨムは再びカフーを召喚しフォウルを追撃させる。 スピリチュアルと化したフォウルとカフーの激しい空中戦。だが、さすがに いまだ傷が癒えきってないフォウルはカフーを振り切ることが出来ず、逆に 熱線を食らい森に墜落する・・・。 344 ブレス4 sage 04/03/06 02 45 ID zUC1Qw/S うはぁエコーナイト担当の人すまぬ。 では 343の続き 荷物扱いでハシビトの町に到達した一行は、その町にある大帝橋を使えば 帝国領に入れるという話を聞く。しかもその日は運良く大帝橋が稼動する 日なのだそうだ。この幸運を利用しない手はない、ということで早速塔の ようになっている大帝橋を上る。 頂上にたどり着くと、そこには呪術的な装置があり、絶妙のタイミングで 口が開く。どうやら大帝橋というのは呪術的な転移装置のようだ。 いざ帝国領へ、エリーナのところへ・・・というところで背後から一人の 男が。サライの町で暴れていた帝国軍将校ラッソが突如現れる。 サライでの屈辱を晴らすべく新たな鉄鬼イメカフを召喚し一行の抹殺を図る。 連続攻撃(コンボ)に弱いという致命的欠点を突きイメカフを破壊すると、 今度は大帝橋の様子がおかしい。どうもいまの戦闘の余波でせっかく開いた 大帝橋が閉じようとしているようだ。ということで更なる屈辱に震えるラッソを 尻目に空間の裂け目に飛び込む。 かくして帝国領にたどり着いた一行。大帝橋を下り近くのアスタナという町に。 巨大兵器「呪砲」が鎮座するこの町には水路があり、それは奥の基地にまで 続いているという話を聞く。そこであの予知夢を思い出した一行は水路から 基地に忍び込めばエリーナに会えるとひらめき、水道修理工のフリをして 水路に行き、潜水して基地内部への侵入を試みる。 基地内部と思われる部屋にでると。そこは夢で見た光景そのもの。ここに エリーナがいるという強い確信を抱き、夢をなぞる様にカーテンの裏を忍び 歩き。この先にエリーナが・・・と思うもつかの間。その行動は基地主任で ありかつ帝国の宰相でもあるユンナに気付かれ、先回りしたユンナは兵を伴い 一行を包囲する。 現在休戦状態にある帝国の、しかも軍事施設に東の国ウィンディアの王女や フーレン族族長がいるとあっては外交問題に抵触しないはずがない、と語る ユンナに対しクレイはここにエリーナがいるはずだと問いかけるが、それを ユンナはそんな「人間」はいない、と一蹴。 そして彼らは東側の国ルディアへと強制送還されるのであった・・・。 かくして第1章終幕。 376 ブレス4のひと sage 04/03/07 01 11 ID H7boZygL 344の続きいきます 第2章 うつろわざるもの 第4部 王家の剣 休戦中の帝国に勝手に立ち入っただけでなく軍事施設にまで無断で立入った ということで東の連盟国のひとつルディアに強制送還された一行。クレイは ニーナをそそのかして勝手に連れて行ったと釈明し一人で尋問を受けることに なる。 そんなクレイを放ってはおけないニーナ。リュウとマスターを伴いクレイに 会いに行こうと拘留されている家を出るとそこで自分たちの監視役として ルディアに雇われた傭兵サイアスが立ちはだかる・・・が、自分の役目は 監視することだけだ、と語る彼はクレイに会いに行くことはおろか家から出る ことすら咎めようとせず、あまつさえ同行すると言い出す。 ということでクレイに合わせて欲しいとルディア城を訪れるも、宰相イゴーリ により一蹴される。 何かクレイの立場を少しでも良く出来る手だてはないものか、何かクレイを 助ける手立てはないものかと考えた結果、クレイのふるさとに行けば何かいい 知恵を貸してくれるかもしれないと思い立ち、それをリュウとマスターに進言。 他に手立てもないのでその案を実行することにする。 サイアスはそれすら止めようとはせず、監視するのが自分の役目とだけ語り 一行に同行する。 フーレンの里への道中立ち寄ったバーウッズの森。一刻も早く通り抜けようと していると、突然ニーナの姿が見えなくなる。 一方ニーナは周りの景色がいやに大きくなっていることに・・・否、自分が 小さくなってしまったことに気付く。リュウ達に危うく踏み潰されそうに なりながらも自分が小さくなってしまったことをアピールしようとするが 気付いてもらえず、しかも小鳥に雛鳥と間違えられて巣に連れて行かれてしまう。 そんなこととは思いもしないリュウ達はニーナを探す。すると姿は見えない ものの声がする。しかしリュウにはそこに妖精がいることに気がつく。 リュウに姿が見られていることに気がついた妖精たちは、竜眼なんて反則だ といいつつニーナをいたずらで小さくしたことを認め、小鳥に連れ去られた と証言。小鳥の巣がありそうな木にマスターが頭突きを敢行する。 巣がある木を揺らされて大慌てのニーナと小鳥。安心させようとその巨体で ニーナに迫り巨大なミミズや虫をエサだといわんばかりに与えようとする 小鳥をニーナはなんとかやり過ごして巣から飛び降りると妖精の魔法が 解けて元に戻り、落下を防ごうとしたリュウを下敷きにして無事着地。 ごめんなさいと素直に謝る妖精たちに別れを告げ、フーレンの里を目指す。 やっとのことで辿り着いたクレイのふるさとフーレンの里。だが里の長老たち では打開策は浮かばず、東に広がる草竜が住まうといわれる黄金平野にテント を構えるクレイの母ターボなら何かよりよい知恵を貸してくれるはずだと教えて くれる。 長老たちの家を出たところになぜかいた元マーロックの用心棒カーンを4人 がかりで袋叩きにして、黄金平野を渡るべく馬を借りようとする一行。 だが馬を乗りこなすには時間がかかる。そんなとき、一匹のオーム(大きな 宙に浮くオウム貝みたいな生き物)がなぜかリュウになつき、これならリュウ ひとりとはいえターボに会いに行けるのではということで、リュウ一人で オームに乗ってターボに会いに行くことに。 377 ブレス4のひと sage 04/03/07 01 41 ID H7boZygL 376の続き かくして一人オームに乗ってターボに会うべく黄金平野を渡るリュウ。 事前に聞いた目印を頼りにしてターボのキャンプに辿り着いたリュウは事の 次第をターボに語る。ターボはリュウに、サライで折られた王家の剣をグー の火山にいる鍛冶屋に頼んで元に戻せばクレイの立場もよくなるはずだと進言。 ちょうどそのときルディアでは、クレイが王家の剣の所在を追及されている ところであった。 仲間たちのところに戻ったリュウはこのことを告げ、フーレンの里でグーの 火山の所在を聞き出し今度は皆で黄金平野を歩いて渡る。 火山の奥に住まう、防呪鎧つくりの名人でもあり鍛冶屋でもある老人は一行に 王家の剣を作ったのは自分だが、材料のフェアリィドロップがないから パーウッズの森にいる妖精から貰って来て欲しいと依頼する。 かくして再び妖精が住まうというパーウッズの森に来た一行。そこで以前 会った妖精たちから、自分たちの住む世界が「ムンマ」とその子供5兄弟 に占拠され仲間も殺されてしまったと語り、ムンマ達を倒してくれたら フェアリィドロップを譲ってくれるという。 妖精の導きによりムンマ達が占拠した妖精の世界へ。そこで敵対するものなど いないが故に高いびきのムンマの子供5兄弟を一匹づつ倒すと親玉ムンマが。 打撃で巨大化・魔法で縮小という特性を持つムンマをなんとか倒し、妖精の 世界を救った一行はお礼にフェアリィドロップと今後の旅での相互協力を 提供してくれる。 フェアリィドロップを手に入れた一行はさっそくグーの火山に行き王家の剣 を作り直してもらう。 これでクレイの手助けが出来る、と意気揚々でルディアに戻ってきた彼らを 待っていたのはサライで折れた王家の剣の、置いてきてしまった刃のほう。 ラッソが拾ったのか帝国からルディアに送られており、これで八方ふさがり。 こうなれば無理やり城に忍び込んでクレイを救い出して逃げるしかない、と いうことで夜を待つべく仮眠をとることに。 そのころ、カフーに撃墜され深手を負い森に墜落したフォウルは、ジンガ山地 に程近いソン村でマミという女性に介抱されていた。 夜も更けてきたところでルディア城への侵入を試みるリュウ達。 眠りこけている兵士を仲間を呼ばれないように1ターンで倒しながらクレイ の元へ。クレイのところに辿り着いた一行は事情を話し、このままでは らちがあかないということでルディアを脱出し、フーレンの里を目指す。 379 ブレス4のひと sage 04/03/07 02 14 ID H7boZygL 第5部 風竜ラーウィ ルディアを脱出しフーレンの里に辿り着いた一行。やはりいい手が思いつかない 長老たちはまたもターボのところに行ってみてはどうかと勧める。 ということで、黄金平野のターボのキャンプへ行き、事情を話す。ターボは リュウのことに気がついたのかウィンディアにある風読みの塔を上り風竜 ラーウィに会って神託を受けてはどうか、と提案。翌日ウィンディアへの 道をふさぐ神殿の封を解く「みどりの玉」をもらい、神殿を越え、巨大ヘビ が住まうアムの沼を越え、ニーナの故郷ウィンディアに到着。 ニーナの口利きで、ニーナの父であるウィンディア王に謁見した一行は、 風読みの塔に入るには城の地下にある洞窟にある「風切りのフエ」が必要で、 洞窟に入るには東のカスクの森に住まう風の巫女に会って許可をもらう事が 必要だ、と教わる。 カスクの森の風の奥にいる巫女に会うと、リュウを見て、将来動乱が起きる とき「アルカイの竜」とよばれる竜が現れ世の行く末を決めることになる、 と語り、リュウと風竜が会うことに意味を見出し「風切りのフエ」を手に することを許す。 森からウィンディアに帰る道中のキャンプで、これまで黙って付いてきた サイアスがやはり黙って何処かへと去っていく。 ウィンディアに帰った一行は王に許可が貰えたことを告げ、城地下の洞窟へ。 時折吹き付ける強風、風を利用したトラップをうまく攻略して「風切りの フエ」を手に入れ一路風読みの塔へ。 そのころ、一行のもとをはなれたサイアスは雇い主であるルディアの宰相 イゴーリのもとに帰っており、リュウ達の行動や、リュウが竜であるらしい ことを告げる。 風読みの塔に辿り着いた一行は「風切りのフエ」を使い中に入り、吹き上げる 強風を利用しながら頂上を目指す。 頂上には巨大な風車とその先端に船のようなものが据え付けられていた。 どうやらこれに乗り風を受けて飛べば風竜に会える、ということのようだ。 いざ風竜に、と思ったそのとき背後から憎々しげな声。そこにはルディア 宰相イゴーリとその直属の暗殺部隊、そしてサイアスの姿が。サイアスの 報告を聞いたイゴーリはリュウが本当にリュウなら帝国の初代皇帝フォウル のような神がかり的な力でルディアに世界の覇権をもたらしてくれるはずだと 画策し、邪魔者であるニーナたち、そして事情を知るサイアスを消そうとする。 これに静かな怒りを燃やしたサイアスはイゴールを裏切り、リュウ達とともに 暗殺部隊、そしてイゴーリを退ける。 当面の問題も解決したところで一行は乗り物に乗り、風の導きのままに空を 舞う。そこで雲を割って現れる巨体、風竜。風竜ははるか昔に自分たち竜を 召喚したチェクという村に行き、そこで己のこと、竜のことを知るといい、 と語り、チェクの村に程近い大雪山の頂上に導く。 380 ブレス4のひと sage 04/03/07 02 40 ID H7boZygL 379の続き。379の最後の「そこで」は消し忘れミスなのでスルーして下さい。 第6部 聖地 風竜の導きのままに大雪山に辿り着いた一行。雪玉で途切れた道を塞ぎつつ 山を下るとそこには風竜が行っていた、かつて竜を召喚したチェクの村が。 なぜか子供ばかりという不可思議な村を散策し長老に会う。すると長老は リュウを「アルカイの竜」と呼び、リュウが竜であること、そしてマスター の中にはどうやら竜が眠っているようだ、と語る。 翌日、一行はマスターの中に眠る竜と対面するため、チェクの長老の力を 借りてマスターの心の中に入ることに。 マスターの精神世界では4属性をつかさどる柱によって封印された、ディース と名乗る女性が。封印を解きたかったらそこの柱どもをぶっ壊せという彼女の 言葉のままに柱(ボスモンスター)を倒し封印を解く。 これまで「マスターが~と言ってます」と言っていたマスターの珍奇な発言は 彼(というかディースが封じられたことによりかりそめの生命を持った防呪鎧) が内にいるディースの言葉を外に伝えていた、ということなのであった。 第7部 アルカイの竜 ディースの封印を解き実世界へ戻ったリュウ達はそこで一休み。 そのころ、フォウルはマミが作ったメシを食っていた。 翌日、チェクの長老はマスターの中にいたディースを、精神体だけの存在で あるディースを受け入れるための巫女であるリームの中に移し、リームの体を 借りたディースは、かつて帝国はチェクの村で召喚された竜に対抗するべく 竜を召喚しようとしたが、ディースは不完全な状態で召喚されてしまったため 防呪鎧の中に定着してしまい、元々半身が足りなかったフォウルの半身リュウ が今になってようやく姿を表した、と語る。 そのころ、体調が万全でないフォウルはそれでも皇都へ向かおうとするが、 マミの家を出たところで村人にマミとのことを冷やかされる。 ディースはさらにリュウの半身フォウルはかつて神がかり的な力で帝国を 築き上げ神皇とまでよばれ崇められた存在であるがあるとき眠りにつき、 半身であるリュウが現れた今眠りから覚めているだろうと語るや否や疲れたと 言い放ち眠りこけてしまう。 381 ブレス4のひと sage 04/03/07 03 39 ID H7boZygL 380の続き そのころフォウルは、マミにかつて神皇とよばれた初代皇帝のことを語りだす。 翌日体調も行動するには問題ないくらいに回復したフォウルは体ならしもかねて ソン村を散策。畑仕事をしていたマミと話をしていると突然村はずれから 逃げてくる村人たち。なんでも突如巨大な魔物があらわれ襲われたのだそうだ。 フォウルがそこに向かうと巨大な獣「パパン」が。傷も癒えたフォウルは「パパン」 を難なく撃退し村に戻る。そこで村人から感謝のまなざしと、怖れを込めた視線 を受ける。 ディースが眠ったままではらちがあかないので再びチェクの長老の力を借り リームの精神世界へ。そこでディースは・・・逆ハーレムかホストクラブか いい男どもをはべらせ優雅に振舞っていた・・・。 これだからニンゲンは無粋で嫌になる、などと愚痴をこぼしながらしぶしぶ 覚醒するディース。そこでリュウにいずれは半身であるフォウルと一体に なる時がくる、と語る。 実世界に戻った一行とやっとこさやる気を出したディースは、かつてチェクの 人々が竜を召喚したとされるアルカイの神殿へ向かおうと言い出す。 野ざらしはよくないということでマスターだった防呪鎧を長老の家に運び込み アルカイの神殿へ向かう。 道中、どういうわけかディースがいないただの防呪鎧のはずのマスターが動き だし、一行の後を追う。どうやら長いことディースを内に封じていたことで かりそめの命ともいうべきものが宿ってしまったようだ。 追いついてきたマスターを、ディースは自分が中にいなきゃただの鎧だと 激しくなじり、それをニーナが慰めて、しょんぼりとマスターはチェクの村へ 帰っていく。 アルカイの神殿の奥、竜を召喚したとされる場所でディースは世界各地に 存在する7体の竜を呼び寄せる。 そのころフォウルは、畑仕事をしていたマミから、地震が頻発するように なると近くのヨギ火山が噴火する、という話を聞く。今回の地震はおそらくは 自分の覚醒、半身の出現などにより強くなった竜の神気に当てられた魔物の 仕業であるとにらみヨギ火山へ。火山の洞窟では神気にあてられ自らを神で あると思い込み暴れだした「イワオカイン」がいた。しかし本物の神である フォウルにはかなうはずもなく消滅する。 村に帰ったフォウルを迎えたのは、ソン村長老の冷ややかな視線であった・・・。 ディースの呼びかけに応じ意識体で表れた竜たちは、自分たちが神・うつろわ ざるものと呼ばれる存在であり、元はここではない世界の住人であったがかつての チェクの村人により世界の営みを安定的なものにするためにこの世界に呼ばれた存在 であると語り、世を乱さんとするリュウの半身に対抗するだけの力を授けよう ということに。(このあと各地の竜に出会うと「竜召喚」を覚えられる) 382 ブレス4のひと sage 04/03/07 03 41 ID H7boZygL 381の続き。本文長すぎって言われちゃったよ。で、 379は 377の続き。 リュウ達と各地の竜とが邂逅していたそのころ、チェクの村には帝国の軍勢が。 逃げ遅れた長老を逃がすべくマスターは帝国兵を撃退していくが、そこに 三度ラッソが。マスターは果敢に立ち向かうもラッソの一撃のもとに破壊されて しまう。 リュウ達が村に戻った時には既に遅く、帝国兵が逃げた村人を追い出て行き、 無残に破壊されたマスターが転がるだけであった。隠れていた長老を始めと する村人の話で捨てられた村に皆避難したと聞き、動かなくなったマスターを 長老の家に入れて捨てられた村へ向かう。 その晩、長老とディースは動かなくなったマスターを前に、共に長く生き過ぎた もの、多くのものを見すぎてしまったものとしてうつろうものの儚さを語り合う。 捨てられた村に向かう前にテントで一泊した一行だが、リュウが起きると そこには他に誰も居ない。不思議に思いテントを出るとそこには帝国兵に とらえられた仲間と帝国の将校アースラが。村人が避難した捨てられた村に 行き、そこで村人や仲間の安否と引き換えにリュウを帝国に連れて行こうと いうアースラの提案をリュウは断れるはずもなく、捕らえられたまま 捨てられた村へ。 そこで待っていたのは、ラッソによる村人の虐殺だった。 命令に背くのかというアースラの言葉を無視しさらに虐殺を続けるラッソ。 その行為に怒り立ち向かう一行の前に立ちふさがるは最強の鉄気アイトー。 一行は死力を尽くしアイトーと戦うも、ドラゴンと化したリュウの攻撃ですら 受け流すほどの力を持った堅牢な盾を持つアイトーを倒す手段など持ち得ない。 傷つき、倒れていく仲間たち。 そしてアイトーの巨刀がリュウを貫く。 リュウが凶刃に倒れるそのとき、リュウの中で何かが弾ける。 リュウの内に眠っていたカイザードラゴンが、怒りのままに目を覚ます。 カイザードラゴンのブレス攻撃・カイザーブレスの前にはいかな攻撃も 受け付けないと思われたアイトーの盾も粉微塵に吹き飛び、怒りの拳が アイトーの体をただの鉄屑に変えていく。 アイトーの絶対の力を信じていたラッソはカイザードラゴンと化したリュウに ただただおびえ、逃げようとするも腰が抜けて立つ事も出来ず、ひたすらに 命だけはと懇願する。 しかし、怒りの感情しか持ち合わせていないリュウはカイザーブレスを撃ち、 ラッソを、村を、消滅させる・・・。 これにて第2章閉幕。 516 ブレス4のひと sage 04/03/12 01 35 ID i6rvUnbg あぶねぇ回線エラーのおかげで流れぶった切らないですんだわ。 んではブレス4の続きを少々。 382の続きです。 第3章 ながれ 第8部 さだめの道行き リュウ達がアルカイの神殿から捨てられた村へ向かおうとしている頃、フォウル が滞在していたソン村に帝国軍が。村長が帝国に神皇と思しき力を持った者が いる、と報告したようだ。帝国軍の目的がフォウルであることを察したマミは かまどから逃げるようにフォウルに告げ扉を押さえる。 それに少し戸惑い、ためらいながらもフォウルは村の外に。 フォウルが村の外に出た頃、帝国兵はなぜかマミを拉致し、さらにフォウル 捜索を続ける。 マミのことが心配になったフォウルは村に引き返そうとするが、途中で村の 若者にマミの気持ちを無駄にするなと言われ、その言葉に従い村を後にする。 ソン村から皇都に行くためにはほこらを通らねばならないのだが、その扉は 供物を捧げることでしか開くことは出来ない。どうしたものかと思案する フォウルの前に、いつぞや撃退した「パパン」が。「パパン」は自らほこらの 扉をこじ開けんが如くに突撃を繰り替えし、そして命尽きる。 自ら供物になった「パパン」の姿に驚きを隠せないフォウル。 「パパン」の姿にうつろうものの有り様の一端を垣間見、物思いに深けながらも ほこらの洞窟を抜け、ソマの森を越えようとする。その時、禍々しい気配を感じる。 その時、ヨムはアスタナ基地では拉致したマミを呪砲発射のための「ニエ」 (生贄)にし呪砲によりフォウルを抹殺せんと画策。 そして、マミをニエにした呪砲が発射される。 呪砲はフォウルに直撃し、ソマの森を呪いまみれにする。 だが、フォウルは生きていた。ボロボロになりながらも、呪いまみれのソマの 森を越え、皇都へ向けて歩き続ける。 カイザーブレスにより崩壊した捨てられた村。 リュウはカイザードラゴンの暴走が納まった後眠り続けていた。 その一方で奇跡的に生き残ったニーナ達はこれまた奇跡的に生き残った アースラを簀巻きにし帝国に乗り込むから道案内しろ、と迫る。 そうこうしている内にリュウが目を覚ましたので、今後のこともあるので とりあえずチェクの村の長老に相談しに行く事に。 チェクの村の長老からリュウのこと、半身のことを聞いたアースラはカイザー の力を鑑み、半身を会わせてみるべきだろうということで帝国への同行を 承諾する。さらに、事態を重く見たディースはリームの中では同行することも ままならないということで、マスターの中に戻りマスター共々付いていくことに。 帝国に行くならハシビトの町の大帝橋、ということでラフト山をいかだで激流 下り(ミニゲーム)しつつ下山しハシビトの町への砂船が出ているシェドの町へ。 517 ブレス4のひと sage 04/03/12 02 14 ID i6rvUnbg 516の続き ハシビトの町に行くには砂船が必要・・・だが、いつぞやのように荷物に なって送ってもらうという手は使えそうもない。となると砂船を買うしかない わけだが、船商人が提示した額はあまりに高額でとてもじゃないが買えない。 と、ちょうど砂船が出るという話が。船になんとかして同乗させてもらえないか 交渉するべく舟を止める手立てはないものかと思案していると、アースラは おもむろに銃を抜き、砂船に向けて発砲する。 なんとか船を止めることに成功した一行の前に現れたのは、何の因果かマーロック。 先に帝国へ進入したときの一連の騒動で一行に負い目を感じていたマーロックは その償いといわんばかりに砂船が買えるだけの額の小切手を切ってよこしてくる。 その小切手で砂船を買い、ハシビトの町へ。 (砂船で移動するときはタイムアタックレーシングのミニゲームになる) ハシビトの町に付いたはいいが、いつぞやのラッソ(というかイメカフ)との 戦いの際に大帝橋は壊れてしまい復旧の目処が付かず帝国領に戻れないという。 大帝橋が使えないとなると、北のシオの海を越えなければ帝国領には行けない。 ということで今度はシオの海を渡る船が出る港町シュークを目指すことに。 (この世界の海は北に広がるシオの海以外はすべて泥の海で、そのせいで船 はシオの海でしか航行できない) 砂船に乗せて欲しいと頼む商人をアクロバティックにかつベストスコアを 出すべく激走する砂船に乗せて謝礼を貰ったり、ロープウェイで行き来する ギガ山を越えたりしたところに関所が。クレイは衛兵に事情を話して通して もらおうとするも全く取り合ってもらえないばかりか襲い掛かってきたので クレイ一人で衛兵二人を撃退するも増援が。そこで、近くの荷台をトランポリン 代わりに大ジャンプで関所を飛び越え、一行はシュークへ。 かくして東大陸唯一の港町シュークに辿り着いた一行は早速船に乗せてもらえ ないかと頼む・・・が、船長に水神の許可がない人間を船に乗せるわけには いかないと断られる。ならばということで北にある水神のほこらへ。 水神のほこらで海竜に出会った一行はシュークに戻り、許可は貰ったから 船乗せてくれと頼むが、今度は船は女人禁制だからどうしてもというなら連れの 女二人には試練を受けてもらわねば、ということに。 第一の試練はマストの上での決闘で、相手を踏みつけ押してマストから落せば 勝ち、というもの(ミニゲーム)。ここはニーナが有翼人という大きな アドバンテージを利用し勝利。 第二の試練は船倉で一晩明かす、というもの。なかなか寝付けない二人のところに 突如幽霊(ドッペルゲンガー)が。これを退けてさぁ寝よう・・・とするも なにやらコソコソと動き回る声。良く見るとそれはネズミファミリー・・・と いうことで、ついでにネズミ退治をすることに。 無事ニーナとアースラは試練を突破したことでもう船長は乗船を断る理由も なくなり、いざシオの海へ。 潮風に吹かれながら航行を続ける一行。その時、なにやら海の底から泳いで 上がってくる謎の影が。それは海面近くで大きくジャンプ、船上に躍り出る! ・・・それはフーレンの里で袋叩きにしたはずのカーンであった。 嗅ぐと毒に犯されるほどの激烈な屁を振りまいてくる危険極まりないカーンを 6人で袋叩きにして海の藻屑にしてやる。 カーン襲来から数日、いまだ航行を続けていると不意に風が止まる。 風がなくては船は人力で動かす他ないがそれではとてもじゃないが持たない。 その時、マストに登っていたニーナは遠くに島を見つける。 船員たちが言うにはそこはおそらくシオの海を荒らす海の魔人の住処では ないかとのこと。そんなやつを放ってはおけないということで、海の魔人が 住む火の山島へ向かう。 197ブレス4のひ とsage04/03/16 04 06ID apJYWtAe 割り込みかけてしまっていたら悪いのだが、投下希望を無視するわけにもいかんので ここいら で少々。前スレ517の続き。 第3章 第9部 おろかなるもの シオの海の風を止めている原因を思われる魔人を倒すべく火の山島に辿り着いた一行。 難破船伝いに、人魂の導きを受けながら奥に進むと、そこにはヨギ火山の イワオカインと同じく神気に中てられ自分が神であると錯覚した魔物「セント」が。 子分「エルモ」を召喚しつつ襲ってくる「セント」を撃破しシオの海の安全を 取り戻した一行は改めて西大陸を目指す。 かくしてシオの海の終着点であるリプの村へ到着。ここで村人から西の島々の ジャングルのどこかには原住民パプパプ族が住んでいることを聞き、その人たちなら 帝国領への行き方を知っているかも、ということでとりあえずそのパプパプ族とやらに 会ってみることに。 ということでジャングルを歩く一行だが、その行く手に謎の毛玉が。 なにやら言語と思しきもので何かを訴えかけているような気がするその毛玉に 食い物を見せると物欲しそうな目をする。つまりこりゃ腹が減ってたんだな・・・ ってなことで腹いっぱいメシを食わせてあげる(ミニゲーム)。 腹いっぱいになった毛玉が御礼とばかりに案内してくれたのはパプパプの村。 そこで探検家ベイトからパプパプ族の言葉の翻訳の仕方と帝国領への行き方を 教わる。と、そこへ毛d・・・じゃなくてパプパプ族が。ベイトが言うには どうやらパプパプ族の一人が重い病気になってしまったとのこと。 手持ちに特効薬がないがリプの村ならあるいは、と語るベイトの言葉を受け 一行はリプの村へ戻る。 リプの村に戻った一行は村人から、シオの海の孤島に生えるモズ草なら治療に 使えるという話を聞くが、今生憎と船は・・・というところで先に世話になった 船長が。セントを倒した礼も兼ねて船を好きに使ってくれという船長に礼を いいつつモズ草の生える孤島を探しシオの海を巡る・・・。 モズ草を手に入れた一行は早速パプパプ族の村に戻り薬を作って病気のパプパプ人に。 元気になったパプパプ人やベイトの感謝の言葉を背に、一行は浅瀬伝いに 帝国領に向かう。 205 ブレス4のひと sage 04/03/16 04 36 ID apJYWtAe 197の続き ベイトから聞いた話ではこの諸島郡は潮が引いていれば歩いて渡れるのだが 満ち引きの都合では何日も足止めを食らうかもしれないとのこと。でも夜も 深けてきたら寝るっきゃないでしょ、ということでキャンプを張る一行。 だが、目が覚めたらそこは孤島と化していた・・・。 ただ一人イライラを隠せないクレイをよそに潮が引くまでまったりすごす一行。 食料を確保しに森へ向かうリュウ・ニーナ・アースラ。岸辺で都合よくさおDXを 見つけ釣りに興じるリュウをよそに女性陣はなにやら泉のほうへ。 なんとか食えそうな魚を何匹か確保して(このゲームではここの他各地で釣りが でき、釣った魚はHPなどの回復にも使える)ほくほく顔のリュウが泉で見たものは・・・ 女性陣の水浴び。 偶然のラッキーチャンスに息を潜めるリュウ・・・だったがアースラは気がついた ようで弾丸一発。恐怖を胸にそそくさとキャンプへ戻るのであった。 そのころ、皇都になにやらボロボロになった銀髪の男が現れる。 そう、フォウルである。 懐かしの皇城。城の守護者アーターに皇都を崩壊させるように命じ玉座を 目指すフォウルの目前に現れたのはヨム。切り札の強化型炎の魔人カーポと 強化型炎の魔鳥カミュを次々に召喚しフォウルを滅せんと襲い掛かる。 しかし、リュウがカイザーに目覚めると共にもうひとつの最強竜タイラントに 目覚めていたフォウルにはかなうはずもなく、2体の召喚獣は光に消える。 切り札をあっけなく破られたヨムは、自分の価値はもはやない、やはり神皇になど かなうはずもないのだ、と言い残し自決する。 ヨムの死体を背に皇帝専用の直通エレベーターで最下階を目指す。 最下階で待っていたのは帝国兵と呪術師。竜の力を封ずるという結界を張り 皇帝を守らんとするも、その結界もタイラントの力の前にたやすく崩れ去り 帝国兵達も塵と化す。 そのころ玉座では、フォウル出現におののく皇帝に宰相ユンナが神をも殺せる 剣「神鉄の剣」を授け、これでフォウルを殺せば貴方は皇帝のままでいられる とそそのかす。 帝国兵を蹴散らし玉座に座りガタガタ震える皇帝の前に立つフォウル。 盟約に従い玉座を明け渡せと迫るフォウルに皇帝は神鉄の剣を突き立てる! ・・・が、フォウルは倒れない。打つ手もなくただ哀れに震えるだけの皇帝 の手から神鉄の剣を打ち払い、返す刀で首を跳ね飛ばす。 こうして、神皇フォウルは再び皇帝として君臨することとなった。 そして、フォウルは魔物の巣窟となった皇城の最下でいずれ来る半身を待つのであった・・・。 そんなフォウルの壮絶な死闘をよそにニーナと釣りに興じるリュウ。 今日も釣れてほくほく顔でキャンプに戻ってみればいいタイミングで潮が引いている。 これなら帝国領にいける。一行は帝国領北の玄関であるコウシア村へ向かうのであった・・・。 256 ブレス4のひと sage 04/03/17 01 48 ID DZQO7yZs 205の続き。帝国領に入っていよいよ物語も佳境です。 第3章 第10部 西の大陸 シオの海・サルディン島と北部をぐるりと回ってようやく帝国領の北の玄関口 コウシア村に辿り着いた一行。なにやら不思議な水晶があるという遺跡エン・ジュ の噂を聞きつつ、先に向かおうとするも道が分からないということで知っている 人を探すことに。どうやらチクア村にいる珍品コレクター兼商人のフーという 男が知っているようだ。ということで、シャン川を渡りチクア村へ向かう。 チクア村で商人フーと出会い話を聞こうとするも、交換条件を出される。 何でもエン・ジュ遺跡にある珍しい水晶か、コウシア村名産の壷か、地元料理 シースーの具になる魚「火星ダコ」・「ジャケ」・「タイタン」を釣ってくるか どれかを選ぶことに。 とりあえずエン・ジュ遺跡の水晶から当ってみる。古代の仕掛けを解いて進むと そこにあったのは巨大な水晶。これにリュウが触れると水晶の中にある意識が 語りかけてきてドラゴン「ヘンナー」の力を得る。 (他にも各地の同様の水晶があり、それに触れることでワイバーン・ベヘモス・ ウォリアの力が得られる。またミニゲームの成績によるポイントでパワーアップもする。) ということで水晶は渡せなくなったので、コウシア村名産の壷か魚を釣って フーに渡すことに。交換条件は成立、運河を渡った先のパウク村の村長は皇都に 行った事があるのでそいつに聞いてみるといいだろうという話を聞かせてくれる。 ならば、ということでパウク村に向かうことになる。 258 ブレス4のひと sage 04/03/17 02 15 ID DZQO7yZs 256の続き 第11部 みちびき 商人フーの助言に従い、運河を渡りパウク村に到着した一行は、早速皇都への 道のりを知っているという村長に会うことに。 村長の家では、村長はなにやらお困りの様子。何でも西の森に作ったサクから 入れておいたニワトリが脱走してしまいどうしようもないとのこと。 お安い御用とばかりに西の森に散らばったニワトリをサクの中に入れなおし (ミニゲーム)村長のご機嫌をとると、皇帝墓所の奥には秘密の抜け道があり、 そこを通れば皇都に行けるという話を聞ける。 早速皇帝墓所に向かった一行を待ち受けていたのは墓所の守護神オンクー。 さすがに神皇の墓を守護するだけあって手ごわいオンクーを退けた一行は墓所の 中へ。中では数々の仕掛けとサイコロ型の守護獣「シャイ」・「ツウ」が待ち構えて いた。 辛うじて墓所から抜け道に出て、しばらくぶりの陽光を浴びる一行。 (ちなみに、抜け道を出たところにある隠し部屋にはラスボスを越える実力を 持ったこのゲーム最強のザコ敵が出る) ジンガ山地を下ったところで世も深け、キャンプを張った一行。 そこでクレイは長らく抱いている疑問をアースラにぶつける。なぜ自分たちを 捕縛、連行せずあくまで同行という形を取っているのか。 アースラはその問いに、上官であるルーン将軍の下に連れて行くことが第一で あるが、リュウ達の協力なくしてはここまでは来れなかった、と答える。 夜も明けて皇都へ向かおうとした先には検問が。アースラが事情を聞くと、皇都では 魔物があふれ暴れまわっているので如何ともしがたく、軍本部のあるアスタナに 向かいルーン将軍に会って欲しいと言われる。 ということで、因縁の地アスタナに向かうことになる。 そこで衝撃の真実が待ち受けているとも知らずに・・・。 266 ブレス4のひと sage 04/03/17 02 51 ID DZQO7yZs 258の続き かくしてルーン将軍に会うべく再びアスタナを訪れることになった一行。 だがルーン将軍とは入れ違いになる。しかし将軍の口ぞえなのか基地の奥深く まで入れるように手配されていた。 そして、かつて訪れたときはユンナに追い返されたあの廊下の先へ。 そこには見るもおぞましいほどの、見上げるほどに巨大化した内臓と思しき 物体とそれを保存するためなのか水槽が。その不気味な光景、帝国の秘密を 垣間見ながら進むと臓器に道が塞がれていた。 その時、女性の声が聞こえてくる。ユンナが持つ神鉄の剣を持ってすればその臓器を 断ち切ることができる、と。 その声にクレイとニーナは驚く。そう、長らく捜し求めていたエリーナの声に 間違いなかったからだ。 エリーナの言葉に従いユンナの行方を聞くと、どうやらダンの関のほうに逃げ出した ようだ。急ぎダンの関に向かうとそこにはユンナが。 素早く捕まえ怒りを露にして神鉄の剣をよこせと迫るクレイの気迫に圧倒された ユンナは、隠し持っていた神鉄の剣を投げ捨て一目散に逃亡する。 神鉄の剣を手に入れ意気揚々とアスタナ基地へと戻る一行。道を塞いでいた 臓器を断ち切り向かった先には逃げたはずのユンナが。ユンナは、もはやエリーナ などという「人間」はこの世に存在しないとだけ言い残し再び姿をくらます。 そんなユンナの捨て台詞など気にも留めずに先に進むと、そこには豪奢な ベッドに横になるエリーナの姿が。やっと会えた、ウィンディアに帰ろうと いうクレイやニーナの言葉に、それはできない、と応えたエリーナは語る。 マーロックの導きを受け帝国領に入った後ユンナらに捕らえられ、ありとあらゆる 呪法をその身に受けてしまい、その姿はもはや異形のものと化してしまっている。 呪砲が最も威力を発揮するのは、発射対象に思い入れがある人間、発射対象の 周囲にいる人間から慕われている人間をニエにしたときであり、帝国からしてみれば 東側の各地の町で慕われていると判断された自分は最高級の弾丸であり、しかも 先に語った呪法を受けたこの体は、たとえどれほど切り刻まれてもそれが神鉄の剣に よるものでない限り復元し、無限の弾丸となる。 もはやこの身は人工的に作られた「うつろわざるもの」であり戦争の道具と なってしまっているのだ、と。 信じられないとばかりにクレイは力任せに布団を剥ぐと、エリーナの腰から下は 先ほど通ってきた地下にあった肥大化した臓器と繋がっていた・・・。 最後にエリーナは、クレイと二人きりで話がしたいと言う。その言葉に従い クレイとエリーナは二人きりに。 旅のこと、仲間のこと、お互いの想い。 そんな話の後、エリーナはクレイに懇願する。その神鉄の剣で自分を殺して欲しい、 せめて貴方の手で殺して欲しい、と。 クレイは、エリーナのため、神鉄の剣を振り下ろすしか、なかった・・・。 334 ブレス4のひと sage 04/03/18 01 17 ID +9cnj19R 266の続き。宣言通り今日のカキコで終わりです。 終章 うつろうもの 第12部 旅の終わり/第13部 神とヒトと エリーナと再会できたものの結局は何もできず悲嘆に暮れる一行。だが、まだ 旅の目的がすべて果たされたわけではない。皇城にいるはずのリュウの半身と 会わなければならないという目的がまだ残っている。 悲しみを振り切りアスタナ基地を出た一行は、皇都に向かう途中の、先に封鎖 されていた場所にいた帝国兵からルーン将軍が残存兵力を集め皇城に攻め入った という話を聞き、急ぎ後を追うことに。 呪いにまみれたソマの森を迂回しついに皇都に辿り着く。皇都は既に魔物の 巣窟と化しており、並み居る魔物を蹴散らしながら皇城の城門に辿り着くと、 そこにはフォウルが放ったアーターが待ち構えていた。 皇城の守護獣だけあって強力な冷気を放ち襲い掛かるアーターを撃退すると、 城門の脇には既に息絶えた兵士達と傷ついたルーン将軍が横たわっていた。 アースラは育ての親も同然のルーン将軍の手当てをする。そんなアースラに、 自分の後継を頼む、これからは自分のような老いたものでなくお前や仲間達の ような若い者が切り開いていくべきだ、と語り皇城に行くように促す。 そして皇城に踏み込む。入口から先にはなんと道がない。すると先に倒したはず のアーターが現れ、この先に半身であるリュウを導くように命ぜられている と言い、一行を背中に乗せ城の内部へ導く。 表にいたものよりも強力な力を持った魔物達や、封印の守護者「ドラゴニュート」を 退け、各所に施された封印を解きながら最下層へと向かう。 335 ブレス4のひと sage 04/03/18 01 18 ID +9cnj19R 334の続き 最下層の玉座。そこには皇帝の正装でリュウの到着を待つフォウルが鎮座していた。 殺気立つ仲間達を衝撃波で吹き飛ばし、リュウと向き合うフォウル。 とうとうひとつの神となる時が来た、と語りフォウルは玉座の奥へと姿を消す。 意識を取り戻した仲間達と共に玉座の奥へ向かうリュウ。そこには、アルカイの 神殿と同じような召喚の儀式の間が広がっていた。 フォウルと二人向き合うリュウ。ひとつの神として力を完全なものとして、 世にはびこるうつろうものどもをすべて抹殺してしまおうと語りかける フォウルの提案を撥ね付けるリュウと、仲間達を見たフォウルは閃く。 後ろのあやつらが邪魔なのだと。 フォウルはリュウに圧倒的な力で襲い掛かる。ただ防戦一方のリュウ。 そして、おまえが盾にならねば後ろの者どもは消し飛ぶぞ、と神の業 「エバーホワイト」をリュウに撃ち込む・・・! 「エバーホワイト」を辛くも凌ぎきったリュウ。だが満身創痍。そこに 仲間達が駆けつけ、癒しの術をかける。 ニーナは語りかける。なぜそれほどにヒトを憎むのか?ヒトは今は貴方が 思うように愚かで浅ましく傲慢な生き物かもしれないが、それでも成長して いけるはずだ、と。 フォウルは答える。自分を召喚したものも同じことを言った。だがそいつらが やったことは自分を皇帝にすえて世界の覇権を取ることだけだった。今も さほど変わりはしない。そんなヒトどもに生きる価値など有りはしない、と。 そしてリュウに語りかける。 おまえが見てきたヒトは愚かしい生き物ではなかったか? おまえが見てきたヒトは傲慢な生き物ではなかったか? おまえが見てきたヒトは浅ましい生き物ではなかったか? 自分とひとつになり、ヒトを滅ぼさないか? そして、リュウは、その問いに答える。 336 ブレス4のひと sage 04/03/18 01 44 ID ah/fNAHe 335の続き 便宜上フォウルEDということで。 リュウは、フォウルの言葉を否定しきれない。確かにフォウルの言うような 人間もいたが、だが皆がそうでもなかった。だが・・・ そのとき、リュウの体が光に包まれ、フォウルの中に取り込まれていく。 そして、フォウルはこれまでよりも一層神々しい存在になった。 そこにいるのはフォウルでありリュウ。だが、その心も、体も、力も、その すべてがフォウルの支配するところとなっていた。 フォウルは語る。これから世を、ヒトを、滅ぼすと。 その前に、手始めに貴様らを始末する、と。 そして、究極の竜「アンティマ」へと姿を変える。 させじと徹底抗戦を図るニーナ達。だが、アンティマのすべてを超越した 力の前には為す術もなく、次々に倒れていく。 そして、彼女らは二度と立ち上がることはなかった。 飛び立つアンティマ。世界の粛清が始まる・・・ 337 ブレス4のひと sage 04/03/18 01 59 ID ah/fNAHe 335の続き こちらは本EDへの流れ リュウには分からない。フォウルの言うようなヒトもいたが、そうでないヒト もたくさんいることを知っている。 ここまで来てくれた仲間達、旅を支えてくれた人たち。 その人たちを思う。世界を思う。 ニーナは、この世界が好きだといった。自分も好きなのだと思う。 心は決まった。 リュウは差し伸べられたフォウルの手を払う。 半身であるはずのリュウ、通じ合っているはずのリュウの心が分からないフォウル。 ならば貴様ごと消してやろうではないか、とタイラントを召喚し襲い掛かる。 決死の戦いでタイラントを退けたリュウ達。 ならばとばかりに、フォウルは自らを真スピリチュアルへと変え最後の決戦を 挑む。 数々の神の業を繰り出し怒涛の攻めを繰り出す真スピリチュアル。 これまでの戦いで培ってきた力と技で立ち向かうリュウ達。 決着。竜変身も解け地に崩れ落ちるフォウル。 ヒトに、世界に迷いを抱いていたのは自分であったのだと語りだす。 その時、フォウルの体が光り輝きリュウの中に流れ込む。 338 ブレス4のひと sage 04/03/18 02 12 ID ah/fNAHe 337の続き 神々しい気をまとったリュウは語る。自分はリュウでもありフォウルでもある、と。 そして、融合したことでお互いの真なる想いを知り、為さねばならないことがある、と。 それは、世界から神を捨て去り、そして自らも神の力を捨てること。 祭壇で神の力のすべてを解き放ったリュウは、その力で世界中に散らばる すべての竜を世界から追い出す。そして、リュウも力を失いただのヒトとして 生きる決意をする。 だが、マスターの中にいたディースは世界の行く末をマスターと共に見守るために 留まるといい、マスターもそれを歓迎する。 為すべきことは終わった。さぁ、帰ろう。 アースラは皇都に残り、復興の支援と行方知れずになったルーン将軍の捜索に あたるという。もう敵同士ではないから、とクレイとアースラは固く握手を交わす。 そして、アースラと分かれた一行は、故郷である東の大陸へと向かう。 ヒトは竜が、神がいなくともやっていける。 きっと、そうにちがいない。 アスタナ基地の屋根の上、神の気配が消え行くことを察知したユンナ。 彼はほくそ笑む。 神がいなくなったのであれば、自分が神を作ればいい。 そう呟いて・・・。 339 ブレス4のひと sage 04/03/18 02 22 ID ah/fNAHe 長らくお付き合いいただきましてありがとうございます。 消化不良な点、納得いかない点もおありでしょうが、ゲームとしてはこれにて 閉幕です。 ここからは余談。 先に書いたフォウルEDですが、このときの一行VSアンティマにおいては プレイヤーはアンティマを操作し一行をなぶり殺しにします。 ・一行の攻撃はほとんど効かない・自分を攻撃対象に選ぶことはできない ・毎ターン最大HP分自動回復 といった理由でどうあがいても負けることはできません。 本ED文中で「真スピリチュアル(便宜上)」というのは、一応ゲームでの 名称は「スピリチュアル」なのですが、フォウル操作時に変身できるスピリチュアルと 区別するために真をつけさせてもらっています。