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https://w.atwiki.jp/pokebttledp/pages/204.html
エスパー ふみん
https://w.atwiki.jp/bwpokekousatsu/pages/201.html
最新世代の情報はポケモン対戦考察Wikiを参照してください。 No.168 タイプ:むし/どく 特性:むしのしらせ(HPが残り1/3以下になると、虫タイプの技の威力が1.5倍になる) ふみん(ねむり状態にならない) 夢特性:スナイパー(攻撃が相手の急所に当たった際のダメージが3倍になる) 体重:33.5kg(けたぐり・くさむすびの威力60) 同タイプ HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 特性 アリアドス 70 90 70 60 60 40 むしのしらせ/ふみん/スナイパー ペンドラー 60 90 89 55 69 112 むしのしらせ/どくのトゲ/はやあし スピアー 65 80 40 45 80 75 むしのしらせ/スナイパー モルフォン 70 65 60 90 75 90 りんぷん/いろめがね/ミラクルスキン ドクケイル 60 50 70 50 90 65 りんぷん/ふくがん ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) ほのお/ひこう/エスパー/いわ いまひとつ(1/2) どく/むし いまひとつ(1/4) くさ/かくとう こうかなし --- 貧弱な種族値に加え技も乏しく現状は非常に厳しい。 同タイプでステータスが上のペンドラーが登場し、さらに肩身が狭くなった。 BWで「いかりのこな」「エレキネット」「つじぎり」、BW2で「シザークロス」「イカサマ」を習得。 BWからは束縛技をバトンタッチで引き継げなくなったので注意。
https://w.atwiki.jp/touhoupuppetshow/pages/105.html
Eりかこ No.222 タイプ:エスパー 特性:ふみん(ねむり状態にならない) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 40 45 70 140 75 120 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) ゴースト/あく/むし いまひとつ(1/2) エスパー/かくとう いまひとつ(1/4) --- こうかなし --- Eりかこ 解説基本型 解説 典型的な速攻型エスパー人形。高い特攻と素早さを備える。特性ふみんによって、先発催眠にも耐性がある。 その反面、耐久面は正に紙。バリヤーや壁を覚えるが、一回使ってようやく並の耐久という程度。 先手で壁張り→一回耐えてサイコブースト一発撃って落ちるという流れも無くはない。 橙と並ぶ最速トリック使い。拘りトリックの場合、自身でも活かせる橙とは違って、特殊型のりかこにとってはトリック専用アイテムになってしまうが、相手の戦術を狂わせるには十分だろう。 基本型 性格:おくびょう 努力値:特攻252 素早さ252 HP6 持ち物:まがったスプーン/しろいハーブ(サイコブースト使用時)/こだわりハチマキ(トリック使用時) 選択技:サイコキネシスorサイコブースト/トリック/リフレクター/ひかりのかべ/マナチャージ 攻撃できる回数が必然的に少ないので、サイコキネシスよりもサイコブーストの方が適しているかもしれない。 先発で相手がエスパー弱点を出した場合や、積みに対して拘りトリックを成功させるなどして交換を誘えた場合を考えて、壁やマナチャージも採用。
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ジムリーダーのハヤト(ひこう)<土・朝> 所持ポケモン 名前 Lv タイプ 特性 わざ1 わざ2 わざ3 わざ4 弱点 耐性 無効 ムクホーク♂ 50 ノ飛 いかく メロメロ とんぼがえり インファイト ブレイブバード 電氷岩 草虫 地霊 ペリッパー♂ 48 水飛 するどいめ おいかぜ れいとうビーム めざめるパワー(格闘) なみのり 電岩 水闘虫鋼 地 ヨルノズク♂ 52 ノ飛 ふみん フェザーダンス はねやすめ シャドーボール エアスラッシュ 電氷岩 草虫 地霊 オオスバメ♂ (かえんだま) 52 ノ飛 こんじょう まもる かげぶんしん がむしゃら からげんき 電氷岩 草虫 地霊 ドンカラス♂ 54 悪飛 ふみん でんじは ふいうち つじぎり あくのはどう 電氷岩 草霊悪 地超 ピジョット♂ 56 ノ飛 するどいめ いばる かげぶんしん はねやすめ おんがえし 電氷岩 草虫 地霊 努力値 HP2、攻撃5、防御2、素早さ5 経験値 11363 賞金 6720円(ピジョット56*120) 備考: かいふくのくすり3回使用を確認。 ムクホーク・オオスバメ・ドンカラスは火力が高いので要注意。高確率で「まもる」または「かげぶんしん」を使ってくる。 「どろぼう」などで奪うのなら2ターン目から。 ピジョットは3種類も補助技を覚えているので、面倒な事になる前に速攻で落としたい。 電気、氷、岩系のポケモンがいると比較的楽に突破できるが、岩はペリッパー、氷はムクホークに落とされる可能性があるので注意。
https://w.atwiki.jp/aniwikigalaxystar/pages/1172.html
『むしのしらせ』 ポケモンの特性の一種。 特性効果 HPが最大値の3分の1以下になると、むしタイプの技の威力が1.5倍になる。 特性をもつポケモン、そのポケモンの別の特性 スピアー「スナイパー(夢)」 ストライク「テクニシャン、ふくつのこころ(夢)」 ハッサム「テクニシャン、ライトメタル」 レディバ「はやおき、びびり(夢)」 レディアン「はやおき、てつのこぶし(夢)」 イトマル「ふみん、スナイパー(夢)」 アリアドス「ふみん、スナイパー(夢)」 ヘラクロス「こんじょう、じしんかじょう(夢)」 アゲハント「とうそうしん(夢)」 バルビート「はっこう、いたずらごころ(夢)」 コロトック「テクニシャン(夢)」 ガーメイル「いろめがね(夢)」 クルミル「ようりょくそ、ぼうじん(夢)」 ハハコモリ「ようりょくそ、ぼうじん(夢)」 フシデ「どくのトゲ、はやあし(夢)」 ホイーガ「どくのトゲ、はやあし(夢)」 ペンドラー「どくのトゲ、はやあし(夢)」 カブルモ「だっぴ、ノーガード(夢)」 シュバルゴ「シェルアーマー、ぼうじん(夢)」 アイアント「はりきり、なまけ(夢)」 以下は夢特性でもっている↓ バチュル「ふくがん、きんちょうかん」 デンチュラ「ふくがん、きんちょうかん」 メラルバ「ほのおのからだ」 ウルガモス「ほのおのからだ」 備考 バトルでの性能 特性発動状態でのタイプ一致の虫技はとても強力。 しかし、ハッサムは「テクニシャン」の方が便利。 ヘラクロスは「むしのしらせ」よりも「こんじょう」の方が使いやすいかもしれない。
https://w.atwiki.jp/pkmnbw_m/pages/25.html
ポケモン図鑑 【152-251】 ★ イッシュ / 【001-151】 / 【152-251】 / 【252-386】 / 【387-493】 / 【494-646】 ★ 詳細データ 【001-151】 / 【152-251】 / 【252-386】 / 【387-493】 / 【494-646】 「特性」について「隠れ」は、PDW等で入手した場合の隠れ特性 赤字は今作から追加されたもの青字は現在遺伝不可のもの紫字は上記の2つともに該当するもの 「入手」についてポケシフターは考慮しない 記号の意味 記号 意味 ○ 野生で出現 卵 タマゴを孵すことで入手可能 進化 進化させることで入手可能 ※ 特殊な方法で入手可能。備考参照 × 入手不可 No. 名前 タイプ 特性 主な出現場所・備考 入手 通常 隠れ B W PDW 152 チコリータ 草 しんりょく - 153 ベイリーフ 草 しんりょく - 154 メガニウム 草 しんりょく - 155 ヒノアラシ 炎 もうか - 156 マグマラシ 炎 もうか - 157 バクフーン 炎 もうか - 158 ワニノコ 水 げきりゅう - 159 アリゲイツ 水 げきりゅう - 160 オーダイル 水 げきりゅう - 161 オタチ ノ にげあし するどいめ おみとおし 7番道路(大量発生)ちいさな森【PDW】 ○ ○ 162 オオタチ ノ にげあし するどいめ おみとおし 163 ホーホー ノ 飛 ふみん するどいめ いろめがね ひらけた空【PDW】 ○ 164 ヨルノズク ノ 飛 ふみん するどいめ いろめがね ほうじょうの社 ○ 165 レディバ 虫 飛 むしのしらせ はやおき びびり ひらけた空【PDW】 ○ 166 レディアン 虫 飛 むしのしらせ はやおき てつのこぶし 夢の跡地(濃草) ○ 167 イトマル 虫 毒 むしのしらせ ふみん 168 アリアドス 虫 毒 むしのしらせ ふみん 夢の跡地(濃草) ○ 169 クロバット 毒 飛 せいしんりょく - すりぬけ 13番道路・ジャイアントホール[前](揺草) ○ 170 チョンチー 水 電 ちくでん はっこう ホドモエシティ(釣)・18番道路(泡釣) ○ 171 ランターン 水 電 ちくでん はっこう ホドモエシティ(泡釣) ○ 172 ピチュー 電 せいでんき - 173 ピィ ノ メロメロボディ マジックガード 174 ププリン ノ メロメロボディ - フレンドガード ちいさな森【PDW】 ○ 175 トゲピー ノ はりきり てんのめぐみ ホワイトフォレスト【W】 ○ 176 トゲチック ノ 飛 はりきり てんのめぐみ 177 ネイティ 超 飛 シンクロ はやおき マジックミラー ちいさな森【PDW】 ○ 178 ネイティオ 超 飛 シンクロ はやおき マジックミラー 179 メリープ 電 せいでんき - プラス ホワイトフォレスト【W】ちいさな森【PDW】 ○ ○ 180 モココ 電 せいでんき - プラス 181 デンリュウ 電 せいでんき - プラス 182 キレイハナ 草 ようりょくそ - いやしのこころ 183 マリル 水 あついしぼう ちからもち そうしょく ちいさな森【PDW】 ○ 184 マリルリ 水 あついしぼう ちからもち そうしょく 185 ウソッキー 岩 がんじょう いしあたま びびり ちいさな森【PDW】 ○ 186 ニョロトノ 水 ちょすい しめりけ あめふらし 6番道路(泡釣) ○ 187 ハネッコ 草 飛 ようりょくそ リーフガード すりぬけ ホワイトフォレスト【W】ちいさな森・ひらけた空【PDW】 ○ ○ 188 ポポッコ 草 飛 ようりょくそ リーフガード すりぬけ 189 ワタッコ 草 飛 ようりょくそ リーフガード すりぬけ 190 エイパム ノ にげあし ものひろい 191 ヒマナッツ 草 ようりょくそ サンパワー はやおき 12番道路ちいさな森【PDW】 ○ ○ 192 キマワリ 草 ようりょくそ サンパワー はやおき 12番道路(揺草) ○ 193 ヤンヤンマ 虫 飛 かそく ふくがん おみとおし 14番道路(大量発生)ひらけた空【PDW】 ○ ○ 194 ウパー 水 地 しめりけ ちょすい てんねん ホワイトフォレスト【W】かがやく海【PDW】 ○ ○ 195 ヌオー 水 地 しめりけ ちょすい てんねん 196 エーフィ 超 シンクロ - マジックミラー 197 ブラッキー 悪 シンクロ - せいしんりょく 198 ヤミカラス 悪 飛 ふみん きょううん いたずらごころ ほうじょうの社【B】ひらけた空【PDW】 ○ ○ 199 ヤドキング 水 超 どんかん マイペース さいせいりょく ほうじょうの社(泡) ○ 200 ムウマ 霊 ふゆう - ほうじょうの社【W】 ○ 201 アンノーン 超 ふゆう - 202 ソーナンス 超 かげふみ - 203 キリンリキ ノ 超 せいしんりょく はやおき そうしょく ちいさな森【PDW】 ○ 204 クヌギダマ 虫 がんじょう - 16番道路(大量発生) ○ 205 フォレトス 虫 鋼 がんじょう - 206 ノコッチ ノ てんのめぐみ にげあし 12番道路 ○ 207 グライガー 地 飛 かいりきバサミ すながくれ めんえき 11番道路・15番道路ひらけた空【PDW】 ○ ○ 208 ハガネール 鋼 地 いしあたま がんじょう 209 ブルー ノ いかく にげあし 210 グランブル ノ いかく はやあし 211 ハリーセン 水 毒 どくのトゲ すいすい いかく 17番道路・18番道路・P2ラボ(泡釣)かがやく海【PDW】 ○ ○ 212 ハッサム 虫 鋼 むしのしらせ テクニシャン ライトメタル 213 ツボツボ 虫 岩 がんじょう くいしんぼう 14番道路 ○ 214 ヘラクロス 虫 闘 むしのしらせ こんじょう 12番道路 ○ 215 ニューラ 悪 氷 せいしんりょく するどいめ ジャイアントホール[内部] ○ 216 ヒメグマ ノ ものひろい はやあし 217 リングマ ノ こんじょう はやあし 218 マグマッグ 炎 マグマのよろい ほのおのからだ 219 マグカルゴ 炎 岩 マグマのよろい ほのおのからだ 220 ウリムー 氷 地 どんかん ゆきがくれ 221 イノムー 氷 地 どんかん ゆきがくれ ジャイアントホール[内部・深部] ○ 222 サニーゴ 水 岩 はりきり しぜんかいふく さいせいりょく 13番道路・サザナミタウン(泡)かがやく海【PDW】 ○ ○ 223 テッポウオ 水 はりきり スナイパー ムラっけ サザナミタウン・サザナミ湾(釣)かがやく海【PDW】 ○ ○ 224 オクタン 水 きゅうばん スナイパー ムラっけ サザナミタウン・サザナミ湾(泡釣) ○ 225 デリバード 氷 飛 やるき はりきり ふみん ジャイアントホール[内部]ひらけた空【PDW】 ○ ○ 226 マンタイン 水 飛 すいすい ちょすい みずのベール サザナミタウン・サザナミ湾[春夏秋](泡)かがやく海【PDW】 ○ ○ 227 エアームド 鋼 飛 するどいめ がんじょう くだけるよろい ひらけた空【PDW】 ○ 228 デルビル 悪 炎 はやおき もらいび 9番道路(大量発生)【B】 ○ 229 ヘルガー 悪 炎 はやおき もらいび 230 キングドラ 水 竜 すいすい スナイパー しめりけ 17番道路・18番道路・P2ラボ(泡釣) ○ 231 ゴマゾウ 地 ものひろい - 232 ドンファン 地 がんじょう - 233 ポリゴン2 ノ トレース ダウンロード 234 オドシシ ノ いかく おみとおし そうしょく ほうじょうの社ちいさな森【PDW】 ○ ○ 235 ドーブル ノ マイペース テクニシャン 5番道路(大量発生) ○ 236 バルキー 闘 こんじょう ふくつのこころ 10番道路(大量発生) ○ 237 カポエラー 闘 いかく テクニシャン 238 ムチュール 氷 超 どんかん よちむ 239 エレキッド 電 せいでんき - やるき ホワイトフォレスト【W】ちいさな森【PDW】 ○ ○ 240 ブビィ 炎 ほのおのからだ - ホワイトフォレスト【W】 ○ 241 ミルタンク ノ あついしぼう きもったま そうしょく ちいさな森【PDW】 ○ 242 ハピナス ノ しぜんかいふく てんのめぐみ 243 ライコウ 電 プレッシャー - 244 エンテイ 炎 プレッシャー - 245 スイクン 水 プレッシャー - 246 ヨーギラス 岩 地 こんじょう - 247 サナギラス 岩 地 だっぴ - 15番道路 ○ 248 バンギラス 岩 悪 すなおこし - 15番道路(揺草) ○ 249 ルギア 超 飛 プレッシャー - 250 ホウオウ 炎 飛 プレッシャー - 251 セレビィ 超 草 しぜんかいふく -
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タイプ: とくせい:ふみん 技 ころがる さいみんじゅつ サイコキネシス ロリコンどもめ
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■基礎データ No. ポケモン 種族値 タイプ とくせい HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 とくせい1 とくせい2 かくれとくせい 354 ジュペッタ 64 115 65 83 63 65 ふみん おみとおし のろわれボディ 354 メガジュペッタ 64 165 75 93 83 75 いたずらごころ ■タイプ相性 倍率 タイプ ×4 ×2 ×1 ×0.5 ×0.25 ×0 ■どうしても使うなら ゆうかん/HA/ふみんorおみとおし@こだわりハチマキorいのちのたま 確定技 ポルターガイスト/ダストシュート 選択技 じごくづきorはたきおとす/かみなり/マジカルシャイン/サイコキネシス/テラバースト/ねごと ■考察 単タイプ紙耐久のゴミですぞwwww ボルーグの劣化ですなwwwww 野生から道具をいただくのが役割ですなwwww XYではメガシンカを得ましたが紙耐久なのは変わってないのでゴミですなwww んんwww技もありませんぞwww ちなみに一致シャドークローよりダストシュートの方が火力は上ですなwww ↑藍の円盤でポルターガイストを習得したので、技火力は逆転しましたなwww おみとおしで持ち物を見て叩けるのは悪くなさそうですが、範囲は一致技のほぼ劣化ですぞwwwキリンリキとヤレユータンには入りますなwww 一覧リンク 個別育成論 - ヤケモン一覧 - タイプ別一覧 - ヤケモン落第生 - 超絶ボケモン一覧 - 禁止級一覧 世代考察 サンプルヤーティ - 診断所 - レンタル - 異教徒対策 - プレイング考察 データ ヤケモンの歴史 このページの登録タグ一覧 ゴーストタイプ
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ポケモン図鑑 登場キャラ紹介 ★シンオウ版図鑑【1-151】 全国版図鑑【1-151】 【152-251】 【252-386】 【387-493】 △=全国図鑑入手後、野生で出現 No. 名前 タイプ1 タイプ2 とくせい1 とくせい2 備考 ホウエンで出現するか 152. チコリータ くさ - しんりょく - ジョウト御三家 × 153. ベイリーフ くさ - しんりょく - 【Lv16でチコリータから進化】 × 154. メガニウム くさ - しんりょく - 【Lv32でベイリーフから進化】 × 155. ヒノアラシ ほのお - もうか - ジョウト御三家 × 156. マグマラシ ほのお - もうか - 【Lv14でヒノアラシから進化】 × 157. バクフーン ほのお - もうか - 【Lv36でマグマラシから進化】 × 158. ワニノコ みず - げきりゅう - ジョウト御三家 × 159. アリゲイツ みず - げきりゅう - 【Lv18でワニノコから進化】 × 160. オーダイル みず - げきりゅう - 【Lv30でアリゲイツから進化】 × 161. オタチ ノーマル - にげあし するどいめ × 162. オオタチ ノーマル - にげあし するどいめ 【Lv15でオタチから進化】 × 163. ホーホー ノーマル ひこう ふみん するどいめ - ○ 164. ヨルノズク ノーマル ひこう ふみん するどいめ 【Lv20でホーホーから進化】 ○ 165. レディバ むし ひこう むしのしらせ はやおき - ○ 166. レディアン むし ひこう むしのしらせ はやおき 【Lv18でレディバから進化】 進化 167. イトマル むし どく むしのしらせ ふみん - ○ 168. アリアドス むし どく むしのしらせ ふみん 【Lv22でイトマルから進化】 進化 169. クロバット どく ひこう せいしんりょく - 【ゴルバットがなつき進化】 進化 170. チョンチー みず でんき ちくでん はっこう - ○ 171. ランターン みず でんき ちくでん はっこう 【Lv27でチョンチーから進化】 進化 172. ピチュー でんき - せいでんき - - ○ 173. ピィ ノーマル - メロメロボディ - - × 174. ププリン ノーマル - メロメロボディ - - ○ 175. トゲピー ノーマル - はりきり てんのめぐみ - × 176. トゲチック ノーマル ひこう はりきり てんのめぐみ 【トゲピーがなつき進化】 × 177. ネイティ エスパー ひこう シンクロ はやおき ○ 178. ネイティオ エスパー ひこう シンクロ はやおき 【Lv25でネイティから進化】 ○ 179. メリープ でんき - せいでんき - - ○ 180. モココ でんき - せいでんき - 【Lv15でメリープから進化】 進化 181. デンリュウ でんき - せいでんき - 【Lv30でモココから進化】 進化 182. キレイハナ くさ - ようりょくそ - 【クサイハナに太陽の石】 進化 183. マリル みず - あついしぼう ちからもち 【ルリリがなつき進化】 ○ 184. マリルリ みず - あついしぼう ちからもち 【Lv18でマリルから進化】 進化 185. ウソッキー いわ - がんじょう いしあたま ○ 186. ニョロトノ みず - ちょすい しめりけ 【ニョロゾに王者の印を持たせ通信交換】 × 187. ハネッコ くさ ひこう ようりょくそ - - × 188. ポポッコ くさ ひこう ようりょくそ - 【Lv18でハネッコから進化】 × 189. ワタッコ くさ ひこう ようりょくそ - 【Lv27でポポッコから進化】 × 190. エイパム ノーマル - にげあし ものひろい - ○ 191. ヒマナッツ くさ - ようりょくそ - - ○ 192. キマワリ くさ - ようりょくそ - 【ヒマナッツに太陽の石】 進化 193. ヤンヤンマ むし ひこう かそく ふくがん - × 194. ウパー みず じめん しめりけ ちょすい - ○ 195. ヌオー みず じめん しめりけ ちょすい 【Lv20でウパーから進化】 進化 196. エーフィ エスパー - シンクロ - 【イーブイが朝4 00~夜7 59になつき進化】 × 197. ブラッキー あく - シンクロ - 【イーブイが夜8 00~朝3 59になつき進化】 × 198. ヤミカラス あく ひこう ふみん - × 199. ヤドキング みず エスパー どんかん マイペース 【ヤドンに王者の印を持たせ通信交換】 × 200. ムウマ ゴースト - ふゆう - × 201. アンノーン エスパー - ふゆう - - × 202. ソーナンス エスパー - かげふみ - 【Lv15でソーナノから進化】 ○ 203. キリンリキ ノーマル エスパー せいしんりょく はやおき - ○ 204. クヌギダマ むし - がんじょう - ○ 205. フォレトス むし はがね がんじょう - 【Lv31でクヌギタマから進化】 進化 206. ノコッチ ノーマル - てんのめぐみ にげあし - × 207. グライガー じめん ひこう かいりきバサミ すながくれ ○ 208. ハガネール はがね じめん いしあたま がんじょう 【イワークにメタルコートを持たせ通信交換】 × 209. ブルー ノーマル - いかく にげあし - ○ 210. グランブル ノーマル - いかく - 【Lv23でブルーから進化】 進化 211. ハリーセン みず どく どくのトゲ すいすい - × 212. ハッサム むし はがね むしのしらせ - 【ストライクにメタルコートを持たせ通信交換】 × 213. ツボツボ むし いわ がんじょう - ○ 214. ヘラクロス むし かくとう むしのしらせ こんじょう - ○ 215. ニューラ あく こおり せいしんりょく するどいめ - × 216. ヒメグマ ノーマル - ものひろい - ○ 217. リングマ ノーマル - こんじょう - 【Lv30でヒメグマから進化】 進化 218. マグマッグ ほのお - マグマのよろい ほのおのからだ - ○ 219. マグカルゴ ほのお いわ マグマのよろい ほのおのからだ 【Lv38でマグマッグから進化】 進化 220. ウリムー こおり じめん どんかん - - × 221. イノムー こおり じめん どんかん - 【Lv33でウリムーから進化】 × 222. サニーゴ みず いわ はりきり しぜんかいふく - ○ 223. テッポウオ みず - はりきり - - ○ 224. オクタン みず - きゅうばん - 【Lv25でテッポウオが進化】 進化 225. デリバード こおり ひこう やるき はりきり - ×
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『堕天使ひふみんのブログ』 7月16日 00 30投稿 おひさ~。三十路を目前に控えたひふみんだよー。 歳のことはみんなに言ってないから、なんとなく同世代とか思われてるけれど、 実は銀髪の偉い人(最年長)に一番近い年齢なのは私なんだよね。若作りも必死だよ。 私からすればアオバン(青葉ちゃん)とか学生にしか見えない。若いって眩しい、それに妬ましい。 今日、休憩中にアオバンが「私、最近この漫画にはまってるんですー!」とか言って私に漫画本を見せてきた。 それが中学生くらいの子が読むような幼稚な漫画でドン引きしちゃった。 無言でページをめくってたら「どうですか?ひふみさん的にありですか?」とか目を輝かせながら聞いてきた。 漫画本を黙って閉じて「つまんない」と言いたい気持ちになったけれど大人の理性で私は堪えた。 でも心底つまらなかった。どういいつくろうか迷っていたら、ゆんちゃんが嫌味のない笑顔で 「青葉ちゃんってそんな漫画読むんや、子供やなー」と言ってくれたので助かった思いだった。私は愛想笑いをした。 アオバンは「面白いんですよー!」とぷんぷんと怒りのポーズを作って、それが可愛い子ぶっているように見えた。 というか、ぶっていた。最近、アオバンは若いをステータスに調子に乗っていることがあるから癪に障ってたまらない。 少し出かけてきますと私は言って近くの花屋へ足を運んだ。店の奥にはサボテンコーナーがあって、色んなトゲトゲしたものが売っている。 どれが一番、刺々しいのかと店員に聞いてお勧めされたそのサボテンを購入した。サボテンを隠し持ちながらブースに入って、アオバンがいないのを確認。 私はこっそりと買ってきたサボテンをアオバンの机に置いた。謎のサボテンはいつもアオバンを仰天させる。その度に私はみんなに見えないようにして笑う。 こんなことは何度も繰り返してきた。いつまで経っても飽きない自分がいたし、それが会社での私の楽しみになっていた。だから、ずっと通うんだ。 謎のサボテンはアオバンの手によって廊下に飾られる。今日も「またか…」とため息をついているのを見た。サボテン、いいよねって私は話しかけた。 アオバンは苦笑いをしていた。 その瞬間に夢見る光景があった。 この会社がサボテンまみれになって、私とアオバンで一緒にサボテンを生食いするんだ。 きっと、おいしいに違いないよね。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月17日 01 30投稿 タイトル:許したまえ 3時間くらい仕事に遅刻した。寝過ごした。目覚めたのが9時で、完全に終わったと思った。 会社に電話を入れたら「何してるの、着いたら葉月さんのところへ行きなさい」とりんちゃんにキツめの口調で言われた。 その時からずんと暗い気持ちに沈んで会社へ向かう電車の中ではひたすらサボテンのことを考えていた。 無数の針が四方八方からりんちゃんの全身に突き刺さる想像。なんてむごったらしい想像をするんだと私は自分で自分が嫌になった。 会議室に入ると葉月さんがふんぞり返るようにして社長椅子に座っていた。にやっと不適な笑みを浮かべたのでぞっとした。 「おやおや、ひふみくん。いつもより出社時間が随分と遅いではないか。何かやんごとない事情でもあったのかな?」と嫌味みたいな事を言う。 事情はりんちゃんから聞いているはず。寝坊して遅刻しただけ。私の口から言わせるように仕向けてるんだ。むかっとしたけど抑えた。 「寝坊しました。ごめんなさい」頭を下げた。「ふ~ん、寝坊かぁ。昨日は何時に寝たの?」「夜の3時くらい」「それは遅いねぇ、なにしてた?」 詰問するような口調。この人は仕事のこととなると嫌な面がある…。嘘をつけない私は正直に言った。「ずっとサボテンのことを調べてました」 サボテン?と葉月さんは目を丸くした。意外な答えだったんだと思う。「サボテンの針はどのくらいの強度を持っているか知りたかったんです。 調べていくうちに夢中になっちゃって…」もう一度、頭を下げた。「どうしてそんなことに興味を持つの?それは仕事とは関係あるの?」 この見下したような物言い。私は早くも鶏冠にきた。ムカムカ。私はポケットに隠し持っていた小さなサボテン達を葉月さんに投げつけた。 「いたっ!痛い!」とわめいていた。気が済むまで投げたら葉月さんはサボテンまみれになっていた。ごめんなさいと一応、謝った。 そのまま会議室を出ようとしたら後ろから葉月さんの声が聞こえた。「ひふみくん、君は本当にとげとげしたものが好きだねぇ」 たぶん、まんざらでもなかったみたい。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月18日 00 00投稿 タイトル:オールトマト 「疲れた、もうそっとしといてほしいの」 と言うと青葉ちゃんはトマトでも食べますかと私に差し出してきた。 お弁当箱に入っていたと思われるミニトマト。 こんなの食べたいと思わないし、人のお弁当箱に入っているものは不潔に感じた。 私はそのプチトマトを指で摘んだ。ゆっくり青葉ちゃんの顔の前に持っていってから指に力を込めた。 プチトマトは弾けてぐちゃぐちゃになった。一瞬、間があって青葉ちゃんは「うわわ、なにするんですか!」と慌て始めた。 その様子が面白くて、スマホで写真におさめた。幾分か気分も晴れたので仕事に向き直ることにした。 ちょうど真っ暗の背景が出ていたのでディスプレイに反射してゆんちゃんの顔が見えた。 鬼の形相で私を睨んでいた。きっと青葉ちゃんに酷いことをしたからだと思った。 ゆんちゃんは青葉ちゃんのことが好きだ。何かと青葉ちゃんを気にかけているのはコウちゃん以外でゆんちゃんだけ。 まさかゆんちゃんに見られていたなんて…。恐ろしくて冷や汗が出てきた。 いつか、ゆんちゃんが厳しい口調で同僚に叱責を浴びせているのを聞いたことがある。普段は穏やかだけれど、気性は荒い。 怒らせると怖い人という間違いない確信があった。ゆんちゃんがゆっくりと近づいてきた。ひっぱたかれると思って、私は全速力で会社を出た。 急いでスーパーに行ってプチトマトの詰め合わせを購入した。 真っ赤で小さくて艶やかなものを選んだ。これを青葉ちゃんにあげれば喜んでくれるはず。 息を切らせながらブースに戻ったら青葉ちゃんがいなかった。 「どこに行ったんの、アオバン!!」と叫んだら代わりにゆんちゃんが出てきた。 「どうしたんそれ?」と普通に聞いてくる。でも顔は普通じゃない、拳で殴られると思った。私はとっさの行動に出た。 買ってきたプチトマトの詰め合わせを取り出して、ぜんぶまるごとゆんちゃんの口に突っ込んでやった。うががががってもがいてた。 ひとしきり突っ込むとゆんちゃんの口はオールトマトになった。白けた。 私は「疲れた、もうそっとしといてほしいの」と言って仕事に戻った。 本当に疲れたの。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月19日 00 00投稿 タイトル:ライン 1 「そういえば、ひふみさんってラインしていないんですか?」 とアオバンに言われて椅子から転げ落ちた。 しかも頭を机の角にぶつけて軽く出血した。 痛さのあまり、ダンゴムシみたいに丸まって頭を抱えたら心配された。 私は知らない事を、それも唐突に言われるとこのように驚いてしまう。下手をすれば心臓が止まる可能性だってある。 ライン。なにそれ。繋がるって意味?新種のツール?もしかして私の技量を超されたの?色んな事が頭に巡った。 とりあえず「大丈夫だよ、気にしないで」と言った。 でもアオバンはどこからか救急箱を持ってきてオキシドールを取り出した。 「傷口を見せてください」とか言うので無意識に頭を向けてしまった。最悪だった。 分量を知らないアオバン(看護師気取り)は、 これでもかというくらいに傷口へ消毒液を垂らすものだから、 あまりに染みて「ひふっ!」と声が出てしまった。 「なんとかこれで、大丈夫ですかね…?」と聞いてくる。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月19日 00 00投稿 タイトル:ライン 2 アオバンはやっぱり悪魔だと思った。悪魔めっ!と心の中で思いつつ、 勝手に転げ落ちたのは私だし、サボテンは投げないようにしないとって自分を抑えた。サボテン禁止、これ重要。 思考が横に逸れたので、改めて青葉ちゃんに聞いた。「ラインって、なに…?」 するとアオバンは目をぱちくりさせた。横にいたゆんちゃんが「え!?」と言った。 通りかかったコウちゃんも「まじかお前!」と叫んだ。 りんさんは手を頬に当てて「あらら」とバカにしたように言う…。 何か、この感じは変。サボテンを投げたい気分になった。サボテン、助けてよ。 ラインとは。その後、コウちゃんによる解説が始まった。 コミュニケーションツールの一種、若者なら9割は利用しているアプリだって。 していないのは変人らしい。変人だと私は言われた。変人じゃないといったら変人だよとコウちゃんが返してきた。 変人じゃない!と叫んだら、 今度はアオバンが「ライン、入れよう?」と宥めるような口調で言ってきた。 ついにアオバンは敬語を使わなくなった。 完全になめられている…。 かくして私のスマートフォンにラインがインストールされた。ニックネームは滝本ひふみとした。 第一声は何にしようかなーと考えているうちにその日の夜はふけた。 出社した朝、「何も返してこないとか、ひふみんっぽい」とか言われた。 私はサボテンを毟り取った…。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月21日 03 02投稿 タイトル:ハリネズミ 青葉ちゃんの肩に毛玉がついていた。それがソウジロウに見えた。 ソウジロウと叫んだら青葉ちゃんがびくっと反応した。 「違う、あなたじゃない」と言って肩の毛玉に手を伸ばした。 毛玉?私は毛玉とわかっていて、どうしてソウジロウに見えたのか、どうして手を伸ばしたのか。 私は考え込んだ。わからなくて、頭がずきずきと痛くなってきた。ソウジロウことハリネズミ。 ハリネズミはもういない。去年の8月だった。遅刻しそうになった私は窓を開けるのも忘れて家を出た。 その日は猛暑だった。エアコンをオフにして、窓も締め切った部屋の中はどれほど暑かったか。 想像できたはずなのに、会社に行くとエアコンがガンガン効いていて私は自宅のことをすっかり忘れていた。 仕事が終わって帰宅…。あまり思い出したくない。 自宅の扉を開けた時にむっとした熱気をあびて、私は血の気が引いていく思いをした。 ハリネズは精細な生き物。何度も本で読んだ。温度調整はしっかりすることって書いていた。 たった一度でも怠ったり忘れてしまうと万が一のこともあるということ…私のハリネズミは万が一を起こしていた。 そこまで思い返していて、はっと気がついた。目の前に心配そうな顔をした青葉ちゃん。 「ハリネズミー!!!」と私は叫んだ。ブースにどこまでも響き渡った。 どうしちゃったのと、こうちゃんが顔を出した。 私は目にこみ上げてきた涙をぬぐって「なんでもないよ」と言った。 そして机の上に置いてあるサボテンを手でさすった。 「私にはサボテンがあるから」手の平が血だらけになったけれど痛くはなかった。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月22日 00 52投稿 タイトル:後味の悪いキュウイの話 まじウケ。会社行ったら庭で青葉ちゃんがキュウイを栽培してた。 ゆんちゃんが腕を組みながらその様子みていて「なにしとんの自分」と険しい顔してた。 一切、手伝わないからね。見てるだけ。私も青葉ちゃんのキュウイ栽培を鑑賞した。 キュウイは完全に育ってなかった、これからってところ、でも私は無慈悲にもぎ取ってやった。 「あっ、ひふみ先輩やめてください」 制止する青葉ちゃんを無視して、キュウイを道路の溝に投げ込んだ。 「けっこうえげつないことするな自分」 とか言いながらゆんちゃんもこっそり青葉ちゃんのキュウイをもぎ取っててウケた。 しかも食べるわけでもなく、片手でキュウイを粉砕して青葉ちゃんに見せつけてた。私よりえげついし。 青葉ちゃんは顔面蒼白。頑張って育ててきたキュウイが無残にも汚い溝に放り込まれていくんだから。 少し可哀想に思って私は青葉ちゃんの頭をナデナデした。 「いい子、いい子」って。やめてくださいって振り払われた。 まだまだ他にも実っているキュウイはたくさんあったから、どんどんもぎっては投げ捨てた。 「あはははは」 ゆんちゃんと一緒に私は笑っていた。キュウイは全部なくなった。全部、なくなった。 夏の日差しの中での出来事だった。白昼夢のような感覚があった。だって私はこんな酷いことをしない。 取り返しのつかないような気持ちになって、だから私とゆんちゃんは青葉ちゃんに謝った。 青葉ちゃんは笑いながら、でも目には涙を蓄えながら、「いいんです」と震える声で言ったのだ。 この時の後味の悪さはよく覚えていて、自分がどうしようもなく惨めになって、それで目が覚めた。 夢でよかった、とほっとしたのと、私は最低と思った。 反省の気持ちで青葉ちゃんに話したらドン引きされた。ゆんちゃんは夢と同じように笑ってた…。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月23日 00 00投稿 タイトル:アホ賢いゆんちゃん 休憩中にテレビを見ていたら、ゆんちゃんが急に憤り始めた。 「世の中、腐ってるな」 テレビは政治のよくないニュースをしていた。私は興味0%だった。 政治とか知らないし頭もよくないので何がなにやら、でもゆんちゃんだけ真剣だった。 「腐敗や、腐敗。上が腐っとる、どうしようもないな」 一人で毒づきながら政治の愚痴を語ってた。色々と言っていたが全部、聞き流した。 「もうこの国、いや、世界の人類みなアホや」 最後に行き着いた言葉がそんなのだから私は笑った。「なにわらってるねん」 「だって、みんなアホだったらゆんちゃんもアホだって思ったら面白くて…」 「せやで。私もアホや、ひふみ先輩も青葉ちゃんもコウちゃんもアホなんや」 「じゃあ、誰が賢いの?」「そんなやつおるか。人類みなアホやっていうたやろ」 すかさず突っ込みを入れたのはりんさんだった。 「ゆんちゃん?アホな人間は賢い人間の存在を知覚できないのよ?この意味わかる?」 「うぐぐ…」だって。ぷぷぷって、影でねねちゃんが笑ってた。 りんさんってやっぱり怖いなぁ。私はゆんちゃんを応援したくなった。 「私は…ゆんちゃんは賢い、と思う…」でも、その先の言葉が出てこなかった。 え、とゆんちゃんが少し戸惑っている間に、ゆんちゃんってどこが賢いんだろうと考えていた。 賢いところ、ない。たぶん、私がゆんちゃん以下のアホだからきっとゆんちゃんの賢さを知覚できないんだ。 「そう、りんさんの言う通り…私はゆんちゃんをアホだと思う…それは私がゆんちゃんの賢さを知覚できないから…」 じと目でゆんちゃんが見ていた。なんだか焦った。 「つまり、その…言い換えれば、アホだと思われた人は賢いんだって、そういうこと…私にアホだと思われたゆんちゃんは実は賢い…」 「必死のフォローありがとな。私もひふみ先輩のことアホやと思ってるでー」ゆんちゃんは穏やかな顔つきになった。よかった。 でも、りんさんだけ私たちをひどく冷めた目で見ていた。どれだけ人を見下せばこんな冷たい目になるんだろうと思った。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月24日 00 00投稿 タイトル:色んなものを吐き出すゆんちゃん この日、ゆんちゃんが百貫デブになって会社に出勤してきた。 ダイエットのための健康食品の食べすぎで逆に太ったとのこと。 お腹がぶくぶくとふくれあがっていてフグみたいだった。 「サボテンの針でつついたら破裂しちゃうのかな?」なんて冗談を言ったら本気で睨まれた。 青葉ちゃんもゆんちゃんのタプタプ腹が気になったらしく、私に「もしかして、妊娠ですか…?」と聞いてきた。 そのくらいに太ってたのね。当然、そのお腹は隠しきれるわけもなく、ゆんちゃんはむしろ何か文句ある?と言いたげだった。 コウちゃんがやってきた時は戦慄した。コウちゃんは何の躊躇いもなく「なに、その腹っ!やばっ!!」とゆんちゃんの腹をつついたのだ。 でもゆんちゃんはコウちゃんには怒らず「うう…」と顔を俯かせるだけだった。みんな、どうにかしないとって気持ちになった。 「そうだ、みんなでゆんちゃんのお腹を押し込んでいったら凹むんじゃないか?」とコウちゃんが名案を出した。 なるほどと思って、私と青葉ちゃん、そしてコウちゃんみんなでゆんちゃんのお腹を一生懸命、手で押し込んだ。 ゆんちゃんは苦しそうだったけれど、そのうちに口から色んなものをポコポコと吐き出し始めた。 奇妙な色をした魚、健康食品の数々、積み木のオモチャとか、あと大量のプチトマト…それらが無尽蔵に出てきた。 「なんてものを食べてるんだこいつ…」とコウちゃんが言っていた。ゆんちゃんはいつの間にか気絶していた。 お腹がすっかり元に戻ったころ、ブースの床はゆんちゃんの吐瀉物まみれになっていた。汚くてどうしようもなかった りんさんがやってきたかと思うと「なにここ、くっさ!」と言った後にすぐに走り去っていった。 当の本人はけろりとした様子で起き上がると「あら、お腹が凹んどるわ。なんか知らんけどこないなことがあるんやな」と言った。 そして自身が撒き散らした吐瀉物を気にする様子もなく「さ、仕事仕事」と自分のデスクに戻っていった。 青葉ちゃんとコウちゃんは呆れてたけれど、私にはゆんちゃんがどこか幸せそうな人に見えた。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月25日 03 15投稿 タイトル:ゆんちゃんは腹痛で欠勤だって 仕事がなかったよ。今日は1日中ね、サボテンに生えているトゲの数を数えていた。 いくつあったと思う?私は200個くらいかなと思ってたけど、ぜんぜん違ってたよ。 青葉ちゃんが「え、どのくらいの数があったんですか?」と真顔で聞いてきた。 答えようか迷った。だって調べるのに8時間を費やしたんだもん。簡単に教えたくはなかった。 それにサボテンのトゲを気にするような青葉ちゃんではないことを私は知っていた。 私に話を合わせようとしているだけ。興味もないのに無理やりに聞かれたって嬉しくなんてない。 でも、コウちゃんなら。あるいは興味を示してくれるかもしれない。だから、コウちゃんのところに行った。 コウちゃんはキャラのデッサンに頭を抱えている最中だった。この状況下でサボテンの話題を提供するのは違う。 わきまえた私はサボテンを携えながら、今度はりんさんのところへ行った。 りんさんは私を一瞥すると「そのサボテンはなに?」と詰問口調で言った。 頭にきたので「あなたに投げつけるもの」と言うと「ふざけないで」と怒られた。 しょんぼりして廊下を歩いていたら葉月さんに声をかけれた。 「おやおや、ひふみくんではないか。そのサボテンはいつものかい?」 こくっと私は頷いた。葉月さんは私のサボテンをじろじろと見てきた。 「ふ~ん、いつ見ても立派なサボテンだねぇ」なんて言う。 ドキドキした。サボテンのトゲのことを聞かれるんじゃないかって。 もし聞かれちゃったら答えないといけない、私の8時間の成果…。 嫌だ嫌だと思っているうち、葉月さんは私のサボテンのトゲを一本、手でつまんで抜き取った。 「あっ」と私が言うと「可愛いねぇ」と気色の悪い笑みを浮かべながら葉月さんは去っていった。 聞かれなかった。サボテンのトゲが一本、減っただけ。安心感と、なんだか、心残り…。 そんな日だったよ。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月27日 03 25投稿 タイトル:一人しりとり お風呂で一人しりとりをしてた。 「そうじろう、うばぐるま、まりおねっと、とーてむぽーる…」 る、のところで考えながら身体をゴシゴシしてたらシャボン玉が出来上がった。 未だかつてない大きさだった。ふわふわと昇ったのちにパチンと消えた。 私、なんでこんなのぼーっと見てるんだと思うと、やりきれなくて、湯船を張ったお風呂に飛び込んだ。 すると無数の泡たちが私に語りかけてきた。 『ひふみちゃん、今日もお仕事疲れたね』 『たくさん、頑張ったよね』『青葉ちゃんはどんどん仕事が上達していくよね』 『新入社員の中で一番、コウちゃんに見初められていて、りんちゃんにも期待されているし、 葉月さんだって青葉ちゃんのことを一目置いてたよ』 『若いってこともあるんだろうね、それに才能もある。逸材だよね』 『でも、ひふみちゃんは…もう何年も会社に勤めていて未だに昇進しないね、がんばってるのに哀しいね』 しくしくと泡たちが泣き出した。私もなんだか哀しくて、ぽろぽろと涙がこぼれた。 涙の粒は泡たちの上に落ちて、それらを潰していった。 「アオバンがなんだこのやろー!」って叫んだらやたらに響いて、 私のマンションの壁は薄く、「うるせぇ!」と隣人から壁ドンされた。 ほんと哀しい(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 7月28日 00 20投稿 タイトル:弱肉強食 こんばんはーもう寝ないといけない時間なのに起きてるひふみんだよぉ。 さっきまでお酒(日本酒)飲んでたから身体がふわふわしててワロ ソウジロウに「明日はもーっと楽しくなるよね、そうじろう?」って話しかけたら無視されたし。 なんだ私一人ぼっちじゃんと思ってテレビつけたら壮大なサバンナの特集が放送されてた。 チーターが鹿を追いかけてて、鹿は必死に逃げてた。 追いつかれたら食べられるって本能的に知ってるんだろうね。 私は「鹿がんばれー!」ってテレビに叫んだよ。でも鹿は追いつかれてチーターに食べられちゃった…。 弱肉強食の世界って大変だなぁとしみじみ感じた。 それに比べて、と思ってソウジロウ見たらダンゴムシみたいにまるまって寝ててウケた。 この子は自然の厳しさなんて知らないで幸せに生きていくんだろうね…。 だんだん酔いも冷めてきて明日のために寝ないとって思った。お風呂に入って布団をしいて電気を消した。 真っ暗になった部屋で見えない天井に目を凝らしながらふと、私って幸せなのかな…?と思った。 会社に行けばアオバンもゆんちゃんもコウちゃんもサボテンもいるし楽しい、はず。 楽しいことは幸せなんだ。でも不安になってまたソウジロウに声をかけた。 「きっと幸せだよね…?」 返答はなかった(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 7月29日 00 00投稿 タイトル:ミニサボテン るんるん気分で出社したよ。でも青葉ちゃんがいつもの席にいなかった。 りんさんに聞いたら「なんか風邪みたいね」と関心なさそうに言ってた。 せっかく今日は青葉ちゃんのためにミニサボテンを買ってきたのに、なんだか気落ちしちゃった。 見舞いに行こうと思ったけれど私って青葉ちゃんの家を知らないのよね。というか、みんな知らない。 どこに住んでどこから来ているのか。わかるのは電車の方角だけ。プライベートでは関わりないの。 行き場所のなくなったミニサボテンを、仕方ないからゆんちゃんのデスクの隅っこにそっと置いた。 忍びを意識して置いたつもりだけれどすぐに気づかれた。「サボテンはいらん」だって。酷い。 普通に傷ついた私はその時点で帰りたくなった。ちょうどその時にコウちゃんが通りかかった。 勢いで「帰りたい」と言ったら、聞こえなかったらしく「ん?」と聞き返された。 もう一度、言う勇気はなくて「なんでも…ない」とだけ言ってデスクに戻った。 私、青葉ちゃんがいないとコミュ病が増す。普段「アオバン」とか言って調子に乗ってるけど。 デスクにぽつりと置かれた自分のサボテンを見た。全然、大きくならない。観賞用だからかな? でも入社当時はサボテンが巨大化したり針が四方八方に飛び出してたような記憶がある。 不思議だなぁと思いながら、サボテンをつんつんと突いた。そしたら指先が鋭利な針に触れた。 瞬間、人差し指からブシャー!って滝みたいに血が噴射し始めてウケた。しかも気を失った。 …気がついたら病室。私の指先は包帯でぐるぐる巻きになってた。血はすぐに収まったらしい。 いい匂いがして隣を見るとベットで青葉ちゃんが寝てた。家じゃなくて入院してたんだ。 青葉ちゃんに会えた私はなんだか嬉しくなって一人でニヤけた。しばらく幸せな心地で寝顔を見てた。 後からゆんちゃんが来た。「青葉ちゃんはただの疲労やて」と言いながら、あのミニサボテンを持ってた。 ミニサボテンは青葉ちゃんの隣に置かれた。そんなゆんちゃんの心意気にも嬉しくなった。 ゆんちゃん、サボテンさん、ありがとね。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月30日 01 15投稿 タイトル:大人になった心 パソコンが壊れていた。 電源入れても意味不明なメッセージが出るだけで起動しない。 PCの調子が悪いです、とりんさんに報告したら「私、パソコンの先生じゃないわよ」と言われた。 じゃあどうすればいいのと言いたくなっちゃった…。 でも、りんさんは怖い。真正面から反抗するなんて無理。 だから私はポケットに入れてたプチトマトをりんさんの背中に投げつけてから逃げた。 ぷちってトマトが弾ける音がした。きっとばれないよね、すっきりした。 デスクに戻ったらコウちゃんが私の席に座ってた。パソコンがちゃんと起動していた。 「なんかエラー出てたから再起動しといた。もしおかしくなったら言って」 そう言って立ち去っていたコウちゃん。かっこよくて、胸がドキドキしちゃった。 少し妄想にふけっていると「その惚れ惚れした目、やめい」とゆんちゃんに指摘された。 知らない間にそんな目になってたみたい。私って乙女なのかも。乙女、だよね? やがて復調したアオバンがやってきた。退院してすっかり元気いっぱいになってた。 「青葉、完全復活しました!」とか言ってた。その若さがいっそう眩しく見えた。 いつもなら嫉妬心に駆られるところなのに、最近は心が穏やかになった、何も思わない。 それどころか私は青葉ちゃんに「なんともなくて良かったね」と声をかけていた。 自分でも気づかないうちに心が大人になったのかなぁ。ほんの少しだけ、寂しさを感じた。 表情がたぶん、瞬間だけ哀愁を帯びていたんだ思う。ゆんちゃんがニヤニヤしてるのに気づいた。 ゆんちゃんにとって私は監視対象だから、こんな心の機微だって知れて面白いんだ。 そう思うとなんだかムカムカしてきて、私はプチトマトをゆんちゃんに投げつけちゃった。 「なにすんねん!」と怒ってた。ごめんね。 『堕天使ひふみんのブログ』 7月31日 00 00投稿 タイトル:ネリケシ ネリケシ作りに夢中だった小学生のころ。 消しゴムのカスをダンゴ状にするのに一心で、授業なんて聞いていなかった。 先生はそんな私に「ネリケシとやらに使われる消しゴムがもったいない」と怒った。 何も言い返せなかった。だから無視した。またカスをコネコネしようとしたら消しゴムを取り上げられた。 「あ…」という声だけ出た。先生は消しゴムを手にして黙ったまま教卓へ歩き出した。 教卓についた先生は、私から取ったボロボロの消しゴムをみんなに見せて、こんなことを言い始めた。 「消しゴムは何のためにあると思いますか。誤って紙に書いた字や絵を消すためにあります。 そうしたら消しゴムのカスが出ますね。これは仕方がないことです。消しゴムの性質なんです。 カスをもったいないと思ってかき集めてネリケシにして再利用している子がいれば殊勝だと私は思います。 そんな子を私は褒めます。 でも、ネリケシを作るためだけに何も間違っていない紙に対して削りつづけたらどうですか。 消しゴムは無意味に消費されて利用価値は下がってしまいます。とても、もったいないことです。 世の中には消しゴム一つの金額以下で1日を過ごしている貧しい人たちがごまんといます。 そんなことを皆さんが知らないのは無理はないですけれど、物を無駄にしないようにと私はお願いしたいです」 それから先生はつかつかと私のところへやってきた。さっき私から取った消しゴムを返してきた。 私はなんとなく両手でそれを受け取った。手のひらに乗せられたボロボロの消しゴムが何故か無残に見えた。 …というような事をアハゴンが青葉ちゃんに(エラーのことで)説教している姿を見て思い出した。 あの時の先生の言い回しとイントネーションが、アハゴンとなんか似ているせいかも。 少しだけ懐かしくなって、ゆんちゃんに「消しゴムは大事にしようね」と言ったら、 「今はデジタルツールの時代やん。リアルに消しゴムとかコスパ悪すぎや。せめてフリクションペンやろ」 とリアルに返された(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月03日 00 53投稿 タイトル:過去の片鱗 「あんたのその面、もう二度と見たくないわ」 私の人生で一番、心に残っている強烈な言葉。お母さんに言われた。 それが私に向けたお母さんの、最後の言葉だったと思う。 それ以来、私はお母さんに顔を合わせていない。 一人で東京に出て色んな仕事をしてやっと今の会社にたどり着いた。 それまでは日払いの派遣会社に登録して、その日暮らしの生活を続けていた。 辛くて苦しくて孤独だった。食事は1日に1回のパスタだけ。それも具なし。塩をかけて食べていた。 とにかくお金がなかった。 仕事もこんなオフィスワークじゃなくて、空調もろくに効いてない工場で1日中経ちっぱなしの単純作業。 ベルトコンベアの上で流れ行くお弁当に具材を盛り付けるだけの何の創造性もない気がめいるような仕事だった…。 刑務所にいるのと変わりないねって隣にいた子と一緒に会話をするのが唯一の安らぎだった。 最初こそ楽しげにオシャベリとかしていたけれど、こんな工場で働く仲、その子も決して明るい人生を歩んできてはいなかった。 次第に、愚痴やら人生に対する嘆きやらそんな鬱屈した言葉をお互いに吐き出すようになった。 その人も私も目が虚ろで、お互いに現実逃避をしている感覚があった。その人は急に工場にこなくなった。 私はそれからロボットみたいに身体を動かして何も考えないようにして単純作業に従事した。 そんな日々が長らく続いたせいで、コミュ症はますます酷くなっていった。昔は、もっと明るい性格だったのに。 というような私の過去を今の仕事場で話したことがないから、みんな私がどういう性格なのか、本当のことを知らない。 だから、こうしてふざけたくなる。 「ワタシハ、ヒフミン。ヒトト、ウマク、ハナセナイ。デモ、カツテハ、ニンゲンダッタ。 アカルイ、ジダイモ、アッタ。オモイダスト、カナシイ」 カクカクした動きで言って、みんなに笑ってもらうの…。 『堕天使ひふみんのブログ』 08月02日 00 33投稿 タイトル:メロン 「メロンも身体の一部やで」 ゆんちゃんが意味不明なことを言った。 「ゆん先輩ってリアリストですか?」 それに対する青葉ちゃんの反応も意味不明だった。 「まぁそういうことになるな」とゆんちゃんは得意げだった。 何かがおかしいと思った。今、私だけがまともだって思った。 まともな私はまともなことを言うことにした。 「メロンは果物、人間は動物…だから違う。そして、ゆんちゃんはリアリストじゃない」 「え?なに言うてるの?」 「ひふみ、先輩…?」 二人は目をしばたかせていた。この反応も意味不明。 どうしたらいいのかわからなくなってオロオロした。アセアセした。モジモジした。 身体中から大量の汗が噴きだしてきて服がべたべたになっちゃった。 「うわぁ、すごい汗ですねー!」 青葉ちゃんが興味津々に私のことを見つめてきた。今度はドキドキした。 「…新陳代謝が優れとるな」 羨ましそうなゆんちゃんの顔もあった。わけがわからず、私は怖くなった。 逃げ出したい気持ちを抑えながらも現実と向き合った。 机の上にはメロンが置かれていた。そのメロンには口も顔もついていた。 おかしなメロンは唐突に喋り始めた。 『ひふみちゃんはいつも夢を見ているけれど、夢は永遠に続かないよ。 いつか終わる日がやってくる。それだけは覚えておいて。 じゃないとその時の現実に耐えられなくなっちゃうから』 …こんなことがあったって、コウちゃんに言ったの。 そしたら「ひふみ、大丈夫か?」と心配されちゃった。 でも後ろであのメロンが確かに笑っていた(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月03日 23 12投稿 タイトル:覗けない心 ひふみんだよ…今日、アオバン(青葉ちゃん)に渡した紅茶をこぼされた…。 手が滑って落としたとかならいいんだよ。でも、わざとだった。 無表情でコップを逆さまにして、零れ落ちる紅茶を止める気配がなかったもん。 私が呆気にとられてると、アオバンは満面の笑みで「あ、ごめんなさい」って言った。 このごろ、アオバンの悪魔属性にもほどがある。悪魔というか、これはもうイジメだから…。 泣きそうになった私を、でもアオバンは優しく抱きしめてくれた。 「本当にごめんなさい。悪戯がすぎました…ひふみ先輩、泣かないでください」 「う、う…アオバン酷いよ…酷すぎるよ…」 アオバンの胸でわんわんと泣いた。アオバンがわからない、私はアオバンが好きなのに。 そんな私たちの様子をゆんちゃんは一人で優雅に紅茶をすすりながら見ていた。 落ち着いた頃になんか恥ずかしいところを見られたような気がしてどぎまぎした。 アオバンは変わった様子もなく床にこぼれている紅茶をふき取り始めた。 なんか、私はどうしていいかわからず、棚のサボテンをスケッチすることにした。 普段はPCで描くけれど、なんとなく画用紙に鉛筆を滑らせた。 「へ~けっこううまいやん」 描いているとゆんちゃんに後ろから覗き込まれた。 それも恥ずかしくて顔が熱くなるのを感じた。 「なに照れとるねん、可愛いな自分」 笑いながら言うものだからバカにされたような気も、だけどちょっと嬉しいような気もした。 その時の私はえへへって愛想笑いをした。 出来上がったサボテンのスケッチはアオバンにあげた。 「上手いですね~」って言ってた。 本当にそう思っているのかわからないけれど、それでもいいやって思った(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月05日 01 30投稿 タイトル:酔ってた 「世界の人口はどんどん加速しとる。猛烈な勢いで人間が増えてきてるんや。 いま何人かって、軽く70億はいっとるやろ?70億やで?うちら3人やん。 もし70億人 VS 3人ってなったら、絶対にうちら負けるやん? 青葉ちゃんとひふみ先輩とウチ。これで勝てる方法ってある?いや、マジで。 これ真剣に聞いてるからひふみ先輩、答えてください」 お酒の席でハイになってるゆんちゃんが私に聞いてきた。 けっこう私はシラフだった。本当に白けてゆんちゃんの話を聞いてた。 「負ける、と思う…」 「当たり前や!どうやって勝てっていうねん!うちら、か弱い女子やん。 特に青葉ちゃんなんて小学生よりたぶん弱いし、うちも全然、力ないし。 でもあれやな、ひふみ先輩はサボテンとか投げそうやから意外に強いかも。 もし雨みたいなサボテンが世界中に降ったら世界滅亡やろ。敵なしやん」 「サボテンは雨みたいに降らせないよ…」 「嘘やん!ひふみ先輩が持ってるサボテンってでかくなったり、増殖したりするやん!」 「しない、あれは幻だから」 「幻やないし!うち、この目でみたし!ひふみ先輩ってサボテン食ってたし!!」 私は日本酒を片手に、ゆんちゃんの妄言を際限なく聞いていた。 どこかで鈴虫の鳴き声がして、それはゆんちゃんの声より耳に響いた。 秋を感じさせる鈴虫の鳴き声。「風情だなー」ってコウちゃんが言った。 色んな感傷がある秋は、哀しいことが多すぎて、私には虚しかった。 迫り来る1年の終わり、20代の終わり、来年になると私はオバサンなんだもん…。 「そんな私の気持ちがわかるのっ!!」 気がついたらゆんちゃんに叫んでた。 私もいつのまにか酔ってたみたい(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月06日 01 15投稿 タイトル:みんな可愛い ひふみは知ってる、オッサンってウザい。 満員電車に乗り込んだらゆんちゃん以上のデブ男(オッサン)2人に挟まれた。 汗臭いしべとべとしてるしむさ苦しくて最悪だった。 どっかいけ!って心で念じ続けたけれどデブ男2人は最後まで降車しなかった。 その間、私は地獄を味わい続けた…。あまりに辛くて目を瞑って現実逃避を試みた。 デブ男2人を脳内で青葉ちゃんとコウちゃんに置換しようとしけれど無理だった。 こんなキモクサいオッサン達は、どんな想像力を持ってしても女の子に変換できない。 限界を知った。オッサンはどこまでいってもオッサン。キモいものはキモい。 うざいし、不潔。心でひたすら文句を呟き続けた。言い過ぎたけれどそんな思いだった。 だから、会社についた時は心から安堵した。みんな、オッサンと違って可愛い! コウちゃんも青葉ちゃんも、大好き。ゆんちゃんもそこそこ好き。 りんさんも、怖いけれどまぁ好きな方かな。葉月さんは美人だよねー。 こんな可愛い人たちがいる職場で働けて私は幸せだって実感した。 でも、さっきまでの嫌な汗が残っていたので、トイレに行って水で顔を洗い流した。 久しぶりに自分の顔を鏡で見たらなんか自分も可愛く思えてきた。 "ひふみん”とみんなから呼ばれている私。ひふみんって、可愛い。私って可愛い。 「なに自分の顔見てうっとりしてるねん」 またゆんちゃんがどこからか沸いてきて、冷めるようなことを私に言い出した。 途端に頭が冷静になって、少し恥ずかしかった。ぽっちゃり体形のゆんちゃんよ。 あなたはデブ男のオッサンよりも遥かに可愛い。でも急に出てくるのはやめて。 誰だって人には見られたくない一面があるんだから(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月08日 00 10投稿 タイトル:メランコリー 仕事、疲れた。リーダーとかやってらんない。 アオバンとゆんちゃんは一生懸命、PCに向き合っている。 そんな二人を見ると、なぜかふてくされるような気持ちになった。 若いから情熱があるんだ。29歳の私にはない、溢れるような気概が…。 もうめんどくさくなって私は引き出しから仮眠用のクッションを取り出した。 サボテン柄のそれに顔をうずめてから、思いっきりため息をついた。 すると口元から魂が抜けていって、意識もまた身体の外に出た。 幽体離脱ってやつ。ふわふわと私は宙に浮かんでいた。 (このまま天に召されてもいいや…) 仕事をしている2人を俯瞰して、ぼんやりとそんなことを考えた。 「いいや、あかんわ!!」 急にゆんちゃんが叫んで席を立った。 誰に話しかけてるわけでもなく、パソコンの上にある変なモンスターに言っていた。 「私のデザインはあかん!おわっとる!それに比べて、このモンスターを見てみい!」 「急にどうしたんですか、ゆん先輩…」 困惑する青葉ちゃん。 ゆんちゃんはモンスターを指差した。 「おどろおどろしいやろ!しかも精巧や!こんなのを作らなあかんねん!でもうちにはできへん!」 頭を抱えて真剣に悩んでいた。どんなに追い詰められているんだろう。 青葉ちゃんは「だ、大丈夫ですよ!ゆん先輩のもうまくできてます!」と必死に励ましていた。 その後ろで手をぶらんとして、机に顔を突っ伏した私の姿。すごく惨めに見えた。 (リーダーの私がしっかりしないと…!) そう思った途端に意識を取り戻した。 ただ、言うべき言葉がすぐに出てこなかった。どうしようもなくミニサボテンを手にした。 ゆんちゃんに「こ、これあげる!」と押し付けたら「またサボテン…」と困った顔をされた。 そういえば、過去にゆんちゃんがこっそり私のミニサボテンをゴミ箱に捨てていたのを思い出した。 励ましのつもりだったのに…。今度こそ本気でやるせなくなった。もう寝よ(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月09日 22 06投稿 タイトル:夏季休暇 1 夏季休暇に突入したよー。私が勤める優良企業には夏休みがあるのだ。 それも1ヶ月。もちろん正社員だから給料は出るんだよ。こんな嬉しいことってある? なのにアオバンだけ「仕事ができなくなると暇ですね…」なんて落ち込んでた。 アオバンの人生って仕事?って突っ込みたかったけれどコミュ症の私は口をもごもごさせるだけで終わった。 ゆんちゃんは背伸びをして「思いっきり羽を伸ばすでー」と言っていた。私もそんな風になりたいなぁ。 『堕天使ひふみんのブログ』 08月09日 22 08投稿 タイトル:夏季休暇 2 「ひふみ先輩は休みに何をするんですか?」 いきなりアオバンに聞かれたから面を食らった。 何って、何をするって、そんなプライベートなこと…。 さすがの私もデリカシーのないアオバンに「この…にぶちんめ!」と叱ってやった。目をぱちくりさせてた。 無神経。ゆんちゃんは存分に遊べばいいし、青葉ちゃんはねねって友達がいるでしょ、私には何もない。 自宅に帰ればソウジロウはいるけれど、あいつはハリネズミだし会話はできない。かと言ってネットは見飽きた。 趣味のコスプレだって毎日するものではないし基本的に私の日常はからっぽなの。からっぽの私をバカにしないで。 いつの間にか私ってばイライラしていた。長い休みは嬉しいはずなのに。考えると、アオバンの言う通りかもしれない。 仕事をしていると仕事の事しか考えないからいいけれど、休みになると自分のことを考えるようになるから嫌だ。 ダメだ私。ダメだよ。サボテンを手にしたらダメ。これを2人に投げつけちゃう。どうしよう、手が止まらない。 「あ…あ…」 手先が自分の意思とは無関係に動き始めて、まさにゆんちゃんとアオバンに向かってサボテンを投げようとしていた。 光景がスローモーションになり、頭の中にいる理性的な私が語りかけてきた。 (こんなことをして何の意味があるの。怒らせるだけ、嫌われるだけ) そうだよね、一時の感情に身を任せてうまくいったことなんてないよね…。 (でも!)と感情的な私が叫んだ。 (そうやって我慢するからストレスが溜まるの!投げちゃえばいい!後のことなんて知らない!!) 決めた。私、投げる。投げちゃう。だって後に出てきたのが感情的な私だもん。仕方ないもん。 「うわああああああ」 私は大量のサボテンを青葉ちゃんとゆんちゃんになげつけた。 2人はサボテンまみれになった。ウケた(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月10日 00 06投稿 タイトル:杞憂 昨日、そんなことがあったので出社する時が不安だった。 挨拶をしても無視をされたらどうしようとばかり考えていた。 なにせサボテンを投げつけたんだ。嫌われてしまっても不思議じゃない。 でも嫌われたら職場で私の居場所はなくなってしまう。 リーダーになったばかりなのに、私はどんな顔して会社に行けばいいのだろう。 胸が苦しくてたまらなかった。はぁはぁって過呼吸みたいになった。 朝になったら昨日の感情なんて全てリセットされてしまうから、 一時の感情にまかせてサボテンを投げつけてしまった私の行動が取り返しのつかないように思えた。 いつも後悔するくせに私は学習しないんだ。やっぱり私はダメなんだよ。 もし嫌われてたら会社を辞めようと思った。 そして以前みたいに派遣の工場で誰とも関わらずに働くんだ…。 絶望にくれた私はゾンビみたいな顔をしていたんだと思う。 出社したらコウちゃんに「ぎょっ!?」って驚かれた。 もうどうにでもなれって気分。素通りして2人がいるところに向かった。 2人は早くも仕事に取り掛かっていた。私が来たことに気がついていない。 すぅと息をすってから、大きめの声で「おはよう!」って言った。かなりの勇気。 「あ、おはようございます」と青葉ちゃん。「おはようさん」とゆんちゃん。 普通だった。拍子抜けした。全然、怒ってなかった。良かったと胸をなで下ろした。 大海のように広い心を持った2人に乾杯(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月11日 00 00投稿 タイトル:人類の母 「れんたん♪れんたん♪」 青葉ちゃんがやばい鼻歌ならしててウケた。 笑いを堪えながら、もしかして練炭持ってるの?って聞いたら無視された。 瞬時に頭が真っ白になった。あの青葉ちゃんが私を無視するなんて。 嫌われたのか見下されてるのか知らないけれど、すごく落ち込んだ。 いよいよ青葉ちゃんもか…って感じ。 ゆんちゃんはとっくの前から私をなめてたけれど、 まさか後輩である2人ともから軽んじられるなんて滑稽な私。 哀しくて涙がこぼれそうになったけれどぐっとこらえた。 やり場のない哀しみを、私はサボテンのトゲを引っこ抜くことで忘れようとした。 ひたすらトゲを抜いていたらブースがトゲだらけになった。 なんか、おもろい。こんな床をどうしたら歩けるのかな。 「いたっ!」 さっそくトゲを踏んだらしくゆんちゃんが痛がってた。 仕方なくポシェットから絆創膏を取り出してゆんちゃんに渡した。 すると「あのさぁ…自分がしてること、どう思うん?」って睨まれた。 明らかに人を見下す目をしていたので私は感情を抑え切れなかった。 「そんなの、知らないし!」 子供みたいな逆ギレしちゃった。今度は、はぁ…とため息混じりに呆れられた。 我慢していたけれど涙が溢れ出てしまった。なにしてんだろ私。 そのまま一人でしばらく泣きながらトゲを抜いていた。 「ひふみ先輩、もうやめよう?」 気がついたら青葉ちゃんに後ろから抱きしめられていた。 とても心地の良い香りがした。哀しみが消え、すべてを忘れさせてくれるような。 涙は止まった。2人とも許せた。だから「ごめん」って謝った。 まさにマダム。青葉ちゃんは人類の母やで(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月12日 00 00投稿 タイトル:キュウリ畑 「あのキュウリが狙い目や」 畑には大量のキュウリがたわわに実っていた。 ゆんちゃんと私はカカシに隠れて、それらのキュウリに狙いを定めていた。 日が落ちてあたりは一面、闇の世界。 いま、私たちがしようとしていることは畑泥棒…。 マジで飢え死にする30分前だから仕方のないことだった。 人の気配が消えて、ゆんちゃんがGOサインを出した。 私は頷いて、全速力でゆんちゃんと一緒に畑を駆けた。 「やったるで…!」 罪悪感を心から払拭し、手当たり次第にキュウリをもぎ取っていった。 それらを持参した風呂敷の上にどんどん積み重ねていく。ゆんちゃんも頑張ってた。 とにかく夏で、夜なのに暑かった。 汗がだらだらと額から伝い落ちてきて、着ているシャツや風呂敷やらに染みを作った。 ひとしきりキュウリをかき集めたころ、ゆんちゃんは「もうええやろ」と言った。 風呂敷の上に積載されたキュウリたち。私とゆんちゃんはお互いに顔を見合わせた。 揺らぎのないゆんちゃんの瞳を見て私も心を固めた。もう後には引き返せないんだ。 大きな風呂敷でキュウリを包み込んでから両手で持ち上げた。重くて、身体がよろめいた。 ここで倒れるわけにもいかないので最後の気合で足に力を込めた。後は逃げるだけ。 「西の方向にいくで…!」「うん」 疾走するゆんちゃんを追って、私たちは日が昇るまで走り続けた。 …こんな夢を見たのって皆に話したら「頭の中、キュウリ畑やな」って言われた(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月14日 01 44投稿 タイトル:パジャマ デパートですごいの売ってた。サボテン柄のパジャマ。 こんなの絶対ほしいじゃんと思って値札を見ると5000円だった。 所持金は2300円くらい。無理だった。ふざけるなと怒りがわいてきた。 サボテン柄のパジャマなんて私しか買わないんだから、堂々とした値段をつけるなって思った。 店員と交渉して値下げを試みたけれど「いくらなんでもそこまで安く出来ないですよ」と断られた。 諦めて無地のパジャマ(別の店で1000円で売ってた激安のやつ)を買って家に帰った。 家に帰った後もさっきのサボテン柄のパジャマが頭にちらついて、ずっとイガイガしていた。 どうしたって無地じゃなくサボテン柄のパジャマが欲しくて、私は手でアルミ缶を握りつぶした。 青葉ちゃんに電話で相談したら『じゃあその無地のパジャマにサボテンの絵を描いたらどうですか?』 と名案が飛び出してきたのでさすがアオバンだと私は感心した。『ありがとう』と心の底から感謝した。 さっそく無地のパジャマにサボテンの絵を描きこむ作業を開始した。 繊維の生地に絵を描くのは至難だった。でも頑張った甲斐があった。 一晩かけてようやく描き終えたそのパジャマは本物に引けをとらない出来だった。私って頑張れば出来る。 嬉しくてその日はそのパジャマを来て会社に出勤した。 ゆんちゃんには「ださいなー」と言われたけれど、アオバンには「うわぁ、よく出来てますねー」と褒められた。 まんざらでもなかったよ。でも儚かった。パジャマにはうっかり水性ペンでサボテンを描き込んでいたの。 洗濯したら無地のパジャマに戻って哀しかった(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月15日 01 14投稿 タイトル:噂のぞいポーズ 私、ひふみん。今日は疲れていた。 お昼休みになっても食欲が出なくてお弁当の包みを開けられずにいた。 青葉ちゃんは一人でバクバクとサンドウィッチに食らいついてた。 どこからそんな元気が出てくるんだろうと考えたら羨ましくなって、 ため息ついでに「会社って辛いよね」と愚痴がこぼれてしまった。 こんなことを言う私じゃないのに。どう取り繕うか考えているうち、 「なんてことないですよ!」と噂のぞいポーズを見せつけられた。 眩しかった。腹が立った。だから、自分のお弁当をひっくり返した。 卵焼きしか入っていない私のお弁当箱はたいして散らからなかった。 「ひふみ先輩、このお弁当は何ですか…」 床にこぼれていく卵焼きを見ながら、さすがのアオバンも引いてた。 「卵焼き弁当、だよ。卵焼きしか入ってない、でも栄養たっぷりだから」 「そう、ですか…」 青葉ちゃんが反応に困っていて笑っちゃった。ほんと面白かった。 さっきまでの落ち込みがなくなって私は急に踊りだしたくなった。 「青葉ちゃん、見てて!」 ハイになった私は机の上に乗って、サボテンダンスを披露した。 身体中にサボテンを纏って、くるくる回りながらトゲを射出するんだ。 トゲはあらゆるところに突き刺さった。魔法だなぁって自分で感心した。 「こんなパフォーマンス、みたことないです!」 と青葉ちゃんは目を輝かせていた。その瞳に偽りがないことを確信。 まだまだ私だって現役なんだよって言えた気がした…! 『堕天使ひふみんのブログ』 08月24日 23 17投稿 タイトル:影うす 最近、社内で影の薄いひふみんだよ…。 出社しても「おはよう」と声をかけてくれる人がいないの。 というか私が来ても、みんな気がついてないみたい。 黙って席について仕事してたら「あ、ひふみ先輩いたんですね」 とお昼休みになってアオバンに言われた時はショックだった。 ゆんちゃんに至っては「ひふみ先輩は忍びの才能があるんちゃう」とか言う始末。 そして2人してくすくすと笑ってた。すごく惨めな気持ちになった…。 午後からは仕事をする気をなくして、ひたすらサボテンをいじることにした。 トゲトゲを指でつんつんしてたら指先から血がたくさん出てきた。 それが面白くて、仕事をしているアオバンに指先を見せた。 「みてみて、指から血が出たんだよ」 「そうですか…」 アオバンは笑わなかった。冷たい目をしていた。びびった。 怖くてゆんちゃんにしがみつこうとしたら、力いっぱいに振り払われた。 「なにするねん!」って睨みつけられた。 何もしないのに、ただ、怖かっただけなのに…。 行き場をなくして私は悲しみに暮れた。一人、デスクで涙をこぼした。 ずっと泣いてたら夜になって、いつの間にかみんなは帰っていた。 オフィス内は暗くてパソコンの明かりだけだった。 寂しくて私はサボテンに話しかけた。 「明日は、きっと楽しくなるよね?サボテン…」 当然、返事はなかった…(´;ω;`) 『堕天使ひふみんのブログ』 08月25日 23 10投稿 タイトル:三十路を手前にして ひふみ、29歳。もうすぐ三十路。 誰かが30代になったら立派なオバサンだって言ってた。 私もそう思っていたし、オバサンになることも受け入れるつもりだった。 でも30を手前にして心境が変わった。 振り返れば私の価値は若さと可愛さだけだった。 そのどちらもなくしてしまえば、私には何が残るのだろう。 コミュ症だって今までは若さと可愛さで周りに許してもらえていたのに、 オバサンのコミュ症なんかに、いったい誰が優しいまなざしを向けるのか。 考えるだけで、猛烈な若さへの嫉妬と老いの恐怖が私を苛めた。 オバサンになれば自分の価値がどん底にまで落ちることは明白だった。 ねねっちという“若さ”が入社してきた。 そして、青葉という”若さ”が躍進している。 既に私の居場所は追いやられつつあるんだ。 その事に気がつくと手のひらは粘つくほど汗ばんでいた。 …葉月さん、あなたは一体どういう気持ちで会社に通っているの? 『堕天使ひふみんのブログ』 08月27日 01 18投稿 タイトル:夢の中の夢の夢 今朝、寝起きの身体がいつもよりだるかった。 おかしいと思って体温を測ったら38℃もあった。 たぶん風邪。会社に電話をするとりんさんが出た。 コウちゃんじゃなくてりんさん、胃が痛くなった。 熱が出たので休みますと告げたら淡白な声が返ってきた。 「そう、お大事に」 それだけ。しかもガチャ切りされた。 私がどんなに不快な思いをしたのか、りんさんはきっと知らない。 …お布団に戻って寝転がると、天井がぐるぐると回り始めた。 遊園地にあるコーヒーカップに乗っているみたいで少しだけ酔った。 目を閉じても三半規管が揺らされている感覚があって気分が悪かった。 うなされているうちに私は眠ったんだと思う。夢を見た。 青葉ちゃんとサボテンを買いに、ホームセンターへ行く夢。 ホームセンターには色んな大きさのサボテンが並んでいた。 小さいのが好きだと青葉ちゃん。私は大きいのが欲しかった。 だから間の大きさのサボテンを選ぼうと2人で探した。 でもなかなか見つからなかった。店員に聞いても「知らん」と言われた。 適当な大きさのサボテンはどこにあるのか、コウちゃんに電話で聞いた。 『サボテンなんかない、こっちに戻ってこい』 その声は鐘みたいに頭に響いて、私はその痛みで目が覚めた。 朝で、熱なんてなかった。時刻もいつも通り。夢だったんだと安堵した。 出社すると先に青葉ちゃんがいた。「夢の中で夢を見たよ」と話しかけたら、 笑いながら「今も夢の中なんですよ」と言うものだから私はぞっとしたんだ。 『堕天使ひふみんのブログ』 09月03日 00 26投稿 タイトル:お茶会 ゆんちゃんが定期的に開催する真昼間のお茶会という名のサボり。 他の皆が見てみぬふりをするその空間に私もいつしか馴染んでいた。 そこで交わされる会話のぬるさに、ジャスミンティーの効果も相まって、 私はくらくらするほど眠くなっていた。みんなの声が遠くに聞こえた。 特製のクッキーがどうとかゆんちゃんが誇らしげに言っていて、 それに追従するように「すごくおいしですぅ!」とか媚びた青葉ちゃんの声。 バカじゃないのと心の中で毒づいて私ってひねくれてるかなぁとか思った。 でも、こうして聞いていると誰も本心でなんか話してないように感じた。 みんな上っ面の会話を取り繕うことに必死で、心の声を押さえ込んでいるんだ。 確かめるために、目を閉じながら青葉ちゃんとゆんちゃんの会話に耳を傾けた。 『あれ、ひふみ先輩寝ちゃいましたね』 『まぁ疲れてたんやろ。昨日は徹夜で仕事がんばってたみたいやし』 『へぇそうなんですか。何か溜まってる仕事でもあったんですかね?』 『リーダーやからみんなの進行管理とかスケジュール調整とかしてるんちゃう?』 『ああ、事務的な…』 『せや、創造性なんて1ミリ足りともない仕事や、それがひふみ先輩の役割』 『ちょ、ひふみ先輩が聞いてたら怒りますよ!』 『でも実際そうやからなー青葉ちゃんもそう思っとるんちゃう?』 『そんなこと、思って…る…かも』 『なに笑っとるねん』『もー笑わせたのはゆん先輩ですよー』 『リーダーではりきってるひふみ先輩ウケるわ』『一人だけ年齢いってますからねー』 …めちゃくちゃ本心の会話だった(´・ω・`) 『堕天使ひふみんのブログ』 09月03日 23 51投稿 タイトル:残暑 9月なのに今日はムンムン…激、暑い日。 会社に行ったらエアコンが壊れていて大変だった。 みんな汗をかきながら扇風機だけで業務をこなしていた。 私は暑さには強いから気にならなかったけれど、ゆんちゃんがかなり怒ってた。 「なんでこんな状況で仕事せなあかんねん!常識でおかしいやろ!常識で!」 葉月さん相手にどなっていて、ちょっと怖かった。アオバンもびびってた。 対して葉月さんは冷静だった。 「とは言ってもね、いま遅れが出るのはまずいんだよ。1日だけだ、我慢してくれないか」 「我慢できへんわ!うち長袖ですよ!?こんなの熱中症になっちゃいますやん!!」 「ドリンクを定期的に摂取すれば大丈夫だ。それに扇風機もある。長袖はめくればいい」 「うちは長袖にこだわりがあるんや!いかなる状況でも前腕は晒してたまるか!」 ぷんすかしながらゆんちゃんが戻ってきた。汗で顔中がてかっていてウケた。 どしんと椅子に腰を下ろすと「あっつ~」と言いながら扇子を仰ぎ始めた。 その様子を見たアオバンが気を利かせて、扇風機をゆんちゃんに向けた。 「ありがとうな~うち暑がりやから」 だったら暑い格好なんてしなければいいのにと思ったけれど言わなかった。 人には色んな事情があるもんね。長袖にこだわる理由を私はあえて聞かない。 そんな気遣いも知らずにゆんちゃんは私の服装をマジマジと見てきて、 「涼しげなオフショルダーやな~さすがファッションリーダーや」 からかいにも聞こえる口調でそんなことを言った。ムカってきた。 「ですねーいつもひふみ先輩っておしゃれで憧れます」 アオバンは本当にそう思ってそうで許せた。危うくサボテンを投げつけるとこだった。 しばらくして「…でもな」とゆんちゃんはどこか自信のなさげな声で言った。 「このブースにもっと涼しげな格好をした子がおらんかったっけ?」 私も青葉ちゃんも何も答えられずにいた。遠い夏の日のことは忘れたんだ。 いたような気がするし、気のせいだったような気もする。どうでもよく思えた。 ただ、開け放った窓からセミのけたたましい鳴き声だけが耳にうるさく、嫌になった…。 『堕天使ひふみんのブログ』 09月06日 00 26投稿 タイトル:ゆんちゃんのこと ゆんちゃんは利口そうで実は抜けているところがあって可愛い。 この前、3kgの減量に成功したとか言って喜んでた。 タプタプのお腹も少しは引き締まったんだって。 ダイエット方法を聞いたら「夜食を抜くこと!」と胸を張ってた。 今まで夜食に手を出していたことからして普通じゃないと思った。 聞くところによると毎晩、ポテチ一袋とメロンパンを食べてたらしい。 りんさんは「そんなの太って当然よ」と厳しいコメントをしてた。 うんうんってコウちゃんも頷いてた。私も頷いたし、青葉ちゃんは苦笑いをしてた。 みんな気を遣って言わなかったけれど、ゆんちゃんの食欲は人並みはずれてる。 以前、駅前のドーナツをみんなが差し入れに買ってきてすごい量になったことがあった。 「どうするのこれ」とりんさんが言うと、その時のゆんちゃんは自制心がまるでなくて、 「うちが全部食べます!」と手を上げて宣言をした。みんな目を丸くしてた。 その後、本当に一人で食べつくして「うまかったぁ」と丸いお腹をさすりながらゲップしてた。 完全に百貫デブじゃんとコウちゃんが呟いていたのが印象的だった。 そんなころに比べたら今はだいぶマシなのかなぁって思う。 持参してくるおやつ(クッキー)の量は減ったし、紅茶に注ぐ砂糖も4袋から2袋に減ってた。 相変わらず重量感だけはあるけれど、まだまだダイエットは頑張るらしいよ。 次の目標は常飲しているコーラをダイエットコーラに切り替えることだって、ワロ。 『堕天使ひふみんのブログ』 09月09日 23 50投稿 タイトル:反逆の青葉 仕事中の出来事…。 みんなの進捗状況を聞けずに私はおろおろしていた。 すると青葉ちゃんがそっとやってきてこう言った。 「ひふみ先輩ってかなり、どんくさいですね」 「え?」 冗談かと思ったけれど顔が笑ってなかった。 「全体的に動作が鈍いというか、見ていてめんどくさいというか。 どうしてもっと、はっきりと生きないんですか?」 「ご、ごめん…」 「謝らないでください。別に責めているわけじゃないんです。 ただどうしてかなと思って気になっただけですから」 「わ、わたしって臆病だから思ってること口にできなかったり、 口にする前に色んなことを頭で考えてしまったり、 それで、人とどう接していいのかわからなくて、ぎくしゃくしてしまうの…」 「あ、自分のことを喋る時だけは饒舌ですね。もしかして興味対象は自分だけですか? 他人と喋れないのは他人に関心がないからですよね。でも自分だけは大好きなんですよねー」 「違う…!そんなのじゃ、ないよ…」 「じゃあどういうのですか?どういう理由で進捗状況ぐらい同僚に聞けないんですか?」 社内社外共に評判上々の青葉ちゃんがいよいよ私に牙を向いた。 人は自分の地位が上がると、こうも他人を見下せるんだ…。私は恐ろしくなった。 黙り込んでると青葉ちゃんはやれやれといった様子でため息をついた。 瞬間的にイラッとした私は青葉ちゃんの耳元でこう言ってやった。 「でも青葉ちゃんって、口、臭いよね」 「!?」 効果てき面。歪んだ青葉ちゃんの顔を見てすっきりした☆ 『堕天使ひふみんのブログ』 09月09日 00 46投稿 タイトル:ゴミ屋敷 部屋がゴミ屋敷になっちゃった。 捨てるのがめんどくさくて、いや、汚くてゴミに触れられなかった。 気がついたら溜まりに溜まって、取り返しのつかない汚部屋に変貌してた。 うげぇと帰るたびに散乱するペットボトルやお菓子の袋などに気持ち悪くなる。 どうしちゃったんだろうと私って、ふと我に返ることはあったけれど現実は見ないようにした。 ソウジロウのゲージと、ベットの上だけは綺麗にしているから、そこだけが安らぎだった。 家に帰るとゴミに囲まれながらゴミの上にカップめんを乗せてゴミのような味のカップめんを啜る。 お腹を満たすためだけのもので本当に不味かった。でも、料理を作る気力なんてなかった。 「私っていつもこうだよね、どうしたらいいの、ソウジロウ…」 ソウジロウはゲージ内で、バカみたいにクルクルと歯車を回しながら走っていた。 ハリネズミはのん気でいいものだなぁって思った。 食べ終わったカップめんをゴミの山に投げ捨ててお風呂に入った。 お風呂に入った後はなるべくゴミに触れないようにしてベットにダイブした。 ようやく落ち着いたような気になる。ソウジロウはまだ歯車を回していた。変に虚しい。 もう12時を過ぎていた。寝ないといけない。寝たら明日なんだ、明日はどんな日だろう。 ぼんやり明日のことを考えても特別、新鮮なことは思い浮かばなかった。 私はいつも通り会社でみんなの進行管理とか雑務やらに従事するんだろうね。 つまらないと、一人でぼやいた。聞く人はいない。カラカラと歯車の音だけが聞こえる。 みんな、ゴミだらけになった私の部屋を見たらびっくりするんだろうなぁと思った。 『堕天使ひふみんのブログ』 09月14日 01 20投稿 タイトル:心移り なんか最近、お昼休みに誰からも誘われなくなった。 青葉ちゃんは新入社員のももちゃんに夢中で私への関心を失っているし、 みんなと席が離れたことで、ただでさえ存在感が薄かった私は空気になった。 一人って寂しい。以前までそんなことは思わなかったのにそう感じるようになった。 今日なんて酷かったよ。 ももちゃんとのスキンシップのため、私はデブ猫を抱えてみんなのブースに行った。 このデブ猫を紹介したら少しは距離も縮まると思ったんだ。でも、誰もいなかったからね。 「今日はこの会社の主を紹介するね!」と声を張り上げた私がバカみたいだった。 しーんとしたブースに私とデブ猫だけで、デブ猫は私をからかうように「にゃぁ~」って鳴いてた。 ももちゃんはみんなに誘われて食堂に行ってたんだってさ。 そうだよね、アラサーでコミュ症の私にいつまでも構ってくれるみんなじゃないよね。 別にいいんだと自分に言い聞かせた後、コンビニでサラダを買って一人で食べた。 シャキシャキのレタスをシャキシャキさせてるとコウちゃんが前に座ってきた。 「ひふみちゃん、元気?」 口の中に大量のレタスが含まれていたから何も喋れず、私はただ頷いた。 「そっか、良かった」とコーヒー牛乳のフタを開けながらコウちゃんは言った。 妙に気まずいというか、2人でいるところをりんさんに見られたらどうしようと不安だった。 でもコウちゃんが話しかけてきてくれたことは嬉しかった。 私は最後まで残しておいたサラダのプチトマトをコウちゃんにあげた。 「お、サンキュー」と言って食べてくれた。 コーヒー牛乳とプチトマトは合わないなって笑ってた。 胸がきゅっと締まるような感覚が走って、私は自分の心がコウちゃんに移っていくのを感じた…。 『堕天使ひふみんのブログ』 09月21日 23 30投稿 タイトル:ひふみの怒り 今日は1日中、仕事をしているフリをした。 フリをしすぎて本当に仕事をしているんじゃないかと自分で錯覚するほどだった。 することなかったの。何も仕事を与えられなかった。 何かの間違いだと思って葉月さんに聞いたら「何も間違ってないよ」と言われてショック。 ひたすらCGのサボテンを無意味に大量生産して1日が終わった…。 「私って会社に来ている意味あるのかな…」 就業時、ぼそっと呟いてしまって、みんなを固まらせた。 やばいと思ったけれどもう遅かった。私の顔にみんな注目してた。 額から滝汗がひっきりなしに出てきて、足元に水溜りを作り始めた。 「うわ、ひふみ先輩の洪水や!はよふかんと!」 ゆんちゃんがどこからか雑巾を持ってきて床を吹き始めた。 でも汗は止まらなくて、ゆんちゃんを困らせた。 「どんだけ出るねん!脱水症状なるで!」 何の私、いったいどうなってるの。自分のことがよくわからなかった。 頭に浮かんできたのはサボテン。 そういえば、サボテンは中に大量の水分を含んでいるんだ。 私ってもしかするとサボテンなのかな? 考えてたら一人でにやにやしてたみたい。 「きもちわるっ!」とゆんちゃんに雑巾を投げつけられた。 酷くない?鶏冠にきた私はみんなに「帰ってよ!」と叫んだ。 みんな、あっさりと帰っていった。 私は一人で水浸しになった床の掃除をした…。 『堕天使ひふみんのブログ』 09月22日 23 55投稿 タイトル:終わり 私はひふみんという。仕事をしている。 仕事をしないと生きていけない。なぜなら食べ物を買えないから。 屋根のあるところに住むのにもお金がかかる。 仕方がないんだと自分を納得させて今日も出勤。 無理やり作った擬似笑顔でみんなに「おはよう」と挨拶すると、 「おはようございます!」と、いつも一人だけ張り上げた声が返ってくる。 こんな辛い職場で本当の笑顔を振りまいている子、名を青葉ちゃんという。 彼女は入社当初から眩しかった。きらきらのオーラをまとっていた。 そんなの最初だけだろう、仕事に疲れて次第にくすんでいくんだって、 勝手にそう思っていたけれど、彼女は日に日に輝きを増していった。 今では会社の太陽みたいな存在になってみんなに慕われている。 どうしてこんな前向きに生きていけるんだろうって何度も考えた。 でも根暗な私は青葉ちゃんの気持ちを理解できなかった。 …青葉ちゃん、ゆんちゃん、コウちゃん、りんさん(ちゃん)。 周りにいる人たちは、けっこう頑張ってる。私は頑張っていない。 だってこんな暗いことを常に考えているんだもの。 今も仕事をしているように見せかけて、消しゴムのカスをぐにゅぐにゅしてるだけ。 「こういうのが一番、落ち着くんだよね…」 みんなと席が離れちゃってからサボり癖がついてしまった。 張り合う子がいないのが原因。私のせいじゃない。一人で言い訳してた。 「ひふみ先輩、一緒にご飯食べませんか」 お昼休み、いつぞやの青葉ちゃんが私を誘ってきた。 なんだか久しぶりのような気がした。一瞬、戸惑ったけれどついていった。 食堂にはみんなが集まっていて、楽しそうに雑談をしていた。 何か私も話そうかなと思ったけれど言葉が出てこなかった。 まぁいいやと思ってみんなの声に耳を傾けながらお弁当をつついた。 そういえば、私はいつもそうだったなぁと思い返した。 この職場で、ずっと変わらない私。でも、時間は経っていく。 …もうすぐ、私は30になる。 だから、今日でブログは終わり。 みんな、ばいばい。