約 805,940 件
https://w.atwiki.jp/wiki2_ps/pages/12.html
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3054.html
『取り返すために』 37KB 虐待 差別・格差 群れ 赤ゆ 希少種 自然界 現代 虐待人間 独自設定 17作目 「ゆ、ううまれるよ、まりさぁ!」 「ゆゆ、れいむまつのぜ。いまおぼうしをよういするのぜ!」 春のある日の事、とある森のとある番のれいむが出産の時を迎えていた。 夫のまりさは妻の言葉に、慌てて自分の頭からトンガリ帽子を外して構える。 「ゆぅ……ゆぐぐゆぅ!」 力む声の後に何かがすっぽ抜けるような音が巣の中に響く。 そしてれいむの体から飛び出す新たな命、それを受け止めるまりさのお帽子。 「ゆ、う、うまくうけとめられたのかぜ?」 そう言ってまりさは自分のお帽子の中を覗く、 「ゆ、ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」 その中には待ち望んで居た自分に良く似たおちびちゃん、赤まりさが天使のような微笑を目の前の父に向けていた。 「ゆ、ゆわ~ゆっくりしたおちびちゃんだよぉ。ゆっくりしていってね!」 その子供に向って満面の笑みと共に挨拶をする。 そんなまりさの至福の時間は、切羽詰った妻の言葉で中断される事になる。 「ま、まりさ……つぎの、つぎのあかちゃんが!」 「ゆ、れいむ!わかったのぜ!」 そう言って赤まりさをお下げで掴み、お帽子の中から取り出し脇にどける。 赤まりさは一瞬寒そうに身震いすると、隣の父に擦り寄った。 「ゆぅ、れいむ!もうだいじょうぶなのぜ!」 「ゆぐぐぐ、ゆぅ!」 そうして飛び出す新たな命、今度の子供は赤れいむだった、先ほどと同じように親子が挨拶をする。 先に生まれた姉も妹の誕生を歓迎し、いっしょにすーりすーりをする。 続けて生まれたのは、またもや赤まりさ。自分の同じおちびちゃんのたくさんの誕生に父まりさの頬は緩みっぱなしである。 苦しそうな母れいむも、番のそんな様子にゆっくりとした笑みを向ける。 「ま、まりさまただよ、おちびちゃんがあとひとりいるよ!」 自分の体の様子から最後の子供であることに気が付き番に用意を促す。 「いつでもだいじょうぶなのぜ!」 最初は慌て居た父まりさも、4回目となるともう慣れたものである。 傍に3匹の赤ゆっくりを待たせ、母れいむに向けてお帽子を構える。 「ゆぐぐぐ、ゆぅ、まりさ!」 母れいむから飛び出した赤ゆっくりが、放物線を描いて父まりさのお帽子に入った。 「ゆ、れいむ!さいごのおちびちゃんもちゃーんとうまれたのぜ!」 最後の赤ゆっくりをしっかりと受け止めると、先に番が気になったのか母れいむの様子を見に行く。 苦しそうな息をしていた母れいむも何とか息を整えると待望の我が子のいる場所へやってきた。 「ゆ……ゆ~おちびちゃん!」 そう言って涙を見せる母れいむ、赤ゆっくりとの最初のご挨拶はゆっくり達にとって重要な儀式である。 植物性妊娠であれば、出産は短時間であるため両親は一度に子供達とご挨拶が出来るが。 動物性妊娠の場合、母体になるゆっくりにもその番にも負担がかかるため、一度にご挨拶という訳には行かない。 しかしそれでも重要な儀式であることに変わりは無いのである。 近寄ってくる母親に顔を輝かせる赤ゆっくり達、体の自由の利く父まりさは番のれいむと子供達の始めてのご挨拶の為に先行して最後に生まれた赤ゆっくりをお帽子から出してあげるつもりである。 「ゆ~おちびちゃん!でてくるのぜ!」 そう言ってお帽子にお下げを伸ばす父まりさ、地面に置いて潰れたお帽子を開いて中にお下げを差し込む。 「おちびちゃんも、おかあ……ゆっ!」 その時父まりさの顔に驚愕が走った。背後の母れいむも先に生まれた赤ゆっくり達も「ゆっくりしていってね」と言おうとしたところで上がった大声に動きを止めている。 「ゆ……ゆぅ?ま、まりさいったいどうしたの、おおごえはあかちゃんがこわいこわいだよ?」 そう言って父まりさに近づいた母れいむ、そんな彼女も後ろからお帽子の中を覗き動きを止める。 「ゆっ!……ど、どぼじでぇ?」 「ゆあぁ、ど、どういうことなんだぜえええ!」 その言葉に反応して再度疑問の大声を上げる父まりさ。 「「「ゆ、ゆっきゅ!」」」 赤ゆっくり達も引きつった顔になっている。 「ゆ……ゆっきゅり……ゆ?」 父まりさのお帽子の中でそんな家族の様子に驚きを隠せない赤ゆっくり。輝く金髪に真っ赤なカチューシャを飾ったその子供は赤ありす――ゆっくりありすであった。 おうちの中は大混乱に陥った。ゆっくりの常識に置いて両親と違う子供が生まれることなど無い。 子供達とのご挨拶もそこそこに父まりさはおうちを飛び出し、群れの長であり森の賢者であるぱちゅりーを頼るべく長のおうちを目指した。 長のおうちはこの森の外るとても大きな木の下に作られており。中にはいくつもの部屋と食料庫や倉庫、外には侵入者対策の防壁と水害対策の浅い溝が備えられたこの群れでも有数の立派なおうちである。 そのおうちに父まりさが駆け込むと、長ぱちゅりーは保存食を開けてむーしゃむしゃしていた。 「ゆぅ、おさ!ぱちゅりー、たいへんなのぜ!」 「む、むきゅ、まりさ、いったなにがあったの?」 保存食を巻いていた木の葉で食べかけを隠し、口の中の物を飲み込んで聞いてくる。 「たいへんなのぜ、おさ!まりさのおちびちゃんが、たいへんなのぜ!」 慌ててぱちゅりーを連れ出そうと、もみ上げを引っ張ろうとする父まりさ。 「ま、まちなさいちゃんといくから!」 視線と態度で急かすが体が弱いぱちゅりーの動きはゆっくりとしたものである。 結局後ろから父まりさがせっつくようにして、ぱちゅりーを自分のおうちまで連れて行く事になった。 「ふうふう、おじゃまするわね」 息を切らした長ぱちゅりーが、まりさとれいむのおうちに辿り着くと。中で待っていた母れいむが不安そうな顔で歓迎する。 赤ゆっくりとはご挨拶を済ませたのか寄り添っているが、常識外れの事態にやはり皆不安だったのかどこかぎこちない様な空気が流れていた。 しかし番のまりさと頼れる長のぱちゅりーが来た事によって母れいむの顔にも少し明るさが戻る。 「ゆぅ、おさ!きてくれたんだね!」 「むきゅ、だいじょうぶよれいむ!それにしてもまりさ、いったいなにがあったの?」 そう言っておうちの中を見回す、こういう場合ぱちゅりーが呼ばれるのは大体出産がらみのトラブルと決まっている。 しかし既にれいむは出産を終えているようだし、赤ゆっくり達が病気と言うようにも見えない。 その事を疑問に思ったのか、父まりさに問いかける。 「お、おさ、みてほしいのぜ!まりさとれいむのおちびちゃんが!」 「むきゅ……たくさんよね、ゆっくりしたおちびちゃんよ!」 「ちがうのぜおさ!あのおちびちゃんをみるのぜ、ありすなのぜ!」 「むきゅ……む、むきゅーほんとうだわ!ありすよ!」 その言葉におうちの中の視線が赤ありすに集中する。生まれていきなりこんな状況に放り込まれ、唐突にやって来た家族以外のゆっくりに不安そうな表情だった赤ゆっくり達、その中でも特に不安だった赤ありすの顔に驚きが走る。 「ゆ、ゆぴぃ!」 「そうなんだよ、おさ!れいむとまりさのおちびちゃんなのに、あのこだけありすなんだよ!」 「そうなのぜ、いったいなにがあったのぜ?」 「むきゅ……むきゅ……えーと、れいむ?うわきなんて……してないわよね!」 「ゆ!な、なにいってるのぉおさ!れいむがまりさいがいと、そんなことするわけないでしょうぉ!」 「そ、そうなのぜ!れいむはそんなゆっくりじゃないのぜ!」 「それにみるのぜ、おさ!まりさのおちびちゃんもうまれているのぜ!」 「む、むきゅう……こ、これはいじょうなじたいよ……」 「「ゆゅ!!!」」 「まりさ、れいむ、すこしまちなさい!けんじゃのぱちぇのまどうしょをみてくるわ!」 「そうすれば、なにもかもわかるわ!」 そう言って巣の外に走り出す長ぱちゅりー、おうちの中には家族が残された。 「ゆ、ゆぅ、だいじょうぶなのかな、まりさ?」 「だいじょうぶなのぜ、おさはもりのけんじゃなのぜ!」 家族と寄り添う父まりさ、赤ゆっくり達もしばらくぶりの父に体を擦り付ける。 「いままでだって、ぜーんぶおさがおしえてくれたのぜ。だからだいじょうぶなのぜ!」 父まりさと母れいむはあの長のぱちゅりーを信用していた。この群れの長としてはまだ短いが森の賢者と呼ばれ、この群れ一番の知恵を持つゆっくりであり、その知恵と知識でこの群れを助けてきた。 何よりあのぱちゅりーの先祖は、群れの英ゆんなのである。 まりさ達が生まれるより前、この群れが沢山のふらんに襲われると言う大事件があった。 沢山の犠牲を出しながらもふらんを撃退し生き残った賢者でこの群れの基礎を作ったゆっくりでも有るのだ。 あの立派な長のおうちや群れの制度、梅雨や冬に向けて作る保存食の技術を作ったのも彼女であると聞いている。 長のおうちにはそんな「けんじゃのまどうしょ」が有り、長ぱちゅりーだけがそれから様々な知識を読み取る事が出来るのである。 しばらくすると再び息を切らせた長ぱちゅりーがおうちに現れた。 「はぁはぁ、むきゅ、はぁ、わ、わかったわ!」 「ゆぅ、ほんとうなのぜおさ!」 「す、すごいよおさ!」 「はぁはぁ、そうよ、けんじゃのぱちぇにはわかったわ!」 「そのおちびちゃんは……"チェンジリング"なのよ!」 「「ゆっ!?」」 「なんなのぜおさ、そのちぇんじりんぐって?」 「ゆぅ、はやく「むきゅ、まちなさい!」 「ゆ?」 「まりさ、れいむ、ちょっとそとではなしをしたいわ!」 「ゆ、わ、わかったのぜ!」 「ゆぅ、わかったよ!」 母れいむは赤ゆっくりの方を不安そうに見ると、もみ上げで抱きしめ少し外で話すと言い含めて外に出た。 おうちから出ると長ぱちゅりーは神妙な顔になり、二匹を見回す。 「むきゅ、あのおちびちゃんは、とりかえられてしまったよ!」 「「ゆゅ!」」 「まずはききなさい、あなたたちのおちびちゃんは、とってもゆっくりしているわ」 「そういうゆっくりしたおちびちゃんは、よーせいにねらわれるのよ。よーせいがじぶんのおちびちゃんと、とりかえていくのよ!」 「ゆ、そ、それじゃあ、まりさのおびちゃんは?」 「よ、よーせい?そのゆっくりが、れいむのおちびちゃんをさらったの!」 「むきゅ……よーせいは……むきゅ!そうよれいぱーありすよ!」 「れいぱーありすがまりさたちのおちびちゃんをねらって、じぶんのおちびちゃんといれかえたの!」 「げんにあのおちびちゃんは、ありすのおちびちゃんでしょう!」 「ゆ、ゆぅーれいぱーはゆっくりできないのぜ!」 「ゆわーん、れいむの、れいむのおちびちゃんがれいぱーありすに!」 「むきゅ、だいじょうぶよ!おちびちゃんをとりかえすほーほうがあるの!」 「ゆ……お、おさ。ほ、ほんとうなのかぜ?」 「れ、れいむのおちびちゃん、かえってくるの!」 「むきゅ、そうよ!」 「すごいのぜ、やっぱりおさはけんじゃなのぜ!」 「すごいよ、はやくおしえてね、いますぐでいいよ!」 「むきゃっきゃきゃ、ちょちょっとまちなさい!」 詰め寄ってくる親2匹を押し留め、長ぱちゅりーは息を落ち着けて語りだした。 「まりさたちののおちびちゃんをとりかえすには、あのありすをいじめるひつようがあるわ!」 「ゆ、いじめるのぜ!」 「おちびちゃんをいじめるのは、ゆっくりできないよ!」 「そうよ、あのありすのおちびちゃんをいじめることで、よーせい……れいぱーありすがおちびちゃんをかえしにくるのよ!」 「まりさたちもじぶんのおちびちゃんがいじめられたら、ゆっくりできないでしょう!」 「ゆぅ、そうなのぜ……」 「わかったよ!れいむはあのありすをいじめるよ、れいむのおちびちゃんをとりかえしたいからね!」 「れいむ……そうなのぜ、まりさのおちびちゃんをれいぱーなんかにわたせないのぜ!」 そう言って気炎を上げるまりさとれいむ、長ぱちゅりーはそんな2匹を慌てて止める。 「まちなさい、ふたりとも!とりもどすには、いくつかのちゅういがあるの!」 「「ゆっ!」」 こうして長ぱちゅりーは2匹に子供を取り返すための注意を行った。真剣な顔になる父まりさと母れいむ、しばらくしてから長はおうちに帰り、2匹もおうちの中へ戻って行った。 「おきゃーしゃん、おちょーしゃんおかいえりなしゃい!」 父まりさ達がおうちに入ると放置されて不安だったのか赤ゆっくり達が擦り寄って来る。 それには笑顔で返す2匹、おうちの中に明るい空気が広がった。 「おちょうしゃん、ありしゅにも!」 そう言って父まりさに擦り寄る赤ありす、 「れいぱーのくそがきはちかよらないでね!」 「ゆぴぃ!」 そんな空気も赤ありすが父まりさに吹き飛ばされると凍りついた。赤ありすは倒れて痛みにうめいている。 「ゆぴゃぁ、どうちて、れいみゅのいもーちょをどうしちぇ、おきゃーしゃん、おちょーしゃんが!」 母れいむに訴える赤れいむだが、母れいむの目も冷たいままだ。 「ゆ、おちびちゃんいいんだよ、あれはみんなのいもーとじゃないんだよ!」 「そうなのぜ、あれはれいぱーのくそがきなのぜ!」 「しょ、しょーなの!」 「そうだよ、はやくこっちにきてね、おかあさんいっしょにむーしゃむしゃしよーね!」 そう言って赤ありすの方に向おうとした赤れいむを呼び寄せる。 赤れいむもしばらくは倒れている、赤ありすを気にしていたが姉妹と同じように母れいむの元へ向った。 父まりさがおうちの食料庫からとっておきのあまあま――木苺を持ってくる、生まれて直ぐに母れいむから茎を噛み砕いて与えられていた赤ゆっくり達だが、それから随分と時間が経ってしまった。 はじめて見るあまあまによだれを垂らし、目を輝かせている。 「ゆわーおいししょうだよ、おきゃーしゃんたべちぇいいの!」 「いいんだよおちびちゃん、いっぱいむーしゃむしゃしてね」 その言葉に3匹の赤ゆっくりがあまあまに飛びつく。 「「「むーちゃむーちゃ、あみゃあみゃしあわちぇー!」」」 その言葉に父まりさと母れいむの顔にも笑顔が広がった。 「あ、ありちゅにも、ありちゅにもあみゃあみゃちょうだいね!」 しかし、痛む体を押して赤ありすが戻って来ると、その顔に影が差す。 「ゆ、なにいってるの?あまあまはれいむのおちびちゃんのだよ、くそがきはだまってね!」 そう言って蹴飛ばそうとして母れいむを父まりさが抑えた。 「まつのぜれいむ、おさのことば、わすれたのかぜ!」 「ゆっ!」 2匹の頭に長ぱちゅりーの言葉が蘇る。 「むきゅ、あのおちびちゃんだけど、えいえんにゆっくりさせてはだめよ!」 「えいえんにゆっくりさせずにいじめなくては、よーせいはこどもをかえしにこないわ!」 父まりさは再び食料庫に戻り、食料を咥えて来る。 「さぁ、おまえのごはんはこれなのぜ、かんしゃしてむーしゃむしゃするのぜ!」 投げるようにして与えたのは、親達でも保存食としてしか食べない苦い草であった。 「ゆ、ぎょはんにゃのね、ちょかいはよ……むーちゃゆぎぃ!」 草といえば生まれて直ぐに食べたあの茎しか知らない赤ありすは喜んでそれにかぶりつく、しかし口の中に広がったのは刺すよな苦味であった。 「ゆぎぃ、ゆぎゅう、きょれぢょくはいっちぇ……」 草とクリームを吐き出す赤ありす、それをニヤニヤと笑って見つめる両親。 「おお、あわれあわれ、れいぱーのくそがきがくるしんでるよ!」 「きたないね、おちびちゃんはあんなふうになっちゃだめだからね!」 両親の態度に赤れいむと赤まりさ達は驚きを隠せない。 「ゆぅ、れーみゅのいもうちょが……」 しかし赤ゆっくりにとって正義とはイコール親である。 「きにしにゃくちゃいいよ、れいみゅ!」 「しょーじゃよ、ありぇはまりしゃたちのいもーちょじゃにゃいんだよ!」 「で、でみょ……」 「それにあのこはまりしゃでもれいみゅでもないよ、ゆっくりできにゃいこだよ!」 そう言って赤ありすに冷たい目を向ける赤まりさ達、赤れいむは困惑しているがそれ以上は何も出来ない。 「ゆっ、おねーちゃん、どうしちぇありしゅをそんなめで……」 苦しんで誰かに縋ろうと家族の方に目をやるが相変わらず両親からは冷たい目で見られている。 それならば姉達に、と向いた姉達かたら向けられたのは同じような冷たい視線だった。 「ゆぴぴ、どうしちぇ?」 「さっさとたべてね、れいぱーのくそがきにはそれでもぜいたくだよ!」 動きを止めていると父まりさに小突かれる、お下げで口に苦い草が押し込まれる。 吐き出そうともがくが、結局それは赤ありすが全ての草を飲み込むまで続いた。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ……」 おうちの端では赤ありすが体を震わせながら泣いている。非ゆっくち症一歩手前である。普通の赤ゆっくりであれば既に発症してもおかしくは無い、しかし赤ありすは何かに守られているかの様に発症する事は無かった。 「さぁおちびちゃん、おかあさんがおうたをうたってあげるからね。ゆっくりすーやすーやしようね!」 母れいむが赤ゆっくり達を柔らかい草を敷いた場所に呼び寄せる。赤ゆっくりが集まると柔らかい草の中に入れて歌い始めた。 「ゆ~ゆ~ゆっくりしていってね~♪、おちびちゃんはゆっくり~したこだから~ゆっくりおねむしてね~♪」 その歌と隣に居る母の温もりに、赤ゆっくり達のまぶたがストンと落ちる。 寝息が立ち始めた、母れいむは歌いながらゆっくりとした笑顔を浮かべる、父まりさもその様子を見て微笑んだ。 お歌の効果は赤ありすにも平等に現れていた。涙が止まり心の中が少しだけ暖かくなる、まぶたがゆっくりと落ち始めた。 何かを叩いた鈍い音が響いた。 「ゆぴぃ!」 眠りに落ちようとしていた赤ありすが飛び起きる、父まりさが咥えた木の枝で赤ありすを叩いたのだ。 「お、おちょうしゃんにゃに!」 「れいぱーのくそがきがすーやすーやなんてぜいたくだよ、ゆっくりくるしんでね!」 父まりさは長ぱちゅりーの言葉を思い出す。 「むきゅ、それでねあのおちびちゃんをきのえださんでたたくの!」 「ほんとうはめーらめーらでいじめるのもいいんだけど、めーらめーらをつかえるゆっくりはいないし……」 「おちびちゃんのめのまえでむずかしいことをやって、よーせいのこどもにボロをださせるってもあるけど……」 「むきゅ……それはこのけんじゃのぱちぇがきょうりょっくするわ!」 「おまえがくるしまないとまりさのおちびちゃんがかえってこないんだよ!」 「ゆぴぃ、いちゃいいちゃいわ!」 そこに子供を寝かしつけた母れいむがやってくる。 「おきゃーしゃんちゃすけちぇ、おちょーしゃんが!」 「まりさ、おちびちゃんはすーやすーやしちゃったよ、だけどしずかにしてね!」 「ごめんなのぜれいむ」 「おきゃーしゃん!」 「れいむもきょりょっくするよ、だからおそとでやろうね!」 「やじゃあ、やめちぇえ!」 父まりさは赤ありすの髪を咥えお家のそとに放り出す。 「ゆびぃ!」 「れいむ、うまくたたくのぜ、そうしないとおちびちゃんがかえってこないのぜ!」 「わかってるよ、あしたからはむれのみんなにもきょうりょっくしてもらうよ!」 「ゆびぃ、やめちぇえいぎぃ!」 森の中に何かを叩く音が響き渡った。 赤ありすは寒いお外で倒れ付していた、体中に鈍い痛みが広がり意識も朦朧としてくる。 目の前ではおうちの扉が父と母によって厳重に閉じられている、隙間も漏らさぬけっかいは赤ありすへの拒絶への表れだ。 「おちょうしゃん、おかーしゃん、どうしちぇどうしちぇありしゅに……」 「うるさいよ、れいぱーのくそがきがおとうさんなんてよばないでね!」 「そうだよ、これはゆっくりするためにひつようなことなんだよ!これは、れいむたちのおちびちゃんを……」 「「とりかえすためなんだよ!!!」」 夜になった群れの森、空には満月が煌々と浮かび、夜とは思えない明るさである。 本来捕食種の活動時間であり、ゆっくりの居ないはずの時間に出歩いている者があった。 それは通常のゆっくりより一回り大きい体を重そうに動かし、ゆっくりと森の中を進んでいる。 頭には2本の角、薄緑色の髪を月明かりに輝かせる、ゆっくりけーねである。 満月の今夜、ゆっくりけーねは「はんじゅう」に変化し様々な「れきし」の知識を有するのである。 そんな能力を持つけーねだが、決して戦闘能力に優れたゆっくりでは無い。 しかし夜の森を歩くけーねの歩みには少しの怯えも含まれて居なかった。 彼女は知っていたのだ、もうこの森には捕食種は居ない事を。 しばらく進んで森の広場まで来ると、けーねは満月を見上げる。 「久しぶりだな……」 その瞳に映るのは空の満月でも、他のゆっくりでも無い。 この森のゆっくりの達の歴史であった。 「あぁ、もこう、らん、みんなも!」 うつろな目で過去の歴史に浸るけーねの顔には、堪えようの無い喜びが浮かんでいた。 楽しい時間は早く過ぎるもので、しばらくすると月に雲がかかる、興を削がれ不満そうな顔になるけーね。 溜息を付いて長のおうちへの道を引き返す。その途中、ゆっくりのおうちの前に通りかかると泣いてけっかいにすがり付く赤ありすが目に入った。 「……すまない、謝って済むものではないが」 そう言って目を伏せるけーね、 「いや、全て私のせいだな……」 そう、今目の前に居る傷付いた赤ありす、全ての原因はこのけーねにあった。 この森のゆっくりの群れは、このけーねとその番のもこうが作ったものであった。 昔居た群れで希少種という事から、差別されたり危険な仕事を押し付けられていた2匹は旅立ちを決意した。 住み慣れた場所を離れ、旅暮らしをしながら新しい住処を探す。その旅はとても辛く危険な物だった。 多くの場所には先住のゆっくりの群れが居たし、旅のゆっくりであり希少種の2匹を快く迎え入れてくれる群れは無かった。 多くの場合で追い出されたし。受け入れてくれる場合もその能力目当てであったり、すっきりーの対象として狙ったり。 ゲスやレイパーの襲撃を受けた事も一度や二度では無かった。 そんな2匹が長い旅の果てに見つけたのがこの森であった。豊富な自然と豊かな水源を持つこの場所はゆっくりの生活に必要な物が全て揃っており。何故か近くに他の群れが居ないという優良なゆっくりプレイスであった。 さっそくこの場所に自分達のおうちを作り始めるけーねともこう。旅の途中で出会い同じような悩みを抱えていた希少種や仲良くなった通常種の仲間達もいつしか現れ、この場所に群れが作られたのはそれから少し経っての事だった。 群れの長にはもこうが就任し、その番であるけーねが群れの参謀としてサポートすることになったこの群れは順調に発展する事になる。 この辺りで一番の大きな木の下に空いていた穴を拡張して、群れの全てが越冬したりいざと言う時に篭城できる「長のお家」として整備したり。 食料を計画的に収集し、何らかのトラブルや梅雨や冬の食糧不足に備えて「保存食」として加工するなど様々な工夫が凝らされた。 群れの掟も整備され、多くの群れが陥るゆん口問題に向けて妊娠を胎生妊娠で行う事もこの時決まった。 この時期がけーねにとっての幸せの絶頂であった。 けーねともこうの番にもおちびちゃんが一匹生まれたし。仲間達も子宝を授かり群れは拡大していく。 群れが大きくなってくると、その噂を聞きつけて群れに加わりたいと言って来るゆっくりが現れ、もこうは寛大に彼らを仲間に加えた。 そんなけーねの幸せを引き裂く事件が起きたのは季節が変わった頃であった。 この場所に群れを作ったけーねともこうだが、2匹はとある重大な見落としをしていた。 何故こんなゆっくりした場所に、ゆっくりが暮らしていなかったかである。 その答えは、ある夜に群れに襲い掛かった。 「うーしね!しね、しね!」 ふらん達捕食種の集団であった。群れを作った彼女達によって、この場所はゆっくりに荒らされていなかったのだ。 元々この辺りに住んでいたれみりゃすら追い出したふらんの群れの攻撃力は凄まじく、群れの被害がいきなり増大する事になる。 長のもこうは外で戦えば数を生かす間も無く殺されるだけであるとして、長のおうちを使って迎え撃つ事を提案。 元々越冬にも使えるようにと大きく作られていたおうちの外にバリケードを作ったり、中に罠を張り巡らせたりと要塞化を行う。 ふらん達の襲撃を警戒して狩りの成果は振るっていなかったが、群れに残っていた全ての食料を運び込み襲撃を待った。 それまで夕方に外に出ているゆっくりを一気に囲んで捕食していたふらん達だが。ゆっくり達がおうちに篭って出てこないとしばらくは警戒するように外を飛び回っていたが、焦れたのか長のおうちへの攻撃を仕掛けてきた。 長のおうちのでの闘いは熾烈なものになった、子ゆっくり達を奥に隠しておうちの入り口と入って直ぐのホールに仕掛けた罠とで迎え撃った群れのゆっくり達だが。 敵にはふらんが10匹は居たのである、罠にかかったところを奇襲して2匹、中で囲んで4匹を討ち取ったが。 4匹を残して罠は尽きてしまい、おうちの中にも進入されあとは完全な実力の戦いとなった。 けーねはそれまでの襲撃とこの戦いで敵のふらんの数を正確に把握していた。残るふらんはおうちの中に居る者だけである。 長のおうちに作られた隠し通路から、子ゆっくりの脱出を声に出さず提案するけーねに、もこうが目で指示を送る。 その場をもこうに任せて他のゆっくりと共に隠し通路を空けて奥に居た子ゆっくり達を外に送り出す。 それを見送って引き返そうとしたけーねが目にしたのは信じられない事態であった。 「むきゅ、ぱちぇはこんなところでしんでいいゆっくりじゃないのよ、ぱちぇがしねばせかいのそんしつよ!」 「ゆ、まりささまはにげるのぜ、あとはおさたちにまかせるのぜ!」 「ゆぅぅ、れいむはもうこんなところにいたくないよぉ、はやくにげるよ!」 「わかるよーここからにげるんだね!」 子ゆっくりを逃がすための抜け道から、我先にと逃げ出す群れのゆっくり達であった。 もちろん子ゆっくりだけで外に出すことは出来ない、奥に居たみょんを1匹先に出していたし。 後からも数匹追わせるつもりであった。しかしこの時ほとんどのゆっくりが逃げ出してしまったのである。 引き止めるけーねの言葉に耳を貸すものは居ない。結局残ったのはけーねともこう、そして2匹と仲の良かったこの群れの初期から居るゆっくり達だけであった。 この事は重大な危機をもたらした、おうちの中に入っているためふらんの飛翔能力は無いもの考えてよいが、それでもなお捕食種は強敵である。 しかし狭い場所であるため攻撃が避けづらく、犠牲は大きくなるが物量でぶつかれば勝利も掴めるはずであった。 ところがそのためにゆっくりが居なくなってしまったのである、残ったゆっくりには希少種のもこうとらんの攻撃力の高いものも居るがそれでも圧倒的に足りなかった。 もこうの元に駈けて戻る。けーねの表情にもこうは何かを察したのか、 「わかったよ、だいじょうぶ。けーねはもこうがまもるよ!」 そう言って体に炎を身に纏いふらんに飛び込んだ、その後ろかららんが尻尾の米粒の発射で援護する。 それに合わせて仲間たちがふらんに飛び掛った。ふらんの攻撃で一匹また一匹と潰されながらも前に行った者の死体を目隠しにしてふらんに木の枝を突き刺す仲間達。 それはまさにぶつかり合いであった、もこうは噛み付いてきたふらんを一匹消し炭に変えたが、そのふらんから出たところで後ろのふらんの「れーばてぃん」に刺された。 らんは米粒を乱しながら突っ込み方耳に噛み付かれながらもその相手に射撃を集中して相打ちとなった。 他の仲間たちは全ゆで1匹のふらんにあたり、皆潰されながらも相手のふらんをいが栗の様な姿に変えた。 おうちの最奥で最後のふらんと対峙するけーね、ふらんの背後では愛しい夫が、大切な友が仲間が死んでいる。 厳しい表情を崩さずに涙を流す、口に咥えた木の枝を向けられたふらんは、仲間の死が堪えていないのかむしろ面白がるような顔をしている。 「う~しね、しね!」 近づいてくるもこうの敵のふらん、敵は1匹こちらも1匹であった。 にじり寄って来るふらん、けーねが覚悟を決め特攻しようとしたとき、けーねの足元から火の玉が飛び出した。 「おかあしゃんは、もこうがまもるよ!」 飛び出したのけーねともこうのおちびちゃん、子もこうであった。 「ふじゃまぼるけーの!」 そう叫び、ふらんの口の中に飛び込む。 「う、しね?う……うがあああああ!」 ふらんの口から火の手が上がった。目が白く濁り、小さな火柱が噴出す。 まるで炎がゆっくり体を嘗め回しているようだ、全身が炎に包まれると一瞬強い光を発し黒焦げの球体が残る。 辺りに焦げたよう臭いが充満した。 湯気とも煙ともつかないものを上げている、ふらんだった物。 けーねはそれに飛びつくと熱さも忘れて中を開いた。 「おちびちゃん、何処だ?何処に居るんだ?」 消し炭の中を必死になって探すが求めている物は見つからない、気が付くと目の前に残るのは黒い灰だけであった。 周囲を見渡す、長のおうちの中はこげた臭い甘い臭い、そして耐え切れないようなゆっくり出来ない臭いでいっぱいだった。 何処を見ても永遠にゆっくりしたゆっくりの死体が転がっている。目を凝らせばそれらは皆けーねの仲間達である。 仲の良かったらんが居た、頭の良かったまりさが居た、子供達に優しいれいむが居た。 そして、そして奥に転がる黒い物は…… 「も、ぼごうー!」 けーねはそれに駆け寄った、愛しいもこうだと思われるそれにすーりすーりをするが、先ほどのものと同じように粉々の炭に成ってしまう。 「ゆ、ゆがああああ!」 けーねの絶叫が長のおうちの中に響き渡った。 その後の事は思い出したくも無い。暗いおうちの中で家族や仲間たちの死骸を集めて埋めていると隠し通路を戻ってくるものが居たのだ。 それは群れのぱちゅりーだった、その顔には見覚えがあるあの時隠し通路から真っ先に逃げたやつである。 「む、むきゅ……けーね、ふらんたちは?」 覗うような目でこちらを見てくるぱちゅりーを無視して埋葬を続けるけーね、皆はおうちの奥にまとめて埋める事にした。 しばらくキョロキョロろしていたが、何かに納得したのか引き返すぱちゅりー。しばらくすると群れの仲間達も戻ってきた。 その後で群れのゆっくり達が話していたのは信じられない事であった。 「むきゅきゅ、わたしたちはふらんにかったのよ!けんじゃのしょうりよ!」 「むははは、さいっきょうのまりささまにかかればこんなもんなのぜ!」 「れいむたち、ゆっくりしているゆっくりをたべようとするから、こんなことになるんだよ!」 「わかるよー、つよいんだよー!」 何と最初の戦いでも後ろに隠れ、その後は隠し通路で逃げ出したゆっくり達がこれを自分達の勝利だと言い出したのだ。 必死に戦って散っていったゆっくりの埋葬を続けるけーねを手伝おうとするものは居ない。 「むきゃきゃきゃ、これからけんじゃのぱちぇがむれのおさになるわ!」 何がどうなったのかは分からないが、最初に入ってきたぱちゅりーは仲間達の中でゆん望を得たらしく長となっていた。 その様子をけーねは、ただ冷たい目で見ていた。しかし、声を上げようとは思わなかった大切な家族や仲間を失ったけーねの心は凍り付いていたのだから。 この時をもってこの群れはぱちゅりーを長とする群れに変わった。けーねは長ぱちゅりーのおうちとなった、長のおうちの一室を使い何をするでもなく、自分の食料は自分で集め他のゆっくりと関わる事無く暮らしていた。 長ぱちゅりーがそんなけーねに何か言う事は無かった、自分でも分かっていたのかもしれない。しかし困った事があると密かにけーねに知恵を借り、それを自分の知識として群れには発表していた。 元々完成していた群れ、外敵の居ないゆっくりプレイス、この群れは再び発展を始めた。 しかし昔のように新たな掟を作ったり、新しいものを作り出すそんな進歩は起きなかった。 元々あった群れのままゆっくりの数だけ増える、そうしてこの群れは大きくなっていった。 けーねの唯一の心残りは、永遠にゆっくりしてしまった仲間達の子供だったが、彼女達も大きくなるとこの群れに何かゆっくり出来ないものを感じたのか、歯が抜けるように群れから出て行った。 こうして時が流れ、長ぱちゅりーが代替わりし孫の代になる頃には、けーねはかなりの老ゆっくりと成っていた。 けーねの生活は自分のおうちでもある、家族と仲間の墓に祈る事と、簡単な狩りだけになっていた。 そして希少種としてのけーねの力が最も発揮される満月の夜には、その力を使い群れの歴史を読み取って家族や仲間たちに再会するのだ。 月に一度の満月の夜は、けーねにとって失ってしまった者に出会える唯一の日であった。 それは自分ともこう、そして仲間達が作り上げた輝かしい群れの歴史だった。多くの苦労があった、しかしそれを必死で乗り越えたからこそ、今こうして歴史に刻まれているのである。 今の群れは停滞という緩やかな死の中にあった。完成された群れのシステムと居ない外敵、そして問題があったときに頼れる知恵袋の存在は、若いゆっくりを酷く頭の悪いものにしていた。 今の長のぱちゅりーにしてもそうである、その祖母の頃にはある程度の頭の良さがあったが。今では他のゆっくりと変わらない程度である。 このまま行けば長い時間をかけて群れは滅びるかも知れない、しかしそれはけーねの寿命よりも後のことだろう。 あの子ありすの問題がけーねの耳に入ったとき、けーねにはそれが直ぐに「チェンジリング」であると分かった。 低い確率で生まれる両親とは異なる種の赤ゆっくり、チェンジリングは幸運を呼ぶと言われている。 けーねの持つゆっくりの歴史においてもそれは証明されていた。チェンジリングはそれを得た者に幸運を呼び、自身もその幸運によって守られるゆっくりである。 しかし、チェンジリングは両親と異なる外見を持つゆえに、両親に疎外されたり虐待されたりする事の多い子供でもある。 けーねの知る中でも多くのチェンジリングは親に追い出されるなど壮絶なゆん生を送る事となった。 幸運に守られたチェンジリングはそれでも何とか生き延びる事が多いのだが、その幸運の加護をその子を産んだ両親が受けられないのは皮肉と言えるだろう。 その幸運から人間に拾われ、人間を幸せにしているものも多いと言う。 あの赤ありすはこの群れでゆっくりと育てれば、その力をこの群れで発揮しただろう。 しかし、けーねは自分に相談に来た長ぱちゅりーにはそれを教えなかった。 ただチェンジリング――取替え子――に関する知識は与えたのだ。 それは人間の知識であった、人間の歴史においてそう呼ばれた存在がどのような目にあったか、それを教えたのだ。 あのぱちゅりーはけーねの教えた間違った知識を嬉々として親達に教えるだろう。そうなれば子供を取り戻すために何が起きるかは自明の理である。 そしてその結果は今目の前に居るのである。 けーねはゆっくりのチェンジリングに関する負の面も知っていた。幸運を呼ぶ彼女達だが、無下に扱った者や群れに不幸を呼ぶ例があるのだ。 いくら歴史を知っているからとはいえ、そんな物に縋るのは愚かしいと思う、何もしていないあのありすを陥れた自分は間違いなくゲスゆっくりなのだろう。 しかし長い時間をかけてけーねの中にはこの群れのゆっくりへの悪意が育っていたのだ。 何もしないで惰眠をむさぼり、さもその繁栄を自分達の手柄であるかのようにゆっくりしているこの群れのゆっくり達。 違う、この群れは私達の作った群れだ、決してお前達のものでは無い。 もし自分の力がとても大きければ、この群れの歴史を消し去ってしまったと思う。しかし自分にそんな力は無いのだ。 老いたけーねに出来るのは悪意の種を蒔くだけである、その種は育つのだろうか。 今も赤ありすがおうちの扉にすがり付いて泣き声を上げている、中に居る親から怒鳴られた様だ。 「すまないな……これも取り返すためなんだ」 「畜生っ!」 血の滲むジーパンを押さえ込み思わず叫んでしまった。追っていたものに気を取られていたとは言えまさかこんな所で転んでしまうとは。 飛び出していた木の根に足を引っ掛け坂を転がり落ち飛び出していた鋭い枝を刺してしまったのだ。 上を見るが既にアレは居ない、逃がしてしまったか。近道しようとこの道を通ったとき偶々森の中に飛んで行ったゆっくり、銀髪に変わった翼のゆっくりだった、まず間違いなく希少種のゆっくりだろう、場合によっては2桁の福沢諭吉で取引されるそれに引き寄せられるかのように森に入ったのが失敗だった、意外と早く飛ぶそれに対して慣れない森の中では追いつく事が出来ず結局かなり森の奥まで入ってしまった。 その結果は既に見えなくなったあいつと、この足の傷であるとてもじゃ無いがやってられない。 「野郎、捕まえてペットショップに叩き売ってやろうと思ったのにつつっ!」 足を押さえて立ち上がる、何とか歩ける。 「ゆゆ~ん、ちょうちょさんまつのぜ!まりさのおちびちゃんはちょうちょさんがすきなのぜ!」 前方の茂みの奥から癇に障る声がする。これはゆっくりまりさか?ゆっくりで失敗した所にである、畜生あいつを捕まえて潰してやろうか。 「つかまえたのぜ!まりさはおちびちゃんのまつおうちにかえるのぜ!」 ん、今聞き捨て為らない事を言ったぞ、お家……この辺りには野生のゆっくりが住んでいるのか……もしかしてさっきの希少種もこの辺りに住んでいるのでは。 痛む足でもゆっくりなら後を追うのは難しくない、後を着けると確かにそれはあった――野生のゆっくりの群れである。 早速希少種を探そうかと思うが、この足では飛ばれたら逃げられてしまう、ここは我慢してしっかり準備をしなくては。 何群れの位置は確認済みだ、この場所にあの希少種が居れば捕まえるのは簡単だろう、もし居なければ……あの群れにこのイライラを解消させて貰おう。 「ゆ!にんげんさんなのぜ、ここはまりさたちのゆっくりプレイスなのぜ、さっさとでていくのぜ!」 翌日傷の手当てをして装備を整えあの群れに訪れると、早速1匹のまりさに見つかってしまった。 町に居る野良と違い人間を恐れていないのか、こちらに対して高圧的な態度に出てぷくーをしている。 面白い、最近町では味わえない反応である、町の野良はこういう場合は大体逃げてしまうからな。 「きこえないのかぜにんげんさん!みみさんがないのかぜ、おぉあわれあわれ「ゆが!」 うん、どうも随分長い事人間に会って居ないゆっくりの様だ、感動して撃ってしまった。 「ゆがぁいだいのぜ!なんなのぜこれはあんよがうごかないのぜ!いぎゃ!」 指に力を入れると金属を引き抜くような音がする、おぉちゃんと致命傷は避けているし動けなくしている。 意外と冷静だったな自分、3本の釘がまりさの顎の部分と体の左右を地面に縫いとめている。 良かったまりさの態度に当初の目的を忘れるところだった。 「ゆぎぃ、えだざんぬげるのぜ、まりさをはなすのぜ!」 「まりさぁちょっと聞きたい事があるんだけどなぁ!」 「ぬけるのぜぇ、ゆぎぃ!」 話を聞かないまりさの帽子に1本打ち込んでやる。 「まりさ……聞きたい事が有るんだけど」 「は、はひぃなんですか!?」 手に持った物をふらふらさせながら聞いてやる、ちなみにこいつは釘打ち機だ本当はこうやって使ってはいけない。 「この群れに変わったゆっくりは居ないか?銀色で羽が生えたやつなんだけど……?」 「れ、れみりゃはいません!」 「れみりやじゃねーよ!」 もう一方の手に持ったを動かしてやる、金属の回転音が響いた。 「ゆひぃいしりません、しりません!ほんどうにしらないんです!」 回転するドリルの先端を額に当ててやると騒ぎ出した。知らないのか……いやこいつが馬鹿という可能性もある。 「ゆぅ、うるさいよまりさ。ゆぅ、なんでにんげんさんがいるのぉ!」 うん、次の証言者が来た……まりさ、お前は用済みだ。 「ゆ、それをちかづけ、ゆぎゃあああああああ!」 「ゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴゆぴ……」 ドリルでまりさの顔面を掘ってやる、表面を掘るつもりだったが最初に力を入れすぎたのか中枢餡にいったのか変な事を言いながら痙攣してる。 「ゆ、ゆわぁ!」 ん、れいむがおそろしーしーを流しながら硬直している。まぁまりさのを見せたしな。 「れいむ……次はお前だからな!」 そう言って釘打ち機をれいむに向けた。 「ちっ、こいつもダメか!」 目の前でボロボロになったちぇんを蹴り飛ばし、悪態をつくあの後10匹ほど同じような目にあわせて話を聞いてみたが誰もあの希少種について知って居ない。 これは……間違えたか。このまま時間が経てばたとえこの群れに居たとしても逃げてしまうかも知れない。 「まりさはおちびちゃんをまもるよ、ぷくーーー!!!」 あー、だいぶゆっくりを殺したんだが、何かこの群れの連中は逃げるって事を知らない。今も1匹のまりさが巣の前で膨らんでいる。 面倒だしムカつくのでさっさと絞めたいがあの希少種を諦めるわけにはいかない、しかしゆっくりの処刑で活躍したドリルはさっきのちぇんのチョコレートで少し切れ味が下がっている。 「にんげんさん、さっさとでていってね!」 「ゆぎっゆぎっゆぎぃ!」 とりあえず動けないように撃っておいてと。 「銀色で羽が「おとうさんはまりさがまもるよ!」 あ、いきなり奥から子まりさが飛び出してきた、 「おちびちゃんさがっているのぜ!」「まりさはおとなだよ、おとうびぃ!!!」 子ゆっくりは知らないだろう、叩く事に定評のあるバールでとりあえず潰しておく。 「お、おぢびじゃああああん!!!」 最近何処の秘密結社だか知らないがバールの様なものなどといって類似品が出回っているが、やはり基本は押さえておきたい。 「お、おねえちゃーん!ぷっぷくー!びぃ……」 あ、奥から子まりさが出てきたから思わず撃ったら何か良いところに当たったのか沈黙してしまった。 「ばりざのおぢぃびじゃんがぁ!」 「れいむはにげるよ、まりさはじかんをかせいでね!」 今度は成体のれいむか、出てきたと思ったら逃げるとか……でいぶってやつか。 「れいむはおちぶぅ!」 「おきゃーしゃーん!」 バールで叩いたら中から何か子れいむが出てきた、煩いが無視する。 「ゆひ、ゆひ、まりざのかぞぐがぁ!」 さてと本番、いやそうだな聞き方を変えてみるか。 「まりさ、この群れで一番物知り……いやこの群れの賢者(笑)は誰だい?」 「まりざの、ゆひぃ、ぱ、ぱじゅりーです!おざのぱじゅりーがけんじゃです!」 「長のぱちゅりーか……で何処に住んでるの?」 「あぞごです、あのおおぎなおざのいえにずんでいまず!」 「そうか、ありがとう!」 「ゆぎぃぃいいい、いじゃいやめで、やめでぐだざい、いじゃい!」 長か盲点だった、最初にそいつに聞けばよかったんだ。このまりさには感謝の気持ちとして小型の鋸で胴体を横に切ってやった。上半分がきれいに後ろに落ちたのは感動だ。 ん、まりさが半分になって巣の中が見えて気が付く。奥で子ありすが倒れてるぞ、こいつらの娘か……いや種類が違うし、れいぱーの子供でも制裁されてたのだろう。長と言う情報源があるので放っておく。 「むきゅうこれはなんなの、なにそこのじじいは!」 まぁぱちゅりーだから逃げてはいないと思ったが、言われたとおり大きな木の前に行くと待ち構えているとは思わなかった。 どうやら群れのゆっくりは長の下に逃げたようだ。 とりあえず、あの希少種はこの場には居ないようだし、話せる口はあの賢者(笑)だけでも良いか。 「おさ、あのじじいだよあのじじいがまりさをころしたんだよ!」 「むきゅう、なんですって!ゆっくりしていないじじいね!さっさとはいじょしなさい!」 「ゆっゆおゆぎぃ!」「ゆが!」「ゆぎぃ!」「ゆぶ!」 「むぎぃぃいだいわぁ!」 釘を乱射しておく、あれぱちゅりーにも当たっちゃったか、まぁ右の頬に刺さっただけだ。死にはしないだろう。 釘が体に刺さり、逃げようとするとさらに刺さって呻いているゆっくり達を避けてぱちゅりーに近づき掴み上げる。 汚ねぇ、クリームが手についたぞ。 「おい!お前がこの群れの長だな!」 「むきゅ、そうよぱちぇがこのむれのいだいなおさよ!ふとうなあつかい、ひぃ!」 何か生意気なので鋸で撫でてやる。道具を背に仕舞いぱちゅりーの頬に刺さった釘を撫でながら優しく聞いてやる。 「なぁぱちゅりー、実は珍しいゆっくりを探してるんだけど……銀色で羽が生えてるんだ、知らないか?」 「むきゅしらな……ゆきぃ、え、と、その、むきゅうそうよ!しってるわ、けーねよ!ひぃおうちのなかにいるわぁ!」 んー、けーね?あれって空飛んだっけ? 何か別のやつが出てきたっぽいがあれも希少種だ、ラッキーと言えるだろう。いやしかしゆっくりの証言だ命乞いの嘘って事を考えないと。 足元で呻いているまりさを足で蹴り起こして聞いてやる。 「おいまりさ、おまえけーねって知ってるか?この群れに居るんだろうな?」 「ゆぎ、けーね……しらないのぜ!そんなゆっくりこのむれにいないのぜ!」 「話が違うじゃねぇか!」 「む、むぎゅううう!むぎ、ぎ、ぎ、ぎ!」 怒りから手に持っていたぱちゅりーを地面に叩きつけ、釘を打ち込んでしまう。 「ちぃ、時間を無駄にした!せめてストレス解消くらいはさせろよ!」 「あの希少種を売ってこの間の馬の負けを取り返そうと思ったのによぉ!」 まったく怪我を押して暑い中時間までかけて収穫なしである。せめて虐待でストレスを発散しておこう、唇を舐め周りを見回す、ゆっくり達の恐怖の視線が気持ちよかった。 あの後30分ほどでストレス解消は終わった。ここに居なかったやつも大半は餡子脳で、こちらにつっかっかって来たので色々と試させてもらった。 とりあえずあの群れのゆっくりほぼ殺したと言っても良いだろう、楽しみに使われた工具の手入れと空の透明な箱が心残りだが気分は爽快だ。 それと全て終わった後、長のお家と呼ばれる大きな木の下の穴を覘いて見ると、大きなゆっくりが白くなって死んでいた。 恐らく老衰だろう、体の大きさからしてかなり高齢だったのかもしれない、なんと驚く事にそのゆっくりがゆっくりけーねであった。 つまりあの長とやらは正しい事を言っていたのだ、悪い事をした、それならもっとじっくり殺してやったのに。 とりあえずバールで殴っておいたが、あのけーねが笑顔で死んでいたのは妙に気にかかった。 終わり 公民あき 後書き 最後まで読んでいただきありがとうございました。 今回のネタは「チェンジリング」です、これを話に使ってみたくてウィキペディアで取替え子について調べたら…… 人間の方が餡子脳だった時代もあるようです。 あと台詞の間に入れていた改行を無しにしてみました、今までのとどちらが読みやすいでしょうか? こちらの方が読みやすいようでしたらこれからはこっちにして見ます。 過去作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/2942.html 挿絵:車田あき
https://w.atwiki.jp/homage/pages/139.html
もくじ LV_10 LV_15 LV_20 LV_25 LV_30 LV_35 LV_40 LV_45 LV_50 LV_30 LV10_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム ガンリュウ狩り NPC名 祈りの祭壇 ガンリュウを20匹狩る Gord 1000 地名 太湖 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 LV22_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム 迫り来る危険(1) NPC名 ローラン センギョクと会話 Gord 冷静なダーク 地名 太湖 経験 1880 迫り来る危険(2) NPC名 センギョク フリーズジャイアント:10 Gord 冷静なフィリミジーゾード 地名 太湖 経験 1880 大儀のための犠牲 NPC名 四天王 インキと会話 Gord 地名 太湖 経験 1880 マグの恐怖 NPC名 チクリン フリーズジャイアント:10 Gord タオウォーリア26鎧 地名 太湖 経験 4970 NPC名 Gord 地名 経験 LV23_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム タオの神 馬元師は、、、 NPC名 ジヨエイ 水の平原・ロビングと会話 Gord 地名 経験 2400 スノーナイトの刀 NPC名 トウエンメイ スノーナイト:10 Gord 地名 経験 2400 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 LV24_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム 状況把握 NPC名 コウド チクリンに会いに行く Gord 地名 経験 3060 緊急処置 NPC名 チクリン (狂爆)スノーナイト Gord タオウォ26頭 状況把握 地名 経験 3060 ヘパイストス NPC名 インキ ローランに会いに行く Gord タオレン26頭 地名 経験 3060 三皇の伝説の軒乾 NPC名 チクリン インキの会話 Gord 地名 経験 3060 NPC名 Gord 地名 経験 LV25_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム 桁違いのもえるオオカミ NPC名 ジョエイ 呪いのかかったもえるオオカミ:10 えお狩る Gord 地名 経験 3910 勝利へ導く為の手紙 NPC名 チョウ 水の平原にいるロビングへ配達 Gord 地名 経験 3910 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 LV26_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 LV27_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム 生きてほしくないやつ NPC名 ローラン 呪いのかかったゾンビアーチャー:10 を狩る Gord 地名 経験 6340 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 LV28_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム 炎と水の対決 NPC名 トウエンメイ インキと会話 Gord 地名 経験 8100 手遅れになる前に NPC名 レイ 支配されたマグ族:10 を狩る Gord タオウォ28鎧 地名 経験 8100 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 LV29_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 LV30_クエスト 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 NPC名 Gord 地名 経験 クエスト名 開始ポイント 内容 報酬 発生条件 続編クエスト NPC名/地名 お金/経験 アイテム
https://w.atwiki.jp/homuhomu_tabetai/pages/3265.html
これはひどいw 全員死ぬべき
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/4468.html
私は眠りによって束縛され、悪夢によって運命が定められているんだ。 ――クロウヴァクス "I am confined by sleep and defined by nightmare." ――Crovax エクソダス 【M TG Wiki】 名前
https://w.atwiki.jp/business-ethics/pages/236.html
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR> ◇「ワンストップ・サービス」あす試行 政府の緊急雇用対策本部に設置された「貧困・困窮者支援チーム」(事務局長・湯浅誠内閣府参与)は、年末年始の失業者対策として30日、全国のハローワーク77カ所を拠点に「ワンストップ・サービス」を試行し、相談を受け付ける。「派遣村を繰り返さない」が合言葉だ。失業率は過去最悪レベルで推移、10月の完全失業者数は344万人に上る。「反貧困ネットワーク」事務局長で、昨年の「年越し派遣村」で村長を務めた湯浅氏は「セーフティーネットが機能するよう、国と自治体の協力が重要だ」と訴える。失業者が安心して年を越せる対策は実現するのか。【東海林智】 政府は10月、緊急支援措置と雇用創造を2本柱に緊急雇用対策本部を設置した。就職活動を支援するジョブサポーターを配置し、高校、大学など新規学卒者の就職支援を実施。厳しい経営が続く中小企業に対しては、生産減少で休業させる従業員に賃金補償する雇用調整助成金の支給要件緩和などで支援している。また働きながら介護の資格を取るプログラムや、農業や環境などグリーン産業で雇用創造を検討している。 年末対策の目玉は、失業者が住宅確保やつなぎ資金の融資、生活保護など多様な支援策についてハローワークで相談できるワンストップ・サービスだ。 導入のきっかけは、昨年の年末年始に東京・日比谷公園に開村した「年越し派遣村」だった。村には「派遣切り」された派遣労働者や期間労働者、失業が長期化する野宿者らが、6日間で500人以上集まった。職も住居も失った派遣労働者らに食事と寝場所を支援する中で、融資制度や雇用保険、住宅支援などの支援策が複雑で、対応する窓口もばらばらだったため、多くの人が利用できていないことが分かった。役所の窓口をたらい回しにされ、支援が使えないまま野宿に近い状態になっていた。 村では、それぞれの事情に合わせて利用できるサービスにつなぐ総合相談が有効に機能し、約8割の村民が生活保護を受給する形で住居を確保した。 その後、住宅を借りる費用の融資や生活費の融資、生活費給付付きの職業訓練の創設など、生活保護を利用する以前の「第2のセーフティーネット」が整備されたこともあり、こうした支援を有効活用できるよう、1カ所で相談を受け付けるワンストップ・サービスが開設されることになった。派遣村での経験を買われ、湯浅氏が計画・立案に加わった。 ワンストップ・サービスでは(1)職業相談(2)職業訓練の受講、生活資金の給付(3)住宅入居初期費用の貸し付け(4)求職者が利用できる公営住宅の情報提供(5)住宅手当(6)生活保護(7)生活福祉資金の貸し付け(8)心の健康相談(9)多重債務--など多彩な相談ができる。通常ハローワークでできる相談以外に、自治体や社会福祉協議会、保健所、弁護士などが対応する項目もある。 職探しのほか、住宅から生活、心の問題まで、失業者が抱える切実な問題への支援となる。 ◇求職・融資・住宅、連携目指す 30日は、東京都区部と多摩地区、全18の政令指定都市、愛知、岐阜、滋賀県の一部の自治体など197市区町村が参加して77カ所のハローワークで実施される。対象はハローワークに登録して求職中の人で、登録していない人は当日登録すれば相談できる。生活保護は原則的に窓口での相談のみで、相談内容は管轄の福祉事務所に連絡され、後日対応する。 これまでは支援の実施主体がそれぞれ違うため、縦割り行政の中で総合的な対応ができなかった。今回は国と自治体などさまざまな機関が一緒に業務を行うため、スムーズな連携ができるかがポイントになる。 湯浅氏は「生活困窮者の支援として行うが、あくまで普遍的な住民サービスの向上の一環だ。生活保護の手前で支えるシステムなのだから、総論賛成、各論反対の壁を乗り越え、各機関の協力の中で成功させたい」と話す。試行の結果を検討して実施場所や頻度を決め、12月中に全国規模でサービスを本格実施する予定だ。 一方、昨年派遣村を支えた労働組合は、連合がワンストップ・サービスに対応した携帯サイトを開設して支援をサポート、全労連は30日と12月1日、「全国一斉労働相談ホットライン」(0120・378・060)を開催して後押しする。 ◇雇用保険終了39万人、デフレ、円高… 「昨年よりも大変」 「今年は昨年より大変なことになるのではないか」。昨年、派遣村の実行委員を務めた労組幹部は失業者の増加に危機感を強める。 厚生労働省の推計によると、6~12月に失職し、雇用保険の支給も切れる人は約39万人に上るとみられる。過去のデータでは、支給が切れて1~2カ月以内に再就職できる人は約4割にとどまる。最大約23万人が仕事も給付もない状態になると推計する。 総務省が発表した10月の完全失業率は5・1%。3カ月連続で改善されたが、リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)直後の昨年10月の3・8%より1・3ポイント高い。有効求人倍率も昨年10月より0・36ポイント低い0・44倍だ。 また政府は今月、3年5カ月ぶりにデフレを認定。27日には外国為替市場で円相場が一時、1ドル=84円台にまで高騰し、14年ぶりの円高水準となった。労働者を下支えする中小企業には二重ショックで、雇用情勢がさらに厳しくなることが懸念される。 厚労省幹部は「昨年末は大量の派遣切りが大きく影響した。今年は違うと思うが、失業が長期化しているのも事実で、どういう状況になるか予測できない」と話す。厚労省の山井和則政務官は「支援制度の谷間に落ちないよう、ワンストップで対応し、貧困・困窮者対策の歴史的第一歩にしたい」と意気込む。 東京都内で野宿者を支援するグループによると、各地で炊き出しに並ぶ列は昨年の倍になっている。23日に港区の芝公園で行われた炊き出しには、配食1時間前に250人が列を作った。昨年10月に営業の仕事を解雇になった男性(34)は、6月に雇用保険の給付が切れ、半月前からネットカフェを転々としているという。「正社員にこだわっていたら、あっという間に1年がたって、貯蓄も底をついた。相談ができないかと炊き出しにきた」と話し、ワンストップを紹介するビラを大事そうにしまった。 ソース:毎日jp http //mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20091129ddm003020056000c.html 【コメント欄】 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nioka/pages/1606.html
1 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 21 59 06.59 ID vn0GnJdZ 二岡「(何度追い抜いても)サインはしない」 2 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 00 26.45 ID CA4qKsG6 二岡、机の上にリプトンティーを常備しているクラスメイトに激怒 3 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 02 46.80 ID rsU8BG4A ニ岡、女子にシャーペンを貸すも先端の消しゴムを使われ涙目 5 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 04 42.79 ID NDEijU+C 二岡、女装をした梨田監督に気づかず邪険に扱う 6 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 04 58.92 ID jPmszqry 二岡、席替えで列の先頭になり、激怒 7 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 09 54.69 ID YHOaPv6w 二岡、冬になると女子が持ってくる薄い毛布みたいなのを放課後にこっそり触ってみる 9 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 11 57.36 ID qaxtrtOP 二岡、貧乏削りは得だと勘違いする 13 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 27 52.35 ID gNVsezsT 二岡、新品の消しゴムの角を使われ溺死 14 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 29 56.50 ID rsF5+9Gr 二岡、階段を昇る時に女子のスカートの奥が見えそうになってドキッとする 15 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 30 37.86 ID 8vQwK0Pi 二岡、消しゴムを最後まで使ったためしがない 16 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 33 21.80 ID 85g57XRO 二岡、100均の赤下敷きをペコペコして遊ぶも破損 二岡「(緑のに)切り替えてゆく」 17 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 34 09.98 ID mKYqh1Pn 二岡、女子バレー部の掛け声に平静を装いながらも萌える 21 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 53 38.96 ID qaxtrtOP 二岡、散髪に行って耳かきをしてもらう 22 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 22 56 04.28 ID 2hNBGaRT 二岡、盗んだバイクを盗まれる 24 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 23 04 19.56 ID s1AJj24K 二岡、地学を当日の朝になってテスト対策をして85点 25 :どうですか解説の名無しさん:2008/11/30(日) 23 06 50.95 ID 488mNNF2 二岡、勉強してきてないと言っていた稲田に出し抜かれる
https://w.atwiki.jp/m_shige1979/pages/1249.html
繰り返し while文 until文 for文(回数指定) for文(連想配列指定)
https://w.atwiki.jp/saho3/pages/18.html
消しちゃった
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/13099.html
【登録タグ Lily S VY1 くろずみP 曲】 作詞:くろずみP 作曲:くろずみP 編曲:くろずみP 唄:Lily・VY1 曲紹介 「犠牲の唄」 犠牲の上に成り立った僕らの未来、 そんな犠牲を払ってまで僕には生きる価値があるのだろうか? (作者マイリストより) LilyとVY1のツインヴォーカル。 激しいサウンドと美しいコーラスの迫力がたまらないロック。 歌詞 (作者ブログより転載) この世界は常に何かを犠牲にし続けては また繰り返す過ち 何故人はそこまでして生を望む why do you request it? お前は何故それを求める? can you sacrifice it? お前はそれを犠牲にすることができるか? 答えてくれ 何を求めたの? 何を失ったの? 所詮は 何を求めても 何かが消える また 僕は繰り返す 全て意味も無く 求めた 愚かな思考さえ いずれは消える 「業」 ねぇ…教えて 僕には常に何かを犠牲にしても ただ残した罪悪 潔癖 偽善 そんなものばかりだ why do you request it? お前は何故それを求める? can you sacrifice it? お前はそれを犠牲にすることができるか? 見つめていく 今は求めたもの? 過去は望んだもの? 未来は 何を犠牲にして 掴み盗れるの? ただ… 僕は繰り返す 君も繰り返す 望んだ 今じゃ無い事も 気づけずに逝く why do you request it? お前は何故それを求める? can you sacrifice it? お前はそれを犠牲にすることができるか? 答えてくれ 何を求めても 何を失っても 所詮は 何を恐れても 何かは消える また 僕は繰り返す 無意味な犠牲だけ 壊して 何を望んでも いずれは消える だけ… コメント LilyとVY1か!! 聞く価値あるな。いいコンビだ -- 名無しさん (2010-11-21 10 20 04) くろずみP好きなのに 伸びない -- 名無しさん (2013-10-27 07 08 26) めっちゃおもしろい☆ -- 名無しさん (2013-10-27 12 56 50) 名前 コメント